(詳細な説明)
本開示は、一般に光学的コード化のための組成物、システムおよび方法に関する。一部の態様では、本開示は、複数の明確に区別できる発色団を有する光学的にコード化された発色団ポリマー粒子を提供する。それぞれの明確に区別できる発色団は、例えば発光波長、強度および/または寿命をもとにして、そのポリマー粒子についての光学的に検出可能なコードを定義するための所定の1組の調節可能な光学的コード化パラメーターを有する。ある特定の態様では、複数の光学的コードは、調節可能な光学的コード化パラメーターをモジュレートすることによって、例えばその発色団の組成および/または構造を改変することによって作製される。独立にまたは半独立に調節可能な光学的パラメーターの数が増大すると、潜在的なコード化発色団ポリマー粒子の数は指数関数的に増大し、それによって、非常に多数の分析物を同時に特定し定量化する可能性がもたらされる。
例えば、本明細書にさらに記載するように、本開示は、複数組の発光ピークを示す様々な発色団ポリマー粒子を含み、これらの発光ピークの強度は識別可能な光学的コードを定義するために、独立にまたは半独立に調節可能である。これらの発光ピークは、例えばポリマー構造および/または粒子組成を変えることによって調節することができる。発光強度が独立にまたは半独立に調節可能である場合、その粒子は、独特な、または明確に区別できる発光スペクトルを有することができる。明確に区別できる発光スペクトルを有する複数のそうした粒子は、複雑な試料中の複数の分析物を特定するために使用することができる。例えば、1組の発光スペクトルを有するそうしたコード化発色団ポリマー粒子の1つのサブセットを、複雑な試料中の特定の組の分析物と特異的に関連するように構成させることができる。分子認識と光学的コード化を一体化することによって、独特な各発光スペクトルまたはコードを、複雑な混合物中の特定の分析物を検出し分析する指紋と考えることができる。
本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、多数の識別可能な光学的コードを支持できる多目的プラットホームを提供する。さらに、本明細書に記載する種々のコード化発色団ポリマー粒子は、大きな減衰係数、高い蛍光量子収率、速い発光速度および優れた光安定性などの改善された特性を示す。さらに、本明細書で開示するコード化発色団ポリマーは、ナノメートルスケールでの生体分子コード化を提供することができる。大きなマイクロメーターサイズの粒子でのコード化は実証されているが、特定の状況ではそれは最適ではない。例えば、直径が数ミクロン(microns)の蛍光色素ドープされたラテックス球が、いくつかの生物学的分析用途で使用されている。しかし、色素ドーピング濃度が数パーセントを超えた場合、蛍光消光が起こり、したがって、強度レベルベースのコードの数は限定されることになる。一部の態様では、粒子サイズがナノメートルの範囲に小さくなった場合、それが、小さいナノ粒子中にドープされ得る色素の数を制限するので、この自己消光はコード化に対して厳しい制約をもたらすことになる。無機量子ドット(Qドット)は、コード化のために望ましい多色の狭い対称的な発光スペクトルを示す。しかし、一部の態様では、1つのナノメートルサイズの粒子中に十分な数のQドットを一体化して、単一粒子レベルで識別できる独立した色および強度レベルを達成することは困難である。本明細書に記載する発色団ポリマー粒子は広範囲の明確に区別できる発色団の一体化を可能にし、それによって、ナノメートルスケール粒子内での多数の明確に区別できる光学的コードを可能にする。
種々のポリマー組成物は、本明細書に記載するコード化発色団ポリマー粒子で使用するのに適している。一部の態様では、「ポリマー」は、一般に共有化学結合によって連結されている少なくとも2つの繰り返し構造単位を含む分子である。繰り返し構造単位は1つの種類のモノマーであってよく、得られるそのポリマーはホモポリマーである。一部の態様では、ポリマーは、2つの異なる種類のモノマーまたは3つの異なる種類のモノマー、またはそれより多い種類のモノマーを含むことができる。当業者は、異なる種類のモノマーを、様々な仕方で、ポリマー鎖に沿って分布させることができることを理解されよう。例えば、3つの異なる種類のモノマーを、ポリマーに沿ってランダムに分布させることができる。ポリマーに沿ったモノマーの分布は、異なる仕方で表すことができることも同様に理解されよう。ポリマーの長さに沿った繰り返し構造単位(例えば、モノマー)の数は、「n」で表すことができる。一部の態様では、nは、例えば少なくとも2から、少なくとも100から、少なくとも500から、少なくとも1000から、少なくとも5000から、もしくは少なくとも10,000から、もしくは少なくとも100,000から、またはそれ超の範囲であってよい。ある特定の態様では、nは、2〜10000、20〜10000、20〜500、50〜300、100〜1000または500〜10,000の範囲であってよい。
一部の態様では、ポリマーは一般に、任意選択でペンダント側基を含む骨格を含む延長された分子構造を有する。本明細書で提供するポリマーは、これらに限定されないが、直鎖状ポリマーおよび分枝状ポリマー、例えば星形ポリマー、くし形ポリマー、ブラシ形ポリマー、はしご形およびデンドリマーを含むことができる。本明細書にさらに記載するように、そのポリマーは、当業界で一般に周知の半導体ポリマーを含むことができる。
一部の態様では、「ポリマー粒子」、「ポリマーの粒子」または「Pドット」はナノメートルサイズの存在物(entity)であり、これは、連続した自由流動性媒体に取り囲まれている別個の不連続相を表す。本明細書で使用する「ポリマー粒子」、「ポリマーの粒子」または「Pドット」という用語は、互換的に使用することができる。自由流動性媒体は通常低分子量の液体であり、ほとんどの場合水である。
一部の態様では、「ポリマー粒子」、「発色団ポリマー粒子」、「ポリマードット」、「発色団ポリマードット」、「蛍光性ポリマードット」、「発色団ナノ粒子」および「Pドット」という用語は、互換的に使用されて、崩壊して安定なサブミクロンサイズの粒子になっている、1つまたは複数のポリマー(例えば、半導体ポリマー、非半導体ポリマーまたはその組合せ)を含む構造体を指す。本明細書にさらに記載するように、発色団ポリマー粒子を生成させるために様々な方法が適している。本明細書で提供する発色団ポリマー粒子は、単一のポリマーで作製するか、またはポリマーのブレンドを含むことができる。ある特定の態様では、その1つまたは複数のポリマーを崩壊させ、沈澱させ、かつ/または凝結させて(condensed)、ポリマーマトリクスを形成させる。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子の特性は、ポリマーの構造に依存する。したがって、ポリマー骨格(主鎖)、側鎖、末端単位および置換基を変えて特定の特性を得ることができる。一部の態様では、発色団ポリマー粒子の光学特性を、ポリマー骨格(主鎖)の構造を変えることによって調節することができる。
ある特定の態様では、本明細書で提供する発色団ポリマー粒子は、本明細書で発色団単位とも称される1つまたは複数の発色団を含む。一部の態様では、「発色団」または「発色団単位」という用語は、当業界におけるその通常の意味で与えられる。発色団は、特定の波長、例えばUV領域から近赤外領域の光を吸収する。これは、発光性であっても発光性でなくてもよい。一部の態様では、発色団単位には、これらに限定されないが、非局在化π電子を有する構造の単位、小有機色素分子の単位および/または金属錯体の単位が含まれる。発色団は、ポリマーマトリクスの一部であっても、例えばブレンディング、架橋などによってポリマーマトリクス中に組み込まれていてもよい。
ある特定の態様では、本開示の発色団ポリマー粒子は、1つまたは複数の発色団ポリマーを含む。一部の態様では、「発色団ポリマー」という用語は、そのポリマーの少なくとも一部が、特定の波長、例えばUV〜近赤外スペクトルの範囲の光を吸収するポリマーを指す。本開示による発色団ポリマーは、発光性であっても発光性でなくてもよい。一部の態様では、「発色団ポリマー」は、そのポリマーの少なくとも一部が発色団単位を含むポリマーである。発色団ポリマーの例は、非局在化π電子を有する構造の単位を含むポリマー、例えば半導体ポリマー、小有機色素分子の単位を含むポリマー、金属錯体の単位を含むポリマー、およびその任意の組合せの単位を含むポリマーを含むことができる。発色団単位は、ポリマー骨格中に組み込まれていてよい。発色団単位は、ポリマーの側鎖または末端単位と共有結合で結合していてもよい。発色団ポリマーは、当業界で一般に周知の標準的な合成方法を使用して作製することができる。
ある特定の態様では、発色団ポリマーは「共役ポリマー」である。「共役ポリマー」という用語は、当業界で認められている。電子、空孔または電子エネルギーは、共役構造に沿って伝導させることができる。一部の態様では、ポリマー骨格の大部分が共役されていてよい。一部の態様では、ポリマー骨格全体が共役されていてよい。一部の態様では、ポリマーは、それらの側鎖または末端において共役構造を含むことができる。一部の態様では、共役ポリマーは通電特性を有することができる。例えばポリマーは電気を導通することができる。一部の態様では、共役ポリマーは半導体特性を有することができる。例えば、ポリマーは、直接バンドギャップを示し、バンド端での効率的な吸収または発光をもたらすことができる。
ある特定の態様では、本開示のコード化発色団ポリマー粒子には、コード化された粒子の光学特性がモジュレートされるように、例えば、様々な種類の発色団と化学的に架橋する、かつ/または物理的にブレンドすることができる単一のポリマーまたは複数のポリマー(例えば、ポリマーマトリクスを形成する)が含まれる。本明細書に記載する種々の態様で使用するのに適した発色団の例には、これらに限定されないが、発色団ポリマー、ランタニド発色団、発色団色素(例えば、蛍光性および/または発光性色素)またはその組合せが含まれる。一部の態様では、本明細書で提供する発色団は、狭帯域(narrow band)発光特性(例えば、発光バンドの半値全幅(FWHM)は70ナノメートル未満である)を示す。一部の態様では、「ランタニド発色団」は、周期表のランタニド族からの原子を含む発色団である。より具体的には、ランタニド発色団は、57〜71(両端を含む)の原子番号を有する原子を含む発色団である。
一部の態様では、本開示は、光学的多重化、例えば波長および強度の多重化、波長、強度および寿命の多重化等の能力を有するコード化発色団ポリマー粒子を提供する。ある特定の態様では、そうした多重化能力を提供するために、望ましい光学特性を有する1つまたは複数の発色団、例えば発色団ポリマー、ランタニド発色団または発色団色素を使用する。例えば、発色団ポリマーの光学特性には、大きな減衰係数、高い蛍光量子収率、速い発光速度および優れた光安定性などのそれらの優れた特徴が含まれる。一部の態様では、本開示は、ランタニドイオンの独特な発光特性、例えばそれらの狭い発光バンド幅、長い寿命、および環境による影響を実質的に受けない安定なf−f遷移を利用する。さらに、このポリマー粒子は、他の蛍光性および/または発光材料を収容できる柔軟なポリマーマトリクスを提供する。したがって、異なる蛍光性および/または発光性種(例えば、ランタニド錯体分子またはランタニドナノ粒子)を、ポリマーマトリクスに一体化することができ、その間それぞれの種は個々の蛍光および/または発光を維持することができる。さらに、それぞれの種の種々の特性、例えば波長、強度、寿命等は、独立にまたは半独立に調節することができる。一部の態様では、「独立の」または「独立に」はそれらの通常の意味を有し、「半独立に」は、1つまたは複数の他の特性に実質的に影響を及ぼすことなく、1つの特性を調整または操作することができることを意味する。これらの独特な特性は、例えば広範囲のハイスループット生物学的分析用途のために、新規のコード化技術を進歩させる。
本明細書で使用し、別段の指定のない限り、「a」および「an」という用語は、「1つ」、「少なくとも1つ」または「1つまたはそれ超」を意味するものとする。文脈による別段の要求のない限り、本明細書で使用される単数用語は複数を含むものとし、複数用語は単数を含むものとする。
一部の態様では、「アルキル」という用語は、指定された炭素原子数を有する直鎖状または分枝状の飽和脂肪族基を指す。例えば、C1〜C6アルキルには、これらに限定されないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル等が含まれる。他のアルキル基には、これらに限定されないが、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等が含まれる。アルキルは、1〜2、1〜3、1〜4、1〜5、1〜6、1〜7、1〜8、1〜9、1〜10、2〜3、2〜4、2〜5、2〜6、3〜4、3〜5、3〜6、4〜5、4〜6および5〜6などの任意の数の炭素を含むことができる。アルキル基は一般に一価であるが、そのアルキル基が2つの部分に一緒に結合している場合などは二価であってよい。本明細書で使用する、「ヘテロアルキル」という用語は、その炭素原子の少なくとも1つがN、OまたはSなどのヘテロ原子で置き換えられている、炭素原子の直鎖状または分枝状の飽和脂肪族基を指す。これらに限定されないが、B、Al、SiおよびPを含む追加的なヘテロ原子も有用であり得る。
一部の態様では、「アルキレン」という用語は、少なくとも他の2つの基と結合している上記に定義したようなアルキル基、すなわち二価の炭化水素基を指す。アルキレンと結合している2つの部分は、そのアルキレンの同じ原子と結合していても、また、異なる原子と結合していてもよい。例えば、直鎖アルキレンは−(CH2)n(nは1、2、3、4、5または6である)の二価基であってよい。アルキレン基には、これらに限定されないが、メチレン、エチレン、プロピレン、イソプロピレン、ブチレン、イソブチレン、sec−ブチレン、ペンチレンおよびヘキシレンが含まれる。
一部の態様では、「アルコキシ」という用語は、そのアルコキシ基を結合点に連結しているか、またはアルコキシ基の2つの炭素と結合している酸素原子を有するアルキル基を指す。アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、2−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、ヘキソキシ等が含まれる。アルコキシ基は、本明細書で(within)説明される様々な置換基でさらに置換されていてよい。例えば、アルコキシ基は、ハロゲンで置換されて「ハロアルコキシ」基を形成することができる。
一部の態様では、「アルケニル」という用語は、少なくとも1つの二重結合を有する2〜6個の炭素原子の直鎖状かまたは分枝状の炭化水素を指す。アルケニル基の例には、これらに限定されないが、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、イソブテニル、ブタジエニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、イソペンテニル、1,3−ペンタジエニル、1,4−ペンタジエニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、1,3−ヘキサジエニル、1,4−ヘキサジエニル、1,5−ヘキサジエニル、2,4−ヘキサジエニルまたは1,3,5−ヘキサトリエニルが含まれる。
一部の態様では、「アルキニル」という用語は、少なくとも1つの三重結合を有する2〜6個の炭素原子の直鎖状かまたは分枝状の炭化水素を指す。アルキニル基の例には、これらに限定されないが、アセチレニル、プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、イソブチニル、sec−ブチニル、ブタジイニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、イソペンチニル、1,3−ペンタジイニル、1,4−ペンタジイニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、1,3−ヘキサジイニル、1,4−ヘキサジイニル、1,5−ヘキサジイニル、2,4−ヘキサジイニルまたは1,3,5−ヘキサトリイニルが含まれる。
一部の態様では、「アルキルアミン」という用語は、1つまたは複数のアミノ基を有する本明細書で定義するアルキル基を指す。アミノ基は第一、第二または第三であってよい。アルキルアミンは、ヒドロキシ基でさらに置換されていてよい。アルキルアミンは、これらに限定されないが、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、エチレンジアミンおよびエタノールアミンを含むことができる。アミノ基は、アルキルアミンを、その化合物の残りとの結合点と連結させることができ、それはアルキル基のω位にあってよい、あるいは、アルキル基の少なくとも2個の炭素原子と一緒に結合していてよい。
一部の態様では、「ハロゲン」または「ハライド」という用語は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を指す。本明細書で使用する「ハロアルキル」という用語は、その水素原子の一部またはすべてがハロゲン原子で置換されている上記に定義したようなアルキルを指す。ハロゲン(ハロ)は、好ましくはクロロまたはフルオロを表すが、ブロモまたはヨードであってもよい。本明細書で使用する「ハロアルコキシ」という用語は、少なくとも1個のハロゲンを有するアルコキシ基を指す。ハロアルコキシは、その水素原子の一部またはすべてがハロゲン原子で置換されている、アルコキシについて定義された通りのものである。アルコキシ基は、1、2、3個またはそれ超のハロゲンで置換されていてよい。水素がすべてハロゲン、例えばフッ素で置き換えられている場合、その化合物は、過置換されている、例えばペルフルオロ化されている。ハロアルコキシには、これらに限定されないが、トリフルオロメトキシ、2,2,2,−トリフルオロエトキシ、ペルフルオロエトキシなどが含まれる。
一部の態様では、「シクロアルキル」という用語は、3〜12個の環原子、または、示された原子数を含む、飽和もしくは部分的に不飽和の単環式、縮合二環式または橋かけ型多環式環アセンブリーを指す。単環式環には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロオクチルが含まれる。二環式および多環式環には、例えば、ノルボルナン、デカヒドロナフタレンおよびアダマンタンが含まれる。例えば、C3〜8シクロアルキルには、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルおよびノルボルナンが含まれる。
一部の態様では、「シクロアルキレン」という用語は、少なくとも他の2つの基と結合している上記に定義したようなシクロアルキル基、すなわち二価炭化水素基を指す。シクロアルキレンと結合している2つの部分は、そのシクロアルキレンの同じ原子と結合していても、また、異なる原子と結合していてもよい。シクロアルキレン基には、これらに限定されないが、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレンおよびシクロオクチレンが含まれる。
一部の態様では、「ヘテロシクロアルキル」という用語は、3個の環員〜約20個の環員、ならびにN、OおよびSなどの1〜約5個のヘテロ原子を有する環系を指す。これらに限定されないが、B、Al、SiおよびPを含む追加的なヘテロ原子も有用であり得る。ヘテロ原子は、これらに限定されないが−S(O)−および−S(O)2−などのように、酸化されていてもよい。
一部の態様では、「ヘテロシクロアルキレン」という用語は、少なくとも他の2つの基と結合している上記に定義したようなヘテロシクロアルキル基を指す。ヘテロシクロアルキレンと結合している2つの部分は、そのヘテロシクロアルキレンの同じ原子と結合していても、また、異なる原子と結合していてもよい。
一部の態様では、「アリール」という用語は、6〜16個の環炭素原子を含む単環式または縮合二環式、三環式もしくはそれ超の芳香環アセンブリーを指す。例えば、アリールは、フェニル、ベンジル、アズレニルまたはナフチルであってよい。アリール基は、そのすべてが、例えば上記で定義したように任意選択でさらに置換されている、アルキル、アルコキシ、アリール、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、アミノ、アミノ−アルキル、トリフルオロメチル、アルキレンジオキシおよびオキシ−C2〜C3−アルキレン;あるいは1−もしくは2−ナフチル;または1−もしくは2−フェナントレニルから選択される1、2もしくは3個の基でモノ−、ジ−またはトリ−置換されていてよい。アルキレンジオキシは、フェニルの2個の隣接炭素原子と結合している二価置換基(substitute)、例えばメチレンジオキシまたはエチレンジオキシである。オキシ−C2〜C3−アルキレンは、やはり、フェニルの2個の隣接炭素原子と結合している二価置換基、例えばオキシエチレンまたはオキシプロピレンである。オキシ−C2〜C3−アルキレン−フェニルの一例は、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−イルである。
アリール基は、これらに限定されないが、ナフチル、フェニル、あるいは、アルコキシ、フェニル、ハロゲン、アルキルもしくはトリフルオロメチルでモノ−もしくはジ置換されたフェニル、フェニル、またはアルコキシ、ハロゲンまたはトリフルオロメチルでモノ−もしくはジ置換されたフェニル、特にフェニルを含むことができる。
一部の態様では、「アルコキシ−アリール」という用語は、アリールと結合している部分の1つが酸素原子を介して結合している上記に定義したようなアリール基を指す。アルコキシ−アリール基には、これに限定されないが、フェノキシ(C6H5O−)が含まれる。本開示は、アルコキシ−ヘテロアリール基も含む。
一部の態様では、「ヘテロアリール」という用語は、その環原子の1〜4個がヘテロ原子(それぞれ)N、OまたはSである5〜16個の環原子を含む単環式または縮合二環式もしくは三環式芳香環アセンブリーを指す。例えば、ヘテロアリールには、ピリジル、インドリル、インダゾリル、キノキサリニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、フラニル、ピロリル、チアゾリル、ベンゾチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、チエニル、あるいは、置換されている、特に、例えばアルキル、ニトロまたはハロゲンでモノ−もしくはジ−置換されている他の任意の基が含まれる。同様に、本明細書に記載するアリールおよびヘテロアリール基は、置換されていても置換されていなくてもよい。アリールおよびヘテロアリール基のための置換基は、例えばアルキル、アリール、CN、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、酸、ヒドロキシルまたはハライドなど様々である。置換基は、これらに限定されないが、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシルまたはアミノなどの反応基であってよい。置換基は:ゼロから芳香環系上の空いている原子価の総数までの範囲の数のハロゲン、OR’、OC(O)R’、NR’R’’、SR’、R’、CN、NO2、CO2R’、CONR’R’’、C(O)R’、OC(O)NR’R’’、NR’’C(O)R’、NR’’C(O)2R’、NR’C(O)NR’’R’’’、NHC(NH2)=NH、NR’C(NH2)=NH、NHC(NH2)=NR’、S(O)R’、S(O)2R’、S(O)2NR’R’’、N3、CH(Ph)2から選択することができる。ここで、R’、R’’およびR’’’は独立に、水素、(C1〜C8)アルキルおよびヘテロアルキル、非置換アリールおよびヘテロアリール、(非置換アリール)−(C1〜C4)アルキル、ならびに(非置換アリール)オキシ−(C1〜C4)アルキルから選択される。
本明細書に記載する基は、置換されていても置換されていなくてもよい。アルキルおよびヘテロアルキル基のための置換基(しばしば、アルキレン、アルケニル、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルケニルと称されるそうした基を含む)は、様々な基、例えばアルキル、アリール、シアノ(CN)、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、酸、ヒドロキシルまたはハライドであってよい。置換基は、これらに限定されないが、クロロ、ブロモ、ヨード、ヒドロキシルまたはアミノなどの反応基であってよい。適切な置換基は:ゼロから(2m’+1)(m’はそうした基の中の炭素原子の総数である)までの範囲の数の−OR’、=O、=NR’、=N−OR’、−NR’R’’、−SR’、−ハロゲン、−SiR’R’’R’’’、−OC(O)R’、−C(O)R’、−CO2R’、−CONR’R’’、−OC(O)NR’R’’、−NR’’C(O)R’、−NR’−C(O)NR’’R’’’、−NR’’C(O)2R’、−NH−C(NH2)=NH、−NR’C(NH2)=NH、−NH−C(NH2)=NR’、−S(O)R’、−S(O)2R’、−S(O)2NR’R’’、−CNおよび−NO2から選択することができる。R’、R’’およびR’’’は、それぞれ独立に、水素、非置換(C1〜C8)アルキルおよびヘテロアルキル、非置換アリール、アルコキシもしくはチオアルコキシ基またはアリール−(C1〜C4)アルキル基を指す。R’およびR’’が同じ窒素原子と結合している場合、それらは、その窒素原子と一緒になって5−、6−または7−員環を形成することができる。例えば、−NR’R’’は1−ピロリジニルおよび4−モルホリニルを含むことを意味する。置換基の上記考察から、当業者は、「アルキル」という用語は、ハロアルキル(例えば、−CF3および−CH2CF3)およびアシル(例えば、−C(O)CH3、−C(O)CF3、−C(O)CH2OCH3など)などの基を含むことを意味することを理解されよう。
コード化発色団ポリマー粒子の光学特性
本開示のある特定の態様は、コード化プラットホームとして使用するのに適した発色団ポリマー粒子を提供する。一部の態様では、本開示は、本明細書で「コード化発色団ポリマー粒子」または「コード化ポリマー粒子」とも称される、光学的コード化および/または生体分子コード化の能力を有する発色団ポリマー粒子を提供する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、その粒子が、異なるコードを有する粒子から光学的に識別されるようにする、本明細書で「光学的コード」または「光学的コード化」とも称される光学的に検出可能なコードを有する。様々な種類の光学的コード化スキームが、本明細書に記載するコード化発色団ポリマー粒子で使用するのに適している。ある特定の態様では、光学的に検出可能なコードは、例えば、そのポリマー粒子の所定の発光スペクトル(例えば、発光波長、発光強度)、そのポリマー粒子の所定の発光寿命、所定の発光速度、所定の吸収波長またはその組合せなどのポリマー粒子の1つまたは複数の光学特性を含む。したがって、対応するコードを決定するために、その光学特性を測定することによってコード化発色団ポリマー粒子を、独特に特定することができる。
本開示の種々の態様では、光学的に検出可能なコードは、コード化発色団ポリマー粒子の発色団によって定義される。コード化発色団ポリマー粒子は、適切な任意の数および組合せの、本明細書で提供する種々の発色団組成物を含むことができる。例えば、本開示で使用するのに適した例示的な発色団には、これらに限定されないが、本明細書にさらに記載するような、発色団ポリマー(例えば、狭帯域発色団ポリマーなどの、粒子のポリマーマトリクスを形成する1つまたは複数の発色団ポリマー)、ランタニド発色団(例えば、ランタニドイオン、ランタニド錯体、ランタニドナノ粒子または他のランタニド材料)または発色団色素(例えば、蛍光性色素、発光性色素)が含まれる。
一部の態様では、その発色団ポリマーがポリマーマトリクスとして使用されるという独特な特徴のため、本開示は、その粒子全体が発色団(例えば、蛍光性および/または発光性材料、例えば発色団ポリマー、ランタニド発色団または発色団色素)を含む、コード化のための発色団粒子を提供する。一部の態様では、各粒子の質量の最大で90%が発色団を含む。一部の態様では、各粒子の質量の最大で80%が発色団を含む。一部の態様では、各粒子の質量の最大で70%が発色団を含む。一部の態様では、各粒子の質量の最大で60%が発色団を含む。一部の態様では、各粒子の質量の最大で50%が発色団を含む。一部の態様では、各粒子の質量の最大で40%が発色団を含む。一部の態様では、各粒子の質量の最大で30%が発色団を含む。一部の態様では、各粒子の質量の最大で20%が発色団を含む。一部の態様では、各粒子の質量の最大で10%が発色団を含む。一部の態様では、そのコード化発色団ポリマー粒子は複数の明確に区別できる発色団を含み、複数の明確に区別できる発色団の合わせた質量は、ポリマー粒子の全質量の1%〜99%、10%〜99%、20%〜99%、30%〜99%、40%〜99%または50%〜99%である。ある特定の態様では、発色団は、発色団ポリマー単独であってよい。他の態様では、その発色団は他の発色団の種類、例えばランタニドイオン、ランタニド錯体、ランタニドナノ粒子などのランタニド材料、蛍光性色素などの発色団色素、またはその組合せと物理的にブレンドされている、または化学的に架橋されている発色団ポリマーを含むことができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、光学的に検出可能なコードを定義するために使用される、1つまたは複数の明確に区別できる発色団(例えば、異なる構造、組成および/または特性を有する発色団)を含む。コード化発色団ポリマー粒子は、任意の適切な数および組合せの、明確に区別できる発色団の種類、例えば、ただ1つのみの明確に区別できる発色団、2つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、3つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、4つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、5つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、6つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、7つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、8つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、9つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、10またはそれ超の明確に区別できる発色団、20またはそれ超の明確に区別できる発色団、50またはそれ超の明確に区別できる発色団、あるいは100またはそれ超の明確に区別できる発色団を含むことができる。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、複数の明確に区別できる発色団中の明確に区別できる発色団のいずれかの間の固定質量比、例えば2つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、3つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、4つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、5つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、6つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、7つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、8つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、9つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、10またはそれ超の明確に区別できる発色団、20またはそれ超の明確に区別できる発色団、50またはそれ超の明確に区別できる発色団あるいは100またはそれ超の明確に区別できる発色団の間の固定質量比を含む。
ある特定の態様では、明確に区別できる発色団は、互いに識別可能な1つまたは複数の光学特性(例えば、発光スペクトル、発光強度、発光波長、発光寿命、発光速度、吸収波長等)を有する。例えば、コード化発色団ポリマー粒子は、ポリマーマトリクス(例えば、少なくとも1つの発色団ポリマーから形成される)およびポリマーマトリクスの光学特性と識別可能な光学特性を有する1つまたは複数の発色団(例えば、ランタニド発色団)を含むことができる。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、互いに識別可能である発光スペクトルを有する2つもしくはそれ超、3つもしくはそれ超、4つもしくはそれ超、5つもしくはそれ超、6つもしくはそれ超、7つもしくはそれ超、8つもしくはそれ超、9つもしくはそれ超、または10もしくはそれ超の明確に区別できる発色団を含む。一部の態様では、そのコード化発色団ポリマー粒子は、互いに識別可能な発光強度を有する2つもしくはそれ超、3つもしくはそれ超、4つもしくはそれ超、5つもしくはそれ超、6つもしくはそれ超、7つもしくはそれ超、8つもしくはそれ超、9つもしくはそれ超、または10もしくはそれ超の明確に区別できる発色団を含む。一部の態様では、そのコード化発色団ポリマー粒子は、互いに識別可能な発光波長を有する2つもしくはそれ超、3つもしくはそれ超、4つもしくはそれ超、5つもしくはそれ超、6つもしくはそれ超、7つもしくはそれ超、8つもしくはそれ超、9つもしくはそれ超、または10もしくはそれ超の明確に区別できる発色団を含む。一部の態様では、そのコード化発色団ポリマー粒子は、互いに識別可能な発光寿命を有する2つもしくはそれ超、3つもしくはそれ超、4つもしくはそれ超、5つもしくはそれ超、6つもしくはそれ超、7つもしくはそれ超、8つもしくはそれ超、9つもしくはそれ超、または10もしくはそれ超の明確に区別できる発色団を含む。
ある特定の態様では、明確に区別できる発色団は、独立にまたは半独立に制御可能な1つまたは複数の光学特性(例えば、発光スペクトル、発光強度、発光波長、発光寿命等)を有する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、独立にまたは半独立に制御可能な発光スペクトルを有する、2つもしくはそれ超、3つもしくはそれ超、4つもしくはそれ超、5つもしくはそれ超、6つもしくはそれ超、7つもしくはそれ超、8つもしくはそれ超、9つもしくはそれ超、または10もしくはそれ超の明確に区別できる発色団を含む。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、独立にまたは半独立に制御可能な発光強度を有する、2つもしくはそれ超、3つもしくはそれ超、4つもしくはそれ超、5つもしくはそれ超、6つもしくはそれ超、7つもしくはそれ超、8つもしくはそれ超、9つもしくはそれ超、または10もしくはそれ超の明確に区別できる発色団を含む。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、独立にまたは半独立に制御可能な発光波長を有する、2つもしくはそれ超、3つもしくはそれ超、4つもしくはそれ超、5つもしくはそれ超、6つもしくはそれ超、7つもしくはそれ超、8つもしくはそれ超、9つもしくはそれ超、または10もしくはそれ超の明確に区別できる発色団を含む。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、独立にまたは半独立に制御可能な発光寿命を有する、2つもしくはそれ超、3つもしくはそれ超、4つもしくはそれ超、5つもしくはそれ超、6つもしくはそれ超、7つもしくはそれ超、8つもしくはそれ超、9つもしくはそれ超、または10もしくはそれ超の明確に区別できる発色団を含む。
ある特定の態様では、本明細書で「光学的コード化パラメーター」と称することができる発色団の種々の光学特性は、複数の明確に区別できる光学的コード(例えば、光学的に互いに識別可能な光学的コード)を可能にするように調節可能である。本明細書にさらに記載するように、発色団の調節可能な光学的コード化パラメーターは、発色団の1つまたは複数の光学特性、例えば発光ピーク強度、発光ピーク波長、発光寿命、発光速度、吸収ピーク波長またはその組合せを含むことができる。ある特定の態様では、それぞれの明確に区別できる発色団のための調節可能な光学的コード化パラメーターは、そのポリマー粒子についての定義された光学的に検出可能なコードを提供するために、予め定められている(例えば、発色団の構造および/または組成にもとづいて予め定められている値、プロファイル、特徴等を有する)。
調節可能な光学的コード化パラメーターの種々の数および組合せが、本明細書に記載するアプローチで使用するのに適している。一部の態様では、発色団の1組の調節可能な光学的コード化パラメーターは、単一の調節可能な光学的コード化パラメーターを含む。他の態様では、1組の調節可能な光学的コード化パラメーターは、少なくとも2つの独特な調節可能な光学的コード化パラメーター、少なくとも3つの独特な調節可能な光学的コード化パラメーター、少なくとも4つの独特な調節可能な光学的コード化パラメーター、少なくとも5つの独特な調節可能な光学的コード化パラメーター、少なくとも6つの独特な調節可能な光学的コード化パラメーター、少なくとも7つの独特な調節可能な光学的コード化パラメーター、少なくとも8つの独特な調節可能な光学的コード化パラメーター、少なくとも9つの独特な調節可能な光学的コード化パラメーター、少なくとも10の独特な調節可能な光学的コード化パラメーター、少なくとも20の独特な調節可能な光学的コード化パラメーター、少なくとも50の独特な調節可能な光学的コード化パラメーターまたは少なくとも100の独特な調節可能な光学的コード化パラメーターを含む。
