JP6901088B2 - 無線通信装置および無線通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信装置および無線通信方法に関する。
従来、周波数帯域を広げずに伝送速度を高める技術として、複数の送受信アンテナを用いて空間多重伝送を行うMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送技術が知られている。そして、単一帯域による通信において、MIMOを適用した場合に、単一の情報を品質の異なる複数のストリームに分配する技術が知られている。この場合、各ストリームの通信品質が異なるため、ストリーム毎に電力配分と、変調方式・チャネル符号化率を表すMCS(Modulation and Coding Scheme)とが決定される(たとえば、特許文献1を参照)。
また、従来の無線通信方式、たとえば、3GPP(3rd Generation Partnership Project)で標準化が行なわれた無線通信システムであるLTE(Long Term Evolution)リリース8(Rel-8)は、最大20MHzの帯域を利用して通信を行うことが可能である。
さらに、LTEの発展版であるLTE−A(Long Term Evolution-Advanced)では、LTEとの後方互換性を確保しつつ、更なる高速伝送を実現するため、LTEでサポートされる帯域幅を基本単位としたコンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)を複数束ねて同時に用いるキャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)技術が採用され、最大で5CC(100MHz幅)を用いて100MHz幅の広帯域伝送が実現可能である。ただし、このようなキャリアアグリゲーションは、近接する周波数バンドでの異なるチャネルを用いた伝送である。
上記のような高速化が図られてはいるものの、近年、 スマートフォン等の高機能な携帯端末の普及に伴って、移動通信トラフィックの需要が急激に増大している。
その結果、従来からの無線LAN(Local Area Network)の利用拡大に加え、スマートフォンの普及によるモバイルデータトラフィックの増大により無線LANへのオフロードが進展し、免許不要帯域(2.4GHz帯、5GHz帯)でのトラフィックが急増している。
また、IoT(Internet of Things)/M2M(Machine to Machine)社会の進展により、 上記周波数帯および920MHz帯の更なる逼迫が懸念され、これらの周波数帯の周波数利用効率向上は喫緊の課題となっている。
ここで、無線リソースの利用状況は時間・場所・周波数帯や無線チャネル等によって変動するため、一部の周波数帯(や無線チャネル)のみが混雑する状況が発生し得る。
しかしながら、既存の自営系無線システム(例えばIEEE802.11無線LAN)は単一の周波数帯を用いるか、予め使用する帯域をひとつ決めてから通信を行う。例えば、IEEE802.11nは2.4GHz帯と5GHz帯のいずれを使用するかを設定してから使用する。このため、既存の自営系無線システム全体として無線リソースに空きがある場合であっても、輻輳が発生するおそれがある。
ここで、無線通信リソースの有効利用を図るためコグニティブ無線技術が注目されている。コグニティブ無線技術とは、無線端末が周囲の電波の利用状況を認識し、その状況に応じて利用する無線通信リソースを変えることをいう。コグニティブ無線技術には、異なる無線通信規格を状況に応じて選択して使うヘテロジニアス型と、無線端末が空き周波数を探し出して必要な通信帯域を確保する周波数共用型とがある。
ヘテロジニアス型においては、コグニティブ無線機は、周辺で運用されている複数の無線システムを認識し、各システムの利用度や実現可能な伝送品質に関する情報を入手し、適切な無線システムに接続する。即ち、ヘテロジニアス型のコグニティブ無線は、周辺に存在する無線システムの利用効率を高めることにより、間接的に周波数資源の利用効率を高めるものである。
一方、周波数共用型においては、コグニティブ無線機は、他の無線システムが運用されている周波数帯域において、一時的、または局所的に利用されていない周波数資源(これは、white spaceと呼ばれる)の存在を検知し、これを利用して信号伝送を行なう。即ち、周波数共用型のコグニティブ無線は、ある周波数帯域における周波数資源の利用効率を直接的に高めるものである。
そして、上述したような免許不要帯域におけるトラフィックの増大の問題を解決する一手法として、使用周波数帯の異なる複数の無線LAN規格(例えば、2.4GHz帯無線LAN規格と5GHz帯無線LAN規格)を選択あるいは並行利用する、ヘテロジニアス型コグニティブ無線的アプローチが考えられる(たとえば、特許文献2、特許文献3)。
しかし、このヘテロジニアス型コグニティブ無線的アプローチでは送信データを適宜分割し、それぞれどの周波数帯で伝送するかを事前に振り分けておく必要がある。この結果、各周波数帯の混雑度合いによっては使用周波数帯によって伝送遅延が大きく異なったり、データが宛先に到着する順番が入れ替わる、等の問題が新たに発生してしまう。
そこで、互いに大きく分離した複数の周波数帯、たとえば、2.4GHz帯無線LANと5GHz帯無線LANにおいて、既存システムと周波数を共用して、コグニティブな無線通信を実現することが望ましい。
特開2010−41074号明細書
特開2011−211433号明細書
特開2013−187561号明細書
ただし、複数の周波数帯を利用する場合、各周波数帯で使用する帯域幅は、適応的に変更して、最大のスループットとすることが望ましいものの、これらの周波数帯の伝搬環境(ノイズ環境など)が大きく異なる可能性がある。
まず、上述したようなMIMO技術は、各ストリームが同一の帯域幅を前提とするため、複数の周波数帯でそれぞれ送信帯域幅が異なる場合には適用できない。また、送信帯域幅の選択肢が複数ある場合に、帯域幅を決定することができない、という問題がある。
また、上述したような異なる周波数を用いる通信であるLTEのCAでは、用いられる送信レートは各周波数帯で独立して制御されており、周波数帯にまたがるデータ送信には適用できない、という問題がある。
したがって、従来の技術では、伝搬環境が大きく異なる複数の周波数帯を同時に利用し、単一の情報を複数の周波数に分配して伝送する通信方式をどのようにすべきかについては、必ずしも明らかでない。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、複数の互いに分離した周波数帯域で同時並行に通信をする場合に、送信データを複数周波数帯域にマッピングし、各周波数帯ごとに電力配分を行い、変調方式・チャネル符号化率と送信帯域幅を決定してスループットを向上させることが可能な無線通信装置および無線通信方法を提供することである。
この発明の1つの局面に従うと、互いに分離した複数の周波数帯の複数の無線チャネルを利用して、信号を送信するための無線通信装置であって、送信データを複数の周波数帯のそれぞれに対応して複数の部分データに分割し、各周波数帯ごとに送信パケットを生成するためのデジタル信号処理部と、各周波数帯ごとに設けられ、送信パケットのデジタル信号を対応する周波数帯ごとの高周波信号に変換するための複数の高周波信号処理部とを備え、各高周波信号処理部は、対応する周波数帯での送信のために、指定された変調方式および符号化率で送信パケットのデータを変調するための変調処理部と、変調処理部により変調された信号に対して、指定された送信電力となるように増幅する増幅部とを含み、各周波数帯ごとの帯域幅と信号対雑音電力比に応じて送信電力を分配し、分配後の送信電力により所定の帯域幅、変調方式および符号化率の組合せについて、周波数帯ごとのスループットを予測して、複数の周波数帯での通信が最大のスループットとなる組合せを高周波信号処理部に指示するための送信制御部をさらに備える。
