JP6898373B2 - 架橋剤を含む超吸収性ポリマー - Google Patents

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本発明は、超吸収性ポリマー、粒状超吸収性ポリマー組成物、及びそのような生成物の製造方法、並びにそのような生成物を含む吸収性物品を対象とする。超吸収性ポリマーの例としては、超吸収性ポリマーの一般的な定義によれば、多量の水性液体及び体液、例えば尿又は血液を吸収し、膨張してヒドロゲルを形成することができ、一定の圧力の下で水性液体を保持することができる、架橋ポリアクリル酸又は架橋澱粉―アクリル酸グラフトポリマーを含む、架橋した部分的に中和したポリマーが挙げられる。超吸収性ポリマーは、一般に粒状超吸収性ポリマーと呼ばれる粒子へと成形してもよく、粒状超吸収性ポリマーは、表面架橋、表面処理、及び他の処理で後処理して、粒状超吸収性ポリマー組成物を形成してもよい。超吸収性ポリマー、超吸収性ポリマー組成物、及びこれらの粒子の代わりに、頭字語SAPを使用することがある。超吸収性ポリマー及び超吸収性ポリマー組成物の第一の用途は、衛生物品、例えば乳児のおむつ、失禁用製品、又は生理用ナプキンである。超吸収性ポリマー、並びにそれらの使用及び製造の広範囲にわたる調査は、F.L.Buchholz and A.T.Graham(編集者)の「Modern Superabsorbent Polymer Technology」、Wiley―VCR、ニューヨーク、1998年に記載されている。
超吸収性ポリマーは、まず、不飽和カルボン酸又はその誘導体、例えばアクリル酸、アクリル酸のアルカリ金属(例えばナトリウム及び/又はカリウム)塩、又はアンモニウム塩、アルキルアクリレートなどを、苛性処理、例えば水酸化ナトリウムの存在下で中和して、次に生成物を、比較的少量の内部架橋剤又はモノマー架橋剤、例えば二官能性又は多官能性モノマーと重合させることによって調製してもよい。二官能性又は多官能性モノマー材料は、共有結合性内部架橋剤として役立ち、ポリマー鎖を軽度に架橋して、それによって、水不溶性であるが水膨潤性にしてもよい。これらの軽度に架橋した超吸収性ポリマーは、ポリマー主鎖に結合した多数のカルボキシル基を含む。これらのカルボキシル基は、架橋ポリマーネットワークによって、体液を吸収するための浸透性駆動力を生ずる。
共有結合性内部架橋剤に加えて、イオン性内部架橋剤を利用して、超吸収性ポリマーを調製している。イオン結合性内部架橋剤は、一般に、米国特許第6,716,929号明細書、及び米国特許第7,285,614号明細書に開示されているように、多価金属カチオン、例えばAl3+、及びCa2+を含む配位化合物である。これらの特許に開示されている超吸収性ポリマーは、イオン性架橋が存在するため、遅い吸収速度を有する。この文脈において、吸収速度は、ボルテックス試験(Vortex Test)で測定してもよい。
吸収性物品、例えば使い捨ておむつの吸収剤として有用な超吸収性ポリマーは、十分に高い吸収能力、及び十分に高いゲル強度を有することが必要である。吸収能力は、吸収性物品を使用する間に発生した著しい量の水性体液を吸収性ポリマーが吸収することができるよう、十分に高いことが必要である。ゲル強度とは、膨張したポリマー粒子が適用した応力の下で変形する傾向を意味しており、粒子が圧力の下で変形して吸収部材又は物品のキャピラリーボイド空間を充填し、容認できない程度の、いわゆるゲルブロッキングを起こし、それによって部材又は物品によって流体吸収速度又は流体分布を阻害することがないようにすることが必要である。一旦ゲル―ブロッキングが起こると、比較的乾燥した領域又は吸収性物品中の領域への流体の分布を実質的に妨げることがあり、吸収性物品中の吸収性ポリマー粒子が完全に飽和する十分前に、又は「ブロッキング」した粒子を通って残りの吸収性物品中へと流体が拡散するか若しくはウィッキングすることができる前に、吸収性物品からの漏出が起こりうる。
米国特許第6,087,450号明細書は、内部架橋剤、及びそれらによって架橋した超吸収性ポリマー、並びにそれらの製造方法を提供することを対象としている。これらの超吸収性ポリマーは、グリシジル化合物と不飽和アミン、例えばアリルアミンとを反応させることによってエポキシド環を開いて、その後のエトキシル化に任意に利用可能な水酸基を形成することによって特徴付けられる内部架橋剤を用いることによって、おむつの構造物の超吸収体又は他の技術的な用途に適切である。本発明によれば、架橋剤を製造する他の反応経路;例えば、アミンと、不飽和グリシジル化合物、例えば(メタ)アリルグリシジルエーテル、又はグリシジル(メタ)アクリレートとを反応させることもある。
超吸収体の特性、特に圧力下でのそれらの液体の吸収については、表面架橋によって改善することができる。表面架橋の間、ポリマー分子のカルボキシル基は、高温で、超吸収体粒子の表面で、架橋剤と架橋する。中でも、多価金属塩類、グリシジル化合物、ポリオール、ポリエポキシド、ポリアミン、アルキレンカーボネート、及びポリエチレングリコールが、架橋剤として用いられる。
本発明の目的は、本明細書に記載のゲル床透過性試験(Gel Bed Permeability Test)で測定される、改善された透過性を有する超吸収性ポリマー、及びその製造方法を提供することである。
本発明は多数の実施形態を含んでおり、そのいくつかが本明細書中に含まれている。本発明の一実施形態は、粒状超吸収性ポリマー組成物であって:
a)重合性モノマーであって、モノマーは、不飽和酸性基含有モノマー、エチレン性不飽和カルボン酸の無水物、塩、又はこれらの誘導体から選択される、重合性モノマーと;
b)内部架橋剤組成物であって、
(i)飽和アミン及び/若しくは飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、又は
(ii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(iii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物から選択されるものの反応生成物である、内部架橋剤組成物と;
ここで、成分a)及びb)は重合及び粒状化されて、粒子表面を有する粒状超吸収性ポリマーを形成しており、粒状超吸収性ポリマーの少なくとも40質量%が300μm〜600μmの粒子径を有しており;並びに
c)乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0.01〜5質量%の、粒子表面に適用された表面架橋剤と;
を含んでおり、
粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載の遠心保持容量試験(Centrifuge Retention Capacity Test)によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及び本明細書に記載のゲル床透過性試験(Gel Bed Permeability Test)によって決定される少なくとも5ダーシー以上のゲル床透過性を有する、
粒状超吸収性ポリマー組成物である。
本発明の他の実施形態は、粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法であって:
a)超吸収性ポリマーに基づいて、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボン酸の無水物、塩、又はこれらの誘導体から選択される少なくとも1つのモノマーと、
(i)飽和アミン及び/若しくは飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、
(ii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(iii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物から選択されるものの反応生成物である、0.001質量%〜1質量%の内部架橋剤組成物とを重合させることによって超吸収性ポリマーを調製すること;
b)超吸収性ポリマーを重合させること;
c)超吸収性ポリマーを粒状化して、粒状超吸収性ポリマーの少なくとも40質量%が300μm〜600μmの粒子径を有する粒状超吸収性ポリマーを形成すること;
d)乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.001〜5.0質量%の、粒子表面に適用された表面架橋剤で、粒状超吸収性ポリマーを表面架橋すること;並びに
e)工程e)の表面架橋した粒状超吸収性ポリマーを150℃〜250℃の温度で20〜120分間熱処理して、表面架橋した粒状超吸収性ポリマーを形成すること;
を含んでおり、
粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載の遠心保持容量試験によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及び本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される少なくとも5ダーシー以上のゲル床透過性を有する、
粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法である。
本発明の他の実施形態は、粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法であって:
a)超吸収性ポリマーに基づいて、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボン酸の無水物、塩、又はこれらの誘導体から選択される少なくとも1つのモノマーと、
(i)飽和アミン及び/若しくは飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、
(ii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(iii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物から選択されるものの反応生成物である、0.001質量%〜1質量%の内部架橋剤組成物とを重合させることによって超吸収性ポリマーを調製すること;
b)超吸収性ポリマーを重合させること;
c)超吸収性ポリマーを粒状化して、粒状超吸収性ポリマーの少なくとも40質量%が300μm〜850μmの粒子径を有する、粒状超吸収性ポリマーを形成すること;
d)工程c)の表面架橋した粒状超吸収性ポリマーを、乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01〜5質量%の不溶性無機粉末、及び/又は乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01〜5質量%の多価金属塩で表面処理すること;
e)乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0.001質量%〜5.0質量%の、粒子表面に適用された表面架橋剤で、粒状超吸収性ポリマーを表面架橋すること;並びに
f)工程d)の表面架橋した粒状超吸収性ポリマーを、150℃〜250℃の温度で20〜120分間熱処理して、表面架橋した粒状超吸収性ポリマーを形成すること;
を含んでおり、
粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載の遠心保持容量試験によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及び本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される少なくとも5ダーシー以上のゲル床透過性を有する、
粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法。
本発明の他の実施形態は、吸収性物品であって:
(a)液体通過性上面シートと;
(b)液体非通過性背面シートと;
(c)(a)と(b)との間に配置されたコアであって、上記コアは10%〜100質量%の粒状超吸収性ポリマー組成物、及び0質量%〜90質量%の親水性繊維材料を含む、コアと;
(d)上記コア(c)の上及び下に直接配置された任意の組織層と;
(e)(a)と(c)との間に配置された任意の捕捉層と
を含んでおり、
粒状超吸収性ポリマー組成物は、
i)エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボン酸の無水物、塩、又はこれらの誘導体から選択されたモノマーと、
ii)内部架橋剤組成物であって、
(α)飽和アミン及び/若しくは飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、
(β)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(γ)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物
から選択されるものの反応生成物である、内部架橋剤組成物と;
iii)乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づき0.001〜5質量%の、粒子表面に適用された表面架橋剤と;
を含んでおり、
粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載の遠心保持容量試験(Centrifuge Retention Capacity Test)によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及び本明細書に記載のゲル床透過性試験(Gel Bed Permeability Test)によって決定される少なくとも5ダーシー以上のゲル床透過性を有する、
吸収性物品。
本発明の他の実施形態、特徴、及び利点の多くの側面を、以下の詳細な記載、添付の図面、及び請求項に示す。簡潔及び簡明のため、本明細書に記載されている値の範囲はその範囲内の全ての値を考慮しており、当該特定範囲内の実数値であるエンドポイントを有するあらゆるサブレンジを記載している請求項を支持するものと解釈される。本発明のこれらの及び他の側面、利点、及び顕著な特徴は、以下の詳細な記載、添付の図面、及び添付の特許請求の範囲から明らかとなる。
本発明の前述の及び他の特徴、側面、及び利点は、以下の記載、添付の特許請求の範囲、及び添付の図面に関連して、より良好に理解される。
自由膨張ゲル床透過性試験に使用した試験装置の側面図である。 図1に示す自由膨張ゲル床透過性試験装置に使用したシリンダー/カップアセンブリの断面側面図である。 図1に示す自由膨張ゲル床透過性試験装置に使用したプランジャーの上面図である。 荷重吸収性試験(Absorbency Under Load Test)に使用した試験装置の側面図である。
《定義》
本開示において使用する場合、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、及び語源「含む(comprise)」からの他の派生語は、何らかの記載された特徴、要素、整数、工程、又は成分の存在を特定するオープンエンドな用語であることを意図しており、一つ以上の他の特徴、要素、整数、工程、成分、又はそれらの組合せの存在又は添加を排除することを意図するものではないことを留意すべきである。
本明細書で用いる、本発明の組成物中又は本発明の方法で使用する成分量を修飾する用語「約」は、例えば、実際に濃縮物又は使用溶液の製造に使用する、典型的な測定及び液体の処理手順を通して;これらの手順における不注意のエラーを通して;組成物の製造又は方法の実施に使用する原料の製造、出所、又は純度の違いを通して;並びにこれらと同種のものを通して生じることがある数量の変化を意味する。用語はまた、特定の最初の混合物から生じる組成物の異なる平衡条件によって異なる量を含む。用語「約」によって修飾されるか否かを問わず、請求項は、量に均等物を含む。
