以下、図面を参照して、本発明の工具の実施の形態の一例としての電動工具について、各図を参照して説明する。
<本実施の形態の電動工具の構成例>
図1は、本実施の形態の電動工具の一例を示す全体構成図、図2は、本実施の形態の電動工具の回路構成の一例を示すブロック図である。
本実施の形態の電動工具1Aは、電気部品としてのモータMを動作させるスイッチ2と、スイッチ2の操作に従いモータMを制御する制御部3と、スイッチ2の操作に従い制御部3を起動する制御回路4と、モータM及び制御部3等に電気を供給する電源部5を備える。
本実施の形態の電動工具1Aは、例えばインパクトドライバ10Aであり、図1に示すように、電動工具本体11と、スイッチ2が設けられるハンドル部としてのグリップ12を備える。また、電動工具1Aとしての本実施の形態のインパクトドライバ10Aは、モータMの駆動力が減速機13を介して伝達されるスピンドル14と、スピンドル14の回転が打撃機構15を介して伝達されるアンビル16と、モータM等を冷却するファン18を備える。
モータMは電動機の一例で、本例ではDCブラシレスモータで構成される。減速機13は、本例では遊星ギアを備えた構成で、減速機13の入力軸と出力軸が同軸上に配置される。これにより、モータMとスピンドル14が同軸上に配置される。
打撃機構15は、アンビル16に回転方向への打撃力を与えるハンマー15aと、ハンマー15aをアンビル16へ近づく方向に付勢する圧縮バネ15bを備え、モータMの回転軸と同軸上に、ハンマー15aが回転可能に配置される。
打撃機構15は、アンビル16に所定以上の負荷が掛かると、ハンマー15aが圧縮バネ15bを圧縮しながら後退することで、アンビル16とハンマー15aとの回転方向の係止が一時的に解除された後、圧縮バネ15bが復元する力でハンマー15aが前進すると共に、ハンマー15aがアンビル16を回転方向に打撃する。
アンビル16は、モータMの回転軸と同軸上に回転可能に支持され、モータMの駆動力をスピンドル14及び打撃機構15を介して受けて回転すると共に、打撃機構15により回転方向に打撃される。
アンビル16は、図示しないビットあるいはソケット等が着脱可能に装着されることで、回転方向への打撃を加えながら被締結物へのネジの締結が可能である。
インパクトドライバ10Aは、電動工具本体11の内部に上述したモータM、減速機13、スピンドル14、打撃機構15及びアンビル16が実装される。インパクトドライバ10Aは、グリップ12の一方の側に電動工具本体11が設けられ、他方の側に電源部5が取り付けられる形態である。
インパクトドライバ10Aは、電源部5がバッテリパックと称される形態で着脱可能に構成されるため、グリップ12の他方の端部に、電池パック取付部17を備える。電源部5は、リチウムイオンバッテリ、リチウムフェライトバッテリ、リチウムポリマバッテリ、ニッケル水素バッテリ、ニッカドバッテリ等、充電可能なバッテリで構成される。
<第1の実施の形態のスイッチの構成例>
図3は、第1の実施の形態のスイッチの一例を示す構成図、図4は、第1の実施の形態のセンサユニットの一例を示す構成図で、次に、各図を参照して、第1の実施の形態のスイッチ2Aの詳細について説明する。
インパクトドライバ10Aは、グリップ12において電動工具本体11の近傍にスイッチ2Aが設けられる。スイッチ2Aは、作業者により操作されるトリガ20Aと、トリガ20Aを介して押圧力を受ける荷重センサ21Aを有したセンサユニット24Aを備える。
トリガ20Aはスイッチ操作部の一例で、図1に示すグリップ12に取り付けられた支持部22Aに、矢印F及び矢印Rで示す方向に移動可能に取り付けられる。本例では、トリガ20Aに設けられたピン200Aが、支持部22Aに設けられた長穴220Aに入ることで、トリガ20Aが支持部22Aに移動可能に取り付けられると共に、移動量及び移動方向が規制される。
トリガ20Aは、一方の側である表面を、指で引く方向に力を加える操作がし易いように、例えば凹状に湾曲した形態として操作受け部201Aが形成される。また、トリガ20Aは、他方の側である裏面に、荷重センサ21A方向に突出した押圧凸部202Aが形成される。
スイッチ2Aは、トリガ20Aとセンサユニット24Aの間にコイルバネ23Aが設けられ、トリガ20Aは、コイルバネ23Aにより、荷重センサ21Aから離れる方向である矢印F方向に付勢される。
スイッチ2Aは、図1に示すグリップ12を握った手の所定の指である人差指でトリガ20Aを引く方向に力が加えられると、コイルバネ23Aを圧縮しながら、トリガ20Aが矢印R方向に移動する。また、トリガ20Aを引く力を弱めると、コイルバネ23Aが復元する力で、トリガ20Aが矢印F方向に移動する。
図5及び図6は、第1の実施の形態の荷重センサの一例を示す構成図である。荷重センサ21Aは、荷重に応じて電気伝導度が変化する感圧導電性弾性部材210Aと、感圧導電性弾性部材210Aの電気伝導度の変化に応じて抵抗値が変化する可変抵抗を形成する基板211Aを備える。荷重センサ21Aは、感圧導電性弾性部材210A及び基板211Aを覆う封止カバー212Aが取り付けられる。
