JP6932888B2 - シミュレーションしたサワー環境における水素誘起割れの定量的なリアルタイムのモニタリングのための統合されたシステム - Google Patents

シミュレーションしたサワー環境における水素誘起割れの定量的なリアルタイムのモニタリングのための統合されたシステム Download PDF

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Description

本発明は、鋼における水素誘起割れ損傷の起点発生及び成長の定量的なモニタリングのためのシステム及びプロセスに関し、また、より具体的には、サワーサービス機器内でのHIC損傷の起点発生及び成長を予測及び追跡するためのサワーサービス条件の実験室シミュレーションに関する。
水素誘起割れ(HIC)は、特に湿ったサワー条件でサービスする、すなわち湿ったHS含有環境で動作する、パイプライン及び圧力容器に対する重要な問題となる可能性がある。一般にHICは、原子状水素が金属中に溶解された結果として生じる可能性がある、パイプライン、配管系、及び圧力容器などの金属構造(例えば、鋼)内のバルク型の割れである。特に、(1)金属表面にて起こるHSと鉄との間の腐食反応の結果として、または(2)不適切なカソード防食(過防食)のいずれかによって生成された水素原子が、金属内の格子間位置を通して拡散し、かつ再結合して金属欠陥の中に高圧水素ガスを形成する可能性がある。次いで、金属不良の中の水素ガスの圧力の増加は、バルク金属内に割れまたは膨れを形成及び成長させ、続いてこれらは階段状に相互につながって金属構造の構造的欠陥を引き起こす場合がある。サワーサービス圧力機器の中の構造的欠陥は、結果としてサワーガスの潜在的な漏れに起因する安全性及び環境に対する危険をもたらす可能性がある。したがって、サワーサービス機器内のHICの起点発生及び成長を予測及び追跡する能力はこの上なく重要である。
現在、サワーサービス動作では、機器にHICの兆候がないか定期的にモニターし、そしてHICが発見されたとき、影響を受けている場所は、圧力負荷軽減が必要とされるか、及び最終的にいつ交換機器が必要であるかを決定するために、さらにより頻繁に検査される。例えば、サワーサービスシステムについては、直線的なHIC損傷を有するすべての容器を先進的な超音波試験によって定期的な間隔で(例えば、年次で)モニターすることができる一方で、階段状の割れ損傷(HICのより深刻な形態)を示す容器をより頻繁に(例えば、半年ごとに)モニターすることができる。しかしながら、この頻繁なモニタリングは、高価であり、かつ時間がかかる。所与の金属等級(例えば、鋼種)について、HICの成長速度及びその動作条件(例えば、温度、圧力、pH、HSの割合)との関係に関する知見があれば、HICによって損傷される容器のモニタリングの効率を高めることが可能になる。特に、HICの成長速度を制御する要因をより良く理解することによって、HICで損傷されたすべての機器を系統的にモニタリングするのではなく、欠陥のリスクが最も高いこれらの容器にモニタリングが限定することができる。換言すれば、モニタリング手順をスケジュールベースの検査(SBI)システムからリスクベースの検査(RBI)システムに変更することができる。したがって、機器モニタリング手順の効率を高めるために、サワーサービス環境の中で動作している金属構造の中のHIC損傷の起点発生を予測し、かつ成長速度を定量化するための信頼性の高いやり方に対する必要性がある。
本開示は、少なくとも1つの試験試料での水素誘起割れの定量的なモニタリングのための方法及びシステムを目的とする。この方法は、HSを含むガスで試験溶液を飽和させるステップと、飽和した試験溶液をテストセルの中へ送達するステップを含み、テストセルは、少なくとも1つの試料ポートと、少なくとも1つの試験試料と、を備える。試料ポートは、試験試料を受け入れるように構成されている。この方法は、少なくとも1つの試験試料を飽和した試験溶液に曝露するステップであって、各々の試料のうちの1つの表面のみが飽和した試験溶液に曝露される、曝露するステップと、2つ以上の時点において超音波トランスデューサーを用いて試験試料をスキャンするステップであって、超音波トランスデューサーが試料ポートに動作可能に接続されており、かつ試験試料の対称軸の周りに完全に回転して各々のスキャンを完了するように構成されている、スキャンするステップと、も含む。
実験室環境内で水素誘起割れをモニタリングするためのシステムは、サワーガス供給源と、試験溶液を含み、かつ試験溶液がサワーガスで飽和されるように、サワーガスがその中に導入される試験溶液タンクとを含む。テストセルは、少なくとも1つの試験試料を保持することができ、またその中でサワー腐食反応が行われることになる、半開放流体容器を提供し、かつ画定する。流体容器は、流体容器が圧力差を通して飽和した試験溶液を受け入れるように、試験溶液タンクと流体連通している。テストセルホルダーは、各々の試験試料の1つの表面が飽和した試験溶液に暴露されるように、テストセルを3つの異なる位置に回転するように構成されている。システムは少なくとも1つの試料ポートに動作可能に接続されており、かつバルク材料内に存在するHIC不良を定期的にスキャンするために試験試料の周りを回転するように構成された超音波トランスデューサーを含む。
本開示のさらなる態様は、下記に記述されるその様々な実施形態の詳細な記述を添付の図面とともに検討するとより容易に理解されるであろう。
図1は、本出願の1つ以上の実施形態による、サワー環境内の1つ以上の試験試料の中のHICの定量的なモニタリングのためのシステムの概略図である。 図2は、本出願の1つ以上の実施形態によるテストセル及びその構成要素の概略図である。 図3は、本出願の1つ以上の実施形態によるテストセルの底部部分への試料ポートの作製を図示するテストセルの概略図である。 図4は、本出願の1つ以上の実施形態による試験試料の寸法及び試験試料の表面における水素の吸収を図示する図である。 図5は、本出願の1つ以上の実施形態による、チャージ表面半径に対する最大許容抽出表面半径の比率(Rext max/Rch)を、試料厚さに対する水素チャージ表面半径の比率(Rch/L)の関数として図示するグラフである。 図6は、本出願の1つ以上の実施形態による試料ポート及びその構成要素の概略図である。 図7A〜図7Bは、本出願の1つ以上の実施形態による、試験試料内に位置する長軸方向バルクHIC割れのC−スキャン表示である。図7Aは、ホイールエンコーダーの使用を伴う、試料軸に関するトランスデューサーの回転も表示する。図7Bは、プローブの直交(x,y)方向での従来の動きを表示する。 図8は、本出願の1つ以上の実施形態による、超音波トランスデューサーの最初及び最後の発射要素に対する音響経路の概略図である。 図9は、本出願の1つ以上の実施形態による、較正ブロックを使用する、r<0である領域でスキャンが重なるのを防止するようにトランスデューサーの最初の発射要素を決定するために使用される技法の図示である。 図10は、本出願の1つ以上の実施形態による、テストセル及びその構成要素の代替的な実施形態の概略図である。 図11A〜図11Cは、本出願の1つ以上の実施形態による、水素透過試料クランプ及びその構成要素の概略図である。 図12A〜図12Cは、本出願の1つ以上の実施形態による、テストセル及び試験試料の異なる方向の概略図である。 図13は、本出願の1つ以上の実施形態による、実施例1の試験期間にわたる試験試料の水素透過度のグラフである。 図14A〜図14Bは、本出願の1つ以上の実施形態による、実施例1の試験期間の終了時における浸漬超音波スキャナー(14A)及び回転超音波スキャナー(14B)を使用する、試験試料のスキャンである。
