JP6931353B2 - ターゲットの表面特性の決定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、導電性ターゲットの表面特性をインサイチュ決定するための方法および装置に関する。
工学的プラズマは、産業および研究実験室においてますます適用されるようになり、中でも、EUV(極端紫外線)リソグラフィにおいてマイクロチップのようなハイテク製品を製造するため、医学物理学においてさまざまな表面および材料を洗浄するため、ならびに光学素子の製造においてミラーをコーティングするために利用される。工学的プラズマに数えられるのは、例えば、ホローカソード放電、RF(高周波)放電、マグネトロン放電、グロー放電、および直線放電構成である。特定の製造プロセスを監視および点検する際に非常に重要な役割を果たすのは、たいていは反射性である金属表面の反射率である。
表面の反射率は、以下では、粒子(原子)の反射および光(光子)の反射という2つのテーマ領域に分ける。表面におけるプラズマ粒子の反射は、プラズマイオンと表面との間の相互作用に起因して起こる避けられないプロセスである。望みの工学的製造プロセス次第で、この相互作用は、有利にも不利にも作用し得る。つまり、例えば、ミラーを製造する際に、基板(Fe、W、Mo)を特殊コーティングする(Al、AuまたはAg)。それに対して、プラズマ不純物(Plasmaverunreinigung)によるコーティングまたは基板の浸食は、たいていの場合は意図されない、表面に対する不利な効果である。粒子反射の特性、例えば、反射したプラズマ粒子のエネルギー分布および角度分布は、表面の状態に関する情報、例えば、材料の種類、または粗さに関する情報をもたらし得る(Andersen HH.ら、Nucl. Instrum. and Meth. in Phys. Res. B 6 459 (1985)(非特許文献1)、Feder R.ら、Nucl. Instrum. and Meth. in Phys. Res. B 316 198 (2013)(非特許文献2))。光学金属ミラーおよび反射性表面の分光反射率は、さらなる診断アプローチを可能にする(Cooksey C.、Nadal M.、Allen DW、Hauer KO、Hoepe A、Applied Optics 54 4006 (2015)(非特許文献3))。この分光反射率は、工学的プロセスの効率を点検するために利用できる。つまり、カメラおよび特殊器具(分光計)を使って、製造プロセスを定量化し制御を改善するために、例えば、さまざまな光学系を適用する。その際、かなり頻繁には、プラズマパラメーターも決定される。プラズマパラメーターには、複数のミラーからなる非常に複雑な光学迷路(optisches Labyrinth)も数えられる。分光反射の最も重要な極端例は、鏡面反射、つまりミラー反射、または純粋な拡散反射とその偏光特性である(Howell JR、Siegel RおよびMenguec MP、「Thermal Radiation Heat Transfer」、CRC Press、Taylor and Francis Group LCC、70頁(2011)(非特許文献4))。適切な理論モデルを用いることで、粒子のエネルギーおよび角度分布のような物理量に基づき、表面の他の物理パラメーター、例えば、粗さを決定できる。
プロセスの進行に関する定量化された記載を得るためには、プロセスの最中に、表面の反射率を絶えず新たに決定することが欠かせない(Cooksey C.、Nadal M.、Allen DW、Hauer KO、Hoepe A、Applied Optics 54 4006 (2015)(非特許文献3))。その際の最大の問題は、そのためには材料を、通常はプラズマから取り出す必要があり、つまり、プラズマ操作を中断しなくてはならないという事実である。
光子および原子の特性は非常に異なるため、粒子反射と光反射の同時測定を唯一の実験室実験で両立させるのは非常に手間がかかる。この理由から、粒子反射特性および光反射特性の決定には、異なる方法が使用される。今日まで、両方とものパラメーターの決定または測定を可能にする方法、つまり、粒子の反射と光子の反射とを、付加的な手段なしにプラズマ中インサイチュで近似的に測定する方法は存在しない。
表面で反射した原子のエネルギー分布および角度分布を決定するには、表面のイオン照射を、レーザ誘起蛍光法(LIF)またはエネルギー・質量検出器のいずれか一方と組み合わせる。測定構成は、図1に図解する。
まず、表面に衝突するイオンが中和される。中性原子が、イオン入射エネルギー(E)よりも小さいエネルギーで表面から離れる。原子が、一定のエネルギー分布f(E<E)に応じて、後方散乱される。さまざまな角度において反射を観察すると、反射された原子の角度分布がもたらされる。粒子反射プロセスの理論上の記載は、例えば、TRIMコードまたはSRIMコードのようなモンテカルロシミュレーションを使って計算できる(TRIM/SRIM Code:Stopping and Range of Ions in Matter、http://www.srim.org(非特許文献5))。一般的には、そのようにして、測定したデータとの良好な一致が見出される。そこでこの場において、指摘したいのは、表面の粗さ、およびあり得るそのコーティングが、この分布結果に強く影響するということである。したがって、プラズマ操作中の、散乱した粒子の角度分布およびエネルギー分布は、欠かせない測定量である(Cooksey C.、Nadal M.、Allen DW、Hauer KO、Hoepe A、Applied Optics 54 4006 (2015)(非特許文献3))。
反射性表面の場合、反射した粒子に対してのみならず、光の分光反射または鏡面反射に対しても問われる。この問いに答えられるように、ここでは多数の分光測光装置が提供される。全体として、さまざまな材料の反射率の測定が、分光測光法の最も重要な課題の1つである(Cooksey C.、Nadal M.、Allen DW、Hauer KO、Hoepe A、Applied Optics 54 4006 (2015)(非特許文献3))。図2(a)の素描が、そのような測定の本質的な過程を示すが、詳細は、さまざまな装置によって異なり得る(Cooksey C.、Nadal M.、Allen DW、Hauer KO、Hoepe A、Applied Optics 54 4006 (2015)(非特許文献3))。
プラズマ中に配置する前に、ミラーは、反射率に関して、反射鏡実験室で慎重に測定される。絶対較正された光源がミラーを照明する間、後に製造プロセスで適用する角度において、反射が測定される。図2(b)は、後にミラーをプラズマチャンバに配置し、プラズマを活性化する様子を示す。製造プロセスの監視は、検出器Bによって行う。プラズマとの接触に起因し、反射率は、時間と共に変化し得る。絶えず起こる、ミラー表面とプラズマ粒子(または不純物の粒子)の衝突により、たいていの場合、ミラーの反射率が悪化する。しかしながら、そのために工学的プロセスを通常は中断しなくてはならないため、反射率をインサイチュで新たに測定することはできない。その代わりに、ミラーをプラズマから取り出し、改めて、図1で記載したループを繰り返しながら実験室で試験する必要がある。意図的なコーティングプロセスのため、または操作エラーが発生した場合も、反射率を改めて測定するために、材料を再びプラズマから取り出す必要がある。
プラズマチャンバを開き、図1に基づいて反射率を繰り返し測定することができない適用がある。それらに数えられるのは、毒性環境または放射性環境中でのプロセスである。そのような環境における、粒子および光子に関する表面の反射率を改めて測定することは、実用的な観点から不可能であるか、さもなければ高い費用と時間を要するかもしれない。将来的に計画されているいくつかの大規模プロジェクト、例えば、核融合実験ITERまたは実験炉DEMOは、放射性活性化物質(radioaktiv aktiviertes Material)を取り扱う必要がある。その場合にプラズマにさらされる表面に関しては、それらの結末はさらに深刻であるが、なぜなら、表面(壁、基板、およびミラー)の状態に関する情報を正確には予測できないからである。
