JP6934668B2 - 落雷抑制型避雷器及び落雷抑制型避雷装置 - Google Patents

落雷抑制型避雷器及び落雷抑制型避雷装置 Download PDF

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Description

本発明は、落雷を抑制することで、雷害から建築物や設備機器等の被保護体を保護するための、落雷抑制型避雷器及び落雷抑制型避雷装置に関するものである。
落雷は大気中で起こる放電現象であり、雷放電には雲内放電、雲間放電、雲―大地間放電等がある。雷放電で大きな被害を出すのは雲―大地間放電(以下落雷)である。落雷は雷雲(雲底)と大地または大地等に建設された構造物との間の電界強度が非常に大きくなり、その電荷が飽和状態となって大気の絶縁を破壊したときに発生する現象である。
落雷の現象を詳細に観察すると、夏季に起こる一般的な落雷(夏季雷)の場合、雷雲が成熟すると雷雲からステップトリーダが大気の放電しやすいところを選びながら大地に近づいてくる。
ステップトリーダが大地とある程度の距離になると大地または建築物(避雷針)、木などからステップトリーダに向かって、微弱電流の上向きストリーマ(お迎え放電)が伸びてくる。
このストリーマとステップトリーダが結合すると、その経路を通って、雷雲と大地間に大電流(帰還電流)が流れる。これが落雷現象である。
このような落雷現象に対し、従来の雷保護概念では、落雷は防止できないものとの観点から、落雷を突針型避雷針(フランクリンロッド)に受けて大地に流す方式が大半であった。
これに対し、本発明者等は、落雷の発生を極力抑制することによって被保護体を保護すべく、特許文献1に示される落雷抑制型避雷装置を提案した。
この落雷抑制型避雷装置は、絶縁体を挟んで配置される上部電極体及び下部電極体を有し、下部電極体のみを接地して構成したものである。
そして、たとえばマイナス電荷が雲底に分布した雷雲が近づくと、それとは逆の電荷(プラス電荷)が大地の表面に分布し、接地されている下部電極体にもプラス電荷が集まる。
すると、絶縁体を介して配置されている上部電極体は、コンデンサの作用でマイナス電荷を帯びることとなる。
この作用により、避雷装置とその周辺における上向きストリーマの発生を起こりにくくして落雷の発生を抑制するようにしている。
特許第5839331号公報
前述した本発明者等による先の提案によって、避雷装置を中心とした円状の保護領域において落雷を抑制できるようになった。
しかしながら、先の提案においては、避雷装置の下部構成体である下部電極体に、プラス電荷の領域が形成されることから、落雷のエネルギーによっては、前記下部電極体への落雷が想定されることから、前述したプラス電荷の領域を極力狭くする必要があるとの知見に至った。その際、電極体の保持構造についての対策も必要であるとの知見に至った。
本発明は、前述した知見に基づいてなされたもので、内部に空洞を有する外側電極体と、空洞内に配置される内側電極体と、外側電極体と内側電極体とを絶縁する電気絶縁体と、内側電極体を支持する支持体と、を備え、電気絶縁体は、内側電極体と外側電極体とを所定の間隔に保持する保持部材を含み、この保持部材に外側電極体を支持する支持部分を設けたことを特徴としている。
このような構成とすることにより、内側電極体のほぼ全体を外側電極体で包み込む形態で覆うようにして、その外側電極体が電気絶縁状態で配置される。さらに、電気絶縁体は、内側電極体と外側電極体とを所定の間隔に保持する保持部材を含み、この保持部材に外側電極体を支持する支持部分を設けているので、外側電極体もしっかりと支持することができる。これにより、内側電極体及び外側電極体の両方を、所定の間隔を保持した状態で強固に支持することができる。
そして、内側電極体を接地した状態において、マイナス電荷が雲底に分布した雷雲が近づくと、それとは逆の電荷(プラス電荷)が大地の表面に分布し、この大地に接地された内側電極体にもプラス電荷が集まるようになる。
