以下、発明の実施形態を通じて本開示を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須とは限らない。
特許請求の範囲、明細書、図面、及び要約書には、著作権による保護の対象となる事項が含まれる。著作権者は、これらの書類の何人による複製に対しても、特許庁のファイル又はレコードに表示される通りであれば異議を唱えない。ただし、それ以外の場合、一切の著作権を留保する。
以下の実施形態では、飛行体として、無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)を例示する。無人航空機は、空中を移動する航空機を含む。本明細書に添付する図面では、無人航空機を「UAV」と表記する。飛行制御指示方法は、無人航空機の飛行の制御を指示する送信機(例えば、プロポ(proportional controller)、携帯端末)における動作が規定されたものである。飛行制御方法は、無人航空機における動作が規定されたものである。また、記録媒体は、プログラム(例えば送信機又は無人航空機に各種の処理を実行させるプログラム)が記録されたものである。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態における飛行システム10の構成例を示す模式図である。飛行システム10は、無人航空機100、送信機50、及び携帯端末80を備える。無人航空機100、送信機50、及び携帯端末80は、相互に有線通信又は無線通信(例えば無線LAN(Local Area Network))により通信可能である。
次に、無人航空機100の構成例について説明する。図2は、無人航空機100の具体的な外観の一例を示す図である。無人航空機100が移動方向STV0に飛行する時の斜視図が図2に示されている。無人航空機100は、飛行体の一例である。
図2に示すように、地面と平行であって移動方向STV0に沿う方向にロール軸(x軸参照)が定義されたとする。この場合、地面と平行であってロール軸に垂直な方向にピッチ軸(y軸参照)が定められ、更に、地面に垂直であってロール軸及びピッチ軸に垂直な方向にヨー軸(z軸参照)が定められる。
無人航空機100は、UAV本体102と、ジンバル200と、撮像装置220と、複数の撮像装置230とを含む構成である。UAV本体102は、無人航空機100の筐体の一例である。撮像装置220,230は、撮像部の一例である。
UAV本体102は、複数の回転翼(プロペラ)を備える。UAV本体102は、複数の回転翼の回転を制御することにより無人航空機100を飛行させる。UAV本体102は、例えば4つの回転翼を用いて無人航空機100を飛行させる。回転翼の数は、4つに限定されない。また、無人航空機100は、回転翼を有さない固定翼機でもよい。
撮像装置220は、所望の撮像範囲に含まれる被写体(例えば、空撮対象となる上空の様子、山や川等の景色、地上の建物)を撮像する撮像用のカメラである。
複数の撮像装置230は、無人航空機100の飛行を制御するために無人航空機100の周囲を撮像するセンシング用のカメラである。2つの撮像装置230が、無人航空機100の機首である正面に設けられてよい。さらに、他の2つの撮像装置230が、無人航空機100の底面に設けられてよい。正面側の2つの撮像装置230はペアとなり、いわゆるステレオカメラとして機能してよい。底面側の2つの撮像装置230もペアとなり、ステレオカメラとして機能してよい。複数の撮像装置230により撮像された画像に基づいて、無人航空機100の周囲の3次元空間データが生成されてよい。なお、無人航空機100が備える撮像装置230の数は4つに限定されない。無人航空機100は、少なくとも1つの撮像装置230を備えていればよい。無人航空機100は、無人航空機100の機首、機尾、側面、底面、及び天井面のそれぞれに少なくとも1つの撮像装置230を備えてよい。撮像装置230で設定できる画角は、撮像装置220で設定できる画角より広くてよい。撮像装置230は、単焦点レンズ又は魚眼レンズを有してよい。
図3は、無人航空機100のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。無人航空機100は、UAV制御部110と、通信インタフェース150と、メモリ160と、ストレージ170と、ジンバル200と、回転翼機構210と、撮像装置220と、撮像装置230と、GPS受信機240と、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)250と、磁気コンパス260と、気圧高度計270と、超音波センサ280と、レーザー測定器290と、を含む構成である。通信インタフェース150は、通信部の一例である。
UAV制御部110は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)又はDSP(Digital Signal Processor)を用いて構成される。UAV制御部110は、無人航空機100の各部の動作を統括して制御するための信号処理、他の各部との間のデータの入出力処理、データの演算処理及びデータの記憶処理を行う。
UAV制御部110は、メモリ160に格納されたプログラムに従って無人航空機100の飛行を制御する。UAV制御部110は、通信インタフェース150を介して遠隔の送信機50から受信した命令に従って、無人航空機100の飛行を制御する。メモリ160は無人航空機100から取り外し可能であってもよい。
UAV制御部110は、複数の撮像装置230により撮像された複数の画像を解析することで、無人航空機100の周囲の環境を特定してよい。UAV制御部110は、無人航空機100の周囲の環境に基づいて、例えば障害物を回避して飛行を制御する。
UAV制御部110は、現在の日時を示す日時情報を取得する。UAV制御部110は、GPS受信機240から現在の日時を示す日時情報を取得してよい。UAV制御部110は、無人航空機100に搭載されたタイマ(不図示)から現在の日時を示す日時情報を取得してよい。
UAV制御部110は、無人航空機100の位置を示す位置情報を取得する。UAV制御部110は、GPS受信機240から、無人航空機100が存在する緯度、経度及び高度を示す位置情報を取得してよい。UAV制御部110は、GPS受信機240から無人航空機100が存在する緯度及び経度を示す緯度経度情報、並びに気圧高度計270から無人航空機100が存在する高度を示す高度情報をそれぞれ位置情報として取得してよい。UAV制御部110は、超音波センサ280による超音波の放射点と超音波の反射点との距離を高度情報として取得してよい。
UAV制御部110は、磁気コンパス260から無人航空機100の向きを示す向き情報を取得する。向き情報には、例えば無人航空機100の機首の向きに対応する方位が示される。
UAV制御部110は、撮像装置220が撮像すべき撮像範囲を撮像する時に無人航空機100が存在すべき位置を示す位置情報を取得してよい。UAV制御部110は、無人航空機100が存在すべき位置を示す位置情報をメモリ160から取得してよい。UAV制御部110は、無人航空機100が存在すべき位置を示す位置情報を、通信インタフェース150を介して送信機50等の他の装置から取得してよい。UAV制御部110は、3次元地図データベースを参照して、撮像すべき撮像範囲を撮像するために、無人航空機100が存在可能な位置を特定して、その位置を無人航空機100が存在すべき位置を示す位置情報として取得してよい。
