JP6904371B2 - Pt−Lnナノ粒子、並びに、Pt−Lnナノ粒子複合体及びその製造方法 - Google Patents

Pt−Lnナノ粒子、並びに、Pt−Lnナノ粒子複合体及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、Pt−Lnナノ粒子、並びに、Pt−Lnナノ粒子複合体及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、Ptとランタノイド元素(Ln)とを含むPt−Ln相を備えたPt−Lnナノ粒子、並びに、このようなPt−Lnナノ粒子がカーボン担体表面に担持されたPt−Lnナノ粒子複合体及びその製造方法に関する。
固体高分子形燃料電池は、電解質膜の両面に触媒を含む電極(触媒層及びガス拡散層)が接合された膜電極接合体(Membrane Electrode Assembly,MEA)を備えている。MEAの両面には、さらに、ガス流路を備えた集電体(セパレータ)が配置される。固体高分子形燃料電池は、通常、このようなMEAと集電体からなる単セルが複数個積層された構造(燃料電池スタック)を備えている。
固体高分子形燃料電池の電極触媒には、Pt触媒、Pt合金触媒、カーボンアロイ触媒、酸化物触媒などが用いられている。これらの内、ある種のPt合金触媒は、純Pt触媒よりも高い性能が得られ、高価なPtの使用量を低減できると言われている。そのため、このようなPt合金触媒に関し、従来から種々の提案がなされている。
例えば、非特許文献1には、ナノ粒子の合成技術に関するものではないが、Pt−Ln(Lnはランタノイド元素)バルク体の酸素還元反応(ORR)に対する触媒活性がPtバルク体のそれの数倍に向上することが報告されている。これは、表層に形成されたPt薄層が、下地のPt−Lnとの格子不整合から歪を受けることに起因していると考えられる。つまり、歪によりPt表面への触媒活性種の吸着力が適度に調整され、反応中間体が活性化されるためと考えられている。
非特許文献2には、Pt粒子を担持したCeO2粉末を900℃の水素気流中で加熱することにより得られるPt/CeO2触媒が開示されている。同文献には、ごく一部のPt粒子がCeO2表面と反応し、CeO2担体上にごく微量のPt5Ce粒子が生成することが記載されている。
非特許文献3には、Pt−Gdのバルク体ターゲットの表面に超高真空下で電子線をあて、PtとGdを蒸発させたのちに基板上に析出させ、Pt−Gdナノ粒子を形成させる方法が開示されている。
さらに、非特許文献4には、PtCl4とLuCl3を金属源として、それらをNaEt3BHやKEt3BHの溶融塩中で反応させる方法が開示されている。同文献には、
(a)NaEt3BHやKEt3BHが還元剤及び反応媒体として作用し、副成生物であるNaClやKClがナノ粒子の焼結を抑制する点、並びに、
(b)このような方法により、Pt3Luナノ粒子を合成することができる点
が記載されている。
非特許文献2に記載のPt/CeO2触媒は、絶縁体のCeO2が主成分であるため、これを燃料電池の酸素極に必要な酸素還元触媒として利用するのは難しい。
非特許文献3に記載の方法において、ターゲットはPt−Gdの化合物であるが、電子線の照射によりPt、Gdが別々に飛散した後に集合してナノ粒子として析出する。このため、非特許文献3に記載のナノ粒子は、Pt−Gdの化合物相ではなく、Ptナノ粒子とGdナノ粒子がランダムに混じり合った混合物となりやすい。
さらに、非特許文献4に記載のPt3Lu粒子は、650℃の溶融塩中で合成されているため、粗大な粒子や凝集体の混在が避けられない。
M. Maria Escudero-Escribano, et al., Science 2016, 352, 6281 S. Bernal et al., J. Catal. 169, 510-515(1997) A. Velazquez-Palenzuela, et al., J. Catal. 328, 297(2015) Jacob S. Kanady, et al., J. Am. Chem. Soc. 2017, 139, 5672-5675
本発明が解決しようとする課題は、Pt−Ln相を含み、かつ、粗大な粒子や凝集体の少ない新規なPt−Lnナノ粒子を提供することにある。
また、本発明が解決しようとする他の課題は、このようなPt−Lnナノ粒子がカーボン担体表面に担持されたPt−Lnナノ粒子複合体及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために本発明に係るPt−Lnナノ粒子は、
Ptと、ランタノイド元素(Ln)とを含むPt−Ln相を備え、