好ましくは、所定の帯域幅は、複数の周波数帯のそれぞれに対応して、複数の帯域幅設定値として予め規定されており、変調方式および符号化率の組合せは、対応する周波数帯における通信路容量のレベルにそれぞれ対応して、複数の変調設定として予め規定されており、高周波信号処理部は、送信制御部からの指示による帯域幅設定値および変調設定に応じて、周波数帯ごとに、対応する帯域幅、変調方式および符号化率の組合せによる高周波信号を生成する。
好ましくは、送信制御部は、各周波数帯ごとに帯域幅と信号対雑音電力比に応じて送信電力を注水定理により分配するように増幅部を制御する。
好ましくは、送信制御部は、各周波数帯ごとに設定された分配最大値と、各周波数帯ごとに帯域幅と信号対雑音電力比に応じて送信電力を注水定理により分配される分配電力値とのうちのより低い方の電力値となるように、増幅部を制御する。
好ましくは、送信制御部は、複数の帯域幅設定値の組合せのパターンにそれぞれ対応するスループット算出部を含み、各スループット算出部は、対応する帯域幅設定値の組合せで指定される帯域幅で送信電力を注水定理により分配する送信電力分配処理部と、送信電力分配処理部により分配された送信電力での通信路容量を算出する通信路容量算出部と、算出された通信路容量に基づいて、複数の変調設定により指定される複数の変調方式および符号化率の組合せのうちのいずれか1つを選択する変調設定部と、選択された変調方式および符号化率の組合せと対応する帯域幅設定値の組合せとに基づいてスループットの期待値を算出するスループット期待値算出部とを含み、送信制御部は、スループット期待値算出部により算出されたスループットの期待値に基づき、最大のスループット期待値となる帯域幅設定値の組合せを選択するバンド幅パターン選択部をさらに含む。
好ましくは、変調方式および符号化率の組合せの変調設定に対応する通信路容量のレベルの各々には、当該変調設定を採用する基準となる切替しきい値と、当該通信路容量のレベルでの上限しきい値が設定されており、各スループット算出部は、変調設定部により変調方式および符号化率の組合せが選択されなかった周波数帯に配分された余剰電力と、変調設定部により選択された変調方式および符号化率の組合せの上限しきい値を超える通信路容量に対応する余剰電力とを再配分して、変調方式および符号化率の組合せを、伝送レートがより高くなるように再調整する再調整部をさらに含む。
好ましくは、送信制御部は、i)各周波数帯ごとに、複数の帯域幅設定値で指定されるそれぞれの帯域幅で送信電力を注水定理により分配した場合に、分配された送信電力での通信路容量を算出し、ii)算出された通信路容量に基づいて、複数の変調設定のうち選択されうる複数の変調方式および符号化率の組合せを決定し、iii)決定された変調方式および符号化率の組合せに基づき、周波数帯ごとに予測されたスループットにより、複数の周波数帯での通信が最大のスループットとなるような帯域幅および変調方式および符号化率の組合せを抽出して指示する。
好ましくは、送信制御部は、各周波数帯ごとに、所定の送信電力以下となるように、複数の変調方式および符号化率の組合せを決定する。
この発明の他の局面に従うと、互いに分離した複数の周波数帯のそれぞれでランダムアクセス制御を行っている複数の無線チャネルを利用して、信号を送信するための無線通信方法であって、送信データを複数の周波数帯のそれぞれに対応して複数の部分データに分割し、各周波数帯ごとに送信パケットを生成するステップと、各周波数帯ごとに、送信パケットのデジタル信号を対応する周波数帯ごとの高周波信号に変換するステップとを備え、高周波信号に変換するステップは、対応する周波数帯での送信のために、指定された変調方式および符号化率で送信パケットのデータを変調するステップと、変調された信号に対して、指定された送信電力となるように増幅するステップとを含み、各周波数帯ごとの帯域幅と信号対雑音電力比に応じて送信電力を分配し、分配後の送信電力により所定の帯域幅、変調方式および符号化率の組合せについて、周波数帯ごとのスループットを予測して、複数の周波数帯での通信が最大のスループットとなる組合せを設定するステップをさらに備える。
この発明によれば、伝搬環境が大きく異なる複数の周波数帯を同時に利用する場合でも、送信データを複数周波数帯域にマッピングし、スループットを向上させることが可能である。
実施の形態1の無線通信システムの構成を説明するための概念図である。 送信データを複数帯域にマッピングして送信し、受信側で一括受信して統合するための具体例を説明するための図である。 実施の形態1の送信装置1000の構成を説明するための機能ブロック図である。 図3に示した送信制御部1080の構成を説明するための機能ブロック図である。 送信装置1000のより詳細な構成の例を説明するための機能ブロック図である。 各周波数帯における帯域幅(バンド幅)の可能な組合せの例を示す図である。 MCS選択部2210.0〜2210.2およびMCS調整部2220の動作を説明するための概念図である。 送信条件設定部2200の処理をソフトウェアで実現する場合のフローチャートである。 実施の形態1の受信装置3000の構成を説明するための機能ブロック図である。 シミュレーションの条件を説明する図である。 スループットのシミュレーション結果を示す図である。 チャネル利用状況観測部1060、チャネル利用状況予測部1070および送信タイミング制御部2100の動作を説明するためのタイミングチャートである。 実施の形態2の送信装置1000´の構成を説明するための機能ブロック図である。 図13に示した送信制御部1080´の構成を説明するための機能ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態の無線通信システムおよび無線通信装置の構成を説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素および処理工程は、同一または相当するものであり、必要でない場合は、その説明は繰り返さない。
なお、以下では、本発明の受信装置を説明する一例として、上述したような互いに大きく分離した複数の既存の免許不要帯域(たとえば、IoTなどに使用される920MHz帯、無線LANに使用される2.4GHz帯と5GHz帯)において、既存システムと周波数を共用して、コグニティブな無線通信を行うことが可能な無線通信システムにおける送信装置を例とする実施の形態を説明する。
ただし、本発明の無線通信装置については、必ずしも、このような場合に限定されず、より一般的に、互いに分離した複数の周波数帯域を用いて、同一の無線方式で同期したタイミングで同時並行的に通信を行う受信装置に適用することが可能である。また、本発明の無線通信装置においては、後に説明するように、互いに分離した複数の周波数帯域を用いて、異なる無線方式で同期したタイミングで同時並行的に通信を行う受信装置に適用することも可能である。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1の無線通信システムの構成を説明するための概念図である。
