以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は相当要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
[第1実施形態]
図1又は図2に示されるように、第1実施形態に係る電子部品装置100は、積層コンデンサ(電子部品)1と、金属端子20,22と、接合部30,32と、を備えている。
図1及び図2に示されるように、積層コンデンサ1は、素体2と、素体2の外表面に配置された第1外部電極3、第2外部電極4、第1接続導体5及び第2接続導体6と、を備えている。
素体2は、直方体形状を呈している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。素体2は、その外表面として、互いに対向している一対の端面2a,2bと、互いに対向している一対の主面2c,2dと、互いに対向している一対の側面2e、2fと、を有している。一対の主面2c,2dが対向している対向方向が第1方向D1である。一対の端面2a,2bが対向している対向方向が第2方向D2である。一対の側面2e,2fが対向している対向方向が第3方向D3である。本実施形態では、第1方向D1は、素体2の高さ方向である。第2方向D2は、素体2の長手方向であり、第1方向D1と直交している。第3方向D3は、素体2の幅方向であり、第1方向D1と第2方向D2とに直交している。
一対の端面2a,2bは、一対の主面2c,2dの間を連結するように第1方向D1に延びている。一対の端面2a,2bは、第3方向D3(一対の主面2c,2dの短辺方向)にも延びている。一対の側面2e,2fは、一対の主面2c,2dの間を連結するように第1方向D1に延びている。一対の側面2e,2fは、第2方向D2(一対の端面2a,2bの長辺方向)にも延びている。本実施形態では、主面2dは、積層コンデンサ1を他の電子機器(例えば、回路基板、又は、電子部品など)に実装する際、他の電子機器と対向する実装面として規定される。
素体2は、一対の主面2c,2dが対向している方向に複数の誘電体層(絶縁体層)10が積層されて構成されている。素体2では、複数の誘電体層10の積層方向(以下、単に「積層方向」と称する。)が第1方向D1と一致する。各誘電体層10は、例えば誘電体材料(BaTiO3系、Ba(Ti,Zr)O3系、又は(Ba,Ca)TiO3系などの誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の素体2では、各誘電体層10は、各誘電体層10の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
積層コンデンサ1は、図2に示されるように、素体2内に配置されている内部導体として、複数の第1内部電極12と、複数の第1ダミー電極13と、複数の第2内部電極14と、複数の第2ダミー電極15と、複数の第3内部電極16と、を備えている。本実施形態では、複数の第1内部電極12の数(ここでは3個)は、複数の第2内部電極14の数と同じである。
複数の第1内部電極12、複数の第1ダミー電極13、複数の第2内部電極14、複数の第2ダミー電極15及び複数の第3内部電極16は、積層型の電気素子の内部電極として通常用いられる導電性材料(例えば、Ni又はCuなど)からなる。複数の第1内部電極12、複数の第1ダミー電極13、複数の第2内部電極14、複数の第2ダミー電極15及び複数の第3内部電極16は、上記導電性材料を含む導電性ペーストの焼結体として構成される。
第1内部電極12、第2内部電極14及び第3内部電極16は、素体2の第1方向D1において異なる位置(層)に配置されている。第1内部電極12と第3内部電極16とは、素体2内において、第1方向D1に間隔を有して対向するように交互に配置されている。第2内部電極14と第3内部電極16とは、素体2内において、第1方向D1に間隔を有して対向するように交互に配置されている。第1内部電極12と第1ダミー電極13とは、素体2内において、同じ位置(層)に配置されている。第2内部電極14と第2ダミー電極15とは、素体2内において、同じ位置(層)に配置されている。
図2に示されるように、複数の第1内部電極12は、素体2の第1方向D1において、一方の主面2c側の領域に配置されている。本実施形態では、複数の第1内部電極12は、素体2の第1方向D1での中央部分よりも、一方の主面2c側の領域に配置されている。
