JP6913101B2 - 放射性標識大環状egfr阻害剤 - Google Patents

放射性標識大環状egfr阻害剤 Download PDF

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Description

本発明は、上皮増殖因子受容体(EGFR)を画像化するための陽電子放射断層撮影(PET)トレーサーとして適した、フッ素18放射性標識大環状キナゾリン化合物に関し、インビボ診断、前臨床および臨床腫瘍イメージング、EGFRの突然変異状態に基づく患者の層別化、ならびに治療的処置に対する腫瘍応答の評価におけるその使用に関する。本発明は前駆体化合物および放射性トレーサーを調製する方法をも記載する。本発明は、調節解除されたEGFRによって影響されるかまたはそれによってドライブされる任意の癌、例えば、これに限定されるものではないが、非小細胞肺癌(NSCLC)、膵臓がん、肝細胞がん、食道がん、胃がん、結腸直腸がん、前立腺がん、子宮頸部がん、腎臓がん、卵巣がん、乳がん、頭頸部扁平上皮癌および悪性神経膠腫に関連する。
陽電子放射断層撮影(PET)は、身体の機能的な加工画像を生成する核医学イメージング技術である。放射性トレーサーは、PETにおいて診断ツールとして使用され、関心のある分子の組織濃度を画像化する。分子イメージングバイオマーカーの開発は、治療分子の開発と密接に関連している。潜在的な標的の中で、キナーゼは多くの利点を提供し、特に (i)それらは細胞の調節において中心的な役割を果たし、(ii)バイオテクノロジーおよび製薬業界には多数のキナーゼ特異的小分子ライブラリーが存在し、 (iii)さまざまな治療適応症への適用される臨床(イマチニブ、ソラフェニブ、スニチニブ・・・)においていくつかのキナーゼ標的療法が使用される。
キナーゼのうち、上皮増殖因子受容体(EGFR)は、進行性非小細胞肺癌(NSCLC)の治療のための確立された標的である。3つのEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)であるゲフィチニブ(イレッサ(登録商標))、エルロチニブ(タルセバ(登録商標))およびアファチニブ(ジオトリフ(登録商標))は、NSCLCの治療のための承認がなされており、第3世代の分子は臨床開発中である。複数のランダム化比較試験により、活性化EGFR突然変異(エキソン19δまたはL858R点突然変異)の存在と、ゲフィチニブ、エルロチニブおよびアファチニブに対する客観的応答との間の関連が確認され、EGFR突然変異陽性腫瘍(10〜15%)を有するNSCLC患者の第一選択治療としてのプラチナベースの化学療法よりも優れていることが実証されている(非特許文献1)。残念ながら初期の良好な調節にもかかわらず、患者の大多数は長期間(6〜12ヶ月)TKIに対する抵抗性を示すだろう。耐性のメカニズムがまだ完全に特徴づけられていない場合、ほとんどの患者(50%)は、EGFRのエキソン20に位置する付加的なT790M突然変異を獲得する(非特許文献2、非特許文献3)。患者の他のサブグループは、ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ(PI3K)/AKT経路の活性化につながる、再発患者の20%までの原因であるMET癌原遺伝子(protoongene)の増幅またはホスファターゼおよびテンシンホモログ(PTEN)腫瘍抑制遺伝子の不活性化の耐性を示す (非特許文献4)。 EGFR-TKIの欠如後の進行性疾患を有するNSCLC患者に対する確立された治療選択肢の欠如は、この成長する患者群をいかにして最良に管理するかについて医師にとって大きな挑戦をもたらす。
放射性標識TKI(TKI-PET)によるPETイメージングは、インビボでEGFRTKIに対する応答性を決定し、予測するツールを提供することができる。治療応答性を早期に評価し、腫瘍耐性をもたらす分子突然変異の空間的および時間的な獲得を決定するための非侵襲的技術に対する臨床上の必要性が存在する。TKI-PETは、患者への治療に適応させ、腫瘍抵抗性の空間的および時間的進化およびその分子的因果関係に従って最善の治療法または治療法の組み合わせを選択することを医師に導く潜在的な個別化された医療ツールである。
本発明は、インビトロおよび前臨床イメージング研究で評価されたEGFRを標的とする新たな放射性標識(フッ素18)化合物を提供する。この化合物は、EGFR標的化療法によって治療された腫瘍におけるこの活性の突然変異状態および追跡と相関するEGFRの活性を予測するのに有用であり得る。腫瘍中の放射性標識化合物の取り込みは、PETを用いて測定することができる。11C-エルロチニブまたは18F-アファチニブによるこの原理の例がそれぞれ非特許文献5および非特許文献6によって公開されている。大環状キナゾリン誘導体は、適切な抗増殖剤であることが既に報告されているが(特許文献1)、驚くべきことに我々は本発明の特定の化合物が非常に適切なPETトレーサーであることを見出した。
WO2004105765
Sebastianet al., 2014, European RespiratoryReview, 23 (131): 92-105 Pao et al., 2005, PLoS Medicine, 2(3): e73 Yun et al., 2008, PNAS 105 (6): 2070 Sequist et al., 2011, Science translationalmedicine, 3(75): 75ra26 Memon et al inBritish Journal of Cancer,2011, 1850-1855 Slobbe et al inNuclear Medicine and Biology41 (2014) 749-757
本発明は、インビボ診断、前臨床および臨床腫瘍イメージング、EGFRの突然変異状態に基づく患者の層別化、および治療処置に対する腫瘍応答のためのPETトレーサーとしてEGFR(erbB1)に選択的な放射性リガンドを提供することを目的とする。
第一の態様において、本発明は、式(I)のフッ素18標識化合物、またはその任意のプロドラッグ、薬学的に許容される塩、代謝産物、多形体、溶媒和物、水和物、立体異性体、放射性同位体または互変異性体を提供する。
Figure 0006913101
特定の態様において、本発明は、式(II)に表されるS-立体異性化学(stereoisochemistry)または式(III)に表されるR-立体異性化学(stereoisochemistry)または、任意のそのプロドラッグ、薬学的に許容される塩、代謝産物、多形体、溶媒和物、水和物、立体異性体、放射性同位体または互変異性体、特に、式(III)に表されるR-立体異性化学(stereoisochemistry)、を有する本発明のフッ素18標識化合物を提供する。
Figure 0006913101
Figure 0006913101
さらなる態様において、本発明は、式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物を含み、場合によりさらに1以上の不活性担体および/または希釈剤を含む放射性医薬組成物を提供する。好ましい態様において、本発明は、式(II)に記載の放射性標識化合物を含み、場合によりさらに1以上の不活性担体および/または希釈剤を含む放射性医薬組成物を提供する。
さらなる態様において、本発明は、式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物、または式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物を含む放射性医薬化合物のヒト医薬における診断剤としての使用を提供する。
本発明はさらに式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物、または式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物を含む放射性医薬化合物の腫瘍イメージングにおける使用を提供する。
さらなる態様において、本発明は式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物、または式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物を含む放射性医薬化合物の使用を含むインビボ診断または腫瘍イメージングの方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物、または式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物を含む放射性医薬化合物の診断イメージング等に有効量を必要とされるヒトに投与することを含み、陽電子放出断層撮影法を用いて前記ヒトの腫瘍におけるEGFRを定量するのに有用な画像を得る、ヒトのEGFR関連腫瘍の診断イメージングの方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、定量が望まれるヒト組織等を有効量の式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物、または式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物を含む放射性医薬化合物と接触させることを含み、陽電子放出断層撮影法を用いてEGFRを検出または定量する、ヒト組織におけるEGFRの定量方法を提供する。
別の態様において、本発明は式(I)に記載の放射性標識化合物を調製する方法を提供する。前記方法は放射性標識された
Figure 0006913101
を式(Ib)の化合物と反応させ、生じる式(I)の化合物を単離する工程を含む。
Figure 0006913101
好ましい態様において、本発明は式(III)に記載の放射性標識化合物を調製する方法を提供する。前記方法は放射性標識された
Figure 0006913101
を式(IIIb)の化合物と反応させ、生じる式(III)の化合物を単離する工程を含む。
Figure 0006913101
代替の態様において、本発明は式(II)に記載の放射性標識化合物を調製する方法を提供する。前記方法は放射性標識された
Figure 0006913101
を式(IIb)の化合物と反応させる工程を含む。
Figure 0006913101
ここで図面を具体的に参照するが、示される詳細は、例示としてのものであり、本発明の異なる態様の説明のためだけのものであることが強調される。これらは、本発明の原理および概念的側面の最も有用で容易な説明であると考えられるものを提供するために提示される。この点に関し、本発明の基本的な理解に必要であるよりもより詳細に本発明の構造的詳細を示す試みはなされていない。この記載は本発明のいくつかの形態がどのようにして実際に実施され得るかを当業者に明らかにする図面を用いたものである。