Andersen HH.ら、Nucl. Instrum. and Meth. in Phys. Res. B 6 459 (1985) Feder R.ら、Nucl. Instrum. and Meth. in Phys. Res. B 316 198 (2013) Cooksey C.、Nadal M.、Allen DW、Hauer KO、Hoepe A、Applied Optics 54 4006 (2015). Howell JR、Siegel RおよびMenguec MP、「Thermal Radiation Heat Transfer」、CRC Press、Taylor and Francis Group LCC、70頁(2011) TRIM/SRIM Code: Stopping and Range of Ions in Matter、http://www.srim.org Alfold TL、Feldman LC、Mayer JW、Fundamentals of Nanoscale Film Analysis、Springer、Berlin (2007) ISBN:978−0−387−29260−1 Babkina T.ら、Europhys. Letters 72 235 (2005) Adamov M.R.G.、Obradovic B.M.、Kuraica M.M.、Konjevic N.、IEEE Trans. Plasma. Sci. 31、444 (2003); Adamov M.G.、Kuraica M.M.、Konjevic N.、Eur. Phys. J. D 28、393 (2004). Phelps A.V.、Phys. Rev. E 79 066401 (2009) Brandt C.ら、O3.J107、42nd European Physical Society Conference on Plasma Physics、Lisbon (2015). Kreterら、Fusion Sci. Technol. 68 8 (2015) WEB−Link: www.refractiveindex.info
本発明の課題は、導電性ターゲットの表面特性をインサイチュ決定するための、粒子反射と光反射との同時測定を可能にする方法の提供である。本発明のもう1つの課題は、この方法を実施するための装置の提供である。
請求項1の前提部を起点に、この課題は、本発明によると、請求項1の特徴部分に記載される特徴によって解決される。さらに、この課題は、請求項18の前提部を起点に、請求項18の特徴部分に記載される、本発明による特徴によって解決される。
本発明は、次のステップ:
a)ターゲットの表面前方での低圧プラズマの発生
b)ターゲットの表面への電圧の印加
c)ターゲットの表面の垂線に対する角度θでの、少なくとも1つの光検出器の方向づけd)印加電圧により、低圧プラズマからターゲットの表面の方向に加速され、それに続いてこの表面で反射し、その際に、電気的中性を獲得するために適した電荷を表面と交換するイオンからの変化によって生成する電気的に中性の原子が放出する光の強度の測定
e)ドップラーシフトに起因し、検出器に対して静止している原子が放出する光の波長λよりも長い波長を有するレッドシフトされた波長範囲と、λよりも短い波長を有するブルーシフトされた範囲とを含む、波長と各波長に帰属する光強度とを含む値曲線の算出f)値曲線からの波長λを有する光を放出する原子の速度νの、
Figure 0006931353
(式中、cは光速を表す)による算定、およびそれを利用した、
Figure 0006931353
(式中、mは反射した原子の各質量を表す)による、原子の各運動エネルギーEの算定
g)そのエネルギー以上では、値曲線の強度のすべての値が、検出器信号の背景ノイズ(Grundrauschen)の強度値より大きいか、またはそれと同じである、測定した波長から算定される最小エネルギーとしてのエネルギー値Emaxの算定
h)式(Alfold TL、Feldman LC、Mayer JW、Fundamentals of Nanoscale Film Analysis、Springer、Berlin (2007) ISBN:978−0−387−29260−1(非特許文献6)):
Figure 0006931353
(式中、Eは表面に衝突する際のイオンの各運動エネルギーを表し、それは、印加電圧の絶対値と等しい)による、表面の原子の質量mの算出
を特徴とする、導電性ターゲットの表面特性をインサイチュ決定するための方法に関する。
導電性材料の表面での水素原子または重水素原子の反射特性を低圧プラズマ中で決定するための、本発明によるインサイチュ測定法は、金属表面で反射した原子のエネルギー分布および角度分布の決定を可能にする。反射性表面またはミラーの場合、さらに、表面の分光反射率および偏光特性を直接測定することができる。これらの測定量に対する診断上のアクセスを利用して、本方法は、多数の工学的プロセスおよび実験室実験において使用できる。
本発明の中核は、金属表面の、粒子および光に対する反射特性をインサイチュ決定するための方法を含む。紹介された方法は、金属表面において散乱した水素原子または重水素原子のエネルギー分布および角度分布の測定を可能にする。誘導されたバルマー線のブルーシフト成分およびレッドシフト成分のドップラーシフトから、表面の分光(または鏡面)反射率を直接測定できる。本発明による方法は、例えば、ミラーの製造、コーティングの生成、および表面特性の分析に有利に使用できる。同じく、本発明による方法は、例えば、毒性または放射性の環境のような危険環境において表面を検査するために、前記の測定量に対する、中断のないアクセスも可能にする。将来的に適用が可能な分野の1つは、例えば、光学成分に特にアクセスしにくい場合の放射性プラズマ環境である。
有利には、この方法により、反射粒子および反射光の測定と同時に、表面特性、特に、表面の原子の質量mをインサイチュ決定できる。特に、反射粒子のエネルギー分布および反射光の強度分布を、表面原子の質量と同時にインサイチュ決定できる。量mおよびmは、この場合、特に、それぞれ、該当する原子の平均質量、または本方法で算出された平均質量を含む。
低圧プラズマ中のイオンが正である場合、それらのイオンは、表面での反射プロセスの際に十分に多数の電子を受容し、イオンが負に荷電している場合は、それらのイオンは、それ相応に十分に多数の電子を放出し、こうして電気的に中性の原子へと変化する。ターゲットの表面は、電源と接続されていてもよく、この様式で、低圧プラズマに由来するイオンと荷電交換が起こる際も、望みの電位に維持され得る。
表面特性のインサイチュ決定の実施とは、本出願の枠内では、決定の最中にターゲットが真空中に存在しそこから離れないと理解されるものである。
電磁放射線の光子の周波数fおよびエネルギーEを換算するには、公知の式E=hf(プランク定数h=4.135667662・10−15eV・s)を使用できる。光子の周波数fとその波数または波長λとの間の関係は、制約条件に応じて有効な分散関係によって記述されることが公知である。別法として、それぞれ1つの周波数と対応する波長は、光学から公知の方法により、例えば、光学格子の回折パターンを使用しても測定できる。近似的に、自由空間に対する関係、つまり、λ=c/f(式中、cは光の伝播速度を表す)を想定できる。
光子の数は、例えば、光電効果を利用しつつ、光子検出器により測定できる。光子検出器の一例は、光電陰極である。強度という用語は、本出願の枠内では、特に、例えば、ある特定のエネルギーまたは波長において測定される光子の数と理解される。凹面を有するミラーおよび格子を利用して、回折効果により、そのような検出器のさまざまな表面領域またはチャンネルに光線を導くことによって、各チャンネルに、ある特定の波長範囲を割り当てることができる。
表面特性という用語は、本出願の枠内では、特に、イオン、原子、または光に対する、表面の形状および反射特性と理解される。これは、例えば、光の場合は分光反射率に、もしくは粒子の場合は速度分布に該当し得、または一般的に、粒子もしくは光が表面で反射した後のエネルギー分布に該当し得る。表面特性は、反射の枠内では、表面の材料特性も含む。表面の材料特性は、本出願の枠内では、特に、ターゲットの表面の原子の質量を含む。
信号のノイズ寄与部分は、信号処理から公知の方法、例えば、平滑化法を使って、例えば、LTIフィルタによって、またはランクフィルタもしくはシグマフィルタのような非線形フィルタによっても除去できる。
背景ノイズとは、本出願の枠内では、印加電圧の絶対値を上回るエネルギーまたは電圧の絶対値の負数を下回るエネルギーに対して検出器が記録する、光強度の信号と理解される。
純度とは、本出願の枠内では、さまざまな原子の任意の混合物中にある一元素の原子の分率、特に、安定同位体の分率と理解される。純度に関する用語は、本発明によると、特に、均質なターゲットに対してである。
低圧プラズマとは、本発明の枠内では、特に、せいぜい0.1パスカルという圧力を有するプラズマと理解される。1パスカルは、10−5バールと等しいことが公知である。低圧プラズマを発生させるには、従来技術により公知のあらゆる方法を使用できる。
別法として、エネルギー値Emaxは、そのエネルギー以上では、値曲線の強度のすべての値が、検出器信号の背景ノイズの平均値と背景ノイズの信号の標準偏差の一倍、二倍、もしくは三倍またはその他の倍数との合計としてもたらされる強度値より大きいか、またはそれと同じである、測定された最小エネルギーとして決定してもよい。平均値および標準偏差を算定する際には、本発明による背景ノイズの定義に基づくと、電圧の絶対値を上回る値または電圧の絶対値の負数を下回る値しか考慮しない。測定時間または積分時間が長くなると、標準偏差は小さくなることが公知である。
別法として、まず、確率Wでその範囲内に背景ノイズの強度平均値が見つかる信頼区間を算定してもよい。その場合、Emaxの値は、その値においては、測定された強度のすべての値が、信頼区間の上限値より大きいか、またはそれと同じである、最小エネルギー値または測定された最小エネルギー値として算定できる。この場合、Wは、Emaxの算定の精度要求に合わせる。信頼区間の範囲は、測定時間の延長または測定値の数の増加によって小さくなり得る。算定または測定の精度は、測定時間の延長によって高くなり得る。
