JP6911068B2 - デジタル印刷用乾燥インク - Google Patents

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Description

本開示は、一般に、床パネルや壁パネルなどの建築用パネルのためのデジタル作製された装飾表面の分野に関する。本開示は、このような表面上にデジタルプリントが形成されるように粉体系着色剤を塗布および結合させる方法および機器に関する。
本発明の実施形態は、コアまたは本体と、装飾層と、好ましくは、装飾層の上方にある透明な耐摩耗性構造体層とを備える床パネルで形成された床での使用に特に適している。
好ましい実施形態は、従来の積層床、粉体系床、木質床、プラスチック系LVT床およびセラミックタイルである。したがって、さまざまな技術、既知の技術の問題および本発明の目的や特徴についての以下の記載は、非制限的な例として、とりわけ、上記の応用分野、特に、従来の積層床材または弾性表面層を有する床材に類似した床材を対象としている。
なお、本発明の実施形態は、任意の表面上にデジタル画像および/またはデジタル形成された構造体を生成するために使用されてもよいが、例えば、一般に、壁パネル、天井、家具構成要素、および高度な装飾パターンを有する大きな表面を一般に有する同様の製品のような建築用パネルなどのフラットパネルが好ましい。本発明の基本原理は、紙、箔、織物、金属、無垢材、木材ベニヤ、木質系シート材、コルク、リノリウム、ポリマー材料、セラミック、壁紙および同様の表面上にプリントを塗布するために使用されてもよい。
以下の記載は、背景技術と、本発明の開示における好ましい実施形態の特定の部分を含みうる製品、材料および製造方法とを説明するために用いられる。
a)積層床材
すべての積層床のほとんどは、直接プレス積層法(DPL:Direct Pressed Laminate)と一般に呼ばれる製造方法に従って作られている。このような積層床は、6〜12mm繊維板のコアと、積層体の0.2mm厚の上側装飾表面と、積層体の0.1〜0.2mm厚の下側平衡層、プラスチック、紙または同様の材料を有する。
積層床の表面層は、一般に、2つの別々の紙層を互いに重ね合わせて装飾性や摩耗性が得られることを特徴とする。装飾層は、一般に、印刷紙であり、摩耗層は、小さな酸化アルミニウム粒子を含む透明なオーバーレイ紙である。
装飾紙は、積層体の視覚的外観を与えるため、積層紙の最も重要なものである。装飾紙の重量は、一般に、60〜150g/mの範囲のものである。
オーバーレイ紙は、一般に、重量が約20〜50g/mの薄紙で、脱リグニンパルプ系の純セルロースで作られる。オーバーレイ紙は、積層後、ほぼ完全に透明になるため、装飾紙の外観は視認可能である。相当量の酸化アルミニウム粒子でオーバーレイ紙の厚みが増すと、高い耐摩耗性が得られうる。ただ、オーバーレイ紙の透明性が落ち、装飾パターンが灰色がかった層で覆われ、印刷パターンの邪魔になるという欠点がある。
装飾紙の印刷は、非常にコスト効率が良い。幅3メートルを有し、最高速度600m/minでの運転が可能な印刷シリンダを有する輪転グラビア印刷機が使用される。印刷シリンダは、一般に、従来の機械彫刻によって作られる。最近では、装飾の現像を高速化し装飾の品質を向上したデジタルレーザ彫刻が導入されている。有機顔料を含む無溶媒インクが使用されている場合が多く、余剰インクは再利用される。
印刷された装飾紙およびオーバーレイは、一般に、メラミン樹脂と呼ばれるメラミンホルムアルデヒド樹脂で含浸され、大型の非連続または連続ラミネート印刷機でHDFコアに積層され、この印刷機では、高温(約170℃)および高圧(40〜60バール)下での樹脂の硬化およびコア材料への紙の積層が行われる。エンボス加工された刷版またはスチールベルトが、表面構造を形成する。構造化された紙が、プレス母材として使用されることもある。エンボス加工は、高品質の床において、模様と位置合わせして施される。エンボス加工の深さは、0.1〜0.2mm(100〜200ミクロン)に制限される。
また、積層床は、直接印刷技術で製造されてもよい。1つの利点は、プレス動作が回避されうることで、装飾表面を設けるために印刷紙が不要になるという点である。ローラを備えた多色印刷機によって予め密封されたコアに装飾を印刷する流体印刷インクが使用され、プリントは、オーバーレイ、プラスチック箔またはラッカーであってもよい透明な保護摩耗層で覆われる。この製造プロセスは非常に複雑であり、大量生産でしかコスト効果は見込めない。
直接印刷技術の代わりとして、より柔軟性が高く、少量生産でも経済的な製造が可能なデジタル印刷技術が用いられてもよい。これらの2つの方法の相違点は、主に、印刷ステップが異なることであり、印刷ローラの代わりに、デジタル非接触印刷プロセスが用いられる点である。
また、デジタル印刷は、従来のラミネート生産で使用され、熱および圧力下で積層される、紙シートへの印刷用に用いられてもよい。デジタル印刷は、含浸前または含浸後に行われてもよい。このように含浸前にデジタル印刷を行うと、印刷含浸ステップ中に紙が膨張し縮むことがあるため、印刷が複雑になるとともに、少量での含浸はコスト効率が悪い。メラミン樹脂が液相状態にあるとき、プレスステップ中にメラミン表面上に塗布された顔料が浮遊するため、メラミン含浸紙上への含浸後の印刷は非常に困難である。このような問題は、好ましくは、基色を含む原紙を印刷前にコアに塗布および定着し、プレスステップ中に含浸紙からの樹脂が原紙内に浸透するように原紙の下方および/または原紙上にわたって含浸紙またはメラミン粉体を塗布する方法で部分的に解消されることもある。
また、積層床は、紙箔またはプラスチック箔の表面を有するものであってもよく、このような箔材料は、デジタル印刷されてもよい。一般に、ポリウレタンラッカーである耐摩耗性の保護透明層が、印刷された装飾を覆うように使用される。
b)粉体系床(WFF)
最近では、以下、WWF(木質繊維床(WFF:Wood Fibre Floor))と呼ぶ、繊維、結合剤および耐摩耗粒子の実質的に均質な粉体混合物を含む固体表面を用いた新しい「ペーパーフリー」の床タイプが開発されている。
粉体混合物は、酸化アルミニウム粒子、メラミンホルムアルデヒド樹脂および木質繊維を含んでもよい。ほとんどの応用では、例えば、着色顔料などの装飾粒子が混合物に含まれる。一般に、これらの材料はすべて、HDFコア上に混合粉体として乾燥した形態で塗布され、熱および圧力下で硬化されて、0.1〜1.0mm固体層になる。粉体は、プレス前に、紙層に類似した上側スキン層を形成するように水分およびIRランプで安定化されることで、プレス中に粉体が吹き飛ばないようにされる。メラミンホルムアルデヒド粉体および木質繊維の代わりに、熱可塑性粒子が用いられてもよい。
耐摩耗性および耐衝撃性の増大、深いエンボス加工、生産の柔軟性の向上および低コスト化など、既知の技術、特に従来の積層床材より優れたいくつかの利点が得られうる。0.2〜0.7mmのエンボス加工深さが容易に得られうる。
粉体技術は、石材およびセラミックのコピーである装飾表面層を生成するのに非常に適している。これまで、例えば、木質装飾などのデザインを作成することは困難であった。
しかしながら、最近ではデジタル粉体印刷の開発が進み、プレス前にインクを粉体に注入することで、あらゆるタイプの非常に高度なデザインを作成することができる。含浸が不要であるため、紙の含浸に伴うさまざまな問題は完全に解消されうる。表面構造は、構造化された刷版、スチールベルト、または粉体に対してプレスされるエンボス加工された母材紙によって積層床材の場合と同様の方法で作られる。主な利点は、他のデジタル印刷技術と比べ、粉体が基色を与えること、およびインクが粉体に浸透しうるため、プリント上に保護層を設ける必要がないことである。しかしながら、この浸透に関しては、インク滴が最初に当たる粒子、主に、木質繊維と結合してしまうため、かなり限定的である。いくつかの印刷粉体層が互いに重ねて塗布されているか、またはデジタルプリント上に設けられる保護層として粉体オーバーレイが使用されていれば、高い耐摩耗性が得られうる。
c)メラミンホルムアルデヒド樹脂
積層床およびWFF床の基本物質は、結合剤として使用される熱硬化性メラミンホルムアルデヒド樹脂である。メラミン樹脂またはメラミンホルムアルデヒド樹脂(一般に、略してメラミン)は、重合によりメラミンおよびホルムアルデヒドから作られた硬質の熱硬化性プラスチック材料である。このような樹脂は、以下、メラミンと呼び、3つの基本的な段階を有する。これらの段階、すなわち、段階A、段階B、段階Cについては、Principles of Polymerization、George Odian、3rd editionに記載されており、特に、第122〜123頁を含む同文献は、参照により本明細書に援用されたものとする。第1の未硬化段階Aは、メラミン、ホルムアルデヒドおよび水を沸騰させ、約50%の乾燥含有量の液体物質が得られる段階である。
第2の半硬化段階Bは、液体樹脂を用いて、例えば、液体樹脂の塗布後に熱で乾燥させたオーバーレイ紙を含浸させる場合に得られる段階である。分子は架橋を開始しているが、かなり短い時間、例えば、1分間、約90〜120℃の熱で樹脂が乾燥されれば、最終段階において樹脂は硬化可能である。
段階Bは、液滴が乾燥するように液体樹脂を熱風に吹き付けることによって得られてもよく、直径約30〜100ミクロン(0.03〜0.10mm)の丸い球形の小粒子を含む乾燥した半硬化状態のメラミンホルムアルデヒド粉体が得られる。
最終の第3の完全硬化段階Cは、例えば、メラミン含浸紙またはWFF粉体が、10〜20秒間、圧力下で約160℃まで加熱された場合に得られる段階である。乾燥メラミンホルムアルデヒド樹脂は、プレス中に温度が上昇すると、軟化して溶融し、固定された形態に硬化する。この硬化は、温度および加熱時間に依存する。上述したものよりも低温長時間または高温短時間で硬化が得られてもよい。スプレー乾燥させたメラミン粉体は、高温下で硬化されてもよい。
d)木質床
木質床は、非常にさまざまな方法で作られる。従来の無垢木質床は、木質ラメラ、HDFまたは合板で作られたコアに木質層を適用したエンジニアード床として開発されてきた。このような床のほとんどは、工場で木質表面に透明層のコーティングを数層施した予備仕上げ床として流通している。コーティングは、UV硬化型のポリウレタン、油またはワックスを用いて施されてもよい。最近では、表面品質が劣る木材種の木目構造の模様を改善するデジタル印刷パターンを用いた木質床材も作られている。
e)セラミックタイル
セラミックタイルは、床材および壁紙に用いられる主要材料の1つである。タイルの形成に用いる原料は、粘土鉱物、長石および成形過程で必要な化学添加物からなる。セラミックタイルの一般的な製法の1つは、以下のような製造ステップを用いる。原料を粉砕して粉体にし混合する。場合によっては、水を加えて材料を湿式粉砕する。フィルタプレスで水を除去した後、スプレー乾燥して紛状にする。そして、このようにして得た粉体を高圧(約400バール)下で乾式プレスして、厚さ6〜8mmのタイル本体にする。タイル本体をさらに乾燥させて残りの水分を除去し、タイル本体を安定化させて均質な固体材料にする。最近では、大型の薄型パネルの乾式プレスが導入されている。乾燥した粒状材料は、最高400バールの高圧でプレスされ、1m×2m程度のサイズで、少なくとも厚さ数mmのパネルがコスト効率良く作られうる。このようなパネルは、壁パネルまたは天板に使用されてもよい。また、製造時間は、数日から1時間未満へ短縮されている。このようなパネルは、従来の方法より優れた製造公差で切断、成形されてもよく、機械ロックシステムを用いて浮かせた状態に設置されてもよい。乾式方法または湿式方法によって、タイル本体にガラスの様な物質である1つまたは複数のグレーズ層が適用される。グレーズ層の厚さは、約0.2〜0.5mmである。タイル上のグレーズ層は2層であってもよく、最初に、タイル本体上に不透明グレーズ層が、次に、その表面上に透明グレーズ層が存在してもよい。タイルグレージングの目的は、タイルを保護することである。グレーズは、さまざまな色やデザインを利用可能である。さまざまな質感を出せるグレーズもある。タイルは、グレージング後、超高温(1300℃)で炉や窯内で焼成される。焼成中、グレーズ粒子は硬化し溶融して互いに一体化して、耐摩耗性層を形成する。装飾パターンを作り出すために、多くの場合、ローラスクリーンが使用される。回転スクリーン印刷の接触特徴には、破損や長いセットアップ時間など、多くの欠点がある。したがって、最近では、タイルメーカーの中には、このような従来の印刷技術の代わりに、いくつかの利点をもたらすデジタルインクジェット印刷技術を使用するメーカーも出てきた。一般に、油系インクが使用され、プレスされたタイル本体上、または湿式形態で適用されて印刷前に乾燥されるベースグレージング上にプリントが適用される。透明なグレーズ層は、耐摩耗性を向上させるためにデジタルプリント上に適用されてもよい。デジタル非接触印刷は、破損がなく、より薄いタイル本体を使用することが可能であるということを意味する。他の主な利点として、短時間でセットアップできること、繰り返し効果のないランダム印刷が可能なこと、および可変構造の表面上や斜めの角があるタイル上に印刷可能なことがある。タイル業界にデジタル印刷技術を導入するに至ったさらなる状況としては、例えば、約2.1m×2.7mの大型のプレスボードとして製造される積層床や粉体系床と比較すると、セラミックタイルはサイズがかなり小さいということが挙げられる。タイル業界では、限られた数のプリントヘッドを有する小型プリンタが使用される場合もあり、初期投資は随分抑えられる。油系インクは、乾燥時間が非常に長く、ノズルの詰まりが解消されうる。他の利点は、基色を与えるグレージングに関する。一般に、含浸や積層によってさらなる問題が生じる積層床材において使用されるHDFや紙材料に、高度な木目模様を施すよりも、基色にタイルパターンを形成する方が、必要とされる顔料は少量で済む。
f)LVT床材
一般に、LVT(Luxury Vinyl Tile)床材と呼ばれる高級ビニルタイルは、層状の製品として構成される。LVT床の主要部は、木質パターンを有する厚板サイズを有するため、LVTという名称は若干語弊がある。基層は、主に、材料のコスト削減のために、PVC粉体とチョーク充填剤のさまざまな混合物を含むいくつかの個々の基層で作られる。個々の基層の厚さは、一般に、約1mmである。基層は、薄い高品質印刷された装飾PVC箔を上側に有する。装飾箔上には、0.1〜0.6mmの厚さの透明な摩耗ビニル層が適用される。熱的安定性を高めるために、ガラス繊維が使用される場合が多い。個々の基層、ガラス繊維、装飾箔および透明層は、連続または非連続プレスにおいて熱および圧力下で融合される。透明層は、さらなる耐摩耗性および耐汚染性をもたらすポリウレタンコーティングを含んでもよい。メーカーによっては、透明ビニル層の代わりに、装飾箔に直接適用したポリウレタン層を使用している。最近では、基層の厚さが3〜6mmで、浮かせた状態の据え付けを可能にする縁を有する機械ロックシステムを備える新しいタイプのLVT床が開発されている。LVT床は、例えば、積層床に比べ、深いエンボス加工、柔軟性、寸法安定性、耐湿性、低発音性など、いくつかの利点を有する。
LVT床のデジタル印刷は、実験段階にすぎないが、導入されることになれば、従来の印刷技術より優れた利点を提供するであろう。
なお、まとめとして、装飾を施すために数種類の床タイプにデジタル印刷が用いられてもよいことについても言及しておく。しかしながら、主に、インクのコストが高いことや工業用プリンタへの投資コストも高いことから、特に、木質床材や積層床材の用途における量はまだ非常に少ない。デジタル印刷技術により得られる柔軟性は、エンボス加工によって限定的なものとなっており、エンボス加工は、固定されたものであり、さまざまな種類のデジタル印刷装飾へ適応させることができていない。この柔軟性は、インクコストが削減され、産業規模でコスト効率の良い印刷機器が使用され、別個の保護層を設けることなく高い耐摩耗性が得られ、さまざまな種類のデジタル印刷パターンに応じたさまざまな種類のエンボス加工構造が形成されるようになれば、主な利点となりうる。
(一部の用語の定義)
以下の記載において、設置される床パネルの視認表面を「正面側」と呼び、下張り床に対向する床パネルの反対側を「背面側」と呼ぶ。
「上」は、正面側の方を意味し、「下」は、背面側の方を意味する。「垂直方向」は、表面に対して垂直であり、「水平方向」は、表面に対して平行であることを意味する。
「顔料」は、固体着色粒子の微粒紛体を意味する。
「顔料インク」は、搬送流体を介して懸濁または分散される顔料を含むインクを意味する。
「結合剤」は、2つの粒子または材料を結び付けるか、または結び付けることに寄与する物質を意味する。結合剤は、液体、紛体系、熱硬化性または熱可塑性の樹脂および同様のものであってもよい。結合剤は、互いに接触したときに反応する2つの成分からなるものであってもよい。これらの成分の一方は液体であってもよく、他方は乾燥したものであってもよい。
「マット(mat)」とも呼ばれる「母材(matrix)」は、表面に材料がプレスされる際、エンボス加工される表面構造を形成する材料を意味する。
「位置合わせエンボス加工」、いわゆるEIR(Embossed In Register)は、印刷された装飾がエンボス加工された構造と位置合わせされた状態にあることを意味する。
「デジタルインクジェット印刷」は、プリントヘッドからの着色剤を含む流体の液滴を表面に向けてデジタル制御して吐出することを意味する。
「デジタルプリント」は、着色剤を表面に位置づけるデジタル制御方法を意味する。
「着色剤」は、好ましくは、異なる波長の光を選択的に吸収または反射することにより、表面に色を付けるために使用されてもよい任意の材料(染料、有機または無機顔料、任意の材料の微小着色粒子など)を意味する。
「パネル」は、厚さより長さおよび幅が大きいシート状の材料を意味する。パネルは、広義には、例えば、積層床、木質床、タイル、LVT、シート状壁紙および家具構成要素などを含む。
以下、デジタルプリントおよびエンボス加工された表面構造を提供するために使用される場合がある一般に知られている技術について説明する。これらの方法は、本発明の開示によるデジタルプリントまたはデジタルエンボスを作成するために、本発明の好ましい実施形態とさまざまな形で組み合わせて部分的または完全に使用されてもよい。
高精細デジタルインクジェットプリンタは、非衝撃式デジタル印刷プロセスを使用する。プリンタは、プリントヘッドからのインク滴を表面へ非常に高精度に「打ち出す」プリントヘッドを有する。
走査印刷とも呼ばれるマルチパス印刷は、プリンタヘッドが表面上方を何度も横断して像を生成する印刷方法である。このようなプリンタは低速であるが、1つの小さなプリントヘッドでより大きな像を生成することができる。
工業用プリンタは、一般に、印刷媒体の幅に相当する幅を有する固定されたプリンタヘッドを使用するシングルパス印刷方法を基本とする。印刷表面はヘッド下を移動する。このようなプリンタは、大容量を有し、送り方向に互いに順に並んだ固定式のプリントヘッドを備えている。一般に、各ヘッドプリントは1色を印字する。このようなプリンタは、それぞれの用途に合わせて特注されてもよい。
図1aは、工業用のシングルパスデジタルインクジェットプリンタ35の側面図を示し、デジタルインクジェットプリンタ35は、インクパイプ32を介して異なる色のインクが充填されたインク容器31に接続された5つのデジタルプリントヘッド30a〜eを備える。インクヘッドは、デジタルデータケーブル33を介してデジタル制御部34に接続され、デジタル制御部34は、インク滴の塗布およびコンベヤ21の速度を制御し、コンベヤ21は、数色からなる高品質の像を確保するために、プリントヘッド下にパネルを高精度に変位可能なものでなければならない。
図1bは、パネル表面2に設けられた木目調のプリントPの平面図を示す。多くの場合、床パネルの表面は、図1cに示すようないくつかの基本装飾に対して同じ基本構造17をもつようにエンボス加工されている。改良型の床には、図1dに示すような印刷パターンPに整合された、いわゆる、EIR(位置合わせエンボス加工)エンボス17が使用されている。
工業用プリントヘッドの通常の幅は約6cmであり、任意の長さが印字されてもよい。
数列のプリントヘッドを並べて揃えたデジタルプリンタを用いて、1〜2mの広い領域が印字されてもよい。2m幅の積層床パネルに5色印刷を施すためには、166個のプリントヘッドが必要となる場合があり、1つのプリントヘッドのノズルのうちいくつかでも乾燥インクで詰まれば、印刷が行えなくなってしまうこともある。
デジタルプリンタの解像度および印刷品質を規定するために、1インチ当たりのドット数、いわゆる、DPIが使用される。一般には、例えば、従来の積層床材で現在使用されているものと同じ品質のプリント木目調構造の場合、300DPIで十分である。工業用プリンタは、300〜600DPIおよびそれ以上の解像度と60m/minを超える速度でパターンを印刷しうる。
プリントは、「フルプリント」であってもよい。すなわち、視覚印刷装飾が、表面上に適用されたインク画素で主に作られるということである。このような実施形態において、一般に、粉体層の色または紙の基色が視覚パターンまたは装飾に及ぼす影響は限定的である。
また、プリントは、「部分プリント」であってもよい。別の下地層の色は、最終装飾で視認できる色の1つである。印字画素が及ぶ面積およびインク使用量は低減されてもよく、フルプリントデザインに比べ、インク使用量の減少および印刷能力の向上により、コスト削減が図られうる。しかしながら、部分プリントは、フルプリントの使用時よりも基色を変えることが難しいため、フルプリントほどの柔軟性はない。
プリントは、表面に白色が設けられる表面CMYK色の方式に基づいたものであってもよい。CMYK色は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックからなる4色構成である。
これらの色を混ぜ合わせることで、比較的小さい色空間/色域が得られる。特定の色または全色域を増やすために、スポットカラーが追加されてもよい。スポットカラーは任意の色であってもよい。色は、ソフトウェアおよびハードウェア(プリントエンジン/プリントヘッド)の組み合わせによって混合され制御される。また、白色をプリンタに追加して柔軟性を著しく高めてもよい。
Valinge International ABの子会社であるCeraLoc Innovation Belgium BVBAにより、デジタル液体プリントを粉体層に噴射可能な新技術が開発された。この新しいタイプの「デジタルインジェクションプリント」、いわゆる、DIPは、印刷後に硬化される粉体に印刷が行われる。インクおよびプリントは、硬化層内に埋め込まれ、従来の印刷方法が用いられる場合のように層上に塗布されない。プリントは、水平方向にさまざまな寸法で、および垂直方向に異なる深さで位置づけられてもよい。これは、例えば、透明で、好ましくは、漂白された木質繊維が使用される場合、3D効果を出すように使用されてもよい。また、耐摩耗性を高めるために、二層プリントが使用されてもよい。例えば、モノクロ階調(grey shadings)のオリジナルデザインの妨げとなるオーバーレイの保護層は不要である。
印刷後に硬化されてもよいすべての粉体系材料にDIP法が使用されてもよい。しかしながら、DIP法は、粉体が木質繊維、小さな硬質耐摩耗粒子およびメラミン樹脂の混合物を含む場合の使用に特に適している。表面層は、表面上で粉体形態で塗布される熱可塑性材料、例えば、ビニル粒子をさらに含んでもよい。これにより、プリントは、ビニル粉体粒子に噴射されうるようになる。このような材料でも、改良されたデザインや高い耐摩耗性が得られうる。
上述したような粉体系層および他の層において高い印刷品質および速度を得るためには、適切なプリンタヘッドを使用する必要がある。プリンタヘッドは、インク滴の噴射および塗布を制御して行ういくつかの小さなノズルを有する。
工業用インクジェットシステムは、広義に、連続噴射型(CIJ)システムまたはドロップオンデマンド(DOD)システムのいずれかとして分類される。
CIJは、プリントヘッドから連続して液滴を吐出する。液滴は、電極セットを通過し、電極セットは、各液滴に電荷を与える。そして、帯電した液滴は、静電場を利用して印字される液滴と、再利用のために収集され回収される液滴とを選択する偏向板を通過する。
DODは、必要なときのみプリントヘッドから液滴を吐出し、すべての液滴が表面に適用される。
CIJは、主に、製品の符号付けやマーク付けのために使用される。DODインクジェット技術は、高品質装飾が要求されるほとんどの既存の工業用インクジェット用途で現在使用されている。
インク滴の通常サイズは、約2〜4ピコリットル(=1×10−12リットルまたは0.000001mm)である。各液滴のサイズは、インクの種類やヘッドの種類によってさまざまであってもよく、通常、1〜40ピコリットルであり、これは、約10〜30ミクロンの直径を有する液滴に相当する。液滴が小さいほど、高解像度の画像が得られる。一部のプリンタヘッドは、異なる液滴サイズを噴射でき、グレースケールを印字可能である。他のプリンタヘッドは、1つの所定の液滴サイズのみ噴射しうる。最高100〜200ピコリットルまたはそれ以上のより大きな液滴を打ち出しうるプリントヘッドの設計も可能である。
ノズルから液滴を噴射するために、いくつかの技術が使用されてもよい。
一般にバブルジェット(登録商標)印刷と呼ばれるサーマルプリントヘッド技術では、一連の小型チャンバがそれぞれヒータを含むプリントカートリッジを使用する。各チャンバから液滴を吐出するために、加熱要素に電流パルスが流され、チャンバ内のインクを急速に蒸発させて気泡を形成することで、大きな圧力上昇が生じて、ノズルを介して表面にインク滴を前進させる。ほとんどの民生用インクジェットプリンタは、サーマルプリンタヘッドを使用している。このようなサーマルプリンタは、一般に、2〜5センチポアズ(cps)の粘度の水性インクを塗布するように構成される。
最近では、Memjet社により、印刷可能幅が223mm、印刷速度が約20m/min以上である大型のサーマルプリントヘッドが開発された。プリントヘッドは、5つのインクチャネルと、1チャネル当たり2列のノズルとを含む。個々のノズル構造はそれぞれ、約30ミクロン幅であり、800dpiを実現し、各色の第2列のノズルと第1の列とをわずかにずらして配置し、合わせて1600dpiにする。Memjetプリントヘッドは、直径14ミクロン、2ピコリットルの液滴を1秒当たり7億5000万滴、連続的に打ち出すことができる。プリントヘッドのコストは、同様の能力を有する従来のピエゾヘッドのコストの10%未満である。このようなサーマルプリンタは、水の粘度(20℃で1センチポアズ)と同様の0.7〜1.5センチポアズの粘度を有する水系物質を適用してもよい。Memjetプリントヘッドは、インク室の中央に加熱要素を有する自冷システムを備える。液滴が吐出されると、新しいインクがインク室に流れ込み、加熱要素を冷却する。
サーマル技術では、打ち出しプロセスが熱ベースであるため、インクが、一般に、最高300℃の耐熱性を備える必要があるという制約がある。このため、顔料系の多色サーマルヘッドを製造することが非常に困難になる。Memjetプリントヘッドは、染料系インク用にデザインされたものであるため、床材産業や高品質顔料系インクが要求される産業分野での応用では使用されない。
ほとんどの商業用および工業用インクジェットプリンタおよび一部の民生用プリンタは、床材業界において使用される主な技術である圧電プリンタヘッド技術を用いている。各ノズル後方のインク充填室にある圧電結晶材料(一般には、ピエゾと呼ぶ)が、加熱要素の代わりに使用される。電圧が印加されると、圧電材料が変形することで、流体に圧力パルスが発生し、ノズルからインク滴を押し出す。ピエゾプリントヘッドの構成は、ノズルから液滴を吐出するための異なる基本変形原理を用いてもよい。これらの原理は、一般に、圧搾、曲げ、押圧、せん断プリントヘッド技術に分類される。振動すると音響波を生じさせ、規則的な間隔でインクが液滴に分かれるように、圧電結晶が使用されてもよい。ピエゾインクジェットは、サーマルインクジェットよりさまざまな種類のインクを使用でき、高い粘度を許容しうる。インクは、一般に、2〜12センチポアズの範囲の粘度を有し、顔料系インクを適用するために非常に適している。多くの場合、工業用途において、高粘度インクを取り扱いうるプリントヘッドは、温度が最高40℃以上まで上昇し、低初期粘度が、プリントヘッドの適切な機能に必要な最低レベル未満になりうるときに、インクの初期粘度が低減するため使用される。
図1eは、圧電材料の曲げ状態に応じて吐出されるインク滴56の様子を示す。ピエゾプリントヘッド30は、一般にジェット50と呼ばれる非常に小さな孔のアレイから構成され、顔料12を含むインク58の液滴56が、ジェット50から紙面上に吐出される。
インク58は、インク容器からインク入口55を介してインク室52内に流れる。電気パルスが、ピエゾ結晶51および膜53を曲げる。このような変形が、インク滴56をノズル54から吐出する圧力パルスを生じる。電荷を変化させることで、さまざまな液滴サイズが形成されてもよい。ノズルの直径は、典型的に、約10ミクロンである。典型的な液滴量は、2〜5ピコリットルの範囲であり、表面上に印刷されるインクスポットサイズ57は、10〜20ミクロンになる。各液滴は、約20%の顔料を含んでもよい。残りの部分は、液状担体、および顔料を表面に結び付けるために必要な樹脂である。
デジタル画像は、格子状の所定数の行列状に配置された画素を含み、画素は、デジタル画像の最小単位素子である。この格子のことをラスタと呼ぶ。画像をコンピュータファイルとして表す画素のサイズおよび形状は均一のものである。画素同士は重なり合わず、画素のすべての辺が隣接する画素に接する。ラスタ画像は、さまざまな入力装置、例えば、デジタルカメラによって作成されうる。既知のプリンタはすべて、ラスタ画像処理(RIP)ソフトウェアを使用しており、このソフトウェアは、画像ファイル入力を受け付け、カラープロファイル、スクリーニングされたビットマップ出力を生成し、この出力は、プリントヘッドを制御し、インク滴を表面上に塗布して、図1eに示すような所定のラスタパターンR1〜R4にするために必要なデータを提供する。
さまざまな種類のインクが使用されてもよい。主成分は、色を付ける着色剤と、着色剤を表面に結合させる結合剤と、非接触塗布方法でプリントヘッドから明確に規定された小滴で表面へと着色剤および結合剤を転写する液状担体とである。着色剤は、染料もしくは顔料のいずれか、またはその両方の組み合わせである。担体流体は、水系または溶媒系であってもよい。担体流体は蒸発し、表面上に着色剤を残す。UV硬化性インクは、溶媒系インクと類似したものであるが、担体流体は、強いUV光にさらされると硬化する。
あらゆるタイプのインクおよびプリントヘッドに共通する主な問題は、インクが蒸発により乾燥すると、乾燥固化してノズルの詰まりを生じうるということである。工業用プリンタは、プリントヘッドのキャップが外され使用されていない状態にありながら、インク滴を適切に打ち出すことができる時間量、いわゆる、「デキャップ」時間を長くするために、ジェットを通してインクを循環させるインク循環システムを備えたものもある。短いデキャップ時間や詰まりによりノズルの永久損失を招くこともあり、シングルパスプリンタが使用される場合は、表面全体に望ましくない線が出ることもある。特に、ポリマー結合剤系を含む顔料系インクは乾燥しやすい性質を有し、デキャップ時間が長くなり、ノズルの詰まりが解消されれば、その性質が主要な利点となりうる。
染料は、担体流体に完全に溶解された着色剤であり、インクは、真の溶液である。
顔料は、液状担体中に懸濁または分散された固体着色剤粒子の微細粉体である。顔料系インクは、一般に、着色顔料およびいくつかの化学物質を用いて個々に混ぜ合わせられる。デジタルインクで使用される顔料は、非常に細かく、約0.1ミクロンの平均粒子サイズを有する。ノズルの共通サイズは、約10〜20ミクロンであり、すなわち、顔料粒子は、プリントヘッドのノズルチャネルを通過できる空間を有する。それでも、ノズルは、インク自体によって、および粒子の塊を形成する顔料によって塞がることもある。高品質の顔料インクは、長時間、顔料を担体流体中に懸濁させたままにすべきである。これは、プリントヘッドの良好な機能性に要求される、特に、非常に低い粘度の場合には困難である。顔料には、液状担体中で沈殿し降下する固有の傾向がある。高品質の顔料インクでは、通常、顔料の沈殿は生じない。高性能のインク循環システムは、顔料含有量が高いインクに伴うこのような問題を解消するために使用される。
顔料インクは、一般に、特にUV光にさらされるとき、より光安定性のものであり、染料系インクより高い耐退色性のものである。したがって、顔料インクは、ほぼすべての床材用途で使用される。着色顔料を含む水系デジタルインクは、床材用途に特に適したものであり、多くの異なる材料で高品質の印刷方法を提供してもよい。
一般に、顔料は、滑らかな表面に付着しない。顔料は、砂粒子に類似したものであり、ほとんどの乾燥した滑らかな表面から容易に除去されうる。したがって、水系担体流体は、一般に、結合剤などの少量のいくつかの他の添加物と混合されて、例えば、表面への顔料の付着性、ドットゲイン、pHレベル、液滴形成、プリントヘッドの腐食性、耐退色性などを与える特殊なインクおよびプリント特性を与える。インク組成において結合剤として作用する樹脂を含有すると、顔料の含有可能量が制限される。これは、樹脂および顔料の双方がインクの粘度を高めてしまうためである。
原料としての着色顔料は、特に、約1ミクロンの大きな粒子としてコスト競争力があるが、微小粒子を含む顔料系インクおよびデジタルプリンタ用の他のインクの製造は、非常に複雑で費用がかかるため、通常、約50〜100ユーロ/リットルの範囲のものでありうるインクのコストが非常に高くなってしまう。高品質フルプリントが適用されれば、1リットルで約50〜100mの床材が印刷されえて(20〜10g/m)、この場合、印刷コストは、1〜2ユーロ/mになる。印刷シリンダが使用される従来の印刷床表面のコストは、デジタル印刷床表面のコストのわずか10%で済む。言い換えれば、従来の顔料系液体インクをベースにしたデジタル印刷は、高い生産柔軟性が要求される場合、コスト競争力の連続性はわずかしかない。
デジタルインクジェットプリンタは、インクを表面に塗布する非接触方法を用いる。しかしながら、レーザ印刷は、一般には、光導電体ドラムと呼ばれる帯電させた回転ドラムにレーザビームが像を投射する接触方法に基づく。一般に、トナーと呼ばれる乾燥インク粒子が、ドラムの帯電領域によって静電的に捕捉される。インクは、例えば、カーボンブラックまたは着色剤と混合されるスチレンアクリレート共重合体またはポリエステル樹脂などの乾燥プラスチック粉体の明確に規定された球状の微粒子を含む。この粒子は、600DPIの印刷解像度が要求される場合、約8〜10ミクロンの直径を有する。レーザプリンタの中には、約5ミクロンの直径のさらに小さな粒子を用いるものもある。熱硬化性プラスチック材料は、結合剤として作用する。ドラムは、直接接触および熱によって紙に像を印刷し、これにより、プラスチック粉体を紙に結合させることでインクが紙に溶融定着する。カラーレーザプリンタは、高品質のカラー画像を提供するために混合される着色乾燥インク、典型的には、シアン、マゼンタ、イエローおよびブラックのCMYK方式を用いる。
インパクト方法を用いたレーザ技術は、床パネル表面などのフラットパネル表面の印刷には使用されていない。
3D印刷は、高度な三次元構造体を作製するために、液体物質、粉体または箔のいくつかの層を塗布し互いに重ねて結び付けるために使用される既知の技術である。この技術は、主に、小型の複合製品の試作品を製作するために使用される。数百の層が互いに重ね合わせて塗布されることもある。層状構造体を構築するために、いくつかの原理が用いられる。1つの主な原理によれば、粉体層が互いに重ねて塗布され、いくつかの部分が、各粉体層上にデジタルプリントヘッドによって塗布された液状のUV硬化された物質によって結合される。非結合粉体は、製品の構造全体が形成されたときに除去される。別の原理では、いくつかの層に高温の液体プラスチック材料のいくつかの層を塗布する小型のグルーガンを用いる。3Dプリンタは、生産性が非常に低く、小型の物体を作るだけでも数時間かかることがある。3Dプリンタは、着色剤が並べて塗布される表面や、層を塗布するたびに非結合粉体を除去する必要がある表面上に平坦な装飾を作製するために使用されない。互いに重ねて塗布される層の構造は、層を硬化するためにプレス動作が用いられると破壊されてしまう。
染料昇華型プリンタは、端と端とをつなげたレッド、ブルー、イエローおよびグレイ色のセロハンシートの長尺巻の透明膜を使用する。互いに付着させた複数のシートからなるこの膜に、4つの基色であるシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックに相当する固体染料が埋め込まれ、各シートに含まれる色は1色のみである。「プリントヘッド」は、さまざまな量の熱を生成する数千の小さな加熱要素を含み、染料は、「昇華」されてコート紙に転写され、ここで、昇華とは、加熱されると液体を経ずに気体になることを意味する。このようなサーマルプリントヘッドは、以下、このようなサーマルプリントヘッドと、バブルジェット印刷において使用されるサーマルプリントヘッドとを区別するために、加熱プリントヘッドと呼ばれ、フィルム上にわたって通過するにつれて加熱され、染料は、紙上で固形に戻る前に、気化する。この方法により、液体インクの使用がなくなり、連続階調色になじむ透明の染料で高い写真品質が得られうる。しかしながら、この方法には多くの欠点がある。各シートは、印刷表面と同じサイズを有する必要があり、シート全体は、表面の小さな部分が特定の色で印刷されても使用される。欠点の一部を取り除くために、昇華粒子を含む特殊インクを使用する昇華型熱転写インプリンティングプリンタが開発されてきた。特殊な紙または箔上にこのような昇華インクで像を印刷するために、従来のインクジェットプリンタが使用されてもよい。その後、像は、ポリエステル材料またはポリマーコーティングを有する表面に圧力および熱によって転写される。
また、感熱紙に直接に、または感熱転写膜に熱をかける熱転写印刷方法を用いて間接的にデジタルプリントを作成するために、加熱プリントヘッドを用いたサーマル印刷が使用される。これらの印刷方法は、主に、紙に単色を塗布し、例えば、ラベルを印刷するために使用される。加熱プリントヘッドには、いくつかの利点がある。加熱プリントヘッドは、インクが詰まる危険がなく、費用もコスト競争力があるため、信頼性が高い。主な欠点は、紙または転写フィルムのコストが高いこと、色が主に単色に限定されていることなどに関係する。加熱プリントヘッドは、最大200mmの幅のものが利用可能であり、解像度は最高600DPIまでのものを提供しうる。
デジタル印刷は、高品質のプリントを提供しうる非常に柔軟性のある方法であるが、インクが高コストであること、特に、顔料系インクを使用する場合のノズルの乾燥や詰まりに伴う問題、コストがかかり完全に透明なものではない特殊な保護層が必要であることから、工業用途、特に、床材において完全には利用できない。インクが高コストになる主な要因は、着色顔料を明確に規定された非常に小さな粒子まで粉砕し、粒子を担体流体全体に分散させる必要があることである。より大きなサイズであってもよく、担体流体に分散されず、小型のノズルによって液滴として塗布されない着色顔料でデジタル画像を作成することができれば、主な利点となりうる。また、デジタル画像がより高い耐摩耗性を備え、保護層なしに形成されれば、主な利点となりうる。
上述したすべての床材、特に、デジタル印刷床のほとんどは、特に、装飾印刷された装飾が木目パターンである場合、エンボス加工された表面構造を有する。これまで、エンボス加工された構造は、多くの異なる装飾タイプごとに使用された別々の一般的な構造として提供されてきた。最近では、ほとんどの床メーカーは、エンボス加工された表面構造が、各タイプの木材種ごとに特別に形成され、印刷された装飾と位置合わせさせてエンボス加工が行われる、いわゆる、位置合わせエンボス加工(EIR)法を導入している。これにより、木材や石材などの自然素材と区別しにくいほどの優れたデザインが得られる。スチールプレート、スチールベルト、メタルローラ、プラスチック箔またはコート紙であってもよい構造化母材に対して表面がプレスされるときに、エンボスが得られる。装飾は、プレス母材に対して高精度に位置づけされる必要がある。一般に、プレス前に装飾と一致するようにパネルの最終位置を調節するデジタルカメラおよび機械装置を使用して、このような位置決めが行われる。積層床材に関連する1つの特定の問題は、含浸中の印刷紙の膨張および伸縮を制御できず、含浸済みの異なる紙シート間で装飾のサイズにばらつきが生じてしまう可能性があることである。
また、デジタル印刷の柔軟性は、印刷された装飾をエンボス加工された母材に常に適応しなければならないため、EIR表面に関連して制限される。上述したようなあらゆる床に共通する特徴として、生産バッチのすべての表面が同じ基本構造を有し、装飾の任意の変化を調整し、その変化に適応させることができないということがある。エンボス加工構造のこのような繰り返し効果により提供される床表面は、特に、木材の木目調の構造によりすべてのパネルが実際には異なるデザインや構造を有する木質床に類似しない。デザインや構造が一般に完全に組み合わされ、すべてのパネルが異なる、自然素材そのままのコピーであるように、石材や他の自然素材のコピーを作ることはできない。
デジタルインクジェット技術は、高解像度画像を柔軟に作成可能なことに関する利点を得るために主に用いられる。しかしながら、主に、非衝撃式方法を用いて液体物質を非常に高精度に塗布可能であることに関するこの技術の他の態様は、完全な利用や開発がなされているわけではなく、生産中、特に、印刷後、高圧および加熱を含む生産ステップにおいて最終的な形状および特性を受ける表面を含む大型サイズのパネルに装飾が施される応用においては特にそうである。
液体物質に適用される粉体を使用して、主に紙基材上に隆起部分または画像を作成することや、インクジェットによって液体物質をデジタル塗布しうることが知られている。インクヘッドなどのデジタル装置と局所的に接続され、結合していない過剰な粉体粒子が最終ステップにて除去されるいくつかの粉体層を含む3D印刷は、パネル上にエンボス加工構造を作成するために使用されうる技術としてよく知られている。また、粉体粒子が、結合剤を含む表面上に非接触方法を用いて直接的に塗布されるか、または転写方法が用いられる接触方法を用いて間接的に塗布されてもよいことが知られている。非接触転写方法が用いられ、熱やスクレ−ピングで転写表面から粉体が剥がされる組み合わせも知られている。
米国特許第3,083,116号には、印刷したてのシートに粉体状の樹脂をふりかけ、湿インクに付着していない過剰の粉体をシートから取り除き、シートに保持されている粉体に熱を加えて粉体を溶融することで、粉体の粒子が流れてシートに固着することを含む隆起印刷プロセスおよび隆起印刷粉体が記載されている。粉体は、フェノール、尿素およびメラミンなどのフェノール樹脂を含んでもよい。
米国特許第3,440,076号には、紙上に隆起した硬質の印刷文字を形成する方法が記載されている。インク組成物が紙上に印刷され、乾燥材料と接触する。インク組成物および乾燥材料の一方は、熱硬化性樹脂を含み、他方の材料は、発泡剤および硬化剤を含む。インクに付着していない乾燥粉体材料は除去され、そして、印刷文字に関連した樹脂は、粉体を溶融するのに十分な温度の熱で硬化される。
米国特許第3,446,184号には、粘着性の画像コピーを形成する方法が記載されている。トナー粉体が液体形成物上に塗布され、粉体の一部分が、液体コーティングによって保持されて、可視画像を形成する。つながっていない粉体が除去され、シートは、保持された粉体を溶融して永続的な画像を形成する加熱ユニットを通過する。
米国特許第4,312,268号には、連続ウェブに水系インクをデジタル塗布し、ウェブおよびインクに溶融可能な単色粉体材料を塗布する方法について記載されている。粉体材料の一部は、液体と結合し、非結合粉体材料は、ウェブを加熱する前にウェブから除去されて、液体を乾燥させ、粉体を溶かすことでウェブに粉体材料を溶融定着させる。粉体材料は、5〜1000ミクロンの範囲の粒子サイズのものであってもよく、50〜300℃の範囲の融点または溶融点を有してもよい。粉体材料は、樹脂または樹脂配合物に染料または顔料をそれぞれ溶解または分散させた後、材料を微粉体に低減させるために、研削、スプレー冷却などを行うことによって生成されてもよい。粉体材料は、フェノール樹脂を含みうるインクに対して耐摩耗性品質を与えるものであってもよい。ジェットを通して塗布される液体材料は、透明または無色の水であってもよい。
英国特許第2128898号には、プラスチックタイルに隆起した装飾部分を形成する方法が記載されている。タイル状に覆う装飾床は、床上面に印刷されたデザインを有する。無機砂粒子などの粒子がプラスチックタイルの上面に配置され、これらの粒子の少なくとも一部は、タイル表面上に印刷されたデザインと位置合わせしてタイル表面上に配置される。余分な砂粒子は除去される。硬化した摩耗層が、隆起粒子およびプラスチック基材上に設けられることで、粒子を含む領域および粒子を含まない領域にある摩耗層表面は、異なる光沢特性のものになる。このプロセスでは、接着剤をコーティングした表面に粒子をふりかけて、タイル表面上の印刷デザインに揃えて粒子を保持する必要がある。
米国特許第6,387,457号には、自動車の塗装、有価証券の印刷、一般的な塗装、および化粧品に関する印刷用途の乾燥顔料を使用する方法が記載されている。結合剤材料が、基板の表面に均一にまたはパターン状に塗布される。結合剤は、インクジェット、スプレー、スクリーン、オフセットまたはグラビア印刷によって塗布される。乾燥顔料は、結合剤材料にパターンにまたは均一に塗布される。乾燥顔料材料は、粒子サイズが約100ミクロン未満の非金属材料の薄片を含む。この薄片は、基板の表面に平行な方向に揃えられ、保護コーティングが薄片上に塗布されてもよい。
欧州特許出願公開第0403264(A2)号には、画像を紙に転写するドラム上に多色画像を形成する転写方法が記載されている。引き続き、流動性のある潜像に着色粉体を塗布し固着して永続的な可視画像を生成する現像ステーションにて、流体デジタル潜像が現像される。多価アルコール類およびそれらのサブセットのエチレングリコール、グリセロール、ジエチレングリコールおよびポリエチレングリコールと水との混合物を含む染料なしの流体で印字するいくつかのデジタルプリントヘッドが使用されてもよい。紙の表面に粉体トナーが塗布され、この現像中に電圧が印加される。そして、電圧は、背景領域からトナーを除去するために反転される。定着は、従来の複写機の溶融方法を用いて達成される。
米国特許第5,627,578号には、液体結合剤を塗布するために、サーモグラフィック粉体およびインクジェットプリンタを使用してデスクトップ印刷用途で隆起した文字やグラフィックを生成する方法が記載されている。この方法は、隆起テキストを生成する上述した方法に類似している。
欧州特許出願公開第0657309(A1)号には、上述した方法に類似した、インクジェットおよび粉体によって形成されたパターンを保持する転写紙を利用した多色転写方法が記載されている。転写方法は、セラミックの装飾向けのものである。
国際公開第2007/096746号は、装飾対象の表面に非接触または接触方法で粒状材料を転写するための、特に、セラミックタイル上に装飾を得るためのシステムおよび装置に関する。ドラムまたはベルトであってもよい転写表面上に、インクジェットによって液体デジタルパターンが与えられる。粒状材料は、転写表面に塗布されて結合され、結合された粒状材料のみが転写ゾーンに移り、転写ゾーンでは、粒状材料を転写表面から剥がし、粒状材料を受け取り表面に塗布するために、転写ゾーンにおいて転写表面の1つの特定の部分に熱がかけられる。粒状体はスクレーピングによって剥がされてもよい。この方法の主な利点は、最終画像を形成する粒子のみが受け取り表面に塗布されることである。また、この方法の主な欠点は、高解像度の画像を得るために、急激な加熱、転写ゾーンからの粒子の放出および受け取り表面上へ粒子を落とすことをうまく制御して行わなければならないことである。また、重力によって受け取り表面に落ちる重い粒子を用いる場合しか、高解像度が得られないこともある。この発明において使用されうる粒状材料は、30μm〜800μm、好ましくは、50μm〜150μmのさまざまな範囲の粒度分布で、例えば、細かいガラス質材料または焼結混合物、砂などの非多孔性粒状体を含むタイプのものである。また、接触方法を用いた転写プリントについても記載されている。
国際公開第2011/107610号には、高価な刷版を使用しなくても済むように、床パネル上に浮き出しまたはエンボスを作成する方法が記載されている。この方法は、隆起プリントを作成する既知の方法と同じである。同文献には、パネル上に浮き出しを作成するために硬化性物質を印刷して床板を製造する方法が記載されている。浮き出しは、パネル上に直接印刷または積層された基本的な装飾パターン上に適用されてもよい。硬化性物質は、耐摩耗粒子を含んでもよい。硬化性物質は、まず、液体を所定のパターンに印刷した後、粉体を含むものであってもよい中間物質を設けることによって、パネル上にデジタル印刷されてもよい。硬化性物質は、UV放射線によって硬化されてもよく、ワニスであってもよい。
欧州特許出願公開第2213476(A1)号には、オーバーレイ上にプレスされるエンボス加工用装飾パターンを形成するように、硬化性液体で担体上に、所定のパターンがデジタル印刷されてもよいことが記載されている。硬化性液体は、硬化後に剛性のものになるプラスチックであってもよく、例えば、プラスチック含有インクであってもよい。この方法は、床用途には適していない。デジタル印刷用ヘッドが印刷しうるのは、約10〜20ミクロンの厚さの非常に薄い層のみである。ラミネートにエンボスを形成するために必要な少なくとも100〜200ミクロンの厚さおよび粉体系床の要求を満たすための200〜700ミクロンの厚さは、経済的に製造が不可能である。
国際公開第2012007230号には、デジタル制御可能な装置で家具または床パネル上に3D構造を形成する方法が記載されている。光および熱放射の作用下でデジタル制御可能な装置によって局所的に固化される1つ以上の層を含む粉体系コーティング材料の平坦な三次元構造を有する装飾が施される。固化していない過剰なコーティング材料は、最終生産ステップにおいて除去される。三次元構造は、デジタル印刷されてもよい。液体コーティング材料が、保護層として3D構造上に塗布される。
既知の方法のほとんどは、結合剤パターンを含む表面上に粉体を直接塗布することを基本としている。既知の方法は、液体コーティングによって硬化され保護される隆起テキストまたは三次元装飾を作成するために主に用いられる。このような方法は、十分な耐摩耗性を与えるために、表面に着色粉体を組み込む必要のある床材用途には適していない。上述した既知の直接塗布方法は、床材用途で高品質のプリントを作り出すために使用されてもよい粉体の材料組成について、いずれも明確に記載していない。着色粒子は、塗布および除去の容易性、表面への適切な結合、ならびに特に表面がプレスされ加熱された場合に小さな顔料が浮遊しないように粒体にしっかりとつなげられる必要のある顔料の基剤を与える材料組成を有する必要がある。
既知の方法は、建築用パネル、特に、耐UV顔料の使用が必須であり、画像を耐摩耗性表面へ組み込まなくてはならない床パネルへの高品質な多色画像を作成するために適切ではない。上述した原理が、印刷ステップ後に、高熱および高圧力下で硬化されたパネル上にデジタル画像を作成するために使用されてもよいことは知られておらず、特に、粉体、インクおよび塗布方法が、耐摩耗性、耐衝撃性および耐汚染性を備えた高品質の多色表面をコスト効率良く形成するために必要な特定の熱硬化性樹脂、デザイン、木質繊維材料およびプレスパラメータに適応される必要がある積層体および木質繊維床(WFF)に類似した床表面の印刷に既知の原理や粉体を適応させる方法についても知られていない。
既知の方法では、粉体と、表面上に塗布される液体結合剤との間の結合性に関する主な問題への解決策が得られない。塗布された過剰の粒子を除去するために、一般に、強い空気流が用いられる必要があり、このような空気流は、結合剤によって結合されるべき粒子さえも除去してしまうことになる。
さまざまな既知の態様の上述した記載は、本出願人が上述したような態様を特徴づけたものであって、上述した製品、方法および機器がさまざまな組み合わせで部分的またはすべて使用された場合に、上記記載が先行技術であるということを認めたものではない。
本発明の少なくともいくつかの実施形態の主な目的は、パネル表面上に液体物質を塗布するものであってもよいデジタルインクヘッドを使用することで、表面上、好ましくは、床パネル表面上に着色剤を明確に規定されたパターンで塗布するコスト効率の良い改良された印刷方法を提供することである。
特定の目的は、液体インクの顔料と取り替えてもよく、高品質プリントを作成するために使用されてもよい粉体状の乾燥顔料系粒子を提供することである。
上記目的は例示的なものであって、本発明の実施形態は、異なる実施形態またはさらなる実施形態を達成してもよい。
本発明の実施形態は、従来のデジタル印刷方法を、液体結合剤と乾燥着色剤とを別々に塗布することからなる2つの別個のステップに分けるという主要な原理に基づいている。
着色粒子は、パネル表面上に塗布される。粒子の一部は、デジタル形成パターンによって結合される。結合されていない他の粒子は除去され、残りの結合された粒子がデジタルパターンを形成する。この2ステッププロセスが繰り返されてもよく、高度な多色高精細デジタルプリントが形成されるように、複数色のカラーが施されてもよい。結合された着色粒子およびパネル表面はプレスされ、高い結合性が得られる。プレスは、着色粒子および表面が硬化されて耐摩耗性層になるように、高温下で行われる。
従来のデジタルインクジェット印刷と比べた場合の利点は、着色粒子が液体物質に分散されず、表面上にデジタル印刷ヘッドによって塗布されないということである。本発明の実施形態によれば、プリントヘッドは、顔料を含まないコスト効率の良い主に水系の結合剤を塗布するためにしか使用されない。本発明の実施形態により、インクおよびデジタルプリントヘッドの低コスト化と、生産性の向上とを兼ね備えることが可能となる。
顔料系着色剤は、サーマルプリントヘッドであってもよい非常にコスト効率の良いプリントヘッドと組み合わせられてもよい。着色粒子は、顔料塗工木質繊維または鉱物粒子であってもよく、木材や石材のデザインの非常に実物に似たコピーが、改良された高品質パターンに配設されたこのような装飾材料とともに得られてもよい。
既知の粉体系印刷方法と比べた場合の利点は、着色粒子が、液体結合剤と反応する樹脂でコーティングされた粒体を含むことである。コーティングは、顔料を粒体につなげるために使用されるが、樹脂が、プリントヘッドによって塗布された液体物質と接触状態にあるとき、結合剤を与えるために使用される。着色粒子は、塗布および除去の容易性、表面への適切な適合、ならびに小さな顔料の浮遊が回避されうるように粒体にしっかりとつなげられる顔料の基剤を与える材料組成を有する。粒子は、パネル表面にプレスされうるように適切なサイズを有してもよく、これにより、粒子の下側に位置する顔料を表面に塗布することができる。上面部のみに顔料が塗布される従来の方法と比較して、高い顔料結合性および耐摩耗性が得られうる。
特定の利点は、熱および圧力との組み合わせに適応され、例えば、水やグリコールを含む非常に単純な物質であってもよい液体結合剤に樹脂が適応されるということである。溶剤やUV硬化性化学物質が不要であるため、非常に環境に優しくコスト効率の良い生産方法を提供しうる。
本発明の第1の態様は、マクロ着色剤のデジタル形成プリントを備える表面を有するパネルであり、マクロ着色剤は、粒体と、粒体の上側表面および下側表面に取り付けられた着色顔料とを備え、マクロ着色剤は、パターンに配設される。
粒体は、木質繊維を含んでもよい。
粒体は、鉱物粒子であってもよい。
マクロ着色剤の長さは、20ミクロンを超える長さまたは直径であってもよい。
マクロ着色剤は、マクロ着色剤と重なる固体プリントを形成してもよい。
パネルは、積層床または木質床、粉体系床、タイルまたはLVT床であってもよい。
パネル表面は、木質繊維を含んでもよく、マクロ着色剤は、表面にプレスされる。
本発明の第2の態様は、デジタル液滴塗布ヘッドによって、表面上に塗布された液体プリントに結合するためのマクロ着色剤粒子を含む乾燥インクであり、マクロ着色剤粒子は、それぞれ、
粒体と、
粒体に結合される乾燥樹脂と、
粒体に結合される着色顔料と、を備え、
乾燥樹脂は、マクロ着色剤が液体プリントと接触すると溶融し、マクロ着色剤を表面に結合するように適応される。
液体プリントは、水、グリコールおよびグリセリンの少なくとも1つを含んでもよい。
マクロ着色剤粒子の直径または長さは、20ミクロンより大きいものであってもよい。
粒体は、鉱物粒子または繊維または熱硬化性樹脂であってもよい。
粒体は、酸化アルミニウム粒子であってもよい。
粒体は、木質繊維であってもよい。
粒体は、熱硬化性樹脂でコーティングされてもよい。
乾燥樹脂は、メラミンホルムアルデヒド樹脂であってもよい。
マクロ着色剤粒子は、着色顔料を粒体に結合する第1の層と、乾燥樹脂を含み、第1の層に塗布される第2の層とでコーティングされてもよい。
本発明の第3の態様は、乾燥インクを表面に結合する方法であって、マクロ着色剤粒子を、デジタル液滴塗布ヘッドによって表面上に塗布された液体プリントに結合するステップを含み、マクロ着色剤を表面に結合させるためにマクロ着色剤が液体プリントに接触すると、乾燥樹脂が溶融する結合方法に関する。
液体プリントは、水、グリコールおよびグリセリンの少なくとも1つを含んでもよい。
以下、好ましい実施形態に関連して、添付の例示的な図面を参照しながら、さらに詳細に本発明について説明する。
印刷およびエンボス加工された表面を生成する既知の方法を示す図。 本発明の一実施形態の第1の原理を示す図。 本発明の一実施形態の第2の原理を示す図。 本発明の一実施形態の第3の原理を示す図。 本発明の一実施形態の第1の原理による顔料のデジタル塗布を示す図。 本発明の一実施形態の第1の原理に基づいた生成方法および本発明の一実施形態により形成された装飾パターンを有するパネルを示す図。 表面上での着色剤の塗布を示す図。 マクロ着色剤の好ましい実施形態を示す図。 マクロ着色剤の塗布およびプレスを示す図。 マクロ着色剤の塗布およびプレスを示す図。 1つのプリントヘッドを用いた複数色のカラーの塗布および中間予備プレスを用いた着色剤の除去を示す図。 転写印刷方法および好ましい表面を有するパネルを示す図。 着色剤の結合に液体ブランクインクを使用しない方法を用いて、着色剤のパターン状塗布を示す図。 プレス粒子を用いたデジタルエンボス加工を示す図。 デジタル転写プリントと組み合わせたデジタルエンボス加工を示す図。
図2aから図2dは、本発明の一実施形態の略図を示し、図2aに示すような表面2上に結合剤11のみを塗布することが好ましいインクヘッドによって、結合剤パターンBPまたは画像をデジタル形成する第1の原理に基づいたものである。微小着色粒子、例えば、顔料12を含んでもよい着色剤7が、結合剤パターンBPと接触するように、第2の装置によって乾燥形態で、好ましくは、ランダム状に塗布される。図2bは、結合剤パターンBP上にわたって乾燥形態の顔料12が散乱された好ましい実施形態を示す。図2cは、結合剤11が、結合剤11と同じパターンを形成する顔料の一部12とつながり、他の非結合顔料12が表面2から、例えば、真空によって除去されると、表面2上にプリントPが形成されることを示す。
上記の3ステッププロセスは、プロセスが単色塗布に関する場合、「プリント形成サイクル」と呼ばれ、プロセスがプリント全体を参照する場合、「結合剤・粒体(またはBAP:Binder And Powder)印刷」と呼ばれ、好ましくは、以下、「ブランクインク」とも呼ばれる液体結合剤11と、以下、「乾燥インク」15とも呼ばれる着色剤7を含む乾燥粒子が別々に塗布された後に結合され、結合されていない粒子が除去されるプロセスであって、従来のデジタル印刷技術と同等か、またはさらに優れた品質のデジタルプリントPを提供しうる。
表面2は、紙層または箔または粉体層であってもよい。
表面2は、建築用パネルまたは床パネル1の一部であってもよい。
結合剤は、好ましくはデジタルインクヘッドによって塗布される液体物質を含むブランクインク11であってもよい。
液体物質は、水系であってもよい。
結合された着色剤7を有する表面2は、加熱されプレスされてもよい。
表面2および着色剤7はプレスされて硬化され、エンボス加工された構造を有する硬質表面になっていてもよい。
着色剤7は、20ミクロンより大きなマクロ着色剤粒子であってもよく、表面2にプレスされてもよい。
表面2は、積層床または木質床、粉体系床、タイルまたはLVT床であってもよいパネル1の部分であってもよい。
液体ブランクインクは、デジタル加熱プリントヘッドまたはレーザからの熱が、乾燥インクおよび/または表面に含まれる結合剤に作用するデジタル加熱プロセスで置き換えられてもよい。
ブランクインクおよび乾燥インクは、多くの別の方法で塗布されてもよい。表面2は、上向きまたは下向きに向いているものであってもよく、ブランクインクおよび/または乾燥インクは、上方または下方から塗布されてもよい。ブランクインクを有する表面2が、例えば、下向きに向いているものであってもよく、乾燥インク層と接触するようにされてもよい。非結合乾燥インクは、表面が乾燥インク層から分離されると、重力によって除去されてもよい。説明を簡潔にするために、好ましい実施形態の大部分は、上向きに向けられて、印刷前にパネルに取り付けられた表面を示している。支持パネル1を有していない別個の表面2が、本発明の原理に従って印刷されてもよい。
この方法は、好ましくは、耐摩耗性、耐衝撃性およびUV抵抗性を備えた高度な大型プリントまたは装飾パターンを形成するために、多量の着色剤、好ましくは、顔料が、大きなフラットパネル上に塗布される用途や、パターンが、木材または石材の模様をコピーする目的の用途に特に適している。このような模様は、一般に、例えば、木の表面に見られる木目構造、節、亀裂およびさまざまな欠陥および石材の模様にある結晶構造の亀裂および他の欠陥を形成するために使用される基本的な外観およびいくつかのスポットカラーを木材または石材に与える1つの基色を用いて形成される。また、この方法は、タイル上にパターンを形成するために、または、例えば、異なる色を有するタイルと、タイル間のグラウトラインとを含むタイル床のコピーを有するプリント積層床および粉体系床を印刷するのに非常に適している。
既知の方法と対照的に、以下、「デジタル液滴塗布ヘッド」30’と呼ぶデジタルインクヘッドは、着色顔料または染料で従来の任意のタイプのインクを塗布するために使用されていない。これは、顔料分散や結合剤樹脂を含む高価なインクをデジタル液滴塗布ヘッド30’が取り扱う必要がないため好適である。ブランクインクは、好ましくは、主に水を含むことが好ましい実質的に透明の液体物質である。
液体物質とも呼ばれるブランクインクは、好ましくは、顔料を含まない。
ブランクインクまたは液体物質によって提供されるプリントは、液体プリントPと呼ばれることもある。液体プリントは、表面上に塗布されたブランクインクの液滴から形成されるものであってもよい。
着色剤は、好ましくは、2つのステップで表面に結合される。第1の結合ステップは、塗布結合ステップであり、結合剤パターンの外側領域に塗布された過剰な残りの着色剤を除去可能なようにするために、着色剤を結合剤パターンBPに結び付いた状態にするべく、着色剤の結合が十分とされるべき、ステップである。
第2の結合ステップは、塗布結合された着色剤を表面2に永久的に結び付けるための永久結合である。
第1の塗布結合および第2の永久結合は、例えば、新しいプリント形成サイクルが開始されうるように、熱および/または圧力によって形成された着色剤の構造が改質される中間安定化ステップを含んでもよい。中間安定化ステップにより、第2のプリント形成サイクル中に表面上に塗布された新しい非結合着色剤が、第1のプリント形成サイクルから着色剤を含む表面部分上でも容易に除去されうる。
第1の塗布結合ステップは、好ましくは、蒸留水または脱イオン水を主に含むことが好ましいブランクインクとも呼ばれる液体物質を用いて得られる。水の付着は、用途によっては、特に、1色のみしか塗布されない場合、非結合着色剤を除去できるのに程度の力をかけて着色剤を表面に結び付けてもよい。このような液体物質の生産コストは極めて低く、結合剤の乾燥時のノズルの詰まりが解消されうる。プリントヘッドの適切な機能に必要とされうる液体物質の粘度および表面張力を達成するのに必要とされるいくつかの化学物質、例えば、グリコールまたはグリセリンが添加されてもよい。多くの異なる分子量で利用可能な水溶性ポリエチレングリコール(PEG)は、例えば、ピエゾヘッドを用いて作用する適切な粘度を有するブランクインクが得られうるように水を改質するのに特に適している。例えば、PEG400などの低単眼量の配合物が、ブランクインクおよび、好ましくは、乾燥インクとともに、またはメラミンなどの熱硬化性樹脂を含む表面においての使用に特に適している。水およびPEGは、メラミン樹脂と適合性(融和性)があり、熱および、好ましくは、さらに圧力がかけられる場合に、容易かつ迅速に硬化を行える。熱硬化性樹脂と適合性がある好適な非乾燥溶剤は、水との混和性があり、沸点が100℃を超え、融点が塗布温度よりも低くなければならない。このような溶剤の例は、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、ブタンジオールおよびグリセリンであるが、これらに限定されるものではない。また、組み合わせたものを使用することもできる。いくつかの応用において、ブランクインクにいくつかの他の少量の化学物質が含まれてもよく、例えば、ブランクインクが表面に塗布される場合にブリード(ブリージング)を防止するために必要な湿潤剤および他の化学物質が含まれてもよい。また、ブランクインクは、剥離剤を備えてもよく、特に、上述したような「直接BAP印刷」とも呼ぶ着色剤の直接塗布は、ブランクインクおよび着色剤が、第1のステップにおいて、転写表面上に塗布され、表面に対してプレスされて結合される、以下、「転写BAP印刷」とも呼ぶ転写塗布と置き換えられる場合、剥離剤を備えてもよい。ほとんどのこのような添加剤はコスト効率が良く、ブランクインクは、従来の顔料系インクの何分の1かのコストである生産コストで済みうる。
ほとんどのピエゾプリントヘッドは、2〜12センチポアズ(cps)の範囲の粘度を扱うように構成される。水系ブランクインクは、すべての可能な粘度要件を満たすように容易に適応されてもよい。
Kyoceraプリントヘッドなどの約5cpsの粘度で動作するように構成された低粘性プリントヘッドにおいて好ましくは使用されてもよい適切なブランクインクが、例えば、約75%(重量)エチレングリコールまたは55%ジエチレングリコールまたは50%プロピレングリコールまたは38%ポリエチレングリコールPEG400を含む水系グリコール溶液であってもよい。約40%グリセリンを含む水系グリセリン溶液が使用されてもよい。脱イオン水が、グリセリンおよびグリコールと混合されてもよい。低粘性プリントヘッドに適切なブランクインクは、例えば、約40%水、50%グリセリンおよび10%ジエチレングリコールを含んでもよい。
Fujiプリントヘッドなどの約10〜12cpsの粘度と動作するように構成された高粘性プリントヘッドにおいて好ましくは使用されてもよい適切なブランクインクは、例えば、約95%(重量)エチレングリコールまたは75%ジエチレングリコールまたは70%プロピレングリコールまたは50%ポリエチレングリコールPEG400を含む水系グリコール溶液であってもよい。約65%グリセリンを含む水系グリセリン溶液が使用されてもよい。脱イオン水が、グリセリンおよびグリコールと混合されてもよい。高粘性プリントヘッドに適切なブランクインクは、例えば、約30%水、60%グリセリンおよび10%ジエチレングリコールを含んでもよい。
低粘性および高粘性ピエゾプリントヘッドに適合されたブランクインクの含水量は、高粘性グリコール、例えば、PEG400より高い分子量のポリエチレングリコールが使用されればさらに増大されてもよい。ピエゾプリントヘッドに適したものであることが好ましい好適なブランクインクは、0〜70%水および30〜100%グリコールおよび/またはグリセリンを含んでもよい。10〜70%水および30〜90%グリコールおよび/またはグリセリンを含む配合が、さらに好ましい。非常に低い粘性、例えば、2〜4cpsの粘度用に構成されたサーマル方式のバブルジェットプリントヘッドに適したブランクインクは、70%より高い水を含んでもよい。
すべてのブランクインクの配合物は、BYKまたはSurfinolなどの少量の、例えば、約1%の湿潤剤と、細菌や菌類を制御するためのActidiceなどの化学物質とを含んでもよい。
最終的な永久結合が、好ましくは熱および圧力がかけられて、基材および/または乾燥インク粒子の一部である樹脂とともに起こるまで、ブランクインクは、好ましくは、本質的に、塗布結合を得て、着色剤を結合するために使用される非硬化性液体物質である。このようなブランクインクは、乾燥すると、または熱がかけられると、粒子と結合しなくなる。
ブランクインクは、水、グリコールまたはグリセリンと適合性のある特別な硬化性結合剤、好ましくは、水系アクリルエマルジョンを含んでもよい。好適な結合剤含有量は5〜20%である。アクリルエマルジョンは、含水量が蒸発すると粒子と結合し、高熱および圧力下で強い結合を生じる。
少なくとも50%の高い含水量は、材料コストが低くなるという利点がある。デキャップ時間はかなり短く、水の蒸発から1時間未満である。低い含水量と、高いグリコールまたはグリセリン含有量とを組み合わせることで、デキャップ時間が著しく長くなる。含水量が40%未満のブランクインクは、数時間のデキャップ時間を有することがある。含水量が20%未満であれば、デキャップ時間は非常に長くなり、6時間を超えることもある。90%を超えるグリコールを含むブランクインクを使用することが可能であり、これにより、デキャップ時間が長くなり、数日になることもある。ブランクインクは、水を含まずに作られてもよく、高粘性プリントヘッドは、例えば、100%エチレングリコールを含むブランクインクを取り扱うものであってもよい。
任意の顔料分散または結合剤を含まず、主に、上述したような水系溶液であるブランクインクが使用される場合、工業用プリンタにおいてインク循環システムが回避されてもよい。これにより、印刷機器のコストが大幅に削減される。
図2eは、温度20〜30℃における水溶性プロピレングリコール(PG)溶液の粘度cpsを示す。W1は、水の粘度を示す。Pg1は、50%PGおよび50%水を含む。
Pg2は、70%PGおよび30%水を含む。低粘性プリントヘッドに適応されたブランクインクの粘度は、20〜30℃の温度範囲内において、4〜6cpsの間で変動してもよい。高粘性プリントヘッドに適応されたブランクインクの粘度は、8〜14cpsの間で変動するものであってもよく、これは、プリントヘッドの通常の動作条件外のものであってもよい。この問題は、湿度を制御する空調制御システムと組み合わせられることが好ましい温度制御システムを備える印刷機器を用いて解決されてもよい。水系ブランクインクのデキャップ時間は、プリントヘッドの周囲の相対湿度が50%を超えれば、長くなりうる。
着色剤を表面に結合する結合剤は、2つの成分を含むものであってもよい。第1の結合剤成分は、ブランクインクに含まれてもよい。第2の結合剤成分は、乾燥インクまたは表面に含まれてもよく、ブランクインクによって活性化されてもよい。これにより、例えば、塗布結合、安定化および永久結合を得るために、水を使用することが可能である。水は、着色剤または表面に含まれてもよい結合剤と反応してもよい。ブランクインクは、上述した2つの成分と同じ結合を与えるものであってもよい結合剤を含むものであってもよいことは言うまでもない。
ブランクインクは、任意の表面2、例えば、不透明紙層、本質的に透明なオーバーレイ、粉体層、安定化粉体層、木材ベニヤまたは木質シート、タイルグレージング、プラスチック箔、または木質材料やポリマー材料を好ましくは含むシート状材料に塗布される基色に塗布されてもよい。
表面2をパネル1などのシート状材料に塗布することで、いくつかの利点が得られる。
液体ブランクインクの塗布中に膨張および収縮してもよい疎結合層の取り扱いおよび位置決めが省かれてもよい。着色剤7の塗布結合は、表面2がフラットパネルによって支持され、コンベヤ上で水平方向に変位されて、熱および圧力をかけて永久結合が起こるプレスに向けて直接的にコンベヤ上で水平方向に変位されてもよいため、非常に低い結合強度でなされてもよい。紙および箔表面のローリング、切断および積層が省かれてもよい。未硬化粉体などのいくつかの表面およびタイルグレージングは、パネル1の支持体なしに取り扱うことはできない。
LVT床上のBAP印刷は、例えば、好ましくは、ガラス繊維層を含む個々の基層および基色を有する装飾プラスチック箔がパネルに一緒に融合される場合になされてもよい。
透明保護層が、乾燥インク粒子が表面に永久的に結合され融合されるように、BAPプリントおよび装飾プラスチック箔上に熱および圧力をかけて融合されてもよい。ブランクインクは、滑らかなプラスチック箔上での液滴の浮遊が回避されるように適応されてもよい。ブランクインクが高粘性、好ましくは、10cps以上を有すれば、好適である。
セラミックタイル上のBAP印刷は、好ましくは、粉体がタイル本体にプレスされてパネルを形成する場合になされる。好ましくは基色を有するグレージングが、タイル上に適用され、BAPプリントが、ドライグレージング上に適用される。その後、BAPプリントおよびタイル本体はプレスされ、保護透明グレージングがプレスされたプリント上に適用される。乾燥インク粒子が硬化し溶融してタイル本体およびグレージングになるように、タイルは、グレージング後、超高温で炉または窯で焼成される。
上述した実施形態は、パネル1の部分を形成し、熱および圧力がかけられると、パネル、表面およびプリントが永久的に結合されるように材料組成をさらに含む表面2上に、BAPプリントが適用される主な原理に基づいている。このような表面は、熱硬化性樹脂、好ましくは、メラミンホルムアルデヒド樹脂を含んでもよく、この樹脂は、一般に、WFFまたは紙ベースの積層床、セラミックタイルにおいて使用される硬化性および溶融性鉱物材料、またはLVT床において使用される熱可塑性材料において使用される。
また、織物表面上に、直接および転写BAP印刷が使用されてもよい。乾燥インクおよびブランクインクは、特に、さまざまな織物表面に適応されてもよい。結合剤、乾燥インクの粘度およびサイズまたは着色剤は、着色剤を適切に結合および除去するように適応されてもよい。
いくつかの特定の表面上への塗布は、空気プラズマと呼ばれることもある、いわゆる、コロナ処理によって改良されてもよい。表面特性に変化を与える低温コロナ放電プラズマを用いる表面改質技術である。コロナプラズマは、高電圧を鋭い電極先端に印加することによって生成され、鋭い先端の端部でプラズマを形成する。プラスチック、ガラスまたは紙などの材料は、材料の表面エネルギーを変更するために、コロナプラズマカーテンを通過してもよい。さまざまなタイプの鉱物塩を用いて表面処理されてもよい。
表面は、着色可視表面の主要部分を作り出すように使用されてもよい第1の基色を含んでもよい。熱硬化性樹脂を含むことが好ましい粉体系表面は、着色剤の塗布および除去を行いやすい滑らかな表面を有するように予めプレスされ形成されてもよい。このような予備プレスは、好ましくは、圧力および熱をかけて行われ、メラミン樹脂が半硬化レベルにあり、導入部に記載した段階Bにあることが確保されるプレスサイクル時間中に行われる。
着色剤は、好ましい実施形態において、主に、図2bに示すような湿潤結合剤パターンBP上にわたって乾燥粉体層として散乱された着色顔料12を含む。顔料は、他の粒子、例えば、メラミン粉体粒子13と混合されてもよく、メラミン粉体粒子13は、液体結合剤パターンBPと接触すると溶融し、顔料を表面に結合する。非結合乾燥顔料およびメラミン粉体13は、例えば、空気流または重力によって除去されてもよく、残りの湿潤メラミン13および着色顔料12は、ブランクインクによって作られた結合剤パターンBPと本質的に同一である図2cに示すようなプリントPを形成する。乾燥インクは、粉体系WFF床の表面層2と同じ材料組成を有してもよく、ウーファ繊維、乾燥メラミンホルムアルデヒド樹脂粉体、酸化アルミニウム粒子および着色顔料の混合物を含んでもよい。
プリントの安定化は、例えば、IRへの露光、熱風、UV光、マイクロ波、予備プレスもしくは同様の方法、またはこのような方法の組み合わせによって部分的にまたは完全に得られてもよい。この好ましい実施形態において、水または湿潤メラミンである結合剤は、好ましくは、湿潤メラミンを乾燥させることによって、またはメラミン粒子を溶融することによって、着色顔料を表面2に結合する予備プレスによって安定化される。予備プレスは、印刷パターンPの表面を圧縮する。第2のパターンが、表面2上にブランクインクで印刷されてもよく、顔料およびメラミン粉体の第2の層が、表面および第1のプリント上にわたって適用されてもよい。これは、繰り返されてもよく、デジタル画像が、異なる色を同じ平面に水平方向にずらして配置した着色剤を含むように、複数色を用いて高度な装飾が作り出されてもよい。
ブランクインクは、好ましくは、結合着色剤の色を乱さない本質的に透明な液体物質である。多くの異なる着色剤を含む乾燥インクとともに、同じ液体物質を有するブランクインクが使用されてもよく、これにより、例えば、ブランクインクによって形成されたデジタルパターンを中間適用するいくつかのステップにおいて適用されてもよいいくつかの異なる色を塗布するために、同じブランクインクとともに1つのプリントヘッドが使用されてもよい。これにより、色、構造粒子サイズなどが異なる実質的に無制限の数の乾燥インクを塗布するために、同じブランクインクを塗布する1つのインクチャネルを有する1つのプリントヘッドが使用されてもよいため、プリントヘッドの数が著しく減少されうる。
ブランクインクの単純な組成により、プリントヘッドの小さなノズルを通して着色顔料が打ち出されないため、よりコスト効率の良いプリントヘッドを使用することが可能になる。
いくつかの応用において、永久結合を作り出すのに安定化ステップで十分な場合がある。また、好ましくは、熱硬化性樹脂を含むラミネートや粉体系表面または熱可塑性層を含む表面を硬化するために用いる方法に応じて、熱および圧力下で表面をプレスして硬化させることが好ましい場合、最終的な永久結合が行われてもよい。着色剤上に塗布され、塗布後にUV炉で硬化されるUV硬化性の透明ラッカーが使用されてもよい。この透明層は、ローラによって、またはデジタルピエゾヘッドを用いて、および1つまたは複数のステップにおいて、中間UV硬化を用いて液状で塗布されてもよい。また、第1の塗布結合または第2の永久結合を得るために、熱可塑性樹脂または熱可塑性粒子が用いられてもよい。保護層および永久結合として、酸化アルミニウムおよびメラミン樹脂を含む紙系または粉体系のオーバーレイが使用されてもよい。
液滴塗布ヘッドによって塗布される液体物質が低コストであり、単純な化学組成を有することにより、液体結合剤物質を塗布するために、非常に単純なデジタルプリントヘッド技術を使用することができるようになる。水の再利用は容易であり、収集した液滴は再利用せずに処分してもよいものであるため、連続式インクジェット(CIJ)が使用されてもよい。バブルジェット技術では水の取り扱いが容易であるため、コスト効率の良いサーマルプリントヘッドが使用されてもよい。取り扱う必要のある顔料および好ましくは高速乾燥樹脂がないため、従来の顔料系インクが使用される場合に起こっていたような生産の妨げを生じないような非常に好ましい液体物質により、長寿命化が図られるとともにメンテナンスを最小限に抑えられうる高生産性でドロップオンデマンド(DOD)方式の非常に単純なピエゾヘッドが使用されてもよい。
結合剤は、表面の粒子または化学物質として、乾燥インクにおいて、またはデジタル液滴塗布ヘッドによって塗布されるブランクインクの分散系として使用されてもよいさまざまな熱硬化性および熱可塑性材料を含んでもよい。このような材料のほとんどは、乾燥粉体状でまたは液体分散系として生成されてもよい。乾燥後に結合を与える化学物質が、表面または乾燥インクに含まれ、ブランクインクが、乾燥形態においてノズルの詰まりとなりうる任意の樹脂や他の化学物質を用いない単純な液体化学物質であることが好ましい。
例えば、メラミンなどの熱硬化性材料や、例えば、PVC粉体などの熱可塑性材料の代わりとして、UV硬化されたポリウレタンが、粉体形態で、または分散系として使用されてもよい。
デジタル液滴塗布ヘッド30’に適応される粘性を備えたUV硬化性ポリウレタン物質が使用されてもよい。水系ポリウレタン分散系は、UV光にさらされるまで硬化しないため、デジタル液滴塗布ヘッドにおいて液体物質として好ましい。ポリウレタン分散系は、完全に反応させたポリウレタン/ポリウレアの微小離散ポリマー粒子であり、このような粒子は、約0.01〜5.0ミクロンのサイズになるように生成されてもよく、したがって、デジタルプリントヘッドまたは他の同様のヘッドで取り扱われてもよい。ポリウレタン分散系は、コスト削減のために、例えば、アクリルエマルジョンおよび他のエマルジョンと混合されてもよい。
いくつかの応用において、好ましくは、ピエゾヘッドであってもよいデジタル液滴塗布ヘッドは、好ましくは、約1〜200ピコリットル以上の液滴サイズを有する液滴を打ち出す能力を有する。液滴サイズおよび液滴強度はさまざまなものであってもよく、このヘッドは、色の強度を変化させ、同じ基色で、いわゆる、「グレースケール」を作り出すために使用されてもよい。液滴が大きいほど、より厚い乾燥インク層と結び付き、液滴が小さいほど、より薄い層と結び付く。
また、可溶性接着剤または水分散型接着剤などの水系接着剤が使用されてもよい。
エポキシ、ウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、アミン修飾ポリエーテルアクリルおよび種々のアクリレートオリゴマーのアクリレートなどの他のUV硬化性材料が、粉体状の結合剤として、または分散系として使用されてもよい。
また、ブランクインクは、スプレーノズルによって、または彫刻ローラによって表面上に塗布されてもよい。
図2dは、表面2と、コア3と、裏貼り層4とを備えるパネル1上にデジタルプリントPを作成するために使用されてもよい結合剤印刷機器の1つのBAP印刷ステーション40を概略的に示す。ピエゾヘッドまたはサーマルプリントヘッドであることが好ましいデジタル液滴塗布ヘッド30’を備えるブランクインク塗布ステーション36は、ブランクインク11で結合剤パターンBPを塗布する。印刷される表面の幅に及ぶように、いくつかのヘッド30’が並べて配置されてもよい。結合剤パターンは、従来のデジタル印刷と同様の方法でデジタル作成される。色は分離され、各ブランクインク塗布ステーション36は、各プリント形成サイクルにおいて1つの特定の色を結合するために使用される同じ液体物質またはブランクインクを主に塗布する。デジタル液滴塗布ヘッドは、ブランクインクを有する容器31に供給パイプ32を介して接続される。デジタル液滴塗布ヘッド30’は、液滴の塗布、コンベヤ21の速度、乾燥インク塗布ユニット27および顔料の結合および除去に使用されるすべての他の機器の機能を制御するデジタル制御部34に、好ましくは、データケーブル33を介して、またはワイヤレスにデジタル接続される。
この実施形態において、塗布結合剤として働くブランクインク11の水系液滴は、好ましい実施形態において、散乱ステーションである乾燥インク塗布ステーション27を通過するまで湿潤状態である必要がある。この好ましい実施形態において、スプレー乾燥されたメラミン粉体13の樹脂と混合された着色顔料12の着色剤を含む乾燥インク15が、液体ブランクインク11に散乱される。
散乱装置は、乾燥インク15を含むホッパー45と、好ましくは、彫刻、エンボス加工、エッチングまたはサンドブラスト加工されたローラ表面44を備えるローラ46とともに、ホッパー45から表面2に所定量の乾燥インク15を移動させる分配装置として作用するドクターブレード47とを備える。ローラ46は、小さな針を備えるローラ表面44を有してもよい。また、回転および振動ローラが使用されてもよい。いくつかの応用において、異なる方向に振動または回転してもよい1つまたは複数の回転メッシュまたは振動メッシュ49とともに、振動ブラシまたは回転ブラシ48であってもよい材料除去装置が使用されてもよい。
ドクターブレード47は、剛性または可撓性のものであってもよく、ローラ表面の構造に適応された刃先を有してもよい。振動メッシュまたは回転メッシュ49が、乾燥インク15を所定の方法で広げるように形成されてもよく、層として塗布される前に粒子をふるい分けるために使用されてもよいいくつかのネットの1つと組み合わせられてもよい。層の厚さを制御するために、ローラの回転、ドクターブレードの位置および乾燥インクが覆う予定の表面の速度が使用されてもよい。
この実施形態において、液体ブランクインク11ならびに顔料12および溶融メラミン粒子13を有する乾燥インクは、好ましくは、供給方向においてデジタル液滴塗布ヘッド30’の後方に位置づけられた、好ましくは、高温IRランプ23の下方に変位すると、加熱され安定化される。
この実施形態において、空気流および真空をベースにした乾燥インク除去ステーション28は、湿潤状態ではなく、結合剤パターンBPによって結合されていない顔料12およびメラミン粒子13を除去し、完璧なカラープリントPが得られる。乾燥インク除去ステーションは、IRライト23の後方またはIRライトと散乱ステーション27との間に位置づけられてもよい。この生産ステップは繰り返されてもよく、別の色を含む第2の散乱ステーション27は、同一のプリントヘッドによって、または第2のプリント形成サイクルにおいて使用される新しいプリントヘッドによって塗布されてもよい結合剤パターン上に第2の色を塗布してもよい。除去された乾燥顔料およびメラミン粒子は、ふるいやフィルタを通過してもよく、何度も再利用および再使用されてもよい。
表面2を有するパネル1は、好ましくは、1つまたは複数のコンベヤ21で、デジタル液滴塗布ヘッド30’、乾燥インク塗布ステーション27および乾燥インク除去ステーション28の下方において本質的に水平方向に変位される。この代わりとして、BAP印刷の間、デジタル液滴塗布ヘッド30’、乾燥インク塗布ステーション27および乾燥インク除去ステーション28が、パネル1上にわたって変位されてもよい。
乾燥インクは、顔料およびメラミン粒子に加え、小さな酸化アルミニウム粒子などの耐摩耗粒子と、漂白透明繊維または半透明繊維から好ましくはなるものであってもよい繊維、好ましくは、木質繊維とをさらに備えてもよい。このような乾燥インクは、顔料の上方および下方に結合剤および耐摩耗粒子を有し、互いに上下に垂直方向に位置する顔料で固体プリントを作るために使用されてもよい。ブランクインクの小滴は、毛管現象により、および表面張力と接着力との組み合わせにより、乾燥インクに浸透し、表面上に小さな液滴として顔料が塗布される従来のインクの塗布よりも大量の乾燥インクを結合しうる。
BAP印刷の好ましい実施形態は、着色剤の垂直範囲が、ブランクインク滴の範囲を超えることを特徴とする。別の好ましい実施形態は、デジタル塗布されたブランクインク滴が、塗布後に表面から下向きおよび上向きに浸透することを特徴とする。ブランクインクと、乾燥インクとを含み、好ましくは乾燥インクに耐摩耗粒子を組み込んだ印刷方法を用いて、高耐摩耗性プリントが得られてもよい。
複数のプリント層が互いに上下に位置づけられてもよく、このような配置は、耐摩耗性をさらに高め、3D装飾効果を出すために用いられてもよい。
非結合粉体粒子を塗布および/または除去するために、静電気または超音波が用いられてもよい。粒子を吹き飛ばし、および/または吸引する空気流および真空が、好ましくは、ブラシと組み合わせられてもよい。一般に、粉塵の除去に用いられるすべての乾式および湿式方法は、非結合乾燥インク部分を除去するために、別々に用いられてもよく、またはさまざまな組み合わせで用いられてもよい。しかしながら、乾式および/または非接触式方法が好ましい。
非結合乾燥インク粒子を制御下で完全にまたは部分的に除去することは、所定の装飾画像を有する高品質のプリントには必須である。透明なメラミン粉体粒子の必須部分が表面上に残ったまま、着色剤のみ、例えば、着色顔料のみを除去する高度な除去システムが用いられてもよい。これは、着色剤を有するブランクインクを塗布する前に、第1の層がメラミン樹脂または表面に塗布された粒子のみを有するという、2ステップ塗布によって達成されてもよい。この第1の層は、好ましくは、安定化される。第1の層は、水が吹き付けられて、例えば、IRまたは熱風によって乾燥されてもよい。メラミンを含むことが好ましいこの別々の結合剤層は、いくつかの応用において、例えば、いくつかの応用において、表面層2として使用されてもよい予備含浸紙と取り替えてもよく、基色を有するまたは有さない非含浸紙のみが、プリント塗布サイクルの表面2として使用されてもよい。
表面層の含水率は、非結合粉体粒子を除去しやすいように正確に制御される必要がある。含水率は、好ましくは、8%未満、さらに好ましくは、6%以下である。表面層2は、ブランクインクの塗布前に、例えば、IRランプによって乾燥されてもよい。ブランクインクが塗布されていない表面層の特定の部分に着色剤が付着しないようにする封止層または剥離層を形成するために、表面2または結合着色剤の上部を封止するべく、特殊な化学物質が塗布されてもよい。
床パネル1は、一般に、ラミネート、プラスチック箔、コート紙または同様の材料の下側平衡層4を備える。このような平衡層は、プレス前に水分および熱によって安定化されるメラミン粉体および木質繊維の乾燥混合物として塗布されてもよい。基色を与えるために、粉体混合物に顔料が含まれてもよい。また、平衡層は、コア3の背面に直接塗布されるメラミン粉体または液体メラミン樹脂のみを含むものであってもよく、表面層の平衡化には、紙や木質繊維は不要である。表面層のメラミン含有量は、平衡層のものより高いことが好ましい。パネルの背面は、床設置者や末端消費者への特定の情報提供に非常に適している。平衡層上へのデジタルパターンまたはテキストの作成に、従来のデジタル印刷またはBAP印刷が用いられてもよい。設置およびメンテナンスの指示、ロゴ、他のタイプの指示、図形および情報が含まれてもよく、一般には、パッケージに塗布され、または個別の取扱説明書に記載される情報に代わるものとなってもよい。デジタルプリントおよび、特に、BAPプリントの場合、一般に、デジタル塗布される色は、基色の他に1色のみでよいため、コスト効率が非常に良い場合がある。裏貼り層はまた、装飾用のみのデジタルプリントを有してもよい。
図3aから図3dは、着色剤7と、好ましくは、メラミン13であってもよい結合剤とを備える乾燥インク15が、第1のステップにおいて、表面2上に塗布される第2の原理に基づく本発明の一実施形態を示す。第1のステップ後、第2のステップとして、ブランクインクパターンBPをブランクインクによって乾燥インク上に塗布するデジタル液滴塗布ヘッドによってデジタルプリントが形成される。第1の原理と第2の原理との主な相違点は、ブランクインクと乾燥インクとを塗布する順序である。第1の原理によれば、ブランクインク15は、第1のステップにおいて塗布されるのに対して、第2の原理によれば、ブランクインク15は、第2のステップにおいて塗布される。以下、第1の原理を「バインダ・アンダー・パウダー(BUP)」印刷と呼び、第2の原理を「バインダ・オン・パウダー(BOP)」印刷と呼ぶ。BUPデジタルプリントおよびBOPデジタルプリントは、上述したような直接プリントまたは転写プリントであってもよい。
これらの2つの原理BUPおよびBOPは、異なる色強度を有する異なる画像を提供するものであってもよい。ブランクインク滴11は、第1のBUP原理に従って塗布されると、表面に当たったときにインクスポットを形成し、このようなインクスポットは、液滴の直径よりかなり広い面積に及ぶ。インクスポットからの液体物質は、一部しか表面から乾燥インク内に浸透しない。ブランクインク滴が、第2のBOP原理に従って塗布される場合、液滴はまず小粒子クラスタにおいて一緒に結合することになる乾燥インク粒子内に浸透し、液体ブランクインク滴のより小さな部分が表面2に達し、ここで、小さなクラスタが表面に結合される。液体物質を分配する開いた構造が表面にある応用におけるブリード防止のために、このような塗布が用いられてもよい。なお、ブリードは、装飾的な効果を生じるために使用されることもあるため、必ずしも問題となるものではない。BOP原理が使用される場合、乾燥インクの塗布は高精度に制御される必要があり、乾燥インク層の最大厚さは、ブランクインクが乾燥インク層を通って表面に浸透するように、液滴サイズおよび液滴強度に適応される必要がある。乾燥インク層の厚さは、乾燥インク滴の最大浸透レベルを超えないことが好ましい。
第1のBUP原理が使用される場合、表面上に塗布されたブランクインク滴の浸透レベルを超える過剰の非結合粒子が自動的に除去されるため、乾燥インク層の厚さは著しく変動する場合があり、乾燥インク粒子の上部の液体物質が乾燥する場合もある。乾燥インク層の厚さは、BUP原理が使用される場合、ブランクインク滴の浸透レベルより厚みがあっても、薄くてもよい。これにより、色の変化を生じさせるために、ブランクインク滴の強度および乾燥インクの垂直範囲の組み合わせを使用することができる。
いずれの原理も、用途に応じて利点および欠点を有する。
ブランクインク11は、この実施形態においても、塗布時、例えば、顔料12と混合されたメラミン粒子13または顔料下で塗布されたメラミン粒子を溶融する水を含んでもよい。結合剤は、結合剤パターンBPと同じパターンを形成する顔料をつなげ、他の非結合顔料は除去される。図3aは、表面2上に散乱されたメラミン粉体13および顔料12の混合物を含む乾燥インク15を示す。図3bは、乾燥インク上に塗布されたデジタル塗布ブランクインクパターンBPを示す。図3cは、非結合顔料および、この好ましい実施形態では、メラミン粒子13が除去されたことを示す。図3dは、散乱ステーション27と、ブランクインク塗布ステーション36と、IR炉23と、空気流および真空に基づいた乾燥インク除去ステーション28とを備えるBAP印刷ステーション40を示す。
第1および第2の原理は組み合わせてもよい。ブランクインク11は、乾燥インク15を塗布する前後に塗布されてもよく、より厚みのある着色剤層を結合させ、大きな垂直範囲と高い耐摩耗性とを備えた固体プリントを作成するために使用されてもよい。結合剤印刷機器は、第1および第2の原理に従って乾燥およびブランクインクを塗布する結合剤印刷ステーションを備えてもよい。
図4aから図4dは、非結合乾燥インク粒子が除去されると、デジタルプリントPが形成されるように、感熱性樹脂を活性化させて乾燥インク15を表面2に結合させるデジタル制御された熱で乾燥インク15の結合が達成される第3の原理に基づく本発明の実施形態を示す。第1のステップにおいて、図4aに示すように、着色剤7、好ましくは、顔料12を含む乾燥インク15が表面2に塗布されてもよい。そして、乾燥方法によって結合剤パターンBPまたは画像がデジタル形成され、その後、図4cに示すように、非結合着色剤7が除去される。いくつかの方法が用いられてもよい。図4dは、ブランクインクと混合され、または表面2に含まれてもよい結合剤、例えば、熱硬化性または熱可塑性樹脂13を溶融または硬化するレーザビーム29を示す。また、乾燥インクは、レーザビームによって表面に静電的に結び付けられてもよい。非結合または非接続着色剤が除去されて、デジタル作成されたプリントPが得られる。レーザビームは、ブランクインクを塗布するための上述した第1および第2の原理に従って、着色剤の塗布前および/または塗布後に熱をかけてまたは静電的にバインダパターンを作成するために使用されてもよい。
図4dは、乾燥インク塗布ステーション27と、レーザ29と、空気流および真空に基づいた乾燥インク除去ステーション28とを備える結合剤印刷ステーション40を示す。
レーザ29は、例えば、いくつかの石模様と同じ色または木目模様の基色の大きな領域を含む画像を作成するために使用されてもよい加熱ランプと置き換えられてもよい。
図4dは、いくつかの小さな加熱要素を備える加熱プリントヘッド80を備えた加熱結合ステーション26が、乾式結合方法を用いて高解像度プリントを作成するために使用されてもよいことをさらに示す。加熱プリントヘッド80は、顔料12と、感熱樹脂とを備えることが好ましい乾燥インク15の粒子を結合する熱を直接かけてもよい。加熱プリントヘッド80はまた、加熱プリントヘッド80および乾燥インク粒子15と接触状態にあってもよい熱転写箔81を加熱することによって、熱を間接的にかけてもよい。熱転写箔81は、銅箔またはアルミニウム箔であってもよく、高い熱伝導率を有する小さな要素、例えば、銅またはアルミニウム製の要素を備えてもよく、これらの要素は、個々の要素間での熱の広がりを防止する断熱キャリアに埋め込まれる。熱転写箔81は、印刷能力を高めるために使用されてもよい。加熱プリントヘッドからの熱パルスは、箔の一部を加熱し、箔が表面の後に続き、熱を乾燥インク粒子に転写するさいに、熱が維持される。
建築用パネル上または上述した結合剤印刷方法と組み合わせて部分的または完全にデジタルプリントを塗布するために、上述したインパクト方法に基づいた従来のレーザシステムが使用されてもよい。
上述した原理はすべて部分的または完全に組み合わされてもよく、生産ラインが、第1、第2または第3の原理によるいくつかのデジタル結合剤印刷ステーションを備えてもよい。
図5aから図5hは、第1のBUP原理による2つの異なる色の塗布の概略側面図を示す。この実施形態において、本質的に水を含む第1の結合剤またはブランクインク11aのスポットが、図5aに示すような安定化された粉体層または紙であってもよい表面2上にサーマルデジタル液滴塗布インクヘッドによって塗布される。ヘッドからのジェット50は、ヒータ59がインク室52に気泡60を作ると、ノズル54によってブランクインク11の液滴を塗布し、ブランクインク滴11は、表面2に当たると、液体スポット11aを形成する。デジタル液滴塗布ヘッドはまた、ピエゾヘッドであってもよく、水系ブランクインクは、増粘物質を含んでもよい。水系ブランクインクは、グリコールまたはグリセリンを含んでもよい。
着色顔料12aと、結合剤の乾燥粒子、この好ましい実施形態では、メラミン粒子13aとを含む第1の乾燥インク層が、図5bに示すように、表面2および液体ブランクインクスポット11a上に塗布される。湿った水系液滴と接触状態にあるメラミン粒子13aが溶融する。図5cに示すように、湿ったメラミンを乾燥させ、表面に顔料を結合させるために、第1のIRランプ23aが使用されてもよく、その後、図5dに示すように、非結合メラミンおよび顔料粒子が除去されることで、ブランクインク滴11aによって形成された塗布結合剤パターンに対応する顔料イメージまたは装飾12aが得られる。図5eから図5hに示されているように、別の色の顔料12bを含み、メラミン粒子13bが混合された乾燥インクと、新しい結合剤パターン11bとを有する乾燥インクの新しい塗布により、同じ塗布が繰り返されてもよく、図5hに示すように、ブランクインク11a、11bの2つのパターンに結合させる2つのタイプの着色剤または着色顔料12a、12bにて2色イメージが得られる。
図6aは、デジタルBAP印刷機器40が、デジタルブランクインク塗布ステーション36と、乾燥インク塗布ステーション27と、IR乾燥または硬化23と、乾燥インク除去真空ステーション28とを備える実施形態を示す。BAP印刷機器40は、この好ましい実施形態において、従来のインクジェットプリンタ35と組み合わせられる。最終プリントの一部は従来のインクジェットプリンタで作成されるが、デジタルプリントの主要部を作成するこのような組み合わせで、BAP印刷方法が用いられてもよい。これにより、例えば、デジタル液滴塗布ヘッドによる顔料の取り扱いが不要であるコスト効率の良いBAP方法は、完全印刷されたデジタル装飾またはパターンの作成が必要な顔料のうちの、例えば、90%を塗布してもよいため、インクコストが大幅に削減されうる。粉体系床は、この組み合わせ方法に特に適している。粉体層2aによって第1の基色が与えられてもよい。BAP印刷機器によって第2の着色パターンが塗布されてもよく、従来のデジタル印刷機器によって第3の色が塗布されてもよい。さらなる乾燥着色剤の塗布および除去はないため、第2の色の安定化は不要である。この実施形態は、好ましくは、粉体に含まれるか、または紙層、乾燥着色剤および液体インクに含まれる基色によって三色画像が形成されるということを特徴とする。ブランクインクおよび従来の液体インクを塗布するために、同じタイプのプリントヘッドが使用されてもよい。
乾燥インクの結合剤として使用されるブランクインクおよび着色剤を含む従来の液体インクを塗布するために、従来のデジタルプリンタが使用されてもよい。例えば、1つまたは複数のインクチャネルに、従来の顔料系インクを含む他のチャネルとは異なる乾燥および/または結合特性を備えたブランクインクが充填されてもよい。ブランクインク滴は、顔料系液滴が乾燥されるとき、湿った状態であってもよい。ブランクインクは、デジタルプリントの色の主要部を形成する着色剤を塗布するために使用されてもよい。
図6bは、例えば、顔料12およびメラミン粉体13の混合物を含む乾燥インク15が、好ましくは、エンボス加工されたローラ22と、好ましくは、振動ブラシ42とを備える散乱ステーション27によって塗布される、結合剤および粉体印刷機器40を示す。非結合着色剤、例えば、顔料およびメラミン粒子は、混合物12、13またはブランクインクを散乱ステーション27へ再利用する乾燥インク除去ステーション28によって除去される。空気流によって顔料/メラミン塵雲が生じえ、湿った結合剤11と接触した顔料およびメラミン粉体のみが、表面2に結合される。
図6cは、床パネル1の断面図であり、BAP印刷方法が、紙系または粉体系表面2と、機械ロックシステムとともに、床パネル上のデジタルBAP印刷を床パネルに塗布するのに特に適していることを示しており、この機械ロックシステムは、ストリップ6を備え、ストリップ6が、別のパネルの隣接縁にあるロック要素14と協働して、隣接する縁同士を水平方向においてロックするロック要素8を一縁部に備え、別の縁にある舌部溝9と協働して、パネルの垂直方向においてロックする舌部10を一縁部に備える。このような床パネルは、一般に、大量の異なる着色顔料を要する高度なエンボス加工された木質装飾または石装飾と、機械ロックシステムが形成されるエンボス加工された構造およびパネル縁部に対して正確に位置づける必要がある装飾と、を有する。一般に、装飾は、ロックシステムが形成されると除去される表面部分の縁部に適応される必要がある。図6cは、異なる色を有する第1の表面部分S1および第2の表面部分S2とを有する木目調のパターンを示す。この実施形態において、床パネルの長手方向Lに主に延びる第2の表面部分S2は、第1の表面部分S1を含む基層2上に塗布される。
図6dは、この実施形態において、粒子を吹き飛ばし吸引する空気流および真空に基づいた乾燥インク除去ステーション28を示す。塗布乾燥インク層の全幅に及ぶ開口を有する1つまたは複数の真空吸引プロファイル41が、本質的にすべての非結合乾燥インク粒子11を除去するために使用されてもよい。同様に全幅に及ぶ1つまたは複数のエアナイフ42が、残りの非結合粒子に空気圧をかけることで、非結合粒子がパネル表面2から放たれ、真空吸引プロファイル内に吹き込まれるようにしてもよい。このように組み合わせる方法の主な利点は、高い空気圧がより効率的であり、真空より強い空気流を生じさせることである。この方法は、安定化された粉体表面および粗い紙表面などの粗い表面から本質的にすべての可視乾燥インク粒子を除去するために用いられてもよい。非常に小さい粒子、例えば、小さい顔料または非常に小さい木質繊維も除去されてもよい。乾燥インクを再利用するために、2ステッププロセスが用いられてもよい。第1の除去は、真空吸引装置のみを備え、非結合乾燥インク粒子のうち約90%以上のものであってもよいつながりが非常に弱いすべての粒子を除去する乾燥インク除去ステーションで行われる。このような粒子は、一般に、非常に清浄であり、再利用されてもよい。図6dに示すように、真空および空気圧力に基づく第2の組み合わせ乾燥インク除去ステーション28は、粉体系表面2からまたは別の色の貴重な塗布からの粒子を一部含みうる残りの粒子を除去するために使用されてもよい。このような粒子は、再利用には適していない場合もある。
すべての上述した方法は、部分的またはすべて組み合わせられてもよい。
図7aから図7cは、異なるサイズの着色剤64の塗布および除去と、乾燥インク11の粒子をプレスすることによって固体プリントPが形成されてもよい方法とについて記載している。
着色剤の塗布および除去は、いくつかの応用において、高品質画像のために重要である。いくつかの他の応用において、いくつかの着色剤が表面上に残ることが好適な場合もあり、例えば、木質表面に、一般に、常にいくつかの小さな欠陥や色スポットがランダムに分布して存在する木目模様のより実物に近いコピーを作成するために用いられてもよいためである。また、小さな粒子は見えにくく、多くの応用において、特に、ラスタパターンに塗布されない場合、装飾の刻印全体の妨げとはならない。
図7aは、10〜20ミクロンおよびさらに小さいサイズの非常に小さな粒子が、例えば、繊維構造が粗い木質繊維61を含むコーティングされていない紙表面であってもよい表面2に付着する傾向を有しうることを示す。図7aは、パネル表面2のプレスされた部分Aと、プレスされていない部分Bとをさらに示す。ブランクインク滴は、ラスタパターンR1〜R4で塗布される。プレスされていない部分Bは、乾燥インクの除去後、ブランクインクに結合された顔料12aと、ブランクインクによって結合されていないが、例えば、摩擦または静電気により除去後も紙表面に付着したままの他の顔料12bとを示す。
プレスされた部分Aは、圧力および熱によって表面2に永久結合された顔料12cを示す。互いに重ねて塗布された顔料12cがプレスされて、顔料が重なり合った平坦な固体プリントPになる。BAPプリントは、ブランクインク11を塗布する際、低めの解像度、例えば、300DPIを使用することで、事実上不明確な解像度に相当するプリントを作成する可能性を与える。このような印刷パターンは、実際の木の木目構造や実際の石の石材パターンと事実上同一のものであってもよく、異なる天然繊維または結晶構造によってパターンが形成される。
図7bは、例えば、従来の顔料12より大きい着色剤7を含む乾燥インクを用いることで、付着性の問題が解消されうることを示す。着色剤は、好ましくは、30〜100ミクロンの範囲のものである。いくつかの応用において、装飾に応じて、最大300ミクロンまたはそれ以上のサイズの着色剤が使用されてもよい。このような比較的大きなマクロ着色剤粒子64は、さまざまな異なる方法で形成されてもよい。マクロ着色剤64は、1つの好ましい実施形態によれば、粒体66に付着した顔料12を含む。粒体は、この好ましい実施形態において、スプレー乾燥されたメラミン粒子13である。20ミクロンを超えるサイズのこのようなマクロ着色剤粒子64は、数ミクロン以下のサイズの小さな顔料よりかなり散乱および除去しやすい。主な利点は、図7bを上から見たマクロ着色剤64の側面図である図7cに示すように、粒体66のいくつかの部分、すなわち、下側部分66aおよび上側部分66bで顔料が付着されることである。液体ブランクインク11のスポット57は、いくつかの顔料12を含むマクロ着色剤粒子64を結合する。顔料12は、粒体66の両側に互いに垂直方向に位置づけられ、このような実施形態は、高い色強度および耐摩耗性を有するより深いプリントを提供しうる。別の利点は、大量の着色剤または顔料を結合するために、小さなブランクインクスポット57が使用されてもよいことであり、これらの着色剤や顔料の質量やサイズは、実際、デジタル液滴塗布ヘッド30’からの液滴として塗布されるブランクインクスポットの質量やサイズより大きいものであってもよい。このように、小さなブランクインク滴で、大量の顔料または着色剤が結合されてもよい。例えば、1グラムのブランクインクが、1〜5グラムの着色剤を結合してもよい。液体インクが、一般に、20%顔料しか含まず、インク滴が、インク滴自体よりも常に少量の着色剤を含む従来のデジタル印刷と比較した場合、これは大きな相違点である。一般に、表面上に1グラムの顔料を塗布するためには、約5グラムの従来の顔料インクが塗布される必要がある。
図8aから図8hは、マクロ着色剤粒子64の好ましい実施形態を示す。このような粒子は、複数の個々の着色剤粒子69を含み、またはこれらの粒子からなるものであってもよく、これらの粒子は、互いにつながり、特定の色を有するマクロ着色剤粒子64になってもよい。また、マクロ着色剤粒子64は、いくつかの材料および化学物質の組み合わせによって生成されてもよく、粒体66と、粒体66に含まれるか、または粒体の表面に付着される顔料とを有する。図8aは、結合剤と互いに接続されて、マクロ着色剤粒子64を形成するいくつかの個々の着色剤69、例えば、顔料12を含む一実施形態を示す。このようなマクロ着色剤は、例えば、顔料12と、液体熱硬化性樹脂、例えば、メラミンとを混合することによって生成されてもよい。混合物は、乾燥され、粉砕され、ふるい分けされて、所定のサイズの顔料クラスタを含むマクロ着色剤になる。
図8bは、粒体66内およびその表面に顔料12a、12bを含む、スプレー乾燥された熱硬化性または熱可塑性樹脂の粒体66を有するマクロ着色剤粒子64を示す。顔料は、異なる色のものであってもよい。粒体66の着色剤は、染料であってもよい。例えば、このような粒子を生成するために、スプレー乾燥前に、液体熱硬化性樹脂、例えば、メラミンと顔料または染料との混合が用いられてもよい。また、表面上の顔料は、スプレー乾燥された粒子と顔料とを混合することによって付着されてもよい。顔料は、スプレー乾燥された粒体の表面に付着する。粒体がメラミンを含む場合は特に、湿度や熱が高い中で混合が行われると、結合強度は増大する。メラミン系粒子は、顔料が粉体にしっかりと結合される最終段階において加熱されてもよい。メラミン粒子の硬化レベルは上げられてもよく、これにより、印刷表面の最終プレスおよび硬化中、顔料のブリードが防止される。マクロ着色剤粒子64は、好ましくは、約30〜100ミクロンの直径を有し、顔料含有量は、全重量の10〜50%であってもよい。樹脂は、メラミンまたはポリアクリレートであってもよい。また、顔料と粒体との間の結合性を高めるために、混合物に結合剤が添加されてもよい。
図8cは、熱硬化性または熱可塑性粒体66を、粒体66の着色顔料12とともに含むマクロ着色剤粒子64を示す。
図8dは、例えば、マクロ着色剤粒子64が、天然色を含む鉱物粒子であってもよいことを示す。砂粉体または石粉末、またはさまざまなタイプの鉱物、例えば、酸素、シリコン、アルミニウム、鉄、マグネシウム、カルシウム、ナトリウム、カリウムおよびガラス粉体などのから得られるさまざまなタイプの鉱物が使用されてもよい。石材をコピーするためのいくつかの応用における好ましい材料は、微粉化された岩石および鉱物粒子からなる粒状材料が自然に生じる砂である。砂の組成および色は、局所的な岩石源および条件に応じて、非常にさまざまであるが、最も一般的なタイプの砂は、通常、石英の形態のシリカ(二酸化シリコン、いわゆる、SiO)を含む。
好ましい実施形態は、メラミン樹脂との結合およびコーティングに非常に適した酸化アルミニウム63である。
タイル製造で用いられているグレージング粉体に似た鉱物粒子および特に顔料を含む着色ガラス粒子が、タイル上でのBAP印刷に非常に適しているが、他のBAP応用において使用されてもよい。基色を有するグレーズ基層を備えるタイル本体上に、BAPプリントが塗布されてもよい。このようなグレーズ基層は、湿った形態で予めプレスまたは塗布されて、乾燥されてもよい。BAPプリントは、タイルの打ち出し中にグレーズ基層へと溶融してもよい。BAPプリント上にわたって、透明なグレーズ層が塗布されてもよい。
ブランクおよび乾燥インクを、例えば、IR光または高温空気にさらして塗布結合が得られうるように、グレーズ基層、着色ガラス粒子または乾燥インクに結合剤が塗布されてもよい。
図8eは、例えば、酸化アルミニウム粒子63など、本質的にすべての鉱物が、熱可塑性または熱硬化性樹脂、例えば、メラミン13でコーティングされてもよいことを示す。
樹脂は、着色顔料12を粒体66に結合するために使用されてもよい。このようなマクロ着色剤64は、表面への塗布および表面からの除去が非常に容易であり、粒体66の上部および下部に顔料が塗布された非常に耐摩耗性のあるプリントを与えうる。鉱物系マクロ着色剤の好ましい平均サイズは、約100ミクロンである。この粒子サイズは、粒子深さが100ミクロンの耐摩耗性プリントを作成するために使用されてもよい。マクロ着色剤粒子の全重量に対して、結合剤含有量は、好ましくは、10〜30%であり、顔料含有量は、好ましくは、5〜25%である。
顔料およびメラミン樹脂がコーティングされた酸化アルミニウム粒体66を含む鉱物粒子は、加熱プリントヘッド80を用いて結合が行われる場合、乾燥インクとしての使用に特に適している。酸化アルミニウム粒子は熱伝導性が高く、メラミン樹脂は、約100℃の熱で結合されてもよい。
図8fは、マクロ着色剤粒子64が、天然繊維、例えば、木質繊維61を含んでもよいことを示す。天然繊維には天然色がついている場合があるため、顔料は不要である。多くの異なる木質種からの繊維は、例えば、マツ、トウヒなどの軟材およびトネリコ、ブナ、シラカバ、オークなどの硬材から使用されてもよい。色は、熱処理によって変化するものであってもよい。コルク粒子が使用されてもよい。このような天然着色剤は、結合剤、好ましくは、熱可塑性または熱硬化性樹脂、例えば、メラミンでコーティングされてもよい。コーティングは、散乱特性を高めるために、および/または、ブランクインクによって作成された表面および結合剤パターンにマクロ着色剤を結合させるための結合剤として使用されてもよい。
図8gおよび図8hは、樹脂および顔料12がコーティングされた木質繊維61および木材チップ62を含むマクロ着色剤粒子64を示す。
木とほぼ同一のコピーを作成するために、繊維系マクロ着色剤が使用されてもよい。異なる色を有する木質繊維が、実際の木材厚板に木目調のパターンを形成する。BAP印刷方法により、小さなインク滴をラスタパターンに配置するのではなく、実際に木目調のパターンを形成するさまざまな繊維を用いて同じ原理が用いられうる。これは、図6cに示されている。パネル1の表面には、第1の色の木質繊維61aを含む基層2によって形成された第1の表面部分S1を含む木目調の装飾がある。第2の表面部分S2は、第2の色の木質繊維61bによって形成される。第2の色の木質繊維は、基層上に塗布され、基層に結合される。基層は、連続的であることが好ましい。第2の表面部分S2は、第1の表面部分S1の一部を覆うことが好ましい。基層2は、熱硬化性樹脂、着色紙または着色木質系コアと混合された粉体であってもよい。2つの表面部分S1、S2の繊維は、異なる平均サイズのものであることが好ましい。第2の表面部分S2にある繊維は、第1の表面部分S1にある繊維より小さいことが好ましい。第2の表面部分S2は、長さLが幅Wより長いパターンを含むことが好ましい。
樹脂を用いたコーティングは、顔料を粒体に結合し、ブランクインクによってマクロ着色剤粒子を表面に結合するために使用されてもよい。コーティングは、樹脂の中間乾燥および硬化とともに、いくつかのステップにおいて行われてもよい。熱硬化性樹脂、例えば、メラミン樹脂を用いた第1のコーティング、乾燥および硬化が、第2の硬化より高い温度下で行われることが好ましい。第1の硬化は、本質的に段階Cに対してメラミン樹脂が硬化されるように行われてもよく、段階Cでは、最終プレス動作中にメラミンが浮遊しないことにより、顔料のブリードがなくなる。第2のコーティングは、メラミンが乾燥インクとともに溶融可能な段階Bに対して硬化されることが好ましい。乾燥インク粒子は、顔料およびメラミン樹脂と混合される木質繊維61から生成されてもよく、その後、メラミン樹脂が硬化するように増加された温度下でプレスされる。プレスされた混合物は、小粒子に粉砕され、液体メラミン樹脂でコーティングされ、段階Bにおいて外側メラミンコーティングが存在するように乾燥される。顔料および粒体が結合剤層で完全にコーティングされるように、顔料と粒体との間および顔料上に結合剤層が塗布されてもよい。異なる色の顔料のいくつかの層が、マクロ着色剤の粒体に結合されてもよい。
乾燥インクが、マクロ着色剤粒子、例えば、メラミン/鉱物、メラミン/繊維、繊維/鉱物などのいくつかの異なるタイプの混合物を含むものであってもよく、マクロ着色剤の構造およびサイズは、特殊な装飾を作成するために使用されてもよい。
粒体66のコーティングは、例えば、繊維や鉱物などの粒子が、第1のステップにおいて、樹脂、好ましくは、スプレー乾燥されたメラミンおよび顔料と混合されるいくつかのステップにおいて施されることが好ましい。この混合物は、コンベヤ上において、例えば、1〜3mmの厚さの非常に薄い層として塗布されてもよい。この混合物は、第3のステップとして、水とともに吹き付けられ、熱風やIRランプによって乾燥される。粒体、この実施形態において、繊維または鉱物がコーティングされ、湿ったメラミンを含浸され、顔料が粒体に結合される。層の厚さが薄いことにより、短い乾燥時間、例えば、1分間で層を乾燥することができ、樹脂は、半硬化段階Bのままでありうる。乾燥混合物は、例えば、スクレ−ピングによってコンベヤから除去され、乾燥薄片は粉砕されて、ふるい分けされて、所定の粒子サイズにされる。スプレー乾燥されたメラミン粒子および水は、顔料および粒体66を形成する粒子を含む混合物にスプレーされてもよい、例えば、湿ったメラミンと置き換えられてもよい。
顔料は、水系アクリルエマルジョンを含む結合剤を用いて粒体66に結合されてもよい。
特に、木目調のパターンをコピーするために繊維が使用され、石模様をコピーするために鉱物が使用される場合、マクロ着色剤により、木材や石材の元々の模様に非常に類似したプリントが得られる場合がある。表面にブランクインクを塗布するために、印刷シリンダを用いる従来の輪転グラビア印刷方法が使用されてもよい。マクロ着色剤粒子を含む乾燥インクは、ブランクインクに塗布されてもよく、上述したBAP印刷原理に従って、非結合粒子が除去されてもよい。このような印刷方法は、従来のインクでは作成できないデザインを含む高度なプリントを提供するために用いられてもよい。
パターン、好ましくは、LVT床の木質または石模様パターンを作成するために、マクロ着色剤が使用されてもよい。BAP印刷方法は、コア、箔、透明保護層の下側または上側にプリントを塗布するために使用されてもよい。着色剤は、プレス動作中に層内に溶融されてもよい。垂直方向に異なる層が互いに重なり合って配置されたプリントは、3D効果を生じうる。透明な層上の印刷は、さらに実物に近い3D効果を生み出しうる。
図9aから図9eは、メラミン樹脂13および顔料12がコーティングされた繊維系61粒体66とともにマクロ着色剤64を含む乾燥インクを用いるBAP印刷を示す。好ましくは、サーマルインクヘッドからのジェット50は、この実施形態では、図9aに示すように、コア3上に塗布された予めプレスされた粉体層である表面2上にブランクインクスポット57を形成するラスタパターンR1〜R4にブランクインク11の液滴を塗布する。
図9bは、表面2上に塗布された繊維系マクロ着色剤64を含む乾燥インク層15を示し、図9cは、非結合マクロ着色剤粒子が除去されたときの乾燥インク層を示す。ブランクインク11は、毛管現象および結合剤の特性により表面から上向きに乾燥インク層15内に浸透し、垂直方向に互いに重なり合って位置するいくつかのマクロ着色剤が、ブランクインクスポット57によって結合されてもよい。個々の着色剤、好ましくは、マクロ着色剤粒子64の水平方向の範囲H2は、インクスポット57の垂直方向の範囲H1と、乾燥インク層の垂直方向の範囲V2とを超えることが好ましく、非結合粒子の除去後は、ブランクインクスポット57の垂直方向の範囲V1を超えることが好ましい。ブランクインクスポットの垂直方向の範囲V1は、一般に、約10ミクロン以下である。塗布され結合されたブランクインク層の垂直方向の範囲V2は、非結合粒子の除去後、少なくとも50ミクロン以上であってもよく、好ましくは、100ミクロンより大きいものであってもよい。これは、インク滴に顔料が含まれる従来のインクジェット印刷と比較して大きな違いである。BAP印刷により、デジタル液滴塗布ヘッドによって塗布されるブランクインクの量より多い着色剤を含むプリントが形成されてもよい。
図9dは、この実施形態では、予備プレス動作である安定化ステップの後のBAPプリントPを示す。マクロ着色剤64は、粉体系表面2に部分的にプレスされてもよい。
図9eは、最終プレス動作後の完全硬化段階における粉体系表面を示す。マクロ着色剤64は、粉体系表面2内にプレスされる。プリントPは、表面2aの上部の第1の水平面Hp1に位置する顔料12aと、粒体66の下方および第1の水平面Hp1の下方の第2の水平面Hp2に位置する顔料12bとを含む。マクロ着色剤64は、粒体66の上側および下側に顔料12a、12bを含む。
マクロ着色剤粒子は、ランダムに塗布され、好ましくは、各行および各列が1つのピクセルおよび1つの乾燥インクスポット57を表すラスタパターンR1〜R4に対してオフセットされる。プリントPは、いくつかのマクロ着色剤が互いに接続され、および/または互いに重なり合った固体プリントであってもよい。この好ましい実施形態におけるBAPプリントは、ブランクインク11がラスタパターン(R1〜R4)に塗布され、乾燥インク15が、重なり合った着色剤7またはマクロ着色剤64とともにランダムに塗布されることを特徴とする。好ましくは、マクロ着色剤粒子64のサイズは、ラスタパターン状のいくつかのピクセルを覆うような大きさである。
繊維61の厚さ(直径)は、好ましくは、約10〜50ミクロンであり、長さは、50〜150ミクロンであってもよい。この長さは、いくつかの応用において、150ミクロンを超えることもあり、約100〜300ミクロンの長さの繊維を用いて、実物に似た木目模様が形成されてもよい。
図10aから図10cは、耐摩耗性が非常に高いBAPプリントを示す。顔料12aおよびメラミン樹脂13がコーティングされた酸化アルミニウム粒子63の粒体66を含むマクロ着色剤64aが表面上に塗布され、この表面は、この実施形態において、メラミン粉体および顔料および好ましくは木質繊維を含む粉体系表面2aである。この表面は、好ましくは、基色を含む。パネルに基色を与えるマクロ着色剤を含む層が、表面2aを形成してもよく、木材系またはプラスチック系コア、タイル本体、または粉体を含む表面上、紙、箔および同様の表面上に直接塗布されてもよい。図10aは、ブランクインク11によって表面2aに結合されるマクロ着色剤64aを示す。図10bは、異なる色を有する顔料12bを備えるマクロ着色剤64bの第2の層を示す。図10cは、マクロ着色剤を有する最終効果表面を示し、このマクロ着色剤は、粉体系表面2aにプレスされ、好ましくは、予備プレス動作後および最終プレスステップ前に塗布されてもよい透明層、好ましくは、メラミン層2bで覆われる。透明メラミン層2bは、漂白された透明木質繊維を含んでもよい。透明メラミン層2bは、オーバーレイ、ラッカー、箔またはグレージングであってもよい。酸化アルミニウム粒子63の粒体66を含む表面2a、2bの大部分が、プリントPのすべての顔料12a、12bが除去される前にとどまる必要があるため、高い耐摩耗性が得られうる。また、顔料(図示せず)の有無にかかわらず、酸化アルミニウム粒子が、好ましくは、粉体系表面層2aおよび/または透明メラミン層2bに含まれる。この方法は、紙、箔、タイルおよび本開示に記載した他の表面層などの多くの他の表面上に耐摩耗性デジタルプリントを塗布するために使用されてもよい。
図11aは、1つの特定の色を塗布するプリント形成サイクルにそれぞれが使用されるいくつかのBAP印刷ステーション40a、40bを備えるBAP機器を示す。各BAPステーションは、デジタル液滴塗布ヘッド30’a、30’bと、組み合わせられた乾燥インク塗布除去ステーション27a、28a、27b、28bと、新しい乾燥インク層が上述した原理に従って塗布され除去されるように、乾燥インク15を安定化する予備プレスユニット37a、37bとを備える。ユニットの一実施形態が、IRランプと取り替えられてもよい。ユニット37aの一実施形態が、好ましくは、加熱ローラ38cおよび冷却ローラ38dと、ベルト20と、予備プレステーブル39とを備える。これらの部品は、いくつかの応用において、1つのローラのみと取り替えられてもよい。ローラ38a、38bまたはブラシや同様のデバイスによって、ベルト20上に液体剥離剤19が塗布されてもよい。好ましくは、液滴塗布ヘッド30a’、30b’が、プリントPにいくつかの色を与えるために、同じブランクインク11を使用する。これは、従来の印刷と比較して主な利点となる。実際、BAP印刷方法により、ブランクインク11および乾燥インク15からの着色剤7が表面2上で互いに付着するときに合わせて、最終印刷インクの混合および生成が可能になる。
図11bは、小型のBAP印刷ステーション40を概略的に示し、BAP印刷ステーション40では、例えば、それぞれ1つのインクチャネルを備える一列に揃えられた1セットのデジタル液滴塗布ヘッド30’と、1セットのIRランプ23または予備プレスユニットとが、供給方向において液滴塗布ヘッド30’の後方に位置づけられたいくつかの乾燥インク15塗布ステーション27a、27b、27cと組み合わせられてもよい。一列の液滴塗布ヘッド30’が、さまざまな異なる色を有する着色剤を塗布してもよい。本質的に透明の液体物質であることが好ましいブランクインクは、好ましくは、第1の色とは異なる色を含み、好ましくは、液滴塗布ヘッド30’によって形成される第2のデジタルパターンを含む。これは、各プリントヘッドが特定の色を塗布し、この色がプリントヘッドによって塗布される液体物質と常に同じである従来のデジタル印刷と比較した場合の主な相違点である。表面層2または床パネル1の一部である表面は、2方向に変位されるものであってもよく、各サイクルが、同じ液滴塗布ヘッドで1つの特定の色を塗布するために用いられてもよい。BAP印刷ステーションは、デジタル液滴塗布ヘッドの両側にIRランプまたは予備プレスユニットおよび乾燥インク塗布ステーションを備えてもよく、表面2が各方向においてヘッド30’の下方で変位されるとき、異なる色が塗布されてもよい。これは、例えば、パネル1がヘッド30’の下方で変位され、初期位置に戻って、ヘッドの下方で再度変位されるとき、基色上に同じ液滴塗布ヘッド30’によって3色が塗布されてもよいことを意味する。速度は、さまざまな塗布ステップの間で異なるものであってもよい。これは、容量を増大させるために用いられてもよい。木目調のパターンは、一般に、さまざまな量の特定の着色剤からなる。表面に塗布するブランクインクの量は少量のみでよいため、特定の着色剤の量が少ない場合、速度を増大させてもよい。容量を最適化し、特定のデジタルパターンの形成に必要なブランクインク11の量に速度を適応させるために、デジタル制御システムが使用されてもよい。1つのブランクインク滴塗布ヘッドといくつかの乾燥インク塗布ステーションおよび除去ステーションとを組み合わせるために、いくつかの代替案が用いられてもよい。第1のプリント形成サイクル後、プリントを初期位置に運ぶコンベヤへ向けて垂直方向または横にパネルが変位されてもよい。中間積層ユニットが使用されてもよい。同じ液滴塗布ヘッドおよび同じブランクインクを用いて、ロールの紙および箔材料が複数回印刷されてもよい。
図11cは、BAP印刷の前に基色を有する粉体層を予めプレスするために使用されてもよい予備プレスユニット37を示す。このような予備プレスユニットは、プリントを安定化させるために、またはコア3の背面側に粉体系裏貼り層4を予めプレスしてつなげるために使用されてもよい。結合剤としてメラミンが使用される場合、加熱ローラ38cおよび予備プレステーブル39は、熱、例えば、90〜120℃の熱をかけてもよく、冷却ローラ38dは、半硬化層2を、好ましくは、80℃未満の温度まで冷却してもよい。プレス動作は、低圧、例えば、5バール以下で行われてもよく、プレス時間は、約10秒以内であってもよい。メラミンは、最終印刷動作においてさらにプレスされ硬化されてもよい半硬化段階Bに予めプレスされる。予めプレスされた粉体系表面および裏貼り層を有するシート材料が、予備仕上げパネルとして生成され使用されてもよい。他の結合剤、例えば、熱可塑性結合剤が、結合剤の特性に特に適応された他の温度で予めプレスされてもよい。
図12aは、BAP印刷ステーション40および予備プレスユニット37が組み合わされてBAP転写印刷ステーション41とされ、表面2上にデジタルBAP転写プリントPを作成するために組み合わせで使用されてもよいことを示す。ブランクインク11および着色剤7、好ましくは、顔料12を含む乾燥インクが、例えば、スチールまたはプラスチックベルトなどであってもよい転写表面18上に塗布される。プリントPは、ローラ38c、38dによって、および好ましくは、予備プレステーブル38によって表面2上にプレスされる。BAP転写印刷ユニットは、清浄デバイス71と、剥離剤19を塗布するローラ38a、38bまたはブラシと、好ましくは、ブランクインク11の塗布前に剥離剤を乾燥させるIRランプ23とを備えてもよい。剥離剤は、乾燥インク15に混合されてもよい。
BAP転写印刷方法は、ブリードの可能性なしにブランクインクを高精細に塗布し、乾燥インクを容易に塗布および除去するために特に適応されてもよい所定の転写表面18上にブランクおよび乾燥インクが塗布されてもよいという利点を備える。これにより、例えば、BAPプリントが、例えば、織物、カーペット、さまざまなボード材料および同様の表面などの粗い表面上に容易に塗布されうる。BAP転写プリントは、すべての他の上述した方法、例えば、1つの液滴塗布ヘッド30’がいくつかの色を塗布するために使用される図11bに示す方法と組み合わせられてもよい。
図12bは、ベルトが転写表面18を含むローラ38と置き換えられたBAP転写印刷ステーション41を示す。ローラは、好ましくは、加熱ゾーン25aと、冷却ゾーン25bとを備える。非結合乾燥インクは、超音波、振動または空気流と組み合わせられてもよい重力によって除去されてもよい。この方法はまた、紙、箔または同様のものであってもよい可撓性表面2a上に直接BAPプリントを塗布するために使用されてもよい。塗布は、プレス動作とともに、または別の生産ステップとして行われてもよい。
図12cは、本発明による床パネル1の好ましい実施形態を示す。パネル1は、コア3の背面側の裏貼り層4と、副層2c、紙または箔2b、および紙上の摩耗層2aを含むコアの上部の表面2とを備える。裏貼り層4および副層2cは、乾燥メラミンホルムアルデヒド粉体として塗布されてもよく、摩耗層は、酸化アルミニウム粒子を含む乾燥メラミンホルムアルデヒド粉体として塗布されてもよい。紙は、基色を含んでもよい。BAPプリントまたは従来のデジタルプリントが紙上に塗布されてもよい。このような乾燥プロセスは、装飾紙または保護オーバーレイの含浸なしに非常にコスト効率の良いパネルを形成するように使用されてもよい。スプレー乾燥されたメラミン粒子は、紙のプレスおよび含浸中に溶融する。この乾燥方法は、従来の装飾紙が使用される場合でもコスト削減のために使用されてもよいことは明らかである。
図12dは、空隙、亀裂、分裂または欠陥3a、3bを含む粗いコア材料3上に基層を形成する方法を示す。このようなコア材料は、例えば、合板またはOSBで作られてもよい。問題は、粉体層の厚さが、一般に、空隙と、コア表面の上部とで同じであり、表面層の密度が、空隙がある表面部分で低下するため、プレス後に高品質の表面を形成するのに粉体量が十分に存在しないということである。この問題は、充填剤として塗布され、本質的に平坦な粉体系表面層2aが形成されるように、例えば、ローラまたはルーラによって空隙内にプレスされる第1の粉体層2aを用いることで解消されうる。第1の充填層2a上に、第2の粉体系層2bが塗布されてもよい。2つの層は、上述したように予めプレスされてもよく、第2のステップにおいて、好ましくは、BAPプリントで印刷された後、熱および圧力で硬化されてもよい基層が形成されてもよい。この方法はまた、プリントなしに使用されてもよく、繊維、結合剤および好ましくは、顔料を含む粉体層のみが使用されてもよい。この実施形態は、空隙の上方の粉体含有量が、コアの上部の上方の粉体含有量より多いことを特徴とする。空隙の上方および表面の上部の上方の粉体の重量を測定することによって、粉体含有量が測定されてもよい。第1の充填剤層2aおよび第2の粉体層2bを備える基層は、従来の装飾紙によって、好ましくは、保護層、例えば、従来のオーバーレイまたは透明ラッカーで覆われてもよい。
図13aは、乾燥インク粒子を引き寄せ解放する電荷を用いる従来のレーザ印刷技術が、基色を有することが好ましい表面2を含むコア材料3上にデジタルプリントが設けられてもよいように適応されてもよいことを示す。従来のレーザトナー顔料であってもよい負に帯電した乾燥インク粒子15が、電荷ローラ71と接触状態にある光導電体ドラム70上に現像ローラ72によって塗布される。レーザビーム29は、帯電した光導電体ドラム70上に像を投影し、負に帯電した領域を放電し、静電像が作り出される。乾燥インク粒子は、ドラムの放電領域によって静電的に捕捉される。ドラムは、直接接触によって表面2上にプリントPを印刷する。顔料がドラムから解放され、表面上に塗布されるように、表面またはコアに電荷が印加されてもよい。溶融ローラ73が、乾燥インク粒子を表面に溶着させ、乾燥インク粒子を結合させる。光導電体ドラムを清浄するために、ローラ清浄デバイス74が使用されてもよい。乾燥インク粒子は、熱および圧力で粒子を表面に結合させるために使用されてもよい熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を含んでもよい。
図13bは、表面2上に転写プリントPを塗布するために、レーザ印刷技術が使用されてもよいことを示す。乾燥インク粒子は、転写表面18を有するベルト20上に塗布され、ベルト20に電荷を印加する電気印加ローラ75によって光導電体ドラム70から解放される。乾燥インク粒子は、ベルト20および転写表面15上に熱および圧力をかける予備プレステーブル39によって溶融される。加熱ローラ38cおよび冷却ローラ38dが使用されてもよい。ベルトは、図12bに示すように転写ローラによって置き換えられてもよい。
図13cは、ブランクインクの液体結合剤を塗布するデジタル液滴塗布ヘッドなしに、明確に規定されたパターンで表面2上に粒子を塗布するために使用されてもよいいくつかの他の好ましい原理を概略的に示す。
第1の原理は、少なくとも2つの異なる色を含む基層を作成する方法である。第1の基色を有する第1の層2aが、粉体として、または色付き紙として提供される。乾燥インク15の第2の色は、第1の基色上に散乱される。乾燥インク15粒子の一部が、例えば、基色2aを有する表面に到達する前に、例えば、真空によって乾燥インク粒子を除去してもよいいくつかの空気ノズル77a、77bを備える乾燥インク除去ステーション28で除去される。空気ノズル77a、77bは、好ましくは、いくつかの弁でデジタル制御されてもよく、乾燥インクパターンPが形成されてもよい。これは、繰り返されてもよく、任意のデジタル液滴塗布ヘッドまたはブランクインクなしに、いくつかのカラーパターンが形成されてもよい。この方法は、木材や石材の模様をコピーするために部分的または完全に使用されてもよいパターンを形成するのに特に適している。この方法は、デジタルBAP印刷または従来のデジタル印刷と組み合わせられてもよい。この方法は、高解像度のデジタルプリントを作成するために使用されてもよい。乾燥インク15は、鉱物など、特に、酸化アルミニウム粒子やガラス粒子などの高密度の粒子を備えてもよく、これらの粒子は、散乱中、所定の本質的な直線方向において表面2の方へ落ちるものであってもよく、空気ノズル77a、77bを通るとき、真空で正確な部分除去が行われてもよい。塗布された乾燥インクは、好ましくは、塗布前または塗布後の水の吹き付けによって安定化される。
乾燥インク粒子は、第2の原理に従って、一部の粒子に電荷を与える電極セットを通過する。帯電粒子は、表面に塗布する粒子と、回収され乾燥インク塗布システムで再利用する粒子とを選別する静電場を利用する偏向板79を通過してもよい。
第3の原理によれば、染料昇華技術またはサーマル印刷技術において用いられるプリントヘッドに類似した可変量熱を生成する小型の加熱要素を備える加熱プリントヘッド80が、着色剤を表面へ付着させるために使用されてもよい。いくつかの加熱プリントヘッド80は、印刷表面の全幅を覆うように並べて取り付けられてもよい。乾燥インク粒子の塗布結合を得るために、約100℃の低温が用いられてもよい。また、熱は、例えば、200〜250℃の高さであってもよく、このような熱は、紙および粉体系層の木質繊維を破壊しない。このような方法は、乾燥インクを用いてデジタルプリントを形成するために使用されてもよく、この場合、乾燥インク粒子は、所定のデジタルプリントの表面に結合される。既知の技術とは対照的に、乾燥インクと組み合わせたこのような加熱ヘッドは、感熱紙や転写箔を用いずに、さまざまな異なる色を塗布するために使用されてもよい。熱硬化性または熱可塑性樹脂、ワックスおよび低融点の同様の材料であってもよい感熱性結合剤が、表面層または乾燥インクの着色剤に含まれてもよい。異なる色の染料昇華粒子を含む粉体が、乾燥インクとして使用されてもよい。加熱プリントヘッド80は、塗布後に乾燥インクの明確な部分上または乾燥インクの塗布前に表面層上に、デジタル制御された熱をかけてもよい。加熱インクヘッドは、本質的に平坦な表面上、または乾燥インクを有する表面が加熱プリントヘッドの下方で変位されるときに回転するシリンダ上に配設された加熱要素を備えてもよい。あるいは、図4dに示すような熱転写箔81が、乾燥インクと加熱プリントヘッド80との間に適用されてもよく、加熱プリントヘッドの加熱要素およびセラミック基板に対して滑動してもよい。非結合着色剤または非蒸発染料が除去され再利用されてもよい。
図12aは、乾燥インク15を加熱する熱を転写表面18上に与えるために加熱プリントヘッド80が使用されてもよいことを示す。転写表面は、熱転写箔81として使用されてもよい。加熱プリントヘッド80は、転写表面18を通して、または転写表面18上に塗布される乾燥インク15上に熱を与えるような位置に設けられてもよい。加熱プリントヘッド80は、乾燥インクの塗布前に表面の部分を加熱してもよい。表面は、ボード材料、粉体、紙、箔、ベースコート、転写表面および本開示に記載したすべての他の表面材料であってもよい。
図13dは、デジタルプリントPを可撓性のある薄い表面2上に形成するために加熱プリントヘッド80および乾燥インク15が特に適していることを示しており、この可撓性のある薄い表面2は、好ましくは、一般に、熱転写箔81として機能するのに十分な熱転写能力および耐熱性を備えた紙、箔、織物材料および同様の材料であってもよい。粉体および加熱印刷機器が、ブランクインク12を表面上に塗布する散乱ステーション27と、ブランクインク15の一部に熱を与えて表面2に結合させる加熱プリントヘッド80と、非結合乾燥インク15を除去する乾燥インク除去ステーション28とを備えてもよい。いくつかの応用において、予備プレスユニット37は、加熱結合中、乾燥インク粒子と表面との間の接触を高めるために、表面の下側に適用される真空または振動が使用されてもよい。印刷能力を高めるために、図4dに示すような別の熱転写箔が使用されてもよい。予備プレスユニット37は、加熱プリントヘッドを備えてもよく、上側および/または下側から熱がかけられてもよい。
加熱プリントヘッド80は、熱転写箔81の有無にかかわらず、本開示の実施形態におけるすべてのデジタル液滴塗布ヘッド30’の代わりとなるものであってもよい。
上述した3つの原理の実施形態は、着色剤が表面上で乾燥形態の粉体として塗布され、プリントを形成する所定のパターンで結合されるという主要な方法に基づいたものである。表面は、転写表面18であってもよく、3つの原理は、転写プリントを与えるために用いられてもよい。
図14aから図14dは、表面2上にデジタルエンボス、好ましくは、EIR構造、以下、BAPエンボスと呼ぶ、を形成する方法を示す。デジタル液滴塗布ヘッドが、図14aに示すように、担体68上にブランクインクのパターンを塗布する。アルミニウム箔、プラスチック箔、紙および同様のものであってもよい担体68上に、図8dから図8hに示す着色剤に類似したプレス粒子67が塗布されてもよい。この塗布は、BAP印刷の場合と同じものであってもよく、担体68上にプレス粒子67をあるパターンで塗布するために、上述したすべての方法が使用されてもよい。しかしながら、プレス粒子67は、顔料でコーティングされる必要はない。プレス粒子67は、熱硬化性樹脂13または熱可塑性樹脂でコーティングされてもよい。いくつかの応用において、ブランクインクは、塗布結合を与えるために十分なものである。プレス粒子67を担体に結合するために、加熱プリントヘッドが使用されてもよい。担体68および/またはブランクインクは、結合剤を備えてもよい。粒子は、好ましくは、酸化アルミニウム、砂、石粉および同様のものなどの硬質鉱物である。プレス中、元の形状を本質的に保持し、プレス動作中に圧縮されないこのような粒子のことを、硬質プレス粒子と呼ぶ。粒子のサイズは、エンボスの深さに適応させる必要がある。例えば、少なくとも0.2mmの深さのエンボスを作成するために、約0.2mmの直径の粒子が使用されてもよい。プレス粒子67を有する担体68は、例えば、粉体または紙表面2上に塗布される従来のプリントまたはBAPプリントであってもよい印刷パターンPとともに配置され整合される。図14bは、プレス粒子67および担体68がプレステーブル24によって表面2内にプレスされるプレスステップを示す。図14cは、プレス粒子67を有する担体68がプレス後に除去されたときのエンボス加工された構造17を示し、任意の従来の刷版を用いることなく、任意のタイプのデジタルプリントPと整合されてもよい完全デジタル形成されたEIR表面が得られる。表面構造の一部、特に、光沢度を与える微細構造16が、担体によって形成されてもよい。深くエンボス加工された構造17は、プレス粒子および担体68によって形成される。
BAPエンボス加工は、ブランクインク11の薄い層とともに多量のプレス粒子68が塗布されてもよいため、深いエンボスが一回のみまたは数回のBAP塗布ステップで形成されうるという利点を備える。この方法により、プレス粒子を担体に結び付けるブランクインクスポット57の垂直範囲Vよりも深いエンボス深さDが得られる。
図14dは、BAPエンボス加工とともにパネルの表面2を形成する方法を示す。ブランクインク塗布ステーション36が、この実施形態において、アルミニウム箔またはコート剥離紙であることが好ましい担体68上にブランクインク11を塗布する。プレス粒子67を担体上に塗布するために、乾燥インク塗布ステーション27が使用される。いくつかの応用において、塗布結合を引き起こすために、IRランプ23が使用されてもよい。
プレス粒子は、乾燥インク除去ステーション28によって除去され、プレス粒子を有する担体は、プレステーブル24によって基材に対してプレスされる。その後、担体およびプレス粒子は除去され、BAPエンボス加工された構造が形成される。
この方法は、従来のエンボスまたはEIRエンボスを形成するために用いられてもよい。
エンボス加工された表面2にプレスされる担体68の表面は、異なる光沢度または微細構造が得られてもよいようにコーティングされてもよい。このようなコーティングは、本開示に記載される方法に応じてデジタル的に施されることが好ましい。
プレス粒子67は、上述したすべての方法を用いて担体に結合されてもよい。例えば、加熱プリントヘッド80およびレーザ29が用いられてもよい。
図15aから図15dは、BAP転写プリント方法は、BAPエンボス加工方法と組み合わせられてもよいことを示す。プレス粒子67が担体68の一方側に塗布されてもよく、BAPプリントが、図15aに示す転写表面18を有する担体68の反対側に塗布されてもよい。担体68は、上述したような箔、紙および同様のものであってもよい。BAPプリントは、従来のデジタルプリントまたは従来のローラを備えるプリントで置き換えられてもよい。好ましくは、プリントPおよびプレス粒子67のパターンは、EIR構造が形成されうるように整合される。図15bは、担体68およびプレス粒子67が、プリントPとともに、表面2上にプレスされることを示す。図15cは、プリントPが表面2に結合され、プレス粒子67を有する担体68が、プレス動作後に除去されると、エンボス加工された構造17を形成することを示す。プレス粒子67および乾燥インクプリントの塗布は、図15dに示すようにプレス動作とともに行われてもよく、または個々の担体として、好ましくは、箔として供給されてもよい予備印刷および予備エンボス加工された担体68が形成される別の動作として行われてもよい。組み合わせられたBAP印刷およびエンボス加工機器は、ブランクインク塗布ステーション36と、乾燥インク塗布ステーション27と、乾燥インク除去ステーション28とを備え、これらのステーションは、乾燥インク15およびプレス粒子67を担体68の両側に塗布および除去する。
また、粒子は、レーザビーム、加熱プリントヘッドおよび上述した他のすべての方法で担体に結合されてもよい。
パネル表面2と接触状態にある担体68の表面は、予備プレスされてもよく、異なる光沢度または微細構造が形成されてもうよい。このような予備プレスは、従来のエンボス加工シリンダまたはBAPエンボス加工方法とともに行われてもよい。また、デジタル印刷とともにさまざまな光沢度および微細加工が形成されてもよく、本開示に記載される方法の任意のものに応じて、コーティングが施されてもよい。プレス粒子67、好ましくは、転写プリントPを有する担体68は、プレス母材78として供給されてもよく、例えば、ラミネート、木質系および粉体系床上だけでなく、タイルおよびLVT床にもエンボス加工された構造を形成するために使用されてもよい。プレス母材78は、複数回使用されてもよい。プリントPは、従来のプリント、デジタルインクジェットプリント、デジタルBAPプリントまたは同様のものであってもよい。
この方法はまた、担体68上の突出部が、シート状のプレス母材に空隙を形成するシート材料であってもよいより耐性のある「ミラー状」のプレス母材を形成するように使用されてもよい。プレス粒子を有する担体は、含浸紙、好ましくは、熱硬化性樹脂を含むフェノール含浸クラフト紙または粉体に対してプレスされてもよく、第2のステップにおいて、プレス母材として使用されてもよい構造化されたシート母材が形成されてもよい。金属粉体およびガラス繊維は、強度および熱転写特性を高めるために含まれてもよい。
すべての上述した方法は、デジタルプリントまたはおよび/またはデジタルエンボスを部分的または完全に作成するために部分的または完全に組み合わせられてもよい。
水系ブランクインクが、いくつかの応用において、油系または溶剤系インクによって組み合わせられても、置き換えられてもよい。油系インクの利点は、乾燥時間が非常に長いという点であってもよく、これは、デジタル液滴塗布ヘッドの機能を高める場合がある。
本明細書において、本発明の例示的な実施形態について記載してきたが、本発明は、本明細書に記載したさまざまな好ましい実施形態に限定されるものではなく、本開示を基に当業者によって認識されるであろう同等の要素、修正、省略、組み合わせ(例えば、さまざまな実施形態の態様の組み合わせ)、適応および/または変形例を有する任意のすべての実施形態を含む。特許請求の範囲の限定は、特許請求の範囲において用いられている文言に基づいて広義に解釈されるべきものであり、本明細書および本願の審査段階において記載される実施例に限定されるものではなく、これらの実施例は、非排他的なものとして解釈されるべきものである。
(実施例1 水およびグリコールを含む黒インク)
5〜6cpsの粘度のインク向けのKyoceraピエゾプリントヘッドに対してブランクインク配合を作製した。60.8%の脱イオン水を38.0%のポリエチレングリコールPEG400と、1.0%のSurfynol湿潤剤と、細菌や菌類を制御する0.2%のActidice MBSと混合した。
(実施例2 乾燥繊維系インク)
20%(重量)のスプレー乾燥されたメラミンホルムアルデヒド粒子と、20%の暗褐色着色顔料と、約0.2mmの平均長さおよび約0.05mmの厚さの60%のマツの木質繊維とを混合して、乾燥インク粉体を生成した。散乱装置によってスチールベルト上に1mm厚さの層として混合物を塗布した。その後、粉体混合物を加熱し、脱イオン水からの蒸気で水分を添加した。混合物を熱風で乾燥することで、半硬化状態のメラミン結合剤で安定化された硬質粉体系表面層を得た。スクレーピングによって乾燥層をベルトから除去し、顔料およびメラミン樹脂がコーティングされた乾燥木質粒子を粉砕しふるい分けして、個々の木質繊維のサイズと同様のサイズの乾燥インク着色剤を得た。木質繊維本体と、半硬化状態のメラミン樹脂によって繊維に結合された顔料で覆われた表面とを有する着色剤を含む乾燥インクを得た。
(実施例3 流動床で生成された乾燥インク)
シリンダを備える流動床装置を使用して、顔料系メラミンホルムアルデヒドコーティングを木質繊維およびアルミニウム粒子に塗布した。重力下で粒子を自由浮動させ、シリンダで流体として挙動させるように加圧熱風を使用した。顔料と混合させた液体メラミン樹脂を粒子とともにシリンダ内に吹き付けた。120℃の温度下で第1のコーティングを施した。コーティングが施された着色剤を混合器にもたらし、結び付いた粒子を分離しふるい分けした。より低い温度の50℃で、顔料を含まずにメラミン樹脂を有する第2のコーティングを作製し、粒子を混合して再度ふるい分けし、約0.1mmの平均サイズにした。第1のコーティングを使用して、顔料を粒子に結び付けることで、最終プレスステップ中のブリードが回避され、第2のコーティングを使用して、ブランクインク滴がコーティング粒子の外側メラミン層を溶融したときに、粒子とブランクインクとの間を結合させた。
(実施例4 デジタル結合剤および粉体プリント)
脱イオン水の微小水滴を8mmのHDFボードに吹き付け、木質繊維、メラミン粒子、薄茶色の着色顔料と、酸化アルミニウム粒子とを含む300g/m2の粉体混合物をHDFコア上に散乱装置によって塗布した。剥離剤を含む脱イオン水を再度混合物に吹き付け、IRライトで混合物を乾燥することで、HDFコアに結合され、薄茶色の基色を有する安定化された部分的に半硬化状態の硬質粉体系表面を得た。安定化された粉体表面を有するパネルをコンベヤ上に配置し、デジタルKyoceraピエゾプリントヘッド下で移動させた。デジタルプリントヘッドは、薄茶色の安定化された粉体系表面上に、上記実施例1に記載した配合で主に水およびグリコールを含むブランクインクの液滴を塗布し、安定化された粉体系表面上に透明液体木目パターンを印刷した。パネルの長辺および短辺から所定の距離に木目調のパターンを位置づけた。塗布した透明パターン下の表面下のメラミンは、デジタルピエゾコーティングヘッドが粉体系表面上に水系液滴を塗布したときに溶融した。ホッパーと、直径5cmの回転振動彫刻ローラとを備える乾燥インク塗布ステーションを用いて、基本薄茶色よりも濃い暗褐色の粉体系表面を含む上記実施例2および実施例3に記載した乾燥インクを、第2のステップにおいて粉末系表面全体および透明パターン上に散乱した。コーティングされた繊維のみおよびアルミニウム粒子のみを含む乾燥インクを塗布した。また、コーティングされた繊維および酸化アルミニウム粒子の混合物を塗布した。繊維の乾燥インク層は約30gr/m2を含み、酸化アルミニウム粒子の乾燥インクは約60gr/m2を含む。木目調のパターンは、塗布粒子の約80%を除去したものである。透明ブランクインクパターンと接触した乾燥インク粒子上のメラミンは溶融し、乾燥インク粒子を安定化された粉体表面に結合した。その後、コンベヤによって、透明ブランクインクパターンおよび乾燥インク層を有するパネルをIRランプの下方にて移動させた。透明パターンのメラミンを再度乾燥させ、透明パターンの上方で繊維と顔料とのより強力な結合を得た。その後、乾燥インク除去ステーションの下方にてパネルをコンベヤで移動させ、乾燥インク除去ステーションは、顔料を有する本質的にすべての非結合粒子が除去される、塗布乾燥インク層の全幅を覆う開口を有する真空吸引プロファイルと、本質的にすべての可視乾燥インク粒子が除去されるように、パネル表面から剥離され真空吸引プロファイル内に吹き付けられる非結合粒子に空気圧をかけるエアナイフとを備える。薄茶色の基色と茶褐色の木目構造を含む木目調のパターンを得た。ブランクインクに関して上述したようなものと同じタイプの散乱ステーションを用いて、乾燥メラミンおよび酸化アルミニウム粒子の混合物を含む保護層を表面全体にわたって散乱した。剥離剤を含む微小水滴で保護層を吹き付け、IRランプ下で乾燥した。その後、油圧プレスの長辺および短辺に対して所定の位置に、プリントおよび保護層を有するパネルを配置し、170℃の温度および40バールの圧力下で20秒間、エンボス加工されたスチールプレートに対してプレスし、木目調のパターンおよび保護層を有する粉体系表面を硬化して、エンボス加工された表面構造と整合された高品質のデジタルプリントを有する耐摩耗性が高い表面を得た。パネルの装飾は、基色と、木質繊維/顔料、酸化アルミニウム/顔料およびこのような粒子の混合物とを含む木目模様とによって作製した。顔料コーティングされた天然木質繊維を使用して可視パターンを作成した場合、非常に実物に似た木材模様が得られた。
(実施形態)
1.デジタルプリント(P)を表面(2)上に形成する方法であって、
・表面(2)上に着色剤(7)を塗布するステップと、
・着色剤の一部を表面(2)に結合剤(11)で結合させるステップと、
・結合された着色剤(7)でデジタルプリント(P)が形成されるように、表面(2)から非結合着色剤(7)を除去するステップと、
を含む形成方法。
2.着色剤(7)は、結合剤(11)と混合された顔料(12)を含む、実施形態1に記載の方法。
3.結合剤(11)は、熱硬化性樹脂を含む、実施形態1または2に記載の方法。
4.結合剤(11)は、熱可塑性樹脂を含む、実施形態1から3のいずれか1つに記載の方法。
5.結合剤(11)は、粉体である、実施形態1から4のいずれか1つに記載の方法。
6.表面(2)は、紙層または箔である、実施形態1から5のいずれか1つに記載の方法。
7.表面(2)は、紛体層を含む、実施形態1から6のいずれか1つに記載の方法。
8.表面(2)は、建築用パネル(1)の一部である、実施形態1から7のいずれか1つに記載の方法。
9.表面(2)は、床パネル(1)の部分である、実施形態1から8のいずれか1つに記載の方法。
10.着色剤(7)は空気流によって除去される、実施形態1から9のいずれか1つに記載の方法。
11.結合剤は、デジタル液滴塗布ヘッド(30’)によって塗布される液体物質を含むブランクインク(11)である、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
12.レーザビーム(29)または加熱プリントヘッド(80)により結合が生じる、実施形態1から10のいずれか1つに記載の方法。
13.液体物質は水系である、実施形態11に記載の方法。
14.液体物質は、IRライト(23)または熱風にさらされる、実施形態11または13に記載の方法。
15.液体物質(11)は、UV光にさらされる、実施形態14に記載の方法。
16.液体物質は、ピエゾインクヘッドで塗布される、実施形態14に記載の方法。
17.液体物質は、サーモインクヘッドで塗布される、実施形態14に記載の方法。
18.液体物質は、液滴(56)をラスタ(R1〜R4)状に配置して塗布され、着色剤(7)は、数滴の液滴と結合される、実施形態16または17に記載の方法。
19.着色剤(7)は、繊維(61)または無機物質(63)を含む粒体(66)を有する、実施形態1から18のいずれか1つに記載の方法。
20.結合着色剤(7)を有する表面(2)はプレスされる、実施形態1から19のいずれか1つに記載の方法。
21.結合着色剤(7)を有する表面(2)は、加熱されプレスされる、実施形態1から20のいずれか1つに記載の方法。
22.表面(2)は、着色剤(7)とは異なる別の色を含む、実施形態1から21のいずれか1つに記載の方法。
23.異なる色の新しい着色剤(7、12b)を第1の結合された着色剤(7、12a)および表面(2)上に塗布するステップと、結合剤を用いて新しい着色剤(7、12b)の一部を表面に結合するステップと、第1の結合着色剤(12a)と新しい着色剤(12b)とを表面(2)に並べて配置させてデジタルプリント(P)が形成されるように、結合されていない新しい着色剤(7、12b)を表面から除去するステップをさらに含む、実施形態1から22のいずれか1つに記載の方法。
24.着色剤(7)は、散乱によって塗布される、実施形態1から23のいずれか1つに記載の方法。
25.着色剤(7)は、木目調パターンまたは石材パターンで配設される、実施形態1から24のいずれか1つに記載の方法。
26.表面および着色剤は、エンボス加工(17)構造を有する硬質表面にプレスされ硬化される、実施形態1から25のいずれか1つに記載の方法。
27.着色剤(7)は、20ミクロンより大きいマクロ着色剤粒子(64)である、実施形態1から26のいずれか1つに記載の方法。
28.着色剤(7)は、表面(2)にプレスされる、実施形態1から27のいずれか1つに記載の方法。
29.表面(2)は、積層床または木質床、粉体系床、タイルまたはLVT床であるパネル(1)の一部である、実施形態1から28のいずれか1つに記載の方法。
30.デジタル液滴塗布ヘッド(30’)と、乾燥インク塗布ステーション(27)と、乾燥インク除去ステーション(28)とを備える、デジタルプリント(P)を表面(2)に設ける機器(40)であって、
・デジタル液滴塗布ヘッド(30’)は、表面(2)上に液体ブランクインク(11)を塗布するように構成され、
・乾燥インク塗布ステーション(27)は、着色剤(7)を含む乾燥インク(15)を表面(2)上に塗布するように構成され、
・ブランクインク(11)は、乾燥インク(15)の一部を表面(2)に結合するように構成され、
・乾燥インク除去ステーション(28)は、非結合着色剤(7)を表面(2)から除去するように構成される機器。
31.表面(2)は、パネル(1)の部分である、実施形態30に記載の機器。
32.乾燥インク(15)は樹脂を含む、実施形態30または31に記載の機器。
33.ブランクインク(11)は水系である、実施形態30から32のいずれか1つに記載の機器。
34.ブランクインク(11)は、塗布後に高温にさらされる、実施形態30から33のいずれか1つに記載の機器。
35.表面(2)に塗布された液体プリント(P)と結合するためのマクロ着色剤粒子(64)を備え、マクロ着色剤粒子(64)は、粒体(66)と、粒体(66)に付着した着色顔料(12)とを含む、乾燥インク(15)。
36.マクロ着色剤粒子(64)は、20ミクロンより大きい、実施形態35に記載の乾燥インク。
37.粒体(66)は、鉱物粒子(63)、繊維(61)または熱硬化性樹脂(13)である、実施形態35または36に記載の乾燥インク。
38.粒体(66)は、鉱物粒子(63)である、実施形態35または36に記載の乾燥インク。
39.粒体(66)は繊維(61)である、実施形態35または36に記載の乾燥インク。
40.粒体(66)は、樹脂でコーティングされる、実施形態35から39のいずれか1つに記載の乾燥インク。
41.樹脂は、熱硬化性樹脂(13)である、実施形態40に記載の乾燥インク。
42.液体プリントは水系であり、デジタル液滴塗布ヘッド(30’)によって塗布される、実施形態35から41のいずれか1つに記載の乾燥インク。
43.粒体(66)と、粒体(66)の表面に付着された着色顔料(12)とを備えるマクロ着色剤(64)のデジタル形成されたプリント(P)を備える表面(2)を有するパネル(1)であって、着色剤(7)は、粒体(66)の上面および下面に付いた顔料(12)とともにパターン状に配設される、パネル。
44.粒体(66)は繊維(61)を含む、実施形態43に記載のパネル。
45.粒体(66)は鉱物粒子(63)である、実施形態43に記載のパネル。
46.マクロ着色剤(64)は、20ミクロンを超える粒子サイズを有する、実施形態43から45のいずれか1つに記載のパネル。
47.マクロクーラント(64)は、重なり合った装飾粒子とともに固体プリントを形成する、実施形態43から46のいずれか1つに記載のパネル。
48.パネル(1)は、積層床または木質床、粉体系床、タイルまたはLVT床である、実施形態43から47のいずれか1つに記載のパネル。
49.硬質プレス粒子(67)を担体(68)に結合させることによって、表面(2)上にデジタルエンボス(17)を形成する方法であって、
・液体物質(11)を担体上に塗布するデジタル液滴塗布ヘッド(30’)によって担体(68)上に液体結合剤パターン(BP)を設けるステップと、
・液体結合パターン(BP)によって硬質プレス粒子が担体(68)に結合されるように、担体(68)および結合剤パターン(BP)上の硬質プレス粒子(67)を塗布するステップと、
・非結合硬質プレス粒子(67)を担体(68)から除去するステップと、
・結合された硬質プレス粒子(67)を有する担体(68)を表面(2)に対してプレスするステップと、
・プレスされた表面(2)から硬質プレス粒子(67)を有する担体(68)を除去するステップと、
を含む形成方法。
50.プレス粒子(67)が鉱物粒子(63)である、実施形態49に記載の方法。
51.担体が紙または箔である、実施形態49または50に記載の方法。
52.前記液体物質が水系である、実施形態49から51のいずれか1つに記載の方法。
53.表面(2)は、粉体または紙または箔である、実施形態49から52のいずれか1つに記載の方法。
54.表面(2)は、パネル(1)の一部である、実施形態49から53のいずれか1つの記載の方法。
55.木目調の装飾がある表面(2)を有するパネル(1)であって、第1の色の木質繊維(61a)を有する連続した基層によって形成された第1の表面部分(S1)と、第2の色の木質繊維(61b)によって形成された第2の表面部分(S2)とを備え、第2の色の木質繊維(61b)は、連続した基層上に塗布され結合され、第2の表面部分(S2)は、第1の表面部分(S1)の一部を覆う、パネル。
56.連続した基層は、熱硬化性樹脂を含む粉体である、実施形態55に記載のパネル。
57.連続した基層は紙である、実施形態55または56に記載のパネル。
58.第2の表面部分(S2)は、第1の表面部分(S1)より小さい繊維を含む、実施形態55から57のいずれか1つに記載のパネル。
59.転写印刷方法でデジタルプリント(P)を表面(2)に設ける機器であって、デジタル液滴塗布ヘッド(30’)と、乾燥インク塗布ユニット(27)と、乾燥インク除去ステーション(28)と、転写表面(18)とを備え、
・デジタル液滴塗布ヘッド(30’)は、転写表面(18)上に液体ブランクインク(11)を塗布するように適応され、
・乾燥インク塗布ユニット(27)は、転写表面(18)上に着色剤を含む乾燥インク(15)を塗布するように適応され、
・ブランクインク(11)は、転写表面(18)に乾燥インク(15)の一部を結合するように適応され、
・乾燥インク除去ステーション(28)は、転写表面(18)から非結合乾燥インクを除去するように適応され、
・結合乾燥インクを有する転写表面(18)は、表面(2)に対してプレスされるように適応される機器。
60.乾燥インク(15)は樹脂を含む、実施形態59に記載の機器。
61.ブランクインク(11)は水系である、実施形態59または60に記載の機器。
62.ブランクインクは、塗布後に高温にさらされる、実施形態59から61のいずれか1つに記載の機器。
63.パネル(1)上にエンボス加工された構造(17)を形成するプレス母材(78)であって、パターンに配設され、コート紙または箔である担体(68)に結合される硬質プレス粒子(67)を備えるプレス母材。
64.硬質プレス粒子(67)は、担体の一方側に配設され、担体の反対側にはプリント(P)が配設される、実施形態63に記載のプレス母材(78)。
65.硬質プレス粒子(67)およびプリント(P)は、プレス母材がパネル表面(2)に対してプレスされると、位置合わせエンボス加工された印刷表面が得られうるように整合される、実施形態63または64に記載のプレス母材(78)。
66.表面(2)上にデジタルプリント(P)を形成する方法であって、表面上に着色剤(7)を含む乾燥インク(15)の粉体を塗布するステップと、デジタルプリント(P)が結合乾燥インク着色剤(7)によって形成されるようにデジタル加熱プリントヘッド(80)によって表面(2)に乾燥インク(15)粉体の一部を結合するステップと、表面(2)から非結合乾燥インク(15)を除去するステップとを含む方法。
67.乾燥インク(15)は感熱樹脂を含む、実施形態66に記載の方法。
68.表面(2)は感熱樹脂を含む、実施形態66または67に記載の方法。
69.感熱樹脂は、熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂である、実施形態67または68に記載の方法。
70.感熱樹脂は、メラミンを含む熱硬化性樹脂である、実施形態69に記載の方法。
71.加熱プリントヘッド(80)は、熱転写箔(81)上に熱をかける、実施形態66から69のいずれか1つの記載の方法。
72.熱転写箔(81)は、銅またはアルミニウムを含む、実施形態70に記載の方法。
72.表面(2)は、建築用パネルの一部、好ましくは、床パネル(1)の一部である、実施形態66から68のいずれか1つの記載の方法。
73.乾燥インク(15)は、鉱物粒子を含む、実施形態66から72のいずれか1つの記載の方法。
74.乾燥インク(15)は、酸化アルミニウム粒子を含む、実施形態73に記載の方法。
75.表面(2)上にデジタルプリント(P)を形成する方法であって、表面(2)上にデジタル液滴塗布ヘッド(30’)によってブランクインク(11)の液滴(57)を塗布するステップと、デジタルプリント(P)を形成するためにブランクインクの液滴(57)に着色剤(7)を付着するステップとを含み、デジタルプリント(P)は、ブランクインク(11)とは別の色を含む形成方法。
76.ブランクインク(11)によって表面(2)に結合された着色剤(7)によって、他の色が形成される、実施形態75に記載の方法。
77.ブランクインク(11)は、本質的に、水を含む透明な液体物質である、実施形態75または76に記載の方法。
78.ブランクインク(11)は、プリント(P)の第1の部分および第2の部分を形成し、ブランクインク、第1の部分および第2の部分はすべて異なる色を含む、実施形態75から77のいずれか1つに記載の方法。
79.デジタルプリント(P)は、同じ平面で水平方向にずらして位置づけられた異なる色の着色剤(7)を含む、実施形態75から78のいずれか1つに記載の方法。
80.着色剤(7)の垂直範囲(V2)が、ブランクインク滴(57)の垂直範囲(V1)を超える、実施形態75から79のいずれか1つに記載の方法。
81.デジタル塗布されたブランクインク滴(57)は、塗布後、表面(2)から下向きおよび上向きに浸透する、実施形態75から80のいずれか1つに記載の方法。
82.表面(2)上にブランクインクスポット(57)を与えるブランクインク(11)の液滴は、ブランクインクスポット(57)のサイズより大きいサイズを有する着色剤(7)を結合させる、実施形態75から81のいずれか1つに記載の方法。
83.ブランクインク(11)は、ラスタパターン(R1〜R4)に塗布され、乾燥インク(15)は重なり合った着色剤(7)でランダムに塗布される、実施形態75から82のいずれか1つに記載の方法。
84.個々の着色剤(7)の水平範囲(H2)は、インクスポット(57)の水平範囲(H1)を超え、乾燥インク層の垂直範囲(V2)は、非結合粒子の除去後、ブランクインクスポット(57)の垂直範囲(V1)を超えることが好ましい、実施形態75から83のいずれか1つに記載の方法。

Claims (14)

  1. 建築用パネルまたは床パネル(1)の一部である表面(2)上に塗布された液体プリント(P)に結合するための20ミクロンより長い直径または長さを有するマクロ着色剤粒子(64)を備える乾燥インク(15)であって、
    前記マクロ着色剤粒子(64)は、それぞれ、
    粒体(66)と、
    前記粒体(66)に結合される乾燥樹脂と、
    前記粒体(66)に結合される着色顔料(12)とを備え、
    前記乾燥樹脂は、前記着色顔料(12)を前記粒体(66)に結合し、且つ、前記液体プリント(P)によって、前記表面(2)に前記マクロ着色剤粒子(64)を結合するように適応され、
    前記マクロ着色剤粒子(64)はそれぞれ、熱硬化性樹脂(13)を有し、
    前記粒体(66)に結合される前記乾燥樹脂は、前記マクロ着色剤粒子(64)のそれぞれに設けられた前記熱硬化性樹脂(13)である、乾燥インク(15)。
  2. 前記粒体(66)は、鉱物粒子(63)または繊維(61)または天然繊維または熱硬化性樹脂である、請求項1に記載の乾燥インク。
  3. 前記粒体(66)は、酸化アルミニウム粒子(63)である、請求項1または2に記載の乾燥インク。
  4. 前記粒体(66)は、木質繊維(61)または木材チップ(62)である、請求項1または2に記載の乾燥インク。
  5. 前記粒体(66)は、前記熱硬化性樹脂(13)でコーティングされる、請求項1から4のいずれか一項に記載の乾燥インク。
  6. 前記マクロ着色剤粒子(64)はそれぞれ、スプレー乾燥された熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂の粒体を有する、請求項1または5のいずれか一項に記載の乾燥インク。
  7. 前記マクロ着色剤粒子(64)はそれぞれ、前記粒体(66)内に前記着色顔料(12)を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の乾燥インク。
  8. 前記マクロ着色剤粒子(64)はそれぞれ、前記粒体(66)の表面に付着された前記着色顔料(12)を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の乾燥インク。
  9. 前記乾燥樹脂は、メラミンホルムアルデヒド樹脂(13)である、請求項1から8のいずれかに記載の乾燥インク。
  10. 前記乾燥樹脂は、前記マクロ着色剤粒子(64)が前記液体プリント(P)と接触した状態になると溶融し、前記表面(2)に前記マクロ着色剤粒子(64)を結合するように適応されている、請求項1からのいずれか一項に記載の乾燥インク。
  11. 前記マクロ着色剤粒子(64)は、複数の異なるタイプのマクロ着色剤粒子の混合物として構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載の乾燥インク。
  12. 前記着色顔料(12)は、異なる複数の色を有する、請求項1から1のいずれか一項に記載の乾燥インク。
  13. 前記粒体(66)は、染料を含む、請求項1から1のいずれか一項に記載の乾燥インク。
  14. 前記マクロ着色剤粒子(64)は、実質的に30ミクロンから100ミクロンの範囲のサイズである、請求項1から1のいずれか一項に記載の乾燥インク。
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