感圧導電性弾性部材210Aは、ゴム等、非導電性の弾性体中に、カーボン等導電性を有した粒子が分散された構成である。感圧導電性弾性部材210Aは板状で、荷重を受けて撓む方向に弾性変形が可能であると共に、圧縮される方向に弾性変形が可能である。
基板211Aは、感圧導電性弾性部材210Aと対向する一方の面である表面に、互いが絶縁された一対の導体パターンが形成され、各導体パターンに配線213Aが接続される。
封止カバー212Aは、感圧導電性弾性部材210Aを押圧する押圧部214Aと、基板211Aの周縁を封止するシール部215Aと、基板211Aに対して感圧導電性弾性部材210Aを支持する支持部216Aを備える。封止カバー212Aは、ゴム等の弾性体で押圧部214A、シール部215A及び支持部216Aが一体に構成される。
封止カバー212Aは、感圧導電性弾性部材210Aと対向して内部空間218Aが形成される。押圧部214Aは、内部空間218Aにおいて感圧導電性弾性部材210Aと対向する部位が、感圧導電性弾性部材210A方向に突出した凸部で構成される。封止カバー212Aは、押圧部214Aの周囲が可撓部217Aを介してシール部215Aと一体成形される。可撓部217Aは、押圧部214A及びシール部215Aに対して肉薄形状で構成され、押圧部214Aが、感圧導電性弾性部材210Aに対して離接する方向への弾性変形を阻害しない。
シール部215Aは、基板211Aの周縁である側面及び側面近傍の表面を封止する形状を有する。支持部216Aは、シール部215Aの内周部から感圧導電性弾性部材210Aと基板211Aとの間に突出し、感圧導電性弾性部材210Aの周縁部を基板211Aに対して支持する。
センサユニット24Aは、荷重センサ21Aが取り付けられ、周囲からの異物の侵入を抑止する侵入抑止部材240Aを備える。侵入抑止部材240Aは、封止カバー212Aを露出させて荷重センサ21Aの一方の側を覆う荷重センサカバー部材241Aと、荷重センサ21Aの他方の側である封止カバー212Aと反対側の面を封止する荷重センサ支持部材242Aを備える。
荷重センサカバー部材241Aは第1のカバー部材の一例で、封止カバー212Aの押圧部214Aと対向する部位に、荷重センサカバー部材241Aの表裏を貫通した開口部243Aを備える。また、荷重センサカバー部材241Aは、荷重センサ支持部材242Aと対向する側に、封止カバー212Aのシール部215Aの形状と合致した形状の凹部を設けて挟持部244Aを備える。更に、荷重センサカバー部材241Aは、挟持部244Aの外側で荷重センサ支持部材242Aと対向する部位に封止面245Aを備え、封止面245Aを貫通するネジ穴部246Aを備える。
荷重センサ支持部材242Aは第2のカバー部材の一例で、荷重センサカバー部材241Aと対向する部位に封止面248Aを備え、封止面248Aを貫通する穴部249Aを、ネジ穴部246Aの配置に合わせて備える。
センサユニット24Aは、荷重センサ支持部材242Aの封止面248Aの一部に荷重センサ21Aの基板211Aの裏面の一部を当接させた状態とし、荷重センサカバー部材241Aの挟持部244Aに荷重センサ21Aの封止カバー212Aを入れた状態として、荷重センサカバー部材241Aの封止面245Aと荷重センサ支持部材242Aの封止面248Aと当接させる。そして、ネジ25Aを穴部249Aに通してネジ穴部246Aに締結することで、荷重センサカバー部材241Aと荷重センサ支持部材242Aの間に荷重センサ21Aが挟持される。
荷重センサカバー部材241Aと荷重センサ支持部材242Aの間に荷重センサ21Aが挟持されると、封止カバー212Aは、シール部215Aの一の面である表面が荷重センサカバー部材241Aに圧接され、シール部215Aの他の面である裏面が荷重センサ支持部材242Aに圧接された状態で、シール部215Aが所定量押し潰された状態となる。また、荷重センサ21Aは、シール部215Aの内側で、基板211Aが荷重センサカバー部材241Aと荷重センサ支持部材242Aの間に挟持される。よって、封止カバー212Aは、荷重センサカバー部材241Aの封止面245Aと荷重センサ支持部材242Aの封止面248Aとの間におけるシール材としての機能を持つ。
これにより、荷重センサ21Aの内部空間218Aが封止される。また、センサユニット24Aは、荷重センサ支持部材242Aから荷重センサ21Aの配線213Aを取り出す部位が、シール材27Aで封止される。
センサユニット24Aは、封止カバー212Aをトリガ20Aと対向する向きとして、支持部22Aに取り付けられる。センサユニット24Aは、例えば、支持部22Aに一体あるいは独立した部品として設けた図示しない取付部材を介して取り付けられる。または、センサユニット24Aは、接着剤により支持部22Aに取り付けられる構成でも良い。
