いくつかの実施例では、図1を参照すると、システム10は、医療機器12および医療位置決めシステム14を含むことができる。医療機器12は、例えば、カテーテルまたはシースなどの細長い医療機器を含むことができる。説明および明確化のために、以下の記述では、医療機器12は、カテーテル(例えば、カテーテル12)を備える実施例に限定される。しかし、本開示は、このような実施例に限定されることを意味しておらず、むしろ他の例示的な実施例では、医療機器は、例えば、限定することなく、シース、イントロデューサ、ガイドワイヤなど、他の細長い医療機器を含み得ることが理解されよう。
図1を引き続き参照すると、カテーテル12は、患者の体16内、より具体的には、患者の心臓18内に挿入されるように構成することができる。カテーテル12は、ハンドル20と、近位端部24および遠位端部26を有するシャフト22と、カテーテル12のシャフト22内に、またはその上に取り付けられた1つまたは複数の位置センサ28とを含むことができる。本明細書で使用される場合、「位置センサ28」は、適切に、かつ全体的に示されるように、1つまたは複数の位置センサ281、282、・・・28Nを指してもよい。例示的な実施例では、位置センサ28は、シャフト22の遠位端部26に配置され、インピーダンスベースの位置センサ(例えば、電極)及び/または磁気ベース位置センサ(例えば、図1Bを参照して描かれ、説明されているような巻線コイル)とすることができる。例えば、位置センサ281は、磁気ベース位置センサにすることができ、位置センサ282、283・・・28Nは、インピーダンスベースの位置センサにすることができる。カテーテル12は、例えば、限定することなく、温度センサ、追加のセンサまたは電極、アブレーション要素(例えば、高周波アブレーション・エネルギーを送達するためのアブレーション先端電極、高密度焦点式超音波アブレーション要素など)、および対応する導体またはリード線など、他の従来の構成要素をさらに含んでもよい。
シャフト22は、体16の内部で移動するように構成された細長い、管状の、可撓性のある部材とすることができる。シャフト22は、例えば、限定することなく、例えば位置センサ28、関連する導体、および場合によっては信号処理および調節のために使用される追加の電子機器など、シャフト22上に取り付けられるセンサおよび/または電極を支持する。シャフト22は、流体(灌注液、低温アブレーション液、および体液を含む)、薬、および/または外科的なツールもしくは器具を移送、送達、および/または除去することも可能としてもよい。シャフト22は、ポリウレタンなどの従来材料から作ることができ、電気的な導体、流体、または外科的なツールを収容、および/または移送するように構成された1つまたは複数のルーメンを画定してもよい。シャフト22は、従来のイントロデューサを介して、体16内の血管または他の構造に導入してもよい。シャフト22は、次いで、当技術分野でよく知られた手段を用いて、体16を通って心臓18などの所望の位置へと操作または案内されてもよい。
カテーテル12のシャフト22内もしくはその上に取り付けられた位置センサ28は、例えば、限定することなく、電気生理学的調査、ペーシング、心臓マッピング、およびアブレーションを含む様々な診断および治療目的において使用されるように提供されてもよい。例示的な実施例では、1つまたは複数の位置センサ28は、配置または位置の感知機能を実施するために提供される。より詳細には、以下でさらに詳細に述べるように、1つまたは複数の位置センサ28は、特に、特定の時点におけるカテーテル12、およびそのシャフト22の遠位端部26の配置(例えば、位置および方向)に関する情報を提供するように構成される。したがって、このような実施例では、カテーテル12が、心臓18の対象とする構造の表面に沿って、および/または構造の内側付近で移動するにつれて、位置センサ28は、対象の構造の表面に、および/またはその構造内の他の場所に対応する場所データ点を収集するために使用することができる。これらの場所データ点は、次いで、例えば限定することなく、対象とする構造の表面モデルの作成など、いくつかの目的で使用することができる。
明確化および説明のために、以下の記述は、単一の位置センサ28を含む実施例に関するものとする。しかし、本開示の趣旨および範囲に含まれる他の例示的な実施例では、カテーテル12は、複数の位置センサ、ならびに他の診断および/または治療機能を実施するように構成された他のセンサまたは電極を備えてもよいことが理解されよう。以下でさらに詳細に述べるように、位置センサ28は、例えば、医療位置決めシステム14などのシステム10の他の構成要素に、位置センサ28を電気的に接続するように構成された、その感知素子(例えば、コイル)から延びる一対のリード線を含むことができる。
図1Bは、本開示の実施例に従って、図1Aの磁場ベースの医療位置決めシステムに用いられる医療機器10’上の磁気位置センサ281’を示す。磁気位置センサ281’は、医療機器10’のシャフト22’に沿って配置される巻き磁気コイルとすることができる。いくつかの実施例では、磁気位置センサ281’は、図示するように、シャフト22’の外側の周りに配置されてもよい。しかしながら、図示は省略したが、磁気位置センサ281’は、シャフト22’及び/またはシャフト22’の壁内によって画定される内側ルーメンに配置することができる。
図1Aから図2を参照し、医療位置決めシステム14のさらなる詳細が以下に述べられる。医療位置決めシステム14は、カテーテル12のセンサ28の位置および/または方向を、したがって、カテーテル12の位置および/または方向を確定するために提供することができる。いくつかの実施例では、医療位置決めシステム14は、例えば、MediGuide Ltd.(現在St.Jude Medical,Inc.(セント・ジュード・メディカル社)により所有されている)からのMediGuide(商標)システムなどの、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,233,476号、第7,197,354号、および第7,386,339号のうち1つまたは複数のものを参照して概して示される磁場ベースのシステムを備えてもよい。
いくつかの実施例では、一般的に言うと、医療位置決めシステム14は、少なくとも部分的に、対象(例えば、カテーテル12)を追跡するための磁場を生成する装置36を備える。装置36は、関心領域における患者の胸腔内およびその付近で低強度の磁場を生成するように構成することができ、それは、図2で関心領域38として指定された3次元空間として画定することができる。このような実施例では、上記で簡単に述べたように、カテーテル12は、位置センサ28が関心領域38内に配置されたとき、装置36により印加される低強度の磁場の1つまたは複数の特性を検出するように構成された磁気センサである位置センサ28を含む。
例示的な実施例では磁気コイル(例えば、図1Bを参照して説明されているような)を含む位置センサ28は、コンピュータ(例えば、処理コア)と電気的に接続されるとともに、磁気コイルが曝されている磁場の感知された特性に対応する信号を生成するように構成することができる。処理コアは、検出された信号に応じることができ、かつ位置センサ28に対する3次元位置および/または方向の読取り値を計算するように構成されることができる。したがって、医療位置決めシステム14は、3次元空間におけるカテーテル12の各位置センサ28の実時間追跡を、したがって、カテーテル12の実時間追跡を可能にする。
医療位置決めシステム14は、本明細書で説明する複数の機能を実行するために、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、及び/もしくはロジックを利用することができる。医療位置決めシステム14は、ハードウェアと情報を共有するための指令との組み合わせを含むことができる。ハードウェアは、例えば、処理リソースと、及び/またはメモリリソース(例えば、非一時的コンピュータ読取可能媒体(CRM)データベースなど)と、を含むことができる。処理リソースは、本明細書で用いられるように、メモリリソースによって格納された指令を実行可能な複数のプロセッサを含むことができる。処理リソースは、単一のデバイスに統合することも、いくつかのデバイスに分散することもできる。指令(例えば、コンピュータ読取可能指令(CRI))は、メモリリソースに格納され、また磁場に制御を提供するために、及び/または、一例として図9を参照して説明される方法220を実行するために処理リソースによって実行可能な指令を含むことができる。
医療位置決めシステム14は、複数の機能を実行するため、ソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、及び/またはロジックを利用することができる。医療位置決めシステム14は、複数の遠隔コンピュータデバイスを含むことができる。
医療位置決めシステム14は、複数の機能を実行するように構成されたハードウェアとプログラム指令との組み合わせとすることができる。ハードウェアは、例えば、一つまたは複数の処理リソース、コンピュータ読取可能媒体(CRM)などを含むことができる。プログラム指令(例えば、コンピュータ読取可能指令(CRI))は、所望の機能(例えば、フィルタリング済み第1信号に基づいて第2周波数の第2信号に対する減衰項を決定すること)を実行するために、CRMに格納され、処理リソースによって実行可能である指令を含むことができる。CRIは、サーバによって管理されるリモートメモリに格納することもでき、ダウンロード、インストール、および実行することができるインストールパッケージを表すことができる。医療位置決めシステム14は、メモリリソースと、そのメモリリソースに接続可能な処理リソースと、を含むことができる。処理リソースは、内蔵のまたは外付けの非一時的CRMに格納可能なCRIを実行することができる。処理リソースは、様々な機能を実行するため、CRIを実行することができる。その機能は、例として、図9を参照して本明細書で説明される機能を含む。
いくつかの実施例では、装置36は、X線源40と患者検査台46の間であって、患者検査台46の下側に、配置することができる。例えば、装置36は、患者検査台46に接続されることができる。いくつかの実施例では、装置36は、患者の身体16の下に配置することができる。例えば、装置36は、患者の身体16と患者検査台46(例えば、マットレス下)に配置することができる。いくつかの実施例では、装置36は、患者検査台46内部に配置することができる。いくつかの実施例では、装置36は、患者の胸に配置可能であって、また、対象を追跡するための磁場生成のために用いることができるモバイル機器とすることができる。
一例だが、課題は、対象を追跡するための磁場生成に関連付けることができる。なぜなら、磁場は、磁場の近くに配置された対象、及び/または磁場を生じさせる発生源によって歪められ得るからである。例えば、磁場歪め成分は、磁場発生装置(例えば、装置36)の近くに配置されることがあり、X線源40、患者検査台46の一部、Cアーム42、及び/または、医療位置決めシステム14に関連付けられるX線画像増強装置44と、を含むことができる。このように、磁場歪め成分は、磁場に影響を与えるとともに、磁場に歪みを生じさせることができる。いくつかの場合、磁場発生装置及び/または磁場発生装置によって生成された磁場から遠く離れた物体でさえ、磁場に歪みを生じさせることがある。歪みの一部は、関心領域38内に位置する磁場に対するものであり得る。カテーテル12の各位置センサ28は、安定した(例えば、歪んでいない)磁場から利益を受けることで、位置センサ28及び/またはカテーテル12の位置及び/または方向を決定するため、これは問題となり得る。
一例では、磁場に対する障害の原因は、渦電流効果及び/または磁場歪め成分によって引き起こされる透磁率の変化であり得る。一例では、磁場歪め成分は、装置36及び/または装置36によって生成された磁場の近傍内に配置された、導電性及び/または透磁性を備える物体を含むことができる。いくつかの例では、磁場歪め成分が静止している箇所では、磁場歪め成分によって生じた過電流が、一例では校正を通してカテーテル12の位置を決定するときに取り除かれる。しかしながら医療位置決めシステム14では、図2に示すように、磁場歪め成分(例えば、X線源40、Cアーム42、X線画像増強装置44、患者検査台46)は、装置36に対して移動することがあり、装置36によって生成された磁場に対して、予想不可能でありうる、様々な障害を生じさせることがある。
いくつかの例では、X線源40とX線画像増強装置44は、磁場の歪みの最大源となる可能性がある。磁場歪め成分は装置36に対して移動し得るため、磁場歪め成分によって生じた過電流は絶えず変化し、取り除く(例えば、磁場内に配置された磁気位置センサによって生成された信号から磁気的障害を取り除く)ことは困難となり得る。
いくつかの例では、医療位置決めシステム14は、カテーテル12の位置及び/または方向を決定するためのインピーダンスベースのシステムを含むことができる。しかしながら、セント・ジュード・メディカル,インコーポレーテッドのEnsite(商標)システムのような、インピーダンスのみのベースシステムを使用したときに、歪んだ表示の心臓ジオメトリ(幾何学的形状)が発生することがある。例えば、インピーダンスベースシステムで用いられる電流は、最小の抵抗のパスに沿って、3次元に流れることができる。このように、例えば、インピーダンス伝達を介して、電流の一部は血流の横断面を離れることがある。インピーダンス伝達における因数分解は、非線形解を含むことがあり、それは歪んだ表示の心臓ジオメトリを生じさせる可能性がある。
したがって、本明細書のいくつかの実施例では、装置36によって生成される磁場内の歪みを、磁場歪め成分近傍の装置36によって生成される磁場の強度を低減することによって、低減及び/または除去することができる。例えば、装置36は、可能と考えられ得るよりも近い関心領域38に、近接するように移動することができる。したがって、磁場強度は、関心体積38に集中させることができる。したがって、離れた物体によって生じる磁場の歪みを小さくすることができる。磁場における歪みの低減及び/または排除の結果として、インピーダンスベースシステムを介して決定される座標に関連するシフト及び/またはドリフトを、減少させることができる。
例えば、より小さな規模の磁場を生成する磁場発生装置を、磁場発生装置によって関心領域38の外側で生成される磁場のサイズを低減させ、それにより磁場歪め成分によって磁場が歪む可能性を減少させるように、関心領域38の近くに配置することができる。
本開示のいくつかの実施例は、装置36が生成した磁場に対して、磁場歪め成分が及ぼす影響を小さくすることができる。例えば、本開示の実施例は、複数の周波数の磁場を生成することができる。複数の周波数は、低周波と高周波とを含むことができる。低周波場は、磁場歪み物体が低周波場近傍内に移動しても、乱れないままでいることができる。いくつかの実施例では、低周波は、高周波を校正するために用いることができ、高周波の磁場に対して磁場歪め成分が及ぼす影響を調整する。
磁気追跡システムは、電気的に励起されたコイルの配置を含むタイプの磁場発生装置を使用することができる。Mediguide(商標)システムでは、これは磁気伝送アレイ(MTA)と称する。以前のシステムでは、従来のコイル(例えば、銅コイル)は、透視画像との干渉を生じさせる可能性がある。例えば、従来のコイルは、患者と透視画像ビーム及び検出器の間に配置される場合に、コイルが透視画像に現れる可能性があり、カテーテルのナビゲーションにおいて透視画像を使用するのを困難にすることがある。
本開示のいくつかの実施例は、後に詳細を説明するように、有益な磁場発生装置を含む。いくつかの実施例では、磁場発生装置は、透視透過性とすることができる。一例では、磁場発生装置は、透視画像内およびさまざまな器具において半透明とすることができ、および/または患者の解剖学的特徴(例えば、心臓)を透視画像内で可視的にすることができ、透視画像内で磁場発生装置によって隠されない。透視透過性(fluorolucent)とは透視画像において半透明であることと定義することができる。例えば、透視透過性磁場発生装置では、銅で形成される同じ厚みの非透視透過性磁場発生装置よりも透視画像において半透明とすることができる。これにより、透視画像において医師が詳細な解剖学的特徴及び/またはカテーテルを容易に識別することができる。
図3Aは、本開示の実施例に従って、畳まれる前の透視透過性磁気伝送素子の上面図を示す。本開示のいくつかの実施例は、対象を追跡するための磁場を発生する透視透過性磁気伝送素子50を含むことができる。例えば、図2をさらに参照すると、位置センサ28を備えるカテーテル12は、関心領域38内に配置されることができ、位置センサ28は、位置センサ28が関心領域38(すなわち、透視透過性磁気伝送素子50によって生成された磁場)内のどこに位置するかに応じて特定の信号を生成することができる。
磁場歪め成分(例えば、Cアームの動き)の影響を最小にするためには、ナビゲーション領域にできる限り近づくように透視透過性磁気伝送素子50(例えば、トランスミッタコイル)を動かすことが望ましくあり得る。金属干渉の大きさは、透視透過性磁気伝送素子50と位置センサ28(例えば、コイル)の間の距離と、伝送素子と磁場歪め成分の間の距離双方の関数である。従来のトランスミッタコイル(例えば、銅巻コイル)は、透視画像に従来のトランスミッタコイル自身が表れる前に、ナビゲーション領域の近くに配置することしかできず、臨床的に関連する詳細を不明瞭にし、一次画像診断法の臨床的有用性を制限する。一例では、従来のトランスミッタコイルは、従来のトランスミッタコイルが透視画像の中に表れる前に、ナビゲーション領域から30cm未満の近さに配置してはいけない。例えば、従来のトランスミッタコイルが、ナビゲーション領域の30cmよりも近くに配置しされると、従来のトランスミッタコイルを形成する材料(例えば、銅)は、X線光子をまき散らし始めることがあり、透視画像に出現する。
対照的に、本明細書のトランスミッタコイルは平面とすることができ、そして患者の下に直接敷くのに十分に薄く作ることができる。例えば、本開示のいくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子50は、平面基板から形成することができる。一例では、透視透過性磁気伝送素子50は、患者の下に直接敷くのに十分に薄く作られ得る平面コイルを含むことができる。いくつかの実施例では、本明細書に参照により全体が記載されているように本明細書に組み込まれる米国特許出願番号15/034,474に説明されているように、透視透過性磁気伝送素子50は、マットレスと台の間に配置することができる。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子50は、ナビゲーション領域の5cm以内に配置することができる。
