JP6908258B2 - 超高密度組織アレイ - Google Patents
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Description
上記の問題を解決する手段として、本発明者らは、ロール状に形成した薄切組織片から組織アレイブロック及び組織アレイシートを作製する技術(スパイラル組織アレイ)を開発した(特許文献3)。また、本発明者らは、組織ブロックよりスライスした薄切組織片から組織アレイブロック及び組織アレイシートを作製する技術(パイルアップ組織アレイ)を開発した(特許文献4)。
また、スライドガラス1枚当たり最大約10000組織を搭載する組織アレイを作製する技術も知られている(特許文献5、非特許文献1)。
〔1〕 (1)組織ブロックよりスライスした組織片から中空針で一部分をくり抜き採取し、H−セグメントを準備する工程と、
(2)当該H−セグメントを中空内に保持する当該中空針で、H−セグメントの結合剤からなるシートをくり抜き採取し、結合剤切片を準備する工程と、
(3)工程(1)と(2)を繰り返して、当該中空針内でH−セグメントと結合剤切片とを交互に縦方向に積層する積層工程と、
(4)中空針から積層物を取り出し、加熱して融合させ、H−ブロックを作製する工程と、
(5)当該H−ブロックを横方向に向かせて包埋する工程と、
(6)当該包埋H−ブロックをミクロトームで水平方向にスライスしてV−セグメントを作製する工程と、
(7)当該V−セグメントを長辺の一辺を揃えて積層し、V−ブロックを作製する工程と、
(8)当該V−ブロックを全ての組織が上面に出る方向に向かせて包埋し、V−セグメントの積層方向にスライスして超高密度組織アレイシートを作製する工程とを含む、
超高密度組織アレイシートの製造方法。
〔2〕 (1)組織ブロックよりスライスした組織片から中空針で一部分をくり抜き採取し、H−セグメントを準備する工程と、
(2)当該H−セグメントを中空内に保持する当該中空針で、H−セグメントの結合剤からなるシートをくり抜き採取し、結合剤切片を準備する工程と、
(3)工程(1)と(2)を繰り返して、当該中空針内でH−セグメントと結合剤切片とを交互に縦方向に積層する積層工程と、
(4)中空針から積層物を取り出し、加熱して融合させ、H−ブロックを作製する工程と、
(5)当該H−ブロックを横方向に向かせて包埋する工程と、
(6)当該包埋H−ブロックをミクロトームで水平方向にスライスしてV−セグメントを作製する工程と、
(7)当該V−セグメントを長辺の一辺を揃えて積層し、V−ブロックを作製する工程と、
(8)当該V−ブロックを全ての組織が上面に出る方向に向かせて包埋し、V−セグメントの積層方向にスライスして超高密度組織アレイシートを作製する工程と、
(9)当該シートを基板上に配列する工程とを含む、
超高密度組織アレイチップの製造方法。
〔3〕 工程(9)が、工程(8)により得られた複数のシートをパラフィンから作られた基板上に配列する操作を含み、かつ、工程(9)の後に、該複数のシート及び基板を加熱してこれらを融合させる工程を含む、〔2〕に記載の製造方法。
〔4〕 H−セグメントの厚さが50μm以上400μm未満である、〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の製造方法。
〔5〕 結合剤切片の厚さが40μm〜400μmである、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の製造方法。
〔6〕 結合剤がパラフィンである、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の製造方法。
〔7〕 中空針が円形、四角形又は多角形の中空形状を有する、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の製造方法。
〔8〕 中空針が0.5〜5.0mmの内径を有する円形又は0.5〜5.0mmの長辺及び短辺を有する四角形又は多角形の中空形状を有する、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の製造方法。
(1)組織ブロックに穴を開けずに組織アレイを作製可能である、(2)病変部のみを選択することが可能であり、ターゲットの病変部位(関心部位)を網羅的にアレイに取り込むことができる、(3)組織の不均一性を観察しながらコアリングできるので、不均一性も網羅的に取り込むことができる、(4)薄切組織片にてアレイ作製可能なため、多施設間の共同研究が容易となる、点に加えて、