すると、内側電極体に電気絶縁体を介して絶縁されている外側電極体は、コンデンサの作用でマイナス電荷を帯びる。
この作用により、外側電極体とその周辺における上向きストリーマの発生を起こりにくくし、落雷の発生を抑制することができる。
本発明では、内部に空洞を有する外側電極体を用い、この空洞内に内側電極体を配置する構成を採用しているので、外側電極体で内側電極体を包み込むような構造とすることが可能になる。これにより、外側電極体の周りの殆どがマイナス電荷で覆われることとなる。
したがって、避雷装置におけるプラス電荷の領域が極めて小さく抑えられ、雷雲接近時における上向きストリーマの発生を効果的に抑制することができる。この結果、落雷抑制効果を高めることができる。
本発明の好ましい形態として、前記外側電極体に、その内外に連通する貫通孔が形成され、この貫通孔内に、前記支持体が外側電極体に対し電気絶縁状態で挿通される。
この構成により、内側電極体を外側電極体に対して絶縁状態に保持しながら、支持体を介して内側電極体のみを接地することが可能になる。
本発明では、前記外側電極体に、貫通孔の周囲から突出する突出部が設けられ、前記支持部分は突出部を支持する構成とすることが好ましい。
このように、支持部分によって突出部を支持することで、外側電極体の支持を確実にすることができる。
本発明の好ましい形態として、前記突出部は、貫通孔の内壁面を形成する筒状に形成され、前記支持部分には、突出部が嵌まり込む環状溝が設けられる。
このような構成によれば、外側電極体の筒状の突出部が保持部材の環状溝に対して嵌まり込むので、外側電極体と保持部材とを確実に結合させることができる。その際、相互の結合に接着材を用いた場合、両面接着の形態となるので、結合力を更に高めることができる。さらに、筒状の突出部が環状溝に対して嵌まり込むので、筒状の突出部の内外面が絶縁体である保持部材によって被覆される。これにより、絶縁機能が高められる。
本発明において、前記外側電極体は、その外面形状を略球状に形成することが望ましい。
外側電極体の外面形状を略球状にすることで、角部分や突起部分を無くすことができる上に、球状の美しい外形とすることができる。
本発明では、前記内側電極体を略球状又は球殻状に形成することが望ましい。
このように、内側電極体を略球状又は球殻状に形成することで、接地される内側電極体を空洞内に収容し包み込む形態で覆うようにして、外側電極体を電気絶縁状態で配置することができる。
本発明では、前記内側電極体を略球状又は球殻状に形成し、外側電極体を球殻状に形成することが望ましい。
このように構成した場合、外側電極体には内部に大きな球状の空洞が形成されるので、接地される略球状又は球殻状の内側電極体全体を包み込む形態で覆うようにして、球殻状の外側電極体を電気絶縁状態で配置することができる。
本発明では、避雷装置の回りの殆どがマイナス電荷で覆われる機能を高めるために、前記外側電極体を、前記内側電極体の外面形状と相似形をなす球殻状に形成し、前記内側電極体を、前記外側電極体によってほぼ全面に亙って覆われている構成とすることもできる。
本発明では、内側電極体及び外側電極体をほぼ真球形状とすることもできる。
このように内側電極体及び外側電極体をほぼ真球形状とした場合、製作性や組立性を高めることができるだけでなく、外観も良くすることができる。
本発明では、前記支持体が、前記内側電極体に設けられる導電性支持体を含み、この導電性支持体が接地される構成とすることができる。
本発明では、前記支持体が、前記外側電極体に設けられる筒状部材を含み、この筒状部材が絶縁体を介して支持される構成とすることもできる。この構成により筒状部材で外側電極体を支持することが可能になる。
本発明では、前記外側電極体の下部にその内外部を連通する貫通孔を形成しておき、この貫通孔内に、前記内側電極体に電気的に接続された支持体を、前記外側電極体に対し電気絶縁状態で挿通しておく構成とすることができる。この構成によれば、前記支持体によって、前記内側電極体を接地して避雷機能を確保することができる。