透視透過性磁気伝送素子50の最大寸法は、上限は患者検査台46のサイズによって定義することができ、および/または、位置センサ28によって受信されるいくつかの異なる信号を作り出すために、ナビゲーション領域(例えば、関心領域38)の近くに配置される必要がある透視透過性磁気伝送素子50の数によって定義することができる。
銅(銅の磁気伝送素子)で形成される磁気伝送素子を参照すると、銅の磁気伝送素子から放散されることができるエネルギーの量は、患者検査台46に関連するマットレスの厚みによって制限されることがある。例えば、患者検査台46は、絶縁体として機能するマットレスに関連する、多数の層または重層の重みを有するフレームとマットレスを含むことができる。銅磁気伝送素子は、マットレスとフレームの間に配置することができる。マットレスは患者を、磁気伝送素子が発生させる熱から保護することができ、銅磁気伝送素子が発生させる熱は、コンダクタとして働くことのできるフレームを介して放散させることができる。銅磁気伝送素子に含まれる銅の量は増加させてもよく、それに伴って、伝送素子に電流が流れる際の銅磁気伝送素子に関連する抵抗が減少し、磁気伝送素子から生じる熱量が減少する。
マットレスに関連する標準的な厚みの結果として、銅の磁気伝送素子は、十分な銅を備えて生産することができるが、その十分というのは、銅の磁気伝送素子が発生させた熱量は、患者検査台46のフレームによって放散され、マットレスによって患者と絶縁することができる一方、伝送素子を生成する銅の量によって、伝送素子は透視画像において目視できるようになり、しばしば透視画像を不明瞭にする程のものである。対象的に、本開示の実施例は、十分な透視透過性材質(例えば、アルミニウム)で作られた透視透過性磁気伝送素子を提供することができ、標準的な厚みのマットレスが、透視透過性磁気伝送素子が発生させた熱から患者を保護することができる一方、透視透過性磁気伝送素子を透視画像において透視透過のままにすることができる。
透視透過性磁気伝送素子50は、第1螺旋トレース52と、第2螺旋トレース54を含むことができる。いくつかの実施例では、螺旋トレースは、第1螺旋アーム51と、第2螺旋アーム53の上に形成されてもよい。例えば、第1螺旋トレース52は、第1螺旋アーム51上に形成することができ、第2螺旋トレース54は、第2螺旋アーム53上に形成することができる。いくつかの実施例では、第1螺旋アーム51と第2螺旋アーム53は、絶縁材料(例えば、ポリイミド)によって形成することができ、第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54は、絶縁材料の表面上に形成することができる。
いくつかの実施例では、ここでさらに説明するように、第1螺旋アーム51と第2螺旋アーム53は、絶縁材料及び/または、透視透過性材料(例えば、ポリマー)から形成されることができ、第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54は、第1螺旋アーム51と第2螺旋アーム53の内側に形成されてもよい。例えば、第1螺旋アーム51と第2螺旋アーム53は、第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54を取り囲むコーティングとすることができる。いくつかの実施例では、第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54はポリイミドのようなポリマー上に配置することができる。第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54を、ポリイミドと絶縁エポキシはんだマスクで挟み、第1螺旋アーム51と第2螺旋アーム53を形成することができる。代替的には、いくつかの実施例では、第1螺旋アーム51と第2螺旋アーム53は、それぞれ第1螺旋トレース52及び第2螺旋トレース54として、機能することができる。例えば、第1螺旋アーム51と第2螺旋アーム53は導電性を備える透視透過性材料(例えば、アルミニウム)によって形成することができる。本明細書でさらに説明するように、第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54に言及すると、第1螺旋アーム51と第2螺旋アーム53が導電性を備える透視透過性材料から形成されているときは、これらは第1螺旋アーム51と第2螺旋アーム53を含むことができる。
本明細書のいくつかの実施例では、アルミニウムなどの基板を用いて螺旋トレース52、54が作られる。アルミニウムは、銅の電気伝導率の概して60%を有するが、アルミニウムは銅の密度の概して30%を有しており、より軽い原子核を有しており、結果として、透視画像における透視透過性磁気伝送素子50の透視透過性(例えば、大幅に削減されたX線の範囲または視認性)が生じる。透視透過性は、同じサイズ及び/または厚みの銅の磁気伝送素子に相当する電気抵抗を生じさせる透視透過性磁気伝送素子50の厚みで得られる。本開示のいくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子50は、磁気共鳴映像法(MRI)と合わせて使用されたときに、利点を提供することができる。例えば、透視透過性磁気伝送素子50は、MRIを介して生成された磁場と互換性を有することができ、患者の下に位置するときに、透視透過性磁気伝送素子50及び/または透視透過性磁気伝送素子のアレイがMRIスキャナチューブの内側に収まるようなサイズとすることができる。
本明細書のいくつかの実施例では、第1螺旋トレース52は、第1外側原点から中央原点58まで内側に延びる。第1螺旋トレース52は、一つまたは複数の中央原点58に向かって内側に延びるにつれて、中央原点58周りに一つまたは複数のループを形成することができる。図3Aで説明するように、第1螺旋トレース52は、概して2周半の中央原点58周りのループを形成することができる。しかしながら、いくつかの実施例では、第1螺旋トレース52によって、2周半より多いループであっても、または2周半より少ないループであっても、中央原点58周りに形成することができる。いくつかの実施例では、第1螺旋トレース52は、第1外側原点56から中央原点58に向かって第1の方向に延びることができる。例えば、図示されるように、第1螺旋トレース52は、第1外側原点56から中央原点58に向かって反時計周りで延びることができる。
いくつかの実施例では、第2螺旋トレース54は、中央原点58から第2外側原点60まで外側に延びることができる。第2螺旋トレース54は、中央原点58から第2外側原点60まで、第一方向と反対向きの第2方向に延びている。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子50は、平面材料片(例えば、透視透過性材料)で形成することができる。平面材料片は、中央原点58に向かって第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54の間で切断することができる。例えば、第1切り込み62と第2切り込み64は、第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54の間の透視透過性磁気伝送素子50内に形成することができる。いくつかの実施例では、第1切り込み62は、第1外側原点56と第2螺旋トレース54の間に形成することができる。例えば、第1切り込み62は、第1始点66から始まり、第1終点68で終わることができる。いくつかの実施例では、第2切り込み64は、第2外側原点60と第1螺旋トレース52の間に形成することができる。例えば、第2切り込み64は、第2始点70から始まり、第2終点72で終わることができる。
いくつかの実施例では、ある量の材料を中央原点に残して、第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54が中央原点58で接続されたままにすることができる。例えば、材料を第1切り込み62の第1終点68と、第2切り込み64の第2終点72の間に残すことができる。したがって、第1螺旋トレース52と、第2螺旋トレース54は、連続した材料片から形成することができ、第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54との間に接続部品が存在することはできない。一例では、第1螺旋トレース52の第1内側原点74と第2螺旋トレース54の第2内側原点76の間には、接続部品が存在しない。例えば、第1内側原点74と第2内側原点76の接続は、材料の連続したトレースによって形成することができる。したがって、本明細書の実施例は、回路素子(例えば、第1螺旋トレース52、第2螺旋トレース54)を第1内側原点74と第2内側原点76ではんだ付け、溶接、ワイヤボンディング、電子メッキの貫通孔、ビアなどを介して接続することを避けることができる。
いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子50は、鍛造、鋳造、切削、機械加工、またはその他の方法によって形成することができる。例えば、透視透過性磁気伝送素子50は、第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54の間にスリットが画定されるように形成することができる。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子50は、アルミニウムのシートから形成することができる。代替的には、透視透過性磁気伝送素子50は、アルミニウム以外の基板から形成することができる。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子50は、違うタイプの透視透過性材料から形成することができる。例えば、透視透過性磁気伝送素子50は、銀の印刷されるインクまたはカーボングラフェンのような透視透過性材料から形成することができる。
一方で、いくつかの本開示の実施例では、切削、機械加工などの、減法によって透視透過性磁気伝送素子50を形成することができるが、蒸着、印刷などによる特定のパターンへの透視透過性材料の配置のような加法的な方法を用いて透視透過性磁気伝送素子50を形成することもできる。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子50は、例えば、3Dプリンタによって、銀の印刷されるインクで印刷されてもよい。代替的には、いくつかの実施例では、カーボングラフェンの平面層を切削して第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54を形成することができる。いくつかの実施例では、一つまたは複数の層のカーボングラフェンを重ねて、第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54を形成することができる。このようにすれば、第1螺旋トレース52と第2螺旋トレース54を切削せずに形成することができる。
図3Bでは、本開示の実施例に従って、部分的に折り曲げられた図3Aの透視透過性磁気伝送素子のアイソメ側面視を示す。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子50−1は、中央原点の直線aaによって定義される軸に沿って折り曲げることができる。この軸は、透視透過性磁気伝送素子50−1を横切って延びており、その結果、軸aaは透視透過性磁気伝送素子50−1を半分に分割し、第1外側原点56と第2外側原点60は、直径方向に対向している。例えば、図3Bに図示するように、透視透過性磁気伝送素子50−1は中央原点58−1の軸aaに沿って折り曲げられている。
第1螺旋トレース52−1と第2螺旋トレース54−1を形成し、第1螺旋アーム51−1と第2螺旋アーム53−1を同様に形成する連続した材料片は、中央原点58−1で折り曲げることができる。先に述べたように、第1螺旋トレース52−1と第2螺旋トレース54−1は、中央原点58−1において軸aaに沿って折り曲げられている。例えば、透視透過性磁気伝送素子50−1は、折り目が中央原点58−1の軸aaに沿ってのみ生じるように中央原点58−1で折り曲げることができる。いくつかの実施例では、折り目に沿って透視透過性磁気伝送素子が破損しないように注意しなければならない。例えば、中央原点58−1において軸aaに沿って折り目を形成するのに、マンドレルを用いることができる。透視透過性磁気伝送素子50−1は、第1螺旋トレース52−1が軸aaを中心に180度回転し、代替的には、第2螺旋トレース54−1が軸aaを中心に180度回転するように中央原点58−1で折り曲げることができる。一例では、透視透過性磁気伝送素子50−1を折り曲げるとき、螺旋トレース52−1、54−1それぞれの中央原点58−1に位置しない部分は折り目をつけなくてもよい。
図3Cは、本開示の実施例に従って、図3Aに示す透視透過性磁気伝送素子50−2が折り曲げられた後の上面視を示す。説明のために、透視透過性磁気伝送素子50−2を説明するのを助けるために透視透過性磁気伝送素子50−2は、背景79上に描かれている。いくつかの実施例では、図3Aで説明したように、透視透過性磁気伝送素子50−2が中央原点58−2における軸aaに沿って折り曲げられると、第1螺旋トレース52−2は、第2螺旋トレース54−2の領域と重なることができる(例えば、上に積み重なる)。例えば、第1螺旋トレース52−2は、第2螺旋トレース54−4と重複領域81で重なることができる。ここでは、重複領域81について説明するが、第1螺旋トレース52−2と第2螺旋トレース54−4は、図示されているように、多数の部位で重なることができる。図3A、3B、3Cを参照すると、透視透過性磁気伝送素子50は折り曲げられていない状態であり、透視透過性磁気伝送素子50−1は部分的に折り曲げられた状態であり、透視透過性磁気伝送素子50−2は折り曲げ後の状態である。
いくつかの実施例では、第1螺旋トレース52−2と第2螺旋トレース54−2の間に、軸aaに沿った折り目が形成されるように、第1螺旋トレース52−2及び/または第2螺旋トレース54−2は軸aaを中心として回転させることができる。例えば、第1螺旋トレース52−2は、第2螺旋トレース54−2と軸aaの第1側80で重なり、第2螺旋トレース54−2は、第1螺旋トレース52−2と軸aaの第2側82で重なることができる。いくつかの実施例では、第1電気端子(本明細書では、第1外側原点とも称する)は、第1螺旋トレース52−2の第1外側原点56−2に配置され、第2電気端子(本明細書では、第2外側原点とも称する)は、第2螺旋トレース54−2の第2外側原点60−2に配置することができる。
いくつかの実施例では、第1電気端子または第2電気端子に電流を供給することができ、電流は透視透過性磁気伝送素子50−2を流れることができる。第1外側原点56−2において第1電気端子に電流が供給されると、図3Cに示される矢印のように時計回りに、第1螺旋トレース52−2に沿って中央原点58−2に向かって電流が流れることができ、その後電流は中央原点58−2から第2螺旋トレース54−2に沿って、同様に時計回りに、図3Cの矢印でさらに描かれているように、第2外側原点60−2と第2外側原点60−2における第2電気端子に向かって流れることができる。このように、電流は第1電気端子から第2電気端子へ時計回りに透視透過性磁気伝送素子50−2を流れるとともに、磁場を生成することができる。
代替的には、電流は第2外側原点における第2電気端子に供給することができる。電流は、第2螺旋トレース54−2に沿って中央原点58−2に向かって反時計回りに流れることができ、その後電流は中央原点58−2から第1外側原点56−2と第1外側原点56−2における第2電気端子に向かって同様に反時計回りに流れることができる。このように、電流は第1電気端子から第2電気端子へ反時計回りに透視透過性磁気伝送素子50−2を流れるとともに、磁場を生成することができる。
図3Cの説明は透視透過性磁気伝送素子を参照したものであるが、その構成は非透視透過性磁気伝送素子(例えば、銅のような非透視透過性材料で形成された磁気伝送素子)にも同様に有益であり得る。一例では、図3Cに示す構成によって、電気端子(例えば、第1外側原点56−2及び第2外側原点60−2)が伝送素子の外側部分に位置している間は、一様の電流方向が維持される。いくつかの伝送素子は、一様の電流方向を維持することができるが、ある一つの電気端子が伝送素子の外側に位置し、ある一つの電気端子が伝送素子の中央原点に配置されると、伝送素子の電気的接続がより困難となる。本明細書の実施例はこの困難性を回避することができる。しかしながら、本明細書のいくつかの実施例では、伝送素子の外側に位置する電気端子を含む透視透過性材料で形成される磁気伝送素子を含むことができる。磁気伝送素子のトレースは伝送素子の外側に位置する電気端子から中央原点に向かって内側にらせん状に巻くことができ、内側の端子で終結することができる。本明細書のいくつかの実施例は、本明細書に全体が記載されているように参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第15/034,474号に関連して論じられるような、透視透過性材料(例えば、アルミニウム)から作られる磁気伝送アセンブリを含むことができる。
図3Dは、第1螺旋トレース52−2’と、第2螺旋トレース54−2’と、第1螺旋トレース52−2’と第2螺旋トレース54−2’の間に配置される絶縁材料55を含む重複領域81’を示している。例えば、絶縁材料は、第1螺旋トレース52−2’の重複領域81’と第2螺旋トレース54−2’の間に配置することができる。いくつかの実施例では、この絶縁材料は、第1螺旋トレース52−2’と第2螺旋トレース54−2’が互いに一方と接触して、電流の流れを乱すことを防止することができる。一例では、絶縁材料は、第1螺旋トレース52−2’と第2螺旋トレース54−2’が重なる部位で短絡が発生することを防止し、第1螺旋トレース52−2’と第2螺旋トレース54−2’に電流が完全に流れることを可能にする。
いくつかの実施例では、図示はされていないが、各螺旋トレース52−2’、54−2’は絶縁材料でコーティングすることができる。例えば、各螺旋トレース52−2’、54−2’の上面、底面及び両側面は絶縁材料でコーティングすることができる。従って、第1螺旋トレース52−2’と第2螺旋トレース54−2’は、中央原点で折り目がつけられ、第1螺旋トレース52−2’と第2螺旋トレース54−2’はお互いに重なり合い、第1螺旋トレース52−2’と第2螺旋トレース54−2’は、トレースの間に配置された第1螺旋トレース52−2’と第2螺旋トレース54−2’それぞれの絶縁コーティングによって、重複領域81’で電気的に絶縁された状態を保つことができる。
