JP6925855B2 - 荷物預かりシステム及びx線検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、荷物預かりシステム及びX線検査装置に関する。
特許文献1には、利用者の指紋の情報によって利用者本人を認証して解錠を行うロッカー装置が開示されている。このロッカー装置は、指紋リーダと、タッチパネルと、識別情報登録部と、本人認証部と、読取成否判断部とを有している。指紋リーダは、利用者の指紋の情報を読取る。タッチパネルは、利用者による暗証番号の入力を受け付ける。識別情報登録部は、指紋の情報と暗証番号を予め登録する。本人認証部は、識別情報登録部が登録した指紋の情報と、当該登録後に指紋リーダが読取った指紋の情報とを照合することにより、利用者本人であることを認証する。読取成否判断部は、指紋リーダが指紋の情報を正しく読取ったか否かを判断する。識別情報登録部は、指紋リーダが指紋の情報を正しく読取っていないと読取成否判断部が判断した場合に限り、暗証番号の登録を可能とする。本人認証部は、識別情報登録部が暗証番号を予め登録した場合に限り、識別情報登録部が登録した暗証番号と、当該登録後に利用者が入力した暗証番号を照合することにより、利用者本人であることを認証する。
上記のようなロッカー装置は、駅構内、公共施設、商業施設などに設置されて、利用者の荷物を一時的に預かる機能を担っている。一方、大規模イベントや重要イベントの開催時、外国要人の来日時などには、テロ対策の徹底・強化を図るために、ロッカー装置を閉鎖して使用中止とする運用がなされることが多い。
特開2010−196436号公報
しかしながら、例えば2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を見据えたとき、大勢の来場者が見込まれるため、荷物預かり場所の確保が困難となり、且つ/又は、競技場やその周辺施設に荷物を持ち込む際の警備負担が増大するという問題がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、荷物の安全性を保証しつつ、荷物預かり場所の確保と警備負担の軽減の両面で利便性が増大した荷物預かりシステム及びX線検査装置を提供することを目的の1つとする。
本実施形態の荷物預かりシステムは、利用者の荷物を預かる荷物預かりシステムであって、互いに組み合わせて使用されるX線検査装置とロッカー装置を有し、前記X線検査装置は、前記利用者の一次生体認証情報を取得する一次生体認証情報取得部と、前記荷物のX線検査情報を取得するX線検査情報取得部と、前記一次生体認証情報と前記X線検査情報を前記ロッカー装置の受信部に向けて送信する送信部と、を有する、ことを特徴としている。
本実施形態のX線検査装置は、利用者の荷物を預かる荷物預かりシステムにおいて、ロッカー装置と組み合わせて使用されるX線検査装置であって、前記利用者の一次生体認証情報を取得する一次生体認証情報取得部と、前記荷物のX線検査情報を取得するX線検査情報取得部と、前記一次生体認証情報と前記X線検査情報を前記ロッカー装置の受信部に向けて送信する送信部と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、荷物の安全性を保証しつつ、荷物預かり場所の確保と警備負担の軽減の両面で利便性が増大した荷物預かりシステム及びX線検査装置を提供することができる。
X線検査装置の外観構成を示す斜視図である。 X線検査装置の内部構成を示す機能ブロック図である。 ロッカー装置の外観構成を示す正面図である。 ロッカー装置の内部構成を示す機能ブロック図である。 荷物預かりシステムの動作を示すフローチャートである。
図1〜図5を参照して、本実施形態の荷物預かりシステムについて説明する。荷物預かりシステムは、利用者の荷物を一時的に預かる機能を持つ。荷物預かりシステムは、X線検査装置100とロッカー装置200を有している。X線検査装置100は可搬式であり、荷物預かりシステムの使用場所その他の任意の場所で組立と解体が可能である。これに対し、ロッカー装置200は固定式であり、例えば、駅構内、公共施設、商業施設などに設置される。
ロッカー装置200は、X線検査装置100と協働しながら荷物預かりシステムとして機能する協働モードと、X線検査装置100と協働することなく通常のロッカー装置として機能する通常モードとのいずれかで動作可能である。以下では、ロッカー装置200が協働モードで動作する場合の構成及び動作について詳細に説明する。