本開示は、サワーサービス環境をシミュレーションする実験室環境などにおけるHICの定量的なモニタリングのためのシステム及び方法を詳細に述べる。特に、本出願は、本明細書に記述する通り、サワーサービス環境から遠く離れているが、そこでの条件をシミュレーションするシステムを目的とする。より具体的には、本出願のシステムは、試験試料内のHIC損傷の起点発生及び成長をモニターすることができ、これによって実際のサワーサービスパイプラインの動作でのHIC損傷の起点発生及び成長をシミュレーションする。システムは、所与のサワー環境内の試験試料の中のHICの起点発生、成長(例えば、サイズ、形状、場所)を正確に追跡し、かつ成長速度(単位時間あたりの単位割れサイズで)を特定することができ、これは現場の作業者が実際のサワーサービス資源(例えば、パイプライン、プラント容器、配管系)の部分での活発なHIC損傷の成長速度をより良好に予測できるようにする。システムは、試験試料の中の階段状の割れ(SWC)の存在を検知するためにも使用することができる。
本出願の方法では、実際のサワーサービス機器におけるHICの起点発生及び成長を予測及び追跡することができる条件を提供するために、試験試料は、対象のサワーサービス機器(例えば、パイプライン、プラント容器)と同一の材料から作製され、かつ実質的に類似の厚さを有する。試験試料は、水素脆化またはHIC損傷の影響を受けやすい任意の材料を含むことができる。例えば、1つ以上の実施形態では、試験試料は鋼などの金属からなる。1つ以上の試験試料は、テストセルの中の1つ以上の試料ポート(1つの試料ポートにつき1つの試験試料)内に保持され、これらは試験溶液に曝露される。試験溶液は、油田において生成された水をシミュレーションするために、水とだけでなく塩または有機酸とからなる。試験溶液は、オイル、ガス、及び酸を含むがこれらに限定されないさらなる要素も含有することができる。さらに、試験溶液は、純粋なHSまたはHSとその他のガスとの混合物(混合物内の既知のHS分圧を有する)とすることができる試験ガスで予め飽和される。動作中、ある一定の圧力及び温度にて、試験溶液を飽和するために使用される試験ガスは、固定された流量でテストセルの中へ連続的にバブリングされる。試験持続期間を通して各々の試験試料の1つの表面のみが飽和試験溶液と接触し、これによって実際の現場機器のサワー環境への曝露をシミュレーションする。例えば、現場におけるパイプラインでは、パイプの内面はこれを通して流れる流体に曝露され、一方で外側表面は大気に開放され、したがって水素に対して内面から外壁へ拡散する継続的な駆動力を作り出す。飽和試験溶液の継続的なバブリングは、試験試料の曝露される表面の中への生成された水素の吸収(腐食の結果として)を促進し、これは最終的にバルク材料の中のHIC損傷につながる。
次いで、試験試料の中のHIC損傷は、試料ポートに取り付けられた回転超音波トランスデューサーによってリアルタイムでモニターされる。回転超音波トランスデューサーは、試験持続期間の間の異なる時点における試験試料の完全な三次元超音波断層撮影を、試験の作業者によって指定できる頻度で提供することができる。次いで、後に続く異なる時点における断層撮影データの解析は、試験試料内の各々の個々のHIC不良に対する起点発生、成長(例えば、サイズ、形状、場所)、及び成長速度を導出するために使用することができ、また個々のHICの階段状の割れ(SWC)への厚さ方向の合体の確率を定量化するためにも使用することができる。
実験室環境におけるHICのモニタリングのための参照されるシステム及び方法が、システム及び方法の1つ以上の図示された実施形態及び/または配設がその中で示される添付の図面を参照して、ここでより詳細に記述される。当業者によって理解される通り、様々な形態で具現化することができる、下記に記述される図示された実施形態及び/または配設は、システム及び方法の単なる例示であるので、システム及び方法は、図示される実施形態及び/または配設に多少なりとも限定されない。したがって、本明細書に開示されるいかなる構造的及び機能的詳細もシステム及び方法を限定するものとは解釈されず、むしろこれらはシステム及び方法を実践するための1つ以上のやり方を当業者に教示するための代表的な実施形態及び/または配設として提供されることが理解される。
図1は、実験室環境内の1つ以上の試験試料の中のHIC不良をモニタリングするための例示的なシステムを図示する。図1は、例示的なフロースキームも示す。システム100は、窒素(N)ガス容器(タンクまたは容器)102及び試験ガス(例えば、硫化水素[HS])容器(タンクまたは容器)104を含む。ある一定の実施形態では、試験運転に先立って、容器102及び104をシステムの残りの部分(例えば、導管106)に接続する配管を、酸素を除去し切るために、おおよそ10分間真空引きすることができる。次いで、1つ以上の実施形態では、システム100の残りの部分から存在する酸素をパージするために容器102からNガスを放出することができる。ある一定の実施形態では、システムを通したNガスの最低流量は100mL/minとすることができ、またNガスはシステムを最低でも24時間パージすることができる。システムをパージするためにNガスが使用される実施形態では、パージに続いて、Nガスの流れを停止する。1つ以上の実施形態では、各々の試験運転に続いてシステムをパージするために容器102からのNガスを使用することもできる。酸素をシステムから除去することの主な利点は、たいへんわずかな油田HS環境しか酸素を含有しないので、油田条件をより良好に再現することである。酸素はHSと反応して、流体導管を詰まらせる可能性がある元素イオウを形成する可能性があるので、システムからの酸素の除去は重要である。一方で、代替的な実施形態では、システムはある一定の異常な条件をシミュレーションするために必要に応じて酸素を含むことができる。
一般に、システム100の流体(気体及び液体)は、流体導管を通してシステム内の容器間を流れる。これらの流体導管は1つ以上の耐腐食性合金で作製することができる。
1つ以上の実施形態では、システム100の流体の流量は、1つ以上のデジタル質量流量メーター、圧力調整器、バルブ、ゲージ、及び/または圧力安全性要素(例えば、ラプチャーディスク)を含む流量制御システムによって制御される。下記に記述されるシステム100の流量制御システム(図1を参照のこと)は特定のやり方で構成される一方で、流量制御システムに対しては、システム100の中の流体の特定された流量を達成するために、バルブ、調整器、ゲージなどに対する任意の数の構成を使用することができる。
引き続き図1を参照すると、導管106を真空引きする工程(上記に記述する)の間、バルブV14、V18、及びV19は開放され、一方でバルブV1、V13、及びV15は閉止される。同様に、システム100をNでパージする工程(上記に記述する通り)の間、次いでバルブV3、V11、V12、V14、及びV19は閉止され、バルブV4、V6、及びV8は開放され、3方バルブV2及びV5はパージ(「P」)位置にされ、V10は大気(「A」)位置にされ、かつ調整器V7及びV9は半開放にされる。さらに、Nでパージする工程に対しては、容器102の主バルブ(V18)は開放され、かつゲージG9上の圧力の読みは、調整器R3を使用して周囲の正圧(10psig未満)に調整される。