スイッチ2Aは、トリガ20Aの押圧凸部202Aが、センサユニット24Aを構成する荷重センサカバー部材241Aの開口部243Aに入り、荷重センサ21Aの封止カバー212Aと対向する。
スイッチ2Aは、トリガ20Aの押圧凸部202Aと、荷重センサ21Aの封止カバー212Aとの間に、第1の誤作動抑止空間L1が形成される。また、スイッチ2Aは、封止カバー212Aの押圧部214Aと感圧導電性弾性部材210Aとの間に、第2の誤作動抑止空間L2が形成される。更に、荷重センサ21Aは、感圧導電性弾性部材210Aと基板211Aとの間に、絶縁空間L3が形成される。
<第1の実施の形態のスイッチの動作例>
次に、各図を参照して、第1の実施の形態のスイッチ2Aの動作について説明する。スイッチ2Aは、トリガ20Aが引かれていない状態では、感圧導電性弾性部材210Aと基板211Aとの間に絶縁空間L3が形成されている。スイッチ2Aは、感圧導電性弾性部材210Aと基板211Aとの間に絶縁空間L3が形成されている状態では、荷重センサ21Aの抵抗値は無限大であり、荷重センサ21Aは非導通の状態である。
スイッチ2Aは、トリガ20Aが引かれると、トリガ20Aが矢印R方向に移動することで、第1の誤作動抑止空間L1が減少し、押圧凸部202Aが封止カバー212Aに接する。更にトリガ20Aが引かれると、トリガ20Aの押圧凸部202Aが封止カバー212Aを押圧することで、第2の誤作動抑止空間L2が減少し、封止カバー212Aの押圧部214Aが感圧導電性弾性部材210Aに接する。
更にトリガ20Aが引かれると、トリガ20A、封止カバー212Aを介して感圧導電性弾性部材210Aが押圧されることで、感圧導電性弾性部材210Aが撓む方向に弾性変形して、絶縁空間L3が減少し、感圧導電性弾性部材210Aが基板211Aに接する。
更にトリガ20Aが引かれると、トリガ20A、封止カバー212Aを介して感圧導電性弾性部材210Aが押圧されることで、感圧導電性弾性部材210Aが基板211Aに接触した状態で、感圧導電性弾性部材210Aが圧縮される方向に弾性変形する。
荷重センサ21Aは、感圧導電性弾性部材210Aが押圧されて変形すると、変形量に応じて抵抗値が変化する特性を有する。荷重の増加により感圧導電性弾性部材210Aの変形量が増加して、抵抗値が所定の値に減少すると、荷重センサ21Aが導通した状態となる。また、荷重センサ21Aが導通した状態から、荷重の更なる増加による感圧導電性弾性部材210Aの変形量の増加に伴い、抵抗値が更に減少する。
上述したように、トリガ20Aを介して感圧導電性弾性部材210Aを押圧するため、トリガ20Aの移動量L4に対し、第1の誤作動抑止空間L1と第2の誤作動抑止空間L2及び絶縁空間L3の合計値が少なく構成される。
なお、トリガ20Aが押圧されていない初期状態において絶縁空間L3が確保できれば、第1の誤作動抑止空間L1と第2の誤作動抑止空間L2は設けなくても良い。但し、各部品の寸法公差、各部品を組み立てた時の公差の累積等により、トリガ20Aが押圧されていない初期状態において、感圧導電性弾性部材210Aに荷重が掛かる可能性を考慮して、第1の誤作動抑止空間L1と第2の誤作動抑止空間L2を設ける。
絶縁空間L3は、人の指でトリガ20Aを引くという操作では、感覚的には「0」と見なすことができる。このため、トリガ20Aの移動量L4は、0mm以上3mm以下程度に設定される。
感圧導電性弾性部材210Aを備えた荷重センサ21Aを使用したスイッチ2Aでは、摺動式あるいは回転式等、機械的な可変抵抗を備える必要がない。従来、トリガのストロークは、可変抵抗の可動範囲によって決まっていたが、スイッチ2Aでは、トリガ20Aのストロークを決定する際の自由度が向上する。
また、スイッチ2Aでは、トリガ20Aは可動する構成としたが、感圧導電性弾性部材210Aを備えた荷重センサ21Aを使用することで、機械的な可変抵抗を備える構成と比較して、可動する部品を少なくできると共に部品の可動量を少なくでき、スイッチの小型化を図ることができる。また、スイッチ2Aの小型化を図ることで、トリガ20Aの配置の自由度を向上させることができる。例えば、グリップ12を把持した手の人差し指で操作可能な通常の位置に加えて、グリップ12の下方にスイッチ2Aを追加して、グリップ12の下方でも別のトリガ20Aの操作を可能としたり、電動工具本体11側にスイッチ2Aを追加して、電動工具本体11側でも別のトリガ20Aの操作を可能としたりすることも可能である。これにより、作業に応じて工具の持ち方を変えることができ、作業の負担を軽減させることができる。
スイッチ2Aでは、荷重センサカバー部材241Aと荷重センサ支持部材242Aの間に荷重センサ21Aが挟持されると、封止カバー212Aは、荷重センサカバー部材241Aの挟持部244Aにより荷重センサ支持部材242Aに押圧されて、シール部215Aが厚さ方向に押し潰された状態となる。
