以下、本開示の技術の実施形態の一例を、図面を参照しつつ説明する。
なお、本明細書にて用いる「第1」、「第2」、及び「第3」等などの用語は、構成要素の混同を避けるために付したものであり、プロジェクタ又はレンズ内に存在する構成要素の数を限定するものではない。
図1に示すように、本実施形態のプロジェクタ10は、本開示の技術に係る「投射装置」の一例であり、投射レンズ11と、本体部12とを備える。本体部12は、本開示の技術に係る「投射装置本体」の一例である。投射レンズ11の一端部は本体部12に取り付けられている。図1は、プロジェクタ10を使用しない場合に、投射レンズ11を収納した収納状態を示している。
本体部12は、ベース部12Aと、突出部12Bと、収納部12Cとを備えている。ベース部12Aは、画像形成ユニット26(図4参照)及び制御基板(図示せず)等の主要部品を収容する。なお、画像形成ユニット26は、本開示の技術に係る「電気光学素子」の一例である。
ベース部12Aは、図1に示す平面視において、横長の略矩形状である。ベース部12Aには、挿入口12A1(図6、図10、及び図11参照)が形成されており、ベース部12Aには、挿入口12A1を介して後述のフォーカス調整筒41E(図6及び図8〜図11参照)が挿し込まれる。
突出部12Bは、ベース部12Aの一辺から突出している。突出部12Bは略矩形状であり、突出部12Bの幅は、ベース部12Aの一辺の長さの略半分程度である。そのため、本体部12は、ベース部12Aと突出部12Bとを合わせた全体として、平面視において、略L字形状である。
収納部12Cは、投射レンズ11を収納する。図1において、収納部12Cは、突出部12Bの左横に生じる空間であり、突出部12Bと同様に平面視において略矩形状をしている。つまり、図1において、本体部12の外周面のうち、上側の側面12D及び左側の側面12Eを、側面12Dと側面12Eとが交差する方向に延長したと仮定する。この延長された各側面12D及び側面12Eを外縁として画定される空間が、収納部12Cである。そのため、本体部12は、単体では略L字形状であるが、収納部12Cを含めた全体としてみると、平面視において略矩形状になる。収納部12Cは、プロジェクタ10を縦置きした場合の突出部12Bの高さに対して、ベース部12A側に窪んでいる部分と見ることもできるため、窪み部に相当する。
投射レンズ11は、プロジェクタ10を使用しない場合においては、矩形状の収納部12Cから出っ張らないよう変形されたうえで、収納部12Cに収納される。そのため、図1に示すように、収納状態においては、プロジェクタ10は、L字状の本体部12と投射レンズ11とを組み合わせた全体として、略直方体形状になり、外周面の凹凸が少なくなる。これにより、収納状態においては、プロジェクタ10の持ち運び及び収納がしやすい。
投射レンズ11には、画像形成ユニット26で形成された画像を表す光束が本体部12から入射する。投射レンズ11は、入射した光束に基づく画像光を、光学系により拡大して結像する。これにより、投射レンズ11は、画像形成ユニット26で形成された画像の拡大像をスクリーン36(図4参照)に投射する。なお、以下では、説明の便宜上、投射レンズ11の光軸上において、画像形成ユニット26側を「縮小側」とも称し、スクリーン側を「拡大側」とも称する。
投射レンズ11は、一例として、光軸を2回屈曲させる屈曲光学系(図2及び図3参照)を有しており、図1に示す収納状態では、投射レンズ11は、全体として、上方に凸の略U字形状をしている。投射レンズ11は、入射側端部14A、中間部14B、及び出射側端部14Cを備えている。中間部14Bの両端のうちの一端には、入射側端部14Aが接続され、中間部14Bの両端のうちの他端には、出射側端部14Cが接続される。入射側端部14Aには、本体部12からの光が入射する。出射側端部14Cには、出射レンズ16が設けられている。本体部12から入射側端部14Aに入射された光は中間部14Bを介して出射側端部14Cに導かれる。出射側端部14Cは、本体部12から入射側端部14A及び中間部14Bを介して導かれた光を出射レンズ16からスクリーン36に向けて光を出射する。
入射側端部14Aは、本体部12に取り付けられ、内部に後述する第1保持部を有している。入射側端部14Aの取り付け位置は、図1の左右方向において、突出部12Bに隣接した位置であり、ベース部12Aの中央付近に位置する。投射レンズ11の収納状態において、中間部14Bは、ベース部12Aの中央付近から、突出部12Bとは反対の端部側、すなわち、図1において左側に延びている。また、中間部14Bは、内部に後述する第2保持部を有している。出射側端部14Cの角部14Dと、突出部12Bの角部12Fとは、図1における左右方向において略対称をなす位置に配置される。なお、出射側端部14Cは、内部に後述する第3保持部を有している。
出射側端部14Cの外形は、突出部12Bの外形とほぼ同様の形状で形成されており、投射レンズ11の外形と本体部12の外形とに統一感を持たせている。このため、収納状態においては、投射レンズ11の外形が、あたかも本体部12の外形の一部を構成するようなデザインになっている。
図2及び図3に示すように、投射レンズ11は、屈曲光学系を備えている。屈曲光学系は、第1光軸A1、第2光軸A2、及び第3光軸A3を有する。第2光軸A2は、第1光軸A1に対して90°屈曲した光軸である。第3光軸A3は、第2光軸A2に対して90°屈曲した光軸である。
