以下、図面を参照しながら、本発明に係る四足動物用クッション(以下、単に「クッション」という。)100について説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、本発明の一実施形態に過ぎず、当然ながら本発明を限定することを意図したものではない。
図1は、本実施形態に係るクッション100の使用状態の一例を示す平面図である。図2は、クッション100の使用状態の一例を示す正面図である。以下の説明では、前、後、左、右、上、下とは、クッション100を使用する四足動物Pから見た前、後、左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。各図面中における符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を表す。ただし、これらの方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、クッション100の態様を何ら限定するものではない。
図1に示すように、本実施形態に係るクッション100は、介護が必要な四足動物Pに対して使用されるものである。例えば、図2に示すように、クッション100は、伏せた四足動物Pの顎Cが乗せられた状態で使用される。このことによって、伏せた状態の四足動物Pの姿勢を安定させることができる。ここで、介護が必要な四足動物Pとして、例えば、寝たきりの状態にある動物、または、自立して歩行することが困難な動物などが挙げられる。四足動物Pとは、例えばペットとして飼われている四足動物である。四足動物Pの一例として、犬、猫などが挙げられる。以下では、クッション100を使用する対象の四足動物Pとして犬を例に挙げて説明する。
図3は、本実施形態に係るクッション100の斜視図である。図4は、クッション100の平面図である。図5は、クッション100の左側面図であり、後述の顎乗せ部11の内部全体に、後述のビーズ5が充填されている状態を示す図である。図6は、図4のVI−VI断面におけるクッション100の断面図である。図7は、クッション100の裏面図である。図3に示すように、クッション100は、袋体10と、調整具40と、連結ベルト50と、を備えている。袋体10は、角がない形状である。例えば、袋体10は後方に開口したU字状に形成されている。図4に示すように、袋体10は、袋状であり、内部には、充填物の一例であるビーズ5が充填されている。このビーズ5の大きさは特に限定されない。本実施形態では、直径が0.5mm、1.0mmおよび2.0mmの3種類の大きさのビーズ5が使用されているが、1種類、2種類または4種類以上の大きさのビーズ5が使用されてもよい。また、3種類の大きさのビーズ5の充填量の比は、特に限定されない。例えば、充填量の比は、0.5mm:1.0mm:2.0mm=1:1:1である。なお、図6では、ビーズ5が省略されている。
袋体10は、顎乗せ部11と、左右一対の胴体支持部12とを備えている。ビーズ5は、顎乗せ部11と胴体支持部12との間を移動可能なものである。顎乗せ部11は、例えば床などに置かれるものであり、図2に示すように、上面に四足動物Pの顎Cが乗せられる。また、顎乗せ部11の下であって、顎乗せ部11と床との間には、四足動物Pの前脚FLが置かれる。すなわち、四足動物Pが伏せている状態において、顎Cと前脚FLとの間に顎乗せ部11が配置される。
図4に示すように、顎乗せ部11は、左右方向に延びている。顎乗せ部11の後部の中央部分には、前方に凹んだ凹部21が形成されている。図1に示すように、凹部21には、四足動物Pの首が入れられる。凹部21は、凹状の後縁11bによって形成されている。ここでは、図4に示すように、平面視において、凹部21の輪郭線21aは、湾曲している。例えば、凹部21は平面視において半円形状である。このことによって、四足動物Pの首と顎乗せ部11とが接触する面積を大きくすることができるため、四足動物Pの姿勢を安定させることができる。