本明細書で用いる用語「吸収性物品」は、体液又は身体滲出物を吸収及び収容する装置を意味し、より具体的には、着用者の体に対して又は近接して置かれ、体から放出される様々な流体又は滲出液を吸収及び収容する装置を意味する。吸収性物品としては、おむつ、トレーニングパンツ、大人用失禁下着、女性用生理用品、胸部パッド、ケアマット、胸当て、外傷包帯製品などが挙げられる。吸収性物品としては更に、床洗浄物品、食品産業物品などが挙げられる。
本明細書で用いる用語「遠心保持容量(CRC)」とは、制御条件下で飽和して遠心分離した後に液体を中に保持する、粒状超吸収性ポリマーの能力を意味しており、本明細書に記載の遠心保持容量試験で測定されるように、サンプルのグラム質量当たりに保持される液体のグラム(g/g)として記載する。
本明細書で用いる用語「架橋した(crosslinked)」、「架橋(crosslink)」、「架橋剤(crosslinker)」、又は「架橋する(crosslinking)」とは、通常は水溶性の材料を、効果的に、実質的に水不溶性であるが膨張可能にする何らかの手段を意味する。そのような架橋手段としては、例えば、物理的な絡み合い、結晶性ドメイン、共有結合、イオン錯体及びイオン会合、親水性会合、例えば水素結合、疎水性会合、又はファンデルワールス力が挙げられる。
本明細書で用いる用語「内部架橋剤(internal crosslinker)」、又は「モノマー架橋剤(monomer crosslinker)」とは、ポリマーを形成するモノマー溶液中の架橋剤の使用を意味する。
用語「ダーシー」は、ガウス単位系(CGS)の透過性の単位である。1ダーシーとは、固体の二側面の圧力差が1気圧である場合に、1立方センチメートルの1センチポアズの粘度を有する流体が、厚み1センチメートル及び断面積1cmセンチメートルの部分を通って1秒で流れる、固体の透過性である。透過性のSI単位はなく、平方メートルが使われるので、透過性は面積と同じ単位を有することがわかる。1ダーシーは、0.98692×10−12、又は0.98692×10−8cmに等しい。
本明細書で用いる用語「おむつ」は、一般に乳児及び失禁症の人が、着用者の腰及び脚部を囲むように下部胴体に着用し、具体的には尿及び糞便を受容し及び収容するのに適する、吸収性物品を意味する。
本明細書で用いる用語「使い捨て」は、一回の使用の後に洗浄し、又はそうでなければ回収若しくは吸収性物品として再利用することを意図していない、吸収性物品を意味する。そのような使い捨て吸収性物品の例としては、限定されないが、パーソナルケア吸収性物品、健康/医療用の吸収性物品、及び家庭用/工業用吸収性物品が挙げられる。
本明細書で用いる用語「乾燥した超吸収性ポリマー組成物」とは、一般に、含まれる水分が10%未満である超吸収性ポリマー組成物を意味する。
用語「ゲル透過性」は、全体としての粒子の物質の特性であり、粒度分布、粒子形状、及び粒子間の開孔の連結性、剪断弾性率、及び膨張したゲルの表面変形に関する。実用語では、超吸収性ポリマー組成物のゲル透過性は、液体が、膨張した粒子の物質を通ってどの程度速く流れるかを測定する。低いゲル透過性は、液体が容易に超吸収性ポリマー組成物を通って流れることができず、一般にゲルブロッキングと呼ばれ、何らかの強制的な液流(例えばおむつの使用の間の、第二の尿の適用)は、代替の経路(例えば、おむつの漏れ)をとらなければならないことを示す。
超吸収性ポリマー組成物の粒子の所定の試料の、用語「質量中央粒子径」とは、質量を基準にサンプルが半分に分割される、すなわち、質量で半分のサンプルが質量中央粒子径よりも大きい粒子径を有し、質量で半分のサンプルが質量中央粒子径よりも小さい粒子径を有する、粒子径として定義する。したがって、例えば、質量で1/2のサンプルが2マイクロメートル以上として測定される場合、超吸収性ポリマー組成物粒子のサンプルの質量中央粒子径は2マイクロメートルである。
用語「粒子」、「微粒子」等は、「超吸収性ポリマー」という用語とともに用いる場合、不連続なユニットの形態を意味する。ユニットとしては、フレーク、繊維、凝集物、顆粒、粉末、球体、粒状の材料等、及びこれらの組み合わせが挙げられる。粒子は、例えば、立方体、棒状の多面体、球体又は半球体、曲面体又は半曲面体、角のあるもの、ランダムであるものなど、あらゆる所望の形状を有することができる。
用語「透過性」は、本明細書において用いる場合、多孔質構造、ここでは架橋したポリマーの、有効な連結性の測定を意味しており、粒状超吸収性ポリマー組成物の空隙率及び連結性の程度で特定しうる。
用語「ポリマー」としては、限定されないが、ホモポリマー、コポリマー、例えば、ブロック、グラフト、ランダム、及び交互コポリマー、ターポリマー等、並びにこれらのブレンド及び変形が挙げられる。更に、具体的に限定しない限り、用語「ポリマー」は、材料の全ての可能性がある立体配置異性体を包含する。これらの配置としては、限定されないが、アイソタクチック、ジンジオタクチック、及びアタクチックなシンメトリーが挙げられる。
本明細書で用いる用語「ポリオレフィン」としては、限定されないが、一般に、材料、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマーなどの材料、これらのホモポリマー、コポリマー、ターポリマー等、並びにブレンド及び変形が挙げられる。用語「ポリオレフィン」は、その全ての可能性がある構造を包含するものとし、限定されないが、アイソタクチック、ジンジオタクチック、及びランダムなシンメトリーが挙げられる。コポリマーとしては、アタクチックコポリマー及びブロックコポリマーが挙げられる。
本明細書で用いる用語「超吸収性ポリマー」とは、最も好ましい条件の下、0.9質量パーセントの塩化ナトリウムを含む水性溶液中で、その質量の少なくとも10倍、又はその質量の少なくとも15倍、又はその質量の少なくとも25倍を吸収することができる、超吸収性ポリマー及び超吸収性ポリマー組成物を含む、水膨潤性で水不溶性の有機又は無機材料を意味する。
本明細書で用いる用語「超吸収性ポリマー組成物」とは、本発明による表面添加剤を含む超吸収性ポリマーを意味する。
本明細書で用いる用語「表面架橋」とは、超吸収性ポリマー粒子の表面付近における、超吸収性ポリマー粒子の内部の官能性架橋の程度より一般に高い、官能性架橋の程度を意味する。本明細書で用いる用語「表面」は、粒子の外面の境界をいう。
本明細書で用いる用語「熱可塑性樹脂」とは、熱に暴露すると軟化し、室温に冷却すると軟化していない状態に実質的に戻る材料をいう。
本明細書で用いる用語「質量%」又は「%wt」は、超吸収性ポリマー組成物の成分を意味しており、本明細書で特に明記しない限り、乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づくものと解釈する。
これらの用語は、明細書の以下の部分の更なる記載によって画定されうる。
実施形態及び/又は複数の実施形態の典型的な側面を説明のために記載したが、この詳細な説明及び添付の図面は、本発明の範囲を制限するものとはみなされない。したがって、当業者であれば、本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な変形、適用、及び代替をすることがある。仮定的な例として、本明細書における1〜5の範囲の開示は、請求項に対して以下の範囲:1〜5;1〜4;1〜3;1〜2;2〜5;2〜4;2〜3;3〜5;3〜4;及び4〜5のすべてを支持しているものと考える。
本発明の目的は、少なくとも1つの内部架橋剤組成物によって架橋した超吸収性ポリマー又は粒状超吸収性ポリマー組成物、並びに粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法を提供することであって、粒状超吸収性ポリマー組成物は、吸収性物品、例えば、おむつ構造物、又は他の技術的な用途の使用に適する。
本発明の粒状超吸収性ポリマー組成物は、
a)重合性不飽和酸性基含有モノマーであって、モノマーは、不飽和酸性基含有モノマー、エチレン性不飽和カルボン酸の無水物、塩、又はこれらの誘導体から選択される、重合性不飽和酸性基含有モノマーと;
b)内部架橋剤組成物であって、
(i)飽和アミン及び/若しくは飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、
(ii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(iii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(iii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物から選択されるものの反応生成物である、内部架橋剤組成物と;
ここで、成分a)及びb)は重合及び粒状化され、粒子表面を有する粒状超吸収性ポリマーを形成しており、粒状超吸収性ポリマーの少なくとも40質量%が300μm〜600μmの粒子径を有しており;
c)乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01〜5質量%の、粒子表面に適用された表面架橋剤と;
を含んでおり、
粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載の遠心保持容量試験によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及び本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される少なくとも5ダーシー以上のゲル床透過性を有する、
粒状超吸収性ポリマー組成物である。
本発明の他の実施形態は、粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法であって、
a)超吸収性ポリマーに基づいて、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボン酸の無水物、塩、又はこれらの誘導体から選択される少なくとも1つのモノマーと、
モノマーに基づいて0.001質量%〜1質量%の内部架橋剤組成物であって、
(i)飽和アミン及び/若しくは飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、
(ii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(iii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物から選択されるものの反応生成物である、内部架橋剤組成物と
を重合させることによって超吸収性ポリマーを調製すること;
c)超吸収性ポリマーを重合させること;
d)超吸収性ポリマーを粒状化して、粒状超吸収性ポリマーの少なくとも40質量%が300μm〜600μmの粒子径を有する粒状超吸収性ポリマーを形成すること;
e)乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.001〜5.0質量%の粒子表面に適用された表面架橋剤で、粒状超吸収性ポリマーを表面架橋すること;並びに
f)工程e)の表面架橋した粒状超吸収性ポリマーを、150℃〜250℃の温度で20〜120分間熱処理して、表面架橋した粒状超吸収性ポリマーを形成すること;
を含んでおり、
粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載の遠心保持容量試験によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及び本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される少なくとも5ダーシー以上のゲル床透過性を有する、
粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法である。
本発明の他の実施形態は、粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法であって、
a)超吸収性ポリマーに基づいて、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボン酸の無水物、塩、又はこれらの誘導体から選択される少なくとも1つのモノマーと、
モノマーに基づいて0.001質量%〜1質量%の内部架橋剤組成物であって、
(i)飽和アミン及び/若しくは飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、
(ii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(iii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物から選択されるものの反応生成物である、内部架橋剤組成物とを重合させることによって超吸収性ポリマーを調製すること;
b)超吸収性ポリマーを重合させること;
c)超吸収性ポリマーを粒状化して、粒状超吸収性ポリマーの少なくとも40質量%が300μm〜600μmの粒子径を有する粒状超吸収性ポリマーを形成すること;
d)工程c)の表面架橋した粒状超吸収性ポリマーを、乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0.01〜5質量%の不溶性無機粉末、及び/又は乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01〜5質量%の多価金属塩で表面処理すること;
e)乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0.001〜5.0質量%の粒子表面に適用された表面架橋剤で、粒状超吸収性ポリマーを表面架橋すること;並びに
f)工程e)の表面架橋した粒状超吸収性ポリマーを、150℃〜250℃の温度で20〜120分間熱処理して、表面架橋した粒状超吸収性ポリマーを形成すること;
を含んでおり、
粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載の遠心保持容量試験によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及び本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される少なくとも5ダーシー以上のゲル床透過性を有する、
粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法である。
本発明の他の実施形態は、吸収性物品であって:(a)液体通過性上面シートと;(b)液体非通過性背面シートと;(c)(a)と(b)との間に配置されたコアであって、上記コアは10%〜100質量%の粒状超吸収性ポリマー組成物、及び0質量%〜90質量%の親水性繊維材料を含む、コアと;(d)上記コア(c)の上及び下に直接配置された任意の組織層と;(e)(a)と(c)との間に配置された任意の捕捉層とを含んでおり、
粒状超吸収性ポリマー組成物は、
i)エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボン酸の無水物、塩、又はこれらの誘導体から選択されたモノマーと、
ii)内部架橋剤組成物であって、
(α)飽和アミン及び/若しくは飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、
(β)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(γ)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物から選択されるものの反応生成物である、内部架橋剤組成物と;
iii)乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0.001〜5質量%の、粒子表面に適用された表面架橋剤と;