ターゲットは、その表面に電圧を印加できるように導電性表面を含む。従来技術から、プラズマ電位は、−40Vから−500Vの範囲の印加電圧または絶対値がさらに大きい電圧に対して無視できることが公知である。その際、帰属エネルギーへの電圧の換算は、従来技術から公知のように、電気素量との掛け算によって行うことができる。その場合、特に、電子ボルトという単位でエネルギーが得られる。本発明によると、特に、電荷数z=1を有する水素イオンおよび重水素イオンを観察する。絶対値が1を超える電荷数zを有するイオンの場合、帰属(運動)エネルギーを得るためには、この電荷数zの絶対値に、電圧および電気素量を掛け算する必要があることが公知である。
エネルギー値Emaxの算定には、多重反射ではなく、表面における、プラズマからのイオンの二体衝突が最も重要である。粗さが大きくなると共に、十分に多数の二体衝突が起こるように測定時間が長くなる。もっとも、これは根本的な困難ではない。
本発明による、表面特性の測定を以下でより詳細に説明する。本発明によると、低圧プラズマ中のきわめて一般的な条件下に、可視範囲の特定波長において表面の反射率をインサイチュ測定することに成功した。2つの原子物理学上の効果および1つのプラズマ物理学の効果が、水素粒子の反射(エネルギー分布および角度分布)同様にそれらのバルマー線の分光反射の決定も可能にする。
プラズマイオンは、それらが正電荷ゆえ、電場において加速され得ることが公知である。
表面の前方で高速イオンを生み出すために、この原理を適用する。そのためには、プラズマ電位に対する負電位(最高−500V)を表面に印加し、HまたはD(つまり、1価の正電荷の水素イオンまたは重水素イオン)のような正電荷粒子を加速させる。イオンのエネルギー範囲(100eVから500eV)は、イオンビーム実験のエネルギー範囲に対応する。バイアス電圧を実現するには、表面が導電性である必要がある。したがって、最適条件であるのは、その表面があまり激しくは加熱されないことからも金属表面である。プラズマ温度(つまり、プラズマイオン温度Tおよびプラズマ電子温度T)またはこの温度に帰属するエネルギーが、加速されたイオンのエネルギーEよりも明らかに小さければ(Ti,e/E<<1)、事実上は表面のイオン照射についてであり得る。図1で考察した実験室実験では、後方散乱した原子またはイオンが、質量・エネルギー検出器で直ちに分析され、エネルギー分布および角度分布に関する情報が導き出される。インサイチュ測定法を実現するには、次の条件が満たされている必要がある。
i.プラズマ中の原子のエネルギー分布および角度分布は、表面の前方で、変化してはならないか、または時間と共に非常にゆっくりとしか変化してはならない。
ii.そのような原子の数、またはその原子数と線形に関連する量を、別の特別な測定方法を使って、妨害されることなく検出する。
最初の条件は、低圧プラズマ(プラズマ密度Nが1018−3未満)の場合にのみ達成される。この場合、高速原子の、プラズマ粒子との衝突は非常にまれであるため、原子の本来の角度分布およびエネルギー分布が、十分に長時間維持されたままである。低圧プラズマは、もう1つの利点を有する。この場合、電子温度がより高いため(5eVから10eV)、非常に複雑な分子プロセスは起こらない。この場合、分子が迅速に解離するため、プラズマは、本質的にはHイオンと電子とからのみなり、準中性を維持する。この場合、エネルギー分布および角度分布は、1種類の粒子、すなわちHまたはDに関してのみ測定される。イオンビーム実験の条件が、より良好に満たされる。
高圧プラズマにおいては、そのような高速原子が実際に観察された(Babkina T.ら、Europhys. Letters 72 235 (2005)(非特許文献7)、Adamov M.R.G.、Obradovic B.M.、Kuraica M.M.、Konjevic N.、IEEE Trans. Plasma. Sci. 31、444 (2003); Adamov M.G.、Kuraica M.M.、Konjevic N.、Eur. Phys. J. D 28、393 (2004)(非特許文献8))。しかしながら、原子の励起状態の生成の点での複雑な分子物理学、およびイオン種(H、H 、H )の非常に著しい未知の非均質性、および高いプラズマ密度に起因するその熱化により、これらのプラズマ中では、Hイオンのエネルギー分布および角度分布の測定が不可能である(Babkina T.ら、Europhys. Letters 72 235 (2005)(非特許文献7)、Adamov M.R.G.、Obradovic B.M.、Kuraica M.M.、Konjevic N.、IEEE Trans. Plasma. Sci. 31、444 (2003); Adamov M.G.、Kuraica M.M.、Konjevic N.、Eur. Phys. J. D 28、393 (2004)(非特許文献8)、Phelps A.V.、Phys. Rev. E 79 066401 (2009)(非特許文献9))。そこでは、本発明による設問に対して直接適用できるようには、プロセスを定量化できない。
しかしながら、低圧プラズマの不利点は、プラズマイオンから基板への、または表面への流量が非常に小さいため、プラズマ中の原子を従来の診断法では検出できないことにある。本発明によると、水素原子のバルマー線の強度をきわめて著しく高めることに成功した。その際、希ガス原子の準安定状態と水素原子の励起状態との間のエネルギー共鳴を適用する(Brandt C.ら、O3.J107、42nd European Physical Society Conference on Plasma Physics、Lisbon (2015)(非特許文献10))。
Rg+H→Rg+H (A)
この際、Rgは、励起状態の希ガス原子(Rg=Ar、Kr、He、Ne、Xe)であり、Hは、励起状態のH原子またはD原子である。反応(A)により、反射する原子のバルマー線の発光を著しく高めて、この原子、それゆえそのエネルギー分布および角度分布を低圧プラズマ中で良好に決定できる。それにより、条件(ii)が、完全に満たされる。反射したH原子およびD原子のエネルギー分布および角度分布の観察方法が、本発明の中核である。その観察は、ミックスプラズマAr−H、Kr−HまたはAr−D、Kr−D中で可能である。他の希ガスを使用すると、共鳴が非常に弱く、ほとんど測定できないため、測定時間の明らかな延長(積分時間の延長)を伴う。
本発明による方法は、エネルギー分布および角度分布の測定のみならず、誘導された、水素原子のバルマー線(反応A)に基づく、表面の分光反射率または鏡面反射率の測定(Howell JR、Siegel RおよびMenguec MP、「Thermal Radiation Heat Transfer」、CRC Press、Taylor and Francis Group LCC、70頁(2011)(非特許文献4))、つまり、ミラー状反射の際の反射率の測定も可能にする。
各励起原子は、ある特定の数の光子を放出し、それらの光子のエネルギーは、例えば、水素原子のバルマー線(主量子数n>2からn=2へ)のように、原子の量子状態のエネルギー差に対応する。測定されるエネルギーまたは光子の波長は、検出器Aで標準的に測定される(図4)。原子と観察者(検出器)との間で相対移動が存在しない場合は、ノンシフトのスペクトル位置または波長についてである。原子が、観察者に対して移動する場合、波長の位置が、ドップラー効果によって、観察者(検出器)に対する原子の移動方向にシフトする。図4に、その反射率を定量したいミラーの前方で起こるドップラー効果を示す。静止原子(速度ν=0)の場合、検出器Aが、原子から検出器Aの方向(右向き)に直接移動する光子を測定するが、(左向きに)反射性表面で反射されてから検出器の方向に移動する光子も測定する。両方の光子束は、検出器の同じ位置に現れる。この位置は、ノンシフト波長λに対応する。反射した光子と反射していない光子をスペクトルで区別することはできない。そのため、反射率の測定は、静止原子に対しては不可能である。
高速で移動する原子(ν>0)の場合は図の外観が異なる。つまり、例えば、検出器Aの方向に伝播する光子は、ブルーシフトされた、つまり、短い波長で検出される。それに対して、まずミラーの方向に伝播する光子は、レッドシフトして記録される(図は、ミラーの代わりに、検出器Bが、左向きに移動する光子を記録したかのように示すこともできるかもしれない)。レッドシフト線とブルーシフト線との強度比から、ミラーの反射率を直接導き出すことができる。シフトした線は、両方ともを同時に測定できるように、互いに十分に離れている必要がある。
この簡単な解決策では2つの課題が生じる。すなわち、
iii.どのようにすれば、両方の線を分離して良好に解像できるように、ミラーの前方でプラズマ中の原子を加速できるか?
iv.どのようにすれば、低圧プラズマ中で十分に高い線強度に達するか?
課題(iii)および(iv)は、課題または条件(i)および(ii)と本質的に同じである。原子の加速(iii)は、表面に負電位を印加することによって達成する。水素線の高い強度は、プロセス(A)によって保証される。ドップラー効果により、スペクトル線の反射測定は一義的である。水素および重水素は、最も軽い原子であるため、それらを使用することにより、反射の最も正確な測定が達成される。ν=2E/mが当てはまるため、より重い原子と比べて、水素および重水素は、運動エネルギーが同じ場合には最大速度に達する。
まとめると、実験室プラズマ中で表面での水素粒子の反射特性、つまり、それらのエネルギー分布および角度分布を測定するための、ならびに水素線の分光反射率を測定するための同時方法が、基板をプラズマから取り出してプラズマ操作を中断することなしにもたらされる。
本発明による、水素原子または重水素原子のエネルギー反射および粒子反射のインサイチュ決定法を、次のパラメーターを有するプラズマ中で、直線型装置PSI−2(Kreterら、Fusion Sci. Technol. 68 8 (2015)(非特許文献11))を用いて試験した。すなわち、プラズマ圧は、10−3Paから10−1Pa、プラズマ密度は、1017−3から1019−3、ガス流量(Ar/DまたはAr/H)は10sccmから100sccm、Ar/DまたはAr/Hの混合比は1:1、プラズマ温度は3eVから10eV、表面での印加電圧は−50Vから−200Vであった。
まず(図5)、反射原子の信号が、共鳴プロセス(A)によって明らかに増幅されることを示す。図5では、反射原子の発光強度が、Ar−H比によって著しく影響され、純粋なDまたは純粋なArプラズマでは本質的に消失することが認められる。
Ar:HまたはAr:Dの比率1:1が、粒子および光の反射測定を実施するために、最高の条件を提供する。
ターゲットの表面にさまざまな電位を印加すると、原子のエネルギー分布および角度分布の測定が可能であることを示せる。図6は、タングステン基板上での異なる電位下における重水素原子の発光を示す。
しかも、反射原子の平均エネルギーは、データを詳細分析しなくても算定できる。図の測定曲線の異なるシンボルは、表面の印加電位に対応する、原子のさまざまな運動エネルギーを表す。ドップラーシフトされたウイングの幅は、原子の速度に比例するため、エネルギー分布の直接測定量に対応する。つまり、運動エネルギーが280eVの原子は、他のすべての原子、またはそれらの運動エネルギーと比べて最も著しい広がりを示す。運動エネルギーが100eVの原子に対応する測定曲線は、信号の面積が明らかにより小さい。それゆえ、上記されたような、エネルギー分布の推移は、表面の材料を決定するために利用でき、それは、例えば、表面コーティングのプロセスにおいてはしばしば欠かせない。図7は、同じ電位(−200V)を印加した場合の、銀(Ag)、鉄(Fe)および炭素基板(C)上で反射した原子のエネルギー分布を比較する。炭素基板の場合、ウイングのドップラー幅が明らかに狭く、つまり、(印加電圧が同じ場合に)反射したH原子のエネルギーが、銀基板または鉄基板と比べて小さいことが分かる。炭素原子の質量(m=12.011 u)は、鉄原子(m=55.845 u)または銀原子(m=107.8682 u)と比べて小さいため、炭素表面と衝突した際に、水素イオンがそれらの入射エネルギーをより多く失う。それにより、反射した中性水素原子は、銀基板または鉄基板に衝突した場合よりも低いエネルギーを有することになる。対応する結果が、例えば、タングステン(W)基板とアルミニウム(Al)基板との比較にももたらされる。
上記の測定は、炭素基板上で反射した水素原子のエネルギーが、銀基板上で反射した原子のエネルギーよりもおよそ50eVだけ小さいことを示す。簡単な式(Alfold TL、Feldman LC、Mayer JW、Fundamentals of Nanoscale Film Analysis、Springer、Berlin (2007) ISBN:978−0−387−29260−1(非特許文献6))が、この測定結果の正しさを証明する。それによると、本測定方法は、表面の材料の種類に関する情報を提供できる。測定精度は、統計、および使用する検出器(分光計)の分解能によってしか限定されない。電磁スペクトルの可視範囲におけるおよそ10という
Figure 0006931353
により、さまざまな金属間で区別できる。質量がより大きい原子を含む基板のエネルギーEmaxの、質量がより小さい原子を含む基板のエネルギーEmaxに対する比率は、ここで挙げた鉄ターゲット、銀ターゲット、および炭素ターゲットに関しては、少なくとも5%である。つまり、さまざまなターゲット材料は、エネルギーEmaxを手がかりに互いに区別できる。ターゲット材料の区別に欠かせない、さまざまなエネルギーEmaxの比率は、一般的には、中でも、精度要求または提供される測定時間もしくは積分時間に従う。
発光プロファイルの相対的推移は、さまざまな材料で似ている。一般的なプロファイル形状は、検出器(分光計)の観察方向にしか依存しない。反射原子の角度分布を算出するために、さまざまな角度での観察を利用できる。図8は、法線に対して90°の角度における観察に対する測定を示し、つまり、可視光ビーム(Sichtstrahl)は表面上を平行に推移する。プラズマ条件は、図6からの条件と同じである。この観察方向は、分光反射測定を含まず、つまり、レッドシフト成分は、この特殊ケースでは、反射に由来するのではなく、検出器から離れるように移動する粒子に直接由来する。図6で示したのと全く同様に、ここでも、原子のエネルギーが、印加電位に比例して変化する様子が認められる。図9(a)は、同一スキャンをもう一度、表面前方のz軸に沿って、つまり、表面に対して垂直方向に最初の5mmにわたって積分したグラフで示す。その下側の図9(b)が、粒子のエネルギーを示す。
図9(b)から水素粒子の角度分布を決定できる。測定したデータは、理論モデルと比較できるか、または比較する必要がある(4)。図10は、原子の可能な角度分布を示す。つまり、図9(b)の測定データは、cos(θ)(b=1.0〜2.0)の角度分布により、良好に再現できる。
本発明による、分光反射率の算出方法の一実施形態によると、ブルーシフト領域およびレッドシフト領域にわたる積分を行うことができ、次のステップを含み得る:
a)波長λ−Δλmaxから波長λ−Δλmaxsin(θ)(式中、λはノンシフトのバルマー線に対応する)までの、値曲線のブルーシフト領域にわたる積分。量Δλmaxは、バルマー線λと、請求項1のステップg)によるとエネルギーEmaxに属する波長λmaxとの差である。
b)波長λ+Δλmaxsin(θ)から波長λ+Δλmaxまでの、値曲線のレッドシフト領域にわたる積分。
c)小さい方の積分の、大きい方の積分に対する比率としての分光反射率の決定。
ブルーシフト領域およびレッドシフト領域にわたる積分による、別法としての分光反射率の算出方法は、次のステップを含み得る:
a)主要請求項の方法によるとエネルギーEmaxをもたらす波長λ−Δλmaxから波長λまでの、値曲線のブルーシフト領域にわたる積分(ここで、値λは、λ−Δλmax・sinθよりも小さく、Δλmaxは、検出器に対して静止している原子が放出する光の波長である波長λと、波長λmaxとの間の差である)。
b)波長λ’とレッドシフト領域の終点λ+Δλmaxまでの間の、値曲線のレッドシフト領域にわたる積分(ここで、波長λおよびλ’を、両方の積分区間の長さが等しく、λ’がλ+Δλmax・sinθよりも大きくλ+Δλmaxよりも小さくなるように、選択する)。
c)小さい方の積分の、大きい方の積分に対する比率としての分光反射率の算定。
図4に素描されている分光反射率の測定方法は、図5から図7で明らかになる。レッドシフト成分は、表面での分光反射の結果である。それは、図7の例で明らかに認められる。銀の反射は、鉄の反射および炭素の反射よりも明らかに大きい。図11は、分光反射の測定を示す。
反射の測定または分光反射率の算定は、波長λもしくはλ’の関数またはこれらの波長に帰属するエネルギー値EおよびEi’の関数としての、レッドシフト成分とブルーシフト成分との間の積分比に基づく。この反射測定または分光反射率測定の相対精度を考察すると、つまり、分光反射率の本発明による算定値の、理論計算または実験室測定によって従来技術から公知の分光反射率の値との差異を、これらの、従来技術から公知の値で割ったものを考察すると、この精度はすべてのエネルギー範囲に関して20%以内である。したがって、本測定方法は、表面(またはミラー)の反射率をプラズマ中でインサイチュ決定するための比較的堅実な別法を提供する。
本発明による方法は、有利には、ゼロボルトの印加電圧において算出される値曲線の強度値を、ゼロボルトとは異なる電圧において算出された値曲線の強度値から差し引くことを特徴とする。
有利には、この差は、望ましくないスペクトル線またはアーチファクトをスペクトルに有さない。これらのアーチファクトは、例えば、分子の形成につながる衝突プロセスによって、またはプラズマ中での他の分子プロセスによっても起こり得る。
さらに、本発明による方法は、有利には、
Figure 0006931353
を、請求項1のステップe)で算定した値曲線のブルーシフト波長範囲およびレッドシフト波長範囲から決定し、ならびに値曲線によると、
Figure 0006931353
も決定し、続いて、
Figure 0006931353
との間の差
Figure 0006931353
を計算し、次いで、λ+Δλでの強度Iを決定し、続いて、鏡面反射またはミラー反射に関する分光反射率rの値を、
Figure 0006931353
によって計算することを特徴とする。
