JP6908977B2 - 医療情報処理システム、医療情報処理装置及び医療情報処理方法 - Google Patents

医療情報処理システム、医療情報処理装置及び医療情報処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、医療情報を処理するためのシステム、装置及び方法に関し、特に医療用人工知能に関するものである。
近年、人工知能技術の進歩は著しく、様々な分野への応用が進められている。医療分野への応用は、意思決定支援、データ分析、データマイニング、トランザクション(電子カルテシステム、オーダリングシステム、医事会計システム等)、画像処理、画像解析、ロボット、遺伝子解析など、広範囲にわたる。
特開2007−195994号公報
実際の医療現場において人工知能技術を有効に利用するには、推論やデータマイニング等の確度や精度を担保するために、医療や医学や生体に関する大量の知識(医療知識)を人工知能に学習させる必要がある。また、このような学習を継続的、反復的に行って、人工知能が利用する知識ベースをアップデートし続ける必要もある。大量の知識を用いた学習を継続的、反復的に行うには、処理の効率化が重要である。
このような医療用人工知能の学習を困難にする要因の一つに、学習データ(訓練データ)として用いられる医療情報の形式の多様性がある。例えば、医療情報の典型的な形式として、電子カルテ情報や専門書や学術論文等に含まれる文字列情報、医用画像やシェーマ等の画像情報、リストやマップやグラフ等の数学的・統計的情報などがある。このような多様な情報をそれぞれコンピュータが理解可能な情報に変換しなければならない。しかし、従来の技術においては、様々な形式の医療情報による人工知能の学習を効率的に行うことは困難であった。
本発明の目的は、多様な形式の医療情報を用いた人工知能の学習を効率的に行うことにある。
例示的な実施形態に係る医療情報処理システムの一つの態様は、1以上の医療用人工知能システムと、前記1以上の医療用人工知能システムのそれぞれと通信可能な情報処理装置とを含み、前記情報処理装置は、患者の医療情報が蓄積された医療情報データベースから医療情報を受け付ける受付部と、前記受付部により受け付けられた前記医療情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化する符号化部と、前記符号化部により得られたコードを含むデータセットを作成する作成部と、前記作成部により作成された前記データセットを前記1以上の医療用人工知能システムのいずれかに送信する送信部とを含み、前記1以上の医療用人工知能システムのそれぞれは、前記情報処理装置から送信された前記データセットを受信する受信部と、前記受信部により受信された前記データセットが格納されるデータベースと、前記データベースに基づいて処理を実行する人工知能エンジンとを含み、前記受付部により受け付けられた前記医療情報に文字列情報及び画像情報以外の所定の形式の情報が含まれている場合、前記符号化部は、前記所定の形式の情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、前記所定の形式の情報は、病変の分布を表すマップを含み、前記符号化部は、前記マップを解析することによって前記病変の位置、サイズ、及び形状のいずれか1つ以上の情報を特定し、特定された前記情報に基づいて疑い病名の推定を実行し、前記疑い病名の推定により得られた情報を符号化することを特徴とする。
例示的な実施形態に係る医療情報処理装置の一つの態様は、1以上の医療用人工知能システムのそれぞれと通信可能であって、患者の医療情報が蓄積された医療情報データベースから医療情報を受け付ける受付部と、前記受付部により受け付けられた前記医療情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化する符号化部と、前記符号化部により得られたコードを含むデータセットを作成する作成部と、前記作成部により作成された前記データセットを前記1以上の医療用人工知能システムのいずれかに送信する送信部とを含み、前記受付部により受け付けられた前記医療情報に文字列情報及び画像情報以外の所定の形式の情報が含まれている場合、前記符号化部は、前記所定の形式の情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、前記所定の形式の情報は、病変の分布を表すマップを含み、前記符号化部は、前記マップを解析することによって前記病変の位置、サイズ、及び形状のいずれか1つ以上の情報を特定し、特定された前記情報に基づいて疑い病名の推定を実行し、前記疑い病名の推定により得られた情報を符号化することを特徴とする。
例示的な実施形態に係る医療情報処理方法の一つの態様は、1以上の医療用人工知能システムと、前記1以上の医療用人工知能システムのそれぞれと通信可能な情報処理装置とを用いて医療情報を処理する方法であって、前記情報処理装置が、患者の医療情報が蓄積された医療情報データベースから医療情報を受け付け、受け付けられた前記医療情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、前記符号化により得られたコードを含むデータセットを作成し、作成された前記データセットを前記1以上の医療用人工知能システムのいずれかに送信し、前記1以上の医療用人工知能システムのいずれかが、前記情報処理装置から送信された前記データセットを受信し、受信された前記データセットをデータベースに格納し、人工知能エンジンを用いて前記データベースに基づく処理を実行し、受け付けられた前記医療情報に文字列情報及び画像情報以外の所定の形式の情報が含まれている場合、前記情報処理装置が、前記所定の形式の情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、前記所定の形式の情報は、病変の分布を表すマップを含み、前記情報処理装置は、前記マップを解析することによって前記病変の位置、サイズ、及び形状のいずれか1つ以上の情報を特定し、特定された前記情報に基づいて疑い病名の推定を実行し、前記疑い病名の推定により得られた情報を符号化することを特徴とする。
例示的な実施形態に係る医療情報処理方法の他の態様は、1以上の医療用人工知能システムのそれぞれと通信可能な情報処理装置を用いて医療情報を処理する方法であって、前記情報処理装置が、患者の医療情報が蓄積された医療情報データベースから医療情報を受け付け、受け付けられた前記医療情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、前記符号化により得られたコードを含むデータセットを作成し、作成された前記データセットを前記1以上の医療用人工知能システムのいずれかに送信し、受け付けられた前記医療情報に文字列情報及び画像情報以外の所定の形式の情報が含まれている場合、前記情報処理装置が、前記所定の形式の情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、前記所定の形式の情報は、病変の分布を表すマップを含み、前記情報処理装置は、前記マップを解析することによって前記病変の位置、サイズ、及び形状のいずれか1つ以上の情報を特定し、特定された前記情報に基づいて疑い病名の推定を実行し、前記疑い病名の推定により得られた情報を符号化することを特徴とする。
