JP6905738B2 - 柱梁接合構造物 - Google Patents

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Description

本発明は、柱に梁を接合させるための柱梁接合構造物に関するものである。
従来、この種の柱梁接合構造物は、複数の鋼管を溶接結合することにより構成されており、その際に溶接結合として、例えば、通しダイアフラム方式、内ダイアフラム方式等の方式がある。
しかしながら、これら通しダイアフラム方式、内ダイアフラム方式によると、組立て工数(溶接箇所)が多く、且つ溶接長さが長くなるため、全体の作業が複雑化するという問題点があった。
そこで、このような問題点を解決したものとして、柱部と梁部との接続部分となる仕口部に熱間成形により成形した厚肉の短尺角形鋼管を採用したノンダイアフラム方式の柱梁接合構造物が提供されている(例えば、特許文献1)。すなわち、所定の板厚の長尺角形鋼管と、この長尺角形鋼管よりも板厚が厚く且つ仕口部を形成する長さの半成形短尺角形鋼管とを、それぞれ冷間成形で製造する。そして、半成形短尺角形鋼管を加熱炉において加熱した後、熱間成形して短尺角形鋼管を製造する。このようにして得た長尺角形鋼管と短尺角形鋼管とをアーク溶接等で溶接結合することで角形鋼管柱を得る。
このような熱間成形により得た厚肉の短尺角形鋼管を採用した柱梁接合構造物によると、組立て工数を削減できるとともに溶接長さを短くでき、全体の作業が簡略化できる。
特開2003−268877号公報
しかしながら、特許文献1に示すような柱梁接合構造物は、ノンダイアフラム方式で構成されており、仕口部の内部に内蔵リブ或いは裏当て金等が設けられていない状態であることから、梁部の押し込みによる仕口部の変形を防止するために、仕口部のパネルの端面から梁部のフランジの上下面との間に所定長さの余長を設ける必要があり、梁部の高さ(フランジ間の高さ)が大きくなるにつれて、当該余長を長く設けなければならない。そのため、仕口部が大型化するという問題があった。
また、特許文献1に示すような柱梁接合構造物は、柱部を冷間ロール成形の角形鋼管により構成し、仕口部を熱間成形の角形鋼管により構成しているが、熱間成形の角形鋼管は、その隅角部分の外側曲率半径が、冷間ロール成形の角形鋼管における隅角部分の外側曲率半径より小さいため、柱部(冷間ロール成形の角形鋼管)と、仕口部(熱間成形の角形鋼管)とを溶接結合した際に、柱部の隅角部分と、仕口部の隅角部分とにズレ(食い違い)が生じ、溶接結合できないという問題があった。そのため、従来では、この柱部の隅角部分と仕口部の隅角部分とのズレ(食い違い)を解消するために、仕口部(熱間成形の角形鋼管)の隅角部分の外側曲率半径を、柱部(冷間ロール成形の角形鋼管)の隅角部分の外側曲率半径に合わせて大きくすることで対応していたが、仕口部(熱間成形の角形鋼管)の隅角部分の外側曲率半径を大きくすると、隅角部分をシャープに成形することができないという問題があった。
そこで、本発明は、梁部の押し込みによる仕口部の変形を防止しつつ、仕口部の小型化が可能であるとともに、仕口部の隅角部分をシャープに成形可能な柱梁接合構造物を提供することを目的とする。
本発明の解決しようとする課題は以上であり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
即ち、本発明の柱梁接合構造物は、冷間ロール成形の角形鋼管により構成される柱部と、熱間成形の角形鋼管により構成され、前記柱部と梁部との接続部分となるノンダイアフラム形式の仕口部と、を備え、前記柱部及び前記仕口部は、前記柱部の外径Bと仕口部の板厚tpとの比が10≦B/tp≦15となるように成形され、前記柱部の隅角部分の外側曲率半径が前記柱部の板厚の2.0倍から3.0倍に成形され、前記仕口部の隅角部分の外側曲率半径が前記仕口部の板厚の1.5倍から2.5倍に成形され、前記柱部の端面が前記仕口部の端面に載置可能な程度に、前記仕口部の外径が前記柱部の外径より長く成形され、前記仕口部の両端部分には、前記柱部が溶接接合されるとともに、その両端部分の内側に、四角形状の補強板材が、前記仕口部の端面と面一となるように溶接接合されるものである。
本発明の柱梁接合構造物によれば、仕口部の両端部分の内側に補強板材を設けることで、梁部の押し込みによる仕口部の変形を防止することができ、仕口部の端面から梁部のフランジの上下面との間の高さ(仕口部の余長)を短くすることができる。そのため、梁部の押し込みによる仕口部の変形を防止しつつ、仕口部を小型化することができる。また、柱部の端面が仕口部の端面に載置可能な程度に、仕口部の外径が柱部の外径より長く成形されるため、柱部の隅角部分と仕口部の隅角部分とのズレ(食い違い)を解消するために、仕口部の隅角部分の外側曲率半径を、柱部の隅角部分の外側曲率半径に合わせて大きくする必要がない。そのため、仕口部の隅角部分をシャープに成形することができる。