UAV制御部110は、撮像装置220及び撮像装置230のそれぞれの撮像範囲を示す撮像情報を取得する。UAV制御部110は、撮像範囲を特定するためのパラメータとして、撮像装置220及び撮像装置230の画角を示す画角情報を撮像装置220及び撮像装置230から取得する。UAV制御部110は、撮像範囲を特定するためのパラメータとして、撮像装置220及び撮像装置230の撮像方向を示す情報を取得する。UAV制御部110は、例えば撮像装置220の撮像方向を示す情報として、ジンバル200から撮像装置220の姿勢の状態を示す姿勢情報を取得する。UAV制御部110は、無人航空機100の向きを示す情報を取得する。撮像装置220の姿勢の状態を示す情報は、ジンバル200のピッチ軸及びヨー軸の基準回転角度からの回転角度を示す。UAV制御部110は、撮像範囲を特定するためのパラメータとして、無人航空機100が存在する位置を示す位置情報を取得する。UAV制御部110は、撮像装置220及び撮像装置230の画角及び撮像方向、並びに無人航空機100が存在する位置に基づいて、撮像装置220が撮像する地理的な範囲を示す撮像範囲を画定し、撮像範囲を示す撮像情報を生成することで、撮像情報を取得してよい。
UAV制御部110は、撮像装置220が撮像すべき撮像範囲を示す撮像情報を取得してよい。UAV制御部110は、メモリ160から撮像装置220が撮像すべき撮像情報を取得してよい。UAV制御部110は、通信インタフェース150を介して送信機50等の他の装置から撮像装置220が撮像すべき撮像情報を取得してよい。
UAV制御部110は、無人航空機100の周囲に存在するオブジェクトの立体形状(3次元形状)を示す立体情報(3次元情報)を取得してよい。オブジェクトは、例えば、建物、道路、車、木等の風景の一部である。立体情報は、例えば、3次元空間データである。UAV制御部110は、複数の撮像装置230から得られたそれぞれの画像から、無人航空機100の周囲に存在するオブジェクトの立体形状を示す立体情報を生成することで、立体情報を取得してよい。UAV制御部110は、メモリ160に格納された3次元地図データベースを参照することにより、無人航空機100の周囲に存在するオブジェクトの立体形状を示す立体情報を取得してよい。UAV制御部110は、ネットワーク上に存在するサーバが管理する3次元地図データベースを参照することで、無人航空機100の周囲に存在するオブジェクトの立体形状に関する立体情報を取得してよい。
UAV制御部110は、撮像装置220及び撮像装置230により撮像された画像データを取得する。
UAV制御部110は、ジンバル200、回転翼機構210、撮像装置220、及び撮像装置230を制御する。UAV制御部110は、撮像装置220の撮像方向又は画角を変更することによって、撮像装置220の撮像範囲を制御する。UAV制御部110は、ジンバル200の回転機構を制御することで、ジンバル200に支持されている撮像装置220の撮像範囲を制御する。
本明細書では、撮像範囲は、撮像装置220又は撮像装置230により撮像される地理的な範囲をいう。撮像範囲は、緯度、経度、及び高度で定義される。撮像範囲は、緯度、経度、及び高度で定義される3次元空間データにおける範囲でよい。撮像範囲は、撮像装置220又は撮像装置230の画角及び撮像方向、並びに無人航空機100が存在する位置に基づいて特定される。撮像装置220及び撮像装置230の撮像方向は、撮像装置220及び撮像装置230の撮像レンズが設けられた正面が向く方位と俯角とから定義される。撮像装置220の撮像方向は、無人航空機100の機首の方位と、ジンバル200に対する撮像装置220の姿勢の状態とから特定される方向である。撮像装置230の撮像方向は、無人航空機100の機首の方位と、撮像装置230が設けられた位置とから特定される方向である。
UAV制御部110は、回転翼機構210を制御することで、無人航空機100の飛行を制御する。つまり、UAV制御部110は、回転翼機構210を制御することにより、無人航空機100の緯度、経度、及び高度を含む位置を制御する。UAV制御部110は、無人航空機100の飛行を制御することにより、撮像装置220及び撮像装置230の撮像範囲を制御してよい。UAV制御部110は、撮像装置220が備えるズームレンズを制御することで、撮像装置220の画角を制御してよい。UAV制御部110は、撮像装置220のデジタルズーム機能を利用して、デジタルズームにより、撮像装置220の画角を制御してよい。
撮像装置220が無人航空機100に固定され、撮像装置220を動かせない場合、UAV制御部110は、特定の日時に特定の位置に無人航空機100を移動させることにより、所望の環境下で所望の撮像範囲を撮像装置220に撮像させることができる。あるいは撮像装置220がズーム機能を有さず、撮像装置220の画角を変更できない場合でも、UAV制御部110は、特定された日時に、特定の位置に無人航空機100を移動させることで、所望の環境下で所望の撮像範囲を撮像装置220に撮像させることができる。
通信インタフェース150は、送信機50と通信する。通信インタフェース150は、遠隔の送信機50からUAV制御部110に対する各種の命令や情報を受信する。
メモリ160は、UAV制御部110がジンバル200、回転翼機構210、撮像装置220、撮像装置230、GPS受信機240、慣性計測装置250、磁気コンパス260、気圧高度計270、超音波センサ280、及びレーザー測定器290を制御するのに必要なプログラム等を格納する。メモリ160は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体でよく、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、及びUSBメモリ等のフラッシュメモリの少なくとも1つを含んでよい。メモリ160は、UAV本体102の内部に設けられてよい。UAV本体102から取り外し可能に設けられてよい。
ジンバル200は、少なくとも1つの軸を中心に撮像装置220を回転可能に支持する。ジンバル200は、ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸を中心に撮像装置220を回転可能に支持してよい。ジンバル200は、ヨー軸、ピッチ軸、及びロール軸の少なくとも1つを中心に撮像装置220を回転させることで、撮像装置220の撮像方向を変更してよい。
回転翼機構210は、複数の回転翼211と、複数の回転翼211を回転させる複数の駆動モータ212と、駆動モータ212を駆動するための駆動電流の電流値(実測値)を計測する電流センサ213と、を有する。駆動電流は、駆動モータ212に供給される。
撮像装置220は、所望の撮像範囲の被写体を撮像して撮像画像のデータを生成する。撮像装置220の撮像により得られた画像データは、撮像装置220が有するメモリ、又はメモリ160に格納される。
撮像装置230は、無人航空機100の周囲を撮像して撮像画像のデータを生成する。撮像装置230の画像データは、メモリ160に格納される。
