JP6926288B2 - 寸法基準器の線膨張係数測定方法および測定装置 - Google Patents

寸法基準器の線膨張係数測定方法および測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、寸法基準器の線膨張係数測定方法および測定装置に関する。
三次元測定機などの測定装置においては、検査のために寸法基準器が用いられる。
寸法基準器としては、端面寸法が高精度に校正された各種ブロックゲージが用いられるとともに、複数の長さに対応したステップゲージが用いられている。
ステップゲージは、凸部と凹部とが交互に配置される櫛歯状とされ、凸部の端面間に複数の基準寸法が得られる。このようなステップゲージは、凸部となる測定ブロックと凹部となる間隔ブロックとを交互に配列してホルダに固定することで製造されるほか、単一の部材から櫛歯状に削り出すことで製造される。
ステップゲージの端面間の距離の校正値は、特定の温度における長さとして提供され、多くの場合は工業標準温度の20℃における長さである。
三次元測定機の検査において、測定された長さは校正時の温度に換算して用いる必要がある。これを一般に、長さの温度補正と呼んでいる。この時、ステップゲージの線膨張係数を正確に知る必要がある。
ステップゲージを含め多くの寸法基準器は、校正証明書あるいは検査成績書に、温度補正に用いる線膨張係数が記載されている。このような線膨張係数は、それぞれ公差を伴って表示される。
三次元測定機の検査にステップゲージを用いる場合には、検査の不確かさを検討する上で、この公差を不確かさの要因として扱う。従って、検査における不確かさを低減する目的で、ステップゲージの線膨張係数を高精度に評価することが要求される。
寸法基準器を含めて、物体の線膨張係数は、物体の温度を変化させ、その温度変化による物体の長さの変化量を測定することにより、求められる。
具体的に、線膨張係数αは、基準温度Toにおける物体の長さをLo、現在の温度Tにおける物体の長さをL、温度変化量ΔT=T−To、長さの変化量(熱膨張量)ΔL=L−Loとして、α=(ΔL/L)・(1/ΔT)によって与えられる。
ステップゲージなど、寸法基準器では、物体の長さLの大きさは長さの変化量ΔLに対して10の5乗より大きい。このため、一般に、長さLの数値の正確性は、線膨張係数αの数値に対して影響が小さい。
従って、線膨張係数αを高精度に求めるためには、温度変化量ΔT及び長さの変化量ΔLを高精度に測定することが必要である。
このような線膨張係数αの測定を行うために、光波干渉計を用いた測定方法が提案されている(特許文献1参照)。
特許文献1では、同じ測定軸線で対向する2組の光波干渉計を用い、ブロックゲージなどの被測定物の両端面間の長さを高精度に測定できるようにする。そして、温度制御手段により被測定物の温度を変化させ、異なる温度で長さ測定を行うことで、変温による熱膨張量を取得し、線膨張係数を計算する。
しかし、このような光波干渉計を用いた長さ測定では、光波干渉計が高価であるという問題がある。すなわち、光波干渉計自体が高価であるだけでなく、測定用の光の波長を補正するために空気の屈折率の算出が必要で、これには温度、湿度、気圧、二酸化炭素濃度といった環境の測定機も必要であり、システム全体として高価となるという問題がある。
また、光波干渉計を用いた長さ測定では、被測定物の両端面からの反射光を利用するため、測定する長さは測定対象の長さに限定される。つまり、ステップゲージのような櫛歯状の測定面をもつ基準器において、中間部分の凸部どうしの長さの測定には適用が難しいという問題がある。
このような問題に対し、三次元測定機を用いる方法(特許文献2参照)および挟み部と歪みゲージを用いる方法(特許文献3参照)が提案されている。
特許文献2の方法では、被測定物であるステップゲージを恒温槽内に配置し、外部の三次元測定機のプローブを恒温槽の開口部から導入し、このプローブによってステップゲージの長さを測定する。そして、恒温槽内の温度設定を変更し、異なる温度で長さ測定を行い、変温の前後の測定長さの差から熱膨張量を計算する。
このような三次元測定機を用いた長さ測定では、光波干渉計を用いる必要がなく、汎用の三次元測定機が使用できる環境であれば十分である。
また、三次元測定機を使用することで、ステップゲージの中間部分の凸部間の長さ測定も行うことができ、中間部分の熱膨張率の均一性についても測定することができる。
特許文献3の方法では、ステップゲージの任意の凸部を挟む挟み部を用い、挟み部のステップゲージに接触するチップの一方に歪みゲージを設置しておき、長さ測定する一対の端面を挟み部で挟んだ状態で温度を変化させ、温度変化に伴う熱膨張を歪みゲージで直接検出する。
このような挟み部と歪みゲージを用いた熱膨張の測定では、光波干渉計を用いる必要がなく、挟み部と歪みゲージという簡単かつ安価な構成でよく、ステップゲージの中間部分の凸部間の長さ測定も行うことができる。
特許第3897655号公報 特開2004−226369号公報 特開2005−83920号公報
ところで、ステップゲージなどの寸法基準器は、検査対象の三次元測定機のサイズに合わせて、様々な寸法のものが用いられる。例えば、ステップゲージの長いものでは、呼び寸法(公称長さ)が1.5mを超えるものもある。
前述した寸法基準器の線膨張係数αの測定は、このような長さLが大きな寸法基準器に対しても適用でき、かつ高精度に測定できることが要求される。
しかし、前述した特許文献3の方法では、挟み部によって測定長さが固定され、中間部分の長さなど多様な測定ができないという問題がある。また、長尺のステップゲージに対しては、相応の大きさの挟み部を準備する必要があり、実施が制約される。
さらに、歪みゲージの出力にはノイズ成分が含まれるため、長さに変換された量からステップゲージの線膨張係数だけを抽出することが難しいという問題もある。
これに対し、前述した特許文献2のように、長さ測定に三次元測定機を利用すれば、様々な長さの寸法基準器に対して、両端面間の長さおよび中間部分の凸部の端面間長さといった多様な測定に対応することができ、異なる温度での測定に基づいて線膨張係数の測定を行うことができる。
しかし、特許文献2の方法のように三次元測定機による長さ測定を用いる場合でも、前述した長さが1.5mを超える大きなステップゲージについては、精度低下などの問題が生じる可能性がある。
すなわち、三次元測定機には、その測定性能を示す指標として最大許容長さ測定誤差が用いられる。最大許容長さ測定誤差は、一般的に一次式で与えられ、測定長さに比例して大きくなる。このことは、測定する長さが大きくなるに従って、精度が低下することを意味する。このような理由で、長いステップゲージについては、線膨張係数を高精度に測定することが難しくなる。
本発明の目的は、様々な長さの寸法基準器に対して、線膨張係数の測定を、高精度かつ安価に行える寸法基準器の線膨張係数測定方法および測定装置を提供することにある。
本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法は、寸法基準器を測定対象物として、前記測定対象物の延伸方向に離れた前記測定対象物の第1表面から第2表面までの部分の線膨張係数を測定する寸法基準器の線膨張係数測定方法であって、前記第1表面および前記第2表面に対応する第1基準表面および第2基準表面を有し、かつ前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さが既知である基準ゲージと、前記測定対象物および前記基準ゲージを収容可能、かつ内部温度を調整可能、かつ測定用表面に測定用開口を有する恒温槽と、前記恒温槽の内部に設置されて前記測定対象物を支持する測定対象物支持台と、前記恒温槽の内部に設置されて前記基準ゲージを支持する基準ゲージ支持台と、前記測定用開口から前記恒温槽の内部へ測定プローブを導入可能な三次元測定機と、を準備し、前記恒温槽の内部に、前記測定対象物および前記基準ゲージを平行に支持しておき、前記恒温槽の内部温度を第1温度とし、前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さを基準として、前記第1表面から前記第2表面までの長さを比較測定し、前記恒温槽の内部温度を第2温度とし、前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さを基準として、前記第1表面から前記第2表面までの長さを比較測定し、前記第1温度での前記第1表面から前記第2表面までの長さと前記第2温度での前記第1表面から前記第2表面までの長さとから前記測定対象物の線膨張係数を算出することを特徴とする。
このような本発明では、三次元測定機を用いて測定対象物の長さ測定を行うので、高価な光波干渉計を用いることなく、様々な長さの寸法基準器の線膨張係数を、高精度に測定することができる。
この際、第1表面から第2表面までの長さを測定対象物の長さとして測定することができる。このため、測定対象物の両端面を第1表面および第2表面とすることで、測定対象物の長さおよびその間の線膨張係数を測定できる。また、第1表面および第2表面を測定対象物の中間部分の凸部の端面などに設定することで、この中間部分の長さおよび線膨張係数を測定することもできる。
さらに、本発明では、三次元測定機を用いて測定対象物の長さを測定する際に、長さの基準として基準ゲージを用い、この基準ゲージに対する長さの比較測定を行う。このため、長さ測定の結果は、三次元測定機のスケールの精度に依存せず、専ら基準ゲージの精度に依存することになり、測定対象物が長尺化しても高精度を確保できる。
すなわち、本発明では、長さの比較測定において、測定対象物が短尺である場合には、これに応じた短尺の基準ゲージを用い、測定対象物が長尺である場合には、これに応じた長尺の基準ゲージを用いる。
そして、三次元測定機により、基準ゲージの長さ(第1基準表面と第2基準表面との距離)および測定対象物の長さ(第1表面と第2表面との距離)を測定し、基準ゲージの測定長さと測定対象物の測定長さとの差を、基準ゲージについて既知である基準長さに加算し、これにより測定対象物の長さを算出する。