本発明に係る柱梁接合構造物の要部の一部切り欠き斜視図である。 本発明に係る柱梁接合構造物の要部の縦断正面図である。 本発明に係る柱梁接合構造物の柱シャフトと仕口コアの組み合わせの適否図表である。 本発明に係る柱梁接合構造物の柱シャフトと仕口コアとの重なりを示す平面図である。 FEM解析に用いた柱梁接合構造物の解析モデルを示す概要図である。 (a)は、FEM解析に用いたGeneral Yield法の概要図、(b)は、FEM解析の結果により求められる荷重変形曲線である。 図6及び表1における鋼管壁の理論耐力の値を求める際に用いる降伏メカニズムを示す概略図である。 比較例1の全塑性耐力時におけるMises応力図であり、(a)は外観、(b)は内観を示す図である。 比較例1の最終ステップ時(R=1/10rad時)におけるMises応力図であり、(a)は外観、(b)は内観を示す図である。 実施例1の全塑性耐力時におけるMises応力図であり、(a)は外観、(b)は内観を示す図である。 実施例1の最終ステップ時(R=1/10rad時)におけるMises応力図であり、(a)は外観、(b)は内観を示す図である。
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。まず、本発明に係る柱梁接合構造物10について説明する。なお、本発明は、以下に説明する柱梁接合構造物10に限定されるものではない。
図1に示すように、柱梁接合構造物10は、上下方向に延設される上下の柱シャフト11A、11B(「柱部」の一例)と、上下の柱シャフト11A、11Bの間に配設される仕口コア12(「仕口部」の一例)と、仕口コア12の四方に向く外側面にその一端部が固定され、水平方向に延びて設けられる梁13(「梁部」の一例)と、から構成される。
梁13は、H形鋼から形成され、対向する2枚の平板状のフランジ13aと、対向するフランジ13aの間に形成されるウェブ13bと、から構成される。梁13は、フランジ13aが上下方向に対向した位置となり、且つウェブ13bの一端面が仕口コア12のパネル12aに沿って当接するように、仕口コア12に溶接接合される。
図1及び図2に示すように、上下の柱シャフト11A、11Bは、ブレークダウン装置、フィンパス装置等の成形手段により冷間ロール成形した長尺の角形鋼管である。上下の柱シャフト11A、11Bは、その外径Bが200mmから550mmであり、その板厚tcが9mmから25mmである。上下の柱シャフト11A、11Bは、その隅角部分11aの外側曲率半径が上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcの2.0倍から3.0倍となるように成形される。上下の柱シャフト11A、11Bは、切削加工装置等の加工手段によりその端部の外側部分を切削加工することで、所定角度の開先部11bが形成される。上下の柱シャフト11A、11Bは、その端部に四角リング状の裏当て金15が内嵌されて溶接16により固定される。
仕口コア12は、加熱炉等の加熱手段により加熱され、成形ロール装置等の成形手段により熱間成形した短尺の角形鋼管である。仕口コア12は、上下の柱シャフト11A、11Bと梁13との接続部であり、ノンダイアフラム形式により構成される。仕口コア12は、その長手方向の長さLが、溶接接合される梁13の高さD(フランジ13a間の高さ)より長くなるように成形される。仕口コア12は、その外径Bpが270mmから570mmであり、そのパネル12aの板厚tpが19mmから50mmである。仕口コア12は、その隅角部分12bの外側曲率半径が仕口コア12のパネル12aの板厚tpの1.5倍から2.5倍に成形される。ここで、仕口コア12の隅角部分12bの外側曲率半径とは、図4(a)に示すように、仕口コア12における隣り合う内側面と外側面を直交する辺と45度の角度をなす線と隅角部分12bの外側の交点での曲率半径をいう。