1つ以上の実施形態では、各々の試験運転に備えて、最低容積(Vmin)の試験溶液を調製することができ、また試験溶液のpH及び水を所望のレベルに調整することができる。Vminの調製は、実験者が、曝露される試験試料の総表面S(2×πRch )に対する試験溶液容積の比率を最大化できるようにし、これは試験持続期間全体の間、試験溶液のpHを確実に一定に保つのに役立つ。1つ以上の実施形態では、(Vmin/nS)=30の値を使用することができ、式中nは、実験で使用される試験試料の数である。調製の後、以下で詳細に述べるように、試験溶液は、次いで窒素でパージされる試験溶液タンク(塩水タンク)108の中に入れられ、次いでテストセル112(テストセル112の流体容器)へ移送される前に、所望の試験ガス(例えば、サワーガス混合物)によって飽和される。試験溶液は、テストセル112に入る前に、パージ/飽和段階の間の試験試料(複数可)の汚染または腐食を防止するために、パージ/飽和段階のために分離されたタンク(試験溶液タンク108)へ移送される。実際、この段階の間に試験試料(複数可)を分離した乾燥セル(テストセル112)内に入れることによって、誤った腐食表面を作り出し、かつ測定に影響を及ぼすことになる試験試料の早期の腐食を確実に開始しないようにする。さらに、パージした試験溶液を、空気に曝露することなく試験溶液タンク108からテストセル112の中へ移送する能力は、従来の方法に優る利点を提供する。
上記に述べたように、試験溶液の調製に続いて、システムは窒素(N)でパージされる。Nを用いたシステムのパージが完了した後、試験運転を開始するために試験ガスは容器104から放出される。試験ガスは容器104から流体導管106を通して、試験溶液を収容する試験溶液タンク108の中へと流れる。図1に示す実施形態では、容器104からタンク108への試験ガスの流れは、バルブV18(Nガスバルブ)を閉止し、かつV19及び容器104の主バルブを開放することによって達成される。さらに、ゲージG9で読むことができるシステム内の一定の圧力を維持するために、調整器R4もゆっくりと開放される。ガス流量は調整器V7及びV9を介して、また必要な場合は調整器R4のわずかな増加によって制御される。1つ以上の実施形態では、デジタル流量メーター(DFM)のガス流量は最低でも150mL/minとするべきである。
1つ以上の実施形態では、試験ガスは既知の分圧のHSを含むガスの混合物である。試験溶液タンク108に入ると、試験ガスは試験溶液を飽和する。1つ以上の実施では、試験ガスは、試験溶液の飽和を確実に完了するために最低でも2時間の間試験溶液タンク108の中へとポンプ輸送され、その時点で試験ガスの流量は調整器V7及びV9を介して低減される。例えば、試験運転の持続期間の間、試験溶液の継続的なHS飽和を妥当に確保するために、試験ガスの流量を30mL/minのデフォルトのレベルまで低減することができる。
1つ以上の実施形態では、試験溶液の飽和に先立って、試験ガスは容器104内に最大圧力で貯蔵するべきである。溶解ガスの分圧は試験ガスの調製において考慮するべき重要なパラメータである。したがって、試験ガスの調製において、HSガスと圧力との間の以下の関係、xHtest×ptest=xHfield×pfieldを使用することができる。xHtest及びxHfieldは、試験運転及び実際の現場の条件に対するガス混合物内でのHSのモル分率をそれぞれ示し、一方でptest及びpfieldは実際の現場条件での試験圧力及び機器動作圧力をそれぞれ示す。
図1を引き続き参照すると、試験溶液の飽和に続いて、飽和した試験溶液は、次いでタンク108から流体導管110を介してテストセル112へ移送される。より具体的には、溶液を持ち上げるやり方として試験ガス流れ自体を使用して、飽和した試験溶液は試験溶液タンク108からテストセル112へ移送される。これを達成するために、3方バルブV2及びV5は移送(「T」)位置へ回される。ある一定の実施形態では、試験溶液の移送を視覚的にモニタリングできるようにするため、また特に、いつ試験溶液の移送が終了したかを判定するために流体導管110を透明とすることができる。試験溶液タンク108からテストセル112へ飽和した試験溶液が移送された後、テストセル112内の1つ以上の試験試料の試験を開始することができる。
試験運転が大気圧で実施される実施形態では、試験溶液がテストセルへ移送されると、3方バルブV2及びV5は「パージ」位置(「P」位置)へ切り替えられ、一方でバルブV4及び調整器V7は完全に閉止される。さらに、バルブV11は大気(「A」)位置に保持され、またV9は所望のガス流量を設定するように調整することができる。
同様に、試験運転が高い圧力にて実施される実施形態では、試験溶液がテストセルへ移送された後、3方バルブV2及びV5は「パージ」位置(「P」)へ切り替えられ、一方でバルブV4及び調整器V7は完全に閉止される。しかしながら、バルブV10を高圧位置(「E」位置)へ切り替える必要もあり、またバルブV11を開放する必要もある。さらに、所望のガス流量値に設定するように調整器V9を調整する必要がある。並行して、ゲージG11にて所望の試験圧力値にテストセル圧力を調整するために調整器R5(及び必要な場合はR4)も使用することができる。試験圧力がテストセルの最大動作圧力を超えてはならないことに気を付けることが重要である。例えば、1つ以上の実施形態では、試験圧力がテストセルの最大動作圧力を超えた場合、安全ラプチャーディスク(RUP−1及びRUP−2)は破裂することができる。
1つ以上の実施形態による、テストセル112及びその構成要素の概略図が図2に示される。図2を参照すると、テストセル112は、飽和した試験溶液を収容する半開放流体容器202を備えることができる。1つ以上の実施では、半開放流体容器202は、当業者には既知の任意の耐腐食及び/または耐薬品材料で作製することができる。好ましくは、半開放流体容器202の材料は、好適な熱機械的特性及びHS透過耐性も有することができる。例えば、半開放流体容器をポリフッ化ビニリデン(PVDF)で作製することができる。テストセル112は、テストセル112を制御パネル(例えば、ガスボンベとは別に、システム構成要素が固定される金属スタンド(図示せず))に保持し、かつテストセル112をそれ自体回転することができる回転テストセルホルダー204も含むことができる。ある一定の実施態様では、回転テストセルホルダー204は、テストセル112を回転し、かつ重力方向に対して0度、+45度、及び−45度で固定することができる。ある一定の実施態様では、テストセル112を回転し、かつ−45度と+45度を含むそれらの間の任意の位置において固定することができる。テストセル112は、上部カバー206と、くさび210、超音波トランスデューサー212、エンコーダー(図示せず、図7A[ホイールエンコーダー502]を参照のこと)、及びクランプ214、ならびに試験試料216を含む少なくとも1つの試料ポート208と、をさらに備えることができる。
引き続き図2を参照すると、テストセル112の上部カバー206は、試験ガスの流入のための流体導管110を受け入れるための第一の開口部218と、試験運転の終了時に試験ガスを1つ以上のスクラバータンク116(図1に示すように)に出力する流体導管114を受け入れるための第二の開口部220との少なくとも2つの開口部を含むことができる。1つ以上の実施態様では、飽和した試験ガスの最適な拡散及びバブリングを可能とし、また試験試料の周りにおける試験溶液の撹拌を確保するために、半開放流体容器202の中で終了する流体導管110の端部にスクリーン224を設置することができる。スクリーン224は、試験試料の周りの区域で均質なpHを確保することを助けることもできる。少なくとも1つの実施態様では、上部カバー206は、(1)一般的な腐食モニタリングのための直線偏光抵抗(LPR)プローブ、原位置pH測定プローブ、または原位置温度センサーを含むがこれに限定されないその他の煩わしい測定装置の使用のため、(2)その腐食及び水素脆化(水素透過度の低減を通した)の低減性能を評価することを目的とした、pH−調整薬品(NaOHまたはHC1など)の導入、または腐食抑制剤の注入のため、及び(3)カソード防食(CP)をシミュレーションするために外部ポテンシオスタットを通して試験試料に電気的に配線された補助電極の使用のための、第三の開口部222を含むことができる。したがって、少なくとも1つの実施態様では、試料に、(a)HS腐食のみを通して、(b)CPを通して(この場合、試験溶液タンク内の試験溶液はHSで事前に飽和しておく必要はない)、または(c)両方の組み合わせを通して、水素をチャージする能力を有するという点で、本出願のシステムは柔軟である。後者はサワーサービス機器の長期間の経年劣化をシミュレーションすることができるHIC現象を加速する可能性がある。1つ以上の実施では、上部カバー206はポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で作製することができる。
