1 実施の形態1
1.1 タッチパネル装置の概略
図1は、実施の形態1のタッチパネル装置を模式的に図示するブロック図である。
図1に図示されるタッチパネル装置100は、投影型静電容量方式のタッチパネル装置である。
タッチパネル装置100は、図1に図示されるように、タッチセンサパネル110、導電層112、圧力検知素子114、基準電位部116及びタッチパネルコントローラ118を備える。タッチパネル装置100がこれらの要素以外の要素を備えてもよい。
タッチパネルコントローラ118は、図1に図示されるように、容量検出部130及び演算処理部132を備える。タッチパネルコントローラ118がこれらの要素以外の要素を備えてもよい。
タッチセンサパネル110の第1の主面140には、指等の指示体によりタッチが行われる。したがって、タッチセンサパネル110の第1の主面140は、タッチ面である。タッチセンサパネル110の第2の主面142には、導電層112が対向する。タッチセンサパネル110の第2の主面142は、タッチセンサパネル110の第1の主面140の反対の側にある。
導電層112は、圧力検知素子114を介して基準電位部116に電気的に接続される。基準電位部116は、基準電位を有する。基準電位は、タッチパネル装置100により行われる静電容量の検出において基準となる電位である。
圧力検知素子114は、加えられた圧力に応じて変化する電気抵抗を有する。また、圧力検知素子114は、タッチセンサパネル110の第1の主面140に加えられた圧力が圧力検知素子114に伝わるように配置される。このため、圧力検知素子114は、タッチセンサパネル110の第1の主面140に加えられた圧力に応じて変化する電気抵抗を有する。
圧力検知素子114としては、例えば、米国のインターリンクエレクトロニクス社(Interlink Electronics, Inc.)製のフォースセンシングレジスタ(Force Sensing Resistor)400シリーズが好適に採用される。
圧力検知素子114に圧力が加えられた場合は、圧力検知素子114に内蔵される導電体が圧力が加えられた方向と垂直をなす方向に広がり、圧力検知素子114の電気抵抗が低くなる。したがって、圧力検知素子114は、タッチセンサパネル110の第1の主面140に加えられた圧力が強くなるほど低くなる電気抵抗を有する。
タッチパネルコントローラ118は、タッチセンサパネル110を制御し、タッチ座標及び圧力の検出を行う。タッチ座標の検出においては、タッチセンサパネル110の第1の主面140に対して指示体によりタッチが行われているか否かが判定され、タッチが行われている第1の主面140上の位置を示すタッチ座標が計算される。圧力の検出においては、タッチにより第1の主面140に圧力が加えられているか否かが判定される。
容量検出部130は、タッチセンサパネル110において形成される複数の静電容量を検出する。検出される複数の静電容量の変化には、タッチセンサパネル110が指示体と容量結合することに起因して生じる静電容量の変化、及びタッチセンサパネル110の第1の主面140に圧力が加えられることに起因して生じる静電容量の変化の両方が含まれる。
演算処理部132は、検出された複数の静電容量に基づいてタッチ座標及び圧力の検出を行う。演算処理部132は、タッチセンサパネル110が指示体と容量結合することに起因して生じる静電容量の変化を、タッチ座標の検出に用いる。また、演算処理部132は、タッチセンサパネル110の第1の主面140に圧力が加えられることに起因して生じる静電容量の変化を、圧力の検出に用いる。
演算処理部132は、コネクタ、ケーブル等を介してホスト機器に通信可能に接続される。演算処理部132は、タッチが行われているか否かの判定の結果、計算したタッチ座標、及びタッチセンサパネル110の第1の主面140に圧力が加えられているか否かの判定の結果の全部又は一部を含むタッチ情報をホスト機器に送信する。演算処理部132とホスト機器との間の通信としては、ユニバーサルシリアルバス(USB)、集積回路間バス(I2C)等のバスを経由する通信、非同期シリアル送受信(UART)による通信等が採用される。
1.2 タッチパネル付き液晶表示装置の概略
図2は、実施の形態1のタッチパネル装置を備えるタッチパネル付き液晶表示装置を模式的に図示する平面図である。図3は、実施の形態1のタッチパネル装置を備えるタッチパネル付き液晶表示装置を模式的に図示する断面図である。図2は、実施の形態1のタッチパネル装置に備えられるタッチセンサパネルの第1の主面が向く方向から平面視された場合の平面図である。図3には、タッチパネル付き液晶表示装置に加えて、タッチパネル装置に備えられるタッチセンサパネルの第1の主面に対してタッチを行い当該タッチセンサパネルの第1の主面に圧力を加える指等の指示体も模式的に図示される。
タッチパネル付き液晶表示装置150は、図2及び図3に図示されるように、タッチパネル装置100、液晶表示装置160及び両面テープ162を備え、図3に図示されるように、筐体164を備える。
タッチパネル装置100に備えられるタッチセンサパネル110、及び液晶表示装置160は、両面テープ162を介して互いに接合される。タッチセンサパネル110及び液晶表示装置160が両面テープ162以外の接合媒体を介して互いに接合されてもよい。液晶表示装置160は、筐体164に取り付けられる。タッチセンサパネル110は、透明性を有し、液晶表示装置160の第1の主面170上に配置される。これにより、操作者は、第1の主面170に表示される画像を視認しながらタッチセンサパネル110に対してタッチ操作を行うことができる。タッチセンサパネル110が、液晶表示装置160以外の表示装置と一体化されてもよく、表示装置以外の装置と一体化されてもよい。タッチセンサパネル110が他の装置と一体化されなくてもよい。