つまり、三次元測定機は、基準ゲージの測定長さと測定対象物の測定長さとの差、具体的には第1表面と第1基準表面との距離と、第2表面と第2基準表面との距離とを測定できればよい。
このため、本発明では、長さの比較測定において、測定対象物が長尺であっても、三次元測定機の測定性能である最大許容長さ測定誤差に影響されることがない。
以上により、本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法によれば、様々な長さの寸法基準器の線膨張係数の測定を、高精度かつ安価に行うことができる。
本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法において、前記比較測定を行う際に、前記第1基準表面、前記第2基準表面、前記第1表面および前記第2表面の中心座標の計算と、前記基準ゲージおよび前記測定対象物の前記延伸方向に対する傾きの計算と、を含む座標系決定を行うことが望ましい。
このような本発明では、比較測定を行う際に、基準ゲージおよび測定対象物について、各々の長さ測定の基準となる座標系を決定することができる。
すなわち、基準ゲージの第1基準表面および第2基準表面、測定対象物の第1表面および第2表面が、延伸方向に対して傾いた状態であっても、各表面における三次元測定機の接触位置から中心座標までの距離と、各表面の傾きとから、三次元測定機による検出位置を補正することができる。
そして、基準ゲージおよび測定対象物の現在の状態に即して各々の座標系を決定し、その座標系のもとで長さ測定を行うことで精度を高めることができ、比較測定の精度を高く維持することができる。
本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法において、前記基準ゲージ支持台は、前記測定対象物の前記測定用開口に対向する側に前記基準ゲージを支持することが望ましい。
測定対象物の測定用開口に対向する側としては、例えば、測定対象物の上面側、あるいは側面側などとすることができる。
このような本発明では、測定対象物の測定対象部位である第1表面および第2表面が測定用開口側に配置され、同側に基準ゲージが配置されることで、比較対象の第1基準表面および第2基準表面を第1表面および第2表面に近接して配置することができ、測定精度の向上とともに測定動作の効率化、迅速化を図ることができる。
本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法において、前記基準ゲージは、前記延伸方向の長さが、前記測定対象物よりも所定長さ短いことが望ましい。
所定長さとしては、測定対象物の測定用開口側の表面であって第1表面または第2表面に最寄りの表面に、三次元測定機のプローブが接触することができる広さが確保できる程度の長さであればよい。例えば、測定対象物として複数の凸部を有するステップゲージを用いる場合、基準ゲージはステップゲージの長さよりも凸部の1個分だけ短いものとすればよい。
このような本発明では、測定対象物の測定用開口側に基準ゲージが配置されるため、測定対象物の測定用開口側の表面が基準ゲージで覆われる。しかし、測定対象物の端部近傍では、基準ゲージの長さが短い分、表面が測定用開口側に露出する。
従って、前述した座標系決定において、三次元測定機のプローブを、測定対象物の端部の露出した表面に接触させることで、基準ゲージと干渉することなく表面の検出を行うことができる。
本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法において、前記比較測定を行う際に、前記第1基準表面と前記第1表面とを同一平面内に配置、または、前記第2基準表面と前記第2表面とを同一平面内に配置することが望ましい。
このような本発明では、前述のように基準ゲージを測定対象物よりも所定長さ短くした際に、同一平面とした側とは反対側の端部で、基準ゲージと測定対象物との長さの差が最大となり、三次元測定機のプローブによる表面検出を行う際の余裕を最大にすることができる。
本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法において、前記測定対象物支持台は、測定対象物第1支持台および測定対象物第2支持台を含み、前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記測定対象物の変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容し、前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を許容し、前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容するとともに、前記基準ゲージ支持台は、基準ゲージ第1支持台および基準ゲージ第2支持台を含み、前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記基準ゲージの変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を許容し、前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容することが望ましい。
このような本発明では、測定対象物および基準ゲージを、各々の延伸方向の変位に対して、第1および第2の支持体の一方では変位を規制(位置決め)しつつ、他方で変位を許容することで、測定対象物および基準ゲージの延伸方向の長さの比較測定を正確に行うことができる。さらに、第1および第2の支持体のいずれか一方で延伸方向を中心軸とした回動を規制しつつ、他の軸まわりの回動を許容することで、測定対象物および基準ゲージに曲げ変形などが生じても、これを許容することができる。
本発明では、このような測定対象物支持台および基準ゲージ支持台により、測定対象物および基準ゲージの自由な膨張、姿勢変動に対応できるとともに、測定対象物および基準ゲージを、各々の延伸方向が互いに平行な所期の状態に維持することができる。
本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法において、前記測定対象物第1支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部のうちいずれか1つまたは2つを有し、前記測定対象物第2支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部のうち前記測定対象物第1支持台にない接触部を有することが望ましい。
このような本発明では、測定対象物第1支持台および測定対象物第2支持台を含む測定対象物支持台は、測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部の3点を有するキネマティックマウントを構成することができ、延伸方向およびその交差方向に対する前述した変位規制および回動規制を適切に行うことができる。
本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法において、前記測定対象物第1支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうちいずれか1つを有し、前記測定対象物第2支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうち前記測定対象物第1支持台にない接触部を有し、前記測定対象物第1支持台または前記測定対象物第2支持台のいずれかは、前記測定対象物の一方の側面と球との接触部と、前記測定対象物の側面を前記球に押圧する押圧手段とを有することが望ましい。
このような本発明では、測定対象物第1支持台または測定対象物第2支持台のいずれかにおいて、測定対象物の側面との接触部と押圧手段との組み合わせが、延伸方向の変位を許容しつつ延伸方向に交差する2方向の変位を規制するため、測定対象物の底面に形成されるV溝と球との組み合わせに相当する機能をはたすことになる。その結果、測定対象物第1支持台および測定対象物第2支持台において、前述したキネマティックマウントに相当する機能を得ることができ、延伸方向およびその交差方向に対する前述した変位規制および回動規制を適切に行うことができる。
本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法において、前記基準ゲージ第1支持台は、前記基準ゲージの底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部のうちいずれか1つまたは2つを有し、前記基準ゲージ第2支持台は、前記基準ゲージの底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部のうち前記基準ゲージ第1支持台にない接触部を有することが望ましい。
このような本発明では、基準ゲージ第1支持台および基準ゲージ第2支持台を含む基準ゲージ支持台は、基準ゲージの底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部の3点を有するキネマティックマウントを構成することができ、延伸方向およびその交差方向に対する前述した変位規制および回動規制を適切に行うことができる。
本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法において、前記基準ゲージ第1支持台は、前記基準ゲージの底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうちいずれか1つを有し、前記基準ゲージ第2支持台は、前記基準ゲージの底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうち前記基準ゲージ第1支持台にない接触部を有し、前記基準ゲージ第1支持台または前記基準ゲージ第2支持台のいずれかは、前記基準ゲージの一方の側面と球との接触部と、前記基準ゲージの側面を前記球に押圧する押圧手段とを有することが望ましい。
