以下では、本発明に係る遊技機の一実施形態を示すパチスロ機について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態のパチスロ機では、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークンなどを適用することもできる。また、本実施形態では、特定の小役の成立をランプなどでナビゲートする機能であるアシストタイム(以下、「AT」という)と、特定プレイ数の間、リプレイ確率が通常時より高くなる機能であるRTとが同時に作動するアシストリプレイタイム(以下、「ART」という)の機能を備えたパチスロについて説明する。
[パチスロ機の機能フロー]
図1に示すように、パチスロ機1は、遊技者によりメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から一つの値(以下、乱数値)を抽出する。
内部当籤役決定手段(後述のメインCPU31)は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。すなわち、内部当籤役決定手段は、スタートスイッチ6S(図4参照)によるスタートレバー6に対する単位遊技の開始操作の検出(所定の開始条件の成立)に基づき、複数の役の中から所定の当籤確率で内部当籤役を決定する。
内部当籤役の決定により、後述の入賞ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払出、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスの作動などといった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
続いて、複数のリール3L、3C、3Rの回転が行われた後で、遊技者によりストップボタン7L、7C、7Rが押されると、リール停止制御手段(後述のメインCPU31、後述のモータ駆動回路39、後述のステッピングモータ49L、49C、49R)は、内部当籤役とストップボタン7L、7C、7Rが押されたタイミングとに基づいて、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御を行う。
ここで、パチスロ機1では、基本的に、ストップボタン7L、7C、7Rが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリール3L、3C、3Rの回転を停止する制御が行われる。本実施の形態では、上記規定時間内でのリール3L、3C、3Rの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼び、その最大数を図柄4個分(最大滑り駒数)に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときでは、上記規定時間を利用して、その図柄の組合せが入賞ライン(以下、「有効ライン」という)に沿って極力表示されるように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
その一方で、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せについては、上記規定時間を利用して、有効ラインに沿って表示されることがないように最大滑り駒数の範囲でリール3L、3C、3Rの回転を停止する。
こうして、複数のリール3L、3C、3Rの回転が全て停止されると、入賞判定手段(後述のメインCPU31)は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。
すなわち、入賞判定手段は、リール停止制御手段により図柄の変動が停止されたことに基づいて、有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて役の入賞又は非入賞を判定する。
入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払出などの特典が遊技者に与えられる。以上のような一連の流れがパチスロ機1における1回の遊技(単位遊技)として行われる。
なお、本実施の形態では、全てのリール3L、3C、3Rが回転しているときに最初に行われるリールの停止操作(ストップボタン7L、7C、7Rの操作)を第1停止操作、第1停止操作の次に行われる停止操作を第2停止操作、第2停止操作の次に行われる停止操作を第3停止操作という。
また、パチスロ機1では、前述した一連の流れの中で、ドット表示器100(表示装置)演出実行手段(ドット表示器100)により行う光の出力、スピーカ9L、9Rにより行う音の出力、あるいはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時などの各契機に連動させて対応する演出を実行する。このように、パチスロ機1では、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
また、パチスロ機1では、上述の各契機に連動せずに演出を実行することもある。例えば、ドット表示器100において行われる背景演出が各契機に連動しない演出に該当する。なお、この背景演出の詳細については、後述する。
[パチスロ機の構造]
パチスロ機1の機能フローについての説明は以上である。次に、図2及び図3を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1の構造について説明する。
図2は、本実施の形態におけるパチスロ機1の斜視図である。図3は、本実施の形態におけるパチスロ機1の保護パネル5を外した状態の正面図である。
パチスロ機1の全体を形成している筐体4は、箱状のキャビネット60と、このキャビネット60を開閉する前面ドア2とを備える。この前面ドア2の正面最上部には、リール上部表示器101が設けられている。また、前面ドア2の正面の略中央には、透明の保護パネル5が設けられ、この保護パネル5の左右には、リール演出表示器103及びサイド演出表示器104が設けられている。
また、保護パネル5の内部には、図3に示すように、略中央上部に複数の発光ダイオード(LED)が横長矩形形状に配列されたドット表示器100が設けられている。なお、ドット表示器100と保護パネル5との間には、ドット表示器100のLEDからの光を透過可能な前面パネルが配置されることとしてもよい。例えば、この前面パネルの一部に所定の絵柄を施し、ドット表示器100のLEDを点灯させることで、当該絵柄に応じた演出を行うことができる。
図3を参照して、ドット表示器100は、複数のLEDが横長矩形形状に等間隔で配列され構成される。ドット表示器100は、任意の箇所のLEDを点灯(点滅)させることで、文字、キャラクタなどの様々な絵柄を表示することができる。また、ドット表示器100は、前面パネルの後方に配置されたLEDを点灯(点滅)させることで、前面パネルに施された絵柄の任意の箇所を背面から照明する。
ドット表示器100の下方には、リール照明器102が設けられている。本実施形態では、ドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103及びサイド演出表示器104に発光ダイオード(LED)を用いて発光させているが、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)など、少なくとも緑色、黄色、青色、赤色に発光可能であれば既存の発光素子を用いることができる。
リール照明器102の下方には、後述するリール3L、3C、3Rに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段を構成する縦長矩形の表示窓4L、4C、4Rが設けられている。表示窓4L、4C、4Rには、右上り斜めのクロスアップライン8a、上段のトップライン8b、中段のセンターライン8c、下段のボトムライン8d及び右下がり斜めのクロスダウンライン8eが表示されている。
図3に示すように、表示窓4L、4C、4Rのそれぞれは、リール3L、3C、3Rに表示された複数の図柄のうちの3個の図柄を表示する。そのため、表示窓4L、4C、4Rには、3×3の図柄が表示される。表示窓4L、4C、4Rに表示されるクロスアップライン8a〜クロスダウンライン8eの5本のラインは、表示窓4L、4C、4Rが表示する3×3の図柄を直線的に結ぶラインである。
本実施形態では、これらクロスアップライン8a、トップライン8b、センターライン8c、ボトムライン8d及びクロスダウンライン8eのうちのクロスアップライン8aが有効ラインであり、クロスアップライン8aに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、入賞の判定が行われる。一方、クロスアップライン8a以外のトップライン8b、センターライン8c、ボトムライン8d及びクロスダウンライン8eは、入賞の判定に用いられることのない疑似的なラインである。
なお、有効ライン(クロスアップライン8a)は、後述のMAXベットボタン11や1ベットボタン12を操作すること、又はメダル投入口22にメダルを投入することにより有効化される。ここで、MAXベットボタン11又は1ベットボタン12を操作することと、メダルを投入することとは同義である。したがって、例えば「メダルの投入枚数」という場合には、上述のMAXベットボタン11又は1ベットボタン12の操作によるBET枚数と実際にメダル投入口22に投入された投入枚数のいずれも含まれる。
キャビネット60には、複数のリール3L、3C、3Rが回転自在に横一列に設けられている。各リール3L、3C、3Rは、それぞれの外周面に、遊技に必要な複数種類の図柄によって構成される識別情報としての図柄列が描かれたリール帯を有する。すなわち、リール3L、3C、3Rには、複数の図柄が表示されている。
各リール帯に描かれた図柄は表示窓4L、4C、4Rを通して、パチスロ機1の外部から視認できるようになっている。また、各リール3L、3C、3Rは、定速回転(例えば80回転/分)で回転し、図柄列を変動表示する。
表示窓4L、4C、4Rの下方には、情報表示器14が設けられている。情報表示器14には、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(以下、投入枚数)に対応して点灯するLED(図示せず)が設けられている。また、情報表示器14には、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ機1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)などの情報を遊技者に対してデジタル表示するデジタル表示器(図示せず)が設けられている。
また、情報表示器14には、内部当籤役として決定された役に応じた図柄の組合せを有効ラインに沿って表示するために必要な停止操作の情報を報知する指示モニタ(図示せず)が設けられている。指示モニタは、例えば、7セグメントLEDにより構成され、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で点灯や点滅することで、遊技者に対して必要な停止操作の情報を報知する。後述するように、本実施形態では、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」を設けている。報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様とは、例えば、押し順「左、右、中」を報知する場合に「1」を表示し、押し順「左、中、右」を報知する場合に「2」を表示し、押し順「中、左、右」を報知する場合に「3」を表示し、押し順「中、右、左」を報知する場合に「4」を表示し、押し順「右、左、中」を報知する場合に「5」を表示し、押し順「右、中、左」を報知する場合に「6」を表示するといったことである。
後述の図4に示すように、情報表示器14は、ドア中継基板74を介して主制御基板71により制御される。ここで、パチスロ機1では、主制御基板71により制御される指示モニタに加えて、副制御基板72により制御される他の手段を用いて停止操作の情報を報知することとしてもよく、例えば、上述のドット表示器100において停止操作の情報を報知することとしてもよい。
この場合において、指示モニタにおける報知の態様と、その他の手段における報知の態様とは、異なる態様であってもよい。すなわち、指示モニタでは、報知する停止操作の情報に一義的に対応する態様で報知すればよく、必ずしも、停止操作の情報を直接的に報知する必要はない(例えば、指示モニタにおいて「5」と表示されたとしても、遊技者によっては報知内容を特定できない可能性もあり、直接的な報知とは言えない)。これに対して、その他の手段における報知では、停止操作の情報を直接的に報知することとしてもよい。例えば、押し順「右、左、中」を報知する場合に、指示モニタでは報知する押し順に一義的に対応する「5」を表示する一方で、その他の手段(ドット表示器100)では、第1停止操作を右リール3Rに対して行い、第2停止操作を左リール3Lに対して行い、第3停止操作を中リール3Cに対して行うことを直接的に報知することとしてもよい。
このように本実施形態のパチスロ機1では、副制御基板72の制御だけでなく、主制御基板71の制御によっても、内部当籤役に応じた必要な停止操作の情報を報知することができる。もちろん、停止操作の情報の報知は、遊技状態に応じて制御されることとしてもよい。より具体的には、後述の一般遊技状態では停止操作の情報を報知することなく、後述のAT遊技状態において停止操作の情報を報知することとしてもよい(図6参照)。
また、情報表示器14の下方には、略水平面の台座部10が形成されている。台座部10の水平面内のうち、右側にはメダル投入口22が設けられ、左側にはMAXベットボタン11及び1ベットボタン12が設けられる。MAXベットボタン11の内部には、メダルの投入が可能な時に点灯するベットボタンLED108(図5参照)が設けられている。
このMAXベットボタン11を押下操作することで、単位遊技(一のゲーム)の用に供される枚数(3枚)のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。一方、1ベットボタン12を1回、押下操作する度に1枚のメダルが投入される。1ベットボタン12が3回操作されると、単位遊技用に供される3枚のメダルが投入され、有効ラインが有効化される。
MAXベットボタン11の操作、1ベットボタン12の操作及びメダル投入口22にメダルを投入する操作(遊技を行うためにメダルを投入する操作)を「投入操作」という。
台座部10の前面部の左寄りには、遊技者がゲームで獲得したメダルのクレジット/払出を押しボタン操作で切り換える精算ボタン13が設けられている。この精算ボタン13の切り換えにより、正面下部のメダル払出口15からメダルが払い出され、払い出されたメダルはメダル受け部16に溜められる。
精算ボタン13の右側には、遊技者の傾動操作により上記リール3L、3C、3Rを回転させ、表示窓4L、4C、4R内での図柄の変動表示を開始するための開始操作手段としてのスタートレバー6が所定の角度範囲で傾動自在に取り付けられている。
台座部10の前面部の略中央には、遊技者の押下操作により3個のリール3L、3C、3Rの回転をそれぞれ停止させるための停止操作手段としてのストップボタン7L、7C、7Rが設けられている。なお、実施例では、一のゲーム(単位遊技)は、基本的にスタートレバー6が操作されることにより開始し、全てのリール3L、3C、3Rが停止したときに終了する。
前面ドア2の下部の正面には、左右に効果音や音声などの音による演出を行うスピーカ9L、9Rが設けられ、このスピーカ9L、9Rの間にメダルが払い出されるメダル払出口15が設けられている。前面ドア2の最下部には、払い出されたメダルを貯留するメダル受け部16が設けられている。
また、前面ドア2の下部の正面のうち、ストップボタン7L、7C、7Rとメダル受け部16とに上下を挟まれた面には、機種のモチーフに対応したデザインがあしらわれた腰部パネル25が取り付けられている。この腰部パネル25は、背後に設けられた腰部パネル照明器(図示せず)により照射される。
[パチスロ機が備える回路の構成]
パチスロ機1の構造についての説明は以上である。次に、図4及び図5を参照して、本実施の形態におけるパチスロ機1が備える回路の構成について説明する。本実施の形態におけるパチスロ機1は、主制御基板71、副制御基板72及びこれらと電気的に接続する外部集中端子板73や周辺装置(アクチュエータ)を備える。
<主制御基板>
図4は、本実施の形態におけるパチスロ機1の主制御基板71を主とする電気的な構成を示す。
(マイクロコンピュータ)
主制御基板71は、回路基板上に設置されたマイクロコンピュータ30を主たる構成要素としている。マイクロコンピュータ30は、CPU(以下、メインCPU)31、ROM(以下、メインROM)32及びRAM(以下、メインRAM)33により構成される。
メインROM32には、メインCPU31により実行される制御プログラム、内部抽籤テーブルなどのデータテーブル、副制御基板72に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータなどが記憶されている。メインRAM33には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役などの各種データを格納する格納領域が設けられる。
(乱数発生器など)
メインCPU31には、クロックパルス発生回路34、分周器35、乱数発生器36及びサンプリング回路37が接続されている。クロックパルス発生回路34及び分周器35は、クロックパルスを発生する。
メインCPU31は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。乱数発生器36は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。サンプリング回路37は、発生された乱数の中から用途に応じて少なくとも一つの値を抽出する。
(周辺装置及び回路)
マイクロコンピュータ30により動作が制御される周辺装置としては、ステッピングモータ49L、49C、49R及びメダル払出装置(以下、ホッパーという)40がある。また、マイクロコンピュータ30の入出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するためのモータ駆動回路39やホッパー駆動回路41、リール位置検出回路50、払出完了信号回路51、外部集中端子板73及びドア中継基板74などの各種回路や各種基板が接続されている。
モータ駆動回路39は、図柄変動手段を構成し、各リール3L、3C、3Rに対応して設けられたステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動を制御する。すなわち、モータ駆動回路39は、所定の開始条件の成立に基づき、各リール3L、3C、3Rを回転させることにより各リール3L、3C、3Rに表示された図柄を変動させる。
リール位置検出回路50は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示すリールインデックスを各リール3L、3C、3Rに応じて検出する。ここで、リールインデックスとは、リール3L、3C、3Rが一回転したことを示す情報である。
ステッピングモータ49L、49C、49Rは、運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を備えている。ステッピングモータ49L、49C、49Rの駆動力は、所定の減速比をもったギアを介してリール3L、3C、3Rに伝達される。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して1回のパルスが出力されるごとに、リール3L、3C、3Rは一定の角度で回転する。
メインCPU31は、リールインデックスを検出してから各リール3L、3C、3Rのステッピングモータ49L、49C、49Rに対してパルスを出力した回数をカウントする。これにより、メインCPU31は、各リール3L、3C、3Rの回転角度(主に、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
次いで、各リール3L、3C、3Rの回転角度の管理について、具体的に説明する。ステッピングモータ49L、49C、49Rに対して出力されたパルスの数は、メインRAM33に設けられたパルスカウンタによって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM33に設けられた図柄カウンタが1ずつ加算される。図柄カウンタは、各リール3L、3C、3Rに応じて設けられている。図柄カウンタの値は、リール位置検出回路50によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
つまり、本実施の形態において、メインCPU31は、図柄カウンタを管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転が行われたのかを管理するようになっている。したがって、各リール3L、3C、3Rの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
ホッパー駆動回路41は、ホッパー40の動作を制御する。また、払出完了信号回路51は、ホッパー40に設けられたメダル検出部40Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー40から外部に払い出されたメダルが払出枚数に達したか否かをチェックする。
(外部集中端子板)
外部集中端子板73は、主制御基板71からのメダルの投入/払出枚数、遊技回数、ボーナスの作動有無情報などの信号が入力されるとともに、それらの信号を遊技回数やボーナス作動回数などを表示する外部表示器や、遊技場のホストコンピュータに出力する。外部表示器は、例えばパチスロ機1の上方に設置され、遊技回数の進行やボーナス作動と連動して表示を更新したり、ランプなどによりボーナス作動を報知したりするものである。
ここで、メダル投入信号は、メダル投入を認識可能とする信号であって、スタートレバー6の操作時に出力される。メダル払出信号は、メダル払出又は再遊技を認識可能とする信号であって、メダル払出(クレジット貯留含む)時、又は再遊技作動時に出力される。
(ドア中継基板)
ドア中継基板74は、主制御基板71と、各種のボタンやスイッチ及び情報表示器14との配線を中継する基板である。また、ドア中継基板74は、副中継基板75を介して副制御基板72と接続されている。なお、ドア中継基板74は、副中継基板75に対してのみ情報を送信可能に接続されており、副中継基板75から情報が送信されないようになっている。これにより、主制御基板71と副制御基板72との間は、主制御基板71から副制御基板72に対してのみ情報を送信可能な一方向通信とされる。
このドア中継基板74には、スタートスイッチ6S、ストップスイッチ7S、メダルセンサ42S、MAXベットスイッチ11S、1ベットスイッチ12S及び精算スイッチ13Sが接続されている。
スタートスイッチ6Sは、開始操作検出手段を構成し、スタートレバー6が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。また、ストップスイッチ7Sは、停止操作検出手段を構成し、3つのストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。
メダルセンサ42Sは、メダル投入口22に受け入れられたメダルがセレクタ内を通過したことを検出する。また、MAXベットスイッチ11Sは、MAXベットボタン11が遊技者により押されたことを検出する。また、1ベットスイッチ12Sは、1ベットボタン12が遊技者により押されたことを検出する。メインCPU31は、メダルセンサ42S、あるいはMAXベットスイッチ11S及び1ベットスイッチ12Sの検出結果に基づき有効ラインを有効化する。また、精算スイッチ13Sは、精算ボタン13が遊技者により押されたことを検出する。
さらに、ドア中継基板74には、ストップボタン7L、7C、7Rのそれぞれ内部に設けられ、これらの受付け状態を表示するストップボタン内部LED107L、107C、107Rと、メダル枚数に関する情報を表示する情報表示器14とが接続されている。
<副制御回路>
