1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、当該パチンコ遊技機1の外郭を構成する遊技機枠50を備えている。遊技機枠50は、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠51は、遊技機枠50の外郭を構成する縦長方形状の枠体である。内枠52は、外枠51の内側に配置されていて、縦長方形状の枠体である。前枠53は、内枠52の前方側に配置されていて、縦長方形状のものである。
前枠53の下方部は、図1に示すように、右側の下部に回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60を備え、後部に遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61を備え、ハンドル60よりも左方に打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62を備えている。また上皿61よりも前方には、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が操作し得る演出ボタン63(操作手段)やセレクトボタン68が設けられている。
なお外枠51の下端の前面側には、左右方向に長い長方形状の幕板51aが配されている。本形態では、外枠51が遊技機枠50の「基枠部」に相当し、内枠52及び前枠53が遊技機枠50の「開閉枠部」に相当する。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えている。図2に示すように、ヒンジ部54により、前枠53は外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。前枠53の中央には開口部分53aが形成されていて、この開口部分53aに透明のガラス板55が取付けられる。これにより遊技者は、ガラス板55を通して、ガラス板55の後方を視認できるようになっている。前枠53は、図2に示すように、後方側にベース枠56を備えている。
また前枠53は、図3に示すように、前方側に上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とを備えている。これら上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とは、ベース枠56に対して着脱可能に取付けられている。
上側装飾部(上部装飾部)200は、遊技機枠50(前枠53)の上部を装飾するものである。上側装飾部200は、図3に示すように、左右方向の中央に可動体ユニット201を備え、左側に左側発光体ユニット202Lを備え、右側に右側発光体ユニット202Rを備えている。可動体ユニット201は、パチンコ遊技機1のモチーフとなっている作品の主人公キャラに変形可能なものである。発光体ユニット202は、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態でベース枠56に取付けられている。
左側装飾部210は、遊技機枠50(前枠53)の左側を装飾するものである。右側装飾部220は、遊技機枠50の右側を装飾するものである。右側装飾部220は、剣の形状を模した枠剣可動体221と、枠剣可動体221の下側を収容可能な鞘部材222とを備えている。枠剣可動体221は、鞘部材222に対して上下方向に移動可能になっている(図1及び図12参照)。
操作機構部230(遊技媒体貯留部)は、遊技や演出を進行するための操作機構を備えるものである。操作機構部230は、上述したハンドル60と上皿61と下皿62と演出ボタン63とセレクトボタン68とを備えている。
図3に示すように、上側装飾部200、左側装飾部210、右側装飾部220及び操作機構部230には、様々な発光色で発光可能な枠ランプ66が多数設けられている。枠ランプ66は、透過性を有する合成樹脂のカバーと、そのカバーの内部にて発光(点灯)可能な枠用LED66aとを備えるものである。
次に、図4を参照して遊技盤2について説明する。遊技盤2は、遊技機枠50の内部に配されていて、内枠52に取付けられている。遊技盤2の前面側は、前枠53に保護されている。図4に示すように、遊技盤2の前面側には、鉛直方向に起立した遊技面2aが形成されている。この遊技面2aの前方に、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、様々な発光色で発光(点灯)可能な盤ランプ5が多数設けられている。盤ランプ5は、透過性を有する合成樹脂のカバーと、そのカバーの内部にて発光(点灯)可能な盤用LED5aとを備えるものである。なお遊技盤2は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、第1画像表示装置6、第2画像表示装置7、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技盤2の遊技面2aには、遊技球を誘導する複数の遊技釘(図示省略)が突設されている。また遊技面2aよりも後方には、液晶表示装置である第1画像表示装置(第1表示手段)6が配されている。第1画像表示装置6は、鉛直方向に起立した状態で固定されている。
第1画像表示装置6の表示画面6aには、装飾図柄(演出図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う装飾図柄表示領域がある。装飾図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。装飾図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。第1画像表示装置6は、左、中、右の装飾図柄の組み合わせによって、大当たり抽選の結果を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で装飾図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「263」などのバラケ目で装飾図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1画像表示装置6にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、装飾図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような装飾図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
第1画像表示装置6は、上記のような装飾図柄を用いた装飾図柄変動演出(「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面6aに表示する。なお装飾図柄変動演出では、数字等の装飾図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの装飾図柄以外の演出画像も表示される。
図4に示すように、遊技領域3の中央付近であって第1画像表示装置6の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左下方には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。
遊技領域3における第1画像表示装置6の下方には、第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20は、遊技球の入球し易さが常に変わらない入賞口である。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な入賞口である。なお本形態の第2始動口21は、上下方向且つ前後方向に延びる平面で形成される開口部分である。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選の契機となっている。
電チュー22は、前後方向に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。第2始動口21は、可動部材23が前方に進出しているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。つまり、可動部材23が前方に進出しているときに、流下する遊技球が可動部材23の上側に当接すると、左方へ誘導される。これにより、遊技球が第2始動口21に入球可能となる。
一方、第2始動口21は、可動部材23が後方に退避しているとき(つまり閉状態であるとき)には遊技球が入球不可能となる。つまり、可動部材23が後方に退避しているときには、流下する遊技球が可動部材23に当接しない。これにより、遊技球は第2始動口21に入球することなく、後述するアウト口16へ向かう。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときには開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態であるときに完全に入球不可能となるものでなくても良い。
また第1画像表示装置6の表示画面6aには、第1特図保留の数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリア9aと、第2特図保留の数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリア9bとがある。第1特図保留とは、第1始動口20への入球に基づく大当たり抽選が保留されていることを意味する。第2特図保留とは、第2始動口21への入球に基づく大当たり抽選が保留されていることを意味する。演出保留画像9A,9Bの表示により、第1特図保留の数および第2特図保留の数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
また第1始動口20の右斜め上方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また第1大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また、ゲート28の右斜め上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ(つまり開状態であるとき)遊技球が入球可能となる。
また図4に示すように、遊技盤2の左下部には表示器類40が配置されている。また遊技領域3の左下部や右下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下し得る流路を、第1流路Q1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路Q2という。
第1流路Q1上には、普通入賞口27と、第1始動口20と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は左打ちをすることで、第1始動口20への入賞を狙う。なお、第1流路Q1を流下した遊技球が第2始動口21へ入賞することは、ほとんどないように構成されている。
一方、第2流路Q2上には、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、普通入賞口27と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は右打ちをすることで、第2大入賞口35への入賞(特定領域39への通過)、ゲート28への通過、又は第1大入賞口30への入賞、又は第2始動口21への入賞を狙う。
また本形態のパチンコ遊技機1には、図4及び図5に示すように、第1画像表示装置6よりも上方に第2画像表示装置(第2表示手段)7が設けられている。第2画像表示装置7の表示画面7aでは、第1画像表示装置6の表示画面6aで実行される装飾図柄変動演出、大当たり演出、客待ち用のデモ演出などに合わせて、背景画像やキャラクタ画像など様々な演出画像が表示されるようになっている。なお本形態では、第1画像表示装置6の表示画面6aと第2画像表示装置7の表示画面7aとが連係してシームレスな画像を表示することができるし、互いに独立して別々な画像を表示することもできる。
第2画像表示装置7は、図5に示すように、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態で固定されている。そして、第2画像表示装置7の表示画面7aの上部7bは、遊技盤2の遊技面2aよりも前方に飛び出ている。これにより遊技者には、より近い位置で表示画面7aの上部7bを見せることが可能である。更に、第2画像表示装置7の表示画面7aの上部7bは、図4に示すように、遊技領域3の上端よりも上方に飛び出ている。これにより遊技者には、遊技領域3の外側でも表示画面7aの上部7bを見せることが可能である。こうして本形態では、第1画像表示装置6の表示画面6aと第2画像表示装置7の表示画面7aとにより、斬新な表示画面が形成されていて、遊技者には広範囲且つ近い距離で演出画像を見せることが可能である。その結果、表示画面6a,7aで表示される演出画像のインパクトを高めることが可能である。
また図5に示すように、遊技盤2の遊技面2aよりも後方には、盤可動体(装飾可動体)15が設けられている。盤可動体15は、第1画像表示装置6の表示画面6aよりも前方で変位可能なものである。盤可動体15は、前方からほとんど視認不可能な原点位置から、第1画像表示装置6の表示画面6aの中央の前方に現われる駆動位置に移動可能である。
図6(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。振分部材71は、左右方向に進退するものであり、右方に退避した退避状態(第1状態)又は左方に進出した進出状態(第2状態)をとる。
図6(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図6(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図6(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図6(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図7に示すように、表示器類40には、第1特別図柄(第1識別図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2識別図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。
特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。なお本形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示及び停止表示に同期して、第1画像表示装置6の表示画面6aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示及び停止表示が行われる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入賞情報に相当)は、一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として記憶される。記憶可能な第1特図保留の数又は第2特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aと第2特図保留表示器43bは、それぞれ4個のLEDで構成されており、それぞれ第1特図保留又は第2特図保留の数だけLEDを点灯させることにより、第1特図保留又は第2特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。
普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留として一旦記憶される。記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.可動体ユニットの構成
次に図8〜図11に基づいて、可動体ユニット201の構成について説明する。可動体ユニット201は、図8に示すように、前枠53のベース枠56の上端に設けられている水平状の上壁部57に図示しないビスを用いて着脱可能になっている。この可動体ユニット201は、図9に示すように、3分割できるものであり、上側蓋部材240と、上側蓋部材240の下方に配されるユニット本体250と、ユニット本体250の前側に組付けられる前側カバー260と、を備えている。ユニット本体250は、枠顔可動体400を備えている。
前側カバー260は、図9に示すように、起立していて、枠顔可動体400の前面側を隠すことができるように、左右方向に長く形成されている。また前側カバー260の上端には、左右方向に沿ってタッチセンサ(タッチ電極)261が取付けられている。タッチセンサ261は、人体が接触又は接近したことを検出するものである。そのため本形態では、タッチセンサ261による検出に基づいて、枠顔可動体400を移動させないことが可能である。また図9に示すように、枠顔可動体400の下側には、下側カバー510が取付けられている。
ユニット本体250には、枠顔可動体400の他、図10に示すように、連結板301と、枠顔可動体400を回転させるための左側リンクユニット302L及び右側リンクユニット302Rが設けられている。
左側リンクユニット302Lの構成と右側リンクユニット302Rの構成とは、左右対称で同様である。以下では、左側リンクユニット302Lの構成を代表して説明する。左側リンクユニット302Lは、枠顔可動体400を待機位置又は動作位置に移動可能にするものである。本形態では枠顔可動体400が待機位置にあるときには、枠顔可動体400を略水平状態にしていて、枠顔可動体400が示す主人公キャラの顔が見えないようになっている。一方、枠顔可動体400が動作位置にあるときには、枠顔可動体400を前方に向かって斜め上方に延びる傾斜状態にしていて、枠顔可動体400が示す主人公キャラの顔が見えるようになっている。
左側リンクユニット302Lには、図10に示すように、左側枠顔移動モータ311Lが取付けられている。左側枠顔移動モータ311Lは、枠顔可動体400を待機位置と動作位置との間で回転させるための回転駆動力を付与するものである。なお右側リンクユニット302Rには、右側枠顔移動モータが取付けられている。右側枠顔移動モータも、枠顔可動体400を待機位置と動作位置との間で回転させるための回転駆動力を付与するものである。
左側リンクユニット302Lには、左側リンク部材340Lが取付けられている。また右側リンクユニット302Rには、右側リンク部材340Rが取付けられている。これらリンク部材340L,340Rに、枠顔可動体400が取付けられている。そして各リンク部材340L,340Rは、それぞれ左側枠顔移動モータ311L及び右側枠顔移動モータの駆動によって、軸中心O1及び軸中心O2周りに回転可能である。これにより、枠顔可動体400は、待機位置から動作位置へ移動する際に、図11(A)(B)に示すように、前方に向かって主人公キャラの顔が起き上がるように移動(回転)可能である。
なお枠顔可動体400の内部には、多数の顔用LED401が配されている。顔用LED401は、枠顔可動体400が動作位置にあるときに、発光するように制御される。こうして、動作位置にある枠顔可動体400を光って目立たせることが可能である。
本形態では、大当たりに当選する可能性(当選期待度)が高いことを示す演出や、大当たり遊技の実行中の演出(大当たり演出)として、枠顔可動体400が図1及び図3に示す状態から、図12及び図13に示す状態へ移動し得る。こうして、前枠53の上部に設けている大きな枠顔可動体400を移動させることで、演出に対するインパクトを向上させることが可能である。
3.遊技機の電気的構成
次に図14〜図16に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図14に示すように、パチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板、主制御部)80、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110、電源を供給する枠電源基板150等を備えている。主制御基板80は、払出制御基板110と共に、メイン制御部を構成する。
図14に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン(主制御手段)」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)83、ワークメモリとして使用されるRAM(Random access memory)84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)が設けられている。第1特図保留記憶部85aは、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また第2特図保留記憶部85bは、記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。各記憶領域は4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域である。
またRAM84には、普図保留記憶部86が設けられている。普図保留記憶部86は、記憶可能な普図保留の数に対応した記憶領域からなる。各記憶領域は、普通図柄乱数を記憶する領域である。
また主制御基板80には、RAM84に記憶されている情報をCPU82にクリアさせるためのRAMクリアスイッチ89が実装されている。主制御基板80を含めて本パチンコ遊技機1が備えている各種の基板は、本パチンコ遊技機1の裏面側(後面側)に配されている(図17参照)。従って、遊技機枠50を開放することが可能な遊技場の従業員等でなければ、RAMクリアスイッチ89や後述する電源スイッチ156を操作することはできない。すなわち、電源投入手段としての電源スイッチ156は、実質的に遊技者による操作が不可能な操作手段といえる。
また主制御基板80には、図14に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、図15に示すサブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
パチンコ遊技機1は、図15に示すように、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90と、画像制御を行う画像制御基板100と、音声制御を行う音声制御基板106とを備える。サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91(演出制御手段)には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に第1画像表示装置6の表示制御及び第2画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、第1画像表示装置6及び第2画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ68aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ68aは、セレクトボタン68が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタンが押されるとセレクトボタン検出スイッチ68aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
枠電源基板150(枠側電力供給手段、第1電力供給手段)は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の電力駆動手段に必要な電力を供給する。なお電力駆動手段とは、供給される電力に基づいて駆動可能な部材のことであり、主制御基板80等の各種制御基板や、スピーカ67等の各種演出手段、センサ類が含まれる。各種演出手段の中には、スピーカ67(音発生手段)、枠ランプ66(枠用LED66a)や盤ランプ5(盤用LED5a)等の各種発光手段、枠顔可動体400(枠顔移動モータ311)や盤可動体15(盤可動体移動モータ15a)等の可動部材(第1演出手段)の他、第1画像表示装置6や第2画像表示装置7等の表示手段(第2演出手段、盤側演出手段)が含まれる。
枠電源基板150には、電源スイッチ156が接続されている。電源スイッチ156のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。また枠電源基板150には、バックアップ電源回路157が設けられている。バックアップ電源回路157は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
またパチンコ遊技機1は、図16に示すように、サブ駆動基板107を備えている。上述した演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、図16に示すサブ駆動基板107を介して枠用LED66a(枠ランプ66)や盤用LED5a(盤ランプ5)の点灯(発光)制御を行うと共に、サブ駆動基板107と枠中継基板310とを介して顔用LED401の点灯制御を行う。演出制御用マイコン91は、枠用LED66a、盤用LED5a、顔用LED401の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠用LED66a、盤用LED5a、顔用LED401の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107に接続された盤可動体移動モータ15aの駆動制御を行う。つまり演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体移動モータ15aの駆動を制御する。盤可動体移動モータ15aは、盤可動体15(図5参照)に駆動力(回転力)を付与して、盤可動体15を移動可能にするものである。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお動作パターンデータの中には、枠顔可動体400の動作態様を決める駆動データ、枠剣可動体221の動作態様を決める駆動データもある。
枠中継基板310は、遊技機枠50(前枠53)に設けられている中継基板であり、サブ駆動基板107に接続されている。枠中継基板310には、枠顔可動体400を回転させるための枠顔移動モータ311が接続されている。枠顔移動モータ311は、左側枠顔移動モータ311Lと右側枠顔移動モータとの総称である。サブ駆動基板107は、サブ制御基板90からの駆動信号(シリアル信号やクロック信号等)に基づいて、枠中継基板310を介して枠顔移動モータ311の駆動制御を行う。
また枠中継基板310には、枠剣可動体221を直動させるための枠剣移動モータ223が接続されている。枠剣移動モータ223は、枠剣可動体221に駆動力を付与するものである。サブ駆動基板107は、サブ制御基板90からの駆動信号に基づいて、枠中継基板310を介して枠剣移動モータ223の駆動制御を行う。
また枠中継基板310には、タッチセンサ261が接続されている。そのため、タッチセンサ261に接触すると、タッチセンサ261から枠中継基板310とサブ駆動基板107とを介してサブ制御基板90に対して検出信号が出力される。また枠中継基板310には、上述したように点灯制御される顔用LED401が接続されている。図16においては、サブ駆動基板107に接続されている中継基板として枠中継基板310だけが示されているが、サブ駆動基板107に対して複数の枠中継基板が接続されていても良い。
なお、サブ駆動基板107や枠中継基板310にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに各モータの駆動制御や各ランプの点灯制御を実行させてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板107、枠中継基板310にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
本形態においてサブ制御基板90は、画像制御基板100と音声制御基板106とサブ駆動基板107とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(第1画像表示装置6、第2画像表示装置7、盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、枠顔可動体400等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。なお本形態のパチンコ遊技機1では、音声や楽曲、効果音等を出力するスピーカ67が、上側装飾部200の後方側の下側に設けられている。
図14〜図16は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図14〜図16に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図14〜図16に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図14〜図16に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
上述した各種制御基板や各種演出部材は、遊技機枠50側に設けられている部材と、遊技盤2側に設けられている部材とに分けることができる。つまりパチンコ遊技機1を遊技機枠50と遊技盤2とに分離した場合に、どちらに取付けられているかで、遊技機枠50側に設けられている部材と、遊技盤2側に設けられている部材とに分けることができる。具体的には、枠電源基板150と払出制御基板110とスピーカ67と枠顔可動体400と枠剣可動体221は、遊技機枠50側に設けられている部材である。これに対して、主制御基板80とサブ制御基板90と画像制御基板100とサブ駆動基板107と音声制御基板106と第1画像表示装置6と第2画像表示装置7とは、遊技盤2側に設けられている部材である。
ここで図17は、本パチンコ遊技機1の背面側(裏側)の斜視図である。図17では、一部の制御基板が示されているが、各種制御基板はパチンコ遊技機1の背面側に配されている。図17に示すように、主制御基板80は、主基板ケース80Aの内部に収容された状態で、遊技盤2(裏ユニット)の背面側の下方に取付けられている。なお、主基板ケース80Aは、主制御基板80上の電子部品(集積回路等)の見通しを妨げないように透明な合成樹脂で構成されている。また払出制御基板110は、払出制御基板ケース110Aの内部に収容された状態で、遊技機枠50(内枠52)の背面側の下方に取付けられている。なお、払出制御基板ケース110Aも、払出制御基板110上の電子部品の見通しを妨げないように透明な合成樹脂で構成されている。
また枠電源基板150は、払出制御基板110の前方側にて、遊技機枠50(内枠52)の背面側の下方に取付けられている。枠電源基板150には、枠電源用プラグ155が電気的に接続されていて、枠電源用プラグ155を介して外部から24Vの交流電源が供給されるようになっている。こうして、枠電源基板150では、外部から供給される24Vの交流電源から様々な電圧の電源(電力)を作り出している。具体的に、枠電源基板150は、24Vの交流電源からDC37Vの電源を生成する。更に、DC37Vの電源の一部から、DC12Vの直流電源、DC5Vの電源、DC18Vの電源、DC24Vの電源を生成するようになっている。
DC12Vの電源は、メイン制御部(主制御基板80,払出制御基板110)の電源や、遊技の進行に関与する各種センサや各種ソレノイドの電源として使用される。このDC12Vの電源は、ピーク電流が3Aを超えない範囲で、メイン制御部や、遊技の進行に関与する各種センサ及び各種ソレノイドに供給される。またDC12Vの電源は、演出用の駆動手段(本形態では盤可動体移動モータ15a等)の電源としても使用される。このDC12Vの電源は、ピーク電流が11Aを超えない範囲で、演出用の駆動手段に供給される。
DC5Vの電源は、各種の集積回路(IC)の電源として使用される。このDC5Vの電源は、ピーク電流が3Aを超えない範囲で、各種制御基板の様々な集積回路に供給される。DC18Vの電源は、各種LED(本形態では枠用LED66a,盤用LED5a,顔用LED401等)の電源として使用される。そしてDC18Vの電源は、ピーク電流が5Aを超えない範囲で、各種LEDに供給される。
DC24Vの電源は、演出用の駆動手段(本形態では枠顔移動モータ311)の電源として使用される。このDC24Vの電源は、ピーク電流が5Aを超えない範囲で、演出用の駆動手段に供給される。DC37Vの電源は、演出用の駆動手段(本形態では枠剣移動モータ223)に供給される。このDC37Vの電源は、ピーク電流が11Aを超えない範囲で、演出用の駆動手段に供給される。
以上により、設計段階において、各種電源に対するピーク電流が、それぞれの基準値(3A,11A,5A)を超えないように、各種電力駆動手段における駆動が設定される。更に、枠電源基板150によって定まる許容損失を超えないように、各種電力駆動手段における駆動が設定される。なお許容損失とは、枠電源基板150の性能を維持できる温度を超えない最大の消費電力のことであり、本形態の枠電源基板150では280Wに設定されている。
ところで、本形態のパチンコ遊技機1では、枠顔可動体400や枠剣可動体221のような大きな電力駆動手段が複数設けられている。そのため、各種電力駆動手段が駆動すると、枠電源基板150の消費電力が許容損失を超えたり、各種電源に対するピーク電流がそれぞれの基準値を超える状況が生じ易くなっている。つまり、枠電源基板150による電力だけでは、電力不足が生じ易い状況になっていた。
ここで電力不足を回避すべく、以下の方法が考えられる。即ち、枠電源基板150が外部から入力する電力を大きくする方法が考えられる。しかしながら、枠電源用プラグ155のように、電源プラグでは一般的に定格電流が15Aと規定されている。従って、枠電源基板150に入力する電流を容易に変更することはできない。そしてパチンコ遊技機1においては、従来から一般的に、枠電源基板150が外部から入力する電力を24Vの交流電源として各種設計が行われている。従って、仮に枠電源基板150が入力する交流電源の電圧を大きくすると、枠電源基板150の変更だけでなく、枠電源基板150から電力を供給する各種制御基板の変更も伴ってくる。よって、既存の構成からの大幅な設計変更になってしまう。以上により、既存の枠電源基板150が外部から入力する電力を大きくする方法は、現実的に難しい。
そこで本形態では、以下のようにして、電力不足を回避することにしている。図17に示すように、既存の枠電源基板150を設けているだけでなく、盤電源ユニット160を新たに設けている。盤電源ユニット160(盤側電力供給手段、第2電力供給手段)は、主制御基板80よりも後方にて、遊技盤2(裏ユニット)の背面側の下方に取付けられている。従って、盤電源ユニット160は、遊技盤2側に設けられている部材である。盤電源ユニット160は、外部から供給される24Vの交流電源に基づいて、第1画像表示装置6及び第2画像表示装置7に電力を供給するものであり、略直方体形状をしている。
本形態では、盤電源ユニット160が、枠電源基板150のように制御基板として構成されているわけではなく、ACアダプタのようにユニットとして構成されている。これは以下の理由に基づく。制御基板の場合、一般的にリードが付いた電子部品(ディップ)が表面に多数実装されるため、表面積が比較的大きくなってしまう。そのため、ほとんどスペースのない遊技盤2(裏ユニット)の背面側の下方に、新たな制御基板を配し難い。これに対して、盤電源ユニット160を、ACアダプタのようなユニットとして構成することで、コンパクトにすることが可能である。その結果、遊技盤2の背面側の下方に配し易くすることが可能である。なお変形例として、ユニットとして構成されている盤電源ユニット160に換えて、制御基板として構成されている盤側電力供給手段を設けるようにしても良い。また盤電源ユニット160の配置は、遊技盤2(裏ユニット)の背面側の下方に限られず、背面側の上方であっても良く、適宜変更可能である。
次に、図18に基づいて、枠電源基板150と盤電源ユニット160により電力が供給される状態について説明する。そこで先ず、枠電源基板150の詳細な構成について説明する。図18に示すように、枠電源基板150は、整流回路151と、平滑回路152と、DC・DCコンバータ153と、枠電源監視回路154と、上述した電源スイッチ156と、上述したバックアップ電源回路157と、リセット信号出力回路158と、を備えている。
なお枠電源基板150から延びる枠電源用プラグ155は、本パチンコ遊技機1の外部装置であるトランスTR1に接続されている。これにより、外部電源としてAC100Vの電源が、トランスTR1によりAC24Vの電源に変換される。そして、電源スイッチ156がON操作されているときにのみ、AC24Vの電源が枠電源基板150に供給されるようになっている。また枠電源基板150から延びる外部接地線GSは、グランド線として本パチンコ遊技機1の外部に接続されている。これにより、パチンコ遊技機1に作用するサージ(静電気等による高電圧の電力)を、外部接地線GSを介して本パチンコ遊技機1の外部に逃すことが可能である。
整流回路151は、枠電源基板150に供給されたAC24Vの電力を整流器によって整流すると共に、一部の電力を昇圧して、平滑回路152に直流の電力を供給するものである。平滑回路152は、整流回路151から供給された電力を平滑する(脈流の波形を平坦な直流電圧に近づける)ものである。平滑回路152によって平滑された直流の電力は、DC・DCコンバータ153に供給される。DC・DCコンバータ153は、平滑回路152から供給された直流の電力を、適宜必要な電圧の電力(電源)に変換するものである。その結果、DC5V、DC12V、DC18V、DC24V、DC37Vの電源が生成されることになる。こうして、枠電源基板150によって生成された各電源を、以下では適宜「枠電源」ともいう。
枠電源監視回路154は、DC・DCコンバータ153から出力される所定の電力(例えばDC37Vの電力)の電圧を監視して、枠用電源断信号の出力レベルを切替えるものである。枠用電源断信号は、枠電源監視回路154から図示しない制御信号ラインを介して、各種制御基板(主制御基板80、サブ制御基板90、払出制御基板110等)に出力される。具体的に、枠電源監視回路154は、コンパレータ(負帰還をかけていない標準的なオペアンプ)で構成されていて、電源投入時に監視している電圧が所定の電圧値(例えば28.4V)よりも高くなると、主制御基板80等に「H」レベルの枠用電源断信号を出力するようになっている。一方、枠電源監視回路154は、電源遮断時等に監視している電圧が所定の電圧値(例えば28.4V)以下になると、主制御基板80等に「L」レベルの枠用電源断信号を出力するようになっている。なお枠用電源断信号は、後述する出力連動回路170にも出力されるようになっている。
バックアップ電源回路157は、コンデンサを備えていて、DC・DCコンバータ153から出力される5Vの電力により充電するようになっている。そして上述したように、パチンコ遊技機1に対して電力が供給されない場合には、バックアップ電源回路157に充電されている電力を、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して供給することが可能である。
リセット信号出力回路158は、DC・DCコンバータ153から出力される所定の電力(例えば5Vの電力)の電圧を監視して、リセット信号の出力レベルを切替えるものである。リセット信号は、リセット信号出力回路158から図示しない制御信号ラインを介して、各種制御基板(主制御基板80、サブ制御基板90、払出制御基板110等)に出力される。具体的に、リセット信号出力回路158は、コンパレータで構成されていて、電源投入時に監視している電圧が所定の電圧値(例えば3.3V)よりも高くなると、リセット信号の出力レベルを「L」レベルから「H」レベルに切替える。これにより、「H」レベルのリセット信号を入力する主制御基板80等は、制御処理の動作を開始することが可能である。一方、リセット信号出力回路158は、電源遮断時等に監視している電圧が所定の電圧値(例えば3.3V)以下になると、リセット信号の出力レベルを「H」レベルから「L」レベルに切替える。これにより、「L」レベルのリセット信号を入力する主制御基板80等は、制御処理の動作を停止することが可能である。
こうして図18に示すように、枠電源基板150は、生成した枠電源を主に、主制御基板80と、サブ制御基板90と、払出制御基板110に供給すると共に、サブ制御基板90を介してスピーカ67と、演出LED5a,66a,401と、演出モータ15a,223,311に供給することが可能である。なお演出LED5a,66a,401は、盤用LED5aと枠用LED66aと顔用LED401の総称である。また演出モータ15a,223,311は、盤可動体移動モータ15aと枠剣移動モータ223と枠顔移動モータ311の総称である。これに対して、枠電源基板150は、生成した枠電源を、画像表示装置6,7には供給しないようになっている。なお画像表示装置6,7は、第1画像表示装置6と第2画像表示装置7の総称である。以上により、枠電源基板150は、画像表示装置6,7に電力を供給しないことを除いて、遊技機枠50に設けられている従来の電力供給手段と同じ構成になっている。
次に、盤電源ユニット160の詳細な構成について説明する。図18に示すように、盤電源ユニット160は、整流回路161と、平滑回路162と、DC・DCコンバータ163と、盤電源監視回路164とを備えている。この盤電源ユニット160には、盤電源用プラグ165(図17参照)が電気的に接続されている。そのため、盤電源用プラグ165を、本パチンコ遊技機1の外部装置であるトランスTR2に接続することが可能である。トランスTR2は、上述したトランスTR1と同様、外部電源としてのAC100Vの電源をAC24Vの電源に変換するものである。こうして、盤電源用プラグ165をトランスTR2に接続することで、盤電源ユニット160はAC24Vの電源を取込むことが可能である。
盤電源ユニット160は、枠電源基板150に設けられている電源スイッチ156のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられるように構成されている。即ち、電源スイッチ156がON操作されていれば、枠電源基板150がトランスTR1からAC24Vの電源を取込むと共に、盤電源ユニット160がトランスTR2からAC24の電源を取込む。一方、電源スイッチ156がOFF操作されていれば、枠電源基板150がトランスTR1からAC24Vの電源を取込まず、且つ盤電源ユニット160もトランスTR2からAC24の電源を取込まないように構成されている。こうして、盤電源ユニット160に電源スイッチを設けないことで、盤電源ユニット160の簡素化及び省スペース化を実現している。なお変形例として、盤電源ユニット160に電源スイッチを設けて、その電源スイッチのON/OFF操作により、トランスTR2からAC24Vの電源の投入/遮断を切替えるように構成しても良い。
また盤電源ユニット160には、枠電源基板150のように、外部接地線GSが設けられていない。つまり本形態では、盤電源ユニット160は、枠電源基板150と同じグランドに接続されていることになる。但し変形例として、盤電源ユニット160にも外部接地線を設けて、枠電源基板150に対するグランドと、盤電源ユニット160に対するグランドとを完全に分離させても良い。この場合には、仮に盤電源ユニット160が供給する電力のラインにサージ(静電気等による高電圧の電力)が作用しても、そのサージを枠電源基板150が供給する電力のラインの方に作用させないことが可能である。
整流回路161は、盤電源ユニット160に供給されたAC24Vの電力を整流器によって整流して、平滑回路162に直流の電力を供給するものである。平滑回路162は、整流回路161から供給された電力を平滑するものである。平滑回路162によって平滑された直流の電力は、DC・DCコンバータ163に供給される。DC・DCコンバータ163は、平滑回路162から供給された直流の電力を、12Vの電力(電源)に変換するものである。こうして、盤電源ユニット160によって生成された12Vの電源を、以下では適宜「盤電源」ともいう。
盤電源監視回路164は、DC・DCコンバータ163から出力される12Vの電力の電圧を監視して、盤用電源断信号の出力レベルを切替えるものである。具体的に、盤電源監視回路164は、コンパレータで構成されていて、電源投入時に監視している電圧が例えば8.0Vよりも高くなると、後述する出力連動回路170に「H」レベルの盤用電源断信号を出力するようになっている。一方、盤電源監視回路164は、電源遮断時等に監視している電圧が例えば8.0V以下になると、後述する出力連動回路170に「L」レベルの盤用電源断信号を出力するようになっている。
こうして図18に示すように、盤電源ユニット160は、生成した12Vの電力(盤電源)を、画像表示装置6,7に供給することが可能である。画像表示装置6,7は、供給される盤電源をバックライトの電源として用いることで、表示画面6a,7aにて様々な演出画像を表示することができる。なお、本形態において生成される盤電源は、12Vで且つ8Aの電力になっている。図18では、枠電源が黒色の矢印で示され、盤電源が斜線付きの矢印で示されているが、後述する図29、図30、図36、図39、図41、図42でも同様である。また図18と後述する図29、図30、図36、図39、図41、図42は、あくまで電力の概略的な流れを示すものであり、勿論その他の制御基板(サブ駆動基板107)にも電力(枠電源)が供給される。
以上により、本形態では、枠電源基板150による枠電源を画像表示装置6,7に供給する必要がなく、新たに設けた盤電源ユニット160による盤電源で画像表示装置6,7を駆動させることが可能である。従って、枠電源基板150による負担を軽減することが可能である。即ち、枠顔可動体400や枠剣可動体221のような大きな電力駆動手段が設けられていても、枠電源基板150の消費電力が許容損失(280W)を超えたり、各種電源に対するピーク電流がそれぞれの基準値を超える状況を生じ難くすることが可能である。
特に本形態では、枠電源基板150が外部から入力する電力について、従来通りの24Vの交流電源のままである。そして、既存の枠電源基板150からの変更が殆ど無い。従って、既存の遊技機枠50をほぼそのまま利用することが可能であり、既存の構成から変更を小さくして実施することが可能である。つまり、主に遊技盤2側の構成の変更で、実施することが可能である。
ここで本形態では、各種の電力駆動手段のうち、盤電源ユニット160による盤電源を画像表示装置6,7に供給することにしている。これは以下の理由に基づく。仮に、盤電源を遊技機枠50側にある電力駆動手段(例えばスピーカ67等)に供給する場合、遊技機枠50側にある電力駆動手段と、その電力駆動手段を制御する制御基板での設計変更を伴う。従って、既存のパチンコ遊技機1に対して、主に遊技盤2側の構成の変更だけで済まなくなる。よって、既存の構成からの変更を小さくするという観点により、盤電源は遊技盤2側に設けられている電力駆動手段に供給することが好ましい。
そして、例えば機種変更において、液晶表示装置(画像表示装置6,7)を変更する場合、その液晶表示装置を制御する制御基板(画像制御基板100、盤側制御手段)と併せて(セットで)変更すれば良いという実情がある。つまり、盤電源ユニット160による盤電力を画像表示装置6,7に供給するために、画像表示装置6,7と画像制御基板100の変更であれば、設計変更が少なく済む。これに対して、仮に盤電源ユニット160による電力を例えば盤可動体15(液晶表示装置以外で遊技盤2側にある演出手段)に供給するために、盤可動体15とサブ駆動基板107とサブ制御基板90の変更になると、設計変更が大きい。こうして、従来の構成に対して作り変え易いという観点により、盤電源を液晶表示装置(画像表示装置6,7)に供給することにしている。