NCI-H3255(A)およびNCI-H441(B)細胞株抽出物に対する競合実験で決定された化合物(II)の結合親和定数。NCI-H3255およびNCI-H441細胞株抽出物を、化合物(II)(0.5〜0.7nM)および増加濃度の化合物(IIa)(0.05nM〜10μM)と共に室温で90分間インキュベートした。 NCI-H3255 (A) およびNCI-H1975(B)腫瘍抽出物に対する競合実験で決定された化合物(II)の結合親和定数。NCI-H3255およびNCI-H1975腫瘍抽出物を、化合物(II)(0.1〜0.3 nM)および増加濃度の化合物(IIa)(0.25nM〜1μM)と共に室温で90分間インキュベートした。 NCI H3255(A)およびNCI H1975(B)腫瘍抽出物について評価した化合物(II)の結合動態。化合物(II)(1.5〜2.5nM)を抽出物と共に室温で2〜90分間インキュベートした。非特異的結合を>100倍過剰の化合物(IIa)の存在下で評価した。 いくつかの細胞株および主要器官(%ID/g)における化合物(II)の体内分布、(A)90分、6MBq;または(B)180分、30MBq(B);ならびに(C)血中、(D)筋肉および(E)腫瘍における取り込み。 化合物(II)の標準化された取り込み - 筋肉に対する腫瘍の比 腫瘍を収集し、PETイメージングに関連する放射能を計数することによって測定した腫瘍における取り込み 交絡因子としての腫瘍体積を考慮に入れて、収集された腫瘍から測定した取り込みと免疫組織化学(IHC)によって測定したpEGFR強度との関係 (A):3つの腫瘍モデルすべてについて、腫瘍体積を点として示した取り込みに対するpEGFR 。(B)〜(D):腫瘍体積が1000 mm3未満(黒色ドット)または1000 mm3以上(灰色三角形)であると決定された、取り込みおよびpEGFRの相関の各モデルについて、(B)NCI-H441、(C) NCI-H3255 、(D) NCI-H1975。 交絡因子としての腫瘍体積を考慮に入れて、収集された腫瘍から測定した取り込みと免疫組織化学(IHC)によって測定したpEGFR強度との関係 (A):3つの腫瘍モデルすべてについて、腫瘍体積を点として示した取り込みに対するpEGFR 。(B)〜(D):腫瘍体積が1000 mm3未満(黒色ドット)または1000 mm3以上(灰色三角形)であると決定された、取り込みおよびpEGFRの相関の各モデルについて、(B)NCI-H441、(C) NCI-H3255 、(D) NCI-H1975。 ゲフィチニブまたは化合物(IIa)のいずれかとの競合の有無にかかわらず、正常化した腫瘍摂取。(%ID/g)単位。(A)腫瘍取り込み−体内分布 90分、6MBq;(B)腫瘍取り込み−体内分布 180分、30MBq;(C)T/M−体内分布90分、6MBq;(D)T/M −体内分布180分、30MBq ゲフィチニブまたは化合物(IIa)のいずれかとの競合の有無にかかわらず、正常化した腫瘍摂取。(%ID/g)単位。(A)腫瘍取り込み−体内分布 90分、6MBq;(B)腫瘍取り込み−体内分布 180分、30MBq;(C)T/M−体内分布90分、6MBq;(D)T/M −体内分布180分、30MBq Sprague-Dawleyラットでの単回投与後の動的PETによって測定された主要臓器中の化合物I、IIおよびIIIの時間活性曲線(時間の関数としての放射性崩壊に対して補正された注入線量%)。(A)腎臓および肝臓における化合物I、IIおよびIIIの結果;(B)腸、腎臓、肝臓および胃における化合物I、IIおよびIIIの結果。 Sprague-Dawleyラットでの単回投与後の動的PETによって測定された主要臓器中の化合物I、IIおよびIIIの時間活性曲線(時間の関数としての放射性崩壊に対して補正された注入線量%)。(A)腎臓および肝臓における化合物I、IIおよびIIIの結果;(B)腸、腎臓、肝臓および胃における化合物I、IIおよびIIIの結果。 Sprague-Dawleyラットでの単回投与後の動的PETによって測定された主要臓器中の化合物I、IIおよびIIIの時間活性曲線(時間の関数としての放射性崩壊に対して補正された注入線量%)。(A)腎臓および肝臓における化合物I、IIおよびIIIの結果;(B)腸、腎臓、肝臓および胃における化合物I、IIおよびIIIの結果。 Sprague-Dawleyラットでの単回投与後の動的PETによって測定された主要臓器中の化合物I、IIおよびIIIの時間活性曲線(時間の関数としての放射性崩壊に対して補正された注入線量%)。(A)腎臓および肝臓における化合物I、IIおよびIIIの結果;(B)腸、腎臓、肝臓および胃における化合物I、IIおよびIIIの結果。
以下、本発明をさらに説明する。 以下の節では、本発明の異なる態様をより詳細に定義する。そのように定義された各態様は、明確に反対の指示がない限り、他の態様と組み合わせてもよい。特に、好ましいまたは有利であると示される任意の特徴は、好ましいまたは有利であると示される他の任意の特徴と組み合わせてもよい。
文脈上別途指示がない限り、アスタリスクは、本明細書では、描かれた一価または二価の遊離基が関連する構造に連結され、その遊離基が部分を形成する点を示すために使用される。
前述のとおり、第一の態様において、本発明は、式(I)の化合物、またはその任意のプロドラッグ、薬学的に許容される塩、代謝産物、多形体、溶媒和物、水和物、立体異性体、放射性同位体または互変異性体を提供する。
Figure 0006913101
本発明の化合物は、キラル中心として機能する1つの不斉炭素原子を含んでもよく、異なる光学的形態(例えば、鏡像異性体)をもたらしてもよい。本発明は、すべての可能な構成のすべてのそのような光学的形態、ならびにそれらの混合物を含む。
より一般的に、上記から、当業者には、本発明の化合物が、これに限定されるものではないが、本発明の化合物に存在する環の異なる位置に同じ置換基が存在することに対応する幾何異性体、配座異性体、E/Z-異性体、立体化学異性体(すなわち鏡像異性体およびジアステレオ異性体)を含む異なる異性体および/または互変異性体の形態で存在し得ることは明らかであろう。全てのそのような可能性のある異性体、互変異性体およびそれらの混合物は、本発明の範囲内に含まれる。
本発明で使用されるときはいつでも、「本発明の化合物」という用語または同様の用語は、一般式(I)、(II)または(III)の化合物(すなわち放射性標識化合物)およびその任意のサブグループ(Ia)、(IIa)または(IIIa)の化合物(すなわち、「コールド」化合物)を含む。この用語は、その任意のプロドラッグ、薬学的に許容される塩、代謝産物、多形体、溶媒和物、水和物、立体異性体、放射性同位体または互変異性体をも意味する。化合物(Ib)、(IIb)または(IIIb)は、本発明の化合物の調製に使用される前駆体化合物である。本発明の化合物および前駆体化合物のリストの概要は、表Aに見出すことができる。
表A
Figure 0006913101
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含む。例として、「化合物」は、1つの化合物または2つ以上の化合物を意味する。
上述の用語および本明細書で使用される他の用語は、当業者にはよく理解されている。
好ましい態様において、本発明は、式(III)の化合物、すなわち式(I)の化合物のR-鏡像異性体である化合物を提供する。
Figure 0006913101
代替の態様において、本発明は式(II)の化合物、すなわち、式(I)の化合物のS-鏡像異性体である化合物を提供する。
Figure 0006913101
さらなる態様において、本発明は、式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物を含み、場合によりさらに1以上の不活性担体および/または希釈剤を含む放射性医薬組成物を提供する。好ましい態様において、本発明は、式(II)の放射性標識化合物を含み、場合によりさらに1以上の不活性担体および/または希釈剤を含む放射性医薬組成物を提供する。
さらなる態様において、本発明は式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物、または式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物を含む放射性医薬組成物のヒト医薬における診断剤としての使用を提供する。
本発明は式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物、または式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物を含む放射性医薬組成物の腫瘍イメージングにおける使用をさらに提供する。
さらなる態様において、本発明は式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物、または式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物を含む放射性医薬組成物の使用を含む、インビボ診断または腫瘍イメージングの方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物、または式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物を含む放射性医薬化合物を、必要とされるヒトに診断イメージング等に有効量を投与することを含み、陽電子放出断層撮影法を用いて前記ヒトの腫瘍におけるEGFRを定量するのに有用な画像を得る、ヒトのEGFR関連腫瘍の診断イメージングの方法を提供する。
さらなる態様において、本発明は、定量が望まれるヒト組織等を有効量の式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物、または式(I)、(II)または(III)のいずれかに記載の放射性標識化合物を含む放射性医薬化合物と接触させることを含み、陽電子放出断層撮影法を用いてEGFRを検出または定量する、ヒト組織におけるEGFRの定量方法を提供する。
本発明の化合物は、以下の実施例で提供される反応スキームに従って調製することができるが、当業者はこれらは本発明の単なる例示であり、本発明の化合物は、有機化学の当業者によって一般的に使用されるいくつかの標準的な合成工程のいずれかによって調製され得ることを理解するであろう。
従って、別の態様において、本発明は式(I)に記載の放射性標識化合物を調製する方法を提供する。前記方法は放射性標識された
Figure 0006913101
を式(Ib)の化合物と反応させ、生じる式(I)の化合物を単離する工程を含む。
Figure 0006913101