ある特定の態様では、それぞれの明確に区別できる発色団は1組の調節可能な光学的コード化パラメーターに関係しており、少なくともいくつかの組の調節可能な光学的コード化パラメーターは、独立にまたは半独立に調節またはモジュレート可能である。一部の態様では、「独立に調節された」は、1つの調節可能な光学的コード化パラメーターが別の調節可能な光学的コード化パラメーターによって影響を受けない(例えば、1組の発光ピークが別の組の発光ピークによって影響を受けない)ことを意味する。一部の態様では、「半独立に調節された」は、1つの調節可能な光学的コード化パラメーターが別の調節可能な光学的コード化パラメーターによって影響を受け得る(例えば、1組の発光ピークが別の組の発光ピークによって影響を受け得る)ことを意味する。「半独立に調節された」光学的コード化パラメーターの例には、エネルギー移動が、そのポリマー粒子が供与体分子および受容体分子を含むポリマー粒子の発光強度を調整し調節するために使用される場合(例えば、以下で示す実施例7)が含まれる。例えば、一部の態様では、2つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、3つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、4つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、5つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、6つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、7つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、8つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、9つまたはそれ超の明確に区別できる発色団、10またはそれ超の明確に区別できる発色団、20またはそれ超の明確に区別できる発色団、50またはそれ超の明確に区別できる発色団あるいは100またはそれ超の明確に区別できる発色団の複数組の調節可能な光学的コード化パラメーターは、独立にまたは半独立に調節またはモジュレート可能である。
コード化発色団ポリマー粒子の光学的に検出可能なコードは、任意の適切な数および組合せの、調節可能な光学的コード化パラメーターをもとにして定義することができる。一部の態様では、光学的に検出可能なコードは、単一の調節可能な光学的コード化パラメーター(例えば、発光ピーク波長のみ(「波長コード化」)、発光ピーク強度のみ(「強度コード化」)、発光寿命のみ(「寿命コード化」)等)によって定義される。他の態様では、光学的に検出可能なコードは、2つの調節可能な光学的コード化パラメーター(例えば、発光ピーク波長と発光ピーク強度(「波長−強度コード化」)、発光ピーク波長と発光寿命(「波長−寿命コード化」)、発光ピーク強度と発光寿命(「強度−寿命コード化」))によって定義される。代替の態様では、光学的に検出可能なコードは、3つの調節可能な光学的コード化パラメーター(例えば、発光ピーク波長、発光ピーク強度および発光寿命(「波長−強度−寿命コード化」)によって定義される。一部の態様では、光学的に検出可能なコードは、4つの調節可能な光学的コード化パラメーター、5つの調節可能な光学的コード化パラメーター、6つの調節可能な光学的コード化パラメーター、7つの調節可能な光学的コード化パラメーター、8つの調節可能な光学的コード化パラメーター、9つの調節可能な光学的コード化パラメーター、10の調節可能な光学的コード化パラメーター、または10超の調節可能な光学的コード化パラメーターによって定義される。
ある特定の態様では、光学的に検出可能なコードは、コード化発色団ポリマー粒子の所定の1組の発光ピークを含む。一部の態様では、コード化発色団粒子の化学組成および構造は、ポリマー粒子のための少なくとも2組の発光ピークを得るために調節される、少なくとも2つの明確に区別できる発色団(例えば、少なくとも1つの種類の発色団ポリマーおよび1つの種類のランタニド発色団、少なくとも1つの種類の発色団ポリマーおよび1つの種類の蛍光性色素)を含む。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、発色団の対応する数を調節することによってもたらされる、少なくとも2組、少なくとも3組、少なくとも4組、少なくとも5組、少なくとも6組、少なくとも7組、少なくとも8組、少なくとも9組または少なくとも10組の発光ピークを有する。
好ましい一態様では、発色団ポリマー粒子は、任意の2つの隣接する発光ピークがスペクトルの重複をもたない、複数組、例えば2〜10組の十分に分解された発光ピークを有することができる。各発光ピークの強度レベルは、粒子組成および/またはポリマー構造を調整することによって、独立に調節することができる。しかし、ある特定の態様では、発色団ポリマー粒子は、複数の発光ピークを有することができ、隣接する2つの発光ピークの間にいくつかのスペクトルの重複があってよい。一部の態様では、その重複面積は2つの隣接ピークのいずれか1つの総合面積の1%未満である。一部の態様では、重複面積は2つの隣接ピークのいずれか1つの総合面積の5%未満である。一部の態様では、重複面積は2つの隣接ピークのいずれか1つの総合面積の10%未満である。一部の態様では、重複面積は2つの隣接ピークのいずれか1つの総合面積の20%未満である。一部の態様では、重複面積は2つの隣接ピークのいずれか1つの総合面積の30%未満である。一部の態様では、重複面積は2つの隣接ピークのいずれか1つの総合面積の40%未満である。
別の好ましい態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、複数組、例えば2〜10組の発光ピークを有することができ、各ピークは、その粒子中の1つの発色団(例えば、蛍光性種)に由来する。ある特定の態様では、各発光ピークの強度レベルは、例えば粒子組成および/またはポリマー構造を調整することによって、独立に調節することができる。ある特定の態様では、発色団ポリマー粒子は複数の発光ピークを有することができるが、2つまたは2つ超の発光ピークは1つの発色団種に由来することができ、その他の発光ピークは異なる種からのものである。1つの発色団種からの発光ピークの強度レベルは、粒子組成およびポリマー構造を調整することによって、相互に関連付け、調節することができる。
一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、1つの波長励起下で、複数組、例えば2〜10組の発光ピークを示す。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、2つの波長励起下で、複数組の発光ピークを示す。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、3つの波長励起下で、複数組の発光ピークを示す。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、4つまたはそれ超の波長励起下で、複数組の発光ピークを示す。しかし、各組の発光ピークの発光強度は、粒子組成およびポリマー構造を変えることによって、独立にまたは半独立に調節することができる。例えば、1組の発光ピークまたはピーク(複数)対他のピークのいずれかとの相対強度を、独立にまたは半独立に変更することができる。
ある特定の態様では、コード化発色団ポリマー粒子のその1組の(the set of)発光ピークの発光強度および/または発光波長をモジュレートし、それによって、ピーク波長および/または強度をもとにしたコード化を可能にすることができる。例えば、一部の態様では、波長コード化スキームは、コード化発色団ポリマー粒子の発光ピークの発光波長を変えることによって定義される複数の光学的に検出可能なコードを提供する。ポリマー粒子の発光波長は、UV領域から近赤外領域まで変化させることができる。一部の態様では、ポリマー粒子の各組の発光ピークまたはピーク(複数)の発光波長は、独立にまたは半独立にモジュレートされ得る。この粒子の各組の発光ピークまたはピーク(複数)の発光強度は、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの波長を独立にまたは半独立に調節することができる2組の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの波長を独立にまたは半独立に調節することができる3組の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの波長を独立にまたは半独立に調節することができる4組の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの波長を独立にまたは半独立に調節することができる5組の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの波長を独立にまたは半独立に調節することができる6組の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの波長を独立にまたは半独立に調節することができる6組超の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの波長を独立にまたは半独立に調節することができる最大で10組の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの波長を独立にまたは半独立に調節することができる10組超の発光ピークを含む。
一部の態様では、強度コード化スキームは、コード化発色団ポリマー粒子の発光ピークの発光強度レベルを変えることによって定義される複数の光学的に検出可能なコードを提供する。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの強度レベルを独立にまたは半独立に調節することができる2組の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの強度レベルを独立にまたは半独立に調節することができる3組の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの強度レベルを独立にまたは半独立に調節することができる4組の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの強度レベルを独立にまたは半独立に調節することができる5組の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの強度レベルを独立にまたは半独立に調節することができる6組の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの強度レベルを独立にまたは半独立に調節することができる6組超の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの強度レベルを独立にまたは半独立に調節することができる最大で10組の発光ピークを含む。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、それらの強度レベルを独立にまたは半独立に調節することができる10組超の発光ピークを含む。
一部の態様では、波長−強度コード化スキームは、コード化発色団ポリマー粒子の発光ピークの発光波長および発光強度レベルを変えることによって複数の光学的に検出可能なコードを提供する。波長−強度コード化スキームは、本明細書で提供する波長コード化スキームおよび強度コード化スキームの適切な任意の組合せであってよい。
一部の態様では、本開示は、寿命コード化の能力がある、例えばポリマー粒子の発光寿命をもとにして定義される光学的に検出可能なコードを有するコード化発色団ポリマー粒子を提供する。一部の態様では、蛍光寿命は、光子を放出する前に、その分子(またはその粒子)がその励起状態に留まる平均時間と定義される。蛍光寿命は、フルオロフォアの単一指数崩壊関数の時定数または複数指数崩壊関数の平均時定数から実験的に決定することができる。ある特定の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、波長−強度−寿命多重化としても公知の波長−強度−寿命コード化の能力を有する。色および強度コード化は、スペクトルの重複およびバックグラウンド干渉によって制限を受ける可能性があるので、寿命コード化は、追加的なコード化寸法を提供する。識別可能な寿命コードは、コード化発色団ポリマー粒子の組成を変えることによってを作り出すことができる。各単一色発光バンドについて、多数のコード化発色団ポリマー粒子を作り出し、それを、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の明確に区別できる寿命を有する寿命コードとして使用することができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は複数組、例えば2〜10組の発光ピークを有し、各組の発光ピークまたはピーク(複数)は、他とは異なる蛍光または発光寿命を有する。寿命は10ピコ秒〜1ミリ秒で変化させることができる。一部の態様では、寿命は、10ピコ秒〜100ピコ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100ピコ秒〜1ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、1ナノ秒〜10ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、10ナノ秒〜100ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100ナノ秒〜1マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、1マイクロ秒〜10マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、10マイクロ秒〜100マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100マイクロ秒〜1ミリ秒で変化する。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の明確に区別できる寿命を有する少なくとも1つの種類の発色団ポリマーを含むことができる。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、その発色団ポリマーかまたは色素分子が10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の明確に区別できる寿命を有する、少なくとも1つの種類の発色団ポリマーおよび少なくとも1つの種類の色素分子を含むことができる。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、その発色団ポリマーかまたは色素分子が10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の明確に区別できる寿命を有する、少なくとも1つの種類の発色団ポリマーおよび少なくとも2つの種類の色素分子を含むことができる。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、その発色団ポリマーかまたはランタニド材料が10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の明確に区別できる寿命を有する、少なくとも1つの種類の発色団ポリマーおよび少なくとも1つの種類のランタニド材料(例えば、ランタニド発色団)を含むことができる。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、少なくとも1つの種類の発色団ポリマー、少なくとも1つの種類の色素分子および少なくとも1つの種類のランタニド材料を含むことができる。発色団ポリマー、色素分子およびランタニド材料のいずれも、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の明確に区別できる寿命を有することができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、寿命コード化のための少なくとも1つの種類の発色団ポリマーを含むことができる。コード化発色団ポリマー粒子の寿命を調節するために、モノマー構造、モノマー種および濃度を変えることができる。コード化発色団ポリマー粒子は、複数の発光色を作り出すために2つまたはそれ超の種類の発色団ポリマーを含むことができ、各発光色は、寿命コードを作製するために独立に使用することができる。発色団ポリマー間のエネルギー移動を、コード化発色団ポリマー粒子の寿命を調節するために使用することができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、寿命コード化のための少なくとも1つの種類の発色団ポリマーおよび少なくとも1つの種類の発色団色素を含むことができる。ポリマーの発光かまたは色素の発光を独立に使用して、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の寿命コードを作製することができる。発色団ポリマーと色素分子の間のエネルギー移動を使用して、コード化発色団ポリマー粒子の寿命を調節することができる。色素分子は、発色団ポリマーと物理的に会合していても(associated)、また化学的に結合してもよい。色素およびポリマーの構造、組成および濃度は、コード化発色団ポリマー粒子の寿命を調節するために変えることができる。コード化発色団ポリマー粒子は、複数の発光色を作り出すために2つまたはそれ超の種類の色素分子を含むことができ、各発光色を独立に使用して、寿命コードを作製することができる。
各単一色発光バンドのために、いくつかの発色団ポリマー粒子を作り出し、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の明確に区別できる寿命を有する寿命コードとして使用することができる。一部の態様では、寿命は、10ピコ秒〜100ピコ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100ピコ秒〜1ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、1ナノ秒〜10ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、10ナノ秒〜100ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100ナノ秒〜1マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、1マイクロ秒〜10マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、10マイクロ秒〜100マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100マイクロ秒〜1ミリ秒で変化する。実施例5は、色素ドープ発色団ポリマー粒子を、いくつかの寿命コードを作製するために使用できることを示している。
さらに別の態様では、本開示は、制御された粒子間エネルギー移動を有するコード化発色団ポリマー粒子を提供する。各粒子は、異なる蛍光性または発光性材料からの複数組の発光ピークを有するので、一部の態様では、各ピークまたは1組のピークの強度レベルを調節できるように、粒子間エネルギー移動を制御することが望ましい。一部の態様では、粒子間エネルギー移動は完全に阻止され、その結果、各組の発光ピークを独立に調節することができる。一部の態様では、粒子間エネルギー移動は、異なる発光色および強度レベルを作製するのを部分的に可能にする。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子の2つまたはそれ超の明確に区別できる発色団の間に、50%未満、40%未満、30%未満、20%未満、10%未満、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満または1%未満のエネルギー移動が存在する。一部の態様では、コード化された発色団ポリマー粒子の2つまたはそれ超の明確に区別できる発色団の間で、エネルギー移動は実質的に存在しない。一部の態様では、存在する発色団のいずれかの間で50%未満のエネルギー移動が存在する。一部の態様では、存在する発色団のいずれかの間で40%未満のエネルギー移動が存在する。一部の態様では、存在する発色団のいずれかの間で30%未満のエネルギー移動が存在する。一部の態様では、存在する発色団のいずれかの間で20%未満のエネルギー移動が存在する。一部の態様では、存在する発色団のいずれかの間で10%未満のエネルギー移動が存在する。一部の態様では、存在する発色団のいずれかの間で5%未満のエネルギー移動が存在する。一部の態様では、存在する発色団のいずれかの間で4%未満のエネルギー移動が存在する。一部の態様では、存在する発色団のいずれかの間で3%未満のエネルギー移動が存在する。一部の態様では、存在する発色団のいずれかの間で2%未満のエネルギー移動が存在する。一部の態様では、存在する発色団のいずれかの間で1%未満のエネルギー移動が存在する。一部の態様では、存在する発色団のいずれかの間でエネルギー移動は実質的に存在しない。一部の態様では、存在する発色団のいずれかの間で検出可能なエネルギー移動は存在しない。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、生体分子コード化のための少なくとも1つの種類の発色団ポリマーを含む。コード化発色団ポリマー粒子は、1つまたは複数の種類の共役ポリマー(例えば、半導体ポリマー)を含むことができる。コード化発色団ポリマー粒子は、少なくとも2組の発光ピークを有する。ポリマー粒子の発光波長は、UV領域から近赤外領域まで変動することができる。その粒子の各組の発光ピークまたはピーク(複数)の発光強度は、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。例示的な発色団ポリマー組成物を本明細書にさらに記載する。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は;一方の組の発光ピークがエネルギー供与体からのものであり、他方の組の発光ピークがエネルギー受容体からのものであり、それらの強度レベルをエネルギー移動によって半独立に調節することができる、2組の発光ピークを含む。一部の態様では、供与体の発光強度は、その受容体のものより大きい。一部の態様では、供与体の発光強度は、その受容体のものより小さい。
ある特定の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、それらの安定性によって特徴付けることができる。光学特性(例えば、発光スペクトル、発光バンド幅、蛍光または発光量子収率、蛍光または発光寿命、特定の波長での発光強度)は、1日間、または1週間、または2週間、または1カ月間、または2カ月間、または3カ月間、または6カ月間、または1年間にわたってまたはそれより長く安定である。安定な蛍光または発光量子収率は、その粒子の蛍光または発光量子収率が、5%超、または10%超、または20%超、または50%超、あるいはそれ超変化しないことを意味する。安定な発光スペクトルとは、他の発光ピークに対する各ピークの強度比が、5%超、または10%超、または20%超、または50%超、あるいはそれ超変化しないことを意味する。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、以下の特徴:(1)最小限(miminal)のスペクトル重複を有する複数組、例えば2〜10組の十分に分解された発光ピーク;(2)各組の発光ピークの強度レベルが、粒子組成およびポリマー構造を調整することによって調節されること;(3)5%超、好ましくは10%超、好ましくは20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超または90%超の高い蛍光または発光量子収率;(3)各組の発光ピークが他とは異なる蛍光または発光寿命を有すること;(4)少なくとも2週間、好ましくは1カ月間、2カ月間、3カ月間、6カ月間、1年間にわたってまたはそれより長く、高い安定性を有することの一部またはすべてを有する。
本明細書にさらに記載するように、コード化発色団ポリマー粒子は、ポリマーおよびランタニド材料(ランタニドイオン、ランタニド錯体またはランタニドナノ粒子)の組成を変えることによって独立にまたは半独立に調節されるそれらの発光強度を有する複数組の発光ピークを示す。一部の態様では、全粒子質量に対するランタニド材料の質量濃度は10%超である。一部の態様では、ランタニド材料の質量濃度は20%超である。一部の態様では、ランタニド材料の質量濃度は30%超である。一部の態様では、ランタニド材料の質量濃度は40%超である。一部の態様では、ランタニド材料の質量濃度は50%超である。一部の態様では、ランタニド材料の質量濃度は60%超である。一部の態様では、ランタニド材料の質量濃度は70%超である。一部の態様では、ランタニド材料の質量濃度は80%超である。一部の態様では、ランタニド材料の質量濃度は90%超である。
一部の態様では、1つまたは複数のランタニド発色団の発光ピークは、ポリマーマトリクスの発光ピークより短い波長を有する。一部の態様では、1つまたは複数のランタニド発色団の発光ピークは、ポリマーマトリクスの発光ピークより長い波長を有する。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、ポリマーおよびランタニド材料(ランタニドイオン、ランタニド錯体またはランタニドナノ粒子)の組成を変えることによって独立にまたは半独立に調節されるそれらの発光寿命(例えば、蛍光または発光発光寿命)を有する複数組の発光ピークを示す。各組の発光ピークまたはピーク(複数)は、他とは異なる発光寿命を有する。寿命は、10ピコ秒〜1ミリ秒で変化することができる。一部の態様では、寿命は、10ピコ秒〜100ピコ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100ピコ秒〜1ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、1ナノ秒〜10ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、10ナノ秒〜100ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100ナノ秒〜1マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、1マイクロ秒〜10マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、10マイクロ秒〜100マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100マイクロ秒〜1ミリ秒で変化する。これらの特性をもとにして、コード化発色団ポリマー粒子を、波長−強度−寿命コード化のために使用することができる。例えば、時間ゲート検出または画像化を用いて、発色団ポリマーの蛍光をランタニドの発光から分離することができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、寿命コード化のための少なくとも1つの種類の発色団ポリマーおよび少なくとも1つの種類のランタニド材料を含むことができる。ランタニド材料には、ランタニド錯体、ランタニドイオンおよびランタニドナノ粒子が含まれる。ポリマーの発光かまたはランタニドの発光を、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の寿命コードを作製するために、独立に使用することができる。発色団ポリマーとランタニド材料の間のエネルギー移動を、コード化発色団ポリマー粒子の寿命を調節するために使用することができる。異なるランタニドイオン間のエネルギー移動を、コード化発色団ポリマー粒子の寿命を調節するために使用することもできる。ランタニドナノ粒子内部のエネルギー移動を、コード化発色団ポリマー粒子の寿命を調節するために使用することもできる。ランタニド材料は、発色団ポリマーと物理的に会合していても、また化学的に結合してもよい。コード化発色団ポリマー粒子の寿命を調節するために、ランタニド材料およびポリマーの構造、組成および濃度を変えることができる。コード化発色団ポリマー粒子は、複数の発光色を作り出すために2つまたはそれ超の種類のランタニド材料を含むことができ、各発光色を、寿命コードを作製するために独立に使用することができる。各単一色発光バンドについて、いくつかの発色団ポリマー粒子を作り出し、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の明確に区別できる寿命を有する寿命コードとして使用することができる。
一部の態様では、寿命は、10ピコ秒〜100ピコ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100ピコ秒〜1ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、1ナノ秒〜10ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、10ナノ秒〜100ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100ナノ秒〜1マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、1マイクロ秒〜10マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、10マイクロ秒〜100マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100マイクロ秒〜1ミリ秒で変化する。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、寿命コード化のための、少なくとも1つの種類の発色団ポリマー、少なくとも1つの種類の色素分子および少なくとも1つの種類のランタニド材料を含むことができる。ランタニド材料には、ランタニド錯体、ランタニドイオンおよびランタニドナノ粒子が含まれる。ポリマーの発光かまたは色素の発光かまたはランタニドの発光を、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の寿命コードを作製するために独立に使用することができる。発色団ポリマーとランタニド材料の間のエネルギー移動を、コード化発色団ポリマー粒子の寿命を調節するために使用することができる。そのポリマーと色素の間のエネルギー移動を、コード化発色団ポリマー粒子の寿命を調節するために使用することもできる。ランタニド材料と色素の間のエネルギー移動を、コード化発色団ポリマー粒子の寿命を調節するために使用することもできる。ランタニドナノ粒子内部のエネルギー移動を、コード化発色団ポリマー粒子の寿命を調節するために使用することもできる。色素分子、ランタニド材料および発色団ポリマーは、互いに物理的に会合していても、また化学的に結合してもよい。コード化発色団ポリマー粒子の寿命を調節するために、ポリマー、色素およびランタニド材料の構造、組成および濃度を変えることができる。コード化発色団ポリマー粒子は、複数の発光色を作り出すために、2つまたはそれ超の種類のランタニド材料および2つまたはそれ超の種類の色素を含むことができ、各発光色を、寿命コードを作製するために独立に使用することができる。
各単一色発光バンドについて、いくつかの発色団ポリマー粒子を作り出し、10ピコ秒〜1ミリ秒の範囲の明確に区別できる寿命を有する寿命コードとして使用することができる。一部の態様では、寿命は、10ピコ秒〜100ピコ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100ピコ秒〜1ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、1ナノ秒〜10ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、10ナノ秒〜100ナノ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100ナノ秒〜1マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、1マイクロ秒〜10マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、10マイクロ秒〜100マイクロ秒で変化する。一部の態様では、寿命は、100マイクロ秒〜1ミリ秒で変化する。実施例6は、色素分子およびランタニド錯体を含むコード化発色団ポリマー粒子を、いくつかの寿命コードを作製するために使用できることを示している。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子の他の調節可能な光学特性を、光学的コード化のための基礎として使用することができる。例えば、光学的に検出可能なコードは、ポリマー粒子の全体的な蛍光または発光量子収率をもとにすることができる。所与の励起波長でのコード化発色団ポリマー粒子の全体的な蛍光または発光量子収率は、100%〜1%で変動し得る。一部の態様では、量子収率は約90%超である。一部の態様では、量子収率は約80%超である。一部の態様では、量子収率は約70%超である。一部の態様では、量子収率は約60%超である。一部の態様では、量子収率は約50%超である。一部の態様では、量子収率は約40%超である。一部の態様では、量子収率は約30%超である。一部の態様では、量子収率は約20%超である。一部の態様では、量子収率は約10%超である。一部の態様では、量子収率は約5%超である。一部の態様では、量子収率は約1%超である。
他の態様では、光学的に検出可能なコードは、コード化発色団ポリマー粒子の発色団の発光速度をもとにすることができる。ある特定の態様では、発色団の発光速度は、約10ピコ秒〜約100ピコ秒、約100ピコ秒〜約1ナノ秒、約1ナノ秒〜約10ナノ秒または約10ナノ秒〜約100ナノ秒の範囲である。
他の態様では、光学的に検出可能なコードは、コード化発色団ポリマー粒子の吸収特性をもとにすることができる。吸収ピークは、UV領域から近赤外領域へシフトさせることができる。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は1つの吸収ピークを有する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は2つの吸収ピークを有する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は3つの吸収ピークを有する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は3つ超の吸収ピークを有する。コード化発色団ポリマー粒子の吸収ピークは、特定のレーザー波長に調節することができる。一部の態様では、例えば、吸収ピークはおよそ266ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ355ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ405ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ450ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ488ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ532ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ560ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ635ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ655ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ700ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ750ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ800ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ900ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ980ナノメートルである。一部の態様では、吸収ピークはおよそ1064ナノメートルである。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、約200ナノメートル〜約300ナノメートルの間に吸収ピークを有する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、約300ナノメートル〜約400ナノメートルの間に吸収ピークを有する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、約400ナノメートル〜約500ナノメートルの間に吸収ピークを有する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、約500ナノメートル〜約600ナノメートルの間に吸収ピークを有する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、約600ナノメートル〜約700ナノメートルの間に吸収ピークを有する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、約700ナノメートル〜約800ナノメートルの間に吸収ピークを有する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、約800ナノメートル〜約900ナノメートルの間に吸収ピークを有する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、約900ナノメートル〜約1000ナノメートルの間に吸収ピークを有する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、約1000ナノメートル〜約1100ナノメートルの間に吸収ピークを有する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、約1100ナノメートル〜約1200ナノメートルの間に吸収ピークを有する。
コード化発色団ポリマー粒子の発色団ポリマー組成物
様々な種類の発色団ポリマー粒子は、本開示の光学的コード化および/または生体分子コード化アプローチのためのプラットホームとして使用するのに適している。発色団ポリマー粒子に関する本明細書でのいずれの記載も、本開示のコード化発色団ポリマー粒子に適用できることを理解すべきである。コード化発色団ポリマー粒子には、これらに限定されないが、均質で均一な組成を有するモノリシック構造のポリマー粒子、または明確に区別できるコアおよびキャップ構造を有するポリマー粒子を含む様々な構成を採用することができる。本明細書で提供するコード化発色団ポリマー粒子は、これらに限定されないが、沈殿による方法、エマルジョン(例えば、ミニまたはミクロエマルジョン)の形成による方法、および、凝結(condensation)による方法を含む、当業界で公知の任意の方法で形成させることができる。本明細書に記載する技術で使用するのに適した発色団ポリマー粒子の例は、例えば、PCT出願番号PCT/US2010/056079、PCT/US2012/071767、PCT/US2011/056768、PCT/US2013/024300およびPCT/US2013/063917ならびに米国特許出願番号13/687,813に見ることができる。そのそれぞれを参照により本明細書に組み込む。
