JP6923011B2 - 移動時間記憶システム、移動時間記憶方法および移動時間記憶プログラム - Google Patents

移動時間記憶システム、移動時間記憶方法および移動時間記憶プログラム Download PDF

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Description

本発明は、人物の移動時間の記憶に関する。
一般に、同一人物がある2地点に存在した時刻に基づいて、2地点間の移動にかかる時間を計算することができる。その移動時間を蓄積していくことで、その後、2地点間を人物が移動する場合の移動時間を計算できる。
特許文献1には、ある地点と別の地点との間を人物が移動する時間を自動的に計測する方式が開示されている。この方式では、人物が持ち歩くデバイスが人物固有の情報を送信し、各計測地点に配置された装置がその情報を受信する。この方式であれば、ある特定の人物が各計測地点に存在した時間を取得することができる。各計測地点での存在時刻の差分を計算することにより人物の移動時間を取得する。取得された移動時間は計測地点・計測時刻と共に記憶される。
特開2003−279364号公報
関連技術における第1の問題点は、移動時間の記憶において、各人物の種別や特徴は考慮されていない点である。
その理由は、人物が持ち歩くデバイスに基づいて移動時間に関する情報が収集されており、人物の種別や特徴に関する情報の収集はされていないからである。
本発明の目的は、人物の種別や特徴に関する情報とその人物の移動時間とを対応付けて記憶するシステムを提供することにある。
本発明の一態様における移動時間記憶システムは、複数のカメラにより撮像された少なくとも1人の人物について、前記人物が含まれる複数の画像から、前記人物の外見的特徴を示す種別をそれぞれ抽出する特徴抽出手段と、前記複数のカメラによる撮像時刻に基づいて、前記人物の種別ごとに、前記複数のカメラの間における前記人物の移動を時系列でまとめた情報を記憶する記憶手段と、を備えている。
本発明の他の一態様に係わる方法は、複数のカメラにより撮像された少なくとも1人の人物について、前記人物が含まれる複数の画像から、前記人物の外見的特徴を示す種別をそれぞれ抽出し、前記複数のカメラによる撮像時刻に基づいて、前記人物の種別ごとに、前記複数のカメラの間における前記人物の移動を時系列でまとめた情報を記憶することを含む。
本発明の他の一態様に係わるプログラムは、複数のカメラにより撮像された少なくとも1人の人物について、前記人物が含まれる複数の画像から、前記人物の外見的特徴を示す種別をそれぞれ抽出することと、前記複数のカメラによる撮像時刻に基づいて、前記人物の種別ごとに、前記複数のカメラの間における前記人物の移動を時系列でまとめた情報を記憶することとをコンピュータに実行させる。
本発明における第1の効果は、人物の種別や特徴に関する情報とその人物の移動時間とを対応付けて記憶できる点である。
図1は、本発明の第1の実施の形態における移動時間記憶システム1の構成を示すブロック図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態における移動時間記憶システム1の動作を示すフローチャートである。 図3は、本発明の第2の実施の形態における移動時間記憶システム2の構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の第2の実施の形態における移動時間記憶システム2の動作を示すフローチャートである。 図5は、本発明の第3の実施の形態における移動時間記憶システム3の構成を示すブロック図である。 図6は、本発明の第3の実施の形態における移動時間記憶システム3の動作を示すフローチャートである。 図7は、本発明の第3の実施の形態における移動時間記憶システム3の動作を示すフローチャートである。 図8は、本発明の第4の実施の形態における移動時間記憶システム4の構成を示すブロック図である。 図9は、本発明の第4の実施の形態における移動時間とその出現頻度ヒストグラムの模式図である。 図10は、本発明の第1の実施例にける移動時間記憶システム5の構成を示すブロック図である。 図11は、本発明の第2の実施例にける移動時間記憶システム6の構成を示すブロック図である。 図12は、一般的な顔認識特性を示す概念図である。
