〔第一の実施形態〕
図1は、名刺サービスシステム4の全体的な構成の例を示す図である。図2は、名刺管理サーバ1のハードウェア構成の例を示す図である。図3は、端末装置2のハードウェア構成の例を示す図である。
図1に示すように、名刺サービスシステム4は、名刺管理サーバ1、複数台の端末装置2、および通信回線3などによって構成される。
名刺サービスシステム4は、後述する、名刺に関する種々のサービスを、ユーザへ提供する。
名刺管理サーバ1と各端末装置2とは、通信回線3を介して通信することができる。通信回線3として、インターネット、公衆回線、携帯電話回線、LAN(Local Area Network)回線、または専用線などが用いられる。また、2台の端末装置2同士は、近距離無線によって通信することができる。
名刺管理サーバ1は、名刺の情報を管理し、端末装置2へ名刺の情報を送信する。さらに、あるユーザが他のユーザから名刺を受け取った後、そのユーザと当該他のユーザとが接近した際に、接近した旨をそのユーザへ通知する。
名刺管理サーバ1として、いわゆるサーバ機またはクラウドサーバが用いられる。以下、サーバ機が用いられる場合を例に説明する。
名刺管理サーバ1は、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)10a、RAM(Random Access Memory)10b、ROM(Read Only Memory)10c、補助記憶装置10d、およびNIC(Network Interface Card)10eなどによって構成される。
ROM10cまたは補助記憶装置10dには、上述のサービスを提供するためのプログラムとして、サーバ用プログラム10Pが記憶されている。サーバ用プログラム10Pは、RAM10bにロードされ、CPU10aによって実行される。補助記憶装置10dとして、ハードディスクまたはSSD(Solid State Drive)などが用いられる。
端末装置2は、名刺管理サーバ1から名刺の情報を受信し表示する。また、あるユーザが他のユーザから名刺を受け取った際に、その名刺の信憑性をそのユーザが確認するためのサポートを行う。さらに、その後、そのユーザと当該他のユーザとが接近した際に、接近した旨の通知を名刺管理サーバ1から受け付け、そのユーザに知らせる。
端末装置2として、スマートフォン、タブレットコンピュータ、または携帯電話端末など、可搬型のコンピュータが用いられる。以下、スマートフォンが端末装置2として用いられる場合を例に説明する。
端末装置2は、図3に示すように、CPU20a、RAM20b、ROM20c、フラッシュメモリ20d、タッチパネルディスプレイ20e、操作ボタン群20f、無線LAN通信装置20g、携帯電話通信装置20h、近距離無線通信装置20i、およびデジタルカメラ20jなどによって構成される。
タッチパネルディスプレイ20eは、種々の画面を表示し、タッチされた位置を検知してCPU20aにその位置を通知する。
操作ボタン群20fは、いわゆるホーム画面に戻るためのボタン、音量を調整するためのボタン、および電源のオン/オフを切り換えるためのボタンなどによって構成される。
無線LAN通信装置20gは、無線LANの規格、つまり、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11の規格に基づいて通信を行う。
携帯電話通信装置20hは、CDMA(Code Division Multiple Access)2000、W−CDMA(Wideband-CDMA)、またはLTE(Long Term Evolution)などの規格に基づいて、いわゆる携帯電話網を介して通信を行う。
近距離無線通信装置20iは、通信距離が数メートル〜数十メートルくらいの無線通信の規格に基づいて他の装置と通信を行う。近距離無線通信装置20iとして、Bluetooth(登録商標)の近距離無線通信装置が用いられる場合を例に説明する。
デジタルカメラ20jは、画像を撮影し画像データを生成する。特に、第一の実施形態では、紙製の名刺に記載されているコードを撮影しその画像データを生成するために用いられる。
ROM20cまたはフラッシュメモリ20dには、上述のサービスを提供するためのプログラムとして、端末用プログラム20Pが記憶されている。端末用プログラム20Pは、RAM20bにロードされ、CPU20aによって実行される。
各ユーザは、端末装置2を1台ずつ所有している。以下、各ユーザを「ユーザ5A」、「ユーザ5B」、…と区別して記載することがある。さらに、ユーザ5A、5B、…が所有する端末装置2を「端末装置2A」、「端末装置2B」、…と区別して記載することがある。
図4は、名刺6の例を示す図である。図5は、名刺管理サーバ1の機能的構成の例を示す図である。図6は、端末装置2の機能的構成の例を示す図である。
次に、一方のユーザが他方のユーザから紙製の名刺6を受け取った際の各装置の処理、および、その後に両者が接近した際の各装置の処理を、一方のユーザがユーザ5Aであり他方のユーザがユーザ5Bである場合を例に説明する。
ユーザ5Bの名刺6(以下、「名刺62」と記載する。)には、図4に示すように、ユーザ5Bの氏名、電子メールアドレス、および携帯電話番号ならびに所属する会社の名称、電話番号、ファックス番号、および住所などの情報(個人情報)を表わす文字列(テキスト)が印刷されている。さらに、顔コード6Aが印刷されている。
顔コード6Aは、画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3を文字列以外の画像で表わしたものである。つまり、これらのデータを文字列以外の画像に変換したものである。
顔コード6Aとして、例えば、QR(Quick Response)コード、DataMatrix、またはVeriCodeなどの二次元バーコードが用いられる。または、二次元バーコードの各セルを3つ以上の色で塗り分けたバーコードを用いてもよい。このようなバーコードは、一般に、「カラーコード」または「三次元バーコード」などと呼ばれる。「QRコード」は、登録商標である。
画像データ7A1は、名刺6を渡す側のユーザ(本例では、ユーザ5B)の顔の画像を再現するためのバイナリデータである。この画像は、写真であってもよいし、イラストであってもよい。個人データ7A2は、名刺6(本例では、名刺62)に印刷されている個人情報を表わすテキストデータである。識別子データ7A3は、名刺6を渡す側のユーザの端末装置2(本例では、端末装置2B)の識別子を表わすテキストデータである。
以下、端末装置2の識別子として、その端末装置2の近距離無線通信装置20iの識別子が用いられる場合を例に説明する。
サーバ用プログラム10Pによると、名刺管理サーバ1に、図5に示す顔画像データ記憶部101、名刺受渡登録部102、名刺データ記憶部103、受渡有無判別部104、通知許否問合部105、および接近通知部106などが実現される。
端末用プログラム20Pによると、端末装置2(2A、2B、…)のそれぞれに、図6に示す顔コード読取部201、コード変換部202、相手確認部203、相手識別子記憶部204、アップロード部205、接近相手判別部206、受渡有無問合部207、接近通知画面表示部208、および通知許否確認部209などが実現される。
〔ユーザ5Aがユーザ5Bから名刺62を受け取った際の処理〕
図7は、各装置の処理の流れの例を示すシーケンス図である。図8は、確認用画面8Aの例を示す図である。図9は、名刺受渡実績データ7Bの例を示す図である。
ユーザ5Aは、ユーザ5Bから名刺62を受け取ると、端末装置2Aに所定のコマンドを入力する。すると、名刺管理サーバ1の各部、端末装置2Aの各部、および端末装置2Bの各部は、図7に示す手順で処理を実行する。
端末装置2Aの顔コード読取部201は、顔コード6Aを読み取るための処理を次のように実行する(図7の#701)。
顔コード読取部201は、デジタルカメラ20jに撮影を開始させる。ユーザ5Aは、顔コード6Aにピントが合うように端末装置2Aまたは名刺62の位置を調整する。そして、顔コード読取部201は、デジタルカメラ20jによって撮影された画像の中から顔コード6Aを抽出する。このようにして、顔コード6Aが読み取られる。
コード変換部202は、顔コード読取部201によって顔コード6Aが取得されると、顔コード6Aを解析することによって、顔コード6Aを画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3に変換する(#702)。