図1は、X線検査装置100の外観構成を示す斜視図である。以下の説明における上、下、前、後、左、右の各方向は、図1中に示す矢線方向を基準とする。
X線検査装置100は、荷物を収容する収容ユニット110と、収容ユニット110に収容された荷物にX線を照射するX線照射ユニット120と、収容ユニット110に収容された荷物を透過したX線照射ユニット120からのX線を受像するX線受像ユニット130とを有している。収容ユニット110とX線照射ユニット120とX線受像ユニット130は、互いに着脱可能となっている。
収容ユニット110は、前方が開放され且つ左方と右方と後方が閉塞された側面視略台形の筐体部111と、この筐体部111の前方を閉塞する扉部112とを有している。筐体部111の前方上端部と扉部112の上端部は、ヒンジ部113を介して回動自在に結合されている。ヒンジ部113を介して扉部112を筐体部111から開くと、収容ユニット110に荷物を収容可能となり、ヒンジ部113を介して扉部112を筐体部111に閉じると、収容ユニット110に収容した荷物に対するX線検査が可能となる。なお、筐体部111の上方と下方は開放されていてもよいし、X線検査に影響を及ぼさない限りにおいて閉塞されていてもよい。また、筐体部111は、左壁と右壁と後壁を一体で形成していなくてもよく、左壁と右壁と後壁を別体で形成してこれらを連結していてもよい。
X線照射ユニット120は、X線発生棒121と、このX線発生棒121を収納する収納部122とを有している。X線発生棒121は、左右方向に延びる棒状部材からなり、左右方向の左側の大部分が大径のX線発生部121Aとなっており、左右方向の右側の小部分が小径の把持部121Bとなっている。把持部121Bには、X線発生部121AによるX線の制御を実行するための入力操作部(図示略)が設けられている。また、把持部121Bには、利用者の指紋情報(一次生体認証情報)を取得する指紋リーダ(一次生体認証情報取得部)121Cが設けられている。
収納部122は、左端部が閉塞され且つ右端部が開放された左右方向に延びる有底筒状部材からなる。収納部122の内径はX線発生棒121のX線発生部121Aの外径より僅かに大きく設定されており、X線発生棒121のX線発生部121Aを収納部122の右端部から微小クリアランスで挿入することが可能である。
筐体部111の左方上端部と収納部122の左端部、及び、筐体部111の右方上端部と収納部122の右端部は、連結鉤部123によってそれぞれ連結されている(図1では前者の連結鉤部123のみを描いて後者の連結鉤部123を省略している)。これにより、収容ユニット110とX線照射ユニット120が一体化される。
X線受像ユニット130は、平面視略矩形をなす基台部131と、この基台部131の四隅の下面に設けられた支持脚部132とを有している。基台部131は、後方が開放されており、当該後方開放部からFPD(Flat Panel Detector)(X線検査情報取得部)133が挿入される。FPD133は、荷物を透過したX線をデジタル信号に変換することにより荷物のX線検査情報(X線画像)を取得する。なお、基台部131の上方は開放されていてもよいし、X線検査に影響を及ぼさない限りにおいて閉塞されていてもよい。
筐体部111の左方下端部と基台部131の左端部、及び、筐体部111の右方下端部と基台部131の右端部は、連結鉤部134によってそれぞれ連結されている(図1では前者の連結鉤部134のみを描いて後者の連結鉤部134を省略している)。これにより、収容ユニット110とX線受像ユニット130が一体化される。
このようにして、連結鉤部123と連結鉤部134により収容ユニット110とX線照射ユニット120とX線受像ユニット130を一体化したX線検査装置100が完成される。X線検査装置100の完成状態では、扉部112を閉じている限り、X線発生棒121(X線発生部121A)が発生したX線がX線検査装置100の外部に漏れることはない。別言すると、X線検査装置100による荷物のX線検査を行う際は、必ず、扉部112が閉じた状態でロックされる。また、X線照射ユニット120の収納部122には取手部124が設けられており、この取手部124を掴むことで、X線検査装置100を自由に持ち運ぶことが可能である。
図2は、X線検査装置100の内部構成を示す機能ブロック図である。X線検査装置100は、指紋リーダ(一次生体認証情報取得部)121Cと、FPD(X線検査情報取得部)133と、情報記憶部140と、無線送信部(送信部)150と、特定指紋保持部(特定生体認証情報保持部)160と、警告部170とを有している。
