JP6917291B2 - 非接触環状シール、遠心ポンプ、インペラリング、及びケーシングリング - Google Patents

非接触環状シール、遠心ポンプ、インペラリング、及びケーシングリング Download PDF

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Description

本発明は非圧縮性流体を移送するための遠心ポンプに関し、特に、遠心ポンプの羽根車とケーシング間に用いられる非接触環状シールに関する。
圧縮性流体(例えば、水)を移送するためのポンプとして、遠心ポンプが知られている。遠心ポンプは、羽根車の半径方向外側にディフューザが設けられたディフューザポンプと、羽根車の半径方向外側にボリュート室が設けられた渦巻ポンプとに大別される。渦巻ポンプでは、羽根車から吐出された液体が直接ボリュート室に流入し、ディフューザポンプでは、羽根車から吐出された液体はディフューザを通過し、液体の速度エネルギが圧力エネルギに変換される。
図1は、遠心ポンプの液体の流入部及び吐出部を示す概略断面図である。図1に示されるように、遠心ポンプにおいて羽根車101から吐出された液体は、羽根車101の液体入口101aにおける液体の圧力PLよりも高い圧力Phを有する。羽根車101から吐出された液体の多くは、加圧された液体を必要とする送水先に送られる。すなわち、液体は、ケーシング103を貫通する吐出流路106を通じてポンプ外の需要者などに向けて送水され、これにより、ポンプ本来の機能が達成される。
ところで、羽根車101を収容するケーシング103と、羽根車101との間には、回転する羽根車101がケーシング103と接触しないように、隙間が設けられている。その隙間の吸込側の圧力は圧力PLであり、隙間の吐出側の圧力は圧力Phである。したがって、隙間の吸込側と吐出側には圧力差が存在する。このため、羽根車101から吐出された液体の一部は、送水先に送られずに、羽根車101とケーシング103との間の隙間を通って、羽根車101の吸込側に流入する漏れ流れ(図1に示す一点鎖線矢印参照)となる。すなわち、羽根車101から吐出された液体の一部は、再び羽根車101の吸込側に戻される。
このような吐出側から吸込側への漏れ流れは、ポンプ効率を低下させる。この漏れ流れを低減するため、ロータ(羽根車)とステータ(ケーシング)の間の隙間には、非接触環状シールが設けられる。一般に、非接触環状シールの形態がどのようなものであっても、ロータとステータの間の隙間を小さくするほど漏洩量を低減することができる。しかしながら、ロータには軸を中心とした振れ回りがあるので、隙間を狭めるほど、羽根車の回転時に羽根車とケーシングが接触しやすくなる。その結果、羽根車又はケーシングの破損、両者の摺動摩耗による動力ロス、又は異音振動の発生等の、安定的なポンプの運転には好ましくない状態が発生する恐れがある。したがって、隙間を小さくすることには限界がある。
羽根車とケーシングが接触しても破損または摩耗が発生し難いように、羽根車101側の接触面には、インペラリング105a(ウェアリング)が設けられ、ケーシング103側の接触面には、ケーシングリング105b(ライナーリング)が設けられる。具体的には、インペラリング105aは、羽根車101のシュラウド116の吸込側端部に固定される。また、ケーシングリング105bは、ケーシング103の壁面に固定される。インペラリング105a及びケーシングリング105bにより、ウェアリング部105が形成される。なお、インペラリング105a及びケーシングリング105bは、ともに環状であり、破損しにくい材料で形成される。
このように、インペラリング105aの外周面とケーシングリング105bの内周面とを、僅かな隙間を設けて対向させてウェアリング部105を形成することで、このウェアリング部105を、漏れ流れを制限する非接触環状シールとして機能させることができる。また、このウェアリング部105によれば、インペラリング105aとケーシングリング105bが接触して破損又は摩耗が発生したとしても、それら2つのリングを交換するだけでポンプを修理することができる。
非接触環状シールは、その形態に基づいて2種類に大きく分類される。非接触環状シールの第一の形態は、流路面、すなわち隙間を有して向かい合うインペラリングの外周面とケーシングリングの内周面とが、平行に滑らかに向かい合っている状態の平行環状シールである。即ち、平行環状シールの互いに対向する面は平滑面である。非接触環状シールの第二の形態は、流路面の各々またはどちらか一方の面に溝や穴などが形成された環状シールである。流路面の凹凸の形状により、圧力場がなだらかになる一方で、回転体の摩擦力の影響が増加する。