相手確認部203は、名刺62をユーザ5Aに渡した人物がユーザ5B本人であることをユーザ5Aに確認させるための処理を次のように行う。
相手確認部203は、図8のような確認用画面8Aをタッチパネルディスプレイ20eに表示させる(#703)。確認用画面8Aには、確認用画像8A1、確認成功ボタン8A2、および確認失敗ボタン8A3などが配置されている。
確認用画像8A1は、コード変換部202によって得られた画像データ7A1に示される画像である。名刺62がユーザ5Bのものであるならば、ユーザ5Bの顔の画像が確認用画像8A1として配置されるはずである。
ユーザ5Aは、確認用画像8A1がユーザ5Bの顔の画像であることを確認することができたら、確認成功ボタン8A2をタッチする。確認することができなければ、確認失敗ボタン8A3をタッチする。
相手確認部203は、いずれかのボタンのタッチを受け付ける(#704)。そして、相手識別子記憶部204は、確認成功ボタン8A2がタッチされた場合は、コード変換部202によって得られた識別子データ7A3を記憶する(#705)。確認失敗ボタン8A3がタッチされた場合は、記憶しない。
アップロード部205は、確認成功ボタン8A2がタッチされた場合に、コード変換部202によって得られた画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3を、受取側識別子データ7A4および受渡属性データ7A5とともに、1組の名刺受渡実績データ7Bとして名刺管理サーバ1へアップロード(送信)する(#706)。確認失敗ボタン8A3がタッチされた場合は、アップロードしない。
受取側識別子データ7A4は、送信元(本例では、端末装置2A)の識別子を示すデータである。受渡属性データ7A5は、名刺62の受渡しがなされた日時および位置を示すデータである。この日時として、例えば、確認成功ボタン8A2がタッチされた日時が用いられる。また、この位置は、端末装置2AのGPS(Global Positioning System)機能によって特定することができる。
名刺管理サーバ1において、名刺受渡登録部102は、名刺受渡実績データ7Bを端末装置2Aから受信すると(#721)、この名刺受渡実績データ7Bを識別するためのユニークな名刺識別子を発行し、この名刺受渡実績データ7Bをこの名刺識別子と対応付けて名刺データ記憶部103に記憶させる(#722)。
ユーザ5Aは、ユーザ5B以外の他のユーザから名刺6を受け取った場合も同様に、上述の作業を行うことができる。そして、確認用画像8A1が当該他のユーザの顔の画像であることが確認されると、当該他のユーザの識別子データ7A3が相手識別子記憶部204に記憶される。
このようにして、相手識別子記憶部204には、識別子データ7A3が次々に蓄積される。
また、名刺管理サーバ1において、名刺データ記憶部103には、確認用画像8A1が当該他のユーザの顔の画像であることが確認されると、当該他のユーザの画像データ7A1などを含む名刺受渡実績データ7Bが記憶される。さらに、ユーザ5A以外のユーザの端末装置2から名刺受渡実績データ7Bを受信すると、これが名刺データ記憶部103に記憶される。
このようにして、名刺データ記憶部103には、図9に示すように、名刺受渡実績データ7Bが次々に蓄積される。
なお、ユーザ5Bは、ユーザ5Aからユーザ5Aの名刺6を受け取った場合に、ユーザ5Aによる端末装置2Aに対する操作と同様の操作を端末装置2Bに対して行うことができる。
すると、端末装置2Bの顔コード読取部201、コード変換部202、相手確認部203、および相手識別子記憶部204は、それぞれ、端末装置2Aの顔コード読取部201、コード変換部202、相手確認部203、および相手識別子記憶部204と同様の処理を行う。その結果、端末装置2Aの識別子データ7A3が相手識別子記憶部204に記憶される。
また、名刺管理サーバ1の名刺受渡登録部102および名刺データ記憶部103も、上述の処理を実行する。その結果、ユーザ5Aの名刺6から得られた画像データ7A1、個人データ7A2および識別子データ7A3、端末装置2Bの受取側識別子データ7A4、ならびに今回の受渡しの日時などの受渡属性データ7A5が名刺受渡実績データ7Bとして名刺データ記憶部103に記憶される。
〔ユーザ5Aとユーザ5Bとが接近した際の処理〕
図10は、選択用画面8Bの例を示す図である。図11は、接近報知画面8Cの例を示す図である。
名刺管理サーバ1の顔画像データ記憶部101には、ユーザごとに、そのユーザの顔の画像を再現するための顔画像データ7C1およびそのユーザの個人情報(氏名および所属する会社など)を示す個人データ7C2がそのユーザの端末装置2の識別子と対応付けられて予め記憶されている。
ユーザ5Aがユーザ5Bから名刺62を受け取り、ユーザ5Aとユーザ5Bとが離れた後、再びユーザ5Aがユーザ5Bに接近することがある。名刺管理サーバ1、端末装置2A、および端末装置2Bは、ユーザ5Aがユーザ5Bに接近したことを通知する処理を、次のように実行する。
各端末装置2の近距離無線通信装置20iは、常時、自らの識別子(例えば、BD(Bluetooth Device)アドレス)を示すビーコン信号7Dを定期的に(例えば、500ミリ秒ごとに)発信している(#731)。
端末装置2Aにおいて、近距離無線通信装置20iは、他の端末装置2からのビーコン信号7Dを受信する(#707)。ユーザ5Bがユーザ5Aに接近すると、端末装置2Bからのビーコン信号7Dが端末装置2Aに届くようになる。
接近相手判別部206は、ビーコン信号7Dが近距離無線通信装置20iによって受信されるごとに、端末装置2Aに接近している端末装置2を次のように判別する(#708)。
接近相手判別部206は、受信されたビーコン信号7Dに示される識別子が、相手識別子記憶部204に記憶されているいずれかの識別子データ7A3に示される識別子と一致するか否かをチェックする。
そして、一致する場合は、接近相手判別部206は、端末装置2Aに接近している端末装置2が、そのビーコン信号7Dに示される識別子に対応する端末装置2であると、判別する。その結果、本例では、端末装置2Bであると判別される。
受渡有無問合部207は、端末装置2Aのユーザ(本例では、ユーザ5A)へ、端末装置2Aに接近していると判別された端末装置2のユーザ(本例では、ユーザ5B)から名刺6が渡された実績があるか否かを名刺管理サーバ1へ問い合わせる(#709)。この際に、受渡有無問合部207は、問合データ7Eを名刺管理サーバ1へ送信する。問合データ7Eには、端末装置2A自身の識別子が受取側識別子として示され、検知された端末装置2(本例では、端末装置2B)の識別子が授与側識別子として示される。
なお、受渡有無問合部207が問合せを行った後も、端末装置2Bからビーコン信号7Dが連続的に端末装置2Aに届くことがある。しかし、受渡有無問合部207は、端末装置2Bからビーコン信号7Dが連続的に届いている間は、問合せを再び行うことは、ない。端末装置2Bからビーコン信号7Dが届かなくなってから所定の時間(例えば、1分)が経過した後、接近相手判別部206によって端末装置2Bの接近が検知されたら、問合せを行う。
また、接近相手判別部206は、ビーコン信号7Dの、近距離無線通信装置20iに届いたときの強さ(電波強度)が所定の強さ未満である場合は、判別を行わなくてもよい。つまり、端末装置2Bからのビーコン信号7Dの電波強度が所定の強さ以上であれば、端末装置2Bが端末装置2Aへ接近したと検知すればよい。
名刺管理サーバ1において、受渡有無判別部104は、問合データ7Eを受信すると(#723)、名刺の受渡しがあったか否かを次のように判別する(#724)。
受渡有無判別部104は、名刺データ記憶部103(図9参照)の中から、問合データ7Eに示される受取側識別子および授与側識別子がそれぞれ受取側識別子データ7A4および識別子データ7A3に示される名刺受渡実績データ7Bを検索する。そして、そのような名刺受渡実績データ7Bが見つかったら、名刺の受渡しがあったと判別する。
通知許否問合部105は、名刺の受渡しがあったと受渡有無判別部104によって判別されたら、接近を受取側識別子の端末装置2のユーザへ通知してもよいか否かを、授与側識別子の端末装置2へ問い合わせる(#725)。
この際に、通知許否問合部105は、受取側識別子が対応付けられている顔画像データ7C1および個人データ7C2を顔画像データ記憶部101から読み出す。さらに、見つかった名刺受渡実績データ7Bの受渡属性データ7A5を名刺データ記憶部103から読み出す。そして、読み出した顔画像データ7C1、個人データ7C2、および受渡属性データ7A5を通知許否問合信号7Fとともに授与側識別子の端末装置2へ送信する。本例では、ユーザ5Aの顔画像データ7C1および個人データ7C2ならびにユーザ5Aがユーザ5Bから名刺62を受け取った際の受渡属性データ7A5が通知許否問合信号7Fとともに端末装置2Bへ送信される。