発色団ポリマーの種類の任意の適切な数および組合せを、本明細書に記載するコード化発色団ポリマー粒子、例えば1つまたは複数の発色団ポリマー、2つまたはそれ超の発色団ポリマー、3つまたはそれ超の発色団ポリマー、4つまたはそれ超の発色団ポリマー、5つまたはそれ超の発色団ポリマー、6つまたはそれ超の発色団ポリマー、7つまたはそれ超の発色団ポリマー、8つまたはそれ超の発色団ポリマー、9つまたはそれ超の発色団ポリマー、10またはそれ超の発色団ポリマー、50またはそれ超の発色団ポリマーあるいは100またはそれ超の発色団ポリマー中に組み込むことができる。全コード化発色団ポリマー粒子質量に対する発色団ポリマーの質量濃度は、1%〜99%、より好ましくは10%〜99%、より好ましくは20%〜99%、より好ましくは30%〜99%、より好ましくは40%〜99%、より好ましくは50%〜99%の間で変えることができる。
一部の態様では、本明細書に記載するコード化発色団ポリマー粒子は、1つまたは複数の発色団ポリマーから形成されたポリマーマトリクスを含む。その発色団ポリマーは、ホモポリマーであってもヘテロポリマーであってもよい。種々の態様では、発色団ポリマーは、半導体ポリマー、非半導体ポリマーまたはその組合せであってよい。例えば、いくつかの半導体ポリマーは、本開示によるコード化発色団ポリマー粒子において使用するのに適している。可視スペクトル全体を含むUVから赤外の範囲の発光波長を有する半導体ポリマーが開発されている。半導体ポリマーの例には:これらに限定されないが、ポリ(9,9−ジヘキシルフルオレニル−2,7−ジイル)(PDHF)およびポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)(PFO)を含むポリフルオレンポリマー;これらに限定されないが、ポリ[{9,9−ジオクチル−2,7−ジビニレン−フルオレニレン}−alt−co−{2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレン}](PFPV)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(1,4−ベンゾ−{2,1,3}−チアジアゾール)](PFBT)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,7−ジ−2−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール)](PFTBT)およびポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(4,7−ジ−2−チエニル−2,1,3−ベンゾチアジアゾール)](PF−0.1TBT)を含むフルオレンベースのコポリマー;これらに限定されないが、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン](MEH−PPV)およびポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−(1−シアノビニレン−1,4−フェニレン)](CN−PPV)を含むフェニレンビニレンポリマー;これらに限定されないが、ポリ(2,5−ジ(3’,7’−ジメチルオクチル)フェニレン−1,4−エチニレン(PPE)を含むフェニレンエチニレンポリマー;またはその組合せを含むが、これらに限定されない。
広範囲の発色団ポリマー構造が、本開示の種々の態様にしたがって使用するのに適している。一部の態様では、その発色団ポリマーは線状ポリマーであってよい。他の態様では、発色団ポリマーは分岐ポリマーであってよい。ある特定の態様では、発色団ポリマーはデンドリマーであってよい。ある特定の態様では、発色団ポリマーはブラシ形ポリマーであってよい。ある特定の態様では、発色団ポリマーは星形ポリマーであってよい。
一部の態様では、ポリスチレンベースのくし形ポリマーを含むコード化発色団ポリマー粒子を使用することができる。ポリスチレンベースのくし形ポリマーの非限定的な例には、ポリスチレングラフトアクリル酸、ポリスチレングラフトエチレンオキシド、ポリスチレングラフトブチルアルコールなどが含まれる。
一部の態様では、ポリ(メチルメタクリレート)ベースのくし形ポリマーを含むコード化発色団ポリマー粒子を使用することができる。ポリ(メチルメタクリレート)ベースのくし形ポリマーの非限定的な例には、ポリ(メチルメタクリレート)グラフトアクリル酸、ポリ(メチルメタクリレート)グラフトエチレンオキシドなどが含まれる。
一部の態様では、カルボキシル、アミン、チオール、エステル、スクシンイミジルエステル、アジド、アルキン、シクロオクチンまたはホスフィン基を含むくし形ポリマーを含むコード化発色団ポリマー粒子を使用することができる。
一部の態様では、例えばカルボキシル、アミン、チオール、エステル、スクシンイミジルエステル、アジド、アルキン、シクロオクチン、ホスフィンまたは同様の官能基で、末端モノマー単位上で官能化されたポリマーを含むコード化発色団ポリマー粒子を使用することができる。使用できるポリマーの例には、これらに限定されないが、ポリ(メタ)アクリレートポリマー、ポリアクリルアミドポリマー、ポリイソブチレン、ポリジエン、ポリフェニレン、ポリエチレン、ポリ(エチレングリコール)、ポリラクチド、ポリスチレン、ポリシロキサン、ポリ(ビニルピリジン)、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリウレタン、そのブロックコポリマー、そのランダムまたは交互型コポリマーなどが含まれる。
一部の態様では、1つまたは複数の官能化されたモノマー単位を有するコポリマー、例えば、これらに限定されないが:ポリ((メタ)アクリル酸)ベースのコポリマー、例えば:ポリ(アクリル酸−b−アクリルアミド)、ポリ(アクリル酸−b−メチルメタクリレート)、ポリ(アクリル酸−b−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(n−ブチルアクリレート−b−アクリル酸)、ポリ(ナトリウムアクリレート−b−メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸−b−ネオペンチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−アクリル酸)、ポリ(メチルメタクリレート−b−メタクリル酸)、ポリ(メチルメタクリレート−b−N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(メチルメタクリレート−b−ナトリウムアクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート−b−ナトリウムメタクリレート)、ポリ(ネオペンチルメタクリレート−b−メタクリル酸)、ポリ(t−ブチルメタクリレート−b−エチレンオキシド)、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸−b−アクリル酸);ポリジエンベースのコポリマー、例えば:ポリ(ブタジエン(1,2付加)−b−エチレンオキシド)、ポリ(ブタジエン(1,2付加)−b−メチルアクリル酸、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−アクリル酸)、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−エチレンオキシド、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−ナトリウムアクリレート)、ポリ(ブタジエン(1,4付加)−b−N−メチル4−ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(イソプレン−b−エチレンオキシド)およびポリ(イソプレン−b−N−メチル2−ビニルピリジニウムヨージド);ポリ(エチレンオキシド)ベースのコポリマー、例えば:ポリ(エチレンオキシド−b−アクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド−b−アクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド−b−ブチレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド−b−c−カプロラクトン)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド−b−ラクチド)、ポリ(エチレンオキシド−b−メタクリル酸)、ポリ(エチレンオキシド−b−メチルアクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(エチレンオキシド−b−メチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−ニトロベンジルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−プロピレンオキシド)、ポリ(エチレンオキシド−b−t−ブチルアクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−t−ブチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−テトラヒドロフルフリルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−2−エチルオキサゾリン)、ポリ(エチレンオキシド−b−2−ヒドロキシエチルメタクリレート)、ポリ(エチレンオキシド−b−2−メチルオキサゾリン);ポリイソブチレンベースのコポリマー、例えばポリ(イソブチレン−b−アクリル酸)、ポリ(イソブチレン−b−エチレンオキシド)、ポリ(イソブチレン−b−メタクリル酸);ポリスチレンベースのコポリマー、例えばポリ(スチレン−b−アクリルアミド)、ポリ(スチレン−b−アクリル酸)、ポリ(スチレン−b−セシウムアクリレート)、ポリ(スチレン−b−エチレンオキシド)、ブロック接合部で酸切断可能なポリ(スチレン−b−エチレンオキシド)酸、ポリ(スチレン−b−メタクリル酸)、ポリ(4−スチレンスルホン酸−b−エチレンオキシド)、ポリ(スチレンスルホン酸−b−メチルブチレン)、ポリ(スチレン−b−N,N−ジメチルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−b−N−イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(スチレン−b−N−メチル2−ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(スチレン−b−N−メチル−4−ビニルピリジニウムヨージド)、ポリ(スチレン−b−プロピルアクリル酸)、ポリ(スチレン−b−ナトリウムアクリレート)ポリ(スチレン−b−ナトリウムメタクリレート)、ポリ(polyp)−クロロメチルスチレン−b−アクリルアミド)、ポリ(スチレン−co−p−クロロメチルスチレン−b−アクリルアミド)、ポリ(スチレン−co−p−クロロメチルスチレン−b−アクリル酸)、ポリ(スチレン−b−メチルブチレン−co−イソプレンスルホネート);ポリシロキサンベースのコポリマー、例えばポリ(ジメチルシロキサン−b−アクリル酸)、ポリ(ジメチルシロキサン−b−エチレンオキシド)、ポリ(ジメチルシロキサン−b−メタクリル酸);ポリ(フェロセニルジメチルシラン)ベースのコポリマー、例えばポリ(フェロセニルジメチルシラン−b−エチレンオキシド);ポリ(2−ビニルナフタレン)ベースのコポリマー、例えばポリ(2−ビニルナフタレン−b−アクリル酸)、ポリ(ビニルピリジンおよびN−メチルビニルピリジニウムヨージド)ベースのコポリマー、例えばポリ(2−ビニルピリジン−b−エチレンオキシド)、ポリ(2−ビニルピリジン−b−メチルアクリル酸)、ポリ(N−メチル2−ビニルピリジニウムヨージド−b−エチレンオキシド)、ポリ(N−メチル4−ビニルピリジニウムヨージド−b−メチルメタクリレート)、ポリ(4−ビニルピリジン−b−エチレンオキシド)PEO末端官能性OH;およびポリ(ビニルピロリドン)ベースのコポリマー、例えばポリ(ビニルピロリドン−b−D/L−ラクチド);などを含む両親媒性ポリマーを含むコード化発色団ポリマー粒子を使用することができる。
本開示の一部の態様では、検出のために使用されるコード化発色団ポリマー粒子は、ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−(1−シアノビニレン−1,4−フェニレン)]としても公知の鮮明でコンパクトなオレンジ色発光半導体ポリマー粒子であるポリマー、CN−PPVを含むことができる。CN−PPVは、大きな吸収断面、高い量子収率および速い発光速度などの優れた蛍光特性を有している。
一部の態様では、タンパク質やペプチドを検出するために使用されるコード化発色団ポリマー粒子は、本質的にCN−PPVからなるポリマーを含むことができる。一部の態様では、ナノ粒子は、CN−PPVおよび少なくとも1つの他の材料を含む。例えば、CN−PPVを、追加の官能性を提供するコポリマーまたは他の材料と混合することができる。
一部の態様では、タンパク質やペプチドの検出のために使用されるコード化発色団ポリマー粒子は、少なくとも2つの異なる発色団単位を有する半導体コポリマーを含むことができる。例えば、共役コポリマーは、所与の比で存在するフルオレン発色団単位とベンゾチアゾール発色団単位の両方を含むことができる。半導体コポリマーを合成するために使用される一般的な発色団単位には、これらに限定されないが、フルオレン単位、フェニレンビニレン単位、フェニレン単位、フェニレンエチニレン単位、ベンゾチアゾール単位、チオフェン単位、カルバゾールフルオレン単位、ホウ素ジピロメテン単位およびその誘導体が含まれる。異なる発色団単位を、ブロックコポリマーの場合のように分離することができ、あるいは混ぜ合わせることができる。一部の態様では、発色団コポリマーは、主要な発色団種の同一性を記すことによって表される。例えば、PFBTは、一定の比でフルオレンとベンゾチアゾール単位を含む発色団ポリマーである。いくつかの場合、少量発色団種の割合、次いで少量発色団種の同一性を示すためにダッシュ記号(dash)が使用される。例えば、PF−0.1BTは、90%のPFおよび10%のBTを含む発色団コポリマーである。
ある特定の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、半導体ポリマーのブレンドを含むことができる。そのブレンドは、ホモポリマー、コポリマーおよびオリゴマーの任意の組合せを含むことができる。得られるポリマー粒子の特性を調節するため、例えば、ポリマー粒子用の所望の励起または発光スペクトルを達成するため、コード化発色団ポリマー粒子を形成させるのに使用されるポリマーブレンドを選択することができる。
いくつかのアッセイのため、それらが他の蛍光性レポーターより高い量子収率を示すので、半導体コード化発色団ポリマー粒子は、一部改善された検出感度を提供する。一部の態様では、使用される発色団ポリマー粒子の量子収率は、20%超、30%超、40%超、50%超、60%超、70%超、80%超または90%超である。
いくつかのアッセイのため、それらが他の蛍光性レポーターより速い発光速度を示すので、半導体コード化発色団ポリマー粒子は、一部改善された検出感度を提供する。ある特定の態様では、使用されるコード化発色団ポリマー粒子の発光速度は約100ピコ秒〜約50ナノ秒である。
一部の態様では、使用されるコード化発色団ポリマー粒子は、小有機色素分子、金属錯体、フォトクロミック色素およびその任意の組合せの単位を担持するポリマー、例えば、小有機色素、金属錯体、フォトクロミック色素およびその任意の組合せと共有結合またはグラフト化しているポリスチレンなどの光学的に不活性なポリマーを含む。これらの色素または金属錯体は、タンパク質感知能力を有することができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、発光性単位としての小有機色素分子、金属錯体、フォトクロミック色素およびその任意の組合せと共有結合している半導体ポリマーを含む。そうした発光性単位は、発光色を調節し、量子収率を増大させ、発色団ポリマー粒子の光安定性を改善することができる。
一部の態様では、小有機色素または金属錯体は、感知機能を有することができ、したがって、コード化発色団ポリマー粒子に、タンパク質感知能力などの追加的な機能を付加することができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、タンパク質感知などの追加的な機能を有するように、小有機色素、金属錯体、フォトクロミック色素およびその任意の組合せと共有結合またはグラフト化している光学的に不活性なポリマーなどの他の発色団ポリマーと物理的に混合されている、または化学的に架橋されている半導体ポリマーを含むことができる。
一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、発光色を調節し、量子収率および/または光安定性を改善し、かつ/または、例えば磁気的機能、プラズモン共鳴機能などの追加の機能を提供するために、例えば蛍光性色素、無機発光性材料、磁性材料、金属材料などの他の成分と物理的に混合されている、または化学的に架橋されている半導体ポリマーを含むことができる。
所与の発色団ポリマー粒子についての、吸収波長などの光学特性は、その組成および幾何学的構造を改変することによって調節することができる。可視スペクトル全体を含むUV〜赤外の範囲の吸収波長を有する半導体ポリマーが開発されている。一部の態様では、約200ナノメートル〜約300ナノメートル、約250ナノメートル〜約350ナノメートル、約300ナノメートル〜約400ナノメートル、約350ナノメートル〜約450ナノメートル、約400ナノメートル〜約500ナノメートル、約450ナノメートル〜約550ナノメートル、約500ナノメートル〜約600ナノメートル、約550ナノメートル〜約650ナノメートル、約600ナノメートル〜約700ナノメートル、約650ナノメートル〜約750ナノメートル、約700ナノメートル〜約800ナノメートル、約750ナノメートル〜約850ナノメートル、約800ナノメートル〜約900ナノメートル、約850ナノメートル〜約950ナノメートルまたは約900ナノメートル〜約1000ナノメートルのピーク吸収波長を有するコード化発色団ポリマー粒子が使用される。
可視スペクトル全体を含むUV〜赤外の範囲の発光波長を有する半導体ポリマーが開発されている。一部の態様では、約200ナノメートル〜約300ナノメートル、約250ナノメートル〜約350ナノメートル、約300ナノメートル〜約400ナノメートル、約350ナノメートル〜約450ナノメートル、約400ナノメートル〜約500ナノメートル、約450ナノメートル〜約550ナノメートル、約500ナノメートル〜約600ナノメートル、約550ナノメートル〜約650ナノメートル、約600ナノメートル〜約700ナノメートル、約650ナノメートル〜約750ナノメートル、約700ナノメートル〜約800ナノメートル、約750ナノメートル〜約850ナノメートル、約800ナノメートル〜約900ナノメートル、約850ナノメートル〜約950ナノメートル、約900ナノメートル〜約1000ナノメートル、約950ナノメートル〜約1050ナノメートル、約1000ナノメートル〜約1100ナノメートル、約1150ナノメートル〜約1250ナノメートルまたは約1200ナノメートル〜約1300ナノメートルのピーク発光波長を有するコード化発色団ポリマー粒子が使用される。
一部の態様では、本開示は、狭帯域発光を有するコード化発色団ポリマー粒子を提供する。狭帯域発光は、これに限定されないが、多重化用途を含む特定の用途に有利である。ポリマー粒子の発光波長は、紫外〜近赤外領域で変動させることができる。一部の態様では、発光バンドの半値全幅(FWHM)は70ナノメートル未満である。一部の態様では、FWHMは約65ナノメートル未満である。一部の態様では、FWHMは約60ナノメートル未満である。一部の態様では、FWHMは約55ナノメートル未満である。一部の態様では、FWHMは約50ナノメートル未満である。一部の態様では、FWHMは約45ナノメートル未満である。一部の態様では、FWHMは約40ナノメートル未満である。一部の態様では、FWHMは約35ナノメートル未満である。一部の態様では、FWHMは約30ナノメートル未満である。一部の態様では、FWHMは約25ナノメートル未満である。一部の態様では、FWHMは約20ナノメートル未満である。一部の態様では、FWHMは約10ナノメートル未満である。一部の態様では、本明細書に記載するポリマー粒子のFWHMは、約5ナノメートル〜約70ナノメートル、約10ナノメートル〜約60ナノメートル、約20ナノメートル〜約50ナノメートルまたは約30ナノメートル〜約45ナノメートルの範囲であってよい。
一部の態様では、本開示の様々なコード化発色団ポリマー粒子は、狭帯域発光性単位(例えば、狭帯域モノマーおよび/または狭帯域単位)を有するポリマーを含むことができる。例えば、本開示は、狭帯域モノマー、例えばBODIPYおよび/またはBODIPY誘導体モノマー、スクアラインおよび/またはスクアライン誘導体モノマー、金属錯体および/または金属錯体誘導体モノマー、ポルフィリンおよび/またはポルフィリン誘導体モノマー、メタロポルフィリンおよび/またはメタロポルフィリン誘導体モノマー、フタロシアニンおよび/またはフタロシアニン(phthalocynanine)誘導体モノマー、ランタニド錯体および/またはランタニド錯体誘導体モノマー、ペリレンおよび/またはペリレン誘導体モノマー、シアニンおよび/またはシアニン誘導体モノマー、ローダミンおよび/またはローダミン誘導体モノマー、クマリンおよび/またはクマリン誘導体モノマーおよび/またはキサンテンおよび/またはキサンテン誘導体モノマーを含むホモポリマーまたはヘテロポリマーを含むことができる。狭帯域単位は、例えば、ポリマー粒子中に埋め込まれているか、またはそれと結合している狭帯域モノマーまたは蛍光性ナノ粒子であってよい。蛍光性ナノ粒子は、例えば量子ドットであってよい。狭帯域単位は、本開示のポリマー粒子において狭い発光を与えるポリマーまたは蛍光性色素分子を含むこともできる。
当業者は理解されるように、本明細書で定義される種々の化学用語を、本開示のポリマーおよびモノマーの化学構造を記載するために使用することができる。例えば、様々なモノマー誘導体(例えば、BODIPY誘導体)は、本明細書に記載する様々な化学置換基および基を含むことができる。例えば、一部の態様では、種々のモノマーの誘導体を、水素、重水素、アルキル、アラルキル、アリール、アルコキシ−アリール、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニル、N−ジアルコキシフェニル−4−フェニル、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、酸および/またはヒドロキシルで置換することができる。
一部の態様では、発色団ポリマー粒子を作製するための狭帯域発光性ポリマーは、狭帯域モノマーとしてのホウ素ジピロメテン(4,4−ジフルオロ−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン、BODIPY)および/またはそれらの誘導体、および/または他のホウ素含有モノマーおよびそれらの誘導体を含む。BODIPYならびに他のホウ素含有モノマーおよびそれらの誘導体には、これらに限定されないが、それらのアルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体、BODIPY拡大系(extended system)および他のBODIPY誘導体が含まれる。狭帯域発光性ポリマーは、他の任意のモノマーを含むこともできる。最終発色団ポリマー粒子が狭帯域発光を示すことができるように、BODIPYベースのモノマーはエネルギー受容体であってよく、他のモノマーはエネルギー供与体であってよい。良溶媒中において狭帯域発光性発色団ポリマーは、広い発光または狭い発光を示すことができる。BODIPYならびに他のホウ素含有モノマーおよびそれらの誘導体を含む、狭帯域発光を有する発色団ポリマー粒子の包括的説明はPCT/US2012/071767に記載されている。これを、その全体において、参照により本明細書に組み込む。
様々な他のBODIPY誘導体を、本開示のために使用することができる。BODIPYおよびBODIPY誘導体を重合して、ポリマー(例えば、ホモポリマーまたはヘテロポリマー)を形成させることができ、かつ/またはポリマー骨格、側鎖および/または末端と結合させる(例えば、共有結合させる)ことができる。一部の態様では、本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(I)の構造:
(式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4AおよびR
4Bのそれぞれは、独立に、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖状または分枝状アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルならびにその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリールおよびポリアルキレン(polyalkalene)(例えば、メトキシエトキシエトキシ(mehtoxyethoxyethoxy)、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル、トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジアゾリル(benzooxadizolyl)、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル(benzothiadizolyl)、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジアゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含む。例示的な態様として、アルキル置換フェニルは、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルを含むことができ;アルキル置換フルオレニルは、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルを含むことができ;アルキル置換カルバゾリルは、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルを含むことができ;アルキル置換トリフェニルアミニルは、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルを含むことができ;アルキル置換チオフェニルは、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニル、4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化する(例えば、ポリマー中に重合して)ことができ、かつ/または、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4Bまたはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、そのポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。
一部の態様では、本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(II)の構造:
(式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4AおよびR
4Bのそれぞれは、独立に、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖状または分枝状アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルならびにその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリールおよびポリアルキレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル、トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジアゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含む。例示的な態様として、アルキル置換フェニルは、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルを含むことができ;アルキル置換フルオレニルは、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルを含むことができ;アルキル置換カルバゾリルは、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルを含むことができ;アルキル置換トリフェニルアミニルは、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルを含むことができ;アルキル置換チオフェニルは、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニル、4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化する(例えば、ポリマー中に重合して)ことができ、かつ/または、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4Bまたはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、そのポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。モノマーは、例えば、R
3AおよびR
3B基と結合させることによって、ポリマーの骨格と一体化させることができる。
一部の態様では、本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(III)の構造:
(式中、R
1、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、独立に、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖状または分枝状アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルならびにその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリールおよびポリアルキレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル、トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジアゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含む。例示的な態様として、アルキル置換フェニルは、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルを含むことができ;アルキル置換フルオレニルは、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルを含むことができ;アルキル置換カルバゾリルは、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルを含むことができ;アルキル置換トリフェニルアミニルは、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルを含むことができ;アルキル置換チオフェニルは、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニル、4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格(例えば、ポリマー中に重合して)に一体化するか、かつ/または、例えばR
1、R
2A、R
2Bまたはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、ポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。丸括弧は、モノマーのポリマーの骨格との結合点を表す。
一部の態様では、本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(IV)の構造:
(式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3AおよびR
3Bのそれぞれは、独立に、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖状または分枝状アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルならびにその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリールおよびポリアルキレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル、トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジアゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含む。例示的な態様として、アルキル置換フェニルは、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルを含むことができ;アルキル置換フルオレニルは、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルを含むことができ;アルキル置換カルバゾリルは、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルを含むことができ;アルキル置換トリフェニルアミニルは、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルを含むことができ;アルキル置換チオフェニルは、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニル、4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化する(例えば、ポリマー中に重合して)ことができ、かつ/または、R
1、R
2A、R
2B、R
3AおよびR
3Bまたはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、そのポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。
一部の態様では、本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(V)の構造:
(式中、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5AおよびR
5Bのそれぞれは、独立に、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖状または分枝状アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルならびにその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリールおよびポリアルキレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル、トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジアゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含む。例示的な態様として、アルキル置換フェニルは、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルを含むことができ;アルキル置換フルオレニルは、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルを含むことができ;アルキル置換カルバゾリルは、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルを含むことができ;アルキル置換トリフェニルアミニルは、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルを含むことができ;アルキル置換チオフェニルは、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニル、4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格(例えば、ポリマー中に共重合して)に一体化するか、かつ/または、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5Bまたはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、ポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。ある特定の態様では、狭帯域モノマーを、R
5AおよびR
5B基との結合によって骨格に一体化することができる。
一部の態様では、本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(VI)の構造:
(式中、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3AおよびR