これにより、シール部215Aの一方の面である表面が荷重センサカバー部材241Aの挟持部244Aに圧接され、シール部215Aの他方の面である裏面が荷重センサ支持部材242Aの封止面248Aに圧接される。よって、封止カバー212Aは、荷重センサカバー部材241Aの封止面245Aと荷重センサ支持部材242Aの封止面248Aとの間におけるシール材としての機能を持つ。
従って、センサユニット24Aは、荷重センサカバー部材241Aの封止面245Aと荷重センサ支持部材242Aの封止面248Aが圧接され、封止カバー212Aのシール部215Aが押し潰されることで、荷重センサ21Aの内部空間218Aが封止される。また、センサユニット24Aは、荷重センサ支持部材242Aから荷重センサ21Aの配線213Aを取り出す部位が、シール材27Aで封止される。
よって、センサユニット24Aでは、荷重センサ21Aの内部空間218Aに水分や埃が侵入することが抑制されると共に、基板211Aの裏面側に水分や埃が侵入することが抑制されるので、荷重センサ21Aの感圧導電性弾性部材210A及び基板211Aに対する防水及び防塵構造を実現することができる。また、スイッチ2Aでは、トリガ20Aは可動する構成としたが、トリガ20Aと独立したセンサユニット24Aで防水、防塵構造を持たせることで、摺動する部位に防水、防塵性を持たせる必要がないので、簡単な構成で、防水、防塵構造を実現できる。
<第2の実施の形態のスイッチの構成例>
図7及び図8は、第2の実施の形態のスイッチの一例を示す構成図、図9及び図10は、第2の実施の形態のセンサユニットの一例を示す構成図で、次に、各図を参照して、第2の実施の形態のスイッチ2Bの詳細について説明する。
インパクトドライバ10Aは、グリップ12において電動工具本体11の近傍にスイッチ2Bが設けられる。スイッチ2Bは、作業者により操作されるトリガ20Bと、トリガ20Bを介して押圧力を受ける荷重センサ21Bを有したセンサユニット24Bを備える。
トリガ20Bはスイッチ操作部の一例で、図1に示すグリップ12に取り付けられた支持部22Bに、矢印F及び矢印Rで示す方向に移動可能に取り付けられる。本例では、トリガ20Bに設けられたピン200Bが、支持部22Bに設けられた長穴220Bに入ることで、トリガ20Bが支持部22Bに移動可能に取り付けられると共に、移動量及び移動方向が規制される。
トリガ20Bは、一方の側である表面を、指で引く方向に力を加える操作がし易いように、例えば凹状に湾曲した形態として操作受け部201Bが形成される。また、トリガ20Bは、他方の側である裏面に、荷重センサ21B方向に突出した押圧凸部202Bが形成される。
スイッチ2Bは、トリガ20Bとセンサユニット24Bの間にコイルバネ23Bが設けられ、トリガ20Bは、コイルバネ23Bにより、荷重センサ21Bから離れる方向である矢印F方向に付勢される。
スイッチ2Bは、図1に示すグリップ12を握った手の所定の指である人差指でトリガ20Bを引く方向に力が加えられると、コイルバネ23Bを圧縮しながら、トリガ20Bが矢印R方向に移動する。また、トリガ20Bを引く力を弱めると、コイルバネ23Bが復元する力で、トリガ20Bが矢印F方向に移動する。
図11及び図12は、第2の実施の形態の荷重センサの一例を示す構成図である。荷重センサ21Bは、荷重に応じて電気伝導度が変化する感圧導電性弾性部材210Bと、感圧導電性弾性部材210Bの電気伝導度の変化に応じて抵抗値が変化する可変抵抗を形成する基板211Bを備える。荷重センサ21Bは、感圧導電性弾性部材210B及び基板211Bを覆う封止カバー212Bが取り付けられる。
感圧導電性弾性部材210Bは、ゴム等、非導電性の弾性体中に、カーボン等導電性を有した粒子が分散された構成である。感圧導電性弾性部材210Bは板状で、荷重を受けて撓む方向に弾性変形が可能であると共に、圧縮される方向に弾性変形が可能である。
基板211Bは、感圧導電性弾性部材210Bと対向する一方の面である表面に、互いが絶縁された一対の導体パターンが形成され、各導体パターンに配線213Bが接続される。また、基板211Bは、空気が通過できる程度の径を有して表裏を貫通した連通部219Bを備える。
封止カバー212Bは、感圧導電性弾性部材210Bを押圧する押圧部214Bと、基板211Bの周縁を封止するシール部215Bと、基板211Bに対して感圧導電性弾性部材210Bを支持する支持部216Bを備える。封止カバー212Bは、ゴム等の弾性体で押圧部214B、シール部215B及び支持部216Bが一体に構成される。
封止カバー212Bは、感圧導電性弾性部材210Bと対向して内部空間218Bが形成される。押圧部214Bは、内部空間218Bにおいて感圧導電性弾性部材210Bと対向する部位が、感圧導電性弾性部材210B方向に突出した凸部で構成される。封止カバー212Bは、押圧部214Bの周囲が可撓部217Bを介してシール部215Bと一体成形される。可撓部217Bは、押圧部214B及びシール部215Bに対して肉薄形状で構成され、押圧部214Bが、感圧導電性弾性部材210Bに対して離接する方向への弾性変形を阻害しない。