タッチパネル付き液晶表示装置150は、タッチセンサパネル110及び液晶表示装置160を別々に製造した後に互いに接合することより製造される。このように製造されるタッチパネル付き液晶表示装置150は、アウトセル型のタッチパネル付き液晶表示装置と呼ばれる。しかし、実施の形態1及び2の技術は、オンセル型及びインセル型のタッチパネル付き液晶表示装置においても採用される。
1.3 タッチパネル装置
タッチパネル装置100は、図2及び図3に図示されるように、タッチセンサパネル110、タッチパネルコントローラ118、導電層112及びフレキシブル配線基板(FPC)180を備え、図3に図示されるように、圧力検知素子114、基準電位部116及びFPC182を備える。タッチパネル装置100がこれらの要素以外の要素を備えてもよい。
FPC180は、フィルム状の配線であり、タッチセンサパネル110をタッチパネルコントローラ118に電気的に接続する。FPC180の一端は、異方性導電フィルム(ACF)を介してタッチセンサパネル110に圧着接続される。FPC180の他端は、コネクタを介してタッチパネルコントローラ118に接続される。FPC180が他の種類の配線に置き換えられてもよい。FPC180が省略され、タッチセンサパネル110がタッチパネルコントローラ118に直結されてもよい。
FPC182は、フィルム状の配線であり、導電層112を圧力検知素子114に電気的に接続する。FPC182の一端は、ACFを介して導電層112に圧着接続される。FPC182の他端は、ACFを介して圧力検知素子114に圧着接続される。FPC182が他の種類の配線に置き換えられてもよい。FPC182が省略され、導電層112が圧力検知素子114に直結されてもよい。
導電層112は、透明導電膜からなる。透明導電膜は、インジウムスズ酸化物(ITO)等からなる。導電層112は、タッチセンサパネル110の第2の主面142上に配置される。
圧力検知素子114は、第1の接続端子190及び第2の接続端子192を備える。圧力検知素子114は、加えられた圧力に応じた電気抵抗を第1の接続端子190と第2の接続端子192との間に有する。
第1の接続端子190は、FPC182を介して導電層112に電気的に接続される。第2の接続端子192は、筐体164に直接的に電気的に接続される。筐体164は、基準電位を有する基準電位部116となっている。これにより、導電層112が圧力検知素子114を介して基準電位部116に電気的に接続される。第1の接続端子190が導電層112に直接的に電気的に接続されてもよい。第2の接続端子192が、筐体164以外の基準電位部116に電気的に接続されてもよい。第2の接続端子192が、配線を介して基準電位部116に電気的に接続されてもよい。
1.4 タッチセンサパネル
タッチセンサパネル110は、図2及び図3に図示されるように、Xセンサ群202及びYセンサ群204を備え、図3に図示されるように、透明基板200及び保護板206を備える。
Xセンサ群202は、図2及び図3に図示されるように、Xセンサ202a,202b,202c及び202dを備える。Yセンサ群204は、図2に図示されるように、Yセンサ204a,204b,204c及び204dを備える。4個のXセンサ202a,202b,202c及び202dが、3個以下又は5個以上のXセンサに置き換えられてもよい。4個のYセンサ204a,204b,204c及び204dが、3個以下又は5個以上のYセンサに置き換えられてもよい。
透明基板200は、樹脂からなるフィルム状の基板、ガラスからなる板状の基板等である。透明基板200の第1の主面210は、タッチセンサパネル110の第1の主面140の側にある。透明基板200の第2の主面212は、透明基板200の第1の主面210の反対の側にあり、タッチセンサパネル110の第2の主面142の側にあり、タッチセンサパネル110の第2の主面142となる。
透明基板200の第1の主面210上には、Xセンサ群202、Yセンサ群204及び保護板206が配置される。Xセンサ群202は、Yセンサ群204の上に重ねて配置される。保護板206は、透明基板200、Xセンサ群202及びYセンサ群204を覆う。これにより、透明基板200、Xセンサ群202及びYセンサ群204が保護され、指示体Pにより行われたタッチにより透明基板200、Xセンサ群202及びYセンサ群204が損傷することが抑制される。このため、タッチセンサパネル110は、高い堅牢性を有する。透明基板200の第2の主面212上には、導電層112が配置される。
保護板206の第1の主面220は、タッチセンサパネル110の第1の主面140の側にあり、タッチセンサパネル110の第1の主面140となる。保護板206の第2の主面222は、保護板206の第1の主面220の反対の側にあり、タッチセンサパネル110の第2の主面142の側にある。
Xセンサ202a,202b,202c及び202d並びにYセンサ204a,204b,204c及び204dは、透明導電膜からなる。透明導電膜は、ITO等からなる。
Xセンサ202a,202b,202c及び202dは、水平方向に配列される。Xセンサ202a,202b,202c及び202dの各々は、線状の形状を有し、垂直方向に伸びる。Yセンサ204a,204b,204c及び204dは、垂直方向に配列される。Yセンサ204a,204b,204c及び204dの各々は、線状の形状を有し、水平方向に伸びる。したがって、Xセンサ202a,202b,202c及び202dの各々は、Yセンサ204a,204b,204c及び204dの各々が伸びる方向と垂直をなす方向に伸びる。また、Yセンサ204a,204b,204c及び204dの各々は、Xセンサ202a,202b,202c及び202dの各々が伸びる方向と垂直をなす方向に伸びる。