図5は、本実施の形態におけるパチスロ機1の副制御基板72を主とする電気的な構成を示す。副制御基板72は、主制御基板71と電気的に接続されており、主制御基板71から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行などの処理を行う。
副制御基板72は、基本的に、CPU(以下、サブCPU)81、ROM(以下、サブROM)82、RAM(以下、サブRAM)83、DSP(デジタルシグナルプロセッサ)84、オーディオRAM85、A/D変換器86及びアンプ87を含んで構成されている。
サブCPU81は、主制御基板71から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力の制御を行う。
サブRAM83には、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御基板71から送信される内部当籤役などの各種データを格納する格納領域が設けられている。サブROM82は、基本的に、プログラム記憶領域とデータ記憶領域によって構成される。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する制御プログラムが記憶されている。例えば、制御プログラムには、主制御基板71との通信を制御し通信内容に基づいて演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための主基板通信タスクや、ドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103、サイド演出表示器104及びベットボタンLED108による光の出力を制御するランプ制御タスク、スピーカ9L、9Rによる音の出力を制御するサウンド制御タスクなどが含まれる。
データ記憶領域は、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域などが含まれている。
また、データ記憶領域は、ドット表示器100の点灯、点滅制御するためのLEDデータを備えている。LEDデータに従い、副制御基板72がドット表示器100を制御することで、ドット表示器100のLEDのうち任意の箇所のLEDが点灯制御される。LEDデータは、ドット表示器100で行う演出に併せて設計者により任意に設計される。
また、副制御基板72は、副中継基板75に接続されており、この副中継基板75を介して各種周辺装置と接続されている。副中継基板75に接続されている周辺装置としては、ドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103、サイド演出表示器104及びベットボタンLED108がある。また、副制御基板72には、スピーカ9L、9Rが接続されている。これら周辺装置などは、副制御基板72によってその動作が制御される。
サブCPU81、DSP84、オーディオRAM85、A/D変換器86及びアンプ87は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGMなどの音をスピーカ9L、9Rにより出力する。
また、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってドット表示器100、リール上部表示器101、リール照明器102、リール演出表示器103及びサイド演出表示器104の点灯及び消灯を行う。例えば、サブCPU81は、演出内容により指定されたLEDデータに従って、ドット表示器100のLEDなどの点灯、点滅及び消灯の制御を行う。
[パチスロ機の遊技状態の遷移フロー]
次に、図6を参照しながら、本実施形態のパチスロ機1の主制御基板71(メインCPU31)により制御される遊技状態及びその遷移フローについて説明する。
<基本的な遊技状態の遷移フロー>
本実施形態では、主制御基板71は、ボーナスの当籤/作動の有無に基づいて遊技状態を管理する。図6(A)に示すように、主制御基板71は、ボーナス(いわゆる役物連続作動装置)の当籤/作動の有無に基づいて、RT0遊技状態、RT1遊技状態及びボーナス状態を区別する。RT0遊技状態は、ボーナスが作動しておらず、かつ、ボーナスが内部当籤役として決定されていない状態である(非フラグ間)。また、RT1遊技状態は、ボーナスが作動しておらず、かつ、ボーナスが内部当籤役として決定(持ち越し)されている状態である(フラグ間)。また、ボーナス状態とは、ボーナスが作動している状態である。
RT0遊技状態及びRT1遊技状態では、リプレイに係る内部当籤役の種別及びその当籤確率がそれぞれ異なる。具体的には、RT0遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率が低い状態であり、RT1遊技状態は、リプレイに係る役が内部当籤役として決定される確率がRT0遊技状態よりも高い状態である。本実施形態において、RT1遊技状態は、フラグ間であり、かつ、リプレイの当籤確率が高い状態であるため、いわゆるフラグ間RT(リプレイタイム)であるといえる。
主制御基板71は、RT0遊技状態において後述の「F_BB」が内部当籤役として決定されると、RT0遊技状態からRT1遊技状態に遊技状態を移行させる。また、主制御基板71は、RT1遊技状態において持ち越している「F_BB」に対応する図柄の組合せ「C_BB」が有効ラインに沿って表示されると、RT1遊技状態からボーナス状態に遊技状態を移行させる。そして、主制御基板71は、ボーナス状態においてボーナスの終了条件(例えば、68枚を超えるメダルの払い出しが行われること)を満たすと、ボーナス状態からRT0遊技状態に遊技状態を移行させる。
<パチスロ機1に特有の遊技状態の遷移フロー>
このような遊技状態を有するパチスロ機において、本実施形態のパチスロ機1は、基本的にはフラグ間RTであるRT1遊技状態において遊技が行われる。すなわち、本実施形態のパチスロ機1では、ボーナス(役物連続作動装置)を持ち越したまま作動させることなく遊技が行われる。そして、このフラグ間RTにおいて、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知(AT)するか否かを制御することで、遊技者にとって有利な状態と不利な状態とを実現する。
具体的には、図6(B)に示すように、フラグ間RTであるRT1遊技状態は、一般遊技状態、前兆遊技状態及びAT遊技状態を有する。一般遊技状態は、ATに非当籤の状態であり、遊技者にとって不利な状態である。前兆遊技状態は、ATに当籤した場合にAT遊技状態に移行する前に滞在する前兆の遊技状態である。AT遊技状態は、遊技者にとって有利な停止操作の情報を報知する遊技者にとって有利な遊技状態であり、いわゆる疑似ボーナスである。なお、本実施形態において、ボーナスとは、上述の役物連続作動装置ではなく疑似ボーナスを意味する。また、後述するRB,BB1,BB2,BB3及びBB4は、この疑似(以下では省略)ボーナスの種別を意味し、いわゆる第一種特別役物や役物連続作動装置とは関係がない。
(遊技状態の遷移フロー)
主制御基板71は、一般遊技状態においてATに当籤すると、一般遊技状態から前兆遊技状態に遊技状態を移行させる。また、主制御基板71は、一般遊技状態においていわゆる確定役である「F_7リプレイ」が内部当籤役として決定されると、前兆遊技を経ることなく、一般遊技状態からAT遊技状態に遊技状態を移行させる。また、主制御基板71は、前兆遊技状態において前兆が終了すると(例えば、予め定められた回数の遊技が行われると)、前兆遊技状態からAT遊技状態に遊技状態を移行させる。また、主制御基板71は、AT遊技状態においてATが終了すると(例えば、ボーナスの種別に応じた終了条件を満たすと)、AT遊技状態から一般遊技状態に遊技状態を移行させる。
(一般遊技状態中の遷移フロー)
図6(B)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、出玉モードとして「通常モード」「低確モード」「引き戻しモード」「連Aモード」「連Bモード」「連Cモード」「連S1モード」及び「連S2モード」といった複数種類のモードを備える。パチスロ機1では、これら出玉モードのうちの一の出玉モードが現出玉モードとしてセットされ、遊技が行われる。これらの出玉モードは、ATへの移行期待度が異なり、遊技者にとっての有利度合いがそれぞれ異なる。
詳細については後述するが、「連Aモード」「連Bモード」「連Cモード」「連S1モード」及び「連S2モード」は、ATの当籤確率が高く(約1/13)、「通常モード」は、ATの当籤確率が普通(役1/265)で、「低確モード」及び「引き戻しモード」は、ATの当籤確率が低い(役1/504)。そのため、それぞれの出玉モードでは、ATの当籤確率が異なる。なお、本実施形態では、「連Aモード」「連Bモード」「連Cモード」「連S1モード」及び「連S2モード」におけるATの当籤確率は同一であり、また、「低確モード」及び「引き戻しモード」におけるATの当籤確率は同一であるが、それぞれ異ならせることとしてもよい。
また、それぞれの出玉モードは、自身から他の出玉モードに移行する際に移行先の出玉モードとして決定する出玉モードの種別が異なる。後述するように出玉モードの移行は、一般遊技状態及び前兆遊技状態において異なる確率で行われる。基本的には、一般遊技状態では他の出玉モードに移行し難く、前兆遊技状態では他の出玉モードに移行し易くなっている。
一般遊技状態(より詳細には、後述の移行フラグがOFFの状態、以下略)において「通常モード」は、他の出玉モードに移行し難い(約1/1300)出玉モードである。一般遊技状態において「通常モード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「引き戻しモード(約1/1800)」又は「連Aモード(約1/4700)」が決定される。
また、一般遊技状態において「低確モード」は、他の出玉モードに移行し難い(約1/460)出玉モードである。一般遊技状態において「低確モード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「引き戻しモード(約1/600)」又は「連Aモード(約1/2000)」が決定される。
また、一般遊技状態において「引き戻しモード」は、他の出玉モードに移行し易い(約1/79)出玉モードである。一般遊技状態において「引き戻しモード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「通常モード(約1/380)」、「低確モード(約1/380)」又は「連Aモード(約1/130)」が決定される。
また、一般遊技状態において「連Aモード」は、他の出玉モードに移行することのない出玉モードである。具体的には、一般遊技状態において「連Aモード」からは「連Aモード」自身にしか移行せず、他の出玉モードに移行することがない。
また、一般遊技状態において「連Bモード」は、他の出玉モードに移行し難い(約1/1337)出玉モードである。一般遊技状態において「連Bモード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「連Aモード(約1/1337)」が決定される。
また、一般遊技状態において「連Cモード」は、他の出玉モードに移行し難い(約1/1337)出玉モードである。一般遊技状態において「連Cモード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「連Aモード(約1/1598)」又は「連Bモード(約1/8192)」が決定される。
また、一般遊技状態において「連S1モード」は、他の出玉モードに移行し易い(約1/13)出玉モードである。一般遊技状態において「連S1モード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「通常モード(約1/19)」、「低確モード(約1/45)」、「引き戻しモード(1/350)」、「連Aモード(約1/1600)」又は「連Bモード(約1/8192)」が決定される。
また、一般遊技状態において「連S2モード」は、他の出玉モードに移行し易い(約1/39)出玉モードである。一般遊技状態において「連S2モード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「低確モード(約1/45)」、「引き戻しモード(1/350)」、「連Aモード(約1/1600)」又は「連Bモード(約1/8192)」が決定される。
このように出玉モードは、ATの当籤確率が異なるとともに、移行先の出玉モードが異なるため、ATへの移行期待度がそれぞれ異なる状態であるといえる。
一般遊技状態では、現在の出玉モードとしてセットされている出玉モードに基づいてATの当籤の有無が判断され、ATに当籤していると判断された場合に、前兆遊技状態に移行することになる。
(前兆遊技状態中の遷移フロー)
上述した出玉モードは、前兆遊技状態においても用いられる。前兆遊技状態において出玉モードは、一般遊技状態中に当籤したAT(疑似ボーナス)が終了した後の一般遊技状態においてセットする出玉モードの決定、及び一般遊技状態中に当籤したAT(疑似ボーナス)のランクの決定に用いられる。
上述したように、一般遊技状態中は、一部の出玉モードを除いて出玉モードが移行し難い。そこで、パチスロ機1では、前兆遊技状態中に出玉モードを移行させることで、遊技の状況を変化させる。すなわち、パチスロ1では、基本的には、一度ATに当籤するまでは現在の出玉モードを維持し、ATに当籤した後の前兆遊技状態中に次回以降の出玉モードを新たにセットする。
前兆遊技状態(より詳細には、後述の移行フラグがONの状態、以下略)において「通常モード」は、他の出玉モードに移行し易い(約1/21)出玉モードである。前兆遊技状態において「通常モード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「低確モード(約1/22)」、「引き戻しモード(約1/480)」又は「連Aモード(約1/1300)」が決定される。
また、前兆遊技状態において「低確モード」は、他の出玉モードに移行し易い(約1/48)出玉モードである。前兆遊技状態において「低確モード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「通常モード(約1/130)」、「引き戻しモード(約1/81)」又は「連Aモード(約1/1300)」が決定される。
また、前兆遊技状態において「引き戻しモード」は、他の出玉モードに移行し易い(約1/77)出玉モードである。前兆遊技状態において「引き戻しモード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「連Aモード(約1/77)」が決定される。
また、前兆遊技状態において「連Aモード」は、他の出玉モードに移行し易い(約1/2.22)出玉モードである。前兆遊技状態において「連Aモード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「連Bモード(約1/2.22)」が決定される。
また、前兆遊技状態において「連Bモード」は、他の出玉モードに移行し易い(約1/2.22)出玉モードである。前兆遊技状態において「連Bモード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「連Aモード(約1/550)」又は「連Cモード(約1/2.24)」が決定される。
また、前兆遊技状態において「連Cモード」は、他の出玉モードに移行し難い(約1/2.2)出玉モードである。前兆遊技状態において「連Cモード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「連Aモード(約1/550)」、「連S1モード(約1/2.44)」又は「連S2モード(約1/24)」が決定される。
なお、「連Cモード」から「連S1モード」又は「連S2モード」への移行確率は、変更されることがあり、このことは後述する。
また、前兆遊技状態において「連S1モード」は、他の出玉モードに移行し難い(約1/200)出玉モードである。前兆遊技状態において「連S1モード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「連A(約1/550)」、「連Bモード(約1/3640)」又は「連Cモード(約1/340)」が決定される。
また、前兆遊技状態において「連S2モード」は、他の出玉モードに移行し易い(約1/2.56)出玉モードである。前兆遊技状態において「連S2モード」から他の出玉モードに移行する場合には、移行先の出玉モードとして「連A(約1/163)」、「連Bモード(約1/6.1)」又は「連Cモード(約1/4.5)」が決定される。
前兆遊技状態では、現在の出玉モードとしてセットされている出玉モードに基づいてAT(疑似ボーナス)が終了した後の一般遊技状態においてセットする出玉モードを決定する。また、前兆遊技状態では、AT当籤時の出玉モードに基づいてATのランクを決定する。なお、出玉モードに基づくATのランクの決定については図30などで後述する。
(AT遊技状態中の遷移フロー)
図6(B)に示すように、本実施形態のパチスロ機1では、ATのランクとして「RB」「BB1」「BB2」「BB3」及び「BB4」といった複数のランクを備える。それぞれのランクでは、ATの終了条件が異なり、「RB」が遊技者にとって最も不利な終了条件であり、「RB」に続いて「BB1」「BB2」「BB3」の順に有利な終了条件となり、「BB4」が遊技者にとって最も有利な終了条件となっている。
本実施形態では、ATの終了条件として、AT遊技状態中に獲得したメダルの差枚数を用いることとしており、「RB」は差枚数が「50枚」、「BB1」は差枚数が「150枚」、「BB2」は差枚数が「250枚」、「BB3」は差枚数が「400枚」、「BB4」は差枚数が「600枚」となっている。もちろん、ATの終了条件は差枚数に限られるものではなく、遊技回数、ナビ回数、継続率など任意の条件を用いることとしてよく、用いる終了条件に応じてATのランクを設定することとしてよい。
パチスロ機1では、ATを開始する前の前兆遊技状態中にATのランクを決定するとともに、AT遊技状態中にATのランクの昇格を行う。この昇格方法の詳細は後述するが、ATのランクの昇格は、「RB」から「BB1」、「BB1」から「BB2」、「BB2」から「BB3」、「BB3」から「BB4」のように一段階ずつ行われる(もちろん、一段階ずつに限るものではなく、複数段階を一度に昇格可能にしてもよい)。なお、ATのランクを無制限に昇格させたのでは、遊技者が得る利益が過大になってしまうため、パチスロ機1では、ATのランクを「BB4」までとし、「BB4」まで昇格した場合には、その後、ATのランクは昇格させることなく、出玉モードを「連Aモード」に移行させる。
(パチスロ機1の遊技フロー概要(連モード系の概要))
続いて、パチスロ機1の遊技フローの概要について説明する。上述のように、パチスロ機1において出玉モードの移行は、基本的には前兆遊技状態中に行われる。出玉モードの移行に伴い連モード系(連Aモード、連Bモード、連Cモード、連S1モード又は連S2モードのいずれか)に移行した場合には、再びATに当籤する確率が高く(約1/13)、いわゆるATの連チャンが期待できる。
パチスロ機1では、非連モード系(通常モード、低確モード又は引き戻しモードのいずれか)から連モード系に移行する場合、必ず「連Aモード」に移行する。そして、「連Aモード」からは「連Bモード」に移行し、「連Bモード」からは基本的には「連Cモード」に移行する。そのため、パチスロ機1では、非連モード系から連モード系に移行した場合には、「連Aモード」「連Bモード」及び「連Cモード」のように少なくとも3回の連モード系の出玉モードがセットされ、ATが連チャンすることになる。
また、パチスロ機1では、「連Aモード」から「連Cモード」まで移行すると、基本的には、その後「連S1モード」又は「連S2モード」に移行する。これら「連S1モード」及び「連S2モード」は、前兆遊技状態だけでなく一般遊技状態においても出玉モードが移行し易く、一般遊技状態において出玉モードが移行した場合には基本的に非連モード系に移行し、前兆遊技状態において出玉モードが移行した場合には連モード系(連Cモードが最も確率が高い)に移行する。
ここで、「連S1モード」及び「連S2モード」では、ATに当籤する確率が高いため(約1/13)、一般遊技状態において連モード系から非連モード系に移行(転落)してしまう前にATに当籤し前兆遊技状態に移行させることで、出玉モードを連モード系のまま維持することができ、ATの連チャンを継続させることができる。一方で、「連S1モード」及び「連S2モード」の一般遊技状態中に、ATに当籤する前に出玉モードが移行してしまった場合には、出玉モードが連モード系から非連モード系に転落してしまい、ATの連チャンが終了することになる。
このように、本実施形態において、「連S1モード」及び「連S2モード」は、連モード系を維持するか、又は非連モード系に転落してしまうかを分ける連モード系の引き戻しゾーンであるといえる。なお、「連S1モード」は、一般遊技状態中に約1/13の確率で非連モード系に移行し、前兆遊技状態中に約1/200の確率で連モード系に移行する。一方、「連S2モード」は、一般遊技状態中に約1/39の確率で非連モード系に移行し、前兆遊技状態中に約1/2.56の確率で連モード系に移行する。そのため、「連S1モード」よりも「連S2モード」の方が非連モード系に転落し難く、連モード系が維持され易い。その結果、「連S1モード」を非連モード系に転落し易い「引き戻しショートゾーン」、「連S2モード」を非連モード系に転落し難い「引き戻しロングゾーン」と呼ぶこともできる。
なお、パチスロ機1では、「連Cモード」からは「連S2モード」よりも「連S1モード」の方が移行し易く、また、「連S1モード」及び「連S2モード」において連モード系を維持できた場合には「連Cモード」に移行し易い。そのため、例えば、「連Cモード」から引き戻しロングである「連S2モード」に移行し、再び「連Cモード」に移行すると、その後、引き戻しショートである「連S1モード」に移行し易く、結果、非連モード系に転落し易くなってしまう。
引き戻しロングである「連S2モード」に移行できたにも関わらず、その後、すぐに非連モード系に転落してしまったのでは、遊技の興趣が低下してしまう可能性もあるため、本実施形態のパチスロ機1では、連モード系が維持されている限り、「連Cモード」から最初に移行した「連S1モード」又は「連S2モード」にのみ移行するように、「連Cモード」の移行先を変更する。
上述のように、前兆遊技状態において「連Cモード」から他の出玉モードに移行する場合、移行先の出玉モードとして「連Aモード(約1/550)」、「連S1モード(約1/2.44)」又は「連S2モード(約1/24)」が決定される。
例えば、連モード系が維持されている状況において「連Cモード」から最初に移行した引き戻しゾーンが「連S1モード」である場合には、その後、同一の連モード系が維持されている限り、移行先の出玉モードとして「連Aモード」又は「連S1モード」が決定され、移行先の出玉モードとして「連S2モード」が決定されることはない。この場合、「連S2モード」に対して割り振られていた移行確率は、「連S1モード」に加算される。そのため、「連Cモード」からは、移行先の出玉モードとして「連Aモード(約1/550)」又は「連S1モード(約1/2.22(=約1/2.4+約1/24))」が決定されることになる。
また、例えば、連モード系が維持されている状況において「連Cモード」から最初に移行した引き戻しゾーンが「連S2モード」である場合には、その後、同一の連モード系が維持されている限り、移行先の出玉モードとして「連Aモード」又は「連S2モード」が決定され、移行先の出玉モードとして「連S1モード」が決定されることはない。この場合も「連S1モード」に対して割り振られていた移行確率は、「連S2モード」に加算される。そのため、「連Cモード」からは、移行先の出玉モードとして「連Aモード(約1/550)」又は「連S2モード(約1/2.22)」が決定されることになる。
[主制御側の各種のデータテーブル]
次に、図7〜図31を参照して、メインROM32に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<図柄配置テーブル>
図7に示す図柄配置テーブルは、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々の表面に配されている図柄の配列をデータによって表している。図柄配置テーブルは、20個の図柄位置「0」〜「19」と、これらの図柄位置の各々に対応する図柄との対応関係を規定する。