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、各図面および明細書記載の各実施の形態において、同様の機能を備える構成要素には同様の符号が与えられている。
ここで、画像による顔認識の特性について一般的に知られている事項を述べる。
一般に、顔画像認識のエラー率には、本人棄却率(FalseNegativeRateとも呼ばれる)と他人受入率(FalsePositiveRateとも呼ばれる)との2種類がある。これらのエラー率は、互いにトレードオフの関係にある。これらのエラー率は、運用上、顔画像認識結果である顔認識スコアに関する閾値を調整することで設定される。
一般に、顔画像認識において、認識率を悪化させる主要因は、顔画像が登録されてからの時間経過に起因する顔の経年変化や照明条件に起因する顔の見え方の違い、カメラ設置角度に起因する顔の向き(姿勢)の違い等である。したがって、顔画像認識処理は、一般に、顔画像を特徴量と呼ばれるデータに変換した後に実行されることが多い。しかし、それでも認識率の低下は発生してしまう。顔画像の認識率を高くするためには、人物の最新の顔画像を登録すること、および複数の顔画像を登録して様々な撮影条件に対応することが重要である。
図12は、上記の顔認識特性を示す概念図である。
図12は、顔画像の特徴量を2次元ベクトルと仮定し、平面に図示したものである。人物AおよびBの顔の特徴量がそれぞれ3つずつ点として登録されている。登録された人物の最新の顔画像の特徴量は、普通、閾値T以上の高い顔認識スコアとなり、図12に示した閾値Tの領域に入る。しかし、例えば、先に述べた悪化要因の1つである経年変化がある場合、登録された人物Aの最新の顔画像の特徴量は、低い顔認識スコアとなる。このため、図中の黒丸で示した点のように、人物Aの最新の顔画像の特徴量は、閾値Tの領域には入らず、より低い閾値である閾値Yの領域に入る。閾値Yの領域には、他の人物Bの顔の特徴量も入り得る。このため、この黒丸で示した点を人物Aとして追加登録した場合、人物Bを人物Aと誤って登録することが起こり得る。しかし、この黒丸で示した点が経年変化した人物Aの最新の顔画像の特徴量である場合、その後の顔認識を正しく動作させるためには、この点を人物Aとして追加登録する必要がある。実際にこの黒丸で示した点が人物Aであるかは、他の情報を利用するなどして確認されることが望ましい。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態における移動時間記憶システム1の構成を示すブロック図である。
図1を参照すると、本発明の第1の実施の形態における移動時間記憶システム1は、特徴抽出手段11と、移動時間計算手段12と、記憶手段13と、を備える。
第1の実施の形態における移動時間記憶システム1は、複数のカメラにより撮像された少なくとも1人の人物が含まれる複数の画像の撮像地点と前記画像の撮像時刻と前記人物の顔データと前記人物の種別とを抽出する。また、移動時間記憶システム1は、前記撮像地点、前記撮像時刻および前記顔データに基づいて、前記人物の移動時間を計算する。そして、移動時間記憶システム1は、前記移動時間と前記人物の種別とを対応付けて記憶する。
つまり、第1の実施の形態における移動時間記憶システム1は、人物が持ち歩くデバイスではなく、人物の画像に基づいて、前記人物の移動時間を計算する。よって、移動時間記憶システム1は、人物の画像に基づいて、前記人物の種別を取得することができるため、前記人物の種別と移動時間とを対応付けて記憶することが可能となる。
以下、第1の実施の形態における移動時間記憶システム1が備える各構成要素について説明する。
===特徴抽出手段11===
特徴抽出手段11は、複数のカメラにより撮像された、各々に少なくとも1人の人物が含まれる、複数の画像を受信する。特徴抽出手段11は、受信した画像に基づいて、人物の顔データと、人物の種別と、画像の撮像地点と、画像の撮像時刻とを抽出する。
顔データは、上記で説明した顔認識に用いるためのデータである。例えば、顔画像や特徴量と呼ばれる顔画像を数値列に変換したデータなどがこれに相当する。
人物の種別は、画像から判断できる人物のあらゆる外見的特徴を意味する。例えば、性別、体格(身長など)、年代、服装(服の種別、色、持ち物)等である。
撮像地点は、カメラが設置された位置に関する情報(例えば、地点IDなど)であり、その地点に画像の人物が存在したことを意味する。