顎乗せ部11の前縁11aは、平面視において曲線状である。ここで、前縁11aとは、平面視において、袋体10の前側の縁のことをいう。ここでは、顎乗せ部11の前縁11aは、平面視において略半円形状である。例えば、平面視において、顎乗せ部11の左前部および右前部は、アール状に形成されている。図5に示すように、側面視において、顎乗せ部11の前部の上部11cおよび下部11dは、アール状に形成されている。図6に示すように、顎乗せ部11の後部の上部11eおよび下部11fは、アール状に形成されている。本実施形態では、顎乗せ部11全体にビーズ5が充填されている状態において、顎乗せ部11の前縁11aの高さH1は、顎乗せ部11の前縁11aと凹部21との間の上面の高さH2よりも低い。また、顎乗せ部11の後縁11bの高さH3は、顎乗せ部11の前縁11aと凹部21との間の上面の高さH2よりも低い。ここでは、前縁11aの高さH1は、後縁11bの高さH3と同じであるが、高さH3よりも低くてもよいし、高くてもよい。なお、顎乗せ部11は、他の部分を備えていてもよい。例えば、顎乗せ部11は、顎乗せ部11の左前部および右前部に接続された他の部分を備えていてもよい。上記他の部分とは、例えば、顎乗せ部11の前縁11aに沿って設けられたものであって、内部に後述する内袋25、および、内袋25に収容されたビーズ5が設けられていないものである。例えば、上記他の部分は、高さ調整機能を有しないものである。ただし、上記他の部分の内部に、内袋25、および、内袋25に収容されたビーズ5が設けられていてもよく、上記他の部分は、高さ調整機能を有していてもよい。また、上記他の部分の形状は特に限定されず、例えば、平面視において、上記他の部分の前部の形状が、顎乗せ部11の前縁11aの形状に沿った形状(例えば、輪郭線が湾曲した形状)であってもよいし、矩形状であってもよい。なお、以下の説明において、顎乗せ部11の高さとは、顎乗せ部11の上面の高さのことをいう。
左右一対の胴体支持部12は、顎乗せ部11内のビーズ5を退避させるものであると共に、図1に示すように、伏せた状態の四足動物Pの胴体Bを両側から支持するものである。左右一対の胴体支持部12の間に、四足動物Pの胴体Bの少なくとも一部が配置される。
図4に示すように、左右一対の胴体支持部12は、顎乗せ部11と連通し、顎乗せ部11の左右両端部から後方に向かって延びている。例えば、左右一対の胴体支持部12は、顎乗せ部11において左右方向の中心よりも左側の端部、および、顎乗せ部11の左右方向の中心よりも右側の端部から後方に向かって延びている。本実施形態では、胴体支持部12は、顎乗せ部11と連続し、前後に延びた直筒状の直筒部22と、直筒部22の後端と連続し、後方に突出した略半球状の半球部23とを有している。平面視において、直筒部22の輪郭線は直線である。
以下の長さに関する記載では、袋体10の内部全体に、ビーズ5が充填されている状態における長さの関係を示している。ここでは、顎乗せ部11は、凹部21の前方部分において前後方向に延びた中心乗せ部11gを備えている。胴体支持部12は、左右方向に延びた所定支持部12aを備えている。ここでは、所定支持部12aは、本発明の「所定の部分」の一例であり、胴体支持部12の前後方向の中央部分であるが、それに限定されない。例えば、所定支持部12aは、胴体支持部12の前部であってもよいし、胴体支持部12の後部であってもよい。ここでは、「顎乗せ部11における凹部21の前方部分の前後方向の長さL1」とは、中心乗せ部11gの前後方向の長さのことであり、顎乗せ部11のうち左右方向の中心位置の前後方向の長さである。また、「胴体支持部12の左右方向の長さL2」とは、所定支持部12aの左右方向の長さのことである。
本実施形態では、顎乗せ部11における凹部21の前方部分の前後方向の長さL1は、胴体支持部12の左右方向の長さL2よりも長い。長さL1は、例えば顎乗せ部11の左右方向の中心における前後方向の長さである。長さL2は、例えば胴体支持部12の直筒部22の左右方向の長さである。長さL1は、顎乗せ部11の前縁11aの高さH1(図6参照)よりも長く、顎乗せ部11の前縁11aと凹部21との間の上面の高さH2(図6参照)よりも長く、かつ、顎乗せ部11の後縁11bの高さH3(図6参照)よりも長い。胴体支持部12の前後方向の長さL3は、顎乗せ部11における凹部21の前方部分の前後方向の長さL1よりも長く、かつ、胴体支持部12の左右方向の長さL2よりも長い。ここで、長さL3は、例えば、直筒部22の前端(図4では、調整具40の前端の位置であって、平面視において、直筒部22の輪郭線が直線となっている部位の前端)から半球部23の最後端までの前後方向の長さである。ただし、この長さL3は、長さL1と同じであってもよいし、長さL1よりも短くてもよい。本実施形態では、胴体支持部12の前後方向の長さL3は、左の胴体支持部12の左端から右の胴体支持部12の右端までの左右方向の長さL4よりも短い。