シール部215Bは、基板211Bの側面及び側面近傍の表面を封止する形状を有する。支持部216Bは、シール部215Bの内周部から感圧導電性弾性部材210Bと基板211Bとの間に突出し、感圧導電性弾性部材210Bの周縁部を基板211Bに対して支持する。
センサユニット24Bは、荷重センサ21Bが取り付けられ、周囲からの異物の侵入を抑止する侵入抑止部材240Bを備える。侵入抑止部材240Bは、封止カバー212Bを露出させて荷重センサ21Bの一方の側を覆う荷重センサカバー部材241Bと、荷重センサ21Bの他方の側である封止カバー212Bと反対側の面を封止する荷重センサ支持部材242Bを備える。
荷重センサカバー部材241Bは第1のカバー部材の一例で、封止カバー212Bの押圧部214Bと対向する部位に、荷重センサカバー部材241Bの表裏を貫通した開口部243Bを備える。また、荷重センサカバー部材241Bは、荷重センサ支持部材242Bと対向する側に、封止カバー212Bのシール部215Bの形状と合致した形状の凹部を設けて挟持部244Bを備える。更に、荷重センサカバー部材241Bは、挟持部244Bの外側で荷重センサ支持部材242Bと対向する部位に封止面245Bを備え、封止面245Bを貫通するネジ穴部246Bを備える。
荷重センサ支持部材242Bは第2のカバー部材の一例で、荷重センサ21Bの裏面側に、内部空間218Bに対して所定の容積を有した密閉空間247Bが形成される。また、荷重センサ支持部材242Bは、密閉空間247Bの外側で荷重センサカバー部材241Bと対向する部位に封止面248Bを備え、封止面248Bを貫通する穴部249Bを、ネジ穴部246Bの配置に合わせて備える。
センサユニット24Bは、荷重センサ支持部材242Bの封止面248Bの一部に荷重センサ21Bの基板211Bの裏面の一部を当接させた状態とし、荷重センサカバー部材241Bの挟持部244Bに荷重センサ21Bの封止カバー212Bを入れた状態として、荷重センサカバー部材241Bの封止面245Bと荷重センサ支持部材242Bの封止面248Bと当接させる。そして、ネジ25Bを穴部249Bに通してネジ穴部246Bに締結することで、荷重センサカバー部材241Bと荷重センサ支持部材242Bの間に荷重センサ21Bが挟持される。
荷重センサカバー部材241Bと荷重センサ支持部材242Bの間に荷重センサ21Bが挟持されると、封止カバー212Bは、シール部215Bの一の面である表面が荷重センサカバー部材241Bに圧接され、シール部215Bの他の面である裏面が荷重センサ支持部材242Bに圧接された状態で、シール部215Bが所定量押し潰された状態となる。また、荷重センサ21Bは、シール部215Bの内側で、基板211Bが荷重センサカバー部材241Bと荷重センサ支持部材242Bの間に挟持される。よって、封止カバー212Bは、荷重センサカバー部材241Bの封止面245Bと荷重センサ支持部材242Bの封止面248Bとの間におけるシール材としての機能を持つ。
これにより、荷重センサ21Bの内部空間218Bが封止されると共に、密閉空間247Bが封止される。また、センサユニット24Bは、荷重センサ支持部材242Bから荷重センサ21Bの配線213Bを取り出す部位が、シール材27Bで封止される。
また、センサユニット24Bは、荷重センサ21Bの基板211Bを挟んで内部空間218Bと密閉空間247Bが、連通部219Bで連通して、内部空間218Bと密閉空間247Bとの間で空気が流れる。
センサユニット24Bは、トリガ20Bの移動方向に合わせて、支持部22Bに矢印F及び矢印Rで示す方向に移動可能に取り付けられる。センサユニット24Bは、支持部22Bとの間にコイルバネ26Bが入れられて、トリガ20Bに近づく方向である矢印F方向に付勢される。また、センサユニット24Bは、支持部22Bに設けられたピン221Bに規制部250Bが入ることで、コイルバネ26Bに付勢されることによる矢印F方向の移動量、及び、トリガ20Bを介して押圧されることによる矢印R方向の移動量が規制される。
スイッチ2Bは、トリガ20Bの押圧凸部202Bが、センサユニット24Bを構成する荷重センサカバー部材241Bの開口部243Bに入り、荷重センサ21Bの封止カバー212Bと対向する。
スイッチ2Bは、トリガ20Bの押圧凸部202Bと、荷重センサ21Bの封止カバー212Bとの間に、第1の誤作動抑止空間L1が形成される。また、スイッチ2Bは、封止カバー212Bの押圧部214Bと感圧導電性弾性部材210Bとの間に、第2の誤作動抑止空間L2が形成される。更に、荷重センサ21Bは、感圧導電性弾性部材210Bと基板211Bとの間に、絶縁空間L3が形成される。
<第2の実施の形態のスイッチの動作例>
図13は、第2の実施の形態のスイッチの動作の一例を示す構成図、図14は、第2の実施の形態の荷重センサの動作の一例を示す構成図で、次に、各図を参照して、第2の実施の形態のスイッチ2Bの動作について説明する。