上述のように、テストセルは、テストセルに統合された少なくとも1つの試料ポートも備えることができる。1つ以上の実施形態では、試料ポート(複数可)は、テストセルの底端部上に作られる。例えば、図3に図示されるように、テストセル内に試料ポートを作るためには、テストセルの底端部側(閉止される側)において、平面302が最初に作られる(例えば、おおよそ45°の角度で)。次に、試料ポートを作るために、平面内に中心を置いた厚さ方向の穴304が穴あけされる。1つ以上の実施形態では、穴あけされた穴の半径(Rch)は、飽和した試験溶液の試験試料への曝露が行われることになる腐食表面の半径に対応する。テストセルの寸法に依存して、テストセルの底端部にいくつかの試料ポートを作ることができる。
図2に示すように、1つ以上の実施形態では、テストセル112は少なくとも1つの試料ポート208を備えることができる。試料ポート208は、くさび210、エンコーダー(図示せず、図7A[ホイールエンコーダー502]を参照のこと)、超音波トランスデューサー212、及び2つのクランプ214、を含むいくつかの構成要素を備えることができる。1つ以上の実施形態では、超音波トランスデューサー212は、くさび210の頂部に固定される。2つのクランプ214は、試験試料216の側部を保持するために使用される。試験試料216の前面及び後面は、くさび210とテストセル112自体のエッジとの間に保持される。1つ以上の実施形態では、クランプ214を介して、ネジを使用して、試験試料216をテストセル112上に固定することができる。くさび210の頂部部分もクランプ214の間に保持される。特に、くさび210は、試験試料216の対称(垂直)軸(破線によって示されるように)に関してくさび210の360°の回転を許容するように2つのクランプ214の間に適当な隙間を有して保持される。1つ以上の実施では、くさび210は円筒形の形状とすることができる。
試験試料216は当業者に既知の任意のやり方で製造することができる。1つ以上の実施態様では、対象のサワーサービス機器の製造に使用される鋼板(またはパイプ)から1つ以上の試験試料を機械加工することができる。試験試料直径は、テストセルの仕様、特に試験試料ポートの機械加工寸法と一致するべきである。好ましい実施形態では、試験試料は、それから作製される出発原料(例えば、板、パイプ)の曲率によって制限される最大厚さのものである。例えば、出発原料の曲率がゼロである、すなわち平板である場合、試験試料厚さは板の厚さである。
試験試料は、対象の実際のサワーサービス腐食機器(例えば、パイプラインまたは圧力容器)を十分に表す寸法で製造されるべきである。試験試料の寸法の重要性は最近出版されたTraidiaらによる2015年の論文(Traidia,A.M.El−Sherik,and H.Attar(2015)Recommended Specimen Dimensions and Boundary Conditions for Measurement of Hydrogen Permeation in Thick Carbon Steel Plates.Corrosion:May 2015,Vol.71,No.5,pp.585−597.)により実証されており、これは本明細書に参照により組み込まれる。Traidiaらの論文に述べられているように、試料厚さ(L)に対する水素チャージ/腐食表面半径(Rch)の所与の比率に対して、抽出表面(Rext)半径は上限値(Rext max)に制限され、これはチャージ表面半径より小さい(図4及び図5を参照のこと)。一般に、試験試料は、試験溶液に曝露される表面の寸法(例えば、半径)が最大化され、かつ抽出表面の半径(Rext)が最小化されるように製造されるべきである。
少なくとも1つの実施形態では、試験試料を特定のサイズに機械加工した後、試験試料の両側を研削し、次いで標準的な研磨機械を使用して320グリットまで研磨することができる。その後、試験試料を逆浸透水または蒸留水で洗浄し、アセトンですすぎ、最低でも約75℃の安定した炉の中へおおよそ1時間の間置くことができる。次いで、試験試料を適切なデシケーター内に置いて冷ますことができる。冷却の完了後、試験試料をテストセル上の試料ポートに設置して適切にクランプすることができる。ある一定の実施形態では、完全なシールを確保するためにテストセルとクランプとの間の空間にOリングを設置することができる。
少なくとも1つの実施では、所望により、テストセル112はテストセル112の外側に巻かれる電気加熱ベルト(図示せず)も備えることができる。高温で試験運転を実施するために加熱ベルトを使用することができる。加熱ベルトの使用をともなうテストセル112の中の温度は、加熱ベルトの出力、及びテストセルの壁の熱的な拡散性及び厚さに基づいて変化する可能性がある。例えば、テストセルがPVDFから成り、かつ約50mmの壁厚を有する実施形態では、テストセルの内壁において約70℃の最大温度及び約45psigの最大試験圧力を達成することができる。
上述のように、テストセル112は1つ以上の試料ポート208を含むことができる。1つ以上の実施形態による、試料ポート208及びその構成要素の概略図が図6に示される。上述のように、試料ポート208はくさび210に固定された(例えば、ネジを介して)超音波トランスデューサー212を備える。1つ以上の実施では、超音波トランスデューサーは、高周波、リニアフェーズドアレイトランスデューサーとすることができる。超音波トランスデューサー212は、試験試料216内のHICの起点発生及び成長速度をモニターするために使用される。超音波トランスデューサー(「トランスデューサー」)212は、特定された時間間隔で試験試料216に対するHIC損傷の正確な三次元マップを提供することができる。
超音波トランスデューサーがテストセルから分離されている従来の方法では、実験室環境で試験試料に対するHIC損傷の正確な三次元マップを提供することは、1)スキャンする試験試料のサイズが小さい、2)スキャンを実施するためにテストセル内で使用できるスペースが限られる、及び3)重力方向に対する試験試料の方向、に起因して困難である可能性がある。したがって、本出願の超音波トランスデューサー212は、テストセル自体の構成部分である試料ポート208へと統合される。図6に示されるように、試料ポート208へと統合することによって、超音波トランスデューサー212は、重力方向に対する試験試料の任意の方向をより簡単に管理することができる。特に、試料ポート208上に超音波トランスデューサー212を配置することは、垂直なビーム超音波トランスデューサー212が試験試料216の方向に関係なく試験試料216内のHIC不良の平面に垂直になる結果となる。