図3に示されるように、各第1内部電極12は、第2方向D2が長辺方向であると共に第3方向D3が短辺方向である矩形形状を呈している。第1内部電極12の長手方向の一端は、一方の端面2aに露出している。第1内部電極12の長手方向の他端は、他方の端面2bよりも一方の端面2a側に位置しており、他方の端面2bから離間している。第1内部電極12は、他方の端面2b、一対の主面2c,2d、及び、一対の側面2e,2fには露出していない。第1内部電極12は、一方の端面2aに露出した端部が第1外部電極3に電気的に接続されている。
各第1ダミー電極13は、第2方向D2が短手方向であると共に第3方向D3が長手方向である矩形形状を呈している。第1ダミー電極13の短手方向の一端は、他方の端面2bに露出している。第1ダミー電極13の短手方向の他端は、一方の端面2aよりも他方の端面2b側に位置しており、一方の端面2aから離間している。第1内部電極12と第1ダミー電極13とは、第2方向D2において所定の間隔をあけて配置されている(電気的に絶縁されている)。第1ダミー電極13は、他方の端面2bに露出した端部が第2外部電極4に電気的に接続されている。
図2に示されるように、複数の第2内部電極14は、素体2の第1方向D1において、他方の主面2d側の領域に配置されている。本実施形態では、複数の第2内部電極14は、素体2の第1方向D1での中央部分よりも、他方の主面2d側の領域に配置されている。
図3に示されるように、各第2内部電極14は、第2方向D2が長辺方向であると共に第3方向D3が短辺方向である矩形形状を呈している。第2内部電極14の一端は、他方の端面2bに露出している。第2内部電極14の長手方向の他端は、一方の端面2aよりも他方の端面2b側に位置しており、一方の端面2aから離間している。第2内部電極14は、一方の端面2a、一対の主面2c,2d、及び、一対の側面2e,2fには露出していない。第2内部電極14は、他方の端面2bに露出した端部が第2外部電極4に電気的に接続されている。
各第2ダミー電極15は、第2方向D2が短手方向であると共に第3方向D3が長手方向である矩形形状を呈している。第2ダミー電極15の短手方向の一端は、一方の端面2aに露出している。第2ダミー電極15の短手方向の他端は、他方の端面2bよりも一方の端面2a側に位置しており、他方の端面2bから離間している。第2内部電極14と第2ダミー電極15とは、第2方向D2において所定の間隔をあけて配置されている。第2ダミー電極15は、一方の端面2aに露出した端部が第1外部電極3に電気的に接続されている。
各第3内部電極16は、主電極部16aと、接続部16b,16cと、を含んでいる。主電極部16aは、第1方向D1で素体2の一部(誘電体層10)を介して、第1内部電極12又は第2内部電極14と対向している。主電極部16aは、第2方向D2が長辺方向であると共に第3方向D3が短辺方向である矩形形状を呈している。接続部16bは、主電極部16aの一辺(一方の長辺)から延び、一方の側面2eに露出している。接続部16cは、主電極部16aの一辺(他方の長辺)から延び、他方の側面2fに露出している。第3内部電極16は、一対の側面2e,2fに露出し、一対の端面2a,2b、及び、一対の主面2c,2dには露出していない。主電極部16aと、各接続部16b,16cとは、一体的に形成されている。
図1に示されるように、第1外部電極3は、一方の端面2a側に配置されている。第1外部電極3は、端面2aに配置されている電極部分3aと、一対の主面2c,2dのそれぞれに配置されている電極部分3b,3cと、一対の側面2e,2fのそれぞれに配置されている電極部分3d,3eと、を有している。電極部分3aと電極部分3b,3c,3d,3eとは、素体2の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。第1外部電極3は、1つの端面2a、一対の主面2c,2d、及び一対の側面2e,2fの五面に形成されている。電極部分3aは、第1内部電極12の端面2aに露出した部分をすべて覆うように配置されており、第1内部電極12は、第1外部電極3に直接的に接続されている。