柱梁接合構造物10においては、上下の柱シャフト11A、11Bと、仕口コア12と、が直線状に位置させるように形成される。具体的には、下側の柱シャフト11Bの上端部に仕口コア12の下端部が配置され、上側の柱シャフト11Aの下端部に仕口コア12の上端部が配置される。そして、上下の柱シャフト11A、11Bの内部に位置させた裏当て金15の外側面を仕口コア12のパネル12aの端面12cに当接させた状態で、上下の柱シャフト11A、11Bと仕口コア12とを外側から溶接17により接合する。柱梁接合構造物10においては、上下の柱シャフト11A、11Bの端面が仕口コア12の端面12cに載置可能となるように、仕口コア12の外径Bpが上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bより所定の長さで長く設定されている。
仕口コア12は、その両端部分の内側に補強板材18が溶接接合される。補強板材18は、仕口コア12の内径と同程度の四角形状の金属平板である。補強板材18は、その平面部分が仕口コア12のパネル12aの端面12cと面一となるように配置され、仕口コア12の両側の開口部分を塞ぐように仕口コア12の内面に溶接接合される。すなわち、補強板材18は、内ダイアフラムとは異なるものであり、内ダイアフラムのように、仕口コア12の内部であって、その平面部分が仕口コア12に固定される梁13のフランジ13aの平面部分と面一となるように配置されるものではなく、梁13のフランジ13aの平面部分より仕口コア12のパネル12aの端面12c側に配置される。仕口コア12の両端部分の内側に補強板材18を設けることで、梁13の押し込みによる仕口コア12のパネル12aの変形を防止することができ、仕口コア12のパネル12aの端面12cから梁13のフランジ13aの上下面との間の高さX(仕口コア12の余長)を短くすることができる。具体的には、仕口コア12の両端部分の内側に補強板材18を設けることで、仕口コア12の余長を(上下の柱シャフト11A、11Bの外径B)/4とすることができる。
補強板材18を仕口コア12に溶接接合する場合には、まず、補強板材18をその平面部分が仕口コア12のパネル12aの端面12cと面一となるように、仕口コア12の両側の開口部分に配置する。そして、補強板材18を仕口コア12の両側の開口部分に配置した状態で、パネル12aの端面12c側の端部と、補強板材18の外側端部(上下の柱シャフト11A、11Bが設けられる側の端部)と、を所定の厚さで、仕口コア12の幅方向に切削する。このようにパネル12a及び補強板材18を切削することで、補強板材18の平面部分と、仕口コア12のパネル12aの端面12cとがより精度よく面一となり、裏当て金15の取り付けを精度よく容易に行うことができる。
次に、上下の柱シャフト11A、11B及び仕口コア12の選定方法について説明する。
柱梁接合構造物10に用いる上下の柱シャフト11A、11B及び仕口コア12を選定するに際しては、まず、上下の柱シャフト11A、11Bの外径B及び仕口コア12の外径Bpを設定する。柱梁接合構造物10においては、上下の柱シャフト11A、11Bの端面が仕口コア12の端面12c上に載置されるように、上下の柱シャフト11A、11Bの外径B及び仕口コア12の外径Bpが設定される。具体的には、仕口コア12の外径Bpが上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bより長くなるように設定され、外径250mmから350mmの上下の柱シャフト11A、11Bを用いて柱梁接合構造物10を形成する場合には、その外径Bpが上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bより20mm長い仕口コア12を用い、外径400mmから550mmの上下の柱シャフト11A、11Bを用いて柱梁接合構造物10を形成する場合には、その外径Bpが上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bより25mm長い仕口コア12を用いる。
上下の柱シャフト11A、11Bの外径B及び仕口コア12の外径Bpが設定されると、上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tc及び仕口コア12のパネル12aの板厚tpが設定される。具体的には、図3の表に基づいて、上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcと、仕口コア12のパネル12aの板厚tpとの組み合わせの適否を判断する。上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcと、仕口コア12のパネル12aの板厚tpとの組み合わせの適否は、上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bと仕口コア12の板厚tpとの比が10≦B/tp≦15となる適用範囲に基づいて判断される。