上述したように、指紋リーダ121Cは、利用者の指紋情報(一次生体認証情報)を取得する。指紋リーダ121Cが取得する利用者の指紋情報には、当該指紋情報の取得時刻が紐付けられる。
上述したように、FPD133は、荷物のX線検査情報を取得する。FPD133が取得するX線検査情報には、荷物の安全性を保証しているか否かの判定情報が含まれる。つまり、X線画像を走査して不審物や危険物(例えばナイフや爆弾など)が発見されない場合は、X線検査情報に荷物の安全性を保証する旨の情報が組み込まれる。逆に、X線画像を走査して不審物や危険物(例えばナイフや爆弾など)が発見された場合は、X線検査情報に荷物の安全性を保証しない旨の情報が組み込まれる。
情報記憶部140は、指紋リーダ121Cが取得した利用者の指紋情報とFPD133が取得したX線検査情報とを対応付けて記憶する。すなわち、情報記憶部140の記憶情報を解析すれば、利用者と荷物が一対一の関係で対応付けられているので、ある荷物の持ち主を追跡する必要が生じた場合に即座にそれを実行することができる。
無線送信部150は、情報記憶部140が記憶した利用者の指紋情報(取得時刻を含む)と荷物のX線検査情報(一対一の関係で対応付けられている)を後述するロッカー装置200の無線受信部260に無線送信する。
特定指紋保持部160は、特定指紋(特定生体認証情報)を予め保持している。特定指紋保持部160が保持する特定指紋は、例えば指名手配犯などの指紋情報であり、荷物の中身の如何にかかわらず周囲の警察官に警告(注意喚起)を発する必要のあるものである。
警告部170は、FPD133が取得したX線検査情報(情報記憶部140が記憶したX線検査情報)が荷物の安全性を保証していない場合(不審物や危険物が含まれているおそれがある場合)、アラーム音などによる警告を発する。これにより、荷物の中身を全部出しての再検査などが促される。
警告部170は、指紋リーダ121Cが取得した利用者の指紋情報(情報記憶部140が記憶した指紋情報)が、特定指紋保持部160が保持する特定指紋と一致している場合、周囲の警察官に警告(注意喚起)を発する。この警告はアラーム音などの利用者に気付かれるおそれがあるものではなく、静的な手法(例えば周囲の警察官にメールを自動配信する)とすることが好ましい。警告を受けた周囲の警察官は、利用者への職務質問といった適切な措置をとることが可能になる。
図3は、ロッカー装置200の外観構成を示す正面図である。ロッカー装置200は、筐体部210を有しており、筐体部210の下方は、電源部(図示略)等が内蔵される機器設置部220となっている。筐体部210の上方は、縦5列×横5列のマトリックス状に区画されており、中央部を除いた24個の区画にそれぞれロッカー部230が設けられており、中央部の区画にタッチパネル部240と指紋リーダ(二次生体認証情報取得部)250が設けられている。
ロッカー部230は、扉231を有するボックスと、扉231の施錠に用いられる電気錠とを有している。利用者は、扉231を開けてボックス内の棚板に荷物を収納して、電気錠の操作により扉231を施錠することで、荷物をロッカー部230に預けることができる。扉231には、当該扉231を開ける際に手を掛ける取手232と、ロッカー部230の番号が印字されたナンバーシール233と、ロッカー部230が使用中であるか否かを表示する表示ランプ234とが設けられている。
図4は、ロッカー装置200の内部構成を示す機能ブロック図である。ロッカー装置200は、指紋リーダ(二次生体認証情報取得部)250と、無線受信部(受信部)260と、制御部270とを有している。
指紋リーダ250は、利用者の指紋情報(二次生体認証情報)を取得することができる。指紋リーダ250は、X線検査装置100の指紋リーダ121Cが利用者の指紋情報を取得してから所定時間(例えば1分)以内に限って、利用者の指紋情報を取得することができる。指紋リーダ250は、X線検査装置100の指紋リーダ121Cが利用者の指紋情報を取得してから所定時間(例えば1分)を経過した後は、利用者の指紋情報を取得することができない。
無線受信部(受信部)260は、X線検査装置100の無線送信部150から無線送信された利用者の指紋情報(一次生体認証情報)と荷物のX線検査情報を無線受信する。無線受信部260が無線受信する利用者の指紋情報は、X線検査装置100の指紋リーダ121Cが取得したものであり、無線受信部260が無線受信する荷物のX線検査情報は、X線検査装置100のFPD133が取得したものである。
