JP6907757B2 - 医薬組成物及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、粘弾性を発現する分子集合体を含む医薬組成物に関するものである。
増粘剤・ゲル化剤は医薬品、化粧品、食品や工業用途等各産業分野において幅広く用いられており、その用途や目的は、製剤の長期安定化、分離抑制、薬物の滞留性付与、取り扱い等使用性の改善等である。増粘剤としては高分子、有機粘土鉱物、ワックス、増粘多糖類等が利用されている。増粘ゲル化剤を化粧品や医薬品等の外用剤に用いる場合には、優れた増粘作用の他にも、安全性、熱に対する安定性、使用感の良いもの等種々の要求を満たすものが望まれる。
近年、増粘性液体組成物として界面活性剤分子が形成する紐状ミセルと呼ばれる分子集合体が着目されている。紐状ミセルは界面活性剤分子の自己会合体の一種である棒状ミセルが成長し、互いに絡み合うことによって三次元ネットワーク構造を形成し、粘弾性を発現していることが特徴である。その組成物の例として4級アンモニウム塩であるカチオン界面活性剤水溶液にサリチル酸ナトリウムを加えたものが知られている(非特許文献1)。しかしながら、防腐剤である4級アンモニウム塩が必要であり汎用でないという課題があった。
山村武; 日下敏嗣; 高取永一; 井上正志; 根本紀夫; 尾崎邦弘; 四方俊幸; 小高忠男 日本レオロジー学会誌 Vol19,p140−146,1991
本発明者らは、グリチルリチン酸又はその塩に着目し、グリチルリチン酸又はその塩に粘弾性を発現する分子集合体を形成させるためには、グリチルリチン酸を高濃度にするか、あるいはpHを酸性側に下げる必要があることを知見した。このため、グリチルリチン酸又はその塩の濃度が希薄な条件、具体的には0.3W/V%以下では、pHを3.0未満にしなければ粘弾性を発現する分子集合体形成は認められない。一方、グリチルリチン酸が高濃度の場合や、pHが3.0未満である場合には皮膚、粘膜、特に眼に対する刺激性が生じることがあり、使用感を悪くしたり、安全性に問題が生じたりする懸念がある。本発明は上記事情に鑑みなされたもので、グリチルリチン酸又はその塩の濃度が0.3W/V%以下、pH3.0以上であっても、粘弾性を発現する分子集合体を形成する医薬組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、低濃度のグリチルリチン酸水溶液に対して環式構造もしくは多環式構造を有する塩基性物質を加えることにより、pH3.0を超える領域においても、粘弾性を発現する分子集合体を有する医薬組成物が得られることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記医薬組成物を提供する。
[1].(A)グリチルリチン酸及びグリチルリチン酸塩から選ばれる1種以上0.1〜0.3W/V%、(B)環式構造又は多環式構造を有する塩基性物質0.005〜0.15W/V%を含有し、(B)/(A)で表される含有質量比が0.017〜0.6であり、pHが3.0〜6.0の医薬組成物。
[2].粘弾性を発現する分子集合体を含む[1]記載の医薬組成物。
[3].(B)が塩酸テトラヒドロゾリン、ピリドキシン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ベルベリン硫酸塩水和物、ベルベリン塩化物水和物、エピネフリン、フェニレフリン塩酸塩、エフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩及びナファゾリン塩酸塩から選ばれる[1]又は[2]記載の医薬組成物。
[4].外用剤組成物である[1]〜[3]のいずれかに記載の医薬組成物。
[5].点眼剤又は洗眼剤である[1]〜[3]のいずれかに記載の医薬組成物。
本発明によれば、グリチルリチン酸又はその塩の濃度が希薄な条件、具体的には0.3W/V%以下、pH3.0以上であっても、粘弾性を発現する分子集合体を形成する医薬組成物を提供することができる。以下、医薬組成物を「組成物」と略す場合がある。
実施例9の透過型電子顕微鏡写真である。 比較例2の透過型電子顕微鏡写真である。
以下、本発明について詳細に説明する。
(A)グリチルリチン酸及びグリチルリチン酸塩から選ばれる1種以上
(A)成分としては、グリチルリチン酸の他、グリチルリチン酸塩として、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸アンモニウム等が挙げられる。グリチルリチン酸及びグリチルリチン酸塩は消炎成分として有効な成分である。
(A)成分の配合量は、組成物中0.1〜0.3W/V%(質量/容量%、g/100mL、以下同様)であり、0.12〜0.3W/V%が好ましく、0.15〜0.3W/V%がより好ましい。下限未満では、粘弾性を発現する分子集合体を形成しない。上限を超えると、皮膚、粘膜、特に眼に対する刺激性が生じることがある。なお、上限は、0.28W/V%以下、0.26W/V%以下にすることもできる。
(B)環式構造又は多環式構造を有する塩基性物質
