<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態について、添付図面を参照して説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や、入球口64,640,67等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図12参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81で表示される演出や背景などを可変させる場合などに、遊技者により操作される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯または点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
また、右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
なお、本実施形態では、上記した構成としたが、それに限らず、主制御装置110や他の制御装置が球発射ユニット112aにより発射された遊技球を検出する構成や、球発射ユニット112aのソレノイドが遊技球を発射したことを検出するように構成してもよい。また、検出した遊技球の数をカウントして、RAMクリア等の処理が実行されるまで記憶するように構成してもよい。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。この球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「ドル箱」と称される)を置いた状態で行われる。下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車、およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、振分部材660、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、第2入球口640、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(始動口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。また、遊技領域は、戻り球防止部材68を通過した遊技球がアウト口66や入賞口を通過するまでに流下する領域はすべて含まれる。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図12参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
本パチンコ機10では、球が第1入球口64、または第2入球口640のいずれかへ入球した場合に特別図柄(第1図柄)の抽選が行われ、球が普通入球口67を通過した場合に普通図柄(第2図柄)の抽選が行われる。第1入球口64、または第2入球口640への入球に対して行われる特別図柄の抽選では、特別図柄の大当たりか否かの当否判定が行われると共に、特別図柄の大当たりと判定された場合にはその大当たり種別の判定も行われる。特別図柄の大当たりになると、パチンコ機10が特別遊技状態へ移行すると共に、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が7個入賞するまで)開放され、その開放が大当たり種別に応じた回数(ラウンド数)繰り返される。その結果、その特定入賞口65aに多量の球が入賞するので、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりF」の6種類が設けられており、特別遊技状態の終了後には大当たり終了後の付加価値として、大当たり遊技の結果に応じた遊技上の価値(遊技価値)が遊技者に付与される。なお、「大当たりA〜C」の3種類は、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別であり、「大当たりD〜F」の3種類は、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される抽選で大当たりとなった場合に決定され得る大当たり種別である。以降、説明の簡略化のため、球が第1入球口64へと入球したことを契機として実行される特別図柄の抽選のことを第1特別図柄の抽選と称し、球が第2入球口640へと入球したことを契機として実行される特別図柄の抽選のことを第2特別図柄の抽選と称する。
特別図柄(第1図柄)の抽選が行われると、第1図柄表示装置37において特別図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、7秒〜90秒など)が経過した後に、抽選結果を示す特別図柄が停止表示される。第1図柄表示装置37において変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球すると、その入球回数は、入球口の種別毎にそれぞれ最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。第1図柄表示装置37において変動表示が終了した場合に、第1入球口64、または第2入球口640についての保留球数が残っていれば、次の特別図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
一方、普通入球口67における球の通過に対して行われる普通図柄の抽選では、普通図柄の当たりか否かの当否判定が行われる。普通図柄の当たりになると、所定時間(例えば、0.2秒または1秒)だけ第1入球口64に付随する電動役物64aが開放位置に可変されることで第1入球口64が開放される。なお、通常時は、電動役物64aが閉鎖位置に配設されているため、第1入球口64の正面視右側と、左側とが閉鎖されている。よって、正面視右側および左側から第1入球口64に向かって転動してきた球は、電動役物64aに阻まれることにより第1入球口64へと入球することが不可能(困難)となる。このため、通常時は基本的に第1入球口64に対して正面視鉛直上方より流下してきた球のみが第1入球口64へと入球可能となる。一方、普通図柄の当たりとなった場合は、電動役物64aが開放されることにより、正面視右側および左側から第1入球口64に向かって転動してきた球が第1入球口64へ入球し易くなり、その結果、特別図柄の抽選が行われ易くなる。
また、普通図柄(第2図柄)の抽選が行われると、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が開始されて、所定時間(例えば、3秒や30秒など)が経過した後に、抽選結果を示す普通図柄が停止表示される。第2図柄表示装置83において変動表示が行われている間に球が普通入球口67を通過すると、その通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が第1図柄表示装置37により表示されると共に、第2図柄保留ランプ84においても示される。第2図柄表示装置83において変動表示が終了した場合に、普通入球口67についての保留球数が残っていれば、次の普通図柄の抽選が行われると共に、その抽選に応じた変動表示が開始される。
上述したように、特別図柄の大当たり種別としては、「大当たりA」〜「大当たりF」の6種類が設けられている。
「大当たりA」、および「大当たりD」になると、いずれもラウンド数が16ラウンドの特別遊技状態(16ラウンド大当たり)となる。一方、「大当たりB」になると、ラウンド数が5ラウンドの特別遊技状態(5ラウンド大当たり)となり、「大当たりC」になると、ラウンド数が2ラウンドの特別遊技状態となり、「大当たりE」になると、ラウンド数が7ラウンドの特別遊技状態(7ラウンド大当たり)となり、「大当たりF」になると、ラウンド数が6ラウンドの特別遊技状態(6ラウンド大当たり)となる。更に、上記各大当たり遊技中に特定条件を満たした場合(可変入賞装置65へと入球した球が、後述する確変スイッチ65e3を通過した場合)は、大当たり終了後に特別図柄の高確率状態(特別図柄の確変中)へ移行する。また、特別図柄の高確率状態が付与された場合には、
普通図柄の当たり確率もアップする(普通図柄の時短状態が付与される)。特別図柄の高確率状態、および普通図柄の時短状態は、大当たり終了後から次に大当たりとなるまで継続する。一方、特別図柄の高確率状態が付与されなかった(大当たり遊技において確変スイッチ65e3を球が通過しなかった)場合は、次に大当たりとなるまで、特別図柄の低確率状態となり、普通図柄の当たり確率も通常の確率となる(普通図柄の通常状態となる)。
ここで、「特別図柄の高確率状態」とは、特別図柄の大当たり確率がアップした状態、いわゆる「特別図柄の高確率状態」(特別図柄の確変状態)をいい、換言すれば、特別遊技状態(大当たり)へ移行し易い遊技の状態のことである。対して、「特別図柄の高確率状態」でない場合を「特別図柄の低確率状態」といい、これは特別図柄の確変状態よりも大当たり確率が低い状態、即ち、特別図柄の大当たり確率が通常の状態(特別図柄の低確率状態)のことを示す。また、「普通図柄の時短状態」(普通図柄の高確率状態)とは、普通図柄の当たり確率がアップして、第2入球口640へ球が入球し易い遊技状態のことをいう。これ対して、「普通図柄の時短状態」でない時を「普通図柄の通常状態」(普通図柄の低確率状態)といい、これは普通図柄の当たり確率が通常の状態、即ち、時短中よりも当たり確率が低い状態のことを示す。
以後、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が特別図柄の高確率状態になっている期間のことを、特別図柄の確変期間と称す。また、特別図柄の大当たり終了後からパチンコ機10が普通図柄の時短状態になっている期間のことを、普通図柄の時短期間と称す。
上述したように、本実施形態における特別図柄の大当たりでは、大当たりの種別に応じて大当たり時のラウンド数を異ならせている。これに対して、全ての大当たり種別でラウンド数を共通(例えば、全て5ラウンド)としても良い。また、本実施形態では、大当たり後に付与された「特別図柄の確変状態」、「普通図柄の時短状態」が、次に大当たりとなるまで継続する構成としたが、これに限られるものではない。例えば、「特別図柄の確変状態」、および「普通図柄の時短状態」を、特別図柄の抽選回数が所定回数(例えば、100回)実行されるまでの間に限定する構成としてもよい。この場合において、「特別図柄の確変状態」となる抽選回数と、「普通図柄の時短状態」となる抽選回数とを異ならせてもよい。また、大当たりの種別に応じて、抽選回数を可変させる構成としてもよい。
本パチンコ機10では、電源などの投入等により初期設定が行われると、必ず「特別図柄の低確率状態」、および「普通図柄の通常状態」に設定される。そして、大当たりとなり、その大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過した場合には、「特別図柄の低確率状態」から「特別図柄の確変状態」へ移行すると共に、「普通図柄の通常状態」から「普通図柄の時短状態」へ移行する。この場合、設定された「特別図柄の確変状態」と、「普通図柄の時短状態」とは、次に大当たりとなるまで継続する。一方、1の大当たりにおいて球が確変スイッチ65e3を一度も通過しなかった場合は、「特別図柄の低確率状態」および「普通図柄の通常状態」に移行する。なお、詳細については後述するが、本第1実施形態では、「大当たりA〜D」になると、大当たり中に球が確変スイッチ65e3を通過し易くなり、「大当たりE,F」になると、大当たり中に球が確変スイッチ65e3を通過することが困難となる。第1特別図柄の抽選で大当たりになると、「大当たりA〜C」のいずれかとなるので、大当たりの終了後が「特別図柄の確変状態」および「普通図柄の時短状態」となる可能性が高い。一方、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、「大当たりD〜F」のいずれかになる。更に、詳細については後述するが、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」となる割合は5%である。よって、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、高確率(95%の割合)で「大当たりE,F」になるため、大当たりの終了後が遊技者にとって不利な「特別図柄の低確率状態」および「普通図柄の通常状態」となる可能性が高い。よって、第2特別図柄の抽選は、第1特別図柄の抽選に比べて遊技者にとって不利となる。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる特別図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その特別図柄の抽選結果に応じた特別図柄(第1図柄)を点灯状態により示したり、第1入球口64、または第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。
この第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が行われている間に球が第1入球口64、または第2入球口640へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、第3図柄表示装置81においても示される。なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留回数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。
7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態(特別図柄の高確率状態や、普通図柄の時短中など)を表示することができる。また、LED37aには、変動終了後の停止図柄として特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別(大当たりA〜Fに応じた特別図柄(第1図柄)が示される。
また、遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、LEDで構成された第2図柄表示装置83とが設けられている。この可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は、第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。例えば、第1入球口64、または第2入球口640へ球が入球(始動入賞)すると、それをトリガとして、第1図柄表示装置37において特別図柄(第1図柄)の変動表示が実行される。更に、第3図柄表示装置81では、その特別図柄の変動表示に同期して、その特別図柄の変動表示に対応する第3図柄の変動表示が行われる。
第3図柄表示装置81は、8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態では、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、第3図柄表示装置81はその第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示が行われる。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図7を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図7は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図7(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図7(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、「0」から「9」の数字を模して構成されている。本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図12参照)により行われる特別図柄の抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。一方、特別図柄の抽選結果が外れであった場合は、同一の主図柄が揃わない変動表示が行われる。
図7(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、上側の約4/5が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の下側の1/5が、保留球数や予告キャラ等を表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。この停止表示状態は最低0.5秒間保持される。このように、停止した第3図柄を一定期間(0.5秒以上)表示させておくことで、遊技者が大当たりに対応する第3図柄の組み合わせであるか否か(特別図柄の抽選結果が大当たりであるか否か)を見落としてしまうことを抑制することができる。また、第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)が揃えば、大当たりとして大当たり動画(オープニング演出)が表示される。
また、停止表示された第3図柄の組み合わせが外れに対応する組み合わせであって、保留球が存在する場合は、停止表示後に、保留球に基づく抽選に対応する変動表示が開始される。なお、複数の保留球が存在する場合は、時間的に最も古い入球に対応する保留球に基づいて抽選が実行される。更に、第1特別図柄の抽選に対応する保留球と、第2特別図柄の抽選に対応する保留球との両方が存在する場合には、第2特別図柄の保留球に基づく抽選が優先的に実行される。
一方、保留球が存在しない状態で、特別図柄の外れに対応する組み合わせの第3図柄が1秒間停止表示された場合は、その後も第3図柄が停止表示された状態が継続する。この状態は、所定時間(例えば、15秒)が経過するか、または、第1入球口64、および第2入球口640のどちらかに対して新たに球が入球するまで継続する。そして、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した場合は、遊技が実行されていないことを示すデモ演出が表示される。遊技者が球を所定時間(例えば、15秒)連続して発射させているにも関わらず、第1入球口64、および第2入球口640への入球が無いという状況は稀であり、第3図柄が停止表示された状態が所定時間(例えば、15秒)継続する場合の多くは、遊技者が遊技を辞めたことで、パチンコ機10による遊技が全く行われていないことに起因する。よって、本実施形態のパチンコ機10では、第3図柄が停止表示されてから所定時間(例えば、15秒)が経過した時点で、遊技者が遊技を行っていないと判断し、デモ演出を開始する。これにより、遊技を開始するためにパチンコ機10を選択しようとしている遊技者が、デモ演出の表示の有無に基づいて遊技が行われているか否かを容易に判断することができる。一方、所定時間(例えば、15秒)が経過する前に第1入球口64、および第2入球口640に対して新たに球が入球した場合は、その新たな入球に対応する第3図柄の変動表示が実行される。
副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも下方に横長に設けられており、第1入球口64、および第2入球口640に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数が、各保留球を示す保留図柄の個数によって表示される。
実際の表示画面では、図7(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計3個表示される。副表示領域Dsにおいては、正面視右側、および左側に、黒丸で表示された保留図柄がそれぞれ最大で4個ずつ表示される。正面視右側に表示される保留図柄が、第1特別図柄の抽選に対応する保留図柄(第1保留図柄)であり、正面視右側に表示される保留図柄が、第2特別図柄の抽選に対応する保留図柄(第2保留図柄)である。図7(b)は、第1保留図柄が3つ表示されている一方で、第2保留図柄が0個表示されている(第2保留図柄が全てブランクになっている)場合を例示している。
なお、本実施形態においては、第1入球口64、および第2入球口640への入球は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、保留球数を保留図柄の数によって表示するのに代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
第2図柄表示装置83は、球が普通入球口67を通過することに伴って行われる普通図柄の抽選が実行中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その普通図柄の抽選結果に応じた普通図柄(第2図柄)を点灯状態により示したりするものである。
より具体的には、第2図柄表示装置83では、球が左右いずれかの普通入球口67を通過する毎に、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止すると、第2入球口640に付随する電動役物640aが所定時間だけ作動状態となり(開放される)、その結果、第2入球口640に球が入り易い状態となるように構成されている。球が普通入球口67を通過した通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、普通図柄(第2図柄)の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、普通入球口67における球の通過は、第1入球口64や第2入球口640と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。この第1入球口64には、左右それぞれに開閉可能な一対の電動役物64aが設けられており、電動役物64aが開状態となった場合は、第1入球口64の鉛直上方から流下した球に加えて、左右方向から流下した球も入球可能となる。なお、この第1入球口64は、電動役物64aが開状態となっているか否かに拘わらず、可変表示装置ユニット80の左側の流路を流下した球(左打ちされた球)の方が、可変表示装置ユニット80の右側の流路を流下した球(右打ちされた球)に比べて入球し易くなるように、釘等が配置されている。
第1入球口64に対して正面視右上側には、球が入球し得る第2入球口640が配設されている。この第2入球口640へ球が入球すると遊技盤13の裏面側に設けられる第2入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第2入球口スイッチのオンに起因して主制御装置110で特別図柄の抽選がなされ、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示される。また、第2入球口640は、球が入球すると1個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。図2に示した通り、第2入球口640は、遊技盤13の右側に設けられているため、基本的に可変表示装置ユニット80の右方向に設けられた流路を流下した球の方が、可変表示装置ユニット80の左方向に設けられた流路を流下した球よりも入球し易くなる。
第2入球口640の正面視下方には、可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110で行われる特別図柄の抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した第3図柄の停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が7個入賞するまで)開放される。即ち、通常時は特定入賞口65aを閉鎖している開閉扉65f1が、大当たりとなることにより開放され、特定入賞口65aへと球が入球可能となる。なお、この特定入賞口65a、および第2入球口640は、可変表示装置ユニット80の右側の流路を流下した球(右打ちされた球)が入球可能(入球容易)となる位置に配置されている。言い換えれば、可変表示装置ユニット80の左側の流路を流下した球が入球不可能(入球困難)となる位置に配置されている。よって、遊技者が大当たり中に賞球の払い出しを受ける(利益を得る)ためには、球を右打ちすればよい。
可変入賞装置65の内部には、球が通過可能な複数の流路(通常排出流路65e1、および特別排出流路65e2)が設けられている(図6(a),(b)参照)。可変入賞装置65の内部へと流入した球は、いずれかの流路(通常排出流路65e1、および特別排出流路65e2)を流下してパチンコ機10の外部へと排出される。また、特別排出流路65e2には、球が通過することで大当たり後に特別図柄の高確率状態(確変状態)が付与される確変スイッチ65e3が設けられている。この特別排出流路65e2は、大当たりの1ラウンド目においてのみ通過可能な状態となる。なお、詳細については後述するが、本実施形態では、大当たりの1ラウンド目において特定入賞口65aへと球を容易に入球させることができる(開閉扉65f1が最大で30秒間開放される)大当たり(大当たりA〜D)と、特定入賞口65aへと球を入球させることが困難(開閉扉65f1が最大で0.2秒間しか開放されない)大当たり(大当たりE、F)とが設けられている。
ここで、図4〜図6を参照して、この可変入賞装置65の構成について説明する。図4は、この可変入賞装置65の分解斜視図である。可変入賞装置65は、図4に示すように、遊技盤13の前面側に突出して配置される開口部形成部材65b、その開口部形成部材65bの背面側に組み合わされて、可変入賞装置65を遊技盤13にビス留めするためのベース部材65cと、そのベース部材65cの背面側に配置されてベース部材65cの背面側よりパチンコ機10の前面側に対してLEDを点灯させるためのLEDが複数配置されたLED基板65dと、そのLED基板65dをベース部材65cと狭持する裏カバー体65eと、開口部形成部材65bに形成されている特定入賞口65aを開閉するための開閉扉65f1を有した開閉ユニット65fと、裏カバー体65eの背面側に組み合わされて流路を形成する流路カバー体65gと、裏カバー体65eと流路カバー体65gとで形成された流路に突出して遊技球の流路を切り替える切替部材65hと、その切替部材65hと係止されるリンク部材65iと、流路カバー体65gの背面側に配置される背面カバー体65jと、その背面カバー体65jの背面側に固定されて、リンク部材65iを作動させる流路ソレノイド65kと、その流路ソレノイド65kを背面側から覆って背面カバー体65jにビスにより固定するための固定用カバー体65mとで構成されている。
図5は、可変入賞装置65の断面図である。図5(c)は可変入賞装置65の上面図であり、図5(b)は、可変入賞装置65のLb−Lb断面図である。図5(b)に示すように、可変入賞装置65には、遊技球が入球可能な開口部である特定入賞口65aが形成されている。特定入賞口65aは、パチンコ機10の上方を略長方形状の開口が形成されており、その開口を通過した遊技球が図5(b)の左方向に誘導されるように左下方に傾斜した底面が形成されている。底面の左端部には、遊技球の入賞を検知するための磁気センサ65c1で構成された検出口65a1が配置されている。この検出口65a1を通過した遊技球は、図6(b)で示す裏カバー体65eの背面側に形成された振り分け流路へと誘導される。
なお、図5(b)に示すように特定入賞口65aの開口は、遊技盤13側より出没可能なシャッター機構で構成された開閉扉65f1により遊技球が入球可能な開放状態と入球不可能(入球困難)な閉鎖状態とに可変される。閉鎖状態では、開口が完全に開閉扉65f1によって覆われ、開閉扉の上部を遊技球が転動可能に構成される。また、開放状態では、開閉扉65f1は、ベース部材65cの内側(遊技盤13の内部)に退避されることにより特定入賞口65a内から退避されるように構成されている。
このように構成することで、開閉扉65f1の開放状態においては、遊技球が流下する方向と直交する面を可変入賞装置65の開口として構成できるので、より多くの遊技球が効率よく特定入賞口65a内に入賞できる。よって、大当たり遊技に要する時間を短くすることができ、遊技の効率化を図ることができる。
図5(a)は、図5(b)に示すLa−La断面図である。図5(a)に示すように検出口65a1を有する磁気センサ65c1は、裏カバー体65eの振り分け流路側へと検出口65a1が傾くようにベース部材65cに固定されている。
図6を参照して、裏カバー体65eの振り分け流路に誘導された遊技球が後述する通常排出流路65e1と特別排出流路65e2とに振り分けられる構成について説明する。
図6(a)は、遊技球が特別排出流路65e2に振り分けられるように切替部材65hが作動された状態を示す裏カバー体65eの背面図である。図6(a)に示すように、切替部材65hは、リンク部材65iの突部が挿入される係止穴65h1と遊技球を誘導する誘導片65h2とを有しており、流路カバー体65gに背面側より回動可能に軸支されている。ここで、流路カバー体65gには、この誘導片65h2を挿通することが可能な開口部が設けられており、流路カバー体65gの背面側より振り分け流路内に誘導片65hを回動可能に配置することが可能に構成されている。
図6(a)に示すように、検出口65a1より振り分け流路内に誘導された遊技球は、左斜め下方に配置された誘導片65h2の上面に誘導されて特別排出流路65e2に誘導される。特別排出流路65e2を通過した遊技球は特別排出流路65e2に設けられた遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された確変スイッチ65e3により検出されてアウト球としてパチンコ機10の外部へ排出される。
ここで、詳細については後述するが、本実施形態におけるパチンコ機10では、大当たり遊技中に上記した確変スイッチ65e3を遊技球が通過することにより、大当たり遊技後の遊技状態が特別図柄の確変状態(確変遊技状態)に設定される。即ち、確変スイッチ65e3は、確変遊技状態を付与するための入賞口として構成されている。また、切替部材65hは、大当たり後の遊技状態を低確率遊技状態か確変遊技状態かに振り分けるための構成となる。
このように、大当たり遊技中に特定入賞口65aに入賞した遊技球の流下ルートにより大当たり遊技後に設定される遊技状態が可変されるので、大当たり遊技中にも遊技者の興趣を向上させることができる。なお、切替部材65hの作動は、大当たりの1ラウンド目とリンクしており、大当たりの1ラウンド目の開始と同時に特別排出流路65e2が開放される位置に切替部材65hが作動する一方で、大当たりの1ラウンド目の終了と同時に特別排出流路65e2が閉鎖される位置に切り替え部材65hが作動する。また、可変入賞装置65の開口から特別排出流路65e2の入り口(切替部材65hの誘導片65h2により閉鎖さる開口面)を通過するのに必要な時間は、最短でも0.2秒で構成されている。上述した通り、大当たりE,Fでは、開閉扉65f1の開放期間が最大で0.2秒間なので、開閉扉65f1が開放されたのと同時に球を特定入賞口65aに入球させることができない限りは、球が特別排出流路65e2へと流入する前に特別排出流路65e2が誘導片65h2によって閉鎖される。このため、大当たりE,Fになると、1の大当たり中に球が確変スイッチ65e3を通過することが困難となる。
次に、図6(b)を参照して、通常排出流路65e1へと遊技球が誘導される場合について説明する。図6(b)は、流路ソレノイド65kが非作動であり、特別排出流路65e2の入り口の開口面を切替部材65hの誘導片65h2が塞いでいる状態を示す図である。
検出口65a1より振り分け流路に誘導された遊技球は、切替部材65hの誘導片65h2の上面に誘導されて通常排出流路65e1に誘導される。この通常排出流路65e1の端部には遊技球の通過を検出可能な磁気センサで構成された球排出口スイッチ65e4が設けられている。これにより、可変入賞装置65内に入球した遊技球が全て排出されたかを球排出口スイッチ65e4と確変スイッチ65e3との合計により判別できる。よって、可変入賞装置65内で球詰まり等の不具合が発生した場合に、その不具合を早期に発見することができる。
このように、可変入賞装置65内に特定入賞口65aに入賞した遊技球が磁気センサ65c1により検出され、それに基づいて、遊技者に特典として賞球(本実施形態では1球入賞に対して11個の賞球)を払い出すことができる。また、その検出された後の遊技球を利用して、確変スイッチ65e3に通過するか否かを振り分け可能に構成することで、確変遊技状態を付与するか否かの抽選も実行することができる。よって、確変遊技状態を付与するための専用の入賞口を可変入賞装置65とは別に設ける必要がなく、遊技盤13のスペースを有効に利用することができる。
図2に戻って説明を続ける。可変入賞装置65に対して正面視右上側には、略半円形の振分部材660が設けられている。この振分部材660は、上方から流下してきた球を受け止めることが可能な受止部がその左右に設けられている。振分部材660は、右側の受止部が、可変表示装置ユニット80の右側に設けられている流路の直下に来る配置と、左側の受止部が流路の直下に来る配置との2通りの配置を取り得る。図2は、右側の受止部が流路の直下に来る配置を例示している。
右側の受止部が流路の直下に来る配置となっている状態で、流路を流下してきた球が右側の受止部によって受け止められた場合は、球の重さにより振分部材660が時計回り方向に回動する結果、左側の受止部が流路の直下に来る配置になる。また、回動により右側の受止部が正面視右下方向に傾斜した状態となるため、球が傾斜に沿って転動する結果、振分部材660の右下方向へと流下する。振分部材660の右下方向へと流下した球は、流路に沿って可変入賞装置65の上面を転動する。このため、開閉扉65f1が開放状態に設定されている場合は、球が特定入賞口65aへと入球する。
左側の受止部が流路の直下に来る配置となっている状態で、流路を流下してきた球が左側の受止部によって受け止められた場合は、球の重さにより振分部材660が反時計回り方向に回動する結果、右側の受止部が流路の直下に来る配置になる。また、回動により左側の受止部が正面視左下方向に傾斜した状態となるため、球が傾斜に沿って転動する結果、振分部材660の左下方向へと流下する。振分部材660の左下方向へと流下した球は、流路に沿って第2入球口640へと向かって流下し、そのうちの約8割が第2入球口640へと入球する。
このように、本第1実施形態では、可変表示装置ユニット80の右側に設けられた流路へと打ち出された球(右打ちされた球)は、振分部材660によって可変入賞装置65の方向と、第2入球口640の方向とに交互に振り分けられる。このため、特別遊技状態(大当たり)において、特定入賞口65aへと球を入賞させて賞球を獲得するために、右打ちを行うと、当該大当たり中に第2入球口640へと球が多量に入球する。その結果、ほとんどの場合、大当たり終了時には第2特別図柄の保留球数が値(4個)まで貯まった状態となる。
上述した通り、本第1実施形態では、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、確変スイッチ65e3を球が通過し難い大当たり種別(大当たりE,F)が高確率(95%)で決定される。また、大当たりE,Fは、いずれも各ラウンドにおける特定入賞口65aの開放時間が極めて短く(0.2秒)、大当たり中に球を入球させることが困難に構成されている。よって、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、高確率(95%)で、賞球をほとんど獲得できない上に、大当たり後の遊技状態も不利となる大当たり種別となってしまう。従って、遊技者に対して、第2特別図柄の抽選は好ましくない抽選であり、なるべく第1特別図柄の抽選のみを実行させたいと思わせることができる。
しかしながら、上述した通り、大当たりにおいて特定入賞口65aへと球を入賞させて賞球を獲得するために右打ちを行うと、第2入球口640へも球が入球するため、少なくとも大当たりの終了後は、大当たり中に保留された第2特別図柄の抽選が実行される。よって、大当たり後は、第2特別図柄の抽選に対応する保留球が無くなるまで、特別図柄の抽選で大当たりとならないことを願って遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができる。遊技者の期待通りに、第2特別図柄の抽選に対応する保留球が全て外れだった場合には、左打ちを行うことによって第1特別図柄の抽選のみを行わせることができるので、遊技者にとって比較的有利な種別の大当たり(大当たりA〜C)となるまで、持ち球を減らさずに遊技を続けることができる。
また、本第1実施形態では、第2入球口640へと球が1個入球した場合に、1個の賞球が付与される。右打ちを行うと、振分部材660によって2球に1球が第2入球口640の方向へと振り分けられるので、第2入球口640の方向へと振り分けられた全ての球が第2入球口640へと入球したとしても、右打ちにより打ち出された球の半分しか賞球によって払い出されない。よって、右打ちを行った場合に持ち球が減り易くなるので、右打ちを行うことに対するメリットを無くすことができる。従って、通常時(大当たり中以外の状態)に右打ちを行う変則的な遊技方法を抑制することができる。
このように、本第1実施形態では、大当たりが終了した後に実行される第2特別図柄の抽選で大当たりになると、遊技者にとって不利となり、第2特別図柄の抽選に対応する保留球が全て外れで有れば、遊技者にとって有利となる。よって、大当たりが終了した後の所定回数(4回)の抽選結果により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口にも入賞しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90、91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図12参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図12参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122(図3参照)は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図8〜10を参照して、主表示領域Dmにおいて実行される、本第1実施形態のパチンコ機10の特徴的な演出について説明する。上述した通り、本実施形態では、大当たり中に特定入賞口65aを狙って右打ちを行うと、第2入球口640へと球が入球することにより大当たりが終了するまでに第2特別図柄の保留球数が上限数に達するように構成されている。第2特別図柄の抽選で大当たりになると、遊技者にとって不利となるので、遊技者は第2特別図柄の保留球に基づく抽選の実行中に、抽選が外れとなることを願って遊技を行う。本第1実施形態では、第2特別図柄の保留球に基づく全ての変動表示が終了するまでに渡り、保留球の中に第2特別図柄の大当たりとなる抽選結果が含まれていたのか否かを示唆する演出を実行する構成としている。
まず、図8(a),(b)を参照して、大当たり中に実行される演出について説明を行う。図8(a)は、大当たり中の表示態様の一例を示した図である。図8(a)に示した通り、大当たり中は、冒険者811が洞窟を探索する演出が表示される。また、第3図柄表示装置81の左上側には、横長略長方形形状の表示領域HR1が表示される。この表示領域HR1には、現在のラウンド数が表示される。図8(a)の例では「1ラウンド」という文字が表示され、現在が1ラウンド目であることを表示している。
第3図柄表示装置81の右上側には、横長略長方形形状の表示領域HR2が表示される。この表示領域HR2には、特定入賞口65aへの入球に基づいて払い出された賞球の個数が表示される。図8(a)の例では、表示領域HR2に「GET 0022」という文字が表示されており、22個の賞球が払い出された(即ち、大当たりが開始されてから2個の球が特定入賞口65aに入球した)ことを示している。
また、第3図柄表示装置81の右側には、4つの表示領域HR3a〜HR3dが表示される。詳細については後述するが、この4つの表示領域HR3a〜HR3dには、大当たり中に第2入球口640へと球が入球することにより増加した第2特別図柄の保留球の期待度を示す画像が表示される。なお、上述した通り、第2特別図柄の抽選で外れとなる方が、大当たりとなるよりも遊技者にとって好ましい結果となる可能性が高いので、表示領域HR3a〜HR3dには、外れとなることに対する期待度を示す画像が表示される。
なお、図8(a)は、第2特別図柄の抽選に対応する保留球が存在していない状態を例示しており、各表示領域HR3a〜HR3dには、「?」の記号が付された画像が表示される。
図8(b)は、大当たり中に第2入球口640への入球を検出した場合の表示態様の一例を示した図である。図8(b)に示した通り、大当たり中に第2入球口640への入球を検出した場合、冒険者811が宝箱812を発見する演出が実行される。この宝箱は、鍵813が入っており、鍵813の態様により、当該入球に基づいて保留された第2特別図柄の抽選結果が外れとなる期待度を示唆している。鍵813の態様が豪華であるほど、外れの期待度が高くなり、貧相な態様であるほど、外れの期待度が低くなる(第2特別図柄の抽選で当たりとなる危険性が高まる)。
図8(b)は、通常の態様の鍵813が表示された場合を例示している。冒険者811が鍵813を発見する演出が行われると、発見した態様と同一の態様の鍵が、表示領域HR3a〜HR3dのうち、「?」が表示されている表示領域に対して上側の表示領域から順番に表示される。図8(b)の例では、「?」の記号が表示されている表示領域のうち、表示領域HR3aに鍵813の画像が表示された場合を例示している。このように、表示領域HR3a〜HR3dに対して、冒険者811が発見した各鍵813の態様を表示させておくことにより、今回の大当たりが終了した後で実行される各保留球に基づく変動表示の期待度を、遊技者が任意のタイミングで確認することができる。よって、遊技者の利便性を向上させることができる。
なお、本第1実施形態では、主表示領域Dmに対して、第2特別図柄の保留球の期待度を表示するための専用の表示領域HR3a〜HR3dを設ける構成としたが、必ずしも専用の表示領域を設ける必要はない。例えば、副表示領域Dsに表示される第2特別図柄の保留図柄を、冒険者811が発見した鍵の態様で表示させる構成としてもよい。
図9(a)は、大当たりの全てのラウンドが終了した後のエンディング演出の開始時における表示態様の一例を示した図である。本第1実施形態では、大当たりのエンディング期間から、第2特別図柄の保留球に基づく全ての変動表示の変動時間が経過するまでに渡って、第2特別図柄の保留球の中に大当たりE,Fが存在するか否かを遊技者に報知する演出が実行される。即ち、第2特別図柄の保留球に基づく全ての変動表示が終了した後も、遊技状態が「特別図柄の確変状態」、且つ「普通図柄の時短状態」のままであるか否かを示唆するための演出が実行される。以降、説明の簡略化のために、遊技者に有利な遊技状態である、「特別図柄の確変状態」、且つ「普通図柄の時短状態」のことを「確変モード」と称し、遊技者に不利な遊技状態である、「特別図柄の低確率状態」、且つ「普通図柄の通常状態」のことを「通常モード」と称する。
図9(a)に示した通り、大当たりのエンディング期間が開始されると、冒険者811が扉814を発見する演出が行われる。また、扉814の画像の上方には、横長略長方形形状の表示領域HR4が形成される。この表示領域HR4には、「扉突破モード開始!!4つの扉を突破しろ!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、大当たり中に集めた(表示領域HR3a〜HR3dに表示された)4つの鍵を用いて4つの扉を開けることができれば遊技者にとって有利になる(第2特別図柄の保留球を消化した後も確変モードが継続する)ということを遊技者に対して容易に理解させることができる。また、第3図柄表示装置81の左上側の表示領域HR1には、左向きの矢印の画像と、「左打ち」という文字とが表示される。これらの表示により、遊技者に対して左方向に球を打ち出させる(可変表示装置ユニット80の左側の流路に球を打ち出させる)ことができる。
なお、エンディング期間の開始と共に左打ちを報知する構成としているのは、大当たりの終了後に第2特別図柄の抽選が実行されることを抑制するためである。即ち、エンディング期間中に遊技者が右打ちを行って発射された球が、大当たりの終了後(且つ、第2特別図柄の保留球に基づく変動が開始された後)に第2入球口640へと入球して、大当たり終了後の第2特別図柄の抽選回数が増加してしまう(大当たり中に保留された4回分を超えて第2特別図柄の抽選が実行されてしまう)ことを防止(抑制)するためである。上述した通り、第2特別図柄の抽選で大当たりになっても、大当たり中は賞球をほぼ獲得できない上に、大当たり後の遊技状態が遊技者にとって不利な通常モードとなってしまう。よって、第2特別図柄の抽選回数が増加する程、遊技者にとって不利となってしまう。このため、大当たり終了後も遊技者が右打ちを続けて、第2入球口640へと球が新たに入球することを防止すべく、本第1実施形態では、エンディング期間のうちから遊技者に対して左打ちを報知する構成としている。これにより、大当たり後に実行される第2特別図柄の抽選を、大当たり中に保留された第2特別図柄の保留球によるものに限定することができるので、遊技者にとって過剰に不利となってしまうことを防止(抑制)することができる。
エンディング期間の終了に伴い、大当たり(特別遊技状態)が終了すると、図9(b)に示した通り、大当たり中に集めた鍵を用いて扉814を突破する演出が実行される。図9(b)は、冒険者811が表示領域HR3aに表示された鍵を使用し、扉814を突破することに成功した場合を例示している。突破に成功すると、扉814が開放された画像が表示されると共に、表示領域HR4に対して「突破!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して、残り3つの扉を突破すれば遊技者にとって有利な状態になる(確変モードになる)ということを容易に理解させることができる。
この扉814を突破する演出は、基本的に第2特別図柄の保留球に基づく変動表示に連動して実行される。即ち、冒険者811が1個目の鍵(表示領域HR3aに表示された鍵)を使用して最初の扉を開く(突破する)演出は、第2特別図柄の1個目の保留球に基づく変動表示が開始されてから、2個目の保留球に基づく変動表示が開始されるまでの期間で実行される。同様に、冒険者811が2個目の鍵を使用して2番目の扉を開く演出は、第2特別図柄の2個目の保留球に基づく変動表示が開始されてから、3個目の保留球に基づく変動表示が開始されるまでの期間で実行される。冒険者811が3個目の鍵を使用して3番目の扉を開く演出は、第2特別図柄の3個目の保留球に基づく変動表示が開始されてから、4個目の保留球に基づく変動表示が開始されるまでの期間で実行される。4個目の鍵を使用して4番目の扉を開く演出は、第2特別図柄の4個目の保留球に基づく変動表示の変動時間で実行される。なお、これらは第2特別図柄の保留球が外れに対応する抽選結果である場合の動作であり、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、当該大当たりの期間中に扉を突破する演出が1又は複数回行われる。
なお、詳細については図11を参照して後述するが、本第1実施形態では、可変入賞装置65における開閉扉65f1の動作から第2特別図柄の大当たりとなったか否かを察知することが困難となるように、第2特別図柄の外れとなった場合に、ほぼ開閉扉65f1の開放動作を伴う外れ(所謂、小当たり)が決定されるように構成している。そして、小当たりとなった場合における開閉扉65f1の開放期間(0.2秒間)と、第2特別図柄の抽選で大当たりE,Fになった場合における各ラウンドの開閉扉65f1の開放期間とを一致させている。更に、大当たりE,Fとなった場合に、ラウンド間のインターバル期間を、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合の変動時間(1秒間)に一致させる構成としている。このように構成することで、第2特別図柄の保留球に基づく変動表示の実行中に大当たりE、又は大当たりFになった場合も、開閉扉65f1の開放期間や開放間隔から現在が既に大当たり中であるのか否かを判別することを困難とすることができる。これにより、エンディング期間の開始と共に実行される一連の演出(扉突破モード演出)に、最後まで注目させることができる。
図10(a)は、扉突破モード演出において、4番目の扉を突破することに失敗した場合の表示態様の一例を示した図である。即ち、第2特別図柄の保留球の中に大当たりE,Fのいずれかが含まれている場合の表示態様の一例を示した図である。図10(a)に示した通り、冒険者811が扉を突破するのに失敗した場合は、表示領域HR4に「失敗・・・」という文字が表示されると共に、冒険者811が所持している鍵が折れる演出が実行される。これらの表示態様により、確変モードが終了してしまった(大当たりE,Fのどちらかに当選してしまった)ことを遊技者に対して容易に理解させることができる。
図10(b)は、扉突破モード演出において、4番目の扉を突破することに成功した場合の表示態様の一例を示した図である。この場合は、4番目の扉が開かれる画像が表示されると共に、表示領域HR4に対して「大成功!!」という文字と、「確変モード突入!!」という文字とが表示される。これらの表示態様により、遊技者に対して有利な確変モードで遊技を行うことができることを容易に理解させることができる。
このように、本第1実施形態では、大当たりのエンディング期間が開始されてから、大当たり中に増加した第2特別図柄の保留球に基づく変動表示が終了するまでの期間に渡り、上述した扉突破モード演出を実行する構成としている。この扉突破モード演出により、第2特別図柄の保留球に基づく変動表示が全て外れとなり、確変モードで遊技を行うことができるのか、保留球の中に大当たりE,Fが含まれ、確変モードで第1特別図柄の抽選を行うことなく通常モードに転落してしまうのかを遊技者に対して示唆することができる。エンディング期間、および大当たり後の複数の変動表示に渡って一連の演出を実行する構成とすることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第1実施形態では、第2特別図柄の保留球の個数に応じた数の扉を突破できるか否かによって、第2特別図柄の保留球に基づく変動表示が全て終了した後の遊技状態が確変モードであるか否かを報知する構成としていたが、演出態様はこれに限られるものではない。最終的に2種類の結果(成功、又は失敗、勝利、又は敗北、確定、又は外れ等)のうち、どちらかが報知される態様の演出態様であればよく、例えば、冒険者811が敵と戦って敵に勝利すれば確変モードが報知される構成としてもよい。
次に、図11を参照して、扉突破モード演出の実行中における演出態様の経時変化と、特定入賞口65aの状態(開閉扉65f1の開閉状況)の経時変化との対応関係について説明する。図11(a)は、確変モードが報知される場合(即ち、第2特別図柄の保留球が全て外れに対応する抽選結果の場合)の対応関係を示す図である。一方、図11(b)は、通常モードが報知される場合(即ち、保留内に大当たりE,Fのいずれかが含まれている場合)の対応関係を示す図である。
図11(a)に示した通り、確変モードへ移行したことが報知される場合(第2特別図柄の抽選が全て外れの場合)は、エンディング期間の開始と共に、扉突破モード演出の開始画面(図9(a)参照)が表示される。この開始画面は、1秒間のエンディング期間の間、表示され続け、エンディング期間が終了して大当たりの終了タイミングとなった場合に開始画面が終了する。大当たりが終了し、第2特別図柄の1個目の保留球(保留1)に基づく変動表示が第1図柄表示装置37において開始されると、1番目の扉を突破する演出(図9(b)参照)が開始される。この演出は、2個目の保留球(保留2)に基づく変動の開始タイミングとなるまで継続する。なお、上述した通り、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合には、ほぼ小当たりとなる。よって、図11(a)に示した通り、保留1に基づく1秒間の変動表示が終了すると、小当たりが開始されて開閉扉65f1が0.2秒間開放される。この開放期間に合わせて扉の突破に成功したことが表示される。
以降も同様に、1秒間の変動表示と、小当たりに基づく0.2秒間の開閉扉65f1の開放とが繰り返される。これに合わせて、2番目〜4番目の扉を突破する演出が、第3図柄表示装置81において実行され、開閉扉65f1の各開放期間中に扉を突破できたことが報知(表示)される。このように、扉が突破できるか否かの結果を、変動時間が経過した後の小当たりの開放期間中に報知する構成とすることで、1秒間の変動期間の間、扉を突破することに対する期待感をより高めることができる。また、小当たりの開放期間中に演出により注目させることができるので、遊技者に対して、開閉扉65f1の開放パターンから既に当たりとなっているのか否かを判別しようと思わせ難くすることができる。
4番目の扉を突破する演出で、冒険者811が扉814を突破し、確変モードへの移行が報知された後(4回目の小当たりが終了した後)は、確変モードの専用の表示態様(図示せず)が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して確変モードへと移行したことを容易に理解させることができる。
図11(b)は、第2特別図柄の2つめの保留球が大当たりFである場合を示した図である。この場合は、扉突破モード演出において、通常モードへ移行したことが報知される場合(第2特別図柄の保留球の中に大当たりE,Fのいずれかが含まれている場合)も、エンディング期間の開始と共に扉突破モード演出が開始される。大当たりが終了し、1個目の保留球に基づく特別図柄の変動表示が第1図柄表示装置37において開始されると、1番目の扉を突破しようとする演出が実行され、小当たりの開放期間に合わせて1番目の扉を冒険者811が突破する。
2個目の保留球に基づく特別図柄の変動表示が第1図柄表示装置37において開始されると、2番目の扉を突破しようとする演出が実行される。このとき、2個目の保留球に基づいて1秒間の変動表示が実行され、1秒経過後に大当たりFが開始される。大当たりFになり、1ラウンド目が開始されると、開閉扉65f1が0.2秒間開放される。この開放期間に合わせて、冒険者811が扉の突破に成功したことが報知される。そして、1ラウンド目が終了した後のインターバル期間の開始と共に、3番目の扉を突破しようとする演出が実行され、1秒間のインターバル期間が経過した後の2ラウンド目の開放期間(0.2秒間)の間に、3番目の扉の突破に成功したことが報知される。
また、2ラウンドが終了した後のインターバル期間が開始されると、4番目の扉を突破しようとする演出が実行され、1秒間のインターバル期間が経過した後の3ラウンド目の開放期間(0.2秒間)の間に、4番目の扉を突破できなかったことが報知される(図10(a)参照)。
扉の突破に失敗したことが報知された後は、今回の確変モードにおいて払い出されたトータルの賞球数を示すリザルト表示(図示せず)が、大当たりの終了までに渡って実行される。大当たりが終了すると、通常モードの専用の表示態様に設定される。
このように、本第1実施形態では、大当たり後に第2特別図柄の保留球に基づいて変動表示を順次行う場合に、変動表示と小当たりとが繰り返された場合における開閉扉65f1の状態の経時変化(図11(a)参照)と、第2特別図柄の保留球に大当たりE又はFが含まれていた場合における開閉扉65f1の状態の経時変化(図11(b)参照)とが、少なくとも扉突破モード演出の終了時まで一致するように構成している。即ち、大当たりE,Fの各ラウンドにおける開閉扉65f1の開放期間を、小当たりの開放期間と同一の期間である0.2秒となるように構成した。また、大当たりE,Fの1〜4ラウンド目が終了した後のインターバル期間の長さが、第2特別図柄の変動表示における変動時間と同一の期間である1秒間となるように構成した。このように構成することで、第2特別図柄の1番目〜4番目のいずれの保留球が大当たりE又はFに対応する抽選結果だったとしても、扉突破モード演出が終了するまでの間の開閉扉65f1の動作を、確変モードが報知される場合(図11(a)参照)と同一にすることができる。よって、開閉扉65f1の動作から大当たりE又はFとなったか否かを判別することが困難にできるので、扉突破モード演出に最後まで注目させることができる。従って、遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、図11(b)では、2個目の保留球で大当たりFになる(通常モードに転落する)場合にも、3番目の扉までは突破して4番目の扉で失敗する態様を例示したが、単純に第2特別図柄の保留球を消化中に大当たりE,Fのどちらかの変動が実行された場合に、扉の突破に失敗する演出を実行する構成としてもよい。
<第1実施形態における電気的構成について>
次に、図12を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図12は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201には、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。RAM203には、これらの処理を制御するための各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ(図17参照)が設けられている。
ここで、図17を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられるカウンタ等について説明する。これらのカウンタ等は、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定、第2図柄表示装置83の表示結果の抽選などを行うために、主制御装置110のMPU201で使用される。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、変動パターンの選択に使用する変動種別カウンタCS1と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1とが用いられる。また、普通図柄(第2図柄表示装置83)の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図27参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔で更新され、また、一部のカウンタは、メイン処理(図36参照)の中で不定期に更新されて、その更新値がRAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファに適宜格納される。RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第1特別図柄保留球格納エリア203aが設けられており、これらの各エリアには、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。また、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる第2特別図柄保留球格納エリア203bが設けられており、これらの各エリアには、第2入球口640への入球タイミングに合わせて、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。更に、RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる普通図柄保留球格納エリア203cが設けられており、これらの各エリアには、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングに合わせて、第2当たり乱数カウンタC4の値が格納される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、所定の範囲(例えば、0〜399)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜399の値を取り得るカウンタの場合は399)に達した後0に戻る構成となっている。特に、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値が当該第1当たり乱数カウンタC1の初期値として読み込まれる。
また、第1初期値乱数カウンタCINI1は、第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。即ち、例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜399の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜399の範囲のループカウンタである。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図27参照)の実行毎に1回更新されると共に、メイン処理(図36参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
第1当たり乱数カウンタC1の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。一方、球が第2入球口640に入球した場合には、その値が第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
上述した通り、特別図柄の大当たりとなる乱数の値は、主制御装置110のROM202に格納される第1当たり乱数テーブル202a(図13(b)参照)によって設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値が、第1当たり乱数テーブルによって設定された大当たりとなる乱数の値と一致する場合に、特別図柄の大当たりと判定する。また、この第1当たり乱数テーブル202aは、特別図柄の低確率時(特別図柄の低確率状態である期間)用と、その低確率時より特別図柄の大当たりとなる確率の高い高確率時(特別図柄の高確率状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図13(b)参照)。このように、大当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、特別図柄の低確率時と特別図柄の高確率時とで、大当たりとなる確率が変更される。
第1当たり種別カウンタC2は、特別図柄の大当たりとなった場合に、第1図柄表示装置37の表示態様を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合には、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。一方、球が第2入球口640へと入球した場合には、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
ここで、第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数でなければ、即ち、特別図柄の外れとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の外れ時のものとなる。
一方で、第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、特別図柄の大当たりとなる乱数であれば、第1図柄表示装置37に表示される停止図柄に対応した表示態様は、特別図柄の大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の具体的な表示態様は、同じ第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値が示す表示態様となる。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり乱数カウンタC1は、0〜399の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。この第1当たり乱数カウンタC1において、特別図柄の低確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は4個あり、その乱数値である「0〜3」は、低確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図13(b)参照)。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が4なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/100」となる。なお、図13(b)に示した通り、大当たりとなる乱数値(カウンタ値)は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで共通である。一方、上記の大当たりとなる乱数値以外の乱数値は、外れに対応している。上述した通り、特別図柄の外れには、小当たりが含まれる。図13(b)に示した通り、特別図柄の低確率時に、第1特別図柄の抽選で外れとなる乱数値は、「4〜399」の396個である。これに対し、第2特別図柄の抽選で外れとなる乱数値は、「3〜40」の37個であり、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる乱数値は、「41〜399」の359個である。
一方で、特別図柄の高確率時に、特別図柄の大当たりとなる乱数値は40個あり、その値である「0〜39」は、高確率時用の第1当たり乱数テーブルに格納されている(図13(a)参照)。このように特別図柄の高確率時には、乱数値の総数が400ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が40なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。また、特別図柄の高確率時に、第1特別図柄の抽選で外れとなる乱数値は、「40〜399」の360個である。これに対し、第2特別図柄の抽選で外れとなる乱数値は、「40」のみが規定されており、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる乱数値は、「41〜399」の359個が規定されている。
また、本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。そして、図14(a)に示すように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」であった場合の大当たり種別は、「大当たりA」(16ラウンド確変大当たり)となる。また、値が「10〜89」であった場合の大当たり種別は、「大当たりB」(5ラウンド確変大当たり)となり、値が「90〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりC」(2ラウンド確変大当たり)となる。
一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなり、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」であった場合の大当たり種別は、「大当たりD」(16ラウンド確変大当たり)となる。また、値が「5〜49」であった場合の大当たり種別は、「大当たりE」(7ラウンド通常大当たり)となり、値が「50〜99」であった場合の大当たり種別は、「大当たりF」(6ラウンド通常大当たり)となる。
このように、本実施形態のパチンコ機10は、特別図柄の種類、および第1当たり種別カウンタC2が示す乱数の値によって、6種類の当たり種別(大当たりA〜F)が決定されるように構成されている。なお、上述した通り、本第1実施形態では、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過した場合に、大当たり後に特別図柄の確変状態が設定される。言い換えれば、大当たり種別が決まっても、確変状態へと移行するか否かが確定しない。上述した「確変大当たり」とは、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過し易い種別の大当たりを意味し、「通常大当たり」とは、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過し難い種別の大当たりを意味している。
停止種別選択カウンタC3は、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止種別選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択され、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」(例えば98,99)と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」(例えば90〜97の範囲)と、リーチ発生しない「完全外れ」(例えば0〜89の範囲)との3つの停止(演出)パターンが選択される。停止種別選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入球した場合は、その値がRAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納される。また、球が第2入球口640に入球した場合は、その値がRAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納される。
なお、停止種別選択カウンタC3の値(乱数値)から、特別図柄の停止種別を決定するための乱数値は、停止種別選択テーブル(図示せず)により設定されており、このテーブルは、主制御装置110のROM202内に設けられている。また、本実施形態ではこのテーブルを、特別図柄の高確率時用と、特別図柄の低確率時用とに分けており、テーブルに応じて、外れの停止種別ごとに設定される乱数値の範囲を変えている。これは、パチンコ機10が特別図柄の高確率状態であるか、特別図柄の低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広い高確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99と狭くなると共に「前後外れ以外リーチ」も90〜97と狭くなり、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭い低確率時用のテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。
この停止種別選択テーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。なお、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1によって、いわゆるノーマルリーチ、スーパーリーチ等の大まかな表示態様が決定される。表示態様の決定は、具体的には、図柄変動の変動時間の決定である。変動種別カウンタCS1により決定された変動時間に基づいて、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により第3図柄表示装置81で表示される第3図柄のリーチ種別や細かな図柄変動態様が決定される。変動種別カウンタCS1の値は、後述するメイン処理(図32参照)が1回実行される毎に1回更新され、当該メイン処理内の残余時間内でも繰り返し更新される。なお、変動種別カウンタCS1の値(乱数値)から、図柄変動の変動時間を一つ決定する乱数値を格納した変動パターンテーブル202d(図15(a)参照)は、主制御装置110のROM202内に設けられている。
ここで、図15、および図16を参照して、変動パターンテーブル202dについて説明する。この変動パターンテーブル202dは、図15(a)に示すように、第1特別図柄の抽選に基づく変動パターンを選択するためのテーブルとして、特図1当たり用テーブル202d1(図15(b)参照)と、特図1外れ(通常)用テーブル202d2(図15(c)参照)と、特図1外れ(確変)用テーブル202d3(図15(d)参照)とが少なくとも規定されている。また、第2特別図柄の抽選に基づく変動パターンを選択するためのテーブルとして、特図2当たり(4変動以下)用テーブル202d4(図16(a)参照)と、特図2当たり(5変動以上)用テーブル202d5(図16(b)参照)と、特図2外れ(4変動以下)用テーブル202d6(図16(c)参照)と、特図2外れ(5変動以上)用テーブル202d7(図16(d)参照)とが少なくとも規定されている。
まず、図15(b)を参照して、特図1当たり用テーブル202d1について説明する。図15(b)は、この特図1当たり用テーブル202d1の内容を模式的に示した模式図である。特図1当たり用テーブル202d1は、特別図柄の抽選結果が大当たりである場合に、選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。大当たりの変動パターンとしては、ノーマルリーチ各種(30秒)、スーパーリーチ各種(60秒)、スペシャルリーチ(90秒)がそれぞれ規定されている。特図1当たり用テーブル202d1には、変動種別カウンタCS1の値毎に、各変動パターンが対応付けられている。
具体的には、変動種別カウンタCS1の値の判定値として「0〜50」の範囲にはノーマルリーチ各種(30秒)の変動パターンが対応付けられ、「51〜179」の範囲にはスーパーリーチ各種(60秒)の変動パターンが対応付けられ、「180〜198」の範囲にはスペシャルリーチ各種(90秒)の変動パターンが対応付けられている。主制御装置110のMPU201は、特別図柄の抽選結果が大当たりとなる場合の変動パターンを選択する場合に、取得している変動種別カウンタCS1の値に対応する判定値が設定されている変動パターンを特図1当たり用テーブル202d1より選択する。
図15(c)は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2の内容を模式的に示した模式図である。外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2は、特別図柄の低確率状態において、特別図柄の抽選結果が外れであった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。特別図柄の抽選結果が外れである場合には、上述したように、図示しない停止種別選択テーブルより停止種別が完全外れ(非リーチ)であるか、リーチ外れ(リーチ共通)であるかが停止種別選択カウンタC3の値によって決定される。具体的には、例えば、特別図柄の低確率状態において停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば完全外れを設定し、「80〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)を設定する。
ここで、変動パターン種別が、完全外れである場合には、変動時間が比較的短い短外れ(7秒)と、変動時間が比較的長い長外れ(10秒)のいずれかが設定される。短外れ(7秒)に対しては、「0〜98」が、長外れ(10秒)に対しては、「99〜198」が変動種別カウンタCS1の判定値として設定されている。
また、外れリーチに対しては、変動種別カウンタCS1の判定値が「0〜149」の範囲には外れのノーマルリーチ各種(30秒)が、「150〜197」の範囲には外れのスーパーリーチ各種(60秒)が、「198」には外れのスペシャルリーチ各種(90秒)がそれぞれ設定されている。
このように、主制御装置110のMPU201は、通常遊技状態時に特別図柄の抽選結果が外れである場合には、停止種別が決定され、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より取得している変動種別カウンタCS1の値に基づいて、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2より変動パターンを選択する。
図15(d)は、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3の内容を模式的に示した模式図である。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3は、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選が外れとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d3では、設定されている変動種別カウンタCS1の値が、上述した外れ用(通常)変動パターンテーブル202d2とは異なっている。
なお、上述したように、遊技状態が確変遊技状態である場合には、図示しない停止種別選択テーブルにより停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れが決定され、「90〜99」の範囲にあれば外れリーチ(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ)が決定される。
このように、通常遊技状態よりも確変遊技状態である場合には、外れである場合にリーチとなる確率が低く設定されている。よって、確変時に外れの変動時間が長くなってしまい、大当たりとなるまでの期間が長くなってしまうことを抑制できる。よって、大当たりし易い確変遊技状態時に遊技が間延びしてしまい、遊技者が退屈に感じる不具合を抑制できる。
図16(a)は、特図2当たり(4変動以下)用テーブル202d4の内容を模式的に示した模式図である。この特図2当たり(4変動以下)用テーブル202d4は、大当たりが終了した後、特別図柄の変動回数が4回以下の場合で、且つ、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。図16(a)に示した通り、大当たり後、特別図柄の変動回数が4回以下の場合には、変動種別カウンタCS1の値に拘わらず、変動パターンとして変動時間が1秒間の当たりショート変動が選択される。
図16(b)は、特図2当たり(5変動以上)用テーブル202d5の内容を模式的に示した模式図である。この特図2当たり(5変動以上)用テーブル202d5は、大当たりが終了した後、特別図柄の変動回数が5回以上の場合で、且つ、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。図16(b)に示した通り、大当たり後、特別図柄の変動回数が5回以上の場合には、変動種別カウンタCS1の値に拘わらず、変動パターンとして変動時間が300秒間の当たりロング変動が選択される。
図16(c)は、特図2外れ(4変動以下)用テーブル202d6の内容を模式的に示した模式図である。この特図2外れ(4変動以下)用テーブル202d6は、大当たりが終了した後、特別図柄の変動回数が4回以下の場合で、且つ、第2特別図柄の抽選で外れ(小当たり含む)となった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。図16(c)に示した通り、大当たり後、特別図柄の変動回数が4回以下の場合には、変動種別カウンタCS1の値に拘わらず、変動パターンとして変動時間が1秒間の外れショート変動が選択される。
図16(d)は、特図2外れ(5変動以上)用テーブル202d7の内容を模式的に示した模式図である。この特図2当たり(5変動以上)用テーブル202d7は、大当たりが終了した後、特別図柄の変動回数が5回以上の場合で、且つ、特別図柄の抽選で外れ(小当たり含む)となった場合に選択される変動パターンの種別(変動時間)が規定されたデータテーブルである。図16(b)に示した通り、大当たり後、特別図柄の変動回数が5回以上の場合には、変動種別カウンタCS1の値に拘わらず、変動パターンとして変動時間が300秒間の外れロング変動が選択される。
このように、本第1実施形態では、大当たり後、特別図柄の変動表示の実行回数が4回以下の状態で第2特別図柄の抽選が実行された場合には、抽選結果が外れ(小当たり含む)であろうと、大当たりであろうと、変動時間として必ず1秒間が設定される構成としている。これにより、大当たり後の第2特別図柄の保留球に基づく変動表示の実行中に、その変動時間から大当たりE,Fのいずれかになったか否かを判別することを困難とすることができる。即ち、第2特別図柄の保留球に基づく変動表示が全て終了した後の遊技状態が確変モードであるか否かを変動時間から判別し難くすることができる。よって、確変モードとなるか否かを知りたいと望む遊技者に対して、扉突破モード演出の結果により注目して遊技を行わせることができるので、遊技に対する参加意欲を向上できる。
また、本第1実施形態では、大当たり後、特別図柄の変動表示の実行回数が5回以上の状態で第2特別図柄の抽選が実行された場合には、抽選結果に拘わらず、変動時間として必ず300秒間が設定される構成としている。これにより、大当たり中以外の状態で右打ちを行うと、最短でも300秒(5分)に1回しか特別図柄の抽選が実行されない(極めて遊技効率の悪い)状態とすることができる。よって、大当たり中以外の状態で遊技者が右打ちを行うことを防止(抑制)することができる。仮に、大当たり中以外の状態、特に確変モード中に右打ちを行った場合、第2特別図柄の抽選のみが実行されるので、大当たりとなった場合に遊技者にとって不利な大当たりE,Fのいずれかとなる可能性が極めて高い。つまり、賞球をほとんど獲得できない上に、大当たり後に通常モードに転落してしまう大当たりとなる可能性が高い。このため、有利な確変モード中の遊技を十分に楽しむことができないまま、不利な通常モードとなってしまい、遊技者が遊技に対して不満感を抱いてしまう虞がある。
これに対して本第1実施形態では、大当たり中以外の状態で右打ちを行った場合の遊技効率を悪化させているので、大当たり以外の状態で遊技者が右打ちを行うことを抑制できる。よって、確変モード中の遊技をより楽しませることができる。
図17に戻って説明を続ける。第2当たり乱数カウンタC4は、例えば0〜239の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり239)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理毎に、例えば定期的に更新され、球がスルーゲート67を通過したことが検知された時に取得され、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cに格納される。
そして、普通図柄の当たりとなる乱数の値は、主制御装置のROM202に格納される第2当たり乱数テーブル202c(図14(b)参照)によって設定されており、第2当たり乱数カウンタC4の値が、第2当たり乱数テーブルによって設定された当たりとなる乱数の値と一致する場合に、普通図柄の当たりと判定する。また、この第2当たり乱数テーブルは、普通図柄の低確率時(普通図柄の通常状態である期間)用と、その低確率時より普通図柄の当たりとなる確率の高い高確率時(普通図柄の時短状態である期間)用との2種類に分けられ、それぞれに含まれる大当たりとなる乱数の個数が異なって設定されている(図14(b)参照)。このように、当たりとなる乱数の個数を異ならせることにより、普通図柄の低確率時と普通図柄の高確率時とで、当たりとなる確率が変更される。
図14(b)に示すように、普通図柄の低確率時に、普通図柄の当たりとなる乱数値は24個あり、その値は「5〜28」である。このように、普通図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が24なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/10」となる。
パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が30秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜28」の範囲内であれば当選と判定されて、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64に付随する電動役物64aが「0.2秒間×1回」だけ開放される。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の低確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物64aが「0.2秒間×1回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「0.5秒間×2回」開放しても良い。
一方で、普通図柄の高確率時に、普通図柄の大当たりとなる乱数値は200個あり、その範囲は「5〜204」となっている。これらの乱数値は、高確率時用の第2当たり乱数テーブルに格納されている。このように特別図柄の低確率時には、乱数値の総数が240ある中で、大当たりとなる乱数値の総数が200なので、特別図柄の大当たりとなる確率は、「1/1.2」となる。
パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過すると、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83において普通図柄の変動表示が3秒間実行される。そして、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜204」の範囲であれば普通図柄の当たりと判定される。この場合、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、電動役物64aが「1秒間×3回」開放される。このように、普通図柄の高確率時には、普通図柄の低確率時と比較して、変動表示の時間が「30秒→3秒」と非常に短くなり、更に、電動役物64aの開放期間が「0.2秒×1回→1秒間×2回」と非常に長くなるので、第1入球口64へ球が入球し易い状態となる。なお、本実施形態では、パチンコ機10が普通図柄の高確率時である場合に、普通図柄の当たりとなったら電動役物64aが「1秒間×3回」だけ開放されるが、開放時間や回数は任意に設定すれば良い。例えば、「3秒間×2回」開放しても良い。
第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜239)、タイマ割込処理(図24参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図32参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
このように、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図12に戻り、説明を続ける。RAM203は、図10に図示したカウンタ用バッファのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図36参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図35参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図34参照)が即座に実行される。
次に、ROM202の具体的な内容について、図13(a)を参照して説明する。図13(a)は、本実施形態における主制御装置110内に設けられたROM202の構成を示すブロック図である。主制御装置110のROM202には、上記した固定値データの一部として、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、第2当たり乱数テーブル202c、変動パターン選択テーブル202dが少なくとも記憶されている。
第1当たり乱数テーブル202a(図13(b)参照)は、第1当たり乱数カウンタC1の値と、抽選結果との対応関係が規定されているデータテーブルである。具体的には、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される判定値の範囲として「0〜3」が規定され(図13(b)の202a1参照)、第1特別図柄の外れと判定される判定値の範囲として「4〜399」が規定されている(図13(b)の202a2参照)。また、第2特別図柄の外れと判定される判定値の範囲として「3〜40」が規定され(図13(b)の202a2参照)、第2特別図柄の小当たりと判定される判定値の範囲として「41〜399」が規定されている(図13(b)の202a3参照)。また、特別図柄の高確率状態(確変状態)において、大当たりと判定される判定値の範囲として「0〜39」が規定され(図13(b)の202a4参照)、第1特別図柄の外れと判定される判定値の範囲として「40〜399」が規定されている(図13(b)の202a5参照)。また、第2特別図柄の外れと判定される判定値として「40」が規定され(図13(b)の202a5参照)、第2特別図柄の小当たりと判定される判定値として「41〜399」が規定されている(図13(b)の202a6参照)。始動入賞に基づいて取得した第1当たり乱数カウンタC1の値が、この第1当たり乱数テーブル202a(図13(b)参照)に規定されている大当たりに対応する判定値のいずれかと一致した場合に、特別図柄の大当たりであると判別される。
第1当たり種別選択テーブル202b(図14(a)参照)は、大当たり種別を決定するための判定値が特別図柄の種別毎に記憶されているデータテーブルであり、第1当たり種別カウンタC2の判定値が、各大当たり種別に対応付けて規定されている。本実施形態のパチンコ機10では、特別図柄の大当たりと判定された場合に、始動入賞に基づいて取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202bとが比較され、第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別が選択される。
図14(a)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲には、「大当たりA」が対応付けられて規定されている(図14(a)の202b1参照)。この「大当たりA」は、ラウンド数が16ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりA」は大当たりの各ラウンドにおいて、開閉扉65f1が、30秒経過するまで、或いは、球が7個入賞するまで開放される。よって、各ラウンドにおいて遊技者が右打ちを行い続けるだけで、ほぼ確実に、30秒が経過するよりも前に上限個数(7個)の球を特定入賞口65aへと入賞させることができるので、大当たりAになると多量の賞球を獲得できることができる。また、特別排出流路65e2(図6(a)参照)が通過可能となる1ラウンドにおいて、遊技者が右打ちを行い続けていれば、ほぼ確実に球が確変スイッチ65e3を通過する。よって、「大当たりA」の終了後は、ほぼ確実に確変モードとなる。このように、「大当たりA」は、ラウンド数が最も多く、更に、大当たり終了後の遊技状態が確変モードに設定されるので、遊技者にとって最も有利な大当たり種別である。
第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜89」の範囲には、「大当たりB」が対応付けられて規定されている(図14(a)の202b2参照)。この「大当たりB」は、ラウンド数が5ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB」となるカウンタ値は80個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB」が決定される割合は80%(80/100)である。この「大当たりB」は、「大当たりA」と同様に、大当たりの各ラウンドにおいて、開閉扉65f1が、30秒経過するまで、或いは、球が7個入賞するまで開放される。よって、大当たりAと同様に、多量の賞球の払い出しを受けることができる。また、大当たりの1ラウンド目において、ほぼ確実に球が確変スイッチ65e3を通過するので、「大当たりB」の終了後は、ほぼ確実に確変モードとなる。このように、「大当たりB」は、「大当たりA」(および後述する「大当たりD」)よりもラウンド数が少ないため、獲得できる賞球は「大当たりA」(および「大当たりD」)より少なくなるものの、多くの賞球を払い出させることができる。また、大当たり後の遊技状態が確変モードとなるので、「大当たりA」と同様に、大当たり後に遊技者にとって有利な遊技状態に移行する。
第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「90〜99」の範囲には、「大当たりC」が対応付けられて規定されている(図14(a)の202b3参照)。この「大当たりC」は、ラウンド数が2ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりC」は、「大当たりA」や「大当たりB」と同様に、大当たりの各ラウンドにおいて、開閉扉65f1が、30秒経過するまで、或いは、球が7個入賞するまで開放される。よって、「大当たりA」や「大当たりB」と同様に、多量の賞球の払い出しを受けることができる。また、大当たりの1ラウンド目において、ほぼ確実に球が確変スイッチ65e3を通過するので、「大当たりC」の終了後は、ほぼ確実に確変モードとなる。このように、「大当たりC」は、ラウンド数が最も少ないため、獲得できる賞球は少なくなるものの、賞球を払い出させることができるので、遊技者の持ち球を増加させることができる。また、大当たり後の遊技状態が確変モードとなるので、「大当たりA」や「大当たりB」と同様に、大当たり後に遊技者にとって有利な遊技状態に移行する。
このように、第1特別図柄の抽選で大当たりになると、2ラウンド〜16ラウンド分の賞球の払い出しを受けることができる上に、大当たり終了後の遊技状態がほぼ確実に確変モードとなるので、いずれの大当たり種別になったとしても遊技者にとって有利となる。
また、図14(a)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲には、「大当たりD」が対応付けられて規定されている(図14(a)の202b4参照)。この「大当たりD」は、ラウンド数が16ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD」となるカウンタ値は5個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD」が決定される割合は5%(5/100)である。この「大当たりD」は、「大当たりA」と同一の動作となるため、「大当たりA」と同様に遊技者にとって最も有利な大当たり種別となる。
第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「5〜49」の範囲には、「大当たりE」が対応付けられて規定されている(図14(a)の202b5参照)。この「大当たりE」は、ラウンド数が7ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE」となるカウンタ値は45個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE」が決定される割合は45%(45/100)である。この「大当たりE」は、大当たりの各ラウンドにおいて、開閉扉65f1が、0.2秒経過するまで、或いは、球が7個入賞するまで開放される。よって、各ラウンドにおいて球を特定入賞口65aに1球入球させることすら困難となるので、賞球をほとんど獲得することができない。また、1ラウンド目に球を特定入賞口65aへと入球させることが困難となるので、球が1ラウンド目に特別排出流路65e2の確変スイッチ65e3を通過する可能性もほぼ無い。よって、「大当たりE」が終了した後の遊技状態は、ほぼ遊技者に不利な「通常モード」となる。このため、「大当たりE」は、賞球をほとんど得られない上に、大当たり後に不利な「通常モード」へと移行する可能性が極めて高いので、遊技者にとって不利な大当たり種別となる。
第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、「大当たりF」が対応付けられて規定されている(図14(a)の202b6参照)。この「大当たりF」は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりF」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりF」が決定される割合は50%(50/100)である。この「大当たりF」は、「大当たりE」と同様に、大当たりの各ラウンドにおいて、開閉扉65f1が、0.2秒経過するまで、或いは、球が7個入賞するまで開放される。よって、「大当たりE」と同様に、賞球をほとんど得られない上に、大当たり後に不利な「通常モード」へと移行する可能性が極めて高いので、遊技者にとって不利な大当たり種別となる。
このように、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、高確率(95%の割合)で、賞球をほぼ獲得できない上に、大当たり終了後の遊技状態がほぼ確実に通常モードとなる大当たりE,Fのいずれかになるため、遊技者にとって不利となる可能性が高い。よって、遊技者に対して、大当たり中に第2入球口640へと球が入球することで増加した第2特別図柄の保留球が、全て外れとなることを期待させることができるという、斬新な遊技性を提供することができる。
第2当たり乱数テーブル202c(図14(b)参照)は、普通図柄の当たり判定値が規定(記憶)されているデータテーブルである。具体的には、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜28」が規定されている(図14(b)の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図14(b)の202c3参照)。本実施形態のパチンコ機10では、普通入球口(スルーゲート)67を球が通過することに基づいて取得される第2当たり乱数カウンタC4の値と、第2当たり乱数テーブル202cとを参照し、普通図柄の当たりであるか否かを判定している。
変動パターンテーブル202d(図15,16参照)は、変動パターンの表示態様を決定するための変動種別カウンタCS1の判定値が表示態様毎にそれぞれ規定されているデータテーブルである。なお、変動パターンテーブル202dの詳細については、変動種別カウンタCS1の説明において上述した通りであるので、ここではその詳細な説明について省略する。
次に、RAM203の詳細について、図18を参照して説明する。図18は、主制御装置110のRAM203の構成を示すブロック図である。図18に示した通り、RAM203は、第1特別図柄保留球格納エリア203a、第2特別図柄保留球格納エリア203b、普通図柄保留球格納エリア203c、第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203e、普通図柄保留球数カウンタ203f、確変フラグ203g、確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、入賞個数カウンタ203j、残球タイマフラグ203k、残球タイマ203m、確変有効フラグ203n、確変有効タイマ203o、排出個数カウンタ203p、変動時間カウンタ203q、大当たり中フラグ203r、小当たり中フラグ203s、ラウンド終了フラグ203t、その他メモリエリア203zを少なくとも有している。
第1特別図柄保留球格納エリア203aは、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)を有しており、これらの各エリアには、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び停止種別選択カウンタC3の各値がそれぞれ格納される。
より具体的には、球が第1入球口64へ入賞(始動入賞)したタイミングで、各カウンタC1〜C3の各値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、保留第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。なお、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、特別図柄の抽選が行われる場合には、第1特別図柄保留球格納エリア203aの保留第1エリアに記憶されている各カウンタC1〜C3の値が、実行エリア(図17参照)へシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶された各カウンタC1〜C3の各値に基づいて、特別図柄の抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となる。そこで、他の保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)に記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリア(保留第1エリア〜保留第3エリア)に詰めるシフト処理が行われる。本実施形態では、第1特別図柄保留球格納エリア203aにおいて、入賞のデータが記憶されている保留エリア(保留第2エリア〜保留第4エリア)についてのみデータのシフトが行われる。
第2特別図柄保留球格納エリア203bは、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様に、4つの保留エリアを有している。この第2特別図柄保留球格納エリア203bには、第2入球口640への始動入賞に基づいて取得される各カウンタ値が記憶される。カウンタ値の格納方法等については、第1特別図柄保留球格納エリア203aと同様であるため、その詳細な説明については省略する。
普通図柄保留球格納エリア203cは、1つの実行エリアと、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)とを有している。これらの各エリアには、第2当たり乱数カウンタC4が格納される。より具体的には、球が普通入球口(スルーゲート)67を通過したタイミングで、カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、4つの保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bと同様に、入賞した順序が保持されつつ、入賞に対応するデータが格納される。尚、4つの保留エリアの全てにデータが記憶されている場合には、新たに何も記憶されない。
その後、主制御装置110において、普通図柄の当たりの抽選が行われる場合には、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリアに記憶されているカウンタC4の値が、実行エリアへシフトされ(移動させられ)、その実行エリアに記憶されたカウンタC4の値に基づいて、普通図柄の当たりの抽選などの判定が行われる。
なお、保留第1エリアから実行エリアへデータをシフトすると、保留第1エリアが空き状態となるので、第1特別図柄保留球格納エリア203aや、第2特別図柄保留球格納エリア203bの場合と同様に、他の保留エリアに記憶されている入賞のデータを、エリア番号の1小さい保留エリアに詰めるシフト処理が行われる。また、データのシフトも、入賞のデータが記憶されている保留エリアについてのみ行われる。
第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図30のS404参照)。一方、第1特別図柄保留球数カウンタ203dは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図28のS210参照)。
この第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄における変動表示の保留回数N1)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図28のS211、図30のS405参照)。保留球数コマンドは、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値が変更される度に、主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223bによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
なお、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81に保留球数図柄を表示する。
第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、第2入球口640への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる特別図柄(第1図柄)の変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、初期値がゼロに設定されており、第2入球口640へ球が入球して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1ずつ加算される(図30のS410参照)。一方、第2特別図柄保留球数カウンタ203eは、新たに特別図柄の変動表示が実行される毎に、1減算される(図28のS205参照)。この第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値も、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値と同様に、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113へと通知される。
普通図柄保留球数カウンタ203fは、スルーゲート67における球の通過に基づいて第2図柄表示装置83で行われる普通図柄(第2図柄)の変動表示の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この普通図柄保留球数カウンタ203fは、初期値がゼロに設定されており、球がスルーゲート67を通過して変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図33のS704参照)。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fは、新たに普通図柄(第2図柄)の変動表示が実行される毎に、1減算される(図32のS605参照)。
球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)が4未満であれば、第2当たり乱数カウンタC4の値が取得され、その取得されたデータが、普通図柄保留球格納エリア203cに記憶される(図33のS705)。一方、球がスルーゲート67を通過した場合に、この普通図柄保留球数カウンタ203fの値が4であれば普通図柄保留球格納エリア203cには新たに何も記憶されない(図33のS703:No)。
確変フラグ203gは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(確変モード)であるか否かを示すフラグであり、確変フラグ203gがオンであれば、パチンコ機10が特別図柄の確変状態(確変モード)であることを示し、確変フラグ203gがオフであれば、パチンコ機10が特別図柄の通常状態(通常モード)であることを示す。また、上述した通り、確変モードでは、普通図柄の時短状態となる。よって、確変フラグ203gがオンであれば、特別図柄の確変状態であると共に、普通図柄の時短状態であることも示している。
確変フラグ203gは、初期値がオフに設定されており、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過した場合に、その大当たりの終了時にオンに設定される(図39のS1302参照)。また、確変フラグ203gは、大当たり遊技が開始される場合にオフにリセット設定される(図28のS219参照)。
この確変フラグ203gは、特別図柄変動開始処理において遊技状態が確変状態であるか否かを判別するために参照される(図29のS302参照)。具体的には、特別図柄変動開始処理(図29、S213)が実行されると、特別図柄の抽選が行われる。特別図柄変動開始処理(図29、S213)では、確変フラグ203gが参照され、オンであれば、高確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる一方、確変フラグ203gがオフであれば、低確率時用の第1当たり乱数テーブル202aに基づいて、特別図柄の抽選が行われる。
また、確変フラグ203gは、普通図柄変動処理において遊技状態が時短状態であるか否かを判別するためにも参照される(図32のS608,S614,S620)。具体的には、普通図柄変動処理の中で確変フラグ203gが参照され、確変フラグ203gがオンであれば、高確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて、普通図柄の抽選が行われる一方(図32のS609参照)、確変フラグ203gがオフであれば、低確率時用の第2当たり乱数テーブル202cに基づいて普通図柄の抽選が行われる(図32のS610参照)。また、普通図柄変動処理では、普通図柄の変動時間や、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物64aの開放時間を決定する際にも確変フラグ203gが参照される(図32のS614,S620参照)。
確変設定フラグ203hは、大当たり遊技後に遊技状態を確変状態に移行させるか否かを示すフラグである。本パチンコ機10では、遊技状態が確変状態に設定されるか否かは、大当たり遊技中に確変スイッチ65e3(図6(a)参照)を球が通過したか否かにより決定される。ここで、この確変スイッチ65e3を球が通過すると、確変設定フラグ203hがオンに設定される(図40のS1416)。一方、この確変設定フラグ203hは、大当たりの終了時にオフに設定される(図39のS1304参照)。なお、この確変設定フラグ203hは、電源断時にはバックアップされ、復帰時(電源投入時)には電源断直前の状態に設定される。また、パチンコ機10が初期化された状態ではオフに設定される。
なお、電源投入時に確変設定フラグ203hがオンに設定されている場合には、確変スイッチ65e3に電源断前に通過したかを判別して、通過していると判別できた場合に、確変設定フラグ203hを正式にオンに設定して復帰するように構成してもよい。この場合、電源断前に確変スイッチ65e3を通過しているかの判別は、後述する確変通過カウンタ203iが0より大きい値であるかにより判別できる。このように構成することで、電源断されている状態で、確変設定フラグ203hのみをオンに書き換えて電源を再投入されるような不正を判別して、遊技店側の被害を低減することができる。
確変通過カウンタ203iは、大当たり遊技中の1つのラウンド(本実施形態では、大当たりの1ラウンド)で確変スイッチ65e3を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。なお、この確変通過カウンタ203iと後述する排出個数カウンタ203pとの合計により可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球が全て排出されたかを判別することができる。この確変通過カウンタ203iは、確変スイッチ65e3を通過した場合に1ずつ加算されて更新される(図40のS1415)。また、可変入賞装置65に入賞した遊技球の数と排出個数が一致するかの処理を実行した後に、初期値である「0」にリセットされる(図41のS1511)。なお、この確変通過カウンタ203iは、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
入賞個数カウンタ203jは、大当たり遊技における1つのラウンドで可変入賞装置65の特定入賞口65aに入賞した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。具体的には、可変入賞装置65に設けられた検出口65a1(図4参照)を球が通過したと検出されたことに基づいて、1ずつ加算されて更新される(図40のS1403)。一方、1つのラウンドが終了した場合に、可変入賞装置65に入賞した個数(入賞個数カウンタ203jの値)と排出された個数(排出個数カウンタ203pと確変通過カウンタ203iとの合計値)とが一致しているか判別された後に、初期値である「0」にリセットされる(図41のS1511参照)。なお、この入賞個数カウンタ203jの値は、電源断時にはバックアップされる。また、初期化された状態では、0に設定される。
残球タイマフラグ203kは、1のラウンドが終了し、開閉扉65f1が閉鎖した後の球はけ期間であるか否かを示すフラグである。この残球タイマフラグ203kがオンに設定されている場合は、球はけ期間であることを意味する。この残球タイマフラグ203kがオンに設定されている間は、後述する残球タイマ203mが1ずつ加算されて更新される(図41のS1505参照)。残球タイマ203mは、開閉扉65f1が閉鎖されてからの時間を判別するためのカウンタであり、可変入賞装置65内の球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。
残球タイマ203mは、予め設定されている1のラウンドが終了して可変入賞装置65の開閉扉65f1が閉鎖した場合に、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるのに必要な時間が経過したかを判別するためのカウンタである。本実施形態では、可変入賞装置65に入賞した遊技球が排出されるまでに必要な時間は0.5秒であり、本実施形態では、予め0.8秒に対応するカウンタ値が残球タイマ203mの上限値として設定されている。この残球タイマ203mの上限値(本実施形態では、0.8秒)となったことに基づいて、可変入賞装置65への入賞個数とその排出個数とが一致しているかの判別が実行される(図41のS1507)。一致しない場合には、エラーコマンドが設定されて、その旨が報知される。よって、可変入賞装置65内に遊技球が球詰まりしていることを早期に知らせることができる。また、不正に可変入賞装置65内に球を残存させておき、大当たりEや大当たりFの1ラウンド目となったタイミングを見計らって球を特別排出流路65e2へと流下させる不正を抑制できる。
なお、入賞個数と排出個数が一致しない場合には、専用のフラグをオンに設定しておき、そのフラグがオンである場合には確変スイッチ65e3を遊技球が通過しても確変設定フラグ203hをオンに設定しない構成にしてもよい。このように構成することで、不正に確変状態が付与されることを抑制できる。
確変有効フラグ203nは、流路ソレノイド65kがオフに設定された後に、球が確変スイッチ65e3に通過した場合に、その通過を有効とするか否かを判別するためのフラグである。この確変有効フラグ203nがオンに設定されている場合には、流路ソレノイド65kがオンであることに基づいて、特別排出流路65e2(図6(a)参照)に流入した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに必要な時間以下であることを示している。即ち、確変スイッチ65e3に球が通過することが正常な期間であることを示している。
確変有効タイマ203oは、上述した確変有効フラグ203nがオンに設定されてからの時間をカウントする為のカウンタである。この確変有効タイマ203oにより流路ソレノイド65kがオフとなった後に、確変スイッチ65e3を正常に通過するのに必要な期間を判別することができる。本実施形態では、特別排出流路65e2に入球した遊技球が確変スイッチ65e3を通過するのに要する時間は0.3秒である。確変有効タイマ203oの上限値は0.5秒に対応するカウンタ値に設定されており、それ以後に確変スイッチ65e3を通過しても不正と判別して通過と判別しない。
これにより、切替部材65hが特別排出流路65e2を閉鎖した後で、不正に球を特別排出流路65e2に入球させて確変スイッチ65e3に遊技球を通過させたり、確変スイッチ65e3の下方よりピアノ線等で遊技球を押し上げて通過させたり、電波等により磁気センサを通過と誤検出させたりする不正による被害を抑制できる。
排出個数カウンタ203pは、1のラウンドで球排出口スイッチ65e4(図6(a)参照)を通過した遊技球の数をカウントするためのカウンタである。この排出個数カウンタ203pは、可変入賞装置65に入賞した球の数と排出個数との一致が判別された後に、初期値である0にリセットされる(図41のS1511)。
変動時間カウンタ203qは、変動時間をカウントするためのカウンタである。この変動時間カウンタ203qには、変動パターン選択テーブル202dに基づいて決定された変動パターンの変動時間に対応するカウンタ値が設定される(図29のS311参照)。また、この変動時間カウンタ203qは、特別図柄変動処理(図28参照)の中で1ずつ減算され(図28のS214参照)、この変動時間カウンタ203qの値に基づいて変動時間が経過したかが判別される。
大当たり中フラグ203rは、大当たり(特別遊技状態)中であるか否かを示すフラグである。この大当たり中フラグ203rがオンであれば、大当たり中であることを意味し、オフであれば大当たり中でないことを意味する。大当たり中フラグ203rは、特別図柄の抽選により大当たりとなり、大当たり(特別遊技状態)が開始されると共にオンに設定される(図37のS1103参照)。また、大当たり(特別遊技状態)の終了時にオフに設定される(図39のS1304参照)。特別図柄変動処理(図28参照)では、この大当たり中フラグ203rが参照されて、大当たり中であるか否かが判別される(図28のS201参照)。
小当たり中フラグ203sは、小当たり中であるか否かを示すフラグである。この小当たり中フラグ203sがオンであれば、小当たり中であることを意味し、オフであれば小当たり中でないことを意味する。小当たり中フラグ203rは、特別図柄の抽選で小当たりとなり、小当たりが開始されると共にオンに設定される(図42のS1603参照)。また、小当たりの終了時にオフに設定される(図42のS1610参照)。特別図柄変動処理(図28参照)では、この小当たり中フラグ203sが参照されて、小当たり中であるか否かが判別される(図28のS201参照)。
ラウンド終了フラグ203tは、大当たりのラウンドが終了した後の球はけ期間であるか否かを示すフラグである。このラウンド終了フラグ203tがオンであれば、ラウンド終了後の球はけ期間であることを示し、オフであれば、球はけ期間が終了していることを示す。
その他メモリエリア203zは、主制御装置110のMPU201が使用するその他カウンタ値等を一時的に記憶しておくためのエリアである。
このように、主制御装置110のRAM203には、各種のカウンタやフラグが設けられている。これらのフラグやカウンタを参照して制御を行うことにより、上述した、第2特別図柄の保留球で外れとなることを願って遊技を行うという斬新な遊技性を実現することができる。
次に、ROM202に規定された各種テーブルと、RAM203に設けられた各種フラグおよびカウンタに基づいて制御をおこなうことにより実現される、本パチンコ機10の状態移行の方法について、図19を参照して説明する。図19は、本第1実施形態におけるパチンコ機10の状態移行の方法を示した図である。
図19に示した通り、本第1実施形態のパチンコ機10には、大別して3つの状態(モード)が設けられている。即ち、図19の上部に示した通常モードと、図19の中段に示した扉突破モードと、図19の下部に示した確変モードとが設けられている。
通常モードは、上述した通り、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態のことを示しており、大当たりとなる確率が低く、球が第1入球口64へ入球し難いため遊技者にとって最も不利な遊技状態となる。また、確変モードは、上述した通り、特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態のことを示しており、大当たり確率が高く、第1入球口64へと球が入球し易いので遊技者にとって最も有利な遊技状態となる。
また、扉突破モードは、確変大当たり(大当たりA〜D)の実行中に獲得した第2特別図柄の保留球が存在する状態を示しており、第2特別図柄の保留球に基づく抽選が全て外れとなれば、有利な確変モードで遊技を行うことができることを示す状態である。この扉突破モードは、第2特別図柄の保留球が存在することを除けば、確変モードと同一の状態である。即ち、特別図柄の抽選で大当たりとなる確率が高く(1/10)、第1入球口64へと球が入球し易い状態となる。大当たり中に貯まった4つの第2特別図柄の保留球が全て外れとなる割合は、約65.6%(9/10の4乗)であるので、扉突破モードは、65.6%の割合で確変モードが期待できる状態とも言える。
図19の上部に示した通り、通常モードから他のモードへは、大当たりとなった場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図19に示した通り、第1特別図柄の大当たり(大当たりA〜C)となり、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過すれば、大当たり終了後に扉突破モードへと移行する。上述した通り、大当たりA〜Cでは、単に1ラウンドにおいて右打ちを行うだけで、ほぼ確変スイッチ65e3を球が通過する。なお、遊技者が球を打ち出さなかった等により、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過しなかった(V入賞しなかった)場合は、大当たり終了後の遊技状態が再度、通常モードに設定される。
図19の中段に示した通り、扉突破モードから他のモードへは、大当たりになった場合の他、第2特別図柄の保留球に基づく全ての変動表示が終了した場合にも移行する。即ち、図19に示した通り、扉突破モードにおいて全ての第2特別図柄の保留球に基づく変動表示が終了すると、確変モードへと移行する。
また、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合の5%の割合で決定される大当たりDとなった場合には、ほぼ確変スイッチ65e3を球が通過するので、大当たり後に再度、扉突破モードに移行する。なお、遊技者が球を打ち出さなかった等により、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過しなかった(V入賞しなかった)場合は、大当たり終了後の遊技状態が通常モードに設定される。これに対して、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合の95%の割合で決定される大当たりEおよび大当たりFのいずれかとなった場合は、1ラウンド目に球を特定入賞口65aへ入球させることが困難なので、ほぼ球が確変スイッチ65e3を通過することがない。よって、図19に示した通り、大当たりE,Fの終了後は通常モードへと移行する。
図19の下部に示した通り、確変モードから他のモードへは、大当たりとなった場合にのみ移行する。具体的には、図19に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たり(大当たりA〜C)となり、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過すれば、大当たり終了後に扉突破モードへと移行する。大当たりA〜Cは、いずれも球を確変スイッチ65e3へ容易に通過させることができる大当たり種別なので、大当たりの終了後は、ほぼ扉突破モードへと移行する。なお、遊技者が球を打ち出さなかった等により、1ラウンド目に球が確変スイッチ65e3を通過しなかった(V入賞しなかった)場合は、大当たり終了後の遊技状態が通常モードに設定される。
このように、本第1実施形態では、3種類のモードを行き来することにより、大当たり終了後に第2特別図柄の保留球に基づいて実行される第2特別図柄の抽選が全て外れとなることにより、有利な確変モードで遊技を行うことができるという特徴的な遊技性を実現することができる。一般的なパチンコ機では、大当たり終了後に保留内で再度大当たりとなる(所謂、保留内連荘する)ことは遊技者にとって好ましい事象であるが、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、保留内連荘が発生しないことを期待して遊技者に有利を行わせることができる。よって、一般的なパチンコ機とは異なる斬新な遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図12に戻って、説明を続ける。主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、特定入賞口65aを閉鎖または開放する開閉扉65f1を開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ(図3、122)回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ(図3、122)回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図34参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動表示演出(変動表示)といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223と、を有している。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更したり、スーパーリーチ時の演出内容を変更したりするように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
次に、音声ランプ制御装置113の電気的構成の詳細について説明する。図20(a)は、音声ランプ制御装置113のMPU221のROM222の内容を模式的に示した模式図である。ROM222には、変動パターン選択テーブル222aを少なくとも有している。
変動パターン選択テーブル222aは、音声ランプ制御装置113は主制御装置110から出力された変動パターンコマンドに基づいて、その変動パターンコマンドが示す大まかな変動内容(変動時間、変動種別(リーチ、外れ等))から更に詳細な変動内容を決定するために用いられる。これにより、さらに多様な変動態様を決定することができる。ここでは、主制御装置110から指示された大まかな変動内容に対して、抽選により複数種類のうち1の変動態様が決定される。
次に、図20(b)を参照して、音声ランプ制御装置113のMPU221におけるRAM223について説明する。図20(b)は、RAM223の内容を示したブロック図である。RAM223には、入賞情報格納エリア223aと、第1特別図柄保留球数カウンタ223bと、第2特別図柄保留球数カウンタ223cと、変動開始フラグ223dと、停止種別選択フラグ223eと、従変動時間カウンタ223fと、突破演出カウンタ223gと、遊技状態格納エリア223hと、その他メモリエリア223zとが少なくとも設けられている。
入賞情報格納エリア223aは、1つの実行エリアと、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)とからなる記憶エリアを、第1特別図柄、および第2特別図柄のそれぞれに対して有している。各エリアには、入賞情報がそれぞれ格納される。本パチンコ機10では、主制御装置110において始動入賞となった場合に、その始動入賞に応じて取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止種別選択カウンタC3の各値から、その始動入賞に対応する特別図柄の抽選が行われた場合に得られる各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が主制御装置110において予測(推定)され、その予測された各種情報が、主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ入賞情報コマンドによって通知される。
音声ランプ制御装置113では、入賞情報コマンドが受信されると、その入賞情報コマンドにより通知された各種情報(当否、停止種別、変動パターン)が入賞情報として抽出されて、その入賞情報が、入賞情報格納エリア223aに記憶される。より具体的には、抽出された入賞情報が、4つのエリア(第1エリア〜第4エリア)の空いているエリアの中で、エリア番号(第1〜第4)の小さいエリアから順番に記憶される。つまり、エリア番号の小さいエリアほど、時間的に古い入賞に対応するデータが記憶され、第1エリアには、時間的に最も古い入賞に対応するデータが記憶される。
第1特別図柄保留球数カウンタ223bは、主制御装置110において保留されている第1特別図柄の抽選に対応する保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタであり、第2特別図柄保留球数カウンタ223cは、第2特別図柄の抽選に対応する保留球数を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信される保留球数コマンドに基づいて保留球数をカウントし、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cにて、その保留球数を特別図柄の種別毎に管理するようになっている。
具体的には、主制御装置110では、第1入球口64、第2入球口640への入球によって変動表示の保留球数が加算された場合、又は、主制御装置110において特別図柄における変動表示が実行されて保留球数が減算された場合に、加算後または減算後の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを、音声ランプ制御装置113へ送信する。
音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を取得して、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、または第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する(図46のS4208参照)。このように、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110より送信される保留球数コマンドに従って、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を更新するので、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値と同期させながら、その値を更新することができる。
第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じて、そのコマンドにより示される保留球数を第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納すると共に、格納後の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の副表示領域Dsに表示するように、画像の描画を制御する。上述したように、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cは、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
変動開始フラグ223dは、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信した場合にオンされ(図46のS4202参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図52のS4802参照)。変動開始フラグ223dがオンになると、受信した変動パターンコマンドから抽出された変動パターンに基づいて、表示用変動パターンコマンドが設定される。