有利には、これにより、鏡面反射またはミラー反射に関する分光反射率の値を算出できる。この反射は、拡散することなしに反射される放射線の割合に該当する。表面が、特に、完全に平らである場合、つまり、例えば、平均粗さを有さない場合、放射線は拡散されずに完全に反射される。
本発明による方法は、有利な一実施形態では、次のステップを特徴とする:
a)波長λ−Δλmaxと波長λ−Δλmaxsin(θ)との間の波長範囲にある最大強度値の算出。
b)波長λ+Δλmaxsin(θ)と波長λ+Δλmaxとの間の波長範囲にある最大強度値の算出。
c)ステップa)およびb)において算出された強度の小さい方の値を強度の大きい方の値で割ることによる分光反射率の算出。
有利には、この様式で、簡単かつ迅速に、反射全体の分光反射率の値を算出できる。その上、この場合、レッドシフト領域およびブルーシフト領域にわたる積分によって分光反射率を算出する場合よりも、より良好な信号雑音比(SNR)(ポアソンプロセス)が存在する。つまり、分光反射率は、最大強度におけるSNRの精度で算出される。ターゲット材料が銀の場合、そのような分光反射率0.94が、Ar:Hプラズマ中、−100eV、プラズマ圧0.024Paのもとで見出された。理論値は、0.96である(WEB−Link:www.refractiveindex.info(非特許文献12))。
本発明による方法は、有利には、それぞれの値曲線が、0°から90°の範囲にある異なる角度θにおいて測定された値曲線群から、最大強度を有する値曲線が選択されることを特徴とする。
有利には、最大強度が大きいと、重要な信号値を、背景ノイズの強度値から良好に区別できる。したがって、まず、値曲線の最大強度が最も大きい角度θを決定することが有利である。本発明による方法は、有利には、光の最大強度が最も大きい角度θを算出するために、検出器と、ターゲットの表面に垂直な法線ベクトルとの間の角度θ=90°において値曲線を算定することを特徴とする。
有利には、θ=90°の角度では、表面で反射した原子が直接放出する光子のみが考慮される。これにより、有利には、さらなる記載、例えば、ターゲットの表面での原子の反射挙動に関する記載も得られ得る。
本発明による方法は、有利には、表面で反射した後の原子の角度分布が、角度θ、特に、角度θ=90°において測定した値曲線への、TRIMコードまたはSRIMコード(TRIM/SRIM Code:Stopping and Range of Ions in Matter、http://www.srim.org(非特許文献5))から算定した値曲線の適合により決定され、その適合が、特に、最小二乗法を用いて行われることを特徴とする。
有利には、表面で反射した原子の角度分布、つまりそれぞれ、ターゲットの表面の垂線またはターゲットの面法線に対するある角度方向に反射される原子の数が、検出器の方向づけにより、唯一の角度で決定され得る。このためには、この角度で測定した値曲線を、理論モデルからの値曲線と比較できる。これに適しているのは、例えば、モンテカルロ法に基づく方法、例えば、従来技術から公知のSRIMコードまたはTRIMコードである(TRIM/SRIM Code: Stopping and Range of Ions in Matter、http://www.srim.org(非特許文献5))。測定した値曲線へと、理論モデルから得られた値を適合させるには、またはそのようなプログラムで使用されるパラメーターを決定するためのフィット法には、最小二乗法に基づくleast−square Fitのような公知の方法を使用できる。つまり、例えば、それらのパラメーターを用いると、計算したモデル値が、最小二乗法に基づき、測定した値曲線と最も良好に一致するパラメーターを選択できる。
本発明による方法は、有利には、ターゲットの平面で反射した後の原子の角度分布が、式cos(θ)(式中、θはターゲットの表面の垂線(Senkrechte)またはターゲットの表面の垂直線(Lot)に対する角度およびbは形状パラメーターである)によるプロファイルを有する値曲線の群から、最小二乗法によると、角度θ、特に角度θ=90°において測定した値曲線と最も良好に一致する値曲線を決定することによって決定されることを特徴とする。
有利には、反射後に原子から放出される光の強度I(θ)を、検出器をその角度に方向づけることができる、ターゲットの表面の法線ベクトルに対する角度θに依存して、cos(θ)に基づくプロファイルを有する、計算した値曲線によって近似化してもよい。適切な形状パラメーターbを選択するには、特に、形状パラメーターの値b=1からb=2を有する、そのように計算した値曲線の群から、最小二乗法を利用して、測定した値曲線と最も良好に一致する値曲線を選択してもよい。この際、測定した値曲線の正規化は、その強度最大値が1であるように行うことが可能である。
大きい角度θ、特に85°を超える角度θ、とりわけ角度θ=90°では、反射原子によって発光されて検出器に直接到達する光子しか検出器によって測定されず、まず表面で反射される光子も測定されない。ドップラーシフト、それゆえ角度θが算入される、光または光子の各測定エネルギーへの光強度の依存性は、次いで、反射原子の角度分布も反映する。この分布のプロファイルは、適切なスケール因子を選択すると一致する。
本発明による方法は、有利には、ターゲットの表面に−500Vから0Vの電圧を印加することを特徴とする。
有利には、この範囲にある電圧を印加することにより、ターゲット表面に衝突する際のプラズマ中のイオンの運動エネルギー、レッドシフト波長およびブルーシフト波長の領域の幅、ならびにエネルギー値Emaxの値を変化させることができる。これにより、中でも、分光反射率の値および表面原子の質量mの値を、例えば、測定誤差を見積もるために、さまざまな電圧に関して比較できる。
本発明による方法は、有利には、低圧プラズマ中の圧力が0.01Paから0.1Paであることを特徴とする。
有利には、0.01Paから0.1Paの範囲にある、低圧プラズマの圧力により、例えば、衝突プロセスによる分子の形成を低下させることができる。
本発明による方法は、有利には、プラズマが、アルゴンまたは水素または重水素またはこれらの元素の混合物を含むことを特徴とする。
有利には、周期表中で隣接する2つの元素間の、各エネルギー値Emaxのエネルギー区間が、原子番号が小さい元素(Z<20)をプラズマ中で使用した場合、特に、水素または重水素の場合、つまり、ターゲットの表面が含む原子の異なる(可能な)質量mの値に対してmという固定値が小さい場合に、それより重い元素の場合よりも大きい。したがって、有利には、原子番号Z<20の軽い元素、特に水素または重水素の場合、ターゲットの表面に含まれる元素の原子質量へのエネルギー値Emaxの割当てが、より容易である。このことは、ターゲットの表面も、特に原子番号がZ<20である軽い元素の原子を同じく含む場合に特に当てはまる。
本発明による方法は、有利には、印加電圧が負であることを特徴とする。
プラズマ中には、通常、正電荷イオンが存在するため、ターゲット表面の方向へとイオンを加速するためには、電圧が負である必要がある。
本発明による方法は、有利には、値曲線を算定するために、ターゲットの表面によって反射される原子のバルマー系列のスペクトル線、およびこれらのスペクトル線のドップラーシフトを測定することを特徴とする。
有利には、本発明によると、バルマー系列またはバルマー線のスペクトル線の強度を、著しく高めることができ、その結果、反射光または反射原子の強度分布、角度分布、およびエネルギー分布を低圧プラズマ中でも測定できる。これは、中でも、水素または重水素のバルマー系列、特に、水素ではHα線、Hβ線、およびHγ線に、そして重水素での、それに対応するバルマー線に当てはまる。
本発明による方法は、有利には、プラズマが、アルゴンまたはクリプトンまたは水素または重水素の混合物を、特に、混合比Ar:H=1:1またはAr:D=1:1で含むことを特徴とする。
有利には、この混合比において、反射する原子のバルマー線の発光を特に著しく高めることができる。
本発明による方法は、有利には、ターゲットが、元素の炭素またはアルミニウムまたはタングステンまたは鉄または銀の原子を含むことを特徴とする。
有利には、元素の炭素またはアルミニウムが原子番号Z<20を有する。
本発明による方法は、有利には、ターゲットが、95%から100%の純度、特に99.94%から99.999%の純度を有することを特徴とする。
有利には、ターゲットの純度が高い場合に、エネルギー値Emaxが歪曲されない。
本発明による方法は、有利な一実施形態では、次のステップを含む:
測定に成功するための条件は、被検査プラズマに対して、分解能が10pmよりも良好な分光計を装着することである。分光計のエタンデュが、測定の積分時間を定義する。測定の最中に妨害されないように配慮する。
有利には、次のようにプラズマ条件を設定する。
1.反射性表面での電位Uが−500Vから−100Vである。
2.プラズマ圧が、0.01Paから0.10Paである。
3.Ar/H(アルゴン/水素)またはAr/D(アルゴン/重水素)のガス流量が、およそ1:1の比率を有し、Kr/H(クリプトン/水素)またはKr/D(クリプトン/重水素)の場合はおよそ3:7の比率である。
測定は、表面に対する一定の観察角度で行う。反射率の測定には、面法線に対する角度0°が最適である。表面で反射した原子の角度分布の測定には、1つまたは複数の観察角度が可能である。
a)まず、負電位を印加せずにスペクトル(i)を測定する。
b)次いで、−200Vから−100Vの間の電位を反射性表面に印加すると、表面の分光反射率に関する情報をすでに含むスペクトル(ii)が得られる。
c)スペクトル(ii)からスペクトル(i)を引く、またはこれらのスペクトルからの強度値を差し引きする。この差が、ここでは図(III)と呼ばれ、図7および図10において図示する。