入射側端部14Aは、本体部12に対して回転不能に取り付けられている。中間部14Bは、入射側端部14Aに対して第1光軸A1周りに回転可能である。中間部14Bには、出射側端部14Cが連結されているため、中間部14Bが入射側端部14Aに対して回転すると、出射側端部14Cも第1光軸A1周りに回転する。第1光軸A1周りの回転可能範囲は360°未満であり、本例においては180°である。第1光軸A1周りの回転可能範囲が360°未満に制限されているのは、突出部12Bが入射側端部14Aに隣接している状態において、突出部12Bと投射レンズ11との干渉を防止するためである。
また、出射側端部14Cは、中間部14Bに対して第2光軸A2周りに回転可能である。中間部14Bとは異なり、第2光軸A2周りの出射側端部14Cの回転に制限はない。例えば、出射側端部14Cを360°以上回転させることも可能である。
まとめると、出射側端部14Cは、第1光軸A1と第2光軸A2との2軸を回転軸として回転可能である。これにより、使用者は、本体部12を移動させることなく、投射レンズ11の投射方向を変化させることができる。
図2は、設置面18に対して、プロジェクタ10を横置きにした状態を示し、図3は、設置面18に対して、プロジェクタ10を縦置きにした状態を示す。このように、プロジェクタ10は、横置きの姿勢及び縦置きの姿勢で使用することが可能である。
図3に示すように、突出部12Bの側面12Dには、操作パネル22が設けられている。操作パネル22は、複数の操作スイッチを有する。操作スイッチは、例えば、電源スイッチ及び調整用スイッチ等である。調整用スイッチは、各種の調整を行うためのスイッチである。調整用スイッチには、例えば、スクリーン36に投射された画像の画質調整、及び台形補正を行うためのスイッチが含まれる。
中間部14Bの一面には、第1ロック解除スイッチ24A及び第2ロック解除スイッチ24Bが設けられている。後述するように、投射レンズ11には、第1回転ロック機構(図示せず)と、第2回転ロック機構(図示せず)とが設けられている。第1回転ロック機構は、入射側端部14Aに対する中間部14Bの第1光軸A1周りの回転をロックする。第2回転ロック機構は、中間部14Bに対する出射側端部14Cの第2光軸A2周りの回転をロックする。第1ロック解除スイッチ24Aは、第1回転ロック機構に対して、中間部14Bの回転のロックを解除する指示を入力する操作スイッチである。第2ロック解除スイッチ24Bは、第2回転ロック機構に対して、出射側端部14Cの回転のロックを解除する指示を入力する操作スイッチである。
図4に示すように、本体部12には、画像形成ユニット26が設けられている。画像形成ユニット26は、投射する画像を形成する。画像形成ユニット26は、画像形成パネル32、光源34、及び導光部材(図示せず)等を備えている。光源34は、画像形成パネル32に光を照射する。導光部材は、光源34からの光を画像形成パネル32に導光する。画像形成ユニット26は、例えば、画像形成パネル32としてDMDを使用した反射型の画像形成ユニットである。DMDは、周知の通り、光源34から照射される光の反射方向を変化させることが可能な複数のマイクロミラーを有しており、各マイクロミラーを画素単位で二次元に配列した画像表示素子である。DMDは、画像に応じて各マイクロミラーの向きを変化させることで、光源34からの光の反射光のオンオフを切り替えることにより、画像に応じた光変調を行う。
光源34の一例としては、白色光源が挙げられる。白色光源は、白色光を発する。白色光源は、例えば、レーザ光源と蛍光体とを組み合わせることで実現される光源である。レーザ光源は、蛍光体に対して青色光を励起光として発する。蛍光体は、レーザ光源から発せられた青色光によって励起されることで黄色光を発する。白色光源は、レーザ光源から発せられる青色光と、蛍光体から発せられる黄色光とを組み合わせることで、白色光を発する。画像形成ユニット26には、さらに、光源34が発する白色光を、青色光B(Blue)、緑色光G(Green)、及び赤色光R(Red)の各色光に時分割で選択的に変換する回転カラーフィルタが設けられている。B、G、及びRの各色光が画像形成パネル32に選択的に照射されることで、B、G、及びRの各色の画像情報が担持された画像光が得られる。こうして得た各色の画像光が、投射レンズ11に選択的に入射されることで、スクリーン36に向けて投射される。各色の画像光は、スクリーン36上で統合されて、スクリーン36には、フルカラーの画像Pが表示される。
図5及び図6に示すように、投射レンズ11は、レンズ鏡胴40を備えている。レンズ鏡胴40は、屈曲光学系を収容する。レンズ鏡胴40は、第1鏡胴部41、第2鏡胴部42、第3鏡胴部43、及びフォーカス調整筒41Eを備えている。ここで、第1鏡胴部41は、本開示の技術に係る「第1保持部」の一例である。また、第1ミラー保持部44と第2鏡胴部42の一部は、本開示の技術に係る「第2保持部」の一例である。また、第2ミラー保持部46と第3鏡胴部43は、本開示の技術に係る「第3保持部」の一例である。更に、フォーカス調整筒41Eは、本開示の技術に係る「調整フレーム」の一例である。そして、第1保持部、第2保持部、及び第3保持部は、投射レンズ11の各種の構成部材を保持する。ここで、各種の構成部材としては、例えば、種々の光学系、反射部、及び電気駆動部等のうちの少なくとも1つ以上が挙げられる。 また、第2鏡胴部42の一部を含む第2保持部は、第1鏡胴部41を含む第1保持部に対して回転し、第3鏡胴部43を含む第3保持部は、第2保持部に対して回転する。