好ましい態様において、本発明は式(III)に記載の放射性標識化合物を調製する方法を提供する。前記方法は放射性標識された
Figure 0006913101
を式(IIIb)の化合物と反応させ、生じる式(III)の化合物を単離する工程を含む。
Figure 0006913101
代替の態様において、本発明は式(II)に記載の放射性標識化合物を調製する方法を提供する。前記方法は放射性標識された
Figure 0006913101
を式(IIb)の化合物と反応させ、生じる式(II)の化合物を単離する工程を含む。
Figure 0006913101
診断の方法
本発明は、癌、より詳細にはこれに限定されることはない、非小細胞肺癌、膵臓癌、肝細胞癌、食道癌、胃癌、結腸直腸癌、前立腺癌、子宮頸癌、腎臓癌、卵巣癌、乳癌、頭頸部扁平上皮癌および悪性神経膠腫を含む群から選択される少なくとも1つの疾患または障害の診断および治療の追跡方法を提供する。診断に使用するために、本発明の化合物は、遊離の酸または塩基として、および/または薬学的に許容される酸付加および/または塩基付加塩の形態で(例えば、毒性のない有機酸または無機酸で得られる)または水和物、溶媒和物および/または複合体の形態で、および/またはプロドラッグもしくはプレドラッグ(例えば、エステル)の形態で使用されてもよい。本明細書中で使用されるとき、特に言及がない限り、用語「溶媒和物」は、アルコール、ケトン、エステル等(これらに限定されない)のような適切な無機溶媒(例えば、水和物)または有機溶媒と本発明の化合物によって形成され得る任意の組合せを含む。そのような塩、水和物、溶媒和物等およびそれらの調製は、当業者には明らかであろう。文献US-A-6,372,778、US-A-6,369,086、US-A-6,369,087およびUS-A-6,372,733の記載において、例えば、塩、水和物、溶媒和物などに言及されている。
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、すなわち、水溶性、油溶性または水分散性または油分散性の生産物の形態で、例えば、無機または有機の酸または塩基から形成される通常の非毒性塩または第四級アンモニウム塩を含む。そのような酸付加塩の例は、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、クエン酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、シュウ酸塩、パルモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トシル酸塩、およびウンデカン酸塩を含む。塩基塩としては、アンモニウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩およびマグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、ジシクロヘキシルアミン塩、N-メチル-D-グルカミン等の有機塩基との塩、アルギニン、リジン等のアミノ酸との塩を含む。さらに、塩基性窒素含有基は、メチル、エチル、プロピルおよびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物のような低級アルキルハロゲン化物; ジメチル、ジエチル、ジブチルのようなジアルキル硫酸;デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物のような長鎖ハロゲン化物、ベンジルおよび臭化フェネチルのようなアラルキルハロゲン化物のような薬剤で四級化されてもよい。他の薬学的に許容される塩としては、硫酸塩エタノール付加物(sulfate salt ethanolate)および硫酸塩を含む。
一般的に、診断使用の用途で、本発明の化合物は、少なくとも1つの本発明の化合物および少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤または賦形剤および/またはアジュバントを含む診断用調製物または放射性医薬組成物として製剤化してもよい。
非限定的な例によって、そのような製剤は、非経口投与(静脈内注射等による)に適した形態であり得る。このような適切な投与形態、ならびにその調製に使用するための方法および担体、希釈剤および賦形剤は、当業者には明らかであろう;文献ではUS-A-6,372,778、US-A-6,369,086、 US-A-6,369,087およびUS-A-6,372,733や、レミントンの薬学(Remington's PharmaceuticalSciences)の最新版のような標準的な手引書でも言及されている。
そのような調製の非限定的で好ましい例では、そのような製剤にそれ自体適した担体、賦形剤、および希釈剤と配合することができる、ボーラスおよび/または連続投与のための滅菌した注射用溶液が含まれる。さらに、アルコールなどの共溶媒は、化合物の溶解性および/または安定性を改善し得る。水性組成物の調製において、本発明の化合物の塩の添加は、それらの水溶性の増加のために、より適切であり得る。
本発明の医薬製剤は、好ましくは単位剤形であり、例えば、容器、ブリスター、バイアル、ボトル、サシェ、アンプル、または他の適切な単回用量もしくは複数用量のホルダーまたは容器(適切に標識されていてもよい)で、任意で製品情報および/または使用説明書を含む1以上のリーフレットと一緒に、適切に包装されてもよい。化合物は、静脈内経路によって投与することができ、本発明の少なくとも1つの化合物は、一般に、任意の量の式(I)、(II)または(III)またはそのいずれかのサブグループの化合物により「有効量」で投与され、これは、適切な投与により、投与される個体における診断イメージングを可能にするのに十分な任意の量の化合物を意味する。通常、イメージされる状態に応じ、このような有効量は、通常、1回の投与につき患者の1キログラム体重1日当たり1〜10Mbq、より頻繁には3〜5Mbq/kgであり、1日1回の用量として投与することができる1日当たりの患者の体重1キログラム当たりの量であってよい。投与される量および投与経路は、患者の年齢、性別および全身状態などの要因に応じて、放射線科医または核物理学者によって決定されてもよい。
本発明は、本発明の範囲を限定するものではない以下の合成および生物学的実施例を用いて説明される。
合成経路
前駆体化合物式(IIb)の調製
前駆体化合物式(IIb)の調製はスキーム1に記載される。
Figure 0006913101
Figure 0006913101
スキーム1

スキーム1に従って、(2S)-2-アミノ-3-メチルブタン酸メチルから出発して、式(IIb)のS−鏡像異性体が主要な鏡像異性体である混合物が得られる。該 S-鏡像異性体(IIb)は、キラルHPLCによってR−鏡像異性体(IIIb)から分離することができる。
中間体(3)
Figure 0006913101
アセトニトリル(139ml) 中の2-(4-クロロ-2-ニトロ-フェニル)酢酸(10.0g、46.38mmol)およびメチル(2S)-2-アミノ-3-メチル-ブタノエート;塩酸塩(7.78g、46,38 mmol) の撹拌溶液に、 O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N、N、N’、N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(21.11g、55.66mmol)およびN、N-ジイソプロピルエチルアミン(23.42ml、139.14 mmol)を加えた。混合物を室温で一晩撹拌した。酢酸エチルを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。生成物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
中間体(4)
Figure 0006913101
トルエン、テトラヒドロフランおよび水(450 ml)中の中間体(3)(46.38 mmol)、鉄(12.95 g、231.90mmol)および塩化アンモニウム(24.81 g、463.80mmol)の混合物を還流下で一晩攪拌した。反応混合物を冷却し、濾過し、残渣をテトラヒドロフランとメタノール(4:1)の混合物で洗浄した。濾液の溶媒を減圧下で除去した。酢酸エチルを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。
収率:中間体(4) 12.0 g (87%)
LCMS法1: MH+ = 299、RT= 0.763 分
中間体(6)
Figure 0006913101
イソプロパノール(119ml)中の(4-クロロ-7-メトキシ-キナゾリン-6-イル)アセテート(10.02g、39.66mmol)および中間体(4) (11.85 g、39.66mmol)の混合物を80℃で5時間撹拌した。混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去した。酢酸エチルを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。生成物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
収率:中間体(6) 9.64 g (47%)
LCMS法 1: MH+ =492、RT= 0.430 分
中間体(7)
Figure 0006913101
メタノール(110ml)中の中間体(6) (13.87 g、26.93mmol)の溶液に、メタノール(7N)(38ml)中のアンモニアを加えた。反応混合物を室温で48時間撹拌した。酢酸エチルを加え、有機層をブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。生成物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
LCMS 法 1: MH+ = 473、RT=0.618 分
中間体(9)
Figure 0006913101
乾燥N、N-ジメチルホルムアミド(57.5ml)中の中間体(7) (9.06 g、19.16mmol)の溶液に炭酸セシウム(9.36g、28.74mmol)を加え、混合物を室温で1時間撹拌した。tert-ブチルN-(3-ブロモプロピル)カルバメート(5.02g、21.08mmol)を加え、反応混合物を室温で一晩撹拌した。酢酸エチルを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。生成物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
収率:中間体(9) 11.48 g (95%)
LCMS法 1: MH+ = 630, RT = 0.877 分
中間体(10)
Figure 0006913101