撮像時刻は、カメラが画像を撮像した時刻であり、その時刻に画像の人物が存在したことを意味する。
===移動時間計算手段12===
移動時間計算手段12は、特徴抽出手段11が登録済みの人物と同一人物の顔データを新しく抽出した場合、新しい顔データが抽出された画像の撮像時刻と、その人物の直近に記憶された画像の撮像時刻との差分を計算する。ここで計算された時間は、撮像時刻の差分を計算した2つの画像の撮像地点間の移動時間である。
===記憶手段13===
記憶手段13は、人物が移動した区間を示す情報(区間IDなど)と、移動時間計算手段12で計算されたその区間の移動時間と、特徴抽出手段11が抽出したその人物の種別とを対応付けて記憶する。記憶手段13は、さらに、人物を特定する人物IDを対応付けて記憶してもよい。
人物IDは、人物に固有の番号である。同一の人物IDが付された情報は、同一人物の情報であることを意味する。
本実施の形態において、記憶手段13は、特徴抽出手段11が登録済みの人物と同一人物の顔データを抽出した場合に、その人物の種別を取得するものとする。しかし、人物の種別を取得するタイミングはこれに限定されない。
表1は、記憶手段13が記憶する、移動区間と移動時間と人物の種別との対応付けの例を示す。
Figure 0006923011
表1は、同一の区間1−2の移動時間と人物の種別とを対応付けた表である。しかし、複数の区間の情報が同一の表にまとめられていてもよい。また、人物の種別は、表1のように数種類記憶されることが望ましいが、少なくとも1種類記憶されていればよい。
図2は、本発明の第1の実施の形態における移動時間記憶システム1の動作を示すフローチャートである。
移動時間記憶システム1は、人物を含む画像に基づいて、人物の顔データと、人物の種別と、画像の撮像地点と、画像の撮像時刻とを抽出する(ステップS1)。
移動時間記憶システム1は、抽出した顔データに基づいて、この画像の人物が既に登録されている人物であるかを照合する(ステップS2)。
移動時間記憶システム1は、画像の人物が登録済みの人物であると判定した場合(ステップS3のY)、抽出した画像の撮像地点および撮像時刻と、その人物が直近に記憶された画像の撮像地点および撮像時刻とに基づいて、2地点間の移動時間を計算する(ステップS4)。
移動時間記憶システム1は、計算した移動時間と抽出した人物の種別とを対応付けて記憶する(ステップS5)。
移動時間記憶システム1は、画像の人物が新規の人物であると判定した場合(ステップS3のN)、ステップS1で抽出した人物の特徴(顔データ、人物の種別、撮像地点、および撮像時刻)を新規の人物IDと対応付けて記憶する、すなわち抽出された人物を新規に人物登録する(ステップS6)。第1の実施の形態における移動時間記憶システム1は、人物の画像に基づいて、その人物の移動時間を計算する。移動時間記憶システム1は、人物の画像を用いることによって、人物の種別を取得することができため、人物の種別と移動時間とを対応付けて記憶することができる。
[第2の実施の形態]
図3は、本発明の第2の実施の形態における移動時間記憶システム2の構成を示すブロック図である。
図3を参照すると、本発明の第2の実施の形態における移動時間記憶システム2は、データ処理装置210と、記憶装置220と、を備える。
データ処理装置210は、顔登録手段211と、顔照合手段212と、同一人物判定手段213と、特徴抽出手段11と、移動時間計算手段12と、を有する。
記憶装置220は、登録データ記憶手段221と、人物存在データ記憶手段222と、記憶手段13と、を有する。
本実施の形態の移動時間記憶システム2は、顔登録手段211と、顔照合手段212と、同一人物判定手段213と、登録データ記憶手段221と、人物存在データ記憶手段222と、をさらに備える点で第1の実施の形態の移動時間記憶システム1と相違する。
以下、本実施の形態の第1の実施の形態との相違点について説明する。
===登録データ記憶手段221===
登録データ記憶手段221は、人物IDと、特徴抽出手段11が抽出した顔データとを対応付けて記憶する。このとき、登録データ記憶手段221は、さらに人物の種別を対応付けて記憶してもよい。
人物IDには、基本的に新規の人物IDが順次割り当てられる。しかし、後述する同一人物判定手段213において、登録済みの人物と同一人物であると判定された場合、その人物の人物IDが割り当てられる。
===人物存在データ記憶手段222===