GPS受信機240は、複数の航法衛星(つまり、GPS衛星)から発信された時刻及び各GPS衛星の位置(座標)を示す複数の信号を受信する。GPS受信機240は、受信された複数の信号に基づいて、GPS受信機240の位置(つまり、無人航空機100の位置)を算出する。GPS受信機240は、無人航空機100の位置情報をUAV制御部110に出力する。なお、GPS受信機240の位置情報の算出は、GPS受信機240の代わりにUAV制御部110により行われてよい。この場合、UAV制御部110には、GPS受信機240が受信した複数の信号に含まれる時刻及び各GPS衛星の位置を示す情報が入力される。
慣性計測装置250は、無人航空機100の姿勢を検出し、検出結果をUAV制御部110に出力する。慣性計測装置IMU250は、無人航空機100の姿勢として、無人航空機100の前後、左右、及び上下の3軸方向の加速度と、ピッチ軸、ロール軸、及びヨー軸の3軸方向の角速度とを検出する。
磁気コンパス260は、無人航空機100の機首の方位を検出し、検出結果をUAV制御部110に出力する。
気圧高度計270は、無人航空機100が飛行する高度を検出し、検出結果をUAV制御部110に出力する。
超音波センサ280は、超音波を放射し、地面や物体により反射された超音波を検出し、検出結果をUAV制御部110に出力する。検出結果は、無人航空機100から地面までの距離つまり高度を示してよい。検出結果は、無人航空機100から物体までの距離を示してよい。
レーザー測定器290は、物体にレーザー光を照射し、物体で反射された反射光を受光し、反射光により無人航空機100と物体との間の距離を測定する。レーザー光による距離の測定方式は、一例として、タイムオブフライト方式でよい。
次に、送信機50及び携帯端末80の構成例について説明する。図4は、送信機50が装着された携帯端末80の外観の一例を示す斜視図である。図4では、携帯端末80の一例として、スマートフォン80Sが示されている。送信機50に対する上下前後左右の方向は、図4に示す矢印の方向にそれぞれ従うとする。送信機50は、例えば送信機50を使用する人物(以下、「操作者」という)の両手で把持された状態で使用される。送信機50は、送信機の一例である。
送信機50は、例えば略正方形状の底面を有し、かつ高さが底面の一辺より短い略直方体(言い換えると、略箱形)の形状をした樹脂製の筐体50Bを有する。送信機50の筐体表面の略中央には、左制御棒53Lと右制御棒53Rとが突設して配置される。
左制御棒53L、右制御棒53Rは、それぞれ操作者による無人航空機100の移動を遠隔で制御(例えば、無人航空機100の前後移動、左右移動、上下移動、向き変更)するための操作(移動制御操作)において使用される。図4では、左制御棒53L及び右制御棒53Rは、操作者の両手からそれぞれ外力が印加されていない初期状態の位置が示されている。左制御棒53L及び右制御棒53Rは、操作者により印加された外力が解放された後、自動的に所定位置(例えば図4に示す初期位置)に復帰する。
左制御棒53Lの手前側(言い換えると、操作者側)には、送信機50の電源ボタンB1が配置される。電源ボタンB1が操作者により一度押下されると、例えば送信機50に内蔵されるバッテリ(不図示)の容量の残量がバッテリ残量表示部L2において表示される。電源ボタンB1が操作者によりもう一度押下されると、例えば送信機50の電源がオンとなり、送信機50の各部に電源が供給されて使用可能となる。
右制御棒53Rの手前側(言い換えると、操作者側)には、RTH(Return To Home)ボタンB2が配置される。RTHボタンB2が操作者により押下されると、送信機50は、無人航空機100に所定の位置に自動復帰させるための信号を送信する。これにより、送信機50は、無人航空機100を所定の位置(例えば無人航空機100が記憶している離陸位置)に自動的に帰還させることができる。RTHボタンB2は、例えば屋外での無人航空機100による空撮中に操作者が無人航空機100の機体を見失った場合、又は電波干渉や予期せぬトラブルに遭遇して操作不能になった場合等に利用可能である。
電源ボタンB1及びRTHボタンB2の手前側(言い換えると、操作者側)には、リモートステータス表示部L1及びバッテリ残量表示部L2が配置される。リモートステータス表示部L1は、例えばLED(Light Emission Diode)を用いて構成され、送信機50と無人航空機100との無線の接続状態を表示する。バッテリ残量表示部L2は、例えばLEDを用いて構成され、送信機50に内蔵されたバッテリ(不図示)の容量の残量を表示する。
左制御棒53L及び右制御棒53Rより後側であって、かつ送信機50の筐体50Bの後方側面から、2つのアンテナAN1,AN2が突設して配置される。アンテナAN1,AN2は、操作者の左制御棒53L及び右制御棒53Rの操作に基づき、送信機制御部61により生成された信号(つまり、無人航空機100の移動を制御するための信号)を無人航空機100に送信する。この信号は、送信機50により入力された操作入力信号の1つである。アンテナAN1,AN2は、例えば2kmの送受信範囲をカバーできる。また、アンテナAN1,AN2は、送信機50と無線接続中の無人航空機100が有する撮像装置220により撮像された画像、又は無人航空機100が取得した各種データが無人航空機100から送信された場合に、これらの画像又は各種データを受信できる。
図4では、送信機50が表示部を備えていないが、表示部を備えてもよい。
携帯端末80は、ホルダHLDに載置されて取り付けられてよい。ホルダHLDは、送信機50に接合されて取り付けられてよい。これにより、携帯端末80がホルダHLDを介して送信機50に装着される。携帯端末80と送信機50とは、有線ケーブル(例えばUSBケーブル)を介して接続されてよい。携帯端末80が送信機50に装着されず、携帯端末80と送信機50がそれぞれ独立して設けられてもよい。
図5は、送信機50のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。送信機50は、左制御棒53Lと、右制御棒53Rと、送信機制御部61と、無線通信部63と、インタフェース部65と、磁気コンパス66と、電源ボタンB1と、RTHボタンB2と、向き合わせボタンB3と、操作部セットOPSと、バイブレータ67と、GPS受信機68と、リモートステータス表示部L1と、バッテリ残量表示部L2と、表示部DPとを含む構成である。
左制御棒53Lは、例えば操作者の左手により、無人航空機100の移動を遠隔で制御するための操作に使用される。右制御棒53Rは、例えば操作者の右手により、無人航空機100の移動を遠隔で制御するための操作に使用される。無人航空機100の移動は、例えば前進する方向の移動、後進する方向の移動、左方向の移動、右方向の移動、上昇する方向の移動、下降する方向の移動、左方向に無人航空機100を回転する移動、右方向に無人航空機100を回転する移動のうちいずれか又はこれらの組み合わせであり、以下同様である。
例えば、左制御棒53Lを用いて、前後移動と左右旋回の移動操作が行われ、右制御棒53Rを用いて、上昇下降と左右移動の移動操作が行われてよい(操作モード1)。また、例えば、左制御棒53Lを用いて、上昇下降と左右旋回の移動操作が行われ、右制御棒53Rを用いて、前後移動と左右移動の移動操作が行われてよい(操作モード2)。操作モードは、送信機制御部61により設定され、設定情報がメモリ(不図示)に保持されてよいし、いずれかの操作モードが予め設定され、設定情報がメモリ(不図示)に保持されていてもよい。
電源ボタンB1は一度押下されると、一度押下された旨の信号が送信機制御部61に入力される。送信機制御部61は、この信号に従い、送信機50に内蔵されるバッテリ(不図示)の容量の残量をバッテリ残量表示部L2に表示する。これにより、操作者は、送信機50に内蔵されるバッテリの容量の残量を簡単に確認できる。また、電源ボタンB1は二度押下されると、二度押下された旨の信号が送信機制御部61に渡される。送信機制御部61は、この信号に従い、送信機50に内蔵されるバッテリ(不図示)に対し、送信機50内の各部への電源供給を指示する。これにより、操作者は、送信機50の電源がオンとなり、送信機50の使用を簡単に開始できる。
RTHボタンB2は押下されると、押下された旨の信号が送信機制御部61に入力される。送信機制御部61は、この信号に従い、無人航空機100に所定の位置(例えば無人航空機100の離陸位置)に自動復帰させるための信号を生成し、無線通信部63及びアンテナAN1,AN2を介して無人航空機100に送信する。これにより、操作者は、送信機50に対する簡単な操作により、無人航空機100を所定の位置に自動で復帰(帰還)させることができる。
向き合わせボタンB3は押下されると、押下された旨の信号が送信機制御部61に入力される。
送信機制御部61は、この信号に従い、無人航空機100の正面方向に送信機50の正面方向に揃えるために、磁気コンパス66により検知される方位の情報を取得する。送信機制御部61は、取得した方位の情報を、無線通信部63及びアンテナAN1,AN2を介して無人航空機100に送信する。
操作部セットOPSは、複数の操作部OP(例えば操作部OP1,…,操作部OPn)(n:2以上の整数)を用いて構成される。操作部セットOPSは、図3に示す左制御棒53L、右制御棒53R、電源ボタンB1及びRTHボタンB2を除く他の操作部(例えば、送信機50による無人航空機100の遠隔制御を支援するための各種の操作部)により構成される。ここでいう各種の操作部とは、例えば、無人航空機100の撮像装置220を用いた静止画の撮像を指示するボタン、無人航空機100の撮像装置220を用いた動画の録画の開始及び終了を指示するボタン、無人航空機100のジンバル200(図2参照)のチルト方向の傾きを調整するダイヤル、無人航空機100のフライトモードを切り替えるボタン、無人航空機100の撮像装置220の設定を行うダイヤルが該当する。
バイブレータ67は、送信機制御部61からの指示にしたがって振動し、ユーザhmに対し、例えば無人航空機100の回転完了等の情報を通知する。
GPS受信機68は、複数の航法衛星(つまり、GPS衛星)から発信された時刻及び各GPS衛星の位置(座標)を示す複数の信号を受信する。GPS受信機68は、受信された複数の信号に基づいて、GPS受信機68の位置(つまり、送信機50の位置)を算出する。GPS受信機68は、無人航空機100の位置情報を送信機制御部61に出力する。
リモートステータス表示部L1及びバッテリ残量表示部L2は、図4を参照して説明したので、ここでは説明を省略する。
送信機制御部61は、プロセッサ(例えばCPU、MPU又はDSP)を用いて構成される。送信機制御部61は、送信機50の各部の動作を統括して制御するための信号処理、他の各部との間のデータの入出力処理、データの演算処理及びデータの記憶処理を行う。送信機制御部61は、処理部の一例である。
送信機制御部61は、無人航空機100の撮像装置220が撮像した撮像画像のデータを、無線通信部63を介して取得してメモリ(不図示)に保存し、インタフェース部65を介して携帯端末80に出力してよい。言い換えると、送信機制御部61は、無人航空機100の撮像装置220により撮像された空撮画像のデータを携帯端末80に表示させてよい。これにより、無人航空機100の撮像装置220により撮像された空撮画像は、携帯端末80において表示可能となる。
送信機制御部61は、操作者の左制御棒53L及び右制御棒53Rの操作により、その操作により指定された無人航空機100の飛行を制御するための指示信号を生成してよい。送信機制御部61は、この指示信号を、無線通信部63及びアンテナAN1,AN2を介して、無人航空機100に送信して無人航空機100を遠隔制御してよい。これにより、送信機50は、無人航空機100の移動を遠隔で制御できる。
無線通信部63は、2つのアンテナAN1,AN2と接続される。無線通信部63は、2つのアンテナAN1,AN2を介して、無人航空機100との間で所定の無線通信方式(例えばWifi(登録商標))を用いた情報やデータの送受信を行う。
インタフェース部65は、送信機50と携帯端末80との間の情報やデータの入出力を行う。インタフェース部65は、例えば送信機50に設けられたUSBポート(不図示)でよい。インタフェース部65は、USBポート以外のインタフェースでもよい。
磁気コンパス66は、送信機50が向いている方位を検出し、検出結果を送信機制御部61に出力する。送信機50が向いている方位は、例えば、左制御棒53L及び右制御棒53Rの前方操作方向、アンテナAN1,AN2を伸ばした場合にアンテナAN1,AN2が延びる方向、でよい。
図6は、携帯端末80のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。携帯端末80は、端末制御部81、インタフェース部82、操作部83、無線通信部85、メモリ87、及び表示部88を備えてよい。携帯端末80は、表示装置の一例である。
端末制御部81は、例えばCPU、MPU又はDSPを用いて構成される。端末制御部81は、携帯端末80の各部の動作を統括して制御するための信号処理、他の各部との間のデータの入出力処理、データの演算処理及びデータの記憶処理を行う。
端末制御部81は、無線通信部85を介して、無人航空機100からのデータや情報を取得してよい。端末制御部81は、インタフェース部82を介して、送信機50からのデータや情報を取得してよい。端末制御部81は、操作部83を介して入力されたデータや情報を取得してよい。端末制御部81は、メモリ87に保持されたデータや情報を取得してよい。端末制御部81は、データや情報を表示部88に送り、このデータや情報に基づく表示情報を表示部88に表示させてよい。
端末制御部81は、無人航空機100の制御を指示するためのアプリケーションを実行してよい。端末制御部81は、アプリケーションで用いられる各種のデータを生成してよい。
インタフェース部82は、送信機50と携帯端末80との間の情報やデータの入出力を行う。インタフェース部82は、例えば携帯端末80に設けられたUSBコネクタ(不図示)でよい。インタフェース部65は、USBコネクタ以外のインタフェースでもよい。
操作部83は、携帯端末80の操作者により入力されるデータや情報を受け付ける。操作部83は、ボタン、キー、タッチパネル、マイクロホン、等を含んでよい。ここでは、主に、操作部83と表示部88とがタッチパネルにより構成されることを例示する。この場合、操作部83は、タッチ操作、タップ操作、ドラック操作等を受付可能である。
無線通信部85は、各種の無線通信方式により、無人航空機100との間で通信する無線通信方式は、例えば、無線LAN、Bluetooth(登録商標)、近距離無線通信、又は公衆無線回線を介した通信を含んでよい。
メモリ87は、例えば携帯端末80の動作を規定するプログラムや設定値のデータが格納されたROMと、端末制御部81の処理時に使用される各種の情報やデータを一時的に保存するRAMを有してよい。メモリ87は、ROM及びRAM以外のメモリが含まれてよい。メモリ87は、携帯端末80の内部に設けられてよい。メモリ87は、携帯端末80から取り外し可能に設けられてよい。プログラムは、アプリケーションプログラムを含んでよい。
表示部88は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)を用いて構成され、端末制御部81から出力された各種の情報やデータを表示する。表示部88は、無人航空機100の撮像装置220により撮像された空撮画像のデータを表示してよい。
なお、飛行システム10は、携帯端末80を備えなくてもよい。また、送信機50が携帯端末80の機能を有してもよい。
上記構成を有する飛行システム10の動作を示す。ここでは、無人航空機100の正面方向は、送信機50の例えば左制御棒53Lの前後操作によって無人航空機100が前に移動する方向である。なお、無人航空機100の正面方向は、無人航空機100に搭載された撮像装置220の基準の撮像方向としてよい。送信機50の正面方向は、送信機50の例えば左制御棒53Lを前に倒して操作する方向である。なお、送信機50の正面方向は、アンテナAN1,AN2が取り付けられた方向、あるいはアンテナから放射される電波が指向性を有する場合、その指向方向の中心方向を正面方向としてよい。
図7は、無人航空機100の向きを送信機50の正面方向d1に揃える動作の概要を説明する図である。
ユーザhmが送信機50の向き合わせボタンB3を押下する前、無人航空機100は、送信機50の正面方向d1に対し、無人航空機100の正面方向d2が所定の傾きで飛行している状況にある。ユーザhmが向き合わせボタンB3を押下すると、無人航空機100は、機体の中心を回転軸とし、無人航空機100の正面方向d2と送信機50の正面方向d1とが一致するように、回転(自転)する。このとき、無人航空機100は、回転量の少ない方向に回転してよい。この結果、送信機50の正面方向の方位と無人航空機100の正面方向の方位とが一致する。方位は、例えば東西南北のような方位でよい。
図8は、無人航空機100の向きを送信機50の正面方向に揃える動作手順の一例を示すシーケンス図である。
送信機50では、送信機制御部61は、ユーザhmによる向き合わせボタンB3の押下を受け付ける(T1)。向き合わせボタンB3が押下されると、送信機制御部61は、無人航空機100の正面方向d2を送信機50の正面方向d1に揃えるために、向き合わせ処理を開始する。送信機制御部61は、自機(送信機50)の正面方向d1として、磁気コンパス66により検知される方位(送信機50の向き)の情報を取得する(T2)。
送信機制御部61は、無人航空機100に対し、無線通信部63及びアンテナAN1,AN2を介して、送信機50の方位の情報及び向き合わせ指示の情報を送信する(T3)。この向き合わせ指示の情報は、無人航空機100の向き(正面方向)を送信機50の向き(正面方向)に合わせるように、無人航空機100の回転を指示する内容を含んでよい。
無人航空機100では、UAV制御部110は、通信インタフェース150を介して、無人航空機100から送信機50の方位の情報及び向き合わせ指示の情報を受信すると、無人航空機100の向きを送信機50の正面方向に揃える向き合わせ制御を行う(T4)。この向き合わせ制御では、UAV制御部110は、自機(無人航空機100)の正面方向として、磁気コンパス260により検知される方位の情報を取得する。UAV制御部110は、取得した自機の方位と、受信した送信機50の方位とを基に、自機の回転角度を算出する。
UAV制御部110は、自機の回転角度を算出する際、右回り(時計回り)に回転した場合の回転角度と、左回り(反時計回り)に回転した場合の回転角度との両方を算出してよい。UAV制御部110は、回転量が小さい方の回転方向及び回転角度を決定してよい。UAV制御部110は、決定した回転方向及び回転角度を基に、回転翼機構210を駆動し、無人航空機100の正面方向d2が送信機50の正面方向d1に揃うように、無人航空機100を回転させる。
UAV制御部110は、無人航空機100が自転し、決定した回転角度に達すると、送信機50に対し、通信インタフェース150を介して、回転完了を通知する(T5)。この回転完了の通知は、無人航空機100の向きの制御の完了情報の一例である。
送信機50では、送信機制御部61は、無線通信部63及びアンテナAN1,AN2を介して、無人航空機100から回転完了の通知を受信すると、バイブレータ67を起動させ、送信機50に振動を加え、ユーザhmに無人航空機100の回転完了を報知する(T6)。
なお、送信機50を振動させることで、ユーザhmに回転完了を通知する代わりに、様々な提示方法で無人航空機100の回転完了の情報を提示してよい。例えば、送信機制御部61は、所定の表示態様で表示器(例えばLED)を表示させることで、回転完了の通知としてよい。また、送信機制御部61は、インタフェース部65を介して、携帯端末80の画面に「回転が完了しました」等のメッセージを表示させてよい。また、送信機制御部61は、スピーカやブザーを搭載している場合、音声により回転完了を通知してよい。その場合、単なる音の他、「回転が完了しました」等のメッセージが発音されてよい。このような無人航空機100の回転完了の提示は、向きの制御が完了した旨の情報を提示することの一例である。
なお、携帯端末80は、端末制御部81が、インタフェース部82や無線通信部85を介して、送信機50の位置情報及び無人航空機100の位置情報を取得してよい。また、端末制御部81は、地図情報を取得してよい。地図情報の地理的範囲は、無人航空機100の位置と送信機50の位置とを含む。端末制御部81は、地図情報を、メモリ87に保持しておき、メモリ87から取得してよい。端末制御部81は、地図情報を、無線通信部85を介して地図データベースを有する外部サーバ等から取得してよい。
端末制御部81は、取得された地図情報を、表示部88を介して表示してよい。端末制御部81は、送信機60の位置と無人航空機100の位置とを、地図情報に重畳して表示してよい。また、端末制御部81は、送信機60の向きを示す情報及び無人航空機100の向きを示す情報を、地図情報に重畳して表示してよい。送信機60の向きを示す情報は、例えば送信機60の向きを表現した送信機50の画像でよい。無人航空機100の向きを示す情報は、例えば無人航空機100の向きを表現した無人航空機100の画像でよい。この場合、送信機50の操作者は、携帯端末80の表示部88を確認して、送信機50の向きや無人航空機100の向き(例えば向き合わせ前、向き合わせ後)を視認でき、直感的に送信機50の向きや無人航空機100の向きを把握できる。
図9は、無人航空機100の正面方向の向き合わせが完了した後、上方から視た場合にユーザhmが把持する送信機50と無人航空機100との位置関係の一例を示す図である。
無人航空機100の正面方向の向き合わせが行われた際、無人航空機100がユーザhmの前方位置F1で飛行している場合、ユーザhmが送信機50の左制御棒53Lを前に倒すと、無人航空機100は、ユーザhmから離れるように前方に向かって飛行する。一方、正面方向の向き合わせが行われた際、無人航空機100がユーザhmの後方位置R1で飛行している場合、ユーザhmが送信機50の左制御棒53Lを前に倒すと、無人航空機100は、ユーザhmに接近するように前方に向かって飛行する。