中間体(9)(11.48g、18.22mmol)を1,4-ジオキサン(227ml)に溶解し、12N塩酸溶液(45.5ml、546.60mmol)を加えた。反応混合物を60℃で3時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣をジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥した。 生成物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
LCMS法1: MH+ = 517、RT=0.366 分
中間体(11)
Figure 0006913101
N、N-ジメチルホルムアミド(100ml)中の中間体(10) (3.30 g、5.97mmol)の溶液を、2時間かけて、N、N-ジメチルホルムアミド(200ml)中のO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N、 N、N’、N’ -テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(4.98g、13.13mmol)およびN、N-ジイソプロピルエチルアミン(30.5ml、179.16mmol)の溶液に加えた。反応混合物を室温で30分間撹拌した。 溶媒を減圧下で除去した。ジクロロメタンを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。水層をジクロロメタンで洗浄した。合わせた有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をアセトニトリルからの結晶化によって精製した。
収率:中間体(11) 1.55 g (52%)
LCMS法 1: MH+ =498、RT= 0.581 分
中間体(IIb)
Figure 0006913101
実験は中間体(11)0.3gで6バッチ行った。
N、N-ジメチルアセトアミド(8ml)中の中間体(11) (0.3g、0.60mmol)、塩化リチウム(0.25g、5.90mmol)および硫化二ナトリウム(0.515g、6.60mmol)の混合物に、水(2滴/ml N、N-ジメチルアセトアミド)を滴下し加えた。反応混合物を室温で30分間、140℃で4時間攪拌した。酢酸エチルを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。水層を酢酸エチルで洗浄した。合わせた有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をアセトニトリルからの結晶化により精製した。
収率:中間体(IIb) 2.22 g (85%)
LCMS法 2: MH+ =484、RT= 2.000 分
コールド類似体(IIa)の調製
Figure 0006913101
乾燥N、N-ジメチルホルムアミド(4.0ml)中の中間体(IIb) (110 mg、0.23mmol)の溶液に、炭酸セシウム(91mg、0.28mmol)を添加した。混合物を室温で1時間撹拌した。乾燥N、N-ジメチルホルムアミド(1.0ml)中の1-フルオロ-2-ヨード-エタン(260mg、1.5mmol)の溶液を加え、混合物の反応物を室温で一晩撹拌した。酢酸エチルを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。 残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。
収率:化合物(IIa) 54 mg (44%)、純度=99%
LCMS法 2: MH+ =530、RT= 2.443 分
2つの鏡像異性体のキラル分離は、前駆体化合物(IIb)またはコールド類似体(IIa)のいずれかで達成することができる。例えば、限定するものではないが、式(IIb)の化合物の30/70 R/S混合物のキラル分離が記載される。
式(IIb)の前駆体化合物のキラル分離:
分取方法:
カラム: CHIRALPAK(登録商標); IA 5 μm -250 x 30 mm
移動相:二酸化炭素/(エタノール+1%ジエチルアミン)60/40
流速: 120ml/分
検出: UV 230 nm
アウトレット圧力: 120 bar
温度:25°C
解析法:
カラム: CHIRALPAK(登録商標); AD-H 5 μm- 250 x 4.6 mm
移動相: n-ヘプタン/エタノール/エチレンジアミン 80/20/0.1
流速:1 ml/分
検出:DAD 300 nm
温度:25℃
結果:
420mgの粗物質から:
Figure 0006913101
純粋な鏡像異性体を用いて、アルキル化工程(コールドまたは18Fで)を実施することができる。
中間体(IIIb)および化合物(IIIa)の(R)-鏡像異性体・類似体は、上記の実験手順に従って調製することができる。
前駆体化合物式(IIIb)の調製
前駆体化合物(IIIb)の調製は、スキーム2に記載される。
Figure 0006913101
Figure 0006913101
スキーム2

スキーム2に従って、メチル(2R)-2-アミノ-3-メチル-ブタノエートから出発して、式(IIIb)のR-鏡像異性体が主要に生じる鏡像異性体である混合物が得られる。R-鏡像異性体(IIIb)は、キラルHPLCによってS-鏡像異性体(IIb)から分離することができる。
中間体(13)
Figure 0006913101
アセトニトリル(179ml) 中の2-(4-クロロ-2-ニトロ-フェニル)酢酸(12.86g、59.65mmol)およびメチル(2R)-2-アミノ-3-メチル-ブタノエート;塩酸塩(10.0g、59.65mmol) の撹拌液に、O-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N、N、N’、N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(27.147g、71.58mmol)およびN、N-ジイソプロピルエチルアミン(31.172ml、178.95mmol)を添加した。混合物を室温で一晩撹拌した。酢酸エチルを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。生成物をさらに精製することなく次の工程で使用した。.
中間体(14)
Figure 0006913101
トルエン、テトラヒドロフランおよび水(1:1:1,450ml)中の中間体(13) (59.65 mmol)、鉄(16.66g、298.95mmol)および塩化アンモニウム(31.907g、596.5mmol)の混合物を還流下で一晩撹拌した。反応混合物を冷却し、濾過し、残渣をテトラヒドロフランとメタノール(4:1)の混合物で洗浄した。 濾液の溶媒を減圧下で除去した。 酢酸エチルを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。
収率:中間体(14) 16.5 g (93%)
中間体(16)
Figure 0006913101
イソプロパノール(113.4ml)中の(4-クロロ-7-メトキシ-キナゾリン-6-イル)アセテート(9.553g、37.81mmol)および中間体(14) (11.30 g、37.81mmol)の混合物を80℃で5時間撹拌した。混合物を冷却し、溶媒を減圧下で除去した。酢酸エチルを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。生成物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
収率:中間体(16) 19 g (98%)
LCMS法 1: MH+ =515、RT= 1.209 分
中間体(17)
Figure 0006913101
メタノール(110.7ml)中の中間体(16) (19.00g、36.90mmol)の溶液に、メタノール(7N)(60ml)中のアンモニアを加えた。反応混合物を室温で48時間撹拌した。酢酸エチルを加え、有機層をブラインで洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。生成物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
収率:中間体(17) 13.6 g (78%)
中間体(19)
Figure 0006913101
乾燥N、N-ジメチルホルムアミド(86.3ml)中の中間体(17) (13.60 g、28.76mmol)の溶液に炭酸セシウム(14.056g、43.14mmol)を加え、その混合物を室温で1時間撹拌した。Tert-ブチルN-(3-ブロモプロピル)カルバメート(6.85g、28.76mmol)を加え、その反応混合物を室温で一晩撹拌した。酢酸エチルを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。溶離液としてヘプタンおよび酢酸エチルを使用するシリカゲル上でのフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製した。
収率:中間体(19) 3.05 g (17%)
LCMS法 1: MH+ = 630、RT= 1.474分
中間体(20)
Figure 0006913101
1,4-ジオキサン(55ml)中で中間体(19) (2.635g、4.18mmol)を溶解し、12N塩酸溶液(10.9ml、125.40mmol)を加えた。反応混合物を60℃で3時間攪拌した。溶媒を減圧下で除去した。残渣をジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥した。生成物をさらに精製することなく次の工程で使用した。
中間体(21)
Figure 0006913101
N、N-ジメチルホルムアミド(150ml)中の中間体(20) (3.05 g、5.52mmol)の溶液に、N、N-ジメチルホルムアミド(250ml)中のO-(ベンゾトリアゾール-1-イル)-N、N、N’、N’-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(2.09g、5.52mmol)およびN、N-ジイソプロピルエチルアミン(28.163ml、165.60mmol)の溶液を2時間かけて加えた。 反応混合物を室温で30分間撹拌した。アンモニア溶液(メタノール中7N溶液、2ml)を加え、その混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を減圧下で除去した。ジクロロメタンを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。水層をジクロロメタンで抽出した。 合わせた有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。残渣を、溶離剤としてジクロロメタンおよびメタノール(20%)を用いたシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物画分を集め、溶媒を減圧下で除去した。 生成物をメタノールで粉砕し、濾過し、固体を減圧下で乾燥させた。