d)こうして、反射性表面の分光反射率は、図(III)のバルマー線のレッドシフト成分の積分を、バルマー線のブルーシフト成分の積分で割ることによって、付加的な情報なしに計算できる。測定は、水素原子のバルマー線に対して行うことができる。レッドシフト成分およびブルーシフト成分の形状における偏差は、散光表面を示唆する。
e)H原子またはD原子の角度分布およびエネルギー分布の決定には、次の方法が欠かせない。まず、一次近似において原子のエネルギー分布および角度分布を予測できるモンテカルロコードを利用する。つまり、例えば、TRIMコードまたはSRIMコード(www.srim.org)が、きわめて頻繁に適用される。見込まれるスペクトルの理論値が得られる。数学関数を手がかりに、それらのプロファイルをパラメーター化する。その結果、角度分布に関しては、例えば、cos(θ)関数が定着しており、パラメーターbは、特定すべき未知の量である。
f)表面に対して設定された、検出器の角度(図1を参照)およびcos(θ)プロファイルによるエネルギー分布と角度分布を考慮しながら、分布の自由パラメーターを適合させる(例えば、パラメーターb)。適合は、図7における測定の非線形フィットおよびcos(θ)プロファイルに基づいて行う。こうして、角度分布および(または)エネルギー分布の量が、最終的に決定される。
前記の請求項のいずれか一つに記載の方法を実施するための装置は、例えば、低圧プラズマ源、電圧源、ターゲット、および光子検出器(Brandt C.ら、O3.J107、42nd European Physical Society Conference on Plasma Physics、Lisbon (2015)(非特許文献10)、Kreterら、Fusion Sci. Technol. 68 8 (2015)(非特許文献11))を含み得る。
例示的実施形態
次に、図を手がかりに本発明の主題をより詳細に説明するが、それによって本発明の主題を限定するものではない。
基板表面で散乱した粒子のエネルギー分布および角度分布を決定するための測定構成を示す。 a)は、ミラーの反射率の実験室測定の見取り図を示し、b)は、プラズマ操作の最中に工学的プロセスを点検する際のミラー表面の適用を示す。 基板表面での高速プラズマイオン(H)の反射およびプラズマ中での高速中性原子(H)の発生に関する見取り図を示す。 反射性表面前方でのドップラーシフト効果の図解を示す。 a)は、タングステン(W)基板の面法線に対して35°の角度において測定した反射重水素原子の強度範囲全体にわたる値曲線を、アルゴンと重水素とのさまざまな混合比に関して示し、b)は、この測定に対する、ドップラーシフトによる極大値が認識できる限定的な強度範囲の図を示し、c)は、これらの混合比に対応するガス流量の値を示す。 a)は、ターゲットの表面に印加したさまざまな電圧に際し、Ar−Dプラズマに対して、タングステン基板上で反射したD原子の発光に関する生データを示し、b)は、この測定に関して、ドップラーシフトによる極大値が認識できる強度範囲での生データを示す。 炭素(C)基板、銀(Ag)基板、および鉄(Fe)基板上で反射した水素原子のエネルギー分布の比較を示す。 角度θ=90°において、Ar−Dプラズマに対して、W基板上で反射したD原子の発光強度に関する生データを示す。 Ar−Dプラズマに対して、W基板上で反射したD原子の発光強度を、表面と、表面に対する垂直方向に5mmの距離まで表面をずらすことで生じる面との間の空間領域にわたって積分した後の生データを示す。検出器角度、つまり角度θは、面法線に対して90°である。 角度θ=90°において、さまざまな形状パラメーターbに対して計算した、反射原子の角度分布を示す。 アルゴン−重水素(Ar−D)プラズマを用いた場合のタングステン(W)表面の分光反射の測定を示す。分光反射率は、0.55から0.6の範囲にある。理論値は、0.504である(WEB−Link:www.refractiveindex.info(非特許文献12))。 ターゲットの表面に−200Vの電圧を印加する場合とターゲットの表面に電圧を印加しない場合との間の強度差を示す。エネルギー値Emaxも示す。ターゲットは、材料として炭素を含み、プラズマは、水素とアルゴンとからの混合物を含む。
図1は、基板表面で散乱した粒子のエネルギー分布および角度分布を決定するための測定構成を示す。この構成は、イオンビーム源、検出器、および基板を含む。イオンビーム源が方向づけられている角度α、および検出器が方向づけられている角度θは、表面への法線ベクトルに対して、または表面の面法線に対して測定して変化させる。検出器は、反射粒子のエネルギーおよび質量を測定する。
図2a)は、ミラーの反射率の実験室測定の見取り図を示す。測定装置は、検出器A、光源、およびミラーを含む。図2b)は、プラズマ操作の最中に工学的プロセスを点検する際のミラー表面の適用を示す。装置は、検出器、プラズマ、基板またはターゲット、および基板またはターゲット用のホルダを含む。
図3は、基板表面での高速プラズマイオン(H)の反射が、プラズマ中において高速中性原子(H)を生み出す様子を図示する。イオンが、電圧−Uによって、表面へと加速し、中性原子が後方散乱する。原子の最大エネルギーは、HイオンまたはDイオンに対して、つまり水素イオンまたは重水素イオンに対して達成される。
図4は、反射性表面前方でのドップラーシフト効果を図示し、νは、原子の速度である。ドップラー効果の影響を算定する装置は、検出器A、および検出器の向かい側に配置されたミラーを含む。図の上半分では、静止原子ν=0の場合を観察する。この場合に原子が放出する電磁放射線の最大強度または光の最大強度における波長をλと表す。図の下部では、原子が、有限速度νで移動する場合の、ドップラーシフトによるスペクトルの分裂を示す。λとは異なる波長λにおける強度の2つの極大値が顕著になる。スペクトルまたは強度分布のうち、ミラー表面で反射した放射線に由来する部分を、ハッチング表示する。この放射線は、ミラーの代わりにミラーと同じ位置で使用される第2の検出器Bによっても測定可能である。両方の線の分離は、原子の速度または運動エネルギーに依存する。
図5は、タングステン(W)基板の面法線に対して35°の角度における反射重水素原子の観察を示す。さまざまな値曲線は、低圧プラズマ中における、アルゴン(Ar)と重水素(D)との間のさまざまな混合比に対応する。印加電位は、−140Vである。ブルーシフト成分を、エネルギー分布および角度分布の測定に利用する。レッドシフト成分は、分光反射の結果である(図6を参照)。
図5a)は、測定した強度範囲全体にわたる値曲線を示す。図5b)は、ドップラーシフトによる極大値が認識できる限定的な強度範囲を示す。図5a)および図5b)のx軸には、波長をÅでプロットしている。y軸には無次元強度をプロットしている。強度は、アルゴンと重水素とのさまざまな混合比に対してプロットしている。混合比は、90:3、90:7、90:10、85:20、60:40、および30:80である。これらの混合比への、各強度分布の割当ては、図5a)および図5b)のキャプションから読み取ることができる。
図5c)のy軸には、これらの混合比に対応するガス流量を、標準立方cm/分(sccm)の単位で示す。x軸には、図5a)および図5b)におけるデータ曲線のナンバリングに対応するナンバリングをプロットしている。
図6a)は、混合比1:1のAr−Dプラズマに対して、タングステン基板上で反射したD原子の発光強度に関する生データを示す。図6b)は、ブルーシフト成分(6557Åから6561Åまで)が、原子のエネルギー分布および角度分布をもたらすことを示す。レッドシフト成分(6561Åから6565Åまで)は、W表面の分光反射率をもたらす。観察角度は、面法線に対して35°である。
図6a)および図6b)の下側のx軸には、波長をÅでプロットしている。y軸には、無次元強度をプロットしている。この図の図6b)の上側のx軸には、ドップラーシフトのエネルギーをeVでプロットしている。強度は、ターゲットの表面に印加したさまざまな電圧、すなわち、−40V、−80V、−100V、−170V、−200V、−240V、−280Vに対して示す。これらの電圧値への、図6a)および図6b)の各強度分布の割当ては、図6a)中のキャプションから読み取ることができる。
図7は、炭素(C)基板、鉄(Fe)基板、および銀(Ag)基板上で反射した水素原子のエネルギー分布の比較を示す。印加電位は、−200Vである。反射した水素原子は、炭素基板、鉄基板、および銀基板の順に大きくなるエネルギーを有するが、なぜなら、各基板中の原子の原子量が大きくなるからである。観察角度または検出器角度は、面法線に対して35°である。
x軸には、波長をÅでプロットしている。y軸には、無次元強度をプロットしている。炭素(C)、銀(Ag)、および鉄(Fe)の基板またはターゲットに関して、ターゲットの表面に−200Vの電圧を印加する場合と電圧を印加しない場合との間の強度差を示す。ターゲットの純度は、いずれの場合も、99.9%を超える。各強度分布の、これらの基板またはターゲットへの割当ては、図中のキャプションから読み取ることができる。
図8は、Ar−Dプラズマに対して、W基板上で反射したD原子の発光に関する生データを示す。検出器角度、つまり角度θは、面法線に対して90°である。この測定は、インサイチュで、反射原子の角度分布をもたらす。
y軸には、それぞれの電圧値に対する強度分布の各図につき、ターゲットの表面からの距離をcmでプロットしている。x軸には、それらの各図につき、重水素のバルマー系列のα線の波長6561.01Åを差し引いた波長をÅでプロットしている。グレーグラデーションは、無次元強度を表し、白色は最大強度を意味し、黒色は最小強度を意味する。電圧の値は、−40V、−80V、−100V、−140V、−170V、−200V、−240V、−280Vである。ドップラーシフト領域の幅は、電圧の上昇と共に大きくなる。
