JP6914505B2 - 新規ペプチド及びその応用 - Google Patents

新規ペプチド及びその応用 Download PDF

Info

Publication number
JP6914505B2
JP6914505B2 JP2017029308A JP2017029308A JP6914505B2 JP 6914505 B2 JP6914505 B2 JP 6914505B2 JP 2017029308 A JP2017029308 A JP 2017029308A JP 2017029308 A JP2017029308 A JP 2017029308A JP 6914505 B2 JP6914505 B2 JP 6914505B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
chalcopyrite
peptide
amino acid
present disclosure
particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017029308A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018135279A (ja
Inventor
光雄 山下
光雄 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shibaura Institute of Technology
Original Assignee
Shibaura Institute of Technology
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shibaura Institute of Technology filed Critical Shibaura Institute of Technology
Priority to JP2017029308A priority Critical patent/JP6914505B2/ja
Publication of JP2018135279A publication Critical patent/JP2018135279A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6914505B2 publication Critical patent/JP6914505B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/20Recycling

Landscapes

  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

本発明は、新規ペプチド及びその応用に関する。より詳細には、黄銅鉱への結合能を有する新規ペプチド及びその応用に関する。
銅鉱山で産出される銅鉱石は、主に硫化鉱である。この硫化鉱には、輝銅鉱(CuS)、銅藍(CuS)等を主体とする比較的高銅品位の二次硫化銅鉱と、黄銅鉱(CuFeS)を主体とする比較的低銅品位の初生硫化鉱とが含まれる。また、硫化鉱には、硫砒銅鉱(CuAsS)等の砒素鉱物も含まれる。
砒素は環境に有害な元素であるため、精錬を行う前に硫砒銅鉱等の砒素鉱物を除去することが好ましい。しかし、硫砒銅鉱と黄銅鉱とは浮遊特性が近いため、浮遊選鉱によって硫砒銅鉱と黄銅鉱とを分離することは一般に困難である。
そこで、特許文献1では、銅鉱石、銅精鉱等の砒素を含有する含銅物から浮遊選鉱により砒素鉱物を分離する際に、チオ硫酸ナトリウムを抑制剤として用いる方法が提案されている。
また、特許文献2では、銅鉱石、銅精鉱等の砒素を含有する含銅物から浮遊選鉱により砒素鉱物を分離する際に、ポリエチレンアミン類等のキレート剤を抑制剤として用いる方法が提案されている。
特開2010−133004号公報 特開2011−156521号公報
しかし、特許文献1、2の方法によっても硫砒銅鉱と黄銅鉱との分離性能が不十分であり、実用化された例はない。このため、硫砒銅鉱と黄銅鉱とを分離することが可能な新たな技術が望まれていた。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、黄銅鉱への結合能を有する新規ペプチド及びその応用技術を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、特定のペプチドが黄銅鉱への結合能を有することを見出し、本発明を完成するに至った。より具体的には、本発明は以下のとおりである。
<1> 列番号1〜3のいずれかのアミノ酸配列を含むペプチド
<2> 列番号1〜3のいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド
<3> <1>又は<2>に記載のペプチドをコードする核酸。
<4> <3>に記載の核酸を含むベクター。