を含んでおり、
粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載の遠心保持容量試験によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及び本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される少なくとも5ダーシー以上のゲル床透過性を有する、
吸収性物品である。
本発明の実施形態に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物は、超吸収性ポリマーに基づいて55質量%〜99.9質量%の重合性不飽和酸性基含有モノマーの初期重合によって得られる。適切な重合性モノマーとしては、カルボキシル基を含むあらゆるもの、例えばアクリル酸、メタクリル酸、又は2―アクリルアミド―2―メチルプロパンスルホン酸、又はこれらの混合物が挙げられる。望ましくは少なくとも50質量%、より望ましくは少なくとも75質量%の酸性基がカルボキシル基である。
アクリル酸については、その含有量が純粋な、すなわち少なくとも99.5質量%濃度、又は少なくとも99.7質量%濃度、又は少なくとも99.8%濃度を有するアクリル酸として知られるアクリル酸を使用することが重要である。このモノマーの主要な成分は、アクリル酸、又はアクリル酸及びアクリル酸塩のいずれであってもよい。アクリル酸の不純物としては、水、プロピオン酸、酢酸、及び一般にアクリル酸二量体と呼ばれるジアクリル酸が挙げられる。アクリル酸を方法に用いる場合、ジアクリル酸の含有量は、1000ppm以下、又は500ppm以下、又は300ppm以下とするべきである。更に、中和過程の間、β―ヒドロキシプロピオン酸の生成を最小化して、β―ヒドロキシプロピオン酸を1000ppm未満、又は500ppm未満にすることが重要である。
更に、アクリル酸の場合、プロトアネモニン及び/又はフルフラールの含有量は、アクリル酸に基づく変換値による質量で0〜20ppmである。吸水性樹脂の物理的特性及び特徴の改善を考慮すれば、モノマー中のプロトアネモニン及び/又はフルフラールの含有量は、アクリル酸に基づく変換値による質量で10ppm未満であり、又は質量で0.01〜5ppm、又は質量で0.05〜2ppm、又は質量で0.1〜1ppmである。
更に、同様の理由から、モノマー中のフルフラール及び/又はマレイン酸以外のアルデヒド成分の量は、できるだけ少ないことが好ましい。具体的には、フルフラール及び/又はマレイン酸以外のアルデヒド成分の含有量は、アクリル酸に基づく変換値での質量で0〜5ppm、又は質量で0〜3ppm、又は質量で0〜1ppm、又は質量で0ppm(検出限度以下)であってもよい。フルフラール以外のアルデヒド成分の例としては、ベンズアルデヒド、アクロレイン、アセトアルデヒド等が挙げられる。
更に、本発明のモノマー又は粒状吸水剤中の、酢酸及び/又はプロピオン酸から構成される飽和カルボン酸の含有量は、アクリル酸に基づく変換値での質量で1000ppm未満、又は質量で10〜800ppm、又は質量で100〜500ppmであることが好ましい。
いくつかの側面において、エチレン性不飽和モノマーと共重合することができる適切なモノマーとしては、限定されないが、アクリルアミド、メタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリレート、ジメチルアミノアルキル(メタ)―アクリレート、エトキシル(メタ)―アクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、又はアクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。そのようなモノマーは、共重合したモノマーの0質量%〜40質量%の範囲で存在してもよい。
酸性基は少なくとも25mol%の程度まで中和してもよく、すなわち、望ましくは、酸性基はナトリウム塩、カリウム塩、又はアンモニウム塩として存在してもよい。中和は、苛性溶液をモノマー溶液に加えること、又はモノマー溶液を苛性溶液に加えることのいずれによっても達成してもよい。いくつかの側面において、中和度は、少なくとも50mol%、又は50mol%〜80mol%であってもよい。内部架橋剤の存在下、カルボキシル基が50mol%〜80mol%程度に中和された、アクリル酸又はメタクリル酸を重合させることによって得られるポリマーを利用することが望ましい。
部分的に中和するか又は完全に中和したアクリレート塩をポリマーにする場合、部分的に中和した又は完全に中和したポリアクリレート塩が完全に等モルの中和されていないポリアクリル酸であるとみなして変換することにより、アクリル酸に基づく変換値を決定してもよい。
超吸収性ポリマーは、超吸収性ポリマーが内部架橋剤組成物と架橋することができる架橋点を含む。この実施形態において、適切な内部架橋剤組成物としては、限定されないが、
(i)飽和アミン及び/若しくは飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、
(ii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(iii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物から選択されるものの反応生成物である内部架橋剤組成物が挙げられる。
飽和アミン、エチレン性不飽和アミン、飽和ポリアミン、及び/又はエチレン性不飽和ポリアミンとしては、グリシジル化合物との反応に適切なアミン成分として、脂肪族及び芳香族、複素環式及び環式化合物が挙げられ;例えば、(モノ、ジ、及びポリ)アミノアルカン、(モノ、ジ、及びポリ)アミノポリエーテル、アリルアミン、アルキル(メタ)アリルアミン、例えば、メチルアリルアミン、メチルメタリルアミン、エチルメタリルアミン、及びエチルアリルアミン;メチル―、エチル―、プロピル―、及びブチルアミン、ジアリルアミン(DAA)、ジメタリルアミン、アニリン、エチレンジアミン(EDA)、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ネオペンタンジアミン、1,2―プロピレンジアミン、4,7―ジオキサデカン―1,10―ジアミン、4,9―ジオキサデカン―1,12―ジアミン、ポリエーテルジアミン、ポリアルキレングリコールジアミン、3―アミノ―1―メチルアミノプロパン、ビス(3―アミノプロピル)メチルアミン、イソホロンジアミン、4,4’―ジアミノジシクロヘキシルメタン、1―(2―アミノエチル)ピペラジン、o―、m―、又はp―フェニレンジアミン、4’,4’―ジアミノジフェニルメタン、1,4―ジアミノアントラキノン、2,4,6―トリアミノ―1,3,5―トリアジン、アミノピリジン、グルコサミン、及びこれらの混合物が挙げられる。
本発明で用いるエチレン性不飽和グリシジル化合物、エチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、飽和グリシジル化合物、及び/又は飽和ポリグリシジル化合物は、単官能性、二官能性、又は多官能性でもよい。単独又は混合物で使用する単官能化合物の例としては:エチレングリコールモノグリシジルエーテル、及び関連するC〜C―アルキルエーテル又はエステル;グリシドール、エチレンオキシド(EO)、プロピレンオキシド(PO)、(メタ)アリルグリシジルエーテル(AGE)、(メタ)アリルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、及び関連するC〜C―アルキルエーテル又はエステル;ビニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエーテル、又は1―ハロゲン―2,3―エポキシプロパンが挙げられる。エチレングリコール、又はポリグリコールジグリシジルエーテル;グリセロール、トリメチロールプロパン、又はペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル;ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、又はこれらの混合物は、多官能性グリシジルエーテルとして用いられる。上述のグリシジル化合物のポリエチレングリコール鎖は、最高45、又は最高20、又は最高12のエチレングリコールユニットを含んでもよい。
以下の表1に示す構造は、適切なグリシジル化合物の例である。
Figure 0006898373
本発明の他の実施形態において、内部架橋剤は、遊離ヒドロキシル基又はNH基の部分でアルコキシル化されていてもよい。このため、本発明によれば、アルコールを、例えば、エチレン、若しくはプロピレンオキシド、又はこれらの混合物と反応させる。エチレンオキシド(EO)との反応は、架橋剤の水溶性を改善することもできる。ヒドロキシル基当たりに、最高45モルのEO、又は最高20モルのEO、又は最高12モルのEOを加えてもよい。EOの代わりにプロピレンオキシドを使用してもよい。
本発明による内部架橋剤のいくつかの例としては、限定されないが、ジアリルアミノエタノール、ジアリルアミノポリグリコールエーテル、1,3―ビス(ジアリルアミノ)―2―プロパノール、N,N―ジアリルアミノ―1―アミノ―3―アリルオキシ―2―プロパノール、ポリエチレングリコールジ(N,N―ジアリル―3―アミノ―2―ヒドロキシ―プロプ―1―イル)エーテル、エチレングリコールジ(N,N―ジアリル―3―アミノ―2―ヒドロキシ―プロプ―1―イル)エーテル、アルコキシル化1,3―ビス(ジアリルアミノ)―2―プロパノール、アルコキシル化1―アリルオキシ―3―(ジアリルアミノ)―2―プロパノール、アルコキシル化ポリエチレングリコールジ(N―ジアリル―3―アミノ―2―ヒドロキシ―プロプ―1―イル)エーテル、アルコキシル化エチレングリコールジ(N,N―ジアリル―3―アミノ―2―ヒドロキシ―プロプ―1―イル)エーテル、N,N―ジ(アリルオキシ―2―ヒドロキシ―プロプ―3―イル)アニリン、アルコキシル化N,N―ジ(アリルオキシ―2―ヒドロキシ―プロプ―3―イル)アニリン、1,2―ビス[N,N―ジ(アリルオキシ―2―ヒドロキシ―プロプ―3―イル)]エタン、及びビス[N,N―ジ(アリルオキシ―2―ヒドロキシ―プロプ―3―イル)]アミノエチル―(アリルオキシ―2―ヒドロキシ―プロプ―3―イル)アミン、並びにこれらのアルコキシル化生成物が挙げられる。上述のポリエチレングリコールエーテルユニットは、最高45モルのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシド、又は最高20、又は最高15モルのエチレンオキシド及び/又はプロピレンオキシドを含んでもよい。本発明の他の実施形態によれば、架橋剤のN―原子は部分的に又は完全に四級化されている。
本発明に用いる内部架橋剤又はこれらの混合物は、重合性不飽和酸性基含有モノマーに対して0.01質量%〜3.0質量%、又は0.02質量%〜1.5質量%、又は0.03質量%〜1.0質量%の量で用いる。
他の実施形態において、超吸収性ポリマーは、重合性不飽和酸性基含有モノマーに基づいて0.001〜0.5質量%の、少なくとも2つのエチレン性不飽和二重結合を含む組成物、例えば、メチレンビスアクリルアミド若しくは―メタクリルアミド、又はエチレンビスアクリルアミド;ポリオールの不飽和モノ―又はポリカルボン酸のエステル、例えば、ジアクリレート又はトリアクリレート、例えば、ブタンジオール―又はエチレングリコールジアクリレート又は―メタクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレート、及びそれらのアルコキシル化誘導体;更に、アリル化合物、例えば、アリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、ジ―及びトリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、リン酸又は亜リン酸のアリルエステルから選択される第二の異なる内部架橋剤を含んでもよい。更に、酸性基に反応性の少なくとも1つの官能基を有する化合物を用いてもよい。その例としては、テトラキス―N,N,N’,N’,[3―アリルオキシ―2―ヒドロキシプロピル]ジエチレンジアミン、アミドのN―メチロール化合物、例えばメタクリルアミド又はアクリルアミド、これらから誘導されるエーテル、並びにジ―及びポリグリシジル化合物が挙げられる。
いくつかの側面において、モノマー溶液に開始剤を加えて、フリーラジカル重合を開始させることができる。適切な開始剤としては、限定されないが、アゾ又はペルオキソ化合物、酸化還元系、又は紫外線開始剤、増感剤、及び/又は照射が挙げられる。
重合の後、ゲルの形態で存在する超吸収性ポリマーを、超吸収性ポリマー粒子又は粒状超吸収性ポリマーへと、一般に形成し又は粒状化する。本発明の粒状超吸収性ポリマーの粒子径としては、一般に50〜1000μm、又は150〜850μmの範囲が挙げられる。本発明は、米国標準の30メッシュスクリーンを通してスクリーニングすることによって測定し、米国標準の50メッシュスクリーン上に残るような、300μm〜600μmの粒子径を有する粒子を少なくとも40質量%、300μm〜600μmの粒子径を有する粒子を少なくとも50質量%、又は300μm〜600μmの粒子径を有する粒子を少なくとも60質量%含んでもよい。更に、本発明の超吸収性ポリマー粒子径分布は、例えばW.S.Tyler社、Mentor、Ohioから入手可能なRO―TAP(登録商標)Mechanical Sieve Shaker モデルBを使用して測定されるような、600μmより大きい径を有する30質量%未満の粒子、及び300μm未満の径を有する30質量%未満の粒子を含んでもよい。
粒状超吸収性ポリマーは、本明細書に記載されているように、更なる化合物及び処理を用いて表面処理してもよい。具体的には、粒状超吸収性ポリマーの表面を、一般に表面架橋という、表面架橋剤の添加及び熱処理によって架橋してもよい。一般に、表面架橋は、粒状超吸収性ポリマー表面付近のポリマーマトリックスの架橋密度を、粒子内部の架橋密度に比べて増大させると考えられる工程である。無機粒子、及び/又は水若しくは水性溶液を用いた粒状超吸収性ポリマーの処理は、表面架橋の前又は後のどちらでも行うことができることに留意されたい。
望ましい表面架橋剤としては、ポリマー鎖のペンダント基と反応性の一つ以上の官能基、典型的には酸性基を有する化合物が挙げられる。表面架橋剤としては、縮合反応(縮合架橋剤)で、付加反応で、又は開環反応でポリマー構造の官能基と反応することができる、少なくとも2つの官能基を含む化合物が挙げられる。これらの化合物としては、縮合架橋剤、例えば、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレン―オキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリビニルアルコール、ソルビトール、1,3―ジオキソラン―2―オン(エチレンカーボネート)、4―メチル―1,3―ジオキソラン―2―オン(プロピレンカーボネート)、4,5―ジメチル―1,3―ジオキソラン―2―オン、4,4―ジメチル―1,3―ジオキソラン―2―オン、4―エチル―1,3―ジオキソラン―2―オン、4―ヒドロキシメチル―1,3―ジオキソラン―2―オン、1,3―ジオキサン―2―オン、4―メチル―1,3―ジオキサン―2―オン、4,6―ジメチル―1,3―ジオキサン―2―オン、及び1,3―ジオキソラン―2―オンが挙げられる。表面架橋剤の量は、乾燥した超吸収性ポリマー組成物の0.01%〜5質量%、及び乾燥した粒状超吸収性ポリマーの質量に基づいて、例えば0.1%〜3質量%、及び例えば0.1質量%〜1質量%の量で存在してもよい。