このような本発明では、基準ゲージ第1支持台または基準ゲージ第2支持台のいずれかにおいて、基準ゲージの側面と押圧手段との組み合わせが、延伸方向の変位を許容しつつ延伸方向に交差する2方向の変位を規制するため、基準ゲージの底面に形成されるV溝と球との組み合わせに相当する機能をはたすことになる。その結果、基準ゲージ第1支持台および基準ゲージ第2支持台において、前述したキネマティックマウントに相当する機能を得ることができ、延伸方向およびその交差方向に対する前述した変位規制および回動規制を適切に行うことができる。
本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法において、前記基準ゲージに装着されて前記基準ゲージ支持台に支持される支持アダプタ、または、前記測定対象物に装着されて前記測定対象物支持台に支持される支持アダプタを用いることが望ましい。
このような本発明では、前述したキネマティックマウントなどによる支持を行う場合でも、支持アダプタに円錐穴やV溝などを形成すればよく、基準ゲージまたは測定対象物に直接形成する必要がなく、実施を容易にすることができる。
本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法において、前記基準ゲージを下向きに与圧する与圧手段を有することが望ましい。
このような本発明では、基準ゲージが軽量である場合でも、下向きに与圧することで、基準ゲージ支持台による支持を安定して行うことができる。
なお、測定対象物は一般に基準ゲージよりも重量が大きく、与圧は特に必要がない。ただし、測定対象物が軽量な場合には、同様な与圧を行ってもよい。
本発明において、前記基準ゲージは、前記第1温度と前記第2温度との間の温度変化では精度上膨張を無視しうる極低膨張係数ないしゼロ膨張係数の材質から製造されたもの、または、膨張係数が既知である材質から製造されたもの、のいずれかであることが望ましい。
このような本発明では、基準ゲージが、極低膨張係数ないしゼロ膨張係数の材質から製造されている場合、第1温度と第2温度との間での基準ゲージの長さの温度補正を省略することができる。一方、基準ゲージが、膨張係数が既知である材質から製造されている場合、第1温度および第2温度において、温度補正により各温度における高精度な基準ゲージの長さを計算することができる。いずれの場合も、各温度における基準ゲージ長さを正確にできるので、第1温度での比較測定と第2温度での比較測定とを高精度に行うことができる。
なお、このような基準ゲージとしては、高精度が確保された既存のブロックゲージが利用できる。
本発明の寸法基準器の線膨張係数測定装置は、寸法基準器を測定対象物として、前記測定対象物の延伸方向に離れた前記測定対象物の第1表面から第2表面までの部分の線膨張係数を測定する寸法基準器の線膨張係数測定装置であって、前記第1表面および前記第2表面に対応する第1基準表面および第2基準表面を有し、かつ前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さが既知である基準ゲージと、前記測定対象物および前記基準ゲージを収容可能、かつ内部温度を調整可能、かつ測定用表面に測定用開口を有する恒温槽と、前記恒温槽の内部に設置されて前記測定対象物を支持する測定対象物支持台と、前記恒温槽の内部に設置されて前記基準ゲージを支持する基準ゲージ支持台と、前記測定用開口から前記恒温槽の内部へ測定プローブを導入可能な三次元測定機と、を有することを特徴とする。
このような本発明では、前述した本発明の寸法基準器の線膨張係数測定方法で説明した通りの手順により、同様な作用効果を得ることができる。
本発明によれば、様々な長さの寸法基準器に対して、線膨張係数の測定を、高精度かつ安価に行える寸法基準器の線膨張係数測定方法および測定装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態の測定装置を示す斜視図。 前記第1実施形態の測定対象物であるステップゲージを示す斜視図。 前記第1実施形態の基準ゲージである基準ブロックゲージを示す斜視図。 前記第1実施形態の恒温槽、ステップゲージおよび基準ブロックゲージの配置を示す斜視図。 前記第1実施形態の測定対象物第1支持台を示す側面図。 前記第1実施形態の測定対象物第2支持台を示す側面図。 前記第1実施形態の基準ゲージ第1支持台を示す側面図。 前記第1実施形態の基準ゲージ第2支持台を示す側面図。 前記第1実施形態の基準ブロックゲージの底面側を示す斜視図。 前記第1実施形態の測定手順を示すフローチャート。 前記第1実施形態の設置状態を示す側面図。 前記第1実施形態の測定動作を示す斜視図。 本発明の第2実施形態の支持アダプタを示す斜視図。 本発明の第3実施形態の恒温槽を示す斜視図。 前記第3実施形態の恒温槽、ステップゲージおよび基準ブロックゲージの配置を示す斜視図。 本発明の第4実施形態の測定対象物第1支持台を示す側面図。 前記第4実施形態の測定対象物第2支持台を示す側面図。 本発明の第5実施形態の基準ゲージ第1支持台を示す側面図。 前記第5実施形態の基準ゲージ第2支持台を示す側面図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
図1において、本実施形態の線膨張係数測定装置1は、寸法基準器であるステップゲージ10を測定対象物とし、その線膨張係数を高精度に測定するものである。
このために、線膨張係数測定装置1は、ステップゲージ10を収容して所定温度に維持する恒温槽30と、同じく恒温槽30に収容される基準ゲージとしての基準ブロックゲージ20と、基準ブロックゲージ20を基準としてステップゲージ10の長さを比較測定する三次元測定機40と、を備えている。
三次元測定機40は、定盤41を有し、その上面にはコラム42およびクロスバー43によりヘッド44が支持されている。ヘッド44には下方へ延びるラム45が設置され、その先端にはプローブ46が支持されている。
三次元測定機40は、コラム42が定盤41に対してY軸方向に移動自在とされ、ヘッド44がクロスバー43に対してX軸方向に移動自在とされ、ラム45がヘッド44に対してZ軸方向に移動自在とされている。これらの3軸移動により、プローブ46を定盤41に対して三次元移動させることができる。
恒温槽30は、箱状の筐体内部の温度を所望の温度に維持可能な装置であり、定盤41の上面に載置され、その長手方向がY軸方向に沿うように固定されている。
恒温槽30は、上面側を開閉することで、内部にステップゲージ10および基準ブロックゲージ20を収容可能である。
恒温槽30の上面には、開閉式の蓋体を有する測定用開口31が複数形成されている。
恒温槽30の内部において、ステップゲージ10は、その延伸方向LtがY軸方向に沿うように支持されている。また、基準ブロックゲージ20は、ステップゲージ10の上面側(ステップゲージ10の測定用開口31に対向する側)に配置され、その延伸方向LrがY軸方向に沿って、ステップゲージ10と互いに平行に支持されている。
図2に示すように、測定対象物であるステップゲージ10は、延伸方向Ltに延びる角柱状の本体を有し、その上面、底面および各側面は延伸方向Ltに交差する2方向である高さ方向Htおよび幅方向Wtのいずれかに平行とされている。
ステップゲージ10の上面には、ブロックゲージ状の凸部13が複数、延伸方向Ltに配列されている。各凸部13の延伸方向Ltの長さはDp、各凸部13の間の凹部の延伸方向Ltの間隔はDcとされている。
本実施形態では、ステップゲージ10の一方の端部にある凸部13の表面を第1表面11とし、他方の端部にある凸部13の表面を第2表面12とし、これらの第1表面11と第2表面12との距離をステップゲージ10の長さDxとして測定する。
図3に示すように、基準ゲージである基準ブロックゲージ20は、延伸方向Lrに延びるブロックゲージであり、その上面、底面および各側面は延伸方向Lrに交差する2方向である高さ方向Hrおよび幅方向Wrのいずれかに平行とされている。
基準ブロックゲージ20は、延伸方向Lrの両端にあたる一対の端面が第1基準表面21および第2基準表面22とされている。
基準ブロックゲージ20は、第1基準表面21と第2基準表面22との距離つまり長さがDrxである。基準ブロックゲージ20は、測定対象物であるステップゲージ10における測定対象の長さDx(公称寸法、呼び寸法)に基づいて、長さDrxが長さDxよりも所定寸法(例えば凸部13の長さDp分)短い寸法となるものが選択されている。
基準ブロックゲージ20は、長さDrxが既知であるだけでなく、線膨張係数が高精度に既知であり、後述する第1温度t1での比較測定および第2温度t2での比較測定の際には、その線膨張係数から各温度t1,t2における長さDrxを高精度に計算することができる。
図4において、これらのステップゲージ10および基準ブロックゲージ20は、恒温槽30内に平行に設置される。
これらのステップゲージ10および基準ブロックゲージ20を支持するために、恒温槽30内には剛性の高い底板32が設置され、その上面には測定対象物支持台50および基準ゲージ支持台60が設置されている。
測定対象物支持台50は、第1表面11側の測定対象物第1支持台51と、第2表面12側の測定対象物第2支持台52とで構成されている。
基準ゲージ支持台60は、第1基準表面21側の基準ゲージ第1支持台61と、第2基準表面22側の基準ゲージ第2支持台62とで構成されている。
〔測定対象物第1支持台51〕
図5において、測定対象物第1支持台51は、底板32に設置された基部511を有し、その両側縁に沿って起立部512,513が形成されている。ステップゲージ10は、起立部512,513の間の空間に収容され、基部511上に支持される。
基部511には、2組のボール514およびボールホルダ515が幅方向Wtに並べて設置されている。ボールホルダ515は、ボール514に転動する多数の支持ボールを有し、いわゆるフリーボールベアリングあるいはボールキャスタを形成している。
