JP6907344B2 - 深層ニューラルネットワークに基づくバリアント分類器 - Google Patents

深層ニューラルネットワークに基づくバリアント分類器 Download PDF

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Description

優先出願
本出願は以下の出願の優先権または利益を主張する。
2018年4月12日に出願された、「VARIANT CLASSIFIER BASED ON DEEP NEURAL NETWORKS」という表題の米国仮特許出願第62/656,741号(代理人整理番号ILLM 1007-1/IP-1681/PRV)、および
2018年5月2日に出願された、「VARIANT CLASSIFIER BASED ON DEEP NEURAL NETWORKS」という表題のオランダ出願第2020861号(代理人整理番号ILLM 1007-4/IP-1681-NL)。
優先出願は、すべての目的のために参照により本明細書によって引用される。
開示される技術の分野
開示される技術は、人工知能タイプコンピュータならびにデジタルデータ処理システムならびに知性のエミュレーションのための対応するデータ処理方法および製品(すなわち、知識ベースシステム、推論システム、知識取得システム)に関し、不確実性を伴う推論のためのシステム(たとえば、ファジー論理システム)、適応システム、機械学習システム、および人工ニューラルネットワークを含む。具体的には、開示される技術は、データを分析するために畳み込みニューラルネットワーク(CNN)および全結合ニューラルネットワーク(FCNN)などの深層ニューラルネットワークを使用することに関する。
このセクションにおいて論じられる主題は、このセクションにおける言及の結果として、単なる従来技術であると見なされるべきではない。同様に、このセクションにおいて言及される問題、または背景として提供される主題と関連付けられる問題は、従来技術においてこれまで認識されていたと見なされるべきではない。このセクションの主題は異なる手法を表すにすぎず、それらの異なる手法自体も、特許請求される技術の実装形態に対応し得る。
次世代シーケンシングは、大量のシーケンシングされたデータをバリアント分類のために利用可能にした。シーケンシングされたデータは、高度に相関し、複雑な相互依存関係を有しており、このことが、サポートベクターマシンのような従来の分類器をバリアント分類のタスクに適用することを妨げている。したがって、シーケンシングされたデータから高水準の特徴量を抽出することが可能な進化した分類器が望まれている。
深層ニューラルネットワークは、高水準の特徴を連続的にモデル化して逆伝播を介してフィードバックを提供するために、複数の非線形で複雑な変換層を使用する、あるタイプの人工ニューラルネットワークである。深層ニューラルネットワークは、大きな訓練データセット、並列および分散コンピューティングの能力、および洗練された訓練アルゴリズムが利用可能になることとともに進化してきた。深層ニューラルネットワークは、コンピュータビジョン、音声認識、および自然言語処理などの、多数の領域において大きな進化を促進してきた。
畳み込みニューラルネットワークおよび再帰型ニューラルネットワークは、深層ニューラルネットワークの構成要素である。畳み込みニューラルネットワークは、畳み込み層、非線形層、およびプーリング層を備えるアーキテクチャにより、画像認識において特に成功してきた。再帰型ニューラルネットワークは、パーセプトロン、長短期メモリユニット、およびゲート付き回帰型ユニットのようなビルディングブロックの間で、巡回接続を用いて入力データの連続的情報を利用するように設計される。加えて、深層空間時間ニューラルネットワーク、多次元再帰型ニューラルネットワーク、および畳み込みオートエンコーダなどの、多くの他の新興の深層ニューラルネットワークが、限られた文脈に対して提案されている。
深層ニューラルネットワークを訓練する目的は、各層における重みパラメータの最適化であり、このことは、最も適した階層的表現をデータから学習できるように、より単純な特徴を複雑な特徴へと徐々に合成する。最適化プロセスの単一のサイクルは次のように編成される。まず、ある訓練データセットのもとで、フォワードパスが各層の中の出力を順番に計算し、ネットワークを通じて関数信号を前に伝播させる。最後の出力層において、目的損失関数が、推論された出力と所与のラベルとの間の誤差を測定する。訓練誤差を最小にするために、バックワードパスは、連鎖律を逆伝播誤差信号に使用し、ニューラルネットワーク全体のすべての重みに関する勾配を計算する。最後に、重みパラメータは、確率的勾配降下に基づく最適化アルゴリズムを使用して更新される。一方、バッチ勾配降下は、各々の完全なデータセットに対するパラメータ更新を実行し、確率的勾配降下は、データ例の各々の小さいセットに対する更新を実行することによって確率的近似を提供する。いくつかの最適化アルゴリズムは、確率的勾配低下に由来する。たとえば、AdagradおよびAdam訓練アルゴリズムは、確率的勾配降下を実行しながら、それぞれ、各パラメータのための更新頻度および勾配のモーメントに基づいて学習率を適応的に修正する。
深層ニューラルネットワークの訓練における別のコア要素は正則化であり、これは、過剰適応を避けることで良好な一般化性能を達成することを意図した戦略を指す。たとえば、重み減衰は、重みパラメータがより小さい絶対値へと収束するように、目的損失関数にペナルティ項を追加する。ドロップアウトは、訓練の間にニューラルネットワークから隠れユニットをランダムに除去し、可能性のあるサブネットワークのアンサンブルであると見なされ得る。ドロップアウトの能力を高めるために、新しい活性化関数であるmaxoutと、rnnDropと呼ばれる再帰型ニューラルネットワークのためのドロップアウトの変形が提案されている。さらに、バッチ正規化は、ミニバッチ内の各活性化のためのスカラー特徴量の正規化と、各平均および分散をパラメータとして学習することとを通じた、新しい正則化方法を提供する。
シーケンシングされたデータが多次元かつ高次元であるとすると、深層ニューラルネットワークは、その広い適用可能性および高い予測能力により、バイオインフォマティクスの研究に対して高い将来性がある。畳み込みニューラルネットワークは、モチーフの発見、病原性バリアントの特定、および遺伝子発現の推論などの、ゲノミクスにおける配列に基づく問題を解決するために適合されてきた。畳み込みニューラルネットワークの特徴は、畳み込みフィルタの使用である。精巧に設計され人間により作られた特徴に基づく従来の分類手法とは異なり、畳み込みフィルタは、生の入力データを知識の有用な表現へとマッピングする処理と類似した、特徴の適応学習を実行する。この意味で、畳み込みフィルタは一連のモチーフスキャナとして機能し、それは、そのようなフィルタのセットが、入力の中の関連するパターンを認識し、訓練手順の間にそれらを更新することが可能であるからである。再帰型ニューラルネットワークは、タンパク質またはDNA配列などの、可変の長さの連続的データにおける長距離の依存関係を捉えることができる。
したがって、バリアント分類のために深層ニューラルネットワークを使用する機会が生じる。
国際特許出願公開第WO07010252号 国際特許出願第PCTGB2007/003798号 米国特許出願公開第2009/0088327号 米国特許出願公開第2016/0085910号 米国特許出願公開第2013/0296175号 国際特許出願公開第WO 04/018497号 米国特許第7057026号 国際特許出願公開第WO 91/06678号 国際特許出願公開第WO 07/123744号 米国特許第7329492号 米国特許第7211414号 米国特許第7315019号 米国特許第7405281号 米国特許出願公開第2008/0108082号 米国特許第5641658号 米国特許出願公開第2002/0055100号 米国特許第7115400号 米国特許出願公開第2004/0096853号 米国特許出願公開第2004/0002090号 米国特許出願公開第2007/0128624号 米国特許出願公開第2008/0009420号 米国特許出願公開第2007/0099208A1号 米国特許出願公開第2007/0166705A1号 米国特許出願公開第2008/0280773A1号 米国特許出願第13/018255号 国際特許出願公開第WO 2014/142831号
I.J.Goodfellow、D.Warde-Farley、M.Mirza、A.Courville、およびY.Bengio、「CONVOLUTIONAL NETWORKS」、Deep Learning、MIT Press、2016年 J.Wu、「INTRODUCTION TO CONVOLUTIONAL NEURAL NETWORKS」、Nanjing University、2017年 N.ten DIJKE、「Convolutional Neural Networks for Regulatory Genomics」、修士論文、Universiteit Leiden Opleiding Informatica、2017年6月17日 Bentley他、Nature 456:53-59(2008) Lizardi他、Nat. Genet. 19:225-232(1998) Dunn, TamsenおよびBerry, GwennおよびEmig-Agius, DorotheaおよびJiang, YuおよびIyer, AnitaおよびUdar, NitinおよびStromberg, Michael、(2017)、Pisces: An Accurate and Versatile Single Sample Somatic and Germline Variant Caller、595-595、10.1145/3107411.3108203 T Saunders, ChristopherおよびWong, WendyおよびSwamy, SajaniおよびBecq, JenniferおよびJ Murray, LisaおよびCheetham, Keira、(2012)、Strelka: Accurate somatic small-variant calling from sequenced tumor-normal sample pairs、Bioinformatics (Oxford, England)、28、1811-7、10.1093/bioinformatics/bts271 Kim, S、Scheffler, K、Halpern, A.L.、Bekritsky, M.A、Noh, E、Kallberg, M、Chen, X、Beyter, D、Krusche, P、およびSaunders, C.T、(2017)、Strelka2: Fast and accurate variant calling for clinical sequencing applications Stromberg, MichaelおよびRoy, RajatおよびLajugie, JulienおよびJiang, YuおよびLi, HaochenおよびMargulies, Elliott、(2017)、Nirvana: Clinical Grade Variant Annotator、596-596、10.1145/3107411.3108204
図面において、同様の参照文字は一般に様々な図全体で同様の部分を指す。また、図面は必ずしも縮尺通りではなく、代わりに、開示される技術の原理を示す際に一般に強調が行われる。以下の説明では、開示される技術の様々な実装形態が、以下の図面を参照して説明される。
一実装形態による、バリアント分類器が動作する環境を示す図である。 バリアントの側に上流および下流の塩基がある例示的な入力配列を示す図である。 入力配列を符号化するために使用されるワンホット符号化方式を示す図である。 変異特性、リードマッピング統計、および発生頻度のそれぞれの値と、各々の分類されていないバリアントを相関付けるメタデータ相関器の一実装形態を示す図である。 バリアントと相関付けられるコンテクストメタデータ特徴量のいくつかの例を強調する図である。 バリアントと相関付けられるシーケンシングメタデータ特徴量のいくつかの例を強調する図である。 バリアントと相関付けられる機能的メタデータ特徴量のいくつかの例を強調する図である。 バリアントと相関付けられる集団メタデータ特徴量のいくつかの例を強調する図である。 バリアントと相関付けられる民族性メタデータ特徴量の一例を強調する図である。 バリアント分類器によって実行されるバリアント分類のアーキテクチャの例を示す図である。 バリアント分類器によって実行されるバリアント分類のアルゴリズムの例を示す図である。 転移学習戦略に従ったバリアント分類器の訓練と、それに続く訓練されたバリアント分類器の評価および検定の一実装形態を示す図である。 エクソンデータに対するバリアントコーラ(本明細書ではSojournerとも呼ばれる)の性能結果を示す図である。感度および特異度によって定量化されるこれらの結果は、非深層ニューラルネットワーク分類器を上回るSojournerの利点および優位性を立証する。 エクソンにわたってバリアントを分類するときの、非深層ニューラルネットワーク分類器を使用する場合と比較したSojournerを使用する場合の偽陽性率の改善を示す図である。 エクソンにわたってバリアントを分類するときの、非深層ニューラルネットワーク分類器を使用する場合と比較したSojournerを使用する場合の平均の絶対的な腫瘍変異負荷(TMB)誤差を示す図である。 エクソンにわたってバリアントを分類するときの、非深層ニューラルネットワーク分類器を使用する場合と比較したSojournerを使用する場合の平均の絶対的なTMB誤差の改善を示す図である。 CDS(コードDNA配列)データに対するSojournerの性能結果を示す図である。感度および特異度によって定量化されるこれらの結果は、非深層ニューラルネットワーク分類器を上回るSojournerの利点および優位性を立証する。 コード領域にわたってバリアントを分類するときの、非深層ニューラルネットワーク分類器を使用する場合と比較したSojournerを使用する場合の同様の偽陽性率を示す図である。 コード領域にわたってバリアントを分類するときの、非深層ニューラルネットワーク分類器を使用する場合と比較したSojournerを使用する場合の平均の絶対的なTMB誤差を示す図である。 エクソンにわたってバリアントを分類するときの、非深層ニューラルネットワーク分類器を使用する場合と比較したSojournerを使用する場合の同様の平均の絶対的なTMB誤差を示す図である。 バリアント分類器を実装するために使用され得るコンピュータシステムを示す図である。
以下の議論は、あらゆる当業者が開示される技術を作成して使用することを可能にするために提示され、特定の適用例およびその要件の文脈で与えられる。開示される実装形態への様々な修正が当業者に容易に明らかとなり、本明細書で定義される一般的な原理は、開示される技術の趣旨および範囲から逸脱することなく他の実装形態および適用例に適用され得る。したがって、開示される技術は、示される実装形態に限定されることは意図されず、本明細書で開示される原理および特徴と矛盾しない最も広い範囲を認められるべきである。
議論は次のように整理される。まず、様々な実装形態により対処される技術的な問題のいくつかを説明する導入部が提示され、バリアント分類器の概要および議論全体を通じて使用される用語の説明がそれに続く。次に、バリアント分類器が動作する例示的な環境が、シーケンシングプロセスおよびバリアントアノテーション/コールアプリケーションとともに高水準で論じられる。次いで、バリアント分類器に入力として供給される様々なデータ構造が、データ相関モデルおよびいくつかのメタデータサンプルと一緒に論じられる。次に、バリアント分類器によって実行されるバリアント分類のアーキテクチャの例が提示され、そのアルゴリズムの例が後に続く。次いで、バリアント分類器を訓練するために使用される転移学習戦略が、バリアント分類器を評価して検定するための戦略に関連して論じられる。次に、非深層ニューラルネットワーク分類器を上回るバリアント分類器の利点および優位性を立証する、性能結果が提示される。最後に、様々な具体的な実装形態が論じられる。
[導入]
正常細胞から癌細胞への転換は、体細胞突然変異と呼ばれる個別の遺伝的な事象の連続により発生する。腫瘍変異負荷(TMB)は、シーケンシングされたDNAの100万塩基対当たりの体細胞突然変異の数の尺度であり、癌の免疫療法への応答を予測するための定量的な指標として使用される。生殖細胞系列バリアントのフィルタリングは、正確なTMB評価を得るための重要な前処理ステップであり、それは、体細胞バリアントのみがTMBを計算するために使用され、生殖細胞系列バリアントは体細胞バリアントよりはるかに一般的(100〜1000倍)であるからである。
我々は、所与のバリアントが体細胞性であるか生殖細胞系列であるかを予測するために訓練された深層ニューラルネットワークを使用する、バリアント分類器を導入する。我々のモデルは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)および全結合ニューラルネットワーク(FCNN)という、2つの深層ニューラルネットワークを有する。我々のモデルは、バリアントを伴うDNA配列およびバリアントと相関するメタデータ特徴量のセットという、2つの入力を受け取る。
モデルへの第1の入力はDNA配列である。我々は、DNA配列を、4つのタイプのヌクレオチド塩基A、C、G、およびTを数値的に符号化する複数のチャネルを伴う画像と見なす。バリアントにまたがるDNA配列は、配列の中の各々の個別の塩基の場所固有の情報を保存するために、ワンホット符号化される。
畳み込みニューラルネットワークはワンホット符号化されたDNA配列を受け取り、それは、ワンホット符号化されたDNA配列が配列内の空間的な位置関係を維持することが可能であるからである。畳み込みニューラルネットワークは、複数の畳み込み層を通じてDNA配列を処理し、1つまたは複数の中間の畳み込まれた特徴量を作り出す。畳み込み層は、畳み込みフィルタを利用してDNA配列内の特徴量を検出する。畳み込みフィルタは、低水準モチーフ特徴量についてDNA配列を走査するモチーフ検出器として動作し、背後にある配列パターンに応じて異なる強さの信号を作り出す。畳み込みフィルタは、体細胞バリアントおよび生殖細胞系列バリアントの数千個および数百万個の訓練例について訓練した後で自動的に学習される。
モデルへの第2の入力は、バリアントと相関するメタデータ特徴量のセットである。メタデータ特徴量は、バリアントの変異特性、リードマッピング統計、および発生頻度を表す。変異特性の例は、バリアントのタイプ、アミノ酸影響、進化的保存、および臨床的有意性である。リードマッピング統計の例は、バリアントアレル頻度、リード深さ、および塩基コール品質スコアである。発生頻度の例は、シーケンシングされた集団および民族的亜集団におけるアレル頻度である。メタデータ特徴量の一部は、ワンホット値またはブール値などのカテゴリカルデータを使用して符号化されるが、他のものは百分率または確率値などの連続的なデータを使用して符号化される。メタデータ特徴量は位置関係を欠いており、それは、それらがバリアントのみと相関しているからである。このことは、メタデータ特徴量を、全結合ニューラルネットワークによる処理に対して適したものにする。