第1鏡胴部41、第2鏡胴部42、及び第3鏡胴部43の各々は、レンズを収容している。第1鏡胴部41に収容されているレンズは、第1光軸A1上に配置されている。第2鏡胴部42に収容されているレンズは、第2光軸A2上に配置されている。第3鏡胴部43に収容されているレンズは、第3光軸A3上に配置されている。第1鏡胴部41の中心軸は、第1光軸A1と略一致している。第2鏡胴部42の中心軸は、第2光軸A2と略一致している。第3鏡胴部43の中心軸は、第3光軸A3と略一致している。なお、図5及び図6は、図2及び図4で示した状態におけるレンズ鏡胴40を示している。なお、本実施形態においては、説明を簡略化するため、各々のレンズの詳細な構成は省略して1枚のレンズのように表現しているが、本開示の技術はこれに限定されず、各々のレンズは、複数枚のレンズであってもよい。
第1鏡胴部41は、最も入射側に位置する鏡胴部であり、第3鏡胴部43は、最も出射側に位置する鏡胴部であり、第1鏡胴部41は、本体部12に接続され、かつ、第1光軸A1の光を通す。第2鏡胴部42は、第1鏡胴部41と第3鏡胴部43との間に位置する鏡胴部である。また、第2鏡胴部42の一部は、第2光軸A2の光を通し、かつ、第1鏡胴部41に対して回転可能とされている。
さらに、レンズ鏡胴40は、第1ミラー保持部44および第2ミラー保持部46を備えている。第1ミラー保持部44は、第1ミラー48を保持し、第2ミラー保持部46は、第2ミラー49を保持する。第1ミラー48及び第2ミラー49は、それぞれ、屈曲光学系を構成する光学素子の1つであり、光軸を屈曲させる反射部である。第1ミラー48は、第1光軸A1を屈曲させることで第2光軸A2を形成する。第2ミラー49は、第2光軸A2を屈曲させることで第3光軸A3を形成する。第1ミラー保持部44は、第1鏡胴部41と第2鏡胴部42との間に配置されている。第2ミラー保持部46は、第2鏡胴部42と第3鏡胴部43との間に配置されている。
第2鏡胴部42の内筒42Aの先端部と、その先端部に保持されているレンズL22とは、第2ミラー保持部46の内部にまで入り込んでいる。これによって、レンズL22と第2ミラー49との距離が小さくなり、第2ミラー49を小型化してもレンズL22からの光を反射出来る。また、第2ミラー49の小型化と共に第2ミラー保持部46の小型化も出来る。
レンズ鏡胴40は、出射レンズ16等の一部を除いて、外装カバー50で覆われている。外装カバー50は、第1外装カバー50A、第2外装カバー50B、及び第3外装カバー50Cを有する。第1外装カバー50Aは、入射側端部14Aに対応している外装カバーであり、第2外装カバー50Bは、中間部14Bに対応する外装カバーであり、第3外装カバー50Cは、出射側端部14Cに対応する外装カバーである。
第1外装カバー50Aは、第1鏡胴部41を覆い、入射側端部14Aの外周面を構成する。第2外装カバー50Bは、主として、第1ミラー保持部44と第2鏡胴部42とを覆い、中間部14Bの外周面を構成する。第3外装カバー50Cは、主として、第2ミラー保持部46と第3鏡胴部43とを覆い、出射側端部14Cの外周面を構成する。
また、レンズ鏡胴40の外周面には、各種のアクチュエータが配置されている。具体的には、第1鏡胴部41の外周面には、ズーム用モータ51が設けられており、第2ミラー保持部46の外周面には、フォーカス用モータ52が設けられている。また、第1ミラー保持部44の外周面には、ソレノイド53(図6参照)が設けられており、第2鏡胴部42の外周面には、ソレノイド54が設けられている。ズーム用モータ51、フォーカス用モータ52、ソレノイド53、及びソレノイド54は、電気駆動部の一例である。
図6において、第1鏡胴部41は、内筒41A、外筒41B、ズームレンズ鏡胴41C、及びカム筒41Dを備えている。第1鏡胴部41には、フォーカス調整筒41Eが着脱自在に取り付けられる。
第1鏡胴部41において、内筒41Aの第1光軸A1における入射側の端部には、内筒41Aの径方向の外側に向けて突出するフランジ56が設けられている。フランジ56は、本体部12に第1鏡胴部41を接続するために用いられる。すなわち、フランジ56が本体部12に対して後述の2次元シフト機構100を介して取り付けられることで、第1鏡胴部41が本体部12に連結される。外筒41Bは、内筒41Aの出射側に配置されており、内筒41Aの外周面の一部を覆う。外筒41Bは、内筒41Aに対して第1光軸A1周りに回転可能に取り付けられている。
本体部12のベース部12Aには、2次元シフト機構100が設けられている。2次元シフト機構100は、取付面の面内方向でフランジ56を移動可能なシフト機構である。ここで言う「取付面」とは、2次元シフト機構100に対してフランジ56が取り付けられる面、すなわち、フランジ56と2次元シフト機構100とが接触する面を指す。なお、2次元シフト機構100の構成は公知であり、例えば、特開2009−186527号公報及び特開2011−158658号公報に開示されている。なお、投射レンズ11を2次元的にシフトさせる2次元シフト機構100は、投射レンズ11の本体部12から入射光の入射位置を変化させる手段の一つの例である。