人物存在データ記憶部222は、人物IDと、特徴抽出手段11が抽出した画像の撮像地点と、画像の撮像時刻とを対応づけて記憶する。ここで、人物IDと、特徴抽出手段11が抽出した画像の撮像地点と、画像の撮像時刻とは、まとめて人物存在情報と呼ばれる。
===顔照合手段212===
顔照合手段212は、特徴抽出手段11で抽出された顔データを登録データ記憶手段221が記憶する顔データと照合する。顔照合手段212は、抽出された顔データと登録済みの人物の顔データとの類似度合いを表す顔認識スコアを計算する。
===同一人物判定手段213===
同一人物判定手段213は、顔照合手段212が計算した顔認識スコアと所定の閾値とを比較し、抽出された人物が登録済みの人物と同一人物であるかを判定する。顔認識スコアtが非常に高い閾値Tを超える場合、同一人物判定手段213は、抽出された人物が登録済みの人物と同一人物であると判定する。
図4は、移動時間記憶システム2が画像に基づいて抽出した人物の特徴を人物IDと対応付けて登録する処理を示すフローチャートである。
はじめに、移動時間記憶システム2は、カメラにより撮像された画像に基づいて抽出された顔データを登録データ記憶手段221に記憶された顔データと照合する(ステップS211)。ここでは、抽出された顔データと登録済みの顔データとの類似度合いを表す顔認識スコアtを計算する。初期状態では、登録データ記憶手段221に顔データが登録されていないため、この処理は事実上省略される。
次に、移動時間記憶システム2は、顔認識スコアと所定の閾値とを比較し、抽出された人物が登録済みの人物と同一人物であるかを判定する(ステップS212)。移動時間記憶システム2は、顔認識スコアtが次式を満たした場合に、抽出された人物が登録済みの人物と同一人物であると判定する。
Figure 0006923011
移動時間記憶システム2は、式(1)の通り、顔認識スコアtが所定の閾値Tよりも高い場合、抽出された人物が登録済みの人物Pと同一人物であると判定する。通常、登録データ記憶手段221には複数の人物の複数の顔データが登録されている。しかし、移動時間記憶システム2は、顔認識スコアが1位となった人物Pについて上記処理を実行すればよい。
次に、移動時間記憶システム2は、抽出された顔データ、撮像地点、および撮像時刻を人物IDと対応付けて記憶する、すなわち、抽出された人物の特徴を新規人物の特徴または登録済みの人物の特徴として登録する。抽出された人物が登録済みの人物Pと同一人物であると判定された場合(ステップS212のY)、移動時間記憶システム2は、抽出された顔データ、撮像地点、および撮像時刻を人物Pの人物IDと対応付けて記憶する(ステップS213)。抽出された人物が登録済みの人物Pと異なる人物であると判定された場合(ステップS212のN)、移動時間記憶システム2は、抽出された顔データ、撮像地点、および撮像時刻を新規の人物IDと対応付けて記憶する(ステップS214)。
ここで、顔データと人物IDとは、登録データ記憶手段221に記憶される。撮像地点および撮像時刻と人物IDとは、人物存在データ記憶手段222に記憶される。
なお、顔データと人物IDについては、システム稼働前に事前に登録しておいてもよい。人物存在情報がないままでも、問題なく動作する。
また、登録データ記憶手段221と人物存在データ記憶手段222とは、一つのデータ形式にまとめて記憶されていても構わない。例えば、表形式のデータ(リレーショナルデータベース)にまとめて記憶されてもよい。
また、顔認識に使用されるカメラが固定カメラである必要はない。カメラ自身が旋回するPan−Tilt―ズームをしてもよいし、カメラを人や車などに搭載して移動させてもよい。つまり、顔が撮影された際の人物がいる地点を取得できさえすれば、本発明の効果を得られる。この場合、任意の粒度で撮像地点が出現するため、計測履歴が存在しない地点が生じてしまうが、地図をメッシュ状に区切ってその1メッシュ範囲について1つの地点IDを割り当てれば、本発明をそのまま適用できる。
また、人物存在データ記憶手段222に記憶される情報を増やすために、顔認識以外の手段で得られた人物存在情報も追加利用してもよい。たとえば、個人の携帯端末を用いた所有者認識結果を人物存在データ記憶手段222に追加してもよい。