Pt/Ln比(モル比)が1.80以上14.0以下であり、
平均粒径が20nm以下である
ことを要旨とする。
本発明に係るPt−Lnナノ粒子複合体は、
カーボン担体と、
前記カーボン担体表面に担持された、本発明に係るPt−Lnナノ粒子と
を備えていることを要旨とする。
さらに、本発明に係るPt−Lnナノ粒子複合体の製造方法は、
カーボン担体表面にPtナノ粒子が担持されたPt担持カーボンをLnCl3(Lnは、ランタノイド元素)水溶液に分散させ、分散液を得る第1工程と、
前記分散液を蒸発乾固させ、前記Pt担持カーボンとLn化合物との混合物を得る第2工程と、
前記混合物を水素雰囲気下で加熱し、水素還元体を得る第3工程と、
前記水素還元体を洗浄し、LnxyClz相を除去する第4工程と
を備えていることを要旨とする。
ランタノイド元素は極めて酸化しやすく、酸化すると還元はほぼ不可能と一般的に考えられている。そのため、酸素や水を含む反応系でランタノイド元素を含む合金のナノ粒子は合成できないとされていた。
これに対し、Ptナノ粒子とLn化合物との混合物を水素雰囲気下で加熱し、得られた水素還元体を洗浄すると、Pt−Ln相を備えたPt−Lnナノ粒子が得られる。この方法は、有機溶媒を使用せず、水溶液及び大気中を経由した簡便な手法である。また、この方法により得られたPt−Lnナノ粒子は、粗大な粒子や凝集体が少ない。
さらに、出発原料としてPt担持カーボンを用いると、カーボン担体表面にPt−Lnナノ粒子が担持された複合体が得られる。得られた複合体は、燃料電池の酸素極触媒として必要な高い酸素還元反応(ORR)活性と高い導電性とを併せ持つ。
Pt−Lnナノ粒子複合体の合成手順のフロー図である。 電気化学評価の手順のフロー図である。 実施例1で用いた原料、焼成後の水素還元体、及び洗浄後のPt−Ceナノ粒子複合体の粉末XRDパターンである。 実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子複合体のFE−SEM像(左上図:低倍率二次電子像、左下図:高倍率二次電子像、右上図:低倍率反射電子像、右下図:高倍率反射電子像)である。
実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子複合体のFE−SEM像(図5(A):二次電子像、図5(B):反射電子像)である。 図6(A)〜図6(C)は、それぞれ、図5に示すarea1〜3で測定されたEDXスペクトル(左図:0〜3keV、右図:3〜6keV)である。 図7(A)〜図7(C)は、それぞれ、図5に示すarea4〜6で測定されたEDXスペクトル(左図:0〜3keV、右図:3〜6keV)である。 実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子複合体のTEM像(図8(A):低倍率像、図8(B):高倍率像)である。 図9(A)は、図8に示すarea1又は2で測定されたTEM−EDSスペクトルである。図9(B)は、図8に示すarea3で測定されたTEM−EDSスペクトルである。
図10(A)は、図8に示すarea4〜7で測定されたTEM−EDSスペクトルである。図10(B)は、図8に示すarea8〜11で測定されたTEM−EDSスペクトルである。 図11(A)は、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子のDF−STEM像である。図11(B)は、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子のBF−STEM像である。
図12(A)は、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子のEDSスペクトルである。図12(B)は、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子のFFTパターンである。 図11のSTEM像に対応する結晶構造の模式図とシミュレーション像である。 図14(A)は、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子のDF−STEM像である。図14(B)は、図14(A)のSTEM像に対応する結晶構造の模式図とシミュレーション像である。
図14(A)に示すarea1又は2で測定されたEDSスペクトルである。 実施例2で用いた原料、焼成後の水素還元体、及び洗浄後のPt−Laナノ粒子複合体の粉末XRDパターンである。 実施例2で得られたPt−Laナノ粒子複合体の二次電子像(図17(A))及び反射電子像(図17(B))である。 実施例3で用いた原料、焼成後の水素還元体、及び洗浄後のPt−Smナノ粒子複合体の粉末XRDパターンである。
