JP6934320B2 - 逆止弁構造およびダイヤフラムポンプ - Google Patents
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このような片持ち支持構造の弁体を備えた逆止弁は、例えば特許文献1に記載されている。
外部から流体(図16において白抜きの矢印で示す。)が吸入されてポンプ室Prに導入される。このとき、吐出流路の逆止弁構造においては、弁体が弁座に密着して吐出流路が閉塞された状態とされる。
一方、流体がポンプ室Prから吐出される際には、ダイヤフラムの容積変化(収縮)によって、ポンプ室Prからの吐出流路の出口に形成された弁座に密着する弁体が弾性的に変形される。これにより、吐出流路が開放されて流体が外部に吐出される。このとき、吸入流路Rの逆止弁構造においては、弁体95が弁座100に密着して吸入流路Rが閉塞された状態とされる。
前記第一空間と連通する連通路を有し、当該連通路の出口に弁座部が形成された第一の弁保持部材と、当該第一の弁保持部材に対接されて設けられた、前記弁座部に対向する位置に前記第二空間と連通する弁室が形成された第二の弁保持部材と、先端部が自由端とされかつ基端部が前記第一の弁保持部材と前記第二の弁保持部材とによって狭持保持される固定部に片持ち状に支持された弁体を有する薄膜状の逆止弁とを備えており、
前記弁体は、前記連通路を閉塞する流路開閉部と、前記流路開閉部の先端部に形成され当該流路開閉部に連続して外方に突出して延びる片状突出部とを有し、
当該片状突出部の少なくとも弁室側の面に常時当接して当該弁体の可動範囲を制限する支持部が、前記第二の弁保持部材に形成され、
前記弁体は、前記連通路が開閉されるに際して前記片状突出部が前記支持部に対して前記弁体の長さ方向に摺動されるよう構成されていることを特徴とする。
各々前記ポンプ室と連通する吸入側連通路および吐出側連通路を有し、当該吐出側連通路の出口に吐出側弁座部が形成されると共に当該吸入側連通路の入口に吸入側弁室が形成された、前記ダイヤフラムと共に前記ポンプ室を画成するポンプ室画成部材と、
当該ポンプ室画成部材に対接されて設けられた、前記吐出側弁座部に対向する位置に外部への吐出流路と連通する吐出側弁室が形成されると共に前記吸入側弁室に対向する位置に開口する外部からの吸入流路の出口に吸入側弁座部が形成されたポンプヘッドと、
各々先端部が自由端とされかつ基端部が前記ポンプ室画成部材と前記ポンプヘッドとによって狭持保持される固定部に片持ち状に支持された吸入側弁体および吐出側弁体を有する薄膜状の逆止弁と
を備えており、
前記吸入側弁体および前記吐出側弁体の各々は、前記吸入側連通路または吐出側連通路を閉塞する流路開閉部と、前記流路開閉部の先端部に形成され当該流路開閉部に連続して外方に突出して延びる片状突出部とを有し、
前記吸入側弁体における片状突出部の少なくとも吸入側弁室側の面に常時当接して当該吸入側弁体の可動範囲を制限する支持部が前記ポンプ室画成部材に形成されていると共に、前記吐出側弁体における片状突出部の少なくとも吐出側弁室側の面に常時当接して当該吐出側弁体の可動範囲を制限する支持部が前記ポンプヘッドに形成され、
前記吸入側弁体および前記吐出側弁体の各々は、前記吸入側連通路および吐出側連通路が開閉されるに際して前記片状突出部が前記支持部に対して前記弁体の長さ方向に摺動されるよう構成されていることを特徴とする。
従って、このような逆止弁構造が採用されたダイヤフラムポンプによれば、安定した流量特性を得ることができて、製品毎の流量特性のバラツキを小さくすることができる。特に、ダイヤフラムポンプが低温環境下で使用される場合(低温の流体が吸引吐出される場合)に極めて有用なものとなる。
図1は、本発明の逆止弁構造の一例における構成を概略的に示す断面図である。