第一の形態と第二の形態を比較すると、いずれの形態も一長一短がある。第一の形態の平行環状シールは、第二の形態に比べて加工が容易であり、振動が発生しにくい。しかしながら同一の最少隙間寸法の第二の形態の環状シールに比べて漏れ量が多いという欠点がある。溝又は穴などが形成された第二の形態の環状シールは、同一の最少隙間寸法の第一の形態の環状シールに比べて漏れ量を少なくすることができる。しかしながら、第二の形態の環状シールでは振動が生じ易く、また加工費用がかかるという欠点がある。なお、第二の形態における上記振動は、流体の性質に応じてその程度が異なる。具体的には非圧縮性流体では、他の性質の流体に比べ、振動が激しくなる傾向がある。
本発明は、上述の事情に鑑みてなされたものである。その目的は、非圧縮性流体を移送するための遠心ポンプにおいて、製造コストが安価で、吐出側から吸込側への環状シールを通した漏れ流れを低減させることができ、しかも振動が発生しにくいウェアリング部を備えた遠心ポンプを提供することである。
本発明の第1形態によれば、回転体と、前記回転体と半径方向に隙間を有して対向する静止部材とを備え、前記隙間の高圧側から低圧側に軸方向に流れる流体の流量を低減する非接触環状シールが提供される。前記回転体及び前記静止部材は、互いに対向する平滑な対向面を有し、前記回転体及び前記静止部材の少なくとも一つは、前記軸方向に平行な断面において前記対向面に対して鋭角に傾斜するように構成された傾斜面を、前記高圧側の端面に有する。
本発明の第2形態によれば、回転機械の回転体と静止部材が、互いに半径方向に隙間を有して向かい合う部分で、該隙間の高圧側から低圧側に軸方向に流れる流体の流量を低減する非接触環状シールが提供される。この非接触環状シールは、前記隙間で向かい合う回転体と静止部材の各々の面が、平行に滑らかに向かい合っているとともに、前記軸方向に平行な断面において、前記回転体と前記静止部材の前記隙間を形成する平行線と、前記回転体及び前記静止部材の少なくともいずれか一方の前記隙間の断面の平行線の前記高圧側の起点とのなす角が鋭角な形状である。
本発明の第3形態によれば、第2形態の非接触環状シールにおいて、前記隙間の高圧側入り口は、前記回転機械のポンプ機能による流れ方向とは異なる方向に向けた流れが流入する。
本発明の第4形態によれば、第2又は第3形態の非接触環状シールにおいて、前記回転体と前記静止部材の前記隙間で向かい合う各々の面が、前記隙間の高圧側端部から低圧側端部まで平行に滑らかに向かい合っている。
本発明の第5形態によれば、第2形態から第4形態のいずれかの非接触環状シールにおいて、前記隙間の高圧側と低圧側の圧力差は1kgf/cm以上である。
本発明の第6形態によれば、第2形態から第5形態のいずれかの非接触環状シールにおいて、前記回転体と前記静止部材の前記隙間を形成する平行線と、前記回転体及び前記静止部材の少なくともいずれか一方の前記隙間断面の平行線の前記高圧側の起点とのなす角は15度から60度である。
本発明の第7形態によれば、第2形態から第6形態のいずれかの非接触環状シールにおいて、前記回転体と該静止部材の該隙間を形成する平行線の長さLと、該回転体及び前記静止部材の少なくともいずれか一方の前記隙間断面の平行線の前記高圧側の起点とのなす鋭角により形成される尖縁部高さhとの比h/Lが0.2以上0.5以下である。
本発明の第8形態によれば、回転体と、前記回転体と半径方向に隙間を有して対向する静止部材とを備え、前記隙間の高圧側から低圧側に軸方向に流れる流体の流量を低減する非接触環状シールを備えた遠心ポンプが提供される。前記回転体及び前記静止部材は、互いに対向する平滑な対向面を有し、前記回転体及び前記静止部材の少なくとも一つは、前記軸方向に平行な断面において前記対向面に対して鋭角に傾斜するように構成された傾斜面を、前記高圧側の端面に有する。
本発明の第9形態によれば、回転機械の回転体と静止部材が、互いに半径方向に隙間を有して向かい合う部分で、該隙間の高圧側から低圧側に軸方向に流れる流体の流量を低減する非接触環状シールを備えた遠心ポンプが提供される。前記非接触環状シールは、前記隙間で向かい合う回転体と静止部材の各々の面が、平行に滑らかに向かい合っているとともに、前記軸方向に平行な断面において、前記回転体と前記静止部材の前記隙間を形成する平行線と、前記回転体及び前記静止部材の少なくともいずれか一方の前記隙間の断面の平行線の前記高圧側の起点とのなす角が鋭角な形状である。
本発明の第10形態によれば、遠心ポンプの羽根車とケーシングが、互いに半径方向に隙間をもって向かい合う部分の羽根車外周に備えられ、該隙間の高圧側から低圧側に軸方向に流れる流体の流量を低減する非接触環状シールのインペラリングが提供される。前記インペラリングの外周面は円筒状であり、前記インペラリングの軸方向断面において、前記インペラリングの外周面を形成する平行線と、前記インペラリングの軸方向の少なくとも一端におけるなす角が鋭角な形状である。