ただし、長さL3は、長さL4と同じであってもよいし、長さL4よりも長くてもよい。この長さL4は、顎乗せ部11における凹部21の前方部分の前後方向の長さL1よりも長い。しかしながら、長さL4は、長さL1と同じであってもよいし、長さL1よりも短くてもよい。ここでは、胴体支持部12の前後方向の長さL3は、左の胴体支持部12の右端から右の胴体支持部12の左端までの左右方向の長さL5よりも長い。ただし、長さL3は、長さL5と同じであってもよいし、長さL5よりも短くてもよい。この長さL5は、長さL1よりも短く、長さL2よりも長い。しかしながら、長さL5は、長さL1、L2と同じあってもよく、長さL1よりも長くてもよいし、長さL2よりも短くてもよい。
本実施形態では、上述のように、クッション100は犬などの四足動物Pに対して使用される。そのため、四足動物Pがクッション100を噛むもしくは引っ掻くことで、袋体10の表面の一部が破れ、内部のビーズ5が外部にこぼれることがある。そのため、本実施形態では、袋体10は、二重構造である。具体的には、袋体10は、内袋25と、外袋26とによって構成されている。内袋25には、ビーズ5が充填されている。なお、内袋25の材質は特に限定されないが、例えば、内袋25は、ニット生地(例えば、ポリエステル)によって形成されている。内袋25の形状は特に限定されない。例えば、内袋25は、後方に開口するU字形状である。また、ここでは、内袋25の数は1つであるが、複数であってもよい。
外袋26は、内袋25を覆うものであり、内袋25を収容するものである。外袋26は、後方に開口したU字形状である。なお、外袋26の材質は特に限定されないが、四足動物Pに直接触れるものであるため、柔らかい材質であることが好ましい。また、四足動物Pに噛まれるもしくは引っ掻かれるという観点から、外袋26は破け難い高強度の材質によって形成されていることが好ましい。四足動物Pに排泄物を掛けられる、もしくは、舐められるという観点から、外袋26は防水性を有する材質によって形成されていることが好ましい。また、外袋26は、汚れ難い、または、汚れが落ち易い材質によって形成されていることが好ましい。例えば、外袋26はウレタンレザーによって形成されている。
本実施形態では、図7に示すように、外袋26には、ファスナー27が設けられている。ファスナー27を開けることで、ファスナー27から内袋25およびビーズ5を取り出すことができる。なお、ファスナー27の位置は特に限定されないが、外袋26の裏面に形成されていることが好ましい。例えば、ファスナー27は、袋体10の顎乗せ部11の裏面に形成されている。ここでは、ファスナー27は、左右方向に延びているが、前後方向に延びていてもよい。なお、ファスナー27の材質は特に限定されないが、例えば、ファスナー27において、互いに噛み合う部分のエレメント(図示せず)、および、外袋26とエレメントとを繋ぐテープ(図示せず)は、防水性を有する材質で形成されていることが好ましい。また、ファスナー27には、エレメントを開閉させるスライダー(図示せず)がエレメントを閉じたとき、外袋26から出っ張らないように収容される収容部が設けられていることが好ましい。
なお、本実施形態では、外袋26は、上面を形成する1枚の上生地26a(図4参照)と、裏面を形成する下生地26b(図7参照)とを有している。外袋26は、上生地26aおよび下生地26bの互いの端を縫い合わせることで形成されている。このように、外袋26の上面が1枚の上生地26aによって形成されていることで、滑らかな面となる。よって、四足動物Pが外袋26に引っ掛かり難くすることができる。なお、下生地26bは、1枚の生地で形成されていてもよいし、複数の生地によって形成されていてもよい。ここでは、図7に示すように、下生地26bは、ファスナー27の前方に位置する前下生地26baと、ファスナー27の後方に位置する後下生地26bbとを有している。2枚の生地26ba、26bbは互いに縫い合わされている。
図8は、クッション100の左側面図であり、図5の顎乗せ部11と比較して、顎乗せ部11の高さが低くなった状態を示す図である。図5および図8に示すように、クッション100は、顎乗せ部11の高さ調整機能を有する。高さ調整機能によって、顎乗せ部11の上面の少なくとも一部の高さを変更することが可能である。ここでは、顎乗せ部11内のビーズ5の量を多くしたり少なくしたりすることで、顎乗せ部11の高さを調整する。例えば、顎乗せ部11の高さを低くしたい場合、顎乗せ部11内のビーズ5の一部を胴体支持部12に移動させることで、図8に示すように、顎乗せ部11の高さを相対的に低くすることができる。一方、顎乗せ部11の高さを高くする場合、胴体支持部12内のビーズ5の少なくとも一部を顎乗せ部11に移動させることで、図5に示すように、顎乗せ部11の高さを相対的に高くすることができる。
