JP6928364B2 - 導電糸、伸縮性配線、センサーシステム及びウェアラブルデバイス - Google Patents

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Description

本発明は、導電糸、伸縮性配線、センサーシステム及びウェアラブルデバイスに関する。
近年、伸縮性の配線とセンサーからなる伸縮性エレクトロニクスの研究・開発が進められている。例えば、伸縮性エレクトロニクスを衣服等に形成することで、着用者の動きや、脈拍等の生体情報を得られるウェアラブルデバイスとして活用することが可能になり、注目を集めている。
このような伸縮性配線を形成する方法としては、例えば伸縮性基材に導電性インクを直接印刷する方法(特許文献1参照)や、伸縮性基材に導電糸を縫いこみ、又は編みこむ方法(特許文献2参照)が提案されている。また、特許文献3において、配線の導電率を改良する方法として、インタラクティブなテキスタイルに使用可能な導電糸として、導電性コアとして銅線を用い、伸縮性糸と撚ることで導電率と強度を向上した導電糸が提案されている。また、その銅線は絶縁層により被覆されたものとされてないものの両方が提案されている。
特開2016−130940号公報 特表2008−504856号公報 米国特許公開2016/0284436号公報
しかしながら、これらの形成方法は、導電性、抵抗安定性、耐久性、及び絶縁性のバランスが悪く、改良が求められていた。
具体的には、例えば特許文献1では、導電性インクを基材に印刷することで伸縮性配線を形成しているが、導電性インクは、導電粒子が、樹脂バインダ等の絶縁体中に拡散した構造であるため、通常の配線よりも抵抗が高くなってしまう。また、伸長した際の抵抗変化率も高く、測定性能が安定しない。さらに、印刷の性質上、基材の伸縮に伴う導電性インクの剥離が生じやすく、耐久性も十分ではない。
他方、特許文献2では、導電性の糸を布帛に縫込むことで伸縮性配線を形成している。この方法によれば、導電性や、伸長時の抵抗変化の安定性、耐久性等は比較的高い水準を確保できるが、縫込まれた導電糸の上下(布帛の表裏方向)は絶縁できても、左右方向(布帛の表面に平行方向)を絶縁することが困難である。従って、水中での使用や、汗等による配線の短絡が生じてしまい、用途が限られてしまう。
また、従来の導電糸は、ポリウレタン糸等の表面に金属めっきを施したものが一般的に使用されていた。これらの導電糸は、耐久性が高く、形状変化に対する追従性も高い。しかしその一方で、その構造の特性上導電性が十分でなかった。特に、I2C(Inter−Integrated Circuit)方式等の、アドレスを指定してデータの高速送受信を行うことが求められるデジタルセンサーに用いるには、導電率とその安定性が不十分であった。
また、特許文献3に記載されているような、銅線を絶縁層で被覆する方法は、前述の配線の短絡は改良できる。しかしながら、絶縁層で被覆された銅線同士が接触しても電気が流れないため、例えば複数の銅線を撚った導電糸であっても一本の銅線の一か所が切断するだけで大幅に導電率が低下するという問題があった。また、電子部品の端子に接続する際に絶縁層を除去しなければならないという問題もあった。さらに、長期間の利用によって被覆層が擦過によって摩耗消失してしまう懸念もあった。一方、被覆していない銅線をこの方法で導電糸にした場合、銅線自身が被覆層による機械的な補強を受けていないため、導電糸がミシンで縫製できなかった。
本発明の目的は、上記のような問題点に鑑み、導電性、抵抗安定性、耐久性、及び絶縁性のいずれにおいても高い水準を保ち、実用化可能な導電糸、並びにこれを用いた、伸縮性配線、センサーシステム及びウェアラブルデバイスを提供することである。
(1)上記課題を解決するために、本発明の一実施形態に係る導電糸は、導電性を有するZ撚りの導電糸であって、導電糸は、第1方向に片撚りされた複数本の糸を含む。第1方向に片撚りされた複数本の糸のうち少なくとも一本が、その外周面に金属が露出した直径0.01〜0.20mmの金属線による撚り数が100〜450T/mの片撚糸であり、他の少なくとも一本の第1方向に片撚りされた糸又は少なくとも1本の第2方向に片撚りされた糸が天然繊維または化学繊維による撚り数が200〜1000T/mで10〜150デニールの片撚糸であることを特徴とする。
(2)また、他の実施形態に係る導電糸は、(1)において、金属線は、銅線であることが好ましい。
(3)また、他の実施形態に係る導電糸は、(1)又は(2)において、導電糸の外周面を、天然繊維または化学繊維による撚糸を用いてZ撚りでカバーリングした導電糸であることが好ましい。
(4)また、他の実施形態に係る導電糸は、(1)乃至(3)のいずれかにおいて、第1方向とは逆の第2方向に片撚りされた少なくとも1本の糸をさらに含むことが好ましい。
(5)また、他の実施形態に係る導電糸は、(4)において、第2方向に片撚りされた糸は、天然繊維または化学繊維による片撚糸であることが好ましい。
(6)また、他の実施形態に係る導電糸は、(1)乃至(3)のいずれかにおいて、導電糸に膨れる片撚りされた糸が、全て第1方向に片撚りされた糸であることが好ましい。
(7)本発明の他の一実施形態に係る伸縮性配線は、(1)乃至(6)のいずれかに騎士あの導電糸を伸縮性基材に敷設した伸縮性配線であって、導電糸の経路が伸縮性基材の面内で波形状になるようにしていることを特徴とする。
(8)また、他の実施形態に係る伸縮性配線は、(7)において、伸縮性配線の50%伸長時の抵抗変化率が、5%以下であることが好ましい。