収率:中間体(21) 750 mg (27%)
中間体(IIIb)
Figure 0006913101
実験は中間体(21)0.3gで9バッチ行った。
N、N-ジメチルアセトアミド(8ml)中の中間体(21) (0.3 g、0.60mmol)、塩化リチウム(0.25g、6.00mmol)および硫化二ナトリウム(0.515g、6.60mmol)の混合物に水(2滴/ mlのN、N-ジメチルアセトアミド) )の溶液を加えた。反応混合物を室温で30分間、140℃で4時間攪拌した。さらなる硫化ナトリウム(0.4当量)を加え、反応混合物を140℃で1時間撹拌した。酢酸エチルを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。 水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。粗生成物をアセトニトリルからの結晶化により精製し、固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄した。化合物を減圧乾燥した。
収率:中間体(IIIb) 164 mg (56%)
コールド類似体 (IIIa)の調製
Figure 0006913101
乾燥N、N-ジメチルホルムアミド(5.0ml)中の中間体(IIIb)(156mg、0.32mmol)の溶液に、炭酸セシウム(124mg、0.38mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌した。乾燥N、N-ジメチルホルムアミド(1.0ml)中の1-フルオロ-2-ヨード-エタン(110mg、0.64mmol)の溶液を加え、その混合反応物を室温で一晩撹拌した。酢酸エチルを加え、有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液で洗浄した。有機層を乾燥させ、濾過し、溶媒を減圧下で除去した。 残渣をシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した。 生成物をジエチルエーテルで粉砕し、濾過し、減圧下で乾燥させた。
収率:化合物(IIIa) 95 mg (56%)
LCMS法 2: MH+ =530、RT= 2.537 分
2つの鏡像異性体のキラル分離は、前駆体化合物(IIIb)またはコールド類似体(IIIa)のいずれかで達成することができる。例えば、限定されないが、式(IIIa)の化合物の70/30 R/S混合物のキラル分離が記載される。
式(IIIa)の化合物のキラル分離:
分取方法:
カラム:CHIRALPAK(登録商標);AD-H 5 μm - 250 x 30 mm
移動相:エタノール/メタノール 50/50
流速:30 mL/分
検出:UV 250 nm
温度:25℃
解析法:
カラム:CHIRALPAK(登録商標) IA 5 μm - 250x 4.6 mm
移動相:ヘプタン/イソプロパノール/エチレンジアミン 50/50/0.1
流速:1 mL/分
検出:DAD 336 nm
温度:35℃
100%エタノールに溶解した試料
結果:
141mgの粗物質(IIIa)から:
Figure 0006913101
化合物の同定
LCMS
本発明の化合物のLCMS特性決定のために、以下の方法を用いた。
一般手順 LCMS
すべての分析は、オートサンプラー、サーモスタット付きカラムコンパートメント、およびダイオードアレイ検出器で構成されたバイナリポンプからなるAgilent 1290シリーズ液体クロマトグラフィ(LC)システムに接続されたAgilent 6110シリーズLC/MSD四重極を使用して行った。質量分析計(MS)は、陽イオンモードで大気圧エレクトロスプレーイオン化(API-ES)源で操作した。キャピラリー電圧を3000Vに設定し、フラグメンター電圧を70Vに設定し、四重極温度を100℃に維持した。乾燥ガス流および温度値はそれぞれ12.0L/分および350℃であった。ネブライザーガスとして窒素を35psigの圧力で使用した。 Agilent Chemstationソフトウェアを使用してデータ収集を行った。
LCMS法1
一般手順LCMS1に加え、分析は、PhenomenexKinetex C18カラム(長さ50mm×内径2.1mm;1.7μm粒子)で60℃、流速1.5mL/分で行った。90%(水+ 0.1%ギ酸)/10%アセトニトリル〜10%(水+ 0.1%ギ酸)/90%アセトニトリルの勾配溶出を1.50分行い、その後、最終移動相組成をさらに 0.40分行った。標準注入容量は2μLであった。獲得範囲は、UV-PDA検出器については254nmに、MS検出器については80〜800m/zに設定した。
LCMS法2
一般手順LCMS1に加え、分析は、YMCパックODS-AQ C18カラム(長さ50mm×内径4.6mm、粒子3μm)で35℃、流速2.6mL/分で行った。95%(水+0.1%ギ酸)/5%アセトニトリル〜5%(水+ 0.1%ギ酸)/95%アセトニトリルの勾配溶出を4.80分行い、次いで最終移動相組成をさらに 1.00分行った。標準注入容量は2μLであった。 獲得範囲は、UV-PDA検出器については190〜400nmに、MS検出器については100〜1400m/zに設定した。
放射性標識最終化合物(II)の調製
放射性標識最終化合物(II)の調製はスキーム3に記載される。
Figure 0006913101
スキーム3

放射性標識化合物の合成は、自動合成機(TracerLab FX-FN Pro、GE Healthcare)で行われる。
放射性標識中間体(23) [ 18 F] フルオロエチルトシレート:
Figure 0006913101
18O(p,n)18F核反応を介して陽子を富加した18O H2Oの照射により、キャリアなしで添加した水溶性18F-フッ化物イオンをサイクロトロン(PET trace、GE Healthcare)で生成した。18F-フッ化物をGE TRACERlab FX-FN合成機に移し、陰イオン交換樹脂(炭酸塩形態のWaters Sep-Pak Accell Light QMAカートリッジ)に通した。トラップされた18F-フッ化物は、K2CO3(300μLの純水中7mg)、アセトニトリル(300μL)、および22mgのKryptofix-222(4,7,13,16,21,24-ヘキサオキサ-1,10-ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン)を含む水溶性溶出液で溶出することにより単離された。ACN(1mL)の添加による共沸乾燥を行った。蒸発は、ヘリウムフローおよび真空下で90℃で実施し、操作を2回繰り返した。
フッ化物を含む反応器1に、エチレン二トシル酸塩(350μLのACN中10mg)を加えた。反応器を90℃で7分間加熱し、次いで30℃に冷却した。[18F]フルオロエチルトシレートを、ジクロロメタン(DCM)およびシクロヘキサン(5mL、5/5:v/v)で調整したシリカカートリッジ(Sep Pak Plus、WAT020520、Waters)で精製した。2mLのDCM/シクロヘキサン(5/5:v/v)を反応器に加えた。混合物をカートリッジに通し、溶出液を廃棄物に送った。1.5mLのDCM/シクロヘキサン(7/3:v/v)を使用して、カートリッジから[18F] フルオロエチルトシレートを反応器2に溶出させた。. 溶媒をヘリウムフロー下で加熱することによる大気圧下で除去した。同じ操作を1回繰り返した。
放射性標識最終化合物(II)
Figure 0006913101
乾燥した[18F]フルオロエチルトシレートを含むFX-FN Proモジュールの反応器2に、炭酸セシウム2.8mg(水20μL中2.8mg)を含む中間体IIb(400μLのDMSO中3mg)を加えた。反応器を加圧下に置き、100℃で20分間加熱した。次に反応器を30〜35℃に冷却し、1.5mLの酢酸アンモニウム(0.1M)/ACN(6/4:v/v)を加えて粗溶液を希釈した。溶液をループ上に充填し、FX-FNProモジュールに組み込まれたHPLCで精製した。酢酸アンモニウム(0.1M)/ACN(6/4:v/v)を移動相とし、4mL /分の流速を有するAgilent XDB C18 5μm 9.4 x 250mmカラムで精製を行った。これらの条件では、時間保持は約16分である。集めた画分を30mLの水で希釈し、tC18ライトカートリッジ(Waters)に通した。カートリッジを5mLの水ですすぎ、500μLの注射可能なエタノールを使用することにより、最終放射性標識化合物をカートリッジから溶出させた。3.5mLの生理的血清を加えることにより処方を完了させた。
この方法により、100〜110分で98%を超える放射化学的純度、25%に達する収率(減衰補正)で最終放射性標識化合物を得ることができる。[18F]フルオロエチルトシレートの精製に使用される溶媒の不完全な蒸発が第2工程を妨害し、収率を低下させることに言及する。産物の比活性は70〜150GBq/μモルの範囲であった。放射標識された化合物は、放射性化学的純度が、室温での貯蔵による製造後、依然として95%20時間を超える処方条件において安定である。血漿(Plasmatic)安定性も産物の有意な分解なしに4時間まで検査された。
式(III)の(R)-鏡像異性体放射性標識化合物は、上記の実験手順に従って調製することができる。
Figure 0006913101
インビトロおよびインビボアッセイ
特に記載がない限り、インビトロおよびインビボアッセイは、R(30%)およびS(70%)化合物の混合物を用いて実施された。
生化学IC50および選択性プロフィールの決定
3つのプロテインキナーゼ、EGFR野生型および2つのEGFR変異体(L858R、L858R/T790M)の生化学的キナーゼ活性を測定するために放射性プロテインキナーゼアッセイ(33PanQinase(登録商標)活性アッセイ)を使用した。化合物を100%DMSOで試験した。すべての組換えプロテインキナーゼおよびそれぞれの濃度の基質を表1に記載する。
表1:生化学的キナーゼ活性アッセイに使用される組換えプロテインキナーゼおよび基質
Figure 0006913101
EGFR(野生型およびL858R変異体であるがL858R/T790Mではない)を標的とする参照化合物として使用された化合物(IIa)およびゲフィチニブを、3つの形態のEGFRに対してプロファイリングした。EGFR 野生型およびEGFR L858R変異体に対する化合物(IIa)の活性は、ゲフィチニブと同じ範囲であり10nM未満であった(表2)。他方、EGFR L858R/T790M二重変異体に対する生化学活性は、ゲフィチニブと比較して改善された。