<5> <4>に記載のベクターが導入された形質転換体。
<6> <1>又は<2>に記載のペプチドを表面に提示した微生物であって、ウイルスを含む概念である微生物
<7> <1>又は<2>に記載のペプチドが固定された担体。
<8> <7>に記載の担体を含む精製カラム。
<9> <1>又は<2>に記載のペプチドを黄銅鉱に接触させる工程を含む黄銅鉱の選別方法。
<10> 黄銅鉱を含む鉱物粒子が分散した液に<6>に記載の微生物を添加する工程を含む<9>に記載の黄銅鉱の選別方法。
<11> 黄銅鉱を含む鉱物粒子が分散した液に<7>に記載の担体を添加する工程を含む<9>に記載の黄銅鉱の選別方法。
<12> 黄銅鉱を含む鉱物粒子が分散した液を<8>に記載の精製カラムに通過させる工程を含む<9>に記載の黄銅鉱の選別方法。
<13> <1>又は<2>に記載のペプチドを黄銅鉱に接触させて浮遊選鉱を行う<9>に記載の黄銅鉱の選別方法。
本発明によれば、黄銅鉱への結合能を有する新規ペプチド及びその応用技術を提供することができる。
黄銅鉱への結合能を有するペプチドを提示したファージ(C34ファージ)又はペプチドを提示していないファージ(nullファージ)を黄銅鉱粒子、硫砒銅鉱粒子、又は黄鉄鉱粒子に接触させたときの粒子の凝集状態を示す図である。 黄銅鉱への結合能を有するペプチド(C34ペプチド)を黄銅鉱粒子又は硫砒銅鉱粒子に接触させたときの粒子の凝集状態を、可視光又は蛍光フィルタを用いて顕微鏡観察した結果を示す図であり、(A)は黄銅鉱粒子の顕微鏡観察結果を示し、(B)は硫砒銅鉱粒子の顕微鏡観察結果を示す。
以下、本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
アミノ酸配列の記載は左側がN末端側であり、アミノ酸残基は当分野で周知の一文字表記(例えば、グリシン残基であれば「G」)又は三文字表記(例えば、グリシン残基であれば「Gly」)を用いて表記する。
<ペプチド>
本開示のペプチドの一態様は、下記(a)〜(c)から選択されるいずれか1種である。
(a)配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチド。
(b)配列番号1において1個若しくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、又は付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、黄銅鉱への結合能を有するペプチド。
(c)配列番号1のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、黄銅鉱への結合能を有するペプチド。
本開示のペプチドの他の態様は、下記(d)〜(f)から選択されるいずれか1種である。
(d)配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチド。
(e)配列番号1において1個若しくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、黄銅鉱への結合能を有するペプチド。
(f)配列番号1のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有し、かつ、黄銅鉱への結合能を有するペプチド。
本開示のペプチドは、黄銅鉱への結合能が高く、硫砒銅鉱等の他の鉱物への結合能が低いという性質を有する。このため、本開示のペプチドを用いることにより、例えば、黄銅鉱と他の鉱物との混合物から黄銅鉱を選別することができる。また、本開示のペプチドに蛍光色素等の識別マーカーを結合させることにより、黄銅鉱を検出することもできる。
上記(d)のペプチドは、詳細には以下のアミノ酸配列からなるペプチドである(アミノ酸配列は一文字表記で示す)。
LLVLRIIGWVMG(配列番号1)
上記(a)のペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列を含むペプチドである。上記(a)のペプチドとしては、例えば、上記(d)のペプチドのN末端側及びC末端側の少なくとも一方に、任意の数のアミノ酸残基が付加されたものが挙げられる。アミノ酸残基が付加される位置は、N末端側及びC末端側のいずれであってもよく、N末端側であることが好ましい。また、上記(d)のペプチドの片側(N末端側又はC末端側)に付加されるアミノ酸残基の数は、例えば、1〜20個であってもよく、1〜10個であってもよい。
上記(e)のペプチドは、配列番号1において1個若しくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ、黄銅鉱への結合能を有するペプチドである。置換、欠失、又は付加されるアミノ酸残基の数は、黄銅鉱への結合能が維持される限り特に制限されない。置換、欠失、又は付加されるアミノ酸残基の数は、例えば、1〜3個であってもよく、1個又は2個であってもよく、1個であってもよい。
