JP6900028B2 - パーキンソン病に併発した認知障害の治療剤 - Google Patents

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本発明は、パーキンソン病に併発した認知障害の治療剤に関する。
パーキンソン病は黒質の変性を主病変とする神経変性疾患の1つであり、脳内のドパミン不足とアセチルコリンの相対的増加とを病態とする。パーキンソン病はアルツハイマー病についで頻度の高い疾患であり、有病率は10万人あたり100人である。症状としては振戦、固縮、無動、姿勢反射障害等を認めるとともに、様々な全身症状や精神症状も合併する。症状がゆっくりと進行するため、本人の自覚症状がないまま症状が悪化することもある。パーキンソン病の約95%は孤発例であり、遺伝的な影響は低いとされている。パーキンソン病患者の約40%に認知症が併発するといわれている。
パーキンソン病の治療法としては、ドパミンの前駆物質であるレボドパ等の投与、運動療法、脳の一定の部位に電極を埋め込む脳深部刺激療法などが試みられており、iPS細胞による再生医療にも期待が寄せられているが、現在のところ根本的な治療法は確立されていない。
セロトニン5−HT4受容体は、中枢神経系(海馬)、胃腸管、心臓などに分布している、GTP結合蛋白質に共役する受容体であり、5−HT4受容体刺激によってcAMP濃度が上昇する。プルカロプリドをはじめとする5−HT4受容体作動薬は、蠕動運動促進作用を有し、便秘の治療に有効であることが報告されている(非特許文献1)。
5−HT4受容体作動薬を用いた神経性疾患の治療方法が、いくつか報告されている。
特許文献1には、5−HT4受容体作動薬(インダゾール化合物)がパーキンソン病、アルツハイマー病等に有効であることが開示されている。
特許文献2には、5−HT4受容体作動薬が便秘、認知障害等に有効であることが開示されている。
特許文献3は、神経発生を増大させるアデニル酸シクラーゼ活性化因子として、便秘改善剤であるシサプリド等を挙げており、対象疾患としてパーキンソン病等を例示している。
特表2016−540796号公報 特表2009−502770号公報 特表2006−514630号公報
自律神経,48,126−129(2011)
しかしながら、パーキンソン病に併発する認知障害に対して有効な治療剤については報告がなされていなかった。
発明者らは、パーキンソン病に併発する認知障害の発症メカニズムを解明し、5−HT4受容体作動薬によって、パーキンソン病に起因する認知障害を治療できることを新たに見出したことにより、本発明を完成させた。本発明は、パーキンソン病に併発した認知障害に対して有用な治療剤を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の第1の観点に係るパーキンソン病に併発した認知障害の治療剤は、5−HT4受容体作動薬を有効成分とする。
例えば、前記5−HT4受容体作動薬は、消化管の蠕動運動促進作用を有する。
例えば、前記5−HT4受容体作動薬は、プルカロプリド、ナロナプリド、ベルセトラグ及びそれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より少なくとも1つ選択される。
例えば、前記5−HT4受容体作動薬は、プルカロプリド又はその薬学的に許容可能な塩である。
本発明によれば、パーキンソン病に併発した認知障害に対して有用な治療剤を提供することができる。
(a)はパーキンソン病モデルマウス(PDマウス)における脳神経回路の変化を表す図であり、(b)は黒質のGABA神経が正中縫線核に投射していることを表す図である。 PDマウスにおける黒質から正中縫線核への神経投射の解析結果を表す図である。 PDマウスにおける認知障害に対するプルカロプリドによる治療効果を示すグラフ図である。 PDマウスの記憶消失トレーニング後における海馬のcAMPレベルを測定した結果を示すグラフ図である。
まず、本実施形態によるパーキンソン病に併発した認知障害の治療剤について詳細に説明する。
本実施形態によるパーキンソン病に併発した認知障害の治療剤は、5−HT4受容体作動薬を有効成分とする。
本発明は、パーキンソン病に併発した認知障害、つまりパーキンソン病に起因する認知障害に治療効果を有するものであって、パーキンソン病自体には治療効果を有しない。本明細書において、認知障害とは、主に学習、記憶、理解、問題解決に障害をきたしている状態であり、記憶障害、記憶消去亢進、認知症、せん妄、意識障害、過度の眠気、抑うつ、不安、アパシー(無気力、無感動)等を包含する概念である。