本発明では、前記外側電極体の貫通孔を、その外側電極体の内部へ前記内側電極体を挿入可能な大きさに設定した構成とすることができる。このように構成することで、製作性や組立作業性の向上を大きく図ることができる。
前記電気絶縁体は、前記隙間に配置され、前記内側電極体と前記外側電極体とを所定間隔に保持する電気絶縁性材料によって形成された保持部材と、前記隙間に形成される空間とによって構成することができる。
また、前記電気絶縁体は、電気絶縁性材料によって形成された保持部材を前記内側電極体と前記外側電極体との間に形成される隙間の全域に亙って設けることによって形成することもできる。
そして、前記内側電極体および前記外側電極体は、鉛直断面においてほぼ真球形状や楕円形状とすることができる。特に、後者のように楕円形状とすることにより、強風時における空気抵抗を軽減することができる。
本発明の落雷抑制型避雷装置は、上記に記載の落雷抑制型避雷器を、落雷を抑制すべき位置に、前記支持体を介して固定するとともに、この支持体を介して前記内側電極体を接地する構成とすることで、避雷機能を発揮させることができる。
本発明の落雷抑制型避雷装置は、上記の落雷抑制型避雷器を、落雷を抑制すべき位置に、前記筒状支持体を介して固定するとともに、前記内側電極体を接地する構成とすることで、避雷機能を発揮させることができる。
本発明の落雷抑制型避雷装置は、上記の落雷抑制型避雷器が、落雷を抑制すべき位置に、前記筒状支持体と前記筒状部材を介して固定され、前記支持体を介して前記内側電極体が接地されている構成とすることもできる。
本発明の落雷抑制型避雷器は、内側電極体と、この内側電極体を、所定の間隔をおいて包み込むようにして配置される外側電極体と、前記隙間に設けられ、前記内側電極体と外側電極体とを電気絶縁状態に保持する電気絶縁体とを備え、前記外側電極体には、その外側電極体を支持する筒状部材を接続するための接続部が設けられていることを特徴としている。
本発明の避雷器によれば、外側電極体は、内側電極体を包み込むように配置されていることから、外側電極体の周りの殆どがマイナス電荷で覆われる構成とすることが可能になる。しかも、このように、外側電極体で内側電極体を包み込む構成としているので、外側電極体の下部を内側電極体よりも下方へ位置させる構成とすることが可能になる。これにより、内側電極体を露出させない構成とすることも可能になる。
本発明の避雷器においても、内側電極体が略球状又は球殻状に形成され、外側電極体が球殻状に形成される。好ましくは、内側電極体及び外側電極体がほぼ真球状に形成される。また、内側電極体および外側電極体が、鉛直断面において楕円形状に形成される。また、外側電極体が内部中空の円柱状に、内側電極体が円柱状又は内部中空の円柱状に形成される。これにより、全体がコンパクトで軽量な構造とすることができる。
また、本発明の避雷器においても、外側電極体にその内外部を連通する貫通孔が形成され、この貫通孔内に、前記内側電極体に電気的に接続された支持体が、前記外側電極体に対し電気絶縁状態で挿通されている構成とすることができる。
前記外側電極体の貫通孔の内径としては、前記内側電極体の外径よりも小さく設定したり、大きく設定したりすることができる。
貫通孔の内径を内側電極体の外径よりも小さく設定した場合、内側電極体が貫通孔から抜け出すのを防ぐことができる。
貫通孔の内径を内側電極体の外径よりも大きく設定した場合、その貫通孔を利用して、内側電極体を外側電極体の内部へ挿入する作業を採用することができる。
本発明では、前記内側電極体と前記支持体とを溶接により一体化する構造を採用することができる。
さらに、前記内側電極体と前記支持体とを導電性金属により一体に形成することもできる。
