JP6901752B2 - 歯科用x線撮影装置 - Google Patents

歯科用x線撮影装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6901752B2
JP6901752B2 JP2017073677A JP2017073677A JP6901752B2 JP 6901752 B2 JP6901752 B2 JP 6901752B2 JP 2017073677 A JP2017073677 A JP 2017073677A JP 2017073677 A JP2017073677 A JP 2017073677A JP 6901752 B2 JP6901752 B2 JP 6901752B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ray
image data
imaging
projected image
ray imaging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017073677A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018174967A (ja
Inventor
周平 吉田
周平 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yoshida Dental Mfg Co Ltd
Original Assignee
Yoshida Dental Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yoshida Dental Mfg Co Ltd filed Critical Yoshida Dental Mfg Co Ltd
Priority to JP2017073677A priority Critical patent/JP6901752B2/ja
Publication of JP2018174967A publication Critical patent/JP2018174967A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6901752B2 publication Critical patent/JP6901752B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、歯科用X線撮影装置に関し、特に、X線撮像手段を受光面に沿う方向に直線移動させて各位置で得た投影画像データ同士を結合する歯科用X線撮影装置に関する。
X線束を被写体に照射するX線源と、被写体を透過したX線束を検出するX線撮像手段と、X線源およびX線撮像手段を被写体の周りで旋回させる旋回手段とを備える歯科用X線撮影装置が知られている。
歯科用X線撮影装置では、CT撮影(コンピュータ断層撮影)において、受光面のサイズと機械的ジオメトリ(X線源、回転中心、受光面の幾何学的配置)により決定されるFOV(視野)が得られる。
しかしながら、CT撮影に必要とされるX線撮像手段は、受光面のサイズが大きいほど高価であり、FOVを大きくとるために受光面を大きくすると高コストとなる。
そこで、X線撮像手段を移動させて各位置で得た投影画像データ同士を結合して大きなFOVを得る歯科用X線撮影装置が提案されている(特許文献1参照)。
特許第4516626号公報
特許文献1に記載の歯科用X線撮影装置は、X線源およびX線撮像手段を支持する支持手段を基準位置(起点)から反時計回りに回転させながら、被写体の第1の領域を透過した毎秒所定枚数の投影画像データを取得する。これにより、例えば1度ごとに撮影した190枚の第1の投影画像データ群が取得される。また、X線撮像手段を移動させた後に、例えば支持手段を基準位置から反時計回りに回転させながら、被写体の第2の領域を透過した毎秒所定枚数の投影画像データを取得する。これにより、第2の投影画像データ群が取得される。そして、第1の投影画像データ群と第2の投影画像データ群とは、撮影の順番が同じ投影画像データ同士を支持手段の位相角度が同じであるとして結合することによって、合成される。
しかしながら、被動部材の機械的な滑りや誤差が万一発生した場合や、第1の投影画像データ群と第2の投影画像データ群とで基準位置(起点)がずれる場合等には、結合する対象を正確に特定できないおそれがある。この場合、大きなFOVを精度良く得ることが困難になる。
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、結合対象の各投影画像データを正確に特定して大きなFOVを精度良く得ることができる歯科用X線撮影装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る歯科用X線撮影装置は、X線束を被写体に照射するX線源と、前記X線源から照射され前記被写体を透過した前記X線束を検出するX線撮像手段と、前記X線源および前記X線撮像手段を支持する支持手段と、前記支持手段を
鉛直方向に沿う回転軸の周りに回転させて前記X線源および前記X線撮像手段を前記被写体の周りで水平方向に旋回させる旋回手段と、前記回転軸の回転方向の角度位置を検出する回転角度位置検出手段と、前記X線撮像手段を受光面に沿う方向に直線移動させるスライド移動手段と、前記旋回手段および前記スライド移動手段の動作を制御する制御手段と、前記X線撮像手段が取得した投影画像データを処理する画像処理手段と、を備え、前記制御手段は、前記旋回手段により前記X線源および前記X線撮像手段を回転させながら、前記X線撮像手段により前記被写体の第1の領域を透過した第1の投影画像データ群を取得する第1の撮像処理と、前記スライド移動手段により、前記X線撮像手段を前記被写体の第2の領域を透過した前記X線束を検出する位置に移動させるスライド移動処理と、前記旋回手段により前記X線源および前記X線撮像手段を回転させながら、前記X線撮像手段により前記第2の領域を透過した第2の投影画像データ群を取得する第2の撮像処理と、を実行し、前記画像処理手段は、前記第1の投影画像データ群と前記第2の投影画像データ群とを、前記X線撮像手段によって投影画像データが取得されたときの前記回転軸の回転方向の角度位置が合致する投影画像データ同士を結合することによって、合成する合成処理を実行し、前記第2の撮像処理における前記X線源および前記X線撮像手段の回転方向は、前記第1の撮像処理における前記X線源および前記X線撮像手段の回転方向と同方向であり、前記第1の撮像処理と前記第2の撮像処理との間で前記X線源および前記X線撮像手段の回転が継続され、前記第1の撮像処理の終了後、前記X線源および前記X線撮像手段の回転が所定量進んだ角度位置から前記第2の撮像処理が開始され、前記第1の撮像処理の終了後、前記第2の撮像処理の開始前の間における前記X線源および前記X線撮像手段の回転継続中に、前記スライド移動処理が実行されることを特徴とする。
この構成では、投影画像データが取得されたときの回転軸の回転方向の角度位置が合致する投影画像データ同士が結合される。したがって、被動部材の機械的な滑りや誤差が万一発生した場合や、第1の投影画像データ群と第2の投影画像データ群とで基準位置(起点)がずれる場合等でも、結合する対象を回転軸の回転方向の角度位置に基づいて正確に特定できる。すなわち、本発明によれば、結合対象の各投影画像データを正確に特定して大きなFOVを精度良く得ることができる。
また、この構成では、X線源およびX線撮像手段は、第1の撮像処理が終了した後も同方向の回転が継続される。この空回転中にスライド移動処理が実行され、スライド移動処理終了後に第2の撮像処理が開始される。したがって、第1の撮像処理の終了後、第2の撮像処理の開始前における空回転の間に、スライド移動処理を実行できる。このため、撮影時間の短縮が図られ、効率の良い撮影が可能となる。