図柄位置「0」〜「19」は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの各々において回転方向に沿って配されている図柄の位置を示す。図柄位置「0」〜「19」に対応する図柄は、図柄カウンタの値を用いて図柄配置テーブルを参照することによって特定することができる。
図柄の種類としては、「7」、「BAR」、「旗1」、「旗2」、「リンゴ1」、「リンゴ2」、「オレンジ」、「プラム」、「チェリー」及び「ブランク」を含んでいる。
図7に示す図柄配置テーブルは、リールインデックスが検出されるときに表示窓4の中段に位置する図柄(表示窓4の中段を通過中の図柄)を図柄位置「0」に割り当てるとともに、リール3L、3C、3Rの回転方向に移動する順に、20個の図柄の各々に対して図柄位置「0」〜「19」を割り当てた対応関係を規定する。
このように、表示窓4の中段を基準にすることで、表示窓4の中段に位置する図柄の種別を、3つのリール3L、3C、3R毎に特定することができる。
<図柄コード表>
また、図7に示すように、各リール3L、3C、3Rに配された各図柄は、図柄コード表によって特定され、1バイト(8ビット)のデータによって区別される。図7に示す図柄コード表は、3つのリール3L、3C、3Rの表面に配された図柄を特定するためのコードを表している。
本実施の形態によるパチスロ1で用いる図柄は、上述のように「7」、「BAR」、「旗1」、「旗2」、「リンゴ1」、「リンゴ2」、「オレンジ」、「プラム」、「チェリー」及び「ブランク」の10種類である。
図柄コード表では、「7」図柄(図柄コード1)に対して、データとして「00000001」が割り当てられている。「BAR」図柄(図柄コード2)に対しては、データとして「00000010」が割り当てられている。「旗1」図柄(図柄コード3)に対しては、データとして「00000011」が割り当てられている。
同様に、「旗2」、「リンゴ1」、「リンゴ2」、「オレンジ」、「プラム」、「チェリー」及び「ブランク」の各図柄(図柄コード4〜10)に対しても、データとして「00000100」から「00001010」が割り当てられている。
<図柄組合せテーブル>
次に、図8〜図11を参照して、図柄組合せテーブルについて説明する。図柄組合せテーブルは、特典の種類に応じて予め定められた図柄の組合せ(コンビネーション)と、当該図柄の組合せが表示された際にメインRAM33に格納するデータと、当該図柄の組合せが表示された際の特典(メダルの払出枚数)との対応関係を規定する。
本実施形態では、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定された図柄の組合せ(コンビネーション)と一致する場合に入賞と判定される。そして、入賞と判定されると、メダルの払い出し、再遊技(リプレイ)の作動、ボーナスゲーム(役物連続差動装置)の作動といった特典が遊技者に与えられる。なお、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブルに規定されている図柄の組合せのいずれとも一致しない場合には、いわゆる「はずれ」となる。すなわち、本実施形態では、「はずれ」に対応する図柄の組合せを図柄組合せテーブルに規定しないことにより、「はずれ」の図柄の組合せを規定する。なお、本発明はこれに限定されず、図柄組合せテーブルに、「はずれ」の項目を設けて、直接「はずれ」を規定してもよい。
図柄組合せテーブル中のデータ欄は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せを識別するための情報が規定される。具体的には、データ欄には、対応する図柄の組合せのデータが格納される「格納領域」と、当該格納領域に格納される「データ(1バイトのデータ中の図柄の組合せに応じたビットを指定するためのデータ)」が規定される。本実施形態では、1バイトの格納領域を22個用いることで、それぞれの図柄の組合せを判別する。例えば、図8に示す「C_BB」は、格納領域0のビット7に1が格納されることで判別される。
図柄組合せテーブルに規定する、コンビネーションは、各リール3L、3C、3Rが停止した場合に、有効ラインに沿って表示される各リール3L、3C、3Rの図柄組合せを意味する。それぞれのコンビネーションには、当該コンビネーションの役割や当該コンビネーションを構成する図柄の種別に応じたコンビネーション名が規定されている。
また、図柄組合せテーブルに規定する、払出枚数は、対応する図柄の組合せ(コンビネーション)が表示された際に払い出されるメダルの枚数を規定する。例えば、図10を参照すると、コンビネーション名「C_HFR1」が表示された場合には、12枚のメダルが払い出されることになる。
また、図柄組合せテーブル中の内容欄は、それぞれの図柄の組合せの役割や、それぞれの図柄の組合せの特徴を示す。図8を参照して、例えば、コンビネーション名「C_BB」は、役物連続差動装置に係る図柄の組合せであり、有効ラインに沿って表示されると、遊技状態がボーナス状態に移行する(図6(A)参照)。
また、コンビネーション名「C_BRP1」〜「C_BRP9」は、表記用リプグループである。表記用リプグループは、表示窓4L、4C、4Rに表示されるクロスアップライン8a〜クロスダウンライン8eの5本のラインのいずれかに「7−7−7」の図柄の組合せが表示される図柄の組合せ、又は「7−7−7」の図柄の組合せを表示させるための停止操作に失敗した際(いわゆる、目押しミス時)に表示される図柄の組合せである。表記用リプグループに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、再遊技の作動が行われる。
また、コンビネーション名「C_RPL1」は、右上がりリプレイである。右上がりリプレイは、クロスアップライン8a(有効ライン)に沿って「プラム−プラム−プラム」の図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。また、コンビネーション名「CRPL2_1」〜「CRPL2_4」は、中段リプレイグループである。中段リプレイグループは、センターライン8cに沿って「プラム−プラム−プラム」の図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。
また、コンビネーション名「C_RPL3_1」及び「C_RPL3_2」は、上段リプレイグループである。上段リプレイグループは、トップライン8bに沿って「プラム−プラム−プラム」の図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。また、コンビネーション名「CRPL4_1」〜「CRPL4_8」は、右下がりリプレイグループである。右下がりリプレイグループは、クロスダウンライン8eに沿って「プラム−プラム−プラム」の図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。
また、コンビネーション名「C_RPL5_01」〜「C_RPL5_16」は、下段リプレイグループである。下段リプレイグループは、ボトムライン8dに沿って「プラム−プラム−プラム」の図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。右上がりリプレイ、中段リプレイグループ、上段リプレイグループ、右下がりリプレイグループ及び下段リプレイグループのいずれかに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、再遊技の作動が行われる。
また、コンビネーション名「C_REC1」〜「C_REC8」は、リーチ役グループであり、コンビネーション名「C_CHA1_1」〜「C_CHA3」は、チャンス役グループである。リーチ役グループは、いわゆる強チャンス目に対応し、チャンス役グループは、いわゆる弱チャンス目に対応する。リーチ役グループ又はチャンス役グループに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、1枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_CHE1」〜「C_CHE4」は、チェリーグループである。チェリーグループのうち「C_CHE1」及び「C_CHE2」は、表示窓4Lの上段又は下段に「チェリー」図柄が表示される図柄の組合せであり、いわゆる角チェリー目に対応する。また、チェリーグループのうち「C_CHE3_1」及び「C_CHE3_2」は、表示窓4Lの中段に「チェリー」図柄が表示される図柄の組合せであり、いわゆる中段チェリー目に対応する。また、チェリーグループのうち「C_CHE4」は、表示窓4Lのいずれにも「チェリー」図柄が表示されない図柄の組合せであり、いわゆるチェリーこぼし目である。チェリーグループに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、1枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_WML1_1」〜「C_WML6_2」は、リンゴグループである。リンゴグループのうち「C_WML1_1」及び「C_WML1_2」は、クロスアップライン8a(有効ライン)に沿って「リンゴ1」又は「リンゴ2」図柄が一直線上に表示される図柄の組合せである。また、リンゴグループのうち「C_WML2_1」及び「C_WML3_2」は、クロスダウンライン8eに沿って「リンゴ1」又は「リンゴ2」図柄が一直線上に表示される図柄の組合せである。これら、コンビネーション名「C_WML1_1」〜「C_WML3_2」は、いわゆる弱スイカ目又は強弱共通スイカ目である。
また、リンゴグループのうち「C_WML4_1」〜「C_WML6_2」は、センターライン8cに沿って「リンゴ1」又は「リンゴ2」図柄が一直線上に表示される図柄の組合せである。これら、コンビネーション名「C_WML4_1」〜「C_WML6_2」は、いわゆる強スイカ目である。リンゴグループに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、4枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_LFR1」〜「C_LFR2_4」は、3枚ベルグループである。3枚ベルグループのうち「C_LFR1」は、クロスアップライン8a(有効ライン)に沿って「オレンジ−オレンジ−オレンジ」の図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。また、3枚ベルグループのうち「C_LFR2_1」〜「C_LFR2_4」は、クロスダウンライン8eに沿って「オレンジ−オレンジ−オレンジ」の図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。すなわち、3枚ベルグループでは、「オレンジ」図柄が斜め一直線上に表示される。3枚ベルグループに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、3枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_HFR1」〜「C_HFR3_4」は、12枚ベルグループである。12枚ベルグループのうち「C_HFR1」は、センターライン8cに沿って「オレンジ−オレンジ−オレンジ」の図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。また、3枚ベルグループのうち「C_HFR2」は、ボトムライン8dに沿って「オレンジ−オレンジ−オレンジ」の図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。また、12枚ベルグループのうち「C_HFR3_1」〜「C_HFR3_4」は、トップライン8bに沿って「オレンジ−オレンジ−オレンジ」の図柄の組合せが表示される図柄の組合せである。すなわち、12枚ベルグループでは、「オレンジ」図柄が平行一直線上に表示される。12枚ベルグループに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、12枚のメダルが払い出される。
また、コンビネーション名「C_KAS1_1」〜「C_KUS36」は、1枚役グループである。1枚役グループでは、対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、1枚役グループに対応する図柄の組合せが有効ラインに沿って表示されると、1枚のメダルが払い出される。
<内部抽籤テーブル>
続いて、図12〜図14を参照して、内部当籤役を決定する際に参照される内部抽籤テーブルについて説明する。内部抽籤テーブルは、遊技状態毎に設けられ、それぞれの役に対応する抽籤値の情報を規定する。図12は、RT0遊技状態において参照される内部抽籤テーブルであり、図13は、RT1遊技状態において参照される内部抽籤テーブルであり、図14は、ボーナス状態において参照される内部抽籤テーブルである。
内部抽籤テーブルは、基本的には、RT遊技状態の種別に応じて内部当籤役として決定されるリプレイに係る役の種別及び当籤確率が変化し、ボーナス(役物連続差動装置)の作動の有無に応じて内部当籤役として決定される役の種別及び当籤確率が変化する。
本実施形態では、予め定められた数値の範囲「0〜65535」から抽出される抽籤用乱数値を、各役に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって内部的な抽籤が行われる。
したがって、抽籤値として規定されている数値が大きいほど、これが割り当てられた役が内部当籤役として決定される確率が高い。すなわち、各番号の当籤確率は、「各番号に対応する抽籤値/抽出される可能性のある全ての乱数値の個数(65536)」によって表すことができる。
<回胴停止初期設定テーブル>
続いて、図15及び図16を参照して、リール3L,3C,3Rの回転を停止するためのリール停止制御情報を決定する際に参照される回胴停止初期設定テーブルについて説明する。回胴停止初期設定テーブルは、内部当籤役として決定された役及び現在の遊技状態に対応付けて、当該役が内部当籤役として決定された際に用いられるリール停止制御情報を規定する。主制御基板71(メインCPU31)は、回胴停止初期設定テーブルを参照して、内部当籤役及び遊技状態に対応するリール停止制御情報を取得し、当該リール停止制御情報を用いてリール3L、3C、3Rを停止させる。
当籤役及び遊技状態に対応付けられたリール停止制御情報は、回胴停止用番号、押下順序別判定データ(引込優先順位テーブル番号、引込優先順位選択テーブル番号)、テーブル番号選択値(変更ステータス、ストップ用テーブルデータ)、第一回胴第一停止用テーブル変更データ、第一回胴停止データテーブル選択データ(左第1停止用停止テーブル)、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値(変更ステータス、テーブル番号)、及び検索順序データテーブル番号を含む情報である。
「押下順序別判定データ」は、引込優先順位テーブル番号と、引込優先順位選択テーブル番号とを含む。「引込優先順位テーブル番号」は、引込優先順位テーブル(図示せず)を選択するための番号である。また、「引込優先順位選択テーブル番号」は、引込優先順位選択テーブル(図示せず)を選択するための番号である。
「テーブル番号選択データ」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照される値であり、変更ステータスと、ストップ用テーブルデータと、を含む。
「ストップ用テーブル番号」は、第一停止リールが左リール3L以外である場合に、全てのリールを停止させるときに参照されるストップ用テーブルを選択するための番号である。「変更ステータス」は、ストップ用テーブルデータに基づいて選択されたストップ用テーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータであり、本実施の形態におけるラインステータスの初期状態は、Aラインである。ここで、変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更される。
第一回胴第一停止用テーブル変更データと、第一回胴停止データテーブル選択データと、第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値とは、第一停止リールが第一回胴すなわち左リール3Lである場合に参照されるデータである。
「第一回胴第一停止用テーブル変更データ」は、第一停止リールが左リール3Lである場合に、第二停止目以降にも同じ左第一停止後停止テーブルを使用するか変更するかを示すデータである。第一回胴第一停止用テーブル変更データに値(0以外の値)がある場合には、停止予定位置を基に変更データ検索テーブルを選択し、データの検索を行って第2停止目以降の停止テーブルを選択する。
「第一回胴停止データテーブル選択データ」は、第一回胴を停止させるときに参照される第一回胴停止データテーブル(図示せず)を選択するための番号である。
「第一回胴第一停止用テーブル変更初期データ選択値」は、第二及び第三回胴を停止させるときに参照されるデータであり、テーブル番号と、ラインステータスとを含む。「テーブル番号」は、第二及び第三停止リールを停止させるときに参照される第一回胴第一停止後停止データテーブルを選択するための番号である。「変更ステータス」は、テーブル番号に基づいて選択された第一回胴第一停止後停止データテーブルにおいて参照されるラインを表す一遊技ごとのラインステータスを変更するためのデータである。変更ステータスが「0」の場合には、ラインステータスの変更は行われず、「2」の場合には、ラインステータスがAラインであれば、Bラインに変更され、「3」の場合には、ラインステータスがAライン又はBラインであれば、Cラインに変更される。
「検索順序テーブル番号」は、滑り駒数を決定するための検索順序テーブル(図示せず)を選択するための番号である。
図15及び図16に示すように、パチスロ機1では、当籤役及び遊技状態に応じてそれぞれ異なるリール停止制御情報が規定されている。すなわち、パチスロ機1では、内部当籤役が決定されると、主制御基板71は、回胴停止初期設定テーブルを参照して、当該内部当籤役に応じた役及び現在の遊技状態に対して一対一で対応付けられたリール停止制御情報(回胴停止用番号など)を取得し、取得した当該リール停止制御情報と停止操作のタイミング(停止操作を検出した際の図柄位置)とに基づいて、停止操作が行われた対象のリール3L,3C,3Rの回転を停止する。
このようにパチスロ機1では、当籤役毎に異なるリール停止制御情報を参照してリール3L,3C,3Rの回転を停止するものの、異なるリール停止制御情報を用いた場合であっても、停止操作のタイミングが同一のタイミングであるときは、有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されるようにリール3L,3C,3Rの回転を停止することがある。例えば、役「F_リプレイ1」〜「F_リプレイ9」は、それぞれリール停止制御情報が異なるものの、停止操作のタイミングが同一のタイミングであるときは、有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されることになる。なお、役「F_123Lベル1」〜「F_321Lベル2」及び役「F_123Hベル1」〜「F_321Hベル4」についても同様に、停止操作のタイミングが同一のタイミングであるときは、有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されることになる。
<内部当籤役と図柄組合せの比較表>
図17〜図23は、それぞれの役が内部当籤役として決定された場合に各内部当籤役において有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)との対応関係を示す比較表である。各対応表における丸印は、内部当籤役として決定された役において、有効ライン上に表示可能な図柄の組合せ(コンビネーション)を示す。
図17及び図18を参照して、例えば、役「F_リプレイ1」が内部当籤役である場合には、有効ライン上にコンビネーション名「C_BRP1」「C_RPL1」〜「C_RPL5_16」の図柄の組合せが停止表示可能となる。
パチスロ1では、主制御基板71は、内部当籤役及び遊技状態に応じて停止制御を異ならせ、所定の役が内部当籤役として決定された場合に、図17〜図23に示す対応関係の図柄の組合せ(コンビネーション)を表示可能にリール3L,3C,3Rの回転を停止する。なお、図17〜図23に示す対応表では、役が内部当籤役として決定された場合に表示される可能性のある全ての図柄の組合せを列挙しているが、役に対応して丸印が付された図柄の組合せであっても、表示されないことがある。
すなわち、パチスロ機1では、停止表示可能な図柄の組合せや現在の遊技状態に応じて停止制御(例えば、優先して引き込む図柄)を異ならせることとしており、優先して引き込む図柄の関係上、丸印が付された図柄の組合せであっても表示されないことがある。例えば、役「F_リプレイ1」が内部当籤役である場合には、優先して引き込む図柄の関係上、コンビネーション名「C_BRP1」に対応する図柄の組合せは実際には表示されることがない。この点、役の種別と実際に停止表示される図柄の組合せとの対応関係を、図24及び図25に示す。
<内部当籤役と停止表示される図柄の組合せとの対応関係>
パチスロ機1では、複数の役として、停止操作の順序(押し順)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「押し順役」と、押し順ではなく停止操作のタイミング(目押し)に応じて表示される図柄の組合せが異なる役である「非押し順役」とを含む。パチスロ機1において、役「F_123Lベル1」〜「F_321Lベル2」及び「F_123Hベル1」〜「F_321Hベル4」が押し順役であり、その他の役は非押し順役である。なお、押し順役の名称の「F_」に続く三桁の数字は、正解となる押し順を意味する。例えば、役「F_123Lベル1」は、三桁の数字が「123」であり押し順が「左、中、右」であることを示し、また、役「F_321Lベル2」は、三桁の数字が「321」であり押し順が「右、中、左」であることを示している。
図24に示すように、役「F_BB」は、停止操作のタイミングに応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、停止操作のタイミングが正確である場合には、コンビネーション名「C_BB」に応じた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、また、停止操作のタイミングが正確でない場合には、「はずれ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_リプレイ1」〜「F_リプレイ9」は、右上がりリプレイ、中段リプレイグループ、上段リプレイグループ、右下がりリプレイグループ及び下段リプレイグループのうちの、それぞれの役に対して図17〜図23に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかに応じた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_7リプレイ」は、表記用リプグループ及びいずれかのリプレイ(右上がりリプレイ〜下段リプレイグループ)のうちの、図17〜図23に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかに応じた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_チャンス1」〜「F_チャンス4」は、チャンス役グループのうちの図17〜図23に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかに応じた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_リーチ1」及び「F_リーチ2」は、リーチ役グループのうちの図17〜図23に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかに応じた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_Mチェリー1」及び「F_Mチェリー2」は、チェリーグループのうちの図17〜図23に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかに応じた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。なお、役「F_Mチェリー1」及び「F_Mチェリー2」では、チェリーグループのうちの中段チェリー用の図柄の組合せであるコンビネーション名「C_CHE3_1」及び「C_CHE3_2」も有効ラインに沿って表示可能である。