端末装置2Bにおいて、通知許否確認部209は、顔画像データ7C1、個人データ7C2、受渡属性データ7A5、および通知許否問合信号7Fを受信すると(#732)、接近を受取側識別子の端末装置2のユーザへ通知してもよいか否かをユーザ5Bに確認するための処理を次のように実行する。
通知許否確認部209は、図10のような選択用画面8Bをタッチパネルディスプレイ20eに表示させる(#733)。選択用画面8Bには、確認用画像8B1、メッセージ8B2、許可ボタン8B3、および拒否ボタン8B4が配置されている。
確認用画像8B1は、受信した顔画像データ7C1に示される画像である。メッセージ8B2は、通知してもよいか否かを選択するように促すメッセージである。メッセージ8B2には、氏名、日時、および位置などの情報が含まれるが、これらは、個人データ7C2または受渡属性データ7A5に示されるものである。
なお、位置として、受渡属性データ7A5に示される緯度および経度を表示する代わりに、この緯度および経度に対応する地名を表示してもよい。地名は、インターネット上のいわゆる地図サイトなどから取得することができる。
ユーザ5Bは、ユーザ5Aが誰であったかを、確認用画像8B1またはメッセージ8B2を見ることによって確認する。そして、ユーザ5Bがユーザ5Aに接近していることをユーザ5Aに通知してもよい場合は、許可ボタン8B3にタッチする。通知したくない場合は、拒否ボタン8B4をタッチする。
そして、通知許否確認部209は、ボタンのタッチを受け付ける(#734)。許可ボタン8B3がタッチされた場合は、許可回答データ7G1を名刺管理サーバ1へ送信し、拒否ボタン8B4がタッチされた場合は拒否回答データ7G2を送信する(#735)。
名刺管理サーバ1において、接近通知部106は、許可回答データ7G1が端末装置2Bから送信されてきた場合は(#726)、接近の通知の処理を次のように実行する(#727)。
接近通知部106は、授与側識別子(本例では、端末装置2Bの識別子)に対応付けられている顔画像データ7C1を顔画像データ記憶部101から読み出す。さらに、受渡有無判別部104による処理において見つかった名刺受渡実績データ7Bの個人データ7A2および受渡属性データ7A5を名刺データ記憶部103から読み出す。
そして、接近通知部106は、読み出した顔画像データ7C1、個人データ7A2、および受渡属性データ7A5を接近通知信号7Hとともに、受取側識別子の端末装置2(本例では、端末装置2A)へ送信する。
拒否回答データ7G2が送信されてきた場合は、接近通知部106は、接近の通知の処理を実行しない。
端末装置2Aにおいて、接近通知画面表示部208は、名刺管理サーバ1から接近通知信号7H、顔画像データ7C1、個人データ7A2、および受渡属性データ7A5を受信すると(#710)、図11のような接近報知画面8Cをタッチパネルディスプレイ20eに表示させる(#711)。
接近報知画面8Cには、接近を報知するための画面であって、確認用画像8C1、メッセージ8C2、および個人情報8C3などが配置されている。
確認用画像8C1は、受信した顔画像データ7C1に示される画像である。メッセージ8C2は、過去にユーザ5Aが名刺を受け取った相手が接近していることを知らせるメッセージである。メッセージ8C2には、氏名、日時、および位置などの情報が含まれるが、これは、個人データ7A2または受渡属性データ7A5に示されるものである。個人情報8C3は、個人データ7A2に示されるものである。
ユーザ5Aは、確認用画像8C1、メッセージ8C2、または個人情報8C3を見ることによって、ユーザ5Bが接近していることを知ることができる。
なお、接近通知部106は、顔画像データ7C1の代わりに、名刺受渡実績データ7Bの画像データ7A1を送信してもよい。そして、接近通知画面表示部208は、画像データ7A1に基づいて接近報知画面8Cを表示させてもよい。
また、ユーザ5Bがユーザ5Aと会った際にユーザ5Aの名刺6を受け取り、上述の操作を行うことによって名刺受渡実績データ7Bを名刺データ記憶部103に記憶させた場合は、端末装置2Bの接近相手判別部206、受渡有無問合部207、および接近通知画面表示部208は、端末装置2Aのこれらと同様の処理を実行する。
この場合は、名刺管理サーバ1の通知許否問合部105は、端末装置2Aに対しても、問合せの処理を行う。端末装置2Aの通知許否確認部209は、端末装置2Bの通知許否確認部209と同様の処理を実行する。これにより、ユーザ5Bにも、ユーザ5Aが接近していることが通知される。
通知許否問合部105は、端末装置2Aにも端末装置2Bにも、問合せを行わないようにしてもよい。そして、接近通知部106は、名刺の受渡しがあったことが受渡有無判別部104によって確認されたら、無条件に、接近の通知の処理を行えばよい。
特に、ユーザ5Aおよびユーザ5Bがお互いの名刺6を交換し、名刺管理サーバ1への登録を行った場合は、問合せを行うことなく、接近の通知の処理を無条件に行うのが望ましい。接近を通知することをユーザ5Aが許可したが、ユーザ5Bが拒否することが、ある。このとき、ユーザ5Aには接近が通知されない。すると、ユーザ5Bが通知を拒否したことを、ユーザ5Aに知られてしまうからである。
図12は、名刺管理サーバ1の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。図13は、端末装置2の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
次に、名刺管理サーバ1および端末装置2それぞれの全体的な処理の流れを、フローチャートを参照しながら説明する。
名刺管理サーバ1は、サーバ用プログラム10Pに基づいて、図12に示す手順で処理を実行する。
名刺管理サーバ1は、端末装置2から名刺受渡実績データ7Bを受信すると(図12の#751でYes)、名刺識別子を発行し、これと対応付けて名刺受渡実績データ7Bを記憶する(#752)。
または、端末装置2から問合データ7Eを受信すると(#753でYes)、名刺管理サーバ1は、問合データ7Eに示される受取側識別子の端末装置2のユーザへ授与側識別子の端末装置2のユーザから名刺6が渡された実績があるか否かを判別する(#754)。
実績がある場合は(#755でYes)、名刺管理サーバ1は、両ユーザが接近していることを通知してもよいか否かを、授与側識別子の端末装置2へ問い合わせる(#756)。そして、通知してもよい旨の回答つまり許可回答データ7G1を受信したら(#757でYes)、受取側識別子の端末装置2への、接近の通知の処理を行う(#758)。
実績がない場合(#755でNo)および拒否回答データ7G2を受信した場合(#757でNo)は、接近の通知の処理を行わない。
名刺管理サーバ1は、サービスの提供を継続している間(#759でYes)、ステップ#752の処理およびステップ#754〜#758の処理を適宜、実行する。
一方、端末装置2は、端末用プログラム20Pに基づいて、図13に示す手順で処理を実行する。
端末装置2は、所定のコマンドが入力されると(#761でYes)、名刺6から顔コード6Aを読み取り(#762)、顔コード6Aを解析することによって画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3を取得する(#763)。そして、確認用画面8A(図8参照)を表示する(#764)。
端末装置2は、確認成功ボタン8A2および確認失敗ボタン8A3いずれかのタッチを受け付ける(#765)。
確認成功ボタン8A2がタッチされた場合は(#766でYes)、端末装置2は、識別子データ7A3を記憶する(#767)。さらに、受取側識別子データ7A4および受渡属性データ7A5を生成し、画像データ7A1、個人データ7A2、識別子データ7A3、受取側識別子データ7A4、および受渡属性データ7A5を1組の名刺受渡実績データ7Bとして名刺管理サーバ1へアップロード(送信)する(#768)。確認失敗ボタン8A3がタッチされた場合は(#766でNo)、記憶もアップロードも行わない。
または、端末装置2は、ビーコン信号7Dを受信すると(#769でYes)、この端末装置2のユーザへ名刺6を渡したことがあるユーザの端末装置2の中から、このビーコン信号7Dの発信元を特定する(#770)。つまり、この端末装置2へ接近している端末装置2を判別する。