しかも、撮影中にX線源およびX線撮像手段の回転は停止されない。この結果、全体的な撮影時間がより短くて済み、撮影作業効率がより向上する。さらに、被動部材に作用する加減速に基づく慣性力を削減できることから、該慣性力に起因する被動部材の振動を低減でき、被動部材の耐久性が向上するとともに、精度の良い撮影が可能となる。
前記歯科用X線撮影装置は、前記X線束が前記被写体に照射される範囲を前記受光面に沿う方向において制限するX線束制限手段をさらに備え、前記制御手段は、前記第1の撮像処理において、前記X線束が前記被写体に照射される範囲を前記X線束制限手段により前記第1の領域に対応する範囲に制限し、前記第2の撮像処理において、前記X線束が前記被写体に照射される範囲を前記X線束制限手段により前記第2の領域に対応する範囲に制限することが好ましい。
この構成では、第1の撮像処理では被写体の第1の領域に対応する範囲以外にはX線束が照射されず、第2の撮像処理では被写体の第2の領域に対応する範囲以外にはX線束が照射されないように規制することができる。したがって、X線撮影中における被写体の被爆量を軽減することが可能となる。
前記歯科用X線撮影装置において、前記X線撮像手段が取得した投影画像データに、該投影画像データが取得されたときの前記回転軸の回転方向の角度位置を示す画像角度情報が付加され、前記画像処理手段は、前記画像角度情報が合致する投影画像データ同士を結合することが好ましい。
この構成では、投影画像データ同士を、該投影画像データに付加された画像角度情報を照合しながら結合することができる。このため、結合対象の各投影画像データを、画像角度情報に基づいて、より正確かつ迅速に特定できる。
前記歯科用X線撮影装置において、前記画像処理手段は、前記合成処理によって作成された合成投影画像データ群に基づいてCT画像を生成する画像再構成処理を実行し、前記画像再構成処理において、結合対象の各投影画像データに対応する前記回転軸の回転方向の角度位置の差に基づいて補正された前記CT画像が生成されることが好ましい。
この構成では、各投影画像データが取得されたときの回転軸の回転方向の角度位置を利用して、結合対象の各投影画像データに対応する角度位置に例えば僅かな差がある場合でも、該差の影響を小さくするように補正したCT画像を得ることができる。
本発明によれば、結合対象の各投影画像データを正確に特定して大きなFOVを精度良く得ることができる歯科用X線撮影装置を提供できる。
本発明の第1実施形態に係る歯科用X線撮影装置を示す側面図である。 図2(a)は、スライド移動手段を説明するための平面図、図2(b)は、スライド移動手段を説明するための正面図である。 FOVを説明するための模式的な平面図である。 FOVを説明するための模式的な側面図である。 歯科用X線撮影装置の主要な制御構成を示すブロック図である。 CT撮影動作の概略の手順を示すフローチャートである。 X線源およびX線撮像手段を被写体の周りで旋回させる場合の1〜2周目における受光面の位置を模式的に示す平面図である。 図8(a)〜(c)は、第1の投影画像データ群と第2の投影画像データ群とを合成する合成処理を説明するための図である。 第2実施形態において、X線源およびX線撮像手段を被写体の周りで旋回させる場合の1〜2周目における受光面の位置を模式的に示す平面図である。 図10(a)〜(c)は、第2実施形態において、第1の投影画像データ群と第2の投影画像データ群とを合成する合成処理を説明するための図である。 本発明の第3実施形態に係る歯科用X線撮影装置を示す側面図である。 第3実施形態においてFOVを説明するための模式的な側面図である。 図13(a)は、第1の撮像処理におけるX線束制限手段を説明するための正面図、図13(b)は、第2の撮像処理におけるX線束制限手段を説明するための正面図である。 図14(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第1変形例に係るX線束制限手段を説明するための正面図、図14(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第1変形例に係るX線束制限手段を説明するための正面図である。 図15(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第2変形例に係るX線束制限手段を説明するための正面図、図15(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第2変形例に係るX線束制限手段を説明するための正面図である。 図16(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第3変形例に係るX線束制限手段を説明するための正面図、図16(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第3変形例に係るX線束制限手段を説明するための正面図である。 図17(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第4変形例に係るX線束制限手段を説明するための正面図、図14(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第4変形例に係るX線束制限手段を説明するための正面図である。 図18(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第5変形例に係るX線束制限手段を説明するための側面図、図18(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第5変形例に係るX線束制限手段を説明するための側面図である。 図19(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第6変形例に係るX線束制限手段を説明するための正面図、図19(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第6変形例に係るX線束制限手段を説明するための正面図である。 図20(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第7変形例に係るX線束制限手段を説明するための側面図、図20(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第7変形例に係るX線束制限手段を説明するための側面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に示す各図において、共通する部分には同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る歯科用X線撮影装置100を示す側面図である。
図1に示すように、歯科用X線撮影装置100は、支柱部10と、支柱部10に上下移動自在に配設された本体部20とを備えている。本体部20には、アーム2が、鉛直方向に沿う回転軸1の中心軸C1の周りに回転自在に配設されている。
歯科用X線撮影装置100において、被写体Kは図示しない患者の患部であり、患者はアーム2の内側に頭部を固定して配置される。そして、被写体Kを固定した状態で、アーム2を被写体Kの周りに回転してX線撮影する。
なお、本実施形態においてはCТ画像を取得する場合について説明するが、セファロ撮影装置やパノラマ撮影装置に適用することも可能である。また、アーム2は、被写体Kとの位置決めや種々の撮影形態に適応するために、適宜移動テーブル等を介して前後方向や左右方向の2次元平面内で移動自在に構成することもできる。
X線撮影装置100は、被写体KにX線束Lを照射するX線源11と、被写体Kを透過したX線束Lを検出するX線撮像手段12と、X線源11およびX線撮像手段12を支持する支持手段であるアーム2とを備えている。また、X線撮影装置100は、アーム2を回転軸1の周りに回転させる旋回手段3と、回転軸1の回転方向の角度位置を検出する回転角度位置検出手段6と、X線撮像手段12を受光面12aに沿う方向としての鉛直方向に直線移動させるスライド移動手段4とを備えている。さらに、X線撮影装置100は、旋回手段3およびスライド移動手段4の動作を制御する制御手段81と、X線撮像手段12が取得した投影画像データを処理する画像処理手段83とを備えている。
図2(a)は、スライド移動手段4を説明するための平面図、図2(b)は、スライド移動手段4を説明するための正面図である。
図2に示すように、X線撮像手段12は、受光面12aが矩形の平面センサからなり、例えばCMOSセンサ、CCDセンサ、CdTeセンサ、その他のイメージセンサで構成されている。
スライド移動手段4は、ボールねじ41と、ボールねじ41を回転させる駆動モータ42と、ボールねじ41に螺入されたナット43と、ナット43に固定されたホルダ44とを備えている。X線撮像手段12は、ホルダ44に固定されている。また、スライド移動手段4は、ホルダ44を鉛直方向に往復移動自在に支持する直線移動ガイド45と、X線撮像手段12(受光面12a)の鉛直方向の原点位置を検出するための原点位置調整手段5とを備えている。
原点位置調整手段5は、ナット43に固定された遮光板51と、遮光板51の端部51aの位置を検出する光センサ52とを備えている。そして、原点位置調整手段5は、上方向Aにナット43が移動する際に遮光板51の端部51aが光センサ52から上方向Aに抜けた時点での位置を、X線撮像手段12の受光面12aの原点位置として検出する。
図1に示すように、X線源11およびX線撮像手段12は、被写体Kを挟んで、互いに対峙するようにアーム2に配設されている。そして、サーボモータ等からなる旋回手段3によりアーム2を旋回させて、X線源11およびX線撮像手段12を被写体Kの周りに回転させ、X線源11から照射されたX線束Lが被写体Kを透過してX線撮像手段12で検出される。回転角度位置検出手段6としては、例えば回転軸1に設けられたロータリエンコーダが使用され得る。
図3はFOVを説明するための模式的な平面図である。図4は、FOVを説明するための模式的な側面図である。
図3に示すように、X線源11およびX線撮像手段12(図1参照)が回転軸1の中心軸C1の周りに回転させられると、X線撮像手段12の受光面12aが、基準位置(起点)STから図3中の矢印方向に円周方向に移動する。これにより、FOV7が得られる。
図4に示すように、制御手段81(図1参照)は、スライド移動手段4(図1参照)により、受光面12aが原点位置から第1の検出位置P1にくるまで、X線撮像手段12(図1参照)をアーム2内において鉛直方向に直線移動させる。この場合、X線撮像手段12は、被写体K(図1参照)の第1の領域としての下部領域を透過したX線束Lを検出する。原点位置(図示せず)は、ここでは第1の検出位置P1よりも僅かに下方の位置に設定されているが、適宜変更可能である。また、制御手段81は、スライド移動手段4により、受光面12aが原点位置から第1の検出位置P1よりも上方の第2の検出位置P2にくるまで、X線撮像手段12をアーム2内において鉛直方向に直線移動させる。この場合、X線撮像手段12は、被写体Kの第2の領域としての上部領域を透過したX線束Lを検出する。かかる構成により、第1の検出位置P1における受光面12aから得られるFOVと第2の検出位置P2における受光面12aから得られるFOVとでカバーされる広範囲のFOV7を得ることができる。
図5は、歯科用X線撮影装置100の主要な制御構成を示すブロック図である。
図5に示すように、歯科用X線撮影装置100は、歯科用X線撮影装置100の各部の動作を制御する制御手段81を備えている。例えば、制御手段81は、X線撮影動作の制御を行う。すなわち、制御手段81は、X線束L(図1参照)の照射を行わせるためのX線照射信号をX線源11に送信する。また、制御手段81は、被写体Kを透過したX線束Lの検出により取得される投影画像データを取り込むための画像取込信号をX線撮像手段12に送信する。X線撮像手段12は、画像取込信号を受信したときの投影画像データを画像処理手段83に送信する。
制御手段81は、旋回手段3によるアーム2の回転動作を制御するための回転制御信号を旋回手段3に送信するとともに、回転軸1の回転方向の角度位置の信号である回転角度位置信号を回転角度位置検出手段6から受信する。また、制御手段81は、X線撮像手段12を鉛直方向に直線移動させるための昇降制御信号をスライド移動手段4に送信する。
制御手段81は、演算部82を有しており、演算部82は、回転角度位置信号を回転角度位置検出手段6から常時受信する。演算部82は、X線撮像手段12に送信された画像取込信号を受信したときの回転角度位置検出手段6からの回転角度位置信号を示す画像角度情報を演算し、該画像角度情報を画像処理手段83に送信する。画像処理手段83は、X線撮像手段12が取得した投影画像データに、該投影画像データが取得されたときの画像角度情報を付加するとともに、該投影画像データに対して所定の処理を施す。
本実施形態では、制御手段81は、旋回手段3によりX線源11およびX線撮像手段12を回転させながら、X線撮像手段12により被写体K(図1参照)を透過した投影画像データ群を取得する撮像処理を実行する。かかる撮像処理は、X線撮像手段12を第1の検出位置P1(図4参照)に位置させて第1の投影画像データ群を取得する第1の撮像処理と、X線撮像手段12を第2の検出位置P2に位置させて第2の投影画像データ群を取得する第2の撮像処理とを含んでいる。そして、画像処理手段83は、第1の投影画像データ群と第2の投影画像データ群とを、X線撮像手段12によって投影画像データが取得されたときの回転軸1の回転方向の角度位置が合致する投影画像データ同士を結合することによって、合成する合成処理を実行する。
以上のように構成された歯科用X線撮影装置100の動作について、図6〜図8を参照しながら説明する。図6は、CT撮影動作の概略の手順を示すフローチャートである。図7は、X線源11およびX線撮像手段12を被写体Kの周りで旋回させる場合の1〜2周目における受光面12aの位置を模式的に示す平面図である。図8(a)〜(c)は、第1の投影画像データ群と第2の投影画像データ群とを合成する合成処理を説明するための図である。
図6に示すように、操作者の操作に基づいて、歯科用X線撮影装置100による撮影が開始される(ステップS101)。このとき、X線撮像手段12の受光面12aは、下方位置である第1の検出位置P1(図4参照)に位置される。
まず、制御手段81は、旋回手段3によりX線源11およびX線撮像手段12を回転させながら、X線撮像手段12により被写体Kの下部領域を透過した第1の投影画像データ群を取得する第1の撮像処理を実行する(ステップS102〜S106)。
具体的には、制御手段81は、X線源11およびX線撮像手段12を回転させながら、画像取込信号をX線撮像手段12に送信する(ステップS102)とともに、回転角度位置検出手段6により回転軸1の回転方向の角度位置である回転角度位置を検出する(ステップS103)。画像取込信号は、毎秒所定回数発せられる。
制御手段81は、画像取込信号をX線撮像手段12に送信したときの回転角度位置検出手段6からの回転角度位置信号を示す画像角度情報を演算し(ステップS104)、該画像角度情報を画像処理手段83に送信する。また、画像取込信号をトリガとして、被写体Kの下部領域を透過したX線束Lの検出によって投影画像データが取得され(ステップS105)、該投影画像データが画像処理手段83に送信される。
図7に示すように、第1の撮像処理は、受光面12aが下方位置に位置された状態で基準位置STから中心軸C1の周りで平面視して反時計回りに1周(360度)周方向に移動しながら行われる。投影画像データは、受光面12aが図7中のL1〜L36で示す位置にきたときに順次取得される。なお、図7では、投影画像データは図示の簡易化のために10度間隔で取得されているが、実際にはもっと小さい角度間隔で取得される(図9でも同様)。
こうして、図6に示すように、1周目の投影画像データの取得、すなわち第1の投影画像データ群を取得する第1の撮像処理が終了する(ステップS106)。
一方、画像処理手段83は、X線撮像手段12から送信された各投影画像データに、該投影画像データが取得されたときの画像角度情報を付加する(ステップS201)。これにより、画像角度情報付きの第1の投影画像データ群(Aセット)が作成される。
制御手段81は、第1の撮像処理が終了すると、スライド移動手段4によりX線撮像手段12を上方向に移動させる(ステップS107)。これにより、X線撮像手段12の受光面12aは、上方位置である第2の検出位置P2(図4参照)に位置される。
また、制御手段81は、第1の撮像処理が終了すると、X線源11およびX線撮像手段12の回転を停止させた後に逆方向に回転させるための制御を実行する。この際、X線源11およびX線撮像手段12は、減速しながら所定角度回転したところで完全に停止した後に逆方向に回転されて、次に行われる第2の撮像処理の開始時の一定回転速度に達するまで加速される。ステップS107におけるX線撮像手段12の移動は、第1の撮像処理の終了後、第2の撮像処理の開始前の間に行われる。
次に、制御手段81は、旋回手段3によりX線源11およびX線撮像手段12を逆方向に回転させながら、X線撮像手段12により被写体Kの上部領域を透過した第2の投影画像データ群を取得する第2の撮像処理を実行する(ステップS108〜S112)。
具体的には、制御手段81は、X線源11およびX線撮像手段12を1周目とは逆方向に回転させながら、画像取込信号をX線撮像手段12に送信する(ステップS108)とともに、回転角度位置検出手段6により回転軸1の回転方向の角度位置である回転角度位置を検出する(ステップS109)。
制御手段81は、画像取込信号をX線撮像手段12に送信したときの回転角度位置検出手段6からの回転角度位置信号を示す画像角度情報を演算し(ステップS110)、該画像角度情報を画像処理手段83に送信する。また、画像取込信号をトリガとして、被写体Kの上部領域を透過したX線束Lの検出によって投影画像データが取得され(ステップS111)、該投影画像データが画像処理手段83に送信される。
図7に示すように、第2の撮像処理は、受光面12aが上方位置に位置された状態で基準位置STから中心軸C1の周りで平面視して時計回りに1周(360度)周方向に移動しながら行われる。投影画像データは、受光面12aが図7中のU1〜U36で示す位置にきたときに順次取得される。なお、図7では、1周目(L1〜L36)を示す円と2周目(U1〜U36)を示す円とは、図7中で記載が重ならないようにするために、径寸法が異なる同心円で表されている(図9でも同様)。
こうして、図6に示すように、2周目の投影画像データの取得、すなわち第2の投影画像データ群を取得する第2の撮像処理が終了する(ステップS112)。これにより、撮影が終了する(ステップS113)。
一方、画像処理手段83は、X線撮像手段12から送信された各投影画像データに、該投影画像データが取得されたときの画像角度情報を付加する(ステップS202)。これにより、画像角度情報付きの第2の投影画像データ群(Bセット)が作成される。
続いて、画像処理手段83は、第1の投影画像データ群と第2の投影画像データ群とを、画像角度情報が合致する投影画像データ同士を結合することによって、合成する合成処理を実行する(ステップS203)。
具体的には、図8(a)に示すように、受光面12aが下方位置にあって図7中のL1で示す位置にきたときの投影画像データL1aと、受光面12aが上方位置にあって図7中のU1で示す位置にきたときの投影画像データU1aとが結合されて、結合画像データT1が作成される。また、図8(b)に示すように、受光面12aが下方位置にあって図7中のL2で示す位置にきたときの投影画像データL2aと、受光面12aが上方位置にあって図7中のU36で示す位置にきたときの投影画像データU36aとが結合されて、結合画像データT2が作成される。また、図8(c)に示すように、受光面12aが下方位置にあって図7中のL3で示す位置にきたときの投影画像データL3aと、受光面12aが上方位置にあって図7中のU35で示す位置にきたときの投影画像データU35aとが結合されて、結合画像データT3が作成される。同様にして他の結合画像データT4〜T36が作成され、この結果、これらの結合画像データT1〜T36を含む合成投影画像データ群が作成される。なお、図8(a)〜(c)における投影画像データの内容を示す頭部の各画像は、図示の簡略化のために同一に描かれている(図10(a)〜(c)でも同様)。
続いて、画像処理手段83は、合成処理によって作成された合成投影画像データ群に基づいてCT画像を生成する画像再構成処理を実行する(ステップS204)。
また、ステップS204の画像再構成処理において、結合対象の各投影画像データに対応する画像角度情報の差に基づいて補正されたCT画像が生成される。補正されたCT画像は、ここでは、生成されたCT画像に対して補正処理が行われることによって作成される。ただし、補正されたCT画像は、合成投影画像データ群に対して補正処理が行われた後に、該補正処理が施された合成投影画像データ群に基づいてCT画像を生成することによって作成されてもよい。
なお、本実施形態では、アーム2の回転方向は平面視して、第1の撮像処理において反時計回り、第2の撮像処理において時計回りであるが、第1の撮像処理において時計回り、第2の撮像処理において反時計回りであってもよい。
前記したように、本実施形態では、制御手段81は、被写体Kの第1の領域を透過した第1の投影画像データ群を取得する第1の撮像処理と、X線撮像手段12を被写体Kの第2の領域を透過したX線束を検出する第2の検出位置P2に移動させるスライド移動処理と、被写体Kの第2の領域を透過した第2の投影画像データ群を取得する第2の撮像処理とを実行する。そして、画像処理手段83は、第1の投影画像データ群と第2の投影画像データ群とを、投影画像データが取得されたときの回転軸1の回転方向の角度位置が合致する投影画像データ同士を結合することによって、合成する合成処理を実行する。
この構成では、投影画像データが取得されたときの回転軸1の回転方向の角度位置が合致する投影画像データ同士が結合される。したがって、被動部材の機械的な滑りや誤差が万一発生した場合や、第1の投影画像データ群と第2の投影画像データ群とで基準位置(起点)がずれる場合等でも、結合する対象を回転軸1の回転方向の角度位置に基づいて正確に特定できる。すなわち、本実施形態によれば、結合対象の各投影画像データを正確に特定して大きなFOVを精度良く得ることができる。
また、本実施形態では、X線撮像手段12が取得した投影画像データに、該投影画像データが取得されたときの回転軸1の回転方向の角度位置を示す画像角度情報が付加され、画像処理手段83は、画像角度情報が合致する投影画像データ同士を結合する。この構成では、投影画像データ同士を、該投影画像データに付加された画像角度情報を照合しながら結合することができる。このため、結合対象の各投影画像データを、画像角度情報に基づいて、より正確かつ迅速に特定できる。
また、本実施形態では、第2の撮像処理におけるX線源11およびX線撮像手段12の回転方向は、第1の撮像処理における回転方向と逆方向である。そして、第1の撮像処理と第2の撮像処理との間でX線源11およびX線撮像手段12の回転が一旦停止され、第1の撮像処理の終了後、第2の撮像処理の開始前の間において、スライド移動処理が実行される。この構成では、X線源11およびX線撮像手段12は、第1の撮像処理が終了した時点ですぐに回転停止できないため、完全に停止するまで減速しながら所定角度回転する。また、X線源11およびX線撮像手段12は、回転停止した位置から逆方向に回転され、第2の撮像処理の開始時の一定回転速度に達するまで加速しながら所定角度逆方向に回転する。したがって、第1の撮像処理の終了後、第2の撮像処理の開始前における回転方向切替え時の過渡的な回転の間に、スライド移動処理を実行できる。このため、撮影時間の短縮が図られ、効率の良い撮影が可能となる。
また、本実施形態では、画像処理手段83は、合成処理によって作成された合成投影画像データ群に基づいてCT画像を生成する画像再構成処理を実行する。そして、画像再構成処理において、結合対象の各投影画像データに対応する回転軸1の回転方向の角度位置の差に基づいて補正されたCT画像が生成される。この構成では、各投影画像データが取得されたときの回転軸1の回転方向の角度位置を利用して、結合対象の各投影画像データに対応する角度位置に例えば僅かな差がある場合でも、該差の影響を小さくするように補正したCT画像を得ることができる。
(第2実施形態)
次に、図9〜図10を参照しながら、本発明の第2実施形態について、前記した第1実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点の説明を適宜省略する。
図9は、第2実施形態において、X線源11およびX線撮像手段12を被写体Kの周りで旋回させる場合の1〜2周目における受光面12aの位置を模式的に示す平面図である。図10(a)〜(c)は、第2実施形態において、第1の投影画像データ群と第2の投影画像データ群とを合成する合成処理を説明するための図である。
図9に示すように、第2実施形態における第1の撮像処理は、第2実施形態における第1の撮像処理(図6のステップS102〜S106)と同様である。すなわち、受光面12aが下方位置に位置された状態で基準位置STから中心軸C1の周りで反時計回りに1周(360度)周方向に移動しながら行われる。投影画像データは、受光面12aが図9中のL1〜L36で示す位置にきたときに順次取得される。
制御手段81は、第1の撮像処理が終了した後も、X線源11およびX線撮像手段12の回転を継続する制御を実行する。すなわち、X線源11およびX線撮像手段12の回転は加減速すること無く進行する。そして、X線源11およびX線撮像手段12の回転が所定量(図9では90度)進んだ角度位置である第2の基準位置ST2から第2の撮像処理が開始される。図6のステップS107におけるX線撮像手段12の移動は、第1の撮像処理の終了後、第2の撮像処理の開始前の間に行われる。
次に、制御手段81は、旋回手段3によりX線源11およびX線撮像手段12を同方向に継続回転させながら、X線撮像手段12により被写体Kの上部領域を透過した第2の投影画像データ群を取得する第2の撮像処理を実行する(図6のステップS108〜S112)。
図9に示すように、第2の撮像処理は、受光面12aが上方位置に位置された状態で第2の基準位置ST2から中心軸C1の周りで反時計回りに1周(360度)周方向に移動しながら行われる。投影画像データは、受光面12aが図9中のU1〜U36で示す位置にきたときに順次取得される。
画像処理手段83は、第1の投影画像データ群と第2の投影画像データ群とを、画像角度情報が合致する投影画像データ同士を結合することによって、合成する合成処理を実行する(図6のステップS203)。
具体的には、図10(a)に示すように、受光面12aが下方位置にあって図9中のL1で示す位置にきたときの投影画像データL1aと、受光面12aが上方位置にあって図9中のU28で示す位置にきたときの投影画像データU28aとが結合されて、結合画像データT1が作成される。また、図10(b)に示すように、受光面12aが下方位置にあって図9中のL2で示す位置にきたときの投影画像データL2aと、受光面12aが上方位置にあって図9中のU29で示す位置にきたときの投影画像データU29aとが結合されて、結合画像データT2が作成される。また、図10(c)に示すように、受光面12aが下方位置にあって図9中のL3で示す位置にきたときの投影画像データL3aと、受光面12aが上方位置にあって図9中のU30で示す位置にきたときの投影画像データU30aとが結合されて、結合画像データT3が作成される。同様にして他の結合画像データT4〜T36が作成され、この結果、これらの結合画像データT1〜T36を含む合成投影画像データ群が作成される。
なお、第2実施形態では、アーム2の回転方向は平面視して、第1の撮像処理および第2の撮像処理において反時計回りであるが、第1の撮像処理および第2の撮像処理において時計回りであってもよい。
前記したように、第2実施形態では、第2の撮像処理におけるX線源11およびX線撮像手段12の回転方向は、第1の撮像処理における回転方向と同方向である。そして、第1の撮像処理と第2の撮像処理との間でX線源11およびX線撮像手段12の回転が継続され、第1の撮像処理の終了後、X線源11およびX線撮像手段12の回転が所定量進んだ角度位置から第2の撮像処理が開始される。また、第1の撮像処理の終了後、第2の撮像処理の開始前の間におけるX線源11およびX線撮像手段12の回転継続中に、スライド移動処理が実行される。
この構成では、X線源11およびX線撮像手段12は、第1の撮像処理が終了した後も同方向の回転が継続される。この空回転中にスライド移動処理が実行され、スライド移動処理終了後に第2の撮像処理が開始される。したがって、第1の撮像処理の終了後、第2の撮像処理の開始前における空回転の間に、スライド移動処理を実行できる。このため、撮影時間の短縮が図られ、効率の良い撮影が可能となる。
しかも、撮影中にX線源11およびX線撮像手段12の回転は停止されない。この結果、全体的な撮影時間がより短くて済み、撮影作業効率がより向上する。さらに、被動部材に作用する加減速に基づく慣性力を削減できることから、該慣性力に起因する被動部材の振動を低減でき、被動部材の耐久性が向上するとともに、精度の良い撮影が可能となる。
(第3実施形態)
次に、図11〜図20を参照しながら、本発明の第3実施形態について、前記した第1実施形態または第2実施形態と相違する点を中心に説明し、共通する点の説明を適宜省略する。
図11は、本発明の第3実施形態に係る歯科用X線撮影装置100aを示す側面図である。図12は、第3実施形態においてFOVを説明するための模式的な側面図である。図13(a)は、第1の撮像処理におけるX線束制限手段9を説明するための正面図、図13(b)は、第2の撮像処理におけるX線束制限手段9を説明するための正面図である。
なお、図13における符号Hは、被写体Kに照射されるX線束Lについての第1の撮像処理で制限される範囲と第2の撮像処理で制限される範囲との上下方向の境界を示す線である(図14〜図18でも同様)。また、図13における符号Vは、X線源11の中心を通る鉛直線である(図14〜図20でも同様)。
図11に示すように、第3実施形態に係る歯科用X線撮影装置100aは、X線束Lが被写体Kに照射される範囲を受光面12aに沿う方向としての上下方向において制限するX線束制限手段9をさらに備えている。
図11〜図12に示すように、制御手段81は、受光面12aが下方位置である第1の検出位置P1に位置される第1の撮像処理において、X線束Lが被写体Kに照射される範囲をX線束制限手段9により第1の領域(下部領域)に対応する範囲に制限する。また、制御手段81は、受光面12aが上方位置である第2の検出位置P2に位置される第2の撮像処理において、X線束Lが被写体Kに照射される範囲をX線束制限手段9により第2の領域(上部領域)に対応する範囲に制限する。
図13に示すように、X線束制限手段9は、スリット部材91と、スリット部材91を上下方向に直線移動させる直線移動手段92とを有している。直線移動手段92は、ボールねじ921と、ボールねじ921を回転させる駆動モータ922と、ボールねじ921に螺入されたナット923とを備えている。スリット部材91は、ナット923に固定されている。スリット部材91は、例えば矩形の開口部912が中央に形成された板体911を有している。スリット部材91は、スリット部材91が被写体Kを挟んでX線撮像手段12の受光面12aと対向するように、アーム2におけるX線源11の内側(被写体K側)に配置されている。このスリット部材91によって絞られたX線束Lが被写体Kを通過して、X線撮像手段12で検出される。
この第3実施形態では、第1の撮像処理が終了すると、スリット部材91が上方向(図13(a)中のA方向)に移動させられる。つまり、開口部912が中央に形成された板体911を有するスリット部材91を上下方向に移動させることによって、X線源11から照射されるX線束Lの規制範囲を上下方向に移動させることができる。
これにより、第1の撮像処理では被写体Kの下部領域に対応する範囲以外にはX線束Lが照射されず、第2の撮像処理では被写体Kの上部領域に対応する範囲以外にはX線束が照射されないように規制することができる。
したがって、第3実施形態によれば、前記した第1実施形態または第2実施形態による作用効果を奏することに加えて、X線撮影中における被写体Kの被爆量を軽減することが可能となる。
図14(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第1変形例に係るX線束制限手段9aを説明するための正面図、図14(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第1変形例に係るX線束制限手段9aを説明するための正面図である。
図14に示すように、X線束制限手段9aは、スリット部材91aと、スリット部材91aを左右方向に直線移動させる直線移動手段92とを有している。スリット部材91aは、ナット923に固定されている。スリット部材91aは、例えば矩形の開口部912aおよび開口部913がそれぞれ形成された板体911aを有している。開口部912aは、正面視して板体911aの右下に形成されており、開口部913は、正面視して板体911aの左上に形成されている。
この第3実施形態の第1変形例では、第1の撮像処理が終了すると、スリット部材91aが右方向(図14(a)中のC方向)に移動させられる。つまり、開口部912aおよび開口部913が形成された板体911aを有するスリット部材91aを左右方向に移動させることによって、X線源11から照射されるX線束Lの規制範囲を上下方向に移動させることができる。
図15(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第2変形例に係るX線束制限手段9bを説明するための正面図、図15(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第2変形例に係るX線束制限手段9bを説明するための正面図である。
図15に示すように、X線束制限手段9bは、スリット部材91bと、スリット部材91bの開口部912bの一部を覆う遮蔽板914と、遮蔽板914を上下方向に直線移動させる直線移動手段92とを有している。遮蔽板914は、ナット923に固定されている。スリット部材91bは、例えば矩形の開口部912bが中央に形成された板体911bを有している。
この第3実施形態の第2変形例では、第1の撮像処理が終了すると、遮蔽板914が下方向(図15(a)中のB方向)に移動させられる。つまり、遮蔽板914が上下方向に移動させられることによって、開口部912bの内縁と遮蔽板914の上端縁または下端縁とによって囲まれる範囲が、上下方向において図15中に示す範囲A1と範囲A2との間で切り替えられる。これにより、X線源11から照射されるX線束Lの規制範囲を上下方向に移動させることができる。
図16(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第3変形例に係るX線束制限手段9cを説明するための正面図、図16(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第3変形例に係るX線束制限手段9cを説明するための正面図である。
図16に示すように、X線束制限手段9cは、4枚の略矩形の遮蔽板914a〜914dと、これらの遮蔽板914a〜914dをそれぞれ直線移動させる4つの直線移動手段92とを有している。遮蔽板914a〜914dは、各直線移動手段92のナット923にそれぞれ固定されている。遮蔽板914aは、直線移動手段92によって上下方向に直線移動可能である。遮蔽板914bは、遮蔽板914aよりも下方に配置されており、直線移動手段92によって上下方向に直線移動可能である。また、遮蔽板914cは、直線移動手段92によって左右方向に直線移動可能である。遮蔽板914dは、遮蔽板914cよりも右方に配置されており、直線移動手段92によって左右方向に直線移動可能である。
この第3実施形態の第3変形例では、遮蔽板914cおよび遮蔽板914dは、予め決められた位置に固定される。ただし、遮蔽板914cおよび遮蔽板914dの固定位置は、適宜調整され得る。そして、第1の撮像処理が終了すると、遮蔽板914aおよび遮蔽板914bが上方向(図16(a)中のA方向)に同じ距離だけ移動させられる。つまり、遮蔽板914aおよび遮蔽板914bが上下方向に移動させられることによって、遮蔽板914aの下端縁、遮蔽板914bの上端縁、遮蔽板914cの右端縁、および遮蔽板914dの左端縁で囲まれる範囲が、上下方向において図16中に示す範囲A1と範囲A2との間で切り替えられる。これにより、X線源11から照射されるX線束Lの規制範囲を上下方向に移動させることができる。
図17(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第4変形例に係るX線束制限手段9dを説明するための正面図、図14(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第4変形例に係るX線束制限手段9dを説明するための正面図である。
図17に示すように、X線束制限手段9dは、スリット部材91cと、スリット部材91cを回動させる回動手段92aとを有している。回動手段92aは、円柱状のロッド部材921aと、ロッド部材921aを回転させる駆動モータ922aとを備えている。スリット部材91cは、ロッド部材921aに固定されている。スリット部材91cは、例えば矩形の開口部912bおよび開口部913aがそれぞれ形成された略扇形の板体911cを有している。開口部912bおよび開口部913aは、ロッド部材921aの軸線を中心とした同一円の円周上に並んで形成されており、開口部913aは、開口部912bよりも上方に形成されている。
この第3実施形態の第4変形例では、第1の撮像処理が終了すると、スリット部材91cが正面視して時計回り方向(図17(a)中のR1方向)に回動させられる。つまり、開口部912bおよび開口部913aが形成された板体911cを有するスリット部材91cをロッド部材921aの軸線の周りで回動させることによって、X線源11から照射されるX線束Lの規制範囲を上下方向に移動させることができる。
図18(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第5変形例に係るX線束制限手段9eを説明するための側面図、図18(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第5変形例に係るX線束制限手段9eを説明するための側面図である。
図18に示すように、X線束制限手段9eは、一対の例えば矩形の遮蔽板915と、各遮蔽板915を後記するロッド部材921aの水平方向に沿う軸線の周りでそれぞれ回動させる2つの回動手段92aとを有している。回動手段92aは、円柱状のロッド部材921aと、ロッド部材921aを回転させる駆動モータ922aとを備えている。ロッド部材921aは、遮蔽板915の端縁に固定されている。
この第3実施形態の第5変形例では、第1の撮像処理が終了すると、一対の遮蔽板915が側面視して時計回り方向(図18(a)中のR2方向)に回動させられる。つまり、一対の遮蔽板915を回動させることによって、X線源11から照射されるX線束Lの規制範囲を上下方向に移動させることができる。なお、図18では、一対の遮蔽板915の間を通過するX線束Lのみが示されている。
図19(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第6変形例に係るX線束制限手段9fを説明するための正面図、図19(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第6変形例に係るX線束制限手段9fを説明するための正面図である。
図19に示すように、X線束制限手段9fは、X線源11を支持する支持部材93と、支持部材93を上下方向に直線移動させる直線移動手段92とを有している。支持部材93は、ナット923に固定されている。支持部材93は、例えば矩形の板体である支持部931を有している。この支持部931にX線源11が設けられている。
この第3実施形態の第6変形例では、第1の撮像処理が終了すると、X線源11が設けられた支持部材93が上方向(図19(a)中のA方向)に移動させられる。つまり、X線源11を上下方向に移動させることによって、X線源11から照射されるX線束Lの照射高さを上下方向に移動させることができる。
これにより、第1の撮像処理では被写体Kの下部領域に対応する範囲以外にはX線束Lが照射されず、第2の撮像処理では被写体Kの上部領域に対応する範囲以外にはX線束が照射されないように規制することができる。
したがって、第3実施形態の第6変形例によれば、前記した第3実施形態による作用効果を奏することに加えて、X線束Lの広がり角度が小さい小型のX線源11を用いることが可能となるため、X線源11、ひいては歯科用X線撮影装置100aが安価となる。
図20(a)は、第1の撮像処理における第3実施形態の第7変形例に係るX線束制限手段9gを説明するための側面図、図20(b)は、第2の撮像処理における第3実施形態の第7変形例に係るX線束制限手段9gを説明するための側面図である。
図20に示すように、X線束制限手段9gは、X線源11を支持する支持部材93aと、支持部材93aを回動させる回動手段92aとを有している。回動手段92aは、円柱状のロッド部材(図示せず)と、このロッド部材を回転させる駆動モータ922aとを備えている。支持部材93aは、回動手段92aのロッド部材に固定されている。支持部材93aは、例えば円形の板体である支持部931aを有している。この支持部931aにおける回動手段92aによる回動中心位置にX線源11が設けられている。
この第3実施形態の第7変形例では、第1の撮像処理が終了すると、X線源11が設けられた支持部材93aが側面視して時計回り方向(図20(a)中のR2方向)に回動させられる。つまり、X線源11を該X線源11の焦点を中心として回動させることによって、X線源11から照射されるX線束Lの照射方向を上下方向に振ることができる。
じたがって、この第3実施形態の第7変形例によっても、前記した第3実施形態の第6変形例と同様の作用効果を奏することができる。
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、前記実施形態に記載した構成を適宜組み合わせ乃至選択することを含め、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、前記実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換をすることができる。
例えば、前記実施形態では、スライド移動手段4は、X線撮像手段12を鉛直方向に移動させたが、水平方向に移動させると、FOVを水平方向に拡大できる。第3実施形態においてX線撮像手段12を水平方向に移動させる構成に変更する場合には、X線束Lが被写体Kに照射される範囲を水平方向において制限するX線束制限手段を備えるとよい。
また、前記実施形態では、被写体Kの領域を2つに分割して、2つの領域に対応してX線撮像手段12を第1の検出位置P1と第2の検出位置P2に移動させたが、被写体Kの領域を3つ以上に分割してそれぞれの領域に対応させてX線撮像手段12を移動させてもよい。
また、前記実施形態では、X線撮像手段12が取得した投影画像データに画像角度情報を付加したが、本発明はこれに限定されるものではない。投影画像データが取得されたときの回転軸1の回転方向の角度位置が合致する投影画像データ同士を結合することが可能であればよく、例えば投影画像データと画像角度情報とを関係付けるテーブルが作成されて投影画像データ同士の結合時にそのテーブルが参照されるように構成されてもよい。
また、前記実施形態では、第1の投影画像データ群と第2の投影画像データ群とをそれぞれ一部重ね合わせて結合したが、スライド移動手段4におけるX線撮像手段12の移動精度を確保すれば、投影画像データの端部が接するように並べるだけで結合画像データを作成することもできる。
また、前記実施形態においては、アーム2の回転角度は、フルリコンの場合を想定して360度としたが、X線照射角を考慮して360度以上としてもよい。あるいは、アーム2の回転角度は、ハーフリコンの場合を想定して180度でもよいし、X線照射角を考慮して180度以上としてもよい。
1 回転軸
2 アーム(支持手段)
3 旋回手段
4 スライド移動手段
6 回転角度位置検出手段
9,9a〜9g X線束制限手段、
11 X線源
12a 受光面
12 X線撮像手段
81 制御手段
82 演算部
83 画像処理手段
100 歯科用X線撮影装置
C1 中心軸
K 被写体
L X線束
P1 第1の検出位置
P2 第2の検出位置
ST 基準位置
ST2 第2の基準位置
L1a,L2a,L3a 投影画像データ
U1a,U28a,U29a,U30a,U35a,U36a 投影画像データ
T1〜T4 結合画像データ

Claims (4)

  1. X線束を被写体に照射するX線源と、
    前記X線源から照射され前記被写体を透過した前記X線束を検出するX線撮像手段と、
    前記X線源および前記X線撮像手段を支持する支持手段と、
    前記支持手段を鉛直方向に沿う回転軸の周りに回転させて前記X線源および前記X線撮像手段を前記被写体の周りで水平方向に旋回させる旋回手段と、
    前記回転軸の回転方向の角度位置を検出する回転角度位置検出手段と、
    前記X線撮像手段を受光面に沿う方向に直線移動させるスライド移動手段と、
    前記旋回手段および前記スライド移動手段の動作を制御する制御手段と、