ステップゲージ10の底面は2つのボール514に当接され、これらのボール514およびボールホルダ515により、測定対象物第1支持台51とステップゲージ10の底面との間には、平面と球との接触部502が形成されている。
そして、これら2組の接触部502により、ステップゲージ10の荷重が基部511、底板32を経て恒温槽30に支持されている。
接触部502においては、ステップゲージ10の底面とボール514とが転動することで、ステップゲージ10は延伸方向Ltおよび幅方向Wtに変位可能、かつ高さ方向Hおよび幅方向Wtを中心軸とした回転(ヨーイングおよびピッチング)が可能である。
ただし、ステップゲージ10の底面とボール514とは当接しており、高さ方向Htへの変位は規制されている。また、ボール514が2組であることで、延伸方向Ltを中心軸とした回転(ローリング)も規制されている。
起立部512とステップゲージ10の側面との間には、基部511との間の接触部502と同様なボール514およびボールホルダ515が設置され、これにより平面と球との接触部504が形成されている。
起立部513とステップゲージ10の側面との間には、基部511との間の接触部502と同様なボール514およびボールホルダ515が設置されている。さらに、ボールホルダ515と起立部513との間には圧縮コイルばね516が設置されている。これらのボール514、ボールホルダ515および圧縮コイルばね516により押圧手段505が形成されている。
ステップゲージ10は、押圧手段505により幅方向Wtに沿った押圧を受け、接触部504を介して起立部512に押し付けられ、幅方向Wtには変位を規制される。ただし、押圧手段505および接触部504はボール514を介してステップゲージ10の側面に接触するため、他の方向の変位を規制することはなく、各方向を中心軸とする回動を規制することもない。
従って、測定対象物第1支持台51においては、2組の接触部502でステップゲージ10の荷重を支持しつつ、ステップゲージ10の高さ方向Htに沿った変位が規制されている。また、接触部504および押圧手段505により、ステップゲージ10の幅方向Wtに沿った変位も規制され、これによりステップゲージ10の延伸方向Ltの向きも確定される。
一方、測定対象物第1支持台51においては、延伸方向Ltの変位は許容され、ピッチングおよびヨーイングも許容されており、ステップゲージ10に熱変形が生じた際には延伸方向Ltの伸縮を許容することができる。
〔測定対象物第2支持台52〕
図6において、測定対象物第2支持台52は、底板32に設置された基部521と、ステップゲージ10の下面が載置される支持部522とを有する。
基部521には、ボール524およびボールホルダ525が設置されている。ボールホルダ525は、ボール524に転動する多数の支持ボールを有し、いわゆるフリーボールベアリングあるいはボールキャスタを形成している。
支持部522の下面には、円錐穴529が形成され、ボール524は円錐穴529に嵌め込まれている。
これらの円錐穴529およびボール524により、円錐穴と球との接触部501が形成されている。
従って、測定対象物第2支持台52においては、接触部501でステップゲージ10の荷重を支持しつつ、ステップゲージ10の高さ方向Htの変位、幅方向Wtの変位および延伸方向Ltの変位が全て規制されている。ただし、接触部501においては、ボール524を中心として、高さ方向Htを中心軸とした回転(ヨーイング)、幅方向Wtを中心軸とした回転(ピッチング)および延伸方向Ltを中心軸とした回転(ローリング)は全て許容されている。
このように、ステップゲージ10は、測定対象物第1支持台51および測定対象物第2支持台52によって支持される。
これにより、ステップゲージ10は、測定対象物第1支持台51および測定対象物第2支持台52の各々において幅方向Wtの位置を規制され、延伸方向Ltが恒温槽30および三次元測定機40のY軸方向に揃うように支持される。
そして、測定対象物第2支持台52の接触部501において延伸方向Ltの位置を拘束されているが、測定対象物第1支持台51においては延伸方向Ltの変位が許容され、熱変形による伸縮は主に第1表面11側に現れる。
〔基準ゲージ第1支持台61〕
図7において、基準ゲージ第1支持台61は、底板32の上方に配置される基部611と、基部611の下面に固定された支柱612とを有し、支柱612で底板32に支持されている。
基部611には、2組のボール614およびボールホルダ615が幅方向Wrに並べて設置されている。ボールホルダ515は、ボール514に転動する多数の支持ボールを有し、いわゆるフリーボールベアリングあるいはボールキャスタを形成している。
2組のボール614およびボールホルダ615のうち、一方の組のボール614は、基準ブロックゲージ20の下面に当接され、これにより平面と球との接触部602が形成されている。
2組のボール614およびボールホルダ615のうち、他の組のボール614は、基準ブロックゲージ20の下面に形成された円錐穴619(図9参照)に嵌め込まれ、これにより円錐穴と球との接触部601が形成されている。
従って、基準ゲージ第1支持台61においては、幅方向Wrに並んだ平面と球との接触部602および円錐穴と球との接触部601により、基準ブロックゲージ20の荷重が支持されるとともに、高さ方向Hrの変位、幅方向Wrの変位、延伸方向Lrの変位および延伸方向Lrを中心軸とした回転(ローリング)が規制され、高さ方向Hrを中心軸とした回転(ヨーイング)および幅方向Wrを中心軸とした回転(ピッチング)は許容されている。
さらに、基部611には起立部610が形成され、起立部610と基準ブロックゲージ20の上面との間には、接触部602と同様なボール614およびボールホルダ615と、これらを基準ブロックゲージ20の上面に向けて付勢する圧縮コイルばね617とが設置され、これらにより基準ブロックゲージ20を下向きに与圧する与圧手段609が形成されている。
このような与圧手段609により、基準ゲージ第1支持台61においては、基準ブロックゲージ20の重量が小さい場合でも、下面側における接触部601,602の接触が確実に維持される。
〔基準ゲージ第2支持台62〕
図8において、基準ゲージ第2支持台62は、基準ゲージ第1支持台61と同様な基部621、支柱622、起立部620を有する。そして、ボール624、ボールホルダ625および圧縮コイルばね627により、同様な与圧手段609が構成されている。
一方、基準ゲージ第2支持台62においては、基準ゲージ第1支持台61における平面と球との接触部602および円錐穴と球との接触部601に替えて、V溝と球との接触部603が構成されている。
基部621の上面には、ボール624およびボールホルダ625が設置されている。対向する基準ブロックゲージ20の下面には、延伸方向Lrに沿ってV溝628が形成されている(図9参照)。このV溝628にボール624が嵌め込まれることで、V溝と球との接触部603が構成されている。
従って、基準ゲージ第2支持台62においては、V溝と球との接触部603により、基準ブロックゲージ20の荷重が支持されるとともに、高さ方向Hrの変位および幅方向Wrの変位が規制され、延伸方向Lrの変位、延伸方向Lrを中心軸とした回転(ローリング)、高さ方向Hrを中心軸とした回転(ヨーイング)および幅方向Wrを中心軸とした回転(ピッチング)は許容されている。
このように、基準ブロックゲージ20は、基準ゲージ第1支持台61および基準ゲージ第2支持台62によって支持される。
これにより、基準ブロックゲージ20は、基準ゲージ第1支持台61および基準ゲージ第2支持台62の各々において幅方向Wrの位置を規制され、延伸方向Lrが恒温槽30および三次元測定機40のY軸方向(すなわちステップゲージ10の延伸方向Lt)に揃うように支持される。
そして、基準ゲージ第1支持台61の接触部601において延伸方向Lrの位置を拘束されているが、基準ゲージ第2支持台62においては延伸方向Lrの変位が許容され、熱変形による伸縮は主に第1基準表面21側に現れる。
〔線膨張係数の測定動作〕
図10には、線膨張係数測定装置1を用いてステップゲージ10の線膨張係数を測定する手順が示されている。
測定開始にあたっては、先ず、線膨張係数測定装置1として三次元測定機40に恒温槽30を固定し、恒温槽30の内部にステップゲージ10および基準ブロックゲージ20を設置する(処理S1)。
恒温槽30の内部にステップゲージ10および基準ブロックゲージ20を設置する際には、先ず、測定対象物第1支持台51および測定対象物第2支持台52を設置し、これらによりステップゲージ10を支持する。次に、ステップゲージ10を跨ぐように、基準ゲージ第1支持台61および基準ゲージ第2支持台62を設置し、これらにより基準ブロックゲージ20を支持する。
図11に示すように、ステップゲージ10および基準ブロックゲージ20を設置する際には、各々の延伸方向Lt,Lrの位置を調整し、各々の第2表面12と第2基準表面22とが同一平面となるようにしておく。
ここで、基準ブロックゲージ20の長さDrxは、ステップゲージ10の長さDxよりも凸部13の長さDx分短く設定されているので、第2基準表面22と第2表面12とを揃えた際には、第1基準表面21は凸部13の長さDx分だけ第1表面11に届かず、第1表面11に最寄りの凸部13は上面側を基準ブロックゲージ20で覆われない状態とされる。
ステップゲージ10および基準ブロックゲージ20の設置(処理S1)ができたら、三次元測定機40に測定長さ(ステップゲージ10の長さDx)を入力し(処理S2)、異なる温度でのステップゲージ10の長さの比較測定動作を実行する(処理S3〜S5)。
先ず、測定用開口31を全て閉じた状態で、恒温槽30の内部温度を第1温度t1に設定し、所定時間を待って温度を安定化させる(処理S3)。
恒温槽30の内部が第1温度t1で安定化したら、ステップゲージ10および基準ブロックゲージ20の座標系決定を行う(処理S4)。