表2a:ゲフィチニブと比較した化合物IaのnMにおける生化学活性
Figure 0006913101
表2b:キラル分離後の化合物(IIa)および化合物(IIIa)のnMにおける生化学活性
Figure 0006913101
化合物(IIa)およびゲフィチニブについて、キナーゼの多様性を表すように選択された92野生型キナーゼのパネルに対するキナーゼ選択性を決定した。化合物の残留活性をIC50決定と同じプロトコールに従って100nMおよび1μMで決定した。対応するキナーゼおよび基質は、常にATP Km濃度で試験した。選択性は、残留活性に比例するドットサイズを有する樹状図上に表される。選択性スコアS(50)は、以下のように計算される:
Figure 0006913101
EGFRおよびRIPK2は100nMの濃度で化合物(IIa)によって50%以上阻害された唯一の野生型キナーゼであったため、選択性は非常に良好であった(データは示さず)。このプロファイルはゲフィチニブのプロファイルに匹敵する。 EGFR 野生型またはEGFR L858R突然変異体に対する主要な活性と比較して100倍を超える1μMで、我々は9つの他のキナーゼ(ゲフィチニブについて2つの他のキナーゼ)に対して50%を超える阻害を観察した。選択性スコアS(50)は、100nMおよび1μMでそれぞれ2.2%および11.9%である。
化合物(IIa)-純粋なS-鏡像異性体の選択性スコアS(50)は、100nMおよび1μMでそれぞれ2.5%および13%である。
化合物(IIIa)-純粋なR-鏡像異性体の選択性スコアS(50)は、100Nmおよび1μMでそれぞれ0.6%および2.8%である。
細胞活性
化合物の細胞活性をアッセイするために使用された細胞株は、以下の表3に詳述されている:
表3:細胞株の説明およびそれぞれのEGFR変異状態
Figure 0006913101
腫瘍細胞は、各細胞株に適合した完全培養培地中、加湿雰囲気(5%CO2)中、37℃で単層として増殖した。化合物の細胞活性は、テトラゾリウム化合物(MTS、3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-5-(3-カルボキシメトキシフェニル)-2-(4-スルホフェニル)-2H-テトラゾリウム)およびPMS(phenazine methosulfat:フェナジンメトサルフェート)と呼ばれる電子カップリング試薬を用いたMTSアッセイにおける癌細胞の生存率を測定することによって評価した。MTSは、処理することなく培養培地に直接溶解するホルマザン産物に細胞によって生体還元される。ビヒクル処理条件下での実験終了時、培養培地中の適切な密度で処理する24時間前に細胞をコンフルエンスの90%近くで播種した。化合物の添加後、細胞を72時間インキュベートした。
表4に示すとおり、化合物(IIa)およびゲフィチニブの細胞活性は同じ範囲にある。化合物(IIIa)は、NCI-H3255(平均IC50は6.1nM)に対して非常に高い活性を示し、NCI-H1975(平均IC50は5μM)に対しては中程度の活性を示したが、NCI-H441 (平均IC50は34.7μM)に対しては弱い活性を示した。EGFRを発現しないMCF-7についても一連の実験を行った(ネガティブコントロール)。化合物(Ia)および対応するS(IIa)およびR(IIIa)鏡像異性体は、MCF-7((IC50は62.1μM)に対して非常に弱い活性を有し、良好な細胞選択性を示唆する。
表4: NCI-H441、NCI-H3255、NCI-H1975およびMCF-7で実施されたMTSアッセイによって決定されたゲフィチニブと比較した IC50of 化合物 (Ia)、化合物 (IIa) すなわち純粋な S-鏡像異性体) および化合物(IIIa) (すなわち純粋なR-鏡像異性体)
Figure 0006913101
EGFRリン酸化に対する化合物の影響
ゲフィチニブと比較して化合物(Ia)によって誘導されたEGFRリン酸化の阻害を評価するために、各化合物の用量範囲で細胞を処理し、10ng/mlのEGFで誘導した。Y1068のリン酸化への効果はウエスタンブロットによって観察された(データは示さず)。NCI-H441において、化合物(Ia)は、ゲフィチニブよりもわずかに良好なレベルでEGFによって誘導されるリン酸化を阻害し、1μMでほぼ完全な阻害が観察された。NCI-H3255では、構成的に活性なEGFRの完全な阻害が観察された。このキナーゼ阻害は、ゲフィチニブ阻害と同様のレベルで化合物(Ia)について約100nMで観察された。NCI-H1975によって発現される構成的に活性な二重変異体EGFRにおいて、この細胞株はT790M突然変異を介してこの薬物に対する耐性を獲得したので、ゲフィチニブは1μMの最高用量では活性ではない。興味深いことに、化合物(Ia)は、ゲフィチニブと比較してこの新たなフッ素化化合物のEGFRキナーゼ活性のわずかに良好な阻害を再び示し、ゲフィチニブと異なり10μMでEGFR活性を部分的に阻害すると思われる。
溶解度と安定性
化合物の動力学的溶解度をPBS(pH 7.4)で評価した。化合物(Ia)は、PBS中で88μMの良好な溶解度を示した(表5)。
表5:化合物(Ia)および化合物(I)の溶解度と安定性
Figure 0006913101
放射性合成後、放射性トレーサーの安定性を、そのビヒクルおよびラット血漿の両方でHPLCによって評価した。化合物(I)は、それぞれの割合が87.5/12.5(v/v)の生理的血清/エタノール中で処方された。化合物(I)(すなわち放射性標識)および化合物(Ia)(すなわちコールド類似体)の混合物は、そのビヒクル中で室温で20時間まで安定であり、予期された保持時間で1つのピークのみが検出された。ラット血漿では+37℃で4時間のインキュベーション後に2つのピークが検出された:1つは3.15分に、1つは8.02分に(化合物(I)および(Ia)の混合物に対応する)検出された。前記混合物に対応するピークの面積は、両方のピークの総面積の95%越えを占め、前記混合物がヒト血漿中で4時間まで安定であることを示した(データは示さず)。
代謝ミクロソームの安定性は、ヒトおよびラットの肝臓ミクロソームで実施した。ミクロソーム(最終タンパク質濃度0.5mg/mL)、0.1Mリン酸バッファーpH7.4および試験化合物(最終基質濃度=3μM;最終DMSO濃度=0.25%)を37℃でプレインキュベートしてから、NADPH(最終濃度= 1mM)で反応を開始させた。分析は、標準的な式を使用する半減期および内因性クリアランスを決定するための一般的なLC-MS/MS条件で行う。 ミクロソーム安定性研究では、ラットにおいて、フッ素化化合物および30μL/分/mgのタンパク質よりも優れたクリアランスの両方について40分の範囲の半減期を示した(表5)。ヒトにおいて、化合物(Ia)の代謝安定性はラットよりも良好であり、臨床研究に有利であった。
細胞または腫瘍試料中の化合物(I)のインビトロ結合評価
化合物(I)の結合親和性および結合部位数を、NCI-H3255およびNCI-H441腫瘍細胞ホモジネートで最初に評価した(図1)。NCI-H3255腫瘍細胞ホモジネートに対する化合物(I)の結合親和性(Kd)は23.8±9.0nMであり、結合部位数は9.1±3.1×109部位/μgタンパク質であった。NCI-H441腫瘍細胞ホモジネートに対する化合物(I)の親和性は、25.8±11.1nMであり、NCI-H3255腫瘍細胞ホモジネートで測定されたものと同様であった。結合部位数は、同程度の大きさであった(6.1±0.5×109部位/μgタンパク質)。
NCI-H3255およびNCI-H1975腫瘍ホモジネートについても同様の実験を行った(図2)。結合親和性は類似していた: NCI-H3255およびNCI-H1975腫瘍ホモジネートでそれぞれ2.8±2.4nMおよび4.7±2.0nMであった。NCI-H3255およびNCI-H1975腫瘍ホモジネートにおいて、結合部位数は、それぞれ、1.1±1.5x109および1.6±1.8x109部位/μgタンパク質であった。
NCI-H3255細胞株抽出物および腫瘍ホモジネートを考慮すると、細胞ホモジネートおよび腫瘍ホモジネートについて得られた結合部位の親和性および数は一貫して見られた:腫瘍細胞ホモジネートよりも腫瘍ホモジネートで8倍低い結合部位数と同じオーダーの結合親和性を有する。より少ない結合部位数は、ストローマ細胞の存在のため腫瘍ホモジネート中の腫瘍細胞の数が最も少ない可能性を反映する。
化合物(I)の結合動力学も、NCI-H3255およびNCI-H1975腫瘍ホモジネートで評価した(図3)。化合物(I)の解離定数(Koff)は、NCI-H3255ホモジネートではNCI-H1975腫瘍ホモジネートよりもわずかに低かったが(それぞれ0.114±0.001対0.270±0.109分-1)、会合定数(Kon)は、NCI-H3255腫瘍ホモジネートではNCI-H1975腫瘍ホモジネートよりもわずかに高かった(それぞれ6.5 ± 5.3x107 L.mol-1.min-1対.8± 1.6 x107 L.mol-1.min-1)。結合動態データは、NCH-H3255腫瘍ホモジネートよりもNCI-H1975において化合物(I)がその標的に結合し、速く遊離することを示す。
インビトロデータが化合物(I)が活性化EGFRに特異的に結合することを示したので、ヒト凍結腫瘍切片に対するオートラジオグラフィー実験を開始した(データは示さず)。3種類のヒト肺腫瘍:野生型EGFRを有する腫瘍、およびL858R変異をもつ腫瘍またはエキソン19欠損EGFR遺伝子をもつ腫瘍が含まれていた。ゲフィチニブおよびATPとの結合競合も、これらの凍結腫瘍切片で評価した。化合物(I)の特異的結合がすべての腫瘍タイプで観察された。ゲフィチニブは化合物(I)の結合と競合したが、部分的にのみATP(10mM)は化合物(I)の結合を完全になくした(データは示さず)。データは、ゲフィチニブの存在下で観察された置換が、野生型腫瘍と比較して、L858R突然変異またはエクソン19欠損を有する腫瘍でより高い可能性があることを示唆する。
インビトロ実験は、化合物(I)および化合物(Ia)の混合物が、おそらく活性化されたEGFRであるその標的に特異的に結合することを示した。前記混合物の結合親和性は、ナノモルの範囲であり、インビボ研究に適している。
腫瘍を有するラットにおける化合物(I)のPETイメージングおよびインビボ体内分布研究
