JP6907757B2 - 医薬組成物及びその製造方法 - Google Patents
医薬組成物及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6907757B2 JP6907757B2 JP2017124834A JP2017124834A JP6907757B2 JP 6907757 B2 JP6907757 B2 JP 6907757B2 JP 2017124834 A JP2017124834 A JP 2017124834A JP 2017124834 A JP2017124834 A JP 2017124834A JP 6907757 B2 JP6907757 B2 JP 6907757B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- hydrochloride
- pharmaceutical composition
- composition
- component
- acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
[1].(A)グリチルリチン酸及びグリチルリチン酸塩から選ばれる1種以上0.1〜0.3W/V%、(B)環式構造又は多環式構造を有する塩基性物質0.005〜0.15W/V%を含有し、(B)/(A)で表される含有質量比が0.017〜0.6であり、pHが3.0〜6.0の医薬組成物。
[2].粘弾性を発現する分子集合体を含む[1]記載の医薬組成物。
[3].(B)が塩酸テトラヒドロゾリン、ピリドキシン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ベルベリン硫酸塩水和物、ベルベリン塩化物水和物、エピネフリン、フェニレフリン塩酸塩、エフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩及びナファゾリン塩酸塩から選ばれる[1]又は[2]記載の医薬組成物。
[4].外用剤組成物である[1]〜[3]のいずれかに記載の医薬組成物。
[5].点眼剤又は洗眼剤である[1]〜[3]のいずれかに記載の医薬組成物。
(A)グリチルリチン酸及びグリチルリチン酸塩から選ばれる1種以上
(A)成分としては、グリチルリチン酸の他、グリチルリチン酸塩として、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸アンモニウム等が挙げられる。グリチルリチン酸及びグリチルリチン酸塩は消炎成分として有効な成分である。
(B)成分は、(A)成分の粘弾性を発現する分子集合体形成を促進するために配合される。(B)成分を加えることで(A)成分が低濃度でかつpHが低い領域でも粘弾性を発現する分子集合体を形成する。さらに、形成した粘弾性を発現する分子集合体の貯蔵弾性率を高める効果を有する。(B)成分としては、環式構造又は多環式構造を有するものであれば特に限定されず、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。このような成分としては、塩酸テトラヒドロゾリン、ピリドキシン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ベルベリン硫酸塩水和物、ベルベリン塩化物水和物、エピネフリン、フェニレフリン塩酸塩、エフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩及びナファゾリン塩酸塩等が挙げられる。中でも、塩酸テトラヒドロゾリン、ジフェンヒドラミン塩酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ナファゾリン塩酸塩が好ましく、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ナファゾリン塩酸塩がより好ましい。
(1)pHが3.0〜4.8の場合
(i)(B)成分を除く全ての成分に精製水に加えて混合する工程
(ii)この混合液のpH調整(目的とするpH3.0〜4.8)をした後、60〜90℃に加温する工程
なお、加温時間は特に限定されないが10〜20分が好ましい。
(iii)pH調整した混合液に、さらに(B)成分を加えてさらに混合する工程
なお、混合時間は特に限定されないが10〜20分の範囲で適宜選定される。
その後、必要に応じてpH調整を行う。なお、(iii)工程後に、下記(iv)冷却工程を行ってもよい。
(i)(B)成分を除く全ての成分に精製水に加えて混合する工程
(ii)この混合液のpH調整(目的とするpH4.8を超え6.0)をした後、60〜90℃で加温する工程
なお、加温時間は特に限定されないが10〜20分が好ましい。
(iii)pH調整した混合液に、さらに(B)成分を加えてさらに混合する工程
なお、混合時間は特に限定されないが10〜20分の範囲で適宜選定される。
(iv)(iii)で得られた混合液を冷却する工程
その後、必要に応じてpH調整を行う。
(B)成分を除くすべての成分を精製水に分散しpH調整を行った後、80℃条件にて加温溶解させた。引き続き、所定量の(B)成分を添加しスターラーにて10分撹拌後、室温まで冷却して、組成物を調製した。なお、pH4.8を超えるものについては、(B)成分を添加し、スターラーにて10分撹拌後、12時間5℃冷却して組成物を調製した。得られた組成物について、下記評価を行った。実施例2及び比較例2については、滞留時間も評価した。結果を表中に併記する。
ネットワーク構造の形成を透過型電子顕微鏡観察で確認した。分子集合体のネットワーク構造の形成が形成されたものを「〇」、形成されていないものを「×」とした。
