JP6934350B2 - ガスタービン - Google Patents
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Description
上述の軸方向隙間を介した高温ガスの流れが生じると、該高温ガスの流れにより1段静翼が加熱されるため、1段静翼を冷却するための冷却媒体の供給量を増加させる必要が生じ、これによりガスタービン全体として効率が低下する場合がある。
しかしながら、特許文献1及び2には、1段静翼と燃焼器の側壁との間の軸方向隙間を小さくしたときに生じる該軸方向隙間を介した高温の燃焼ガス流れに対する対策について、何ら記載されていない。
周方向に複数配列され、圧力面および負圧面を含む翼面をそれぞれ有する1段静翼と、
一の前記1段静翼の前記負圧面側に設けられ、径方向に沿って延在する第1側壁部を含む第1燃焼器出口を有する第1燃焼器と、
前記周方向にて前記第1燃焼器の隣において前記一の前記1段静翼の前記圧力面側に設けられ、前記径方向に沿って延在する第2側壁部を含む第2燃焼器出口を有する第2燃焼器と、
を備えるガスタービンであって、
下記条件(a)又は(b)の何れかを満たし、
上流側から下流側に向かって前記軸方向をx軸と定義し、前記第1側壁部の外側から内側に向かって前記周方向をy軸と定義したとき、前記第1側壁部の下流端部における内側壁面の傾きdy/dxが最大となる位置を通る前記内側壁面の下流側に延ばした第1基準接線に対して、前記一の前記1段静翼の前方部の前記負圧面と前記第1基準接線との交点を通る前記負圧面の第1接線がなす第1角度が45度以下であり、
前記一の前記1段静翼は、前記第1側壁部の前記内側壁面からの前記負圧面の前記周方向への突出量をΔyとし、前記1段静翼の前記周方向における配列ピッチをPとしたとき、0.05≦Δy/P≦0.25を満たす。
(a)前記一の前記1段静翼の前方部と前記第1側壁部との間の軸方向の最小隙間、および、前記一の前記1段静翼の前記前方部と前記第2側壁部との間の前記軸方向の最小隙間が、前記軸方向における前記一の1段静翼の長さLaの10%以下である。
(b)前記一の前記1段静翼の前方部の最上流点が、前記第1側壁部又は前記第2側壁部の少なくとも一方の最下流端よりも、前記軸方向において上流側に位置する。
この点、上記(1)の構成では、さらに、第1側壁部の内側壁面からの1段静翼の負圧面の周方向への突出量Δyと、1段静翼の周方向における配列ピッチPとが0.05≦Δy/P≦0.25を満たすので、1段静翼の圧力面側と負圧面側との圧力差が比較的小さい。このため、1段静翼の圧力面側と負圧面側の圧力差に起因した、1段静翼の前方部と、第1燃焼器出口及び第2燃焼器出口との間の隙間を介した高温ガスの流れの発生が抑制されるので、1段静翼を冷却するために必要な冷却媒体の流量を低減することができる。
前記第2側壁部の外側から内側に向かって前記周方向をy’軸と定義したとき、前記第2側壁部の下流端部における内側壁面の傾きdy’/dxが最大となる位置を通る前記内側壁面の下流側に延ばした第2基準接線に対して、前記一の前記1段静翼の前記前方部の前記圧力面と前記第2基準接線との交点を通る前記圧力面の第2接線がなす第2角度が45度以下である。
前記第1角度が20度以上45度以下であり、
前記第2角度が0度以上25度以下である。
前記第1側壁部の下流側端面、及び、前記第2側壁部の下流側端面は、それぞれ、前記軸方向の直交面に沿った平坦面を含み、
前記前方部は、前記第1側壁部の前記下流側端面及び前記第2側壁部の前記下流側端面に対向する前端面を含み、
前記前端面の少なくとも一部は、前記軸方向の前記直交面に沿って設けられる平坦面である。
前記一の前記1段静翼は、前記前方部の下流側に位置するとともに、前記負圧面のうち後縁側領域である凸状湾曲面、および、前記圧力面のうち後縁側領域である凹状湾曲面を有する後方部を含み、
前記負圧面の前記凸状湾曲面の前縁側端は、前記負圧面のうち前記第1側壁部の前記内側壁面から前記周方向に最も突出した部分よりも、前記周方向において、前記第2側壁部に近い。