すなわち、上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcと、仕口コア12のパネル12aの板厚tpとの組み合わせが、当該適用範囲内にあるか否かにより判断される。図3に示す表の〇印は、上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcと、仕口コア12のパネル12aの板厚tpとの組み合わせが適用範囲内であることを示し、上下の柱シャフト11A、11Bと、仕口コア12との接合部に断面の食い違いが生じない組み合わせであることを意味する。一方、図3に示す表の×印は、上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcと、仕口コア12のパネル12aの板厚tpとの組み合わせが適用範囲外であることを示し、上下の柱シャフト11A、11Bと、仕口コア12との接合部に断面の食い違いが生じる組み合わせであることを意味する。
具体的には、上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bを250mm、仕口コア12の外径Bpを270mmに設定した場合に、板厚tcが9mmの上下の柱シャフト11A、11Bと組み合わせ可能な仕口コア12は、パネル12aの板厚tpが19mm、22mm、25mmの仕口コア12である。同様に、上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bを250mm、仕口コア12の外径Bpを270mmに設定した場合に、板厚tcが12mmの上下の柱シャフト11A、11Bと組み合わせ可能な仕口コア12は、パネル12aの板厚tpが22mm、25mmの仕口コア12であり、パネル12aの板厚tpが19mmの仕口コア12は組み合わせ不可となる。
このように、仕口コア12の外径Bpを、上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bより長くなるように設定した上で、上下の柱シャフト11A、11Bの板厚tcと、仕口コア12のパネル12aの板厚tpとの組み合わせを上記適用範囲内で設定することにより、柱梁接合構造物10は、上下の柱シャフト11A、11Bの外径Bと仕口コア12の板厚tpとの比が10≦B/tp≦15となるように成形されるとともに、仕口コア12の隅角部分12bの外側曲率半径を上下の柱シャフト11A、11Bの隅角部分11aの外側曲率半径に合わせて大きくすることなく、上下の柱シャフト11A、11Bの端面が仕口コア12の端面12c上に載置されるように成形される。
具体的には、外径Bが400mm、板厚tcが16mm又は19mmの上下の柱シャフト11A、11Bを用いる場合には、外径Bpが柱シャフト11A、11Bの外径Bより25mm長い425mmの仕口コア12であって、パネル12aの板厚tpが32mmから40mmのものを用いれば、図4(a)及び(b)に示すように、上下の柱シャフト11A、11Bの端面が仕口コア12の端面12c上に載置されるように成形される。また、外径Bが450mm、板厚tcが22mmの上下の柱シャフト11A、11Bを用いる場合には、外径Bpが柱シャフト11A、11Bの外径Bより25mm長い475mmの仕口コア12であって、パネル12aの板厚tpが36mmから45mmのものを用いれば、図4(c)に示すように、上下の柱シャフト11A、11Bの端面が仕口コア12の端面12c上に載置されるように成形される。さらに、外径Bが500mm、板厚tcが25mmの上下の柱シャフト11A、11Bを用いる場合には、外径Bpが柱シャフト11A、11Bの外径Bより25mm長い525mmの仕口コア12であって、パネル12aの板厚tpが40mmから50mmのものを用いれば、図4(d)に示すように、上下の柱シャフト11A、11Bの端面が仕口コア12の端面12c上に載置されるように成形される。
次に、本発明の効果をFEM解析によって確認したため、これについて以下の実施例で説明する。
以下の実施例においては、柱梁接合構造物10における上下の柱シャフト11A、11Bを□−400×400×16(R=40)、耐力324.5N/mm、引張強さ400N/mm、F値295N/mm、E値205000N/mm、ν値0.3、BCR295の冷間ロール成形の角形鋼管で構成し、仕口コア12のパネル12aを□−425×425×32(R=64)、耐力357.5N/mm、引張強さ490N/mm、F値325N/mm、E値205000N/mm、ν値0.3、SHC490Cの熱間成形の角形鋼管で構成し、梁13をH−488×300×11×36、耐力258.5N/mm、引張強さ400N/mm、F値235N/mm、E値205000N/mm、ν値0.3、SN400BのH形鋼で構成し、パネル12aの余長を(上下の柱シャフト11A、11Bの外径B)/4としたノンダイアフラム方式の十字形架溝(試験体)についてFEM解析を行った。