また、役「F_チェリー1」〜「F_チェリー3」は、チェリーグループのうちの図17〜図23に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかに応じた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。なお、役「F_チェリー1」〜「F_チェリー3」では、チェリーグループのうちの中段チェリー用の図柄の組合せであるコンビネーション名「C_CHE3_1」及び「C_CHE3_2」は、有効ラインに沿って表示することができない。
また、役「F_スイカ1」〜「F_スイカ3」は、停止操作のタイミングに応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、停止操作のタイミングが正確である場合には、リンゴグループのうちの図17〜図23に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかに応じた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、また、停止操作のタイミングが正確でない場合には、「はずれ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
なお、図19を参照して、役「F_スイカ1」〜「F_スイカ3」に対して表示可能な図柄の組合せを確認すると、役「F_スイカ1」及び「F_スイカ2」では、リンゴループのうちの中段用の図柄の組合せであるコンビネーション名「C_WML4_1」〜「C_WML6_2」は表示不可能である一方で、役「F_スイカ3」では、コンビネーション名「C_WML4_1」〜「C_WML6_2」が表示可能であることが分かる。
また、図25に示すように、役「F_123Lベル1」〜「F_321Lベル2」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、3枚ベルグループのうちの図17〜図23に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかに応じた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、1枚役グループのうちの図17〜図23に示した表示可能な図柄の組合せのいずれか、又は「はずれ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_共通ベル1」及び「F_共通ベル2」は、12枚ベルグループのうちの図17〜図23に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかに応じた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
また、役「F_123Hベル1」〜「F_321Hベル4」は、押し順に応じて表示される図柄の組合せが異なる役であり、押し順が正解である場合には、12枚ベルグループのうちの図17〜図23に示した表示可能な図柄の組合せのいずれかに応じた図柄の組合せが有効ラインに沿って表示され、また、押し順が正解でない場合には、1枚役グループのうちの図17〜図23に示した表示可能な図柄の組合せのいずれか、又は「はずれ」の図柄の組合せが有効ラインに沿って表示される。
[AT管理用の各種のデータテーブル]
続いて、図26〜図31を参照して、メインROM32に記憶されているAT管理用の各種データテーブルの構成について説明する。本実施形態のパチスロ機1では、内部当籤役に基づいてATに関する様々な情報(例えば、ATの当否、ATの移行期待度が異なる出玉モードの管理、AT(疑似ボーナス)のランクの決定及び当該ランクの昇格の当否)を管理する。従来のパチスロ機では、内部当籤役として決定された役に基づいてATを管理する場合に、内部当籤役毎に所定の抽籤を行っていた(例えば、強チェリー当籤時に25%の確率でATに当籤する抽籤を行う、強スイカ当籤時に70%の確率で有利なモードに移行する抽籤を行うなど)。
このような制御では、内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤を行わなければならず、処理負荷が増大してしまい、この他の抽籤の種類が増えれば、更に処理負荷が増大してしまう。また、抽籤用のテーブルも内部当籤役の種類毎に設けることになり、データ容量も増大してしまう。
この点、本実施形態のパチスロ機1では、それぞれの役に対してATに関する様々な情報を一つ対応付けておくことで、ATの管理を行う。例えば、役「F_123Hベル1」〜「F_321Hベル4」のうち、役「F_123Hベル4」「F_132Hベル4」「F_213Hベル4」「F_231Hベル4」「F_321Hベル4」「F_312Hベル4」に対してATが当籤すると対応付け、その他の役についてはATが非当籤と対応付けておくことで、ATの当否を管理する。これにより、本実施形態のパチスロ機1では、内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤を行うことなく、内部当籤役を決定すると自動的にATに関する様々な情報を決定することができる。言い換えると、内部当籤役を決定すると他の抽籤を行うこと、ATに関する様々な情報が一義的に定まる。その結果、メインROM32のデータ容量や主制御基板71の処理負荷を軽減することができ、好適である。
<AT当籤対応テーブル>
図26は、内部当籤役に基づいてATの当否を決定する際に参照されるAT当籤対応テーブルである。AT当籤対応テーブルは、出玉モード及び内部当籤役として決定された役に対応付けて、ATの当否に関する情報を規定する。図26において、ATに当籤することを「1」で示し、ATに非当籤であることを「空欄」で示している。すなわち、出玉モードが「通常モード」である場合には、役「F_リプレイ7」「F_7リプレイ」「F_チャンス2」〜「F_チャンス4」「F_リーチ1」「F_Mチェリー1」「F_123Hベル4」「F_132Hベル4」「F_213Hベル4」「F_231Hベル4」「F_321Hベル4」「F_312Hベル4」が内部当籤役として決定されるとATに当籤し、これら以外の役が内部当籤役として決定されるとATに非当籤となる。
<モード移行テーブル>
図26は、内部当籤役に基づいて移行先の出玉モードを決定する際に参照されるモード移行テーブルである。モード移行テーブルは、出玉モード、移行フラグ及び内部当籤役として決定された役に対応付けて、移行先の出玉モードに関する情報を規定する。なお、モード移行テーブルにおいて、「モード移行保留」とは、出玉モードの移行を行わず、現在の出玉モードを維持することを意味する。
また、上述したように、パチスロ機1では、一般遊技状態よりも前兆遊技状態の方が他の出玉モードに移行し易くなっている。移行フラグは、他の出玉モードに移行し易いか移行し難いかを判別するための情報であり、移行フラグがONである場合は、他の出玉モードに移行し易く、移行フラグがOFFである場合は、他の出玉モードに移行し難くなっている。移行フラグは、遊技状態が一般遊技状態から前兆遊技状態に移行するとONに更新され、移行先の出玉モードが決定されるとOFFに更新される。
より詳細には、移行先として「モード移行保留」以外の移行先が対応付けられている役が内部当籤役として決定されると、移行フラグはONからOFFに更新される。なお、例えば、通常モードの移行フラグONにおいて役「F_213Lベル1」には移行先の出玉モードとして「通常」と対応付けられている。この場合、移行先の出玉モードと移行元の出玉モードとは同一であるが、移行先として「モード移行保留」以外の移行先が対応付けられているため、移行フラグはONからOFFに更新される。一方で、役「F_213Lベル2」には、移行先として「モード移行保留」が対応付けられているため、移行フラグはONのまま維持される。
なお、上述したように、連モード系が維持されている場合には、「連Cモード」における役と移行先の出玉モードとの対応関係は、図28に示す対応関係から変更されることになる。例えば、連モード系が維持されている状況において「連Cモード」から最初に移行した引き戻しゾーンが「連S1モード」である場合には、図28の「連Cモード」において移行先が「連S2モード」と対応付けられている役「F_リプレイ2」「F_リプレイ8」などの移行先が「連S1モード」に変更される。また、連モード系が維持されている状況において「連Cモード」から最初に移行した引き戻しゾーンが「連S2モード」である場合には、図28の「連Cモード」において移行先が「連S1モード」と対応付けられている役「F_リプレイ3」「F_リプレイ4」などの移行先が「連S2モード」に変更される。
ここで、図28及び図29を参照すると、連モード系では、一般遊技状態中(より詳細には、移行フラグがOFFの状態)の「連S1モード」及び「連S2モード」からのみ非連モード系に転落することがあり、「連Aモード」「連Bモード」「連Cモード」並びに「連S1モード」及び「連S2モード」の前兆遊技状態中(より詳細には、移行フラグがONの状態)からは、非連モード系に転落することがないことが分かる。
また、図26及び図29を参照すると、「連S1モード」及び「連S2モード」においてAT当籤が対応付けられた役(例えば、「F_リプレイ4」など)は、非連モード系に転落することになる役(例えば、「F_リプレイ3」など)とは異なることが分かる(なお、連モード系が維持される役(例えば、「F_7リプレイ」など)については、両者が共通するものもある)。上述のように、「連S1モード」及び「連S2モード」の前兆遊技状態中では、非連モード系に転落することがないため、引き戻しゾーンである「連S1モード」及び「連S2モード」においてAT当籤が対応付けられた役が内部当籤役として決定された場合には、連モード系が維持される。
その結果、遊技者は、引き戻しゾーンである「連S1モード」及び「連S2モード」において、モード移行テーブルにおいて非連モード系への転落が対応付けられた役が内部当籤役として決定される前に、AT当籤対応テーブルにおいてAT当籤が対応付けられた役が内部当籤役として決定されることを望んで遊技を行うことになる。
<ATランク決定テーブル>
図30は、AT遊技状態に移行する際に内部当籤役に基づいてATの初期ランクを決定する際に参照されるATランク決定テーブルである。ATランク決定テーブルは、B/R振り分け用の出玉モード、及び内部当籤役として決定された役に対応付けて、ATの初期ランクに関する情報を規定する。なお、パチスロ機1では、一般遊技状態中にATに当籤すると出玉モードが移行し易い前兆遊技状態に移行する。ここで、本実施形態では、前兆遊技状態後のAT遊技状態におけるATの初期ランクを決定する際の出玉モードは、AT当籤時の出玉モードを用いることとしている。すなわち、AT当籤時の出玉モードは、前兆遊技状態において他の出玉モードに移行している場合もあるが、パチスロ機1では、AT当籤時の出玉モードを用いてATの初期ランクを決定する。そのため、B/R振り分け用の出玉モードとは、AT当籤時の出玉モードを意味する。
<ATランクアップ決定テーブル>
図31は、AT遊技状態中に内部当籤役に基づいてATのランクを昇格させるか否か決定する際に参照されるATランクアップ決定テーブルである。ATランクアップ決定テーブルは、現在のATランク及び内部当籤役として決定された役に対応付けて、ATのランクアップの当否に関する情報を規定する。図31において、ランクアップに当籤することを「1」で示し、ランクアップに非当籤であることを「空欄」で示している。
また、パチスロ機1では、ATの初期ランクがRBであったか否かに応じて、内部当籤役として決定された役に対応付けるランクアップの当否に関する情報を異ならせている。図31において、「初期RB以外」の欄は、ATの初期ランクがRB以外の場合に参照され、「初期RB」の欄は、ATの初期ランクがRBの場合に参照される。
また、上述したように、パチスロ機1では、ATのランクを「BB4」までとし、「BB4」まで昇格した場合には、その後、ATのランクは昇格させることなく、出玉モードを「連Aモード」に移行させる。図31において、「BB4時」の欄は、現在のATランクが「BB4」である場合に参照され、ランクアップに当籤することを示す「1」が対応付けられた役が内部当籤役として決定されると、出玉モードが「連Aモード」に移行する。
(パチスロ機1の遊技フロー概要(AT管理))
以上のように、本実施形態のパチスロ機1では、それぞれの役に対してATに関する様々な情報を対応付けておくことで、ATの管理を行う。このとき、入賞と判定された際の役割が同一の役を複数種類設け(例えば、再遊技に係る役として「F_リプレイ1」〜「F_リプレイ9」を設け)、これら複数種類の役毎にATに関する情報との対応関係を適宜調整することで、遊技の多様性を確保することができる。また、これら役割が同一の役が内部当籤役として決定された場合の停止制御に関連性を持たせることで、停止表示された図柄の組合せから、役に対応付けられたATに関する情報を推測不可能又は推測可能にすることができ、多様な遊技性を実現することができる。
以下、停止表示された図柄の組合せと、ATに関する様々な情報(例えば、ATの当否、ATの移行期待度が異なる出玉モードの管理、AT(疑似ボーナス)のランクの決定及び当該ランクの昇格の当否)との関係性について、具体的に説明する。なお、本実施形態のパチスロ機1では、内部当籤役と停止表示される図柄の組合せとの関係として、図24及び図25に示す対応関係を例示している。この点、図24及び図25に示す例示は、あくまで一例に過ぎず、これに限られるものではなく、内部当籤役と停止表示される図柄の組合せとは、以下に説明する内容に応じて様々な対応関係をとることができる。
本発明のパチスロ機1では、入賞と判定された際の役割が同一の役が内部当籤役として決定された場合の停止制御に関連性を持たせる。ここで、停止制御の関連性とは、完全に同一の停止制御と、類似する停止制御とが含まれる。
(完全に同一の停止制御について)
完全に同一の停止制御とは、停止操作のタイミング及び停止操作の順序(押し順)に関係なく、有効ラインに沿って同一の図柄の組合せが表示されることである。入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、ATに関する様々な情報との対応関係が異なる複数の役を、完全に同一の停止制御にすることで、停止表示された図柄の組合せからは、役に対応付けられたATに関する情報を推測不可能になる。
ここで、本実施形態における「停止操作のタイミングに関係なく」について説明する。なお、以下の説明では理解を容易にするため、停止操作が行われた時に表示窓4Lの中段に表示されている図柄位置を、「停止操作のタイミング」として規定する。
入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、ATに関する様々な情報との対応関係が異なる複数の役について、「停止操作のタイミングに関係なく」とは、これら複数の役において停止操作のタイミングが同一であることを意味する。すなわち、一方の役の停止操作のタイミングが図柄位置「0」の図柄が表示窓4Lの中段に表示されている時であり、他方の停止操作のタイミングが図柄位置「3」の図柄が表示窓4Lの中段に表示されている時である場合は、「停止操作のタイミングに関係ない」とは言わない。完全に同一の停止制御を行う場合であっても、停止操作のタイミングが異なるときには、異なる図柄の組合せが表示されることになる(なお、異なる図柄の組合せといっても、同じグループの図柄の組合せが表示されることになる)。
一方で、「停止操作のタイミングに関係なく」とは、停止操作のタイミングが同一であれば、表示窓4Lの中段に表示されている図柄の図柄位置に関わらず、有効ラインに沿って同一の図柄の組合せが表示される。すなわち、停止操作のタイミングが同一であれば、停止操作のタイミングが図柄位置「0」〜「19」のいずれであっても同一の図柄の組合せが表示されることを「停止操作のタイミングに関係なく」という。
反対に、入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、ATに関する様々な情報との対応関係が異なる複数の役において、例えば、図柄位置「0」〜「5」の範囲では停止操作のタイミングが同一であれば同一の図柄の組合せが表示されるのに対して、別の図柄位置「6」〜「19」の範囲では停止操作のタイミングが同一であっても同一の図柄の組合せが表示されないことを「停止操作のタイミングに関係ある」という。
(類似する停止制御について)
類似する停止制御とは、停止操作のタイミング及び/又は停止操作の順序(押し順)に応じて、有効ラインに沿って表示される図柄の組合せを異ならせることである。また、類似する停止制御としては、関連する図柄の組合せが表示されるラインを異ならせることも含むことができる。以下、その一例について説明する。
(類似する停止制御1(ライン))
通常、パチスロ機には、表示窓に表示される3×3の図柄を結ぶ直線状又は非直線状のラインが有効ラインとして設定され、入賞の判定が行われる。ここで、3×3の図柄を表示する表示窓には、それぞれの図柄を結ぶ直線状のラインとして、クロスアップライン、トップライン、センターライン、ボトムライン及びクロスダウンラインの5本のラインが形成される。遊技機内部の制御は、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに着目して行われるものの、遊技者にとってみれば、有効ラインであるか意識することなく、これら5本の直線状のラインに沿って表示された図柄の組合せが遊技に関する情報を持つことになり、結果、5本の直線状のラインを着目することになる。
類似する停止制御1では、停止表示される図柄の組合せは同一であるものの、この図柄の組合せが表示されるラインを異ならせる。具体的な一例としては、入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、ATに関する様々な情報との対応関係が異なる複数の役のうちの一の役では、クロスアップラインに沿って所定の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行い、他の役では、センターラインに沿って同一の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行う。
(類似する停止制御2(停止操作のタイミング))
類似する停止制御2では、停止操作のタイミングにより有効ラインに沿って表示される図柄の組合せを異ならせる。具体的な一例としては、入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、ATに関する様々な情報との対応関係が異なる複数の役のうちの一の役では、停止操作のタイミングが第1のタイミング又は第2のタイミングのいずれであっても有効ラインに沿って所定の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行い、他の役では、停止操作のタイミングが第1のタイミングである場合には、有効ラインに沿って同じ所定の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行い、第2のタイミングである場合には、有効ラインに沿って別の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行う。
(類似する停止制御3(停止操作の順序))
類似する停止制御3では、停止操作の順序(押し順)により有効ラインに沿って表示される図柄の組合せを異ならせる。具体的な一例としては、入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、ATに関する様々な情報との対応関係が異なる複数の役のうちの一の役では、押し順が第1の押し順又は第2の押し順のいずれであっても有効ラインに沿って所定の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行い、他の役では、押し順が第1の押し順である場合には、有効ラインに沿って同じ所定の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行い、第2の押し順である場合には、有効ラインに沿って別の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行う。
(完全同一と類似との組合せ)
以上説明した完全同一の停止制御と類似する停止制御とは、適宜組み合わせて用いることができる。以下に組合せの一例を示すが、例示に過ぎずその他の様々な態様で組合せることができる。
例えば、入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、ATに関する様々な情報との対応関係が異なる複数(3以上)の役について、2つの役を完全同一の停止制御とし、その他の役をこれら2つの役と類似する停止制御とする。また、第1の役と第2の役とを類似する停止制御1、第2の役と第3の役とを類似する停止制御2、第3の役と第4の役とを類似する停止制御3のように組み合わせる態様も考えられる。
また、類似する停止制御を組み合わせる態様も考えられる。例えば、停止操作のタイミングによって停止表示されるラインを異ならせる停止制御を実現することもできる。具体的な一例としては、入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、ATに関する様々な情報との対応関係が異なる複数の役のうちの一の役では、停止操作のタイミングが第1のタイミング又は第2のタイミングのいずれであっても第1のラインに沿って所定の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行い、他の役では、停止操作のタイミングが第1のタイミングである場合には、第1のラインに沿って同じ所定の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行い、第2のタイミングである場合には、第2のラインに沿って同じ所定の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行う。
同様に、停止操作の順序によって停止表示されるラインを異ならせる停止制御を実現することもできる。具体的な一例としては、入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、ATに関する様々な情報との対応関係が異なる複数の役のうちの一の役では、押し順が第1の押し順又は第2の押し順のいずれであっても第1のラインに沿って所定の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行い、他の役では、押し順が第1の押し順である場合には、第1のラインに沿って同じ所定の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行い、第2の押し順である場合には、第2のラインに沿って同じ所定の図柄の組合せが表示されるように停止制御を行う。
このような組合せは、入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、ATに関する様々な情報との対応関係が異なる役の数が増えるほど、バリエーションが増大する。例えば、入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、ATに関する様々な情報との対応関係が異なる役である第1の役、第2の役、第3の役において、第1の役と第2の役とでは、停止操作のタイミングによって停止表示されるラインを異ならせ、第2の役と第3の役とでは、停止操作の順序によって停止表示されるラインを異ならせる停止制御を行う。