実施例3で得られたPt−Smナノ粒子複合体の二次電子像(図19(A))及び反射電子像(図19(B))である。 実施例4で用いた原料、焼成後の水素還元体、及び洗浄後のPt−Gdナノ粒子複合体の粉末XRDパターンである。 実施例4で得られたPt−Gdナノ粒子複合体の二次電子像(図21(A))及び反射電子像(図21(B))である。 実施例5で用いた原料、焼成後の水素還元体、及び洗浄後のPt−Tbナノ粒子複合体の粉末XRDパターンである。
実施例5で得られたPt−Tbナノ粒子複合体の二次電子像(図23(A))及び反射電子像(図23(B))である。 実施例6で用いた原料、焼成後の水素還元体、及び洗浄後のPt−Dyナノ粒子複合体の粉末XRDパターンである。 実施例6で得られたPt−Dyナノ粒子複合体の二次電子像(図25(A))及び反射電子像(図25(B))である。 実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子複合体のリニアスイープボルタモグラムである。
以下、本発明の一実施の形態について詳細に説明する。
[1. Pt−Lnナノ粒子]
本発明に係るPt−Lnナノ粒子は、
Ptと、ランタノイド元素(Ln)とを含むPt−Ln相を備え、
Pt/Ln比(モル比)が1.80以上14.0以下であり、
平均粒径が20nm以下である。
[1.1. Pt−Ln相]
本発明において、「Pt−Ln相」とは、Ptとランタノイド元素(Ln)の固溶体、又は、PtとLnからなる金属間化合物をいう。Pt−Lnナノ粒子は、いずれか1種のPt−Ln相を備えているものでも良く、あるいは、2種以上のPt−Ln相を備えているものでも良い。
また、個々のPt−Lnナノ粒子は、全体が同一組成のPt−Ln相からなるものでも良く、あるいは、中心部と表層部でLn濃度が異なっているものでも良い。この点については、後述する。
金属間化合物系のPt−Ln相としては、具体的には、以下のようなものがある。
(a)Pt5La、Pt2La、Pt4La3、PtLaなどのPt−La相。
(b)Pt5Ce、Pt2Ce、Pt4Ce3、PtCeなどのPt−Ce相。
(c)Pt5Pr、Pt2Pr、Pt4Pr3、PtPrなどのPt−Pr相。
(d)Pt5Nd、Pt2Nd、Pt4Nd3、PtNdなどのPt−Nd相。
(e)Pt5Sm、Pt2Sm、Pt4Sm3、PtSmなどのPt−Sm相。
(f)Pt5Eu、Pt2EuなどのPt−Eu相。
(g)Pt5Gd、Pt2Gd、Pt4Gd3、PtGdなどのPt−Gd相。
(h)Pt5Tb、Pt3Tb、Pt2Tb、Pt4Tb3、PtTbなどのPt−Tb相。
(i)Pt5Dy、Pt3Dy、Pt2Dy、Pt4Dy3、PtDyなどのPt−Dy相。
(j)Pt5Ho、Pt3Ho、Pt2Ho、Pt4Ho3、PtHoなどのPt−Ho相。
(k)Pt5Er、Pt3Er、Pt2Er、Pt4Er3、PtErなどのPt−Er相。
(l)Pt5Tm、Pt3Tm、Pt2Tm、Pt4Tm3、PtTmなどのPt−Tm相。
(m)Pt3Yb、Pt2Yb、Pt4Yb3、PtYbなどのPt−Yb相。
(n)Pt3Lu、Pt4Lu3、PtLuなどのPt−Lu相。
[1.2. Pt/Ln比]
本発明において、「Pt/Ln比(モル比)」とは、Pt−Lnナノ粒子に含まれるLnのモル数に対するPtのモル数の比をいう。
合成されたPt/Lnナノ粒子は、
(a)単一のPt−Ln相のみからなる場合、
(b)2種以上のPt−Ln相の混合物からなる場合、
(c)Pt−Ln相とPt相の混合物からなる場合、
(d)Ln濃度の高いPt−Ln相からなるコアの表面がLn濃度の低いPt−Ln相(Pt相を含む)からなるシェルで被覆されている場合
などがある。
そのため、Pt/Ln比は、仕込み組成や合成条件が同一であっても、個々の粒子毎に組成が異なっている場合がある。後述する方法を用いると、Pt−Lnナノ粒子のPt/Ln比は、1.80以上14.0以下の範囲内となる。
[1.3. 平均粒径]
本発明において、「平均粒径」とは、複数個(好ましくは、100個以上)のPt−Lnナノ粒子について顕微鏡観察により測定された最大寸法(粒子に外接する最小の外接円の直径)の平均値をいう。
電極反応は、触媒粒子の表面において起こり、中心部の材料は電極反応にほとんど寄与しない。そのため、Pt−Lnナノ粒子の平均粒径が小さくなるほど、高価なPtの使用量を減らすことができる。後述する方法を用いてPt−Lnナノ粒子を合成すると、Pt−Lnナノ粒子の平均粒径は、20nm以下となる。製造条件をさらに最適化すると、Pt−Lnナノ粒子の平均粒径は、10nm以下となる。