本発明によれば、避雷装置周りに形成されるプラス電荷の領域を極力小さくして、上向きストリーマの発生を効果的に抑制し、これによって、落雷抑制効果を高めることができる。
また、本発明の避雷器によれば、上記の効果に加えて、構造の簡素化や軽量化、製作性の向上等を図ることができる。
さらに、保持部材に外側電極体を支持する支持部分を設けているので、外側電極体もしっかりと支持することができる。これにより、内側電極体及び外側電極体の両方を、所定の間隔を保持した状態で強固に支持することができる。
本発明の実施形態に係る避雷器の縦断面図である。 本発明の実施形態に係る避雷器の組み立て態様を示す縦断面図である。 本発明の実施形態に係る避雷器の設置態様を示す縦断面図である。 本発明の実施形態に係る避雷装置の縦断面図である。 本発明の実施形態に係る避雷装置の縦断面図である。 本発明の実施形態に係る避雷器の正面図である。
以下、本発明の実施形態について、図1ないし図6を参照して説明する。
図1及び図2は落雷抑制型避雷器(以下避雷器と略称する)の構造を断面で示し、図3ないし図5は落雷抑制型避雷装置(以下避雷装置と略称する)の構造を断面で示している。図6は避雷器の外形を示す正面図である。
なお、避雷器とは、図において符号1Aで示す避雷器部分のことで、その内側電極体2が接地されていない状態の構成を意味している。避雷装置とは、図3ないし図5に示すように避雷器1A部分の内側電極体2が支持体5等を介して接地されていて避雷機能を発揮可能な構成を意味している。
実施形態の避雷装置1は、図3に示すように、接地された内側電極体2と、この内側電極体2を、所定の隙間Eをおいて包み込むようにして設けられた外側電極体3と、隙間Eに設けられ、内側電極体2と外側電極体3とを電気絶縁状態に保持する電気絶縁体Sと、を備えている。内側電極体2は球状に形成され、外側電極体3は球殻状に形成されている。内側電極体2は外側電極体3によってほぼ全面に亙って覆われている。
内側電極体2は、図示例では真球形状に形成されている。この内側電極体2は、真球形状に限らず、所定の肉厚を有する中空状に形成される場合もある。さらに楕円形状や他の形状とすることも可能である。
また、内側電極体2には、接地用ロッドを兼ねた支持体5の先端が溶接やねじ結合等の結合手段により一体に取り付けられている。
この実施形態において、避雷器1Aは、図1及び図2に示すように、内部に空洞Hを有する外側電極体3と、空洞H内に配置される内側電極体2と、外側電極体3と内側電極体2とを絶縁する電気絶縁体Sと、内側電極体2を支持する支持体5と、を備えている。
そして、電気絶縁体Sは、内側電極体2と外側電極体3とを所定の間隔に保持する保持部材6を含み、この保持部材6に外側電極体3を支持する支持部分6bが設けられている。電気絶縁体Sは、図1に示すように、スペーサ兼用の保持部材6と、隙間Eに形成される空間(空気)とを含む。
スペーサ兼用の保持部材(以下保持部材という)6は、内側電極体2と外側電極体3とを所定の間隔に保持するスペーサ部分6aと、外側電極体3と支持体5との間隔を保持する保持部分6bと、外側電極体3の下部を支持する支持部分6cとを有している。保持部分6bの下部には小径部6dが設けられている。
保持部材6には、その保持部材6の軸方向に延びて貫通する挿通孔6fが設けられ、この挿通孔6fに支持体5が挿通されている。挿通孔6fは、円柱状の支持体5がガタツキなく緊密な挿通状態となるように設定されている。
支持体5は導電性金属からなり、その下端にはナット52等をねじ込むための雄ねじ51が設けられている。
内側電極体2及び外側電極体3は、ステンレスやアルミ合金等の導電性金属により形成されている。一方、電気絶縁性材料としては、合成樹脂やセラミック等を好適に用いることができるが、それ以外の電気絶縁性材料も用いることができる。
外側電極体3は、図示例では導電性金属により一体に形成されているが、上下に2分割した一対の外側電極構成体により構成しても良い。また、この外側電極体3は左右に2分割(縦割り)する構成とすることもできる。
