JP6916543B2 - 雨量予測システム - Google Patents

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Description

局所的な豪雨などの雨量を高密度に予測するシステムに関する。
現在、気象庁は、アメダスポイント(平均17km間隔)や気象レーダーなどでの観測値(実況値)に基づいて、スーパーコンピューターを用いた物理計算によって数値予報を行っている全球モデル(GSM:格子間隔20km)、メソモデル(MSM:格子間隔5km)などの数値予報モデルが、低気圧、梅雨前線、台風など水平規模が数百kmに及ぶ擾乱の予測に利用されている。また、近年では局地モデル(LFM:格子間隔2km)が、比較的水平規模の小さい積乱雲の予測に用いられるようになった。
しかし、数値予報モデルでは、格子間隔の5〜8倍のスケールの擾乱しか表現できず、局地モデルを用いても、水平スケール10km未満の積乱雲は表現できない。つまり、小規模スケールの局地的豪雨(いわゆるゲリラ豪雨)の予測は、技術的に不可能である。実際、気象庁の府県予報では「所により雷を伴い激しく降る」といった表現はあるが、「その激しく降る所」が、具体的な場所や地域までは表現されていない。また、民間の予報会社も、気象庁の予測を基に独自に補正して、さらに細かいポイント予報を提供しており、中には気象庁よりも解像度の高い1kmメッシュの予測を提供している会社もある。しかしながら、解像度を高くしても、局地的豪雨をもたらすような小規模の積乱雲を表現できていない。また、気象庁、民間の気象会社のどちらも、現在の予測技術では各地域の細かい地形の影響などを十分に加味できていないこともあり、局地予報モデルは机上の計算値の域を超えず、信頼性に乏しいのが現状である。
さらに、近年は、このような小規模スケールの局地的豪雨は増加の傾向にあり、防災上の観点から、迅速、かつ精度の高い雨量予測が、自治体を初め各方面から求められている。しかし、上述の通り、このような豪雨の原因となる積乱雲の発生の予測が事実上、不可能なため、現在、気象庁は、一旦、発生した積乱雲を気象レーダーでとらえてから、その動向を予測することで、いわゆる局地的豪雨の予測を行っている。これが気象庁が行っている降水ナウキャストというサービスであり、1時間先までの5分間隔の降水の強度を1kmの格子間隔で予報している。また近年は、解像度が向上した高解像度ナウキャストにより、250mの格子間隔での予報が可能となった。高解像度ナウキャストでは、気象庁のレーダーの他、国土交通省のXバンドレーダーを利用し、さらに周辺の雨量計や高層の観測データを用いて地上降水の強度に近くなるように解析を行うことで予測のための初期値を設定している。(例えば、特許文献1参照)
しかし、この降水ナウキャストには、大きな問題点が2つある。1点目は、積乱雲が発生してからでないと予測できないため、雨量の予測が遅れることである。また、2点目は、気象レーダーによる観測値や予測値は、「降水強度」に過ぎず、「降水量」ではないことである。気象レーダーは、電磁波を発して、雨雲に当たって跳ね返ってきたエコーを受信することで、その地点の「降水強度」を観測する。例えば、気象庁のレーダー降水ナウキャストで表示されている観測値50mm/hのエリアは、「1時間に50mmの雨を降らせるだけの雨雲が今、頭上にある」ということを意味するのであり、「1時間に50mmの雨が降っている」ということを意味するわけではない。つまり、降水強度とは、「瞬間的な数値」に過ぎず、実測の雨量ではない。実際、雨雲は頭上からすぐにいなくなってしまうことも多く、また雨は風で流されることもあるため、レーダーで雨雲が観測されていても、地上では全く雨が降っていないケースもある。
特開2018−44895号公報
気象庁は、降水ナウキャストと並行して、降水短時間予報を実施している。降水短時間予報とは、1時間の降水量を6時間先までは10分ごとに1kmの格子間隔で、また7時間から15時間先までは1時間ごとに5kmの格子間隔で予報するものである。ただし、この降水短時間予報は、7時間先以降では、冒頭のメソモデルと局地モデルを基に行われており、また6時間先までは、レーダーによる降水強度と、格子間隔の粗い(平均17km間隔)、予報対象地域から離れたアメダスポイントで観測された降水量による「解析値」を基に行われており、その地点の「実際の雨量」に基づいた予報ではない。このため、局地的豪雨の雨量の予測手法としては十分とは言えない。
一方、民間の気象会社は、レーダーによる降水強度などを参照しながら、特定のエリア向けに降水量の予測を行うが、台風や寒冷前線による雨量の予測と異なり、突発的に発生する局地的豪雨に直面し、ユーザーに対し迅速に直近の雨量の予測を提供することが求められる。しかし、水平スケールの小さい局地的豪雨に対する直近の雨量予測には予報モデルは使えない。また、レーダーによる「降水強度」は参照できても、アメダスの観測地点が限られているため、降水の実況データが乏しく、さらに迅速に予測しなければならないため、参照できる過去の雨量事例の件数も時間的に限られてしまう。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、局地的豪雨を迅速、かつ的確に予測できる雨量予測システムを提供することにある。
本発明による雨量予測システムの特徴は、地上または地上付近における複数かつ高密度の格子点の各々に設置した観測器によって測定した湿度、風向、風速の実況値、さらには気温の実況値と、地上に向かって鉛直方向に投射した点が前記地上または地上付近における格子点の各々の最も近くにあるような、観測データに基づいて作成された局地モデル上の高層の格子点の各々における気温とで算出した温度差と、前記地上または地上付近における格子点の各々で測定した雨量の実況値との相関関係を生成する相関関係生成部と、
前記相関関係生成部によって作成された前記相関関係を記憶する記憶部と、
前記地上または地上付近における格子点の各々で測定した湿度、風向、風速の実況値、さらには気温の実況値と、前記局地モデル上の高層の格子点の各々における気温とで算出した温度差と、前記地上または地上付近における格子点の各々で測定した雨量の実況値から、前記記憶部に記憶された前記相関関係を参照して6時間先までの1時間雨量を予測する予測雨量算出部と、を備えることである。
