JP6909498B2 - 生体接着材吐出器 - Google Patents

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本発明は、生体内に複数種類の接着材を供給するための吐出器に関する。
二液性の生体接着材を生体の患部に供給するための吐出器として、生体接着材を構成する二種類の液体を分けて収容する一対のシリンジと、一対の吐出口を有するノズルヘッドとの間に、生体内に挿入可能な長尺かつ小径の挿入管が配置され、その挿入管の内部に、シリンジからノズルヘッドに液体を導く一対の供給チューブが配置された吐出器が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2013−74988号公報
従来の吐出器では、挿入管内に配置される一対の供給チューブの内径及び外径が供給チューブ間で互いに等しく設定されている。しかしながら、二液性の生体接着材では、それを構成する液体間で粘度が異なっていることが少なくない。液体の粘度が高いほど吐出時の圧力損失は大きくなるため、一対のプランジャを同じ力で押した場合には、粘度の高い液体が粘度の低い液体と比して吐出されにくくなり、その結果として、ノズルヘッドからの液体の吐出量に液体間で差が発生する。その差が許容範囲を超えた場合、二液性生体接着材の一方の液体が余剰となる一方で他方の液体が不足し、二液性生体接着材が本来の性能を発揮できない可能性がある。そのため、従来の吐出器では、適用可能な二液性生体接着材の粘度差に一定の制限を設定する必要がある。
そこで、本発明は、液体間の粘度差に関する制限を緩和することが可能な生体接着材吐出器を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る生体接着材吐出器(1)は、第1及び第2の吐出口(2A、2B)を有するノズルヘッド(2)と、前記第1及び第2の吐出口のそれぞれから吐出されるべき生体接着材の二種類の液体をそれぞれ収納する第1及び第2の収納容器(3、4)と、前記第1及び第2の収納容器のそれぞれの液体を前記第1及び第2の吐出口に向かって導くように設けられた第1及び第2の供給チューブ(7、8)と、前記ノズルヘッドから前記第1及び第2の収納容器に向かって前記第1及び第2の供給チューブを覆いつつ延びるように設けられ、かつ生体内に挿入可能な挿入管(6)とを備え、前記挿入管内の少なくとも一部の区間では、前記第1の供給チューブの内径と前記第2の供給チューブの内径とが互いに異なり、前記第1及び第2の吐出口の内径は互いに等しいものである。
上記態様の生体接着材吐出器によれば、挿入管内の少なくとも一部の区間にて第1及び第2の供給チューブの内径が互いに異なっているため、大径側の供給チューブに粘度の高い液体を導いた場合の圧力損失は、小径側の供給チューブに粘度の高い液体を導いた場合の圧力損失よりも小さく抑えられる。したがって、粘度が異なる液体を吐出させる場合において、大径側の供給チューブに対して粘度が高い液体が、小径側の供給チューブに対して粘度が低い液体がそれぞれ導かれるように収納容器と液体との対応関係を設定すれば、吐出口に至る間の圧力損失の差を抑制することができる。そのため、吐出口のそれぞれからの液体の吐出量のばらつきを抑え、所定量の液体を吐出口から安定的に吐出させることができる。したがって、収納容器に収納すべき液体の粘度差に関する制限を緩和することが可能である。
また、挿入管の外径には、生体内に挿入される際の患者の負担を低減する観点から一定の制限が課せられ、それとの関係で挿入管の内径にも制限が生じる。そして、第1及び第2の供給チューブの外径の合計値はその挿入管の内径を超えることができないという制限がある。このような制限下において、仮に第1及び第2の供給チューブの外径及び内径をそれぞれチューブ間で等しく設定した場合、両供給チューブの内部流路の断面積の合計値は最小となる。言い換えれば、挿入管内で両供給チューブの外周と挿入管の内周との間に残る隙間量が最大となる。これに対して、第1及び第2の供給チューブの内径に差を与えた場合には、上述した内部流路の断面積の合計値を増加させ、それにより挿入管の外径及び内径が制限された状態でも、供給チューブを介して吐出される液体の流量の減少を抑え、適切な流量を確保することが可能である。