ここで設定された表示用変動パターンコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図45参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
停止種別選択フラグ223eは、主制御装置110から送信される停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図46のS4205参照)、第3図柄表示装置81における停止種別の設定がなされるときにオフされる(図52のS4807参照)。停止種別選択フラグ223eがオンになると、受信した停止種別コマンドから抽出された停止種別(大当たりの場合には大当たり種別)に基づいて、停止種別が決定される。
従変動時間カウンタ223fは、特別図柄の変動表示の変動時間をカウントするカウンタである。主制御装置110から変動パターンコマンドを受信すると、その変動パターンコマンドにより通知された変動パターンに対応する変動時間が従変動時間カウンタ223fに設定される。
突破演出カウンタ223gは、扉突破モード演出(図9,10参照)において、確変モードへと移行するまでに突破すべき残りの扉の数を示すカウンタである。この突破演出カウンタ223gの値に基づいて、扉突破モード演出が終了したか否かを判別する。
遊技状態格納エリア223hは、パチンコ機10の遊技状態に応じたデータを格納しておくための記憶領域である。この遊技状態格納エリア223hは、主制御装置110から、パチンコ機10の遊技状態に変更が生じる毎に出力される状態コマンドを受信する毎に更新される(図46のS4210参照)。なお、遊技状態格納エリア223hは、例えば1バイトの記憶領域で構成され、下位2ビットの状態によって遊技状態を特定可能に構成されている。より具体的には、例えば、最下位のビットが普通図柄の時短状態であるか否かを示し、下位2ビット目のビットが特別図柄の確変状態であるか否かを示す。よって、「通常モード」では、下位2ビットが「00B」となる一方で、「扉突破モード」、及び「確変モード」では、下位2ビットが「11B」となる。音声ランプ制御装置113のMPU221は、この遊技状態格納エリア223hに格納されたデータに基づいて、音声ランプ制御装置113側でパチンコ機10の遊技状態を把握することができる。
その他メモリエリア223zは上述したデータ以外のデータを格納する領域として設けられており、音声ランプ制御装置113のMPU221が使用するその他カウンタ値などを一時的に記憶しておくための領域である。
RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、演出時間を計時する経時タイマなどを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図46参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図21を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図34参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図21を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図21は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、特別図柄の大当たりとなる抽選確率や、1回の特別図柄の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM234に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、一般的にNAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、バスライン240には画像コントローラ237も接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有する。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ234aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233aに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図53のS6001参照)の終了後に実行される初期設定処理(図53のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムの殆どを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図26参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称す)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図55(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
なお、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、一般的にNAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM234の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまで、その処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM234cから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235は、キャラクタROM234より転送された画像データが、電源投入中、上書きされることがなく保持され続けるように用いられ、電源投入時主画像エリア235a、背面画像エリア235c、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが設けられているほか、電源投入時変動画像エリア235b、第3図柄エリア235dが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口64、または第2入球口640への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図53のS6003,S6004参照)。
ここで、図22を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図22は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを、電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データを、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図22(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図22(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図22(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「特別図柄の大当たり」である場合は図22(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「特別図柄の外れ」である場合は図22(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて電源投入時主画像の描画を行うよう指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、更に、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図22(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入球口64、または第2入球口640に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図21に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図23を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図23は、4種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図23(a)は、「砂浜ステージ」に対応する背面Aに対して、図23(b)は、「深海ステージ」に対応する背面Bに対してそれぞれ示したものである。
各背面A,Bに対応する背面画像は、図23に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A,Bに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称す。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
背面種別の変更が決定され、ステージが「砂浜ステージ」または「深海ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである砂浜ステージに対応する背面Aは、図23(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである「砂浜ステージ」を表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される「砂浜ステージ」に対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができる。よって、表示制御装置114にかかる処理負荷を軽減することができる。
一方、「深海ステージ」に対応する背面Bは、図23(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。
ここで、即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながるおそれがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲(または図23(a)〜(b)の範囲)に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像(または図23(a)〜(b)の間の画像)に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておく構成としているので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、変動開始時の抽選によりステージの変更が決定された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させることができ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、背面Bにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図21参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図21に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235dには、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図7参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM234から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64、または第2入球口640への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「冒険者」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画像エリア235fは、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、例えば、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ(図示せず)の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画像エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
なお、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、転送データテーブルバッファ233e、ポインタ233f、描画リストエリア233g、計時カウンタ233h、格納画像データ判別フラグ233i、描画対象バッファフラグ233jを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出、デモ演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
変動演出は、音声ランプ制御装置113からの表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81おいて開始される演出である。なお、表示用変動パターンコマンドが受信される場合には、変動演出の停止種別を示す表示用停止種別コマンドも受信される。例えば、変動演出が開始された場合に、その変動演出の停止種別が外れであれば、外れを示す停止図柄が最終的に停止表示される一方、その変動演出の停止種別が大当たりA、大当たりBのいずれかであれば、それぞれの大当たり示す停止図柄が最終的に停止表示される。遊技者は、この変動演出における停止図柄を視認することで大当たり種別を認識でき、大当たり種別に応じて付与される遊技価値を容易に判断することができる。
オープニング演出は、これからパチンコ機10が特別遊技状態へ移行して、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが繰り返し開放されることを遊技者に報知するための演出であり、ラウンド演出は、これから開始されるラウンド数を遊技者に報知するための演出である。エンディング演出は、特別遊技状態の終了を遊技者に報知するための演出である。
なお、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出およびデモ演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
ここで、図24を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図24は、表示データテーブルのうち、変動表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。なお、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。なお、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「砂浜ステージ」、「深海ステージ」のいずれか)に対応する背面A,Bのいずれかを表示させるか、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A,Bのうち抽選により決定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A,Bとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
なお、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図24の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233fを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233fを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図26参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233fの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図25を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図25は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
なお、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称す)の転送データ情報が記載されている(図25のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図25のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
なお、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図25の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233fの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図26参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図25の例では、ポインタ233fが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233fが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図22(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図53参照)の中でオンに設定される(図53のS6005参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図64(b)のS7605参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図55(b)のS6301参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図55(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図55(b)のS6309参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図56〜図60参照)および表示設定処理(図61〜図63参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図64(a)のS7501参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図64(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図65参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図26参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図26参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出が表示される。
転送データテーブルバッファ233eは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに格納する。なお、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233fを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233fで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図26参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233fは、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233fを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図55(b)のS6303参照)の中で、ポインタ更新処理(図61のS7205参照)が実行され、ポインタ233fの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233fの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルから、ポインタ233fが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図26参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示される。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。従って、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233gは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図26を参照して、描画リストの詳細について説明する。図26は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図26に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といったスプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233jで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233fによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図55(b)参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233hが1ずつ減算される(図61のS7207参照)。その結果、計時カウンタ233hの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像データ判別フラグ233iは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像データ判別フラグ233iは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図53のS6002参照)によって生成される。ここで生成される格納画像データ判別フラグ233iは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像データ判別フラグ233iの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図65参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像データ判別フラグ233iを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図65のS7713参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図65のS7714参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233jは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称す)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図66のS7802参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233jは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233jの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理の描画処理(図55(b)のS6306参照)が実行される度に行われる。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
<第1実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図27〜図43のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒間隔で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後、立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図27は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では399)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203の該当するバッファ領域に格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、399,99,99,239)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
次に、第1図柄表示装置37において表示を行うための処理であると共に、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する特別図柄変動処理を実行し(S104)、次いで、第1入球口64、または第2入球口640への入賞(始動入賞)に伴う始動入賞処理を実行する(S105)。尚、特別図柄変動処理、及び、始動入賞処理の詳細については、図28〜図30を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である普通図柄変動処理を実行し(S106)、スルーゲート67における球の通過に伴うスルーゲート通過処理を実行する(S107)。尚、普通図柄変動処理、及び、スルーゲート通過処理の詳細は、図32および図33を参照して後述する。スルーゲート通過処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S108)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S109)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図28を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動処理(S104)について説明する。図28は、この特別図柄変動処理(S104)を示すフローチャートである。この特別図柄変動処理(S104)は、タイマ割込処理(図27参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この特別図柄変動処理では、まず、今現在が、特別図柄の大当たり中、又は小当たり中であるか否かを判定する(S201)。具体的には、大当たり中フラグ203r、および小当たり中フラグ203sのいずれかがオンであるかを判定する。判定の結果、特別図柄の大当たり中であれば(S201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
S201の処理において、特別図柄の大当たり中でも、小当たり中でもないと判定した場合は(S201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S202:No)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N2)を取得する(S203)。次に、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0よりも大きいか否かを判別する(S204)。第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0でなければ(S204:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)を1減算し(S205)、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S206)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。
S211の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第2特別図柄保留球格納エリア203bに格納されたデータをシフトする(S207)。S207の処理では、第2特別図柄保留球格納エリア203bの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトし、S213の処理へ移行する。
一方、S204の処理において、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が0である場合は(S204:No)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)を取得し(S208)、取得した第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0よりも大きいか否かを判別する(S209)。
S209の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0であると判別した場合は(S209:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S209の処理において、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が0でない(即ち、1以上である)と判別した場合は(S209:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1減算し(S210)、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S211)。ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S211の処理により保留球数コマンドを設定した後は、第1特別図柄保留球格納エリア203aに格納されたデータを、S207の処理と同一の手法によりシフトして(S209)、処理をS213へと移行する。S207、またはS212の処理後に実行されるS213の処理では、第1図柄表示装置37において変動表示を開始するための特別図柄変動開始処理を実行し(S213)、本処理を終了する。なお、この特別図柄変動開始処理の詳細については、図29を参照して後述する。
S202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であれば(S202:Yes)、変動時間カウンタ203qの値を1減算することにより更新し(S214)、更新後の変動時間カウンタ203qの値に基づいて第1図柄表示装置37において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S215)。即ち、S214の処理で更新された変動時間カウンタ203qの値が0になったか否かを判別する。第1図柄表示装置37において実行される変動表示の変動時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S215:No)、第1図柄表示装置37の表示態様を更新し(S216)、本処理を終了する。
一方、S215の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S215:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S217)。停止図柄の設定は、図29を参照して後述する特別図柄変動開始処理(S213)によって予め行われる。この特別図柄変動開始処理(S213)が実行されると、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選が行われる。より具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて特別図柄の大当たりか否かが決定されると共に、特別図柄の大当たりである場合には、第1当たり種別カウンタC2の値に応じて大当たりA〜Fのいずれかが決定される。
尚、本実施形態では、大当たりAになる場合には、第1図柄表示装置37において青色のLEDを点灯させ、大当たりBになる場合には赤色のLEDを点灯させ、大当たりCとなる場合には、緑色のLEDを点灯させ、大当たりDとなる場合には、青色のLEDと緑色のLEDを点灯させる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は、次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S216の処理が終了した後は、第1図柄表示装置37において実行中の変動表示が開始されたときに、特別図柄変動開始処理によって行われた特別図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、特別図柄の大当たりであるかを判定する(S218)。今回の抽選結果が特別図柄の大当たりであれば(S218:Yes)、確変フラグ203gをオフに設定し(S219)、特別図柄の大当たりの開始を設定して(S220)、S221の処理へと移行する。S219の処理によって、特別図柄の大当たりの開始が設定されると、メイン処理(図36参照)の大当たり制御処理(S1004)が実行された場合に、S1101:Yesへ分岐して、オープニングコマンドが設定される(S1102)。その結果、第3図柄表示装置81において、大当たり演出が開始される。
S218の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の外れであれば(S218:No)、S219,S220の処理をスキップして、処理をS221へと移行する。
ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、状態コマンドに含まれる遊技状態を取得する。これにより、音声ランプ制御装置113の把握する状態を、実際のパチンコ機10の状態に一致させることができる。
次に、図29を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される特別図柄変動開始処理(S213)について説明する。図29は、特別図柄変動開始処理(S213)を示したフローチャートである。この特別図柄変動開始処理(S213)は、タイマ割込処理(図27参照)の特別図柄変動処理(図28参照)の中で実行される処理であり、第1特別図柄保留球格納エリア203aおよび第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、「特別図柄の大当たり」又は「特別図柄の外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動パターン)を決定するための処理である。
特別図柄変動開始処理では、まず、第1特別図柄保留球格納エリア203a、または第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、及び、停止種別選択カウンタC3の各値を取得する(S301)。
次に、確変フラグ203gを読み出して、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるかを判定する(S302)。このS302の処理では、確変フラグ203gがオンならば特別図柄の確変状態であると判定し、確変フラグ203gがオフであれば、特別図柄の低確率状態(確変状態でない)と判定する。S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であると判定した場合は(S302:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S303)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図13(b)参照)と比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜39」の40個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
一方、S302の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態でない(特別図柄の低確率状態である)と判定した場合は(S302:No)、S301の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図13(b)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S304)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとを比較する。第1当たり乱数カウンタC1の値が、当たりとなる乱数値(即ち、「0〜39」)と一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S305の処理へ移行する。
そして、S303またはS304の処理によって取得した特別図柄の抽選結果が、特別図柄の大当たりであるかを判定し(S305)、特別図柄の大当たりであると判定された場合には(S305:Yes)、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S306)。より具体的には、S301の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202b(図14(a)参照)とを比較し、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲にあれば、大当たりA(16ラウンド確変大当たり)であると判定し、「10〜89」の範囲にあれば、大当たりB(5ラウンド確変大当たり)であると判定し、「90〜99」の範囲にあれば、大当たりC(2ラウンド確変大当たり)であると判定する(図14(a)参照)。一方、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲にあれば、大当たりD(16ラウンド確変大当たり)であると判定し、「5〜49」の範囲にあれば、大当たりE(7ラウンド通常大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりF(6ラウンド通常大当たり)であると判定する(図14(a)参照)。
このS306の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA〜F)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA〜F)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターンを決定する(S307)。S307の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37における変動演出の変動時間(表示時間)が設定されると共に、第3図柄表示装置81において大当たり図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202d(図13(a)参照)とを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
一方、S305の処理において、特別図柄の外れ(小当たり含む)であると判定された場合には(S305:No)、外れ時の表示態様を設定する(S308)。S308の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
ここでは、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であれば、S301の処理で取得した停止種別選択カウンタC3の値と、高確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜89」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「90〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。一方、パチンコ機10が特別図柄の通常状態であれば、停止種別選択カウンタC3の値と、低確率時用の停止種別選択テーブルに格納されている乱数値とを比較して、停止種別を設定する。具体的には、停止種別選択カウンタC3の値が「0〜79」の範囲にあれば、完全外れを設定し、「80〜97」の範囲にあれば前後外れ以外リーチを設定し、「98,99」であれば前後外れリーチを設定する。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S309)。ここでは、第1図柄表示装置37の表示時間が設定されると共に、第3図柄表示装置81において外れ図柄で停止するまでの第3図柄の変動時間が決定される。このとき、S307の処理と同様に、RAM203のカウンタ用バッファに格納されている変動種別カウンタCS1の値と、変動パターンテーブル202dとを比較し、変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターン(変動時間)を決定する。
S307の処理またはS309の処理が終わると、次に、S307の処理またはS309の処理で決定した変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S310)。次いで、今回の変動パターンの変動時間に対応するカウンタ値を、変動時間カウンタ203qに設定する(S311)。そして、S306又はS308の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S312)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図36参照)のS1001の処理で、音声ランプ制御装置113に送信される。S312の処理が終わると、特別図柄変動処理へ戻る。
次に、図30のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S105)を説明する。図30は、この始動入賞処理(S105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S105)は、タイマ割込処理(図27参照)の中で実行され、第1入球口64、および第2入球口640への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合に、各種カウンタが示す値の保留処理を実行するための処理である。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に球が入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S401:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(特別図柄における変動表示の保留回数N1)を取得する(S402)。そして、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S403)。
そして、球が第1入球口64への入賞がないか(S401:No)、或いは、球が第1入球口64への入賞があっても第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満でなければ(S403:No)、処理をS407へと移行する。一方、第1入球口64への入賞があり(S401:Yes)、且つ、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)が4未満であれば(S403:Yes)、第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(N1)を1加算する(S404)。そして、演算により変更された第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を示す保留球数コマンドを設定する(S405)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第1特別図柄保留球数カウンタ223bに格納する。
S405の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第1特別図柄保留球格納エリア203aの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S406)、処理をS407へと移行する。尚、S406の処理では、第1特別図柄保留球カウンタ203dの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S407の処理では、球が第2入球口640に入賞(始動入賞)したか否かを判定する(S407)。本処理でも、S401の処理と同様に、第2入球口640への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第2入球口640に入賞したと判別されると(S407:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(特別図柄における変動表示の保留回数N2)を取得し(S408)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S409)。
そして、第2入球口640への入賞がないか(S407:No)、或いは、第2入球口640への入賞があっても第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満でない(即ち、4である)と判定した場合は(S409:No)、処理をS413へと移行する。一方、第2入球口640への入賞があり(S407:Yes)、且つ、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)が4未満であれば(S409:Yes)、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(N2)に1を加算する(S410)。そして、演算により変更された第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を示す保留球数コマンドを設定する(S411)。
ここで設定された保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドから第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を抽出し、抽出した値をRAM223の第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する。
S411の処理により保留球数コマンドを設定した後は、上述したタイマ割込処理のS103の処理で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び変動種別カウンタCS1の各値を、RAM203の第2特別図柄保留球格納エリア203bの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納し(S412)、S413の処理へ移行する。尚、S412の処理では、S406の処理と同様に、第2特別図柄保留球格納エリア203eの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
S413の処理では、始動入賞に基づいて取得した各種カウンタ値から当否を先読みするための先読み処理を実行して(S413)、本処理を終了する。この先読み処理の詳細について、図31を参照して説明する。
図31は、先読み処理(S413)を示すフローチャートである。この先読み処理(S413)では、まず、今回の始動入賞処理(図30参照)において第1入球口64、または第2入球口640に対する新たな入球を検出していたか否かを判別し(S501)、新たな入球を検出していなければ(S501:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S501の処理において、新たな入球を検出していたと判別した場合は(S501:Yes)、次に、検出した入球に対応する保留球数が上限値(即ち、4)であるか否かを判別し(S502)、上限値であると判別した場合は(S502:Yes)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S502の処理において、保留球数が上限値未満であると判別した場合は(S502:No)、当該入球に基づく変動表示を開始するタイミングが特別図柄の確変状態であるか否かを判別する(S503)。このS503の処理では、現在の遊技状態と、今回の入球以前に保留された保留球の先読み結果とに応じて、確変状態であるか否かを判別している。具体的には、保留球の中に大当たりが含まれていなければ、現在の遊技状態と、今回検出した入球に基づく変動表示を開始するタイミングとが一致するので、現在の遊技状態が確変状態であると判別する。また、保留球の中に大当たりが含まれている場合は、大当たりの種別に応じて遊技状態が変更される可能性がある。具体的には、確変大当たりが保留されている場合は当該大当たり後に確変状態へと移行し、通常大当たりが保留されている場合は、当該大当たり後に通常状態へと移行する。これらを加味して、今回検出した入球に基づく変動表示の開始タイミングが確変状態であるか否かを判別する。
S503の処理において、今回検出した入球に基づく変動の開始時が特別図柄の確変状態であると判別した場合は(S503:Yes)、入球を検出した入球口の種別と、高確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、今回の入球に基づく抽選結果を取得し(S504)、処理をS506へと移行する。一方、変動開始時が特別図柄の低確率状態であると判別した場合は(S503:No)、入球を検出した入球口の種別と、低確率時用の第1当たり乱数テーブルとに基づいて、今回の入球に基づく抽選結果を取得し(S505)、処理をS506へと移行する。
S504、またはS505の処理後に実行されるS506の処理では、今回の入球を検出した入球口の種別と、S504、またはS505の処理で取得した抽選結果とに基づいて入賞情報コマンドを設定し(S506)、本処理を終了する。ここで設定された入賞情報コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、入賞情報コマンドを受信すると、その入賞情報コマンドにより通知された入球口の種別、および抽選結果を入賞情報格納エリア223aに格納する。
次に、図32を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される普通図柄変動処理(S106)について説明する。図32は、この普通図柄変動処理(S106)を示すフローチャートである。この普通図柄変動処理(S106)は、タイマ割込処理(図27参照)の中で実行され、第2図柄表示装置83において行う普通図柄(第2図柄)の変動表示や、第1入球口64に付随する電動役物64aの開放時間などを制御するための処理である。
この普通図柄変動処理(S106)では、まず、今現在が、普通図柄(第2図柄)の当たり中であるか否かを判定する(S601)。普通図柄(第2図柄)の当たり中としては、第2図柄表示装置83において当たりを示す表示がなされている最中と、第1入球口64に付随する電動役物64aの開閉制御がなされている最中とが含まれる。判定の結果、普通図柄(第2図柄)の当たり中であれば(S601:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、普通図柄(第2図柄)の当たり中でなければ(S601:No)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であるか否かを判定し(S602)、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中でなければ(S602:No)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S603)。次に、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0よりも大きいか否かを判別し(S604)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0であれば(S604:No)、そのまま本処理を終了する。一方、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が0でなければ(S604:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1減算する(S605)。
次に、普通図柄保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフトする(S606)。S606の処理では、普通図柄保留球格納エリア203cの保留第1エリア〜保留第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。データをシフトした後は、普通図柄保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第2当たり乱数カウンタC4の値を取得する(S607)。
次に、普通図柄の時短状態であるか否かを判定する(S608)。なお、上述した通り、本実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の確変状態となる期間と、普通図柄の時短状態となる期間とが一致する。よって、S608の処理では、RAM203の確変フラグ203gがオンであれば普通図柄の時短状態であると判定し、オフであれば、普通図柄の通常状態であると判定する。
S608の処理において、普通図柄の時短状態であると判定した場合は(S608:Yes)、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルと基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S609)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜204」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、「0〜4,205〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図14(b)参照)。
S608の処理において、普通図柄の時短状態でないと判定した場合は(S608:No)、S610の処理へ移行する。S610の処理では、パチンコ機10が特別図柄の大当たり中であるか、又は、パチンコ機10が普通図柄の通常状態であるので、S607の処理で取得した第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルとに基づいて、普通図柄の当たりか否かの抽選結果を取得する(S610)。具体的には、第2当たり乱数カウンタC4の値と、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブルに格納されている乱数値と比較する。上述したように、第2当たり種別カウンタC4の値が「5〜28」の範囲にあれば、普通図柄の当たりであると判定し、0〜4,29〜239」の範囲にあれば、普通図柄の外れであると判定する(図14(b)参照)。
次に、S609またはS610の処理によって取得した普通図柄の抽選結果が、普通図柄の当たりであるかを判定し(S611)、普通図柄の当たりであると判定した場合には(S611:Yes)、当たり時の表示態様を設定する(S612)。このS612の処理では、第2図柄表示装置83における変動表示が終了した後に、停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されるように設定する。
そして、普通図柄の時短状態であるか(確変フラグ203gがオンであるか)を判定し(S614)、普通図柄の時短状態であれば(S614:Yes)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を3秒間に設定して(S615)、本処理を終了する。一方、普通図柄の時短状態でない(即ち、確変フラグ203gがオフである)と判定した場合は(S614:No)、第2図柄表示装置83における変動表示の変動時間を30秒間に設定して(S616)、本処理を終了する。
また、S602の処理において、第2図柄表示装置83の表示態様が変動中であれば(S602:Yes)、第2図柄表示装置83において実行している変動表示の変動時間が経過したか否かを判別する(S617)。尚、ここでの変動時間は、第2図柄表示装置83において変動表示が開始される前に、S615の処理またはS616の処理によって予め設定された時間である。
S617の処理において、変動時間が経過していないと判別した場合は(S617:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S617の処理において、実行している変動表示の変動時間が経過していれば(S617:Yes)、第2図柄表示装置83の停止表示を設定する(S618)。S618の処理では、普通図柄の抽選が当たりとなって、S612の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「○」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。一方、普通図柄の抽選が外れとなって、S613の処理により表示態様が設定されていれば、第2図柄としての「×」図柄が、第2図柄表示装置83において停止表示(点灯表示)されるように設定される。S618の処理により、停止表示が設定されると、次にメイン処理(図62参照)の第2図柄表示更新処理(S1007参照)が実行された場合に、第2図柄表示装置83における変動表示が終了し、S613の処理またはS618の処理で設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)が第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)される。
次に、第2図柄表示装置83において実行中の変動表示が開始されたときに、普通図柄変動処理によって行われた普通図柄の抽選結果(今回の抽選結果)が、普通図柄の当たりであるかを判定する(S619)。今回の抽選結果が普通図柄の当たりであれば(S619:Yes)、次いで、普通図柄の時短状態中であるか(即ち、確変フラグ203gがオンであるか)を判別し(S620)、時短状態中でなければ(S620:No)、第1入球口64に付随する電動役物64aの開放時間、および開放回数を「0.2秒間×1回」に設定して(S621)、処理をS523へと移行する。一方、S620の処理において、普通図柄の時短中ではあると判別した場合は(S620:Yes)、第1入球口64に付随する電動役物64aの開放時間、および開放回数を「1秒間×2回」に設定して(S622)、処理をS623へと移行する。
S623の処理では、S621、またはS622の処理で決定された開放時間、および開放回数の開閉制御開始を設定し(S623)、本処理を終了する。S623の処理によって、電動役物64aの開閉制御開始が設定されると、次にメイン処理(図36参照)の電動役物開閉処理(S1005参照)が実行された場合に、電動役物64aの開閉制御が開始され、S621の処理またはS622の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで電動役物64aの開閉制御が継続される。一方、S619の処理において、今回の抽選結果が普通図柄の外れであれば(S619:No)、S620〜S623の各処理をスキップして、本処理を終了する。
次に、図33のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行されるスルーゲート通過処理(S107)を説明する。図33は、このスルーゲート通過処理(S107)を示すフローチャートである。このスルーゲート通過処理(S107)は、タイマ割込処理(図27参照)の中で実行され、普通入球口(スルーゲート)67における球の通過の有無を判断し、球の通過があった場合に、第2当たり乱数カウンタC4が示す値を取得し保留するための処理である。
スルーゲート通過処理では、まず、球が普通入球口67を通過したか否かを判定する(S701)。ここでは、普通入球口67における球の通過を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が普通入球口67を通過したと判定されると(S701:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(普通図柄における変動表示の保留回数M)を取得する(S702)。そして、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判定する(S703)。
球が普通入球口67を通過していないか(S701:No)、或いは、球が普通入球口67を通過していても普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満でなければ(S703:No)、本処理を終了する。一方、球が普通入球口67を通過し(S701:Yes)、且つ、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)が4未満であれば(S703:Yes)、普通図柄保留球数カウンタ203fの値(M)を1加算する(S704)。そして、上述したタイマ割込処理のS103で更新した第2当たり乱数カウンタC4の値を、RAM203の普通図柄保留球格納エリア203cの空き保留エリア(保留第1エリア〜保留第4エリア)のうち最初のエリアに格納して(S705)、本処理を終了する。尚、S705の処理では、普通図柄保留球数カウンタ203fの値を参照し、その値が0であれば、保留第1エリアを最初のエリアとする。同様に、その値が1であれば保留第2エリアを、その値が2であれば保留第3エリアを、その値が3であれば保留第4エリアを、それぞれ最初のエリアとする。
図34は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S801)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置111でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図35を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図35は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S901)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S902)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S903)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S904)、オンされていれば(S904:Yes)、処理をS914へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S904:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S905)、記憶されていなければ(S905:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS914へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S905:Yes)、RAM判定値を算出し(S906)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S907:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS914へ移行する。なお、図36のS1015の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S914の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S914)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S915,S916)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S915,S916)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S915,S916)を実行する。RAMの初期化処理(S915,S916)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S915)、その後、RAM203の初期値を設定する(S916)。S916の処理が終了した後は、処理をS910へと移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S904:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S905:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S907:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S908)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S909)、S910の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S910の処理では、演出許可コマンドを音声ランプ制御装置113へ送信し、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114に対して各種演出の実行を許可する。S910の処理が終了した後は、確変フラグ203gを読み出して(S911)、読み出した確変フラグ203gの状態に基づいて状態コマンドを設定する。この状態コマンドは、音声ランプ制御装置113に対して現在の遊技状態を通知するためのコマンドである。S912の処理が終了した後は、割込みを許可して(S911)、後述するメイン処理に移行する。
次に、図36を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図36は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1001〜S1008の各処理が実行され、その残余時間でS1009,S1010のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図27参照)の実行中に、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1001)。具体的には、タイマ割込処理(図27参照)におけるS101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、特別図柄変動処理(図28参照)や始動入賞処理(図30参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、始動入賞処理で設定された入賞情報コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。また、遊技状態が変更された場合に、その遊技状態の変更を通知するための状態コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。また、大当たり制御処理(図37参照)で設定されたオープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドを音声ランプ制御装置113へ送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1002)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域に格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1003)、次いで、特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たり演出の実行や、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための大当たり制御処理を実行する(S1004)。大当たり制御処理では、大当たりのラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、最大開放時間が経過したか、又は球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。ここで、本実施形態では、大当たり制御処理(S1004)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。この大当たり制御処理(S1004)の詳細については、図37を参照して後述する。
S1004の処理が終了すると、次に、小当たり状態である場合に、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための小当たり制御処理を実行する(S1005)。小当たり制御処理では、小当たりの開始時に特定入賞口65aを開放し、小当たりの開放期間中に最大開放時間が経過したか、又は球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。ここで、本実施形態では、小当たり制御処理(S1005)をメイン処理において実行しているが、タイマ割込処理において実行しても良い。この小当たり制御処理(S1005)の詳細については、図42を参照して後述する。
S1005の処理が終了すると、次に、第1入球口64に付随する電動役物64aの開閉制御を行う電動役物開閉処理を実行する(S1006)。電動役物開閉処理では、普通図柄変動処理(図32参照)のS523の処理によって電動役物64aの開閉制御開始が設定された場合に、電動役物64aの開閉制御を開始する。尚、この電動役物64aの開閉制御は、普通図柄変動処理(図32参照)におけるS521の処理またはS522の処理で設定された開放時間および開放回数が終了するまで継続される。
次に、第1図柄表示装置37の表示を更新する第1図柄表示更新処理を実行する(S1007)。第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図29参照)のS307の処理またはS309の処理によって変動パターンが設定された場合に、その変動パターンに応じた変動表示を、第1図柄表示装置37において開始する。本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる。
なお、メイン処理は4ミリ秒毎に実行されるが、そのメイン処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、メイン処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが100に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行う。尚、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
また、第1図柄表示更新処理では、特別図柄変動開始処理(図29参照)のS307の処理またはS309の処理によって設定された変動パターンに対応する変動時間が終了した場合に、第1図柄表示装置37において実行されている変動表示を終了し、特別図柄変動開始処理(図29参照)のS306の処理またはS308の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第1図柄)を第1図柄表示装置37に停止表示(点灯表示)する。
次に、第2図柄表示装置83の表示を更新する第2図柄表示更新処理を実行する(S1008)。第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動開始処理(図32参照)のS515の処理またはS516の処理によって普通図柄(第2図柄)の変動時間が設定された場合に、第2図柄表示装置83において変動表示を開始する。これにより、第2図柄表示装置83では、普通図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示が行われる。また、第2図柄表示更新処理では、普通図柄変動処理(図32参照)のS518の処理によって第2図柄表示装置83の停止表示が設定された場合に、第2図柄表示装置83において実行されている変動表示を終了し、普通図柄変動開始処理(図32参照)のS512の処理またはS513の処理によって設定された表示態様で、停止図柄(第2図柄)を第2図柄表示装置83に停止表示(点灯表示)する。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1009)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1009:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち今回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4ミリ秒)が経過したか否かを判別し(S1010)、既に所定時間が経過していれば(S1010:Yes)、処理をS1001へ移行し、上述したS1001以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、今回のメイン処理の開始から未だ所定時間(4ミリ秒)が経過していなければ(S1010:No)、所定時間に至るまでの間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1、第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1011,S1012)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1011)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では共に399)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203の該当するバッファ領域にそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1002の処理と同一の方法によって実行する(S1012)。
ここで、S1001〜S1008の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1009の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1009:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図34のNMI割込処理が実行されたということなので、S1013以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1013)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1014)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1015)、RAM203のアクセスを禁止して(S1016)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1009の処理は、S1001〜S1008で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1011とS1012の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1001の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS901の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(図35のS901参照)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1001の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図37のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり制御処理(S1004)を説明する。図37は、この大当たり制御処理(S1004)を示すフローチャートである。この大当たり制御処理(S1004)は、メイン処理(図36参照)の中で実行され、パチンコ機10が特別図柄の大当たり状態である場合に、大当たりに応じた各種演出の実行や、特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。
大当たり制御処理(図37参照)では、まず、特別図柄の大当たりが開始されるかを判定する(S1101)。具体的には、特別図柄変動処理(図28参照)のS220の処理が実行され、特別図柄の大当たりの開始が設定されていれば、特別図柄の大当たりが開始されると判定する。S1101の処理において、特別図柄の大当たりが開始される場合には(S1101:Yes)、大当たりのオープニング期間の開始を通知するためのオープニングコマンドを設定する(S1102)。ここで設定されたオープニングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、オープニングコマンドを受信すると、表示用オープニングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用オープニングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてオープニング演出が開始される。S1102の処理後は、大当たり中フラグ203rをオンに設定して(S1103)、本処理を終了する。
一方、S1001の処理において、特別図柄の大当たりの開始タイミングではないと判定された場合は(S1101:No)、特別図柄の大当たり中であるかを判定する(S1104)。特別図柄の大当たり中としては、第1図柄表示装置37及び第3図柄表示装置81において特別図柄の大当たり(特別図柄の大当たり遊技中も含む)を示す表示がなされている最中と、特別図柄の大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。S1004の処理において、特別図柄の大当たり中でなければ(S1104:No)、本処理を終了する。
一方、S1104の処理において、特別図柄の大当たり中であれば(S1104:Yes)、新たなラウンドの開始タイミングであるかを判定し(S1105)、新たなラウンドの開始タイミングであれば(S1105:Yes)、ラウンド数に応じた特定入賞口65aの動作を設定するための大当たり動作設定処理を実行し(S1106)、本処理を終了する。なお、この大当たり動作設定処理(S1106)の詳細については、図38を参照して後述する。
一方、S1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングでないと判定した場合は(S1105:No)エンディング演出の開始タイミングであるかを判定する(S1107)。具体的には、通常時より多量の賞球の払い出しが行われる特別遊技状態(大当たりの全てのラウンド)が終了した場合に、エンディング演出の開始タイミングであると判定する。
S1107の処理において、エンディング演出の開始タイミングであると判定した場合には(S1107:Yes)、エンディングコマンドを設定し(S1108)、本処理を終了する。ここで設定されたエンディングコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、エンディングコマンドを受信すると、表示用エンディングコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114によって表示用エンディングコマンドが受信されると、第3図柄表示装置81においてエンディング演出が開始される。
一方、S1107の処理において、エンディング演出の開始タイミングでないと判定した場合には(S1107:No)、次に、今回の大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングであるかを判定する(S1109)。即ち、エンディング演出の終了タイミングであるかを判別する。S1109の処理において、大当たりの終了タイミングであると判定した場合には(S1109:Yes)、次いで、大当たり終了後の遊技状態を設定するための大当たり終了処理を実行し(S1110)、本処理を終了する。尚、この大当たり終了処理(S1110)の詳細については、図39を参照して後述する。
S1109の処理において、大当たり(特別遊技状態)の終了タイミングでないと判定した場合には(S1109:No)、特定入賞口65aへの入賞に応じた処理を行うための入賞処理を実行する(S1111)。尚、この入賞処理(S1111)の詳細については、図40を参照して後述する。入賞処理(S1111)の終了後は、特定入賞口65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための異常処理を実行して(S1112)、本処理を終了する。この異常処理(S1112)の詳細については、図41を参照して後述する。
次に、図38のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり動作設定処理(S1106)の詳細について説明する。図38は、この大当たり動作設定処理(S1106)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理(S1106)は、大当たり制御処理(図37参照)の中で実行され、上述した通り、ラウンド数に応じた特定入賞口65aの開閉動作を設定するための処理である。
この大当たり動作設定処理(図38参照)が開始されると、まず、特定入賞口65aの開放を設定し(S1201)、次いで、1ラウンドの開始タイミングであるかを判別する(S1202)。S1202の処理において、1ラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S1202:Yes)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオンに設定して(S1203)、処理をS1204へと移行する。一方、S1202の処理において、今回のラウンドが1ラウンド目ではないと判別した場合は、S1203の処理をスキップして、処理をS1204へと移行する。S1204の処理では、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S1204)、本処理を終了する。
ここで設定されたラウンド数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、ラウンド数コマンドを受信すると、新たに開始されたラウンド数を第3図柄表示装置81において表示するための表示用ラウンド数コマンドを設定する(図48のS4404参照)。これにより、大当たりのラウンド数に合わせて第3図柄表示装置81の表示内容を更新することができる。
この大当たり動作設定処理(図38参照)を実行することにより、大当たりの各ラウンドにおいて特定入賞口65aを開放することができると共に、1ラウンド目に特別排出流路65e2を通過可能に設定することができる。これにより、大当たりA〜Dでは、1ラウンド目に遊技者が右打ちを行うだけで、ほぼ確実に球が確変スイッチ65e3を通過するので、大当たりの終了後に確変モード(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)へと移行させることができる。また、大当たりE,Fの場合も、1ラウンド目は流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオンに設定されるものの、上述した通り、開閉扉65f1の開放期間が極めて短く(0.2秒間)、1ラウンドの間に球が特定入賞口65aへと入球することが困難なため、確変スイッチ65e3を球が通過する可能性はほぼ0である。よって、大当たりE,Fの何れかになった場合は、大当たり終了後を通常モードに設定することができる。これにより、大当たりとなった場合に大当たりA〜Cのいずれかの種別が決定される第1特別図柄の抽選を、遊技者にとって有利な抽選とし、大当たりとなった場合に高確率(95%の割合)で大当たりE,Fのどちらかが決定される第2特別図柄の抽選を、遊技者にとって不利な抽選とすることができる。
次に、図39のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される大当たり終了処理(S1110)の詳細について説明する。図39は、この大当たり終了処理(S1110)を示すフローチャートである。この大当たり終了処理(S1110)は、大当たり制御処理(図37参照)の中で実行され、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この大当たり終了処理(S1110)では、まず、確変設定フラグ203hがオンであるかを判別する(S1301)。S1301の処理において、確変設定フラグ203hがオンであると判別した場合は(S1301:Yes)、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過したことを意味するので、確変フラグ203gをオンに設定することで大当たり後の状態を確変モードに設定し(S1302)、S1303の処理へ移行する。一方、S1301の処理において、確変設定フラグ203hがオフであれば(S1301:No)、S1302の処理をスキップして、S1303の処理へ移行する。大当たりの開始時に確変フラグ203gがオフにリセットされているので(図28のS219参照)、S1302の処理をスキップすることで、大当たり後は確変フラグ203gがオフの状態となる。即ち、大当たり終了後が通常モードに設定される。
S1303の処理では、確変フラグ203gの状態に基づいて、状態コマンドを設定する(S1303)。ここで設定された状態コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行されるメイン処理(図36参照)の外部出力処理(S1001)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、状態コマンドを受信すると、その状態コマンドで通知された遊技状態に合わせて遊技状態格納エリア223hを更新する。これにより、音声ランプ制御装置113において、パチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。次いで、大当たり中フラグ203rおよび確変設定フラグ203hを共にオフに設定して(S1304)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理(図39参照)を実行することにより、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過したか否かに応じて大当たり終了後の遊技状態を正確に設定することができる。
次に、図40のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される入賞処理(S1111)の詳細について説明する。図40は、この入賞処理(S1111)を示すフローチャートである。この入賞処理(S1111)は、大当たり制御処理(図37参照)の中で実行され、上述した通り、特定入賞口65aへの入賞に応じた制御を行うための処理である。
この入賞処理(S1111)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別する(S1401)。ここで、ラウンド有効期間とは、ラウンド遊技が設定されている期間、即ち、特定入賞口65aの開放状態からインターバル期間が終了するまでの期間である。S1401の処理において、ラウンド有効期間でなければ(S1401:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1401の処理において、現在がラウンド有効期間であると判別した場合は(S1401:Yes)、次いで、特定入賞口65aへの入賞を検出したかを判別し(S1402)、特定入賞口65aに対する入賞を検出していれば(S1402:Yes)、入賞個数カウンタ203jの値に1を加算して更新し(S1403)、特定入賞口65aへの入賞を検出したことを示す入賞コマンドを設定して(S1404)、S1405の処理へ移行する。これに対し、S1402の処理において、特定入賞口65aへの入賞を検出していなければ(S1402:No)、S1403,S1404の処理をスキップし、S1405の処理へ移行する。
S1405の処理では、入賞個数カウンタ203jの値が7以上であるかを判別し(S1405)、入賞個数カウンタ203jの値が7以上であれば(S1405:Yes)、S1407の処理へ移行する。一方、S1405の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が6以下であると判別した場合は(S1405:No)、ラウンド時間が経過したかを判別し(S1406)、ラウンド時間が経過していれば(S1406:Yes)、S1407の処理へと移行する。なお、このS1406の処理では、今回の大当たりが大当たりA〜Dの場合、ラウンドの開始から30秒間が経過した場合にラウンド時間が経過したと判別し、大当たりE,Fの場合は、ラウンドの開始から0.2秒間が経過した場合にラウンド時間が経過したと判別する。
S1407の処理では、特定入賞口65aの閉鎖を設定し(S1407)、特定入賞口65aの閉鎖が設定されたことを示す閉鎖コマンドを設定する(S1408)。次いで、今回の特定入賞口65aの閉鎖が1ラウンドの終了に基づく閉鎖であるかを判別し(S1409)1ラウンドの終了に基づく閉鎖であると判別した場合は(S1409:Yes)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kをオフに設定して(S1410)、処理をS1411へと移行する。一方、S1409の処理において、今回の特定入賞口65aの閉鎖が1ラウンド以外のラウンドが終了したことによる閉鎖であると判別した場合は(S1409:No)、流路ソレノイド(確変ソレノイド)65kがオンに設定されていないので、S1410の処理をスキップして、処理をS1411へと移行する。
S1411の処理では、残球タイマフラグ203k、確変有効フラグ203n、ラウンド終了フラグ203tをオンに設定し(S1411)、処理をS1412へと移行する。また、S1405の処理において入賞個数カウンタの値が6以下と判別され(S1405:No)、且つ、S1406の処理においてラウンド時間が経過していないと判別された場合には(S1406:No)、S1407〜S1411の処理をスキップして、処理をS1412へと移行する。
S1412の処理では、ラウンド終了フラグ203tがオンであるかを判定し(S1412)、ラウンド終了フラグ203tがオフであれば(S1412:No)、S1413の処理へ移行する。一方、S1412の処理においてラウンド終了フラグ203tがオンであると判定した場合は(S1412:Yes)、次いで、確変有効フラグ203nがオンであるかを判別する(S1416)。S1416の処理において、確変有効フラグ203nがオフであれば(S1416:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、確変有効フラグ203nがオンであれば(S1416:No)、確変有効タイマ203oの値に1を加算し(S1417)、次いで、確変有効タイマ203oの値が上限値であるかを判別する(S1418)。そして、確変有効タイマ203oの値が上限値でなければ(S1418:No)、S1413の処理へ移行し、確変スイッチ65e3を監視して確変設定フラグ203hを更新する処理を実行する。これにより、確変有効タイマ203oが上限値でないと、確変スイッチ65e3を球が通過したか判別されるので、球はけの時間を考慮して確変状態を設定できる。また、有効と判別される時間に上限があるので、不正に確変スイッチ65e3に球を通過させて確変状態が付与されることを抑制できる。
一方、確変有効タイマ203oの値が上限値であれば(S1418:Yes)、確変有効フラグ203n、ラウンド終了フラグ203tをオフに設定し(S1419)、確変有効タイマ203oの値をリセットして(S1420)、本処理を終了する。
また、S1413の処理では、球が確変スイッチ65e3を通過したか否かを判別し(S1413)、球が確変スイッチ65e3を通過していなければ(S1413:No)、S1414の処理へ移行する。一方、球が確変スイッチ65e3を通過していれば(S1413:Yes)、確変通過カウンタ203iの値に1を加算し(S1414)、確変設定フラグ203hをオンに設定して(S1413)、本処理を終了する。
次に、図41のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される異常処理(S1112)を説明する。図41は、この異常処理(S1112)を示すフローチャートである。この異常処理(S1112)は、大当たり制御処理(図37参照)の中で実行される処理であり、上述した通り、特定入賞口65aに対して入球した球が正常に排出されたかを判別するための処理である。
異常処理(S1112)では、まず、現在がラウンド有効期間であるかを判別し(S1501)、ラウンド有効期間でなければ(S1501:No)、そのまま本処理を終了する。一方、ラウンド有効期間であると判別した場合は(S1501:Yes)、次いで、球が球排出口スイッチ65e4(図6(b)参照)を通過したかを判別する(S1502)。
S1502の処理において、球が球排出口スイッチ65e4を通過したと判別した場合は(S1502:Yes)、排出個数カウンタ203pの値に1を加算し(S1503)、S1504の処理へ移行する。一方、S1502の処理において、球が球排出口スイッチ65e4を通過していなければ(S1502:No)、S1503の処理をスキップしS1504の処理へ移行する。
S1504の処理では、残球タイマフラグ203kがオンであるかを判別する(S1504)。残球タイマフラグ203kがオフであると判別した場合は(S1504:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマフラグ203kがオンであれば(S1504:Yes)、球はけ期間中であるので、残球タイマ203mの値に1を加算して更新する(S1505)。次に、残球タイマ203mの値が上限値であるかを判別し(S1506)、残球タイマ203mの値が上限値でなければ(S1506:No)、そのまま本処理を終了する。一方、残球タイマ203mの値が上限値であると判別した場合は(S1506:Yes)、次いで、排出個数(確変通過カウンタ203iの値と、排出個数カウンタ203pの値との合計値)が入賞個数(入賞個数カウンタ203jの値)と一致しているかを判別する(S1507)。
S1507の処理において、排出個数と入賞個数とが一致していないと判別した場合は(S1507:No)、エラーコマンドを設定し(S1508)、S1509の処理へ移行する。エラーコマンドを音声ランプ制御装置113が受信することにより、エラー表示(例えば、入賞個数不一致エラーの文字を表示)がされ、ホールコンピュータに対して、エラー信号の出力がされる。よって、特別排出流路65e2が閉鎖されている期間に、不正に球を特別排出流路65e2へと入球させて確変スイッチ54e3を通過させる不正行為を抑制できる。
一方、S1507の処理において、排出個数と入賞個数とが一致したと判別した場合は(S1507:Yes)、S1508の処理をスキップし、S1509の処理へと移行する。S1509の処理では、残球タイマフラグ203kをオフに設定し(S1509)、次いで、残球タイマ203mの値をリセットする(S1510)。その後、入賞個数カウンタ203j、排出個数カウンタ203p、確変通過カウンタ203iの値をそれぞれリセットし(S1511)、本処理を終了する。
この異常処理(図41参照)を実行することにより、可変入賞装置65の内部で球詰まりが生じる等により、特定入賞口65aへと入球した球が正常に排出されなくなってしまう不具合の発生を早期に検出し、報知することができる。
次に、図42を参照して、小当たり制御処理(S1005)の詳細について説明する。この小当たり制御処理は、上述した通り、小当たり状態である場合に、可変入賞装置65の特定入賞口65aを開放又は閉鎖するための処理である。
この小当たり制御処理(図42参照)では、まず、小当たりの開始タイミングであるか否かを判別し(S1601)、小当たりの開始タイミングであると判別した場合は(S1601:Yes)、小当たりのオープニングを示すオープニングコマンドを設定し(S1602)、小当たり中フラグ203sをオンに設定して(S1603)、本処理を終了する。
一方、S1601の処理において、小当たりの開始タイミングでないと判別した場合は(S1601:No)、次いで、小当たり中であるかを判別し(S1604)、小当たり中でないと判別した場合は(S1604:No)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S1604の処理において、小当たり中であると判別した場合は(S1604:Yes)、小当たりとなったことに基づく特定入賞口65aの開放動作の開始タイミングであるかを判別し(S1605)、開放動作の開始タイミングであれば(S1605:Yes)、特定入賞口65aの開放(開閉扉65f1の開放)を設定して(S1606)、本処理を終了する。
一方、S1605の処理において、開放動作の開始タイミングでないと判別した場合は(S1605:No)、エンディング期間の開始タイミングであるかを判別し(S1607)、エンディング期間の開始タイミングであれば(S1607:Yes)、小当たりのエンディング期間が開始したことを示すエンディングコマンドを設定して(S1608)、本処理を終了する。
また、S1607の処理において、エンディング期間の開始タイミングではないと判別した場合は(S1607:No)、小当たりの終了タイミングであるか否かを判別し(S1609)、小当たりの終了タイミングであれば(S1609:Yes)、小当たり中フラグ203sをオフに設定して(S1610)、本処理を終了する。これに対し、S1609の処理において、小当たりの終了タイミングでないと判別した場合は(S1609:No)、小当たりの開放期間の終了を判別するための小当たり中入賞処理を実行する(S1611)。この小当たり中入賞処理(S1611)の詳細については、図43を参照して後述する。
小当たり中入賞処理(S1611)が終了すると、特定入賞口65aへ入賞した球の個数と、排出された球の個数との一致を判定する異常処理を実行して(S1612)、本処理を終了する。この異常処理(S1612)は、大当たり制御処理(図37参照)の中で実行される異常処理(図41参照)と同一の処理であるため、その詳細については省略する。
次に、図43を参照して、小当たりの開放期間の終了を判別するための小当たり中入賞処理(S1611)の詳細について説明する。図43は、小当たり中入賞処理(S1611)を示したフローチャートである。小当たり中入賞処理(S1611)では、まず、小当たりのラウンド有効期間中であるか否かを判別し(S1701)、ラウンド有効期間外であると判別した場合は(S1701:No)、そのまま本処理を終了する。
一方、S1701の処理において、ラウンド有効期間であると判別した場合は(S1701:Yes)、特定入賞口65aへの球の入賞を検出したか否かを判別し(S1702)、球の入賞を検出したと判別した場合は(S1702:Yes)、入賞個数カウンタ203jの値に1を加算して(S1703)、処理をS1704へと移行する。これに対し、S1702の処理において特定入賞口65aに対する入賞を検出していないと判別した場合は(S1702:No)、S1703の処理をスキップして、処理をS1704へと移行する。
S1704の処理では、入賞個数カウンタ203jの値が7以上の値であるかを判別し(S1704)、7未満であれば(S1704:No)、次に、ラウンド時間(0.2秒間)が経過したかを判別する(S1705)。S1705の処理において、ラウンド時間が経過していないと判別した場合は(S1705:No)、小当たりの開放期間を継続させるために、そのまま本処理を終了する。一方、S1704の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が7以上の値であると判別した場合(S1704:Yes)、およびS1705の処理においてラウンド時間が経過したと判別した場合は(S1705:Yes)、小当たりの開放期間の終了条件が成立したことを意味するので、特定入賞口65aの閉鎖を設定して(S1706)、本処理を終了する。
なお、小当たりのラウンド時間である0.2秒間の間に7個以上の球を特定入賞口65aへと入賞させるのはほぼ不可能であるので、小当たりとなった場合は、ほぼ、特定入賞口65aが0.2秒間開放された後、特定入賞口65aが閉鎖される。
<第1実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図44〜図52を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図44を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図44は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S4001)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S4116の電源断処理(図45参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S4002)。図45を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図45のS4113参照)、S4116の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S4116の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S4002:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS4116の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S4003)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1506の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S4003:Yes)、S1504へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S4003:No)、S4008へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S4003:Yes)、S4004へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1616の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S4003:No)、S4008の処理へと移行する。
S4002の処理において、電源断処理中フラグがオンであれば(S4002:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S4116の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS4004へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S4004の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックして(S4004)、次いで、RAM223の各記憶領域が正常であるか否かを判別する(S4005)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
S4005の処理において、RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S4005:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定し(S4006)、処理をS4008へと移行する。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。
一方、S4005の処理において、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S4005:No)、RAM223の異常を報知して(S4007)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S4008の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S4008)。電源断フラグはS4116の電源断処理の実行時にオンされる(図45のS4115参照)。つまり、電源断フラグは、S4116の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であって、S4116の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S4008:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S4009)、RAM223の初期値の設定を行う(S4010)。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
S4010の処理後は、主制御装置110のMPU201によって立ち上げ処理(図31参照)の中で設定された状態コマンドの通知内容を解析して(S4011)、解析結果に応じて遊技状態格納エリア223hのデータを更新する(S4012)。これにより、電源投入時からパチンコ機10の遊技状態を正確に把握することができる。S4012の処理後は、割込み許可を設定して(S4013)、メイン処理へ移行する。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS4008の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S4008:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS4009をスキップして、S4010〜S4013の処理を実行し、メイン処理へ移行する。
なお、S4009のクリア処理をスキップするのは、S4004からS4006の処理を経由してS4008の処理へ至った場合には、S4004の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図45を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図45は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回のS4101の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S4101)、1m秒以上経過していなければ(S4101:No)、S4102〜S4110の処理を行わずにS4111の処理へ移行する。S4101の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S4102〜S4110が主に表示(演出)に関する処理であり、短い周期(1ミリ秒以内)で編集する必要がないのに対して、S4111のコマンド判定処理や、S4112の変動表示設定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S4111の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S4112の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S4101の処理で1ミリ秒以上経過していれば(S4101:Yes)、まず、S4102〜S4112の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する(S4102)。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS4108の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S4103)、その後電源投入報知処理を実行する(S4104)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS4105の処理へ移行する。
S4105の処理では客待ち演出処理が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S4106)。客待ち演出処理では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値に応じて保留ランプ(図示せず)を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S4107)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S4107の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、ランプ編集処理を実行し(S4108)、その後音編集・出力処理を実行する(S4109)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。
S4109の処理後、液晶演出実行管理処理が実行される(S4110)。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS4108のランプ編集処理が実行される。なお、S4109の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。
S4110の処理が終了すると、S4111の処理へ移行する。S4111の処理では、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S4111)。このコマンド判定処理の詳細については、図46を参照して後述する。そして、コマンド判定処理の後、変動表示設定処理が実行される(S4112)。変動表示設定処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドが生成されて設定される。その結果、そのコマンドが表示制御装置114に送信される。なお、この変動表示設定処理の詳細については、図52を参照して後述する。
S4112の処理が終了すると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S4113)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S4113の処理において、電源断の発生情報が記憶されていると判別された場合は(S4113:Yes)、電源断フラグ、及び電源断処理中フラグを共にオンに設定して(S4115)、電源断処理を実行する(S4116)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S4117)、その後、処理を無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S4113の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S4113:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S4114)、RAM223が破壊されていなければ(S4114:No)、S4101の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S4114:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図46を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S4111)について説明する。図46は、このコマンド判定処理(S4111)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S4111)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図45参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定するための処理である。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判定する(S4201)。S4201の処理において、変動パターンコマンドを受信したと判定した場合には(S4201:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dをオンし(S4202)、また、受信した変動パターンコマンドから変動パターン種別を抽出して(S4203)、本処理を終了する。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図52参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の開始とその変動パターン種別を通知する表示用変動パターンコマンドを設定するために用いられる。
一方、S4201の処理において、変動パターンコマンドを受信していないと判定した場合には(S4201:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判定する(S4204)。そして、停止種別コマンドを受信した場合には(S4204:Yes)、RAM223の停止種別選択フラグ223eをオンに設定し(S4205)、受信した停止種別コマンドから停止種別を抽出して(S4206)、本処理を終了する。ここで抽出された停止種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示設定処理(図52参照)が実行される場合に参照される。そして、表示制御装置114に対して変動演出の停止種別を通知する表示用停止種別コマンドを設定するために用いられる。
一方、S4204の処理において、停止種別コマンドを受信していないと判定した場合には(S4204:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判定する(S4207)。そして、保留球数コマンドを受信したと判定した場合には(S4207:Yes)、受信した保留球数コマンドに含まれている値、即ち、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値(第1特別図柄の抽選に基づく変動表示の保留回数N1)、または第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値(第2特別図柄に基づく変動表示の保留回数N2)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、または第2特別図柄保留球数カウンタ223cに格納する(S4208)。また、S1708の処理では、更新された第1特別図柄保留球数カウンタ223b、第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する。S4208の処理の終了後は、本処理を終了する。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64、若しくは第2入球口640に入賞(始動入賞)したとき、または特別図柄の抽選が行われたときに主制御装置110から送信されるので、始動入賞が検出される毎に、又は、特別図柄の抽選が行われる毎に、S08の処理によって音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203dの値、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値が主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値とずれても、始動入賞の検出時や特別図柄の抽選時に、音声ランプ制御装置113の第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を修正し、主制御装置110の第1特別図柄保留球数カウンタ203d、および第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値に合わせることができる。尚、S4208の処理が実行されると、更新された第1特別図柄保留球数カウンタ223b、および第2特別図柄保留球数カウンタ223cの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドが設定される。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示される。
S4207の処理において、保留球数コマンドを受信していないと判定した場合には(S4207:No)、次いで、主制御装置110より状態コマンドを受信したか否かを判定する(S4209)。そして、状態コマンドを受信したと判定した場合には(S4209:Yes)、受信したコマンドに応じて遊技状態格納エリア223hのデータを更新する(S4210)。即ち、状態コマンドにより通知された遊技状態(確変状態であるか否か)に応じた情報に基づき、確変モードが通知された場合には、遊技状態格納エリア223hの下位2ビットを「11B」に設定する一方で、通常モードが通知された場合には、遊技状態格納エリア223hの下位2ビットを「00B」に設定する。これにより、パチンコ機10の遊技状態が変更された場合に、その変更を音声ランプ制御装置113が容易に把握することができる。
一方、S4209の処理において、状態コマンドを受信していないと判定した場合には(S4209:No)、次いで、入賞情報コマンドを受信したか否かを判別する(S4211)。S4211の処理において、入賞情報コマンドを受信したと判別した場合は(S4211:Yes)、入賞情報コマンドにより通知された新たな始動入賞の先読み結果に応じた制御を行うための入賞情報コマンド処理を実行して(S4212)、本処理を終了する。この入賞情報コマンド処理の詳細については、図47を参照して後述する。
S4211の処理において、入賞情報コマンドを受信していないと判別した場合は(S4211:No)、次いで、大当たりに関連するコマンド(オープニングコマンド、ラウンド数コマンド、エンディングコマンドのいずれか)を受信したか否かを判定する(S4213)。そして、大当たりに関連するコマンドを受信したと判定した場合には(S4213:Yes)、大当たりに関連するコマンドの種別に対応する制御を実行するための大当たり関連処理を実行して(S4214)、本処理を終了する。この大当たり関連処理(S4214)の詳細については、図48を参照して後述する。
一方、S4213の処理において、大当たりに関連するコマンドを受信していないと判定した場合には(S4213:No)、その他のコマンドに応じた処理を実行し(S4215)、本処理を終了する。S4215の処理では、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行うものである。
次に、図47を参照して、上述した入賞情報コマンド処理(S4212)の詳細について説明する。図47は、入賞情報コマンド処理(S4212)を示したフローチャートである。
入賞情報コマンド処理(図47参照)では、まず、受信した入賞コマンドにより通知された情報(新たな始動入賞を検出した入球口の種別、および抽選結果を示す情報)を、入賞情報格納エリア223aの対応する記憶領域に格納する(S4301)。S4301の処理が終了すると、次いで、今回入賞情報コマンドにより通知されたのが第2特別図柄の入賞情報であるかを判別する(S4302)。S4302の処理において、今回通知されたのが第2特別図柄の入賞情報ではない(第1特別図柄の入賞情報である)と判別した場合は(S4302:No)、そのまま本処理を終了する。これに対して、今回の入賞情報が第2特別図柄の入賞情報であると判別した場合は(S4302:Yes)、現在が大当たりA〜Dの実行中であるかを判別し(S4303)、大当たりA〜Dのいずれかの実行中であると判別した場合は(S4303:Yes)、次に、エンディング期間中であるか否かを判別し(S4304)、エンディング期間中でなければ、冒険者811が鍵813を発見する演出(図8(b)参照)における鍵813の態様を選択する(S4305)。S4305の処理では、今回の入賞情報が外れ(小当たり)の抽選結果に対応する入賞情報であれば、豪華な態様の鍵813を選択する割合が高くなり、今回の入賞情報が大当たりE,Fに対応する入賞情報であれば、貧相(ボロボロ)な態様の鍵813を選択する割合が高くなる。S4305の処理が終了すると、当該S4305の処理で選択した態様の鍵813を発見する演出を設定して(S4306)、本処理を終了する。
一方、S4303の処理において、大当たりA〜Dの実行中でないと判別した場合(S4303:No)、およびS4304の処理において大当たりA〜Dのエンディング期間中であると判別した場合は(S4304:Yes)、遊技者が左打ちをすべき期間に右打ちを行った結果、第2入球口640に対する始動入賞が検出されたことを意味するので、右打ちを停止して左打ちに戻すことを遊技者に報知するための警告演出を実行し(S4307)、本処理を終了する。この警告演出(図示せず)は、扉突破モード演出の実行中に表示領域HR1に対して表示される「左打ち」という文字および左向きの矢印の画像よりも、遊技者に対して強く左打ちを指示する態様の演出が実行される。具体的には、例えば、第3図柄表示装置81の表示画面全体に「左打ち」という文字を大きく表示させると共に、「左打ちに戻して下さい」という音声が最大の音量で繰り返し流れる演出が実行される。この警告演出を実行することにより、遊技者に対して大当たりA〜Dの実行中以外の状況で右打ちを行うことを抑制(防止)することができる。よって、遊技者が通常モードや確変モード中に右打ちを行い続けてしまい、不利な第2特別図柄の抽選が連続して実行されてしまうことを抑制することができる。
この入賞情報コマンド処理を実行することにより、第2特別図柄の新たな入賞情報に基づいて、大当たり中に発見する鍵813の態様を適切に設定することができる。よって、扉突破モード演出の実行中に、鍵813の態様に基づいて、遊技者に対して確変モードとなる期待度を予測させることができるので、扉突破モード演出の実行中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第1実施形態では、単に新たに入賞情報コマンドにより通知された第2特別図柄の入賞情報が外れ(小当たり)であるか否かに応じて、鍵813の態様の選択割合を可変させる構成としていたが、新たな入賞情報コマンドに基づく入賞情報だけでなく、入賞情報格納エリア223aに既に格納されている第2特別図柄の入賞情報にも基づいて鍵813の態様を選択する構成としてもよい。具体的には、例えば、今回の入賞情報コマンドを受信するよりも前に、既に入賞情報格納エリア223aに格納されている入賞情報の中に、大当たりE,Fのいずれかに対応する入賞情報が含まれている場合には、今回の入賞情報の抽選結果とは関係なく、貧相(ボロボロ)な態様の鍵813を選択する割合が高くなる構成としてもよい。このように構成することで、貧相(ボロボロ)な態様の鍵813が連続するほど、第2特別図柄の保留球の中に大当たりE,Fが含まれている可能性が高まるので、遊技者が保留球の中に大当たりE,Fが含まれているかどうかをより正確に推測することができる。また、例えば、今回の入賞情報コマンド、および今回の入賞情報コマンドを受信するよりも前に入賞情報格納エリア223aに格納されていた入賞情報の全てが外れ(小当たり)の場合に、選択割合が高くなる(またはこの場合にしか選択されない)態様(例えば、ダイヤモンド製の鍵813の態様)を設ける構成としてもよい。このように構成することで、当該態様が表示された場合に、確変モードへと移行することに対する期待感をより高めることができる。
本第1実施形態では、第2入球口640に対応する入賞情報コマンドを、大当たりA〜Dの実行期間外で受信した場合に、警告演出を実行する構成としたが、これに限られるものではない。第2特別図柄の保留球が上限値に達した状態で第2入球口640への新たな入球を検出した場合にも、大当たりA〜Dの実行期間外であれば警告演出を実行する構成としてもよい。特に、大当たりA〜Dのエンディング中や、1回目の変動表示の実行中は、第2特別図柄の保留球が上限値となっている可能性が極めて高い。かかる場合に、遊技者が右打ちを行っていると、第2入球口640に対して新たな始動入賞が発生することにより大当たり後に第2特別図柄の抽選が5回以上実行されてしまう可能性があり、遊技者が損をしてしまう虞がある。これに対して、大当たりA〜Dの実行期間外で第2入球口640への入球を検出した場合に、警告演出を設定する構成とすることにより、遊技者が損をしてしまうことを抑制(防止)することができる。
次に、図41を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される大当たり関連処理(S4214)について説明する。図48は、この大当たり関連処理(S4214)を示したフローチャートである。
大当たり関連処理では、まず、オープニングコマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、オープニングコマンドを受信していれば(S4401:Yes)、表示用オープニングコマンドを設定する(S4402)。ここで設定された表示用オープニングコマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図45参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用オープニングコマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において大当たりの開始を報知するためのオープニング演出を開始する。S4402の処理が終了すると、本大当たり関連処理(図48参照)を終了する。なお、今回のオープニングコマンドが大当たりE,F、または小当たりのいずれかのオープニングに対応するコマンドであり、扉突破モード演出(図9,10参照)の実行中である場合には、扉突破モード演出がそのまま継続される。この場合、表示制御装置114に対してオープニングコマンド自体を出力しない構成としてもよいし、表示制御装置114側で、扉突破モード演出の実行中であるか否かを判別して、演出態様を選択する構成としてもよい。
一方、S4401の処理において、オープニングコマンドを受信していないと判定した場合には(S4401:No)、次いで、主制御装置110よりラウンド数コマンドを受信したか否かを判定する(S4403)。そして、ラウンド数コマンドを受信したと判定した場合には(S4403:Yes)、受信したラウンド数コマンドからラウンド数を抽出し(S4404)、その抽出したラウンド数に応じた表示用ラウンド数コマンドを設定する(S4405)。ここで設定された表示用ラウンド数コマンドは、RAM223に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU221により実行されるメイン処理(図45参照)のコマンド出力処理(S4102)の中で、表示制御装置114に向けて送信される。表示制御装置114は、表示用ラウンド数コマンドを受信すると、第3図柄表示装置81において新たなラウンド演出を開始する。S4405の処理後は、本処理を終了する。なお、オープニングコマンドを受信した場合と同様に、扉突破モード演出の実行中に大当たりE,Fの新たなラウンドの開始タイミングとなった場合には、扉突破モード演出がそのまま継続される。
一方、S4403の処理において、ラウンド数コマンドを受信していないと判定した場合には(S4403:No)、次いで、主制御装置110より閉鎖コマンドを受信したか否かを判別する(S4406)。そして、閉鎖コマンドを受信したと判別した場合は(S4406:Yes)、閉鎖コマンドを受信した状況に応じた制御を行うための閉鎖コマンド処理を実行して(S4406)、本処理を終了する。この閉鎖コマンド処理(S4406)の詳細については、図49を参照して後述する。
S4405の処理において、閉鎖コマンドを受信していないと判別した場合は(S4405:No)、次いで、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する(S4407)。そして、エンディングコマンドを受信したと判定した場合には(S4407:Yes)、エンディングコマンドの種別および状況に応じた制御を行うためのエンディングコマンド処理を実行して(S4408)、本処理を終了する。一方、S4407の処理において、エンディングコマンドを受信していないと判定した場合には(S4407:No)、そのまま本処理を終了する。この大当たり関連処理を実行することにより、大当たりに関連する各種のコマンドに応じて適切な制御を実行することができる。
次に、図49を参照して、上述した閉鎖コマンド処理(S4406)の詳細について説明する。この閉鎖コマンド処理(S4406)では、まず、実行中の大当たりの種別が大当たりA〜Dの何れかであるかを判別し(S4501)、大当たりA〜Dのいずれかであると判別した場合は(S4501:Yes)、そのまま本処理を終了する。