具体的には、第1表面11側の測定用開口31を開き、三次元測定機40のプローブ46を導入する。そして、図12に示すように、ステップゲージ10の第1表面11を3点以上接触して位置および傾きを検出する。さらに、第1表面11が設定された凸部13の上面および一方の側面について、同様に3点以上接触して位置および傾きを検出する。これにより、第1表面11の中心位置の三次元座標と、ステップゲージ10の延伸方向Ltの向きが取得される。
同様に、プローブ46により基準ブロックゲージ20の第1基準表面21と、隣接する上面および側面の接触検出を行い、第1基準表面21の中心位置の三次元座標と、基準ブロックゲージ20の延伸方向Lrの向きを取得する。
さらに、第2表面12側の測定用開口31を通してプローブ46を導入し、ステップゲージ10の第2表面12および基準ブロックゲージ20の第2基準表面22の測定を行い、第2表面12および第2基準表面22の中心位置の三次元座標を取得しておく。
ステップゲージ10および基準ブロックゲージ20の座標系決定(処理S4)ができたら、ステップゲージ10および基準ブロックゲージ20の寸法の比較測定を行い、その際の温度を測定して記録しておく(処理S5)。
具体的には、処理S4による座標系のもとで、第1表面11の中心位置と第1基準表面21の中心位置との距離、第2表面12の中心位置と第2基準表面22の中心位置との距離に基づいて、第1基準表面21と第2基準表面22との距離(基準ブロックゲージ20の長さDrx)から計算を行うことで、第1表面11と第2表面12との距離(長さDxの正確な値)を比較測定することができる。
以上により、第1温度t1での第1表面11と第2表面12との距離の比較測定ができたら、恒温槽30の内部温度を第2温度t2に変更し(処理S6)、前述した比較測定動作(処理S3〜S5)を繰り返す。
これらにより、第1温度t1での長さDx1と、第2温度t2での長さDx2とが得られるので、ステップゲージ10の長さDとして、ステップゲージ10の第1表面11と第2表面12との間の区間の線膨張係数α=[(Dx1−Dx2)/D]/(t1−t2)として計算することができる(処理S7)。なお、長さDは、測定した長さDx1、長さDx2のいずれか、または平均値としてもよく、ステップゲージ10の公称長さであってもよく、いずれの場合も熱変形ΔD=(Dx1−Dx2)に対して十分大きいので線膨張係数αの計算には影響するものではない。
〔第1実施形態の効果〕
このような本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
三次元測定機40を用いて測定対象物であるステップゲージ10の長さ測定を行うので、高価な光波干渉計を用いることなく、様々な長さのステップゲージ10の線膨張係数を、高精度に測定することができる。
さらに、本実施形態では、三次元測定機40を用いてステップゲージ10の長さを測定する際に、長さの基準として基準ブロックゲージ20を用い、この基準ブロックゲージ20に対する長さの比較測定を行う。このため、長さ測定の結果は、三次元測定機40のスケールの精度に依存せず、専ら基準ブロックゲージ20の精度に依存することになり、ステップゲージ10が長尺化しても高精度を確保できる。
本実施形態では、比較測定を行う際に、第1基準表面21、第2基準表面22、第1表面11および第2表面12の中心座標の計算と、基準ブロックゲージ20およびステップゲージ10の延伸方向Lr,Ltに対する傾きの計算を含む座標系決定(図11の処理S4)を行うようにした。
このため、基準ブロックゲージ20の第1基準表面21および第2基準表面22、ステップゲージ10の第1表面11および第2表面12が、延伸方向Lr,Ltに対して傾いた状態であっても、各表面におけるプローブ46の接触位置から中心座標までの距離と、各表面の傾きとから、三次元測定機40による検出位置を補正することができる。
そして、基準ブロックゲージ20およびステップゲージ10の現在の状態に即して各々の座標系を決定し、その座標系のもとで長さ測定を行うことで精度を高めることができ、比較測定の精度を高く維持することができる。
本実施形態では、ステップゲージ10の測定対象部位である第1表面11および第2表面12が測定用開口31側に配置され、同側に基準ブロックゲージ20が配置されることで、比較対象の第1基準表面21および第2基準表面22を第1表面11および第2表面12に近接して配置することができ、測定精度の向上とともに測定動作の効率化、迅速化を図ることができる。
本実施形態では、基準ブロックゲージ20の第1基準表面21から第2基準表面22までの長さDrxは、ステップゲージ10の第1表面11から第2表面12までの長さDxよりも、凸部13の1個分の長さDpだけ短く設定した。
このため、ステップゲージ10の測定用開口31側に基準ブロックゲージ20が配置されて、ステップゲージ10の表面が基準ブロックゲージ20で覆われても、第1表面11側の端部近傍では、基準ブロックゲージ20の長さが短い分、ステップゲージ10の表面が測定用開口31側に露出する。従って、前述した座標系決定にあたっては、この露出した表面に三次元測定機40のプローブ46を接触させることで、基準ブロックゲージ20と干渉することなく、ステップゲージ10の表面の検出を行うことができる。
本実施形態においては、第2基準表面22と第2表面12とを同一平面内に配置したので、前述のように基準ブロックゲージ20をステップゲージ10よりも所定長さ短くした際に、同一平面とした側とは反対側の端部(第1表面11と第1基準表面21の側)で、基準ブロックゲージ20とステップゲージ10との長さの差が最大となり、三次元測定機40のプローブ46による表面検出を行う際の余裕を最大にすることができる。
本実施形態では、測定対象物第1支持台51において、ステップゲージ10の側面との接触部504と押圧手段505との組み合わせが、延伸方向Ltの変位を許容しつつ延伸方向Ltに交差する2方向(高さ方向Ht、幅方向Wt)の変位を規制するため、この組み合わせによりキネマティックマウントのV溝と球との組み合わせに相当する機能が得られる。その結果、測定対象物第1支持台51および測定対象物第2支持台52において、キネマティックマウントに相当する機能を得ることができ、延伸方向Ltおよびその交差方向に対する変位規制および回動規制を適切に行うことができる。
本実施形態では、基準ゲージ第1支持台61および基準ゲージ第2支持台62で基準ゲージ支持台60を構成し、基準ブロックゲージ20の底面との間に、円錐穴と球との接触部601、平面と球との接触部602、V溝と球との接触部603の3点を有するキネマティックマウントを構成することができ、延伸方向Lrおよびその交差方向(高さ方向Hr、幅方向Wr)に対する変位規制および回動規制を適切に行うことができる。
本実施形態では、基準ブロックゲージ20を下向きに与圧する与圧手段609を設けたので、基準ブロックゲージ20が軽量である場合でも、下向きに与圧することで、基準ゲージ第1支持台61および基準ゲージ第2支持台62による支持を安定して行うことができる。
なお、本実施形態は、ステップゲージ10の長さがより短い場合、あるいはステップゲージ10の中間部分の凸部13の間の長さを測定する場合にも、それぞれ対応することができる。
図11において、ステップゲージ10の中間部分の長さを設定する場合、一点鎖線で示すように、中間部分の凸部13に第1表面11を設定し、対応する長さの基準ブロックゲージ20を用いて第1基準表面21を設定し、プローブ46で各々の測定を行えばよい。この際、プローブ46を恒温槽30の内部に導入する際には、複数の測定用開口31のうち最寄りのものを用いればよい。
〔第2実施形態〕
図13には、本発明の第2実施形態が示されている。
前述した第1実施形態では、基準ブロックゲージ20を基準ゲージ第1支持台61および基準ゲージ第2支持台62で支持する際に、円錐穴619、V溝628を基準ブロックゲージ20の下面に直接形成した。
これに対し、第2実施形態では、図13に示すように、基準ブロックゲージ20に支持アダプタ71,72を装着し、各々の下面に円錐穴619、V溝628を形成する。
なお、第2実施形態の構成は、基準ブロックゲージ20の支持部分以外は前述した第1実施形態と同様であるので、重複する説明は省略し、以下には相違部分のみ説明する。
支持アダプタ71は、基準ブロックゲージ20の基準ゲージ第1支持台61で支持される位置に設置される。支持アダプタ71は、支持板711と固定部材712とを有し、各々で基準ブロックゲージ20を挟み付けることで基準ブロックゲージ20に固定される。
支持アダプタ72は、基準ブロックゲージ20の基準ゲージ第2支持台62で支持される位置に設置される。支持アダプタ72は、支持板721と固定部材722とを有し、各々で基準ブロックゲージ20を挟み付けることで基準ブロックゲージ20に固定される。
支持板711の下面には円錐穴619が形成され、支持板711の下面にはV溝628が形成されている。
これらを利用して、支持アダプタ71,72と基準ゲージ第1支持台61および基準ゲージ第2支持台62との間には、第1実施形態の基準ブロックゲージ20の下面(図9参照)と同様に、円錐穴と球との接触部601、平面と球との接触部602、およびV溝との接触部603が形成されている。
このような本実施形態では、基準ブロックゲージ20の下面に円錐穴619、V溝628を形成することなしに、前述した第1実施形態の各効果を得ることができる。
基準ブロックゲージ20の下面に円錐穴619、V溝628を形成する必要がないので、支持アダプタ71,72を共用することで、基準ブロックゲージ20として汎用のものを利用でき、様々な寸法への対応を容易に行うことができる。
〔第3実施形態〕
図14および図15には、本発明の第3実施形態が示されている。
前述した第1実施形態では、恒温槽30の上面にプローブ46を導入するための測定用開口31を形成し、恒温槽30の内部では、ステップゲージ10の上面側(測定用開口31がある側)に凸部13を向け、かつ同側に基準ブロックゲージ20を平行に配置した。