また、第1停止操作が行われたリールに基づいて停止制御を異ならせることもできる。例えば、入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、ATに関する様々な情報との対応関係が異なる複数の役において、第1停止操作が左のリール3Lに対するもの(左1st)である場合には、完全に同一の停止制御を行い、左1st以外である場合には、類似する停止制御(ラインを異ならせる、停止操作のタイミングにより表示される図柄の組合せを異ならせる、押し順により表示される図柄の組合せを異ならせる、又はこれらの組合せ)を行うことができる。
もちろん、左1stである場合に、完全に同一の停止制御ではなく、類似する停止制御(ラインを異ならせる、停止操作のタイミングにより表示される図柄の組合せを異ならせる、押し順により表示される図柄の組合せを異ならせる、又はこれらの組合せ)を行い、左1st以外である場合に、その他の停止制御(完全に同一の停止制御、又は他の類似する停止制御)を行うこともできる。
また、複数の役に対して対応付けるATに関する情報も複数(例えば、ATの当否、ATの移行期待度が異なる出玉モードの管理、ATランクの決定及び当該ランクの昇格の当否)ある。パチスロ機1では、役と停止制御(完全同一又は類似)とATに関する情報とを様々に組み合わせることができる。
例えば、第1の役に対して、入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、停止制御が完全に同一の第2の役と、停止制御が類似する第3の役及び第4の役とがあり、ATに関する所定の情報(例えば、ATの当否)として、第1の役及び第3の役には第1情報(例えば、当籤)が対応付けられ、第2の役及び第4の役には第2情報(例えば、非当籤)が対応付けられ、ATに関する特定の情報(例えば、ATランクの決定)として、第1の役及び第2の役には第3情報(例えば、RB)が対応付けられ、第3の役及び第4の役には第4情報(例えば、BB1)が対応付けられているとする。
このような例では、ATに関する所定の情報(例えば、ATの当否)に関しては、第1の役が内部当籤役であるときの停止制御と完全に同一の停止制御が行われた場合であっても、実際には第1の役(当籤)又は第2の役(非当籤)が内部当籤役として決定されていることがあり、また、第1の役が内部当籤役であるときの停止制御と類似する停止制御が行われた場合であっても、実際には第3の役(当籤)又は第4の役(非当籤)が内部当籤役として決定されていることがある。そのため、ATに関する所定の情報に関しては、停止制御の結果として表示された図柄の組合せから推測することができない。
一方で、ATに関する特定の情報(例えば、ATランクの決定)に関しては、第1の役が内部当籤役であるときの停止制御と完全に同一の停止制御が行われた場合には、第1の役又は第2の役が内部当籤役として決定されている可能性があるものの、これら第1の役及び第2の役には共通の第4情報(例えば、RB)が対応付けられている。同様に、第1の役が内部当籤役であるときの停止制御と類似する停止制御が行われた場合には、第3の役又は第4の役が内部当籤役として決定されている可能性があるものの、これら第3の役及び第4の役には共通の第4情報(例えば、BB1)が対応付けられている。そのため、ATに関する特定の情報に関しては、停止制御の結果として表示された図柄の組合せから推測することができる。
このように役の種類と、停止制御の種類と、役に対応付けるATに関する情報の種類とを様々に組み合わせることで、多様な遊技性を実現することができる。
[副制御側の各種のデータテーブル]
次に、図32〜図48を参照して、サブROM82に記憶されている各種データテーブルの構成について説明する。
<演出モード移行抽籤テーブル>
図32〜図39は、演出を決定する確率が異なる複数の演出モードの中から一の演出モードを決定するための演出モード移行抽籤テーブルである。演出モード移行抽籤テーブルは、現在の演出モード毎に移行先の演出モードについての抽籤値の情報を規定する。本実施形態では、サブ(副制御基板72)側では、予め定められた数値の範囲「0〜32767」から抽出される演出用乱数値を、各抽籤結果に応じた抽籤値で順次減算し、減算の結果が負となったか否か(いわゆる「桁かり」が生じたか否か)の判定を行うことによって抽籤が行われる。
図32〜図39に示すように、演出モード移行抽籤テーブルは、現在の出玉モード、実行する演出の内容、又はATの当籤の有無に応じて設けられる。図32(A)は、現在の出玉モードが「通常モード」である場合に参照される演出モード移行抽籤テーブルであり、図33(B)は、現在の出玉モードが「低確モード」である場合に参照される演出モード移行抽籤テーブルであり、図34(C)は、現在の出玉モードが「引き戻しモード」である場合に参照される演出モード移行抽籤テーブルであり、図35(D)は、現在の出玉モードが「連Aモード」である場合に参照される演出モード移行抽籤テーブルであり、図36(E)は、現在の出玉モードが「連Bモード」である場合に参照される演出モード移行抽籤テーブルであり、図37(F)は、現在の出玉モードが「連Cモード」である場合に参照される演出モード移行抽籤テーブルであり、図38(G)は、現在の出玉モードが「連S1モード又は連S2モード」である場合に参照される演出モード移行抽籤テーブルであり、図39(H)は、実行する演出として所定演出を決定した場合に参照される演出モード移行抽籤テーブルであり、図39(I)は、AT当籤時に参照される演出モード移行抽籤テーブルである。
また、図32〜図38に示すように、現在の出玉モードに応じて設けられた演出モード移行抽籤テーブルは、現在の出玉モードだけでなく、当該現在の出玉モードに移行する前の移行前出玉モードにも更に対応付けられて設けられる。移行前出玉モードへの対応付けは、「出玉モード移行無し」「出玉モードUP時」及び「出玉モードDOWN時」により行われる。「出玉モード移行無し」に応じた演出モード移行抽籤テーブルは、現在の出玉モードと移行前出玉モードとが同一である場合に参照され、「出玉モードUP時」に応じた演出モード移行抽籤テーブルは、現在の出玉モードが移行前出玉モードから「UP」した場合に参照され、「出玉モードDOWN時」に応じた演出モード移行抽籤テーブルは、現在の出玉モードが移行前出玉モードから「DOWN」した場合に参照される。
ここで、出玉モードの「UP/DOWN」について説明する。上述したように出玉モードは、ATへの移行期待度がそれぞれ異なるモードであるが、演出モード移行抽籤テーブルにおける「UP/DOWN」は、ATへの移行期待度とは関係なく、出玉モードに対して形式的に振り分けた値が「増加/減少」したかにより判断される。具体的には、サブ側では、出玉モードを「1.通常モード」「2.低確モード」「3.引き戻しモード」「4.連Aモード」「5.連Bモード」「6.連Cモード」及び「7.連S1モード又は連S2モード」として管理する。そして、メイン側における制御において出玉モードが移行した際に、それぞれの出玉モードに対して振られた値が「増加/減少」したかにより、「UP/DOWN」が判断される。
上述したように、連モード系では、「連Aモード」からは「連Bモード」に移行し、「連Bモード」から「連Cモード」に移行し、「連Cモード」から引き戻しゾーンである「連S1モード」又は「連S2モード」に移行する。そのため、「連Aモード」は、その後、「連Bモード」及び「連Cモード」が保証されており、連モード系が少なくとも合計3回(「連Aモード」「連Bモード」及び「連Cモード」)継続する。同様に、「連Bモード」は、その後、連モード系が少なくとも合計2回継続する。このことから、「連Aモード」は、「連Bモード」よりも、ATへの移行期待度が高いモードであるといえる。
一方で、サブ側では、「4.連Aモード」「5.連Bモード」として管理しているため、「4.連Aモード」から「5.連Bモード」に移行した場合には、サブ側では出玉モードが「UP」したとして判断することになる。
ここで、移行先の出玉モードとして「5.連Bモード」が決定される場合について説明する。図28及び図29に示すように、「5.連Bモード」は、移行フラグONである場合(前兆中)の「4.連Aモード」、移行フラグOFFである場合(一般中)の「6.連Cモード」、移行フラグに関係ない「7.連S1モード又は連S2モード」において、移行先の出玉モードとして決定される場合がある。
サブ側の管理では、「4.連Aモード」から「5.連Bモード」への移行は、「UP」として判断され、「6.連Cモード」「7.連S1モード又は連S2モード」から「5.連Bモード」への移行は、「DOWN」として判断される。一方、ATへの移行期待度の観点からは、「4.連Aモード」から「5.連Bモード」への移行は、ATへの移行期待度が下がり、「6.連Cモード」「7.連S1モード又は連S2モード」から「5.連Bモード」への移行は、ATへの移行期待度が上がることになる。
そのため、図36(E2)に示す出玉モードUP時の演出モード移行抽籤テーブルは、出玉モードへの移行に伴いATへの移行期待度が下がった場合に参照される演出モード移行抽籤テーブルであることを意味し、図36(E3)に示す出玉モードDOWN時の演出モード移行抽籤テーブルは、出玉モードへの移行に伴いATへの移行期待度が上がった場合に参照される演出モード移行抽籤テーブルであることを意味する。
図36(E2)及び図36(E3)の演出モード移行抽籤テーブルを参照すると、ATへの移行期待度が上がった場合(出玉モードDOWN時)は、移行先の演出モードとして「演出モード6」が選択され易く、ATへの移行期待度が下がった場合(出玉モードUP時)は、移行先の演出モードとして「演出モード6」が選択されないことが分かる。このように、本実施形態のパチスロ機1では、現在の出玉モードが同一の出玉モードであったとしても、当該現在の出玉モードへの移行に伴いATへの移行期待度が上がった場合と下がった場合とで、異なる演出モードに移行させる。これにより、現在の出玉モードが移行前から有利になったか不利になったかを示唆する演出を行うことができ、結果、演出内容が単調になることなく、遊技性に富んだ演出が可能になる。
<演出抽籤テーブル>
図40〜図47は、実行する演出を決定するための演出抽籤テーブルである。演出抽籤テーブルは、現在の演出モード及び内部当籤役毎に実行する演出についての抽籤値の情報を規定する。なお、演出抽籤テーブルにおける「リプレイ」は、役「F_リプレイ1」〜「F_リプレイ9」に対応し、「Lベル」は、役「F_123Lベル1」〜「F_321Lベル2」に対応し、「Hベル」は、役「F_123Hベル1」〜「F_321Hベル4」に対応し、「スイカ」は、役「F_スイカ1」〜「F_スイカ3」に対応し、「チェリー」は、役「F_Mチェリー1」〜「F_チェリー3」に対応し、「チャンス役」は、役「F_チャンス1」〜「F_チャンス4」に対応し、「リーチ役」は、役「F_リーチ1」及び「F_リーチ2」に対応する。
ここで、演出抽籤テーブルが決定する演出の中には、ドット表示器100においてドット表示により表されるルーレット演出が含まれる。ルーレット演出では、複数の絵柄を回転させ、最終的に停止した絵柄に応じて所定の情報を報知する。ルーレット演出で用いる絵柄としては、ATに当籤したことを示す絵柄「A」、ATに非当籤であることを示す絵柄「×」、ATの当籤のチャンスであることを示す絵柄「CHANCE」に加え、絵柄「♪」が含まれる。なお、ルーレット演出の結果として最終的に絵柄「♪」が停止した場合には、現在の出玉モードに応じた音がスピーカ9L,9Rから出力される。この現在の出玉モードに応じた音とは、現在の出玉モードに対応付けられた音であってもよく、現在の出玉モードに応じた確率で複数の音の中から決定された音であってもよい。
また、演出抽籤テーブルが決定する演出の中には、「No.97」の演出が含まれる。この「No.97」の演出は、ドット表示器100において雷が鳴り響く演出が行われる。図40〜図47を参照すると、「演出モード6」である場合に参照される演出抽籤テーブル(図45)では、他の演出モードである場合に参照される演出抽籤テーブルよりも「No.97」の演出が選択され易いことが分かる。
上述のように、現在の出玉モードが「出玉モードB」である場合、移行前の出玉モードからATへの移行期待度が上がった場合(出玉モードDOWN時)は、「演出モード6」が選択され易く、ATへの移行期待度が下がった場合(出玉モードUP時)は、「演出モード6」が選択されない。そのため、「No.97」の演出(雷演出)が行われた場合には、ATへの移行期待度が上がったことについての期待を持てることになる。
<背景テーブル>
図48は、ドット表示器100において行われる背景演出の背景データを示す背景テーブルである。背景演出は、複数の背景データを連続的に繋げて構成される一連の背景をドット表示器100に表示する演出である。図48(A)に示すように、背景テーブルには、連続する一連の背景データ毎に、当該背景データを用いる開始タイミング及び終了タイミングを規定する。例えば、第1背景の背景データ「haikei_1」に対しては、開始タイミングとしてフレーム数「4231」、終了タイミングとしてフレーム数「4410」が規定されている。なお、開始タイミング及び終了タイミングは、フレーム数で規定することとしてもよく、また、時間(秒など)で規定することとしてもよい。
背景演出は、ドット表示器100の一方から他方に向けて(例えば、左から右に向けて)背景が流れる演出であり、図48(B)に示すように、第1背景から順に第12背景まで連続的に繋がり、第12背景の後に第1背景に戻ることで一連(ループ状)の背景がドット表示器100に表示される。これら第1背景〜第12背景は、それぞれに対して規定された期間に応じて切り替えられる。例えば、第1背景は、フレーム数「4231」〜「4410」まで用いられ、フレーム数「4411」からは第1背景の次の順序である第2背景に切り替えられる。そのため、背景演出では、図48(C)に示すように、背景データを切り替えるタイミングになると、次の順序の背景データに応じた背景がドット表示器100の左側から現れることになる。
また、これら第1背景〜第12背景の中には、一の背景データのみが規定されるものもあれば、複数(本実施形態では、2つだが3以上であってもよい)の背景データが規定されるものもある。図48に示す例では、奇数順序の背景に対しては一の背景データのみが規定され、偶数順序の背景に対しては複数の背景データが規定されている。例えば、パチスロ機1では、2番目の背景に対して背景データ「haikei_2a」及び「haikei_2b」が規定されている。この背景データ「haikei_2a」は、例えば、ドット表示器100にピラミッドを表示するデータであり、背景データ「haikei_2b」は、例えば、ドット表示器100に目玉付きのピラミッドを表示するデータである。
ここで、一つの順序に対して複数の背景データが規定されている場合、所定の抽籤に応じて一の背景データが決定され、背景演出において用いられる。この抽籤の方法は任意であるが、例えば、現在の遊技状態に応じて抽籤を行う。なお、抽籤に用いる遊技状態としては、出玉モードや演出モードを採用することができる。このように、現在の遊技状態に応じて背景データを異ならせることで、遊技者に対して遊技状態を報知することができる。この場合において、背景の切り替えを背景データに規定された期間に応じて切り替えるため、ドット表示器100に現在表示されている背景が突然変化することはない。
例えば、現在、背景データ「haikei_2a」に伴いピラミッドが表示されている場合、この背景データ「haikei_2a」から背景データ「haikei_2b」に切り替わることはないため、表示中のピラミッドに目玉が突然現れることはない。一方で、第2背景として、背景データ「haikei_2b」が選択されていた場合には、ドット表示器100の左側から徐々に現れるピラミッドに目玉がついていることになる。
なお、複数の背景データの中から一の背景データを選択する所定の抽籤は、複数の背景データを有する背景の種類に応じて異ならせることとしてもよい。例えば、第2背景に対する所定の抽籤と、第4背景に対する所定の抽籤とでは、抽籤確率を異ならせることとしてもよい。また、抽籤確率だけでなく、抽籤に用いる条件についても、複数の背景データを有する背景の種類に応じて異ならせることとしてもよい。例えば、第2背景に対する所定の抽籤は、現在の出玉モードに基づいて行い、第4背景に対する所定の抽籤は、現在の演出モードに基づいて行うこととしてもよい。また、所定の抽籤を出玉モードに基づいて行う場合には、現在の出玉モードが連モード系であるか、非連モード系であるかに応じて行うこととしてもよく、また、現在の出玉モードが引き戻しゾーン中であるか否かに応じて行うこととしてもよい。
ところで、遊技状態(出玉モードや演出モード)は、単位遊技毎に移行する可能性があるため、遊技状態に応じて決定した背景データに基づき背景演出を行っている最中に、背景データの抽籤に用いた遊技状態が変わってしまうこともある。例えば、遊技状態が特定遊技状態であるタイミングで、複数の背景データの中から一の背景データを抽籤により決定した後、内部当籤役に応じて遊技状態が特定遊技状態から所定遊技状態に移行してしまう場合がある。このような場合であっても、パチスロ機1の副制御基板72は、当該一の背景データに規定された期間中は、特定遊技状態である場合に決定した一の背景データを他の背景データに切り替えることなく、背景演出に用いる背景データを当該一の背景データのまま維持する。
例えば、背景データ「haikei_2a」「haikei_2b」について、遊技状態が所定遊技状態(例えば、遊技者にとって不利な状態)である場合には、ドット表示器100にピラミッドを表示する背景データ「haikei_2a」が決定され易く、遊技状態が特定遊技状態(例えば、遊技者にとって有利な状態)である場合には、ドット表示器100に目玉付きのピラミッドを表示する背景データ「haikei_2b」が決定され易いものとする。このようなケースでは、背景データ「haikei_2a」は、所定遊技状態を示唆する背景データであるといえ、背景データ「haikei_2b」は、特定遊技状態を示唆する背景データであるといえる。
ここで、特定遊技状態中に背景データ「haikei_2a」「haikei_2b」の中から一の背景データを抽籤により決定すると、特定遊技状態を示唆する背景データ「haikei_2b」が決定され易く、結果、目玉付きのピラミッドがドット表示器100の左側から現れることになる。図48(A)を参照すると、背景データ「haikei_2a」「haikei_2b」に基づく背景演出は、フレーム数「4411」〜「8280」の期間、ドット表示器100に表示されることになる。遊技状態は単位遊技毎に移行の管理がなされているため、この期間中に、遊技状態が特定遊技状態から所定遊技状態に移行する場合がある。
このような場合であっても、本実施形態のパチスロ機1では、副制御基板72は、フレーム数「4411」〜「8280」の期間、背景データ「haikei_2b」に基づく背景演出を継続し続ける。すなわち、上述のように、所定遊技状態を示唆する背景データは、背景データ「haikei_2a」であるものの、パチスロ機1では、背景データを一度決定すると、当該背景データに規定された期間中は他の背景データに切り替えることなく当該背景データを維持する。その結果、パチスロ機1では、ドット表示器100に現在表示されている背景が突然変化することはない。
[メインCPUの制御によるパチスロの主要動作処理]
まず、メインCPU31の制御で行うパチスロ機1の主要動作処理(スタートレバー6の操作以降の処理)の手順を、図49に示すフローチャートを参照しながら説明する。
所定枚数のメダルが投入され、スタートレバー6が操作されると、メインCPU31は、内部抽籤処理を行う(S1)。この処理では、メインCPU31は、内部抽籤テーブル(図12)を参照して、複数の役の中から内部当籤役として決定する役を抽籤する。
続いて、メインCPU31は、遊技状態がRT1遊技状態中であるか否か、すなわち、役「F_BB」を内部当籤役として持ち越している状態であるか否かを判断する(S2)。この処理において、遊技状態がRT1遊技状態中ではないと判断すると(NO)、メインCPU31は、処理をS9に移す。
他方、遊技状態がRT1遊技状態中であると判断すると(YES)、メインCPU31は、続いて、図50で後述する回胴演出決定処理を実行する(S3)。この処理では、メインCPU31は、内部当籤役に基づいてリール3L,3C,3Rの回転開始パターンを決定する。続いて、メインCPU31は、図51で後述する状態移行処理を実行する(S4)。この処理では、メインCPU31は、内部当籤役に基づいて出玉モードの移行を行う。
続いて、メインCPU31は、図52で後述するAT当否判定処理を実行する(S5)。この処理では、メインCPU31は、内部当籤役に基づいてATの当否を判定する。続いて、メインCPU31は、図53で後述する初期ATランク決定処理を実行する(S6)。この処理では、メインCPU31は、内部当籤役に基づいてATの初期ランクを決定する。
続いて、メインCPU31は、図54で後述するAT中ランクアップ処理を実行する(S7)。この処理では、メインCPU31は、内部当籤役に基づいてATのランクを昇格させる。続いて、メインCPU31は、図55で後述するAT中純増管理処理を実行する(S8)。この処理では、メインCPU31は、AT遊技状態の終了条件に応じた情報の更新、より具体的には、AT遊技状態中の差枚数の更新を行う。
S2においてNOと判断した場合、又はS8の処理に続いて、メインCPU31は、図56で後述する遊技進行制御処理を行う(S9)。この遊技進行制御処理では、メインCPU31は、リール3L,3C,3Rの回転、リール3L,3C,3Rの停止、及び停止表示された図柄の組合せに応じた利益の付与(メダルの払い出しなど)といった通常のパチスロ機の遊技進行に伴う各種処理を行う。
続いて、メインCPU31は、図59で後述するAT終了確認処理を行い(S10)、パチスロ機1における1回の遊技(単位遊技)を終了する。このAT終了確認処理では、メインCPU31は、ATの終了条件が満たされたか否かを判断し、ATの終了条件が満たされた場合にAT遊技状態を終了する。
<回胴演出決定処理>
次に、図50を参照して、回胴演出決定処理について説明する。回胴演出決定処理では、初めに、メインCPU31は、AT作動中であるか否か、すなわち、遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判断する(S11)。遊技状態がAT遊技状態である場合には(YES)、メインCPU31は、回胴演出決定処理を終了する。
他方、遊技状態がAT遊技状態ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、遊技状態が前兆遊技状態の最終遊技であるか否かを判断する(S12)。遊技状態が前兆遊技状態の最終遊技である場合には(YES)、メインCPU31は、回胴演出決定処理を終了する。他方、遊技状態が前兆遊技状態の最終遊技ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、出玉モード及び内部当籤役に基づいて回胴演出を決定し(S13)、回胴演出決定処理を終了する。
<状態移行処理>
次に、図51を参照して、状態移行処理について説明する。状態移行処理では、初めに、メインCPU31は、遊技状態が前兆遊技状態の最終遊技であるか否かを判断する(S21)。遊技状態が前兆遊技状態の最終遊技である場合には(YES)、メインCPU31は、状態移行処理を終了する。
他方、遊技状態が前兆遊技状態の最終遊技ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、移行フラグがONであるか否かを判断する(S22)。移行フラグがOFFである場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判断する(S23)。S23において、遊技状態がAT遊技状態である場合には(YES)、メインCPU31は、状態移行処理を終了する。
他方、S22において、移行フラグがONである場合(YES)、又はS23において、遊技状態がAT遊技状態ではない場合(NO)には、メインCPU31は、続いて、現在の出玉モード及び移行フラグに応じたモード移行テーブル(図27〜図29参照)をセットする(S24)。続いて、メインCPU31は、セットしたモード移行テーブルを参照して、図49のS1で決定した内部当籤役に応じた役に対応付けられた移行先の出玉モードを特定する(S25)。
続いて、メインCPU31は、出玉モードの移行ありか否かを判断する(S26)。この処理では、メインCPU31は、内部当籤役に応じた役に対応付けられた移行先が「モード移行保留」以外である場合に出玉モードの移行ありと判断し、「モード移行保留」である場合に出玉モードの移行なしと判断する。その結果、出玉モードの移行なしと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、状態移行処理を終了する。