前記一の前記1段静翼は、前記前方部の下流側に位置するとともに、前記負圧面のうち後縁側領域である凸状湾曲面、および、前記圧力面のうち後縁側領域である凹状湾曲面を有する後方部を含み、
前記前方部は、
前記負圧面の前縁側領域を形成するように、前記凸状湾曲面の前縁側端から前記第1側壁部に向かって直線状に延びる第1表面と、
前記圧力面の前縁側領域を形成するように、前記凹状湾曲面の前縁側端から前記第2側壁部に向かって直線状に延びる第2表面と、
を含む。
前記第1側壁部の下流側端面、及び、前記第2側壁部の下流側端面は、それぞれ、前記軸方向の直交面に沿った平坦面を含み、
前記前方部は、
前記第1表面の前縁側端に接続される第1接続点を有し、前記第1側壁部の前記下流側端面に対向するように前記軸方向の前記直交面に沿って延在する第1平坦面と、
前記第2表面の前縁側端に接続される第2接続点を有し、前記第2側壁部の前記下流側端面に対向するように前記軸方向の前記直交面に沿って延在する第2平坦面と、
を含む。
前記第1接続点と前記第2接続点との間の前記周方向における距離は、前記第1側壁部の前記内側壁面と前記第2側壁部の前記内側壁面との間の前記周方向における距離よりも小さい。
前記第2平坦面の前記第2接続点は、前記周方向において、前記第2側壁部の前記内側壁面よりも前記第1側壁部側に位置する。
前記一の前記1段静翼は、前記前方部の前記第1接線が軸方向に対してなす角度が、15度以上45度以下である。
前記一の前記1段静翼は、前記前方部の前記第2接線が軸方向に対してなす角度が、0度以上30度以下である。
前記前方部と前記第1側壁部との間の前記軸方向における最小隙間g1と、前記前方部と前記第2側壁部との間の前記軸方向における最小隙間g2とが、0.9≦g1/g2≦1.1を満たす。
前記一の前記1段静翼は、0.1≦Δy/P≦0.2を満たす。
周方向に複数配列され、圧力面および負圧面を含む翼面をそれぞれ有する1段静翼と、
一の前記1段静翼の前記負圧面側に設けられ、径方向に沿って延在する第1側壁部を含む第1燃焼器出口を有する第1燃焼器と、
前記周方向にて前記第1燃焼器の隣において前記一の前記1段静翼の前記圧力面側に設けられ、前記径方向に沿って延在する第2側壁部を含む第2燃焼器出口を有する第2燃焼器と、
を備えるガスタービンであって、
下記条件(a)又は(b)の何れかを満たし、
上流側から下流側に向かって前記軸方向をx軸と定義し、前記第1側壁部の外側から内側に向かって前記周方向をy軸と定義し、前記第1側壁部の下流端の前記周方向における厚さをW1とし、前記第1側壁部の下流端部における内側壁面の傾きdy/dxが最大となる第1基準位置を通る前記内側壁面の下流側に延ばした第1基準接線を前記y軸の負の方向に0.5×W1ずらした第1外側境界線と、前記第1基準位置を通り、且つ、前記第1基準接線に対して45度の角度をなす第1内側境界線と、の間の領域を第1領域とし、前記軸方向における前記一の1段静翼の長さをLaとしたとき、前記一の前記1段静翼の前方部の前記負圧面のうち前記第1領域に含まれる部位の上流端の位置と、該位置から0.2Laの長さだけ下流側の位置までの間の軸方向範囲内において、前記前方部の前記負圧面は前記第1領域内に含まれており、
前記一の前記1段静翼は、前記第1側壁部の前記内側壁面からの前記負圧面の前記周方向への突出量をΔyとし、前記1段静翼の前記周方向における配列ピッチをPとしたとき、0.05≦Δy/P≦0.25を満たす。
(a)前記一の前記1段静翼の前方部と前記第1側壁部との間の前記軸方向の最小隙間、および、前記一の前記1段静翼の前記前方部と前記第2側壁部との間の前記軸方向の最小隙間が、前記軸方向における前記一の1段静翼の長さLaの10%以下である。
(b)前記一の前記1段静翼の前方部の最上流点が、前記第1側壁部又は前記第2側壁部の少なくとも一方の最下流端よりも、前記軸方向において上流側に位置する。