パーキンソン病の原因は黒質ドパミン性神経細胞の変性で、それによる線条体ドパミン低下がほとんどの症状の責任病巣と考えられていた。“パーキンソン病に併発した認知障害”は、海馬でのcAMP濃度減弱及び海馬歯状回でのp−CREB(cAMP response element binding protein)発現減少に起因することが知られていたが、黒質ドパミン性神経細胞の変性によってなぜ海馬cAMP−CREB経路の減弱が起こるのか、そのメカニズムは解明されていなかった(図1(a))。本発明者らは、黒質のGABA神経が正中縫線核に投射していることを新たに発見し(図2)、黒質ドパミン性神経細胞の変性が正中縫線核の機能低下を引き起こし、間接的に海馬に影響を与えることを新たに見出した(図1(b))。本発明者らは、このような“パーキンソン病に併発した認知障害”の発症メカニズムを見出したことにより、5−HT4受容体作動薬が正中縫線核から海馬歯状回に投射するセロトニン神経系を刺激し、海馬歯状回におけるcAMP濃度を上昇させることで、“パーキンソン病に併発した認知障害”に治療効果を奏することを予想した。上記の予想通り、後述する実施例に記載されるように、5−HT4受容体作動薬は“パーキンソン病に併発した認知障害”に対して治療効果を奏することが実証された。なお、本実施形態による治療剤は、その作用メカニズム上、パーキンソン病患者の破壊された中脳黒質及び黒質−線条体のドパミン神経に影響を与え得ないため、パーキンソン病自体には治療効果を有しない。また、“パーキンソン病に併発した認知障害”以外の認知障害については、図1(b)に示されるメカニズムで発症するものでない限り、本実施形態による治療剤が治療効果を奏することはない。
5−HT4受容体作動薬として、例えば、プルカロプリド、ナロナプリド、ベルセトラグ、シサプリド、モサプリド、レンザプリド、テガセロッド、ザコプリド、BIMU 8、benzothiazole、EMD 386088、EMDT、ST 1936、WAY 208466、AS 19、LP 12、LP 44等が挙げられる。
5−HT4受容体作動薬は、好ましくは、消化管の蠕動運動促進作用を有する。消化管の蠕動運動促進作用を有する5−HT4受容体作動薬は、例えば、プルカロプリド、ナロナプリド、ベルセトラグ、シサプリド、モサプリド、レンザプリド及びそれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より少なくとも1つ選択され、便秘、腹部膨満感といった消化管障害を改善させる。以下に各々の構造式を示す。
Figure 0006900028
5−HT4受容体作動薬は、好ましくは、プルカロプリド、ナロナプリド、ベルセトラグ及びそれらの薬学的に許容可能な塩からなる群より少なくとも1つ選択される。5−HT4受容体作動薬は、さらに好ましくは、プルカロプリド又はその薬学的に許容可能な塩である。
本明細書において「薬学的に許容可能な塩」とは、開示された化合物の誘導体を意味し、そこにおいて、親化合物は、塩にするために、酸又は塩基部分の交換によって修飾される。薬学的に許容可能な塩の例は、非限定的ではあるが、アミン、アルカリのような塩基性残基の鉱物若しくは有機酸塩、又はカルボキシル酸などのような酸性残基の有機塩が含まれる。本明細書において、薬学的に許容可能な塩は、例えば非中毒性の無機又は有機酸から形成される親化合物の従来の非中毒性塩を含む。本明細書において、薬学的に許容可能な塩は、従来の化学的方法によって塩基性又は酸性部分を含む親化合物から合成されることがある。通常、このような塩は、水中又は有機溶媒中または2つの混合溶液中において適切な塩基又は酸の化学量論的な量で、これらの化合物の遊離酸又は遊離塩基を反応させることで調製されることがある。一般的には、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、アセトニトリル(ACN)等のような非水系媒体が好適である。適当な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、17th ed.、Mack Publishing Company、Easton、Pa.、1985、p.1418及びJournal of Pharmaceutical Science、66、2(1977)に記載されている。