他方、出玉モードの移行ありと判断した場合には(YES)、メインCPU31は、移行フラグをOFFに更新する(S27)。本実施形態のパチスロ機1では、前兆遊技状態中に他の出玉モードに移行し易くするために、前兆遊技状態に移行すると移行フラグをONに更新する(後述の図52のS49)。一方で、前兆遊技状態中に何度も出玉モードが移行してしまうことは好ましくないため、前兆遊技状態中であっても出玉モードが一度移行すると移行フラグをOFFに更新し、その後、他の出玉モードに移行し難くしている。S27の処理は、前兆遊技状態中の移行フラグONである場合に、ONである移行フラグをOFFに更新する処理である。
続いて、メインCPU31は、連S1フラグ又は連S2フラグがONであるか否かを判断する(S28)。上述したように、「連Cモード」から引き戻しゾーンである「連S1モード」又は「連S2モード」に移行した場合、連モード系が維持されている限りその後「連Cモード」からは最初に移行した引き戻しゾーンにのみ移行する。連S1フラグ及び連S2フラグは、「連Cモード」から最初に移行した引き戻しゾーンの種別を特定するための情報であり、連S1フラグがONである場合は「連Cモード」から最初に移行した引き戻しゾーンが「連S1モード」であることを意味し、連S2フラグがONである場合は「連Cモード」から最初に移行した引き戻しゾーンが「連S2モード」であることを意味する。
S28において、連S1フラグ及び連S2フラグのいずれもONではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、移行先の出玉モードが「連S1モード」又は「連S2モード」であるか否かを判断する(S29)。移行先の出玉モードが「連S1モード」及び「連S2モード」のいずれでもない場合には(NO)、メインCPU31は、状態移行処理を終了する。他方、移行先の出玉モードが「連S1モード」又は「連S2モード」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、移行先の出玉モードに応じた連SフラグをONに更新し(S30)、状態移行処理を終了する。
他方、S28において、連S1フラグ又は連S2フラグがONである場合には(YES)、メインCPU31は、ONである連Sモードに基づいてモード移行先を再設定する(S31)。すなわち、メインCPU31は、連S1フラグがONである場合には、「連Cモード」に対応するモード移行テーブルにおいて移行先として「連S2モード」が対応付けられた役に対して、移行先として「連S1モード」を対応付ける。同様に、メインCPU31は、連S2フラグがONである場合には、「連Cモード」に対応するモード移行テーブルにおいて移行先として「連S1モード」が対応付けられた役に対して、移行先として「連S2モード」を対応付ける。
続いて、メインCPU31は、ON状態の連SフラグをOFFに更新し(S32)、状態移行処理を終了する。
<AT当否判定処理>
次に、図52を参照して、AT当否判定処理について説明する。AT当否判定処理では、初めに、メインCPU31は、遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判断する(S41)。AT遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、AT当否判定処理を終了する。
他方、AT遊技状態中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、内部当籤役が「F_7リプレイ」であるか否かを判断する(S42)。内部当籤役が「F_7リプレイ」ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、遊技状態が前兆遊技状態であるか否かを判断する(S43)。前兆遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、AT当否判定処理を終了する。
他方、前兆遊技状態中ではない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、AT間隔ゲーム数を1減算する(S44)。なお、AT間隔ゲーム数は、いわゆるATの天井を管理するものである。続いて、メインCPU31は、AT間隔ゲーム数が0(すなわち、天井に到達)であるか否かを判断する(S45)。
AT間隔ゲーム数が0ではない場合には(NO)、メインCPU31は、現在の出玉モードに応じたAT当籤対応テーブル(図26参照)をセットする(S46)。続いて、メインCPU31は、セットしたAT当籤対応テーブルを参照して、図49のS1で決定した内部当籤役に応じた役に対応付けられたATの当否を特定する(S47)。
続いて、メインCPU31は、AT当籤か否かを判断する(S48)。この処理では、メインCPU31は、内部当籤役に応じた役に対応付けられたATの当否に関する情報が「1」である場合にAT当籤と判断し、「空欄」である場合にAT非当籤と判断する。その結果、ATに非当籤の場合には(NO)、メインCPU31は、AT当否判定処理を終了する。
他方、S48において、AT当籤と判断した場合(YES)、又はS45においてAT間隔ゲーム数が0と判断した場合(YES)には、メインCPU31は、前兆ゲーム数として「7ゲーム」をセットし、移行フラグをONに更新する(S49)。続いて、メインCPU31は、現在の出玉モードをB/R振り分け用の出玉モードとして保存し(S50)、AT当否判定処理を終了する。本実施形態のパチスロ機1では、AT当籤時の出玉モードに基づいてATの初期ランクを決定するところ、S49において移行フラグがONに更新され出玉モードが移行し易くなっているため、AT当籤時の出玉モードをB/R振り分け用の出玉モードとして保存している。
また、S42において、内部当籤役が「F_7リプレイ」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、初期ランクがBB3であるATの作動を開始、すなわち、遊技状態をAT遊技状態に移行する(S51)。続いて、メインCPU31は、前兆ゲーム数をクリアするとともに、移行フラグをONに更新し(S52)、AT当否判定処理を終了する。
<初期ATランク決定処理>
次に、図53を参照して、初期ATランク決定処理について説明する。初期ATランク決定処理では、初めに、メインCPU31は、遊技状態が前兆遊技状態であるか否かを判断する(S61)。前兆遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、初期ATランク決定処理を終了する。
他方、前兆遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、前兆ゲーム数を1減算する(S62)。続いて、メインCPU31は、前兆終了時であるか否か、すなわち、前兆ゲーム数が0であるか否かを判断する(S63)。前兆終了時ではない場合には(NO)、メインCPU31は、初期ATランク決定処理を終了する。
他方、前兆終了時である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、前兆状態をクリアし(S64)、その後、図52のS50でセットしたB/R振り分け用の出玉モードに応じたATランク決定テーブル(図30参照)をセットする(S65)。続いて、メインCPU31は、図49のS1で決定した内部当籤役に応じた役に対応付けられたATの初期ランクを特定し、セットする(S66)。続いて、メインCPU31は、ATの作動を開始、すなわち、遊技状態をAT遊技状態に移行する。
続いて、メインCPU31は、ATの初期ランクがBB1以上であるか否かを判断する(S68)。ATの初期ランクがBB1以上である場合には(YES)、メインCPU31は、初期ATランク決定処理を終了する。他方、ATの初期ランクがBB1以上ではない場合には(NO)、初期RBフラグをONにセットし(S69)、初期ATランク決定処理を終了する。パチスロ機1では、初期ランクがRBであるか否かに応じてランクアップの当否を異ならせているため(図31参照)、初期ランクがRBである場合には、初期RBフラグをONにセットする。
<AT中ランクアップ処理>
次に、図54を参照して、AT中ランクアップ処理について説明する。AT中ランクアップ処理では、初めに、メインCPU31は、遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判断する(S81)。AT遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、AT中ランクアップ処理を終了する。
他方、AT遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、現在のATランクに応じたATランクアップ決定テーブル(図31参照)をセットする(S82)。続いて、メインCPU31は、初期RBフラグがONであるか否かを判断し(S83)、初期RBフラグがONである場合には(YES)、初期RB用のATランクアップ決定テーブルに変更する(S84)。他方、初期RBフラグがOFFである場合には(NO)、S82でセットしたATランクアップ決定テーブルを維持する。
続いて、メインCPU31は、図49のS1で決定した内部当籤役に応じた役に対応付けられたATのランクアップ当否に関する情報に基づいて、ATランクの昇格の有無を特定する(S85)。続いて、メインCPU31は、ランクアップに当籤しているか否かを判断し(S86)、ランクアップに非当籤の場合には(NO)、AT中ランクアップ処理を終了する。
他方、ランクアップに当籤している場合には(YES)、メインCPU31は、ランクアップ処理を実行し(S87)、AT中ランクアップ処理を終了する。なお、このランクアップ処理では、メインCPU31は、ATのランクを「RB」から「BB1」、「BB1」から「BB2」、「BB2」から「BB3」、「BB3」から「BB4」のように一段階ずつ昇格させる。また、このランクアップ処理では、現在のATのランクが「BB4」である場合には、メインCPU31は、ATのランクを昇格させることなく、出玉モードを「連Aモード」に移行させる。
ところで、ATの作動開始は、ATの初期ランクを決定した直後に行われるため(図53参照)、ATの初期ランクを決定した遊技は、前兆遊技状態の最後の遊技であるとともに、AT遊技状態の最初の遊技であり、初期ATランク決定処理(図53)と同時にAT中ランクアップ処理(図54)が行われることになる。その結果、当該遊技における内部当籤役によっては、ATの初期ランクが決定された直後に、当該初期ランクが昇格することもある。
<AT中純増管理処理>
次に、図55を参照して、AT中純増管理処理について説明する。AT中純増管理処理では、初めに、メインCPU31は、遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判断する(S101)。AT遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、AT中純増管理処理を終了する。
他方、AT遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、内部当籤役が「Hベル」であるか否かを判断する(S102)。内部当籤役が「Hベル」である場合には(YES)、メインCPU31は、続いて、払出管理枚数に9枚を加算し(S103)、AT中純増管理処理を終了する。なお、払出管理枚数は、AT遊技状態中に純増したメダルの枚数(差枚数)を計数するカウンタである。
他方、S102において、内部当籤役が「Hベル」でない場合には(NO)、メインCPU31は、続いて、内部当籤役が「チェリー」「チャンス役」「リーチ役」のいずれか(すなわち、払出枚数が1枚の役)であるか否かを判断する(S104)。内部当籤役が「チェリー」「チャンス役」「リーチ役」のいずれでもない場合には(NO)、メインCPU31は、AT中純増管理処理を終了する。
他方、内部当籤役が「チェリー」「チャンス役」「リーチ役」のいずれかである場合には(YES)、メインCPU31は、払出管理枚数から2枚を減算し(S105)、AT中純増管理処理を終了する。なお、この処理において、払出管理枚数が0になる場合には、それ以上の減算を行うことなく、払出管理枚数を0のまま維持する。
<遊技進行制御処理>
次に、図56を参照して、遊技進行制御処理について説明する。遊技進行制御処理では、初めに、メインCPU31は、リール回転開始処理を行う(S121)。この処理では、メインCPU31は、スタートレバー6の操作を契機として、ステッピングモータ49L,49C,49Lを駆動し、リール3L,3C,3Rを回転させる。続いて、メインCPU31は、図57で後述するリール停止初期設定処理を行う(S122)。この処理では、メインCPU31は、内部当籤役に基づいてリール3L,3C,3Rの回転を停止するための各種情報を取得する。
続いて、メインCPU31は、図58で後述するリール停止制御処理を行う(S123)。この処理では、メインCPU31は、S122で取得した各種情報及びストップスイッチ7Sを介して検出した停止操作のタイミングに基づいて、リール3L,3C,3Rの回転を停止する。リール停止制御処理により全てのリール3L,3C,3Rの回転を停止すると、メインCPU31は、続いて、入賞判別メダル払出処理を行い(S124)、遊技進行制御処理を終了する。この入賞判別メダル払出処理では、リール3L,3C,3Rが停止した結果、有効ラインに沿って表示された図柄の組合せに基づいて、メダルの払い出しや再遊技の作動などの当該図柄の組合せに応じた利益を付与する。
<リール停止初期設定処理>
続いて、図57を参照して、リール停止初期設定処理について説明する。リール停止初期設定処理では、初めに、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、内部当籤役等に基づいて回胴停止用番号を取得する(S141)。続いて、メインCPU31は、回胴停止初期設定テーブルを参照し、回胴停止用番号に基づいて各情報を取得する(S142)。この処理では、メインCPU31は、例えば、押下順序別判定データなどの回胴停止用番号に対応付けられた各種情報を取得する。
続いて、メインCPU31は、図柄コード格納領域(図示せず)に回転中の識別子を格納する(S143)。すなわち、メインCPU31は、全図柄コード格納領域(未使用領域を除く)のビットを「1」にセットする。続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタに3を格納し(S144)、リール停止初期設定処理を終了する。なお、ストップボタン未作動カウンタは、遊技者により停止操作が行われていないストップボタン7L、7C、7Rの数を判別するためのものであり、メインRAM33の所定の領域に格納されている。
<リール停止制御処理>
続いて、図58を参照して、リール停止制御処理について説明する。リール停止制御処理では、初めに、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたか否かを判断する(S161)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されたか否かを判断する処理である。メインCPU31は、有効なストップボタンが押されていないと判断した場合には(NO)、ステップS161の処理を繰り返し実行する。
一方、メインCPU31は、有効なストップボタンが押されたと判断した場合には(YES)、押されたストップボタンに応じて、押下順序格納領域(図示せず)と、作動ストップボタン格納領域(図示せず)とを更新する(S162)。すなわち、メインCPU31は、作動ストップボタン格納領域を更新することで、押されたストップボタンの種別を管理するとともに、押されたストップボタンの種別及びその順序に基づいて押下順序格納領域を更新することで、停止操作の順序(押し順)を管理する。
続いて、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタから1を減算し(S163)、作動ストップボタンから検索対象リールを決定し(S164)、図柄カウンタに基づいて停止開始位置をメインRAM33に格納する(S165)。停止開始位置は、ストップスイッチ7Sによって停止操作が検出されたときの該当リールの図柄カウンタに対応する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、滑り駒数決定処理を実行する(S166)。この滑り駒数決定処理は、回胴停止初期設定テーブルから内部当籤役に基づいて選択されるリール停止制御情報(停止テーブル群)に基づいて、停止開始位置に規定された滑り駒数を決定する処理である。
次に、メインCPU31は、主制御基板71から副制御基板72へ送信するリール停止コマンドデータを生成し、生成したリール停止コマンドデータをメインRAM33に割り当てられた通信データ格納領域に格納するリール停止コマンド送信処理を実行する(S167)。このリール停止コマンドデータは、停止されるリールの種別、停止開始位置及び滑り駒数(又は停止予定位置)などを表す。
次に、メインCPU31は、停止開始位置と滑り駒数決定データとに基づいて停止予定位置を決定し、メインRAM33に格納する(S168)。停止予定位置は、滑り駒数として規定されている予め定められた数値「0」〜「4」のうちの何れかを停止開始位置に加算した図柄位置であり、リールの回転が停止する図柄位置である。
次に、メインCPU31は、停止予定位置を検索図柄位置としてセットする(S169)。次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理を実行する(S170)。この図柄コード格納処理は、回転中のリールの図柄位置をチェックするためのチェック用図柄位置データの図柄コードを取得する。
次に、メインCPU31は、図柄コード格納処理で取得した図柄コードから図柄コード格納領域を更新する(S171)。次に、メインCPU31は、制御変更処理を行う(S172)。この制御変更処理では、特定の停止位置にあった場合に、リールの停止に用いる停止情報群が更新される。
次に、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたか否かを判断する(S173)。この処理は、ストップスイッチ7Sから信号が出力されなくなったか否かを判断する処理である。
メインCPU31は、押されたストップボタンが放されていないと判断した場合には(NO)、ステップS173の処理を繰り返し実行する。一方、メインCPU31は、押されたストップボタンが放されたと判断した場合には(YES)、リール停止コマンド送信処理を実行する(S174)。
次に、メインCPU31は、ストップボタン未作動カウンタが0であるか否かを判断する(S175)。ここで、ストップボタン未作動カウンタが0でないと判断した場合には(NO)、メインCPU31は、引込優先順位格納処理を実行し(S176)、ステップS161の処理を実行する。この引込優先順位格納処理では、回転しているリール3L、3C、3Rの全ての図柄の引込優先順位が決定される。一方、ストップボタン未作動カウンタが0であると判断した場合には(YES)、メインCPU31は、リール停止制御処理を終了する。
<AT終了確認処理>
次に、図59を参照して、AT終了確認処理について説明する。AT終了確認処理では、初めに、メインCPU31は、遊技状態がAT遊技状態であるか否かを判断する(S181)。AT遊技状態中でない場合には(NO)、メインCPU31は、AT終了確認処理を終了する。
他方、AT遊技状態中である場合には(YES)、メインCPU31は、払出管理枚数がATランクに応じた差枚数を超えたか否かを判断する(S182)。払出管理枚数がATランクに応じた差枚数を超えていない場合には(NO)、メインCPU31は、AT終了確認処理を終了する。
他方、払出管理枚数がATランクに応じた差枚数を超えた場合には(YES)、メインCPU31は、払出管理枚数をクリアするとともに、ATを終了する(S183)。具体的には、メインCPU31は、遊技状態をAT遊技状態から一般遊技状態に移行させる。また、この処理では、メインCPU31は、初期RBフラグもクリアする。続いて、メインCPU31は、AT間隔ゲーム数に初期値(例えば、994)をセットし(S184)、AT終了確認処理を終了する。
[サブCPUの制御によるパチスロの動作処理]
まず、サブCPU81の制御で行うパチスロ機1の動作処理の手順を、図60及び図61に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、パチスロ機1では、メイン側の制御による遊技の進行に応じてメイン側からサブ側に各種のコマンドが送信される。例えば、スタートレバー6の操作に伴い、メイン側からサブ側にはスタートコマンドが送信され、また、各リールの停止に伴い、メイン側からサブ側にはリール停止コマンドが送信される。これら各種コマンドには、メイン側で制御する各種の情報が含まれており、コマンドを受信することでサブ側においてこれら各種の情報を把握することができる。
<演出決定処理>
まず、図60を参照して、演出決定処理について説明する。演出決定処理は、メイン側から送信されるスタートコマンドを受信した際に、サブCPU81が実行する処理である。なお、スタートコマンドには、例えば、内部当籤役及び遊技状態が含まれ、また、内部当籤役に基づき決定されるATに関する各種の情報が含まれる。
初めに、サブCPU81は、移行前後の出玉モードに応じた演出モード移行抽籤テーブル(図32〜図39参照)をセットする(S201)。続いて、サブCPU81は、現演出モードからの移行先の演出モードを決定し、セットする(S202)。続いて、サブCPU81は、セットした演出モードに応じた演出抽籤テーブル(図40〜図47参照)をセットする(S203)。続いて、サブCPU81は、セットした演出抽籤テーブルを参照して、内部当籤役に基づき実行する演出を決定し(S204)、演出決定処理を終了する。なお、S204で決定した演出は、サブCPU81の制御のもと、ドット表示器100やスピーカ9L,9Rなどにより適宜実行される。
<背景演出処理>
次に、図61を参照して、背景演出処理について説明する。背景演出処理は、サブ側において一定の周期で定期的に行われる割込処理である。
初めに、サブCPU81は、カウントを更新する(S221)。このカウントは、背景演出におけるフレーム数や時間(秒)を管理するカウンタである。続いて、サブCPU81は、次の背景データがセット済みであるか否かを判断する(S222)。
次の背景データがセットされていない場合には(NO)、サブCPU81は、続いて、次の背景が非共通の背景であるか否かを判断する(S223)。具体的には、サブCPU81は、次の背景の順序が、複数の背景データが規定された順序(本実施形態では、偶数順序)であるか否かを判断する。次の背景が非共通の背景である場合には(YES)、サブCPU81は、出玉モードや演出モードといった各種の遊技に関する情報に基づいて、複数の背景データの中から一の背景データを選択する(S224)。
続いて、サブCPU81は、次の背景データをセットする(S225)。具体的には、S223において、次の背景が非共通の背景ではない場合には(NO)、次の順序に対して規定された一の背景データを次の背景データとしてセットし、次の背景が非共通の背景である場合には(YES)、S224で選択した背景データを次の背景データとしてセットする。
続いて、サブCPU81は、S221で更新したカウントに基づいて、現在表示している背景データの終了タイミングであるか否かを判断する(S226)。現在表示している背景データの終了タイミングではない場合には(NO)、サブCPU81は、背景演出処理を終了する。他方、現在表示している背景データの終了タイミングである場合には(YES)、サブCPU81は、続いて、次の背景データに基づき背景を表示し(S227)、背景演出処理を終了する。この結果、現在表示している背景に続いて、ドット表示器100の左端から次の順序の背景データに応じた背景が現れることになる。
[パチスロ機の効果]
以上、本発明に係るパチスロ機1について説明した。このようなパチスロ機1によれば以下の効果が期待できる。
<ATの管理方法>