局地的豪雨を迅速、かつ的確に予測することができる。
本実施の形態による雨量予測システム10の構成を示す概略図である。 観測器100及びデータロガー200を配置した例を示す概略図である。 データロガー200の構成を示すブロック図である。 データロガー200で実行される処理を示すフローチャートである。 クラウドシステム300の構成を示すブロック図である。 クラウドシステム300の蓄積される学習データと、相関関係の生成と、雨量の予測の過程を示す概略図である。 クラウドシステム300で実行される深層学習処理を示すフローチャートである。 クラウドシステム300で実行される予測処理を示すフローチャートである。 位置と予測雨量の具体例を示す図である。 日時(時刻)と予測の更新の具体例を示す図である。 日時(時刻)と予測の更新の具体例を示す図である。 日時(時刻)と予測の更新の具体例を示す図である。 対応関係を示す概念図である。
<<<<本実施の形態の概要>>>>
<<第1の実施の態様>>
第1の実施の態様によれば、地上または地上付近における複数かつ高密度の格子点の各々に設置した観測器によって測定した湿度、風向、風速の実況値、さらには気温の実況値と、地上に向かって鉛直方向に投射した点が前記地上または地上付近における格子点の各々の最も近くにあるような、観測データに基づいて作成された局地モデル上の高層の格子点の各々における気温とで算出した温度差と、前記地上または地上付近における格子点の各々で測定した雨量の実況値との相関関係を生成する相関関係生成部と、
前記相関関係生成部によって作成された前記相関関係を記憶する記憶部と、
前記地上または地上付近における格子点の各々で測定した湿度、風向、風速の実況値、さらには気温の実況値と、前記局地モデル上の高層の格子点の各々における気温とで算出した温度差と、前記地上または地上付近における格子点の各々で測定した雨量の実況値から、前記記憶部に記憶された前記相関関係を参照して6時間先までの1時間雨量を予測する予測雨量算出部と、を備える雨量システムが提供される。
複数の位置の各々の過去の湿度、風向、風速、さらには地上気温と所定の位置の高層気温との気温差と、複数の位置の各々の過去の雨量とから相関関係を生成し、その相関関係から雨量を予測するので、迅速かつ的確に雨量を予測することができる。特に、複数の位置の降雨要因と雨量を用いて相関関係を生成するので、局所的な豪雨も予測することができる。
<<第2の実施の態様>>
第2の実施の態様は、第1の実施の態様において、
前記相関関係生成部は、前記複数の位置の各々で計測した湿度、風向、風速、さらには地上気温と所定の位置の高層気温との気温差と、前記複数の位置の各々で計測した雨量と、で深層学習することで前記相関関係を生成する。
計測済みの湿度、風向、風速、さらには地上気温と所定の位置の高層気温との気温差と、計測済みの雨量とで深層学習するので、予測する雨量の確度を高めることができる。
<<第3の実施の態様>>
第3の実施の態様は、第2の実施の態様において、
前記複数の位置の隣り合う2つの位置の平均の距離は、約2キロメートル以下である。
少なくとも約2キロメートル毎に湿度、風向、風速、地上気温を計測するので、高密度で雨量を予測でき、局所的な豪雨を予測し易くできる。
<<第4の実施の態様>>
第4の実施の態様は、第3の実施の態様において、
湿度、風向、風速、地上気温は、前記複数の位置の各々で少なくとも10分毎に計測される。
少なくとも10分毎に湿度、風向、風速、地上気温を計測するので、短時間で変化する局所的な豪雨を予測し易くできる。
<<第5の実施の態様>>
第5の実施の態様は、第1の実施の態様において、
湿度、風向、風速、および地上気温、高層気温の各値が最新の値に更新されたときには、既に雨量を予測している場合でも、改めて予測し直す。
最新の湿度、風向、風速、地上気温、高層気温で予測し直すので、徐々に確度を高めて雨量を予測することができる。
<<<<本実施の形態の詳細>>>>
以下に、実施の形態について図面に基づいて説明する。
<<<雨量予測システム10の構成>>>
図1は、本実施の形態による雨量予測システム10の構成を示す概略図である。
雨量予測システム10は、主に、観測器100とデータロガー200とクラウドシステム300と気象業務支援センター400と管理用端末装置500とユーザー端末装置600と通信ネットワーク700とを有する。本実施の形態では、観測器100、データロガー200、ユーザー端末装置600は、いずれも複数あり、複数の観測器100と複数のデータロガー200と複数のユーザー端末装置600とが、通信ネットワーク700を介して通信可能に接続されている。後述するように、複数の観測器100の各々は、計測する位置に配置される。
<<観測器100>>
観測器100は、雨量の予測に必要な各種のセンサを有する。観測器100は、各種のセンサによって地上及び地上付近の気温や湿度や風速や風向や雨量を計測する。具体的には、観測器100は、温度センサ110と湿度センサ120と風速センサ130と風向センサ140と雨量計150とを有する。なお、観測器100を設置できる条件や環境に応じて、地上だけでなく、地上付近の気温や湿度や風速や風向や雨量を計測せざるを得ない場合もあり、実質的に地上と同等に扱えることができればよい。以下では、温度センサ110で計測する気温を地上気温と称する。
<<データロガー200>>
観測器100は、データロガー200に接続される。データロガー200は、観測器100が計測した地上気温や湿度や風速や風向や雨量を収集して記憶する。
図3に示すように、データロガー200は、演算部210とインターフェース部220と記憶部230と通信部240と日時取得部250とを有する。
<演算部210>
演算部210は、CPU(中央処理装置)やアドレスバスやデータバスなどの外部バス(いずれも図示せず)などから構成される。演算部210は、各種の演算処理を実行する。例えば、演算部210は、図4に示すフローチャートのプログラムなどを実行する。具体的には、演算部210は、前10分間の平均風速、前10分間の平均風向、前10分間の積算雨量を算出する。処理の詳細は後述する。
<インターフェース部220>
インターフェース部220は、温度センサ110と湿度センサ120と風速センサ130と風向センサ140と雨量計150などの各種のセンサに接続される。データロガー200は、温度センサ110と湿度センサ120と風速センサ130と風向センサ140と雨量計150から出力される計測信号をインターフェース部220で受信し、地上気温や湿度や風速や風向や雨量を示すデータが、外部バスを介してCPUに供給される。
<記憶部230>
記憶部230は、主に、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)などを有する。ROMは、データロガー200のBIOSやファームウェアなどを記憶しCPUの主記憶装置として機能する。RAMは、CPUの主記憶装置として機能し、CPUが実行するためのプログラムを展開して記憶したり、CPUの演算処理の結果などを一時的に記憶したりする。例えば、RAMは、図4に示すフローチャートのプログラムを実行可能に記憶する。HDDは、CPUの補助記憶装置として機能し、CPUが実行する各種のプログラムやデータなどを記憶する。記憶部230は、その他に、SSD(ソリッドステートドライブ)や、各種のメモリーカードなどの補助記憶装置も適宜に用いることができる。
演算部210は、地上気温や湿度や風速や風向や雨量を外部バスを介してRAMやHDDなどに記憶させる。さらに、演算部210は、RAMなどに記憶した風速から前10分間の平均風速を算出し、RAMなどに記憶した風向から前10分間の平均風向を算出し、RAMなどに記憶した雨量から前10分間の積算雨量を算出する。
記憶部230は、観測器100や観測器100が設置されている位置を識別するための観測器識別情報を記憶する。観測器識別情報によって、複数の観測器100の各々を識別することができ、観測器100が設置されている位置(後述する格子点)を特定することができる。
<通信部240>
通信部240は、データロガー200を通信ネットワーク700と通信可能に接続する。データロガー200は、通信部240によって通信ネットワーク700を介して各種のデータを送受信することができる。具体的には、地上気温や湿度や前10分間の平均風速や前10分間の平均風向や前10分間の積算雨量や観測器識別情報や日時などを通信ネットワーク700を介して送信することができる。なお、日時は、後述する日時取得部250によって取得することができる
<日時取得部250>
日時取得部250は、通信ネットワーク700を介して時刻サーバから日時(年月日及び時刻)の情報を取得する。日時取得部250が日時を取得することによって、データロガー200は、地上気温や湿度などを計測した日時を送信することができる。
<<観測器100及びデータロガー200の配置及び密度>>
図2は、観測器100及びデータロガー200を配置した例を示す概略図である。観測器100及びデータロガー200は、所定の間隔で配置され、例えば、2km間隔で形成した格子点に配置されており、高密度に配置される。図2に示した例では、格子上の黒い点の各々が、観測器100及びデータロガー200が配置された位置である。配置された位置の各々には、観測器識別情報(=1,・・・,i−2,i−1,i,i+1,i+2,・・・,n)が割り当てられている。観測器100及びデータロガー200が配置された位置は、観測器識別情報i(i=1〜n)によって特定することができる。以下では、観測器識別情報iを単に位置iと称する。なお、地形や建物や道路などの各種の条件に応じて、おおよそ2kmごとに、観測器100及びデータロガー200を配置できればよい。おおよそ2km間隔で観測器100及びデータロガー200を格子状に配置することで、地上気温や湿度や風速や風向や雨量を高密度で計測することができる。なお、観測器100及びデータロガー200を、1km間隔や500m間隔などの短い間隔で配置することで、さらに高密度に計測することができる。
なお、本実施の形態では、一の観測器100に一のデータロガー200が対応するように構成されているが、複数の観測器100に一のデータロガー200が対応するように構成してもよい。例えば、複数の観測器100から無線で一のデータロガー200に地上気温や湿度や風速や風向や雨量や観測器識別情報iを送信できるようにすることができる。この場合には、位置i(観測器識別情報i)は、一の観測器100を識別するための情報である。
<<データロガー200による積算処理>>
前述したように、データロガー200は、観測器100から地上気温や湿度や風速や風向や雨量が送信される。データロガー200は、送信された雨量から前10分間の積算雨量を算出して、RAMやHDDなどに記憶する。データロガー200は、送信された風速から前10分間の平均風速を算出して、RAMやHDDなどに記憶する。送信された風向からデータロガー200は、前10分間の平均風向を算出して、RAMやHDDなどに記憶する。
データロガー200は、通信部240を介して、地上気温と、湿度と、前10分間の積算雨量と、前10分間の平均風速と、前10分間の平均風向とを、位置i及び日時とともに、通信ネットワーク700を介して送信する。
<<気象業務支援センター400>>
気象業務支援センター400は、気象庁が発表する気象観測データなどを提供し、通信ネットワーク700に通信可能に接続されている。例えば、気象業務支援センター400は、各地の高層の気温を提供する。具体的には、気象業務支援センター400は、所定の場所(例えば、茨城県舘野など)の9時及び21時での500hPa等圧面(上空約5000m)など、複数の等圧面における気温の観測値を提供する。また、気象業務支援センター400は、前記の気温観測データなどを基にした、局地モデル上の各格子点の、複数の等圧面における気温の解析値、及び予測値を提供する。ここで、解析値とは、観測地点における実際の観測値(実況値)を基にして、解析によって得られる各地点の推定値である。また、予測値とは、各地点の観測値や解析値を初期値として、その地点の今後の数値として予測される値である。
なお、高層の代表的な数値として、500hPa等圧面の数値が、よく予報に利用されているが、等圧面は、雨量を予測する地域や頻度などに応じて、雨量の予測に必要なものを適宜に選択すればよい。
<<クラウドシステム300>>
図1に示すように、クラウドシステム300は、通信ネットワーク700に通信可能に接続されている。クラウドシステム300は、図5に示すように、演算部310と通信部320と記憶部330とを有する。
<演算部310>
演算部310は、CPU(中央処理装置)や、アドレスバスやデータバスなどの外部バス(いずれも図示せず)などから構成される。演算部310は、各種の演算処理を実行する。例えば、演算部310は、図7に示すフローチャートのプログラムを実行する。また、演算部310は、受信した地上気温と高層気温とから気温差を算出したり、受信した前10分間の積算雨量から前1時間の積算雨量を算出したりする。
<通信部320>
通信部320は、クラウドシステム300を通信ネットワーク700と通信可能に接続する。クラウドシステム300は、通信部320によって各種のデータを送受信することができる。例えば、クラウドシステム300は、通信部320によって、データロガー200から送信される地上気温と湿度と前10分間の積算雨量と前10分間の平均風速と前10分間の平均風向と日時とを受信する。さらに、クラウドシステム300は、通信部320によって、気象業務支援センター400から高層気温を受信する。
<記憶部330>
記憶部330は、主に、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)などを有する。ROMは、データロガー200のBIOSやファームウェアなどを記憶しCPUの主記憶装置として機能する。RAMは、CPUの主記憶装置として機能し、CPUが実行するためのプログラムを展開して記憶したり、CPUの演算処理の結果などを一時的に記憶したりする。例えば、RAMは、図7に示すフローチャートのプログラムを実行可能に記憶する。HDDは、CPUの補助記憶装置として機能し、CPUが実行する各種のプログラムやデータなどを記憶する。記憶部330は、その他に、SSD(ソリッドステートドライブ)や、各種のメモリーカードなどの補助記憶装置も適宜に用いることができる。
記憶部330は、受信した地上気温と湿度と前10分間の積算雨量と前10分間の平均風速と前10分間の平均風向と日時とを記憶する。以下では、前10分間の積算雨量を積算雨量10と称し、前1時間の積算雨量を積算雨量60と称し、前10分間の平均風速を平均風速10と称し、前10分間の平均風向を平均風向10と称する。例えば、記憶部330は、図6に示すように、位置iごとに日時kでの積算雨量10(i,k)、積算雨量60(i,k)、地上気温(i,k)と、湿度(i,k)と、平均風速10(i,k)、平均風向10(i,k)を順次に記憶して蓄積する。なお、日時kのk(=1、・・・)は、日時の順序を識別するための序数であり、クラウドシステム300が管理する変数である。日時kは、具体的な年月日及び時刻の情報である。
<<管理用端末装置500>>
管理用端末装置500は、演算部や記憶部や通信部を有する(図示せず)。管理用端末装置500は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、I/F(通信インターフェース装置)や入力操作装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)などを備えたパーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯型端末装置などにすることができる。管理用端末装置500は、クラウドシステム300に対して、深層学習の指示や、人工知能による雨量に関する相関関係の生成の指示をすることができる装置であればよい。
<<ユーザー端末装置600>>
ユーザー端末装置600は、予測雨量の提供を受けるユーザーが所有する端末装置である。ユーザー端末装置600は、演算部や記憶部や通信部を有する(図示せず)。ユーザー端末装置600は、CPU(中央処理装置)、ROM(リードオンリーメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、HDD(ハードディスクドライブ)、I/F(通信インターフェース装置)や入力操作装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)などを備えたパーソナルコンピュータ、タブレット型コンピュータ、携帯型端末装置などにすることができる。ユーザー端末装置600は、雨量予測システム10が提供する予測雨量の情報を受信することができる装置であればよい。
<<通信ネットワーク700>>
通信ネットワーク700は、インターネットのほか、社内LAN(Local Area Network)などデータやコマンドなどの各種の情報を送受信できる回線であればよく、有線でも無線によるものでもよい。
<<<データロガー処理>>>
図4は、データロガー200で実行される処理を示すフローチャートである。
最初に、データロガー200の演算部210は、計測するタイミングであるか否かを判断する(ステップS411)。計測するタイミングは、観測器100の風速センサ130と風向センサ140と雨量計150によって、風速と風向と雨量とを計測するタイミングである。例えば、計測するタイミングは、1分毎や2分毎や5分毎など、計測する気象情報の性質に応じて適宜のタイミングにすることができる。
データロガー200の演算部210は、計測するタイミングでないと判断したときには(NO)、ステップS411に処理を戻す。
データロガー200の演算部210は、計測するタイミングであると判別したときには(YES)、雨量計150によって雨量を計測し(ステップS413)、雨量を記憶する(ステップS415)。
次に、データロガー200の演算部210は、風速センサ130によって風速を計測し(ステップS417)、風速を記憶する(ステップS419)。
次に、データロガー200の演算部210は、風向センサ140によって風向を計測し(ステップS421)、風向を記憶する(ステップS423)。
次に、データロガー200の演算部210は、送信するタイミングであるか否かを判断する(ステップS425)。送信するタイミングは、地上気温や湿度などの各種の気象情報をクラウドシステム300に送信するタイミングであるとともに、観測器100の温度センサ110と湿度センサ120とによって、地上気温と湿度とを計測するタイミングである。
データロガー200の演算部210は、送信するタイミングでないと判断したときには(NO)、ステップS411に処理を戻す。
データロガー200の演算部210は、送信するタイミングであると判断したときには(YES)、現時よりも前10分間の積算雨量を算出する(ステップS427)。例えば、ステップS413の処理で1分間毎に雨量を計測する場合には、ステップS427の処理では、1分間毎に計測した10回分の雨量を積算する。
次に、データロガー200の演算部210は、現時よりも前10分間の平均風速を算出する(ステップS429)。例えば、ステップS417の処理で1分間毎に風速を計測する場合には、ステップS429の処理では、1分間毎に計測した10回分の風速から平均値を算出する。
次に、データロガー200の演算部210は、現時よりも前10分間の平均風向を算出する(ステップS431)。例えば、ステップS421の処理で、1分間毎に風向を計測する場合には、ステップS431の処理では、1分間毎に計測した10回分の風向から平均値を算出する。
次に、データロガー200の演算部210は、観測器100の温度センサ110によって地上気温を計測する(ステップS433)。本実施の形態では、地上気温は、送信するタイミングにおける瞬間値を用いる。
次に、データロガー200の演算部210は、観測器100の湿度センサ120によって湿度を計測する(ステップS435)。本実施の形態では、湿度は、送信するタイミングにおける瞬間値を用いる。
次に、データロガー200の演算部210は、位置i及び日時を送信し(ステップS437)、前10分間の積算雨量を送信し(ステップS439)、地上気温を送信し(ステップS441)、湿度を送信し(ステップS443)、前10分間の平均風速を送信し(ステップS445)、前10分間の平均風向を送信し(ステップS447)、本サブルーチンを終了する。
この処理を実行することにより、地上温度、湿度、前10分間の平均風速、前10分間の平均風向、前10分間の積算雨量を、位置i及び日時とともに、クラウドシステム300に送信することができる。
<<<クラウドシステム300における蓄積>>>
クラウドシステム300は、データロガー200から送信された地上温度、湿度、前10分間の平均風速、前10分間の平均風向、前10分間の積算雨量、位置i及び日時kを受信する。クラウドシステム300は、前10分間の積算雨量を用いて、前60分間の積算雨量を算出する。クラウドシステム300は、これらの地上温度、湿度、前10分間の平均風速、前10分間の平均風向、前10分間の積算雨量、前60分間の積算雨量を、位置iごとに日時kについて記憶部330に記憶させて蓄積していく。
図6は、記憶部330に蓄積されている全ての位置i(=1〜n)毎に全ての日時k(=1〜)の地上温度、湿度、前10分間の平均風速、前10分間の平均風向、前10分間の積算雨量、前60分間の積算雨量を示す概念図である。また、図6に示すように、気象業務支援センター400から提供される高層気温の観測値や解析値、及び予測値も蓄積する。
雨量予測システム10では、クラウドシステム300に人工知能の機能が実装されている。すなわち、クラウドシステム300では深層学習によって、雨量に関する相関関係を生成する。具体的には、クラウドシステム300は、地上と高層との気温差と、湿度と、前10分間の平均風速と、前10分間の平均風向と、前10分間の積算雨量と、前60分間の積算雨量とを用いて深層学習する。クラウドシステム300は、これらの深層学習によって雨量に関する相関関係を生成して、相関関係によって位置iにおける雨量を予測する。ここで、深層学習の際に用いる地上と高層の気温差は、地上の位置i(i=1,・・・,n)の気温の観測値と、同位置から最も近い、局地モデル上の格子点の500hPa等圧面における気温の数値によって算出する。なお、等圧面は、前記したものに限られず、雨量を予測する地域や頻度などに応じて、雨量の予測に必要なものを適宜に選択すればよい。
また、高層気温は、例えば茨城県の舘野で9時と21時に観測されるが、高層気温の観測時における地上と高層の気温差は、地上の位置に対応する高層の地点に観測値があれば観測値を用い、無ければ、解析値を用いて算出する。また、それ以外の時刻においては、地上の気温の観測値と、高層の地点における気温の予測値を用いて気温差を算出する。
<<<深層学習処理>>>
図7は、クラウドシステム300で実行される深層学習処理を示すフローチャートである。
最初に、クラウドシステム300の演算部310は、高層気温が更新されたか否かを判断する(ステップS611)。この気温は、気象業務支援センター400から提供される。ステップS611の判断は、この気象業務支援センター400で、高層気温が更新されたか否かを判断する処理である。
クラウドシステム300の演算部310は、高層気温が更新されたと判断したときには(YES)、高層気温をクラウドシステム300の記憶部330に記憶させる(ステップS613)。
クラウドシステム300の演算部310は、高層気温が更新されていないと判断したとき(NO)、又はステップS613の処理を実行したときには、地上気温などが更新されたか否か判断する(ステップS615)。ステップS615の判断は、データロガー200から最新の地上気温などが送信されたか否かを判断する処理である。
クラウドシステム300の演算部310は、地上気温などが更新されたと判断したときには(YES)、地上温度と高層温度との気温差と、湿度、前10分間の平均風速と、前10分間の平均風向と、前10分間の積算雨量と、前60分間の積算雨量とを深層学習させ(ステップS617)、本サブルーチンを終了する。
クラウドシステム300の演算部310は、地上気温などが更新されていないと判断したときには(NO)、直ちに本サブルーチンを終了する。
クラウドシステム300の演算部310は、図7に示した深層学習処理によって雨量に関する相関関係を生成する。
<<<予測処理>>>
図8は、クラウドシステム300で実行される予測処理を示すフローチャートである。前述した深層学習処理によって、雨量に関する相関関係を生成する。予測処理は、生成された雨量に関する相関関係を用いて、位置i毎に雨量を予測する処理である。なお、ここで予測する雨量とは、前1時間積算雨量である。単に予測積算雨量とも称する。
最初に、クラウドシステム300の演算部310は、予測を更新するタイミングであるか否かを判断する(ステップS711)。予測を更新するタイミングは、例えば、10分毎にすることができる。
クラウドシステム300の演算部310は、予測を更新するタイミングでないと判別したときには(NO)、直ちに本サブルーチンを終了する。
クラウドシステム300の演算部310は、予測を更新するタイミングであると判別したときには(YES)、生成した雨量に関する相関関係と、計測した降雨要因4要素と雨量の観測値から、すべての位置i(i=1,・・・,n)について、現時から1時間後の予測積算雨量と、現時から2時間後の予測積算雨量と、現時から3時間後の予測積算雨量と、現時から4時間後の予測積算雨量と、現時から5時間後の予測積算雨量と、現時から6時間後の予測積算雨量とを取得する(ステップS713)。このように、すべての位置i(すべての格子点)における現時から将来の6時間後(6時間先)までの1時間毎の予測積算雨量を取得する。なお、現時における雨量は、位置iにおける実際に計測した雨量(例えば、前1時間の積算雨量など)である。
このように、本実施の形態では、現時から将来の6時間後(6時間先)までの1時間毎の予測積算雨量を、10分毎に取得して更新する。すなわち、10分経過するたびに、6時間後までの1時間毎の予測積算雨量を順次に更新してユーザーに報知する。なお、更新するタイミングや、予測積算雨量の時間間隔は、天候や地域や季節などに応じて変更してもよい。例えば、急激に変化する可能性のある地域などでは、更新の頻度を多くし、変化が少ない地域などでは、更新の頻度を低くすることができる。
次に、クラウドシステム300の演算部310は、すべての位置i(i=1,・・・,n)について、現時の雨量と、現時から1時間後の予測積算雨量と、現時から2時間後の予測積算雨量と、現時から3時間後の予測積算雨量と、現時から4時間後の予測積算雨量と、現時から5時間後の予測積算雨量と、現時から6時間後の予測積算雨量を記憶部330に記憶させる(ステップS715)。
次に、クラウドシステム300の演算部310は、すべての位置i(i=1,・・・,n)について、現時の雨量と、現時から1時間後の予測積算雨量と、現時から2時間後の予測積算雨量と、現時から3時間後の予測積算雨量と、現時から4時間後の予測積算雨量と、現時から5時間後の予測積算雨量と、現時から6時間後の予測積算雨量を、すべてのユーザー端末装置600に送信し(ステップS717)、本サブルーチンを終了する。
このようにすることで、すべての位置i(すべての格子点)における現時から将来の6時間後までの予測積算雨量をユーザーに報知することができ、ユーザーは、自分に関連する地域で局地的豪雨が起こる可能性を知ることができ、局地的豪雨に対する準備を事前にすることができる。
<<<位置と予測積算雨量の具体例>>>
図9は、位置と予測積算雨量の具体例を示す図である。図9に示すような画像が、ユーザー端末装置600の画面に表示される。なお、図9は、16個所の位置の予測積算雨量の例を示し、一部の位置についてのみ示す図である。格子点に表示した数値が雨量である。図9に示す例は、現時が14時10分であるときに表示される画面であり、現時から1時間後の15時10分までの予測される積算雨量である前1時間積算雨量(a)と、現時が14時20分であるときに表示される画面であり、現時から1時間後の15時20分までの予測される積算雨量である前1時間積算雨量(b)と、現時が14時30分であるときに表示される画面であり、現時から1時間後の15時30分までの予測される積算雨量である前1時間積算雨量(c)とである。
図9(a)に示すように、現時が14時10分であるときには、現時から1時間後の15時10分までの前1時間積算雨量は、位置iの56mmが最も多いと予測されて表示される。図9(b)に示すように、現時が14時20分であるときには、現時から1時間後の15時20分までの前1時間積算雨量は、位置jの72mmが最も多いと予測されて表示される。図9(c)に示すように、現時が14時30分であるときには、現時から1時間後の15時30分までの前1時間積算雨量は、位置kの82mmで最も多いと予測されて表示される。このように、位置と予測雨量(前1時間積算雨量)との変化をユーザー端末装置600の画面に表示することができる。ユーザーは、位置と予測積算雨量とを知ることにより、局地的豪雨が生ずる場合でも、事前に準備すること
このように各位置の予測雨量(前1時間積算雨量)を10分ごと更新し、6時間先までの画像をユーザー端末装置600の画面に表示することができる。これによりユーザーは、各位置の予測積算雨量の推移を把握することができ、局地的豪雨が生ずる場合でも、事前に準備することができる。なお、画像に表示された各位置の予測雨量は、その数値の大きさによって色分けしたり、また画像の側部に、気象庁の定義する雨の降り方(例えば、1時間雨量30mm以上50mm未満は、「激しい雨で、バケツをひっくり返したように降る」など)の凡例を表示したりすることで、ユーザーは雨の激しさの度合いを具体的に把握することができる。
<<<日時と予測の更新の具体例>>>
図10〜図12は、日時(時刻)と予測の具体例を示す図である。図10〜図12に示す例は、現時が、11:00である場合について、現時、現時から1時間後、現時から2時間後、現時から3時間後、現時から4時間後、現時から5時間後、現時から6時間後の前1時間積算雨量の予測を示す。なお、予測には、現時における湿度、風向、風速、地上気温、雨量(前10分積算値と前60分積算値)の各観測値を用い、高層気温については、気象業務支援センター400から提供される最新の数値を用いる。具体的には、図13が示すように、地上の位置i(i=1,・・・,n)から最も近い、局地モデル上の格子点の500hPa等圧面における気温の数値を用いて、地上と高層の気温差を算出する。なお、前述したように、等圧面は、雨量を予測する地域や頻度などに応じて、雨量の予測に必要なものを適宜に選択すればよい。図13に示す地上の各点と局地モデル上の高層の格子点との地上高層対応関係は、クラウドシステム300や、管理用端末装置500などに予め記憶されている。地上高層対応関係は、1対1でも、多対1でも、1対多でも、地上の各点と局地モデル上の高層の格子点とを対応付ける関係であれば適宜に定めることができる。地上高層対応関係は、地上と高層の気温差を算出する際に参照することができればよい。また、最新の情報に更新することもできる。
高層気温は、例えば茨城県の舘野で9時と21時に観測され、各観測値と、観測値などを基にした局地モデル上の各格子点における解析値、さらに、1時間毎の予測値が気象業務支援センター400から1時間更新で提供され、通信部320によって受信される。
しかし、実際に気象業務支援センター400から配信されるのは、予測の初期時刻から約1時間30分遅れとなる。 具体的には、9:00を初期時刻とする、局地モデル上の各格子点における高層気温の予報は、10:30頃に気象業務支援センター400から配信される。この際に、9:00の観測値、解析値を初期値とする、10時間後までの1時間毎の高層気温の予測値が配信される。
次に、10:00を初期時刻とする、局地モデル上の各格子点における高層気温の予報は、11:30頃に気象業務支援センター400から配信される。この際に、9:00を初期時刻とする、10:00の予測値を補正した数値を初期値として、10時間後までの1時間毎の予測値が配信される。これ以後も、局地モデルにおける10時間後までの高層気温の予測値が同様に配信される。
上記、気象業務支援センター400による配信遅延を考慮し、本システムによる実際の雨量予測には、余裕を見て、2時間前を初期時刻とする局地モデルにおける高層気温の予測値を利用する。
具体的には、9:00を初期時刻とする局地モデルにおける、11:00の高層気温の予測値を、同日の11:00に行う雨量予測に利用する。
より具体的には、11:00における地上の位置i(i=1,・・・,n)の湿度、風向、風速、気温、雨量(前10分積算値と前60分積算値)の各観測値と、気象業務支援センター400から10:30頃に配信される、9:00を初期時刻とする局地モデルにおける11:00の高層気温の予測値を用いて、本システムによる雨量予測を行う。なお、地上と高層の気温差は、地上の位置i(i=1,・・・,n)における11:00の気温の観測値と、同地点から最も近い、局地モデル上の格子点の500hPa等圧面における11:00の気温の予測値を用いて算出する。
その後は、10分ごとに予測を行う。つまり、11:10における地上の位置i(i=1,・・・,n)の湿度、風向、風速、気温、雨量(前10分積算値と前60分積算値)の各観測値と、気象業務支援センター400から10:30頃に配信される、9:00を初期時刻とする局地モデルにおける11:00の高層気温の予測値を用いて、本システムによる雨量予測を行う。
なお、地上と高層の気温差は、地上の位置i(i=1,・・・,n)における11:10の気温の観測値と、同地点から最も近い、局地モデル上の格子点の500hPa等圧面における11:00の気温の予測値を用いて算出する。
さらに、11:20における地上の位置i(i=1,・・・,n)の湿度、風向、風速、気温、雨量(前10分積算値と前60分積算値)の各観測値と、気象業務支援センター400から10:30頃に配信される、9:00を初期時刻とする局地モデルにおける11:00の高層気温の予測値を用いて、本システムによる雨量予測を行う。
なお、地上と高層の気温差は、地上の位置i(i=1,・・・,n)における11:20の気温の観測値と、同地点から最も近い、局地モデル上の格子点の500hPa等圧面における11:00の気温の予測値を用いて算出する。11:30も同様である。
11:40になると、11:40における地上の位置i(i=1,・・・,n)の湿度、風向、風速、気温、雨量(前10分積算値と前60分積算値)の各観測値と、気象業務支援センター400から10:30頃に配信される、9:00を初期時刻とする局地モデルにおける12:00の高層気温の予測値を用いて、本システムによる雨量予測を行う。
なお、地上と高層の気温差は、地上の位置i(i=1,・・・,n)における11:40の気温の観測値と、同地点から最も近い、局地モデル上の格子点の500hPa等圧面における12:00の気温の予測値を用いて算出する。11:50も同様である。
ただ、システム内の処理が複雑になるので、11:4011:50についても、11:00〜11:30までと同様、11:00の高層気温の予測値を用いて雨量予測を行ってもよい。
12:00になると、12:00における地上の位置i(i=1,・・・,n)の湿度、風向、風速、気温、雨量(前10分積算値と前60分積算値)の各観測値と、気象業務支援センター400から11:30頃に配信される、10:00を初期時刻とする局地モデルにおける12:00の高層気温の予測値を用いて、本システムによる雨量予測を行う。
なお、地上と高層の気温差は、地上の位置i(i=1,・・・,n)における12:00の気温の観測値と、同地点から最も近い、局地モデル上の格子点の500hPa等圧面における12:00の気温の予測値を用いて算出する。
その後は、10分ごとに予測を行う。つまり、12:10における地上の位置i(i=1,・・・,n)の湿度、風向、風速、気温、雨量(前10分積算値と前60分積算値)の各観測値と、気象業務支援センター400から11:30頃に配信される、10:00を初期時刻とする局地モデルにおける12:00の高層気温の予測値を用いて、本システムによる雨量予測を行う。
なお、地上と高層の気温差は、地上の位置i(i=1,・・・,n)における12:10の気温の観測値と、同地点から最も近い、局地モデル上の格子点の500hPa等圧面における12:00の気温の予測値を用いて算出する。
さらに、12:20における地上の位置i(i=1,・・・,n)の湿度、風向、風速、地上気温、雨量(前10分積算値と前60分積算値)の各観測値と、気象業務支援センター400から11:30頃に配信される、10:00を初期時刻とする局地モデルにおける12:00の高層気温の予測値を用いて、本システムによる雨量予測を行う。
なお、地上と高層の気温差は、地上の位置i(i=1,・・・,n)における12:20の気温の観測値と、同地点から最も近い、局地モデル上の格子点の500hPa等圧面における12:00の気温の予測値を用いて算出する。12:30も同様である。
12:40になると、12:40における地上の位置i(i=1,・・・,n)の湿度、風向、風速、地上気温、雨量(前10分積算値と前60分積算値)の各観測値と、気象業務支援センター400から11:30頃に配信される、10:00を初期時刻とする局地モデルにおける13:00の高層気温の予測値を用いて、本システムによる雨量予測を行う。なお、地上と高層の気温差は、地上の位置i(i=1,・・・,n)における12:40の気温の観測値と、同地点から最も近い、局地モデル上の格子点の500hPa等圧面における13:00の気温の予測値を用いて算出する。12:50も同様である。
ただ、システム内の処理が複雑になるので、12:4012:50についても、12:00〜12:30までと同様、12:00の高層気温の予測値を用いて雨量予測を行ってもよい。
この後は、13:00以降も、同様の処理を繰り返して、雨量予測を行う。例えば、9時と21時は高層の観測時刻であるため、23時に行う予測では、11時に行う予測と同様、2時間前の観測値、解析値を初期値とする、23時の高層気温の予測値を用いる。つまり、23時に行う予測は、21時を初期時刻とする23時の高層気温の予測値を用いる。
なお、今後、気象業務支援センター400による配信遅延が解消された場合は、最新の数値を用いるため、予報を行う時刻がn時、n時10分、n時20分、n時30分の場合は、n時における高層気温の初期値を用い、n時40分、n時50分の場合は、n時を初期時刻とする、n+1時の予測値を用いる。
<<<変形例1>>>
本実施の形態の雨量予測システム10では、クラウドシステム300に人工知能の機能を実装する例を示したが、通信ネットワーク700を介して他のサイトやサーバや端末装置などで提供されている人工知能のサービスを利用するように構成してもよい。
<<<<本実施の形態の範囲>>>>
上述したように、本発明は、本実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす記載及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきでない。このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことはもちろんである。
100 観測器
200 データロガー
300 クラウドシステム
400 気象業務支援センター
500 管理用端末装置
600 ユーザー端末装置
700 通信ネットワーク

Claims (8)

  1. 地上または地上付近における複数かつ高密度の格子点の各々に設置した観測器によって測定した湿度、風向、風速の実況値、さらには気温の実況値と、地上に向かって鉛直方向に投射した点が前記地上または地上付近における格子点の各々の最も近くにあるような、観測データに基づいて作成された局地モデル上の高層の格子点の各々における気温とで算出した温度差と、前記地上または地上付近における格子点の各々で測定した雨量の実況値との相関関係を生成する相関関係生成部と、
    前記相関関係生成部によって作成された前記相関関係を記憶する記憶部と、
    前記地上または地上付近における格子点の各々で測定した湿度、風向、風速の実況値、さらには気温の実況値と、前記局地モデル上の高層の格子点の各々における気温とで算出した温度差と、前記地上または地上付近における格子点の各々で測定した雨量の実況値から、
    前記記憶部に記憶された前記相関関係を参照して6時間先までの1時間雨量を予測する予測雨量算出部と、を備える雨量予測システム。
  2. 前記相関関係生成部は、前記相関関係を人工知能により深層学習することで生成する請求項1に記載の雨量予測システム。
  3. 前記地上または地上付近の複数かつ高密度の格子点における隣り合う2点の平均距離は、約2キロメートル以下である請求項1に記載の雨量予測システム。
  4. 観測器において、湿度、風向、風速、気温は、前記局地モデル上の高層の格子点の各々を地上に向かって鉛直に投射した点の最も近くに位置する地上または地上付近の格子点の各々で少なくとも10分毎に計測する請求項1に記載の雨量予測システム。
  5. 前記相関関係生成部は、
    前記局地モデル上の高層の格子点の各々を地上に向かって鉛直に投射した点の最も近くに位置する、地上または地上付近における格子点の各々の湿度、風向、風速、気温、及び前記局地モデル上の高層の格子点の各々における気温の各値が最新の数値に更新されたとき、既に予測している場合でも、前記記憶部で蓄積された最新及び過去の数値データを基に新たに相関関係を生成し、
    前記予測雨量算出部は、前記最新の数値から前記最新の相関関係を参照して改めて雨量を予測し直す、請求項1に記載の雨量予測システム。
  6. 前記温度差を算出する際の高層の気温として、前記局地モデル上の高層の
    格子点の各々における気温の実況値、解析値、またはそれらの値を初期値
    とした気温の予測値を利用する請求項1に記載の雨量予測システム。
  7. 予測雨量演算部は、地上または地上付近の湿度、風向、風速、気温、雨量については実況値を使用し、また前記温度差を算出する際の高層気温には、気象業務支援センターからの配信遅延を考慮し、n時、n時10分、n時20分、n時30分の温度差の算出にはn-2時を初期時刻とする前記局地モデルにおける高層気温のn時の予測値を使用し、n時40分、n時50分の温度差の算出には、n-2時を初期時刻とする前記局地モデルにおける高層気温のn+1時の予測値を使用する請求項1に記載の雨量予測システム。
  8. 予測雨量演算部は、気象業務支援センターからの配信遅延が解消された 場
    合、地上または地上付近の湿度、風向、風速、気温、雨量については実況値
    を使用し、また前記温度差を算出する際の高層気温には、n時、n時10分、
    n時20分、n時30分の温度差の算出にはn時を初期時刻とする前記局地モ
    デルにおける高層気温の初期値を使用し、n時40分、n時50分の温度差の
    算出には、n時を初期時刻とする前記局地モデルにおける高層気温のn+1時
    の予測値を使用する請求項1に記載の雨量予測システム。
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