制御部270は、指紋リーダ121Cが取得した利用者の指紋情報(一次生体認証情報)、指紋リーダ250が取得した利用者の指紋情報(二次生体認証情報)、及び、FPD133が取得した荷物のX線検査情報に基づいて、荷物を預かるか否かを決定する。
制御部270は、指紋リーダ121Cが取得した利用者の指紋情報(一次生体認証情報)と指紋リーダ250が取得した利用者の指紋情報(二次生体認証情報)が一致しており、且つ、FPD133が取得した荷物のX線検査情報が当該荷物の安全性を保証している場合に、荷物を預かることを決定する。一方、制御部270は、指紋リーダ121Cが取得した利用者の指紋情報(一次生体認証情報)と指紋リーダ250が取得した利用者の指紋情報(二次生体認証情報)が一致しておらず、且つ/又は、FPD133が取得した荷物のX線検査情報が当該荷物の安全性を保証していない場合に、荷物を預からないことを決定する。
図5は、荷物預かりシステムの動作を示すフローチャートである。フローチャート開始前に、固定式のロッカー装置200の近傍に可搬式のX線検査装置100を設置する。X線検査装置100の設置場所までは、X線検査装置100の収容ユニット110とX線照射ユニット120とX線受像ユニット130を解体した状態で搬送し、X線検査装置100の設置場所にて、収容ユニット110とX線照射ユニット120とX線受像ユニット130を組み立ててX線検査装置100を完成させることができる。
ステップST1では、利用者がX線検査装置100の指紋リーダ121Cに指を乗せて、当該指紋リーダ121Cが利用者の指紋情報(一次生体認証情報)を取得する。指紋リーダ121Cが取得した利用者の指紋情報には、当該指紋情報の取得時刻が紐付けられている。指紋リーダ121Cが取得した利用者の指紋情報とその取得時刻は、情報記憶部140に記憶された後、無線送信部150によりロッカー装置200の無線受信部260に伝送される。
ステップST2では、指紋リーダ121Cが取得した利用者の指紋情報が、特定指紋保持部160が保持する特定指紋と一致しているか否かが判定される。一致していると判定された場合(ステップST2:YES)、ステップST3に進んで、例えば周囲の警察官にメールを自動配信する等の手法により警告(注意喚起)が発せられる。一致していないと判定された場合(ステップST2:NO)、ステップST4に進む。
ステップST4では、X線検査装置100の収容ユニット110に荷物を収容した上で、例えばPCなどのX線照射指示部(図示略)を遠隔操作することで、検査対象物である荷物のX線検査が実行される。すなわち、X線照射ユニット120(X線発生棒121)が発生したX線が荷物を透過してX線受像ユニット130(FPD133)で受像されることで、荷物のX線検査情報(X線画像)が取得される。X線受像ユニット130(FPD133)が取得した荷物のX線検査情報(X線画像)は、情報記憶部140に記憶された後、無線送信部150によりロッカー装置200の無線受信部260に伝送される。
ステップST5では、FPD133が取得したX線検査情報が荷物の安全性を保証しているか否か(不審物や危険物が含まれているおそれがあるか否か)が判定される。X線検査情報が荷物の安全性を保証していないと判定された場合(ステップST5:NO)、ステップST6に進んで、アラーム音などによる警告が発せられる。X線検査情報が荷物の安全性を保証していると判定された場合(ステップST5:YES)、ステップST7に進む。
ステップST7では、利用者が荷物を持ってロッカー装置200の前に移動し、ロッカー装置200のタッチパネル部240を操作することで、複数(図3では24個)のロッカー部230の中からどのロッカー部230を使用するかを選択する。例えば、タッチパネル部240を操作して、表示ランプ234が消えていて使用中でないロッカー部230のロッカー番号(ナンバーシール233に記載されている)を入力することで、使用するロッカー部230を選択することができる。
ステップST8では、利用者がロッカー装置200の指紋リーダ250に指を乗せる。
ステップST9では、X線検査装置100の指紋リーダ121Cが利用者の指紋情報を取得してから所定時間以内であるか否かが判定される。指紋リーダ121Cが利用者の指紋情報を取得してから所定時間以内である場合(ステップST9:YES)、ステップST10に進んで、指紋リーダ250が利用者の指紋情報(二次生体認証情報)を取得する。指紋リーダ121Cが利用者の指紋情報を取得してから所定時間が経過している場合(ステップST9:NO)、指紋リーダ250が利用者の指紋情報(二次生体認証情報)を取得することなく、ステップST1に戻る。