前記第2側壁部の外側から内側に向かって前記周方向をy’軸と定義し、前記第2側壁部の下流端の前記周方向における厚さをW2とし、前記第2側壁部の下流端部における内側壁面の傾きdy’/dxが最大となる第2基準位置を通る前記内側壁面の下流側に延ばした第2基準接線を前記y’軸の負の方向に0.5×W2ずらした第2外側境界線と、前記第2基準位置を通り、且つ、前記第2基準接線に対して45度の角度をなす第2内側境界線と、の間の領域を第2領域としたとき、前記前方部の前記圧力面のうち前記第2領域に含まれる部位の上流端の位置と、該位置から0.2Laの長さだけ下流側の位置までの間の軸方向範囲内において、前記前方部の前記圧力面は前記第2領域内に含まれている。
図1に示すように、ガスタービン1は、圧縮空気を生成するための圧縮機2と、圧縮空気及び燃料を用いて燃焼ガスを発生させるための燃焼器4と、燃焼ガスによって回転駆動されるように構成されたタービン6と、を備える。発電用のガスタービン1の場合、タービン6には不図示の発電機が連結される。
圧縮機2には、空気取入口12から取り込まれた空気が送られるようになっており、この空気は、複数の静翼16及び複数の動翼18を通過して圧縮されることで高温高圧の圧縮空気となる。
静翼24はタービン車室22側に固定されており、ロータ8の周方向に沿って配列される複数の静翼24が静翼列を構成している。また、動翼26はロータ8に植設されており、ロータ8の周方向に沿って配列される複数の動翼26が動翼列を構成している。静翼列と動翼列とは、ロータ8の軸方向において交互に配列されている。なお、複数の静翼24のうち、最も上流側に設けられる静翼24(すなわち燃焼器4に近い位置に設けられる静翼24)が1段静翼23である。
タービン6では、燃焼ガス流路28に流れ込んだ燃焼器4からの燃焼ガスが複数の静翼24及び複数の動翼26を通過することでロータ8が回転駆動され、これにより、ロータ8に連結された発電機が駆動されて電力が生成されるようになっている。タービン6を駆動した後の燃焼ガスは、排気室30を介して外部へ排出される。
第1燃焼バーナ38及び第2燃焼バーナ40は、それぞれ、燃料を噴射するための燃料ノズル(不図示)と、該燃料ノズルを囲むように配置されたバーナ筒(不図示)と、を含む。各々の燃料ノズルには、燃料ポート42,44をそれぞれ介して燃料が供給されるようになっている。また、圧縮機2(図1参照)で生成された圧縮空気が、車室入口41を介して燃焼器車室32内に供給され、該圧縮空気が燃焼器車室32から各々のバーナ筒に流入するようになっている。そして、各バーナ筒では、燃料ノズルから噴射される燃料と圧縮空気とが混合され、この混合気が燃焼器ライナ36に流れ込み、着火されて燃焼することにより、燃焼ガスが発生するようになっている。
すなわち、第2燃焼バーナ40において、燃料ポート44からの燃料と圧縮空気とが予混合されて、該予混合気がスワラ(不図示)によって主として旋回流を形成し、燃焼器ライナ36に流れ込む。また、圧縮空気と、燃料ポート42を介して第1燃焼バーナ38から噴射された燃料とが燃焼器ライナ36内で混合され、図示しない種火により着火されて燃焼し、燃焼ガスが発生する。このとき、燃焼ガスの一部が火炎を伴って周囲に拡散することで、各第2燃焼バーナ40から燃焼器ライナ36内に流れ込んだ予混合気に着火されて燃焼する。すなわち、第1燃焼バーナ38から噴射された拡散燃焼用燃料による拡散燃焼火炎によって、第2燃焼バーナ40からの予混合気(予混合燃料)の安定燃焼を行うための保炎を行うことができる。その際、燃焼領域は例えば内筒48に形成され、尾筒50には形成されなくてもよい。
以下、周方向に隣り合う燃焼器4のうち一方を第1燃焼器4A、他方を第2燃焼器4Bとして説明する。第1燃焼器4Aの第1燃焼器出口52Aは径方向に沿って延在する第1側壁部54Aを有し、第2燃焼器4Bの第2燃焼器出口52Bは径方向に沿って延在する第2側壁部54Bを有する。
図3及び図4に示す例示的な実施形態では、周方向において互いに対向する一対の第1側壁部54Aと第2側壁部54Bの各々の下流側に1段静翼23Aが設けられており、これらの1段静翼23Aが周方向に複数配列されている。