判別することができた場合は(#771でYes)、端末装置2は、名刺の受渡しの実績を名刺管理サーバ1へ問い合わせる(#772)。そして、名刺管理サーバ1から接近通知信号7H、顔画像データ7C1、個人データ7A2、および受渡属性データ7A5を受信すると(#773でYes)、接近報知画面8C(図11参照)を表示する(#774)。
または、端末装置2は、両ユーザが接近していることを通知してもよいか否かの問合せを名刺管理サーバ1から受信すると(#775でYes)、選択用画面8Bを表示し(#776)、通知の許可または拒否を受け付ける(#777)。そして、通知の許可または拒否を名刺管理サーバ1へ回答する(#778)。
端末装置2は、サービスの提供を継続している間(#779でYes)、ステップ#762〜#768の処理、ステップ#770〜#774の処理、およびステップ#776〜#778の処理を適宜、実行する。
第一の実施形態によると、ユーザ5Aは、名刺62がユーザ5B本人のものであることを従来よりも確実に確認することができる。さらに、名刺62を受け取った後、ユーザ5Bに接近した場合に、その旨がユーザ5Bの顔の画像とともに端末装置2Aに表示される。よって、ユーザ5Bの顔を忘れていても、ユーザ5Bの顔を思い出し、自ら率先して挨拶してユーザ5Bとの良好な関係を築きやすくすることができる。
〔第二の実施形態〕
図14は、名刺管理サーバ1の機能的構成の例を示す図である。図15は、端末装置2の機能的構成の例を示す図である。図16は、各装置の処理の流れの例を示すシーケンス図である。
第一の実施形態では、ユーザ5Bの個人情報が、端末装置2A(ユーザ5Aの端末装置2)によって名刺62(ユーザ5Bの名刺6)から読み取られ、名刺管理サーバ1において管理される。そして、ユーザ5Aとユーザ5Bとが接近した際に、原則として、ユーザ5Bが許可した、という条件を満たした場合に、ユーザ5Bの個人情報が、両ユーザの接近とともに端末装置2Aへ通知される。
第二の実施形態では、この条件の代わりに、ユーザ5Bの個人情報がユーザ5B本人のものであることを確認することができた、という条件を満たした場合に、ユーザ5Bの個人情報が通知される。
以下、この仕組みについて、説明する。第一の実施形態と重複する点は、説明を省略する。
名刺サービスシステム4の全体的な構成は、第一の実施形態と同様であり、図1に示した通りである。名刺管理サーバ1および端末装置2それぞれのハードウェアの構成も、第一の実施形態と同様であり、それぞれ、図2および図3に示した通りである。
しかし、ROM10cまたは補助記憶装置10dには、サーバ用プログラム10Pの代わりにサーバ用プログラム12Pが記憶されている。また、ROM20cまたはフラッシュメモリ20dには、端末用プログラム20Pの代わりに端末用プログラム22Pが記憶されている。
サーバ用プログラム12Pによると、図14に示す名刺受渡登録部132、名刺データ記憶部133、受渡有無判別部134、名刺データ送信部135、および公開鍵記憶部136などが名刺管理サーバ1に実現される。
端末用プログラム22Pによると、図15に示す顔コード読取部231、コード変換部232、相手確認部233、相手識別子記憶部234、アップロード部235、接近相手判別部236、受渡有無問合部237、接近通知画面表示部238、秘密鍵記憶部241、名刺データ復号部242、および接近通知部243などが端末装置2に実現される。
以下、一方のユーザが他方のユーザから名刺6を受け取った際の各装置の処理、および、その後に両者が接近した際の各装置の処理を、一方のユーザがユーザ5Aであり他方のユーザがユーザ5Bである場合を例に説明する。
ユーザ5Aは、ユーザ5Bから名刺62を受け取ると、端末装置2Aに所定のコマンドを入力する。すると、名刺管理サーバ1の各部、端末装置2Aの各部、および端末装置2Bの各部は、図16に示す手順で処理を実行する。
端末装置2Aにおいて、顔コード読取部231は、第一の実施形態の顔コード読取部201と同様に、顔コード6Aを読み取るための処理を実行する(図16の#801)。
コード変換部232は、第一の実施形態のコード変換部202と同様に、顔コード6Aを解析することによって、顔コード6Aを画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3に変換する(#802)。
相手確認部233は、第一の実施形態の相手確認部203と同様に、名刺62をユーザ5Aに渡した人物がユーザ5B本人であることをユーザ5Aに確認させるための処理を行う(#803〜#804)。
相手識別子記憶部234は、第一の実施形態の相手識別子記憶部204と同様に、確認成功ボタン8A2(図8参照)がタッチされた場合は、コード変換部232によって得られた識別子データ7A3を記憶する(#805)。確認失敗ボタン8A3がタッチされた場合は、記憶しない。
アップロード部235は、第一の実施形態のアップロード部205と同様に、確認成功ボタン8A2がタッチされた場合に、名刺受渡実績データ7Bを名刺管理サーバ1へアップロードする(#806)。確認失敗ボタン8A3がタッチされた場合は、アップロードしない。
ところで、各端末装置2には、ユニークな公開鍵7J1およびそれに対応する秘密鍵7J2が1組ずつ、予め与えられている。公開鍵7J1および秘密鍵7J2は、公開鍵暗号方式でデータを暗号化しまたは復号するための鍵である。
公開鍵7J1は、それが与えられた端末装置2の識別子と対応付けられて名刺管理サーバ1の公開鍵記憶部136に予め記憶されている。
一方、秘密鍵7J2は、それが与えられた端末装置2の秘密鍵記憶部241に予め記憶されている。
名刺受渡登録部132は、第一の実施形態の名刺受渡登録部102と同様に、名刺受渡実績データ7Bを端末装置2Aから受信すると(#821)、名刺識別子を発行し、この名刺受渡実績データ7Bをこの名刺識別子と対応付けて名刺データ記憶部133に記憶させる(#822)。
ただし、第二の実施形態においては、名刺受渡登録部132は、名刺受渡実績データ7Bを、公開鍵記憶部136に記憶されている、名刺受渡実績データ7Bに含まれる識別子データ7A3に示される識別子に対応する公開鍵7J1によって暗号化して、名刺データ記憶部133に記憶させる。本例では、端末装置2Bの公開鍵7J1によって暗号化する。以下、暗号化された名刺受渡実績データ7Bを「名刺受渡実績データ7B’」と記載する。
さらに、第二の実施形態においては、名刺受渡登録部132は、名刺受渡実績データ7Bに含まれる識別子データ7A3、受取側識別子データ7A4、および受渡属性データ7A5を暗号化せずに、検索用のデータとして、名刺受渡実績データ7B’と対応付けて記憶する(#823)。
端末装置2Aにおいて、接近相手判別部236は、ビーコン信号7Dが近距離無線通信装置20iによって受信されるごとに(#807)、第一の実施形態の接近相手判別部206と同様に、端末装置2Aに接近している端末装置2を判別する(#808)。本例では、端末装置2Bが接近していると判別される。
すると、受渡有無問合部237は、第一の実施形態の受渡有無問合部207と同様に、問合データ7Eを送信することによって、ユーザ5Bからユーザ5Aへ名刺6が渡された実績があるか否かを名刺管理サーバ1へ問い合わせる(#809)。
名刺管理サーバ1において、受渡有無判別部134は、問合データ7Eを受信すると(#824)、第一の実施形態の受渡有無判別部104と同様に、名刺の受渡しがあったか否かを判別する(#825)。なお、第一の実施形態では名刺受渡実績データ7Bに基づいて判別したが、第二の実施形態では、名刺受渡実績データ7Bが暗号化されている。そこで、ステップ#823で記憶した識別子データ7A3および受取側識別子データ7A4などに基づいて判別する。
第一の実施形態では、名刺の受渡しがあったと判別された場合に、通知許否問合部105が、接近を受取側識別子の端末装置2のユーザへ通知してもよいか否かを授与側識別子の端末装置2へ問い合わせた。
しかし、第二の実施形態では、この場合に、名刺データ送信部135が、名刺データ記憶部133の中から、その受取側識別子を示す受取側識別子データ7A4およびその授与側識別子を示す識別子データ7A3を名刺データ記憶部133の中から検索し、両者に対応付けられている名刺受渡実績データ7B’を名刺データ記憶部133の中から読み出し、その授与側識別子の端末装置2へ送信する(#826)。本例では、端末装置2Bへ送信する。