    前記X線撮像手段が取得した投影画像データを処理する画像処理手段と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記旋回手段により前記X線源および前記X線撮像手段を回転させながら、前記X線撮像手段により前記被写体の第1の領域を透過した第1の投影画像データ群を取得する第1の撮像処理と、
    前記スライド移動手段により、前記X線撮像手段を前記被写体の第2の領域を透過した前記X線束を検出する位置に移動させるスライド移動処理と、
    前記旋回手段により前記X線源および前記X線撮像手段を回転させながら、前記X線撮像手段により前記第2の領域を透過した第2の投影画像データ群を取得する第2の撮像処理と、を実行し、
    前記画像処理手段は、
    前記第1の投影画像データ群と前記第2の投影画像データ群とを、前記X線撮像手段によって投影画像データが取得されたときの前記回転軸の回転方向の角度位置が合致する投影画像データ同士を結合することによって、合成する合成処理を実行し、
    前記第2の撮像処理における前記X線源および前記X線撮像手段の回転方向は、前記第1の撮像処理における前記X線源および前記X線撮像手段の回転方向と同方向であり、
    前記第1の撮像処理と前記第2の撮像処理との間で前記X線源および前記X線撮像手段の回転が継続され、
    前記第1の撮像処理の終了後、前記X線源および前記X線撮像手段の回転が所定量進んだ角度位置から前記第2の撮像処理が開始され、
    前記第1の撮像処理の終了後、前記第2の撮像処理の開始前の間における前記X線源および前記X線撮像手段の回転継続中に、前記スライド移動処理が実行されることを特徴とする歯科用X線撮影装置。
  2. 前記X線束が前記被写体に照射される範囲を前記受光面に沿う方向において制限するX線束制限手段をさらに備え、
    前記制御手段は、前記第1の撮像処理において、前記X線束が前記被写体に照射される範囲を前記X線束制限手段により前記第1の領域に対応する範囲に制限し、前記第2の撮像処理において、前記X線束が前記被写体に照射される範囲を前記X線束制限手段により前記第2の領域に対応する範囲に制限することを特徴とする請求項1に記載の歯科用X線撮影装置。
  3. 前記X線撮像手段が取得した投影画像データに、該投影画像データが取得されたときの前記回転軸の回転方向の角度位置を示す画像角度情報が付加され、
    前記画像処理手段は、前記画像角度情報が合致する投影画像データ同士を結合することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の歯科用X線撮影装置。
  4. 前記画像処理手段は、前記合成処理によって作成された合成投影画像データ群に基づいてCT画像を生成する画像再構成処理を実行し、
    前記画像再構成処理において、結合対象の各投影画像データに対応する前記回転軸の回転方向の角度位置の差に基づいて補正された前記CT画像が生成されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の歯科用X線撮影装置。
JP2017073677A 2017-04-03 2017-04-03 歯科用x線撮影装置 Active JP6901752B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017073677A JP6901752B2 (ja) 2017-04-03 2017-04-03 歯科用x線撮影装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017073677A JP6901752B2 (ja) 2017-04-03 2017-04-03 歯科用x線撮影装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018174967A JP2018174967A (ja) 2018-11-15
JP6901752B2 true JP6901752B2 (ja) 2021-07-14

Family

ID=64279728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017073677A Active JP6901752B2 (ja) 2017-04-03 2017-04-03 歯科用x線撮影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6901752B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018174967A (ja) 2018-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4516626B1 (ja) 歯科用x線撮影装置
JP6959375B2 (ja) 医療画像診断のためのx線撮影装置
JP5204899B2 (ja) X線撮影装置
JP6116237B2 (ja) パノラマx線撮影、遠距離x線撮影、及び立体cbctx線撮影を行なうための装置、及びそれを使用する方法
JP6546173B2 (ja) X線画像撮影装置及びx線画像撮影方法
CN106852697B (zh) X射线图像获取方法及装置
JP6801962B2 (ja) 医療画像診断のためのx線撮影装置
JP2013116143A5 (ja)
JP2010502334A (ja) 医療用x線イメージング装置
WO2012026160A1 (ja) 放射線治療装置制御装置および放射線治療装置制御方法
KR101863062B1 (ko) 엑스선 ct 촬영장치 및 그 촬영방법
JP6881682B2 (ja) X線イメージング装置
JP6901752B2 (ja) 歯科用x線撮影装置
JP6791404B2 (ja) 放射線位相差撮影装置
CN102783960A (zh) 射线的限束调节装置、限束调节方法与成像装置
KR101661055B1 (ko) 영상 촬영 방법 및 장치
JP2020048991A5 (ja)
JP2012042340A (ja) X線ct装置
JP2006223868A5 (ja)
KR100947298B1 (ko) Ct 촬영용 면 센서를 이용한 ct 및 파노라마 겸용 x선촬영장치
JP6058409B2 (ja) X線ct装置及びそのプログラム
JP6649315B2 (ja) X線撮影装置のための絞り装置
KR102180602B1 (ko) 삼차원 안면 광학 영상과 세팔로 x선 영상을 획득할 수 있는 세팔로 x선 영상 획득 장치
WO2013039032A1 (ja) X線検査装置、x線検査装置の制御方法、x線検査装置を制御するためのプログラム、および、当該プログラムを格納した記録媒体
KR102206089B1 (ko) 엑스선 ct 촬영 장치를 이용한 엑스선 촬영 방법 및 엑스선 ct 촬영 장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20201228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210311

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210608

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210611

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6901752

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250