ステップST11では、制御部270が、指紋リーダ121Cが取得した利用者の指紋情報(一次生体認証情報)と指紋リーダ250が取得した利用者の指紋情報(二次生体認証情報)が一致しており、且つ、FPD133が取得した荷物のX線検査情報が当該荷物の安全性を保証しているか否かを判定する。
指紋リーダ121Cが取得した利用者の指紋情報(一次生体認証情報)と指紋リーダ250が取得した利用者の指紋情報(二次生体認証情報)が一致しており、且つ、FPD133が取得した荷物のX線検査情報が当該荷物の安全性を保証している場合(ステップST11:YES)、ステップST12に進んで、制御部270が利用者の荷物を預かることを決定する。
指紋リーダ121Cが取得した利用者の指紋情報(一次生体認証情報)と指紋リーダ250が取得した利用者の指紋情報(二次生体認証情報)が一致しておらず、且つ/又は、FPD133が取得した荷物のX線検査情報が当該荷物の安全性を保証していない場合(ステップST11:NO)、ステップST13に進んで、制御部270が利用者の荷物を預からないことを決定する。
このように、本実施形態の荷物預かりシステムによれば、指紋リーダ121Cが取得した利用者の指紋情報(一次生体認証情報)と指紋リーダ250が取得した利用者の指紋情報(二次生体認証情報)が一致しており、且つ、FPD133が取得した荷物のX線検査情報が当該荷物の安全性を保証している場合に、制御部270が利用者の荷物を預かることを決定するので、荷物の安全性を保証しつつ、荷物預かり場所の確保と警備負担の軽減の両面で利便性が増大を図ることができる。
すなわち、ロッカー装置200に荷物を預ける前段階として、X線検査装置100による荷物のX線検査を必須としたことで、不審物や危険物がロッカー装置200に預けられるのを防止することができる。X線検査が課されることを認識してロッカー装置200に不審物や危険物を預けようとする者はまずいないし、仮にそのような者がいても、X線検査装置100が不審物や危険物を検出して荷物の安全性を保証しないので、当該荷物がロッカー装置200に預けられることはない。
また、現状では、大規模イベントや重要イベントの開催時、外国要人の来日時などには、テロ対策の徹底・強化を図るために、ロッカー装置200を閉鎖して使用中止とする運用がなされることが多いが、X線検査装置100と組み合わせることにより、既存のロッカー装置200に大きな改変を加えることなくこれを使用することができる。このため、イベント会場に持ち込まれる荷物を削減して、検査時間の短縮と来場者の迅速な入場が促進される。さらに、例えば2020年の東京オリンピック・パラリンピックでは、多くの外国人来場者に対して安心・安全な荷物預かり場所を明確化して提示することが可能になる。
また、例えば2020年の東京オリンピック・パラリンピックで本実施形態の荷物預かりシステムを実施する場合、X線検査装置100を大量生産することになるが、イベント終了後には、X線検査装置100を解体して、収容ユニット110とX線照射ユニット120とX線受像ユニット130をそれぞれ別々の装置に組み込んで使用することができる(レガシー効果)。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている構成要素の大きさや形状、機能などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、上記実施の形態では、一次生体認証情報、二次生体認証情報、特定生体認証情報として、指紋情報を利用する場合を例示して説明したが、指紋情報に代えて/加えて、虹彩情報、顔情報、血管情報の少なくとも1つを利用することも可能である。すなわち、一次生体認証情報、二次生体認証情報、特定生体認証情報は、利用者個人を特定できるものであれば、あらゆる情報を利用することができる。
例えば、上記実施の形態では、X線検査装置100の無線送信部150とロッカー装置200の無線受信部260が無線通信により情報を伝送する場合を例示して説明したが、情報伝送方式は無線通信に限定されず、有線通信であってもよい。
本発明の荷物預かりシステム及びX線検査装置は、大規模イベントや重要イベントの開催時、外国要人の来日時などに適用して好適である。
100 X線検査装置
110 収容ユニット
111 筐体部
112 扉部
113 ヒンジ部
120 X線照射ユニット
121 X線発生棒
121A X線発生部