第2外部電極4は、他方の端面2b側に配置されている。第2外部電極4は、端面2bに配置されている電極部分4aと、一対の主面2c,2dのそれぞれに配置されている電極部分4b,4cと、一対の側面2e,2fのそれぞれに配置されている電極部分4d,4eと、を有している。電極部分4aと電極部分4b,4c,4d,4eとは、素体2の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。第2外部電極4は、1つの端面2b、一対の主面2c,2d、及び一対の側面2e,2fの五面に形成されている。電極部分4aは、第2内部電極14の端面2bに露出した部分をすべて覆うように配置されており、第2内部電極14は、第2外部電極4に直接的に接続されている。
第1接続導体5は、一方の側面2e側において、第2方向D2での中央部分に配置されている。第1接続導体5は、側面2eに配置されている電極部分5aと、一対の主面2c,2dにそれぞれ配置されている電極部分5b,5cと、を有している。電極部分5aと電極部分5b及び電極部分5cとは、素体2の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。第1接続導体5は、一対の主面2c,2d及び一つの側面2eの三面に形成されている。
電極部分5aは、第3内部電極16の接続部16bの側面2eに露出した部分をすべて覆うように配置されており、接続部16bは、第1接続導体5に直接的に接続されている。すなわち、接続部16bは、主電極部16aと電極部分5aとを接続している。これにより、各第3内部電極16は、第1接続導体5に電気的に接続される。
第2接続導体6は、他方の側面2f側において、第2方向D2での中央部分に配置されている。第2接続導体6は、側面2fに配置されている電極部分6aと、一対の主面2c,2dにそれぞれ配置されている電極部分6b,6cと、を有している。電極部分6aと電極部分6b及び電極部分6cとは、素体2の稜線部において接続されており、互いに電気的に接続されている。第2接続導体6は、一対の主面2c,2d及び一つの側面2fの三面に形成されている。
電極部分6aは、第3内部電極16の接続部16cの側面2eに露出した部分をすべて覆うように配置されており、接続部16cは、第2接続導体6に直接的に接続されている。すなわち、接続部16cは、主電極部16aと電極部分6aとを接続している。これにより、各第3内部電極16は、第2接続導体6に電気的に接続される。
図4に示されるように、積層コンデンサ1は、第1容量部C1と、第2容量部C2と、を備える。第1容量部C1は、素体2内において第1方向D1に間隔を有して対向するように交互に配置されている第1内部電極12と第3内部電極16とにより構成されている。本実施形態では、第1容量部C1は、素体2の第1方向D1での中央部分よりも、一方の主面2c側の領域に構成されている。第1容量部C1は、第1コンデンサ成分を構成している。
第2容量部C2は、素体2内において第1方向D1に間隔を有して対向するように交互に配置されている第2内部電極14と第3内部電極16とにより構成されている。本実施形態では、第2容量部C2は、素体2の第1方向D1での中央部分よりも、他方の主面2d側の領域に構成されている。第2容量部C2は、第2コンデンサ成分を構成している。
積層コンデンサ1では、複数の第1容量部C1は、電気的に並列に接続されており、複数の第2容量部C2は、電気的に並列に接続されている。積層コンデンサ1では、第1容量部C1と第2容量部C2とは、電気的に直列に接続されている。具体的には、第1容量部C1と第2容量部C2とは、第1接続導体5及び第2接続導体6によって電気的に接続される複数の第3内部電極16により、電気的に直列に接続されている。なお、図4に示す第1容量部C1及び第2容量部C2の数は、図2に示す第1内部電極12、第2内部電極14及び第3内部電極16の数と必ずしも一致していない。
図1及び図2に示されるように、金属端子20,22は、第1外部電極3及び第2外部電極4にそれぞれ電気的に接続されている。金属端子20は、積層コンデンサ1(素体2)の端面2aに対向するように配置されている。金属端子20は、第1外部電極3と電気的に接続されている。金属端子20は、第1外部電極3を介して、第1内部電極12と電気的に接続されている。金属端子20は、L字形状を呈している。
金属端子20は、接続部24と、脚部25と、を備えている。接続部24及び脚部25は、板部材である。接続部24及び脚部25は、一体に形成されている。接続部24は、第1外部電極3(素体2の端面2a)と対向する一面24sを有している。接続部24には、第1外部電極3における端面2aに配置されている電極部分3aが電気的に接続されている。接続部24は、第1方向D1に延びており、第2方向D2から見て、矩形状を呈している。