端末装置2Bにおいて、名刺データ復号部242は、名刺受渡実績データ7B’を受信すると(#832)、秘密鍵記憶部241に記憶されている秘密鍵7J2を用いて復号する(#833)。これにより、平文の名刺受渡実績データ7Bが得られる。
名刺データ復号部242によって復号が成功したら、つまり、名刺受渡実績データ7Bが得られたら、接近通知部243は、接近の通知の処理を次のように実行する。
接近通知部243は、名刺受渡実績データ7Bの受取側識別子データ7A4に示される識別子の端末装置2すなわち端末装置2Aに近距離無線によって接続する(#834)。そして、名刺受渡実績データ7Bの画像データ7A1、個人データ7A2、および受渡属性データ7A5を、接近通知信号7Kとともに端末装置2Aへ送信する(#835)。
名刺データ復号部242による復号が失敗した場合は、接近通知部243は、接近の通知の処理を実行しない。
端末装置2Aにおいて、接近通知画面表示部238は、画像データ7A1、個人データ7A2、受渡属性データ7A5、および接近通知信号7Kを受信すると(#810)、接近報知画面8C(図11参照)をタッチパネルディスプレイ20eに表示させる(#811)。
なお、第二の実施形態においては、確認用画像8C1は、顔画像データ7C1の代わりに画像データ7A1が用いられて描画される。
図17は、名刺管理サーバ1の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。図18は、端末装置2の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
次に、名刺管理サーバ1および端末装置2それぞれの全体的な処理の流れを、フローチャートを参照しながら説明する。
名刺管理サーバ1は、サーバ用プログラム12Pに基づいて、図17に示す手順で処理を実行する。
名刺管理サーバ1は、端末装置2から名刺受渡実績データ7Bを受信すると(図17の#851でYes)、名刺識別子を発行し、名刺受渡実績データ7Bを暗号化することによって名刺受渡実績データ7B’を生成し、名刺識別子と対応付けて名刺受渡実績データ7B’を記憶する(#852)。名刺受渡実績データ7Bのための暗号鍵として、名刺受渡実績データ7Bに含まれる識別子データ7A3に示される識別子に対応する公開鍵7J1が用いられる。さらに、名刺受渡実績データ7Bに含まれる識別子データ7A3、受取側識別子データ7A4、および受渡属性データ7A5を暗号化せずに、検索用のデータとして記憶する(#853)。
または、端末装置2から問合データ7Eを受信すると(#854でYes)、名刺管理サーバ1は、問合データ7Eに示される受取側識別子の端末装置2のユーザへ授与側識別子の端末装置2のユーザから名刺6が渡された実績があるか否かを判別する(#855)。
実績がある場合は(#856でYes)、名刺管理サーバ1は、その受取側識別子を示す受取側識別子データ7A4およびその授与側識別子を示す識別子データ7A3に対応する名刺受渡実績データ7B’を、その授与側識別子の端末装置2へ送信する(#857)。実績がない場合は(#856でNo)、送信しない。
名刺管理サーバ1は、サービスの提供を継続している間(#858でYes)、ステップ#852〜#853の処理およびステップ#855〜#857の処理を適宜、実行する。
一方、端末装置2は、端末用プログラム22Pに基づいて、図18に示す手順で処理を実行する。
端末装置2は、所定のコマンドが入力されると(#861でYes)、名刺の受渡しの実績を登録するための処理を行う(#862〜#868)。この処理の手順は、第一の実施形態のステップ#762〜#768(図13参照)と同様である。
または、端末装置2は、ビーコン信号7Dを受信すると(#869でYes)、第一の実施形態のステップ#770と同様に、ビーコン信号7Dの発信元、すなわち、この端末装置2へ接近している端末装置2を判別する(#870)。
判別することができた場合は(#871でYes)、端末装置2は、名刺の受渡しの実績を名刺管理サーバ1へ問い合わせる(#872)。その後、他の端末装置2から接近通知信号7K、画像データ7A1、個人データ7A2、および受渡属性データ7A5を受信すると(#873)、接近報知画面8C(図11参照)を表示する(#874)。
または、端末装置2は、名刺管理サーバ1から名刺受渡実績データ7B’を受信すると(#875でYes)、秘密鍵7J2によって復号する(#876)。これにより、平文の名刺受渡実績データ7Bが得られる。
復号に成功したら(#877でYes)、端末装置2は、名刺受渡実績データ7Bの受取側識別子データ7A4に示される端末装置2に接続し、名刺受渡実績データ7Bの画像データ7A1、個人データ7A2、および受渡属性データ7A5を、接近通知信号7Kとともに送信する(#878)。復号に失敗した場合は(#877でNo)、送信しない。
端末装置2は、サービスの提供を継続している間(#879でYes)、ステップ#862〜#868の処理、ステップ#870〜#874の処理、およびステップ#876〜#878の処理を適宜、実行する。
第二の実施形態によると、第一の実施形態と同様に、ユーザ5Aは、名刺62がユーザ5B本人のものであることを従来よりも確実に確認することができる。また、第一の実施形態と同様に、ユーザ5Bの顔を忘れていても、ユーザ5Bの顔を思い出すことができる。
さらに、第二の実施形態によると、ユーザ5Bの情報が名刺管理サーバ1において端末装置2Bの公開鍵7J1で暗号化されて管理され、端末装置2Bにおいて秘密鍵7J2によって復号されて端末装置2Aへ提供される。よって、ユーザ5Bの情報の信頼性をより高くすることができる。
第二の実施形態では、端末装置2Bは端末装置2Aへ近距離無線通信によってデータを送信したが、Wi−Fi(Wireless Fidelity)によって送信してもよい。または、名刺管理サーバ1を介して送信してもよい。
第二の実施形態においても、第一の実施形態と同様に、選択用画面8B(図10参照)を端末装置2Bに表示させ、ユーザ5Bの許可を得た場合に、接近をユーザ5Aへ通知するようにしてもよい。つまり、端末装置2Bは、復号に成功し、かつ、ユーザ5Bの許可を得た場合に、接近の通知の処理を行う。
〔第三の実施形態〕
図19は、名刺サービスシステム4の全体的な構成の例を示す図である。図20は、名刺管理サーバ1および組織情報サーバ1Cそれぞれの機能的構成の例を示す図である。図21は、端末装置2の機能的構成の例を示す図である。図22は、各装置の処理の流れの例を示すシーケンス図である。図23は、名刺受渡登録部152に記憶されるデータの例を示す図である。
第一の実施形態および第二の実施形態では、ユーザ5Aは、ユーザ5Bから名刺62(図4参照)を受け取ったら、受渡しを名刺管理サーバ1に登録しておけば、その後、ユーザ5Bに接近した際にその旨の通知を受けることができた。
登録の際に、ユーザ5Aは、所定の作業を行った。具体的には、名刺62の顔コード6Aを撮影し、顔コード6Aに基づいて表示される画像(確認用画像8A1)によって名刺62がユーザ5B本人のものであることを確認した。
ところで、ユーザ5Bからユーザ5Aへの名刺の受渡しの際に、両ユーザの傍にユーザ5Bの関係者が居合わせる場合がある。例えば、ユーザ5Bの同僚が居合わせる場合がある。
第三の実施形態では、ユーザ5Aは、上述の所定の作業を行えば、その関係者の名刺6の受渡しの登録を行わなくても、その後、その関係者に接近した際にその旨の通知を受けることができる。
以下、この仕組みを、第一の実施形態に適用する場合を例に説明する。また、ユーザ5Bの同僚であるユーザ5Cが関係者であり、ユーザ5Cがユーザ5Aおよびユーザ5Bの傍にいる場合を例に説明する。第一の実施形態と重複する点については、説明を省略する。
名刺サービスシステム4’は、図19に示すように、名刺管理サーバ1、組織情報サーバ1C、複数台の端末装置2、および通信回線3などによって構成される。名刺管理サーバ1は、組織情報サーバ1Cおよび各端末装置2と通信回線3を介して通信することができる。
組織情報サーバ1Cは、ユーザ5Bが所属する組織(例えば、会社)によって運営され、その組織に所属する者ごとの名刺などの情報を管理する。以下、ユーザ5Bが所属する組織を「組織X」と記載する。
組織情報サーバ1Cとして、いわゆるサーバ機またはクラウドサーバが用いられる。以下、サーバ機が用いられる場合を例に説明する。組織情報サーバ1Cのハードウェアの構成は、名刺管理サーバ1のハードウェアの構成(図2参照)と基本的に同様である。ただし、組織情報サーバ1CのROM10cまたは補助記憶装置10dには、名刺管理プログラム14Pが記憶されている。