この例の逆止弁構造は、第一の弁保持部材10と、第二の弁保持部材15と、第一の弁保持部材10と第二の弁保持部材15との間に設けられた薄膜状の逆止弁20とを備えており、第一空間S1から第二空間S2へ向かう流体の流れを許容し、その逆方向への流体の流れを禁止する構成とされている。
弁体25は、第一の弁保持部材10における弁座部13のシート面に密着されて連通路11を閉塞する例えば円板状の流路開閉部26を備えている。流路開閉部26は、幅寸法が当該流路開閉部26の直径より小さい例えば平板状の連結部27を介して固定部21に連結されている。
この例においては、片状突出部28は流路閉塞部26の先端に形成された構成とされているが、片状突出部28が形成される位置は流路閉塞部26の先端に限定されない。また、片状突出部28の形状は特に限定されるものではなく、複数の片状突出部28が形成されていてもよい。さらにまた、弁体25における片状突出部28の両面の各々に、第一の弁保持部材10および第二の弁保持部材15が当接して片状突出部28が支持された状態とされているが、少なくとも片状突出部28の少なくとも弁室17側の面が支持されていればよい。
図3は、本発明のダイヤフラムポンプの一例における構成を概略的に示す断面図である。図4は、図3に示すダイヤフラムポンプにおける吸入流路の逆止弁構造を概略的に示す拡大断面図である。図5は、図3に示すダイヤフラムポンプにおける吐出流路の逆止弁構造を概略的に示す拡大断面図である。以下においては、便宜上、図3における上下方向を「高さ方向」、左右方向を「長さ方向」というが、ダイヤフラムポンプの使用形態等を限定するものではない。
このダイヤフラムポンプは、ダイヤフラム31を備えたポンプ部30と、ダイヤフラム31を駆動する駆動部60とにより構成されている。
ポンプ室画成部材40と対接される面には、ポンプ室画成部材40における凹所42a、42bに対向する位置に、凹所52a,52bが形成されている。一方の凹所52aには、吸入流路53を形成する吸入孔53aが、吸入側弁体25aの流路開閉部26に対応する位置に開口するよう形成されていると共に、例えば円筒状の吸入側弁座部54が吸入流路53の出口の周囲を囲むよう形成されている。また、他方の凹所52bは、吐出側弁室を構成しており、当該他方の凹所52bには、吐出流路55を形成する吐出孔55aが形成されている。
この例の逆止弁20aは、図9に示すように、ポンプ室画成部材40とポンプヘッド50とによって狭持保持される固定部21と、各々先端部が自由端とされかつ基端部が固定部21に片持ち状に支持された、互いに同一形状を有する吸入側弁体25aおよび吐出側弁体25bとを有する。22は切り欠きであり、29はポンプ室画成部材40に設けられた位置決めピン41aが挿入される係合用貫通孔である。
この例においては、吸入側弁体25aおよび吐出側弁体25bは、基端部が互いに逆側に位置された状態で並設された構成とされているが、基端部が互いに同一側に位置された状態で並設されていてもよい。
吸入側弁体25aの自由端とされた先端部には、片状突出部28が流路開閉部26に連続して外方に突出して延びるよう形成されている。この例においては、図4に示すように、吸入側弁体25aにおける片状突出部28の少なくとも吸入側弁室側の面が、ポンプ室画成部材40に形成された、吸入側弁体25aの可動範囲を制限する下面側支持部46に当接されており、片状突出部28が下面側支持部46によって摺動可能に支持されている。
吐出側弁体25bの自由端とされた先端側には、片状突出部28が流路開閉部26に連続して外方に突出して延びるよう形成されている。この例においては、図5に示すように、吐出側弁体25bにおける片状突出部28の少なくとも吐出側弁室側の面が、ポンプヘッド50に形成された、吐出側弁体25bの可動範囲を制限する上面側支持部56に当接されており、片状突出部28が上面側支持部56によって摺動可能に支持されている。