接続部24には、突起部24aが設けられている。突起部24aは、接続部24の一端24bと他端24cとの間において、第1外部電極3と対向する位置に配置されている。突起部24aは、接続部24から第1外部電極3(積層コンデンサ1)側に突出している。突起部24aは、第1方向D1において、積層コンデンサ1の素体2の主面2d側に設けられている。本実施形態では、突起部24aは、接続部24の一部を屈曲させることにより形成されている。なお、突起部24aは、接続部24に別部材が配置されることにより構成されていてもよい。
脚部25は、接続部24の一端(下端)24bから第2方向D2に延在しており、第1方向D1から見て、矩形状を呈している。接続部24と脚部25とは、互いに交差する方向(本実施形態では、互いに直交する方向)に延びている。脚部25は、他の電子機器(例えば、回路基板又は電子部品など)に接続される。
金属端子22は、積層コンデンサ1(素体2)の端面2bに対向するように配置されている。金属端子22は、第2外部電極4と電気的に接続されている。金属端子22は、第2外部電極4を介して、第2内部電極14と電気的に接続されている。金属端子22は、L字形状を呈している。
金属端子22は、接続部26と、脚部27と、を備えている。接続部26及び脚部27は、板部材である。接続部26及び脚部27は、一体に形成されている。接続部26は、第2外部電極4(素体2の端面2b)と対向する一面26sを有している。接続部26には、第2外部電極4における端面2bに配置されている電極部分が電気的に接続されている。接続部26は、第1方向D1に延びており、第2方向D2から見て、矩形状を呈している。
接続部26には、突起部26aが設けられている。突起部26aは、第2外部電極4と対向する位置に配置されている。突起部26aは、接続部26から第2外部電極4(積層コンデンサ1)側に突出している。突起部26aは、第1方向D1において、積層コンデンサ1の素体2の主面2d側に設けられている。本実施形態では、突起部26aは、接続部26の一部を屈曲させることにより形成されている。なお、突起部26aは、接続部26に別部材が配置されることにより構成されていてもよい。
脚部27は、接続部26の一端26bから第2方向D2に延在しており、第1方向D1から見て、矩形状を呈している。接続部26と脚部27とは、互いに交差する方向(本実施形態では、互いに直交する方向)に延びている。脚部27は、他の電子機器(例えば、回路基板又は電子部品など)に接続される。
接合部30は、第1外部電極3と金属端子20とを接合している。本実施形態では、第1外部電極3の電極部分3aと金属端子20の接続部24とが、接合部30により接合されている。接合部30は、第1外部電極3と金属端子20を電気的に接続している。
接合部30は、第1接合部材33と、第2接合部材34と、を含んでいる。第1接合部材33は、はんだからなる。はんだとしては、例えば、錫を主成分とする非鉛系はんだなどが用いられる。
第1接合部材33は、接続部24の突起部24aと接続部24の他端24cとの間において、突起部24aと第2接合部材34との間に配置されている。すなわち、第1接合部材33は、第1方向D1において、第2接合部材34よりも下方で且つ突起部24aよりも上方に配置されている。第1接合部材33は、第1方向D1において所定の幅を有していると共に、第3方向D3に沿って延在している。
第2接合部材34は、例えば、絶縁性の樹脂からなる。第2接合部材34は、樹脂接着剤により形成されている。樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂である。熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、又はポリイミド樹脂などが用いられる。
第2接合部材34は、第1方向D1において、第1接合部材33よりも上方に配置されている。第2接合部材34は、内部電極が引き出される位置(素体2の端面2aに露出する位置)に配置されている。本実施形態では、第2接合部材34は、第1内部電極12が引き出される位置に配置されている。
第2接合部材34は、第1外部電極3の電極部分3a及び電極部分3b上に配置されている。第2接合部材34は、第1外部電極3の電極部分3a及び電極部分3bにわたって連続して配置されている。図1に示されるように、第2接合部材34は、電極部分3bにおいて、第3方向D3での中央部分に配置されている。すなわち、第2接合部材34は、電極部分3bにおいて、第3方向D3での両端部側に配置されていない。