さらに、仕口コア12のパネル12aの上下端に補強板材18を設置したものを実施例1とし、仕口コア12のパネル12aの上下端に補強板材18を設置しないものを比較例1としてFEM解析を行った。補強板材18は、板厚12mm、耐力357.5N/mm、引張強さ490N/mm、F値325N/mm、E値205000N/mm、ν値0.3、SN490Bの板材で構成した。
図5に示すように、本実施例においては、上記試験体を1/2対称モデルでモデル化を行った。パネル12a、上下の柱シャフト11A、11B、梁13の部材端部から部材中央までは8節点ソリッド要素(完全積分要素)でモデル化し、部材中央から部材先端までは2節点梁要素(線形材料要素)でモデル化した。梁要素とソリッド要素の接続は、接続位置で平面保持が成立するように、梁要素端接点を独立節点とし、ソリッド要素フェース節点を従属節点に設定した。拘束条件としては、ソリッド要素部は対称面で面外方向への変位を拘束し(U=0)、梁要素部は面外変位、面外方向への回転及び捩れ回転を拘束し(U=0、θ=0、θ=0)、加力点以外の梁要素先端は、材軸方向自由とするローラ支持を行う(梁13:U=0、上下の柱シャフト11A、11B:U=0)。解析は材料幾何学的非線形を考慮し、上部の柱シャフト11Aの先端位置での変位制御による増分解析とした(層間変形角で1/10radまで)。
図6及び表1に示すFEM解析結果における全塑性耐力は、General Yield法(図6(a))によって算出した。
Figure 0006905738
また、図6及び表1の鋼管壁の理論耐力の値は、以下の方法で求めた。
[補強板材18無しの場合(比較例1)]
ノンダイアフラム方式の角形鋼管柱−H形断面梁の接合部における鋼管壁面外曲げに対して、鋼管壁に図7(a)に示される降伏メカニズムが形成されると仮定して、鋼管壁面外曲げの全塑性耐力を降伏線理論から導出される式(1)及び式(2)より評価した。
条件(1):x<lのとき
Figure 0006905738
未知数xは次式の解による。
Figure 0006905738
条件(2):条件(1)を満足しない場合(x≧lのとき)
Figure 0006905738
未知数x、yは、∂/∂=0、∂/∂=0の連立方程式の解による。
0:柱シャフト11A、11Bの鋼管壁の単位長さ当たりの面外曲げの全塑性モーメント(0=t σ/4)
0:パネル12aの鋼管壁の単位長さ当たりの面外曲げの全塑性モーメント(0=t σ/4)
:(h=Ht)、Hは梁せい
:(b=B−t)、Bは仕口コア12(パネル12aの角形鋼管)の外径
l:仕口コア12(パネル12aの角形鋼管)の余長
、t:柱シャフト11A、11Bの角形鋼管、パネル12aの角形鋼管、梁13のフランジ13aの板厚
t:梁13のフランジ13aの板厚と溶接余盛寸法の和
σσσ:柱シャフト11A、11Bの角形鋼管、パネル12aの角形鋼管、梁13のフランジ13aの降伏応力度
[補強板材18有りの場合(実施例1)]
補強板材18無しの場合(比較例1)と同様に、鋼管壁に図7(b)に示される降伏メカニズムが形成されると仮定して、鋼管壁面外曲げの全塑性耐力を降伏線理論から導出される式(1)及び式(3)より評価した。
条件(1):x<l’のときは、式(1)による。
条件(2):条件(1)を満足しない場合(x=l’のとき)
Figure 0006905738
未知数yは、次式による。
Figure 0006905738
なお、補強板材18の拘束により、x>l’にはならないと仮定した。
0:補強板材18の単位長さ当たりの面外曲げの全塑性モーメント(0=t σ/4)
l’:(l’=l−t/2)
:補強板材18の板厚
σ:補強板材18の降伏応力度
表2に示すFEM解析結果における初期剛性は、同モデルでの線形解析による値である。また、表2の理論値は、柱シャフト11A、11Bの断面(□−400×400×16)と梁13の断面(H−488×300×11×18)による平面骨組モデル(パネル12aは無視)による求解値である。
Figure 0006905738
図8から図11は、Mises応力度にて235N/mm以上の応力(卓越応力)が生じている範囲のみを模様で表示させた。