任意のアミノ酸残基を他のアミノ酸残基に置換する場合、通常、置換前後でアミノ酸側鎖の性質が保存されていることが好ましい。アミノ酸側鎖の性質によってアミノ酸を分類する場合、例えば、親水性アミノ酸(D、E、K、R、H、S、T、N、Q);疎水性アミノ酸(A、G、V、I、L、F、Y、W、M、C、P);酸性アミノ酸(D、E);塩基性アミノ酸(K、R、H);脂肪族側鎖を有するアミノ酸(A、G、V、I、L);芳香族含有側鎖を有するアミノ酸(F、Y、W);硫黄原子含有側鎖を有するアミノ酸(M、C);等に分類することができる(括弧内のアルファベットはアミノ酸の一文字表記を示す)。
アミノ酸残基が置換、欠失、又は付加される位置は、黄銅鉱への結合能が維持される限り特に制限されない。例えば、配列番号1のN末端側の2個のアミノ酸残基のうち1個又は2個を他のアミノ酸残基に置換してもよく、配列番号1のN末端側の2個のアミノ酸残基のうち1個又は2個を欠失させてもよく、配列番号1のN末端側に1個又は2個のアミノ酸残基を付加してもよい。
上記(e)のペプチドの具体例としては、以下の配列番号2又は3のアミノ酸配列からなるものが挙げられる(アミノ酸配列は一文字表記で示す)。ただし、上記(e)のペプチドがこれらの例に限定されないことは勿論である。
LQVLRIIGWVMG(配列番号2)
HLVLRIIGWVMG(配列番号3)
上記(b)のペプチドは、配列番号1において1個若しくは数個のアミノ酸残基が置換、欠失、又は付加されたアミノ酸配列を含み、かつ、黄銅鉱への結合能を有するペプチドである。上記(b)のペプチドとしては、例えば、上記(e)のペプチドのN末端側及びC末端側の少なくとも一方に、任意の数のアミノ酸残基が付加されたものが挙げられる。アミノ酸残基が付加される位置は、N末端側及びC末端側のいずれであってもよく、N末端側であることが好ましい。また、上記(e)のペプチドの片側(N末端側又はC末端側)に付加されるアミノ酸残基の数は、例えば、1〜20個であってもよく、1〜10個であってもよい。
上記(f)のペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有し、かつ、黄銅鉱への結合能を有するペプチドである。配列番号1のアミノ酸配列との配列同一性は、92%以上であることが好ましく、95%以上であることがより好ましく、98%以上であることがさらに好ましい。
なお、配列番号1のアミノ酸配列との配列同一性は、例えば、BLASTプログラム(https://www.ncbi.nlm.nih.gov/Blast/cgi)を使用して算出することができる。
上記(f)のペプチドの具体例としては、上記の配列番号2又は3のアミノ酸配列からなるものが挙げられる。ただし、上記(f)のペプチドがこれらの例に限定されないことは勿論である。
上記(c)のペプチドは、配列番号1のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するアミノ酸配列を含み、かつ、黄銅鉱への結合能を有するペプチドである。上記(c)のペプチドとしては、例えば、上記(f)のペプチドのN末端側及びC末端側の少なくとも一方に、任意の数のアミノ酸残基が付加されたものが挙げられる。アミノ酸残基が付加される位置は、N末端側及びC末端側のいずれであってもよく、N末端側であることが好ましい。また、上記(f)のペプチドの片側(N末端側又はC末端側)に付加されるアミノ酸残基の数は、例えば、1〜20個であってもよく、1〜10個であってもよい。
本開示のペプチドの作製手法は、遺伝子工学的手法及び有機合成化学的手法のいずれであってもよい。遺伝子工学的手法の場合、後述する本開示の形質転換体を利用することができる。
<核酸>
本開示の核酸は、本開示のペプチドをコードするものである。本開示の核酸は、DNA、RNA、DNA/RNAキメラのいずれであってもよい。また、本開示の核酸は、一本鎖であっても二本鎖であってもよい。一本鎖の場合、本開示のペプチドをコードするセンス鎖であってもよく、センス鎖に対して相補的な配列を有するアンチセンス鎖であってもよい。二本鎖の場合、二本鎖DNA、二本鎖RNA、DNA及びRNAハイブリッドのいずれであってもよい。
<ベクター>
本開示のベクターは、本開示の核酸を含むものである。本開示のベクターは、本開示の核酸をベクター中のプロモーターの下流に機能的に連結することにより作製することができる。
ベクターの種類としては、プラスミドベクター、ウイルスベクター等があり、用いる宿主に応じて適宜選択することができる。プラスミドベクターとしては、大腸菌由来のプラスミドベクター、枯草菌由来のプラスミドベクター、酵母由来のプラスミドベクター等が挙げられる。ウイルスベクターとしては、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、パピローマウイルスベクター、ワクシニアウイルスベクター、SV40ベクター等が挙げられる。