図1を参照して、送信側では、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯の3つの周波数帯を使用することを前提に、各帯域で無線チャネルを1つずつ使用するものとして、送信フレームを構成する。
なお、各周波数帯で、複数チャネルを使用することとしてもよいが、以下では、周波数帯ごとに1チャネルを使用するものとして説明する。
実施の形態1では以下の特徴を有する無線アクセス制御を行う。
すなわち、まず、送信側では、複数周波数帯の利用状況(各無線チャネルの空き状況など)を観測する。
続いて、送信側では、あるタイミングで、1つ以上の未使用な周波数帯・無線チャネルで同時に無線パケット(フレーム)を送信する。このとき、送信データを複数帯域にマッピングして送信する。
一方で、受信側では複数帯域を一括受信してデータを統合する。
送受信において、このような構成にすると、帯域間で混雑状況に偏りがあっても送信機会を確保できるため周波数利用効率の向上と伝送遅延の低減が期待でき、またデータの到着順番が入れ替わるような問題も発生しない。
図2は、送信データを複数帯域にマッピングして送信し、受信側で一括受信して統合するための具体例を説明するための図である。
図2に示すように送信データを、送信系列を使用する各帯域の伝送レートRiに比例するシンボル数ずつ区切って各帯域に、シリアル/パラレル変換により割り当てる。
例えば、(5GHz帯伝送レート:2.4GHz帯伝送レート:920MHz帯伝送レート)=(R1:R2:R3)=(3:2:1)ならば、送信データの系列を6シンボル毎に区切り、5GHz帯(ch1)、2.4GHz帯(ch2)、920MHz帯(ch3)にはその中の3シンボル、2シンボル、1シンボルを割り当てる。なお、送信系列を分割して割り当てる際には、このような場合に限定されず、より一般には、m個の周波数帯を使用する場合は、周波数帯の伝送レートの比を、(R1:R2:…:Rm)(比率は、既約に表現されるとする)とするとき、送信系列を(R1+R2+…+Rm)×n(m,n:自然数)シンボル毎に区切り、各チャネルには、(R1×n)シンボル、(R2×n)シンボル、…、(Rm×n)シンボルを割り当てるものとしてもよい。
そのような割り当ての後に、各帯域ごとに、送信シンボルに対して物理ヘッダをつけて、パケットとし、これらのパケットを同一タイミングで同時並列的に送信する。
送信側で各帯域に割り当てられたシンボル数については、この物理ヘッダ内に情報として格納される。
受信側では、各帯域上の物理ヘッダを利用して同期と復調処理を行う。復調された各系列を送信側と逆の処理で、パラレル/シリアル変換により結合し、フレームの復号を行う。
[送信装置の構成]
図3は、実施の形態1の送信装置1000の構成を説明するための機能ブロック図である。
図3を参照して、送信装置1000は、送信系列のデータに対して、誤り訂正符号化処理を行うための誤り訂正符号化部1110と、誤り訂正符号化後のデータに対してインターリーブ処理を行うインターリーブ部1112と、図1で説明したように各周波数帯域に割り当てる処理をするためのシリアル/パラレル変換(以下、S/P変換)部1010と、S/P変換後のデータに対して、周波数帯域ごとに、マッピング処理や物理ヘッダの付加など、所定の無線通信方式で通信するための無線フレーム(パケット)を形成するデジタル処理を実行するための無線フレーム生成部1020.1〜1020.3と、無線フレーム生成部1020.1〜1020.3からのデジタル信号に対して、それぞれ、デジタルアナログ変換処理、所定の変調方式への変調処理(たとえば、所定の多値変調方式のための直交変調処理)、アップコンバート処理、電力増幅処理などを実行する高周波処理部(RF部)1040.1〜1040.3と、RF部1040.1〜1040.3の高周波信号をそれぞれ送出するためのアンテナ1050.1〜1050.3とを含む。RF部1040.1〜1040.3の動作は、これらに共通に設けられた局部発振器1030からのクロックに基づいて制御される。
なお、RF部1040.1〜1040.3で実行される変調処理については、その変調方式およびチャネル符号化率が、予めMCSのテーブルとして準備されており、後に説明するように、各周波数帯の通信状況に応じて、MCSが適応的に選択されるものとする。
さらに、送信装置1000は、各周波数帯(各周波数帯の中では1つ以上の無線チャネル)の利用状況(各無線チャネルの空き状況など)を観測するチャネル利用状況観測部1060と、チャネル利用状況観測部1060の観測に基づいて、所定のタイミングでのチャネル利用状況を予測するチャネル利用状況予測部1070と、無線フレーム生成部1020.1〜1020.3の処理タイミングおよびRF部での送信タイミングを制御して、制御された同一の送信タイミングにおいて所定の期間につき未使用な周波数帯・無線チャネルで同時に無線パケットを送信するように制御する送信制御部1080とを含む。
ここでも、チャネル利用状況観測部1060が上述したキャリアセンスおよびチャネルセンシングを実行する構成とする。
ここで、送信制御部1080は、送信時に候補となる対象帯域をキャリアセンスした結果に応じて使用可能であると判明したチャネルを選択し使用して、制御された同一の送信タイミングにおいて未使用な周波数帯・無線チャネルで同時に無線パケットを送信することになる。
このような構成の送信装置1000により、図2で説明したように、データを複数帯域にマッピングして送信し、受信側では複数帯域を一括受信してデータを統合する。
また、送信制御部1080は、上述した複数の周波数帯域を統合した通信スループットが最大となるように、RF部1040.1〜1040.3における変調方式・チャネル符号化率を表すMCSを選択するとともに、総送信電力が一定との条件の下で各帯域への送信電力の分配を決定して制御する。
図4は、図3に示した送信制御部1080の構成を説明するための機能ブロック図である。
送信制御部1080は、複数の周波数帯でのパケットの送信タイミングを制御するための送信タイミング制御部2100と、各周波数帯への送信電力の分配と各周波数帯の変調方式および符号化率を決定するための送信条件設定部2200とを含む。
送信タイミング制御部2100の構成については後述する。
以下では、各周波数帯には共通に、バンド幅がG通り(G:自然数)あるものとする。また、特に限定されないが、たとえば、各周波数帯において基本となるバンド幅がBW(Hz)である場合に、各周波数帯では、BW×H(H:自然数、1≦H≦G)のバンド幅のいずれかを選択できるものとする。ただし、より一般には、各周波帯で、とりうるバンド幅は共通にG通りでなくてもよく、とり得る数は、周波数帯ごとに異なっていてもよい。また、より一般には、BWの値も周波数帯ごとに異なっていてもよい。
以下では、より具体的に説明する場合は、一例として、各周波数帯において、バンド幅は、20MHzと40MHzの2種類を取り得るものとする。
また、変調方式・チャネル符号化率は、予め規定された組み合わせが、MCSとしてインデックス化されているものとする。たとえば、特に限定されないが、以下では、変調方式と符号化率に応じて、MCSは、インデックスMCSp(p:0以上の整数)で規定され、高い伝送レートに対応するものほど、pが大きいものとする。そして、同一のMCSpに対して、異なるバンド幅が対応する構成とできる。以下では、このようなMCSの構成であるものとして説明する。
ただし、MCSのインデックスの決め方は、このような方式に限定されるものではなく、たとえば、変調方式と符号化率、バンド幅の異なるものに対しては、異なるMCSインデックスが対応する構成としてもよい。