なお、図4に示すように、1段静翼23Bの圧力面62及び負圧面60は、前縁63と後縁65との間において径方向に沿って延在していてもよく、これらの圧力面62及び負圧面60によって翼型が形成されていてもよい。
なお、中心線Qは、周方向に沿った断面において、第1側壁部54Aと第2側壁部54Bとの間において軸方向に沿って延びる直線である。
なお、特に図示しないが、他の実施形態では、1段静翼23Aの凸部80が嵌合する凸部受入れ空間は、第1側壁部54A又は第2側壁部54Bの何れか一方により形成されていてもよい。
また、他の実施形態では、1段静翼23Aは、軸方向において凹んだ形状の凹部を有するとともに、第1側壁部54A及び第2側壁部54Bの少なくとも一方に、該凹部に嵌合可能な凸部が設けられ、該凸部が凹部に嵌合するようになっていてもよい。
まず、ガスタービン1は、下記(a)又は(b)を満たす構成を有する。
(a)1段静翼23Aの前方部64と第1側壁部54Aとの間の軸方向の最小隙間g1、および、1段静翼23Aの前方部64と第2側壁部54Bとの間の前記軸方向の最小隙間g2が、軸方向における1段静翼23Aの長さLaの10%以下である。
(b)1段静翼23Aの前方部64の最上流点94(図8参照)が、第1側壁部54A又は第2側壁部54Bの少なくとも一方の最下流端よりも、軸方向において上流側に位置する。
このため、1段静翼23Aの前方部64と第1側壁部54A又は第2側壁部54Bとの間を流通する高温の燃焼ガス流れが低減されるため、1段静翼23Aを冷却するために必要な冷却媒体の流量を低減することができる。
次に、ガスタービン1では、以下に説明するように、第1側壁部54Aの内側壁面58Aと1段静翼23Aの負圧面60とが滑らかに接続されている。また、第2側壁部54Bの内側壁面58Bと1段静翼23Aの圧力面62とが滑らかに接続されていてもよい。
なお、内側壁面58Aの傾きdy/dxが最大となる位置は、図5、図6及び図8に示す実施形態では軸方向に沿った平坦状の内側壁面58Aであり、図7に示す実施形態では、内側壁面58Aのうち、下流側に近づくに従い中心線Qから遠ざかるように設けられた傾斜面によって形成される傾斜部58Abである。
ここで、第1領域R1は、図示する第1外側境界線S5と第1内側境界線S7との間の領域である。第1外側境界線S5は、第1側壁部54Aの下流端の周方向における厚さをW1としたとき、第1側壁部54Aの下流端部56Aにおける内側壁面58Aの傾きdy/dxが最大となる第1基準位置P3を通る内側壁面58Aの下流側に延ばした第1基準接線S1をy軸の負の方向に0.5×W1ずらした直線である。また、第1内側境界線S7は、第1基準位置P3を通り、且つ、第1基準接線S1に対して45度の角度をなす直線である。
なお、第1内側境界線S7は、第1基準位置P3を通り、且つ、第1基準接線S1に対して40度、又は35度の角度をなす直線であってもよい。
なお、内側壁面58Bの傾きdy’/dxが最大となる位置は、図5、図6及び図8に示す実施形態では軸方向に沿った平坦状の内側壁面58Bであり、図7に示す実施形態では、内側壁面58Bのうち、下流側に近づくに従い中心線Qから遠ざかるように設けられた傾斜面によって形成される傾斜部58Bbである。
ここで、第2領域R2は、図示する第2外側境界線S6と第2内側境界線S8との間の領域である。第2外側境界線S6は、第2側壁部54Bの下流端の周方向における厚さをW2としたとき、第2側壁部54Bの下流端部56Bにおける内側壁面58Bの傾きdy’/dxが最大となる第2基準位置P4を通る内側壁面58Bの下流側に延ばした第2基準接線S2をy’軸の負の方向に0.5×W2ずらした直線である。第2内側境界線S8は、第2基準位置P4を通り、且つ、第2基準接線S2に対して45度の角度をなす直線である。
なお、第2内側境界線S8は、第2基準位置P4を通り、且つ、第2基準接線S2に対して35度、又は25度の角度をなす直線であってもよい。
そして、ガスタービン1において、1段静翼23Aは、周方向に沿った断面において、