上記態様の生体接着材吐出器においては、前記挿入管が樹脂製であってもよい。管状部材を樹脂製とした場合には、金属製とした場合と比較して剛性、強度の確保の観点から管状部材の肉厚を相対的に大きく設定する必要がある。外径に上述した制限が課せられる挿入管を樹脂製とした場合には、肉厚の増加によって内径が減少し、それに伴って供給チューブの内部流路の断面積も減少し、流量確保に支障が生じるおそれがある。しかしながら、上述したように、供給チューブ間で内径に差を設定すれば、挿入管の外径が制限された状態でも供給チューブの内部流路の断面積の合計値を増加させることができるため、樹脂製の挿入管の採用に伴う挿入管の内径の減少を断面積の合計値の増加によって補い、適切な流量の確保を図ることができる。しかも、金属製の挿入管に比して摩擦係数が小さく、かつ柔軟性をもった樹脂製の挿入管を採用すれば、生体内に挿入管を挿入し、あるいは抜去する場合、あるいは生体内で挿入管を回転させ、あるいは移動させるといった場合の操作性を高めることができる。
また、上記態様の生体接着材吐出器において、前記第1及び第2の収納容器のそれぞれは、容器本体(13、14)内に収納された液体をプランジャ(15、16)の押し込み操作によって容器本体のノズル部(13a、14a)から前記第1及び前記第2の供給チューブに吐出するように構成され、前記第1及び前記第2の収納容器のそれぞれの容器本体が互いに等しい形状及び大きさであり、前記第1及び第2の収納容器のそれぞれのプランジャは、一体に押し込み操作できるように連結部材(17)にて相互に連結されてもよい。これによれば、連結部材を操作するだけで各収納容器のプランジャを互いに等しい距離移動させることが可能である。したがって、上述した圧力損失差の低減効果と相俟って、吐出口から所定量の液体を安定的に吐出させる効果をより確実に発揮させることができる。
上記態様の生体接着材吐出器においては、前記挿入管の外径が5.5mm以下に設定され、前記第1の供給チューブの内径(D1)が0.4mm以上に、前記第2の供給チューブの内径(D2)が3.9mm以下にそれぞれ設定されてもよい。さらに、前記第1の供給チューブの外径が0.5mm以上に、前記第2の供給チューブの外径が4.0mm以下にそれぞれ設定され、前記第1及び第2の供給チューブのそれぞれの外径の合計値が4.5mm以下に設定されてもよい。これらの設定によれば、生体接着材を構成する液体間の粘度差がおよそ1万倍程度に達しても、両液体が吐出口まで導かれる間の圧力損失を実用上支障がない範囲に抑えることができる。
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
本発明の一形態に係る生体接着材吐出器の全体構成を示す断面図。 図1の矢印II方向における吐出器の側面図。 図1のIII−III線に沿った断面図。 挿入管の先端に噴霧生成用のガスを供給する変形例を示す図。 図4の矢印V方向における吐出器の側面図。
図1に示すように、本発明の一形態に係る生体接着材吐出器(以下、吐出器と略称する。)1は、ノズルヘッド2と、第1のシリンジ3及び第2のシリンジ4と、それらのシリンジ3、4を互いに平行に並んだ状態で保持するホルダ5と、ホルダ5の先端側(図1において左方)にてノズルヘッド2からシリンジ3、4側に向かって延ばされた挿入管6と、挿入管6の内部に沿って延ばされた第1の供給チューブ7及び第2の供給チューブ8とを備えている。
ノズルヘッド2は、ヘッド本体10と、そのヘッド本体10に取り付けられた第1の吐出管11及び第2の吐出管12とを備えている。ヘッド本体10は概ね円柱状である。ヘッド本体10は挿入管6の先端内周部に同軸的かつほぼ隙間なく嵌め合わされて固定されている。第1の吐出管11及び第2の吐出管12のそれぞれはヘッド本体10の軸線方向に沿って延ばされている。吐出管11、12の内径は互いに等しく、吐出管11、12の外径も互いに等しい。吐出管11、12のそれぞれの先端はヘッド本体10の先端面10aに開口して第1の吐出口2A及び第2の吐出口2Bを形成する。図2から明らかなように、吐出口2A、2Bはヘッド本体10の中心を挟んで対称的に配置され、それぞれの口径は互いに等しい。図1に戻って、吐出管11、12の後端側はヘッド本体10から引き出されて接続部11a、12aを形成する。
第1のシリンジ3は、二液性の生体接着材を構成する二種類の液体の一方を収納し、第2のシリンジ4は二種類の液体の他方を収納する。それにより、第1のシリンジ3は第1の収納容器の一例として機能し、第2のシリンジ4は第2の収納容器の一例として機能する。シリンジ3、4には、容器本体の一例としてのシリンジ本体13、14と、プランジャ15、16とが設けられている。シリンジ本体13、14のそれぞれは後端側が開口する円筒状の容器として形成され、先端には液体を吐出するためのノズル部13a、14aが形成されている。プランジャ15、16は、シリンジ本体13、14の後端側の開口から内部に挿入され、シリンジ本体13、14の軸線方向に沿って往復移動自在である。プランジャ15、16は連結部材の一例としての連結板17にて互いに連結されている。それにより、連結板17を操作することにより、プランジャ15、16をシリンジ本体13、14に対して軸線方向(図1の左右方向)に一体的に移動させることが可能とされている。
シリンジ本体13、14は互いに等しい形状及び大きさに形成されている。具体的には、シリンジ本体13、14の内径は互いに等しく、かつ軸線方向の長さも互いに等しい。連結板17にて連結された状態でプランジャ15、16の先端面は軸線方向に互いに等しい位置にある。したがって、連結板17を介してプランジャ15、16を同一の力で押し込むことにより、ノズル部13a、14aから同量の液体を吐出させることが可能である。なお、連結板17の操作のために、レバーその他の操作部材に対するユーザの操作を連結板17の往復操作に変換する操作機構が設けられてよい。例えば、ガングリップ型の持ち手に対してトリガーレバー状の操作部材を配置し、その操作部材をユーザが指で操作することにより連結板17が押し込まれるような操作機構が設けられてよい。
ホルダ5は、シリンジ本体13、14の少なくとも先端部の外周が嵌め合わされることにより、シリンジ3、4を互いに平行にかつ軸線方向に同一の位置に並ぶようにして保持するように構成されている。シリンジ3、4のノズル部13a、14aはホルダ5の内部に挿入される。ホルダ5の先端部(図1において左端側)は小径に絞り込まれ、その先端部に挿入管6が同軸的に嵌め合わされている。挿入管6は、患者の体内に挿入可能な小径でかつ外径及び内径D0(図2及び図3参照)が一定の円筒状の部材として形成されている。挿入管6は生体への挿入範囲において第1及び第2の供給チューブ7、8を覆うように設けられている。
供給チューブ7、8は、挿入管6の内部に沿って軸線方向に延ばされている。第1の供給チューブ7の先端部は第1の吐出管11の接続部11aと接続され、他端部は第1のシリンジ3のノズル部13aと接続されている。一方、第2の供給チューブ8の先端部は第2の吐出管12の接続部12aと接続され、他端部は第2のシリンジ4のノズル部14aと接続されている。したがって、第1のシリンジ3から吐出された液体は第1の供給チューブ7及び第1の吐出管11を介して第1吐出口2Aに導かれ、第2のシリンジ4から吐出された液体は第2の供給チューブ8及び第2の吐出管12を介して第2の吐出口2Bに導かれる。
以上の吐出器1において、シリンジ本体13、14のそれぞれに収納される液体の粘度は互いに相違していることが少なくない。仮に、供給チューブ7、8の内径が互いに等しいとすれば、第1の供給チューブ7を液体が通過する際の圧力損失と、第2の供給チューブ8を液体が通過する際の圧力損失に差が生じ、その差が看過できないほど大きい場合には、シリンジ3、4のプランジャ15、16が互いに等しい力で等しい距離だけ押し込まれたとしても、吐出口2A、2Bからの液体の吐出量に無視し得ない差が生じるおそれがある。また、連結板17を通じてプランジャ15、16をほぼ等しい力で押したとしても、圧力損失差が大きい場合には、プランジャ15、16を押す際の負荷も拡大し、連結板17が変形し、あるいは連結板17とプランジャ15、16のそれぞれとの接合部分に歪みが生じ、プランジャ15、16の移動距離に差が生じるおそれがある。そこで、図3にも示すように、吐出器1では、挿入管6の少なくとも一部の区間において、供給チューブ7、8の内径が差別化されている。一例として、第1の供給チューブ7は、第1のシリンジ3のノズル部13aと接続される後端部から、第1の吐出管11の接続部11aと接続される先端部まで内径D1が一定となるように構成されている。一方、第2の供給チューブ8は、第2のシリンジ4のノズル部14aと接続される後端部、及び第2の吐出管12の接続部12aと接続される先端部を除き、長さ方向のほぼ全長に亘って第1の供給チューブ7の内径D1よりも大きな内径D2の拡大部8aが存在するように構成されている。
第1の供給チューブ7及び第2の供給チューブ8の肉厚はそれぞれの全長に亘ってほぼ一定である。したがって、第1の供給チューブ7の外径は全長に亘って一定である。また、第2の供給チューブ8の拡大部8aの外径もその拡大部8aの全長に亘って一定である。さらに、第1の供給チューブ7の外径と第2の供給チューブ8の拡大部8aの外径との合計値は、挿入管6の内径D0と同一か、又は供給チューブ7、8を配置するに適した程度の僅かな余裕が生じる程度に小さく設定されている。
以上の構成によれば、第2の供給チューブ8に拡大部8aが設けられているため、液体が供給チューブ7、8を通過する際の圧力損失に差を生じさせ、それにより液体の粘度差に起因する吐出量の相違、あるいはばらつきを抑えることができる。すなわち、同一粘度の液体を供給チューブ7、8に供給した場合、内径が大きい拡大部8aで圧力損失が減少することから、第1の供給チューブ7の圧力損失が第2の供給チューブ8の圧力損失よりも高くなる。一方、圧力損失は液体の粘度の影響を受け、供給チューブ7、8の内径が互いに等しい場合には、粘度が高い液体ほど圧力損失が大きくなる。したがって、生体接着材を構成する二種類の液体のうち、粘度が相対的に低い液体を第1のシリンジ3に、粘度が相対的に高い液体を第2のシリンジ4にそれぞれ収納し、プランジャ15、16を互いに等しい距離押し込んだ場合、内径の差に基づく圧力損失の差と、液体の粘度に基づく圧力損失の差とが操作されて圧力損失の差が抑制される。そのため、吐出口2A、2Bのそれぞれからの液体の吐出量のばらつきを抑え、概ね等しい量の液体を吐出口2A、2Bから安定的に吐出させることができる。したがって、シリンジ3、4に収納すべき液体の粘度差に関する制限を緩和することが可能である。なお、一対のシリンジ本体13、14のそれぞれに収納された液体が同一粘度でかつ供給チューブ7、8に拡大部8aが設けられている場合においては、連結板17を通じてプランジャ15、16をほぼ等しい力で押したときに連結板17とプランジャ15、16のそれぞれとの接合部分に生じる歪みが、プランジャ15、16がほぼ等しい距離に亘って移動する範囲に収まれば、吐出量のばらつきを抑えることができる。したがって、連結板17の強度等を適宜に設計することにより、供給チューブ7の内径D1より大きな内径D2の拡大部8aを設けて合計断面積を拡大することができる。
また、供給チューブ7、8の内径を差別化したことにより、挿入管6の外径が一定範囲内に制限された状態にて供給チューブ7、8のそれぞれの内部流路の断面積の合計値を増加させることができる。すなわち、挿入管6の外径及び供給チューブ7、8の外径の合計値は挿入管6の内径D0以下に制限され、供給チューブ7、8のそれぞれの内部流路の断面積の合計値(以下、合計断面積と呼ぶ。)は各供給チューブ7、8の内径D1、D2、言い換えれば供給チューブ7、8のそれぞれの外径及び肉厚によって変化する。挿入管6の内径D0が一定値に固定されている場合、仮に、供給チューブ7、8が同一で、内径D1、D2が相互に等しいときに合計断面積は最小となり、内径D1、D2の差が大きいほど合計断面積は増加する。上記の吐出器1では、第2の供給チューブ8に拡大部8aが設けられているため、供給チューブ7、8が同一の場合と比較して合計断面積が増加する。それにより、挿入管6の外径、内径が制限されても、合計断面積を増加させて液体の流量確保、あるいは流量増加を図ることができる。
上記の吐出器1において、挿入管6、供給チューブ7、8の材質は適宜に設定されてよい。一例として、挿入管6、供給チューブ7、8のそれぞれは樹脂にて形成されてよい。例えば、挿入管6の材質には、ポリカーボネート(PC)、ポリ塩化ビニル(PVC、ただし可塑剤が添加されたものを含む。)、ABS、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、あるいは、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンといった各種の樹脂材料を用いることができる。これらの樹脂素材は金属材料と比較して摩擦係数が小さく、かつ柔軟性を有しているので、生体に対して挿入又は抜去し、あるいは生体内で回転させ、あるいは移動させる際の操作性に優れている。また、挿入管6を樹脂にて形成する場合には、金属製とする場合と比較して製造コストの低減に有利である。吐出器1が一回の使用で廃棄されるいわゆる使い捨ての吐出器として提供される場合には、樹脂製の挿入管6がもたらすコスト低減効果のメリットは大きい。