第2の実施の形態における移動時間記憶システム2は、人物の画像に基づいて、その人物の移動時間を計算する。移動時間記憶システム2は、人物の画像を用いることによって、人物の種別を取得することができため、人物の種別と移動時間とを対応付けて記憶することができる。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態における移動時間記憶システム3は、以下の2点において第2の実施の形態における移動時間記憶システム2と異なる。第1の点は、移動時間計算手段32は同一人物が2地点間を移動する時間(移動時間)を計算するとともに、過去に計算された移動時間の中から、その2地点間の最短の移動時間(以降、最短移動時間と呼ぶ)および複数の経路を結合した移動時間(以降、結合経路移動時間と呼ぶ)も計算する点である。最短移動時間は、移動区間と対応付けられて最短移動時間記憶手段323に記憶される。移動時間計算手段32の詳細な動作は、図6を参照しながら後述される。第2の点は、同一人物判定手段313は、顔照合手段212が計算した顔認識スコアと所定の閾値と最短移動時間とに基づいて、画像から抽出された人物が登録済みの人物と同一人物であるかを判定する点である。図5に示す他の構成は、第2の実施の形態の移動時間記憶システム2と同様であるため、詳細な説明は省略される。同一人物判定手段313の詳細な動作は、以下で説明される。
===同一人物判定手段313===
同一人物判定手段213は、顔照合手段212が計算した顔認識スコアと所定の閾値とを比較し、抽出された人物が登録済みの人物と同一人物であるかを判定する。顔認識スコアtが非常に高い閾値Tを超えるか、または所定の閾値Y(<T)以上である場合、かつ、抽出された人物の撮像地点と登録済みの人物の撮像地点との間の移動時間が、記憶手段23に記憶された最短移動時間Sを超えている場合、同一人物判定手段313は、抽出された人物が登録済みの人物と同一人物であると判定する。
図6は、移動時間記憶システム3が2地点間の最短移動時間を計算する処理を示すフローチャートである。
まず、移動時間記憶システム3は、人物存在データ記憶手段222に記憶された人物IDと撮像地点と撮像時刻とに関する情報から、同一人物が2地点に存在した時刻の差分のうち最短の値を探索することで、移動時間を直接的に計算する(ステップS321)。例えば、移動時間記憶システム3は、2地点1−2間について、同一の人物が存在した時刻の差分を計算し、それらの最小値を最短移動時間とする。表2に示す情報が人物存在データ記憶手段222に記憶されている場合、表3に示す暫定の最短移動時間が求まる。
Figure 0006923011
次に、移動時間記憶システム3は、複数の経路を結合した場合の移動時間を計算する(ステップS322)。これは、経由地点が1つまたは複数あるとみなした場合の移動時間に相当する。例えば、経由地点が1つの場合は、地点1と別の地点3とにおける撮像時刻の差分と、地点3と地点2とにおける撮像時刻の差分との総和時間を地点1−3−2間の移動時間とする。表3は、上記のように複数の経路を結合した場合の移動時間を計算し、それらと先に計算された直接的な移動時間との最小をとった最短移動時間を示す。
Figure 0006923011
なお、複数の経路を結合して考える場合、一人の人物存在情報のみに基づいて移動時間を計算するだけでなく、他の人物の人物存在情報に基づいて移動時間を計算し、それらを足し合わせてもよい。このようにして、人物存在情報から予想しうる移動時間の最短実績を、最短移動時間とする。この表4の右端列は、計算手順を簡易的に示したものである。後述する式2に登場するC2(P)−C1(P)は、単にm(1,2)と表記されている。
Figure 0006923011
なお、人物存在情報の量が十分でない場合には、表4の後半部分のように移動時間が不明となる区間が多い。その場合には、逆経路の差分時間も最短時間の候補とすることで、表5のように移動時間を計算できる。
Figure 0006923011
なお、地点間の人物の移動時間は、交通状況や移動手段の変化により変化していく。このため、最短移動時間を計算するのに用いる人物存在情報を、直近の一定期間(例:1日、1週間など)に絞り込むことにより、より正確な最短移動時間の計算が可能となる。
さらに、地点間の移動時間については、日時、曜日、季節、により定期的に変動する場合がよくある。このため、最短移動時間を計算するのに用いる人物存在情報を、日時、曜日、季節、によって絞り込むことにより、より正確な最短移動時間の計算が可能となる。