1つ以上の実施形態では、超音波トランスデューサー212は、クランプ214を介して試験試料216との接触を維持するくさび210に音響学的に連結することができる。特に、1つ以上の実施形態では(図6に示すように)、くさび210と試験試料216のスキャン表面との間に音響カップリング(例えば、ゲル、オイル、または水)を注入できるように、クランプ214のうちの1つの中に側孔220を作製することができる。側孔220は、試験試料の外面において再結合する水素ガスも放出できるようにし、これによってくさびと試験試料との間の音響学的接触の増加及び損失を防止する。少なくとも1つの実施形態では、くさび210は、架橋ポリスチレンプラスチック(例えば、Rexolite)などのプラスチックからなることができ、また少量のカップリング流体しか必要とされないように遅延線として作用する。これは流体漏れのリスク、及び追加的な流体ポンプシステムの必要性を大幅に低減する。
図6を引き続き参照すると、試料ポート208は、くさび210に試験試料216との接触を維持させる一方で、試験試料216の軸に関してくさび210の回転もまだできるように設計される。より具体的には、図6に示すように、超音波トランスデューサー212はくさび210に取り付けられるが、くさび表面の半分のみしか覆わない。したがって、トランスデューサー212は、くさび210の半径方向(及び試験試料216の半径方向)に沿って連続的にスキャンすることができ、これはトランスデューサー212がトランスデューサー212の真下に位置付けられた試験試料216の半分の断面のマップを作成できるようにする。さらに、くさび210を試験試料216の垂直軸の周りに回転させる(360°回転)ことによって、トランスデューサー212は、試験試料216の垂直軸の周りの全回転も実施し、これによって試験試料全体の全マッピングを作成する。より具体的には、トランスデューサー212の試験試料216の垂直軸の周りの全回転及びトランスデューサー212の角度位置(θ)のコード化を実施することによって、試験試料216の全マッピングを達成することができる。さらに、くさび210の上へのトランスデューサー212の適切な配置は、試験試料216の全スキャンを確保し、かつトランスデューサー212の回転の間にもたらされる場合がある回転軸の近くでのスキャンのあらゆる重なりを防止する。
上述のように、1つ以上の実施形態では、トランスデューサーの角度位置(θ)は、試験試料の全マッピングの達成を確保するためにコード化される。トランスデューサーの角度位置(θ)は当業者には既知の任意のやり方でコード化することができる。1つ以上の実施では、トランスデューサーの角度位置(θ)は、エンコーダーとくさびとの間に永久的な接触があるように、トランスデューサーに接続され、かつ試料クランプに固定されたエンコーダー(例えば、ホイールエンコーダー)を使用することによってコード化される。1つ以上の実施では、エンコーダーとくさびとの間に継続的な接触を確保するためにバネを使用することができる。
コード化されたホイールと、そのトランスデューサー及びくさびへの取り付けの例は、図7Aに示される。図7Aに示すように、滑りがないと仮定すると、くさびとホイールエンコーダー502(例えば、バネを介した)との間で、角度θだけのくさびの回転はホイールエンコーダーのDθ/2に相当する直線的な変位を発生し、式中Dはくさびの外径である。くさび210の回転は、トランスデューサー212をトリガし、したがって、試験試料216のマッピングをもたらす。図7Bは、トランスデューサーの回転によって得られた生データの例示的なC−スキャン表示を示す。生のC−スキャンは、一般的なやり方(すなわち、直交x−y平面を使用する)では解釈できないので、マッピングの目的で直ちに使用することはできないことに注目するべきである。実際には、生のC−スキャンは不良のマップとして(Dθ/2,r)座標系において解釈される必要があり、これは一般的な円筒座標系システム(θ、r)のわずかに修正されたバージョンである。したがって、1つ以上の実施態様では、生データを解析し、かつ測定値を直交x−y平面系に置き換えるために、データ処理のさらなる工程が必要とされる可能性がある。1つ以上の実施形態では、MATLABなどの任意のソフトウェアアプリケーションを使用してこのデータ処理工程を達成することができる。
代替的な実施形態では、エンコーダーは、回転をコード化するためにくさびに固定される光学エンコーダーなどのその他のタイプのエンコーダーとすることができる。さらに、超音波トランスデューサーを回転するためにモーターが使用される実施形態では、くさびの円周位置のログをとるためにモーター自体がエンコーダーを含むことができる。
上述のように、1つ以上の実施形態では、超音波トランスデューサー212は、くさび210の頂部上に配置される。この超音波トランスデューサー212のこの配置は、試験試料の全スキャンを確保し、かつトランスデューサーの回転の間にもたらされる場合がある回転軸の近くでのあらゆるスキャンの重なりを防止する。これらの実施形態において全スキャンを確保し、かつスキャンの重なりを防止する目的で、3つの主要因を考慮に入れることができる。
第一に、超音波トランスデューサー長さは、少なくとも水素抽出表面の半径(Rext)に等しくなければならない。好ましい実施形態では、超音波トランスデューサー長さは、1.2×Rextなどのように、Rextよりわずかにより長くすることができる。第二に、くさびは、超音波トランスデューサーがくさびの半分の上のみに固定されて、超音波トランスデューサーの最初のいくつかの発射要素(「要素」)がr<0の領域の上に発射し、またトランスデューサーの最後のいくつかの要素がr>Rextである領域内で発射するくさびの半分の上のみように、設計されなければならない。この結果、対象の領域(0<r<Rext)は完全にスキャンされる。図8は、少なくとも1つの実施形態によるトランスデューサーの最初の要素(802)及び最後の要素(804)に対する音響経路を図示する。第三に、r<0である領域でのスキャンの重なりを防止するために、トランスデューサーの最初のビーム(フォーカルロウ)が試料をその中心でヒットするように、その領域で発射するトランスデューサー要素を停止することができる。換言すれば、1つ以上の実施形態では、重なりを防止するためにどのトランスデューサー要素を停止する必要があるかを決定するために、試験運転に先立ってトランスデューサーを較正することができる。これらの選択されたトランスデューサー要素を停止することによって、r<0に位置する区域のスキャンは防止される。
1つ以上の実施形態では、どのトランスデューサー要素を停止するべきかを決定するために、試験運転に先立ってトランスデューサーを較正するように試料ポート内に較正ブロックを配置することができる。図9に示すように、較正ブロック902をくさび210に隣接する試料ポート内(試験試料が位置することになるところ)に配置することができる。本実施形態では、較正ブロック902は鋼でできていて、かつ厚さは10mmであるが、その他の実施形態は厚さが変化する較正ブロック902を有することができる。さらに、側孔904(この実施形態では直径3mm)は、較正ブロック902の近位端の中へと半径方向にRs/2の距離で穴あけされ、ここで「Rs」は試料の半径を表し、側孔はブロックの中心で止まる。1つ以上の実施態様では、側孔904の直径は、少なくともトランスデューサーの感度を超えるべきである。側孔904を穴あけし、かつ較正ブロック902を試料ポート内に配置した後、次いでトランスデューサー要素906を較正ブロック上で試験し、かつその設定(例えば、開口、フォーカルロウ、最初の有効な要素、最後の有効な要素)を、ブロックの中心(すなわち、側孔の端部)と較正ブロックの遠位端との間のトランスデューサー要素のみがオンになるように微調整または較正することができる。較正が完了したら、試料ポート内の較正ブロック902を試験試料と置き換えることができる。したがって、これに続く試験運転の間、試験試料の中心と試験試料の遠位端との間の区域のみがスキャンされる。