例示的な実施形態によれば、多様な形式の医療情報を用いた人工知能の学習を効率的に行うことができる。
例示的な医療情報処理方法を表すフローチャートである。 例示的な医療情報処理システムの構成を表す概略図である。 例示的な医療情報処理システムの構成を表す概略図である。 例示的な医療情報処理システムの構成を表す概略図である。 例示的な医療情報処理システムの構成を表す概略図である。
本発明の例示的な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。例示的な医療情報処理方法は、例示的な医療情報処理システム又は医療情報処理装置によって実現することができる。例示的な医療情報処理システムには、1以上の(医療用)人工知能システムと、人工知能システムそれぞれと通信可能な情報処理装置(医療情報処理装置)とが含まれる。
医療用人工知能システムは、例えば、医療機関、研究機関等に設置され、医師や研究者により利用される。他の典型的な医療用人工知能システムは、複数の医療機関や研究機関からアクセス可能なサーバやデータベースを含んでもよい。医療用人工知能システムは、グリッドコンピューティングやクラウドコンピューティングや並列コンピューティングや分散コンピューティング等の各種コンピューティング技術を利用して構築されてもよい。
医療用人工知能システムは、専門書や論文等の周知情報、医療機関等にて収集された医療情報などが格納されたデータベースに基づいてデータマイニング、推論、統計処理、機械学習等を実行して知識を獲得し、獲得された知識をデータベースに格納する。データベースの更新と、データマイニング等の処理とを繰り返し実行することにより、医療用人工知能システムの処理の確度や精度が向上していく。
なお、知識とは、例えば、認識及び明示的表現が可能な情報を含み、経験的知識(経験や学習により獲得した知識)及び理論的知識(専門的情報の理論的背景知識や体系)の少なくとも一方を含む。典型的な知識として、事実、ルール、法則、判断基準、常識、ノウハウ、辞書、コーパスなどがある。また、知識には、人工知能エンジンが実行する処理に関する情報が含まれてもよい。例えば、知識は、ニューラルネットワークにおける重みパラメータやバイアスパラメータを含んでいてよい。実施形態では、医療的、医学的な知識(医療知識)が考慮される。
医療用人工知能システムは、典型的には、1以上のコンピュータ(人工知能エンジンを含む)と、1以上の記憶装置(データベースの少なくとも一部を構成する)とを少なくとも含む。
情報処理装置は、医療用人工知能システムと通信可能に構築される。情報処理装置は、典型的には、1以上のコンピュータ(人工知能エンジンを含んでもよい)を少なくとも含む。情報処理装置は、グリッドコンピューティングやクラウドコンピューティングや並列コンピューティングや分散コンピューティング等の各種コンピューティング技術を利用して構築されてもよい。
医療用人工知能システムと情報処理装置との間の通信形態は任意である。例えば、医療用人工知能システムと情報処理装置との間の通信形態は、有線通信及び/又は無線通信を含んでよく、専用回線及び/又は公衆回線を含んでよく、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、近距離通信及びインターネットのうちの少なくとも1つを含んでよい。
実施形態に含まれるコンピュータ(医療用人工知能システム、情報処理装置)を実現するためのハードウェア及びソフトウェア、並びに、医療情報処理システム、装置及び方法を実現するためのハードウェア及びソフトウェアは、以下に例示する構成には限定されず、その実現に寄与する任意のハードウェアと任意のソフトウェアとの組み合わせを含んでいてよい。
医療用人工知能システムは、人工知能エンジンとして機能するハードウェア及びソフトウェアと、人工知能エンジンにより利用可能なデータベースとして機能するハードウェア及びソフトウェアとを含む。人工知能エンジンは、例えば、人工知能技術を利用して構築されたシステム、コグニティブコンピューティング技術を利用して構築されたシステムなどを含む。
情報処理装置は、所定の機能(後述の符号化機能、データセット作成機能等)を実現するためのハードウェア及びソフトウェアを含む。情報処理装置が人工知能エンジンを含む場合、情報処理装置は、医療用人工知能システムと同様に、人工知能エンジンとして機能するハードウェア及びソフトウェアと、人工知能エンジンにより利用可能なデータベースとして機能するハードウェア及びソフトウェアとを含む。
〈医療情報処理方法の例〉
典型的な医療情報処理方法に係る処理は、コンピュータによって実行される。このコンピュータは、人工知能エンジンを含んでいてもよい。コンピュータは、1以上のプロセッサを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array))等の回路を含む。プロセッサは、例えば、記憶装置(記憶回路)に格納されているプログラムを読み出して実行することにより所望の機能を実現する。
プロセッサは、記憶装置及び出力装置を制御することができる。記憶装置は、コンピュータの内部に含まれてもよいし、コンピュータの外部に設けられてもよい。出力装置についても同様である。出力装置は、情報を出力する装置であり、その典型例として、表示装置、通信機器、印刷装置、音声出力装置、データライタなどがある。
例示的な実施形態を含む医療情報処理方法の例を図1に示す。なお、図1に示す処理は例示に過ぎず、その1以上のステップは任意的である。つまり、実施形態に係る医療情報処理方法は、図1に示す全てのステップを含む必要はなく、それらのうちの一部のみを含んでもよい。
図1に示す処理の準備として、例えば、次のような手続きや処理が行われる。医療情報処理システムの管理者等は、患者の医療情報(電子カルテ情報、医用画像、検査データ、遺伝子データ等)や医療知識の提供を受ける契約を、医療機関や研究機関と締結する。
契約には、提供を受ける医療情報の種別などの条件が含まれていてよい。契約条件の典型的な例として、特定の診療科で収集された医療情報の提供を受けること、特定の疾患に関する医療情報の提供を受けること、特定の医師や研究者から医療情報の提供を受けることなどがある。
(S1:医療情報を受け付ける)
情報処理装置は、医療機関等から医療情報を受け付ける。情報処理装置は、医療機関等から送信された医療情報を受信する通信機器を含んでよい。また、情報処理装置は、記録媒体に記録された医療情報を読み取るデータリーダを含んでもよい。
(S2:個人情報を加工する)