名刺管理サーバ1および端末装置2それぞれのハードウェアの構成も、第一の実施形態と同様であり、それぞれ、図2および図3に示した通りである。
しかし、ROM10cまたは補助記憶装置10dには、サーバ用プログラム10Pの代わりにサーバ用プログラム13Pが記憶されている。また、ROM20cまたはフラッシュメモリ20dには、端末用プログラム20Pの代わりに端末用プログラム23Pが記憶されている。
サーバ用プログラム13Pによると、図20に示す顔画像データ記憶部151、名刺受渡登録部152、名刺データ記憶部153、登録有無判別部154、通知許否問合部155、接近通知部156、関係者名刺データ取得部157、および同席登録部158などが名刺管理サーバ1に実現される。
名刺管理プログラム14Pによると、図20に示す名刺データ記憶部161および名刺データ提供部162などが組織情報サーバ1Cに実現される。
端末用プログラム23Pによると、図21に示す顔コード読取部251、コード変換部252、相手確認部253、相手識別子記憶部254、アップロード部255、接近相手判別部256、登録有無問合部257、接近通知画面表示部258、通知許否確認部259、および近傍装置検出部261などが実現される。
ユーザ5Aは、ユーザ5Bから名刺62を受け取ると、端末装置2Aに所定のコマンドを入力する。すると、名刺管理サーバ1の各部、組織情報サーバ1Cの各部、端末装置2Aの各部、および端末装置2Bの各部は、図22に示す手順で処理を実行する。
端末装置2Aにおいて、顔コード読取部251は、第一の実施形態の顔コード読取部201と同様に、顔コード6Aを読み取るための処理を実行する(図22の#901)。
コード変換部252は、第一の実施形態のコード変換部202と同様に、顔コード6Aを解析することによって、顔コード6Aを画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3に変換する(#902)。
相手確認部253は、第一の実施形態の相手確認部203と同様に、名刺62をユーザ5Aに渡した人物がユーザ5B本人であることをユーザ5Aに確認させるための処理を行う(#903〜#904)。
確認成功ボタン8A2(図8参照)がタッチされた場合に、近傍装置検出部261、相手識別子記憶部254、およびアップロード部255は、次の処理を行う。
近傍装置検出部261は、端末装置2A自身の近距離無線通信装置20iによって受信されるビーコン信号7Dの発信元を、端末装置2A自身の近傍にある端末装置2(以下、「近傍装置」と記載する。)として検出する(#905)。具体的には、そのビーコン信号7Dに示される識別子を、近傍装置の識別子として検出する。ただし、ステップ#902で得られた識別子データ7A3に示される識別子(本例では、端末装置2Bの識別子)は、検出しない。よって、本例では、ユーザ5Cの識別子が近傍装置の識別子として検出される。
また、近傍装置検出部261は、ビーコン信号7Dの、近距離無線通信装置20iに届いたときの強さ(電波強度)が所定の強さ未満である場合は、このビーコン信号7Dに示される識別子を検出しないようにしてもよい。
アップロード部255は、第一の実施形態のアップロード部205と同様に、名刺受渡実績データ7Bを名刺管理サーバ1へアップロードする(#906)。第三の実施形態では、この際に、近傍装置検出部261によって検出された識別子を示すデータを識別子データ7Lとして名刺管理サーバ1へアップロードする。
また、相手識別子記憶部254は、コード変換部252によって得られた識別子データ7A3を記憶するとともに、識別子データ7Lを記憶する(#907)。
確認失敗ボタン8A3がタッチされた場合は、ステップ#905〜#907の処理は行われない。
名刺管理サーバ1において、名刺受渡実績データ7Bおよび識別子データ7Lが受信されると(#921)、名刺受渡登録部152および関係者名刺データ取得部157によって次の処理が実行される。
名刺受渡登録部152は、第一の実施形態の名刺受渡登録部102と同様に、名刺識別子を発行し、発行した名刺識別子と対応付けて名刺受渡実績データ7Bを名刺データ記憶部153に記憶させる(#922)。
関係者名刺データ取得部157は、識別子データ7Lを組織情報サーバ1Cへ送信することによって、近傍装置のユーザの名刺のデータを組織情報サーバ1Cへ要求する(#923)。
ところで、組織情報サーバ1Cにおいて、名刺データ記憶部161には、予め、組織Xに所属するユーザごとの画像データ7M1および個人データ7M2が、そのユーザの端末装置2の識別子と対応付けて記憶されている。画像データ7M1は、そのユーザの顔の画像を再現するためのバイナリデータである。個人データ7M2は、そのユーザの名刺6に印刷されている個人情報を表わすテキストデータである。
名刺データ提供部162は、名刺管理サーバ1から識別子データ7Lを受信すると(#941)、それに示される識別子に対応する画像データ7M1および個人データ7M2を名刺データ記憶部161から読み出し、名刺管理サーバ1へ送信する(#942)。本例では、ユーザ5Cの画像データ7M1および個人データ7M2が名刺管理サーバ1へ送信される。
名刺管理サーバ1において、同席登録部158は、組織情報サーバ1Cから画像データ7M1および個人データ7M2を受信すると(#924)、同席実績データ7Nを生成し名刺データ記憶部153に記憶させる(#925)。
したがって、名刺データ記憶部153には、図23に示すように、名刺受渡実績データ7Bだけでなく同席実績データ7Nも記憶される。
同席実績データ7Nには、画像データ7M1、個人データ7M2、識別子データ7M3、同席者識別子データ7M4、および受渡属性データ7M5が含まれている。
画像データ7M1および個人データ7M2は、組織情報サーバ1Cから受信したものである。識別子データ7M3および受渡属性データ7M5は、それぞれ、ステップ#921で受信された名刺受渡実績データ7Bに含まれる識別子データ7A3および受渡属性データ7A5と同じものである。同席者識別子データ7M4は、ステップ#921で受信された識別子データ7Lと同じものである。
なお、ステップ#905において、複数の端末装置2が検出される場合がある。この場合は、端末装置2Aのアップロード部255は、検出された端末装置2ごとの識別子データ7Lを送信する。そして、名刺管理サーバ1の各部および組織情報サーバ1Cの各部は、それぞれの識別子データ7Lに基づいてステップ#923〜#925の処理およびステップ#941〜#942の処理を実行する。
その結果、例えば、ユーザ5Cだけでなくユーザ5Dもユーザ5Aおよびユーザ5Bの傍にいた場合は、ユーザ5Cの同席実績データ7Nだけでなくユーザ5Dの同席実績データ7Nも名刺データ記憶部153に記憶される。
その後にユーザ5Aがユーザ5Bに接近した場合の処理は、第一の実施形態における処理と同様であって、図7のステップ#707〜#711、ステップ#723〜#727、およびステップ#731〜#735で説明した通りである。
これらの処理は、顔画像データ記憶部151、名刺データ記憶部153、登録有無判別部154、通知許否問合部155、接近通知部156、相手識別子記憶部254、接近相手判別部256、登録有無問合部257、接近通知画面表示部258、および通知許否確認部259によって、それぞれ、顔画像データ記憶部101、名刺データ記憶部103、受渡有無判別部104、通知許否問合部105、接近通知部106、相手識別子記憶部204、接近相手判別部206、受渡有無問合部207、接近通知画面表示部208、通知許否確認部209と同様に実行される。
ユーザ5Aがユーザ5Bの同席者に接近した場合の処理も、基本的に第一の実施形態と同様であるが、第一の実施形態とは幾つか異なる点がある。以下、これらの点を中心に、ユーザ5Aがユーザ5Cに接近した場合を例に、各装置の処理を説明する。
端末装置2Aにおいて、接近相手判別部256は、ビーコン信号7Dが近距離無線通信装置20iによって受信されるごとに(#908)、端末装置2Aに接近している端末装置2を次のように判別する(#909)。
接近相手判別部256は、受信されたビーコン信号7Dに示される識別子が、相手識別子記憶部254に記憶されているいずれかの識別子データ7A3に示される識別子またはいずれかの識別子データ7Lに示される識別子と一致するか否かをチェックする。
そして、一致する場合は、接近相手判別部256は、端末装置2Aに接近している端末装置2が、そのビーコン信号7Dに示される識別子に対応する端末装置2であると、判別する。本例では、端末装置2Cが接近していると判別される。