(9)本発明の他の一実施形態に係るセンサーシステムは、伸縮性配線が布体上に接着されたウェアラブルデバイス上に設けられ、伸縮性配線と接続された複数のセンサーと、コネクタ部を有し、当該コネクタ部を介して伸縮性配線と電気的に接続され、複数のセンサーを一括で制御するコントローラーと、を備える。伸縮性配線は、導電糸が縫込まれた伸縮性を有する基材と、当該基材の布体側の面を覆う第1絶縁層と、を含み、基材の、布体と反対側の面は第2絶縁層で覆われ、導電糸は、第1方向に片撚りされた複数本の糸を含む。そして、第1方向に片撚りされた複数本の糸のうち少なくとも一本が、その外周面に金属が露出した直径0.01〜0.20mmの金属線による撚り数が100〜450T/mの片撚糸であり、他の少なくとも一本の第1方向に片撚りされた糸が天然繊維または化学繊維による撚り数が200〜1000T/mで10〜150デニールの片撚糸であることを特徴とする。
(10)また、他の実施形態に係るセンサーシステムは、(9)において、コントローラーは、着脱可能な電源を有するとともに、1つのウェアラブルデバイスに対して1つ設けられていることが好ましい。
(11)また、他の実施形態に係るセンサーシステムは、(9)又は(10)において、センサーは、1つの伸縮性配線に対し複数設けられていることが好ましい。
(12)また、他の実施形態に係るセンサーシステムは、(9)乃至(11)のいずれかにおいて、コントローラーは、複数のコネクタ部を有し、当該複数のコネクタ部のそれぞれは、複数の伸縮性配線と接続されることが好ましい。
(13)また、他の実施形態に係るセンサーシステムは、(9)乃至(12)のいずれかにおいて、金属線は、銅線であることが好ましい。
(14)また、他の実施形態に係るセンサーシステムは、(9)乃至(13)のいずれかにおいて、伸縮性配線の50%伸長時の抵抗変化率が、5%以下であることが好ましい。
(15)また、他の実施形態に係るセンサーシステムは、(9)乃至(14)のいずれかにおいて、伸縮性配線が、静電容量10pF〜100μFのコンデンサを内蔵したデジタルセンサーを搭載した基板に接続されていることが好ましい。
(16)本発明の他の一実施形態に係るウェアラブルデバイスは、伸縮性配線が布体上に接着されたウェアラブルデバイスである。伸縮性配線は、Z撚りの導電糸が敷設された伸縮性基材と、当該基材の布体側の面を覆う第1絶縁層を含み、基材の、布体と反対側の面は第2絶縁層で覆われ、導電糸は、第1方向に片撚りされた複数本の糸を含む。そして、第1方向に片撚りされた複数本の糸のうち少なくとも一本が、その外周面に金属が露出した直径0.01〜0.20mmの金属線による撚り数が100〜450T/mの片撚糸であり、他の少なくとも一本の第1方向に片撚りされた糸が天然繊維または化学繊維による撚り数が200〜1000T/mで10〜150デニールの片撚糸であることを特徴とする。
(17)また、他の実施形態に係るウェアラブルデバイスは、(16)において、金属線は、銅線であることが好ましい。
(18)また、他の実施形態に係るウェアラブルデバイスは、(16)又は(17)において、導電糸の外周面を、天然繊維または化学繊維による撚糸を用いてZ撚りで被覆したことが好ましい。
(19)また、他の実施形態に係るウェアラブルデバイスは、(16)乃至(18)のいずれかにおいて、伸縮性配線は、導電糸が伸縮性基材の面内で波形状になるように構成されることが好ましい。
(20)また、他の実施形態に係るウェアラブルデバイスは、(19)において、伸縮性配線の50%伸長時の抵抗変化率が5%以下であることが好ましい。
(21)また、他の実施形態に係るウェアラブルデバイスは、(16)乃至(20)のいずれかにおいて、伸縮性配線が、静電容量10μF〜100μFのコンデンサを内蔵したデジタルセンサーを搭載した基板に接続されていることが好ましい。
本発明の上記構成によれば、導電性、抵抗安定性、耐久性、及び絶縁性のいずれにおいても高い水準を保ち、実用化可能な導電糸、並びにこれを用いた、伸縮性配線、センサーシステム及びウェアラブルデバイスを提供することが可能になる。
本発明の一実施形態に係るセンサーシステムの概略平面図である。 図1におけるA−A線断面図である。 図1におけるB−B線断面図である。 本発明の一実施形態に係る導電糸を説明する図であり、金属糸33aと非金属糸33bとがZ撚りされている構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る導電糸を説明する図であり、種々の撚糸の構成の一例を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係るセンサーシステムに用いるコントローラーの構成を示すブロック図である。 同コントローラーの内部構造を示す平面図である。
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態に係る導電糸、伸縮性配線、センサーシステム及びウェアラブルデバイスについて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るウェアラブルデバイス100の構成を示す平面模式図である。ウェアラブルデバイス100は、その表面に配線3が設けられた伸縮性基材1と、伸縮性基材1上に複数設置されたセンサー2と、複数のセンサー2を一括で制御するコントローラー4とを有する。配線3は、センサー2とコントローラー4とを電気的に接続している。なお、配線3及びセンサー2の上面は保護層35によって覆われているが、図1においては保護層35の図示は省略している。なお、本実施の形態においては伸縮性基材1として、衣服等を構成する布体の場合を説明する。伸縮性基材としては、布体以外としては伸縮性フィルム等を使用可能である。