一方、挿入管6を樹脂製とした場合、剛性や強度を確保するために必要な挿入管6の肉厚は、挿入管6を金属製とした場合と比較して増加する傾向がある。挿入管6を患者の体内に挿入する際に、挿入対象の部位に穴を空けるといった負担が患者に生じることを考慮すれば、挿入管6の外径は小さいほど望ましい。このような事情から、挿入管6の外径は一般的に5mm以内、手術時の手技の都合を考慮しても最大で5.5m以内に制限することが望ましいとされている。挿入管6を樹脂製とした場合、外径をそのような制限範囲に設定すれば、金属製の挿入管と比較して肉厚が増加する影響で、挿入管6の内径D0が金属製挿入管よりも小さくなる。しかし、上記の通り、供給チューブ7、8の内径を差別化することにより両チューブを同一径とした場合と比較して合計断面積を増加させることができるため、樹脂製挿入管6の内径D0が金属製挿入管のそれよりも減少した場合でも、その減少を供給チューブ7、8の合計断面積の増加で補ない、それにより流量の確保を図ることが可能である。なお、上記では挿入管6を樹脂製とする場合を説明したが、本発明において、挿入管は金属製とされてもよい。供給チューブ7、8の材質については、一例として、ポリカーボネート(PC)、軟質ポリ塩化ビニル(可塑剤添加のPVC)、ABS、ポリエチレン(PE)、あるいはポリプロピレン(PP)等のポリオレフィンといった樹脂材料を使用することができる。
供給チューブ7、8の内径D1、D2は適宜に設定されてよいが、以下に一例を説明する。例えば、生体接着材を構成する二種類の液体の粘度差が1万倍であっても、所定量を安定して吐出できることを目標とする場合を説明する。内径0.4mm、長さ25cmの直管から粘度1mP・Sの液体を10秒で1mL吐出させたときの圧力損失の計算値は41.1kPa(309mmHg)、内径3.9mm、長さ25cmの直管から粘度10000mP・Sの液体を10秒で1mL吐出させたときの圧力損失の計算値は45.5kPa(342mmHg)である。したがって、前者の内径及び長さを第1の供給チューブ7に、後者の内径及び長さを第2の供給チューブ8の拡大部8aに適用すれば、両チューブ7、8を液体が通過する際の圧力損失をほぼ同一に維持することが可能である。それにより、単一の連結板17を押し込み操作するだけで、プランジャ15、16をほぼ同一の距離移動させて吐出口2A、2Bからほぼ同一量の液体を安定的に吐出させることができる。なお、液体の粘度差が上記例の1万倍未満であれば、内径D1、D2の差は上記例よりも小さく設定されてもよい。したがって、粘度差1万倍を一つの上限と考えれば、挿入管6の外径を5.5mm以下に制限した場合において、第1の供給チューブ7の内径D1を0.4mm以上、第2の供給チューブ8の内径D2を3.9mm以下として、それらの内径D1、D2に液体の粘度差に応じて差別化すればよい。挿入管6及びその内部に配置される供給チューブ7、8の長さは、挿入管6の生体内への挿入長さの最大値に応じて適宜に設定されてよい。
供給チューブ7、8の外径及び肉厚に関しては、例えば挿入管6の外径を上記の通り望ましくは5mm以下、最大でも5.5mm以下に制限することを前提とし、挿入管6の肉厚を0.25mm〜0.5mmと想定した場合において、供給チューブ7、8の外径の合計値を4.5mm以下とし、かつ第1の供給チューブ7の外径を0.5mm以上に、第2の供給チューブ8の外径を4.0mm以下にそれぞれ設定することができる。
本発明は上述した形態に限定されることなく、適宜の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。例えば、上記形態の吐出器1において、第1の吐出管11と第1の供給チューブ7とは必ずしも別部品として構成されて相互に嵌め合わされることを要しない。例えば、第1の供給チューブ7と第1の吐出管11とを一体に形成し、第1の供給チューブ7の先端部をヘッド本体10に挿入してその先端を第1の吐出口2Aとして機能させてもよい。第2の吐出管12と第2の供給チューブ8との関係も同様である。第2の供給チューブ8は、例えば第2のシリンジ4のノズル部14aから第2の吐出管12の接続部12aに至るまで一体に成形された単一構造のチューブであってもよいし、適宜の位置で繋ぎ合わされた組立構造のチューブであってもよし。例えば、拡大部8aを内径一定の樹脂製チューブにて構成し、そのチューブの両端部にノズル部14a及び接続部12aと接続するためのコネクタ、小径チューブ等を適宜繋ぎ合わせることにより、それらの組立体を第2の供給チューブ8として構成してもよい。