プロモーターとしては、trpプロモーター、lacプロモーター、T7プロモーター、CMVプロモーター、SRαプロモーター等があり、用いる宿主に応じて適宜選択することができる。
本開示のベクターは、必要に応じて、エンハンサー、スプライシングシグナル、選択マーカー等を、それぞれ機能可能な態様で含んでいてもよい。
<形質転換体>
本開示の形質転換体は、本開示のベクターが導入されたものである。
ベクターが導入される宿主としては、細菌、酵母、昆虫細胞、哺乳動物細胞等がある。細菌としては、エシェリヒア属菌、バチルス属菌等が挙げられる。哺乳動物細胞としては、HeLa細胞、COS−7細胞、CHO細胞、CV−1細胞等が挙げられる。
宿主にベクターを導入する方法としては、リポフェクション法、リン酸カルシウム法、マイクロインジェクション法、プロトプラスト融合法、エレクトロポレーション法、DEAEデキストラン法、遺伝子銃法等が挙げられる。
なお、本開示のベクターとして発現ベクターを用い、この発現ベクターを適切な宿主に導入した場合、得られる形質転換体は本開示のペプチドを発現し得る。したがって、形質転換体を宿主の種類に応じた方法で培養し、培養物から本開示のペプチドを単離することにより、本開示のペプチドを製造することができる。本開示のペプチドを単離又は精製するには、例えば、菌体溶解液又は培養上清をクロマトグラフィー(逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、アフィニティクロマトグラフィー等)に供すればよい。
<微生物>
本開示の微生物は、本開示のペプチドを表面に提示したものである。ここで、「微生物」は、ウイルスを含む概念として定義される。本開示の微生物としては、本開示のペプチドを表面に提示できるものであれば特に制限されず、例えば、バクテリオファージ(以下、単に「ファージ」ともいう。)が挙げられる。
<担体>
本開示の担体は、本開示のペプチドが固定化されたものである。担体の表面に本開示のペプチドを固定化する手法としては、当分野で公知の手法を用いることができる。
担体としては、本開示のペプチドを固定化できるものである限り特に制限されない。担体としては、例えば、磁気ビーズ、ガラスビーズ、高分子ビーズ等の微粒子が挙げられる。
<精製カラム>
本開示の精製カラムは、本開示の担体を有するものである。本開示の精製カラムは、例えば、後述する黄銅鉱の選別方法に用いることができる。
<黄銅鉱の選別方法>
本開示の黄銅鉱の選別方法は、本開示のペプチドを黄銅鉱に接触させる工程を含むものである。上述したとおり、本開示のペプチドは黄銅鉱への結合能を有するため、本開示のペプチドを黄銅鉱に接触させることにより、黄銅鉱を選別することができる。
本開示の黄銅鉱の選別方法は、黄銅鉱を含む鉱物粒子(例えば、銅鉱石、銅精鉱等の粒子)が分散した液に本開示の微生物を添加する工程を含むものであってもよい。本開示の微生物の表面のペプチドが鉱物粒子の黄銅鉱と結合すると、鉱物粒子が凝集して沈降し得る。この沈降した鉱物粒子を回収することにより、黄銅鉱を選別することができる。
微生物の添加量は、微生物の種類、鉱物量等の諸条件を考慮して適宜決定することができる。例えば、本開示の微生物がファージである場合、ファージ量(pfu/mL)/鉱物量(g/L)の比率を0.13×10〜5×10とすることが好ましく、0.33×10〜1×10とすることがより好ましい。
また、本開示の黄銅鉱の選別方法は、黄銅鉱を含む鉱物粒子が分散した液に本開示の担体を添加する工程を含むものであってもよい。本開示の担体の表面のペプチドが鉱物粒子の黄銅鉱と結合すると、鉱物粒子が凝集して沈降し得る。この沈降した鉱物粒子を回収することにより、黄銅鉱を選別することができる。また、本開示の担体として磁気ビーズを用いている場合には、沈降を待つことなく、磁力により鉱物粒子を回収することもできる。
また、本開示の黄銅鉱の選別方法は、黄銅鉱を含む鉱物粒子が分散した液を本開示の精製カラムに通過させる工程を含むものであってもよい。黄銅鉱を含む鉱物粒子が分散した液を本開示の精製カラムに通過させると、黄銅鉱を含む鉱物粒子の流出が遅れる傾向にある。この傾向を利用することで、黄銅鉱を選別することができる。
また、本開示の黄銅鉱の選別方法は、本開示のペプチドを黄銅鉱に接触させて浮遊選鉱を行うものであってもよい。例えば、黄銅鉱を含む鉱物粒子に本開示のペプチドが結合すると、気泡にトラップされ難くなる傾向にある。この傾向を利用することで、黄銅鉱を選別することができる。
なお、浮遊選鉱に際しては、捕収剤、抑制剤、起泡剤等の浮選剤などを適宜用いることができる。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって何ら限定して解釈されるものではない。
<実施例1:ファージディスプレイ法による黄銅鉱結合ファージの選択>