代替的な実施形態では、水素透過度(すなわち、試料厚さを通した水素の流れ)をモニターするためにテストセルの少なくとも1つの試料ポートを使用することができる。より具体的には、水素透過度をモニターするために、異なる試料クランプ(HICのモニタリングのための試料クランプと比較して)は、試験持続期間の間に試料を通して拡散する水素ガスの体積の収集を可能にする。
水素透過試料クランプを特徴とする例示的な実施形態が図10に示される。図10は、2つの試料ポートを特徴とする実施形態を表示し、1つは試料内のHICの起点発生及び成長速度の測定を容易にするための試料クランプ214を特徴とし、また水素透過(HP)試料クランプ1014は試料を通した水素透過度の決定を容易にするためのものである。試料クランプ214と同様に、HP試料クランプ1014は、試料ポートの中の定位置に試料216を保持する。HP試料クランプ1014は、クランプ1014の中心を通して穴あけされた穴1010と、1つの端部上で穴1010に取り付けられ、かつ配管1018を介してもう一方の端部上でユージオメーター1016に接続するためのコネクター1012とを備える。この実施形態では、HP試料クランプ1014内に保持された試験試料を通して拡散する水素ガスの体積は、当技術分野で既知の標準的なユージオメーター技法を使用してHP試料クランプ1014の外側を向いた側の上で収集される。さらに、HP試料クランプ1014の特徴は図11A〜図11Cに示され、これらはHP試料クランプ1014の上面図(A)、底面図(B)、及び断面図(C)を提供する。図11A〜図11Cに示されるように、HP試料クランプ1014は、クランプ1014を試料ポートに保持するために(例えば、ネジを介して)2つ以上の穴あけされた穴1020をクランプ1014の周辺に備えることができる。図11A〜図11Cに示されるこの例示的な実施形態では、クランプ1014の周辺の周りに8個の穴あけされた穴1020がある。
したがって、HP試料クランプ1014内に少なくとも1つの試料が保持され、かつ少なくとも1つの試料が試料クランプ214内に保持されている実施形態(図10などの)では、システムは、HIC成長速度、腐食速度、及び水素透過度を単一の運転で測定することができる。さらに、これらの実施形態では、すべての試験試料が同一の試験溶液に同時に曝露されるので、特定のタイプの試験試料に対する測定されたHIC成長速度と水素透過度との間の相互関係を決定するために試験運転を使用することができる。さらに、各々の試験運転の終了時において、異なる試験試料の重量を、各々の試験試料の当初の重量(試料をテストセルにクランプする前に測定されるべきである)と比較して測定することができ、これはシステムの作業者が各々の試験試料の腐食速度を決定できるようにする。したがって、少なくとも1つのHPクランプ1014と少なくとも1つの試料クランプ214とを含む実施形態では、本出願のシステムはHIC成長速度、水素透過度、及び腐食速度を単一の試験運転で測定することができる。上述のように、1つ以上の試験試料が試料ポート(複数可)内にあり、また試験溶液がテストセルへ(テストセルの半開放流体容器202へ)順調に移送されると、1つ以上の試験試料をリアルタイムでHIC不良についてモニターすることができる。超音波トランスデューサー212は、試験試料(複数可)を試験運転中の異なる時点においてスキャンすることによってHIC不良の進展及び成長をモニターすることができる。より具体的には、超音波トランスデューサー212は、試験試料の軸に対して0〜360度回転する(くさび210を用いて)ことによって試験試料上のHIC不良をモニターすることができる。1つ以上の実施形態では、くさび(及び、したがって、超音波トランスデューサー)の回転を特定の頻度で自動化するためにくさび210の上にモーターを固定することができる。少なくとも1つの実施形態では、モーターは超音波トランスデューサー自身の回転を自動化することができる一方で、くさび210は固定されたままになる。少なくとも1つの実施形態では、くさび210及び/または超音波トランスデューサーを手動で回転することができる。
以前に述べたように、テストセルホルダーは、テストセル112を中立位置(重力方向に対して0度)に維持することができ、またはテストセル112を重力方向に対して+45度及び−45度に回転しかつ固定することができる。テストセルホルダーの回転(テストセルホルダーの回転を介した)は、重力に対して異なる位置にある試験試料を試験し、これによってパイプの異なる部分の条件を厳密に模倣できるようにする。実際、パイプの異なる部分(例えば、3時〜9時[重力方向に対して+45度〜−45度])は、異なる腐食速度、したがって異なるHIC成長速度を経験する可能性がある。これは、重力方向によって影響を受ける試験溶液内の水の局所濃度に起因する。特に、水は6時位置の周辺(重力方向に対して0度)において下に沈む傾向があり、これはこの領域を腐食及びHIC成長について最もクリティカルにする。
例えば、図12A〜図12Cは、本出願の1つ以上の実施形態による、テストセル及び試験試料の異なる方向の概略図を示す。この実施形態では、テストセルは2つの試験試料を備え、したがって、試験試料を重力に対して5つの異なる位置に配置することができる。より具体的には、テストセル112が中立位置(重力に対して0°回転)にあるとき、1つの試験試料は「4時30分」の位置に位置し、かつもう一方の試験試料は「4時30分」の位置に位置する(図12A)。しかしながら、図12Bでは、テストセル112が中立から+45°(時計回り方向に45°)回転されたとき、1つの試験試料は「9時」の位置に位置し、かつもう一方の試験試料は「6時」の位置に位置する。同様に、図12Cでは、テストセル112が中立から−45°(反時計回り方向に45°)回転されたとき、1つの試験試料は「3時」の位置に位置し、かつもう一方の試験試料は「6時」の位置に位置する。テストセルの回転は、サワー環境におけるパイプの異なる角度を厳密にシミュレーションする試料の試験を可能にする。したがって、本発明は、従来の方法と比較して、パイプのどの部分(例えば、上部、底部、側部)が割れを進展させたかに関係なく、実際のパイプライン上のHIC成長の予測のより高い正確さを可能にすることになる。1つのテストセル内に複数の試験試料を有することは試験試料の比較を可能にし、ひいては結果の正確さに対するより高い信頼度を可能にすることに注目すべきである。
どの位置(複数可)に試験試料(複数可)があるかに関係なく、各々の試験試料の1つの表面のみが飽和した試験溶液に曝露され、したがってサワーガスサービスラインの条件を模倣する。1つ以上の試験試料に対する試験持続期間を、試験試料の厚さ及び試験試料の腐食性試験溶液への影響の受けやすさに応じて変えることができる(例えば、試験持続期間は数分間のものまたは数週間といったところである)。さらに、経時的な割れの成長、及び異なる時点における割れサイズを測定するために、超音波トランスデューサーを使用して、試験期間中のいくつかの異なる時点において試験試料(複数可)をスキャンすることができる。1つ以上の実施形態では、試験期間の初めにはより速く成長する傾向がある、複数箇所のHICの起点発生を捕らえるために、試験期間の初めには試験試料(複数可)を頻繁にスキャンすることができる。さらに、試験期間のより後の段階では、このときには速度が減少する傾向があるので、スキャンの間の時間を増やすことができる(すなわち、検査の頻度を低減することができる)。