本実施形態による治療剤の投与方法は、経口投与、局所投与(例えば、脳への局所投与、特には海馬歯状回への局所投与)、静脈内投与、腹腔内投与、皮内投与、舌下投与等、適宜選択され得る。投与剤型も任意であってよく、例えば、錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等の経口用固形製剤、内服液剤、シロップ剤等の経口用液体製剤、注射剤などの非経口用液体製剤等に適宜調製することができる。また、適切なドラッグデリバリーシステム(DDS)(例えば、脳血液関門を通過するためのDDS)を用いてもよい。
本実施形態による治療剤の投与量は、患者の年齢、体重、適応症状等によって適宜設定することができるが、例えば、プルカロプリド又はその薬学的に許容可能な塩である場合、経口投与で、例えば1日当たり1〜4mg×1回投与であってもよいが、これに制限されるものではない。また、ナロナプリド又はその薬学的に許容可能な塩である場合、経口投与で、例えば1日当たり10〜40mg×1〜3回投与であってもよいが、これに制限されるものではない。また、ベルセトラグ又はその薬学的に許容可能な塩である場合、経口投与で、例えば1日当たり10〜20mg×1〜3回投与であってもよいが、これに制限されるものではない。なお、本実施形態による治療剤の投与量は、食事中投与、食後投与、食前投与、食間投与、就寝前投与等のいずれも可能である。
以上説明したように、本実施形態による治療剤は、パーキンソン病に併発した認知障害に対して特異的に治療効果を発揮することができる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
パーキンソン病モデルマウス(以下、「PDマウス」と称する)を用いて、文脈的恐怖条件付けテストによって、パーキンソン病に併発した認知障害に対するプルカロプリドの治療効果について検証した。
PDマウスは、中脳黒質のドパミン神経細胞を特異的に破壊する1−methyl−4−phenyl−1,2,3,6−tetrahydropyridine(MPTP)を腹腔内投与することで作出した。より具体的には、8週令のc57BL/6Jマウスに、生理食塩水に溶解したMPTP(20mg/Kg[100μL])を4回(2時間の投与間隔)腹腔内に投与することで作出した。なお、MPTPによる病態はほぼ黒質線条体に限局され、海馬等の神経細胞に直接的な毒性は示さないとされている。PDマウスの作製については、Kinoshita et al.(2015)Life Sci.137:28−36を参照した。なお、図1において、「Control」とは、MPTPの代わりに生理食塩水を投与した正常c57BL/6Jマウスを表す。
文脈的恐怖条件付けテストについて以下に説明する。このテストは、装置にマウスを入れ(条件刺激:CS)、嫌悪刺激となる電気刺激を与える(無条件刺激:US)ことで、その装置内に置かれた環境に対する恐怖を学習・記憶させるテストである。近年、獲得後固定された記憶は想起とともに一度不安定な状態となり、再固定という過程を経て長期記憶となることや、不安定な記憶は他の記憶と塗り替えられることで記憶の消去につながることが示唆されている。このテストでは、記憶の固定(装置にマウスを入れ(条件刺激:CS)、嫌悪刺激となる電気刺激を与える(無条件刺激:US))の後、30分間のCS暴露(消去トレーニング)を再度行い、記憶の消去を誘導する。記憶の評価は、マウスの恐怖行動の指標であるフリージング行動を測定することで行った。フリージング行動の割合が低いほど、記憶の消去が亢進していることを表す。
まず、プルカロプリドの治療効果について検証に先立ち、黒質から正中縫線核への神経投射の解析を行った。正中縫線核(ブレグマから後方に4.5mm、正中、深さ4.7mm)に逆向性色素である2%fluorogold水溶液を50nl投与した。2%fluorogold投与から2日後、マウスの脳を採材し、黒質及び正中縫線核の切片を作製した。作製した黒質の切片にはドパミン神経のマーカーであるチロシン水酸化酵素(tyrosine hydroxylase:TH)に対する抗体又はGABA神経のマーカーであるglutamate decarboxylase(GAD)67に対する抗体を処置した。正中縫線核の切片にはセロトニン神経のマーカーであるトリプトファン水酸化酵素(tryptophan hydroxylase:TPH)に対する抗体を処置した。その後、共焦点レーザー顕微鏡下で405nm及び561nmの波長を用いて観察を行い、黒質におけるfluorogoldの発現とTH、GAD67との共染色像を評価した。
結果を図2に示す。正中縫線核に投与したfluorogoldは黒質中に認められたことから、黒質から正中縫線核への神経投射が存在することが分かった。一方、黒質で認められたfluorogoldはドパミン神経のマーカーであるTH陽性細胞とは共発現せず、GABA神経のマーカーであるGAD67陽性細胞と共発現していたことから、黒質のGABA神経が正中縫線核に投射していることが分かった。
