JP6904134B2 - 無効電力補償装置及びその制御方法 - Google Patents

無効電力補償装置及びその制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、電力系統に接続される無効電力補償装置及びその制御方法に関する。
無効電力補償装置として、例えば、電力系統の系統電圧又は系統電圧の正相電圧又は系統電圧の逆相電圧のいずれかを用いて電力系統の電圧補償をする技術が開示されている。また、系統電圧の正相電圧と逆相電圧とを用いて電力系統の電圧補償をする技術として特許文献1や特許文献2などが開示されている。
特許文献1には、電力系統の電圧変動を正相分と逆相分とに分離し、分離した正相分と逆相分とに基づいて電力系統の電圧補償をする無効電力補償装置が開示されている。
特許文献2には、不平衡事故による過電流の発生を防止する無効電力補償装置(電力変換装置)が開示されている。その無効電力補償装置によれば、電力系統の電圧急変時に抽出した正相電圧と逆相電圧とに基づいて電力系統の電圧補償をすることが開示されている。
特開1988−069430号公報 特開2002−354674号公報
しかしながら、上述した無効電力補償装置は、分散型電源が接続されている電力系統において二相短絡が発生した場合に、電力系統の電圧補償を十分にできるものではない。すなわち、上述した無効電力補償装置においては、短絡した二相間電圧が低下しても、分散型電源が電力系統から解列しないようにし、電力系統の電圧や周波数維持に大きな影響を与えないように電力系統の電圧補償をするものではない。
本発明の一側面に係る目的は、電力系統の二相短絡により、短絡した二相間電圧が低下した場合でも、電力系統の電圧補償をする無効電力補償装置及びその制御方法を提供することである。
本発明に係る一つの形態である電力系統に接続される無効電力補償装置は、電力系統の二相短絡により短絡した相間の二相間電圧が低下した場合、短絡した二相間電圧に直交する電流を算出し、直交する電流を電力系統へ出力する。
また、直交する電流は、正相電圧を増加させる正相電流と逆相電圧を減少させる逆相電流とを合成して算出する。また、正相電流と逆相電流とは同じ電流量とする。
本発明に係る他の形態である電力系統に接続される無効電力補償装置の制御方法は、電力系統の二相短絡により短絡した相間の二相間電圧が低下した場合、短絡した二相間電圧に直交する電流を算出し、直交する電流を電力系統へ出力する。
また、直交する電流は、正相電圧を増加させる正相電流と逆相電圧を減少させる逆相電流とを合成して算出する。また、正相電流と逆相電流とは同じ電流量とする。
電力系統の二相短絡により、短絡した二相間電圧が低下した場合でも、電力系統の電圧補償をすることができる。
無効電力補償装置と分散型電源と電力系統との関係を示す図である。 無効電力補償装置の一実施例を示す図である。 正相逆相電流算出部及び出力電力制御部の一実施例を示す図である。 電力系統の二相短絡の一例を示す図である。 二相間電圧低下後の電圧補償前の三相電圧ベクトルと三相正相電圧ベクトルと三相逆相電圧ベクトルとの関係を示す図である。 二相間電圧低下後の電圧補償後の三相電圧ベクトルと三相正相電圧ベクトルと三相逆相電圧ベクトルと、三相電流ベクトルと三相正相電流ベクトルと三相逆相電流ベクトルとの関係を示す図である。 無効電力補償装置の効果を説明するための図である。
以下図面に基づいて実施形態について詳細を説明する。
図1は、電力系統1と無効電力補償装置2と分散型電源3との関係を示す図である。電力系統1は、例えば、発電設備から送電線、変電設備、配電線を経由して、需要家(受電設備)に至るまでを包括したシステムである。なお、図1には、一例として電力系統1に無効電力補償装置2と分散型電源3とが接続されている例を示す。