(5)基板に搭載された超高密度組織アレイは、24000検体前後の組織を集積することができる。
本発明によれば、全身の主要な腫瘍を網羅した超高密度組織アレイチップを提供することができる。かかるチップを用いて、分子標的薬の候補分子、候補シグナルの発現を網羅的に解析することが可能である。また、本発明によれば、同一の組織から理論上100万枚を超える切片が採取可能となり、極めて高いバンキング機能を発揮することができる。NGS(next-generation sequencing)などで発見される候補分子の組織での発現を、同一チップ上で全身横断的及び網羅的に検討することができる。本発明によれば、組織のみでなく細胞株などからも同様に超高密度アレイを実現することができ、約24000細胞株における目的分子の発現情報を一気に取得することも可能である。
本発明において「組織ブロック」とは、超高密度組織アレイに供する生体由来の組織をいう。組織ブロックはパラフィン包埋組織ブロックが代表的であるが、凍結組織ブロックであってもよい。また、組織ブロックは、細胞株を二次元または三次元で培養することにより得られた細胞集塊(細胞ブロックとも呼ぶ)であってもよい。細胞ブロックの場合、使用される細胞は、常法により固定してパラフィン包埋したものであってもよく、また、常法により凍結したものであってもよい。
本発明の超高密度組織アレイシートの製造方法は、以下の工程(1)〜(8)を含む。
(1)組織ブロックよりスライスした組織片から中空針で一部分をくり抜き採取して、H−セグメントを準備する工程
(2)当該H−セグメントを中空内に保持する当該中空針で、H−セグメントの結合剤からなるシートをくり抜き採取し、結合剤切片を準備する工程と、
(3)工程(1)と(2)を繰り返して、当該中空針内でH−セグメントと結合剤切片とを交互に縦方向に積層する積層工程
(4)中空針から積層物を取り出し、加熱して融合させ、H−ブロックを作製する工程
(5)当該H−ブロックを横方向に向かせて包埋する工程
(6)当該包埋H−ブロックをミクロトームで水平方向にスライスしてV−セグメントを作製する工程
(7)当該V−セグメントを長辺の一辺を揃えて積層し、V−ブロックを作製する工程
(8)当該V−ブロックを全ての組織が上面に出る方向に向かせて包埋し、V−セグメントの積層方向にスライスして超高密度組織アレイシート(セクション)を作製する工程
組織マイクロアレイ(TMA)作製に供される症例(検体)のパラフィン包埋組織ブロックAから、ミクロトームを用いて組織片1を作製する。組織片の厚さは、通常50μm-400μm、好ましくは50μm-250μm、より好ましくは150μm-200μmである。ここで、200μm程度で薄切りする場合は、組織ブロックAをあらかじめ35-40℃のふらん器で保温するか、同程度の温度の温浴槽に30秒ほどひたして保温すると、切片がひび割れずにきれいに薄切りできる。
組織片内でTMAに搭載する区画を顕微鏡観察等であらかじめ決めておき、中空針を備えた組織アレイヤーを用いて、当該組織片1の一部分(図中、1の●区画)をくり抜き採取して、H−セグメント2を作製する。中空針で組織片1からH−セグメント2をくり抜く操作は、組織片1を加温しながら行う。加温の温度は、組織ブロックAで使用されているパラフィンの融点を超えない温度が望ましい。
中空針の中空は、H−セグメントの形状を規定するものであり、その形状としては、円形、四角形、五角形、六角形などがあげられる。好ましくは、円形または四角形の中空形状の針が望ましく、より好ましくは、四角形の中空形状の針である。中空針は、通常金属製であるが、工程(4)での加熱条件に耐性であれば、金属製に限定されるものではない。また、中空針の長さは、通常1-5cmである。図2においては、中空が円形の中空針を使用している。
中空針の中空が円形の場合、0.5〜5.0mmの内径を有することが好ましい。中空針の中空が四角形の場合、0.5〜5.0mmの長辺及び短辺を有することが好ましい。ここで、長辺及び短辺は、同一の長さであってもよい。中空が五角形、六角形などの多角形の場合、円形の内径に準じてその大きさを適宜設定すればよい。
1つのH−セグメントは、厚さ(高さ)が通常50μm-400μmであり、好ましくは50μm-250μmであり、より好ましくは150μm-200μmであり、その形状は、直径が0.5〜5.0mmの円柱又は0.5〜5.0mmの長辺及び短辺の底面を有する四角柱であり、好ましくは一辺が0.5〜5.0mmの底面を有する四角柱である。