121B 把持部
121C 指紋リーダ(一次生体認証情報取得部)
122 収納部
123 連結鉤部
124 取手部
130 X線受像ユニット
131 基台部
132 支持脚部
133 FPD(Flat Panel Detector)(X線検査情報取得部)
134 連結鉤部
140 情報記憶部
150 無線送信部(送信部)
160 特定指紋保持部(特定生体認証情報保持部)
170 警告部
200 ロッカー装置
210 筐体部
220 機器設置部
230 ロッカー部
231 扉
232 取手
233 ナンバーシール
234 表示ランプ
240 タッチパネル部
250 指紋リーダ(二次生体認証情報取得部)
260 無線受信部(受信部)
270 制御部

Claims (8)

  1. 利用者の荷物を預かる荷物預かりシステムであって、
    互いに組み合わせて使用されるX線検査装置とロッカー装置を有し、
    前記X線検査装置は、
    前記利用者の一次生体認証情報を取得する一次生体認証情報取得部と、
    前記荷物のX線検査情報を取得するX線検査情報取得部と、
    前記一次生体認証情報と前記X線検査情報を前記ロッカー装置の受信部に向けて送信する送信部と、
    を有する、
    ことを特徴とする荷物預かりシステム。
  2. 前記ロッカー装置は、
    前記利用者の二次生体認証情報を取得する二次生体認証情報取得部と、
    前記一次生体認証情報と前記X線検査情報を前記送信部から受信する前記受信部と、
    前記一次生体認証情報と前記二次生体認証情報と前記X線検査情報に基づいて、前記荷物を預かるか否かを決定する制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記一次生体認証情報と前記二次生体認証情報が一致しており、且つ、前記X線検査情報が前記荷物の安全性を保証している場合に、前記荷物を預かることを決定し、それ以外の場合に、前記荷物を預からないことを決定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の荷物預かりシステム。
  3. 前記二次生体認証情報取得部は、前記一次生体認証情報取得部が前記一次生体認証情報を取得してから所定時間以内に限って、前記二次生体認証情報を取得し、前記一次生体認証情報取得部が前記一次生体認証情報を取得してから所定時間を経過した後は、前記二次生体認証情報を取得しない、
    ことを特徴とする請求項2に記載の荷物預かりシステム。
  4. 前記一次生体認証情報と前記二次生体認証情報は、指紋情報、虹彩情報、顔情報、血管情報の少なくとも1つを含んでいる、
    ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の荷物預かりシステム。
  5. 前記X線検査装置は、特定生体認証情報を予め保持する特定生体認証情報保持部と、前記一次生体認証情報が前記特定生体認証情報と一致している場合に警告を発する警告部とをさらに有する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の荷物預かりシステム。
  6. 前記X線検査装置は、前記荷物を収容する収容ユニットと、前記荷物にX線を照射するX線照射ユニットと、前記荷物を透過したX線を受像するX線受像ユニットとを有し、前記収容ユニットと前記X線照射ユニットと前記X線受像ユニットが互いに着脱可能である、
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の荷物預かりシステム。
  7. 利用者の荷物を預かる荷物預かりシステムにおいて、ロッカー装置と組み合わせて使用されるX線検査装置であって、
    前記利用者の一次生体認証情報を取得する一次生体認証情報取得部と、
    前記荷物のX線検査情報を取得するX線検査情報取得部と、
    前記一次生体認証情報と前記X線検査情報を前記ロッカー装置の受信部に向けて送信する送信部と、
    を有することを特徴とするX線検査装置。
  8. 前記荷物を収容する収容ユニットと、前記荷物にX線を照射するX線照射ユニットと、前記荷物を透過したX線を受像するX線受像ユニットとを有し、前記収容ユニットと前記X線照射ユニットと前記X線受像ユニットが互いに着脱可能である、
    ことを特徴とする請求項7に記載のX線検査装置。
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