JP6900554B2 - 情報提供システム、情報処理システム、制御方法及びプログラム - Google Patents
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Description
本発明は、商圏の分析を行う技術分野に関する。
従来から、ある施設(店舗など)が影響を及ぼす地理的な範囲である商圏を分析する技術が提案されている。例えば、特許文献1には、地域ごとの顧客の状況を示す統計情報(年齢別人口、世帯数、収入、役職など)や、店舗の位置・規模に応じて、売上予測をシミュレーションする出店計画を立案する技術が提案されている。
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、分析対象となっている施設の利用者が、どの地域から当該施設に訪問しているかを適切に把握することができなかった。つまり、施設の利用者の自宅位置を適切に把握することができなかった。
本発明が解決しようとする課題としては、上記のものが一例として挙げられる。本発明は、分析対象となっている施設の利用者の自宅位置を適切に把握することが可能な情報提供システムなどを提供することを主な目的とする。
請求項に記載の発明では、情報提供システムは、移動体の移動履歴情報を取得する移動履歴情報取得手段と、前記移動体の使用者の自宅位置に関する自宅位置情報を取得する自宅位置情報取得手段と、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報を関連付けて記憶する記憶手段と、施設の駐車場に対応する位置座標の範囲である調査範囲を取得する施設情報取得手段と、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報に基づいて、前記調査範囲に対応する施設と、前記調査範囲内に滞在した前記使用者の自宅位置とに関する統計情報を生成する統計情報生成手段と、を備える。
また、請求項に記載の発明は、情報提供システムと情報要求端末とを有する情報処理システムであって、前記情報提供システムは、移動体の移動履歴情報を取得する移動履歴情報取得手段と、前記移動体の使用者の自宅位置に関する自宅位置情報を取得する自宅位置情報取得手段と、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報を関連付けて記憶する記憶手段と、前記情報要求端末から、施設の駐車場に対応する位置座標の範囲である調査範囲を取得する施設情報取得手段と、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報に基づいて、前記調査範囲に対応する施設と、前記調査範囲内に滞在した前記使用者の自宅位置とに関する統計情報を生成する統計情報生成手段と、前記統計情報を前記情報要求端末に提供する統計情報提供手段と、を備え、前記情報要求端末は、所定の施設についての前記調査範囲を前記情報提供システムに提供する施設情報提供手段と、前記施設情報提供手段が提供した前記調査範囲に応じて前記情報提供システムの前記統計情報提供手段が提供した前記統計情報を取得する統計情報取得手段と、前記統計情報取得手段が取得した前記統計情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、を備える。
また、請求項に記載の発明では、通信部、記憶部及び制御部を備える情報提供システムによって実行される制御方法は、前記通信部が、移動体の移動履歴情報を取得する移動履歴情報取得工程と、前記制御部が、前記移動体の使用者の自宅位置に関する自宅位置情報を取得する自宅位置情報取得工程と、前記制御部が、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報を関連付けて前記記憶部に記憶する記憶工程と、前記制御部が、施設の駐車場に対応する位置座標の範囲である調査範囲を取得する施設情報取得工程と、前記制御部が、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報に基づいて、前記調査範囲に対応する施設と、前記調査範囲内に滞在した前記使用者の自宅位置とに関する統計情報を生成する統計情報生成工程と、を備える。
また、請求項に記載の発明では、コンピュータを有する情報提供システムによって実行されるプログラムは、前記コンピュータを、移動体の移動履歴情報を取得する移動履歴情報取得手段、前記移動体の使用者の自宅位置に関する自宅位置情報を取得する自宅位置情報取得手段、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報を関連付けて記憶する記憶手段、施設の駐車場に対応する位置座標の範囲である調査範囲を取得する施設情報取得手段、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報に基づいて、前記調査範囲に対応する施設と、前記調査範囲内に滞在した前記使用者の自宅位置とに関する統計情報を生成する統計情報生成手段、として機能させる。
本発明の1つの観点では、情報提供システムは、移動体の移動履歴を示す移動履歴情報を取得する移動履歴情報取得手段と、前記移動体の使用者の自宅位置を示す自宅位置情報を取得する自宅位置情報取得手段と、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、情報要求端末から、所定の施設についての施設情報を取得する施設情報取得手段と、前記移動履歴情報及び前記自宅位置情報に基づいて、前記施設情報に対応する施設を訪問した前記使用者の自宅位置に関する統計情報を生成する統計情報生成手段と、前記統計情報を前記情報要求端末に提供する統計情報提供手段と、を備える。
上記の情報提供システムは、ある施設(店舗など)が影響を及ぼす地理的な範囲である商圏を分析するために好適に利用される。具体的には、情報提供システムでは、移動体の移動履歴を示す移動履歴情報と、移動体の使用者の自宅位置を示す自宅位置情報とに基づいて、情報要求端末から取得した施設情報に対応する施設を訪問した使用者(訪問者)の自宅位置に関する統計情報を生成し、当該統計情報を情報要求端末に提供する。これにより、分析対象となっている施設の訪問者の自宅位置を適切に把握することが可能となる。つまり、訪問者がどの地域から訪問しているかを適切に把握することが可能となる。