情報処理装置は、医療情報に含まれる所定項目の情報を加工することができる。所定項目の情報は、例えば、患者の個人情報(氏名、住所、患者ID、保険証番号等)を含む。個人情報等の典型的な加工方法として、削除、暗号化、抽象化などがある。抽象化の例として、患者の実年齢を年齢区分に変換することができる(例:「35歳」を「30歳代」に変換する;「35歳」を一の位で四捨五入して「40歳」に変換する)。
(S3:符号化を開始する)
情報処理装置は、個人情報が加工された医療情報の符号化を開始する。様々な医療情報を適切に符号化するために、情報処理装置は、医療情報の形式や属性を判別できるように構成されてよい。
医療情報には、電子カルテ情報、医用画像、検査データ、遺伝子データ等、様々な情報が含まれている。情報処理装置は、医療情報の形式を判別することができる。医療情報の形式の典型的な例として、電子カルテ等に含まれる文字列情報(自然言語情報を含む)、医用画像やシェーマ等の画像情報、リストやマップやグラフ等の数学的・統計的情報などがある。
医療情報の形式の判別は、医療情報のフォーマットに基づき行うことができる。例えば、電子カルテのテンプレートには複数の記載欄が所定のレイアウトで配置されている。なお、電子カルテのフォーマットの標準化も進められている。典型的な例において、複数の記載欄のそれぞれの識別情報(位置等でもよい)に対し、その記載欄に記載される情報の形式が対応付けられた対応情報が予め作成され、情報処理装置に格納される。情報の形式としては、例えば、文字列情報、画像情報、数学的・統計的情報などがある。
情報処理部は、例えば、電子カルテの記載欄それぞれに記載された情報を抽出し、その記載欄に対応付けられた形式を対応情報から取得し、抽出された情報と取得された形式とを関連付けて記憶することができる。
他の例を説明する。医療情報は、その種類(形式)に応じたフォーマットを有する。例えば、電子カルテ情報は、所定のフォーマットのファイルとして作成される。また、医用画像に関する処理には、所定のフォーマット及び通信プロトコルが用いられる。その典型的な例としてDigital Imaging and COmmunications in Medicine(DICOM)がある。情報処理装置は、医療情報のファイル名などを参照することにより、当該医療情報の形式を特定することや、その準備処理を行うことができる。
情報処理装置は、医療情報の属性を判別することができる。医療情報の属性の典型的な例として、病名(確定診断名、疑い病名等)、人種、年齢層、性別、身体サイズ、病変の特徴、検査データの特徴、遺伝子的特徴などがある。医療情報の属性の判別は、医療情報に含まれる特定の情報に基づき行うことができる。
例えば、電子カルテに記載された診断名から確定診断された病名を特定することや、主訴や検査データや画像情報から疑い病名を特定することができる。また、電子カルテに記載された患者情報から、人種、年齢層、性別等を特定することができる。また、電子カルテに記載された身体検査データから、身長、体重、肥満度等の身体サイズを特定することができる。また、医用画像から病変の位置や形状やサイズを特定することができる。また、DICOM形式の医用画像について、DICOMファイル内のタグ情報に記録された各種の情報を取得することができる。また、検査データや遺伝子データから、その特徴を特定することができる。これらの処理には、例えば人工知能エンジンによる推論処理等が適用される。
(S4:自然言語情報が含まれるか?)
医療情報から文字列情報(特に自然言語情報)が抽出された場合(S4:Yes)、処理はステップS5に進む。また、医療情報から画像情報が抽出され、且つ、光学文字認識(OCR)によりこの画像情報から文字列情報(特に自然言語情報)が抽出された場合(S4:Yes)、処理はステップS5に進む。一般に、医療情報から直接的又は間接的に文字列情報(特に自然言語情報)が抽出された場合(S4:Yes)、処理はステップS5に進む。
これに対し、医療情報から文字列情報(特に自然言語情報)が抽出されなかった場合や、画像情報から文字列情報(特に自然言語情報)が抽出されなかった場合(S4:No)、処理はステップS6に進む。一般に、医療情報から直接的にも間接的にも文字列情報(特に自然言語情報)が抽出されなかった場合(S4:No)、処理はステップS6に進む。
(S5:自然言語処理・符号化)
ステップS4で文字列情報が抽出された場合(S4:Yes)、情報処理装置は、例えば、抽出された文字列情報に所定の前処理を施した後、この文字列情報を符号化する。文字列情報に自然言語情報が含まれている場合、前処理として、情報処理装置(例えば人工知能エンジン)は、この自然言語情報に対して所定の自然言語処理を適用することができる。
自然言語処理には、形態素解析、構文解析、文脈解析、意味理解、語義の曖昧性解消、照応解析、潜在意味解析など、任意の公知技術を用いることができる。また、自然言語処理の応用技術を自然言語情報に適用することも可能である。例えば、自動要約生成、情報抽出、情報検索、概念検索、機械翻訳、固有表現抽出、自然言語生成、校正、スペルチェックなどがある。このような自然言語処理及び/又はその応用技術に加え、データのクラスタリング、文書分類等を行うことも可能である。
情報処理装置(例えば人工知能エンジン)は、自然言語処理により取得された情報の少なくとも一部、及び/又は、当該情報を更に処理して得られた情報の少なくとも一部を符号化する。
符号化においては、医療に関する情報をコードに変換するための規則が参照される。この変換規則は、例えば、情報処理装置に予め格納されるか、又は、情報処理装置によりアクセス可能な記憶装置に格納される。変換規則は、例えば、傷病の名称に対してコードが対応付けられた規則、医療用語に対してコードが対応付けられた規則、薬剤名に対してコードが対応付けられた規則などがある。変換規則の典型的な例として、国際疾病分類ICD−10、国際医療用語集SNOMED−CT、解剖治療化学分類ATCなどがある。また、このような国際的な変換規則から派生した規則(ICD−10−CM等)を適用することもできる。
本例に適用可能な変換規則は、上記のような公的な変換規則には限定されない。例えば、情報システム(電子カルテシステム、画像アーカイビングシステム、検査システム、遺伝子解析システム等)に使用されているフォーマットやプロトコルにおけるメーカー間の相違、サービス提供者の間の相違、システム種別の間の相違などを対応付けた変換規則を用いることができる。その典型的な例として、A社の電子カルテシステムにおけるターミノロジー、コード等と、B社の電子カルテシステムにおけるターミノロジー、コード等との対応関係を表す変換規則がある。
自然言語情報以外の文字列情報についても同様に符号化することができる。また、予め設けられた複数の選択肢からの選択によって入力された医療情報についても同様に符号化することができる。例えば、チェックボックスやプルダウンメニュー等により入力された医療情報を符号化することが可能である。
(S6:画像情報が含まれるか?)