さて、各周波数帯において上述したバンド幅のいずれか1つをそれぞれ選択して組み合わせたパターンの個数はQ個であるものとする。
このとき、送信条件設定部2200は、Q通りのバンド幅の組み合わせのパターンのそれぞれに応じてスループットの期待値を算出するためのスループット算出部2202.1〜2202.Qを含む。そして、例示として、複数の周波数帯は、周波数帯f0,f1,f2の3つであるものとする。
以下では、まず、スループット算出部2202.1〜2202.Qのうちの1つのスループット算出部2202.q(q:自然数、1≦q≦Q)の構成について説明する。
スループット算出部2202.qは、各周波数帯f0,f1,f2の対応するバンド幅の組み合わせ(W,W,W)に対して、各周波数帯の信号対雑音電力比(SNR:signal-to-noise power ratio)である(γ,γ,γ)に、注水定理に従って、送信電力を配分する送信電力分配処理部2204を含む。すなわち、送信電力分配処理部2204は、バンド幅を考慮して、伝搬品質の異なる各帯域への、通信路容量を最大化する最適な電力の割り振りを決定する。
ここで、各周波数帯の信号対雑音比(γ,γ,γ)は、チャネル利用状況観測部1060が計測することとしてもよいし、受信側からの情報がフィードバックされてくる構成であってもよい。
スループット算出部2202.qは、送信電力が配分された後のSNRである(γ´,γ´,γ´)に対して、周波数帯f0,f1,f2の通信路容量をそれぞれ算出するための通信路容量算出部2210.0〜2210.2と、算出された通信路容量に応じて、周波数帯f0,f1,f2におけるMCSインデックスをそれぞれ選択するためのMCS選択部2212.0〜2212.2とを含む。
後述するように、割り振った電力に対応する通信路容量に従ってMCS選択部2212.0〜2212.2はMCSインデックスを選択するものの、過剰品質となる場合がある。そこで、スループット算出部2202.qは、さらに、MCSインデックス毎に品質上限のしきい値(上限しきい値)を設け、過剰電力での送信をさせないようにして、与干渉を抑圧するために、余った電力リソースを他帯域へ割り振り直すことでMCSインデックスの割り当てを再調整するMCS調整部2220と、調整後のMCSインデックスに基づいて、スループットの期待値を算出するスループット期待値算出部2230とを含む。
なお、MCS調整部2220の処理を実行することは、上記のとおり、周波数帯のスループットを上げる上で望ましいが、必ずしも必須ではない。
他のスループット算出部2202.r(r≠q)についても、対応するバンド幅の組み合わせが異なる他は、スループット算出部2202.qと同様の構成を有する。
送信条件設定部2200は、さらに、周波数帯f0,f1,f2を統合したスループットの期待値が最大となる場合の帯域幅(バンド幅)の組み合わせを選択するためのバンド幅パターン選択部2240と、スループットの期待値が最大となる場合における、送信電力の分配、周波数帯f0,f1,f2のMCSインデックス、各周波数帯のスループットおよびバンド幅の組み合わせを出力するための送信条件指示部2250を含む。
たとえば、送信条件指示部2250からの各周波数帯のスループットに応じて、上述したように、S/P変換部1010は、送信系列を分割する。
また、無線フレーム生成部1020.1〜1020.3は、それぞれ、送信条件指示部2250からのバンド幅に応じて、ベースバンド処理を実行する。
さらに、RF部1040.1〜1040.3は、それぞれ、送信条件指示部2250からのMCSに対応した変調と、送信電力で、信号を送出する。
図5は、送信装置1000のより詳細な構成の例を説明するための機能ブロック図である。
図5に示した機能ブロック図は、一例として、無線通信規格802.11aと同様の無線通信方式に従う送信装置の構成を示す。
すなわち、無線通信規格802.11aは、5GHz帯の無線LAN通信方式であるものの、図5では、2.4GHz、920MHz帯でも、周波数帯が異なるだけで、それ以外は同様の構成の無線通信方式に従う送信部を使用するものとする。
したがって、各周波数帯域において、パケットのプリアンブル部分の構成などは、複数の周波数帯について共通であるものとする。
ただし、必ずしも、各周波数帯の無線通信方式が同様の構成を有していることは必須ではなく、周波数帯ごとに無線通信方式(信号形式、シンボル長やサブキャリア間隔など)が異なっていてもよい。この場合は、少なくとも単一の送信系列を各帯域に分割して同時に送信し、また、周波数帯が異なる以外は、RF部の構成が基本的に同一であればよく、パケットのプリアンブル部分の構成(プリアンブルの長さなど)が、複数の周波数帯ごとに異なっていてもよい。
図5では、5GHz帯の送信に係る構成を代表して例示的に示す。無線通信規格802.11aと同様の無線通信方式を想定しているので、伝送する信号は、OFDM(直交周波数分割多重)変調するものとする。
図5を参照して、無線フレーム生成部1020.3は、S/P変換部1010から分配された送信データを受けて、マッピング処理を実行するためのマッピング部1122と、逆フーリエ変換処理を実行するためのIFFT部1130と、ガードインターバル部分を付加するためのGI付加部1140と、デジタル信号をI成分およびQ成分のアナログ信号に変換するためのデジタルアナログコンバータ(DAC)1150とを含む。
送信条件指示部2250からの各周波数帯のスループットに応じて、上述したように、S/P変換部1010は、送信系列を分割する。また、マッピング部1122は、送信条件指示部2250から指定されるバンド幅に応じて、使用するサブキャリアを選択して、信号のマッピングを行う。
高周波処理部1040.3は、DAC1150からの信号を所定の多値変調信号に変調するための直交変調器1210と、直交変調器1210の出力をアップコンバートするアップコンバータ1220と、アップコンバータ1220の出力を電力増幅しアンテナ1050.3から送出するための電力増幅器1230とを含む。
その結果、RF部1040.3により、基底帯域OFDM信号は搬送帯域OFDM信号に変換される。
さらに、直交変調器1210は、送信条件指示部2250からのMCSに対応した変調を実行し、電力増幅器1230は、送信条件指示部2250からの分配送信電力に対応した送信電力で、信号を送出する。
さらに、高周波処理部1040.3は、局部発振器1030からの参照周波数信号を対応する周波数帯域の基準クロック信号に変換するためのクロック周波数変換部1310と、クロック周波数変換部1310からの基準クロックに基づいて、直交復調器1210での変調処理に使用するクロックを生成するクロック生成部1320と、クロック周波数変換部1310からの基準クロックに基づいて、アップコンバータ1220でのアップコンバート処理に使用するクロックを生成するクロック生成部1340とを含む。
すなわち、局部発振器1030からの参照周波数信号は、このような基底帯域OFDM信号から搬送帯域OFDM信号への変換におけるクロック信号として使用される。なお、より一般に、無線通信方式が異なる場合でも、基本的に、局部発振器1030からの参照周波数信号は、基底帯域信号から搬送帯域信号への変換におけるクロック信号として使用される。
(注水定理による送信電力の分配)
以下では、まず、図4における送信電力分配処理部2204の行う注水定理による送信電力の分配処理について、さらに詳しく説明する。