電子部品装置100では、接続部24の突起部24aと接続部24の一端24bとの間において、接続部24と第1外部電極3との間に隙間G1が形成されている。すなわち、接合部30は、接続部24の突起部24aと接続部24の一端24bとの間において、接続部24と第1外部電極3との間に配置されていない。隙間G1の幅は、接合部30の幅(厚み)に応じて適宜設定される。
接合部32は、第2外部電極4と金属端子22とを接合している。本実施形態では、第2外部電極4の電極部分4aと金属端子22の接続部26とが、接合部32により接合されている。接合部32は、第2外部電極4と金属端子22を電気的に接続している。接合部32は、第1接合部材35と、第2接合部材36と、を含んでいる。第1接合部材35は、はんだからなる。第2接合部材36は、例えば、絶縁性の樹脂からなる。
第1接合部材35は、接続部26の突起部26aと接続部26の他端26cとの間において、突起部26aと第2接合部材36との間に配置されている。すなわち、第1接合部材35は、第1方向D1において、第2接合部材36よりも下方で且つ突起部26aの上方に配置されている。第1接合部材35は、第1方向D1において所定の幅を有していると共に、第3方向D3に沿って延在している。
第2接合部材36は、第1方向D1において、第1接合部材35よりも上方に配置されている。第2接合部材36は、内部電極が引き出される位置(素体2の端面2aに露出する位置)に配置されている。本実施形態では、第2接合部材36は、第1内部電極12が引き出される位置に配置されている。
第2接合部材36は、第1外部電極3の電極部分3a及び電極部分3b上に配置されている。第2接合部材36は、第1外部電極3の電極部分3a及び電極部分3bにわたって連続して配置されている。図1に示されるように、第2接合部材36は、電極部分3bにおいて、第3方向D3での中央部分に配置されている。すなわち、第2接合部材36は、電極部分3bにおいて、第3方向D3での両端部側に配置されていない。
電子部品装置100では、接続部26の突起部26aと接続部26の一端26bとの間において、接続部26と第2外部電極4との間に隙間G2が形成されている。すなわち、接合部32は、接続部26の突起部26aと接続部26の一端26bとの間において、接続部26と第2外部電極4との間に配置されていない。隙間G2の幅は、接合部32の幅(厚み)に応じて適宜設定される。
以上説明したように、本実施形態に係る電子部品装置100では、接合部30,32は、樹脂からなる第1接合部材33,35と、はんだからなる第2接合部材34,36と、を含んでいる。これにより、例えば、はんだからなる第2接合部材34,36の接合強度に不足が生じている場合であっても、第1接合部材33,35によって強度を補うことができる。したがって、電子部品装置100では、接合強度を確保できる。
本実施形態に係る電子部品装置100では、金属端子20,22の接続部24,26には、突起部24a,26aが設けられている。第1接合部材33,35は、突起部24a,26aと接続部24,26の他端24c,26cとの間において、突起部24a,26aと第2接合部材34,36との間に配置されている。この構成では、突起部24a(26a)と第1外部電極3(第2外部電極4)との間隔が狭くなっているため、第1接合部材33(35)を形成するときに、はんだが金属端子20(22)と第1外部電極3(第2外部電極4)との間から流れ出ることを突起部24a(26a)によって抑制できる。したがって、第1接合部材33,35が確実に形成される。その結果、電子部品装置100では、接合強度の低下を抑制できる。
積層コンデンサ1においては、積層コンデンサ1に撓みが発生した場合、第1外部電極3及び第2外部電極4の縁に応力が集中し易い。そのため、素体2におけるクラックは、第1外部電極3及び第2外部電極4の縁を起点として発生し得る。電子部品装置100では、第1接合部材33(35)は、突起部24a(26a)と接続部24(26)の他端24c(26c)との間において、突起部24a(26a)と第2接合部材34(36)との間に配置されている。すなわち、はんだからなる第1接合部材33(35)は、接続部24(26)の他端24c(26c)側に位置する第1外部電極3(第2外部電極49)の縁(電極部分3b(4b))から離れた位置に配置される。第1外部電極3(第2外部電極4)の縁の近傍には、第2接合部材34(36)が配置される。樹脂からなる第2接合部材34(36)は、柔軟性を有している。そのため、電子部品装置100では、回路基板等から金属端子20(22)を介して与えられる応力(ストレス)を第2接合部材34(36)で緩和できる。これにより、第1外部電極3(第2外部電極4)の縁に応力が集中することを抑制できる。したがって、電子部品装置100では、素体2にクラックが発生することを抑制できる。