医療情報から画像情報が抽出された場合(S6:Yes)、処理はステップS7に進む。一方、医療情報から画像情報が抽出されなかった場合(S6:No)、処理はステップS8に進む。画像情報に対して、モダリティ名、機種名、撮影日、撮影部位等の情報が付帯又は関連付けされていてよい。
(S7:画像処理・符号化)
ステップS6で画像情報が抽出された場合(S6:Yes)、情報処理装置は、例えば、抽出された画像情報に所定の画像処理を施し、それにより得られた情報を符号化する。画像処理の少なくとも一部を人工知能エンジンにより実行することができる。
画像処理は、補正、変換、解析等の任意の処理を含んでよく、それらの任意の組み合わせを含んでよい。典型的な画像処理として、輝度補正、色補正、コントラスト補正、エッジ抽出、部位の特定・評価、部位の分布の特定・評価、病変の特定・評価、病変の分布の特定・評価、形態の特定・評価、サイズの算出・評価、機能情報の算出・評価、経過解析(時系列解析)、病名の推定(疑い病名の特定)などがある。また、画像処理は、静止画の解析及び動画の解析の少なくとも一方を含んでよい。
情報処理装置は、診療科名、画像種別、撮影部位、病名、検診項目、健診項目等の画像情報に関連する情報に基づいて、画像処理の種別を選択することができる。例えば、眼科における典型的な例では、「緑内障」患者の「眼底」の「光コヒーレンストモグラフィ(OCT)画像」に対し、セグメンテーション、乳頭3次元形状解析、網膜神経線維層(RNFL)厚解析等が選択される。また、「加齢黄斑変性症」患者の「眼底」の「OCT画像」に対し、網膜色素上皮(RPE)厚解析、セグメント解析(視細胞内接/外節(IS/OS)ライン、錐体外節先端(COST)、外顆粒層、外境界膜、脈絡膜)等が選択される。
情報処理装置(例えば人工知能エンジン)は、画像処理により取得された情報の少なくとも一部、及び/又は、当該情報を更に処理して得られた情報の少なくとも一部を符号化する。
この符号化においても、上記と同様の変換規則が参照される。例えば、画像解析の結果(例えば、RNFLの菲薄化)をコードに変換することができる。また、画像解析によって特定された疑い病名をコードに変換することができる。
(S8:他形式の情報の符号化)
文字列情報(特に自然言語情報)及び画像情報以外の形式の情報が医療情報に含まれている場合、情報処理装置(例えば人工知能エンジン)は、上記と同様の変換規則を参照して当該情報を符号化する。
例えば、病変等の分布を表すマップが医療情報に含まれている場合、情報処理装置は、このマップを解析することにより病変等の位置、サイズ、形状等を特定し、特定された情報に基づいて疑い病名の推定、特徴の抽出等を行い、それにより得られた情報をコードに変換することができる。他の例として、検査データの経時変化を表すグラフ、異なる検査日に取得された複数のマップ等の時系列情報が医療情報に含まれている場合、情報処理装置は、この時系列情報を解析することにより病変の変化(トレンド、変化率等)、疑い病名等を求め、それにより得られた情報をコードに変換することができる。
(S9:データセットを作成する)
情報処理装置は、ステップS8で取得されたコードを含むデータセットを作成する。このデータセットは、医療用人工知能システムの処理に供される。データセットが利用される処理の例として、機械学習、データマイニング、推定、自然言語処理、画像処理などがある。
前述した医療情報の属性に応じてデータセットを作成することができる。典型的な例として、収集された医療情報を属性毎に分類し、各分類のデータセットを作成することが可能である。例えば、収集された医療情報を「緑内障」に関連する情報(緑内障情報)と「加齢黄斑変性症」に関連する情報(AMD情報)とに分類し、緑内障情報に関連するコードを含む緑内障データセットと、AMD情報に関連するコードを含むAMDデータセットとを作成することができる。他の属性についても同様にして1以上のデータセットを作成することが可能である。
データセットは、コード以外の情報を含んでいてもよい。例えば、データセットは、医用画像、マップ、グラフ等を含んでもよい。また、データセットは、コードの生成に用いられた医療情報(例えば電子カルテ情報)の少なくとも一部を含んでもよい。
(S10:データセットを送信する)
情報処理装置は、ステップS9で作成された1以上のデータセットを1以上の医療用人工知能システムの少なくとも一部に向けて送信する。
(S11:データセットを受信する)
ステップS10においてデータセットの送信先となった医療用人工知能システムは、このデータセットを受信する。
(S12:データセットをデータベースに格納する)
医療用人工知能システムは、ステップS11で受信されたデータセットをデータベースに格納する。
このようなデータセットに加えて、データベースには、以下に例示するような情報が格納されてよい:医学的な知識、他の学問に関する知識、学問以外の領域に関する知識等の各種の知識を含む知識ベース;知識(特徴、関連、相関、傾向等)を獲得するための各種情報(各種の知識、機械学習のためのデータセット、データマイニングのためのデータセット、ビッグデータ等)。
(S13:学習・推論・データマイニング等を行う)
医療用人工知能システムの人工知能エンジンは、ステップS12でデータセットが格納されたデータベースに基づいて所定の処理を実行する。所定の処理の典型的な例として、機械学習、データマイニング、推定、自然言語処理、画像処理などがある。このような処理の結果を利用してデータベース及び/又は人工知能エンジンを更新することが可能である。以上で、本例の説明を終了する。
〈医療情報処理システム〉
上記した医療情報処理方法を実現するためのシステムについて説明する。例示的な医療情報処理システムの構成を図2、図3、図4及び図5に示す。
図2に示すように、例示的な医療情報処理システムは、人工知能(AI)システム10−1、10−2、・・・・、10−N(Nは1以上の整数)と、情報処理装置20とを含む。情報処理装置20は、実施形態に係る医用情報処理装置の典型的な例である。
医療用人工知能システム10−nには、人工知能エンジン11−nと、データベース(DB)12−nが含まれている(n=1〜N)。情報処理装置20には、プロセッサ21とデータベース20とが含まれている。