粒状超吸収性ポリマーを、表面架橋剤組成物又は表面架橋剤組成物を含む流体と接触させた後、処理した粒状超吸収性ポリマーを、ポリマー構造の外側領域が、内部領域と比較してより強く架橋(すなわち表面架橋)するように熱処理、例えば、処理した粒状超吸収性ポリマーを50℃〜300℃、75℃〜275℃、又は150℃〜250℃の温度に加熱する。熱処理の継続時間は、熱の影響の結果、ポリマー構造の所望の特性プロファイルが破壊されるという危険性によって制限される。
他の実施形態において、表面架橋剤を含む流体は、別々に又は共に、他の成分、例えば、多価金属カチオン、例えば硫酸アルミニウム、又は乳酸アルミニウム、及び/又は不溶性の無機粉末、例えばシリカ、例えばEvonik Industries社から入手可能なSIPERNAT(登録商標)22Sフュームドシリカを更に含んでもよく、以下、成分を更に詳細に記載する。
表面架橋の一態様では、粒状超吸収性ポリマーは、アルキレンカーボネート、例えばエチレンカーボネートで被覆又は表面処理し、加熱して、表面架橋密度及び超吸収性ポリマー粒子のゲル強度特性を改善することができる表面架橋をさせる。より具体的には、粒状超吸収性ポリマーと、アルキレンカーボネート表面架橋剤の水性アルコール溶液とを混合することによって、表面架橋剤を超吸収性ポリマー微粒子上へと被覆する。水性アルコール溶液中のアルコールの量は、アルキレンカーボネートの溶解性によって決定してもよく、様々な理由、例えば爆発から保護するために、できる限り低く保つ。適切なアルコールとしては、メタノール、イソプロパノール、エタノール、ブタノール、又はブチルグリコール、及びこれらのアルコールの混合物が挙げられる。
いくつかの側面において、溶媒は、望ましくは、乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて、典型的に0.3質量%〜5.0質量%の量で用いる水である。他の実施態様において、アルキレンカーボネート表面架橋剤を、いかなるアルコールも含まない水中に溶解させる。さらに他の側面において、アルキレンカーボネート表面架橋剤は、例えば無機担体材料、例えば二酸化ケイ素(SiO)を含む粉末混合物から、又はアルキレンカーボネートの昇華による蒸気の状態で適用してもよい。
所望の表面架橋特性を達成するために、アルキレンカーボネートは、粒状超吸収性ポリマーに均一に分布させるべきである。このため、混合は、本技術分野において知られる適切なミキサー、例えば流動床ミキサー、パドルミキサー、回転ドラムミキサー、又はツインワームミキサーで行う。粒状超吸収性ポリマーを製造するプロセス工程の1つの間に、粒状超吸収性ポリマーのコーティングを行うこともできる。
表面架橋剤の溶液を用いた粒状超吸収性ポリマーのコーティング処理に続く熱処理は、以下のように行ってもよい。一般に、熱処理は、100℃〜300℃の温度で行う。高反応性エポキシド架橋剤を使用する場合、より低温が可能である。しかしながら、アルキレンカーボネートを用いる場合、熱処理は適切には150℃〜250℃の温度である。この特定の側面において、処理温度は、滞留時間及びアルキレンカーボネートの種類に依存する。例えば、熱処理は、150℃の温度で1時間以上行う。これに対して、250℃の温度で数分(例えば、0.5分〜5分)は、所望の表面架橋特性を達成するのに十分である。熱処理は、本技術分野において知られる従来の乾燥機又はオーブンで実施してもよい。
熱処理工程を含む表面架橋に加えて、特性、例えば強度、透過性、処理可能性、臭気制御、色等を改善する影響を及ぼすために、本発明の粒状超吸収性ポリマー組成物を、他の化学的組成物を用いて更に表面処理してもよい。これらの添加剤は、表面架橋の前に、間に、又は後に粒状超吸収性ポリマー組成物へと適用してもよく、ここで、添加剤は、表面架橋剤の前に、又は表面架橋剤と共に、又は表面架橋剤の後であって熱処理の前若しくは熱処理の後に適用してもよい。
本発明の粒状超吸収性ポリマー組成物は、表面架橋の直前に、間に、又は直後に加える浸透調節剤を、乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0〜5質量%含んでもよい。浸透調節剤の例としては、上記剤の粘度、表面張力、イオン性、若しくは接着性、又はこれらの剤が適用される媒体を変えることによって、表面調節剤が超吸収性ポリマー粒子、繊維、フィルム、フォーム、又はビーズへと浸透する深さを変える化合物が挙げられる。浸透調節剤としては、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、一価の金属塩、界面活性剤、及び水溶性ポリマーが挙げられる。
本発明による粒状超吸収性ポリマー組成物は、乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0.01質量%〜5質量%、又は0.01質量%〜1質量%、又は0.01質量%〜0.5質量%の多価金属塩を、混合物の質量に基づいて、粒状超吸収性ポリマーの表面上に含んでもよい。多価金属塩は、好ましくは水溶性である。金属カチオンの例としては、Al、Fe、Zr、Mg、Ce、及びZnのカチオンが挙げられる。好ましくは、多価金属塩は少なくとも+3の原子価を有し、Alが最も好ましい。多価金属塩のアニオンの例としては、ハロゲン化物、スルフェート、ニトラート、ラクタート、及びアセテートが挙げられ、好ましくはクロライド、スルフェート、及びアセテートであり、より好ましくはスルフェート、及びラクタートである。硫酸アルミニウム、及び乳酸アルミニウムは、多価金属塩の例であり、容易に商業的に入手可能である。硫酸アルミニウムの好ましい形態は水和硫酸アルミニウムであり、好ましくは12〜14の水和水を有する硫酸アルミニウムである。多価金属塩の混合物を使用してもよい。
適する超吸収性ポリマー及び多価金属塩は、当業者に知られる手段を用いた、乾燥ブレンドによる混合物、又は溶液である。ドライブレンドについては、塩及び超吸収性ポリマーの実質的に均一な混合物が確実に維持されるのに十分な量のバインダーを使用してもよい。バインダーは、水、又は少なくとも150℃の沸点を有する低揮発性有機化合物でもよい。バインダーの例としては、水、ポリオール、例えばプロピレングリコール、グリセリン、及びポリ(エチレングリコール)が挙げられる。
本発明の粒状超吸収性ポリマー組成物は、乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01質量%〜5質量%、又は0.01質量%〜1質量%、又は0.01質量%〜0.5質量%の水不溶性無機粉末を含むことができる。不溶性無機粉末の例としては、二酸化ケイ素、ケイ酸、シリケート、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、タルク、リン酸カルシウム、粘土、ダイアトマイト土、ゼオライト、ベントナイト、カオリン、ヒドロタルサイト、活性粘土などが挙げられる。不溶性無機粉添加物は、上記リストから選択される化合物の単一化合物、又は混合物でもよい。全てのこれらの例の中でも、アモルファス二酸化ケイ素、又は酸化アルミニウムである。シリカの例は、Evonik Industries社から商業的に入手可能な、SIPERNAT(登録商標)22Sフュームドシリカである。更に、無機粉の粒子直径は、1000μm以下、又は100μm以下でもよい。
いくつかの側面において、本発明の粒状超吸収性ポリマー組成物は、乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量の0質量%〜5質量%、又は0.001質量%〜1質量%、又は0.01質量%〜0.5質量%の、ポリマーコーティング、例えば熱可塑性樹脂コーティング、又はカチオン性コーティング、又は熱可塑性樹脂コーティングとカチオン性コーティングとの組合で表面処理してもよい。いくつかの特定の側面において、ポリマーコーティングは、望ましくは、固体、エマルジョン、懸濁液、コロイド、若しくは可溶化した状態、又はこれらの組み合わせのポリマーである。本発明に適するポリマーコーティングとしては、限定されないが、熱可塑性樹脂の融解温度を有する熱可塑性樹脂コーティングが挙げられ、ポリマーコーティングは、熱可塑性樹脂の融解温度において、処理する超吸収性ポリマー粒子の温度と一致する又はそれ未満の粒子表面へと適用される。
熱可塑性ポリマーの例としては、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、スチレンポリブタジエン、直鎖低密度ポリエチレン(LLDPE)、エチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、エチレンアルキルメタクリレートコポリマー(EMA)、ポリプロピレン(PP)、マレイン化ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、ポリエステル、ポリアミドが挙げられ、並びに全てのポリオレフィンの系統のブレンド、例えばPP、EVA、EMA、EEA、EBA、HDPE、MDPE、LDPE、LLDPE、及び/又はVLDPEのブレンドを有利に使用してもよい。本明細書で用いる用語ポリオレフィンは上記に定義したものである。特定の側面において、マレイン化ポリプロピレンは、本発明に用いる好ましい熱可塑性ポリマーである。熱可塑性ポリマーを官能化して、更なる利点、例えば水溶性、又は分散性を有してもよい。
本明細書で用いるカチオン性ポリマーは、水性溶液中でイオン化して正に帯電したイオンになる可能性を有する官能基又は基を含む、ポリマー又はポリマーの混合物を意味する。カチオン性ポリマーの適切な官能基としては、限定されないが、第一級、第二級、又は第三級アミノ基、イミノ基、イミド基、アミド基、及び第四級アンモニウム基が挙げられる。合成カチオン性ポリマーの例としては、ポリ(ビニルアミン)、ポリ(アリルアミン)、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(アミノプロパノールビニルエーテル)、ポリ(アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)、及びポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロリド)の塩又は部分的な塩が挙げられる。天然ベースのカチオン性ポリマーの例としては、部分的に脱アセチル化したキチン、キトサン、及びキトサン塩が挙げられる。合成ポリペプチド、例えばポリアスパラギン、ポリリシン、ポリグルタミン、及びポリアルギニンもまた、適切なカチオン性ポリマーである。
いくつかの側面において、粒状超吸収性ポリマー組成物と共に任意に使用してもよい更なる表面添加剤としては、臭気―結合物質、例えばシクロデクストリン、ゼオライト、無機塩又は有機塩、及び同様の材料;アンチケーキング添加剤、流れ調節剤、界面活性剤、粘度調節剤等が挙げられる。更に、表面変形の間にいくつかの役割を行う表面添加物を使用してもよい。例えば、単一の添加物は、界面活性剤であってよく、粘度調節剤であってよく、反応してポリマー鎖を架橋してもよい。
いくつかの側面において、超吸収性ポリマー組成物が、超吸収性ポリマー組成物の質量の最高10質量%、又は1〜6質量%の含水量を有するように、本発明の粒状超吸収性ポリマー組成物を、熱処理工程の後に、水で処理してもよい。この水は、上記の表面添加物の一つ以上と共に、超吸収性ポリマーへと加えてもよい。
本発明の超吸収性ポリマーは、望ましくは、2つの方法によって調製してもよい。組成物は、連続的又は不連続的に大スケールの工業的態様で調製して、本発明に従い後―架橋を行うことができる。
1つの方法によれば、部分的に中和したモノマー、例えばアクリル酸を、水性溶液中、架橋剤及び任意の更なる成分の存在下、フリーラジカル重合によってゲルに変換して、ゲルを粉砕し、乾燥し、挽いて、所望の粒子径へと篩い落とす。この重合は、連続的又は不連続的に実施することができる。本発明において、高容量粒状超吸収性ポリマー組成物の径は、ミリング及び篩分けを含む製造プロセスに依存する。超吸収性ポリマー粒子の粒度分布が正規分布又は釣鐘曲線に似ていることは当業者に知られている。様々な理由から、粒度分布の正規分布は、あらゆる方向に曲がることがあることも知られている。
他の方法によれば、逆懸濁重合及びエマルジョン重合を用いて、本発明による生成物を調製することもできる。これらの方法によれば、モノマー、例えばアクリル酸の、部分的に中和された水性溶液は、保護コロイド及び/又は乳化剤の助けを借りて疎水性の有機溶媒中に分散し、フリーラジカル開始剤によって重合が開始する。内部架橋剤は、モノマー溶液中に溶解して、これと共に計量してもよく、又は別々に、任意に重合の間に加えてもよい。グラフト基材としての水溶性ポリマーの添加は、任意に、モノマー溶液によって、又は油相に直接導入することによって行う。水を共沸的に混合物から除去して、ポリマーをろ過して取り除き、任意に乾燥させる。内部架橋は、モノマー溶液中に溶解した多官能性架橋剤中で重合させることによって、及び/又は重合工程の間に適切な架橋剤とポリマーの官能基とを反応させることによって行うことができる。
これらの方法の結果は、超吸収性ポリマー、又は超吸収性ポリマー半製品である。本明細書で用いる超吸収性ポリマー半製品は、材料を乾燥させ、クラッシャーで粗粉砕し、850マイクロメートルより大きい粒子及び150マイクロメートル未満の粒子を除去することまでを含む、超吸収剤を作る工程の全てを繰り返すことによって製造される。
本発明の粒状超吸収性ポリマー組成物は、遠心保持容量、0.9psi(6.2kPa)の荷重吸収性(AUL(0.9psi(6.2kPa)))、ゲル床透過性(GBP)、0.7psi(4.8kPa)の加圧吸収性(AAP(0.7 psi(4.8kPa)))、及び生理食塩水流れ誘導値(SFC)で測定されるような、特定の特徴又は特性を示す。
得られるCRCは、サンプルのグラム質量当たりに保持される液体のグラム(g/g)として述べられ、20g/g〜40g/g、22g/g〜35g/g、又は24g/g〜30g/gであってよい。
0.9psi(6.2kPa)の荷重吸収性(AUL(0.9 psi(6.2kPa)))は、12g/g〜30g/g、又は15g/g〜25g/gであってよい。
ゲル床透過性(GBP)は、少なくとも5ダーシー以上、又は10ダーシー〜200ダーシー、又は20ダーシー〜150ダーシーであってよい。
0.7psi(4.8kPa)の加圧吸収性(AAP(0.7psi(4.8kPa)))は、20g/g〜30g/gであってよい。
生理食塩水流れ誘導値(SFC)試験で測定される透過性は、20×10−7・cm・s・g−1〜200×10−7・cm・s・g−1であってよい。
本発明による超吸収性ポリマー組成物は生理用ナプキン、おむつ、又は外傷包帯を含む多くの吸収性物品に使用することができ、これらは多量の月経の血液、尿、又は他の体液を急速に吸収する特性を有する。本発明の剤は、圧力下でさえ吸収された液体を保持し、更なる液体を膨張状態の構造物の中へと分布させることができるので、従来の現行の高吸収性組成物と比較して、親水性繊維材料、例えば綿毛に比べて、より高い濃度でより望ましく使用される。それらはおむつ構造物の中の綿毛を含まない均一な超吸収体層としての用途にも適しており、その結果、特に薄い物品が可能である。更に、ポリマーは、成人用衛生物品(失禁用製品)の使用に適している。
吸収性物品、例えばおむつは、(a)液体通過性上面シートと;(b)液体非通過性背面シートと;(c)(a)と(b)との間に配置され、10質量%〜100質量%、又は50質量%〜100質量%の存在するポリアミン被覆SAPの粒子、及び0質量%〜90質量%の親水性繊維材料を含む、コアと;(d)上記コア(c)の上及び下に直接配置された任意の組織層と;(e)(a)と(c)との間に配置された任意の捕捉層とを含む。
《試験手順》
〈遠心保持容量試験(CRC)〉
CRC試験は、飽和し、制御条件で遠心分離を受けた後に液体を保持する、超吸収性ポリマーの能力を測定する。得られる保持能力は、サンプルのグラム質量当たりに保持される液体のグラム(g/g)として記載する。