黄銅鉱に結合するペプチドの選択には、12個のアミノ酸残基がランダムに結合したM13バクテリオファージライブラリーを用いた。具体的には、M13バクテリオファージライブラリーを粒子径75μm以下に粉砕した黄銅鉱に接触させ、黄銅鉱に結合したファージのみを回収した。そして、回収したファージを大腸菌に感染させて増殖させた後、再び黄銅鉱に接触させ、黄銅鉱に結合したファージのみを回収した。この結合・回収操作(パニング)を4回繰り返し、黄銅鉱への結合能が高いファージを単離した。
単離したファージのDNA配列を解析した結果、配列番号1、配列番号2、又は配列番号3のアミノ酸配列からなるペプチドが提示されていることが確認された。以下、配列番号1のアミノ酸配列からなるペプチドを提示したファージをC34ファージとも称する。
<実施例2:黄銅鉱結合ペプチドの化学合成>
配列番号1のアミノ酸配列のN末端側に3個のグリシン残基を付加したペプチドをFmoc固相合成法により化学合成し、N末端を蛍光色素で修飾した。以下、この合成したペプチドをC34ペプチドとも称する。
<実施例3:黄銅鉱結合ファージ(C34ファージ)による黄銅鉱粒子の凝集解析>
粒子径75μm以下の黄銅鉱粒子、硫砒銅鉱粒子、及び黄鉄鉱粒子を10g/Lとなるようにそれぞれ純水に懸濁し、水酸化ナトリウムを用いてpHを7.0に調整した。得られた懸濁液に、C34ファージを1×1012pfu/Lとなるように添加した。なお、C34ファージの代わりにペプチドを提示していないファージ(nullファージ)を用いたものをコントロールとした。
粒子の凝集を光学顕微鏡により観察した結果を図1に示す。図1に示すとおり、C34ファージを黄銅鉱粒子に接触させた場合には凝集が確認されたが、硫砒銅鉱粒子又は黄鉄鉱粒子に接触させた場合には凝集が確認されなかった。一方、nullファージを黄銅鉱粒子、硫砒銅鉱粒子、又は黄鉄鉱粒子に接触させた場合には、いずれも凝集が確認されなかった。この結果から、C34ファージを黄銅鉱に接触させることにより、黄銅鉱を選別できることが示唆された。
<実施例4:黄銅鉱結合ペプチド(C34ペプチド)による黄銅鉱粒子の凝集解析>
粒子径75μm以下の黄銅鉱粒子及び硫砒銅鉱粒子を10g/Lとなるようにそれぞれ純水に懸濁し、水酸化ナトリウムを用いてpHを7.0に調整した。得られた懸濁液に、C34ペプチドを100ng/Lとなるように添加し、5分間静置した。その後、粒子の凝集状態を可視光で顕微鏡観察し、さらに、蛍光フィルタ(励起波長:450〜490nm、観察波長:510nm)を用いて顕微鏡観察した。
黄銅鉱粒子及び硫砒銅鉱粒子の顕微鏡観察結果をそれぞれ図2(A)、(B)に示す。図2(A)に示すとおり、C34ペプチドを黄銅鉱粒子に接触させた場合には凝集が確認され、その凝集箇所は蛍光が観察された箇所と一致していた。一方、図2(B)に示すとおり、C34ペプチドを硫砒銅鉱粒子に接触させた場合には凝集が確認されなかった。この結果から、C34ペプチドが黄銅鉱粒子に特異的に結合することが示された。
<実施例5:黄銅鉱結合ファージ(C34ファージ)を用いたバブルピックアップ試験>
粒子径75〜100μmに篩い分けした黄銅鉱粒子及び硫砒銅鉱粒子を100g/Lとなるようにそれぞれ純水に懸濁し、水酸化ナトリウムを用いてpHを7.0に調整した。得られた懸濁液に、C34ファージを1×1013pfu/Lとなるように添加した。ボルテックスミキサーを使用して1分間撹拌した後、懸濁液中の粒子が全て沈降するまで5分間静置した。なお、C34ファージを添加していないものをコントロールとした。
次いで、マイクロピペットを使用してマイクロチップの先に20μLの気泡を形成した。気泡を沈降している粒子に2秒間接触させた後、粒子から離し、気泡に粒子が付着しているか否かを観察した。観察後に気泡を壊し、新たな気泡を形成し再度同様の操作を合計30回繰り返した。粒子が泡に付着する確率を付着確率とし、下記式に従って付着確率を算出した。結果を下記表1に示す。
付着確率(%)=(気泡に粒子が付着した回数÷30)×100
また、捕収剤による影響を確認するため、C34ファージの添加後に捕収剤を添加するほかは上記と同様にして、付着確率を算出した。より具体的には、C34ファージを添加して撹拌し、5分間静置した後、捕収剤(アミルキサントゲン酸カリウム)を終濃度40g/t(粒子質量)となるように添加した。再度ボルテックスミキサーを使用して1分間撹拌し、懸濁液中の粒子が全て沈降するまで20分間静置した。その後、マイクロチップの先に20μLの気泡を形成し、上記と同様にして付着確率を算出した。結果を下記表1に示す。
Figure 0006914505
表1に示すとおり、黄銅鉱粒子にC34ファージを接触させた場合には、気泡への付着確率が20%へと大きく低下し、捕収剤を添加しても36%までしか増加しなかった。一方、硫砒銅鉱粒子にC34ファージを接触させた場合には、気泡への付着確率が16%へと大きく低下したが、捕収剤を添加すると86%へと大きく増加した。この結果から、C34ファージを黄銅鉱に接触させて浮遊選鉱を行うことにより、黄銅鉱を選別できることが示唆された。