図9は、Ar−Dプラズマに対して、W基板上で反射したD原子の発光強度を、表面と、表面に対する垂直方向に5mmの距離まで表面をずらすことで生じる面との間の空間領域にわたって積分した後の生データを示す。検出器角度は、面法線に対してθ=90°である。
図9a)のx軸には、波長をÅでプロットしている。y軸には、無次元強度をプロットしている。図9b)からは、水素粒子の角度分布を決定できる。測定データは、理論モデルと比較可能である(TRIM/SRIM Code:Stopping and Range of Ions in Matter、http://www.srim.org(非特許文献5))。図9b)のx軸には、ドップラーシフトのエネルギーをeVでプロットしている。y軸には、無次元強度をプロットしている。
図9a)および図9b)では、ターゲットの表面に印加したさまざまな電圧、すなわち、−40V、−80V、−100V、−170V、−200V、−240V、−280Vに対して、強度を示す。これらの電圧値への各強度分布の割当ては、図9a)および図9b)中の右側のキャプションから読み取ることができる。図9a)中の左側のキャプションには、それぞれ80sccmという、アルゴンおよび重水素のガス流量を示す。
図10は、さまざまな形状パラメーターbに対して計算した、反射原子の角度分布を示す。観察角度または検出器角度は、図9におけるのと同様にθ=90°である。
x軸には、ドップラーシフトのエネルギーと、検出器に対して静止している原子が放出する光の波長のエネルギーとの差を、最後に挙げた、静止原子の光のエネルギーで割ってプロットしている。y軸には、無次元強度をプロットしている。
強度は、さまざまな形状因子、すなわち、b=0.2、b=0.5、b=1.0、b=2.0、およびb=5.0に対して示す。それらの形状因子への強度分布の割当ては、図中のキャプションから読み取ることができる。
図11は、本明細書に挙げたパラメーターを用いて、アルゴン−重水素(Ar−D)プラズマを用いた場合のタングステン(W)表面の分光反射率の測定を示す。
図11a)のx軸には、波長をÅでプロットしている。y軸には、無次元強度をプロットしている。有限の負電圧をターゲットの表面に印加する場合と、電圧を印加しない場合との間の強度差を観察した場合の、スペクトルのレッドシフト領域およびブルーシフト領域のプロファイルを図示する。
図11b)のx軸には、波長をÅでプロットしている。y軸には、分光反射率rをプロットしている。分光反射率の値は次のように計算する。
a)主要請求項の方法によるとエネルギーEmaxをもたらす波長λ−Δλmaxから波長λまでの、値曲線のブルーシフト領域にわたる積分(ここで、値λは、λ−Δλmax・sinθよりも小さく、Δλmaxは、検出器に対して静止している原子が放出する光の波長である波長λと、波長λmaxとの間の差である)。
b)波長λ’とレッドシフト領域の終点λ+Δλmaxまでの間の、値曲線のレッドシフト領域にわたる積分(ここで、波長λおよびλ’を、両方の積分区間の長さが等しく、λ’がλ+Δλmax・sinθよりも大きくλ+Δλmaxよりも小さくなるように、選択する)。
c)小さい方の積分の、大きい方の積分に対する比率としての分光反射率の算定。
図11b)は、さまざまな波長λと、上記の方法に基づくと、λによる積分区間の幅により指定されるλ’とに対する分光反射率の値を示す。SNRは、信号雑音比を表す。
分光反射率の値は、ターゲットの表面に印加したさまざまな電圧、すなわち、−280V、−240V、−170Vに対して示す。それらの電圧への分光反射率の値の割当ては、図11b)のキャプションから読み取ることができる。
グレー標識した、分光反射率の値の極小値は、すべての印加電圧に対して良好な一致を示す。
図12は、ターゲットの表面に−200Vの電圧を印加する場合とターゲットの表面に電圧を印加しない場合との間の強度差を示す。図12の強度は、検出器中で、または検出器を通過してカウントされた光電子の数として測定する。これらの光電子の数は、検出器に衝突する光子の数と比例することが公知である。ターゲットは、材料として、炭素C12を99.99%の純度で含む。表面材料を決定するために、表面方向に水素イオンを加速した。粗さは、算術平均粗さRa=0.4μmであり、ターゲットの表面温度は150℃である。検出器は、Andor DV 8201_BVタイプのカメラを含む。検出器は、ターゲットの表面から1メートルの距離を置いて、この表面への法線ベクトルに対して35°の角度で配置されている。検出器のスペクトル分解能は、5pmであり、分散に関する分解能は1pmである。プラズマに供給されるアルゴンのガス流量は、40sccmである。プラズマに供給される水素のガス流量も同じく40sccmである。プラズマ圧は、2.5・10−4mbarである。積分時間または測定時間は、300秒である。ターゲットのサイズは、13mmx13mmである。イオンの温度は、1eVから3eVであり、電子の温度は、5eVから10eVである。エネルギーEmaxが位置する、値曲線の位置を、黒色矢印で標識している。
表1は、この測定の生データから得られる強度差を示し、ただし、エネルギーは電子ボルトで示し、強度は無次元である。Emaxの値は、I=15548という強度差においてEmax=−137.96eVをもたらす。請求項1のステップh)で挙げた式から、mに対する炭素の質量を用いると、Emaxの値はEmax=145.55eVであることが分かる。これは、エネルギー値の絶対値を考察すると、相対偏差5%に相当する。したがって、Emaxの値は、元素の炭素に割り当てられ得る。
Figure 0006931353
本出願中で引用した文献
[1]Andersen HH.ら、Nucl. Instrum. and Meth. in Phys. Res. B 6 459 (1985)
[2]Feder R.ら、Nucl. Instrum. and Meth. in Phys. Res. B 316 198 (2013)
[3]Cooksey C.、Nadal M.、Allen DW、Hauer KO、Hoepe A、Applied Optics 54 4006 (2015).
[4]Howell JR、Siegel RおよびMenguec MP、「Thermal Radiation Heat Transfer」、CRC Press、Taylor and Francis Group LCC、70頁(2011)
[5]TRIM/SRIM Code: Stopping and Range of Ions in Matter、http://www.srim.org
[6]Alfold TL、Feldman LC、Mayer JW、Fundamentals of Nanoscale Film Analysis、Springer、Berlin (2007) ISBN:978−0−387−29260−1
[7]Babkina T.ら、Europhys. Letters 72 235 (2005)
[8]Adamov M.R.G.、Obradovic B.M.、Kuraica M.M.、Konjevic N.、IEEE Trans. Plasma. Sci. 31、444 (2003); Adamov M.G.、Kuraica M.M.、Konjevic N.、Eur. Phys. J. D 28、393 (2004).
[9]Phelps A.V.、Phys. Rev. E 79 066401 (2009)
[10]Brandt C.ら、O3.J107、42nd European Physical Society Conference on Plasma Physics、Lisbon (2015).
[11]Kreterら、Fusion Sci. Technol. 68 8 (2015)
[12]WEB−Link:www.refractiveindex.info
本願は特許請求の範囲に記載の発明に係るものであるが、本願の開示は以下も包含する:
1.
次のステップ:
a)ターゲットの表面前方での低圧プラズマの発生、
b)ターゲットの表面への電圧の印加、
c)ターゲットの表面の垂線に対する角度θでの、少なくとも1つの光検出器の方向づけ、
d)光の強度の測定であって、この光は、電気的に中性の原子が放出する光であり、前記電気的に中性の原子は、イオンからの変換によって生成するものであり、前記イオンは、低圧プラズマからターゲットの表面の方向に印加電圧により加速され、それに続いてこの表面で反射し、その際に、電気的中性を獲得するために適した電荷を前記表面と交換するイオンである、光の強度の測定、
e)値曲線の算出であって、この値曲線は、波長と各波長に帰属する光強度とを含み、前記波長は、ドップラーシフトに起因し、検出器に対して静止している原子が放出する光の波長λ よりも長い波長を有するレッドシフトされた波長範囲と、λ よりも短い波長を有するブルーシフトされた範囲とを含む、値曲線の算出、
f)値曲線からの波長λを有する光を放出する原子の速度νの、
Figure 0006931353
(式中、cは光速を表す)による算定、およびそれを利用した、
Figure 0006931353
(式中、m は反射した原子の各質量を表す)による、原子の各運動エネルギーEの算定、
g)そのエネルギー以上では、値曲線の強度のすべての値が、検出器信号の基準線の強度値より大きいか、またはそれと同じである、測定した波長から算定される最小エネルギーとしてのエネルギー値E max の算定、
h)式:
Figure 0006931353
(式中、E は表面に衝突する際のイオンの各運動エネルギーを表し、それは、印加電圧の絶対値と等しい)による、表面の原子の質量m の算出、
を特徴とする、導電性ターゲットの表面特性をインサイチュ決定するための方法。
2.