さらに、地点間の移動時間については、物理的な移動速度の制約により下限がある。このため、一部の最短移動時間に所定の下限値を人手で設定してもよい。
図7は、移動時間記憶システム3が画像に基づいて抽出した人物の特徴を人物IDと対応付けて登録する処理を示すフローチャートである。
第2の実施の形態との違いは、図7のステップS312である。ステップS312は、顔認識スコアと所定の閾値と最短移動時間記憶手段323に記憶された最短移動時間とに基づいて、特徴抽出手段11で抽出された人物が登録済みの人物と同一であるか否か判定する(ステップS312)。移動時間記憶システム3は、顔認識スコアが上記の式(1)または下記の式(2)を満たした場合、抽出された人物と登録済みの人物とが同一であると判定する。
現在処理中のカメラがある地点(撮像地点)の地点IDを1、ある人物(人物ID=P)の最新の存在が記憶された地点の地点IDを2とする。また、現在処理中のカメラで顔が撮影された時刻(撮像時刻)をC1(P)、その人物の最新の存在が記憶された時刻をC2(P)、地点1−2の間の最短移動時間をM(1,2)とする。
Figure 0006923011
式2は、同一人物判定の条件を表す。抽出された人物の顔認識スコアt(P,1,2)が閾値Tより低い閾値Yよりも高い、かつ、人物Pの最新の存在が記憶された時刻と、現在処理中のカメラで顔が撮影された時刻との時間差(移動時間)が、同一区間1−2の最短移動時間よりも長い場合、同一人物判定手段313は、抽出された人物を人物Pと同一人物と判定する。
なお、記憶手段23において、最短移動時間が不明の区間、つまり2地点の片方または両方に同一人物の人物存在情報がない区間については、式(1)のみが適用される。
次に、本実施の形態の効果について説明する。
本実施の形態では、顔照合手段を備え、かつ、同一人物判定手段で、移動時間と顔認識スコアの双方を考慮して同一人物か否か判定したうえで、顔データと人物IDを登録する顔登録手段を備えるため、より高い精度で移動時間を計算できる。
以下では、この効果が得られる理由について説明する。
本実施の形態では、顔認識スコアtが非常に高い閾値Tより大きい場合か、顔認識スコア閾値Yと移動時間の双方の条件を満たした場合のどちらかのみに、その登録済みの人物のIDで登録される。このため、登録される顔データの人物IDに関して、1人の顔データについて複数のIDが付与されることはあっても、複数の人物の顔に1つのIDが付与されることは非常に少ない。つまり、他人を誤認識して受け入れることが少ないため、誤って最短移動時間を過少に計算してしまうことがほとんどない。特に、非常に高い閾値Tよりも若干低い閾値Yを用いることができるため、登録済みの顔データと最新の顔データが多少異なる場合においても、最新の顔データを登録でき、より顔認識の精度が高くなる。このことより、本発明のシステムを稼働させていくと、顔認識精度と移動時間計算精度が互いに改善していく。
さらに、最短移動時間の計算において、2地点間の直接的な移動時間の記憶だけでなく、複数の区間をそれぞれ別々の人物が要した時間を結合して計算するため、地点間の存在(移動)の実績が少ない区間においても移動時間を計算でき、より高い精度で最短の移動時間を計算できる。さらに、移動時間の計算に用いるデータを、定期的な情報と、直近の情報に絞り込むことによってより高い計算精度を得られる。
なお、第2の実施の形態の場合、もし顔認識スコアの閾値Tを無暗に高く調整しすぎると、他人受入れ率が限りなく0%に近づくが、本人棄却率が高くなってしまい、カメラの前の人物の殆どを認識できなくなり、移動時間を十分計測できない場合がある。しかし、本実施形態では、閾値Tより低い閾値Yも使用するため、この問題が軽減される。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態における移動時間記憶システム4は、以下の2点において第3の実施の形態における移動時間記憶システム3と異なる。第1の点は、記憶手段43は移動区間と移動時間と人物の種別とに加えて、出現頻度指数も対応付けて記憶する点である。出現頻度とは、ある移動時間が過去に出現した頻度を表す指標である。記憶手段43は最短でない移動時間も記憶する。つまり、出現頻度指数は、移動時間に関する頻度ヒストグラムである(図9参照)。第2の点は、同一人物判定手段413は、顔照合手段212が計算した顔認識スコアと所定の閾値と最短移動時間と出現頻度指数とに基づいて、画像から抽出された人物が登録済みの人物と同一人物であるかを判定する点である。図8に示す他の構成は、第3の実施の形態の移動時間記憶システム2と同様であるため、詳細な説明は省略される。同一人物判定手段413の詳細な動作は、以下で説明される。