送信機50によれば、送信機50の向きに基づく無人航空機100の向き合わせを行うためのコマンドを追加し、必要時に、無人航空機の向きが送信機50の向きと一致するまで回転するよう指示できる。また、送信機50の操作者は、目標位置まで無人航空機100を移動させるために、無人航空機100の現在の向きを目視等で把握する必要がなく、簡単に無人航空機100を移動操作できる。また、送信機50の操作者は、無人航空機100と遠く離れたり天候が不順であったりしても、無人航空機100の向きを把握できる。
このように、送信機50は、送信機制御部61(処理部の一例)を備え、無人航空機100の飛行の制御を指示する。送信機制御部61は、無人航空機100の向きの制御を指示するための向き合わせボタンB3の押下を検知する(操作情報の取得の一例)。送信機制御部61は、向き合わせボタンB3の押下が検知された場合、磁気コンパス66により送信機50の向きの情報を取得する。送信機制御部61は、送信機50の向きを基に、無人航空機100の向きの制御を指示する。
これにより、ユーザが、向き合わせボタンB3を押すような簡単な操作を行うことで、送信機50は、送信機50の向きを基準に無人航空機100の向きを規定できる。そのため、送信機50は、無人航空機100の向きを、ユーザが直感的に分かり易い向きとすることができる。よって、送信機50は、無人航空機100の基準の向きを整えることができ、送信機50を用いた無人航空機100の移動操作を容易化できる。また、ユーザが無人航空機100を目視で直接確認することが困難な場合でも、送信機50は、無人航空機100の移動操作の操作精度を向上できる。
送信機制御部61は、送信機50の向きと無人航空機100の向きとが同一方向となるように、無人航空機100の回転を指示してよい。
これにより、送信機50は、送信機50の向きと無人航空機100の向きとを揃えることができる。したがって、ユーザは、送信機50の向きを確認すれば、無人航空機100の向きを把握でき、無人航空機100の移動操作を容易に行うことができる。
送信機制御部61は、時計周りの回転方向と反時計周りの回転方向のうち、無人航空機100の回転量が少なくなる回転方向に回転するよう、無人航空機100に指示してよい。
これにより、無人航空機100は、回転量をなるべく少なくでき、回転に要する時間を短縮できる。よって、ユーザhmは、整えられた無人航空機100の向きを基準にして、早期に所望の移動操作を実施できる。
送信機制御部61は、無線通信部63及びアンテナAN1,AN2を介して、無人航空機100から回転完了の通知を受信してよい。送信機制御部61は、回転完了の通知に基づき、表示器による表示やバイブレータの振動や音声出力を行うことで、無人航空機100の回転が完了したことを提示してよい。
これにより、例えば無人航空機100の向きの制御の完了を目視で確認することが困難である場合でも、ユーザhmは、無人航空機100の向きの制御の完了を容易に認識できる。よって、ユーザhmは、無人航空機100の向きの制御の完了を確認した後、所望の移動操作を実施でき、移動操作の精度を向上できる。
また、無人航空機100は、送信機50による飛行の制御の指示に基づいて、飛行を制し、UAV制御部110(処理部の一例)を備える。UAV制御部110は、通信インタフェース150を介して、送信機50から無人航空機100の向きの制御の指示を受信する。UAV制御部110は、この指示に基づいて、無人航空機100の向きを制御する。
これにより、無人航空機100は、送信機50から無人航空機100の向きの制御の指示を受けて、無人航空機100の向きを容易に制御できる。
本実施形態では、送信機制御部61は、無人航空機100の向きを送信機50の正面方向に揃える場合を示したが、送信機50の正面方向に対し、所定の角度だけ傾いた方向に無人航空機100の向きを揃えてもよい。例えば、送信機制御部61は、送信機50の正面方向でなく、右側面方向(正面方向から右に90度回転した方向)、左側側面方向(正面方向から左に90度回転した方向)、背面方向(正面方向から180度回転した方向)に揃えるように、無人航空機を回転させてよい。また、送信機制御部61は、向き合わせボタンB3の押下時に無人航空機100の向きを揃えたが、飛行システム5の起動初期に、送信機制御部61が自動的に向きを揃えてもよい。
なお、送信機制御部61は、向き合わせボタンB3の押下の検知によらず、所定の事象を検知した場合に、無人航空機100の向きの制御を指示してよい。
例えば、送信機制御部61は、タイマ等により現在時刻を取得し、現在時刻が所定時間帯に含まれる場合に、無人航空機100の向きの制御を指示してよい。これにより、送信機50は、例えば所定時間帯に送信機50による手動飛行制御が予定されている場合に、特別な操作を行うことなく無人航空機100の向きを整えることができ、手動飛行制御における移動操作を容易化できる。
例えば、送信機制御部61は、所定のエリアに無人航空機100が進入したことを検知した場合、無人航空機100の向きの制御を指示してよい。これにより、送信機50は、例えば所定の飛行エリアでは送信機50による手動飛行制御が予定されている場合に、特別な操作を行うことなく無人航空機100の向きを整えることができ、手動飛行制御における移動操作を容易化できる。
例えば、送信機制御部61は、飛行制御モードを設定し、設定情報をメモリ(不図示)に保持しておいてよい。送信機制御部61は、飛行制御モードが、自動飛行制御を行う第1の飛行制御モードから手動飛行制御を行う第2の飛行制御モードへ切り替えられた場合に、無人航空機100の向きの制御を指示してよい。これにより、送信機50は、手動飛行制御を開始する際に、特別な操作を行うことなく無人航空機100の向きを整えることができ、手動飛行制御における移動操作を容易化できる。
また、送信機50(プロポ)の代わりに、携帯端末80が、無人航空機100の向きの制御を指示してよい。この場合、向き合わせボタンB3は、操作部83の一部として設けられてよい。また、送信機制御部61の代わりに、端末制御部81が各種処理(例えば図8に示した送信機50の処理)を行う。携帯端末80は、飛行体の飛行の制御を指示する送信機の一例である。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、向き合わせボタンB3が押下された場合、無人航空機100の向きを送信機50の正面方向に揃えるように、無人航空機100が自転する場合を示した。第2の実施形態では、向き合わせボタンB3が押下された場合、無人航空機100の向きを、無人航空機100の位置と送信機50の位置とを結ぶ線(以下、軸線という)に対し、送信機50の位置から無人航空機100の位置に向かう、軸線方向に揃えるように、無人航空機100が回転する場合を示す。
第2の実施形態の飛行システム5は、第1の実施形態とほぼ同一の構成を有する。第1の実施形態と同一の構成要素については同一の符号を用いることで、その説明を省略又は簡略化する。
図10は、第2の実施形態における無人航空機100の向きを軸線方向に揃える動作の概要を説明する図である。
ユーザhmが送信機50の向き合わせボタンB3を押下する前、無人航空機100は、第1の実施形態と同様の向きで飛行している状況にある。ユーザhmが向き合わせボタンB3を押下すると、無人航空機100は、無人航空機100の位置(中心位置、重心位置等)と送信機50の位置とを結ぶ軸線AXに対し、送信機50から無人航空機100に向かう方向に一致するように、機体の向きを回転させる。このとき、無人航空機100は、回転量の少ない方向に回転してよい。この結果、無人航空機100の向きは、送信機50から無人航空機100に向かう軸線AXの方向(軸線方向)と一致する。
ここで、送信機50から無人航空機100に向かう軸線方向をプラス軸線方向と称し、無人航空機100から送信機50に向かう軸線方向をマイナス軸線方向と称する。ここでは、送信機50が、無人航空機100をプラス軸線方向に回転させる場合を示したが、マイナス軸線方向に回転させてよい。また、向き合わせボタンB3は、第1の実施形態と同じボタンであったが、異なるボタンであってもよい。
図11は、無人航空機100の向きを軸線方向に揃える動作手順の一例を示すシーケンス図である。
送信機制御部61は、ユーザhmによる向き合わせボタンB3の押下を受け付ける(T11)。向き合わせボタンB3が押下されると、送信機制御部61は、無人航空機100の向きをプラス軸線方向に揃えるために、向き合わせ処理を開始する。送信機制御部61は、自機、つまり送信機50の位置として、GPS受信機68により検知される位置情報を取得する(T12)。
送信機制御部61は、無人航空機100に対し、無線通信部63及びアンテナAN1,AN2を介して、無人航空機100の位置情報の要求を送信する(T13)。
無人航空機100では、UAV制御部110は、通信インタフェース150を介して、送信機50からの位置情報の要求を受信すると、GPS受信機240により検知される位置情報を取得する。UAV制御部110は、通信インタフェース150を介して、検知した自機の位置情報を送信機50に送信(応答)する(T14)。
送信機50では、送信機制御部61は、無線通信部63及びアンテナAN1,AN2を介して、無人航空機100の位置情報を受信(取得)する(T15)。送信機制御部61は、自機の位置情報と、無人航空機100の位置情報とを基に、軸線AXを算出する(T16)。送信機50の中心と無人航空機100の中心とを結ぶ直線である、軸線AXは、送信機50と無人航空機100とを結ぶ直線の一例である。この直線は、中心を結ぶ線に限られず、送信機50の中心位置から所定距離離れた位置と無人航空機100の中心位置から所定距離離れた位置とを結ぶ直線であってもよい。
送信機制御部61は、無線通信部63及びアンテナAN1,AN2を介して、算出した軸線AXの情報を無人航空機100に通知する(T17)。また、送信機制御部61は、この通知において、無人航空機100に対し、軸線AXの情報に無人航空機100の向き(正面方向)を合わせるように、無人航空機100の回転を指示する。
無人航空機100では、UAV制御部110は、通信インタフェース150を介して、軸線AXの情報を受信すると、自機の向きを軸線AXの方向に揃える向き合わせ制御を行う(T18)。この向き合わせ制御では、UAV制御部110は、自機の正面方向d2と軸線AXの方向との角度を基に、回転角度を算出する。
UAV制御部110は、自機の回転角度を算出する際、右回り(時計回り)に回転した場合の回転角度と、左回り(反時計回り)に回転した場合の回転角度との両方を算出してよい。UAV制御部110は、回転量が小さい方の回転方向及び回転角度を決定してよい。UAV制御部110は、決定した回転方向及び回転角度を基に、回転翼機構210を駆動し、無人航空機100の向きが軸線方向に揃うように、無人航空機100を回転させる。
UAV制御部110は、無人航空機100が自転し、無人航空機100の回転が、決定した回転角度に達すると、送信機50に対し、通信インタフェース150を介して、回転完了を通知する(T19)。
送信機50では、送信機制御部61は、無線通信部63及びアンテナAN1,AN2を介して、無人航空機100から回転完了の通知を受信すると、バイブレータ67を起動させ、送信機50に振動を加え、ユーザhmに無人航空機100の回転完了を報知する(T20)。なお、回転完了の報知は、第1の実施形態と同様に、バイブレータ67による振動の代わりに、他の提示方法で提示(例えば表示、音声出力)されてもよい。
図12は、軸線方向の向き合わせが完了した後、上方から視た場合にユーザhmが把持する送信機50と無人航空機100との位置関係の一例を示す図である。
軸線方向の向き合わせが行われた際、無人航空機100がユーザhmの前方位置F1で飛行している場合、ユーザhmが送信機50の左制御棒53Lを前に倒すと、無人航空機100は、ユーザhmから離れるように前方に向かって飛行する。一方、軸線方向の向き合わせ動作が行われた際、無人航空機100がユーザhmの後方位置R1で飛行している場合、ユーザhmが送信機50の左制御棒53Lを前に倒すと、無人航空機100は、この場合も同様に、ユーザhmから離れるように後方に向かって飛行する。つまり、送信機50が前方向の移動を指示すると、無人航空機100は送信機50から遠ざかり、送信機50が後方向の移動を指示すると、無人航空機100は送信機50に近づく。
なお、送信機50の送信機制御部61は、軸線AXを算出するための基となる位置情報(例えば送信機50の位置情報及び無人航空機100の位置情報)の取得を一度だけ行ってもよいし、定期的に(例えば常時)行ってもよい。送信機制御部61は、一度だけ位置情報を取得する場合、軸線AXの算出も一度だけ行うので、軸線AXの向きが変化しないので、無人航空機100の向きも変化しない。そのため、送信機制御部61が左制御棒53L又は右制御棒53Rから左右方向の移動操作を取得した場合、無人航空機100は、左右方向に直進するように飛行する。一方、送信機制御部61は、定期的に位置情報を取得する場合、軸線AXの算出も定期的に行うので、軸線AXの向きが定期的に変化し、無人航空機100の向きも定期的に変化する。そのため、常時位置情報を取得する場合には、送信機制御部61が左制御棒53L又は右制御棒53Rから左右方向の移動操作を取得した場合、時計回り又は反時計周りに円を描くように飛行する。
送信機50によれば、送信機50と無人航空機100との相対位置による無人航空機100の方向変更のコマンドを追加し、必要時に、軸線AXの向きと一致するまで回転するよう指示できる。
このように、送信機50では、送信機制御部61は、無人航空機100の向きの制御を指示するための向き合わせボタンB3の押下を検知する。向き合わせボタンB3の押下が検知された場合、送信機制御部61は、GPS受信機68により送信機50の位置の情報を取得する。また、送信機制御部61は、無線通信部63及びアンテナAN1,AN2を介して、無人航空機100の位置の情報を取得する。送信機制御部61は、送信機50の位置及び送信機50の位置を基に、軸線AXを算出する。送信機制御部61は、算出した軸線AXの情報を、無線通信部63及びアンテナAN1,AN2を介して、無人航空機100に通知し、軸線AXの方向に合わせるように、無人航空機100の向きの制御を指示する。
これにより、ユーザhmが、向き合わせボタンB3を押すような簡単な操作を行うことで、送信機50は、送信機50の位置を基準に無人航空機100の向きを規定できる。そのため、送信機50は、無人航空機100の向きを、ユーザhmが直感的に分かり易い向きとすることができる。よって、送信機50は、無人航空機100の基準の向きを整えることができ、送信機50を用いた無人航空機100の移動操作を容易化できる。また、ユーザhmが無人航空機100を目視で直接確認することが困難な場合でも、送信機50は、無人航空機100の移動操作、特に、ユーザhmに対し接近あるいは離間させる操作の操作精度を向上できる。
また、ユーザhmは、無人航空機100の移動操作を行う場合、無人航空機100が飛行している方向を向いて移動操作を行い易く、この場合には無人航空機100を正面に確認できるので、移動操作をし易くなる。よって、送信機50が送信機50から無人航空機100へ向かう方向を基準に無人航空機100の向きを規定することで、ユーザhmは、送信機50の向きを直感的に認識し易くなる。
送信機制御部61は、軸線AXの方向と無人航空機100の向きとが同一方向となるように、無人航空機100の回転を指示してよい。
これにより、例えば、送信機50が指示する前方向は、無人航空機100が送信機50から遠ざかる方向となり、送信機50が指示する前方向は、後方向は無人航空機100が送信機50に近づく方向となる。したがって、ユーザhmは、送信機50の向きを直感的に認識し易くなる。また、送信機50は、無人航空機100を送信機50の下に一直線で引き寄せることができる。例えば、送信機50は、バッテリ残量が少なくなった場合、最短距離で無人航空機100を帰還させることができる。また、送信機50は、無人航空機100を送信機50から一直線で遠ざけることかできる。例えば、送信機50は、無人航空機100を所望の目的地に向かわせる場合、送信機50の向きを目的地に合わせるだけで、視覚的に容易かつ最短距離で目的地に到達させることができる。
本実施形態では、送信機制御部61は、無人航空機100の向きを送信機50から無人航空機100に向かう軸線方向に揃える場合を示したが、軸線AXに対し、所定の角度だけ傾いた方向に揃えてよい。例えば、送信機制御部61は、無人航空機100から送信機50に向かう軸線方向に揃えてもよいし、軸線方向に垂直な方向に揃えてもよい。また、ここでは、送信機制御部61は、向き合わせボタンB3の押下時に無人航空機100の向きを揃えたが、飛行システム5の起動初期に自動的に揃えてもよい。
なお、第1の実施形態と同様に、送信機制御部61は、向き合わせボタンB3の押下の検知によらず、所定の事象を検知した場合に、無人航空機100の向きの制御を指示してよい。所定の事象は、現在時刻が所定時間帯に含まれること、所定のエリアに無人航空機100が進入したこと、自動飛行制御を行う第1の飛行制御モードから手動飛行制御を行う第2の飛行制御モードへ切り替えられたこと、等を含んでよい。
また、送信機50(プロポ)の代わりに、携帯端末80が、無人航空機100の向きの制御を指示してよい。この場合、向き合わせボタンB3は、操作部83の一部として設けられてよい。また、送信機制御部61の代わりに、端末制御部81が各種処理(例えば図11に示した送信機50の処理)を行う。携帯端末80は、飛行体の飛行の制御を指示する送信機の一例である。
また、送信機50が行う無人航空機100の向き合わせに関する処理の一部を、無人航空機100が行ってもよい。
図13は、無人航空機100の向きを軸線方向に揃える動作手順の他の一例を示すシーケンス図である。なお、図13は、図11と同様の処理については、同一のステップ番号を付すことで、その説明を省略又は簡略化する。
送信機50では、送信機制御部61は、T11,T12の処理を行う。送信機制御部61は、無人航空機100に対し、無線通信部63及びアンテナAN1,AN2を介して、送信機50の位置情報と、向き合わせボタンB3を押下した旨の押下情報と、を送信する(T21)。この押下情報が、無人航空機100の向き合わせを指示する指示情報となる。
無人航空機100では、UAV制御部110は、通信インタフェース150を介して、送信機50から、送信機50の位置情報と押下情報とを受信すると、GPS受信機240により検知される位置情報を取得する(T22)。
UAV制御部110は、送信機50の位置情報と無人航空機100の位置情報とを基に、軸線AXを算出する(T23)。
UAV制御部110は、自機の向きを軸線AXの方向に揃える向き合わせ制御を行う(T24)。この向き合わせ制御では、UAV制御部110は、自機の正面方向d2と軸線AXの方向との角度を基に、回転角度を算出する。UAV制御部110は、自機の回転角度を算出する際、右回り(時計回り)の回転角度と左回り(反時計回り)の回転角度との両方を算出してよい。UAV制御部110は、回転量が小さい方の回転方向及び回転角度を決定してよい。UAV制御部110は、決定した回転方向及び回転角度を基に、回転翼機構210を駆動し、無人航空機100の向きが軸線方向に揃うように、無人航空機100を回転させる。
続いて、無人航空機100は、T19の処理を行い、送信機50は、T20の処理を行う。
このように、無人航空機100では、UAV制御部110は、無人航空機100の向きの制御を指示するための向き合わせボタンB3の押下情報(操作情報の一例)と送信機50の位置情報を受信する。UAV制御部110は、向き合わせボタンB3の押下情報が受信された場合、無人航空機100の位置情報を取得する。UAV制御部110は、送信機50の位置と無人航空機100の位置とを結ぶ軸線AXを算出する。UAV制御部110は、直線の向きを基に、無人航空機100の向きを制御する。
これにより、ユーザが、向き合わせボタンB3を押すような簡単な操作を行うことで、無人航空機100は、送信機50の向きを基準に無人航空機100の向きを規定できる。そのため、無人航空機100は、無人航空機100の向きを、ユーザが直感的に分かり易い向きとすることができる。よって、無人航空機100は、無人航空機100の基準の向きを整えることができ、送信機50を用いた無人航空機100の移動操作を容易化できる。また、ユーザが無人航空機100を目視で直接確認することが困難な場合でも、無人航空機100は、無人航空機100の移動操作の操作精度を向上できる。また、図13の向き合わせ制御(T24)までの処理が図11の向き合わせ制御(T18)よりも少ないことから理解できるように、無人航空機100は、送信機50が主導して無人航空機100の向き合わせを指示するよりも、迅速に無人航空機100の向き合わせを完了できる。
以上、本開示を実施形態を用いて説明したが、本開示の技術的範囲は上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上述した実施形態に、多様な変更又は改良を加えることが当業者に明らかである。その様な変更又は改良を加えた形態も本開示の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載からも明らかである。
特許請求の範囲、明細書、及び図面中において示した装置、システム、プログラム、及び方法における動作、手順、ステップ、及び段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現可能である。特許請求の範囲、明細書、及び図面中の動作フローに関して、便宜上「先ず、」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
上記実施形態では、送信機制御部61は、送信機50と無人航空機100の方位が一致するように、つまり、2次元平面上で向きが一致するように、無人航空機100を回転させることを例示したが、3次元空間上で送信機50と無人航空機100の向きを揃えてもよい。