結合剤として使用するパラフィンその他の材料を、シート状とする。この場合、結合剤からなる薄切されたシートが利用できる場合は、そのまま本工程に供してもよい。結合剤がブロックとして利用できる場合は、工程(1)における組織ブロックからの組織片の作製方法に準じて、ミクロトームを用いて結合剤からなるシートを準備する。
結合剤としてパラフィンを使用する場合、パラフィンのブロックBを作製し、ミクロトームを用いてパラフィンシート3を作製する。
パラフィンその他の結合剤からなるシートは、組織片の厚さの0.2-2.0倍、好ましくは0.5倍の厚さに設定する。例えば、200μm の組織片に対して、パラフィンシートの厚さは、40-400μm、好ましくは150-250μmである。
工程(1)で使用した、H-セグメントを中空内に保持する中空針を備えた組織アレイヤーを用いて、結合剤からなるシート3をくり抜き採取して、結合剤切片4を作製する。結合剤としてパラフィンを使用した場合、中空針でシート3から結合剤切片4をくり抜く操作は、シート3を加温しながら行う。加温の温度は、結合剤として使用したパラフィンの融点を超えない温度が望ましい。
本工程で、複数のH−セグメント2と結合剤切片4とを交互に縦方向に積層する。そのためには、前記工程(1)と(2)を繰り返す。結合剤切片4は、H−セグメント2の組織表面を保護する作用も有するため、工程(2)→工程(1)→工程(2)→工程(1)・・・→工程(2)のように、繰り返し工程は、工程(2)から開始して工程(2)で終了することが望ましい。
超高密度のアレイを目的とするため、H−セグメント2は、通常5-50枚、好ましくは10-30枚積層する。結合剤切片4は、H−セグメントの枚数と同じであってもよいが、H−セグメントの枚数よりも1枚多い数を積層することが望ましい。
工程(3)で、所望の枚数のH−セグメント2が縦方向に積層され、当該セグメント間に結合剤切片4が挟まれた積層物(柱状体)が得られる。積層体の上部と下部のいずれか一方又は両方は、結合剤切片4から構成される。
中空針から積層物を取り出し、結合剤として使用される材料の融点以下の温度で積層物周囲を加熱し、その後、冷却することで積層物を融合させる。これによりH−ブロック5が作製される。例えば、20枚の組織片2(厚さ200μm)と20枚のパラフィン切片4(厚さ100μm)を直径3mmの中空針を用いて作製したH−ブロックは、直径3mm、高さ6mmの円柱となる。中空針から取り出した積層物の加熱温度及び加熱時間は、当該技術分野の技術常識に従って、適宜設定することができる。結合剤としてパラフィンを使用した場合、40-60℃で積層物周囲を加熱する。加熱時間は、加熱温度に応じて適宜設定することができるが、通常5-120分、好ましくは、10-90分である。
H−ブロック5を、パラフィンで横方向に包埋する。包埋は、当該技術分野で通常使用されている組織のパラフィン包埋方法と同様に行う。
次いで、パラフィンで包埋したH−ブロック5を、水平方向にミクロトームで薄切りする。円柱のH−ブロックは、薄切りの前に、面出し(C1)により大きさを揃えることが望ましい。また、H−ブロック5のサイズに合わせて両面テープ6をカットしておく。
両面テープ6を、必要により面出ししたH−ブロック5’の組織上に貼り付け、貼り付け面と平行の下方の位置(C2)で、ミクロトームで薄切りし、V−セグメント7を作製する。V−セグメント7の厚さは、H−セグメント2の厚さと同等に設定する。好ましいV−セグメントの厚さは、50μm-400μm、好ましくは50μm-250μm、より好ましくは150μm-200μmである。
V−セグメント切除後の残存するH−ブロック5’の組織上に別の両面テープ6を貼り付け、貼り付け面と平行の下方の位置(C2)で、ミクロトームで薄切りし、次のV−セグメント7を作製する。この操作を繰り返し、所定の枚数のV−セグメントが得られる。
あるいは、本工程は両面テープを用いずに行ってもよい。その場合、工程(7)におけるV−セグメント7面の相互接着は、例えば、後述するように加熱を伴う接着により行うことができる。