一方、実行中の大当たりが大当たりA〜D以外である(大当たりE,Fのいずれかである)と判別した場合は(S4501:No)、次に、突破演出カウンタ223gの値が0より大きい値であるか(即ち、扉突破モード演出(図9,10参照)の実行中であるか)否かを判別し、突破演出カウンタ223gの値が0である(扉突破モード演出の実行中ではない)と判別した場合は(S4502:No)、そのまま本処理を終了する。
これに対し、突破演出カウンタ223gの値が1以上である(扉突破モード演出の実行中である)と判別した場合は(S4502:Yes)、突破演出カウンタ223gの値を1減算し(S4503)、減算後の突破演出カウンタ223gの値が0になったか(即ち、扉突破モード演出の終了タイミングであるか)を判別する(S4504)。S4504の処理において、減算後のカウンタ値が1以上であると判別した場合は(S4504:No)、扉突破モード演出を継続させるために、そのまま本処理を終了する。一方、減算後の突破演出カウンタ223gの値が0になったと判別した場合は(S4504:Yes)、扉突破モード演出の終了タイミングであることを意味するので、大当たりの終了までの残期間に渡るリザルト表示を設定して(S4505)、本処理を終了する。なお、リザルト表示とは、今回の大当たりと確変モードとの繰り返しにより払い出された合計の賞球数や、大当たりの回数等を第3図柄表示装置81において表示させる表示内容を示す。このリザルト表示を設定することにより、遊技者が当選した大当たりの回数や、獲得した賞球の数等を容易に把握することができるので、遊技者に対して達成感を抱かせることができる。
次に、図50のフローチャートを参照して、上述したエンディングコマンド処理(S4408)の詳細について説明を行う。このエンディングコマンド処理(S4408)は、上述した通り、エンディングコマンドを受信した場合に、大当たり種別や遊技の状況等に応じた制御を行うための処理である。
このエンディングコマンド処理では、まず、今回受信したコマンドが小当たりのエンディングを示すエンディングコマンドであるかを判別し(S4601)、小当たりのエンディングであると判別した場合は(S4601:Yes)、小当たりを終了させるタイミングに応じた制御を行うための小当たり制御処理を実行して(S4602)、本処理を終了する。一方、S4601の処理において、小当たりのエンディングではないと判別した場合は(S4601:No)、今回のエンディングコマンドが大当たりのエンディング機関が開始されたことを通知するために出力されたものであることを意味するので、実行中の大当たりが大当たりA〜Dのいずれかであるかを判別する(S4603)。
S4603の処理において、実行中の大当たりが大当たりA〜Dのいずれでもないと判別した場合は(S4603:No)、そのまま本処理を終了する。一方、実行中の大当たりが大当たりA〜Dのいずれかであると判別した場合は(S4603:Yes)、入賞情報格納エリア223aから第2特別図柄の入賞情報を読み出して(S4604)、読み出した入賞情報が示す第2特別図柄の保留球の抽選結果の中に大当たりDが含まれているか否かを判別する。なお、大当たりDは、上述した通り、第2特別図柄の大当たりの中で唯一、賞球を多量に獲得可能な上、大当たり後にほぼ確変モードが設定される有利な大当たり種別である。
S4605の処理において、保留内に大当たりDが含まれていると判別した場合は(S4605:Yes)、扉突破モード演出の実行中に大当たりとなったことが報知される特殊な態様の扉突破モード演出を設定し(S4606)、本処理を終了する。上述した通り、大当たりA〜Dが終了した後は、基本的に第2特別図柄の保留球が全て外れになると遊技者にとって有利になる。第2特別図柄の抽選で大当たりになると、高確率(95%の割合)で不利な大当たりE,Fのどちらかとなってしまうからである。しかしながら、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、低確率(5%の割合)で遊技者に有利な大当たりDとなる場合がある。この場合は、多量の賞球を獲得可能な上、大当たり後に再度、扉突破モード演出が設定されるので、大当たりE,Fになった場合に比較して遊技者にとって有利となる。よって、この場合は特殊な報知態様の扉突破モード演出を設定することにより、大当たりDになったことを遊技者に対して容易に理解可能に構成している。
一方、S4605の処理において、第2特別図柄の保留球の中に大当たりDが含まれていないと判別した場合は(S4605:No)、突破演出カウンタ223gの値に4を設定し(S4607)、次いで、第2特別図柄の保留球の中に大当たりが含まれているか否かを判別する(S4608)。S4608の処理において、大当たりが含まれていると判別した場合は、扉突破モード演出の実行中に大当たりE,Fのどちらかとなり、大当たり終了後に通常モードへと移行してしまうことを意味するため、最終的に通常モードへの転落を報知する態様(扉の突破に失敗する態様)の扉突破モード演出を設定して(S4609)、本処理を終了する。なお、扉突破モード演出の演出時間としては、大当たりが含まれているか否かに関係なく、同一の演出時間である5.8秒間が設定される。この5.8秒間は、第2特別図柄の保留球が全て外れ(小当たり)となる場合に、エンディング機関が開始されてから4個目の保留球に基づく小当たりが終了するまでの間の期間である。つまり、演出時間から保留球の中に大当たりがあるか否かを遊技者が推測困難とするために、扉突破モード演出の演出時間を結果によらず同一の時間(4.8秒間)としている。
S4608の処理において、保留球の中に大当たりが含まれていないと判別した場合は(S4608:No)、最終的に確変モードへの移行を報知する態様の扉突破モード演出を設定して(S4610)、本処理を終了する。このエンディングコマンド処理(図50参照)を実行することにより、第2特別図柄の保留球の内容に応じて適切な演出態様を設定することができる。
次に、図51を参照して、上述した小当たり終了時処理(S4602)の詳細について説明する。この小当たり終了時処理(S4602)は、エンディングコマンド処理(図50参照)の中で、受信したエンディングコマンドが小当たりのエンディングコマンドであると判別した場合に実行される処理である。
図51に示した通り、小当たり終了時処理(図51参照)では、まず、突破演出カウンタ223gの値が0より大きい値であるか(即ち、扉突破モード演出の実行中であるか)否かを判別し(S4701)、突破演出カウンタ223gの値が0であれば(S4701:No)、扉突破モード演出の実行中ではないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。なお、扉突破モード演出の実行期間外に小当たりとなる場合とは、遊技者が故意又は過失により大当たりA〜Dの実行期間外(左打ちを行うべき期間)に右打ちを行った場合である。この場合は第2入球口640に対する始動入賞を検出した時点で、入賞情報コマンド処理(図47参照)のS4307の処理により警告演出が設定されているので、遊技者が既に左打ちに戻していると考えられる。よって、小当たりの終了時には再度警告演出を行う等の制御を行っていない。これにより、左打ちに戻したにも拘わらず警告演出が繰り返されることにより、遊技者に対して不快感を抱かせてしまうことを抑制することができる。
S4701の処理において、突破演出カウンタ223gの値が1以上であると判別した場合は(S4701:Yes)、次いで、突破演出カウンタ223gの値を1減算し(S4702)、減算後のカウンタ値が0になったか否かを判別する(S4703)。S4703の処理において突破演出カウンタ223gの値が0になったと判別した場合は(S4703)、扉突破モード演出が外れ(小当たり)の抽選結果で終了する(即ち、扉突破モード演出中の全ての変動が外れになった)ことを意味するので、確変モードへの突入を示す演出態様を設定し(S4704)、処理を終了する。一方、S4703の処理において、突破演出カウンタ223gの値が0でない(1以上である)と判別した場合は(S4703:No)、扉突破モード演出の終了タイミングではないことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
次に、図52を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示設定処理(S4112)について説明する。図52は、この変動表示設定処理(S4112)を示したフローチャートである。この変動表示設定処理(S4112)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図45参照)の中で実行され、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し設定する。
変動表示設定処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグ223dがオンか否かを判別する(S4801)。そして、変動開始フラグ223dがオンではない(即ち、オフである)と判別した場合は(S4801:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、S4806の処理へ移行する。一方、S4801の処理において、変動開始フラグ223dがオンであると判別された場合は(S4801:Yes)、変動開始フラグ223dをオフし(S4802)、次いで、コマンド判定処理(図46参照)のS4803の処理において、変動パターンコマンドから抽出した変動演出における変動パターン種別を、RAM223より取得する(S4803)。
そして、取得した変動パターン種別に基づいて、表示制御装置114へ通知するための表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S4804)。表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで、第3図柄表示装置81において第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御が開始される。
次いで、入賞情報格納エリア223aに格納されたデータをシフトして(S4805)、処理をS4806へと移行する。S4805の処理では、入賞情報格納エリア223aの第1エリア〜第4エリアに格納されているデータを、実行エリア側に順にシフトさせる処理を行う。より具体的には、第1エリア→実行エリア、第2エリア→第1エリア、第3エリア→第2エリア、第4エリア→第3エリアといった具合に各エリア内のデータをシフトする。
S4806の処理では、RAM233に設けられた停止種別選択フラグ223eがオンか否かを判別する(S4806)。そして、停止種別選択フラグ223eがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S4806:No)、主制御装置110より停止種別コマンドを受信していない状態であるので、この変動表示設定処理を終了し、メイン処理に戻る。
一方、停止種別選択フラグ223eがオンであると判別された場合(S4806:Yes)、停止種別選択フラグ223eをオフに設定し(S4807)、次いで、コマンド判定処理(図40参照)のS1706の処理において、停止種別コマンドから抽出された変動演出における停止種別を、RAM223より取得する(S4808)。次に、S4808の処理で取得した停止種別に基づいて、表示用停止種別コマンドを設定し(S4809)、本処理を終了する。表示制御装置114では、この表示用停止種別コマンドを受信することによって、この表示用停止種別コマンドによって示される停止種別で、第3図柄表示装置81において第3図柄の停止表示が行われるように制御される。
<第1実施形態における表示制御装置の制御処理について>
次に、図53から図66を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。なお、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図53を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図53は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源装置115から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S6001)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。
ここで、図54を参照して、ブート処理(S6001)について説明する。図54は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S6001)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROMを設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S6101)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S6102)。これにより、MPU231は、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S6102の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S6102の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S6103)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納し、また、固定値データのうち上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S6104)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図53のS6001参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図53のS6002参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S6105)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S6001)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
なお、図54に示すブート処理では、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S6101の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S6102の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
また、S6101の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S6101及びS6102の処理を含めて複数回繰り返した後、S6103〜S6105の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S6101及びS6102の処理を行わずに、S6103〜S6105の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
ここで、図53の説明に戻る。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S6002)。具体的には、スタックポインタの値をMPU231内に設定すると共に、MPU231内のレジスタ群や、I/O装置等に対する各種の設定などを行う。また、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。更に、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。なお、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始できるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S6003)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。S6003の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S6004)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S6004の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S6005)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図64(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ237へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図64(a)のS7502参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ237への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図55(b)参照)において、図22に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図55(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図55(b)のS6309参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64、または第2入球口640へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されており、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S6005の処理の後、割込許可を設定し(S6006)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S6006の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図55(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図55(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S6201)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図55(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図55(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リストを作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図55(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S6301)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S6301:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S6302)を実行し、次いで、表示設定処理(S6303)を実行する。
コマンド判定処理(S6302)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや表示用停止種別コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出の態様や停止種別を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。なお、このコマンド判定処理の詳細については、図56〜図60を参照して後述する。
表示設定処理(S6303)では、コマンド判定処理(S6302)などによって表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。なお、この表示設定処理の詳細については、図61〜図63を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S6304)。このタスク処理では、表示設定処理(S6303)もしくは簡易表示設定処理(S6309)によって特定された、第3図柄表示装置81に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S6305)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233cがオフである間は、転送データテーブルバッファ233eに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。なお、転送設定処理の詳細については、図64および図65を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S6306)。この描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示とから、図26に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する(S6306)。なお、描画処理の詳細については、図66を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S6307)。そして、V割込処理を終了する。S6307の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(大当たりA〜F、小当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S6301の処理において、簡易画像表示フラグ233cがオンであると判別されると(S6301:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S6308)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S6309)を実行して、S6304の処理へ移行する。
次いで、図56〜図60を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S6302)の詳細について説明する。まず、図56は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図56に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S6401)、未処理の新規コマンドがなければ(S6401:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S6303)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S6402)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S6403)。
そして、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別する(S6404)。そして、表示用変動パターンコマンドがあれば(S6404:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S6405)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図57(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S6405)の詳細について説明する。図57(a)は、変動パターンコマンド処理(S6405)を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理(S6405)は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動表示データテーブルを決定し、その決定した変動表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6501)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6501の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合に、設定された変動表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から次の表示用変動パターンコマンドを受信することとなり、別の変動表示が急に開始されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110から次の表示用パターンコマンドを受信するまでの間、デモ演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S6501で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233eに設定する(S6502)。そして、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6503)、ポインタ233fを0に初期化する(S6504)。そして、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6505)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S6505の処理によって初期化されたポインタ233fを更新しながら、S6501の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動表示データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S6502の処理によって転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルから、ポインタ233fに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S6503の処理によって時間データが設定された計時カウンタ233hを用いて、変動表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動表示データテーブルにおける変動演出が終了すると判断された場合、主制御装置110からの表示用停止種別コマンドに応じた停止図柄を第3図柄表示装置81に表示するように、その停止表示の設定を制御する。
ここで、図56の説明に戻る。S6404の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S6404:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S6406)、表示用停止種別コマンドがあれば(S6406:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S6407)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図57(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S6407)の詳細について説明する。図57(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
停止種別コマンド処理(S6407)では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(大当たりA〜F、小当たり、リーチ外れ、完全外れ、のいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S6601)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図55(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S6602)。
そして、停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S6602の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンに設定し(S6603)、コマンド判定処理に戻る。
ここで、上述したように、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S6602の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S6603によって設定された停止図柄判別フラグからS6602の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
なお、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S6601の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS6602の処理によって設定される。
仮に、「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、「特別図柄の外れ」であった場合であっても、第3図柄表示装置81には「特別図柄の大当たり」に対応する停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10が「特別図柄の大当たり」となったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させるおそれがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、「特別図柄の大当たり」であれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10が「特別図柄の大当たり」になるので、遊技者を喜ばせることができる。
図56に戻り、説明を続ける。S6406の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S6406:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用オープニングコマンドがあるか否かを判別し(S6408)、表示用オープニングコマンドがあれば(S6408:Yes)、オープニングコマンド処理を実行して(S6409)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図58(a)を参照して、オープニングコマンド処理(S6409)の詳細について説明する。図58(a)は、オープニングコマンド処理を示すフローチャートである。このオープニングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したオープニングコマンドに対応する処理を実行するものである。
オープニングコマンド処理では、まず、オープニング表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6701)。その後、オープニング表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233eに設定し(S6702)、設定したオープニング表示データテーブルを基に、時間データを計時カウンタ233hに設定する(S6703)。その後、ポインタ233fを0に初期化する(S6704)。そして、デモ表示フラグ233y、および確定表示フラグ233zをいずれもオフに設定して(S6705)、オープニングコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
図56に戻り、説明を続ける。S6408の処理において、表示用オープニングコマンドがないと判別されると(S6408:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用ラウンド数コマンドがあるか否かを判別し(S6410)、表示用ラウンド数コマンドがあれば(S6410:Yes)、ラウンド数コマンド処理を実行して(S6411)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図58(b)を参照して、ラウンド数コマンド処理(S6411)の詳細について説明する。図58(b)は、ラウンド数コマンド処理を示すフローチャートである。このラウンド数コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用ラウンド数コマンドに対応する処理を実行するものである。
ラウンド数コマンド処理では、まず、表示用ラウンド数コマンドによって示されるラウンド数に対応したラウンド数表示データテーブルを決定し、その決定したラウンド数表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6801)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6802)。
そして、S6801の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたラウンド数表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6803)、ポインタ233fを0に初期化する(S6804)。そして、デモ表示フラグ、および確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6805)、ラウンド数コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図56に戻って説明を続ける。S6410の処理において、表示用ラウンド数コマンドがないと判別されると(S6410:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用エンディングコマンドがあるか否かを判別し(S6412)、表示用エンディングコマンドがあれば(S6412:Yes)、エンディングコマンド処理を実行して(S6413)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図59を参照して、エンディングコマンド処理(S6413)の詳細について説明する。図59は、エンディングコマンド処理を示すフローチャートである。このエンディングコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した表示用エンディングコマンドに対応する処理を実行するものである。
エンディングコマンド処理では、まず、表示用エンディングコマンドによって示されるエンディング演出の表示態様に対応したエンディング表示データテーブルを決定し、その決定したエンディング表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S6901)。次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S6902)。
次いで、S6901の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたエンディング表示データテーブルを基に、その演出時間を表す時間データを計時カウンタ233hに設定し(S6903)、ポインタ233fを0に初期化する(S6904)。そして、デモ表示フラグ、および確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S6905)、エンディングコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
図56に戻り、説明を続ける。S6412の処理において、表示用エンディングコマンドがないと判別されると(S6412:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S6414)、背面画像変更コマンドがあれば(S6414:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S6415)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図60(a)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S6415)の詳細について説明する。図60(a)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を通常画像転送設定処理(S7503)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S7001)。そして、背面画像種別(背面A,B)毎に設けられた背面画像判別フラグの各ビットのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応するビットをオンに設定すると共に、その他の背面画像種別に対応するビットをオフに設定して(S7002)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
通常画像転送設定処理では、S7001の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S7002の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A,Bのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S7002によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
なお、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈されるおそれもあり得る。S7002の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
ここで、図56の説明に戻る。S6414の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S6414:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S6416)、エラーコマンドがあれば(S6416:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S6417)、S6401の処理へ戻る。
ここで、図60(b)を参照して、エラーコマンド処理(S6417)の詳細について説明する。図60(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置113より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S7101)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S7102)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S7101の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S7102の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
なお、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S7102に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
ここで、図56の説明に戻る。S6416の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S6416:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S6418)、S6401の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS6401の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S6401:Yes)、再びS6402〜S6418の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S6401〜S6418の処理が繰り返し実行され、S6401の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
なお、V割込処理(図55(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S6308)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、変動パターンコマンド処理(図57(a)参照)および停止種別コマンド処理(図57(b)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図57(a)参照)では、S6501の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bに格納されているので、S6502の処理では、転送データテーブルバッファ233eにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図61〜図63を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S6303)の詳細について説明する。図61は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図61に示すように、まず、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S7201)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S7201:No)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されていないと判断して、S7202〜S7204の処理をスキップし、S7205の処理へ移行する。一方、新規コマンドフラグがオンであれば(S7201:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理において新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S7202)、S7203〜S7204の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S7203の処理では、エラー発生フラグがオンであるか否かを判別する(S7203)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S7203:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S7204)。
ここで、図62を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図62は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S7301)。
タスク処理(S6304)では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S7301の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S7302)、表示設定処理に戻る。
ここで、図61の説明に戻る。警告画像設定処理(S7204)の後、又は、S7203の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S7203:No)、次いで、S7205の処理へ移行する。
S7205では、ポインタ更新処理を実行する(S7205)。ここで、図63を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図63は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233dおよび転送データテーブルバッファ233eの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233fの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233fに1を加算する(S7401)。即ち、ポインタ233fは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに格納されるのに合わせてポインタ233fの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S7401の処理によって、ポインタ233fの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S7402)。その結果、End情報であれば(S7402:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233fが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルであるか否かを判別して(S7403)、デモ用表示データテーブルであれば(S7403:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7404)、ポインタ233fを1に設定して初期化し(S7405)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S7403の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでないと判別された場合は(S7403:No)、ポインタ233fの値を1だけ減算して(S7406)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。一方、S7402の処理において、更新後のポインタ233fで示されるアドレスのデータがEnd情報でなければ(S7402:No)、本処理を終了し、表示設定処理に戻る。
ここで、図61に戻り説明を続ける。ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスの描画内容を取得する(S7206)。タスク処理(S6304)では、先に展開された警告画像などと共に、S7206の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
次いで、計時カウンタ233hの値を1だけ減算し(S7207)、減算後の計時カウンタ233hの値が0以下であるか否かを判別する(S7208)。そして、計時カウンタ233hの値が1以上である場合は(S7208:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233hの値が0以下である場合は(S7208:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合は、その変動表示を終了すると共に停止表示を行うタイミングであるので、確定表示フラグがオンであるか否かを確認する(S7209)。
その結果、確定表示フラグがオフであれば(S7209:No)、まだ確定表示の演出を行っておらず、確定表示の演出を行うタイミングなので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S7210)、次いで、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7211)。そして、確定表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定し(S7212)、更に、ポインタ233fの値を0に初期化する(S7213)。そして、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定した後(S7214)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S7215)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233dに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種多様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、S7215の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S6304)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S7215によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S7209の処理において、確定表示フラグがオンであれば(S7209:Yes)、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S7216)。そして、デモ表示フラグがオフであれば(S7216:No)、確定表示演出の終了に伴って計時カウンタ233hの値が0以下になったことを意味するので、確定表示演出の終了から一定時間経過後に、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させるための処理を行う。
まず、デモ表示データテーブルを取得して表示データテーブルバッファ233dへ設定し(S7217)、転送データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする(S7218)。そして、デモ表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233hに設定する(S7219)。そして、ポインタ233fを0に初期化し(S7220)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S7221)、本処理を終了し、V割込処理に戻る。
これにより、確定表示演出が終了した後に、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
S7216の処理において、デモ表示フラグがオンであれば(S7216:Yes)、確定表示演出が終了した後にデモ演出が行われ、そのデモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
なお、V割込処理(図55(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S6309)でも、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了した後、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
次いで、図64及び図65を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S6305)の詳細について説明する。まず、図64(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S7501)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S7501:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S7502)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図64(b)を参照して後述する。
一方、S7501の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S7501:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S7503)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図65を参照して後述する。
次いで、図64(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である常駐画像転送設定処理(S7502)について説明する。図64(b)は、この常駐画像転送設定処理(S7502)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S7601)、転送指示を送信していれば(S7601:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S7602)。このS7602の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7602の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7602:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7602:Yes)、S7603の処理へ移行する。また、S7601の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S7601:No)、S7603の処理へ移行する。
S7603の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S7603)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S7603:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S7604)、本処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送することができる。なお、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM235の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM235の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7603の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S7603:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S7605)、本処理を終了する。これにより、V割込処理(図55(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図55(b)のS6308参照)および簡易表示設定処理(図55(b)のS6309参照)ではなく、コマンド判定処理(図56〜図60参照)および表示設定処理(図61〜図63参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図65参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図64(a)のS7501:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図65を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S6305)の一処理である通常画像転送設定処理(S7503)について説明する。図65は、この通常画像転送設定処理(S7503)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233eに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S6303)のポインタ更新処理(S7205)によって更新されたポインタ233fで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S7701)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S7702)、転送データ情報であれば(S7702:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S7703)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S7704)、S7705の処理へ移行する。
また、S7702の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S7702:No)、S7703及びS7704の処理をスキップして、S7705の処理へ移行する。S7705の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S7705)、転送指示を設定していれば(S7705:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S7706)。
このS7706の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S7706の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S7706:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S7706:Yes)、S7707の処理へ移行する。また、S7705の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S7705:No)、S7707の処理へ移行する。
S7707の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S7707)、転送開始フラグがオンであれば(S7707:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S7708)、S7703の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像データに設定した上で、S7713の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S7707:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S7709)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S7709:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S7709:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S7710)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データを特定し、その画像データを転送対象画像データに設定する(S7711)。更に、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを取得し(S7712)、S7713の処理へ移行する。
S7713の処理では、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S7713)。このS7713の処理における判別では、格納画像データ判別フラグ233iを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像データとされたスプライトに対応する格納状態を格納画像データ判別フラグ233iより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S7713:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S7713の処理の結果、転送対象画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S7713:No)、その転送対象画像データの転送指示を設定する(S7714)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像データの転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。なお、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S7714の処理の後、格納画像データ判別フラグ233iを更新し(S7715)、この通常画像転送設定処理を終了する。格納画像データ判別フラグ233iの更新は、上述したように、転送対象画像データとなったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で、表示用停止種別コマンドに対応する処理が実行され、その結果、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報が大当たりの停止種別であると判別された場合は、ファンファーレ演出において使用する画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233eに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233eに設定された転送データテーブルのポインタ233fで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対し転送対象画像データの転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図66を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S6306)の詳細について説明する。図66は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S6305)により設定された転送指示から、描画リスト(図26参照)を生成する(S7801)。即ち、S7801の処理では、タスク処理(S6304)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S6305)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
なお、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233jによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S7802)。ここでは、描画対象バッファフラグ233jが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233jが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
なお、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示装置81に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S7802の処理の後、描画対象バッファフラグ233jを更新する(S7803)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233jの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図55(b)参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上説明した通り、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、左打ち(遊技盤13における正面視左側の流路に向けて球を発射する遊技方法)を行うと球が入球し易くなる位置に配置された第1入球口64と、右打ち(遊技盤13における正面視右側の流路に向けて球を発射する遊技方法)を行うと球が入球し易くなる(左打ちを行うと球が入球し難くなる)位置に配置された第2入球口640とが設けられている。第2入球口640へと球が入球したことに基づいて実行される第2特別図柄の抽選で大当たりになると、遊技者にとって不利となる(大当たり中に賞球がほとんど得られない上に大当たり後は不利な通常モードに移行する)可能性が高い一方で、第1入球口64へと球が入球したことに基づいて実行される第1特別図柄の抽選で大当たりになると、遊技者にとって有利となる(大当たりにおいて多量の賞球を獲得できる上に、大当たり後に有利な確変モードへ移行する)可能性が高くなるように構成されている。これにより、不利な第2特別図柄の抽選よりも、有利な第1特別図柄の抽選を実行させたいと遊技者に思わせることができる。
加えて、遊技盤13における正面視右側の流路には、大当たり中に開放され、球が入球する毎に多量(11個)の賞球が払い出される特定入賞口65aが設けられている。この特定入賞口65aは、第2入球口640と同様に、右打ちを行うと球が入球可能(入球容易)となり、左打ちを行うと球が入球不可能(入球困難)となる位置に設けられている。このため、大当たり中に特定入賞口65aへと球を入賞させて賞球を得るためには、球を右打ちする必要がある。上述した通り、右打ちを行うと第2入球口640へも球が入球するため、大当たり後は第2特別図柄の保留球が上限まで貯まった状態にすることができる。このため、大当たりの終了後は、大当たりになると不利な第2特別図柄の抽選が連続して実行される状態を形成することができるので、遊技者に対して、大当たり中に貯まった第2特別図柄の保留球が全て外れ(小当たり)となることを願って遊技を行わせることができる。つまり、一般的なパチンコ機では、大当たり終了後に保留内で再度大当たりとなる(所謂、保留内連荘する)ことは遊技者にとって好ましい事象であるが、本第1実施形態におけるパチンコ機10では、保留内連荘が発生しないことを期待して遊技者に有利を行わせることができる。よって、一般的なパチンコ機とは異なる斬新な遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第1実施形態では、大当たりA〜Dの実行中に第2特別図柄の保留球が増加する毎に、増加した保留球の抽選結果を先読みして、先読み結果に応じた態様の演出を実行する構成としている。即ち、抽選結果が外れ(小当たり)となる期待度を示す演出を実行する構成としている。より具体的には、増加した保留球の抽選結果の先読み結果に応じた態様の鍵813を冒険者811が獲得する演出を実行する。この演出により、大当たり中に確変モードへと移行するか否かを、表示された鍵813の態様から遊技者に推測させることができる。よって、大当たりが単に賞球を得るための作業のようになってしまうことを防止できるので、大当たり遊技中における遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本第1実施形態では、大当たりA〜Dのエンディング期間から、第2特別図柄の保留球に基づく全ての変動表示の変動時間が経過するまでに渡って、第2特別図柄の保留球の中に大当たりE,Fが存在するか否かを遊技者に報知する演出が実行される。即ち、第2特別図柄の保留球に基づく全ての変動表示が終了した後も、遊技状態が確変モードのままであるか、通常モードに転落してしまうのかを示唆するための演出が実行される。エンディング期間、および大当たり後の複数の変動表示に渡って一連の演出を実行する構成とすることで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、本第1実施形態では、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合に、高確率で小当たりとなる構成としている。そして、小当たりとなった場合における特定入賞口65aの開放期間と、大当たりE,Fの各ラウンドにおける開閉扉65f1の開放期間とが同一(0.2秒間)となるように構成している。更に、大当たりE,Fの1〜4ラウンド目が終了した後のインターバル期間の長さが、第2特別図柄の変動表示における変動時間と同一の期間である1秒間となるように構成している。このように構成することで、第2特別図柄の1番目〜4番目のいずれの保留球が大当たりE又はFに対応する抽選結果だったとしても、扉突破モード演出が終了するまでの間の開閉扉65f1の一連の開閉動作を、確変モードが報知される場合(全ての第2特別図柄の保留球が小当たりだった場合)と同一にすることができる。即ち、第2特別図柄の保留球の中に大当たりE,Fが含まれているか否かに拘わらず、大当たりが終了してから扉突破モード演出が終了するまでの間の開閉扉65f1の動作として、1秒間の閉鎖と、0.2秒間の開放とを4回繰り返す動作に統一することができる。よって、大当たり終了後における開閉扉65f1の動作から、小当たりが連続したことによる開閉動作であるか、大当たりE又はFとなったことによる開閉動作であるかを判別することが困難になるので、扉突破モード演出に最後まで注目させることができる。従って、遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、本第1実施形態では、第2特別図柄の抽選が、第1特別図柄の抽選よりも優先して実行される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、第1特別図柄の変動表示と、第2特別図柄の変動表示とを平行して実行可能な仕様としてもよい。このように構成することで、不利な第2特別図柄の抽選が実行されるよりも前に第1特別図柄の変動表示により大当たりとなることが可能となるので、扉突破モード演出の実行中において、より積極的に左打ちを行わせることができる。この場合において、第2特別図柄の抽選結果が外れの場合に、所定の割合(例えば、10%の割合)で、長い変動時間(例えば、30秒間)の変動パターンが決定される構成としてもよい。このように構成することで、第2特別図柄の長い変動中に、第1特別図柄の抽選を1又は複数回実行することが可能となるので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなるチャンスを形成することができる。
本第1実施形態では、エンディング期間の開始時から左打ちを報知する構成としていたが、これに限られるものではない。大当たりの終了後に遊技者が右打ちを継続しないように報知できればよく、例えば、大当たりの最終ラウンドにおいて、最終ラウンドが終了するまでの残りの入球数を表示させると共に、「残り○球で左打ち」という文字等を表示させることにより、最終ラウンドの終了条件が成立してから即座に遊技者が左打ちに切り替えられるように構成してもよい。これにより、大当たり終了後に第2入球口640へと球が入球してしまうことを抑制できる。
本第1実施形態では、普通図柄の時短状態となった場合には、一律に普通図柄の変動時間が3秒間、普通図柄の当たりとなった場合の電動役物64aの開放期間が1秒間×2回に設定される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり終了後、1回目の普通図柄の変動時間のみ、少なくとも第2特別図柄の保留球に基づく変動が全て終了するまでの期間よりも長い時間(例えば、10秒間)に設定する構成としてもよい。このように構成することで、扉突破モード演出の実行中は、普通図柄の当たりにならないので、普通図柄の開放時間から、第2特別図柄の抽選で大当たりとなって普通図柄の低確率状態に転落してしまったのか、普通図柄の時短状態が維持されているのかを判別することが困難にできる。よって、遊技者にたいして扉突破モード演出の結果により注目させることができる。
本第1実施形態では、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合には、ほぼ小当たりとなるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、第2特別図柄の外れとなった場合には、全て単なる外れとなるように構成する代わりに、大当たりとなった場合の変動時間を大当たり後の変動回数に応じて可変させ、扉突破モード演出が開始されてから第2特別図柄の大当たりが開始されるまでの期間と、扉突破モード演出が開始されてから4回の第2特別図柄の外れに対応する変動表示が全て終了するまでの期間(確変モードに移行するまでの期間)とを一致させる構成としてもよい。より具体的には、大当たり後、1回目の第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、変動時間として4秒間が設定され、2回目の第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、変動時間として3秒間が設定され、3回目の第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、変動時間として2秒間が設定され、4回目の第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、変動時間として1秒間が設定されるように構成しても良い。このように構成することにより、4つの第2特別図柄の保留球が全て外れとなった場合の変動時間の合計である4秒間(1秒間×4)と、途中で大当たりとなった場合における、大当たりが開始されるまでの期間(4秒間)とを一致させることができる。よって、扉突破モード演出の実行期間である大当たり終了後4秒間の間は、保留球の中に第2特別図柄の大当たりが含まれていたとしても、特定入賞口65aが開放されることはないので、特定入賞口65aの動作から扉突破モード演出が終了する前に確変モードへと移行するか否かが分かってしまう不具合を抑制することができる。なお、扉突破モード演出が開始されてから第2特別図柄の大当たりが開始されるまでの期間が、扉突破モード演出が開始されてから4回の第2特別図柄の外れに対応する変動表示が全て終了するまでの期間以上の長さとなっていれば、少なくとも扉突破モード演出の実行中に大当たりが開始されることはない。よって、単に第2特別図柄の大当たりとなった場合には、一律に4回分の第2特別図柄の外れに対応する変動表示の変動時間の総和以上の変動時間を設定する構成としてもよい。
本第1実施形態では、大当たりE,Fにおける1〜4ラウンドの特定入賞口65aの開放期間と、小当たりにおける特定入賞口65aの開放期間とが同一(0.2秒間)となるように構成していたが、遊技者が差異を体感により大当たりの開放期間であるか、小当たりの開放期間であるかを識別不可能な範囲であれば、任意に定めてもよい。具体的には、例えば、本第1実施形態では、第2特別図柄の抽選を不利とし、第1特別図柄の抽選を有利としていたが、これに限られるものではない。例えば、第2特別図柄の抽選を有利とし、第1特別図柄の抽選を有利としてもよい。そして、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に扉突破モード演出で扉の突破に成功する演出が実行され、第2特別図柄の抽選が全て外れだった場合に、扉の突破に失敗する演出が実行されるように構成してもよい。これにより、扉の突破に成功すれば大当たりという、より分かり易い遊技性を実現することができる。更に、この場合において、第1入球口64を削除して、単に第2入球口640のみを設ける構成としてもよい。即ち、第2特別図柄の抽選のみが実行されるように構成してもよい。
本第1実施形態では、大当たり後の第2特別図柄の保留球に基づく変動が実行されている間において、第2特別図柄の抽選で大当たりとなったのか小当たりとなったのかが分かり難くなるように特定入賞口65aの開閉動作を設定していたが、大当たりか小当たりかを分かり難くするのは、第2特別図柄の保留球に基づく変動表示中に限られるものではない。例えば、第1特別図柄の抽選でも小当たり、および小当たりと同様の動作(同一の動作、または遊技者が小当たりと区別不可能な動作)が設定される大当たり種別が決定される構成としてもよい。
本第1実施形態では、大当たり中に保留された第2特別図柄の保留球が全て外れ(小当たり)となるか(確変モードへ移行するか)否かを、大当たりのエンディング期間が開始されてから、全ての第2特別図柄の抽選が終了するまでの期間に渡って実行する構成としていたが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、確変モードへと移行する場合の少なくとも一部で、エンディング期間中に確変モードへ移行することを報知する構成としてもよい。即ち、エンディング期間の開始時に、第2特別図柄の保留球の抽選結果を先読みし、先読み結果が全て外れ(小当たり)であると判別した場合は、所定確率で、大当たりのエンディング期間中に確変モードへの移行を報知する構成としてもよい。このように構成することで、確変モードへ移行することをより早く遊技者に知らせることができるので、遊技者を喜ばせることができる。なお、エンディング期間中に確変モードへの移行を報知する場合は、一気に4つの扉を突破する演出を実行しても良いし、通常の扉突破モード演出とは態様が異なる演出を実行する構成としてもよい。ここで、通常の扉突破モード演出とは態様が異なる演出としては、例えば、冒険者811のテーマソングが流れる演出を実行する構成としてもよいし、第3図柄表示装置81の表示画面がブラックアウトした後で、「確変モード確定」という文字が表示画面に浮き上がってくる演出を実行してもよい。更に、確変モードへと移行することが確定する演出をエンディング期間中に実行した場合に、当該演出を第2特別図柄の保留球に基づく変動が終了するまで(即ち、確変モードが開始されるまで)実行し続ける構成としてもよい。このように構成することで、早期に(エンディング期間中に)確変モードへの移行を知った遊技者に対して、確変モードへと移行するまでの残り期間で、確変モードへと移行することに対する余韻に浸らせることができる。よって、遊技者に対して満足感を抱かせることができる。
更に、エンディング期間よりも前に、確変モードへと移行することを報知する構成としてもよい。より具体的には、第2特別図柄の4つめの保留球に対応する始動入賞を検出し、入賞情報コマンドに基づいて音声ランプ制御装置113のRAM223の入賞情報格納エリア223aが更新された場合に、第2特別図柄の全ての入賞情報が外れ(小当たり)であるかを判別する。そして、全ての入賞情報が外れ(小当たり)だった場合に、その時点で確変モードへの移行を示す演出を実行する構成としてもよい。なお、確変モードへの移行を示す演出としては、例えば、冒険者811が特殊(プレミアム)な態様の鍵813を発見する演出を実行してもよいし、例えば、表示態様は通常通りで、大当たり中に流れる楽曲を特殊(プレミアム)なものに変更する構成としてもよい。
<第2実施形態>
次に、図67〜図84を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、可変入賞装置65の内部に通常排出流路65e1と、特別排出流路65e2とを設ける構成とし、大当たり中に特別排出流路65e2の確変スイッチ65e3を球が通過した場合に、大当たり後の遊技状態が確変モードに設定される構成としていた。また、確変スイッチ65e3を通過する限り、無制限に確変モードと大当たりとが繰り返される構成としていた。
これに対して第2実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりの種別毎に大当たり後の遊技状態が予め定められている構成としている。また、特別図柄の確変状態の連続回数に上限を設ける構成とし、上限に到達した場合は、確変大当たりに当選したとしても、大当たり後が特別図柄の低確率状態に設定されるように構成している。
また、上述した第1実施形態では、通常時(大当たり中以外の状態)に遊技者が右打ちを行うことを防止するために、通常時に第2入球口640に対する始動入賞を検出した場合は警告演出を実行する構成としていた。
これに対して本第2実施形態では、第2入球口640に対して電動役物640bを設ける構成とし、通常時には電動役物640bに妨げられて球が第2入球口640に入球し難くなるように構成している。また、大当たり状態中には、第2入球口640に付随して設けられた電動役物640bが開放され易くなるように制御することで、第1実施形態と同様に大当たり中に第2特別図柄の保留球が上限数まで貯まるように構成している。なお、電動役物640bを第2入球口640に付随させて設けたことにより、第1実施形態における第1入球口64に付随して設けられていた電動役物64aを削除している。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、RAM203の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図67を参照して、本第2実施形態におけるパチンコ機10の遊技盤13の構成について説明する。図67に示した通り、本第2実施形態では、普通入球口(スルーゲート)67が可変表示装置ユニット80の右側の流路に設定されている。また、普通入球口67の下流側には、可変入賞装置650と、第2入球口640とが設けられている。可変入賞装置650は、第1実施形態における可変入賞装置65に代えて設けられており、可変入賞装置650の特定入賞口650aに球が入賞する毎に13個の賞球が払い出される入賞口として構成されている。特定入賞口650aは、球の入球が可能(容易)となる開放状態と、球が入球不可能(困難)となる閉鎖状態とに可変可能に構成されており、大当たりの各ラウンドで開放状態に設定される。
第2入球口640には、図67に示した通り、電動役物640aが設けられている。この電動役物640aは、第2入球口640への球の入球を妨げる閉鎖位置と、球が入球可能となる開放位置とに可変可能に構成されており、図67は開放位置に可変されている場合を例示している。詳細については後述するが、この電動役物640aは、普通図柄の高確率状態(時短状態)よりも、普通図柄の低確率状態の方が、球が入球し易くなるように動作制御が行われる。より具体的には、普通図柄の高確率状態になると、普通図柄の当たり確率は普通図柄の低確率状態よりも若干高くなるものの(199/240→200/240)、普通図柄の変動時間が長くなると共に(3秒→30秒)、普通図柄の当たりとなった場合の電動役物640bの開放期間が短くなる(1秒×2回→0.1秒×1回)。よって、トータルとして普通図柄の高確率状態の方が、球が第2入球口640へと入球し難くなる。よって、普通図柄の高確率状態が設定される確変モードでは、遊技者が球を右打ちしてしまっても球が第2入球口640へと入球し難くなるので、不利な第2特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができる。また、普通図柄の低確率状態に設定される大当たり中は、第2入球口640へと球が入球し易い状態になるので、大当たり中に保留球を上限個数まで貯め易くすることができる。
なお、第2入球口640に電動役物640bを付随させたことにより、第1実施形態における第1入球口64に付随していた電動役物64aを削除している。そして、第1入球口64の下方に特図1小当たり用入賞装置655を設けている。この特図1小当たり用入賞装置655は、第1特別図柄の抽選で小当たりになった場合に、特図1小当たり用入賞口655aが開放状態に設定されることにより球が内部へと入球可能な状態になる。本第2実施形態では、確変モードになると第1特別図柄の抽選で小当たりとなる確率が大幅にアップする(1/1000→989/1000)構成としており、確変モード中に左打ちを行った場合に消費する球の個数と、第1特別図柄の抽選で小当たりとなり、特図1小当たり用入賞口655aへと球が入球することにより払い出される賞球の個数とが同等となるように構成されている。このように構成することで、第1実施形態における電動役物64aを用いることなく、確変モード中に左打ちを行った場合の遊技効率を向上させることができる。
また、図67に示した通り、本第2実施形態では、第1実施形態において設けていた振分部材660(図2参照)を削除して、普通入球口(スルーゲート)67の下流側の流路を略3方向に分岐させている。即ち、第2入球口640へと向かう流路と、可変入賞装置650へと向かう流路と、これら(第2入球口640、特定入賞口650a)の何れにも向かわずにアウト口66に向けて流下する流路とに分岐させている。このように構成することで、第1実施形態と同様に、大当たり中に右打ちにより特定入賞口650aを狙って打ち出された球の一部を第2入球口640へと入球させることができる。よって、大当たり中に第2特別図柄の保留球が上限数まで貯まる構成とすることができる。これにより、本第2実施形態でも、大当たり後に実行される第2特別図柄の保留球に基づく抽選が全て外れとなることを願う斬新な遊技性を実現することができる。
また、図67に示す通り、本第2実施形態では複数の釘により第2入球口640へと向かう流路と、可変入賞装置650へと向かう流路と、アウト口66へと向かう流路とを形成している。よって、ホールの店員が釘を調節することにより、第2入球口640へと振り分けられる球の割合や特定入賞口650aへと振り分けられる球の割合を調節することができる。よって、ホールの経営方針に合わせた調節を行うことができるので、より利便性の高いパチンコ機10を実現することができる。
<第2実施形態における電気的構成>
次に、図68〜72を参照して、第2実施形態における電気的構成について説明する。まず、図68(a)を参照して、本第2実施形態における主制御装置110のROM202に設けられている第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。
図68(a)は、第2実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図68(a)に示した通り、本第2実施形態では、第1当たり種別カウンタC1の取り得る値の範囲が0〜999に拡大されている。
図68(a)に示した通り、特別図柄の低確率状態において、大当たりと判定される判定値の範囲として、「0〜9」が規定されている(図68(a)の202a1参照)。なお、第1実施形態と同様に、大当たりとなる判定値は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで共通である。また、第1特別図柄の外れと判定される判定値の範囲として「10〜998」が規定され(図68(a)の202a2参照)、第1特別図柄の小当たりと判定される判定値の範囲として「999」が規定されている。また、第2特別図柄の外れと判定される判定値の範囲として「10,11」が規定され(図68(a)の202a2参照)、第2特別図柄の小当たりと判定される判定値の範囲として「12〜999」が規定されている(図68(a)の202a3参照)。
これに対し、特別図柄の高確率状態(確変状態)においては、大当たりとなる判定値の範囲と、外れとなる判定値と、小当たりとなる判定値の範囲とは全て第1特別図柄と第2特別図柄とで共通である。具体的には、図68(a)に示した通り、大当たりと判定される判定値の範囲として「0〜10」が規定され(図68(a)の202a4参照)、外れと判定される判定値として「11」が規定され(図68(a)の202a5参照)、小当たりと判定される判定値として「12〜999」が規定されている(図68(a)の202a6参照)。
このように、本第2実施形態では、第1特別図柄の抽選で小当たりとなる確率を、特別図柄の低確率状態と、特別図柄の高確率状態とで異ならせ、特別図柄の高確率状態では第1特別図柄の抽選で小当たりとなる確率が極めて高くなる構成としている。これにより、確変モード中に左打ちを行った場合に消費する球の個数と、第1特別図柄の抽選で小当たりとなり、特図1小当たり用入賞口655aへと球が入球することにより払い出される賞球の個数とが同等となるように構成されている。このように構成することで、第1実施形態における電動役物64aを用いることなく、確変モード中に左打ちを行った場合の遊技効率を向上させることができる。
なお、第2特別図柄の小当たりと、第1特別図柄の小当たりとは、遊技者が獲得できる賞球数が異なって構成されており、第1特別図柄の小当たりの方が多くの賞球を獲得可能に構成されている。一方、第2特別図柄の小当たりでは、第1実施形態と同様に、特定入賞口650aが0.2秒間しか開放されないため、遊技者が賞球を獲得することが困難となる。よって、通常時に右打ちを行うと、第2入球口640へと球が入球し難く、大当たりになっても不利な大当たり種別が決定され易く、且つ、小当たりになっても賞球をほとんど獲得できないので、左打ちを行う場合に比べて遊技者にとって不利となる。よって、通常時に右打ちを行う変則的な遊技方法を抑制することができる。
次に、図68(b)を参照して、第2実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図68(b)は、本第2実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図68(b)に示した通り、本第2実施形態では、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA2〜C2の3種類が設けられており、第2特別図柄の大当たり種別として、大当たりD2,E2の2種類が設けられている。
図68(b)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲には、「大当たりA2」が対応付けられて規定されている(図68(b)の202b1参照)。この「大当たりA2」は、ラウンド数が16ラウンドであり、大当たり後に特別図柄の確変状態が設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA2」となるカウンタ値は10個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA2」が決定される割合は10%(10/100)である。この「大当たりA2」は大当たりの各ラウンドにおいて、特定入賞口650aが、30秒経過するまで、或いは、球が6個入賞するまで開放される。よって、各ラウンドにおいて遊技者が右打ちを行い続けるだけで、ほぼ確実に、30秒が経過するよりも前に上限個数(6個)の球を特定入賞口650aへと入賞させることができるので、大当たりA2になると多量の賞球を獲得できることができる。
第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「10〜69」の範囲には、「大当たりB2」が対応付けられて規定されている(図68(b)の202b2参照)。この「大当たりB2」は、ラウンド数が7ラウンドであり、大当たり後に特別図柄の確変状態が設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB2」となるカウンタ値は60個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB2」が決定される割合は60%(60/100)である。この「大当たりB2」は、「大当たりA2」と同様に、大当たりの各ラウンドにおいて、特定入賞口650aが、30秒経過するまで、或いは、球が6個入賞するまで開放される。よって、「大当たりA2」と同様に、多量の賞球の払い出しを受けることができる。
第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲には、「大当たりC2」が対応付けられて規定されている(図68(b)の202b3参照)。この「大当たりC2」は、ラウンド数が2ラウンドであり、大当たり後に特別図柄の確変状態が設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりC2」となるカウンタ値は30個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりC2」が決定される割合は30%(30/100)である。この「大当たりC2」は、「大当たりA2」や「大当たりB2」と同様に、大当たりの各ラウンドにおいて、特定入賞口650aが、30秒経過するまで、或いは、球が6個入賞するまで開放される。よって、「大当たりA」や「大当たりB」と同様に、多量の賞球の払い出しを受けることができる。
このように、第1特別図柄の抽選で大当たりになると、2ラウンド、7ラウンド、又は16ラウンド分の賞球の払い出しを受けることができる上に、大当たり終了後の遊技状態がほぼ確実に確変モードとなるので、いずれの大当たり種別になったとしても遊技者にとって有利となる。また、ラウンド数が比較的多い7ラウンド、および16ラウンドが決定される割合が高い(70%の割合)ので、第1特別図柄の大当たりになると、多量の賞球の獲得を見込むことができる。よって、第1特別図柄の抽選で大当たり担った場合に、遊技者を喜ばせることができる。
また、図68(b)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲には、「大当たりD2」が対応付けられて規定されている(図68(b)の202b4参照)。この「大当たりD2」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり後に特別図柄の確変状態が設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりD2」となるカウンタ値は5個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりD2」が決定される割合は5%(5/100)である。この「大当たりD2」は、大当たりの各ラウンドにおいて、特定入賞口650aが、30秒経過するまで、或いは、球が6個入賞するまで開放される。よって、比較的多量の賞球の払い出しを受けることができる。
また、図68(b)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「5〜99」の範囲には、「大当たりE2」が対応付けられて規定されている(図68(b)の202b5参照)。この「大当たりE2」は、ラウンド数が4ラウンドであり、大当たり後に特別図柄の確変状態が設定される大当たりである。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりE2」となるカウンタ値は95個なので、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりE2」が決定される割合は95%(95/100)である。この「大当たりE2」は、他の大当たり種別と異なり、大当たりの各ラウンドにおいて、特定入賞口650aが、0.2秒経過するまで、或いは、球が6個入賞するまで開放される。0.2秒間の間に特定入賞口650aへと球を入球させるのは困難なので、「大当たりE2」は、賞球を獲得することができない不利な大当たり種別となる。また、上述した通り、特別図柄の確変状態の連続回数に上限(4回)が設けられており、上限回数に到達した状態で大当たりになると、大当たり種別によらずに大当たり終了後の遊技状態が不利な通常モードになる構成としている。よって、「大当たりE」になってしまうと、賞球を獲得できない上に、通常モードに移行するまでの回数が減算されてしまうので、遊技者にとって不利となる。
このように、本第2実施形態では、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、高確率(95%の割合)で賞球を得られない上に通常モードが設定されるまでの残りの大当たり回数が少なくなる大当たり種別(大当たりE2)が決定される構成としている。即ち、第1実施形態と同様に、第2特別図柄の抽選で大当たりになると、遊技者にとって好ましくない結果となる可能性が高くなるように構成している。これにより、大当たり終了後における第2特別図柄の保留球に基づく変動表示の実行中において、抽選結果が外れとなることを願って遊技を行わせることができるという、斬新な遊技性を実現することができる。
次に、図69を参照して、本第2実施形態における第2当たり乱数テーブル202cの詳細について説明する。図69は、第2当たり乱数テーブル202cの規定内容を示した図である。図69に示した通り、普通図柄の通常状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜203」が規定されている(図69の202c1参照)。また、普通図柄の高確率状態において、普通図柄の当たりとなる判定値として、「5〜204」が規定されている(図69の202c3参照)。即ち、普通図柄の通常状態(低確率状態)と、普通図柄の高確率状態とで普通図柄の当たりと判定される判定値の個数が1個分しか違わない構成としている。これにより、普通図柄の通常状態でも、普通図柄の高確率状態とほぼ同等の当たり確率とすることができる。
加えて、上述した通り、普通図柄の高確率状態では、普通図柄の通常状態に比べて普通図柄の変動時間が長くなると共に(3秒→30秒)、普通図柄の当たりとなった場合の電動役物640bの開放期間が短くなる(1秒×2回→0.1秒×1回)。よって、トータルとして普通図柄の高確率状態の方が、球が第2入球口640へと入球し難くなる。よって、普通図柄の高確率状態が設定される確変モードでは、遊技者が球を右打ちしてしまっても球が第2入球口640へと入球し難くなるので、不利な第2特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができる。これにより、扉突破モード演出の実行中以外の状況で第2特別図柄の抽選が実行されてしまい、遊技者にとって過剰に不利となってしまうことを抑制することができる。また、普通図柄の低確率状態に設定される大当たり中は、第2入球口640へと球が入球し易い状態になるので、大当たり中に保留球を上限個数まで貯め易くすることができる。
次に、図70を参照して、本第2実施形態におけるRAM203の構成について説明する。図70は、RAM202の構成を示したブロック図である。図70に示した通り、第2実施形態におけるRAM202の構成は、第1実施形態におけるRAM202の構成(図18参照)に対して、確変リミットカウンタ203aaと、突破モード中カウンタ203abとが追加されている点で相違している。また、確変設定フラグ203h、確変通過カウンタ203i、残球タイマフラグ203k、残球タイマ203m、確変有効フラグ203n、確変有効タイマ203o、排出個数カウンタ203pが削除されている点で相違している。
確変リミットカウンタ203aaは、通常モードが設定されるまでの、確変状態の残りの連続回数をカウントするカウンタである。この確変リミットカウンタ203aaは、大当たり終了後の状態として通常モードが設定された場合に、確変状態の最大の連続回数である4が設定され(図78のS1314参照)、確変大当たりが終了する毎に、値が1ずつ減算される(図78のS1311参照)。大当たりの終了時に、この確変リミットカウンタ203aaの値が0に更新された場合には、大当たり終了後が通常モードとなるように設定される。
突破モード中カウンタ203abは、扉突破モード演出の残りの変動回数を示すカウンタであり、大当たりA2〜D2の終了時に、第2特別図柄の保留球数がカウンタ値として設定され(図78のS1316参照)、変動開始時に値が1ずつ減算して更新される(図73のS324参照)。本第2実施形態では、この突破モード中カウンタ203abの値(扉突破モード演出が終了するまでの残りの変動回数)が、変動パターンコマンドに含めて送信される。音声ランプ制御装置113では、変動パターンコマンドを受信すると、当該変動パターンコマンドから突破モード中カウンタ203abの値を読み出して扉突破モード演出が終了するまでの残りの変動回数を把握する。特に、音声ランプ制御装置113のRAM223は、記憶内容がバックアップされていないので、扉突破モード演出の実行中に電源が遮断されてしまうと、復電後に扉突破モード演出の進行状況を音声ランプ制御装置113側で把握できなくなってしまう。
これに対して本第2実施形態では、突破モード中カウンタ203abの値に対応する情報を、変動パターンコマンドに含めて音声ランプ制御装置113に対して出力する構成としているので、扉突破モード演出の実行中に電源が遮断され、音声ランプ制御装置113のRAM223の記憶内容がクリアされてしまったとしても、電源復帰後、最初に受信した変動パターンコマンドを解析することにより、扉突破モード演出の実行中であるか否か、およびその進行状況を把握することができる。これにより、扉突破モード演出の実行中に電源が遮断された場合にも、復電後に扉突破モード演出の続きから演出を再開させることができる。よって、電源の遮断の前後で演出内容が変わってしまうことを抑制することができるので、遊技者が演出内容に違和感を抱いてしまうことを抑制することができる。
次に、図71を参照して、本第2実施形態における状態の移行方法について説明する。図71に示した通り、本第2実施形態では、第1実施形態と同様に、通常モード、扉突破モード、および確変モードの3種類の状態を行き来する。本第2実施形態では、扉突破モードの内容が第1実施形態から変更となっている。具体的には、上述した第1実施形態の扉突破モードは、特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態であり、第2特別図柄の保留球が存在する状態のみを示していたが、これに加えて第2実施形態では、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態であり、第2特別図柄の保留球が存在する状態も、扉突破モードとしている。以降、説明の簡略化のために、特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態が設定されている扉突破モードのことを、扉突破モード1と称し、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態が設定されている扉突破モードのことを、扉突破モード2と称する。なお、扉突破モード1は、図71の中段左側に図示し、扉突破モード2は、図71の中段左側に図示している。
図71の上段に示した通り、通常モードでは、大当たりとなった場合にのみ、他の状態へと移行する可能性がある。具体的には、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、必ず扉突破モードへと移行する。上述した通り、第1特別図柄の大当たりでは、大当たりの各ラウンドで特定入賞口650aが比較的長時間(最大で30秒間)開放されるので、賞球を獲得しようとして特定入賞口650aを狙って球を打ち出すと、第2入球口640へも球が多量に入球する。その結果、大当たり終了時には第2特別図柄の保留球が上限値まで貯まった状態となり、大当たり後が扉突破モード(扉突破モード1)となる。
図71の中段に示した通り、扉突破モード(扉突破モード1,2)では、基本的に第2特別図柄の抽選で大当たりとなるか、第2特別図柄の抽選が全て外れとなって第2特別図柄の保留球数が0となった場合に他の状態へと移行する可能性がある。大当たりとなった場合の移行先の状態は、扉突破モード1,2で共通であるが、第2特別図柄の保留球数が0となった場合の移行先の状態は、扉突破モード1と扉突破モード2とで異なっている。具体的には、扉突破モード1において、第2特別図柄の大当たりとなることなく、第2特別図柄の保留球数が0になると、確変モードへと移行する(図71の中段左側参照)。確変モードでは、左打ちを行うことにより、遊技者に有利な第1特別図柄の抽選のみを実行させることができる上、第1特別図柄の抽選で小当たりとなる確率がアップする(小当たり用入賞口655aが開放され易くなる)ので、持ち球をほとんど減らさずに第1特別図柄の大当たりとなるまで遊技を継続することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。一方、扉突破モード2において、第2特別図柄の大当たりとなることなく、第2特別図柄の保留球数が0になると、通常モードへと移行する(図71の中段右側参照)。通常モードでは、小当たり確率が低いため、第1特別図柄の抽選を実行させるために左打ちを行うと、大当たりとなるまで持ち球が減少し続けるので、確変モードに比べて遊技者に不利となる。
図71の中段に示した通り、扉突破モードにおいて、第2特別図柄の抽選で大当たりE2となった場合には、確変状態の連続回数が上限に到達していないことを条件に、大当たり終了後に確変モードへと移行する(扉突破モード1,2共通)。大当たりE2は、上述した通り、特定入賞口650aの開放時間が短く(0.2秒間)、右打ちを行っても賞球を獲得することができない。また、第3図柄表示装置81の表示領域HR1においても、この大当たりE2、および第2特別図柄の小当たり中は左打ちを報知する構成としている。よって、遊技者が報知に逆らって故意に右打ちを行わない限り、大当たりE2の実行中に第2特別図柄の保留球が貯まることはないので、大当たりE2の終了後は直接確変モードへと移行する。なお、この場合、通常モードへと移行するまでの残りの確変状態の連続回数をカウントする確変リミットカウンタ203aaの値が1減算される。よって、大当たりE2になると、賞球を獲得できずに、確変状態の回数が減算されるので、遊技者にとって好ましくない結果となる。このため、扉突破モードにおいて特定入賞口650aが0.2秒間の開放動作を複数回繰り返した場合には、当該開放動作が全て第2特別図柄の小当たりによるものであって欲しいと遊技者に願わせるという斬新な遊技性を実現することができる。
また、扉突破モードで第2特別図柄の大当たりE2となり、確変リミットカウンタ203aaが0になった(確変状態の連続回数が上限値に達した)場合は、大当たり後に特別図柄の確変状態を設定することができないため、大当たり後の状態が通常モードに設定される。この場合は、扉突破モード演出において、扉の突破に失敗する態様の演出が実行されて通常モードへの移行が報知される。
なお、図71の中段に示した通り、扉突破モード中に大当たりD2に当選した場合は、当該大当たりD2の終了後に再度、扉突破モード(扉突破モード1、又は扉突破モード2の何れか)へと移行する。より具体的には、確変状態の連続回数が上限に達していなければ、扉突破モード1(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)が設定され、確変状態の連続回数が上限に達していれば、扉突破モード2(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)が設定される。上述した通り、扉突破モード1が設定された場合には、第2特別図柄の保留球で大当たりにならなければ確変モードへと移行できるので遊技者にとって有利となる。一方、扉突破モード2が設定された場合には、第2特別図柄の保留球が全て外れ(小当たり)になると、通常モードへと転落してしまうため、大当たりになった方が有利となる。
図71の下段に示した通り、確変モードでは、特別図柄の大当たりとなった場合に他の遊技状態へと移行する。具体的には、第1特別図柄の大当たりとなり、且つ、確変状態の連続回数が上限値に達していない(確変リミットカウンタ203aaが0でない)場合は、大当たりの終了後に扉突破モードが開始される。これに対して、確変状態の連続回数が上限値に達している(確変リミットカウンタ203aaが0になった)場合は、大当たり終了後の状態が通常モードに設定される。この場合は、大当たり中に確変状態の連続回数が上限に達したことが報知される。即ち、大当たり終了後の状態が通常モードであることを報知する演出が、例えば、大当たりのエンディング期間で実行される。
このように、本第2実施形態では、扉突破モードにおける第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合、高確率(大当たりE2が決定される割合である95%)で、賞球を獲得できずに確変状態の残りの連続回数(確変リミットカウンタ203aaの値)が減算されてしまうという、遊技者にとって好ましくない結果となる。よって、扉突破モードにおいて、第2特別図柄の大当たりとならないことを願って遊技を行わせることができる。
なお、本第2実施形態の扉突破モード演出では、第2特別図柄の抽選で大当たりE2となった場合には、一旦、扉の突破に失敗する演出(図10(a)参照)が実行される。そして、確変状態の連続回数が上限値に達していなければ(確変リミットカウンタ203aaの値が0でなければ)、所謂復活演出によって冒険者811が再度、扉の突破に挑んだ結果、扉の突破に成功する演出が実行される。これに対して、第2特別図柄の抽選で大当たりE2となり、確変状態の連続回数が上限値に達していた場合は、復活演出が行われずに、そのまま通常モードへと移行する。このように構成することで、確変モードへと移行した場合にも、復活演出を伴った場合には、残りの連続回数が減ってしまったことを認識させることができる。
図71の下段に示した通り、確変モードでは、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合にのみ、他の状態へと移行する。具体的には、第1特別図柄の大当たりとなり、確変状態の連続回数が上限に達していない場合には大当たり終了後に扉突破モード1へと移行し、確変状態の連続回数が上限回数に達した場合には、大当たり終了後に扉突破モード2へと移行する。
なお、扉突破モード2となった場合には、扉突破モード演出として、全ての第2特別図柄の保留球が外れ(小当たり)だった場合に、扉の突破に失敗して通常モードへの移行が報知される演出が実行される。つまり、扉突破モード1(および第1実施形態における扉突破モード演出)とは逆の結果となる演出が実行される。また、扉突破モード2において大当たりE2となった場合には、扉突破モード1において確変状態の残りの連続回数が残っている場合と同様に、復活演出を経て確変モードが報知される。
このように、本第1実施形態では、2種類の扉突破モードが設けられている。即ち、確変状態の連続回数が上限に到達していない状態で、大当たりA2〜D2のいずれかとなった場合に移行する扉突破モード1と、確変状態の連続回数が上限(リミット)に到達した状態で大当たりA2〜D2のいずれかとなった場合に移行する扉突破モード2とが設けられている。扉突破モード1は、第1実施形態と同様に、第2特別図柄の保留球が全て外れ(小当たり)となった場合に遊技者にとって有利な確変モードへと移行するため、第2特別図柄の抽選で大当たりとならない方が有利となる。一方、扉突破モード2は、内部的には特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態となっており、確変状態の連続回数の上限がリセットされた状態である。よって、第2特別図柄の保留球が全て外れになると、通常モードへと移行してしまうので、遊技者にとって不利となる。この場合は、扉突破モード2の間に第2特別図柄の大当たりとなることにより、扉突破モード1、または確変モードへと移行させることができるので、第2特別図柄の抽選で大当たりになった方が遊技者にとって有利となる。扉突破モード2で第2特別図柄の保留球が全て外れ(小当たり)となり、通常モードへと移行してしまうと、大当たりとなるまでに多量の持ち球を消費してしまう可能性があるためである。
扉突破モードの種別によって、第2特別図柄の保留球が全て有利となった方が有利となったり、第2特別図柄の保留球の中に大当たりが含まれていた方が有利となったりするので、扉突破モードへと移行した場合に、今回の扉突破モードがどちらのモードであるかを予測させることができる。そして、予測したモードの種別に応じて、外れを期待させたり、大当たりを期待させたりすることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図72を参照して、本第2実施形態における音声ランプ制御装置113のRAM223の構成について説明する。図72は、RAM223の構成を示したブロック図である。図72に示した通り、本第2実施形態のRAM223は、上述した第1実施形態におけるRAM223の構成(図20(b)参照)に対して、投入後フラグ223iが追加されている点で相違している。その他の構成については、上述した第1実施形態と同様であるので、その詳細な説明については省略する。
投入後フラグ223iは、扉突破モードの実行中にパチンコ機10の電源が遮断されたことにより扉突破モードが中段された後で電源が再投入され、扉突破モードが再開されたことを示すフラグである。この投入後フラグ223iは、パチンコ機10に対する電源投入時に、扉突破モード演出の実行中であり、且つ、扉突破モード演出の最後の変動以外の変動であると判別された場合にオンに設定される(図82のS5102参照)。
<第2実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図73〜図79のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。まず、図73のフローチャートを参照して、本第2実施形態における特別図柄変動開始処理2(S231)の詳細について説明する。この特別図柄変動開始処理2(S231)は、第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図29参照)に代えて実行される処理である。
この第2実施形態における特別図柄変動開始処理2(S231)のうち、S301〜S309、およびS311の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図29参照)のS301〜S309、およびS311の各処理と同一の処理が実行される。
また、第2実施形態における特別図柄変動開始処理2(S231)では、S307、またはS309の処理において変動パターンを決定した後に、突破モード中カウンタ203abの値を読み出して(S321)、読み出したカウンタ値と、S307、またはS309の処理で決定した変動パターンとを音声ランプ制御装置113に通知するための変動パターンコマンドを設定する(S322)。
また、第2実施形態における特別図柄変動開始処理2(図73参照)では、S311の処理が終了した後で、突破モード中カウンタ203abの値が0より大きいか否かを判別する(S323)。S323の処理において、突破モード中カウンタ203abの値が0より大きい(即ち、扉突破モード演出の実行中である)と判別した場合は(S323:Yes)、突破モード中カウンタ203abの値を1減算して(S324)、本処理を終了する。一方、S323の処理において、突破モード中カウンタ203abの値が0である(即ち、扉突破モード演出の実行中ではない)と判別した場合は(S323:No)、S324の処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この特別図柄変動開始処理2(図73参照)により、扉突破モード演出の進行状況(突破モード中カウンタ203abの値)を、変動パターンコマンドに含めて音声ランプ制御装置113に対して通知することができる。よって、実際の扉突破モード演出の残りの回数と、音声ランプ制御装置113により実行される演出態様とがずれてしまうことを防止(抑制)することができる。特に、パチンコ機10の電源が一時的に遮断された場合には、音声ランプ制御装置113のRAM223の記憶内容が全てクリアされてしまうので、電源遮断前の扉突破モード演出の状況も、音声ランプ制御装置113側では不明となってしまう。この場合であっても、変動パターンコマンドに対して突破モード中カウンタ203abの値を含む構成としておけば、電源復旧後、最初に出力される変動パターンコマンドを解析するだけで、容易に電源遮断前の状態を音声ランプ制御装置113側で把握することができる。よって、電源が遮断される前の演出態様に迅速に復帰させることができる。
なお、本第2実施形態のパチンコ機10では、第2特別図柄の保留球が存在する状況は基本的に大当たり中、および扉突破モード演出の実行中のみである。よって、第2特別図柄の保留球数が1以上であり、且つ、大当たり中ではない状況の場合に、扉突破モード演出の実行中であると判別すれば済むようにも思われる。しかしながら、遊技者が通常時に故意に、又は誤って右打ちを行った場合も、第2特別図柄の保留球数が1以上となってしまう場合がある。かかる場合に、パチンコ機10の電源が遮断されると、電源復旧時に保留球数コマンドにより第2特別図柄の保留球が1以上であると通知されることにより、音声ランプ制御装置113側で扉突破モード演出の実行中であると誤認してしまう不具合が生じてしまう。これに対して本第2実施形態では、扉突破モード演出の進行状況を変動パターンコマンドに含めて出力する構成としているので、電源復旧時に第2特別図柄の保留球数が1以上だった場合に、扉突破モードの実行中であるか、遊技者が故意に又は誤って通常時に右打ちを行ってしまっただけであるのかを把握することができる。よって、電源復旧後の演出態様を、電源が遮断される前の状態に正確に復帰させることができる。
なお、本第2実施形態では、扉突破モード演出が終了するまでの変動回数を、突破モード中カウンタ203abによって把握し、変動パターンコマンドに含めて出力する構成としていたが、単に扉突破モード演出の実行中か否かの情報のみを変動パターンコマンドに含めて出力する構成としてもよい。そして、音声ランプ制御装置113側では、当該情報と、第2特別図柄の保留球数とに基づいて、扉突破モード演出が終了するまでの変動回数を把握する構成としてもよい。このように構成することで、主制御装置110側で、扉突破モード中カウンタ203abを更新する処理を省略することができるので、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
次に、図74を参照して、本第2実施形態における普通図柄変動処理2(S106)について説明する。この普通図柄変動処理2(S106)は、第1実施形態における普通図柄変動処理(図32参照)に代えてタイマ割込処理(図27参照)の中で実行される処理である。
この第2実施形態における普通図柄変動処理2(図74参照)のうち、S601〜S614,S617〜S620、およびS623の各処理では、それぞれ第1実施形態における普通図柄変動処理(図32参照)のS601〜S614,S617〜S620、およびS623の各処理と同一の処理を実行する。
また、本第2実施形態における普通図柄変動処理2(図74参照)では、S614の処理において、現在が普通図柄の時短状態中であると判別した場合に(S614:Yes)、普通図柄の変動時間を30秒間に設定して(S631)、本処理を終了する。一方、S614の処理において、現在が普通図柄の通常状態中であると判別した場合に(S614:No)、普通図柄の変動時間を3秒間に設定して(S632)、本処理を終了する。
更に、本第2実施形態における普通図柄変動処理2(図74参照)では、S620の処理において、現在が普通図柄の通常状態中であると判別した場合に(S620:No)、第2入球口640に付随する電動役物640bの開放時間および開放回数を「1秒間×2回」に設定して(S633)、処理をS623へと移行する。一方、S620の処理において、現在が普通図柄の時短状態中であると判別した場合には(S620:No)、第2入球口640に付随する電動役物640bの開放時間および開放回数を「0.2秒間×1回」に設定して(S634)、処理をS623へと移行する。
このように、本第2実施形態では、普通図柄の時短状態よりも、普通図柄の通常状態の方が、普通図柄の変動時間が短く、且つ、普通図柄の当たりとなった場合の開放時間が長くなるように構成されている。また、上述した通り、本第2実施形態における第2当たり乱数テーブル202c(図69参照)は、普通図柄の通常状態(低確率状態)と、普通図柄の高確率状態とで普通図柄の当たりと判定される判定値の個数が1個分しか違わない構成としている。これにより、普通図柄の通常状態でも、普通図柄の高確率状態とほぼ同等の当たり確率となるので、トータルとして普通図柄の時短状態の方が、球が第2入球口640へと入球し難くなる。よって、普通図柄の時短状態が設定される確変モードでは、遊技者が球を右打ちしてしまっても球が第2入球口640へと入球し難くなるので、不利な第2特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができる。これにより、扉突破モード演出の実行中以外の状況で第2特別図柄の抽選が実行されてしまい、遊技者にとって過剰に不利となってしまうことを抑制することができる。また、普通図柄の低確率状態に設定される大当たり中は、第2入球口640へと球が入球し易い状態になるので、大当たり中に保留球を上限個数まで貯め易くすることができる。
次に、図75を参照して、第2実施形態における主制御装置110の立ち上げ処理2について説明する。この立ち上げ処理2(図75参照)は、第1実施形態における立ち上げ処理(図35参照)に代えて、パチンコ機10の電源投入時に実行される処理である。
この第2実施形態における立ち上げ処理2(図75参照)のうち、S901〜S910、およびS913の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図35参照)のS901〜S910、およびS913の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2実施形態における立ち上げ処理2(図75参照)では、S910の処理が終了すると、音声ランプ制御装置113へと出力する状態コマンドを設定するための状態コマンド設定処理を実行して(S921)、処理をS913へと移行する。この状態コマンド設定処理(S921)の詳細について、図76を参照して説明する。
図76のフローチャートは、状態コマンド設定処理(S921)を示したフローチャートである。この状態コマンド設定処理(S921)では、まず、確変フラグ203gを読み出して(S1801)、読み出した確変フラグ203gの状態に基づいて状態コマンドを設定する(S1802)。次いで、現在が特別図柄の変動中であるか否かを判別し(S1803)、変動中であれば(S1803:Yes)、実行エリアのデータと、変動時間カウンタ203qの値とを読み出す(S1804)。次に、突破モード中カウンタ203abの値を読み出して(S1805)、読み出した各値に基づいて変動パターンコマンドを設定する(S1806)。次いで、停止種別コマンドを設定して(S1807)、本処理を終了する。一方、S1803の処理において、特別図柄の変動中ではないと判別した場合は(S1803:No)、S1804〜S1807の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この状態コマンド設定処理(図76参照)を実行することにより、電源が遮断される前の遊技状態や、扉突破モード演出の進行状況等を、立ち上げ処理2(図75参照)の中で音声ランプ制御装置113に対して通知することができる。
次に、図77を参照して、第2実施形態における大当たり制御処理2(S1021)の詳細について説明する。この大当たり制御処理2(S1021)は、第1実施形態における大当たり制御処理(図37参照)に代えて実行される。
この第2実施形態における大当たり制御処理2(図77参照)のうち、S1101〜S1105、およびS1107〜S1109の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図37参照)のS1101〜S1105、およびS1107〜S1109の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における大当たり制御処理2(図77参照)では、S1105の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別した場合は(S1105:Yes)、まず、特定入賞口650aを開放状態に設定し(S1121)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S1122)、本処理を終了する。本第2実施形態では、第1実施形態における可変入賞装置65に代えて可変入賞装置650が設けられており、その内部に通常排出流路65e1や特別排出流路65e2が設けられていない。よって、大当たり制御処理2(図77参照)の中で、流路を切り替える処理を実行する必要がないため、これらの処理(図38のS1202,S1203)が削除されている。
また、本第2実施形態における大当たり制御処理2(図77参照)では、S1109の処理において、大当たりの終了タイミングであると判別した場合に(S1109:Yes)、第1実施形態における大当たり終了処理(図37のS1110参照)に代えて、大当たり終了処理2を実行し(S1123)、本処理を終了する。この大当たり終了処理2(S1123)の詳細については、図78を参照して後述する。
一方、S1109の処理において、大当たりの終了タイミングではないと判別した場合は(S1109:No)、第1実施形態における入賞処理(図37のS1111参照)に代えて、入賞処理2を実行し(S1124)、本処理を終了する。この入賞処理2(S1124)の詳細については、図79を参照して後述する。
なお、本第2実施形態における大当たり制御処理2(図77参照)では、第1実施形態における異常処理(図37のS1112参照)に相当する処理が設けられていない。これは、第1実施形態では、大当たり後に確変状態へと移行するか否かが、可変入賞装置65内の確変スイッチ65e3を球が通過したか否かによって決定されるのに対して、本第2実施形態では、大当たり後の遊技状態が大当たり種別に応じて決定されるという違いが有るためである。このため、第2実施形態では、球を可変入賞装置650の内部に残存させておいたところで、確変状態となるか否かに影響をもたらすものではなく、球を内部に残存させておく不正行為自体が成立しない。よって、本第2実施形態では、可変入賞装置650の内部に球が残存している異常が発生しているか否かを判別する異常処理(図41参照)を削除する構成としている。
なお、本第2実施形態においても、第1実施形態における異常処理(図41参照)に相当する処理を実行しても当然良い。これにより、可変入賞装置650の内部で球詰まり等の不具合が発生した場合に、早期にエラーを報知することができる。
次いで、図78を参照して、大当たり終了処理2(S1123)の詳細について説明する。図78は、この大当たり終了処理2(S1123)を示したフローチャートである。この大当たり終了処理2(S1123)では、まず、確変リミットカウンタ203aaの値を1減算し(S1311)、減算後のカウンタ値が0になったか否かを判別する。
S1311の処理において、減算後のカウンタ値が1以上であると判別した場合は(S1312:No)、確変状態の連続回数が上限値(リミット)に到達していないことを意味するので、確変フラグ203gをオンに設定して(S1313)、処理をS1315へと移行する。これに対して、S1311の処理において、減算後の確変リミットカウンタ203aaの値が0になったと判別した場合は(S1313:Yes)、確変状態の連続回数が上限値に到達したことを意味するので、確変フラグ203gをオンにするS1313の処理を実行せずに(確変フラグ203gをオフのままとして)、確変リミットカウンタ203aaの値に4を設定して(S1314)、処理をS1315へと移行する。
S1313、またはS1314の処理が終了した後に実行されるS1315の処理では、第2特別図柄保留球数カウンタ203eの値を読み出して(S1315)、読み出した値を突破モード中カウンタ203abの値に設定する(S1316)。そして、確変フラグ203gの状態と、確変リミットカウンタ203aaの値とに基づいて、状態コマンドを設定する(S1317)。確変リミットカウンタ203aaの値を状態コマンドに含めることにより、大当たり後の遊技状態だけでなく、確変状態の連続回数が上限(リミット)に達するまでの残り回数も、音声ランプ制御装置113側で把握することができる。S1317の処理が終了すると、大当たり中フラグ203rをオフに設定して(S1318)、本処理を終了する。
次に、図79を参照して、入賞処理2(S1124)の詳細について説明する。この入賞処理2(S1124)は、上述した通り、第1実施形態における入賞処理(図40参照)に代えて実行される処理である。
この第2実施形態における入賞処理2(図79参照)のうち、S1401〜S1404、およびS1406〜S1408の各処理では、それぞれ第1実施形態における入賞処理(図40参照)のS1401〜S1404、およびS1406〜S1408の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における入賞処理2(図79参照)では、S1404の処理が終了すると、入賞個数カウンタ203jの値が6以上であるか否かを判別して(S1431)、入賞個数カウンタ203jの値が6以上であれば(S1431:Yes)、処理をS1407へと移行する。一方、S1431の処理において、入賞個数カウンタ203jの値が6未満であると判別した場合は(S1431:No)、処理をS1406へ移行する。
また、本第2実施形態における入賞処理2(図79参照)では、第1実施形態における入賞処理(図40参照)のS1409〜S1420の処理が削除されている。これらの処理は、確変スイッチ65e3を球が通過したか否かを判別したり、確変スイッチ65e3を正常なタイミングで球が通過したかを判別するための処理であり、通常排出流路65e1や特別排出流路65e2、確変スイッチ65e3等が設けられていない本第2実施形態におけるパチンコ機10には不要な処理だからである。これらの処理を省略することで、主制御装置110の処理負荷を軽減することができる。
<第2実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図80〜図84のフローチャートを参照して、第2実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図80を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU201により実行される立ち上げ処理2について説明する。この立ち上げ処理2(図80参照)は、パチンコ機10に対する電源投入時に、第1実施形態における立ち上げ処理(図44参照)に代えて実行される処理である。
この第2実施形態における立ち上げ処理2(図80参照)のうち、S4001〜S4013の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図44参照)のS4001〜S4013の各処理と同一の処理が実行される。また、本第2実施形態における立ち上げ処理2(図80参照)では、S4012の処理が終了すると、次いで、主制御装置110から出力された状態コマンドや変動パターンコマンドに基づいて電源投入時の状態を判別するための投入時状態判別処理を実行して(S4021)、処理をS4013へと移行する。この投入時状態判別処理(S4021)の詳細について、図81を参照して説明する。
図81は、この投入時状態判別処理(S4021)を示したフローチャートである。この投入時状態判別処理(S4021)では、まず、主制御装置110から変動パターンコマンドを受信したかを判別し(S4901)、変動パターンコマンドを受信して以内と判別した場合は(S4901:No)、電源投入時の遊技状態に応じた背面画像を設定して(S4902)、本処理を終了する。ここで、電源投入時の遊技状態は、立ち上げ処理2(図80参照)のS4012の処理において更新された遊技状態格納エリア223hのデータに基づいて判別され、現在の状態が確変状態であれば確変状態用の背面画像を、通常状態であれば通常状態用の背面画像を設定する。なお、扉突破モード演出は、第2特別図柄の変動中に実行される演出であるので、電源投入時が変動停止状態である場合には扉突破モードの可能性はない。
一方、S4901の処理において、変動パターンコマンドを受信したと判別した場合は(S4901:Yes)、次いで、変動パターンコマンドから主制御装置110のRAM203の突破モード中カウンタ203abの値を抽出して(S4903)、抽出した値が0であるかを判別する(S4904)。突破モード中カウンタ203abが0であれば、扉突破モード演出の実行中ではないことを意味し、突破モード中カウンタ203abの値が1以上であれば、扉突破モード演出の実行中であることを意味する。