保持能力は、サンプルを入れる水透過性バッグ内に、0.16グラムの予め篩分けした超吸収性ポリマーサンプルを置いて、試験溶液(蒸留水中の0.9質量パーセントの塩化ナトリウム)をサンプルに自由に吸収させることによって測定した。ヒートシール可能なティーバッグ材料、Dexter Corporation社(ウィンザーロックス、コネチカット、米国に事業所を有する)からモデル番号1234Tヒートシール可能フィルタ紙として入手可能なものなどは、大部分の用途によく働く。5インチ×3インチのサンプルのバッグ材料を半分に折り畳んで開放端部の2つをヒートシールして、2.5インチ×3インチの長方形の小袋を形成することによって、バッグを形成した。ヒートシールは、材料の端部から内側に0.25インチであった。サンプルを小袋内に置いたあと、小袋の残りの開放縁部もヒートシールした。対照として利用するため空のバッグを作った。3つのサンプルを調製して、それぞれの超吸収性ポリマー組成物を試験した。
所定の試験温度の試験溶液を含むパンの中にシールしたバッグを浸漬して、完全に濡れるまで確実にバッグを押し下げたままにした。濡らした後、サンプルを所定時間の試験時間の間、溶液中に残存させ、溶液から除去し、非吸収性の平面上に一時的に敷設した。
濡れたバッグをバスケットの外周縁に置き、濡れたバッグを各々から離してバスケットに内に置き、バスケットはサンプルに重力加速度350を与えることができる適切な遠心分離機であった。適切な遠心分離機の一つは、水収集バスケット、デジタルrpmゲージ、及び平らなバッグサンプルを保持及び排水するのに適する機械加工の排水バスケットを有する、CLAY ADAMS DYNAC II、モデル#0103である。複数のサンプルを遠心分離する場合、サンプルを遠心分離機内の対向する位置に置いて、回転するときのバスケットのバランスをとった。1,600rpm(例えば、240〜360gのばらつきがある350gの目標重力加速度を達成する)で、3分間、バッグ(濡れた空のバッグを含む)を遠心分離した。重力加速度は、海面で32ft/secに等しい迅速な加速又は重力を受ける物体上の慣性力の単位として定義される。バッグを除去及び計量し、最初に空のバッグ(対照用)を、次に超吸収性ポリマー組成物サンプルが入っているバッグを計量した。バッグ自体によって保持される溶液を考慮した超吸収性ポリマーサンプルによって保持される溶液の量が、超吸収性ポリマーの遠心分離機保持能力(CRC)であり、超吸収性ポリマーのグラム当たりの流体のグラムとして表す。より具体的には、保持能力は下式で表される。CRC=[遠心分離後のサンプルバッグ−遠心分離後の空のバッグ−乾燥したサンプル質量]/乾燥状態サンプル質量。
3つのサンプルを試験し、結果を平均値して超吸収性ポリマー組成物のCRCを決定した。
〈自由膨張ゲル床透過性試験(FSGBP)〉
本明細書で用いる、膨張圧力0psi下のゲル床透過性(GBP)試験とも呼ばれる自由膨張ゲル床透過性試験は、一般に「自由膨張」条件と呼ばれる条件の下、ゲル粒子(例えば、表面処理した吸収材料、又は表面処理する前の高吸収性材料)の膨張した床の透過性を決定する。用語「自由膨張」は、後述するように、ゲル粒子が、抑制する荷重なしで試験溶液を吸収して膨張することができることを意味する。ゲル床透過性試験を行う適切な装置を、図1、2、及び3に示し、一般に500として示す。試験装置アセンブリ528は、一般に530で示すサンプル容器、及び一般に536で示すプランジャーを含む。プランジャーは、長軸の下にあいたシリンダー孔を有する軸538、及び軸の底に配置されたヘッド550を含む。軸孔562は、16mmの直径を有する。プランジャーヘッドは、例えば接着によって軸に取り付けられている。シャフト軸の半径方向に12個の孔544があいており、90度ごとに、6.4mmの直径を有する3個が位置している。軸538は、LEXANロッド、又は等価な材料から機械加工して作られ、2.2cmの外径、及び16mmの内径を有する。
プランジャヘッド550は、同心の、7個の孔560の内輪、及び14個の孔554の外輪を有しており、全ての孔は8.8ミリメートルの直径を有し、軸方向に整列した16mmの孔である。プランジャヘッド550は、LEXANロッド、又は等価な材料から機械加工され、約16mmの高さ、及び最小限の壁のクリアランスでシリンダー534の中に適合するが自由にスライドするよう設計された直径を有する。プランジャヘッド550及び軸538の全長は8.25cmであり、軸の上部を機械加工して、所望の質量のプランジャー536を得ることができる。プランジャー536は、二軸によって引き伸ばして張られ、プランジャー536の下端に取り付けられた、100メッシュのステンレススチールクロスのスクリーン564を含む。スクリーンは、スクリーンがプランジャヘッド550に確実に付着する適切な溶媒を使用して、プランジャヘッド550へと取り付けられている。スクリーンの開いた部分へと溶媒が過剰に移動することを回避し、液体の流れにとって開放された領域を低減するよう、注意しなければならない。IPS社(Gardena、California、米国に事業所を有する)からのアクリル溶媒Weld−on4は、適切な溶媒である。
サンプル容器530は、シリンダー534と、二軸によって引き伸ばして張られ、シリンダー534の下端に取り付けられた、400メッシュのステンレススチールクロスのスクリーン566とを有する。スクリーンは、スクリーンを確実にシリンダーに付着させる適切な溶媒を使用して、シリンダーに取り付けられている。スクリーンの開いた部分へと溶媒が過剰に移動することを回避し、液体の流れにとって開放された領域を低減するよう、注意しなければならない。IPS社(Gardena、California、米国に事業所を有する)からのアクリル溶媒Weld−on4は、適切な溶媒である。図2に568として示すゲル粒子サンプルは、試験の間、シリンダー534の中でスクリーン566上に支持されている。
シリンダー534は、透明LEXANロッド若しくは等価な材料に孔をあけてもよく、又はLEXAN管若しくは等価な材料から切ってもよく、6cmの内径(例えば、28.27cmの断面積)、0.5cmの壁厚、及び約7.95cmの高さを有する。シリンダー534の底部31mmに、66mmの外径を有する領域534aが存在するように、シリンダー534の外径にステップを機械加工する。領域534aの直径に合うOリング540を、ステップの上部に置いてもよい。
環状の錘548は、自由に軸538上へとすべり落ちるように、直径2.2cm及び深さ1.3cmの沈めフライス(counter−bored)孔を有する。環状の錘は、16mmの貫通孔(thru−bore)548aを有する。環状の錘548は、ステンレススチールから、又は蒸留水中の0.9質量パーセントの塩化ナトリウム溶液である試験溶液の存在下で耐腐食性のある他の適切な材料から作ることができる。プランジャー536及び環状の錘548の合計質量は約596グラム(g)に等しく、28.27cmのサンプル面上に、1平方インチ当たりに0.3ポンド(psi)(2.07kPa)、又は20.7ダイン/cm(2.07kPa)のサンプル568に適用される圧力に対応する。
後述するように、試験の間に試験溶液が試験装置の中を流れるとき、サンプル容器530は一般に堰600上に乗っている。堰の目的は、サンプル容器530の上部からオーバーフローした液体の進路を変え、オーバーフロー液体を別の収集装置601へと流すことである。堰は、膨張したサンプル568を通過した生理食塩水を集めるビーカー603が上に乗った天秤602より上側に配置することができる。
「自由膨張」条件でゲル床透過性試験を行うために、錘548が上に乗ったプランジャー536を空のサンプル容器530内に置いて、錘548の上部からサンプル容器530の底部までの高さを、精度0.01mmの適切なゲージを使用して測定した。測定の間、厚みゲージに適用する力は、できる限り小さくすべきであり、好ましくは0.74ニュートンより小さい。空のサンプル容器530、プランジャー536、及び錘548のそれぞれを組み合わせた高さを測定すること、また、複数の試験装置を使用する場合、どのプランジャー536、及び錘548を使用したか追跡することが重要である。サンプル568が飽和して膨張する場合、同じプランジャー536及び錘548を測定に使用すべきである。サンプルカップ530を置いた底が標準であり、錘548の上面がサンプルカップ530の底面に対して平行であることが望ましいこともある。
米国標準の30メッシュスクリーンで予め篩分けし、米国標準の50メッシュスクリーン上に残った超吸収性ポリマー組成物粒子から、試験するサンプルを調製した。その結果、試験サンプルは、300〜600のマイクロメートルの粒子径を含むものであった。超吸収性ポリマー粒子を、例えば、W.S.Tyler社(Mentor Ohio)から入手可能な、RO―TAP Mechanical Sieve Shaker モデルBで予め篩分けすることができる。10分間篩分けを行った。約2.0グラムのサンプルを、サンプル容器530内に置き、サンプル容器の底部に均一に拡散させた。中に2.0グラムのサンプルを有し、プランジャー536及び錘548を有しない容器を、0.9%の生理食塩水中に60分間沈めて、いかなる抑制する負荷もかけずに、サンプルを飽和させ、サンプルを自由膨張させた。飽和の間、サンプルカップ530が液体リザーバーの底部より上に僅かに持ち上がるように、サンプルカップ530を液体リザーバー内に位置するメッシュ上に設置した。メッシュは、サンプルカップ530内への生理食塩水の流れを阻害しなかった。適切なメッシュは、アップルトン、ウィスコンシン州、米国に事業所を有するEagle Supply and Plastic社から部品ナンバー7308として入手することができる。生理食塩水は、超吸収性ポリマー組成物粒子を、試験セル内の完全に平坦な生理食塩水の表面によって証明されるほど完全には覆わなかった。また、生理食塩水の深さは、セル中の表面が、生理食塩水ではなく膨張した超吸収剤のみによって画定されるほど低くは減少させなかった。
この期間の終了時、プランジャー536及び錘548アセンブリをサンプル容器530内の飽和サンプル568上に置き、サンプル容器530、プランジャー536、錘548、及びサンプル568を溶液から除去した。除去した後であって測定の前に、サンプル容器530、プランジャー536、錘548、及びサンプル568を、適切な平坦な、大きい格子の変形しない均一な厚みのプレート上に30秒間置いたままにした。先に使用した同じ厚みゲージを使用して、ゼロ点は最初の高さの測定から変えずに、錘548の上部からサンプル容器530の底部までの高さを再び計量することによって、飽和サンプル568の厚みを決定した。排水を提供する、平坦な大きい格子の変形しない均一な厚みのプレート上に、サンプル容器530、プランジャー536、錘548、及びサンプル568を置いてもよい。プレートは全体で7.6cm×7.6cmの寸法を有し、それぞれの格子は長さ1.59cm×幅1.59cm×深さ1.12cmのセルサイズを有する。適切な、平坦な大きい格子の変形しないプレート材料は、シカゴ、イリノイ、米国に事業所を有するMcMaster Carr Supply Company社から入手可能な、適当な寸法に切ることができる、パラボリックディフューザーパネル、カタログナンバー1624K27である。この平坦な大きいメッシュの変形しないプレートは、最初の空のアセンブリの高さを計量するときにも存在しなければならない。厚みゲージを係合させたあと、できる限り速やかに高さ測定を行うべきである。空のサンプル容器530、プランジャー536、及び錘548の測定から得られる高さの測定値を、サンプル568を飽和させた後に得られる高さの測定値から減算する。得られる値が、膨張したサンプルの厚み又は高さ「H」である。
中に飽和サンプル568、プランジャー536、及び錘548を有するサンプル容器530に、0.9%の食塩水の流れを供給することによって、透過性の測定を開始した。容器への試験溶液の流速を調整して、生理食塩水をシリンダー534の最上部からオーバーフローさせ、これによって、結果としてサンプル容器530の高さに等しい一貫したヘッド圧力にした。シリンダーの最上部からの、少ないが一貫した量のオーバーフローを保持するのに十分な、任意の適切な手段によって、例えば定量ポンプ604を用いて、試験溶液を加えてもよい。オーバーフロー液体は、別々の収集装置601へと向かう。サンプル568を通過する溶液の量対時間を、天秤602及びビーカー603を使用して、重量測定的に計量した。オーバーフローが始まると、天秤602からのデータポイントを、少なくとも60秒間、毎秒集めた。データ収集は手動で行ってもよく、又はデータ収集ソフトウェアで行ってもよい。膨張したサンプル568を通る流速(Q)を、サンプル568を通過する流体(グラム)対時間(秒)に合う線形最小二乗法によって、グラム/秒(g/s)を単位として決定した。
透過性cmを、下式によって得た:
K=[Q*H*μ]/[A*ρ*P]。
ここで、K=透過性(cm)、Q=流速(g/秒)、H=膨張したサンプルの高さ(cm)、μ=液体の粘度(ポアズ)(この試験で使用した試験溶液について約1センチポアズ)、A=液体の流れの断面積(この試験で使用したサンプル容器について28.27cm)、ρ=液体密度(g/cm)(この試験で使用した試験溶液について約1g/cm)、及びP=静水圧(ダイン/cm)(通常は約7,797ダイン/cm)である。静水圧はP=ρ*g*hから算出され、ここで、ρ=液体密度(g/cm)、g=重力加速度、公称981cm/秒、及びh=液体高さ、例えば、本明細書に記載されているゲル床透過性試験について7.95cmである。
少なくとも2つのサンプルを試験し、結果を平均して、サンプルのゲル床透過性を決定した。
〈荷重吸収性試験(AUL(0.9psi(6.2kPa)))〉
荷重吸収性(AUL)試験は、超吸収性ポリマー組成物粒子が、材料が0.9psi(6.2kPa)の負荷の下、室温で蒸留水中の0.9質量パーセントの塩化ナトリウム溶液(試験溶液)を吸収する能力を測定する。AUL試験装置は、以下からなるものであった。
・シリンダー、4.4gのピストン、及び標準317gmの錘を含むAULアセンブリ。
このアセンブリの部品は、以下の更なる詳細に記載する。
・ガラスフリットがトレイ壁と接触することなく底部に横たわることができるよう、十分に広い平底の四角形の可塑性のトレイ。9”×9”(22.9cm×22.9cm)、0.5”〜1”(1.3cm〜2.5cm)の深さを有するプラスチックトレイを、この試験方法について一般的に用いた。
・9cmの直径、多孔性「C」(25〜50マイクロメートル)を有する、焼結したガラスフリット。このフリットは、生理食塩水(蒸留水中に0.9質量%の塩化ナトリウム)中の平衡を通して予め調製した。フリットは、新しい食塩水で少なくとも2回洗浄することに加えて、AUL測定の前に少なくとも12時間生理食塩水中に浸漬しなければならない。
・ワットマングレード1、直径9cmの丸いフィルタ紙。
・食塩水(蒸留水水中に0.9質量%の塩化ナトリウム)の供給。
図4を参照すれば、超吸収性ポリマー組成物粒子410を含むために使用するAULアセンブリ400のシリンダー412を機械抜き(machined−out)して略確実に同心にした内径1インチ(2.54cm)の熱可塑性樹脂管から作った。機械加工の後、炎の中で鋼鉄ワイドクロス414を赤熱まで加熱することによって、400のメッシュステンレススチールワイドクロス414をシリンダー412の底部に取り付け、シリンダー412を鋼鉄ワイドクロス上に冷えるまで保持した。失敗する場合又は破損する場合は、はんだごてを利用して封止を仕上げることができる。平坦で滑らかな底部を維持して、シリンダー412内を歪めないよう、注意しなければならない。
4.4gのピストン(416)を、直径1インチ(2.54cm)の固体材料(例えば、PLEXIGLAS(登録商標))から作って、シリンダー412内に拘束されることなく密接に適合するよう機械加工した。
標準317gmの錘418を用いて、62.053ダイン/cm(0.9psi(6.2kPa))抑制負荷を提供した。錘は、シリンダー内に拘束されることなく密接に適合するよう機械加工した、直径1インチ(2.5cm)の筒状の、ステンレススチールの錘であった。