上記の情報提供システムの一態様では、前記移動履歴情報に基づいて、前記移動体が滞在した位置を含む滞在情報を生成する滞在情報生成手段を更に備え、前記記憶手段は、前記滞在情報と前記自宅位置情報とを更に関連付けて記憶し、前記統計情報生成手段は、前記施設の位置を含む前記滞在情報を特定し、当該滞在情報に関連付けられた前記自宅位置情報に基づいて、前記統計情報を生成する。これにより、移動体の移動履歴情報から生成された滞在情報に基づいて、訪問者の自宅位置に関する統計情報を適切に生成することが可能となる。
上記の情報提供システムの他の一態様では、前記滞在情報生成手段が生成した前記滞在情報に基づいて、前記自宅位置情報を生成する自宅位置情報生成手段を更に備え、前記自宅位置情報取得手段は、前記自宅位置情報生成手段が生成した前記自宅位置情報を取得する。これにより、滞在情報に基づいて自宅位置情報を適切に生成することが可能となる。
上記の情報提供システムの他の一態様では、前記統計情報生成手段は、地域ごとの人口の偏りに基づいて前記統計情報を補正する。これにより、相対的な訪問傾向の強さを示す統計情報や、ユーザ分布の偏りを除去した統計情報を得ることが可能となる。
上記の情報提供システムの他の一態様では、前記統計情報生成手段は、前記移動体をルート案内するために設定された目的地を取得し、前記目的地に基づいて前記使用者が訪問した施設を特定し、特定した前記施設に基づいて前記統計情報を生成する。これにより、訪問者が訪問した施設を適切に特定することが可能となる。
上記の情報提供システムの他の一態様では、前記施設情報取得手段は、複数の前記施設についての施設情報を取得し、前記統計情報生成手段は、前記複数の施設についての前記統計情報を生成して、生成した前記複数の施設についての前記統計情報の比較結果を生成し、前記統計情報提供手段は、前記統計情報の比較結果を、前記情報要求端末に提供する。これにより、複数の施設についての統計情報を容易に比較することが可能となる。
上記の情報提供システムにおいて好適には、前記統計情報生成手段は、前記複数の施設をグループ化し、グループごとに前記統計情報を生成して、生成した前記グループごとの前記統計情報の比較結果を生成すると良い。
本発明の他の観点では、上記請求項に記載の情報提供システムと情報の授受を行う情報要求端末は、所定の施設についての施設情報を前記情報提供システムに提供する施設情報提供手段と、前記施設情報提供手段が提供した前記施設情報に応じて前記情報提供システムの統計情報提供手段が提供した統計情報を取得する統計情報取得手段と、前記統計情報取得手段が取得した前記統計情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、を備える。
また、本発明の他の観点では、情報提供システムと情報要求端末とを有する情報処理システムであって、前記情報提供システムは、移動体の移動履歴を示す移動履歴情報を取得する移動履歴情報取得手段と、前記移動体の使用者の自宅位置を示す自宅位置情報を取得する自宅位置情報取得手段と、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報とを関連付けて記憶する記憶手段と、情報要求端末から、所定の施設についての施設情報を取得する施設情報取得手段と、前記移動履歴情報及び前記自宅位置情報に基づいて、前記施設情報に対応する施設を訪問した前記使用者の自宅位置に関する統計情報を生成する統計情報生成手段と、前記統計情報を前記情報要求端末に提供する統計情報提供手段と、を備え、前記情報要求端末は、前記所定の施設についての施設情報を前記情報提供システムに提供する施設情報提供手段と、前記施設情報提供手段が提供した前記施設情報に応じて前記情報提供システムの前記統計情報提供手段が提供した前記統計情報を取得する統計情報取得手段と、前記統計情報取得手段が取得した前記統計情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、を備える。
また、本発明の他の観点では、情報提供システムによって実行される制御方法は、移動体の移動履歴を示す移動履歴情報を取得する移動履歴情報取得工程と、前記移動体の使用者の自宅位置を示す自宅位置情報を取得する自宅位置情報取得工程と、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報とを関連付けて記憶する記憶工程と、情報要求端末から、所定の施設についての施設情報を取得する施設情報取得工程と、前記移動履歴情報及び前記自宅位置情報に基づいて、前記施設情報に対応する施設を訪問した前記使用者の自宅位置に関する統計情報を生成する統計情報生成工程と、前記統計情報を前記情報要求端末に提供する統計情報提供工程と、を備える。
また、本発明の他の観点では、コンピュータを有する情報提供システムによって実行されるプログラムは、前記コンピュータを、移動体の移動履歴を示す移動履歴情報を取得する移動履歴情報取得手段、前記移動体の使用者の自宅位置を示す自宅位置情報を取得する自宅位置情報取得手段、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報とを関連付けて記憶する記憶手段、情報要求端末から、所定の施設についての施設情報を取得する施設情報取得手段、前記移動履歴情報及び前記自宅位置情報に基づいて、前記施設情報に対応する施設を訪問した前記使用者の自宅位置に関する統計情報を生成する統計情報生成手段、前記統計情報を前記情報要求端末に提供する統計情報提供手段、として機能させる。
また、本発明の他の観点では、記請求項に記載の情報提供システムと情報の授受を行う情報要求端末によって実行される制御方法は、所定の施設についての施設情報を前記情報提供システムに提供する施設情報提供工程と、前記施設情報提供工程が提供した前記施設情報に応じて前記情報提供システムの統計情報提供手段が提供した統計情報を取得する統計情報取得工程と、前記統計情報取得工程が取得した前記統計情報を表示手段に表示させる表示制御工程と、を備える。
また、本発明の他の観点では、上記請求項に記載の情報提供システムと情報の授受を行う、コンピュータを有する情報要求端末によって実行されるプログラムは、前記コンピュータを、所定の施設についての施設情報を前記情報提供システムに提供する施設情報提供手段、前記施設情報提供手段が提供した前記施設情報に応じて前記情報提供システムの統計情報提供手段が提供した統計情報を取得する統計情報取得手段、前記統計情報取得手段が取得した前記統計情報を表示手段に表示させる表示制御手段、として機能させる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
[システム構成]