一方、ポンプ室Pr内に吸引された流体が外部へ吐出される場合には、ポンプ室Prの容積の収縮に伴って、吸入側弁体25aにおける流路開閉部26が吸入側弁座部54のシート面に密着されて吸入流路53が閉塞される。また、吐出側弁座部45のシート面に密着する吐出側弁体25bが弾性的に変形されて吐出流路55が開放される。このとき、吐出側弁体25bの自由端とされた先端部に形成された片状突出部28は、吐出側弁体25bの変形に伴って吐出側弁体25bの長さ方向に摺動される。
例えば、本発明の逆止弁構造は、ダイヤフラムポンプにおける逆止弁構造に限らず、その他の小型のポンプにおける逆止弁構造に適用することができる。また、ダイヤフラムポンプは、モータ駆動によるものに限定されず、電磁駆動式など他の駆動方式によるものであってもよい。
また、逆止弁としては、吸入側弁体および吐出側弁体が一体に形成されたものである必要はなく、互いに別個に構成された吸入側逆止弁および吐出側逆止弁が用いられてもよい。
〔逆止弁の仕様〕
材質:EPDM(ショア硬さHS=60°)
厚み:0.3mm
吸入側弁体(吐出側弁体)の流路開閉部:直径4mmの略円形状
吸入側弁体(吐出側弁体)の片状突出部:長さが2.5mm、幅が1.5mm
吸入側弁体(吐出側弁体)の連結部:長さが3.0mm、幅が1.5mm
上記において作製したポンプa〜fの各々を用いて図12に示すような実験装置を作製した。図12において、80はポンプa〜f、81および82は、それぞれポンプ80の吸入部に接続された流路に設けられた吸引側ニードル弁および吸引側圧力計、83および84は、それぞれポンプ80の吐出部に接続された流路に設けられた吐出側圧力計および吐出側ニードル弁である。
温度が50℃の環境下において、環境雰囲気の空気(50℃)を試験用ガスとして用い、吐出側ニードル弁84の開閉状態を全開とした状態において、吸引側ニードル弁81の開閉状態を適宜調整して試験用ガスの流量を連続的に変化させたときの、ポンプ80の吸引側の圧力を吸引側圧力計82によって測定した。なお、試験用ガスの流量は、流量計(図示せず)を吸引側ニードル弁81の上流側に接続することにより測定した。
また、吸引側ニードル弁81の開閉状態を全開とした状態において、吐出側ニードル弁84の開閉状態を適宜調整して試験用ガスの流量を連続的に変化させたときの、ポンプ80の吐出側の圧力を吐出側圧力計83によって測定した。なお、試験用ガスの流量は、流量計(図示せず)を吐出側ニードル弁84の下流側に接続することにより測定した
結果を図13に示す。図13において、吸引圧力は「負」の値、吐出圧力は「正」の値で示されている。
温度が−20℃の環境下において、環境雰囲気の空気(−20℃)を試験用ガスとして用いたことの他は、実験例1と同様の方法により、各々のポンプa〜fの流量特性を調べた。結果を図14に示す。
これに対して、比較用のポンプd〜fにおいては、流量特性が安定せず、製品毎の流量特性のバラツキが大きいことが確認された。また、このような現象は、試験用ガスが低温である場合に特に顕著に現れることが確認された。
11 連通路
12 凹所
13 弁座部
15 第二の弁保持部材
16 連通孔
17 弁室
18 支持部
20 逆止弁
20a 逆止弁
21 固定部
22 切り欠き
25 弁体
25a 吸入側弁体
25b 吐出側弁体
26 流路開閉部
27 連結部
28 片状突出部
29 係合用貫通孔
30 ポンプ部
31 ダイヤフラム
32 本体部
33 鍔部
40 ポンプ室画成部材
41 逆止弁配置用凹所
41a 位置決めピン
42a 一方の凹所(吸入側弁室)
42b 他方の凹所
43 吸入側連通路
43a 吸入孔
44 吐出側連通路
44a 吐出孔
45 吐出側弁座部
46 下面側支持部
50 ポンプヘッド
51a 吸入部