(B)成分は、(A)成分の粘弾性を発現する分子集合体形成を促進するために配合される。(B)成分を加えることで(A)成分が低濃度でかつpHが低い領域でも粘弾性を発現する分子集合体を形成する。さらに、形成した粘弾性を発現する分子集合体の貯蔵弾性率を高める効果を有する。(B)成分としては、環式構造又は多環式構造を有するものであれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。このような成分としては、塩酸テトラヒドロゾリン、ピリドキシン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ベルベリン硫酸塩水和物、ベルベリン塩化物水和物、エピネフリン、フェニレフリン塩酸塩、エフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩及びナファゾリン塩酸塩等が挙げられる。中でも、塩酸テトラヒドロゾリン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ナファゾリン塩酸塩が好ましく、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ナファゾリン塩酸塩がより好ましい。
(B)成分の配合量は、組成物中0.005〜0.15W/V%であり、0.006〜0.15W/V%が好ましく、さらに好ましくは0.006〜0.12W/V%である。また、(B)/(A)で表される含有質量比が0.017〜0.6であり、0.02〜0.4が好ましく、さらに好ましくは0.04〜0.4である。上記(A)成分の配合量と、この比率により、(B)成分の配合量が決定する。(B)成分の配合量が、下限未満、上限を超えると、紐状ミセル化が形成されない。また、上記比率が、下限未満、上限を超えると、粘弾性を発現する分子集合体が形成されない。
組成物のpH(25℃)は3.0〜6.0であり、4.0〜5.3が好ましく、4.6〜4.9がより好ましい。下限未満では、皮膚、粘膜、特に眼において刺激を生じる場合があり、上限を超えると、粘弾性を発現する分子集合体が形成されない。一方、製造法に冷却工程が不要となる点から3.0〜4.8が好ましく、4.0〜4.8がより好ましく、4.6〜4.8がさらに好ましい。眼刺激を生じるリスクが低い点から4.8を超え6.0以下が好ましく、4.8を超え5.3以下がより好ましい。
組成物の浸透圧は、0.1〜5圧比が好ましく、より好ましくは0.2〜2圧比である。
粘弾性を発現する分子集合体の形成は、粘弾性を有すること及び分子集合体のネットワーク構造を有することで確認することができる。粘弾性は下記組成物の貯蔵弾性率G’の測定で確認することができる。また、分子集合体のネットワーク構造は、透過型電子顕微鏡観察で確認することができる。このような粘弾性を発現する分子集合体を紐状ミセルともいう。例えば、図1で示されているように、太さ3nm前後の粘弾性を発現する分子集合体が確認されている。粘弾性を発現する分子集合体の太さは1〜5nmが好ましく、架橋点間の距離は50〜200nmが好ましい。
本発明の粘弾性を発現する分子集合体を有する組成物は、従来のpHや、高濃度化による粘弾性を発現する分子集合体の増粘組成物と比べ、貯蔵弾性率が高いという特徴を有する。組成物の貯蔵弾性率G’は、0.5Pa以上が好ましく、2.0Pa以上、より好ましくは10.0Pa以上であり、この範囲でより滞留性が高まる。上限は300Pa以下が好ましい。下限未満では、粘弾性を発現する分子集合体を形成しておらず、上限以上ではべたつきが増すおそれがある。べたつきと貯蔵弾性率G’はトレードオフの関係にあり、両者を兼ね備える点からは0.5〜10.0Paが好ましく、2.0〜10.0Paがより好ましい。なお、貯蔵弾性率G’は、実施例で示されているように、(A)成分、(B)成分、これらの比率により調整することができる。なお、貯蔵弾性率はレオメーター、例えば、ストレス制御式レオメーターAR−2000ex(ティーエーインスツルメント社製)を用いて、直径4cm、コーン角1°のコーンプレートシステムを用い、25℃、周波数0.628rAD/s〜6.28rAD/sの範囲で測定した。G’は測定周波数の範囲において一定値を取ることから、6.28rAD/sにおけるG’を代表値とする。
本発明の組成物は粘弾性を発現する分子集合体を有するものである。この分子集合体は、低分子化合物の集合体であるため、これを含む組成物は、高分子化合物や増粘多糖類を用いた従来の増粘方法とは異なり、外力を加えることにより、時間とともに見かけの粘度が低下するという性質(チキソトロピー性)を有する。このような性質を有するため、べたつきを生じることなく、使用感が良好であり、医薬品・化粧品等として好適である。さらに、眼科用組成物として使用する場合には、涙液と混ざりにくいという特有の性質を有する。薬物を、粘弾性を発現する分子集合体のネットワーク構造内部に保持させておくと、濃度を維持したまま角膜へ薬物を送達することができる。
本発明の組成物は水性組成物であることが好ましい。水性組成物とは、水が媒質となっており、いずれの応力によっても流動性を有することをいう。