これに対し、第3実施形態では、図14および図15に示すように、恒温槽30Aの側面にプローブ46を導入するための測定用開口31Aを形成し、同側面に沿ってステップゲージ10を配置するとともに、同側面とステップゲージ10との間に基準ブロックゲージ20を平行に配置している。
このような本実施形態においても、前述した第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
〔第4実施形態〕
図16および図17には、本発明の第4実施形態が示されている。
前述した第1実施形態では、測定対象物第1支持台51(図5参照)において、ステップゲージ10の下面との間に平面と球との接触部502を2つ形成し、ステップゲージ10を側面から挟むように押圧手段505および接触部504を形成していた。さらに、測定対象物第2支持台52(図6参照)では、ステップゲージ10の下面との間に円錐穴と球との接触部501を形成していた。
これに対し、第4実施形態では、測定対象物第1支持台51A(図16参照)において、ステップゲージ10の下面との間に平面と球との接触部502および円錐穴と球との接触部501(円錐穴519)を形成し、測定対象物第2支持台52A(図17参照)において、ステップゲージ10の下面との間にV溝と球との接触部503(V溝528)を形成している。
このような本実施形態においては、ステップゲージ10と測定対象物第1支持台51Aおよび測定対象物第2支持台52Aとの間に、キネマティックマウントに相当する構成を形成することができる。
なお、測定対象物第1支持台51Aとステップゲージ10との間に円錐穴と球との接触部501を形成し、測定対象物第2支持台52Aとステップゲージ10との間に平面と球との接触部502およびV溝と球との接触部503を形成してもよい。
〔第5実施形態〕
図18および図19には、本発明の第5実施形態が示されている。
前述した第1実施形態では、基準ゲージ第1支持台61(図7参照)において、基準ブロックゲージ20の下面との間に円錐穴と球との接触部601および平面と球との接触部602を形成し、さらに、基準ゲージ第2支持台62(図8参照)において、基準ブロックゲージ20の下面との間にV溝と球との接触部603を形成していた。
これに対し、第5実施形態では、基準ゲージ第1支持台61A(図18参照)において、基準ブロックゲージ20の下面との間に平面と球との接触部602を2つ形成し、基準ブロックゲージ20を側面から挟むように押圧手段605(ボール614、ボールホルダ615、圧縮コイルばね616)および接触部604(ボール614、ボールホルダ615)を形成している。さらに、基準ゲージ第2支持台62A(図19参照)では、基準ブロックゲージ20の下面との間に円錐穴と球との接触部601(円錐穴629)を形成している。
このような本実施形態においても、基準ブロックゲージ20と基準ゲージ第1支持台61Aおよび基準ゲージ第2支持台62Aとの間に、キネマティックマウントに相当する構成を形成することができる。
なお、基準ゲージ第1支持台61Aと基準ブロックゲージ20との間にV溝と球との接触部603および平面と球との接触部602を形成し、基準ゲージ第2支持台62Aと基準ブロックゲージ20との間におよび円錐穴と球との接触部601を形成してもよい。
〔変形例〕
本発明は、前述した各実施形態の構成に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形などは本発明に含まれるものである。
例えば、各実施形態では、基準ゲージ第1支持台61,61Aおよび基準ゲージ第2支持台62,62Aにおいて、与圧手段609により、下面側における接触部601,602,603の接触が確実に維持されるようにしていた。
このような与圧手段609としては、圧縮コイルばね617,627を用いた機械的なものに限らず、流体圧や流体流れ、電磁気力などを利用した非接触の付勢手段などを用いてもよい。
さらに、基準ブロックゲージ20の重量が十分な重さであれば、与圧手段609は省略してもよい。
前述した第1実施形態では、第1表面11から第2表面12までの長さDxをステップゲージ10の長さとして測定した。ただし、ステップゲージ10の両端面を第1表面11および第2表面12とすることで、ステップゲージ10の長さおよびその間の線膨張係数を測定できる。また、図10において説明した通り、第1表面11および第2表面12をステップゲージ10の中間部分の凸部13の端面などに設定することで、この中間部分の長さおよび線膨張係数を測定することもできる。
前述した各実施形態では、ステップゲージ10を測定対象物としていたが、測定対象物としてはブロックゲージあるいは他の寸法基準器であってもよい。
また、基準ゲージとしては、基準ブロックゲージ20に限らず、専用の基準ゲージあるいは測定対象物と同様なステップゲージ10であって高精度に校正されたマスターゲージを用いてもよい。
この際、基準ゲージとしては、第1温度t1と第2温度t2との間の温度変化では精度上膨張を無視しうる極低膨張係数ないしゼロ膨張係数の材質から製造されたもの、または、膨張係数が既知である材質から製造されたもの、のいずれかであることが望ましい。
前記実施形態では、基準ゲージである基準ブロックゲージ20の第2基準表面22と測定対象物であるステップゲージ10の第2表面12とを同一平面に揃えたが、第1基準表面21と第1表面11とを揃えてもよく、あるいは基準ゲージおよび測定対象物の両端を揃えない配置としてもよい。
ただし、いずれかの端部を揃えることにより、同一平面とした側とは反対側の端部で、基準ゲージと測定対象物との長さの差が最大となり、三次元測定機のプローブによる表面検出を行う際の余裕を最大にすることができる。
本発明は、寸法基準器の線膨張係数測定方法および測定装置に利用できる。
1…線膨張係数測定装置、10…測定対象物であるステップゲージ、11…第1表面、12…第2表面、13…凸部、20…基準ゲージである基準ブロックゲージ、21…第1基準表面、22…第2基準表面、30,30A…恒温槽、31…測定用開口、31A…測定用開口、32…底板、40…三次元測定機、41…定盤、42…コラム、43…クロスバー、44…ヘッド、45…ラム、46…プローブ、50…測定対象物支持台、501…円錐穴と球との接触部、502…平面と球との接触部、503…V溝と球との接触部、504…平面と球との接触部、505…押圧手段、51,51A…測定対象物第1支持台、511…基部、512…起立部、513…起立部、514…ボール、515…ボールホルダ、516…圧縮コイルばね、519…円錐穴、52,52A…測定対象物第2支持台、521…基部、522…支持部、524…ボール、525…ボールホルダ、528…V溝、529…円錐穴、60…基準ゲージ支持台、601…円錐穴と球との接触部、602…平面と球との接触部、603…V溝と球との接触部、604…平面と球との接触部、605…押圧手段、609…与圧手段、61,61A…基準ゲージ第1支持台、610…起立部、611…基部、612…支柱、614…ボール、615…ボールホルダ、616…圧縮コイルばね、617…圧縮コイルばね、619…円錐穴、62,62A…基準ゲージ第2支持台、620…起立部、621…基部、622…支柱、624…ボール、625…ボールホルダ、628…V溝、629…円錐穴、71,72…支持アダプタ、711,721…支持板、712,722…固定部材、Dx…測定対象物の長さ、Drx…基準ゲージの長さ、Hr…基準ゲージの高さ方向、Ht…測定対象物の高さ方向、Lr…基準ゲージの延伸方向、Lt…測定対象物の延伸方向、T…温度、t1…第1温度、t2…第2温度、To…基準温度、Wr…基準ゲージの幅方向、Wt…測定対象物の幅方向、α…線膨張係数、ΔL…長さの変化量。

Claims (8)

  1. 寸法基準器を測定対象物として、前記測定対象物の延伸方向に離れた前記測定対象物の第1表面から第2表面までの部分の線膨張係数を測定する寸法基準器の線膨張係数測定方法であって、
    前記第1表面および前記第2表面に対応する第1基準表面および第2基準表面を有し、かつ前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さが既知である基準ゲージと、
    前記測定対象物および前記基準ゲージを収容可能、かつ内部温度を調整可能、かつ測定用表面に測定用開口を有する恒温槽と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記測定対象物を支持する測定対象物支持台と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記基準ゲージを支持する基準ゲージ支持台と、
    前記測定用開口から前記恒温槽の内部へ測定プローブを導入可能な三次元測定機と、
    を準備し、
    前記測定対象物支持台は、測定対象物第1支持台および測定対象物第2支持台を含み、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記測定対象物の変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容するとともに、
    前記基準ゲージ支持台は、基準ゲージ第1支持台および基準ゲージ第2支持台を含み、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記基準ゲージの変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部のうちいずれか1つまたは2つを有し、
    前記測定対象物第2支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部のうち前記測定対象物第1支持台にない接触部を有するものとしておき、
    前記恒温槽の内部に、前記測定対象物および前記基準ゲージを平行に支持しておき、
    前記恒温槽の内部温度を第1温度とし、前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さを基準として、前記第1表面から前記第2表面までの長さを比較測定し、