本発明の第11形態によれば、遠心ポンプの羽根車とケーシングが、互いに半径方向に隙間をもって向かい合う部分のケーシング内周に備えられ、前記隙間の高圧側から低圧側に軸方向に流れる流体の流量を低減する非接触環状シールのケーシングリングが提供される。前記ケーシングリング内周面が円筒状であり、前記ケーシングリングの軸方向断面において、前記ケーシングリングの内周面を形成する平行線と、前記ケーシングリングの軸方向の少なくとも一端におけるなす角が鋭角な形状である。
非接触平行環状シールの、軸に平行な断面で切ったときに見られる隙間断面の平行線と、回転体と静止部材のいずれか一方の隙間断面の平行線の高圧側の起点とのなす角を鋭角
な形状とすると、鋭角にするほどシールの隙間内の圧力損失が大きくなるので、一般的に溝等を有する非接触環状シールに比べて漏れ性能が劣る平行環状シールであっても、漏れ量を低減することが可能になった。
遠心ポンプの液体の流入部及び吐出部を示す概略断面図である。 本実施形態に係る非接触環状シールのシール性能の評価装置の全体図である。 図2Aに示した非接触環状シールの軸方向の拡大断面図である。 圧力差が1Kgf/cm2のときの角度θs及び角度θrに対する入口圧力損失を示すグラフである。 従来の非接触環状シールの軸方向断面を示す図である。 本実施形態に係る非接触環状シールの一例の軸方向断面を示す図である。 本実施形態に係る非接触環状シールの他の例の軸方向断面を示す図である。 比較例に係る非接触環状シールの軸方向断面を示す図である。 比較例に係る非接触環状シールの軸方向断面を示す図である。 比較例に係る非接触環状シールの軸方向断面を示す図である。 他の実施形態に係る非接触環状シールの静止部材の起点の拡大断面図である。 尖縁部高さ及びシール部長さを示した非接触環状シールの概略側断面図である。 割合h/Lに対する漏れ比を示すグラフである。 本実施形態の非接触環状シールをインペラリングとケーシングリングに用いた遠心ポンプの概略図である。 図12Aに示した遠心ポンプの試験装置を示す概略図である。
以下に、本実施形態に係る非接触環状シールの詳細が明らかにされる。図2Aは、本実施形態に係る非接触環状シールのシール性能の評価装置の全体図である。図2Aに示すように、この評価装置10は、高圧側水槽(タンク)12と、低圧側水槽(タンク)14と、高圧側水槽12と低圧側水槽14とを区画する高低圧仕切壁16と、を有する。高低圧仕切壁16は、高圧側水槽12と低圧側水槽14とを流体連通する流路16aと、この流路16aを通過する水の流量を調整する流量調整弁16bとを有する。高圧側水槽12と低圧側水槽14の各々は、さらに、シール性能評価槽仕切壁12c,14cを有する。シール性能評価槽仕切壁12cにより、高圧側水槽12は、高圧槽12aと、評価用高圧槽12bとに仕切られる。同様に、シール性能評価槽仕切壁14cにより、低圧側水槽14は、低圧槽14aと、評価用低圧槽14bとに仕切られる。高圧槽12aと低圧槽14aは、高低圧仕切壁16に設けられた流路16aにより互いに連通する。評価用高圧槽12b及び評価用低圧槽14bは、シール性能評価槽仕切壁12c,14cにより高圧槽12a及び低圧槽14aから分離されているので、高低圧仕切壁16に設けられた流路16aの水の流れ等に影響されることなく、シール性能を評価することができる。
評価装置10は、さらに、高圧槽12aと低圧槽14aとを連通するポンプ流路17と、ポンプ流路17に設けられるポンプ18とを有する。ポンプ18は、低圧槽14aの内部の水を加圧して高圧槽12aに供給する。高圧槽12aに供給された水は、流量調整弁16bにより減圧されて低圧槽14aに戻る。
評価用高圧槽12bと評価用低圧槽14bとの間の高低圧仕切壁16には、回転軸20が通過する貫通孔16cが設けられる。回転軸20は、外部のモータ21により回転するように構成される。高低圧仕切壁16の貫通孔16cの内周には、評価対象の非接触環状
シール40を構成するケーシングリング41が取り付けられる。ケーシングリング41の内周面に対向する回転軸20の外周面には、評価対象の非接触環状シール40を構成するインペラリング42が取り付けられる。
評価装置10は、さらに、高圧槽12aと評価用高圧槽12bとを連通する流路23と、この流路23に設けられる流量計22とを有する。低圧槽14aと評価用低圧槽14bとを区切るシール性能評価槽仕切壁14cは、通水孔14dを有する。評価用高圧槽12bから非接触環状シール40を通過して評価用低圧槽14bに至った水は、シール性能評価槽仕切壁14cに備えられた通水孔14dから低圧槽14aに流入する。このように、評価装置10によれば、ポンプ18により発生する主流の流れの影響を受けずに、非接触環状シール40のシール性能の評価を行うことができる。