図6は、各周波数帯における帯域幅(バンド幅)の可能な組合せの例を示す図である。
図6に示すように、一例として、920MHz帯(f0帯)、2.4GHz帯(f1帯)および5GHz帯(f2帯)では、それぞれ、帯域幅は、20MHzまたは40MHzのいずれかが可能であるものとする。その結果、全部で、図6に示すような8通りの組合せが可能である。したがって、この例の場合では、図4に示したスループット算出部2202.qは、8個存在することになる。
各周波数帯域におけるSNR値γ、帯域幅Wが異なることを想定し、シャノンの通信路容量を最大化する送信電力pを以下の式(1)に従って求める。
Figure 0006901088
ここで、送信電力の総和が一定値であるとの条件を満たすために、ラグランジュの未定乗数法用いると、以下の評価関数Jが極値となるように、pjを定めればよいことになる。ここで、Ptは総送信電力を表す。
Figure 0006901088
上記式(2)をpjについて偏微分したものを0と置くことにより、以下の式を得る。
Figure 0006901088
送信電力pは、非負の値をとることを考慮すると、送信電力pとして、以下の関係を得る。
Figure 0006901088
また、このようにシャノンの通信路容量を最大化するときの送信電力pを用いると、変数αの値は、以下の式で表される。
Figure 0006901088
(伝送路容量によるMCSの選択)
上述のようにして、送信電力分配処理部2204において、注水定理により、各周波数帯fjの送信電力pが設定されると、送信電力分配処理部2204は、各周波数帯において送信電力pのときのSNR値γ´を算出する。
通信路容量算出部2210.0〜2210.2は、それぞれ、対応する周波数帯の通信路容量Cjを以下の式により算出する。
Figure 0006901088
図7は、MCS選択部2212.0〜2212.2およびMCS調整部2220の動作を説明するための概念図である。
図7では、例として、MCS0とMCS1のみを抜き出して示している。
図7(a)に示すように、各MCSインデックスは、伝送レートの高さに対応してランクづけられているものとする。
そして、MCSインデックスごとに、通信路容量の大きさに応じて、より伝送レートの高い側に切換えを行うことを規定するための「切替しきい値」が設けられているものとする。
すなわち、図7においては、MCS0を採用するための予め設定された、切替しきい値S0およびMCS1を採用するための切替しきい値S1が示されている。なお、図7においては、周波数帯f0〜f2で、切替しきい値として共通の値を用いるものとしている。ただし、このような場合に限られず、周波数帯ごとに、切替しきい値および後述する上限しきい値の値を予め個別に設定する構成としてもよい。
図7(a)では、周波数帯f0〜f2において、通信路容量算出部2210.0〜2210.2により算出された通信路容量を示す。
周波数帯f0では、MCS0を採用するための切替しきい値S0に、通信路容量が達していない。一方、周波数帯f1とf2では、通信路容量は、切替しきい値S0を超え、切替しきい値S1未満の値となっている。
図7(b)に示すように、したがって、周波数帯f0では、採用できるMCSがないため送信を行わない。このため、周波数帯f0に分配された送信電力は、使用されない余剰電力ということになる。
一方で、周波数帯f1および周波数帯f2では、選択されたMCS0に対応する上限しきい値UL0を超える通信路容量、言い換えると、送信電力が分配されていることになる。
ここで、たとえば、MCS0が選択されている場合、ある一定値以上の送信電力をその周波数帯に割り当てたときには、受信側での誤り訂正を考慮すると、送信電力をさらに増加させてもフレーム誤り率の改善は飽和してしまい、それ以上の改善が望めなくなる。そこで、各MCSに対する切替しきい値ごとに、送信電力の上限しきい値を予め設定しておき、上限しきい値を超える分の送信電力も、余剰電力とみなすという処理を行う。
図7(c)は、MCSを再調整するためのMCS調整部2220の動作を説明する図である。
すなわち、MCS調整部2220は、上述したような余剰電力を考慮して、周波数帯f0〜f2全体での伝送レートがより高くなるように、送信電力を再分配して、MCSを再調整する。
図7(c)に示した例では、周波数帯f0の余剰電力を周波数帯f1に再配分し、周波数帯f1の余剰電力を周波数帯f2に再配分している。
この結果、周波数帯f1では採用されるMCSは、MCS0のままであるが、周波数帯f2では、採用されるMCSがMCS1となって、より高い伝送レートで送信可能となる。
なお、上述したように、周波数帯ごとに設定される、切替しきい値および上限しきい値の値は、対応する周波数帯のSNR値に応じて、その値を変更する構成としてもよい。
すなわち、実施の形態1の送信装置1000から各周波数帯で送信される信号については、受信側において複数帯域を一括受信してデータが統合される。この場合、受信側では、誤り訂正能力は、SNRが高い帯域で受信される信号に対するものが、支配的になる。一方で、後述するように、実施の形態1の送信機1000では、複数周波数帯の全体としてのスループットが大きくなることを目的として、各周波数帯への送信電力の分配と変調方式および符号化率を決定する。そこで、受信側のフレーム誤りについては、SNRが高い帯域の誤り訂正能力が支配的であることを考慮すると、SNRが低い帯域は、SNRが高い帯域の誤り訂正能力の補助を受けることになるので、MCSの切替しきい値をSNRの高い周波数帯よりも低めに設定することができる。
なお、以上の説明では、図4に示したように、スループット算出部2202.1〜2202.Qが並列的にスループットの期待値を算出し、バンド幅パターン選択部2240が、周波数帯f0,f1,f2を統合したスループットの期待値が最大となる場合の帯域幅(バンド幅)の組み合わせを選択するものとして説明した。このような構成は、特に限定されないが、たとえば、送信条件設定部2200をハードウェアにより構成する場合には、より望ましい構成である。
ただし、以下に説明するように、送信条件設定部2200の処理は、ソフトウェアにより実行されるものとして、スループット算出部2202.1〜2202.Qが実行するとした処理を並列ではなく、逐次的に実行するものとすることも可能である。
以下、そのような構成での送信条件設定部2200の処理を説明する。
図8は、送信条件設定部2200の処理をソフトウェアで実現する場合のフローチャートである。
まず、Qは、帯域幅パターンの数であるものとする。たとえば、図6に示した例では、Q=8である。
送信条件設定部2200は、S100〜S140の第1のループで、q=1を初期値として、qを1ずつインクリメントしながら、q≦Qの条件を満たす間、第1ループの範囲の処理を繰り返す。
第1のループ内で、送信条件設定部2200は、まず、帯域幅のパターンを、Q個のパターンのうちのq番目のパターン#qに設定する(S110)。
その上で、送信条件設定部2200は、S120〜S130の第2のループで、周波数帯の個数をNとするとき、変数jを1ずつインクリメントしながら、j<Nの条件を満たす間、第2のループの範囲の処理を繰り返す。
すなわち、第2のループ内で、送信条件設定部2200は、上述したとおり、以下の式(4)に従って、周波数帯fjの送信電力を算出する(S122)。
Figure 0006901088
続いて、第2のループ内で、送信条件設定部2200は、送信電力の割当後のSNR値γ´を算出し、これを以下の式(6)により、通信路容量Cjに変換する(S124)。