上記の形態では、第2の供給チューブ8の挿入管6内に挿入される範囲のほぼ全長を拡大部8aとして構成したが、拡大部8aは挿入管6内の少なくとも一部の区間に設けられていればよい。拡大部8aの範囲及び供給チューブ7、8の内径D1、D2の差は、シリンジ本体13、14に収納されるべき液体の粘度差の想定範囲に応じて適宜に設定されてよい。
上記の形態では、ノズルヘッド2のヘッド本体10と挿入管6の先端部内周とをほぼ隙間なく嵌め合わせているが、例えば図4及び図5に示すように、ヘッド本体10の外周と挿入管6の内周との間に隙間20を設けるとともに、ホルダ5側から挿入管6の内部に噴霧用のガス(例えば空気)を供給するようにしてもよい。この場合、ヘッド本体10の先端面10aを挿入管6の先端から幾らか後退させてもよい。また、ヘッド本体10の外周と挿入管6の内周との間には、ヘッド本体10を挿入管6と同軸的に保持するための支持部材21が適宜に配置されてもよい。この例によれば、図4に矢印で示したように、挿入管6を介してノズルヘッド2の先端面10a側にガスを送り込むことにより、吐出口2A、2Bから吐出される液体の噴霧を生成して生体内の対象箇所に供給することができる。
上記の形態では、二液性の生体接着材に適合された吐出器1を説明したが、三種類以上の液体を混合する生体接着材が利用される場合であっても、粘度が異なる二種類の液体のそれぞれを導く供給チューブ間にて内径を差別化することにより本発明を適用することが可能である。
1 生体接着材吐出器
2 ノズルヘッド
2A 第1の吐出口
2B 第2の吐出口
3 第1のシリンジ(第1の収納容器)
4 第2のシリンジ(第2の収納容器)
6 挿入管
7 第1の供給チューブ
8 第2の供給チューブ
8a 拡大部
13、14 シリンジ本体(容器本体)
15、16 プランジャ
17 連結板(連結部材)

Claims (5)

  1. 第1及び第2の吐出口を有するノズルヘッドと、
    前記第1及び第2の吐出口のそれぞれから吐出されるべき生体接着材の二種類の液体をそれぞれ収納する第1及び第2の収納容器と、
    前記第1及び第2の収納容器のそれぞれの液体を前記第1及び第2の吐出口に向かって導くように設けられた第1及び第2の供給チューブと、
    前記ノズルヘッドから前記第1及び第2の収納容器に向かって前記第1及び第2の供給チューブを覆いつつ延びるように設けられ、かつ生体内に挿入可能な挿入管とを備え、
    前記挿入管内の少なくとも一部の区間では、前記第1の供給チューブの内径と前記第2の供給チューブの内径とが互いに異なり、
    前記第1及び第2の吐出口の内径は互いに等しい、生体接着材吐出器。
  2. 前記挿入管が樹脂製である請求項1に記載の生体接着材吐出器。
  3. 前記第1及び第2の収納容器のそれぞれは、容器本体内に収納された液体をプランジャの押し込み操作によって容器本体のノズル部から前記第1及び前記第2の供給チューブに吐出するように構成され、
    前記第1及び前記第2の収納容器のそれぞれの容器本体が互いに等しい形状及び大きさであり、
    前記第1及び第2の収納容器のそれぞれのプランジャは、一体に押し込み操作できるように連結部材にて相互に連結されている請求項1又は2に記載の生体接着材吐出器。
  4. 前記挿入管の外径が5.5mm以下に設定され、前記第1の供給チューブの内径が0.4mm以上に、前記第2の供給チューブの内径が3.9mm以下にそれぞれ設定されている請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体接着材吐出器。
  5. 前記第1の供給チューブの外径が0.5mm以上に、前記第2の供給チューブの外径が4.0mm以下にそれぞれ設定され、前記第1及び第2の供給チューブのそれぞれの外径の合計値が4.5mm以下に設定されている請求項4に記載の生体接着材吐出器。
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