図2Bは、図2Aに示した非接触環状シール40の軸方向の拡大断面図である。図2Bにおいては、非接触環状シール40の軸方向における圧力を示すグラフが併記されている。評価用高圧槽12b(高圧側)の非接触環状シール40に近い位置Bと、位置Bよりも遠い位置Aの圧力が、それぞれ圧力計Pと圧力計Pにより計測される(図2A参照)。評価用低圧槽14b(低圧側)の非接触環状シール40に近い位置Cと、位置Cより遠い位置Dの圧力が、それぞれ圧力計Pと圧力計Pにより計測される(図2A参照)。非接触環状シール40に近い位置Bと位置Cの各々と非接触環状シール40の端部との間の軸方向距離は、インペラリング42とケーシングリング41の平均隙間の大きさの30倍以下である。位置Aと位置Dの各々と非接触環状シール40の端部との間の軸方向距離は、インペラリング42とケーシングリング41の平均隙間の長さの50倍以上である。
本実施形態の非接触環状シール40は、インペラリング42の外周面とケーシングリング41の内周面とが、ともに平滑であり、互いに略平行になるように配置された平行環状シールである。非接触環状シール40のインペラリング42は回転軸20に設けられ、ケーシングリング41は静止部材(高低圧仕切壁16)に設けられる。ここで、インペラリング42及びケーシングリング41の高圧側端部を起点43として、軸方向と半径方向になす角を各々θr、θsとする。言い換えれば、図2Bに示す軸方向断面において、ケーシングリング41の内面と、ケーシングリング41の高圧側端面とのなす角をθsとし、インペラリング42の外面と、インペラリング42の高圧側端面とのなす角をθrとする。
次に、評価装置10の評価方法について説明する。図2Aの評価装置10においては、非接触環状シール40の隙間の間隔は一定であり、非接触環状シール40の軸方向に高圧側(評価用高圧槽12b)と低圧側(評価用低圧槽14b)が形成される。この評価装置10において、回転軸20をポンプの運転時の回転数に回転させた状態で、高圧側(評価用高圧槽12b)から低圧側(評価用低圧槽14b)に通水した。水は、非接触環状シール40の隙間を通るときに、回転軸20の回転により周方向に強いせん断力を受けて、回転軸20周囲の狭い隙間を周回(旋回)しながら低圧側(評価用低圧槽14b)に流れる。
高低圧仕切壁16に設けられた流量調整弁16bを調整することで、高圧側(評価用高圧槽12b)と低圧側(評価用低圧槽14b)の圧力差を0.1Kgf/cm、1Kgf/cm、10Kgf/cm、100Kgf/cmとした。それぞれの圧力差の場合に、ケーシングリング41の角度θsとインペラリング42の角度θrを90度、60度、45度、30度としたときの隙間を流れる水の流れを評価した。尚、高圧側と低圧側の圧力差は、位置Aと位置Dの圧力値の差である。
その結果、圧力差が0.1Kgf/cmの場合では、角度θs及び角度θrの大きさ
による影響は見られなかった。一方で、圧力差が1Kgf/cm、10Kgf/cm、100Kgf/cmの場合には、角度θs及び角度θrの大きさによる影響が見られた。具体的には、角度θs及び角度θrの大きさを鋭角にするほど、隙間を流れる水に作用する抵抗が増大することがわかった。すなわち、位置Bの圧力降下δPは、角度θs及び角度θrが90度、60度、45度、30度と鋭角になるに従って大きくなった。また、それに伴い、非接触環状シール40の隙間を流れる漏れ流量は、角度θs及び角度θrが90度、60度、45度、30度となるに従い低減した。このような傾向は、圧力差が1Kgf/cm、10Kgf/cm、100Kgf/cmの場合で同じように見られた。
図3は、圧力差が1Kgf/cmのときの、角度θs及び角度θrに対する入口圧力損失を示すグラフである。なお、ここでは角度θsと角度θrは同一である。図3に示すように、角度θs及び角度θrが90度のときの入口圧力損失を1としたときに、角度θs及び角度θrが45度のときの入口圧力損失は、およそ倍となっている。
次に発明者は、図4から図9に示す6種類の非接触環状シール40について、各シールにおける水の漏洩性能、振動性能、及びコストの評価を行った。ここで、図4から図9に示す非接触環状シール40において、インペラリング42の外径、インペラリング42とケーシングリング41の平均隙間AS、シール部長さL(非接触環状シール40の軸方向長さ)、回転軸20の回転数、高圧側と低圧側の圧力差は全て同一の条件である。尚、高圧側と低圧側の圧力差は、1Kgf/cm、10Kgf/cm、100Kgf/cmの場合について測定した。
図4は、従来の非接触環状シール40の軸方向断面を示す図である。図4に示す非接触環状シール40の軸方向断面において、ケーシングリング41とインペラリング42の対向する面を形成する線は、高圧側から低圧側まで終始平行線を形成する。即ち、請求項4の非接触環状シール40のケーシングリング41の内面とインペラリング42の外面はともに平滑であり互いに平行に対向する。また、ケーシングリング41とインペラリング42の高圧側の起点43がなす角度θs及び角度θrはともに90°である。