ところで、クッション100を使用している際に、顎乗せ部11内のビーズ5の一部が胴体支持部12に移動したり、胴体支持部12内のビーズ5の一部が顎乗せ部11に移動したりすることで、顎乗せ部11の高さが変更されることがあり得る。このような顎乗せ部11と胴体支持部12との間におけるビーズ5の移動を規制するために、調整具40が使用される。調整具40は、胴体支持部12の一部に設けられるものであり、調整具40が設けられた胴体支持部12の一部の横断面積を小さくするものである。ここでは、図7に示すように、調整具40は、胴体支持部12の前部に設けられているが、胴体支持部12の前部よりも後方に設けられていてもよい。
なお、調整具40の具体的な構成は特に限定されない。本実施形態では、調整具40は、紐41と、ストッパー42とを備えている。紐41は、袋体10と一体的に形成されていてもよいし、別体であってもよい。ここでは、紐41の端部は、袋体10の外袋26に縫い付けられており、紐41を外袋26から取り外すことができない。そのため、紐41を紛失し難くすることができる。紐41を胴体支持部12の周方向に沿って設け、紐41で胴体支持部12を絞ることで、絞られた部分の胴体支持部12の横断面積は相対的に小さくなる。この状態で、胴体支持部12の絞りが緩められないように、ストッパー42を紐41に取り付ける。このことによって、胴体支持部12のうち調整具40が設けられた位置よりも後方の部位(以下、胴体支持部12の後部という。)内のビーズ5が顎乗せ部11に移動し難くなると共に、顎乗せ部11内のビーズ5が胴体支持部12の後部に移動し難くすることができる。
ところで、図1に示すように、クッション100の左右一対の胴体支持部12の間に、四足動物Pの胴体Bが位置し、胴体支持部12が胴体Bを支持している際、四足動物Pの体重が胴体支持部12に掛かり、左右一対の胴体支持部12の間が広がることがある。左右一対の胴体支持部12の間が広がることで、胴体支持部12が四足動物Pの胴体Bを支持し難くなり、四足動物Pの姿勢が安定し難くなる。そこで、本実施形態では、左右一対の胴体支持部12の間の距離が所定の距離以上にならないように、連結ベルト50(図7参照)を使用する。
連結ベルト50は、左右一対の胴体支持部12を連結させるものである。言い換えると、連結ベルト50は、左右一対の胴体支持部12に架け渡されている。連結ベルト50は、左右方向に延びている。連結ベルト50は、胴体支持部12の後部(詳しくは、胴体支持部12の半球部23)の裏面に接続されている。ここでは、連結ベルト50は、左右一対の胴体支持部12の間に接続されている。しかしながら、連結ベルト50は、左右一対の胴体支持部12の外側の部位(左の胴体支持部12の場合、左側の部位であり、右の胴体支持部12の場合、右側の部位)に接続されていてもよい。なお、連結ベルト50の具体的な構成は特に限定されない。ここでは、連結ベルト50は、左ベルト52Lと、右ベルト52Rと、バックル53とを備えている。左ベルト52Lは、左の胴体支持部12の裏面に設けられ、左の胴体支持部12から右方に向かって延びている。右ベルト52Rは、右の胴体支持部12の裏面に設けられ、右の胴体支持部12から左方に向かって延びている。なお、左ベルト52Lおよび右ベルト52Rは、その一端が胴体支持部12に固定されていてもよいし、胴体支持部12に取り付けられるものであってもよい。バックル53は、左ベルト52Lと右ベルト52Rとを連結させるものである。バックル53が設けられる左ベルト52Lの位置と、右ベルト52Rの位置とを変更することで、左右一対の胴体支持部12の間隔を調整することができる。例えば、バックル53が設けられる左ベルト52Lの位置、または、右ベルト52Rの位置を胴体支持部12に近づけると、左右一対の胴体支持部12の間隔を短くすることができる。一方、バックル53が設けられる左ベルト52Lの位置、または、右ベルト52Rの位置を胴体支持部12から遠ざけると、左右一対の胴体支持部12の間隔を長くすることができる。このようにして、バックル53によって、左ベルト52Lと右ベルト52Rとを連結させることによって、左右一対の胴体支持部12の間が広がり難くすることができる。なお、バックル53は、左右一対の胴体支持部12の何れか一方の裏面に配置されているとよい。このことによって、左右一対の胴体支持部12の間に四足動物Pの胴体Bが配置されたとき、バックル53が胴体Bに接触し難くすることができる。
本実施形態では、連結ベルト50に、四足動物Pの胴体Bが乗る。そのため、連結ベルト50の左ベルト52Lおよび右ベルト52Rの形状は、平らであることが好ましい。例えば、左ベルト52Lおよび右ベルト52Rのそれぞれの前後方向の長さは、左ベルト52Lおよび右ベルト52Rのそれぞれの上下方向の長さよりも長い。
以上、本実施形態に係るクッション100の構成について説明した。なお、四足動物Pには、様々な大きさの動物が存在する。そのため、1つのクッション100で全ての大きさの四足動物Pに対応し難い。そこで、クッション100として、様々な大きさの四足動物Pに対応することができるように、大きさが異なる複数のクッション100が用意されていてもよい。次に、クッション100の使用方法について簡単に説明する。上述のように、クッション100は、例えば介護が必要な犬などの四足動物Pに対して使用される。伏せをしている四足動物Pの前脚FLは、前方に延びている状態となる。このような状態において、図1に示すように、顎乗せ部11の凹部21に四足動物Pの首を入れると共に、顎乗せ部11上に四足動物Pの顎Cを乗せ、かつ、胴体Bの左右両側に胴体支持部12が配置されるようにクッション100を配置する。このとき、四足動物Pの前脚FLは、図2に示すように、顎乗せ部11と床との間に挿入された状態となる。なお、左右一対の胴体支持部12が連結ベルト50によって連結されていない場合には、クッション100の顎乗せ部11に四足動物Pの顎Cを乗せた後に、連結ベルト50によって左右一対の胴体支持部12を連結させてもよい。
例えば、使用しようとするクッション100に対して、四足動物Pが相対的に小型であり、顎乗せ部11の高さが高すぎる場合、顎乗せ部11の高さを低くするように調整するとよい。この場合、まず、調整具40の紐41を緩めて、胴体支持部12の絞り状態を解除する。そして、顎乗せ部11内のビーズ5の一部を胴体支持部12に移動させる。その後、紐41によって胴体支持部12を絞り、紐41にストッパー42を取り付ける。このように、顎乗せ部11内のビーズ5の量を少なくすることで、図8に示すように、顎乗せ部11の高さを低くすることができる。
例えば、使用しようとするクッション100に対して、四足動物Pが相対的に大型であり、顎乗せ部11の高さが低すぎる場合、顎乗せ部11の高さを高くするように調整するとよい。この場合、同様に、調整具40の紐41を緩めて、胴体支持部12の絞り状態を解除する。そして、胴体支持部12内のビーズ5の一部を顎乗せ部11に移動させる。その後、紐41によって胴体支持部12を絞り、紐41にストッパー42を取り付ける。このように、顎乗せ部11内のビーズ5の量を少なくすることで、図5に示すように、顎乗せ部11の高さを高くすることができる。
以上のように、本実施形態に係るクッション100は、四足動物Pに対して使用されるものである。四足動物Pは、大型な動物から小型の動物まで、様々な大きさの動物が存在し、人間と比較して相対的に個体差が大きい。そのため、四足動物Pの大きさによって、顎Cが乗せられる顎乗せ部11の適切な高さが異なる。そこで、本実施形態では、顎乗せ部11と胴体支持部12との間でビーズ5を移動させることで、顎乗せ部11の高さを調整することができる。よって、様々な大きさの四足動物Pに対して適切に使用することが可能なクッション100を提供することができる。また、本実施形態では、図1に示すように、顎乗せ部11に四足動物Pの顎Cが乗せられている状態において、左右一対の胴体支持部12の間には、四足動物Pの胴体Bが位置する。よって、四足動物Pの胴体Bは両側から胴体支持部12によって支持されるため、四足動物Pの姿勢を安定させることができる。
本実施形態では、図6に示すように、顎乗せ部11の前縁11aの高さH1は、顎乗せ部11のうち凹部21と前縁11aとの間の上面の高さH2よりも低い。このことによって、四足動物Pの顎Cを顎乗せ部11に乗せた状態において、四足動物Pは、顎乗せ部11によって視界が遮られ難いため周辺の景色が見易い。よって、視界を遮られることによって生じる四足動物Pのストレスを緩和させることができる。