図6(b)、図8から図11に示すように、実施例1及び比較例1の荷重変形曲線はともに安定した紡錘形となり、上下の柱シャフト11A、11B及び仕口コア12のパネル12aの局部座屈による耐力低下が生じることなく、十分な塑性変形能力を発揮することが確認できた。図6(b)及び表1に示すように、実施例1のFEM解析結果における全塑性耐力は、比較例1と比較して10%程度大きくなった。実施例1では補強板材18を設けることで、比較例1に比べて上下の柱シャフト11A、11Bに生じる卓越応力の範囲が小さくなった。また、鋼管壁面外変形に関しても、実施例1は比較例1に比べて小さくなっており、補強板材18による面外変形の拘束が確認できた。
実施例1及び比較例1のFEM解析結果と理論値との比較では、誤差が5%から10%程度であり、且つ理論値がFEM解析結果に対して下回る形となった。図6(b)及び表1の鋼管壁の理論耐力の値を求めた上記方法では、比較例1のように上下の柱シャフト11A、11Bの影響を考慮した鋼管壁面外曲げの耐力式を示しており、合わせて実施例1のように補強板材18の影響を考慮した鋼管壁面外曲げの耐力式も示しているが、上記方法で示す鋼管壁面外曲げの耐力式より求まる理論耐力は、実施例1及び比較例1のFEM解析結果に対して大きく逸脱することなく安全側に評価することを確認できた。
表2に示すように、実施例1のFEM解析結果における初期剛性は、比較例1と比較して10%程大きくなった。これは、補強板材18による面外変形の拘束効果で剛性が大きくなったためである。実施例1及び比較例1のFEM解析結果と理論値との比較では、比較例1は理論値の84%、実施例1は理論値の93%に低下する結果となった。本実施例ではノンダイアフラム方式の場合の結果のみを示しているが、実施例1及び比較例1の解析の妥当性を確認するために、事前に行った従来方式(パネル12aを上下の柱シャフト11A、11Bと同断面とした通しダイアフラム(PL−22)方式)の架構のFEM解析結果で、初期剛性は35.6×10(kN/rad)であった。従って、実施例1の初期剛性の低下は、建物の構造計算上は無視できると考えられ、建物の構造計算におけるモデル化で梁端に曲げバネを付加する等の剛性調整は必要なしと判断できた。一方、比較例1は梁端に曲げバネを付加する等の剛性調整が必要である。
以上のように、柱梁接合構造物10においては、仕口コア12の両端部分の内側に補強板材18を設けることで、梁13の押し込みによる仕口コア12のパネル12aの変形を防止することができ、仕口コア12のパネル12aの端面12cから梁13のフランジ13aの上下面との間の高さX(仕口コア12の余長)を短くすることができる。すなわち、仕口コア12の両端部分の内側に補強板材18を設けることで、剛性と、半剛性との中間の特性を得ることができる。また、仕口コア12のパネル12aの厚さを薄くすることができる。このようなことから、梁13の押し込みによる仕口コア12の変形を防止しつつ、仕口コア12を小型化することができる。また、柱シャフト11A、11Bの端面が仕口コア12の端面に載置可能な程度に、仕口コア12の外径Bpが柱シャフト11A、11Bの外径Bより長く成形されるため、柱シャフト11A、11Bの隅角部分11aと仕口コア12の隅角部分12bとのズレ(食い違い)を解消するために、仕口コア12の隅角部分12bの外側曲率半径を、柱シャフト11A、11Bの隅角部分11aの外側曲率半径に合わせて大きくする必要がない。そのため、仕口コア12の隅角部分12bをシャープに成形することができる。
10 柱梁接合構造物
11A、11B 柱シャフト(柱部)
12 仕口コア(仕口部)
18 補強板材

Claims (1)

  1. 冷間ロール成形の角形鋼管により構成される柱部と、
    熱間成形の角形鋼管により構成され、前記柱部と梁部との接続部分となるノンダイアフラム形式の仕口部と、
    を備え、
    前記柱部及び前記仕口部は、
    前記柱部の外径Bと仕口部の板厚tpとの比が10≦B/tp≦15となるように成形され、
    前記柱部の隅角部分の外側曲率半径が前記柱部の板厚の2.0倍から3.0倍に成形され、
    前記仕口部の隅角部分の外側曲率半径が前記仕口部の板厚の1.5倍から2.5倍に成形され、
    前記柱部の端面が前記仕口部の端面に載置可能な程度に、前記仕口部の外径が前記柱部の外径より長く成形され、
    前記仕口部の両端部分には、前記柱部が溶接接合されるとともに、その両端部分の内側に、四角形状の補強板材が、前記仕口部の端面と面一となるように溶接接合されること
    を特徴とする柱梁接合構造物。
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