まず、特徴量配列が、メタデータ特徴量を中間の畳み込まれた特徴量と連結することによって導かれる。全結合ニューラルネットワークが次いで、複数の全結合層を通じて特徴量配列を処理する。全結合層の密に接続されたニューロンが、特徴量配列において符号化されている高水準の特徴量を検出する。最後に、全結合ニューラルネットワークの分類層が、バリアントが体細胞性である確率、生殖細胞系列である確率、またはノイズである確率を出力する。ノイズカテゴリがあることで、体細胞カテゴリおよび生殖細胞系列カテゴリの分類が改善する。
学習率を向上させて過剰適応を減らすために、畳み込み層と全結合層との間に、バッチ正規化および正規化線形ユニット非線形性のペアが散在する。モデルは、The Cancer Genome Atlas(TCGA)データセットからの体細胞バリアントおよび生殖細胞系列バリアントについて事前訓練され、次いで、転移学習戦略に従ってTruSight Tumor(TST)データセット上で微調整される。結果は、TSTデータセットから提供された妥当性確認データに対する我々のモデルの有効性および効率性を実証している。感度および特異度によって定量化されるこれらの結果は、従来の分類器を上回る我々のモデルの利点および優位性を立証する。
[用語]
限定はされないが、特許、特許出願、論説、書籍、論文、およびウェブページを含む、本出願において引用されるすべての文献および同様の資料は、そのような文献および同様の資料のフォーマットとは無関係に、全体が参照によって明確に引用される。限定はされないが、定義される用語、用語の使用法、説明される技法などを含めて、引用される文献および同様の資料のうちの1つまたは複数が、本出願とは異なる場合、または本出願と矛盾する場合、本出願が優先する。
本明細書では、以下の用語は示される意味を有する。
本出願のいくつかの部分、特に図面において、バリアント分類器を「Sojourner」と呼ぶ。
塩基は、ヌクレオチド塩基またはヌクレオチド、すなわちA(アデニン)、C(シトシン)、T(チミン)、またはG(グアニン)を指す。
「染色体」という用語は、生きている細胞の遺伝情報を持っている遺伝子の担体を指し、これはDNAおよびタンパク質の構成要素(特にヒストン)を備えるクロマチン鎖に由来する。従来の国際的に認識されている個々のヒトゲノム染色体ナンバリングシステムが本明細書で利用される。
「サイト」という用語は、基準ゲノム上の一意な場所(たとえば、染色体ID、染色体の場所および向き)を指す。いくつかの実装形態では、サイトは、残基、配列タグ、または配列上のセグメントの場所であり得る。「座」という用語は、基準染色体上での核酸配列または多型の具体的な位置を指すために使用され得る。
本明細書の「サンプル」という用語は、典型的には、シーケンシングおよび/もしくはフェージングされるべき少なくとも1つの核酸配列を含有する核酸もしくは核酸の混合物を含有する、体液、細胞、組織、器官、または生物体に由来する、サンプルを指す。そのようなサンプルは、限定はされないが、唾液/口腔液、羊水、血液、血液の断片、細針生検サンプル(たとえば、直視下生検、細針生検など)、尿、腹膜液、胸膜液、組織外植、器官培養、および任意の他の組織もしくは細胞の標本、またはそれらの一部もしくはそれらの派生物、またはそれらから分離されたものを含む。サンプルはしばしば、ヒト対象(たとえば、患者)から取られるが、サンプルは、限定はされないが、イヌ、ネコ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、ウシ、ブタなどを含む、染色体を有する任意の生物体から取ることができる。サンプルは、生物学的な供給源から得られるものとして直接使用されることがあり、または、サンプルの特性を修正するための前処理の後に使用されることがある。たとえば、そのような前処理は、血液から血漿を調製すること、粘液を希釈することなどを含み得る。前処理の方法はまた、限定はされないが、濾過、沈殿、希釈、蒸留、混合、遠心分離、凍結、凍結乾燥、濃縮、増幅、核酸断片化、干渉する要素の不活性化、試薬の追加、溶解などを伴い得る。
「配列」という用語は、互いに結合されたヌクレオチドの鎖を含み、または表す。ヌクレオチドはDNAまたはRNAに基づき得る。1つの配列は複数の部分配列を含み得ることを理解されたい。たとえば、(たとえばPCRアンプリコン)の単一配列は350個のヌクレオチドを有し得る。サンプルリードは、これらの350個のヌクレオチド内の複数の部分配列を含み得る。たとえば、サンプルリードは、たとえば20〜50個のヌクレオチドを有する、第1および第2のフランキング部分配列を含み得る。第1および第2のフランキング部分配列は、対応する部分配列(たとえば、40〜100個のヌクレオチド)を有する反復的なセグメントの両側に位置し得る。フランキング部分配列の各々は、プライマー部分配列(たとえば、10〜30個のヌクレオチド)を含み得る(またはその一部を含み得る)。読むのを簡単にするために、「部分配列」という用語は「配列」と呼ばれるが、2つの配列は必ずしも共通の鎖上で互いに別々であるとは限らないことを理解されたい。本明細書で説明される様々な配列を区別するために、配列は異なるラベル(たとえば、標的配列、プライマー配列、フランキング配列、基準配列など)を与えられ得る。「アレル」などの他の用語は、同様の物を区別するために異なるラベルを与えられ得る。
「ペアエンドシーケンシング(paired-end sequencing)」という用語は、標的フラグメントの両端をシーケンシングするシーケンシング方法を指す。ペアエンドシーケンシングは、ゲノム再配置および反復セグメント、ならびに遺伝子融合および新規転写物の検出を容易にし得る。ペアエンドシーケンシングの方法論は、各々が本明細書において参照によって引用される、国際特許出願公開第WO07010252号、国際特許出願第PCTGB2007/003798号、および米国特許出願公開第2009/0088327号において説明されている。一例では、一連の操作は次のように実行され得る。(a)核酸のクラスタを生成する。(b)核酸を直線化する。(c)第1のシーケンシングプライマーをハイブリダイゼーションし、上で記載されたような延長、走査、およびデブロッキングの繰り返されるサイクルを実行する。(d)相補的なコピーを合成することによってフローセル表面上の標的核酸を「逆にする」。(e)再合成された鎖を直線化する。(f)第2のシーケンシングプライマーをハイブリダイゼーションし、上で記載されたような延長、走査、およびデブロッキングの繰り返されるサイクルを実行する。この逆転操作は、ブリッジ増幅の単一サイクルについて上に記載されたように試薬を導入するために実行され得る。
「基準ゲノム」または「基準配列」という用語は、対象からの特定された配列の基準にするために使用され得る任意の生物体の任意の特定の既知のゲノム配列を、それが部分的なものであるか完全なものであるかにかかわらず指す。たとえば、ヒト対象ならびに多くの他の生物体のために使用される基準ゲノムは、ncbi.nlm.nih.govの米国国立生物工学情報センターにおいて見つかる。「ゲノム」は、核酸配列で表現される、生物体またはウイルスの完全な遺伝情報を指す。ゲノムは、遺伝子とDNAのノンコーディング配列の両方を含む。基準配列は、それとアラインメントされるリードより大きいことがある。たとえば、それは少なくとも約100倍大きいことがあり、または少なくとも約1000倍大きいことがあり、または少なくとも約10000倍大きいことがあり、または少なくとも約105倍大きいことがあり、または少なくとも約106倍大きいことがあり、または少なくとも約107倍大きいことがある。一例では、基準ゲノム配列は、完全な長さのヒトゲノムの基準ゲノム配列である。別の例では、基準ゲノム配列は、13番染色体などの特定のヒト染色体に限定される。いくつかの実装形態では、基準染色体は、ヒトゲノムバージョンhg19からの染色体配列である。そのような配列は染色体基準配列と呼ばれ得るが、基準ゲノムという用語がそのような配列を包含することが意図される。基準配列の他の例には、他の種のゲノム、ならびに任意の種の染色体、部分染色体領域(鎖など)などがある。様々な実装形態において、基準ゲノムは、複数の個体に由来するコンセンサス配列または他の組合せである。しかしながら、いくつかの適用例では、基準配列は特定の個体から取られることがある。
「リード」という用語は、ヌクレオチドサンプルまたは基準のフラグメントを記述する配列データの集合体を指す。「リード」という用語は、サンプルリードおよび/または基準リードを指し得る。通常、必須ではないが、リードは、サンプルまたは基準における連続的な塩基対の短い配列を表す。リードは、サンプルまたは基準フラグメントの塩基対配列によって文字で(ATCGで)表され得る。リードは、メモリデバイスに記憶され、リードが基準配列と一致するかどうか、または他の基準を満たすかどうかを決定するために適宜処理され得る。リードは、シーケンシング装置から直接、またはサンプルに関する記憶された配列情報から間接的に得られ得る。いくつかの場合、リードは、たとえば染色体またはゲノム領域または遺伝子にアラインメントされ具体的に割り当てられ得る、より大きい配列または領域を特定するために使用され得る、十分な長さの(たとえば、少なくとも約25bp)DNA配列である。
次世代シーケンシング方法には、たとえば、合成技術によるシーケンシング(Illumina)、パイロシーケンシング(454)、イオン半導体技術(Ion Torrentシーケンシング)、単一分子リアルタイムシーケンシング(Pacific Biosciences)、およびライゲーションによるシーケンシング(SOLiDシーケンシング)がある。シーケンシング方法に応じて、各リードの長さは、約30bpから10000bp以上にまで変動し得る。たとえば、SOLiDシーケンサを使用するIlluminaシーケンシング方法は、約50bpの核酸リードを生成する。別の例では、Ion Torrentシーケンシングは最高で400bpの核酸リードを生成し、454パイロシーケンシングは約700bpの核酸リードを生成し得る。さらに別の例では、単一分子リアルタイムシーケンシング方法は、10000bpから15000bpのリードを生成し得る。したがって、いくつかの実装形態では、核酸配列リードは、30〜100bp、50〜200bp、または50〜400bpの長さを有する。
「サンプルリード」、「サンプル配列」、または「サンプルフラグメント」という用語は、サンプルからの対象のゲノム配列の配列データを指す。たとえば、サンプルリードは、フォワードプライマー配列およびリバースプライマー配列を有するPCRアンプリコンからの配列データを備える。配列データは、任意の配列選択方法から得られ得る。サンプルリードは、たとえば、sequencing-by-synthesis(SBS)反応、sequencing-by-ligation反応、または、そのために反復要素の長さおよび/または正体を決定することが望まれる任意の他の適切なシーケンシング方法からのものであり得る。サンプルリードは、複数のサンプルリードに由来するコンセンサス(たとえば、平均または加重)配列であり得る。いくつかの実装形態では、基準配列を提供することは、PCRアンプリコンのプライマー配列に基づいて対象座を特定することを備える。
「生フラグメント」という用語は、サンプルリードまたはサンプルフラグメント内で指定場所または二次的な対象場所と少なくとも部分的に重複する、対象のゲノム配列の部分に対する配列データを指す。生フラグメントの非限定的な例には、duplex stitchedフラグメント、simplex stitchedフラグメント、duplex un-stitchedフラグメント、およびsimplex un-stitchedフラグメントがある。「生」という用語は、生フラグメントがサンプルリードの中の潜在的なバリアントに対応しそれが本物であることを証明または確認する、支持バリアントを呈するかどうかにかかわらず、サンプルリードの中の配列データに対する何らかの関連を有する配列データを含むことを示すために使用される。「生フラグメント」という用語は、フラグメントが、サンプルリードの中のバリアントコールを妥当性確認する支持バリアントを必ず含むことを示さない。たとえば、サンプルリードが第1のバリアントを呈することが、バリアントコールアプリケーションによって決定されるとき、バリアントコールアプリケーションは、1つまたは複数の生フラグメントが、サンプルリードの中にそのバリアントがあるとすれば存在することが予想され得る対応するタイプの「支持」バリアントを欠いていることを決定し得る。
「マッピング」、「アラインメントされる」、「アラインメント」、または「アラインメントしている」という用語は、リードまたはタグを基準配列と比較し、それにより、基準配列がリード配列を含むかどうかを決定するプロセスを指す。基準配列がリードを含む場合、リードは、基準配列にマッピングされることがあり、またはいくつかの実装形態では、基準配列の中の特定の位置にマッピングされることがある。いくつかの場合、アラインメントは単に、リードが特定の基準配列のメンバーであるかどうか(すなわち、リードが基準配列の中に存在するかしないか)を伝える。たとえば、ヒト13番染色体の基準配列に対するリードのアラインメントは、リードが13番染色体の基準配列の中に存在するかどうかを伝える。この情報を提供するツールは、セットメンバーシップテスターと呼ばれ得る。いくつかの場合、アラインメントは追加で、リードまたはタグがマッピングする基準配列の中の位置を示す。たとえば、基準配列がヒトゲノム配列全体である場合、アラインメントは、リードが13番染色体上に存在することを示すことがあり、さらに、リードが13番染色体の特定の鎖および/またはサイトにあることを示すことがある。
「インデル」という用語は、生物体のDNAにおける塩基の挿入および/または欠失を指す。マイクロインデルは、1〜50個のヌクレオチドの正味の変化をもたらすインデルを表す。ゲノムのコーディング領域において、インデルの長さが3の倍数ではない限り、インデルはフレームシフト変異を生み出す。インデルは点変異と対比され得る。インデルは配列からヌクレオチドを挿入または削除するが、点変異はDNAの全体の数を変えることなくヌクレオチドのうちの1つを置き換えるある形式の置換である。インデルは、タンデム塩基変異(TBM)とも対比することができ、TBMは隣接するヌクレオチドにおける置換として定義され得る(主に2つの隣接するヌクレオチドにおける置換、しかし3つの隣接するヌクレオチドにおける置換が観察されている)。
「バリアント」という用語は、核酸基準と異なる核酸配列を指す。典型的な核酸配列バリアントには、限定はされないが、一塩基多型(SNP)、短い欠失および挿入の多型(インデル)、コピー数変異(CNV)、マイクロサテライトマーカー、またはショートタンデムリピートおよび構造変異がある。体細胞バリアントコーリング(somatic variant calling)は、DNAサンプルにおいて低頻度に存在するバリアントを特定するための試みである。体細胞バリアントコーリングは、癌治療の文脈において関心の対象である。癌はDNAの変異の蓄積により引き起こされる。腫瘍からのDNAサンプルは一般に異質であり、いくつかの正常細胞、癌進行の早期段階にあるいくつかの細胞(少数の変異を伴う)、およびいくつかの後期段階の細胞(多数の変異を伴う)を含む。この異質さにより、(たとえば、FFPEサンプルから)腫瘍をシーケンシングするとき、体細胞突然変異がしばしば低頻度で現れる。たとえば、ある所与の塩基を含むリードの10%だけにおいて、SNVが見られることがある。バリアント分類器によって体細胞性または生殖細胞性であると分類されるべきバリアントは、「検定対象バリアント(variant under test)」とも本明細書では呼ばれる。
「ノイズ」という用語は、シーケンシングプロセスおよび/またはバリアントコールアプリケーションにおける1つまたは複数のエラーに起因する誤ったバリアントコールを指す。
「バリアント頻度」という用語は、割合または百分率で表される、ある集団の中の特定の座におけるアレル(遺伝子のバリアント)の相対的な頻度を表す。たとえば、この割合または百分率は、そのアレルを持つ集団の中のすべての染色体の割合であり得る。例として、サンプルバリアント頻度は、ある個人からの対象のゲノム配列について取得されたリードおよび/またはサンプルの数に対応する「集団」にわたる、対象のゲノム配列に沿った特定の座/場所におけるアレル/バリアントの相対的な頻度を表す。別の例として、基準バリアント頻度は、1つまたは複数の基準ゲノム配列に沿った特定の座/場所におけるアレル/バリアントの相対的な頻度を表し、リードおよび/またはサンプルの数に対応する「集団」は、正常な個人の集団からの1つまたは複数の基準ゲノム配列について取得される。
「バリアントアレイ頻度(VAF)」という用語は、標的場所における、バリアントと一致することが観察されたシーケンシングされたリードをカバレッジ全体で割った百分率を指す。VAFはバリアントを持つシーケンシングされたリードの比率の尺度である。
「場所」、「指定場所」、および「座」という用語は、ヌクレオチドの配列内の1つまたは複数のヌクレオチドの位置または座標を指す。「場所」、「指定場所」、および「座」という用語は、ヌクレオチドの配列の中の1つまたは複数の塩基対の位置または座標も指す。
「ハプロタイプ」という用語は、一緒に受け継がれる染色体上の隣接するサイトにおけるアレルの組合せを指す。ハプロタイプは、所与の座のセット間で組み換え事象が発生した場合にはその数に依存して、1つの座、いくつかの座、または染色体全体であり得る。
本明細書の「閾値」という用語は、サンプル、核酸、またはその一部(たとえば、リード)を特徴付けるためにカットオフとして使用される、数値または数字ではない値を指す。閾値は経験的な分析に基づいて変動し得る。閾値は、そのような値の示唆をもたらす源がある特定の方式で分類されるべきであるかどうかを決定するために、測定された値または計算された値と比較され得る。閾値は経験的または分析的に特定され得る。閾値の選択は、ユーザが分類を行うために有することを望む信頼性のレベルに依存する。閾値は特定の目的で(たとえば、感度と選択度のバランスをとるように)選ばれ得る。本明細書では、「閾値」という用語は、分析のコースが変更され得る点、および/または活動が惹起され得る点を示す。閾値は所定の数である必要はない。代わりに、閾値は、たとえば、複数の要因に基づく関数であり得る。閾値は状況に適応するものであり得る。その上、閾値は、上限、下限、または制限値間の範囲を示し得る。