本実施形態では、図4に示すように、平面視において、顎乗せ部11のうち左右方向の中心位置(詳しくは、中心乗せ部11g)の前後方向の長さL1は、胴体支持部12の所定の部分(詳しくは、所定支持部12a)の左右方向の長さL2よりも長い。例えば、四足動物Pのうち犬などは、口が前方に突出しており、前後方向の長さが長い。そのため、顎乗せ部11のうち左右方向の中心位置の前後方向の長さL1を長くすることで、四足動物Pの頭における首より前の部位を顎乗せ部11が支持し易い。よって、四足動物Pの頭を安定して支持することができる。
本実施形態では、調整具40は、胴体支持部12の一部に設けられ、調整具40が設けられた胴体支持部12の一部の横断面積を小さくする。このことによって、クッション100を使用しているとき、袋体10内のビーズ5が顎乗せ部11と胴体支持部12との間で移動し難い。よって、クッション100を使用しているとき、顎乗せ部11の高さが変更され難くすることができる。
本実施形態では、連結ベルト50は、左右一対の胴体支持部12に接続されている。このことによって、例えば、四足動物Pが胴体支持部12にもたれ掛かった場合であっても、左右一対の胴体支持部12の間隔が広がり難い。よって、四足動物Pが胴体支持部12にもたれ掛かった場合であっても、四足動物Pの胴体Bを両側から胴体支持部12が支持し易い。
本実施形態では、連結ベルト50の上に四足動物Pの胴体Bが乗る。そのため、胴体Bの重さによって連結ベルト50は移動し難く、四足動物Pの胴体Bに対する胴体支持部12の位置がズレ難い。よって、四足動物Pの胴体Bは胴体支持部12によって安定して支持される。
本実施形態では、顎乗せ部11および胴体支持部12の内部には、充填物の一例であるビーズ5が充填されている。ビーズ5は、粒状であるため、例えば液体などと比較すると、顎乗せ部11の内部のビーズ5の量を細かく調整し易い。よって、顎乗せ部11の高さを細かく設定することができる。
また、本実施形態では、図2に示すように、顎乗せ部11の下には、四足動物Pの前脚FLが入り込む。ここでは、顎乗せ部11内にはビーズ5が充填されているため、四足動物Pの前脚FLの形状に沿って、顎乗せ部11の形状が変形し易い。よって、四足動物Pは、安心して前脚FLを顎乗せ部11の下に入れ込むことができる。
上記実施形態では、顎乗せ部11は、図4に示すように、平面視において略半円形状であった。しかしながら、顎乗せ部11は、平面視において矩形状であってもよい。この場合、顎乗せ部11の前縁の高さは、前縁と凹部21との間の顎乗せ部11の上面の高さよりも低いことが好ましい。このことによって、顎乗せ部11が平面視において矩形状であっても、四足動物Pの顎Cを顎乗せ部11に乗せた状態において、四足動物Pは、顎乗せ部11によって視界が遮られ難いため周辺の景色が見易い。
上記実施形態では、充填物の一例として、ビーズ5が使用されていた。しかしながら、充填物はビーズ5に限定されない。例えば、充填物として、空気、または、水などの液体が使用されてもよい。この場合、内袋25は、空気または液体が漏れないような材質で形成されているとよい。
上記実施形態では、顎乗せ部11と胴体支持部12との間でビーズ5を移動させて、顎乗せ部11内のビーズ5の量を調整することで、顎乗せ部11の高さを調整していた。しかしながら、袋体10内のビーズ5の量を増減させることで顎乗せ部11の高さを調整してもよい。例えば、顎乗せ部11の高さを高くしたい場合には、袋体10内にビーズ5を追加すればよい。一方、顎乗せ部11の高さを低くしたい場合には、袋体10内のビーズ5の一部を取り出せばよい。
上記実施形態では、調整具40は、紐41であった。しかしながら、本発明に係る調整具は、紐41に限定されない。例えば、調整具の一例として、輪ゴム、または、胴体支持部12を上下から挟む部材であってもよい。例えば、調整具の一例として、錘であってもよい。錘は、胴体支持部12に載置されるものである。このことによって、錘が載置された位置よりも後方の胴体支持部12の部位と、顎乗せ部11との間において、ビーズ5が移動することが規制される。よって、クッション100を使用している状態において、顎乗せ部11の高さが変更され難くすることができる。
上記実施形態において、調整具40は省略されてもよい。この場合、顎乗せ部11と胴体支持部12との間で自然に移動しないような充填物が使用される、または、袋体10内のビーズ5の量を増減させることで顎乗せ部11の高さを調整するとよい。
上記実施形態において、左右一対の胴体支持部12には、連結ベルト50が接続されていたが、連結ベルト50は省略されてもよい。