第1側壁部54Aの下流端における内側壁面58Aからの負圧面60の周方向への突出量をΔyとし、1段静翼23(23A,23B)の周方向における配列ピッチをP(図3及び図4参照)としたとき、0.05≦Δy/P≦0.25を満たす。上記1段静翼23Aの突出量Δyと配列ピッチPとの比Δy/Pは、0.1≦Δy/P≦0.2であってもよい。
例えば、図3に示す例示的な実施形態では、複数の1段静翼23は、1段静翼23Aのみを含み、周方向に隣接する1段静翼23,23はいずれも1段静翼23Aである。この場合、1段静翼23の周方向における配列ピッチPは、周方向に隣接する1段静翼23A,23Aのピッチ(例えば、隣接する1段静翼23A,23Aの後縁65,65の間の距離)である。
また、例えば、図4に示す例示的な実施形態では、複数の1段静翼23は、周方向において1段静翼23Aと1段静翼23Bとが交互に配列されており、周方向に隣接する1段静翼23,23は、1段静翼23Aと1段静翼23Bである。この場合、1段静翼23の周方向における配列ピッチPは、周方向に隣接する1段静翼23Aと1段静翼23Bのピッチ(例えば、1段静翼23Aの後縁65と、該1段静翼23Aに隣接する1段静翼23Bの後縁65との間の距離)である。
図10のグラフに示されるように、Δy/Pが増加するに従い、1段静翼23Aの圧力面62側と負圧面60側との圧力差(圧力面62側の圧力−負圧面60側の圧力)は小さくなる傾向がある。
例えば、1段静翼23Aの負圧面60の上述の突出量Δyがゼロである場合(すなわちΔy/P=0の場合)、1段静翼23Aの圧力面62側と負圧面60側との圧力差が比較的大きい。この場合、該圧力差に起因して、1段静翼23Aの前方部64と、第1燃焼器出口52A及び第2燃焼器出口52Bとの間の軸方向隙間を介して高温ガスの流れが発生する。
一方、Δy/Pが所定値Cであるとき(図10のグラフに示す例ではΔy/Pが0.13程度のとき)、1段静翼23Aの圧力面62側と負圧面60側との圧力差はゼロとなる。よって、Δy/Pが該所定値C近傍の値であるとき、上述の圧力差は比較的小さいため、第1燃焼器出口52A及び第2燃焼器出口52Bとの間の軸方向隙間を介した高温ガスの流れが低減される。
また、上述の突出量Δyと配列ピッチPとの比が0.1≦Δy/P≦0.2を満たせば、1段静翼23Aの圧力面62側と負圧面60側との圧力差が比較的小さい。このため、1段静翼23Aの圧力面62側と負圧面60側の圧力差に起因した、1段静翼23Aの前方部64と、第1燃焼器出口52A及び第2燃焼器出口52Bとの間の軸方向隙間を介した高温ガスの流れの発生をより一層抑制することができる。よって、1段静翼23Aを冷却するために必要な冷却媒体の流量を効果的に低減することができる。
なお、図5〜図8に示す実施形態において、第1平坦面68a及び第2平坦面68bは、いずれも、第1側壁部54A及び第2側壁部54Bの下流側端面55A,55Bに対向する前端面68である。
また、幾つかの実施形態では、例えば図8に示すように、第3接続点P9と第4接続点P10との間の周方向における距離D1’は、第1側壁部54Aの内側壁面58Aと第2側壁部54Bの内側壁面58Bとの間の周方向における距離D2よりも小さい。
この場合、負圧面60側において、第1燃焼器出口52Aからの燃焼ガスの流れが乱れにくいため、タービン6における流体損失の発生を抑制しやすい。
この場合、圧力面62側において、第2燃焼器出口52Bからの燃焼ガスの流れが乱れにくいため、タービン6における流体損失の発生を抑制しやすい。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
また、本明細書において、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
また、本明細書において、一の構成要素を「備える」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
2 圧縮機
4 燃焼器
4A 第1燃焼器
4B 第2燃焼器
6 タービン
8 ロータ