〈透過型電子顕微鏡によるネットワーク構造形成の確認〉
(1)サンプル調製
・装置:急速凍結用装置 EM−CPC(LEICA製)
・急速凍結条件
凍結用冷媒:液体エタン、凍結温度:−170℃未満
手順
1)グリッド上にサンプル(約4マイクロリットル)を滴下
2)過剰量を濾紙で吸い取り薄膜化(< 300nm)
3)液体エタン中に瞬間的に突入させて急速凍結(アモルファス状氷の形成)
(2)観察
・装置:透過型電子顕微鏡H−7650(日立ハイテクノロジーズ製)
・観察条件:加速電圧:120kV、エミッション電流:3マイクロアンペア、スポットサイズ:1マイクロメートル、観察温度:<−170℃
Low Dose ConDition moDe
クライオトランスファー CT−3500(OxforD Instruments製)
ゲル強度を、ティーエーインスツルメント社製ストレス制御式レオメーターAR−2000EXを用いた動的粘弾性測定(周波数依存性測定)により得られる貯蔵弾性率G’を用いて評価した。測定は直径4Cm、コーン角1°のコーンプレートシステムを用い、25℃、周波数0.628rAD/s〜6.28rAD/sの範囲で測定した。G’は測定周波数の範囲において一定値を取ることから、6.28rAD/sにおけるG’を代表値とした。なお、増粘剤が配合される場合は配合前のG’を用いて評価する。
健常者3名に対し各々2滴点眼し、点眼時のべたつき感を次の基準によりスコア化した。3点:べたつき感が無い、2点:ほとんどべたつき感が無い、1点:ややべたつき感がある、0点:べたつき感がある。結果を3名の平均点から、以下の基準により示す。「◎」、「〇」、「△」を合格とする。
〈べたつきのなさ評価基準〉
◎:2.5点以上
○:2.5点未満1.5点以上
△:1.5点未満0.5点以上
×:0.5点未満
調製した組成物に蛍光色素フルオレセインナトリウムを0.05質量%添加した後、被験者5名の結膜嚢に20μL点眼した。結膜嚢にフルオレセインナトリウムの蛍光色が確認できなくなるまでの時間の平均値を滞留時間とした。観察にはスリットランプ(SL−D8Z、トプコン(株)製)を用いた。判定は以下の基準に基づいて目視にて行った。
〈判定基準〉
◎:60分以上
○:30分以上60分未満
△:10分以上30分未満
×:10分未満
下記表に示す組成の皮膚外用液剤、点眼剤を上記実施例の製法に基づき調製した。
グリチルリチン酸二カリウム(丸善製薬(株)製)
ピリドキシン塩酸塩(第一ファインケミカル(株)製)
ジフェンヒドラミン塩酸塩(和光純薬工業(株)製)
塩酸テトラヒドロゾリン(岡見化学工業(株)製)
ナファゾリン塩酸塩(MP Biomedicals,Inc製)
ケトチフェンフマル酸塩(和光純薬工業(株)製)
クロルフェニラミンマレイン酸塩(金剛化学(株)製)
ベルベリン塩化物水和物(アルプス薬品工業(株)製)
ベルベリン硫酸塩水和物(東京化成工業(株)製)
エピネフリン(和光純薬工業(株)製)
フェニレフリン塩酸塩(和光純薬工業(株)製)
エフェドリン塩酸塩(丸石製薬(株)製)
メチルエフェドリン塩酸塩(アルプス薬品工業(株)製)
HPMC(ヒドロキシプロピルメチルセルロース)(信越化学(株)製)90SH−4000
アルギン酸ナトリウム(キミカ(株)製)I−8
Claims (5)
- (A)グリチルリチン酸及びグリチルリチン酸塩から選ばれる1種以上0.1〜0.3W/V%、(B)塩酸テトラヒドロゾリン、ピリドキシン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、ケトチフェンフマル酸塩、クロルフェニラミンマレイン酸塩、ベルベリン硫酸塩水和物、ベルベリン塩化物水和物、エピネフリン、フェニレフリン塩酸塩、エフェドリン塩酸塩、メチルエフェドリン塩酸塩及びナファゾリン塩酸塩から選ばれる1種以上0.005〜0.15W/V%を含有し、(B)/(A)で表される含有質量比が0.017〜0.6であり、粘弾性を発現する分子集合体を含み、pHが3.0〜6.0であり、温度25℃で周波数6.28rAD/sにおける貯蔵弾性率G’が0.5Pa以上である医薬組成物。
- 外用剤組成物である請求項1記載の医薬組成物。
- 点眼剤又は洗眼剤である請求項1記載の医薬組成物。
- pHが3.0〜5.3である請求項1又は2記載の医薬組成物。
- (1)pHが3.0〜4.8の場合は、
(1−i)(B)成分を除く全ての成分に精製水に加えて混合する工程、
(1−ii)得られた混合液をpH3.0〜4.8に調整した後、60〜90℃に加温する工程、及び
(1−iii)pH調整した混合液に、さらに(B)成分を加えてさらに混合する工程
を含み、
(2)pHが4.8を超え6.0の場合は、
(2−i)(B)成分を除く全ての成分に精製水に加えて混合する工程、
(2−ii)得られた混合液を、pH4.8を超え6.0に調整した後、60〜90℃で加温する工程、
(2−iii)pH調整した混合液に、さらに(B)成分を加えてさらに混合する工程、及び
(2−iv)(2−iii)で得られた混合液を冷却する工程
を含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の医薬組成物を製造する製造方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016127439 | 2016-06-28 | ||
JP2016127439 | 2016-06-28 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018002717A JP2018002717A (ja) | 2018-01-11 |