スイッチ2Bは、トリガ20Bが引かれていない状態では、感圧導電性弾性部材210Bと基板211Bとの間に絶縁空間L3が形成されている。スイッチ2Bは、感圧導電性弾性部材210Bと基板211Bとの間に絶縁空間L3が形成されている状態では、荷重センサ21Bの抵抗値は無限大であり、荷重センサ21Bは非導通の状態である。
スイッチ2Bは、トリガ20Bが引かれると、トリガ20Bが矢印R方向に移動することで、第1の誤作動抑止空間L1が減少し、押圧凸部202Bが封止カバー212Bに接する。更にトリガ20Bが引かれると、トリガ20Bの押圧凸部202Bが封止カバー212Bを押圧することで、第2の誤作動抑止空間L2が減少し、封止カバー212Bの押圧部214Bが感圧導電性弾性部材210Bに接する。
更にトリガ20Bが引かれると、トリガ20B、封止カバー212Bを介して感圧導電性弾性部材210Bが押圧されることで、感圧導電性弾性部材210Bが撓む方向に弾性変形して、絶縁空間L3が減少し、感圧導電性弾性部材210Bが基板211Bに接する。
更にトリガ20Bが引かれると、トリガ20B、封止カバー212Bを介して感圧導電性弾性部材210Bが押圧されることで、感圧導電性弾性部材210Bが基板211Bに接触した状態で、感圧導電性弾性部材210Bが圧縮される方向に弾性変形する。
荷重センサ21Bは、感圧導電性弾性部材210Bが押圧されて変形すると、変形量に応じて抵抗値が変化する特性を有する。荷重の増加により感圧導電性弾性部材210Bの変形量が増加して、抵抗値が所定の値に減少すると、荷重センサ21Bが導通した状態となる。また、荷重センサ21Bが導通した状態から、荷重の更なる増加による感圧導電性弾性部材210Bの変形量の増加に伴い、抵抗値が更に減少する。
上述したように、トリガ20Bを介して感圧導電性弾性部材210Bを押圧するため、トリガ20Bの移動量L4に対し、第1の誤作動抑止空間L1と第2の誤作動抑止空間L2及び絶縁空間L3の合計値が少なく構成される。
なお、トリガ20Bが押圧されていない初期状態において絶縁空間L3が確保できれば、第1の誤作動抑止空間L1と第2の誤作動抑止空間L2は設けなくても良い。但し、各部品の寸法公差、各部品を組み立てた時の公差の累積等により、トリガ20Bが押圧されていない初期状態において、感圧導電性弾性部材210Bに荷重が掛かる可能性を考慮して、第1の誤作動抑止空間L1と第2の誤作動抑止空間L2を設ける。
絶縁空間L3は、人の指でトリガ20Bを引くという操作では、感覚的には「0」と見なすことができる。このため、トリガ20Bの移動量L4は、0mm以上3mm以下程度に設定される。
感圧導電性弾性部材210Bを備えた荷重センサ21Bを使用したスイッチ2Bでは、摺動式あるいは回転式等、機械的な可変抵抗を備える必要がない。従来、トリガのストロークは、可変抵抗の可動範囲によって決まっていたが、スイッチ2Bでは、トリガ20Bのストロークを決定する際の自由度が向上する。
また、スイッチ2Bでは、トリガ20Bとセンサユニット24Bは可動する構成としたが、感圧導電性弾性部材210Bを備えた荷重センサ21Bを使用することで、機械的な可変抵抗を備える構成と比較して、部品の可動量を少なくでき、スイッチの小型化を図ることができる。
スイッチ2Bでは、荷重センサカバー部材241Bと荷重センサ支持部材242Bの間に荷重センサ21Bが挟持されると、封止カバー212Bは、荷重センサカバー部材241Bの挟持部244Bにより荷重センサ支持部材242Bに押圧されて、シール部215Bが厚さ方向に押し潰された状態となる。
これにより、シール部215Bの一方の面である表面が荷重センサカバー部材241Bの挟持部244Bに圧接され、シール部215Bの他方の面である裏面が荷重センサ支持部材242Bの封止面248Bに圧接される。よって、封止カバー212Bは、荷重センサカバー部材241Bの封止面245Bと荷重センサ支持部材242Bの封止面248Bとの間におけるシール材としての機能を持つ。
従って、センサユニット24Bは、荷重センサカバー部材241Bの封止面245Bと荷重センサ支持部材242Bの封止面248Bが圧接され、封止カバー212Bのシール部215Bが押し潰されることで、荷重センサ21Bの内部空間218Bが封止されると共に、密閉空間247Bが封止される。また、センサユニット24Bは、荷重センサ支持部材242Bの密閉空間247Bから荷重センサ21Bの配線213Bを取り出す部位が、シール材27Bで封止される。
よって、センサユニット24Bでは、荷重センサ21Bの内部空間218Bに水分や埃が侵入することが抑制されると共に、基板211Bの裏面側の密閉空間247Bに水分や埃が侵入することが抑制されるので、荷重センサ21Bの感圧導電性弾性部材210B及び基板211Bに対する防水及び防塵構造を実現することができる。また、スイッチ2Bでは、トリガ20B及びセンサユニット24Bは可動する構成としたが、トリガ20Bとセンサユニット24Bは独立した部材で、かつ、センサユニット24Bの内部に防水、防塵構造を持たせることで、摺動する部位に防水、防塵性を持たせる必要がないので、簡単な構成で、防水、防塵構造を実現できる。