S4904の処理において、突破モード中カウンタ203abの値が0でない(扉突破モード演出の実行中である)と判別した場合は(S4904:No)、扉突破モード演出の演出態様を選択するための突破態様選択処理を実行して(S4905)、処理をS4907へと移行する。この突破態様選択処理(S4905)の詳細については、図82を参照して後述する。
一方、S4904の処理において、変動パターンコマンドから抽出した突破モード中カウンタ203abの値が0である(即ち、扉突破モード演出の実行中ではない)と判別した場合は(S4904:No)、残変動時間と、抽選結果とに応じた演出態様を決定して(S4906)、処理をS4907へと移行する。S4907の処理では、S4905、またはS4906の処理で決定した演出態様に基づいて、表示用変動パターンコマンドを設定して(S4907)、本処理を終了する。
次に、図82を参照して、突破態様選択処理(S4905)の詳細について説明する。図82は、この突破態様選択処理(S4905)を示したフローチャートである。
突破態様選択処理(図82参照)では、まず、変動パターンコマンドより抽出した突破モード中カウンタ203abの値が1であるか否かを判別し(S5001)、突破モード中カウンタ203abの値が1であれば(S5001:Yes)、次いで、外れの変動パターンであるかを判別する(S5002)。S5002の処理において、外れの変動パターンであると判別した場合は(S5002:Yes)、次いで、遊技状態格納エリア223hに格納されているデータが確変状態を示すデータであるかを判別し(S5003)、確変状態であれば(S5003:Yes)、扉突破モード1(図71の中段左側参照)における最後の第2特別図柄の保留球に基づく変動表示の実行中に電源が遮断され、且つ、実行中の最後の保留球が外れ(小当たり)であったことを意味する。よって、この場合は、残りの変動時間で実行する演出態様として、確変モードへの移行を報知する演出態様に決定し(S5004)、本処理を終了する。
一方、S5003の処理において、遊技状態格納エリア223hに格納されているデータが特別図柄の低確率状態を示すデータであると判別した場合は(S5003:No)、扉突破モード2(図71の中段右側参照)における最後の第2特別図柄の保留球に基づく変動表示の実行中に電源が遮断され、且つ、実行中の最後の保留球が外れ(小当たり)であったことを意味する。よって、この場合は、残りの変動時間で実行する演出態様として、通常モードへの移行を報知する演出態様に決定し(S5004)、本処理を終了する。これらのS5003,S5004の処理により、電源が再投入された時点の状態が、扉突破モード演出における最後の変動表示の実行中だった場合であっても、抽選結果と遊技状態とに基づいて扉突破モード演出の結果を正確に報知することができる。
一方、S5001の処理において、変動パターンコマンドから抽出した突破モード中カウンタ203abの値が1ではない(2以上である)と判別した場合(S5001:No)、および突破モード中カウンタ203abの値が1であり、且つ、電源復旧時に実行中の変動パターンが大当たりの変動パターンであると判別した場合は(S5002:No)、まず、今回の変動パターンが大当たりE2であるかを判別する(S5006)。S5006の処理において、大当たりE2であると判別した場合は(S5006:Yes)、次いで、確変状態の連続回数が上限(リミット)に到達しているかを判別する(S5007)。なお、確変状態の連続回数の上限値までの残り回数は、電源投入時の遊技状態と共に状態コマンドによって音声ランプ制御装置113に対して通知される。
S5007の処理において、確変状態の連続回数の上限値(リミット)に到達したと判別した場合は(S5007:Yes)、大当たり後の状態が通常モードとなるので、通常モードへの移行を通知するための、上述したS5005の処理へと移行する。一方、S5007の処理において、確変状態の連続回数の上限値(リミット)に到達していないと判別した場合は、大当たり後の状態が確変モードとなるので、復活演出を経て扉の突破に成功する演出態様に決定し(S5008)、本処理を終了する。この復活演出は、上述した通り、大当たりE2となったことによって、賞球を獲得できなかったにも拘わらず確変状態の連続回数の上限値(リミット)までの残り回数が減ってしまったことを示す演出である。この復活演出により、扉突破モード演出中に大当たりE2に当選していたことを遊技者に認識させることができる。
また、S5006の処理において、大当たりE2ではないと判別した場合は(S5006:No)、次いで、今回の変動パターンが大当たりD2であるかを判別する(S5009)。S5009の処理において、今回の変動パターンが大当たりD2であると判別した場合は(S5009:Yes)、扉突破モード演出の中に大当たりとなったことを示す特殊な演出態様に決定して(S5010)、本処理を終了する。
また、S5009の処理において、今回の変動パターンが大当たりD2ではないと判別した場合は(S5009:No)、今回の変動パターンが外れ(小当たり)に対応する変動パターンであり、且つ、今回の変動が扉突破モードの最後の変動ではないことを意味するので、抽出した突破モード中カウンタ203abの値に応じた突破演出の演出態様を決定する(S5011)。即ち、突破モード中カウンタ203abの値に応じた扉814の態様を決定する。そして、抽出した突破モード中カウンタ203abの値を突破演出カウンタ223gに設定し、投入後フラグ223iをオンに設定して(S5012)、本処理を終了する。この投入後フラグ223iをオンにしておくことにより、次回以降の変動パターンを受信した場合にも、電源投入時に扉突破モードの途中から演出を再開したことを判別できる。
本第2実施形態における扉突破モード演出も、基本的に第1実施形態と同様に、大当たりのエンディング期間の開始から、4回目の特定入賞口650aの開放期間が終了するまでの5.8秒間の演出時間の一連の演出が設定される。即ち、扉突破モード演出の開始時に、第2特別図柄の各保留球の先読み結果に基づいて、扉突破モード演出の結果を予め決定する構成としている。よって、基本的に扉突破モード演出の実行中は、新たに第2特別図柄の変動パターンコマンドを受信した場合に、予め定められた演出態様をそのまま実行していくだけでよい。しかしながら、扉突破モード演出の途中でパチンコ機10の電源が遮断されてしまった場合には、音声ランプ制御装置113のRAM223がクリアされてしまうことにより、扉突破モード演出の進捗状況や演出の結果等を把握できなくなってしまう。そこで、本第2実施形態では、扉突破モード演出の実行中に電源が遮断され、再度、電源が投入された場合には、投入後フラグ223iによってその旨を把握可能に構成している。そして、この投入後フラグ223iがオンの間は、変動パターンコマンドを受信する毎に、変動パターンコマンドに含まれる突破モード中カウンタ203abの値と、抽選結果を示す情報とに基づいて、扉突破モード演出の終了タイミングであるか否かを判別し、判別結果に応じた演出態様を設定する構成としている。このように構成することで、主制御装置110から出力させる情報を最低限にしておきつつ、扉突破モード演出の終了タイミングを音声ランプ制御装置113側で正確に判別することができる。
次に、図83のフローチャートを参照して、変動表示設定処理2(S4121)の詳細について説明する。この変動表示設定処理2(S4121)は、第1実施形態における変動表示設定処理(図52参照)に代えて実行される処理である。この第2実施形態における変動表示設定処理2(S4121)のうち、S4801〜S4803、およびS4805〜S4809の各処理では、それぞれ第1実施形態における変動表示設定処理(図52参照)のS4801〜S4803、およびS4805〜S4809の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第2実施形態における変動表示設定処理2(図83参照)では、S4803の処理が終了すると、次いで、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドにより通知された大まかな変動表示態様(変動時間)に基づいて、変動パターンの詳細な演出態様を決定するための変動パターン決定処理を実行する(S4811)。この変動パターン決定処理(S4811)の詳細については、図84を参照して後述する。S4811の処理が終了すると、S4811の処理で決定した変動パターンの詳細な演出態様に基づいて、表示用変動パターンコマンドを設定し(S4812)、処理をS4805へと移行する。
次いで、図84を参照して、上述した変動パターン決定処理(S4811)の詳細について説明する。変動パターン決定処理(S4811)では、まず、投入後フラグ223iがオンであるか否かを判別して(S5101)、投入後フラグ223iがオフであれば(S5101:No)、主制御装置110から出力された変動パターンコマンドより抽出した変動パターンの大まかな態様に基づいて、変動パターンの詳細な演出態様を決定し(S5102)、本処理を終了する。
これに対して、S5101の処理において、投入後フラグ223iがオンであると判別した場合は(S5101:Yes)、扉突破モード演出の実行中に電源が遮断された後で、電源が再投入されたことを意味するので、変動パターンコマンドに含まれる突破モード中カウンタ203abの情報と、抽選結果とに応じて扉突破モード演出中の演出態様を決定するための処理を実行する。
具体的には、まず、変動パターンコマンドから突破モード中カウンタ203abの値を抽出し(S5103)、抽出した突破モード中カウンタ203abの値が1であるか(即ち、扉突破モード演出における最後の変動であるか)を判別する(S5104)。S5104の処理において、抽出した突破モード中カウンタ203abの値が1であると判別した場合は(S5104:Yes)、次いで、変動パターンコマンドにより通知された変動パターンが、外れの変動パターンであるかを判別し(S5105)、外れの変動パターンであると判別した場合は(S5105:Yes)、遊技状態格納エリア223hに格納されたデータに基づいて、現在が特別図柄の確変状態であるかを判別する(S5106)。
S5106の処理において、現在が特別図柄の確変状態であると判別した場合は(S5106:Yes)、確変モードへの移行を報知する演出態様(図10(b)参照)を決定して、処理をS5116へと移行する。一方、S5106の処理において、現在が特別図柄の低確率状態であると判別した場合は(S5106:No)、通常モードへの移行を報知する演出態様(図10(a)参照)を決定して(S5108)、処理をS5116へと移行する。
これに対して、S5104の処理において、変動パターンコマンドから抽出した突破モード中カウンタ203abの値が2以上であると判別した場合(S5104:No)、および抽出した突破モード中カウンタ203abの値が1であり(S5104:Yes)、且つ、大当たりの変動パターンが通知されたと判別した場合は(S5105:No)、次いで、大当たりE2であるかを判別する(S5109)。
S5109の処理において、今回の変動パターンが大当たりE2に対応する変動パターンであると判別した場合は(S5109:Yes)、次いで、確変状態の連続回数の上限(リミット)に到達したか否かを判別し(S5110)、連続回数の上限(リミット)に到達していれば(S5110:Yes)、大当たりE2の終了後の状態を確変モードに設定することができないので、通常モードへの移行を報知する演出態様を決定するためのS5108の処理へと移行する。一方、S5110の処理において、確変状態の連続回数が上限(リミット)に到達していないと判別した場合は(S5110:No)、復活演出の演出態様を決定して(S5111)、本処理を終了する。
これに対して、S5109の処理において、今回の変動パターンが大当たりE2ではないと判別した場合は(S5109:No)、次に、今回の変動パターンが大当たりD2に対応する変動パターンであるかを判別し(S5112)、大当たりD2に対応する変動パターンであると判別した場合は(S5112:Yes)、大当たりを報知する特殊な扉突破モード演出の演出態様を決定して(S5113)、処理をS5116へと移行する。
また、S5112の処理において、大当たりD2ではないと判別した場合は(S5112:No)、今回の変動パターンが外れ(小当たり)の変動パターンであり、且つ、扉突破モード演出の残りの変動回数(第2特別図柄の保留球数)が2以上であることを意味するので、S5103の処理で抽出した突破モード中カウンタ203abの値に応じた扉突破モード演出の演出態様を決定して(S5114)、抽出した突破モード中カウンタ203abの値を突破演出カウンタ223gに設定して(S5115)、本処理を終了する。
また、S5107,S5108,S5111、およびS5113のいずれかが終了した後で実行されるS5116の処理では、投入後フラグ223iをオフにリセットすると共に、突破演出カウンタ223gの値を0にリセットして(S5116)、本処理を終了する。
この変動パターン決定処理を実行することにより、扉突破モード演出の途中でパチンコ機10の電源が遮断されてしまった場合にも、電源が再投入された後で、扉突破モード演出の途中から演出態様を復帰させることができる。より具体的には、扉突破モード演出の実行中に電源が遮断されると、音声ランプ制御装置113のRAM223がクリアされてしまうことにより、扉突破モード演出の進捗状況や演出の結果等を把握できなくなってしまう。そこで、本第2実施形態では、扉突破モード演出の実行中に電源が遮断され、再度、電源が投入された場合には、投入後フラグ223iによってその旨を把握可能に構成している。そして、この投入後フラグ223iがオンの間は、変動パターンコマンドを受信する毎に、変動パターンコマンドに含まれる突破モード中カウンタ203abの値と、抽選結果を示す情報とに基づいて、扉突破モード演出の終了タイミングであるか否かを判別し、判別結果に応じた演出態様を設定する構成としている。このように構成することで、主制御装置110から出力させる情報を最低限にしておきつつ、扉突破モード演出の終了タイミングを音声ランプ制御装置113側で正確に判別することができる。
以上説明した通り、本第2実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりの種別毎に大当たり後の遊技状態が予め定められている構成としている。また、特別図柄の確変状態の連続回数に上限(リミット)を設ける構成とし、上限に到達した場合は、確変大当たりに当選したとしても、大当たり後が特別図柄の低確率状態に設定されるように構成している。このように構成することで、特別図柄の確変状態となっている扉突破モード(扉突破モード1)と、特別図柄の低確率状態となっている扉突破モードとの2種類を形成することができる。よって、扉突破モードへと移行した場合に、第2特別図柄の保留球が全て外れとなっても、通常モードへと移行する可能性がある。よって、確変状態の連続回数に応じて、扉突破モード中に大当たりとなった方が有利となるか、不利となるかが変わる斬新な遊技性を提供することができる。
また、本第2実施形態では、第2入球口640に対して電動役物640bを設ける構成とし、普通図柄の高確率状態(時短状態)では、電動役物640bが開放され難くなり、普通図柄の通常状態(低確率状態)では、電動役物640bが開放され易くなるように構成している。このように構成することで、普通図柄の高確率状態が設定される確変モードでは、遊技者が球を右打ちしてしまっても球が第2入球口640へと入球し難くなるので、不利な第2特別図柄の抽選が実行されることを抑制することができる。これにより、扉突破モード演出の実行中以外の状況で第2特別図柄の抽選が実行されてしまい、遊技者にとって過剰に不利となってしまうことを抑制することができる。また、普通図柄の低確率状態に設定される大当たり中は、第2入球口640へと球が入球し易い状態になるので、大当たり中に保留球を上限個数まで貯め易くすることができる。
また、本第2実施形態では、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力する変動パターンコマンドに、扉突破モード演出の残りの変動回数を示す情報(突破モード中カウンタ203abの値)を含める構成としている。これにより、扉突破モード演出の途中でパチンコ機10の電源が遮断されてしまった場合にも、電源が再投入された後で主制御装置110から出力された変動パターンコマンドを音声ランプ制御装置113側で解析するだけで、扉突破モード演出の実行中であるか否か、および実行中であった場合における進捗状況を容易に把握することができる。よって、主制御装置110から出力させる情報を最低限にしておきつつ、扉突破モード演出の終了タイミングを音声ランプ制御装置113側で正確に判別することができる。
なお、本第2実施形態では、変動パターンコマンドに突破モード中カウンタ203abの値を含めて出力する構成とすることにより、電源復帰時に扉突破モード演出の実行中であるか否かを音声ランプ制御装置113側で判別可能に構成していたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり終了後の第2特別図柄の保留消化中であるか否かの情報のみを変動パターンコマンドに含める構成としてもよい。即ち、扉突破モード演出が終了するまでの残りの変動表示回数の情報を変動パターンに含めなくともよい。そして、扉突破モード演出の実行中に電源が復帰された場合には、第2特別図柄の保留球数と、変動パターンコマンドにより通知された変動パターンの種別(当たりか否か)とに基づいて、扉突破モード演出の最後の変動であるか否かを判別する構成としてもよい。このように構成することで、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して出力する変動パターンコマンドのデータ量を削減することができる。
本第2実施形態では、常に、変動パターンコマンドに突破モード中カウンタ203abの値を含めて出力する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、電源投入後、最初の変動パターンコマンドにのみ、突破モード中カウンタ203abの値を含めて出力する構成としてもよい。これにより、主制御装置110の処理負荷を低減することができる。
本第2実施形態では、突破モード中カウンタ203abの値を変動パターンコマンドに含めて出力する構成としていたが、必ずしも変動パターンコマンドに含める必要はない。例えば、突破モード中カウンタ203abの値のみを通知するコマンドを別途用意してもよい。即ち、突破モード中カウンタ203abの値に変更があった場合にのみ主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対してコマンドにより通知を行う構成としてもよい。このように構成することで、変動パターンコマンドのデータ量を少なくすることができる。
本第2実施形態では、電源投入時に、状態コマンドにより遊技状態を音声ランプ制御装置113に通知し、突破モード中カウンタ203abの値を変動パターンコマンドにより通知する構成としていたが、電源投入時に音声ランプ制御装置113に対して通知する情報はこれに限られるものではない。例えば、各保留球の先読み結果を再度、入賞情報コマンドにより通知する構成としてもよい。このように構成することで、電源投入時が扉突破モード演出の実行中であった場合に、単に扉突破モード演出の実行中であるという事実だけでなく、扉突破モード演出の結果までもを、電源投入時に音声ランプ制御装置113側で把握することができる。よって、演出の結果を加味して演出態様を決定することができる。
<第2実施形態における変形例>
次に、図85〜87を参照して、上述した第2実施形態におけるパチンコ機10の変形例について説明する。上述した第2実施形態では、第2入球口640に対して電動役物640bを付随して設ける構成としていた。そして、普通図柄の高確率状態よりも普通図柄の低確率状態の方が普通図柄の変動時間が短くなり、且つ、普通図柄が当たりとなった場合における電動役物640bの開放期間が長くなる構成とすることで、普通図柄の高確率状態が設定される確変モードで球が第2入球口640へと入球することを防止(抑制)する構成としていた。
これに対して本変形例では、可変表示装置ユニット80の右側の流路に、上部に球を貯留(停留)させることが可能な貯留弁63aと、その貯留弁63aに貯留されていた球の貯留状態が解除された場合に、当該貯留されていた球が入球可能な一般入賞口63とが設けられている。詳細については後述するが、本変形例における第2入球口640は、基本的に右打ちを行っても球の入球が不可能(困難)となる位置に設けられている。例外として、貯留弁63aによって球が3個貯留されている状態で右打ちを行った場合にのみ、第2入球口640へと球が入球可能となる。より具体的には、貯留弁63aにより球が3個貯留されている状態で右打ちを行った場合、貯留されている3個目の球に、右打ちにより流下してきた球が衝突することで球の軌道が変更され、第2入球口640へと入球可能な軌道となる可能性がある。本変形例では、通常時に貯留状態を解除し、大当たり中にのみ貯留状態に設定することにより、大当たり中にのみ球が第2入球口640へと入球可能となるように構成している。
このように構成することで、第2入球口640に電動役物640bを付随させる必要がなくなる。よって、第1実施形態と同様に、第1入球口64に対して電動役物64aを付随させることができる。これにより、第1実施形態と同様に、確変モードでは電動役物64aが開放され易い状態とすることにより、持ち球を減らさずに遊技を行わせることができる。また、第1入球口64に電動役物64aを付随させる構成とすることで、「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」という、上記各実施形態では設定していなかった遊技状態を設けることができる。より具体的には、確変状態の連続回数が上限(リミット)に到達した場合の遊技状態を、「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」とすることにより、確変モードが終了した後(リミットに到達した後)に、所定期間(例えば、特別図柄の抽選が25回実行されるまで)、持ち球を維持したまま特別図柄の抽選を実行させることができる状態(所謂引き戻しの状態)を設定することができる。これにより、確変モードが終了した後、遊技者が即座に遊技をやめてしまうことを抑制することができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。以降、説明の簡略化のため、「特別図柄の低確率状態」、且つ、「普通図柄の時短状態」のことを「引き戻しモード」と称することとする。
まず、図85を参照して、本第2実施形態の変形例における遊技盤13について説明する。図85に示した通り、本変形例では、第1実施形態と同様に、第1入球口64に対して電動役物64aを付随させている。これにより、普通図柄の時短状態に設定される「確変モード」、および「引き戻しモード」では、電動役物64aが開放され易くなり、球を第1入球口64へと入球させ易くなる。よって、本変形例では、第1実施形態と同様に、第1特別図柄の抽選で小当たりとならないように構成されている。
また、可変入賞装置ユニット80の右側に設けられている流路に、第2入球口640と、可変入賞装置650とに加えて、一般入賞口63が設けられている。この一般入賞口63は、球が入球すると1個の賞球が払い出される入賞口として構成されている。また、一般入賞口63の鉛直上方には、貯留弁63aが設けられている。この貯留弁63aは、正面視手前側へと突出する突出状態(図86(a)参照)と、遊技盤13の内側へと埋没する埋没状態(図86(b)参照)とに可変可能に構成されている。貯留弁63aの突出状態では、その上部に球を貯留(停留)させることにより、貯留弁63aへと到達した球が一般入賞口63へと流下することを妨げることができる。一方、貯留弁63aの埋没状態では、貯留弁63aの手前側を球が通過可能となる。即ち、一般入賞口63へと球が流下可能な状態となる。詳細については、図86を参照して後述するが、本変形例では、大当たり中以外の通常時に貯留弁63aが埋没状態(図86(b)参照)に設定され、大当たりの開始時に貯留弁63aが埋没状態(図86(b)参照)から突出状態(図86(a)参照)に可変される。そして、大当たりの終了時に再度、貯留弁63aが突出状態(図86(a)参照)から埋没状態(図86(b)参照)に可変される。
この貯留弁63aの突出状態と、埋没状態とについて、図86を参照してより詳細に説明を行う。図86は、貯留弁63aが突出状態となっている場合を例示した図であり、図86(b)は、貯留弁63aが埋没状態となっている場合を例示した図である。図86(a)に示した通り、大当たりの開始に伴って貯留弁63aが突出状態になると、一般入賞口63の上方に形成された流路が貯留弁63aによって塞がれる。これにより、当該流路に到達した球が、貯留弁63aの上方に、3個を限度として貯留(停留)される。なお、大当たり中は特定入賞口650aへと球を入賞させなければ賞球を得ることができないので、大当たり中はほぼ、遊技者が右打ちを行う。一般入賞口63の上方に形成された流路には、右打ちによって発射された球のうち2個に1個が進行するように釘や風車等が配置されている。よって、ほぼ大当たりの1ラウンド中に、貯留弁63aの情報に球が3個貯留された状態(図86(a)参照)となる。
また、図86(a)に示した通り、貯留弁63aの上方に上限数である3個の球が貯留されている状態で、更に球が右打ちされると、当該右打ちされた球が、貯留弁63aによって貯留されている3個目(最後尾)の球に衝突する場合がある。貯留されている3個目の球に衝突した球は、それまでの流下方向とは反対方向に反射される結果、可変表示装置ユニット80の右側に設けられた流路において、一般入賞口63に対して反対側に設けられている第2入球口640へと入球可能な軌道となる。本第2実施形態の変形例では、大当たりとなったことに基づいて貯留弁63aが貯留状態となり、当該貯留状態が大当たりの終了まで保持される。よって、大当たり中に特定入賞口650aへと球を入球させようとして右打ちを行うと、貯留弁63aの上方に3個の球が貯留された状態となる。貯留弁63aの上方に3個の球が貯留された状態で更に、遊技者が賞球を得るために右打ちを行うと、新たに発射された球が貯留されている球に対して衝突して流下方向が可変される結果、球が第2入球口640へと入球する。これにより、遊技者が大当たり中に賞球を得ようとして右打ちを継続して行うことで、大当たりの終了時に第2特別図柄の保留球が上限数(4個)まで貯まった状態とすることができる。なお、図示については省略したが、貯留弁63aによって3個の球が貯留されている状態において、右打ちにより発射された一部の球は、貯留されている球に衝突(干渉)せずに特定入賞口650aの方向へと流下する。これにより、大当たり中に第2入球口640と、特定入賞口650aとに球を入球させることができる。
図86(b)は、貯留弁63aが埋没状態となっている場合を示した図である。上述した通り、大当たりが終了した場合に突出状態からこの埋没状態へと可変され、次に大当たりとなるまで埋没状態が維持(保持)される。貯留弁63aが埋没状態となっている場合には、一般入賞口63の上方に設けられている流路を球が通過(流下)可能となる。よって、可変表示装置ユニット80の右側に設けられた流路へと発射された球は、埋没状態の貯留弁63aの手前側を通過して一般入賞口63へと入球するか、または、一般入賞口63と第2入球口640との中間に設けられている、特定入賞口650aへと向かう流路を流下する。本変形例では、大当たりが終了してから、次に大当たりとなるまで貯留弁63aが埋没状態となるので、通常時に右打ちを行った球が第2入球口640へと入球することを防止することができる。これにより、通常時に不利な第2特別図柄の抽選が実行されてしまうことを抑制できるので、遊技者にとって不利になりすぎてしまうことを防止(抑制)することができる。
次に、図87を参照して、本変形例における状態の移行方法について説明する。図87に示した通り、本変形例では、上述した第2実施形態において設けられていた4つの状態(通常モード、確変モード、扉突破モード1、扉突破モード2)に加えて、引き戻しモードが設けられている。
引き戻しモードは、特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態が設定される状態である。本変形例では、確変状態の連続回数の上限(リミット)に到達した場合に、大当たり終了後の状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される。このため、本変形例では、扉突破モード2が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態となり、扉突破モード2において第2特別図柄の保留球が0になると、引き戻しモードとなる。
図87の右上に示した通り、引き戻しモードは、大当たりとなるか、大当たりにならずに設定された時短回数(25回)分の特別図柄の抽選が終了した場合に、他のモードへと移行する可能性がある。具体的には、時短回数分の特別図柄の抽選が全て外れになると、通常モードへと移行する。また、引き戻しモードは、特別図柄の低確率状態が設定されており、確変状態の連続回数がリセットされている状態となるため、第1特別図柄の抽選で大当たりになると扉突破モード1に移行する。
なお、本変形例では、普通図柄の時短状態において、第1入球口64に付随する電動役物64aが開放され易くなる。よって、確変モードと、引き戻しモードとは、どちらも電動役物64aの開放制御が同一となるため、見た目から確変モードであるか、引き戻しモードであるかを判別することが困難となる。本変形例では、時短回数が終了して、引き戻しモードから通常モードへと転落した場合に、引き戻しモードだったことを遊技者が認識することができる。言い換えれば、引き戻しモードにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、確変モードにおいて大当たりとなったのか、引き戻しモードにおいて大当たりとなったのか分かり難くなる。よって、引き戻しモードで大当たりとなることにより、あたかも確変状態の連続回数の上限を超えて確変状態が継続しているかのように遊技者に思わせることができる。従って、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、確変モードと引き戻しモードとが電動役物64aの動作等から判別できない構成としたことに伴って、本変形例では、扉突破モード2において第2特別図柄の保留球が全て外れとなった場合にも、扉の突破に成功する演出が実行される。これにより、扉突破モード演出で冒険者811が全ての扉の突破に成功する演出が実行された場合に、扉突破モード1から確変モードへと移行したのか、扉突破モード2から引き戻しモードへと移行したのかを分かり難くすることができる。よって、大当たりと、普通図柄の時短状態が設定されるモード(確変モード、または引き戻しモード)との繰り返しがどこまで続くか分からない斬新な遊技性を実現することができる。
このように、第2実施形態の変形例では、貯留弁63aの上部に球を貯留可能に構成し、貯留弁63aの上部に球が貯留されているか否かに応じて、右打ちされた球が流下する方向を切り替えることが可能に構成している。そして、貯留弁63aに球が貯留されていない場合には、球が第2入球口640へと入球することが困難となる一方で、貯留弁63aによって球が上限個数(3個)貯留されている場合には、貯留されている球によって新たに発射された球の一部の流下方向が切り替えられて、第2入球口640へと入球可能な軌道に変更されるように構成した。このように構成することで、貯留弁63aが埋没状態に設定される通常時に、右打ちを行っても第2入球口640へと球が入球困難となるように構成することができる。また、貯留弁63aが突出状態に設定される大当たり中は、右打ちを行った場合に、球が第2入球口640へと入球可能に構成することができる。よって、大当たりの終了時に第2特別図柄の保留球を上限まで貯めることが可能としつつ、通常時に遊技者に不利な第2特別図柄の抽選が実行されてしまうことを抑制することができる。
また、本第2実施形態の変形例では、確変状態の連続回数が上限となった場合に、特別図柄の抽選が所定回数(25回)実行されるまで継続する普通図柄の時短状態が設定される構成とした。このように構成することで、確変状態の連続回数が上限に到達した場合に、所定回数(25回)の特別図柄の抽選が実行されるまでの間、持ち球を減らさずに特別図柄の抽選を実行させることができる状態(引き戻しモード)を形成することができる。よって、確変状態の連続回数が上限に達し、大当たり後に特別図柄の低確率状態が設定されてしまった場合でも、遊技者が即座に遊技を辞めてしまうことを防止(抑制)することができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
また、引き戻しモードと、確変モードとは、共に普通図柄の時短状態が設定されるので、電動役物64aの動作の見た目等から互いを区別することが困難となるように構成されている。これにより、引き戻しモードで大当たりとなった場合にも、確変モードで大当たりとなったかのように遊技者に思わせることができる。よって、あたかも確変状態の上限を超えて確変状態が継続しているかのように感じさせることができるという斬新な遊技性を提供することができる。
なお、本第2実施形態の変形例では、一般入賞口63の上方に貯留弁63aを設ける構成とし、貯留弁63aの状態によって第2入球口640へと球が入球困難となる状態と、球が入球可能となる状態とを切り替える構成としたが、これに限られるものではない。例えば、一般入賞口63に代えて、第2入球口640の上部に貯留弁63aを設ける構成としてもよい。そして、大当たり中には貯留弁63aが埋没状態に設定されることにより、右打ちした球が第2入球口640に入球可能となるように構成する一方で、大当たり中以外においては、貯留弁63aを突出状態にしておくことにより、第2入球口640に球が入球困難となるように構成してもよい。これにより、一般入賞口63を省略することができるので、パチンコ機10の原価を下げることができる。
本第2実施形態の変形例では、確変状態の連続回数に上限を設定していたが、これに代えて、1の確変状態における特別図柄の抽選回数に上限を設ける構成としてもよい。即ち、確変大当たりになると、大当たり後、例えば特別図柄の抽選が130回実行されるまでの間、特別図柄の確変状態が継続する構成としてもよい。このように構成することで、確変状態の連続回数の上限(リミット)に到達したか否かを判別する必要がなくなるので、大当たりの終了時における処理負荷を低減することができる。また、この場合において、第1特別図柄の大当たりになると、特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態が設定される一方で、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、高確率(例えば、95%の割合)で、賞球をほとんど獲得できない上に、大当たり後に特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の通常状態へと移行する大当たり種別が決定される構成としてもよい。このように構成することで、上記各実施形態と同様に、大当たり中に貯まった第2特別図柄の保留球に基づく抽選で大当たりにならないことを願って遊技を行わせる斬新な遊技性を実現することができる。
<第3実施形態>
次に、図88から図103を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、遊技盤13における正面視右側の流路に、第2入球口640と、特定入賞口65aとを設ける構成としている。正面視右側の流路は、右打ちを行った球のみが流入する可能性がある(左打ちをしても正面視右側の流路に球が流入することはない)ため、第2入球口640も、特定入賞口65aも、共に、右打ちを行うと球が入球可能(入球容易)となり、左打ちを行うと球が入球不可能(入球困難)となる。このため、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、賞球を得るために球を右打ちすると、第2入球口640へも球が入球するため、大当たり後は第2特別図柄の保留球が上限まで貯まった状態にすることができる。これにより、第1特別図柄の大当たりの後に、大当たりになると不利な第2特別図柄の抽選が連続して実行される状態が形成される構成としていた。
これに対して本第3実施形態では、左打ちを行うと球が入球可能(入球容易)となり、右打ちを行うと球が入球不可能(入球困難)になる左特定入賞口656aと、右打ちを行うと球が入球可能(入球容易)となり、左打ちを行うと球が入球不可能(入球困難)になる右特定入賞口657aとの2種類の特定入賞口を設ける構成とした。そして、第1特別図柄の大当たりの種別として、全てのラウンドにおいて左特定入賞口656aのみが開放される(右特定入賞口657aが開放され難い)大当たり種別と、1ラウンド目に左特定入賞口656aが開放され、その他のラウンドで右特定入賞口657aが開放される(右特定入賞口657aが開放され易い)大当たり種別とを設ける構成としている。即ち、大当たり中に右打ちを行う機会が少ない(大当たり中に第2特別図柄の保留球が貯まり難い)大当たり種別と、右打ちを行う機会が多い(大当たり中に第2特別図柄の保留球が貯まり易い)大当たり種別とを設ける構成としている。右打ちを行う機会が少ない(大当たり中に第2特別図柄の保留球が貯まり難い)大当たり種別になれば、大当たり終了時点において存在する保留球の中に大当たりが含まれる可能性も低くなるので、確変モードへと移行する可能性をより高くすることができる。一方、右打ちを行う機会が多い(大当たり中に第2特別図柄の保留球が貯まり易い)大当たり種別になれば、大当たり終了時点において存在する保留球の中に大当たりが含まれる可能性も高くなるので、確変モードへと移行する可能性が比較的低くなる。これにより、大当たりの種別に応じた有利度合いの差をより大きくすることができるので、大当たりとなった場合に、その種別により注目させることができる。よって、大当たり種別が判明するまでの間における遊技者の期待感をより高めることができる。
また、本第3実施形態では、第1特別図柄の大当たり種別に応じた有利度合いの差をより大きくしたことに伴い、変動表示の終了時に第3図柄表示装置81において停止表示される第3図柄の種別によって大当たり種別を示唆する構成とした。より具体的には、ラウンド数が少なく(2ラウンド、または5ラウンド)、1ラウンド目以外で右特定入賞口657aが開放される(第2特別図柄の保留球が貯まり易い)大当たり種別(比較的不利な大当たり種別)となった場合には、偶数の同一の数字を模した主図柄が第3図柄表示装置81の表示画面上に3つ揃うことにより大当たりとなったことが報知される。また、ラウンド数が多く(16ラウンド)、1ラウンド目以外で右特定入賞口657aが開放される(第2特別図柄の保留球が貯まり易い)大当たり種別(比較的不利な大当たり種別)となった場合には、「1〜9」の数字のうち、「7」以外の8種類の数字のいずれかを模した主図柄が表示画面上に3つ揃う報知が行われる。更に、最も有利な大当たり種別(ラウンド数が16ラウンドで、全ラウンドを左打ちで消化する大当たり種別)となった場合には、「1〜9」の数字を模した第3図柄のうちいずれかが揃う可能性がある。つまり、「7」以外の奇数が付された主図柄が3つ揃った場合には、少なくとも16ラウンドの大当たりであることを示し、更に、「7」が付された主図柄が揃った場合には、ラウンド数が16ラウンドであるのに加えて、大当たりの全ラウンドで左打ちを行うことで賞球を獲得可能な大当たり種別であることを意味する。これにより、遊技者に対して変動表示の終了時に表示画面上に揃う主図柄の種別に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
加えて、本第3実施形態では、最も有利な大当たり種別(ラウンド数が16ラウンドで、全ラウンドを左打ちで消化する大当たり種別)となって、変動表示演出において「7」以外の数字が揃った場合には、その後、大当たり中に実行される昇格演出によって「7」揃いに変更される(昇格する)演出が実行される。つまり、最も有利な大当たりでは、変動表示演出、または変動表示演出後の大当たり中に、最も有利な大当たりであることを示す「7」揃いが報知される。同様に、ラウンド数が最も多く(16ラウンド)、1ラウンド目以外で右特定入賞口657aが開放される(第2特別図柄の保留球が貯まり易い)大当たり種別になり、変動表示演出において偶数の数字が揃った場合には、その後、大当たり中に実行される昇格演出によって「7」以外の奇数の数字揃いに変更される(昇格する)演出が実行される。つまり、1ラウンド目以外で右特定入賞口657aが開放される16ラウンド大当たりでは、変動表示演出、または変動表示演出後の大当たり中に、「7」以外の奇数の数字揃いが報知される。更に、1ラウンド目以外で右特定入賞口657aが開放される上に、ラウンド数も少ない(5ラウンド、または2ラウンドの)大当たりでは、変動表示演出によって偶数の数字が揃い、昇格演出に発展した場合にも、奇数に変更される(昇格する)ことなく、偶数の数字が揃ったままの状態となる。このように、昇格演出を設けることにより、変動表示演出において一旦有利度合いが低い大当たり種別に対応する第3図柄の組み合わせ(5ラウンド、又は2ラウンドの大当たりに対応する、偶数の同一の数字を模した第3図柄の組み合わせ等)が停止表示されたとしても、昇格演出によって有利度合いが高い大当たり種別に対応する組み合わせ(最も有利な大当たりに対応する、「7」を模した3つの第3図柄の組み合わせ等)に変更される(昇格する)ことを遊技者に対して期待させることができる。これにより興趣の向上を図ることができる。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、およびRAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図88を参照して、本第3実施形態における遊技盤13の構成について説明を行う。図88に示した通り、本第3実施形態における遊技盤13では、第1実施形態における可変入賞装置65が削除されている代わりに、遊技盤13における左側の流路に左可変入賞装置656を設けると共に、右側の流路に右可変入賞装置657を設けている。遊技盤13の左側の流路に設けられている左可変入賞装置656の内部構造は、第1実施形態における可変入賞装置65と同一である。即ち、左可変入賞装置656の左特定入賞口656aへと入球した球は、左可変入賞装置656の内部の通常排出流路65e1、または特別排出流路65e2のいずれかに振り分けられる。上述した通り、大当たり中に球が特別排出流路65e2へと振り分けられ、確変スイッチ65e3を球が通過すると、大当たりの終了後に特別図柄の確変状態が付与される。一方、右可変入賞装置657は、右特定入賞口657aへの球の入球を検出した場合に11個の賞球を払い出す機能のみを有している。即ち、確変状態を付与するか否かの判断対象となるスイッチ(確変スイッチ65e3)が内部に設けられていない単純な構成の入賞装置となっている。
左可変入賞装置656の左特定入賞口656aは、第1特別図柄の大当たりとなった場合に、1ラウンド目(後述する大当たりA3〜C3の場合)、または全てのラウンド(後述する大当たりD3の場合)で開放される。一方、右可変入賞装置657の右特定入賞口657aは、大当たりA3〜C3となった場合に、2ラウンド目以降に開放される。全てのラウンドで左特定入賞口656aが開放される大当たり種別(大当たりD3)になると、大当たり中に左打ちを行い続けるだけで賞球を得ることができる。即ち、第2入球口640へと球が入球する可能性がある右打ちを行う必要が無いので、大当たりの終了後に、第2特別図柄の抽選で不利な(即ち、確変状態が付与され難い)大当たりとなってしまう可能性が無い(低い)。言い換えれば、大当たりの終了時点で存在する保留球に基づいて大当たり後に実行される抽選で、再度大当たりとなる可能性が無い(低い)。よって、全てのラウンドで左特定入賞口656aが開放される大当たり種別(大当たりD3)となった場合に、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。以降、全てのラウンドで左打ちを行うことにより大当たりを消化することができる大当たり種別のことを、「左打ち大当たり」と称する。これに対し、2ラウンド目以降に右打ちを行うことにより大当たりを消化する大当たり種別のことを、「右打ち大当たり」と称する。
一方、2ラウンド目以降に右可変入賞装置657の右特定入賞口657aが開放される大当たり種別になった場合には、2ラウンド目以降に右打ちをしなければ賞球を獲得することができない(困難になる)ので、大当たり中に第2入球口640へと球が多量に入球する。よって、大当たりの終了時に第2特別図柄の保留球が上限まで貯まった状態にすることができる。大当たりの終了時に第2特別図柄の保留球が多いと、大当たり後に保留球に基づく抽選で大当たりとなる可能性が、左打ち大当たりよりも高くなる。このため、大当たりの終了後は、大当たりになると不利な第2特別図柄の抽選が連続して実行される状態を形成することができるので、第1実施形態と同様に、遊技者に対して、大当たり中に貯まった第2特別図柄の保留球が全て外れ(小当たり)となることを願って遊技を行わせることができる斬新な遊技性を提供することができる。
次に、図89、および図90を参照して、本第3実施形態における表示演出の一種である昇格演出について説明する。本第3実施形態では、上述した通り、「7」の数字が付された主図柄は、左打ち大当たりを報知する変動表示中にのみ揃う可能性がある。また、「7」以外の奇数の数字が付された主図柄は、16ラウンド大当たりを報知する変動表示中に揃う可能性がある。言い換えれば、左打ち大当たりを報知する変動表示や、16ラウンド大当たりを報知する変動表示でも、偶数の数字が付された主図柄が揃う可能性がある。本第3実施形態では、16ラウンド大当たりや、左打ち大当たりを報知する変動表示において、偶数の数字が付された主図柄が揃った場合には、大当たりのオープニング期間〜1ラウンドが終了した後のインターバル期間までに渡って、変動表示において一旦揃った主図柄が、「7」の数字を模した主図柄、又は「7」以外の奇数を模した主図柄に変更される(昇格する)演出が実行される。これにより、変動表示において偶数の数字を模した主図柄が揃った場合にも、大当たり中に昇格演出が実行されて奇数の数字を模した図柄に昇格することを期待させることができる。よって、変動表示において偶数の図柄が揃った場合であっても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを防止(抑制)することができる。また、昇格演出は、昇格に失敗する場合に比較して、昇格に成功する場合の方が実行される割合が高くなるように構成されている。これにより、昇格演出が実行された時点で、遊技者の昇格に対する期待感を向上させることができる。
図89(a)は、昇格演出が設定された大当たりのオープニング期間における第3図柄表示装置81の表示態様の一例を示した図である。図89(a)に示した通り、昇格演出が設定された大当たりのオープニング期間においては、変動表示において揃った第3図柄(図89(a)の例では、「2」を模した主図柄)がそのまま表示され続ける。また、表示画面の中央上部には、「昇格チャンス!!左側に打ちまくれ!!」という文字が表示された表示領域HR5が形成される。また、表示領域HR5の左方には、「左打ち」という文字と、左向きの矢印の画像とが表示された表示領域HR1が表示される。また、表示画面の右下側には、大砲815が表示される。これらの表示内容により、左打ちを行うことによって大砲815を用いた演出が実行されることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、オープニング期間において左打ちを報知する構成としているのは、1ラウンド目に左特定入賞口656aが開放されるからである。オープニング期間中に左打ちを開始させておくことにより、1ラウンド目の開始時に効率良く左特定入賞口656aへと球を入賞させることができる。
図89(b)は、1ラウンド目における表示態様の一例を示した図である。図89(b)に示した通り、1ラウンドの間は、左特定入賞口656aに対する球の入賞(入球)を検出すると、大砲815により第3図柄(「2」を模した主図柄)を砲撃する演出が実行される。図89(b)に示した通り、第3図柄のうち、砲撃された箇所は煙K1により視界が遮られた状態となる。以降も、左特定入賞口656aに対する入球を検出する毎に、第3図柄が砲撃される演出(砲撃演出)が実行されて、煙が増加していく。
図90(a)は、昇格演出が設定された大当たりにおける1ラウンドの終了時の表示態様の一例を示した図である。図90(a)に示した通り、1ラウンドの終了時には、第3図柄の全てを覆い隠すように煙K1〜K7が表示された状態となる。第3図柄が全て覆い隠されることにより、煙が晴れた後で出現する第3図柄が偶数のままであるのか、奇数に昇格しているのかを遊技者に予測させることができるので、遊技者の昇格に対する期待感を向上させることができる。
図90(b)は、左打ち大当たりへの昇格に成功した(つまり、今回の大当たり種別が左打ち大当たりだった)場合における1ラウンド終了後のインターバル期間の表示態様の一例を示した図である。図90(b)に示した通り、左打ち大当たりへの昇格に成功した場合は、煙K1〜K7が晴れた後で、「7」の数字を模した3つの主図柄が出現する演出が実行される。また、表示領域HR5に対して、「超ビッグボーナスに昇格!!」という文字が表示される。これらの表示内容により、遊技者に対して左打ち大当たりとなったことを容易に理解させることができる。よって、遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができる。
なお、16ラウンドの右打ち大当たりを示す図柄(「7」以外の奇数の数字を模した主図柄)に昇格する場合には、表示領域HR5に対して「ビッグボーナスに昇格!!」という文字が表示される。また、昇格に失敗する(つまり、今回の大当たり種別が16ラウンド以外の右打ち大当たりだった)場合には、煙K1〜K7が晴れた後も、主図柄が偶数を模した図柄のまま変更されていない演出を実行すると共に、表示領域HR5に対して「昇格失敗・・・」という文字が表示される。これらの表示内容により、昇格に成功したか否か、および昇格に成功した場合には、その大当たり種別について、遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、分かり易い演出を提供することができる。
また、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、左可変入賞装置656の内部に確変スイッチ65e3を設ける構成とし、左打ち大当たりの場合も、右打ち大当たりの場合も、左可変入賞装置656の左特定入賞口656aを、大当たりの1ラウンド目に開放する構成としている。このように構成することで、左打ち大当たりになった場合も、右打ち大当たりになった場合も、大当たりの1ラウンドのインターバル期間が終了するまでは開放動作を同一にすることができる。よって、左特定入賞口656a、または右特定入賞口657aに注目したとしても、左打ち大当たりであるか、右打ち大当たりであるかを区別することが困難にできる。よって、昇格演出が実行された場合に、演出内容により注目して遊技を行わせることができるので、昇格演出の演出効果を高めることができる。
また、本第3実施形態では、内部に確変スイッチ65e3が設けられている左可変入賞装置656が作動する1ラウンド目において、昇格演出を実行する構成としている。これにより、昇格演出が実行された場合には、左特定入賞口656aへと球が入賞(入球)し、大当たり後に確変状態となることが確定したとしても、昇格するか否かに着目して1ラウンド目における残りの遊技を行わせることができる。
ここで、一般的な遊技機では、確変状態になるか否かに最も注目して大当たり中の遊技を行うものである。即ち、確変スイッチが内蔵されている入賞口へと球が入賞するか否かに最も着目して大当たり中における遊技を行うのが一般的である。しかしながら、確変スイッチを球が通過し、確変状態となることが確定してしまうと、遊技者はその時点で満足してしまい、大当たりにおける残りの遊技が、単に賞球を得るための作業のようになってしまう場合があった。
これに対して本第3実施形態では、大当たりのオープニング期間から1ラウンド目のインターバル期間までの間に渡って、昇格演出を実行可能に構成している。即ち、確変スイッチ65e3を通過した後も、昇格演出が継続する構成としている。このように構成することで、確変スイッチ65e3を球が通過し、確変状態となることが確定した後は、昇格演出の結果に対して注目させることができるので、確変スイッチ65e3を球が通過した後も、演出に注目させることができる。よって、大当たりが単に賞球を得るための作業のようになってしまうことを防止(抑制)できるので、大当たり中の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第3実施形態における電気的構成>
次に、図91、図92を参照して、第3実施形態における主制御装置110に設けられているROM202、およびRAM203の構成について説明する。まず、図91(a)を参照して、ROM202について説明を行う。
図91(a)は、本第3実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図91(a)に示した通り、本第3実施形態におけるROM202は、上述した第1実施形態におけるROM202の構成(図13(a)参照)に対して、開放シナリオ選択テーブル202eが追加されている点で相違している。また、第1当たり種別選択テーブル202bの構成が変更となっている点で相違している。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
まず、図91(b)を参照して、本第3実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。図91(b)に示した通り、本第3実施形態では、第1特別図柄の大当たりとして、大当たりA3〜D3の4種類が設けられている。また、第2特別図柄の大当たり種別として、大当たりE3〜H3の4種類が設けられている。大当たりA3〜C3、およびE3は、それぞれ第1実施形態における大当たりA〜Dに対応する大当たりであり、それぞれラウンド数が16ラウンド、5ラウンド、2ラウンド、および16ラウンドの右打ち大当たりである。即ち、大当たりの1ラウンド目以外のラウンドで右特定入賞口657aが開放される大当たりである。右打ち大当たりでは、2ラウンド目から右特定入賞口657aが開放されるので、2ラウンド目以降は右打ちを行わなければ球を右特定入賞口657aに入賞させて賞球を得ることができない。よって、第1実施形態と同様に、大当たり中に右打ちを行い続けることにより、遊技盤13の右側に設けられている第2入球口640へと球が多量に入球し、大当たりの終了時には不利な第2特別図柄の保留球が上限まで貯まった状態とすることができる。よって、大当たりA3〜C3、およびE3の終了後は、第1実施形態における大当たりA〜Dの終了後と同様に、扉突破モードへと移行させることができる。これにより、大当たりA3〜D3、およびE3の終了後は、第2特別図柄の保留球に基づく特別図柄の抽選で大当たりとならないことを願って遊技を行わせるという斬新な遊技性を提供することができる。
一方で、大当たりD3,H3は、ラウンド数が16ラウンドの左打ち大当たりであり、全てのラウンドで左特定入賞口656aが開放される。左打ち大当たりになると、大当たり中に左打ちを行い続けるだけで賞球を得ることができる。即ち、第2入球口640へと球が入球する可能性がある右打ちを行う必要が無いので、大当たりの終了後に、第2特別図柄の抽選で不利な(即ち、確変状態が付与され難い)大当たりとなってしまう可能性が無い(扉突破モードを経由せずに、直接確変モードへと移行する)。よって、全てのラウンドで左特定入賞口656aが開放される大当たり種別(大当たりD3,H3)となった場合に、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
また、大当たりF3,G3は、第1実施形態における大当たりE,Fに対応する大当たりであり、大当たり中に球が確変スイッチ65e3を通過することが困難となる大当たり種別である。即ち、大当たりの各ラウンドにおいて、右特定入賞口657aが0.2秒間のみ開放される大当たり種別である。右可変入賞装置657には、確変スイッチ65e3が設けられていないので、大当たりF3,G3となった場合に確変スイッチ65e3を球が通過することをより確実に防止することができる。よって、第2特別図柄の抽選をより不利とすることができる。なお、大当たりF3,G3になった場合の各ラウンドで右特定入賞口657aを開放する構成としたことに伴い、本第3実施形態では、小当たりとなった場合にも右特定入賞口657aが開放される構成としている。これにより、右特定入賞口657aが開放された場合に、当該開放が大当たりF3,G3となったことによるものであるか、小当たりとなったことによるものであるかを識別困難とすることができる。よって、右特定入賞口657aの動作から第2特別図柄の大当たりとなったのか否かを識別することが困難にできるので、第1実施形態と同様に、扉突破モード演出の結果により注目させて遊技を行わせることができる。
図91(b)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲には、ラウンド数が16ラウンドの「大当たりA3」が対応付けられて規定され(図91(b)の202b1参照)、「5〜84」の範囲には、ラウンド数が5ラウンドの「大当たりB3」が対応付けて規定され(図91(b)の202b2参照)、「85〜94」の範囲には、ラウンド数が2ラウンドの「大当たりC3」が対応付けて規定され(図91(b)の202b3参照)、「95〜99」の範囲には、ラウンド数が16ラウンドの「大当たりD3」が対応付けて規定されている(図91(b)の202b4参照)。第1当たり種別カウンタC2が取り得る値は、「0〜99」の100個であるので、第1特別図柄の大当たりとなった場合に「大当たりA3」が決定される割合は5%(5/100)である。同様に、「大当たりB3」が決定される割合は80%(80/100)であり、「大当たりC3」が決定される割合は10%(10/100)であり、「大当たりD3」が決定される割合は5%(5/100)である。即ち、第1特別図柄の抽選で右打ち大当たり(大当たりA3〜C3)となる割合は95%であり、左打ち大当たり(大当たりD3)となる割合は5%である。左打ち大当たりとなる割合は、右打ち大当たりとなる割合に対して極めて低いので、有利な左打ち大当たりが報知された場合に、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
また、図91(b)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜3」の範囲には、ラウンド数が16ラウンドの「大当たりE3」が対応付けられて規定され(図91(b)の202b5参照)、「4〜48」の範囲には、ラウンド数が7ラウンドの「大当たりF3」が対応付けて規定され(図91(b)の202b6参照)、「49〜98」の範囲には、ラウンド数が6ラウンドの「大当たりG3」が対応付けて規定され(図91(b)の202b7参照)、「99」には、ラウンド数が16ラウンドの「大当たりH3」が対応付けて規定されている(図91(b)の202b8参照)。よって、第2特別図柄の大当たりとなった場合に「大当たりE3」が決定される割合は4%(4/100)であり、「大当たりF3」が決定される割合は45%(45/100)であり、「大当たりG3」が決定される割合は50%(50/100)であり、「大当たりH3」が決定される割合は1%(1/100)である。即ち、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、確変状態が付与され難い大当たり(大当たりF3,G3のいずれか)が決定される割合は95%となる。よって扉突破モード中に第2特別図柄の大当たりとなってしまった場合には、極めて高い割合(95%)で通常モードへと移行してしまう。また、左特定入賞口656aが開放される(大当たり後に確変状態が付与される)大当たりとなる割合は5%であり、そのうち4%が右打ち大当たり(大当たりE3)、1%が左打ち大当たり(大当たりH3)となる。よって、第2特別図柄の抽選で左打ち大当たりとなった場合には、遊技者に対して非常に幸運だったと思わせることができるので、遊技者に対してより大きな喜びを感じさせることができる。
なお、本第3実施形態では、大当たりE3,H3となった場合にも、昇格演出が実行される可能性がある。大当たりE3,H3はいずれも16ラウンドの大当たりであるため、大当たりE3,H3となり、昇格演出が実行される場合は、変動表示において「7」以外の奇数を模した主図柄が揃う演出が実行された後で、昇格演出において「7」を模した主図柄に昇格するか否かの演出が実行される。大当たりH3は、第2特別図柄の大当たりにおいて1%の割合でしか選択されない希な大当たり種別であるものの、大当たりが報知された段階で、95%の割合を占める大当たりF3,G3の可能性が排除される。つまり、第2特別図柄の抽選において大当たりが報知された時点で、振り分けが4%の大当たりE3であるか、振り分けが1%の大当たりH3であることが確定する。よって、1/5の割合で大当たりH3となるので、最も有利な大当たりとなるチャンスであることを遊技者に認識させることができる。更に、上述した通り、昇格演出は、昇格に成功する場合の方が実行される割合が高くなるように設定されているので、第2特別図柄の抽選で大当たりが報知され、昇格演出に発展した場合に、遊技者の大当たりH3に対する期待感をより高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
次に、図92(a)を参照して、開放シナリオ選択テーブル202eの詳細について説明する。この開放シナリオ選択テーブル202eは、大当たり種別毎に、開放シナリオとして、大当たりの各ラウンドにおいて開放させる特定入賞口の種別(左特定入賞口656a、右特定入賞口657aの何れか)、および開放期間(最大30秒間の長開放、または最大0.2秒間の短開放の何れか)を規定したデータテーブルである。大当たりに当選した場合には、この開放シナリオ選択テーブル202eから、今回当選した大当たり種別に対応する開放シナリオを読み出して、後述する開放シナリオ格納エリア203baに格納する。そして、大当たり中には、開放シナリオ格納エリア203baに格納された開放シナリオに規定されたシナリオに従って、各ラウンドの開放動作を設定する。
図92(a)に示した通り、大当たり種別「大当たりA3」〜「大当たりC3」、および「大当たりE3」(即ち、右打ち大当たり)に対応する開放シナリオとして、1ラウンド目に対して左特定入賞口656aの長開放(最大30秒間)が対応付けて規定され、2ラウンド目以降の各ラウンドに対して右特定入賞口657aの長開放(最大30秒間)が対応付けて規定されている(図92(a)の202e1参照)。これにより、右打ち大当たりになった場合には、1ラウンド目にのみ左特定入賞口656aが開放され、2ラウンド目以降の各ラウンドでは右特定入賞口657aが開放される。よって、2ラウンド目以降は右打ちにより右特定入賞口657aを狙って大当たり中の遊技を行わなければ賞球を得ることができないので、遊技盤13の右側に設けられている第2入球口640へも大当たり中に多量に球が入球する。よって、右打ち大当たりの終了時に第2特別図柄の保留球が上限値になった状態とすることができるので、大当たり終了後に不利な第2特別図柄の抽選が連続して実行される「扉突破モード」を設定することができる。よって、大当たりの終了後に連続して第2特別図柄の抽選に外れ続けることを期待して遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができる。
また、図92(a)に示した通り、大当たり種別「大当たりD3」、および「大当たりH3」(即ち、左打ち大当たり)に対応する開放シナリオとして、全ラウンドに対して左特定入賞口656aの長開放(最大30秒間)が対応付けて規定されている(図92(a)の202e2参照)。これにより、左打ち大当たりでは、全てのラウンドにおいて、左特定入賞口656aを狙って左打ちを行うだけで多量の賞球を得ることができる。つまり、大当たり中に右打ちを行う必要が無いため、大当たり中に第2入球口640へと球が入球してしまう可能性が無い。よって、左打ち大当たりとなった場合には、多くの場合、大当たり終了時に不利な第2特別図柄の保留球数が0個となり、大当たり終了後に「扉突破モード」を介さずに直接最も有利な「確変モード」へと移行させることができる。これにより、左打ち大当たりとなった場合に、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
また、図92(a)に示した通り、大当たり種別「大当たりF3」、および「大当たりG3」に対応する開放シナリオとして、全ラウンドに対して右特定入賞口657aの短開放(最大0.2秒間)が対応付けて規定されている(図92(a)の202e3参照)。これにより、「大当たりF3」、および「大当たりG3」となった場合には、賞球を得ることがほとんどできない上に、左特定入賞口656aに球を入球させて確変スイッチ65e3を球が通過する可能性も無い。つまり、賞球を得ることも、大当たり後に確変状態が付与されることも無い不利な大当たりを形成することができる。
このように、本第3実施形態では、開放シナリオ選択テーブル202eに規定された開放シナリオに沿って開放動作を設定することにより、全ての大当たり種別において、毎回同一の開放動作を正確に設定することができる。
次に、図92(b)を参照して本第3実施形態における主制御装置110のRAM203の構成について説明する。図92(b)は、本第3実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図92(b)に示した通り、本第3実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成(図18参照)に対して、開放シナリオ格納エリア203baが追加されている点で相違している。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
開放シナリオ格納エリア203baは、大当たりに当選し、開放シナリオ選択テーブル202eから今回の大当たり種別に対応する開放シナリオが読み出された場合に、当該開放シナリオを記憶(格納)しておくための記憶領域である。大当たりにおける各ラウンドの開始時には、この開放シナリオ格納エリア203baに格納された開放シナリオと、新たなラウンドのラウンド数とに応じて、開放する特定入賞口の種別(左特定入賞口656a、右特定入賞口657aの何れか)、および開放期間(最大30秒間の長開放、または最大0.2秒間の短開放の何れか)が決定される。
次に、図93を参照して、本第3実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているROM222、およびRAM223の構成について説明する。まず、図93(a)は、本第3実施形態におけるROM222の構成を示したブロック図である。図93(a)に示した通り、本第3実施形態のROM222は、上述した第1実施形態におけるROM222の構成(図20(a)参照)に対して、昇格演出抽選テーブル222bが追加されている点で相違している。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
図93(b)を参照して、昇格演出抽選テーブル222bの詳細について説明する。この昇格演出抽選テーブル222bは、昇格演出の実行可否を判定(抽選)する際に参照されるデータテーブルであり、大当たり種別毎に、昇格演出を実行すると判定される乱数値(演出抽選カウンタ223jの値)の範囲が対応付けて規定されている。
具体的には、図93(b)に示した通り、「大当たりA3」に対しては、演出抽選カウンタ223jの値の範囲として、「0〜49」が対応付けて規定されている(図93(b)の222b1参照)。詳細に付いては後述するが、演出抽選カウンタ223jは、「0〜99」の範囲で値が生成される乱数カウンタとして構成されており、「0〜99」の100個の値を取り得る。よって、「大当たりA3」になった場合に昇格演出が決定される割合は50%(50/100)である。「大当たりA3」(16ラウンドの右打ち大当たり)になり、昇格演出が決定されると、変動表示において偶数の同一の数字を模した主図柄(第3図柄)が3つ揃う演出が実行された後、大当たりにおける昇格演出で「7」以外の同一の奇数の数字を模した主図柄に昇格する演出が実行されて、16ラウンドの右打ち大当たりであることが報知される。一方、昇格演出が決定されなかった場合には、変動表示演出において「7」以外の奇数を模した主図柄が揃う演出が実行される。この場合、大当たり中に昇格演出は実行されずに、通常の大当たり演出(図8参照)が実行される。
また、図93(b)に示した通り、「大当たりB3」、「大当たりC3」、および「大当たりE3」に対しては、演出抽選カウンタ223jの値の範囲として、「0〜19」が対応付けて規定されている(図93(b)の222b2参照)。演出抽選カウンタ223jが取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、昇格演出の実行に対応するカウンタ値(乱数値)が20個規定されているので、「大当たりB3」、「大当たりC3」、および「大当たりE3」のいずれかとなった場合に昇格演出が決定される割合は20%(20/100)である。第1特別図柄の抽選で「大当たりB3」(5ラウンドの右打ち大当たり)、または「大当たりC3」(2ラウンドの右打ち大当たり)となって、昇格演出が決定されると、変動表示において偶数の同一の数字を模した主図柄が3つ揃う演出が実行された後、大当たりにおける昇格演出で昇格に失敗する演出が実行される。なお、昇格演出が決定されなかった場合には、変動表示演出において偶数の数字を模した主図柄が揃う演出が実行された後、昇格演出に発展せずに通常の大当たり演出(図8参照)が実行される。
また、第2特別図柄の抽選で「大当たりE3」(16ラウンドの右打ち大当たり)となって、昇格演出が決定されると、変動表示において「7」以外の同一の奇数の数字を模した主図柄が3つ揃う演出が実行された後、大当たり中に実行される昇格演出で昇格に失敗する演出が実行される。なお、昇格演出が決定されなかった場合には、変動表示において「7」以外の同一の奇数の数字を模した主図柄が揃う演出が実行された後、昇格演出に発展せずに通常の大当たり演出(図8参照)が実行される。
また、図93(b)に示した通り、「大当たりD3」、および「大当たりH3」(16ラウンドの左打ち大当たり)に対しては、演出抽選カウンタ223jの値の範囲として、「0〜79」が対応付けて規定されている(図93(b)の222b3参照)。演出抽選カウンタ223jが取り得る100個のカウンタ値(乱数値)のうち、昇格演出の実行に対応するカウンタ値(乱数値)が80個規定されているので、「大当たりD3」、または「大当たりH3」となった場合に昇格演出が決定される割合は80%(80/100)である。第1特別図柄の抽選で「大当たりD3」になって、昇格演出が決定されると、変動表示において偶数の同一の数字を模した主図柄が3つ揃う演出が実行された後、大当たりにおける昇格演出で「7」の数字を模した主図柄に昇格する演出が実行されて、16ラウンドの左打ち大当たりであることが報知される。また、第2特別図柄の抽選で「大当たりH3」となって、昇格演出が決定されると、変動表示において「7」以外の奇数の同一の数字を模した主図柄が3つ揃う演出が実行された後、大当たりにおける昇格演出で「7」の数字を模した主図柄に昇格する演出が実行されて、16ラウンドの左打ち大当たりであることが報知される。なお、昇格演出が決定されなかった場合には、変動表示演出において「7」の数字を模した主図柄が揃う演出が実行される。この場合、大当たり中に昇格演出は実行されずに、通常の大当たり演出が実行される。
次に、図93(c)のブロック図を参照して、本第3実施形態におけるRAM223の構成について説明する。図93(c)に示した通り、本第3実施形態におけるRAM223の構成は、上述した第1実施形態におけるRAM223の構成(図20(b)参照)に対して、演出抽選カウンタ223jと、昇格演出中フラグ223kとが追加されている点で相違している。その他の構成については、第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
演出抽選カウンタ223jは、昇格演出の実行可否の判定(抽選)等、演出態様の抽選に用いられるカウンタである。この演出抽選カウンタ223jは。「0〜99」の範囲で値が更新される。昇格演出を抽選する際は、昇格演出抽選テーブル222bに規定された乱数値(カウンタ値)のいずれかと、この演出抽選カウンタ223jの値とが一致するかが判別され、値が一致すれば昇格演出の実行が決定される。
昇格演出中フラグ223kは、昇格演出が設定されているか否かを示すフラグである。この昇格演出中フラグ223kがオンであれば、昇格演出が設定されていることを示し、オフであれば、昇格演出が設定されていないことを示す。この昇格演出中フラグ223kは、特別図柄の抽選で大当たりA〜E,Gのいずれかとなった場合に、第3図柄の変動開始時に実行される昇格演出の実行抽選に当選すると、オンに設定される(図103のS5405参照)。また、昇格演出の終了を設定した後でオフに設定される(図101のS4515参照)。
<第3実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図94〜図97のフローチャートを参照して、本第3実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。まず、図94のフローチャートを参照して、本第3実施形態における特別図柄変動処理3(S121)の詳細について説明する。この特別図柄変動処理3(S121)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図28参照)に代えて実行される処理である。
この第3実施形態における特別図柄変動処理3(図94参照)のうち、S201〜S221の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図28参照)のS201〜S221の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第3実施形態における特別図柄変動処理3(図94参照)では、S219の処理が終了すると、次いで、開放シナリオ選択テーブル202eから今回の大当たり種別に対応する開放シナリオを選択するための開放シナリオ選択処理(S241)を実行して、処理をS220へと移行する。この開放シナリオ選択処理(S241)の詳細について、図95を参照して説明する。
図95は、上述した開放シナリオ選択処理(S241)を示すフローチャートである。この開放シナリオ選択処理(S241)では、まず、開放シナリオ選択テーブル202e(図92(a)参照)を読み出して(S1901)、今回の大当たり種別に対応する開放シナリオを特定する(S1902)。次いで、特定した開放シナリオを開放シナリオ格納エリア203baに格納して(S1903)、本処理を終了する。
この開放シナリオ選択処理(図95参照)で特定され、開放シナリオ格納エリア203baに格納された開放シナリオにより、大当たり中の各ラウンドの開放動作を大当たり種別に応じた適切な動作に設定することができる。
次に、図96を参照して、大当たり制御処理3(S1031)について説明する。この大当たり制御処理3(S1031)は、第1実施形態における大当たり制御処理(図37参照)に代えて実行される処理であり、大当たり中の開放動作を制御するための処理である。
この第3実施形態における大当たり制御処理3(図96参照)のうち、S1101〜S1105、およびS1107〜S1112の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図37参照)のS1101〜S1105、およびS1107〜S1112の各処理と同一の処理が実行される。また、本第3実施形態における大当たり制御処理3(図96参照)では、S1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングであると判別すると(S1105:Yes)、第1実施形態における大当たり動作設定処理(図38参照)に代えて、大当たり動作設定処理3を実行し(S1131)、処理を終了する。この大当たり動作設定処理3(S1131)の詳細について、図97を参照して説明する。
図97は、大当たり動作設定処理3(S1131)を示すフローチャートである。この大当たり動作設定処理3(S1131)は、大当たりのラウンド数に応じた開放動作を設定するための処理である。この第3実施形態における大当たり制御処理3(S1131)のうち、S1202〜S1204の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり動作設定処理(図38参照)のS1202〜S1204の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第3実施形態における大当たり動作設定処理3(図97参照)が実行されると、まず、開放シナリオ格納エリア203baに格納されている開放シナリオのデータを読み出して(S1211)、読み出したデータに基づいて、今回のラウンドで開放する特定入賞口の種別(左特定入賞口656a、または右特定入賞口657a)、および開放時間を特定する(S1212)。次に、S1212の処理で特定した種別の特定入賞口(左特定入賞口656a、または右特定入賞口657a)の開放を設定すると共に(S1213)、S1212の処理で特定した開放時間を今回開始するラウンドのラウンド時間として設定して(S1214)、処理をS1202へと移行する。
この大当たり動作設定処理3(図97参照)を実行することにより、開放シナリオ格納エリア203baに格納されている開放シナリオに応じて、ラウンド毎に正確に開放動作を設定することができる。
<第3実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次いで、図98〜図103を参照して、第3実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図98を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU201により実行される大当たり関連処理3(S4221)について説明する。この大当たり関連処理3(S4221)は、第1実施形態における大当たり関連処理(図48参照)に代えて実行される処理である。
この第3実施形態における大当たり関連処理3(図98参照)のうち、S4401,S4403,S4404,S4405,S4407、およびS4408の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり関連処理(図48参照)のS4401,S4403,S4404,S4405,S4407、およびS4408の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第3実施形態における大当たり関連処理3(図98参照)では、S4401の処理においてオープニングコマンドを受信したと判別した場合に(S4401:Yes)、次いで、昇格演出が設定されているか否かに応じて対応するオープニング演出を設定するためのオープニングコマンド処理を実行し(S4411)、本処理を終了する。このオープニングコマンド処理(S4411)の詳細については、図99を参照して後述する。
また、本第3実施形態における大当たり関連処理3(図98参照)では、S4403の処理において主制御装置110から受信したコマンドの中にラウンド数コマンドが含まれていないと判別した場合に(S4403:No)、次いで、主制御装置110から受信したコマンドの中に入賞コマンドが含まれているかを判別する(S4412)。S4412の処理において、入賞コマンドが含まれていると判別した場合は(S4412:Yes)、昇格演出の実行中であるか否かに応じた態様で、特定入賞口(左特定入賞口656a、または右特定入賞口657a)に対する入賞を検出した際の入賞演出を設定するための入賞コマンド処理を実行し(S4413)、処理を終了する。この入賞コマンド処理(S4413)の詳細については、図100を参照して後述する。一方、S4412の処理において、入賞コマンドが含まれていないと判別した場合は(S4412:No)、処理をS4405へと移行する。
また、本第3実施形態における大当たり関連処理3(図98参照)では、S4405の処理において、閉鎖コマンドを受信したと判別した場合に(S4405:Yes)、第1実施形態における閉鎖コマンド処理(図49参照)に代えて、閉鎖コマンド処理3を実行して(S4414)、本処理を終了する。この閉鎖コマンド処理3(S4414)の詳細については、図101を参照して後述する。
次に、図99を参照して、上述したオープニングコマンド処理(S4411)の詳細について説明する。図99は、このオープニングコマンド処理(S4411)を示したフローチャートである。
このオープニングコマンド処理(図99参照)では、まず、昇格演出中フラグ223kがオンであるかを判別し(S5201)、昇格演出中フラグ223kがオンであると判別した場合は(S5201:Yes)、昇格演出に対応するオープニング演出(図89(a)参照)を決定し(S5202)、処理をS5204へと移行する。一方、S5201の処理において、昇格演出中フラグ223kがオフであると判別した場合は(S5201:No)、今回の大当たり種別に応じた態様のオープニング演出を決定し(S5203)、処理をS5204へと移行する。なお、大当たり種別に応じた態様とは、大当たりF3,G3の場合は、扉突破モード演出が継続しているかのような態様の演出である。一方、大当たりF3,G3以外の大当たり種別の場合には、大当たりとなったことが報知される態様の演出である。
S5204の処理では、S5202、またはS5203の処理で決定されたオープニング演出の態様を示す表示用オープニングコマンドを設定して(S5204)、本処理を終了する。このオープニングコマンド処理を実行することで、昇格演出が設定されているか否かに応じて適切な態様のオープニング演出を実行することができる。
次いで、図100のフローチャートを参照して、上述した入賞コマンド処理(S4413)の詳細について説明する。この入賞コマンド処理(S4413)が実行されると、まず、昇格演出中フラグ223kがオンであるかを判別し(S5301)、昇格演出中フラグ223kがオンであると判別した場合は(S5301:Yes)、主図柄に対して大砲815により砲撃を行う砲撃演出(図89(b)参照)を実行して(S5302)、本処理を終了する。一方、S5301の処理において、昇格演出中フラグ223kがオフであると判別した場合は(S5301:No)、通常の態様の入賞演出を設定して(S5303)、本処理を終了する。なお、通常の態様の入賞演出とは、賞球の獲得を示唆する演出を示し、例えば、金貨を獲得する演出が実行されたり、「GET」という文字が表示される演出が実行される。
この入賞コマンド処理(図100参照)を実行することにより、昇格演出が設定されている大当たりの1ラウンドにおいて、球が左特定入賞口656aへと入球する毎に、砲撃演出により主図柄を段階的に煙の画像で隠していくことができる。主図柄が隠されて、昇格するのかしないのかが分からない演出を実行することにより、遊技者の昇格に対する期待感をより高めることができる。
なお、本第3実施形態では、昇格するかしないかの報知を、1ラウンドが終了した後のインターバル期間で実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、左特定入賞口656aへと球が入球する毎に、結果を報知するか否かの抽選を実行し、抽選に当選した場合には1ラウンドの終了条件(7個以上の球が入賞、または30秒が経過)が成立していなくても結果を報知する構成としてもよい。また、例えば、昇格演出の実行が決定された時点で、何回目の左特定入賞口656aへの入賞で昇格演出の結果を報知するかも合わせて抽選により決定する構成としてもよい。このように構成することで、球が左特定入賞口656aへと入賞する毎に、昇格が報知されることを期待させることができるので、昇格演出が設定されている大当たりの1ラウンド目における遊技者の興趣をより向上させることができる。更に、1ラウンド目の終了条件が成立していなくても昇格演出の結果を報知可能に構成する場合において、終了条件が成立する前に結果を報知するのは昇格する場合に限る構成としてもよい。即ち、昇格に失敗する場合には、必ず1ラウンド目が終了した後のインターバル期間で昇格失敗が報知される構成とする一方で、昇格に成功する場合には、所定割合で、左特定入賞口656aに対する入賞の上限個数未満の入賞回数で報知を行う構成としてもよい。このように構成することで、左特定入賞口656aへの入賞毎に昇格が報知されることを期待させつつ、昇格に失敗する場合には、より長く(1ラウンドの終了まで)昇格に対する期待感を持続させることができる。
次に、図101のフローチャートを参照して、閉鎖コマンド処理3(S4414)の詳細について説明する。この閉鎖コマンド処理3(S4414)は、上述した通り、第1実施形態における閉鎖コマンド処理(図49参照)に代えて実行される処理である。
この第3実施形態における閉鎖コマンド処理3(図101参照)のうち、S4502〜S4505の各処理では、それぞれ第1実施形態における閉鎖コマンド処理(図49参照)のS4502〜S4505の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第3実施形態における閉鎖コマンド処理3(図101参照)が開始されると、まず、昇格演出中フラグ223kがオンであるか否かを判別する(S4511)。S4511の処理において、昇格演出中フラグ223kがオンであると判別した場合は(S4511:Yes)、昇格演出が設定されている大当たりの1ラウンド目の終了条件が成立したことを意味する。即ち、昇格演出の結果を報知するタイミングであることを意味するので、次に、実行中の大当たりが大当たりB3,C3、またはE3のうち何れかであるかを判別する(S4512)。S4512の処理において、大当たりB3,C3、またはE3の何れでもないと判別した場合には(S4512:No)、今回昇格演出が設定されている大当たり種別が大当たりA3,D3、またはH3であることを意味する。つまり、昇格に成功する大当たり種別であることを意味するので、この場合は昇格成功を報知する態様のインターバル演出(図90(b)参照)を設定して(S4513)、処理をS4515へと移行する。
一方、S4512の処理において、実行中の大当たりが大当たりB3,C3、またはE3の何れかであると判別した場合には(S4512:Yes)、昇格に失敗する大当たり種別であることを意味するので、昇格失敗を報知する態様のインターバル演出を設定して(S4514)、処理をS4515へと移行する。S4515の処理では、昇格演出中フラグ223kをオフにすることで昇格演出の終了を設定し(S4515)、本処理を終了する。
また、本第3実施形態における閉鎖コマンド処理3(図101参照)では、S4511の処理において、昇格演出中フラグ223kがオフであると判別した場合は(S4511:No)、次いで、実行中の大当たりが大当たりF3又はG3であるか否かを判別する(S4516)。S4516の処理において、実行中の大当たりが大当たりF3又はG3のいずれかであると判別した場合には(S4516:Yes)、処理をS4502へと移行する。一方、S4516の処理において、実行中の大当たりが大当たりF3またはG3のどちらでもないと判別した場合は(S4516:No)、ラウンド数に応じた態様のインターバル演出を設定して(S4517)、処理を終了する。
この閉鎖コマンド処理3(図101参照)を実行することにより、昇格演出の終了条件が成立した(1ラウンドの終了タイミングとなった)場合に、大当たり種別に応じて適切な態様の結果を報知することができる。
次に、図102を参照して、変動表示設定処理3(S4131)の詳細について説明する。この変動表示設定処理3(S4131)は、第1実施形態における変動表示設定処理(図52参照)に代えて実行される処理である。この第3実施形態における変動表示設定処理3(S4131)のうち、S4801〜S4809の各処理では、それぞれ第1実施形態における変動表示設定処理(図52参照)のS4801〜S4809の各処理と同一の処理が実行される。
また、本第3実施形態における変動表示設定処理3(図101参照)では、S4803の処理が終了すると、昇格演出の実行可否を判定(抽選)するための昇格演出抽選処理を実行して(S4821)、処理をS4804へと移行する。この昇格演出抽選処理(S4821)の詳細について、図103を参照して説明する。
昇格演出抽選処理(図103参照)では、まず、今回の変動パターンが、大当たりA3〜E3,H3の何れかを報知する変動パターンであるかを判別し(S5401)、大当たりA3〜H3,E3の何れかを報知する変動パターンでない(即ち、外れ、若しくは大当たりF3,G3のいずれかである)と判別した場合には(S5401:No)、昇格演出を実行する可能性が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S5401の処理において、大当たりA3〜E3,H3の何れかを報知する変動パターンであると判別した場合は(S5401:Yes)、昇格演出の実行可否を抽選するための処理を実行する。具体的には、まず、昇格演出抽選テーブル222bを読み出して(S5402)、読み出したテーブルのうち、今回の大当たりの種別に対応するカウンタ値(乱数値)の範囲に、演出抽選カウンタ223jの値に一致する値があるかを判別することにより昇格演出の実行可否を判定(抽選)する(S5403)。そして、S5403の処理による判定(抽選)で、昇格演出の実行が決定されたかを判別する(S5404)。
S5404の処理において、昇格演出の実行が決定されなかったと判別した場合は(S5404:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S5404の処理において、昇格演出の実行が決定されたと判別した場合は(S5404:Yes)、昇格演出中フラグ223kをオンに設定することで昇格演出の実行を示し(S5405)、次いで、今回の大当たり種別が大当たりE3,H3のいずれかであるかを判別する(S5406)。
S5406の処理において、大当たりE3でもH3でもないと判別した場合は、第1特別図柄の大当たりとなって昇格演出の実行が決定されたことを意味するので、偶数を模した第3図柄を、変動停止時の停止図柄に設定して(S5407)、本処理を終了する。一方、S5406の処理において、大当たりE3,H3のいずれかであると判別した場合は(S5406:Yes)、第2特別図柄の大当たりとなって昇格演出の実行が決定されたことを意味するので、「7」以外の奇数を模した第3図柄を、変動停止時の停止図柄に設定して(S5408)、本処理を終了する。
この昇格演出抽選処理(図103参照)により、昇格演出の実行可否の判定(抽選)、および昇格演出に当選した場合における停止図柄の設定を行うことができる。
以上説明した通り、本第3実施形態におけるパチンコ機10では、左打ちを行うと球が入球可能(入球容易)となり、右打ちを行うと球が入球不可能(入球困難)になる左特定入賞口656aと、右打ちを行うと球が入球可能(入球容易)となり、左打ちを行うと球が入球不可能(入球困難)になる右特定入賞口657aとの2種類の特定入賞口を設ける構成としている。大当たり中に左特定入賞口656aへと球が入球した場合には、賞球が払い出される上に、左可変入賞装置656の内部の確変スイッチ65e3を球が通過することで、大当たり後に特別図柄の確変状態が付与される。一方、右特定入賞口657aへと球が入球した場合には、左特定入賞口656aへと球が入球した場合と同一の個数の賞球が払い出されるが、大当たり後に設定される遊技状態に影響を及ぼすことはない。また、本第3実施形態では、大当たりの種別として、全てのラウンドにおいて左特定入賞口656aのみが開放される左打ち大当たり(全てのラウンドで右打ちよりも左打ちを行った方が賞球を多く獲得し易くなる大当たり)と、1ラウンド目に左特定入賞口656aが開放され、その他のラウンドで右特定入賞口657aが開放される(右特定入賞口657aが開放され易い)右打ち大当たり(2ラウンド目以降は左打ちよりも右打ちを行った方が賞球を多く獲得しやすくなる大当たり)とを設ける構成としている。左打ち大当たりでは、大当たり中に右打ちをしなくてもよい(右打ちを行う機会が少ない)ので、大当たり中に第2特別図柄の保留球が貯まり難くなる一方で、右打ち大当たりでは、2ラウンド目以降に右打ちを行わなければ賞球を獲得することができない(困難になる)ので、大当たり中に第2特別図柄の保留球が貯まり易くなる。よって、左打ち大当たりとなった場合は、大当たりの終了後に不利な第2特別図柄の抽選が実行され難くなる(大当たりの終了時点で第2特別図柄の大当たりが保留されている可能性が低くなる)一方で、右打ち大当たりとなった場合には、大当たりの終了後に不利な第2特別図柄の抽選が実行され易くなる(大当たりの終了時点で第2特別図柄の大当たりが保留されている可能性が左打ち大当たりよりも高くなる)。これにより、左打ち大当たりの終了後は、次の大当たりとなるまで安心して遊技を行わせることができる。一方、右打ち大当たりの終了後は、第2特別図柄の保留球に基づく不利な第2特別図柄の抽選が全て終了するまで、大当たりにならないことを期待して遊技を行わせることができる。このように、本第3実施形態では、大当たり種別に応じて、大当たり終了後の遊技性を切り替えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。また、大当たりのラウンド数や大当たり後に設定される遊技状態に加え、大当たり後における第2特別図柄の抽選の実行され易さ(保留内連荘のし易さ)も大当たり種別に応じて可変させることができる。これにより、大当たり種別毎の有利度合いの差をより大きくすることができる。よって、最も有利な左打ち大当たりとなった場合に、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。
また、本第3実施形態では、大当たりのオープニング期間から1ラウンド目のインターバル期間までの間に渡って、昇格演出を実行可能に構成している。即ち、確変スイッチ65e3を通過した後も、昇格演出が継続する構成としている。このように構成することで、確変スイッチ65e3を球が通過し、確変状態となることが確定した後は、昇格演出の結果に対して注目させることができるので、確変スイッチ65e3を球が通過した後も、演出に注目させることができる。よって、大当たりが単に賞球を得るための作業のようになってしまうことを防止(抑制)できるので、大当たり中の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第3実施形態では、右打ち大当たりでも、左打ち大当たりでも、大当たりの1ラウンド目に左特定入賞口656aが開放される構成としていたが、これに限られるものではなく、右打ち大当たりの場合に左特定入賞口656aが開放されるラウンド、および回数は任意に定めてもよい。なお、右打ち大当たりで1ラウンド目以外のラウンドで左特定入賞口656aが開放される構成とする場合には、1ラウンド目に右特定入賞口657aが開放されることにより、1ラウンド目の開始時点で大当たり種別が分かってしまう。よって、昇格演出は、大当たり種別が不明となっている間のオープニング期間で実行すれば良い。
本第3実施形態では、左可変入賞装置656と、右可変入賞装置657との2種類の可変入賞装置を遊技盤13の左右にそれぞれ設ける構成としていたが、第1実施形態と同様に、遊技盤13の右側にのみ可変入賞装置を設ける構成としてもよい。そして、第2入球口640の上流に、上述した第2実施形態の変形例と同様に貯留弁63aを設ける構成としてもよい。そして、左打ち大当たり、右打ち大当たりを設ける代わりに、大当たり中に貯留弁63aの貯留状態が維持される(即ち、大当たり中に右打ちを行っても第2入球口640へと球が到達不可能な)大当たり種別と、貯留状態が解除される(即ち、大当たり中に右打ちを行うと第2入球口640へと球が到達可能な)大当たり種別とを設ける構成としてもよい。このように構成することで、可変入賞装置の個数を削減することができるので、パチンコ機10の原価率を低減することができる。
本第3実施形態では、昇格演出として、大砲815で第3図柄を砲撃する演出を実行する構成としたが、昇格演出の演出態様はこれに限られるものではない。昇格に成功する態様と、失敗する態様との2種類の態様を遊技者に分かり易く報知できる演出であれば任意の演出態様に設定してもよく、例えば、扉突破モード演出時に表示される冒険者811が第3図柄に攻撃を行うことで、図柄を昇格させようとする演出を実行してもよい。また、昇格演出は、第3図柄を昇格させる演出に限られるものではない。第3図柄を表示させずに、例えば、冒険者811と敵とがバトルを行う演出を行って、敵に勝利することにより左打ち大当たりを報知する構成としてもよい。これにより、演出の自由度をより高めることができる。
本第3実施形態では、昇格演出の結果を報知するタイミングを、1ラウンド目の終了タイミングに設定していたが、これに限られるものではない。例えば、左特定入賞口656aに所定個数(例えば、5個)の球が入賞したことを契機として、昇格演出の結果を報知する構成としてもよい。また、結果を報知する契機となる入賞個数は固定である必要はなく、例えば、抽選により定める構成としてもよい。なお、この場合において、左打ち大当たりの場合に選択される割合が高い入賞個数や、右打ち大当たりの場合に選択される割合が高い入賞個数を設定してもよい。このように構成することで、昇格演出の結果が報知されるタイミングにより早期に大当たり種別(左打ち大当たりであるか、右打ち大当たりであるか)を察知したいと考える遊技者に対して、左特定入賞口656aへと入賞(入球)した遊技球の個数に注目して遊技を行わせることができる。よって、大当たりの1ラウンド目における遊技者の興趣をより向上させることができる。
本第3実施形態では、大当たりとなった場合に抽選により昇格演出を実行するか否かを判別する構成としていたが、これに限られるものではなく、必ず昇格演出を実行する構成としてもよい。これにより、昇格演出の抽選処理を省略することができるので、音声ランプ制御装置113の処理負荷を軽減することができる。また、例えば、右打ち大当たりとなった場合には、必ず昇格に失敗する態様の昇格演出を実行する構成とし、左打ち大当たりとなった場合には、抽選により変動表示演出において「7」の数字を模した第3図柄を確定表示させるか、一旦偶数の数字を模した主図柄を表示させておいて、昇格演出により「7」の数字を模した第3図柄に昇格させるかを決定する構成としてもよい。このように構成することで、右打ち大当たりとなった場合に、毎回昇格に期待して大当たり中の遊技を行わせることができる。更に、全ての大当たり種別で、昇格演出を実行せずに、必ず変動表示演出で大当たり種別に対応する第3図柄を確定表示させる構成としてもよい。これにより、大当たりのオープニング期間や1ラウンド目において任意の演出を実行することができるので、演出の自由度を高めることができる。
本第3実施形態では、第1特別図柄の抽選で左打ち大当たりとなり、昇格演出を実行する場合には、必ず変動表示演出では偶数の数字を模した第3図柄を確定表示させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、「7」以外の奇数の数字を模した第3図柄を確定表示させ、昇格演出により「7」の数字を模した主図柄に昇格させる構成としてもよい。また、本第3実施形態では、昇格演出を大当たりのオープニング期間から大当たりの1ラウンドに渡って実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たりを報知する変動表示演出の変動期間内で昇格演出を実行する構成としてもよいし、変動期間と、大当たりのオープニング期間とに渡って昇格演出を実行する構成としてもよい。
本第3実施形態では、昇格演出を、左打ち大当たりであるか、右打ち大当たりであるかを報知するための演出として実行する構成としていたが、左打ち大当たり、右打ち大当たりの区別がないパチンコ機10(例えば、確変大当たりと、通常大当たりとが存在する一般的な遊技機)に適用する構成としてもよい。より具体的には、例えば、確変大当たりとなった場合には、変動表示演出により偶数の数字を模した第3図柄、または奇数の数字を模した第3図柄が確定表示されるように構成する一方で、通常大当たりとなった場合には、変動表示演出により偶数の数字を模した第3図柄が確定表示されるように構成する。そして、確変大当たりで、且つ、偶数の数字を模した第3図柄が確定表示された場合には、その後に奇数の数字を模した第3図柄に昇格する昇格演出を実行する構成としてもよい。一方、通常大当たりの場合には、昇格に失敗する態様の昇格演出を所定の割合で実行する構成としてもよい。これにより、昇格演出の汎用性を高めることができる。
本第3実施形態では、左可変入賞装置656の内部にのみ確変スイッチ65e3を設ける構成とし、大当たり中に左可変入賞装置656へと球を入球させなければ大当たり後に特別図柄の確変状態が付与されない構成としていた。即ち、右打ち大当たりの場合でも1ラウンド目は左打ちにより左可変入賞装置656を狙って遊技を行う構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、右可変入賞装置657の内部にも、左可変入賞装置656と同様に確変スイッチ65e3を設ける構成としてもよい。そして、右打ち大当たりとなった場合には、全ラウンドで右可変入賞装置657のみが入球可能な状態となるように構成してもよい。このように構成することで、右打ち大当たりとなった場合に1ラウンド目のみ左打ちにより確変スイッチ65e3に球を通過させると共に賞球を獲得し、残りのラウンドでは球の発射を停止するという遊技方法が行われることを防止できる。即ち、右打ち大当たりの間に第2入球口640へと球が入球することを避ける目的で、左特定入賞口656aが入球可能となるラウンド(1ラウンド目)でのみ球を打ち出すという変則的な遊技方法を抑制できる。この変則的な遊技方法を実行した場合、右打ち大当たりで得られる賞球は少ない(1ラウンド分しか得られない)ものの、不利な第2特別図柄の抽選が実行されることがないため、通常モードに転落することがない。よって、確変状態が半永久的に継続してしまい、ホールに対して不測の不利益を与えてしまう虞がある。これに対して、右打ち大当たりでは右可変入賞装置657のみが入球可能に設定される構成とすることで、上述した変則的な遊技方法を根本的に成り立たなくすることができる。よて、ホールに対して不測の不利益を与えてしまうことを防止できる。
本第3実施形態では、大当たり種別に応じて、大当たり中における第2入球口640に対する球の入球し易さを異ならせることにより、大当たりの終了時点で保留されている保留球の中に大当たりが含まれる可能性(所謂、保留内連荘が発生する可能性)を可変させる構成としていた。即ち、球を発射することで賞球を得ることができる方向を、大当たり種別に応じて切り替えることにより、物理的に保留内連荘が発生する可能性を異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、制御的に保留内連荘の発生し易さを可変させる構成としてもよい。より具体的には、例えば、第1実施形態と同様に、遊技盤13の右側にのみ大当たり中に賞球を獲得するための特定入賞口を設ける構成とした上で、特別図柄の確変状態となる抽選回数を、大当たり種別に応じて異ならせる(例えば、確変状態となる抽選回数が1回となる大当たりと、4回となる大当たりとを設ける)構成としてもよい。このように構成することで、確変状態となる抽選回数が1回となる大当たり種別の場合には、2回目以降の特別図柄の抽選で大当たりとなる確率が低くなるため、1回目の抽選さえ外れとなれば、保留球に基づく全ての抽選で外れとなる可能性が高くなる。これに対し、確変状態となる抽選回数が4回の場合は、第2特別図柄の保留球に基づく全ての抽選が、特別図柄の確変状態で実行されるため、大当たり終了時点において保留されている保留球に基づく抽選で大当たりとなる可能性が高くなる。よって、1の可変入賞装置のみで、上述した第3実施形態と同様の動作を実現することができる。なお、本変形例のように、大当たり種別に応じて予め定められた抽選回数で確変状態を終了させる構成とした場合には、例えば、第2特別図柄の保留球に基づく抽選が全て外れとなった場合の特典として、普通図柄の時短状態となるように構成すればよい。つまり、特別図柄の確変状態となる抽選回数と、普通図柄の時短状態となる抽選回数とを異ならせ、特別図柄の確変状態となる抽選回数によらず、例えば、100回の特別図柄の抽選が終了するまでに渡って普通図柄の時短状態となるように構成すればよい。なお、この場合において、より有利な大当たり種別として、特別図柄の確変状態が付与されず、時短状態のみが付与される大当たり種別を設ける構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了後に実行される第2特別図柄の保留球に基づく抽選を、全て特別図柄の低確率状態で行うことができるので、第2特別図柄の抽選が全て外れとなる可能性をより高めることができる。
本第3実施形態では、大当たり中に第2特別図柄の保留球が貯まり易い大当たり種別と、貯まり難い大当たり種別とを設ける構成とすることにより、大当たり終了時点で保留されている保留球で再度大当たりとなる可能性を大当たり種別毎に異ならせる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、大当たり中に普通図柄の保留球が貯まり易い大当たり種別と、大当たり中に普通図柄の保留球が貯まり難い大当たり種別とを設ける構成とすることにより、大当たり終了時点における普通図柄の保留球数を異ならせ、大当たり後に普通図柄の当たりが発生する可能性を可変させる構成としてもよい。また、大当たり後における普通図柄の当たり確率を大当たり種別に応じて異ならせることにより、大当たり終了後の所定期間(例えば、大当たり終了時点における普通図柄の保留球を全て消化するまでの間)に普通図柄の当たりに当選する割合を大当たり種別に応じて異ならせる構成としてもよい。このように構成した場合も、大当たり種別に応じて遊技者の有利度合いを異ならせることができるので、大当たり種別に注目して遊技を行わせることができる。
本第3実施形態では、昇格演出が設定された場合に、1ラウンド目において球が特定入賞口656aへと入球し、大当たり後に特別図柄の確変状態となることが確定した後も、球が左特定入賞口656aへと入球する毎に、昇格するか否かの期待感を煽る演出(第3図柄を砲撃する演出)を実行する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、昇格演出を大当たりのオープニング期間において実行する構成としてもよい。そして、大当たりの1ラウンド目においては、左特定入賞口656aが開放されるラウンドであることを示す演出(例えば、「V」の文字を模した画像が表示される演出)を実行する構成としてもよい。このように構成することで、大当たりが開始されたことに遊技者が気付かず、昇格演出の結果を見続けてしまい、左特定入賞口656aへと球を入球させ損ねてしまう(確変の大当たりにも拘らず、大当たり後に確変状態が付与されなくなってしまう)ことを防止することができる。また、例えば、大当たりの1ラウンド目では、左特定入賞口656aが開放されるラウンドであることを示す演出が、1ラウンド目の間(球が左特定入賞口656aへと入球した後も)、実行され続ける構成とし、1ラウンドが終了してから昇格演出を実行する構成としてもよい。このように構成した場合も、左特定入賞口656aへと球を入れ損なってしまうことを防止できるので、遊技者が過剰に不利となってしまうことを抑制できる。更に、昇格演出を全く実行せず(即ち、変動表示において大当たり種別に対応する第3図柄の組み合わせが必ず停止表示される構成とし)、大当たり中は左特定入賞口656aが開放されるラウンドであるか否かを示す演出を、各ラウンドの間中実行し続ける構成としてもよい。これにより、遊技者が球を打ち出す方向を誤ってしまうことを寄り確実に防止できる。
本第3実施形態では、左可変入賞装置656の内部へと入球させた球が、確変スイッチ65e3を通過した場合に、大当たり終了後に確変状態に移行するスペックのパチンコ機10について、大当たりの1ラウンド目において左特定入賞口656aへと入賞し、確変状態が確定した後で、昇格演出の結果を報知する構成としていたが、昇格演出を適用することができるスペックは、これに限られるものではない。所定の契機で、遊技者にとって有利な状態と、その有利な状態に比較して不利な状態とのどちらかに移行する場合があるスペックであれば、昇格演出を適用することができる。例えば、遊技盤に設けられている可変入賞装置の内部の特定領域に球が入球した場合に、大当たりが付与されるスペックのパチンコ機10に対して昇格演出を適用する構成としてもよい。即ち、始動入賞に基づく抽選では、可変入賞装置に球が入球し易い状態とするか否か(可変入賞装置の可動可否)の抽選を行うものとし、可変入賞装置の可動可否の抽選に当選した場合でも、可変入賞装置に球を入球させて特定領域に球が入球しなければ大当たりが付与されないスペックである。このスペックにおいて、特定領域に球が入球した場合に付与される大当たりの種別を、特定領域へと球が入球して大当たりが確定した後で報知する構成としてもよい。より具体的には、可変入賞装置の可動可否の抽選に当選した時点で、特定領域へと入球した場合に付与される大当たり種別の抽選、および昇格演出の実行可否を抽選する。そして、昇格演出の抽選に当選した場合には、有利な大当たり種別に当選していたとしても、不利な大当たり種別に対応する第3図柄の組み合わせ(例えば、偶数の同一の数字)を表示させる。そして、可変入賞装置が可動されて球が入球可能となっている間に球を可変入賞装置に入球させ、特定領域へと球を入球させた場合に、本来の大当たり種別に対応する第3図柄の組み合わせを表示させる(例えば、奇数の同一の数字に昇格するか、または偶数の同一の数字のまま維持される)演出を実行する。このように構成することで、特定領域へと球が入球した後も、昇格演出によって有利な大当たり種別が報知されることを期待して演出に注目させることができる。よって、特定領域へと入球してから大当たりが終了するまでの間の遊技が、単に賞球を得るための作業のようになってしまうことを抑制できる。つまり、遊技が単調となってしまうことを防止できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、例えば、確変スイッチ65e3が設けられていない(大当たり種別に応じて大当たり後の遊技状態が予め定められている)パチンコ機10において、大当たり終了後の遊技状態を昇格演出によって報知可能に構成してもよい。つまり、大当たり中は、大当たり後に時短状態と確変状態とのどちらが設定さるのかを遊技者が識別困難に構成した上で、時短状態が設定される場合と、確変状態が設定される場合の一部とで、大当たり終了時に時短状態となったことを報知する。そして、確変状態が設定されていた場合には、大当たり終了後に昇格演出を実行すると共に、所定の契機(例えば、所定数の始動入賞を検出した場合)に基づいて昇格演出の結果として確変状態に昇格する演出を実行する構成としてもよい。また、大当たり終了後の遊技状態として時短状態が設定されて昇格演出が実行された場合には、所定の契機に基づいて確変状態への昇格に失敗する演出を実行してもよい。また、小当たりと、所謂、突確とで特定入賞口に対して同一の開放パターンが設定されるパチンコ機10について、一旦小当たりであることを報知しておいて、突確に当選していた場合は昇格演出により所定契機で突確への昇格を報知する構成としてもよい。更に、確変スイッチを通過可能な開放パターンが設定される大当たり種別と、確変スイッチを通過不可能な開放パターンが設定される大当たり種別とで、一旦確変スイッチを通過不可能な開放パターンが設定される大当たり種別を報知しておいて、所定契機で確変スイッチを通過可能な開放パターンが設定される大当たり種別への昇格を報知する構成としてもよい。
<第3実施形態の変形例>
次に、図104、図105を参照して、第3実施形態の変形例について説明する。上述した第3実施形態では、昇格演出が設定された大当たりが開始されると、大当たりのオープニング期間、1ラウンド目のラウンド期間、およびインターバル期間に渡って昇格演出が実行される構成としていた。昇格演出では、大当たりを報知する変動表示演出において確定表示された主図柄の組み合わせを、より遊技者にとって有利度合いが高い大当たりに対応する主図柄の組み合わせに昇格させようとする演出が実行され、昇格に成功した場合には、より有利な大当たり種別であったことが報知される構成としていた。
これに対して本変形例では、大当たりを報知する変動表示の実行期間と、大当たりが開始されてから1ラウンド目のインターバル期間までに渡る期間において、疑似的に1の変動表示演出を実行する構成とした。これにより、大当たりとなるか否かに加え、大当たりとなった場合における大当たり種別(左打ち大当たりであるか、右打ち大当たりであるか)についても、1の変動表示演出で報知することができる。
図104(a)は、特別図柄の抽選で左打ち大当たり(大当たりD3,H3のいずれか)になった場合、および特別図柄の抽選でリーチ状態が発生する外れとなった場合に表示され得る表示態様を示した図である。図104(a)に示した通り、本変形例では、リーチ状態が発生すると、第3図柄表示装置81の表示画面における左上側に、「左打ち」との文字と、左向きの矢印の画像とが表示された表示領域HR1が表示される。また、表示画面の上部中央部分には、「左に打って図柄を止めろ!!」という文字が表示された表示領域HR5が表示される。これらの表示により、遊技者に対して、球を左に発射することで図柄が停止表示されることを遊技者に対して容易に理解させることができる。
なお、大当たりの場合において、図104(a)に示す表示態様が設定されるのは、大当たりのオープニング期間が開始されたタイミングである。即ち、本変形例では、大当たりのオープニング期間となっても第3図柄が停止表示されず、リーチ状態のままとなる。この状況下において、左打ちを示唆しないと、1ラウンド目において球を左特定入賞口656aに向けて発射するのが遅れてしまう可能性がある。左特定入賞口656aへの打ち出しが遅れると、左特定入賞口656aの開放期間の間に球を入球させることができない(球が確変スイッチ65e3を通過しない)可能性が生じ、確変大当たりとなったにも拘わらず大当たり後に確変状態が付与されなくなってしまう可能性がある。このような状況を防止すべく、本変形例では、変動表示の実行中にオープニング期間が開始された時点で、左打ちを示唆する演出(図104(a)参照)を実行する構成としている。また、表示態様から大当たりか否かを察知されることを防止(抑制)すべく、外れの変動表示の実行中においても、所定のタイミング(例えば、第3図柄が確定表示される1秒前)で左打ちを示唆する演出(図104(a)参照)を実行する構成としている。これにより、大当たりであるか、外れであるかを、第3図柄が停止表示されるまで分からなくすることができるので、遊技者の大当たりに対する期待感をより長く持続させることができる。
図104(b)は、大当たりD3,H3のいずれかになり、全ての第3図柄が停止表示された場合の表示態様を示した図である。図104(b)に示した通り、左打ちを示唆する演出の実行中に遊技者が左打ちを行って左特定入賞口656aへと球が入球したことを契機に、「7」の数字を模した第3図柄(主図柄)が揃う演出が実行される。これにより、遊技者に対して左打ち大当たりとなったことを容易に理解させることができる。また、左特定入賞口656aへと球が入球したことに基づいて大当たりを報知する構成とすることにより、発射した球の行方(左特定入賞口656aに入球するかどうか)により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の参加意欲を向上させることができる。なお、特別図柄の抽選で外れとなり、左打ちを示唆する演出が実行された場合には、左特定入賞口656aが開放されないので、左打ちにより発射された球が左特定入賞口656aに入球することはない。この場合は、左打ちを示唆する演出が実行されてから所定期間(例えば、1秒間)が経過した後で、外れの組み合わせ(ぞろ目以外の組み合わせ)の停止図柄が停止表示される。
なお、図104の例では、大当たりD3,G3となった場合を例にとって説明したが、他の大当たりでも同様の演出が実行される。即ち、大当たりA3,E3となった場合には、「7」以外の奇数の数字を模した第3図柄(主図柄)が揃う演出が実行され、大当たりB3,C3となった場合には、偶数の数字を模した第3図柄(主図柄)が揃う演出が実行される。また、リーチ状態を伴う外れとなる場合にも、「7」以外の数字でリーチ状態となる場合がある。
図105は、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合、およびリーチ状態を伴う外れとなる場合において、変動表示演出が開始されてからの演出態様の経時変化を示した図である。まず、図105(a)を参照して、大当たりとなった場合における演出態様の経時変化について説明する。
図105(a)は、スーパーリーチに発展して大当たりになる場合における演出態様の経時変化を示している。図105(a)に示した通り、大当たりに対応する変動表示が開始されると、まず、10秒間の間、通常の変動表示が実行された後で、10秒経過時点においてリーチ状態が発生する。その後、20秒間のノーマルリーチ演出を経て、変動開始から30秒間が経過した時点でスーパーリーチ演出に発展する。更に、スーパーリーチ演出が28秒間継続した後で、左打ちを示唆する演出(左打ちナビ、図104(a)参照)が表示される。なお、図105(a)に示した通り、左打ちを示唆する演出が表示された時点で、実際には大当たりに対応する変動表示の変動時間が経過しており、大当たりのオープニング期間に突入している。このため、第1図柄表示装置37においては、第1図柄(特別図柄)の変動表示が変動開始から58秒が経過した時点で終了し、大当たりを示す停止図柄が表示されている。
オープニング期間の1秒間が経過し、左特定入賞口656aが開放された後で左特定入賞口656aへと球が入球すると、第3図柄表示装置81において同一の数字を模した第3図柄(主図柄)が揃う演出(図104(b)参照)が実行される。そして、大当たりとなったことが報知され、大当たり中であることを示す演出が実行される。
また、図105(b)に示した通り、リーチ状態を伴う外れの抽選結果となった場合にも、変動表示が開始されてから左打ちナビ(図104(a)参照)が表示されるまでの演出態様は大当たりの場合(図105(a)参照)と共通である。そして、図105(b)に示した通り、外れの場合には、左打ちナビ(図104(a)参照)が表示されてから1秒後に、外れを示す第3図柄の組み合わせが停止表示されて、外れとなったことが報知される。
なお、図105に示した通り、特別図柄の大当たりとなる場合の変動時間は、外れとなる場合の変動時間よりも2秒間短く設定される。これは、外れの変動表示が実行された場合には、変動表示の実行期間内で特別図柄の抽選結果が報知されるのに対して、当たりの変動表示が実行された場合には、大当たりのオープニング期間、および1ラウンド目の期間に渡って変動表示が実行されるためである。大当たりと外れとで同一の変動時間にすると、左打ちナビを発生させるタイミングが大当たりの場合と外れの場合とでずれてしまい、変動時間の差から変動演出が終了するよりも前に抽選結果を察知されてしまう虞がある。これに対して本変形例では、大当たりよりも外れの方が、変動時間が長くなるように構成しているので、左打ちナビを表示させるタイミングを、大当たりと外れとで合わせることができる。よって、変動時間から特別図柄の抽選結果を察知することが困難になるので、変動表示演出の結果により注目させることができる。
以上説明した通り、本第3実施形態の変形例では、特別図柄の抽選結果が大当たりとなった場合に、変動パターンの変動期間と、大当たりのオープニング期間と、1ラウンド目の期間とに渡って1の変動表示演出を実行する構成とした。このように構成することで、大当たりであるか否かに加え、大当たりの種別についても、1の変動表示演出の中で報知することができるので、変動表示演出により注目して遊技を行わせることができる。
なお、本変形例では、変動表示演出において大当たりとなる場合に、大当たり種別に対応した数字の種類でリーチ状態となる構成としていたが、上述した第3実施形態と同様に、昇格演出の実行を抽選する構成としてもよい。そして、昇格演出の実行が決定された場合には、大当たりの1ラウンド目における、大当たりの図柄が報知された後の残り期間と、1ラウンド目が終了した後のインターバル期間とを用いて昇格演出を実行する構成としてもよい。このように構成することで、一旦偶数の数字が付された第3図柄が揃ったとしても、昇格演出が実行されることを期待させることができるので、遊技者の興趣を向上させることができる。
本変形例では、大当たりのオープニング期間、および外れに対応する変動パターンの最後の2秒間で、左打ちを示唆する画像を表示画面の左上の表示領域HR1に表示させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、遊技者に左打ちを示唆する演出を、変動中の第3図柄よりも目立つ態様で行ってもよい。具体的には、例えば、上記変形例の構成に代えて、または加えて、変動中の第3図柄の手前側のレイヤーに、「Vを狙え!!」という文字と、左可変入賞装置656を模式的に示した画像とを表示させる構成としてもよい。そして、左特定入賞口656aに球が入球した場合(今回の特別図柄の抽選結果が大当たりだった場合)には、同一の数字を模した第3図柄が揃って停止表示されている画像を背景にして、「V」という文字を模した画像を第3図柄よりも手前側に表示させる構成としてもよい。この「V」という文字を模した画像の表示は、例えば、1ラウンドが終了するまでの間表示させ続ければよい。このように構成することで、遊技者が、変動表示が終了するまでの間、球を打ち出さずに演出の結果を見続けてしまうことを防止(抑制)できる。よって、大当たりとなった場合に、より確実に1ラウンド目において左特定入賞口656aへと球を入球させることができる。また、例えば、変動中の第3図柄を半透明の態様で表示して、左打ちを示唆する演出がより目立つようにしてもよいし、第3図柄を一時的に非表示としてもよい。
<第4実施形態>
次に、図106から図112を参照して、第4実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態では、第2特別図柄の抽選で外れとなった場合に、高確率で小当たりとなる構成とし、小当たりとなった場合における開閉扉65f1の開放期間と、大当たりE,Fの各ラウンドにおける開閉扉65f1の開放期間とが同一(0.2秒間)となるように構成していた。更に、大当たりE,Fの1〜4ラウンド目が終了した後のインターバル期間の長さが、第2特別図柄の変動表示における変動時間と同一の期間である1秒間となるように構成していた。これにより、大当たり終了時点で保留されている第2特別図柄の保留球の中に大当たりE又はFが含まれている場合も、全て外れの場合も、扉突破モード演出が終了するまでの間の開閉扉65f1の一連の開閉動作が同一となるように構成していた。
これに対して本第4実施形態では、大当たりの終了後に実行される第2特別図柄の変動表示の結果が外れなのか否かを遊技者が察知し易い種別の大当たりと、察知し難い種別の大当たりとを設ける構成とした。これにより、大当たり種別に応じて、扉突破モード演出の結果を確認するまで第2特別図柄の当たりが含まれていたかどうかが分からない遊技性と、外れになったかどうかを扉突破モード演出の実行中に察知し易い遊技性とを切り替えることができる。
この第4実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202、RAM203の構成が一部変更となっている点、および主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
<第4実施形態における電気的構成>
まず、図106、および図107を参照して、本第4実施形態における主制御装置110に設けられているROM202について説明する。本第4実施形態におけるROM202は、第1実施形態におけるROM202(図13(a)参照)に対して、第1当たり種別選択テーブル202bの構成と、変動パターン選択テーブル202dの構成が一部変更となっている点で相違している。その他の構成については、上述した第1実施形態と同一であるので、その詳細な説明については省略する。
図106は、本第4実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図106に示した通り、本第4実施形態では、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA4〜E4の5つの大当たり種別が設けられている。また、第2特別図柄の大当たり種別として、大当たりF4〜H4の3つの大当たり種別が設けられている。
大当たりA4,B4,D4,F4〜H4は、それぞれ第1実施形態における大当たりA〜Fと同一の動作となる大当たり種別である。即ち、大当たりA4,F4は、いずれもラウンド数が16ラウンドの大当たりであり、大当たりB4は、ラウンド数が5ラウンドの大当たりであり、大当たりD4は、ラウンド数が2ラウンドの大当たりである。これらの大当たりになると、各ラウンドで開閉扉65f1が最大で30秒間開放されるので、大当たり中に多量の賞球を獲得し得ると共に、大当たり中に確変スイッチ65e3へと球を容易に通過させることができる。また、大当たりG4は、ラウンド数が7ラウンドの大当たりであり、大当たりH4は、ラウンド数が6ラウンドの大当たりである。これらの大当たりになると、各ラウンドで開閉扉65f1が最大でも0.2秒間しか開放されないので、ほとんど賞球を得ることができない上に、大当たり中に確変スイッチ65e3を球が通過する可能性もほとんどない。
大当たりC4は、大当たりB4と動作が同一(5ラウンド大当たり)であるが、大当たりの終了後、第2特別図柄の保留球に基づく変動表示の実行中において、第2特別図柄の抽選が外れかどうか判別し易くなる。より具体的には、大当たりC4になると、大当たり終了後、第2特別図柄の抽選で外れになった場合に、大当たりG4,H4のインターバル期間(1秒間)とは異なる長さの変動時間(3秒間)が選択され易くなる。このため、特定入賞口65a(開閉扉65f1)が開放される間隔を観察することにより、特別図柄の抽選が外れだったのかどうかを推測することができる。つまり、大当たり後に、特定入賞口65a(開閉扉65f1)が開放される間隔が1秒を明らかに超えたと遊技者が感じた場合には、今回の開放が特別図柄の外れ(小当たり)となったことに基づく開放である可能性が高いと認識させることができる。
また、大当たりE4は、大当たりD4と動作が同一(2ラウンド大当たり)であるが、大当たりC4と同様に、大当たりの終了後に第2特別図柄の抽選が外れかどうか判別し易くなる大当たり種別である。
このように、本第4実施形態では、大当たりC4、または大当たりE4となった場合に、特定入賞口65a(開閉扉65f1)が開放される間隔を観察することにより、外れとなったのか否かを推測することができるように構成している。これにより、大当たり終了後は、扉突破モード演出の内容だけでなく、特定入賞口65a(開閉扉65f1)の開放間隔にも注目して遊技を行わせることができる。特に、不利な第2特別図柄の大当たりになってしまう危険性が高い態様の演出(ボロボロな態様の鍵813を使用して扉814を開けようとする演出)が実行されている間に、特定入賞口65aの開放間隔が1秒間を超えたと感じた場合には、今回の変動が外れに対応する変動表示である可能性が高まるので、遊技者を安堵させることができる。以降、説明の簡略化のため、大当たり後に実行された第2特別図柄の抽選が外れか否かを推測しやすい大当たり(大当たりC4,E4)のことを「特殊当たり」と称する。
一方で、大当たりA4,B4,D4,F4になると、第1実施形態と同様に、大当たり後に実行される第2特別図柄の抽選結果が外れ(小当たり)となったのか、大当たりとなったのかを、特定入賞口65aの開放動作から識別することが不可能(困難)になる。よって、本第4実施形態では、大当たり種別に応じて、扉突破モード演出の結果を確認するまで第2特別図柄の当たりが含まれていたかどうかが分からない遊技性と、外れになったかどうかを扉突破モード演出の実行中に察知し易い遊技性とを切り替えることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第4実施形態では、大当たりB4と大当たりC4とで、大当たり中の動作(特定入賞口65aの開放動作、第3図柄表示装置81の表示態様)が全く同一となるように構成されている。同様に、大当たりD4と大当たりE4とについても、大当たり中の動作が全く同一となるように構成されている。このため、2ラウンド、または5ラウンドで大当たりが終了した場合に、扉突破モード演出の結果を確認するまで第2特別図柄の当たりが含まれていたかどうかが分からない遊技性と、外れになったかどうかを扉突破モード演出の実行中に察知し易い遊技性とのどちらが設定されているのかが識別困難となる。よって、特定入賞口65aが開放される間隔として、インターバル期間と同一の期間が連続して設定されたとしても、扉突破モード演出の結果を確認するまで第2特別図柄の当たりが含まれていたかどうかが分からない遊技性が設定されているのだと遊技者に思わせることができる。よって、扉突破モード演出が終了するまで、確変モードへと移行することを期待して遊技を行わせることができる。
図106に示した通り、第1特別図柄の大当たりについて、第1当たり種別カウンタC2の値「0〜9」の範囲に対しては、「大当たりA4」が対応付けて規定され、「10〜19」の範囲に対しては、「大当たりB4」が対応付けて規定され、「20〜89」の範囲には「大当たりC4」が対応付けて規定され、「90,91」の範囲には「大当たりD4」が対応付けて規定され、「92〜99」の範囲には、「大当たりE4」が対応付けて規定されている。即ち、5ラウンド大当たりの「大当たりB4」と「大当たりC4」とでは、「大当たりC4」(特殊当たり)の方が選択される割合が高くなる(7倍選択され易くなる)ように構成されている。また、2ラウンド大当たりの「大当たりD4」と「大当たりE4」とでは、「大当たりE4」(特殊当たり)の方が選択される割合が高くなる(5倍選択され易くなる)ように構成されている。このように構成することで、外れになったかどうかを扉突破モード演出の実行中に察知し易い遊技性が設定され易くできる。よって、大当たりの終了後において、特定入賞口65aの動作に対してより注目して遊技を行わせることができる。
なお、大当たりF4〜H4のそれぞれに対応付けられている第1当たり種別カウンタC2の値の範囲は、それぞれ第1実施形態における大当たりD〜Fと同一であるので、その詳細な説明については省略する。
次に、図107を参照して、本第4実施形態における変動パターン選択テーブル202dについて説明する。図107(a)は、本第4実施形態における変動パターン選択テーブル202dの構成を示したブロック図である。図107(a)に示した通り、本第4実施形態における変動パターン選択テーブル202dの構成は、第1実施形態における変動パターン選択テーブル202dの構成(図15(a)参照)に対して、特殊当たり後当たり用テーブル202d8と、特殊当たり後外れ用テーブル202d9とが追加されている点で相違している。
特殊当たり後当たり用テーブル202d8は、特殊当たり(大当たりC4又はE4)が終了した後で実行された特別図柄の変動回数が4回以下の範囲において、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に参照されるデータテーブルである。また、特殊当たり後外れ用テーブル202d9は、特殊当たりが終了した後で実行された特別図柄の変動回数が4回以下の範囲において、第2特別図柄の抽選で外れ(小当たり)となった場合に参照されるデータテーブルである。これらの特殊当たり後当たり用テーブル202d8、および特殊当たり後外れ用テーブル202d9の詳細について、図107(b),(c)を参照して説明する。