外側電極体3には、図2に示すように、その内外部を連通する貫通孔31が設けられ、この貫通孔31内に、支持体5が保持部材6を介して、外側電極体3に対し電気絶縁状態で挿通されている。さらに、外側電極体3には、貫通孔31の周囲から突出する突出部(スカート部)32が設けられている。この突出部32は、環状溝6eを有する支持部分6cによって支持されている。
この突出部32は、図2に示すように、貫通孔31の内壁面を形成する筒状に形成されている。この突出部32の内径は、内側電極体2の外径よりも僅かに大きく形成されている。これにより、外側電極体3内へ内側電極体2を挿入可能にしている。
支持部分6cには、筒状の突出部32が嵌まり込む環状溝6eが設けられている。この環状溝6eは、保持部材6の外周面寄りに設けられ、全体が上向き開口の環状溝として形成されている。
保持部分6bは、外側電極体3の筒状の突出部32の内面に面接触させられると共に、その筒状の突出部32よりも下方に延びるように長く形成されている。また、支持部分6cは、筒状の突出部32よりも大径に形成されている。なお、小径部6d部分は、この支持部分6cと同径になるように形成しても良いし、軸方向に長く形成しても良い。さらに、小径部6d部分を筒状の別部材として構成しても良い。
図において、符号33は、外側電極体3の内外に連通する内圧調整用の孔を示している。これにより、外側電極体3の内圧が予期しない落雷等で急激に上昇しても、内側電極体2は抜け出ない構成となっている。なお、この内圧調整用の孔33には、所定の内圧で開弁する弁体、あるいは外部へ抜け出る栓体などを設けてもよい。
本実施形態の避雷器1A及び避雷装置1は、以下の手順で組み立てられる。
まず、支持体5の一端(上端)に内側電極体2を、ねじ結合、溶接止め等の手段により機械的及び電気的に接続する。
次に、図2に示すように、ナット52を外した状態で、保持部材6の挿通孔6fを利用して、支持体5を保持部材6に挿通する。
次に、外側電極体3の貫通孔31を利用して、外側電極体3内に内側電極体2を挿入する。
このとき、筒状の突出部32を、図1に示すように、保持部材6の環状溝6e内にしっかりと進入させておく。
なお、内側電極体2の挿入前に、突出部32の内外面や、環状溝6e内に接着剤(図示せず)を塗布しておくことにより、両者を強力に接着することができる。
なお、接着止めに代えて、あるいは接着止めに加えて、突出部32を保持部材6に対してビス止めしても良い。
避雷装置1は、上記ようにして組み立てた避雷器1Aを、図3に示すように、導電性を有する金属パイプ製の筒状支持体7の取り付けフランジ71に、支持体5をナット52にて固定し、筒状支持体7を接地することで構成することができる。この筒状支持体7としてはパイプ部材に限らず、種々のものを用いることができる。また、図3に示すように、支持体5を、接地線等を用いて直接接地してもよい。その場合には、筒状支持体7に導電性を持たせる必要はない。
このように組み上げられた避雷器1Aは、外側電極体3が、保持部材6によって内側電極体2に対して所定間隔をおき、かつ、電気絶縁状態で連結される。そして、組み上げられた状態において、外側電極体3は、内側電極体2のほぼ全周を覆うように位置させられる。即ち、外側電極体3の下端部は内側電極体2よりも下方に位置する立体構造となる。また、内側電極体2は、支持体5を介して電気的に外側電極体3の外部に引き出されている。
このように構成された避雷器1Aは、落雷から保護すべき被保護体に、あるいは、その近傍に設置される。その際、追加の接続用支持体や、筒状部材、絶縁体、支持構造体、ボルト・ナット等を用いて設置される。そして、支持体5が、図3に示すように、大地Gに直接、あるいは筒状支持体7や接地線等を介して接地される。
ついで、このように設置された本実施形態の避雷装置1による落雷抑制機能について説明する。