スイッチ2Bは、トリガ20Bを付勢するコイルバネ23Bより、センサユニット24Bを付勢するコイルバネ26Bの方が、反力が強く構成される。これにより、通常の力でトリガ20Bを引く操作では、トリガ20Bが矢印R方向に移動することで、トリガ20B及び封止カバー212Bを介して感圧導電性弾性部材210Bが押圧される。
但し、封止カバー212B及び感圧導電性弾性部材210Bで許容される変形量を超えた場合、更に、トリガ20Bに所定以上の大きさの力が掛かった場合には、コイルバネ26Bを圧縮させてセンサユニット24Bが矢印R方向に移動し、荷重センサ21Bが退避する。
トリガ20Bの移動量が最大(=L4)となっても、センサユニット24Bが矢印R方向に移動可能となるように、センサユニット24Bの移動量L5を設定することで、トリガ20Bを引く過程のみならず、トリガ20Bを引ききった状態であっても、図13に示すように、規制部250Bと支持部22Bに設けられたピン221Bとの間に退避許容空間L6が形成される。これにより、荷重センサ21Bが矢印R方向に退避可能であり、荷重センサ21Bに所定以上の荷重が掛かることを抑制することができる。
また、スイッチ2Bでは、トリガ20Bが封止カバー212Bを押圧すると、図14に示すように、内部空間218Bの容積が減少する。センサユニット24Bでは、荷重センサカバー部材241Bの封止面245Bと荷重センサ支持部材242Bの封止面248Bが圧接されることで、密閉空間247Bが封止され、水分や埃の侵入を抑止できる程度になっている。
このため、トリガ20Bが封止カバー212Bを押圧することで、内部空間218Bの容積が減少して、内部空間218B内の圧力が上昇すると、内部空間218B内の空気が、荷重センサカバー部材241Bの封止面245Bと荷重センサ支持部材242Bの封止面248Bとの間から外部に漏れる可能性がある。内部空間218Bの空気が外部に漏れると、トリガ20Bによる押圧が解除されたときに、封止カバー212Bの弾性により封止カバー212Bの形状が復元しようとする際、内部空間218Bが負圧になることで、封止カバー212Bの弾性による形状の復元が困難になる可能性がある。
そこで、荷重センサ21Bの基板211Bを挟んで、内部空間218Bと密閉空間247Bを連通部219Bで連通させることで、トリガ20Bで封止カバー212Bが押圧されたとき、内部空間218Bの空気を密閉空間247Bへ流す。
密閉空間247Bは、内部空間218Bに比較して十分に大きな容積を有するため、内部空間218Bの容積減少分の空気が流れても、圧力上昇は無視できる程度であり、荷重センサカバー部材241Bの封止面245Bと荷重センサ支持部材242Bの封止面248Bとの間からの空気の漏れが十分に抑制される。
これにより、トリガ20Bによる押圧が解除されたときに、封止カバー212Bの弾性により封止カバー212Bの形状が復元しようとする際、内部空間218Bが負圧にならず、封止カバー212Bの弾性による形状の復元が確実に行われる。
<制御部の起動動作例>
次に、上述した各スイッチ2A〜2Bを適用した制御部3の起動動作について、各図を参照して説明する。以下の説明では、スイッチ2A〜2Bをスイッチ2と称し、荷重センサ21A〜21Bを荷重センサ21と称す。また、感圧導電性弾性部材210A〜210Bを感圧導電性弾性部材210と称し、基板211A〜211Bを基板211と称す。
制御部3は、スイッチ2の操作により感圧導電性弾性部材210が押圧されることで変化する荷重センサ21の抵抗値Raを検知し、検知した抵抗値に応じた制御信号Ddを出力する。荷重センサ21の抵抗値Raは、トリガ20を押圧する力で変化するので、使用者がトリガ20を操作する加減によった制御信号Ddで、モータMを制御可能となる。なお、電気部品としてLED等の照明装置を備えても良い。
制御回路4は制御部3の起動回路であり、スイッチ2の操作により感圧導電性弾性部材210が押圧されることで、荷重センサ21の抵抗値Raが初期値から所定量減少すると、電源部5から制御部3に電流を流す回路を構成する。
制御回路4は、例えば、トランジスタTr1等で構成される第1のスイッチ回路41と、トランジスタTr2等で構成される第2のスイッチ回路42を備える。
上述したように、トリガ20が押圧されておらず、感圧導電性弾性部材210と基板211との間に絶縁空間L3が形成されている状態では、荷重センサ21の抵抗値は無限大であり、荷重センサ21は非導通の状態である。このため、第1のスイッチ回路41でトランジスタTr1はOFFの状態であり、トランジスタTr1に電流が流れないことで、電源ドライバ53に電源部5から給電されず、電源ドライバ53から制御部3に所定の電圧が印加されない。また、制御部3が起動しないことで、第2のスイッチ回路42でトランジスタTr2はOFFの状態であり、トランジスタTr2に電流が流れない。よって、電源が切れた状態を実現している。