図107(b)は、特殊当たり後当たり用テーブル202d8の規定内容を示した図である。図107(b)に示した通り、特殊当たり後当たり用テーブル202d8には、変動種別カウンタCS1の値「0」に対して、変動時間が3秒間の「当たりミドル変動」が対応付けて規定され、「1〜198」の範囲に対して、変動時間が1秒間の「当たりショート変動」が対応付けて規定されている。このため、特殊当たりの終了後に第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、高確率(198/199)で1秒間の変動時間が設定されるものの、低確率(1/199)で3秒間の変動時間が設定される場合もある。このため、3秒間の変動時間が設定された(特定入賞口65aの開放間隔が3秒になった)場合に、外れ(小当たり)の抽選結果となったことが確定するわけではなく、大当たりとなる可能性もある。
図107(c)は、特殊当たり後外れ用テーブル202d9の規定内容を示した図である。図107(c)に示した通り、特殊当たり後外れ用テーブル202d9には、変動種別カウンタCS1の値の範囲「0〜66」に対して、変動時間が3秒間の「外れミドル変動」が対応付けて規定され、「67〜198」の範囲に対して、変動時間が1秒間の「外れショート変動」が対応付けて規定されている。このため、特殊当たり後に第2特別図柄の抽選で外れ(小当たり)になると、約34%(67/199)の割合で3秒間の変動時間が設定される。即ち、特定入賞口65aの開放間隔が3秒以上になる。上述した通り、特殊当たり後に第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、極めて低確率でしか3秒間の変動時間が選択されることがないため、変動時間が3秒間になった(1秒を超えた)と遊技者が認識した時点で、現在実行中の変動表示は外れに対応する変動表示の可能性が高いと思わせることができる。よって、扉突破モード演出の実行中に、確変モードへ移行する可能性を、設定される変動時間から予測させることができるという遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図108を参照して、本第4実施形態における主制御装置110に設けられているRAM203の構成について説明する。図108は、RAM203の構成を示したブロック図である。図108に示した通り、本第4実施形態におけるRAM203は、第1実施形態におけるRAM203の構成(図18参照)に対して、変動回数カウンタ203caと、特殊当たり後フラグ203cbとが追加されている点で相違している。
変動回数カウンタ203caは、大当たり後に実行された特別図柄の変動表示(特別図柄の抽選)の回数をカウントするカウンタである。この変動回数カウンタ203caは、初期値が0に設定されており、特別図柄の変動開始タイミングとなる毎に、値に1ずつ加算される(図110のS2001、図112のS2201参照)。また、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、初期値である0にリセットされる(図109のS253参照)。第2特別図柄の抽選が実行された場合には、この変動回数カウンタ203caの値に応じて、変動パターン選択テーブル202dから変動パターンを決定するための1のデータテーブルが選択される(図111のS2103,S2109参照)。
特殊当たり後フラグ203cbは、前回の大当たりが特殊当たり(大当たりC3又はE3)であったか否かを示すフラグである。この特殊当たり後フラグ203cbがオンであれば、前回の大当たりが特殊当たりであることを意味し、オフであれば、前回の大当たりが特殊当たりでないことを意味する。この特殊当たりフラグ203cbは、初期値がオフに設定されており、大当たりの開始時に、大当たり種別に応じて更新される(図109のS254参照)。第2特別図柄の抽選が実行された場合には、この特殊当たり後フラグ203cbが参照されて、変動パターン選択テーブル202dから変動パターンを決定するための1のデータテーブルが選択される(図111のS2105,S2111参照)。なお、本第4実施形態では、特殊当たりフラグ203cbの更新を大当たりの開始を設定する際に実行する構成としているが、大当たりの終了時に設定を行っても良い。
<第4実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図109から図112のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。まず、図109を参照して、本第4実施形態における特別図柄変動処理4(S131)について説明する。この特別図柄変動処理4(S131)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図28参照)に代えてタイマ割込処理(図27参照)の中で実行される処理である。
この第4実施形態における特別図柄変動処理4(図109参照)のうち、S201〜212,S214〜S218,S220、およびS221の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図28参照)のS201〜212,S214〜S218,S220、およびS221の各処理と同一の処理が実行される。
また、第4実施形態における特別図柄変動処理4(図109参照)では、S207の処理が終了すると、第2特別図柄の抽選結果に応じた変動パターンを開始するための特図2変動開始処理を実行して(S251)、本処理を終了する。この特図2変動開始処理(S251)の詳細については、図110、および図111を参照して後述する。
また、本第4実施形態における特別図柄変動処理4(図109参照)では、S212の処理が終了すると、第1特別図柄の抽選結果に応じた変動パターンを開始するための特図1変動開始処理を実行して(S252)、本処理を終了する。この特図1変動開始処理(S252)の詳細については、図112を参照して後述する。
また、本第4実施形態における特別図柄変動処理4(図109参照)では、S218の処理において今回の抽選結果が大当たりであると判別した場合に(S218:Yes)、確変フラグ203gをオフにリセットすると共に、変動回数カウンタ203caを初期値である0にリセットする(S253)。次に、今回当選した大当たりの種別に応じて、特殊当たり後フラグ203cbを更新して(S254)、処理をS220へと移行する。S254の処理では、今回当選したのが特殊当たり(大当たりC3,E3のいずれか)である場合に特殊当たり後フラグ203cbをオンに設定し、その他の大当たり種別である場合にオフに設定する。大当たり種別に応じて特殊当たり後フラグ203cbの状態を切り替えることにより、大当たりの終了後に、特殊当たり後フラグ203cbの状態に応じて変動パターンを選択するために参照するデータテーブルを切り替えることができる。よって、特殊当たり後フラグ203cbがオンであれば、大当たり後に第2特別図柄の変動パターンを決定する場合に、特殊当たり後当たり用テーブル202d8、および特殊当たり後外れ用テーブル202d9を参照して変動パターンが決定されるので、特定入賞口65aの開放間隔に基づいて外れとなったか否かを比較的容易に推察できる遊技性が設定される。また、特殊当たり後フラグ203cbがオフであれば、大当たり後に実行される第2特別図柄の抽選が当たりとなったか外れとなったかが特定入賞口65aの開放動作から識別困難な遊技性が設定される。
次に、図110を参照して、上述した特図2変動開始処理(S251)の詳細について説明する。この特図2変動開始処理(S251)は、上述した通り、第2特別図柄の抽選結果に応じた変動パターンを開始するための処理である。
この特図2変動開始処理(図110参照)では、まず、変動回数カウンタ203caの値に1を加算して更新し(S2001)、第2特別図柄保留球格納エリア203bの実行エリアのデータを取得する(S2002)。次いで、確変フラグ203gを読み出して、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であるかを判定する(S2003)。このS2003の処理では、確変フラグ203gがオンならば特別図柄の確変状態であると判定し、確変フラグ203gがオフであれば、特別図柄の低確率状態であると判定する。S2003の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態であると判定した場合は(S2003:Yes)、S2002の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、高確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S2004)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値を、高確率時用の第1当たり乱数テーブル(図13(b)参照)と比較する。上述したように、特別図柄の大当たりとなる乱数値としては、「0〜39」の40個が設定されており、第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの当たりとなる乱数値とが一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S2006の処理へ移行する。
一方、S2003の処理において、パチンコ機10が特別図柄の確変状態でない(特別図柄の低確率状態である)と判定した場合は(S2003:No)、S2002の処理で取得した第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の第1当たり乱数テーブル(図13(b)参照)とに基づいて、特別図柄の大当たりか否かの抽選結果を取得する(S2005)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1の値と、低確率時用の特別図柄大当たり乱数テーブルとを比較する。第1当たり乱数カウンタC1の値が、当たりとなる乱数値(即ち、「0〜39」)と一致する場合に、特別図柄の大当たりであると判定する。特別図柄の抽選結果を取得したら、S2006の処理へ移行する。
そして、S2004、またはS2005の処理によって取得した特別図柄の抽選結果に基づいて第2特別図柄の変動パターンを決定するための特図2変動パターン決定処理を実行する(S2006)。この特図2変動パターン決定処理(S2006)の詳細については、図111を参照して後述する。
特図2変動パターン決定処理(S2006)が終了すると、次に、特図2変動パターン決定処理(S2006)により決定された変動パターンを表示制御装置114へ通知するための変動パターンコマンドを設定する(S2007)。次いで、今回の変動パターンの変動時間に対応するカウンタ値を、変動時間カウンタ223fに設定する(S2008)。そして、特図2変動パターン決定処理(S2006)の中で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定し(S2009)、本処理を終了する。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図36参照)のS1001の処理で、音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図111を参照して、上述した特図2変動パターン決定処理(S2006)の詳細について説明する。この特図2変動パターン決定処理(S2006)は、上述した通り、第2特別図柄の変動パターンを決定するための処理である。
この特図2変動パターン決定処理では、まず、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりか否かを判別し(S2101)、大当たりであると判別した場合は(S2101:Yes)、特図2変動開始処理(図110参照)のS2002の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S2102)。より具体的には、特図2変動開始処理(図110参照)のS2002の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202b(図106参照)とを比較し、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜4」の範囲にあれば、大当たりF4(16ラウンド確変大当たり)であると判定し、「5〜49」の範囲にあれば、大当たりG4(7ラウンド通常大当たり)であると判定し、「50〜99」の範囲にあれば、大当たりH4(6ラウンド通常大当たり)であると判定する(図106参照)。
このS2102の処理では、判定された大当たり種別(大当たりF4〜H4)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりF4〜H4)が停止種別として設定される。
S2102の処理が終了すると、変動回数カウンタ203caの値が5以上であるか否かを判別し(S2103)、5以上であれば(S2103:Yes)、変動パターン選択テーブル202dから、特図2当たり(5変動以上)用テーブル202d5を読み出して(S2104)、処理をS2114へと移行する。
一方、S2103の処理において、変動回数カウンタ203caの値が5未満であると判別した場合は(S2103:No)、特殊当たり後フラグ203cbがオンであるかを判別し(S2105)、特殊当たり後フラグ203cbがオンであれば(S2105:Yes)、変動パターン選択テーブル202dから、特殊当たり後当たり用テーブル202d8を読み出して(S2106)、処理をS2114へと移行する。また、S2105の処理において、特殊当たり後フラグ203cbがオフであると判別した場合は(S2105:No)、変動パターン選択テーブル202dから、特図2当たり(4変動以下)用テーブル202d4を読み出して(S2107)、処理をS2114へと移行する。
これに対し、S2101の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が外れであると判別した場合は(S2101:No)、まず、外れ時の表示態様を設定する(S2108)。S2108の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
次いで、変動回数カウンタ203caの値が5以上であるかを判別し(S2109)、5以上であると判別した場合は(S2109:Yes)、変動パターン選択テーブル202dから特図2外れ(5変動以上)用テーブル202d7を読み出して(S2110)、処理をS2114に移行する。一方、S2109の処理において、変動回数カウンタ203caの値が5未満であると判別した場合は(S2109:No)、特殊当たり後フラグ203cbがオンであるかを判別して(S2111)、特殊当たり後フラグ203cbがオンであれば(S2111:Yes)、変動パターン選択テーブル202dから特殊当たり後外れ用テーブル202d9を読み出して(S2112)、処理をS2114へと移行する。また、S2111の処理において、特殊当たり後フラグ203cbがオフであると判別した場合は(S2111:No)、変動パターン選択テーブル202dから特図2外れ(4変動以下)用テーブル202d6を読み出して(S2113)、処理をS2114へと移行する。
S2114の処理では、S2104,S2106,S2107,S2110,S2112、およびS2113の処理の何れかによって読み出されたデータテーブルと、変動種別カウンタCS1の値とに基づいて、今回の特別図柄の抽選結果を示す変動パターンを決定して(S2114)、本処理を終了する。
次に、図112を参照して、上述した特図1変動開始処理(S252)の詳細について説明する。この特図1変動開始処理(S252)は、上述した通り、第1特別図柄の抽選結果に応じた変動パターンを開始するための処理である。
この特図1変動開始処理(図112参照)のうち、S2201〜S2205、およびS2214〜S2216の各処理では、それぞれ上述した特図2変動開始処理(図110参照)のS2001〜S2005、およびS2007〜S2009の各処理と同一の処理が実行される。
また、特図1変動開始処理(図112参照)では、S2204、またはS2205の処理が終了すると、次いで、S2204、またはS2205の処理で取得した特別図柄の抽選結果が大当たりであるかを判別し(S2206)、大当たりであると判別した場合は(S2206:Yes)、S2202の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S2207)。より具体的には、S2202の処理で取得した第1当たり種別カウンタC2の値と、第1当たり種別選択テーブル202b(図106参照)とを比較し、大当たり種別が何であるかを判定する。上述したように、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合は、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜9」の範囲にあれば、大当たりA4(16ラウンド確変大当たり)であると判定し、「10〜19」の範囲にあれば、大当たりB4(5ラウンド確変大当たり)であると判定し、「20〜89」の範囲にあれば、大当たりC4(5ラウンド特殊当たり)であると判定し、「90,91」の範囲にあれば、大当たりD4(2ラウンド確変大当たり)であると判定し、「92〜99」の範囲にあれば、大当たりE4(2ラウンド特殊当たり)であると判定する(図106参照)。
このS2207の処理では、判定された大当たり種別(大当たりA4〜E4)に応じて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、大当たり種別に対応した停止図柄を、第3図柄表示装置81において停止表示させるべく、大当たり種別(大当たりA4〜E4)が停止種別として設定される。S2207の処理が終了すると、変動パターン選択テーブル202dから特図1当たり用テーブル202d1を読み出して(S2208)、処理をS2213へと移行する。
一方、S2206の処理において、取得した抽選結果が外れであると判別した場合は(S2206:No)、外れ時の表示態様を設定する(S2209)。S2209の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、実行エリアに格納されている停止種別選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。
次いで、確変フラグ203gの状態から特別図柄の確変状態中であるかを判別し(S2210)、確変状態中であると判別した場合は(S2210:Yes)、変動パターン選択テーブル202dから特図1外れ(確変)用テーブル202d3を読み出して(S2211)、処理をS2213に移行する。一方、S2210の処理において、特別図柄の確変状態中ではないと判別した場合は(S2210:No)、変動パターン選択テーブル202dから特図1外れ(通常)用テーブル202d2を読み出して(S2212)、処理をS2213へと移行する。
S2213の処理では、S2208,S2211、またはS2212の処理の何れかによって読み出されたデータテーブルと、変動種別カウンタCS1の値とに基づいて変動パターンを決定し(S2213)、処理をS2214へと移行する。
以上説明した通り、本第4実施形態におけるパチンコ機10では、大当たりの終了後に実行される第2特別図柄の変動表示の結果が外れなのか否かを遊技者が察知し易い種別の大当たりと、察知し難い種別の大当たりとを設ける構成とした。より具体的には、大当たり後に実行される第2特別図柄の抽選が外れだった場合に、第2特別図柄の大当たりのインターバル期間とは異なる期間の変動時間が選択され易い大当たり種別(特殊当たり)と、選択され難い大当たり種別とを設ける構成とした。これにより、特殊当たりの終了後は、開閉扉65f1の開放動作に注目することで、抽選結果が外れであるか否かを遊技者が推測することができる。つまり、確変モードへと移行する可能性を、扉突破モード演出の結果が報知されるよりも前に遊技者に予測させることができる。一方、特殊当たり以外の大当たりが終了した後は、開閉扉65f1の動作から、小当たりが連続したことによる開閉動作であるか、大当たりG4又はH4となったことによる開閉動作であるかを判別することが困難になる。これにより、大当たり種別に応じて、扉突破モード演出の結果を確認するまで第2特別図柄の当たりが含まれていたかどうかが分からない遊技性と、外れになったかどうかを扉突破モード演出の実行中に察知し易い遊技性とを切り替えることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上することができる。
なお、本第4実施形態では、特殊当たり後の第2特別図柄の抽選で外れ(小当たり)となった場合に、第2特別図柄の大当たりのインターバル期間(1秒間)よりも長い(3秒間の)変動時間が設定され易くなる(約1/3の割合)ように構成したが、変動時間(つまり、外れとなった場合に開閉扉65f1が開放されるまでの間隔)はこれに限られるものではない。遊技者がインターバル期間とは異なる期間が設定されたと判別することが可能な範囲で任意に定めてもよく、例えば、0.1秒間の変動時間が設定され易くなる構成としてもよい。このように構成することで、明らかに短い間隔で開閉扉65f1が開閉されるので、遊技者に対して今回の開閉扉65f1の開閉が、小当たりとなったことによるものである可能性が高いと思わせることができる。よって、開閉扉65f1の開閉動作により注目して遊技を行わせることができる。また、開閉扉65f1とは別に、可変動作が可能な可変部材を設けておき、当該可変部材の可変動作を特殊当たり後の外れであるか、特殊当たり以外の大当たり後の外れであるかに応じて異ならせる構成としてもよい。
本第4実施形態では、第2特別図柄抽選で大当たりとなった場合に遊技者にとって不利となるパチンコ機10を前提としていたが、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に遊技者にとって有利となるパチンコ機10に対して適用してもよい。このように構成することで、大当たり終了後において、開閉扉65f1が1秒間隔で開放される回数が連続する程、有利な第2特別図柄の大当たりとなったことに対する期待感が高まるので、遊技者に対して開閉扉65f1の動作により注目して遊技を行わせることができる。
本第4実施形態では、大当たりが終了した後における開閉扉65f1の可変動作の態様が外れの場合と大当たりの場合とで相違しやすい大当たり種別と、同一の可変動作となり易い大当たり種別とを設ける構成としたが、これに限られるものではない。例えば、第3図柄表示装置81において実行される演出の態様が、外れの場合と大当たりの場合とで相違しやすい大当たり種別、一致しやすい大当たり種別を設ける構成としてもよい。また、例えば、大当たり種別に応じて、特別図柄の抽選で外れとなった場合に小当たりとなる(即ち、開閉扉65f1が所定期間(0.2秒間)開放される外れとなる)確率を異ならせる構成としてもよい。これにより、開閉扉65f1が開放されないこと(即ち、外れとなること)を期待して遊技を行わせることができる。
<第5実施形態>
次に、図113から図139を参照して、第5実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第1実施形態におけるパチンコ機10では、可変入賞装置65の内部に通常排出流路65e1と、特別排出流路65e2とを設ける構成とし、大当たり中に特別排出流路65e2の確変スイッチ65e3を球が通過した場合に、大当たり後の遊技状態が遊技者に有利な確変モード(特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態)に設定される構成としていた。
これに対して第5実施形態におけるパチンコ機10では、可変入賞装置65に代えて、外観や内部構造が可変入賞装置65と同等であり、且つ、各部の機能が異なるV入賞装置670が設けられている。このV入賞装置670は、特別図柄の抽選で小当たりになると開閉扉670f1が開放されて、遊技球が入球可能な状態となる。V入賞装置670の内部において、第1実施形態における確変スイッチ65e3に対応する位置には、V入賞スイッチ670e3が設けられている。開閉扉670f1の開放期間の間にV入賞装置670に入球した遊技球が、上述したV入賞スイッチ670e3を通過することにより、小当たり終了後に大当たり遊技が付与される。即ち、第5実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に加え、特別図柄の抽選で小当たりとなってV入賞装置670内のV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合にも大当たりが開始される構成としている。また、本第5実施形態において、小当たりは第2特別図柄の抽選(第2入球口6400への入球に基づく特別図柄の抽選)でのみ高確率で(例えば、9/10で)当選し得る(第1特別図柄の抽選よりも第2特別図柄の抽選の方が小当たりとなり易くなる)構成とし、且つ、遊技状態に応じて第2入球口6400への入球し易さを可変させる構成としている。即ち、本第5実施形態では、特別図柄の抽選で大当たりになる確率は遊技状態によらず一定としておき、第2入球口6400に付随する電動役物6400aの開放確率(普通図柄の当たりとなる確率)や、普通図柄の変動時間、開放時間等を遊技状態に応じて異ならせることにより、遊技状態に応じて小当たりに当選する可能性を異ならせ、結果的に大当たりに当選する可能性を異ならせる構成(所謂、1種2種混合機の仕様)としている。
また、本第5実施形態におけるパチンコ機10では、3種類の遊技状態を設ける構成としている。具体的には、第2入球口6400へと遊技球を入球させ易い時短遊技状態Aと、第2入球口6400へと遊技球を入球させることが困難になる通常遊技状態、および時短遊技状態Bとの3種類が設けられている。時短遊技状態Aでは、第2入球口6400を狙って遊技を行うことによって、高確率で第2入球口6400に遊技球を入球させることができ、持ち球をほとんど減らさずに第2特別図柄の抽選を連続して実行させることができる。また、時短遊技状態Aにおいて大当たりとなった場合には、高い割合(80%の割合)で再度、時短遊技状態Aとなるため、一旦時短遊技状態Aになると、時短遊技状態Aと大当たりとが繰り返され易くなる。このため、時短遊技状態Aは、遊技者にとって極めて有利な遊技状態となる。一方、通常遊技状態は、第2入球口6400へと遊技球を入球させ難いので、小当たりによるV入賞が発生し難くなる。よって、大当たりとなる可能性が低くなる。また、第1特別図柄の抽選で大当たりになったとしても、大当たり終了後に時短遊技状態へと移行する割合も低くなるため(例えば、50%の割合)、通常遊技状態は、遊技者にとって最も不利となる。これらに対し、時短遊技状態Bは、第2入球口6400へと遊技球を入球させ難いのは通常遊技状態と同様であるが、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に時短遊技状態Aへと移行する割合が最も高くなるため(例えば、100%の割合)、通常遊技状態よりも遊技者に有利な状態となる。
なお、本第5実施形態では、時短遊技状態Aにおいて大当たりとなった場合には、大当たり終了後の遊技状態として時短遊技状態A、又は時短遊技状態Bのどちらかが設定される構成としている。このように構成することで、時短遊技状態Aが設定されなかったとしても、通常遊技状態よりも有利な(大当たりとなった場合に時短遊技状態Aに移行し易い)時短遊技状態Bとなるので、時短遊技状態Aが終了した時点で遊技者が即座に遊技を辞めてしまうことを抑制することができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。本第5実施形態における以降の説明では、最も不利な通常遊技状態を「通常モード」と称し、最も有利な時短遊技状態Aを「連荘モード」と称し、滞在中は不利だが連荘モードへと移行し易い時短遊技状態Bを「引き戻しモード」と称する。
この第5実施形態におけるパチンコ機10が、第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、遊技盤13の盤面構成が一部変更となっている点、主制御装置110におけるROM202、RAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、RAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図113を参照して、本第5実施形態における遊技盤13の盤面構成について説明する。図113は、本第5実施形態における遊技盤13の正面図である。図113に示した通り、本第5実施形態における遊技盤13では、第1実施形態における第1入球口64に付随して設けられていた電動役物64aが削除されている。なお、本第5実施形態における第1入球口64には、可変表示装置ユニット80に対して正面視左側に設けられている流路に向けて発射された(左打ちされた)遊技球が入球可能となる一方で、可変表示装置ユニット80に対して正面視右側に設けられている流路に向けて発射された(右打ちされた)遊技球が入球不可能(困難)となるように、釘等の配置が設定されている。また、第1入球口64の下方には、大当たりの各ラウンドにおいて遊技球が入球可能な状態に設定される可変入賞装置650が設けられている。この可変入賞装置650の特定入賞口650aは、遊技球が入賞する毎に10個の賞球が払い出される入賞口として構成されている。
第1入球口64に対して正面視右側には、V入賞装置670が設けられている。このV入賞装置670は、上述した通り、第1実施形態における可変入賞装置65と同一の構造(図4〜図6参照)であるが、各部の機能が異なって構成されている。より詳述すると、V入賞装置670は、通常時には上面の開閉扉670f1が閉鎖されており、特別図柄の抽選で小当たりになった場合にのみ、上面に設けられている開閉扉670f1が所定期間(例えば、1.5秒間)開放され、開口部であるV入賞口670aを介して内部へと遊技球が入球可能な状態が形成される。V入賞装置670の内部には、第1実施形態における通常排出流路65e1(図6(a)参照)、および特別排出流路65e2(図6(b)参照)に代えて、これらと同一構造の通常排出流路670e1、および特別排出流路670e2が設けられている。V入賞装置670の内部へと流入した遊技球は、いずれかの流路(通常排出流路670e1、および特別排出流路670e2)を流下してパチンコ機10の外部へと排出される。また、特別排出流路670e2には、遊技球が通過することで小当たり後に大当たりが開始されるV入賞スイッチ670e3が設けられている。詳細については後述するが、小当たり中は基本的に通常排出流路670e1に遊技球が振り分けられる状態となり、わずかな期間(例えば、0.075秒間)のみ、特別排出流路670e2に振り分けられる状態を形成する。このため、小当たりに基づく開閉扉670f1の開放期間(1.5秒間)の間にV入賞装置670の内部へと遊技球を入球させることができたとしても、特別排出流路670e2に振り分けられる期間でなければ、通常排出流路670e1を流下してしまい、大当たりが開始されることはない。なお、本第5実施形態では、V入賞装置670を狙って遊技球を発射し続けた場合に、小当たりの約20回に1回の割合で特別排出流路670e2へと遊技球が入球するように構成されている。
図113に示した通り、遊技盤13において可変表示装置ユニット80の正面視右側に設けられた流路には、スルーゲート67が設けられており、その下方には遊技球が入球することで第2特別図柄の抽選が実行される契機となる第2入球口6400が設けられている。また、図113に示した通り、可変表示装置ユニット80の正面視右側に設けられた流路における上流側から、第2入球口6400に至るまでの領域には、多数の釘が植立されており、これらの釘によって、少なくとも返しゴム69に衝突する発射強度(例えば、95%以上の発射強度)で発射されたほぼ全ての遊技球を、第2入球口6400へと流下させる(誘導する)ことができる。以降では、説明の簡略化のため、遊技球を第2入球口6400へと誘導するための領域のことを、第2入球口誘導領域と称する。
なお、第2入球口6400は、第2入球口6400を覆う横長矩形状の電動役物6400aと、その電動役物6400aの下辺を軸として前方側に開閉駆動するための電動役物用ソレノイド(図示せず)とを備えている。電動役物6400aは、通常時は、遊技球が入賞できない閉状態になっている。電動役物6400aの閉状態においては、電動役物6400aと遊技盤13とが同一平面上となるように閉鎖されるため、遊技球が電動役物6400aの手前側を通過可能となる。また、電動役物6400aが前面下側に傾倒することで、遊技球が第2入球口6400に入賞しやすい開状態を一時的に形成する。このため、遊技球が返しゴム6400に衝突する発射強度で発射されたとしても、第2入球口6400に到達するタイミングで電動役物6400aの開状態になっていなければ、遊技球は第2入球口6400に入球できずに通過して、下方(V入賞装置670や可変入賞装置650、アウト口66等が設けられている領域)へと流下する。
図113に示した通り、第2入球口誘導領域の内部、且つ、第2入球口6400の上流側は、右側流路R1と、左側流路R2とに分岐している。また、左側流路R2には、図113に示した通り、スルーゲート67が設けられている。更に、右側流路R1と、左側流路R2との上流側には、第2入球口誘導領域へと入球した遊技球を、右側流路R1と、左側流路R2とのどちらかに振り分けるための振分部材6600が設けられている。詳細については後述するが、遊技球が到達する間隔に応じて、振分部材6600により一方の流路に偏って振り分けられ易くなるか、振分部材6600により両方の流路に交互に振り分けられ易くなるかが可変する。より具体的には、遊技球の発射間隔(遊技球が振分部材6600へと到達する間隔)が長くなった場合(例えば、1.5秒以上の発射間隔、および到達間隔となった場合)には、遊技球が振分部材6600によって右側流路R1に対してのみ振り分けられる一方で、遊技球の発射間隔(遊技球が振分部材6600へと到達する間隔)が短くなった場合(例えば、最短の発射間隔である0.6秒間の場合)には、遊技球が振分手段によって右側流路R1と、左側流路R2とに交互に振り分けられる。なお、0.6秒間〜1.5秒間の間の発射間隔で遊技球を発射した場合には、振分部材6600に到達した時点の振分部材6600の配置に応じて、右側流路R1に振り分けられるか、左側流路R2に振り分けられるかが可変する。よって、0.6秒間〜1.5秒間の間で発射間隔を正確に調節することができれば、左側流路R2のみへと遊技球を振り分けさせ続けることも可能となる。
図113に示した通り、第2入球口誘導領域は、基本的に真上から流下してきた遊技球以外、周囲を囲む釘によって阻まれて、その内部へと遊技球を流入させることが困難に構成されているが、左側流路R2の左側に一部、釘同士の間隔が他の部分よりも広くなっている箇所(開口箇所)が設けられている。この開口箇所は、図113に示した通り、上側の釘よりも下側の釘の方が正面視右側に配置されており、開口箇所の上側の釘が庇のように作用するので、第2入球口誘導領域の左方から流下してきた遊技球が開口箇所より直接第2入球口誘導領域へと流入する可能性は低い。しかしながら、開口箇所の左方に植立されている釘に遊技球を衝突させて、正面視左方(開口箇所の方向)へと反射させることができれば、開口箇所を通過させて左側流路R2へと流入する可能性がある。このため、スルーゲート67を通過させたいと考える遊技者に対して、第2入球口誘導領域の上方ではなく、第2入球口誘導領域の左方へ向けて遊技球を発射し、開口箇所から直接(振分部材6600を介さずに)左側流路R2へと流入させるという選択肢を与えることができる。よって、遊技者の遊技方法の自由度をより高めることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、第2入球口誘導領域の左方へ向けて発射された遊技球が釘と衝突して開口箇所から左側流路R2へと流入する割合は、およそ1/10〜1/20である。これに対し、第2入球口誘導領域に向けて発射された遊技球は、基本的に全て(100%の割合で)、振分部材6600へと流入する。よって、基本的に、スルーゲート67を通過させたい場合には、第2入球口誘導領域に向けて連続して遊技球を発射することにより右側流路R1と左側流路R2とに交互に振り分けさせた方が高い割合でスルーゲート67を通過させることが可能となる。しかしながら、技量が高い(遊技球の発射強度を正確に調節することができる)遊技者が遊技を行う場合には、第2入球口誘導領域の左方へ向けて発射した方が左側流路R2へと高い割合で流入するように遊技球を発射できる可能性もある。これにより、遊技者に対して、自己の技量にあった遊技方法を選択させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、振分部材6600の構成について、図114を参照して詳細に説明する。図114(a)〜(d)は、振分部材6600の動作内容を示した図である。図114(a)は、振分部材6600が初期位置に配置されている状態で、遊技球が振分部材6600に向けて流下(落下)してきた状態を示している。図114(a)に示した通り、振分部材6600は、回転軸6600aと、回転軸6600aに対して右方向に伸びた略棒型形状の右受け部6600Rと、回転軸6600aに対して左上方向に伸びた略棒型形状の左受け部6600Lと、回転軸に対して左下方向に伸びた(下垂した)略棒型形状の下垂部6600bと、下垂部6600bに対して正面視右側に接合された略直方体形状の偏重部6600cとで構成されている。振分部材6600は、回転軸6600aを中心として回転軸6600aを回転軸として正面視時計回り、および反時計回り方向に回転動作が可能に構成されており、下垂部6600bが回転軸6600aに対して鉛直下方に配置されることにより、正面視略「Yの字」型の形状となるように構成されている。なお、偏重部6600cは、振分部材6600の他の部分(右受け部6600R、左受け部6600L、下垂部6600b)よりも高密度の物質で構成されており、振分部材6600全体の重心が、偏重部6600cの重心にほぼ一致する程度に他の部分との質量に差が設けられている。具体的には、例えば、偏重部6600cが鉄で構成され、その質量が4gであるのに対し、他の部分は全てPS材で構成され、その質量の合計が0.5gとなるように構成されている。振分部材6600に対して重力G以外の力が作用していない状態においては、最終的に重心が最も低い位置(位置エネルギーが最も少ない状態)で安定するので、振分部材6600がどのような配置に可動したとしても、重力G以外の作用(外力の作用)が無ければ、最終的に図114(a)に示した配置に戻って静止することとなる。
振分部材6600は、右受け部6600R、および左受け部6600Lによって、第2入球口誘導領域の上方から流下してきた遊技球を受け止め可能に構成されている。振分部材6600の初期位置(静止位置)において、遊技球が第2入球口誘導領域の上方から流下してくると(図114(a)参照)、遊技球が主として右受け部6600Rによって受け止められる。遊技球と右受け部6600Rとが衝突すると、右受け部6600Rに対して正面視下向きの力が働く。言い換えれば、振分部材6600を、回転軸6600aを中心として正面視時計回り方向に回動させる向きの力が働く。ここで、遊技球の質量は、振分部材6600のトータルの質量(約4.5g)よりも重く(約5.5g)構成されているため、遊技球が振分部材6600に衝突することによって、右受け部6600Rが下方向に押し下げられ、振分部材6600が正面視時計回り方向に回動される。これにより、右受け部6600Rが正面視左上方向から右下方向へと向かう向きの傾斜を形成する配置まで振分部材6600が回動する(図114(b)参照)。よって、右受け部6600Rに受け止められた遊技球は、右受け部6600Rの形成する傾斜に沿って、正面視右下方向へと流下し、右側流路R1へと落下する。即ち、右側流路R1へと遊技球が振り分けられる。
このように、振分部材6600が初期位置に配置されている(完全に静止している)状態で最初に振分部材6600へと到達した遊技球は、右側流路R1へと振り分けられる構成としている。上述した通り、左側流路R2にはスルーゲート67が設けられている一方で、右側流路R1にはスルーゲート67が設けられていないので、右側流路R1の方が普通図柄の抽選が実行される可能性がない分遊技者に不利な流路となる。振分部材6600の初期位置を不利側の流路に振り分け可能な配置としておくことにより、遊技機の初期状態が有利な状態となってしまうことを抑制することができる。
遊技球が右側流路R1へと振り分けられた(右受け部6600Rから落下した)後は、振分部材6600を正面視時計回り方向に回動させる向きの力(遊技球の重みによる負荷)がなくなるので、振分部材6600に対して重力Gのみが作用する状態となる。ここで、右側流路に対して遊技球を振り分けた直後においては、振分部材6600の重心が初期配置よりも左上側に移動した状態となる。よって、振分部材6600に対して働く重力Gのうち、回転方向に平行な成分Gcは、振分部材6600を正面視反時計回りに回動させる向き(正面視右下向き)の力となる。この重力の回転方向の成分Gcにより、振分部材6600は、正面視反時計回りに回転動作を行う。なお、この回転動作により振分部材6600が初期配置に到達したとしても、即座に静止するわけではなく、初期配置を一旦通過する。図114(b)の配置から初期配置まで回転動作をする間に、運動エネルギーが発生するためである。よって、振分部材6600は、初期配置を通過しても反時計回り方向の回転動作を行い続け、運動エネルギーが0になる(回転動作の速度が0になる)ことで一時的に静止する(図114(c)参照)。なお、遊技者が遊技球を第2入球口誘導領域へと連続して発射していれば(即ち、最短の発射間隔である0.6秒の発射間隔で発射していれば)、初期配置を通過した後に配置される、この一時的な静止位置(図114(c)参照)の前後において、次の遊技球が振分部材6600へと到達する。即ち、左受け部6600Lのうち回転軸6600aとは逆側の端部の高さよりも、右受け部6600Rのうち回転軸6600aとは逆側の端部の高さの方が高くなる可動範囲(回転範囲)で可動している間に次の遊技球が振分部材6600へと到達する。
図114(d)に示した通り、振分部材6600が通過した後で遊技球が振分部材6600へと到達すると、当該遊技球は主として左受け部6600Lに衝突する。遊技球に衝突された左受け部6600Lは、衝突した遊技球の重さによって正面視下方向へと押し下げられる向きの力が働く。つまり、振分部材6600を正面視反時計回り方向に回動させる向きの力が働く。上述した通り、遊技球の質量は、振分部材6600のトータルの質量よりも重いので、振分部材6600が回動して、左受け部6600Lが正面視右上から左下方向に下る向きの傾斜を形成する。左受け部6600Lによって受け止められた遊技球は、この傾斜に沿って転動し、正面視左下方向の左側流路R2へと落下する。即ち、遊技球が左側流路R2へと振り分けられる。
遊技球が左側流路R2へと振り分けられた(左受け部6600Lから落下した)後は、振分部材6600を正面視反時計回り方向に回動させる向きの力(遊技球の重みによる負荷)がなくなるので、振分部材6600に対して重力Gのみが作用する状態となる。よって、右側流路R1へと遊技球を振り分けた後(図114(b),(c)参照)と同様に、振分部材6600に対して働く重力Gのうち、回転方向に平行な成分Gcにより、初期配置の方向へと戻す力が働く結果、振分部材6600は、正面視時計回り方向に回転動作を行う。
そして、これ以降も、遊技球が最短(0.6秒間)の発射間隔で連続して発射され続けている間、振分部材6600は、遊技球を一方の流路(右側流路R1、左側流路R2のいずれか)へと振り分ける動作と、遊技球を振り分けた反動で他方の流路に遊技球を振り分け可能な配置まで回動する動作とを繰り返す。これにより、遊技球を最短の発射間隔で連続して発射し続けることにより、遊技球を右側流路R1と左側流路R2とに交互に振り分けることができる。上述した通り、左側流路R2にはスルーゲート67が設けられているので、遊技球を最短の発射間隔で連続して発射し続けることにより、遊技球2個に1個の割合で、スルーゲート67を通過させることができる。
一方で、遊技球を1.5秒以上の発射間隔で発射し続けた場合には、遊技球が右側流路R1に振り分けた反動で一旦は左側流路R2へと遊技球を振り分け可能な配置まで回動するものの、再度、初期配置に向かって回動し、以降は初期配置を中心とする振り子動作を行う。この振り子動作は、空気抵抗や回転軸6600aに作用する動摩擦等により時間の経過と共に振幅が減少していき、1.5秒経過時には、右側流路R1に遊技球を振り分け可能な範囲(回転軸6600aから鉛直下方に引いた垂線よりも左側に下垂部6600bが配置される範囲)のみで振り子動作を行う(または静止した)状態となる。このため、1.5秒間以上の間隔を空けて遊技球を発射すると、右側流路R1にばかり遊技球が振り分けられてしまうので、左側流路R2に設けられているスルーゲート67に対して遊技球を通過させることが不可能となる。即ち、普通図柄の抽選を実行させることが不可能となってしまうので、特に、第2入球口6400へと遊技球が入球し易くなる(普通図柄の当たりとなった場合に遊技球が第2入球口6400へと容易に入球する普通図柄の変動時間および電動役物6400aの開放パターンが設定される)連荘モードにおいては、遊技者にとって極めて不利になってしまう。よって、連荘モードにおいては、左側流路R2に遊技球を振り分けさせたいと考える遊技者に対して、最短の発射間隔で遊技球を発射させることができる。即ち、連荘モードにおいて、途切れなく遊技球を発射させ続けることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
更に、最短の発射間隔(0.6秒間)と、1.5秒間との間で、振分部材6600の動作に応じて発射間隔を調節することにより、振り子動作を行っている振分部材6600が左側流路R2へと遊技球を振り分け可能な配置まで可変したタイミングでのみ、振分部材6600へと遊技球を到達させることも可能になる。なお、最短の発射間隔で遊技球を発射するためには、操作ハンドル51を最大の回転量に維持し続けるという比較的簡単な操作内容を行えばよいものの、発射間隔を調節して、最短の発射間隔以外の発射間隔で狙い通りに遊技球を発射させるためには、操作ハンドル51に対する繊細な操作が必要となる。よって、遊技の技量が高い一部の遊技者を除いては、操作ハンドル51を最大の回転量に維持し続けることで最短の発射間隔で遊技球を発射させ続けた方が、より多くの遊技球を左側流路R2へと振り分けさせて、普通図柄の抽選をより多く実行させることが可能となる。
このように、本第5実施形態における振分部材6600は、遊技者のハンドル51に対する操作内容に応じて、遊技球が流下する流路を可変させることができる。即ち、操作ハンドル51を回転量に維持するという操作を行って最短の発射間隔で遊技球を発射し続けることにより、確実に、遊技球を右側流路R1と左側流路R2とに交互に流下させることができる。言い換えれば、遊技球が通過しても普通図柄の抽選が実行されることがない不利な流路(右側流路R1)と、遊技球が通過することで普通図柄の抽選が実行される有利な流路(左側流路R2)とに交互に振り分けさせることができる。また、振分部材6600が遊技球を何れかの流路に振り分けた反動で初期配置(図114(a)参照)を中心とする振り子動作を行っている間において、左側流路R2へと遊技球を振り分け可能となる可動範囲を可動している期間を狙って遊技球を到達させるように操作ハンドル51を操作することにより、発射した遊技球のほとんどを、スルーゲート67が設けられている左側流路R2に振り分けさせることも可能となる。つまり、遊技者にとって有利な流路に偏重させて振り分けさせる動作を実現することも可能となる。また、遊技者にとってのメリットはないが、1.5秒間以上の発射間隔となるように操作ハンドル51を操作することにより、遊技者にとって不利な流路に偏重させて遊技球を振り分けさせることも可能となる。よって、遊技者の技量、および実現させたい動作に応じて、操作ハンドル51に対する操作内容を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
なお、本第5実施形態では、連荘モード(時短遊技状態A)において、スルーゲート67を通過した遊技球が直接第2入球口6400に入球可能となるタイミングで電動役物6400aが開放される。即ち、普通図柄の変動時間として、0.1秒間という極めて短い変動時間が設定される。また、普通図柄の当たりとなった場合の電動役物6400aの開放期間として、0.2秒間が設定される。スルーゲート67を通過した遊技球が第2入球口6400へと到達するまでには約0.2秒間を要するので、ちょうど電動役物6400aの開放期間の間に遊技球が第2入球口6400へと到達し、入球する。よって、連荘モードの間は、最大の発射強度、且つ、最短の発射間隔で遊技球を右打ちし続けるだけで、左側流路R2に振り分けられた全ての遊技球を第2入球口6400へと入球させることができる。即ち、およそ2個に1個の割合で遊技球を第2入球口6400へと入球させることができる。
一方で、引き戻しモード(時短遊技状態B)においては、スルーゲート67を通過した遊技球も、スルーゲート67を通過した遊技球の次に第2入球口誘導領域へと発射されて右側流路R1へと振り分けられた遊技球も第2入球口6400へと入球することが不可能(困難)となる普通図柄の変動時間(0.5秒間)が設定される。この0.5秒間の変動時間が設定されることにより、普通図柄の当たりとなった場合には、スルーゲート67を通過した遊技球が第2入球口6400を通過しきってから(即ち、スルーゲート67から第2入球口6400までの流路の流下期間である0.2秒間が経過してから)電動役物6400aが開放される。また、電動役物6400aの開放期間は連荘モードと同様に0.2秒間が設定されるので、1の遊技球がスルーゲート67を通過してから0.5秒〜0.7秒の間に他の遊技球を到達させなくては第2入球口6400へと入球させることが不可能となる。しかしながら、最短の発射間隔で第2入球口誘導領域へと遊技球を発射し続けたとしても、スルーゲート67を通過した遊技球の次の遊技球が右側流路R1に振り分けられて第2入球口6400へと到達するまでには約0.8秒間を要するため、開放期間の経過後に第2入球口6400へと入球することとなる。よって、引き戻しモードにおいて最短の発射間隔(0.6秒間隔)で右打ちを行ったとしても、遊技球を第2入球口6400へと入球させることは不可能(困難)となり、いたずらに持ち玉を減少させるのみの極めて不利な状態となる。従って、引き戻しモードにおいて、遊技者に対して左打ちにより第1入球口64に遊技球を入球させて遊技を進行させる(特別図柄の抽選を行わせる)遊技方法を行わせることができる。言い換えれば、普通図柄の時短状態が付与されているにも拘わらず、開放され易い第2入球口6400を狙う遊技方法ではなく、通常モード(通常遊技状態)と同様の遊技方法を行わせることができるという斬新な遊技性を実現できる。
なお、上述した通り、本第5実施形態では、通常モードよりも、引き戻しモードの方が第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たり終了後に連荘モードへと移行する可能性が高くなる構成としている。加えて、本第5実施形態では、連荘モードの終了後、最低でも特別図柄の抽選が30回終了するまでの間は引き戻しモードに設定される構成としている。より具体的には、連荘モードにおいて大当たりE5になると、大当たり終了後、特別図柄の抽選が30回終了するまで引き戻しモードに設定され、大当たりF5になると、大当たり終了後、特別図柄の抽選が100回終了するまで引き戻しモードに設定される。一方、連荘モードにおいて他の大当たり種別(大当たりA5〜D5)になると、大当たり終了後、再度、連荘モードが設定される。このため、連荘モード終了後は、特別図柄の抽選で大当たりにならなかった場合、特別図柄の抽選が30回、又は100回終了するまで引き戻しモードが維持される。言い換えれば、連荘モード終了後、少なくとも特別図柄の抽選が30回終了するまでの間は、引き戻しモードが維持される。よって、連荘モードの終了後、少なくとも特別図柄の抽選を30回行わせるまでは遊技を継続した方が得なのではないかと遊技者に思わせることができる。つまり、連荘モードが終了した後も、少なくとも特別図柄の抽選が30回終了するまでの間、遊技を継続させることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
ここで、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合、または特定領域へと遊技球が入球した場合に大当たりが付与される仕様の遊技機(所謂1種2種混合機)では、遊技状態として、特定領域へと遊技球が入球し難い通常遊技状態と、特定領域へと遊技球が入球し易い時短遊技状態との2種類の遊技状態のみを設け、時短遊技状態が終了すると、即座に最も不利な通常遊技状態へと移行する仕様が一般的であった。しかしながら、この構成では、不利な通常遊技状態へと移行した時点で、遊技者の遊技に対するモチベーションが大きく低下させてしまう虞があり、時短遊技状態が終了した時点で遊技者が即座に遊技を辞めてしまう可能性があった。
これに対して本第5実施形態では、連荘モードの終了後、少なくとも特別図柄の抽選が30回実行されるまでの間は、大当たりとなった場合に連荘モードへと移行し易い特別な状態(引き戻しモード)が設定される構成としている。これにより、連荘モードが終了して、第2入球口6400へと遊技球が入球し難い不利な遊技状態になったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できる。よって、連荘モードが終了した直後に遊技を辞めてしまうことを防止することができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、本第5実施形態では、連荘モードが終了した場合に、必ず引き戻しモードへと移行する構成としていた。即ち、普通図柄の時短状態において第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合には、大当たり終了後に再度連荘モードに移行する大当たり種別と、大当たり終了後に引き戻しモードへと移行する大当たり種別とのみを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。所定の割合(例えば、5%)で、大当たり終了後に通常モードへと移行する大当たり種別を設ける構成としてもよい。
本第5実施形態では、最短の発射間隔(0.6秒間隔)で遊技球を発射し続けた場合に、振分部材6600が遊技球を右側流路R1に振り分け可能な動作範囲と、左側流路R2に振り分け可能な動作範囲との切り替わりの周期と、遊技球の発射間隔とが略同一となる構成としていた。即ち、本実施形態の振分部材6600は、一方の流路に遊技球を振り分けてから、次の遊技球が振分部材6600に到達するまでの0.6秒間の間に、他方の流路に遊技球を振り分け可能となる動作範囲まで可動する(振分部材6600の振り子動作の半周期が0.6秒と略同一となる)ように構成していたが、これに限られるものではない。最短の発射間隔で遊技球を発射した場合に遊技球を右側流路R1と左側流路R2とに交互に振り分けることができるのであれば、1の遊技球を振り分けてから次の遊技球が到達するまでの0.6秒間の間に1又は複数回、一方の流路へと振り分け可能な動作範囲と、他方の流路へと振り分け可能な動作範囲とを振り子動作により往復する構成としてもよい。言い換えれば、振分部材6600の振り子動作の半周期の奇数倍が、最短の発射間隔である0.6秒間と略同一となるように構成してもよい。このように構成したとしても、最短の発射間隔で発射された遊技球が振分部材6600に到達する毎に、右側流路R1と左側流路R2とに交互に遊技球を振り分けることができる。
本第5実施形態では、偏重部6600cを設けて振分部材6600の重心をずらすことにより、振分部材6600が静止した状態において、遊技球を右側流路R1へと振り分け可能な配置(図114(a)参照)となるように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、偏重部6600cを設ける代わりに、バネ等の弾性体を用いて、振分部材6600が遊技球の振分けにより回転動作を行った後で、最終的に図114(a)に示した初期配置に戻るように構成してもよい。
次に、図115を参照して、本第5実施形態におけるV入賞装置670の動作について説明する。上述した通り、V入賞装置670は、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、開閉扉670f1が開放されて内部へと入球可能な状態となる。図115は、小当たりとなったことに基づく開閉扉670f1の開放期間と、V入賞装置670の内部における遊技球が流下可能な流路との対応関係を示した図である。
図115の上段に示した通り、小当たりに当選すると、開閉扉670f1が開放される。この開放期間は1.5秒間の間継続し、小当たり開始から1.5秒間が経過した時点で開閉扉670f1が閉鎖されて小当たりが終了する。また、図115の下段に示した通り、小当たりが開始されてから0.5秒間の間は、V入賞装置670の内部に流入した遊技球が通常排出流路670e1へと誘導されるように、流路ソレノイド670kがオフの状態に維持される。これにより、小当たりの開始から0.5秒間の間は、特別排出流路670e2へと遊技球が流下困難となるので、遊技球がV入賞スイッチ670e3を通過することも困難になる。そして、小当たりの開始から0.5秒間が経過した時点で、0.075秒間の間、流路ソレノイド670kがオンに設定されることにより、特別排出流路670e2へと遊技球が誘導される状態となる(通常排出流路670e1へと遊技球が流下困難な状態となる)。これにより、0.075秒間の間にV入賞装置670の内部に流入した遊技球は、特別排出流路670e2へと誘導されてV入賞スイッチ670e3を通過し易くなる。
流路ソレノイド670kがオンに設定されてから0.075秒間が経過した後は、小当たり終了まで流路ソレノイド670kがオフに設定される。即ち、V入賞装置670の内部に流入した遊技球が通常排出流路670e1に誘導され易い状態に設定される。これらの動作内容により、特別排出流路670e2に誘導され易くなる0.075秒間の間に遊技球をV入賞装置670へと入球させて特別排出流路670e2に到達させることができれば、遊技球がV入賞スイッチ670e3を通過して小当たり終了後に大当たりが付与される。一方、小当たりの開放期間の間にV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過しなかった場合は、大当たりが付与されることはない。
小当たりの開放期間が1.5秒間ある中で、特別排出流路670e2が通過可能となるのは0.075秒間のみであるので、1の小当たりにおいてV入賞口670aへと入球した遊技球がV入賞スイッチ670e3を通過する確率は1/20(0.075/1.5)である。上述した通り、連荘モードにおいては、最短の発射間隔で遊技球を発射し続けなければ遊技球が第2入球口6400へと入球し難くなるので、小当たりの開放期間の間も、遊技者は基本的に最短の発射間隔で遊技球を発射し続けることとなる。つまり、特別排出流路670e2が通過可能となる期間を狙って遊技球の発射タイミングを調節することが困難になるので、遊技球が特別排出流路670e2を流下するか否かは、第2特別図柄の変動時間や遊技球の流下方向等のみに依存する。即ち、遊技者の技量が介在する余地はほとんど無く、小当たり当選時における大当たり期待度は常に一定(1/20)となる。よって、遊技者の技量とは無関係に連荘モード時の大当たり確率をほぼ一定にすることができるので、パチンコ機10での遊技に慣れていない遊技者に対しても安心して遊技を行わせることができる。
なお、本第5実施形態では、大当たり終了後に連荘モードへと移行した場合、その連荘モードは特別図柄の抽選が100回終了するか、大当たりとなるまでの間継続する。また、本第5実施形態では、第2特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は9/10であり、第2特別図柄の抽選で大当たりとなる確率は1/200であるので、第2特別図柄の抽選でも小当たりでも大当たりに当選せずに連荘モードが終了する確率は約0.6%となる。即ち、一旦連荘モードに移行すると、その後は大当たり終了後に引き戻しモードが付与される種別の大当たりに当選するまでは、ほぼ、連荘モードと大当たりとを繰り返す極めて有利な状態を形成する。よって、遊技者に対して連荘モードへと移行させることを1つの目標として遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図116、および図117を参照して、本第5実施形態における第3図柄表示装置81において表示される、引き戻しモードの期待度を示唆する演出について説明する。本第5実施形態では、上述した通り、連荘モードが終了した後、最低でも特別図柄の抽選が30回実行されるまでの間、引き戻しモードとなる。即ち、大当たりに当選した場合に、大当たり終了後に必ず連荘モードへと移行する有利な状態に設定される。このため、引き戻しモードが設定されている間は、遊技を継続しようと遊技者に対して思わせることができる。即ち、遊技者の遊技に対するモチベーションを維持させることができる。しかしながら、引き戻しモードとして設定される特別図柄の抽選回数を多くしすぎると、連荘モードへと再突入する割合(連荘モードを引き戻す割合)が多くなり過ぎてしまい、遊技者にとって過剰に有利となってしまう虞がある。そこで、本第5実施形態では、引き戻しモードが設定される抽選回数にバリエーションを設けた上で(即ち、30回、又は100回のどちらかが設定される構成とした上で)、いずれの抽選回数が選択されたのかを明示しない(秘匿する)構成としている。そして、第3図柄表示装置81に表示される背面画像の種別に応じて、選択された抽選回数(引き戻しモードの期間)の多寡を示唆する構成としている。このように構成することで、引き戻しモードが終了したのか継続しているのかを曖昧にすることができるので、引き戻しモードへと移行した場合における最低の抽選回数である30回を超えても遊技を継続しようと思わせることができる。よって、連荘モードが終了した後で、より長く遊技を行わせることができるので、パチンコ機10の稼働率をより向上させることができる。また、背面画像の種別から引き戻しモードが終了したか否かを予測する遊技性を実現することができるので、連荘モード終了後における遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第5実施形態では、引き戻しモードが継続している期待度を示唆する背面画像として3種類の背面画像が設けられている。即ち、引き戻しモードが継続している期待度が高い背面画像(図116(a)参照)、期待度が中程度の背面画像(図116(b)参照)、および期待度が低い背面画像(図117参照)の3種類が設けられている。引き戻しモードが設定されてから特別図柄の抽選回数が30回を超えると、特別図柄の抽選が10回行われる毎に、背面画像を抽選し直す処理が実行される。背面画像の更新状況に応じて、引き戻しモードが継続しているか否かを遊技者に対して予測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図116(a)は、引き戻しモードが継続している期待度が最も高い背面画像(高期待度用の背面画像)が表示されている状態を示した図である。図116(a)に示した通り、期待度が最も高い背面画像が設定されると、キャラクタ811が森を進行する表示態様となる。また、第3図柄表示装置81の表示画面の上部中央には、「CHANCE!!」という文字が表示された表示領域HR6が形成される。これらの表示内容により、引き戻しモードが継続している可能性が高いことを遊技者に対して示唆することができる。
図116(b)は、引き戻しモードが継続している期待度が中程度の背面画像が表示されている状態を示した図である。図116(b)に示した通り、期待度が中程度の背面画像が設定されると、キャラクタ811が川を下る表示態様となる。また、表示領域HR6の内部に表示される文字が「CHANCE!?」となる。これらの表示内容により、高期待度用の背面画像(中期待度用の背面画像)が表示されている場合よりも引き戻しモードの期待度が低い(通常モードに移行してしまった可能性が高い)ことを遊技者に示唆することができる。
図117は、引き戻しモードが継続している期待度が最も低い背面画像(低期待度用の背面画像)が表示されている状態を示した図である。図117に示した通り、期待度が最も低い背面画像が設定されると、キャラクタ811が荒野を進行する表示態様となる。また、表示領域HR6の内部に表示される文字が「CHANCE・・・?」となる。これらの表示内容により、引き戻しモードの期待度が極めて低い(通常モードに移行済みである可能性が高い)ということを遊技者に示唆することができる。
このように、本第5実施形態では、引き戻しモードが継続しているか否かを、背面画像の表示態様により示唆可能に構成している。これにより、背面画像の種別から引き戻しモードが継続しているか否かを予測させる遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。なお、引き戻しモードは連荘モード中に当選した大当たりが終了した後、最大で100回の特別図柄の抽選が実行されるまで継続する。逆に言えば、特別図柄の抽選が100回終了すると、必ず通常モードへと移行する。このため、特別図柄の抽選が100回終了した後は、通常モード用の背面画像(図示せず)に設定される。
<第5実施形態における電気的構成>
次に、図118(a)を参照して、本第5実施形態における主制御装置110内にも受けられているROM202の構成について説明する。図118(a)は、ROM202の構成を示したブロック図である。図118(a)に示した通り、本第5実施形態におけるROM202の構成は、第1実施形態におけるROM202の構成(図13(a)参照)に対して、小当たり種別選択テーブル202daと、時短回数選択テーブル202dbと、普図変動パターン選択テーブル202dcとが追加されている点で相違している。加えて、本第5実施形態におけるROM202では、第1当たり乱数テーブル202a、第1当たり種別選択テーブル202b、および変動パターンテーブル202dの内容が一部変更となっている。
まず、図118(b)を参照して、本第5実施形態における第1当たり乱数テーブル202aについて説明する。図118(b)は、本第5実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図118(b)に示した通り、本第5実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、大当たりと判定される判定値として、「0,1」の2つの乱数値(カウンタ値)が規定されている(図118(b)の202a1参照)。なお、第1実施形態と同様に、大当たりとなる判定値は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで共通である。また、第1特別図柄の抽選で外れと判定される判定値の範囲として「2〜399」が規定され(図118(b)の202a2参照)、第1特別図柄の小当たりと判定される判定値は規定されていない(図118(b)の202a3参照)。また、第2特別図柄の外れと判定される判定値の範囲として「2〜40」が規定され(図118(b)の202a2参照)、第2特別図柄の小当たりと判定される判定値の範囲として「41〜399」が規定されている(図118(b)の202a3参照)。
このように、本第5実施形態では、第2特別図柄の抽選でのみ、小当たりに当選し得る構成としている。これにより、第2特別図柄の抽選が実行されやすい連荘モードにおいてV入賞スイッチ670e3をより通過し易い状態を形成できるので、連荘モードにおいて、短い期間で再度大当たりが発生し易くなる。これにより、連荘モードにおける有利度合いをより高めることができるので、連荘モードへと移行した場合に、遊技者に対して大きな喜びを与えることができる。
次に、図119(a)を参照して、本第5実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bについて説明する。図119(a)は、本第5実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図119(a)に示した通り、本第5実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bには、第1特別図柄の大当たり種別として、大当たりA5,B5の2種類が設けられており、第2特別図柄の大当たり種別として、大当たりC5の1種類が設けられている。
図119(a)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜49」の範囲には、「大当たりA5」が対応付けられて規定されている(図119(b)の202b1参照)。この「大当たりA5」は、ラウンド数が5ラウンドであり、当選時の遊技状態にかかわらず、大当たり後の遊技状態が普通図柄の時短状態A(連荘モード)に設定される大当り種別(5ラウンド時短大当たり)である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりA5」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりA5」が決定される割合は50%(50/100)である。
図119(a)に示した通り、第1特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2の値が「50〜99」の範囲には、「大当たりB5」が対応付けられて規定されている(図119(b)の202b2参照)。この「大当たりB5」は、ラウンド数が5ラウンドであり、当選時の遊技状態に応じて大当たり後の遊技状態が可変する大当たり種別(5ラウンド特殊大当たり)である。より具体的には、普通図柄の通常状態(通常モード)において「大当たりB5」になった場合には、大当たり後の遊技状態として普通図柄の通常状態(通常モード)が設定されるのに対して、普通図柄の時短状態(引き戻しモード、又は連荘モード)において「大当たりB5」になった場合は、大当たり後の遊技状態として普通図柄の時短状態A(連荘モード)が設定される。なお、大当たり種別、および大当たり当選時の遊技状態と、設定される遊技状態との対応関係は、後述する時短回数選択テーブル202db(図119(c)参照)に規定されている。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個のカウンタ値のうち、「大当たりB5」となるカウンタ値は50個なので、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に「大当たりB5」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、図119(a)に示した通り、第2特別図柄に対して、第1当たり種別カウンタC2が取り得る全ての値に、「大当たりC5」が対応付けて規定されている(図119(a)の202b3参照)。この「大当たりC5」は、ラウンド数が10ラウンドであり、当選時の遊技状態に応じて大当たり後の遊技状態が可変する大当たり種別(10ラウンド特殊大当たり)である。より具体的には、普通図柄の通常状態(通常モード)において「大当たりC5」になった場合には、大当たり後の遊技状態として普通図柄の通常状態(通常モード)が設定されるのに対して、普通図柄の時短状態(引き戻しモード、又は連荘モード)において「大当たりC5」になった場合は、大当たり後の遊技状態として普通図柄の時短状態A(連荘モード)が設定される。
このように、第1特別図柄の大当たりの半分を特殊大当たり(通常モードで当選すると大当たり後に通常モードが設定され、通常モード以外で当選すると大当たり後に連荘モードが設定される大当たり)にすることで、主として第1特別図柄の抽選を実行する必要がある(第2特別図柄の抽選が実行され難い)複数の遊技状態(通常モード、引き戻しモード)において、有利度合いに差を設けることができる。即ち、通常モードにおいて第1特別図柄の大当たりになると、50%の割合で大当たり後に連荘モードが設定されるのに対し、引き戻しモードにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりになると、100%の割合で大当たり後に連荘モードが設定されるように構成することができる。これにより、通常モードと、引き戻しモードとで、大当たりに当選するまでの間の有利度合いは共通(第2入球口6400へと入球し難い不利な状態)としつつ、大当たりに当選した際の有利度合いを、通常モードよりも引き戻しモードの方が高くなるように構成できる。よって、少なくとも引き戻しモードの間は、遊技を継続した方が得であると遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、上述した通り、本第5実施形態では、連荘モードが終了する(大当たり終了後に連荘モード以外のモードが設定される大当たりに当選した)場合には、必ず引き戻しモードに移行する構成としている。これにより、連荘モードが終了した後も、少なくとも引き戻しモードが終了するまでの間は遊技を継続しようと思わせることができる。言い換えれば、連荘モードにおいて大当たりと連荘モードとの繰り返しにより多量の賞球を獲得した遊技者が、連荘モードにおける最後の大当たりが終了した時点で遊技に満足して即座に遊技を辞めてしまうことを抑制することができる。即ち、第2入球口6400へと遊技球が入球し難く、連荘モードに比較して不利な状態(引き戻しモード)において、遊技を継続させることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
また、引き戻しモードと同様に、連荘モードにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合は、100%の割合で大当たり後に連荘モードが設定されるように構成することができる。これにより、例えば、第1特別図柄の保留球が残存した状態で連荘モードに移行し、第1特別図柄の保留球に基づく特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、必ず連荘モードを継続させることができる。即ち、連荘モードに移行した後、第1特別図柄の抽選で当たりとなって即座に通常モードや引き戻しモードに移行してしまうという不条理な状況が発生してしまう(小当たりに1度も当選しないまま連荘モードが終了してしまう)ことを抑制できるので、連荘モード中における遊技者の遊技に対するモチベーションを高めることができる。なお、連荘モードにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合にも、特殊大当たりとなって、必ず大当たり後に連荘モードが再度設定されるので、連荘モードにおいて、小当たりに1度も当選せずにモードが終了してしまう可能性をより確実に排除することができる。よって、連荘モードにおける遊技者の遊技に対するモチベーションをより向上させることができる。
更に、第2特別図柄の大当たりを全て時短大当たりとするのではなく、全て特殊大当たりとすることにより、通常モードにおいて第2特別図柄の抽選を実行しようと試みることを防止することができる。即ち、通常モードにおいて右打ちを行い、第2入球口6400へと遊技球を入球させて遊技を行う変則的な遊技方法を行うと、大当たりになっても当該大当たりの終了後に必ず最も不利な通常モードが設定される構成とすることができるので、変則的な遊技方法に対する抑止効果を高めることができる。
次に、図119(b)を参照して、小当たり種別選択テーブル202daについて説明する。図119(b)は、小当たり種別選択テーブル202daの規定内容を示した図である。この小当たり種別選択テーブル202daは、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、小当たり種別を決定するための判定値が規定されているデータテーブルであり、小当たり種別カウンタC5の判定値が、各小当たり種別に対応付けて規定されている。
具体的には、図119(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜49」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりA」が対応付けて規定されている(図119(b)の202da1参照)。この「小当たりA」は、V入賞装置670のV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に、「大当たりC5」が付与される小当たり種別である。大当たりC5は、上述した通り、ラウンド数が10ラウンドであり、通常モード中に当選すると大当たりの終了後に再度、通常モードが設定される一方で、通常モード以外(引き戻しモード、または連荘モード)において当選すると、大当たりの終了後に連荘モードが設定される大当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりA」となるカウンタ値は50個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりA」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、図119(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「50〜79」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりB」が対応付けて規定されている(図119(b)の202da2参照)。この「小当たりB」は、V入賞装置670のV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に、「大当たりD5」が付与される小当たり種別である。ここで、「大当たりD5」は、ラウンド数が15ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後に連荘モードに移行する大当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりB」となるカウンタ値は30個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりB」が決定される割合は30%(30/100)である。
また、図119(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「80〜94」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりC」が対応付けて規定されている(図119(b)の202da3参照)。この「小当たりC」は、V入賞装置670のV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に、「大当たりE5」が付与される小当たり種別である。ここで、「大当たりE5」は、ラウンド数が10ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず、大当たりが終了してから特別図柄の抽選が30回終了するまでの間、引き戻しモードが設定される大当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりC」となるカウンタ値は15個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりC」が決定される割合は15%(15/100)である。
また、図119(b)に示した通り、小当たり種別カウンタC5の値が「95〜99」の範囲に対しては、小当たり種別として「小当たりD」が対応付けて規定されている(図119(b)の202da4参照)。この「小当たりD」は、V入賞装置670のV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に、「大当たりF5」が付与される小当たり種別である。ここで、「大当たりF5」は、ラウンド数が10ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず、大当たりが終了してから特別図柄の抽選が100回終了するまでの間、引き戻しモードが設定される大当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりD」となるカウンタ値は5個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりD」が決定される割合は5%(5/100)である。
このように、本第5実施形態では、4つの小当たり種別が設けられており、小当たり種別に応じて、V入賞スイッチ670e3を通過した場合に実行(開始)される大当たりの種別が異なって構成されている。連荘モード(および普通図柄の時短状態が設定される引き戻しモード)においては、小当たりA、または小当たりBに当選し、小当たり遊技の実行中にV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過することにより、大当たりC、または大当たりDが開始されて、大当たり終了後の遊技状態(モード)として、再度、連荘モードが設定される。よって、小当たりA、および小当たりBは、遊技者にとって比較的有利な小当たり種別であると言える。なお、小当たりBの方が、V入賞スイッチ670e3を通過した場合に実行される大当たりのラウンド数が多いため、小当たりAよりも小当たりBの方が、より有利度合いが高い小当たり種別であると言える。小当たりA、または小当たりBに当選する割合は合計80%(50%+30%)であり、上述した通り、連荘モードにおいて1度も大当たりとならずに連荘モードが終了してしまう(100回の時短期間が経過してしまう)可能性は0.6%程度であるので、一旦連荘モードになると、約80%の割合で連荘モードが繰り返される(連荘モードをループする)。
また、連荘モード(および普通図柄の時短状態が設定される引き戻しモード)において、小当たりC、または小当たりDに当選し、小当たり遊技の実行中にV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過することにより、大当たりE、または大当たりFが開始されて、大当たり終了後の遊技状態(モード)として、引き戻しモードが設定される。引き戻しモードは連荘モードよりも有利度合いが低い遊技状態(モード)であるため、小当たりC、および小当たりDは、遊技者にとって比較的不利な小当たり種別であると言える。なお小当たりCと、小当たりDとは、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に実行される大当たりの性能(ラウンド数)自体は同一であるが、大当たり後に設定される引き戻しモードの期間(回数)が、小当たりCに基づく引き戻しモードの方が短くなるように構成されている。このため、小当たりCよりも小当たりDの方が、有利度合いが高い小当たり種別であると言える。小当たりC、または小当たりDのどちらかに当選する割合は20%(15%+5%)であるので、連荘モードにおいて大当たりになると、約20%の割合で引き戻しモードへと移行してしまう。なお、連荘モードにおいて特別図柄の抽選で大当たりとなった場合(V入賞スイッチ670e3を通過することなく大当たりに当選した場合)は、必ず大当たり後に連荘モードへと移行する。
一方、通常モードにおいては、小当たりB以外の小当たり(小当たりA,C,D)に当選してV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合、大当たり終了後のモードとして通常モードが設定されてしまう。即ち、通常モードにおいてV入賞スイッチ670e3を通過すると、70%の割合で大当たり後に通常モードが設定されてしまうため、通常モードにおいて第2特別図柄の抽選を行わせようとする変則的な遊技方法を行うと、遊技者にとって極めて不利となってしまう。上述した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりになれば、50%の割合で大当たり後に連荘モードに移行するのに対し、第2特別図柄の抽選で大当たりになってしまうと、100%の割合で大当たり後に再度、通常モードに移行してしまう。加えて、通常モードにおいて第2特別図柄の抽選で小当たりとなり、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過したとしても、70%の割合で大当たり後に再度、通常モードに移行してしまう。よって、変則的な遊技方法を行うことにより第2特別図柄の抽選ばかりを行わせるような遊技方法を実施すると、本実施形態のパチンコ機10において最も有利な状態である連荘モードへの移行率が低くなってしまい、遊技者にとって不利になってしまう。よって、遊技者に対して、通常モードにおいて遊技球が入球し難い第2入球口6400へと無理矢理入球させて第2特別図柄の抽選ばかりを実行させるような変則的な遊技方法を行うメリットを無くすことができるので、通常モードにおいて、第1入球口64へと遊技球を入球させるために左打ちによる遊技を行わせることができる。よって、変則的な遊技方法の実施により、ホールに対して不測の不利益を与えてしまったり、逆に、遊技者に対して過剰に損をさせてしまったりすることをより確実に防止することができる。
次に、図119(c)を参照して、時短回数選択テーブル202dbの詳細について説明する。図119(c)は、本第5実施形態における時短回数選択テーブル202dbの規定内容を示した図である。この時短回数選択テーブル202dbは、大当たり終了時に参照され、大当たり終了後の時短回数(通常モードに移行するまでの特別図柄の抽選回数)を大当たり種別、および大当たり当選時の遊技状態に応じて設定するためのデータが規定されたデータテーブルである。この時短回数選択テーブル202dbには、大当たり終了後の時短回数だけでなく、時短状態の種別(時短状態Aであるか、時短状態Bであるか)を示すデータも合わせて規定されている。
図119(c)に示した通り、大当たり種別として、大当たりA5,D5に対しては、当選時の遊技状態にかかわらず、時短回数として100回が対応付けて規定され、時短状態の種別として、時短状態Aが対応付けて規定されている(図119(c)の202db1参照)。このため、第1特別図柄の抽選で大当たりA5に当選するか(図119(a)の202b1参照)、または小当たりBの開放期間においてV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過して大当たりD5に当選した場合(図119(b)の202da2参照)、当選時の遊技状態とは無関係に、大当たり終了後、特別図柄の抽選が100回終了するまでの間、普通図柄の時短状態A(連荘モード)が設定される。上述した通り、連荘モードは遊技者にとって最も有利となる遊技状態であるので、主として第1特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する必要がある通常モード、および引き戻しモードにおいて、大当たりA5は遊技者にとって好ましい(喜ばしい)大当たり種別の1種である。また、主として第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する必要がある連荘モードにおいて、大当たりD5は遊技者にとって好ましい大当たり種別の1種である。
また、図119(c)に示した通り、大当たり種別として、大当たりB5,C5に対しては、普通図柄の通常状態(通常モード)において時短回数として0回が対応付けて規定され、普通図柄の時短状態(引き戻しモード、連荘モード)に対して100回の時短状態Aが対応付けて規定されている(図119(c)の202db2参照)。よって、普通図柄の通常状態に設定される通常モードにおいては、第1特別図柄の抽選で大当たりB5になると、大当たり後に再度通常モードが設定されてしまうので、大当たりB5は、遊技者にとって好ましくない大当たり種別の1種である。一方、引き戻しモードにおいては、大当たりB5になっても大当たり終了後に有利な連荘モードに移行するため、遊技者にとって好ましい大当たり種別の1種となる。また、主として第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する必要がある連荘モードにおいて、大当たり後に有利な連荘モードに移行する大当たりC5は遊技者にとって好ましい大当たり種別の1種である。
また、図119(c)に示した通り、大当たり種別として、大当たりE5に対しては、普通図柄の通常状態において時短回数として0回が対応付けて規定され、普通図柄の時短状態(引き戻しモード、連荘モード)に対して30回の時短状態Bが対応付けて規定されている(図119(c)の202db3参照)。なお、主として第1特別図柄の抽選により遊技を進行する必要がある通常モードや、引き戻しモードにおいては、基本的に大当たりE5に当選することはないが、仮に通常モードにおいて変則的に、または不正に第2特別図柄の抽選を行わせて小当たりCになり、大当たりE5に当選したとしても、大当たり後に最も不利な通常モードに移行してしまうため、大当たりE5は通常モードにおいて最も不利な大当たり種別の1種である。また、引き戻しモードにおいて第2特別図柄の抽選を実行させて大当たりE5に当選した場合、大当たり後に引き戻しモードに移行してしまう。即ち、第1特別図柄の抽選で大当たりになれば100%連荘モードへと移行するにもかかわらず、無駄に引き戻しモードをループしてしまうことになるので、引き戻しモードにおいても、大当たりE5は比較的好ましくない(不利な)大当たり種別の1種となる。また、連荘モードにおいて小当たりCになり、大当たりE5になると、連荘モードに比較して遊技者に不利な引き戻しモードに移行してしまうため、連荘モード中における大当たりE5は、遊技者にとって好ましくない(不利な)大当たり種別の1種となる。
また、図119(c)に示した通り、大当たり種別として、大当たりF5に対しては、普通図柄の通常状態において時短回数として0回が対応付けて規定され、普通図柄の時短状態(引き戻しモード、連荘モード)に対して100回の時短状態Bが対応付けて規定されている(図119(c)の202db4参照)。即ち、大当たりF5になると、大当たりE5(図119(c)の202db3参照)と同様のモード移行を行うが、連荘モードにおいて当選した場合に移行する引き戻しモードの長さ(特別図柄の抽選回数)が、大当たりE5に当選した場合に比較して長くなる(抽選回数が多くなる)。よって、大当たりF5は、通常モードや引き戻しモードにおいては、大当たりE5と同様に好ましくない(不利な)大当たり種別の1種となる。また、連荘モードにおいては、好ましくない大当たり種別の1種であるが、大当たり後の引き戻しモードが長く継続するという点で、大当たりE5よりは有利度合いが高い大当たり種別であると言える。
このように、本第5実施形態では、時短回数選択テーブル202db(図119(c)参照)に規定されている時短回数を設定することにより、大当たりを契機として、通常モード(普通図柄の通常状態)、連荘モード(普通図柄の時短状態A)、および引き戻しモード(普通図柄の時短状態B)の3つのモード間を行き来することが可能に構成されている。これにより、大当たり後のモード(遊技状態)に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図120を参照して、本第5実施形態における変動パターン選択テーブル202dの詳細について説明する。この変動パターン選択テーブル202dは、第1実施形態における変動パターン選択テーブル202d(図15参照)と同様に、特別図柄の抽選結果に応じて特別図柄の変動パターン(変動時間)を決定するために参照されるデータテーブルである。
図120(a)は、本第5実施形態における変動パターン選択テーブル202dの構成を示したブロック図である。図120(a)に示した通り、本第5実施形態における変動パターン選択テーブル202dは、第1実施形態における変動パターン選択テーブル202dの構成(図15(a)参照)に対して、特図1外れ(通常)用テーブル202d2と、特図1外れ(確変)用テーブル202d3とに代えて、単一の特図1外れ用テーブル202d11が設けられている点、特図2当たり(4変動以下)用テーブル202d4と、特図2当たり(5変動以上)用テーブル202d5とに代えて、単一の特図2当たり用テーブル202d12が設けられている点、特図2外れ(4変動以下)用テーブル202d6と、特図2外れ(5変動以上)用テーブル202d7とに代えて、特図2外れ(通常・引き戻し)用テーブル202d13と、特図2外れ(連荘)用テーブル202d14とが設けられている点で相違している。なお、特図1外れ用テーブル202d11の規定内容は、第1実施形態における特図1外れ(通常)用テーブル202d2(図15(c)参照)と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
特図2当たり用テーブル202d12は、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、変動パターン(変動時間)を決定するために参照されるデータテーブルである。図120(b)に示した通り、特図2当たり用テーブル202d12には、第2特別図柄の抽選が実行された時点のモード(遊技状態)毎に、選択される変動パターン(変動時間)が規定されている。図120(b)に示した通り、通常モード、および引き戻しモードにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりになると、変動種別カウンタCS1の値によらず、変動パターンとして、変動時間が180秒間の当たり超ロング変動が決定される。これに対して、連荘モードにおいて第2特別図柄の抽選で大当たりになると、変動種別カウンタCS1の値によらず、変動パターンとして、変動時間が10秒間の当たりミドル変動が決定される。このように、第1特別図柄の抽選により遊技を進行させる必要がある通常モードや引き戻しモードにおいて、第2特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、極めて長い変動時間を設定する構成とすることで、通常モードや引き戻しモードにおいて変則的に、又は不正に第2特別図柄の抽選を行った場合の遊技効率を低下させることができる。よって、変則的に、又は不正に第2特別図柄の抽選が実行されてしまうことを抑制できる。
また、特図2外れ(通常・引き戻し)用テーブル202d13は、通常モード、および引き戻しモードにおいて第2特別図柄の抽選で外れ(小当たり含む)となった場合に、変動パターン(変動時間)を決定するために参照されるデータテーブルである。図120(c)に示した通り、特図2外れ(通常・引き戻し)用テーブル202d13には、変動種別カウンタCS1の値によらず、変動パターンとして、変動時間が180秒間の外れ超ロング変動のみが規定されている。このように、第1特別図柄の抽選により遊技を進行させる必要がある通常モードや引き戻しモードにおいて、第2特別図柄の抽選で外れ(または小当たり)になった場合に、極めて長い変動時間を設定する構成とすることで、通常モードや引き戻しモードにおいて変則的に、又は不正に第2特別図柄の抽選を行った場合の遊技効率をより低下させることができる。よって、変則的に、又は不正に第2特別図柄の抽選が実行されてしまうことを抑制できる。
また、特図2外れ(連荘)用テーブル202d14は、連荘モードにおいて第2特別図柄の抽選で外れ(または小当たり)となった場合に、変動パターン(変動時間)を決定するために参照されるデータテーブルである。図120(d)に示した通り、特図2外れ(連荘)用テーブル202d14には、抽選結果毎に、決定され得る変動パターンが規定されている。より具体的には、図120(d)に示した通り、第2特別図柄の外れに対しては、変動種別カウンタCS1の取り得る全ての値に対して、変動時間が10秒間の外れミドル変動が対応付けて規定されている。よって、連荘モードにおいて、第2特別図柄の抽選で外れになった場合は、必ず10秒間の変動時間が設定される。一方、図120(d)に示した通り、第2特別図柄の小当たりに対しては、変動種別カウンタCS1の値が「0〜174」の範囲に対して変動時間が5秒間の小当たりショート変動が対応付けて規定され、変動種別カウンタCS1の値が「175〜198」の範囲に対して変動時間が10秒間の小当たりミドル変動が対応付けて規定されている。これらの規定内容により、連荘モードにおいては、第2特別図柄の抽選が実行された場合に5秒間、又は10秒間という比較的短い変動時間のみが設定されるので、連荘モードにおける遊技効率を高めることができる。よって、連荘モードの優位性をより高めることができるので、連荘モードへと移行した場合における遊技者の喜びをより大きくすることができる。従って、連荘モードにおける遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、連荘モードにおいて当選する確率が高い小当たりとなった場合に短い変動時間(5秒間)が設定される割合を高くし、小当たりとなった場合における比較的低い割合(約1/4)で、当たりや外れの場合と同様の比較的長い(10秒間の)変動時間が設定される構成としている。これにより、比較的長い変動時間が選択される毎に、第2特別図柄の抽選で直接大当たりとなった可能性があると遊技者に思わせることができる。従って、連荘モードにおいて、変動時間に着目して遊技を行わせることができるので、遊技者の連荘モードにおける興趣を向上させることができる。
次に、図121(a)を参照して、普図変動パターン選択テーブル202dcの詳細について説明する。この普図変動パターン選択テーブル202dcは、普通図柄の抽選が実行された場合に、普通図柄の変動時間を設定するために参照されるデータテーブルであり、図121(a)に示した通り、普通図柄の抽選が実行された時点の遊技状態(モード)と、普通図柄の変動パターン(変動時間)とが対応付けて規定されている。
図121(a)に示した通り、普通図柄の通常状態(通常モード)に対しては、変動パターンとして、変動時間が30秒間のロング変動が対応付けて規定されている(図121(a)の202dc1参照)。これに対し、普通図柄の時短状態A(連荘モード)に対しては、変動時間が0.1秒間のショート変動Aが対応付けて規定されており(図121(a)の202dc2参照)、普通図柄の時短状態B(引き戻しモード)に対しては、変動時間が0.5秒間のショート変動Bが対応付けて規定されている(図121(a)の202dc3参照)。
このため、通常モードにおいて普通図柄の抽選が実行されると、時短状態(連荘モード、引き戻しモード)に比較して極めて長い普通図柄の変動時間が設定されるので、通常モードにおいて右打ちによりスルーゲート67、および第2入球口6400を狙って遊技を行った場合の遊技効率を、極めて悪化させることができる。これにより、通常モードにおいて右打ちを行う変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。また、連荘モード(時短状態A)における普通図柄の変動時間を0.1秒間に設定することで、普通図柄の当たりになった場合は、スルーゲート67を通過した遊技球が直接第2入球口6400に入球し易くなるように構成できる。よって、連荘モードの間は、最大の発射強度、且つ、最短の発射間隔(0.6秒間隔)で遊技球を右打ちし続けるだけで、左側流路R2(図113参照)に振り分けられた遊技球を高確率(普通図柄の当たりとなる確率である1/1.2で)第2入球口6400へと入球させることができる。
一方で、引き戻しモード(時短状態B)における普通図柄の変動時間を0.5秒間に設定することで、普通図柄の抽選で当たりになったとしても、当該抽選の契機となった遊技球(スルーゲート67を通過した遊技球)も、スルーゲート67を通過した遊技球の次に第2入球口誘導領域へと発射されて右側流路R1(図113参照)へと振り分けられた遊技球も第2入球口6400へと入球することが不可能(困難)となるように構成できる。即ち、0.5秒間の変動時間が設定されることにより、普通図柄の当たりとなった場合には、スルーゲート67を通過した遊技球が第2入球口6400を通過しきってから(即ち、スルーゲート67から第2入球口6400までの流路の流下期間である0.2秒間が経過してから)電動役物6400が開放される。また、電動役物6400aの開放期間は0.2秒間なので、1の遊技球がスルーゲート67を通過してから0.5秒〜0.7秒の間に他の遊技球を到達させなくては第2入球口6400へと入球させることが不可能となる。しかしながら、最短の発射間隔で第2入球口誘導領域へと遊技球を発射し続けたとしても、スルーゲート67を通過した遊技球の次の遊技球が右側流路R1に振り分けられて第2入球口6400へと到達するまでには約0.8秒間を要するため、開放期間の経過後に第2入球口6400へと入球することとなる。よって、引き戻しモードにおいて最短の発射間隔(0.6秒間隔)で右打ちを行ったとしても、遊技球を第2入球口6400へと入球させることは不可能(困難)となり、いたずらに持ち球を減少させるのみの極めて不利な状態となる。従って、引き戻しモードにおいて、遊技者に対して左打ちにより第1入球口64に遊技球を入球させて遊技を進行させる(特別図柄の抽選を行わせる)遊技方法を行わせることができる。言い換えれば、普通図柄の時短状態が付与されているにも拘わらず、開放され易い第2入球口6400を狙う遊技方法ではなく、通常モード(通常遊技状態)と同様の遊技方法(左打ちにより第1入球口64を狙って遊技を行う遊技方法)を行わせることができるという斬新な遊技性を実現できる。
次に、図121(b)を参照して、本第5実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の構成について説明する。図121(b)は、本第5実施形態におけるRAM203の構成を示したブロック図である。図121(b)に示した通り、本第5実施形態におけるRAM203の構成は、第1実施形態におけるRAM203の構成(図18参照)に対して、時短中カウンタ203daと、大当たり種別格納エリア203dbと、モード種別格納エリア203dcと、V通過フラグ203ddと、当選時モード格納エリア203deとが追加されている点で相違している。また、確変フラグ203gと、確変設定フラグ203hと、確変通過カウンタ203iと、確変有効フラグ203nと、確変有効タイマ203oとが削除されている点で相違している。
時短中カウンタ203daは、普通図柄の時短状態が終了するまでの残りの特別図柄の抽選回数をカウントするためのカウンタである。この時短中カウンタ203daの値が1以上であれば、普通図柄の時短状態(連荘モード、引き戻しモードのいずれか)であることを意味し、時短中カウンタ203daの値が0であれば、普通図柄の通常状態であることを意味する。この時短中カウンタ203daは、初期値が0に設定されており、大当たり終了時に、時短回数選択テーブル202db(図119(c)参照)に規定された時短回数が設定される(図133のS1323参照)。また、この時短中カウンタ203daの値は、特別図柄の変動停止のタイミングで実行される時短回数更新処理(図128参照)の中で1ずつ減算されて更新される(図128のS2302参照)。普通図柄の抽選を実行する際は、この時短中カウンタ203daの値により普通図柄の時短状態であるか否かが判別されて、高確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル(図14(b)の202c3,202c4)を参照して普通図柄の抽選を行うか、低確率時用の普通図柄当たり乱数テーブル(図14(b)の202c1,202c2)を参照して普通図柄の抽選を行うかが決定される(図130のS608参照)。
大当たり種別格納エリア203dbは、大当たりに当選した場合に、当該当選した大当たりの種別を示すデータを一時的に格納しておくための記憶領域である。この大当たり種別格納エリア203dbには、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり種別に対応するデータが格納される(図127のS331参照)。また、特別図柄の抽選で小当たりとなり、当該小当たりにおいてV入賞スイッチ670e3を通過した場合に、小当たり種別に対応する大当たり種別を示すデータが格納される(図134のS1629参照)。この大当たり種別格納エリア203dbに格納されたデータは、当選した大当たりの終了タイミングまで保持され、大当たり終了時に時短回数選択テーブル202dbから時短回数を選択するために用いられる(図133のS1322参照)。
モード種別格納エリア203dcは、現在のモード(遊技状態)を示すデータを格納するための記憶領域である。このモード種別格納エリア203dcに対してデータとして「00H」が格納されていれば、現在のモードが通常モード(普通図柄の通常状態)であることを示し、「01H」が格納されていれば、連荘モード(普通図柄の時短状態A)であることを示し、「02H」が格納されていれば、引き戻しモード(普通図柄の時短状態B)であることを示す。普図変動パターン選択テーブル202dc(図121(a)参照)から普通図柄の変動時間を選択して設定する際には、このモード種別格納エリア203dcに格納されているデータに対応する変動時間が設定される。
V通過フラグ203ddは、小当たり遊技の実行中に、V入賞スイッチ670e3を通過済みであるか否か(小当たり終了後に大当たりとなることが確定しているか否か)を示すためのフラグである。小当たりの終了時に、このV通過フラグ203ddがオンであれば、小当たり終了時に大当たりの開始が設定される一方で、V通過フラグ203ddがオフであれば、大当たりが開始されずに小当たりが終了される。このV通過フラグ203ddは、初期値がオフに設定されており、小当たり遊技の実行中に遊技球がV入賞スイッチ670e3を通過したことが検出された場合にオンに設定される(図135のS2506参照)。また、V入賞スイッチ670e3を通過したことに基づく大当たりの開始を設定した後でオフに設定される(図134のS1630参照)。
当選時モード格納エリア203deは、大当たりに当選した際のモード(遊技状態)を示すデータを一時的に記憶しておくための記憶領域である。この当選時モード格納エリア203deには、モード種別格納エリア203dcと同一の形式のデータが格納される。大当たり開始時には、モード種別格納エリア203dcに格納されているデータがこの当選時モード格納エリア203deに転送され、大当たり終了までの間、データが保持される。大当たりの終了時には、この当選時モード格納エリア203deに格納されているデータを用いて大当たり当選時のモードが判別され、対応する時短回数が時短回数選択テーブル202db(図119(c)参照)から読み出されて設定される(図133のS1322参照)。
次に、図122を参照して、本第5実施形態における遊技状態(モード)の移行方法について説明する。図122に示した通り、本第5実施形態のパチンコ機10には、大別して3つの状態(モード)が設けられている。即ち、図122の上部に示した通常モード(普通図柄の通常状態)と、図122の左下部に示した連荘モード(普通図柄の時短状態A)と、図122の右下部に示した引き戻しモード(普通図柄の時短状態B)とが設けられている。
通常モードは、上述した通り、普通図柄の通常状態のことを示しており、遊技球が第2入球口6400へ入球し難く、第1特別図柄の抽選で大当たりになっても連荘モードに移行し難いため、遊技者にとって最も不利な遊技状態となる。また、連荘モードは、上述した通り、普通図柄の時短状態Aが設定される遊技状態を示しており、第2入球口6400へと遊技球が入球し易くなるため高確率で小当たりが発生し、V入賞スイッチ670e3を通過する機会が多くなるため、通常モードよりも大当たりとなる可能性が高い遊技状態である。また、大当たり終了後に再度、連荘モードが設定され易いので、遊技者にとって最も有利な遊技状態となる。
また、引き戻しモードは、普通図柄の時短状態Bが設定される遊技状態を示しており、上述した通り、遊技球が第2入球口6400へと入球し難いため、通常モードと同様に第1入球口64を狙って遊技を行う必要があるものの、大当たりに当選すると100%の割合で連荘モードに移行するため、通常モードに比較して有利となる遊技状態である。
図122の上部に示した通り、通常モードから他のモードへは、大当たりとなった場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図122に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、大当たり種別として大当たりA5が決定された場合には、大当たり終了後の遊技状態として連荘モードが設定される。一方で、大当たりB5が決定されると、大当たり終了後の遊技状態として通常モードが設定されるので、最も不利な遊技状態を繰り返すこととなる。即ち、通常モードにおいては、大当たりとなった場合の50%の割合で決定される大当たりA5に当選することができなければ、他の遊技状態に移行することがない。言い換えれば、大当たりに当選したとしても、50%の割合で同一の状態をループする極めて不利な遊技状態となる。
図122の左下部に示した通り、連荘モードから他のモードには、大当たりになった場合の他、普通図柄の時短回数が終了した場合にも移行する可能性がある。具体的には、図122の左下部に示した通り、第2特別図柄の抽選で小当たりとなってV入賞(V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過する事象)が発生し、大当たりE5,F5のいずれかが決定されると、大当たり終了後の遊技状態が引き戻しモードに設定される。また、大当たりとならずに特別図柄の抽選が100回終了した場合には、普通図柄の時短回数が経過して、通常モードへと移行(転落)する。一方、V入賞した場合に大当たりC5,D5が決定された場合や、特別図柄の抽選で大当たりになった場合には、大当たり終了後に再度連荘モードが設定される。なお、上述した通り、大当たりにならずに100回の特別図柄の変動が終了する可能性は約0.6%であるため、ほぼ発生しない事象である。よって、連荘モードにおいて他のモードに移行するのは、ほぼ大当たりE5,F5に当選した場合である。大当たりE5,F5に対応する小当たり(小当たりC,D)は、全小当たりのうち20%の割合で決定されるため、連荘モードになると、大当たりと連荘モードとを80%以上の割合で繰り返す極めて有利な遊技状態となる。よって、連荘モードへと移行させることを1つの目標として遊技者に遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図122の右下部に示した通り、引き戻しモードから他のモードには、大当たりになった場合の他、普通図柄の時短回数が終了した場合にも移行する可能性がある。具体的には、図122の右下部に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たりA5になった場合も、大当たりB5になった場合も、大当たり終了後の遊技状態が連荘モードに設定される。また、大当たりとならずに時短回数分の特別図柄の抽選が終了した場合には、通常モードへと移行(転落)する。通常モードにおいては、第1特別図柄の大当たりになっても50%の割合でしか連荘モードへと移行しないのに対し、準備モードで第1特別図柄の大当たりになると必ず連荘モードへと移行するので、準備モードが継続している間に大当たりに当選して欲しいと強く願って遊技を行わせることができる。よって、準備モードにおける遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、本第5実施形態では、有利度合いの異なる3種類のモードを行き来することが可能に構成されている。これにより、遊技にメリハリをつけることができるので、遊技が単調となってしまうことを防止(抑制)することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図123を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているROM222の詳細について説明する。図123(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図123(a)に示した通り、本第5実施形態におけるROM222の構成は、第1実施形態におけるROM222の構成(図20(a)参照)に対して、期待度選択テーブル222daが追加されている点で相違している。この期待度選択テーブル222daは、連荘モードが終了した(引き戻しモードに移行した)後の所定期間(特別図柄の変動表示が100回終了するまでの間)の間の背面画像を抽選するために用いられるデータテーブルである。ここで、上述した通り、本第5実施形態では、引き戻しモードが継続する特別図柄の抽選回数として、30回(大当たりE5)と、100回(大当たりF5)とのどちらかが設定される。即ち、引き戻しモードに移行してから特別図柄の抽選回数が30回を超えると、通常モードに移行(転落)する可能性がある。本第5実施形態では、通常モードに移行したのか、引き戻しモードが継続しているのかを明確に報知せず、背面画像の種別(図116,117参照)により引き戻しモードが継続しているかどうかの期待度を示唆することにより、引き戻しモードであるか否かを遊技者に予測させる遊技性を提供している。
より具体的には、引き戻しモードに移行してから(即ち、大当たりE5、または大当たりF5が終了してから)特別図柄の抽選回数が30回以内の範囲(即ち、引き戻しモードに滞在していることが確定する抽選回数)においては、背面画像として高期待度用の背面画像を設定しておき、抽選回数が30回を超えた場合(即ち、引き戻しモードが終了している可能性がある抽選回数となった場合)には、特別図柄の抽選が10回実行される毎に、期待度選択テーブル222daを用いて背面画像を選択し直す(10回の抽選毎に期待度を更新する)構成としている。この期待度選択テーブル222daの詳細について、図123(b)を参照して説明する。
図123(b)は、期待度選択テーブル222daの規定内容を示した図である。図123(b)に示した通り、この期待度選択テーブル222daは、背面画像を選択し直すための抽選(期待度の再抽選)を実行する時点のモード(遊技状態)毎に、背面画像の種別と、演出抽選カウンタ223daの値の範囲とが対応付けて規定されている。具体的には、図123(b)に示した通り、通常モードに対しては、演出抽選カウンタ223daの値が「0〜4」の範囲に高期待度用の背面画像(図116(a)参照)が対応付けて規定され、「5〜49」の範囲に中期待度用の背面画像(図116(b)参照)が対応付けて規定され、「50〜99」の範囲に低期待度用の背面画像(図117参照)が対応付けて規定されている。
演出抽選カウンタ223daは、「0〜99」の100個の値を取り得るので、通常モードにおいて期待度の再抽選が実行された場合に、高期待度用の背面画像が設定される割合は5%(5/100)となる。一方で、中期待度用の背面画像が設定される割合は45%(45/100)となり、低期待度用の背面画像が設定される割合は50%(50/100)となる。よって、引き戻しモードから通常モードに移行(転落)済みの場合(前回の大当たり終了後に時短回数が30回の引き戻しモードが設定された場合)には、期待度の再抽選により低期待度用の背面画像が設定される可能性が最も高くなる一方で、高期待度用の背面画像が設定される可能性が極めて低くなる。
また、図123(b)に示した通り、引き戻しモードに対しては、演出抽選カウンタ223daの値が「0〜9」の範囲に高期待度用の背面画像(図116(a)参照)が対応付けて規定され、「10〜79」の範囲に中期待度用の背面画像(図116(b)参照)が対応付けて規定され、「80〜99」の範囲に低期待度用の背面画像(図117参照)が対応付けて規定されている。よって、引き戻しモードにおいて期待度の再抽選が実行された場合に、高期待度用の背面画像が設定される割合は10%(10/100)となり、中期待度用の背面画像が設定される割合は70%(70/100)となり、低期待度用の背面画像が設定される割合は20%(20/100)となる。よって、引き戻しモードが継続している場合(前回の大当たり終了後に時短回数が100回の引き戻しモードが設定された場合)には、期待度の再抽選により高期待度用の背面画像が設定される可能性が、通常モードに移行済みの場合に対して2倍に増加すると共に、低期待度用の背面画像が設定される可能性が半分以下に減少する。また、中期待度用の背面画像が設定される割合が25%高くなる。
よって、高期待度用の背面画像が設定されると、引き戻しモードが継続している可能性(期待度)が高まる一方で、低期待度用の背面画像が設定されると、引き戻しモードが終了している(通常モードに移行済みである)可能性(期待度)が高まる。よって、背面画像の種別に応じてモードを遊技者に推測させることができるので、連荘モードが終了した後、特別図柄の抽選が100回終了するまでの間の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図124を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113内に設けられているRAM223の詳細について説明する。図124は、RAM223の構成を示したブロック図である。図124に示した通り、本第5実施形態におけるRAM223の構成は、第1実施形態におけるRAM223の構成(図20(b)参照)に対して、演出抽選カウンタ223daと、変動回数カウンタ223dbとが追加されている点で相違している。また、第1実施形態における突破演出が実行されないことに伴って、突破演出カウンタ223gが削除されている点でも相違している。
演出抽選カウンタ223daは、上述した期待度選択テーブル222daから1の背面画像(期待度)を選択するために用いるカウンタである。この演出抽選カウンタ223daは、「0〜99」の範囲で値が更新される。背面画像を選択する場合は、期待度選択テーブル222daに規定された乱数値(カウンタ値)と、この演出抽選カウンタ223daの値と比較されて、対応する1の背面画像が選択される。この演出抽選カウンタ223daは、例えばメイン処理(図45参照)の中で1ms毎に更新される。
変動回数カウンタ223dbは、大当たり終了後の特別図柄の抽選回数(変動表示の実行回数)をカウントするためのカウンタである。この変動回数カウンタ223dbは、初期値が0に設定されており、主制御装置110より受信した新たな変動パターンコマンドに基づいて変動表示演出の実行を設定した際に、値が1ずつ加算されて更新される(図139のS5601参照)。また、大当たりに当選すると、値が0にリセットされる。大当たり終了後に引き戻しモードが設定されてから、特別図柄の抽選が100回終了するまでの間は、変動表示演出を設定する毎にこの変動回数カウンタ223dbが参照され、期待度選択テーブル222daを用いた期待度の再抽選の実行タイミングであるか否かが判別される(図139のS5603,S5605〜S5608参照)。
<第5実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図125から図135を参照して、本第5実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。まず、図125のフローチャートを参照して、本第5実施形態におけるタイマ割込処理5について説明する。このタイマ割込処理5(図125参照)は、第1実施形態におけるタイマ割込処理(図27参照)に代えて実行され、第1実施形態におけるタイマ割込処理(図27参照)と同様に、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。
この第5実施形態におけるタイマ割込処理5(図125参照)のうち、S101,S102,S105、およびS107〜S109の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるタイマ割込処理(図27参照)のS101,S102,S105、およびS107〜S109の各処理と同一の処理が実行される。また、本第5実施形態におけるタイマ割込処理5(図125参照)では、S102の処理が終了すると、次いで、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止種別選択カウンタC3、第2当たり乱数カウンタC4、および小当たり種別カウンタC5を更新する(S141)。即ち、第1実施形態におけるタイマ割込処理(図27参照)におけるS103の処理で更新する各種カウンタ値に加えて、小当たり種別カウンタC5の値を更新する。S141の処理後は、第1実施形態における特別図柄変動処理(S104、図28参照)に代えて特別図柄変動処理5を実行し(S142)、処理をS105へと移行する。この特別図柄変動処理5(S142)の詳細については、図126を参照して後述する。
また、本第5実施形態におけるタイマ割込処理5(図125参照)では、S105の処理が終了すると、次に、第1実施形態における普通図柄変動処理(S106、図32参照)に代えて普通図柄変動処理5を実行して(S143)、処理をS107へと移行する。この普通図柄変動処理5(S143)の詳細については、図130を参照して後述する。
次に、図126を参照して、上述した特別図柄変動処理5(S142)の詳細について説明する。図126は、この特別図柄変動処理5(S142)を示したフローチャートである。この特別図柄変動処理5(S142)は、第1実施形態における特別図柄変動処理(図28参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における特別図柄変動処理(図28参照)と同様に、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この第5実施形態における特別図柄変動処理5(図126参照)のうち、S201〜S212,S214〜S218,S220、およびS221の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動処理(図28参照)のS201〜S212,S214〜S218,S220、およびS221の各処理と同一の処理が実行される。また、本第5実施形態における特別図柄変動処理5(図126参照)では、S207の処理、またはS212の処理が終了すると、第1実施形態における特別図柄変動開始処理(S213,図29参照)に代えて、特別図柄変動開始処理5を実行して(S261)、本処理を終了する。この特別図柄変動開始処理5(S261)の詳細については、図127を参照して後述する。
また、本第5実施形態における特別図柄変動処理5(図126参照)では、S218の処理において、今回の抽選結果が大当たりであると判別した場合に(S218:Yes)、モード種別格納エリア203dcのデータを当選時モード格納エリア203deに格納した後で(S262)、時短中カウンタ203daのカウンタ値と、モード種別格納エリア203dcのデータとをリセットして(S263)、処理をS220へと移行する。S263の処理において大当たり中の状態を初期状態(普通図柄の通常状態)に戻すよりも前に、モード種別格納エリア203dcに格納されていたデータを当選時モード格納エリア203deに転送しておくことにより、大当たり終了時まで、大当たりに当選した時点のモード(遊技状態)を示すデータを保持しておくことができる。よって、大当たり終了時に、大当たりに当選した際の遊技状態を正確に判別して、対応する時短回数を設定することができる。
また、本第5実施形態における特別図柄変動処理5(図126参照)では、S218の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではない(即ち、外れ、または小当たりである)と判別した場合に(S218:No)、時短状態である場合(即ち、連荘モード、または引き戻しモードである場合)に、時短回数を更新するための時短回数更新処理を実行する(S264)。この時短回数更新処理(S264)の詳細については、図128を参照して後述する。
時短回数更新処理(S264)が終了すると、次いで、今回の抽選結果が小当たりであるか否かを判別して(S265)、小当たりであると判別した場合は(S265:Yes)、小当たりの開放動作の開始を設定するための小当たり開始処理を実行して(S266)、処理をS221へと移行する。この小当たり開始処理(S266)の詳細については、図129を参照して後述する。一方、S265の処理において、今回の抽選結果が小当たりでない(即ち、外れである)と判別した場合は(S265:No)、S266の処理をスキップして、処理をS221へと移行する。
次に、図127を参照して、上述した特別図柄変動開始処理5(S261)の詳細について説明する。この特別図柄変動開始処理5(S261)は、第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図29参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図29参照)と同様に、実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づいて、特別図柄の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の変動パターン(変動時間)を決定するための処理である。
この第5実施形態における特別図柄変動開始処理5(図127参照)のうち、S301〜S312の各処理では、それぞれ第1実施形態における特別図柄変動開始処理(図29参照)のS301〜S312の各処理と同一の処理が実行される。また、本第5実施形態における特別図柄変動開始処理5(図127参照)では、S305の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が大当たりであると判別した場合に(S305:Yes)、今回当選した大当たりの種別に対応するデータを大当たり種別格納エリア203dbに格納して(S331)、処理をS306へと移行する。このS331の処理で大当たり種別に対応するデータを予め大当たり種別格納エリア203dbに格納しておくことにより、大当たり終了時に、大当たり種別格納エリア203dbに格納しておいたデータを元に大当たり種別を正確に判別することができる。よって、大当たり終了後の遊技状態を正確に設定することができる。
また、本第5実施形態における特別図柄変動開始処理5(図127参照)では、S305の処理において今回の特別図柄の抽選結果が大当たりではないと判別した場合(S305:No)、次に、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりであるか否かを判別し(S332)、抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S332:Yes)、小当たり種別判別テーブル202daと、小当たり種別カウンタC5の値とから特定される小当たり種別に対応する第1特別図柄表示装置37の表示態様を設定し(S333)、小当たりに対応する変動パターンを、変動パターン選択テーブル202d(図120参照)を参照して決定して(S334)、処理をS310へと移行する。一方、S332の処理において、今回の特別図柄の抽選結果が小当たりではないと判別した場合は(S332:No)、今回の抽選結果が外れであることを意味するので、処理をS308へと移行する。
次に、図128を参照して、上述した時短回数更新処理(図128参照)の詳細について説明する。この時短回数更新処理(図128参照)は、上述した通り、特別図柄変動処理5(図126参照)の中の1処理であり、普通図柄の時短回数を更新するための処理である。図128に示した通り、時短回数更新処理(図128参照)では、まず、時短中カウンタ203daの値が0より大きい値(1以上の値)であるか否かを判別し(S2301)、時短中カウンタ203daの値が0であると判別した場合は(S2301:No)、現在が普通図柄の通常状態(通常モード)であり、時短状態が設定されていない(時短回数を更新する必要がない)ことを意味するので、そのまま本処理を終了する。
一方、S2301の処理において、時短中カウンタ203daの値が0より大きい(1以上の)値であると判別した場合は(S2301:Yes)、時短中カウンタ203daの値を1減算することにより更新し(S2302)、更新後の時短中カウンタ203daの値を音声ランプ制御装置113に通知するための残時短回数コマンドを設定する(S2303)。次いで、時短中カウンタ203daの値が0になったかを判別して(S2304)、時短中カウンタ203daの値が0になっていれば(S2304:Yes)、連荘モード、または引き戻しモードが終了して通常モードへと移行したことを意味するので、通常モードに移行したことを音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定し(S2305)、モード種別格納エリア203dcに対して通常モードを示すデータである「00H」を格納して(S2306)、本処理を終了する。
これに対し、S2304の処理において、S2302の処理による更新後の時短中カウンタ203daの値が0になっていないと判別した場合は(S2304:No)、S2305,S2306の各処理をスキップして、そのまま本処理を終了する。この時短回数更新処理(図128参照)を実行することにより、普通図柄の時短状態が設定される連荘モード、および引き戻しモードにおいて、時短回数を適切に更新することができる。
次に、図129を参照して、上述した小当たり開始処理(S266)について説明する。この小当たり開始処理(S266)は、上述した通り、特別図柄変動処理5(図126参照)の中の1処理であり、小当たりの開放動作の開始を設定するための処理である。
図129に示した通り、小当たり開始処理(図129参照)では、まず、小当たり種別に対応するV入賞装置670の動作パターンを読み出す(S2401)。なお、上述した通り、本第5実施形態では、小当たりとなった場合に、V入賞装置670の開放扉670f1を1.5秒間開放させると共に、開放期間の開始から0.5秒間経過時に、0.075秒間の期間、特別排出流路670e2が通過可能となるように設定する(図115参照)。
S2401の処理が終了すると、次いで、大当たり種別格納エリア203dbに対して今回の小当たり種別に対応する大当たり種別を示すデータを格納する(S2402)。なお、上述した通り、小当たりAであれば、対応する大当たり種別は大当たりC5であり(図119(b)の202da1参照)、小当たりBであれば、対応する大当たり種別は大当たりD5であり(図119(b)の202da2参照)、小当たりCであれば、対応する大当たり種別は大当たりE5であり(図119(b)の202da3参照)、小当たりDであれば、対応する大当たり種別は大当たりF5である(図119(b)の202da4参照)。
S2402の処理が終了すると、小当たりの開始を設定して(S2403)、本処理を終了する。この小当たり開始処理(図129参照)を実行することにより、小当たりに対応する変動パターンの変動停止時に、対応する小当たりの動作パターンを開始させることができる。
次に、図130を参照して、上述した普通図柄変動処理5(S143)の詳細について説明する。この普通図柄変動処理5(S143)は、タイマ割込処理5(図125参照)の中で、第1実施形態における普通図柄変動処理(図32参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における普通図柄変動処理(図32参照)と同様に、第2図柄表示装置83において表示を行うための処理である。
この第5実施形態における普通図柄変動処理5(図130参照)のうち、S601〜S613,S617〜S620、およびS623の各処理では、それぞれ第1実施形態における普通図柄変動処理(図32参照)のS601〜S613,S617〜S620、およびS623の各処理と同一の処理が実行される。また、本第5実施形態における普通図柄変動処理5(図130参照)では、S612、またはS613の処理において普通図柄の抽選結果に応じた表示態様を設定した後で、普図変動パターン選択テーブル202dc(図121参照)を読み出して(S641)、読み出したテーブルから、モード種別格納エリア203dcに格納されているデータが示す現在のモードに対応する普通図柄の変動時間を読み出して設定し(S642)、本処理を終了する。
また、本第5実施形態における普通図柄変動処理5(図130参照)では、S620の処理において、普通図柄の時短状態中でない(時短中カウンタ203daの値が0である)と判別した場合に(S620:No)、電動役物6400aの開放時間、および開放回数を0.1秒間×1回に設定して(S643)、処理をS623に移行する。
一方で、S620の処理において、普通図柄の時短状態中である(時短中カウンタ203daの値が1以上である)と判別した場合に(S620:Yes)、電動役物6400aの開放時間、および開放回数を0.2秒間×1回に設定して(S644)、処理をS623へと移行する。