登録有無問合部257は、問合データ7Eを名刺管理サーバ1へ送信する(#910)。問合データ7Eには、端末装置2A自身の識別子が受取側識別子として示され、検知された端末装置2(本例では、端末装置2C)の識別子が授与側識別子として示される。
名刺管理サーバ1において、登録有無判別部154は、問合データ7Eを受信すると(#926)、受渡しまたは同席が登録されているか否かを次のように判別する(#927)。
登録有無判別部154は、名刺データ記憶部153(図23参照)の中から、有無問合データ7Eに示される受取側識別子および授与側識別子がそれぞれ受取側識別子データ7A4および識別子データ7A3に示される名刺受渡実績データ7Bを検索する。そして、そのような名刺受渡実績データ7Bが見つかったら、受渡しがあったと判別する。
見つからない場合は、登録有無判別部154は、名刺データ記憶部153の中から、有無問合データ7Eに示される受取側識別子および授与側識別子がそれぞれ同席者識別子データ7M4および識別子データ7M3に示される同席実績データ7Nを検索する。そして、そのような同席実績データ7Nが見つかったら、同席があったと判別する。本例では、同席があったと判別される。
通知許否問合部155は、同席があったと登録有無判別部154によって判別されたら、接近を受取側識別子の端末装置2のユーザへ通知してもよいか否かを、授与側識別子の端末装置2へ問い合わせる(#928)。本例では、端末装置2Cへ問い合わせる。
この際に、通知許否問合部155は、受取側識別子が対応付けられている顔画像データ7C1および個人データ7C2を顔画像データ記憶部101から読み出す。さらに、見つかった同席実績データ7Nの受渡属性データ7M5を名刺データ記憶部153から読み出す。そして、読み出した顔画像データ7C1、個人データ7C2、および受渡属性データ7M5を通知許否問合信号7Fとともに授与側識別子の端末装置2つまり端末装置2Cへ送信する。第一の実施形態と同様に、顔画像データ7C1の代わりに画像データ7M1を送信してもよい。
端末装置2Cにおいて、通知許否確認部259は、顔画像データ7C1、個人データ7C2、受渡属性データ7M5、および通知許否問合信号7Fを受信すると(#952)、接近を受取側識別子の端末装置2のユーザへ通知してもよいか否かをユーザ5Cに確認するための処理を実行する(#953〜#955)。この処理は、第一の実施形態のステップ#733〜#735の処理と基本的に同様である。ただし、選択用画面8B(図10参照)を表示するためのデータとして、受渡属性データ7A5の代わりに受渡属性データ7M5が用いられる。
名刺管理サーバ1において、接近通知部156は、許可回答データ7G1が端末装置2Cから送信されてきた場合は(#929)、接近の通知の処理を次のように実行する(#930)。
接近通知部156は、授与側識別子(本例では、端末装置2Cの識別子)に対応付けられている顔画像データ7C1を顔画像データ記憶部151から読み出す。さらに、登録有無判別部154による処理において見つかった同席実績データ7Nの個人データ7M2および受渡属性データ7M5を名刺データ記憶部153から読み出す。
そして、接近通知部156は、読み出した顔画像データ7C1、個人データ7M2、および受渡属性データ7M5を接近通知信号7Hとともに、受取側識別子の端末装置2(本例では、端末装置2A)へ送信する。
拒否回答データ7G2が送信されてきた場合は、接近通知部156は、接近の通知の処理を実行しない。
端末装置2Aにおいて、接近通知画面表示部258は、名刺管理サーバ1から接近通知信号7H、顔画像データ7C1、個人データ7M2、および受渡属性データ7M5を受信すると(#911)、第一の実施形態の接近通知画面表示部208と同様に、接近報知画面8C(図11参照)をタッチパネルディスプレイ20eに表示させる(#912)。ただし、接近報知画面8Cを表示するためのデータとして、個人データ7A2および受渡属性データ7A5の代わりに個人データ7M2および受渡属性データ7M5が用いられる。
図24は、名刺管理サーバ1の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。図25は、端末装置2の全体的な処理の流れの例を説明するフローチャートである。
次に、名刺管理サーバ1および端末装置2それぞれの全体的な処理の流れを、フローチャートを参照しながら説明する。
名刺管理サーバ1は、サーバ用プログラム13Pに基づいて、図24に示す手順で処理を実行する。
名刺管理サーバ1は、名刺受渡実績データ7Bおよび識別子データ7Lを端末装置2から受信すると(#961でYes)、名刺受渡実績データ7Bを記憶するとともに(#962)、識別子データ7Lに示される識別子に対応する画像データ7M1および個人データ7M2を組織情報サーバ1Cへ要求する(#963)。そして、組織情報サーバ1Cから画像データ7M1および個人データ7M2を受信すると(#964でYes)、同席実績データ7Nを生成し記憶する(#965)。
または、端末装置2から問合データ7Eを受信すると(#966でYes)、名刺管理サーバ1は、問合データ7Eに示される受取側識別子の端末装置2のユーザへ授与側識別子の端末装置2のユーザから名刺6が渡された実績、または、両ユーザが同席していた実績があるか否かを判別する(#967)。
どちらかの実績がある場合は(#968でYes)、名刺管理サーバ1は、両ユーザが接近していることを通知してもよいか否かを、授与側識別子の端末装置2へ問い合わせる(#969)。そして、通知してもよい旨の回答つまり許可回答データ7G1を受信したら(#970でYes)、受取側識別子の端末装置2への、接近の通知の処理を行う(#971)。
実績がない場合(#968でNo)および拒否回答データ7G2を受信した場合(#970でNo)は、接近の通知の処理を行わない。
名刺管理サーバ1は、サービスの提供を継続している間(#972でYes)、ステップ#962〜#965の処理およびステップ#967〜#971の処理を適宜、実行する。
一方、端末装置2は、端末用プログラム23Pに基づいて、図25に示す手順で処理を実行する。
端末装置2は、所定のコマンドが入力されると(#661でYes)、名刺6から顔コード6Aを読み取り(#662)、顔コード6Aを解析することによって画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3を取得する(#663)。そして、確認用画面8A(図8参照)を表示する(#664)。
端末装置2は、確認成功ボタン8A2および確認失敗ボタン8A3いずれかのタッチを受け付ける(#665)。
確認成功ボタン8A2がタッチされた場合は(#666でYes)、端末装置2は、近傍装置を検出する(#667)。そして、識別子データ7A3および近傍装置の識別子を示すデータ(識別子データ7L)を記憶するとともに(#668)、名刺受渡実績データ7Bおよび識別子データ7Lを名刺管理サーバ1へアップロードする(#669)。
確認失敗ボタン8A3がタッチされた場合は(#667でNo)、名刺管理サーバ1は、記憶もアップロードも行わない。
または、端末装置2は、ビーコン信号7Dを受信すると(#670でYes)、この端末装置2のユーザへ名刺6を渡したことがあるユーザの端末装置2または両ユーザの近傍にいたユーザの端末装置2の中から、このビーコン信号7Dの発信元を特定する(#671)。つまり、この端末装置2へ接近している端末装置2を判別する。
判別することができた場合は(#672でYes)、端末装置2は、名刺の受渡しの実績または同席の実績を名刺管理サーバ1へ問い合わせる(#673)。そして、名刺管理サーバ1から接近通知信号7Hおよび顔画像データ7C1とともに、個人データ7A2または個人データ7M2と受渡属性データ7A5または受渡属性データ7M5を受信すると(#674でYes)、接近報知画面8C(図11参照)を表示する(#675)。
または、端末装置2は、両ユーザが接近していることを通知してもよいか否かの問合せを名刺管理サーバ1から受信すると(#676でYes)、選択用画面8Bを表示し(#677)、通知の許可または拒否を受け付ける(#678)。そして、通知の許可または拒否を名刺管理サーバ1へ回答する(#679)。
端末装置2は、サービスの提供を継続している間(#680でYes)、ステップ#662〜#669の処理、ステップ#671〜#675の処理、およびステップ#677〜#679の処理を適宜、実行する。