本発明に係るパチスロ機1では、複数の役のそれぞれに対しては、ATに関する様々な情報を対応付けて設定し、複数の役の中から内部当籤役が決定されると、内部当籤役として決定された役に対応付けて設定された情報に基づいてATの制御が行われる。すなわち、本発明に係るパチスロ機1では、内部当籤役が決定されるとその他の抽籤を行うことなく、ATの当否などのATに関する制御が行われる。そのため、本発明に係るパチスロ機1では、ATの制御に要する処理負荷を軽減することができるとともに、ATの制御のために用いる各種抽籤テーブルが不要になり、データ容量を抑えることができる。
また、本発明に係るパチスロ機1では、入賞と判定された際の役割が同一であり、かつ、ATに関する様々な情報との対応関係が異なる複数の役が内部当籤役として決定された場合の停止制御に関連性(完全同一又は類似)を持たせることとしている。例えば、これらの役に対して完全に同一の停止制御を行うことで、表示された図柄の組合せから、役に対応付けられたATに関する情報を推測不可能にすることができ、また、これらの役に対して類似する停止制御を行うことで、遊技者は停止制御に対して違和感を覚えることになり、役に対応付けられたATに関する情報を推測可能になる。これにより、ATの管理を簡易にしつつ、かつ、多様な遊技性を持った遊技機を実現することができる。
特に、入賞と判定された際の役割が同一である複数の役に対して、ATに関する複数の情報及び停止制御の複数のパターンを、様々に組み合わせて対応付けることで、ATに関する抽籤を何ら行わなくても、多様な遊技性を実現することができる。
<演出モードの管理>
また、本発明に係るパチスロ機1では、演出を決定するための演出モードを設定する際に、現在の出玉モードだけでなく当該現在の出玉モードに移行する前の出玉モードも参照して、演出モードを設定する。より具体的には、パチスロ機1では、現在の出玉モードへの移行が、ATへの移行期待度が高い出玉モードへの移行であった場合と、ATへの移行期待度が低い出玉モードへの移行であった場合とで、設定する演出モードを異ならせる。
これにより、パチスロ機1では、現在の出玉モードを示唆する演出を単に行うだけでなく、現在の出玉モードが移行前から有利になったか不利になったかを示唆する演出を行うことができるため、演出内容が単調になることなく、遊技性に富んだ演出が可能になる。また、遊技者にとってみても、今後の遊技の流れをより的確に推測することができるため、遊技に対する戦略性が増し、遊技の興趣の向上が期待できる。
<背景演出>
また、本発明に係るパチスロ機1では、複数の背景データを連続的に繋げることで一連の背景演出を実行する。このとき、パチスロ機1では、一つの順序に対して複数の背景データが規定されている場合、所定の抽籤に応じて一の背景データを決定し、背景演出に用いる。その結果、パチスロ機1では、本発明に係る遊技では、例えば、通常時と通常時以外の場合とで背景を変化させることができる。
この場合において、パチスロ機1では、背景データの切り替えをそれぞれの背景データに対して規定された期間(例えば、フレーム数や時間)に応じて切り替えるため、従来の遊技機のように突然に背景を切り替えることがない。すなわち、通常時とは異なる背景が表示される場合には、最初(ドット表示器100の左側)から通常時とは異なる背景が表示され、表示中の背景が突然に異なる背景に切り替わることがない。これにより、背景変化のタイミングを遊技者に把握しにくくすることができ、背景変化による違和感を適切なバランスで遊技者に対して与えることができる。その結果、本発明に係るパチスロ機1によれば、演出効果を損ねることなく背景を変化させることできる。
[変形例]
以上、本実施形態に係るパチスロ機1について説明したが、本発明はこれに限られるものではない。
上記実施形態のパチスロ機1では、AT(有利状態)の終了条件として、AT中に付与されたメダルの枚数を用いることとしている。ここで、AT中に付与されたメダルの枚数の計数方法は任意であり、例えば、同一の遊技において払い出されたメダルの枚数から遊技に用いたメダルの枚数を減算した純増枚数を用いることとしてもよい。また、AT中に付与されたメダルの枚数は、AT中に実際に増加したメダルに基づき算出することとしてもよく(実値による算出)、また、実際に増加したか否かに関わらず、ナビに従った場合に増加する予定のメダルの枚数に基づき算出することとしてもよい(理想値による算出)。また、内部当籤役の種別によって、有利状態中に付与されたメダルの枚数を増加しないこととしてもよい。例えば、内部当籤役として決定される確率が低い一部の役、あるいは、停止操作のタイミングに応じて図柄の組合せの表示/非表示が切り替わる役に関しては、当該役が内部当籤役として決定されたとしても、AT中に付与されたメダルの枚数の増減を行わないこととしてもよい。
また、AT(有利状態)の終了条件としては、AT中に付与されたメダルの枚数に限られるものではなく、AT中の単位遊技の回数、AT中に遊技者にとって有利な情報を報知する回数、所定ゲーム数(例えば50ゲーム)を1セットとする場合のセット数、1セットのATの継続率などの任意の終了条件を採用することができる。この場合においても、作動するATの終了条件を、複数の役に対応付けて設定しておくことで、抽籤を行うことなくATの終了条件を管理することができる。
また、AT(有利状態)中に行われる報知(ナビ)の内容も任意であり、遊技者にとって有利な図柄の組合せが表示される停止操作の順序(押し順)を報知することとしてもよく、当該図柄の組合せが表示されるために必要な停止操作のタイミング(狙うべき図柄)を報知することとしてもよい。
また、有利状態としては、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率は変化させることなく(又は遊技性に影響を与えない程度の範囲で変化させ)、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する、いわゆる「AT」を用いることとしてもよく、また、再遊技に係る内部当籤役の当籤確率が高くなる再遊技高確率状態(リプレイタイム)を作動するとともに、遊技者にとって有利な停止操作の態様を報知する、いわゆる「ART」を用いることとしてもよい。
また、上記実施形態又は上記各種変形例のパチスロ機1では、主制御基板71が決定した内部当籤役に応じて所定確率で決定される演出、すなわち、一の内部当籤役に対して一又は複数の演出を行うこととしている。この点、主制御基板71が決定した内部当籤役に一意に対応する表示(告知)を、当該演出と合わせて行うこととしてもよい。具体的には、決定した内部当籤役に一対一対応する表示を、所定の表示部などにおいて行うこととしてもよい。なお、この内部当籤役の表示は、主制御基板71の制御のもとに行うことが好ましい。このように主制御基板71で決定した内部当籤役を、主制御基板71自身が告知することで、公平性を担保した遊技機を提供することができる。
[付記1]
付記1のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特許文献(特開2010−057732号公報)に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など、遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、これまでAT機やART機では、主制御回路側(メイン側)で決定した内部当籤役に応じて副制御回路側(サブ側)でATを実行するか否かの抽籤を行うことが一般的であった。AT機(ART機)では、ATの作動の有無に応じてもメダルの払出率が異なることになるため、サブ側でAT抽籤を行う従来の遊技機では、メダルの払出率をメイン側だけでなくサブ側でも管理することになってしまっていた。
ここで、パチスロ機のような遊技機では、メダルの払出率を適切に管理することが求められているため、メダルの払出率をサブ側で管理することは好ましくなく、近年では、ATを実行するか否かの管理もメイン側で行うことが求められている。しかしながら、主制御回路は記憶手段(ROM)の容量が限られているため、ATの管理に対して限られた分しか割り当てることができない。一方で、容量を抑えATの管理を単調にしてしまったのでは、遊技が単調になってしまい遊技の興趣を損ねてしまう。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ATの管理を簡易にしつつも、遊技性を損ねることのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4L,4C,4R)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段において各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数の役のそれぞれに対応付けて、前記有利状態に移行させるか否かの当否に関する当否情報を設定する有利状態当否設定手段(例えば、AT当籤対応テーブル)と、前記内部当籤役決定手段により内部当籤役が決定されると、当該内部当籤役に応じた役に対応付けて前記有利状態当否設定手段が設定した当否情報が前記有利状態に移行させることを示す当籤情報である場合に、遊技状態を前記有利状態に移行させる有利状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記リール停止制御手段は、前記当否情報が異なる第1役及び第2役のいずれかが内部当籤役として決定された場合に、前記有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されるように、前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させる(例えば、完全に同一の停止制御を行う)ことを特徴とする。
このような遊技機では、複数の役のそれぞれには、有利状態への移行の当否に関する当否情報が設定されており、複数の役の中から内部当籤役が決定されると、内部当籤役として決定された役に対応付けて設定された当否情報に基づいて有利状態への移行を制御する。すなわち、本発明に係る遊技機では、内部当籤役の決定とともに有利状態への移行の当否が決定される。そのため、本発明に係る遊技機では、有利状態への移行に関して内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤を行う必要がなく、処理負荷を軽減することができるとともに、有利状態への移行抽籤のために用いる各種抽籤テーブルが不要になり、データ容量を抑えることができる。
ところで、役と有利状態の当否情報とを単に対応付けただけでは、停止制御の結果として表示された図柄の組合せから有利状態への移行に当籤するか否かを把握できてしまい、遊技が単調になってしまう。一方で、一つの役に対して所定確率で有利状態に当籤する制御とした場合には、内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤が必要になってしまい、制御負荷及びデータ容量が増加してしまう。この点、本発明に係る遊技機では、対応付けられた当否情報が異なる第1役及び第2役であっても、有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されるようにリールの停止制御が行われるため、遊技者は、表示された図柄の組合せから有利状態への移行に当籤するか否かを把握することができない。これにより、本発明に係る遊技機では、有利状態への移行当否の管理を簡易にしつつ、かつ、遊技性を損ねることがない。
[付記2]
付記2のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特許文献(特開2010−057732号公報)に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このようなAT機やART機では、高確率状態と低確率状態とを設け、ATを実行するか否かの抽籤に当籤し易い/当籤し難い状態を作り出し、遊技性を高めることとしている。ところで、これまでAT機やART機では、主制御回路側(メイン側)で決定した内部当籤役に応じて副制御回路側(サブ側)でATを実行するか否かの抽籤や当該抽籤に当籤し易い/当籤し難い状態の管理を行うことが一般的であった。AT機(ART機)では、ATの作動の有無に応じてもメダルの払出率が異なることになるため、サブ側でAT抽籤など行う従来の遊技機では、メダルの払出率をメイン側だけでなくサブ側でも管理することになってしまっていた。
ここで、パチスロ機のような遊技機では、メダルの払出率を適切に管理することが求められているため、メダルの払出率をサブ側で管理することは好ましくなく、近年では、ATを実行するか否かの管理もメイン側で行うことが求められている。しかしながら、主制御回路は記憶手段(ROM)の容量が限られているため、ATの管理に対して限られた分しか割り当てることができない。一方で、容量を抑えATの管理を単調にしてしまったのでは、遊技が単調になってしまい遊技の興趣を損ねてしまう。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ATの管理を簡易にしつつも、遊技性を損ねることのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4L,4C,4R)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段において各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数の役のそれぞれに対応付けて、前記有利状態への移行期待度が異なる複数のモード(例えば、出玉モード)のうちの現在のモードとして設定されている現モードから移行する移行先のモードを設定する移行先設定手段(例えば、モード移行テーブル)と、前記内部当籤役決定手段により内部当籤役が決定されると、当該内部当籤役に応じた役に対応付けて前記移行先設定手段が設定した移行先のモードを現モードとして設定するモード設定手段(例えば、主制御基板71)と、前記モード設定手段が設定した現モードに基づいて、遊技状態を前記有利状態に移行させる有利状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記リール停止制御手段は、移行先のモードが異なる第1役及び第2役のいずれかが内部当籤役として決定された場合に、前記有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されるように、前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させる(例えば、完全に同一の停止制御を行う)ことを特徴とする。
このような遊技機では、有利状態への移行期待度が異なる複数のモードを設け、複数の役のそれぞれに対して移行先のモードを設定する。そして、複数の役の中から内部当籤役が決定されると、内部当籤役として決定された役に対応付けて設定された移行先のモードを現モードとして設定する。すなわち、本発明に係る遊技機では、内部当籤役の決定とともに移行先のモードが決定される。そのため、本発明に係る遊技機では、モードの移行に関して内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤を行う必要がなく、処理負荷を軽減することができるとともに、モード移行抽籤のために用いる各種抽籤テーブルが不要になり、データ容量を抑えることができる。
ところで、役と移行先のモードとを単に対応付けただけでは、停止制御の結果として表示された図柄の組合せから移行先のモードを把握できてしまい、遊技が単調になってしまう。一方で、一つの役に対して所定確率で移行先のモードを決定する制御とした場合には、内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤が必要になってしまい、制御負荷及びデータ容量が増加してしまう。この点、本発明に係る遊技機では、対応付けられた移行先のモードが異なる第1役及び第2役であっても、有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されるようにリールの停止制御が行われるため、遊技者は、表示された図柄の組合せから移行先のモードを把握することができない。これにより、本発明に係る遊技機では、有利状態への移行期待度が異なるモードの移行に関して、管理を簡易にしつつ、かつ、遊技性を損ねることがない。
[付記3]
付記3のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特許文献(特開2010−057732号公報)に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
このようなAT機やART機では、高確率状態と低確率状態とを設け、ATを実行するか否かの抽籤に当籤し易い/当籤し難い状態を作り出し、遊技性を高めることとしている。ところで、これまでAT機やART機では、主制御回路側(メイン側)で決定した内部当籤役に応じて副制御回路側(サブ側)でATを実行するか否かの抽籤や当該抽籤に当籤し易い/当籤し難い状態の管理を行うことが一般的であった。AT機(ART機)では、ATの作動の有無に応じてもメダルの払出率が異なることになるため、サブ側でAT抽籤など行う従来の遊技機では、メダルの払出率をメイン側だけでなくサブ側でも管理することになってしまっていた。
ここで、パチスロ機のような遊技機では、メダルの払出率を適切に管理することが求められているため、メダルの払出率をサブ側で管理することは好ましくなく、近年では、ATを実行するか否かの管理もメイン側で行うことが求められている。しかしながら、主制御回路は記憶手段(ROM)の容量が限られているため、ATの管理に対して限られた分しか割り当てることができない。一方で、容量を抑えATの管理を単調にしてしまったのでは、遊技が単調になってしまい遊技の興趣を損ねてしまう。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ATの管理を簡易にしつつも、遊技性を損ねることのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4L,4C,4R)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段において各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、所定の条件に基づいて、前記有利状態への移行期待度が異なる複数のモード(例えば、出玉モード)間の移行に関する移行内容が異なる複数のモード移行状態(例えば、移行フラグのON/OFF)の中から一のモード移行状態を現在のモード移行状態として設定する移行状態設定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のモード移行状態毎に、前記複数の役のそれぞれに対応付けて、前記複数のモードのうちの現在のモードとして設定されている現モードから移行する移行先のモードを設定する移行先設定手段(例えば、モード移行テーブル)と、前記内部当籤役決定手段により内部当籤役が決定されると、前記移行状態設定手段が設定した現在のモード移行状態において当該内部当籤役に応じた役に対応付けて前記移行先設定手段が設定した移行先のモードを、現モードとして設定するモード設定手段(例えば、主制御基板71)と、前記モード設定手段が設定した現モードに基づいて、遊技状態を前記有利状態に移行させる有利状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記リール停止制御手段は、所定のモード移行状態において移行先のモードが異なる第1役及び第2役のいずれかが内部当籤役として決定された場合に、前記有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されるように、前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止可能である(例えば、完全に同一の停止制御を行う)ことを特徴とする。
このような遊技機では、有利状態への移行期待度が異なる複数のモード間の移行に関する移行内容が異なる複数のモード移行状態を設け、モード移行状態毎に、複数の役のそれぞれに対して移行先のモードを設定する。そして、複数の役の中から内部当籤役が決定されると、現在のモード移行状態において内部当籤役として決定された役に対応付けて設定された移行先のモードを現モードとして設定する。すなわち、本発明に係る遊技機では、内部当籤役の決定とともに移行先のモードが決定される。そのため、本発明に係る遊技機では、モードの移行に関して内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤を行う必要がなく、処理負荷を軽減することができるとともに、モード移行抽籤のために用いる各種抽籤テーブルが不要になり、データ容量を抑えることができる。
ところで、役と移行先のモードとを単に対応付けただけでは、停止制御の結果として表示された図柄の組合せから移行先のモードを把握できてしまい、遊技が単調になってしまう。一方で、一つの役に対して所定確率で移行先のモードを決定する制御とした場合には、内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤が必要になってしまい、制御負荷及びデータ容量が増加してしまう。この点、本発明に係る遊技機では、対応付けられた移行先のモードが異なる第1役及び第2役であっても、有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されるようにリールの停止制御が行われるため、遊技者は、表示された図柄の組合せから移行先のモードを把握することができない。これにより、本発明に係る遊技機では、有利状態への移行期待度が異なるモードの移行に関して、管理を簡易にしつつ、かつ、遊技性を損ねることがない。
[付記4]
付記4のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特許文献(特開2010−057732号公報)に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、これまでAT機やART機では、主制御回路側(メイン側)で決定した内部当籤役に応じて副制御回路側(サブ側)でATを実行するか否かの抽籤や、実行するATの終了条件(例えば、ゲーム数や差枚数など)の抽籤を行うことが一般的であった。AT機(ART機)では、ATの作動の有無に応じてもメダルの払出率が異なることになるため、サブ側でATに関する抽籤を行う従来の遊技機では、メダルの払出率をメイン側だけでなくサブ側でも管理することになってしまっていた。
ここで、パチスロ機のような遊技機では、メダルの払出率を適切に管理することが求められているため、メダルの払出率をサブ側で管理することは好ましくなく、近年では、ATに関する各種処理をメイン側で行うことが求められている。しかしながら、主制御回路は記憶手段(ROM)の容量が限られているため、ATの管理に対して限られた分しか割り当てることができない。一方で、容量を抑えATの管理を単調にしてしまったのでは、遊技が単調になってしまい遊技の興趣を損ねてしまう。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ATの管理を簡易にしつつも、遊技性を損ねることのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4L,4C,4R)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段において各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数の役のそれぞれに対応付けて、前記有利状態の継続する期間が異なる複数の終了条件のいずれかを設定する終了条件設定手段(例えば、ATランク決定テーブル)と、前記内部当籤役決定手段により内部当籤役が決定されると、当該内部当籤役に応じた役に対応付けて前記終了条件設定手段が設定した終了条件を、実行する有利状態の終了条件として決定する終了条件決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記終了条件決定手段が決定した終了条件に基づいて実行中の有利状態を終了させる有利状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記リール停止制御手段は、終了条件が異なる第1役及び第2役のいずれかが内部当籤役として決定された場合に、前記有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されるように、前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させる(例えば、完全に同一の停止制御を行う)ことを特徴とする。