===同一人物判定手段413===
同一人物判定手段413は、式(1)および式(2)だけでなく、移動時間の出現頻度qを用いて登録済みの人物と同一人物であるか判定する。出現頻度qがある閾値Q以上である場合、その場所にその移動時間で該当人物が存在する尤度は高い。図9は、移動時間とその出現頻度ヒストグラムの模式図である。この模式図の例では、人物の移動経路・手段が2種類(たとえば、電車と徒歩)ある場合を想定しており、過去のたいていの人物は2つのピークの移動時間のどちらかに近い移動時間だったことがわかる。このため、本実施の形態において、同一人物判定手段413は、同一人物判定の条件に下記の式(3)を用いる。具体的には、式(1)、式(2)、または式(3)を満たした場合に、同一人物判定手段413は、抽出された人物を登録済みの人物と同一人物であると判定する。
Figure 0006923011
式(3)のY’は、顔認識スコアの閾値である。Y’は固定値でも構わないが、出現頻度qが高いほど低く設定できる。このため、単調現象な関数f(・)を用いて、Y’は、式(4)のように計算されてもよい。例えば、Y’は、f(・)として単調現象になるようにパラメータを調整したシグモイド関数によって計算されれればよい。
Figure 0006923011
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態を用いることで、人がよく移動する経路について顔認識によって同一人物だと認識し易くなり、移動時間テーブルを計算する際に、より多くの情報を利用できるようになる。この結果、移動時間計算精度がより高くなる。
<実施例1>
次に、本発明の第2の形態の第1の実施例ついて、図10を参照して説明する。本実施例は、各地点のカメラの処理と、複数の地点にまたがる処理との2種類に分けられる。このため、図10のように各地点の処理にはPC510を、複数の地点にまたがる処理にはサーバ520を割り当てて構成すればよい。各地点の処理には、顔照合手段212、同一人物判定手段213、特徴抽出手段11が含まれ、これらはソフトウェアとして構成される。一方、複数の地点にまたがる処理には、登録データ記憶手段221、人物存在データ記憶手段222、移動時間計算手段12、記憶手段13が含まれ、これらはメモリ上のデータとソフトウェアとして構成される。なお、各記憶手段については、PC510側に記憶手段を用意して一時的にデータを記憶してから、サーバ520側に送信して記憶してもよい。本実施例の場合、PC510では1台または複数台のカメラ画像を常時処理し、サーバ520側では、移動時間計算手段が移動時間を計算したタイミングで記憶手段を更新すればよい。また、移動時間の計算は、定期的に実行してもよい。
<実施例2>
次に、本発明の第3の形態の第2の実施例ついて図11を参照して説明する。本実施例は、最短移動時間を計算した上で、特定の人物の移動経路を特定する例である。図5との差異は、移動経路特定手段600を備えることであり、指定された人物IDの移動経路を特定する。具体的には、人物存在データ記憶手段222から、該当する人物IDのデータを参照し、抽出する。本発明を用いれば、人物データ記憶部222には、顔認識結果と最短移動時間に関して妥当なデータが記憶されていくため、人物の存在地点の遷移を把握できる。
以上、各実施の形態および実施例を参照して本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。本発明の構成や詳細には、本発明のスコープ内で当業者が理解しえる様々な変更をすることができる。
また、本発明の各実施の形態における各構成要素は、その機能をハードウェア的に実現することはもちろん、コンピュータとプログラムとで実現することができる。プログラムは、磁気ディスクや半導体メモリなどのコンピュータ可読記録媒体に記録されて提供され、コンピュータの立ち上げ時などにコンピュータに読み取られる。この読み取られたプログラムは、そのコンピュータの動作を制御することにより、そのコンピュータを前述した各実施の形態における構成要素として機能させる。