    前記恒温槽の内部温度を第2温度とし、前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さを基準として、前記第1表面から前記第2表面までの長さを比較測定し、
    前記第1温度での前記第1表面から前記第2表面までの長さと前記第2温度での前記第1表面から前記第2表面までの長さとから前記測定対象物の線膨張係数を算出することを特徴とする寸法基準器の線膨張係数測定方法。
  2. 寸法基準器を測定対象物として、前記測定対象物の延伸方向に離れた前記測定対象物の第1表面から第2表面までの部分の線膨張係数を測定する寸法基準器の線膨張係数測定方法であって、
    前記第1表面および前記第2表面に対応する第1基準表面および第2基準表面を有し、かつ前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さが既知である基準ゲージと、
    前記測定対象物および前記基準ゲージを収容可能、かつ内部温度を調整可能、かつ測定用表面に測定用開口を有する恒温槽と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記測定対象物を支持する測定対象物支持台と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記基準ゲージを支持する基準ゲージ支持台と、
    前記測定用開口から前記恒温槽の内部へ測定プローブを導入可能な三次元測定機と、
    を準備し、
    前記測定対象物支持台は、測定対象物第1支持台および測定対象物第2支持台を含み、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記測定対象物の変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容するとともに、
    前記基準ゲージ支持台は、基準ゲージ第1支持台および基準ゲージ第2支持台を含み、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記基準ゲージの変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうちいずれか1つを有し、
    前記測定対象物第2支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうち前記測定対象物第1支持台にない接触部を有し、
    前記測定対象物第1支持台または前記測定対象物第2支持台のいずれかは、前記測定対象物の一方の側面と球との接触部と、前記測定対象物の側面を前記球に押圧する押圧手段とを有するものとしておき、
    前記恒温槽の内部に、前記測定対象物および前記基準ゲージを平行に支持しておき、
    前記恒温槽の内部温度を第1温度とし、前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さを基準として、前記第1表面から前記第2表面までの長さを比較測定し、
    前記恒温槽の内部温度を第2温度とし、前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さを基準として、前記第1表面から前記第2表面までの長さを比較測定し、
    前記第1温度での前記第1表面から前記第2表面までの長さと前記第2温度での前記第1表面から前記第2表面までの長さとから前記測定対象物の線膨張係数を算出することを特徴とする寸法基準器の線膨張係数測定方法。
  3. 寸法基準器を測定対象物として、前記測定対象物の延伸方向に離れた前記測定対象物の第1表面から第2表面までの部分の線膨張係数を測定する寸法基準器の線膨張係数測定方法であって、
    前記第1表面および前記第2表面に対応する第1基準表面および第2基準表面を有し、かつ前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さが既知である基準ゲージと、
    前記測定対象物および前記基準ゲージを収容可能、かつ内部温度を調整可能、かつ測定用表面に測定用開口を有する恒温槽と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記測定対象物を支持する測定対象物支持台と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記基準ゲージを支持する基準ゲージ支持台と、
    前記測定用開口から前記恒温槽の内部へ測定プローブを導入可能な三次元測定機と、
    を準備し、
    前記測定対象物支持台は、測定対象物第1支持台および測定対象物第2支持台を含み、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記測定対象物の変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容するとともに、
    前記基準ゲージ支持台は、基準ゲージ第1支持台および基準ゲージ第2支持台を含み、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記基準ゲージの変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうちいずれか1つを有し、
    前記基準ゲージ第1支持台は、前記基準ゲージの底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部のうちいずれか1つまたは2つを有し、
    前記基準ゲージ第2支持台は、前記基準ゲージの底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部のうち前記基準ゲージ第1支持台にない接触部を有するものとしておき、
    前記恒温槽の内部に、前記測定対象物および前記基準ゲージを平行に支持しておき、
    前記恒温槽の内部温度を第1温度とし、前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さを基準として、前記第1表面から前記第2表面までの長さを比較測定し、
    前記恒温槽の内部温度を第2温度とし、前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さを基準として、前記第1表面から前記第2表面までの長さを比較測定し、
    前記第1温度での前記第1表面から前記第2表面までの長さと前記第2温度での前記第1表面から前記第2表面までの長さとから前記測定対象物の線膨張係数を算出することを特徴とする寸法基準器の線膨張係数測定方法。
  4. 寸法基準器を測定対象物として、前記測定対象物の延伸方向に離れた前記測定対象物の第1表面から第2表面までの部分の線膨張係数を測定する寸法基準器の線膨張係数測定方法であって、
    前記第1表面および前記第2表面に対応する第1基準表面および第2基準表面を有し、かつ前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さが既知である基準ゲージと、
    前記測定対象物および前記基準ゲージを収容可能、かつ内部温度を調整可能、かつ測定用表面に測定用開口を有する恒温槽と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記測定対象物を支持する測定対象物支持台と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記基準ゲージを支持する基準ゲージ支持台と、
    前記測定用開口から前記恒温槽の内部へ測定プローブを導入可能な三次元測定機と、
    を準備し、
    前記測定対象物支持台は、測定対象物第1支持台および測定対象物第2支持台を含み、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記測定対象物の変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容するとともに、
    前記基準ゲージ支持台は、基準ゲージ第1支持台および基準ゲージ第2支持台を含み、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記基準ゲージの変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台は、前記基準ゲージの底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうちいずれか1つを有し、
    前記基準ゲージ第2支持台は、前記基準ゲージの底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうち前記基準ゲージ第1支持台にない接触部を有し、
    前記基準ゲージ第1支持台または前記基準ゲージ第2支持台のいずれかは、前記基準ゲージの一方の側面と球との接触部と、前記基準ゲージの側面を前記球に押圧する押圧手段とを有するものとしておき、
    前記恒温槽の内部に、前記測定対象物および前記基準ゲージを平行に支持しておき、
    前記恒温槽の内部温度を第1温度とし、前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さを基準として、前記第1表面から前記第2表面までの長さを比較測定し、
    前記恒温槽の内部温度を第2温度とし、前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さを基準として、前記第1表面から前記第2表面までの長さを比較測定し、
    前記第1温度での前記第1表面から前記第2表面までの長さと前記第2温度での前記第1表面から前記第2表面までの長さとから前記測定対象物の線膨張係数を算出することを特徴とする寸法基準器の線膨張係数測定方法。