特に明記しない限り、AULの試験のために、超吸収性ポリマー組成物粉末粒子の少なくとも300gsm(0.16g)の層に対応するサンプル410を利用した。サンプル410は、米国標準#30メッシュで予め篩分けし、米国標準#50メッシュ上に残った超吸収性ポリマー組成物粒子から取った。超吸収性ポリマー組成物粒子を、例えば、W.S.Tyler社、Mentor Ohioから入手可能な、RO―TAP(登録商標)Mechanical Sieve Shaker モデルBで予め篩分けすることができる。10分間篩分けを行った。
シリンダー412内に超吸収性ポリマー組成物粒子410を置く前に、シリンダー412の内部を帯電防止布で拭いた。
篩分けした超吸収性ポリマー組成物粒子410(0.16g)のサンプルの所望の量を、計量紙に計量して、シリンダー412の底のワイドクロス414の上に均一に分布させた。以下に記載するAULの算出のため、シリンダーの底部の超吸収性ポリマー組成物粒子の質量を「SA」として記録した。超吸収性ポリマー粒子がシリンダーの壁につかないように注意した。4.4gのピストン412、及び317gの錘418をシリンダー412の超吸収性ポリマー組成物粒子410上に慎重に置いた後に、シリンダー、ピストン、錘、及び超吸収性ポリマー組成物粒子を含むAULアセンブリ400を計量して、質量を質量「A」として記録した。
ガラスフリット424の上側表面に等しいレベルまで加えた生理食塩水422とともに、焼結ガラスフリット424(上記に記載)を、プラスチックトレイ420内に置いた。
一つの丸いフィルタ紙426をガラスフリット424上に穏やかに置き、超吸収性ポリマー組成物粒子410を有するAULアセンブリ400を、フィルタ紙426の上に置いた。AULアセンブリ400を、トレイ内の生理食塩水レベルを一定に保つよう注意して、1時間の試験時間の間、フィルタ紙426の上に置いたままにした。1時間の試験時間の終わりに、AUL装置を計量して、この値を質量「B」として記録した。
AUL(0.9psi(6.2kPa))は、以下のように算出した:
AUL(0.9psi(6.2kPa))=(B−A)/SA。
ここで、A=乾燥したSAPを有するAUL装置の質量、
B=60分の吸収させた後のSAPを有するAUL装置の質量、
SA=実際のSAPの質量である。
少なくとも2回の試験を行い、結果を平均して、0.9psi(6.2kPa)負荷の下でのAUL値を決定した。23℃及び50%の相対湿度でサンプルを試験した。
〈0.7psi(4.8kPa)の加圧吸収性(AAP(0.7psi(4.8kPa)))試験〉
欧州特許出願公開第0339461号明細書、7頁に記載されている方法によって、0.7psi(4.8kPa)(圧力負荷50g/cm)の圧力での吸収性を決定した。約0.9gの粒状超吸収性ポリマー組成物を、篩板を有するシリンダー内に計量した。均一に分散した粒状超吸収性ポリマー組成物層を、0.7psi(4.8kPa)又は50g/cmの圧力を発揮するプランジャーの形式で、負荷の下に置いた。0.9%のNaCl溶液を含むボウル内に立たせたガラスフィルタディスクの上に、予め計量したシリンダーを置き、その液体レベルは正確にフィルタディスクの高さに対応させた。シリンダー装置に0.9%のNaCl溶液を1時間吸い上げさせたあと、再び計量して、AAPを以下のように算出した:AAP=出ているときに計量した量(amount weighed out)(シリンダー装置+微粒子超吸収性ポリマー組成物)−入っているときに計量した量(weighed in)(シリンダー装置+容量まで浸漬した粒状超吸収性ポリマー組成物)/粒状超吸収性ポリマー組成物の入っているときに計量した量(weighed in)。
〈生理食塩水流れ誘導値(SFC)試験〉
膨張状態(SFC)における0.9%の一般的な塩溶液に対する透過性。膨張状態における透過性(国際公開第95/22356号公報に従うSFC試験)。約0.9gの粒状超吸収性ポリマー組成物を、篩板を有するシリンダー内に計量して、篩の表面上に慎重に分布させた。粒状超吸収性ポリマー組成物を、JAYCO合成尿[組成物:1リットルの蒸留水中に溶解した無水塩としての、2.0gの塩化カリウム;2.0gの硫酸ナトリウム;0.85gの無水リン酸アンモニウム;0.15gのリン酸水素アンモニウム;0.19gの塩化カルシウム;0.23gの塩化マグネシウム]中で、20g/cmの対向圧力で、1時間膨張させた。超吸収体の膨張した高さを決定した後に、0.118MのNaCl溶液を、あるレベルの供給容器から一定の静水圧で、膨張したゲル層を通過させた。測定の間、0.118MのNaCl溶液をゲル上に均一に分布させ、及びゲル床の状態に関して測定の間の一定の条件(測定温度20〜25℃)を保証する特別な篩シリンダーで、膨張したゲル層を覆った。膨張した粒状超吸収性ポリマー組成物に作用する圧力は、20g/cmで続いた。コンピュータ及び天秤を用いて、ゲル層を通過する液量を、時間の関数として、10分間、20秒間隔で決定した。回帰分析を使用して、t=0における膨張したゲル層を通る流速(g/s)を、勾配を外挿することによって、2分と10分との間の流量の中点で決定した。
SFC値(K)は、以下のように算出した:
K=F(t=0)・L/(r・A・ΔP)=F(t=0)・L/(139506)
ここで、F(t=0)は流速g/sであり、
は、ゲル層の厚みcmであり、
rは、NaCl溶液の密度(1.003g/cm)であり、
Aは、測定シリンダー内のゲル層の上側表面の面積(28.27cm)であり、
ΔPは、ゲル層を圧迫する静水圧(4920ダイン/cm)であり、及びKは、SFC値[10−7・cm・s・g−1]である。
以下の比較例及び例、並びに半製品を提供して本発明を説明するが、請求項の範囲を限定するものではない。別途記述しない限り、全ての部及び割合は質量による。
《架橋剤1:(EDA+4AGE)エチレンジアミン―AGE》
エチレンジアミン(60.1g)、及び水(10.0g)を、アリルグリシジルエーテル(456.2g)と、80℃で反応させた。透明でわずかに黄色い生成物は、エチレンジアミンと、4.0molのアリルグリシジルエーテルとの付加体であった。
《架橋剤2:(EDA+4AGE+0.035%SR454)エチレンジアミン―AGE付加体》
エチレンジアミン(60.1g)、及び水(10.0g)を、アリルグリシジルエーテル(456.2g)と、80℃で反応させた。透明でわずかに黄色い生成物は、エチレンジアミンと、4.0molのアリルグリシジルエーテルとの付加体であった。エチレンジアミン―AGE付加体をモノマー混合物に加えて、Easton PAのSartomer Company社から入手可能な、エトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートである、0.035質量%のSR454を重合直前に添加した。
《架橋剤3:(EDA+4AGE+0.5PO)エチレンジアミン―AGE―PO》
エチレンジアミン(60.1g)、及び水(10.0g)を、アリルグリシジルエーテル(456.2g)と、80℃で反応させた。4時間反応させた後、プロピレンオキシド(27.4g)を2分以内に管に入れた。混合物を80℃で75分攪拌して、110℃まで加熱した。水、及び未反応のプロピレンオキシドを、減圧下(20mbar)で蒸留し、最終生成物を室温まで冷却した。透明でわずかに黄色い生成物は、エチレンジアミンと、4.0molのアリルグリシジルエーテルとの付加体であった。
《架橋剤4:(EDA+4AGE+0.5PO+0.035%SR454)エチレンジアミン―AGE―PO付加体》
架橋剤3に記載の手順を繰り返してモノマーに加え、Easton PAのSartomer Company社から入手可能なエトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートである、0.035質量%のSR454を重合直前に加えた。
《架橋剤5:(ジアリルアミン―AGE)》
ジアリルアミン(97.1g)、及び水(3.0g)を、100℃で4.5時間、アリルグリシジルエーテル(102.6g)と反応させた。水、及び残留するジアリルアミンを、減圧下、115℃で蒸留した。透明でわずかに黄色い生成物は、ジアリルアミンと、0.9molのアリルグリシジルエーテルとの付加体であった。
《架橋剤6:(ジアリルアミン―AGE+0.035%SR454)》
架橋剤5に記載の手順を繰り返して、Easton PAのSartomer Company社から入手可能なエトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートである、0.035質量%のSR454を重合の直前に加えた。
《架橋剤7:(ジアリルアミン―AGE―PO)》
ジアリルアミン(97.1g)及び水(3.0g)を、100℃で4.5時間、アリルグリシジルエーテル(102.6g)と反応させた。プロピレンオキシド(17.4g)を管に入れた。100℃で70分間の更なる反応の後、水及び残留するプロピレンオキシドを、減圧下、115℃で蒸留した。透明でわずかに黄色の生成物は、ジアリルアミンと、アリルグリシジルエーテルと、プロピレンオキシドとの付加体の組成物であった。
《架橋剤8:(ジアリルアミン―AGE―PO+0.035%SR454)》
架橋剤7に記載の手順を繰り返してモノマーに加え、Easton PAのSartomer Company社から入手可能なエトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートである、0.035質量%のSR454を重合直前に加えた。
《架橋剤9:(HMDA―AGE)》
ヘキサメチレンジアミン(116.1g)及び水(10.0g)を、アリルグリシジルエーテル(456.2g)と80℃で反応させた。透明でわずかに黄色い生成物は、本発明における架橋剤組成物である、ヘキサメチレンジアミンと、4.0molのアリルグリシジルエーテルとの付加体であった。
《架橋剤10:(ジアリルアミン―AGE+0.035%SR454)》
架橋剤9に記載の手順を繰り返してモノマーに加え、Easton PAのSartomer Company社から入手可能なエトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートである、0.035質量%のSR454を重合直前に加えた。
《架橋剤11:(HMDA―AGE―PO)》
ヘキサメチレンジアミン(116.1g)及び水(10.0g)を、アリルグリシジルエーテル(456.2g)と80℃で反応させた。4時間反応させた後、プロピレンオキシド(23.2g)を管に入れた。80℃で60分間更に反応させた後、水及び残留したプロピレンオキシドを、115℃の減圧蒸留によって除去した。透明でわずかに黄色い生成物は、本発明の架橋剤組成物である、ヘキサメチレンジアミンと、3.8molのアリルグリシジルエーテルと、0.2molのプロピレンオキシドとの付加体であった。
《架橋剤12:(ジアリルアミン―AGE―PO+0.035%SR454)》
架橋剤11に記載の手順を繰り返して、Easton PAのSartomer Company社から入手可能なエトキシル化(3)トリメチロールプロパントリアクリレートである、0.035質量%のSR454を重合直前に加えた。
《粒状超吸収性ポリマー組成物》
粒状超吸収性ポリマー組成物を以下のようにして作った。アジテーター及び冷却コイルを備えるポリエチレン容器内に、482グラムの50%NaOH、及び821グラムの蒸留水を加え、20℃まで冷却した。207グラムの氷状アクリル酸を、苛性溶液に加え、溶液を再び20℃まで冷却した。酸性基の中和度は、75mol%であった。下表1〜12に従い、内部架橋剤組成物、及び所定量の内部架橋剤組成物、並びに413グラムの氷状アクリル酸を第一の溶液に加えて、4〜6℃まで冷却した。窒素をモノマー溶液に通して10分間泡立てた。冷却コイルを容器から除去した。20gの1質量%H水溶液、30gの2質量%過硫酸ナトリウム水性溶液、及び18gの0.5質量%エリソルビン酸ナトリウム水性溶液を、モノマー溶液へと加えて、重合反応を開始した。アジテーターを止め、開始したモノマーを20分間重合させた。材料の固形分は30%であった。得られたヒドロゲルは、市販の押出機Hobart 4M6で細断及び押出し、Procter&Schwartz 062型熱風乾燥機を用いて、20インチ×40インチの穴あき金属トレイ上で、上方への空気の流れで150℃で120分、及び下方への空気の流れで6分間乾燥させて、最終製品の水分濃度を5質量%未満にした。乾燥粒状超吸収性ポリマー組成物を、Prodeva Model 315―S圧砕機で粗く挽いて、MPI 666―F 3―ステージローラーミルでミリングし、Minox MTS 600DS3Vを用いて篩分けして、850μmより大きい粒子及び150μm未満の粒子を除去した。
《例1〜240、及び比較例1〜36》
例1〜240、及び比較例C1〜C36を含む表1〜12に従い、内部架橋剤組成物1〜12を、例1〜240の超吸収性ポリマー組成物のモノマー溶液へと加え、粒状超吸収性ポリマーを、下表に示すように表面架橋及び任意の表面処理によって更に処理した。
下表において、粒状超吸収性ポリマー組成物についての以下の用語を使用する:すなわち、SXは表面架橋を意味し;SX前の前処理は、超吸収性ポリマー粒子表面上への成分の適用を意味し;SX後の後処理は、表面架橋した超吸収性ポリマー粒子の表面処理を意味し;及びECはエチレンカーボネートを意味する。粒状超吸収性ポリマー組成物の特性の単位は、CRC(g/g);AUL(0.9psi(6.2kPa))(g/g);GBP(ダーシー);AAP(0.7psi(4.8kPa))(g/g)、及びSFC(10−7・cm・s・g−1)である。表中、全ての%は、本明細書で定義したように質量%を意味する。
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本発明の幅広い範囲を定める数値範囲及びパラメータは近似値であるが、具体例に記載の数値はできる限り正確に報告した。操作の例以外、指示しない限り、明細書及び請求項中で使用する成分量、反応条件等を表す全ての数字は、全ての例において用語「約」によって修飾されているものと理解する。しかしながら、あらゆる数値は、それらのそれぞれの試験測定において見られる標準偏差から必然的に生じる、ある程度のエラーを本質的に含む。以下、本発明の実施形態の例を列記する。
〔1〕
増大した透過性を有する粒状超吸収性ポリマー組成物であって、前記粒状超吸収性ポリマーは、
a)重合性モノマーであって、前記モノマーは、不飽和酸性基含有モノマー、エチレン性不飽和カルボン酸の無水物、塩、又はこれらの誘導体から選択される、重合性モノマーと;
b)内部架橋剤組成物であって、
(i)飽和アミン及び/若しくは飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、又は
(ii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(iii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物から選択されるものの反応生成物である、内部架橋剤組成物と;
ここで、成分a)及びb)は重合及び粒状化されて、粒子表面を有する粒状超吸収性ポリマーを形成しており、前記粒状超吸収性ポリマーの少なくとも40質量%は300μm〜600μmの粒子径を有しており;
c)乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01〜5質量%の、前記粒子表面に適用された表面架橋剤と;
を含んでおり、
前記粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載の遠心保持容量試験によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及び本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される少なくとも5ダーシー以上のゲル床透過性を有する、
粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔2〕
項目1に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物であって、
d)乾燥した粒状超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01質量%〜5質量%の不溶性無機粉末、及び/又は乾燥ポリマー粉末の質量に基づいて0.01〜5質量%の多価金属塩;
を更に含んでおり、
前記粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される10ダーシー〜200ダーシーのゲル床透過性を有する、
粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔3〕
e)乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01質量%〜5質量%の多価金属塩を更に含む、項目1に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔4〕
f)乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0.01〜0.5質量%の熱可塑性ポリマーを更に含む、項目1〜3のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔5〕
g)乾燥した粒状超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0.01〜1質量%のカチオン性ポリマーを更に含む、項目1〜4のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔6〕
前記重合性モノマーに基づいて0.01〜1質量%の内部架橋剤組成物、及び前記重合性モノマーに基づいて0.001〜1.0質量%の第二の内部架橋剤組成物を含む、項目1〜6のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔7〕
前記エチレン性不飽和グリシジル化合物及び/又は前記エチレン性不飽和ポリグリシジル化合物が、エチレングリコールモノグリシジルエーテル、及び関連するC 〜C ―アルキルエーテル若しくはそのエステル;グリシドール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、(メタ)アリルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、関連するC 〜C ―アルキルエーテル若しくはそのエステル;ビニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエーテル、又は1―ハロゲン―2,3―エポキシプロパン;エチレングリコール、又はポリグリコールジグリシジルエーテル;グリセロール、トリメチロールプロパン、又はペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル;ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、又はこれらの混合物から選択される、項目1〜6のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔8〕
前記エチレン性不飽和グリシジル化合物及び/又は前記エチレン性不飽和ポリグリシジル化合物が、最高45個のエチレングリコールユニット、又は最高20個のエチレングリコールユニット、又は最高12個のエチレングリコールユニットを有するポリエチレングリコール鎖を含むグリシジル化合物を含む、項目1〜7のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔9〕
前記エチレン性不飽和グリシジル化合物及び/又は前記エチレン性不飽和ポリグリシジル化合物が、(メタ)アリルグリシジルエーテル、又はグリシジル(メタ)アクリレートから選択される、項目1〜8のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔10〕
前記飽和アミン及び/又は前記飽和ポリアミンが、(モノ、ジ、及びポリ)アミノアルカン、(モノ、ジ、及びポリ)アミノポリエーテル、アリルアミン、アルキル(メタ)アリルアミン、例えば、メチルアリルアミン、メチルメタリルアミン、エチルメタリルアミン、及びエチルアリルアミン;メチル―、エチル―、プロピル―、及びブチルアミン、ジアリルアミン、ジメタリルアミン、アニリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ネオペンタンジアミン、1,2―プロピレンジアミン、4,7―ジオキサデカン―1,10―ジアミン、4,9―ジオキサドデカン―1,12―ジアミン、ポリエーテルジアミン、ポリアルキレングリコールジアミン、3―アミノ―1―メチルアミノプロパン、ビス(3―アミノプロピル)メチルアミン、イソホロンジアミン、4,4’―ジアミノジシクロヘキシルメタン、1―(2―アミノエチル)ピペラジン、o―、m―、又はp―フェニレンジアミン、4,4’―ジアミノジフェニルメタン、1,4―ジアミノアントラキノン、2,4,6―トリアミノ―1,3,5―トリアジン、アミノピリジン、グルコサミン、及びこれらの混合物から選択される、項目1〜9のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔11〕
前記飽和アミン及び/又は前記飽和ポリアミンが、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、又は2,2’―[1,2―エタンジイルビス(オキシ)]ビス―エタンアミンから選択される、項目1〜10のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔12〕
前記第二の内部架橋剤組成物が、メチレンビスアクリルアミド若しくは―メタクリルアミド、又はエチレンビスアクリルアミド;ジアクリレート、又はトリアクリレート、ブタンジオール―若しくはエチレングリコールジアクリレート若しくは―メタクリレートを含む、ポリオールの不飽和モノ―又はポリカルボン酸のエステル;トリメチロールプロパントリアクリレート、及びそのアルコキシレート;アリル(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、マレイン酸ジアリルエステル、ポリアリルエステル、テトラアリルオキシエタン、ジ―及びトリアリルアミン、テトラアリルエチレンジアミン、リン酸又は亜リン酸のアリルエステルを含む、アリル化合物から選択される、項目6〜11のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔13〕
前記不飽和酸性基含有モノマーが、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸、及び2―アクリルアミド―2―メチルプロパンスルホン酸から選択される、項目1〜12のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔14〕
前記重合性モノマーに対して0〜40質量%の、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル、ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルアクリレート、及びビニルアセトアミドからなる群から選択されるコモノマーを更に含む、項目1〜13のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔15〕
前記表面架橋剤がエチレンカーボネートを含む、項目1〜14のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔16〕
前記重合性モノマーが50mol%〜85mol%の中和度を有する、項目1〜15のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔17〕
本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される50ダーシー〜150ダーシーのゲル床透過性を有する、項目1〜16のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔18〕
本明細書に記載の荷重吸収性(0.9psi(6.2kPa))試験によって決定される、12g/g〜30g/gの、0.9psi(6.2kPa)荷重吸収性(AUL(0.9psi(6.2kPa)))を有する;又は、本明細書に記載の加圧吸収性(0.7psi(4.8kPa))試験によって決定される、15g/g〜40g/gの、0.7psi(4.8kPa)加圧吸収性(AAP(0.7psi(4.8kPa)))を有する;又は、本明細書に記載の生理食塩水流れ誘導値(SFC)試験によって決定される、20×10 −7 ・cm ・s・g −1 〜200×10 −7 ・cm ・s・g −1 の生理食塩水流れ誘導値を有する、項目1〜17のいずれか一項に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
〔19〕
粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法であって、
a)超吸収性ポリマーに基づいて、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボン酸の無水物、塩、又はこれらの誘導体から選択される少なくとも1つのモノマーと、
(i)飽和アミン及び/若しくは飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、
(ii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(iii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物から選択されるものの反応生成物である、0.001質量%〜1質量%の内部架橋剤組成物とを重合させることによって超吸収性ポリマーを調製すること;
b)前記超吸収性ポリマーを重合させること;
c)前記超吸収性ポリマーを粒状化して、前記粒状超吸収性ポリマー%の少なくとも40質量が300μm〜600μmの粒子径を有する粒状超吸収性ポリマーを形成すること;
d)乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.001質量%〜5.0質量%の、粒子表面に適用された表面架橋剤で、前記粒状超吸収性ポリマーを表面架橋すること;及び
e)工程d)の表面架橋した粒状超吸収性ポリマーを、150℃〜250℃の温度で20〜120分間熱処理して、表面架橋した前記粒状超吸収性ポリマーを形成すること;
を含んでおり、
前記粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載の遠心保持容量試験によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及び本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される少なくとも5ダーシー以上のゲル床透過性を有する、
粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法。
〔20〕
項目19に記載の方法であって、
f)工程e)の表面架橋した前記粒状超吸収性ポリマー組成物を、乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01〜5質量%の不溶性無機粉末、及び/又は乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0.01質量%〜5質量%の多価金属塩で表面処理することを更に含んでおり、
前記超吸収性ポリマーは、本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される20ダーシー〜200ダーシーのゲル床透過性を有する、方法。
〔21〕
項目19に記載の方法であって、
g)前記粒状超吸収性ポリマー組成物を、乾燥した粒状超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01質量%〜5質量%の、乾燥した粒状超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0.01質量%〜5質量%の多価金属塩で表面処理することを更に含んでおり、
前記超吸収性ポリマーは、本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される20ダーシー〜200ダーシーのゲル床透過性を有する、
方法。
〔22〕
前記エチレン性不飽和グリシジル化合物及び/又は前記エチレン性不飽和ポリグリシジル化合物が、エチレングリコールモノグリシジルエーテル、及び関連するC 〜C ―アルキルエーテル若しくはそのエステル;グリシドール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、(メタ)アリルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、関連するC 〜C ―アルキルエーテル若しくはそのエステル;ビニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエーテル、又は1―ハロゲン―2,3―エポキシプロパン;エチレングリコール、又はポリグリコールジグリシジルエーテル;グリセロール、トリメチロールプロパン、又はペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル;ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、又はこれらの混合物から選択される、項目19に記載の方法。
〔23〕
前記エチレン性不飽和グリシジル化合物及び/又は前記エチレン性不飽和ポリグリシジル化合物が、最高45個のエチレングリコールユニット、又は最高20個のエチレングリコールユニット、又は最高12個のエチレングリコールユニットを有するポリエチレングリコール鎖を含むグリシジル化合物を含む、項目19に記載の方法。
〔24〕
前記エチレン性不飽和グリシジル化合物及び/又は前記エチレン性不飽和ポリグリシジル化合物が(メタ)アリルグリシジルエーテル、又はグリシジル(メタ)アクリレートから選択される、項目19に記載の方法。
〔25〕
前記アミン化合物が、(モノ、ジ、及びポリ)アミノアルカン、(モノ、ジ、及びポリ)アミノポリエーテル、アリルアミン、アルキル(メタ)アリルアミン、例えば、メチルアリルアミン、メチルメタリルアミン、エチルメタリルアミン、及びエチルアリルアミン;メチル―、エチル―、プロピル―、及びブチルアミン、ジアリルアミン、ジメタリルアミン、アニリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ネオペンタンジアミン、1,2―プロピレンジアミン、4,7―ジオキサデカン―1,10―ジアミン、4,9―ジオキサドデカン―1,12―ジアミン、ポリエーテルジアミン、ポリアルキレングリコールジアミン、3―アミノ―1―メチルアミノプロパン、ビス(3―アミノプロピル)メチルアミン、イソホロンジアミン、4,4’―ジアミノジシクロヘキシルメタン、1―(2―アミノエチル)ピペラジン、o―、m―、又はp―フェニレンジアミン、4,4’―ジアミノジフェニルメタン、1,4―ジアミノアントラキノン、2,4,6―トリアミノ―1,3,5―トリアジン、アミノピリジン、グルコサミン、及びこれらの混合物から選択される、項目19〜24に記載の方法。
〔26〕