このような遊技機では、複数の役のそれぞれには、有利状態の終了条件が設定されており、複数の役の中から内部当籤役が決定されると、内部当籤役として決定された役に対応付けて設定された終了条件が実行する有利状態の終了条件として決定される。すなわち、本発明に係る遊技機では、内部当籤役の決定とともに有利状態の終了条件が決定される。そのため、本発明に係る遊技機では、有利状態の終了条件に関して内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤を行う必要がなく、処理負荷を軽減することができるとともに、有利状態の終了条件を決定するための各種抽籤テーブルが不要になり、データ容量を抑えることができる。
ところで、役と有利状態の終了条件とを単に対応付けただけでは、停止制御の結果として表示された図柄の組合せから有利状態の終了条件を把握できてしまい、遊技が単調になってしまう。一方で、一つの役に対して所定確率で有利状態の終了条件を決定する制御とした場合には、内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤が必要になってしまい、制御負荷及びデータ容量が増加してしまう。この点、本発明に係る遊技機では、対応付けられた終了条件が異なる第1役及び第2役であっても、有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されるようにリールの停止制御が行われるため、遊技者は、表示された図柄の組合せから有利状態の終了条件を把握することができない。これにより、本発明に係る遊技機では、有利状態の終了条件の管理を簡易にしつつ、かつ、遊技性を損ねることがない。
[付記5]
付記5のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特許文献(特開2010−057732号公報)に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、これまでAT機やART機では、主制御回路側(メイン側)で決定した内部当籤役に応じて副制御回路側(サブ側)でATを実行するか否かの抽籤や、実行するATの終了条件(例えば、ゲーム数や差枚数など)の抽籤を行うことが一般的であった。AT機(ART機)では、ATの作動の有無に応じてもメダルの払出率が異なることになるため、サブ側でATに関する抽籤を行う従来の遊技機では、メダルの払出率をメイン側だけでなくサブ側でも管理することになってしまっていた。
ここで、パチスロ機のような遊技機では、メダルの払出率を適切に管理することが求められているため、メダルの払出率をサブ側で管理することは好ましくなく、近年では、ATに関する各種処理をメイン側で行うことが求められている。しかしながら、主制御回路は記憶手段(ROM)の容量が限られているため、ATの管理に対して限られた分しか割り当てることができない。一方で、容量を抑えATの管理を単調にしてしまったのでは、遊技が単調になってしまい遊技の興趣を損ねてしまう。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ATの管理を簡易にしつつも、遊技性を損ねることのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4L,4C,4R)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段において各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数の役のそれぞれに対応付けて、前記有利状態の終了条件を有利状態の継続期間が延びる終了条件に昇格させるか否かの当否に関する当否情報を設定する昇格当否設定手段(例えば、ATランクアップ決定テーブル)と、前記内部当籤役決定手段により内部当籤役が決定されると、当該内部当籤役に応じた役に対応付けて前記昇格当否設定手段が設定した当否情報が前記終了条件を昇格させることを示す当籤情報である場合に、現在の終了条件を当該現在の終了条件よりも有利状態の継続期間が延びる他の終了条件に昇格させる終了条件昇格手段(例えば、主制御基板71)と、設定されている終了条件に基づいて実行中の有利状態を終了させる有利状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記リール停止制御手段は、前記当否情報が異なる第1役及び第2役のいずれかが内部当籤役として決定された場合に、前記有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されるように、前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止可能である(例えば、完全に同一の停止制御を行う)ことを特徴とする。
このような遊技機では、複数の役のそれぞれには、有利状態の終了条件を有利状態の継続期間が延びる終了条件に昇格させるか否かの当否に関する当否情報が設定されており、複数の役の中から内部当籤役が決定されると、内部当籤役として決定された役に対応付けて設定された当否情報が終了条件を昇格させることを示す当籤情報である場合に、現在の終了条件を他の終了条件に昇格させる。すなわち、本発明に係る遊技機では、内部当籤役の決定とともに有利状態の終了条件を昇格させるか否かが決定される。そのため、本発明に係る遊技機では、有利状態の終了条件の昇格に関して内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤を行う必要がなく、処理負荷を軽減することができるとともに、有利状態の終了条件を昇格させるか否かを決定するための各種抽籤テーブルが不要になり、データ容量を抑えることができる。
ところで、役と終了条件の昇格の当否とを単に対応付けただけでは、停止制御の結果として表示された図柄の組合せから有利状態の終了条件が昇格するか否かを把握できてしまい、遊技が単調になってしまう。一方で、一つの役に対して所定確率で有利状態の終了条件を昇格させる制御とした場合には、内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤が必要になってしまい、制御負荷及びデータ容量が増加してしまう。この点、本発明に係る遊技機では、対応付けられた当否情報が異なる第1役及び第2役であっても、有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されるようにリールの停止制御が行われるため、遊技者は、表示された図柄の組合せから有利状態の終了条件が昇格するか否か把握することができない。これにより、本発明に係る遊技機では、有利状態の終了条件の管理を簡易にしつつ、かつ、遊技性を損ねることがない。
[付記6]
付記6のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特許文献(特開2010−057732号公報)に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、これまでAT機やART機では、主制御回路側(メイン側)で決定した内部当籤役に応じて副制御回路側(サブ側)でATを実行するか否かの抽籤や、実行するATの終了条件(例えば、ゲーム数や差枚数など)の抽籤を行うことが一般的であった。AT機(ART機)では、ATの作動の有無に応じてもメダルの払出率が異なることになるため、サブ側でATに関する抽籤を行う従来の遊技機では、メダルの払出率をメイン側だけでなくサブ側でも管理することになってしまっていた。
ここで、パチスロ機のような遊技機では、メダルの払出率を適切に管理することが求められているため、メダルの払出率をサブ側で管理することは好ましくなく、近年では、ATに関する各種処理をメイン側で行うことが求められている。しかしながら、主制御回路は記憶手段(ROM)の容量が限られているため、ATの管理に対して限られた分しか割り当てることができない。一方で、容量を抑えATの管理を単調にしてしまったのでは、遊技が単調になってしまい遊技の興趣を損ねてしまう。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、ATの管理を簡易にしつつも、遊技性を損ねることのない遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4L,4C,4R)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段において各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数の役のそれぞれに対応付けて、前記有利状態の終了条件を有利状態の継続期間が延びる終了条件に昇格させるか否かの当否に関する当否情報を設定する昇格当否設定手段(例えば、ATランクアップ決定テーブル)と、前記内部当籤役決定手段により内部当籤役が決定されると、当該内部当籤役に応じた役に対応付けて前記昇格当否設定手段が設定した当否情報が前記終了条件を昇格させることを示す当籤情報であり、現在の終了条件が所定の終了条件(例えば、BB4以外)である場合に、当該所定の終了条件よりも有利状態の継続期間が延びる他の終了条件に昇格させる終了条件昇格手段(例えば、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により内部当籤役が決定されると、当該内部当籤役に応じた役に対応付けて前記昇格当否設定手段が設定した当否情報が前記終了条件を昇格させることを示す当籤情報であり、現在の終了条件が前記終了条件昇格手段により前記所定の終了条件とは異なる特定の終了条件(例えば、BB4)まで昇格されている場合に、前記有利状態への移行期待度が異なる複数のモードのうち前記移行期待度が所定以上である高モード(例えば、連Aモード)を現モードとして設定するモード設定手段(例えば、主制御基板71)と、前記通常状態において、現モードとして設定されているモードに基づいて遊技状態を前記有利状態に移行させるとともに、前記有利状態において、設定されている終了条件に基づいて実行中の有利状態を終了させる有利状態制御手段(例えば、主制御基板71)と、を備え、前記リール停止制御手段は、前記当否情報が異なる第1役及び第2役のいずれかが内部当籤役として決定された場合に、前記有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されるように、前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止可能である(例えば、完全に同一の停止制御を行う)ことを特徴とする。
このような遊技機では、複数の役のそれぞれには、有利状態の終了条件を有利状態の継続期間が延びる終了条件に昇格させるか否かの当否に関する当否情報が設定されている。そして、当否情報が終了条件を昇格させることを示す当籤情報である役が内部当籤役として決定されると、現在の終了条件が所定の終了条件である場合には、現在の終了条件を他の終了条件に昇格させる。すなわち、本発明に係る遊技機では、内部当籤役の決定とともに有利状態の終了条件を昇格させるか否かが決定される。そのため、本発明に係る遊技機では、有利状態の終了条件の昇格に関して内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤を行う必要がなく、処理負荷を軽減することができるとともに、有利状態の終了条件を昇格させるか否かを決定するための各種抽籤テーブルが不要になり、データ容量を抑えることができる。
ところで、役と終了条件の昇格の当否とを単に対応付けただけでは、停止制御の結果として表示された図柄の組合せから有利状態の終了条件が昇格するか否かを把握できてしまい、遊技が単調になってしまう。一方で、一つの役に対して所定確率で有利状態の終了条件を昇格させる制御とした場合には、内部当籤役を決定するための抽籤以外の他の抽籤が必要になってしまい、制御負荷及びデータ容量が増加してしまう。この点、本発明に係る遊技機では、対応付けられた当否情報が異なる第1役及び第2役であっても、有効ライン上に同一の図柄の組合せが表示されるようにリールの停止制御が行われるため、遊技者は、表示された図柄の組合せから有利状態の終了条件が昇格するか否か把握することができない。これにより、本発明に係る遊技機では、有利状態の終了条件の管理を簡易にしつつ、かつ、遊技性を損ねることがない。
[付記7]
付記7のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
パチスロ機では、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
このような遊技機では、遊技効果を高めるために液晶ディスプレイやドット型の表示装置において様々演出を行うことが一般的に行われている。表示装置における演出の一具体例として、所定の背景により表現されるステージ上をキャラクタが進行する演出が知られており、このような演出では、内部当籤役として所定の役が決定されると通常とは異なる背景を表示する(例えば、内部当籤役としてリプレイが決定された場合にキャラクタが進行する道路上に「花」を咲かせるなど)。
また、特許文献(特開2012−75946号公報)には、複数回の遊技にわたり行われる連続演出(レース演出)において、背景として障害物を表示することで、演出の内容を異ならせる遊技機が開示されている。この遊技機では、例えば、レース演出の2ゲーム目には、障害物として船を表示する場合もあれば機雷を表示する場合もある。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
背景を変化させる演出は、通常、遊技者に対して違和感を与えるために行われる演出であり、例えば、背景の一部分のみを変化させることで行われる。遊技者にとってみれば、通常の背景とは異なる背景であったかもしれないという推測から、その後の遊技に対して興味を持つことになるものであり、演出効果の観点からは、遊技者が背景変化に気が付く/気が付かないのバランスを適切に調整して背景を切り替えることが求められる。
ところで、従来の遊技機では、ある遊技において遊技開始とともに通常の背景とは異なる背景に切り替わるといったように背景を突然に切り替えていた。このように背景を突然切り替える制御では、遊技者は背景変化に確実に気が付いてしまい、演出のバランスを欠いてしまう。
そこで、本発明は、演出効果を損ねることなく背景を変化させることが可能な遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、複数の遊技状態(例えば、出玉モードや演出モード)を有する遊技機であって、複数の背景データを連続的に繋げて構成される一連の背景演出を表示する表示装置(例えば、ドット表示器100)と、前記背景演出を構成する複数の背景データを記憶するとともに、前記背景演出の所定順序における背景データとしてそれぞれ異なる複数の所定背景データを記憶する記憶手段(例えば、背景テーブル)と、前記背景演出を構成する複数の背景データの順序に基づいて、前記記憶手段に記憶される背景データの中から前記表示装置に表示する背景データを決定するとともに、背景データのそれぞれに対して規定された期間に応じて前記背景演出に用いる背景データを切り替える演出決定手段(例えば、副制御基板72)と、前記演出決定手段が決定した背景データに基づいて前記表示装置に前記背景演出を表示させる表示制御手段(例えば、副制御基板72)と、を備え、前記演出決定手段は、前記所定順序の背景データを決定する場合には、複数の遊技状態のうちの現在の遊技状態の種別に基づいて、前記複数の所定背景データの中から一の所定背景データを決定するとともに、遊技の進行に伴い遊技状態が前記一の所定背景データを決定した時点の遊技状態とは異なる遊技状態になったとしても、当該一の所定背景データに規定された期間中は、前記背景演出に用いる背景データを前記複数の所定背景データの中の他の所定背景データに切り替えることなく当該一の所定背景データのまま維持することを特徴とする。
このような遊技機では、複数の背景データを連続的に繋げることで一連の背景演出を実行する。このとき、本発明に係る遊技機では、背景演出の所定順序における背景データとしてそれぞれ異なる複数の所定背景データを有し、現在の遊技状態に応じてこれら複数の所定背景データの中から決定した一の所定背景データを表示装置に表示する。これにより、本発明に係る遊技では、例えば、通常時と通常時以外の場合とで背景を変化させる背景演出を実行することができる。
ここで、本発明に係る遊技では、背景データの切り替えをそれぞれの背景データに対して規定された期間(例えば、フレーム数や時間)に応じて切り替える。そのため、背景を変化させた後に遊技状態が変わったとしても、一度セットした背景データは、当該背景データに対して規定された期間維持し、他の背景データに切り替わることがない。これにより、従来の遊技機のように遊技の進行(例えば、リール回転開始時やリール停止時など)に合わせて突然に背景を切り替えることがなく、背景変化のタイミングを遊技者に把握しにくくすることができ、背景変化による違和感を適切なバランスで遊技者に対して与えることができる。その結果、本発明に係る遊技機によれば、演出効果を損ねることなく背景を変化させることできる。
[付記8]
付記8のパチスロ機1は以下の通りである。
[背景技術]
従来、遊技者により、メダルやコインなどの遊技媒体が投入(以下、「投入操作」という。)され、スタートレバーが操作(以下、「開始操作」という。)されると、複数の図柄がそれぞれの表面に配された複数のリールの回転が開始し、ストップボタンが操作(以下、「停止操作」という。)されると、複数のリールの回転が停止し、その結果表示された図柄の組合せに応じて特典が付与される、いわゆるパチスロ機と称される遊技機が知られている。
このような遊技機においては、開始操作をスタートスイッチにより検出すると、乱数値を抽出して抽籤を行う(以下、この抽籤の結果を「内部当籤役」という。)とともに、ステッピングモータを駆動制御して複数のリールの回転を開始させる制御を行い、停止操作をストップスイッチにより検出すると、ステッピングモータを駆動制御し、内部当籤役に基づいて複数のリールの回転を停止させる制御を行う。
また、特許文献(特開2010−057732号公報)に示すように、近年、内部当籤役に決定された役を取りこぼすことがないように、内部当籤役を成立させるための情報など遊技者にとって有利な情報を、遊技者に対して報知する遊技機が知られている。なお、このように遊技者が有利となるような情報を報知することを、一般にナビする(ナビを行う)などといい、ナビが行われる期間をAT(assist time)といい、AT機能を備える遊技機をAT機やART機と呼ぶ。
このようなAT機やART機では、ATの期待度が異なる複数の状態(例えば、低確率状態、通常確率状態、高確率状態など)を設け、これら複数の状態を制御することで、ATに移行しやすい状況や移行しにくい状況などを作り出し、多様な遊技性を実現している。そして、AT機(ART機)では、現在の状態に基づいて演出を制御することで、遊技者に対して現在の状態を推測可能にしている。遊技者にとってみれば、現在の状態がATに移行し易い状態であることを推測できた場合には、その後、期待を持って遊技を行うことができるため、好適である。
[発明の概要]
[発明が解決しようとする課題]
ところで、従来の演出の制御方法では、現在の状態にのみ着目して演出を制御していたため、演出内容が単調になってしまうおそれがあった。例えば、同一の状態であっても、現在の状態が不利な状態から移行(昇格)した場合と、現在の状態が有利な状態から移行(降格)した場合とでは、その後の遊技の流れが異なることもあるため、遊技者にとってみれば、単に現在の状態を推測可能にするだけでなく、状態がどのように移行したか望む。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、演出内容を単調にすることなく遊技性に富んだ遊技機を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段]
本発明に係る遊技機は、遊技を行う状態として、通常状態(例えば、一般遊技状態)と前記通常状態に比べて遊技者にとって有利な有利状態(例えば、AT遊技状態)とを有する遊技機であって、複数の図柄が表示された複数のリール(例えば、リール3L,3C,3R)と、前記リールに表示された複数の図柄の一部を表示する図柄表示手段(例えば、表示窓4L,4C,4R)と、遊技者による開始操作を検出する開始操作検出手段(例えば、スタートスイッチ6S、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、前記リールを回転させることにより前記図柄を変動させる図柄変動手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記開始操作検出手段による開始操作の検出に基づき、複数の役の中から所定の確率で内部当籤役を決定する内部当籤役決定手段(例えば、主制御基板71)と、前記複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出する停止操作検出手段(例えば、ストップスイッチ7S、主制御基板71)と、前記内部当籤役決定手段により決定された内部当籤役と前記停止操作検出手段により停止操作が検出されたタイミングとに基づいて、前記リールの回転を停止させることにより前記図柄表示手段に表示されている図柄の変動を停止させるリール停止制御手段(例えば、モータ駆動回路39、主制御基板71)と、前記リール停止制御手段により前記図柄の変動が停止されたときに、前記図柄表示手段において各リールの一つの図柄を表示する単位図柄表示領域を夫々結ぶことにより形成される有効ライン上に停止した図柄の組合せに基づいて、前記内部当籤役決定手段が決定した内部当籤役が入賞したか否かを判定する入賞判定手段(例えば、主制御基板71)と、所定の条件に基づいて、前記有利状態への移行期待度が異なる複数の出玉モードの中から現出玉モードを設定する出玉モード制御手段(例えば、主制御基板71)と、前記出玉モード制御手段が設定した現出玉モードに基づいて、演出を決定する確率が異なる複数の演出モードの中から現演出モードを設定する演出モード制御手段(例えば、副制御基板72)と、前記演出モード制御手段が設定した現演出モードに応じた確率で実行する演出を決定するとともに、決定した当該演出を実行する演出制御手段(例えば、副制御基板72)と、を備え、前記演出モード制御手段は、前記出玉モード制御手段が前記現出玉モードを設定する前の移行前出玉モードが、前記有利状態への移行期待度が現出玉モードよりも低い第1出玉モードである場合と、前記有利状態への移行期待度が現出玉モードよりも高い第2出玉モードである場合と、で異なる演出モードを現演出モードとして設定することを特徴とする。
このような遊技機では、演出の内容を決定する演出モードは、有利状態への移行期待度が異なる複数の出玉モードのうちの現在の出玉モードとして設定されている現出玉モードに基づいて設定される。その結果、本発明に係る遊技機では、現在の出玉モードに応じた演出が行われることになる。このとき、本発明に係る遊技機では、現在の現出玉モードに移行する前の移行前出玉モードが、現出玉モードよりも有利状態の移行期待度が低い第1出玉モードである場合と、現出玉モードよりも有利状態の移行期待度が高い第2出玉モードである場合とで異なる演出モードが設定される。すなわち、本発明に係る遊技機では、現出玉モードが同一の出玉モードであっても、現出玉モードが移行前出玉モードから昇格した場合と降格した場合とで異なる演出モードが設定される。これにより、遊技機において実行される演出は、単に現在の出玉モードを示唆するだけでなく、現在の出玉モードが移行前から有利になったか不利になったかを示唆する演出になるため、演出内容が単調になることなく、遊技性に富んだ演出が可能になる。また、遊技者にとってみても、今後の遊技の流れをより的確に推測することができるため、遊技に対する戦略性が増し、遊技の興趣の向上が期待できる。