本明細書において「布体」は、着用可能な衣服類のことを指す。具体的には、上半身に身に着けるもの(長袖、七分丈、半袖、ノースリーブ、タンクトップなど)や、下半身に身に着けるもの(ロング丈、くるぶし丈、七分丈、膝丈など)や、上半身及び下半身一体型のもの(ワンピース、レオタードなど)や、体の一部に身につけるもの(アームバンド、リストバンド、ニーバンド、帽子など)を含む。
これらの衣服類は、衣服類に通常使用される種々の材料から構成され得る。例えば、綿、麻、毛等の天然繊維、ポリエステル、ナイロン、アクリル等の化学繊維、又はこれらの材料を混合した繊維等を用いることができる。ただし、衣服の着用者の動作を感度良く検知するために、衣服を構成する伸縮性基材1は、できるだけ着用者と密着させることが好ましい。従って、伸縮性基材1は、例えばポリウレタン等の弾性繊維を使用した、大きな伸縮性を有するストレッチ素材からなることが好ましい。
伸縮性基材1上には、複数のセンサー2が配置されている。センサー2は、肩、肘、背中、胴などに対応する伸縮性基材1上の位置に配置され、着用者の動作を感知する。センサー2の個数としては、ウェアラブルデバイス100の使用目的に応じて適切な個数や位置が選択される。
センサー2には、例えばフォトダイオード、温度センサー、歪みセンサー、圧力センサーや加速度センサー等を用いることができる。また場所毎に異なる任意のセンサー2を用いてもよい。
センサー2は、物理量の変化に応じてセンサー2を流れる電流、センサー2に印加される電圧、センサー2の抵抗及び/またはセンサー2の容量が変化するものであれば特に制限はされないが、回路の簡便さなどから物理量によって抵抗が変化し、センサー2の両端に印加される電圧が変化する可変抵抗型センサーが望ましい。また、高速度通信に対する要請から、デジタルセンサーを用いることが好ましい。物理量としては、音、光、温度、圧力、歪みからなる群の少なくとも1つを好適に用いることができる。この際、センサー2の抵抗値は配線3の抵抗値の50倍以上であることが好ましい。
また、センサー2には、インクを用いたセンサーを用いることが好ましい。インクを用いたセンサーとは、導電性粒子をエラストマーの溶液もしくは分散物に混合したインクを用いて作製されたセンサーである。このインクを印刷、乾燥することにより、導電性粒子がエラストマーのフィルムにランダムに分散したセンサーが得られる。このセンサーは、引っ張りや圧縮、温度変化による熱膨張・収縮によって導電性粒子間距離が変化することにより、センサー両端の抵抗が変化する。インクを用いたセンサーは非常に薄く、測定対象に対する追従性が高い。そのため、正確かつ安定的な測定を行うことができる。
複数のセンサー2間は、配線3によって接続されている。配線3は後述するように、導電糸が伸縮性基材に縫込まれてなる配線層、及び伸縮性基材1と配線層との間に設けられる短絡防止層を含む。
センサー2と接続された配線3は、コントローラー4と接続される。コントローラー4は、後述するように、配線3と接続されるコネクタ部、及び種々の回路が実装された回路基板を有する。これらの回路の機能により、コントローラー4は、センサー2で感知した情報を集約し、外部に送信したり、記録媒体に記録させたりする。なお、図1においては、1本の配線3は、2つのセンサー2と1つのコントローラー4との間を接続しているが、1本の配線3で1つのセンサー2をコントローラー4と接続させることも可能であり、また、1本の配線3で3つ以上のセンサー2をコントローラー4と接続させてもよい。ただし、後述するように、充電等の手間や重量等の関係から、コントローラー4の個数は1つであることが好ましい。
図2及び図3は、それぞれ図1に示すウェアラブルデバイス100のA−A’線及びB−B’線に沿った、センサー2を含む部分の断面図の一例である。図2及び図3に示すように、配線3は、伸縮性基材1上に設けられた、短絡防止層31及び配線層34の積層構造を含む。また、本実施の形態においては、センサー2は、配線層34上に設けられる。さらに、配線層34の上面及びセンサー2の上面を覆うように保護層35が設けられる。なお、図2及び図3においては、伸縮性基材1と短絡防止層31、短絡防止層31と配線層34、及び配線層34とセンサー2とは、各層の積層構造等の理解の助けのために一部離して図示しているが、実際はそれぞれ接触している。
配線層34は、伸縮性フィルム32、及び伸縮性フィルム32にジグザグ状に縫い付けられた導電糸33からなる。伸縮性フィルム32は、接着層32a及び絶縁層32bからなる。接着層32aは、熱可塑性接着層であることが好ましく、熱可塑性接着層としては、公知のホットメルトフィルム等が挙げられるが、伸縮性を有するホットメルトフィルムであることが好ましい。これにより、伸縮性基材1を伸縮させたときの、配線層34の伸縮性基材1に対する追随性が向上する。伸縮性を有するホットメルトとしては、ポリウレタンを主成分とするホットメルト等が挙げられる。また、絶縁層32bは、ポリウレタンフィルム等の、伸縮性及び絶縁性を有するフィルムを用いることができる。
前述のように、本実施の形態においては、伸縮性フィルム32には、導電糸33がジグザグ状に縫い付けられている。ここで、本実施の形態において「ジグザグ状」とは、図5及び図6に示すように、伸縮性フィルム32の、センサー2側の面及び短絡防止層31側の面の双方に交互に向かうように導電糸33が配されることを指す。また、本実施の形態においては導電糸33が縫い付けられている場合を説明しているが、これ以外にも、刺繍、ニット編み、又は織りのいずれかの方法によってジグザグ状に配されてもよい。