[1.4. 不純物量]
Pt−Lnナノ粒子は、次の式(1)の関係を満たしているのが好ましい。
I/I0≦0.05 …(1)
但し、
Iは、前記Pt−Lnナノ粒子に含まれるLnxyClz相のXRD最強線ピーク強度、
0は、前記Pt−Lnナノ粒子に含まれる前記Pt−Ln相のXRD最強線ピーク強度。
後述するように、Pt−Lnナノ粒子は、Ptナノ粒子とLn化合物との混合物を水素雰囲気下で加熱し、水素還元体を洗浄することにより得られる。そのため、Pt−Lnナノ粒子は、出発原料又は反応副成生物に由来する不純物が含まれる場合がある。
不純物としては、
(a)Lnの塩化物若しくはその水和物(LnCl3・nH2O)、
(b)Lnの酸化物(Ln23)、
(c)Lnのオキシ酸化物(LnOCl)
などがある。本発明においては、これらを総称して「LnxyClz相」ともいう。
これらの不純物は、酸素還元反応に寄与しないので、少ないほどよい。具体的には、Pt−Lnナノ粒子は、式(1)で表されるI/I0比が0.05以下であるものが好ましい。I/I0比は、好ましくは、0.03以下、さらに好ましくは、0.01以下である。
[1.5. コア/シェル構造]
「コア/シェル構造」とは、中心部(コア)のLn濃度が表層部(シェル)のLn濃度とは異なっている構造をいう。
「表層部」とは、表面からPt原子5個分の深さ程度までの部分をいう。
上述したように、Pt−Lnナノ粒子は、Ptナノ粒子とLn化合物との混合物を水素雰囲気下で加熱し、水素還元体を洗浄することにより得られる。そのため、洗浄時に表層部からLnが溶出し、表層部のLn濃度が中心部のLn濃度より低くなっている場合がある。さらに、表層部が実質的にPtのみからなる場合もある。
表層部のLn濃度が中心部より低いPt−Lnナノ粒子は、純Ptからなるナノ粒子に比べて、ORR活性が高くなる場合がある。
[2. Pt−Lnナノ粒子複合体]
本発明に係るPt−Lnナノ粒子複合体は、
カーボン担体と、
前記カーボン担体表面に担持された、本発明に係るPt−Lnナノ粒子と
を備えている。
[2.1. カーボン担体]
カーボン担体の材料は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な材料を用いることができる。カーボン担体としては、例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、グラフェン、活性炭、メソポーラスカーボンなどがある。
[2.2. Pt−Lnナノ粒子]
カーボン担体表面には、Pt−Lnナノ粒子が担持される。Pt−Lnナノ粒子の詳細については、上述した通りであるので、説明を省略する。
[2.3. Pt−Lnナノ粒子の担持量]
Pt−Lnナノ粒子の担持量は、特に限定されるものではなく、目的に応じて最適な担持量を選択することができる。一般に、Pt−Lnナノ粒子の担持量が少なすぎると、ORR活性が低下する。従って、Pt−Lnナノ粒子の担持量は、10wt%以上が好ましい。担持量は、好ましくは、20wt%以上、さらに好ましくは、25wt%以上である。
一方、Pt−Lnナノ粒子の担持量を必要以上に多くしても、効果に差がなく、実益がない。従って、Pt−Lnナノ粒子の担持量は、30wt%以下が好ましい。
[3. Pt−Lnナノ粒子複合体の製造方法]
本発明に係るPt−Lnナノ粒子複合体の製造方法は、
カーボン担体表面にPtナノ粒子が担持されたPt担持カーボンをLnCl3(Lnは、ランタノイド元素)水溶液に分散させ、分散液を得る第1工程と、
前記分散液を蒸発乾固させ、前記Pt担持カーボンとLn化合物との混合物を得る第2工程と、
前記混合物を水素雰囲気下で加熱し、水素還元体を得る第3工程と、
前記水素還元体を洗浄し、LnxyClz相を除去する第4工程と
を備えている。
[3.1. 第1工程]
まず、カーボン担体表面にPtナノ粒子が担持されたPt担持カーボンをLnCl3(Lnは、ランタノイド元素)水溶液に分散させ、分散液を得る(第1工程)。
水溶液中のLnCl3濃度は、均一な分散液が得られる限りにおいて、特に限定されない。また、Pt担持カーボンの添加量は、目的とする組成に応じて、最適な添加量を選択するのが好ましい。
[3.2. 第2工程]
次に、前記分散液を蒸発乾固させ、前記Pt担持カーボンとLn化合物(酸素及びClを含むLn化合物)との混合物を得る(第2工程)。
蒸発乾固の条件は、均一な混合物が得られる限りにおいて、特に限定されない。
[3.3. 第3工程]
次に、前記混合物を水素雰囲気下で加熱し、水素還元体を得る(第3工程)。
加熱温度が低すぎると、現実的な時間内に反応が完了しない。従って、加熱温度は、800℃以上が好ましい。
一方、加熱温度が高すぎると、Pt−Lnナノ粒子が粗大化する。従って、加熱温度は、1100℃以下が好ましい。
加熱時間は、加熱温度に応じて最適な時間を選択する。一般に、加熱温度が高くなるほど、短時間で反応を終了させることができる。
[3.4. 第4工程]
次に、前記水素還元体を洗浄し、LnxyClz相を除去する(第4工程)。これにより、本発明に係るPt−Lnナノ粒子複合体が得られる。
洗浄用の溶媒は、LnxyClz相を除去することが可能なものである限りにおいて、特に限定されない。洗浄用の溶媒としては、例えば、硝酸水溶液、硫酸水溶液などがある。
さらに、Pt−Lnナノ粒子複合体からカーボン担体を除去すると、Pt−Lnナノ粒子を単離することができる。
[4. 作用]
ランタノイド元素は極めて酸化しやすく、酸化すると還元はほぼ不可能と一般的に考えられている。そのため、酸素や水を含む反応系でランタノイド元素を含む合金のナノ粒子は合成できないとされていた。
これに対し、Ptナノ粒子とLn化合物との混合物を水素雰囲気下で加熱し、得られた水素還元体を洗浄すると、Pt−Ln相を備えたPt−Lnナノ粒子が得られる。この方法は、有機溶媒を使用せず、水溶液及び大気中を経由した簡便な手法である。また、この方法により得られたPt−Lnナノ粒子は、粗大な粒子や凝集体が少ない。
さらに、出発原料としてPt担持カーボンを用いると、カーボン担体表面にPt−Lnナノ粒子が担持された複合体が得られる。得られた複合体は、燃料電池の酸素極触媒として必要な高い酸素還元反応(ORR)活性と高い導電性とを併せ持つ。
本発明に係る方法によりPt−Lnナノ粒子が得られる理由の詳細は不明であるが、反応過程でLnxyClzなどの中間体が生成し、この中間体が特異的にPtとの反応性が高い物質であるために、Pt−Ln相が生成する可能性があると考えられる。
(実施例1〜6)
[1. 試料の作製]
図1に、Pt−Lnナノ粒子複合体の合成手順のフロー図を示す。表1に、合成条件を示す。まず、LnCl3(Ln=Ce、La、Sm、Gd、Tb、Dy)を水に溶解し、水溶液を得た。この水溶液に200mgのPt/C触媒を加え、分散液を得た。分散液中の仕込み組成は、Ln:Pt=1:1とした。また、Pt/C触媒には、Pt/バルカン(登録商標)(田中貴金属工業(株)製、TEC0V30E、Ptの担持量30wt%)を用いた。
次に、エバポレータを用いて、70℃で分散液を蒸発乾固させた。得られた粉末約50mgをH2/Ar気流中で焼成し、水素還元体を得た。H2濃度は4vol%、焼成条件は850℃×2hとした。得られた水素還元体を1M硝酸水溶液で洗浄した。さらに、粉末を水洗し、80℃で真空乾燥させ、Pt−Lnナノ粒子複合体を得た。
Figure 0006904371
[2. 試験方法]
[2.1. 粉末XRD]
Pt−Lnナノ粒子複合体について、粉末XRDXパターンを測定した。
[2.2. SEM観察、TEM観察、及び組成分析]
Pt−Lnナノ粒子複合体のSEM観察及びTEM観察を行った。また、エネルギー分散型X線分光法(EDX、EDS)を用いてPt−Lnナノ粒子の組成分析を行った。
[2.3. 電気化学評価]
図2に、電気化学評価の手順のフロー図を示す。まず、アイオノマ溶液に合成した粉末を分散させ、インクを作製した。アイオノマ溶液には、水/2−プロパノール混合溶媒中にナフィオン(登録商標)を溶解させたものを用いた。次いで、グラッシーカーボン電極上に、Pt重量として約1μgとなるようにインクを載せ、室温で乾燥させた。
次に、前処理として、0.05〜1.2V、Arsat.、CV走査速度:10mV/sの条件下でサイクリックボルタンメトリーを行った。さらに、本測定として、0.05〜1.0V、O2sat.、正方向走引速度:10mV/s、回転数:1600rpmの条件下でリニアスイープボルタンメトリーを行った。
[3. 結果]
[3.1. 生成物の性状の概要]
表2に、同定された生成物の性状を示す。生成物の性状は、XRDで同定された相と、FE−SEM、TEMでの組成分析で得られた値の双方から見積もった。
焼成後・洗浄前の試料(水素還元体)のXRDパターンでは、Lnのオキシ塩化物や酸化物に帰属されるXRDピークが観測された。洗浄後の試料(Pt−Lnナノ粒子複合体)は、これらのピークが消失し、PtとLnの化合物に帰属されるXRDピークのみとなった。
試料に含まれている粒子の組成は、XRDで同定された結晶相、及び、FE−SEM、TEMでの組成分析から、表2に示すように、Pt/Ln比(モル比)がおよそ1.80以上14.0以下の範囲にあると考えられた。これらの粒子の粒径は、いずれも20nm以下であった。