マイナス電荷が雲底に分布した雷雲が近づくと、それとは逆の電荷(プラス電荷)が大地Gの表面に分布し、この大地Gに支持体5や筒状支持体7を介して接地されている内側電極体2にも、図3に示すように、プラス電荷が集まる。
一方、内側電極体2に電気絶縁体Sを介して対峙されている外側電極体3は、コンデンサの作用でマイナス電荷を帯びる。
この作用により、外側電極体3とその周辺における上向きストリーマの発生が起こりにくく、この結果、落雷の発生を抑制する。
そして、外側電極体3が、内側電極体2のほぼ全周を覆うように設けられていることにより、避雷装置1の上端部(避雷器部分)の殆どがマイナス電荷を帯びる。
これによって、上向きストリーマを生じさせるプラス電荷の領域を大幅に減少させることができ、落雷抑制効果を大幅に向上させることができる。
また、本実施形態の避雷器1Aによれば、全体の構造を簡素化して、コンパクトに構成することができ、運搬にも便利にすることができる。さらに、製作性も格段に向上させることができる上に、強度的にも強固な構造とすることができる。
特に、保持部材6には環状溝6eが設けられていて、この環状溝6eに筒状の突出部32が嵌まり込む構造となっているので、結合強度の向上及び、支持体5と外部電極体3との間の絶縁性能の向上、の両方の機能を効果的に発揮させることができる。
図4及び図5は本発明の他の実施形態を示すもので、図1の避雷器1Aを使用して避雷装置1を構成した縦断面図である。なお、これらの図において、先の実施形態と基本的に同一の構成要素については同一の符号を付してその説明を簡略化する。
本実施形態においては、先の実施形態のものよりも長い支持体5を用いた構成(図4)としたものである。この構成でも先の実施形態と同様の効果を発揮させることができる。しかし、図5に示すように、さらに筒状部材8を用いて、露出している支持体5の部分を覆う構成とすることが好ましい。
即ち、この図5においては、保持部材6と、取り付けフランジ71との間に、外側電極体3を支持する絶縁性の筒状部材8を設けた構成としてものである。この筒状部材8の内径は、保持部材6の小径部6dに対して無理嵌めできる程度の大きさに設定されている。さらに、この筒状部材8の長さは、図4に示すように、取り付けフランジ71の上面から支持部分6cの下端(小径部6dと支持部分6cとの境界部分)までの高さhとほぼ等しくなるように設定されている。筒状部材8は合成樹脂等の絶縁性材料により構成されている。
図5において、符号8は突起を示している。この突起8は筒状支持体7が接地されている場合に、既存の避雷針としての機能を発揮させるためのものである。なお、この突起8は無くても良い。
本実施形態においては、絶縁性の筒状部材8の位置が取り付けフランジ71を有する筒状支持体7よりも高い位置にあるので、プラス電荷を帯びる支持体5を絶縁体で外側から覆う構造とすることができ、これによりの外側電極体3の機能(マイナス電荷の作用)の健全性を高めることができる。
なお、外側電極体3および内側電極体2の形状を、図1の真球状に代えて、鉛直断面において楕円形としても良い。
なお、前記各実施形態において示した各構成部材の諸形状や寸法等は一例であって、設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、内側電極体2と支持体5とをステンレスやアルミ合金等の導電性金属により一体に形成しても良い。このようにすれば、部品点数をさらに少なくして、組み立て作業性を向上させることができる。
また、支持体5については、図示例では、ねじ棒を用いた例を示したが、筒状の支持体を用いてその一端を内側電極体に溶接止めする構成としても良い。また、その他端には、ねじ穴等を設けて、他の筒状の支持体を接続可能に構成しても良い。
なお、以上の実施形態では、外側電極体3を球殻状とした例を示したが、本発明はこれに限らない。例えば、6面体、あるいはそれ以上の多面体としても良い。また、外側電極体3を中空円柱状としても良い。