また、導電糸33は、伸縮性フィルム32の少なくともセンサー2側の面から露出している。この構成により、導電糸33とセンサー2との間の電気的接続を得ることができる。なお、本実施の形態においては、導電糸33は、伸縮性フィルム32の短絡防止層31側の面からも露出しているが、こちらの面に関しては必ずしも導電糸33を露出させる必要はない。
ここで、本実施の形態においては、導電糸33として、絶縁層による被覆のない金属線を用いた撚糸を採用している。換言すれば、導電糸33に用いる金属線は、その外周面に金属が露出している。導電糸33としてこのような撚糸を用いることにより、従来用いていた、化合繊維等の表面に、銀等の金属をめっきすることで導電性を付与した糸と比べて、2桁程度のオーダーでの低抵抗化を実現することができる。また、被覆金属線と比べて、部分的な破断による大幅な導電率低下を防ぐことができる。導電糸33の撚糸の具体的な構成については後述する。
また、導電糸33は、伸縮性フィルム32の表面と平行な方向(紙面と垂直な方向)から見て波形状になるように形成することが好ましい。導電糸33を波形状に形成することで、伸縮性フィルム32が水平方向に伸張する際に、導電糸33が波形状から直線状に近づく向きに変形する(伸びる)マージンを大きく確保することができるため、伸縮性フィルム32の伸張に対する追従性を高めることができる。また、導電糸33は、波形状以外にも、蛇行、ジグザク、馬蹄形等、種々の形状をとることができる。
上記のように、接着層32a及び絶縁層32bを伸縮性の層とすることで、伸縮性フィルム32が伸縮可能になる。さらに、導電糸33を伸縮性フィルム32に波形状に縫込むことにより、配線層34が高い伸縮性を有することになる。これにより、着用者が運動することにより生じる伸び、曲げ等の変形に対して追従可能なウェアラブルデバイス1を得ることができる。ここで、配線層34の伸縮性は、初期状態に対して許容される形状変化量が30%以上あることが好ましく、50%以上あることがより好ましく、100%以上あることが特に好ましい。ここで、「許容される形状変化量」とは、形状変化の前後で、配線特性がウェアラブルデバイスの要求するスペックの範囲内に収まるような伸縮量の範囲を指す。さらに、伸縮性基材1の伸縮性及び/又はセンサー2の伸縮性との差が、一定以上ある場合には、それぞれの伸張が妨げられたり、センサーの感知感度が低下してしまったりするため、これらの伸縮性の差異は一定の範囲内にあることが好ましい。
伸縮性フィルム32の厚みは特に限定されるものではないが、5μm〜300μmであることが好ましく、10μm〜100μmであることがより好ましい。伸縮性フィルム32の厚みがこの範囲であれば、高い伸縮性と強度を両立することができる。
なお、伸縮性フィルム32は、上記態様に限られない。例えば、伸縮性フィルム32がポリウレタンフィルムからなる絶縁層32bのみからなってもよいし、絶縁層32bの両面に接着層が形成されていてもよい。また、伸縮性フィルム32が、接着層32aのみからなっていてもよい。
また、図2及び図3においては、配線層34とセンサー2とは直接接触しており、なおかつ導電糸33は配線層34のセンサー2側の面に露出しているためセンサー2と導電糸33とは直接接触している。しかし、センサー2と導電糸33とが接触している部分に対し、導電性の金属粒子を含む導電性のホットメルトを付加してもよい。これにより、センサー2と導電糸33との間の電気的な接続を強化し、接触抵抗を低下させることができる。導電性のホットメルトで用いる導電性の金属微粒子としては、銀、金、銅、白金、アルミニウムが好ましく、銀、金、銅がより好ましく、銀が最も好ましい。また、フレーク状の金属微粒子を用いることで、少ない含有量で高い導電性を付与することができる。前記導電性のホットメルトはポリウレタンを主成分とするホットメルトを含むことが好ましい。これにより、伸縮性基材1の伸縮時にかかる歪みでセンサー2もしくは導電糸33からホットメルトが剥離することを抑制することができる。
本実施の形態においては、配線層34と伸縮性基材1との間には、短絡防止層31が設けられている。短絡防止層31は、配線層34側から、接着層31a、絶縁層31b、及び接着層31cが積層された構成を有する。短絡防止層31は、配線層34の、伸縮性基材1側の面を絶縁保護することを目的として設けられるものであり、少なくとも絶縁性を有している。
短絡防止層31の絶縁性を担保する絶縁層31bは、絶縁性のフィルム等からなる。絶縁層31bを設けることにより、配線層34の、伸縮性基材1側の面から露出する導電糸33を包埋することができ、配線層34の伸縮性基材1側の絶縁性を確保することができる。これにより、ウェアラブルデバイス1が、汗等により短絡することを抑制することができる。また、水中等での使用も可能になる。さらに、短絡防止層31を有することで、配線3全体の強度をより高めることができる。絶縁層31bを構成する絶縁性フィルムとしては、例えばポリウレタンフィルムを用いることが好ましい。これにより、高い絶縁性を確保できるとともに、伸縮性基材1を伸縮させたときの短絡防止層31の追随性が向上する。
また、短絡防止層31は、絶縁層31bの両面に設けられた接着層31a及び31cを有する。接着層31a及び31cを設けることにより、短絡防止層31は、伸縮性基材1と配線層34とを接着する機能も有する。
接着層31a及び31cには熱可塑性接着層を用いることが好ましい。熱可塑性接着層としては、公知のホットメルトフィルム等が挙げられるが、伸縮性を有するホットメルトフィルムであることが好ましい。伸縮性を有するホットメルトフィルムとしては、ポリウレタンを主成分とするホットメルトフィルム等が挙げられる。これにより、伸縮性基材1を伸縮させたときの追随性が向上するとともに、伸縮性基材1と配線層34とを強固に接着することができる。さらに、この構成により、伸縮性基材1と配線層34とが強固に接着されるため、洗濯等の、水を用いた処理を行った際でも、短絡防止層31が伸縮性基材1から剥離することを防止することができる。
なお、図2及び図3においては、配線層34において、導電糸33が、伸縮性フィルム32の伸縮性基材1側の面から露出している場合を図示しているが、上述のように、導電糸33は、伸縮性フィルム32の伸縮性基材1側の面から露出しない場合もある。そのような場合には、伸縮性フィルム32の伸縮性基材1側の面は、絶縁性のフィルムからなる絶縁層32bであり、既に絶縁性が確保される。従って、この場合の短絡防止層31は、絶縁層31bを設けずに接着層のみからなる構造とすることができる。そして、短絡防止層31は、伸縮性基材1と配線層34とを接着させる機能を有する。
短絡防止層31の厚みは特に限定されるものではないが、10μm〜800μmであることが好ましく、30μm〜300μmであることがより好ましい。短絡防止層31の各構成としては、絶縁層31bの厚みが5μm〜300μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。絶縁層31bの厚みがこの範囲であれば、高い伸縮性と強度を維持することができる。接着層31a及び31cの厚みは、10μm〜200μmであることが好ましく、30μm〜100μmであることがより好ましい。特に、接着層31cの厚みがこの範囲であれば、伸縮性基材1と配線層34との間の接着強度を十分に確保することが可能になる。
短絡防止層31は、上記構成以外にも、種々の構成をとることができる。例えば、種類の異なる複数の絶縁層を設けてもよい。
上記で説明した短絡防止層31及び配線層34の積層構造によって配線3が構成される。配線3の電気抵抗は、0.005〜0.5(Ω/cm)であることが好ましく、0.005〜0.2(Ω/cm)であることがさらに好ましく、また0.005〜0.1(Ω/cm)であることがさらに好ましい。そして、この配線3を初期状態から50%伸長した際の抵抗変化率が、伸長する前の抵抗に対して5%以下であることが好ましい。
配線層3の上層部分である配線層34の上面には、センサー2が配置され、さらにその上面に保護層35が設けられる。保護層35の、センサー2と反対側の面は、ウェアラブルデバイス100の使用態様時における最上面になる。すなわち、配線層34及びセンサー2を保護層35で覆うことで、センサー2及び配線層34の表面を、外気から遮断することができる。本実施の形態においては、保護層35は絶縁性を有しており、その結果、ウェアラブルデバイス100の使用時における汗等による侵食からセンサー2及び配線3を保護することができる。また水中等での使用も可能となる。
保護層35は、上述のようにウェアラブルデバイスとして使用する際の最上面となる部分である。そのため、保護層35は、絶縁性と共に、伸縮性を有していることが好ましい。具体的には、保護層35は、例えばポリウレタンからなる層であることが好ましい。
保護層35の厚みは、5μm〜300μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。保護層35の厚みがこの範囲であれば、高い伸縮性と強度を維持することができる。
図3に示すように、保護層35及び配線3(短絡防止層31及び配線層34)は、センサー2の上面を覆う必要最低限の部分のみに設けられていることが好ましい。この構成により、伸縮性基材1上に何も付設されていない空間5が形成される。空間5があることで、ウェアラブルデバイス1の通気性及びフレキシブル性をより高めることができる。
ここで、センサー2の上面を覆う必要最低限部の部分とは、平面視でセンサー2及び配線3の外周から0.1mm〜100mmの範囲であることが好ましく、0.5mm〜5mmであることがより好ましい。センサー2の上面を覆う部分が大きすぎると不要部が多くなり、ウェアラブルデバイス1の通気性が阻害される。これに対しセンサー2の上面を覆う部分が狭すぎると、センサー2及び配線3との間の段差によってセンサー2及び配線3の一部が外部に露出する可能性が高まり、短絡の可能性が高まる。
次に、本発明の一実施形態に係る導電糸33について図4Aを用いて説明する。本実施の形態において用いる導電糸33は、図4Aに示すように、少なくとも片撚りの金属糸33aと、一般的に用いられる片撚りの非金属糸33b(天然繊維や化学繊維)等を撚り合わせてなる。金属糸33a及び非金属糸33bの撚りの方向は、Z撚りまたはS撚りのいずれでもよく、これら2本の糸の撚りの方向は同じでも、反対でも構わない。導電糸33としては片撚りの糸同士を撚った諸撚りだけでなく、片撚糸と撚ってない糸とを組み合わせた壁撚りの糸や、最外層に糸を巻きつけたカバーリング糸、あるいは繰り返し撚りを行った糸でもよい。また、この導電糸33の最後の撚りとなる最外層はZ撚りであることが好ましい。これは、導電糸33は、ウェアラブルデバイス1に用いる際に、ミシンを用いて縫製することが多いためである。なお、図4Aにおいては、説明のために、導電糸33に含まれる糸のうち、金属糸33aと非金属糸33bのみ図示しているが、後に図4Bを用いて説明するように、導電糸33は、3本以上の糸を撚り合わせて形成される場合もある。
導電糸として、従来のように、非金属糸の表面に金属めっきしたものを用いた場合、導電糸の中で、導電性を有する部分は、導電糸の表面を覆う金属めっきの部分のみとなる。すなわち、導電糸の断面積の大部分を、抵抗率の非常に高い非金属糸が占めることとなるため、導電糸全体としての抵抗率も高くなってしまう。一方、本実施の形態のように、導電糸33として金属糸33aと非金属糸33bとを撚り合わせたものを用いると、金属糸33aの太さと非金属糸33bの断面積が同程度であると仮定した場合、導電糸33の断面積の半分程度を、金属糸33aが占めることになり、抵抗率が非常に低くなる。従って、配線を流れる信号の伝送速度が飛躍的に向上し、良質な配線を得ることが可能になる。当然、金属糸33a自体の比抵抗も、十分に低い範囲であることが求められる。
また、導電糸33は、伸縮性配線32の伸縮に伴って伸縮するが、伸縮性基材1が大きく伸長した際に、導電糸33を構成する金属糸33aが破断してしまうと、配線としての機能が牛慣れてしまう。従って、伸縮性配線32の伸長時において金属糸33aが破断しないようにしなければならない。具体的には、金属糸33aの破断伸びが一定以上の値を示すことが必要である。破断伸びとは、ある金属材料の引張試験に際し、試験片の破断後の永久伸びを原評点距離に対して百分率で表した値である。また、金属糸33aの撚り数は、100〜450T/mであることが好ましい。
また、導電糸33は、上述のように伸縮性フィルム32に縫込まれる。ここで、伸縮性フィルム32を、一般的に用いられるミシン針のような太い針を用いてミシンで縫製すると、針が開ける穴が大きくなってしまい破れてしまう虞がある。従って、導電糸33自体は、伸縮性フィルム32が破れない程度に細くすることが必要である。具体的には、非金属糸33bが、200〜1000T/mの撚り数且つ10〜150デニールの細さを有し、且つ十分な強度を有することが好ましい。
上記のように、導電糸33に用いる金属糸33aとしては、少なくとも導電率(比抵抗)が一定の条件を満たすことが要求される。更にその上で、加工難度やコスト、耐久性等種々の条件を勘案して選択される。配線として使用され得る各種金属の比抵抗の値を表1に示す。表中の評価とは、それぞれの金属が、配線として使用に適した比抵抗を有しているか否かを示したものであり、「優」が使用に非常に適していること、「良」が使用に適していること、「可」が使用にやや適していること、「不可」が使用に不適であることを示している。
Figure 0006928364
上記の表に示したように金属糸33aを構成する金属線としては、アルミニウム、胴、銀、タングステン、又は金である。さらに、上述した加工難度やコスト、耐久性等の要素を総合すると、銅を用いることが特に好ましい。また、これらの合金を用いることも可能である。合金を用いる場合には、比抵抗が、上記の「可」の範囲内であることが好ましく、「良」の範囲内であることがより好ましく、「優」の範囲内であることが最も好ましい。具体的には、比抵抗は、5.00(×10−6Ω・cm)以下であることが好ましく、3.00(10−6Ω・cm)以下であることが更に好ましく、2.00(×10−6Ω・cm)であることが最も好ましい。なお、合金の具体例としては、例えばベリリウム銅、ジルコニウム銅、真鍮、青銅、りん青銅、チタン銅、白銅などがある。また、これらの金属線にメッキを施すことも可能である。メッキに用いる金属の具体例としては、スズ、亜鉛、銅、銀、ニッケル、アルミ、チタン、白金、金およびこれらの合金などがある。
また、金属糸33aを構成する金属線の太さは、0.01〜0.20(mm)であることが好ましく、0.02〜0.10(mm)がさらに好ましい。特に、金属糸33aを構成する金属線として銅線を用いた場合には、0.025〜0.08(mm)であることが非常に好ましい。
非金属糸33bについては、従来用いていた、天然繊維や化学繊維等を使用することができるが、特にポリウレタン糸やポリエステル糸を用いることが好ましい。非金属糸33bの太さについては、10〜150デニールであることが好ましい。
また、導電糸33の撚り数としては、多ければ多いほど、単位長さに対する金属糸33aの長さが長く確保できるため、伸長時の、金属糸にかかる負担を軽減でき、金属疲労を抑制できる。具体的な撚り数としては、100〜450(T/m)が好ましく、200〜400(T/m)がさらに好ましい。
また、導電糸33の撚り姿については、片撚糸(1本または2本以上の糸を引きそろえ撚りをかけたもの)、諸撚糸(甘撚または中撚の片撚糸を2本以上引きそろえ、さらに片撚りと反対方向の撚りをかけたもの)、駒撚糸(強撚の片撚糸を2本以上引きそろえ、さらに片撚りと反対方向の撚りをかけたもの)、又は壁撚糸(片撚りした太い糸と、撚りをかけていない細い糸を引きそろえ、片撚りと反対方向の撚りをかけたもの)等任意の種類を採用できる。また、導電糸に含まれる複数の糸の撚り方向が全て同一でも構わない。
図4Bは、上記で述べた導電糸33の撚り姿についてのいくつかの具体例を示す模式図である。図4B(a)は2本片撚り、図4B(b)は3本駒撚り、図4B(c)は4本撚り、図4B(d)は壁撚りを示す。これらの図から理解される通り、導電糸33を、複数の糸を用いて多段階で撚る際は、何本かの糸の撚方向を逆にすることにより、ミシンなどの機械で糸を搬送するときに撚りがほぐれず、安定して糸を送ることができる。特にミシンのような機械縫いでは、最外層はZ撚りであることが望ましい。
このように、導電糸33を、金属糸33aと非金属糸33bとの撚糸にすることによって、既に述べたように従来の、非金属糸に金属めっきを施した導電糸に比べて導電性が大幅に向上する。また、金属線同士の接触が増加するため、変形時及び一本の金属線の切断時における抵抗の増加を大幅に抑えることができる。これにより、従来は困難であった、デジタルセンサーを用いるI2C等の通信方式においても使用することが可能になる。
上記のI2C(Inter−Integrated Circuit)通信とは、同じ基板内などのように近距離で直結したデバイスと、100kbpsまたは400kbpsの高速度でシリアル通信を行う通信方式であり、主にEEPROMメモリICなどとの高速通信を実現する方式である。このI2C通信においては、高速通信を行う必要があるため、十分に導電性の高い配線を用いる必要がある。この点において、本実施の形態に用いる伸縮性配線は、既に説明した通り配線として銅線等の金属線を使用した配線を用いている。このため、従来の、化学繊維等に金属メッキを施した導電糸よりも、導電率が飛躍的に向上し、I2C通信を行うだけの導電性を確保することが可能になる。
さたにデジタルセンサーの安定性を高めるために、センサーに投入される電流量が安定するよう、電圧降下防止のためのコンデンサを用いることができる。コンデンサの容量としては、10μF〜100μFの範囲が好ましく、0.1μF〜10μFの範囲がより好ましい。
次に、本発明の一実施形態に係るセンサーシステムに用いるコントローラー4について、図5及び図6を用いて説明する。図5は、本実施の形態に係るセンサーシステムで用いるコントローラー4の構成を示すブロック図である。図6は、コントローラー4の、コネクタ部を含む内部構造を示す概略平面図である。なお、図5においては、センサー2の一例として歪センサーを用いた場合を説明する。
図5に示すように、コントローラー4は、センサー2の測定結果を受信し処理するCPUを備える。センサー2(歪センサー)で検知した信号は、ADコンバータ42で変換され、CPU41に送信される。
コントローラー4はまた、9軸センサー43を備える。9軸センサー43は、一例として角速度(回転速度)を検出する3軸ジャイロセンサーと、加速度を検出する3軸加速度センサーと、地磁気を検出して絶対方向を検出する3軸地磁気センサーと、を含む。9軸センサー43が機能することによって、着用者自身の回転動作や水平・鉛直方向の移動動作を検知することが可能になる。
コントローラー4はまた、音声情報の符号化/復号化を行うオーディオコーデック44aを備える。オーディオコーデック44aは、ウェアラブルデバイスにマイクロフォン44bを備え付けた場合に、マイクロフォン44bを通じて集音された着用者の音声や息使い等を符号化してデータとしてCPUに送信する。また、オーディオコーデック44aは、ウェアラブルデバイスにスピーカ44cを備え付けた場合に、CPUを操作する側から、移動距離や経過時間等の各種データを音声データに復号化し、スピーカ44cを通じて着用者に伝達する。
コントローラー4はまた、ウェアラブルデバイスに振動モータ45bを備え付けた場合に、いわゆる触覚フィードバックを制御するハプティクス・ドライバ45aを備える。ハプティクス・ドライバ45aは、例えば振動モータ45bを通じて着用者の心拍数を計測する。着用者振動モータ45bは、例えば偏心モータ、リニア・バイブレータ、又はピエゾ素子からなり、ハプティクス・ドライバ45aはこれらに応じたドライバICを備える。
コントローラー4はまた、着脱可能なバッテリ46aと、バッテリ46aと接続され高電圧を低電圧に変換するDC/DCダウンコンバータ46bを備える。バッテリ46aは、充電回路46cを介してMicroUSBコネクタ47と接続される。バッテリ46aは、コントローラー4に搭載した状態でも、取り外した状態でも充電が可能である。
コントローラー4はまた、Bluetooth(登録商標)モジュール48を備えている。CPU41での処理結果を、このモジュール48を介して外部に送信することが可能になる。また、Bluetoothモジュール48の代わりに、又はこれに加えて記録媒体スロット(図5においてはMicroSDカードスロット49)を設けて、記録媒体に直接データを記録することも可能である。なお、図5では、外部との通信手段としてBluetooth(登録商標)を図示しているが、これに限られず、Zigbee(登録商標)、Wi−Fi(登録商標)等の通信規格を用いることができる。また、有線を用いた通信を採用することもできる。
図6に示すように、本実施の形態におけるコントローラー4は、回路基板410と、回路基板410上に設けられた4つのコネクタ部411を有している。コネクタ部411は、一例としてそれぞれ3本の配線3と接続されている。
回路基板410は、様々な部分に付設されたセンサー2からの情報を集約する部分であり、図5を用いて説明した各種回路を備えている。回路基板410は、公知のものを用いることができる。例えば、フレキシブルプリント基板等を用いることができる。
コネクタ部411は、センサー2で検知した結果である電気情報を、回路基板410へと伝達させる。本実施の形態においては、コネクタ部411は4つ配置され、それぞれに3本の配線3が接続されているが、コネクタ部411の個数及び接続される配線3の本数についてこの態様に限られないことはいうまでもない。
なお、コントローラー4は、充電の手間、従量バランス、コスト等の観点から、1つのウェアラブルデバイスにつき1つのみ設けることが好ましい。
以上、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されることはなく、配置するセンサー2の個数や、配線3の配置(左右対称/非対称等)、1本の配線3に接続するセンサー2の個数、コントローラー4の形状又は構成等、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で設計変更が可能である。
1…伸縮性基材 2…センサー 3…配線 4…コントローラー 5…空間 31…短絡防止層 31a、31c、32a…接着層 31b、32b…絶縁層 32…伸縮性フィルム 33…導電糸 33a…金属糸 33b…非金属糸 33c〜33q…糸 34…配線層 35…保護層 41…CPU 42…ADコンバータ 43…9軸センサ 44a…オーディオコーデック 44b…マイクロフォン 44c…スピーカ 45aハプティクス・ドライバ 45b…振動モータ 46a…バッテリ 46b…DC/DC 46c…充電回路 47…MicroUSBコネクタ 48…Bluetoothモジュール 49…MicroSDカードユニット 100…ウェアラブルデバイス 410…回路基板 411…コネクタ部

Claims (19)

  1. 導電性を有するZ撚りの導電糸であって、
    前記導電糸は、第1方向に片撚りされた複数本の糸を含み、
    前記第1方向に片撚りされた複数本の糸のうち少なくとも一本が、その外周面に金属が露出した直径0.01〜0.20mmの金属線による撚り数が100〜450T/mの片撚糸であり、他の少なくとも一本の前記第1方向に片撚りされた糸が天然繊維または化学繊維による撚り数が200〜1000T/mで10〜150デニールの片撚糸であり、
    前記導電糸は、前記第1方向とは逆の第2方向に片撚りされた少なくとも1本の糸をさらに含む導電糸。
  2. 前記金属線は、銅線である
    請求項1に記載の導電糸。
  3. 前記導電糸の外周面を、天然繊維または化学繊維による撚糸を用いてZ撚りでカバーリングした
    請求項1または2に記載の導電糸。
  4. 前記第2方向に片撚りされた糸は、天然繊維または化学繊維による片撚糸である
    請求項に記載の導電糸。
  5. 請求項1乃至に記載の導電糸を伸縮性基材に敷設した伸縮性配線であって、
    前記導電糸の経路が前記伸縮性基材の面内で波形状になるようにしている伸縮性配線。
  6. 前記伸縮性配線の50%伸長時の抵抗変化率が、5%以下である
    請求項に記載の伸縮性配線。
  7. 伸縮性配線が布体上に接着されたウェアラブルデバイス上に設けられ、前記伸縮性配線と接続された複数のセンサーと、
    コネクタ部を有し、当該コネクタ部を介して前記伸縮性配線と電気的に接続され、前記複数のセンサーを一括で制御するコントローラーと、
    を備えるセンサーシステムであって、
    前記伸縮性配線は、導電糸が縫込まれた伸縮性を有する基材と、当該基材の前記布体側の面を覆う第1絶縁層と、を含み、
    前記基材の、前記布体と反対側の面は第2絶縁層で覆われ、
    前記導電糸は、第1方向に片撚りされた複数本の糸を含み、
    前記第1方向に片撚りされた複数本の糸のうち少なくとも一本が、その外周面に金属が露出した直径0.01〜0.20mmの金属線による撚り数が100〜450T/mの片撚糸であり、他の少なくとも一本の前記第1方向に片撚りされた糸が天然繊維または化学繊維による撚り数が200〜1000T/mで10〜150デニールの片撚糸であり、
    前記導電糸は、前記第1方向とは逆の第2方向に片撚りされた少なくとも1本の糸をさらに含む
    センサーシステム。
  8. 前記コントローラーは、着脱可能な電源を有するとともに、1つの前記ウェアラブルデバイスに対して1つ設けられている
    請求項に記載のセンサーシステム。
  9. 前記センサーは、1つの前記伸縮性配線に対し複数設けられている
    請求項7又は8に記載のセンサーシステム。
  10. 前記コントローラーは、複数の前記コネクタ部を有し、当該複数のコネクタ部のそれぞれは、複数の前記伸縮性配線と接続される
    請求項7乃至9のいずれかに記載のセンサーシステム。
  11. 前記金属線は、銅線である
    請求項7乃至10のいずれかに記載のセンサーシステム。
  12. 前記伸縮性配線の50%伸長時の抵抗変化率が、5%以下である
    請求項7乃至11のいずれかに記載のセンサーシステム。
  13. 前記伸縮性配線が、静電容量10pF〜100μFのコンデンサを内蔵したデジタルセンサーを搭載した基板に接続されている
    請求項7乃至12のいずれかに記載のセンサーシステム。
  14. 伸縮性配線が布体上に接着されたウェアラブルデバイスであって、
    前記伸縮性配線は、Z撚りの導電糸が敷設された伸縮性基材と、当該基材の前記布体側の面を覆う第1絶縁層を含み、
    前記基材の、前記布体と反対側の面は第2絶縁層で覆われ、
    前記導電糸は、第1方向に片撚りされた複数本の糸を含み、
    前記第1方向に片撚りされた複数本の糸のうち少なくとも一本が、その外周面に金属が露出した直径0.01〜0.20mmの金属線による撚り数が100〜450T/mの片撚糸であり、他の少なくとも一本の前記第1方向に片撚りされた糸が天然繊維または化学繊維による撚り数が200〜1000T/mで10〜150デニールの片撚糸であり、
    前記導電糸は、前記第1方向とは逆の第2方向に片撚りされた少なくとも1本の糸をさらに含む
    ウェアラブルデバイス。
  15. 前記金属線は、銅線である
    請求項14に記載のウェアラブルデバイス。
  16. 前記導電糸の外周面を、天然繊維または化学繊維による撚糸を用いてZ撚りで被覆した
    請求項14又は15に記載のウェアラブルデバイス。
  17. 前記伸縮性配線は、前記導電糸が前記伸縮性基材の面内で波形状になるように構成される
    請求項14乃至16のいずれかに記載のウェアラブルデバイス。
  18. 前記伸縮性配線の50%伸長時の抵抗変化率が5%以下である
    請求項17に記載のウェアラブルデバイス。
  19. 前記伸縮性配線が、静電容量10μF〜100μFのコンデンサを内蔵したデジタルセンサーを搭載した基板に接続されている
    請求項14乃至18のいずれかに記載のウェアラブルデバイス。
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