実施例1のTEM観察において、コア部がPt5Ceであり、シェル部がPtであると考えられるナノ粒子が確認された。Lnの性質は互いに類似しているため、他の組成のPt−Lnナノ粒子についても、同様の微構造が得られると考えられる。
以上のように、本発明に係る方法によれば、20nm以下の離散したPt−Lnナノ粒子、及び、それらが導電性担体表面に担持された複合体を簡便に合成することができることが分かった。また、合成・洗浄した段階で、Ptシェル/Pt−Lnコアの構造が得られていることが分かった。
Figure 0006904371
[3.2. 生成物の性状の詳細]
[3.2.1. 実施例1(Pt−Ce系)]
[A. XRDパターン]
図3に、実施例1で用いた原料、焼成後の水素還元体、及び洗浄後のPt−Ceナノ粒子複合体の粉末XRDパターンを示す。図3において、焼成後の試料(洗浄前)では、Pt5CeとCeOClに帰属されるXRDピークが検出され、Ptに帰属されるピークはほとんど検出されなかった。洗浄後の試料では、PtとCeOClに帰属されるピークはほとんど検出されず、Pt5Ceに帰属されるXRDピークが検出された。
[B. FE−SEM像及びEDXスペクトル]
図4に、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子複合体のFE−SEM像(左上図:低倍率二次電子像、左下図:高倍率二次電子像、右上図:低倍率反射電子像、右下図:高倍率反射電子像)を示す。図4の二次電子像及び反射電子像のいずれにおいても、白いコントラストで見える粒子がPt−Ce化合物である。大半のPt−Ce化合物の粒子の粒径は、20nm以下であった。
図5に、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子複合体のFE−SEM像(図5(A):反射電子像、図5(B):二次電子像)を示す。図6及び図7に、図5に示すarea1〜6で測定されたEDXスペクトルを示す。さらに、表3に、area1〜6のPt/Ce比を示す。
図5の二次電子像及び反射電子像のいずれにおいても、白いコントラストで見える粒子がPt−Ce化合物である。大半のPt−Ce化合物の粒子の粒径は、20nm以下であった。さらに、図5のarea1〜5で分析されたPt/Ce比(モル比)の値は、3.75〜7.33の間にあった。
Figure 0006904371
[C. TEM像及びTEM−EDSスペクトル]
図8に、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子複合体のTEM像(図8(A):低倍率像、図8(B):高倍率像)を示す。図9及び図10に、図8に示すarea1〜11で測定されたTEM−EDSスペクトルを示す。さらに、表4に、area1〜11のPt/Ce比を示す。
図8において、白いコントラストで見える粒子がPt−Ce粒子である。図8の観察領域では、粒径5nm程度以下〜20nmの粒子が観測された。白いコントラストで見える粒子がまったくない箇所(area11、バックグラウンド)では、Pt及びCeのいずれも検出されなかった。これに対し、粒子の部分では、Pt/Ce比(モル比)の値が4.85〜13.9の間にあった。また、Ceが検出されず、Ptのみである粒子がごく一部存在した。XRDパターンで同定されたPt5Ce(Pt/Ce=5)からの組成分析値のずれは、XRDでは検出されなかった他の組成比の粒子や、Ceを含まないPtが微量存在していることを示していると考えられる。
Figure 0006904371
図11(A)に、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子のDF−STEM像を示す。図11(B)に、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子のBF−STEM像を示す。図12(A)に、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子のEDSスペクトルを示す。図12(B)に、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子のFFTパターンを示す。図13に、図11のSTEM像に対応する結晶構造の模式図とシミュレーション像を示す。
図11〜図13に示すように、Pt5Ceの構造に対応する格子縞(STEM像)、及び電子線回折図形が観測された。
図14(A)に、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子のDF−STEM像を示す。図14(B)に、図14(A)のSTEM像に対応する結晶構造の模式図とシミュレーション像を示す。図15に、図14(A)に示すarea1又は2で測定されたEDSスペクトルを示す。