また、内側電極体2としても、外側電極体3と同様に、6面体、あるいはそれ以上の多面体としても良い。また、内側電極体2を中空円柱状や円柱状としても良い。さらに、内側電極体2を複数の円板を用いて構成しても良い。
また、内側電極体2や外側電極体3は、鉛直断面において、縦長の楕円形状としても良い。
本発明の落雷抑制型避雷器及び避雷装置は、落雷を抑制することで、各種の建築物や構造物、各種設備機器、通信設備等の被保護体を保護する避雷設備として有効活用できる。
1 (落雷抑制型)避雷装置
1A 避雷器
2 内側電極体
3 外側電極体
31 貫通孔
32 突出部
33 内圧調整用の孔
5 支持体
51 雄ねじ
52 ナット
6 保持部材
6a スペーサ部分
6b 保持部分
6c 支持部分
6d 小径部分
6e 環状溝
6f 挿通孔
7 筒状支持体
8 筒状部材
9 突起
C 雷雲
E 隙間(電気絶縁体)
G 大地
H 空洞部
S 電気絶縁体

Claims (15)

  1. 内部に空洞を有する外側電極体と、前記空洞内に配置される内側電極体と、前記外側電極体と内側電極体とを絶縁する電気絶縁体と、前記内側電極体を支持する支持体と、を備え、
    前記外側電極体には、その内外に連通する貫通孔の周囲から突出して、前記貫通孔の内壁面を形成する筒状の突出部が設けられ、
    前記電気絶縁体は、前記内側電極体と、前記外側電極体とを所定の間隔に保持する保持部材を含み、この保持部材に前記外側電極体を支持する支持部分が設けられ、
    前記支持部分には、前記突出部が嵌まり込む環状溝が設けられている落雷抑制型避雷器。
  2. 前記貫通孔内に、前記支持体が、前記外側電極体に対し電気絶縁状態で挿通されている請求項1に記載の落雷抑制型避雷器。
  3. 前記外側電極体の外面形状が略球状に形成されている、請求項1又は2に記載の落雷抑制型避雷器。
  4. 前記内側電極体が略球状又は球殻状に形成されている、請求項1〜3の何れかに記載の落雷抑制型避雷器。
  5. 前記外側電極体が、前記内側電極体の外面形状と相似形をなす球殻状に形成されている、請求項1〜4の何れかに記載の落雷抑制型避雷器。
  6. 前記内側電極体および前記外側電極体が、ほぼ真球形状である、請求項1〜5の何れかに記載の落雷抑制型避雷器。
  7. 前記内側電極体および前記外側電極体が、鉛直断面において楕円形状である、請求項1〜6の何れかに記載の落雷抑制型避雷器。
  8. 前記内側電極体が、前記外側電極体によってほぼ全面に亙って覆われている、請求項1〜7の何れかに記載の落雷抑制型避雷器。
  9. 前記支持体が、前記内側電極体に設けられる接地用の導電性支持体を含む、請求項1〜8の何れかに記載の落雷抑制型避雷器。
  10. 前記外側電極体を支持する筒状部材をさらに備えている、請求項1〜9の何れかに記載の落雷抑制型避雷器。
  11. 前記外側電極体の貫通孔は、その外側電極体の内部へ前記内側電極体を挿入可能な大きさに設定されている、請求項1〜10の何れかに記載の落雷抑制型避雷器。
  12. 請求項1〜11の何れかに記載の落雷抑制型避雷器を、落雷を抑制すべき位置に、前記支持体を介して固定するとともに、この支持体を介して前記内側電極体を接地してあることを特徴とする落雷抑制型避雷装置。
  13. 前記保持部材には、その保持部材を介して前記外側電極体を支持する筒状部材を接続するための接続部が設けられている、請求項12に記載の落雷抑制型避雷装置
  14. 落雷を抑制すべき位置に、筒状支持体を介して固定するとともに、前記内側電極体を接地してあることを特徴とする請求項13に記載の落雷抑制型避雷装置
  15. 落雷を抑制すべき位置に、前記筒状支持体と前記筒状部材を介して固定され、前記支持体を介して前記内側電極体が接地されている、請求項14に記載の落雷抑制型避雷装置。
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