いくつかの実装形態では、シーケンシングデータに基づく尺度またはスコアが閾値と比較され得る。本明細書では、「尺度」または「スコア」という用語は、シーケンシングデータから決定された値もしくは結果を含むことがあり、または、シーケンシングデータから決定された値もしくは結果に基づく関数を含むことがある。閾値と同様に、尺度またはスコアは状況に適応するものであり得る。たとえば、尺度またはスコアは正規化された値であり得る。スコアまたは尺度の例として、1つまたは複数の実装形態は、データを分析するときにカウントスコアを使用し得る。カウントスコアはサンプルリードの数に基づき得る。サンプルリードは1つまたは複数のフィルタリング段階を経ていることがあるので、サンプルリードは少なくとも1つの一般的な特性または品質を有する。たとえば、カウントスコアを決定するために使用されるサンプルリードの各々は、基準配列とアラインメントされていることがあり、または潜在的なアレルとして割り当てられることがある。一般的な特性を有するサンプルリードの数はリードカウントを決定するためにカウントされ得る。カウントスコアはリードカウントに基づき得る。いくつかの実装形態では、カウントスコアはリードカウントに等しい値であり得る。他の実装形態では、カウントスコアはリードカウントおよび他の情報に基づき得る。たとえば、カウントスコアは、遺伝子座の特定のアレルに対するリードカウントおよび遺伝子座に対するリードの総数に基づき得る。いくつかの実装形態では、カウントスコアは、遺伝子座に対するリードカウントおよび以前に得られたデータに基づき得る。いくつかの実装形態では、カウントスコアは複数の所定の値の間の正規化されたスコアであり得る。カウントスコアはまた、サンプルの他の座からのリードカウントの関数、または対象サンプルと同時に実行された他のサンプルからのリードカウントの関数であり得る。たとえば、カウントスコアは、特定のアレルのリードカウントおよびサンプルの中の他の座のリードカウントおよび/または他のサンプルからのリードカウントの関数であり得る。一例として、他の座からのリードカウントおよび/または他のサンプルからのリードカウントが、特定のアレルに対するカウントスコアを正規化するために使用され得る。
「カバレッジ」または「フラグメントカバレッジ」という用語は、配列の同じフラグメントに対するサンプルリードの数のカウントまたは他の尺度を指す。リードカウントは対応するフラグメントをカバーするリードの数のカウントを表し得る。あるいは、カバレッジは、履歴の知識、サンプルの知識、座の知識などに基づく指定された係数を、リードカウントと乗じることによって決定され得る。
「リード深さ」(慣習的に「×」が後に続く数)という用語は、標的場所における重複するアラインメントを伴うシーケンシングされたリードの数を指す。これはしばしば、平均として、または間隔(エクソン、遺伝子、またはパネルなど)のセットにわたってカットオフを超える百分率として表される。たとえば、パネル平均カバレッジが1.105×であり、カバーされる標的塩基の98%が>100×であるということを、臨床報告が述べることがある。
「塩基コール品質スコア」または「Qスコア」という用語は、単一のシーケンシングされた塩基が正しい確率に反比例する、0〜20の範囲のPHREDスケーリングされた確率を指す。たとえば、Qが20であるT塩基コールは、0.01という信頼性P値を伴い正しい可能性が高いと見なされる。Q<20であるあらゆる塩基コールは低品質であると見なされるべきであり、バリアントを支持するシーケンシングされたリードのかなりの部分が低品質であるようなあらゆる特定されたバリアントは、偽陽性の可能性があると見なされるべきである。
「バリアントリード」または「バリアントリード数」という用語は、バリアントの存在を支持するシーケンシングされたリードの数を指す。
[環境]
いわゆるSojournerバリアント分類器を使用したバリアント分類のための、システムおよび様々な実装形態を説明する。システムおよびプロセスが図1を参照して説明される。図1はアーキテクチャの図であるので、説明を分かりやすくするためにいくつかの詳細が意図的に省略されている。図1の議論は次のように整理される。まず、図のモジュールが紹介され、それらの相互接続がそれに続く。次いで、モジュールの使用法がより詳細に説明される。
図1は、一実装形態による、バリアント分類器104が動作する環境100を示す。環境100は、バリアント分類器104、連結器102、およびメタデータ相関器116という処理エンジンを含む。環境100はまた、分類されていないバリアント124、入力配列102、メタデータ特徴量126、および特徴量配列122というデータベースを含む。
モジュールとして指定される、図1の処理エンジンおよびデータベースは、ハードウェアまたはソフトウェアで実装することができ、厳密に図1に示されるのと同じブロックに分割される必要はない。モジュールの一部は、異なるプロセッサ、コンピュータ、もしくはサーバで実装されてもよく、または、いくつかの異なるプロセッサ、コンピュータ、もしくはサーバの間で分散されてもよい。加えて、モジュールの一部は、達成される機能に影響を及ぼすことなく、組み合わされてもよく、並列に、もしくは図1に示されるものとは異なる順序で動作させられてもよいことが理解されるであろう。図1のモジュールは、方法におけるフローチャートステップとして考えることもできる。モジュールはまた、必ずしもすべてのコードがメモリに連続的に配置される必要はなく、コードのいくつかの部分は、他のモジュールまたは他の機能からのコードが間に配置された状態で、コードの他の部分から分離されてもよい。
環境100のモジュールの相互接続がここで説明される。ネットワーク114は、すべてが互いに通信している(両側矢印の実線で示される)、処理エンジンおよびデータベースを結合する。実際の通信経路は、パブリックネットワークおよび/またはプライベートネットワークを介したポイントツーポイントであり得る。通信は、多様なネットワーク、たとえばプライベートネットワーク、VPN、MPLS回路、またはインターネットを介して行うことができ、適切なアプリケーションプログラミングインターフェース(API)およびデータ交換フォーマット、たとえば、Representational State Transfer(REST)、JavsScript Object Notation(JSON)、Extensible Markup Language(XML)、Simple Object Access Protocol(SOAP)、Java Message Service(JMS)、および/またはJava Platform Module Systemを使用することができる。通信のすべてが暗号化され得る。通信は一般に、EDGE、3G、4G LTE、Wi-Fi、およびWiMAXなどのプロトコルを介した、LAN(ローカルエリアネットワーク)、WAN(ワイドエリアネットワーク)、電話網(公衆交換電話網(PSTN))、セッション開始プロトコル(SIP)、ワイヤレスネットワーク、ポイントツーポイントネットワーク、スター型ネットワーク、トークンリングネットワーク、ハブネットワーク、モバイルインターネットを含むインターネットなどの、ネットワークを介したものである。加えて、ユーザ名/パスワード、Open Authorization(OAuth)、Kerberos、SecureID、デジタル証明書およびその他などの、多種多様な認可および認証技法が、通信をセキュアにするために使用され得る。
[シーケンシングプロセス]
本明細書に記載される実装形態は、配列の変異を特定するために核酸配列を分析することに適用可能であり得る。実装形態は、遺伝子の場所/座の潜在的なバリアント/アレルを分析し、遺伝子座の遺伝子型を決定するために、言い換えると、座に対する遺伝子型コールを提供するために使用され得る。例として、核酸配列は、米国特許出願公開第2016/0085910号および米国特許出願公開第2013/0296175号において説明される方法およびシステムに従って分析されることがあり、これらの出願公開の完全な主題の全体が、本明細書において参照によって明確に引用される。
一実装形態では、シーケンシングプロセスは、DNAなどの核酸を含む、または含むことが疑われるサンプルを受け取ることを含む。サンプルは、動物(たとえばヒト)、植物、バクテリア、または菌類などの、既知のまたは未知の源からのものであり得る。サンプルは源から直接採取され得る。たとえば、血液または唾液が個体から直接採取され得る。代わりに、サンプルは源から直接採取されないことがある。次いで、1つまたは複数のプロセッサは、シーケンシングのためのサンプルを調製するようにシステムに指示する。この調製は、外来の物質を除去することおよび/または何らかの物質(たとえば、DNA)を隔離することを含み得る。生体サンプルは、特定のアッセイのための特徴を含むように調製され得る。たとえば、生体サンプルは、sequencing-by-synthesis(SBS)のために調製され得る。いくつかの実装形態では、調製することは、ゲノムのいくつかの領域の増幅を含み得る。たとえば、調製することは、STRおよび/またはSNRを含むことが知られている所定の遺伝子座を増幅することを含み得る。遺伝子座は、所定のプライマー配列を使用して増幅され得る。
次に、1つまたは複数のプロセッサは、サンプルをシーケンシングするようにシステムに指示する。シーケンシングは、様々な既知のシーケンシングプロトコルを通じて実行され得る。特定の実装形態では、シーケンシングはSBSを含む。SBSでは、複数の蛍光ラベリングされたヌクレオチドが、光学基板の表面(たとえば、フローセルの中のチャネルを少なくとも部分的に画定する表面)上に存在する増幅されたDNAの複数のクラスタ(場合によっては数百万個のクラスタ)をシーケンシングするために使用される。フローセルはシーケンシングのための核酸サンプルを含むことがあり、ここでフローセルは適切なフローセルホルダ内に配置される。
核酸は、未知の標的配列に隣接する既知のプライマー配列を備えるように調製され得る。最初のSBSシーケンシングサイクルを開始するために、1つまたは複数の異なるようにラベリングされたヌクレオチド、およびDNAポリメラーゼなどが、流体サブシステムによってフローセルの中へと/フローセルを通って流され得る。単一のタイプのヌクレオチドが一度に追加されるか、または、シーケンシング手順において使用されるヌクレオチドが反転可能な末端の性質を持つように特別に設計されるかのいずれかであってよく、これにより、シーケンシング反応の各サイクルが、いくつかのタイプのラベリングされたヌクレオチド(たとえば、A、C、T、G)の存在下で同時に発生することが可能になる。ヌクレオチドは、蛍光色素などの検出可能なラベル部分を含み得る。4つのヌクレオチドが一緒に混合される場合、ポリメラーゼは組み込むべき正しい塩基を選択することが可能であり、各配列は一塩基だけ延長される。組み込まれないヌクレオチドは、洗浄液をフローセルに流すことによって洗い落とされ得る。1つまたは複数のレーザーが、核酸を励起して蛍光を誘導し得る。核酸から放出される蛍光は組み込まれた塩基の蛍光色素に基づき、異なる蛍光色素は異なる波長の放出光を放出し得る。デブロッキング試薬が、延長され検出されたDNA鎖から反転可能な末端グループを除去するためにフローセルに追加され得る。次いでデブロッキング試薬が、洗浄液をフローセルに流すことによって洗い落とされ得る。そうすると、フローセルは、上に記載されたようなラベリングされたヌクレオチドの導入で開始するシーケンシングのさらなるサイクルの準備ができる。流体および検出の操作は、シーケンシングの実行を完了するために何回か繰り返され得る。例示的なシーケンシング方法は、たとえば、Bentley他、Nature 456:53-59(2008)、国際特許出願公開第WO 04/018497号、米国特許第7057026号、国際特許出願公開第WO 91/06678号、国際特許出願公開第WO 07/123744号、米国特許第7329492号、米国特許第7211414号、米国特許第7315019号、米国特許第7405281号、および米国特許出願公開第2008/0108082号において説明されており、これらの各々が参照によって本明細書において引用される。
いくつかの実装形態では、核酸は表面に付着され、シーケンシングの前または間に増幅され得る。たとえば、増幅は、表面上に核酸クラスタを形成するためにブリッジ増幅を使用して行われ得る。有用なブリッジ増幅方法は、たとえば、米国特許第5641658号、米国特許出願公開第2002/0055100号、米国特許第7115400号、米国特許出願公開第2004/0096853号、米国特許出願公開第2004/0002090号、米国特許出願公開第2007/0128624号、および米国特許出願公開第2008/0009420号において説明されており、これらの各々の全体が参照によって本明細書において引用される。表面上で核酸を増幅するための別の有用な方法は、たとえば、Lizardi他、Nat. Genet. 19:225-232(1998)、および米国特許出願公開第2007/0099208A1号において説明されるようなローリングサークル増幅(RCA)であり、これらの各々が参照によって本明細書において引用される。
1つの例示的なSBSプロトコルは、たとえば、国際特許出願公開第WO 04/018497号、米国特許出願公開第2007/0166705A1号、および米国特許第7057026号において説明されるような、除去可能な3'ブロックを有する修正されたヌクレオチドを利用し、これらの各々が参照によって本明細書において引用される。たとえば、SBS試薬の反復されるサイクルが、たとえばブリッジ増幅プロトコルの結果として、標的核酸が付着されたフローセルに導入され得る。核酸クラスタは、直線化溶液を使用して単鎖の形態へと変換され得る。直線化溶液は、たとえば、各クラスタの1本の鎖を開裂することが可能な制限エンドヌクレアーゼを含み得る。とりわけ化学開裂(たとえば、過ヨード酸塩を用いたジオール結合の開裂)、熱またはアルカリへの曝露によるエンドヌクレアーゼ(たとえば、米国マサチューセッツ州イプスウィッチのNEBにより供給されるような「USER」、部品番号M5505S)を用いた開裂による無塩基サイトの開裂、そうされなければデオキシリボヌクレオチドからなる増幅産物へと組み込まれるリボヌクレオチドの開裂、光化学開裂またはペプチドリンカーの開裂を含む、開裂の他の方法が、制限酵素またはニッキング酵素に対する代替として使用され得る。直線化操作の後で、シーケンシングプライマーは、シーケンシングされるべき標的核酸へのシーケンシングプライマーのハイブリダイゼーションのための条件下で、フローセルに導入され得る。
次いで、フローセルが、単一のヌクレオチドの追加によって各標的核酸にハイブリダイゼーションされるプライマーを延長するための条件下で、除去可能な3'ブロックおよび蛍光ラベルを伴う修正されたヌクレオチドを有するSBS延長試薬と接触させられ得る。単一のヌクレオチドだけが各プライマーに追加され、それは、修正されたヌクレオチドが、シーケンシングされているテンプレートの領域と相補的な成長中のポリヌクレオチド鎖へと組み込まれると、さらなる配列延長を指示するために利用可能な自由な3'-OH基がないので、ポリメラーゼがさらなるヌクレオチドを追加できないからである。SBS延長試薬は、除去され、放射線による励起のもとでサンプルを保護する構成要素を含む走査試薬により置き換えられ得る。走査試薬の例示的な構成要素は、米国特許出願公開第2008/0280773A1号および米国特許出願第13/018255号において説明され、これらの各々が参照によって本明細書に引用される。次いで、延長された核酸が、走査試薬の存在下で蛍光により検出され得る。蛍光が検出されると、3'ブロックが、使用されるブロッキンググループに適切なデブロック試薬を使用して除去され得る。それぞれのブロッキンググループに対して有用な例示的なデブロック試薬は、国際特許出願公開第WO004018497号、米国特許出願公開第2007/0166705A1号、および米国特許第7057026号において説明されており、これらの各々が参照によって本明細書において引用される。デブロック試薬は、3'OH基を有する延長されたプライマーにハイブリダイゼーションされる標的核酸を残して洗浄されてよく、このプライマーはこれで、さらなるヌクレオチドの追加が可能になる。したがって、延長試薬、走査試薬、およびデブロック試薬を追加するサイクルは、操作のうちの1つまたは複数の間の任意選択の洗浄とともに、所望の配列が得られるまで繰り返され得る。上記のサイクルは、修正されたヌクレオチドの各々に異なるラベルが付けられているとき、特定の塩基に対応することが知られている、サイクルごとに単一の延長試薬導入操作を使用して行われ得る。異なるラベルが、各組み込み操作の間に追加されるヌクレオチドの区別を容易にする。代わりに、各サイクルは、延長試薬導入の別個の操作と、それに続く走査試薬導入と検出の別
個の操作とを含むことがあり、この場合、ヌクレオチドのうちの2つ以上が同じラベルを有することが可能であり、それらを導入の既知の順序に基づいて区別することができる。
シーケンシング操作は特定のSBSプロトコルに関して上で論じられたが、シーケンシングのための他のプロトコルおよび様々な他の分子分析法のいずれもが、必要に応じて行われ得ることが理解されるであろう。
次いで、システムの1つまたは複数のプロセッサは、後続の分析のためのシーケンシングデータを受け取る。シーケンシングデータは、.BAMファイルなどの様々な方式でフォーマットされ得る。シーケンシングデータは、たとえばいくつかのサンプルリードを含み得る。シーケンシングデータは、ヌクレオチドの対応するサンプル配列を有する複数のサンプルリードを含み得る。1つだけのサンプルリードが論じられるが、シーケンシングデータは、たとえば、数百個、数千個、数十万個、または数百万個のサンプルリードを含み得ることを理解されたい。異なるサンプルリードは異なる数のヌクレオチドを有し得る。たとえば、サンプルリードは、10個のヌクレオチドから約500個以上のヌクレオチドにまでわたり得る。サンプルリードは源のゲノム全体にわたり得る。一例として、サンプルリードは、疑わしいSTRまたは疑わしいSNPを有する遺伝子座などの、所定の遺伝子座の方を向いている。
各サンプルリードは、サンプル配列、サンプルフラグメント、または標的配列と呼ばれ得る、ヌクレオチドの配列を含み得る。サンプル配列は、たとえば、プライマー配列、フランキング配列、および標的配列を含み得る。サンプル配列内のヌクレオチドの数は、30個、40個、50個、60個、70個、80個、90個、100個以上を含み得る。いくつかの実装形態では、サンプルリード(またはサンプル配列)のうちの1つまたは複数は、少なくとも150個のヌクレオチド、200個のヌクレオチド、300個のヌクレオチド、400個のヌクレオチド、500個のヌクレオチド、またはそれより多くを含む。いくつかの実装形態では、サンプルリードは、1000個を超えるヌクレオチド、2000個を超えるヌクレオチド、またはそれより多くを含み得る。サンプルリード(またはサンプル配列)は、一端または両端にプライマー配列を含み得る。