本実施形態に係る電子部品装置100では、突起部24a(26a)と接続部24(26)の一端24b(26b)との間において、接続部24(26)と第1外部電極3(第2外部電極4)との間に隙間G1(G2)が形成されている。この構成では、接続部24(26)の一端24b(26b)側に位置する第1外部電極3(第2外部電極4)の縁の近傍に接合部30(32)が配置されない。そのため、電子部品装置100では、回路基板等から金属端子20(22)を介して与えられる応力が第1外部電極3(第2外部電極44)の縁に集中することを抑制できる。したがって、電子部品装置100では、素体2にクラックが発生することを抑制できる。
本実施形態に係る電子部品装置100では、第2接合部材34(36)は、端面2a(2b)と、接続部24(26)の他端24c(26c)側に位置する一方の主面2cと、にわたって配置されている。この構成では、第2接合部材34(36)が端面2a(2b)及び主面2cに配置されるため、接合強度をより一層確保できる。また、第2接合部材34(36)は、接続部24(26)の他端24c(26c)側に位置する第1外部電極3(第2外部電極4)の縁の近傍に配置される。したがって、回路基板等から金属端子20(22)を介して与えられる応力を第2接合部材34(36)で緩和できる。これにより、電子部品装置100では、第1外部電極3(第2外部電極4)の縁に応力が集中することを抑制できる。したがって、電子部品装置100では、素体2にクラックが発生することを抑制できる。
本実施形態に係る電子部品装置100の積層コンデンサ1では、第1内部電極12と第3内部電極16とにより第1容量部C1が構成されており、第2内部電極14と第3内部電極16とにより第2容量部C2が構成されている。積層コンデンサ1では、第1接続導体5及び第2接続導体6によって、複数の第3内部電極16が電気的に接続される。これにより、第1容量部C1と第2容量部C2とが、電気的に直列に接続される。そのため、例えば、一方の容量部に不具合が生じた場合には、静電容量及び抵抗値に変化が生じる。そのため、電子部品装置100では、実装後に積層コンデンサ1に不具合が発生していたとしても、その不具合を検出することができる。
本実施形態に係る電子部品装置100の積層コンデンサ1では、第1内部電極12は、素体2内において一方の主面2c側に配置されており、第2内部電極14は、素体2内において他方の主面2d側に配置されており、第3内部電極16は、第1内部電極12及び第2内部電極14のそれぞれと対向して配置されている。この構成では、第1容量部C1が一方の主面2c側の領域に構成され、第2容量部C2が他方の主面2d側の領域に構成される。そのため、積層コンデンサ1では、第1外部電極3及び第2外部電極4の両方側から素体2にクラックが発生した場合であっても、例えば、第1内部電極12は破損し得るが、第2内部電極14の破損を回避し得る。したがって、積層コンデンサ1では、第2容量部C2を保護することが可能となる。このように、積層コンデンサ1では、素体2にクラックが生じた場合であっても一部の容量部を保護できる。
本実施形態に係る電子部品装置100では、積層コンデンサ1の素体2の一方の主面2cは、金属端子20,22の接続部24,26の他端24c,26c側に位置している。隙間G1,G2は、第2内部電極14が引き出される素体2の端面2bに対応する位置に形成されている。この構成では、接合部30,32は、第2内部電極14が引き出される位置に配置されない。すなわち、接合部30,32は、他方の主面2d側に位置する第1外部電極3及び第2外部電極4それぞれの縁の近傍に配置されない。そのため、回路基板等から金属端子20,22を介して与えられる応力が第1外部電極3及び第2外部電極4それぞれの縁に集中することを抑制できる。したがって、第2内部電極14がクラックによって破損することを抑制できる。そのめ、少なくとも、第2容量部C2を保護することが可能となる。このように、電子部品装置100では、積層コンデンサ1の素体2にクラックが生じた場合であっても一部の容量部を保護できる。