アミン化合物が、エチレンジアミン、ジアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、又は2,2’―[1,2―エタンジイルビス(オキシ)]ビス―エタンアミンから選択される、項目19〜25に記載の方法。
〔27〕
粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法であって、
a)超吸収性ポリマーに基づいて、エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボン酸の無水物、塩、又はこれらの誘導体から選択される少なくとも1つのモノマーと、
モノマーに基づいて0.001質量%〜1質量%の内部架橋剤組成物であって、
(i)飽和アミン及び/若しくは飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、
(ii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(iii)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物から選択されるものの反応生成物である、内部架橋剤組成物と
を重合させることによって超吸収性ポリマーを調製すること;
b)前記超吸収性ポリマーを重合させること;
c)前記超吸収性ポリマーを粒状化して、粒状超吸収性ポリマーの少なくとも40質量%が300μm〜600μmの粒子径を有する、粒状超吸収性ポリマーを形成すること;
d)工程c)の表面架橋した前記粒状超吸収性ポリマーを、乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0.01〜5質量%の不溶性無機粉末、及び/又は乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0.01〜5質量%の多価金属塩で表面処理すること;
e)前記粒状超吸収性ポリマーを、乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.001質量%〜5.0質量%の、粒子表面に適用された表面架橋剤で表面架橋すること;及び
f)工程e)の表面架橋した前記粒状超吸収性ポリマーを、150℃〜250℃の温度で20〜120分間熱処理して、表面架橋した粒状超吸収性ポリマーを形成すること;
を含んでおり、
前記粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載の遠心保持容量試験によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及び本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される少なくとも5ダーシー以上のゲル床透過性を有する、
粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法。
〔28〕
項目27に記載の方法であって、
g)工程f)の表面架橋した前記粒状超吸収性ポリマーを、乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01〜5質量%の不溶性無機粉末、及び/又は乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01〜5質量%の多価金属塩で表面処理することを含んでおり、
前記粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される、20ダーシー〜200ダーシーのゲル床透過性を有する、
方法。
〔29〕
前記エチレン性不飽和グリシジル化合物及び/又は前記エチレン性不飽和ポリグリシジル化合物が、最高45個のエチレングリコールユニット、又は最高20個のエチレングリコールユニット、又は最高12個のエチレングリコールユニットを有するポリエチレングリコール鎖を含むグリシジル化合物を含む、項目28に記載の方法。
〔30〕
前記エチレン性不飽和グリシジル及び/又は前記エチレン性不飽和ポリグリシジル化合物が、(メタ)アリルグリシジルエーテル、又はグリシジル(メタ)アクリレートから選択される、項目27に記載の方法。
〔31〕
前記アミン化合物が、(モノ、ジ、及びポリ)アミノアルカン、(モノ、ジ、及びポリ)アミノポリエーテル、アリルアミン、アルキル(メタ)アリルアミン、例えば、メチルアリルアミン、メチルメタリルアミン、エチルメタリルアミン、及びエチルアリルアミン;メチル―、エチル―、プロピル―、及びブチルアミン、ジアリルアミン、ジメタリルアミン、アニリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ネオペンタンジアミン、1,2―プロピレンジアミン、4,7―ジオキサデカン―1,10―ジアミン、4,9―ジオキサドデカン―1,12―ジアミン、ポリエーテルジアミン、ポリアルキレングリコールジアミン、3―アミノ―1―メチルアミノプロパン、ビス(3―アミノプロピル)メチルアミン、イソホロンジアミン、4,4’―ジアミノジシクロヘキシルメタン、1―(2―アミノエチル)ピペラジン、o―、m―、又はp―フェニレンジアミン、4,4’―ジアミノジフェニルメタン、1,4―ジアミノアントラキノン、2,4,6―トリアミノ―1,3,5―トリアジン、アミノピリジン、グルコサミン、及びこれらの混合物から選択される、項目27〜30に記載の方法。
〔32〕
前記アミン化合物が、エチレンジアミン、ジアリルアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、又は2,2’―[1,2―エタンジイルビス(オキシ)]ビス―エタンアミンから選択される、項目27〜31に記載の方法。
〔33〕
吸収性物品であって、(a)液体通過性上面シートと;(b)液体非通過性背面シートと;(c)(a)と(b)との間に配置されたコアであって、前記コアは、10質量%〜100質量%の粒状超吸収性ポリマー組成物、及び0質量%〜90%の親水性繊維材料を含む、コアと;(d)上記コア(c)の上及び下に直接配置された任意の組織層と;(e)(a)と(c)との間に配置された任意の捕捉層とを含んでおり、
前記粒状超吸収性ポリマー組成物は、
i)エチレン性不飽和カルボン酸、エチレン性不飽和カルボン酸の無水物、塩、又はこれらの誘導体から選択されたモノマーと、
ii)内部架橋剤組成物であって、
(α)飽和アミン及び/若しくは飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物、
(β)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びに飽和グリシジル化合物及び/若しくは飽和ポリグリシジル化合物、又は
(γ)エチレン性不飽和アミン及び/若しくはエチレン性不飽和ポリアミン、並びにエチレン性不飽和グリシジル化合物及び/若しくはエチレン性不飽和ポリグリシジル化合物から選択されるものの反応生成物である、内部架橋剤組成物と;
iii)乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.001質量%〜5.0質量%の、粒子表面に適用された表面架橋剤と
を含んでおり、
前記粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載の遠心保持容量試験によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及び本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される少なくとも5ダーシー以上のゲル床透過性を有する、
吸収性物品。
〔34〕
項目33に記載の吸収性物品であって、前記粒状超吸収性ポリマー組成物が、
iv)乾燥した超吸収性ポリマー組成物の質量に基づいて0.01〜5質量%の不溶性無機粉末を更に含んでおり、
前記粒状超吸収性ポリマー組成物は、本明細書に記載のゲル床透過性試験によって決定される20ダーシー〜200ダーシーのゲル床透過性を有する、
吸収性物品。
〔35〕
前記エチレン性不飽和グリシジル化合物及び/又は前記エチレン性不飽和ポリグリシジル化合物が、エチレングリコールモノグリシジルエーテル、及び関連するC 〜C ―アルキルエーテル若しくはそのエステル;グリシドール、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、(メタ)アリルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールモノグリシジルエーテル、関連するC 〜C ―アルキルエーテル若しくはそのエステル;ビニルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アリルエーテル、又は1―ハロゲン―2,3―エポキシプロパン;エチレングリコール、又はポリグリコールジグリシジルエーテル;グリセロール、トリメチロールプロパン、又はペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル;ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、又はこれらの混合物から選択される、項目33に記載の吸収性物品。
〔36〕
前記エチレン性不飽和グリシジル及び/又は前記エチレン性不飽和ポリグリシジル化合物が、最高45個のエチレングリコールユニット、又は最高20個のエチレングリコールユニット、又は最高12個のエチレングリコールユニットを有するポリエチレングリコール鎖を含む、項目33に記載の吸収性物品。
〔37〕
前記エチレン性不飽和グリシジル及び/又は前記エチレン性不飽和ポリグリシジル化合物が、(メタ)アリルグリシジルエーテル、又はグリシジル(メタ)アクリレートから選択される、項目33に記載の吸収性物品。
〔38〕
前記アミン化合物が、(モノ、ジ、及びポリ)アミノアルカン、(モノ、ジ、及びポリ)アミノポリエーテル、アリルアミン、アルキル(メタ)アリルアミン、例えば、メチルアリルアミン、メチルメタリルアミン、エチルメタリルアミン、及びエチルアリルアミン;メチル―、エチル―、プロピル―、及びブチルアミン、ジアリルアミン、ジメタリルアミン、アニリン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ネオペンタンジアミン、1,2―プロピレンジアミン、4,7―ジオキサデカン―1,10―ジアミン、4,9―ジオキサドデカン―1,12―ジアミン、ポリエーテルジアミン、ポリアルキレングリコールジアミン、3―アミノ―1―メチルアミノプロパン、ビス(3―アミノプロピル)メチルアミン、イソホロンジアミン、4,4’―ジアミノジシクロヘキシルメタン、1―(2―アミノエチル)ピペラジン、o―、m―、又はp―フェニレンジアミン、4,4’―ジアミノジフェニルメタン、1,4―ジアミノアントラキノン、2,4,6―トリアミノ―1,3,5―トリアジン、アミノピリジン、グルコサミン、及びこれらの混合物から選択される、項目33〜37に記載の吸収性物品。
〔39〕
前記アミン化合物が、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、又は2,2’―[1,2―エタンジイルビス(オキシ)]ビス―エタンアミンから選択される、項目33〜38に記載の吸収性物品。
〔40〕
前記吸収性物品がおむつである、項目33〜39に記載の吸収性物品。

Claims (4)

  1. 増大した透過性を有する粒状超吸収性ポリマー組成物であって、前記粒状超吸収性ポリマー組成物は、
    a)不飽和酸性基含有モノマーを含む重合性モノマーであって、前記不飽和酸性基含有モノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、及びビニル酢酸から選択される、重合性モノマーと;
    b)前記重合性モノマーに基づいて0.001〜1質量%の内部架橋剤組成物であって、エチレン性不飽和ポリアミンとエチレン性不飽和モノグリシジル化合物との開環付加反応生成物である、内部架橋剤組成物と;
    ここで、成分a)及びb)は重合及び粒状化されて、粒子表面を有する粒状超吸収性ポリマーを形成しており、前記粒状超吸収性ポリマーの少なくとも40質量%は300μm〜600μmの粒子径を有しており;
    c)乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01〜5質量%の、前記粒子表面に適用された表面架橋剤と;
    d)乾燥した粒状超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01質量%〜5質量%の前記粒子表面に適用された不溶性無機粉末、及び前記乾燥した粒状超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01〜5質量%の前記粒子表面に適用された多価金属塩と;
    を含んでおり、
    前記粒状超吸収性ポリマー組成物は、CRC=[遠心分離後のサンプルバッグ−遠心分離後の空のバッグ−乾燥したサンプル質量]/乾燥状態サンプル質量によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及びK=[Q*H*μ]/[A*ρ*P]によって決定される5ダーシー以上200ダーシー以下のゲル床透過性を有する、粒状超吸収性ポリマー組成物。
  2. 前記エチレン性不飽和モノグリシジル化合物が、(メタ)アリルグリシジルエーテル、又はグリシジル(メタ)アクリレートから選択される、請求項1に記載の粒状超吸収性ポリマー組成物。
  3. 粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法であって、
    a)アクリル酸、メタクリル酸、及びビニル酢酸から選択される少なくとも1つのモノマーと、前記モノマーに基づいて0.001質量%〜1質量%の内部架橋剤組成物であって、エチレン性不飽和ポリアミンとエチレン性不飽和モノグリシジル化合物との開環付加反応生成物である内部架橋剤組成物とを調製すること;
    b)前記少なくとも1つのモノマーと、前記内部架橋剤組成物を重合させて、超吸収性ポリマーを調整すること;
    c)前記超吸収性ポリマーを粒状化して、前記粒状超吸収性ポリマーの少なくとも40質量%が300μm〜600μmの粒子径を有する粒状超吸収性ポリマーを形成すること;
    d)乾燥した超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.001質量%〜5.0質量%の、粒子表面に適用された表面架橋剤で、前記粒状超吸収性ポリマーを表面架橋すること;
    e)工程d)の表面架橋した粒状超吸収性ポリマーを、150℃〜250℃の温度で20〜120分間熱処理して、表面架橋した前記粒状超吸収性ポリマーを形成すること;及び
    f)前記表面架橋する工程の前又は後に、乾燥した粒状超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01質量%〜5質量%の不溶性無機粉末を前記粒子表面に適用すること、及び前記乾燥した粒状超吸収性ポリマー組成物粉末の質量に基づいて0.01〜5質量%の多価金属塩を前記粒子表面に適用すること;
    を含んでおり、
    前記粒状超吸収性ポリマー組成物は、CRC=[遠心分離後のサンプルバッグ−遠心分離後の空のバッグ−乾燥したサンプル質量]/乾燥状態サンプル質量によって決定される20g/g〜40g/gの遠心保持容量、及びK=[Q*H*μ]/[A*ρ*P]によって決定される5ダーシー以上200ダーシー以下のゲル床透過性を有する、
    粒状超吸収性ポリマー組成物の製造方法。
  4. 前記エチレン性不飽和モノグリシジル化合物が(メタ)アリルグリシジルエーテル、又はグリシジル(メタ)アクリレートから選択される、請求項3に記載の方法。
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