第1鏡胴部41は、第1光学系L1を保持する。第1光学系L1は、例えば、レンズFA、レンズ群Z1及びレンズZ2で構成され、第1光軸A1上に配置される。レンズ群Z1は、レンズZ11及びレンズZ12で構成される。内筒41A内には、カム筒41Dとズームレンズ鏡胴41Cとが収容されている。ズームレンズ鏡胴41Cは、2群のズームレンズを保持する。2群のズームレンズは、光路において、フォーカス調整筒41Eと後述のレンズL32との間に位置している。2群のズームレンズは、本開示の技術に係る「ズーム光学系」の一例であり、レンズ群Z1とレンズZ2とで構成されている。
カム筒41Dは、本開示の技術に係る「ズーム機構」の一例であり、ズーム用モータ51の動力が付与されることで、レンズ群Z1とレンズZ2とによるズーム倍率を変更する。カム筒41Dには、第1のカム溝(図示せず)及び第2のカム溝(図示せず)が形成されている。第1のカム溝は、レンズ群Z1を移動させるためのカム溝である。第2のカム溝は、レンズZ2を移動させるためのカム溝である。レンズ群Z1のレンズ保持枠には、第1のカムピン(図示せず)が設けられている。レンズZ2のレンズ保持枠には、第2のカムピン(図示せず)が設けられている。第1のカム溝には、第1のカムピンが挿し込まれ、第2のカム溝には、第2のカムピンが挿し込まれる。
カム筒41Dが第1光軸A1周りに回転すると、レンズ群Z1は、第1のカム溝に沿って、第1光軸A1に沿って移動し、レンズZ2は、第2のカム溝に沿って、第1光軸A1に沿って移動する。このように、レンズ群Z1及びレンズZ2が第1光軸A1に沿って移動すると、レンズ群Z1の第1光軸上の位置が変化し、レンズZ2の第1光軸A1上の位置が変化し、レンズ群Z1とレンズZ2との間隔が変化する。これにより、ズームが行われ、レンズ群Z1とレンズZ2とによるズーム倍率が変更される。
カム筒41Dには、ズーム用モータ51が接続されており、カム筒41Dは、ズーム用モータ51の駆動によって回転する。内筒41Aの外側には、円筒状のギヤ58が設けられている。ギヤ58は、ズーム用モータ51の駆動によって内筒41Aの周囲を回転する。ギヤ58には、カム筒41Dを回転させるための駆動ピン(図示せず)が設けられている。ギヤ58が回転すると、駆動ピンも内筒41Aの周方向に回転し、その回転に伴ってカム筒41Dが回転する。内筒41Aには、駆動ピンとの干渉を防止するために、駆動ピンを挿通させる挿通溝(図示せず)が周方向に形成されている。
また、ズームレンズ鏡胴41Cの内部には、レンズZ11とレンズZ12との間に、固定絞りStが設けられている。固定絞りStは、本開示の技術に係る「絞り部」の一例であり、本体部12から入射した光束を絞る。固定絞りStをズームレンズ鏡胴41C内に設けることで、レンズFAよりも縮小側をテレセントリックとすることができる。よって、2次元シフト機構100等によって投射レンズ11に対する入射光束変化に対応することができる。ここで言う「テレセントリック」とは、レンズFAよりも縮小側において光軸と主光線が平行とみなせる光学的特性を指す。なお、ここでは、固定絞りStとして、開口が採用されているが、本開示の技術はこれに限定されず、固定絞りStとして、開口ではなく絞りレンズを適用してもよい。また、固定絞りStに代えて、可動式の絞りを適用してもよい。何れにしても、テレセントリックな光学系を実現する絞りであれば如何なる絞りであってもよい。
フランジ56の中央部には、開口56Aが形成されている。開口56Aの形状は、第1光軸A1側から見て円形状である(図8及び図9参照)。フォーカス調整筒41Eは、開口56Aを介して内筒41Aの入射側の端部に取り付けられており、内筒41Aに対して第1光軸A1周りに回転可能である。
フォーカス調整筒41Eは、フランジ56とズームレンズ鏡胴41Cとの間に配置される。また、フォーカス調整筒41Eは、投射レンズ11の縮小側の合焦位置と、画像形成パネル32との相対的な位置を調整するためのフォーカス調整用のレンズFAを保持する。レンズFAは、本開示の技術に係る「第1レンズ」の一例であり、光学像をフォーカスする光学素子である。
投射レンズ11の本体部12への取り付けに際しては、画像形成パネル32に対する投射レンズ11の取り付け位置に個体差が生じる。フォーカス調整筒41Eは、こうした製造時の個体差を吸収して、投射レンズ11の縮小側の合焦位置と、画像形成パネル32との相対的な位置を略同じにするために設けられる。
図7に示すように、フォーカス調整筒41Eの出射側の端部の外周面には、ネジ溝41E1が形成されている。内筒41Aの内周面にも、ネジ溝41A1が形成されている。ネジ溝41E1及びネジ溝41A1は、互いに噛み合っている。内筒41Aは本体部12に対して固定されているため、フォーカス調整筒41Eが内筒41Aに対して回転すると、ネジ溝41A1とネジ溝41E1とによるネジの作用によってフォーカス調整筒41Eが第1光軸A1に沿って移動する。
内筒41Aの周壁には、複数の長孔41A2が形成されている。複数の長孔41A2は、内筒41Aの周方向に沿って間隔を空けて配置されている。長孔41A2を平面視した場合の長孔41A2の長手方向は、内筒41Aの周方向に相当する方向である(図8及び図9)。また、長孔41A2を平面視した場合の長孔41A2の短手方向は、内筒41Aの回転軸の方向に相当する方向である(図8及び図9参照)。フォーカス調整筒41Eが開口56Aを介して内筒41Aの入射側の端部に取り付けられると、フォーカス調整筒41Eの外周面のうちの長孔41A2の位置に対応する位置の周面41E4が、長孔41A2から露出する。