Xセンサ202a,202b,202c及び202dは、互いに離されており、互いに絶縁されている。Yセンサ204a,204b,204c及び204dは、互いに離されており、互いに絶縁されている。Yセンサ群204は、Xセンサ群202から絶縁される。Xセンサ群202及びYセンサ群204は、保護板206から絶縁される。Xセンサ群202及びYセンサ群204は、FPC180を介して容量検出部130に電気的に接続される。
Xセンサ202a,202b,202c及び202dは、指示体PとXセンサ202a,202b,202c及び202dとの間に形成される静電容量を検出するための複数のセンサであり、水平方向のタッチ座標Xを検出するために用いられる。Yセンサ204a,204b,204c及び204dは、指示体PとYセンサ204a,204b,204c及び204dとの間に形成される静電容量を検出するための複数のセンサであり、垂直方向のタッチ座標Yを検出するために用いられる。
導電層112は、タッチセンサパネル110の厚さ方向から平面視された場合に、Xセンサ202a,202b,202c及び202d並びにYセンサ204a,204b,204c及び204dと重なる。これにより、導電層112は、Xセンサ202a,202b,202c及び202d並びにYセンサ204a,204b,204c及び204dと容量結合する。導電層112がXセンサ202a,202b,202c及び202d並びにYセンサ204a,204b,204c及び204dと容量結合し、導電層112が圧力検知素子114を介して基準電位部116に電気的に接続されることにより、Xセンサ202a,202b,202c及び202d並びにYセンサ204a,204b,204c及び204dの各センサと基準電位部116との間に励起信号が印加された場合に、各センサから導電層112及び圧力検知素子114を経由して基準電位部116まで電流が流れる。流れる電流は、圧力検知素子114の電気抵抗が低くなるほど大きくなる。したがって、流れる電流は、タッチセンサパネル110の第1の主面140に加えられた圧力が強くなるほど大きくなる。
1.5 タッチパネルコントローラ
タッチパネルコントローラ118は、回路基板を備える。回路基板は、基板及び電子部品を備える。電子部品は、基板上に実装される。電子部品は、集積回路(IC)、抵抗、コンデンサ等を含む。
タッチパネルコントローラ118は、図2及び図3に図示されるように、容量検出部130及び演算処理部132を備える。
容量検出部130は、図2及び図3に図示されるように、容量検出回路230を備える。容量検出回路230は、図示されない励起信号発生回路、回路メモリ・演算回路及び制御演算回路を備える。容量検出部130がこれらの要素以外の要素を備えてもよい。励起信号発生回路、回路メモリ・演算回路及び制御演算回路を備える容量検出回路230を備える容量検出部130が、当該容量検出部130の機能と同等の機能を有する他の容量検出部に置き換えられてもよい。
励起信号発生回路は、基準電位部116とXセンサ202a,202b,202c及び202dとの間に印加される励起信号を発生する。発生させられた励起信号は、FPC180を経由して、基準電位部116とXセンサ202a,202b,202c及び202dとの間に印加される。また、励起信号発生回路は、基準電位部116とYセンサ204a,204b,204c及び204dとの間に印加される励起信号を発生する。発生させられた励起信号は、FPC180を経由して、基準電位部116とYセンサ204a,204b,204c及び204dとの間に印加される。
回路メモリ・演算回路は、基準電位部116と複数のXセンサ202a,202b,202c及び202dとの間に励起信号が印加された場合に複数のXセンサ202a,202b,202c及び202dに流れる電流からそれぞれ複数の静電容量を検出する。また、回路メモリ・演算回路は、基準電位部116と複数のYセンサ204a,204b,204c及び204dとの間に励起信号が印加された場合に複数のYセンサ204a,204b,204c及び204dに流れる電流からそれぞれ複数の静電容量を検出する。
Xセンサ202a,202b,202c及び202dに流れる電流から検出される静電容量は、それぞれXセンサ202a,202b,202c及び202dに流れる電流が大きくなるほど大きくなる。また、Xセンサ202a,202b,202c及び202dに流れる電流は、それぞれXセンサ202a,202b,202c及び202dの指示体Pへの容量結合が強くなるほど大きくなる。また、Xセンサ202a,202b,202c及び202dの指示体Pへの容量結合は、それぞれXセンサ202a,202b,202c及び202dに指示体Pが接近するほど強くなる。したがって、Xセンサ202a,202b,202c及び202dに流れる電流から検出される静電容量は、それぞれXセンサ202a,202b,202c及び202dに指示体Pが接近するほど大きくなる。同様に、Yセンサ204a,204b,204c及び204dに流れる電流から検出される静電容量は、それぞれYセンサ204a,204b,204c及び204dに指示体Pが接近するほど大きくなる。検出される複数の静電容量が有するこの特徴は、タッチ座標の検出に利用される。
また、Xセンサ202a,202b,202c及び202dに流れる電流から検出される静電容量は、それぞれXセンサ202a,202b,202c及び202dに流れる電流が大きくなるほど大きくなる。また、Xセンサ202a,202b,202c及び202dに流れる電流は、圧力検知素子114の電気抵抗が低くなるほど大きくなる。また、圧力検知素子114の電気抵抗は、タッチセンサパネル110の第1の主面140に加えられた圧力が強くなるほど低くなる。したがって、Xセンサ202a,202b,202c及び202dに流れる電流から検出される静電容量は、第1の主面140に加えられた圧力が強くなるほど大きくなる。同様に、Yセンサ204a,204b,204c及び204dに流れる電流から検出される静電容量は、第1の主面140に加えられた圧力が強くなるほど大きくなる。検出される複数の静電容量が有するこの特徴は、圧力の検出に利用される。