Figure 0006901088
続いて、第2のループ内で、送信条件設定部2200は、通信路容量Cjを切替しきい値と比較することで、MCSを仮に決定する(S126)。さらに、送信条件設定部2200は、仮に決定されたMCSに対応する上限しきい値を超える通信路容量分に相当する余剰電力を算出する(S128)。
以上のS122〜S128までの処理が、第2のループとして繰り返される。
第2のループの処理が終了すると、送信条件設定部2200は、図7において説明したように、余剰電力の再分配によるMCSの調整を実行する(S132)。
以上で決定されたMCSに基づいて、送信条件設定部2200は、現時点での帯域幅パターン#qにおけるスループット期待値ηを算出する(S134)。
ここまでのS110〜S134までの処理が、第1のループとして繰り返される。
第1のループの処理が終了すると、送信条件設定部2200は、Q個の帯域幅パターンのうちで、最大スループット期待値となる帯域幅パターンと、そのときの各周波数帯に分配された電力、再調整されたMCSを、送信条件として設定する(S150)。
[受信装置の構成]
以下では、図2で説明したような無線通信システムで使用される受信装置の構成について説明する。
図9は、実施の形態1の受信装置3000の構成を説明するための機能ブロック図である。
図9を参照して、受信装置3000は、複数の周波数帯域(920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯)の信号をそれぞれ受信するためのアンテナ3010.1〜3010.3と、アンテナ3010.1〜3010.3の信号のダウンコンバート処理、復調・復号処理などの受信処理を実行するための受信部3100.1〜3100.3と、受信部3100.1〜3100.3に対して共通に設けられ、受信部3100.1〜3100.3の動作の基準となるクロックである参照周波数信号を生成する局部発振器3020と、受信部3100.1〜3100.3からの信号の各系列を送信側と逆の処理で、パラレル/シリアル変換により結合するためのパラレル/シリアル変換部3700とを含む。
パラレル/シリアル(P/S)変換部3700からの統合されたフレームの出力は、上位レイヤーに受け渡される。
受信装置3000は、受信した信号のプリアンブル信号から局部発振器3020の周波数オフセットの検出を行って、局部発振器3020の発振周波数を制御するための信号(発振周波数制御信号)を生成し、搬送波周波数同期処理を行い、また、受信した信号からデジタル信号処理におけるタイミング同期をとるための信号(同期タイミング信号)を生成する同期処理部3600を含む。
受信部3100.1は、アンテナ3010.1からの信号を受けて、低雑音増幅処理、ダウンコンバート処理、所定の変調方式に対する復調処理(たとえば、所定の多値変調方式に対する直交復調処理)、アナログデジタル変換処理等を実行するための高周波処理部(RF部)3400.1と、RF部3400.1からのデジタル信号に対して、復調・復号処理等のベースバンド処理を実行するためのベースバンド処理部3500.1を含む。
受信部3100.2も、対応する周波数帯域についての同様の処理を行うための高周波処理部(RF部)3400.2ならびにベースバンド処理部3500.2を含む。また、受信部3100.3も、対応する周波数帯域についての同様の処理を行うための高周波処理部(RF部)3400.3ならびにベースバンド処理部3500.3を含む。
ベースバンド処理部3500.1〜3500.3およびパラレル/シリアル(P/S)変換部3700とを総称して、デジタル信号処理部3800と呼ぶ。
デジタル信号処理部3800のP/S変換部3700からの信号は、デインタリーブ部4042で、デインタリーブ処理をされた後に、誤り訂正部4040で、誤り訂正処理が実行される。特に限定されないが、誤り訂正処理としては、たとえば、畳込み符号による誤り訂正を用いることができる。
(シミュレーション結果)
図10は、シミュレーションの条件を説明する図である。
まず、図10(a)に示すように、各周波数帯の中心周波数は、それぞれ、5GHz、2.4GHz、920MHzである。
また、送信帯域幅は、各周波数帯で、20MHzまたは40MHzのいずれかであるものとする。
伝送される信号のフレーム構成はIEEE 802.11nを基本とし,単一の符号語を複数バンドに分配することで復号時に周波数ダイバーシチを得る構成とする。
各周波数での伝搬損は自由空間を仮定し、伝搬路は、20波指数減衰モデルで、パス間隔は50nsで、パスごとの減衰量は2.17dBとする。
また、各バンドの平均SNRは送信機で既知とする。
また、図10(b)に示すように、表1には、選択可能なMCSインデックスとそれに対応する変調方式、符号化率、切替しきい値、上限しきい値を示す。
表2には、しきい値のバンド間の補正値を示す。すなわち、以下のシミュレーションでは、周波数帯ごとに、MCSの切替しきい値が異なる。また、MCS選択部2212.0〜2212.2で使用されるしきい値と、MCS調整部2220で使用されるしきい値も変更される構成としている。
図11は、スループットのシミュレーション結果を示す図である。
図11においては、横軸は、各帯域で電力制御前(各バンドで等電力送信)のSNR値であり、縦軸は、3つの周波数帯域を統合した場合のスループットの値を示している。
図11中で、破線は、以上説明したように実施の形態1の構成に従って、適応的に、送信電力の分配、各周波数帯の帯域幅、MCSを変更した場合のスループットを示す。
SNR(@920 MHz)>20dBでは,提案方式は最大スループットとなるMCSが選択されている。
一方、SNR(@920 MHz)≦20dBでは、適応制御なく3バンドを使用する場合よりスループットが向上していることがわかる。
すなわち、通信品質が良いバンドを選択し電力リソースを集中させることで、フレーム誤りが低減される。
したがって、実施の形態1のように、適応的に、送信電力の分配、各周波数帯の帯域幅、MCSを変更することで、高いSNRから低いSNRまでの範囲にわたって、適応的な制御を実施しない場合に比べて、高いスループットを達成できる。
(送信タイミング制御部の動作)
図12は、チャネル利用状況観測部1060、チャネル利用状況予測部1070および送信タイミング制御部2100の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図12を参照して、チャネル利用状況観測部1060は、各周波数帯の利用状況(例えば各無線チャネルの空き状況やビジー確率等)を観測し、チャネル利用状況予測部1070は、各周波数帯の直近の利用状況を予測し、その結果から送信タイミング制御部2100は、良好な通信が行えるよう伝送タイミングや使用周波数帯・無線チャネル等の伝送パラメータを決定する。
このような予測には、特に限定はされないが、たとえば、無線LANのフレーム到来間隔τの確率密度関数(PDF)p(τ)が、パレート(Pareto)分布に概ね従うことが知られており(以下の文献1を参照)、この分布に従うことを仮定して、アイドル(idle)状態の継続時間の発生確率分布を算出することなどを利用できる。
文献1:Dashdorj Yamkhin and Youjip Won,”Modeling and analysis of wireless LAN traffic,”Journal of Information Science and Engineering,vol.25,no.6,pp.1783−1801,Nov. 2009.