この普通図柄変動処理5(図130参照)を実行することで、普通図柄の変動時間、および普通図柄の当たりとなった場合の電動役物6400aの開放パターンを、モードに応じて適切に設定することができる。これにより、通常モード、および引き戻しモードでは、電動役物6400aの開放期間の間に遊技球を第2入球口6400へと入球させることが困難となる状態を形成できる一方で、連荘モードでは、電動役物6400aの開放期間の間に遊技球を第2入球口6400へと容易に入球させることができる状態を形成できる。これにより、引き戻しモードにおいては、普通図柄の時短状態が設定されているにもかかわらず、第1入球口64を狙って左打ちを行った方が遊技者にとって有利となる斬新な遊技性を実現することができる。
次に、図131を参照して、本第5実施形態における立ち上げ処理5について説明を行う。この立ち上げ処理5は、第1実施形態における立ち上げ処理(図35参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における立ち上げ処理(図35参照)と同様に、電源投入に伴い起動される処理である。
この第5実施形態における立ち上げ処理5(図131参照)のうち、S901〜S910、およびS912〜S916の各処理では、それぞれ第1実施形態における立ち上げ処理(図35参照)のS901〜S910、およびS912〜S916の各処理と同一の処理が実行される。また、本第5実施形態における立ち上げ処理5(図131参照)では、S910の処理が終了すると、次いで、時短中カウンタ203daの値と、モード種別格納エリア203dcのデータとを読み出して(S931)、読み出した各データから特定される遊技状態を音声ランプ制御装置113に通知するための状態コマンドを設定し(S912)、処理をS913に移行する。この立ち上げ処理5(図131参照)を実行することで、電源投入時のモードを音声ランプ制御装置113に対して正確に把握させることができる。
次に、図132を参照して、本第5実施形態におけるメイン処理(図36参照)の中で実行される大当たり制御処理5(1031)について説明する。この大当たり制御処理5(S1031)は、第1実施形態における大当たり制御処理(S1004、図37参照)に代えて実行される処理であり、特定入賞口650aの開閉動作を制御するための処理である。
この第5実施形態における大当たり制御処理5(図132参照)のうち、S1101〜S1105、およびS1107〜S1109の各処理では、それぞれ第1実施形態における大当たり制御処理(図37参照)のS1101〜S1105、およびS1107〜S1109の各処理と同一の処理が実行される。また、本第5実施形態における大当たり制御処理5(図132参照)では、S1105の処理において新たなラウンドの開始タイミングであると判別された場合に(S1105:Yes)、特定入賞口650aの開放を設定し(S1141)、新たに開始するラウンド数を示すラウンド数コマンドを設定して(S1142)、本処理を終了する。
また、本第5実施形態における大当たり制御処理5(図132参照)では、S1105の処理において、新たなラウンドの開始タイミングではないと判別された場合に(S1105:No)、次いで、特定入賞口650aの閉鎖条件が成立したかを判別する(S1143)。上述した通り、大当たりの各ラウンドが開始してから30秒間が経過するか、特定入賞口650aに対して10個以上の遊技球が入球すると、閉鎖条件が成立したと判別される。S1143の処理において、特定入賞口650aの閉鎖条件が成立したと判別した場合は(S1143:Yes)、特定入賞口650aの閉鎖を設定して(S1144)、本処理を終了する。一方、S1143の処理において、特定入賞口650aの閉鎖条件が成立していないと判別した場合は(S1105:No)、処理をS1107へと移行する。
また、本第5実施形態における大当たり制御処理5(図132参照)では、S1109の処理において、大当たりの終了タイミングになった(エンディング演出の終了タイミングになった)と判別した場合に(S1109:Yes)、第1実施形態における大当たり終了処理(図39参照)に代えて、大当たり終了処理5(S1145)を実行して、本処理を終了する。この大当たり終了処理5(S1145)の詳細について、図133を参照して説明する。
図133は、大当たり終了処理5(S1145)を示したフローチャートである。この大当たり終了処理5(S1145)は、上述した通り、第1実施形態における大当たり終了処理(図39参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態における大当たり終了処理(図39参照)と同様に、大当たり終了後の遊技状態(モード)を設定するための処理である。
この大当たり終了処理5(図133参照)では、まず、時短回数選択テーブル202db(図119(c)参照)を読み出して(S1321)、読み出したテーブルに規定されている時短回数、および時短状態の種別のうち、大当たり種別格納エリア203dbに格納されているデータが示す大当たり種別と、当選時モード格納エリア203deに格納されているデータが示す大当たり当選時のモードとに対応する時短回数、およびモード(時短状態の種別)を特定する(S1322)。S1322の処理が終了すると、特定した時短回数を時短中カウンタ203daに設定し(S1323)、S1322の処理で特定したモード(時短状態の種別、遊技状態)を示すデータをモード種別格納エリア203dcに格納する(S1324)。次いで、設定した遊技状態(モード)を示す状態コマンドを設定し(S1325)、大当たり中フラグ203r、当選時モード格納エリア203deをリセットして(S1326)、本処理を終了する。
この大当たり終了処理5(図133参照)を実行することにより、大当たり種別と、当選時の遊技状態(モード)とに応じて大当たり終了後の遊技状態を適切に設定することができる。
次に、図134を参照して、本第5実施形態におけるメイン処理(図36参照)の中で実行される小当たり制御処理5(1032)について説明する。この小当たり制御処理5(S1032)は、第1実施形態における小当たり制御処理(S1005、図42参照)に代えて実行される処理であり、V入賞装置670の動作を制御するための処理である。
この第5実施形態における小当たり制御処理5(図134参照)のうち、S1601〜S1604、およびS1607〜S1610の各処理では、それぞれ第1実施形態における小当たり制御処理(図42参照)のS1601〜S1604、およびS1607〜S1610の各処理と同一の処理が実行される。また、本第5実施形態における小当たり制御処理5(図134参照)では、S1604の処理において、小当たり遊技の実行中である(即ち、小当たり中フラグ203sがオンである)と判別した場合に(S1604:Yes)、次いで、V入賞口670aの開放タイミングであるか否かを判別し(S1621)、開放タイミングであると判別した場合は(S1621:Yes)、V入賞口670aを開放し(S1622)、本処理を終了する。
また、本第5実施形態における小当たり制御処理5(図134参照)では、V入賞口670aの開放タイミングではないと判別した場合に(S1621:No)、次いで、V入賞口670aの閉鎖タイミングであるかを判別し(S1623)、V入賞口670aの閉鎖タイミングであると判別した場合は(S1623:Yes)、V入賞口670aの閉鎖を設定して(S1624)、本処理を終了する。一方、S1623の処理において、V入賞口670aの閉鎖タイミングではないと判別した場合は(S1623:No)、処理をS1607へと移行する。
また、本第5実施形態における小当たり制御処理5(図134参照)では、S1609の処理において、小当たりの終了タイミングではないと判別した場合に(S1609:No)、V入賞スイッチ670e3に対する遊技球の通過を監視するための、V通過検出処理を実行して(S1625)、本処理を終了する。このV通過検出処理(S1625)の詳細については、図135を参照して後述する。
また、本第5実施形態における小当たり制御処理5(図134参照)では、S1610の処理が終了すると、次いで、V通過フラグ203ddがオンであるか(小当たり中にV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過済みであるか)否かを判別し(S1626)、V通過フラグ203ddがオンであると判別した場合は(S1626:Yes)、大当たりの実行を設定するためのS1627〜S1630の各処理を実行する。具体的には、まず、モード種別格納エリア203dcのデータを当選時モード格納エリア203deに格納し(S1627)、時短中カウンタ203da、モード種別格納エリア203dcのデータをリセットする(S1628)。次に、大当たり種別格納エリア203dbのデータに対応する種別の大当たりの開始を設定し(S1629)、V通過フラグ203ddをオフに設定して(S1630)、本処理を終了する。
これに対して、S1626の処理において、V通過フラグ203ddがオフであると判別した場合は(S1626:No)、小当たり遊技の実行中に大当たりの実行条件が成立しなかった(V入賞スイッチ670e3を遊技球が1個も通過しなかった)ことを意味するので、大当たりを開始させるための処理(S1627〜S1630の各処理)をスキップして、そのまま本処理を終了する。
この小当たり制御処理5(図134参照)を実行することで、小当たり遊技実行中にV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過していた場合に、小当たり種別に対応した大当たりの開始を正確に設定することができる。
次いで、図135を参照して、上述したV通過検出処理(S1625)の詳細について説明する。このV通過検出処理(S1625)は、小当たり制御処理5(図134参照)の中の1処理であり、上述した通り、V入賞スイッチ670e3に対する遊技球の通過を監視するための処理である。
V通過検出処理(図135参照)では、まず、V通過フラグ203ddがオンであるか否かを判別し(S2501)、V通過フラグ203ddがオンであると判別した場合は(S2501:Yes)、今回の小当たりにおいて、既にV入賞スイッチ670e3の通過を検出済みであり、小当たり終了後に大当たりの実行が既に確定していることを意味するため、そのまま本処理を終了する。一方、S2501の処理において、V通過フラグ203ddがオフであると判別した場合は(S2501:No)、次に、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過したか判別し(S2502)、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過していないと判別した場合は(S2502:No)、そのまま本処理を終了する。
これに対して、S2502の処理において、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過したと判別した場合は(S2502:Yes)、次に、V入賞スイッチ670e3の通過を検出したのが正規の期間(V有効期間)であるか否かを判別する(S2503)。ここで、V有効期間としては、特別排出流路670e2が通過可能に設定される0.075秒間と、期間の終了間際に特別排出流路670e2に流入した遊技球がV通過スイッチ670e3に到達するまでに要し得る期間である0.2秒間とが設定される。
S2503の処理において、V入賞スイッチ670e3の通過を検出したのがV有効期間中ではないと判別した場合は(S2503:No)、不正にV入賞スイッチ670e3を通過させて大当たりを実行させる不正行為が行われた可能性があるため、エラーコマンドを設定して(S2504)、本処理を終了する。エラーコマンドを設定することにより、音声ランプ制御装置113において、エラー画像の表示が設定されるので、当該エラー画像を視認したホールの店員等に、不正行為の発生を早期に認識させることができる。
一方、S2503の処理において、V入賞スイッチ670e3を通過したのがV有効期間中であったと判別した場合は(S2503:Yes)、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過したことを音声ランプ制御装置113に通知するためのV通過コマンドを設定し(S2505)、V通過フラグ203ddをオンに設定して(S2506)、本処理を終了する。V通過フラグ203ddをオンに設定しておくことで、小当たり終了後に大当たりの開始を設定することができる。
<第5実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図136から図139を参照して、本第5実施形態における音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、136を参照して、本第5実施形態におけるコマンド判定処理5(S4141)の詳細について説明する。このコマンド判定処理5(S4141)は、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図46参照)に代えて実行される処理であり、第1実施形態におけるコマンド判定処理(図46参照)と同様に、主制御装置110から出力されたコマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
この第5実施形態におけるコマンド判定処理5(図136参照)のうち、S4201〜S4209、およびS4213〜S4215の各処理では、それぞれ第1実施形態におけるコマンド判定処理(図46参照)のS4201〜S4209、およびS4213〜S4215の各処理と同一の処理が実行される。また、本第5実施形態におけるコマンド判定処理5(図136参照)では、S4209の処理において、主制御装置110から受信した未処理のコマンドの中に状態コマンドが含まれていると判別した場合に(S4209:Yes)、状態コマンドにより通知された遊技状態(モード)に応じた制御を行うための状態コマンド処理を実行して(S4221)、本処理を終了する。この状態コマンドの詳細について、図137を参照して説明を行う。
図137は、上述した状態コマンド処理(S4221)を示すフローチャートである。この状態コマンド処理(S4221)は、上述した通り、状態コマンドにより通知された遊技状態(モード)に応じた制御を行うための処理である。この状態コマンド処理(4221)では、まず、受信した状態コマンドが示す遊技状態に応じて、遊技状態格納エリア223hのデータを更新する(S5501)。即ち、主制御装置110から通知された遊技状態を示すデータに更新する。
S5501の処理が終了すると、次いで、今回受信した状態コマンドが、連荘モードに移行したことを通知するための状態コマンドであるか否かを判別し(S5502)、連荘モードに移行したことを示すコマンドであると判別した場合は(S5502:Yes)、連荘モード用の背面画像を設定して(S5503)、本処理を終了する。連荘モードへと移行した場合に、連荘モード専用の背面画像(図示せず)を設定することで、連荘モードであることを遊技者に対して容易に理解させることができる。よって、連荘モードに移行したにもかかわらず、遊技者が移行に気付かずに遊技を辞めてしまうことを防止できる。
一方、S5502の処理において、連荘モードに移行したことを通知するためのコマンドではないと判別した場合は(S5502:No)、次いで、電源復帰時の遊技状態を通知するためのコマンドであるか否かを判別し(S5504)、電源復帰時に出力された状態コマンドであると判別した場合は(S5504:Yes)、通常モード用の背面画像を設定して(S5506)、本処理を終了する。連荘モードを通知するための状態コマンドでなく、且つ、電源復帰時に出力された状態コマンドであるということは、引き戻しモード、若しくは通常モードを示すコマンドである。引き戻しモードでも、通常モードでも同一の背面画像を設定する構成とすることで、特に、引き戻しモードに移行し、且つ、変動回数が30回を超え、100回以内の状況で電源断が発生した場合に、電源復帰時の背面画像から遊技状態を把握することを困難にする(通常モードであるか、引き戻しモードであるかを区別困難にする)ことができる。即ち、電源が遮断される前の遊技性(通常モードに移行済みであるか、引き戻しモードが継続しているのかを予測する遊技性)を、電源の再投入後も引き継ぐことができる。よって、所謂瞬停等により電源が遮断された場合に、遊技者の興趣を低下させてしまうことを抑制できる。
S5504の処理において、今回の状態コマンドが電源復帰時のコマンドではないと判別した場合は(S5504:No)、次いで、通常モードを示すコマンドであるか否かを判別し(S5505)、通常モードを示すコマンドであると判別した場合は(S5505:Yes)、通常モード用の背面画像に設定するために、処理をS5506へと移行する。一方、S5505の処理において、通常モードを示すコマンドではない(即ち、引き戻しモードを示すコマンドである)と判別した場合は(S5505:No)、高期待度用の背面画像(図116(a)参照)を設定して(S5507)、本処理を終了する。引き戻しモードが通知された場合に、高期待度用の背面画像を設定しておくことで、遊技者に対して比較的有利な状態であると認識させることができる。よって、連荘モードが終了した後も、遊技を継続させることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
次に、図138を参照して、本第5実施形態における変動表示設定処理5(S4142)について説明する。この変動表示設定処理5(S4142)は、第1実施形態における変動表示設定処理(図52参照)に代えて実行され、第1実施形態における変動表示設定処理(図52参照)と同様に、第3図柄表示装置81において変動演出を実行させるための処理である。
この変動表示設定処理5(図138参照)のうち、S4801〜S4809の各処理では、それぞれ第1実施形態における変動表示設定処理(図52参照)のS4801〜S4809の各処理と同一の処理が実行される。また、本第5実施形態における変動表示設定処理5(図138参照)では、S4805の処理が終了すると、次いで、引き戻しモードが継続しているか否かの期待度を示す背面画像を再抽選するための期待度更新処理を実行して(S4831)、処理をS4806へと移行する。この期待度更新処理(S4831)の詳細について、図139を参照して説明する。
図139は、上述した期待度更新処理(S4831)を示したフローチャートである。この期待度更新処理(S4831)では、まず、変動回数カウンタ223dbの値に1を加算して更新し(S5601)、次いで、現在のモードが連荘モードであるか(遊技状態格納エリア223hに連荘モードを示すデータが格納されているか)否かを判別する(S5602)。S5602の処理において、連荘モードであると判別した場合は(S5602:Yes)、引き戻しモードの可能性が0であり、背面画像により期待度を示唆する必要が無いため、そのまま本処理を終了する。
一方、S5602の処理において、現在が連荘モードではないと判別した場合は(S5602:No)、次いで、通常モード用の背面画像が設定されているか否かを判別し(S5603)、通常モード用の背面画像が設定されていると判別した場合は(S5604:Yes)、背面画像の再抽選を実行する可能性が無い状態である(大当たり後に通常モードに移行し、通常モードが継続している)ことを意味するので、そのまま本処理を終了する。これに対し、S5603の処理において、通常モード用の背面画像が設定されていないと判別した場合は(S5603:No)、前回の大当たり後に引き戻しモードが設定されて、通常モードに既に転落済みであるか、または引き戻しモードが継続されていることを意味するので、まず、変動回数カウンタ223dbの値が101であるか否かを判別する(S5604)。変動回数カウンタ223dbの値が101であれば(S5604:Yes)、前回の大当たりが大当たりE5でも、大当たりF5でも、引き戻しモードの変動回数が終了して通常モードとなっていることを意味するので、通常モード用の背面画像を設定して(S5605)、本処理を終了する。
一方、S5604の処理において、変動回数カウンタ223dbの値が101ではないと判別した場合は(S5404:No)、次に、変動回数カウンタ223dbの値が30より大きい値であるか否かを判別し(S5606)、30以下であると判別した場合は(S5606:No)、前回の大当たりが大当たりE5でも、大当たりF5でも、引き戻しモードが継続していることが確定する変動回数であり、高期待度用の背面画像から変更する必要が無いため、そのまま本処理を終了する。
これに対して、S5606の処理において、変動回数カウンタ223dbの値が30より大きい値であると判別した場合は(S5606:Yes)、次いで、変動回数カウンタ223dbの値が31であるかを判別する(S5607)。S5607の処理において、変動回数カウンタ223dbの値が31であると判別した場合は(S5607:Yes)、期待度の再抽選を行うための各処理(S5609,S5610)を実行する。より具体的には、期待度選択テーブル222daを読み出して(S5609)、読み出したテーブルから、演出抽選カウンタ223daの値に対応する背面画像(期待度)を特定して背面画像として設定し(S5610)、本処理を終了する。これにより、引き戻しモードが終了した可能性がある変動回数となった時点で、引き戻しモードが継続しているか否かの期待度を遊技者に示唆することができるので、背面画像を頼りに引き戻しモードが継続しているのか否かを予測させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、S5607の処理において、変動回数カウンタ223dbの値が31でないと判別した場合は(S5607:No)、変動回数カウンタ223dbの値が10の倍数であるかを判別し(S5608)、10の倍数であると判別した場合も(S5608:Yes)、期待度の再抽選を行うための各処理(S5609,S5610)を実行する。即ち、引き戻しモードが終了した可能性がある変動回数となって以降は、変動表示を10回実行する毎に、期待度を更新することができる。よって、遊技を継続する程に引き戻しモードであるか否かの予測を正確に行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。一方、S5608の処理において、変動回数カウンタ223dbの値が10の倍数ではないと判別した場合は(S5608:No)、そのまま本処理を終了する。
以上説明した通り、第5実施形態におけるパチンコ機10では、特別図柄の抽選で大当たりになった場合に加え、小当たりとなった場合に入球可能となるV入賞装置670の内部のV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合にも、大当たり遊技が実行される構成としている。また、小当たりは第1特別図柄の抽選では当選不可能な反面、第2特別図柄の抽選では高確率(9/10)で当選する構成としている。言い換えれば、第2特別図柄の抽選が実行されると、抽選結果が大当たりにならなくても、小当たりになれば大当たりを期待することができるので、第1特別図柄の抽選よりも、第2特別図柄の抽選の方が遊技者に有利な抽選であると言える。また、本第5実施形態では、遊技状態に応じて第2特別図柄の抽選が実行される割合(実行され易さ)を異ならせる構成としている。即ち、第2入球口6400へと遊技球が入球困難となる遊技状態と、入球容易となる遊技状態とを設ける構成としている。より具体的には、普通図柄の通常状態が設定される通常モードにおいては、普通図柄の抽選で当たりになる確率が低くなり、普通図柄の変動時間が長くなり、更に普通図柄の当たりとなった場合における電動役物6400aの開放期間が短くなるので、右打ちによりスルーゲート67を狙い続けたとしても、電動役物6400aが開放される割合は極めて低くなり、第2入球口6400へと遊技球を入球させることも困難となる。一方で、普通図柄の時短状態Aが設定される連荘モードでは、普通図柄の抽選で当たりとなる確率が高くなり、普通図柄の変動時間が短くなり、更に、普通図柄の当たりとなった場合における電動役物6400aの開放時間も長くなるため、右打ちによりスルーゲート67を狙って遊技球を発射し続けるだけで、多くの遊技球を第2入球口6400へと入球させることができる。よって、連荘モードは、通常モードに比較して大当たりとなり易い有利な状態を形成することができる。
更に、本第5実施形態では、通常モード、および連荘モードに加えて、普通図柄の時短状態Bが設定される引き戻しモードを設ける構成としている。この引き戻しモードは、普通図柄の当たり確率や普通図柄の当たりとなった場合における電動役物6400aの開放時間は連荘モードと共通であるものの、普通図柄の変動時間が連荘モードとは異なって構成されている。連荘モードにおいては、スルーゲート67を通過した遊技球が、直接第2入球口6400へと入球可能となるタイミングで電動役物6400aが開放された状態になるように普通図柄の変動時間が設定されていたが、引き戻しモードでは、スルーゲート67を通過した遊技球が第2入球口6400を通過しきった後で、且つ、次の遊技球が第2入球口6400に到達するよりも前にのみ電動役物6400aが開放されるように、普通図柄の変動時間が設定されている。これにより、引き戻しモードでは、スルーゲート67を狙って遊技球を発射し続けることにより、電動役物6400aを頻繁に開放させることは可能となるものの、第2入球口6400へと遊技球がほぼ入球しないため、いたずらに持ち玉を減少させるのみの極めて不利な状態となる。従って、引き戻しモードにおいて、遊技者に対して左打ちにより第1入球口64に遊技球を入球させて遊技を進行させる(特別図柄の抽選を行わせる)遊技方法を行わせることができる。言い換えれば、普通図柄の時短状態が付与されているにも拘わらず、開放され易い第2入球口6400を狙う遊技方法ではなく、通常モード(通常遊技状態)と同様の遊技方法を行わせることができるという斬新な遊技性を実現できる。
また、本第5実施形態では、通常モードよりも、引き戻しモードの方が第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に大当たり終了後に連荘モードへと移行する可能性が高くなる構成としている。加えて、本第5実施形態では、連荘モードの終了後、最低でも特別図柄の抽選が30回終了するまでの間は引き戻しモードに設定される構成としている。このため、連荘モードの終了後、少なくとも特別図柄の抽選を30回行わせるまでは遊技を継続した方が得なのではないかと遊技者に思わせることができる。ここで、特別図柄の抽選で大当たりとなった場合、または特定領域へと遊技球が入球した場合に大当たりが付与される仕様の遊技機(所謂1種2種混合機)では、遊技状態として、特定領域へと遊技球が入球し難い通常遊技状態と、特定領域へと遊技球が入球し易い時短遊技状態との2種類の遊技状態のみを設け、時短遊技状態が終了すると、即座に最も不利な通常遊技状態へと移行する仕様が一般的であった。しかしながら、この構成では、不利な通常遊技状態へと移行した時点で、遊技者の遊技に対するモチベーションが大きく低下させてしまう虞があり、時短遊技状態が終了した時点で遊技者が即座に遊技を辞めてしまう可能性があった。これに対して本第5実施形態では、連荘モードの終了後、少なくとも特別図柄の抽選が30回実行されるまでの間は、大当たりとなった場合に連荘モードへと移行し易い特別な状態(引き戻しモード)が設定される構成としている。これにより、連荘モードが終了して、第2入球口6400へと遊技球が入球し難い不利な遊技状態になったとしても、遊技者の遊技に対するモチベーションが低下してしまうことを抑制できる。よって、連荘モードが終了した直後に遊技を辞めてしまうことを防止することができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
なお、モード移行の割合(各大当たり種別の比率)は、本第5実施形態の内容に限定されるものではなく、通常モードが最も不利となり、連荘モードが最も有利となる範囲で任意に定めることができる。例えば、本第5実施形態では、通常モードにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たり終了後の遊技状態が連荘モード、または通常モードのどちらかとなるように構成されていたが、所定の割合(例えば、10%の割合)で引き戻しモードが設定されるように構成してもよい。また、本第5実施形態では、引き戻しモードにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、必ず連荘モードに移行する構成としていたが、通常モードや引き戻しモードも、連荘モードより低い割合で設定され得る構成としてもよい。
本第5実施形態では、引き戻しモードの回数として、30回、または100回のみが設けられていたが、これに限られるものではなく、回数をより多様化させてもよい。これにより、引き戻しモードが終了したか否かをより分かり難くすることができるので、引き戻しモードがいつまで継続しているのかをより真剣に遊技者に予測させることができる。また、連荘モードの間に当選した大当たりの一部で、通常モードへと移行させる構成とした上で、引き戻しモードが設定された場合と同様に、背面画像の種別による期待度の示唆を行う構成としてもよい。このように構成することで、大当たり終了後に通常モードが設定された場合にも、背面画像の種別から引き戻しモードになっているか否かを判断しようとして、遊技者に遊技を継続させることができる。よって、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。
本第5実施形態では、振分部材6600の状態が、遊技球の通過(振り分け)によって、右側流路R1に遊技球が振り分けられる状態と、左側流路R2に遊技球が振り分けられる状態とが切り替わる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、遊技球の発射間隔を判別して、電気的に振分部材6600の状態を切り替える構成としてもよい。この場合において、例えば、時短状態Aでは右側流路R1と左側流路R2とに交互に振り分けられるように動作させ、時短状態Bでは、右側流路R1にのみ振り分けられるように動作させてもよい。このように構成することで、時短状態Bではスルーゲート67へと到達することすら阻害されるので、より確実に左打ちによって遊技を行わせることができる。
本第5実施形態では、遊技球が第2入球口6400に入球し易い1種類の状態(連荘モード)と、遊技球が第2入球口6400に入球し難い2種類の状態(通常モード、引き戻しモード)とを設ける構成としていた。即ち、連荘モードにおいて、スルーゲート67を通過した遊技球が直接第2入球口6400へと入球可能となる一方で、他のモード(通常モード、引き戻しモード)では、スルーゲート67を通過した遊技球も、スルーゲート67を通過した遊技球の次に発射されて右側流路R1を流下した遊技球も、第2入球口6400へと入球不可能となるように、普通図柄の変動時間や電動役物6400aの開放期間等が設定されていたが、これに限られるものではない。例えば、第2入球口6400に遊技球が入球し易い遊技状態として、2種類の遊技状態を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、時短状態Aと、時短状態Bとを共に第2入球口6400へと入球し易い遊技状態として構成し、時短状態Aでは、遊技球を最短の発射間隔で発射し続けた場合に、スルーゲート67を通過した遊技球のみが第2入球口6400へと入球可能となる(スルーゲート67を通過した遊技球の次に発射されて右側流路R1を通過した遊技球は入球不可能となる)構成とする一方で、時短状態Bでは、スルーゲート67を通過した遊技球と、スルーゲート67を通過した遊技球の次に発射されて右側流路R1を通過した遊技球との両方が入球可能となるように、電動役物6400aの開放期間を設定する構成としてもよい。即ち、時短状態Aでは、スルーゲート67を通過した遊技球の次の遊技球が第2入球口6400に到達するよりも前に電動役物6400aが閉鎖される長さの開放期間を設定し、時短状態Bでは、スルーゲート67を通過した遊技球の次の遊技球が第2入球口6400に到達した後で電動役物6400aが閉鎖される長さの開放期間を設定する構成としてもよい。このように構成することで、時短状態Aよりも、時短状態Bの方が、連続して遊技球を右打ちし続けた場合に無駄球を少なくすることができる。よって、時短状態Bの方が、有利度合いが高い状態とすることができるので、時短状態Aが設定されるよりも、時短状態Bが設定された方が遊技者をより喜ばせることができる。
本第5実施形態では、普通図柄の変動時間を時短状態Aと時短状態Bとで異ならせることで、時短状態Aではスルーゲート67を通過した遊技球が直接第2入球口6400へと入球可能となる一方で、時短状態Bではスルーゲート67を通過した遊技球も、スルーゲート67を通過した遊技球の次に発射された遊技球も第2入球口6400へと入球不可能となる構成としていた。即ち、時短状態Aでは、最短の発射間隔で遊技球を右打ちし続けると、振分部材6600により左側流路R2に振り分けられたほとんどの遊技球が第2入球口6400へと入球する一方で、時短状態Bでは、右打ちされて右側流路R1に振り分けられた遊技球も、左側流路R2に振り分けられた遊技球も、第2入球口6400へと入球することが不可能となる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、普通図柄の変動時間に代えて、又は加えて、電動役物6400aの開放パターンを時短状態の種別に応じて異ならせることにより時短状態Bにおいて遊技球が第2入球口6400へと入球し難くなる構成としてもよい。具体的には、例えば、時短状態Aにおいては、上記第5実施形態と同様に、普通図柄の変動時間を0.1秒間とし、電動役物6400aの開放時間を0.2秒間に設定することで、スルーゲート67を通過した遊技球が直接第2入球口6400へと入球する構成とする。これに対し、時短状態Bにおいては、普通図柄の変動時間である0.1秒が経過した後で、瞬間的に(例えば、0.01秒間)開放させ、その後、0.4秒間が経過してから比較的長い時間(例えば、0.19秒間)電動役物6400aを開放させる構成としてもよい。このように構成することで、スルーゲート67を通過した遊技球は、電動役物6400aが瞬間的に開放される前後で第2入球口6400へと到達することになるため、ほぼ、第2入球口6400へと入球することが不可能となる。また、スルーゲート67を通過した遊技球の次に発射された遊技球は、比較的長い開放時間(0.19秒間)の経過後にしか第2入球口6400へと到達できないので、連続して右打ちを実行したとしても、遊技球を第2入球口6400へと入球させることが困難になる。よって、第5実施形態と同様の動作を実現することができるので、時短状態Bにおいて左打ちにより遊技を行わせることができる。
本第5実施形態では、時短状態Aにおいては、普通図柄の変動時間として必ず0.1秒間(スルーゲート67を通過した遊技球が直接第2入球口6400に入球し易い変動時間)が設定され、時短状態Bにおいては、普通図柄の変動時間として必ず0.5秒間(第2入球口6400に入球困難になる変動時間)が設定される構成としていたが、変動時間にバリエーションを設けてもよい。具体的には、例えば、時短状態Aにおいて、低確率(例えば、10%)で0.5秒間の変動時間が設定される構成とし、時短状態Bにおいて、低確率で0.1秒間の変動時間が設定される構成としてもよい。これにより、普通図柄の変動時間を多様化させることができる。
本第5実施形態では、時短状態Aにおける普通図柄の変動時間として、普通図柄の当たりになった場合に、スルーゲート67を通過した遊技球が直接第2入球口6400へと入球可能となる時間が設定される構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、スルーゲート67を通過した遊技球の次に発射されて右側流路R1に振り分けられた遊技球が入球可能となるように、普通図柄の変動時間を定めてもよい。このように構成することで、時短状態Aにおいて、遊技球をスルーゲート67に通過させただけでは第2入球口6400へと入球させることができないので、時短状態Aにおいて、連続して遊技球を発射させ続けることができる。よって、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。
本第5実施形態では、振分部材6600の偏重部6600cにより振分部材6600の重心を右下側に偏重させることにより、振分部材6600に対して1.5秒間以上遊技球が到達しなかった場合に、振分部材6600の状態を、右側流路R1へと振り分ける状態に戻るように構成していたが、偏重部6600cは必ずしも設ける必要は無い。遊技球の発射間隔によらず、振分手段に到達した遊技球を第1流路と第2流路とに交互に振り分けるように構成してもよい。
<第6実施形態>
次に、図140から図156を参照して、第6実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述した第5実施形態におけるパチンコ機10では、普通図柄の通常状態が設定される通常モードを最も不利な状態(持ち球が減り易く、不利な第2特別図柄の抽選が実行され易い状態)、普通図柄の時短状態Aが設定される連荘モードを最も有利な状態(持ち球が減り難く、有利な第2特別図柄の抽選が実行され易い状態)としていた。また、連荘モードで大当たりとなった場合に移行する可能性がある引き戻しモードでは、通常モードと同様に左打ちにより第1入球口64へと遊技球を入球させて遊技を進行する必要があるものの、引き戻しモードにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりになると、通常モードで大当たりになった場合よりも連荘モードに移行する割合が高くなる構成としていた。即ち、第1特別図柄の抽選により遊技を進行する必要がある不利なモード(遊技状態)として、通常モードと引き戻しモードとの2種類のモードを設ける構成とし、連荘モードが終了した後の所定期間にのみ、比較的有利な引き戻しモードが設定される構成としていた。
これに対して第6実施形態では、普通図柄の時短状態Bを、大当たりになっても連荘モードに移行し難い最も不利な遊技状態に設定し、普通図柄の通常状態になると、普通図柄の時短状態Bよりも、大当たりになった場合における連荘モードへの移行率が高くなるように構成した。より具体的には、普通図柄の時短状態Bにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりになると、大当たり終了後の遊技状態が高い割合で普通図柄の時短状態Bになり、低い割合で連荘モードになる構成とする一方で、普通図柄の通常状態において第1特別図柄の抽選で大当たりになると、大当たり終了後の遊技状態が100%連荘モードになる構成としている。これにより、普通図柄の時短状態Bが終了して、普通図柄の通常状態へと移行した方が連荘モードへと移行し易くなるので、時短状態Bが設定されている場合に、時短状態が終了することを期待して遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができる。
また、本第6実施形態では、第1特別図柄の抽選でも低確率(例えば、1/200)で小当たりに当選する構成としている。第1特別図柄の小当たり種別には、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に付与される大当たり後に連荘モードへと移行する小当たり種別や、普通図柄の通常状態へと移行する小当たり種別が設けられている。このため、小当たりに当選してV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過すれば、有利な状態に移行する可能性があるので、不利な普通図柄の時短状態Bにおいて、第1特別図柄の抽選で大当たりになるよりも、小当たりとなることを期待して遊技を行うという斬新な遊技性を提供することができる。
更に、本第6実施形態では、1の時短状態において特別図柄の抽選回数が規定回数(例えば、100回)終了した場合に加え、1の時短状態において特定の種別の小当たり(小当たりA6)の当選回数が規定回数(例えば、1回)となった場合にも、時短状態から直接通常状態へと移行する構成としている。つまり、普通図柄の時短状態Bにおいて特定の種別の小当たり(小当たりA6)に当選した場合には、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過せずに小当たりが終了することにより、残りの時短回数にかかわらず、比較的有利な通常モードへと直接移行する。これにより、最も不利な普通図柄の時短状態Bにおいて、早い段階(少ない特別図柄の抽選回数)で特定の種別の小当たり(小当たりA6)に当選することを期待して遊技を行わせることができる。よって、最も不利な時短状態Bが設定されている間の遊技が単調となってしまうことを抑制できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。また、特定の種別の小当たり(小当たりA6)において、V入賞が発生しない方が有利になるという斬新な遊技性を実現することができる。
なお、本第6実施形態における以降の説明では、説明の簡略化のため、最も不利な普通図柄の時短状態Bのことを「通常モード」と称し、時短状態Bよりも大当たりとなった場合に連荘モードへと移行し易い普通図柄の通常状態のことを「準備モード」と称する。なお、普通図柄の時短状態Aについては、第5実施形態と同様に最も有利な状態であるので、第5実施形態と同様に「連荘モード」と称する。
この第6実施形態におけるパチンコ機10が、第5実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、主制御装置110におけるROM202、RAM203の構成が一部変更となっている点、音声ランプ制御装置113におけるROM222、RAM223の構成が一部変更となっている点、主制御装置110のMPU201により実行される制御処理が一部変更となっている点、および音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される制御処理が一部変更となっている点である。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行されるその他の処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行されるその他の処理、表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理については、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明とを省略する。
まず、図140を参照して、本第6実施形態における通常モード(普通図柄の時短状態B)において小当たりとなった場合に第3図柄表示装置81において実行される選択演出について説明する。上述した通り、本第6実施形態では、小当たり期間中にV入賞スイッチ670e3を通過させて大当たりになると、当該大当たり後に連荘モードや準備モードへと移行する小当たり種別(小当たりB6,C6)と、V入賞スイッチ670e3を通過せずにそのまま小当たりが終了することで、時短状態が終了して通常モードへと移行する小当たり種別(小当たりA6)とが少なくとも設けられている。言い換えれば、第1特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に、遊技球がV入賞スイッチ670e3を通過して大当たりが実行された方が有利になる小当たり種別と、V入賞スイッチ670e3を通過せずにそのまま小当たりが終了した方が有利になる小当たり種別とが設けられている。この選択演出では、遊技者に対してV入賞スイッチ670e3を通過させるために右打ちを行うか、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過しないように左打ちを行うかを選択させる態様の演出が実行される。
具体的には、図140に示した通り、通常モードの間に小当たりに当選すると、表示画面の右上部分の表示領域Ds2に対して、小当たりを示す「3」と「4」と「1」との組み合わせの第3図柄が停止表示される。また、第3図柄表示装置81の表示画面が左右に2分割された表示態様になり、表示画面における中央上部には、「選べ!!」という文字が表示された横長略長方形形状の表示領域HR7が形成される。
加えて、図140に示した通り、表示画面における左半分には、「V回避で準備モードのチャンス!?」という文字が表示された横長略長方形形状の表示領域HR8が形成され、その下方には、「左打ち」という文字が表示された左向きの矢印を模した矢印画像YG1が表示される。また、表示画面における右半分には、「Vゲットで大当たり!!もしかしたら連荘モードも・・・?」という文字が表示された横長略長方形形状の表示領域HR9が形成され、その下方には、「右打ち」という文字が表示された右向きの矢印を模した矢印画像YG2が表示される。
これらの表示内容により、遊技者に対して、左打ちを行うことにより準備モードに移行する可能性がある反面、右打ちを行ってV入賞が発生すると、大当たりに加えて連荘モードへと移行する可能性もあることを理解させることができる。これにより、遊技者に対して、V入賞を狙って右打ちをした方が良いのか、V入賞を回避するために左打ちを行った方が良いのかを判断させて、当該判断に沿った遊技方法で遊技を行わせることができるので、小当たりとなる毎に、遊技者の興趣を向上させることができる。なお、本第6実施形態では、V入賞を回避した場合に準備モードへと移行する小当たり種別(小当たりA6)が決定される割合が50%であるのに対し、V入賞が発生することで大当たり後に連荘モードへと移行する小当たり種別(小当たりB6)が決定される割合は40%であり、V入賞が発生することで小当たり後に準備モード(時短状態B)へと移行する小当たり種別(小当たりC6)が決定される割合は10%である。また、小当たりA6においてV入賞が発生すると、大当たり後に100回の通常モードが再セットされてしまう。よって、V入賞を狙って遊技を行い、狙い通りにV入賞が発生した場合には、必ず大当たりが付与されるものの、連荘モードへと移行する可能性よりも、通常モードをループしてしまう可能性の方が高くなる。また、V入賞を回避すると、50%の割合で準備モードへと移行し、50%の割合で通常モードが維持されるので、V入賞を回避すべきか、V入賞を狙うべきかを、より真剣に判断させることができる。また、V入賞を回避すべきか、V入賞を狙うべきかの判断は、残りの時短回数(通常モードの残りの回数)に応じても異ならせることができる。具体的には、例えば、通常モードにおける時短回数が残りわずかの場合には、遊技者に対して、V入賞させて通常モードが再セットされてしまうリスクを負うよりも、V入賞を回避した方が良いのではないか、と考えさせることができる。また、時短回数が多い場合には、時短回数が再セットされてもショックが少ないため、積極的にV入賞を狙うべきではないか、と考えさせたりすることができる。よって、通常モードにおける残りの時短回数に応じて、選択演出が発生した場合の遊技方法を異ならせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
<第6実施形態における電気的構成>
次に、図141(a)を参照して、本第6実施形態における主制御装置110内に設けられているROM202の詳細について説明する。図141(a)は、本第6実施形態におけるROM202の構成を示したブロック図である。図141(a)に示した通り、本第6実施形態におけるROM202の構成は、第5実施形態におけるROM202の構成(図118(a)参照)に対して、小当たり規定回数選択テーブル202eaが追加されている点で相違している。また、第1当たり乱数テーブル202aと、第1当たり種別選択テーブル202bと、小当たり種別選択テーブル202daと、時短回数選択テーブル202dbとの内容が一部変更となっている点でも相違している。その他の構成については、上述した第5実施形態におけるROM202の構成(図118(a)参照)と同一であるため、ここではその詳細な説明については省略する。
まず、図141(b)を参照して、本第6実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図141(b)は、本第6実施形態における第1当たり乱数テーブル202aの規定内容を示した図である。図141(b)に示した通り、本第6実施形態における第1当たり乱数テーブル202aには、大当たりと判定される判定値として、「0〜4」の5つの乱数値(カウンタ値)が規定されている(図141(b)の202a1参照)。なお、第5実施形態と同様に、大当たりとなる判定値は、第1特別図柄の抽選と、第2特別図柄の抽選とで共通である。第1当たり乱数カウンタC1の取り得る400の乱数値(カウンタ値)のうち、大当たりと判定される乱数値の個数が5個であるので、本第6実施形態において特別図柄の抽選が実行された場合に大当たりとなる確率は1/80(5/400)である。即ち、第5実施形態における大当たり確率(1/200)よりも2倍以上高く設定されている。これにより、通常モードにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりになるよりも前に時短回数を経過させることが困難となる。よって、通常モード(普通図柄の時短状態B)から準備モード(普通図柄の通常状態)へと移行した場合に、遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができる。なお、通常モードは、基本的に特別図柄の抽選が100回終了するまでの間継続する。特別図柄の抽選が100回行われて1度も大当たりにならない可能性は約28.4%(79/80の100乗)であるので、通常モードから準備モードへと移行する可能性は28.4%である。
また、第1特別図柄の抽選で外れと判定される判定値の範囲として「5〜397」が規定され(図141(b)の202a2参照)、第1特別図柄の小当たりと判定される判定値の範囲として「398,399」が規定されている(図141(b)の202a3参照)。よって、第1特別図柄の抽選で小当たりとなる確率は1/200(2/400)である。即ち、通常モードにおいては、特別図柄の抽選で大当たりになる確率よりも、小当たりになる確率の方が低くなるように設定されている。言い換えれば、小当たりを契機として他のモードへと移行するよりも、大当たり若しくは時短回数の経過により他のモードへと移行する可能性の方が高くなるように構成されている。
また、第2特別図柄の外れと判定される判定値の範囲として「5〜40」が規定され(図141(b)の202a2参照)、第2特別図柄の小当たりと判定される判定値の範囲として「41〜399」が規定されている(図141(b)の202a3参照)。これにより、第5実施形態と同様に、第2特別図柄の抽選が実行された場合には、高確率(9/10)で小当たりに当選するので、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過可能となる期間もより多く設定される。よって、第2特別図柄の抽選が実行され易い時短状態A(連荘モード)の有利度合いを高めることができる。
次に、図141(c)を参照して、本第6実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの詳細について説明する。図141(c)は、本第6実施形態における第1当たり種別選択テーブル202bの規定内容を示した図である。図141(c)に示した通り、本第6実施形態では、第1特別図柄の大当たりとして、大当たりA6と大当たりB6とが設けられ、第2特別図柄の大当たりとして大当たりC6が設けられている。
図141(c)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「0〜69」の範囲に対しては、「大当たりA6」が対応付けて規定されている(図141(c)の202b1参照)。この「大当たりA6」は、ラウンド数が5ランドであり、大当たり当選時の遊技状態(モード)に応じて、大当たり終了後のモードが可変する特殊な大当たりである。具体的には、時短状態(通常モード、連荘モード)において「大当たりA6」になると、大当たり終了後に、時短回数が100回の通常モードが設定される一方で、普通図柄の通常状態(準備モード)において「大当たりA6」になると、時短回数が100回の連荘モードが設定される。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりA6」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数は70個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりA6」が決定される割合は70%である。
なお、連荘モードは、主として第2特別図柄の抽選により遊技を進行する遊技状態であるため、「大当たりA6」に当選する場合のほとんどは、第1特別図柄の抽選により遊技を進行する必要がある通常モード、または準備モードである。通常モードにおいて「大当たりA6」になると、大当たり終了後に最も不利な通常モードが再度設定されてしまう上に、大当たりに当選した時点の時短回数とは無関係に、100回の時短回数が再セットされてしまうため、通常モードにおいて「大当たりA6」は最も不利な大当たり種別である。一方、準備モードにおいて「大当たりA6」になると、大当たり終了後に最も有利な連荘モード(時短状態A)が設定されるので、準備モードの間に「大当たりA6」になると、遊技者にとって有利となる。
また、図141(c)に示した通り、第1特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の値が「70〜99」の範囲に対しては「大当たりB6」が対応付けて規定されている(図141(c)の202b2参照)。この「大当たりB6」は、ラウンド数が5ラウンドであり、大当たりに当選した時点の遊技状態とは無関係に、大当たり後の遊技状態が連荘モードに設定される大当たり種別である。即ち、通常モードにおいては、遊技者に取って最も有利となる大当たり種別である。第1当たり種別カウンタC2の取り得る100個の乱数値(カウンタ値)のうち、「大当たりB6」に対応付けられている乱数値(カウンタ値)の個数は70個であるので、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に「大当たりA6」が決定される割合は30%である。つまり、通常モードにおいては、第1特別図柄の抽選で大当たりになっても70%の割合で大当たり後に再度通常モードが設定される「大当たりA6」が決定され、30%の割合でのみ、大当たり後に連荘モードが設定される「大当たりB6」が決定される。言い換えれば、通常モードにおいて大当たりになっても、他のモードへと移行する期待度が低い(30%の割合)ので、通常モードにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりになるよりも、大当たりとならずに通常モードを抜けて(時短状態を終了させて)、準備モードへと移行させたいと思わせる斬新な遊技性を提供することができる。
また、図141(c)に示した通り、第2特別図柄の大当たり種別として、第1当たり種別カウンタC2の全ての値に対して、「大当たりC6」が対応付けて規定されている(図141(c)の202b3参照)。この「大当たりC6」は、ラウンド数が15ラウンドであり、大当たり終了後に連荘モードへと移行する大当たりである。よって、主として第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行する連荘モードにおいて大当たりになると、必ず、大当たり終了後に再度、連荘モードへと移行する。よって、本第6実施形態では、第5実施形態と同様に、連荘モードにおいて小当たりを介して大当たりになるよりも、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった方が、大当たり後に再度連荘モードとなる可能性が高くなる。よって、第2特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に遊技者を喜ばせることができる。
次に、図142(a)を参照して、本第6実施形態における小当たり種別選択テーブル202daの詳細について説明する。図142(a)は、小当たり種別選択テーブル202daの規定内容を示した図である。
図142(a)に示した通り、第1特別図柄の小当たり種別として、小当たり種別カウンタC5の値が「0〜49」の範囲に対して、「小当たりA6」が対応付けて規定されている(図142(a)の202da1参照)。この「小当たりA6」は、V入賞装置670のV入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に、「大当たりD6」が付与される小当たり種別である。大当たりD6は、ラウンド数が5ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず、大当たり終了後に通常モードが設定される大当たり種別である。つまり、「小当たりA6」は、小当たり遊技中にV入賞させると、大当たり後の遊技状態が最も不利になる小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりA6」となるカウンタ値は50個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりA6」が決定される割合は50%(50/100)である。なお、この「小当たりA6」は、残りの時短回数とは無関係に、時短状態を終了させる契機となる小当たりである。このため、通常モードにおいては、「小当たりA6」になって、V入賞が発生しなければ、小当たり後に比較的有利な準備モードへと移行するので、V入賞させるよりも、V入賞させない方が、遊技状態が有利となる特殊な小当たり種別である。
また、図142(a)に示した通り、第1特別図柄の小当たり種別として、小当たり種別カウンタC5の値が「50〜89」の範囲に対して、「小当たりB6」が対応付けて規定されている(図142(a)の202da2参照)。この「小当たりB6」は、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に、「大当たりB6」が付与される小当たり種別である。大当たりB6は、上述した通り、ラウンド数が5ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず大当たり終了後に連荘モードが設定される大当たり種別である。つまり、「小当たりB6」は、小当たり遊技中にV入賞させることで、大当たり後の遊技状態が最も有利な状態となる小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりB6」となるカウンタ値は25個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりB6」が決定される割合は25%(25/100)である。
また、図142(a)に示した通り、第1特別図柄の小当たり種別として、小当たり種別カウンタC5の値が「90〜99」の範囲に対して、「小当たりC6」が対応付けて規定されている(図142(a)の202da3参照)。この「小当たりC6」は、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に、「大当たりE6」が付与される小当たり種別である。この「大当たりE6」は、ラウンド数が5ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず大当たり終了後に準備モードが設定される大当たり種別である。つまり、「小当たりC6」は、小当たり遊技中にV入賞させることで、大当たり後の遊技状態が比較的有利な状態に設定される小当たり種別である。小当たり種別カウンタC5の値が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりC6」となるカウンタ値は10個なので、特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりC6」が決定される割合は10%(10/100)である。
また、図142(a)に示した通り、第2特別図柄の小当たり種別として、小当たり種別カウンタC5が「0〜29」の範囲に対して、「小当たりD6」が対応付けて規定されている(図142(a)の202da4参照)。この「小当たりD6」は、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に、「大当たりC6」が付与される小当たり種別である。この「大当たりC6」は、上述した通り、ラウンド数が15ラウンドであり、当選時の遊技状態によらず大当たり終了後に連荘モードが設定される大当たり種別である。つまり、「小当たりD6」は、小当たり遊技中にV入賞させることで、ラウンド数が最も多く、且つ、大当たり後の遊技状態が最も有利になる大当たりが付与されるので、「小当たりD6」は遊技者にとって最も有利な小当たり種別の1種である。小当たり種別カウンタC5が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりD6」となるカウンタ値は30個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりD6」が決定される割合は30%(30/100)である。
また、図142(a)に示した通り、第2特別図柄の小当たり種別として、小当たり種別カウンタC5が「30〜79」の範囲に対して、「小当たりE6」が対応付けて規定されている(図142(a)の202da5参照)。この「小当たりE6」は、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に、「大当たりF6」が付与される小当たり種別である。この「大当たりF6」は、ラウンド数が10ラウンドであり、当選時の遊技状態に応じて大当たり終了後の遊技状態が可変される大当たり種別である。具体的には、時短状態(通常モード、連荘モード)において「大当たりF6」になると、大当たり終了後に、時短回数が100回の連荘モードが設定される一方で、普通図柄の通常状態(準備モード)において「大当たりF6」になると、時短回数が0回に設定される(準備モードが設定される)。よって、連荘モードにおいて「大当たりF6」になると、連荘モードが大当たり終了後も継続するので、遊技者にとって有利となる一方で、準備モードにおいて「大当たりF6」になると、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に比べて不利になる。準備モードにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりになると、100%の割合で有利な連荘モードへと移行するためである。よって、左打ちにより第1入球口64を狙って遊技を行う必要がある準備モードにおいて、第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技が実行された場合に、遊技者にとっての有利度合いを低減することができるので、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。小当たり種別カウンタC5が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりE6」となるカウンタ値は50個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりE6」が決定される割合は50%(50/100)である。
また、図142(a)に示した通り、第2特別図柄の小当たり種別として、小当たり種別カウンタC5が「80〜89」の範囲に対して、「小当たりF6」が対応付けて規定されている(図142(a)の202da6参照)。この「小当たりF6」は、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に、「大当たりG6」が付与される小当たり種別である。この「大当たりG6」は、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に通常モードが設定される大当たり種別である。なお、「大当たりG6」が終了した後に設定される通常モードの期間(準備モードに移行するまでの特別図柄の抽選回数)は、当選時の遊技状態に応じて異なる構成となっている。具体的には、普通図柄の時短状態の間に「大当たりG6」になると、大当たり終了後に50回の通常モード(時短状態B)が設定される一方で、普通図柄の通常状態の間に「大当たりG6」になると、大当たり終了後に100回の通常モードが設定される。よって、連荘モードにおいて「大当たりG6」になると、大当たりの終了後に最も不利な通常モードに移行してしまうため、遊技者にとって不利となる。しかしながら、通常モードにおいて「大当たりA6」になった場合に設定される通常モードの回数(100回)よりも少ない回数が設定されるので、通常モードを抜けて準備モードへと移行し易くなる。よって、準備モードへと移行するか、準備モードへと移行するよりも前に大当たりに当選するまでは、遊技を継続しようと思わせることができる。従って、連荘モードが終了した後、即座に遊技を辞めてしまうことを抑制できるので、パチンコ機10の可動率を向上させることができる。小当たり種別カウンタC5が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりF6」となるカウンタ値は10個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりF6」が決定される割合は10%(10/100)である。
また、図142(a)に示した通り、第2特別図柄の小当たり種別として、小当たり種別カウンタC5が「90〜94」の範囲に対して、「小当たりG6」が対応付けて規定されている(図142(a)の202da7参照)。この「小当たりG6」は、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に、「大当たりH6」が付与される小当たり種別である。この「大当たりH6」は、「大当たりG6」と同様に、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に通常モードが設定される大当たり種別である。具体的には、普通図柄の時短状態の間に「大当たりH6」になると、大当たり終了後に25回の通常モード(時短状態B)が設定される一方で、普通図柄の通常状態の間に「大当たりH6」になると、大当たり終了後に100回の通常モードが設定される。よって、連荘モードにおいて「大当たりH6」になると、大当たりの終了後に最も不利な通常モードに移行してしまうため、遊技者にとって不利となる。しかしながら、通常モードにおいて「大当たりA6」になった場合に設定される通常モードの回数(100回)や、連荘モードにおいて「大当たりG6」になった場合に設定される通常モードの回数(25回)よりも少ない回数が設定されるので、より通常モードを抜けて準備モードへと移行し易くなる。よって、準備モードへと移行するか、準備モードへと移行するよりも前に大当たりに当選するまでは、遊技を継続しようと思わせることができる。従って、連荘モードが終了した後、即座に遊技を辞めてしまうことを抑制できるので、パチンコ機10の可動率を向上させることができる。小当たり種別カウンタC5が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりG6」となるカウンタ値は5個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりG6」が決定される割合は5%(5/100)である。
また、図142(a)に示した通り、第2特別図柄の小当たり種別として、小当たり種別カウンタC5が「95〜99」の範囲に対して、「小当たりH6」が対応付けて規定されている(図142(a)の202da8参照)。この「小当たりH6」は、V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過した場合に、「大当たりI6」が付与される小当たり種別である。この「大当たりI6」は、「大当たりG6」や「大当たりH6」と同様に、ラウンド数が10ラウンドであり、大当たり終了後に通常モードが設定される大当たり種別である。具体的には、普通図柄の時短状態の間に「大当たりI6」になると、大当たり終了後に1回の通常モード(時短状態B)が設定される一方で、普通図柄の通常状態の間に「大当たりI6」になると、大当たり終了後に100回の通常モードが設定される。よって、連荘モードにおいて「大当たりI6」になると、大当たり終了後、最初の特別図柄の抽選で外れになれば、準備モードへと移行することができるので、通常モードが設定される大当たり種別の中では、遊技者にとって最も有利となる(準備モードに移行し易くなる)。小当たり種別カウンタC5が取り得る100個のカウンタ値のうち、「小当たりH6」となるカウンタ値は5個なので、第2特別図柄の抽選で小当たりとなった場合に「小当たりH6」が決定される割合は5%(5/100)である。
なお、本第6実施形態では、連荘モードにおいて、大当たり終了後に通常モードへと移行した場合、通常モード(時短状態B)が継続する時短回数が遊技者に明示されることはない。即ち、第6実施形態と同様に、背面画像の種別により通常モードから準備モードへと移行したか否かの期待度を示唆する構成としている。このように構成することで、連荘モードが終了してからの所定期間(本第6実施形態では、大当たり終了後50回)の間、準備モードへと移行したのか、通常モードが維持されているのかを予測させる遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図142(b)を参照して、本第6実施形態における時短回数選択テーブル202dbの詳細について説明する。図142(b)は、時短回数選択テーブル202dbの規定内容を示した図である。この時短回数選択テーブル202dbは、第5実施形態における時短回数選択テーブル202dbと同様に、大当たり終了後の時短回数(通常モードに移行するまでの特別図柄の抽選回数)を大当たり種別、および大当たり当選時の遊技状態に応じて設定するためのデータが規定されたデータテーブルである。
図142(b)に示した通り、大当たり種別として、大当たりA6に対しては、普通図柄の通常状態(準備モード)において100回の時短状態Aが対応付けて規定され、普通図柄の時短状態(通常モード、連荘モード)に対して100回の時短状態Bが対応付けて規定されている(図142(b)の202db1参照)。よって、普通図柄の通常状態に設定される準備モードにおいては、第1特別図柄の抽選で大当たりA6になると、大当たり後に連荘モードが設定されるので、遊技者にとって好ましい大当たり種別の1種である。一方、通常モードや連荘モードにおいては、大当たりA6になると、最も不利な通常モードに移行してしまうため、遊技者にとって最も不利な大当たり種別の1種となる。なお、連荘モードでは、主として第2特別図柄の抽選を実行させることにより遊技を進行させる遊技状態であるので、大当たりA6になることによって不利になる(大当たり終了後に不利な通常モードが設定される)のは、ほぼ、通常モードである。
また、図142(b)に示した通り、大当たり種別として、大当たりB6,C6に対しては、当選時の遊技状態によらず、100回の時短状態Aが対応付けて規定されている(図142(b)の202db2参照)。よって、通常モード、準備モード、および連荘モードのいずれの遊技状態において大当たりB6,C6に当選したとしても、大当たり終了後が最も有利な連荘モードになるため、大当たり終了後の遊技状態の面で、大当たりB6,C6は最も有利な大当たり種別の1種である。
また、図142(b)に示した通り、大当たり種別として、大当たりD6に対しては、当選時の遊技状態によらず、100回の時短状態Bが対応付けて規定されている(図142(b)の202db3参照)。よって、大当たりD6は大当たり終了後の遊技状態の面で最も不利となる。また、大当たり種別として、大当たりE6に対しては、時短回数として0回が対応付けて規定されている(図142(b)の202db4参照)。よって、通常モード、準備モード、および連荘モードのいずれの遊技状態において大当たりE6に当選したとしても、大当たり終了後が比較的有利な準備モードになる。
また、図142(b)に示した通り、大当たり種別として、大当たりF6に対しては、普通図柄の通常状態(準備モード)において時短回数として0回が対応付けて規定され、普通図柄の時短状態(通常モード、連荘モード)に対して100回の時短状態Aが対応付けて規定されている(図142(b)の202db5参照)。大当たりF6は、第2特別図柄の抽選で小当たりE6となり、小当たり遊技中にV入賞スイッチ670e3を通過した場合に当選する大当たり種別であり、基本的に連荘モードでのみ当選する大当たりである。連荘モードにおいて大当たりF6になると、大当たり終了後に再度、連荘モードが設定されるので、大当たりF6は、大当たり終了後の遊技状態が最も有利となる大当たり種別の1種である。なお、普通図柄の通常状態の間に当選した場合に、時短回数を0回に設定するのは、準備モードにおいて第2特別図柄の抽選を実行させる変則的な遊技方法に対する抑制を図るためである。即ち、準備モードでは、第1特別図柄の抽選で大当たりになると、100%の割合で連荘モードへと移行するが、第2特別図柄の抽選により小当たりE6になって、大当たりF6に当選すると、準備モードをループしてしまう。よって、変則的に第2特別図柄の抽選を実行させると、逆に不利になってしまうので、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、図142(b)に示した通り、大当たり種別として、大当たりG6に対しては、普通図柄の通常状態において100回の時短状態Bが対応付けて規定され、普通図柄の時短状態において50回の時短状態Bが対応付けて規定されている(図142(b)の202db6参照)。よって、連荘モードにおいて大当たりG6になると、比較的多い回数の通常モードが設定されるので、遊技者にとって不利となる。また、準備モードにおいて大当たりG6になると、100回の通常モードが設定されてしまうため、準備モードにおいて第2特別図柄の抽選を実行させようとする変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、図142(b)に示した通り、大当たり種別として、大当たりH6に対しては、普通図柄の通常状態において100回の時短状態Bが対応付けて規定され、普通図柄の時短状態において25回の時短状態Bが対応付けて規定されている(図142(b)の202db7参照)。よって、連荘モードにおいて大当たりH6になると、大当たりG6になった場合よりも少ない回数の通常モードが設定されるので、大当たりG6よりも通常モードを終了させることが容易となる。よって、大当たりG6になって連荘モードが終了した場合よりも、遊技者にとって有利となる。また、準備モードにおいて大当たりH6になると、大当たりG6と同様に100回の通常モードが設定されてしまうため、準備モードにおいて第2特別図柄の抽選を実行させようとする変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
また、図142(b)に示した通り、大当たり種別として、大当たりI6に対しては、普通図柄の通常状態において100回の時短状態Bが対応付けて規定され、普通図柄の時短状態において1回の時短状態Bが対応付けて規定されている(図142(b)の202db8参照)。よって、連荘モードにおいて大当たりI6になると、大当たりG6や大当たりH6になった場合よりも少ない回数の通常モードが設定されるので、大当たりG6や大当たりH6よりも、極めて容易に通常モードを終了させることができる。よって、大当たりG6や大当たりH6になって連荘モードが終了した場合よりも、遊技者にとって有利となる。また、準備モードにおいて大当たりI6になると、大当たりG6や大当たりH6と同様に100回の通常モードが設定されてしまうため、準備モードにおいて第2特別図柄の抽選を実行させようとする変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図143を参照して、小当たり規定回数選択テーブル202eaの詳細について説明する。図143は、小当たり規定回数選択テーブル202eaの規定内容を示した図である。この小当たり規定回数選択テーブル202eaは、小当たり種別毎の時短状態の終了条件を設定するために参照されるデータテーブルである。上述した通り、本第6実施形態では、時短回数(特別図柄の抽選回数)とは別に、小当たり種別毎に時短状態を終了させるまでの当選回数が規定されており、時短回数内で小当たりの規定回数に到達した場合は、残りの時短回数にかかわらず、時短状態が終了される構成としている。これにより、不利な通常モードにおいて小当たりとなる毎に、規定回数に到達したことに対する期待感を抱かせることができる。
図143に示した通り、小当たり規定回数選択テーブル202eaには、大当たり種別、および大当たりに当選した時点の遊技状態に対応付けて、小当たり種別毎の時短状態を終了させるまでの当選回数(規定回数)が規定されている。より具体的には、大当たりA6に対しては、普通図柄の通常状態において、全小当たり種別に対して規定回数として100回が規定されている。一方、普通図柄の時短状態において、小当たりA6に対して規定回数として1回が規定され、小当たりA6以外の小当たり種別に対する規定回数として100回が対応付けて規定されている(図143の202ea1参照)。つまり、連荘モードを設定する際には、全ての小当たり種別に対して規定回数として100回が設定されるのに対し、通常モード(時短状態B)を設定する際には、大当たりA6に対して規定回数として1回が設定され、他の小当たり種別に対して規定回数として100回が設定される。また、大当たりB6,C6に対しては、当選時の遊技状態によらず、全ての小当たり種別に対して規定回数として100回が対応付けて規定されている(図143の202ea2参照)。即ち、当選時の遊技状態によらず連荘モードが設定される大当たりB6,C6になると、全ての小当たり種別に対して規定回数として100回が設定される。
また、図143に示した通り、大当たりD6、および大当たりG6〜I6に対しては、当選時の遊技状態によらず、小当たりA6に対して規定回数として1回が対応付けて規定され、他の小当たり種別に対して規定回数として100回が対応付けて規定されている(図143の202ea3参照)。即ち、当選時の遊技状態によらず通常モードが設定される大当たりD6,G6〜I6のいずれかになると、小当たりA6に対して規定回数として1回が設定され、他の小当たり種別に対して規定回数として100回が設定される。
また、図143に示した通り、大当たりE6に対しては、当選時の遊技状態によらず、全ての小当たり種別に対して規定回数として0回が対応付けて規定されている(図143の202ea4参照)。つまり、大当たり終了後に通常モードを設定する際には、全ての小当たり種別に対して規定回数として0回が設定される。また、大当たりF6に対しては、普通図柄の通常状態において、全小当たり種別に対して規定回数として0回が対応付けて規定されている一方で、普通図柄の時短状態において、全小当たり種別に対して規定回数として100回が対応付けて規定されている(図143の202ea5参照)。
このように、本第6実施形態では、連荘モードが設定される場合に、全ての小当たり種別に対して、時短状態を終了させるための規定回数として100回が設定される構成としている。つまり、特別図柄の抽選が100回実行されるまでは、確実に時短状態を継続させる構成としている。これにより、連荘モードにおいて特別図柄の抽選が100回実行されるよりも前に時短状態が強制的に終了されて準備モードに移行してしまい、遊技者をがっかりさせてしまうことを防止できる。また、通常モードが設定される場合に、時短状態を終了させるための小当たりの規定回数として、小当たりA6に対して1回が設定される構成としている。これにより、通常モードでは、小当たりA6に当選すれば強制的に時短回数を終了させて準備モードへと移行させることができるので、通常モードの時短回数の残りが多い場合であっても、小当たりA6になることを期待して遊技を行わせることができる。よって、通常モードにおける遊技が、単に時短回数を経過させるまで第1入球口64へと遊技球を入球させ続けるだけの作業のようになってしまうことを抑制できる。従って、通常モードにおける遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第6実施形態では、通常モードのみ、小当たりA6の規定回数を1回にするとともに、他の小当たり種別の規定回数を100回とし、連荘モードでは全ての小当たり種別の規定回数を100回とする構成としていたが、これに限られるものではない。小当たりの規定回数と時短状態の種別(モード)との対応関係は任意に定めてもよい。例えば、連荘モードにおいて、第2特別図柄の小当たりの中に、規定回数が少ない(例えば、5回の)小当たり種別を設ける構成としてもよい。このように構成することで、連荘モードにおいて、約1/20のV入賞に失敗し続けるほど、連荘モードが終了されてしまう可能性が高まるので、連荘モード中の遊技に緊張感を持たせることができる。また、通常モードにおいて、小当たりの規定回数を種別毎に定めるのに代えて、又は加えて、小当たり種別の1部又は全部の当選回数の合算により規定回数を定める構成としてもよい。具体的には、例えば、小当たりA6の規定回数を1回に設定すると共に、小当たりB6と小当たりC6との合計の当選回数による規定回数を5回に設定する構成としてもよい。このように構成することで、V入賞に失敗し、通常モードが維持される事象が連続したとしても、準備モードへ移行するまでの規定回数を少なくしたと前向きに捉えさせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
次に、図144を参照して、本第6実施形態における主制御装置110内に設けられているRAM203の詳細について説明する。図144は、RAM203の構成を示したブロック図である。図144に示した通り、本第6実施形態におけるRAM203の構成は、第5実施形態におけるRAM203の構成(図121(b)参照)に対して、小当たり規定回数格納エリア203eaが追加されている点で相違している。
小当たり規定回数格納エリア203eaは、時短状態(通常モード、連荘モード)を終了して準備モードに移行させるための小当たりの残りの当選回数を、小当たり種別毎に格納しておくための記憶領域である。普通図柄の時短状態においては、小当たりになる毎に、当選した小当たり種別に対応する残りの当選回数(規定回数)が減算されて更新される(図150のS2412参照)。そして、いずれかの小当たり種別に対応する規定回数が0になった(規定回数に到達した)場合には、残りの時短回数(特別図柄の抽選回数)によらず、準備モードへと移行する(図150のS2414参照)。なお、本第6実施形態では、通常モードにおいて、小当たりA6以外の小当たり種別の規定回数が100回に設定されるので、小当たりA6以外の小当たり種別により、100回(又は50回、25回、1回)の時短回数が終了するよりも前に時短状態が終了される可能性は無い。また、連荘モードでは、全ての小当たり種別に対して規定回数として100回が設定されるので、連荘モードの時短回数である100回が終了するよりも前に小当たりの規定回数に到達して準備モードへと移行する可能性も無い。
次に、図145を参照して、本第6実施形態における遊技状態の移行方法について説明する。図145に示した通り、本第6実施形態のパチンコ機10には、大別して3つの状態(モード)が設けられている。即ち、図145の上部に示した通常モード(普通図柄の時短状態B)と、図145の左下部に示した連荘モード(普通図柄の時短状態A)と、図145の右下部に示した準備モード(普通図柄の通常状態)とが設けられている。
通常モードは、上述した通り、普通図柄の時短状態Bのことを示しており、遊技球が第2入球口6400へ入球し難く、第1特別図柄の抽選で大当たりになっても連荘モードに移行し難いため、遊技者にとって最も不利な遊技状態となる。また、連荘モードは、上述した通り、普通図柄の時短状態Aが設定される遊技状態を示しており、第2入球口6400へと遊技球が入球し易くなるため高確率で小当たりが発生し、V入賞スイッチ670e3を通過する機会が多くなるため、通常モードよりも大当たりとなる可能性が高い遊技状態である。また、大当たり終了後に再度、連荘モードが設定され易いので、遊技者にとって最も有利な遊技状態となる。
また、準備モードは、普通図柄の通常状態が設定される遊技状態を示しており、上述した通り、遊技球が第2入球口6400へと入球し難いため、通常モードと同様に第1入球口64を狙って遊技を行う必要があるものの、大当たりに当選すると100%の割合で連荘モードに移行するため、通常モードに比較して有利となる遊技状態である。
図145の上部に示した通り、通常モードから他のモードへは、大当たりとなった場合、小当たりに当選した場合、および時短回数が経過した場合に移行する可能性がある。具体的には、図145に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりとなり、大当たり種別として大当たりB6が決定された場合には、大当たり終了後の遊技状態として連荘モードが設定される。また、時短回数が経過する(時短回数分の特別図柄の抽選が終了する)と、準備モード(普通図柄の通常状態)へと移行する。また、小当たりA6になってV入賞が発生せずに小当たり遊技が終了すると、通常モードにおける小当たりA6の規定回数に到達したことにより準備モードへと移行する。また、小当たりB6になって、遊技者がV入賞を狙って右打ちを行い、V入賞が発生した場合は、V入賞に基づく大当たり(大当たりB6)の終了後に、連荘モードへと移行する。更に、小当たりC6になって、遊技者がV入賞を狙って右打ちを行い、V入賞が発生した場合は、V入賞に基づく大当たり(大当たりD6)の終了後に、連荘モードへと移行する。これらに対し、第1特別図柄の抽選で大当たりA6に当選した場合と、小当たりA6に当選してV入賞が発生した場合は、大当たりの終了後に再度、通常モードが設定される。また、小当たりB6,C6になってV入賞が発生しなかった場合には、通常モードが維持される。
よって、通常モードにおいては、第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、30%の割合でのみ、連荘モードへと移行し、70%の割合で通常モードをループする。即ち、第1特別図柄の抽選で大当たりになっても、連荘モードに移行するよりも通常モードをループする可能性が高いため、特別図柄の抽選による大当たりは、遊技者にとってあまり嬉しくない抽選結果となる。よって、通常モードでは、特別図柄の抽選で大当たりになるよりも、時短回数を経過させて準備モードへと移行させたいと思わせることができるので、特別図柄の抽選が実行される毎に、大当たりに当選して欲しくないと遊技者に願わせる斬新な遊技性を提供することができる。更に、通常モードにおいては、第1特別図柄の抽選で小当たりになった場合に、50%の割合で、時短状態を終了させるまでの規定回数が1回の小当たりA6が決定される。よって、小当たりA6になって、V入賞が発生しなければ、準備モードへと移行するので、特別図柄の抽選で1/200の確率で当選する小当たりになると、小当たりA6が決定されていることを遊技者に期待させることができる。なお、小当たりA6においてV入賞が発生してしまうと、大当たり終了後に再度、通常モードに設定されてしまう。このため、小当たりA6は、遊技状態(モード)移行という観点において、V入賞を発生させた場合よりも、V入賞を発生させない方が有利になる小当たり種別であると言える。一方で、第1特別図柄の抽選で小当たりA6以外の小当たり種別が決定されると、V入賞を発生させなければ遊技状態(モード)が維持されてしまう。つまり、小当たりA6以外の小当たり種別は、V入賞を発生させた方が、V入賞を発生させない場合よりも有利になる小当たり種別である。
このように、V入賞させなければ有利になり、V入賞させると不利になる小当たり種別(小当たりA6)と、V入賞させなければ不利な状態が維持される小当たり種別(小当たりB6,C6)とを設ける構成とすることで、小当たりに当選した場合に、V入賞させた方が良いのか、V入賞を回避した方が良いのかを遊技者に判断させる遊技性を提供することができる。なお、上述した通り、本第6実施形態では、通常モードで小当たりとなった場合は、小当たり種別によらず、選択演出(図140参照)を実行する構成としている。これにより、小当たり種別を表示態様から推測することが困難になるので、より真剣に、V入賞を狙うか否かを判断させることができる。よって、小当たりに当選する毎に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図145の左下部に示した通り、連荘モードから他のモードには、大当たりになった場合の他、普通図柄の時短回数が終了した場合にも移行する可能性がある。具体的には、図145の左下部に示した通り、第2特別図柄の抽選で小当たりとなってV入賞(V入賞スイッチ670e3を遊技球が通過する事象)が発生し、大当たりG6〜I6のいずれかが決定されると、大当たり終了後の遊技状態が通常モードに設定される。また、大当たりとならずに特別図柄の抽選が100回終了した場合には、普通図柄の時短回数が経過して、準備モードへと移行(転落)する。一方、V入賞した場合に大当たりC6,F6が決定された場合や、特別図柄の抽選で大当たりになった場合には、大当たり終了後に再度、連荘モードが設定される。なお、上述した通り、大当たりにならずに100回の特別図柄の変動が終了する可能性は約0.6%であるため、ほぼ発生しない事象である。よって、連荘モードにおいて他のモードに移行するのは、ほぼ大当たりG6〜I6に当選した場合である。大当たりG6〜I6に対応する小当たり(小当たりF6〜H6)は、全小当たりのうち20%の割合で決定されるため、連荘モードになると、大当たりと連荘モードとを80%以上の割合で繰り返す極めて有利な遊技状態となる。よって、連荘モードへと移行させることを1つの目標として遊技者に遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
図145の右下部に示した通り、準備モードから他のモードには、大当たりになった場合にのみ移行する可能性がある。具体的には、図145の右下部に示した通り、第1特別図柄の抽選で大当たりとなった場合に、大当たりA6になった場合も、大当たりB6になった場合も、大当たり終了後の遊技状態が連荘モードに設定される。なお、準備モードでは基本的に第1特別図柄の抽選のみが実行される(第2入球口6400へと遊技球が入球し難い)モードであるものの、変則的な遊技方法により第2入球口6400へと遊技球を入球させて大当たりになるか、または小当たりとなってV入賞を発生させた場合には、通常モードへと転落したり(大当たりF6〜H6になった場合)、準備モードをループしたりする(大当たりD6,E6になった場合)可能性がある。よって、変則的な遊技方法により第2特別図柄の抽選を実行させると、第1特別図柄の抽選を実行させるよりも、連荘モードへと移行し難くなるので、変則的な遊技方法を行うメリットを低減させることができる。これにより、変則的な遊技方法に対する抑制を図ることができる。
次に、図146(a)を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のROM222の詳細について説明を行う。図146(a)は、ROM222の構成を示したブロック図である。図146(a)に示した通り、本第6実施形態におけるROM222の構成は、第5実施形態におけるROM222の構成(図123(a)参照)に対して、期待度選択テーブル222daが削除され、ランクアップ抽選テーブル222eaが追加されている点で相違している。
ランクアップ抽選テーブル222eaは、連荘モードにおいて大当たりG6〜I6のいずれかとなって通常モードへと移行(転落)した場合において、準備モードまでの残りの変動回数を背面画像のランクアップ態様によって示唆するためのランクアップ演出を設定するために参照されるデータテーブルである。このランクアップ抽選テーブル222eaの詳細について、図146(b)を参照して説明する。
図146(b)は、ランクアップ抽選テーブル222eaの規定内容を示した図である。図146(b)に示した通り、ランクアップ抽選テーブル222eaには、残りの時短回数(J)の値毎に、より期待度の高い背面画像へと更新(ランクアップ)させると判定する判定値(演出抽選カウンタ223daのカウンタ値)が対応付けて規定されているデータテーブルである。なお、背面画像の更新は、変動回数が50未満の範囲において、変動回数が10の倍数となる毎に抽選される。
図146(b)に示した通り、残時短回数(J)の値が20未満に対しては、演出抽選カウンタ223daの値が「0〜29」の場合にランクアップ無しと判定される。これに対して、演出抽選カウンタ223daの値が「30〜89」の場合に、1ランクアップと判定され、「90〜99」の場合に、2ランクアップと判定される。ここで、1ランクアップとは、現状の背面画像が低期待度用の背面画像である場合に、中期待度用の背面画像に更新(ランクアップ)させ、中期待度用の背面画像である場合に、高期待度用の背面画像に更新(ランクアップ)させることを示す。即ち、期待度を一段階アップさせることを意味する。なお、既に高期待度用の背面画像が設定されている場合には、高期待度用の背面画像のまま変更されない。また、2ランクアップとは、現在の背面画像の種別によらず、高期待度用の背面画像に更新(ランクアップ)させることを示す。
また、図146(b)に示した通り、残時短回数(J)の値が20以上に対しては、演出抽選カウンタ223daの値が「0〜59」の場合にランクアップ無しと判定され、「60〜97」の場合に1ランクアップと判定され、「98,99」の場合に2ランクアップと判定される。このように、時短回数が20未満になると、時短回数が20以上の場合に比べて1ランク、または2ランクアップする割合が高くなるので、抽選のタイミングとなる毎に、ランクアップするか否かに注目して遊技を行わせることができる。
次に、図147を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113に設けられているRAM223の詳細について説明する。図147は、RAM223の構成を示したブロック図である。図147に示した通り、本第6実施形態におけるRAM223の構成は、第5実施形態におけるRAM223の構成(図124参照)に対して、ランクアップ抽選フラグ223eaと、期待度格納エリア223ebとが追加されている点で相違している。
ランクアップ抽選フラグ223eaは、ランクアップ抽選テーブル222eaを用いた背面画像のランクアップを抽選する期間であるか否かを示すフラグである。このランクアップ抽選フラグ223eaは、連荘モードから通常モードへと移行する種別の大当たりが終了するタイミングでオンに設定され(図154のS5706参照)、大当たりが終了してから51回目の変動パターン演出の開始タイミングでオフに設定される(図156のS5624参照)。即ち、大当たりG6〜I6の何れであっても準備モードへと移行済みであることが確定する変動回数になったことに基づいてオフに設定される。また、図示については省略したが、ランクアップ抽選フラグ223eaは、大当たりに当選した場合もオフに設定される。ランクアップ抽選フラグ223eaがオンの間は、特別図柄の変動回数が10の倍数となる毎に、ランクアップ抽選テーブル222eaを用いたランクアップ抽選が実行される。これにより、ランクアップの態様から準備モードへと移行しているか否か(準備モードへ移行するまでの残りの時短回数が20回未満か否か)を推測させる遊技性を提供することができる。
期待度格納エリア223ebは、背面種別により示唆される期待度を示すデータを格納しておくための記憶領域である。ランクアップ抽選テーブル222ea(図146(b)参照)を用いた抽選を実行する際は、この期待度格納エリア223ebに格納されているデータによって現在の期待度を判別して、抽選により決定されたランクアップを反映させた後の背面種別を特定する。
<第6実施形態における主制御装置の制御処理について>
次に、図148から図151を参照して、本第6実施形態における主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理について説明する。まず、図148のフローチャートを参照して、本第6実施形態における特別図柄変動処理6(S151)について説明する。この特別図柄変動処理6(S151)は、第5実施形態における特別図柄変動処理5(図126参照)と同様に、第1図柄表示装置37において行う特別図柄(第1図柄)の変動表示や、第3図柄表示装置81において行う第3図柄の変動表示などを制御するための処理である。
この第6実施形態における特別図柄変動処理6(図148参照)のうち、S201〜S212,S214〜S218,S220,S221,S261,S262、およびS265の各処理では、それぞれ第5実施形態における特別図柄変動処理5(図126参照)のS201〜S212,S214〜S218,S220,S221,S261,S262、およびS265の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6実施形態における特別図柄変動処理6(図148参照)では、S262の処理後に、時短中カウンタ203da、小当たり規定回数格納エリア203ea、モード種別格納エリア203dcのデータを全てリセットして、処理をS220に移行して大当たりの開始を設定する。
また、本第6実施形態における特別図柄変動処理6(図148参照)では、S218の処理において、今回の抽選結果が特別図柄の大当たりではないと判別した場合に(S218:No)、第5実施形態における時短回数更新処理(図128参照)に代えて、時短回数更新処理6を実行して(S272)、処理をS265へと移行する。この時短回数更新処理6(S272)の詳細については、図149を参照して後述する。また、S265の処理において、今回の抽選結果が小当たりであると判別した場合は(S265:Yes)、第5実施形態における小当たり開始処理(図129参照)に代えて、小当たり開始処理6を実行して(S273)、本処理を終了する。この小当たり開始処理6(S273)の詳細については、図150を参照して後述する。
次いで、図149を参照して、上述した時短回数更新処理6(S272)の詳細について説明する。この時短回数更新処理6(S272)は、第5実施形態における時短回数更新処理(図128参照)に代えて実行される処理であり、第5実施形態における時短回数更新処理(図128参照)と同様に、時短状態が設定されるモードである場合(即ち、連荘モード、または通常モードである場合)に、時短回数を更新するための処理である。
この第6実施形態における時短回数更新処理6(図149参照)のうち、S2301〜S2304、およびS2306の各処理では、それぞれ第5実施形態における時短回数更新処理(図128参照)のS2301〜S2304、およびS2306の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6実施形態における時短回数更新処理6(図149参照)では、S2304の処理において時短中カウンタ203daの値が0になったと判別した場合に(S2304:Yes)、小当たり規定回数格納エリア203eaのデータを全て0にリセットし(S2311)、処理をS2306へと移行する。また、S2306の処理が終了すると、モード種別格納エリア203dcに対して準備モード(普通図柄の通常状態)を示す「00H」を格納して(S2312)、本処理を終了する。
次に、図150を参照して、上述した小当たり開始処理6(S273)の詳細について説明する。この小当たり開始処理6(S273)は、第5実施形態における小当たり開始処理(図129参照)に代えて実行される処理であり、第5実施形態における小当たり開始処理(図129参照)と同様に、小当たりの開放動作の開始を設定するための処理である。
この第6実施形態における小当たり開始処理6(図150参照)のうち、S2401〜S2403の各処理では、それぞれ第5実施形態における小当たり開始処理(図129参照)のS2401〜S2403の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6実施形態における小当たり開始処理6(図150参照)では、S2403の処理が終了すると、時短中カウンタ203daの値が0より大きい値(1以上の値)であるか否かを判別し(S2411)、時短中カウンタ203daの値が0であれば(S2411:No)、そのまま本処理を終了する。一方、S2411の処理において、時短中カウンタ203daの値が0より大きい値であると判別した場合は(S2411:Yes)、小当たり規定回数格納エリア203eaに格納されている小当たり種別毎の規定回数のうち、今回当選した小当たりの種別に対応する規定回数を1減算することで更新し(S2412)、減算後の
規定回数が0になったか否かを判別する(S2413)。
S2413の処理において、減算後の規定回数が0になったと判別した場合は(S2413:Yes)、時短状態を終了させるために、時短中カウンタ203da、小当たり規定回数格納エリア203eaのデータを全て0にリセットし(S2414)、普通図柄の通常状態への意向を示す状態コマンドを設定して(S2415)、本処理を終了する。一方、S2413の処理において、S2412の処理による減算後の規定回数が0になっていないと判別した場合は(S2413:No)、そのまま本処理を終了する。
この小当たり開始処理6(図150参照)を実行することにより、通常モードにおいて小当たりA6(規定回数が1回の小当たり)となった場合に、残りの時短回数にかかわらず、時短状態を終了させて準備モードへと移行させることができる。
なお、本第6実施形態では、通常モードのみ、小当たりA6の規定回数を1回にするとともに、他の小当たり種別の規定回数を100回とし、連荘モードでは全ての小当たり種別の規定回数を100回とする構成としていたが、これに限られるものではない。小当たりの規定回数と時短状態の種別(モード)との対応関係は任意に定めてもよい。例えば、連荘モードにおいて、の規定回数を1回に設定する構成としてもよい。このように構成することで、連荘モードにおいて、第2特別図柄の小当たりの中に、規定回数が少ない(例えば、5回の)小当たり種別を設ける構成としてもよい。このように構成することで、連荘モードにおいて、約1/20のV入賞に失敗し続けるほど、連荘モードが終了されてしまう可能性が高まるので、連荘モード中の遊技に緊張感を持たせることができる。また、通常モードにおいて、小当たりの規定回数を種別毎に定めるのに代えて、又は加えて、小当たり種別の1部又は全部の当選回数の合算により規定回数を定める構成としてもよい。具体的には、例えば、小当たりA6の規定回数を1回に設定すると共に、小当たりB6と小当たりC6との合計の当選回数による規定回数を5回に設定する構成としてもよい。このように構成することで、V入賞に失敗し、通常モードが維持される事象が連続したとしても、準備モードへ移行するまでの規定回数を少なくしたと前向きに捉えさせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
次に、図151を参照して、本第6実施形態における大当たり終了処理6(S1151)について説明する。この大当たり終了処理6(S1151)は、大当たり制御処理5(図132参照)の中で、第5実施形態における大当たり終了処理5(図133参照)に代えて実行される処理であり、第5実施形態における大当たり終了処理5(図133参照)と同様に、大当たり終了後の遊技状態を設定するための処理である。
この第6実施形態における大当たり終了処理6(図151参照)のうち、S1321,S1322、およびS1324〜S1326の各処理では、それぞれ第5実施形態における大当たり終了処理5(図133参照)のS1321,S1322、およびS1324〜S1326の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6実施形態における大当たり終了処理6(図151参照)では、S1322の処理が終了すると、小当たり規定回数選択テーブル202eaを読み出して(S1331)、読み出したテーブルから、大当たり種別格納エリア203dbのデータが示す大当たり種別と、当選時モード格納エリア203deのデータが示す当選時の遊技状態(モード)とに対応する小当たり規定回数を特定する(S1332)。次いで、特定した各小当たり種別の小当たり規定回数を小当たり規定回数格納エリア203eaに格納すると共に、S1322の処理で特定した時短回数を時短中カウンタ203daの値として設定して(S1333)、処理をS1324へと移行する。
この大当たり終了処理6(図151参照)を実行することにより、時短回数、および小当たり規定回数を、大当たり種別、および大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて適切に設定することができる。
<第6実施形態における音声ランプ制御装置の制御処理について>
次に、図152から図156を参照して、本第6実施形態における音声ランプ制御装置113のMPU221により実行される各種制御処理について説明する。まず、図152を参照して、本第6実施形態におけるコマンド判定処理6(S4151)について説明する。このコマンド判定処理6(S4151)は、第5実施形態におけるコマンド判定処理5(図136参照)に代えて実行され、第5実施形態におけるコマンド判定処理5(図136参照)と同様に、主制御装置110から受信したコマンドの種別に応じた制御を行うための処理である。
この第6実施形態におけるコマンド判定処理6(図152参照)のうち、S4201〜S4209、およびS4213〜S4215の各処理では、それぞれ第5実施形態におけるコマンド判定処理5(図136参照)のS4201〜S4209、およびS4213〜S4215の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6実施形態におけるコマンド判定処理6(図152参照)では、S4209の処理において状態コマンドを受信したと判別した場合(S4209:Yes)、第5実施形態における状態コマンド処理(図137参照)に代えて、状態コマンド処理6を実行して(S4231)、本処理を終了する。なお、この状態コマンド処理6(S4231)の詳細については、図153を参照して後述する。
また、本第6実施形態におけるコマンド判定処理6(図152参照)では、S4209の処理において、主制御装置110から状態コマンドを受信していないと判別した場合に(S4209:No)、次いで、小当たりに関連するコマンド(小当たり用のオープニングコマンド、小当たり用のエンディングコマンド等)を受信したか否かを判別し(S4232)、小当たりに関連するコマンドを受信したと判別した場合は(S4232:Yes)、小当たりに関連するコマンドの種別に応じた制御を行うための小当たり関連処理を実行して(S4233)、本処理を終了する。この小当たり関連処理(S4233)の詳細については、図155を参照して後述する。一方、S4232の処理において、小当たりに関連するコマンドを受信していないと判別した場合は(S4232:No)、処理をS4213へと移行する。
次いで、図153を参照して、上述した状態コマンド処理6(S4231)の詳細について説明する。この状態コマンド処理6(S4231)は、第5実施形態における状態コマンド処理(図137参照)に代えて実行され、第5実施形態における状態コマンド処理(図137参照)と同様に、状態コマンドにより主制御装置110から通知された遊技状態(モード)に応じた制御を行うための処理である。
この第6実施形態における状態コマンド処理6(図153参照)のうち、S5501〜S5504、およびS5506の各処理では、それぞれ第5実施形態における状態コマンド処理(図137参照)のS5501〜S5504、およびS5506の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6実施形態における状態コマンド処理6(図153参照)では、S5504の処理において、今回の状態コマンドが、パチンコ機10の電源復帰時に出力されたコマンドではないと判別した場合に(S5504:No)、次いで、大当たり終了時に出力された状態コマンドであるか否かを判別する(S5511)。
S5511の処理において、今回の状態コマンドが、大当たり終了時に出力された状態コマンドであると判別した場合は(S5511:Yes)、大当たり終了後の遊技状態に応じた背面画像を設定するための終了後背面設定処理を実行して(S5512)、本処理を終了する。この終了後背面設定処理(S5512)の詳細については、図154を参照して後述する。一方、S5511の処理において、大当たり終了時に出力された状態コマンドではないと判別した場合(時短回数の経過、または小当たり規定回数の到達により通常モードから準備モードへと移行した場合)は(S5511:No)、そのまま本処理を終了する。なお、大当たりを介さずに通常モードから準備モードへと移行した場合には、後述する小当たり関連処理(図155参照)、または期待度更新処理6(図156参照)において報知、または背面画像による示唆の設定が行われる。
次に、図154を参照して、上述した終了後背面設定処理(S5512)の詳細について説明する。この終了後背面設定処理(S5512)は、上述した通り、大当たり終了後の遊技状態に応じて、大当たり終了後の背面画像を設定するための処理である。この終了後背面設定処理(S5512)では、まず、状態コマンドに基づいて更新された遊技状態格納エリア223hのデータが、時短回数100回に対応するデータとなっているか否かを判別する(S5701)。ここで、終了後背面設定処理(S5512)は、連荘モードの場合には実行されない処理であるので、残りの時短回数が100回である場合は、大当たり後に通常モードが設定された場合のみである。また、連荘モードが終了した後で設定される通常モードは、50回以下の時短回数が設定されるので、時短回数が100回の通常モードが設定されたということは、通常モードをループした場合であることを意味する。よって、S5701の処理において、残りの時短回数が100回であると判別した場合は(S5701:Yes)、通常モード用の背面画像を設定して(S5702)、本処理を終了する。これにより、大当たり終了後が通常モードに設定されたことを遊技者に容易に理解させることができる。
一方、S5701の処理において、残りの時短回数が100回ではないと判別した場合は(S5701:No)、次に、残りの時短回数が0であるか(即ち、大当たり終了後が準備モードであるか)を判別し(S5703)、残りの時短回数が0であると判別した場合は(S5703:Yes)、準備モード用の背面画像を設定して(S5704)、そのまま本処理を終了する。これにより、大当たり終了後が準備モードに設定されたことを遊技者に容易に理解させることができる。
一方、S5703の処理において、残りの時短回数が0回ではないと判別した場合は(S5703:No)、連荘モードが終了した後の通常モードである(50回、25回、1回のいずれかの時短回数の通常モードである)ことを意味するので、低期待度用の背面画像を設定すると共に(S5705)、ランクアップ抽選フラグ223eaをオンに設定して(S5706)、本処理を終了する。ランクアップ抽選フラグ223eaをオンにしておくことで、特別図柄の抽選が10回実行される毎に、期待度(背面画像の種別)のランクアップ抽選を実行することができる。これにより、ランクアップの態様から残りの時短回数を予測させる遊技性を実現することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
次に、図155を参照して、上述した小当たり関連処理(S4233)の詳細について説明する。この小当たり関連処理(S4233)は、コマンド判定処理6(図152参照)の中の1処理であり、上述した通り、小当たりに関連するコマンドを受信した場合に、コマンドの種別に応じた制御を実行するための処理である。
小当たり関連処理(図155参照)では、まず、主制御装置110から小当たり用のオープニングコマンドを受信したか否かを判別し(S5801)、小当たり用のオープニングコマンドを受信したと判別した場合は(S5801:Yes)、次いで、遊技状態格納エリア223hに格納されているデータから、現在が通常モードであるか否かを判別する(S5802)。S5802の処理において、現在の遊技状態が通常モード(時短状態B)でない(準備モード、または連荘モードである)と判別した場合は(S5802:No)、次に、ランクアップ抽選フラグ223eaがオンであるか否かを判別し(S5803)、ランクアップ抽選フラグ223eaがオフであれば(S5803:No)、連荘モードであるか、または準備モードで、且つ、準備モード用の背面画像に既に切り替わっている状態であることを意味するので、V入賞装置670を狙って右打ちを行うように遊技者に促す右打ちナビ演出の実行を設定して(S5804)、本処理を終了する。
一方、S5802の処理において、通常モードであると判別した場合(S5802:Yes)、および、S5803の処理においてランクアップ抽選フラグ223eaがオンであると判別した場合(S5803:Yes)は、選択演出(図140参照)の実行を設定して(S5805)、本処理を終了する。準備モードに移行していても、ランクアップ抽選フラグ223eaがオンの場合に選択演出(図140参照)を実行する構成とすることで、ランクアップ演出の実行期間の間に小当たりに当選したとしても、通常モードと準備モードとで表示態様を共通化させることができる。よって、ランクアップ演出の実行期間の間(連荘モードの最後の大当たりが終了してから特別図柄の抽選が50回終了するまでの間)、準備モードに移行しているのか、通常モードが維持されているのかをより区別し難くすることができる。よって、ランクアップ演出のランクアップ態様により注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
また、S5801の処理において、主制御装置110より小当たり用のオープニングコマンドを受信していないと判別した場合は(S5801:No)、次に、小当たり用のエンディングコマンドを受信したか否かを判別する(S5806)。S5806の処理において、小当たり用のエンディングコマンドを受信したと判別した場合は(S5806:Yes)、次に、今回の小当たり遊技において既にV入賞を検出済みであるか否かを判別し(S5807)、V入賞が未検出であると判別した場合は(S5807:No)、次に、小当たりの規定回数に到達しているか(遊技状態格納エリア223hのいずれかの小当たり種別の小当たり規定回数を示すデータが0に対応するデータになっているか)否かを判別する(S5808)。
S5808の処理において、小当たりの規定回数に到達済みであると判別した場合は(S5808:Yes)、準備モード用の背面画像を設定し(S5809)、ランクアップ抽選フラグ223eaをオフに設定して(S5810)、本処理を終了する。一方、S5808の処理において、小当たり規定回数に未到達である(遊技状態格納エリア223hの規定回数を示すデータが0になっていない)と判別した場合は(S5808:No)、そのまま本処理を終了する。これに対し、S5807の処理において、今回の小当たり遊技の実行中にV入賞を検出済みであると判別した場合は(S5807:Yes)、大当たりの開始の報知を設定して(S5811)、本処理を終了する。
この小当たり関連処理(図155参照)を実行することにより、遊技状態に応じて小当たり時の演出として適切な演出態様を設定することができる。また、小当たり終了後の報知内容を適切に設定することができる。
次いで、図156を参照して、本第6実施形態における期待度更新処理6(S4841)について説明する。この期待度更新処理6(S4841)は、第5実施形態における期待度更新処理(図139参照)に代えて実行される処理であり、準備モードに移行したか否かの期待度を示す背面画像のランクアップ抽選を設定するための処理である。
この第6実施形態における期待度更新処理6(図156参照)のうち、S5601,S5603、およびS5608の各処理では、それぞれ第5実施形態におけるきたいどこうしん処理(図139参照)のS5601,S5603、およびS5608の各処理と同一の処理が実行される。また、本第6実施形態における期待度更新処理6(図156参照)では、S5601の処理が終了すると、次に、ランクアップ抽選フラグ223eaがオンであるか否かを判別し(S5621)、ランクアップ抽選フラグ223eaがオンであると判別した場合は(S5621:Yes)、変動回数カウンタ223dbの値が51であるか否かを判別する(S5622)。
S5622の処理において、変動回数カウンタ223dbの値が51であると判別した場合は(S5622:Yes)、前回の大当たり種別が大当たりG6〜I6のいずれであったとしても準備モードへと確実に移行済みの変動回数に到達していることを意味するので、ランクアップ演出の抽選期間を終了させて準備モード用の背面画像を設定するための処理(S5623,S5624の各処理)を実行する。また、S5603の処理において変動回数カウンタ223dbの値が101ではないと判別した場合も(S5603:No)、通常モードから準備モードへと移行したことを意味するため、処理をS5623へと移行する。S5623の処理では、準備モード用の背面画像を設定し(S5623)、ランクアップ抽選フラグ223eaをオフに設定して(S5624)、本処理を終了する。
また、S5622の処理において、変動回数カウンタ223dbの値が51ではないと判別した場合は(S5622:No)、現状の背面画像が高期待度用の背面画像であるか否かを判別し(S5625)、高期待度用の背面画像が設定されていると判別した場合は(S5625:Yes)、これ以上期待度をランクアップさせることができないので、そのまま本処理を終了する。これに対し、S5625の処理において、現状設定されている背面画像の種別が高期待度用の背面画像ではないと判別した場合は(S5625:No)、処理をS5608へと移行する。
また、本第6実施形態における期待度更新処理6(図156参照)では、S5608の処理において、変動回数カウンタ223dbの値が10の倍数であると判別した場合に(S5608:Yes)、ランクアップ抽選テーブル222eaを読み出して(S5626)、演出抽選カウンタ223daの値、および残りの時短回数に対応するランクアップ態様を特定して、その特定したランクアップ態様を設定し(S5627)、本処理を終了する。
この期待度更新処理6(図147参照)を実行することにより、連荘モードが終了した後の所定期間(特別図柄の抽選が50回終了するまでの間)において、特別図柄の抽選が10回実行される毎に、背面画像のランクアップを抽選することができる。これにより、ランクアップのし易さに応じて残りの時短回数を遊技者に推測させる遊技性を実現することができる。
以上説明した通り、第6実施形態におけるパチンコ機10では、普通図柄の時短状態Bを、大当たりになっても連荘モードに移行し難い最も不利な遊技状態(通常モード)に設定し、普通図柄の通常状態(準備モード)になると、普通図柄の時短状態Bよりも、大当たりになった場合における連荘モードへの移行率が高くなるように構成した。これにより、通常モードにおいて大当たりになるよりも、通常モードにおける時短回数を経過して準備モードへと移行してから大当たりになった方が、連荘モードへと移行し易くなるので、通常モードにおいて、時短状態が終了することを期待して遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができる。言い換えれば、通常モードにおける特別図柄の抽選で、外れが連続することを期待させるという斬新な遊技性を実現することができる。
また、本第6実施形態では、第1特別図柄の抽選が実行された場合に低確率(1/200)で当選する小当たりの種別として、V入賞が発生することで大当たり終了後に通常モードが再設定される小当たり種別(小当たりA6)と、V入賞が発生することで大当たり終了後に連荘モードへと移行する小当たり種別(小当たりB6)と、V入賞が発生することで大当たり終了後に準備モードへと移行する小当たり種別(小当たりC6)とが設けられている。これにより、通常モードにおいて小当たりになった場合に、V入賞を発生させることにより遊技状態として不利になる(消化した分の時短回数がリセットされて100に戻ってしまう)場合と、有利になる(準備モード、または連荘モードへと移行する)場合とを設けることができるので、通常モードにおいて小当たりになった場合に、V入賞させた方が良いのか、V入賞を回避した方が良いのかを判断させる遊技性を提供することができる。加えて、通常モードにおいて小当たりA6になると、残りの時短回数にかかわらず、時短状態が終了される構成となっている。これにより、小当たりA6では、V入賞させて通常モードが再設定されるよりも、V入賞を回避して準備モードに移行させた方が遊技状態として有利になる。よって、小当たりになった場合に、V入賞を狙って右打ちを行うか、V入賞を回避するために左打ちを行うかをより真剣に遊技者に判断させることができる。よって、小当たりとなった場合における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第6実施形態では、通常モードのみ、小当たりA6の規定回数を1回にするとともに、他の小当たり種別の規定回数を100回とし、連荘モードでは全ての小当たり種別の規定回数を100回とする構成としていたが、これに限られるものではない。小当たりの規定回数と時短状態の種別(モード)との対応関係は任意に定めてもよい。例えば、連荘モードにおいて、第2特別図柄の小当たりの中に、規定回数が少ない(例えば、5回の)小当たり種別を設ける構成としてもよい。このように構成することで、連荘モードにおいて、約1/20のV入賞に失敗し続けるほど、連荘モードが終了されてしまう可能性が高まるので、連荘モード中の遊技に緊張感を持たせることができる。また、通常モードにおいて、小当たりの規定回数を種別毎に定めるのに代えて、又は加えて、小当たり種別の1部又は全部の当選回数の合算により規定回数を定める構成としてもよい。具体的には、例えば、小当たりA6の規定回数を1回に設定すると共に、小当たりB6と小当たりC6との合計の当選回数による規定回数を5回に設定する構成としてもよい。このように構成することで、V入賞に失敗し、通常モードが維持される事象が連続したとしても、準備モードへ移行するまでの規定回数を少なくしたと前向きに捉えさせることができるので、遊技者の遊技に対するモチベーションを向上させることができる。
本第6実施形態では、第1特別図柄の小当たり種別として、V入賞すると大当たり後に通常モードが設定され、V入賞を回避すると準備モードに移行する小当たりAと、V入賞すると大当たり後に準備モードが設定されるが、V入賞を回避すると現状のモードが維持される小当たり種別と、V入賞すると大当たり後に連荘モードが設定されるが、V入賞を回避すると現状のモードが維持される小当たり種別と、の3種類を設ける構成としていたが、小当たり種別はこれらの3種類に限られるものでなく、種別を任意に増減させてもよい。例えば、第1特別図柄の小当たり種別を小当たりA6のみにすることにより、第1特別図柄の抽選で小当たりに当選した時点で、V入賞を回避すれば準備モードとなることが確定するので、小当たりに当選した時点で遊技者に大きな満足感を抱かせることができる。また、逆に、大当たりA6〜C6に加えて、例えば、V入賞させた場合も、V入賞を回避した場合も準備モードに移行する比較的有利な小当たり種別を設ける構成としてもよいし、V入賞させると通常モードに移行し、V入賞を回避するとモードが維持される比較的不利な小当たり種別を設ける構成としてもよい。このように構成することで、小当たりに当選した場合にV入賞させるべきか、回避するべきかをより真剣に判断させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
本第6実施形態では、通常モードにおいて、V入賞を回避した方がV入賞を発生させた場合よりも有利になる小当たり種別と、V入賞を発生させた方がV入賞を回避した場合よりも有利になる小当たり種別とを設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、V入賞を回避しても、V入賞を発生させても有利になる小当たり種別を設ける構成としてもよい。具体的には、例えば、規定回数が1回で、且つ、V入賞が発生することで大当たり終了後に準備モードが設定される小当たり種別を設ける構成としてもよい。また、逆に、V入賞を回避しても、V入賞を発生させても通常モードになる小当たり種別を設ける構成としてもよい。
本第6実施形態では、通常モードにおいて第1特別図柄の抽選で大当たりになった場合に、連荘モードへと移行するか、100回の時短状態Bが設定されるかのどちらかであったが、これに限られるものではない。準備モードへと移行する場合を設けてもよいし、大当たり終了後の通常モードの時短回数にバリエーションを設ける構成としてもよい。また、他のモードについても同様に、大当たりとなった場合における各モードへの移行割合や時短回数のバリエーションについては、任意に定めることができる。
本第6実施形態では、小当たりとなった場合のV入賞装置670の動作パターンを小当たり種別によらず共通としていたが、これに限られるものではない。例えば、開閉扉670f1の開放期間が短い(遊技球が入球し難い)開放パターンと、開放期間が長い(遊技球が入球し易い)開放パターンとを設ける構成としてもよい。
本第6実施形態では、通常モードにおいて小当たりとなった場合に実行される選択演出として、図140に示した表示態様を実行する構成としていたが、V入賞を発生させるか、させないかを遊技者に選択させることができる態様であれば、任意に定めることができる。また、小当たりになった場合における所定の割合で、小当たり種別を報知、または示唆することが可能な態様で選択演出を実行してもよい。具体的には、例えば、V入賞を回避した方が有利となる小当たりA6に当選した場合に、第1の割合(例えば、5%の割合)で「左打ち」という文字が付された矢印画像YG1が赤色で表示される一方で、他の小当たり種別になった場合は、第1の割合よりも低い第2の割合(例えば、1%の割合)で矢印画像YG1が赤色で表示されるように構成してもよい。このように構成することで、選択演出の表示態様を手掛かりに小当たり種別を予測させ、発射方向を判断させる遊技性を提供することができる。
本第6実施形態では、連荘モードが終了してから特別図柄の抽選が50回終了するまでの間、現在のモードを明示しない構成とし、背面画像のランクアップ態様によって準備モードへと移行するまでの残りの特別図柄の抽選回数の示唆のみを行う構成としていた。即ち、特別図柄の抽選が50回終了する(いずれの大当たり種別であっても確実に準備モードに移行済みである抽選回数となる)までは、表示態様等により現状のモードを遊技者に明示しない構成としていたが、これに限られるものではない。連荘モードが終了してから、確実に準備モードに移行済みとなる抽選回数(50回)に到達するまでの間の任意の抽選回数となった時点で現状のモードを報知する構成としてもよい。より具体的には、例えば、連荘モード終了後(即ち、大当たりG6〜I6の終了後)、特別図柄の抽選が30回終了した時点で、通常モードのままであるか、準備モードに移行済みであるかを判別し、モードに応じた背面画像(通常モード用の背面画像、又は準備モード用の背面画像)に変更する構成としてもよい。このように構成することで、少なくとも現在のモードが明示される抽選回数まで遊技を継続しようと遊技者に思わせることができるので、パチンコ機10の稼働率を向上させることができる。また、仮に30回の特別図柄の抽選が終了した時点で通常モードが報知されたとしても、準備モードまでの残りの抽選回数が残り20回となり、準備モードまでの残りの抽選回数の半分以上を消化しているので、「あと少しで準備モードに移行させることができる」といった感想を遊技者に抱かせることができる。よって、通常モードが報知された場合であっても、準備モードへの移行を目指して遊技を続行させることができる。
<遊技盤の第1の変形例>
次に、図157から図160を参照して、上述した第5、及び第6実施形態における遊技盤13の第1の変形例について説明する。上述した第5、および第6実施形態における遊技盤13では、振分部材6600の偏重部6600cにより振分部材6600の重心を右下側に偏重させることにより、振分部材6600に対して1.5秒間以上遊技球が到達しなかった場合に、振分部材6600の状態が、右側流路R1へと遊技球を振り分け可能な状態に戻る構成としていた。
これに対して本第1の変形例では、偏重部6600cによって重心をずらすことに代えて、弾性体の弾性力を用いることにより、定常位置から変位した振分部材6600が時間の経過で右側流路R1へと遊技球を振分可能な状態に戻る構成としている。また、本第1の変形例における遊技盤13では、遊技球を最短の発射間隔で連続して右打ちし続けた場合に、遊技球が振分部材6600へと確実に等間隔(例えば、1秒間隔)で到達するように、振分部材6600の直上に開閉部材7000を設ける構成としている。この開閉部材7000は、所定の時間間隔(例えば、1秒間隔)で遊技球が最大でも1個のみ通過可能となる長さの期間(例えば、0.1秒間)だけ開放されるように動作が制御される。つまり、遊技球を最短の発射間隔で右打ちし続けると、振分部材6600へと1秒間隔で遊技球が到達するように、開閉部材7000が開閉動作を行う。
まず、図157を参照して、本第1の変形例における遊技盤13について説明する。図157は、本第1の変形例における遊技盤13の正面図である。図157に示した通り、本第1の変形例における振分部材6600は、上述した第5、および第6実施形態における振分部材6600に設けられていた偏重部6600cが削除されている。なお、上述した通り、本第1の変形例における振分部材6600では、右側流路R1へと遊技球を振分可能な状態(右側に傾いた状態)を初期状態とするために、回転軸6600aに弾性体(バネ)を組み付けた上で、右側流路R1へと遊技球を振分可能な配置(定常位置)において弾性力が最も弱くなる(安定する)ように構成している。言い換えれば、定常位置からずれる(定常位置からの回転角が大きくなる)程、弾性体に発生する弾性力(定常位置へと戻す向きの力)が大きくなる構成としている。この回転軸6600aに取り付けられている弾性体の詳細については、図158を参照して後述する。
また、図157に示した通り、振分部材6600の上方には、到達した遊技球が振分部材6600へと落下することを妨げられる閉鎖状態と、到達した遊技球が振分部材6600へと落下可能な開放状態とが、一定間隔で切り替わる開閉部材7000が設けられている。この開閉部材7000は、パチンコ機10に対して電源が投入されてから、電源が遮断されるまでの間、常に同一の周期で閉鎖状態と開放状態とが繰り返される。より具体的には、閉鎖状態となる0.9秒間の期間と、開放状態となる0.1秒間の期間とが周期的に繰り返される。上述した通り、遊技球の発射間隔は最短で0.6秒間隔となるので、最短の発射間隔で遊技球を発射し続けると、確実に、閉鎖状態の間に1個以上の遊技球が開閉部材7000の上方に到達した状態となる。なお、開放状態に設定される0.1秒間は、1個の遊技球のみが下方へと通過可能となる長さの期間であり、たとえ2個以上の遊技球が開閉部材7000の上方に到達していたとしても、1の開放状態において2個以上の遊技球が振分部材6600へと落下することはない。この開閉部材7000の動作の詳細について、図158を参照して説明する。
図158(a)は、右打ちされた遊技球が開閉部材7000に向けて落下している状態における開閉部材7000の拡大正面図である。図158(a)に示した通り、開閉部材7000に向かう流路は、遊技球1個分の幅以上で、且つ、遊技球2個分の幅未満の幅で構成されているので、開閉部材7000が閉鎖されている場合には、1の遊技球のみが開閉部材7000の上面まで到達可能となる。図158(b)に示した通り、開閉部材7000が閉鎖状態となっている場合に遊技球が開閉部材7000の上面に到達すると、閉鎖されている開閉部材7000により遊技球の流下が妨げられるので、開閉部材7000の上面にて停止する。なお、閉鎖状態の間に2個以上の遊技球が開閉部材7000へ向けて流下した場合は、各遊技球が開閉部材7000の上方に縦一列に並んだ状態で静止する。