図3Cをさらに参照すると、一例では、透視透過性磁気伝送素子50−2は、磁場を生成することができる。先に述べたように、第1電気端子から第2電気端子へ向かって、または、第2電気端子から第1電気端子へ向かっての一様の方向で、透視透過性磁気伝送素子50−2は、電流を流すことができる。例えば、図3Cに示す矢印によって支持される一様の方向で、電流を流すことができる。
透視透過性磁気伝送素子50−2は、概して円形で描かれているが、透視透過性磁気伝送素子50−2は、正方形、長方形、三角形、多角形、長円形、楕円形等とすることができる。一例では、透視透過性磁気伝送素子50−2の最大寸法は図3Cの仮想線で描かれる円78によって定義することができる。一例では、円78は6から14cmの範囲の直径を有することができる。しかしながら、いくつかの実施例では、円78の直径は14cmより長く、6cmより短くすることができる。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子50−2が正方形、長方形、三角形、多角形などであるかどうかにかかわらず、磁気伝送素子50−2が円78内に収まるような最大寸法を有することができる。説明および、円78と透視透過性磁気伝送素子50−2の区別をするために、円78は透視透過性磁気伝送素子よりも大きな直径を有するように描いている。本明細書の実施例は、円78の直径と同等の最大寸法を有する透視透過性磁気伝送素子も含むことができる。
透視透過性磁気伝送素子50−2を形成する連続的な基板片は、接続部品を用いることなく透視透過性磁気伝送素子50−2に連続的に電流が流れることを可能にする。いくつかの従来手法では、印刷回路板工程を用いて平板の磁気トランスミッタを製造する工程を採用していた。螺旋トレースに連続的に電流を流すことができるように、螺旋トレースを形成し多数の螺旋トレースを合わせて接続するため印刷回路板のセグメント間にいくつかのビアが製造されることがある。アルミニウムはより反応性を有するので、基板または基板の一部がアルミニウムから形成されている場合、電気めっきのビアは無用になる可能性がある。
本明細書の実施例は、本明細書で説明するように、第1螺旋トレース52−2と第2螺旋トレース54−2を単一の材料片で形成することを可能にし、一方では、一方向の電流を供給することができる透視透過性磁気伝送素子50−2を提供する。例えば、透視透過性磁気伝送素子50−2の第1螺旋アーム51−2(例えば、第1螺旋トレース52−2)と第2螺旋アーム53−2(例えば、第2螺旋トレース54−2)を中央原点58−2で折り曲げることで、第1螺旋アーム51−2(例えば、第1螺旋トレース52−2)と第2螺旋アーム53−2(例えば、第2螺旋トレース54−2)を単一の材料片で形成することが可能になる。したがって、本開示の実施例は、セグメントと複数の螺旋トレースを接続するビアまたは他のタイプのコネクタの使用を避けることができる。例えば、本明細書の実施例は単一の材料片(例えば、アルミニウム)を伝送素子形成のために利用できる。第1螺旋トレース52−2と第2螺旋トレース54−2は、2つのトレースとして説明されている一方、第1及び第2トレース52−2、54−2は、単一の材料片で形成されているため、ビアの使用を避けることができる。
図4Aは、本明細書の実施例における磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4、94−1、94−2、94−3、94−4、96−1、96−2、96−3、96−4、98−1、98−2、98−3、98−4のセットを含む磁気伝送アレイ90の上面視を示す。本明細書のいくつかの実施例では、隣接する磁気駆動コイルがお互いに接続するのを防止することができる。一例では、多数の駆動コイルを使用して、位置センサ28(例えば、磁気検知コイル)の位置および向きを決定することが望まれる3D空間内の任意の点で、十分な空間固有および方向固有の信号を提供することができる。固有信号は、各磁気駆動コイルを励起させるためにそれぞれ特定の周波数を用いて生成することができるが、時間ドメイン法を採用することもできるだろう。検知コイル増幅器と信号プロセッサは、その後、各駆動コイルに起因する固有の振幅値(周波数分割多重化の場合には、例えば同期復調が使用される)を測定する。駆動コイルの励起が隣接する駆動コイルと接続されずにこれらのコイルから放射されることが重要である、なぜなら、磁気検知コイルの正確な位置を導き出すための次の手段を混乱させ得るからである。各コイルが固有の周波数によって励起されると仮定すると、最も単純な数学的モデルをもたらす望ましい物理的挙動は、各周波数がその位置における単一の駆動コイルからの放射を表すのみである、ということである。近隣のコイルからの接続及び近隣のコイルからの信号(例えば、励起信号)の再放射は、数学的モデルを混乱させ得るため、好ましくない。
磁気位置センサ28(例えば、磁気センスコイル)の位置決めと方向決めをするために、位置に対する3つの自由度(例えば、X、Y、Z)、方向に対する2つの自由度(例えば、ピッチとヨー)が要求され得る。すなわち、最少で5つの駆動コイルを必要としてもよい。いくつかの実施例では、システムゲインのような追加パラメータを求めるために、または実行可能なセンシング領域を拡張するために、さらなるコイルを使用することができる。いくつかの実施例では、低インダクタンスのコイルは、近隣のコイルと接続しやすく、近隣のコイルからの信号を再度発生させやすくしてもよい。本明細書の実施例は、近隣のコイル間の接続を低減、及び/または除去することができる。いくつかの実施例では、例えば、磁気伝送素子がアルミニウムで作られている場合には、透視透過性磁気伝送素子は、図3Cに関連して説明したように、1層の基板を含むことができる。層数を増やすために、磁気伝送アレイ90は、複数の層に配置されたいくつかの透視透過性磁気伝送素子を含むことができる。透視透過性磁気伝送素子は、図3Cに関連して説明されるようなものとすることができる。代替的に、または、付加的に、磁気伝送アレイ90は、参照により本明細書に完全に記載されているかのように本明細書に組み込まれる、米国特許出願第15/034,474号に関連して論じたような磁気伝送素子を含むことができる。例えば、磁気伝送アレイ90は、図3に関連して説明したものと類似する第1磁気伝送素子層を含むことができる。第1磁気伝送素子層は、例えば、第1磁気伝送素子92−1、第2磁気伝送素子92−2、第3磁気伝送素子92−3、第4磁気伝送素子92−4、を含むことができる。
いくつかの実施例では、第1層の各磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4はお互いに重ならない。例えば、各第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4は、同じ層の近隣の磁気伝送素子から離間することができる。いくつかの実施例では、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4は、同じ層内の近隣の磁気伝送素子と隣りあって接しあうことができる。例えば、第1層の第1磁気伝送素子92−1は、第1層の第3磁気伝送素子92−3と隣りあって接しあうことができるが、第1層の第2磁気伝送素子92−2と離間することができる。いくつかの実施例では、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4は、各第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4の中央原点(例えば、中央原点93−1、93−2、93−3、93−4)が正方形、長方形、ひし形、平行四辺形などの角を形成するように、格子状に配置することができる。
さらに、磁気伝送アレイ90は、第2層の磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4、第3層の磁気伝送素子96−1、96−2、96−3、96−4、及び第4層の磁気伝送素子98−1、98−2、98−3、98−4を含むことができる。説明したように、第1層、第2層、第3層、第4層磁気伝送素子は、図3Cに関連して説明したような透視透過性磁気伝送素子とすることができる。第2層、第3層、及び/または第4層の磁気伝送素子は、本願に記載したように第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4がどのように配置されるかについて関連して説明されたものと同様の空間関係性をもって配置することができる。
いくつかの実施例では(図示はされていない)、第2層、第3層、及び/または第4層の磁気伝送素子は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4とは異なる空間的関係性で配置することができる。例えば、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4は、一つまたは複数の他の層(例えば、第2層、第3層、第4層)が第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4とは異なる空間的関係で配置されるように、配置することができる。例えば、第2層磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4は、各第2層磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4の中央原点が長方形の角を形成するように配置することができる一方、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4は、各第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4の中央原点が正方形の角を形成するように配置される。従って、各第1層、第2層、第3層、第4層磁気伝送素子は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4と同じ空間的関係で配置することができ、または、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4とは異なる空間的関係で配置することができる。
磁気伝送素子アレイ90の各層には、4個の磁気伝送素子が描かれているが、磁気伝送アレイ90の各層は、4個より多い磁気伝送素子または4個より少ない磁気伝送素子を含むことができる。いくつかの実施例では、磁気伝送素子アレイ90の各層は、1個から20個の範囲の磁気伝送素子を含むことができる。いくつかの実施例では、磁気伝送アレイの各層がそれぞれに含む磁気伝送素子の数は、2から15とすることができる。いくつかの実施例では、磁気伝送アレイの各層がそれぞれに含む磁気伝送素子の数は、3から10とすることができる。いくつかの実施例では、磁気伝送アレイの各層がそれぞれに含む磁気伝送素子の数は、4から7とすることができる。さらに、磁気伝送素子アレイ90には4層の磁気伝送素子が描かれているが、磁気伝送素子アレイ90は、4層より多い層の磁気伝送素子または4層より少ない層の磁気伝送素子を含むことができる。本明細書のいくつかの実施例では、磁気伝送素子アレイ90に、1から8層の磁気伝送素子を含むことができる。本明細書のいくつかの実施例では、磁気伝送素子アレイ90に、2から7層の磁気伝送素子を含むことができる。
いくつかの実施例では、第1層の磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4と同様に、第2層、第3層、第4層の各磁気伝送素子は、各層の磁気伝送素子とそれぞれ重ならない。例えば、第2層の磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4は、互いに重ならず、第3層の磁気伝送素子も、第4層の磁気伝送素子もお互いに重ならない。いくつかの実施例では、各層それぞれの磁気伝送素子が重ならないことによって、層内の各磁気伝送素子の間で短絡が発生することを防止する。
いくつかの実施例では、第1層、第2層、第3層、及び第4層磁気伝送素子は、他の層の磁気伝送素子と重なることができる。例えば、図示されるように、第2層磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4と重なることができ(例えば部分的に重なる)、第3層磁気伝送素子96−1、96−2、96−3、96−4は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4および第2層磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4に重なることができ、第4層磁気伝送素子98−1、98−2、98−3、98−4は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4と、第2層磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4と、第3層磁気伝送素子96−1、96−2、96−3、96−4と重なることができる。
磁気伝送素子層が重なっているか否かに関わらず、層は、磁気伝送素子が、層の素子が存在する平面に対して垂直な方向から見たときに六方格子パターンまたは構造に編成されるように配置されてもよい(図4Aおよび図4Cに示すように)。このような実施例では、伝送素子の中央原点は、格子の頂点に合わせて配置されると考えられる。異なる層の磁気伝送素子が重なる実施例では、層間の磁気伝送素子の相対的な配置は、それらが制約領域内(例えば、患者の体のような対象の体積領域、より具体的には、患者の心臓の周囲および/または心臓の中の領域に磁場を集中させるため)で可能な限り広がるように、同時に、X線が磁気伝送素子層を通過する透視透過性画像において生じる妨害の量を最小限に抑えるように、最適化されてもよい。そのような実施例では、六角形格子構造は、図4Aに示されるように、重なる「セル」を有する「蜂の巣」状の構造に類似化させることができる。図示されるように、伝送素子の半径は、3の平方根を格子上の頂点間の距離の2倍で割ったものとして計算してもよい(言い換えれば、伝送素子の半径は、格子上の3つの隣接する頂点によって形成される正三角形の「高さ」と等しくてもよい)。
より詳細に、図4Aへの注意を継続すると、第2層磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4と同じ空間的関係で配置することができ、第2層の各磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4の中央原点(例えば、中央原点95−1、95−2、95−3、95−4)は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4の中央原点(例えば、中央原点93−1、93−2、93−3、93−4)から第1方向へ移動させることができる。例えば、図示されるように、第2層の各磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4の中央原点は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4の中央原点から第1方向(例えば、ページを参照にして、右側)に横に移動することができる。
いくつかの実施例では、第3層磁気伝送素子96−1、96−2、96−3、96−4は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4に対して横方向及び垂直方向に移動することができる。図示されるように、第3層磁気伝送素子96−1、96−2、96−3、96−4の中央原点(例えば、中央原点97−1、97−2、97−3、97−4)は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4および第2層磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4の中央原点間で移動してもよい。一例では、第3層磁気伝送素子96−1、96−2、96−3、96−4の中央原点は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4の中央原点から第2層磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4の中央原点よりも少ない量右側に(ページを参照して)移動することができる。
加えて、第3層磁気伝送素子96−1、96−2、96−3、96−4の中央原点は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4の中央原点に対して垂直方向(例えば、上側)に移動することができる。いくつかの実施例では、第4層磁気伝送素子98−1、98−2、98−3、98−4は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4、第2層磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4及び第3層磁気伝送素子96−1、96−2、96−3、96−4の中央原点に対して横方向に移動することができる。例えば、第4層磁気伝送素子98−1、98−2、98−3、98−4の中央原点は、第1層、第2層、及び第3層磁気伝送素子の中央原点の右側に移動することができる。
加えて、第4層磁気伝送素子98−1、98−2、98−3、98−4の中央原点は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4の中央原点から垂直方向(例えば、上側)に移動することができる。例えば、第4層磁気伝送素子98−1、98−2、98−3、98−4の中央原点(例えば、中央原点99−1、99−2、99−3、99−4)の中央原点は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4から、第3層磁気伝送素子96−1、96−2、96−3、96−4の原点と同じ量だけ垂直方向に移動することができる。したがって、重なっている磁気伝送素子は、図4Aに示すように、磁気伝送素子アレイ90の間に貫通孔がないように配置することができる。例えば、図示されるように、第3層磁気伝送素子96−3は、第1層磁気伝送素子92−1、92−3及び第2層磁気伝送素子94−1、94−3の間に存在したであろう貫通孔を覆う。