3Bのそれぞれは、独立に、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖状または分枝状アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルならびにその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリールおよびポリアルキレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル、トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジアゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含む。例示的な態様として、アルキル置換フェニルは、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルを含むことができ;アルキル置換フルオレニルは、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルを含むことができ;アルキル置換カルバゾリルは、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルを含むことができ;アルキル置換トリフェニルアミニルは、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルを含むことができ;アルキル置換チオフェニルは、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニル、4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化する(例えば、ポリマー中に重合して)ことができ、かつ/または、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3A、R
3Bまたはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、そのポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。
一部の態様では、本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(VII)の構造:
(式中、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5AおよびR
5Bのそれぞれは、独立に、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖状または分枝状アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルならびにその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリールおよびポリアルキレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル、トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジアゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含む。例示的な態様として、アルキル置換フェニルは、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルを含むことができ;アルキル置換フルオレニルは、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルを含むことができ;アルキル置換カルバゾリルは、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルを含むことができ;アルキル置換トリフェニルアミニルは、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルを含むことができ;アルキル置換チオフェニルは、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニル、4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化する(例えば、ポリマー中に重合して)ことができ、かつ/または、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5Bまたはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、そのポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。
一部の態様では、本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(VIII)の構造:
(式中、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4AおよびR
4Bのそれぞれは、独立に、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖状または分枝状アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルならびにその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリールおよびポリアルキレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル、トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジアゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含む。例示的な態様として、アルキル置換フェニルは、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルを含むことができ;アルキル置換フルオレニルは、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルを含むことができ;アルキル置換カルバゾリルは、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルを含むことができ;アルキル置換トリフェニルアミニルは、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルを含むことができ;アルキル置換チオフェニルは、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニル、4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルを含むことができ、R
5A、R
5B、R
6AおよびR
6Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、
水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖状または分枝状アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルならびにその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリールおよびポリアルキレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル、トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジアゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から選択される。例示的な態様として、アルキル置換フェニルは、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルを含むことができ;アルキル置換フルオレニルは、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルを含むことができ;アルキル置換カルバゾリルは、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルを含むことができ;アルキル置換トリフェニルアミニルは、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルを含むことができ;アルキル置換チオフェニルは、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニル、4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化する(例えば、ポリマー中に共重合して)、かつ/または、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5B、R
6A、R
6Bまたはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、ポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。
一部の態様では、本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(IX)の構造:
(式中、Xは、式(X)、(XI)、(XII)および(XIII)またはそれらの誘導体:
のいずれか1つの構造を有し、式(X)、(XI)、(XII)および(XIII)中のR
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14およびR
15のそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖状または分枝状アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルならびにその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリールおよびポリアルキレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル、トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジアゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から選択される)を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含む。例示的な態様として、アルキル置換フェニルは、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルを含むことができ;アルキル置換フルオレニルは、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルを含むことができ;アルキル置換カルバゾリルは、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルを含むことができ;アルキル置換トリフェニルアミニルは、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルを含むことができ;アルキル置換チオフェニルは、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニル、4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルを含むことができる。Xがナフタレンおよびその誘導体を表す場合、狭帯域モノマーを、骨格に一体化する(例えば、ポリマー中に重合して)、かつ/または、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12またはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、ポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。Xがアントラセンおよびその誘導体を表す場合、狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化するか、かつ/または、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15またはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、ポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。
本開示の狭帯域モノマーは、ジピリン誘導体をさらに含むことができる。ジピリンおよびジピリン誘導体を重合してポリマー(例えば、ホモポリマーまたはヘテロポリマー)を形成させる、かつ/または、それらをポリマー骨格、側鎖および/または末端と結合させる(例えば、共有結合させる)ことができる。例えば、本開示の発色団ポリマー粒子は、式(XIV)の構造:
(式中、Mは金属である)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。Mの例は、これらに限定されないが、Na、Li、Zn、CoまたはSiであってよい。Xは、これらに限定されないが、ハロゲン、アルキル、フェニル、アルキルフェニル、チオフェニル、アルキルチオフェニル、アルコキシル、アルコキシルフェニル、アルキルチオフェニル、エステルまたはヒドロキシルなどの置換基を含むことができる。X基の数(n)は1または1超であってよく、nは0、1、2、3、4であってよい。R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5AおよびR
5Bのそれぞれは、独立に、これらに限定されないが、水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖状または分枝状アルキル、ヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキレン、アルコキシ、アリール、ヒドロキシル、シアノ、ニトロ、エーテルならびにその誘導体、エステルおよびその誘導体、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アルキニル、アルキルアミン、フルオロアルキル、フルオロアリールおよびポリアルキレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH
2CH
2)
nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル、トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジアゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルからなる群から選択することができる。例示的な態様として、アルキル置換フェニルは、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルを含むことができ;アルキル置換フルオレニルは、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルを含むことができ;アルキル置換カルバゾリルは、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルを含むことができ;アルキル置換トリフェニルアミニルは、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルを含むことができ;アルキル置換チオフェニルは、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニル、4−アルキルチオフェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシフェニル−4−フェニルを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化する(例えば、ポリマー中に重合して)ことができ、かつ/または、R
1、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5Bまたはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、そのポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子を作製するための狭帯域発光性ポリマーは、狭帯域モノマーとしてスクアラインおよびスクアライン誘導体を含む。スクアライン誘導体には、これらに限定されないが、それらのアルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体、それらの拡大系および類似体が含まれる。狭帯域発光性ポリマーは、他の任意のモノマーを含むこともできる。最終発色団ポリマー粒子が狭帯域発光を示すことができるように、スクアラインおよびそれらの誘導体はエネルギー受容体であってよく、他のモノマーはエネルギー供与体であってよい。良溶媒中において狭帯域発光性発色団ポリマーは、広い発光または狭い発光を示すことができる。しかし、一部の態様では、それらのナノ粒子形態は、狭帯域発光を与える。一部の態様では、上記発色団ポリマー粒子の発光FWHMは70nm未満である。ある特定の態様では、FWHMは60nm未満、50nm未満、40nm未満、30nm未満または20nm未満である。
本開示で使用するのに適したスクアライン誘導体は、以下に記載する次の構造を含むことができる。スクアラインおよびスクアライン誘導体を、重合してポリマー(例えば、ホモポリマーまたはヘテロポリマー)を形成させる、かつ/またはそれらをポリマー骨格、側鎖および/または末端と結合させる(例えば、共有結合させる)ことができる。本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(XV)の構造:
(式中、X
1およびX
2のそれぞれは独立に、酸素、硫黄および窒素からなる群から選択され;R
1AおよびR
1Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、フェニレン、アズレン、シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンからなる群から選択され;R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、これらに限定されないが、ハライド、ヒドロキシルおよびアミノからなる群から独立に選択される反応基である)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。他の反応基を使用することができる。一部の態様では、ハライドはクロロ、ブロモまたはヨード基である。反応基を使用して、そのモノマーを、例えばポリマーの骨格に沿ってポリマーに一体化するか(例えば、ポリマー中に重合させることによって)、かつ/または、モノマーを、ポリマーの骨格、末端または側鎖との共有結合によって結合させることができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化するか(例えば、ポリマー中に重合させて)、かつ/または、R
1A、R
1B、R
2A、R
2Bまたはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、ポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。
本開示は、酸素含有スクアライン誘導体を含むことができる。本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(XVI)の構造:
(式中、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、フェニレン、アズレン、シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンからなる群から選択され;R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、独立に、これらに限定されないが、ハライド、ヒドロキシルおよびアミノからなる群から選択される反応基である)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。他の反応基を使用することができる。一部の態様では、ハライドはクロロ、ブロモまたはヨード基である。反応基を使用して、そのモノマーを、ポリマーに一体化するか(例えば、ポリマーの骨格に沿って、ポリマー中に重合させることによって)、かつ/または、モノマーを、ポリマーの骨格、末端または側鎖との共有結合によって結合させることができる。
本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(XVII)の構造:
(式中、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキル(araalkyl)およびアルコキシ−フェニルからなる群から選択され;R
2AおよびR
2Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキルおよびアルコキシ−フェニルからなる群から選択され;R
3AおよびR
3Bのそれぞれは、独立に、これらに限定されないが、クロロ、ブロモ、ヨードおよびヒドロキシルからなる群から選択される反応基であり;R
4AおよびR
4Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、ヒドロキシル、水素、アルキル、フェニル、アラルキルおよびアルコキシ−フェニルからなる群から選択され;R
5AおよびR
5Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキルおよびアルコキシ−フェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。他の反応基を使用することができる。反応基を使用して、そのモノマーを、ポリマーに一体化するか(例えば、ポリマーの骨格に沿って、ポリマー中に重合させることによって)、かつ/または、モノマーを、ポリマーの骨格、末端または側鎖との共有結合によって結合させることができる。
本開示のコード化発色団(hromophoric)ポリマー粒子は、式(XVIII)の構造:
(式中、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは、これらに限定されないが、クロロ、ブロモ、ヨードおよびヒドロキシルからなる群から独立に選択される反応基であり;R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、これらに限定されないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキルおよびアルコキシ−フェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。他の反応基を使用することができる。反応基を使用して、そのモノマーを、ポリマーに一体化するか(例えば、ポリマーの骨格に沿って、ポリマー中に重合させることによって)、かつ/または、モノマーを、ポリマーの骨格、末端または側鎖との共有結合によって結合させることができる。
本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(XIX)の構造:
(式中、X
1およびX
2のそれぞれは独立に、炭素、硫黄およびセレンからなる群から選択され;R
1AおよびR
1Bのそれぞれは、これらに限定されないが、クロロ、ブロモ、ヨードおよびヒドロキシルからなる群から独立に選択される反応基であり;R
2AおよびR
2Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキル、アルコキシ−フェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシルフェニル−4−フェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。他の反応基を使用することができる。反応基を使用して、そのモノマーを、ポリマーに一体化するか(例えば、ポリマーの骨格に沿って、ポリマー中に重合させることによって)、かつ/または、モノマーを、ポリマーの骨格、末端または側鎖との共有結合によって結合させることができる。
本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(XX)の構造:
(式中、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、これらに限定されないが、クロロ、ブロモ、ヨードおよびヒドロキシルからなる群から独立に選択される反応基であり;R
1AおよびR
1Bのそれぞれは、これらに限定されないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキル、アルコキシ−フェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシルフェニル−4−フェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。他の反応基を使用することができる。反応基を使用して、そのモノマーを、ポリマーに一体化するか(例えば、ポリマーの骨格に沿って、ポリマー中に重合させることによって)、かつ/または、モノマーを、ポリマーの骨格、末端または側鎖との共有結合によって結合させることができる。
本開示は、硫黄含有スクアライン誘導体を含むことができる。本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(XXI)の構造:
(式中、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、フェニレン、アズレン、シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンからなる群から選択され;R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、これらに限定されないが、ハライド、ヒドロキシルおよびアミノからなる群から独立に選択される反応基である)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。一部の態様では、ハライドはクロロ、ブロモまたはヨード基である。他の反応基を使用することができる。反応基を使用して、そのモノマーを、ポリマーに一体化するか(例えば、ポリマーの骨格に沿って、ポリマー中に重合させることによって)、かつ/または、モノマーを、ポリマーの骨格、末端または側鎖との共有結合によって結合させることができる。
本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(XXII)の構造:
(式中、X
1およびX
2のそれぞれは独立に、炭素、硫黄およびセレンからなる群から選択され;R
1AおよびR
1Bのそれぞれは、これらに限定されないが、クロロ、ブロモ、ヨードおよびヒドロキシルからなる群から独立に選択される反応基であり;R
2AおよびR
2Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキル、アルコキシ−フェニル、N−ジアルキル−4−フェニル、N−ジフェニル−4−フェニルおよびN−ジアルコキシルフェニル−4−フェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。他の反応基を使用することができる。一部の態様では、ハライドはクロロ、ブロモまたはヨード基である。反応基を使用して、そのモノマーを、ポリマーに一体化するか(例えば、ポリマーの骨格に沿って、ポリマー中に重合させることによって)、かつ/または、モノマーを、ポリマーの骨格、末端または側鎖との共有結合によって結合させることができる。
本開示は、窒素含有スクアライン誘導体を含むことができる。本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(XXIII)の構造:
(式中、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、アルキレン、アルケニレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、フェニレン、アズレン、シクロアルキレンおよびヘテロシクロアルキレンからなる群から選択され;R
2AおよびR
2Bのそれぞれは、これらに限定されないが、ハライド、ヒドロキシルおよびアミノからなる群から独立に選択される反応基であり;R
3AおよびR
3Bのそれぞれは独立に、水素、メチル、アルキル、フェニル、アラルキルおよびアルコキシ−フェニルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。他の反応基を使用することができる。一部の態様では、ハライドはクロロ、ブロモまたはヨード基である。反応基を使用して、そのモノマーを、ポリマー(例えば、ポリマーの骨格に沿って、ポリマー中に重合させることによって)に一体化するか、かつ/または、モノマーを、ポリマーの骨格、末端または側鎖との共有結合によって結合させることができる。
本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(XXIV)の構造:
(式中、R
1A、R
1B、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、重水素、アルキル、アリール、アセチルおよびヒドロキシルからなる群から選択され;R
3A、R
3B、R
4AおよびR
4Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、重水素、アルキル、アリール、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、酸、ヒドロキシルおよびハライドからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化するか(例えば、ポリマーの骨格に沿って、ポリマー中に重合させることによって)、かつ/または、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4Bまたはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、ポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。
本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(XXV)の構造:
(式中、R
1A、R
1B、R
2AおよびR
2Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、重水素、アルキル、アリール、アセチルおよびヒドロキシルからなる群から選択され;R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5B、R
6AおよびR
6Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、重水素、アルキル、アリール、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、酸、ヒドロキシルおよびハライドからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化するか(例えば、ポリマーの骨格に沿って、ポリマー中に重合させることによって)、かつ/または、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5A、R
5B、R
6A、R
6Bまたはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、ポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。
本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(XXVI)の構造:
(式中、R
1A、R
1B、R
1C、R
2A、R
2B、R
2C、R
3A、R
3B、R
3C、R
4A、R
4B、R
4C、R
5A、R
5B、R
5C、R
6A、R
6BおよびR
6Cのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、重水素、アルキル、アリール、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、酸、ヒドロキシルおよびハライドからなる群から選択され、R
7A、R
7BおよびR
7Cのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、重水素、アルキル、アリールおよびアセチルからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化するか(例えば、ポリマーの骨格に沿って、ポリマー中に重合させることによって)、かつ/または、R
1A、R
1B、R
1C、R
2A、R
2B、R
2C、R
3A、R
3B、R
3C、R
4A、R
4B、R
4C、R
5A、R
5B、R
5C、R
6A、R
6B、R
6C、R
7A、R
7Bまたはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、ポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。あるいは、ここで示すように、本明細書に記載するモノマーを、丸括弧で示されるような結合によってポリマーと一体化することができる。
本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(XXVII)の構造:
(式中、R
1AおよびR
1Bのそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、重水素、アルキルおよびアリールからなる群から選択され;R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11およびR
12のそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、重水素、アルキル、アリール、シアノ、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、酸、ヒドロキシルおよびハライドからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化するか(例えば、ポリマーの骨格に沿って、ポリマー中に重合させることによって)、かつ/または、R
1A、R
1B、R
2A、R
2B、R
3A、R
3B、R
4A、R
4B、R
5、R
6、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12またはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、ポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。
本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、式(XXVIII)の構造:
(式中、R
13のそれぞれは独立に、これらに限定されないが、水素、重水素、アルキルおよびアリールからなる群から選択され;R
14、R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22、R
23およびR
24は独立に、これらに限定されないが、水素、重水素、アルキル、アリール、シアノ、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、酸、ヒドロキシルおよびハライドからなる群から選択される)
を有する狭帯域モノマーを含むポリマーを含むことができる。狭帯域モノマーを、ポリマーの骨格に一体化するか(例えば、ポリマーの骨格に沿って、ポリマー中に重合させることによって)、かつ/または、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22、R
23およびR
24またはその組合せとの少なくとも1つの結合を介して、ポリマーの骨格、末端または側鎖と共有結合させることができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子を作製するための狭帯域発光性ポリマーは、狭帯域モノマーとして、金属錯体およびそれらの誘導体を含む。金属錯体およびそれらの誘導体には、これらに限定されないが、それらのアルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体、それらの拡大系および類似体が含まれる。狭帯域発光性ポリマーは、他の任意のモノマーを含むこともできる。その金属は、例えばNa、Li、Zn、Mg、Fe、Mn、Co、Ni、Cu、In、Si、Ga、Al、Pt、Pd、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ag、Auなどの任意の金属であってよい。最終発色団ポリマー粒子が狭帯域発光を示すことができるように、金属錯体はエネルギー受容体であってよく、他のモノマーはエネルギー供与体であってよい。良溶媒中において狭帯域発光性発色団ポリマーは、広い発光または狭い発光を示すことができる。しかし、一部の態様では、それらのナノ粒子形態は、狭帯域発光を与える。一部の態様では、上記発色団ポリマー粒子の発光FWHMは70nm未満である。ある特定の態様では、FWHMは60nm未満、50nm未満、40nm未満、30nm未満または20nm未満である。金属錯体および金属錯体誘導体を、重合してポリマー(例えば、ホモポリマーまたはヘテロポリマー)を生成させることができ、かつ/または、それらをポリマー骨格、側鎖および/または末端と結合させる(例えば、共有結合させる)ことができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子を作製するための狭帯域発光性ポリマーには、狭帯域モノマーとして、ポルフィリン、メタロポルフィリンおよびそれらの誘導体が含まれる。ポルフィリン、メタロポルフィリンおよびそれらの誘導体を、重合してポリマー(例えば、ホモポリマーまたはヘテロポリマー)を生成させることができ、かつ/または、それらをポリマー骨格、側鎖および/または末端と結合させる(例えば、共有結合させる)ことができる。ポルフィリン、メタロポルフィリンおよびそれらの誘導体には、これらに限定されないが、それらのアルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体、それらの拡大系および類似体が含まれる。メタロポルフィリン中の金属は、例えばNa、Li、Zn、Mg、Fe、Mn、Co、Ni、Cu、In、Si、Ga、Al、Pt、Pd、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ag、Auなどの任意の金属であってよい。狭帯域発光性ポリマーは、他の任意のモノマーを含むこともできる。最終発色団ポリマー粒子が狭帯域発光を示すことができるように、ポルフィリン、メタロポルフィリンおよびそれらの誘導体はエネルギー受容体であってよく、他のモノマーはエネルギー供与体であってよい。良溶媒中において狭帯域発光性発色団ポリマーは、広い発光または狭い発光を示すことができる。しかし、一部の態様では、それらのナノ粒子形態は、狭帯域発光を与える。一部の態様では、上記発色団ポリマー粒子の発光FWHMは70nm未満である。ある特定の態様では、FWHMは60nm未満、50nm未満、40nm未満、30nm未満または20nm未満である。