スイッチ2は、トリガ20が引かれると、絶縁空間L3が減少して、感圧導電性弾性部材210が基板211に接する。トリガ20が更に引かれ、基板211に接した感圧導電性弾性部材210が所定量圧縮される方向に変形すると、荷重センサ21が導通した状態となる。
荷重センサ21が導通した状態となると、第1のスイッチ回路41でトランジスタTr1がONの状態となり、トランジスタTr1に電流が流れる。トランジスタTr1に電流が流れることで、電源ドライバ53に電源部5から給電されて、電源ドライバ53から制御部3に所定の電圧Vccが印加され、制御部3が起動する。
制御部3が起動すると、制御部3から電源供給保持信号Dkが出力され、第2のスイッチ回路42でトランジスタTr2がONの状態となり、トランジスタTr2に電流が流れる。よって、電源供給保持回路43で第1のスイッチ回路41のトランジスタTr1をONの状態で保持し、電源部5から電源ドライバ53への給電を可能とする。
これにより、インパクトドライバ10A等、電動工具1Aの使用者がトリガ20を指で押圧する動作を行うと、トリガ20を介して荷重センサ21に掛けられる荷重が低い初期の段階で、制御部3を起動させることができる。
荷重センサ21は、トリガ20を介して感圧導電性弾性部材210に掛けられる荷重に応じて抵抗値Raが変化する。制御部3は、荷重センサ21の抵抗値Raが抵抗値検出回路44から入力され、荷重センサ21の抵抗値Raに応じて、例えば、パルス幅変調(pulse width modulation:PWM)の出力値を制御した制御信号Ddを駆動回路6に出力して、モータMを制御する。これにより、トリガ20を引く力の強弱に合わせてモータMの回転数を制御することが可能である。
また、トリガ20を引く力を緩めて、感圧導電性弾性部材210と基板211との間に絶縁空間L3が形成されている状態に戻ると、荷重センサ21が非導通の状態となる。制御部3は、荷重センサ21の抵抗値Raが所定の値、本例では無限大と見なす値になったと判断すると、モータMの回転を停止する制御信号Ddを出力する。これにより、トリガ20を引く力を所定以下に弱める、または、トリガ20から指を離すことにより、モータMの回転が停止する。
制御部3は、荷重センサ21の抵抗値Raが無限大と見なす値になった後、所定時間の間、電源供給保持信号Dkの出力を継続する。これにより、荷重センサ21が非導通の状態になっても、電源部5から電源ドライバ53へ給電が継続され、電源ドライバ53から制御部3への電圧Vccの供給が継続される。
制御部3は、荷重センサ21の抵抗値Raが無限大と見なす値になった後、所定時間で電源供給保持信号Dkの出力を停止する。これにより、第2のスイッチ回路42でトランジスタTr2がOFFの状態となり、トランジスタTr2で電流が流れない。また、第1のスイッチ回路41でトランジスタTrがOFFの状態となる。第1のスイッチ回路41及び第2のスイッチ回路42の双方がOFFの状態となることで、電源ドライバ53に電源部5から給電されず、電源ドライバ53から制御部3に電圧Vccが印加されない。よって、電源が切れた状態となる。
従って、制御部3を起動するため、荷重センサ21とは別のスイッチを設ける必要がなく、荷重センサ21を使用した1組のスイッチ2で、制御部3の起動と制御部3によるモータMの制御を行うことができる。
よって、スイッチ2の小型化が可能であり、スイッチ2を小型にできることで、グリップ12において、スイッチ2が占有する部位を少なくでき、装置全体の小型化を図ることができる。
なお、荷重センサとしては、感圧導電性弾性部材の両面に導体パターンを形成し、感圧導電性弾性部材が圧縮される方向への弾性変形により、感圧導電性弾性部材の表裏で導通の有無及び抵抗値が切り替えられる構成としても良い。
また、以上の説明では、電動工具としてインパクトドライバ例に説明したが、打撃機構を有していない電動ドライバ、電動のこぎり、電動やすり等に適用可能で、これら電動工具でモータの回転を操作する操作部に、各実施の形態のスイッチ2(2A〜2B)を適用可能である。また、各実施の形態の荷重センサ21(21A〜21B)を、モータの回転を操作する操作部以外のスイッチとして備えても良い。更に、電源部は着脱可能なバッテリのみならず、電源ケーブルによるAC電源の供給で動作する構成でも良い。
また、工具としては、空気、ガス等の気体の圧力、油等の液体の圧力で作動する構成であってもよく、バルブの開閉、開度調整を電磁バルブ等の電気部品で制御する構成で、この電気部品の操作を各実施の形態の荷重センサ21(21A〜21B)を適用したスイッチで行えるようにしてもよい。
更に、荷重センサとして、感圧導電性弾性部材を使用した例で説明したが、半導体式、歪みゲージ式等の荷重センサを使用しても良い。