磁気伝送素子を形成する少数層(例えば2層)の基板を補償するために、本開示の磁気伝送素子アレイ90は、お互いに重なる磁気伝送素子層(例えば、図3に関連して説明されたような)を含むことができる。例えば、第1層は第2層と重なっており、第2層は第3層と重なっており、第3層は第4層と重なっている。近隣の層の間の各磁気伝送素子の中央原点間の間隔は、概して各コイル間の半径に等しくすることができる。中央原点間の離れ具合は、コイル位置を決定するための逆解の条件がよく決定されるように要求することができる。例えば、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4の中央原点(例えば、中央原点93−1、93−2、93−3、93−4)及び隣接する第2層磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4の中央原点(例えば、中央原点95−1、95−2、95−3、95−4)は、磁気伝送アレイ90のうちの一つの磁気伝送素子の半径と等しい距離離すことができる。例えば、第1層磁気伝送素子92−1は、近隣の第2層磁気伝送素子94−1から一つの磁気伝送素子の半径と等しい距離で離すことができる。
いくつかの実施例では、近隣の層間の各磁気伝送素子の中央原点間の間隔は、各コイル間の半径よりも大きくすることができる。いくつかの実施例では、近隣の層間の各磁気伝送素子の中央原点間の間隔は、より高密度の磁場を生成するために、各コイル間の半径よりも小さくすることができる。
本明細書で説明されるように、近隣の磁気伝送素子の中央原点と中央原点間の距離は一つの磁気伝送素子の半径と等しく、またはより大きくすることができる。重なっておらず同じ特徴サイズの正方形の磁気伝送素子の正方形アレイと比較すると、各磁気伝送素子は、40%広い面積を収容することができ、これは、1.8mmピッチで直径11センチメートルの螺旋にエッチングされると、磁気伝送素子の正方形アレイに使用されるのと同じ電流で、1層当たり95%以上大きな磁場をもたらす。
同じ寸法に対して、より大きな、重なった螺旋のトレース長は、正方形コイルのトレース長よりもわずか10パーセントのみ長い。それゆえに、所定の磁場強度に対して、より大きな、重なった螺旋は、磁気伝送素子の正方形アレイと比較して30%未満の熱を放出するということになってしまう。蛍光透視画像を不明瞭にすることなく銅よりもはるかに厚いアルミニウム層を使用することができれば、層当たりの抵抗をそれに応じて減少させることができ、その結果、従来手法の正方形アレイよりも、交流磁界を発生するのに概して一桁分より効率的なX線透過送信アレイが得られる。
先に述べたように、図4Aに示すように、磁気伝送アレイ90間に貫通孔が存在しないように、重なっている磁気伝送素子は配置することができる。例えば、図示するように、第3層磁気伝送素子96−3は、第1層磁気伝送素子92−1、92−3と第2層磁気伝送素子94−1、94−3の間に存在したであろう貫通孔を覆う。これは、いくつかの実施例ではより高密度の磁場を生成することができる。
いくつかの実施例では、磁気伝送アレイ90は、透視透過性磁気伝送アレイ90とすることができる。例えば、図3Cを参照して説明したような透視透過性磁気伝送素子は、アレイ90に含まれることができる。これは、磁気伝送アレイ90が、フルオロスコープ(X線透視装置)からのX線を通過させる窓となり得る透視(フルオロ)窓91内に配置されることを可能にする。磁気伝送アレイ90の透視透過性は、X線が透視窓91とアレイ90を通過することを可能にでき、したがって、磁気伝送アレイ90によって妨害されない蛍光透視画像を提供する。
図4Bは、本開示の実施例に従って、磁気伝送素子の第1層と伝送素子の第2層の間に配置される絶縁層100の側面視を描いている。いくつかの実施例では、絶縁層は、1つまたは複数の磁気伝送素子一つまたは複数の間に配置することができ、磁気伝送素子がお互いに接触するのを防止している。図示するように、絶縁層100は、第1層磁気伝送素子92−3、92−4と、第2層磁気伝送素子94−3、94−4の間に配置されている。絶縁層100は、第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4と第2層磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4の間、第2層磁気伝送素子94−1、94−2、94−3、94−4と第3層磁気伝送素子96−1、96−2、96−3、96−4の間、及び/または、第3層磁気伝送素子96−1、96−2、96−3、96−4と、第4層磁気伝送素子98−1、98−2、98−3、98−4の間に配置することができる。
図4Cは、本明細書の実施例における磁気伝送アレイの第1層の磁気伝送素子102−1、102−2、.....102−16の上面視である。いくつかの実施例では、磁気伝送素子102−1、102−2、.....102−16は、図3Cを参照して説明される透視透過性磁気伝送素子のように、透視透過性とすることができる。一例では、第1層磁気伝送素子102−1、102−2.....102−16は、図4Aにおいて第1層磁気伝送素子92−1、92−2、92−3、92−4が配置されている方法と類似する方法で配置することができる。例えば、第1層磁気伝送素子102−1、102−2.....102−16は、第1磁気アセンブリを形成する第1平面に配置することができる。図4Cで説明したように、第1層磁気伝送素子102−1、102−2.....102−16は、第1平面ではお互いに重ならない。
いくつかの実施例では、連結リードツリー103は、第1層磁気伝送素子102−1、102−2.....102−16のそれぞれを、個々の連結リード(例えば連結リード105)を介して、連結パッド104に電気的に接続することができる。連結パッド104は、複数の連結リードに連結することができ、そのそれぞれが第1層磁気伝送素子102−1、102−2.....102−16の一つと電気的に接続される。連結リード105を参照すると、連結リード105は、第1層磁気伝送素子102−1を連結パッド104に電気的に接続させる。図4Cに図示するように、そして図3Cに関連して先に述べたように、磁気伝送素子102−1、102−2.....102−16のそれぞれは、磁気伝送素子の外側の端部に配置された端子を介して連結パッドに電気的に接続することができる。
いくつかの実施例では、第1層磁気伝送素子102−1、102−2.....102−16、リードツリー103、及び/または連結リードは、基板101の上に配置することができる。一例では、基板は、硬質であり及び/または可撓性を有することができる。いくつかの実施例では、基板は、第1層磁気伝送素子102−1、102−2.....102−16、が配置された印刷回路板とすることができる。いくつかの実施例では、図4Aに関連してさらに説明されたように、複数層の磁気伝送素子は、互いの上に積み重ねることができる。例えば、一つまたは複数の他の層の磁気伝送素子は、第1層磁気伝送素子102−1、102−2.....102−16の上に重なることができ、また、図4Aに関連して図示および説明したように、第1層磁気伝送素子から縦方向または横方向にオフセットすることができる。いくつかの実施例では、2と10の間の層の磁気伝送素子は、互いの上に積み重ねることができる。いくつかの実施例では、磁気伝送素子の複数層が互いに積み重なることで、磁気伝送アレイの横方向の幅を低減することができ、磁気伝送アレイを透視窓内に収めることができる。しかしながら、いくつかの実施例では、単一層の磁気伝送素子を磁気伝送アレイに使用することができる。
図5Aは、本明細書の実施例における、磁気伝送アセンブリ106の第2実施例の模式的上面視を描いている。いくつかの実施例では、磁気伝送アセンブリ106は、複数の電磁伝送素子110−1、110−2.....110−12が配置できるフレーム108を含むことができる。いくつかの実施例では、フレーム108は、透視透過性及び/またはX線不透過性材料から形成することができる。いくつかの実施例では、フレーム108は、図5Bに関連して説明されるように囲いとすることができる。フレーム108は、フレーム108及び/または磁気伝送素子110−1、110−2.....110−12によって邪魔されることなくフレーム108の中心をX線が通過可能とすることができる透視窓112を含むことができ、妨害されない蛍光透視画像を可能にする。いくつかの実施例では、図示されるように、透視窓112は正方形とすることができる。しかしながら、透視窓112は、円、正方形、三角形など、任意の形状を含むことができる。
いくつかの実施例では、X線は、透視窓112を通過することができるため、フレーム108は、X線不透過性材料で形成することができる。なぜなら、磁気伝送アセンブリ106のその部分は、透視窓112の外側であり、蛍光透視画像では見えなくなるからである。いくつかの実施例では、フレーム108は、非金属材料(例えば、グラスファイバー)で形成することができる。いくつかの実施例では、本明細書で説明するように、透視窓112は、フレーム108の切り抜きとすることができる。代替的に、透視窓112は、蛍光透視画像で半透明または透明な材料で形成することができる。
いくつかの実施例では、複数の電磁伝送素子110−1、110−2.....110−12は、透視窓112の中心から等距離とすることができ、または設計の許す限り、透視窓112の中心から等距離に近くすることができる。複数の電磁伝送素子110−1、110−2.....110−12は、平坦な銅コイルとすることができ、印刷回路板製造工程で形成することができる。一例では、電磁伝送素子110−1、110−2.....110−12は、非透視透過性とすることができる。複数の電磁伝送素子110−1、110−2.....110−12のそれぞれは、電磁伝送素子110−1、110−2.....110−12のそれぞれ上に、複数の層の巻線が形成されることを可能にすることができる。一例では、複数の電磁伝送素子110−1、110−2.....110−12のそれぞれは、32層までの巻線を有することができる。しかしながら、いくつかの実施例では、追加の層の巻線を提供することができる(例えば、64層の巻線、128層の巻線、数百層の巻線)。
いくつかの実施例では、ページに関連して、複数の電磁伝送素子110−1、110−2.....110−12は、フレーム108の上部111−1に配置および、フレーム108の下部111−2に配置することができる。さらに、ページに関連して、図示はされていないが、電磁伝送素子110−1、110−2.....110−12は、フレーム108の左側面109−1及びフレーム108の右側面109−2に配置することができる。いくつかの実施例では、電磁伝送素子110−1、110−2.....110−12がフレーム108の下部とフレーム108の上部に配置されているとき、フレーム108の上部とフレーム108の下部は、上部と下部を接続するフレームの側面側よりも広くすることができる。いくつかの実施例では(図示はされていない)、磁気伝送素子110−1、110−2.....110−12は、上側が弧状のセグメントで配置および下側が弧状のセグメントに配置することができる。いくつかの実施例では、各弧状セグメントは、透視窓の中心から等距離とすることができる。したがって、磁気伝送素子110−1、110−2.....110−12のそれぞれは、透視窓112の中心から等距離を保つことができる。
いくつかの実施例では、図示するように、磁気伝送素子110−1、110−2、...110−6の上部セットは、V字形状に配置することができ、磁気伝送素子110−7、110−8、...110−12の下部セットは、V字形状に配置することができる。一例では、磁気伝送素子110−1、110−2、...110−6の上部セットは、線bbとccにそって配置することができる。例えば、磁気伝送素子110−1、110−2、110−3は、線bbに沿って配置することができ、磁気伝送素子110−4、110−5、110−6は、線ccにそって配置することができる。
磁気伝送素子110−7、110−8、...110−12の下部セットは、線ddと線eeに沿って配置することができる。例えば、磁気伝送素子110−7、110−8、110−9は、線ddに沿って配置することができ、磁気伝送素子110−10、110−11、110−12は、線eeにそって配置することができる。磁気伝送素子110−1、110−2、...110−6の上部セットは、6個の磁気伝送素子を含むように描かれており、磁気伝送素子110−7、110−8、...110−12の下部セットは、6個の磁気伝送素子を含むように描かれているが、それぞれの磁気伝送素子セットは、6個より多くの磁気伝送素子あるいは6個より少ない磁気伝送素子を含むことができる。いくつかの実施例では、磁気伝送素子の各セットは、3〜8個の磁気伝送素子を含むことができる。
線bbと線ccおよび線ddと線eeは、磁気伝送素子110−1、110−2、...110−112が透視窓112を囲うように、または部分的に囲うように互いに対して角度をつけて配置することができる。例えば、線bbと線ccは互いに対し角度θで配置することができ、線ddと線eeは互いに対し角度θ‘で配置することができる。いくつかの実施例では、角度θとθ’は同じとすることができる。いくつかの実施例では、角度θ及びθ’は、90度から180度の角度の範囲をとることができる。磁気伝送素子110−1、110−2、...110−12は透視窓112を囲むまたは部分的に囲んでいるため、より均一な磁場が透視窓112内と、透視窓112の上側に位置する領域(例えば、患者の胸が位置してもよい関心領域38)に生成され、透視窓112内に配置された位置センサ28(例えば、磁気センサ)を用いるのに磁場をより均一にするのを可能とすることができる。
一つまたは複数の透視透過性磁気伝送素子は、透視窓112内の磁気伝送素子110−1、110−2、...110−12間に配置することができる。いくつかの実施例では、磁気伝送アレイは、図4Aに関連して説明されるように、透視窓112内の磁気伝送素子110−1、110−2、...110−12間に配置することができる。本明細書で説明されるように、磁気伝送アセンブリ106は、磁気伝送素子110−1、110−2、...110−12によって生成された磁場を補うことができる。代替的に、図3Dに関連して説明されるように、透視透過性磁気伝送素子の異なる配置が、透視窓112内に位置することができる。例えば、透視透過性磁気伝送素子は、図6に関連して説明されるように、透視窓112内に配置することができる。
図5Bは、本明細書の実施例に従って、図5Aの磁気伝送アセンブリ106に含まれ得る囲い122内の磁気伝送素子110−2’の線ffに沿った模式的断面図である。磁気伝送素子110−2’に関して上述したが、以下の説明は、図5Aに関連して説明される、全ての磁気伝送素子110−1、110−2、...110−12(本明細書で磁気伝送素子110とも称する)にも適用される。いくつかの実施例では、一つまたは複数の磁気伝送素子110は、一つまたは複数の囲い122の内部に収容することができる。例えば、磁気伝送素子110−2’は、囲い122内に収容することができる。一例では、各磁気伝送素子110は、個々の囲いの内部に収容することができる。いくつかの実施例では、複数の磁気伝送素子110をひとつの囲いの内部に収容することができる。囲い122は、磁気伝送素子110を取り付けることができるベース124を含むことができる。いくつかの実施例では、囲いは、フレーム108’に取り付けることができる。囲い122は、ベース124から垂直に伸びて上面130に接続される外壁126、128を含むことができ、それは磁気伝送素子102−2’を囲うのに役立つ。囲いのベース124は、正方形、長方形、三角形、円形等とすることができ、例えば、グラスファイバーのような材料で形成することができる。いくつかの実施例では、上面130はベースと同様の形状とすることができる。
いくつかの実施例では、くさび132を、角度をつけて磁気伝送素子110−2’を配置することを可能にするために、磁気伝送素子110−2’の下に配置することができる。いくつかの実施例では、磁気伝送素子110−2’は、1から20度、2から10度または、3から7度の範囲の角度θ’’で配置することができるが、いくつかの実施例では、磁気伝送素子110−2’は、1度より小さい角度または20度より大きな角度で配置することができる。一例では、磁気伝送素子110−2’が配置される角度は、磁気伝送アセンブリ106の所望の厚みで制限することができる。例えば、磁気伝送アセンブリ106は、患者検査台と関連付けられるマットレスの下に配置することができる。磁気伝送素子110−2’が配置される角度が大きすぎる場合、磁気伝送アセンブリ106の厚さが、それが患者にとって目立つようになり不快感を引き起こすほどの量が患者検査テーブルから突き出るかもしれない程のものであり得る。
いくつかの実施例では、磁気伝送素子110のそれぞれは、ベース124に対して角度をつけて配置することができる。例えば、本明細書で説明されるように、磁気伝送素子110−2’はくさび132を介して角度θ’’で配置することができる。いくつかの実施例では、全ての磁気伝送素子(例えば、110−1、110−2、...110−12)は、角度θ’’で配置することができる。磁気伝送素子110のそれぞれは、同じ角度θ’’で配置することができる一方、磁気伝送素子110のそれぞれは、異なった方向性を有することができる。例えば、磁気伝送素子110のそれぞれによって生成された磁場ベクトル(例えば、B場ベクトル)が透視窓112の方を向くように、磁気伝送素子110のそれぞれは、透視窓112の周りに同じ角度θ’’で配置することができる。例えば、各磁気伝送素子110によって生成された磁場ベクトルが関心領域38内に位置するある共通の点の方を向くように、磁気伝送素子110のそれぞれを角度θ’’で配置することができる。いくつかの実施例では、各磁気伝送素子110によって生成された磁場ベクトルが関心領域38(図2)内に位置するある共通の点の方を向くように、磁気伝送素子110のそれぞれを角度θ’’で配置することができる。どちらの場合であっても、磁気伝送素子110は、関心領域38内で磁場を発生させるような方向に向けられるべきである。