JP6907757B2 true JP6907757B2 (ja) | 2021-07-21 |
Family
ID=60947341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017124834A Active JP6907757B2 (ja) | 2016-06-28 | 2017-06-27 | 医薬組成物及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6907757B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7014078B2 (ja) * | 2018-07-25 | 2022-02-01 | ライオン株式会社 | 眼科用組成物及び析出抑制方法 |
CN111195265A (zh) * | 2018-11-16 | 2020-05-26 | 周瑜帅 | 一种能够防止干涩的清洁型眼药水 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001131055A (ja) * | 1999-11-09 | 2001-05-15 | Lion Corp | 液剤、液剤の白濁解消方法及び液剤の経粘膜吸収促進方法 |
JP4856392B2 (ja) * | 2004-04-23 | 2012-01-18 | ロート製薬株式会社 | 防腐剤及びこれを含有する水性組成物 |
-
2017
- 2017-06-27 JP JP2017124834A patent/JP6907757B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2018002717A (ja) | 2018-01-11 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP7369683B2 (ja) | 水溶性超分子複合体 | |
TWI417112B (zh) | 乳化組成物 | |
JP5563723B2 (ja) | 経時安定性を有するw/o/w型エマルションおよびその製造方法 | |
US20100015187A1 (en) | Macro-sized lipid capsule emulsion composition and cosmetic composition containing the same | |
JP2008201789A (ja) | 多糖類含有組成物およびその用途 | |
JP2003183157A (ja) | 眼科用組成物 | |
TW201212945A (en) | Skin cosmetic | |
BRPI1009190B1 (pt) | Solar filter composition | |
TWI791684B (zh) | 在內相中穩定化高含量爐甘石的水包油型化妝料組合物及其化妝品 | |
JP2022501314A (ja) | 局所用組成物 | |
JP6907757B2 (ja) | 医薬組成物及びその製造方法 | |
JP5827079B2 (ja) | 粉体含有皮膚外用剤 | |
KR20170124320A (ko) | 폴리글리세릴계 유화제를 포함하는 나노에멀젼 조성물 | |
JP6893758B2 (ja) | W/o型乳化組成物 | |
KR101859674B1 (ko) | 알약 형태의 화장료 조성물 | |
JP5586026B2 (ja) | 逆紐状ミセルから成るオイルゲル化剤および増粘ゲル状組成物 | |
WO2020158881A1 (ja) | 皮膚又は粘膜の外用剤及びその製造方法、並びに皮膚又は粘膜の外用剤の基剤 | |
JP5582467B2 (ja) | レシチンおよび尿素を主成分とする逆紐状ミセルから成るオイルゲル | |
JP5199744B2 (ja) | 皮膚化粧料組成物 | |
JP2003055201A (ja) | ビタミンa類含有可溶化組成物及びビタミンa類の安定化方法 | |
TW201625222A (zh) | 呈分散液形式之化妝品及/或醫藥組成物、其製備方法及其用於皮膚處理之用途 | |
JP7570174B2 (ja) | 乳化安定化方法 | |
CN111050777A (zh) | 提供改善的眼睛舒适度的组合物 | |
JP2006117539A (ja) | 油性軟膏剤 | |
JP7056480B2 (ja) | 眼科用組成物及び涙液油層安定化剤 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20200310 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210126 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210326 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210420 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210518 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210601 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210614 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6907757 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |