JP6929724B2 - 欠相検知装置、欠相検知システム、および欠相検知方法 - Google Patents

欠相検知装置、欠相検知システム、および欠相検知方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は,欠相検知装置、欠相検知システム、および欠相検知方法に関する。
発電所などの発電施設に、3相静止誘導電気機器(例えば、3相交流の高電圧を変圧する変圧器)が設置される。この3相静止誘導電気機器には、保護継電器が接続され、地落や短絡などの事象を検出し、その影響の拡大防止が図られる。
ところで、3相交流中の1相が開放状態となる(1相への電力供給が停止する)こと(以下、「1相開放故障」と称す)がまれにある。例えば、静止誘導電気機器の1次側に接続されている碍子が破損して、1次側に入力される3相中1相が開放状態となる可能性がある。
単相交流であれば、電圧の測定によって、開放状態を容易に検出できるが、3相交流中の1相開放を検出することは必ずしも容易ではない。3相静止誘導電気機器に入力される3相交流の1相が開放状態となった場合、他の相の交流により、この相にも電圧が誘起される可能性がある。
該当線路の負荷が大きい場合には、1相開放故障によって保護継電器の設定値に達する異常電流が発生し、1相開放故障を検知できる。しかしながら、該当線路が無負荷あるいは軽負荷の状態だと、保護継電器の設定値まで電流値が変動しない可能性がある。このように、1相開放故障を確実に検知することは容易ではない。
特開2015−006076号公報
本発明が解決しようとする課題は、1相開放故障の効果的な検知を図った欠相検知装置、欠相検知システム、および欠相検知方法を提供することにある。
実施形態の欠相検知装置は、第1〜第3の電流検出器、算出部、および判定部を有する。第1〜第3の電流検出器は、互いに磁気的に結合される1次回路および2次回路を有する3相静止誘導電気機器の、前記1次回路に接続される第1〜第3の配線を流れる第1〜第3の電流を検出する。算出部は、前記第1〜第3の電流の実効成分に対応する第1〜第3の量を算出する。判定部は、前記第1〜第3の量に基づいて、前記第1〜第3の配線いずれかが開放状態か否かを判定する。
第1の実施形態の欠相検知システムを示すブロック図である。 欠相検知装置の動作手順の一例を示すフロー図である。 正常時における1次回路2の動作を示す回路図である。 1相開放時における1次回路2の動作を示す回路図である。 1次回路2および2次回路3の動作を示す回路図である。 1次回路2の動作を示す回路図である。 電圧と電流(充電電流、励磁電流)の実数部および虚数部の波形の一例を表すグラフである。 第2の実施形態の欠相検知システムを示すブロック図である。
以下,図面を参照して,静止誘導電気機器接続装置の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1実施形態に係る欠相検知システムを示す。この欠相検知システムは、変圧器1、電流検出器5、電圧検出器9、断路器8、および欠相検知装置6を有する。
変圧器1は、3相静止誘導電気機器の一種であり、互いに磁気的に結合される1次回路2および2次回路3を有する。
1次回路2は、外部に接続された各相の配線4a、4b、4cおよび1次コイル(1次巻き線)11を含む。配線4a、4b、4cは、浮遊容量Csを有する。
2次回路3は、2次コイル(2次巻き線)12を含む。
配線4a、4b、4cを通じて、1次コイル11に励磁電流が流れる。この結果、1次コイル11と2次コイル12の巻線比に応じた電流が2次コイル12に誘起される。
ここでは、1次コイル11、2次コイル12は、いずれもY結線(スター・スター方式)であるが、一方または双方がΔ結線としてもよい(スター・デルタ方式、デルタ・スター方式、デルタ・デルタ方式)。
原子力発電所などの発電施設で用いられている変圧器1は、一般に、安定化コイル(巻き線)13を有する。ここでは、Y結線の1次コイル11,2次コイル12に加えて、Δ結線の安定化コイル13を用いている。安定化コイル13によって、2次コイル12での電圧波形の安定化が図られる。