得られるV−セグメントの数は、H−ブロックの大きさとV−セグメントの厚さから決定することができる。そのうち、V−ブロックを作製するために使用する枚数は、最終目標の超高密度組織アレイの搭載数に合わせて設定される。例えば、20枚のH−セグメントと100枚のV−セグメントから構成されるV−ブロックから、基板に搭載するセクションを供給する場合、1セクションに2000の検体が整列し、最大12セクションを1枚の基板に搭載できることから、24000検体の組織マイクロアレイが完成する。24000検体は、本発明の超高密度組織アレイの目標であり、本発明の目的を達成するためには、H−セグメントの数とV−セグメントの数の積が約2000となるように、セグメントの数を設定すればよい。なお、前記積は、組織マイクロアレイの使用目的に照らして、2000未満の数であっても、2000を超える数であってもよい。
得られたV−セグメント7は、組織上に貼り付けられた両面テープによりV−セグメント面を相互に接着させる。あるいは、V−セグメント7面の相互接着は、加熱を伴う方法により行うこともできる。即ち、V−セグメント7の積層物の周囲を加熱し、積層物に含まれる結合剤(例えば、パラフィン)を少なくとも部分的に融解させる。加熱温度及び加熱時間などの条件はH−ブロック5の作製(工程(4))と同様のものであってよい。加熱処理により結合剤が少なくとも部分的に融解したV−セグメント7を互いに接触させ(好ましくは圧着させ)、その状態で結合剤を再度固化させることによりV−セグメント7面を相互に接着させる。このように加熱・接着操作を行うことにより、結合剤同士の接着又は圧着力を保持することが可能となる。
上記の作業は、実体顕微鏡で確認しながら行う。円柱のH−ブロックからV−セグメントを作製した場合など、セグメントの短辺の長さが揃わないときは、少なくともV−セグメントの長辺の片方の辺で一致させるようにしてV−セグメントを積層していく。このようにして、所定の枚数のV−セグメント7が積層されたV−ブロック8を作製することができる。
V−ブロック8は、V−セグメントの長辺の片方の辺で一致させた面を上にして包埋することで、全ての組織が上面に出る。包埋は、当該技術分野で通常使用されている組織のパラフィン包埋方法と同様に行う。当該上面を覆う大きさのテープ9を貼り付け、貼り付け面と平行の下方の所定の位置(C3)で、ミクロトームで薄切りし、セクション10を作製する。したがって、V−ブロックの切断方向は、V−セグメントの積層方向である。
ここで使用するテープとしては、プロテクトシール、スライドガラス用ティシュー・プロテクターS(株式会社パソロジー研究所)、組織バンク用のトランスファーシール(BioBank KIT、株式会社パソロジー研究所)などが挙げられる。テープを使用せずとも均一の厚さで薄切できる技術を有する場合は、テープを使用せずに同様のセクションが作製される。
セクションの厚さは、顕微鏡観察に適した厚さに設定することができる。通常、1μm-20μm、好ましくは1μm-10μmであり、より好ましくは、4μm-6μmである。
上記操作を繰り返すことにより、所望の枚数のセクションを得ることができる。
本発明の製造方法2は、上記工程(1)〜(8)に加えて、下記工程(9)を含む。
工程(8)で得られた、テープが付着しているセクション10を基板に配列させて、組織をテープから基板に移行させる。
基板は、スライドガラス11が好適に用いられる。一般的なスライドガラスは、2.5cm×7.5cmの形状であり、通常2cm×6cmの区画内にセクションを配列する。組織をテープから基板に移行させる方法としては、セクションを水に浸漬してぬらし、基板上に軽く押さえて組織を貼り付ける方法が挙げられる。
このようにして、超高密度組織アレイチップを作製することができる。
工程(8)で得られた複数の超高密度組織アレイシート(セクション)を加熱及び互いに接着させる。即ち、例えば基板上に配置された複数のセクション10を加熱し、各セクション10に含まれる結合剤(例えば、パラフィン)を少なくとも部分的に融解させる。加熱温度及び加熱時間などの条件はH−ブロック5の作製(工程(4))と同様のものであってよい。加熱処理により結合剤が少なくとも部分的に融解したセクション10を水平方向に互いに接触させ(好ましくは圧着させ)、その状態で結合剤を再度固化させることによりセクション10を相互に接着させる。このような加熱工程と接着工程を行うことにより、結合剤同士の接着力を制御することができるので、作製されるアレイチップにおいて、コア(セクション)間の隙間の発生を防止することができ、かつ、複数のコアを同一のブロック上に手軽に搭載することも可能となる。