一部の態様では、発色団ポリマー粒子を作製するための狭帯域発光性ポリマーは、モノマーとして、フタロシアニンおよびその誘導体を含む。モノマーとしてのフタロシアニンおよびその誘導体を、重合してポリマー(例えば、ホモポリマーまたはヘテロポリマー)を生成させることができ、かつ/または、ポリマー骨格、側鎖および/または末端と結合させる(例えば、共有結合させる)ことができる。フタロシアニン誘導体には、これらに限定されないが、それらのアルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体、それらの拡大系および類似体が含まれる。フタロシアニン誘導体中の金属は、Na、Li、Zn、Mg、Fe、Mn、Co、Ni、Cu、In、Si、Ga、Al、Pt、Ru、Rh、Re、Os、Ir、Ag、AuまたはPdなどの任意の金属であってよい。狭帯域発光性ポリマーは、他の任意のモノマーを含むこともできる。最終発色団ポリマー粒子が狭帯域発光を示すことができるように、フタロシアニン誘導体はエネルギー受容体であってよい。良溶媒中において狭帯域発光性発色団ポリマーは、広い発光または狭い発光を示すことができる。しかし、一部の態様では、それらのナノ粒子形態は、狭帯域発光を与える。一部の態様では、上記発色団ポリマー粒子の発光FWHMは70nm未満である。ある特定の態様では、FWHMは60nm未満、50nm未満、40nm未満、30nm未満または20nm未満である。
本明細書に記載する例、ならびに、例えばPCT/US2010/056079およびPCT/US2012/071767に開示されているその他などの広範囲の発色団ポリマー粒子を、コード化のために使用することができる。そのそれぞれを、その全体において、かつ、特定の発色団ポリマー粒子組成物、およびそこに記載されているようにしてそれらを作製するそれぞれの方法に特に関して、参照により本明細書に組み込む。例えばPCT/US2010/056079に示されているように、発色団ポリマー粒子中のポリマーを、物理的にブレンドする、または化学的に結合させる(または化学的に架橋させる)ことができる。例えば、その物理的にブレンドされるポリマー粒子は、発色団ポリマー粒子中にブレンドされ、非共有結合的な相互作用によって一緒に保持されているポリマーを含むことができる。化学的に結合される発色団ポリマー粒子は、ポリマー粒子中で互いに共有結合しているポリマーを含むことができる。化学的に結合されるポリマーは、ポリマー粒子の形成の前に、互いに共有結合していてよい。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子はナノ粒子である。一部の態様では、本明細書で提供するナノ粒子のサイズは、そのナノ粒子の最少寸法を指す「限界寸法」に関して定義される。多くのナノ粒子はおおよそ球状の形状をしており、これによって、その限界寸法は、球状粒子の直径ということになる。ナノスフェアやナノキューブなどの典型的なナノ粒子は完全にナノスケールのサイズであるが、ナノ粒子のあらゆる寸法がナノスケールである必要はない。例えば、ナノシリンダーは、直径はナノスケールであっても、長さはミクロスケールを有していてよい。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子の一般的なサイズは、100ナノメートルを下回るものである。ある特定の態様では、大部分のコロイド状ポリマーナノ粒子は、内部は疎溶媒性ポリマーでできているが、高分子電解質で、強制的にナノ粒子を形成させることもできる。ある特定の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、安定な粒子に形成されている、少なくとも1つの発色団ポリマーおよび少なくとも1つの他の発色団(例えば、ランタニド材料)を含む。粒子サイズは、5ナノメートル〜500ナノメートルで変動することができる。一部の態様では、粒子の限界寸法(例えば、直径)は500ナノメートル未満である。一部の態様では、粒子の限界寸法は400ナノメートル未満である。一部の態様では、粒子の限界寸法は300ナノメートル未満である。一部の態様では、粒子の限界寸法は200ナノメートル未満である。一部の態様では、粒子の限界寸法は100ナノメートル未満である。一部の態様では、粒子の限界寸法は50ナノメートル未満である。一部の態様では、粒子の限界寸法は40ナノメートル未満である。一部の態様では、粒子の限界寸法は30ナノメートル未満である。一部の態様では、粒子の限界寸法は20ナノメートル未満である。一部の態様では、粒子の限界寸法は10ナノメートル未満である。
ナノ粒子の可能な形状には基本的に制限がない。しかし、ある特定の態様では、形状は、球状、円筒状、楕円状、多面体、角柱、ロッド状およびワイヤー状から選択される。当業者は理解されるように、ナノ粒子の形状は、光学特性に寄与することができる(例えば、ナノロッドは、ナノスフェアとは異なる光学特性を有することができる)。
一部の態様では、大きな粒子サイズによってもたらされる問題を回避するためには、ナノスケールサイズのナノ粒子が有益である。例えば、フォト発光画像化のために、ナノ粒子を標的分析物分子(例えば、タンパク質)と結合させる場合、相対的に大きな粒子は、標的分析物以外の分子との非特異的結合、または表面への吸着に利用できる、より大きい表面積を有する。
コード化発色団ポリマー粒子のランタニド組成物
本開示の一部の態様では、本明細書に記載するコード化発色団ポリマー粒子は、1つまたは複数のランタニド材料を含む。ランタニド材料は、ランタニドイオン、ランタニド錯体またはランタニドナノ粒子であってよい。ある特定の態様では、ランタニド材料はランタニド発色団である。一部の態様では、本開示は、それらの狭い発光バンド幅、長い寿命、環境に容易に影響されない安定なf−f遷移などのランタニドイオンの独特な発光特性を利用する。したがって、共役ポリマーナノ粒子または他の種類の発色団ポリマー粒子に一体化した場合、ランタニドイオンは、それらの個々の発光を維持し、それらの発光強度を独立にまたは半独立に調節することができる。これらの独特な特性をもとにして、本開示は、ハイスループットバイオ分析のための改善されたコード化技術を提供する。
ある特定の態様では、本明細書に記載するランタニド発色団は、有機フルオロフォアと比較して、狭い発光特性、長い発光寿命および明確に区別できる発光機構を有する。例えば、その4f殻が空でなく、かつ電子で完全には満たされていないランタニド(III)イオン(Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Eu(III)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)またはYb(III)など)の主要な発光機構において、f殻内での遷移は、UV領域〜近赤外領域の範囲の発光をもたらすことができる。一部の態様では、満たされた5s5p副殻によって、内殻f軌道電子が環境から遮断されるので、それらの発光は環境によってそれほど変動しない。一部の態様では、ランタニドイオンはストークス発光を示す。すなわち、短波長光子励起は長波長光子発光を発生する。ある特定の態様では、1つの光子励起は、2つまたはそれ超の光子発光(量子切断)を発生することができる。例えば、1つの光子のエネルギーは分割されて、2つまたはそれ超の光子発光を有することができる。一部の態様では、ランタニドイオンは、反ストークス発光(アップコンバージョ発光)を示す。例えば、2つまたはそれ超の長波長光子励起は、短波長光子発光を発生する。
様々な種類のランタニド発色団が、本開示で使用するのに適している。ランタニド発色団は、ランタニドイオン、ランタニド錯体、ランタニドナノ粒子またはその組合せなどの適切な任意の種類のランタニド材料を含むことができる。一部の態様では、ランタニド発色団には、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)、Lu(III)またはその組合せから選択されるランタニドが含まれる。一部の態様では、本開示のランタニド発色団は、ランタニド誘導体、例えばアルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体、その拡大系またはその類似体から選択されるランタニド誘導体である。ある特定の態様では、ランタニド発色団を、ランタニド酸化物、ランタニドフッ化物および関連材料などの無機ホスト材料中にドープする。ランタニドイオンを有機発色団と配位させて、ランタニド発色団錯体を形成させることもできる。
一部の態様では、ランタニド発色団には、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luまたはその組合せから選択される希土類金属が含まれる。ある特定の態様では、ランタニド発色団は、非発光性ホスト材料(例えば、Sc、Y、La、Gd、Luまたはその組合せ)として使用される希土類金属(例えば、希土類金属イオン)、およびホスト中にドープされる1つまたは複数の発光性希土類金属イオン(例えば、Eu(III)、Tb(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)またはその組合せ)を含む。種々の態様では、ランタニド発色団は、Pr(III)、Sm(III)、Eu(III)、Tb(III)、Dy(III)、Yb(III)またはその組合せなどの、ダウンコンバージョン発光に好ましい少なくとも1つのドープされたランタニドイオンを含む。種々の態様では、ランタニド発色団は、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)またはその組合せなどの、アップコンバージョン発光に好ましい少なくとも1つのドープされたランタニドイオンを含む。任意の適切な数および組合せのイオン、例えば2つまたはそれ超のイオン、3つまたはそれ超のイオン、4つまたはそれ超のイオン、5つまたはそれ超のイオン、6つまたはそれ超のイオン、7つまたはそれ超のイオン、8つまたはそれ超のイオン、9つまたはそれ超のイオンあるいは10またはそれ超のイオンを、単一のホスト材料中に同時にドープすることができる。
ある特定の態様では、本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、本明細書に記載するような少なくとも1つの種類の発色団ポリマー、およびランタニドイオン、ランタニド錯体またはランタニドナノ粒子などの少なくとも1つの種類のランタニド発色団を含むことができる。発色団ポリマーおよび/またはランタニド発色団の光学特性は、要望に応じて変えることができる。一部の態様では、発色団ポリマーは蛍光性であり、したがって、ポリマー蛍光とランタニド発色団発光の両方をコード化のために使用することができる。一部の態様では、発色団ポリマーは、弱い蛍光性であるかまたは著しく消光し、その結果、ランタニド材料のみがコード化に使用される。ある特定の態様では、ランタニド発色団のピーク発光波長は、発色団ポリマーのピーク発光波長より長い。他の態様では、ランタニド発色団のピーク発光波長は、発色団ポリマーのピーク発光波長より短い。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、ランタニド材料を収容できる柔軟なポリマーマトリクスを提供する(例えば、1つまたは複数の発色団ポリマーから形成される)。したがって、ある特定の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、ポリマーマトリクス、およびそのポリマーマトリクス中に組み込まれた少なくとも1つのランタニド発色団を含む。1つまたは複数のランタニド発色団、2つまたはそれ超のランタニド発色団、3つまたはそれ超のランタニド発色団、4つまたはそれ超のランタニド発色団、5つまたはそれ超のランタニド発色団、6つまたはそれ超のランタニド発色団、7つまたはそれ超のランタニド発色団、8つまたはそれ超のランタニド発色団、9つまたはそれ超のランタニド発色団、10またはそれ超のランタニド発色団、50またはそれ超のランタニド発色団あるいは100またはそれ超のランタニド発色団などの、任意の適切な数および組合せのランタニド発色団の種類を、ポリマーマトリクス中に組み込むことができる。コード化発色団ポリマー粒子質量全体に対するランタニド材料の質量濃度は、1%〜99%、より好ましくは10%〜99%、より好ましくは20%〜99%、より好ましくは30%〜99%、より好ましくは40%〜99%、より好ましくは50%〜99%で変動してよい。
ある特定の態様では、ランタニド発色団の少なくとも一部は、明確に区別できるランタニド発色団である(例えば、異なる構造、組成および/または特性を有する)。例えば、ランタニド発色団の一部またはすべてが、互いに識別可能な光学特性(例えば、発光スペクトル、発光波長、発光強度、発光寿命)を有することができる。コード化発色団ポリマー粒子中のランタニド発色団の濃度は要望に応じて変動させることができる。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、第1の濃度の第1のランタニド発色団および第2の濃度の第2のランタニド発色団を含む。ある特定の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、2つまたはそれ超のランタニド発色団を、互いに固定した比(例えば、固定質量比)で含む。
種々の態様では、ポリマーマトリクス、およびそのポリマーマトリクス中に組み込まれた1つまたは複数のランタニド発色団の光学特性は、発色団ポリマー粒子のための所望の光学的コード化をもたらすように設計される。一部の態様では、ポリマーマトリクスと1つまたは複数のランタニド発色団の光学特性(例えば、発光スペクトル)は、互いに識別可能である。例えば、ある特定の態様では、1つまたは複数のランタニド発色団の発光ピークは、ポリマーマトリクスの発光ピークより長い波長を有する。他の態様では、1つまたは複数のランタニド発色団の発光ピークは、ポリマーマトリクスの発光ピークより短い波長を有する。種々の態様では、1つまたは複数のランタニド発色団およびポリマーマトリクスの発光ピークの強度は、独立にまたは半独立に制御可能である。ある特定の態様では、ポリマーマトリクスと1つまたは複数のランタニド発色団の間にエネルギー移動が存在する。代替の態様では、ポリマーマトリクスと1つまたは複数のランタニド発色団の間にエネルギー移動は実質的に存在しない。
一部の態様では、ポリマーマトリクス中に組み込まれたランタニド発色団を、ポリマーマトリクスに物理的に埋め込むかまたは一体化する。一部の態様では、ランタニド発色団をポリマーマトリクスと化学的に架橋させる、かつ/またはそれと物理的にブレンドする。一部の態様では、第1のランタニド発色団を第1の濃度でポリマーマトリクスと架橋させ、第2のランタニド発色団を、第1の濃度とは異なる第2の濃度でポリマーマトリクスと架橋させる。一部の態様では、第1のランタニド発色団を、第1の濃度でポリマーマトリクスと物理的にブレンドし、第2のランタニド発色団を、第1の濃度と異なる第2の濃度でポリマーマトリクスと物理的にブレンドする。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、発光性ランタニド錯体などのランタニド発色団と物理的にブレンドされるかまたは化学的に架橋された少なくとも1つの種類の発色団ポリマーを含む。例示的な発光性ランタニド(III)錯体には、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)錯体が含まれる。ランタニド錯体の大部分は、有機配位子によって増感されたf−f遷移からの発光を示すので、ポリマーおよび/またはランタニド錯体の構造および/または組成を変えることによって、発色団ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動を制御することができる。一部の態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動を防止または最少化することができる。一部の態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動を許容することができる。粒子の各組の発光ピークの光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、テルビウム(Tb)錯体などの少なくとも1つの種類の発光性ランタニド錯体と物理的にブレンドされるかまたは化学的に架橋された1つの種類の発色団ポリマーを含む。一部の態様では、Tb錯体は一般に鮮明な緑色発光を示す。ポリマーおよび/またはTb錯体の構造および/または組成を変えることによって、発色団ポリマーからTb錯体へのエネルギー移動を制御することができる。一部の態様では、ポリマーからTb錯体へのエネルギー移動を防止または最少化する。一部の態様では、ポリマーからTb錯体へのエネルギー移動が許容される。したがって、粒子内部のTbおよび発色団ポリマーの光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、ユーロピウム(Eu)錯体などの1つの種類の発光性ランタニド錯体と物理的にブレンドされるかまたは化学的に架橋された少なくとも1つの種類の発色団ポリマーを含む。一部の態様では、Eu錯体は一般に鮮明な赤色発光を示す。ポリマーおよび/またはEu錯体の構造および/または組成を変えることによって、発色団ポリマーからEu錯体へのエネルギー移動を制御することができる。一部の態様では、ポリマーからEu錯体へのエネルギー移動を防止または最少化する。一部の態様では、ポリマーからEu錯体へのエネルギー移動が許容される。したがって、粒子内部のEuおよび発色団ポリマーの光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。
図1は、少なくとも1つの種類の共役ポリマーおよび少なくとも1つの種類のランタニド種を含むコード化発色団ポリマー粒子を設計するための概略図を示す。ランタニド種は、ランタニド錯体、ランタニドイオンまたはランタニドナノ粒子であってよい。星印は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)種から選択される1つの種類のランタニド種を表す。一部の態様では、共役ポリマーは発色団ポリマーである。ランタニド種は、コード化発色団ポリマー粒子中で共役ポリマーと物理的にブレンドするかまたは化学的に架橋することができる。コード化発色団ポリマー粒子の構造および/または組成は、共役ポリマーおよびランタニド種の光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を調節するために、調整し変えることができる。粒子の各組の発光ピークの光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。全ポリマーナノ粒子質量に対するランタニド材料の質量濃度は、1%〜99%;より好ましくは10%〜99%、より好ましくは20%〜99%、より好ましくは30%〜99%、より好ましくは40%〜99%、より好ましくは50%〜99%で変動してよい。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)錯体から選択される、少なくとも2つの種類のランタニド錯体と物理的にブレンドされるかまたは化学的に架橋された少なくとも1つの種類の発色団ポリマーを含む。ポリマーおよび/またはランタニド錯体の構造および/または組成を変えることによって、発色団ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動を制御することができる。一部の態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動を防止または最少化する。一部の態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動が許容される。したがって、粒子内部のランタニド錯体および発色団ポリマーの光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、TbおよびEu錯体などの少なくとも2つの種類のランタニド錯体と物理的にブレンドされるかまたは化学的に架橋された少なくとも1つの種類の発色団ポリマーを含む。ポリマーおよび/またはランタニド錯体の構造および/または組成を変えることによって、発色団ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動を制御することができる。一部の態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動を防止または最少化する。一部の態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動が許容される。したがって、粒子内部のTb、Euおよび発色団ポリマーの光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。
図2は、少なくとも1つの種類の共役ポリマーおよび少なくとも2つの種類のランタニド種を含むコード化発色団ポリマー粒子を設計するための概略図を示す。ランタニド種は、ランタニド錯体、ランタニドイオンまたはランタニドナノ粒子であってよい。星印および六角印は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)種から選択される異なるランタニド種を表す。ランタニド種は、コード化発色団ポリマー粒子中で共役ポリマーと物理的にブレンドするかまたは化学的に架橋することができる。コード化発色団ポリマー粒子の構造および/または組成は、共役ポリマーおよび各ランタニド種の光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を調節するために、調整し変えることができる。粒子の各組の発光ピークの光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。全ポリマーナノ粒子質量に対するランタニド材料の質量濃度は、1%〜99%;より好ましくは10%〜99%、より好ましくは20%〜99%、より好ましくは30%〜99%、より好ましくは40%〜99%、より好ましくは50%〜99%で変動してよい。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)錯体から選択される、少なくとも3つの種類のランタニド錯体と物理的にブレンドされるかまたは化学的に架橋された少なくとも1つの種類の発色団ポリマーを含む。ポリマーおよび/またはランタニド錯体の構造および/または組成を変えることによって、発色団ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動を制御することができる。一部の態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動を防止または最少化する。一部の態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動が許容される。したがって、粒子内部のそれぞれの種の光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。
図3は、少なくとも1つの種類の共役ポリマーおよび少なくとも3つの種類のランタニド種を含むコード化発色団ポリマー粒子を設計するための概略図を示す。ランタニド種は、ランタニド錯体、ランタニドイオンまたはランタニドナノ粒子であってよい。星印、六角印および正方形印は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)種から選択される異なるランタニド種を表す。ランタニド種は、コード化発色団ポリマー粒子中で共役ポリマーと物理的にブレンドするかまたは化学的に架橋することができる。コード化発色団ポリマー粒子の構造および/または組成は、共役ポリマーおよび各ランタニド種の光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を調節するために、調整し変えることができる。粒子の各組の発光ピークの光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。全ポリマーナノ粒子質量に対するランタニド材料の質量濃度は、1%〜99%;より好ましくは10%〜99%、より好ましくは20%〜99%、より好ましくは30%〜99%、より好ましくは40%〜99%、より好ましくは50%〜99%で変動してよい。
一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)錯体から選択される、少なくとも4つの種類のランタニド錯体と物理的にブレンドされるかまたは化学的に架橋された少なくとも1つの種類の発色団ポリマーを含む。ポリマーおよび/またはランタニド錯体の構造および/または組成を変えることによって、発色団ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動を制御することができる。一部の態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動を防止または最少化する。一部の態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動が許容される。したがって、粒子内部のそれぞれの種の光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。
図4は、少なくとも1つの種類の共役ポリマーおよび少なくとも4つの種類のランタニド種を含むコード化発色団ポリマー粒子を設計するための概略図を示す。ランタニド種は、ランタニド錯体、ランタニドイオンまたはランタニドナノ粒子であってよい。星印、六角印、正方形印および丸印は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)種から選択される異なるランタニド種を表す。ランタニド種は、コード化発色団ポリマー粒子中で共役ポリマーと物理的にブレンドするかまたは化学的に架橋することができる。コード化発色団ポリマー粒子の構造および/または組成は、共役ポリマーおよび各ランタニド種の光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を調節するために、調整し変えることができる。粒子の各組の発光ピークの光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。全ポリマーナノ粒子質量に対するランタニド材料の質量濃度は、1%〜99%;より好ましくは10%〜99%、より好ましくは20%〜99%、より好ましくは30%〜99%、より好ましくは40%〜99%、より好ましくは50%〜99%で変動してよい。
一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)錯体から選択される、5つまたはそれ超の種類のランタニド錯体と物理的にブレンドされるかまたは化学的に架橋された少なくとも1つの種類の発色団ポリマーを含む。ポリマーおよび/またはランタニド錯体の構造および/または組成を変えることによって、発色団ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動を制御することができる。一部の態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動を防止または最少化する。一部の態様では、ポリマーからランタニド錯体へのエネルギー移動が許容される。したがって、粒子内部のそれぞれの種の光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)イオンから選択されるランタニドイオンと会合した少なくとも1つの種類の発色団ポリマーを含む。ランタニドイオンを、発色団ポリマーの骨格、側鎖または末端基と配位させることができる。したがって、得られるコード化発色団ポリマー粒子は発光性イオンを含む。一部の態様では、コード化された粒子は、1つの種類のランタニドイオンを含む。一部の態様では、コード化された粒子は、2つの種類のランタニドイオンを含む。一部の態様では、コード化された粒子は、3つの種類のランタニドイオンを含む。一部の態様では、コード化された粒子は、3つの種類のランタニドイオンを含む。一部の態様では、コード化された粒子は、4つの種類のランタニドイオンを含む。一部の態様では、コード化された粒子は、5つの種類のランタニドイオンを含む。一部の態様では、コード化された粒子は、6つ超の種類のランタニドイオンを含む。発色団ポリマーからランタニドイオンへのエネルギー移動は、ポリマーおよびランタニドイオンの構造および組成を変えることによって制御することができる。一部の態様では、ポリマーからランタニドイオンへのエネルギー移動を防止または最少化する。一部の態様では、ポリマーからランタニドイオンへのエネルギー移動が許容される。したがって、粒子内部のそれぞれの種の光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。
一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、少なくとも1つの種類のランタニドナノ粒子と物理的にブレンドされるかまたは化学的に架橋された少なくとも1つの種類の発色団ポリマーを含む。ある特定の態様では、ランタニドナノ粒子は1つまたは複数のランタニド発色団を含むナノ粒子である。本開示のランタニドナノ粒子は、酸化物、フッ化物、硫化物、アルミン酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、チタン酸塩、ビスマス酸塩、他の金属塩またはその組合せなどのランタニドイオン−ドープ無機ナノ粒子であってよい。一部の態様では、ランタニドイオン−ドープ無機ナノ粒子は1つまたは複数の金属塩を含む。
一態様では、ランタニドナノ粒子は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)イオンから選択される1つの種類のランタニドイオンでドープされている。一部の態様では、ランタニドナノ粒子は、2つまたはそれ超の種類のランタニドイオンによって共ドープされており、したがって、得られる発色団ポリマー粒子は2つまたはそれ超の種類の発光性イオンを含む。ドープされたランタニドイオンは、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)イオンから選択される任意の組合せであってよい。発色団ポリマーからランタニドナノ粒子へのエネルギー移動は、ポリマーおよびランタニドナノ粒子の構造および組成を変えることによって制御することができる。一部の態様では、ポリマーからランタニドナノ粒子へのエネルギー移動を防止または最少化することができる。一部の態様では、ポリマーからランタニドナノ粒子へのエネルギー移動を許容することができる。したがって、粒子内部のそれぞれの種の光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立に調節し調整することができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、少なくとも1つの種類のランタニドアップコンバージョンナノ粒子と物理的にブレンドされるかまたは化学的に架橋された少なくとも1つの種類の発色団ポリマーを含む。ランタニドアップコンバージョンナノ粒子は、長波長多光子励起による短波長発光性発光を示すナノ粒子を表す。ランタニドアップコンバージョンナノ粒子は、酸化物、フッ化物、硫化物、アルミン酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、モリブデン酸塩、チタン酸塩、ビスマス酸塩、他の金属塩またはその組合せなどのランタニドイオンドープ無機ナノ粒子であってよい。ある特定の態様では、ランタニドアップコンバージョンナノ粒子は、NaYF4、NaGdF4、NaYbF4またはNaLuF4ナノ粒子などのランタニドドープフッ化物ナノ粒子である。一部の態様では、アップコンバージョンナノ粒子のためのドープされたランタニドイオンは、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)イオンから選択される任意の組合せであってよい。一部の態様では、ランタニドアップコンバージョンナノ粒子は、Yb(III)およびEr(III)イオンで共ドープされている。一部の態様では、ランタニドアップコンバージョンナノ粒子は、Yb(III)およびTm(III)イオンで共ドープされている。一部の態様では、ランタニドアップコンバージョンナノ粒子は、Yb(III)およびHo(III)イオンで共ドープされている。一部の態様では、ランタニドアップコンバージョンナノ粒子は、Yb(III)およびNd(III)イオンで共ドープされている。一部の態様では、ランタニドアップコンバージョンナノ粒子は、Yb(III)およびEu(III)イオンで共ドープされている。一部の態様では、ランタニドアップコンバージョンナノ粒子は、Yb(III)およびTb(III)イオンで共ドープされている。発色団ポリマーからランタニドアップコンバージョンナノ粒子へのエネルギー移動は、ポリマーおよび/またはランタニドアップコンバージョンナノ粒子の構造および/または組成を変えることによって制御することができる。一部の態様では、ポリマーからランタニドアップコンバージョンナノ粒子へのエネルギー移動を防止または最少化することができる。一部の態様では、ポリマーからランタニドアップコンバージョンナノ粒子へのエネルギー移動が許容される。したがって、粒子内部のそれぞれの種の光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を、独立にまたは半独立調節し調整することができる。
一部の態様では、ランタニドイオンドープされた無機ナノ粒子は、式(XXIX)の構造:
(AM)−(RE)−(F4) (XXIX)
(式中、REはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luまたはその組合せから選択される希土類金属であり、AMはLi、Na、K、Rb、Cs、Frまたはその組合せから選択されるアルカリ金属である)
を有する1つまたは複数の化合物または分子を含む。ある特定の態様では、REはY、La、Eu、Gd、Ho、Tb、Er、Tm、Yb、Luまたはその組合せから選択される。ある特定の態様では、AMはLi、Na、Kまたはその組合せから選択される。式(XXIX)の化合物は、非発光性ホスト材料中に同時にドープされた2つまたはそれ超の発光性イオンを含むことができる(例えば、Sc、Y、Gd、Luまたはその組合せ)。ある特定の態様では、REは、2つまたはそれ超の異なる希土類金属イオン、3つまたはそれ超の異なる希土類金属、4つまたはそれ超の異なる希土類金属イオン、5つまたはそれ超の異なる希土類金属イオン、6つまたはそれ超の異なる希土類金属イオン、7つまたはそれ超の異なる希土類金属イオン、8つまたはそれ超の異なる希土類金属イオン、9つまたはそれ超の異なる希土類金属イオンまたは10またはそれ超の異なる希土類金属イオンなどの異なる希土類金属イオンの組合せである。式(XXIX)の構造を有する化合物の一例は、Yb、Er共ドープされたNaYF4ナノ結晶である。そうした化合物のドーピング濃度は要望に応じて変えることができる(例えば、Na(Y0.78、Yb0.2、Er0.02)F4。式(XXIX)の構造を有する化合物の別の例はYb、Tm共ドープされたNaYF4ナノ結晶である。そうした化合物のドーピング濃度は要望に応じて変えることができる(例えば、Na(Y0.79、Yb0.2、Em0.01)F4。
一部の態様では、有機配位子は、ランタニドイオンと配位して集光アンテナとして使用される。有機配位子によって吸収されたエネルギーは、最初に、配位子の一重項状態から三重項状態へ移動し(項間交差)、次いで、共鳴エネルギー移動過程により、ランタニドイオンの4f励起状態へ移動する(または、有機配位子の一重項状態から直接移動する)。一部の態様では、本開示で使用できるランタニド錯体は式(XXX)の構造:
(L1 −)n−(LN+)−(L2)m (XXX)
(式中、L1は第1の配位子であり、L2は第2の配位子であり、LNは、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)、Lu(III)またはその組合せから選択されるランタニドであり、n=0、1、2、3またはそれ超であり、m=0、1、2、3またはそれ超である)
を有する。
式(XXX)では、LNは、満たされていない内殻を有するランタニドイオン(例えば、ランタニドイオン)であり、有機配位子または一般的なポリマー(general polymer)からエネルギーを受け取って発光をもたらすことができる。適切な任意のランタニドを、本開示にしたがって使用することができる。種々の態様では、LNは、これらに限定されないが、例えば、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)またはLu(III)などから選択することができる。
上記式(XXX)において、L1およびL2は、LN+と結合できる配位子を表す。この配位子は同じであっても異なっていてもよく、各配位子は存在していても存在していなくてもよい(例えば、上記式(XXX)において、n、m=0、1、2または3である)。適切な任意の配位子を、本開示にしたがって使用することができる。一部の態様では、L1およびL2のそれぞれは、独立に、有機配位子であっても無機配位子であってもよい。種々の態様では、複数の配位子が存在してよい。例えば、一部の態様では、複数の配位子L1および/または複数の配位子L2が存在してよい。ある特定の態様では、L1およびL2は独立に単座、二座または多座配位子である。
一部の態様では、L1はLN+に配位したアニオン性有機配位子であってよい。ある特定の態様では、L1には、キレート化O原子、キレート化N原子、キレート化S原子、キレート化P原子またはその組合せが含まれる。一部の態様では、式(XXX)のアニオン性配位子L1は、LN+に配位したハロゲンイオン(例えば、Cl−等)、NO3 −、SO4 2−、CF3SO3 −および/または他の無機基であってよい。L1およびLN+の総原子価は等しくてよく、最終的に中性ランタニド錯体を形成していてよい。L1は単座、二座または多座であってよく、ランタニド錯体中に1つまたは複数の配位子L1が存在してよい。一部の態様では、L1は、橋かけ型配位子であり、LN+に配位して二核、三核および多核ランタニド錯体を形成することができる。橋かけ型L1のいくつかは、クリプタンドを形成することができ、LN+に配位してランタニドクリプテートを合成することができる。