無効電力補償装置2は、計測した電力系統1の系統電圧Vsに基づいて電力系統1へ無効電力又は無効電流を出力し、電力系統1のリアクタンス成分と無効電流とにより電力系統1の電圧補償をする。また、無効電力補償装置2は、電力系統1の二相短絡により短絡した相間の二相間電圧が低下した場合、短絡した二相間電圧に直交する電流を算出し、直交する電流を電力系統1へ出力する(直交する電流を電力系統1の短絡した二相に出力する)。ここで、二相短絡は完全短絡ではなく、短絡インピーダンスを持った短絡を想定している。
直交する電流は、正相電圧を増加させる正相電流と逆相電圧を減少させる逆相電流とを合成して算出する。ただし、直交する電流は、必ずしも二相間電圧に完全に直交していなくてもよく、直交していていると見做せる範囲であればよい。
また、正相電流と逆相電流とは同じ電流量とする。ただし、正相電流と逆相電流とは、必ずしも同じ電流量でなくてもよく、正相電流と逆相電流の電流量が同じと見做せる範囲であればよい。
分散型電源3は、再生可能エネルギーを利用して発電をする発電設備で、電力系統1に電力を供給する。分散型電源3は、例えば、太陽光発電設備や風力発電設備などである。なお、分散型電源3に無効電力補償装置2を搭載しても良い。
無効電力補償装置2の構成について説明をする。
図2は、無効電力補償装置2の一実施例を示す図である。無効電力補償装置2は、インバータ4、変圧器5、遮断器6、電圧計測部7を有する。
インバータ4は、変圧器5、遮断器6を介して電力系統1に接続され、インバータ4から電力系統1へ無効電力又は無効電流を出力する。また、インバータ4は、電力系統1に接続される電圧計測部7により系統電圧Vsを降圧した電圧Vsiを電圧計測部7から取得する。電圧Vsiは、系統電圧Vsの電圧値を示す信号又は情報である。
インバータ4は、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やGTO(Gate Turn-Off)サイリスタなどの図2に示す半導体スイッチング素子Sa、Sb、Sc、Sd、Se、Sf及びダイオードDa、Db、Dc、Dd、De、Dfなどから構成される回路と、その回路に並列接続されるコンデンサCと、電流検出部20、制御部21とから構成される。
電流検出部20は、電力系統1へ出力される電流を計測し、計測した電流に対応する電流Iiをインバータ4の制御部21へ送る。電流Iiは、計測した電流の電流値を示す信号又は情報である。
制御部21は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU、プログラマブルなデバイス(FPGA(Fie Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)など)を用いて構成される回路である。また、制御部21は、その内部又は外部に記憶部を備え、記憶部に記憶されている無効電力補償に関するプログラムを読み出して実行する。
制御部21は、正相逆相電流算出部22、出力電力制御部23を有する。
正相逆相電流算出部22は、電力系統1の二相短絡により短絡した相間の二相間電圧が低下した場合、短絡した一方の相に対応する二相間電圧に直交する第一の直交電流と、短絡した他方の相に対応する二相間電圧に対して第一の直交電流と反対方向に直交する第二の直交電流とを算出する。
第一の直交電流は、一方の相に対応する正相電圧を増加させる第一の正相電流と、一方の相に対応する逆相電圧を減少させる第一の逆相電流とを合成して算出される。また、第二の直交電流は、他方の相に対応する正相電圧を増加させる第二の正相電流と、他方の相に対応する逆相電圧を減少させる第二の逆相電流とを合成して算出される。また、第一の正相電流と第二の正相電流と第一の逆相電流と第二の逆相電流とは同じ電流量とする。
ただし、第一の直交電流及び第二の直交電流は、必ずしも二相間電圧に完全に直交していなくてもよく、直交していていると見做せる範囲において直交していればよい。
また、第一の正相電流と第一の逆相電流と第二の正相電流と第二の逆相電流とは、必ずしも同じ電流量でなくてもよく、第一の正相電流と第二の正相電流と第一の逆相電流と第二の逆相電流の電流量が同じと見做せる範囲であればよい。
出力電力制御部23は、電力系統1へ第一の直交電流と第二の直交電流を出力するような電圧を電力系統1へ出力する。すなわち、出力電力制御部23は、第一の直交電流と第二の直交電流とを電力系統1へ出力するような電圧を、インバータ4の半導体スイッチング素子SaからSfを制御して電力系統1へ出力する(第一の直交電流を電力系統1の一方の相へ流し、第二の直交電流を電力系統1の他方の相に流す)。
正相逆相電流算出部22と出力電力制御部23の実施例について説明する。
図3は、正相逆相電流算出部22及び出力電力制御部23の一実施例を示す図である。
正相逆相電流算出部22は、二相電圧算出部30、短絡検出部31、正相電圧抽出部32、逆相電圧抽出部33、設定部34、加算部35、電圧制御部36、逆相電流算出部37、三相電流算出部38、三相電流算出部39、加算部40を有する。出力電力制御部23は、加算部41、電流制御部42、パルス幅変調制御部43を有する。
二相電圧算出部30、電力系統1に接続された電圧計測部7により系統電圧Vsを降圧させた電圧Vsi(三相交流電圧:A相電圧Va、B相電圧Vb、C相電圧Vc)を電圧計測部7から取得し、電圧Vsiに対して三相二相変換を行う。図3の例では、電圧Vsiを二相電圧Vdq(d軸電圧Vd、q軸電圧Vq)に変換する。
短絡検出部31は、電圧Vsiを電圧計測部7から取得し、A相電圧Va、B相電圧Vb、C相電圧Vcの電圧レベルを監視し、二相間電圧が所定電圧まで低下(二相短絡)したか否かを検出する。二相短絡を検出した場合には、正相逆相電流算出部22の各部(図3の32から40)に通知をし、各部に二相短絡に対応した電力系統1の電圧補償をする動作を開始させる。所定電圧は、所定電圧未満になると電力系統1から分散型電源3が解列する電圧である。
正相電圧抽出部32は、二相電圧算出部30から出力された二相電圧Vdqを取得し、正相電圧抽出フィルタを用いて二相正相電圧VP(d軸正相電圧VPd、q軸正相電圧VPq=0)を抽出する。なお、d軸正相電圧VPdを有効電圧とし、q軸正相電圧VPqを無効電圧とする。
逆相電圧抽出部33は、二相電圧算出部30から出力された二相電圧Vdqを取得し、逆相電圧抽出フィルタを用いて二相逆相電圧VN(d軸逆相電圧VNd、q軸逆相電圧VNq)を抽出する。
設定部34は、二相短絡時に電圧補償する目標電圧Vstを設定する。目標電圧Vstは、例えば、三相における二相短絡していない二相間電圧(残電圧100[%])や電力系統1から分散型電源3が解列しない二相間電圧(例えば、残電圧20[%]以上)に対応する三相二相変換されたd軸正相電圧を示す値などである。
加算部35は、設定部34から出力された目標電圧Vstと正相電圧抽出部32から出力された二相正相電圧VPとの偏差SUB1を算出する。
電圧制御部36は、加算部35から出力された偏差SUB1を取得し、偏差SUB1を用いてPI制御などにより二相正相電流IP(q軸正相電流IPq)を算出する。なお、二相正相電流IPは正相電圧を増加させる電流である。
逆相電流算出部37は、逆相電圧抽出部33から出力された二相逆相電圧VNと、電圧制御部36から出力された二相正相電流IPとを用いて、同じ電流量の二相逆相電流IN(d軸逆相電流INd、q軸逆相電流INq)を算出する。なお、二相逆相電流INは、逆相電圧を減少させる電流で、二相逆相電流INは二相正相電流IPと同じ大きさにする。式1を参照。
|IP|=|IN|=√INd+INq 式1
なお、式1の√INd+INqは(INd+INq)のルートを示す。
三相電流算出部38は、二相正相電流IP(q軸正相電流IPq)を三相正相電流(Ipa′、Ipb′、Ipc′)に変換する。
三相電流算出部39は、二相逆相電流IN(d軸逆相電流INd、q軸逆相電流INq)を三相逆相電圧(Ina′、Inb′、Inc′)に変換する。
加算部40は、三相正相電流(Ipa′、Ipb′、Ipc′)と三相逆相電圧(Ina′、Inb′、Inc′)とを加算し、電流指令値I(Ia′、Ib′、Ic′)を算出する。加算部40では、短絡した一方の相に対応する二相間電圧に直交する第一の直交電流と、短絡した他方の相に対応する二相間電圧に対して第一の直交電流と反対方向に直交する第二の直交電流とを算出する。
加算部41は、加算部40から出力される電流指令値I(Ia′、Ib′、Ic′)と、インバータ4から出力された電流を示す電流Ii(Iia、Iib、Iic)との偏差SUB2(Ia′−Iia、Ib′−Iib、Ic′−Iic)を算出する。
電流制御部42は、加算部41から出力された偏差SUB2を取得し、偏差SUB2を用いてPI制御などによりインバータ4を制御するための電圧指令値V(Va、Vb、Vc)を算出する。
パルス幅変調制御部43は、電流制御部42から出力された電圧指令値Vを取得し、電圧指令値Vを用いてインバータ4の半導体スイッチング素子SaからSfを制御するためのPWM(Pulse Width Modulation)パルスを生成し、半導体スイッチング素子SaからSfの制御端子に出力する。
その後、インバータ4から電力系統1へ直交する電流を出力する(直交する電流を短絡した二相に出力する)。
このようにすることで、短絡した二相間電圧が所定電圧まで低下した場合でも、二相間電圧に直交する電流(第一の直交電流及び第二の直交電流)を電力系統1へ出力することで、従来の無効電力補償装置より電力系統1の電圧補償を十分に行うことができる。
また、短絡した二相間電圧が所定電圧まで低下した場合でも、電力系統1の電圧補償を十分にできるようにすることで、分散型電源3を電力系統1から解列しないようにして継続運転をさせられるので、電力系統1の電圧や周波数維持に大きな影響を与えないようにできる。
なお、短絡していない場合又は三相短絡した場合には従来の方法により電力系統1の電圧補償をし、二相短絡を検出した場合には上述した方法に切り替えて電力系統1の電圧補償をしてもよい。
制御部21の動作について説明する。
正相逆相電流算出部22は、電力系統1の二相短絡により短絡した相間の二相間電圧が所定電圧か否かを検出する。所定電圧は、所定電圧未満になると電力系統1から分散型電源3が解列する電圧である。
図4は、電力系統1の二相短絡の一例を示す図である。図4は、電力系統1のB相とC相の短絡により、短絡したB相C相間の二相間電圧Vbcが所定電圧に対応する残電圧20[%]まで低下した場合を示している。なお、所定電圧は、例えば、社団法人日本電気協会の発行する系統連系規定に定めるFRT要件により決定することが考えられる。また、図4では、電力系統1のA相、B相、C相に短絡がない場合の二相間電圧Vab、Vac、Vbcを残電圧100[%]とし、B相とC相が短絡した場合の二相間電圧Vbcを残電圧20[%]としている。また、A相、B相、C相に短絡がない場合の三相電圧ベクトルをVa、Vb、Vcとして示し、B相とC相が短絡した場合の三相電圧ベクトルをVa、Vb2、Vc2として示している。
続いて、正相逆相電流算出部22は、二相間電圧が所定電圧になると、電圧計測部7から取得した電圧Vsiを用いて正相電圧と逆相電圧を抽出する。正相電圧と逆相電圧の抽出は、例えば、上述したフィルタなどを用いて行う。
図5は、二相間電圧低下後の電圧補償前の三相電圧ベクトルVa、Vb、Vcと三相正相電圧ベクトルVpa、Vpb、Vpcと三相逆相電圧ベクトルVna、Vnb、Vncとの関係を示す図である。図5のAは、図4における二相間電圧Vbcが残電圧20[%]のときの三相電圧ベクトルVa、Vb、Vcを示している。図5のBは、図5のAの三相電圧ベクトルVa、Vb、Vcから抽出した三相正相電圧ベクトルVpa、Vpb、Vpcを示している。図5のCは、図5のAの三相電圧ベクトルVa、Vb、Vcから抽出した三相逆相電圧ベクトルVna、Vnb、Vncを示している。なお、三相正相電圧ベクトルは、各相について大きさが等しく、位相がA相→B相→C相の順に120°ずつ遅れている対称三相電圧である。また、三相逆相電圧ベクトルは、各相について大きさが等しく、位相がA相→C相→B相の順に120°ずつ遅れている対称三相電圧である。従って、図5の場合、A相を基準に正相と逆相でB相とC相の位置は反対になる。
続いて、正相逆相電流算出部22は、短絡した一方の相に対応する二相間電圧に直交する第一の直交電流と、短絡した他方の相に対応する二相間電圧に対して第一の直交電流と反対方向に直交する第二の直交電流とを算出する。
二相間電圧に対して第一の直交電流と第二の直交電流とを直交させる理由は、電力系統1の電圧補償を最大とするためである。第一の直交電流と第二の直交電流は、三相正相電圧ベクトルに対して位相が90°進んだ三相正相電流ベクトルと、三相逆相電圧ベクトルに対して位相が90°遅れた三相逆相電流ベクトルとの大きさを同じにすることで算出することができる。
なお、三相正相電流ベクトルは、三相正相電圧ベクトルに対して必ずしも位相が90°進んでいなくてもよく、位相が90°進んでいると見做せる範囲であればよい。また、三相逆相電流ベクトルは、三相逆相電圧ベクトルに対して必ずしも位相が90°遅れてなくてもよく、位相が90°遅れていると見做せる範囲であればよい。また、第一の直交電流と第二の直交電流とは必ずしも同じ大きさでなくてもよく、同じ大きさと見做せる範囲であればよい。
図6は、二相間電圧低下後の電圧補償後の三相電圧ベクトルVa、Vb、Vcと三相正相電圧ベクトルVpa′、Vpb′、Vpc′と三相逆相電圧ベクトルVna′、Vnc′、Vnb′と、三相電流ベクトルIa′(=0)、Ib′、Ic′と三相正相電流ベクトルIpa′、Ipb′、Ipc′と三相逆相電流ベクトルIna′、Inc′、Inb′との関係を示す図である。
図6の例では、図5のBに示す三相正相電圧ベクトルVpa、Vpb、Vpcを、図6のAに示した電流Ipa′、Ipb′、Ipc′を用いて、図6のAに示す電圧補償後の三相正相電圧ベクトルVpa′、Vpb′、Vpc′まで増加させている。なお、図6のAに示す電圧補償後の三相正相電圧ベクトルVpa′、Vpb′、Vpc′は式2のように表すことができる。
Vpa′=Vpa+Ipa′・X
Vpb′=Vpb+Ipb′・X 式2
Vpc′=Vpc+Ipc′・X
また、図6の例では、図5のCに示す三相逆相電圧ベクトルVna、Vnb、Vncを、図6のBに示した三相逆相電流ベクトルIna′、Inb′、Inc′を用いて、図6のBに示す電圧補償後の三相逆相電圧ベクトルVna′、Vnb′、Vnc′まで減少させている。なお、図6のAに示す電圧補償後の三相逆相電圧ベクトルVna′、Vnb′、Vnc′は式3のように表すことができる。
Vna′=Vna−Ina′・X
Vnb′=Vnb−Inb′・X 式3
Vnc′=Vnc−Inc′・X
なお、三相正相電流ベクトルIpa′、Ipb′、Ipc′と三相逆相電流ベクトルIna′、Inc′、Inb′とは同じ大きさである。
また、式1、式2で用いたXは電力系統1のインピーダンスを示している。
続いて、図6のAに示す電圧補償後の三相正相電圧ベクトルVpa′、Vpb′、Vpc′と、図6のBに示す電圧補償後の三相逆相電圧ベクトルVna′、Vnb′、Vnc′とを合成して、図6のCに示す電圧補償後の三相電圧ベクトルVa、Vb、Vcを算出する。図6のCに示す電圧補償後の三相電圧ベクトルVa、Vb、Vcは式4のように表すことができる。
Va=Vpa′+Vna′
Vb=Vpb′+Vnb′ 式4
Vc=Vpc′+Vnc′
また、図6のAに示す電圧補償後の三相正相電流ベクトルIpa′、Ipb′、Ipc′と、図6のBに示す電圧補償後の三相逆相電流ベクトルIna′、Inb′、Inc′とを合成して、図6のCに示す電圧補償後の三相電流ベクトルIa′(不図示)、Ib′(第一の直交電流)、Ic′(第二の直交電流)を算出する。図6のCに示す電圧補償後の三相電流ベクトルIa′、Ib′、Ic′は式5のように表すことができる。
Ia′=Ipa′+Ina′=0
Ib′=Ipb′+Inb′ 式5
Ic′=Ipc′+Inc′
このように、B相正相電流ベクトルIpb′とB相逆相電流ベクトルInb′とが同じ電流量(大きさ)で、かつB相正相電流ベクトルIpb′がB相正相電圧ベクトルVpb′に対して位相が90°進み、B相逆相電流ベクトルInb′がB相逆相電圧ベクトルVnb′に対して位相が90°遅れているので、B相正相電流ベクトルIpb′とB相逆相電流ベクトルInb′とはA相軸(A相正相電流ベクトルIpa′又はA相逆相電流ベクトルIna′)に対して互いに反対方向に同じ位相(角度)だけずれるので、B相正相電流ベクトルIpb′とB相逆相電流ベクトルInb′とを合成すると、B相電流ベクトルIb′はA相電圧ベクトルVaの方向と同方向に二相間電圧Vbcに直交する。なお、三相正相電流ベクトルは、三相正相電圧ベクトルに対して必ずしも位相が90°進んでいなくてもよく、位相が90°進んでいると見做せる範囲であればよい。また、B相正相電流ベクトルIpb′とB相逆相電流ベクトルInb′とは必ずしも同じ大きさでなくてもよく、同じ大きさと見做せる範囲であればよい。
同様に、C相正相電流ベクトルIpc′とC相逆相電流ベクトルInc′とが同じ電流量(大きさ)で、かつC相正相電流ベクトルIpc′がC相正相電圧ベクトルVpc′に対して90°進み、C相逆相電流ベクトルInc′がC相逆相電圧ベクトルVnc′に対して90°遅れているので、C相正相電圧ベクトルVpc′とC相逆相電圧ベクトルVnc′についてもA相軸に対して互いに反対方向に同じ位相(角度)だけずれるので、C相正相電流ベクトルIpc′とC相逆相電流ベクトルInc′とを合成すると、C相電流ベクトルIc′はA相電圧ベクトルVaの方向と逆方向に二相間電圧Vbcに直交する。なお、三相逆相電流ベクトルは、三相逆相電圧ベクトルに対して必ずしも位相が90°遅れていなくてもよく、位相が90°遅れていると見做せる範囲であればよい。また、C相正相電流ベクトルIpc′とC相逆相電流ベクトルInc′とは必ずしも同じ大きさでなくてもよく、同じ大きさと見做せる範囲であればよい。
続いて、出力電力制御部23は、電流検出部20から取得した電流Iiと第一の直交電流と第二の直交電流とを用いて、第一の直交電流と第二の直交電流とが電力系統1へ出力される電圧を、インバータ4の半導体スイッチング素子SaからSfを制御し、第一の直交電流と第二の直交電流とを電力系統1へ出力する(第一の直交電流を電力系統1の一方の相に出力し、第二の直交電流を電力系統1の他方の相に出力する)。
このように、短絡した二相間電圧が所定電圧まで低下した場合でも、二相間電圧に直交する電流(第一の直交電流及び第二の直交電流)を電力系統1へ出力することで、従来の無効電力補償装置より電力系統1の電圧補償を十分に行うことができる。
また、短絡した二相間電圧が所定電圧まで低下した場合でも、十分に電力系統1の電圧補償をできるようにすることで、分散型電源3を電力系統1から解列しないようにして継続運転をさせられるので、解列による電力系統1の電圧や周波数維持に大きな影響を与えないようにできる。
なお、短絡していない場合又は三相短絡した場合には従来の方法により電力系統1の電圧補償をし、二相短絡を検出した場合には上述した方法に切り替えて電力系統1の電圧補償をしてもよい。
図7は、無効電力補償装置の効果を説明するための図である。図7のAは、電力系統1が二相短絡をして二相間電圧(B相C相間電圧)Vbcが残電圧20[%]まで低下した場合に、系統電圧Vsの正相電圧のみを補償する従来の無効電力補償装置を用いて、定格電流Ia′、Ib′、Ic′により、二相間電圧Vbcを増加させ系統電圧Vsを10[%]補償をした場合の電流と電圧の関係を示している。なお、便宜上A相電圧・電流ベクトルは図示していない。また、図7のAに示す二相間電圧Vbcは式6のように表すことができる。
Vbc=20[%]+Vbcb+Vbcc
=20[%]+5[%]+5[%] 式6
=20[%]+10[%]
また、図7のAに示す増加分の電圧Vbcb、電圧Vbccは式7のように表すことができる。
Vbcb=Ib′・X・cos30°=5[%]
Vbcc=Ic′・X・cos30°=5[%] 式7
Ib′・X=10・√3[%]
Ic′・X=10・√3[%]
なお、式7の√3は相電圧換算を示す値で、√3はルート3を示す。また、図7のAの30°は正相電圧のみを用いて系統電圧Vsを10[%]補償する場合に決まる角度である。
図7のBは、電力系統1が二相短絡をして二相間電圧が残電圧20[%]まで低下した場合に、二相間電圧に直交する電流Ib′、Ic′(第一の直交電流Ib′と第二の直交電流Ic′)を用いて、系統電圧Vsを補償をした場合の電流と電圧の関係を示している。なお、便宜上A相電圧・電流ベクトルは図示していない。また、図7のBに示す二相間電圧Vbcは式8のように表すことができる。
Vbc=20[%]+Vbcb+Vbcc 式8
=20[%]+11.5[%]
また、図7のBに示す増加分の電圧Vbcb、電圧Vbccは式9のように表すことができる。
Vbcb=Ib′・X=10・√3[%] 式9
Vbcc=Ic′・X=10・√3[%]
なお、式9の√3は上記と同様に相電圧換算を示す値で、√3はルート3を示す。
このように、二相間電圧に直交する第一の直交電流Ib′と第二の直交電流Ic′を用いて系統電圧Vsを補償した場合には、二相間電圧Vbcを残電圧11.5[%]増加させることができる。言い換えれば、二相間電圧Vbcを従来より(1/cos30°)分増加させることができる。
また、系統電圧Vsの正相電圧のみを補償する従来の無効電力補償装置を用いた場合は、二相間電圧Vbcを残電圧10[%]分増加させるに留まるので、本実施形態の無効電力補償装置2は従来の無効電力補償装置より15[%](=((11.5−10)/10)・100[%])大きく電力系統1の電圧補償ができる。
また、短絡した二相間電圧が所定電圧まで低下した場合でも、電力系統1の電圧補償を十分にできるので、分散型電源3を電力系統1から解列しないで継続運転をさせられるため、電力系統1の電圧や周波数維持に大きな影響を与えないようにできる。
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
1 電力系統
2 無効電力補償装置
3 分散型電源
4 インバータ
5 変圧器
6 遮断機
7 電圧計測部
21 制御部
20 電流検出部
22 正相逆相電流算出部
23 出力電力制御部
30 二相電圧算出部
31 短絡検出部
32 正相電圧抽出部
33 逆相電圧抽出部
34 設定部
35 加算部
36 電圧制御部
37 逆相電流算出部
38 三相電流算出部
39 三相電流算出部
40 加算部
41 加算部
42 電流制御部
43 パルス幅変調制御部
C コンデンサ
Da、Db、Dc、Dd、De、Df ダイオード
Sa、Sb、Sc、Sd、Se、Sf 半導体スイッチング素子

Claims (6)

  1. 電力系統に接続される無効電力補償装置であって、
    前記電力系統の二相短絡により短絡した相間の二相間電圧が低下した場合、短絡した前記二相間電圧に直交する電流を算出し、前記直交する電流を前記電力系統へ出力する、
    ことを特徴とする無効電力補償装置。
  2. 請求項1に記載の無効電力補償装置であって、
    前記直交する電流は、正相電圧を増加させる正相電流と逆相電圧を減少させる逆相電流とを合成して算出する、
    ことを特徴とする無効電力補償装置。
  3. 請求項2に記載の無効電力補償装置であって、
    前記正相電流と前記逆相電流とは同じ電流量とする、
    ことを特徴とする無効電力補償装置。
  4. 電力系統に接続される無効電力補償装置の制御方法であって、
    前記電力系統の二相短絡により短絡した相間の二相間電圧が低下した場合、短絡した前記二相間電圧に直交する電流を算出し、
    前記直交する電流を前記電力系統へ出力する、
    ことを特徴とする無効電力補償装置の制御方法。
  5. 請求項4に記載の無効電力補償装置の制御方法であって、
    前記直交する電流は、正相電圧を増加させる正相電流と逆相電圧を減少させる逆相電流とを合成して算出する、
    ことを特徴とする無効電力補償装置の制御方法。
  6. 請求項5に記載の無効電力補償装置の制御方法であって、
    前記正相電流と前記逆相電流とは同じ電流量とする、
    ことを特徴とする無効電力補償装置の制御方法。
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