フォーカス調整筒41Eは、調整部80を備えている。調整部80は、第1鏡胴部41に対して光軸A1方向(図8及び図9参照)にフォーカス調整筒41Eを移動させるために用いられる。本実施形態では、調整部80の一例として、周面41E4及び複数のネジ受け41E2が挙げられている。周面41E4及び複数のネジ受け41E2は、フランジ56よりも、投射レンズ11の拡大側に位置している。
複数のネジ受け41E2は、周面41E4に形成されている。複数のネジ受け41E2は、フォーカス調整筒41Eの周方向に沿って間隔を空けて配置されている。ネジ受け41E2は、有底円筒状に形成されており、ネジ受け41E2の内周面には、ネジ溝41E3が形成されている。フォーカス調整筒41Eが開口56Aを介して内筒41Aの入射側の端部に取り付けられると、ネジ受け41E2は、長孔41A2から周面41E4と共に露出する。
投射レンズ11は、ワッシャ付きボルト70を備えている。ワッシャ付きボルト70は、本開示の技術に係る「固定部材」の一例である。フォーカス調整筒41Eは、ワッシャ付きボルト70により内筒41Aに固定される。これは、フォーカス調整筒41Eがワッシャ付きボルト70により第1鏡胴部41に固定されることを意味する。そして、ワッシャ付きボルト70の固定力が弱まることで、フォーカス調整筒41Eは、内筒41Aに対して移動可能となる。これは、フォーカス調整筒41Eが第1鏡胴部41に対して移動可能となることを意味する。
ワッシャ付きボルト70は、ボルト72及びワッシャ74を備えている。ボルト72は、頭部72A及びネジ部72Bを備えている。ネジ部72Bは、ワッシャ74に挿し込まれている。
ネジ部72Bは、ネジ受け41E2に挿し込まれる。ネジ部72Bのネジ溝72B1は、ネジ受け41E2のネジ溝41E3に噛み合う。ワッシャ74の外径は、長孔41A2の短手方向の長さよりも長い。まず、ネジ部72Bが長孔41A2を介してネジ受け41E2に挿し込まれ、ネジ部72Bがネジ受け41E2に対して回転する。その回転により、ネジ部72Bのネジ溝72B1とネジ受け41E2のネジ溝41E3とによるネジの作用によってボルト72がネジ受け41E2の底方向に移動する。ボルト72がネジ受け41E2の底方向に移動すると、やがて、ワッシャ74は、内筒41Aの外周面41A3のうちの長孔41A2の外縁部に接触する。
そして、ワッシャ74が長孔41A2の外縁部に接触した状態で、ボルト72がネジ受け41E2の底方向に更に移動すると、内筒41Aの周壁がワッシャ74とフォーカス調整筒41Eの周壁とで挟み込まれる。ワッシャ74とフォーカス調整筒41Eの周壁とが内筒41Aの周壁を挟み込む力は、ネジ受け41E2に対するネジ部72Bのねじ込み量が多くなるに従って強くなる。このように、ワッシャ74とフォーカス調整筒41Eの周壁とが内筒41Aの周壁を挟み込むことによって、フォーカス調整筒41E及び内筒41Aが一体化される。なお、以下では、説明の便宜上、ワッシャ74とフォーカス調整筒41Eの周壁とが内筒41Aの周壁を挟み込む力を、「挟み込み力」と称する。ここで言う「挟み込み力」は、本開示の技術に係る「固定力」の一例である。
挟み込み力は、ネジ受け41E2に対してネジ部72Bをねじ込む際のネジ部72Bの回転方向とは逆の回転方向にネジ部72Bを回転させるに従って弱くなる。挟み込み力が徐々に弱くなると、やがて、ワッシャ付きボルト70は、長孔41A2の長手方向に沿って移動可能になる。ここで、ネジ部72Bがネジ受け41E2に挿入された状態で、ワッシャ付きボルト70は、長孔41A2の長手方向への外力を受けることで、フォーカス調整筒41Eが内筒41Aに対して回転する。これにより、ネジ溝41A1とネジ溝41E1とによるネジの作用によってフォーカス調整筒41Eが第1光軸A1に沿って移動する。
例えば、ワッシャ付きボルト70が長孔41A2の長手方向の一端側に位置している状態で、ワッシャ付きボルト70は、図8に示すように、矢印B方向への外力を受けることで、フォーカス調整筒41Eが内筒41Aに対して回転する。これにより、フォーカス調整筒41Eが第1光軸A1に沿って本体部12側へ移動する。
ワッシャ付きボルト70は、長孔41A2の長手方向に沿って、長孔41A2の長手方向の一端から他端にかけて移動すると、図9に示すように、長孔41A2の長手方向の一端側から、別のネジ受け41E2が露出する。
図9に示す状態、すなわち、ワッシャ付きボルト70が長孔41A2の長手方向の他端側に位置している状態で、ワッシャ付きボルト70が矢印B方向(図9参照)の逆方向への外力を受けると、フォーカス調整筒41Eが内筒41Aに対して回転する。これにより、フォーカス調整筒41Eが第1光軸A1に沿って本体部12側とは反対の側へ移動する。
図9に示す状態から、フォーカス調整筒41Eが第1光軸A1に沿って本体部12側へ移動させる場合、先ず、使用者は、図10に示すように、ワッシャ付きボルト70を長孔41A2から抜き取る。次に、使用者は、例えば、長孔41A2の長手方向の一端側から露出しているネジ受け41E2にワッシャ付きボルト70のボルト72を挿し込む。そして、使用者は、ワッシャ付きボルト70に対して、図8に示す矢印B方向への外力を与えることで、フォーカス調整筒41Eが内筒41Aに対して回転し、フォーカス調整筒41Eが第1光軸A1に沿って本体部12側へ移動する。