すなわち、チャネル利用状況予測部1070は、たとえば、3つの周波数帯域を使用して通信を行う場合、現時点を基準として、たとえば、時刻t2であれば、2帯域を利用して送信できると予測し、時刻t3であれば、3帯域を利用できると予測する。送信タイミング制御部2100は、効率的な伝送を行うため、利用状況の予測結果に基づき、送信開始タイミングと使用周波数帯を判断する。
たとえば、従来の無線LANなどでのランダムアクセス制御では、CSMA/CAとランダムバックオフにより送信機会が得られたら即座に送信を行う。
これに対して、実施の形態1の送信タイミング制御部2100は、必要に応じて、一部の無線チャネルで送信機会を得ても、複数の周波数帯・無線チャネルが同時利用できるまで送信を待機する、という制御を行う。
以上説明したように、実施の形態1の送信装置1000の構成によれば、伝搬環境が大きく異なる複数の周波数帯を同時に利用する場合でも、送信データを複数周波数帯域にマッピングし、スループットを向上させることが可能である。
[実施の形態2]
以下では、実施の形態1の構成において、送信条件設定部2200の構成を変形した送信装置の構成について説明する。
図13は、実施の形態2の送信装置1000´の構成を説明するための機能ブロック図である。
上述のとおり、実施の形態2の送信装置1000´の構成は、以下に説明するように、送信制御部1080´内の送信条件設定部2200´の構成以外は、実施の形態1の送信装置1000の構成と同様であるので、同一部分には同一符号を付して、説明は繰り返さない。
図14は、図13に示した送信制御部1080´の構成を説明するための機能ブロック図である。
図14でも、送信条件設定部2200´は、Q通りのバンド幅の組み合わせのパターンのそれぞれに応じてスループットの期待値を算出するためのスループット算出部2202.1〜2202.Q´を含む。そして、例示として、複数の周波数帯は、周波数帯f0,f1,f2の3つであるものとする。
以下では、まず、スループット算出部2202.1´〜2202.Q´のうちの1つのスループット算出部2202.q´(q´:自然数、1≦q´≦Q)の構成について説明する。
(注水定理による送信電力の分配)
スループット算出部2202.q´は、各周波数帯f0,f1,f2の対応するバンド幅の組み合わせ(W0,W1,W2)に対して、各周波数帯の信号対雑音電力比(SNR)である(γ0,γ1,γ2)に、注水定理に従って、送信電力を配分する送信電力分配処理部2204´を含む。
ここでも、各周波数帯の信号対雑音比(γ0,γ1,γ2)は、チャネル利用状況観測部1060が計測することとしてもよいし、受信側からの情報がフィードバックされてくる構成であってもよい。
以下では、まず、図14における送信電力分配処理部2204´の行う注水定理による送信電力の分配処理について、さらに詳しく説明する。
一例として、図6に示したように、920MHz帯(f0帯)、2.4GHz帯(f1帯)および5GHz帯(f2帯)では、それぞれ、帯域幅は、20MHzまたは40MHzのいずれかが可能であるものとする。その結果、全部で、図6に示すような8通りの組合せが可能である。したがって、この例の場合では、図14に示したスループット算出部2202.q´も、8個存在することになる。
各周波数帯域におけるSNR値γj、帯域幅Wjが異なることを想定し、シャノンの通信路容量を最大化する送信電力pjを以下の式(7)に従って求める。
Figure 0006901088
ここで、送信電力の総和が一定値であるとの条件を満たすために、ラグランジュの未定乗数法用いることとすると、実施の形態1と同様にして、送信電力の分配を算出できる。ただし、実施の形態2では、帯域jごとに送信電力の最大値pj maxが設定されているものとするので、各帯域に分配される送信電力pjは、以下の関係式で得られる。
Figure 0006901088
このようにして、帯域jごとに送信電力の最大値pj maxが設定されることで、その帯域を装置1000´が使用する際に、周囲への与干渉を制限することができる。
また、このようにシャノンの通信路容量を最大化するときの送信電力pjを用いると、実施の形態1と同様にして、変数αの値は、以下の式で表される。
Figure 0006901088
(伝送路容量によるMCSの選択)
実施の形態1と同様にして、送信電力分配処理部2204´において、注水定理により、各周波数帯fjの送信電力pjが設定されると、送信電力分配処理部2204´は、各周波数帯において送信電力pjのときのSNR値γj´を算出する。
通信路容量算出部2210.0〜2210.2は、それぞれ、対応する周波数帯の通信路容量Cjを以下の式により算出する。
Figure 0006901088
さらに、MCS選択部2210.0´〜2210.2´およびMCS調整部2220´の動作は、基本的に実施の形態1と同様であるのでその説明は繰り返さない。
帯域毎に、分配される送信電力pjに最大値を設定することで、周囲への干渉を低減することができる。
図15は、周囲への干渉の低減効果を説明するための概念図である。
図15(a)に示すように、たとえば、通信環境の良く,通信距離も長い920MHz帯では、広いエリアをカバーすることが可能であるものの、上記のような制限を設けないと、高レートのMCS(送信電力も高い)を使う機会が多くなってしまい、周囲への与干渉が大きくなってしまう。
そこで、図15(b)に示すように、分配される送信電力pjに最大値を設定することで、アクセスポイント(または、基地局)間で干渉(「BSS間干渉」と呼ぶ)がある場合は、このような干渉の生じる帯域を低送信電力に抑えることで周囲への干渉を低減し、一方で、他帯域に電力を割り振って送信レートが大きく低減することも防ぐことができる。この結果、アクセスポイント(または、基地局)の密集した配置が可能となる。
なお、実施の形態1と同様に、送信条件設定部2200´の処理は、ソフトウェアにより実行されるものとして、スループット算出部2202.1´〜2202.Q´が実行するとした処理を並列ではなく、逐次的に実行するものとすることも可能である。
実施の形態2の送信装置1000´の構成を採用すると、伝搬環境が大きく異なる複数の周波数帯を同時に利用する場合でも、送信データを複数周波数帯域にマッピングし、スループットを向上させることが可能である。
[実施の形態2の変形例]
実施の形態2では、帯域jごとに送信電力の最大値pj maxが設定されているものとしたが、以下では、実施の形態2の変形例として、MCS選択部2210.0´〜2210.2´におけるMCSの選択時に、MCSの最大値の制限を設ける構成を説明する。
なお、送信制御部1080´の構成等は、実施の形態2と基本的に同様であり、各部の実行する処理の内容(機能)が以下のように異なる。
(伝送路容量によるMCSの選択)
上述した実施の形態1の動作と同様にして、送信電力分配処理部2204´において、注水定理により、以下の式により各周波数帯fjの送信電力pjを算出する。
Figure 0006901088
そして、各周波数帯fjの送信電力pjが設定されると、送信電力分配処理部2204´は、各周波数帯において送信電力pjのときのSNR値γj´を算出する。
通信路容量算出部2210.0〜2210.2は、ここでも、それぞれ、対応する周波数帯の通信路容量Cjを以下の式により算出する。
Figure 0006901088
さらに、MCS選択部2210.0´〜2210.2´およびMCS調整部2220´の動作は、基本的に実施の形態1の動作と同様であるものの、実施の形態2の変形例では、帯域jごとにMCSの最大値を設定する構成とする。
この場合、帯域によってMCS最大値の制限を異なる値に設定する構成とすることができる。
たとえば、一例として、通信環境の良く,通信距離も長い920MHz帯では、高レート側のMCSに対して最大値で制限をかけることで、この帯域での送信電力を抑制する構成とすることができる。
帯域毎に、MCS最大値の制限を設けることでも、実施の形態2と同様に、周囲への干渉を低減することができる。