Claims (13)

  1. 列番号1〜3のいずれかのアミノ酸配列を含むペプチド
  2. 列番号1〜3のいずれかのアミノ酸配列からなるペプチド
  3. 請求項1又は2に記載のペプチドをコードする核酸。
  4. 請求項3に記載の核酸を含むベクター。
  5. 請求項4に記載のベクターが導入された形質転換体。
  6. 請求項1又は2に記載のペプチドを表面に提示した微生物であって、ウイルスを含む概念である微生物
  7. 請求項1又は2に記載のペプチドが固定された担体。
  8. 請求項7に記載の担体を含む精製カラム。
  9. 請求項1又は2に記載のペプチドを黄銅鉱に接触させる工程を含む黄銅鉱の選別方法。
  10. 黄銅鉱を含む鉱物粒子が分散した液に請求項6に記載の微生物を添加する工程を含む請求項9に記載の黄銅鉱の選別方法。
  11. 黄銅鉱を含む鉱物粒子が分散した液に請求項7に記載の担体を添加する工程を含む請求項9に記載の黄銅鉱の選別方法。
  12. 黄銅鉱を含む鉱物粒子が分散した液を請求項8に記載の精製カラムに通過させる工程を含む請求項9に記載の黄銅鉱の選別方法。
  13. 請求項1又は2に記載のペプチドを黄銅鉱に接触させて浮遊選鉱を行う請求項9に記載の黄銅鉱の選別方法。
JP2017029308A 2017-02-20 2017-02-20 新規ペプチド及びその応用 Active JP6914505B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017029308A JP6914505B2 (ja) 2017-02-20 2017-02-20 新規ペプチド及びその応用