ゼロボルトの印加電圧において算出される値曲線の強度値を、ゼロボルトとは異なる電圧において算出された値曲線の強度値から差し引くことを特徴とする、上記1に記載の方法。
3.
Figure 0006931353
を、上記1のステップe)で算定した値曲線のブルーシフト波長範囲およびレッドシフト波長範囲から決定し、ならびに値曲線によると、この強度値に帰属する
Figure 0006931353
も決定し、続いて、
Figure 0006931353
との間の差
Figure 0006931353
を計算し、次いで、λ +Δλでの強度I を決定し、続いて、鏡面反射に関する分光反射率r を、
Figure 0006931353
によって計算することを特徴とする、上記1または2に記載の方法。
4.
a)波長λ −Δλ max と波長λ −Δλ max sin(θ)との間の波長範囲にある最大強度値の算出、
b)波長λ +Δλ max sin(θ)と波長λ +Δλ max との間の波長範囲にある最大強度値の算出、
c)ステップa)およびb)において算出された強度の小さい方の値を強度の大きい方の値で割ることによる分光反射率の算出
を特徴とする、上記1〜3のいずれか一つに記載の方法。
5.
それぞれの値曲線が、0°から90°の範囲にある異なる角度θにおいて測定された値曲線群から、最大強度を有する値曲線が選択されることを特徴とする、上記1〜4のいずれか一つに記載の方法。
6.
光の最大強度が最も大きい角度θを算出するために、検出器と、ターゲットの表面に垂直な法線ベクトルとの間の角度θ=90°において値曲線を算定することを特徴とする、上記1〜5のいずれか一つに記載の方法。
7.
表面で反射した後の原子の角度分布が、角度θ、特に、角度θ=90°において測定された値曲線への、TRIMコードまたはSRIMコードから算定した値曲線の適合により決定され、その適合が、特に、最小二乗法を用いて行われることを特徴とする、上記6に記載の方法。
8.
ターゲットの平面で反射した後の原子の角度分布が、式cos (θ)(式中、θはターゲットの表面の垂線に対する角度およびbは形状パラメーターである)によるプロファイルを有する値曲線の群から、最小二乗法によると、角度θ、特に角度θ=90°において測定した値曲線と最も良好に一致する値曲線を決定することによって決定されることを特徴とする、上記6または7に記載の方法。
9.
ターゲットの表面に−500Vから0Vの電圧を印加することを特徴とする、上記1〜8のいずれか一つに記載の方法。
10.
低圧プラズマ中の圧力が0.01Paから0.1Paであることを特徴とする、上記1〜9のいずれか一つに記載の方法。
11.
プラズマが、アルゴンまたは水素または重水素またはこれらの元素の混合物を含むことを特徴とする、上記1〜10のいずれか一つに記載の方法。
12.
値曲線を算定するために、ターゲットの表面によって反射される原子、特に水素および重水素のバルマー系列からのスペクトル線、ならびにこれらのスペクトル線のドップラーシフトを測定することを特徴とする、上記1〜11のいずれか一つに記載の方法。
13.
プラズマが、アルゴンまたはクリプトンまたは水素または重水素の混合物を、特に、混合比Ar:H=1:1またはAr:D=1:1で含むことを特徴とする、上記1〜12のいずれか一つに記載の方法。
14.
ターゲットが、炭素元素またはアルミニウム元素の原子を含むことを特徴とする、上記1〜13のいずれか一つに記載の方法。
15.
ターゲットが、95%から100%の純度、特に99.94%から99.999%の純度を有することを特徴とする、上記1〜14のいずれか一つに記載の方法。
16.
上記1〜15のいずれか一つに記載の方法を実施するための、低圧プラズマ源、電圧源、ターゲット、および光子検出器を含む装置。

Claims (16)

  1. 次のステップ:
    a)ターゲットの表面前方での低圧プラズマの発生、
    b)ターゲットの表面への電圧の印加、
    c)ターゲットの表面の垂線に対する角度θでの、少なくとも1つの光検出器の方向づけ、
    d)光の強度の測定であって、この光は、電気的に中性の原子が放出する光であり、前記電気的に中性の原子は、イオンからの変換によって生成するものであり、前記イオンは、低圧プラズマからターゲットの表面の方向に印加電圧により加速され、それに続いてこの表面で反射し、その際に、電気的中性を獲得するために適した電荷を前記表面と交換したイオンである、光の強度の測定、
    e)値曲線の算出であって、この値曲線は、波長と各波長に帰属する光強度とを含み、前記波長は、ドップラーシフトに起因し、検出器に対して静止している原子が放出する光の波長λよりも長い波長を有するレッドシフトされた波長範囲と、λよりも短い波長を有するブルーシフトされた範囲とを含む、値曲線の算出、
    f)値曲線からの波長λを有する光を放出する原子の速度νの、
    Figure 0006931353
    (式中、cは光速を表す)による算定、およびそれを利用した、
    Figure 0006931353
    (式中、mは反射した原子の各質量を表す)による、原子の各運動エネルギーEの算定、
    g)そのエネルギー以上では、値曲線の強度のすべての値が、検出器信号の基準線の強度値より大きいか、またはそれと同じである、測定した波長から算定される最小エネルギーとしてのエネルギー値Emaxの算定、
    h)式:
    Figure 0006931353
    (式中、Eは表面に衝突する際のイオンの各運動エネルギーを表し、それは、印加電圧の絶対値と等しい)による、表面の原子の質量mの算出、
    を特徴とする、導電性ターゲットの表面特性をインサイチュ決定するための方法。
  2. ゼロボルトの印加電圧において算出される値曲線の強度値を、ゼロボルトとは異なる電圧において算出された値曲線の強度値から差し引くことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. Figure 0006931353
    を、請求項1のステップe)で算定した値曲線のブルーシフト波長範囲およびレッドシフト波長範囲から決定し、ならびに値曲線によると、この強度値に帰属する
    Figure 0006931353
    も決定し、続いて、
    Figure 0006931353
    との間の差
    Figure 0006931353
    を計算し、次いで、λ+Δλでの強度Iを決定し、続いて、鏡面反射に関する分光反射率rを、
    Figure 0006931353
    によって計算することを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。
  4. a)波長λ−Δλmaxと波長λ−Δλmaxsin(θ)との間の波長範囲にある最大強度値の算出、
    b)波長λ+Δλmaxsin(θ)と波長λ+Δλmaxとの間の波長範囲にある最大強度値の算出、
    c)ステップa)およびb)において算出された強度の小さい方の値を強度の大きい方の値で割ることによる分光反射率の算出
    を特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つに記載の方法。
  5. それぞれの値曲線が、0°から90°の範囲にある異なる角度θにおいて測定された値曲線群から、最大強度を有する値曲線が選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つに記載の方法。
  6. 光の最大強度が最も大きい角度θを算出するために、検出器と、ターゲットの表面に垂直な法線ベクトルとの間の角度θ=90°において値曲線を算定することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つに記載の方法。
  7. 表面で反射した後の原子の角度分布が、角度θ、特に、角度θ=90°において測定された値曲線への、TRIMコードまたはSRIMコードから算定した値曲線の適合により決定され、その適合が、特に、最小二乗法を用いて行われることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  8. ターゲットの平面で反射した後の原子の角度分布が、式cos(θ)(式中、θはターゲットの表面の垂線に対する角度およびbは形状パラメーターである)によるプロファイルを有する値曲線の群から、最小二乗法によると、角度θ、特に角度θ=90°において測定した値曲線と最も良好に一致する値曲線を決定することによって決定されることを特徴とする、請求項6または7に記載の方法。
  9. ターゲットの表面に−500Vから0Vの電圧を印加することを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一つに記載の方法。
  10. 低圧プラズマ中の圧力が0.01Paから0.1Paであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一つに記載の方法。
  11. プラズマが、アルゴンまたは水素または重水素またはこれらの元素の混合物を含むことを特徴とする、請求項1〜10のいずれか一つに記載の方法。
  12. 値曲線を算定するために、ターゲットの表面によって反射される原子、特に水素および重水素のバルマー系列からのスペクトル線、ならびにこれらのスペクトル線のドップラーシフトを測定することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか一つに記載の方法。
  13. プラズマが、アルゴンまたはクリプトンまたは水素または重水素の混合物を、特に、混合比Ar:H=1:1またはAr:D=1:1で含むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一つに記載の方法。
  14. ターゲットが、炭素元素またはアルミニウム元素の原子を含むことを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一つに記載の方法。
  15. ターゲットが、95%から100%の純度、特に99.94%から99.999%の純度を有することを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一つに記載の方法。
  16. 請求項1〜15のいずれか一つに記載の方法を実施するための、低圧プラズマ源、電圧源、ターゲット、および光子検出器を含む装置。
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