好ましい実施形態において、上記複数のセクション10をパラフィン基板上に所定の配列で予め配置した後、上記の加熱及び接着処理を行うことにより、セクション10間の融合、およびセクション10とパラフィン基板との融合を行う。これにより、パラフィン上でアッセンブリを行うことが可能となり、かつ、組織をパラフィン基板上に簡便に移行させることができる。パラフィン基板としては、工程(8)に関して上述した基板と同様の形状及び大きさのものを用いることができる。このようにして、パラフィン上の高密度組織アレイチップを作製することができる。
以上の加熱・接着操作は、例えば、ホットプレートステージを備えた実体顕微鏡上で行うことができる。
超高密度組織アレイは、相対的に検体1個当たりの面積が小さくなり、顕微鏡観察での視野が狭くなるが、1症例当たり複数の検体を搭載することで、視野の狭さをカバーすることができる。さらに、同一組織の離れた部分を多数搭載することにより、組織内における不均一性の比較を容易にするという利点もある。
B 結合剤(パラフィン)ブロック
C1、C2、C3 切断面
1 組織片
2 H−セグメント
3 結合剤(パラフィン)シート
4 結合剤(パラフィン)切片
5 H−ブロック
5’面出ししたH−ブロック
6 両面テープ
7 V−セグメント
8 V−ブロック
9 テープ
10 セクション
11 スライドガラス
Claims (8)
- (1)組織ブロックよりスライスした組織片から中空針で一部分をくり抜き採取し、H−セグメントを準備する工程と、
(2)当該H−セグメントを中空内に保持する当該中空針で、H−セグメントの結合剤からなるシートをくり抜き採取し、結合剤切片を準備する工程と、
(3)工程(1)と(2)を繰り返して、当該中空針内でH−セグメントと結合剤切片とを交互に縦方向に積層する積層工程と、
(4)中空針から積層物を取り出し、加熱して融合させ、H−ブロックを作製する工程と、
(5)当該H−ブロックを横方向に向かせて包埋する工程と、
(6)当該包埋H−ブロックをミクロトームで水平方向にスライスしてV−セグメントを作製する工程と、
(7)当該V−セグメントを長辺の一辺を揃えて積層し、V−ブロックを作製する工程と、
(8)当該V−ブロックを全ての組織が上面に出る方向に向かせて包埋し、V−セグメントの積層方向にスライスして超高密度組織アレイシートを作製する工程と
を含む、超高密度組織アレイシートの製造方法。 - (1)組織ブロックよりスライスした組織片から中空針で一部分をくり抜き採取し、H−セグメントを準備する工程と、
(2)当該H−セグメントを中空内に保持する当該中空針で、H−セグメントの結合剤からなるシートをくり抜き採取し、結合剤切片を準備する工程と、
(3)工程(1)と(2)を繰り返して、当該中空針内でH−セグメントと結合剤切片とを交互に縦方向に積層する積層工程と、
(4)中空針から積層物を取り出し、加熱して融合させ、H−ブロックを作製する工程と、
(5)当該H−ブロックを横方向に向かせて包埋する工程と、
(6)当該包埋H−ブロックをミクロトームで水平方向にスライスしてV−セグメントを作製する工程と、
(7)当該V−セグメントを長辺の一辺を揃えて積層し、V−ブロックを作製する工程と、
(8)当該V−ブロックを全ての組織が上面に出る方向に向かせて包埋し、V−セグメントの積層方向にスライスして超高密度組織アレイシートを作製する工程と、
(9)当該シートを基板上に配列する工程と
を含む、超高密度組織アレイチップの製造方法。 - 工程(9)が、工程(8)により得られた複数のシートをパラフィンから作られた基板上に配列する操作を含み、かつ、工程(9)の後に、該複数のシート及び基板を加熱してこれらを融合させる工程を含む、請求項2に記載の製造方法。
- H−セグメントの厚さが50μm以上400μm未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
- 結合剤切片の厚さが40μm〜400μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 結合剤がパラフィンである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 中空針が円形、四角形又は多角形の中空形状を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の製造方法。
- 中空針が0.5〜5.0mmの内径を有する円形又は0.5〜5.0mmの長辺及び短辺を有する四角形又は多角形の中空形状を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
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