図158(c)に示した通り、開閉部材7000の上面に遊技球が当接した状態で開閉部材7000が開放状態に切り替わると、開閉部材7000の上面に当接して静止していた遊技球が落下して、開閉部材7000を通過する。上述した通り、開閉部材7000の開放期間は0.1秒間と極めて短いので、図158(d)に示した通り、1の遊技球が開閉部材7000を通過した直後に開放期間が終了されて、開閉部材7000が開放状態から閉鎖状態へと切り替わる。これにより、たとえ2個以上の遊技球が開閉部材7000の上方で静止していたとしても、1の遊技球のみが振分部材6600へと落下される。これにより、遊技球を最短の発射間隔で右打ちし続けたとしても、振分部材6600へと流下する遊技球の間隔を確実に1秒間隔にすることができる。つまり、等間隔で発射された遊技球が釘等に干渉することで、開閉部材7000へと到達する間隔が多少バラ付いたとしても、開閉部材7000を通過する遊技球の間隔を等間隔(1秒間隔)にすることができる。よって、遊技球が振分部材6600へと到達する間隔がバラついてしまうことを防止できるので、最短の発射間隔で遊技球を右打ちした場合に、振分部材6600によって遊技球が右側流路R1、または左側流路R2のいずれかに振り分けられる間隔を確実に1秒間隔にすることができる。なお、振分部材6600は、1秒間隔で遊技球が到達した場合に、右側流路R1と左側流路R2とに交互に遊技球を振り分ける動作となるように構成されている。従って、開閉部材7000を0.9秒間の閉鎖状態と、0.1秒間の開放状態とを繰り返す構成とすることにより、確実に右側流路R1と左側流路R2とに交互に遊技球を振り分けることができる。
次に、図159を参照して、本第1の変形例における遊技盤13に設けられている振分部材6600の動作について説明する。まず、図159(a)は、第1の変形例における振分部材6600の正面斜視図である。図159(a)に示した通り、第1の変形例における振分部材6600は、回転軸6600aのうち正面視奥側(遊技盤13に設置された状態において、遊技盤13の奥側に内包される部分)に対して、弾性体で構成されているバネ部材6600dが組み付けられている。詳細については図159(b)〜(d)を参照して後述するが、このバネ部材6600dは、振分部材6600が遊技球を右側流路R1又は左側流路R2へと振り分けたことによって回転動作を行った場合に、時間の経過で初期位置(右側流路R1へと遊技球を振分可能な配置)へと戻すために設けられている。
図159(b)は、第1の変形例における振分部材6600がパチンコ機10に対して設置された状態におけるバネ部材6600d部分の断面図である。図159(b)に示した通り、遊技盤13におけるベース板60よりも内側の部分には、回転軸6600aを収納しておくための略正方形形状の空間(収納空間)が設けられている。振分部材6600が静止している(定常位置に配置されている)状態において、バネ部材6600dの上側伸縮部6600duと、下側伸縮部6600ddとが、それぞれ収納空間の上面および仮面に当接した状態となって安定する(バネ部材6600dに生じる弾性力が最小となる)。
また、図159(b)に示した通り、収納空間の上面における上側伸縮部6600duの正面視左方には、下向き略三角形形状の上側突起部TBuが設けられている。この上側突起部TBuは、上側伸縮部6600duが左方へとスライドすることを妨げるために設けられている。言い換えれば、回転軸6600aが正面視反時計回り方向に回動され、上側伸縮部6600duに対しても正面視反時計回り方向の力が作用した場合に、上側伸縮部6600duが回動することを妨げることで、弾性力を高める(時計回り方向の反発力を高める)ために設けられている。この上側突起部TBuにより、振分部材6600が正面視反時計回り方向へと回動した場合に、回転角度が大きくなる程、回転方向と逆向きの弾性力を増大させることができるので、遊技球の重量等の外力の作用がなくなった場合に、振分部材6600を定常位置(図157参照)へと戻すことができる。
また、図159(b)に示した通り、収納空間の下面における下側伸縮部6600ddの正面視左方には、上側突起部TBuと上下対称な形状(上向き略三角形形状)の下側突起部TBdが設けられている。この下側突起部TBdは、上側突起部TBuと同様の目的で設けられており、振分部材6600が正面視時計回り方向に回動した場合に、下側伸縮部6600ddが回動することを妨げて弾性力を高め、振分部材6600を定常位置(図157参照)へと戻すために設けられている。
次に、図159(c),(d)を参照して、振分部材6600が遊技球を振り分けたことにより回動した場合のバネ部材6600dの動作について説明する。図159(c)は、振分部材6600の右受け部6600Rが遊技球を受け止めて、その受け止めた遊技球の重さによって時計回りに回動した場合における、バネ部材6600dの状態を示した図である。図159(c)に示した通り、振分部材6600が時計回りに回動すると、回転軸6600aに組み付けられているバネ部材6600に対しても、正面視時計回り方向に回動させる向きの力が作用する。これにより、図159(c)に示した通り、上側伸縮部6600duが時計回り方向に回動する。一方で、下側伸縮部6600ddは、正面視時計回りに回動した直後に下側突起部TBdに当接し、回転動作が妨げられる。これにより、振分部材6600の回転動作が進行する(回転角度が大きくなる)程、バネ部材6600dが縮んでいき、バネ部材6600dの弾性力(反発力)も増大していく。
遊技球が右受け部6600Rから右側流路R1へと落下して、振分部材6600に作用していた遊技球の重さに基づく力(時計回り方向に回動させる向きの力)の作用が無くなると、バネ部材6600dが縮むことで生じた弾性力が、振分部材6600に対して作用する力(重力や空気抵抗力等)の中で最も大きな力となる。よって、弾性力によりバネ部材6600dが定常位置(図159(b)参照)へと戻る向きの力が働くので、振分部材6600を反時計回り方向へと回動させる向きの力が生じる。なお、弾性力によって反時計回り方向に回動された振分部材6600は、即座に定常位置(図157参照)で停止するわけではなく、上述した第5、および第6実施形態における振分部材6600と同様に、定常位置を通過する。
図159(d)は、弾性力によって反時計回りに回動された振分部材6600が定常位置を通過した直後の状態を示した図である。振分部材6600が定常位置を越えて回動すると、上側伸縮部6600duが突起部TBuに当接することによって上側伸縮部6600duの回動が妨げられる。そして、以降は振分部材6600の反時計回り方向への回動が進む程、バネ部材6600dのうち上側伸縮部6600du側が縮んでいき、振分部材6600の回動方向と逆向きの弾性力が増大する。そして、振分部材6600が遊技球を左側流路R2へと振り分け可能な範囲における所定位置になると、反時計回り方向へと回動する勢いが、回動方向とは逆方向(時計回り方向)に作用する弾性力によって完全に相殺され、振分部材6600の反時計回り方向への回動が終了されると共に、弾性力に基づく時計回り方向の回動が開始される。以降も、同様の動作(時計回り方向へ回動しつつ反時計回り方向の弾性力を増大させる動作と、反時計回り方向へ回動しつつ時計回り方向の弾性力を増大させる動作と)を繰り返す。即ち、定常位置を中心とする振り子動作が行われる。なお、振り子動作が進行するにつれて、空気抵抗や回転軸6600aに生じる動摩擦力等によって回動(振り子動作)の勢いが削がれていく(振幅が徐々に減少していく)ので、その後に振分部材6600を遊技球が通過しなければ、振分部材6600は、時間の経過により最終的に定常位置で静止した状態(振幅が0の状態)となる。一方、振り子動作を行っている間に次の遊技球が振分部材6600に到達した場合は、いずれかの流路へと遊技球を振り分けたことにより弾性力が増大して、振り子動作の振幅が大きくなる。
なお、上述した通り、本第1の変形例における遊技盤13では、振分部材6600の直上に開閉部材7000を設ける構成とし、1秒以下の間隔で開閉部材7000まで到達した遊技球を、1秒間隔で振分部材6600に1個ずつ到達(落下)させる構成としている。詳細については図160を参照して後述するが、振分部材6600に対して1秒間隔で遊技球が到達した場合は、上述した第5、および第6実施形態における振分部材6600に対して0.6秒間隔で遊技球が到達した場合と同様に、右側流路R1と左側流路R2とに交互に遊技球が振り分けられる動作となる。これにより、遊技球を最短の発射間隔(0.6秒間隔)で右打ちし続けた場合には、開閉部材7000によって振分部材6600に対する遊技球の到達間隔が1秒間隔となるので、遊技球を右側流路R1と左側流路R2とに交互に振り分けさせることができる。
このように、本第1の変形例における遊技盤13では、遊技球の通過等により振分部材6600が回転動作(定常位置から変位)すると、弾性体で構成されたバネ部材6600dにより、回動方向とは逆方向の弾性力が生じるように構成している。これにより、遊技球をいずれかの流路(右側流路R1、または左側流路R2)に振り分けた後は、動力源や電気的な制御等を一切必要とせず、弾性力のみによって時間の経過(例えば、最大3秒間)で定常位置へと戻すことができる。つまり、上述した第5、及び第6実施形態と同様に、何らの動力源や電気的制御等も用いずに、振分部材6600の初期配置を、スルーゲート67が設けられていない右側流路R1(つまり、遊技者にとって比較的不利な流路)へと振り分け可能な配置に設定することができる。振分部材6600が最後に遊技球を振り分けてから数秒程度で初期配置に戻る構成にすることにより、1の遊技者が遊技を辞めてから他の遊技者が遊技を開始するまでの間に、確実に振分部材6600が初期配置に戻った状態にすることができる。よって、遊技者が遊技を開始するタイミング(前の遊技者がパチンコ機10による遊技を終了してからの経過時間)によらず、遊技開始時の振分部材6600の配置を初期配置に設定しておくことができるので、遊技者に対して公平感を抱かせることができる。
なお、振分部材6600が初期配置に戻るまでの期間としては、1の遊技者が遊技を辞めてから次の遊技者が第2入球口誘導領域へと遊技球を到達させるまでの最短の期間よりも短くなっていれば、任意に定めることができる。具体的には例えば、球貸しユニットに紙幣やカード等を投入し、貸球操作部40に対する操作を行うという一連の動作に要する最短の期間と、操作に基づいて遊技球の貸し出しが完了するまでの期間との合計以下となるように構成してもよい。また、球貸しユニットに紙幣やカード等を投入し、貸球操作部40に対する操作を行うという一連の動作に要する期間の下限値と、操作に基づいて遊技球の貸し出しが完了するまでの期間と、操作ハンドル51に対する操作が実行されてから、操作に基づいて発射された遊技球が第2入球口誘導領域へと到達するまでの期間の下限値との合計以下となるように構成してもよい。また、上皿17への貸し出しが開始された遊技球が球発射ユニット112aにより発射可能となる位置まで転動するのに要する期間の下限値と、操作ハンドル51に対する操作が実行されてから、操作に基づいて発射された遊技球が第2入球口誘導領域へと到達するまでの期間の下限値との合計以下となるように構成してもよい。このように構成することにより、1の遊技者が遊技を辞めてから次の遊技者が遊技を開始して第2入球口誘導領域へと少なくとも1の遊技球が到達するまでの間に、より確実に振分部材6600を初期配置に戻すことができる。よって、遊技者間の公平性をより確実に担保することができる。
次に、図160を参照して、遊技球が1秒未満の発射間隔(例えば、最短の発射間隔である0.6秒間隔)で連続して右打ちされた場合における、開閉部材7000の動作と、振分部材6600の動作との対応関係について説明する。図160(a)は、開閉部材7000の状態の計時変化を示した図であり、図160(b)は、振分部材6600の配置(回転角度)の計時変化を示した図である。図160(a)に示した通り、開閉部材7000は、0.9秒間の閉鎖状態と、0.1秒間の開放状態とを繰り返す。この0.1秒間の開放状態が設定される周期である1秒間以下の間隔で遊技球を開閉部材7000に到達させ続けることができれば、開閉部材7000が開放状態となる毎に、1個の遊技球のみを振分部材6600へと落下させることができる。言い換えれば、1秒間以下の間隔で遊技球を開閉部材7000に到達させるように遊技を行うことで、遊技球が振分部材6600へと到達する間隔を1秒間隔に整えることができる。なお、上述した通り、操作ハンドル51の回転量を最大に維持し続けるという比較的容易な操作によって、最短の発射間隔である0.6秒間隔で遊技球を右打ちし続けることができる。0.6秒間隔で遊技球を発射し続ければ、釘等に干渉して流下速度が多少遅くなったとしても、開閉部材7000へと到達する間隔を1秒以下に抑えることが十分に可能となる。
図160(b)は、図160(a)に示した最初の閉鎖状態の期間の間に少なくとも1の遊技球を開閉部材7000の上面に到達させ、以降も1秒以下の発射間隔(例えば、最短の発射間隔である0.6秒間隔)で遊技球を右打ちし続けた場合における振分部材6600の動作位置(回転角度)の計時変化を示している。なお、以降の説明では、回転軸6600aから鉛直下方へと引いた垂線と、下垂部6600bとが成す角度を振分部材6600の回転角度として定義する。また、正面視反時計回り方向を正方向、正面視時計回り方向を負方向と規定し、0度の位置(下垂部6600bが回転軸6600aの鉛直下方に配置される回転位置)を基準として正面視反時計回り方向の回転角度を正の回転角度、正面視時計回り方向の回転角度を負の回転角度と規定する。振分部材6600の回転角度が正の回転角度であれば、振分部材6600へと落下した遊技球が主として左受け部6600Lにより受け止められるので、左側流路R2に対して遊技球が振り分けられ易くなる。一方、振分部材6600の回転角度が負の回転角度であれば、振分部材6600へと落下した遊技球が主として右受け部6600Rにより受け止められるので、右側流路R2に対して遊技球が振り分けられ易くなる。
図160に示した通り、定常位置(回転角度が−15度の位置)で静止している振分部材6600に対して、開閉部材7000が開放状態となることで遊技球が落下すると、右受け部6600Rによって遊技球が受け止められることにより、振分部材6600に対して時計回り方向(負方向)の力が作用し、負方向へと回動する。なお、図160に示した通り、開閉部材7000が開放状態になる直前まで開閉部材7000の上面にて静止していた遊技球は、開閉部材7000が開放状態になった瞬間に落下し、約0.1秒間で振分部材6600へと到達する。これにより、振分部材6600の負方向への動作は、開閉部材7000が開放状態となってから0.1秒間が経過したタイミング(開閉部材7000が閉鎖状態になったタイミング)で開始される。
遊技球が振分部材6600へと落下したことによる回動は、回転角度が−90度となる配置まで継続する。この負方向の回動動作により、右受け部6600Rが右側流路R1へと向かって下る向きの傾斜を形成するので、遊技球が右受け部6600Rから落下して右側流路R1を流下する。遊技球が右受け部6600Rから落下した後は、振分部材6600が負方向へと回動されたことによりバネ部材6600dに生じた弾性力(下側伸縮部6600ddの回動が下側突起部TBd妨げられることにより生じた弾性力)の作用によって、振分部材6600が正方向(正面視反時計回り方向)へと回動される。
正方向の弾性力によって正方向に回動された振分部材6600が定常位置(回転角度が−15度の位置)を越えると、上側伸縮部6600duが上側突起部TBuに当接してバネ部材6600dが縮むことにより、負方向の弾性力が発生する。この負方向の弾性力により、正方向への振り子動作の勢いが弱められていき、一時的に静止する。その後、負方向の弾性力によって振分部材6600が負方向へと回動され、回転角度−15度の位置を越えて負方向へと回動すると、上側伸縮部6600duの回動が上側突起部TBuによって妨げられることにより、正方向の弾性力が生じる。そして、正方向の弾性力に基づいて、±0度の位置を越えて正方向へと回動したタイミングで、次の遊技球が振分部材6600へと到達する。即ち、開閉部材7000が開放されて遊技球が振分部材6600へと落下する。正の回転角度の範囲で振分部材6600に対して遊技球が到達するので、遊技球が主として左受け部6600Lによって受けとめられて左受け部6600Lに対して遊技球の重さによる負荷がより多く作用する結果、正方向への回動の勢いが増大する。これにより、徐々に減衰されていた振り子動作の振幅が増大(前回遊技球を振り分けた際の振幅に復帰)する。振分部材6600は、これ以降も、振幅を徐々に弱めながら振り子動作を行う動作と、前回振り分けた流路とは逆の流路へと遊技球を振り分けつつ、振り子動作の振幅を増大(回復)させる動作とを繰り返す。
このように、本第1の変形例における遊技盤13では、遊技球を1秒以下の間隔で右打ちし続けた場合に、開閉部材7000によって1秒間隔で1個ずつ遊技球が振分部材6600へと落下するように構成されている。また、振分部材6600は、遊技球が1秒間隔で到達することにより、右側流路R1と左側流路R2とに交互に遊技球を振り分けることが可能となる。これにより、釘等の反発により、開閉部材7000に対する遊技球の到達間隔が多少バラついたとしても、振分部材6600に対する遊技球の到達間隔を均一化することができる。よって、1秒以下の発射間隔で右打ちされた遊技球を、より確実に、右側流路R1と左側流路R2とに交互に振り分けることができる。従って、最短の発射間隔で右打ちを行うという比較的容易な遊技方法により、遊技球を右側流路R1と左側流路R2とに交互に振り分けさせたいと考える遊技者の要望を、より確実に叶えることができるので、遊技者の利便性を向上させることができる。
以上説明した通り、本第1の変形例における遊技盤13では、遊技球の通過等によって振分部材6600が定常位置から変位した場合に、回転軸6600aに取り付けられたバネ部材6600dに発生する弾性力により、所定期間で定常位置へと戻されるように構成されている。これにより、上述した第5、および第6実施形態と同様に、不利側の流路(スルーゲート67が設けられていない右側流路R1)へと遊技球を振分可能な配置を、振分部材6600の初期配置とすることができる。また、バネ部材6600dの弾性力により、第5、及び第6実施形態と同様に、遊技球の通過等によって変位した振分部材6600を振り子動作させることができるので、遊技球が到達する間隔に応じて、単一の流路へと遊技球が振り分けされ易くなる動作と、2つの流路に遊技球が振り分けられ得る動作とを切り替えることができる。これにより、遊技者の遊技方法(遊技球の発射間隔)に応じて遊技球が流下する流路を切り替えることができるので、遊技者の遊技に対する参加意欲を向上させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
なお、本第1の変形例における遊技盤13では、開閉部材7000を1秒周期で0.1秒間開放状態に設定する構成としていたが、これに限られるものではない。右側流路R1へと遊技球を振分可能な可動範囲を振分部材6600が可動する期間と、左側流路R2へと遊技球を振分可能な可動範囲を振分部材6600が可動する期間とに交互に遊技球を振分部材6600に到達させることが可能となる周期であれば、任意に定めても良く、例えば、0.6秒周期で開放状態が設定される構成としてもよい。
本第1の変形例では、開閉部材7000の開放期間を0.1秒間とすることで、1の開放期間において振分部材6600へと落下可能となる遊技球の個数を1個に限定する構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、2個以上の遊技球が落下可能となる開放期間を設定する構成としてもよい。
本第1の変形例では、バネ部材6600dの下側伸縮部6600dd、または上側伸縮部6600duによって、振分部材6600が回転動作を行った場合に定常位置へと戻す向きの弾性力を発生させる構成としていたが、これに限られるものではない。バネ部材6600dの向きや形状、取り付け位置等は、振分部材6600が定常位置から変位した場合に、定常位置へと戻す向きの弾性力を発生させることが可能となる範囲で、任意に定めることができる。
本第1の変形例では、振分部材6600の直上に開閉部材7000を設ける構成としていたが、上述した第5、および第6実施形態と同様に、開閉部材7000を設けない構成としてもよい。これにより、部品点数を削減することができるので、パチンコ機10の原価率を低減することができる。
<遊技盤の第2の変形例>
次に、図161を参照して、遊技盤13の第2の変形例について説明する。図161(a)は、本第2の変形例における遊技盤13に設けられている振分部材6600が定常位置に配置されている状態を示した図である。なお、振分部材6600の構成以外は、上述した第1の変形例における遊技盤13と同一であるので、その詳細な説明については省略する。図161(a)に示した通り、本第2の変形例における振分部材6600は、下垂部6600bと、右受け部6600Rと、左受け部6600Lとの先端部分における盤面側(正面視奥側)に、それぞれ磁石6600e1,6600e2,6600e3が設けられている。これらの磁石6600e1,6600e2,6600e3のうち、遊技盤13に面する側は、全て同一の極性(例えば、S極)となるように配置されている。また、遊技盤13側には、定常位置に配置されている状態の振分部材6600の磁石6600e1と対向する位置に、磁石MG1が設けられている。この磁石MG1は、磁石6600e1と逆の極性(例えば、N極)が正面視手前側となるように配置されている。即ち、磁石MG1と磁石6600e1とに引力が生じるように構成されている。これにより、振分部材6600を定常位置に静止させることができる。言い換えれば、上述した第5、および第6実施形態や、上述した第1の変形例と同様に、右側流路R1(比較的不利な流路)へと振分可能な配置を振分部材6600の初期配置にすることができる。
また、図161(a)に示した通り、遊技盤13において、振分部材6600の上方には、磁石MG2が配置されている。この磁石MG2は、磁石6600e2,6600e3と対向した場合に、これらと反発する極性(例えば、S極)が正面視手前側となるように配置されている。詳細については後述するが、振分部材6600が正方向、又は負方向に変位した場合は、この磁石MG2と磁石6600e2、または磁石6600e3との間に生じる斥力によって、定常位置の方向へと振分部材6600を戻すことができる。更に、図161(a)に示した通り、遊技盤13における右受け部6600R、および左受け部6600Lの下方には、それぞれ右側ストッパー部材SPR、左側ストッパー部材SPLが配置されている。この右側ストッパー部材SPR、及び左側ストッパー部材SPLは、振分部材6600が回動により磁石MG2を通過してしまうことを防止する目的で設けられている。つまり、磁石MG2の磁力によって振分部材6600を定常位置へと戻すことが可能となる範囲内で振り分け部材6600を動作させるために設けられている。
図161(b)は、本第2の変形例における振分部材6600の右受け部6600Rにより遊技球が右側流路R1へと振り分けられた場合を示した図である。図161(b)に示した通り、右受け部6600Rに作用する遊技球の重みにより振分部材6600が負方向(時計回り方向)に回動すると、右側ストッパー部材SPRによって回動が妨げられ、回転動作が停止する。この状態において、磁石MG2の左側の一部と、磁石6600e3の上側の一部とが対向した状態となり、これらの間に斥力が生じるが、遊技球の重さに基づく力の方が強いので、遊技球が右受け部6600Rの上面を転動している間は図161(b)に示した配置に保たれる。そして、右受け部6600Rが形成する傾斜に沿って遊技球が落下すると、磁石MG2と磁石6600e3との間に作用する斥力により、振分部材6600に対して定常位置(図161(a)参照)へと戻す向き(正方向)の力が働く。これにより、振分部材6600が正方向(反時計回り方向)に回動される。振分部材6600が正方向に回動されると、その後は定常位置を中心とする振り子動作を行う。この振り子動作においては、定常位置を通過する毎に、磁石MG1と磁石6600e1との間に働く引力で回動の勢いが弱められていき、最終的に定常位置において静止する。
また、図161(c)は、本第2の変形例における振分部材6600の左受け部6600Lにより遊技球が左側流路R2へと振り分けられた場合を示した図である。図161(c)に示した通り、左受け部6600Lに作用する遊技球の重みにより振分部材6600が正方向(反時計回り方向)に回動すると、左側ストッパー部材SPLによって回動が妨げられ、回転動作が停止する。この状態において、磁石MG2の右側の一部と、磁石6600e2の上側の一部とが対向した状態となり、これらの間に斥力が生じるが、遊技球の重さに基づく力の方が強いので、遊技球が右受け部6600Lの上面を転動している間は図161(c)に示した配置に保たれる。そして、左受け部6600Lが形成する傾斜に沿って遊技球が落下すると、磁石MG2と磁石6600e2との間に作用する斥力により、振分部材6600に対して定常位置(図161(a)参照)へと戻す向き(負方向)の力が働く。これにより、振分部材6600が負方向(時計回り方向)に回動される。振分部材6600が負方向に回動されると、その後は定常位置を中心とする振り子動作を行う。この振り子動作においても、定常位置を通過する毎に、磁石MG1と磁石6600e1との間に働く引力で回動の勢いが弱められていき、最終的に定常位置において静止する。
このように、本第2の変形例における遊技盤13では、複数の磁石を用いて上述した第5、および第6実施形態や、第1の変形例における振分部材6600と同様の動作を実現することができる構成とした。即ち、遊技球を右側流路R1へと振分可能な配置(図161(a)参照)が定常位置となるように磁石を配置する構成とした。特に、常温環境下において、磁石の磁力は減少し難いので、常温に保たれることが通常であるホールに設置されたパチンコ機10の振分部材6600を、より長い期間同一の動作内容にすることができる。よって、パチンコ機10の耐用年数をより長くすることができる。
なお、本第2の変形例では、磁石MG2と磁石6600e2、または磁石6600e3との間に生じる斥力により、遊技球をいずれかの流路に振り分けた後で定常位置の方向へと戻るように構成していたが、これに限られるものではない。例えば、磁石MG2を廃止するのに代えて、下垂部6600bの先端付近を他の部分よりも高密度の材質で構成することにより、下垂部6600bの先端付近が振分部材6600の重心となるように構成してもよい。このように構成した場合も、遊技球を振り分けた後で、重心に生じる重力により定常位置方向へと振分部材6600を回転動作させることができるので、上述した第2の変形例と同様の動作を実現することができる。
本第2の変形例では、振分部材6600の直上に開閉部材7000を設ける構成としていたが、上述した第5、および第6実施形態と同様に、開閉部材7000を設けない構成としてもよい。これにより、部品点数を削減することができるので、パチンコ機10の原価率を低減することができる。
<遊技盤の第3の変形例>
次に、図162を参照して、遊技盤13の第3の変形例について説明する。上述した第1、および第2の変形例では、振分部材6600の上方に開閉部材7000を設ける構成とし、開閉部材7000に到達した遊技球は、開閉部材7000が開放状態にならない限り、盤面の下方へと流下することが不可能となる構成としていた。これに対して第3の変形例では、開閉部材7000が閉鎖状態の場合にも遊技球が盤面の下方へと流下可能となるように構成した。
この第3の変形例における遊技盤13が、第1の変形例における遊技盤13と構成上において相違する点は、開閉部材7000に代えて、開閉部材7100が設けられている点、および右打ちされた遊技球が開閉部材7100へと到達する前後の経路が変更となっている点である。その他の構成については上述した第1の変形例における遊技盤13と同一であるため、その詳細な説明については省略する。
図162は、本第3の変形例における遊技盤13のうち、振分部材6600の周辺を示した拡大正面図である。図162に示した通り、本第3の変形例における遊技盤13では、振分部材6600の上方において、通路部材TB1,TB2によって形成される、開閉部材7100へと向かう流路が設けられている。この通路部材TB1,TB2によって形成される流路は、図162に示した通り、流入した遊技球が下方へと下った後、右方向へと迂回し、開閉部材7100の右側から開閉部材7100へと到達するように構成されている。なお、通路部材T1,T2は、摩擦係数が高い材質(例えば、ゴム等の弾性体)で構成されているので、転動する期間が長くなる程、遊技球の流下速度を低減していくことができる。これにより、遊技球を連続して右打ちし続けた場合に、開閉部材7100へと到達するまでの間の経路において、各遊技球の間隔を徐々に狭めていくことができる。よって、開閉部材7100が開放状態となった場合に、必ず遊技球が開閉部材7100の上面を転動中の状態とすることができる。従って、開閉部材7100が開放状態となる毎に、1の遊技球を振分部材6600へと1個ずつ落下させることができる。
また、図162に示した通り、本第3の変形例では、開閉部材7100の左側に、遊技球を左下方向へと流下させるための流路を形成するための通路部材TB3が設けられている。この通路部材TB3により、開閉部材7100の上面を通過した遊技球を盤面の下方へと流下させることができるので、遊技者が右打ちをし続けたとしても、開閉部材7100の上流側に遊技球が貯まりすぎてしまい、球詰まり等の不具合が発生してしまうことを防止することができる。
なお、通路部材TB3を通過して落下した遊技球は、基本的に図162に示した第1経路K1(スルーゲート67へと到達することが不可能となる経路)を流下して下方(アウト口66等が設けられている方向)へと落下するが、希に、通路部材TB3を通過した遊技球が第2経路K2に沿って流下する場合がある。第2経路K2の経路上には、釘N1が配置されており、釘N1と第2経路K2を流下した遊技球とが衝突することにより、第2入球口誘導領域の左側に設けられている開口部(釘の隙間が他の部分よりも広くなっている箇所)へと反射して第2入球口誘導領域へと入球し、左側流路R2を流下する可能性がある。つまり、振分部材6600を介さずに、直接有利な左側流路R2を流下する可能性がある。これにより、開閉部材7100を通過して振分部材6600へと落下した遊技球だけでなく、開閉部材7100の閉期間中に開閉部材7100を通過して通路部材TB3から落下した遊技球の落下方向にも注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
このように、本第3の変形例では、開閉部材7100へと至るまでの流路を摩擦係数の高い材質の部材で構成することにより、開閉部材7100へと到達するまでの間に遊技球の速度を十分に減速させる構成とした。これにより、遊技球を最短の発射間隔で右打ちし続けた場合に、開閉部材7100の上面に常に遊技球が乗った状態とすることができるので、開閉部材7100が開放状態に設定される期間となる毎に、遊技球を1個のみ振分部材6600へと落下させることができる。また、本第3の変形例では、開閉部材7100を通過した遊技球を盤面の下方に流下させるための流路を設ける構成としたので、開閉部材7100へと至るまでの流路内において遊技球が詰まってしまうことを防止することができる。
なお、開閉部材7100へと至る流路の形状は、本第3の変形例の形態に限定されるものではなく、他の構造体との兼ね合いで、任意の形状に変更することができる。また、本第3の変形例における開閉部材7100、および開閉部材7100の前後の流路の構成を、上述した第5、および第6実施形態や、上述した第2の変形例における振分部材6600に適用してもよい。
上記第1から第3の変形例における遊技盤13では、1秒周期で0.1秒間開放状態に設定される開閉部材を用いて、振分部材6600に対して1秒周期で1個ずつ遊技球を落下させる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、右打ちされた遊技球が到達可能な位置に、常時一定の回転周期(2秒周期)で回転する歯車状の役物を設けておき、歯車状の役物に到達した遊技球を、歯と歯の間に挟んで遊技球が到達した側とは逆側(振分部材6600が設けられている側)に1個ずつ送り出す構成としてもよい。即ち、半周期(1秒間)で1個ずつ遊技球を振分部材6600に向けて周期的に送り出す構成としてもよい。このように構成した場合も、1秒間隔以下の発射間隔で発射された遊技球を1秒間隔で振分部材6600に到達させることができる。
上記第1から第3の変形例における遊技盤13では、開閉部材7000(または開閉部材7100)を1個のみ設ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、2個以上設ける構成としてもよい。この場合において、振分部材6600の上流側において2個以上の開閉部材を上下方向に並べて配置すると共に、各開閉部材が開放状態に設定される周期を異ならせる構成としてもよい。より具体的には、例えば、上側の開閉部材が開放状態に設定される周期を、遊技球が右側流路R1と左側流路R2とに交互に振り分けられる周期に設定しておき、下側の開閉部材が開放状態に設定される周期を、上側の開閉部材が開放状態に設定される周期の1/4に設定しておく構成としてもよい。そして、上側の開閉部材を通過せずに下側の開閉部材に到達することが可能となる流路を設ける構成としてもよい。このように構成することで、遊技球を右側流路R1と左側流路R2とに交互に振り分けさせたいと考える遊技者に対しては、上側の開閉部材へ向けて最短の発射間隔で遊技球を連続して打ち出させることができる。一方で、左側流路R2に偏重して振り分けさせたいと考える遊技者に対しては、下側の開閉部材の開放期間と、左側流路R2へと振り分け可能な配置となる期間とが一致するタイミングを狙って直接下側の開閉部材に向けて遊技球を打ち出す遊技方法を実行させることができる。これにより、遊技者毎の技量にあった遊技方法を遊技者に選択させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣をより向上させることができる。
上記第1から第3の変形例における遊技盤13では、振分部材6600を弾性力、または磁力によって(即ち、他の駆動源や電気的な制御等を用いずに)定常位置へと自動的に戻すことが可能となる構成としていたが、駆動源や電気的な制御の使用は必ずしも否定されるものではない。回転軸6600aをモータ等で駆動する構成とし、モータを駆動することで定常位置へと戻る構成とすることで、より正確に定常位置へと戻すことができる。即ち、弾性体を使用した場合は劣化により弾性力が弱まってしまう可能性があるし、磁石を使用した場合には経年劣化により磁力が弱まってしまう可能性があるが、モータ等の駆動源で定常位置へと戻す構成とすることにより、劣化の可能性を排除することができる。
上記第1から第3の変形例における遊技盤13では、開閉部材7000の直下に振分部材6600を配置する構成としていたが、開閉部材7000の下流に配置するのは振分部材6600に限られるものではない。例えば、開閉部材7000の下流にスルーゲート67を配置する構成としてもよいし、第2入球口6400を配置する構成としてもよい。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態、およびその変形例では、大当たり後に実行される、第2特別図柄の保留球に基づく全ての抽選が終了するまでの間に、不利な状態(通常モード)へと移行していたか否かを、扉突破モード演出によって報知する構成としていたが、これに限られるものではない。第2特別図柄の保留球であるか否かに関係なく、大当たり終了後、所定回数の特別図柄の抽選の範囲内で不利な状態(又は有利な)へと移行していたか否かを、扉突破モード演出によって報知する構成としてもよい。具体的には、例えば、特別図柄の確変状態において、特別図柄の抽選を行うタイミングとなる毎に、特別図柄の抽選とは別で、大当たりを介さずに低確率状態へと移行(転落)させるか否かの抽選を所定確率(例えば、転落確率1/100)で行う仕様(転落に対応する抽選結果とならない方が有利な仕様)のパチンコ機10に対して扉突破モード演出を適用してもよい。即ち、確変状態へと移行する大当たりとなった場合に、例えば、大当たり終了後100回の特別図柄の抽選が終了するまで、扉突破モード演出を実行する構成としてもよい。そして、100回以内に特別図柄の低確率状態に転落していれば、扉の突破に失敗する演出を実行し、転落していなければ、扉の突破に成功する演出を実行する構成としてもよい。また、例えば、確変状態が設定される抽選回数が所定回数(例えば、大当たり後、130回)に限定される仕様のパチンコ機10において、確変状態が設定される抽選回数の範囲内で大当たりとなったか、確変状態が終了してしまったかを扉突破モード演出により示唆(報知)する構成としてもよい。より具体的には、確変状態中に大当たりとなった場合には、遊技者に有利となったことを示唆(扉の突破に成功する演出を実行)し、大当たりとならずに所定回数(130回)の抽選が終了してしまった場合には、遊技者にとって不利となったことを示唆(扉の突破に失敗する演出を実行)する構成としてもよい。更に、この場合において、確変状態が設定される全ての期間に渡って扉突破モード演出を実行しても良いし、一部の期間(例えば、大当たり後の抽選回数が125回以降)に対してのみ、扉突破モード演出を実行する構成としてもよい。
また、例えば、大当たり後の遊技状態として、次に大当たりとなるまで特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態となる大当たり種別(大当たりa)と、特別図柄の抽選が所定回数(例えば、100回)終了するまでの間特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態に設定される大当たり種別(大当たりb)とが少なくとも設けられている仕様のパチンコ機10において、当選した大当たりが大当たりaであるか、大当たりbであるかが演出等から区別不可能(困難)に構成しておいた上で、大当たり後、所定回数(100回)の抽選が実行されるまでの間に、扉突破モード演出により前回の大当たり後に設定された遊技状態を報知する構成としてもよい。即ち、遊技状態が特別図柄の確変状態、且つ、普通図柄の時短状態であれば、遊技者にとって有利な状態であることを示唆する演出(扉を突破する演出)を実行する構成とし、遊技状態が特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の時短状態であれば、遊技者にとって不利な状態であることを示唆する演出(扉の突破に失敗する演出)を実行する構成としてもよい。また、例えば、特別図柄の抽選で、外れよりも低確率で小当たりになると共に、一部の確変大当たり(大当たりc)が決定された場合における特定入賞口65aの開閉動作が小当たりと同等(同一、または遊技者が区別不可能な程度の差異しかない動作)となる仕様のパチンコ機10に対して扉突破モード演出を適用する構成としてもよい。即ち、小当たりになった場合と、大当たりcになった場合とで演出や特定入賞口65aの動作等により何れの抽選結果となったかを判断することが困難に構成しておく。そして、例えば、特別図柄の低確率状態において、小当たり又は大当たりcになってから所定回数(例えば、10回)の特別図柄の抽選が実行された後で扉突破モード演出により状態を報知する構成としてもよい。即ち、小当たりとなって特別図柄の低確率状態が維持されていれば、遊技者に不利な状態であることを示唆する演出(扉の突破に失敗する演出)を実行し、大当たりcとなって特別図柄の確変状態に移行していれば、遊技者に有利な状態であることを示唆する演出(扉の突破に成功する演出)を実行する構成としてもよい。
上記各実施形態では、有利な状態(モード)であるか否かを扉突破モード演出により報知する構成としていたが、扉突破モード演出で報知(示唆)する内容は必ずしもモードに限られるものではない。例えば、演出態様が変更されるか否かを扉突破モード演出により報知する構成としてもよい。より具体的には、例えば、信頼度の高いリーチ演出に発展するか否かや、所謂連続演出で次のステップに発展するか否か等を扉突破モード演出により報知する構成としてもよい。
上記各実施形態では、大当たりの終了時に第2特別図柄の保留球が上限数(4個)まで増加する構成としていたが、大当たりの終了後に限られるものではない。通常状態(特別図柄の低確率状態、且つ、普通図柄の通常状態)とは異なる状態において第2特別図柄の保留球が上限数まで増加するものならば適用可能であり、例えば、確変状態の終了時や、時短状態の終了時に第2特別図柄の保留球が上限値となるように構成してもよい。また、例えば、小当たりになり易い(抽選確率が高い、または抽選条件が成立し易い)状態、小当たりになり難い(抽選確率が低い、または抽選条件が成立し難い)状態を設ける構成とし、小当たりになり易い状態に対して適用する構成としてもよい。
上記各実施形態では、遊技盤13の右側に第2入球口640と可変入賞装置65(可変入賞装置650)とを設ける構成としていたが、大当たり中に可変入賞装置65(可変入賞装置650)に向けて打ち出した球が第2入球口640へも入球可能となる範囲で、任意の配置に変更してもよい。また、大当たり中に可変入賞装置65(可変入賞装置650)へ向けて打ち出された球は、第1入球口64へと入球し難い構成としていたが、大当たり中に第1入球口64へも球が入球可能となるように構成してもよい。
上記各実施形態において、大当たり種別と、大当たりに当選した時点の遊技状態と、大当たり終了後に設定される遊技状態との対応関係は、各実施形態の趣旨を逸脱しない範囲で任意に定めることができる。
上記第5、および第6実施形態では、普通図柄の時短状態Aにおいて、普通図柄の抽選で当たりとなった場合は、スルーゲート67を通過した遊技球が直接第2入球口6400へと入球するように普通図柄の変動時間、および電動役物6400aの開放時間が設定されていたが、これに限られるものではない。普通図柄の変動時間、および電動役物6400aの開放時間は、普通図柄の時短状態Aにおいて右打ちした遊技球が第2入球口6400へと入球し易くなり、且つ、普通図柄の時短状態Bにおいて右打ちした遊技球が第2入球口6400へと入球し難くなる範囲で任意に定めることができる。具体的には、例えば、普通図柄の時短状態Aでは、スルーゲート67を通過した遊技球の次に振分部材6600に到達して右側流路R1に振り分けられた遊技球が第2入球口6400に入球し易くなるように、普通図柄の変動時間、および電動役物6400aの開放時間を定める構成としてもよい。
上記第5、および第6実施形態では、95%以上の発射強度で発射された遊技球が、振分部材6600の上方に植立された複数の釘により遊技球を振分部材6600へと誘導する構成としていたが、これに代えて、又は加えて、最短の発射間隔(0.6秒間隔)で発射された遊技球が確実に0.6秒間隔で振分部材6600に到達するように遊技球の到達間隔を整える構成を設けてもよい。より具体的には、例えば、振分部材6600の直上に、遊技球が振分部材6600へ向けて流下可能となる開状態と、遊技球が振分部材6600へと流下できずに上側に停留される閉状態とに周期的に切り替わる開閉装置を設ける構成としてもよい。即ち、遊技球が1個のみ落下可能な長さの開状態期間と、閉状態期間とを、0.6秒周期で繰り返す開閉装置を、95%以上の発射強度で発射された遊技球が必ず通過する位置に設ける構成としてもよい。このように構成することで、最短の発射間隔で遊技球を連続して発射し続けた場合に、振分部材6600に対して遊技球が到達する間隔を、より確実に0.6秒間隔とすることができるので、より確実に、右側流路R1と左側流路R2とに交互に遊技球を振り分けることができる。
上記第5、第6実施形態、および第1から第3の変形例では、振分部材6600により右側流路R1へと振り分けられると、スルーゲート67を通過不可能となる一方で、左側流路R2へと振り分けられると、スルーゲート67を通過可能となる構成としていたが、振分部材6600の用途は上記に限られるものではない。例えば、所謂V役物として振分部材6600を採用する構成としてもよい。即ち、所謂Vアタッカーの内部に振分部材6600を設ける構成とし、左側流路R2へと遊技球が振り分けられた場合にV領域へと入球可能となる構成としてもよい。このように構成することで、Vアタッカーへと短時間に連続して遊技球を入球させようとして遊技を行わせることができるで、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる。
上記第5、第6実施形態、および第1から第3の変形例では、振分部材6600により右側流路R1へと振り分けられた遊技球も、左側流路R2へと振り分けられた遊技球も第2入球口6400へと到達可能となる構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、左側流路R2を流下した遊技球のみが到達可能となるように第2入球口6400を構成してもよい。
上記第5、第6実施形態、および第1から第3の変形例では、振分部材6600により右側流路R1と、左側流路R2とのどちらかへと遊技球を振り分ける構成としていたが、これに限られるものではない。例えば、振分部材6600に代えて、周知の風車等を設ける構成としてもよい。このように構成することで、振り分けられる流路をランダムにすることができるので、第2入球口誘導領域へと入球した遊技球がいずれの流路へと流下するかにより注目して遊技を行わせることができる。
本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップボタンの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
上記した各実施形態についてその全部またはその一部を組み合わせて構成してもよい。
以下に、本発明の遊技機に加えて上述した実施形態に含まれる各種発明の概念を示す。
<特徴A群>(保留連が発生しない方が有利となる遊技性)
第1方向に発射された遊技球が入球し易い位置に配置された第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、その第1判別情報取得手段により取得された前記第1の判別情報に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球し易い位置に配置された第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別情報を取得する第2判別情報取得手段と、その第2判別情報取得手段により取得された前記第2の判別情報に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第2判別情報取得手段により前記第2の判別情報が取得されてから、その取得された第2の判別情報に基づく前記第2の判別が実行されるまで、前記第2の判別情報を所定の情報数を上限として記憶可能な判別情報記憶手段と、前記第2方向に発射された遊技球が入球し易い位置に配置され、遊技球が入球し易い第1状態と、その第1状態よりも入球が困難となる第2状態とに可変可能な可変入球手段と、その可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記第1判別手段、または前記第2判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記可変入球手段が第1状態に所定回数可変される可変遊技を実行する可変遊技実行手段と、その可変遊技実行手段による前記可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記遊技状態設定手段は、前記第1判別手段により前記特定の判別結果となるよりも、前記第2判別手段により前記特定の判別結果となった方が、前記可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として前記第1遊技状態を設定する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、第1方向に発射された遊技球が入球し易い位置に第1入球手段が配置され、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別情報が第1判別情報取得手段によって取得される。第1判別情報取得手段により取得された第1の判別情報に基づいて第1判別手段によって第1の判別が実行される。第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球し易い位置に第2入球手段が配置されており、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2判別情報取得手段によって第2の判別情報が取得される。第2判別情報取得手段により取得された第2の判別情報に基づいて第2判別手段によって第2の判別が実行される。第2判別情報取得手段により第2の判別情報が取得されてから、その取得された第2の判別情報に基づく第2の判別が実行されるまで、第2の判別情報が判別情報記憶手段によって所定の情報数を上限として記憶される。遊技球が入球し易い第1状態と、その第1状態よりも入球が困難になる第2状態とに可変可能な可変入球手段が、第2方向に発射された遊技球が入球し易い位置に配置されている。可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定の特典が特典付与手段によって付与される。第1判別手段、または第2判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変入球手段が第1状態に所定回数可変される可変遊技が可変遊技実行手段によって実行される。可変遊技実行手段による可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者にとって有利な第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。第1判別手段により特定の判別結果となるよりも、第2判別手段により特定の判別結果となった方が、遊技状態設定手段により可変遊技の実行が終了した後の遊技状態として第1遊技状態を設定する割合が高くなる。
これにより、可変遊技の実行中に所定の特典を得るために第2方向へと遊技球を発射すると、第2入球手段へと遊技球が入球して第2の判別情報が記憶される。第2の判別情報に基づく第2の判別で特定の判別結果になると、第2遊技状態よりも有利度合いが低い第1遊技状態に設定される割合が高いので、可変遊技の実行中に記憶された第2の判別情報に基づく第2の判別で、特定の判別結果にならないことを期待して遊技者に遊技を行わせることができる。よって、斬新な遊技性を実現できるという効果がある。
遊技機A1において、前記可変入球手段の可変パターンとして、第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記可変入球手段に遊技球が入球し難い第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンの何れかを設定する可変パターン設定手段を備え、前記可変パターン設定手段は、前記第1判別手段による判別で前記特定の判別結果となった場合に、前記第2可変パターンよりも前記第1可変パターンを設定する割合が高くなり、前記第2判別手段による判別で前記特定の判別結果となった場合に、前記第1可変パターンよりも前記第2可変パターンを設定する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変入球手段の可変パターンとして、第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも可変入球手段に遊技球が入球し難い第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンの何れかが可変パターン設定手段によって設定される。第1判別手段による判別で特定の判別結果となった場合に、可変パターン設定手段によって第1可変パターンを設定する割合が第2可変パターンよりも高くなる。一方、第2判別手段による判別で特定の判別結果となった場合に、可変パターン設定手段によって第2可変パターンを設定する割合が第1可変パターンよりも高くなる。
これにより、第2判別手段による判別で特定の判別結果となった場合には、遊技球が可変入球手段へと入球し難い第2可変パターンが設定され易くなるので、可変遊技の実行中に記憶された第2の判別情報に基づく第2の判別で、特定の判別結果にならないことをより強く期待させることができるという効果がある。
遊技機A1又はA2において、前記可変遊技が開始されたことに基づいて、前記可変入球手段の可変パターンとして、第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも前記可変入球手段に遊技球が入球し難い第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンの何れかを設定する可変パターン設定手段を備え、前記第1可変パターンが開始されてから終了するまでの期間は、遊技球が第2方向へ発射され続けた場合に、前記第2判別情報取得手段により前記所定の情報数の前記第2の判別情報が取得されるまでの期間よりも少なくとも長い期間で構成されるものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変遊技が開始されたことに基づいて、可変入球手段の可変パターンとして、第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも可変入球手段に遊技球が入球し難い第2可変パターンとを少なくとも含む複数の可変パターンの何れかが可変パターン設定手段によって設定される。第1可変パターンが開始されてから終了するまでの期間は、遊技球が第2方向へ発射され続けた場合に、第2判別情報取得手段により所定の情報数の第2の判別情報が取得されるまでの期間よりも少なくとも長い期間で構成されている。
これにより、第1可変パターンが設定される可変遊技の実行中に、所定の特典を得るために遊技者が第2方向へと遊技球を発射し続けると、少なくとも所定の情報数以上の第2の判別情報が取得される。よって、可変遊技の終了後に、毎回、上限回数の第2の判別が実行される。従って、上限回数の第2の判別が全て、特定の判別結果にならないことを期待して遊技者に遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記第2判別手段による前記第2の判別は、前記第1判別手段による前記第1の判別よりも優先して実行されるものであることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかが奏する効果に加え、第2判別手段による第2の判別が、第1判別手段による第1の判別よりも優先的に実行されるので、第2の判別情報が判別情報記憶手段に記憶された状態で第1入球手段へと遊技球が入球したとしても、第1の判別が実行されることを抑制できる。よって、第2の判別により注目させることができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記第2方向に発射された遊技球が到達可能な位置に配置され、到達した遊技球を、前記第2入球手段が設けられている第1流路と、前記可変入球手段が設けられた第2流路とに振り分ける振分手段を備えることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかが奏する効果に加え、第2入球手段が設けられている第1流路と、可変入球手段が設けられた第2流路とに遊技球を振り分ける振分手段が、第2方向に発射された遊技球が到達可能な位置に配置されているので、第2方向へと発射された遊技球の流下方向が偏ってしまうことを防止することができるという効果がある。
遊技機A5において、前記振分手段は、前記第1流路と、前記第2流路とに遊技球を交互に振り分けるものであることを特徴とする遊技機A6。
遊技機A6によれば、遊技機A5の奏する効果に加え、振分手段によって、第1流路と、第2流路とに遊技球が交互に振り分けられるので、可変遊技の実行中に、遊技球を第2入球手段と、可変入球手段とに交互に入球させることができる。よって、第2方向へと発射された遊技球が第2入球手段、または可変入球手段に偏って入球してしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機A1からA6のいずれかにおいて、前記第1入球手段へと遊技球が入球し易くなる第1位置と、その第1位置に比べて前記第1入球手段へと遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段の可変動作を制御する可変制御手段とを備え、前記第1遊技状態は、前記可変制御手段により前記可変手段が前記第1位置に可変され難いものであり、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態に比べて前記可変制御手段により前記可変手段が前記第1位置に可変され易いものであることを特徴とする遊技機A7。
遊技機A7によれば、遊技機A1からA6のいずれかが奏する効果に加え、第1入球手段へと遊技球が入球し易くなる第1位置と、その第1位置に比べて第1入球手段へと遊技球が入球し難くなる第2位置とに可変手段が可変する。可変手段の可変動作が可変制御手段によって制御される。第1遊技状態は、可変制御手段により可変手段が第1位置に可変され難くなり、第2遊技状態は、第1遊技状態に比べて可変制御手段により可変手段が第1位置に可変され易くなる。
これにより、第1遊技状態では、可変手段が第1位置に可変されやすくなるので、第1入球手段へと遊技球が入球し易くなる。よって、第1遊技状態では、より効率よく遊技を行うことができるので、第1遊技状態となることをより期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機A1からA7のいずれかにおいて、前記第1遊技状態は、前記第1判別手段、および前記第2判別手段による判別で前記特定の判別結果となる確率が第1確率に設定されるものであり、前記第2遊技状態は、前記第1判別手段、および前記第2判別手段による判別で前記特定の判別結果となる確率が、前記第1確率よりも低い第2確率に設定されるものであることを特徴とする遊技機A8。
遊技機A8によれば、遊技機A1からA7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態では、第1判別手段、および第2判別手段による判別で特定の判別結果となる確率が第1確率に設定される。これに対して、第2遊技状態では、第1判別手段、および第2判別手段による判別で特定の判別結果となる確率が、第1確率よりも低い第2確率に設定される。
これにより、第1遊技状態では、第2遊技状態よりも特定の判別結果となる確率が高くなるので、可変遊技が終了した後、比較的少ない判別回数で再度可変遊技が実行され易くなる。よって、第1遊技状態では比較的短期間でより多くの所定の特典を獲得することが見込めるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴B群>(大当たりのエンディング期間と、保留消化期間とを用いて特定演出を実行する)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段による前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者にとっての有利度合いが高い第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記判別手段による判別結果を示す識別情報を動的表示させる動的表示実行手段と、前記特典遊技の実行中に予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、前記特典遊技が終了するまでの期間と、前記特典遊技が終了した後に実行される1又は複数の前記識別情報の動的表示が終了するまでの期間とで特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備え、前記特定演出は、当該特定演出が終了した後の遊技状態が前記第2遊技状態であるか否かを遊技者に示唆可能な演出であることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。特典遊技実行手段による特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者にとっての有利度合いが高い第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。判別手段による判別結果を示す識別情報が動的表示実行手段によって動的表示される。特典遊技の実行中に予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、当該特典遊技が終了するまでの期間と、特典遊技が終了した後に実行される1又は複数の識別情報の動的表示が終了するまでの期間とで特定演出実行手段によって特定演出が実行される。特定演出は、特定演出が終了した後の遊技状態が第2遊技状態であるか否かを遊技者に示唆可能な演出で構成されている。
これにより、特定演出を、特定条件が成立してから、1又は複数の識別情報の動的表示が終了するまでの期間に渡って実行することができるので、単に特典遊技が終了するまでの期間、もしくは1の識別情報の動的表示における動的表示時間で特定演出を実行する場合に比較して、特定演出の自由度を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1において、前記特定演出実行手段は、前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態が前記第2遊技状態に設定される場合に、前記特定条件が成立したことに基づいて前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機B2。
遊技機B2によれば、遊技機B1の奏する効果に加え、特典遊技の実行が終了した後の遊技状態が第2遊技状態に設定される場合に、特定条件が成立したことに基づいて特定演出が特定演出実行手段によって実行されるので、特定演出の実行中に特定の判別結果となって第1遊技状態へと移行しない限り、特定演出において第2遊技状態が示唆される。よって、特定演出の実行中に特定の判別結果とならないことを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機B1又はB2において、予め定められた特定契機に基づいて、前記判別手段による判別に用いる判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段により取得された前記判別情報を、その取得された判別情報に対する前記判別条件が成立するまで、所定の情報数を上限として記憶可能な判別情報記憶手段と、前記特定条件が成立したことに基づいて、前記判別情報記憶手段に記憶されている前記判別情報の中に前記特定の判別結果に対応する判別情報が含まれているか否かを判定する判定手段と、その判定手段による判定結果に基づいて、前記特定演出の演出態様を決定する演出態様決定手段とを備え、前記特定演出実行手段は、前記演出態様決定手段により決定された演出態様の特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機B3。
遊技機B3によれば、遊技機B1又はB2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、予め定められた特定契機に基づいて、判別手段による判別に用いる判別情報が判別情報取得手段によって取得され、その判別情報取得手段によって取得された判別情報が、その取得された判別情報に対する判別条件が成立するまで、所定の情報数を上限として判別情報記憶手段によって記憶される。特定条件が成立したことに基づいて、判別情報記憶手段に記憶されている判別情報の中に特定の判別結果に対応する判別情報が含まれているか否かが判定手段によって判定される。判定手段による判定結果に基づいて、特定演出の演出態様が演出態様決定手段によって決定される。演出態様決定手段により決定された演出態様の特定演出が特定演出実行手段によって実行される。
これにより、判別手段による判別結果を事前に判定することができるので、実際に判別手段により実行される判別の結果に即した演出態様を設定することができるという効果がある。
遊技機B3において、前記特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、実行が終了した後の遊技状態が前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態に設定される第1特典遊技と、実行が終了した後の遊技状態が前記第2遊技状態に設定される第2特典遊技とを少なくとも含む複数の特典遊技の種別の中から1の種別を決定する種別決定手段を備え、前記判定手段は、前記判別情報記憶手段に記憶されている前記判別情報の中に、前記第1特典遊技に対応する判別情報が含まれているかを判定するものであり、前記演出態様決定手段は、前記判定手段により前記第1特典遊技に対応する判別情報が含まれていると判定されたことに基づいて、前記特定演出が終了した後の遊技状態が第1遊技状態であることを示唆する演出態様を決定するものであることを特徴とする遊技機B4。
遊技機B4によれば、遊技機B3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、実行が終了した後の遊技状態が遊技状態設定手段によって第1遊技状態に設定される第1特典遊技と、実行が終了した後の遊技状態が第2遊技状態に設定される第2特典遊技とを少なくとも含む複数の特典遊技の種別の中から種別決定手段によって1の種別が決定される。判別情報記憶手段に記憶されている判別情報の中に、第1特典遊技に対応する判別情報が含まれているかが判定手段によって判定される。判定手段により第1特典遊技に対応する判別情報が含まれていると判定されたことに基づいて、特定演出が終了した後の遊技状態が第1遊技状態であることを示唆する演出態様が演出態様決定手段によって決定される。
これにより、第1特典遊技が含まれていないことを期待して遊技を行わせるという斬新な遊技性を提供することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機B1からB4のいずれかにおいて、前記特定演出は、演出期間として、演出態様とは無関係に予め定められた特定期間が設定されるものであることを特徴とする遊技機B5。
遊技機B5によれば、遊技機B1からB4のいずれかが奏する効果に加え、特定演出の演出期間として、演出態様とは無関係に予め定められた特定期間が設定されるので、演出期間の長さから特定演出の結果を予測することが困難となる。よって、遊技者に対して特定演出の結果に最後まで注目させることができるという効果がある。
遊技機B5において、識別情報を表示する表示手段と、前記判別手段による判別結果を示す前記識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示における動的表示期間を、前記判別手段による判別結果に基づいて決定する動的表示期間決定手段とを備え、前記特定期間は、前記特定条件が成立してから前記特典遊技が終了するまでの期間と、予め定められた特定回数の前記判別手段による判別が全て前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合に前記動的表示期間決定手段によって決定される前記特定回数分の前記動的表示期間との和となるものであることを特徴とする遊技機B6。
遊技機B6によれば、遊技機B5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報が表示手段に表示される。判別手段による判別結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段によって実行される。動的表示実行手段により実行される識別情報の動的表示における動的表示時間が、判別手段による判別結果に基づいて動的表示期間決定手段によって決定される。特定条件が成立してから特典遊技が終了するまでの期間と、予め定められた特定回数の判別手段による判別が全て特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合に動的表示期間決定手段によって決定される特定回数分の動的表示期間との和が特定期間として設定される。
これにより、特定回数分の識別情報の動的表示が終了するタイミングで、特定演出を終了させることができるので、特定演出をきりよく終了させることができるという効果がある。
遊技機B6において、前記動的表示期間決定手段は、前記特典遊技の終了後、前記特定回数以内の前記判別手段による判別で特定の判別結果となった場合に、少なくとも前記特定期間が終了するまでの残り期間以上の期間を前記動的表示期間として決定するものであることを特徴とする遊技機B7。
遊技機B7によれば、遊技機B6の奏する効果に加え、特典遊技の終了後、特定回数以内の判別手段による判別で特定の判別結果となった場合に、少なくとも特定期間が終了するまでの残り期間以上の期間が、動的表示期間決定手段によって動的表示期間として決定されるので、特定回数以内の判別で特定の判別結果となった場合に、特定期間が終了するよりも前に特典遊技が開始されてしまうことを抑制できる。よって、特定演出が終了するよりも前に特典遊技が開始されることにより、特定演出の結果が事前に分かってしまうことを抑制できるので、特定演出により注目させることができるという効果がある。
遊技機B1からB7のいずれかにおいて、前記特典遊技の実行中に、前記特定演出により前記第2遊技状態が示唆されることに対する期待度を示す演出を実行する期待度示唆演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機B8。
遊技機B8によれば、遊技機B1からB7の奏する効果に加え、特典遊技の実行中に特定演出により第2遊技状態が示唆されることに対する期待度を示唆する演出が期待度示唆演出実行手段によって実行されるので、特典遊技の実行中における演出態様と、特定演出とが一連の演出であるかのような印象を遊技者に抱かせることができる。よって、特典遊技の実行中における遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴C群>(保留連が発生するか否かをアタッカーの動作から判別し難くする)
遊技球が入球したことに基づいて所定の特典が付与される特典入球手段と、その特典入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変する可変手段と、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、前記可変手段が第1可変態様で可変するように制御する第1可変制御手段と、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて、当該判別が実行された時点における遊技状態とは異なる遊技状態を設定可能な遊技状態設定手段と、前記判別手段による判別で前記第2の判別結果となったことに基づいて、特定回数の前記判別手段による判別が全て前記第1の判別結果となった場合に実行される前記特定回数の前記第1可変態様と区別し難い見た目となる特定可変態様が少なくとも含まれる第2可変態様で、前記可変手段が可変するように制御する第2可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技球が入球したことに基づいて特典入球手段によって所定の特典が付与され、その特典入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変する。判別条件の成立に基づいて判別手段によって判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変手段が第1可変態様で可変するように第1可変制御手段によって制御される。判別手段による判別で第2の判別結果となったことに基づいて、特定回数の判別手段による判別が全て第1の判別結果となった場合に実行される特定回数の第1可変態様と区別しがたい見た目となる特定可変態様が少なくとも含まれる第2可変態様で、第2可変制御手段によって可変手段が可変するように制御される。
これにより、第1の判別結果となったのか、第2の判別結果となったのかを可変手段の可変態様から区別することが困難となるので、異なる遊技状態が設定されたのか否かを遊技者に判別され難くすることができるという効果がある。
遊技機C1において、前記遊技状態設定手段は、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも不利な第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を設定可能なものであり、前記判別手段による判別で前記第2の判別結果となった場合に、前記第2遊技状態を設定する割合が、第1遊技状態を設定する割合よりも高く設定されているものであることを特徴とする遊技機C2。
遊技機C2によれば、遊技機C1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも不利な第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から遊技状態設定手段によって1の遊技状態が設定される。判別手段による判別で第2の判別結果となった場合に、遊技状態設定手段によって第2遊技状態が設定される割合が、第1遊技状態が設定される割合よりも高く設定されている。
これにより、第2の判別結果となった場合に、不利な第2遊技状態が設定され易いので、第1の判別結果となることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C1又はC2において、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果となる割合が、他の判別結果となる割合よりも高く設定されているものであることを特徴とする遊技機C3。
遊技機C3によれば、遊技機C1又はC2の奏する効果に加え、判別手段による判別で第1の判別結果となる割合が、他の判別結果となる割合よりも高く設定されているので、特定回数に渡って連続して第1の判別結果となる可能性が高くなる。よって、第2の判別結果になって第2可変態様で可変手段が制御されている場合にも、第1の判別結果が特定回数に渡って連続したのかもしれないと思わせることができる。よって、異なる遊技状態が設定されたのか否かを遊技者により判別され難くすることができるという効果がある。
遊技機C1からC3のいずれかにおいて、前記判別手段は、第1判別条件と、その第1判別条件とは異なる第2判別条件とのうちいずれかが成立した場合に判別を実行するものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第1判別条件の成立に基づく判別で前記第2の判別結果となった場合に、第1遊技状態を設定する割合が高く設定され、前記第2判別条件の成立に基づく判別で前記第2の判別結果となった場合に、前記第1遊技状態よりも不利な第2遊技状態を設定する割合が高く設定されているものであることを特徴とする遊技機C4。
遊技機C4によれば、遊技機C1からC3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判別条件と、その第1判別条件とは異なる第2判別条件とのうちいずれかが成立した場合に判別手段により判別が実行される。第1判別条件の成立に基づく判別で第2の判別結果となった場合に、遊技状態設定手段によって第1遊技状態が設定される割合が高く設定されている。一方、第2判別条件の成立に基づく判別で第2の判別結果となった場合には、第1遊技状態よりも不利な第2遊技状態が設定される割合が高く設定されている。
これにより、第1判別条件の成立に基づく判別で第2の判別結果となった場合には、第2遊技状態よりも有利度合いが高い第1遊技状態が設定され易いので、第1判別条件が成立することを期待して遊技を行わせることができる。よって、判別手段による判別が実行された場合に、当該判別が実行される契機となった判別条件の種別に注目させることができるという効果がある。
遊技機C4において、前記判別手段による判別で前記第2の判別結果となり、前記遊技状態設定手段によって前記第1遊技状態が設定される場合に、前記第2可変態様よりも前記特典入球手段に遊技球が入球し易い第3可変態様で、前記可変手段が可変するように制御する第3可変制御手段を備えることを特徴とする遊技機C5。
遊技機C5によれば、遊技機C4の奏する効果に加え、判別手段による判別で第2の判別結果となり、遊技状態設定手段によって第1遊技状態が設定される場合に、第2可変態様よりも特典入球手段に遊技球が入球し易い第3可変態様で、可変手段が可変するように第3可変制御手段によって制御されるので、第1判別条件の成立に基づく判別で第2の判別結果となった場合の有利度合いをより高くすることができる。よって、遊技者に対して、第1判別条件が成立することを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機C4又はC5において、第1方向に発射された遊技球が入球し易い位置に配置された第1入球手段と、前記第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球し易い位置に配置された第2入球手段と、を備え、前記第1判別条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立するものであり、前記第2判別条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立するものであり、前記特典入球手段は、前記第2方向に発射された遊技球が入球し易い位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機C6。
遊技機C6によれば、遊技機C4又はC5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向に発射された遊技球が入球し易い位置に第1入球手段が配置されている一方で、第2方向に発射された遊技球が入球し易い位置に、第2入球手段と特典入球手段とが設けられている。第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1判別条件が成立するのに対して、第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2判別条件が成立する。
これにより、特典入球手段が第1位置に可変された場合に、所定の特典を得ようとして第2方向へと遊技を発射すると、第2入球手段へと遊技球が入球する。よって、特典入球手段が第1位置に可変された後で、第2判別条件の成立に基づく判別が実行されやすい状態を形成することができるという効果がある。
遊技機C6において、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記判別手段による判別に用いる判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段によって取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、前記判別手段による判別が実行されるまで少なくとも記憶可能な判別情報記憶手段とを備えることを特徴とする遊技機C7。
遊技機C7によれば、遊技機C6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、判別手段による判別に用いる判別情報が判別情報取得手段によって取得され、その判別情報取得手段によって取得された判別情報が、所定の情報数を上限として、判別手段による判別が実行されるまで少なくとも判別情報記憶手段によって記憶される。
これにより、判別手段による判別が開始できない状況において第2入球手段に対する入球を検出した場合に、判別に用いる判別情報を判別情報記憶手段によって記憶しておくことができる。よって、第2入球手段に対する入球が無駄になってしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機C4からC7のいずれかにおいて、前記第2判別条件の成立に基づいて実行される判別は、前記第1判別条件の成立に基づいて実行される判別よりも優先して実行されるものであることを特徴とする遊技機C8。
遊技機C8によれば、遊技機C4からC7のいずれかが奏する効果に加え、第2判別条件の成立に基づいて実行される判別は、第1判別条件の成立に基づいて実行される判別よりも優先して実行されるので、第2判別条件の成立に基づく判別が実行された場合に、当該判別の結果に注目させることができるという効果がある。
<特徴D群>(大当たり中は特2の始動入賞が発生し易く、通常時は発生し難くなる構成)
第1判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1判別条件とは異なる第2判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段、または前記第2判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者にとっての有利度合いが高い第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から1の特典遊技の種別を決定する種別決定手段と、前記第1判別手段、または前記第2判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、前記第2判別条件が成立し易い第1状態を設定し、前記特典遊技の終了条件が成立したことに基づいて、前記第1状態に比較して前記第2判別条件が成立し難い第2状態を設定する状態設定手段と、を備え、前記種別決定手段は、前記第2判別手段による判別で前記特定の判別結果となるよりも、前記第1判別手段による判別で前記特定の判別結果となった方が、前記第2特典遊技を決定する割合が高いものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、第1判別条件の成立に基づいて第1判別手段によって判別が実行され、第1判別条件とは異なる第2判別条件の成立に基づいて第2判別手段によって判別が実行される。第1判別手段、または第2判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が得点遊技実行手段によって実行される。特典遊技実行手段によって実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者にとっての有利度合いが高い第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から種別決定手段によって1の特典遊技の種別が決定される。第1判別手段、または第2判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、第2判別条件が成立し易い第1状態が状態設定手段によって設定される。一方、特典遊技の終了条件が成立したことに基づいて、第1状態に比較して第2判別条件が成立し難い第2状態が状態設定手段によって設定される。第2判別手段による判別で特定の判別結果となるよりも、第1判別手段による判別で特定の判別結果となった方が、第2特典遊技を決定する割合が高くなるように種別決定手段が構成されている。
これにより、特典遊技の実行中以外の状態で第2判別条件が成立することを抑制できる。よって、有利度合いの低い第1特典遊技が実行される機会を限定することができるという効果がある。
遊技機D1において、前記第2判別条件の成立に基づいて、前記第2判別手段による判別に用いるための判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段により取得された前記判別情報を、前記第2判別手段による判別に用いられるまで、所定の情報数を上限として記憶する判別情報記憶手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2判別条件の成立に基づいて、第2判別手段による判別に用いるための判別情報が判別情報取得手段によって取得される。判別情報取得手段により取得された判別情報が、第2判別手段による判別に用いられるまで、所定の情報数を上限として判別情報記憶手段によって記憶される。
これにより、第2判別手段による判別が実行されるよりも前に、第2判別条件が複数回成立した場合に、当該複数回分の第2判別条件の成立に応じて取得された複数の判別情報が判別情報記憶手段によって記憶されるので、第2判別条件が成立したにも拘わらず判別が実行されない不具合を抑制できるという効果がある。
遊技機D2において、前記第2判別手段は、前記特典遊技の実行中に前記判別情報取得手段により取得され、前記判別情報記憶手段に記憶された前記判別情報に基づいて、前記特典遊技の終了後に判別を実行するものであることを特徴とする遊技機D3。
遊技機D3によれば、遊技機D2の奏する効果に加え、特典遊技の実行中に判別情報取得手段により取得され、判別情報記憶手段に記憶された判別情報に基づいて、第2判別手段によって特典遊技の終了後に判別が実行されるので、第2判別手段による判別が実行される機会を、特典遊技が終了した後に集中させることができる。よって、特典遊技の終了後に、第2判別手段による判別で特定の判別結果とならないことを期待して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、遊技球が入球したことに基づいて前記第2判別条件が成立する入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球し難い第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球し易くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、特定の判別条件が成立したことに基づいて、前記可変手段を前記第1位置から前記第2位置に可変させるか判別する特定判別手段と、その特定判別手段により前記第1位置から前記第2位置に可変させると判別されたことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置に可変するように制御する可変制御手段とを備え、前記可変制御手段は、前記第2状態で前記特定判別手段により前記可変手段を可変させると判別された場合よりも、前記第2状態で前記特定判別手段により前記可変手段を可変させると判別された場合の方が、前記可変手段が前記第2位置に可変する期間が長くなるように制御するものであることを特徴とする遊技機D4。
遊技機D4によれば、遊技機D1からD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球したことに基づいて第2判別条件が成立する入球手段へと遊技球が入球し難い第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球し易くなる第2位置とに可変手段が可変される。特定の判別条件が成立したことに基づいて、可変手段を第1位置から第2位置に可変させるかが特定判別手段によって判別される。特定判別手段により第1位置から第2位置に可変させると判別されたことに基づいて、可変手段が第2位置に可変するように可変制御手段によって制御される。第2状態で特定判別手段により可変手段を可変させると判別された場合よりも、第2状態で特定判別手段により可変手段を可変させると判別された場合の方が、可変手段が第2位置に可変する期間が長くなるように可変制御手段によって制御される。
これにより、第2状態よりも第1状態の方が、入球手段へと遊技球を入球させ易くすることができる。よって、第1状態では、第2状態よりも第2判別条件が成立し易くできるという効果がある。
遊技機D1からD4のいずれかにおいて、遊技球が入球したことに基づいて前記第2判別条件が成立する入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球し難い第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球し易くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、特定の判別条件が成立したことに基づいて、前記可変手段を前記第1位置から前記第2位置に可変させるか判別する特定判別手段と、その特定判別手段により前記第1位置から前記第2位置に可変させると判別されたことに基づいて、前記可変手段が前記第2位置に可変するように制御する可変制御手段とを備え、前記第2状態よりも前記第1状態の方が、前記特定判別手段による1の判別が開始されてから終了するまでの期間が短くなり易いものであることを特徴とする遊技機D5。
遊技機D5によれば、遊技機D1からD4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球したことに基づいて第2判別条件が成立する入球手段へと遊技球が入球し難い第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球し易くなる第2位置とに可変手段が可変される。特定の判別条件が成立したことに基づいて、可変手段を第1位置から第2位置に可変させるかが特定判別手段によって判別される。特定判別手段により第1位置から第2位置に可変させると判別されたことに基づいて、可変手段が第2位置に可変するように可変制御手段によって制御される。第2状態よりも第1状態の方が、特定判別手段による1の判別が開始されてから終了するまでの期間が短くなり易くなるように構成されている。
これにより、第1状態の方が、第2状態に比べて特定判別手段が同じ回数の判別を行うのに要する期間が短くなる。よって、より多くの回数、可変手段が第2位置に可変される機会を得ることができるので、第1状態において、遊技球を入球させ易くできるという効果がある。
遊技機D1からD3のいずれかにおいて、特定流路に設けられ、遊技球が入球したことに基づいて前記第2判別条件が成立する入球手段と、前記特定流路を遊技球が流下困難となるように閉鎖する閉鎖状態と、遊技球が流下可能となる開放状態とに可変可能な開閉手段と、その開閉手段を、前記第1状態となったことに基づいて前記開放状態に設定し、前記第2状態となったことに基づいて前記閉鎖状態に設定する開閉制御手段とを備えることを特徴とする遊技機D6。
遊技機D6によれば、遊技機D1からD3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が入球したことに基づいて第2判別条件が成立する入球手段が特定流路に設けられている。特定流路を遊技球が流下困難となるように閉鎖する閉鎖状態と、遊技球が流下可能となる開放状態とに開閉手段が可変される。第1状態となったことに基づいて、開閉手段が開閉制御手段によって開放状態に設定される一方で、第2状態となったことに基づいて開閉手段が開閉制御手段によって閉鎖状態に設定される。
これにより、第2状態で第2判別条件が成立することをより確実に防止することができるという効果がある。
遊技機D6において、前記開閉手段は、前記閉鎖状態に設定されている場合に、前記開閉手段の上流側に特定個数の遊技球を停留させることが可能に構成されていることを特徴とする遊技機D7。
遊技機D7によれば、遊技機D6の奏する効果に加え、開閉手段が閉鎖状態に設定されている場合に、開閉手段の上流側に特定個数の遊技球を停留させることが可能に構成されているので、開放状態に設定された場合に、停留されていた遊技球を入球手段へと入球させることができる。よって、開放状態が設定される第1状態において、第2判別条件をより成立し易くすることができるという効果がある。
<特徴E群>(主からサブへの変動パターンコマンドに特定演出の終了までの残りの変動回数に応じた情報を含ませる)
演出態様を表示可能な表示手段と、遊技に関する主な制御を行う主制御手段と、その主制御手段から出力されるコマンドに基づいて遊技に関する制御を行う従制御手段と、を備えた遊技機において、前記主制御手段は、判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、前記判別手段による判別の結果を示す識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される前記識別情報の動的表示における動的表示時間を決定する動的表示時間決定手段と、その動的表示時間決定手段により決定された前記動的表示時間に対応する情報と、その動的表示時間に対応する情報とは異なる特定の情報とを少なくとも含む動的表示時間コマンドを前記従制御手段に対して出力するコマンド出力手段と、を備え、前記従制御手段は、前記コマンド出力手段により出力された前記動的表示時間コマンドを受信するコマンド受信手段と、そのコマンド受信手段により前記動的表示時間コマンドを受信したことに基づいて、前記動的表示時間を特定する動的表示時間特定手段と、予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、1または複数の前記動的表示時間に渡って実行可能な特定演出を前記表示手段において実行する特定演出実行手段と、前記動的表示時間コマンドに含まれた前記特定の情報に基づいて、前記特定演出を終了させるか否かを判別する特定演出終了判別手段と、その特定演出終了判別手段により前記特定演出を終了させると判別されたことを契機として、当該判別に用いられた前記動的表示時間コマンドに基づいて前記動的表示時間特定手段によって特定された前記動的表示時間が終了するまでの間に、前記特定演出を終了させる特定演出終了手段とを備えることを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、主制御手段において、判別条件の成立に基づいて判別手段によって判別が実行され、その判別手段による判別結果が特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段によって実行される。判別手段による判別の結果を示す識別情報の動的表示が動的表示実行手段によって実行される。動的表示実行手段により実行される識別情報の動的表示における動的表示時間が動的表示時間決定手段によって決定される。動的表示時間決定手段により決定された動的表示時間に対応する情報と、その動的表示時間に対応する情報とは異なる特定の情報とを少なくとも含む動的表示時間コマンドが、コマンド出力手段によって従制御手段に対して出力される。従制御手段において、コマンド出力手段により出力された動的表示時間コマンドがコマンド受信手段によって受信され、そのコマンド受信手段により動的表示時間コマンドを受信したことに基づいて、動的表示時間が動的表示時間特定手段によって特定される。あらかじめ定められた特定条件が成立したことに基づいて、1または複数の動的表示時間に渡って実行可能な特定演出が特定演出実行手段により表示手段において実行される。動的表示時間コマンドに含まれた特定の情報に基づいて、特定演出を終了させるか否かが特定演出終了判別手段によって判別される。特定演出終了判別手段によって特定演出を終了させると判別されたことを契機として、当該判別に用いられた動的表示時間コマンドに基づいて動的表示時間特定手段によって特定された動的表示時間が終了するまでの間に、特定演出主湯量手段によって特定演出が終了される。
これにより、特定演出を好適に終了させることができるという効果がある。
遊技機E1において、前記特定演出終了判別手段により前記特定演出を終了させると判別された場合に、前記動的表示時間コマンドに含まれる前記判別手段による判別結果に応じた情報に基づいて、前記特定演出終了手段により前記特定演出が終了されるまでの間の演出態様を決定する演出態様決定手段を備えることを特徴とする遊技機E2。
遊技機E2によれば、遊技機E1の奏する効果に加え、特定演出終了判別手段により特定演出を終了させると判別された場合に、動的表示時間コマンドに含まれる判別手段による判別結果に応じた情報に基づいて、特定演出終了手段により特定演出が終了されるまでの間の演出態様が演出態様決定手段により決定されるので、判別手段による判別結果を加味して演出態様を決定することができる。よって、特定演出の演出態様を好適に設定することができるという効果がある。
遊技機E1又はE2において、前記従制御手段は、遊技機に対する電源の投入を判別する投入判別手段と、その投入判別手段により電源の投入が判別された場合に、前記動的表示時間コマンドに含まれた前記特定の情報に基づいて、遊技機の電源が遮断された時点が前記特定演出の実行中であったか否かを判別する遮断時判別手段と、その遮断時判別手段によって前記特定演出の実行中であったと判別されたことに基づいて、前記特定演出を実行する投入後演出実行手段とを備えることを特徴とする遊技機E3。
遊技機E3によれば、遊技機E1又はE2の奏する効果に加え、従制御手段において、遊技機に対する電源の投入が投入判別手段により判別され、その投入判別手段により電源の投入が判別された場合に、動的表示時間コマンドに含まれた特定の情報に基づいて、遊技機の電源が遮断された時点が特定演出の実行中であったか否かが遮断時判別手段によって判別される。遮断時判別手段によって特定演出の実行中であったと判別されたことに基づいて、特定演出が投入後演出実行手段によって実行される。
これにより、特定演出の実行中に電源が遮断されたとしても、特定演出を再開させることができるので、電源の遮断前後で演出態様が異なってしまい、遊技者を困惑させてしまうことを抑制することができるという効果がある。
遊技機E3において、前記特定演出終了手段は、前記投入後演出実行手段により実行された前記特定演出を終了させるものであることを特徴とする遊技機E4。
遊技機E4によれば、遊技機E3の奏する効果に加え、投入後演出実行手段により実行された特定演出が、特定演出終了手段によって終了されるので、特定演出の実行中に遊技機の電源が遮断された場合であっても、特定演出を好適に終了させることができるという効果がある。
遊技機E4において、前記特定演出実行手段は、前記特定演出の演出期間として予め定められた特定期間を設定するものであることを特徴とする遊技機E5。
遊技機E4によれば、遊技機E5の奏する効果に加え、特定演出の演出期間として、特定演出実行手段によりあらかじめ定められた特定期間が設定されるので、特定演出を設定する場合に簡素な処理で設定することができるという効果がある。
遊技機E1からE5のいずれかにおいて、前記主制御手段は、前記判別条件の成立に基づいて、前記判別手段による判別に用いる判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段により取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として、前記判別手段による判別に用いられるまで少なくとも記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記コマンド出力手段は、前記判別情報記憶手段に記憶されている前記判別情報の情報数に応じた情報を含む情報数コマンドを前記従制御手段に対して出力するものであり、前記特定演出実行手段は、前記情報数コマンドに含まれる前記判別情報の情報数以下の回数の前記識別情報の動的表示に渡って前記特定演出を実行するものであることを特徴とする遊技機E6。
遊技機E6によれば、遊技機E1からE5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、主制御手段において、判別条件の成立に基づいて、判別手段による判別に用いる判別情報が判別情報取得手段によって取得される。判別情報取得手段によって取得された判別情報が、所定の情報数を上限として、判別手段による判別に用いられるまで少なくとも判別情報記憶手段に記憶される。判別情報記憶手段に記憶されている判別情報の情報数に応じた情報を含む情報数コマンドがコマンド出力手段によって従制御手段に対して出力される。情報数コマンドに含まれる判別情報の情報数以下の回数の識別情報の動的表示に渡って特定演出実行手段により特定演出が実行される。
これにより、特定演出を、判別情報記憶手段に記憶されている判別情報の情報数以下の範囲内で実行することができるので、識別情報の動的表示が実行されていないにも拘わらず、特定演出が継続することを抑制できるという効果がある。
遊技機E6において、前記判別情報の情報数に応じた情報は、前記特定条件が成立してから前記判別情報記憶手段に記憶されている判別情報に基づく全ての判別が終了するまでの間において、前記判別情報記憶手段に記憶されている残りの前記判別情報の情報数に応じた情報で構成されるものであることを特徴とする遊技機E7。
遊技機E7によれば、遊技機E6の奏する効果に加え、判別情報の情報数に応じた情報が、特定条件が成立してから判別情報記憶手段に記憶されている判別情報に基づく全ての判別が終了するまでの間において、判別情報記憶手段に記憶されている残りの判別情報の情報数に応じた情報で構成されるので、特定演出を、より確実に判別情報記憶手段に記憶されている判別情報の情報数以下の範囲内で実行することができるという効果がある。
<特徴F群>(当たり図柄に応じて、不利側の特図抽選の実行されやすさを可変させる)
第1方向に発射された遊技球が入球し易い位置に配置された第1入球手段と、その第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、その第1判別情報取得手段により取得された前記第1の判別情報を用いて、第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球し易い位置に配置された第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別情報を取得する第2判別情報取得手段と、その第2判別情報取得手段により取得された前記第2の判別情報を用いて、前記第1の判別よりも不利な判別結果となり易い第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第2判別情報取得手段により取得された前記第2の判別情報を、所定の情報数を上限として記憶可能な判別情報記憶手段と、前記第1判別手段、または前記第2判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、少なくとも所定期間において前記第2方向よりも前記第1方向に遊技球を発射した方が有利となり易い第1特典遊技と、前記所定期間において前記第1方向よりも前記第2方向に遊技球を発射した方が有利となり易い第2特典遊技とを含む複数の種別の中から1の前記特典遊技の種別を決定する種別決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機F1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。また、従来型の遊技機の中には、ラウンド数に代えて、または加えて、当たり後に付与される遊技状態を異ならせたり、各ラウンドで獲得可能な賞球数を異ならせる等により、有利度合いに差を設けているものもある。しかしながら、当たり種別に応じた有利度合いの差を更に大きくすることが求められていた。
これに対して遊技機F1によれば、第1方向に発射された遊技球が入球し易い位置に第1入球手段が配置されている。第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別情報が第1判別情報取得手段により取得され、その第1情報取得手段により取得された第1判別情報を用いて、第1判別手段により第1の判別が実行される。第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球し易い位置に第2入球手段が配置されている。第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別情報が第2判別情報取得手段により取得される。第2判別情報取得手段により取得された第2の判別情報を用いて、第1の判別よりも不利な判別結果となり易い第2の判別が第2判別手段によって実行される。第2判別情報取得手段により取得された第2の判別情報が、所定の情報数を上限として判別情報記憶手段に記憶される。第1判別手段、または第2判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、少なくとも所定期間において第2方向よりも第1方向に遊技球を発射した方が有利となり易い第1特典遊技と、所定期間において第1方向よりも第2方向に遊技球を発射した方が有利となり易い第2特典遊技とを含む複数の種別の中から1の特典遊技の種別が種別決定手段によって決定される。
これにより、第1方向に遊技球を発射することで有利になる第1特典遊技の方が、不利な判別結果となり易い第2の判別が実行され難いので、第1特典遊技と、第2特典遊技との有利度合いの差を大きくすることができる。よって、種別決定手段により第1特典遊技が決定されることを期待させることができるので、特定の判別結果となった場合に、特典遊技の種別により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F1において、前記第1方向に発射された遊技球が入球し易い位置に配置され、遊技球が入球可能な状態と、遊技球が入球困難な状態とに可変可能な第1可変入球手段と、前記第2方向に発射された遊技球が入球し易い位置に配置され、遊技球が入球可能な状態と、遊技球が入球困難な状態とに可変可能な第2可変入球手段と、前記第1可変入球手段、または前記第2可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記第1特典遊技は、前記第2可変入球手段よりも、前記第1可変入球手段の方が入球可能な状態に可変され易いものであり、前記第2特典遊技は、前記第1特典遊技よりも、前記第2可変入球手段が入球可能な状態に可変され易いものであることを特徴とする遊技機F2。
遊技機F2によれば、遊技機F1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向に発射された遊技球が入球し易い位置に、遊技球が入球可能な状態と、遊技球が入球困難な状態とに可変可能な第1可変入球手段が配置されている。第2方向に発射された遊技球が入球し易い位置に、遊技球が入球可能な状態と、遊技球が入球困難な状態とに可変可能な第2可変入球手段が配置されている。第1可変入球手段、または第2可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて特典付与手段により所定の特典が付与される。第1特典遊技は、第2可変入球手段よりも、第1可変入球手段の方が入球可能な状態に可変され易くなる。第2特典遊技は、第1特典遊技よりも第2可変入球手段が入球可能な状態に可変され易くなる。
これにより、特典遊技の実行中に、発射した遊技球が第1可変入球手段、または第2可変入球手段へと入球するかどうかに注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F1又はF2において、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段を備え、前記第1遊技状態は、前記第2判別手段による判別で前記特定の判別結果となったことに基づいて実行された前記特典遊技が終了後した後の遊技状態として設定される割合が、前記第2遊技状態よりも高いものであることを特徴とする遊技機F3。
遊技機F3によれば、遊技機F1又はF2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを少なくとも含む複数の中から1の遊技状態が遊技状態設定手段により設定される。第1遊技状態は、第2判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて実行された特典遊技が終了した後の遊技状態として設定される割合が、第2遊技状態よりも高くなるように構成されている。
これにより、第2判別手段による判別が実行された場合に、特定の判別結果にならないことを期待して遊技を行わせるという斬新な遊技性を実現することができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機F3において、前記遊技状態設定手段は、前記第1特典遊技、または前記第2特典遊技が終了した後の遊技状態として前記第2遊技状態を設定する割合が、前記第1遊技状態を設定する割合よりも高いものであることを特徴とする遊技機F4。
遊技機F4によれば、遊技機F3の奏する効果に加え、第1特典遊技、または第2特典遊技が終了した後の遊技状態として第2遊技状態が設定される割合は、第1遊技状態が設定される割合よりも高くなるように構成されているので、所定期間において第2方向に遊技球を発射したことに基づいて実行される第2の判別で特定の判別結果となり、第1遊技状態が設定されてしまうことを避けたいと遊技者に思わせることができる。よって、第2特典遊技の終了後に第2の判別で特定の判別結果とならないことを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F1からF4のいずれかにおいて、前記第1判別手段、または前記第2判別手段による判別結果を示唆する示唆演出を実行する示唆演出実行手段と、その示唆演出実行手段により実行される前記示唆演出として、前記種別決定手段により前記第1特典遊技が決定された場合に第1示唆演出と、その第1示唆演出とは異なる第2示唆演出とのどちらかを決定し、前記種別決定手段により前記第2特典遊技が決定された場合に前記第1示唆演出を決定する示唆演出決定手段と、を備えることを特徴とする遊技機F5。
遊技機F5によれば、遊技機F1からF4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1判別手段、または第2判別手段による判別結果を示唆する示唆演出が示唆演出実行手段により実行される。示唆演出実行手段により実行される示唆演出として、種別決定手段により第1特典遊技が決定された場合に第1示唆演出と、その第1示唆演出とは異なる第2示唆演出とのどちらかが示唆演出決定手段により決定される。一方、種別決定手段により第2特典遊技が決定された場合には、第1示唆演出が示唆演出決定手段により決定される。
これにより、第2示唆演出が実行された場合には、第1特典遊技であることが確定するため、示唆演出として第2示唆演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。また、第1示唆演出は第1特典遊技でも実行される可能性があるため、第1示唆演出が実行された場合に、第1特典遊技であることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F5において、前記示唆演出実行手段は、前記種別決定手段により前記第1特典遊技が決定されたことに基づいて前記第1示唆演出を実行した場合に、その第1示唆演出の終了後に前記第2示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機F6。
遊技機F6によれば、遊技機F5の奏する効果に加え、種別決定手段により第1特典遊技が決定されたことに基づいて第1示唆演出を実行した場合に、その第1示唆演出の終了後に示唆演出実行手段によって第2示唆演出が実行されるので、第1示唆演出が実行された場合に、その第1示唆演出の終了後に第2示唆演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機F1からF6のいずれかにおいて、前記所定期間は、前記第2方向へと遊技球を発射し続けた場合に、前記第2判別情報取得手段により少なくとも前記所定の情報数以上の前記第2の判別情報が取得される長さの期間であることを特徴とする遊技機F7。
遊技機F7によれば、遊技機F1からF6のいずれかが奏する効果に加え、第2特典遊技になり、所定期間において第2方向へと遊技球を発射し続けると、判別情報記憶手段に対して上限である所定の情報数の第2の判別情報が記憶されるので、第2特典遊技の終了後に、上限数に対応する回数の第2の判別を実行させることができるという効果がある。
遊技機F7において、前記第2方向に発射された遊技球が入球し易い位置に配置され、遊技球が入球可能な第1状態と、遊技球が入球困難な第2状態とに可変可能な第2可変入球手段と、その第2可変入球手段の状態を、前記所定期間において前記第1状態に可変させる可変制御手段と、前記第2可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、前記第2方向に発射された遊技球が到達可能な位置に配置され、到達した遊技球を、前記第2入球手段が設けられている第1流路と、前記第2可変入球手段が設けられている第2流路とのどちらかに振り分ける振分手段と、を備えることを特徴とする遊技機F8。
遊技機F8によれば、遊技機F7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。第2方向に発射された遊技球が入球し易い位置に、遊技球が入球可能な第1状態と、遊技球が入球困難な第2状態とに可変可能な第2可変入球手段が配置されている。第2可変入球手段の状態が、可変制御手段により所定期間において第1状態に可変される。第2可変入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて特典付与手段により所定の特典が付与される。第2方向に発射された遊技球が到達可能な位置に、遊技球を第2入球手段が設けられている第1流路と、第2可変入球手段が設けられている第2流路とのどちらかに振り分ける振分手段が配置されている。
これにより、第2方向に発射された遊技球の流下方向が偏ってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機F8において、前記振分手段は、前記第1流路と、前記第2流路とに遊技球を交互に振り分けるものであることを特徴とする遊技機F9。
遊技機F9によれば、遊技機F8の奏する効果に加え、第2特典遊技における所定期間において第2方向に発射された遊技球を、第2入球手段と、第2可変入球手段とに交互に入球させることができる。よって、第2方向に発射された遊技球が第2入球手段、または第2可変入球手段に偏って入球してしまうことをより確実に抑制することができるという効果がある。
<特徴G群>(V入賞したことに基づいて大当たり種別を報知する)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段への遊技球の入球が可能となる第1位置と、その第1位置よりも入球が困難な第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段を、前記特典遊技の実行中に所定条件が成立したことに基づいて、前記第2位置から前記第1位置に所定期間可変させる可変制御手段と、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記特典遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球した場合に遊技者に有利な第1遊技状態を設定し、前記特典遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球しなかった場合に前記第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する種別決定手段と、その種別決定手段により少なくとも前記第1特典遊技、または前記第2特典遊技が決定された場合に、決定された前記特典遊技の種別を示唆する示唆演出を、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて実行可能な示唆演出実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機G1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、液晶表示装置等の表示装置が設けられた遊技機が知られている。この従来型の遊技機では、表示装置において図柄の変動表示が行われ、図柄が予め定められた組み合わせで停止表示されることで、遊技者に有利な当たり遊技が付与される。また、表示装置には、図柄以外にもキャラクタや風景等の様々な画像が表示され、多種多様な興趣演出を実行することで遊技の興趣向上を図っていた(例えば、特許文献1:特開2003−325886号公報)。また、係る従来型の遊技機の中には、当たりに当選した時点では、当該当たり後の遊技状態を報知せず、当たり状態中に当たり終了後の遊技状態を示唆する演出を実行する遊技機も知られている。しかしながら、係る従来型の遊技機では、当たり終了後の遊技状態を示唆する演出が実行された後は、残りの当たり遊技が単調となってしまという問題点があった。
これに対して遊技機G1によれば、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行され、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。遊技球が入球可能な入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難な第2位置とに可変手段が可変される。特典遊技の実行中に所定条件が成立したことに基づいて、可変手段が可変制御手段によって第2位置から第1位置に所定期間可変される。特典遊技が終了した後の遊技状態として、特典遊技の実行中に入球手段へと遊技球が入球した場合に遊技状態設定手段により遊技者に有利な第1遊技状態が設定される。一方、特典遊技の実行中に入球手段へと遊技球が入球しなかった場合には、遊技状態設定手段により第1遊技状態よりも遊技者に不利な第2遊技状態が設定される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも遊技者に有利な第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から1の種別が種別決定手段により決定される。種別決定手段により少なくとも第1特典遊技、または第2特典遊技が決定された場合に、決定された特典遊技の種別を示唆する演出が示唆演出実行手段によって入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて実行される。
これにより、入球手段へと遊技球が入球し、有利な第1遊技状態の設定が確定した後も、示唆演出実行手段により実行される示唆演出により示唆される特典遊技の種別に注目して遊技を行わせることができる。よって、入球手段へと遊技球を入球させた後における遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機G1において、前記判別手段は、前記判別条件として第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、を有し、前記種別決定手段は、前記第1判別手段による前記第1の判別で前記特定の判別結果となったことに基づいて実行される前記特典遊技の種別として、前記第1特典遊技と、前記第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定し、前記第2判別手段による第2の判別で前記特定の判別結果となったことに基づいて実行される前記特典遊技の種別として、前記第1特典遊技、および前記第2特典遊技よりも前記特典遊技の実行中に前記入球手段へと遊技球が入球し難い第3特典遊技を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定するものであり、前記第1特典遊技は、前記第2特典遊技よりも、前記特典遊技が終了した後の所定期間において前記第2の判別が実行され易くなるものであることを特徴とする遊技機G2。
遊技機G2によれば、遊技機G1の奏する効果に加え、判別手段において、第1の判別条件の成立に基づいて第1判別手段により第1の判別が実行される。第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2判別手段により第2の判別が実行される。第1判別手段による第1の判別で特定の判別結果となったことに基づいて実行される特典遊技の種別として、種別決定手段により第1特典遊技と、第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から1の種別が決定される。一方、第2判別手段による第2の判別で特定の判別結果となったことに基づいて実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技、および第2特典遊技よりも特典遊技の実行中に入球手段へと入球し難い第3特典遊技を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別が種別決定手段によって決定される。第1特典遊技は、第2特典遊技よりも、特典遊技が終了した後の所定期間において第2の判別が実行されやすくなる。
これにより、第1特典遊技が終了すると、所定期間において不利な第2の判別が実行されやすくなるので、特定の判別結果となった場合に、第2特典遊技が決定されることをより強く期待させることができる。よって、遊技者に対して特典遊技の種別により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機G1又はG2において、前記第1特典遊技、または前記第2特典遊技が開始されてから、少なくとも前記入球手段へと遊技球が入球するまでの期間で特定演出を実行する特定演出実行手段を備え、前記示唆演出実行手段は、前記特定演出の結果として、前記特典遊技の種別を示唆する演出を実行するものであることを特徴とする遊技機G3。
遊技機G3によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。第1特典遊技、または第2特典遊技が開始されてから、少なくとも入球手段へと遊技球が入球するまでの期間で、特定演出実行手段により特定演出が実行される。特定演出の結果として、示唆演出実行手段により、特典遊技の種別を示唆する演出が実行される。
これにより、特定演出と、特典遊技の種別を示唆する演出とで一連の演出に見せることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機G2又はG3において、識別情報を表示可能な表示手段と、その表示手段において、前記判別手段による判別結果を示す識別情報の動的表示を表示する動的表示手段と、その動的表示手段により動的表示される前記識別情報として、第1識別情報と、その第1識別情報とは異なる第2識別情報とを少なくとも含む複数の識別情報の中から1の識別情報を決定可能な識別情報決定手段と、を備え、前記識別情報決定手段は、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となり、且つ、前記種別決定手段により前記第1特典遊技が決定された場合に前記第1識別情報を決定し、前記第2特典遊技が決定された場合に前記第1識別情報、または前記第2識別情報を決定するものであることを特徴とする遊技機G4。
遊技機G4によれば、遊技機G2又はG3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報を表示可能な表示手段において、判別手段による判別結果を示す識別情報の動的表示が動的表示手段により表示される。動的表示手段により動的表示される識別情報として、第1識別情報と、その第1識別情報とは異なる第2識別情報とを少なくとも含む複数の識別情報の中から1の識別情報が識別情報決定手段によって決定される。判別手段による判別で特定の判別結果となり、且つ、種別決定手段により第1特典遊技が決定された場合に識別情報決定手段により第1識別情報が決定される。一方、第2特典遊技が決定された場合は、識別情報決定手段により第1識別情報、または第2識別情報が決定される。
これにより、動的表示により、有利な第2特典遊技でしか決定されない第2識別情報が表示されることを期待して識別情報の動的表示を確認させることができる。また、第2特典遊技の場合にも第1識別情報が表示され得る構成とすることにより、第1識別情報が表示された場合に、遊技者の第2特典遊技に対する期待感を維持させることができるという効果がある。
遊技機G4において、前記示唆演出実行手段は、前記動的表示手段により実行された前記識別情報の動的表示において前記第1識別情報が表示された場合に前記示唆演出を実行するものであり、前記示唆演出の種別には、前記識別情報の動的表示において表示された前記第1識別情報が前記第1識別情報のまま維持される第1示唆演出と、前記第1識別情報が前記第2識別情報に可変される第2示唆演出と、が少なくとも設けられているものであることを特徴とする遊技機G5。
遊技機G5によれば、遊技機G4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、動的表示手段により実行された識別情報の動的表示において第1識別情報が表示された場合に、示唆演出実行手段により示唆演出が実行される。示唆演出の種別には、識別情報の動的表示において表示された第1識別情報が第1識別情報のまま維持される第1示唆演出と、第1識別情報が第2識別情報に可変される第2示唆演出とが少なくとも設けられている。
これにより、識別情報の動的表示において第1識別情報が表示された場合に、第2示唆演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機G5において、前記種別決定手段により前記第1特典遊技、または前記第2特典遊技が決定された場合に、前記示唆演出を実行するか否かを判別する示唆演出実行判別手段を備え、前記識別情報決定手段は、前記示唆演出実行判別手段により前記示唆演出を実行すると判別されたことに基づいて、前記第1識別情報を決定するものであり、前記示唆演出実行手段は、前記種別決定手段により前記第1特典遊技が決定され、前記示唆演出実行判別手段により前記示唆演出を実行すると判別された場合に前記第1示唆演出を実行し、前記種別決定手段により前記第2特典遊技が決定され、前記示唆演出実行判別手段により前記示唆演出を実行すると判別された場合に前記第2示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機G6。
遊技機G6によれば、遊技機G5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、種別決定手段により第1特典遊技、または第2特典遊技が決定された場合に、示唆演出を実行するか否かが示唆演出実行判別手段によって判別される。示唆演出実行判別手段により示唆演出を実行すると判別されたことに基づいて、識別情報決定手段により第1識別情報が決定される。種別決定手段により第1識別情報が決定され、示唆演出実行判別手段により示唆演出を実行すると判別された場合に第1示唆演出が示唆演出実行手段によって実行される。一方、種別決定手段により第2特典遊技が決定され、示唆演出実行判別手段により示唆演出を実行すると判別された場合に、示唆演出実行手段により第2示唆演出が実行される。
これにより、第2特典遊技が決定された場合にのみ第2示唆演出が実行されるので、第2示唆演出が実行されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機G6において、前記示唆演出実行判別手段は、前記種別決定手段により前記第1特典遊技が決定された場合よりも、前記第2特典遊技が決定された場合の方が前記示唆演出を実行すると判別する割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機G7。
遊技機G7によれば、遊技機G6の奏する効果に加え、種別決定手段により第1特典遊技が決定された場合よりも、第2特典遊技が決定された場合の方が、示唆演出実行手段により示唆演出を実行すると判別される割合が高くなるので、示唆演出が開始された時点で、第2特典遊技に対する期待感を向上させることができるという効果がある。
遊技機G1又はG2において、識別情報を表示可能な表示手段と、その表示手段において、前記判別手段による判別結果を示す識別情報の動的表示を実行する動的表示実行手段と、その動的表示実行手段により実行される前記特定の判別結果を示す識別情報の動的表示の期間と、前記特典遊技が開始されてから少なくとも前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの期間とに渡って特定演出を実行する特定演出実行手段と、を備え、前記示唆演出実行手段は、前記特定演出の結果として、前記特典遊技の種別を示唆する示唆演出を実行するものであることを特徴とする遊技機G8。
遊技機G8によれば、遊技機G1又はG2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報を表示可能な表示手段において、判別手段による判別結果を示す識別情報の動的表示の期間と、特典遊技が開始されてから少なくとも可変手段が第1位置二か偏されるまでの期間とに渡って、特定演出実行手段により特定演出が実行される。特定演出の結果として、特典遊技の種別を示唆する示唆演出が示唆演出実行手段により実行される。
これにより、特定演出と、特典遊技の種別を示唆する演出とで一連の演出に見せることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴H群>(大当たり種別に応じて、保留連発生有無の予測し易さを可変する)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する種別決定手段と、所定の可変態様で可変可能な可変手段と、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて、第1可変態様と、その第1可変態様とは異なる第2可変態様とを少なくとも含む複数の可変態様うち何れか1の可変態様で前記可変手段を可変させる第1可変制御手段と、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変態様と区別し難い見た目となる特定可変態様が少なくとも含まれる第3可変態様で前記可変手段を可変させる第2可変制御手段と、前記第1特典遊技が終了してから予め定められた特定条件が成立するまでの間において、前記第1可変制御手段により前記可変手段が前記第1可変態様で可変され易い第1可変状態を設定し、前記第2特典遊技が終了してから前記特定条件が成立するまでの間において、前記第1可変状態よりも前記可変手段が前記第2可変態様で可変され易くなる第2可変状態を設定する可変状態設定手段と、を備えることを特徴とする遊技機H1。
パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。しかしながら、上述した従来型の遊技機では、当たりとなった時点で当たりとなったことが報知される上に、その当たり種別も報知されるので、当該報知がなされた後は、単に報知された当たりを消化するだけの作業のようになってしまい、遊技が単調となってしまう場合があった。また、従来型の遊技機の中には、当たり状態となったか、外れの一種である小当たりとなったかを、演出態様や特定入賞口の開閉動作等から識別することが困難となるように構成した遊技機も知られており、当たりになっていたことを、当たり遊技が終了した後も期待させることができる遊技機も知られている。しかしながら、係る遊技機では、当たりとなったか小当たりとなったかを把握するのに時間がかかりすぎてしまい、遊技者の遊技に対する興趣を損ねてしまう虞があった。
これに対して遊技機H1によれば、判別条件の成立に基づいて判別手段により判別が実行される。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技とは異なる第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から種別決定手段により1の種別が決定される。判別手段による判別で特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となったことに基づいて、第1可変態様と、その第1可変態様とは異なる第2可変態様とを少なくとも含む複数の可変態様のうち何れか1の可変態様で、第1可変制御手段により可変手段が可変される。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、第1可変態様と区別し難い見た目となる特定可変態様が少なくとも含まれる第3可変態様で、第2可変制御手段により可変手段が可変される。第1特典遊技が終了してから予め定められた特定条件が成立するまでの間において、第1可変制御手段により可変手段が第1可変態様で可変され易い第1可変状態が可変状態設定手段により設定される。一方、第2特典遊技が終了してから特定条件が成立するまでの間において、第1可変状態よりも可変手段が第2可変態様で可変され易くなる第2可変状態が可変状態設定手段により設定される。
これにより、第1特典遊技の終了後に外れ判別結果になった場合と、特定の判別結果になった場合とで、可変手段の可変態様の見た目が区別し難くなるので、少なくとも特定条件が成立するまでの間、可変手段の可変態様から特典遊技が実行されるのか否かを識別することが困難にできる。一方、第2特典遊技の終了後に外れ判別結果になった場合は、第2可変態様が設定されるので、外れ判別結果となったか否かを可変手段の可変態様から遊技者が比較的識別し易くなる。よって、特定条件が成立するまでにおける外れ判別結果の識別し易さを特典遊技の種別に応じて可変させることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機H1において、遊技球が入球可能な入球手段を備え、前記可変手段は、前記入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難になる第2位置とに可変可能なものであり、前記第1可変態様は、第1期間の経過に基づいて前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置に所定期間可変される可変態様であり、前記第2可変態様は、前記第1期間とは異なる第2期間の経過に基づいて前記可変手段が前記第2位置から前記第1位置に所定期間可変される可変態様であることを特徴とする遊技機H2。