10 圧縮機車室
12 空気取入口
16 静翼
18 動翼
20 ケーシング
22 タービン車室
23 1段静翼
23A 1段静翼
23B 1段静翼
24 静翼
26 動翼
28 燃焼ガス流路
30 排気室
32 燃焼器車室
36 燃焼器ライナ
38 第1燃焼バーナ
40 第2燃焼バーナ
41 車室入口
42 燃料ポート
44 燃料ポート
48 内筒
50 尾筒
52 出口
52A 第1燃焼器出口
52B 第2燃焼器出口
54 側壁部
54A 第1側壁部
54B 第2側壁部
55A 下流側端面
55Aa 平坦部
55Ab 角部
55B 下流側端面
55Ba 平坦部
55Bb 角部
56A 下流端部
56B 下流端部
58A 内側壁面
58Aa 平坦部
58Ab 傾斜部
58B 内側壁面
58Ba 平坦部
58Bb 傾斜部
60 負圧面
62 圧力面
63 前縁
64 前方部
65 後縁
66 後方部
68 前端面
68a 第1平坦面
68b 第2平坦面
70 凸状湾曲面
70a 前縁側端
72 凹状湾曲面
72a 前縁側端
74 第1表面
76 第2表面
80 凸部
82 凸部受入れ空間
84A 凸端部
84B 凸端部
86A 段差面
86B 段差面
90 隙間
92 キャビティ
94 最上流点
174 第1表面
176 第2表面
A1 第1角度
A1’ 第1角度
A2 第2角度
A2’ 第2角度
A3 角度
A4 角度
D1 距離
D2 距離
L 軸方向距離
P 配列ピッチ
P1 交点
P2 交点
P3 第1基準位置
P4 第2基準位置
P5 第1接続点
P6 第2接続点
P7 上流端
P8 上流端
P9 第3接続点
P10 第4接続点
Q 中心線
R1 第1領域
R2 第2領域
S 周方向距離
S1 第1基準接線
S1’ 延長線
S2 第2基準接線
S2’ 延長線
S3 第1接線
S3’ 第1接線
S4 第2接線
S4’ 第2接線
S5 第1外側境界線
S6 第2外側境界線
S7 第1内側境界線
S8 第2内側境界線
g1 最小隙間
g2 最小隙間
Δy 突出量
Claims (15)
- 周方向に複数配列され、圧力面および負圧面を含む翼面をそれぞれ有する1段静翼と、
一の前記1段静翼の前記負圧面側に設けられ、径方向に沿って延在する第1側壁部を含む第1燃焼器出口を有する第1燃焼器と、
前記周方向にて前記第1燃焼器の隣において前記一の前記1段静翼の前記圧力面側に設けられ、前記径方向に沿って延在する第2側壁部を含む第2燃焼器出口を有する第2燃焼器と、
を備えるガスタービンであって、
下記条件(a)又は(b)の何れかを満たし、
上流側から下流側に向かって軸方向をx軸と定義し、前記第1側壁部の外側から内側に向かって前記周方向をy軸と定義したとき、前記第1側壁部の下流端部における内側壁面の傾きdy/dxが最大となる位置を通る前記内側壁面の下流側に延ばした第1基準接線に対して、前記一の前記1段静翼の前方部の前記負圧面と前記第1基準接線との交点を通る前記負圧面の第1接線がなす第1角度が45度以下であり、
前記一の前記1段静翼は、前記第1側壁部の前記内側壁面からの前記負圧面の前記周方向への突出量をΔyとし、前記1段静翼の前記周方向における配列ピッチをPとしたとき、0.05≦Δy/P≦0.25を満たす
ガスタービン。
(a)前記一の前記1段静翼の前記前方部と前記第1側壁部との間の前記軸方向の最小隙間、および、前記一の前記1段静翼の前記前方部と前記第2側壁部との間の前記軸方向の最小隙間が、前記軸方向における前記一の1段静翼の長さLaの10%以下である。
(b)前記一の前記1段静翼の前記前方部の最上流点が、前記第1側壁部又は前記第2側壁部の少なくとも一方の最下流端よりも、前記軸方向において上流側に位置する。 - 前記第2側壁部の外側から内側に向かって前記周方向をy’軸と定義したとき、前記第2側壁部の下流端部における内側壁面の傾きdy’/dxが最大となる位置を通る前記内側壁面の下流側に延ばした第2基準接線に対して、前記一の前記1段静翼の前記前方部の前記圧力面と前記第2基準接線との交点を通る前記圧力面の第2接線がなす第2角度が45度以下である