ヌードラットにおいて3つの癌異種移植片(NCI-H441、NCI-H3255、NCI-H1975)で、動的PETスキャンイメージングおよびエクスビボγカウントを実施した。異種移植片を、左右の側面に200μLのRPMI1640中で2x107個の細胞を皮下注射することにより、無胸腺のHsd:RH-Foxn1rnuラット(Harlan、The Netherlands)で開始した。NCI-H3255腫瘍細胞を右脇腹に注射し、NCI-H441またはNCI-H1975を左脇腹に注射した。各研究は、18匹または19匹のラットについて2回の実験を行い、合計113匹のラットについて行った。 NCI-H3255細胞の注射は、γ源(5Gy、60Co、BioMep SARL、Bretenieres、France)を全身照射後D0、24〜72時間に行った。NCI-H441またはNCI-H1975細胞のいずれかの注射を、NCI-H3255細胞の注射の20〜29日後に行って、実験時に両腫瘍を比較できる体積を確保した。可能であれば、両方の腫瘍の標的体積が500〜1500 mm3に達するまで腫瘍を増殖させた。動物を使用する全ての処置は、腫瘍計画動物管理使用委員会(CNREEA協定第91)によって承認された。
放射性トレーサー溶液をNaCl 0.9%で希釈して、それぞれ300〜400または600〜800μLの容量で活性4〜6MBq(ガンマカウント実験)または25〜35MBq(PETイメージング実験)の溶液を調製した。動物への注射用量(ID)を決定するために、トレーサー注射の前後で注射器中の放射能を測定した。化合物を注射のため吸入イソフルラン(空気中2%)を用いてラットをイメージ取得の全過程を通して麻酔した。化合物注射後、ラットを目覚めさせ、実験に応じて20〜120分の範囲の取り込み期間中、ケージに戻した。
エクスビボガンマカウントのために、決定した取り込み期間後またはイメージング後、ラットを断頭により安楽死させ、以下の器官:腫瘍、腎臓、血液、肝臓、心臓、尾、大腿筋、肺、脾臓および皮膚を採取し比較した。トレーサー分布は、ガンマ-ウェルカウンター(PerkinElmer 2480 Wizard2 3)を用いて各組織の18F含有量を測定することによって評価した。カウントデータは、組織1グラム当たりの%ID(%ID/g)として報告される。器官中の放射能が測定されたら、いくつかの試料を免疫組織化学のために調製した。
イメージング実験のために、ラットを専用ラットイメージングチャンバー(Minerve、France)の中で腹臥位にした。体温は、イメージングベッドの構造を通過する温かい空気の流れによって維持された。 PETイメージングは、microPET eXplore Vista CT(General Electric Healthcare)システムで実施した。Vistaシステムには36層のLYSO/GSOホスウィッチ検出器モジュールが2基搭載されており、軸方向/長軸方向の有効視野4.8/6.7cmを有する空間分解能は、全方向および全視野において2mm未満である。感度は、全視野において2.5%を超える。視野の位置を調整するスカウトイメージの後、CTスキャンを取得した(140μA、40kV)。PETイメージ取得の開始から1分後、化合物(I)を静脈内ラインを介して側方尾静脈に投与し、生理食塩水で洗い流した。3次元(3D)PETデータをリストモードで最大120分間取得し、OSEM-2Dを用いて再構成して2つのデータセットを作成した:すなわち、取得全体の間のデータの合計としての1つの静止イメージ、および、10分の時間フレームを伴う1組の動的イメージである。放射データには、減衰、散乱、デッドタイム、検出器感度、ランダムの補正が適用された。両方のデータセットは0.4x0.4x0.8mmの空間分解能と175x175x61ボクセルのサイズを有していた。すべてのラットをPETデータ取得の直後に断頭により安楽死させ、器官をPETイメージデータに対応する生体内分布データを得るために前の段落で説明したように採取した。
再構成されたPET/CTイメージを、専用ソフトウェア(PMOD、バージョン3.4)で観察分析した。関心領域(ROI)を手動でCTイメージに描画し、PETイメージとCTイメージを手動で登録した後、減衰補正されたアクティブデータを得た(kBq/cm3、ROI量で正規化)。化合物(I)の時間-活性曲線(TAC)は、10分のフレームにわたって平均化することによって各ROIについて生成された。表示目的のため、腫瘍体積全体にわたって合計された静的スキャンからイメージを生成した(PET容積データセットの6〜10スライス)。
化合物(I)のインビボ生体内分布
化合物(I)は血液から迅速に除去された(45分後に<0.05%ID/g、図4)。化合物(I)は、腎臓および肝臓において最初の取り込みを示したが、これらの器官には蓄積しなかった。化合物(I)はまた、胃腸管を通じての中央蓄積(central accumulation)および排泄を示した。化合物(I)の取り込みは、注射後90分および180分の両方ともNCI-H441またはNCI-H1975腫瘍よりもNCI-H3255腫瘍において高かった。取り込みは、安定していた(約0.2%ID/g)NCI-H3255を除き、すべての器官および腫瘍において90分と180分の間で減少した。腫瘍における絶対的な取り込みは比較的低かった(90分で0.5%ID/g未満、図4参照)が、NCI-H3255では正常化された取り込み(筋肉上)が90分から180分に増加して180分で12の値に達した(NCI H441:2.6;NCI H1975:3.6、図5参照)。
腫瘍を有するラットにおける化合物(I)のPETイメージング
3つ全ての腫瘍モデルについて、代表的なPETイメージは、野生型、単一突然変異および二重突然変異モデル間の腫瘍におけるインビボイメージングによって異なる測定された取り込みを示す(データは示さず)。取り込みは、PETイメージで観察される分布と強く相関する収集された活性の分布によって確認される(図6)。
図6に示すように、収集した腫瘍におけるPETイメージングによるまたは放射能のカウントによる取り込み測定は強く相関していた。我々の実験は、腫瘍モデル(EGFR変異状態)、収集された腫瘍での放射性トレーサー取り込み測定(%ID/g)、これらの腫瘍における免疫組織化学(IHC)で測定されたpEGFR染色、および腫瘍体積の間の関係を研究することによって記述することができる。IHCでは、異種移植片を切開し、パラフィン包埋および切片化(厚さ4μm)の前に、ホルマリン緩衝生理食塩水中で24時間、続いて70%エタノールで固定した。自動化染色装置(Ventana Discovery、Roche)を用いてpEGFR(phospho Y1068、Abcam、ref ab32430)に対する抗体で免疫染色することによりEGFRリン酸化を測定し、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)染色でネクローシスを評価した。ネガティブコントロールは、一次抗体を省略して調製し、染色を示さなかった。イメージ分析および定量のために、ナノズーマースライドスキャナ(Hamamatsu、倍率20倍)を用いてスライドをデジタル化した。
ネクローシスは、NDPView(Hamamatsu、France)を用いた腫瘍におけるネクローシス領域の手動描出によって評価し、腫瘍組織領域全体にわたるネクローシス表面積のパーセンテージとして報告した。生存可能な腫瘍組織の閾値設定および手動描写およびpEGFRについての組織陽性により、NDPViewおよびVisilog(FEI Visualization Sciences Group、フランス)を用いてpEGFRの染色を定量化した。pEGFRの強度は、生存可能な腫瘍組織の面積(μm2)について、pEGFR+ピクセルの数とそれらの平均染色強度との結果として、報告される。
図7(上列)は、二重突然変異腫瘍が他の二つのモデルよりも比較的大きく、pEGFR強度がより大きな腫瘍でより低かったことを示す。したがって、我々は、腫瘍体積(1000 mm3上下)に基づいて測定値をサブセットに分割した。腫瘍生物学において、この閾値は、ネクローシスが現れ始める体積を表す。図7はまた、この分割が、より小さい腫瘍において、単一および二重突然変異モデルの両方におけるEGFR活性と測定された放射性トレーサーの取り込みとの間の相関を同定することを可能にする一方、この相関がより大きな腫瘍において消滅することを示す。野生型腫瘍モデルでは、腫瘍体積にかかわらずこの相関は観察されない。
化合物(I)のインビボ特異性
3つの腫瘍モデルにおいて活性化されたEGFRをイメージングするための化合物(I)の選択性を評価するために、ラットにゲフィチニブ(2mg/ラット、およそ10mg/kgの用量)または非放射性(またはコールド)トレーサー化合物(Ia)(1mg/ラット、およそ用量:5mg/kg)をその標的に対して競合させるために大過剰で注射する。正規化された取り込み量および筋肉取り込み量に対する腫瘍の比率を図8に示す。
ゲフィチニブ(+16%、p>0.95)も化合物(Ia)(5%、p>0.99)もない競合は、野生型NCI-H441腫瘍における化合物(I)の取り込みを改変した。 NCI-H3255腫瘍(単一変異)では、T/M比がゲフィチニブの競合(p<0.01)により29%低下し、そして化合物(Ia)の競合により52%(p<0.001)低下する。これは、この腫瘍モデルにおける共通の標的としてのEGFRに対する放射性トレーサーの特異性を示す。NCI-H1975腫瘍(二重変異)では、ゲフィチニブはT/M比(+1%、p> 0.99)で影響を与えないが、化合物(Ia)との競合後に顕著であるが統計的に有意でない減少(-55%、p=0.2)を我々は観察した。
総合して、このPKプロファイルは、イメージング前に十分に長い取り込み期間が観察されれば、放射性トレーサーとしての化合物(I)の使用に好ましい。
総合して、化合物(I)は、ヒト肺腫瘍において、その突然変異状態と相関するEGFR活性をPETイメージングによって評価するための良好なPET放射性トレーサー候補である。
化合物(I)および純粋なS(II)またはR(III)鏡像異性体のインビボ生体内分布
化合物(I)と比較した純粋なS(II)およびR(III)鏡像異性体の生体内分布を評価するために、Sprague Dawleyラットで動的PETスキャンイメージングおよびエクスビボガンマカウンティングを実施した。動物にNaCl 0.9%で希釈した放射性トレーサー溶液、それぞれ300〜400または600〜800μLの容量で4〜6 MBq(ガンマカウント実験)または11〜13 MBq(PETイメージング実験)の活性の溶液を調製し注射した。すべての生物学的試料中の放射活性含有量をシンチレーションγ-カウンター(Cobra 4180、Perkin-ElmerInc.)で測定した。