第三の実施形態によると、ユーザ5Aは、ユーザ5Bからユーザ5Aへの名刺6の受渡しの登録を行うだけで、その後、両ユーザに同席していた関係者(例えば、ユーザ5C)とユーザ5Aとが接近した際にその旨の通知を受けることができる。よって、ユーザ5Bと一緒に居た人とも良好な関係を築きやすくすることができる。
第三の実施形態では、このような通知の仕組みを第一の実施形態に適用した場合を例に説明したが、第二の実施形態に適用してもよい。ここで、第二の実施形態に適用した場合における各装置の処理を、ユーザ5Cがユーザ5Aに接近したときを例に説明する。第一の実施形態に適用した場合と重複する点については、説明を省略する。
名刺管理サーバ1は、同席実績データ7Nを、その同席実績データ7Nの同席者識別子データ7M4の識別子に対応する公開鍵7J1によって暗号化して記憶する。また、その同席実績データ7Nに対応付けて、その同席実績データ7Nの識別子データ7M3、同席者識別子データ7M4、および受渡属性データ7M5を検索用のデータとして記憶する。
名刺管理サーバ1は、端末装置2Aから問合データ7Eを受信し、ユーザ5Aとユーザ5Cとが同席していた実績があると判別すると、この実績に係る同席実績データ7Nを、暗号化されたまま、端末装置2Cへ送信する。
端末装置2Cは、同席実績データ7Nを受信すると、自らの秘密鍵7J2によって同席実績データ7Nを復号する。そして、復号に成功したら、名刺受渡実績データ7Bの代わりに同席実績データ7Nを用いて、接近の通知の処理を行う。
第一ないし第三の実施形態では、2台の端末装置2同士が接近したことをBluetoothによって検知したが、無線LAN(Wi−Fi)によって検知してもよい。
第一ないし第三の実施形態では、端末装置2が、端末装置2自身へ接近している他の端末装置2を検知し、当該他の端末装置2を特定した。しかし、他の装置が行ってもよい。例えば、名刺管理サーバ1が行ってもよい。この場合は、名刺管理サーバ1は、各端末装置2の現在地を示すデータを、公知のGPS(Global Positioning System)またはプレゼンス技術などによって取得する。取得したデータに基づいて、2台の端末装置2同士の距離を算出し、その距離が所定の長さ(例えば、10メートル)未満であれば、両端末装置2が接近していると判別する。そして、接近の通知のための処理を行う。
顔コード6Aの偽造の防止を図るために、画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3を、公知のアルゴリズムではなく、名刺管理サーバ1に用意された特定のアルゴリズムによって顔コード6Aに変換してもよい。この場合は、端末装置2は、顔コード6Aを、このアルゴリズムに対応する復号用のアルゴリズムで画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3に変換すればよい。
または、名刺管理サーバ1に復号鍵を予め用意しておき、これらのデータを、この復号鍵に対応する暗号鍵で暗号化してから、顔コード6Aに変換してもよい。そして、名刺管理サーバ1は、画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3を、暗号化された状態で端末装置2から受信し、復号鍵で復号すればよい。
第三の実施形態では、組織情報サーバ1Cとして、組織Xつまりユーザ5Bが所属する組織の組織情報サーバ1Cのみが名刺サービスシステム4’に設けられている場合を例に説明したが、さらに、他の組織の組織情報サーバ1Cを名刺サービスシステム4’に設けてもよい。この場合は、名刺管理サーバ1は、名刺受渡実績データ7Bおよび識別子データ7Lを端末装置2から受信すると、名刺受渡実績データ7Bの識別子データ7A3に識別子が示されるユーザの所属する組織情報サーバ1Cに対して、近傍装置のユーザの名刺のデータを要求する。または、組織ごとの組織情報サーバ1Cの機能を名刺管理サーバ1に設けてもよい。
第一ないし第三の実施形態では、ユーザの身体的な特徴を、ユーザの顔の画像によって表示したが、他の方法によって表示してもよい。例えば、ユーザの外観の特徴(目尻にホクロがある、眉毛が太い、背が高いなど)または喋り方の特徴(関西弁で喋る、早口など)を表わす文字列を表示してもよい。この場合は、顔コード6Aとして、その文字列を暗号化したテキストコードを表示してもよい。
第一ないし第三の実施形態では、画像データ7A1および個人データ7A2を端末装置2から名刺管理サーバ1へアップロードし、名刺管理サーバ1に記憶させておいた。そして、接近の通知の際に、名刺管理サーバ1から画像データ7A1(または顔画像データ7C1)および個人データ7A2をその端末装置2へ送信した。
しかし、画像データ7A1および個人データ7A2を名刺管理サーバ1へアップロードせず、その端末装置2の相手識別子記憶部204、234、または254に、識別子データ7A3と対応付けて記憶させておいてもよい。そして、名刺管理サーバ1は、その端末装置2に他の端末装置2が接近した際に、当該他の端末装置2の識別子をその端末装置2へ通知すればよい。その端末装置2は、通知された識別子の識別子データ7A3に対応する画像データ7A1および個人データ7A2を相手識別子記憶部204、234、または254から読み出し、接近報知画面8C(図11参照)を表示すればよい。受渡属性データ7A5も相手識別子記憶部204、234、または254に記憶させておき、同様に読み出して使用してもよい。
または、各ユーザの画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3を予め名刺管理サーバ1に記憶させておいてもよい。この場合は、名刺6を受け取ったユーザ(受取側のユーザ)の端末装置2は、受渡属性データ7A5とともに、受取側のユーザの識別子を示すデータを受取側識別子データ7A4として名刺管理サーバ1へ送信する。画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3は、送信しない。
そして、名刺管理サーバ1は、受取側識別子データ7A4および受渡属性データ7A5の組合せを、受取側のユーザへ名刺6を渡したユーザ(授与側のユーザ)の画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3に対応付けて記憶すればよい。
第一ないし第三の実施形態では、ユーザ5Aの端末装置2Aにユーザ5Bまたは5Cの端末装置2Bまたは2Cが接近した場合に、ユーザ5Bまたは5Cの名刺6に記載される情報を端末装置2Aに表示させたが、接近していない場合であっても、ユーザ5Aが所定の操作を行えば従来通り端末装置2Aに表示させてもよい。
第一ないし第三の実施形態では、端末装置2Aに他の端末装置2が接近したことを、当該他の端末装置2から発信されるビーコン信号7Dの電波強度に基づいて検知したが、端末装置2Aと当該他の端末装置2との距離が所定の長さ(例えば、10メートル)未満であれば接近したと検知してもよい。距離は、電波強度に基づいて算出してもよいし、上述のようにGPSによって算出してもよい。
第一ないし第三の実施形態では、画像データ7A1、個人データ7A2、および識別子データ7A3を纏めて1つの顔コード6Aに変換し名刺6に記したが、それぞれ別個に二次元バーコードなどに変換し名刺6に記してもよい。または、画像データ7A1および識別子データ7A3を二次元バーコードなどに変換し名刺6に記し、個人データ7A2の二次元バーコードなどに変換しなくてもよい。この場合は、端末装置2は、名刺6を撮影することによって得られる画像から氏名および住所などの文字列を抽出し、抽出した文字列からからOCR(Optical Character Recognition)によって個人データ7A2を取得すればよい。
第一ないし第三の実施形態では、確認用画面8Aに、ユーザ5Bの情報としてユーザ5Bの顔の画像(確認用画像8A1)のみを配置したが、さらに、個人データ7A2に示される、ユーザ5Bの個人情報(氏名、会社名、会社の住所、電子メールアドレスなど)を表わす文字列を配置してもよい。そして、ユーザ5Aは、ユーザ5Bの顔と確認用画像8A1とを比較するだけでなく、名刺62に記載される個人情報と確認用画面8Aに配置される個人情報とを比較することによって、名刺62がユーザ5B本人のものであるか否かをチェックすればよい。これにより、名刺62の信憑性をさらに確実に確認することができる。
その他、名刺サービスシステム4、4’、名刺管理サーバ1、端末装置2の全体または各部の構成、処理の内容、処理の順序、データの構成、画面の構成などは、本発明の趣旨に沿って適宜変更することができる。