次に、1つまたは複数のプロセッサは、シーケンシングデータを分析して、潜在的なバリアントコールおよびサンプルバリアントコールのサンプルバリアント頻度を取得する。この操作は、バリアントコールアプリケーションまたはバリアントコーラとも呼ばれ得る。したがって、バリアントコーラはバリアントを特定または検出し、バリアント分類器は検出されたバリアントを体細胞性または生殖細胞性であるものとして分類する。代替的なバリアントコーラが本明細書の実装形態に従って利用されることがあり、ここで、異なるバリアントコーラは、実行されているシーケンシング操作のタイプ、対象のサンプルの特徴などに基づき使用され得る。バリアントコールアプリケーションの1つの非限定的な例は、https://github.com/Illumina/Piscesにおいてホストされ、論説Dunn, TamsenおよびBerry, GwennおよびEmig-Agius, DorotheaおよびJiang, YuおよびIyer, AnitaおよびUdar, NitinおよびStromberg, Michael、(2017)、Pisces: An Accurate and Versatile Single Sample Somatic and Germline Variant Caller、595-595、10.1145/3107411.3108203において説明される、Illumina Inc.(カリフォルニア州サンディエゴ)によるPisces(商標)アプリケーションであり、上記の論説の完全な主題の全体が、参照によって本明細書において引用される。
そのようなバリアントコールアプリケーションは4つの順番に実行されるモジュールを備え得る。
(1)Pisces Read Stithcer:BAMの中の対になっているリード(同じ分子のリード1およびリード2)をコンセンサスリードへとステッチングすることによってノイズを減らす。出力はステッチングされたBAMである。
(2)Pisces Variant Caller:小さいSNV、挿入および欠失をコールする。Piscesは、リード境界、基本的なフィルタリングアルゴリズム、および単純なポワソンベースのバリアント信頼性スコアリングアルゴリズムによって分解される、合祖バリアントへのバリアント折り畳み(variant-collapsing)アルゴリズムを含む。出力はVCFである。
(3)Pisces Variant Quality Recalibrator(VQR):バリアントコールが熱損傷またはFFPE脱アミノ化と関連付けられるパターンに圧倒的に従う場合、VQRステップは疑わしいバリアントコールのバリアントQスコアを下げる。出力は調整されたVCFである。
(4)Pisces Variant Phaser(Scylla):クローンの亜集団から少数のバリアントを複雑なアレルへと組み立てるために、read-backed greedy clustering法を使用する。このことは、下流のツールによる機能的な結果のより正確な決定を可能にする。出力は調整されたVCFである。
加えて、または代わりに、この操作は、https://github.com/Illumina/strelkaにおいてホストされ、論説T Saunders, ChristopherおよびWong, WendyおよびSwamy, SajaniおよびBecq, JenniferおよびJ Murray, LisaおよびCheetham, Keira、(2012)、Strelka: Accurate somatic small-variant calling from sequenced tumor-normal sample pairs、Bioinformatics (Oxford, England)、28、1811-7、10.1093/bioinformatics/bts271において説明される、Illumina Inc.によるバリアントコールアプリケーションStrelka(商標)アプリケーションを利用することがあり、上記の論説の完全な主題の全体が、参照によって本明細書において明確に引用される。さらに、加えて、または代わりに、この操作は、https://github.com/Illumina/strelkaにおいてホストされ、論説Kim, S、Scheffler, K、Halpern, A.L.、Bekritsky, M.A、Noh, E、Kallberg, M、Chen, X、Beyter, D、Krusche, P、およびSaunders, C.T、(2017)、Strelka2: Fast and accurate variant calling for clinical sequencing applicationsにおいて説明される、Illumina Inc.によるバリアントコールアプリケーションStrelka2(商標)アプリケーションを利用することがあり、上記の文書の完全な主題の全体が、参照によって本明細書において明確に引用される。その上、加えて、または代わりに、この操作は、https://github.com/Illumina/Nirvana/wikiにおいてホストされ、論説Stromberg, MichaelおよびRoy, RajatおよびLajugie, JulienおよびJiang, YuおよびLi, HaochenおよびMargulies, Elliott、(2017)、Nirvana: Clinical Grade Variant Annotator、596-596、10.1145/3107411.3108204において説明される、Illumina Inc.によるNirvana(商標)アプリケーションなどのバリアントアノテーション/コールツールを利用することがあり、上記の文書の完全な主題の全体が、参照によって本明細書において明確に引用される。
そのようなバリアントアノテーション/コールツールは、Nirvanaにおいて開示されるものなどの異なるアルゴリズム技法を適用することができる。
a.区間アレイ(Interval Array)を用いてすべての重複する転写産物を特定する。機能的なアノテーションのために、バリアントと重複するすべての転写産物を特定することができ、区間木を使用することができる。しかしながら、区間のセットは静的であり得るので、区間木を区間アレイへとさらに最適化することが可能であった。区間木は、O(min(n,k lg n))時間においてすべての重複する転写産物を返し、ここでnは木の中の区間の数であり、kは重複する区間の数である。実際には、kは大半のバリアントに対してnと比較して本当に小さいので、区間木上での実効的なランタイムはO(k lg n)である。我々は、最初の重複する区間を見つけて、次いで残りの(k-1)にわたって数え上げるだけでよいように、ソートされたアレイにすべての区間が記憶されるような区間アレイを作成することによって、O(lg n+k)へと改善した。
b.CNV/SV(Yu):コピー数変異および構造変異のためのアノテーションが提供され得る。小さいバリアントのアノテーションと同様に、SVと重複する転写産物、および以前に報告された構造変異も、オンラインデータベースにおいてアノテートされ得る。小さいバリアントと異なり、すべての重複する転写産物がアノテートされる必要はなく、それは、あまりにも多くの転写産物が大きなSVと重複するからである。代わりに、部分的な重複遺伝子に属するすべての重複する転写産物がアノテートされ得る。具体的には、これらの転写産物に対して、影響を受けるイントロン、エクソン、および構造変異により引き起こされる結果が報告され得る。すべての重複する転写産物の出力を許可するための選択肢が可能であるが、遺伝子名、転写産物との正規の(canonical)重複であるか部分的な重複であるかのフラグなどの、これらの転写産物の基本情報が報告され得る。各SV/CNVに対して、これらのバリアントが研究されているかどうか、および異なる集団におけるそれらの頻度を知ることも関心事である。したがって、1000 genomes、DGV、およびClinGenなどの外部データベースにおいて重複するSVを報告した。どのSVが重複しているかを決定するための恣意的なカットオフを使用するのを避けるために、代わりに、すべての重複する転写産物が使用されてよく、相互の重複率、すなわち、重複する長さをこれらの2つのSVの長さのうちの短い方で割ったものが計算されてよい。
c.補足アノテーションを報告する。補足アノテーションには、小さいバリアントと構造バリアント(SV)という2つのタイプがある。SVは、区間としてモデル化されてよく、重複するSVを特定するために上で論じられた区間アレイを使用することができる。小さいバリアントは、点としてモデル化され、場所および(任意選択で)アレルによって照合される。したがって、それらは二分探索様のアルゴリズムを使用して検索される。補足アノテーションデータベースは非常に大きいことがあるので、補足アノテーションが存在するファイル位置に染色体場所をマッピングするために、はるかにより小さなインデックスが作成される。インデックスは、場所を使用して二分探索され得るオブジェクト(染色体場所とファイル位置からなる)のソートされたアレイである。インデックスサイズを小さく保つために、(ある最大のカウントまでの)複数の場所が、第1の場所の値と後続の場所に対する差分のみを記憶する1つのオブジェクトへと圧縮される。二分探索を使用するので、ランタイムはO(lg n)であり、nはデータベースの中の項目の数である。
d.VEPキャッシュファイル
e.転写産物データベース:転写産物キャッシュ(キャッシュ)および補足データベース(SAdb)ファイルは、転写産物および補足アノテーションなどのデータオブジェクトのシリアル化されたダンプである。キャッシュのためのデータソースとして、Ensembl VEPキャッシュを使用する。キャッシュを作成するために、すべての転写産物が区間アレイに挿入され、アレイの最終状態がキャッシュファイルに記憶される。したがって、アノテーションの間に、事前に計算された区間アレイをロードしてそれについて探索を実行するだけでよい。キャッシュはメモリへとロードされて探索は非常に高速(上で説明された)であるため、重複する転写産物を見つけることはNirvanaにおいては非常に高速である(総ランタイムの1%未満であると鑑定されている?)。
f.補足データベース:SAdbのデータソースは補足材料のもとで列挙される。小さいバリアントに対するSAdbは、データベースの中の各オブジェクト(参照名および場所によって特定される)がすべての関連する補足アノテーションを保持するように、すべてのデータソースのk-wayマージによって生み出される。データソースファイルを解析する間に遭遇する問題は、Nirvanaのホームページにおいて詳細に文書化されている。メモリ使用量を制限するために、SAインデックスのみがメモリにロードされる。このインデックスは、補足アノテーションのためのファイル位置の高速なルックアップを可能にする。しかしながら、データはディスクからフェッチされなければならないので、補足アノテーションを追加することは、Nirvanaの最大のボトルネックであると特定されている(総ランタイムの約30%であると鑑定されている)。
g.結果および配列オントロジー(Consequence and Sequence Ontology):Nirvanaの機能的アノテーション(提供されるとき)は、Sequence Ontology(SO)(http://www.sequenceontology.org/)ガイドラインに従う。時として、現在のSOにおける問題を特定して、アノテーションの状態を改善するためにSOチームと協力する機会があった。
そのようなバリアントアノテーションツールは、前処理を含み得る。たとえば、Nirvanaは、ExAC、EVS、1000 Genomes project、dbSNP、ClinVar、Cosmic、DGV、およびClinGenのような、外部データソースからの多数のアノテーションを含んでいた。これらのデータベースを完全に利用するには、それらからの情報をサニタイジングしなければならない。我々は、様々なデータソースからの存在する様々な矛盾に対処するための異なる戦略を実施した。たとえば、同じ場所および代替のアレルに対する複数のdbSNPエントリがある場合、すべてのidをカンマで分けられたidのリストへと加える。同じアレルに対する異なるCAF値を伴う複数のエントリがある場合、第1のCAF値を使用する。矛盾するExACエントリとEVSエントリに対して、サンプルカウントの数を考慮し、よりサンプルカウントの高いエントリが使用される。1000 Genome Projectsでは、矛盾するアレルのアレル頻度を除去した。別の問題は不正確な情報である。我々は主に、1000 Genome Projectsからアレル頻度情報を抽出したが、GRCh38について、情報フィールドにおいて報告されているアレル頻度が利用可能ではない遺伝子型を伴うサンプルを除外していないことに気付き、これは、すべてのサンプルに対して利用可能ではないバリアントに対する頻度の低下につながる。我々のアノテーションの正確さを保証するために、個体レベルの遺伝子型のすべてを使用して真のアレル頻度を計算する。知られているように、同じバリアントは異なるアラインメントに基づく異なる表現を有し得る。すでに特定されたバリアントについての情報を正確に報告できることを確実にするために、異なるリソースからのバリアントを前処理してそれらを一貫した表現にしなければならない。すべての外部データソースに対して、基準アレルと代替アレルの両方における重複したヌクレオチドを除去するためにアレルをトリミングした。ClinVarについては、xmlファイルを直接解析し、すべてのバリアントに対する5'アラインメントを実行した。この手法はしばしばvcfファイルにおいて使用される。異なるデータベースは同じ情報のセットを含み得る。不必要な重複を避けるために、一部の重複した情報を除去した。たとえば、1000 genomesにおけるこれらのバリアントをより詳細な情報とともにすでに報告したので、1000 genome projectsをデータソースとして有するDGVの中のバリアントを除去した。
少なくともいくつかの実装形態によれば、バリアントコールアプリケーションは、低頻度バリアント、生殖細胞系コーリングなどに対するコールを提供する。非限定的な例として、バリアントコールアプリケーションは、腫瘍のみのサンプルおよび/または腫瘍-正常ペアサンプルに対して実行され得る。バリアントコールアプリケーションは、一塩基変異(SNV)、多塩基変異(MNV)、インデルなどを探索し得る。バリアントコールアプリケーションは、バリアントを特定しながら、シーケンシングまたはサンプル調製エラーによる不一致をフィルタリングする。各バリアントに対して、バリアントコーラは、基準配列、バリアントの場所、および可能性のあるバリアント配列(たとえば、AからCへのSNV、またはAGからAへの欠失)を特定する。バリアントコールアプリケーションは、サンプル配列(またはサンプルフラグメント)、基準配列/フラグメント、およびバリアントコールを、バリアントが存在することを示すものとして特定する。バリアントコールアプリケーションは、生フラグメントを特定し、生フラグメントの指定、潜在的なバリアントコールを検証する生フラグメントの数のカウント、支持バリアントが発生した生フラグメント内での場所、および他の関連する情報を特定し得る。生フラグメントの非限定的な例には、duplex stitchedフラグメント、simplex stitchedフラグメント、duplex un-stitchedフラグメント、およびsimplex un-stitchedフラグメントがある。
バリアントコールアプリケーションは、.VCFファイルまたは.GVCFファイルなどの様々なフォーマットでコールを出力し得る。単なる例として、バリアントコールアプリケーションは、MiSeqReporterパイプラインに含まれ得る(たとえば、MiSeq(登録商標)シーケンサ装置で実装されるとき)。任意選択で、このアプリケーションは様々なワークフローを用いて実装され得る。分析は、所望の情報を得るために指定された方式でサンプルリードを分析する、単一のプロトコルまたはプロトコルの組合せを含み得る。
次いで、1つまたは複数のプロセッサは、潜在的なバリアントコールに関連して妥当性確認操作を実行する。妥当性確認操作は、以下で説明されるように、品質スコア、および/または階層化された検定のヒエラルキーに基づき得る。妥当性確認操作が、潜在的なバリアントコールを確証または実証するとき、妥当性確認操作は(バリアントコールアプリケーションからの)バリアントコール情報をサンプル報告生成器に渡す。代わりに、妥当性確認操作が潜在的なバリアントコールを無効とするとき、または失格と判定するとき、妥当性確認操作は対応する指示(たとえば、否定的インジケータ、コールなしインジケータ、無効コールインジケータ)をサンプル報告生成器に渡す。妥当性確認操作はまた、バリアントコールが正しいことまたは無効なコール指定が正しいことの信頼性の程度に関する信頼性スコアを渡し得る。
次に、1つまたは複数のプロセッサがサンプル報告を生成して記憶する。サンプル報告は、たとえば、サンプルに関する複数の遺伝子座に関する情報を含み得る。たとえば、遺伝子座の所定のセットの各遺伝子座に対して、サンプル報告は、遺伝子型コールを提供すること、遺伝子型コールを行えないことを示すこと、遺伝子型コールの確実さについての信頼性スコアを提供すること、または、1つまたは複数の遺伝子座に関するアッセイについての潜在的な問題を示すことのうちの少なくとも1つを行い得る。サンプル報告はまた、サンプルを提供した個体の性別を示し、かつ/またはサンプルが複数の源を含むことを示し得る。本明細書では、「サンプル報告」は、ある遺伝子座もしくは遺伝子座の所定のセットのデジタルデータ(たとえば、データファイル)および/または遺伝子座もしくは遺伝子座のセットの印刷された報告を含み得る。したがって、生成することまたは提供することは、データファイルを作成することおよび/もしくはサンプル報告を印刷すること、またはサンプル報告を表示することを含み得る。
サンプル報告は、バリアントコールが決定されたが妥当性確認されなかったことを示すことがある。バリアントコールが無効であると決定されるとき、サンプル報告は、バリアントコールの妥当性を確認できないという決定の基礎に関する追加の情報を示し得る。たとえば、報告の中の追加の情報は、生フラグメントの記述と、生フラグメントがバリアントコールを支持または否定する程度(たとえば、カウント)とを含み得る。加えて、または代わりに、報告の中の追加の情報は、本明細書で説明される実装形態に従って得られる品質スコアを含み得る。
[バリアントコールアプリケーション]
本明細書で開示される実装形態は、潜在的なバリアントコールを特定するためにシーケンシングデータを分析することを含む。バリアントコールは、以前に実行されたシーケンシング操作について記憶されたデータに対して実行され得る。加えて、または代わりに、バリアントコーリングは、シーケンシング操作が実行されている間にリアルタイムで実行され得る。サンプルリードの各々が、対応する遺伝子座を割り当てられる。サンプルリードは、サンプルリードのヌクレオチドの配列、または言い換えると、サンプルリード内のヌクレオチドの順序(たとえば、A、C、G、T)に基づいて、対応する遺伝子座に割り当てられ得る。この分析に基づいて、サンプルリードは、特定の遺伝子座の潜在的なバリアント/アレルを含むものとして指定され得る。サンプルリードは、遺伝子座の潜在的なバリアント/アレルを含むものとして指定された他のサンプルリードとともに収集(または集約または貯蔵)され得る。割当て操作はコーリング操作とも呼ばれることがあり、コーリング操作において、サンプルリードは特定の遺伝子場所/座と関連付けられる可能性があるものとして特定される。サンプルリードは、サンプルリードを他のサンプルリードから区別するヌクレオチドの1つまたは複数の識別配列(たとえば、プライマー配列)を位置特定するために分析され得る。より具体的には、識別配列は、特定の遺伝子座と関連付けられるものとしてサンプルリードを他のサンプルリードから特定し得る。