図1を再度参照すると、試験運転が終了した後、硫化水素容器104(HS容器)の主バルブが閉止される。次いで実験者は、システム100の圧力が0へ下がったら(ゲージG9に示されるように)、バルブV19及び調整器R4を閉止することができる。次いで、テストセルを開放する前に、Nガスを用いてシステム100を最低でも24時間パージすることができる。Nパージは、バルブV4及びV8、ならびに調整器V7及びV9を全開することによって達成される。並行して、バルブV15はゆっくりと開放され、またゲージG9における圧力は15psigを超えて増加はしない。Nを用いてシステム100を24時間の間パージした後、試験溶液を廃棄し、かつ試験試料のさらなる解析(例えば、金属組織学)を実施するために、テストセルを開放するためにバルブV13が閉止される。試験運転中の緊急の場合、実験者は即時に硫化水素容器104(HS容器)の主バルブを閉止し、またバルブV3、V12、及びV13(ベント)を開くことができることにも注目すべきである。
上述のように、また図1に示すように、1つ以上の実施形態では、システム100は1つ以上のスクラバータンク116を備えることができる。1つ以上の実施態様では、スクラバータンク(複数可)116は、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムなどの塩基性(すなわち、pHの高い)スクラバー溶液を収容し、スクラバー溶液は、テストセルから流出するあらゆるHSガスの「回収」のために使用される。好ましい実施形態では、システムは少なくとも2つのスクラバータンクを含む。これらの実施形態では、試験運転中一度に1つのスクラバータンクのみが使用される。特に(引き続き図1を参照すると)、試験を行っているとき、システムを出るHSを溶解/回収するために1つのスクラバータンク(例えば、S1)のみが使用される。使用中のスクラバータンク(S1)内に収容されるスクラバー溶液の色が「黄色っぽく」なったとき、スクラバー溶液はHSで飽和され、また作業者はバルブV22を使用して、ガスの流れの方向を第二の(バックアップ)タンク(S2)に向けて変更する必要がある。その後、作業者は飽和したスクラバータンク(S1)を空にし、かつ新鮮なスクラバー溶液で再充填してもよい。1つ以上の実施態様では、1つ以上のスクラバータンクは透明であり、作業者は、スクラバー溶液がいつ「黄色っぽく」なった(すなわち、HSで飽和した)かを、より簡単に判定することができる。
1つ以上の実施では、システム100は1つ以上のトラップシリンダー118も含むことができる。トラップシリンダー(複数可)118の目的は、ガスがテストセルの内側を適切に流れていることを検証することである。トラップシリンダー(複数可)118は、部分的に水が充填され、かつガス配管がこれらのトラップシリンダーの内側に浸漬される。システム100の通常の動作中にシリンダー内でガスをバブリングし、これはシステム内の適切なガスフローの検証を提供する。しかしながら、バブリングが停止する場合、これは詰まりがトラップシリンダー(複数可)118の前方のどこかにあり、そして試験を停止しなくてはならないことを作業者に知らせる。1つ以上の実施では、作業者がシステム内に適切なガスフローがあるかどうかをより簡単に判定できるように、トラップシリンダー(複数可)118は透明である。
以下の実施例は本発明の実施形態をさらに図示するために提供されるが、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
HIC及び水素透過のための2つの試験試料がモニターされた。70℃の最大温度及び45psigの最大圧力にて動作するように設計されたテストセルを使用して試験が行われた。テストセルは、2つの試料ポートを備え、第一の試料ポート(ユージオメーターに接続される)は試験試料(試料1)の水素透過を測定するためのものとし、また第二のポートは、回転超音波トランスデューサーを使用して試験試料(試料2)内でのHICの進展をモニターするためのものとした。回転超音波トランスデューサーは、0.1mmの最小サイズにて水素誘起割れを検知及びスキャンすることができるようにした。
両方の試験試料は、約180分間(3時間)などの所定の量の時間の間、テストセル内で試験溶液に曝露された。テストセルは、試験の持続期間の間、重力方向に対して0度に方向付けられた。試験運転を通して選択された時点において、透過度測定が行われた。試験運転(例えば、1つの例示的な試験運転では約180分間)の終了時において、最終的なHIC損傷状態のマップを生成するために、回転超音波トランスデューサーを使用して試料2がスキャンされた。
試験中の水素透過度測定の結果が図13に示される。グラフによって示されるように、水素透過度は試験溶液への曝露の最初の60分以内に1000pL/cm・s近くまで急激に上昇した。残りの試験持続期間については水素透過度がわずかに減少し、800pL/cm・s近くで終了した。
試験持続期間の終了時には、高周波浸漬超音波トランスデューサー試験を使用して最終的なHIC損傷状態の第二のマップを得るために、試料2はテストセルから取り外され、そして水浴の中に入れられた。浸漬超音波トランスデューサー試験を使用して作成されたHIC損傷のマップ(図14A)は、次いで回転超音波トランスデューサーによって作成されたマップ(図14B)と比較された。この比較は、2つのマップの間の優れた一致を明らかにし、これによって回転超音波トランスデューサーマッピングを介して示される結果を確認した。
上記の記述で使用された専門用語は具体的な実施形態の記述の目的のためのみのものであり、また本発明の限定を意図しない。本明細書で使用される場合、文脈がこれに反することを明確に示さない限り、単数形「a」、「an」、及び「the」は、複数形も同様に含むことを意図する。さらに、「including(含む)」、「comprising(備える)」、「having(有する)」、「containing(含有する)」、「involving(含む)」という用語、及びその変形は、本明細書で使用されるとき、述べられた特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、構成要素、及び/またはそれらの群の存在または追加を除外しないことを理解されたい。
特許請求の範囲で請求項の要素を修飾するための「第一の」、「第二の」、「第三の」等、などの序数用語の使用は、いかなる優先順位、優先権、または別のものに対する1つの請求項の要素の方法の行為が実施される順序もしくは時間的順序をそれ自体含意せず、請求項要素を区別するために、単にある一定の名称を有する1つの請求項要素を同一の名称を有する別の要素から区別するためのラベルとして(しかし序数用語の使用のために)使用されることにも注目すべきである。
本発明は具体的な実施形態を使用して上述されてきたが、数多くの変形及び修正があることが当業者には明白であろう。したがって、記述された実施形態はすべて、あらゆる点で例示的であり、かつ限定的でないものとしてのみ考慮されるべきものである。したがって、本発明の範囲は、前述の記述ではなく、添付の特許請求の範囲によって示される。特許請求の範囲の均等の意味及び範囲の中で生じるすべての変更はその範囲の中に含まれる。

Claims (28)

  1. 少なくとも1つの試験試料内の水素誘起割れをモニターするための方法であって、
    Sを含むガスで試験溶液を飽和させることと、
    飽和した前記試験溶液をテストセルの中へ送達することであって、前記テストセルが少なくとも1つの試料ポート及び少なくとも1つの試験試料を備え、前記少なくとも1つの試料ポートが前記少なくとも1つの試験試料を受け入れるように構成されている、前記送達することと、
    前記少なくとも1つの試験試料を前記飽和した試験溶液に曝露することであって、各々の試料の1つの表面のみが飽和した前記試験溶液に曝露される、前記曝露することと、
    2つ以上の時点において前記少なくとも1つの試験試料を少なくとも1つの超音波トランスデューサーを用いてスキャンすることであって、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサーの各々、前記飽和した試験溶液に曝露された各々の試料の表面の反対側の前記少なくとも1つの試料ポートの1つに動作可能に接続されており、かつ前記試験試料の対称軸の周りに完全に回転して各々のスキャンを完了するように構成されている、前記スキャンすることと、を含む前記方法。
  2. 前記少なくとも1つの試験試料が、水素誘起割れの影響を受けやすい金属からなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1つの試験試料が鋼からなる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの試験試料を飽和した前記試験溶液に曝露するステップを大気圧において行う、請求項1に記載の方法。
  5. 前記少なくとも1つの試験試料を飽和した前記試験溶液に曝露するステップを大気圧より高い圧力において行う、請求項1に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つの試験試料を飽和した前記試験溶液へ曝露することに先立って、前記テストセルを重力の方向に対して時計回り方向に約45度回転するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記少なくとも1つの試験試料を飽和した前記試験溶液へ曝露することに先立って、前記テストセルを重力の方向に対して反時計回り方向に約45度回転するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つの試験試料が飽和した前記試験溶液に曝露されている間に、前記テストセルを加熱するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記加熱するステップが、前記テストセルの外側の周りに電気加熱ベルトを巻くことを含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記少なくとも1つの試験試料をスキャンすることに先立って、前記少なくとも1つの超音波トランスデューサーを較正するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記少なくとも1つの超音波トランスデューサーを較正するステップが、
    較正ブロックを前記少なくとも1つの試料ポートの中へ挿入するステップと、
    前記較正ブロック上の前記少なくとも1つの超音波トランスデューサーの発射要素を試験するステップと、
    前記少なくとも1つの超音波トランスデューサーの1つ以上の発射要素を停止するステップと、を含む、請求項10に記載の方法。
  12. 実験室的環境で水素誘起割れ(HIC)をモニターするためのシステムであって、
    サワーガスの供給源と、
    試験溶液タンクであって、試験溶液を含み、かつ前記試験溶液が前記サワーガスで飽和されるように、前記サワーガスが前記試験溶液タンクの中に導入される前記試験溶液タンクと、
    半開放流体容器を画定するテストセルであって、前記流体容器が前記飽和した試験溶液を受け入れるように、前記流体容器が前記試験溶液タンクと流体連通した前記テストセルと、
    前記テストセルを回転するように構成されたテストセルホルダーと、
    前記流体容器に動作可能に接続されており、かつ各々の試験試料の1つの表面が飽和した前記試験溶液に曝露されるように試験試料を保持するように構成された、少なくとも1つの試料ポートと、
    前記飽和した試験溶液に曝露された前記試験試料の表面の反対側の前記少なくとも1つの試料ポートに動作可能に接続されており、かつ前記試験試料の周りに回転して前記試験試料のHIC不良をスキャンするように構成された、超音波トランスデューサーと、を備える、前記システム。
  13. 前記テストセルホルダーが、前記テストセルを重力の方向に対して約−45度回転し、かつ前記テストセルを試験の持続期間の間その位置に固定するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
  14. 前記テストセルホルダーが、前記テストセルを前記重力の方向に対して約+45度回転し、かつ前記テストセルを試験の持続期間の間その位置に固定するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
  15. 前記超音波トランスデューサーが前記試験試料の対称軸に関して回転するように構成されている、請求項12に記載のシステム。
  16. 各々の試料ポートが、くさびであって、前記くさびの上に前記超音波トランスデューサーが取り付けられた前記くさびを備え、かつ前記くさびが、前記試験試料の対称軸に関して回転するように構成されていて、結果として前記超音波トランスデューサーの回転をもたらす、請求項12に記載のシステム。
  17. 前記超音波トランスデューサーが前記くさびの上面の半分を覆っている、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記くさびが手動で回転される、請求項17に記載のシステム。
  19. ーターが前記くさび及び前記超音波トランスデューサーの前記回転を自動化するように、前記くさびが前記モーターに動作可能に接続されている、請求項17に記載のシステム。
  20. 前記システムが少なくとも2つの試料ポートを備える、請求項12に記載のシステム。
  21. 前記システムが、前記試験試料を通した水素透過度を測定するユージオメーター装置に接続した構成である少なくとも1つの試料ポートを備える、請求項20に記載のシステム。
  22. 各々の試験試料が水素誘起割れの影響を受けやすい金属からなる、請求項12に記載のシステム。
  23. 各々の試験試料が鋼からなる、請求項22に記載のシステム。
  24. 前記システムは、飽和した前記試験溶液を前記試験溶液タンクから前記テストセルの前記流体容器へ移送する流体導管をさらに備え、前記流体導管が前記テストセルの前記流体容器の中の各々の試料ポートの前で終了するように配置されている、請求項12に記載のシステム。
  25. 前記テストセルの前記流体容器の中で終了する前記流体導管110の端部に取り付けられた1つ以上のスクリーンをさらに備え、前記スクリーンが前記試験試料に曝露された前記試験溶液を撹拌するように構成されている、請求項24に記載のシステム。
  26. 前記超音波トランスデューサーに動作可能に接続されており、かつ試料クランプに固定されたエンコーダーをさらに備え、前記エンコーダーは、前記くさびが回転すると前記エンコーダーが直線的に変位されて、結果として前記試験試料のフルスキャンが得られるように構成されている、請求項16に記載のシステム。
  27. 前記エンコーダーがホイールエンコーダーである、請求項26に記載のシステム。
  28. 前記エンコーダーが光学エンコーダーである、請求項27に記載のシステム。
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