JP6896282B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
一般的なパチンコ遊技機は、遊技球が流下可能な遊技領域を備え、遊技領域に配された種々の入賞手段等へと遊技球を入賞させること等で遊技が行われる。
例えば、下記特許文献1には、遊技盤の盤面板に複数の遊技釘を突設してなる遊技機が開示されている。このような遊技機では、遊技釘に接触した遊技球が跳ねたりすることで遊技球の挙動が複雑なものとなりがちである。そして、複雑な挙動をとりがちな遊技球をできるだけ、狙った入賞手段へと入賞させることに、遊技の楽しみがあることがある。
特開2003−88617号公報
しかしながら、上記特許文献1のような遊技機では、遊技球の挙動が安定していないことで、遊技球同士がぶつかる頻度が高くなってしまうことがある。そして、遊技球同士がぶつかる頻度が高すぎる場合などには、流下中の遊技球が停止してしまう球詰まりが発生しやすいという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、遊技球が詰まってしまう球詰まりを抑制することが可能な遊技機を提供することにある。
本発明に係る遊技機は、
遊技領域が設けられた遊技盤を備え、
前記遊技領域に、入賞前の遊技球の移動経路として、
複数の遊技球が同時に進入することができないとともに、遊技球が入賞可能な入賞手段へと遊技球を案内可能な単進入経路と、
遊技球の移動方向について前記単進入経路の上流に位置し、前記単進入経路と交差する方向に延びる上流交差経路と、
遊技球の移動方向について前記上流交差経路の下流に位置し、前記単進入経路と前記上流交差経路とが交差する交差位置から、前記単進入経路と交差する方向に延びる下流交差経路と、
前記単進入経路へと進入した後、前記入賞手段へと入賞しない遊技球が進入可能な非入賞経路と、
前記下流交差経路を通過した遊技球と前記非入賞経路を通過した遊技球とがともに、その後に進入可能な共通経路と、が設けられており、
前記入賞手段は、遊技球が入賞しやすい第1状態と、前記第1状態よりも遊技球の入賞が困難または入賞不能な第2状態とに変化可能な可変入賞手段であることを特徴とする。
本発明によれば、遊技球が詰まってしまう球詰まりを抑制することが可能な遊技機が提供されている。
実施形態に係る遊技機の正面図である。 遊技機を右上方手前からみたときの斜視図である。 遊技機が備える遊技盤ユニットの正面図である。 遊技盤ユニットが備える表示器類を示す図である。 遊技盤ユニットが備える演出ユニットの正面図である。 役連作動ゲート、普図ゲート周辺部分の拡大図である。 電チュー周辺部分の拡大図である。 図3に示すA−A位置での断面図である。 図3に示すB−B位置での断面図である。 遊技盤に取り付けられているカバー部を示す斜視図である。 同遊技機の遊技制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機の演出制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 大当たり種別判定テーブルである。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)大当たり判定テーブルである。(B)リーチ判定テーブルである。(C)普通図柄当たり判定テーブルである。(D)普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターン判定テーブルである。 電チューの開放パターン決定テーブルである。 遊技制御側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 演出制御側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
1.遊技機の構造
図1は、第1の形態に係るパチンコ遊技機PY1の正面図である。また、図2は、パチンコ遊技機PY1の斜視図である。図1または図2に示すように、本形態のパチンコ遊技機PY1は、当該パチンコ遊技機PY1の外郭を構成する遊技機枠2を備えている。遊技機枠2は、外枠22と内枠21と前扉23とを備えている。外枠22は、遊技機枠2の外郭を構成する縦長方形状の枠体である。内枠21は、遊技盤1(図3参照)が取り付けられる縦長方形状の枠体である。本形態の前扉23は、内枠21の前方側に配置されていて、遊技盤1を保護する縦長方形状のものである。本形態では、外枠22及び内枠21が遊技機枠2の基枠部を構成しており、前扉23が遊技機枠2の前枠部を構成している。
また、前扉23は、その中央に遊技窓部が形成されている前枠23mを有している。前枠23mの遊技窓部は、前後方向について貫通した開口部であり、透明板23tが取付けられることで塞がれている。透明板23tは、透明な合成樹脂でもガラスでもよい。
前扉23は、図1に示すように、前面側に、装飾部である上部ユニット31、右部ユニット32、左部ユニット33を備えている。上部ユニット31は、透明板23tの上方に設けられ、遊技機枠2(前扉23)の前面上部を装飾するものである。右部ユニット32は、透明板23tの右方に設けられ、遊技機枠2(前扉23)における前面右部を装飾するものである。左部ユニット33は、透明板23tの左方に設けられ、遊技機枠2(前扉23)における前面左部を装飾するものである。前枠23mには、様々な発光色で発光可能な枠ランプ53が多数設けられている。また、前枠23mの上部には、音を出力可能な右スピーカ52Rおよび左スピーカ52Lから構成されるスピーカ52が設けられている。
また、図2に示すように、前枠23mの前面の下部には、前方に大きく突出した上皿34と、上皿34の直下に配された下皿35が設けられている。上皿34の前方側には、演出ボタン装置40、セレクトボタン装置42が設けられている。演出ボタン装置40は、下方に押下操作可能な演出ボタン40kを有している。セレクトボタン装置42は、その前後左右の各位置が、下方に押下操作可能なセレクトボタン42kを有している。
さらに、上皿34の上面の後方側には、遊技球を貯留可能な供給球貯留穴34Aが、演出ボタン装置40、セレクトボタン装置42を避けるように形成されている。供給球貯留穴34Aに貯留される遊技球は、ハンドル72kを含んで構成されている発射装置72に供給される。また、下皿35の上面には、供給球貯留穴34Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留穴35Aが設けられている。
ハンドル72kは、発射装置72の駆動に係る操作を行うことが可能なものであり、本形態では、前扉23の右側の下部に設けられている。ハンドル72kは、遊技者による回転操作に基づき、その回転角度に応じた発射強度(発射速度)で、発射装置72に遊技球を発射させることができる。
セレクトボタン装置42は、遊技者がセレクトボタン42kの操作により、演出に係る設定等の調整や選択を行うことができるものである。本形態のパチンコ遊技機PY1では、スピーカ52から出力される音量調整を行うことができるものである。また、セレクトボタン装置42は、例えば、発光部材の光量調整や、複数の演出モードを実行可能な場合における演出モードの選択に用いることができるものであってもよい。また、このような演出に係る設定は、演出ボタン装置40により行うことができてもよい。
遊技機枠2は、左端側にヒンジ部24を備えている。ヒンジ部24は、外枠22、内枠21、前扉23を回転可能に支持しているものである。そして、ヒンジ部24により、前扉23は外枠22及び内枠21に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠21は外枠22及び前扉23に対してそれぞれ回動自在になっている。なお、図1および図2には、内枠21および前扉23がともに閉められた閉状態のときの遊技機枠2を示している。前扉23は、閉状態から、内枠21から遠ざかる向きに回転されることで開状態をとることができる。また、内枠21は、閉状態から外枠22から遠ざかる向きに回転されることで開状態をとることができる。
次に、遊技盤ユニットYUについて説明する。図3は遊技盤ユニットYUの正面図である。図3に示すように、本形態の遊技盤ユニットYUは、遊技盤1を有している。遊技盤1は、板状の部材であり、その背面側に設けられた演出ユニットEUと一体化されて遊技盤ユニットYUを構成している。遊技盤1は板状の部材であるため、盤面板や遊技板ともいうことがある。また、遊技盤1を盤面板や遊技板という場合には、遊技盤ユニットYUのことを遊技盤ということがある。遊技盤ユニットYUには、各種制御基板やハーネス等を取付けるユニットも設けられている。遊技盤ユニットYUは、パチンコ遊技機PY1においては、遊技機枠2の内枠21に取り付けられることで、遊技機枠2の内部に固定されている。
遊技盤1の略中央付近には、開口部1Aが形成されている。また、遊技盤1には、開口部1Aに沿って、略リング状のセンター装飾体61が、遊技盤1の前面である遊技盤面6fよりも前方に突出して設けられている。遊技盤1の前面におけるセンター装飾体61の外側には、前方に突出した外レール62および内レール63が設けられている。外レール62は、センター装飾体61を大きく取り囲むように略リング状をしている。内レール63は、外レール62の左側部分とセンター装飾体61との間で、外レール62およびセンター装飾体61に沿った湾曲状のものである。
そして、遊技盤1の前面において、センター装飾体61、外レール62および内レール63などで囲まれた領域が遊技領域6を形成している。すなわち、遊技盤1の遊技盤面6fが、センター装飾体61、外レール62および内レール63によって、遊技領域6とそれ以外の領域とに区切られている。また、外レール62と内レール63とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域6へ向かうために通過可能な発射領域7を形成している。
遊技領域6は、ハンドル72kの操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。このため、遊技領域6は、 一般的には、パチンコ遊技機PY1のうちで遊技者が視認する頻度の高いものとなっている。遊技領域6には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域6に進入して遊技領域6を流下する遊技球を、一般入賞口10、第1始動口11、第2始動口12、普図ゲート13、大入賞口14、および役連作動ゲート18などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域6の所定位置には、一般入賞装置10Dが設けられている。一般入賞装置10Dには、一般入賞口10が、遊技球の入球が可能に形成されている。遊技球が一般入賞口10へ入球すると、所定個数(本実施形態では、7個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、一般入賞口10に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外へと排出される。
また、遊技領域6におけるセンター装飾体61の中央直下には第1始動入賞装置11Dが設けられている。第1始動入賞装置11Dには、第1始動口11が遊技球の入球が可能に形成されている。第1始動入賞装置11Dは作動しない非作動構造からなる。そのため、第1始動口11は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球が第1始動口11へ入球すると、所定個数(上記の実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第1始動口11に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外へと排出される。
なお、センター装飾体61の左側部から下端部にかけて、遊技球を内部に通すワープ部61wが形成されている。ワープ部61wへの入口はセンター装飾体61の左側部に形成されている。ワープ部61wに入った遊技球はワープ部61wの内部を通って出口から出る。ワープ部61wの出口付近であってセンター装飾体61の下端部上面には、遊技球が転動可能なステージ61sが設けられている。ステージ61sの中央付近には、遊技球を下方に導く下方誘導部61yが設けられている。第1始動口11は、この下方誘導部61yの直下に設けられている。
遊技領域6における第1始動口11の右方には、第2始動入賞装置(いわゆる「電チュー」)12Dが設けられている。電チュー12Dには、遊技球が入球不可能な閉態様と入球可能な開態様とに変化可能な第2始動口12が形成されている。第2始動口12は、電チュー12Dが具備する電チュー開閉部材12kによって閉態様と開態様とをとる。すなわち、電チュー開閉部材12kの作動によって第2始動口12が開閉する。
電チュー開閉部材12kは、通常は、上方に開口する第2始動口12の上に位置し、第2始動口12を閉鎖している。この閉鎖状態では、第2始動口12に遊技球が入球できないようになっている。電チュー開閉部材12kは、第2始動口12を閉鎖した状態から右方へと移動することが可能である。この右方への移動により、第2始動口12を開放した開状態をとることができる。そして、電チュー開閉部材12kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口12への入球が可能となる。遊技球が第2始動口12へ入球すると、所定個数(本形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。なお、第2始動口12に入球した遊技球はそのまま遊技領域6の外部へ排出される。
第2始動口12の上方には、普図ゲート13が設けられている。普図ゲート13は、遊技球が通過可能に構成されている。普図ゲート13は、遊技球が通過しても賞球が払い出されないものである。そして、普図ゲート13を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
普図ゲート13の上方には、役連作動ゲート18が設けられている。役連作動ゲート18は、遊技球が通過可能に構成されている。役連作動ゲート18は、遊技球が通過しても賞球が払い出されないものである。そして、役連作動ゲート18を通過した遊技球はそのまま遊技領域6を流下する。
また、遊技領域6における第1始動入賞装置11Dの下方には、大入賞装置14Dが設けられている。大入賞装置14Dには、遊技球が入球可能な入球態様と、入球態様よりも遊技球の入球が困難な非入球態様とに変化可能な大入賞口14が形成されている。大入賞口14は、大入賞装置14Dが具備するAT(Attacker)可動部材14kの動作によって入球態様と非入球態様とをとる。
AT可動部材14kは、前後方向に進退可能な部材である。大入賞口14は、AT可動部材14kが前方に進出しているとき、入球態様をとる。具体的に、AT可動部材14kが前方に進出した入球態様のとき、AT可動部材14kまで流下してきた遊技球は、AT可動部材14kの上面に沿って移動可能となり、その移動先の大入賞口14へと遊技球が導かれ得る。これにより、入球態様では、大入賞口14への遊技球の入球が可能となっている。一方、大入賞口14は、AT可動部材14kが後方に退避しているとき、非入球態様をとる。AT可動部材14kが後方へと退避した非入球態様であるときには、遊技球がAT可動部材14kによって大入賞口14へと導かれることなく、さらに下方へと流下していく。なお、遊技球が大入賞口14へ入球すると、所定個数(本形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、本形態の大入賞装置14Dは、特定領域と非特定領域とを備えるものである。すなわち、本形態において、大入賞口14に入球した後の遊技球の経路として、特定領域を通るルートと、非特定領域を通るルートとが設けられている。そのため、大入賞装置14Dは、大入賞口14に入球した遊技球を、特定領域を通過するルートおよび非特定領域を通過するルートのいずれかに振り分ける振分部材を有している。なお本パチンコ遊技機PY1では、特定領域への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域は、確変作動口ではない。