ことを特徴とする請求項1に記載のガスタービン。 - 前記第1角度が20度以上45度以下であり、
前記第2角度が0度以上25度以下である
請求項2に記載のガスタービン。 - 前記第1角度は、前記第2角度以上であることを特徴とする請求項2又は3に記載のガスタービン。
- 前記第1側壁部の下流側端面、及び、前記第2側壁部の下流側端面は、それぞれ、前記軸方向の直交面に沿った平坦面を含み、
前記前方部は、前記第1側壁部の前記下流側端面及び前記第2側壁部の前記下流側端面に対向する前端面を含み、
前記前端面の少なくとも一部は、前記軸方向の前記直交面に沿って設けられる平坦面である
ことを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載のガスタービン。 - 前記一の前記1段静翼は、前記前方部の下流側に位置するとともに、前記負圧面のうち後縁側領域である凸状湾曲面、および、前記圧力面のうち後縁側領域である凹状湾曲面を有する後方部を含み、
前記負圧面の前記凸状湾曲面の前縁側端は、前記負圧面のうち前記第1側壁部の前記内側壁面から前記周方向に最も突出した部分よりも、前記周方向において、前記第2側壁部に近い
ことを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載のガスタービン。 - 前記一の前記1段静翼は、前記前方部の下流側に位置するとともに、前記負圧面のうち後縁側領域である凸状湾曲面、および、前記圧力面のうち後縁側領域である凹状湾曲面を有する後方部を含み、
前記前方部は、
前記負圧面の前縁側領域を形成するように、前記凸状湾曲面の前縁側端から前記第1側壁部に向かって直線状に延びる第1表面と、
前記圧力面の前縁側領域を形成するように、前記凹状湾曲面の前縁側端から前記第2側壁部に向かって直線状に延びる第2表面と、
を含む
請求項1乃至6の何れか一項に記載のガスタービン。 - 前記第1側壁部の下流側端面、及び、前記第2側壁部の下流側端面は、それぞれ、前記軸方向の直交面に沿った平坦面を含み、
前記前方部は、
前記第1表面の前縁側端に接続される第1接続点を有し、前記第1側壁部の前記下流側端面に対向するように前記軸方向の前記直交面に沿って延在する第1平坦面と、
前記第2表面の前縁側端に接続される第2接続点を有し、前記第2側壁部の前記下流側端面に対向するように前記軸方向の前記直交面に沿って延在する第2平坦面と、
を含む請求項7に記載のガスタービン。 - 前記第1接続点と前記第2接続点との間の前記周方向における距離は、前記第1側壁部の前記内側壁面と前記第2側壁部の前記内側壁面との間の前記周方向における距離よりも小さい
請求項8に記載のガスタービン。 - 前記第1平坦面の前記第1接続点は、前記周方向において、前記第1側壁部の前記内側壁面よりも前記第2側壁部側に位置する
ことを特徴とする請求項8又は9に記載のガスタービン。 - 前記第2平坦面の前記第2接続点は、前記周方向において、前記第2側壁部の前記内側壁面よりも前記第1側壁部側に位置する
ことを特徴とする請求項8乃至10の何れか一項に記載のガスタービン。 - 前記一の前記1段静翼は、前記前方部の前記第1接線が前記軸方向に対してなす角度が、15度以上45度以下である請求項1乃至11の何れか一項に記載のガスタービン。
- 前記一の前記1段静翼は、前記前方部の前記第2接線が前記軸方向に対してなす角度が、0度以上30度以下である請求項2乃至4の何れか一項に記載のガスタービン。
- 前記前方部と前記第1側壁部との間の前記軸方向における最小隙間g1と、前記前方部と前記第2側壁部との間の前記軸方向における最小隙間g2とが、0.9≦g1/g2≦1.1を満たす請求項1乃至13の何れか一項に記載のガスタービン。
- 前記一の前記1段静翼は、0.1≦Δy/P≦0.2を満たす
ことを特徴とする請求項1乃至14の何れか一項に記載のガスタービン。
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