制御演算回路は、励起信号発生回路及び回路メモリ・演算回路を制御する。また、制御演算回路は、複数のXセンサ202a,202b,202c及び202dに流れる電流から検出される静電容量をそれぞれ示す複数の出力値を演算処理部132に出力する。また、制御演算回路は、複数のYセンサ204a,204b,204c及び204dに流れる電流から検出される静電容量をそれぞれ示す複数の出力値を演算処理部132に出力する。
回路メモリ・演算回路は、積分アンプ、サンプル及びホールド回路、並びにアナログデジタル(AD)コンバータを備える。回路メモリ・演算回路がこれらの要素以外の要素を備えてもよい。
積分アンプは、Xセンサ202a,202b,202c及び202d並びにYセンサ204a,204b,204c及び204dに含まれる各センサに流れる電流を時間積分し、各センサに流れる電流の時間積分に応じた電圧を出力する。
サンプルホールドアンプは、出力された電圧をトリガータイミングにサンプリングし、サンプリングした電圧をホールドする。
ADコンバータは、ホールドされた電圧を有するアナログ信号をデジタル信号に変換する。
演算処理部132は、図2及び図3に図示されるように、演算回路240を備える。演算回路240は、マイクロコンピュータを備える。マイクロコンピュータは、半導体集積回路を備える。演算処理部132がこれらの要素以外の要素を備えてもよい。半導体集積回路を備えるマイクロコンピュータを備える演算回路240を備える演算処理部132が、当該演算処理部132の機能と同等の機能を有する他の演算処理部に置き換えられてもよい。
マイクロコンピュータは、出力された出力値に対して変換及び加工を行う。これにより、マイクロコンピュータは、複数のXセンサ202a,202b,202c及び202dに流れる電流からそれぞれ検出される複数の静電容量、並びに複数のYセンサ204a,204b,204c及び204dに流れる電流からそれぞれ検出される複数の静電容量に基づいて、タッチが行われているか否かを判定し、タッチが行われている位置を示すタッチ座標を計算する。また、マイクロコンピュータは、複数のXセンサ202a,202b,202c及び202dに流れる電流からそれぞれ検出される複数の静電容量、並びに複数のYセンサ204a,204b,204c及び204dに流れる電流からそれぞれ検出される複数の静電容量に基づいて、タッチセンサパネル110の第1の主面140に圧力が加えられているか否かを判定する。
また、マイクロコンピュータは、タッチパネル装置100とホスト機器との間でタッチ情報をやり取りする機能を有し、ホスト機器に対するインターフェース(I/F)変換等を行う。
1.6 液晶表示装置
液晶表示装置160は、図3に図示されるように、液晶ディスプレイ(LCD)250、バックライト252及びフレーム254を備える。液晶表示装置160がこれらの要素以外の要素を備えてもよい。
LCD250の第1の主面260は、画像が表示される表示面である。LCD250の第2の主面262は、LCD250の第1の主面260の反対の側にある。
バックライト252は、LCD250の第2の主面262に対向し、LCD250の第2の主面262に光を照射する。
バックライト252は、光源、反射板、導光板及び光学シートを備える。光源は、発光ダイオード(LED)等を備える。反射板は、LEDが発した光を反射する。反射板により、LEDが発した光の利用効率が向上する。
液晶表示装置160が画像を表示する際には、バックライト252が光を発する。発せられた光は、LCD250の第2の主面262に入射し、LCD250を透過し、LCD250の第1の主面260から出射する。
また、液晶表示装置160が画像を表示する際には、LCD250に電気信号が入力され、入力された電気信号により複数の画素に含まれる各画素における光透過率が制御される。
これらにより、入力された電気信号に応じた画像が液晶表示装置160の第1の主面170に表示される。
フレーム254は、金属等からなる。フレーム254の第1の面270は、LCD250の第1の主面260の側にある。フレーム254の第2の面272は、フレーム254の第1の面270の反対の側にあり、LCD250の第2の主面262の側にある。フレーム254の第1の面270には、両面テープ162を介して透明基板200の第2の主面212が接合される。フレーム254の第2の面272及び筐体164は、圧力検知素子114を挟む。これにより、タッチセンサパネル110の第1の主面140に加えられた圧力が圧力検知素子114に伝わる。タッチセンサパネル110の第1の主面140に加えられた圧力が圧力検知素子114に伝わるかぎり、圧力検知素子114がフレーム254の第2の面272と筐体164とに挟まれる位置以外の位置に配置されてもよい。フレーム254には、LCD250及びバックライト252が固定される。
1.7 液晶ディスプレイ
LCD250は、図2及び図3に図示されるように、第1の偏光板280を備え、図3に図示されるように、液晶セル282及び第2の偏光板284を備える。LCD250がこれらの要素以外の要素を備えてもよい。
液晶セル282は、図3に図示されるように、カラーフィルタ基板290、液晶層292及び薄膜トランジスタ(TFT)基板294を備える。液晶セル282がこれらの要素以外の要素を備えてもよい。
液晶セル282の第1の主面300は、LCD250の第1の主面260の側にある。液晶セル282の第2の主面302は、液晶セル282の第1の主面300と反対の側にあり、LCD250の第2の主面262の側にある。
液晶セル282の第1の主面300上には、第1の偏光板280が配置される。液晶セル282の第2の主面302上には、第2の偏光板284が配置される。
第1の偏光板280は、第1の方向に偏光した偏光成分を選択的に透過させる。第2の偏光板284は、第2の方向に偏光した偏光成分を選択的に透過させる。
カラーフィルタ基板290は、ガラス基板、カラーフィルタアレイ等を備える。TFT基板294は、ガラス基板、ゲート配線、ソース配線、画素電極、共通電極、TFT等を備える。
カラーフィルタ基板290の内側主面は、液晶層292を挟んでTFT基板294の内側主面に対向する。カラーフィルタ基板290の外側主面は、液晶セル282の第1の主面300となる。TFT基板294の外側主面は、液晶セル282の第2の主面302となる。
液晶表示装置160が画像を表示する際には、バックライト252により発せられた光が、第2の偏光板284、TFT基板294、液晶層292、カラーフィルタ基板290及び第1の偏光板280を順次に透過する。
また、液晶表示装置160が画像を表示する際には、各画素において、LCD250に入力された電気信号により液晶層292に印加される電界が制御され、印加された電界により液晶層292に含まれる液晶分子の配向方向が制御され、液晶分子の配向方向により光透過率が制御される。これにより、入力された電気信号により各画素における光透過率が制御される。
LCD250は、図3に図示されるように、シールド層286をさらに備える。シールド層286は、透明導電膜からなり、カラーフィルタ基板290と第1の偏光板280との間に配置され、液晶セル282の外部において発生した静電気から液晶セル282をシールドする。
1.8 タッチパネル装置の等価回路
図4は、実施の形態1のタッチパネル装置の等価回路を図示する図である。図4には、ひとつのXセンサが指示体と容量結合した場合の等価回路が図示される。
タッチパネル装置100においては、Xセンサ202a,202b,202c及び202dと導電層112との間にそれぞれキャパシタ310a,310b,310c及び310dが形成される。キャパシタ310a,310b,310c及び310dの一端は、容量検出部130に電気的に接続される。キャパシタ310a,310b,310c及び310dの他端は、電気的に合流してから圧力検知素子114の第1の接続端子190に電気的に接続される。圧力検知素子114の第2の接続端子192は、基準電位部116に電気的に接続される。Xセンサ202a,202b,202c及び202d並びに導電層112の間の位置関係は、固定されている。また、導電層112からXセンサ202a,202b,202c及び202dまでの距離は、ほぼ同じである。また、導電層112とXセンサ202a,202b,202c及び202dとの間に配置される誘電体の誘電率は、ほぼ同じである。このため、キャパシタ310a,310b,310c及び310dの静電容量は、ほぼ同じである。
Xセンサ202aの付近に指示体Pによりタッチが行われXセンサ202aが指示体Pと容量結合した場合は、Xセンサ202aと基準電位部116との間にキャパシタ320aが形成される。キャパシタ320aの一端は、キャパシタ310aの一端及び容量検出部130に電気的に接続される。キャパシタ320aの他端は、基準電位部116に電気的に接続される。キャパシタ320aは、キャパシタ310a及び圧力検知素子114の直列接続体に電気的に並列接続される。
タッチパネル装置100においては、自己容量方式により静電容量の検出が行われる。容量検出部130に備えられる励起信号発生回路が基準電位部116とXセンサ202a,202b,202c及び202dとの間に励起信号を印加した場合は、キャパシタ310a,310b,310c及び310dにそれぞれ電流ISa,ISb,ISc及びISdが流れ、キャパシタ320aに電流IFaが流れる。Xセンサ202aに流れる電流Iaは、キャパシタ310aに流れる電流ISa及びキャパシタ320aに流れる電流IFaの和である。Xセンサ202bに流れる電流Ib、Xセンサ202cに流れる電流Ic、及びXセンサ202dに流れる電流Idは、それぞれキャパシタ310bに流れる電流ISb、キャパシタ310cに流れる電流ISc及びキャパシタ310dに流れる電流ISdである。キャパシタ310a,310b,310c及び310dの静電容量はほぼ同じであるため、電流ISa,ISb,ISc及びISdはほぼ同じである。
Xセンサ202aの付近に指示体Pによりタッチが行われXセンサ202aが指示体Pと容量結合した場合は、Xセンサ202aと指示体Pとの間に形成されるキャパシタ320aに流れる電流IFaだけ、Xセンサ202aに流れる電流Iaが大きくなる。また、タッチセンサパネル110の第1の主面140に力が加えられた場合は、圧力検知素子114の電気抵抗が低くなり、Xセンサ202a,202b,202c及び202dにそれぞれ流れる電流Ia,Ib,Ic及びIdがほぼ同じだけ大きくなる。Xセンサ202a,202b,202c及び202dにそれぞれ流れる電流Ia,Ib,Ic及びIdは、タッチセンサパネル110の第1の主面140に加えられた圧力が強くなるほど大きくなる。
容量検出部130に備えられる積分アンプ及びサンプルホールド回路は、Xセンサ202a,202b,202c及び202dにそれぞれ流れる電流Ia,Ib,Ic及びIdの時間積分に応じたアナログ信号を生成する。容量検出部130に備えられるADコンバータは、生成されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。これにより、複数の静電容量をそれぞれ示す複数の出力値が出力される。
Yセンサ204a,204b,204c及び204dにそれぞれ流れる電流についても、Xセンサ202a,202b,202c及び202dにそれぞれ流れる電流Ia,Ib,Ic及びIdと同様のことが言える。
1.9 出力値の例
図5は、実施の形態1のタッチパネル装置に備えられる圧力検知素子の電気抵抗値と当該タッチパネル装置に備えられる容量検出部により出力される出力値との関係の実測例を図示するグラフである。図6は、実施の形態1のタッチパネル装置に備えられるセンサの番号と当該タッチパネル装置に備えられる容量検出部により出力される出力値との関係の実測例を、当該タッチパネル装置に備えられる圧力検知素子の各電気抵抗値について図示するグラフである。図6には、33個のXセンサ及び44個のYセンサを備えるタッチパネル装置に備えられるタッチセンサパネルの第1の主面の中央に対してタッチが行われた場合に44個のYセンサに流れる電流からそれぞれ得られる44個の出力値が図示される。
図5に図示されるように、容量検出部130により出力される出力値は、圧力検知素子114に加えられる圧力が強くなり圧力検知素子114の電気抵抗値が低くなるほど大きくなる。
このため、図6に図示されるように、44個のYセンサに流れる電流からそれぞれ得られる44個の出力値は、タッチセンサパネル110の第1の主面140に加えられる圧力が強くなり圧力検知素子114の電気抵抗値が低くなるほど全体的に大きくなる。
また、44個のYセンサに流れる電流からそれぞれ得られる44個の出力値においては、タッチが行われた位置に近いYセンサに流れる電流から得られる出力値が局所的に大きくなる。
1.10 タッチパネル装置の動作
図7は、実施の形態1のタッチパネル装置の動作を図示するフローチャートである。
以下では、Yセンサ群204を用いた垂直方向のタッチ座標Yの計算に着目し説明が行われる。なお、Xセンサ群202を用いた水平方向のタッチ座標Xの計算もYセンサ群204を用いた垂直方向のタッチ座標Yの計算と同様に行われる。
図7に図示されるステップS101においては、容量検出部130が、自己容量方式により、複数のYセンサ204a,204b,204c及び204dに流れる電流からそれぞれ複数の静電容量を検出する。
ステップS101に続くステップS102においては、演算処理部132が、検出された複数の静電容量に含まれる最小の静電容量を抽出する。抽出される最小の静電容量は、タッチセンサパネル110の第1の主面140に加えられた圧力の影響を受けているが、タッチの影響を受けていないため、圧力の検出に利用することができる。
ステップS102に続くステップS103においては、演算処理部132が、抽出した最小の静電容量が予め定められた圧力閾値より大きいか否かを判定する。演算処理部132は、抽出した最小の静電容量が圧力閾値より大きいと判定した場合は、タッチセンサパネル110の第1の主面140に圧力が加えられていると判定し、処理をステップS104に進める。また、演算処理部132は、抽出した最小の静電容量が圧力閾値より大きくないと判定した場合は、第1の主面140に圧力が加えられていないと判定し、処理をステップS101に戻す。処理がステップS101に戻されることにより、複数の静電容量を検出する処理が再開される。
圧力閾値は、タッチセンサパネル110の第1の主面140に圧力が印加されていない場合に検出される静電容量と、第1の主面140に圧力が印加されている場合に検出される静電容量と、の間に定められる。これにより、第1の主面140に圧力が印加されたことに起因して生じる静電容量の変化から第1の主面140に圧力が加えられているか否かを判定することができる。
図8は、実施の形態1のタッチパネル装置に備えられるセンサの番号と当該タッチパネル装置に備えられる容量検出部により出力される出力値との関係の例を図示するグラフである。図8には、33個のXセンサ及び44個のYセンサを備えるタッチパネル装置に備えられるタッチセンサパネルの第1の主面の中央に対してタッチが行われた場合に44個のYセンサに流れる電流からそれぞれ得られる44個の出力値が図示される。
図8に図示されるセンサの番号と出力値との関係が得られている場合は、44個の出力値の最小値が、圧力閾値より大きいため、タッチセンサパネル110の第1の主面140に圧力が加えられていると判定される。
タッチの影響を受けていない静電容量は、最小の静電容量に限られない。このため、演算処理部132は、複数の静電容量に含まれる一定数以上の静電容量が圧力閾値より大きいか否かを判定し、複数の静電容量に含まれる一定数以上の静電容量が圧力閾値より大きい場合に、タッチセンサパネル110の第1の主面140に圧力が加えられていると判定することができる。ステップS104において行われる判定においては、当該一定数以上の静電容量が、複数の静電容量に含まれる最小の静電容量からなる1個の静電容量である。
ステップS104においては、演算処理部132が、抽出した最小の静電容量を検出された複数の静電容量から減算してそれぞれ複数の減算後の静電容量を得る。得た複数の減算後の静電容量は、タッチセンサパネル110の第1の主面140に加えられた圧力の影響をほとんど受けていない。このため、得た複数の減算後の静電容量は、タッチの検出に利用することができる。
図9は、実施の形態1のタッチパネル装置に備えられるセンサの番号と当該タッチパネル装置に備えられる演算処理部により得られる減算後の出力値との関係の例を図示するグラフである。図9には、33個のXセンサ及び44個のYセンサを備えるタッチパネル装置に備えられるタッチセンサパネルの第1の主面の中央に対してタッチが行われた場合に44個のYセンサに流れる電流からそれぞれ得られる44個の減算後の出力値が図示される。
図8に図示されるセンサの番号と出力値との関係が得られている場合は、図9に図示されるセンサの番号と減算後の出力値との関係が得られる。