本発明は水を配合することができ、その配合量は上記必須成分の残部、好ましくは95.0〜99.9W/V%が好ましく、99.0〜99.7W/V%がより好ましい。
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、その他の成分を適量配合することができる。成分としては、界面活性剤、多価アルコール、糖類、緩衝剤、清涼化剤、薬物、粉末成分、紫外線吸収剤等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アルキルジアミノエチルグリシン等のグリシン型両性界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤を配合する場合、その配合量は、組成物中0.0001〜10W/V%が好ましい。
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール等が挙げられる。多価アルコールを配合する場合、その配合量は、組成物中0.001〜5W/V%が好ましい。
糖類としては、例えば、グルコース、シクロデキストリン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール等が挙げられる。なお、これらは、d体、l体又はdl体のいずれでもよい。糖類を配合する場合、その配合量は、組成物中0.001〜5W/V%が好ましい。
緩衝剤としては、例えば、クエン酸、クエン酸ナトリウム、ホウ酸、ホウ砂、リン酸、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、氷酢酸、トロメタモール、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。緩衝剤を配合する場合、その配合量は、組成物中0.003〜4W/V%が好ましい。
pH調整剤としては、例えば、無機酸又は無機アルカリ剤が挙げられる。例えば、無機酸としては(希)塩酸が挙げられる。無機アルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。なお、pHの測定は、20℃でpH浸透圧計(HSMO−1、東亜ディーケーケー(株))を用いて行う。
等張化剤としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。等張化剤の配合量は、組成物中0.001〜3W/V%が好ましい。安定化剤としては、例えば、エデト酸ナトリウム、シクロデキストリン、亜硫酸塩、ジブチルヒドロキシトルエン等が挙げられる。安定化剤を配合する場合、その配合量は、組成物中0.003〜2W/V%が好ましい。
清涼化剤としては、例えば、メントール、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、リナロール等が挙げられる。清涼化剤を配合する場合、その配合量は、組成物中0.0001〜0.2W/V%が好ましい。
眼科用の薬物(薬学的有効成分)としては、例えば、充血除去剤、消炎・収斂剤(例えば、ε−アミノカプロン酸、硫酸亜鉛、乳酸亜鉛、アズレンスルホン酸ナトリウム等)、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤(例えば、クロモグリク酸ナトリウム等)、水溶性ビタミン(ビタミンB12等)、脂溶性ビタミン(酢酸d−α−トコフェロール、レチノールパルミチン酸エステル等)、アミノ酸(例えば、L−アスパラギン酸カリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、アミノエチルスルホン酸、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、コンドロイチン硫酸ナトリウム、グルタチオン等)、サルファ剤、散瞳剤が挙げられる。薬物を配合する場合、その配合量は、各薬物の有効な適性量を選択することができるが、刺激性、組成物の安定性等の点から、組成物中0.001〜5W/V%が好ましい。
皮膚薬用の薬物(薬学的有効成分)としては、特に制限されないが、例えば、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル、酢酸d−α−トコフェロール、アラントイン、サリチル酸メチル、イソプロピルメチルフェノール、リドカイン、l−メントール、パンテノール、ヘパリン類似物質、尿素等が挙げられる。
保湿剤としては、例えば、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等。保湿剤を配合する場合、その配合量は、組成物中0.003〜3W/V%が好ましい。
粉末成分としては、例えば、無機粉末(例えば、タルク、カオリン、雲母、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、バーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色系顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号等の有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等。
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。溶剤としては、例えば、オレイルアルコール、スクワラン、流動パラフィン、ジメチルポリシロキサン、ミリスチン酸イソプロピル等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等);3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、ジモルホリノピリダジノン等が挙げられる。
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
本発明の製造方法は、例えば下記の工程を含むものである。
(1)pHが3.0〜4.8の場合
(i)(B)成分を除く全ての成分に精製水に加えて混合する工程
(ii)この混合液のpH調整(目的とするpH3.0〜4.8)をした後、60〜90℃に加温する工程
なお、加温時間は特に限定されないが10〜20分が好ましい。
(iii)pH調整した混合液に、さらに(B)成分を加えてさらに混合する工程
なお、混合時間は特に限定されないが10〜20分の範囲で適宜選定される。
その後、必要に応じてpH調整を行う。なお、(iii)工程後に、下記(iv)冷却工程を行ってもよい。
(2)pHが4.8を超え6.0の場合
(i)(B)成分を除く全ての成分に精製水に加えて混合する工程
(ii)この混合液のpH調整(目的とするpH4.8を超え6.0)をした後、60〜90℃で加温する工程
なお、加温時間は特に限定されないが10〜20分が好ましい。
(iii)pH調整した混合液に、さらに(B)成分を加えてさらに混合する工程
なお、混合時間は特に限定されないが10〜20分の範囲で適宜選定される。
(iv)(iii)で得られた混合液を冷却する工程
その後、必要に応じてpH調整を行う。
なお、pHが4.8を超え6.0の場合は、粘弾性を発現する分子集合体の形成のためには冷却工程を要する。(iv)冷却温度は0〜25℃が好ましく、0〜15℃がより好ましく、0〜10℃がさらに好ましい。下限以下では液の凍結が発生してしまい、上限以上では粘弾性を発現する分子集合体形成が不完全になる。冷却時間は3〜48時間が好ましく、6〜48時間がより好ましく、12〜48時間がさらに好ましい。下限以下で粘弾性を発現する分子集合体形成が不完全になる場合が発生し、上限以上では製造時間が長くなる。
本発明の組成物は、皮膚用組成物、眼科用組成物等の外用剤として好適であり、外用剤として応用することにより、安全性が高く、べたつきのない使用感を提供できる。特に、点眼剤、コンタクトレンズ用点眼剤、洗眼剤等の眼科用組成物(粘膜適用剤)へも応用が期待され、その場合、涙液とも混ざりにくいという特有の性質のため、薬物を分子集合体のネットワーク構造内部に保持させておくと、高濃度なまま角膜へ薬物を送達することができる。眼科用組成物としては、点眼剤として好適に使用できる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において特に明記のない場合は、組成の「%」はW/V%、比率は質量比を示す。
[実施例1〜49、比較例1〜18]
(B)成分を除くすべての成分を精製水に分散しpH調整を行った後、80℃条件にて加温溶解させた。引き続き、所定量の(B)成分を添加しスターラーにて10分撹拌後、室温まで冷却して、組成物を調製した。なお、pH4.8を超えるものについては、(B)成分を添加し、スターラーにて10分撹拌後、12時間5℃冷却して組成物を調製した。得られた組成物について、下記評価を行った。実施例2及び比較例2については、滞留時間も評価した。結果を表中に併記する。
[分子集合体のネットワーク構造の形成]
ネットワーク構造の形成を透過型電子顕微鏡観察で確認した。分子集合体のネットワーク構造の形成が形成されたものを「〇」、形成されていないものを「×」とした。
〈透過型電子顕微鏡によるネットワーク構造形成の確認〉
(1)サンプル調製
・装置:急速凍結用装置 EM−CPC(LEICA製)
・急速凍結条件
凍結用冷媒:液体エタン、凍結温度:−170℃未満
手順
1)グリッド上にサンプル(約4マイクロリットル)を滴下
2)過剰量を濾紙で吸い取り薄膜化(< 300nm)
3)液体エタン中に瞬間的に突入させて急速凍結(アモルファス状氷の形成)
(2)観察
・装置:透過型電子顕微鏡H−7650(日立ハイテクノロジーズ製)
・観察条件:加速電圧:120kV、エミッション電流:3マイクロアンペア、スポットサイズ:1マイクロメートル、観察温度:<−170℃
Low Dose ConDition moDe
クライオトランスファー CT−3500(OxforD Instruments製)
図1に実施例9、図2に比較例2の透過型電子顕微鏡観察結果を示す。図1においては、太さ3nm前後の紐状ミセルのネットワーク構造によるが絡み合い構造が観察された。
[貯蔵弾性率G’]
ゲル強度を、ティーエーインスツルメント社製ストレス制御式レオメーターAR−2000EXを用いた動的粘弾性測定(周波数依存性測定)により得られる貯蔵弾性率G’を用いて評価した。測定は直径4Cm、コーン角1°のコーンプレートシステムを用い、25℃、周波数0.628rAD/s〜6.28rAD/sの範囲で測定した。G’は測定周波数の範囲において一定値を取ることから、6.28rAD/sにおけるG’を代表値とした。なお、増粘剤が配合される場合は配合前のG’を用いて評価する。
なお、上記でネットワーク構造が確認され、貯蔵弾性率G’が0.5以上のものが、粘弾性を発現する分子集合体が形成されたものである。
[べたつきのなさ評価]
健常者3名に対し各々2滴点眼し、点眼時のべたつき感を次の基準によりスコア化した。3点:べたつき感が無い、2点:ほとんどべたつき感が無い、1点:ややべたつき感がある、0点:べたつき感がある。結果を3名の平均点から、以下の基準により示す。「◎」、「〇」、「△」を合格とする。
〈べたつきのなさ評価基準〉
◎:2.5点以上
○:2.5点未満1.5点以上
△:1.5点未満0.5点以上
×:0.5点未満
[滞留時間]
調製した組成物に蛍光色素フルオレセインナトリウムを0.05質量%添加した後、被験者5名の結膜嚢に20μL点眼した。結膜嚢にフルオレセインナトリウムの蛍光色が確認できなくなるまでの時間の平均値を滞留時間とした。観察にはスリットランプ(SL−D8Z、トプコン(株)製)を用いた。判定は以下の基準に基づいて目視にて行った。
〈判定基準〉
◎:60分以上
○:30分以上60分未満
△:10分以上30分未満
×:10分未満
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[処方例1〜5]
下記表に示す組成の皮膚外用液剤、点眼剤を上記実施例の製法に基づき調製した。
Figure 0006907757
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実施例及び比較例を調製する際に用いた原料を以下に示す。なお、特に明記がない限り、表中の各成分の量は純分換算量である。
グリチルリチン酸二カリウム(丸善製薬(株)製)
ピリドキシン塩酸塩(第一ファインケミカル(株)製)
ジフェンヒドラミン塩酸塩(和光純薬工業(株)製)
塩酸テトラヒドロゾリン(岡見化学工業(株)製)
ナファゾリン塩酸塩(MP Biomedicals,Inc製)
ケトチフェンフマル酸塩(和光純薬工業(株)製)
クロルフェニラミンマレイン酸塩(金剛化学(株)製)
ベルベリン塩化物水和物(アルプス薬品工業(株)製)
ベルベリン硫酸塩水和物(東京化成工業(株)製)
エピネフリン(和光純薬工業(株)製)
フェニレフリン塩酸塩(和光純薬工業(株)製)
エフェドリン塩酸塩(丸石製薬(株)製)
メチルエフェドリン塩酸塩(アルプス薬品工業(株)製)
HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)(信越化学(株)製)90SH−4000
アルギン酸ナトリウム(キミカ(株)製)I−8

Claims (5)

  1. (A)グリチルリチン酸及びグリチルリチン酸塩から選ばれる1種以上0.1〜0.3W/V%、(B)塩酸テトラヒドロゾリン、ピリドキシン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ベルベリン硫酸塩水和物、ベルベリン塩化物水和物、エピネフリン、フェニレフリン塩酸塩、エフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩及びナファゾリン塩酸塩から選ばれる1種以上0.005〜0.15W/V%を含有し、(B)/(A)で表される含有質量比が0.017〜0.6であり、粘弾性を発現する分子集合体を含み、pHが3.0〜6.0であり、温度25℃で周波数6.28rAD/sにおける貯蔵弾性率G’が0.5Pa以上である医薬組成物。
  2. 外用剤組成物である請求項1記載の医薬組成物。
  3. 点眼剤又は洗眼剤である請求項1記載の医薬組成物。
  4. pHが3.0〜5.3である請求項1又は2記載の医薬組成物。
  5. (1)pHが3.0〜4.8の場合は、
    (1−i)(B)成分を除く全ての成分に精製水に加えて混合する工程、
    (1−ii)得られた混合液をpH3.0〜4.8に調整した後、60〜90℃に加温する工程、及び
    (1−iii)pH調整した混合液に、さらに(B)成分を加えてさらに混合する工程
    を含み、
    (2)pHが4.8を超え6.0の場合は、
    (2−i)(B)成分を除く全ての成分に精製水に加えて混合する工程、
    (2−ii)得られた混合液を、pH4.8を超え6.0に調整した後、60〜90℃で加温する工程、
    (2−iii)pH調整した混合液に、さらに(B)成分を加えてさらに混合する工程、及び
    (2−iv)(2−iii)で得られた混合液を冷却する工程
    を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬組成物を製造する製造方法。
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