ここでも、実施の形態1と同様に、送信条件設定部2200´の処理は、ソフトウェアにより実行されるものとして、スループット算出部2202.1´〜2202.Q´が実行するとした処理を並列ではなく、逐次的に実行するものとすることも可能である。
実施の形態2の変形例の送信装置1000´の構成を採用した場合も、伝搬環境が大きく異なる複数の周波数帯を同時に利用する場合でも、送信データを複数周波数帯域にマッピングし、スループットを向上させることが可能である。
今回開示された実施の形態は、本発明を具体的に実施するための構成の例示であって、本発明の技術的範囲を制限するものではない。本発明の技術的範囲は、実施の形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲の文言上の範囲および均等の意味の範囲内での変更が含まれることが意図される。
1000,1000´ 送信装置、1010 S/P変換部、1020.1〜1020.3 無線フレーム生成部、1030 局部発振器、1040.1〜1040.3 RF部、1050.1〜1050.3 アンテナ、1060 チャネル利用状況観測部、1070 チャネル利用状況予測部、1080,1080´ 送信制御部、2100 送信タイミング制御部、2200,2200´ 送信条件設定部、2202.1〜2202.Q,2202.1´〜2202.Q´ スループット算出部、2204,2204´ 送信電力分配処理部、2210.0〜2210.2 通信路容量算出部、2212.0〜2212.2,2212.0´〜2212.2´ MCS選択部、2220,2220´ MCS調整部、2230 スループット期待値算出部、2240 バンド幅パターン選択部、2250 送信条件指示部、 3000 受信装置、3010.1〜3010.3 アンテナ、3020 局部発振器、3100.1〜3100.3 受信部、3400.1〜3400.3 RF部、3500.1〜3500.3 ベースバンド処理部、3600 同期処理部、3700 P/S変換部、3800 デジタル信号処理部。

Claims (9)

  1. 互いに分離した複数の周波数帯の複数の無線チャネルを利用して、信号を送信するための無線通信装置であって、
    送信データを前記複数の周波数帯のそれぞれに対応して複数の部分データに分割し、各前記周波数帯ごとに送信パケットを生成するためのデジタル信号処理部と、
    各前記周波数帯ごとに設けられ、前記送信パケットのデジタル信号を対応する前記周波数帯ごとの高周波信号に変換するための複数の高周波信号処理部とを備え、
    各前記高周波信号処理部は、
    対応する前記周波数帯での送信のために、指定された変調方式および符号化率で前記送信パケットのデータを変調するための変調処理部と、
    前記変調処理部により変調された信号に対して、指定された送信電力となるように増幅する増幅部とを含み、
    各前記周波数帯ごとの帯域幅と信号対雑音電力比に応じて送信電力を分配し、分配後の送信電力により所定の帯域幅、変調方式および符号化率の組合せについて、前記周波数帯ごとのスループットを予測して、前記複数の周波数帯での通信が最大のスループットとなる組合せを前記高周波信号処理部に指示するための送信制御部をさらに備える、無線通信装置。
  2. 前記所定の帯域幅は、前記複数の周波数帯のそれぞれに対応して、複数の帯域幅設定値として予め規定されており、
    前記変調方式および符号化率の組合せは、対応する周波数帯における通信路容量のレベルにそれぞれ対応して、複数の変調設定として予め規定されており、
    前記高周波信号処理部は、前記送信制御部からの指示による帯域幅設定値および変調設定に応じて、前記周波数帯ごとに、対応する帯域幅、変調方式および符号化率の組合せによる前記高周波信号を生成する、請求項1記載の無線通信装置。
  3. 前記送信制御部は、各前記周波数帯ごとに帯域幅と信号対雑音電力比に応じて前記送信電力を注水定理により分配するように前記増幅部を制御する、請求項2記載の無線通信装置。
  4. 前記送信制御部は、各前記周波数帯ごとに設定された分配最大値と、各前記周波数帯ごとに帯域幅と信号対雑音電力比に応じて前記送信電力を注水定理により分配される分配電力値とのうちのより低い方の電力値となるように、前記増幅部を制御する、請求項2記載の無線通信装置。
  5. 前記送信制御部は、前記複数の帯域幅設定値の組合せのパターンにそれぞれ対応するスループット算出部を含み、
    各前記スループット算出部は、
    対応する前記帯域幅設定値の組合せで指定される帯域幅で前記送信電力を注水定理により分配する送信電力分配処理部と、
    前記送信電力分配処理部により分配された前記送信電力での通信路容量を算出する通信路容量算出部と、
    前記算出された通信路容量に基づいて、前記複数の変調設定により指定される複数の前記変調方式および前記符号化率の組合せのうちのいずれか1つを選択する変調設定部と、
    前記選択された変調方式および前記符号化率の組合せと対応する前記帯域幅設定値の組合せとに基づいてスループットの期待値を算出するスループット期待値算出部とを含み、
    前記送信制御部は、前記スループット期待値算出部により算出された前記スループット
    の期待値に基づき、最大のスループット期待値となる前記帯域幅設定値の組合せを選択するバンド幅パターン選択部をさらに含む、請求項2記載の無線通信装置。
  6. 前記変調方式および符号化率の組合せの前記変調設定に対応する通信路容量のレベルの各々には、当該変調設定を採用する基準となる切替しきい値と、当該通信路容量のレベルでの上限しきい値が設定されており、
    各前記スループット算出部は、前記変調設定部により前記変調方式および符号化率の組合せが選択されなかった周波数帯に配分された余剰電力と、前記変調設定部により選択された前記変調方式および符号化率の組合せの上限しきい値を超える通信路容量に対応する余剰電力とを再配分して、前記変調方式および符号化率の組合せを、伝送レートがより高くなるように再調整する再調整部をさらに含む、請求項5記載の無線通信装置。
  7. 前記送信制御部は、
    i)各前記周波数帯ごとに、前記複数の帯域幅設定値で指定されるそれぞれの帯域幅で前記送信電力を注水定理により分配した場合に、分配された前記送信電力での通信路容量を算出し、
    ii)前記算出された通信路容量に基づいて、前記複数の変調設定のうち選択されうる複数の前記変調方式および前記符号化率の組合せを決定し、
    iii)前記決定された前記変調方式および前記符号化率の組合せに基づき、前記周波数帯ごとに予測されたスループットにより、前記複数の周波数帯での通信が最大のスループットとなるような前記帯域幅および前記変調方式および前記符号化率の組合せを抽出して指示する、請求項3記載の無線通信装置。
  8. 前記送信制御部は、各前記周波数帯ごとに、所定の送信電力以下となるように、複数の前記変調方式および前記符号化率の組合せを決定する、請求項2記載の無線通信装置。
  9. 互いに分離した複数の周波数帯のそれぞれでランダムアクセス制御を行っている複数の無線チャネルを利用して、信号を送信するための無線通信方法であって、
    送信データを前記複数の周波数帯のそれぞれに対応して複数の部分データに分割し、各前記周波数帯ごとに送信パケットを生成するステップと、
    各前記周波数帯ごとに、前記送信パケットのデジタル信号を対応する前記周波数帯ごとの高周波信号に変換するステップとを備え、
    前記高周波信号に変換するステップは、
    対応する前記周波数帯での送信のために、指定された変調方式および符号化率で前記送信パケットのデータを変調するステップと、
    前記変調された信号に対して、指定された送信電力となるように増幅するステップとを含み、
    各前記周波数帯ごとの帯域幅と信号対雑音電力比に応じて送信電力を分配し、分配後の送信電力により所定の帯域幅、変調方式および符号化率の組合せについて、前記周波数帯ごとのスループットを予測して、前記複数の周波数帯での通信が最大のスループットとなる組合せを設定するステップをさらに備える、無線通信方法。
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