  5. 寸法基準器を測定対象物として、前記測定対象物の延伸方向に離れた前記測定対象物の第1表面から第2表面までの部分の線膨張係数を測定する寸法基準器の線膨張係数測定装置であって、
    前記第1表面および前記第2表面に対応する第1基準表面および第2基準表面を有し、かつ前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さが既知である基準ゲージと、
    前記測定対象物および前記基準ゲージを収容可能、かつ内部温度を調整可能、かつ測定用表面に測定用開口を有する恒温槽と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記測定対象物を支持する測定対象物支持台と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記基準ゲージを支持する基準ゲージ支持台と、
    前記測定用開口から前記恒温槽の内部へ測定プローブを導入可能な三次元測定機と、
    を有し、
    前記測定対象物支持台は、測定対象物第1支持台および測定対象物第2支持台を含み、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記測定対象物の変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容するとともに、
    前記基準ゲージ支持台は、基準ゲージ第1支持台および基準ゲージ第2支持台を含み、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記基準ゲージの変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部のうちいずれか1つまたは2つを有し、
    前記測定対象物第2支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部のうち前記測定対象物第1支持台にない接触部を有する
    ことを特徴とする寸法基準器の線膨張係数測定装置。
  6. 寸法基準器を測定対象物として、前記測定対象物の延伸方向に離れた前記測定対象物の第1表面から第2表面までの部分の線膨張係数を測定する寸法基準器の線膨張係数測定装置であって、
    前記第1表面および前記第2表面に対応する第1基準表面および第2基準表面を有し、かつ前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さが既知である基準ゲージと、
    前記測定対象物および前記基準ゲージを収容可能、かつ内部温度を調整可能、かつ測定用表面に測定用開口を有する恒温槽と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記測定対象物を支持する測定対象物支持台と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記基準ゲージを支持する基準ゲージ支持台と、
    前記測定用開口から前記恒温槽の内部へ測定プローブを導入可能な三次元測定機と、
    を有し、
    前記測定対象物支持台は、測定対象物第1支持台および測定対象物第2支持台を含み、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記測定対象物の変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容するとともに、
    前記基準ゲージ支持台は、基準ゲージ第1支持台および基準ゲージ第2支持台を含み、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記基準ゲージの変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうちいずれか1つを有し、
    前記測定対象物第2支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうち前記測定対象物第1支持台にない接触部を有し、
    前記測定対象物第1支持台または前記測定対象物第2支持台のいずれかは、前記測定対象物の一方の側面と球との接触部と、前記測定対象物の側面を前記球に押圧する押圧手段とを有する
    ことを特徴とする寸法基準器の線膨張係数測定装置。
  7. 寸法基準器を測定対象物として、前記測定対象物の延伸方向に離れた前記測定対象物の第1表面から第2表面までの部分の線膨張係数を測定する寸法基準器の線膨張係数測定装置であって、
    前記第1表面および前記第2表面に対応する第1基準表面および第2基準表面を有し、かつ前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さが既知である基準ゲージと、
    前記測定対象物および前記基準ゲージを収容可能、かつ内部温度を調整可能、かつ測定用表面に測定用開口を有する恒温槽と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記測定対象物を支持する測定対象物支持台と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記基準ゲージを支持する基準ゲージ支持台と、
    前記測定用開口から前記恒温槽の内部へ測定プローブを導入可能な三次元測定機と、
    を有し、
    前記測定対象物支持台は、測定対象物第1支持台および測定対象物第2支持台を含み、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記測定対象物の変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容するとともに、
    前記基準ゲージ支持台は、基準ゲージ第1支持台および基準ゲージ第2支持台を含み、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記基準ゲージの変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台は、前記測定対象物の底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうちいずれか1つを有し、
    前記基準ゲージ第1支持台は、前記基準ゲージの底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部のうちいずれか1つまたは2つを有し、
    前記基準ゲージ第2支持台は、前記基準ゲージの底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部、V溝と球との接触部のうち前記基準ゲージ第1支持台にない接触部を有する
    ことを特徴とする寸法基準器の線膨張係数測定装置。
  8. 寸法基準器を測定対象物として、前記測定対象物の延伸方向に離れた前記測定対象物の第1表面から第2表面までの部分の線膨張係数を測定する寸法基準器の線膨張係数測定装置であって、
    前記第1表面および前記第2表面に対応する第1基準表面および第2基準表面を有し、かつ前記第1基準表面から前記第2基準表面までの長さが既知である基準ゲージと、
    前記測定対象物および前記基準ゲージを収容可能、かつ内部温度を調整可能、かつ測定用表面に測定用開口を有する恒温槽と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記測定対象物を支持する測定対象物支持台と、
    前記恒温槽の内部に設置されて前記基準ゲージを支持する基準ゲージ支持台と、
    前記測定用開口から前記恒温槽の内部へ測定プローブを導入可能な三次元測定機と、
    を有し、
    前記測定対象物支持台は、測定対象物第1支持台および測定対象物第2支持台を含み、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記測定対象物の変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記測定対象物の変位を許容し、
    前記測定対象物第1支持台および前記測定対象物第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記測定対象物の回動を許容するとともに、
    前記基準ゲージ支持台は、基準ゲージ第1支持台および基準ゲージ第2支持台を含み、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台は、それぞれ前記延伸方向に交差する2方向の前記基準ゲージの変位を規制しかつ前記延伸方向に交差する2方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を規制しかついずれか他方が前記延伸方向の前記基準ゲージの変位を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台および前記基準ゲージ第2支持台のいずれか一方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を規制しかついずれか他方が前記延伸方向を中心軸とした前記基準ゲージの回動を許容し、
    前記基準ゲージ第1支持台は、前記基準ゲージの底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうちいずれか1つを有し、
    前記基準ゲージ第2支持台は、前記基準ゲージの底面との間に、円錐穴と球との接触部、平面と球との接触部のうち前記基準ゲージ第1支持台にない接触部を有し、
    前記基準ゲージ第1支持台または前記基準ゲージ第2支持台のいずれかは、前記基準ゲージの一方の側面と球との接触部と、前記基準ゲージの側面を前記球に押圧する押圧手段とを有する
    ことを特徴とする寸法基準器の線膨張係数測定装置。
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