同様の動作を繰り返すと、フォーカス調整筒41Eが第1光軸A1に沿って本体部12側へ更に移動し、やがて、ネジ溝41E3がネジ溝41A1から離脱する。このように、ネジ溝41E3がネジ溝41A1から離脱すると、フォーカス調整筒41Eは、フランジ56の開口56Aを介して投射レンズ11から取り外し可能となる。図11に示す例では、フォーカス調整筒41Eが投射レンズ11から取り外された状態が示されている。
一方、図9に示す状態から、フォーカス調整筒41Eが第1光軸A1に沿って本体部12側とは反対の側へ移動させる場合、先ず、使用者は、図10に示すように、ワッシャ付きボルト70を長孔41A2から抜き取る。次に、使用者は、例えば、長孔41A2の長手方向の他端側から露出しているネジ受け41E2にワッシャ付きボルト70のボルト72を挿し込む。そして、使用者は、ワッシャ付きボルト70に対して、図8に示す矢印B方向とは逆方向への外力を与えることで、フォーカス調整筒41Eが内筒41Aに対して回転し、フォーカス調整筒41Eが第1光軸A1に沿って本体部12側とは反対の側へ移動する。
また、フォーカス調整筒41E用のネジ受け41E2、周面41E4、及びワッシャ付きボルト70(固定部材)は、フランジ56よりも、本体部12の外側に位置している。このように構成された投射レンズ11がフランジ56を介して本体部12に取り付けられると、使用者は、第1鏡胴部41側から、長孔41A2を介してネジ受け41E2及び周面41E4のうちの少なくとも一方にアクセスすることが可能となる。そして、使用者は、ネジ受け41E2及び周面41E4のうちの少なくとも一方に対して外力を付与することで、フォーカス調整筒41Eを第1光軸A1に沿って移動させる。従って、投射レンズ11は、使用者に対して、本体部12から投射レンズ11を取り外させてからレンズFAの第1光軸A1上の位置を調整させる場合に比べ、使用者に対して、レンズFAの第1光軸A1上の位置を容易に調整させることができる。
なお、ここでは、ネジ受け41E2にワッシャ付きボルト70のボルト72を挿し込む形態例を挙げているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、棒状部材をネジ受け41E2に挿し込んで、同様の方法で、フォーカス調整筒41Eを内筒41Aに対して回転させるようにしてもよい。また、例えば、使用者は、自身の指を、長孔41A2に挿し込んで、自身の指の力で周面41E4を長孔41A2の長手方向に沿って移動させることで、フォーカス調整筒41Eを内筒41Aに対して回転させるようにしてもよい。
外筒41Bの外周面には、第1回転位置検出センサ59が設けられている。第1回転位置検出センサ59は、内筒41Aに対する外筒41Bの回転位置を検出する。
第1ミラー保持部44は、外筒41Bの出射側の端部に一体的に取り付けられている。このため、第1ミラー保持部44は、内筒41Aに対する外筒41Bの第1光軸A1周りの回転に伴って、第1光軸A1周りに回転する。第1ミラー保持部44は、第1ミラー48の反射面が、第1光軸A1及び第2光軸A2のそれぞれに対して45°の角度をなす姿勢で第1ミラー48を保持する。第1ミラー48は、ガラス等の透明部材に反射膜をコーティングした鏡面反射型のミラーである。
第2鏡胴部42は、外筒42Aと内筒42Bとを備えている。外筒42Aは、入射側の端部が第1ミラー保持部44に一体的に取り付けられている。内筒42Bは、外筒42Aに対して第2光軸A2周りに回転可能に取り付けられている。
第2鏡胴部42は、第2光学系L2を保持する。第2光学系L2は、本開示の技術に係る「中間光学系」の一例であり、例えば、レンズL21及びレンズL22で構成され、第2光軸A2上に配置される。外筒42Aは、レンズL21を保持する。内筒42Bは、レンズL22を保持する。なお、レンズ群Z1に含まれる複数のレンズ及びレンズZ2を構成するレンズの直径は、レンズL21,L22の直径よりも、小さい。
本例において、第2光学系L2は、リレーレンズとして機能する。より具体的には、第1鏡胴部41の第1光学系L1は、第1ミラー保持部44内において、中間像を形成する。第2光学系L2は、この中間像を被写体として、中間像を表す光束を第2ミラー保持部46及び第3鏡胴部43に中継する。
第2鏡胴部42において、第2ミラー保持部46は、内筒42Bの出射側の端部に一体的に取り付けられている。このため、第2ミラー保持部46は、外筒42Aに対する内筒42Bの第2光軸A2周りの回転に伴って、第2光軸A2周りに回転する。
外筒42Aの外周面には、第2回転位置検出センサ60が設けられている。第2回転位置検出センサ60は、外筒42Aに対する内筒42Bの回転位置を検出する。
第2ミラー保持部46は、第2ミラー49の反射面が、第2光軸A2及び第3光軸A3のそれぞれに対して45°の角度をなす姿勢で第2ミラー49を保持する。第2ミラー49は、第1ミラー48と同様の鏡面反射型のミラーである。
第2ミラー保持部46の出射側の端部46Aは、第3鏡胴部43を構成している。第3鏡胴部43は、端部46Aに加えて、固定筒43Aと、出射レンズ保持枠43Bと、フォーカスレンズ鏡胴43Cとを備えている。
第3鏡胴部43は、第3光学系L3を保持する。第3光学系L3は、例えば、レンズL31、レンズL32、及び出射レンズ16で構成され、第3光軸A3上に配置される。端部46Aは、中心軸が第3光軸A3と略一致する筒状部であり、レンズL31を保持するレンズ保持枠として機能する。