図1は、本実施例に係る商圏分析システム100の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、商圏分析システム100は、車載器1と、サーバ装置2と、端末装置3と、を有する。商圏分析システム100は、ある施設(店舗など)が影響を及ぼす地理的な範囲である商圏を分析するために好適に利用される。なお、商圏分析システム100は、本発明における「情報処理システム」の一例に相当する。
図1は、本実施例に係る商圏分析システム100の概略構成を示すブロック図である。図1に示すように、商圏分析システム100は、車載器1と、サーバ装置2と、端末装置3と、を有する。商圏分析システム100は、ある施設(店舗など)が影響を及ぼす地理的な範囲である商圏を分析するために好適に利用される。なお、商圏分析システム100は、本発明における「情報処理システム」の一例に相当する。
車載器1は、主に、制御部11と、記憶部12と、GPS受信機13と、通信部14と、を有する。車載器1は、車両に搭載されて利用される。例えば、車載器1は、ナビゲーション装置や、スマートフォンなどの携帯端末装置である。
記憶部12は、図示しないROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)やハードディスクなどの各種のメモリを備えて構成され、車載器1を制御するための種々の制御プログラムなどが格納されると共に、制御部11に対してワーキングエリアを提供する。
GPS受信機13は、複数のGPS衛星から、測位用データを含む下り回線データを搬送する電波を受信する。測位用データは、緯度及び経度情報などから車載器1の絶対的な位置を検出するために用いられる。
通信部14は、サーバ装置2と通信可能に構成されている。
制御部11は、図示しないCPU(Central Processing Unit)などを備えて構成され、車載器1全体の制御を行う。本実施例では、制御部11は、所定時間ごとに、車両の移動履歴を示すプローブデータを生成し、生成したプローブデータを通信部14を介してサーバ装置2に送信する。プローブデータは、車両の位置(緯度・経度)、走行日時(年月日時分秒)、車両の速度(時速)などから成る。例えば、制御部11は、GPS受信機14が受信した電波に含まれる測位用データから、車両の位置を求める。なお、プローブデータは、本発明における「移動履歴情報」に相当する。
次に、サーバ装置2は、主に、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を有する。基本的には、サーバ装置2は、上記のように車載器1から送信されたプローブデータを収集・分析し、その分析結果に基づいて、端末装置3からの要求に応じて商圏分析を行い、商圏分析結果を端末装置3に送信する。
記憶部22は、図示しないROMやRAMやハードディスクなどの各種のメモリを備えて構成され、サーバ装置2を制御するための種々の制御プログラムなどが格納されると共に、制御部21に対してワーキングエリアを提供する。なお、記憶部22は、本発明における「記憶手段」の一例に相当する。
通信部23は、車載器1及び端末装置3と通信可能に構成されている。なお、通信部23を物理的に1つの構成要素にて構成するに限定はされず、車載器1と通信するための構成要素と、端末装置3と通信するための構成要素とを別体にしても良い。
制御部21は、図示しないCPUなどを備えて構成され、サーバ装置2全体の制御を行う。本実施例では、制御部21は、通信部23を介して、車載器1から送信されたプローブデータを取得し、車両の使用者(言い換えると車載器1のユーザ)を識別するためのユーザ識別子(ユーザID)に関連付けて、取得したプローブデータを記憶部22に記憶させる。そして、制御部21は、記憶部22に記憶されたプローブデータに基づいて、車両が停車(滞在)した位置を含む停車情報を生成し、生成した停車情報を記憶部22に記憶させる。この停車情報は、停車位置(緯度・経度)、停車時間、停車日時、ユーザ識別子などから成る。なお、停車情報は、本発明における「滞在情報」に相当する。この後、制御部21は、記憶部22に記憶された停車情報に基づいて、車両の使用者の自宅位置を示す自宅位置情報を生成し、生成した自宅位置情報を記憶部22に記憶させる。この自宅位置情報は、自宅位置(緯度・経度)、ユーザ識別子などから成る。
また、制御部21は、端末装置3から送信された、商圏分析の対象とした施設についての施設情報を、通信部23を介して取得する。例えば、施設情報は、商圏分析の対象とした施設の駐車場に対応する範囲(詳しくは位置座標の範囲であり、以下では単に「調査範囲」と呼ぶ。)を示す情報である。そして、制御部21は、記憶部22に記憶された停車情報及び自宅位置情報を参照して、そのような調査範囲に含まれる停車位置を有する停車情報を特定し、当該停車情報が有するユーザ識別子と同一のユーザ識別子を有する自宅位置情報を特定する。この後、制御部21は、特定した自宅位置情報が有する自宅位置に関する統計情報(例えば自宅位置の密度分布)を、上記した調査範囲に対応する施設についての商圏分析結果として生成する。つまり、制御部21は、当該施設を訪問したユーザ(以下では当該ユーザのことを適宜「訪問者」と呼ぶ。)の自宅位置に関する統計情報を生成する。そして、制御部21は、通信部23を介して、生成した統計情報を端末装置3に送信する。
このように、制御部21は、本発明における「移動履歴情報取得手段」、「自宅位置情報取得手段」、「施設情報取得手段」、「統計情報生成手段」、「統計情報提供手段」、「滞在情報生成手段」及び「自宅位置情報生成手段」の一例に相当する。また、サーバ装置2は、本発明における「情報提供システム」の一例に相当する。なお、図1では1つのサーバ装置2のみを示したが、本発明における「情報提供システム」を複数のサーバ装置から構成しても良い(つまり本発明における「情報提供システム」をサーバシステムに適用しても良い)。その場合、上記したサーバ装置2の機能を複数のサーバ装置にて分担させれば良い。
次に、端末装置3は、主に、制御部31と、記憶部32と、入力部33と、表示部34と、通信部35と、を有する。基本的には、端末装置3は、商圏分析の対象とした施設についての施設情報(具体的には調査範囲)をサーバ装置2に送信し、サーバ装置2による商圏分析結果(具体的には統計情報)を受信して表示させる。
記憶部32は、図示しないROMやRAMやハードディスクなどの各種のメモリを備えて構成され、端末装置3を制御するための種々の制御プログラムなどが格納されると共に、制御部31に対してワーキングエリアを提供する。
入力部33は、各種コマンドやデータを入力するための、キー、スイッチ、ボタン、リモコン、音声入力装置などから構成されている。表示部34がタッチパネル方式に構成されている場合には、表示部34の表示画面上に設けられたタッチパネルも入力部33として機能する。
表示部34は、例えば液晶ディスプレイなどにより構成され、端末装置3のユーザに対して文字や画像などを表示する。表示部34を、タッチパネルなどにて構成しても良い。
通信部35は、サーバ装置2と通信可能に構成されている。
制御部31は、図示しないCPUなどを備えて構成され、端末装置3全体の制御を行う。本実施例では、制御部31は、端末装置3のユーザが入力部33を操作することで入力した、商圏分析の対象とした施設に対応する調査範囲を取得し、取得した調査範囲を通信部35を介してサーバ装置2に送信する。そして、制御部31は、そのような調査範囲の送信に応じてサーバ装置2により生成された商圏分析結果としての統計情報を、通信部35を介して取得し、取得した統計情報を表示部34に表示させる。
このように、制御部31は、本発明における「施設情報提供手段」、「統計情報取得手段」及び「表示制御手段」の一例に相当する。また、端末装置3は、本発明における「情報要求端末」の一例に相当する。
[処理フロー]
次に、上記した商圏分析システム100において実行される処理フローについて説明する。
次に、上記した商圏分析システム100において実行される処理フローについて説明する。
(メイン処理)
図2は、本実施例に係るメイン処理を示すフローチャートである。
図2は、本実施例に係るメイン処理を示すフローチャートである。
まず、車載器1では、制御部11が、車両の移動履歴を示すプローブデータを、通信部14を介してサーバ装置2に送信する(ステップS11)。この場合、制御部11は、所定時間ごとに(例えば1秒間隔)、車両の位置(緯度・経度)、日時(年月日時分秒)及び車両の速度(時速)などから成るプローブデータを生成し、生成したプローブデータをサーバ装置2に送信する。具体的には、制御部11は、GPS受信機14が受信した電波に含まれる測位用データから、車両の位置を求める。車載器1がナビゲーション装置である場合には、ナビゲーション装置が有する自立測位装置(加速度センサ、角速度センサ及び距離センサなど)が検出した値も用いて、車両の位置を求めても良い。また、その場合には、自立測位装置が検出した値から、車両の速度も求めることができる。
次に、サーバ装置2では、通信部23が、車載器1から送信されたプローブデータを受信する(ステップS21)。そして、制御部21が、通信部23が受信したプローブデータを、当該プローブデータを送信した車載器1におけるユーザ識別子に関連付けて記憶部22に記憶させる(ステップS22)。この後、制御部21は、記憶部22に記憶されたプローブデータに基づいて、車両が停車した位置を含む停車情報を生成する処理(停車情報生成処理)を実行する(ステップS23)。次に、制御部21は、記憶部22に記憶された停車情報に基づいて、車両の使用者の自宅位置を示す自宅位置情報を生成する処理(自宅位置情報生成処理)を実行する(ステップS24)。停車情報生成処理及び自宅位置情報生成処理については、詳細は後述する。
他方で、端末装置3では、制御部31が、端末装置3のユーザが入力部33を操作することで入力した、商圏分析の対象とした施設に対応する調査範囲を取得する(ステップS31)。例えば、ユーザは、マウス等のポインティングデバイスを用いて、商圏分析の対象とした施設の駐車場の形状を描画することで、調査範囲を指定する。1つの例では、実際の地図上にポリゴンを描画して、調査範囲を指定する。この後、制御部31は、ステップS31で取得した調査範囲を、通信部35を介してサーバ装置2に送信する(ステップS32)。
次に、サーバ装置2では、通信部23が、端末装置3から送信された調査範囲を受信する(ステップS25)。そして、制御部21が、記憶部22に記憶された停車情報及び自宅位置情報を参照して、通信部23が受信した調査範囲に対応する施設についての商圏分析結果を生成する処理(商圏分析処理)を実行する(ステップS26)。つまり、制御部21は、当該施設を訪問したユーザの自宅位置に関する統計情報を生成する。なお、商圏分析処理については、詳細は後述する。この後、制御部21は、ステップS26で生成した商圏分析結果を、通信部23を介して端末装置3に送信する(ステップS27)。
次に、端末装置3では、通信部35が、サーバ装置2から送信された商圏分析結果を受信する(ステップS33)。そして、制御部31が、通信部35が受信した商圏分析結果を表示部34に表示させる(ステップS34)。
(停車情報生成処理)
次に、図3を参照して、上記したステップS23で実行される停車情報生成処理について説明する。
次に、図3を参照して、上記したステップS23で実行される停車情報生成処理について説明する。
図3は、停車情報生成処理を示すフローチャートである。このフローは、サーバ装置2の制御部21によって実行される。
まず、ステップS231では、制御部21は、同一のユーザ識別子が関連付けられたプローブデータ(つまり同一のユーザについてのプローブデータ)を記憶部23から読み出す。前述したようにプローブデータは所定時間ごとに生成されるが、記憶部23には、そのように所定時間ごとに生成された複数のプローブデータがレコード単位にて記憶されている。したがって、ステップS231では、制御部21は、同一のユーザ識別子が関連付けられた、複数のレコードから成るプローブデータのまとまりを読み出す。そして、処理はステップS232に進む。なお、複数のレコードから成るプローブデータのまとまりにおいては、最も古いレコードに対応するプローブデータを先頭行にして、古いものから順に並んでいるものとする。
ステップS232では、制御部21は、ステップS231で読み出したプローブデータにおける先頭行のデータを取得する。つまり、制御部21は、複数のレコードから成るプローブデータのまとまりにおいて、最も古いレコードに対応するプローブデータを取得する。そして、処理はステップS233に進む。
ステップS233では、制御部21は、ステップS232又はステップS239で取得したプローブデータが有する速度を取得する。そして、処理はステップS234に進む。
ステップS234では、制御部21は、ステップS233で取得した速度が閾値以下であるか否かを判定する。ここでは、制御部21は、ステップS232又はステップS239で取得したプローブデータ(以下では単に「処理対象プローブデータ」と呼ぶ。)が、車両が停車している際に得られたものであるか否かを判定している。1つの例では、ステップS234で用いる閾値は、「0(km/h)」に設定される。
速度が閾値以下である場合(ステップS234:Yes)、処理対象プローブデータが、車両が停車している際に得られたものであると言える。この場合には、制御部21は、処理対象プローブデータに基づいて停車時間を算出する(ステップS235)。具体的には、制御部21は、処理対象プローブデータが有する走行日時と、処理対象プローブデータの次の行のプローブデータが有する走行日時との時間差を、停車時間として求める。そして、処理はステップS236に進む。
他方で、速度が閾値を超える場合(ステップS234:No)、処理対象プローブデータが、車両が停車している際に得られたものでないと言える。この場合には、制御部21は、処理対象プローブデータの次の行のプローブデータを取得する(ステップS239)。そして、処理はステップS233に戻り、制御部21はステップS233以降の処理を再度行う。
ステップS236では、制御部21は、ステップS235で算出された停車時間が閾値以上であるか否かを判定する。ここでは、制御部21は、ステップS235で算出された停車時間が、施設などに立ち寄るために停車した際の時間に該当するか否かを判定している。1つの例では、ステップS236で用いる閾値は、「200(sec)」に設定される。
停車時間が閾値以上である場合(ステップS236:Yes)、ステップS235で算出された停車時間が、施設などに立ち寄るために停車した際の時間に該当すると言える。この場合には、制御部21は、ステップS235で算出された停車時間を採用し、当該停車時間に基づいて停車情報を生成する(ステップS237)。具体的には、制御部21は、処理対象プローブデータが有する位置及び日時をそれぞれ停車位置及び停車日時とし、これらの停車位置及び停車日時と、ステップS235で算出された停車時間、及び処理対象プローブデータが有するユーザ識別子とを関連付けることで、停車情報を生成する。また、制御部21は、生成した停車情報を記憶部22に記憶させる。そして、処理はステップS238に進む。
他方で、停車時間が閾値未満である場合(ステップS236:No)、ステップS235で算出された停車時間が、施設などに立ち寄るために停車した際の時間に該当しないと言える。したがって、制御部21は、ステップS235で算出された停車時間を採用しない、つまり当該停車時間を破棄する。この場合には、制御部21は、処理対象プローブデータの次の行のプローブデータを取得する(ステップS239)。そして、処理はステップS233に戻り、制御部21はステップS233以降の処理を再度行う。
ステップS238では、制御部21は、ステップS237までにおいて処理を行った処理対象プローブデータが最終行のものであるか否かを判定する。処理対象プローブデータが最終行のものである場合(ステップS238:Yes)、処理は終了する。これに対して、処理対象プローブデータが最終行のものでない場合(ステップS238:No)、制御部21は、処理対象プローブデータの次の行のプローブデータを取得する(ステップS239)。そして、処理はステップS233に戻り、制御部21はステップS233以降の処理を再度行う。
ここで、図4を参照して、停車情報生成処理の具体例について説明する。図4は、任意のユーザのユーザ識別子に関連付けられた、3レコードから成るプローブデータを例示している。この例では、2行目のプローブデータが有する速度が閾値以下(例えば0(km/h)以下)であるため、この2行目のプローブデータが有する走行日時と、その次の3行目のプローブデータが有する走行日時との時間差が、停車時間として算出される。具体的には、「0時56分32秒」から「0時00分02秒」を差し引いた「56分30秒」が停車時間として算出される。この停車時間は閾値以上(例えば200(sec)以上)であるため、当該停車時間が停車情報を生成するために採用される。すなわち、2行目のプローブデータが停車情報を生成するために採用される。具体的には、2行目のプローブデータが有する位置「緯度:Lat2、経度:Long2」が停車位置とされ、2行目のプローブデータが有する走行日時「2013年1月1日0時00分02秒」が停車位置とされる。このような停車位置及び停車位置と、算出された停車時間と、ユーザ識別子とが関連付けられることで、停車情報が生成される。
(自宅位置情報生成処理)
次に、図5を参照して、上記したステップS24で実行される自宅位置情報生成処理について説明する。
次に、図5を参照して、上記したステップS24で実行される自宅位置情報生成処理について説明する。
図5は、自宅位置情報生成処理を示すフローチャートである。このフローは、サーバ装置2の制御部21によって実行される。
まず、ステップS241では、制御部21は、同一のユーザ識別子を有する停車情報を記憶部23から読み出す。この場合、制御部21は、同一のユーザ識別子に関連付けられた複数の停車情報を読み出す。そして、処理はステップS242に進む。
ステップS242では、制御部21は、ステップS241で読み出した全ての停車情報が有する停車位置を一定範囲に丸め込む。具体的には、制御部21は、停車位置のずれによる誤差を吸収するために、停車位置に対応する緯度・経度についての精度を粗くするための処理(つまりクラスタリング)を行う。例えば、制御部21は、停車位置に対応する緯度・経度を四捨五入する処理を行う。そして、処理はステップS243に進む。
ステップS243では、制御部21は、ステップS242で丸め込んだ停車位置を用いて、同一の停車位置となる停車情報をまとめる。つまり、制御部21は、同一の停車位置となる停車情報をグループ化する。そして、処理はステップS244に進む。
ステップS244では、制御部21は、ステップS243でまとめた停車情報が有する停車時間の合計を求める。この場合、制御部21は、複数の停車情報のグループごとに、各グループ内の停車情報が有する停車時間の合計を求める。そして、処理はステップS245に進む。
ステップS245では、制御部21は、ステップS244において複数の停車情報のグループごとに求めた停車時間の合計の中で最も合計が長いものを特定し、特定した停車時間の合計が閾値以上であるか否かを判定する。ここでは、最も長い停車時間の合計が、車両を自宅に停車していた時間に該当するか否かを判定している。
最も長い停車時間の合計が閾値以上である場合(ステップS245:Yes)、当該停車時間の合計は車両を自宅に停車していた時間に該当すると言える。この場合、制御部21は、停車時間の合計が最も長い停車位置、つまり最も長い停車時間の合計が得られた停車情報のグループで共通の停車位置を、自宅位置として決定する(ステップS246)。そして、制御部21は、決定した自宅位置とユーザ識別子とを関連付けることで自宅位置情報を生成し、生成した自宅位置情報を記憶部22に記憶させる(ステップS247)。この後、処理は終了する。
他方で、最も長い停車時間の合計が閾値未満である場合(ステップS245:No)、当該停車時間の合計は車両を自宅に停車していた時間に該当しないと言える。したがって、処理は終了する。
なお、他の例では、自宅位置情報を月別に生成しても良い。つまり、自宅位置及びユーザ識別子に対して年月を更に関連付けた情報を、自宅位置情報として用いても良い。その場合、ステップS241で同一のユーザ識別子を有する同一月の停車情報を記憶部23から読み出して、ステップS242以降の処理を同様に行うことで、月別の自宅位置情報を生成することができる。
(商圏分析処理)
次に、図6を参照して、上記したステップS26で実行される商圏分析処理について説明する。
次に、図6を参照して、上記したステップS26で実行される商圏分析処理について説明する。
図6は、商圏分析処理を示すフローチャートである。このフローは、サーバ装置2の制御部21によって実行される。
まず、ステップS261では、制御部21は、図2のステップS25で通信部23が受信した調査範囲に含まれる停車位置を有する停車情報を、記憶部22から読み出す。この場合、制御部21は、調査範囲に含まれる停車位置を有する複数の停車情報を読み出す。そして、処理はステップS262に進む。
ステップS262では、制御部21は、ステップS261で得られた停車情報が有するユーザ識別子と同一のユーザ識別子を有する自宅位置情報を、記憶部22から読み出す。この場合、制御部21は、複数の停車情報のそれぞれのユーザ識別子と同一のユーザ識別子を有する、複数の自宅位置情報を読み出す。つまり、複数のユーザについての自宅位置情報を読み出す。そして、処理はステップS263に進む。
ステップS263では、制御部21は、ステップS262で得られた複数の自宅位置情報が有する自宅位置に基づいて、ユーザの密度を計算する。つまり、制御部21は、自宅位置の密度分布を求める。1つの例では、制御部21は、メッシュ状のエリアを予め定めておき、各エリア内に存在するユーザ数をカウントするといったメッシュ法を用いて、密度計算を行う。他の例では、個々のユーザの自宅位置を中心に2次元の確率密度関数(ガウス関数)を発生し、すべてのユーザの合計値を求めるといったカーネル密度推定を用いて、密度計算を行う。以上のステップS263の後、処理はステップS264に進む。
ステップS264では、制御部21は、ステップS263の計算結果を、商圏分析結果(つまり統計情報)として出力する。そして、処理は終了する。このようにして出力された商圏分析結果は、図2のステップS27で端末装置3に送信され、図2のステップS34で端末装置3の表示部34に表示される。
図7は、端末装置3の表示部34に表示された商圏分析結果の一例を示している。図7では、カーネル密度推定法によって得られたユーザの自宅密度分布を例示している。具体的には、符号P1で示す施設を訪問したユーザの自宅位置の密度分布を、複数の異なるハッチングを用いて表現している。
図8は、他の商圏分析結果の例を示している。図8(a)は、商圏分析の対象とした施設についての訪問時間分布の一例を示している。この訪問時間分布は、当該施設に対応する調査範囲に含まれる停車位置を有する複数の停車情報の停車時間などに基づいて、停車時間別に停車回数をカウントすることで作成することができる。その場合、同じユーザによる同じ時間の複数回の停車を1回とカウントしても良い。
すると良い。
すると良い。
図8(b)は、商圏分析の対象とした施設についての訪問時刻分布(言い換えると時間帯別訪問者割合)の一例を示している。この訪問時刻分布は、当該施設に対応する調査範囲に含まれる停車位置を有する複数の停車情報の停車日時などに基づいて、停車時間帯別に停車回数をカウントすることで作成することができる。その場合、同じユーザによる同じ時間帯の複数回の停車を1回とカウントしても良い。
図8(c)は、商圏分析の対象とした施設についての市区町村別訪問者割合の一例を示している。この市区町村別訪問者割合は、当該施設に対応する調査範囲に含まれる停車位置を有する複数の停車情報を得て、それらの停車情報と同一のユーザ識別子を有する複数の自宅位置情報などに基づいて、市区町村別にユーザ数をカウントすることで作成することができる。つまり、施設を訪問した複数のユーザの自宅位置がそれぞれ属する市区町村を特定し、市区町村ごとに自宅位置があるユーザ数をカウントすれば良い。その場合、同じユーザを複数回カウントしないようにすると良い。
[本実施例の作用・効果]
以上説明した本実施例によれば、車両のプローブデータ(移動履歴情報)に基づいて、商圏分析の対象とした施設の訪問者を適切に特定することができると共に、訪問者の自宅位置を適切に求めることができる。よって、訪問者がどの地域から訪問しているかを適切に把握することが可能となる。これにより、店舗の運営者などに対してマーケティングに有用な情報を提供することができ、効果的な広告の展開や売上の向上などを実現させることが可能となる。
以上説明した本実施例によれば、車両のプローブデータ(移動履歴情報)に基づいて、商圏分析の対象とした施設の訪問者を適切に特定することができると共に、訪問者の自宅位置を適切に求めることができる。よって、訪問者がどの地域から訪問しているかを適切に把握することが可能となる。これにより、店舗の運営者などに対してマーケティングに有用な情報を提供することができ、効果的な広告の展開や売上の向上などを実現させることが可能となる。
ここで、従来の商圏分析では、ポイントカードの登録情報やアンケートの実施で得られた情報などを用いており、それらは比較的入手困難な情報であった。これに対して、本実施例では、車両のプローブデータを収集して商圏分析を行うため、車両が移動可能な場所であれば任意の場所を調査対象とすることができる。また、本実施例によれば、簡便かつ正確に、施設の訪問者の自宅位置を調査することができる。
[変形例]
以下では、上記した実施例に好適な変形例を示す。なお、下記の変形例は、任意に組み合わせて上述の実施例に適用することができる。
以下では、上記した実施例に好適な変形例を示す。なお、下記の変形例は、任意に組み合わせて上述の実施例に適用することができる。
(変形例1)
上記したように月別に自宅位置情報を生成する場合、走行量が少ない月については、停車情報に基づいて自宅位置情報を適切に生成することができない可能性がある。その場合には、自宅位置情報を生成することができなかった月の前後の月の自宅位置情報を得て、それらの自宅位置情報が有する自宅位置が同じである場合には、自宅位置が変わっていないものと判断して、当該自宅位置を用いて自宅位置情報を生成すれば良い。これにより、走行量が少ないユーザについても自宅位置情報を適切に生成することができ、調査対象のデータ量を増やすことが可能となる。
上記したように月別に自宅位置情報を生成する場合、走行量が少ない月については、停車情報に基づいて自宅位置情報を適切に生成することができない可能性がある。その場合には、自宅位置情報を生成することができなかった月の前後の月の自宅位置情報を得て、それらの自宅位置情報が有する自宅位置が同じである場合には、自宅位置が変わっていないものと判断して、当該自宅位置を用いて自宅位置情報を生成すれば良い。これにより、走行量が少ないユーザについても自宅位置情報を適切に生成することができ、調査対象のデータ量を増やすことが可能となる。
(変形例2)
人口密度の高い地域では、人口密度が低い地域よりも訪問者が多くなる傾向にある。そのため、施設の訪問者の自宅位置の密度分布を示す商圏分析結果は、その影響を受ける傾向にある。よって、単純な自宅位置情報の密度集計では訪問傾向(来店傾向)の強さを計測することは困難であると言える。したがって、上記したようにして得られた商圏分析結果を、地域ごとの人口の偏りを示すデータ(エリア毎の世帯数や人口密度などであり、例えば国勢調査等で得られる。以下同様とする。)に基づいて正規化すると良い。これにより、相対的な訪問傾向の強さを求めることが可能となる。
人口密度の高い地域では、人口密度が低い地域よりも訪問者が多くなる傾向にある。そのため、施設の訪問者の自宅位置の密度分布を示す商圏分析結果は、その影響を受ける傾向にある。よって、単純な自宅位置情報の密度集計では訪問傾向(来店傾向)の強さを計測することは困難であると言える。したがって、上記したようにして得られた商圏分析結果を、地域ごとの人口の偏りを示すデータ(エリア毎の世帯数や人口密度などであり、例えば国勢調査等で得られる。以下同様とする。)に基づいて正規化すると良い。これにより、相対的な訪問傾向の強さを求めることが可能となる。
また、プローブデータを提供するユーザ層に偏りがあると、商圏分析結果には、ユーザの自宅位置の偏りが混ざり込んでしまう。したがって、この場合にも、上記したようにして得られた商圏分析結果(自宅位置の分布傾向)を地域ごとの人口の偏りを示すデータに基づいて正規化すると良い。これにより、ユーザ分布の偏りを除去した商圏分析結果を得ることが可能となる。
(変形例3)
上記した実施例では、車両のプローブデータから生成した停車情報と、端末装置3にて指定された施設の駐車場に対応する範囲(調査範囲)とに基づいて、訪問者が訪問した施設を特定していたが、これに限定はされない。ルート案内機能を有する車載器1では、ルート案内のための目的地として施設が設定される場合がある。したがって、そのような目的地の施設に関する情報が含まれるルート案内の記録や行動履歴をサーバ装置2が取得すれば、上記したように端末装置3で調査範囲を指定しなくても、訪問者が訪問した施設を適切に特定することができる。この変形例は、駐車行動や位置だけでは特定することが困難である複合施設や複数の施設が共有する駐車場などに対して有効である。
上記した実施例では、車両のプローブデータから生成した停車情報と、端末装置3にて指定された施設の駐車場に対応する範囲(調査範囲)とに基づいて、訪問者が訪問した施設を特定していたが、これに限定はされない。ルート案内機能を有する車載器1では、ルート案内のための目的地として施設が設定される場合がある。したがって、そのような目的地の施設に関する情報が含まれるルート案内の記録や行動履歴をサーバ装置2が取得すれば、上記したように端末装置3で調査範囲を指定しなくても、訪問者が訪問した施設を適切に特定することができる。この変形例は、駐車行動や位置だけでは特定することが困難である複合施設や複数の施設が共有する駐車場などに対して有効である。
(変形例4)
上記した実施例では、1つの施設について商圏分析を行っていたが、複数の施設について商圏分析を行っても良い。その場合、複数の施設の商圏分析結果を比較しても良い。具体的には、同一地域にある異なる施設について、商圏分析結果としての自宅位置の密度分布を比較し、その差異を出力すると良い。また、複数の施設をグループ化し、グループごとの商圏分析結果を比較しても良い。これにより、あるグループに属する施設の商圏分析結果と、これとは異なるグループに属する施設の商圏分析結果とを比較することが可能となる。
上記した実施例では、1つの施設について商圏分析を行っていたが、複数の施設について商圏分析を行っても良い。その場合、複数の施設の商圏分析結果を比較しても良い。具体的には、同一地域にある異なる施設について、商圏分析結果としての自宅位置の密度分布を比較し、その差異を出力すると良い。また、複数の施設をグループ化し、グループごとの商圏分析結果を比較しても良い。これにより、あるグループに属する施設の商圏分析結果と、これとは異なるグループに属する施設の商圏分析結果とを比較することが可能となる。
(変形例5)
上記した実施例では、端末装置3で施設の駐車場に対応する範囲(調査範囲)を指定していたが、調査に関して指定するパラメータはこれに限定はされない。他の例では、位置座標の範囲だけでなく高さも用いて、施設の駐車場を指定しても良い。この例は、施設の駐車場が立体駐車場である場合に有効である。更に他の例では、サーバ装置2が施設に対応付けて当該施設の位置や駐車場の範囲などを管理している場合には、施設の駐車場を指定する代わりに、施設の名称などを指定しても良い。この例では、端末装置3側で指定された施設の名称などから、サーバ装置2側で施設の駐車場に対応する範囲などを特定することとなる。
上記した実施例では、端末装置3で施設の駐車場に対応する範囲(調査範囲)を指定していたが、調査に関して指定するパラメータはこれに限定はされない。他の例では、位置座標の範囲だけでなく高さも用いて、施設の駐車場を指定しても良い。この例は、施設の駐車場が立体駐車場である場合に有効である。更に他の例では、サーバ装置2が施設に対応付けて当該施設の位置や駐車場の範囲などを管理している場合には、施設の駐車場を指定する代わりに、施設の名称などを指定しても良い。この例では、端末装置3側で指定された施設の名称などから、サーバ装置2側で施設の駐車場に対応する範囲などを特定することとなる。
また、更に他の例では、調査開始日時と調査終了日時とから成る調査期間を指定しても良い。これにより、調査期間に応じた商圏分析結果を提供することが可能となる。
また、更に他の例では、性別や年齢などのユーザ属性を指定しても良い。この例では、性別や年齢などのユーザ属性を商圏分析結果に反映させると良い。これにより、男女別の商圏分析結果や年齢別の商圏分析結果を提供することが可能となる。
(変形例6)
上記した実施例では、停車情報に基づいて自宅位置を示す自宅位置情報を生成していたが、これに限定はされない。他の例では、車載器1に自宅位置が登録されている場合には、停車情報に基づいて自宅位置情報を生成せずに、車載器1に登録された自宅位置をそのまま用いて自宅位置情報を生成すれば良い。この場合には、サーバ装置2は、車載器1に登録された自宅位置を取得すれば良い。