上記の結果より、黒質ドパミン性神経細胞の変性が正中縫線核の機能低下を引き起こし、間接的に海馬に影響を与えることが明らかとなった(図1(b))。このため、5−HT4受容体作動薬が正中縫線核から海馬歯状回に投射するセロトニン神経系を刺激し、海馬歯状回におけるcAMP濃度を上昇させることで、“パーキンソン病に併発した認知障害”に治療効果を奏することが予想された。そこで、5−HT4受容体作動薬としてプルカロプリドを用いて以下の実験を行った。
上記のPDマウスにおいて、MPTP投与後7日目に、プルカロプリドの腹腔内投与を行い、PDマウスが示す記憶の消去亢進及び記憶の保持能力の低下が改善されるか否かについて解析した。記憶の保持能力は、記憶の固定(0日目)後、1〜3日目の間、毎日、30分間CS暴露(消去トレーニング)を行い、その際のフリージング行動を測定する(30分間のCS暴露中の、始めの3分間及び終わりの3分間)ことで、毎日の連続的な消去誘導後にどの程度記憶が保持されているのか、すなわち記憶の保持能力を解析した。
フリージング行動の測定について説明する。“フリージング”を、1秒間以上、呼吸以外のすべての動きが無いことと定義し、マウスをビデオカメラで撮影記録し、低速で再生しながらフリージングの総時間を計測した。図3の縦軸において、3分間内でフリージングした総時間(秒)を3分(180秒)で割り算して求めた割合を%で表した。
プルカロプリドの腹腔内投与について以下に説明する。上記1〜3日目における30分間のCS暴露の2時間前に、3mg/kgの用量で、1%DMSOに溶解したプルカロプリドをPDマウスに腹腔内投与した(図3)。なお、対照群には1%DMSOを投与した。
結果を図3に示す。30分間のCS暴露によって、2日目及び3日目の始めの3分間、1日目及び2日目の終わりの3分間では、1日目の始めの3分間に比して、PDマウスのフリージング行動の顕著な減少、すなわち記憶の消去亢進が観察された。しかしながら、プルカロプリドは、PDマウスのフリージング行動の減少(記憶の消去亢進)をcontrolマウスのレベルにまで回復させた。このプルカロプリドによる記憶の消去亢進の回復効果について、プルカロプリドは消去トレーニング(30分間のCS暴露)前に単回投与されたにすぎないので、黒質のドパミン神経細胞を補修したことに起因するとは考えられず、プルカロプリドが記憶消去に関わる脳領域(特に海馬歯状回)のcAMP濃度を上昇させたことが、パーキンソン病に併発した認知障害の改善につながったものと考えられた。
次に、記憶消失トレーニング後における海馬のcAMPレベルを測定することで、プルカロプリド投与によるPDマウスの恐怖記憶の消去改善効果を検討した。
上記のPDマウスにおいて、MPTP投与後7日目に、プルカロプリドの腹腔内投与を行い、海馬のcAMPレベルを測定した。より具体的には、記憶の固定(0日目)後、1〜2日目における30分間のCS暴露(消去トレーニング)の2時間前に、3mg/kgの用量で1%DMSOに溶解したプルカロプリドをPDマウスに腹腔内投与した(対照群には1%DMSOを投与)。記憶の固定(0日目)後、毎日、30分間CS暴露(消去トレーニング)を行い、消去トレーニングの直後に海馬サンプルを摘出した(各群n=6〜8)。海馬サンプルのcAMP濃度測定は、Cyclic AMP EIA kit(Cayman Chemical Company)を用いて行われ、タンパク質量の調整は、protein assay kit(Bio−Rad Laboratories)を用いて行われた。
結果を図4に示す。MPTPを投与したPDマウスでは恐怖記憶消去時、海馬におけるcAMPが減少していることが示された。一方で、プルカロプリド3mg/kgを投与することで、PDマウスにおける海馬cAMP減少が改善された。以上より、プルカロプリドは、記憶消去に関わる海馬のcAMP濃度を上昇させることによって、記憶消失を改善することが示唆された。
以上より、プルカロプリドは、パーキンソン病に併発した認知障害に対して治療効果を有することが示された。

Claims (2)

  1. プルカロプリド、ベルセトラグ又はそれらの薬学的に許容可能な塩を有効成分とするパーキンソン病に併発した認知障害の治療剤。
  2. ルカロプリド又はその薬学的に許容可能な塩を有効成分とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の治療剤。
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