医療用人工知能システム10−1〜10−Nのそれぞれを符号「10」で示す(図3を参照)。医療用人工知能システム10は、例えば、医療機関内、研究施設内、ネットワーク上に設置される。人工知能エンジン11−1〜11−Nのそれぞれを符号「11」で示す(図3を参照)。データベース12−1〜12−Nのそれぞれを符号「12」で示す(図3を参照)。
情報処理装置20は、医療用人工知能システム10−1、10−2、・・・・、10−Nのそれぞれと通信可能である。通信は、通信回線40を通じて行われる。通信回線40は、複数の通信回線を含んでいてよい。例えば、通信回線40は、有線通信回線及び/又は無線通信回線を含んでよく、専用回線及び/又は公衆回線を含んでよく、LAN回線、WAN回線、近距離通信回線及びインターネット回線のうちの少なくとも1つを含んでよい。
情報処理装置20は、通信回線40を通じて、医療情報データベース50−1、50−2、・・・、50−M(Mは1以上の整数)のそれぞれと通信可能である。医療情報データベース50−mは、例えば医療機関や研究機関に設置され、各種の医療情報(患者の医療情報、研究データ等)を蓄積している。医療情報データベース50−m(m=1〜M)のそれぞれは、情報処理装置20からの要求に応じ、又は定期的に若しくは不定期的に、情報処理装置20に医療情報を送信する。
〈医療用人工知能システム10〉
例示的な医療用人工知能システム10の構成を図3に示す。医療用人工知能システム10には、人工知能エンジン11及びデータベース12に加え、通信部13、ユーザインターフェイス(UI)14、及び制御部15が設けられている。
データベース12には、医療知識及びそれを獲得するためのデータの少なくともいずれかが格納されている。特に、データベース12は、情報処理装置20により作成されたデータセットが格納される。人工知能エンジン11は、データベース12に基づいて新たな医療知識を獲得するための処理(機械学習、データマイニング等)を実行することができる。人工知能エンジン11により取得された新たな医療知識は、例えば制御部15によりデータベース12に格納される。また、人工知能エンジン11は、推論、自然言語処理、画像処理等、人工知能技術又はその応用技術により実行可能な任意の処理を行うことができる。
通信部13は、通信回線40を通じて他のシステムや他の装置にデータを送信する処理と、他のシステムや他の装置からデータを受信する処理とを行う。通信部13は、通信回線40の通信方式に応じた公知の通信機器を含む。
本例において、通信回線40は、医療機関内に設置されたLAN回線41と、外部回線42とを含む。LAN回線41には、例えば、医師端末100、病院情報システム(HIS)、画像アーカイビングシステム、電子カルテシステム、オーダリングシステム、医事会計システムなど、各種のコンピュータや記憶装置が接続されている。LAN回線41には、外部回線42が接続されている。外部回線42は、例えば、インターネット回線、専用回線などを含む。
ユーザインターフェイス14には、表示デバイスと操作デバイスとが含まれる。操作デバイスは、例えば、マウス、キーボード、トラックパッド、ボタン、キー、ジョイスティック、操作パネル等のいずれかを含む。ユーザインターフェイス14は、タッチパネル等を含んでもよい。ユーザインターフェイス14は、医師等のユーザによって使用可能なコンピュータ(コンピュータ端末、携帯端末等)であってもよい。
制御部15は各種の制御を実行する。制御部15は、医療用人工知能システム10の各要素の制御や、2以上の要素の連係的制御を実行する。例えば、制御部15は、通信部13を制御することにより、情報処理装置20、医師端末100等に向けて情報を送信させる。
制御部15は、医療用人工知能システム10の外部の装置の制御を行うことができる。例えば、ユーザインターフェイス14が外部コンピュータである場合、制御部15はその制御を行うことができる。制御部15は、各種制御を行うためのプログラムと、それに基づき動作するプロセッサとを含む。
〈情報処理装置20〉
例示的な情報処理装置20の構成を図4に示す。情報処理装置20には、プロセッサ21に含まれる人工知能エンジン21a、個人情報加工部21b及び制御部21cと、データベース22と、通信部23とが設けられている。
データベース22には、医療情報データベース50−mから受け付けた医療情報や、人工知能エンジン21a又は他の装置により獲得された医療知識などが格納される。データベース22に格納される医療情報は、医療用人工知能システム10から送信された医療知識や医療情報を含んでよい。
個人情報加工部21bは、医療情報に含まれる個人情報を加工する。例えば、個人情報加工部21bは、電子カルテ情報、医用画像、医用画像の付帯情報、パーソナルヘルスレコード等に含まれる個人情報を検索し、検索された個人情報を加工(削除、暗号化、抽象化等)する。個人情報加工部21bは、例えば個人情報を検索するプログラム、情報を加工するプログラム、これらプログラムに基づき動作するプロセッサなどを含む。
制御部21cは各種の制御を実行する。制御部21cは、情報処理装置20の各要素の制御や、2以上の要素の連係的制御を実行する。例えば、制御部21cは、通信部23を制御することにより、医療用人工知能システム10、医療情報データベース50−m等に向けて情報を送信させる。
制御部21cは、情報処理装置20の外部の装置の制御を行うことができる。例えば、情報処理装置20のメンテナンス等を行うためのコンピュータが設けられている場合、制御部21cはその制御を行うことができる。制御部21cは、各種制御を行うためのプログラムと、それに基づき動作するプロセッサとを含む。
通信部23は、通信回線40を通じて他のシステムや他の装置にデータを送信する処理と、他のシステムや他の装置からデータを受信する処理とを行う。例えば、通信部23は、医療情報データベース50−mから医療情報を受け付ける受付部として機能する。また、通信部23は、医療用人工知能システム10にデータセットを送信する送信部として機能する。通信部23は、通信回線40の通信方式に応じた公知の通信機器を含む。
本例において、通信回線40は、通信回線43と外部回線44とを含む。通信回線43は、例えば、LAN回線を含む。通信回線43には、インターネット回線、専用回線などを含む外部回線44が接続されている。
人工知能エンジン21a(プロセッサ21)の構成の例を図5に示す。人工知能エンジン21aには、形式判別部211、自然言語処理部212、画像処理部213、符号化処理部214、属性判別部215、及びデータセット作成部216が設けられている。
形式判別部211は、医療情報の形式を判別する。前述したように、医療情報の形式の判別は、例えば、医療情報のフォーマットに基づいて、又は、医療情報のファイル名などを参照することによって実行することができる。形式判別部211は、例えば、自然言語情報(文字列情報)、画像情報などを判別する。自然言語情報は、自然言語処理部212に送られる。画像情報は、画像処理部213に送られる。
自然言語処理部212は、医療情報に含まれる自然言語情報を処理する。前述したように、自然言語処理部212は、形態素解析、構文解析、文脈解析、意味理解、語義の曖昧性解消、照応解析、潜在意味解析、自動要約生成、情報抽出、情報検索、概念検索、機械翻訳、固有表現抽出、自然言語生成、校正、スペルチェック、クラスタリング、文書分類等を実行できる。
画像処理部213は、医療情報に含まれる画像情報を処理する。前述したように、画像処理部213は、輝度補正、色補正、コントラスト補正、エッジ抽出、部位の特定・評価、部位の分布の特定・評価、病変の特定・評価、病変の分布の特定・評価、形態の特定・評価、サイズの算出・評価、機能情報の算出・評価、経過解析(時系列解析)、病名の推定(疑い病名の特定)等を実行できる。画像処理部213は、画像情報に関連する情報(診療科名、画像種別、撮影部位、病名、検診項目、健診項目等)に基づいて、画像処理の種別を選択することができる。
医療情報に他形式の情報が含まれている場合、人工知能エンジン21aは、その形式に応じた所定の処理を実行することができる。例えば、前述したように、人工知能エンジン21aは、病変等の分布を表すマップ、検査データの経時変化を表すグラフ、異なる検査日に取得された複数のマップ等を処理することができる。
符号化処理部214は、自然言語処理部212により取得された情報、画像処理部213により取得された情報、他形式の情報などを符号化する。符号化処理部214は、変換規則を保持している。或いは、符号化処理部214は、変換規則が格納された記憶装置にアクセスすることができる。前述したように、変換規則は、例えば、国際疾病分類ICD−10、国際医療用語集SNOMED−CT、解剖治療化学分類ATC、派生規則(ICD−10−CM等)等のいずれかを含んでよい。また、メーカー間の相違、サービス提供者の間の相違、システム種別の間の相違などを対応付けた変換規則を用いることも可能である。
符号化処理部214は、自然言語処理部212により取得された情報の少なくとも一部、及び/又は、当該情報を更に処理して得られた情報の少なくとも一部を、変換規則に基づき符号化することができる。また、符号化処理部214は、画像処理部213により取得された情報の少なくとも一部、及び/又は、当該情報を更に処理して得られた情報の少なくとも一部を、変換規則に基づき符号化することができる。また、符号化処理部214は、自然言語情報以外の文字列情報の少なくとも一部、チェックボックスやプルダウンメニュー等により入力された情報の少なくとも一部、これら情報を処理して得られた情報の少なくとも一部などを、変換規則に基づき符号化することができる。
本例において、自然言語処理部212、画像処理部213及び符号化処理部214は、通信部23により受け付けられた医療情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化する符号化部の例として機能する。
属性判別部215は、医療情報の属性を判別する。前述したように、医療情報の属性の典型的な例として、病名、人種、年齢層、性別、身体サイズ、病変の特徴、検査データの特徴、遺伝子的特徴などがある。医療情報の属性の判別は、医療情報に含まれる特定の情報に基づき行うことができる。特定の情報は、例えば、診断名、主訴、検査データ、画像情報、患者情報、身体検査データ、DICOMファイルのタグ情報、遺伝子データ等を含んでよい。属性判別部215が実行する処理には、例えば推論処理等が含まれる。
データセット作成部216は、符号化処理部214により得られたコードを含むデータセットを作成する作成部の一例として機能する。データセット作成部216は、コード以外の情報を含むデータセットを作成してもよい。例えば、データセットは、符号化処理部214により得られた1以上のコードに加え、医用画像、マップ、グラフ、コードの生成に用いられた医療情報等を含んでよい。
属性判別部215により特定された属性に応じてデータセットを作成することもできる。例えば、データセット作成部216は、医療情報を属性毎に分類し、各分類のデータセットを作成することが可能である。それにより、前述のように、緑内障データセット、AMDデータセット等が作成される。
データセット作成部216により作成されたデータセットは、通信部23により医療用人工知能システム10のいずれかに送信される。送信先となる医療用人工知能システム10は、例えば、事前に設定される。典型的には、データセットの属性毎に送信先が決定される。また、医療機関や研究機関からの要求に応じてデータセットを送信することもできる。
医療用人工知能システム10は、通信部13によってデータセットを受信する。通信部13は、受信部の一例として機能する。制御部15は、受信されたデータセットをデータベース12に格納する。なお、データベース12には、情報処理装置20により作成されたデータセットに加えて、知識ベース、ビッグデータ等が格納される。人工知能エンジン11は、データベース12に基づいて、機械学習、データマイニング、推定、自然言語処理、画像処理等を実行する。制御部15は、人工知能エンジン11により得られた情報を利用して、人工知能エンジン11及び/又はデータベース12を更新することが可能である。人工知能エンジン11の更新の例として、ニューラルネットワークのパラメータの更新がある。データベース12の更新の例として、新たな知識の追加、新たな知識による上書きなどがある。
〈効果〉