一部の態様では、L1は:β−ジケトン、ピラゾロン、イソオキサゾロン、カルボン酸、フタロシアニン、8−ヒドロキシキノリン、ピラゾールボレート、ポルフィリン、シッフ塩基、サリチルアルデヒド、フェニルサリチルアルデヒド、アデニン、プリン、2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアジアゾール、2−(2−ヒドロキシフェニル)キノロン、1−ナフトール−2−カルボキシアルデヒド、ヒドロキシベンゾフェノン、1,2−ジヒドロキシベンゼン、ジヒドロキシナフタレン、ドロキシルフルオレノン(droxylfluorenone)、7−ヒドロキシインデン−1−オン、7−ヒドロキシ−3−フェニルインデン−1−オン、2−ヒドロキシ−ジメチルベンゼン−1,3−ジアミド、1,8−ビス(4−メチル−2−ヒドロキシ−ベンズアミド)−3,6−ジオキサオクタン、2−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド、ビス(2−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド)、トリ(2−ヒドロキシ−N−メチルベンズアミド)、8−ヒドロキシキナゾリン、8−ヒドロキシキノキサオリン、ヒドロキシベンゾオキサゾール、ヒドロキシ−2−フェニルベンゾオキサゾール、ヒポキサンチンの誘導体またはその組合せから選択される。
これらに限定されないが、以下に挙げるものは、ランタニド(III)イオンに配位し、ランタニド錯体を形成するための有機アニオン配位子(L1)の化学構造の例である。
一部の態様では、式(XXX)のアニオン性配位子L
1は、式(XXXI)の構造:
を有するベータ−ジケトンであってよい。
一部の態様では、式(XXX)のアニオン性配位子L
1は、式(XXXII)の構造:
を有するピラゾロンであってよい。
一部の態様では、式(XXX)のアニオン性配位子L
1は、式(XXXIII)の構造:
を有するイソオキサゾロンであってよい。
一部の態様では、式(XXX)のアニオン性配位子L
1は、式(XXXIV)の構造:
を有するカルボン酸であってよい。
一部の態様では、式(XXX)のアニオン性配位子L
1は、式(XXXV)の構造:
を有するフタロシアニンであってよい。
一部の態様では、式(I)のアニオン性配位子L
1は、式(XXXVI)の構造:
を有する8−ヒドロキシキノリンであってよい。
一部の態様では、式(XXX)のアニオン性配位子L
1は、式(XXXVII)の構造:
を有するポルフィリンであってよい。
一部の態様では、式(XXX)のアニオン性配位子L1は、他の大環状配位子であってよい。
一部の態様では、L2はLN+に配位した中性配位子であってよい。ある特定の態様では、L1は、キレート化O原子、キレート化N原子、キレート化S原子、キレート化P原子またはその組合せを含む。複数の配位子L2が存在してよい。L2は同じであっても異なっていてもよい。L2は単座、二座または多座であってよく、ランタニド錯体中に1つまたは複数の配位子L2が存在してよい。一部の態様では、L2は、橋かけ型配位子であってよく、LN+に配位して二核、三核および多核ランタニド錯体を形成していてよい。一部の態様では、L2はクリプタンドであってよい。橋かけ型L2のいくつかは、クリプタンドを形成していてよく、LN+に配位してランタニドクリプテートを合成していてよい。
一部の態様では、L2は、置換または非置換ピリジン、置換または非置換ビピリジン、置換または非置換トリピリジン、置換または非置換1,10−フェナントロリン、置換または非置換ホスフィンオキシド、置換または非置換ビ−(ホスフィンオキシド)、置換または非置換トリ−(ホスフィンオキシド)、置換または非置換4−(4,6−ジ(1H−ピラゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N,N’−ジメチルベンゼンアミンあるいはその組合せから選択される。
これらに限定されないが、以下に挙げるものは、ランタニド錯体を形成するための中性配位子(L2)の化学構造の例である。
一部の態様では、式(XXX)の中性配位子L
2は、式(XXXVIII)の構造:
を有するピリジンであってよい。
一部の態様では、式(I)の中性配位子L
2は、式(XXXIX)の構造:
を有するビピリジンであってよい。
一部の態様では、式(XXX)の中性配位子L
2は、以下の式(XL):
を有するトリピリジンであってよい。
一部の態様では、式(XXX)の中性配位子L
2は、以下の式(XLI):
を有する1,10−フェナントロリンであってよい。
一部の態様では、式(XXX)の中性配位子L2は、ランタニド(III)金属イオンと配位させることができるN原子を含む1,10−フェナントロリンベースの誘導体であってよい。
一部の態様では、式(XXX)の中性配位子L
2は以下の式(XLII):
を有する4−(4,6−ジ(1H−ピラゾール−1−イル)−1,3,5−トリアジン−2−イル)−N,N−ジメチルベンゼンアミンであってよい。
一部の態様では、式(XXX)の中性配位子L
2は、
以下の式(XLIII):
を有するホスフィンオキシドであってよい。
一部の態様では、式(XXX)の中性配位子L
2は、
以下の式(XLIV):
を有するビ−(ホスフィンオキシド)であってよい。
一部の態様では、式(XXX)の中性配位子L
2は、
以下の式(XLV):
を有するトリ−(ホスフィンオキシド)であってよい。
一部の態様では、本開示で使用できるランタニド錯体は、以下の式(XLVI):
で記載することができる。
式(XLVI)では、LNは、満たされていない内殻を有するランタニドイオンであり、有機配位子または一般的なポリマーからエネルギーを受け取って発光をもたらすことができる。適切な任意のランタニドを、本開示にしたがって使用することができる。種々の態様では、LNは、これらに限定されないが、例えば、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)、Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)、Yb(II)、Lu(III)などまたはその組合せから選択することができる。
上記式(XLVI)において、L3は、LNと結合できる配位子を表す。適切な任意の配位子を、本開示にしたがって使用することができる。一部の態様では、L3は有機または無機配位子であってよい。種々の態様では、複数の配位子が存在してよい。例えば、一部の態様では、複数の配位子L3が存在してよい。一部の態様では、L3は大環状配位子である。
一部の態様では、L3は中性配位子である。他の態様では、L3はアニオン性配位子である。配位子L3のある特定の態様では、L1のようにアニオン性配位子とし作用することに加えて、L2のように、LNで配位されて中性配位子として作用する追加的な基を含むことができる。L3は、アニオン配位子として、かつ中性配位子として作用することができる。複数の配位子L3が存在してよい。L3は同じであっても異なっていてもよい。L3は単座、二座または多座であってよく、ランタニド錯体中に1つまたは複数の配位子L3が存在してよい。
これらに限定されないが、以下に挙げるものは、ランタニド錯体を形成するためのアニオン−中性配位子(L3)の化学構造の例である。アニオン−中性配位子は、アニオン基、および中性配位子としてランタニドイオンと配位させるためのいくつかの原子を含む。
一部の態様では、式(XLVI)のアニオン−中性配位子L
3は式(XLVII)の構造:
を有する1,4,7,10−テトラアザシクロドデカン環ベースの誘導体であってよい。
一部の態様では、式(XLVI)のアニオン−中性配位子L
3は以下の式(XLVIII)の構造:
を有する。
一部の態様では、式(XLVI)で表される構造は以下の式(XLIX):
のようにn=1を有する。
一部の態様では、式(XLVI)で表される構造は以下の式(L):
のようにn=2を有する。
以下の化合物1〜48は、上記式(XXX)〜(L)において基R
1〜R
49として使用するための例示的な置換基である:
一部の態様では、式(XXX)〜(L)において示される置換された基R1〜R49のそれぞれは、これらに限定されないが:水素(H)、重水素(D)、ハロゲン、直鎖状または分枝状アルキル、フッ素化された直鎖状または分枝状アルキル、芳香環およびフッ素化芳香環からなる群から独立に選択される。フッ素化アルキルおよび芳香環基は、アルキル、アルコキシ、アリール、アルキルケトン、アルキルエステル、アリールエステル、アミド、フルオロアルキル、フルオロアリールおよびポリアルキレン(例えば、メトキシエトキシエトキシ、エトキシエトキシおよび−(OCH2CH2)nOH、n=1〜50)、フェニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フェニル、ピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピリジル、ビピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ビピリジル、トリピリジル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換トリピリジル、フリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フリル、チエニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チエニル、ピロリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピロリル、ピラゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラゾリル、オキサゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換オキサゾリル、チアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換チアゾリル、イミダゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換イミダゾリル、ピラジニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ピラジニル、ベンゾオキサジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾチアジアゾリル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換ベンゾチアジアゾリル、フルオレニル、アルキル−(アルコキシ−、アリール−、フルオロアルキル−、フルオロアリール−)置換フルオレニル、トリフェニルアミニル置換フルオレニル、ジフェニルアミニル置換フルオレニル、アルキル置換カルバゾリル、アルキル置換トリフェニルアミニルおよびアルキル置換チオフェニルから選択することができる。例示的な態様として、アルキル置換フェニルは、2−アルキルフェニル、3−アルキルフェニル、4−アルキルフェニル、2,4−ジアルキルフェニル、3,5−ジアルキルフェニル、3,4−ジアルキルフェニルを含むことができ;アルキル置換フルオレニルは、9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、6−アルキル−9,9−ジアルキル置換フルオレニル、7−トリフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルおよび7−ジフェニルアミニル−9,9−ジアルキル置換フルオレニルを含むことができ;アルキル置換カルバゾリルは、N−アルキル置換カルバゾリル、6−アルキル置換カルバゾリルおよび7−アルキル置換カルバゾリルを含むことができ;アルキル置換トリフェニルアミニルは、4’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’−アルキル置換トリフェニルアミニル、3’,4’−ジアルキル置換トリフェニルアミニルおよび4’,4’’−アルキル置換トリフェニルアミニルを含むことができ;アルキル置換チオフェニルは、2−アルキルチオフェニル、3−アルキルチオフェニルおよび4−アルキルチオフェニルを含むことができる。
一部の態様では、本開示は、コード化発色団ポリマー粒子の調製における、フルオロフォア分布のポアソン統計を克服するための戦略を提供する。一態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、単分散鎖長、およびポリマー側鎖中の定義された数のランタニド種を有するポリマーから調製することができる。図5は、単分散鎖長、およびポリマー側鎖中の定義された数のランタニド種を有するポリマーから、コード化発色団ポリマー粒子を調製するための概略図を表す。この戦略では、例えば、A、B、CおよびDは、異なる種類のランタニド種を有する共役ポリマーを表す。これらのポリマーを、化学的に架橋するかまたは物理的にブレンドしてコード化発色団ポリマー粒子を形成させることができる。ランタニド種は、ランタニド錯体、ランタニドイオンまたはランタニドナノ粒子であってよい。星印、六角印、正方形印および丸印は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)またはYb(II)種から選択される異なるランタニド種を表す。コード化発色団ポリマー粒子の構造および/または組成は、共役ポリマーおよび各ランタニド種の発光強度を調整し変えて調節することができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、ポリマー当たり所定の制御された数の発色団(例えば、ランタニド錯体および/または発色団色素)を有する線状ポリマー、分岐ポリマーまたはデンドリマーを使用して作製することができる。ある特定の態様では、線状ポリマー、分岐ポリマーまたはデンドリマーは、種々の発色団間の固定質量比を制御するために使用される1つのみの末端官能基を含む。線状ポリマー、分岐ポリマーまたはデンドリマーは、互いに固定した質量比で、1つまたは複数の発色団、2つまたはそれ超の発色団、3つまたはそれ超の発色団、4つまたはそれ超の発色団、5つまたはそれ超の発色団、6つまたはそれ超の発色団、7つまたはそれ超の発色団、8つまたはそれ超の発色団、9つまたはそれ超の発色団、あるいはそれ超の発色団などの任意の適切な数および組合せの発色団(例えば、ランタニド発色団)を含むことができる。
ある特定の態様では、共役ポリマーは、例えば発色団、ランタニド錯体および/または発色団色素と結合している所定の制御された数の鎖末端官能基を有するデンドリマーであってよい。分枝鎖を調整することによって、共役ポリマーに対する発色団の比(例えば、固定質量比)を制御してコード化発色団ポリマー粒子を形成させることができる。例えば、一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、1つの種類の共役ポリマーおよびランタニド錯体デンドリマーでできていてよい。ランタニド錯体デンドリマーは、互いに固定した質量比で、1つまたは複数のランタニド発色団、2つまたはそれ超のランタニド発色団、3つまたはそれ超のランタニド発色団、4つまたはそれ超のランタニド発色団、5つまたはそれ超のランタニド発色団、6つまたはそれ超のランタニド発色団、7つまたはそれ超のランタニド発色団、8つまたはそれ超のランタニド発色団、9つまたはそれ超のランタニド発色団、あるいはそれ超のランタニド発色団などの任意の適切な数および組合せのランタニド発色団を含むことができる。デンドリマー中のランタニド発色団の少なくとも一部は、異なった種類(例えば、異なった、構造、組成および/または特性)のものであってよい。
図6は、1つの種類の共役ポリマーおよびランタニド錯体デンドリマーからコード化発色団ポリマー粒子を調製するための概略図を示す。1つのサンプル構造において、ランタニド錯体デンドリマーは、3つの分岐を有するランタニド錯体Aなどの中心単位を含む。デンドリマーの第二世代は、そのそれぞれがやはり3つの分岐を有する3つのランタニド錯体(B)を含む。デンドリマーの第三世代は、別の種類(C)の別の3つのランタニド錯体を含む。一部の態様では、そのデンドリマー構造および世代数を変えることによって、分子レベルで異なる比のLnA:LnB:LnCが作り出される。ランタニド錯体デンドリマーを、共役ポリマーと化学的に架橋するかまたは物理的にブレンドして、コード化発色団ポリマー粒子を形成させることができる。星印、六角印、正方形印および丸印は、La(III)、Ce(III)、Pr(III)、Nd(III)、Pm(III)、Sm(III)、Sm(II)Eu(III)、Eu(II)、Gd(III)、Tb(III)、Dy(III)、Ho(III)、Er(III)、Tm(III)、Yb(III)またはYb(II)種から選択される異なるランタニド種を表す。コード化発色団ポリマー粒子の構造および/または組成を調整し変えて、共役ポリマーおよび各ランタニド種の光学特性(例えば、発光強度、発光波長、発光寿命)を調節することができる。
コード化発色団ポリマー粒子のための発色団色素組成物
種々の態様では、本開示のコード化発色団ポリマー粒子には、蛍光性色素、発光性色素またはその組合せなどの1つまたは複数の発色団色素が含まれる。発色団色素は小分子色素であってよい。ある特定の態様では、本開示のコード化発色団ポリマー粒子は、本明細書に記載するような少なくとも1つの種類の発色団ポリマー、および少なくとも1つの種類の発色団色素を含むことができる。発色団ポリマーおよび/または発色団色素の光学特性は、要望に応じて、変えることができる。一部の態様では、発色団ポリマーは蛍光性であり、したがって、ポリマー蛍光と発色団色素発光の両方をコード化のために使用することができる。一部の態様では、発色団ポリマーは、弱い蛍光性であるかまたは著しく消光する。したがって、ランタニド材料のみがコード化用に使用される。ある特定の態様では、発色団色素のピーク発光波長は、発色団ポリマーのピーク発光波長より長い。他の態様では、発色団色素のピーク発光波長は、発色団ポリマーのピーク発光波長より短い。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、発色団色素を収容できる柔軟なポリマーマトリクス(例えば、1つまたは複数の発色団ポリマーから形成される)を提供する。したがって、ある特定の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、ポリマーマトリクス、およびそのポリマーマトリクス中に組み込まれた少なくとも1つの発色団色素を含む。1つまたは複数の発色団色素、2つまたはそれ超の発色団色素、3つまたはそれ超の発色団色素、4つまたはそれ超の発色団色素、5つまたはそれ超の発色団色素、6つまたはそれ超の発色団色素、7つまたはそれ超の発色団色素、8つまたはそれ超の発色団色素、9つまたはそれ超の発色団色素、10またはそれ超の発色団色素、50またはそれ超の発色団色素または100またはそれ超の発色団色素などの、任意の適切な数および組合せの発色団色素種類をポリマーマトリクス中に組み込むことができる。コード化発色団ポリマー粒子質量全体に対する発色団色素の質量濃度は、1%〜99%、より好ましくは10%〜99%、より好ましくは20%〜99%、より好ましくは30%〜99%、より好ましくは40%〜99%、より好ましくは50%〜99%で変動してよい。
ある特定の態様では、発色団色素の少なくとも一部は、明確に区別できる発色団色素(例えば、異なる構造、組成および/または特性を有する)である。例えば、発色団色素の一部またはすべてが、互いに識別可能な光学特性(例えば、発光スペクトル、発光波長、発光強度、発光寿命)を有することができる。コード化発色団ポリマー粒子中の発色団色素の濃度は、要望に応じて、変えることができる。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、第1の濃度の第1の発色団色素および第2の濃度の第2の発色団色素を含む。ある特定の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、互いに固定した比(例えば、固定質量比)で2つまたはそれ超の発色団色素を含む。
種々の態様では、ポリマーマトリクス、およびそのポリマーマトリクス中に組み込まれた1つまたは複数の発色団色素の光学特性は、発色団ポリマー粒子のための所望の光学的コード化を作り出すように設計される。一部の態様では、ポリマーマトリクスおよび1つまたは複数の発色団色素の光学特性(例えば、発光スペクトル)は互いに識別可能である。例えば、ある特定の態様では、1つまたは複数の発色団色素の発光ピークはポリマーマトリクスの発光ピークより長い波長を有する。他の態様では、1つまたは複数の発色団色素の発光ピークは、ポリマーマトリクスの発光ピークより短い波長を有する。種々の態様では、1つまたは複数の発色団色素およびポリマーマトリクスの発光ピークの強度は、独立にまたは半独立に制御可能である。ある特定の態様では、ポリマーマトリクスと1つまたは複数の発色団色素の間でエネルギー移動が存在する。代替の態様では、ポリマーマトリクスと1つまたは複数のランタニド発色団の間で、エネルギー移動は実質的に存在しない。
一部の態様では、ポリマーマトリクス中に組み込まれる発色団色素は、ポリマーマトリクスに物理的に埋め込むか、またはそれと一体化させる。一部の態様では、発色団色素を、ポリマーマトリクスと化学的に架橋する、かつ/または物理的にブレンドする。一部の態様では、第1の発色団色素をポリマーマトリクスと第1の濃度で架橋させ、第2の発色団色素をポリマーマトリクスと、第1の濃度とは異なる第2の濃度で架橋させる。一部の態様では、第1の発色団色素をポリマーマトリクスと第1の濃度で物理的にブレンドし、第2の発色団色素を、ポリマーマトリクスと、第1の濃度とは異なる第2の濃度で物理的にブレンドする。ある特定の態様では、発色団色素を、発色団ポリマー(例えば、ポリマーマトリクスを形成する発色団ポリマー)と化学的に架橋する、かつ/または物理的にブレンドする。
広範囲の発色団色素が、本明細書に記載するコード化発色団ポリマー粒子で使用するのに適している。ある特定の態様では、発色団色素は蛍光性色素である。種々の態様では、発色団色素は小分子有機色素である。蛍光性色素の例には、これらに限定されないが:BODIPYおよび/またはBODIPY誘導体、スクアラインおよび/またはスクアライン誘導体、金属錯体および/または金属錯体誘導体、ポルフィリンおよび/またはポルフィリン誘導体、メタロポルフィリンおよび/またはメタロポルフィリン誘導体、フタロシアニンおよび/またはフタロシアニン誘導体、金属フタロシアニンおよび/または金属フタロシアニン誘導体、ランタニド錯体および/またはランタニド錯体誘導体、ペリレンおよび/またはペリレン誘導体、シアニンおよび/またはシアニン誘導体、ローダミンおよび/またはローダミン誘導体、クマリンおよび/またはクマリン誘導体、および/またはキサンテンおよび/またはキサンテン誘導体が含まれる。一部の態様では、その誘導体は、アルキル誘導体、アリール誘導体、アルキン誘導体、芳香族誘導体、アルコキシド誘導体、アザ誘導体またはその類似体から選択される。
コード化発色団ポリマー粒子を調製する方法
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子を調製する方法を開示する。一部の態様では、発色団ポリマー粒子は、ナノ沈殿を使用して形成させることができる。ナノ沈殿方法は、良溶媒中のポリマーの溶液を貧溶媒中へ導入することを含む。そこでは、溶解度の変化が、ポリマーを崩壊させて粒子形態にする。ある特定の態様では、発色団ポリマー粒子は、ミニエマルジョン方法を使用して調製することができる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子は、溶媒混合方法を使用して調製することができる。この溶媒混合方法は、THF(テトラヒドロフラン)などの良溶媒中の発色団ポリマーの溶液を、混和性溶媒(水など)と混合して、そのポリマーをナノ粒子形態物中に畳み込み(fold)、同時に、発色団(例えば、ランタニド発色団、発色団色素)をその粒子内部に捕捉するステップを含む。良溶媒を除去した後、コード化発色団ポリマー粒子を得ることができる。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子を、2つの非混和性液相(水および別の非混和性有機溶媒など)を含む混合物を界面活性剤の存在下でせん断をかけることをもとにしたエマルジョンまたはミニエマルジョン方法によって調製する。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子を、沈殿によって形成させることができる。この技術は、過剰体積の非溶媒(しかし有機溶媒とは混和性である)、例えば水または別の生理的に適切な水溶液中への、希薄発色団ポリマー溶液(例えば、有機溶媒に溶解された発色団ポリマー)の迅速な添加(例えば、超音波処理または強力な撹拌によって容易にする)を含む。例えば、本明細書に記載する手順のいくつかでは、発色団ポリマーをまず、THFなどの溶解性が良好である有機溶媒(良溶媒)中に溶解させることができ、次いで、そのTHFに溶解したポリマーを、疎水性発色団ポリマーに対して貧溶媒であるが良溶媒(THF)とは混和性である過剰体積の水または緩衝液に添加する。得られた混合物を、超音波処理するかまたは強力に撹拌して発色団ポリマー粒子の形成を支援し、次いで、有機溶媒を除去すると、十分に分散した発色団ナノ粒子が後に残る。この手順を使用する場合、有機溶媒(例えば、THF)中に溶解させるために、発色団ポリマーは十分に疎水性でなければならない。生体分子と結合するための側鎖上で高密度の親水性官能基、または高密度の親水性側鎖の導入は、高分子電解質の挙動と類似した仕方かまたはそれと同じ仕方で、その得られるポリマーを、有機溶媒(例えば、THF)に不溶性または難溶性にすることになる。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子を、これらに限定されないが、エマルジョン(例えば、ミニまたはミクロエマルジョン)または沈殿もしくは凝結をもとにした種々の方法を含む他の方法によって形成させる。発色団ポリマー粒子の崩壊および安定性に影響を及ぼさない疎水性官能基を有する他のポリマーを使用することもできる。次いで、ナノ粒子の表面上の疎水性官能基を、バイオコンジュゲーションのための親水性官能基に転換させるか(例えば、後官能化によって)、またはその疎水性官能基を生体分子と直接結合させることができる。この後者のアプローチは、これらに限定されないが、アルキン、歪みアルキン(strained alkyne)、アジド、ジエン、アルケン、シクロオクチンおよびホスフィン基を含む疎水性であり、かつクリック可能な官能基を使用すると(すなわち、クリック化学の枠内に入る化学反応)、特に良く機能することができる。
ある特定の態様では、コード化発色団ポリマー粒子を調製する方法は、非極性溶媒中にポリマー(例えば、発色団ポリマー)および1つまたは複数の発色団(例えば、ランタニド発色団、発色団色素)を含む溶液を準備するステップを含む。次いで、この溶液を極性溶媒に導入して、コード化発色団ポリマー粒子を作製することができる。一部の態様では、1つまたは複数の発色団は、固定した比でポリマーと会合している。種々の態様では、ポリマーと会合している複数の発色団は、それぞれ、識別可能な光学特性(例えば、発光スペクトル)を有しており、それぞれ、お互いに対して固定した比である。ある特定の態様では、この溶液は、それぞれの固定した比(例えば2、3、4、5、6またはそれ超の複数)で、対応する組の1つまたは複数の発色団とそれぞれ会合している複数のポリマーを含むことができる。
高分子電解質コーティングされたコード化発色団ポリマー粒子
一部の態様では、本明細書で提供するコード化発色団ポリマー粒子は、高分子電解質コーティングを有することができる。有利には、高分子電解質コーティングは、例えば高いイオン強度を有する、二価金属イオンを含むかまたはその両方である溶液中でのポリマー粒子のコロイド安定性を改善することができる。高分子電解質コーティングを含まないいくつかのポリマー粒子と比較して改善されたコロイド安定性は、例えば、それらの機能性を失うことなく、アッセイで使用されるポリマー粒子を可能にすることができる。ある特定の態様では、高分子電解質コーティングの組成的な組立てを調整して、溶液、例えば高いイオン強度の溶液中でのポリマー粒子の凝集を低下させるまたは排除することができる。さらに、特定の条件下で、溶液中のイオン(例えば、二価イオン)は、ポリマー粒子の表面上の基をキレート化し、それによって、凝集特性に影響を及ぼすことができる。一部の態様では、高分子電解質コーティングを使用して、溶液中でのポリマー粒子の凝集を低下または排除させる。
高分子電解質コーティングは、約2〜4ナノメートルの範囲の層の厚さをもち、それによって、ポリマー粒子および高分子電解質コーティングを含むナノ粒子の直径に4〜8ナノメートルを加えることができる。
コーティング中の高分子電解質は、様々な仕方で、ポリマー粒子の表面上で形をなすことができる。例えば、1つの種類の高分子電解質を使用する場合、その高分子電解質ポリマー分子を物理的に一緒にブレンドしてコーティングを形成させることができる。2つまたはそれ超の種類の高分子電解質を使用する場合、その高分子電解質ポリマー分子を物理的に一緒にブレンドしてコーティングを形成させる、または、一部の態様では、その異なる高分子電解質は、ナノ粒子の表面上で領域(またはラフト)を形成させることができる。一部の態様では、高分子電解質を化学的に架橋させることができる。例えば、コーティング中の高分子電解質の一部またはすべてを、当業界で一般に周知の任意の架橋反応を使用して化学的に架橋させることができる。高分子電解質を、ポリマー粒子を形成する縮合ポリマーと化学的に架橋させることもできる。一部の態様では、コーティングは、1つ超の高分子電解質の層を含むことができる。例えば、コーティングは、2つの高分子電解質の層、3つの高分子電解質の層、またはより多い高分子電解質の層を含むことができる。層中の高分子電解質は、同じかまたは異なる種類の高分子電解質を含むことができる。
一部の態様では、「高分子電解質」は、例えば、それらの繰り返し単位が電荷を有する電解質基を担持するポリマーを含むことができる。一部の態様では、高分子電解質は、そのポリマーに沿ったすべての繰り返し単位が電解質基を担持するポリマーを含むことができる。ある特定の態様では、ポリマーの繰り返し単位の一部が電解質基を担持する。例えば、本開示の高分子電解質は、そのポリマー中の繰り返し単位の少なくとも99%、95%、90%>、85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%または1%が電解質基を担持するポリマーを含むことができる。一部の態様では、本開示の高分子電解質は、そのポリマー中の繰り返し単位の少なくとも99%、95%、90%、85%または80%が電解質基を担持するポリマーを含むことができる。
一部の態様では、高分子電解質は、少なくとも1つの種類の電解質基を含むことができる。例えば、高分子電解質は、1つのみの種類の電解質基または2つもしくはそれ超の種類の電解質基を含むことができる。本明細書に記載する種々の電解質基を、様々な異なる種類の高分子電解質中に含めることができる。本開示における高分子電解質の例は、これらに限定されないが、ポリ(スチレンスルホネート)、ポリリン酸塩、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリレート−co−マレエート、ポリアクリルアミド、キトサン、多糖、ポリリシン、ポリヒスチジンおよびポリペプチドを含むことができる。本明細書に記載する電解質基は、ポリマー骨格中に含める、そのポリマー骨格と結合した側鎖中に含める、かつ/またはポリマーの側鎖と結合している基の中に含めることができる。
広範囲の電解質基を、本開示で使用することができる。一般に、特定の条件下で電荷を作り出す任意の基を、高分子電解質のために使用することができる。例えば、電解質基は、アニオンまたはカチオンを含むことができる。一部の態様では、電解質基は、1つのアニオンまたは1つのカチオンを含むことができる。あるいは、電解質基は1つ超のアニオンおよび/またはカチオンを含むことができ、その結果、電解質基は、全体として負電荷または正電荷を含む。電解質基上の電荷は、恒久的な電荷であっても、また、溶液の特定のpHによってもたらされる電荷であってもよい(例えば、水素は解離して荷電した電解質基を形成することができる)。一部の態様では、電解質基は、水溶液中に溶解される前に、塩であってよい(例えば、対イオンで中性化されて)。一部の態様では、電解質基は、これらに限定されないが、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ、ヒドロキシル基およびメルカプト基を含むことができる。一部の態様では、電解質基の電荷は、酸性または塩基性溶液の特徴に応じて生成させることができる。例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、ヒドロキシル基またはメルカプト基は、例えば、その溶液のpHおよび対応する電解質基のpKaにしたがって、負に帯電することができる。水溶液において、ポリマー上の電解質基は解離して荷電した基を形成し、それによって、高分子電解質を形成する荷電したポリマーを作ることができる。一部の態様では、電解質基を、置換基で置換して電解質基上に恒久的な電荷を配置することができる。例えば、アミノ基は、恒久的正電荷を有する四級アンモニウムカチオンを含むことができる。電解質基のための置換基は、アルキル、アリール、CN、アミノ、スルフィド、アルデヒド、エステル、エーテル、酸、ヒドロキシルまたはハライドなど様々であってよい。ある特定の態様では、電解質基上の置換基は、電解質に電荷を提供することができる。
本開示の一態様は、高分子電解質コーティングを施すことによってポリマー粒子のゼータ電位を改変することを含む。このコーティングは、例えばナノ粒子の表面電荷を改変し、溶液中での凝集を防止するために使用することができる。溶液に応じて、凝集を防ぐようにゼータ電位を調整することができる。一部の態様では、ゼータ電位は、溶液中に分散している粒子が凝集に抵抗できるがどうかを評価するためのパラメーターである。例えば、粒子が+30mVより正、または−30mVより負のゼータ電位を有する場合、その粒子(例えば、高分子電解質でコーティングされたポリマー粒子)は安定であるといえる(例えば、凝集に抵抗する)。より高い値のゼータ電位は、凝集に対してより高い安定性を提供することができる。例えば、+/−60mVでの粒子の分散は、優れた安定性を提供することができる。本明細書に記載する選択された高分子電解質に応じて、本開示は、約+30mVより正、約+40mVより正、約+50mVより正または約+60mVより正のゼータ電位を有する粒子分散液(例えば、高分子電解質コーティングを有するポリマー粒子)を含む。本開示は、約−30mVより負、約−40mVより負、約−50mVより負または約−60mVより負のゼータ電位を有する粒子分散液(例えば、高分子電解質コーティングを有するポリマー粒子)を含む。高分子電解質コーティングを有するポリマー粒子を有する粒子は、様々な高分子電解質について本明細書に記載する方法を使用して調製することができる。次いで、粒子分散液のゼータ電位を、ゼータ電位を測定するように設計された装置を使用するなどの様々な技術を使用して、例えばMalvern Zetasizerによって決定することができる。
ある特定の態様では、本開示は、1つ超の高分子電解質ポリマーを含むコーティングを有するポリマー粒子を含むナノ粒子を含む。例えば、そのコーティングは、2つの異なる高分子電解質、3つの異なる高分子電解質、4つの異なる高分子電解質またはそれ超を、任意の所望の比で含むことができる。
コード化発色団ポリマー粒子の官能化およびバイオコンジュゲート
一部の態様では、本開示は、生体分子コード化のための官能化されたコード化発色団ポリマー粒子を提供する。官能化された粒子は、コード化発色団ポリマー粒子、およびその粒子と物理的または化学的に結合している官能基を含む。
一部の態様では、本発明は、官能基で官能化されたコード化発色団ポリマー粒子を提供する。一部の態様では、「官能基」という用語は、安定な任意の物理的または化学的会合などによってコード化発色団ポリマー粒子と結合し、それによって、共役またはバイオコンジュゲーションのために使用可能な発色団ポリマー粒子の表面を付与することができる任意の化学的単位を指す。一部の態様では、官能基は、疎水性官能基であってよい。疎水性官能基の例には、これらに限定されないが、アルキン、歪みアルキン、アジド、ジエン、アルケン、シクロオクチンおよびホスフィン基(クリック化学のため)が含まれる。一部の態様では、官能基は親水性官能基であってよい。親水性官能基の例には、これらに限定されないが、カルボン酸またはその塩、アミノ、メルカプト、アジド、ジアゾ、アルデヒド、エステル、ヒドロキシル、カルボニル、スルフェート、スルホネート、ホスフェート、シアネート、スクシンイミジルエステル、その置換誘導体が含まれる。当業者は、そうした官能基を、例えばBioconjugate Techniques(Academic Press、New York、1996年またはより最近の版)に見ることができる。その内容を、あらゆる目的のために、その全体において、参照により本明細書に組み込む。
一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子を、これらに限定されないが、任意の以下の:アルデヒド、アルケン、アルキル、アルキン、歪みアルキン、アミノ、アジド、カルボニル、カルボキシル、シアノ、シクロオクチン、ジエノ、エステル、スクシンイミジルエステル、ハロアルキル、ヒドロキシル、イミド、ケトン、マレイミド、メルカプト、ホスフェート、ホスフィン、スルフェート、スルホネート、その置換誘導体またはその組合せのいずれかを含む官能基を使用して官能化させる。
一部の態様では、発色団ポリマーの骨格、側鎖または末端単位と共有結合させて、官能基を作り出す。したがって、得られるコード化発色団ポリマー粒子は狭帯域発光を示し、同時に、バイオコンジュゲーションのための官能基を有する。当業者は、そうした官能基を、例えばBioconjugate Techniques(Academic Press、New York、1996年またはより最近の版)に見ることができる。その内容を、あらゆる目的のために、その全体において、参照により本明細書に組み込む。一部の態様では、各発色団ポリマー粒子は1つのみの官能基を有する。一部の態様では、各発色団ポリマー粒子は2つのみの官能基を有する。その2つの官能基は同じであっても異なっていてもよい。一部の態様では、各発色団ポリマー粒子は3つまたはそれ超の官能基を有する。その3つまたはそれ超の官能基は同じであっても異なっていてもよい。