上記の各実施の形態および実施例の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限定されない。
(付記1)
複数のカメラにより撮像された少なくとも1人の人物が含まれる複数の画像の撮像地点と前記画像の撮像時刻と前記人物の顔データと前記人物の種別とを抽出する特徴抽出手段と、
前記撮像地点、前記撮像時刻、及び前記顔データに基づいて、前記人物の移動時間を計算する移動時間計算手段と、
前記移動時間と前記種別とを対応付けて記憶する記憶手段と、から構成される、移動時間記憶システム。
(付記2)
前記移動時間計算手段は、2地点間の前記移動時間と、他の人物が存在した他の地点を経由した前記2地点間の移動時間との総和のうち、最短の移動時間である最短移動時間を計算する、付記1に記載の移動時間記憶システム。
(付記3)
前記最短移動時間は、直近の一定時間の前記撮像地点と前記撮像時刻とに基づいて計算される、付記2に記載の移動時間記憶システム。
(付記4)
前記最短移動時間は、過去の定期的な前記撮像地点と前記撮像時刻とに基づいて計算される、付記2に記載の移動時間記憶システム。
[産業上の利用可能性]
本発明によれば、人物の移動経路をより高精度に特定して行動を解析する用途に適用できる。例えば、大規模店舗における来店客の行動解析に利用できる。
1〜6 移動時間記憶システム
11 特徴抽出手段
12、32 移動時間計算手段
13、43 記憶手段
210 データ処理装置
212 顔照合手段
213、313、413 同一人物判定手段
220 記憶装置
221 登録データ記憶手段
222 人物存在データ記憶手段
323 最短移動時間記憶手段
510 PC
520 サーバ
600 移動経路特定手段

Claims (6)

  1. メラにより撮像された少なくとも1人の人物について、前記人物が含まれる複数の画像から、前記人物の外見的特徴を示す種別をそれぞれ抽出する特徴抽出手段と、
    記カメラによる撮像時刻に基づいて、前記人物が移動する区間ごとに、前記人物の種別と、前記区間における前記人物の移動時間とをそれぞれ対応付けた情報を記憶する記憶手段と、
    を備えた移動時間記憶システム。
  2. 記人物の顔と登録済みの人物の顔との類似度合いを表す顔認識スコアを計算する顔照
    合手段と、
    前記顔認識スコアと閾値とを比較して、前記画像から抽出した人物が前記登録済みの人
    物と同一人物かを判定する同一人物判定手段と、
    さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の移動時間記憶システム。
  3. 前記類似度が第1の閾値を超えるか、あるいは
    前記類似度が第1の閾値よりも低い第2の閾値を超え、かつ、前記移動時間が、過去に
    計算された前記移動時間のうちの最短移動時間よりも長い場合、
    前記同一人物判定手段は、前記画像から抽出した人物が前記登録済みの人物と同一人物
    であると判定することを特徴とする請求項2に記載の移動時間記憶システム。
  4. 前記人物の顔と、登録済みの人物の顔と、前記人物の移動時間と、過去に計算された前記人物の移動時間とに基づいて、前記画像から抽出した人物が登録済みの人物と同一人物かを判定する同一人物判定手段を、さらに備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の移動時間記憶システム。
  5. メラにより撮像された少なくとも1人の人物について、前記人物が含まれる複数の画像から、前記人物の外見的特徴を示す種別をそれぞれ抽出し、
    記カメラによる撮像時刻に基づいて、前記人物が移動する区間ごとに、前記人物の種別と、前記区間における前記人物の移動時間とをそれぞれ対応付けた情報を記憶することを含む
    方法。
  6. メラにより撮像された少なくとも1人の人物について、前記人物が含まれる複数の画像から、前記人物の外見的特徴を示す種別をそれぞれ抽出することと、
    記カメラによる撮像時刻に基づいて、前記人物が移動する区間ごとに、前記人物の種別と、前記区間における前記人物の移動時間とをそれぞれ対応付けた情報を記憶することとを
    コンピュータに実行させるためのプログラム。
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