以上に例示した実施形態によれば、既定の規則に基づ医療情報をコード化し、そのコードを含むデータセットを作成し、それを用いて人工知能エンジンの機械学習やデータマイニングを行うことができる。このように符号化を介して学習データセット等を作成することで、学習等の効率化を図ることができる。また、例えば、広範な情報を含む標準的な規則を用いる等の工夫を図ることにより、多様な形式の医療情報を処理することが可能となる。
例示的な実施形態において、属性(病名、人種、年齢層等)に応じたデータセットを作成することができる。例えば、符号化部(自然言語処理部212、画像処理部213、符号化処理部214等)は、医療情報の少なくとも一部を符号化して複数のコードを取得するよう構成される。更に、作成部(データセット作成部216)は、符号化部により取得された複数のコードから所定の属性に関連するコードを抽出し、抽出されたコードを含む当該属性に関連するデータセットを作成するよう構成される。
このような構成によれば、属性に応じてパッケージ化されたデータセットを医療用人工知能システムに提供することができるので、学習等の更なる効率化を図ることが可能となる。
例示的な実施形態において、符号化部は、自然言語処理や画像処理を実行することができる。それにより、自然言語を含む医療情報や画像情報を含む医療情報など、多様な形式の医療情報を処理することが可能となる。
例示的な実施形態において、情報処理装置は、医療情報に含まれる個人情報を加工した後に当該医療情報を符号化することができる。それにより、患者の個人情報を含まないデータセットを作成することが可能となり、個人情報の漏洩等を防止することが可能となる。なお、医療情報データベース(50−m)から情報処理装置に医療情報を送信する前に、個人情報を加工するようにしてもよい。
実施形態に係る医療情報処理方法に含まれる工程や、実施形態に係る医療情報処理システムに含まれる要素(構成、動作等)や、実施形態に係る医療情報処理装置に含まれる要素(構成、動作等)は、上記の例示に限定されるものではない。
以上に説明した実施形態は例示に過ぎない。本発明を実施しようとする者は、本発明の要旨の範囲内における変形(省略、置換、付加等)を任意に施すことが可能である。
10 医療用人工知能システム
11 人工知能エンジン
12 データベース
13 通信部
14 ユーザインターフェイス
15 制御部
20 情報処理装置
21a 人工知能エンジン
211 形式判別部
212 自然言語処理部
213 画像処理部
214 符号化処理部
215 属性判別部
216 データセット作成部
21b 個人情報加工部
21c 制御部
22 データベース
23 通信部
40 通信回線

Claims (9)

  1. 1以上の医療用人工知能システムと、
    前記1以上の医療用人工知能システムのそれぞれと通信可能な情報処理装置と
    を含み、
    前記情報処理装置は、
    患者の医療情報が蓄積された医療情報データベースから医療情報を受け付ける受付部と、
    前記受付部により受け付けられた前記医療情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化する符号化部と、
    前記符号化部により得られたコードを含むデータセットを作成する作成部と、
    前記作成部により作成された前記データセットを前記1以上の医療用人工知能システムのいずれかに送信する送信部と
    を含み、
    前記1以上の医療用人工知能システムのそれぞれは、
    前記情報処理装置から送信された前記データセットを受信する受信部と、
    前記受信部により受信された前記データセットが格納されるデータベースと、
    前記データベースに基づいて処理を実行する人工知能エンジンと
    を含み、
    前記受付部により受け付けられた前記医療情報に文字列情報及び画像情報以外の所定の形式の情報が含まれている場合、前記符号化部は、前記所定の形式の情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、
    前記所定の形式の情報は、病変の分布を表すマップを含み、
    前記符号化部は、前記マップを解析することによって前記病変の位置、サイズ、及び形状のいずれか1つ以上の情報を特定し、特定された前記情報に基づいて疑い病名の推定を実行し、前記疑い病名の推定により得られた情報を符号化する
    ことを特徴とする医療情報処理システム。
  2. 1以上の医療用人工知能システムと、
    前記1以上の医療用人工知能システムのそれぞれと通信可能な情報処理装置と
    を含み、
    前記情報処理装置は、
    患者の医療情報が蓄積された医療情報データベースから医療情報を受け付ける受付部と、
    前記受付部により受け付けられた前記医療情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化する符号化部と、
    前記符号化部により得られたコードを含むデータセットを作成する作成部と、
    前記作成部により作成された前記データセットを前記1以上の医療用人工知能システムのいずれかに送信する送信部と
    を含み、
    前記1以上の医療用人工知能システムのそれぞれは、
    前記情報処理装置から送信された前記データセットを受信する受信部と、
    前記受信部により受信された前記データセットが格納されるデータベースと、
    前記データベースに基づいて処理を実行する人工知能エンジンと
    を含み、
    前記受付部により受け付けられた前記医療情報に文字列情報及び画像情報以外の所定の形式の情報が含まれている場合、前記符号化部は、前記所定の形式の情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、
    前記所定の形式の情報は、病変の分布を表すマップを含み、
    前記符号化部は、前記マップを解析することによって前記病変の位置、サイズ、及び形状のいずれか1つ以上の情報を特定し、特定された前記情報に基づいて特徴抽出を実行し、前記特徴抽出により得られた情報を符号化する
    ことを特徴とする医療情報処理システム。
  3. 1以上の医療用人工知能システムと、
    前記1以上の医療用人工知能システムのそれぞれと通信可能な情報処理装置と
    を含み、
    前記情報処理装置は、