本開示のある特定の態様では、コード化発色団ポリマー粒子の官能化の度合いは、要望に応じて、変えることができる。一部の態様では、本明細書で提供するコード化発色団ポリマー粒子を改変して、一価、二価または多価であってよい単一分子のポリマー粒子を形成させる。この改変は、その粒子から、一部のポリマー分子を取り除くが、まさに1つの官能基、2つまたはそれ超の官能基を有することができる1つのみの分子を残しておくためである。一態様では、改変を容易にするために、処理された(engineered)表面を使用することができる。処理された表面は、アルデヒド、アルケン、アルキル、アルキン、歪みアルキン、アミノ、アジド、カルボニル、カルボキシル、シアノ、シクロオクチン、ジエノ、エステル、スクシンイミジルエステル、ハロアルキル、ヒドロキシル、イミド、ケトン、マレイミド、メルカプト、ホスフェート、ホスフィン、スルフェート、スルホネート、その置換誘導体およびその組合せなどの特定の官能基を有することができる。一般に、バイオコンジュゲーションに適した他の任意の官能基を使用することができる。当業者は、そうした官能基を、例えばBioconjugate Techniques (Academic Press、New York、1996年またはより最近の版)に見ることができよう。その表面は、平らな表面、例えばカバースリップ、または任意の粒子からの湾曲した表面であってよい。表面は、シリカ、金属、半導体(semiconducting)、シリコン、および異なるポリマー表面であってよい。上記した官能化多分子発色団ポリマー粒子を、安定な任意の物理的または化学的会合を介して、1つのみの発色団ポリマー分子によって表面に結合させる。その表面と会合している分子のみが保持されるように、発色団ポリマー粒子中のすべての遊離分子(表面と会合している分子を除く)を、例えば有機溶媒での表面洗浄によって除去することができる。次いで、単一分子発色団粒子を、物理的または化学的な任意の方法で表面から放出させることができる。得られる単一分子粒子は、元のポリマー分子中の官能基の数に応じて、一価、二価または多価であってよい。
一部の態様では、末端単位で少なくとも1つの官能基を有する単一ポリマー分子を含むコード化発色団ポリマー粒子を使用することによって、利点がもたらされる可能性がある。例えば、ポリマー合成において、発色団ポリマーの末端単位への1つのみの官能基の結合を十分に制御することができる。例えば、官能基を含む化学的単位は、ポリマー合成における重合開始剤ならびに成長触媒としての機能を果たすことができ、このようにして、各ポリマー分子は、末端でただ1つのみの官能基を含むことになる。直鎖状発色団ポリマーの2つの末端単位のみへの官能基の結合もやはり、ポリマー合成において、十分に制御することができる。例えば、官能基を含む化学的単位をキャッピング剤として使用して、ポリマー合成でのポリマー成長を終了させ、それによって、2つの末端単位に2つのみの官能基を含む各線状ポリマー分子をもたらすことができる。同様に、多価ポリマー粒子のための官能基の結合を、ポリマー合成において、十分制御することができる。例えば、官能基を、3つのアームの分岐ポリマーの3つの末端単位にのみ付加させることができる。
一部の態様では、本開示は、生体分子コード化のためのコード化発色団ポリマー(encoded chromophroic polymer)粒子のバイオコンジュゲートを開示する。バイオコンジュゲートは、生物学的粒子、例えばウイルス、細菌、細胞、リポソームなどの生物学的もしくは合成のベシクルまたはその組合せと会合している上記のような発色団ポリマー粒子も含む。一部の態様では、「生体分子」という用語は、合成または天然由来のタンパク質、糖タンパク質、ペプチド、アミノ酸、代謝産物、薬物、毒素、核酸(nuclear acid)ヌクレオチド、炭水化物、糖、脂質、脂肪酸などまたはその組合せを記載するために使用される。一部の態様では、生体分子は、ポリペプチドまたはポリヌクレオチドである。一部の態様では、生体分子は、抗体、アビジン、ビオチンまたはその組合せである。一部の態様では、バイオコンジュゲートは、コード化発色団ポリマー粒子の1つまたは複数の官能基への生体分子の結合によって形成される。この結合は直接的であっても間接的であってもよい。任意選択で、生体分子は、共有結合を介して、発色団ポリマー粒子の官能基と結合している。例えば、ポリマー粒子の官能基がカルボキシル基である場合、タンパク質生体分子は、カルボキシル基をタンパク質分子のアミン基と架橋させることによって、ポリマー粒子と直接結合させることができる。一部の態様では、各ポリマー粒子は、1つのみの種類の結合生体分子を有している。一部の態様では、生体分子コンジュゲーションは、発色団粒子の発光特性をほとんど変化させない。例えば、バイオコンジュゲーションは、発光スペクトルを変化させず、蛍光または発光量子収率を低下させず、光安定性を変化させない等である。
本開示の種々の態様では、コード化発色団ポリマー粒子のバイオコンジュゲーションを容易にするために、架橋剤を使用することができる。一部の態様では、「架橋剤」という用語は、それらの分子と一緒に共有結合させるために、類似しているかまたは類似していない分子上の分子基間で、化学結合を形成することができる化合物または部分を記載するために使用される。一般的な架橋剤の例は当業界で公知である。例えば、Bioconjugate Techniques (Academic Press、New York、1996年またはより最近の版)を参照されたい。一価発色団ポリマー粒子との生体分子の間接的な結合は、「リンカー」分子、例えば、アビジン、ストレプトアビジン、ニュートラアビジン、ビオチンまたは同様の分子の使用によって行うことができる。
一部の態様では、標的分析物分子(例えば、タンパク質)の分析は、標的分析物と特異的に結合する生体分子とコンジュゲートされるコード化発色団ポリマー粒子を使用して遂行される。
一部の態様では、蛍光性および/または発光性コード化発色団ポリマー粒子は、これに限定されないが、標的分析物に対する結合親和性を含む機能または他の利益を提供する1つまたは複数の分子とコンジュゲートされる。
一部の態様では、その分析物は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、細胞、ウイルス、小分子、薬物、毒素、炭水化物、糖、脂質または脂肪酸である。
一部の態様では、標的分析物分子はタンパク質などのポリペプチドであり、コード化発色団ポリマー粒子とコンジュゲートされる生体分子は標的分析物タンパク質と特異的に結合する一次抗体である。
他の態様では、標的分析物分子はそのタンパク質に対する一次抗体と結合する目的タンパク質であり、コード化発色団ポリマー粒子とコンジュゲートされる生体分子は一次抗体と特異的に結合する二次抗体である。
他の態様では、標的分析物分子は目的のビオチン化タンパク質であり、コード化発色団ポリマー粒子とコンジュゲートする生体分子は、ビオチン化タンパク質と特異的に結合するアビジン(例えば、ストレプトアビジン)である。
一部の態様では、「ビオチン」という用語は、アビジン結合において効果的である様々なビオチン誘導体および類似体のいずれか1つを指す。適切なビオチン部分は、ビオチン化ペプチド断片をアビジンおよび関連アビジンタンパク質によって単離できるようにするそれらの部分を含む。代表的なビオチン部分には、イミノビオチン、ビオサイチンおよびカプロイルアミドビオチンなどのビオチン誘導体ならびにデスチオビオチンおよびビオチンスルホンなどのビオチン類似体が含まれる。
一部の態様では、「アビジン」という用語は、天然タンパク質と組み換えおよび遺伝子操作型タンパク質の両方を含むビオチンと結合する免疫グロブリン以外の任意のビオチン結合タンパク質を指す。この用語は、「卵白」または「鳥(avian)」アビジンおよび「ストレプトアビジン」として公知の2つの一般的なビオチン結合タンパク質を含む。通常、簡単にアビジンと称される卵白または鳥アビジンは、卵白の構成物質であり、ビオチンとの非共有結合複合体を形成するタンパク質である。ストレプトアビジンは、actinobacterium Streptomyces avidiniiから単離されるアビジンタンパク質であり、やはり、ビオチンと非共有結合複合体を形成する。ビオチン結合タンパク質の他の細菌源も公知である。卵白アビジンとストレプトアビジンの両方は、そこでビオチン結合部位が、アビジン分子と対面して対で配置されている四量体タンパク質である。この用語は、スクシニルアビジン、フェリチンアビジン、酵素アビジンおよび架橋アビジンを含むアビジン誘導体も指す。
一部の態様では、標的分析物分子はDNAまたはRNAなどのポリヌクレオチドであり、コード化発色団ポリマー粒子とコンジュゲートされる生体分子は標的分析物ポリヌクレオチドと特異的に結合する相補的ポリヌクレオチドである。
一部の態様では、蛍光性および/または発光性コード化発色団ポリマー粒子は、例えばそれらのサイズ、蛍光性、疎水性、非特異的結合性または吸着特性などのポリマー粒子の他の特性を変える1個または複数の分子とコンジュゲートすることができる。
一部の態様では、生体分子のコード化発色団ポリマー粒子とのコンジュゲーションは、これに限定されないが、ポリマー粒子とのカルボキシル基の結合を含む官能基との結合を含むことができる。一部の態様では、カルボキシル基を、1−エチル−3−[3−ジメチルアミノプロピル]カルボジイミド塩酸塩(EDC)などのカルボジイミドの存在下で、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)と反応させて、特定の生体分子上に存在する第一アミン基との架橋のためのカルボキシレート基のアミン反応性エステルを生成することができる。
一部の態様では、カルボキシル化されたコード化発色団ポリマー粒子は、例えば0.1 PEG(MW3350)を含むHEPES緩衝(20mM、pH=7.4)溶液中で、コード化発色団ポリマー粒子とその生体分子を混合することによって、タンパク質などの生体分子とコンジュゲートさせる。ポリマー粒子上のカルボキシル基とその生体分子のアミン基の間でのペプチド結合の形成は、EDCによって触媒作用させることができる。しかし、一部の態様では、ポリマー粒子の本質的に疎水性の性質に起因して、生体分子は、粒子表面上に非特異的に吸着する傾向がある。一部の態様では、ポリマー粒子の表面上への生体分子の非特異的吸着を低減させるために、Triton X−100および/またはウシ血清アルブミン(BSA)を導入する。
本明細書に記載する例に加えて、一部の態様では、例えばPCT/US2010/056079およびPCT/US2012/071767に開示されているものを含む、生体分子のコード化発色団ポリマー粒子へのコンジュゲーションのための他の戦略および方法を使用することができる。当業者は、生体分子のコード化発色団ポリマー粒子へのコンジュゲーションのための他の戦略および方法を、例えばBioconjugate Techniques (Academic Press、New York、1996年またはより最近の版)に見ることができる。
コード化発色団ポリマー粒子の調製
本明細書に記載するコード化発色団ポリマー粒子は、広範囲の方式(format)で調製することができる。本開示の一部の態様では、コード化発色団ポリマーの粒子の懸濁液を提供する。懸濁液は、少なくとも1つの複数のコード化発色団ポリマーの粒子および連続相(例えば、液体などの溶媒)を含むことができる。別の態様では、本開示は:溶媒を含む連続相;および、第1の複数のコード化発色団ポリマー粒子;第2の複数のコード化発色団ポリマー粒子を含む不連続相を含むコード化発色団ポリマー粒子の懸濁液であって、第1の複数のコード化発色団ポリマー粒子の光学特性(例えば、発光スペクトル)が、第2の複数のコード化発色団ポリマー粒子の光学特性と明確に区別される懸濁液を提供する。
一部の態様では、本開示は、複数の発色団ポリマー粒子および1つまたは複数の追加の複数の発色団ポリマー粒子を含む発色団ポリマー粒子の懸濁液を提供する。一部の態様では、この懸濁液は、2つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、3つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、4つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、5つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、6つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、7つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、8つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、9つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、10の複数のコード化発色団ポリマー粒子、20の複数のコード化発色団ポリマー粒子、30の複数のコード化発色団ポリマー粒子、40の複数のコード化発色団ポリマー粒子、50の複数のコード化発色団ポリマー粒子、100の複数のコード化発色団ポリマー粒子、500の複数のコード化発色団ポリマー粒子、1000の複数のコード化発色団ポリマー粒子または5000の複数のコード化発色団ポリマー粒子を含む。一部の態様では、懸濁液は、多くとも3つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも4つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも5つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも6つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも7つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも8つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも9つの複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも10の複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも20の複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも30の複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも40の複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも50の複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも100の複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも500の複数のコード化発色団ポリマー粒子、多くとも1000の複数のコード化発色団ポリマー粒子または多くとも5000の複数のコード化発色団ポリマー粒子を含む。
一部の態様では、懸濁液中の複数のコード化発色団ポリマー粒子の少なくともいくつかは、他の複数と識別可能である、例えば異なる光学特性を有する。一部の態様では、少なくとも1つの複数の発光スペクトルは、少なくとも1つの他の複数の発光スペクトルと識別可能である。一部の態様では、少なくとも1つの複数の発光寿命は、少なくとも1つの他の複数の発光寿命と識別可能である。一部の態様では、少なくとも1つの複数の発光強度は、少なくとも1つの他の複数の発光強度と識別可能である。一部の態様では、少なくとも1つの複数の発光波長は、少なくとも1つの他の複数の発光波長と識別可能である。ある特定の態様では、複数のコード化発色団ポリマー粒子(例えば、2、3、4、5、6またはそれ超の複数)の組成物のそれぞれは、明確に区別できる発光スペクトル、発光寿命、発光強度および/または発光波長を有する。
一部の態様では、懸濁液中の、第1の複数のコード化発色団ポリマー粒子の発色団の少なくとも1つは、第2の複数のコード化発色団粒子の発色団の少なくとも1つと同じである。ある特定の態様では、第1の複数のコード化発色団ポリマー粒子は、懸濁液中で、第2の複数のコード化発色団ポリマー粒子と異なる濃度である。
一部の態様では、懸濁液中の少なくとも1つの複数のコード化発色団ポリマー粒子は、少なくとも1つの他の複数とは異なる発色団を含む。例えば、種々の態様では、複数のコード化発色団ポリマー粒子の少なくとも2つは、異なる発色団、例えば異なるランタニド発色団を有する。種々の態様では、複数のコード化発色団ポリマー粒子の少なくとも2つは、異なるランタニド発色団濃度(例えば、質量で)を有する。別の例として、種々の態様では、複数のコード化発色団ポリマー粒子の少なくとも2つは、異なる発色団ポリマーを有する。種々の態様では、複数のコード化発色団ポリマー粒子の少なくとも2つは、異なる発色団ポリマー濃度(例えば、質量で)を有する。さらに別の例において、種々の態様では、複数のコード化発色団ポリマー粒子の少なくとも2つは、異なる発色団色素を有する。種々の態様では、複数のコード化発色団ポリマー粒子の少なくとも2つは、異なる発色団色素濃度(例えば、質量で)を有する。
一部の態様では、懸濁液中の少なくとも1つの複数のコード化発色団ポリマー粒子は多分散系である。一部の態様では、懸濁液中の複数のコード化発色団ポリマー粒子のそれぞれは、相対的に多分散系である。一部の態様では、少なくとも1つの複数は単分散系である。一部の態様では、その複数のそれぞれは、相対的に単分散系である。
一部の態様では、少なくとも1つの複数と結合している官能基は、少なくとも1つの他の複数と結合している官能基とは異なっている。一部の態様では、少なくとも1つの複数と結合している生体分子は、少なくとも1つの他の複数と結合している生体分子とは異なっている。一部の態様では、生体分子は、異なる分析物と特異的に会合する。
一部の態様では、本開示は、試料中の分析物を検出するためのキットを提供する。ある特定の態様では、そのキットは、上記のような2つまたはそれ超の複数のコード化発色団ポリマー粒子を含むコード化発色団ポリマー粒子の懸濁液を含む。一部の態様では、キットは、コード化発色団ポリマー粒子と結合した官能基とコンジュゲートしている生体分子を含む。一部の態様では、キットは、エンドユーザーのために、コード化発色団ポリマー粒子と結合した官能基とコンジュゲートするように構成された生体分子を含む。一部の態様では、生体分子は、ポリペプチド、例えばタンパク質、ポリヌクレオチド、例えばDNAおよび/またはRNA、代謝産物、例えば脂質、脂肪酸、糖、ヌクレオチドもしくはアミノ酸、または細胞、ウイルスもしくはウイルス粒子である。
一部の態様では、本開示は、光学的コード化システムを提供する。ある特定の態様では、光学的コード化システムは、第1のコード化発色団ポリマー粒子、および互いに識別可能である光学的に検出可能なコードを有する第2のコード化発色団ポリマー粒子を含む。ある特定の態様では、本システムは、その少なくとも一部が、互いに識別可能である光学的に検出可能なコードを有する複数のコード化発色団ポリマー粒子を含む。
コード化発色団ポリマー粒子を使用する方法
本開示は、本明細書に記載するコード化発色団ポリマー粒子を使用する方法をさらに提供する。例えば、本開示は様々な用途のための、新規なクラスの蛍光性プローブとしてのコード化発色団ポリマー粒子、およびそれらのバイオコンジュゲートを使用する蛍光ベースの検出方法を提供する。これらには、これらに限定されないが、フローサイトメトリー、蛍光活性化ソーティング、免疫蛍光、免疫組織化学、蛍光多重化、DNAおよび遺伝子分析、タンパク質分析、代謝産物分析、脂質分析、フェルスター共鳴エネルギー移動(FRET)ベースのセンサー、ハイスループットスクリーニング、細胞検出、細菌検出、ウイルス検出、バイオマーカー検出、細胞画像化、in vivoでの画像化、生体直交型ラベリング、蛍光ベースの生物学アッセイ、例えば免疫アッセイおよび酵素ベースのアッセイ、ならびに生物学アッセイおよび測定における様々な蛍光技術が含まれる。ある特定の態様では、本明細書でのコード化発色団ポリマー粒子は、検出剤として使用するため、例えば、ウエスタンブロット分析の過程などにおけるタンパク質またはペプチドの検出のためにいくつかの利点を有する。本開示によるコード化発色団ポリマー粒子は、タンパク質またはペプチド、特にタンパク質の検出を可能にする、適切な任意のポリマーサブユニットまたはサブユニット(複数)を含むことができる。
ある特定の態様では、本明細書で開示するコード化発色団ポリマー粒子は、様々な波長範囲、強度範囲、寿命範囲またはその組合せにわたる多重化を含む検出方法のために使用することができる。
一部の態様では、分析物を検出する方法であって、分析物を含む試料を、コード化発色団ポリマー粒子と接触させるステップを含む方法を提供する。他の態様では、本方法は、分析物を含む試料をコード化発色団ポリマー粒子の懸濁液と接触させるステップを含む。一部の態様では、この試料は、血液、尿、便、リンパ液、唾液または脳脊髄液を含む。一部の態様では、この試料は、動物または単細胞生物などの対象に由来する。一部の態様では、この試料は、生きている動物または組織を含む。一部の態様では、分析物は、コード化発色団ポリマー粒子と結合した生体分子に対して結合親和性を有する。一部の態様では、分析物は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、細胞、細胞画分、ウイルス、薬物、毒素、炭水化物、糖、脂質または脂肪酸を含む。
一部の態様では、本方法は、試料、懸濁液および/またはコード化発色団ポリマー粒子から出されたシグナルを測定するステップをさらに含む。一部の態様では、本方法は、試料中のコード化発色団ポリマー粒子によって出された光学的に検出可能なコードを検出するステップをさらに含む。種々の態様では、光学的に検出可能なコードの検出は、分析物の存在、分析物の同一性および/または試料中の分析物の濃度を示す。
一部の態様では、本方法は、試料、懸濁液および/またはコード化発色団ポリマー粒子を電磁放射線源で励起させるステップをさらに含む。一部の態様では、その電磁放射線は、スペクトルフィルター、多色ミラー(multichroic mirror)またはその組合せを通過する。一部の態様では、試料を励起させる電磁放射線のピーク波長は、約200nm〜約300nm、約250nm〜約350nm、約300nm〜約400nm、約350nm〜約450nm、約400nm〜約500nm、約450nm〜約550nm、約500nm〜約600nm、約550nm〜約650nm、約600nm〜約700nm、約650nm〜約750nm、約700nm〜約800nm、約750nm〜約850nm、約800nm〜約900nm、約850nm〜約950nmまたは約900nm〜約1000nmである。
一部の態様では、本方法は、試料および懸濁液から出されるシグナルを使用して分析物を測定するステップをさらに含む。一部の態様では、本方法は、試料および懸濁液から出されるシグナルのスペクトルを使用して分析物を測定するステップをさらに含む。一部の態様では、本方法は、分析物を測定するための、試料および懸濁液から出されるシグナルの寿命をさらに含む。一部の態様では、本方法は、試料および懸濁液から出されるシグナルの強度を使用して分析物を測定するステップをさらに含む。例えば、本方法は、分析物を測定するために、コード化発色団ポリマー粒子によって出される光学的に検出可能なコードを使用するステップを含むことができる。ある特定の実施形態では、試料中での分析物の存在、分析物の同一性および/または分析物の濃度を、光学的に検出可能なコードのスペクトル、波長、強度および/または寿命などの、光学的に検出可能なコードの1つまたは複数の光学特性をもとにして決定する。
一部の態様では、本方法は、分析物を試料から分離するステップをさらに含む。一部の態様では、分析物を試料から分離するステップは、分析物と会合したコード化発色団ポリマー粒子を、フローサイトメーターまたはマイクロ流体デバイスのフローセルへ誘導するステップを含む。一部の態様では、分析物を試料から分離するステップは、分析物と会合したコード化発色団ポリマー粒子を固体支持体と結合させるステップを含む。
別の態様では、本開示は、2つの複数の分析物、3つの複数の分析物、4つの複数の分析物、5つの複数の分析物、6つの複数の分析物、7つの複数の分析物、8つの複数の分析物、9つの複数の分析物、10の複数の分析物、20の複数の分析物、30の複数の分析物、40の複数の分析物、50の複数の分析物、100の複数の分析物、500の複数の分析物、1000の複数の分析物または5000の複数の分析物などの試料中の複数の分析物を検出するための方法を提供する。ある特定の態様では、本明細書に記載する方法を、多くとも3つの複数の分析物、多くとも4つの複数の分析物、多くとも5つの複数の分析物、多くとも6つの複数の分析物、多くとも7つの複数の分析物、多くとも8つの複数の分析物、多くとも9つの複数の分析物、多くとも10の複数の分析物、多くとも20の複数の分析物、多くとも30の複数の分析物、多くとも40の複数の分析物、多くとも50の複数の分析物、多くとも100の複数の分析物、多くとも500の複数の分析物、多くとも1000の複数の分析物または多くとも5000の複数の分析物を検出するために使用する。
ある特定の態様では、本開示は、例えば、分析物を検出するために使用されるコード化発色団ポリマー粒子の識別可能な光学特性をもとにして、第1の組の分析物および第2の組の分析物を検出するための方法を提供する。一部の態様では、その第1の組の分析物は、第1の組のコード化発色団ポリマー粒子と結合した第1の組の生体分子と結合し、第2の組の分析物は、第2の組のコード化発色団ポリマー粒子と結合した第2の組の生体分子と結合する。種々の態様では、本方法は、第1の組の分析物の存在、同一性および/または濃度を決定し、第2の組の分析物の存在、同一性および/または濃度を決定するステップをさらに含む。種々の態様では、第1および第2の組のコード化発色団ポリマー粒子は、互いに識別可能なそれぞれの第1および第2の光学的に検出可能なコードを有し、その第1および第2の光学的に検出可能なコードの検出は、対応する分析物の存在、同一性および/または濃度の決定を可能にする。種々の態様では、第1および第2の組のコード化発色団ポリマー粒子は互いに識別可能な発光スペクトルを有し、その発光スペクトルの検出は、対応する分析物の存在、同一性および/または濃度の決定を可能にする。種々の態様では、第1および第2の組のコード化発色団ポリマー粒子はそれぞれ互いに識別可能な発光寿命を有し、その発光寿命の検出は、対応する分析物の存在、同一性および/または濃度の決定を可能にする。種々の態様では、第1および第2の組のコード化発色団ポリマー粒子はそれぞれ互いに識別可能な発光強度を有し、その発光強度の検出は、対応する分析物の存在、同一性および/または濃度の決定を可能にする。
ある特定の態様では、試料中の2つまたはそれ超の分析物を検出するための方法は:試料中の第1の分析物と選択的に会合するように構成された生体分子を含む第1の複数のコード化発色団ポリマー粒子;試料中の第2の分析物と選択的に会合するように構成された生体分子を含む第2の複数のコード化発色団ポリマー粒子;を含む本明細書に記載するようなコード化発色団ポリマー粒子の懸濁液を準備するステップと、懸濁液を、そのコード化発色団ポリマー粒子を生物学的試料中の2つまたはそれ超の分析物と会合させるのに十分な条件下および時間で試料と接触させるステップと;分析物と会合したコード化発色団ポリマー粒子を含む懸濁液を、1つまたは複数のコード化発色団ポリマー粒子を励起させることができる少なくとも1つの光源と接触させるステップと;その試料からの光学特性(例えば、発光スペクトル)を測定するステップとを含む。その試料が、動物であるかまたは動物に由来する一部の態様では、その懸濁液を少なくとも1つの光源とin vivoで接触させ、光学特性をin vivoで測定する。
一部の態様では、本方法は、ポリマーマトリクスおよび1つまたは複数のランタニド発色団などの2つまたはそれ超の発色団の発光強度の比を決定するステップをさらに含む。その複数のコード化発色団ポリマー粒子が相対的に単分散系であるある特定の態様では、ポリマーマトリクスの発光スペクトルを、内部標準として使用することができる。
一部の態様では、本方法は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ超の異なる分析物を含む。一部の態様では、本方法は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ超の異なる分析物の1つに対してそれぞれ結合親和性を有する2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ超の異なる生体分子と結合した2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ超の異なるコード化発色団ポリマー粒子を含む。
一部の態様では、本開示の組成物、方法およびシステムを、フローサイトメトリーおよび他の蛍光活性化ソーティング方法のために使用する。一部の態様では、粒子と、その粒子と直接的または間接的に結合している分析物を積極的に分離し単離するために、発色団ポリマー粒子の発光特性を定量化し使用する。一部の態様では、粒子、およびその粒子と直接的または間接的に結合している分析物を積極的に分離する、あるいは単離するために、発色団ポリマー粒子の発光スペクトル(波長)、寿命および/または強度を使用することができる。
一部の態様では、本開示の組成物、方法およびシステムを、これらに限定されないが、免疫細胞化学、免疫組織化学および酵素ベースのアッセイを含む免疫アッセイのために使用する。一部の態様では、この免疫アッセイは、タンパク質などのポリペプチドを含む分析物を検出するために使用される。一部の態様では、粒子と結合している官能基へのコンジュゲーションによって、抗体を発色団ポリマー粒子と間接的に結合させる。一部の態様では、抗体は一次抗体である。一部の態様では、抗体は二次抗体である。一部の態様では、一次抗体と二次抗体の両方を、発色団ポリマー粒子と間接的に結合させる。一部の態様では、アッセイを、組織から解離している細胞について実施する。他の態様では、アッセイを、インタクトな(解離していない)組織について実施する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子を、酵素結合免疫吸着剤アッセイ(ELISA)などの酵素ベースのアッセイを実施するために使用する。
一部の態様では、本開示の組成物、方法およびシステムは、これらに限定されないが、ポリメラーゼ連鎖反応、逆転写酵素PCR、リガーゼ連鎖反応、ループ介在増幅、逆転写ループ介在増幅、ヘリカーゼ依存性増幅、逆転写ヘリカーゼ依存性増幅、リコンビナーゼポリメラーゼ増幅、逆転写リコンビナーゼポリメラーゼ増幅、触媒ヘアピン集合反応(catalytic hairpin assembly reaction)、ハイブリダイゼーション連鎖反応、エントロピー推進触媒作用、鎖置換増幅、逆転写鎖置換増幅、核酸配列ベースの増幅、転写介在増幅、自家持続配列複製、単一プライマー等温増幅、RNA技術のシグナル介在増幅、ローリングサークル増幅、超分岐ローリングサークル増幅、指数関数的増幅反応、smart増幅、核酸の等温およびキメラプライマー開始増幅、多置換増幅および/またはインサイチュでのハイブリダイゼーションを含むポリヌクレオチドの分析のために使用される。
一部の態様では、本開示の組成物、方法およびシステムは、脂質、糖、ヌクレオチド、アミノ酸、脂肪酸および他の代謝産物を含む代謝産物の分析のために使用される。
一部の態様では、本開示の組成物、方法およびシステムは、これらに限定されないが、in vitroの真核細胞、in vivoの真核細胞および原核生物の細菌細胞を含む細胞を検出するために使用される。
一部の態様では、本開示の組成物、方法およびシステムは、これらに限定されないが、ミトコンドリア、小胞体および/またはシナプトソームを含むオルガネラおよび他の細胞亜画分を検出するために使用される。
一部の態様では、本開示の組成物、方法およびシステムは、バイオアッセイにおいてバイオマーカーを検出するために使用される。バイオマーカーは、これらに限定されないが、ポリペプチド、例えばタンパク質、ポリヌクレオチド、例えばDNAおよび/またはRNA、代謝産物、例えば脂質、脂肪酸、糖、ヌクレオチドまたはアミノ酸、細胞、ウイルスもしくはウイルス粒子であってよい。
一部の態様では、本開示の組成物、方法およびシステムは、様々な波長、寿命および強度の範囲にわたる蛍光多重化のために使用される。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子での蛍光多重化は、これらに限定されないが、ポリペプチド、例えばタンパク質、ポリヌクレオチド、例えばDNAおよび/またはRNA、代謝産物、例えば脂質、脂肪酸、糖、ヌクレオチドおよび/またはアミノ酸、細胞、ウイルスおよび/またはウイルス粒子を含む、試料中の複数の分析物の同時および/または逐次分析を提供する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子での蛍光多重化は、例えばフローサイトメトリーおよび/または他の蛍光支援ソーティング方法を使用した複数の分析物のソーティングを提供する。一部の態様では、コード化発色団ポリマー粒子での蛍光多重化は、試料中の目的の複数のタンパク質の検出を提供する。
一部の態様では、試料中の分析物を検出する方法であって、試料を、2つまたはそれ超の複数のコード化発色団ポリマー粒子の懸濁液と接触させるステップと、その試料および懸濁液から出されるシグナルを測定するステップとを含む方法を提供する。一部の態様では、試料は、生体液(biological fluid)を含む。一部の態様では、試料は、血液、尿、便、リンパ液、唾液または脳脊髄液を含む。一部の態様では、試料は、生きている動物または組織を含む。一部の態様では、試料は、発色団ポリマー粒子と直接的または間接的に結合した生体分子と会合している1つまたは複数の分析物を含む。一部の態様では、その分析物は、ポリペプチド、ポリヌクレオチド、細胞、細胞画分、ウイルス、薬物、毒素、炭水化物、糖、脂質または脂肪酸を含む。
一部の態様では、本方法は、試料および懸濁液を電磁放射線源で励起させるステップをさらに含む。一部の態様では、その電磁放射線は、スペクトルフィルター、多色ミラーまたはその組合せを通過する。一部の態様では、試料を励起させる電磁放射線のピーク波長は約200nm〜約1200nmである。一部の態様では、本方法は、試料および懸濁液から出されるシグナルを使用して分析物を測定するステップをさらに含む。一部の態様では、本方法は、試料および懸濁液から出されるシグナルのスペクトルを使用して分析物を測定するステップをさらに含む。一部の態様では、本方法は、試料および懸濁液から出されるシグナルの寿命を使用して分析物を測定するステップをさらに含む。一部の態様では、本方法は、試料および懸濁液から出されるシグナルの強度を使用して分析物を測定するステップをさらに含む。一部の態様では、本方法は、試料から、1つまたは複数の分析物を分離するステップをさらに含む。一部の態様では、本方法は、分析物と会合した粒子を、フローサイトメーターまたはマイクロ流体デバイスのフローセルへ誘導することによって、試料から、1つまたは複数の分析物を分離するステップをさらに含む。一部の態様では、本方法は、分析物と会合した発色団ポリマー粒子を固体支持体と結合させることによって、試料から1つまたは複数の分析物を分離するステップをさらに含む。
コード化発色団ポリマー粒子での多重分析のためのシステム
本開示の一部の態様では、多重分析を実施するためのシステムであって、コード化発色団ポリマー粒子の懸濁液、分析物を含む試料、電磁放射線源、検出器;ならびにプロセッサー、および実行可能命令が記憶されているメモリーデバイスを備えたコンピューターであって、その命令が、実行された場合、そのプロセッサーが検出器を動作させて放射特性を測定し;その測定された放射特性を記憶し;測定された放射特性を分析するようにするコンピューターを含むシステムを提供する。
一部の態様では、電磁放射線源は、レーザー、ランプ、LEDまたはその組合せを含む。一部の態様では、そのシステムは、スペクトルフィルター、多色ミラーまたはその組合せをさらに含む。一部の態様では、検出器は顕微鏡を含む。一部の態様では、検出器はカメラを含む。一部の態様では、検出器はフローサイトメーターを含む。一部の態様では、プロセッサーは、測定された放射特性をもとにして、その分析物を、フローサイトメーターまたはマイクロ流体デバイスのフローセルへ誘導することができる。
一部の態様では、本システムは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ超の異なる分析物などの複数の異なる分析物を含む。一部の態様では、本システムは、例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ超の異なる分析物の1つに対して結合親和性をそれぞれ有する2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ超の異なる生体分子と結合した、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10またはそれ超の異なるコード化発色団ポリマー粒子などの複数の異なるコード化発色団ポリマー粒子を含む。
一部の態様では、本システムは、コード化発色団ポリマー粒子を含む懸濁液および試料のための励起供給源として機能するように構成された電磁放射線源を提供する。一部の態様では、電磁放射線源はレーザーを含む。一部の態様では、レーザーによって出されるピーク波長は、約200nm〜約300nm、約250nm〜約350nm、約300nm〜約400nm、約350nm〜約450nm、約400nm〜約500nm、約450nm〜約550nm、約500nm〜約600nm、約550nm〜約650nm、約600nm〜約700nm、約650nm〜約750nm、約700nm〜約800nm、約750nm〜約850nm、約800nm〜約900nm、約850nm〜約950nmまたは約900nm〜約1000nmである。一部の態様では、明確に区別できるピーク波長を有する2つまたはそれ超のレーザーを使用することができる。
一部の態様では、電磁放射線源は、発光ダイオード(LED)を含む。LEDは半導体光源である。一部の態様では、LEDのアノードリードは、少なくともLEDの順電圧降下によってそのカソードリードより正である電圧を有する場合、電流が流れる。電子は、そのデバイス内で空孔と再結合し、光子の形でエネルギーを放出することができる。その光の色(光子のエネルギーに対応する)は、その半導体のエネルギーバンドギャップによって決定される。
一部の態様では、LEDによって出されるピーク波長は、約200ナノメートル〜約300nm、約250nm〜約350nm、約300nm〜約400nm、約350nm〜約450nm、約400nm〜約500nm、約450nm〜約550nm、約500nm〜約600nm、約550nm〜約650nm、約600nm〜約700nm、約650nm〜約750nm、約700nm〜約800nm、約750nm〜約850nm、約800nm〜約900nm、約850nm〜約950nmまたは約900nm〜約1000nmである。一部の態様では、明確に区別できるピーク波長を有する2つまたはそれ超のLEDを使用することができる。
一部の態様では、電磁放射線源は、ランプ、例えば水銀ランプ、ハロゲンランプ、金属ハライドランプまたは他の適切なランプを含む。一部の態様では、ランプによって放出される光は、光フィルタリング装置によってスペクトル的にフィルタリングされる。一部の態様では、光フィルタリング装置は、フィルター、例えば、特定の範囲に入る光波長のみを、それを通して、発色団ポリマー粒子を含む懸濁液および試料の方へ通過させるバンドパスフィルターを含む。一部の態様では、この光フィルタリング装置は、特定の範囲に入る光波長のみが、コード化発色団ポリマー粒子を含む懸濁液および試料の方へ導かれるように、光を、明確に区別できるスペクトル成分に分離できる多色ミラーを含む。
一部の態様では、光フィルタリング装置を通過する最長の波長は、300nm未満、400nm未満、500nm未満、600nm未満、700nm未満、800nm未満、900nm未満または1000nm未満である。