なお、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、および一般入賞口10への遊技球の入球や、普図ゲート13、役連作動ゲート18への遊技球の通過をまとめて、第1始動口11、第2始動口12、大入賞口14、一般入賞口10、普図ゲート13、および役連作動ゲート18への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域6は、左右方向の中央より左側の左遊技領域6Aと、右側の右遊技領域6Bと、に大別することができる。遊技球が左遊技領域6Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域6Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル72kの操作態様を「右打ち」という。また、遊技領域6において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。
第1流路R1上には、第1始動口11と、複数の一般入賞口10と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口11、または、一般入賞口10への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、役連作動ゲート18と、普図ゲート13と、第2始動口12と、大入賞口14と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、役連作動ゲート18、普図ゲート13、第2始動口12、または大入賞口14への入賞を狙うことができる。また、図3からわかるように、本形態では、第2流路R2を流下する際の遊技球の各経路が複雑に構成されている。第2流路R2における遊技球の各経路については、後に詳述する。
なお、遊技領域6の略最下部には、遊技領域6へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域6の外部へ排出する複数のアウト口19が設けられている。
また、遊技盤ユニットYUの遊技盤1には、表示器類8が設けられている。表示器類8は、遊技領域6の外側における左下の箇所に位置している。表示器類8は、大当たり抽選の結果等、遊技の進行状態を表示することができるものである。この表示器類8については、後に詳述する。
また、遊技盤ユニットYUは、遊技盤1の後方の演出ユニットEUに設けられた、画像表示装置50、第1可動装置55、第2可動装置56を有している。画像表示装置50は、表示部(表示画面)50aに所定の演出画像を表示可能なものである。画像表示装置50は、本形態においては、液晶ディスプレイである。また、画像表示装置50は、その表示部50aが、遊技盤ユニットYUの中央付近に位置するように設けられている。このため、遊技者は、遊技盤1の開口部1Aを通して画像表示装置50の表示部50aを視認することが可能である。
画像表示装置50は、表示部50aに、例えば、演出図柄EZを表示可能である。本形態の演出図柄EZは、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3により構成されている。左演出図柄EZ1は中演出図柄EZ2の左側に、右演出図柄EZ3は中演出図柄EZ2の右側に表示される。なお、本形態では、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2、右演出図柄EZ3を総称する場合に「演出図柄EZ1,EZ2,EZ3または演出図柄EZ1〜EZ3」ということもある。
演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はそれぞれ、遊技者が識別可能な複数の識別情報で構成される。本形態では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は主に「1」〜「8」までの数字を含む図柄で構成される。そして、演出図柄EZの変動表示においては、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字を含む図柄群が、正面視で上下方向に並んで表示部50aの上から下にスクロールする。このとき、表示部50aに表示され、視認される数字が次々に入れ替わる。
なお、演出図柄EZの変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様に限られず、左右方向(例えば、右から左)にスクロールする態様など他の態様であってもよい。また、スクロール表示ではなく所定の定位置で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字を含む図柄群が次々に入れ替わる(例えば、その定位置で自転する)態様であってもよい。
そして、特図が停止表示されるときに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が所定の配列(組み合わせ)で停止表示される。すなわち、変動表示において表示部50a内で次々に入れ替わっていた様々な数字を含む図柄が1つに特定される。このとき、停止表示した演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせによって、特図抽選の結果が、わかりやすく表示される。つまり遊技者は、一般的には特図抽選の結果を、画像表示装置50の表示部50aにて把握する。
また、演出図柄EZの変動表示においては、リーチ演出が行われることがある。リーチとは、特図変動演出において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を用いて遊技者に大当たりを期待させることができる演出である。具体的に、リーチは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3のうちでスクロール表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、スクロール表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「5↓5」の状態)のことである。
なお、リーチにおいてスクロール表示されていない演出図柄は、表示部50a内の所定位置で仮停止している。仮停止とは、所定の演出図柄が略所定位置で留まり(所定の演出図柄が表示部50a内に表示され続け)、すなわち、異なる演出図柄に入れ替わることはないものの、微小な変動(例えば、多少の上下方向の往復運動の繰り返し、また、多少の揺動の繰り返し、また、拡大と縮小の繰り返しなど)のことである。なお、仮停止の態様はこれらに限られず、適宜に設定しても良い。
また、画像表示装置50は、上記のような演出図柄EZの変動演出(「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示部50aに表示する。なお演出図柄変動演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。
また、第1可動装置55、第2可動装置56は、装飾可能な装飾部であるとともに、演出図柄EZの変動演出等(リーチの発生時や大当たり)に合わせた動作を可能な装置である。その演出動作により、第1可動装置55、第2可動装置56は、遊技者の期待感や満足感を高め、遊技興趣性の向上を図ることができる。第1可動装置55、第2可動装置56を含む演出ユニットEUについては、後に詳述する。
図4は、遊技盤1に設けられている表示器類8の拡大図である。図4に示すように、表示器類には、第1特別図柄(以下、「特図1」という)を可変表示する特図1表示器81a、第2特別図柄(以下、「特図2」という)を可変表示する特図2表示器81b、及び、普通図柄(以下、「普図」という)を可変表示する普図表示器82が含まれている。また、表示器類には、後述する特図1保留数を表示する特図1保留表示器83a、および後述する特図2保留数を表示する特図2保留表示器83bが含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口11への入賞を契機とした特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口12への入賞を契機とした特図2抽選が行われると実行される。特図1抽選、および特図2抽選については後述する。なお、以下の説明では、特図1、および特図2を総称して「特図」といい、特図1抽選、および特図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特図1表示器81a、および特図2表示器81bを総称して「特図表示器81」という。さらに、特図1保留表示器83a、および特図2保留表示器83bを総称して「特図保留表示器83」という。
特図の可変表示は、特図抽選の結果を報知する。特図の可変表示では、特図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された特図(停止特図)は、可変表示の表示結果として導出された特図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された特図が予め定めた特定の特図である場合には、大入賞口14の開放を伴う大当たり遊技が行われる。
特図1表示器81a、および特図2表示器81bはそれぞれ、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図1表示器81a、および特図2表示器81bの点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選の結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口11または第2始動口12へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口11または第2始動口12への入賞があった場合である。この場合、所定個数を上限として、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示を実行する権利が留保される。この留保された権利のことを「特図保留」という。
特図保留には、第1始動口11への入賞に基づいて留保された特図1抽選、および特図1の可変表示を実行する権利を表す「特図1保留」と、第2始動口12への入賞に基づいて留保された特図2抽選、および特図2の可変表示を実行する権利を表す「特図2保留」と、がある。そして、特図1保留の数、すなわち留保されている特図1抽選および特図1の可変表示を実行する権利の数を特図1保留表示器83aが表示する。一方、特図2保留の数、すなわち留保されている特図2抽選、および特図2の可変表示を実行する権利の数を特図2保留表示器83bが表示する。
特図1保留表示器83aおよび特図2保留表示器83bのそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図1保留および特図2保留の数の分だけLEDを点灯させることにより特図1保留および特図2保留の数を表示する。なお、以下において、特図1保留の数を「特図1保留数(U1)」といい、特図2保留数の数を「特図2保留数(U2)」という。また、「特図1保留数」や「特図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特図1保留表示器83a」と「特図2保留表示器83b」とを総称して「特図保留表示器83」という。
また、普図の可変表示は、遊技球の普図ゲート13の通過を契機とした普図抽選が行われると実行される。そして、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示した後に停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口12の開放を伴う補助遊技が行われる。
普図表示器82は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器82の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選の結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、本形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
次に、遊技盤ユニットYUの演出ユニットEUの構成について説明する。図5は、演出ユニットEUの正面図である。つまり、図5は、遊技盤1を取り外した状態の遊技盤ユニットYUである。
図5に示すように、演出ユニットEUは、主な演出用の装置として、画像表示装置50と、第1可動装置55および第2可動装置56を有している。画像表示装置50は、前述した通り、表示部50aに、演出図柄EZをはじめ、種々の所定画像を表示可能なものである。また、図5には、第1可動装置55および第2可動装置56について、待機状態を示している。すなわち、待機状態における第1可動装置55は上方に位置しており、待機状態における第2可動装置56は下方に位置している。第1可動装置55および第2可動装置56はともに、画像表示装置50の前方側にて移動可能な可動部を備えている。
第1可動装置55は、可動部として、上下方向に移動が可能な第1上下移動部500、左右方向に延びる回転軸を軸中心として回転移動が可能な第1左右軸回転部530、揺動が可能な第1揺動部540、ともに前後方向に延びる回転軸を軸中心として回転移動が可能な第1左側前後軸回転部550および第1右側前後軸回転部560を有している。第1左側前後軸回転部550および第1右側前後軸回転部560は、第1揺動部540に設けられている。第1揺動部540は、第1左右軸回転部530に設けられている。第1左右軸回転部530は、第1上下移動部500に設けられている。
このため、第1上下移動部500が移動したとき、その移動に伴って、第1左右軸回転部530、第1揺動部540、第1左側前後軸回転部550、第1右側前後軸回転部560はいずれも移動する。また、第1左右軸回転部530が回転移動したとき、その回転移動に伴って、第1揺動部540、第1左側前後軸回転部550、第1右側前後軸回転部560はいずれも回転移動する。さらに、第1揺動部540が揺動したとき、第1左側前後軸回転部550、第1右側前後軸回転部560はいずれも揺動する。
また、第1上下移動部500を上下に移動させる機構として、第1左側上下送りねじ590、第1左側上下モータ590m、第1右側上下送りねじ591、第1右側上下モータ591mを備えている。第1左側上下送りねじ590は、軸方向を上下方向(鉛直方向)に合わせ、第1上下移動部500の左側に設けられている。第1左側上下モータ590mは、第1左側上下送りねじ590を回転させることができる駆動源である。第1右側上下送りねじ591は、軸方向を上下方向に合わせ、第1上下移動部500の右側に設けられている。第1右側上下モータ591mは、第1右側上下送りねじ591を回転させることができる駆動源である。
第1上下移動部500は、左部に設けられた第1左側上下部510と、右部に設けられた第1右側上下部520とを有している。第1左側上下部510は、第1左側上下送りねじ590に対応したナット部材を備えており、第1左側上下送りねじ590の回転に伴って、上下方向に移動可能である。第1右側上下部520は、第1右側上下送りねじ591に対応したナット部材を備えており、第1右側上下送りねじ591の回転に伴って、上下方向に移動可能である。
このため、本形態の第1上下移動部500については、第1左側上下部510および第1右側上下部520を同時に同じ速度で移動させることもできるし、それぞれ独立して移動させることもできる。つまり、第1左側上下部510および第1右側上下部520のどちらか一方をのみを移動させることもできるし、一方を他方よりも速い速度で移動させることもできる。さらに、一方を上向きに移動させつつ、他方を下向きに移動させるようなことも可能である。
また、第1可動装置55には、第1左右軸回転モータ530m、第1揺動モータ540m、第1左側前後軸回転モータ550m、第1右側前後軸回転モータ560mが設けられている。第1左右軸回転モータ530mは、第1左右軸回転部530を回転移動することができる駆動源であり、第1左側上下部510に設けられている。第1揺動モータ540mは、第1揺動部540を揺動させることができる駆動源であり、第1揺動部540に設けられている。第1左側前後軸回転モータ550mは、第1左側前後軸回転部550を回転移動することができる駆動源であり、第1揺動部540に設けられている。第1右側前後軸回転モータ560mは、第1右側前後軸回転部560を回転移動することができる駆動源であり、第1揺動部540に設けられている。
第2可動装置56は、可動部として、上下方向に移動が可能な第2上下移動部600、左右方向に移動が可能な第2左右移動部610、前後方向に延びる回転軸を軸中心として回転移動が可能な第2前後軸回転部630を有している。第2前後軸回転部630は、第2左右移動部610に設けられている。第2左右移動部610は、第2上下移動部600に設けられている。
このため、第2上下移動部600が移動したとき、その移動に伴って、第2左右移動部610、第2前後軸回転部630はいずれも移動する。また、第2左右移動部610が移動したとき、その移動に伴って、第2前後軸回転部630は移動する。
また、第2上下移動部600を上下に移動させる機構として、第2左側上下送りねじ690、第2右側上下送りねじ691、第2上下モータ690mを備えている。第2左側上下送りねじ690は、軸方向を上下方向に合わせ、第2上下移動部600の左側に設けられている。第2右側上下送りねじ691は、軸方向を上下方向に合わせ、第2上下移動部600の右側に設けられている。第2上下モータ690mは、第2左側上下送りねじ690および第2右側上下送りねじ691をともに回転させることができる駆動源である。
第2上下移動部600は、左部に設けられた第2左側上下部601と、右部に設けられた第2右側上下部602とを有している。第2左側上下部601は、第2左側上下送りねじ690に対応したナット部材を備えており、第2左側上下送りねじ690の回転に伴って、上下方向に移動可能である。第2右側上下部602は、第2右側上下送りねじ691に対応したナット部材を備えており、第2右側上下送りねじ691の回転に伴って、上下方向に移動可能である。これにより、第2上下移動部600は、第2左側上下送りねじ690および第2右側上下送りねじ691の回転に伴って、上下方向に移動可能である。
また、第2可動装置56には、第2左右モータ610m、第2前後軸回転モータ630mが設けられている。第2左右モータ610mは、第2左右移動部610を左右方向に移動することができる駆動源であり、第2左右移動部610に設けられている。第2前後軸回転モータ630mは、第2前後軸回転部630を回転移動することができる駆動源であり、第2左右移動部610に設けられている。
さらに、図5に示すように、第1左側上下送りねじ590と第2左側上下送りねじ690との間には、これらと平行に延びる左側ガイドシャフト57が設けられている。また、第1右側上下送りねじ591と第2右側上下送りねじ691との間には、これらと平行に延びる右側ガイドシャフト58が設けられている。そして、第1上下移動部500の第1左側上下部510には左側ガイドシャフト57が挿入されたブッシュが、第1右側上下部520には右側ガイドシャフト58が挿入されたブッシュがそれぞれ設けられている。
また、第2上下移動部600の第2左側上下部601には左側ガイドシャフト57が挿入されたブッシュが、第2右側上下部602には右側ガイドシャフト58が挿入されたブッシュがそれぞれ設けられている。これにより、左側ガイドシャフト57および右側ガイドシャフト58は、第1上下移動部500および第2上下移動部600の上下方向の移動をガイドすることができるものとなっている。
次に、右遊技領域6Bに設けられている各領域、および、第2流路R2を構成する各経路について詳細に説明する。図6は、役連作動ゲート18や普図ゲート13の周辺部分の拡大図である。図6に示すように、役連作動ゲート18や普図ゲート13の周辺には、遊技釘や壁面等の遊技盤面6fから突出した部材等が設けられている。これにより、図6に示すように、役連作動ゲート18や普図ゲート13の周辺には、複数の領域が存在している。
役連領域X1は、役連作動ゲート18上方の役連入口X11から、役連作動ゲート18下方の役連出口X12まで延びる領域である。役連入口X11は、第1役連入口釘200と第2役連入口釘201との間の位置である。役連出口X12は、第1役連出口釘202と第1役連出口釘203との間の位置である。また、役連領域X1における役連入口X11から役連出口X12までの間の部分は、遊技盤面6fから前方に突出した左方役連壁部210と右方役連壁部211とで挟まれて構成されている。さらに、役連領域X1は、役連作動ゲート18における遊技球の通過を検知可能な検知位置18bを含む領域である。
また、本形態の役連領域X1は、真っ直ぐではなく、屈曲している。具体的に、本形態の役連領域X1は、一旦、右方へと屈曲した後、左方へと屈曲している。なお、当然、屈曲の態様は、このようなものに限定されるものではない。例えば、屈曲の方向が本形態とは逆であっても、屈曲数が本形態とは異なっていてもよい。
役連領域X1の下方には、普図領域X2が設けられている。普図領域X2は、普図ゲート13上方の普図入口X21から、普図ゲート13の下方まで延びる領域である。普図入口X21は、第1普図入口釘230と第2普図入口釘231との間の位置である。第1普図入口釘230および第2普図入口釘231はそれぞれ、第1役連出口釘202および第1役連出口釘203の左斜め下に位置している。また、普図領域X2は、普図ゲート13における遊技球の通過を検知可能な検知位置13bを含む領域である。なお、本形態では、普図ゲート13は、役連作動ゲート18と左右方向の位置を合わせて設けられている。つまり、普図ゲート13は、役連作動ゲート18の真下に配置されている。
第1非役連領域X3は、第1非役連入口X31から下方に向けて延びる領域である。第1非役連入口X31は、第1役連入口釘200の左方に位置している。そして、第1非役連領域X3は、全体として役連領域X1および普図領域X2よりも左方に位置している。このため、第1非役連領域X3は、役連作動ゲート18の検知位置18bを含まない領域である。また、第1非役連領域X3は、普図ゲート13の検知位置13bについても含まない領域である。
第2非役連領域X4は、第2非役連入口X41から、それよりも下方の第2非役連出口X42までの延びる領域である。第2非役連入口X41は、第2役連入口釘201の右方に位置している。第2非役連出口X42は、第1非役連領域X3に設けられている。また、第2非役連領域X4は、第2非役連入口X41から第2非役連出口X42までの間に、トンネル部220によって構成された部分がある。
トンネル部220は、第1トンネル開口部221から第2トンネル開口部222まで繋がっている。第1トンネル開口部221および第2トンネル開口部222はともに、遊技盤面6fに開口している。第2トンネル開口部222は、上下方向について第1トンネル開口部221よりも下方に位置しており、左右方向については第1トンネル開口部221とズレて設けられている。具体的には、第2トンネル開口部222は、左右方向について、第1トンネル開口部221よりも左方に位置している。さらに、トンネル部220は、第1トンネル開口部221が役連領域X1よりも右方に、第2トンネル開口部222が役連領域X1よりも左方に位置している。なお、本形態において、第2トンネル開口部222は、第1非役連領域X3に開口しており、第2非役連出口X42でもある。
第1トンネル開口部221の下部には、遊技盤面6fから前方へと突出しており、遊技球を第1トンネル開口部221からトンネル部220内部へと導くことが可能な導入部223が設けられている。また、トンネル部220は、第1トンネル開口部221から第2トンネル開口部222までの間が、遊技盤面6fよりも後方に形成されている。このため、第2非役連領域X4のトンネル部220は、遊技球を一旦、遊技盤面6fよりも後方へと導いた後、遊技盤面6fの前方へと導くことが可能な通路である。
また、役連領域X1と普図領域X2との間には、分岐領域X5の分岐入口X51が設けられている。分岐入口X51は、第1役連出口釘203と第2普図入口釘231との間の位置である。つまり、分岐入口X51は、第2普図入口釘231の右方に位置している。そして、分岐領域X5は、分岐入口X51から下方に向けて延びる領域である。これにより、分岐領域X5は、普図領域X2の右方に設けられており、普図ゲート13の検知位置13bを含まない領域である。なお、分岐領域X5は、役連作動ゲート18の検知位置18bについても含まない領域である。
続いて、役連領域X1、普図領域X2、第1非役連領域X3、第2非役連領域X4、分岐入口X51を流下する際の遊技球の経路について説明する。まず、右遊技領域6Bへと進入してきた遊技球は、役連作動ゲート18の上方まで流下した後、第1役連入口釘200と第2役連入口釘201とによって隔てられた役連入口X11、第1非役連入口X31、第2非役連入口X41のいずれかに到達する。
遊技球が役連入口X11へと到達した場合、その遊技球は、役連領域X1内を通る役連経路XR1に沿って移動(流下)し、役連出口X12へと到達する。また、遊技球は、役連経路XR1を通過することで、役連作動ゲート18の検知位置18bを通過することとなる。つまり、役連経路XR1は、役連入口X11に到達した遊技球が流下可能であり、役連作動ゲート18が設けられた経路である。さらに、前述したように役連領域X1が屈曲していることで、役連経路XR1も屈曲した屈曲区間XR11を有している。そして、役連経路XR1を通過して役連出口X12へと到達した遊技球は、第2普図入口釘231によって隔てられた普図入口X21、分岐入口X51のいずれかに到達する。
遊技球が第1非役連入口X31へと到達した場合、その遊技球は、第1非役連領域X3内を通る第1非役連経路XR3に沿って移動する。本形態の第1非役連経路XR3は、前述したように、役連作動ゲート18の検知位置18bおよび普図ゲート13の検知位置13bをどちらも含んでいない。このため、第1非役連経路XR3を通過した遊技球は、役連作動ゲート18および普図ゲート13をどちらも通過することなく、それらよりも下方へと向かう。
遊技球が第2非役連入口X41へと到達した場合、その遊技球は、第2非役連領域X4内を通る第2非役連経路XR4に沿って移動する。具体的には、遊技球は、第2非役連入口X41を通過し、第1トンネル開口部221からトンネル部220内部へと移動する。さらに、トンネル部220内部を通過して第2トンネル開口部222である第2非役連出口X42へと到達する。
ここで、前述したように、第2非役連出口X42は、第1非役連領域X3に設けられている。つまり、第2非役連出口X42において、第2非役連経路XR4は、第1非役連経路XR3と合流している。このため、第2非役連経路XR4を通過した遊技球は、第2非役連出口X42に到達した以降は、第1非役連経路XR3に沿って移動する。
また、前述したように、トンネル部220は、第1トンネル開口部221が役連領域X1よりも右方に、第2トンネル開口部222が役連領域X1よりも左方に設けられているとともに、その間が、遊技盤面6fよりも後方に形成されている。このため、第2非役連経路XR4は、役連経路XR1の後方を横切っている。よって、第2非役連経路XR4を通過した遊技球は、役連作動ゲート18のおよび普図ゲート13をどちらも通過することなく、それよりも下方へと向かう。
なお、第2トンネル開口部222が第1非役連領域X3に開口しているため、第1非役連経路XR3を通過した遊技球が、第2トンネル開口部222より、トンネル部220内部へと進入することはある。しかし、第2トンネル開口部222は、前述したように、第1トンネル開口部221よりも下方に位置している。このため、第2トンネル開口部222よりトンネル部220内部へと進入した遊技球は、第1トンネル開口部221を通過することなく、第2トンネル開口部222を通過して第1非役連経路XR3へと戻るようになっている。
また、役連経路XR1を通過した遊技球は、普図入口X21へと到達することがある。役連経路XR1を通過した遊技球が普図入口X21へと到達した場合、その遊技球は、普図領域X2内を通る普図経路XR2に沿って移動する。遊技球は、普図経路XR2を通過することで、普図ゲート13の検知位置13bを通過することとなる。つまり、普図経路XR2は、普図入口X21に到達した遊技球が流下可能であり、普図ゲート13が設けられた経路である。なお、普図経路XR2を移動した遊技球は、普図ゲート13を通過した後、その下方へと向かう。
また、役連経路XR1は、普図経路XR2の普図入口X21まで遊技球を流下させることが可能な経路である。このため、役連経路XR1と普図経路XR2とをあわせた経路は、役連作動ゲート18、普図ゲート13がこの順で設けられており、遊技球を、役連作動ゲート18、普図ゲート13へとこの順に通過させることが可能な経路となっている。
また、役連経路XR1を通過した遊技球は、分岐入口X51へと到達することもある。役連経路XR1を通過した遊技球が分岐入口X51へと到達した場合、その遊技球は、分岐領域X5内を通る分岐経路XR5に沿って移動する。本形態の分岐経路XR5は、前述したように、普図ゲート13の検知位置13bを含んでいない。このため、分岐経路XR5を通過した遊技球は、普図ゲート13を通過することなく、普図ゲート13右方を迂回してその下方へと向かう。
そして、本形態では、上記のように構成されていることで、遊技興趣を高めることが可能になっている。すなわち、本形態では、役連入口X11へと到達した遊技球を役連作動ゲート18へと通過させることが可能な役連経路XR1が設けられている。このため、遊技者が役連作動ゲート18を狙っている際には、役連経路XR1の存在によって、遊技球が役連作動ゲート18へと通過する頻度を高めることが可能である。これにより、遊技球が狙った位置へと移動しないことによる遊技者のストレスを軽減可能であり、遊技興趣の向上が可能となっている。
なお、右遊技領域6Bへと進入した遊技球がすべて役連作動ゲート18に通過する場合よりも、適度に役連作動ゲート18への通過を見込める場合の方が、遊技興趣を向上させることができる。そこで、本形態では、役連経路XR1の左右には、ともに役連作動ゲート18を通過しない第1非役連経路XR3および第2非役連経路XR4が設けられている。この第1非役連経路XR3および第2非役連経路XR4の存在により、右遊技領域6Bへと進入した遊技球がすべて、役連作動ゲート18に通過してしまうことがないようになっている。
また、本形態では、前述したように、第2非役連経路XR4が、役連経路XR1の後方を横切っている。このため、本形態では、第2非役連経路XR4の第2非役連入口X41の下方には、第2非役連入口X41を通過した遊技球を移動させるための経路を設けていない。さらに、第2非役連経路XR4は、役連経路XR1の後方を横切った後、第1非役連経路XR3に合流している。これにより、その合流位置の下側における遊技球の経路を、合流位置の上側よりも少なくすることが可能である。すなわち、遊技球の移動経路を少なくすることで、その分、他の用途にスペースを活用することが可能な構成となっている。
これにより、本形態では、右遊技領域6Bの第2非役連出口X42の位置での左右方向の大きさが小さなものとなっている。さらに、その右遊技領域6Bを小さくした分、遊技盤1の中央付近の開口部1Aを右側に大きくし、その後方に位置する画像表示装置50として、表示部50aの大きなものを採用している。そして、表示部50aの大きな画像表示装置50を採用していることで、より迫力のある演出を行うことが可能となっている。さらには、第1可動装置55や第2可動装置56として、大型のものを採用することが可能となっている。加えて、第1可動装置55や第2可動装置56として、左右方向の可動範囲が広いものを採用することが可能となっている。これにより、遊技興趣の向上が可能となっている。
また、上記のように第2非役連経路XR4を構成し、移動経路を少なくしていることで、本形態では、左右方向の狭い右遊技領域6Bの部分において、役連経路XR1に屈曲区間XR11を設けることが可能となっている。そして、屈曲区間XR11では、遊技球を左右方向に移動させつつ流下させることが可能であり、遊技球の動きによって興趣性の向上を図ることが可能となっている。さらには、屈曲区間XR11を左右方向に大きく形成可能であることで、屈曲区間XR11における遊技球の動きを左右方向に大きくすることが可能となっている。すなわち、ダイナミックな左右方向の遊技球の動きによって、より高い遊技興趣を備えることが可能となっている。
また、屈曲区間XR11を設けるとともに、役連経路XR1の下方に、普図経路XR2と分岐経路XR5とを設けることが可能となっている。具体的には、役連経路XR1の役連出口X12と普図経路XR2の普図入口X21とを左右方向についてズラして設けつつ、役連出口X12から普図入口X21までの間に、分岐経路XR5への分岐入口X51を設けている。これにより、役連経路XR1を通過した遊技球が必ずしも普図経路XR2を通過することがないような構成となっている。これにより、遊技者には、役連経路XR1を通過した遊技球が普図経路XR2へと向かうことを適度に期待させることが可能な構成となっており、遊技球が分岐経路XR5の分岐入口X51が設けられている箇所を通過する際の興趣を向上させることが可能となっている。
また、本形態では、役連経路XR1と普図経路XR2とを上下に配置することによっても、右遊技領域6Bの左右方向の大きさが小さくなっている。例えば、役連作動ゲート18と普図ゲート13とを左右方向に並べて配置した場合、その分、左右方向に並ぶ移動経路が多くなり、右遊技領域6Bが左右方向に大きなものとなってしまう。しかし、本形態では、役連経路XR1と普図経路XR2とを上下に配置することで、その位置での右遊技領域6Bの左右方向の大きさを小さくしつつ、画像表示装置50として表示部50aの大きなものを採用する等、遊技興趣を高めることが可能となっている。
次に、電チュー12Dの周辺部分の各領域、各経路について説明する。図7は、電チュー12Dの周辺部分の拡大図である。図7に示すように、電チュー12Dの周辺には、遊技釘や壁面部301、302等の遊技盤面6fから突出した部材等が設けられている。これにより、図7に示すように、電チュー12Dの周辺には、複数の領域が存在している。これらの領域について、図7を参照しつつ、電チュー12Dの上方(遊技球の移動方向について上流)に位置する交差領域YZを基準に説明する。
交差領域YZの右方、すなわち、遊技球の移動方向について交差領域YZの上流には、上流領域Y1が設けられている。上流領域Y1は、上流入口Y11から交差領域YZまで、左右方向に延びる領域である。また、上流入口Y11は、上流釘300の右側に位置している。交差領域YZの下方、すなわち、遊技球の移動方向について交差領域YZの下流には、案内領域Y2が設けられている。案内領域Y2は、交差領域YZから第2始動口12まで、上下方向に延びる領域である。図7には、案内領域Y2の案内入口Y21を示している。
本形態の案内領域Y2は、案内入口Y21の大きさが、複数の遊技球が同時に通過できない大きさのものである。つまり、案内入口Y21は、遊技球が1つずつしか通過できない大きさである。これにより、案内入口Y21に同時に到達した複数の遊技球は、案内入口Y21を通過する際には、1列に整列した状態で案内入口Y21を通過することとなる。
また、上流釘300の左側には、非電チュー領域Z1の非電チュー入口Z11が設けられている。非電チュー領域Z1は、非電チュー入口Z11から延びる領域であり、遊技球を、第2始動口12への入賞が見込めない位置まで移動させることが可能な領域である。図7に示すように、非電チュー領域Z1は、壁面部301によって、上流領域Y1、案内領域Y2、交差領域YZと隔てられている。
ただし、壁面部301には、交差領域YZの左方位置に、遊技球が通過可能な大きさの連通孔310が形成されている。そして、この連通孔310により、交差領域YZから非電チュー領域Z1まで延びる非案内領域Z2が設けられている。つまり、交差領域YZは、右方に上流領域Y1が、下方に案内領域Y2が、左方に非案内領域Z2が隣接した領域となっている。
続いて、上流領域Y1、案内領域Y2、交差領域YZ、非電チュー領域Z1、非案内領域Z2を流下する際の遊技球の経路について説明する。まず、右遊技領域6Bを上流釘300の上方周辺まで流下してきた遊技球は、上流釘300によって隔てられた上流入口Y11、非電チュー入口Z11のいずれかに到達する。
遊技球が非電チュー入口Z11へと到達した場合、その遊技球は、非電チュー領域Z1内を通る非電チュー経路ZR1に沿って移動(流下)し、第2始動口12よりも遊技球の移動方向について下流側、つまり第2始動口12の左方まで移動する。これにより、非電チュー経路ZR1に沿って移動した遊技球は、第2始動口12への入賞が見込めない位置へと到達することとなる。
遊技球が上流入口Y11へと到達した場合、その遊技球は、上流領域Y1内を通る上流経路YR1に沿って移動する。このため、上流経路YR1に沿って移動した遊技球は、交差領域YZの交差位置YZPへと到達する。
交差位置YZPへと到達した遊技球のその後の移動経路としては、案内領域Y2内を通る案内経路YR2と、非案内領域Z2内を通る非案内経路ZR2とがある。非案内経路ZR2は、交差位置YZPに到達した遊技球を、非電チュー経路ZR1へと移動させることが可能な経路である。つまり、非案内経路ZR2に沿って移動した遊技球はその後、非電チュー経路ZR1に沿って移動し、第2始動口12への入賞が見込めない位置へと到達する。
案内経路YR2は、交差位置YZPに到達した遊技球を、下方の第2始動口12に向けて移動させることが可能な経路である。つまり、案内経路YR2に沿って移動した遊技球は、電チュー開閉部材12kが開状態であるときには第2始動口12に入賞する。一方、案内経路YR2に沿って移動した遊技球は、電チュー開閉部材12kが閉状態であるときには、第2始動口12には入賞せず、電チュー開閉部材12kの上面に沿って左方へと移動することとなる。
なお、案内領域Y2における第2始動口12の上方であって右方には、アウト口19が設けられている。このため、案内領域Y2に沿って上下方向に流下せず、右寄りに移動しつつ流下してしまった遊技球は、アウト口19へと入ってしまうことがある。
そして、電チュー12Dの周辺部分が上記のような構成となっている本形態においては、第2始動口12への入賞率を高めることが可能である。すなわち、本形態では、まず、第2始動口12へ、複数の遊技球が同時に到達してしまうことがないようになされている。
具体的には、第2始動口12へと遊技球を案内可能な案内経路YR2の案内入口Y21が、前述したように、遊技球が1つずつしか通過できない大きさとされている。これにより、案内経路YR2は、複数の遊技球が同時に進入することができない単進入経路となっている。このため、案内経路YR2により遊技球を1つずつ、第2始動口12に向けて移動させることが可能である。よって、第2始動口12に同時に複数の遊技球が進入しようとした場合に生じる、第2始動口12における球詰まりが抑制されている。遊技者が第2始動口12への入賞を狙っている際に、第2始動口12での球詰まりが生じた場合、遊技球を第2始動口12へ入賞させることができなくなってしまうおそれがある。このような場合、遊技興趣が低下してしまうおそれがある。また、遊技者に有利であることが多い第2始動口12のような入賞口での球詰まりは、とりわけ遊技興趣が低下してしまうおそれがある。
しかし、本形態では、案内経路YR2が単進入経路であることにより、第2始動口12へ複数の遊技球が同時に到達してしまうことを抑制することができるため、第2始動口12における球詰まりを防止することが可能である。これにより、遊技者が有利な状態で円滑に遊技を進行できるようになされている。
なお、単進入経路である案内経路YR2の案内入口Y21が同時に複数の遊技球が通過できないため、同時に複数の遊技球が進入する状態となった場合には、案内入口Y21にて球詰まりが生じてしまうおそれがある。また、本形態では、上流経路YR1が案内経路YR2に対して交差する向きに遊技球を移動するものであるため、上流経路YR1を移動してきた遊技球が複数、同時に案内入口Y21へと進入する状態となってしまいやすい傾向にある。
そこで、本形態では、上流経路YR1と案内経路YR2とが交差する交差位置YZPから延びる非案内経路ZR2が設けられている。よって、上流経路YR1を移動してきた遊技球が複数、同時に案内入口Y21へと進入するような状態となった場合には、それら複数の遊技球同士が案内入口Y21の上部で弾き合い、案内経路YR2へと進入できなかった遊技球が、非案内経路ZR2へと移動するようにすることが可能となっている。これにより、案内入口Y21における遊技球の球詰まりが抑制可能となっている。
また、本形態では、図7に示すように、上流経路YR1と案内経路YR2とのなす角が、約90°である。これに対し、上流経路YR1と非案内経路ZR2とのなす角が、約180°となっている。なお、本形態では、2つの経路同士がなす角は、角度の小さい方の角を指す。つまり、本形態では、上流経路YR1と非案内経路ZR2とのなす角が、上流経路YR1と案内経路YR2とのなす角よりも大きなものとなっている。
このため、上流経路YR1を流下してきた遊技球の移動の向きは、案内経路YR2よりも、非案内経路ZR2に沿っている。よって、本形態では、案内経路YR2へと進入できなかった遊技球が、非案内経路ZR2へと移動しやすい構成となっている。従って、案内入口Y21における遊技球の詰まりをより適切に抑制可能となっている。
また、本形態の案内経路YR2は、遊技球を下向き、すなわち重力に沿った向きへと遊技球を移動可能な経路である。このように案内経路YR2が重力に沿った向きへと遊技球を案内可能な経路である場合、その案内入口Y21に複数の遊技球が同時に到達したときに球詰まりが生じやすい傾向にある。しかし、本形態では、上記の通り、非案内経路ZR2の存在によって案内入口Y21における球詰まりが生じにくく、遊技興趣の低下を抑制可能である。
また、本形態では、上記のように、案内経路YR2付近における遊技球の詰まりを抑制しつつ、案内経路YR2によって適切に、第2始動口12へ向けて遊技球を案内可能なものとなっている。具体的に、本形態の案内領域Y2には、案内溝330が設けられている。案内溝330は、遊技盤面6fに開口する穴であり、本形態においては、図7に示すように、案内経路YR2に沿った方向を長手方向とする長円形状のものである。このような案内溝330は、その長手方向に適切に遊技球を案内可能であるとともに、安価に構成することが可能である。なお、本形態の案内溝330は、遊技球が内部に入り込んで詰まってしまうことがないよう、その短手方向の幅が、遊技球の直径よりも狭いものとされている。
そして、本形態では、遊技球を、案内溝330によって案内可能であることで、案内経路YR2における遊技球の挙動を安定させつつ、案内経路YR2に沿って適切に移動させることが可能になっている。これにより、第2始動口12へ向けて適切に遊技球を案内可能な構成となっている。
すなわち、遊技球が、上下方向に延びる案内領域Y2内で、例えば、左右方向に揺れるように動いた場合、電チュー開閉部材12kが開状態であっても、第2始動口12の内側へと適切に入らず、第2始動口12の縁に衝突してしまうおそれがある。この場合、第2始動口12へと適切に遊技球を進入させることができないおそれがある。また、案内領域Y2内で左右方向に揺れるように動いた遊技球は、第2始動口12の上方において、右方に設けられているアウト口19や、第2始動口12よりも左方(下流側)へと流れてしまう頻度が高くなってしまう。しかし、案内溝330によって案内経路YR2における遊技球の挙動を安定させることが可能な本形態では、遊技球が第2始動口12へ適切に向かう頻度を高くすることが可能である。
また、本形態では、前述したように、上流経路YR1と非案内経路ZR2とのなす角が、上流経路YR1と案内経路YR2とのなす角よりも大きなものとなっており、上流経路YR1が、案内経路YR2と交差する方向に設けられている。この場合、上流経路YR1を移動してきた遊技球はそのまま、非案内経路ZR2へと進入するようにも見える。しかし、本形態では、案内溝330によって案内経路YR2へと遊技球を案内可能であることで、遊技者に、予想に反した遊技球の動きを見せることが可能となっている。これにより、遊技興趣の向上が図られている。
なお、案内溝330は、案内経路YR2へと遊技球を進入させる頻度を高めるため、交差領域YZ内にまでおよぶものであってもよい。すなわち、交差領域YZ内から案内領域Y2にかけて形成されていてもよい。また、案内溝330の開口に面取りやR面取りを施しておく場合には、その面取りやR面取りの外縁が交差領域YZ内にまでおよぶようにしておいてもよい。
また、案内溝330が設けられた案内経路YR2によって、遊技者にとって有利となりがちな第2始動口12へと遊技球を適切に案内可能である。これによって、遊技者が有利な状態でより円滑に遊技を進行できるようになされている。
図8には、図3に示すA−A位置での断面図を示している。つまり、図8は、案内経路YR2に沿った縦断面図である。図8に示すように、案内経路YR2や交差位置YZPの前方には、遊技盤1の遊技盤面6fに対向して設けられたカバー部材340が配置されている。つまり、本形態では、案内経路YR2や交差位置YZPは、カバー部材340により、前方が覆われている。また、カバー部材340は、上流経路YR1の前方も覆っている。
また、図8に示すように、遊技盤1には、その交差位置YZPの箇所に、遊技盤面6fよりも前方へと突出した突起350が設けられている。交差位置YZPの突起350は、図7に示すように、上下方向を長手方向とする縦長のものであり、左右に2つ並べて設けられている。このように、交差位置YZPの突起350が、交差位置YZPから案内入口Y21に向かう方向を長手方向とし、その長手方向と交差(具体的には直交)する方向に複数、並べて設けられていることで、交差位置YZPへと到達した遊技球が案内経路YR2に沿って移動する頻度を高くすることが可能となっている。
また、カバー部材340には、遊技盤1に向けて突出した突起341が設けられている。突起341は、交差位置YZPの突起350の下方に位置しているとともに、案内経路YR2の前方に位置している。そして、カバー部材340の突起341の後方には、案内溝330が位置している。
上記のような構成となっていることで、交差位置YZPへと到達した遊技球を、交差位置YZPの突起350に接触させることで、一旦、前方、すなわちカバー部材340に向けて移動させることが可能である。また、交差位置YZPにてカバー部材340に向けて移動しつつ流下した遊技球を、カバー部材340の突起341に接触させることで、後方、すなわち案内溝330の内部に向けて移動させることが可能である。
これにより、本形態では、交差位置YZPに到達した遊技球を、案内溝330によって適切に案内可能となっている。また、図8に示すように、本形態の案内溝330は、その開口に面取り331が施されている。よって、本形態の案内溝330は、面取り331によって、遊技球を案内溝330の短手方向における中央位置へと誘導可能であり、より遊技球を適切に案内可能なものとなっている。従って、本形態では、案内溝330によって、遊技球が案内経路YR2に沿って適切に移動する頻度をより高めることが可能となっている。
図9には、図3に示すB−B位置での断面図を示している。つまり、図9は、上流経路YR1に沿った横断面図である。図9に示すように、遊技盤1には、上流経路YR1の箇所に、遊技盤面6fよりも前方へと突出した第1蛇行突起360が設けられている。第1蛇行突起360は、上流経路YR1における遊技球の移動方向に沿って、複数、設けられている。
また、カバー部材340には、上流経路YR1の箇所に、遊技盤1に向けて突出した第2蛇行突起342が設けられている。第2蛇行突起342は、上流経路YR1における遊技球の移動方向に沿って、複数、設けられている。さらに、複数の第2蛇行突起342はそれぞれ、上流経路YR1における遊技球の移動方向について、複数の第1蛇行突起360と互い違いの配置となるように設けられている。これにより、上流経路YR1には、遊技球の移動方向について、第1蛇行突起360と第2蛇行突起342とが交互に設けられている。
よって、遊技球は、上流経路YR1を移動する際には、第1蛇行突起360と第2蛇行突起342とに交互に接触することで、前後方向に蛇行することとなる。そして、蛇行するように移動させることで、遊技球を、上流経路YR1にて減速させることが可能である。すなわち、本形態では、上流経路YR1に遊技球の移動速度を減速させることが可能な減速区間が設けられている。そして、減速区間を備える上流経路YR1により、遊技球を、それほど速くない速度で交差位置YZPへと到達させることが可能である。
そして、遊技球を減速した状態で交差位置YZPへと到達させることで、遊技球が、交差位置YZPの下方の案内経路YR2の案内入口Y21を飛び越えてしまうことを抑制可能である。つまり、案内入口Y21を飛び越えた遊技球が、非案内経路ZR2へと移動してしまうことを抑制可能である。これにより、本形態では、交差位置YZPへと到達した遊技球を、案内経路YR2へと進入する頻度を高めることが可能となっている。
なお、遊技球の移動速度が遅いほど、他の遊技球を弾くエネルギーが小さくなってしまうため、球詰まりは生じやすくなる傾向にある。しかし、本形態では、交差位置YZPに到達した遊技球のその後の移動経路として、案内経路YR2と非案内経路ZR2とが設けられている等、案内入口Y21における球詰まりが適切に抑制されている。従って、遊技球を減速した状態で交差位置YZPへと到達させたとしても、案内入口Y21における球詰まりが抑制されていることにより、円滑に遊技を行うことが可能である。
図10は、カバー部材340を示す斜視図である。図10には、実線により前方へと取り外した状態のカバー部材340を示しているが、カバー部材340は、実際には遊技盤1に取り付けられている。本形態では、カバー部材340に壁面部301、302が設けられている。また、第2始動口12や連通孔310等も、カバー部材340に形成されている。
図10に示すように、本形態のカバー部材340は、電チュー12Dの周辺部をその前方から覆う部材である。このため、前述した上流領域Y1、案内領域Y2、交差領域YZ、非案内領域Z2は、カバー部材340の後方に位置している。また、カバー部材340は遊技盤1に取り付けられているため、遊技機枠2の前扉23を開状態としても、カバー部材340の後方は、例えば人の手が届きにくい箇所となっている。
よって、カバー部材340の後方で球詰まりが生じた場合、これを解消することは、困難であり、時間がかかってしまうことがある。このため、カバー部材340の後方で球詰まりが生じてしまった場合には、他の箇所で球詰まりが生じた場合よりも、円滑な遊技を阻害してしまう傾向にあるため、遊技興趣が低下しがちである。しかし、本形態では、前述したように、案内入口Y21や、第2始動口12等、カバー部材340の後方における球詰まりが適切に抑制されている。すなわち、球詰まりの解消が困難で時間がかかってしまう箇所での球詰まりが抑制されていることで、遊技興趣の低下が適切に抑制されている。
2.遊技機の電気的構成
次に、図11および図12に基づいて、本パチンコ遊技機PY1における電気的な構成を説明する。図11に示すように、パチンコ遊技機PY1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う遊技制御基板100、遊技球の払い出しに関する制御等を行う払出制御基板170、電源を供給する電源基板190等を備えている。遊技制御基板100は、払出制御基板170と共に、メイン制御部を構成する。
図11に示すように、遊技制御基板100には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)101が実装されている。遊技制御用マイコン101には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)103、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random access memory)104、遊技用ROM103に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)102、データや信号の入出力を行うための遊技用I/Oポート(Input/Outputポート:入出力回路)118が含まれている。なお、遊技用ROM103は外付けであってもよい。
遊技用RAM104には、特図保留記憶部105(特図1保留記憶部105aおよび特図2保留記憶部105b)が設けられている。特図1保留記憶部105aは、記憶可能な特図1保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また特図2保留記憶部105bは、記憶可能な特図2保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。各記憶領域は4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域である。
また遊技用RAM104には、普図保留記憶部106が設けられている。普図保留記憶部106は、記憶可能な普図保留の数に対応した記憶領域からなる。各記憶領域は、普通図柄乱数を記憶する領域である。
また遊技制御基板100には、図11に示すように、遊技盤1に備えられた各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、遊技制御基板100には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには遊技制御基板100から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、一般入賞口センサ10a、第1始動口センサ11a、第2始動口センサ12a、普図ゲートセンサ13a、大入賞口センサ14a、特定領域センサ16a、非特定領域センサ17aが接続されている。
一般入賞口センサ10aは、各一般入賞口10内にそれぞれ設けられて一般入賞口10に入賞した遊技球を検出するものである。第1始動口センサ11aは、第1始動口11内に設けられて第1始動口11に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ12aは、第2始動口12内に設けられて第2始動口12に入賞した遊技球を検出するものである。普図ゲートセンサ13aは、普図ゲート13内に設けられて普図ゲート13を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。役連作動ゲートセンサ18aは、役連作動ゲート18内に設けられて役連作動ゲート18を通過した遊技球を検出するものである。大入賞口センサ14aは、大入賞口14内に設けられて大入賞口14に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ16aは、大入賞口14内の特定領域に設けられて特定領域を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ17aは、大入賞口14内の非特定領域に設けられて非特定領域を通過した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド12s、大入賞口ソレノイド14s、振分ソレノイド16sが接続されている。電チューソレノイド12sは、電チュー開閉部材12kを駆動するものである。大入賞口ソレノイド14sは、大入賞装置14DのAT可動部材14kを駆動するものである。振分ソレノイド16sは、大入賞口14内に入球した遊技球のその後の経路を特定領域または非特定領域に振り分ける振分部材を駆動するものである。
さらに遊技制御基板100には、特図1表示器81a、特図2表示器81b、普図表示器82、特図1保留表示器83a、特図2保留表示器83b、および普図保留表示器84が接続されている。すなわち、これらの表示器類8の表示制御は、遊技制御用マイコン101によりなされる。
また遊技制御基板100は、払出制御基板170に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板170から信号を受信する。払出制御基板170には、払出装置73およびカードユニットCU(パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路175を介して発射装置72が接続されている。発射装置72には、ハンドル72kが含まれる。
払出制御基板170は、遊技制御用マイコン101からの信号や、パチンコ遊技機PY1に接続されたカードユニットCUからの信号に基づいて、払出装置73の払出モータ73mを駆動して賞球の払い出し等を行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のため払出センサ73aにより検知される。なお遊技者による発射装置72のハンドル72kの操作があった場合には、タッチスイッチ72aがハンドル72kへの接触を検知し、発射ボリューム72bがハンドル72kの回転量を検知する。そして、発射ボリューム72bの検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射ソレノイド72sが駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機PY1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また遊技制御基板100は、図12に示す演出制御基板120に対し各種コマンドを送信する。演出制御基板120は、画像制御基板140等とともに演出制御部DKを構成している。遊技制御基板100と演出制御基板120との接続は、遊技制御基板100から演出制御基板120への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、遊技制御基板100と演出制御基板120との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
パチンコ遊技機PY1は、図12に示すように、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行う演出制御基板120と、画像制御を行う画像制御基板140と、音声制御を行う音声制御基板161とを備える。演出制御基板120には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)121が実装されている。
演出制御用マイコン121(演出制御手段)には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM123、ワークメモリとして使用される演出用RAM124、演出用ROM123に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU122、データや信号の入出力を行うための演出用I/Oポート(入出力回路)138が含まれている。なお、演出用ROM123は外付けであってもよい。
演出制御基板120には、画像制御基板140、音声制御基板161、サブ駆動基板162が接続されている。演出制御基板120の演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板140の画像用CPU141に画像表示装置50の表示制御を行わせる。画像制御基板140の画像用RAM143は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板140の画像用ROM142には、画像表示装置50に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板140の画像用CPU141は、演出制御用マイコン121からの指令に基づいて画像用ROM142から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
また演出制御基板120には、演出ボタン検知センサ40a、セレクトボタン検知センサ42a、第1検知センサ643、第2検知センサ647が接続されている。演出ボタン検知センサ40aは、演出ボタン装置40が操作されたことを検出するものである。演出ボタン装置40が操作されると演出ボタン検知センサ40aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検知センサ42aは、セレクトボタン42kが操作されたことを検出するものである。セレクトボタン検知センサ42aが操作されるとセレクトボタン検知センサ42aから演出制御基板120に対して検知信号が出力される。
第1検知センサ643、第2検知センサ647は、前述したように、左右位置検出部640が有する、第2左右移動部610の左右方向における位置の検出に用いられる検出器である。第1検知センサ643、第2検知センサ647の検知信号についても、演出制御基板120に対して出力される。そして、前述したように、本形態では、第1検知センサ643、第2検知センサ647の検知信号の態様、具体的には第1検知センサ643、第2検知センサ647の検知信号の組み合わせにより、第2左右移動部610の位置検出が可能となっている。これにより、演出制御基板120は、第2左右移動部610の位置を把握するとともに、第2左右移動部610が適正な位置に存在するかの判定を行うことが可能となっている。さらに、第2左右移動部610が適正な位置からズレてしまっている場合に、これを解消することも可能となっている。
演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板161を介してスピーカ52(左スピーカ52L及び右スピーカ52R)から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ52から出力する音声等の音響データは、演出制御基板120の演出用ROM123に格納されている。なお、音声制御基板161にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板161にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ52を画像制御基板140に接続し、画像制御基板140の画像用CPU141に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板140の画像用ROM142に音響データを格納してもよい。
電源基板190(電源供給手段)は、遊技制御基板100、演出制御基板120、及び払出制御基板170に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板190には、バックアップ電源回路192が設けられている。バックアップ電源回路192は、本パチンコ遊技機PY1に対して電力が供給されていない場合に、後述する遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に対して電力を供給する。従って、遊技制御基板100の遊技用RAM104や演出制御基板120の演出用RAM124に記憶されている情報は、パチンコ遊技機PY1の電断時であっても保持される。また、電源基板190には、電源スイッチ191が接続されている。電源スイッチ191のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、遊技制御基板100の遊技用RAM104に対するバックアップ電源回路を遊技制御基板100に設けたり、演出制御基板120の演出用RAM124に対するバックアップ電源回路を演出制御基板120に設けたりしてもよい。
またパチンコ遊技機PY1は、サブ駆動基板162を備えている。上述した演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板162を介して枠ランプ53や盤ランプ54等のランプの点灯制御を行う。演出制御用マイコン121は、枠ランプ53、盤ランプ54等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ53、盤ランプ54等のランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
また演出制御用マイコン121は、遊技制御基板100から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板162に接続された盤可動体モータEUmの駆動制御を行う。盤可動体モータEUmには、第1可動装置55や第2可動装置56が備える各モータが含まれる。つまり、演出制御用マイコン121は、第1可動装置55や第2可動装置56の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体モータEUm(すなわち第1可動装置55や第2可動装置56の各モータ)の駆動を制御する。動作パターンデータの作成には演出制御基板120の演出用ROM123に格納されているデータを用いる。
なお、サブ駆動基板162にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに各モータの駆動制御や各ランプの点灯制御を実行させてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板162にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
本形態において演出制御基板120は、画像制御基板140と音声制御基板161とサブ駆動基板162とともにサブ制御部SCを構成する。なお、サブ制御部SCは、少なくとも演出制御基板120を備え、演出手段(画像表示装置50、盤ランプ54、枠ランプ53、スピーカ52等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特図表示器81に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口14を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。なお、本形態においては、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示された後、役連作動ゲート18を遊技球が通過したことに基づいて(すなわち、役連作動ゲートセンサ18aによって遊技球が検出されたことに基づいて)、「大当たり遊技」が実行される。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図13に示す通りである。図13に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(V開放大当たりとV非開放大当たり)ある。「V開放大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域への遊技球の通過が可能な開放パターンで大入賞装置14Dを作動させる大当たりである。「V非開放大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域への遊技球の通過が不可能な開放パターンで大入賞装置14Dを作動させる大当たりである。
より具体的には、「V開放大当たり」は、総ラウンド数が16Rである。1Rから16Rにわたって大入賞口14を1R当たり最大29.5秒間、開放する。そして、14R以外のラウンドでは、遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける振分部材を、遊技球が非特定領域を通過する状態とする。一方、14Rでは、振分部材を、遊技球が特定領域を通過する状態とする。
これに対して、「V非開放大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは大入賞口14を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、14Rから16Rまででは大入賞口14を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このV非開放大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、V非開放大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、V非開放大当たりにおいては、すべてのラウンドにおいて、遊技球を特定領域または非特定領域に振り分ける振分部材を、遊技球が非特定領域を通過する状態とする。なお、V非開放大当たりは、遊技球が特定領域をほぼ通過不可能であればよく、遊技球が特定領域をほぼ通過不可能な態様で振分部材を作動させてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中の特定領域への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のV開放大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、V非開放大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図13に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、V開放大当たりが50%、V非開放大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てV開放大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口12への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずV開放大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機PY1では、第1始動口11に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口12に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機PY1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図14(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口11又は第2始動口12への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、普図ゲート13の通過に基づいて取得される乱数には、図14(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー12Dを開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機PY1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機PY1の特図表示器81および普図表示器82には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特図表示器81の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図15(A)参照)。つまり、特図表示器81の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特図表示器81による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図16参照)。つまり、特図表示器81の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特図表示器81の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特図表示器81の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普図表示器82の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図15(C)参照)。つまり、普図表示器82の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普図表示器82による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図15(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図17参照)。すなわち、電チュー12Dの開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー12Dの開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図17参照)。すなわち、電チュー12Dの開放回数増加機能が作動している。
普図表示器82の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー12Dの開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー12Dが頻繁に開放され、第2始動口12へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー12Dにより第2始動口12への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普図表示器82の確率変動機能、普図表示器82の変動時間短縮機能、電チュー12Dの開放時間延長機能、および電チュー12Dの開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー12Dが開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機PY1では、V開放大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、V非開放大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機PY1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特定遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域6Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されやすくなっており、第1始動口11への入賞よりも第2始動口12への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となる普図ゲート13へ遊技球を通過させつつ、第2始動口12へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機PY1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域6A(図19参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー12Dが開放されにくくなっており、第2始動口12への入賞よりも第1始動口11への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口11へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.パチンコ遊技機PY1の動作
次に、図18に基づいてメイン制御部(遊技制御用マイコン101等)の動作について説明し、図19、図20に基づいてサブ制御部(演出制御用マイコン121等)の動作について説明する。まず、メイン制御部の動作について説明する。
[遊技制御側タイマ割り込み処理]メイン制御部の遊技制御用マイコン101は、図18に示す遊技制御側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン101は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、変動演出においてリーチ状態とするか否かを決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるハードウェア乱数であってもよい。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン101に内蔵されていてもよい。
次に、遊技制御用マイコン101は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機PY1に取り付けられている各種センサ(一般入賞口センサ10a,第1始動口センサ11a,第2始動口センサ12a、大入賞口センサ14a等(図11参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための賞球コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。また、入力処理(S102)では、払出制御基板170から出力されたコマンドがある場合等には、その受信を行う。
続いて、遊技制御用マイコン101は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ11aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(図14(A)参照)を取得する。また、第2始動口センサ12aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(図14(A)参照)を取得する。また、普図ゲートセンサ13aによる通過検知があれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図14(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を判定し、その判定結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の開始時に変動パターンの情報を含む変動開始コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットし、特別図柄の停止表示の開始時に変動停止コマンドを遊技用RAM104の出力バッファにセットする。なお変動パターンは、大当たり乱数等の各種乱数の判定に基づき、図16に示す変動パターン判定テーブルを用いて決定される。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、所定の開放パターン(開放時間や開放回数)に従って大入賞口14を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。ここで図16に示すように、変動パターンが決まれば、特別図柄の変動表示が実行される変動時間も決まる。図16の備考欄に示すSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。SPリーチの方がノーマルリーチよりも、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)が高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図17参照)に従って電チュー12Dを開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン101は、出力処理(S106)を行う。出力処理(S106)では、上述の各処理においてセットしたコマンド等を、払出制御基板170や演出制御基板120等に出力する。
また、以上のメイン制御部における処理と並行して、演出制御用マイコン121は図19、図20に示す処理を行う。演出制御用マイコン121の動作について、以下に説明する。
[演出制御側タイマ割り込み処理]演出制御用マイコン121は、図19に示すような演出制御側タイマ割り込み処理を所定の短時間毎に繰り返す。演出制御側タイマ割り込み処理ではまず、受信コマンド解析処理(S1001)を行う。
また、受信コマンド解析処理(S1001)に続いてコマンド送信処理(S1002)を行う。コマンド送信処理(S1002)では、受信コマンド解析処理でセットした各種コマンドを画像制御基板140に送信する。コマンド送信処理が実行されると、コマンドを受信した画像制御基板140は、画像表示装置50を用いて各種の演出(変動演出や大当たり演出、客待ち演出など)を実行する。例えば、変動演出開始コマンドを受信した画像制御基板140は、変動演出開始コマンドに指定された内容の変動演出を実行する。
続いて演出制御用マイコン121は、音声処理(S1003)を行う。音声処理(S1003)では、受信コマンド解析処理で選択した演出パターンの演出に合うタイミングでスピーカ52から音声等を出力させるべく、音データ(スピーカ52からの音声等の出力を制御するデータ)を作成したり、音声制御基板161に出力したりする。次に演出制御用マイコン121は、ランプ処理(S1004)および可動体処理(S1005)を行う。
ランプ処理(S1004)では、演出用RAM124にセットされた変動演出開始コマンド等に盤ランプ54や枠ランプ53を発光させる発光演出がある場合には、その発光演出を実行する。すなわち、盤ランプ54や枠ランプ53を、所定のタイミング、所定の発光態様で発光させる。また、可動体処理(S1005)では、演出用RAM124にセットされた変動演出開始コマンド等に第1可動装置55や第2可動装置56を動作させる駆動演出がある場合には、その駆動演出を実行する。すなわち、第1可動装置55や第2可動装置56の各モータ等を、所定のタイミング、所定の駆動態様で動作させる。
[受信コマンド解析処理]図20に示すように、受信コマンド解析処理(S1001)では演出制御用マイコン121はまず、遊技制御用マイコン101から変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S1101)。受信していなければ、ステップS1104に進むが、受信していれば、変動演出パターン選択処理(S1102)を行う。
変動演出パターン選択処理(S1102)では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動開始コマンドの解析結果等に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。なお、選択した変動演出パターンを示すデータは演出用RAM124の所定の記憶領域に格納される。この変動演出パターンの選択により、盤ランプ54を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、枠ランプ53を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、第1可動装置55や第2可動装置56の各モータ等を動作させる演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン121は、ステップS1102で選択した変動演出パターンで変動演出を開始させるための変動演出開始コマンドを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする(S1103)。そしてステップS1104に進む。
ステップS1104では演出制御用マイコン121は、遊技制御用マイコン101からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS1107に進むが、受信していれば、大当たり演出パターン選択処理(S1105)を行う。
大当たり演出パターン選択処理(S1105)では、オープニングコマンドの解析結果に基づいて、大当たり遊技中に実行する大当たり演出の演出パターン(大当たり演出パターン)を選択する。なお、ここで選択した大当たり演出パターンを示すデータは演出用RAM124の所定の記憶領域に格納される。この大当たり演出パターンの選択により、大当たり遊技中における盤ランプ54や枠ランプ53の発光演出の実行の有無やそのタイミング、第1可動装置55や第2可動装置56の各モータ等を動作させる演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン121は、ステップS1105で選択した大当たり演出パターンで大当たり演出を開始させるための大当たり演出開始コマンドを、演出用RAM124の所定の記憶領域にセットする(S1106)。そして、ステップS1107に進む。
ステップS1107では、その他の処理として他の受信コマンドに基づく処理を行う(S1107)。これにより、受信コマンド解析処理を終える。
6.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記の実施形態のパチンコ遊技機PY1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
例えば、上記の実施形態では、大当たり遊技で開放可能な大入賞領域として大入賞口14のみが設けられているが、複数の大入賞領域を設けても良い。
また、上記の実施形態では、特図表示器81に「大当たり図柄」が停止表示された後、役連作動ゲート18への遊技球の通過に基づいて、大当たり遊技へと移行するものとして説明した。しかし、例えば、役連作動ゲート18への遊技球の通過に基づかずに、大当たり遊技へと移行するものであってもよい。この場合、役連作動ゲート18は不要である。また例えば、大当たりの種別にラウンド数の異なるものを複数設け、役連作動ゲート18への遊技球の通過に基づいて、大当たりにおけるラウンド数を決定する構成としてもよい。
また、上記の実施形態では、第2非役連経路XR4が、役連経路XR1の後方を横切っている構成について説明している。しかし、第2非役連経路XR4は、役連経路XR1の前方を横切っているものであってもよい。また、役連経路XR1は、遊技球を、遊技盤面6fよりも後方を通過させるものであってもよい。
また、上記の実施形態では、第2非役連経路XR4の第2非役連入口X41を、役連経路XR1の役連入口X11の右方に設けている。しかし、第2非役連経路XR4の第2非役連入口X41を、役連経路XR1の役連入口X11の左方に設けたような構成としてもよい。つまり、上記の実施形態とは、役連経路XR1、第1非役連経路XR3、第2非役連経路XR4を左右対称に構成することとしてもよい。また、役連経路XR1、第1非役連経路XR3、第2非役連経路XR4のような、遊技球をある検知部へと導くことが可能な経路と、その後方または前方を横切る経路を有するような構成を、左遊技領域6Aに設けてもよい。
また、上記の実施形態では、分岐経路XR5を、普図ゲート13の右方へ遊技球を案内可能な経路として説明している。しかし、分岐経路XR5は、普図ゲート13の左方へ遊技球を案内可能な経路であってもよい。
また、上記の実施形態では、遊技球を役連作動ゲート18へ案内可能な役連経路XR1の下流側に、遊技球を普図ゲート13へ案内可能な普図経路XR2を設けている。しかし、遊技球を役連作動ゲート18へ案内可能な役連経路XR1の上流側に、遊技球を普図ゲート13へ案内可能な普図経路XR2を設けてもよい。また、役連作動ゲート18および普図ゲート13の少なくとも一方の入賞手段を、異なる入賞手段に替えた構成としてもよい。例えば、役連作動ゲート18の位置に、役連作動ゲート18に替えて普図ゲート13を配置し、普図ゲート13の位置に、普図ゲート13に替えて電チュー12Dを配置してもよい。また例えば、役連作動ゲート18の位置に、役連作動ゲート18に替えて電チュー12Dを配置し、普図ゲート13の位置に、普図ゲート13に替えて大入賞装置14Dを配置してもよい。
また、上記の実施形態では、案内部である案内溝330によって遊技球を案内経路YR2へと案内可能な構成について説明した。しかし、例えば、案内経路YR2の案内部としては、案内溝330に限らず、遊技球を案内可能なものが設けられていればよい。そのような案内部としては、例えば、案内溝330の他、案内経路YR2に沿って延びる突起などが考えられる。また、突起によって案内経路YR2の案内部を構成する場合、案内経路YR2に沿って延びる複数の突起を並べて設けておくことが好ましい。複数の突起の間に形成される溝部分によって、遊技球を適切に案内可能だからである。
また、上記の実施形態では、案内経路YR2は、第2始動口12に向けて遊技球を移動可能なものであるとして説明した。しかし、案内経路YR2は、その他の入賞手段、例えば、大入賞口14に向けて遊技球を移動可能なものであってもよい。
また、上記の実施形態では、案内部である案内溝330が真っ直ぐに伸びている。しかし、案内部には、屈曲箇所を設けておいてもよい。また、案内溝330のような遊技球を案内可能な案内部や、その周辺の構成は、上記の実施形態の位置に限らず、例えば、左遊技領域6Aに設けてもよい。
また、上記の実施形態では、上流経路YR1において、第1蛇行突起360と第2蛇行突起342とによって遊技球を前後方向に蛇行させることで減速区間を構成した態様について説明した。しかし、遊技球を減速させることが可能な減速区間としては、前後方向に遊技球を蛇行させることのほか、上下方向や左右方向に遊技球を蛇行させる構成が考えられる。また、遊技球を蛇行させる減速区間は、上記の実施形態のように、遊技球の移動経路上に、遊技球を蛇行させる向きに突出した突起を設ける他、移動経路を形成する壁面(例えば、トンネルのような壁面)等を屈曲させることにより構成することが考えられる。また、遊技球が接触し得る壁面や盤面を、その他の箇所よりも、摩擦係数を高くしておくことで、遊技球を減速させる減速区間とすることも可能である。また、減速区間は、移動経路を屈曲させつつ、その移動経路における遊技球の接触し得る面を、摩擦係数の高い面としておくことにより構成してもよい。また、上流経路YR1の一部を減速区間としてもよいし、すべてを減速区間としてもよい。
また、上記の実施形態では、案内経路YR2を、その入口部分の開口が、遊技球が1つずつしか通過できない大きさであることで、遊技球が1つずつしか進入できない単進入経路としている。しかし、単進入経路は、例えば、入口部分に、遊技球を1つずつ下流側へと移動させることが可能な回転体を備えるものであってもよい。
また、上記の実施形態では、大当たり遊技後の終了に伴って必ず時短状態が設定されるが、大当たり図柄の種別に応じて時短状態が設定されるか否かを決定しても良い。この場合、特図2抽選での方が、大当たり遊技後の終了に伴って時短状態が設定される大当たり図柄に高確率で当選できるようになっていても良い。
また、上記の実施形態などでは、大当たり判定において大当たりに当選することによって、大入賞口14の開閉を伴う大当たり遊技が実行されるが、大入賞口14の開閉を伴う遊技として所謂「小当たり遊技」を設けても良い。小当たり遊技は、大当たり判定において、大当たりおよびハズレとは異なる「小当たり」に当選することによって実行される。そして、小当たり遊技における大入賞口14の最大開放時間は1.8秒以下であることが望ましい。また、小当たり遊技の終了に伴い、遊技状態は変化しない。すなわち、小当たり遊技の実行中および実行後は、当該実行前の遊技状態が継続し、小当たり遊技の実行が遊技状態に影響を及ぼさない。すなわち、小当たりに当選すると、大入賞口14の開閉を伴う小当たり遊技が実行されるだけである。
また、上記の実施形態では、高確率回数が160回に設定され、時短回数が160回と100回に設定されているが、これらの通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態に対する特別図柄の変動表示の規定回数は限定されず適宜に設定することができる。例えば、高確率回数を100回に設定し、時短回数をV通過の有無に関わらず100回に設定してもよい。また、時短回数を0回に設定してもよい。また、大当たり遊技後の経過時間や遊技球の発射個数などの特別図柄の変動表示の実行回数ではない他の要素に基づいて、通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態に対する継続期間を設定してもよい。
また、上記の実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を遊技制御基板100が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御を演出制御基板120が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板140を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や回胴式遊技機(所謂「スロットマシーン」)などに適用することも可能である。
7.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈手段A〉
手段A1に係る発明は、
遊技領域(遊技領域6)が設けられた盤面板(遊技盤1)を備え、
前記盤面板には、遊技球を案内可能な案内部(案内溝330)が設けられており、
前記遊技領域内の交差位置(交差位置YZP)から延びる遊技球の移動経路として、前記案内部によって案内された遊技球が移動可能な案内経路(案内経路YR2)と、前記案内経路とは異なる非案内経路(非案内経路ZR2)とを備えることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2003−88617号公報には、盤面板に略垂直に打ち込まれた遊技釘を備えた構成の遊技機が開示されている。このような構成の場合、遊技釘に接触した遊技球のその後の挙動が安定しないことで、多彩な遊技球の動きを楽しむことは可能である。しかし、遊技球の挙動が常に安定していない場合、遊技者が狙った箇所へと遊技球を移動させることができず、興趣性を低下させてしまう原因にもなり得る。これに対し、本構成の遊技機は、案内経路では、遊技球を案内部によって案内可能であることで、案内経路に沿って遊技球を適切に移動させることが可能である。すなわち、案内経路における遊技球の挙動を安定させることが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
前記案内部は、前記盤面板の遊技盤面(遊技盤面6f)に開口する穴により形成されていることを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、案内部を適切に形成可能であることで、案内経路における遊技球の挙動を適切に安定させることが可能である。さらに、案内部を安価に構成することが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機であって、
前記案内部の開口は、前記案内経路に沿った方向の長さが、前記案内経路と直交する方向の長さよりも長いものであることを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、より適切に遊技球を案内する案内部を形成することが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A2または手段A3に記載の遊技機であって、
遊技球に接触可能に設けられ、接触した遊技球を、前記案内部の内部へと向かう向きへ移動可能な接触部(突起341)を備えることを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、遊技球が案内経路に沿って移動する頻度をより高めることが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A2から手段A4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記交差位置よりも上流側の上流位置から前記交差位置まで延びる上流経路(上流経路YR1)は、前記案内経路と交差する方向に設けられていることを特徴とする遊技機である。
このような構成では、一見、上流経路を通過して交差位置へと到達した遊技球はその後、案内経路よりも、非案内経路に移動する傾向にあるように見えることがある。しかし、本構成の遊技機では、案内経路へと移動する頻度が高いことで、遊技者に予想に反した遊技球の動きを見せることが可能であり、これにより興趣性の向上が可能である。
手段A6に係る発明は、
手段A5に記載の遊技機であって、
前記案内経路は、前記非案内経路よりも、前記交差位置から遊技球を重力に沿った向きに遊技球を案内する経路であり、
前記上流経路には、遊技球の移動速度を遅くすることが可能な減速区間(上流経路YR1における第1蛇行突起360および第2蛇行突起342が形成されている区間)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、遊技球を減速した状態で交差位置へと到達させることが可能であるため、重力に沿った向きに遊技球を案内する案内経路へと、より高い頻度で遊技球を移動させることが可能となる。
手段A7に係る発明は、
手段A2から手段A6までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記案内経路は、遊技球が入球可能な入賞手段(電チュー12D)へと遊技球を案内可能な経路であることを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、入賞手段が設けられている、遊技者にとって有利であることが多い案内経路への遊技球の移動頻度を高めることが可能である。
手段A8に係る発明は、
手段A7に記載の遊技機であって、
前記入賞手段は、遊技球が入球しやすい第1状態と、前記第1状態よりも遊技球の入球が困難または入球不能な第2状態とに変化可能な可変入賞手段であることを特徴とする遊技機である。
遊技者が可変入賞手段の設けられた箇所を狙って遊技球を発射させている場合に、可変入賞手段から遊技球が遠ざかってしまうことは、遊技興趣が低下してしまうおそれがある。本構成の遊技機では、可変入賞手段が設けられた箇所を狙って発射され、交差位置に到達した遊技球を、高い頻度で案内経路へと移動させ、可変入賞手段へと案内することが可能である。よって、高い遊技興趣を提供することが可能である。
〈手段B〉
手段B1に係る発明は、
遊技領域(遊技領域6)が設けられた遊技盤(遊技盤1)を備え、
前記遊技領域に、遊技球の移動経路として、複数の遊技球が同時に進入することができない単進入経路(案内経路YR2)が設けられていることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2003−88617号公報には、盤面板に略垂直に打ち込まれた遊技釘を備えた構成の遊技機が開示されている。このような構成の場合、遊技釘に接触した遊技球のその後の挙動が安定しないことで、多彩な遊技球の動きを楽しむことは可能である。しかし、遊技球の挙動が安定していないことで、互いに交差する方向に移動してきた遊技球同士がぶつかってしまう頻度が高くなってしまうことがあった。ここで、遊技領域内にて遊技球が停止してしまう球詰まりは、ぶつかる遊技球同士の移動方向が交差しているときほど生じやすい傾向にある。このため、従来では、球詰まりの発生頻度が高くなってしまうことがあった。これに対し、本構成の遊技機は、単進入経路により、例えば、複数の遊技球を、単進入経路の方向、つまり遊技球の移動方向に整列させることが可能である。そして、遊技球を移動方向に整列することで、互いに交差する方向に移動する遊技球同士がぶつかることを抑制することが可能である。これにより、球詰まりの発生を抑制することが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記移動経路として、
遊技球の移動方向について前記単進入経路の上流に位置し、前記単進入経路と交差する方向に延びる上流交差経路(上流経路YR1)と、
遊技球の移動方向について前記上流交差経路の下流に位置し、前記単進入経路と前記上流交差経路とが交差する交差位置(交差位置YZP)から、前記単進入経路と交差する方向に延びる下流交差経路(非案内経路ZR2)と、が設けられていることを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、上流交差経路を通過した複数の遊技球がほとんど同時に単進入経路の入口に到達した時であっても、単進入経路へと進入できなかった遊技球を、下流交差経路へと移動させることが可能である。これにより、単進入経路の入口で、遊技球が詰まってしまうことを抑制することが可能である。よって、単進入経路の入口における遊技球が詰まってしまうことを抑制可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機であって、
前記下流交差経路と前記上流交差経路とのなす角が、前記単進入経路と前記上流交差経路とのなす角よりも大きなものであることを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、単進入経路へと進入できなかった遊技球が下流交差経路へと移動しやすくすることが可能である。上流交差経路を移動してきた遊技球の向かう向きが、単進入経路における遊技球の移動の向きよりも、下流交差経路における移動の向きに沿った向きだからである。これにより、単進入経路の入口における球詰まりをより適切に抑制することが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B2または手段B3に記載の遊技機であって、
前記遊技盤には、前記交差位置の前方側を覆うカバー部材(カバー部材340)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
遊技盤に、遊技領域の前方側を覆うカバー部材が設けられている構成では、そのカバー部材の後方にて球詰まりが生じてしまった場合に、これを解消することが困難になりがちである。しかし、本構成の遊技機では、カバー部材に覆われている交差位置付近、すなわち単進入経路の入口付近での球詰まりが抑制されている。よって、解消困難な球詰まりによって、遊技が長時間にわたって中断されてしまうような事態を回避可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B2から手段B4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記単進入経路は、前記下流交差経路よりも、重力に沿って遊技球を移動可能な経路であることを特徴とする遊技機である。
単進入経路が重力に沿って遊技球を移動可能なものであるほど、その入口付近では球詰まりが生じやすい傾向にある。しかし、本構成の遊技機では、単進入経路の入口での球詰まりが適切に抑制されていることで、遊技興趣の低下を抑制可能である。
手段B6に係る発明は、
手段B5に記載の遊技機であって、
前記上流交差経路には、遊技球の移動速度を遅くすることが可能な減速区間(上流経路YR1における第1蛇行突起360および第2蛇行突起342が形成されている区間)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
遊技球同士が衝突した場合、その衝突時の移動速度が遅いほど、遊技球同士が互いを弾き合うエネルギーは小さいものである。このため、単進入経路の入口に複数の遊技球が到達した際には、その到達時の移動速度が遅いほど、単進入経路の入口での球詰まりは発生しやすくなる傾向にあり、球詰まりによる遊技興趣の低下が生じがちである。しかし、本構成の遊技機では、単進入経路の入口での球詰まりが抑制されていることで、遊技興趣の低下を抑制可能である。また、減速した状態で交差位置へと到達した遊技球が単進入経路へと進入する頻度を高めることも可能である。
手段B7に係る発明は、
手段B2から手段B6までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記単進入経路は、遊技球が入球可能な入賞手段(電チュー12D)へと遊技球を案内可能な経路であることを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、入賞手段が設けられている、遊技者にとって有利であることが多い単進入経路、および、入賞手段への入球時などにおける球詰まりを抑制可能であることで、遊技興趣を高く維持することが可能である。
手段B8に係る発明は、
手段B7に記載の遊技機であって、
前記入賞手段は、遊技球が入球しやすい第1状態と、前記第1状態よりも遊技球の入球が困難または入球不能な第2状態とに変化可能な可変入賞手段であることを特徴とする遊技機である。
遊技者が可変入賞手段を狙って遊技球を発射させている場合に、単進入経路や可変入賞手段への入球時に球詰まりが生じた場合、可変入賞手段への遊技球の入賞ができなくなることで、遊技興趣が低下してしまうおそれがある。しかし、本構成の遊技機では、可変入賞手段が設けられた単進入経路、および、可変入賞手段への入球時などにおける球詰まりが抑制されていることで、遊技者は適切に可変入賞手段への入賞を狙うことが可能となり、遊技興趣の低下を抑制可能である。
〈手段C〉
手段C1に係る発明は、
遊技領域(遊技領域6)が設けられた遊技盤(遊技盤1)を備え、
前記遊技領域に、遊技球の移動経路として、
第1の位置(役連入口X11)の遊技球が流下可能であり、遊技球を検知可能な第1の検知部(役連作動ゲート18)が設けられた検知経路(役連経路XR1)と、
前記第1の位置よりも左方または右方の一方位置(第2非役連入口X41)の遊技球が流下可能な一方経路(第2非役連経路XR4)と、
前記一方位置とは異なる他方位置(第1非役連入口X31)の遊技球が流下可能な他方経路(第1非役連経路XR3)と、を有することを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2003−88617号公報には、盤面板に略垂直に打ち込まれた遊技釘を備えた構成の遊技機が開示されている。そして、特開2003−88617号公報のような構成の場合、遊技釘に接触した遊技球のその後の挙動が安定しないことで、多彩な遊技球の動きを楽しむことは可能である。しかし、遊技球の挙動が不安定すぎる場合、遊技者が狙った箇所へと遊技球を移動させることができず、興趣性を低下させてしまう原因にもなり得る。これに対し、本構成の遊技機は、遊技球を検知可能な第1の検知部が設けられた検知経路を備えている。この検知経路により、遊技者が第1の検知部を狙っている場合に、その第1の検知部へと遊技球が向かう頻度を高くすることが可能である。よって、狙った箇所へと遊技球が移動しないことによる遊技者のストレスを軽減可能であり、遊技興趣を向上することが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機であって、
前記一方経路は、前記検知経路の前方または後方を横切っていることを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、一方経路の入口の下方に、一方経路を通過した遊技球を通過させるための経路を設けないことが可能であり、そのスペースを他の用途に活用可能である。そして、スペースを他の用途に活用することで、遊技興趣を高めることが可能となる。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機であって、
前記一方経路と前記他方経路とが合流していることを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、一方経路と他方経路とが合流位置にて合流していることで、合流位置の下流側の遊技球の移動経路を、合流位置の上流側よりも少なくすることが可能である。すなわち、遊技球の移動経路を少なくすることが可能であり、その移動経路が少なくなった分のスペースを他の用途に活用可能である。そして、スペースを他の用途に活用することで、遊技興趣を高めることが可能となる。
手段C4に係る発明は、
手段C3に記載の遊技機であって、
前記検知経路(連経路XR1と普図経路XR2とをあわせた経路)には、前記第1の検知部よりも下方位置に、遊技球の通過を検知可能な第2の検知部(普図ゲート13)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
2つの検知部をそれぞれ別の移動経路に設けた場合、演出等に有効に活用可能なスペースが減少してしまうことがある。これに対し、本構成の遊技機では、1つの検知経路に2つの検知部が設けられていることで、遊技球の移動経路を少なくすることが可能であり、そのスペースを他の用途に活用可能である。そして、スペースを他の用途に活用することで、遊技興趣を高めることが可能となる。
手段C5に係る発明は、
手段C4に記載の遊技機であって、
前記検知経路における前記第1の検知部から前記第2の検知部までの間の分岐位置(分岐入口X51)から、前記第2の検知部よりも左方または右方へ遊技球を流下させることが可能な前記移動経路である分岐経路(分岐経路XR5)を有することを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、分岐経路が設けられていることで、第1の検知部によって検知された遊技球が、必ずしも第2の検知部によって検知されるとは限らない構成とすることが可能である。つまり、分岐経路の存在により、遊技者に、第2の検知部へと遊技球が向かうことを期待させる新たな興趣を提供することが可能である。
手段C6に係る発明は、
遊技領域(遊技領域6)が設けられた遊技盤(遊技盤1)を備え、
前記遊技領域に、遊技球の移動経路として、
第1の位置(役連入口X11)の遊技球が流下可能であり、遊技球を検知可能な第1の検知部(役連作動ゲート18)が設けられた検知経路(役連経路XR1)と、
前記第1の位置よりも左方または右方の一方位置(第2非役連入口X41)の遊技球が流下可能な一方経路(第2非役連経路XR4)と、
前記一方位置とは異なる他方位置(第1非役連入口X31)の遊技球が流下可能な他方経路(第1非役連経路XR3)と、を有し、
前記一方経路は、前記検知経路の前方または後方を横切っているとともに、前記他方経路と合流しており、
前記検知経路は、左右方向に屈曲した屈曲区間(屈曲区間XR11)を備えていることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機PY1)である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2003−88617号公報には、盤面板に略垂直に打ち込まれた遊技釘を備えた構成の遊技機が開示されている。そして、特開2003−88617号公報のような構成の場合、遊技釘に接触した遊技球のその後の挙動が安定しないことで、多彩な遊技球の動きを楽しむことは可能である。しかし、遊技球の挙動が不安定すぎる場合、遊技者が狙った箇所へと遊技球を移動させることができず、興趣性を低下させてしまう原因にもなり得る。これに対し、本構成の遊技機は、遊技球を検知可能な第1の検知部が設けられた検知経路を備えている。この検知経路により、遊技者が第1の検知部を狙っている場合に、その第1の検知部へと遊技球が向かう頻度を高くすることが可能である。よって、狙った箇所へと遊技球が移動しないことによる遊技者のストレスを軽減可能であり、遊技興趣を向上することが可能である。さらに、本構成の遊技機では、一方経路の下方に、一方経路を通過した遊技球を通過させるための経路を設けないことが可能であり、そのスペースを他の用途に活用可能である。そして、他の用途に活用可能なスペースの拡大によって、検知経路における屈曲区間の屈曲を大きく形成することが可能であり、屈曲区間にて遊技球を大きく動かすことが可能である。よって、屈曲区間における大きな遊技球の動きによって、高い遊技興趣を備えることが可能である。
PY1…パチンコ遊技機
YU…遊技盤ユニット
EU…演出ユニット
1…遊技盤
2…遊技機枠
6…遊技領域
6f…遊技盤面
12…第2始動口
12D…電チュー
13…普図ゲート
18…役連作動ゲート
330…案内溝
XR1…役連経路
X11…役連入口
XR2…普図経路
X21…普図入口
XR3…第1非役連経路
X31…第1非役連入口
XR4…第2非役連経路
X41…第2非役連入口
XR5…分岐経路
X51…分岐入口
YR1…上流経路
YR2…案内経路
Y21…案内入口
YZP…交差位置
ZR1…非電チュー経路
ZR2…非案内経路

Claims (1)

  1. 遊技領域が設けられた遊技盤を備え、
    前記遊技領域に、入賞前の遊技球の移動経路として、
    複数の遊技球が同時に進入することができないとともに、遊技球が入賞可能な入賞手段へと遊技球を案内可能な単進入経路と、
    遊技球の移動方向について前記単進入経路の上流に位置し、前記単進入経路と交差する方向に延びる上流交差経路と、
    遊技球の移動方向について前記上流交差経路の下流に位置し、前記単進入経路と前記上流交差経路とが交差する交差位置から、前記単進入経路と交差する方向に延びる下流交差経路と、
    前記単進入経路へと進入した後、前記入賞手段へと入賞しない遊技球が進入可能な非入賞経路と、
    前記下流交差経路を通過した遊技球と前記非入賞経路を通過した遊技球とがともに、その後に進入可能な共通経路と、が設けられており、
    前記入賞手段は、遊技球が入賞しやすい第1状態と、前記第1状態よりも遊技球の入賞が困難または入賞不能な第2状態とに変化可能な可変入賞手段であることを特徴とする遊技機。
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