図14に示すように、図11とは別の粒子においても、同様にPt5Ceの構造に対応する格子縞(STEM像)が観測された。さらに、粒子の中央部にはPtとCeが検出されたのに対して、粒子の表面近傍ではPtのみが検出された。つまり、図14に示す粒子は、Ptシェル/Pt5Ceコアの構造であると考えられた。コアシェル構造であることも、XRDパターンで同定されたPt5Ce(Pt/Ce=5)からの組成分析値のずれの一因であると考えられる。
[3.2.2. 実施例2(Pt−La系)]
[A. XRDパターン]
図16に、実施例2で用いた原料、焼成後の水素還元体、及び洗浄後のPt−Laナノ粒子複合体の粉末XRDパターンを示す。図16において、焼成後の試料(洗浄前)には、Pt5LaとLaOClに帰属されるXRDピークが検出され、Ptに帰属されるピークはほとんど検出されなかった。洗浄後の試料では、PtやLaOClに帰属されるピークはほとんど検出されず、Pt5Laに帰属されるXRDピークが検出された。
[B. FE−SEM像及びEDX組成分析]
図17に、実施例2で得られたPt−Laナノ粒子複合体の二次電子像(図17(A))及び反射電子像(図17(B))を示す。さらに、表5に、area1〜5のPt/La比を示す。
図17の二次電子像及び反射電子像のいずれにおいても、白いコントラストで見える粒子がPt−La化合物である。それらの大半の粒子の粒径は、20nm以下であった。また、Pt/La比(モル比)の値は、5.38〜7.60の範囲であった。
Figure 0006904371
[3.2.3. 実施例3(Pt−Sm系)]
[A. XRDパターン]
図18に、実施例3で用いた原料、焼成後の水素還元体、及び洗浄後のPt−Smナノ粒子複合体の粉末XRDパターンを示す。図18において、焼成後の試料(洗浄前)には、Pt5SmとSmOClに帰属されるXRDピークが検出され、Ptに帰属されるピークはほとんど検出されなかった。洗浄後の試料では、PtやSmOClに帰属されるピークはほとんど検出されず、Pt5Smに帰属されるXRDピークが検出された。
[B. FE−SEM像及びEDX組成分析]
図19に、実施例3で得られたPt−Smナノ粒子複合体の二次電子像(図19(A))及び反射電子像(図19(B))を示す。さらに、表6に、area1〜6のPt/Sm比を示す。
図19の二次電子像及び反射電子像のいずれにもいても、白いコントラストで見える粒子がPt−Sm化合物である。それらの大半の粒子の粒径は、20nm以下であった。また、Pt/Sm比(モル比)の値は、5.50〜14.0の範囲であった。
Figure 0006904371
[3.2.4. 実施例4(Pt−Gd系)]
[A. XRDパターン]
図20に、実施例4で用いた原料、焼成後の水素還元体、及び洗浄後のPt−Gdナノ粒子複合体の粉末XRDパターンを示す。なお、図20中、Pt5Gdのピークは、参考文献1に記載のCu5Ca構造で同定した。
図20において、焼成後の試料(洗浄前)には、Pt5Gd、Pt2GdとGdOClに帰属されるXRDピークが検出され、Ptに帰属されるピークはほとんど検出されなかった。洗浄後の試料では、PtとGdOClに帰属されるピークはほとんど検出されず、Pt5GdとPt2Gdに帰属されるXRDピークが検出された。
[参考文献1]Science, 352, 73(2016)
[B. FE−SEM像及びEDX組成分析]
図21に、実施例4で得られたPt−Gdナノ粒子複合体の二次電子像(図21(A))及び反射電子像(図21(B))を示す。さらに、表7に、area1〜6のPt/Gd比を示す。
図21の二次電子像及び反射電子像のいずれにもいても、白いコントラストで見える粒子がPt−Gd化合物である。それらの大半の粒子の粒径は、20nm以下であった。また、Pt/Gd比(モル比)の値は、8.30〜10.80の範囲であった。
Figure 0006904371
[3.2.5. 実施例5(Pt−Tb系)]
[A. XRDパターン]
図22に、実施例5で用いた原料、焼成後の水素還元体、及び洗浄後のPt−Tbナノ粒子複合体の粉末XRDパターンを示す。なお、図22中、Pt5Tbのピークは、参考文献1に記載のCu5Ca構造で同定した。また、Pt3Tbのピーク(▲)は、pdf Card No. 04-001-1236で同定した。さらに、Pt3Tbのピーク(▼)は、pdf Card No. 04-001-1239で同定した。
