JP6927744B2 - 光投射装置 - Google Patents
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Description
これらのような目的に使用される光投射装置では、センシングの精度を高めるため等に、LED(発光装置)から放出された光の配光分布を狭配光とすることが求められる。すなわち、LEDで発光した光をできるだけ所定方向に向けるとともに、所定範囲にできるだけ均一に光を投射することが求められる。
光を所定方向に向けて投射する装置としては、例えば、特許文献1のもののように、LEDを放物面状の反射面の焦点位置に置き、LEDからの光を、この反射面で反射させ平行光とする技術が知られている。
この光投射装置は、例えば、放物面から構成される略円錐筒状(ラッパ状、釣鐘状)のリフレクタと、リフレクタの小径側に配置されるレンズ効果パッケージ(発光装置)と、リフレクタの大径側開口に当該開口を塞ぐように配置されるフレネルレンズとを備える。このような光投射装置のサイズは、例えば、リフレクタより径の大きなフレネルレンズの外径がφ9.75mmであり、光投射装置の全長(レンズ効果パッケージからフレネルレンズまで)が11mmとなっている。この際のレンズ効果パッケージ(発光装置)の大きさは、基板(正方形)の一辺の長さが3.95mmで、基板に直交する高さ(封入樹脂部分の高さ)が2.41mmであった。
前記レンズ効果パッケージは、前記封入部材により疑似光源が発生するものであって、
前記光学部材は、
前記レンズ効果パッケージからの光が入射する入射面と、入射した光を出射する出射面とを備えるレンズ部と、
前記レンズ部の前記入射面から、前記出射面から前記入射面に向かう方向で、前記レンズ効果パッケージの光が出射される部分の周囲を囲むように延出するとともに、前記レンズ効果パッケージから入射する光を前記出射面に向けて導光する導光部と、
を備え、
前記導光部は、外周面と内周面とを備える円環状に形成されるとともに、径方向に沿う断面が、前記入射面から離れるほど細くなる楔状となっていることを特徴とする。
なお、出射面は、LED素子からの拡散光を平行光としたり、集光したりするように凸面となっていることが好ましく、球面であっても非球面であってもよい。
例えば、封入部材と外気との境界面での反射や屈折により、封入部材の表面部分で光が集中するような部分が光源のように光を発射しているように振る舞う疑似光源となる。LED素子や封入部材の形状により疑似光源の位置や数が変わるが、例えば、封入部材の中央部を除く環状の部分(ドーナッツ状の部分)に多くの疑似光源が発生する虞がある。疑似光源で問題となるのは、疑似光源からの光の方向がLED素子の発光面からの光の方向と大きく異なり、例えば光学部材の中心側から外周側に向かうような場合である。このような光が封入樹脂の疑似光源から封入樹脂の外側の導光部に至ると導光部に入射した光が導光部で例えば屈折と1回以上の反射により外周面側ではなく出射面側に導光される。これにより、封入部材により、疑似光源が生じても光の配光を狭めて所定方向範囲に多くの光を配光させるとともに、所定方向範囲で光の分布を均一に近づけることができる。なお、導光部は、たとえば、ドーム状の封入部材の周囲を囲むように配置されることが好ましい。
前記光学部材は、前記入射面の前記導光部より外側から、前記レンズ効果パッケージを囲んだ状態で前記ベース部材に至って前記レンズ効果パッケージを収容する筒状の基部を備えることが好ましい。
前記光学部材は対称軸を有する回転対称形状を有しており、
前記レンズ効果パッケージの前記光軸と前記光学部材の前記対称軸が一致していることが好ましい。
このような構成によれば、光学部材の形状や屈折率にかかわらず、光学部材内部の光が外周面に至った場合に光を反射させることができ、所定方向に向かう光を増やすことができる。
本実施の形態の光投射装置は、例えば、車に設けられ、赤外光を投射し、この投射された光の反射光を、車に設けられたセンサで検知することで、車の周囲にある物体の外形を把握したり、物体との距離を計測したりするのに用いられる。
発光装置(レンズ効果パッケージ)10は、正方形状の板体である基板11と、基板11上に設けられたLED素子12と、レンズ効果を有するドーム状の封入樹脂13と、基板11をベース部材2に取り付けるための取付部材14とを備えている。また、LED素子12は、発光面から赤外光を発する赤外LEDであり、例えば、発光波長が940nm+−60nm程度のものである。また、封入樹脂13は、レンズ効果をもった透明な樹脂製の部材であるが、樹脂に代えてガラスであってもよい。
基板11のLED素子12側の面には、LED素子12を覆うようにして、ドーム状の封入樹脂13が設けられている。光学部材20は対称軸を有する回転対称形状を有しており、レンズ効果パッケージ(発光装置10)の光軸と光学部材20の対称軸が一致している。
また、ドーム状の封入樹脂13の光軸はドーム状の封入樹脂13の頂点を通り、LED素子12からの発光の中心軸と一致する。また、光学部材20の光軸もLED素子12からの発光の中心軸と一致するように配置されている。つまり、封入樹脂13の光軸とLED素子12の発光の中心軸と、光学部材20の光軸とは一致した状態となっている。
LED素子12の発光面から放出された光は、発光装置10の封入樹脂13を通るため、封入樹脂13と外気との境界面での反射や屈折により封入樹脂13の中央部を除く環状部分等が疑似的に光源(疑似光源)のように振る舞うこととなる。つまり、LED素子12と封入樹脂13とを備える発光装置10は、LED素子12(光源)と封入樹脂13による疑似光源との2種類の光源を有するかのように振る舞う。なお、発生する疑似光源は、LED素子12の発光面と封入樹脂13の位置関係や封入樹脂13の形状により、1つに限らず複数発生し、その位置も封入樹脂の中央部を除くドーナッツ状の部分に限られるものではない。疑似光源からの光の方向が光学部材20の光軸方向に対して大きく異なると、例えば、疑似光源からの光が光学部材20の後述の入射面29に入射しなかったり、光学部材20からの出射方向が所定方向範囲からはずれたりすることになる。すなわち、配光が広くなったり、所定範囲の配光分布が略均一にならなかったりする虞がある。
光学部材20は、略円柱状の部材であり、ベース部材2に発光装置10を囲んだ状態に取り付けられる円筒状の基部26と、基部26に設けられて光学素子として発光装置10からの光の方向を整えて発光装置10の光を集光したり、平行光にしたりする光学部材本体28とを有する。基部26は、ベース部材2に直交してベース部材2に取り付けられた円筒体であり、内部空間22に発光装置10が収容された状態となっている。また、円筒状の基部26の中心軸と発光装置10のLED素子12の中心が一致している。円筒状の基部26に、略円柱状の光学部材本体28が設けられている。基部26と光学部材本体28は、同軸上に配置されるとともに、基部26の外径と光学部材本体28の最大径が等しいものとなっている。
このような光学部材本体28は、凸レンズとして機能する。光学部材本体28は、その径が軸方向位置によって異なる。光学部材20においては、基部26と、出射面21における外径が同じとなっているとともに光学部材20で最も大きな径となっている。また、光学部材20の光学部材本体28の入射面29から出射面21に至る部分の入射面29に近い側に最も径が小さい小径部23が設けられている。基部26の光学部材本体28側の端部から光学部材本体28の小径部23までの間は、基部26から小径部23に向かって径が小さくなっていくことにより、この部分の外周面25がテーパー面となっている。また、光学部材本体28の小径部23から出射面21までの外周面24は、小径部23から出射面21に向かって外径が大きくなっており、外周面25と逆向きのテーパー面となっている。
図2は、光源であるLED素子12の略中央から出射した光の光投射装置1内の代表的な経路を示すものである。図2に示す光の代表的な経路Aは、LED素子12から拡散光として出射するが、光学部材20の光軸との角度のずれが小さく、発光装置10から光学部材20の入射面29に至って、光学部材20の光軸方向に近づくように屈折し、光学部材本体28の外周面に当たることなく、出射面21に至り、出射面21で屈折して光軸に沿った平行光に近づくか、集光する傾向となる。すなわち、経路Aは、凸レンズとしての光学部材20に光が入射して出射したものであり、入射面29と出射面21とで光が屈折したものであり、光が光学部材20の外周面から出射したり、外周面で反射したりしていない。
この実施例の光投射装置1は、図1に示す形状を有するものであり、光投射装置1の軸方向に沿った長さD(光学部材20の軸方向長さ、ベース部材2の厚さを含ます)が7mm、光投射装置1(光学部材20)の最大外径Dが6.5mmとなっている。なお、レンズ効果パッケージ(発光装置10)は、従来と同じものであり、基板(正方形)の一辺の長さが3.95mmのものである。
また、発光装置10は、LEDの発光波長が950nmであり、放射束(radiant・flux)が1.07Wであり、指向角半値幅(FWHM:half・angle)が±45度である。
また、光学部材20の材質は、例えば、ポリカーボネイトであるが、例えばシクロオレフィンコポリマー等の他の樹脂を用いることもできる。
図4は、光投射装置1の直交座標系の配光分布(Rectangular Candela Distribution Plot)を示すものであり、縦軸が放射強度(W/sr:ワット毎ステラジアン)を示し、横軸が角度(degrees)を示している。図4に示すように指向角半値幅が±23度となる。
また、図5は、光投射装置1から500mm離れた位置における放射照度(w/m2)を2000mm×2000mmの範囲でプロットしたものであり、一つのピクセルが1mm×1mmとしている。また、図5(a)は、平面上に放射照度(w/m2)を濃淡で表したものであり、図5(b)は、縦軸が放射照度(w/m2)で横軸が位置(mm)であり、例えば、図5(a)における横軸上の位置である。シミュレーションにおける放射効率(Ejection efficiency)は、74%であった。また、放射照度の最大値は、0.000001m2の面積範囲で8.6W/m2であり、図5(b)で四角に囲まれた0.16m2の面積範囲における平均の放射強度が3.5W/m2であった。
2 ベース部材
10 発光装置(レンズ効果パッケージ)
12 LED素子
13 封入樹脂(封入部材)
20 光学部材
21 出射面
23 小径部
26 基部
27 導光部
29 入射面
Claims (7)
- LED基板上で封入部材に封入されたLED素子を備えるレンズ効果パッケージと、前記レンズ効果パッケージからの光の方向を整えて投射する光学部材とを備え、
前記レンズ効果パッケージは、前記封入部材により疑似光源が発生するものであって、
前記光学部材は、
前記レンズ効果パッケージからの光が入射する入射面と、入射した光を出射する出射面とを備えるレンズ部と、
前記レンズ部の前記入射面から、前記出射面から前記入射面に向かう方向で、前記レンズ効果パッケージの光が出射される部分の周囲を囲むように延出するとともに、前記レンズ効果パッケージから入射する光を前記出射面に向けて導光する導光部と、
を備え、
前記導光部は、外周面と内周面とを備える円環状に形成されるとともに、径方向に沿う断面が、前記入射面から離れるほど細くなる楔状となっていることを特徴とする光投射装置。 - 前記光学部材の前記出射面が外側に凸の球面形状または非球面形状であることを特徴とする請求項1に記載の光投射装置。
- 前記光学部材の外形は、前記入射面から前記出射面まで略円柱状に形成されるとともに、前記光学部材の前記出射面より前記入射面に近い側に最も径が小さい小径部が設けられ、前記小径部から前記出射面に向かうにつれて径が大きくなっていることを特徴とする請求項1または2に記載の光投射装置。
- 前記レンズ効果パッケージは、ベース部材上に設けられ、
前記光学部材は、前記入射面の前記導光部より外側から、前記レンズ効果パッケージを囲んだ状態で前記ベース部材に至って前記レンズ効果パッケージを収容する筒状の基部を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光投射装置。 - 略円柱状の前記光学部材の前記出射面側の端部の径の長さが、前記光学部材の軸方向に沿った前記出射面から前記基部までの長さより短いことを特徴とする請求項4に記載の光投射装置。
- 前記レンズ効果パッケージは、前記封入部材が頂点を通る光軸を備えたドーム状に設けられ、
前記光学部材は対称軸を有する回転対称形状を有しており、
前記レンズ効果パッケージの前記光軸と前記光学部材の前記対称軸が一致していることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の光投射装置。 - 前記光学部材の外周面に反射膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の光投射装置。
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