上記した実施例では、停車情報に基づいて自宅位置を示す自宅位置情報を生成していたが、これに限定はされない。他の例では、車載器1に自宅位置が登録されている場合には、停車情報に基づいて自宅位置情報を生成せずに、車載器1に登録された自宅位置をそのまま用いて自宅位置情報を生成すれば良い。この場合には、サーバ装置2は、車載器1に登録された自宅位置を取得すれば良い。
1 車載器
2 サーバ装置
3 端末装置
11、21、31 制御部
12、22、32 記憶部
13 GPS受信機
14、23、35 通信部
33 入力部
34 表示部
100 商圏分析システム
2 サーバ装置
3 端末装置
11、21、31 制御部
12、22、32 記憶部
13 GPS受信機
14、23、35 通信部
33 入力部
34 表示部
100 商圏分析システム
Claims (10)
- 移動体の移動履歴情報を取得する移動履歴情報取得手段と、
前記移動体の使用者の自宅位置に関する自宅位置情報を取得する自宅位置情報取得手段と、
前記移動履歴情報と前記自宅位置情報を関連付けて記憶する記憶手段と、
施設の駐車場に対応する位置座標の範囲である調査範囲を取得する施設情報取得手段と、
前記移動履歴情報と前記自宅位置情報に基づいて、前記調査範囲に対応する施設と、前記調査範囲内に滞在した前記使用者の自宅位置とに関する統計情報を生成する統計情報生成手段と、
を備える情報提供システム。 - 前記移動履歴情報に基づいて、前記移動体が滞在した位置を含む滞在情報を生成する滞在情報生成手段を更に備え、
前記記憶手段は、前記滞在情報と前記自宅位置情報とを更に関連付けて記憶し、
前記統計情報生成手段は、前記施設の位置を含む前記滞在情報を特定し、当該滞在情報に関連付けられた前記自宅位置情報に基づいて、前記統計情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の情報提供システム。 - 前記滞在情報生成手段が生成した前記滞在情報に基づいて、前記自宅位置情報を生成する自宅位置情報生成手段を更に備え、
前記自宅位置情報取得手段は、前記自宅位置情報生成手段が生成した前記自宅位置情報を取得することを特徴とする請求項2に記載の情報提供システム。 - 前記統計情報生成手段は、地域ごとの人口の偏りに基づいて前記統計情報を補正することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報提供システム。
- 前記統計情報生成手段は、前記移動体をルート案内するために設定された目的地を取得し、前記目的地に基づいて前記使用者が滞在した施設を特定し、特定した前記施設に基づいて前記統計情報を生成することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報提供システム。
- 前記施設情報取得手段は、複数の施設について前記調査範囲を取得し、
前記統計情報生成手段は、前記複数の施設についての前記統計情報を生成して、生成した前記複数の施設についての前記統計情報の比較結果を生成することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報提供システム。 - 前記統計情報生成手段は、前記複数の施設をグループ化し、グループごとに前記統計情報を生成して、生成した前記グループごとの前記統計情報の比較結果を生成することを特徴とする請求項6に記載の情報提供システム。
- 情報提供システムと情報要求端末とを有する情報処理システムであって、
前記情報提供システムは、
移動体の移動履歴情報を取得する移動履歴情報取得手段と、
前記移動体の使用者の自宅位置に関する自宅位置情報を取得する自宅位置情報取得手段と、
前記移動履歴情報と前記自宅位置情報を関連付けて記憶する記憶手段と、
前記情報要求端末から、施設の駐車場に対応する位置座標の範囲である調査範囲を取得する施設情報取得手段と、
前記移動履歴情報と前記自宅位置情報に基づいて、前記調査範囲に対応する施設と、前記調査範囲内に滞在した前記使用者の自宅位置とに関する統計情報を生成する統計情報生成手段と、
前記統計情報を前記情報要求端末に提供する統計情報提供手段と、
を備え、
前記情報要求端末は、
所定の施設についての前記調査範囲を前記情報提供システムに提供する施設情報提供手段と、
前記施設情報提供手段が提供した前記調査範囲に応じて前記情報提供システムの前記統計情報提供手段が提供した前記統計情報を取得する統計情報取得手段と、
前記統計情報取得手段が取得した前記統計情報を表示手段に表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。 - 通信部、記憶部及び制御部を備える情報提供システムによって実行される制御方法であって、
前記通信部が、移動体の移動履歴情報を取得する移動履歴情報取得工程と、
前記制御部が、前記移動体の使用者の自宅位置に関する自宅位置情報を取得する自宅位置情報取得工程と、
前記制御部が、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報を関連付けて前記記憶部に記憶する記憶工程と、
前記制御部が、施設の駐車場に対応する位置座標の範囲である調査範囲を取得する施設情報取得工程と、
前記制御部が、前記移動履歴情報と前記自宅位置情報に基づいて、前記調査範囲に対応する施設と、前記調査範囲内に滞在した前記使用者の自宅位置とに関する統計情報を生成する統計情報生成工程と、
を備えることを特徴とする制御方法。 - コンピュータを有する情報提供システムによって実行されるプログラムであって、
前記コンピュータを、
移動体の移動履歴情報を取得する移動履歴情報取得手段、
前記移動体の使用者の自宅位置に関する自宅位置情報を取得する自宅位置情報取得手段、
前記移動履歴情報と前記自宅位置情報を関連付けて記憶する記憶手段、
施設の駐車場に対応する位置座標の範囲である調査範囲を取得する施設情報取得手段、
前記移動履歴情報と前記自宅位置情報に基づいて、前記調査範囲に対応する施設と、前記調査範囲内に滞在した前記使用者の自宅位置とに関する統計情報を生成する統計情報生成手段、
として機能させることを特徴とするプログラム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2020096150A JP6900554B2 (ja) | 2018-05-24 | 2020-06-02 | 情報提供システム、情報処理システム、制御方法及びプログラム |
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