51b 吐出部
52a 一方の凹所
52b 他方の凹所(吐出側弁室)
53 吸入流路
53a 吸入孔
54 吸入側弁座部
55 吐出流路
55a 吐出孔
56 上面側支持部
60 駆動部
61 ケーシング部材
61a 隔壁部分
62 ポンプ部装着部
65 ダイヤフラム駆動機構
66 駆動用モータ
67 駆動軸
68 ベアリング(玉軸受け)
70 偏心部材
71 偏心カム部分
72 バランスウェイト部分
75 駆動ロッド
76 円筒状保持部
80 ポンプ
81 吸引側ニードル弁
82 吸引側圧力計
83 吐出側圧力計
84 吐出側ニードル弁
90 逆止弁
91 固定部
92 切り欠き
95 弁体
96 流路開閉部
97 連結部
100 弁座
Pr ポンプ室
R 吸入流路
S1 第一空間
S2 第二空間
Claims (3)
- 第一空間から第二空間へ向かう流体の流れを許容し、その逆方向への流体の流れを禁止する逆止弁構造において、
前記第一空間と連通する連通路を有し、当該連通路の出口に弁座部が形成された第一の弁保持部材と、当該第一の弁保持部材に対接されて設けられた、前記弁座部に対向する位置に前記第二空間と連通する弁室が形成された第二の弁保持部材と、先端部が自由端とされかつ基端部が前記第一の弁保持部材と前記第二の弁保持部材とによって狭持保持される固定部に片持ち状に支持された弁体を有する薄膜状の逆止弁とを備えており、
前記弁体は、前記連通路を閉塞する流路開閉部と、前記流路開閉部の先端部に形成され当該流路開閉部に連続して外方に突出して延びる片状突出部とを有し、
当該片状突出部の少なくとも弁室側の面に常時当接して当該弁体の可動範囲を制限する支持部が、前記第二の弁保持部材に形成され、
前記弁体は、前記連通路が開閉されるに際して前記片状突出部が前記支持部に対して前記弁体の長さ方向に摺動されるよう構成されていることを特徴とする逆止弁構造。 - ポンプ室の内面の一部を画成する弾性変形可能なダイヤフラムと、
各々前記ポンプ室と連通する吸入側連通路および吐出側連通路を有し、当該吐出側連通路の出口に吐出側弁座部が形成されると共に当該吸入側連通路の入口に吸入側弁室が形成された、前記ダイヤフラムと共に前記ポンプ室を画成するポンプ室画成部材と、
当該ポンプ室画成部材に対接されて設けられた、前記吐出側弁座部に対向する位置に外部への吐出流路と連通する吐出側弁室が形成されると共に前記吸入側弁室に対向する位置に開口する外部からの吸入流路の出口に吸入側弁座部が形成されたポンプヘッドと、
各々先端部が自由端とされかつ基端部が前記ポンプ室画成部材と前記ポンプヘッドとによって狭持保持される固定部に片持ち状に支持された吸入側弁体および吐出側弁体を有する薄膜状の逆止弁と
を備えており、
前記吸入側弁体および前記吐出側弁体の各々は、前記吸入側連通路または吐出側連通路を閉塞する流路開閉部と、前記流路開閉部の先端部に形成され当該流路開閉部に連続して外方に突出して延びる片状突出部とを有し、
前記吸入側弁体における片状突出部の少なくとも吸入側弁室側の面に常時当接して当該吸入側弁体の可動範囲を制限する支持部が前記ポンプ室画成部材に形成されていると共に、前記吐出側弁体における片状突出部の少なくとも吐出側弁室側の面に常時当接して当該吐出側弁体の可動範囲を制限する支持部が前記ポンプヘッドに形成され、
前記吸入側弁体および前記吐出側弁体の各々は、前記吸入側連通路および吐出側連通路が開閉されるに際して前記片状突出部が前記支持部に対して前記弁体の長さ方向に摺動されるよう構成されていることを特徴とするダイヤフラムポンプ。 - 前記吸入側弁体および前記吐出側弁体は、基端部が互いに逆側に位置された状態で並設されていることを特徴とする請求項2に記載のダイヤフラムポンプ。
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