上記実施形態では、複数の第1内部電極12が主面2c側の領域に配置されており、複数の第2内部電極14が主面2d側の領域に配置されている形態を一例に説明した。すなわち、第1容量部C1が主面2c側の領域に構成され、第2容量部C2が主面2c側の領域に構成される形態を一例に説明した。しかし、複数の第1内部電極12が主面2d側の領域に配置され、複数の第2内部電極14が主面2c側の領域に配置されていてもよい。
[第2施形態]
図5に示されるように、第2実施形態に係る電子部品装置110は、積層コンデンサ1Aと、金属端子20,22と、接合部30,32と、を備えている。金属端子20,22及び接合部30,32は、第1実施形態と同様の構成を有している。
積層コンデンサ1Aは、素体2と、素体2の外表面に配置された第1外部電極3、第2外部電極4、第1接続導体5(図1参照)及び第2接続導体6と、を備えている。
積層コンデンサ1Aは、素体2内に配置されている内部導体として、複数の第1内部電極12Aと、複数の第2内部電極14Aと、複数の第3内部電極16と、を備えている。本実施形態では、複数の第1内部電極12の数(ここでは6個)は、複数の第2内部電極14の数と同じである。
第1内部電極12A及び第2内部電極14Aは、素体2の第1方向D1において同じ位置(層)に配置されている。第1内部電極12A及び第2内部電極14Aと第3内部電極16とは、素体2内において、第1方向D1に間隔を有して対向するように交互に配置されている。
複数の第1内部電極12Aは、素体2の第2方向D2において、一方の端面2a側の領域に配置されている。本実施形態では、複数の第1内部電極12Aは、素体2の第2方向D2での中央部分よりも、一方の端面2a側の領域に配置されている。
図6に示されるように、第1内部電極12Aの一端は、一方の端面2aに露出している。第1内部電極12の他端は、第2内部電極14Aの他端と所定の間隔をあけて離間している。第1内部電極12は、他方の端面2b、一対の主面2c,2d、及び、一対の側面2e,2fには露出していない。第1内部電極12は、一方の端面2aに露出した端部が第1外部電極3に電気的に接続されている。
複数の第2内部電極14Aは、素体2の第2方向D2において、他方の端面2b側の領域に配置されている。本実施形態では、複数の第2内部電極14Aは、素体2の第2方向D2での中央部分よりも、他方の端面2b側の領域に配置されている。本実施形態では、第2内部電極14Aは、第1内部電極12Aと同じ形状を呈していると共に、同じ寸法を有している。
第2内部電極14Aの一端は、他方の端面2bに露出している。第2内部電極14Aの他端は、第1内部電極12Aの他端と所定の間隔をあけて離間している。第2内部電極14Aは、一方の端面2a、一対の主面2c,2d、及び、一対の側面2e,2fには露出していない。第2内部電極14は、他方の端面2bに露出した端部が第2外部電極4に電気的に接続されている。
各第3内部電極16は、主電極部16aと、接続部16b,16cと、を含んでいる。主電極部16aは、第1方向D1で素体2の一部(誘電体層10)を介して、第1内部電極12及び第2内部電極14と対向している。
図7に示されるように、積層コンデンサ1Aは、第1容量部C11と、第2容量部C22と、を備える。第1容量部C11は、素体2内において第1方向D1に間隔を有して対向するように交互に配置されている第1内部電極12Aと第3内部電極16とにより構成されている。本実施形態では、第1容量部C11は、素体2の第2方向D2での中央部分よりも、一方の端面2a側の領域に構成されている。第1容量部C11は、第1コンデンサ成分を構成している。
第2容量部C22は、素体2内において第1方向D1に間隔を有して対向するように交互に配置されている第2内部電極14Aと第3内部電極16とにより構成されている。本実施形態では、第2容量部C22は、素体2の第2方向D2での中央部分よりも、他方の端面2b側の領域に構成されている。第2容量部C22は、第2コンデンサ成分を構成している。
積層コンデンサ1Aでは、複数の第1容量部C11は、電気的に並列に接続されており、複数の第2容量部C22は、電気的に並列に接続されている。積層コンデンサ1Aでは、第1容量部C11と第2容量部C22とは、電気的に直列に接続されている。具体的には、第1容量部C11と第2容量部C22とは、第1接続導体5及び第2接続導体6によって電気的に接続される複数の第3内部電極16により、電気的に直列に接続されている。なお、図7に示す第1容量部C11及び第2容量部C22の数は、図5に示す第1内部電極12A、第2内部電極14A及び第3内部電極16の数と必ずしも一致していない。