端部46Aの出射側には、固定筒43Aが一体的に取り付けられている。固定筒43Aの出射側の端部には、出射レンズ保持枠43Bが一体的に取り付けられている。固定筒43Aは、内周側で、フォーカスレンズ鏡胴43Cを第3光軸A3方向に移動可能に保持する。フォーカスレンズ鏡胴43Cは、フォーカス用のレンズL32を保持する。レンズL32は、本開示の技術に係る「フォーカス光学系」の一例であり、光学像をフォーカスする光学素子である。
固定筒43Aの外周には、ギヤ62が設けられている。ギヤ62は、フォーカス用モータ52の駆動によって、固定筒43Aの周方向に回転する。ギヤ62の内周面には、ネジ溝が形成されている。固定筒43Aの外周面にも、ネジ溝が形成されている。ギヤ62の内周面のネジ溝と固定筒43Aの外周面のネジ溝とは互いに噛み合う。そのため、ギヤ62が回転すると、固定筒43Aに対して、ギヤ62が第3光軸A3方向に移動する。ギヤ62には、駆動ピン62Aが設けられており、駆動ピン62Aは、フォーカスレンズ鏡胴43Cに挿し込まれている。従って、ギヤ62の移動に伴って、フォーカスレンズ鏡胴43Cも第3光軸A3に沿って移動する。このフォーカスレンズ鏡胴43Cの移動により、投射レンズ11の縮小側の合焦位置として、スクリーン36と投射レンズ11との間の距離に応じた合焦位置が調節される。
次に、本実施形態に係る投射装置10(プロジェクタ)の作用について説明する。
先ず、フォーカス調整筒41Eが開口56Aを介して内筒41Aの入射側の端部に取り付けられた状態で、使用者は、図6に示すように、投射レンズ11のフォーカス調整筒41Eを本体部12の挿入口12A1に挿し込む。そして、投射レンズ11が挿入口12A1に挿し込まれた状態で、使用者は、フランジ56をネジ等の固定部材(図示省略)で本体部12の2次元シフト機構100に固定する。
次に、使用者は、図4に示すように、出射レンズ16をスクリーン36に向け、操作パネル22を操作することで、本体部12を作動させる。これにより、画像形成ユニット26で形成された画像を表す光束が本体部12から投射レンズ11に入射され、投射レンズ11に入射された光束に基づく画像光に基づく画像の拡大像がスクリーン36に対して投射される。
図4に示す状態では、すなわち、プロジェクタ10を横置きの姿勢にした場合、図6に示すように、レンズ群Z1及びレンズZ2は、内筒41A内において、水平方向に沿って配置された状態になる。この場合、レンズ群Z1及びレンズZ2が鉛直方向に沿って配置された状態、すなわち、図3に示すように、プロジェクタ10を縦置きの姿勢にした状態に比べ、レンズ群Z1及びレンズZ2が第1鏡胴部41に対して与える重量的な影響が軽減される。
一方、図3に示すように、プロジェクタ10を縦置きの姿勢にした状態であっても、ズーム用モータ51の駆動が停止された場合には、ズーム用モータ51の回転の抑制力が内筒41Aに対して働く。これにより、内筒41Aがズーム用モータ51に接続されていない場合に比べ、ズーム用のレンズ群Z1及びレンズZ2が第1鏡胴部41に対して与える重量的な影響が軽減される。
以上説明したように、図6において、投射レンズ11は、レンズ群Z1及びレンズZ2と、本体部12に接続され、かつ、第1光軸A1の光が通る第1鏡胴部41を備えている。また、投射レンズ11は、第2光軸A2が通り、かつ、第1鏡胴部41に対して回転可能な第2鏡胴部42を備えている。そして、レンズ群Z1及びレンズZ2は、第1鏡胴部41に保持されている。
このように構成された投射レンズ11が搭載されたプロジェクタ10の姿勢は、横置きの姿勢(図2参照)、又は、縦置きの姿勢(図3参照)で使用される。プロジェクタ10が横置きの姿勢の場合、第1鏡胴部41は、第1光軸A1が水平方向に沿うように倒れた状態で使用される。これに対し、プロジェクタ10が縦置きの姿勢の場合、第1鏡胴部41は、第1光軸A1が鉛直方向に沿うように起立した状態で使用される。すなわち、レンズ群Z1及びレンズZ2は、鉛直方向に配置された状態と水平方向に配置された状態との2つの状態で使用可能となる。
従って、投射レンズ11は、レンズ群Z1及びレンズZ2の配置方向が鉛直方向に常に固定されている場合に比べ、レンズ群Z1及びレンズZ2から受ける重量的な影響を軽減することができる。
また、図10において、投射レンズ11は、投射レンズ11内で中間像を結像させ、結像させた中間像を出射し、レンズ群Z1及びレンズZ2は、光路において、中間像の結像位置よりも上流側である。
このように構成された投射レンズ11では、中間像の結像位置よりも投射レンズ11の縮小側では、光束が小さくなる。よって、投射レンズ11は、投射レンズ11内で中間像を結像させずに光を投射レンズ11から出射させる場合に比べ、レンズ群Z1及びレンズZ2を小型化することができる。
また、投射レンズ11は、フォーカス用のレンズL32と、第3光軸A3が通り、かつ、第2鏡胴部42に対して回転可能な第3鏡胴部43と、を備えている。そして、フォーカス用のレンズL32は、第3鏡胴部43に保持されている。従って、このように構成された投射レンズ11は、レンズL32の第3光軸A3が鉛直方向に沿って常に配置されている場合に比べ、レンズL32から受ける重量的な影響を軽減することができる。
また、投射レンズ11において、第2鏡胴部42は、第2光学系L2を有している。そして、第2光学系L2を構成するレンズL21,L22の直径よりも、レンズ群Z1に含まれる複数のレンズ及びレンズZ2を構成するレンズの直径が小さい。従って、投射レンズ11は、レンズ群Z1に含まれる複数のレンズ及びレンズZ2の直径がレンズL21,L22の直径以上の場合に比べ、レンズ群Z1及びレンズZ2から受ける重量的な影響を軽減することができる。
また、投射レンズ11は、ズーム用モータ51に接続されており、ズーム用モータ51の動力が付与されることで、レンズ群Z1及びレンズZ2のズーム倍率を変更するカム筒41Dを備えている。従って、投射レンズ11は、ズーム用モータ51を用いずにレンズ群Z1及びレンズZ2のズーム倍率を変更する場合に比べ、ズーム用モータ51の駆動が停止された場合のズーム用モータ51による回転の抑制力で、レンズ群Z1及びレンズZ2から受ける重量的な影響を軽減することができる。一方、レンズL21,L22は第2鏡胴部42に固定されているレンズのため、重量的な影響を気にする必要がない。
また、投射レンズ11は、固定絞りStと、固定絞りStよりも光路上流側に配置されたレンズFAと、を備えている。そして、固定絞りStの内径は、レンズFAの直径よりも小さいため、2次元シフト機構100及び/又はその取付面を小型化し、投射レンズ11内の光学特性を維持しつつ、投射レンズ11を取付面の面内方向で移動可能とすることができる。
また、投射レンズ11において、固定絞りStである開口に代えて、絞りレンズを適用してもよく、この場合、ズームレンズ鏡胴41C内にあるレンズ群Z1に絞りレンズが含まれる。従って、投射レンズ11は、レンズ群Z1の外側に絞りレンズが存在する場合に比べ、投射レンズ11の小型化に寄与することができる。
また、投射レンズ11は、レンズFAを保持するフォーカス調整筒41Eを備えている。フォーカス調整筒41Eは、第1鏡胴部41に対して、第1光軸A1の延在方向に移動可能とされている。従って、投射レンズ11は、投射レンズ11の縮小側の合焦位置を調節することができる。
更に、投射レンズ11は、フォーカス用のレンズL32と、レンズ群Z1とを備えている。そして、レンズ群Z1は、投射レンズ11の光路において、レンズFAとレンズL32との間に位置している。従って、レンズL32及びレンズFAのうちの一方が、他方とレンズ群Z1と間に位置する場合に比べ、使用者に対して、レンズL32及びレンズFAの状態を外部から確認させ易くすることができる。
なお、上記実施形態では、使用者がスクリーン36上の拡大像を確認しながら、投射レンズ11の縮小側の合焦位置を調整する場合について説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、スクリーン36上に画像が投影される前に、投射レンズ11の縮小側の合焦位置が調整されるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、フランジ56を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。フランジ56に代えて、投射レンズ11を本体部12に取り付けるための他の取付部であってもよい。他の取付部としては、例えば、ネジ溝が挙げられる。すなわち、投射レンズ11側と本体部12側との各々にネジ溝を設け、投射レンズ11側のネジ溝と本体部12側のネジ溝とを噛み合わせることで、投射レンズ11が本体部12に取り付けられるようにしてもよい。また、他の取付部としては、例えば、弾性部材が挙げられる。すなわち、投射レンズ11側にパッキン等の弾性部材を設け、本体部12側に圧入溝を設け、投射レンズ11側の弾性部材を本体部12側の圧入溝に圧入させることで、投射レンズ11が本体部12に取り付けられるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、フォーカス光学系のレンズFAを例示したが、本開示の技術はこれに限定されず、例えば、レンズFAに代えて、複数のレンズを有するフォーカス用のレンズ群を用いてもよい。同様に、他の光学系も、構成するレンズは1枚であってもよいし、複数枚であってもよい。
また、上記実施形態では、長孔41A2を例示したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、長孔41A2に代えて、円形状又は台形状の開口であってもよく、周面41E4を露出させる開口であればよい。
電気光学素子に相当する画像形成パネル32としては、DMDの代わりにLCDを使用した透過型画像形成パネルを用いてもよい。また、DMDの代わりにLED(Light emitting diode)及び/又は有機EL(Electro luminescence)のような自発光型素子を用いたパネルを用いてもよい。反射部としては、鏡面反射型の代わりに、全反射型のミラーを用いてもよい。
上記例では、光源34としてレーザ光源を用いている例を説明したが、これに限らず、水銀ランプ及び/又はLEDを光源34として用いても良い。また、上記例では、青色レーザ光源と黄色蛍光体を用いたが、これに限らず、黄色蛍光体の代わりに緑色蛍光体と赤色蛍光体を用いても良い。また、黄色蛍光体の代わりに緑色レーザ光源と赤色レーザ光源を用いても良い。
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。