図5は、本実施形態に係る非接触環状シール40の一例の軸方向断面を示す図である。図5に示す非接触環状シール40は、図4と同様に、ケーシングリング41とインペラリング42が互いに対向する平滑な面(対向面)を有する。図5に示すように、ケーシングリング41の高圧側の端面は、軸方向に対して傾斜した傾斜面44と、傾斜面44から軸方向に直交して径方向外側に延在する平坦面45とを有する。図5に示す断面において、傾斜面44は、ケーシングリング41の内面に対して鋭角に傾斜するように構成される。即ち、起点43は、傾斜面44と、ケーシングリング41の内面(対向面の一例に相当する)との交差点を意味する。図5に示す非接触環状シール40では、ケーシングリング41の高圧側の起点43がなす角度θsは鋭角である。一方で、インペラリング42の高圧側の起点43がなす角度θrは90°である。本明細書において、図5に示す非接触環状シール40を実施例1とする。
図6は、本実施形態に係る非接触環状シール40の他の例の軸方向断面を示す図である。図6に示す非接触環状シール40では、ケーシングリング41の高圧側の起点43がなす角度θs及びインペラリング42の高圧側の起点43がなす角度θrは鋭角である。図6に示す非接触環状シール40は、図4と同様に、ケーシングリング41とインペラリング42が互いに対向する平滑な面(対向面)を有する。図6に示すように、ケーシングリング41の高圧側の端面は、軸方向に対して傾斜した傾斜面44と、傾斜面44から軸方向に直交して径方向外側に延在する平坦面45とを有する。同様に、インペラリング42の高圧側の端面は、軸方向に対して傾斜した傾斜面44と、傾斜面44から軸方向に直交して径方向外側に延在する平坦面45とを有する。図6に示す断面において、インペラリ
ング42及びケーシングリング41の傾斜面44は、それぞれ、インペラリング42の外面及びケーシングリング41の内面に対して鋭角に傾斜するように構成される。本明細書において、図6に示す非接触環状シール40を実施例2とする。
図7は、比較例に係る非接触環状シール40の軸方向断面を示す図である。図7に示す非接触環状シール40は、ケーシングリング41の内面に回転方向の2条の溝46を有する。溝46は、非接触環状シール40の軸方向中央部よりも低圧側に位置する。図7に示す非接触環状シール40の他の部分は、図6に示した非接触環状シール40と同様である。本明細書において、図7に示す非接触環状シール40は比較例1とする。
図8は、比較例に係る非接触環状シール40の軸方向断面を示す図である。図8に示す非接触環状シール40は、ケーシングリング41の内面に回転方向の6条の溝46を有する。溝46は、非接触環状シール40の軸方向に沿って等間隔に形成される。図8に示す非接触環状シール40の他の部分は、図6に示した非接触環状シール40と同様である。本明細書において、図8に示す非接触環状シール40は比較例2とする。
図9は、比較例に係る非接触環状シール40の軸方向断面を示す図である。図9に示す非接触環状シール40は、比較例2と同様にケーシングリング41の内面に回転方向の6条の溝46を有する。溝46は、非接触環状シール40の軸方向に沿って等間隔に形成される。図9に示す非接触環状シール40の他の部分は、図4に示した非接触環状シール40と同様である。本明細書において、図9に示す非接触環状シール40は比較例3とする。
以上で説明した図4から図9に示した非接触環状シール40における漏洩性能比、振動性能比、及びコスト比を比較した結果の一例を表1に示す。表1においては、図4に示した従来の非接触環状シール40の漏洩性能比、振動性能比、及びコスト比を100とした。漏洩性能比は、漏洩量が多くなるほど小さい数値を示し、漏洩量が少ないほど大きい数値を示す。振動性能比は、振動が激しいほど小さい数値を示し、振動が少ないほど大きい数値を示す。コスト比は、コストが大きいほど小さい数値を示し、コストが小さいほど大きい数値を示す。即ち、いずれの指標においても、数値が大きいほど好ましい結果を示す。尚、鋭角にした角度θs及び角度θrは、60°である。
Figure 0006917291
表1に示されるように、角度θs及び角度θrのいずれか一方又は両方が鋭角である非接触環状シール40、すなわち、実施例1及び実施例2の非接触環状シール40が、従来の非接触環状シールと比べて、漏洩性能、振動性能、およびコストによる総合評価が高い。特に、実施例1及び実施例2の非接触環状シール40には、従来の非接触環状シールには見られない漏洩性能の向上があった。
また、比較例1から比較例3の漏洩性能比の結果を参照すると、ケーシングリング41及びインペラリング42の角度θs及び角度θrを鋭角にすることにより、漏洩性能が向上したことがわかる。しかしながら、比較例1から比較例3は、溝加工がなされていることから、振動性能比およびコスト比の評価が低い。このため、総合的に評価した場合には、実施例1及び実施例2の非接触環状シール40のように、ケーシングリング41の内面とインペラリング42の外面が平滑な非接触環状シール、つまり非接触平行環状シールにおいて、角度θs及び角度θrの少なくとも一方を鋭角とするとよいことが判った。尚、作動流体である非圧縮性流体として、水だけでなく、アルコール及びアンモニアについても同様の評価を行ったところ、同様な傾向が見られた。
以上の評価試験から、非圧縮性流体を作動流体とする回転機械の回転体と静止部材が非接触平行環状シールを構成する場合、溝や穴などが形成された環状シール、例えば比較例1から比較例3における平行溝付きシールのような圧力変動が生じないので、力の不均衡又は液体の流速の変化が生じず、振動が抑制されると考えられる。
次に発明者は、実用に供せる条件の検討を進めた。図10は、他の実施形態に係る非接触環状シール40の静止部材の起点43の拡大断面図である。図10に示すように、非接触環状シール40は、インペラリング等の回転体51と、ケーシングリング等の静止部材52とを有する。回転体51と静止部材52との間には、隙間σが設けられる。また、これまでの試験では注目していなかったが、現実的には、応力の集中を回避するために静止部材52の高圧側の端面は、軸方向と直交する面を有する面取り部53がある。静止部材52の高圧側の端面は、さらに、軸方向に対して傾斜した傾斜面54と、傾斜面54から軸方向に直交して径方向外側に延在する平坦面55とを有する。面取り部53は、静止部材52の内面から径方向外側に延在する。また、傾斜面54は、面取り部53から径方向外側に延在する。非接触環状シール40の内面と高圧側の端面との交差部(起点43)を鋭角にする場合、即ち、図10に示すように起点43が面取りされる場合は、起点43は、静止部材52の内面から延長した仮想線と、傾斜面54から延長した仮想線の交点になる。ここで、鋭角の起点43の面取り幅Cにより、漏洩性能がどのように変化するかを検討した。
表2は、起点43の角度θsと、隙間σに対する面取幅Cの割合との間の漏洩性能比の関係を示した表である。表2には、角度θsとして60度、45度、30度、15度、90度の場合が示される。漏洩性能比は、図4の従来の非接触平行環状シールの漏洩量を100として、漏洩量が少ないほど大きい数値を示す。図4の従来の非接触平行環状シールは90度の角度θsを有し、この場合、面取りは行われない。また、C/σがゼロの場合とは、面取り加工を行っていない状態を意味する。(尚、表1における試験ではC/σは2.5である。)
Figure 0006917291
表2から読み取られるように、隙間σに対する面取幅Cの割合が10以下である場合に、図4の従来の非接触平行環状シールに比べて漏洩性能比が向上している。角度θsとしては、現実的には90度未満15度以上とすることができるが、加工の程度及び強度を考慮すると、60度以下15度以上が好ましく、隙間σに対する面取幅Cの割合は0より大
きく2.5以下が好ましいといえる。
次に、発明者は、ケーシングリング41又はインペラリング42の起点43の平坦面45からの高さを尖縁部高さhと定義し、尖縁部高さhとシール部長さLの割合h/Lに対する漏れ比を検討した。図11Aは、尖縁部高さh及びシール部長さLを示した非接触環状シール40の概略側断面図である。図11Bは、割合h/Lに対する漏れ比を示すグラフである。ここで尖縁部高さhが0の場合、割合h/Lは0である。即ち、この場合は角度θが90度となり、従来の非接触平行環状シールを意味する。図11Bでは、この従来の非接触平行環状シールの漏れ比、即ち従来の非接触平行環状シールの漏れ量を100としたときの漏れ量の割合を縦軸に表している。尚、漏洩性能比は漏れ比の逆数にあたる。図11Bに示すように、割合h/Lの値が0.2から0.5のとき、漏れ量を従来の非接触平行環状シールに比べて90%程度に抑えられることがわかった。
図12Aは、本実施形態の非接触環状シール40をインペラリングとケーシングリングに用いた遠心ポンプの概略図である。遠心ポンプ70は、回転軸71と、回転軸71に取り付けられた羽根車72と、羽根車を収容するケーシング73と、を有する。羽根車72のシュラウド72aの吸込側外周面には、インペラリング42が取り付けられる。ケーシング73は、羽根車72の中心に水等の液体を供給する吸込口75と、羽根車72の回転による遠心力により加圧された水等の液体を外部に供給する吐出口76とを有する。また、ケーシング73は、インペラリング42と対向する内面に、ケーシングリング41を有している。また、回転軸71はケーシング73の外部のモータ等の駆動機77と接続されている。回転軸71とケーシング73との隙間には軸封装置78が配置され、ケーシング73内部の液体が外部に漏洩することが抑制される。
図12Aの遠心ポンプ70のインペラリング42とケーシングリング41に、従来の非接触平行環状シールと本実施形態の非接触平行環状シール40を用いた場合のそれぞれにおいて、遠心ポンプ70の性能評価を行った。従来の非接触平行環状シールは、向かい合うインペラリング42とケーシングリング41の各々の面が、高圧側から低圧側まで平行に滑らかに向かい合ったものである。言い換えれば、従来の非接触平行環状シールは、インペラリング42の外周面とケーシングリング41の内周面とが平滑であり、互いに平行に対向している。また、本実施形態の非接触平行環状シール40のインペラリングの外径、インペラリングとケーシングリングの平均隙間、及びシール部長さは、従来の非接触平行環状シールと同一である。しかし、本実施形態の非接触平行環状シール40は、ケーシングリング41およびインペラリング42の高圧側の角度θs及び角度θrを鋭角とし、割合h/Lの値を0.2以上0.5以下とした。
図12Bは、図12Aに示した遠心ポンプ70の試験装置を示す概略図である。図12Bに示すように、試験装置90は、液体を溜めた水槽91と、遠心ポンプ70に液体を供給する吸込配管92と、遠心ポンプ70が排出した液体を水槽91に戻す吐出配管93とを有する。吸込配管92には、内部の圧力を計測する吸込圧力計Psが設けられる。吐出配管93には、圧力を計測する吐出圧力計Pdと、吐出配管93を流れる液体の流量を計測する流量計FMと、吐出配管93の開度を調節するバルブ94とが設けられる。
図12Bに示されるように、水槽91に溜められた水等の液体は、遠心ポンプ70の吸込口75に流入し、遠心ポンプ70により加圧されて流量計FM及びバルブ94を経由して再び水槽91に戻る。試験装置90において、図12Aに示したモータ21を遠心ポンプ70の通常駆動時の回転数で駆動し、バルブ94の開度を調整する。これにより、遠心ポンプ70は所定流量を移送することができる。この状態において、吸込圧力計Ps及び吐出圧力計Pdにより、吸込圧及び吐出圧を測定した。
なお、上述したように、遠心ポンプ70の吸込口75から羽根車72の中心部に流入する液体は、羽根車72の回転により遠心力を受け、加圧されて羽根車72の径方向に流出する。液体は、ケーシング73のボリュートに沿って旋回して、吐出口76からケーシング73の外部に流出する。羽根車72の径方向に流出した液体のうち、ケーシング73の吐出口76から流出する液体とは別に、僅かな液体が、羽根車72とケーシング73の間を通過し、インペラリング42とケーシングリング41の間を通過して吸込口75に戻る。言い換えると、羽根車72から吐出した液体の一部は、回転機械のポンプ機能による流れ方向とは異なる方向に向けて流れる。したがって、この流れは、ケーシング73のボリュートに沿って旋回して吐出口76からケーシング73の外部に流出する主な流れ(主流)に乱されることがない。
図12Bに示した試験装置90にて、遠心ポンプ70の性能評価をした結果、従来の非接触平行環状シールを備えた場合と比べて本実施形態の非接触平行環状シールを用いた場合は、最高効率で約1.0%上昇した。このときの、吐出圧力計Pdと吸込圧力計Psの圧力差は1Kgf/cm2以上1Kgf/cm2以下であった。従来の非接触環状シールを用いた場合と本実施形態の非接触環状シールを用いた場合のいずれも、顕著な振動はなく静かな運転状態であった。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲及び明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、又は省略が可能である。
20…回転軸
40…非接触環状シール
41…ケーシングリング
42…インペラリング
43…起点
44…傾斜面
51…回転体
52…静止部材
53…面取り部
54…傾斜面
55…平坦面
70…遠心ポンプ
71…回転軸
72…羽根車
73…ケーシング

Claims (10)

  1. 回転機械の回転体と、前記回転体と半径方向に隙間を有して対向する静止部材とを備え、前記隙間の高圧側から低圧側に軸方向に流れる流体の流量を低減する非接触環状シールであって、
    前記回転体及び前記静止部材は、互いに対向する平滑な対向面を有し、
    前記回転体及び前記静止部材の少なくとも一つは、前記軸方向に平行な断面において前記対向面に対して鋭角に傾斜するように構成された傾斜面を、前記高圧側の端面に有し、
    前記隙間の前記高圧側の入り口は、前記回転機械のポンプ機能による流れ方向とは異なる方向に向けた流れが流入し、
    前記回転体と該静止部材の該隙間を形成する平行線の長さLと、該回転体及び前記静止
    部材の少なくともいずれか一方の前記隙間断面の平行線の前記高圧側の起点とのなす鋭角により形成される尖縁部高さhとの比h/Lが0.2以上0.5以下である、非接触環状シール。
  2. 回転機械の回転体と静止部材が、互いに半径方向に隙間を有して向かい合う部分で、該隙間の高圧側から低圧側に軸方向に流れる流体の流量を低減する非接触環状シールにおいて、
    前記隙間で向かい合う回転体と静止部材の各々の面が、平行に滑らかに向かい合っているとともに、
    前記軸方向に平行な断面において、前記回転体と前記静止部材の前記隙間を形成する平行線と、前記回転体及び前記静止部材の少なくともいずれか一方の前記隙間の断面の平行線の前記高圧側の起点とのなす角が鋭角な形状であり、
    前記隙間の高圧側入り口は、前記回転機械のポンプ機能による流れ方向とは異なる方向に向けた流れが流入し、
    前記回転体と該静止部材の該隙間を形成する平行線の長さLと、該回転体及び前記静止
    部材の少なくともいずれか一方の前記隙間断面の平行線の前記高圧側の起点とのなす鋭角により形成される尖縁部高さhとの比h/Lが0.2以上0.5以下であることを特徴と
    する非接触環状シール。
  3. 前記回転体と前記静止部材の前記隙間で向かい合う各々の面が、前記隙間の高圧側端部から低圧側端部まで平行に滑らかに向かい合っていることを特徴とする請求項2に記載の非接触環状シール。
  4. 前記隙間の高圧側と低圧側の圧力差は1kgf/cm2以上であることを特徴とする請
    求項2または3に記載の非接触環状シール。
  5. 前記回転体と前記静止部材の前記隙間を形成する平行線と、前記回転体及び前記静止部材の少なくともいずれか一方の前記隙間断面の平行線の前記高圧側の起点とのなす角は15度から60度であることを特徴とする請求項2から4のいずれか一項に記載の非接触環状シール。
  6. 回転体と、前記回転体と半径方向に隙間を有して対向する静止部材とを備え、前記隙間の高圧側から低圧側に軸方向に流れる流体の流量を低減する非接触環状シールを備えた遠心ポンプにおいて、
    前記回転体及び前記静止部材は、互いに対向する平滑な対向面を有し、
    前記回転体及び前記静止部材の少なくとも一つは、前記軸方向に平行な断面において前記対向面に対して鋭角に傾斜するように構成された傾斜面を、前記高圧側の端面に有する、遠心ポンプ。
  7. 回転機械の回転体と静止部材が、互いに半径方向に隙間を有して向かい合う部分で、該隙間の高圧側から低圧側に軸方向に流れる流体の流量を低減する非接触環状シールを備えた遠心ポンプにおいて、
    前記非接触環状シールは、前記隙間で向かい合う回転体と静止部材の各々の面が、平行に滑らかに向かい合っているとともに、
    前記軸方向に平行な断面において、前記回転体と前記静止部材の前記隙間を形成する平行線と、前記回転体及び前記静止部材の少なくともいずれか一方の前記隙間の断面の平行線の前記高圧側の起点とのなす角が鋭角な形状であることを特徴とする遠心ポンプ。
  8. 遠心ポンプの羽根車とケーシングが、互いに半径方向に隙間をもって向かい合う部分の羽根車外周に備えられ、該隙間の高圧側から低圧側に軸方向に流れる流体の流量を低減する非接触環状シールのインペラリングにおいて、
    前記インペラリングの外周面は円筒状であり、
    前記インペラリングの軸方向断面において、前記インペラリングの外周面を形成する平行線と、前記インペラリングの軸方向の少なくとも一端におけるなす角が鋭角な形状であることを特徴とするインペラリング。
  9. 遠心ポンプの羽根車とケーシングが、互いに半径方向に隙間をもって向かい合う部分のケーシング内周に備えられ、前記隙間の高圧側から低圧側に軸方向に流れる流体の流量を低減する非接触環状シールのケーシングリングにおいて、
    前記ケーシングリング内周面が円筒状であり、
    前記ケーシングリングの軸方向断面において、前記ケーシングリングの内周面を形成する平行線と、前記ケーシングリングの軸方向の少なくとも一端におけるなす角が鋭角な形状であることを特徴とするケーシングリング。
  10. 回転機械の回転体と静止部材が、互いに半径方向に隙間を有して向かい合う部分で、該隙間の高圧側から低圧側に軸方向に流れる流体の流量を低減する非接触環状シールにおいて、
    前記隙間で向かい合う回転体と静止部材の各々の面が、平行に滑らかに向かい合っているとともに、
    前記軸方向に平行な断面において、前記回転体と前記静止部材の前記隙間を形成する平行線と、前記回転体及び前記静止部材の少なくともいずれか一方の前記隙間の断面の平行線の前記高圧側の起点とのなす角が鋭角な形状であり、
    前記回転体と前記静止部材の前記隙間を形成する平行線の長さLと、前記回転体及び前記静止部材の少なくともいずれか一方の前記隙間断面の平行線の前記高圧側の起点とのなす鋭角により形成される尖縁部高さhとの比h/Lが0.2以上0.5以下である、非接触環状シール。
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