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017029308A JP6914505B2 (ja) 2017-02-20 2017-02-20 新規ペプチド及びその応用

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018135279A JP2018135279A (ja) 2018-08-30
JP6914505B2 true JP6914505B2 (ja) 2021-08-04

Family

ID=63365255

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017029308A Active JP6914505B2 (ja) 2017-02-20 2017-02-20 新規ペプチド及びその応用

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6914505B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7344504B2 (ja) * 2018-09-14 2023-09-14 国立大学法人九州大学 選鉱方法
JP7299592B2 (ja) * 2019-11-05 2023-06-28 国立大学法人九州大学 選鉱方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018135279A (ja) 2018-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6857626B2 (ja) 細胞および他の複雑な生物学的材料のクロマトグラフィーによる単離
JP6914505B2 (ja) 新規ペプチド及びその応用
JP2016530271A (ja) 細胞の破砕及び/又は生体分子の回収のための微粒子
JP2019515687A (ja) ストレプトアビジン突然変異タンパク質およびそれらを使用する方法
Curtis et al. Effects of bacteriophage on the surface properties of chalcopyrite (CuFeS2), and phage‐induced flocculation of chalcopyrite, glacial till, and oil sands tailings
Maeda et al. Novel nanocomposites consisting of in vivo-biotinylated bacterial magnetic particles and quantum dots for magnetic separation and fluorescent labeling of cancer cells
JP6935876B2 (ja) 新規ペプチド及びその利用方法
JP6865925B2 (ja) ウイルス組成物及びそれを用いた分離方法
WO2023017115A1 (en) Fractionation of cells based on a marker protein
JP6796845B2 (ja) 砒素含有鉱物に結合するペプチド及びその利用
WO2008108006A1 (ja) 細胞分離方法ならびに細胞検査方法とその試薬キット
AU2019366084B2 (en) Novel peptide and method for using same
JP2024012970A (ja) コンジュゲート並びにこれを用いた標的物質の表面特性の制御方法及び標的物質の回収方法
CN110407909A (zh) 一种多肽序列及其自组装材料的制备方法及应用
CN116640202A (zh) 一种寄生蜂OBPs重组蛋白及其可溶性表达的方法
Yoshino et al. The potential of genetically engineered magnetic particles in biomedical applications

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200217

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210316

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210513

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210525

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6914505

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150