この安定化コイル13は、1相開放故障の検出を困難とする要因となり得る。配線4a、4b、4cの1線が断線した場合(例えば、箇所Pでの配線4bの断線)でも、安定化コイル13に流れる電流によって、断線した配線4bに電圧が誘起される。特に、2次回路3に負荷が接続されていない場合や負荷が軽い場合には、配線4bに誘起される電圧は正常時(非断線時)に近い。このため、配線4a、4b、4cの電圧を検出しても、1相開放を確実に検出することは困難となる。
電流検出器5は、配線4a、4b、4cに対応して配置され、それぞれに流れる電流を検出する。電流検出器5には、例えば、CT(カレントトランスフォーマー(電流変換器):電磁誘導を用いた変流器)、光CT(ファラデー効果を利用する電流検出器)などを用いる。CTは、配線4a、4b、4cに流れる電流を入力変換器61に対応する大きさの電流(例えば、10アンペア程度)に変換(低減)する。
このように、電流検出器5には、CT、光CTを用いることができる。CTは、大電流の検出が容易である。光CTは、例えば、0.2A程度の微少な電流の検出に用いられることが多く、電流検出器5に用いると雑音成分はサチレーションして検出できない可能性がある。しかし、比較的微弱な励磁電流を検出できることから、実施形態に係る1相開放の検出に利用できる。
電流検出器5を光CTとすることで、欠相検知装置6へのケーブルを細くすることができる。また、光ファイバーの巻数に応じて低電圧領域での検出が可能になるので、例えばガス絶縁開閉装置(GIS機器)として使用する際に、軽量化できる。
電圧検出器9は、1次回路2および2次回路3の少なくとも一の配線(または一の配線間)の電圧を検出する。
ここでは、1次回路2の配線4cに印加される電圧を検知している。3つの電圧検出器9を用いて、1次回路2の配線4a、4b、4c全ての電圧を測定することも可能であるが、1つの配線(または配線間)の電圧を検出すれば足りる。配線4a、4b、4cに印加される電圧は位相が異なる以外は、基本的に同様の波形だからである。
1次回路2の配線に換えて、2次回路3の少なくとも一の配線(または一の配線間)の電圧を検出してもよい。1次回路2と2次回路3の巻き線比から1次回路2での電圧を算出できる。また、後述の第2の実施形態のように、電圧の値自体を問題とせず、位相のみを検出してもよい。
電圧検出器9には、例えば、VT(ボルテージ・トランスフォーマー(電圧変換器):電磁誘導を用いた変成器)、光VT(ポッケルス効果を利用する電圧検出器)を用いる。VTは、配線4a、4b、4cに印加される電圧を電圧調整器66に対応する大きさの電圧に変換(低減)する。
断路器8は、2次回路3に配置され、電力機器10(負荷)への電圧を遮断する。電力機器10の点検、修理等に備えるためである。
断路器8と共に、あるいは断路器8に換えて、遮断器を配置してもよい。遮断器は、電力機器10の動作時の負荷電流を開閉する開閉器である。遮断器は、保護継電器と連携して、事故電流(特に短絡事故電流)などを遮断する。この結果、負荷側の設備が保護され、また上流側への事故の波及が防止される。
断路器8と遮断器は、遮断する対象が電圧、電流と異なるが、いずれも電力機器10への3相交流を遮断する。
断路器8のON/OFFの信号は、欠相検知装置6の判定部67に取り込まれる。
欠相検知装置6は、1次回路2の配線4a、4b、4cの少なくともいずれかが開放状態か否かを判定し、警報を出力するものであり、入力変換器61、フィルタ部62、判定部67、警報出力部68、電圧調整器66を有する。
入力変換器61は、電流検出器5から入力される電流をアナログ信号(電圧)に変換する。
フィルタ部62はアナログフィルタ63、AD変換器64、デジタルフィルタ65を有する。
アナログフィルタ63は、電流を変換したアナログ信号に含まれる高周波ノイズ成分を減衰させる。
AD変換器64は、アナログフィルタ63によりノイズ成分(高周波成分)が減衰されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