図22において、焼成後の試料(洗浄前)には、Pt5Tb、Pt3Tb、TbOCl、及びTb23に帰属されるXRDピークが検出され、Ptに帰属されるピークはほとんど検出されなかった。洗浄後の試料では、Pt、TbOCl、及びTb23に帰属されるピークはほとんど検出されず、Pt5TbとPt3Tbに帰属されるXRDピークが検出された。
[B. FE−SEM像及びEDX組成分析]
図23に、実施例5で得られたPt−Tbナノ粒子複合体の二次電子像(図23(A))及び反射電子像(図23(B))を示す。さらに、表8に、area1〜5のPt/Tb比を示す。
図23の二次電子像及び反射電子像のいずれにもいても、白いコントラストで見える粒子がPt−Tb化合物である。それらの大半の粒子の粒径は、20nm以下であった。また、Pt/Tb比(モル比)の値は、1.84〜7.56の範囲であった。
Figure 0006904371
[3.2.6. 実施例6(Pt−Dy系)]
[A. XRDパターン]
図24に、実施例6で用いた原料、焼成後の水素還元体、及び洗浄後のPt−Dyナノ粒子複合体の粉末XRDパターンを示す。なお、図24中、Pt5Dyのピークは、参考文献1に記載のCu5Ca構造で同定した。
図24において、焼成後の試料(洗浄前)には、Pt5Dy、Pt3Dy、及びDy23に帰属されるXRDピークが検出され、Ptに帰属されるピークはほとんど検出されなかった。洗浄後の試料では、Pt、及びDy23に帰属されるピークはほとんど検出されず、Pt5DyとPt3Dyに帰属されるXRDピークが検出された。
[B. FE−SEM像及びEDX組成分析]
図25に、実施例6で得られたPt−Dyナノ粒子複合体の二次電子像(図25(A))及び反射電子像(図25(B))を示す。さらに、表9に、area1〜5のPt/Dy比を示す。
図25の二次電子像及び反射電子像のいずれにもいても、白いコントラストで見える粒子がPt−Dy化合物である。それらの大半の粒子の粒径は、20nm以下であった。また、Pt/Dy比(モル比)の値は、4.47〜6.42の範囲であった。
Figure 0006904371
[3.3. 電気化学特性]
図26に、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子複合体のリニアスイープボルタモグラムを示す。燃料電池の酸素極(カソード)に使用する触媒には、次の式(2)で表される酸素還元反応(ORR)に対する活性が必要である。
1/2O2+2H++2e- → H2O …(2)
図26に示すように、実施例1で得られたPt−Ceナノ粒子複合体には、ORRに対応すると考えられる還元電流が観測された。
以上、本発明の実施の形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改変が可能である。
本発明に係るPt−Lnナノ粒子及びPt−Lnナノ粒子複合体は、自動車用動力源、定置型小型発電機等に用いられる燃料電池の酸素極の電極触媒として用いることができる。

Claims (6)

  1. Ptと、ランタノイド元素(Ln)とを含むPt−Ln相を備え、
    Pt/Ln比(モル比)が1.80以上14.0以下であり、
    平均粒径が20nm以下である
    Pt−Lnナノ粒子。
  2. 次の式(1)の関係を満たす請求項1に記載のPt−Lnナノ粒子。
    I/I0≦0.05 …(1)
    但し、
    Iは、前記Pt−Lnナノ粒子に含まれるLnxyClz相のXRD最強線ピーク強度、
    0は、前記Pt−Lnナノ粒子に含まれる前記Pt−Ln相のXRD最強線ピーク強度。
  3. 2種以上の前記Pt−Ln相を備えている請求項1又は2に記載のPt−Lnナノ粒子。
  4. 表層部のLn濃度が中心部のLn濃度より低い請求項1から3までのいずれか1項に記載のPt−Lnナノ粒子。
  5. カーボン担体と、
    前記カーボン担体表面に担持された、請求項1から4までのいずれか1項に記載のPt−Lnナノ粒子と
    を備えたPt−Lnナノ粒子複合体。
  6. カーボン担体表面にPtナノ粒子が担持されたPt担持カーボンをLnCl3(Lnは、ランタノイド元素)水溶液に分散させ、分散液を得る第1工程と、
    前記分散液を蒸発乾固させ、前記Pt担持カーボンとLn化合物との混合物を得る第2工程と、
    前記混合物を水素雰囲気下で加熱し、水素還元体を得る第3工程と、
    前記水素還元体を洗浄し、LnxyClz相を除去し、請求項5に記載のPt−Lnナノ粒子複合体を得る第4工程と
    を備えたPt−Lnナノ粒子複合体の製造方法。
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