以上説明したように、本実施形態に係る電子部品装置110では、第1実施形態に係る電子部品装置100と同様に、電子部品装置100では、接合強度の低下を抑制できる。
本実施形態に係る電子部品装置110の積層コンデンサ1Aでは、第1容量部C11が一方の端面2a側の領域に構成され、第2容量部C22が他方の端面2b側の領域に構成される。そのため、積層コンデンサ1Aでは、素体2に撓みが生じて主面2c,2d側から素体2にクラックが発生した場合であっても、例えば、他方の端面2b側に配置された第2内部電極14Aは破損し得るが、一方の端面2a側に配置された第1内部電極12Aの破損を回避し得る。したがって、積層コンデンサ1Aでは、第1容量部C11を保護することが可能となる。このように、電子部品装置110では、積層コンデンサ1Aの素体2にクラックが生じた場合であっても一部の容量部を保護できる。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
上記実施形態では、電子部品が積層コンデンサである形態を一例に説明した。しかし、電子部品は、積層コンデンサに限定されない。
上記実施形態では、複数の内部電極として、第1内部電極12(12A)、第2内部電極14(14A)及び第3内部電極16を含み、第1内部電極12(12A)と第3内部電極16とにより第1容量部C1(C11)が構成され、第2内部電極14(14A)と第3内部電極16とにより第2容量部C2(C22)が構成される形態を一例に説明した。しかし、積層コンデンサ(電子部品)では、2つの内部電極が交互に積層されることにより1つの容量部が構成されていてもよい。
上記実施形態では、積層コンデンサ1,1Aにおいて、素体2の側面2e,2fに第1接続導体5及び第2接続導体6を備える形態を一例に説明した。しかし、接続導体は、他の面に配置されていてもよい。また、積層コンデンサは、素体の外表面に接続導体が配置されていなくてもよい。この場合、複数の第3内部電極16は、例えば、ビア導体で接続されていてもよい。
上記実施形態では、第2接合部材34が第1外部電極3の電極部分3b(素体2の主面2c)上にも配置されている形態を一例に説明した。しかし、第2接合部材34は、電極部分3b上に配置されていなくてもよい。同様に、第2接合部材36は、電極部分4b上に配置されていなくてもよい。
上記実施形態では、第2接合部材34及び第2接合部材36が絶縁性の樹脂からなる形態を一例に説明した。しかし、第2接合部材は、導電性の樹脂であってもよい。
図8に示されるように、第1接合部材33は、その一部が突起部24aに配置されていてもよい。この場合、接続部24の突起部24aと接続部24の他端24cとの間とは、突起部24aの頂部と他端24cとの間のことである。また、第1接合部材35は、その一部が突起部26aに配置されていてもよい。
図9に示されるように、電子部品装置120の積層コンデンサ1Bは、素体2と、素体2の外表面に配置された第1外部電極3及び第2外部電極4と、を備えている。すなわち、積層コンデンサ1Bは、接続導体を備えていない。積層コンデンサ1Bは、素体2内に配置されている内部導体として、複数の第1内部電極12Bと、複数の第2内部電極14Bと、を備えていてもよい。複数の第1内部電極12Bは、第1外部電極3に電気的に接続されている。複数の第2内部電極14Bは、第2外部電極4に電気的に接続されている。第1内部電極12Bと第2内部電極14Bとは、素体2内において、第1方向D1に間隔を有して対向するように交互に配置されている。
上記実施形態では、第1外部電極3が、電極部分3a〜3eを有する形態を一例に説明した。しかし、第1外部電極3は、少なくとも、電極部分3aを有していればよい。同様に、第2外部電極4は、少なくとも、電極部分4aを有していればよい。
上記実施形態では、第1内部電極12,12A、第2内部電極14,14A及び第3内部電極16が、素体2の側面2e,2fに対して直交すると共に一対の端面2a,2bの対向方向に沿って延在している形態を一例に説明した。すなわち、誘電体層10の積層方向が、一対の主面2c,2dの対向方向である形態を一例に説明した。しかし、第1内部電極、第2内部電極及び第3内部電極は、素体2の主面2c,2dに直交すると共に一対の端面2a,2bの対向方向に沿って延在していてもよい。