一部の態様では、光フィルタリング装置を通過する最短の波長は、200nm超、300nm超、400nm超、500nm超、600nm超、700nm超、800nm超または900nm超である。
本開示のシステムは、検出器、およびコード化発色団ポリマー粒子によって出されるシグナルを分析するように構成されたコンピューターをさらに含む。この検出器は、シグナル強度、シグナルとノイズの比および/または他の目的とする特徴を分析するための検出器を含むことができる。本明細書に記載する方法は、一般に、画像などの光学的情報を検出し分析することができる任意の公知のシステムに適合する。
一部の態様では、本システムは、コード化発色団ポリマー粒子によって出される1つまたは複数のシグナルを検出する検出器を提供する。一部の態様では、検出器には、共焦点顕微鏡、スピニングディスク顕微鏡、多光子顕微鏡、平面照明顕微鏡、ベッセルビーム顕微鏡、微分干渉コントラスト顕微鏡、位相差顕微鏡、落射蛍光顕微鏡またはその組合せなどの顕微鏡が含まれる。一部の態様では、検出器は、デジタルチップ上でシグナルを画像に統合することができる電荷結合素子カメラなどのカメラを含む。一部の態様では、検出器は光電子増倍管を含む。一部の態様では、検出器はフローサイトメーターを含む。
一部の態様では、検出器および電磁放射線源を、多重分析を実施するために最適化する。一部の態様では、検出器および電磁放射線源は、コード化発色団ポリマー粒子を励起させ、出されたシグナル(例えば、光学的に検出可能なコード)を迅速に検出するように構成される。一部の態様では、検出器および電磁放射線源は、コード化発色団ポリマー粒子を励起させ、1ナノ秒未満、10ナノ秒未満、100ナノ秒未満、1マイクロ秒未満、10マイクロ秒未満、100マイクロ秒未満、1ミリ秒未満、10ミリ秒未満、100ミリ秒未満、1秒未満、10秒未満または100秒未満の1つもしくは複数の出されたシグナルを検出するように構成される。一部の態様では、検出器および電磁放射線源は、コード化発色団ポリマー粒子を励起させ、2つまたはそれ超の出されたシグナルを同時に検出するように構成される。
一部の態様では、本システムは、プロセッサー、および実行可能命令が記憶されているメモリーデバイスを備えたコンピューターを提供する。プロセッサーの例には、これらに限定されないが、検出器によって取得された情報を記憶するパーソナルコンピューティングデバイス、および情報を処理するパーソナルコンピューティングデバイス上で実行されるソフトウェアが含まれる。他の態様では、情報プロセッサーまたはそのコンポーネントは、検出器中、例えば、恒久的かまたは一時的にカメラによって取得された光学的情報を記憶する、カメラに組み込まれたチップ中に埋め込むことができる。他の態様では、情報プロセッサーおよび検出器は、発色団ポリマー粒子によって出された光学的情報を取得しかつ記憶する、完全に統合されたデバイスのコンポーネントであってよい。
一部の態様では、本システムは、シグナルを取得し、記憶し分析するためのコンピューター可読の記憶媒体を提供する。コンピューター可読の記憶媒体は、コンピューターの1つまたは複数のプロセッサーによって実行される場合、コンピューターが:検出器を動作させて光学的シグナルを取得し、シグナルを記憶し、シグナルを分析するようにする実行可能命令を記憶している。一部の態様では、コンピューターは、シグナルの発光スペクトル、発光寿命および/または発光強度を分析する。一部の態様では、コンピューターはシグナルを分析して、試料中の目的とする標的分析物の濃度を検出しかつ/または決定する。一部の態様では、コンピューターは、1つまたは複数の複数のコード化発色団ポリマー粒子によって出されたシグナルを分析する。一部の態様では、コンピューターは、1つまたは複数の複数のコード化発色団ポリマー粒子によって出されたシグナルの発光スペクトル、発光寿命および/または発光強度を分析する。一部の態様では、コンピューターは、1つまたは複数の複数のコード化発色団ポリマー粒子によって出されたシグナルを分析して、試料中の複数の分析物の濃度を検出しかつ/または決定する。
一部の態様では、本システムは、試料から測定される発光特性をもとにした分析物の定方向移動(directed transport)を制御するプロセッサーを含むコンピューターを提供する。一部の態様では、プロセッサーは、測定された発光特性をもとにして、分析物を、フローサイトメーターまたはマイクロ流体デバイスのフローセルの方へ誘導することができる。一部の態様では、プロセッサーは、1つまたは複数の複数のコード化発色団ポリマー粒子によって出された1つまたは複数のシグナルの発光スペクトル、発光寿命および/または発光強度を分析して、フローサイトメーターまたはマイクロ流体デバイスのフローセルなどへの分析物の定方向移動を制御する。
一部の態様では、コンピューターを使用して、本明細書に記載する方法を実施することができる。種々の態様では、コンピューターを使用して、上記に例示し説明したシステムまたは方法のいずれかを実行することができる。一部の態様では、コンピューターは、バスサブシステムを介していくつかの周辺サブシステムと通信するプロセッサーを含むことができる。これらの周辺サブシステムは、メモリーサブシステムおよびファイル記憶サブシステムを含む記憶サブシステム、ユーザーインターフェースインプットデバイス、ユーザーインターフェースアウトプットデバイスならびにネットワークインターフェースサブシステムを含むことができる。
一部の態様では、バスサブシステムは、コンピューターの種々のコンポーネントおよびサブシステムが、目的通り、互いに通信できるようにする機構を提供する。バスサブシステムは、単一バスまたは多重バスを含むことができる。
一部の態様では、ネットワークインターフェースサブシステムは、他のコンピューターおよびネットワークとのインターフェースを提供する。ネットワークインターフェースサブシステムは、コンピューターからデータを受け取り、データを他のシステムへ送るためのインターフェースとして役割を果たす。例えば、ネットワークインターフェースサブシステムは、コンピューターをインターネットに接続させ、インターネットを使用して通信し易いようにさせることができる。
一部の態様では、コンピューターは、ユーザーインターフェースインプットデバイス、例えばキーボード、ポインティングデバイス、例えばマウス、トラックボール、タッチパッドまたはグラフィックスタブレット、スキャナー、バーコードスキャナー、ディスプレイに組み込まれたタッチスクリーン、音声インプットデバイス、例えば音声認識システム、マイクロホンおよび他の種類のインプットデバイスを含む。一般に、「インプットデバイス」という用語の使用は、情報をコンピューターにインプットするための、可能なすべての種類のデバイスおよび機構を含めることを意図するものである。
一部の態様では、コンピューターは、ユーザーインターフェースアウトプットデバイス、例えばディスプレイサブシステム、プリンター、ファクス送受信機または非視覚的ディスプレイ、例えば音声アウトプットデバイス等を含む。ディスプレイサブシステムは、ブラウン管(cathode ray tube)(CRT)、平面パネルデバイス、例えば液晶ディスプレイ(LCD)またはプロジェクションデバイスであってよい。一般に、「アウトプットデバイス」という用語の使用は、情報をコンピューターからアウトプットするための、可能なすべての種類のデバイスおよび機構を含めることを意図するものである。
一部の態様では、コンピューターは、基本的なプログラミングおよびデータ構造を記憶するためのコンピューター可読の記憶媒体を提供する記憶サブシステムを含む。一部の態様では、記憶サブシステムは、プロセッサーによって実行された場合、本明細書に記載する方法およびシステムの機能を提供するソフトウェア(プログラム、コードモジュール、命令)を記憶する。これらのソフトウェアモジュールまたは命令は、1つまたは複数のプロセッサーで実行することができる。記憶サブシステムは、本開示にしたがって使用されたデータを記憶するためのリポジトリも提供することができる。記憶サブシステムは、メモリーサブシステムおよびファイル/ディスク記憶サブシステムを含むことができる。
一部の態様では、コンピューターは、プログラム実行の間の命令およびデータの記憶のためのメインランダムアクセスメモリー(RAM)、および固定命令が記憶されている読み出し専用メモリー(ROM)を含むいくつかのメモリーを含むことができるメモリーサブシステムを含む。ファイル記憶サブシステムは、プログラムおよびデータファイルのための非一時的な持続性(非揮発性)記憶を提供し、これは、ハードディスクドライブ、関連リムーバブルメディアと合わせたフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、コンパクトディスク読み出し専用メモリー(CD−ROM)ドライブ、光学式ドライブ、リムーバブルメディアカートリッジおよび他の同様の記憶メディアを含むことができる。
コンピューターは、パーソナルコンピューター、ポータブルコンピューター、ワークステーション、ネットワークコンピューター、メーンフレーム、キオスク、サーバーまたは他の任意のデータ処理システムを含む様々な種類のものであってよい。コンピューターおよびネットワークの絶え間なく変わる特性のため、本明細書に含まれるコンピューターの説明は、コンピューターの態様を例示するための特定の例とするものに過ぎない。本明細書に記載するシステムより多いかまたはそれより少ないコンポーネントを有する多くの他の構成が可能である。
本明細書で挙げるすべての刊行物、特許および特許出願を、あたかも、それぞれの個別の刊行物、特許または特許出願が具体的かつ個別的に参照により組み込まれていると示されているかのように、同じ程度に、参照により本明細書に組み込む。
本明細書での開示を考慮して、当業者には明らかであるように、本開示の装置、デバイス、システムおよびそのコンポーネントのいずれかの特定の寸法を、目的とする用途に応じて容易に変えることができる。さらに、本明細書に記載する例および態様は単に例示のためのみのものであり、それに照らした種々の改変形態または変更形態が当業者に提案されてよく、それらは、本出願の趣旨および範囲ならびに添付の特許請求の範囲に包含されることを理解されたい。本明細書に記載する態様の多くの異なる組合せが可能であり、そうした組合せは、本開示の一部であるものと見なされる。
本明細書で使用する、Aおよび/またはBは、AまたはBの1つまたは複数、ならびにその組合せ、例えばAおよびBを包含する。
任意の態様または本明細書での態様に関して論じられるすべての特徴は、他の態様および明細書での態様での使用のために、容易に適合させることができる。異なる態様における類似の特徴についての、異なる用語または参照数字の使用は、明らかに示されたもの以外の違いを必ずしも意味するものではない。したがって、単に、添付の特許請求の範囲を参照して本開示を説明しようとするものであり、本明細書で開示される態様に限定されない。
別段の指定のない限り、本明細書で開示する方法およびプロセスは、任意の順番で実施することができる。例えば、(a)、(b)および(c)と記載される方法は、ステップ(a)を最初に実施し、続いてステップ(b)を実施し、次いでステップ(c)を実施することができる。あるいは、本方法は、例えば、ステップ(b)を最初に実施し、続いてステップ(c)を実施し、次いでステップ(a)を実施するなどの異なる順番で実施することができる。さらに、特に別段の指定のない限り、これらのステップを同時に、または別個に実施することができる。
本明細書で示される詳細は、例としてのものであり、本開示の好ましい態様の例示的な考察のために過ぎず、本発明の種々の態様の原理および概念的態様の最も有用で容易に理解される説明と考えられるものを提供するために提示するものである。この関連で、本発明の基本的な理解のために必要とされる以上に、本発明の構造的詳細を示す試みは行っておらず、図面および/または実施例を用いてなされる説明は、本発明のいくつかの形態が実践においていかに具現化されるかを、当業者に明らかにするものである。
本開示の好ましい態様を本明細書で示し説明してきたが、ある特定の態様の変更を行うことができ、それもなお、添付の特許請求の範囲に包含されるので、本開示は、説明されている開示のある特定の態様に限定されるものではないことを理解すべきである。用いた専門用語は、本開示のある特定の態様を記載するためのものであり、限定しようとするものではないことも理解すべきである。その代わり、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲によって樹立される。
値の範囲が示されている場合、文脈による明らかな別段の指定のない限り、その範囲の上限値と下限値の間の下限値の単位の10分の1までの各介在値(intervening value)、およびその表示されている範囲内の他の任意の表示値または介在値が、本明細書で提供される開示内に包含されることを理解されたい。これらのより小さい範囲の上限値および下限値は、独立に、そのより小さい範囲に含められ、表示されている範囲内の任意の特に排除されている限界を条件として、これらも、やはり本発明に包含される。表示されている範囲がその限界の1つまたは両方を含む場合、それらの含まれている限界のいずれかまたは両方を排除する範囲も、本明細書で提供する開示に包含される。
態様または本明細書での態様に関連して論じたすべての特徴は、他の態様または本明細書での態様における使用のために容易に適合させることができる。異なる態様における類似の特徴についての、異なる用語または参照数字の使用は、明らかに示されたもの以外の違いを必ずしも意味するものではない。したがって、単に、添付の特許請求の範囲を参照して本開示を説明しようとするものであり、本明細書で開示される態様に限定されない。
本開示の一部の態様をさらに記載するために以下の実施例を含めるが、これらは、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。
(実施例1)
フルオロフォア分布のポアソン統計を克服するための戦略の分析
本実施例は、コード化発色団ポリマー粒子におけるフルオロフォア分布のポアソン統計を克服するための戦略を実証する分析を記載する。
図7Aおよび図7Bは、モノマーAおよびダイマーABから作製されたコード化発色団ポリマー粒子中のフルオロフォアAの母集団分布を示す。この戦略を、コード化発色団ポリマー粒子調製において、フルオロフォア分布のポアソン統計を克服するために使用する。これらのヒストグラム中の各シリーズは、コード化発色団ポリマー粒子中のAモノマーの期待数でラベル付けされている。各コード化発色団ポリマー粒子中のABダイマーの期待数は0.5×(492−[Aモノマーの数])である。5つの分布が図7Aに示されており;2つの分布が図7Bに示されており、両方のヒストグラムにおいて、Aについての分布=378である。各分布は、10000個のコード化発色団ポリマー粒子で実施されている。さらに、純粋なダイマー(A/B=1)および純粋なモノマー(A/B=∞)での分布が存在する。BモノマーのABダイマーとの混合物から形成された分布は、AモノマーのABダイマーとの混合物と類似しており、A/B=1にわたってまさに反映されている(just reflected across)(図7A)。したがって、明確に区別できる分布は、15の可能性のある強度レベルについて、AのABとの6つの混合物、BのABとの6つの混合物、純粋なA、純粋なABおよび純粋なBを含む。モノマーAとモノマーBの混合物での分析は、モノマーAとダイマーABの混合物での分析と比較して、幅広い分布をもたらした。ヘテロダイマーを使用すると、ほぼ等量のAとBの混合物について狭い分布が得られ、したがって、この戦略で、より可能性のあるレベルを得ることができる。この仕方で、固定した組成の他の短いポリマー(ABBB、AAAB、ABBBBBBB等)を使用した場合、より高い強度のレベルを生み出すことができる。
(実施例2)
2色コード化ランタニド発色団ポリマー粒子
本実施例は、異なる質量比で、青色発光性ポリマー;赤色Eu錯体またはオレンジ色Sm錯体;および官能性の非発光性ポリマーを含むいくつかの2色コード化発色団ポリマー粒子の合成、特性および使用の一部の態様を記載する。
コード化発色団ポリマー粒子を、物理的ブレンディングによって調製する。すべてのポリマーおよびランタニド錯体をTHFに溶解させて、1mg/mLストック溶液を作製する。ランタニド錯体およびポリマーのストック溶液を異なる質量比で混合して、1組のコード化発色団ポリマー粒子を提供する。通常、この複合物(composite)の最高注入濃度は約0.1mg/mLであり、全部で2×1mLの混合THF溶液を、超音波下で10mL DI H2Oに注入した。
これらの2色コード化発色団ポリマー粒子を作製するために使用した、Eu−およびSmベースのランタニド錯体、官能性ポリマーPS−PEG−COOHならびに一般的な発光性ポリマーPFOおよびPFO−COOHの化学構造を以下に示す:
ランタニド錯体の例にはEu錯体およびSm錯体が含まれる。ポリマーは、官能基末端キャップを含むか含まないポリフルオレンポリマーを含んだ。これらの官能基末端キャップは、PEG22COOH、COOH末端(PS−PEG−COOH)を有するポリエチレングリコールと共役したポリスチレンポリマー、およびポリスチレン(PS)を含むことができる。種々のポリマーの長さは、上記に示したようなmおよびnで表す(denominate)ことができる。繰り返し単位の数mおよびnは任意の所望の長さであってよい。例えば、ポリ−(9−ビニルカルバゾール)(PVK)ではnは5〜10,000の範囲であってよく;PS−PEG−COOHではmは10〜1000の範囲であってよく、nは1〜100の範囲であってよく;ポリスチレン(PS)ではnは5〜10,000の範囲であってよい。この例では、PVKは平均MW=75,000、多分散性=2を有する。PS−PEG−COOHは、主鎖MW=8,500、グラフト鎖MW=1,200および全鎖(total chain)MW=21,700、多分散性=1.25を有する。ポリスチレンは平均MW=41,000を有する。
ポリマーPFO−ECPEG
22COOHの合成を以下に示す:
モノマーPEG−OHの合成:NaH(無水、95%、50mg、2.1mmol)を、無水THF(50.0mL)溶液中のポリ(エチレングリコール)(平均MW=1000)(50.0g、50mmol)に加えた。反応混合物が透明になった後、tert−ブチルアクリレート(7.3mL、50.0mmol)を加えた。得られた溶液を室温で20h撹拌した。次いで、反応混合物を飽和ブライン溶液に注加し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機抽出物を無水Na2SO4で脱水した。溶媒を完全に除去した後、さらに精製することなく、所望の生成物をワックス状固体(45.0g、80%)として得た。プロトン核磁気共鳴スペクトル分光法(1H NMR)(CDCl3, 300MHz, ppm): 3.74-3.60(m, 80H), 2.50(t, J=6.6Hz, 2H), 1.45(s, 9H).
モノマーBrPhPEG22の合成:窒素雰囲気下で、4−ブロモフェノール(0.86g、5.0mmol)、PEG−OH(4.5g、4.0mmol)および1,1’−(アゾジカルボニル)ジピペリジン(1.26g、5.0mmol)の混合物を無水THF(30mL)に溶解し、液体のトリ−n−ブチルホスフィン(1.3mL、5.0mmol)を、0℃でその溶液に滴下添加した。15min後、反応混合物を室温にし、2日間撹拌を続行した。白色の固体沈殿物を濾過し、THFで洗浄した。収集した濾液から溶媒を蒸発させた後、次いで生成物を、勾配溶離液(酢酸エチル〜酢酸エチル/メタノール混合物)を使用してカラムクロマトグラフィーにより精製し、透明な粘稠液(2.82g、55%)として得た。1H NMR(CDCl3, 300MHz, ppm): 7.36(d, J=9.0Hz, 2H), 6.80(d, J=9.0Hz, 2H), 4.11-4.08(m, 2H), 3.86-3.83(m, 2H), 3.73-3.62(m, 80H), 2.50(t, J=6.3Hz, 2H), 1.45(s, 9H).
ポリマーPFO−ECPEG22COOHの合成:ビス(1,5−シクロオクタジエン)−ニッケル(0)(316mg、1.15mmol)、2,2−ビピリジル(180mg、1.15mmol)、1,5−シクロオクタジエン(125mg、1.15mmol)および3mLのジメチルホルムアミド(DMF)/トルエン(v/v、1:1)を25mLフラスコに入れた。反応混合物を、窒素下、60℃で0.5h加熱した。3mLのジメチルホルムアミド(DMF)/トルエン(v/v、1:1)に溶解させた9,9−ジオクチル−2,7−ジブロモフルオレン(274mg、0.5mmol)とBrPhPEG22(25.6mg、0.02mmol)の混合物を、窒素下で、上記DMF/トルエン溶液に加え、重合を、暗所下、60℃で3日間継続した。数滴のヨードベンゼンを加え、反応を12h続行した。反応混合物を、撹拌メタノールに注加して多量の固体を沈澱させた。固体を濾取し、メタノールおよび水で洗浄した。残渣をクロロホルムに溶解し、水酸化アンモニウム溶液中で24h撹拌して脱ドーピングさせた。有機層を単離し、この濃縮溶液をメタノールに滴下添加して、ポリマーを沈澱させた。固体を濾過により単離し、メタノールで再度洗浄し、真空オーブン中で乾燥した。次いで、得られたポリマーをジクロロメタンに溶解し、1mLのトリフルオロ酢酸を加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌した。反応溶液を水およびブラインで洗浄し、濃縮溶液をメタノールに滴下添加して、ポリマーを沈澱させた。この固体を濾過により単離し、メタノールで再度洗浄し、真空オーブン中で乾燥して所望のポリマー(160mg、70%)を得た。1H NMR(CDCl3, 300MHz, ppm): 7.92-7.80(m, 2H), 7.76-7.60(m, 4H), 3.71-3.62(m, 3.12H), 2.23-2.00(b, 4H), 1.29-1.02(m, 24H), 0.82(t, J=6.3Hz, 6H).GPC(THF、ポリスチレン標準品):Mn=22.7×103g/mol、PDI=1.62。
図8Aは、Eu/PFO/PS−PEG−COOH=10/5/2の質量比で、2色コード化発色団ポリマー粒子の動的光散乱(DLS)によって測定した粒度分布を示しており、これらのコード化発色団ポリマー粒子の平均粒径が約15.7ナノメートルであることを示している。図8Bは、Eu/PFO−ECPEG22COOH)/PS−PEG−COOH=10/5/2の質量比で、2色コード化発色団ポリマー粒子のDLSによって測定した粒度分布を示しており、平均粒径は約13.5ナノメートルである。
図9Aは、2色コード化発色団ポリマー粒子:Sm/PFO/PS−PEG−COOH(40/1/16質量比)およびSm/PFO−ECPEG22COOH/PS−PEG−COOH(40/1/16質量比)の発光スペクトルを示す。スペクトルから、PFO錯体とSm錯体からの異なる発光ピークを明確に分離できることが分かる。
図9Bは、2色コード化発色団粒子:Eu/PFO/PS−PEG−COOH(10/5/2質量比)およびEu/PFO−ECPEG22COOH/PS−PEG−COOH(10/5/2質量比)の発光スペクトルを示す。スペクトルから、PFO錯体とEu錯体からの異なる発光ピークを明確に分離できることが分かる。
(実施例3)
3色コード化ランタニド発色団ポリマー粒子
本実施例は、異なる質量比で、青色発光性ポリマー;赤色Eu錯体またはオレンジ色Sm錯体;および官能性の非発光性ポリマーを含むいくつかの3色コード化発色団ポリマー粒子を記載する。
コード化発色団ポリマー粒子を、物理的ブレンディング方法により調製する:すべてのポリマーおよびランタニド錯体をTHFに溶解させて1mg/mLストック溶液を作製する。ランタニド錯体とポリマーの異なるストック溶液を異なる質量比で混合して1組のコード化発色団ポリマー粒子を提供する。通常、この複合物の最高注入濃度は約0.1mg/mLであり、全部で2×1mLの混合THF溶液を、超音波下で10mL DI H2Oに注入した。
図10Aは、Sm/Eu/PFO−ECPEG22COOH/PS−PEG−COOH=40/2/1/8の質量比での、3色コード化発色団ポリマー粒子のDLSによって測定した粒度分布を示す。これは、これらのコード化発色団ポリマー粒子の平均粒径が約68ナノメートルであることを示している。
図10Bは、Sm/Eu/PFO−ECPEG22COOH/PS−PEG−COOH=80/2/1/16の質量比で、3色コード化ポリマー粒子のDLSによって測定した粒度分布を示す。これは、これらのコード化発色団ポリマー粒子の平均粒径が約59ナノメートルであることを示している。
図11は、5つの異なる質量比:20/1/1/4、40/2/1/8、20/2/1/4、40/1/1/8および80/2/1/16での、3色コード化発色団ポリマー粒子Sm/PFO−ECPEG22COOH/PS−PEG−COOHの発光スペクトルを示す。スペクトルから、PFO−ECPEG22COOH、Sm錯体およびEu錯体からの異なる発光ピークを明確に分離できることが分かる。
(実施例4)
コード化のための改善された特性を有するランタニド錯体グラフト化ポリマー粒子
本実施例は、ポリマーマトリクスにグラフト化されたランタニド錯体を使用して、改善された量子収率およびコロイド安定性を有するコード化発色団粒子を調製する概略図および戦略を記載する。
図12は、ランタニド錯体グラフト化ポリマーを合成するための概略図を示す。アミン含有ランタニド錯体をポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)(PSMA)と反応して、Ln(DBM)phen−NH−PSMA(DBM=ジベンゾイルメタン)およびLn(TTA)phen−NH−PSMA(TTA=テノイルトリフルオロアセトン)などのランタニド錯体グラフト化PSMAポリマーを生成させることができる。これらのグラフト化ポリマーを、共役ポリマーとさらにブレンドして改善されたコロイド安定性および発光量子収率を有するコード化発色団ポリマー粒子を形成させることができる。例えば、Eu(TTA)phen−NH2を使用してPSMAと反応してEu(TTA)phenグラフト化PSMAポリマーを生成させる。このポリマーをPVKとさらにブレンドして、再沈殿方法により、コード化発色団ポリマー粒子を調製した。得られるEu(TTA)phen−NH−PSMA/PVKコード化発色団ポリマー粒子は、Eu(TTA)phen−NH−PSMAコード化発色団ポリマー粒子単独と比較して、高い量子収率を示す。Eu(TTA)phen−NH−PSMA/PVKブレンドされたコード化発色団ポリマー粒子は、同じ組成を有するが、Eu(TTA)phenとPVKが化学的に結合していないEu(TTA)phen、PVKおよびPSMAからなるコード化発色団ポリマー粒子と比較して、改善されたコロイド安定性も示した。
図13Aは、共役ポリマーPVKおよびEu(TTA)phen−NH−PSMAポリマーからなるコード化発色団ポリマー粒子のDLSで測定した粒度分布を示す。図13Bは、Eu(TTA)phen−NH−PSMAコード化発色団ポリマー粒子、ならびに2つの種類のコード化発色団ポリマー粒子が同じ吸光度を有する共役ポリマーPVKおよびEu(TTA)phen−NH−PSMAポリマーからなるブレンドされたコード化発色団ポリマー粒子の発光スペクトルを示す。スペクトルで示されるように、Eu(TTA)phen−NH−PSMA/PVKブレンドされたコード化発色団ポリマー粒子の発光量子収率は、純粋なEu(TTA)phen−NH−PSMAコード化発色団ポリマー粒子よりおよそ2倍高かった。図13Cは、Eu(TTA)phenドープPVKコード化発色団ポリマー粒子の吸収スペクトルを示す。PSMAは、やはり、コード化発色団ポリマー粒子中で物理的にブレンドされていたが、Eu(TTA)phenと化学的に結合はしていなかった。2週間後、コード化発色団ポリマー粒子溶液を、220ナノメートルのメンブランフィルターを使用して濾過した。図13Cに示すように、コード化発色団ポリマー粒子の約50パーセントは凝集しており、濾過により除去された。図13Dは、Eu(TTA)phen−NH−PSMAブレンドされたPVKコード化発色団ポリマー粒子の吸収スペクトルを示す。PSMAを、コード化発色団ポリマー粒子中でEu(TTA)phenと化学的に結合させた。2週間後、コード化発色団ポリマー粒子溶液を、220ナノメートルのメンブランフィルターを使用して濾過した。図13Dに示すように、ブレンドされたコード化発色団ポリマー粒子は凝集しておらず、ごく少量を濾過により除去した。
(実施例5)
寿命コード化のための色素分子を含む発色団ポリマー粒子
本実施例は、寿命コード化のための色素ドープコード化発色団ポリマー粒子の調製を記載する。
色素ドープコード化発色団ポリマー粒子を以下の通り調製した:10mgの半導体ポリマー、ジメチルフェニルで末端キャップされたポリ(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)(PFO、MW=120,000)か、またはポリ[(9,9−ジオクチルフルオレニル−2,7−ジイル)−co−(1,4−ベンゾ−{2,1’,3}−チアジアゾール)](PFBT、MW=73,000、多分散性=3.0)か、またはポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−(1−シアノビニレン−1,4−フェニレン)](CNPPV、MW=15,000、多分散性=5.9)(すべてADS Dyes,Inc.(Quebec、Canada)から)を、不活性雰囲気下で終夜撹拌することによって10mL THF中に溶解させた。次いで、溶液を0.7μmガラス繊維フィルターで濾過して不溶性物質を除去した。色素ドープコード化発色団ポリマー粒子を、まず、200μLの1mg/mL PFO、PFBTまたはCNPPV(THF中)を、2、10もしくは20μLの1mg/mLクマリン(comarin)6、テトラフェニルポルフィリン(TPP)、またはシリコン2,3−ナフタロシアニンビス(トリヘキシルシリルオキシド)(NIR775)色素(5mL THFに溶解させておいた)と混合することによって調製した。この混合物を、超音波下で、10mLのMilliQ水に注入した。THFを窒素ストリッピングにより除去し、溶液を、90℃ホットプレート上での連続窒素ストリッピングにより10mLに濃縮し、次いで0.2μmフィルターで濾過した。溶液をBio−Rad Econo−Pac(登録商標)10DGサイズ排除カラム(Hercules、CA、USA)に通して、遊離色素を除去した。この手順により、3種類の色素ドープコード化発色団ポリマー粒子、PFO−クマリン6、PFBT−TPPおよびCNPPV−NIR775を3つのドーピング割合、1%、5%または10%(質量で)で作製し、それらの光学特性および寿命を調べた。追加の20%ポリ(スチレン−co−無水マレイン酸)(PSMA)ポリマーをクマリン6−ドープPFOコード化発色団ポリマー粒子に加えて、小さいサイズの粒子(約20nm)を作製した。
色素ドープコード化発色団ポリマー粒子の蛍光寿命データを、時間相関単一光子計数装置を使用して得た。PFO−クマリン6コード化発色団ポリマー粒子を375nmで励起させ、PFBT−TPPおよびCNPPV−NIRコード化発色団ポリマー粒子を470nmで励起させた。色素蛍光減衰と半導体ポリマー蛍光減衰の両方を、適切なフィルターで収集した。データを、TAUFIT減衰プログラミングを使用して解析した。
表1(下記)は、調製されたままの状態の色素ドープコード化発色団ポリマー粒子の蛍光発光寿命を示す:
表1(上記)に示すように、クマリン6ドープPFOコード化発色団ポリマー粒子におけるクマリン6は、1%、5%および10%ドーピング(質量で)について、それぞれ2.75ナノ秒、1.98ナノ秒および1.91ナノ秒であった。色素の寿命は、色素ドーピング割合が増大するにしたがって減少した。同じ現象は、TPPドープPFBTコード化発色団ポリマー粒子およびNIR775ドープCNPPVコード化発色団ポリマー粒子においても見られた。TPP寿命は、1%、5%および10%のドーピング割合について、それぞれ8.40ナノ秒、7.02ナノ秒および5.61ナノ秒であった。NIR775寿命は、1%、5%および10%のドーピング割合について、それぞれ3.14ナノ秒、3.08ナノ秒および3.06ナノ秒であった。これらの3種類の色素ドープコード化発色団ポリマー粒子の中で、TPPは、ドーピング割合に対して最も大きい寿命の変化を示し、1%から10%のドーピング割合で約30%の寿命減少を示している。
クマリン6ドープPFOおよびNIR775ドープCNPPVコード化発色団ポリマー粒子における半導体ポリマーについての寿命も、やはり、ドーピング割合が増大するのにしたがって減少することが分かった。例えば、PFO寿命は、1%、5%および10%のドーピング割合について、それぞれ0.19ナノ秒、0.10ナノ秒および0.09ナノ秒であった。CNPPV寿命は、1%、5%および10%のドーピング割合について、それぞれ0.24ナノ秒、0.17ナノ秒および0.14ナノ秒であった。唯一の例外はPFBT寿命であり、これは、TPPのドーピング割合に関係なく、同等の0.13ナノ秒の寿命を示した。それらの純粋な(色素ドープされていない)コード化発色団ポリマー粒子(約1〜2ns)と比較した場合、色素ドープコード化発色団ポリマー粒子中のすべての半導体ポリマーの蛍光発光寿命は、劇的に低下した(約0.09〜0.24ns)。これは、図15に示す発光プロファイルと一致している。半導体ポリマーの発光は、半導体ポリマーと色素の間で起こるFRETの存在のため、ドープ色素によって高度に消光した。
図14は、様々な色素ドープ発色団粒子についての、放出された蛍光の時間減衰曲線を示す。実線、点線および破線は、それぞれ1%、5%および10%(質量で)の色素ドープコード化発色団ポリマー粒子を表す。得られた広い範囲の蛍光発光寿命(ピコ秒からナノ秒まで)は、色素分子でドープされた発色団ポリマー粒子を含む発色団ポリマー粒子での蛍光寿命ベースのコード化戦略の使用を実証している。寿命コード化は、単独でも、また本明細書に記載する他のコード化戦略との組合せでも使用することができる。
図15は、色素ドープ発色団粒子の光学分光測定によって得られた、様々な色素ドープ発色団粒子についての吸光度(左側のグラフ)および発光(右側のグラフ)のスペクトルプロファイルを示す。実線、点線および破線は、それぞれ1%、5%および10%(質量で)の色素ドープコード化発色団ポリマー粒子を表す。半導体ポリマーの発光は、半導体ポリマーと色素の間で起こるFRETの存在のため、ドープ色素において消光している。
(実施例6)
寿命コード化のために使用される、色素分子およびランタニド錯体を含む発色団ポリマー粒子
本実施例は、いくつかの寿命コードを作製するための、色素分子、ランタニド材料、例えばユーロピウム錯体、および発色団ポリマー粒子の例示的な組合せを提供する。
まず、Eu(TTA)3phen−NH2(6mg)およびPSMA(9mg)を、無水テトラヒドロフラン(THF)(50mL)に溶解した。混合物を、還流およびN2流での保護下で48h撹拌し続けた。得られた溶液を蒸発させて、溶媒を除去した。さらに、生成物を真空下で40min乾燥した。最後に、粉末生成物をTHFに溶解し、続くコード化発色団ポリマー粒子調製のために、得られる溶液の濃度を1mg/mLに調整した。ユーロピウム錯体を含むコード化発色団ポリマー粒子を、ナノ沈殿方法を使用して調製した。ユーロピウム錯体とPSMAの反応によって得られたストック溶液の濃度を1mg/mLに調整した。ストック溶液をTHFで希釈して50μg/mL溶液を作製した。希釈された溶液を超音波処理して均一な溶液を形成させた。5mLの量の溶液を、超音波処理浴(bath sonicator)中で10mLのMilliQ水に急速に添加した。室温での窒素ストリッピングでTHFを除去し、次いで0.2ミクロンフィルターで濾過した。
得られた官能化Eu−PSMAコード化発色団ポリマー粒子分散液は透明であり、凝集の兆候なく、数カ月安定である。Eu−PSMA/PVK粒子を、1:1の比のPVKとユーロピウム錯体で、PVKをEu−PSMA THF溶液中に混ぜ込んで調製した。この混合物を水に急速に注入してEu−PSMA/PVK粒子を形成させた。ナイルブルーなどの色素分子を導入することによって、2つの種類の粒子の寿命を変化させることができる。ナイルブルー色素を有する2つの種類の発色団粒子の蛍光減衰曲線を、Nd:YAGレーザーパルスの第三高調波(355ナノメートル)での励起により得、デジタルオシロスコープと一緒に光電子増倍管を用いてシグナルを監視した。
図16Aは、ナイルブルー濃度を増大しながらの、発色団Eu−PSMA粒子の放出された蛍光の時間減衰曲線を示す。図16Bは、ナイルブルー濃度を増大しながらの、発色団Eu−PSMA/PVK粒子の放出された蛍光の時間減衰曲線を示す。両方の場合、ユーロピウム錯体の蛍光寿命は、色素濃度が増大するとともに減少する。図16Aおよび図16Bにおけるより急速な減衰曲線は、より高いナイルブルー濃度を含む粒子に対応する。得られた広い範囲の蛍光発光寿命は、色素分子およびランタニド錯体を含む発色団ポリマー粒子を、単独か、または本明細書に記載する他のコード化戦略と一緒に、蛍光寿命ベースのコード化戦略のために使用できることを実証している。
(実施例7)
発光強度を半独立に調節するためのエネルギー移動を含む発色団ポリマー粒子ベースの色コード
本実施例は、発色団ポリマー粒子におけるエネルギー移動を用いて、色コードを作り出すための戦略を記載する。
異なる発光波長を有する5色共役ポリマーを使用する。B、G、O、RおよびIRはそれぞれ青色、緑色、オレンジ色、赤色および赤外発光を表す。エネルギー移動は、2つの異なる共役ポリマーを含むコード化発色団ポリマー粒子中で起こり得る。これらの純粋な粒子の発光強度レベルは、最小の0〜最大の100(任意の単位)の範囲であり、発光強度は、赤色シフトした発光を有するポリマーとブレンディングすることによって消失させることができる。5色共役ポリマーをもとにして、以下の実施例で示すように、25色コードを作り出すことができる:
1つのポリマーの純粋な粒子によって作製された色コード:B100、G100、O100、R100、IR100。
そのエネルギー供与体強度がエネルギー受容体強度より高い、2つのポリマーの粒子によって作製された色コード、例えば:B60G30、B60O30、B60R30、B60IR30、G60O30、G60R30、G60IR30、O60R30、O60IR30、R60IR30。
そのエネルギー供与体強度がエネルギー受容体強度より低い、2つのポリマーの粒子によって作製された色コード、例えば:B30G60、B30O60、B30R60、B30IR60、G30O60、G30R60、G30IR60、O30R60、O30IR60、R30IR60。
これらに限定されないが、B75G25、B50G50、B25G75などを含む他の色コードを、他の強度レベルを有する供与体−受容体対を含む粒子を使用して作製することができる。
他の色コードを、強度レベルXMYNを有する供与体−受容体対を含む粒子を使用して作製することができる。ここで、XおよびYはB、G、O、RまたはIRから独立に選択され、MおよびNは0以上から100以下の値の範囲から独立に選択される。
さらに、100の色コードを、その強度を4つの異なる強度レベルに独立に調節できる別の発光色を有するランタニド錯体を、ナノ粒子に添加することによって作製することができる。