ステップS104に続くステップS105においては、演算処理部132が、複数の減算後の静電容量にタッチ閾値より大きい減算後の静電容量が含まれるか否かを判定する。演算処理部132は、複数の減算後の静電容量にタッチ閾値より大きい減算後の静電容量が含まれると判定した場合は、タッチが行われていると判定し、処理をステップS106に進める。また、演算処理部132は、複数の減算後の静電容量にタッチ閾値より大きい減算後の静電容量が含まれないと判定した場合は、タッチが行われていないと判定し、処理をステップS101に戻す。処理がステップS101に戻されることにより、複数の静電容量を検出する処理が再開される。
タッチ閾値は、タッチが行われている場合に得られる減算後の静電容量と、タッチが行われていない場合に得られる減算後の静電容量と、の間に定められる。これにより、タッチが行われたことに起因して生じる減算後の静電容量の変化からタッチが行われているか否かを判定することができる。
ステップS105に続くステップS106においては、演算処理部132が、複数の減算後の静電容量に基づいてタッチ座標を計算し、タッチ情報をホスト機器に送信し、処理をステップS101に戻す。
1.11 実施の形態1の効果
実施の形態1においては、複数の静電容量に基づいて、タッチが行われているか否かが判定され、タッチが行われている位置を示すタッチ座標が計算されるのに加えて、タッチが行われるタッチセンサパネル110の第1の主面140に圧力が加えられているか否かが判定される。このため、共通の容量検出部130及び演算処理部132により、タッチが行われているか否かを判定し、タッチが行われている位置を示すタッチ座標を計算するタッチ座標検出機能、及びタッチが行われる第1の主面140に圧力が加えられているか否かを判定する圧力検出機能を実現することができる。したがって、投影型静電容量方式のタッチパネル装置100に備えられる回路の規模を小さくすることができ、当該回路を低コスト化することができる。
1.12 変形例
シールド層286が導電層112を兼ね、シールド層286から独立した導電層112が省略されてもよい。これにより、タッチパネル付き液晶表示装置150を低コスト化することができる。
タッチセンサパネル110の第1の主面140に加えられる圧力が強くなるほど低い電気抵抗を有する圧力検知素子114が、第1の主面140に加えられる圧力が強くなるほど大きな静電容量を有する圧力検知素子に置き換えられてもよい。
2 実施の形態2
2.1 実施の形態1と実施の形態2との相違
実施の形態2のタッチパネル装置は、圧力検知素子114を電気的にバイパスしてタッチの検出を行い、圧力検知素子114を電気的にバイパスせずに圧力の検出を行う点で、実施の形態1のタッチパネル装置100と相違する。
以下では、上記の相違に関連する実施の形態2のタッチパネル装置の構成が説明される。説明されない構成については、実施の形態1のタッチパネル装置100において採用された構成がそのまま又は変形されてから実施の形態2のタッチパネル装置においても採用される。
2.2 バイパス経路及びスイッチ
図2は、実施の形態2のタッチパネル装置を備えるタッチパネル付き液晶表示装置を模式的に図示する平面図でもある。図3は、実施の形態2のタッチパネル装置を備えるタッチパネル付き液晶表示装置を模式的に図示する断面図でもある。
図10は、実施の形態2のタッチパネル装置の等価回路を図示する図である。
図10に図示されるタッチパネル装置400は、バイパス経路410及びスイッチ412をさらに備える。
バイパス経路410は、圧力検知素子114を電気的にバイパスする。スイッチ412は、バイパス経路410を電気的に開閉する。
演算処理部132は、スイッチ412を制御する。
演算処理部132は、スイッチ412にバイパス経路410を電気的に閉じさせている間に検出された複数の静電容量に基づいて、タッチが行われているか否かを判定し、タッチが行われている位置を示すタッチ座標を計算する。バイパス経路410が電気的に閉じられている場合は、導電層112が圧力検知素子114を介さずに直接的に基準電位部116に電気的に接続され、検出される複数の静電容量に圧力検知素子114の電気抵抗が与える影響がなくなり、実施の形態2のタッチパネル装置400の等価回路は一般的なタッチパネル装置の等価回路と同様の等価回路になる。このため、実施の形態2のタッチパネル装置400は、スイッチ412にバイパス経路410を閉じさせている間に、一般的なタッチパネル装置と同様に、タッチが行われているか否かを判定しタッチが行われている座標を示すタッチ座標を計算することができる。
また、演算処理部132は、スイッチ412にバイパス経路410を電気的に開かせている間に検出された複数の静電容量に基づいて、タッチセンサパネル110の第1の主面140に圧力が加えられているか否かを判定する。バイパス経路410が電気的に開かれている場合は、実施の形態2のタッチパネル装置400の等価回路は実施の形態1のタッチパネル装置100の等価回路と同様の等価回路になる。このため、実施の形態2のタッチパネル装置400は、スイッチ412にバイパス経路410を電気的に開かせている間に、実施の形態1のタッチパネル装置100と同様に、第1の主面140に圧力が加えられているか否かを判定することができる。
2.3 タッチパネル装置の動作
図11は、実施の形態2のタッチパネル装置の動作を図示するフローチャートである。
図11に図示されるステップS201においては、演算処理部132が、スイッチ412をオフにする。これにより、バイパス経路410が電気的に開かれる。
ステップS201に続くステップS202においては、ステップS101と同様に、容量検出部130が、複数の静電容量を検出する。
ステップS202に続くステップS203においては、ステップS102と同様に、演算処理部132が、最小の静電容量を抽出する。
ステップS203に続くステップS204においては、ステップS103と同様に、演算処理部132が、最小の静電容量が予め定められた圧力閾値より大きいか否かを判定する。演算処理部132は、最小の静電容量が圧力閾値より大きいと判定した場合は、タッチセンサパネル110の第1の主面140に圧力が加えられていると判定し、処理をステップS205に進める。また、演算処理部132は、最小の静電容量が圧力閾値より大きくないと判定した場合は、第1の主面140に圧力が加えられていないと判定し、処理をステップS201に戻す。
ステップS205においては、演算処理部132が、スイッチ412をオンにする。これより、バイパス経路410が電気的に閉じられる。
ステップS205に続くステップS206においては、容量検出部130が、複数の静電容量を検出する。
ステップS206に続くステップS207においては、演算処理部132が、複数の静電容量にタッチ閾値より大きい静電容量が含まれるか否かを判定する。演算処理部132は、複数の静電容量にタッチ閾値より大きい静電容量が含まれると判定した場合は、タッチが行われていると判定し、処理をステップS208に進める。また、演算処理部132は、複数の静電容量にタッチ閾値より大きい静電容量が含まれないと判定した場合は、タッチが行われていないと判定し、処理をステップS201に戻す。
ステップS207に続くステップS208においては、演算処理部132が、複数の静電容量に基づいてタッチ座標を計算し、タッチ情報をホスト機器に送信し、処理をステップS201に戻す。
2.4 実施の形態2の効果
実施の形態2においても、実施の形態1と同様に、複数の静電容量に基づいて、タッチが行われているか否かが判定され、タッチが行われている位置を示すタッチ座標が計算されるのに加えて、タッチが行われるタッチセンサパネル110の第1の主面140に圧力が加えられているか否かが判定される。このため、共通の容量検出部130及び演算処理部132により、タッチが行われているか否かを判定し、タッチが行われている位置を示すタッチ座標を計算するタッチ座標検出機能、及びタッチが行われる第1の主面140に圧力が加えられているか否かを判定する圧力検出機能を実現することができる。したがって、投影型静電容量方式のタッチパネル装置400に備えられる回路の規模を小さくすることができ、当該回路を低コスト化することができる。
また、実施の形態2においては、タッチの検出が行われる際に、導電層112が圧力検知素子114を介さずに直接的に基準電位部116に電気的に接続され、導電層112と基準電位部116との間の電気抵抗が低下する。このため、圧力検知素子114の電気抵抗、及びLCD250が発生するノイズ(LCDノイズ)がタッチの検出に与える影響が抑制され、計算されるタッチ座標の精度を向上することができる。
2.5 変形例
図11に図示されるタッチパネル装置400の動作においては、スイッチ412がオンからオフに切り替えられるタイミング、及びスイッチ412がオフからオンに切り替えられるタイミングは、任意である。しかし、LCD250の駆動タイミングに同期してスイッチ412がオンからオフに切り替えられてもよく、LCD250の駆動タイミングに同期してスイッチ412がオフからオンに切り替えられてもよい。
図12は、実施の形態2の変形例のタッチパネル装置を備えるタッチパネル付き液晶表示装置におけるLCDの駆動のタイミング、タッチパネル装置の駆動のタイミング、及びスイッチの切り替えタイミングを図示するタイミングチャートである。
図12に図示されるように、液晶表示装置160は、繰り返し到来する各表示期間420に画面を書き換えるが、各表示期間420の終了から各表示期間420に続く表示期間の開始までの期間であるブランキング期間422に画面を書き換えない。画面は、複数のラインからなる。複数のラインの各々は、水平方向に伸びる。各表示期間420における画面の書き換えは、複数のラインを1ラインずつ書き換えることにより行われる。したがって、各表示期間420は、各ラインの書き換えの終了から各ラインに続くラインの書き換えの開始までの期間である水平ブランキング期間を含む。ブランキング期間422は、各表示期間420における最後のラインの書き換えの終了から各表示期間420に続く表示期間における最初のラインの書き換えの開始までの期間である垂直ブランキング期間である。LCDノイズは、各表示期間420に強くなり、ブランキング期間422に弱くなる。
そこで、図12に図示されるように、演算処理部132は、各表示期間420にスイッチ412をオンにしてスイッチ412にバイパス経路410を閉じさせ、スイッチ412にバイパス経路410を閉じさせている間に検出された複数の静電容量に基づいて、タッチが行われているか否かを判定し、タッチが行われている位置を示すタッチ座標を計算する。また、演算処理部132は、ブランキング期間422にスイッチ412にバイパス経路410を開かせ、スイッチ412にバイパス経路410を開かせている間に検出された複数の静電容量に基づいて、タッチセンサパネル110の第1の主面140に圧力が加えられているか否かを判定する。このため、各表示期間420は、スイッチ412がオンにされる期間430となる。また、ブランキング期間422は、スイッチ412がオフにされる期間432となる。
これにより、LCDノイズが強くなる期間が、スイッチ412がオンにされ、導電層112と基準電位部116との間の抵抗が低くなり、タッチパネル装置400がLCDのノイズの影響を受けにくくなる期間となり、タッチの検出が行われる期間440となる。また、LCDノイズが弱くなる期間が、スイッチ412がオフにされ、導電層112と基準電位部116との間の抵抗が高くなり、タッチパネル装置400がLCDのノイズの影響を受けやすくなる期間になり、圧力の検出が行われる期間442になり、LCDノイズの影響を回避しながら圧力の検出を行うことができる。
なお、本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。