いくつかの実施例では、角度θ’’は、図5Aに描かれる線bbに対して垂直にすることができる。例えば、磁気伝送素子110−1、110−2、110−3は、同じ角度θ’’及び同じ方向で配置することができる。いくつかの実施例では、磁気伝送素子110−4、110−5、110−6は同じ角度θ’’だが磁気伝送素子110−1、110−2、110−3とは異なる方向で反対に配置することができる。例えば、磁気伝送素子110−4、110−5、110−6が配置される角度θ’’は、図5Aに描かれる線ccに対して垂直にすることができる。いくつかの実施例では、磁気伝送素子110−7、110−8、110−9は同じ角度θ’’だが磁気伝送素子110−1、110−2、110−3及び磁気伝送素子110−4、110−5、110−6とは異なる方向で反対に配置することができる。例えば、磁気伝送素子110−7、110−8、110−9が配置される角度θ’’は、図5Aに描かれる線ddに対して垂直にすることができる。いくつかの実施例では、磁気伝送素子110−10、110−11、110−12は同じ角度θ’’だが磁気伝送素子110−1、110−2、110−3、110−4、110−5、110−6、110−7、110−7、及び110−9とは異なる方向で反対に配置することができる。例えば、磁気伝送素子110−10、110−11、110−12が配置される角度θ’’は、図5Aに描かれる線eeに対して垂直にすることができる。
図5Cから5Hは、本開示の実施例に用いられる、患者の身体135に対して様々な角度におけるX線源133とX線画像強化装置134を示す。図5Cに示されるように、X線源133−1から放出されたX線ビームは、患者135−1が横たわる検査台136−1から垂直に延びる線に対して60度右斜め前方に向けられている。図5D及び5Fに示されるように、X線源133−2から放出されたX線ビームは、患者135−2が横たわる検査台136−2から垂直に延びる線に対して0度に向けられる。図5Eに示されるように、X線源133−3から放出されたX線ビームは、患者135−3が横たわる検査台136−3から垂直に延びる線に対して40度左斜め前方に向けられている。図5Gに示されるように、X線源133−4から放出されたX線ビームは、患者135−4が横たわる検査台136−4から垂直に延びる線に対して30度頭部の方に向けられている。図5Hに示されるように、X線源133−5から放出されたX線ビームは、患者135−5が横たわる検査台136−5から垂直に延びる線に対して20度後(尾)方へ向けられている。
いくつかの実施例では、図5Aから図5Hにさらに関連して、非透視透過性磁気伝送素子110は、図5Aに図示されるように、フレーム108のどちらの側面109−1、109−2にも配置されなくてもよい。いくつかの実施例では、フレーム108のどちらの側面109−1、109−2にも磁気伝送素子110を配置しないことによって、X線源133及び画像増強装置が図5C及び図5Eのものと同様の角度で配置されたときに、X線がフレーム108の両側面を通過することができる。例えば、X線源133が図5C及び図5Eの角度で配置されることで、フレーム108の両側面109−1、109−2は、X線源133と画像増強装置134の間に配置することができる。フレーム108の両側面109−1、109−2に非透視透過性磁気伝送素子が含まれる場合、透視画像は妨害される可能性がある。いくつかの実施例では、X線源133の位置決めを形成するため、図3Cに関連して説明されるような透視透過性磁気伝送素子は、フレーム108の両サイドに配置することができる。
いくつかの実施例では、図5Aから図5Hにさらに関連して、磁気伝送素子110は、図5Aに示すようなV字型や、または弧状セグメント(不図示)のようなパターンで配置することができる。磁気伝送素子110をV字型や、弧状セグメントで配置することで、X線源133−4、133−5が図5G及び図5Hに示されるような位置に配置された場合に、V字型(例えば、線bb及び線ccまたは線ddおよびeeで画定される)の各アーム、または弧状セグメントの間で、X線がフレーム108を通過することができる。例えば、X線源133−4、133−5が図5G及び5Hに示される位置に配置される場合、V字型の各アームの間に位置するフレーム108の一部は、X線源133−4、133−5と、それぞれの画像増強装置134−4、134−5の間に配置することができる。これにより、磁気伝送素子110によって遮られない透視画像を可能にすることができる。
図6は、本開示の実施例に用いられる、第3実施例の磁気伝送アセンブリ140の上面視を示す。いくつかの実施例では、磁気伝送アセンブリ140は、フレーム142を含むことができる。いくつかの実施例では、フレーム142は、透視透過性及び/またはX線不透過性材料によって形成することができる。いくつかの実施例では、フレーム142は、図5Bに関連して説明されるような囲いとすることができる。いくつかの実施例では、図示されるように、フレーム142は、長方形とすることができ、また、フレーム142は、透視窓144が位置する正方形のくりぬきを含むことができる。代替的に、透視窓144が位置するくりぬきの代わりに、透視窓144は、X線を遮られることなく通過させることを可能にする透視透過性材料を含むことができる。
いくつかの実施例では、複数の電磁伝送素子146−1、146−2....146−12は、フレーム142上に配置することができる。いくつかの実施例では、電磁伝送素子146−1、146−2....146−12は、平坦な銅コイルとすることができ、それらがX線で見えないように、透視窓144の外側に沿って配置することができる。図5Aに関連して説明されるように、電磁伝送素子146−1、146−2....146−12は、非透視透過性とすることができる。電磁伝送素子146−1、146−2....146−12が透視窓の外側に配置されることで、透視画像は電磁伝送素子146−1、146−2....146−12によって遮られない状態を保持することができる。
第1列の電磁伝送素子146−5、146−6は、透視窓144の第1側方に配置することができ、第2列の電磁伝送素子146−7、146−8は、第1側方の反対側の透視窓144の第2側方に配置することができる。第1列の電磁伝送素子146−5、146−6は、第2列の電磁伝送素子146−7、146−8と平行とすることができ、透視窓144の中心から第2列の電磁伝送素子146−7、146−8と同じ距離だけ離間させることができる。例えば、第1列と第2列の対応する磁気伝送素子(例えば、磁気伝送素子146−6と磁気伝送素子146−7)は、透視窓144の中心から等距離で離間させることができる。
いくつかの実施例では、第3列の電磁伝送素子146−1、146−2、146−3、146−4は、透視窓144の第1側方に配置することができ、第4列の電磁伝送素子146−9、146−10、146−11、146−12は、第1側方の反対側の透視窓144の第2側方に配置することができる。第3列の電磁伝送素子146−1、146−2、146−3、146−4は、第4列の電磁伝送素子146−9、146−10、146−11、146−12と平行とすることができ、透視窓144の中心から第4列の電磁伝送素子146−9、146−10、146−11、146−12と同じ距離だけ離間させることができる。例えば、第3列と第4列の対応する磁気伝送素子(例えば、磁気伝送素子146−3と磁気伝送素子146−10)は、透視窓144の中心から等距離で離間させることができる。
いくつかの実施例では、第1、第2、第3、第4列の磁気伝送素子146−1、146−2....146−12は、お互いに平行とすることができる。いくつかの実施例では、第1、第2、第3、第4列の磁気伝送素子146−1、146−2....146−12は、透視窓144の第1側方及び第2側方に位置する縁部と平行とすることができる。
いくつかの実施例では、第1及び第2列の磁気伝送素子の間のそれぞれの距離は、第3及び第4列の磁気伝送素子の間のそれぞれの距離より大きくすることができる。例えば、第1列の磁気伝送素子146−5、146−6の各中央原点間の距離は、第3列の磁気伝送素子146−1、146−2、146−3、146−4の各中央原点間の距離より大きくすることができる。いくつかの実施例では、第1列の磁気伝送素子146−5、146−6の各中央原点間の距離は、第3列の磁気伝送素子146−1、146−2、146−3、146−4の各中央原点間の距離に対して1.25から2倍とすることができる。第2及び第4列の磁気伝送素子の中央原点間の距離の割合は、第1及び第2列の磁気伝送素子の中央原点間と同様または類似とすることができる。
いくつかの実施例では、第1列の磁気伝送素子146−1、146−2のそれぞれの中央原点間の距離は、第2列の磁気伝送素子146−7、146−8のそれぞれの中央原点間の距離と同じにすることができる。さらに、第3列の磁気伝送素子146−1、146−2、146−3、146−4のそれぞれの中央原点間の距離は、第4列の磁気伝送素子146−9、146−10、146−11、146−12のそれぞれの中央原点間の距離と同じにすることができる。いくつかの実施例では、磁気伝送素子がそれぞれ等距離に離間されることにより、関心領域38全体に渡って均一な磁場を生成しやすくなる。いくつかの実施例では、均一の磁場を生成するために、第1及び第2列の磁気伝送素子間の間隔は同じまたは類似させることができ、第3及び第4列の磁気伝送素子間の間隔は同じまたは類似させることができる。いくつかの実施例では、磁気伝送素子146−1、146−2....146−12は、図5Bに関連して説明されたように、場の多様性を設けるために角度をつけて配置することができる。
図5Aとは対照的に、いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子は、透視窓144内に配置することができる。図示されるように、4個の透視透過性磁気伝送素子148−1、148−2、148−3、148−4は、透視窓144の中に配置することができる。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子148−1、148−2、148−3、148−4は、図3Cに関連して図示され説明されたものと同様に、または類似させたものとすることができる。透視透過性磁気伝送素子148−1、148−2、148−3、148−4は、図示されるように、透視透過性磁気伝送素子148−1、148−2、148−3、148−4のそれぞれの中央原点が正方形の角に合うように配置されるように、格子パターンに配置することができる。透視透過性磁気伝送素子148−1、148−2、148−3、148−4の中央原点は、他のパターン、例えば、長方形、三角形などに配置することができる。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子の中央原点が透視窓144から等距離になるように配置することができる。
いくつかの実施例では、4個よりも少ない透視透過性磁気伝送素子が透視窓144内に配置することができ、または4個よりも多い透視透過性磁気伝送素子が透視窓144内に配置することができる。いくつかの実施例では、透視窓144内に配置される透視透過性磁気伝送素子の数は、1から12個とすることができる。いくつかの実施例では、透視窓144内に配置される透視透過性磁気伝送素子の数は、3から10個とすることができる。いくつかの実施例では、磁気伝送アセンブリ90は、図4Aに関連して説明されたように、透視窓144内に配置することができる。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子148−1、148−2、148−3、148−4は、磁気伝送素子146−1、146−2....146−12と同じ平面に配置することができる。
いくつかの実施例では、第1列の磁気伝送素子146−5、145−6(例えば、磁気伝送素子146−5、145−6の幾何学的中心)の各磁気伝送素子の中央原点間の距離は、透視透過性磁気伝送素子148−1、148−3間の距離と同じにすることができる。加えて、第1列の磁気伝送素子146−5、145−6の中央原点間の距離および透視透過性磁気伝送素子148−1,148−3の中央原点間の距離は、第2列の磁気伝送素子146−5、146−6の中央原点間の距離及び透視透過性磁気伝送素子148−2、148−4の中央原点間の距離と同じにすることができる。いくつかの実施例では、磁気伝送素子146−6、146−7及び透視透過性磁気伝送素子148−3、148−4のそれぞれの中央原点は、図6に示すように、お互いに一列に配置することができる。いくつかの実施例では、磁気伝送素子146−5、146−8及び透視透過性磁気伝送素子148−1、148−2のそれぞれの中央原点は、図6に示すように、お互いに一列に配置することができる。
いくつかの実施例では、透視窓144は、透視透過性材料で形成することができる。いくつかの実施例では、透視透過性材料は、ポリイミドとすることができる。透視透過性材料は、透視画像への干渉を防止または低減することができる。一例では、関心領域38(図2)において透視窓144の上方に心臓が位置するように患者を患者検査台に位置決めすることができる。磁気伝送素子146−1、146−2....146−12及び透視透過性磁気伝送素子148−1、148−2、148−3、148−4によって生成された磁場は、磁気ナビゲーション場を、一例では、カテーテル内に配置された位置センサ28と一緒に用いるための磁気ナビゲーション場を提供するのに使用することができる。加えて、透視窓144または透視透過性磁気伝送素子を形成する透視透過性材料によって生じる干渉をほとんどまたは全く伴なわずに、心臓の透視画像を撮ることができる。
いくつかの実施例では、一つまたは複数のツイストケーブル145は、磁気伝送素子146−1、146−2....146−12または透視透過性磁気伝送素子148−1、148−2、148−3、148−4のそれぞれに電力を供給することができる。複数のリード147、149は、一つまたは複数のツイストケーブル145に接続することができ、これにより磁気伝送素子146−1、146−2....146−12または透視透過性磁気伝送素子148−1、148−2、148−3、148−4のそれぞれに電力を供給することができる。各リード147,149は、磁気伝送素子146−1、146−2....146−12または透視透過性磁気伝送素子148−1、148−2、148−3、148−4それぞれに電力を供給するように構成された一つまたは複数のワイヤを含むことができる。例えば、リード147は、磁気伝送素子146−5に電力を供給することができ、また、リード149は、透視透過性磁気伝送素子148−1に電力を供給することができる。図示するように、他の磁気伝送素子及び透視透過性磁気伝送素子は、電力を提供するように構成される、それぞれ独自のリードを含むことができる。
いくつかの実施例では、電力源及び/またはコントローラは、コネクタ151に接続することができ、これにより、透視透過性磁気伝送素子148−1、148−2、148−3、148−4および/または磁気伝送素子146−1、146−2....146−12に電力を供給及び/または制御することができる。
本明細書で説明するように、磁気伝送アレイを作成するために、単一のコイルの代わりに複数の駆動コイルを使用することができる。本明細書で用いられているように、図4、5A及び6に関連して説明されるように、駆動コイルは、透視透過性及び/またはX線非透視透過性とすることができる磁気伝送素子を含むことができる。磁気伝送素子は、磁場を生成するために駆動することができる。いくつかの実施例では、複数の駆動コイルは、電磁位置センサの位置及び方向を決定することが所望される3D空間の任意の点において、十分な空間固有及び方向固有の信号(例えば、磁場における励起信号)を提供することができる。固有の信号は、各駆動コイルを励起させる特定の周波数を用いて作成することができるが、異なる時点において同じ周波数を伝送できる時間ドメイン法を、代替的に用いることができる。電磁位置センサ増幅器および信号プロセッサは、各駆動コイル(周波数分割多重化の場合には、例えば同期復調を使用することができる)に起因する固有の振幅値を測定することができる。
複数の駆動コイルを含むシステムでは、一つの駆動コイルからの励起が隣接する駆動コイルと接続せずにその後それらのコイルから再放射することは、センスコイルの正確な位置を導き出す後続の方法を混乱させ得るので、有益となり得る。各コイルを固有の周波数で励起する方法を想定すると、最も単純な数学的モデルをもたらす望ましい物理的挙動は、各周波数がその(既知のアプリオリ)位置における単一の駆動コイルからの放射を表すのみということである。近隣コイルからの接続及び再放射は望ましくない。
検知コイルの位置決めおよび方向付けは、位置について3つの自由度、および方向について2つの自由度(時々ピッチとヨーと称され、ソレノイド感知コイルの「回転」は、左右対称であるため、値は求められないことに注意されたい)を必要とする可能性がある。これは、最小で5つの駆動コイルが必要とされ得ることを意味し得る。5つより多いコイルが、システムゲインなどの追加のパラメータを解くまたは実行可能な検知領域を延長するのに便利でありうる。
複数の透視透過性磁気伝送素子は、本明細書で説明されるように、複製すること及び固有の振動数で駆動することがかなり容易であり得る。しかしながら、従来のソレノイド駆動コイルは、数十mHのインダクタンスを有することができ、一般に直列コンデンサと対になって、特定のコイルのための所望の駆動周波数でチューニングされた共振回路を形成する。従来の配置の副次的な効果は、共鳴コイルが、隣接するコイルで用いられるような他の周波数に対してより高いインピーダンスを提供することである。これによって、近隣のコイルからの励起信号の望ましくない接続のしやすさを低減することができる。透視透過性磁気伝送素子の場合、本明細書で説明するように、インダクタンスは低くすることができる。例えば、透視透過性磁気伝送素子は、0.1から4mHの範囲のインダクタンスを有することができる。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子は、およそ0.25mHのインダクタンスを有することができる。共振回路を用いて駆動する従来の駆動コイルは、共振振動数でのみ駆動させることができる。本開示のような、低インダクタンスコイル(例えば、透視透過性磁気伝送素子)は、同時に多数の異なる周波数で駆動させることができる。これによって、環境の特性を明らかにするために同時に低い周波数で駆動されながら、高い信号対雑音比を達成するために同じ物理的アセンブリ(例えば、蛍光磁気伝送素子)が同時に高い周波数で駆動させることができる。本開示の実施例で説明されるような、低インダクタンスコイルは、共振回路の使用がキャパシタンス整合を必要とするために、製造によりロバスト性を設けることができる。キャパシタンス整合は、各伝送コイルに対して個々に行われ、製造に時間、コスト及び変更を増加させる可能性がある。低インダクタンスコイルは、共振回路を必要としないため、キャパシタンス整合も必要とせず、時間と費用を節約して、同時により狭い電気的公差をもたらす。
図7は、本開示の実施例に用いられる、第1実施例の透視透過性磁気伝送素子のための駆動回路152模式図である。いくつかの実施例では、駆動回路152は、改造されたハウランド駆動回路とすることができる。いくつかの実施例では、駆動回路152は、図3Cに関連して説明されるような、透視透過性磁気伝送素子の駆動に用いられる高インピーダンス駆動回路とすることができる。ここでさらに説明するように、複数の透視透過性磁気伝送素子が駆動されると、各透視透過性磁気伝送素子は、別個の駆動回路152によって駆動される。図7を参照すると、交流電流(例えば、正弦波形)は、所望の周波数で入力154を介して駆動回路152に供給されることができる。いくつかの実施例では、正弦波形では周波数は1から20kHzの範囲にすることができるが、周波数は、20kHzより大きくても、1kHzより小さくすることもできる。入力154は、いくつかの実施例では(不図示)、デジタルーアナログコンバータで形成することができる。入力154は、入力154に電気的に接続されている入力抵抗156に供給されることができる。入力抵抗156は、1kΩの抵抗を有することができるが、いくつかの実施例では、該抵抗は1より大きな、または1より小さい抵抗を有することができる。入力抵抗156は、入力コンデンサ160とともにローパススムージングフィルタの一部とすることができる。入力抵抗156および入力コンデンサ160は、所望の極を与えるためのRCローパスフィルタを形成するようにともに選択することができる。実際には、電圧入力154の周波数の少なくとも2倍のどこかでカットオフとすることができる。いくつかの実施例では、RCローパスフィルタに関連するカットオフ周波数は、入力154の周波数の概して2倍とすることができるが、デジタル―アナログサンプル比の半分より少なくすることができる。いくつかの実施例では、入力抵抗156の出力は、入力演算増幅器158の非反転入力と接続(例えば、電気的に接続)することができる。いくつかの実施例では、第1コンデンサは、平滑極として機能するために、入力抵抗156の出力と接続することができる。いくつかの実施例では、平滑極は、10から60kHzの範囲の周波数を有することができる。一例では、平滑極は、概して48kHzの周波数を有することができる。いくつかの実施例では、入力コンデンサ160は、グランド162に接続することができる。
いくつかの実施例では、入力演算増幅器158は、バッファ回路として機能し、ユニティゲインするように構成することができる。いくつかの実施例では、入力演算増幅器158は、Analog Device,Inc(登録商標)製のAD823AR演算増幅器とすることができる。入力演算増幅器158は、ハウランド電流源164の反転入力と接続することができる。ハウランド電流源164は、第1演算増幅器の出力とハウランド電流源164のハウランド演算増幅器166の反転入力の間に接続される、第1ハウランド抵抗168−1を備えることができる。いくつかの実施例では、ハウランド電流源は、Analog Device,Inc(登録商標)製のAD8276ARMZ演算増幅器とすることができる。付加的に、ハウランド電流源164は、第1ハウランド抵抗168−1とハウランド電流源164のハウランド演算増幅器166の反転入力と直列に接続される第2ハウランド抵抗168−2を含むことができる。ハウランド電流源164は、第3ハウランド抵抗168−3と第4ハウランド電流抵抗168−4の間に接続される非反転入力を含むことができる。第3ハウランド抵抗168−3は、第2グランド170に接続することができ、第4ハウランド抵抗168−4は、出力演算増幅器172の反転入力に接続することができる。
ハウランド抵抗168−1、168−2、168−3、168−4は40kΩとすることができ、0.02%よりも高精度でトリミングされたとみなすことができる。いくつかの実施例では、ハウランド電流源164のハウランド演算増幅器166の出力は、所望の電流レベルを供給するために以下の構成にある、出力演算増幅器172の非反転入力に接続することができる。出力演算増幅器172は、Texas Instruments(登録商標)製のOPA548Tとすることができる。
いくつかの実施例では、出力演算増幅器172の出力は、出力抵抗174に接続することができる。出力抵抗174は、いくつかの実施例では、10Ωの抵抗を有することができる。出力抵抗174の出力は、位相リードコンデンサ175に接続することができ、位相リードコンデンサ175の出力は、第2ハウランド抵抗168−2に接続することができる。出力抵抗174の出力は、さらに透視透過性磁気伝送素子169に接続することができ、ここで説明するように、いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子169は抵抗176およびインダクタンス177によって表される負荷を含む。一例では、抵抗176は、14.5Ωとすることができ、インダクタンス177は、1mHとすることができる。いくつかの実施例では、位相リードコンデンサ175は、透視透過性磁気伝送素子のインダクタンス177(例えば、インダクタンス)と同等と(例えば、一致する)なるように選択することができる。例えば、位相リードコンデンサ175は、1mHのインダクタンス177と同等とできる、10nFの静電容量を有することができる。しかしながら、位相リードコンデンサ175の静電容量は、透視透過性磁気伝送素子のインダクタンス177に対して変化することができる。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子は、0.25mH以下のインダクタンス177を有している場合、位相リードコンデンサは必要としなくてもよい。
いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子は、14.5Ωより大きな、または小さな抵抗176と、1mHより大きなまたは小さなインダクタンス177と、を有することができる。いくつかの実施例では、インダクタンス177は、0.1から4mHの範囲または0.1から2mHの範囲とすることができる。抵抗176およびインダクタンス177は、出力抵抗174の出力と直列であるように示されており、したがって、透視透過性磁気伝送素子の負荷を表している。いくつかの実施例では、バラスト178を負荷177とグランド179の間に接続することができる。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子は、それぞれ別個の駆動回路152によって駆動することができる。
説明したように、ハウランド電流源164は、平坦コイル負荷(例えば、透視透過性磁気伝送素子)の駆動中に、透視透過性磁気伝送素子169への入力で計測されるような高出力インピーダンスを達成するように、位相リードコンデンサ175を介して位相リードを導入することにより改造することができる。いくつかの実施例では、高出力インピーダンスは、10kΩから100kΩの範囲のインピーダンスとして定義することができる。しかしながら、インピーダンスは、10kΩより小さくても、または100kΩより大きくてもよい。高出力インピーダンスを達成することにより、近隣の磁気伝送素子(例えば、銅コイル)間の接続を低減させることができる。例えば、高いインピーダンスで透視透過性磁気伝送素子を駆動すると、透視透過性磁気伝送素子を近隣の磁気伝送素子と結合しにくくさせることができる。例えば、透視透過性磁気伝送素子のそれぞれを駆動するインピーダンスが高いほど、近隣の磁気伝送素子が放出する周波数は透視透過性磁気伝送素子から再放出されにくくなる。
位相リードコンデンサ175は、負荷だけでなく増幅性能の関数であるため、位相リードコンデンサに対する正確な値を固定するための推奨手順は、コイル(負荷)に対するインダクタンスおよび抵抗の測定値同様、増幅器のための正確なモデルを用いて集積回路強調(SPICE)シミュレーションモデルを実行することとすることができる。Spiceシミュレーションでは、入力154(Vin)を回路グランドに短絡させ、大きさ(IL)を有する電流源を所望の駆動周波数に設定された負荷に接続することによって、出力インピーダンスを評価することができる。次いで、結果として負荷に生じる出力電圧(Vo)によって、出力インピーダンス(Zo)を計算することができます:Zo= Vo / IL。位相リードコンデンサは、最大値Zoとなるように調整することができる。高電流出力増幅器および10kHzの周波数を用いたとしても、40kΩの出力インピーダンスを実現することができる。
図8は、本開示の実施例に用いられる、第2実施例の透視透過性磁気伝送素子のための駆動回路180の模式図を示す。駆動回路152(図7に記載)につながる交流駆動回路が図8に示されている。駆動回路180は、コイルを通る電流が一定に留まることを確実にするために電流フィードバックループを利用する。付加的に、第2フィードバックループが、DCクロージャのために用いられる。先に改造されたハウランド回路152に対するこの方法の利点は、出力インピーダンスが整合抵抗に依存しておらず、それ以外の場合に電力を消費する出力抵抗(小さな検知抵抗とフラットコイルの固有抵抗以外)がないことである。整合には時間と費用がかかることがあり、電気的特性が温度や経年とともに変化するにつれて変動する可能性があるため、出力インピーダンスが整合抵抗に依存しないことは望ましいことがある。整合抵抗を要しない設計は、製造しやすいことがあり、より高い信頼性を有することができる。
いくつかの実施例は、磁気伝送素子のアレイでコイル間の接続を防止するための方法が含むことができる。いくつかの実施例では、その方法は、磁気伝送素子及びローパスフィルタに基準信号を並行して提供することを含むことができる。例えば、いくつかの実施例では、基準信号は、所望の周波数(または、複数の周波数)で入力信号源182を介して駆動回路180に供給することができる交流電流(正弦波形)を含むことができる。さらに以下に説明するように、入力信号源182は、透視透過性磁気伝送素子214を通過して駆動する所望の信号を生成するために用いる基準信号を提供することができる。図8に示すように、グランド181は、図示された駆動回路180の基準となる信号を表す。
いくつかの実施例では、基準信号は、正弦波を含むことができ、デジタルーアナログコンバータ(不図示)によって生成することができる。正弦波は、例示の目的のためだが、10kHz源として表することができる。正弦波は、第1演算増幅器184の非反転入力に駆動されることができる。しかしながら、正弦波は10kHzより大きなまたは小さな周波数を有することができる。例えば、正弦波は、1から20kHzの範囲の周波数を有することができる。いくつかの実施例では、正弦波は1kHzより小さな、または20kHzよりも大きな周波数を有することができる。例えば、回路は、選択された回路部品に基づいて、1kHzより小さく、または20kHzよりも大きな周波数に合わせて変更することができる。
第1演算増幅器184の出力は、ユニティゲインのために構成される第2演算増幅器186とすることができるバッファ回路内に駆動されることができる。第1演算増幅器184からの出力は、第1抵抗188および、グランド192につながる第1コンデンサ190を含む、ローパスフィルタ回路も駆動させる。第1抵抗188は、概して100kΩの抵抗を有することができるが、概して100kΩ未満またはより大きい抵抗を備えてもよい。第1コンデンサ190は、概して0.1μFの静電容量を有することができるが、第1コンデンサ190は、0.1μFよりも小さな、または大きな静電容量を有することができる。いくつかの実施例では、第1コンデンサ190の静電容量は、所望の減衰を提供するために入力信号源182の周波数に基づいて決定することができる。ローパスフィルタ(例えば、抵抗―コンデンサ回路)は、直流電流値を残るように10kHzの信号をフィルタリングすることができる。
直流電流値(例えば、直流電流オフセット)は、理想的にはゼロとしてもよいが、理想の回路挙動よりも少ないため、小さな値を有してもよい。直流電流値(VDC)は、ユニティゲインのために構成される第3演算増幅器194によってバッファリングすることができる。いくつかの実施例では、直流電流値(例えば、直流電流オフセット)は、先に述べたように、磁気伝送素子を通過した基準信号にどれだけの減衰を実行する必要があるかを示す基準を提供することができる。第3演算増幅器194によってバッファリングされたローパスフィルタによって生成された信号は、直流電流ループクロージャ及び直流電流オフセットを、基準信号に関連して提供する。
いくつかの実施例では、バッファ回路(例えば、ユニティゲインのために構成される第2演算増幅器186)は、平坦コイル負荷198および検知抵抗200に直列な第2コンデンサ196を駆動することができる。いくつかの実施例では、本明細書で説明するように、平坦コイル負荷は、透視透過性磁気伝送素子214の代表例とすることができる。第2コンデンサ196の静電容量は、平坦コイル負荷198の無効インピーダンスとおよそ相殺するように、平坦コイル負荷198の駆動回路の位相角度が概してゼロとなるように、選択することができる。図8に示すように、透視透過性磁気伝送素子214は、抵抗なしで示されている。実際には、透視透過性磁気伝送素子214の部品は、複数の寄生部品(例えば、抵抗)を有するであろう、しかしながら、説明の目的のために、透視透過性磁気伝送素子の抵抗に関しては図示していない。
いくつかの実施例では、第2コンデンサ196は、適正な静電容量値を有していなくてもよい。検知抵抗200は、概して1Ωの抵抗値を有する電流検知抵抗とすることができ、透視透過性磁気伝送素子を通過した基準信号を検知することができるが、検知抵抗200は、1Ωよりも小さな、または大きな抵抗値を有することができる。いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子を通過した基準信号の電圧、電流、位相のうちの少なくとも一つを検知することができる。検知抵抗200によって測定された電圧及び位相(VSENSE)は、平坦コイル負荷198の電流および位相と一致させることができる。いくつかの実施例では、この信号は、第3抵抗202にフィードバックされ、そこで第4抵抗204からの直流電流オフセットと加算されて減衰項が生成され、続いて第4演算増幅器206に供給される。第4演算増幅器206は、非反転加算増幅器として構成することができる。第4演算増幅器206の出力は、以下の式によって定義することができる。
VU4 = 1+(R6/R5)*((VSENSE + VDC)/2)
この場合、VU4は、第4演算増幅器206の出力電圧である。R6は、第4演算増幅器206の出力と第4演算増幅器206の反転入力間に電気的に接続される第6抵抗208の抵抗値である。R5は、第4演算増幅器206の反転入力とグランド212の間に電気的に接続される第5抵抗の抵抗値とすることができる。VSENSEは、検知抵抗200で測定された電圧と位相とすることができ、VDCは、直流電流値とすることができる。いくつかの実施例では、第6抵抗208の抵抗値は、5kΩとすることができ、第3抵抗202、第4抵抗204、第5抵抗210の抵抗値は、それぞれ1kΩとすることができるが、第6抵抗208、第3抵抗202、第4抵抗204、第5抵抗210、および第6抵抗208の抵抗値は、ここで説明されたこれらの抵抗値よりも小さく、または大きくすることができる。
いくつかの実施例では、第4演算増幅器206の出力は、第1演算増幅器184の反転入力に電気的に接続することができ、それによって、制御ループを閉じて、基準信号を減衰するために基準信号に減衰項を加えることができる。したがって、制御ループは、検知抵抗200で検出した電圧を正弦波入力に比例して追従させることができるので、第4演算増幅器206の出力は振幅および位相において正弦波入力に追従することができる。これにより、隣接する平坦コイルから接続した任意の電流を効果的に排除することができる。抵抗値および/または正弦波入力振幅を調整することによって、平坦負荷コイル198を通る電流を、所望の値に設定することができる。
図9は、本開示の実施例に従って、透視透過性磁気伝送素子によって生成された励起信号に対する減衰項を決定するための方法220を示す。方法は、ブロック222において、第1周波数の第1信号及び第2周波数の第2信号を用いて、透視透過性磁気伝送素子を駆動させることを含むことができ、第1周波数は第2周波数よりも低い。いくつかの実施例では、第1信号は、0.5kHzから2kHzまでの範囲の低周波数信号とすることができ、第2信号は、10kHzから20kHzまでの範囲の高周波数信号とすることができ、また、第1および第2信号は、各透視透過性磁気伝送素子を駆動するために用いることができる。一つまたは複数の透視透過性磁気伝送素子が駆動しているいくつかの実施例では、各透視透過性伝送素子は、低および高周波数で駆動することができるが、各透視透過性伝送素子が駆動される低および高周波数は、各伝送素子に対して固有のものとすることができる。例えば、2つの伝送素子が低および高周波数で駆動している場合、低周波数はお互いに異ならせることができ、高周波数もお互いに異ならせることができる。
代替的に、先に述べたように、2以上の信号を、各透視透過性磁気伝送素子を駆動するために用いることができる。第1及び第2信号で透視透過性磁気伝送素子を駆動させると、第1励起信号(例えば、第1磁場)が、各透視透過性磁気伝送素子によってそれぞれに生成され、第2励起信号(例えば、第2磁場)が、各透視透過性磁気伝送素子によってそれぞれに生成されることができる。いくつかの実施例では、磁気位置センサ(例えば、磁器コイル、巻線コイル)を用いて第1励起信号及び第2励起信号を受信したときに、第1受信信号および第2受信信号を生成することができる。方法は、ブロック224で、第1受信信号および第2受信信号をコンピュータで受信することを含むことができる。
磁気位置センサで受信したときに、受信信号が接続するおそれがあるため、第1受信信号および第2受信信号の低周波成分と高周波成分は、分離することができる。信号成分の分離は、受信信号のそれぞれを別個に分析可能にすることができる。一例では、いくつかの実施例では、受信信号の低周波数および高周波数成分は、周波数領域の多重化によって分離することができる。いくつかの実施例では、図10に関連してさらに説明されるように、低周波数(例えば、1kHz)信号は、いくつかの構造材料(例えば、金属元素)によって比較的摂動しないままとすることができ、低周波数信号は、ナビゲーションに使用可能な高周波数信号を較正するために使用することができる。高周波数信号は、ナビゲーションのためにより大きな応答性を有することができるが、金属元素(例えば、アルミニウム、銅、薄鋼、厚鋼)によって乱されるおそれがあり、一方で、低周波数信号をナビゲーションに使用すると、より鈍い性能を生じるおそれがある。例として、低周波数信号は、本明細書では1kHzの周波数を有する信号とし、高周波数信号は本明細書では10kHzの周波数を有する信号とする。しかしながら、先に述べたように、低周波数は、0.5kHzから2kHzの範囲の周波数を有することができ、高周波数信号は、10kHzから20kHzまでの範囲の周波数を有することができる。
さらに説明すると、図10は、本開示の実施例に従って、自由空間(例えば、大気中)に関して様々な金属の存在下で磁気位置センサによって生成される信号の非線形周波数依存減衰を示すグラフである。図10は、自由空間に関して様々な金属の存在下で磁気位置センサによって生成される信号の非線形周波数依存減衰に関連した実験データである。減衰は、同じ周波数のフリースペースに関連する誘導電圧の変化として定義することができる。本明細書で用いられるように、摂動は、自由空間に関して様々な金属の存在下で磁気位置センサによって生成される信号の非線形周波数依存減衰として定義することができる。
図示するように、低周波数(例えば、1kHz)は、金属元素(アルミニウム、銅、薄鋼、厚鋼)によって相対的に摂動しないままであることができる。薄鋼は、0.025と0.1mmの間の厚みであり、厚鋼は概して2cmの厚みとした。図示するように、信号は他の金属元素よりもアルミニウムによる摂動は小さいが、周波数が増加しても、信号はまだ摂動を受ける。磁場に存在する場合、銅、薄鋼及び厚鋼に関してさらに顕著な摂動がみられる。例えば、周波数が増加するにつれ、信号の摂動は増加する。一例では、図10を参照にすると、自由空間データセット215と比較して、薄鋼データセット216は、厚鋼データセット217および銅データセット218と類似した周波数減衰量を示す。アルミニウムデータセット219の結果を参照すると、自由空間データセット215と比較して、最も少ない周波数減衰量となっている。
ナビゲーションに低周波数(例えば、1kHz)信号を使用する場合には、課題が存在することがある。例えば、高周波数(例えば、10kHz)信号を使用する場合に対して、より高電流が透視透過性磁気伝送素子に提供されることがあり、または、透視透過性磁気伝送素子のコイルに関してより広い領域が求められることがある。代替的に、高周波数(たとえば10kHz)と同じ種類の応答性でナビゲートするために、信号からノイズを除去するために低周波数の信号(例えば、第1受信信号)に対して信号フィルタリングを実行することができる。しかしながら、フィルタリングのために要するリソースと時間のために、低周波数信号のフィルタリングは、鈍い性能をもたらすことがある。本開示の実施例によれば、ナビゲーション目的ではなく、より高い周波数の信号(例えば、第2信号)を、ナビゲーション場に近接する金属環境に対して較正するために、位置センサ28によって受信された低周波数信号に対してフィルタリングを実行できる。
図10に示すように、位置センサ(例えば、図1Aおよび図1Bの位置センサ281)において誘導される電圧は、磁気周波数の一次関数である。1kHzの磁場は、10kHzの場よりも摂動しないことができるが、10kHzの磁場に対して1kHzの磁場で位置センサ28に誘導される同じ電圧を得るためには、10倍の電流、したがって100倍の電力消費が必要とされる。
いくつかの透視透過性磁気伝送素子(例えば、図3Cに関連して説明された平坦駆動コイル)の低インダクタンスのため、各透視透過性磁気伝送素子に用いられる固有の周波数ペア(例えば、2つの周波数)によって複数の周波数を1つの透視透過性磁気伝送素子を介して同時に駆動させることができる。しかしながら、いくつかの実施例では、2つより多い周波数が各透視透過性磁気伝送素子を通して同時に駆動させてもよい。例えば、4つ以上の周波数が1つの透視透過性磁気伝送素子を駆動するために同時に使用することができ、それにより位置センサの位置の決定および減衰項を計算することに関連するロバスト性を改善することができる。計算については、さらに本明細書で説明する。一例では、減衰の周波数依存性はパラメトリックに記述することができるので、追加の測定値(例えば、透視透過性磁気伝送素子を駆動するのに使用される追加の周波数を通して集められた測定値)は、減衰のよりロバストな推定値を提供できる。
いくつかの実施例では、透視透過性磁気伝送素子の低インダクタンスは、0.1mHから4mHの範囲または0.1mHから2mHの範囲とすることができる。これは、透視透過性磁気伝送素子よりも高いインダクタンスを備えるために、複数の周波数でコイルを駆動することがより困難であることが明らかになりうる、より伝統的なトランスミッタコイル(例えば、銅コイル)とは対照的である。例えば、より伝統的なコイルは、15mHから50mHの範囲のインダクタンスを有することがある。
図9をさらに参照すると、いくつかの実施例では、方法220は、ブロック226で、第1受信信号と第2受信信号のフィルタリングを含むことができ、それによって第1フィルタリング済み受信信号と第2フィルタリング済み受信信号を提供することができる。一例では、第1受信信号(例えば、低周波数信号)と第2受信信号(例えば、高周波数信号)は、信号ノイズ比に基づいてフィルタリングすることができる。例えば、第1信号は、許容可能な信号ノイズ比を達成するために、高度なフィルタリングするとともに、位置センサ28の正確なナビゲーションを提供するために用いられる、高周波数信号を動的に較正するために用いることができる。例えば、第1信号は継続して高周波数信号を較正することができる。いくつかの実施例では、信号ノイズ比は、30から90dbの範囲とすることができる。いくつかの実施例では、信号ノイズ比は、40から70dbの範囲とすることができる。いくつかの実施例では、信号ノイズ比は、45dbとすることができる。低周波数信号は、ナビゲーション領域を探査するために使用することができ、そうでなければ高周波数信号に影響を及ぼし得るいくつかの構造材料(例えば、金属物体)によって低周波数が比較的摂動しないという事実によることができる。
一例では、駆動コイルが各周波数に対して同一の振幅で駆動されると仮定すると、10kHzの信号は、本質的に回復信号振幅の10倍を有し、したがって1kHzの信号の信号ノイズ比の10倍を有することができる。しかしながら、いくつかの実施例では、1kHzの信号は、より静的な、または部分的な較正係数に用いることができるので、10kHzの信号から得られる動的位置結果の帯域幅の1/10から1/100の範囲で従来通り時間領域フィルタリングすることができ、適正なまたは同等な信号ノイズ比を得ることができる。より重いフィルタリングは、磁場内の一般的に稀な摂動(例えば、透視のヘッド位置の変更によって生じる)に対して適応さえすればよく、1kHzの信号に用いることができる。1から3秒のフィルタ設定時間は、このような摂動に追従して用いることができる。代替的に、1kHzの信号のより高いノイズレベルを処理できるカルマンフィルタのような統計的方法を使用する最適なフィルタを使用して、1kHzの信号と10kHzの信号の両方からの情報を組み合わせることができる。
ナビゲーション領域(関心領域38(図2))に対して構造材料が移動するにつれて、フィルタリングは、低周波数信号と高周波数信号に対して行うことができ、フィルタリング済み低周波数信号とフィルタリング済み高周波数信号は、ナビゲーションで使用するための高周波数信号に対する減衰項(以下にさらに定義される)を決定するために使用することができる。例えば、方法220(図9)は、ブロック228で、第1フィルタリング済み受信信号と第2フィルタリング済み受信信号に基づいて、第2周波数の第2信号に対する減衰項を決定することを含むことができる。
いくつかの実施例では、第1受信信号および第2受信信号は、第2周波数の第2信号に対する減衰項を決定するときにフィルタリングされないままとすることができる。フィルタリングされない信号から減衰項を決定すると、減衰項をフィルタリングすることができ、それによってフィルタリング済み減衰項を提供することができる。いくつかの実施例では、これにより、一つの入力がフィルタリング(例えば、減衰項)されることを可能にし、2つ以上の入力(例えば、第1信号、第2信号)がフィルタリングされることを避けることによって、コンピュータに関連する処理リソースを節約することができる。2つより多い信号が使用される場合、これは特に真実であることが明らかとなる。
いくつかの実施例では、減衰項は、以下の式によって定義することができる。
この場合、V1は、第1信号に関連するコイル内に誘導される第1電圧振幅を表す。V2は、第2信号に関連するコイル内に誘導される第2電圧振幅を表す。ω1は、第1信号に関連する第1周波数を表す。ω2は、第2信号に関連する第2周波数を表す。図8に関連して図示され、説明されたように、減衰項は、基準信号を減衰するために第4演算増幅器206を介して基準信号に適用することができる。したがって、方法は、第1フィルタリング済み受信信号および第2フィルタリング済み受信信号に基づいて、第2周波数の第2受信信号に対する減衰項を決定することを含むことができる。例えば、上記の式を参照すると、減衰項は、第1信号に関連する透視透過性磁気伝送素子が誘導する第1電圧振幅と第1信号に関連する第1周波数および第2信号に関連する透視透過性磁気伝送素子が誘導する第2電圧振幅と第2信号に関連する第2周波数に基づいて決定することができる。第1周波数および第2周波数が摂動しない理想的なシステム(例えば、自由空間)では、減衰項は1とすることができる。しかしながら、摂動が存在する場合、減衰項は1よりも大きくまたは小さくなることがある。
構造材料(例えば、磁場妨害物体、金属物体)がナビゲーション領域の近傍内を動くにつれて、位置決めセンサ281(図1Aおよび1B)が受信する第1信号(例えば、低周波数信号)から決定される位置は、概して同じままであり、一方、位置センサ281が受信する第2信号(例えば、高周波数信号)から決定される位置は、変化しうる。位置の変化および/または、第2受信信号を介して位置センサ281に誘導される電圧に対する第1受信信号を介して位置センサ281に誘導される電圧の変化に基づいて、第2受信信号を、較正することができる。例えば、先に述べたように、減衰項が決定することができ、第2受信信号を較正するために用いることができる。いくつかの実施例では、第2受信信号(金属物体のような構造材料によって生じる摂動)内の摂動を除外するために、減衰項を第2受信信号に適用することができる。いくつかの実施例では、第2受信信号を減衰項で除算することにより、減衰項を第2受信信号に適用することができる。
先に述べたように、いくつかの実施例では、減衰項はフィルタリングすることができ、したがって、第1受信信号および第2受信信号を、個別にフィルタリングする必要性を軽減することができる。減衰項がフィルタリングされると、減衰項は本明細書ではフィルタリング済み減衰項とすることができる。いくつかの実施例では、フィルタリング済み減衰項は、第2受信信号に適用してもよく、それにより第2受信信号内の摂動に対して第2受信信号を補償することができる。第2受信信号にフィルタリング済み減衰項を適用すると、第2受信信号は、減衰済み受信信号とすることができる。フィルタリング済み減衰項は、減衰済み受信信号を提供するために、フィルタリング済み減衰項で第2受信信号を除算することで第2受信信号に適用することができる。
いくつかの実施例では、各受信信号は、各受信信号に関連するそれぞれの周波数を決定するために分析することができ、統計フィルタは、自由空間に関連する高周波数ゲインを決定するために、高周波数および低周波数測定値とともに使用することができる。いくつかの実施例では、フィルタは、カルマンフィルタとすることができる。このように、Cアーム、X線放射器、X線検出器などのような金属物体がナビゲーション領域の近くに移動されるときの追跡精度における摂動に対して補正を行うことができる。いくつかの実施例では、先に述べたように、低周波数信号を単独でナビゲーション目的で用いると、低周波数信号(例えば、ローパスフィルタリングに関連するグループ遅延によって)に実行されるフィルタリングの量によって、パフォーマンスが鈍くなるおそれがある。しかしながら、ナビゲーション領域(例えば、関心領域38(図2))に対して磁場妨害物体が移動する時間までに、低周波数信号をフィルタリングすることができ、フィルタリング済み低周波数信号に基づいて、金属物体によって生じるあらゆる磁場妨害を処理するために、高周波数信号を調整することができる。
第1受信信号および第2受信信号がフィルタリングされるいくつかの実施例では、第2フィルタリング済み受信信号は、減衰項の第2フィルタリング済み受信信号への適用によって(例えば、第2フィルタリング済み受信信号を減衰項で除算することによって)調整することができ、減衰項を介して摂動を補償された調整済み第2信号を提供することができる。磁気位置センサに関連する位置は、その後、調整済み第2信号(例えば、減衰済み受信信号)に基づいて決定することができる。
図11Aは、本開示の実施例に用いられる、透視透過性磁気伝送素子により生成される信号に対する減衰項を決定するためのシステム250の図である。システム250は、データストア252、減衰項決定サブシステム254、および/またはいくつかのエンジンを含むことができる。減衰項決定サブシステム254は、データストア252と通信可能とすることができる。減衰項決定サブシステム254は、いくつかのエンジン(例えば、駆動エンジン256、受信エンジン258、減衰項決定エンジン260、位置決定エンジン262など)を含むことができる。本明細書で説明される様々な機能を実行するために、減衰項決定サブシステム254は、図示されているものよりも多くのまたはより少ないエンジンを含むことができる。エンジン数は、本明細書で説明される様々な機能(例えば、受信、決定など)を実行するように構成されるハードウェアおよびプログラミングの組み合わせを含むことができる。エンジンのそれぞれは、ハードウェアまたは、モジュール(例えば、特定のモジュール)を実行するように指定または設計されるハードウェアおよびプログラミングの組み合わせを含むことができる。プログラミングは、ハードワイヤードプログラム(例えば、ロジック)と同様に、メモリリソース(例えば、コンピュータ読取可能媒体)に格納される指令(例えば、ソフトウェア、ファームウェアなど)を含むことができる。
減衰項決定サブシステム254は、本明細書で図11Bに関連して説明されたものに類似するコンピュータデバイスを含むことができ、これについては以下にさらに説明する。いくつかの実施例では、コンピュータデバイスは、グラフィカルユーザインターフェース(GUI)のようなデジタルディスプレイを含むことができ、これは電子データの表示に好適である。ユーザインターフェースは、ハードウェア部品および/またはコンピュータ読取可能指令部材を含むことができる。例えば、ハードウェア部材は、入力部材(例えば、マウス、タッチスクリーン、キーボード、ダイアル、そしてボタンなど)および/または出力部材(例えば、ディスプレイ、振動発生装置、スピーカなど)を含むことができる。例示的なインターフェースは、GUIを含むことができ、これは透視透過性磁気伝送素子によって生成された信号に対する減衰項の決定に関連するデータをデジタルに表示することができる。
駆動エンジン256は、透視透過性磁気伝送素子を第1周波数の第1信号および第2周波数の第2信号で駆動させ、第1励起信号および第2励起信号を生成する、ハードウェアおよび/またはハードウェアおよびプログラミングの組み合わせを含むことができ、第1周波数は第2周波数よりも低い。いくつかの実施例では、本明細書で説明されるように、低周波数信号(例えば、第1信号)は、0.5kHzから2kHzの範囲の周波数を有することができ、高周波数信号(例えば、第2信号)は、10kHzから20kHzまでの範囲の周波数を有することができる。第1励起信号が生成される低周波数信号は、金属元素(例えば、アルミニウム、銅、薄鋼、厚鋼)によって比較的摂動しないままであり、したがって高周波数の励起信号を較正するために使用することができる。一例では、第1励起信号は、第2励起信号よりも、透視透過性磁気伝送素子の近くに位置する金属元素によって乱れにくくすることができる。例えば、第1励起信号は、透視透過性磁気伝送素子の近くに位置するCアーム、X線放射装置、X線検知器などによって乱れにくくすることができる。
受信エンジン258は、磁気位置センサで第1励起信号および第2励起信号を受信するときに生成された第1受信信号と第2受信信号をコンピュータで受信するためのハードウェアおよび/またはハードウェアおよびプログラミングの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施例では、磁気位置センサはカテーテル(例えばカテーテルの遠位端)に配置することができる。磁気位置センサは、透視透過性磁気伝送素子によって生成される第1励起信号および第2励起信号を受信するように構成することができる。
減衰項決定エンジン260は、本明細書で先に述べたように、第1受信信号および第2受信信号に基づいて第2周波数の第2受信信号に対する減衰項を決定するように構成されるハードウェアおよび/または、ハードウェアおよびプログラミングの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施例では、本明細書で説明するように、第2信号に対する減衰項は、位置の変化および/または、第2受信信号を介して位置センサで誘導される電圧に対する、位置の変化および/または第1受信信号を介して位置センサで誘導される電圧の変化に基づいて決定することができる。
位置決定エンジン262は、第2受信信号に減衰項を適用することで生成された減衰済み受信信号に基づいて磁気位置センサの位置を決定するように構成されるハードウェアおよび/またはハードウェアおよびプログラミングの組み合わせを含むことができる。いくつかの実施例では、減衰済み受信信号に基づいて決定される磁気位置センサの位置は、第2受信信号に基づいて決定される磁気位置センサの位置と異なることができる。例えば、減衰済み受信信号に基づいて決定された磁気位置センサの位置は、第2受信信号に減衰項を適用した結果として、磁場に生じた摂動に対して補正することができる。
本明細書で説明されるように、第2信号よりも低い周波数を介して生成することができる第1励起信号は、第2励起信号よりも透視透過性磁気伝送素子の近くに位置する金属物体によって乱れにくくすることができる。いくつかの実施例では、第1信号に関連する周波数は、0.5から2kHzまでの範囲とすることができ、第2信号に関連する周波数は、10から20kHzまでの範囲とすることができる。
図11Bは、本開示の様々な実施例に用いられる、透視透過性磁気伝送素子により生成される信号に対する減衰項を決定するためのコンピュータデバイス270の図を示す。コンピュータデバイス270は、本明細書が説明するいくつかの機能を実行するソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、および/またはロジックを利用することができる。
コンピュータデバイス270は、情報を共有するためのハードウェアおよび指令の組み合わせとすることができる。ハードウェアは、例えば処理リソース272および/またはメモリリソース276(例えば、コンピュータ読取可能媒体(CRM)、データベース、など)を含むことができる。処理リソース272は、本明細書で利用されるように、メモリリソース276に格納される指令を実行可能ないくつかのプロセッサを含むことができる。処理リソース272は、単一デバイスに統合、または、複数デバイスにまたがって分配することができる。指令(例えば、コンピュータ読取可能指令(CRI))は、所望の機能(例えば、第1受信信号および第2受信信号に基づく第2周波数の第2受信信号に対する減衰項を決定する)を実行するためメモリリソース276に格納されるとともに処理リソース272によって実行可能な指令を含むことができる。
メモリリソース276は、処理リソース272と通信可能とすることができる。メモリリソース276は、本明細書で用いられるように、処理リソース272で実行され得る指令を格納可能ないくつかのメモリ部品を含むことができる。このようなメモリリソース276は、非一時的CRMとすることができる。メモリリソース276は、単一デバイスに、単一デバイスに統合または、複数デバイスにまたがって分配することができる。さらに、メモリリソース276は、処理リソース272と、同一のデバイスに全部または部分的に統合することができ、または、別個とすることもでき、そのデバイスおよび処理リソース272にアクセス可能とすることができる。したがって、コンピュータデバイス270が、サポートデバイスおよび/またはサポートデバイス群に、モバイルデバイスおよび/またはモバイルデバイス群に、および/またはサポートデバイスおよびモバイルデバイスの組み合わせに実装可能であることに留意されたい。
メモリ276は、処理リソース272と通信リンク274(例えば、パス)を介して通信可能とすることができる。通信リンク274は、処理リソース272に関連するコンピュータデバイスに対して、ローカルまたはリモートとすることができる。ローカルな通信リンク274の例は、コンピュータデバイス内部の電子バスを含むことができ、その場合、メモリリソース276は、電子バスを介して処理リソース272と通信する揮発性、不揮発性、固定、および/または取り外し可能な記憶媒体のうちの1つである。
リンク274(例えば、ローカル、広域、地域、または、グローバルネットワーク)は、ケーブル、ワイヤレス、光ファイバまたは、電気通信リンク、赤外線リンク、無線周波数リンク、および/または、電子通信を提供する他のコネクタまたはシステムを介したリモート接続を表す。すなわち、リンク274は、例えば、他の通信インターフェースとの間のイントラネット、インターネットまたはその組み合わせを含むことができる。リンク274は、中間プロキシ、例えば、中間プロキシサーバ(不図示)、ルータ、スイッチ、負荷バランサなどを含むことができる。
メモリリソース276は、駆動モジュール278、受信モジュール280、決定モジュール282、およびフィルタモジュール284のようないくつかのモジュールを含むことができる。モジュール278、280、282、284は、処理リソース272によって実行された場合に、いくつかの機能を実行可能なCRIを含むことができる。モジュール278、280、282、284は、他のモジュールのサブモジュールとすることができる。例えば、駆動モジュール278と受信モジュール280は、サブモジュールとすることができ、および/または、同一のコンピュータデバイス内に含まれることができる。他の例では、モジュール278、280、282、284は、別々の異なる場所に(例えば、CRMなど)、個別のモジュールを有することができる。
本明細書で説明するように、モジュール287、280、282、284のそれぞれは、処理リソース272に実行されるときに、対応するエンジンとして機能できる指令を含むことができる。例えば、減衰項決定モジュール282は、処理リソース272に実行されると減衰項決定エンジン260としての機能できるCRIを含むことができる。例えば、減衰項決定モジュール282は、処理リソース272に実行されると、コンピュータデバイスに、第1受信信号および第2受信信号に基づいて第2周波数の第2受信信号に対する減衰項を決定させることができるCRIを含むことができる。
図12は、本開示の実施例に用いられる、電磁ナビゲーションシステム300の模式的なブロック図を示す。電磁ナビゲーションシステム300は、ガイドワイヤ、カテーテル、イントロデューサ(例えばシース)のような、磁気位置センサ302および/または電極304を組み込む医療機器を使用してもよいシステムとすることができる。図12をさらに参照すると、システム300は、図示するように、様々な入力/出力メカニズム308を有するメイン電気制御ユニット306(例えば、プロセッサ)、ディスプレイ310、選択的に画像データベース312、心電図(ECG)モニタ314、位置特定システム、を含むことができる。該位置特定システムには、医療位置決めシステム316、医療位置決めシステム対応の細長い医療機器318、患者基準センサ320、磁気位置センサ302、そして電極304などである。単純化のため、一つの磁気位置センサ302と、一つの電極304が示されているが、システム300には、一つより多い磁気位置センサ302および/または、一つより多い電極304を含むことができる。
いくつかの実施例では、システム300は、医療位置決めシステム316と通信する駆動回路を含むことができる。駆動回路322は、例えば、本明細書で、図7および8に関連して説明されるものと類似する駆動回路を含むことができる。駆動回路322は、いくつかの実施例では、それは図3Cに関連して説明される透視透過性磁気伝送素子、または非透視透過性磁気伝送素子とすることができる一つまたは複数の磁気伝送素子(MTE)324と通信可能とすることができる。
入力/出力メカニズム308は、キーボード、マウス、タブレット、フットペダル、スイッチなどのうち一つまたは複数を含むコンピュータベースの制御ユニットと、インターフェースをとるための従来の装置を含んでもよい。ディスプレイ310も、コンピュータモニタなどの従来の装置を備えてもよい。
本明細書が説明する様々な実施例は、関心領域のリアルタイム画像および/または事前取得画像を使用するナビゲーションシアプリケーションに使用されてもよい。そのため、システム300は、選択的に、患者の身体に関連する画像情報を格納するため画像データベース312を含んでもよい。画像情報は、例えば、医療機器318の目的地を取り囲む関心領域、および/または医療機器318によって横切られると考えられるナビゲーション経路に沿った複数の関心領域を含んでもよい。画像データベース312のデータは、既知の画像タイプを含んでもよく、既知の画像タイプには、(1)過去のそれぞれ個別の時間に取得された1つまたは複数の二次元静止画像、(2)画像データベースがバッファ(ライブ透視)として機能する、画像取得デバイス(例えば、X線画像装置からの透視画像)からリアルタイムに獲得された複数の関連する二次元画像、および/または(3)シネループを定義する二次元画像のシーケンスであって、シーケンス内の各画像は、ECGモニタ314から得られる取得済みリアルタイムECG信号に従ってシーケンスの再生を可能にするのに十分である、それに関連する少なくともECGタイミングパラメータを有する、シーケンス、を含む。上述した実施例は、例示的なものにすぎず、本質的に制限するものではないことが理解されるべきである。たとえば、画像データベースは、3次元画像データも同様に含んでもよい。画像は、既知のまたは、今後開発される、例えば、X線、超音波、コンピュータトモグラフィ、核磁気共鳴などのような、あらゆる画像モダリティを介して取得してもよいことが、さらに理解されるべきである。
ECGモニタ314は、患者の身体の外側に外付け可能な複数のECG電極(不図示)を使用することによって、心臓器官の電気的タイミング信号を連続的に検出するように構成されている。タイミング信号は、一般的に、とりわけ心臓周期の特定の位相に一致する。一般に、データベース312に格納される、事前に取込まれる一連の画像(シネループ)のECG同期再生のために制御ユニット306によって、ECG信号は用いられてもよい。ECGモニタ314およびECG電極は、両方とも従来部品を含んでもよい。医療位置決めシステム316は、位置特定システムとして機能し、そのため、一つまたは複数の磁気位置センサ302および/または電極304に関連する位置(位置特定)データを決定し、それぞれの位置読取を出力するように、構成されている。
位置読取のそれぞれは、医療位置決めシステム316の座標系としてもよい基準座標系(例えば、磁気ベース座標系、インピーダンスベース座標系)に対する位置及び方向(P&O)のうち少なくとも1つまたは両方を含んでもよい。いくつかのタイプのセンサでは、P&Oは、磁界発生器またはトランスミッタに対する磁界内の電磁位置センサ302の、および/または電界発生器に対する印加電界内(例えば、一組の電極パッチ)の電極304の、3次元(3D)位置(例えば、3つの直行する軸X、Y、Z)および2次元(2D)方向(例えば、ピッチおよびヨー)として、5つの自由度(5DOF)で表してもよい。他のセンサタイプでは、P&Oは3D位置(例えば、X、Y、Z座標)および3D方向(例えば、ロール、ピッチ、ヨー)のような6つの自由度(6DOF)で表してもよい。
医療位置決めセンサ316は、MTE324によって生成される制御された低強度の交流電流(AC)磁場内に磁気位置センサ302302が配置されている間は磁気位置センサ302からの信号を取込みおよび処理することに基づいて、また、例えば電極パッチによって生成された制御された電界に電極304が配置される間は、電極304から受信される信号に基づいて、基準座標系内のそれぞれの位置(例えば、P&O)を決定する。いくつかの実施例では、図11Aと11Bに関して説明されるように、医療位置決めシステム316および/またはメイン制御306は、コンピュータデバイスを含むことができ、減衰項を決定するためのハードウェアおよび/またはハードウェアとプログラミングの組み合わせを含むことができる。
各磁気位置センサ302などは、コイルを含んでもよく、電磁気学的観点からは、コイルが磁場内にあるときに、変化または交流磁場は、コイル内に電流を誘導してもよい。磁気位置センサ302は、したがって、それが配置される磁場の一つまたは複数の特性(例えば、磁束)を検知し、磁気センサ302についてのそれぞれのP&Oを取得するために、医療位置決めシステム316によってさらに処理されるそれらの特性を示す信号を生成するように構成される。いくつかの例では、電極304はリング電極を含んでもよい。電極304は、それが配置される電界の一つまたは複数の特性(例えば、電流)を検知し、複数の電極304についてのそれぞれのP&Oを取得するために、医療位置決めシステム316によってさらに処理されるそれらの特性を示す信号を生成するように構成することができる。
さらに図12について参照すると、実施例では、医療位置決めシステム316は、磁気位置センサ302および電極304から受信した信号に加え、電磁位置センサ302および電極304のある物理的特性に従って、医療位置決めシステム対応医療機器318のP&Oを決定してもよい。これらの特性は、例えば、センサ302のコイルの一つまたは複数の部分それぞれの巻回角、コイルの部分の数、コイルに用いられるコンダクタの種類、コイルの巻き方向および巻き数を示すまたはそれらに対応する、所定の較正データを含んでもよい。さらに、これらの特性は、例えば、電極304の位置、電極304の数、電極304のサイズ、電極304の形状、電極304を形成する材料タイプ、を示すまたはそれらに対応する、所定の較正データを含んでもよい。医療位置決めシステム316は、磁気位置センサ302および/または電極304のこのような特性を予めプログラムさせてもよく、このような特性を較正手順から決定してもよく、または医療機器318に接続される記憶素子からこのような特性を受信してもよい。
磁気位置センサ302および電極304は、医療位置決めシステム対応医療機器318に関連付けてもよい。別の医療位置決めセンサ、すなわち、患者基準センサ(PRS)320(システム300内に提供される場合は)は、呼吸に誘発された動きのような、患者の身体の動きに対する動作補償を可能にするように患者の身体の位置基準を提供するように構成することができる。そのような動き補償は、本明細書に完全に記載されているかのようにその全体が参照により本明細書に組み入れられる、「内部位置参照センサを使用する、動作する臓器における動きの補償(Compensation of Motion in a Moving Organ Using an Internal Position Reference Sensor)」という名称の米国特許出願第12/650,932号に詳細に記載されている。PRS320は、患者の胸骨または他の場所に取り付けられてもよい。磁気位置センサ302のように、PRS320は、それが配置される磁場の一つまたは複数の特性を検知するように構成することができ、ここで医療位置決めシステム316は、基準座標系においてPRSの位置および方向を示す位置読取(例えば、P&O読取)を決定する。いくつかの実施例では、追加のPRSは、それが配置される電界の一つまたは複数の特性を検知するように構成することができ、ここで、医療位置決めシステム316は、基準座標系においてPRSの位置および方向を示す位置読取(例えば、P&O読取)を決定する。
様々な装置、システム、および/または方法の実施例が本明細書で述べられている。数多くの特有の詳細事項は、本明細書で述べられかつ添付図面で示された実施例の全体構造、機能、製造、および使用の十分な理解を提供するために記載されている。しかし、これら実施例は、このような特有詳細事項を含まずに実施できることは、当業者であれば理解されよう。他の例では、本明細書で述べられた実施例を不明瞭にしないために、よく知られた動作、構成要素、および要素は、詳細に述べられていない。当業者であれば、本明細書で述べられ、かつ例示された諸実施例は非限定的な例であることが理解されよう。したがって、本明細書で開示される特有の構造および機能的な詳細事項は、代表的であってよく、必ずしも実施例の範囲を限定するものではなく、その範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ定義されることが理解されるはずである。
本明細書の全体を通して、「様々な実施例」、「いくつかの実施例」、「ある実施例」、または「実施例」などの参照は、実施例(複数可)に関連して述べられた特定の機能、構造、または特性が、少なくとも1つの実施例に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通して各箇所における「様々な実施例では」、「いくつかの実施例では」、「一実施例では」、または「実施例では」などのフレーズの出現は、必ずしもすべてが同じ実施例を指しているものではない。さらに、特定の機能、構造、または特性を、任意の適切な方法で、1つまたは複数の実施例において組み合わせてもよい。したがって、1つの実施例に関連して図示されまたは記載される特定の機能、構造、または特性は、その組合せが非論理的または非機能的なものでない限り、限定することなく、1つまたは複数の他の実施例の機能、構造、または特性と、全体的に、または部分的に組み合わせてもよい。
「近位の」および「遠位の」という用語は、臨床医が患者を治療するために使用される器具の一端を操作することに関連して、本明細書の全体を通して使用してもよいことが理解されよう。「近位の」という用語は、臨床医に最も近い器具の部分を指し、「遠位の」という用語は、臨床医から最も遠くに位置する部分を指す。簡潔かつ明確化するために、「垂直」、「水平」、「上」、および「下」などの空間的用語は、示された実施例に対して本明細書で使用してもよいことがさらに理解されよう。しかし、外科的な器具は、多くの方向および位置で使用してもよく、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであるようには意図されていない。
透視透過性磁場発生装置の少なくとも1つの実施例が、ある程度詳細に上記で述べられてきたが、当業者であれば、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、開示された実施例に対して数多くの改変を行うことも可能である。方向的な参照(例えば、上側、下側、上方、下方、左、右、左方向、右方向、上部、底部、上、下、垂直、水平、時計回り、および反時計回り)はすべて、読者が本開示を理解するのを支援する識別的な目的で使用されるに過ぎず、特にデバイスの位置、方向、または使用に関して限定を行うものではない。接続に関する参照(例えば、添付される、取り付けられる、結合される、接続されるなど)は、広く解釈すべきであり、要素の接続部分の間に中間的な部材を含み、要素間の相対運動を含むことができる。したがって、接続に関する参照は、2つの要素が、直接接続されること、および互いに固定された関係にあることを必ずしも暗示するものではない。上記の記述に含まれた、または添付図面で示されたすべての事項は、例示的なものに過ぎず、限定するものではないと解釈すべきであることが意図されている。細部または構造における変更は、添付の特許請求の範囲で定義された本開示の趣旨から逸脱することなく行うことができる。
本明細書に参照により組み込むと言われる任意の特許、公報、または他の開示資料は、全体的にまたは部分的に、組み込まれる資料が既存の定義、陳述書、または本開示に記載される他の開示資料と競合しない程度に限って本明細書に組み込まれる。したがって、必要な程度に応じて、本明細書で明示的に記載される開示は、本明細書に参照により組み込まれたいずれの競合資料にも優先する。本明細書に参照により組み込まれると言われる任意の資料、またはその一部であって、既存の定義、陳述書、または本明細書に記載される他の開示資料と競合するものは、その組み込まれる資料と、既存の開示資料との間に競合が生じない程度に組み込まれるに過ぎない。