割当て操作は、識別配列の一連のn個のヌクレオチドが選択配列のうちの1つまたは複数と実質的に一致するかどうかを決定するために、識別配列の一連のn個のヌクレオチドを分析することを含み得る。特定の実装形態では、割当て操作は、サンプル配列の最初のn個のヌクレオチドが選択配列のうちの1つまたは複数と実質的に一致するかどうかを決定するために、サンプル配列の最初のn個のヌクレオチドを分析することを含み得る。数nは様々な値を有することがあり、この値はプロトコルへとプログラムされることがあり、またはユーザにより入力されることがある。たとえば、数nは、データベース内の最短の選択配列のヌクレオチドの数として定義され得る。数nは所定の数であり得る。所定の数は、たとえば、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、または30個のヌクレオチドであり得る。しかしながら、他の実装形態では、より少数または多数のヌクレオチドが使用され得る。数nはまた、システムのユーザなどの個人によって選択されてもよい。数nは1つまたは複数の条件に基づき得る。たとえば、数nは、データベース内の最短のプライマー配列のヌクレオチドの数または指定された数のうちの小さい方の数として定義され得る。いくつかの実装形態では、15個未満のヌクレオチドであるあらゆるプライマー配列が例外として指定され得るように、15などのnの最小値が使用され得る。
いくつかの場合、識別配列の一連のn個のヌクレオチドは、選択配列のヌクレオチドと正確に一致しないことがある。それでも、識別配列は、選択配列とほぼ同一である場合、選択配列と実質的に一致し得る。たとえば、識別配列の一連のn個のヌクレオチド(たとえば、最初のn個のヌクレオチド)が、不一致が指定された数(たとえば、3)を超えずに、かつ/またはシフトが指定された数(たとえば、2)を超えずに、選択配列と一致する場合、サンプルリードが遺伝子座に対してコールされ得る。各不一致またはシフトが、サンプルリードとプライマー配列との間の差としてカウントされ得るように、規則が確立され得る。差の数が指定された数未満である場合、サンプルリードは、対応する遺伝子座(すなわち、対応する遺伝子座に割り当てられる)に対してコールされ得る。いくつかの実装形態では、サンプルリードの識別配列と遺伝子座に関連付けられる選択配列との間の差の数に基づく、マッチングスコアが決定され得る。マッチングスコアが指定されたマッチング閾値に合格する場合、選択配列に対応する遺伝子座は、サンプルリードに対する潜在的な座として指定され得る。いくつかの実装形態では、サンプルリードが遺伝子座に対してコールされるかどうかを決定するために、後続の分析が実行され得る。
サンプルリードがデータベースの中の選択配列のうちの1つと実質的に一致する(すなわち、厳密に一致する、または上で説明されたようにほぼ一致する)場合、サンプルリードは、選択配列と相関する遺伝子座に割り当てられ、または指定される。これは、座コーリングまたは予備的座コーリングと呼ばれることがあり、選択配列に相関する遺伝子座に対してサンプルリードがコールされる。しかしながら、上で論じられたように、サンプルリードは2つ以上の遺伝子座に対してコールされ得る。そのような実装形態では、潜在的な遺伝子座のうちの1つだけに対するサンプルリードをコールするために、または割り当てるために、さらなる分析が実行され得る。いくつかの実装形態では、基準配列のデータベースと比較されるサンプルリードは、ペアエンドシーケンシングからの最初のリードである。ペアエンドシーケンシングを実行するとき、サンプルリードに相関する第2のリード(生フラグメントを表す)が得られる。割当ての後で、割り当てられたリードについて実行される後続の分析は、割り当てられたリードに対してコールされた遺伝子座のタイプに基づき得る。
次に、潜在的なバリアントコールを特定するために、サンプルリードが分析される。とりわけ、分析の結果は、潜在的なバリアントコール、サンプルバリアント頻度、基準配列、および対象のゲノム配列内でのバリアントが発生した場所を特定する。たとえば、遺伝子座がSNPを含むことが知られている場合、遺伝子座に対してコールされた割り当てられたリードは、割り当てられたリードのSNPを特定するための分析を経ることがある。遺伝子座が多型の反復的なDNA要素を含むことが知られている場合、サンプルリード内の多型の反復的なDNA要素を特定するために、または特徴付けるために、割り当てられるリードが分析され得る。いくつかの実装形態では、割り当てられるリードがSTR座およびSNP座と実質的に一致する場合、警告またはフラグがサンプルリードに割り当てられ得る。サンプルリードは、STR座とSNP座の両方として指定され得る。この分析は、割り当てられたリードの配列および/または長さを決定するために、割当てプロトコルに従って割り当てられたリードをアラインメントすることを含み得る。アラインメントプロトコルは、全体が参照によって本明細書において引用される、2013年3月15日に出願された国際特許出願第PCT/US2013/030867号(公開番号第WO 2014/142831号)において説明される方法を含み得る。
次いで、1つまたは複数のプロセッサは、支持バリアントが生フラグメント内の対応する場所に存在するかどうかを決定するために、生フラグメントを分析する。様々なタイプの生フラグメントが特定され得る。たとえば、バリアントコーラは、元のバリアントコールを妥当性確認するバリアントを示すあるタイプの生フラグメントを特定し得る。たとえば、そのタイプの生フラグメントは、duplex stitchedフラグメント、simplex stitchedフラグメント、duplex un-stitchedフラグメント、またはsimplex un-stitchedフラグメントを表し得る。任意選択で、前述の例の代わりに、またはそれに加えて、他の生フラグメントが特定され得る。各タイプの生フラグメントを特定することに関連して、バリアントコーラはまた、支持バリアントが発生した生フラグメント内での場所、ならびに、支持バリアントを示した生フラグメントの数のカウントを特定する。たとえば、バリアントコーラは、生フラグメントの10個のリードが、特定の場所Xにおいて支持バリアントを有するduplex stitchedフラグメントを表すことが特定されたことを示すものを、出力し得る。バリアントコーラはまた、生フラグメントの5個のリードが、特定の場所Yにおいて支持バリアントを有するsimplex un-stitchedフラグメントを表すことが特定されたことを示すものを、出力し得る。バリアントコーラはまた、基準配列に対応し、したがって対象のゲノム配列における潜在的なバリアントコールを妥当性確認する証拠を提供する支持バリアントを含まなかった、生フラグメントの数を出力し得る。
次に、支持バリアント、ならびに支持バリアントが発生した場所を含む、生フラグメントのカウントが維持される。加えて、または代わりに、(サンプルリードまたはサンプルフラグメントの中の潜在的なバリアントコールの場所に対する相対的な)対象の場所において支持バリアントを含まなかった生フラグメントのカウントが維持され得る。加えて、または代わりに、基準配列に対応し潜在的なバリアントコールを確証または確認しない、生フラグメントのカウントが維持され得る。潜在的なバリアントコールを支持する生フラグメントのカウントおよびタイプ、生フラグメントの中の支持バリアントの場所、潜在的なバリアントコールを支持しない生フラグメントのカウントなどを含む、決定された情報が、バリアントコール妥当性確認アプリケーションに出力される。
潜在的なバリアントコールが特定されるとき、プロセスは、潜在的なバリアントコール、バリアント配列、バリアント場所、およびそれらと関連付けられる基準配列を示すものを出力する。エラーはコールプロセスに誤ったバリアントを特定させ得るので、バリアントコールは「潜在的な」バリアントを表すように指定される。本明細書の実装形態によれば、誤ったバリアントまたは偽陽性を減らして除去するために、潜在的なバリアントコールが分析される。加えて、または代わりに、プロセスは、サンプルリードと関連付けられる1つまたは複数の生フラグメントを分析し、生フラグメントと関連付けられる対応するバリアントコールを出力する。
[データ構造]
データベース124は、体細胞性または生殖細胞系列としてまだ分類されていないバリアントを含む。これらのバリアントは、上で説明されたシーケンシングプロセスおよびバリアントアノテーション/コールアプリケーションによって検出される。バリアントにまたがるDNAセグメントは、腫瘍サンプルまたは腫瘍-正常ペアのサンプルに由来することができる。バリアントは、一塩基多型(SNP)、挿入、または欠失であり得る。バリアントはまた、The Cancer Genome Atlas(TCGA)、International Cancer Genome Consortium(ICGC)、database of short genetic variants(dbSNP)、Catalog of Somatic Mutations in Cancer(COSMIC)、1000 Genomes Project(1000Genomes)、Exome Aggregation Consortium(ExAC)、およびExome Variant Server(EVS)などの、公に利用可能なデータベースからクローリングされてもよい。データベース124に追加される前に、バリアントは、癌との関連、癌のタイプ(たとえば、肺腺癌(LUAD))、バリアントアレル頻度(VAF)、およびコード領域(エクソン/イントロン)などの基準に基づいてフィルタリングされ得る。
データベース102は、バリアントを含むDNAセグメントのワンホット符号化である入力配列を含む。図2は、標的場所におけるバリアントの側に上流(左側)および下流(右側)の塩基がある例示的な入力配列200を示す。図3は、入力配列を符号化するために使用されるワンホット符号化方式300を示す。以下は、DNAセグメントを符号化するために使用されるワンホット符号化方式(A,G,C,T,N)の例である:A=(1 0 0 0 0)、G=(0 1 0 0 0)、C=(0 0 1 0 0)、T=(0 0 0 1 0)、およびN=(0 0 0 0 1)。各入力配列は、好ましくは配列の中心(標的場所)に位置する、少なくとも1つのバリアントを含む。入力配列は、バリアントの側に10個の下流塩基および上流塩基がある21塩基の長さであってよく、または、バリアントの側に20個の下流塩基および上流塩基がある41塩基の長さであってもよい。様々な長さの入力配列を構築できることが理解されるであろう。自然に発生するDNAに基づくものとは対照的に、入力配列は、データベース124からバリアントを選択し、ランダムに生成された下流塩基および上流塩基をその側に置くことによってシミュレートされ得る。
データ相関モデル
図4は、データベース124の中の各々の分類されていないバリアントを、変異特性、リードマッピング統計、および発生頻度のそれぞれの値と相関付ける、メタデータ相関器116の一実装形態を示す。実装形態において、メタデータ相関器116は、1つまたは複数の民族性検出アプリケーションとともに、上で論じられたNirvana(商標)クリニカルグレードバリアントアノテーションアプリケーションを含む。メタデータ相関器116は、データベース126に記憶されているいわゆるメタデータ特徴量における相関を符号化する。相関付け400は、バリアントごとに実行され、データベース402、412、および422の中の特定のバリアントの属性を特定することと、発見された属性をバリアントと関連付けること/結びつけること/バリアントに付加することを含む。
データベース402は、バリアントがSNPであるか、挿入であるか、または欠失であるか、バリアントが非同義であるかないか、バリアントが変異した基準配列における塩基は何であったか、臨床試験から決定されるようなバリアントの臨床的な有意性は何であるか(たとえば、臨床的影響、薬物感受性、および組織適合性)、複数の種(たとえば、哺乳類、鳥類)にわたるバリアントの場所の進化的保存、バリアントと関連付けられる腫瘍サンプルを提供した個人の民族的な構成が何であるか、および得られるタンパク質へのバリアントの機能的な影響が何であるかなどの、バリアントの変異特性を含む。データベース402は、ClinVar、Polymorphism Phenotyping(PolyPhen)、Sorting Intolerant from Tolerant(SIFT)、およびphylopなどの、1つまたは複数の公に利用可能なデータベースおよびツールを表す。データベース402はまた、上で説明されたシーケンシングプロセスおよびバリアントアノテーション/コールアプリケーションから(たとえば、.BAMファイル、.VCFもしくは.GVCFファイル、サンプル報告、および/またはカウントから)のデータを投入され得る。たとえば、一実装形態によれば、バリアントがSNPであるか、挿入であるか、または欠失であるか、およびバリアントが非同義であるかないかは、.VCFファイルから決定される。
データベース412は、バリアントアレル頻度(VAF)、リード深さ、塩基コール品質スコア(Qスコア)、バリアントリード(バリアントリード数)、バリアント品質スコア(QUAL)、マッピング品質スコア、およびFisher鎖バイアスなどの、バリアントのリードマッピング統計を含む。データベース412は、上で説明されたシーケンシングプロセスおよびバリアントアノテーション/コールアプリケーションからの(たとえば、.BAMファイル、.VCFもしくは.GVCFファイル、サンプル報告、および/またはカウントからの)データを投入される。
データベース422は、シーケンシングされた集団におけるバリアントのアレル頻度、シーケンシングされた集団から階層化された民族的亜集団におけるバリアントのアレル頻度、シーケンシングされた癌性腫瘍におけるバリアントの頻度などの、バリアントの発生頻度を含む。データベース422は、database of short genetic variants(dbSNP)、1000 Genomes Project(1000Genomes)、Exome Aggregation Consortium(ExAC)、Exome Variant Server(EVS)、Genome Aggregation Database(gnomAD)、およびCatalog of Somatic Mutations in Cancer(COSMIC)などの、1つまたは複数の公に利用可能なデータベースを表す。データベース422はまた、上で説明されたシーケンシングプロセスおよびバリアントアノテーション/コールアプリケーションからの(たとえば、.BAMファイル、.VCFもしくは.GVCFファイル、サンプル報告、および/またはカウントからの)データを投入される。
メタデータサンプル
以下は、メタデータ相関器116によって作り出されるメタデータ特徴量AからQの2つのサンプルである。上で論じられたように、メタデータ特徴量の一部は、ワンホット値またはブール値などのカテゴリカルデータを使用して符号化されるが、他は百分率または確率値などの連続的なデータを使用して符号化される。実装形態では、メタデータ特徴量のサブセットのみが、バリアントコーラへの入力として提供される。たとえば、いくつかの実装形態では、染色体特徴量、基準配列特徴量、および座標場所特徴量が、入力として提供されるメタデータ特徴量に含まれない。
第1の例:
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第2の例:
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図5Aは、バリアントと相関するコンテクストメタデータ特徴量500Aのいくつかの例を強調する。コンテクストメタデータ特徴量500Aは、上で論じられた代替アレル特徴量および変異タイプ特徴量を集合的に表す。
図5Bは、バリアントと相関するシーケンシングメタデータ特徴量500Bのいくつかの例を強調する。シーケンシングメタデータ特徴量500Bは、上で論じられたバリアントアレル頻度特徴量およびリード深さ特徴量を集合的に表す。
図5Cは、バリアントと相関する機能的メタデータ特徴量500Cのいくつかの例を強調する。機能的メタデータ特徴量500Cは、上で論じられた、アミノ酸影響特徴量、進化的保存特徴量、進化的保存データ利用可能性特徴量、臨床的有意性特徴量、機能的影響特徴量、および腫瘍頻度特徴量を集合的に表す。
図5Dは、バリアントと相関する集団メタデータ特徴量500Dのいくつかの例を強調する。集団メタデータ特徴量500Dは、上で論じられた、集団頻度特徴量および亜集団頻度特徴量を集合的に表す。
図5Eは、バリアントと相関する民族性メタデータ特徴量500Eの一例を強調する。民族性メタデータ特徴量500Eは、上で論じられた民族性予測特徴量を表す。
[バリアント分類]
バリアント分類器104のタスクは、データベース124の中の各バリアントを体細胞性または生殖細胞系列として分類することである。図6は、バリアント分類器104によって実行されるバリアント分類のアーキテクチャの例600を示す。標的場所におけるバリアントの各側に少なくとも10個の塩基がある、入力配列602が、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)612への入力として供給される。畳み込みニューラルネットワーク612は、入力値間で畳み込み演算を実行する畳み込み層と、訓練の間の多数の勾配更新の繰り返しにわたって学習される畳み込みフィルタ(重みの行列)とを備える。
mをフィルタサイズ、Wを重みの行列とすると、畳み込み層は、ドット積W・x+bを計算することによって、入力XとのWの畳み込みを実行し、ここでxはXのインスタンスであり、bはバイアスである。畳み込みフィルタが入力にわたってスライドするステップサイズはストライドと呼ばれ、フィルタ幅mは受容野と呼ばれる。同じ畳み込みフィルタが入力の異なる場所にわたって適用され、このことは学習される重みの数を減らす。このことは、すなわち、重要なパターンが入力において存在する場合、位置不変学習も可能にし、畳み込みフィルタは、重要なパターンがシーケンスの中でどこにあるかにかかわらず、重要なパターンを学習する。畳み込みニューラルネットワーク612についての追加の詳細は、I.J.Goodfellow、D.Warde-Farley、M.Mirza、A.Courville、およびY.Bengio、「CONVOLUTIONAL NETWORKS」、Deep Learning、MIT Press、2016年、J.Wu、「INTRODUCTION TO CONVOLUTIONAL NEURAL NETWORKS」、Nanjing University、2017年、およびN.ten DIJKE、「Convolutional Neural Networks for Regulatory Genomics」、修士論文、Universiteit Leiden Opleiding Informatica、2017年6月17日において見出すことができ、これらの完全な主題の全体が参照によって本明細書に明確に引用される。
入力配列602を処理した後で、畳み込みニューラルネットワーク612は、中間の畳み込まれた特徴量622を出力として作り出す。連結器112は、中間の畳み込まれた特徴量622を上で論じられた1つまたは複数のメタデータ特徴量626と連結する(*)。連結は、行の次元または列の次元にわたって行われ得る。連結の結果が特徴量配列634であり、これはデータベース122に記憶される。
特徴量配列634は、全結合ニューラルネットワーク(FCNN)674への入力として供給される。全結合ニューラルネットワーク674は全結合層を備え、各ニューロンは、すべての以前の層のニューロンから入力を受け取り、その出力を次の層の中の1つ1つのニューロンに送る。これは、複数のニューロンがそれらの出力を次の層の中のニューロンの一部だけに送るような、畳み込み層の動作の様式と対称的である。全結合層のニューロンは、訓練の間の多数の勾配更新の繰り返しを通じて最適化される。全結合ニューラルネットワーク674についての追加の詳細は、I.J.Goodfellow、D.Warde-Farley、M.Mirza、A.Courville、およびY.Bengio、「CONVOLUTIONAL NETWORKS」、Deep Learning、MIT Press、2016年、J.Wu、「INTRODUCTION TO CONVOLUTIONAL NEURAL NETWORKS」、Nanjing University、2017年、およびN.ten DIJKE、「Convolutional Neural Networks for Regulatory Genomics」、修士論文、Universiteit Leiden Opleiding Informatica、2017年6月17日において見出すことができ、これらの完全な主題の全体が参照によって本明細書に明確に引用される。
全結合ニューラルネットワーク674の分類層684は、バリアントが体細胞バリアントである確率、生殖細胞系列バリアントである確率、またはノイズである確率についての、分類スコア694を出力する。分類層684はソフトマックス層またはシグモイド層であり得る。クラスの数およびクラスのタイプは、実装形態に応じて修正され得る。上で論じられたように、ノイズカテゴリがあることで、体細胞カテゴリおよび生殖細胞系列カテゴリの分類が改善する。
他の実装形態では、メタデータ特徴量626は、畳み込みニューラルネットワーク612へと直接供給されて入力配列602へと符号化されてもよく、または、別々に、しかし入力配列602と同時に供給されてもよく、または、別々に、しかし入力配列602の前/後に供給されてもよい。
図7は、バリアント分類器104によって実行されるバリアント分類器のアルゴリズムの例700を示す。示される実装形態では、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)612は2つの畳み込み層を有し、全結合ニューラルネットワーク(FCNN)674は3つの全結合層を有する。他の実装形態では、バリアント分類器104、ならびにその畳み込みニューラルネットワーク612および全結合ニューラルネットワーク674は、追加の、より少数の、または異なるパラメータおよびハイパーパラメータを有し得る。パラメータのいくつかの例は、畳み込み層の数、バッチ正規化層およびReLU層の数、全結合層の数、それぞれの畳み込み層の中の畳み込みフィルタの数、それぞれの全結合層の中のニューロンの数、最終分類層によって作り出される出力の数、および残差接続である。ハイパーパラメータのいくつかの例は、畳み込みフィルタのウィンドウサイズ、畳み込みフィルタのストライド長、パディング、および拡張である。以下の議論では、「層」という用語は、ソフトウェア論理またはモジュールとしてコードで実装されるアルゴリズムを指す。層のいくつかの例は、https://keras.io/layers/about-keras-layers/において利用可能なKeras(商標)文書において見出すことができ、その完全な主題の全体が参照によって本明細書に明確に引用される。
ワンホット符号化された入力配列702は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)612の第1の畳み込み層704に供給される。入力配列702の次元は41,5であり、ここで41は、中心の標的場所における特定のバリアントの各側に20個の塩基がある入力配列702の中の41個の塩基を表し、5は、入力配列702を符号化するために使用され図3に示される5つのチャネルA、T、C、G、Nを表す。
第1の畳み込み層704は25個のフィルタを有し、それらの各々が、ウィンドウサイズが7でありストライド長が1である入力配列702にわたり畳み込みを行う。畳み込みの後には、バッチ正規化層およびReLU非線形性層712が続く。得られるものは、次元25,35の出力(特徴量マップ)714である。出力714は、第1の中間の畳み込まれた特徴量と見なすことができる。
出力714は、畳み込みニューラルネットワーク612の第2の畳み込み層722への入力として供給される。第2の畳み込み層722は15個のフィルタを有し、それらの各々が、ウィンドウサイズが5でありストライド長が1である出力714にわたり畳み込みを行う。畳み込みの後には、バッチ正規化およびReLU非線形性層724が続く。得られるものは、次元15,31の出力(特徴量マップ)732である。出力732は、第2の中間の畳み込まれた特徴量として、また畳み込みニューラルネットワーク612の最終的な出力としても見なすことができる。
出力732をメタデータ特徴量742と連結し、全結合ニューラルネットワーク(FCNN)674による下流処理も可能にするために、出力732は平坦化層734によって平坦化される。平坦化は、1つの行または1つの列のいずれかを有するように出力732をベクトル化することを含む。すなわち、例として、次元15,31の出力732を次元1,465の平坦化されたベクトル(1つの行および15×31=465個の列)へと変換することである。
特定のバリアントと相関するメタデータ特徴量742は、49,1という次元を有する。連結層744は、出力732から導かれた平坦化されたベクトルとメタデータ特徴量742を連結する。得られるものは、次元1,49の出力752である。出力752は特徴量配列と見なすことができる。
出力752は次いで、全結合ニューラルネットワーク(FCNN)674への入力として供給される。全結合ニューラルネットワーク674は、3つの全結合層754、764、および774を有し、各々の後にバッチ正規化層およびReLU非線形性層のペア762、772、および782が続く。第1の全結合層754は512個のニューロンを有し、それらは第2の全結合層764の中の512個のニューロンに全結合される。第2の全結合層764の中の512個のニューロンは、第3の全結合層774の中の256個のニューロンに全結合される。
分類層784(たとえば、ソフトマックス)は、特定のバリアントが体細胞性であること、生殖細胞系列であること、またはノイズであることの3つの分類スコアもしくは確率792を出力する、3つのニューロンを有する。
他の実装形態では、メタデータ特徴量742は、畳み込みニューラルネットワーク612へと直接供給されて入力配列702へと符号化されてもよく、または、別々に、しかし入力配列702と同時に供給されてもよく、または、別々に、しかし入力配列702の前/後に供給されてもよい。
[転移学習]
図8は、転移学習戦略800に従ったバリアント分類器104を訓練することの一実装形態と、それに続く、訓練されたバリアント分類器104の評価および検定とを示す。転移学習戦略800は、塩基データセット812(たとえば、TCGA)およびタスク(バリアント分類)についてバリアント分類器104を事前訓練すること(802)と、次いで、標的データベース832(たとえば、TST)およびタスク(バリアント分類)について訓練する(822)ために、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)612および全結合ニューラルネットワーク674の学習された重み(フィルタ、ニューロン)を別の目的で使用し、または転移することとを伴う。このプロセスは、TCGAデータセット812およびTSTデータセット832が共通の特徴量を共有するので、良好に機能する。
評価842は、TSTデータセット862から提供された妥当性確認データ852に対するバリアント分類器104のバリアント分類性能を繰り返し確認することを含む。収束条件が満たされた後で(たとえば、F-measureのような何らかのベンチマークを満たした後で、または閾値未満に誤差を小さくした後で)、訓練されたバリアント分類器104は、推論または検定862のために展開される。展開856は、研究コミュニティが使用するためのIlluminaのBaseSpace(商標)のようなクラウドベースの環境で、訓練されたバリアント分類器104をホストすること、モバイルコンピューティングデバイスへの組み込みのために訓練された分類器104をメモリチップもしくはGPU上で実行可能にすること、および/または、バリアント分類器104をウェブからダウンロード可能にすることを含み得る。推論862の間、訓練されたバリアント分類器104は、推論データ872の形式で入力配列を受け取り、上で論じられたようにバリアント分類を実行することができる。
[性能結果]
図9は、エクソンデータに対するバリアントコーラ(Sojournerとも本明細書では呼ばれる)の性能結果900を示す。感度および特異度によって定量化されるこれらの結果は、非深層ニューラルネットワーク分類器を上回るSojournerの利点および優位性を立証する。
図10は、エクソンにわたってバリアントを分類するときの、非深層ニューラルネットワーク分類器を使用する場合と比較したSojournerを使用する場合の偽陽性率1000の改善を示す。
図11は、エクソンにわたってバリアントを分類するときの、非深層ニューラルネットワーク分類器を使用する場合と比較したSojournerを使用する場合の平均の絶対的な腫瘍変異負荷(TMB)誤差1100を示す。
図12は、エクソンにわたってバリアントを分類するときの、非深層ニューラルネットワーク分類器を使用する場合と比較したSojournerを使用する場合の平均の絶対的なTMB誤差1200の改善を示す。
図13は、CDS(コードDNA配列)データに対するSojournerの性能結果1300を示す。感度および特異度によって定量化されるこれらの結果は、非深層ニューラルネットワーク分類器を上回るSojournerの利点および優位性を立証する。
図14は、コード領域にわたってバリアントを分類するときの、非深層ニューラルネットワーク分類器を使用する場合と比較したSojournerを使用する場合の同様の偽陽性率1400を示す。
図15は、コード領域にわたってバリアントを分類するときの、非深層ニューラルネットワーク分類器を使用する場合と比較したSojournerを使用する場合の平均の絶対的なTMB誤差1500を示す。
図16は、エクソンにわたってバリアントを分類するときの、非深層ニューラルネットワーク分類器を使用する場合と比較したSojournerを使用する場合の同様の平均の絶対的なTMB誤差1600を示す。
[コンピュータシステム]
図17は、バリアント分類器104を実装するために使用され得るコンピュータシステム1700を示す。コンピュータシステム1700は、バスサブシステム1755を介していくつかの周辺デバイスと通信する、少なくとも1つの中央処理装置(CPU)1772を含む。これらの周辺デバイスは、たとえば、メモリデバイスおよびファイルストレージサブシステム1736、ユーザインターフェース入力デバイス1738、ユーザインターフェース出力デバイス1776、ならびにネットワークインターフェースサブシステム1774を含む、ストレージサブシステム1710を含み得る。入力デバイスおよび出力デバイスはコンピュータシステム1700とのユーザの対話を可能にする。ネットワークインターフェースサブシステム1774は、他のコンピュータシステムにおける対応するインターフェースデバイスへのインターフェースを含む、外部ネットワークへのインターフェースを提供する。
一実装形態では、バリアント分類器104は、ストレージサブシステム1710およびユーザインターフェース入力デバイス1738へ通信可能につながれる。
ユーザインターフェース入力デバイス1738は、キーボードと、マウス、トラックボール、タッチパッド、またはグラフィクスタブレットなどのポインティングデバイスと、ディスプレイに組み込まれたタッチスクリーンと、音声認識システムおよびマイクロフォンなどのオーディオ入力デバイスと、他のタイプの入力デバイスとを含み得る。一般に、「入力デバイス」という用語の使用は、コンピュータシステム1700へ情報を入力するためのすべての可能なタイプのデバイスおよび方式を含むことが意図される。
ユーザインターフェース出力デバイス1776は、ディスプレイサブシステム、プリンタ、faxマシン、またはオーディオ出力デバイスなどの非視覚的ディスプレイを含み得る。ディスプレイサブシステムは、LEDディスプレイ、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)などのフラットパネルデバイス、プロジェクションデバイス、または可視の画像を創造するための何らかの他の機構を含み得る。ディスプレイサブシステムはまた、オーディオ出力デバイスなどの非視覚ディスプレイを提供することができる。一般に、「出力デバイス」という用語の使用は、コンピュータシステム1700から情報をユーザまたは別の機械もしくはコンピュータシステムに出力するためのすべての可能なタイプのデバイスおよび方式を含むことが意図される。
ストレージサブシステム1710は、本明細書で説明されるモジュールおよび方法の一部またはすべての機能を提供する、プログラミングおよびデータ構築物を記憶する。これらのソフトウェアモジュールは一般に、深層学習プロセッサ1778によって実行される。
深層学習プロセッサ1778は、グラフィクス処理装置(GPU)またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)であり得る。深層学習プロセッサ1778は、Google Cloud Platform(商標)、Xilinx(商標)、およびCirrascale(商標)などの深層学習クラウドプラットフォームによってホストされ得る。深層学習プロセッサ1778の例には、GoogleのTensor Processing Unit(TPU)(商標)、GX4 Rackmount Series(商標)、GX17 Rackmount Series(商標)のようなラックマウントソリューション、NVIDIA DGX-1(商標)、MicrosoftのStratix V FPGA(商標)、GraphcoreのIntelligent Processor Unit(IPU)(商標)、Snapdragonプロセッサ(商標)を用いたQualcommのZerothプラットフォーム(商標)、NVIDIAのVolta(商標)、NVIDIAのDRIVE PX(商標)、NVIDIAのJETSON TX1/TX2 MODULE(商標)、IntelのNirvana(商標)、Movidius VPU(商標)、Fujitsu DPI(商標)、ARMのDynamicIQ(商標)、IBM TrueNorth(商標)などがある。
ストレージサブシステム1710において使用されるメモリサブシステム1722は、プログラム実行の間の命令およびデータの記憶のためのメインランダムアクセスメモリ(RAM)1732と、固定された命令が記憶される読取り専用メモリ(ROM)1734とを含む、いくつかのメモリを含み得る。ファイルストレージサブシステム1736は、プログラムおよびデータファイルのための永続的なストレージを提供することができ、ハードディスクドライブ、関連する取り外し可能なメディアを伴うフロッピー(登録商標)ディスクドライブ、CD-ROMドライブ、光学ドライブ、または取り外し可能なメディアカートリッジを含み得る。いくつかの実装形態の機能を実装するモジュールは、ストレージサブシステム1710の中の、または他のプロセッサによってアクセス可能な他の機械の中の、ファイルストレージサブシステム1736によって記憶され得る。
バスサブシステム1755は、コンピュータシステム1700の様々な構成要素およびサブシステムに意図されるように互いに通信させるための機構を提供する。バスサブシステム1755は単一のバスとして概略的に示されているが、バスサブシステムの代替的な実装形態は複数のバスを使用することができる。
コンピュータシステム1700自体が、パーソナルコンピュータ、ポータブルコンピュータ、ワークステーション、コンピュータ端末、ネットワークコンピュータ、テレビジョン、メインフレーム、サーバファーム、緩やかにネットワーク化されたコンピュータの広く分布するセット、または、任意の他のデータ処理システムもしくはユーザデバイスを含む、様々なタイプであってよい。コンピュータおよびネットワークの変わり続ける性質により、図17に示されるコンピュータシステム1700の説明は、本発明の好ましい実施形態を示すことを目的として具体的な例であることのみが意図されている。図17に示されるコンピュータシステムより多数または少数の構成要素を有する、コンピュータシステム1700の多くの他の構成が可能である。
[具体的な実装形態]
所与のバリアントが体細胞性であるか生殖細胞系列であるかを予測するために訓練された深層ニューラルネットワークを使用する、バリアント分類器のシステムおよび様々な実装形態を説明する。実装形態の1つまたは複数の特徴は基本の実装形態と組み合わされ得る。相互に排他的ではない実装形態は合成可能であると教示される。実装形態の1つまたは複数の特徴は他の実装形態と合成され得る。本開示は定期的にこれらの選択肢をユーザに思い起こさせる。これらの選択肢を繰り返し述べる記載がいくつかの実装形態において省略されていることは、先行するセクションにおいて教示された合成を限定するものと解釈されるべきではなく、これらの記載は以後の実装形態の各々へと前方に参照によって組み込まれる。
一実装形態では、開示される技術はニューラルネットワークで実装されるシステムを提示する。このシステムは、並列に動作しメモリに結合される1つまたは複数のプロセッサ上で実行されるバリアント分類器を備える。
バリアント分類器は、(i)畳み込みニューラルネットワークおよび(ii)全結合ニューラルネットワークを有する。畳み込みニューラルネットワークは少なくとも2つの畳み込み層を有し、畳み込み層の各々が、(a)標的場所のバリアントの各側に少なくとも10個の塩基がある入力配列を処理し、(b)中間の畳み込まれた特徴量を作り出すために、1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも5つの畳み込みフィルタを有する。いくつかの実装形態では、畳み込み層の各々が少なくとも6つの畳み込みフィルタを有する。
メタデータ相関器は、(i)バリアントの変異特性、(ii)バリアントのリードマッピング統計、および(iii)バリアントの発生頻度を表す、メタデータ特徴量のセットとバリアントを相関付ける。
全結合ニューラルネットワークは、(a)中間の畳み込まれた特徴量とメタデータ特徴量の組合せから導かれる特徴量配列を処理し、(b)バリアントが体細胞バリアントであること、生殖細胞系列バリアントであること、またはノイズであることの確率に対する分類スコアを出力するために、1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも2つの全結合層を有する。
このシステム実装形態および開示される他のシステムは任意選択で、以下の特徴のうちの1つまたは複数を含む。システムはまた、開示される方法に関連して説明される特徴を含み得る。簡潔にするために、システム特徴の代替的な組合せは個別に列挙されない。システム、方法、および製造物品に適用可能な特徴は、基本の特徴の各statutory classに対して繰り返されない。このセクションにおいて特定される特徴が他のstatutory classの中の基本の特徴とどのように容易に組み合わされ得るかを、読者は理解するであろう。
メタデータ相関器はさらに、バリアントが、異なるアミノ酸をコードする新しいコドンを作り出すようなコドンを変化させる非同義バリアントであるかどうかを指定する、アミノ酸影響特徴量と、バリアントを相関付けるように構成され得る。
メタデータ相関器はさらに、バリアントが一塩基多型であるか、挿入であるか、または欠失であるかのタイプを指定するバリアントタイプ特徴とバリアントを相関付けるように構成され得る。
メタデータ相関器はさらに、バリアントを特定したリードマッピングの品質パラメータを指定するリードマッピング統計特徴量とバリアントを相関付けるように構成され得る。
メタデータ相関器はさらに、シーケンシングされた集団におけるバリアントのアレル頻度を指定する集団頻度特徴量とバリアントを相関付けるように構成され得る。
メタデータ相関器はさらに、シーケンシングされた集団から階層化された民族的亜集団におけるバリアントのアレル頻度を指定する亜集団頻度特徴量とバリアントを相関付けるように構成され得る。
メタデータ相関器はさらに、複数の種にわたる標的場所の保存率を指定する進化的保存特徴量とバリアントを相関付けるように構成され得る。
メタデータ相関器はさらに、臨床試験から決定されるようなバリアントの臨床的影響、薬物感受性、および組織適合性を指定する、臨床的有意性特徴量とバリアントを相関付けるように構成され得る。
メタデータ相関器はさらに、バリアントによって引き起こされるアミノ酸置換から生じるタンパク質の機能に対するバリアントの影響を指定する、機能的影響特徴量とバリアントを相関付けるように構成され得る。
メタデータ相関器はさらに、バリアントと関連付けられる腫瘍サンプルを提供した個人の民族的な構成を特定する確率を指定する民族性予測特徴量とバリアントを相関付けるように構成され得る。
メタデータ相関器はさらに、シーケンシングされた癌性腫瘍におけるバリアントの頻度を指定する腫瘍頻度特徴量とバリアントを相関付けるように構成され得る。
メタデータ相関器はさらに、基準配列の中の標的場所におけるバリアントによって変異する少なくとも1つの塩基を指定する代替アレル特徴量とバリアントを相関付けるように構成され得る。
バリアント分類器の畳み込みニューラルネットワークおよび全結合ニューラルネットワークは、癌を引き起こす変異の第1のデータセットからの50万個の訓練例についてエンドツーエンドで一緒に訓練されてもよく、癌を引き起こす変異の第2のデータセットからの5万個の訓練例についての訓練がそれに続く。
バリアント分類器の畳み込みニューラルネットワークおよび全結合ニューラルネットワークは、第2のデータセットだけから提供される妥当性確認データについてエンドツーエンドで一緒に検定され得る。
畳み込み層および全結合層の各々の後には、少なくとも1つの正規化線形ユニット層が続き得る。畳み込み層および全結合層の各々の後には、少なくとも1つのバッチ正規化層が後に続き得る。
バリアントの側には各側に少なくとも19個の塩基があり得る。別の実装形態では、バリアントの側には各側に少なくとも20個の塩基があり得る。
システムはさらに、中間の特徴量をメタデータ特徴量と連結することによって、特徴量配列を導く連結器を備えるように構成され得る。
メタデータ特徴量は、1次元アレイで符号化されてよい。入力配列は、n次元アレイで符号化されてよく、n≧2である。
他の実装形態は、上で説明されたシステムの活動を実行するようにプロセッサによって実行可能な命令を記憶する、非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。他の実装形態について特定の実装セクションにおいて論じられる特徴の各々は、本実装形態に等しく適用される。上で示されたように、すべての他の特徴はここで繰り返されず、参照によって繰り返されるものと見なされるべきである。
別の実装形態では、開示される技術は、バリアント分類のニューラルネットワークで実施される方法を提示する。
方法は、中間の畳み込まれた特徴量を作り出すために、畳み込みニューラルネットワークを通じて入力配列を処理するステップを含む。畳み込みニューラルネットワークは少なくとも2つの畳み込み層を有し、畳み込み層の各々は1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも5つの畳み込みフィルタを有する。いくつかの実装形態では、畳み込み層の各々は少なくとも6つの畳み込みフィルタを有する。
入力配列は、各側に少なくとも10個の塩基がある標的場所におけるバリアントを有する。
方法は、(i)バリアントの変異特性、(ii)バリアントのリードマッピング統計、および(iii)バリアントの発生頻度を表す、メタデータ特徴量のセットとバリアントを相関付けるステップを含む。
方法は、バリアントが体細胞バリアントである確率、生殖細胞系列バリアントである確率、またはノイズである確率に対する分類スコアを出力するために、全結合ニューラルネットワークを通じて特徴量配列を処理するステップを含む。全結合ニューラルネットワークは、1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも2つの全結合層を有する。特徴量配列は、中間の畳み込まれた特徴量およびメタデータ特徴量の組合せから導かれる。
他の実装形態は、上で説明された方法を実行するためにプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体(CRM)を含み得る。さらに別の実装形態は、メモリと、上で説明された方法を実行するためにメモリに記憶された命令を実行するように動作可能な1つまたは複数のプロセッサとを含む、システムを含み得る。他の実装形態について特定の実装セクションにおいて論じられる特徴の各々は、本実装形態に等しく適用される。上で示されたように、すべての他の特徴はここで繰り返されず、参照によって繰り返されるものと見なされるべきである。
さらに別の実装形態では、開示される技術はニューラルネットワークで実装されるシステムを提示する。システムは、並列に動作しメモリに結合される1つまたは複数のプロセッサ上で実行される、バリアント分類器を備える。
バリアント分類器は、(i)畳み込みニューラルネットワークおよび(ii)全結合ニューラルネットワークを有する。畳み込みニューラルネットワークは、入力配列を処理し、中間の畳み込まれた特徴量を作り出すように訓練される。畳み込みニューラルネットワークは少なくとも2つの畳み込み層を有し、畳み込み層の各々は1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも5つの畳み込みフィルタを有する。いくつかの実装形態では、畳み込み層の各々は少なくとも6つの畳み込みフィルタを有する。
入力配列は、各側に少なくとも10個の塩基がある標的場所におけるバリアントを有し、バリアントと相関するメタデータ特徴量のセットを有する。
メタデータ特徴量は、(i)バリアントの変異特性、(ii)バリアントのリードマッピング統計、および(iii)バリアントの発生頻度を表す。
全結合ニューラルネットワークは、中間の畳み込まれた特徴量を処理し、バリアントが体細胞バリアントである確率、生殖細胞系列バリアントである確率、またはノイズである確率に対する分類スコアを出力するように訓練される。全結合ニューラルネットワークは、1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも2つの全結合層を有する。
システムはさらに、バリアントをメタデータ特徴量と相関付けるメタデータ相関器を備えるように構成され得る。
他の実装形態は、上で説明されたシステムの活動を実行するようにプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体を含み得る。他の実装形態について特定の実装セクションにおいて論じられる特徴の各々は、本実装形態に等しく適用される。上で示されたように、他の特徴のすべてがここで繰り返されず、参照によって繰り返されるものと見なされるべきである。
またさらなる実装形態では、開示される技術は、バリアント分類のニューラルネットワークで実施される方法を提示する。
方法は、中間の畳み込まれた特徴量を作り出すために、畳み込みニューラルネットワークを通じて入力配列を処理するステップを含む。畳み込みニューラルネットワークは少なくとも2つの畳み込み層を有し、畳み込み層の各々が1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも5つの畳み込みフィルタを有する。
入力配列は、各側に少なくとも10個の塩基がある標的場所におけるバリアントを有し、バリアントと相関するメタデータ特徴量のセットを有する。
メタデータ特徴量は、(i)バリアントの変異特性、(ii)バリアントのリードマッピング統計、および(iii)バリアントの発生頻度を表す。
方法は、バリアントが体細胞バリアントである確率、生殖細胞系列バリアントである確率、またはノイズである確率に対する分類スコアを出力するために、全結合ニューラルネットワークを通じて中間の畳み込まれた特徴量を処理するステップを含む。全結合ニューラルネットワークは、1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも2つの全結合層を有する。
他の実装形態は、上で説明された方法を実行するようにプロセッサによって実行可能な命令を記憶する非一時的コンピュータ可読記憶媒体(CRM)を含み得る。さらに別の実装形態は、メモリと、上で説明された方法を実行するためにメモリに記憶された命令を実行するように動作可能な1つまたは複数のプロセッサとを含む、システムを含み得る。他の実装形態について特定の実装セクションにおいて論じられる特徴の各々は、本実装形態に等しく適用される。上で示されたように、すべての他の特徴はここで繰り返されず、参照によって繰り返されるものと見なされるべきである。
開示される技術は上で詳述された好ましい実施形態および例を参照して開示されるが、これらの例は限定ではなく例示として意図されていることを理解されたい。修正および組合せが当業者に容易に想起され、これらの修正および組合せは本革新の趣旨および以下の特許請求の範囲内にあることが企図される。
本開示は以下の条項も含む。
1. ニューラルネットワークで実装されるシステムであって、
並列に動作しメモリに結合される1つまたは複数のプロセッサ上で実行されるバリアント分類器であって、
少なくとも2つの畳み込み層を有する畳み込みニューラルネットワークを有し、畳み込み層の各々が、
標的場所におけるバリアントの各側に少なくとも10個の塩基がある入力配列を処理し、
中間の畳み込まれた特徴量を作り出す
ために1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも5つの畳み込みフィルタを有する、
バリアント分類器と、
バリアントの変異特性、
バリアントのリードマッピング統計、および
バリアントの発生頻度
を表すメタデータ特徴量のセットとバリアントを相関付けるメタデータ相関器と、
中間の畳み込まれた特徴量とメタデータ特徴量の組合せから導かれる特徴量配列を処理し、
バリアントが体細胞バリアントである確率、生殖細胞系列バリアントである確率、またはノイズである確率に対する分類スコアを出力する
ために1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも2つの全結合層を有する、全結合ニューラルネットワークとを備える、システム。
2. メタデータ相関器がさらに、バリアントが、異なるアミノ酸をコードする新しいコドンを作り出すようなコドンを変化させる非同義バリアントであるかどうかを指定する、アミノ酸影響特徴量とバリアントを相関付けるように構成される、条項1のニューラルネットワークで実装されるシステム。
3. メタデータ相関器がさらに、バリアントが一塩基多型であるか、挿入であるか、または欠失であるかのタイプを指定する、バリアントタイプ特徴量とバリアントを相関付けるように構成される、条項1または2のニューラルネットワークで実装されるシステム。
4. メタデータ相関器がさらに、バリアントを特定したリードマッピングの品質パラメータを指定するリードマッピング統計特徴量とバリアントを相関付けるように構成される、条項1から3のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
5. メタデータ相関器がさらに、シーケンシングされた集団におけるバリアントのアレル頻度を指定する集団頻度特徴量とバリアントを相関付けるように構成される、条項1から4のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
6. メタデータ相関器がさらに、シーケンシングされた集団から階層化された民族的亜集団におけるバリアントのアレル頻度を指定する亜集団頻度特徴量とバリアントを相関付けるように構成される、条項1から5のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
7. メタデータ相関器がさらに、複数の種にわたる標的場所の保存率を指定する進化的保存特徴量とバリアントを相関付けるように構成される、条項1から6のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
8. メタデータ相関器がさらに、臨床試験から決定されるようなバリアントの臨床的影響、薬物感受性、および組織適合性を指定する、臨床的有意性特徴量とバリアントを相関付けるように構成される、条項1から7のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
9. メタデータ相関器がさらに、バリアントによって引き起こされるアミノ酸置換から生じるタンパク質の機能に対するバリアントの影響を指定する、機能的影響特徴量とバリアントを相関付けるように構成される、条項1から8のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
10. メタデータ相関器がさらに、バリアントと関連付けられる腫瘍サンプルを提供した個人の民族的な構成を特定する確率を指定する、民族性予測特徴量とバリアントを相関付けるように構成される、条項1から9のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
11. メタデータ相関器がさらに、シーケンシングされた癌性腫瘍におけるバリアントの頻度を指定する腫瘍頻度特徴量とバリアントを相関付けるように構成される、条項1から10のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
12. メタデータ相関器がさらに、基準配列の中の標的場所におけるバリアントによって変異する少なくとも1つの塩基を指定する代替アレル特徴量とバリアントを相関付けるように構成される、条項1から11のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
13. バリアント分類器の畳み込みニューラルネットワークおよび全結合ニューラルネットワークが、癌を引き起こす変異の第1のデータセットからの50万個の訓練例についてエンドツーエンドで一緒に訓練され、続いて癌を引き起こす変異の第2のデータセットからの5万個の訓練例について訓練される、条項1から12のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
14. バリアント分類器の畳み込みニューラルネットワークおよび全結合ニューラルネットワークが、第2のデータセットだけから提供される妥当性確認データについてエンドツーエンドで一緒に検定される、条項1から13のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
15. 畳み込み層および全結合層の各々の後に、少なくとも1つの正規化線形ユニット層が続く、条項1から14のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
16. 畳み込み層および全結合層の各々の後に、少なくとも1つのバッチ正規化層が続く、条項1から15のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
17. バリアントの各側に少なくとも19個の塩基がある、条項1から16のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
18. 中間の特徴量をメタデータ特徴量と連結することによって特徴量配列を導く連結器を備えるようにさらに構成される、条項1から17のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
19. メタデータ特徴量が1次元アレイにおいて符号化される、条項1〜18のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
20. 入力配列がn次元アレイにおいて符号化され、n≧2である、条項1から19のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
21. 畳み込み層の各々が少なくとも6つの畳み込みフィルタを有する、条項1から20のいずれかのニューラルネットワークで実装されるシステム。
22. バリアント分類のニューラルネットワークで実施される方法であって、
中間の畳み込まれた特徴量を作り出すために畳み込みニューラルネットワークを通じて入力配列を処理するステップであって、
畳み込みニューラルネットワークが少なくとも2つの畳み込み層を有し、畳み込み層の各々が1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも5つの畳み込みフィルタを有し、
入力配列が、各側に少なくとも10個の塩基がある標的場所におけるバリアントを有する、
ステップと、
バリアントの変異特性、
バリアントのリードマッピング統計、および
バリアントの発生頻度
を表すメタデータ特徴量のセットとバリアントを相関付けるステップと、
バリアントが体細胞バリアントである確率、生殖細胞系列バリアントである確率、またはノイズである確率に対する分類スコアを出力するために、全結合ニューラルネットワークを通じて特徴量配列を処理するステップであって、
全結合ニューラルネットワークが、1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも2つの全結合層を有し、
特徴量配列が、中間の畳み込まれた特徴量とメタデータ特徴量の組合せから導かれる、
ステップとを含む、方法。
23. 条項1に最終的に従属する条項の各々を実施する、条項22のニューラルネットワークで実装される方法。
24. バリアントを分類するためのコンピュータプログラム命令が焼かれた非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、命令が、プロセッサで実行されると、
中間の畳み込まれた特徴量を作り出すために畳み込みニューラルネットワークを通じて入力配列を処理するステップであって、
畳み込みニューラルネットワークが少なくとも2つの畳み込み層を有し、畳み込み層の各々が1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも5つの畳み込みフィルタを有し、
入力配列が、各側に少なくとも10個の塩基がある標的場所におけるバリアントを有する、
ステップと、
バリアントの変異特性、
バリアントのリードマッピング統計、および
バリアントの発生頻度
を表すメタデータ特徴量のセットとバリアントを相関付けるステップと、
バリアントが体細胞バリアントである確率、生殖細胞系列バリアントである確率、またはノイズである確率に対する分類スコアを出力するために、全結合ニューラルネットワークを通じて特徴量配列を処理するステップであって、
全結合ニューラルネットワークが、1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも2つの全結合層を有し、
特徴量配列が、中間の畳み込まれた特徴量とメタデータ特徴量の組合せから導かれる、
ステップとを含む方法を実施する、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
25. 条項1に最終的に従属する条項の各々を実施する、条項24の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
26. ニューラルネットワークで実装されるシステムであって、
並列に動作しメモリに結合される1つまたは複数のプロセッサ上で実行されるバリアント分類器であって、
入力配列を処理して中間の畳み込まれた特徴量を作り出すように訓練される畳み込みニューラルネットワークを有し、
畳み込みニューラルネットワークが少なくとも2つの畳み込み層を有し、畳み込み層の各々が1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも5つの畳み込みフィルタを有し、
入力配列が、各側に少なくとも10個の塩基がある標的場所におけるバリアントを有し、バリアントと相関するメタデータ特徴量のセットを有し、
メタデータ特徴量が、バリアントの変異特性、バリアントのリードマッピング統計、およびバリアントの発生頻度を表す、
バリアント分類器と、
中間の畳み込まれた特徴量を処理し、バリアントが体細胞バリアントである確率、生殖細胞系列バリアントである確率、またはノイズである確率に対する分類スコアを出力するように訓練される、全結合ニューラルネットワークであって、
1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも2つの全結合層を有する、
全結合ニューラルネットワークとを備える、システム。
27. バリアントをメタデータ特徴量と相関付けるメタデータ相関器を備えるようにさらに構成される、条項26のニューラルネットワークで実装されるシステム。
28. 条項1〜17の各々を実施する、条項26または27のニューラルネットワークで実装されるシステム。
29. バリアント分類のニューラルネットワークで実施される方法であって、
中間の畳み込まれた特徴量を作り出すために畳み込みニューラルネットワークを通じて入力配列を処理するステップであって、
畳み込みニューラルネットワークが少なくとも2つの畳み込み層を有し、畳み込み層の各々が1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも5つの畳み込みフィルタを有し、
入力配列が、各側に少なくとも10個の塩基がある標的場所におけるバリアントを有し、バリアントと相関するメタデータ特徴量のセットを有し、
メタデータ特徴量が、バリアントの変異特性、バリアントのリードマッピング統計、およびバリアントの発生頻度を表す、
ステップと、
バリアントが体細胞バリアントである確率、生殖細胞系列バリアントである確率、またはノイズである確率に対する分類スコアを出力するために、全結合ニューラルネットワークを通じて中間の畳み込まれた特徴量を処理するステップであって、
全結合ニューラルネットワークが、1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも2つの全結合層を有する、
ステップとを含む、方法。
30. 条項22から23の各々を実施する、条項29のニューラルネットワークで実施される方法。
31. バリアントを分類するためのコンピュータプログラム命令が焼かれた非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、命令が、プロセッサで実行されると、
中間の畳み込まれた特徴量を作り出すために畳み込みニューラルネットワークを通じて入力配列を処理するステップであって、
畳み込みニューラルネットワークが少なくとも2つの畳み込み層を有し、畳み込み層の各々が1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも5つの畳み込みフィルタを有し、
入力配列が、各側に少なくとも10個の塩基がある標的場所におけるバリアントを有し、バリアントと相関するメタデータ特徴量のセットを有し、
メタデータ特徴量が、バリアントの変異特性、バリアントのリードマッピング統計、およびバリアントの発生頻度を表す、
ステップと、
バリアントが体細胞バリアントである確率、生殖細胞系列バリアントである確率、またはノイズである確率に対する分類スコアを出力するために、全結合ニューラルネットワークを通じて中間の畳み込まれた特徴量を処理するステップであって、
全結合ニューラルネットワークが、1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも2つの全結合層を有する、
ステップとを含む方法を実施する、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
32. 条項22、23、29から30の1つまたは複数による方法を実施する、条項31の非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
102 入力配列
104 バリアント分類器
106 分類されたバリアント
112 連結器
114 ネットワーク
116 メタデータ相関器
122 特徴量配列
124 分類されていないバリアント
126 メタデータ特徴量
402 変異特性
412 リードマッピング統計
422 発生頻度
602 入力配列
612 畳み込みニューラルネットワーク
622 中間の畳み込まれた特徴量
626 メタデータ特徴量
634 特徴量配列
674 全結合ニューラルネットワーク
684 分類層
694 分類スコア
702 入力配列
704 畳み込み層
712 バッチ正規化&ReLU
714 出力
722 畳み込み層
724 バッチ正規化&ReLU
732 出力
734 平坦化層
742 メタデータ特徴量
744 連結層
752 出力
754 全結合層
762 バッチ正規化&ReLU
764 全結合層
772 バッチ正規化&ReLU
774 全結合層
782 バッチ正規化&ReLU
784 分類層
792 分類スコア
802 事前訓練
812 TCGAデータセット
822 訓練
832 TSTデータセット
842 評価
852 妥当性確認データ
862 推論
872 推論データ
1700 コンピュータシステム
1710 ストレージサブシステム
1722 メモリサブシステム
1732 メインランダムアクセスメモリ(RAM)
1734 読取り専用メモリ(ROM)
1736 ファイルストレージサブシステム
1738 ユーザインターフェース入力デバイス
1755 バスサブシステム
1772 中央処理装置(CPU)
1774 ネットワークインターフェースサブシステム
1776 ユーザインターフェース出力デバイス
1778 深層学習プロセッサ

Claims (17)

  1. ニューラルネットワークで実装されるシステムであって、
    並列に動作しメモリに結合される1つまたは複数のプロセッサ上で実行されるバリアント分類器であって、
    少なくとも2つの畳み込み層を有する畳み込みニューラルネットワークを有し、前記畳み込み層の各々が、
    標的場所におけるバリアントの各側に少なくとも10個の塩基がある入力配列を処理し、
    中間の畳み込まれた特徴量を作り出す
    ために1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも5つの畳み込みフィルタを有する、
    バリアント分類器と、
    前記バリアントの変異特性、
    前記バリアントのリードマッピング統計、および
    前記バリアントの発生頻度
    を表すメタデータ特徴量のセットと前記バリアントを相関付けるメタデータ相関器と、
    前記中間の畳み込まれた特徴量と前記メタデータ特徴量の組合せから導かれる特徴量配列を処理し、
    前記バリアントが体細胞バリアントである確率、生殖細胞系列バリアントである確率、またはノイズである確率に対する分類スコアを出力する
    ために前記1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも2つの全結合層を有する、全結合ニューラルネットワークと
    を備える、ニューラルネットワークで実装されるシステム。
  2. 前記メタデータ相関器がさらに、前記バリアントが、異なるアミノ酸をコードする新しいコドンを作り出すようなコドンを変化させる非同義バリアントであるかどうかを指定する、アミノ酸影響特徴量と前記バリアントを相関付けるように構成される、請求項1に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  3. 前記メタデータ相関器がさらに、前記バリアントが一塩基多型であるか、挿入であるか、または欠失であるかのタイプを指定する、バリアントタイプ特徴量と前記バリアントを相関付けるように構成される、請求項1または2に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  4. 前記メタデータ相関器がさらに、前記バリアントを特定したリードマッピングの品質パラメータを指定するリードマッピング統計特徴量と前記バリアントを相関付けるように構成される、請求項1から3のいずれか一項に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  5. 前記メタデータ相関器がさらに、シーケンシングされた集団における前記バリアントのアレル頻度を指定する集団頻度特徴量と前記バリアントを相関付けるように構成される、請求項1から4のいずれか一項に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  6. 前記メタデータ相関器がさらに、シーケンシングされた集団から階層化された民族的亜集団における前記バリアントのアレル頻度を指定する亜集団頻度特徴量と前記バリアントを相関付けるように構成される、請求項1から5のいずれか一項に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  7. 前記メタデータ相関器がさらに、複数の種にわたる前記標的場所の保存率を指定する進化的保存特徴量と前記バリアントを相関付けるように構成される、請求項1から6のいずれか一項に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  8. 前記メタデータ相関器がさらに、臨床試験から決定されるような前記バリアントの臨床的影響、薬物感受性、および組織適合性を指定する、臨床的有意性特徴量と前記バリアントを相関付けるように構成される、請求項1から7のいずれか一項に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  9. 前記メタデータ相関器がさらに、前記バリアントによって引き起こされるアミノ酸置換から生じるタンパク質の機能に対する前記バリアントの影響を指定する、機能的影響特徴量と前記バリアントを相関付けるように構成される、請求項1から8のいずれか一項に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  10. 前記メタデータ相関器がさらに、前記バリアントと関連付けられる腫瘍サンプルを提供した個人の民族的な構成を特定する確率を指定する、民族性予測特徴量と前記バリアントを相関付けるように構成される、請求項1から9のいずれか一項に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  11. 前記メタデータ相関器がさらに、シーケンシングされた癌性腫瘍における前記バリアントの頻度を指定する腫瘍頻度特徴量と前記バリアントを相関付けるように構成される、請求項1から10のいずれか一項に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  12. 前記メタデータ相関器がさらに、基準配列の中の前記標的場所における前記バリアントによって変異する少なくとも1つの塩基を指定する代替アレル特徴量と前記バリアントを相関付けるように構成される、請求項1から11のいずれか一項に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  13. 前記バリアント分類器の前記畳み込みニューラルネットワークおよび前記全結合ニューラルネットワークが、癌を引き起こす変異の第1のデータセットからの50万個の訓練例についてエンドツーエンドで一緒に訓練され、続いて癌を引き起こす変異の第2のデータセットからの5万個の訓練例について訓練される、請求項1から12のいずれか一項に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  14. 前記バリアント分類器の前記畳み込みニューラルネットワークおよび前記全結合ニューラルネットワークが、前記第2のデータセットだけから提供される妥当性確認データについてエンドツーエンドで一緒に検定される、請求項13に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  15. 前記畳み込み層および前記全結合層の各々の後に、少なくとも1つの正規化線形ユニット層が続く、請求項1から14のいずれか一項に記載のニューラルネットワークで実装されるシステム。
  16. バリアント分類のニューラルネットワークで実施される方法であって、
    中間の畳み込まれた特徴量を作り出すために畳み込みニューラルネットワークを通じて入力配列を処理するステップであって、
    前記畳み込みニューラルネットワークが少なくとも2つの畳み込み層を有し、前記畳み込み層の各々が1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも5つの畳み込みフィルタを有し、
    前記入力配列が、各側に少なくとも10個の塩基がある標的場所におけるバリアントを有する、
    ステップと、
    前記バリアントの変異特性、
    前記バリアントのリードマッピング統計、および
    前記バリアントの発生頻度
    を表すメタデータ特徴量のセットと前記バリアントを相関付けるステップと、
    前記バリアントが体細胞バリアントである確率、生殖細胞系列バリアントである確率、またはノイズである確率に対する分類スコアを出力するために、全結合ニューラルネットワークを通じて特徴量配列を処理するステップであって、
    前記全結合ニューラルネットワークが、前記1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも2つの全結合層を有し、
    前記特徴量配列が、前記中間の畳み込まれた特徴量と前記メタデータ特徴量の組合せから導かれる、
    ステップと
    を含む、方法。
  17. バリアントを分類するためのコンピュータプログラム命令が焼かれた非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、前記命令が、プロセッサで実行されると、
    中間の畳み込まれた特徴量を作り出すために畳み込みニューラルネットワークを通じて入力配列を処理するステップであって、
    前記畳み込みニューラルネットワークが少なくとも2つの畳み込み層を有し、前記畳み込み層の各々が1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも5つの畳み込みフィルタを有し、
    前記入力配列が、各側に少なくとも10個の塩基がある標的場所におけるバリアントを有する、
    ステップと、
    前記バリアントの変異特性、
    前記バリアントのリードマッピング統計、および
    前記バリアントの発生頻度
    を表すメタデータ特徴量のセットと前記バリアントを相関付けるステップと、
    前記バリアントが体細胞バリアントである確率、生殖細胞系列バリアントである確率、またはノイズである確率に対する分類スコアを出力するために、全結合ニューラルネットワークを通じて特徴量配列を処理するステップであって、
    前記全結合ニューラルネットワークが、前記1000回から数百万回の勾配更新の繰り返しにわたって訓練される少なくとも2つの全結合層を有し、
    前記特徴量配列が、前記中間の畳み込まれた特徴量と前記メタデータ特徴量の組合せから導かれる、
    ステップと
    を含む方法を実施する、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
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