デジタルフィルタ65は、AD変換器64により変換されたデジタル信号に含まれる商用周波数(50Hzまたは60Hz)成分を抽出する。
以上のように、フィルタ部62は、入力変換器61により変換された信号(アナログ信号)から、商用周波数に対応する電流成分Ia,Ib,Icを抽出するバンドパスフィルタとして機能する。
電圧調整器66は、電圧検出器9から入力される電圧をフィルタ部62に対応する電圧(アナログ信号)に調節する。
電圧調整器66からのアナログ信号は、フィルタ部62に入力され、商用周波数に対応する電圧成分(電圧値の時間変化)が抽出される。
ここでは、電圧成分を抽出しているが、後述の第2の実施形態のように、電圧の値自体を問題とせず、位相のみを検出してもよい。
判定部67は、次のように、フィルタ部62により抽出された電流、電圧に基づいて、1次回路2の配線4a〜4cのいずれかが開放状態(1相開放状態)か否かを判定する。判定部67は、ハードウェアのみで実現できるが、ハードウェア(例えば、CPU:中央演算装置)とソフトウェアの組み合わせによっても実現できる。
このソフトウェアは、ストレージ(例えば、ハードディスク装置)や電子媒体(electronic media、例えば、CD−ROM、フラッシュメモリ、リムーバブルメディア:Removable media)に記憶できる。このプログラムをコンピュータにロードすることで、判定部67の機能をコンピュータ上で実現できる。
ネットワークを介して接続したコンピュータにソフトウェアを分散配置してもよい。コンピュータ間の通信によって、判定部67の機能を実現できる。
図2は、判定部67での判定の手順を表すフロー図である。
(1)断路器8の状態確認(ステップS1)
判定部67は、断路器8がOFF状態(開状態、切断状態)か否かを確認する。すなわち、断路器8がOFF状態のときに、1相開放の有無が判定される。
後述のように、2次回路3に電力機器10(負荷)が接続されていると、負荷電流が発生する。このため、2次回路3に電力機器10(負荷)が接続されていると、既存システムでの検知は可能であるが、本実施形態では1相開放の検出が難しくなる。
(2)励磁電流Iの実数部ILrの算出(ステップS2)
判定部67は、フィルタ部62により抽出された電流I(Ia,Ib,Ic)および電圧Vから、配線4a〜4cそれぞれの励磁電流の実数部(実効成分)ILr(IaLr,IbLr,IcLr)に対応する量を算出する。判定部67は、第1〜第3の電流の実効成分に対応する第1〜第3の量を算出する算出部として機能する。なお、この詳細は後述する。
(3)励磁電流の実数部ILrと閾値Aの比較(ステップS3)
励磁電流の実数部ILr(IaLr,IbLr,IcLrの少なくともいずれか)が閾値Aより大きいか否かが判断される。閾値Aは、配線4a、4b、4cが開放状態(少なくとも1相が開放故障)か否かを判定するための基準値である。励磁電流の実数部ILrが閾値Aより小さければ、ステップS1に戻って処理が繰り返される。
(4)警報(ステップS4)
励磁電流の実数部ILrが閾値Aよりより大きい場合、開放状態の配線(この例では配線4b)が存在するとして、配線4bが開放状態であることを示す警報信号が警報出力部68へと出力される。
警報出力部68は、例えば、スピーカやブザー、あるいは表示装置などである。警報出力部68は、判定部67から受信された警報信号により、いずれかの配線が開放状態であることを報知する。例えば、配線4bに断線箇所Pがある場合、配線4bが開放状態であることが警報音や警報表示などで通知される。
(励磁電流の実数部ILrの算出による1相開放の検出の詳細)
以下、励磁電流の実数部ILrによる1相開放の検出の詳細を説明する。先に、配線4a〜4cに流れる電流Ia〜Ic自体の測定による1相開放の検出が困難であることを説明する。
A.電流Ia〜Icの測定による1相開放の検出の困難性
既述のように、配線4a〜4cの電圧によって、1相開放を検出するのは困難である。このため、配線4a〜4cの電流Ia〜Icの測定によって、1相開放を検出することが考えられる。しかし、電流Ia〜Icの大きさのみから1相開放を検出するのも困難である。電流Ia〜Icは、励磁電流以外に充電電流を含むからである。
図3は、変圧器1を含めた1次回路2の等価回路を示す。実際には、1次回路2に3相交流が印加されるが、ここでは1相のみの等価回路を示す。欠相検知システムでは、相毎に励磁電流の有無を判別しているので、各相を別個に取り扱うことができるからである。
配線に流れる電流Iは、充電電流ICSと励磁電流Iを含む。
I=ICS+I
充電電流ICS: 浮遊容量Csによる電流
励磁電流I: 変圧器1を励磁する電流
この状態であれば(配線に断線が無ければ)、図3のように、電流検出器5(CTなど)を変圧器1の近傍に設置することで、励磁電流Iのみを測定できる。
図4は、変圧器1の1次側で断線が生じたときの等価回路を示す。
断線箇所Pが、変圧器1から離れている場合、変圧器1に励磁電流Iは流れない(I=0)。また、断線が生じているので、電源Eから充電電流ICSが供給されることはない(ICS=0)。
しかし、変圧器1は、前述の通り、安定化コイル13を有する。このため、断線した配線に接続される1次コイル11に、正常時とほぼ同じ電圧が誘起される(電圧源Eの存在)。このため、電圧源Eから配線に充電電流ICS2が流れる。この充電電流ICS2は、電圧源Eより供給された進み位相の電流であるが、正常時の励磁電流(電源Eより供給された遅れ位相の励磁電流I)と同位相である。また、例えば、CVケーブルのように浮遊容量Csが大きい場合、充電電流ICS2は無視できない程大きく、断線箇所(事故点)P迄の線路長によっては、励磁電流Iと同程度になり得る。
このように、電流I自体の測定だけで1相開放(断線)を検出することは困難であり、充電電流と分離して、励磁電流を測定することが重要である。
図5は、変圧器1の2次側の浮遊容量Csが大きい(例えば、CVケーブルが用いられている)場合の等価回路を示す。
次のように、この場合も、電流I自体の検出だけで断線を判別することは困難である。
ここでは、2次側に比較的大きな充電電流ICS3が流れる。この充電電流ICS3は、変圧器1の1次側に進み位相の電流ICS31(充電電流ICS3に対して、変圧器1の巻き数比の逆数の電流)を発生させる。この電流ICS31は、変圧器1の励磁電流Iと逆位相であり、両者は打ち消し合う。
また、CVケーブルの長さによっては、電流ICS31と励磁電流Iが同程度となる(電流Iが実質的に0となる)可能性がある。この場合も、電流Iの測定による断線検出は困難となる。
B.励磁電流Iの実数部ILr(IaLr、IbLr、IcLr)による1相開放の検出
本実施形態では、励磁電流Iと充電電流ICSの性質の違いに着目して、充電電流ICSを無視できない場合でも、励磁電流Iを検出できる。
励磁電流Iは、充電電流ICSと異なり、実数部ILrを有する(充電電流ICSは、その殆どが無効電流(虚数部)であり、事実上、実数部を有しない)。すなわち、変圧器1は、インダクタンス成分のみならず、ヒステリシス損、渦電流損に起因する抵抗成分を有する。このため、励磁電流Iの実数部ILrは測定できる程度に大きい。
図6は、励磁電流Iの実数部ILrを考慮した等価回路を示す。
配線に流れる電流Iは、充電電流ICS,励磁電流Iの実数部ILr、虚数部ILiを含む。
I=ICS+I
=ICS+ILr+ILi …式(1)
充電電流ICS: 配線4の浮遊容量Csによる電流
励磁電流の実数部ILr: 1次コイル11の抵抗成分Rによる電流
励磁電流の虚数部ILi: 1次コイル11のインダクタンス成分Lによる電流
判定部67は、励磁電流Iの実数部ILrを算出することにより、高感度に励磁電流Iの有無を判別できる。以下、励磁電流の実数部ILrの算出の詳細を示す。
図7は、電圧V(t),充電電流ICS(t)、励磁電流Iの実数部ILr(t)、虚数部ILi(t)それぞれの波形の一例を表すグラフである。
基本的には、次のように、これらの波形は、三角関数で表すことができる。
V(t) =21/2・Ve・sin((2π/T)・t)
CS(t)=21/2・ICSe・sin((2π/T)・t+π/2)
Lr(t)=21/2・ILre・sin((2π/T)・t)
Li(t)=21/2・ILie・sin((2π/T)・t+3π/2)
…式(2)
Ve: 電圧Vの平均(実効)値(平均(実効)電圧)
CSe: 充電電流ICSの平均値(実効値)
Lre: 励磁電流Iの実数部ILrの平均値(実効値)
Lie: 励磁電流Iの虚数部ILiの平均値(実効値)
T: 交流の周期(T=1/f、f:周波数)
励磁電流Iの実数部ILrの算出には、種々の手法を用いることができる。
例えば、次のように、有効電力Peは、励磁電流の実数部ILrと対応する。
Pe=∫ I(t)・V(t)dt/T
=∫ (ICS(t)+ILr(t)+ILi(t))・V(t)dt/T
=∫ Lr(t)・V(t)dt/T
=ILre・Ve
=ILr/R …式(3)
dt: 時間tが0〜Tまでの積分
R: 1次コイル11の抵抗成分
式(1)に示すように、励磁電流の虚数部ILi(t)と充電電流ICS(t)の波形は、電圧V(t)の波形と位相が90°(π/2)(あるいは270°(3π/2))異なるため、電圧Vと乗算して積分すると0になる。
1次コイル11の抵抗成分Rが判れば、励磁電流の実数部ILr自体を算出できるが、必ずしもその必要はなく、有効電力Peを算出すれば足りる。
ここでは、配線4cの電圧Vcを測定している。このため、配線4cでの有効電力Pceは測定された電圧Vcを用いて算出できる。
Pce=∫ Ic(t)・Vc(t)dt/T …式(4)
一方、配線4a,4bでの有効電力Pae,Pbeについては、配線4cの電圧Vcを例えば、120°、240°進めた電圧Va,Vbを用いて算出する。
Pae=∫ Ia(t)・Va(t)dt/T
=∫ Ia(t)・Vc(t+T/3)dt/T
Pbe=∫ Ia(t)・Vb(t)dt/T
=∫ Ia(t)・Vc(t+2T/3)dt/T …式(5)
Va(t): 電圧Vcから位相を120°(2π/3)進めた電圧
Vb(t): 電圧Vcから位相を240°(4π/3)進めた電圧
この演算は、変圧器1に負荷電流が流れないことを前提としている。
変圧器1に電力機器10(負荷)が接続されると、2次コイル12に負荷電流I2が流れ、これに伴い1次コイル11に負荷電流I1が流れる。負荷電流I1は、有効電力となる大きな有効電流成分を有する。このため、負荷電流が大きい場合には、有効電力Peの演算による欠相検知は困難となる。
このため、既述のように、断路器8がON状態の場合、判定部67での判定処理を中止する。
なお、断路器8のON/OFF信号に換えて、遮断器のON/OFF信号を用いてもよい。発電所の運用実態に合わせて、負荷の有無を判断することができる。
(第2の実施形態)
図8は第2実施形態に係る欠相検知システムを示す図である。この欠相検知システムでは、欠相検知装置6は、位相検出部69を有する。
電圧調整器66からのアナログ信号は、フィルタ部62ではなく、位相検出部69に入力され、位相検出部69によって、電圧V(t)の位相が検出される。例えば、電圧(アナログ信号)がゼロとなるタイミング(ゼロクロス点)が検出される。電圧が負から正となるゼロクロス点は、位相が0°(ゼロ)となるタイミングに、電圧が正から負となるゼロクロス点は、位相が180°(π)となるタイミングに対応する。ゼロクロス点に換えて、電圧のピーク(正のピーク:電圧の位相が90°(π/2)、負のピーク:270°(3π/2))を検出してもよい。
既述のように、有効電力Peの演算によって、電流Ia〜Icの励磁電流の実数部ILrの大きさを算出できる。しかし、1相欠落の検出には、この実数部ILr自体の値そのものではなく、実数部ILrの相対的な大きさが判ればよい。
すなわち、測定された電圧V(t)に換えて、例えば、測定された位相αに対応するsin波形の電圧Vs(t)を用いて、有効電力Pe(励磁電流の実数部ILr)に対応する量Psを算出する。これを基準値(閾値)と比較することで、1相欠落を検出できる。
Ps=∫ I(t)・Vs(t)dt/T
=∫ I(t)・sin(2πt/T+α)dt …式(6)
以上のように、上記実施形態では、1次回路2側の配線4a〜4cの電流の実効成分(実数部)に対応する第1〜第3の量を算出する。この結果、例えば、地絡や短絡以外の原因によって、配線4a〜4cのいずれかへの電力の供給が停止していること(1相開放)を効果的に検出できる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが,これらの実施形態は,例として提示したものであり,発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は,その他の様々な形態で実施されることが可能であり,発明の要旨を逸脱しない範囲で,種々の省略,置き換え,変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は,発明の範囲や要旨に含まれるとともに,特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1 変圧器
2 1次回路
3 2次回路
4a−4c 配線
5 電流検出器
6 欠相検知装置
8 断路器
9 電圧検出器
10 電力機器
11 1次コイル
12 2次コイル
13 安定化コイル
61 入力変換器
62 フィルタ部
63 アナログフィルタ
64 AD変換器
65 デジタルフィルタ
66 電圧調整器
67 判定部
68 警報出力部
69 位相検出部

Claims (8)

  1. 互いに磁気的に結合される1次回路および2次回路を有する3相静止誘導電気機器の、前記1次回路に接続される第1〜第3の配線を流れる第1〜第3の電流を検出する第1〜第3の電流検出器と、
    前記第1〜第3の電流の実効成分に対応する第1〜第3の量を算出する算出部と、
    前記第1〜第3の量に基づいて、前記第1〜第3の配線いずれかが開放状態か否かを判定する判定部とを具備し
    前記判定部は、前記2次回路に負荷電流が流れていないときに前記第1〜第3の配線が開放状態か否かを判定する
    欠相検知装置。
  2. 前記1次回路または前記2次回路の一の配線または一の配線間の電圧を検出する電圧検出部をさらに具備し、
    前記算出部は、前記電圧および前記第1〜第3の電流に基づいて、前記第1〜第3の量を算出する、
    請求項1に記載の欠相検知装置。
  3. 前記第1〜第3の量が、前記第1〜第3の配線での実効電力に対応する
    請求項2に記載の欠相検知装置。
  4. 前記1次回路または前記2次回路の一の配線または一の配線間の電圧の位相を検出する電圧検出部をさらに具備し、
    前記算出部は、前記位相および前記第1〜第3の電流に基づいて、前記第1〜第3の量を算出する、
    請求項1に記載の欠相検知装置。
  5. 前記2次回路に接続される断路器または遮断器の開閉状態を検出する検出器をさらに具備し、
    前記判定部は、前記断路器または前記遮断器が開状態のときに、前記第1〜第3の配線が開放状態か否かを判定する
    請求項1に記載の欠相検知装置。
  6. 前記判定部が前記第1〜第3の配線いずれかが開放状態と判定したときに、警告を発する警告部をさらに具備する
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の欠相検知装置。
  7. 互いに磁気的に結合される1次回路および2次回路を有する3相静止誘導電気機器と、
    請求項1乃至5のいずれか1項に記載の欠相検知装置と、
    を具備する欠相検知システム。
  8. 互いに磁気的に結合される1次回路および2次回路を有する3相静止誘導電気機器の、前記1次回路に接続される第1〜第3の配線を流れる第1〜第3の電流を検出する工程と、
    前記第1〜第3の電流の実効成分に対応する第1〜第3の量を算出する工程と、
    前記第1〜第3の量に基づいて、前記第1〜第3の配線いずれかが開放状態か否かを判定する工程とを具備し
    前記判定する工程は、前記2次回路に負荷電流が流れていないときに前記第1〜第3の配線が開放状態か否かを判定する
    欠相検知方法。
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