遊技機H2によれば、遊技機H1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難になる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。第1可変態様は、第1期間の経過に基づいて可変手段が第2位置から第1位置に所定期間可変される可変態様で構成され、第2可変態様は、第1期間とは異なる第2期間の経過に基づいて可変手段が第2位置から第1位置に所定期間可変される可変態様で構成されている。
これにより、可変手段が第1位置に可変されるまでの間隔を確認することで、第1可変態様であるか、第2可変態様であるかを遊技者が容易に識別することができるという効果がある。
遊技機H1又はH2において、前記判別手段は、第1の判別条件の成立に基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、を備え、前記第1可変制御手段は、前記第1判別手段による判別で前記外れ判別結果となったことに基づいて、前記第1可変態様と、前記第2可変態様とを少なくとも含む複数の可変態様のうち何れか1の可変態様で前記可変手段を可変させるものであり、前記第2可変制御手段は、前記第1判別手段による判別で前記特定の判別結果となったことに基づいて、前記第3可変態様で前記可変手段を可変させるものであることを特徴とする遊技機H3。
遊技機H3によれば、遊技機H1又はH2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の判別条件の成立に基づいて第1判別手段により第1の判別が実行される。第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2判別手段により第2の判別が実行される。第1判別手段による判別で外れ判別結果となったことに基づいて、第1可変態様と、第2可変態様とを少なくとも含む複数の可変態様のうち何れか1の可変態様で、第1可変制御手段により可変手段が可変される。第1判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、第2可変制御手段により第3可変態様で可変手段が可変される。
これにより、特典遊技の種別に応じて、第1判別手段による判別で外れ判別結果となった場合における可変手段の可変態様が可変されるので、特定条件が成立するまでの間、第1判別手段による判別が実行される毎に、可変手段の可変態様に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機H3において、前記種別決定手段は、前記第2判別手段による前記第2の判別で前記特定の判別結果となったことに基づいて実行される前記特典遊技の種別を決定するものであることを特徴とする遊技機H4。
遊技機H4によれば、遊技機H3の奏する効果に加え、第2判別手段による第2の判別で特定の判別結果となったことに基づいて実行される特典遊技の種別が、種別決定手段により決定されるので、第2判別手段による第2の判別が実行された場合に、第1特典遊技が決定されるのか、第2特典遊技が決定されるのかに注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機H3又はH4において、前記第1の判別条件は、前記特典遊技が終了してから特定条件が成立するまでの間、前記第2の判別条件よりも成立し易くなるものであることを特徴とする遊技機H5。
遊技機H5によれば、遊技機H3又はH4の奏する効果に加え、第1の判別条件は、特典遊技が終了してから特定条件が成立するまでの間、第2の判別条件よりも成立し易くなるので、特定条件が成立するまでの間、可変手段の可変態様により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機H3からH5のいずれかにおいて、第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられた第1入球手段と、前記第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に設けられた第2入球手段と、前記第1方向に発射された遊技球が入球し易い位置に設けられ、遊技球が入球したことに基づいて所定の特典が付与される特典入球手段と、その特典入球手段の状態を、前記特典遊技が開始されたことに基づいて、遊技球が入球困難な第1状態から、遊技球が入球可能な第2状態に所定回数可変させる可変制御手段と、を備え、前記第1の判別条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立するものであり、前記第2の判別条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機H6。
遊技機H6によれば、遊技機H3からH5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第1入球手段が設けられ、第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が設けられている。第1方向に発射された遊技球が入球し易い位置に、遊技球が入球したことに基づいて所定の特典が付与される特典入球手段が設けられている。特典入球手段の状態が、可変制御手段により、特典遊技の開始に基づいて遊技球が入球困難な第1状態から遊技球が入球可能な第2状態に所定回数可変される。第1の判別条件は、第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立し、第2の判別条件は、第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立する。
これにより、特典遊技の実行中に特典入球手段を狙って遊技球を発射することにより、第1入球手段へも遊技球を入球させることができる。よって、特典遊技が実行された場合に、第1の判別条件を成立し易くできるという効果がある。
遊技機H6において、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記第1判別手段による判別に用いる第1判別情報を取得する第1判別情報取得手段と、その第1判別情報取得手段により取得された前記第1判別情報を、所定の情報数を上限として記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記特定条件は、前記特典遊技の終了時点で前記判別情報記憶手段に記憶されていた全ての前記第1判別情報に基づく判別が実行されたことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機H7。
遊技機H7によれば、遊技機H6の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、第1判別手段による判別に用いる第1判別情報が第1判別情報取得手段により取得される。第1判別情報取得手段により取得された第1判別情報が、判別情報記憶手段により所定の情報数を上限として記憶される。特典遊技の終了時点で判別情報記憶手段に記憶されていた全ての第1判別情報に基づく判別が実行されたことに基づいて特定条件が成立する。
これにより、特典遊技の実行中に取得された第1判別情報が判別情報記憶手段に記憶されるので、第1の判別を効率良く実行することができるという効果がある。
遊技機H7において、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態を決定する遊技状態決定手段を備え、前記種別決定手段は、前記第1の判別で前記特定の判別結果となったことに基づいて実行される特典遊技の種別として、前記遊技状態決定手段により前記第1遊技状態が決定される第3特典遊技を決定する割合が、他の特典遊技の種別を決定する割合よりも高い第1種別決定手段と、前記第2の判別で前記特定の判別結果となったことに基づいて実行される特典遊技の種別として、前記第1特典遊技と、前記第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する第2種別決定手段と、を有し、前記遊技状態決定手段は、前記第1特典遊技、または前記第2特典遊技になった場合に、前記第2遊技状態を前記特典遊技が終了した後の遊技状態として決定するものであることを特徴とする遊技機H8。
遊技機H8によれば、遊技機H7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態とを少なくとも含む複数の遊技状態の中から1の遊技状態が遊技状態決定手段により決定される。第1の判別で特定の判別結果となったことに基づいて実行される特典遊技の種別として、遊技状態決定手段により第1遊技状態が決定される第3特典遊技が第1種別決定手段により決定される割合が、他の特典遊技の種別が決定される割合よりも高くなる。第2の判別で特定の判別結果となったことに基づいて実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、第2特典遊技とを少なくとも含む複数の種別の中から1の種別が第2種別決定手段により決定される。第1特典遊技、または第2特典遊技になった場合に、特典遊技が終了した後の遊技状態として遊技状態決定手段により第2遊技状態が決定される。
これにより、第1の判別で特定の判別結果になると、特典遊技の終了後に第1遊技状態が決定される割合が高いので、特典遊技の実行中に判別情報記憶手段に記憶された第1判別情報に基づいて、特典遊技の終了後に実行される第1の判別が全て外れ判別結果になることを願って遊技を行わせることができる。よって、特定の判別結果になることを回避したいと思わせる斬新な遊技性を実現できるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴I群>(保留連の発生し易さを大当たり種別に応じて異ならせる)
第1の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第1判別手段と、前記第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段による判別、または前記第2判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段により実行される前記特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも、前記特典遊技が終了してから特定条件が成立するまでの間に前記第2判別手段による判別で前記特定の判別結果となり易い第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の前記特典遊技の種別を決定する種別決定手段と、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第1特典遊技と、前記第2特典遊技とは、いずれも前記特典遊技が終了した後の遊技状態として、前記第2遊技状態よりも前記第1遊技状態の設定割合が高くなるものであることを特徴とする遊技機I1。
ここで、パチンコ機等の遊技機において、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、ラウンド数の異なる複数種類の当たり種別が設けられているものがあり、獲得できる遊技価値を異ならせることにより、当たり中の興趣向上を図っているものがある(例えば、特許文献1:特許第2514417号公報)。また、従来型の遊技機の中には、ラウンド数に代えて、または加えて、当たり後に付与される遊技状態を異ならせたり、各ラウンドで獲得可能な賞球数を異ならせる等により、有利度合いに差を設けているものもある。しかしながら、当たり種別に応じた有利度合いの差を更に大きくすることが求められていた。
これに対して遊技機I1によれば、第1の判別条件の成立に基づいて第1判別手段により判別が実行され、第1の判別条件とは異なる第2の判別条件の成立に基づいて第2判別手段により判別が実行される。第1判別手段による判別、または第2判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。特典遊技実行手段により実行される特典遊技の種別として、第1特典遊技と、その第1特典遊技よりも、特典遊技が終了してから特定条件が成立するまでの間に第2判別手段による判別で特定の判別結果となり易い第2特典遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の特典遊技の種別が種別決定手段により決定される。特典遊技が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態とを少なくとも含む複数の中から1の遊技状態が遊技状態設定手段により設定される。第1特典遊技と、第2特典遊技とは、いずれも特典遊技が終了した後の遊技状態として、第2遊技状態よりも第2遊技状態の設定割合が高くなる。
これにより、第1特典遊技になるか、第2特典遊技になるかに応じて、特定条件が成立するまでの間に第2判別手段による判別で特定の判別結果となる可能性が異なるので、種別決定手段によって決定される特典遊技の種別により注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技I1において、前記種別決定手段は、前記第1特典遊技と、前記第2特典遊技と、他の前記特典遊技の種別よりも遊技者に不利な第3特典遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の前記特典遊技の種別を決定するものであり、前記第3特典遊技は、前記第1判別手段による判別よりも、前記第2判別手段による判別で前記特定の判別結果となった場合に前記種別決定手段により決定される割合が高いものであることを特徴とする遊技機I2。
遊技機I2によれば、遊技機I1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1特典遊技と、第2特典遊技と、他の特典遊技の種別よりも遊技者に不利な第3特典遊技と、を少なくとも含む複数の中から1の特典遊技の種別が種別決定手段により決定される。第1判別手段による判別よりも、第2判別手段による判別で特定の判別結果となった場合に種別決定手段により第3特典遊技が決定される割合が高くなる。
これにより、第2判別手段による判別で特定の判別結果になると、不利な第3特典遊技が決定される割合が高くなるので、第2判別手段による判別で特定の判別結果にならないことを願わせることができる。よって、第2判別手段による判別で特定の判別結果になり易い第2特典遊技になるよりも、第1特典遊技となることに期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機I1又はI2において、前記第1遊技状態は、前記第1判別手段による判別、または前記第2判別手段による判別が実行された場合に前記特定の判別結果となる確率が前記第2遊技状態よりも高いものであり、前記第2特典遊技が終了してから前記特定条件が成立するまでの間は、前記第1の判別条件よりも前記第2の判別条件の方が成立し易くなるものであることを特徴とする遊技機I3。
遊技機I3によれば、遊技機I1又はI2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態は、第1判別手段による判別、または第2判別手段による判別が実行された場合に特定の判別結果となる確率が第2遊技状態よりも高くなるように構成されている。第2特典遊技が終了してから特定条件が成立するまでの間は、第1の判別条件よりも第2の判別条件の方が成立し易くなる。
これにより、第1遊技状態では、特定の判別結果となる確率が第2遊技状態よりも高くなるので、比較的短い間隔で連続して特典遊技となり易くなる。よって、第1遊技状態となった場合に、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機I1からI3のいずれかにおいて、所定の取得条件の成立に基づいて、前記第2判別手段による判別に用いる判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段により取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として記憶可能な判別情報記憶手段と、その判別情報記憶手段に記憶された1の前記判別情報が前記第2判別手段による判別に用いられたことに基づいて、当該1の前記判別情報を前記判別情報記憶手段から消去する消去手段と、を備え、前記特定条件は、前記判別情報記憶手段に記憶されている前記判別情報の情報数が0になったことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機I4。
遊技機I4によれば、遊技機I1からI3のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の取得条件の成立に基づいて、第2判別手段による判別に用いる判別情報が判別情報取得手段によって取得される。判別情報取得手段によって取得された判別情報が、所定の情報数を上限として判別情報記憶手段に記憶される。判別情報記憶手段に記憶された1の判別情報が第2判別手段による判別に用いられたことに基づいて、当該1の判別情報が消去手段により判別情報記憶手段から消去される。判別情報記憶手段に記憶されている判別情報の情報数が0になったことに基づいて特定条件が成立する。
これにより、判別情報の情報数が0になるまでの間、第2判別手段による判別で特定の判別結果となり易いので、判別情報記憶手段に記憶されている情報数に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機I1からI4のいずれかにおいて、第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に配置された第1入球手段と、前記第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に配置された第2入球手段と、を備え、前記第1の判別条件は、前記第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立するものであり、前記第2の判別条件は、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立するものであり、前記第2特典遊技は、前記特典遊技が開始された後の少なくとも所定期間において、前記第1方向よりも前記第2方向に遊技球を発射した方が遊技者にとって有利となり易いものであることを特徴とする遊技機I5。
遊技機I5によれば、遊技機I1からI4のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第1入球手段が配置されている。第1方向とは異なる第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に第2入球手段が配置されている。第1の判別条件は、第1入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立する一方で、第2の判別条件は、第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立する。第2特典遊技は、特典遊技が開始された後の少なくとも所定期間において、第1方向よりも第2方向に遊技球を発射した方が遊技者にとって有利となり易い。
これにより、第2特典遊技となった場合には、所定期間において第2方向に遊技球を発射することで第2入球手段にも遊技球を入球させることができる。よって、特典遊技の終了後に第2の判別条件が成立し易い状態を形成することができるという効果がある。
遊技機I5において、前記第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に配置され、遊技球が入球可能な状態と、遊技球が入球困難な状態とに可変可能な第1可変入球手段と、前記第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に配置され、遊技球が入球可能な状態と、遊技球が入球困難な状態とに可変可能な第2可変入球手段と、前記第1可変入球手段、または前記第2可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて所定の特典を付与する特典付与手段と、を備え、前記第2可変入球手段は、前記第2特典遊技の実行中において、少なくとも前記所定期間の間に遊技球が入球可能な状態に可変されるものであることを特徴とする遊技機I6。
遊技機I6によれば、遊技機I5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1方向に発射された遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球可能な状態と、遊技球が入球困難な状態とに可変可能な第1可変入球手段が配置されている。第2方向に発射された遊技球が入球可能な位置に、遊技球が入球可能な状態と、遊技球が入球困難な状態とに可変可能な第2可変入球手段が配置されている。第1可変入球手段、または第2可変入球手段に遊技球が入球したことに基づいて特典付与手段により所定の特典が付与される。第2可変入球手段は、第2得点遊技の実行中において、少なくとも所定期間の間に遊技球が入球可能な状態に可変される。
これにより、第2特典遊技の実行中における所定期間では、所定の特典を得たいと考える遊技者に対して第2方向へと遊技球を発射させることができる。よって、所定期間の間に、第2入球手段に対してより多くの遊技球を入球させることができるという効果がある。
遊技機I6において、前記第1可変入球手段は、前記第1特典遊技の実行中において、少なくとも前記所定期間の間に遊技球が入球可能な状態に可変されるものであることを特徴とする遊技機I7。
遊技機I7によれば、遊技機I6の奏する効果に加え、第1得点遊技の実行中において、少なくとも所定期間の間に、第1可変入球手段が、遊技球が入球可能な状態に可変されるので、第1特典遊技の実行中における所定期間では、所定の特典を得たいと考える遊技者に対して第1方向へと遊技球を発射させることができる。よって、第1特典遊技の実行中における所定期間の間に、第2入球手段へと遊技球が入球することを抑制できるという効果がある。
遊技機I5からI7のいずれかにおいて、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、前記第2判別手段による判別に用いる判別情報を取得する判別情報取得手段と、その判別情報取得手段により取得された前記判別情報を、所定の情報数を上限として記憶可能な判別情報記憶手段と、を備え、前記所定期間は、前記第2方向へと遊技球を発射し続けた場合に、前記判別情報取得手段により少なくとも前記所定の情報数以上の前記第2の判別情報が取得される長さの期間であることを特徴とする遊技機I8。
遊技機I8によれば、遊技機I5からI7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて、第2判別手段による判別に用いる判別情報が判別情報取得手段により取得される。判別情報取得手段により取得された判別情報が、判別情報記憶手段により所定の情報数を上限として記憶される。所定期間は、第2方向へと遊技球を発射示続けた場合に、判別情報記憶手段により少なくとも所定の情報数以上の第2判別情報が取得される長さで構成されている。
これにより、第2特典遊技となった場合に、確実に判別情報記憶手段に対して上限の情報数まで判別情報を記憶させることができるという効果がある。
遊技機I8において、前記第2方向に発射された遊技球を、前記第2入球手段が設けられている第1流路と、前記第2可変入球手段が設けられている第2流路とのどちらかに振り分けることが可能な振分手段を備えることを特徴とする遊技機I9。
遊技機I9によれば、遊技機I8の奏する効果に加え、第2方向に発射された遊技球が、第2入球手段が設けられている第1流路と、第2可変入球手段が設けられている第2流路とのどちらかに、振分手段により振り分けられるので、第2方向に発射された遊技球が第2入球手段に偏って入球したり、逆に、第2可変入球手段に偏って入球してしまうことを抑制できるという効果がある。
<特徴J群>(特1で遊技を行う状態として、時短が付与され易い状態と、時短が付与され難い状態とを設ける)
遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段を、特定の可変条件の成立に基づいて、第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも遊技球が前記入球手段に入球し難くなる第2可変パターンと、を少なくとも含む複数のうち1の可変パターンで可変させる可変制御手段と、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに少なくとも基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段による前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、前記第1遊技状態及び前記第2遊技状態のいずれとも異なる第3遊技状態と、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態とは、前記第3遊技状態よりも前記可変制御手段により前記第1可変パターンで前記可変手段が可変される割合が低くなるものであることを特徴とする遊技機J1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態の終了を契機として、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも有利な有利遊技状態とのいずれかに設定されるものがある(例えば、特許文献1:特開2006−000392号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たり状態の終了を契機に有利遊技状態が設定されなかった場合には、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまい、遊技を辞められ易くなってしまうという問題点があった。
特に、所謂確率変動機能を搭載せず、時短遊技状態と、通常遊技状態との2種類の遊技状態のみが設けられているタイプの遊技機において、時短遊技状態を経て通常遊技状態が設定された場合には、時短遊技状態において遊技を行うことができたことで遊技者が遊技に満足してしまい、その後の通常遊技状態で遊技を続行しようと思わせ難くなってしまう虞があった。
これに対して遊技機J1によれば、遊技球が入球可能な入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。可変手段が、特定の可変条件の成立に基づいて、可変制御手段により第1可変パターンと、その第1可変パターンよりも遊技球が入球手段に入球し難くなる第2可変パターンと、を少なくとも含む複数のうち1の可変パターンで可変される。入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて実行される判別手段による判別で特定の判別結果となったことに少なくとも基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段による特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、第1遊技状態及び第2遊技状態のいずれとも異なる第3遊技状態を、を少なくとも含む複数のうち1の遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。第1遊技状態と、第2遊技状態とは、第3遊技状態よりも可変制御手段により第1可変パターンで可変手段が可変される割合が低くなるように構成されている。
これにより、可変手段の可変割合から、第1遊技状態であるか、第2遊技状態であるかを見分けることが困難になる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J1において、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態とは、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となる確率が共通の特定確率となるものであることを特徴とする遊技機J2。
遊技機J2によれば、遊技機J1の奏する効果に加え、第1遊技状態と、第2遊技状態とが、判別手段による判別で特定の判別結果となる確率が共通の特定確率となるように構成されているので、第1遊技状態と第2遊技状態とをより遊技者に見分けられ難くすることができるという効果がある。
遊技機J1又はJ2において、前記入球手段とは異なる第2入球手段と、その第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する第2判別手段と、その前記第2判別手段による判別で前記特定の判別結果となったことに基づいて前記特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、を備え、前記第1遊技状態は、前記第2判別手段による判別で前記特定の判別結果となった場合に前記遊技状態設定手段により前記第3遊技状態が第1の割合で設定されるものであり、前記第2遊技状態は、前記第2判別手段による判別で前記特定の判別結果となった場合に前記遊技状態設定手段により前記第3遊技状態が前記第1の割合よりも高い第2の割合で設定されるものであることを特徴とする遊技機J3。
遊技機J3によれば、遊技機J1又はJ2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段とは異なる第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2判別手段により判別が実行される。第2判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて第2特典遊技実行手段により特典遊技が実行される。第1遊技状態において第2判別手段による判別で特定の判別結果となった場合に、遊技状態設定手段により第1の割合で第3遊技状態が設定される一方で、第2遊技状態において第2判別手段による判別で特定の判別結果となった場合に、遊技状態設定手段により第1の割合よりも高い第2の割合で第3遊技状態が設定される。
これにより、第1遊技状態よりも第2遊技状態の方が、特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として第3遊技状態が設定され易くなるので、第2遊技状態で特定の判別結果になることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機J3において、前記第3遊技状態は、前記特典遊技が実行された場合に、前記遊技状態設定手段により前記第3遊技状態が前記第1の割合よりも高い第3の割合で設定されるものであることを特徴とする遊技機J4。
遊技機J4によれば、遊技機J3の奏する効果に加え、第3遊技状態で特典遊技が実行されると、遊技状態設定手段により第3遊技状態が第1の割合よりも高い第3の割合で設定されるので、第3遊技状態になると、特典遊技と第3遊技状態とが繰り返され易くなる。よって、第3遊技状態となった場合に遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機J4において、前記第2遊技状態において、前記特定の判別結果になることとは少なくとも異なる予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、遊技状態を前記第1遊技状態に移行させる遊技状態移行手段を備え、前記第3遊技状態は、前記特典遊技が実行された場合に、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態と前記第3遊技状態とのどちらかが設定されるものであることを特徴とする遊技機J5。
遊技機J5によれば、遊技機J4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態において、特定の判別結果になることとは少なくとも異なる予め定められた特定条件が成立したことに基づいて、遊技状態移行手段により遊技状態が第1遊技状態に移行される。第3遊技状態で特典遊技が実行されると、遊技状態設定手段により第2遊技状態と第3遊技状態とのどちらかが設定される。
これにより、第3遊技状態において特定の判別結果となった場合に、第1遊技状態が設定されることが無いので、第3遊技状態が終了した後も、最低限、遊技状態移行手段により第2遊技状態から第1遊技状態に移行されるまでは遊技を継続しようと考えさせることができる。よって、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機J5において、前記遊技状態移行手段は、前記特定条件として、前記判別手段による判別で所定回数に渡って連続して前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果になったことに基づいて、前記第2遊技状態から前記第1遊技状態に移行させるものであることを特徴とする遊技機J6。
遊技機J6によれば、遊技機J5の奏する効果に加え、特定条件として、判別手段による判別で所定回数に渡って連続して特定の判別結果とは異なる外れ判別結果になったことに基づいて、遊技状態移行手段により第2遊技状態から第1遊技状態に移行されるので、外れ判別結果の連続回数に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J6において、前記遊技状態設定手段により設定される前記第2遊技状態の種別として、前記判別手段による第1回数の判別に渡って前記外れ判別結果になったことに基づいて前記遊技状態移行手段により前記第1遊技状態に移行される第1種別と、前記第1回数よりも多い第2回数の判別に渡って前記外れ判別結果になったことに基づいて前記遊技状態移行手段により前記第1遊技状態に移行される第2種別とを少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する種別決定手段を備えることを特徴とする遊技機J7。
遊技機J7によれば、遊技機J6の奏する効果に加え、遊技状態設定手段により設定される第2遊技状態の種別として、判別手段による第1回数の判別に渡って外れ判別結果になったことに基づいて遊技状態移行手段により第1遊技状態に移行される第1種別と、第1回数よりも多い第2回数の判別に渡って外れ判別結果になったことに基づいて遊技状態移行手段により第1遊技状態に移行される第2種別とを少なくとも含む複数の種別の中から、種別決定手段により1の種別が決定されるので、第2遊技状態がより多い判別に渡って継続することを期待させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機J7において、演出態様を表示可能な表示手段と、前記遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定された場合に、前記表示手段に対して第1演出態様を表示させることが可能な第1表示制御手段と、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定された場合に、前記表示手段に対して前記第1演出態様とは異なる第2演出態様を表示させることが可能な第2表示制御手段と、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されてから前記第2回数に渡って前記外れ判別結果になるまでの間、前記第1演出態様が表示されることを制限する制限手段と、を備えることを特徴とする遊技機J8。
遊技機J8によれば、遊技機J7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技状態設定手段により第1遊技状態が設定された場合に、第1表示制御手段により表示手段に対して第1演出態様が表示される。遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定された場合に、第2表示制御手段により表示手段に対して第1演出態様とは異なる第2演出態様が表示される。遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定されてから第2回数に渡って外れ判別結果になるまでの間、第1演出態様が表示されることが制限手段によって制限される。
これにより、第2遊技状態が設定されてから第1回数に渡って外れ判別結果になったとしても、第2回数までは第1演出態様が表示されることが無いので、遊技者にとって、第1種別の第2遊技状態であるのか、第2種別の第2遊技状態であるのかを識別することが困難になる。よって、第2遊技状態の種別によらず、第2回数の判別を実行させるまでは最低限遊技を継続しようと思わせることができるので、遊技機の稼働率を向上させることができるという効果がある。
遊技機J8において、前記遊技状態設定手段により前記第2遊技状態が設定されてから前記第2回数に渡って前記外れ判別結果になったことに基づいて、前記第1演出態様を表示させる第3表示制御手段を備えることを特徴とする遊技機J9。
遊技機J9によれば、遊技機J8の奏する効果に加え、遊技状態設定手段により第2遊技状態が設定されてから第2回数に渡って外れ判別結果になったことに基づいて、第3表示制御手段により第1演出演出態様が表示されるので、第1遊技状態であるか、第2遊技状態であるかが不明である期間が長くなり過ぎてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機J4からJ9のいずれかにおいて、前記第2の割合は、前記第3の割合よりも高いものであることを特徴とする遊技機J10。
遊技機J10によれば、遊技機J4からJ9の何れかが奏する効果に加え、第2の割合が、第3の割合よりも高く構成されているので、第2遊技状態で特定の判別結果になることをより強く期待させることができるという効果がある。
<特徴K群>(時短中に特2が回り難くなる構成)
所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段の可変動作を、前記第1遊技状態において、前記入球手段へと遊技球が入球し難くなる第1制御で制御し、前記第2遊技状態において、前記入球手段へと遊技球が入球し難くなる第2制御で制御し、前記第3遊技状態において、前記第1制御および前記第2制御よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなる第3制御で制御する可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機K1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態の終了を契機として、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも有利な有利遊技状態とのいずれかに設定されるものがある(例えば、特許文献1:特開2006−000392号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たり状態の終了を契機に有利遊技状態が設定されなかった場合には、遊技者の遊技に対するモチベーションを低下させてしまい、遊技を辞められ易くなってしまうという問題点があった。
特に、所謂確率変動機能を搭載せず、時短遊技状態と、通常遊技状態との2種類の遊技状態のみが設けられているタイプの遊技機において、時短遊技状態を経て通常遊技状態が設定された場合には、時短遊技状態において遊技を行うことができたことで遊技者が遊技に満足してしまい、その後の通常遊技状態で遊技を続行しようと思わせ難くなってしまう虞があった。
これに対して遊技機K1によれば、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態が遊技状態設定手段によって設定される。遊技球が入球可能な入球手段へと入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。可変手段の可変動作が、第1遊技状態において、入球手段へと遊技球が入球し難くなる第1制御で可変制御手段により制御され、第2遊技状態において、入球手段へと遊技球が入球し難くなる第2制御で可変制御手段により制御され、第3遊技状態において、入球手段へと遊技球が入球し易くなる第3制御で可変制御手段により制御される。
これにより、入球手段へと入球し難い制御が実行される第1遊技状態と、第2遊技状態とで、有利度合いを異ならせているので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機K1において、前記第2制御は、前記第1制御よりも前記可変手段が前記第1位置に配置され易くなるものであることを特徴とする遊技機K2。
遊技機2によれば、遊技機K1の奏する効果に加え、第2制御は、第1制御よりも可変手段が第1位置に配置され易くなるように構成されているので、第2制御では、第1制御よりも可変手段が第1位置に配置され易くなるにもかかわらず、第1制御と同様に入球手段へと入球し難くなるという斬新な動作を実現できるという効果がある。
遊技機K2において、遊技球が通過可能な通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する判別手段と、を備え、前記可変制御手段は、前記判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて前記可変手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変させるものであり、前記第1遊技状態は、前記判別手段による判別で第1の確率で前記特定の判別結果となるものであり、前記第2遊技状態と、前記第3遊技状態とは、前記判別手段による判別で前記第1の確率よりも高い第2の確率で前記特定の判別結果となるものであることを特徴とする遊技機K3。
遊技機K3によれば、遊技機K2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、遊技球が通過可能な通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別手段により判別が実行される。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変制御手段により可変手段が第2位置から第1位置へと所定期間可変される。第1遊技状態では、判別手段による判別で第1の確率で特定の判別結果となる一方で、第2遊技状態と第3遊技状態とでは、判別手段による判別で第1の確率よりも高い第2の確率で特定の判別結果となる。
これにより、第2遊技状態と第3遊技状態とは、特定の判別結果になる確率が共通であるにもかかわらず、入球手段への入球し易さが異なるという斬新な動作を実現できるという効果がある。
遊技機K3において、所定間隔以上の発射間隔で遊技球を発射可能な発射手段を備え、前記第2遊技状態は、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となってから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの間の期間が第1期間に設定され、前記可変手段が前記第1位置に可変されてから前記第2位置に可変されるまでの期間が第2期間に設定されるものであり、前記通過手段を遊技球が通過してから当該通過した遊技球が前記入球手段へと到達するまでの期間は、前記第1期間よりも短くなり易いものであり、1の遊技球が前記通過手段を通過してから、当該通過した遊技球の次に前記所定間隔で前記発射手段により発射された遊技球が前記可変手段に到達するまでの間の期間は、前記第1期間と前記第2期間との和よりも長くなり易いものであることを特徴とする遊技機K4。
遊技機K4によれば、遊技機K3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定間隔以上の発射間隔で発射手段により遊技球が発射される。第2遊技状態では、判別手段による判別で特定の判別結果となってから可変手段が第1位置に可変されるまでの間の期間が第1期間に設定され、可変手段が第1位置に可変されてから第2位置に可変されるまでの期間が第2期間に設定される。通過手段を遊技球が通過してから当該通過した遊技球が入球手段へと到達するまでの期間は、第1期間よりも短くなり易くなる。1の遊技球が通過手段を通過してから、当該通過した遊技球の次に所定間隔で発射手段により発射された遊技球が可変手段に到達するまでの間の期間が、第1期間と第2期間との和よりも長くなり易くなる。
これにより、第2遊技状態において通過手段に対して連続して遊技球を発射し続けたとしても、可変手段が第1位置に可変されている間に遊技球を入球手段へと到達させることを困難にできる。よって、第2遊技状態を、可変手段が第1位置に可変され易いにもかかわらず入球手段に遊技球が入球し難いという特殊な状態にすることができるという効果がある。
遊技機K4において、前記第3遊技状態は、前記判別手段による判別で前記特定の判別結果となってから前記可変手段が前記第1位置に可変されるまでの間の期間が前記第1期間よりも長い第3期間に設定され、前記可変手段が前記第1位置に可変されてから前記第2位置に可変されるまでの間の期間が前記第2期間に設定されるものであり、前記通過手段を遊技球が通過してから当該通過した遊技球が前記入球手段へと到達するまでの間の期間は、前記第3期間よりも長くなり、且つ、前記第3期間と前記第2期間との和よりも短くなり易いものであることを特徴とする遊技機K5。
遊技機K5によれば、遊技機K4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第3遊技状態では、判別手段による判別で特定の判別結果となってから可変手段が第1位置に可変されるまでの間の期間が第1期間よりも長い第3期間に設定され、可変手段が第1位置に可変されてから第2位置に可変されるまでの間の期間が第2期間に設定される。通過手段を遊技球が通過してから当該通過した遊技球が入球手段へと到達するまでの間の期間は、第3期間よりも長くなり、且つ、第3期間と第2期間との和よりも短くなり易くなる。
これにより、第3遊技状態では、通過手段を通過したことに基づいて実行される判別で特定の判別結果となった場合に、通過手段を通過した遊技球を直接入球手段へと入球させることができるので、第3遊技状態における遊技を効率よく進行させることができるという効果がある。
遊技機K1からK5のいずれかにおいて、前記入球手段とは異なり、且つ、遊技球が入球可能な第2入球手段と、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1の判別を実行する第1判別手段と、前記第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2の判別を実行する第2判別手段と、前記第1判別手段による判別、または前記第2判別手段による判別で予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備え、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において前記第2の判別で前記第1の判別結果となったことに基づいて実行された前記特典遊技の終了後の遊技状態として、第1の割合で前記第3遊技状態を設定し、前記第2遊技状態において前記第2の判別で前記第1の判別結果となったことに基づいて実行された前記特典遊技の終了後の遊技状態として、前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第3遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機K6。
遊技機K6によれば、遊技機K1からK5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第1判別手段により第1の判別が実行される。入球手段とは異なる第2入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて第2判別手段により第2の判別が実行される。第1判別手段による判別、または第2判別手段による判別で予め定められた第1の判別結果となったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。第1遊技状態において第2の判別で第1の判別結果となったことに基づいて実行された特典遊技の終了後の遊技状態として、遊技状態設定手段により第1の割合で第3遊技状態が設定される。第2遊技状態において第2の判別で第1の判別結果となったことに基づいて実行された特典遊技の終了後の遊技状態として、第1の割合よりも高い第2の割合で遊技状態設定手段により第3遊技状態が設定される。
これにより、第2遊技状態の間に特定の判別結果になって欲しいと強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機K6において、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態において前記第1の判別で前記第1の判別結果となったことに基づいて実行された前記特典遊技の終了後の遊技状態として、前記第1の割合よりも高い第3の割合で前記第3遊技状態を決定するものであることを特徴とする遊技機K7。
遊技機K7によれば、遊技機K6の奏する効果に加え、第3遊技状態において第1の判別で第1の判別結果となったことに基づいて実行された特典遊技の終了後の遊技状態として、第1の割合よりも高い第3の割合で遊技状態設定手段により第3遊技状態が決定されるので、第3遊技状態では、特典遊技の終了後が再度第3遊技状態になり易くなる。よって、第3遊技状態になった場合に遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機K7において、前記第2の割合は、前記第3の割合よりも高い割合であることを特徴とする遊技機K8。
遊技機K8によれば、遊技機K7の奏する効果に加え、第2の割合が、第3の割合よりも高い割合で構成されているので、第2遊技状態において第1の判別結果になることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴L群>(振り分け手段により2つのルートに交互に振り分けられ易くなる遊技方法と、1のルートに振り分けられ易くなる遊技方法とで遊技可能な機構)
遊技者が操作可能な操作手段と、その操作手段に対する操作内容に応じて遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記操作手段に対して第1の操作内容の操作が行われることで成立し得る第1条件が成立している間、到達した遊技球を前記第1流路と、前記第2流路とに交互に振り分け易い状態となり、前記第1の操作内容の操作とは異なる第2の操作内容の操作が行われることで成立し得る第2条件が成立している間、前記第1条件が成立している間よりも、到達した遊技球を前記第1流路に振り分け易い状態となる振分手段と、を備えることを特徴とする遊技機L1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、盤面上に設けられている2種類の流路のどちらかへと遊技球を振り分ける振分部材が設けられているものがある。係る従来型の遊技機では、振分部材に到達した遊技球を1球ずつ2種類の流路に振り分ける構成とすることで、2種類の流路にバランス良く遊技球を流下させることを可能としていた(例えば、特許文献1:特開2012−231902号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、遊技者の遊技方法によらず、振分部材に到達した遊技球が2種類の流路に交互に振り分けられてしまうため、遊技者の技量が介在する余地が無く、遊技者の遊技に対する興趣を低下させてしまう虞があった。
これに対して遊技機L1によれば、遊技者が操作可能な操作手段に対する操作内容に応じて、発射手段により遊技球が発射される。発射手段により発射された遊技球が通過可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路とが設けられている。操作手段に対して第1の操作内容の操作が行われることで成立し得る第1条件が成立している間、振分手段の状態が、到達した遊技球を第1流路と、第2流路とに交互に振り分け易い状態となる。第1の操作内容とは異なる第2の操作内容の操作が行われることで成立し得る第2条件が成立している間、振分手段の状態が、第1条件が成立している間よりも到達した遊技球が第1流路に振り分けられ易い状態となる。
これにより、遊技者の操作内容に応じて振分手段による遊技球の振り分けられ方を異ならせることができるので、操作手段の操作を工夫させることができるという効果がある。
遊技機L1において、前記第1の操作内容の操作は、実行することで前記発射手段により第1の発射間隔で遊技球が発射されるものであり、前記第2の操作内容の操作は、実行することで前記発射手段により前記第1の発射間隔よりも長い第2の発射間隔で遊技球が発射されるものであることを特徴とする遊技機L2。
遊技機L2によれば、遊技機L1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の操作内容の操作が実行されると、発射手段により第1の発射間隔で遊技球が発射される。第2の操作内容の操作が実行されると、発射手段により第1の発射間隔よりも長い第2の発射間隔で遊技球が発射される。これにより、発射間隔を異ならせるだけで、容易に振分手段による遊技球の振り分けられ方を可変させることができるので、遊技者の利便性を高めることができるという効果がある。
遊技機L2において、前記振分手段は、到達した遊技球が前記第1流路に振り分けられ易くなる第1可動範囲と、前記第2流路に振り分けられ易くなる第2可動範囲と、を少なくとも含む特定の可動範囲を可動可能に構成されているものであり、前記振分手段は、前記第1可動範囲に配置された状態で遊技球を前記第1流路に振り分けることにより、前記第2可動範囲に可動し易くなり、且つ、前記第2可動範囲に配置された状態で遊技球を前記第2流路に振り分けることにより、前記第1可動範囲に可動し易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機L3。
遊技機L3によれば、遊技機L2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、到達した遊技球が第1流路に振り分けられ易くなる第1可動範囲と、第2流路に振り分けられ易くなる第2可動範囲と、を少なくとも含む特定の可動範囲を振分手段が可動する。第1可動範囲に配置された状態で遊技球を第1流路に振り分けることにより、振分手段が第2可動範囲に可動し易くなる。また、第2可動範囲に配置された状態で遊技球を第2流路に振り分けることにより、振分手段が第1可動範囲に可動し易くなる。
これにより、遊技球が連続して振分手段に到達することで遊技球を第1流路と第2流路とに交互に振り分ける動作を実現できるという効果がある。
遊技機L3において、前記振分手段は、遊技球を前記第1流路に振り分けて前記第2可動範囲に可動した場合に、前記第2の発射間隔の長さよりも短く、且つ、前記第1の発射間隔の長さよりも長い期間で前記第1可動範囲まで可動するものであることを特徴とする遊技機L4。
遊技機L4によれば、遊技機L3の奏する効果に加え、遊技球を第1流路に振り分けて振分手段が第2可動範囲に可動した場合に、第2の発射間隔の長さよりも短く、且つ、第1の発射間隔の長さよりも長い期間で振分手段が第1可動範囲まで可動するので、第2の発射間隔以上の発射間隔で遊技球を発射し続けた場合に、振分手段の可動範囲を確実に第1可動範囲とすることができるという効果がある。
遊技機L4において、前記振分手段は、前記第1流路へと振り分けた遊技球の質量によって前記第1可動範囲から前記第2可動範囲に可動し易くなり、前記第2流路へと振り分けた遊技球の質量によって前記第2可動範囲から前記第1可動範囲に可動し易くなるものであることを特徴とする遊技機L5。
遊技機L5によれば、遊技機L4の奏する効果に加え、第1流路へと振り分けた遊技球の質量によって、振分手段が第1可動範囲から第2可動範囲に可動し易くなり、第2流路へと振り分けた遊技球の質量によって、振分手段が第2可動範囲から第1可動範囲に可動し易くなるので、振分手段を可動させるための動力源を不要とすることができるという効果がある。
遊技機L4又はL5において、前記振分手段は、前記第1可動範囲における所定位置が初期配置となるように構成され、且つ、遊技球が所定期間到達しなかった場合に前記所定位置に戻るように構成されているものであることを特徴とする遊技機L6。
遊技機L6によれば、遊技機L4又はL5の奏する効果に加え、第1可動範囲における所定位置が初期配置となるように振分手段が構成されており、且つ、遊技球が振分手段に対して所定期間到達しなかった場合に所定位置に戻るように振分手段が構成されているので、遊技球を振り分けなければ振分手段が第1可動範囲に維持される。よって、振分手段に最初に到達した遊技球を確実に第1流路に振り分けることができるという効果がある。
遊技機L1からL6のいずれかにおいて、前記第2流路に振り分けられた遊技球が通過可能な位置に設けられている通過手段と、前記第1流路を流下した遊技球と、前記第2流路を流下した遊技球とが入球可能な位置に設けられている入球手段と、前記入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記入球手段へと遊技球が入球困難になる第2位置と、に可変可能な可変手段と、前記通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて前記可変手段を所定期間、前記第2位置から前記第1位置へと可変させる可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機L7。
遊技機L7によれば、遊技機L1からL6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2流路に振り分けられた遊技球が通過可能な位置に通過手段が設けられている。第1流路を流下した遊技球と、第2流路を流下した遊技球とが入球可能な位置に入球手段が設けられている。入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも入球手段へと遊技球が入球困難になる第2位置と、に可変手段が可変可能に構成されている。通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別手段による判別が実行される。判別手段による判別で特定の判別結果となったことに基づいて、可変制御手段により可変手段が所定期間、第2位置から第1位置へと可変される。
これにより、判別手段による判別の結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機L7において、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、を備え、前記可変制御手段は、前記第1遊技状態において、前記入球手段へと遊技球が入球し難くなる第1可変態様で前記可変手段が可変するように制御し、前記第2遊技状態において、前記入球手段へと遊技球が入球し難くなる第2可変態様で前記可変手段が可変するように制御し、前記第3遊技状態において、前記第1可変態様および前記第2可変態様よりも前記入球手段へと遊技球が入球し易くなる第3可変態様で前記可変手段が可変するように制御するものであることを特徴とする遊技機L8。
遊技機L8によれば、遊技機L7の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の設定条件の成立に基づいて、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも遊技者に有利な第2遊技状態と、その第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態が遊技状態設定手段により設定される。第1遊技状態において、入球手段へと遊技球が入球し難くなる第1可変態様で可変手段が可変するように可変制御手段により制御される。第2遊技状態において、入球手段へと遊技球が入球し難くなる第2可変態様で可変手段が可変するように可変制御手段により制御される。第3遊技状態において、第1可変態様および第2可変態様よりも入球手段へと遊技球が入球し易くなる第3可変態様で可変手段が可変するように可変制御手段により制御される。
これにより、入球手段への入球し易さが異なる複数の遊技状態が設けられているので、遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機L8において、前記第1遊技状態は、前記判別手段により第1の確率で前記特定の判別結果となるものであり、前記第2遊技状態は、前記判別手段により前記第1の確率よりも高い第2の確率で前記特定の判別結果となるものであり、前記3遊技状態は、前記判別手段により前記第2の確率で前記特定の判別結果となるものであることを特徴とする遊技機L9。
遊技機L9によれば、遊技機L8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態では、判別手段により第1の確率で特定の判別結果となる。第2遊技状態では、判別手段により第1の確率よりも高い第2の確率で特定の判別結果となる。第3遊技状態では、判別手段により第2の確率で特定の判別結果となる。
これにより、第2遊技状態と第3遊技状態とでは、特定の判別結果となる確率が共通であるにもかかわらず、入球手段への入球し易さを異ならせるという斬新な動作を実現することができるという効果がある。
<特徴M群>(時短を抜けた方が有利になる)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で特定の判別結果となったことに少なくとも基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、その特典遊技実行手段による前記特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態のうち1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、その遊技状態設定手段により前記第1遊技状態が設定されている状態で、前記特典遊技の実行の終了とは少なくとも異なる特定の移行条件が成立したことに基づいて、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、を備えることを特徴とする遊技機M1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、始動入賞口への遊技球の入賞に基づいて行われる抽選の結果が当たりだった場合に、当たり状態へと移行するものがある。かかる遊技機の中には、当たり状態の終了を契機として、通常遊技状態と、通常遊技状態よりも有利な有利遊技状態とのいずれかに設定されるものがある(例えば、特許文献1:特開2006−000392号公報)。
しかしながら、上述した従来の遊技機では、当たり状態の終了を契機に通常遊技状態が設定された場合に、少なくとも次に当たり状態となるまで不利な状態が続いてしまうため、通常遊技状態となった場合に遊技者の遊技に対する興趣の向上を図ることができないという問題点があった。
また、係る従来型の遊技機の中には、通常遊技状態と有利遊技状態とに加え、通常遊技状態よりも有利で、且つ、有利遊技状態よりも不利な第3の遊技状態を設ける構成とし、当たり状態の終了後は、有利遊技状態と、第3の遊技状態とのどちらかが設定されるように構成することで、少なくとも第3の遊技状態が終了するまでは遊技を続行しようと遊技者に思わせることができるものも存在する。しかしながら、係る遊技機では、第3の遊技状態において所定回数の抽選が終了すると、第3の遊技状態から通常遊技状態へと移行してしまうのが通常であるため、通常遊技状態へと移行してしまった後は、遊技者の興趣を向上させることが困難になってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機M1によれば、判別条件の成立に基づいて実行される判別手段による判別で特定の判別結果となったことに少なくとも基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行される。特典遊技実行手段による特典遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態よりも有利な第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態のうち1の遊技状態が遊技状態設定手段により設定される。遊技状態設定手段により第1遊技状態が設定されている状態で、特典遊技の実行の終了とは少なくとも異なる特定の移行条件が成立したことに基づいて、第1遊技状態から第2遊技状態へと遊技状態移行手段により移行される。
これにより、第1遊技状態において特定の移行条件が成立することを期待して遊技を行わせることができるので、第1遊技状態における遊技が単調となってしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機M1において、前記特定の移行条件は、前記第1遊技状態に設定されてから実行された前記判別手段による判別で、予め定められた特定回数、前記特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合に成立するものであることを特徴とする遊技機M2。
遊技機M2によれば、遊技機M1の奏する効果に加え、第1遊技状態に設定されてから実行された判別手段による判別で、予め定められた特定回数、特定の判別結果とは異なる外れ判別結果となった場合に特定の移行条件が成立するので、第1遊技状態においては、判別手段による判別が実行される毎に、外れ判別結果になることを期待させるという斬新な遊技性を実現できるという効果がある。
遊技機M1又はM2において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも前記入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記第1遊技状態において、前記可変手段が前記第1位置に可変され易くなる第1可変制御を実行し、前記第2遊技状態において、前記第1遊技状態よりも前記可変手段が前記第1位置に可変され難い第2可変制御を実行する可変制御実行手段と、を備え、前記判別条件は、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて成立するものであることを特徴とする遊技機M3。
遊技機M3によれば、遊技機M1又はM2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、その第1位置よりも入球手段へと遊技球が入球困難となる第2位置とに可変手段が可変する。第1遊技状態において、可変手段が第1位置に可変され易くなる第1可変制御が可変制御実行手段により実行され、第2遊技状態において、第1遊技状態よりも可変手段が第1位置に可変され難い第2可変制御が可変制御実行手段により実行される。入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別条件が成立する。
これにより、可変手段が第1位置に可変されることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機M3において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第2遊技状態よりも有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態のうち1の遊技状態を設定するものであり、前記可変制御実行手段は、前記第3遊技状態において、前記第1可変制御及び前記第2可変制御よりも遊技球が前記入球手段に入球し易くなる第3可変制御を実行するものであることを特徴とする遊技機M4。
遊技機M4によれば、遊技機M3の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態と、第2遊技状態と、第2遊技状態よりも有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数の遊技状態のうち1の遊技状態が遊技状態設定手段により設定される。第3遊技状態において、第1可変制御及び第2可変制御よりも遊技球が入球手段に入球し易くなる第3可変制御が可変制御実行手段によって実行される。
これにより、第3遊技状態では、判別手段による判別が実行され易くなるので、効率的に遊技を行うことができる。よって、第3遊技状態になることを期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機M4において、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において前記特定の判別結果となった場合に、前記特典遊技が終了した後の遊技状態として第1の割合で前記第3遊技状態を設定し、前記第2遊技状態において前記特定の判別結果となった場合に、前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第3遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機M5。
遊技機M5によれば、遊技機M4の奏する効果に加え、第1遊技状態において特定の判別結果となった場合に、特典遊技が終了した後の遊技状態として遊技状態設定手段により第1の割合で第3遊技状態が設定される一方、第2遊技状態において特定の判別結果となった場合に、第1の割合よりも高い第2の割合で第3遊技状態が設定されるので、第2遊技状態で特定の判別結果になった方が、特典遊技の終了後の遊技状態として第3遊技状態が設定され易くなる。よって、第1遊技状態において、特定の判別結果になるよりも、特定の移行条件が成立することを期待して遊技を行うという斬新な遊技性を実現できるという効果がある。
遊技機M5において、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態において実行された前記特典遊技の終了後の遊技状態として前記第1の割合よりも高い第3の割合で前記第3遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機M6。
遊技機M6によれば、遊技機M5の奏する効果に加え、第3遊技状態において実行された特典遊技の終了後の遊技状態として第1の割合よりも高い第3の割合で遊技状態設定手段により第3遊技状態が設定されるので、第3遊技状態では、特典遊技の終了後に再度、第3遊技状態となり易くなる。よって、第3遊技状態になることで遊技者に対して大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機M1からM6のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な入球領域と、その入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記特典遊技を実行する第2特典遊技実行手段と、を備えるものであることを特徴とする遊技機M7。
遊技機M7によれば、遊技機M1からM6のいずれかが奏する効果に加え、入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて第2特典遊技実行手段により特典遊技が実行されるので、入球領域へと遊技球が入球するか否かに注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴N群>(時短中に当選すると、小当たり終了後が不利になり易い小当たり)
判別条件の成立に基づいて判別を実行する判別手段と、その判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な第1有利遊技を実行する第1有利遊技実行手段と、その第1有利遊技実行手段により実行される前記第1有利遊技の種別として、第1種別と、その第1種別とは異なる第2種別と、を少なくとも含む複数の種別の中から1の種別を決定する種別決定手段と、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて前記第1有利遊技よりも遊技者に有利な第2有利遊技を実行する第2有利遊技実行手段と、その第2有利遊技実行手段による前記第2有利遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定する遊技状態設定手段と、前記第1遊技状態において実行された前記判別手段による判別で前記第2の判別結果以外の判別結果となった場合に、予め定められた特定条件が成立していれば、前記第1遊技状態を終了させる遊技状態終了手段と、を備え、前記特定条件は、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果となり、且つ、前記種別決定手段により前記第1種別が決定された場合よりも、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果となり、且つ、前記種別決定手段により前記第2種別が決定された場合の方が成立し易く構成されているものであることを特徴とする遊技機N1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、電動役物が開放(または可動)されることにより入球可能となる入球口を有し、その入球口へ遊技球が入球することに基づいて実行される特定の遊技(小当たり遊技等)中に開放されるV入賞装置の内部へと入球した遊技球が、V入賞装置内に設けられている特定領域(入賞スイッチ等)を通過することによって遊技者に有利となる特典遊技(大当たり遊技等)を付与可能にするパチンコ機が提案されている(例えば、特許文献1:特開2011−010741号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、小当たり遊技が実行されたとしても、V入賞装置の内部へと遊技球を入球させることができなければ特典遊技が実行されないため、V入賞装置に遊技球を入球させることができなかった場合に、遊技者の遊技に対する興趣を損ねてしまう虞があった。
これに対して遊技機N1によれば、判別条件の成立に基づいて実行される判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて遊技者に有利な第1有利遊技が第1有利遊技実行手段によって実行される。第1有利遊技実行手段により実行される第1有利遊技の種別として、第1種別と、その第1種別とは異なる第2種別と、を少なくとも含む複数の種別の中から種別決定手段により1の種別が決定される。判別手段による判別で第1の判別結果とは異なる第2の判別結果となったことに基づいて第2有利遊技実行手段により第1有利遊技よりも遊技者に有利な第2有利遊技が実行される。第2有利遊技実行手段による第2有利遊技の実行が終了した後の遊技状態として、第1遊技状態と、その第1遊技状態とは異なる第2遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。第1遊技状態において実行された判別手段による判別で第2の判別結果以外の判別結果となった場合に、予め定められた特定条件が成立していれば、第1遊技状態が遊技状態終了手段によって終了される。判別手段による判別で第1の判別結果となり、且つ、種別決定手段により第1種別が決定された場合よりも、判別手段による判別で第1の判別結果となり、且つ、種別決定手段により第2種別が決定された場合の方が、特定条件が成立し易く構成されている。
これにより、第1の判別結果となった場合に、第1種別が決定されることに期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機N1において、前記第2遊技状態は、前記第1遊技状態よりも遊技者に有利なものであり、前記遊技状態終了手段は、前記特定条件が成立していれば、前記第1遊技状態から前記第2遊技状態に移行させるものであることを特徴とする遊技機N2。
遊技機N2によれば、遊技機N1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第2遊技状態は、第1遊技状態よりも遊技者に有利となるように構成されている。特定条件が成立していれば、遊技状態終了手段により第1遊技状態から第2遊技状態へと移行される。
これにより、特定条件が成立することを期待して第1遊技状態における遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機N1又はN2において、前記第1有利遊技が実行されたことに基づいて遊技球が入球可能となる入球領域を備え、前記第2有利遊技実行手段は、前記入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記第2有利遊技を実行するものであり、前記遊技状態終了手段は、1の前記第1遊技状態において前記第1種別の前記第1有利遊技が第1回数実行されたことに基づいて前記第1遊技状態を終了させ、1の前記第1遊技状態において前記第2種別の前記第1有利遊技が前記第1回数よりも少ない第2回数実行されたことに基づいて前記第1遊技状態を終了させるものであることを特徴とする遊技機N3。
遊技機N3によれば、遊技機N1又はN2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1有利遊技が実行されたことに基づいて入球可能となる入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて、第2有利遊技実行手段により第2有利遊技が実行される。1の第1遊技状態において第1種別の第1有利遊技が第1回数実行されたことに基づいて遊技状態終了手段により第1遊技状態が終了される一方で、1の第1遊技状態において第2種別の第1有利遊技が第1回数よりも少ない第2回数実行されたことに基づいて遊技状態終了手段により第1遊技状態が終了される。
これにより、第1有利遊技の実行中に、遊技球を入球領域へと入球させて第2有利遊技を実行させるか、入球領域へと入球させずに特定条件が成立することを期待するかを選択させる遊技性を実現できるという効果がある。
遊技機N3において、前記遊技状態設定手段は、前記第2種別の前記第1有利遊技の実行中に前記入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記第2有利遊技が実行された場合に、当該第2有利遊技の終了後の遊技状態として、前記第1遊技状態を決定するものであることを特徴とする遊技機N4。
遊技機N4によれば、遊技機N3の奏する効果に加え、第2種別の第1有利遊技の実行中に入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて第2有利遊技が実行された場合に、第2有利遊技の終了後の遊技状態として、遊技状態設定手段により第1遊技状態が設定されるので、第1有利遊技が第1種別であるか、第2種別であるかをより真剣に予測して、遊技球を入球領域へと入球させて第2有利遊技を実行させるか、入球領域へと入球させずに特定条件が成立することを期待するかを選択させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機N4において、前記遊技状態設定手段は、前記第1種別の前記第1有利遊技の実行中に前記入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて前記第2有利遊技が実行された場合に、当該第2有利遊技の終了後の遊技状態として、前記第2遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機N5。
遊技機N5によれば、遊技機N4の奏する効果に加え、第1種別の第1有利遊技の実行中に入球領域へと遊技球が入球したことに基づいて第2有利遊技が実行された場合に、遊技状態設定手段により第2有利遊技の終了後の遊技状態として第2遊技状態が設定されるので、第1有利遊技が第1種別であれば、入球領域へと入球させないことで特定条件が成立して第2遊技状態へと移行する可能性がある一方で、第2種別であれば、入球領域へと入球させることで第2有利遊技が実行され、更に第2遊技状態へと移行する。よって、第1有利遊技の種別をより真剣に予測させることができるという効果がある。
遊技機N5において、前記判別手段による判別で前記第1の判別結果となったことに基づいて、前記種別決定手段により決定された前記第1有利遊技の種別によらず、共通の特定演出を実行する特定演出実行手段を備えることを特徴とする遊技機N6。
遊技機N6によれば、遊技機N5の奏する効果に加え、判別手段による判別で第1の判別結果となったことに基づいて、種別決定手段により決定された第1有利遊技の種別によらず、特定演出実行手段により共通の特定演出が実行されるので、演出から第1種別であるか、第2種別であるかを区別することが困難になる。よって、第1種別であるか、第2種別であるかをより真剣に予測させることができるという効果がある。
遊技機N1からN6のいずれかにおいて、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態と、前記第2遊技状態と、前記第1遊技状態および前記第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から1の遊技状態を設定するものであり、前記遊技状態設定手段は、前記第1遊技状態において実行された前記第2有利遊技が終了した後の遊技状態として、第1の割合で前記第3遊技状態を設定し、前記第2遊技状態において実行された前記第2有利遊技が終了した後の遊技状態として、前記第1の割合よりも高い第2の割合で前記第3遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機N7。
遊技機N7によれば、遊技機N1からN6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1遊技状態と、第2遊技状態と、第1遊技状態および第2遊技状態よりも遊技者に有利な第3遊技状態と、を少なくとも含む複数の中から遊技状態設定手段により1の遊技状態が設定される。第1遊技状態において実行された第2有利遊技が終了した後の遊技状態として、遊技状態設定手段により第1の割合で第3遊技状態が設定される一方で、第2遊技状態において実行された第2有利遊技が終了した後の遊技状態として、遊技状態設定手段により第1の割合よりも高い第2の割合で第3遊技状態が設定される。
これにより、第2遊技状態において第2有利遊技が実行されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機N7において、前記遊技状態設定手段は、前記第3遊技状態において実行された前記第2有利遊技が終了した後の遊技状態として、前記第1の割合よりも高い第3の割合で前記第3遊技状態を設定するものであることを特徴とする遊技機N8。
遊技機N8によれば、遊技機N7の奏する効果に加え、第3遊技状態において実行された第2有利遊技が終了した後の遊技状態として、遊技状態設定手段により第1の割合よりも高い第3の割合で第3遊技状態が設定されるので、第3遊技状態になると、第2有利遊技と第3遊技状態とが繰り返され易くなる。よって、第3遊技状態となった場合に遊技者に対してより大きな満足感を抱かせることができるという効果がある。
遊技機N8において、前記第2の割合は前記第3の割合よりも高いものであることを特徴とする遊技機N9。
遊技機N9によれば、遊技機N8の奏する効果に加え、第2の割合歯第3の割合よりも高い割合で構成されているので、第2遊技状態になった場合に、第2有利遊技が実行されることをより強く期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
<特徴O群>(複数の流路のいずれかに遊技球を振り分ける振分部材が、時間経過で初期位置に戻る)
第1可動範囲と、第2可動範囲とを少なくとも含む可動範囲を可動可能に構成され、到達した遊技球を複数の流路のうち1の流路に振り分ける振分手段と、その振分手段が前記第1可動範囲に配置されている間に前記振分手段に到達した遊技球が振り分けられ易くなる第1流路と、前記振分手段が前記第2可動範囲に配置されている間に前記振分手段に到達した遊技球が振り分けられ易くなる第2流路と、を備え、前記第1可動範囲は、前記振分手段の初期配置である特定可動位置を少なくとも含む可動範囲であることを特徴とする遊技機O1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、盤面上に設けられている2種類の流路のどちらかへと遊技球を振り分ける振分部材が設けられているものがある。係る従来型の遊技機では、振分部材に到達した遊技球を1球ずつ2種類の流路に振り分ける構成とすることで、2種類の流路にバランス良く遊技球を流下させることを可能としていた(例えば、特許文献1:特開2012−231902号公報)。
また、係る従来型の遊技機においては、振分手段により振り分けられる流路の種別に応じて有利度合いを異ならせるものも存在し、不利な流路と有利な流路とにバランス良く遊技球を流下させる構成としているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、基本的に、遊技球が通過しない限り振分手段により振分可能となる流路が切り替わらないので、直前の遊技者が遊技を辞めるタイミングによって、次に遊技を開始する遊技者が、不利な流路に遊技球を振り分ける状態から遊技を開始しなければならないのか、有利な流路に遊技球を振り分ける状態から遊技を開始できるのかが異なってしまい、遊技者間での公平性が担保できなくなってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機O1によれば、第1可動範囲と、第2可動範囲とを少なくとも含む可動範囲を可動可能に構成された振分手段により、到達した遊技球が複数の流路のうち1の流路に振り分けられる。振分手段が第1可動範囲に配置されている間に振分手段に到達した遊技球が振り分けられ易くなる位置に第1流路が設けられており、振分手段が第2可動範囲に配置されている間に振分手段に到達した遊技球が振り分けられ易くなる位置に第2流路が設けられている。第1可動範囲は、振分手段の初期配置である特定可動位置を少なくとも含む可動範囲で構成されている。
これにより、振分手段の配置に応じて振り分けられる流路が可変するので、振分手段の配置により注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O1において、前記振分手段は、前記第1可動範囲に配置されている状態で遊技球を前記第1流路へと振り分けることで前記第2可動範囲に可動し易く構成され、且つ、前記第2可動範囲に配置されている状態で遊技球を前記第2流路へと振り分けることで前記第1可動範囲に可動し易く構成されているものであることを特徴とする遊技機O2。
遊技機O2によれば、遊技機O1の奏する効果に加え、第1可動範囲に配置されている状態で遊技球を第1流路へと振り分けることで振分手段が第2可動範囲に可動する一方で、第2可動範囲に配置されている状態で遊技球を第2流路へと振り分けることで振分手段が第1可動範囲に可動するので、振分手段を可動させるための駆動源を省略することができる。よって、部品点数の削減により遊技機の原価を低減することができるという効果がある。
遊技機O2において、前記振分手段は、前記第2可動範囲に可動してから遊技球が到達せずに所定期間以上経過した場合に、前記特定可動位置に配置され易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機O3。
遊技機O3によれば、遊技機O2の奏する効果に加え、振分手段が第2可動範囲に可動してから遊技球が到達せずに所定期間以上経過した場合に、特定位置に配置され易くなるように構成されているので、他の遊技者が遊技を辞めてから所定期間以上経過してさえいれば、次の遊技者が遊技を開始するタイミングによらず、初期配置の状態から遊技を開始させることができる。よって、遊技者間の公平性を担保することができるという効果がある。
遊技機O3において、前記振分手段は、前記第2可動範囲に可動してから遊技球が到達せずに所定期間以上経過した場合に、前記特定可動位置で静止するように構成されているものであることを特徴とする遊技機O4。
遊技機O4によれば、遊技機O3の奏する効果に加え、振分手段が第2可動範囲に稼動してから遊技球が到達せずに所定期間以上経過した場合に、特定可動位置で静止するように構成されているので、遊技者間の公平性をより担保し易くできるという効果がある。
遊技機O4において、前記振分手段は、遊技機に対して電源が投入されているか否かとは少なくとも無関係に、前記第2可動範囲に可動してから遊技球が到達せずに所定期間以上経過した場合に、前記特定可動位置で静止するように構成されているものであることを特徴とする遊技機O5。
遊技機O5によれば、遊技機O4の奏する効果に加え、遊技機に電源が投入されているか否かとは少なくとも無関係に、振分手段が第2可動範囲に可動してから遊技球が到達せずに所定期間以上経過した場合に、特定可動位置で静止するように構成されているので、何らの動力源や電気的制御も要さずに特定可動位置へと戻すことができる。よって、遊技機の部品点数を削減することができるので、原価率を低減することができるという効果がある。
遊技機O3からO5のいずれかにおいて、前記振分手段は、遊技球をいずれかの流路へと振り分けた場合に、前記所定期間が経過するまでの間、前記第1可動範囲と前記第2可動範囲とに交互に可動するように構成されているものであることを特徴とする遊技機O6。
遊技機O6によれば、遊技機O3からO5のいずれかが奏する効果に加え、遊技球をいずれかの流路へと振り分けた場合に、所定期間が経過するまでの間、振分手段が第1可動範囲と第2可動範囲とを交互に可動するように構成されているので、1の遊技球を振り分けさせた後で、遊技者の好みの流路に対応する可動範囲に可動したタイミングを狙って遊技球を到達させることにより所望の流路に遊技球を流下させることができる遊技性を実現できる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O1からO6のいずれかにおいて、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難になる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記第2流路に設けられ、遊技球が通過可能に構成されている通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、その通過判別手段による判別で第1の判別結果になったことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変させる可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機O7。
遊技機O7によれば、遊技機O1からO6のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、入球手段へと入球困難になる第2位置とに可変手段が可変する。第2流路に対して、遊技球が通過可能な通過手段が設けられている。通過手段を遊技球が通過したことに基づいて通過判別手段により判別が実行され、通過判別手段による判別で第1の判別結果になったことに基づいて、可変手段が可変手段によって第2位置から第1位置へと所定期間可変される。
これにより、通過判別手段による判別の結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O7において、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する入球判別手段と、その入球判別手段による判別で特定の判別結果になったことに基づいて遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機O8。
遊技機O8によれば、遊技機O7の奏する効果に加え、遊技球が入球手段へと入球したことに基づいて実行される入球判別手段による判別で特定の判別結果になったことに基づいて、特典遊技実行手段により遊技者に有利な特典遊技が実行されるので、入球判別手段による判別結果に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O7又はO8において、前記入球手段は、前記第1流路を流下した遊技球と、前記第2流路を流下した遊技球とが入球可能な位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機O9。
遊技機O9によれば、遊技機O7又はO8の奏する効果に加え、第1流路を流下した遊技球と、第2流路を流下した遊技球とが入球可能な位置に入球手段が設けられているので、入球手段へと遊技球を入球させ易くすることができるという効果がある。
遊技機O1からO9のいずれかにおいて、前記振分手段は、第1の間隔で連続して遊技球が到達した場合に、到達した遊技球を前記第1流路と、前記第2流路とに交互に振り分けるものであり、前記第1の間隔よりも長い第2の間隔で連続して遊技球が到達した場合に、前記第1の間隔で連続して遊技球が到達した場合よりも、前記第1流路へと遊技球を振り分け易くなるものであることを特徴とする遊技機O10。
遊技機O10によれば、遊技機O1からO9のいずれかが奏する効果に加え、第1の間隔で連続して遊技球が振分手段に到達した場合に、到達した遊技球が第1流路と第2流路とに交互に振り分けられる一方で、第1の間隔よりも長い第2の間隔で連続して遊技球が振分手段に到達した場合に、第1の間隔で連続して遊技球が到達した場合よりも、第1流路へと遊技球が振り分けられ易くなるので、遊技球の発射間隔を異ならせることにより遊技球の振り分けられ方を異ならせることができる。よって、発射間隔を工夫して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機O10において、前記第1の間隔以下の間隔で到達した遊技球を、前記振分手段に対して前記第1の間隔で1個ずつ到達させる間隔制御手段を備えることを特徴とする遊技機O11。
遊技機O11によれば、遊技機O9の奏する効果に加え、第1の間隔以下の間隔で感覚制御手段に到達した遊技球が、振分手段に対して第1の間隔で1個ずつ到達するように整流されるので、遊技者の利便性を高めることができるという効果がある。
<特徴P群>(有利ルートに振り分けられる状態と、不利ルートに振り分けられる状態とが時間の経過で切り替わる)
遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により特定方向に発射された遊技球が流下可能な第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、前記特定方向に発射された遊技球が流下可能な位置に設けられ、流下した遊技球が前記第2流路よりも前記第1流路へと流入し易くなる第1状態と、前記第1流路よりも前記第2流路へと流入し易くなる第2状態と、を少なくとも含む複数の状態に可変可能に構成されている特定流路と、予め定められた特定の可変条件が成立したことに基づいて、前記複数の状態を特定の順序で切り替える状態切替手段と、を備えることを特徴とする遊技機P1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、盤面上に設けられている2種類の流路のどちらかへと遊技球を振り分ける振分部材が設けられているものがある。係る従来型の遊技機では、振分部材に到達した遊技球を1球ずつ2種類の流路に振り分ける構成とすることで、2種類の流路にバランス良く遊技球を流下させることを可能としていた(例えば、特許文献1:特開2012−231902号公報)。
また、係る従来型の遊技機においては、振分手段により振り分けられる流路の種別に応じて有利度合いを異ならせるものも存在し、不利な流路と有利な流路とにバランス良く遊技球を流下させる構成としているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、基本的に、遊技球が通過しない限り振分手段により振分可能となる流路が切り替わらないので、遊技者が流路を選択する余地が無く、遊技者の興趣を向上させ難いという問題点があった。
これに対して遊技機P1によれば、発射手段により特定方向に発射された遊技球が流下可能な位置に第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路とが設けられている。流下した遊技球が第2流路よりも第1流路へと流入し易くなる第1状態と、第1流路よりも第2流路へと流入し易くなる第2状態と、を少なくとも含む複数の状態に可変可能に構成されている特定流路が、特定方向に発射された遊技球が流下可能な位置に設けられている。予め定められた特定の可変条件が成立したことに基づいて、状態切替手段により複数の状態が特定の順序で切り替えられる。
これにより、特定の可変条件が成立した場合に、特定流路の状態に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P1において、前記特定の順序は、順序の最後が前記第1状態となるように構成されているものであることを特徴とする遊技機P2。
遊技機P2によれば、特定の順序の最後が第1状態となるように構成されているので、第1流路へと遊技球を流下させたいと考える遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機P1又はP2において、前記状態切替手段は、前記第1状態の前記特定流路を遊技球が流下したことに基づいて、第1の順序で前記特定流路の状態を切り替えるものであり、前記第2状態の前記特定流路を遊技球が流下したことに基づいて、前記第1の順序とは異なる第2の順序で前記特定流路の状態を切り替えるものであることを特徴とする遊技機P3。
遊技機P3によれば、遊技機P1又はP2の奏する効果に加え、第1状態の特定流路を遊技球が流下したことに基づいて、状態切替手段により第1の順序で特定流路の状態が切り替えられる一方で、第2状態の特定流路を遊技球が流下したことに基づいて、第1の順序とは異なる第2の順序で特定流路の状態が切り替えられる。
これにより、第1状態で遊技球が流下するか、第2状態で遊技球が流下するかによって特定流路の状態の切り替わり方が変わるので、特定流路の状態の切り替わりにより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機P1からP3のいずれかにおいて、前記状態切替手段は、前記第1状態と前記第2状態とを交互に切り替えるものであることを特徴とする遊技機P4。
遊技機P4によれば、遊技機P1からP3のいずれかが奏する効果に加え、第1状態と第2状態とが状態切替手段によって交互に切り替えられるので、状態の切り替わり方を遊技者に容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機P1からP4のいずれかにおいて、前記状態切替手段は、遊技機に対して電源が投入されているか否かとは少なくとも無関係に、前記特定の可変条件が成立したことに基づいて、前記複数の状態を特定の順序で切り替えるものであることを特徴とする遊技機P5。
遊技機P5によれば、遊技機P1からP4のいずれかが奏する効果に加え、遊技機に対して電源が投入されているか否かとは少なくとも無関係に、特定の可変条件が成立したことに基づいて、状態切替手段により複数の状態が特定の順序で切り替えられるので、駆動源等を用いずに特定流路の状態を可変させることができる。よって、遊技機の原価を低減することができるという効果がある。
遊技機P1からP5のいずれかにおいて、前記状態切替手段は、前記特定の可変条件が成立したことに基づいて第1可動範囲と、その第1可動範囲とは異なる第2可動範囲と、を周期的に可動する可動部材で構成されているものであり、前記可動部材は、前記第1可動範囲に含まれる第3可動範囲内に配置されている状態で前記可動部材に到達した遊技球を前記第1流路へと振り分け易くなり、前記第2可動範囲に含まれる第4可動範囲内に配置されている状態で前記可動部材に到達した遊技球を前記第2流路へと振り分け易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機P6。
遊技機P6によれば、遊技機P1からP5のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、状態切替手段が、特定の可変条件が成立したことに基づいて第1可動範囲と、その第1可動範囲とは異なる第2可動範囲と、を周期的に可動する可動部材で構成されている。第1可動範囲に含まれる第3可動範囲内に配置されている状態で可動部材に到達した遊技球が、可動部材により第1流路へと振り分けられ易くなる一方で、第2可動範囲に含まれる第4可動範囲内に配置されている状態で可動部材に到達した遊技球が可動部材により第2流路へと振り分けられ易くなるように構成されている。
これにより、可動部材の動作内容を視認することにより、いずれの流路へと振り分けられるかを遊技者に容易に理解させることができるという効果がある。
遊技機P6において、前記第2可動範囲は、前記第4可動範囲と、その第4可動範囲と重複しない第5可動範囲と、が少なくとも含まれているものであり、前記可動部材は、前記第5可動範囲内に配置されている状態で前記可動部材に到達した遊技球を前記第1流路へと振り分け易くなるように構成されているものであることを特徴とする遊技機P7。
遊技機P7によれば、遊技機P6の奏する効果に加え、第2可動範囲には、第4可動範囲と、その第4可動範囲と重複しない第5可動範囲と、が少なくとも含まれている。振分部材が第5可動範囲内に配置されている状態で可動部材に到達した遊技球が第1流路へと振り分けられ易くなるように構成されている。
これにより、第2可動範囲を可動している場合には、第1流路にも、第2流路にも振り分けられ得るので、遊技球がいずれの流路に振り分けられるかにより注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機P7において、前記第3可動範囲は、前記第1可動範囲と一致する可動範囲で構成されているものであることを特徴とする遊技機P8。
遊技機P8によれば、遊技機P7の奏する効果に加え、第3可動範囲は、第1可動範囲と一致する可動範囲で構成されているので、第1可動範囲を可動している場合に、振り分けられる流路を遊技者に容易に認識させることができるという効果がある。
遊技機P1からP8のいずれかにおいて、前記第2流路は、前記第1流路よりも遊技球が流下した場合に遊技者に有利となり易いものであることを特徴とする遊技機P9。
遊技機P9によれば、遊技機P1からP8のいずれかが奏する効果に加え、第1流路よりも第2流路を流下した方が遊技者に有利となり易いので、第2流路へと遊技球が流下することに期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機P9において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難になる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記第2流路に設けられ、遊技球が通過可能に構成されている通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、その通過判別手段による判別で第1の判別結果になったことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変させる可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機P10。
遊技機P10によれば、遊技機P9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、入球手段へと遊技球が入球困難になる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。第2流路には、遊技球が通過可能に構成されている通過手段が設けられている。通過手段を遊技球が通過したことに基づいて、通過判別手段により判別が実行され、その通過判別手段による判別で第1の判別結果になったことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと可変制御手段により所定期間可変される。
これにより、通過判別手段による判別の結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機P10において、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する入球判別手段と、その入球判別手段による判別で第2の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機P11。
遊技機P11によれば、遊技機P10の奏する効果に加え、入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて入球判別手段により判別が実行される。入球判別手段による判別で第2の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。
これにより、入球判別手段による判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴Q群>(振分部材とは別に、直接有利ルートを狙えるルートが設けられている)
第1の発射強度と、その第1の発射強度とは異なる第2の発射強度とで少なくとも遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により前記第1の発射強度で発射された遊技球が到達可能な位置に設けられ、遊技球を第1流路と、その第1流路とは異なる第2流路と、を少なくとも含む複数の流路のうちいずれか1の流路に振り分ける振分手段と、前記第2の発射強度で発射された遊技球が流下可能に構成され、流下した遊技球が前記第2流路へと流入し得る第3流路と、を備え、前記第1の発射強度で発射された遊技球が前記振分手段に到達する割合は、前記第2の発射強度で発射された遊技球が前記第2流路へと流入する割合よりも高くなり易いものであることを特徴とする遊技機Q1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、盤面上に設けられている2種類の流路のどちらかへと遊技球を振り分ける振分部材が設けられているものがある。係る従来型の遊技機では、振分部材に到達した遊技球を1球ずつ2種類の流路に振り分ける構成とすることで、2種類の流路にバランス良く遊技球を流下させることを可能としていた(例えば、特許文献1:特開2012−231902号公報)。
また、係る従来型の遊技機においては、振分手段により振り分けられる流路の種別に応じて有利度合いを異ならせるものも存在し、不利な流路と有利な流路とにバランス良く遊技球を流下させる構成としているものも存在する。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、振分部材を介さなければ2種類の流路のどちらにも遊技球を流下させることができない構成としていたので、遊技方法の自由度が低く、遊技者の興趣を向上させ難くなってしまうという問題点があった。
これに対して遊技機Q1によれば、第1の発射強度と、その第1の発射強度とは異なる第2の発射強度とで少なくとも遊技球を発射可能に発射手段が構成されている。発射手段により第1の発射強度で発射された遊技球が到達可能な位置に、第1流路と、第2流路とを少なくとも含む複数の流路のうちいずれか1の流路へと遊技球を振り分ける振分手段が設けられている。第2の発射強度で発射された遊技球が流下可能な位置に、流下した遊技球が遊技球を第2流路へと流入し得る第3流路が設けられている。第1の発射強度で発射された遊技球が振分手段に到達する割合は、第2の発射強度で発射された遊技球が第2流路へと流入する割合よりも高くなり易く構成されている。
これにより、遊技球を第1の発射強度で発射するか、第2の発射強度で発射するかを選択させる遊技性を提供することができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q1において、前記振分手段は、少なくとも特定間隔で到達した遊技球を前記第1流路と、前記第2流路とに交互に振り分けるものであり、
前記特定間隔で前記振分手段に到達可能となる発射間隔で発射された遊技球が前記第2流路に振り分けられる割合は、前記第2の発射強度で発射された遊技球が前記第2流路へと流入する割合よりも高くなり易いものであることを特徴とする遊技機Q2。
遊技機Q2によれば、遊技機Q1の奏する効果に加え、少なくとも特定間隔で振分手段に到達した遊技球が、第1流路と、第2流路とに交互に振り分けられるように振分手段が構成されている。特定間隔で振分手段に到達可能となる発射間隔で発射された遊技球が第2流路に振り分けられる割合は、第2の発射強度で発射された遊技球が第2流路へと流入する割合よりも高くなり易く構成されている。
これにより、遊技球を振分手段に特定間隔で到達させることができれば、第2の発射強度で遊技球を発射するよりも第2流路へと流入させ易くなるので、発射間隔を調節することに自信がある遊技者に対して、第1の発射強度で遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機Q1又はQ2において、前記第3流路に設けられ、遊技球の進行方向を、前記第2流路へと流入し得る特定進行方向を少なくとも含む複数の進行方向のうちいずれかに可変させることが可能な進行方向可変手段を備えることを特徴とする遊技機Q3。
遊技機Q3によれば、遊技機Q1又はQ2の奏する効果に加え、第3流路には、遊技球の進行方向を、第2流路へと流入し得る特定進行方向を少なくとも含む複数の進行方向のうちいずれかに可変させることが可能な進行方向可変手段が設けられているので、進行方向可変手段により可変される進行方向に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機Q3において、前記進行方向可変手段は、前記第1の発射強度で発射され、且つ、前記振分手段に到達しなかった遊技球の少なくとも一部が到達可能な位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機Q4。
遊技機Q4によれば、遊技機Q3の奏する効果に加え、第1の発射強度で発射され、且つ、振分手段に到達しなかった遊技球の少なくとも一部が到達可能な位置に進行方向可変手段が設けられているので、第2流路へと遊技球を流下させたいと考える遊技者に対して、第1の発射強度で遊技球を発射させることができるという効果がある。
遊技機Q4において、前記第1の発射強度で発射された遊技球が到達可能な位置に設けられ、到達した遊技球を前記振分手段へと流下させる第1位置と、その第1位置よりも前記振分手段へ遊技球が流下し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと特定期間の間可変させる可変制御手段と、を備え、前記特定期間は、最大で特定個数の遊技球を前記振分手段へと流下させることが可能となる長さの期間で構成されているものであり、前記進行方向可変手段は、前記第2位置に可変している前記可変手段へと到達した遊技球が流下し得る位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機Q5。
遊技機Q5によれば、遊技機Q4の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、第1の発射強度で発射された遊技球が到達可能な位置に、到達した遊技球を振分手段へと流下させる第1位置と、その第1位置よりも振分手段へ遊技球が流下し難くなる第2位置とに可変可能に構成された可変手段が設けられている。可変手段が、可変制御手段により第2位置から第1位置へと特定期間の間可変される。特定期間の長さは、最大で特定個数の遊技球を振分手段へと流下させることが可能となる長さで構成されている。第2位置に可変している可変手段へと到達した遊技球が流下し得る位置に進行方向可変手段が設けられている。
これにより、遊技球を第1の発射強度で発射することにより無駄球を少なくすることができるという効果がある。
遊技機Q5において、前記振分手段は、少なくとも特定間隔で到達した遊技球を前記第1流路と、前記第2流路とに交互に振り分けるものであり、前記可変制御手段は、前記可変手段が前記特定間隔で前記特定期間、前記第1位置に可変するように制御するものであることを特徴とする遊技機Q6。
遊技機Q6によれば、遊技機Q5の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、少なくとも特定間隔で振分手段に到達した遊技球が、第1流路と第2流路とに交互に振り分けられるように振分手段が構成されている。可変手段が特定間隔で特定期間、第1位置に可変するように可変制御手段によって制御される。
これにより、特定間隔以下の発射間隔で可変手段へと遊技球を到達させることで、振分手段に対して特定間隔で遊技球を到達させることができるという効果がある。
遊技機Q5又はQ6において、前記特定個数は1個であることを特徴とする遊技機Q7。
遊技機Q7によれば、遊技機Q5又はQ6の奏する効果に加え、特定個数が1個なので、特定間隔以下の発射間隔で可変手段へと遊技球を到達させることで、振分手段に対してより確実に特定間隔で遊技球を到達させることができるという効果がある。
遊技機Q1からQ7のいずれかにおいて、前記第2流路は、前記第1流路よりも遊技球が流下した場合に遊技者に有利となり易いものであることを特徴とする遊技機Q8。
遊技機Q8によれば、遊技機Q1からQ7のいずれかが奏する効果に加え、第2流路を遊技球が流下した方が、第1流路を流下するよりも有利なので、第2流路へと遊技球が流下することに期待して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機Q8において、遊技球が入球可能な入球手段と、その入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、前記入球手段へと遊技球が入球困難になる第2位置とに可変可能な可変手段と、前記第2流路に設けられ、遊技球が通過可能に構成されている通過手段と、その通過手段を遊技球が通過したことに基づいて判別を実行する通過判別手段と、その通過判別手段による判別で第1の判別結果になったことに基づいて、前記可変手段を前記第2位置から前記第1位置へと所定期間可変させる可変制御手段と、を備えることを特徴とする遊技機Q9。
遊技機Q9によれば、遊技機Q8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと遊技球が入球可能となる第1位置と、入球手段へと遊技球が入球困難になる第2位置とに可変手段が可変可能に構成されている。第2流路には、遊技球が通過可能に構成されている通過手段が設けられている。通過手段を遊技球が通過したことに基づいて、通過判別手段により判別が実行され、その通過判別手段による判別で第1の判別結果になったことに基づいて、可変手段が第2位置から第1位置へと可変制御手段により所定期間可変される。
これにより、通過判別手段による判別の結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機Q9において、前記入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて判別を実行する入球判別手段と、その入球判別手段による判別で第2の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技を実行する特典遊技実行手段と、を備えることを特徴とする遊技機Q10。
遊技機Q10によれば、遊技機Q9の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、入球手段へと遊技球が入球したことに基づいて入球判別手段により判別が実行される。入球判別手段による判別で第2の判別結果になったことに基づいて、遊技者に有利な特典遊技が特典遊技実行手段により実行される。
これにより、入球判別手段による判別結果に注目して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
<特徴R群>(振分手段に到達する遊技球の間隔を特定間隔に固定化する構成)
遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球を特定方向へと流下させることが可能な特定流路と、その特定流路に設けられ、遊技球が前記特定方向へと流下し易くなる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が前記特定方向に流下し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段を特定間隔で前記第2位置から前記第1位置へと特定期間の間可変させる可変制御手段と、を備え、前記特定期間は、最大で特定個数の遊技球を前記特定方向へと流下させることが可能となる長さの期間であることを特徴とする遊技機R1。
ここで、パチンコ機等の遊技機には、遊技球が通過可能な複数のルートが設けられているものがある。係る従来型の遊技機では、遊技球が通過したルートに応じて、例えば、入賞する可能性がある入賞口等を異ならせているので、遊技者毎に好みのルートを選択して遊技球を発射させることができる(例えば、特許文献1:特開2001−129177号公報)。
しかしながら、係る従来型の遊技機では、遊技者の遊技方法によって狙ったルートを通過させることができなくなってしまう場合があり、遊技者に対して不満感を抱かせてしまう可能性があった。
これに対して遊技機R1によれば、発射手段により発射された遊技球が特定流路によって特定方向へと流下される。特定流路には、遊技球が特定方向へと流下し易くなる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が特定方向に流下し難くなる第2位置とに可変する可変手段が設けられている。可変手段が、可変制御手段により特定間隔で第2位置から第1位置へと特定期間の間可変される。特定期間は、最大で特定個数の遊技球を特定方向へと流下させることが可能となる長さの期間で構成されている。
これにより、遊技球を特定間隔の間に特定個数以上、可変手段へと到達させることができれば、特定間隔で特定個数の遊技球を特定方向へと流下させることができるので、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機R1において、前記特定個数は、1個であることを特徴とする遊技機R2。
遊技機R2によれば、遊技機R1の奏する効果に加え、特定個数は1個であるので、遊技球を特定間隔以下の間隔で可変手段に到達させることにより、特定流路に対して特定間隔で遊技球を流下させることができる。これにより、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
遊技機R1又はR2において、前記特定流路を通過した遊技球を第1流路と、第2流路とを少なくとも含む複数の流路のうちいずれか1の流路へと振り分ける振分手段を備えることを特徴とする遊技機R3。
遊技機R3によれば、遊技機R1又はR2の奏する効果に加え、特定流路を通過した遊技球が、振分手段によって第1流路と、第2流路とを少なくとも含む複数の流路のうちいずれか1の流路へと振り分けられるので、振分手段により振り分けられる流路に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R3において、前記振分手段は、前記特定間隔で遊技球が到達した場合に、到達した遊技球を前記第1流路と前記第2流路とに交互に振り分け易くなるものであり、前記特定間隔よりも長い第1間隔以上の間隔で遊技球が到達した場合に、到達した遊技球を前記第2流路よりも前記第1流路へと振り分け易くなるものであることを特徴とする遊技機R4。
遊技機R4によれば、遊技機R3の奏する効果に加え、特定間隔で遊技球が振分手段へと到達した場合に、到達した遊技球が第1流路と第2流路とに交互に振り分けられ易くなる一方で、特定間隔よりも長い第1間隔以上の間隔で遊技球が振分手段に到達した場合に、到達した遊技球が第2流路よりも第1流路へと振り分けられ易くなるので、可変手段に対して特定間隔以下の間隔で遊技球を到達させることにより、遊技球が第1流路と第2流路とに交互に振り分けられるように振分手段を可動させることができる一方で、第1間隔以上の間隔で遊技球を到達させることにより、第1流路へと遊技球が振り分けられ易くなるので、発射間隔を工夫して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R4において、前記振分手段は、前記特定間隔よりも長く、且つ、前記第1間隔とは異なる前記第2間隔で遊技球が到達した場合に、到達した遊技球を前記第1流路よりも前記第2流路へと振り分け易くなるものであることを特徴とする遊技機R5。
遊技機R5によれば、遊技機R4の奏する効果に加え、特定間隔よりも長く、且つ、第1間隔とは異なる第2間隔で遊技球が振分手段へと到達した場合に、到達した遊技球が第1流路よりも第2流路へと振り分けられ易くなるように振分手段が構成されているので、第2流路へと遊技球を流下させたいと考える遊技者に対して、振分手段への到達間隔が第2間隔となるように工夫して遊技球を発射させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
遊技機R3からR5のいずれかにおいて、前記振分手段は、第1可動範囲に配置されている状態で到達した遊技球を前記第1流路へと振り分け、前記第1可動範囲とは異なる第2可動範囲に配置されている状態で到達した遊技球を前記第2流路へと振り分けるものであることを特徴とする遊技機R6。
遊技機R6によれば、遊技機R3からR5のいずれかが奏する効果に加え、第1可動範囲に配置されている状態で振分手段に到達した遊技球が第1流路へと振り分けられる一方で、第1可動範囲とは異なる第2可動範囲に振分手段が配置されている状態で到達した遊技球が第2流路へと振り分けられるので、振分手段の配置を視認するだけで、遊技球が振り分けられる流路を遊技者が認識できるように構成されている。よって、振分手段の配置に注目して遊技を行わせることができるという効果がある。
遊技機R6において、前記振分手段は、前記第1可動範囲に配置されている状態で遊技球を前記第1流路へと振り分けることで前記第2可動範囲に可動し易く構成され、且つ、前記第2可動範囲に配置されている状態で遊技球を前記第2流路へと振り分けることで前記第1可動範囲に可動し易く構成されているものであることを特徴とする遊技機R7。
遊技機R7によれば、遊技機R6の奏する効果に加え、第1可動範囲に配置されている状態で振分手段により遊技球が第1流路へと振り分けられることで、振分手段が第2可動範囲に可動する一方で、第2可動範囲に配置されている状態で振分手段により遊技球が第2流路へと振り分けられることで、振分手段が第1可動範囲に可動するので、他の動力源を必要とせずに振分手段を可動させることができる。よって、部品点数の削減により遊技機の原価を低減することができるという効果がある。
遊技機R3からR7のいずれかにおいて、前記可変手段が前記第2位置に可変されている状態で前記可変手段に到達した遊技球が流下し易くなる第3流路を備え、前記振分手段は、前記第3流路を通過した遊技球が到達困難となる位置に設けられているものであることを特徴とする遊技機R8。
遊技機R8によれば、遊技機R3からR7のいずれかが奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、可変手段が第2位置に可変されている状態で可変手段に到達した遊技球が流下し易い位置に第3流路が設けられている。第3流路を通過した遊技球が到達困難となる位置に振分手段が設けられている。
これにより、遊技球が特定流路に貯まってしまい、球詰まり等の不具合が生じてしまうことを抑制できるという効果がある。
遊技機R8において、遊技球を所定の発射間隔以上の発射間隔で遊技球を発射可能な発射手段と、前記特定流路を流下する遊技球の流下速度を減速させる減速手段と、を備えることを特徴とする遊技機R9。
遊技機R9によれば、遊技機R8の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、所定の発射間隔以上の発射間隔で遊技球が発射手段により発射される。特定流路を流下する遊技球の流下速度が減速手段によって減速される。
これにより、特定流路内における遊技球の流下速度を減速させることができるので、可変手段に到達するまでの間に、遊技球間の間隔を狭めることができる。即ち、少なくとも可変手段の前後において、遊技球が連なって流下する状態にし易くすることができる。よって、可変手段が第1位置となる時点で、より確実に、特定方向へと流下させることが可能な位置に少なくとも1の遊技球を配置させることができる。
遊技機A1からA8、B1からB8、C1からC8、D1からD7、E1からE7、F1からF9、G1からG8、H1からH8、I1からI9、J1からJ10、K1からK8、L1からL9、M1からM7、N1からN9、O1からO11、P1からP11、Q1からQ10、R1からR9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機Z1。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示装置において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA8、B1からB8、C1からC8、D1からD7、E1からE7、F1からF9、G1からG8、H1からH8、I1からI9、J1からJ10、K1からK8、L1からL9、M1からM7、N1からN9、O1からO11、P1からP11、Q1からQ10、R1からR9のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機Z2。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA8、B1からB8、C1からC8、D1からD7、E1からE7、F1からF9、G1からG8、H1からH8、I1からI9、J1からJ10、K1からK8、L1からL9、M1からM7、N1からN9、O1からO11、P1からP11、Q1からQ10、R1からR9のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機Z3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
パチンコ機等の遊技機には、遊技球が通過可能な複数のルートが設けられているものがある。係る従来型の遊技機では、遊技球が通過したルートに応じて、例えば、入賞する可能性がある入賞口等を異ならせているので、遊技者毎に好みのルートを選択させる遊技性を実現することにより興趣向上を図っている(例えば、特許文献1:特開2001−129177号公報)。
しかしながら、更なる興趣の向上が求められている。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができる遊技機を提供することを目的としている。
<手段>
この目的を達成するために技術的思想1の遊技機は、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球を特定方向へと流下させることが可能な特定流路と、その特定流路に設けられ、遊技球が前記特定方向へと流下し易くなる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が前記特定方向に流下し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段を特定間隔で前記第2位置から前記第1位置へと特定期間の間可変させる可変制御手段と、を備え、前記特定期間は、最大で特定個数の遊技球を前記特定方向へと流下させることが可能となる長さの期間である。
技術的思想2の遊技機は、技術的思想1記載の遊技機において、前記特定個数は、1個である。
技術的思想3の遊技機は、技術的思想1又は2に記載の遊技機において、前記特定流路を通過した遊技球を第1流路と、第2流路とを少なくとも含む複数の流路のうちいずれか1の流路へと振り分ける振分手段を備える。
技術的思想4の遊技機は、技術的思想3記載の遊技機において、前記振分手段は、前記特定間隔で遊技球が到達した場合に、到達した遊技球を前記第1流路と前記第2流路とに交互に振り分け易くなるものであり、前記特定間隔よりも長い第1間隔以上の間隔で遊技球が到達した場合に、到達した遊技球を前記第2流路よりも前記第1流路へと振り分け易くなるものである。
技術的思想5の遊技機は、技術的思想4記載の遊技機において、前記振分手段は、前記特定間隔よりも長く、且つ、前記第1間隔とは異なる第2間隔で遊技球が到達した場合に、到達した遊技球を前記第1流路よりも前記第2流路へと振り分け易くなるものである。
<効果>
技術的思想1記載の遊技機によれば、遊技球を発射可能な発射手段と、その発射手段により発射された遊技球を特定方向へと流下させることが可能な特定流路と、その特定流路に設けられ、遊技球が前記特定方向へと流下し易くなる第1位置と、その第1位置よりも遊技球が前記特定方向に流下し難くなる第2位置とに可変可能な可変手段と、その可変手段を特定間隔で前記第2位置から前記第1位置へと特定期間の間可変させる可変制御手段と、を備え、前記特定期間は、最大で特定個数の遊技球を前記特定方向へと流下させることが可能となる長さの期間である。
これにより、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想2記載の遊技機によれば、技術的思想1記載の遊技機の奏する効果に加え、前記特定個数は、1個なので、遊技球を特定間隔以下の間隔で可変手段に到達させることにより、特定流路に対して特定間隔で遊技球を流下させることができる。これにより、遊技者の利便性を向上させることができるという効果がある。
技術的思想3記載の遊技機によれば、技術的思想1又は2に記載の遊技機の奏する効果に加え、前記特定流路を通過した遊技球を第1流路と、第2流路とを少なくとも含む複数の流路のうちいずれか1の流路へと振り分ける振分手段を備えるので、振分手段により振り分けられる流路に注目して遊技を行わせることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想4記載の遊技機によれば、技術的思想3記載の遊技機の奏する効果に加え、前記振分手段は、前記特定間隔で遊技球が到達した場合に、到達した遊技球を前記第1流路と前記第2流路とに交互に振り分け易くなるものであり、前記特定間隔よりも長い第1間隔以上の間隔で遊技球が到達した場合に、到達した遊技球を前記第2流路よりも前記第1流路へと振り分け易くなるものであるので、可変手段に対して特定間隔以下の間隔で遊技球を到達させることにより、遊技球が第1流路と第2流路とに交互に振り分けられるように振分手段を可動させることができる一方で、第1間隔以上の間隔で遊技球を到達させることにより、第1流路へと遊技球が振り分けられ易くなる。よって、発射間隔を工夫して遊技を行わせることができるので、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。
技術的思想5記載の遊技機によれば、技術的思想4記載の遊技機の奏する効果に加え、前記振分手段は、前記特定間隔よりも長く、且つ、前記第1間隔とは異なる第2間隔で遊技球が到達した場合に、到達した遊技球を前記第1流路よりも前記第2流路へと振り分け易くなるので、第2流路へと遊技球を流下させたいと考える遊技者に対して、振分手段への到達間隔が第2間隔となるように工夫して遊技球を発射させることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を向上させることができるという効果がある。