    患者の医療情報が蓄積された医療情報データベースから医療情報を受け付ける受付部と、
    前記受付部により受け付けられた前記医療情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化する符号化部と、
    前記符号化部により得られたコードを含むデータセットを作成する作成部と、
    前記作成部により作成された前記データセットを前記1以上の医療用人工知能システムのいずれかに送信する送信部と
    を含み、
    前記1以上の医療用人工知能システムのそれぞれは、
    前記情報処理装置から送信された前記データセットを受信する受信部と、
    前記受信部により受信された前記データセットが格納されるデータベースと、
    前記データベースに基づいて処理を実行する人工知能エンジンと
    を含み、
    前記受付部により受け付けられた前記医療情報に文字列情報及び画像情報以外の所定の形式の情報が含まれている場合、前記符号化部は、前記所定の形式の情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、
    前記所定の形式の情報は、所定の形式の時系列情報を含み、
    前記符号化部は、前記時系列情報を解析することによって得られた情報を符号化する
    ことを特徴とする医療情報処理システム。
  4. 前記時系列情報は、検査データの経時変化を表すグラフ、及び、異なる検査日に取得された複数のマップの少なくとも一方を含む
    ことを特徴とする請求項に記載の医療情報処理システム。
  5. 前記符号化部は、前記時系列情報を解析することによって病変の変化を示す情報を取得する
    ことを特徴とする請求項3又は4に記載の医療情報処理システム。
  6. 前記符号化部は、前記時系列情報を解析することによって疑い病名を取得する
    ことを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の医療情報処理システム。
  7. 1以上の医療用人工知能システムのそれぞれと通信可能な医療情報処理装置であって、
    患者の医療情報が蓄積された医療情報データベースから医療情報を受け付ける受付部と、
    前記受付部により受け付けられた前記医療情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化する符号化部と、
    前記符号化部により得られたコードを含むデータセットを作成する作成部と、
    前記作成部により作成された前記データセットを前記1以上の医療用人工知能システムのいずれかに送信する送信部と
    を含み、
    前記受付部により受け付けられた前記医療情報に文字列情報及び画像情報以外の所定の形式の情報が含まれている場合、前記符号化部は、前記所定の形式の情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、
    前記所定の形式の情報は、病変の分布を表すマップを含み、
    前記符号化部は、前記マップを解析することによって前記病変の位置、サイズ、及び形状のいずれか1つ以上の情報を特定し、特定された前記情報に基づいて疑い病名の推定を実行し、前記疑い病名の推定により得られた情報を符号化する
    ことを特徴とする医療情報処理装置。
  8. 1以上の医療用人工知能システムと、前記1以上の医療用人工知能システムのそれぞれと通信可能な情報処理装置とを用いて医療情報を処理する方法であって、
    前記情報処理装置が、
    患者の医療情報が蓄積された医療情報データベースから医療情報を受け付け、
    受け付けられた前記医療情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、
    前記符号化により得られたコードを含むデータセットを作成し、
    作成された前記データセットを前記1以上の医療用人工知能システムのいずれかに送信し、
    前記1以上の医療用人工知能システムのいずれかが、
    前記情報処理装置から送信された前記データセットを受信し、
    受信された前記データセットをデータベースに格納し、
    人工知能エンジンを用いて前記データベースに基づく処理を実行し、
    受け付けられた前記医療情報に文字列情報及び画像情報以外の所定の形式の情報が含まれている場合、前記情報処理装置が、前記所定の形式の情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、
    前記所定の形式の情報は、病変の分布を表すマップを含み、
    前記情報処理装置は、前記マップを解析することによって前記病変の位置、サイズ、及び形状のいずれか1つ以上の情報を特定し、特定された前記情報に基づいて疑い病名の推定を実行し、前記疑い病名の推定により得られた情報を符号化する
    ことを特徴とする医療情報処理方法。
  9. 1以上の医療用人工知能システムのそれぞれと通信可能な情報処理装置を用いて医療情報を処理する方法であって、
    前記情報処理装置が、
    患者の医療情報が蓄積された医療情報データベースから医療情報を受け付け、
    受け付けられた前記医療情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、
    前記符号化により得られたコードを含むデータセットを作成し、
    作成された前記データセットを前記1以上の医療用人工知能システムのいずれかに送信し、
    受け付けられた前記医療情報に文字列情報及び画像情報以外の所定の形式の情報が含まれている場合、前記情報処理装置が、前記所定の形式の情報の少なくとも一部を予め定められた規則に基づき符号化し、
    前記所定の形式の情報は、病変の分布を表すマップを含み、
    前記情報処理装置は、前記マップを解析することによって前記病変の位置、サイズ、及び形状のいずれか1つ以上の情報を特定し、特定された前記情報に基づいて疑い病名の推定を実行し、前記疑い病名の推定により得られた情報を符号化する
    ことを特徴とする医療情報処理方法。
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