化合物(I)の生体内分布データに照らして、R(III)-およびS(II)-鏡像異性体の生体内分布を、化合物(I)の蓄積が顕著であった器官(すなわち、血液、心臓、腎臓、肝臓、胃、小腸および大腸)におけるγカウンティングによって評価した。注射後5分および30分の2つの時点を選択した。これらの2つの時点の選択は、化合物(I)が血液、肝臓および腎臓に蓄積しなかったという事実によってもたらされた。これらの器官におけるR鏡像異性体(III)およびS鏡像異性体(II)のより高い取り込みは、注射後の早い時点で観察されると予想され、γカウンターにおいて最も高いシグナルを与え、したがって、生体分布データの比較をより適切にした。さらに、化合物(I)を用いてPETイメージを取得するとき、R鏡像異性体およびS鏡像異性体の生体内分布の評価にPETイメージングが含まれる。これは、主要な器官の採取のために注射後4時間でさらに1つの時間点を与え、エクスビボγカウンティングによる放射活性含有量の決定する機会を与えた。
注射5分後の時点で、血液中の取り込みはR鏡像異性体(III)については0.20±0.002%ID/gに、S鏡像異性体(II)については0.11±0.01%ID/gに達した(一方、化合物(I)の取り込みは0.13±0.02%ID/gであった。)。0.5時間の時点で、放射活性取り込みは3つのトレーサーで同様であった(0.03〜0.04%ID/g付近)。同様に、注射後4時間での取り込みは、3つのトレーサー(0.02〜0.04%ID/g)の同じ範囲の大きさであった。血液中のR鏡像異性体(III)およびS鏡像異性体(II)の挙動は、化合物(I)の挙動と同様だった。
注射5分後、R鏡像異性体(III)およびS鏡像異性体(II)の心臓における取り込みは、それぞれ0.99±0.02および1.35±0.35%ID/gに達し、これらの取り込みは化合物(I)(0.91 ±0.12%ID/g)と比較することができる。注射後30分で、R鏡像異性体およびS鏡像異性体(0.10±0.02および0.19±0.08%ID/g)の取り込みは類似しており、化合物(I)の取り込みとまだ比較可能であった(0.23±0.05%ID/g)。4時間の時点で、3つのトレーサーの取り込みは0.01%ID/gに減少した。
注射5分後、腎臓におけるR(III)およびS(II)鏡像異性体の取り込みは、化合物(I)のものと同様であった:すなわち、それぞれ、4.15 ± 0.79および6.89 ± 0.52%ID/g対5.07 ± 0.30%ID/gである。30分の時点で、腎臓での取り込みは、S鏡像異性体(II)および化合物(I)(それぞれ1.04±0.17および1.47±0.36%ID/g)では同じオーダーの大きさであったが、R鏡像異性体では低かった(0.25±0.08%ID/g)。この最後のトレーサーでは、注射後30分に記録された個々の取り込みは、同じ時点での化合物(I)について記録された最も低い個々の値よりも低かった。注射4時間後の3つのトレーサーについて、腎臓の取り込みは0.01〜0.05%ID/gであった。
R鏡像異性体(III)については、肝臓での取り込みは注射後5分から30分に増加し、それぞれ0.02±0.09〜0.71±0.07%ID/gであった。S鏡像異性体(II)について、注射後5〜30分の間に減少が認められた:化合物(I)(1.66±0.43〜0.37±0.07%ID/g)に対して観察された0.97±0.92〜0.15±0.03%ID/g。4時間の時点で、肝臓取り込み量は3つのトレーサーとも0.02%ID/gを超えなかった。
R鏡像異性体(III)およびS鏡像異性体(II)の胃への取り込みは、注射後5分でそれぞれ1.86±0.73%ID/gおよび0.72±0.38%ID/gであった。この時点で、化合物(I)の取り込みは1.27±2.13%であった。R鏡像異性体(III)およびS鏡像異性体(II)の取り込みは、30分の時点で0.26±0.07および0.20±0.05%ID/gに低下したが、化合物(I)ではわずかな増加が認められた(2.72±4.75%ID/g)。注射後4時間、胃への取り込みは、化合物(I)については減少したが(0.14±0.23%ID/g)、R鏡像異性体(III)およびS鏡像異性体(II)は増加した(2.58±2.52および2.39±2.31%ID/g)。
小腸での取り込みは、R鏡像異性体(III)およびS鏡像異性体(II)についてそれぞれ注射後5分で0.35±0.19および0.08±0.09%ID/gに達したが、化合物(I)の取り込みは0.28±0.15%ID/gであった。注射後30分、R鏡像異性体(III)およびS鏡像異性体(II)の取り込みは化合物(I)の取り込みよりも低かった(それぞれ0.02±0.004および0.08±0.07%ID/g対0.40±0.40%ID/g)。注射後4時間で、R鏡像異性体(III)およびS鏡像異性体(II)の取り込みは化合物(I)の取り込みと同様であった(0.6〜0.8%ID/gの範囲)。
R鏡像異性体(III)、S鏡像異性体(II)および化合物(I)の大腸での取り込みは、注射後5分および30分の3つのトレーサーについて0.2〜0.4%ID/gであった。注射後4時間でR鏡像異性体(III)およびS鏡像異性体(II)の取り込みは0.2〜0.4%ID/g付近のままであったが、化合物(I)では10.55±4.53%ID/gまで増加した。
要約すると、R鏡像異性体(III)およびS鏡像異性体(II)は、化合物(I)について観察されるように、血液から迅速に除去された。これらの2つのトレーサーは、腎臓と肝臓の両方を介して身体からも排除され、これらの器官に閉じ込められなかった。化合物(I)に関し、R鏡像異性体およびS鏡像異性体について、胃、小腸および大腸において取り込みが認められた。
静脈内注射後のR鏡像異性体(III)およびS鏡像異性体(II)の全体的な挙動は、化合物(I)の挙動に匹敵する。薬物動態プロファイルは、3つのトレーサーについて同様である。
PETイメージ解析およびエクスビボγカウンティングによって決定された腎臓および肝臓における化合物(I)、R鏡像異性体(III)およびS鏡像異性体(II)の取り込み(放射性崩壊について補正した%ID)は、図9(A)に示す。Sprague-Dawleyラットにおける1回の静脈内注射後の腎臓、腸、胃および肝臓における化合物(I)、Rエナンチオマー(III)およびSエナンチオマー(II)の時間-活性曲線(時間の関数として放射性崩壊について補正した%ID)は図9(B)に示す。
図面の用語
Binding 結合
Log compound Log 化合物
Time(minute) 時間(分)
Biodistribution 生体内分布
Muscle 筋肉
Blood 血液
Kidneys 腎臓
Liver肝臓
Uptake in blood 血液中の取り込み
Uptake in muscle 筋肉中の取り込み
Uptake in tumors 腫瘍中の取り込み
Time post tracer injection(min) トレーサー注射後時間(分)
Tumor over muscle ratio 腫瘍の筋肉比
uptake gamma counting 取り込みガンマカウンティング
Tumor type 腫瘍タイプ
pEGFR expression pEGFR発現
uptake PET 取り込みPET
TV range TV範囲
small 小さい
big 大きい
tumor 腫瘍
Biodis 生体内分布
no comp 比較なし
gefitinib ゲフィチニブ
Compound 化合物
pure S enantiomer 純粋なS鏡像異性体
pure R enantiomer 純粋なR鏡像異性体
Injected dose 注射した用量
PK time(h) PK時間(時間)
Intestines 腸
TS_display TS表示
Stomach 胃

Claims (12)

  1. 式(I)のフッ素18標識化合物、またはその任意の薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、立体異性体、放射性同位体または互変異性体。
    Figure 0006913101
  2. 式(III)に表されるR-立体異性化学(stereoisochemistry)または、任意のその薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、立体異性体、放射性同位体または互変異性体を有する請求項1に記載のフッ素18標識化合物。
    Figure 0006913101
  3. 式(II)に表されるS-立体異性化学(stereoisochemistry)または、任意のその薬学的に許容される塩、多形体、溶媒和物、水和物、立体異性体、放射性同位体または互変異性体を有する請求項1に記載のフッ素18標識化合物。
    Figure 0006913101
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載の放射性標識化合物を含む放射性医薬組成物、または、任意で1以上の不活性担体および/または希釈剤をさらに含む、放射性医薬組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか1に記載の放射性標識化合物または請求項4に記載の放射性医薬組成物を含むヒト医薬における診断剤。
  6. 請求項1〜3のいずれか1に記載の放射性標識化合物または請求項4に記載の放射性医薬組成物を含む腫瘍イメージング剤。
  7. 請求項1〜3のいずれか1に記載の放射性標識化合物または請求項4に記載の放射性医薬組成物含む、インビボ診断用の診断剤、または腫瘍イメージング用のイメージング剤。
  8. 請求項1〜3のいずれか1に記載の放射性標識化合物または請求項4に記載の放射性医薬組成物の診断イメージングを必要とされるヒトに有効量を投与し、陽電子放出断層撮影法を用いて前記ヒトの腫瘍におけるEGFRを定量するのに有用な画像を得る、ヒトのEGFR関連腫瘍の診断イメージング剤。
  9. 定量が望まれるヒト組織を、請求項1〜3のいずれか1に記載の放射性標識化合物または請求項4に記載の放射性医薬組成物と接触させ、陽電子放出断層撮影法を用いてEGFRを検出または定量する、ヒト組織におけるEGFRの定量剤。
  10. 請求項1に記載の放射性標識化合物を調製する方法であって、該方法は以下の工程:
    放射性標識された
    Figure 0006913101
    を式(Ib)の化合物と反応させ、生じる式(I)の化合物を単離する工程を含む、方法。
    Figure 0006913101
  11. 請求項2に記載の放射性標識化合物を調製する方法であって、該方法は以下の工程:
    放射性標識された
    Figure 0006913101
    を式(IIIb)の化合物と反応させ、生じる式(III)の化合物を単離する工程を含む、方法。
    Figure 0006913101
  12. 請求項3に記載の放射性標識化合物を調製する方法であって、該方法は以下の工程:
    放射性標識された
    Figure 0006913101
    を式(IIb)の化合物と反応させ、生じる式(II)の化合物を単離する工程を含む、方法。
    Figure 0006913101
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