ところで、既存のパチンコ遊技機に対して、盤電源ユニット160を新たに設けた場合、枠電源基板150と盤電源ユニット160とが連動しない場合が生じ得る。例えば、盤電源用プラグ165を接続するのを忘れたり、盤電源ユニット160に不具合が生じた場合には、盤電源ユニット160から盤電源が供給されずに、枠電源基板150だけから枠電源が供給されることになる。そうなると、画像表示装置6,7が暗くて演出画像が何も表示されないまま、遊技の進行に係る制御及び演出が実行される事態が生じてしまう。また例えば、枠電源用プラグ155を接続するのを忘れたり、枠電源基板150に不具合が生じた場合には、枠電源基板150から枠電源が供給されずに、盤電源ユニット160だけから盤電源が供給されることになる。そうなると、画像表示装置6,7だけが明るくて演出画像が表示され、遊技の進行に係る制御及び演出が実行されない事態が生じてしまう。
そこで本形態では、上記した事態を回避すべく、図18に示すように、枠電源基板150及び盤電源ユニット160に出力連動回路170を設けている。ここで図19は、図18に示す出力連動回路170の電気回路を示す図である。図19に示すように、出力連動回路170は、枠電源基板150に、枠側フォトモスリレーPM1と枠側アンド回路AN1と枠側インバータ素子INV1とを備えている。一方、盤電源ユニット160に、盤側フォトモスリレーPM2と盤側アンド回路AN2と盤側インバータ素子INV2とを備えている。
枠側フォトモスリレーPM1は、枠側電力供給ラインL1において、電流(電力)が流れる導通状態、又は電流が流れない非導通状態に切替えるものである。枠側電力供給ラインL1は、DC・DCコンバータ153から各種の枠電源が供給されるラインである。枠側フォトモスリレーPM1は、入力側として、アノード端子としての1番端子と、カソード端子としての2番端子と、未接続の3番端子とを備える。そして出力側として、ドレイン端子としての4番端子と、ソース端子としての5番端子と、ドレイン端子としての6番端子とを備えている。枠側フォトモスリレーPM1は、例えばテキサスインスツルメンツ製「TLP3107」などのフォトリレーを好適に使用できる。
枠側フォトモスリレーPM1において、1番端子には5Vの電圧(Vcc)が作用していて、2番端子には枠側インバータ素子INV1を介して枠側アンド回路AN1が接続されている。枠側アンド回路AN1には、枠電源監視回路154から延びる制御ラインW1と、盤電源監視回路164から延びる制御ラインB2とが接続されている。即ち、枠側アンド回路AN1には、制御ラインW1を介して枠用電源断信号が入力されると共に、制御ラインB2を介して盤用電源断信号が入力されるようになっている。
盤側フォトモスリレーPM2は、盤側電力供給ラインL2において、電流(電力)が流れる導通状態、又は電流が流れない非導通状態に切替えるものである。盤側電力供給ラインL2は、DC・DCコンバータ163からの盤電源が供給されるラインである。盤側フォトモスリレーPM2は、入力側として、アノード端子としての1番端子と、カソード端子としての2番端子と、未接続の3番端子とを備える。そして出力側として、ドレイン端子としての4番端子と、ソース端子としての5番端子と、ドレイン端子としての6番端子とを備えている。盤側フォトモスリレーPM2は、例えばテキサスインスツルメンツ製「TLP3107」などのフォトリレーを好適に使用できる。
盤側フォトモスリレーPM2において、1番端子には5Vの電圧(Vcc)が作用していて、2番端子には盤側インバータ素子INV2を介して盤側アンド回路AN2が接続されている。盤側アンド回路AN2には、盤電源監視回路164から延びる制御ラインB1と、枠電源監視回路154から延びる制御ラインW2とが接続されている。即ち、盤側アンド回路AN2には、制御ラインB1を介して盤用電源断信号が入力されると共に、制御ラインW2を介して枠用電源断信号が入力されるようになっている。
ここで先ず、枠電源基板150が正常に枠電源を供給可能であると共に、盤電源ユニット160が正常に盤電源を供給可能な場合について説明する。この場合、枠電源監視回路154が監視している電圧が所定の電圧値(例えば28.4V)よりも高いため、制御ラインW1,W2には、「H」レベルの枠用電源断信号が出力されている。同様に、盤電源監視回路164が監視している電圧が例えば8.0Vよりも高いため、制御ラインB1,B2には、「H」レベルの盤用電源断信号が出力されている。
このとき、枠側アンド回路AN1には「H」レベル同士の制御信号が入力されるため、枠側インバータ素子INV1に「H」レベルの制御信号が出力される。そして、その制御信号は枠側インバータ素子INV1によって、「L」レベルの制御信号に変換される。よって、枠側フォトモスリレーPM1の2番端子には、「L」レベルの電圧が作用することになる。同様に、盤側アンド回路AN2には「H」レベル同士の制御信号が入力されるため、盤側インバータ素子INV2に「H」レベルの制御信号が出力される。そして、その制御信号は盤側インバータ素子INV2によって、「L」レベルの制御信号に変換される。よって、盤側フォトモスリレーPM2の2番端子には、「L」レベルの電圧が作用することになる。
こうして上記した場合には、枠側フォトモスリレーPM1及び盤側フォトモスリレーPM2の1番端子(アノード端子)から2番端子(カソード端子)へ電流が流れる。これにより、各フォトモスリレーPM1,PM2の入力側のLEDが発光して、出力側のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect)ゲートが充電される。その結果、MOSFETが導通状態になる。即ち、各フォトモスリレーPM1,PM2の4番端子(ドレイン端子)と6番端子(ドレイン端子)との間が導通状態になる。これにより、枠電源基板150は、枠側電力供給ラインL1を介して枠電源を供給することが可能であると共に、盤電源ユニット160は、盤側電力供給ラインL2を介して盤電源を供給することが可能である。
次に、枠電源基板150が正常に枠電源を供給可能であるものの、盤電源用プラグ165が接続されていなかったり、盤電源ユニット160の不具合によって、盤電源ユニット160が正常に盤電源を供給不能な場合について説明する。この場合、枠電源監視回路154が監視している電圧が所定の電圧値(例えば28.4V)よりも高いため、制御ラインW1,W2には、「H」レベルの枠用電源断信号が出力されている。一方、盤電源監視回路164が監視している電圧が例えば8.0V以下であるため、制御ラインB1,B2には、「L」レベルの盤用電源断信号が出力されている。
このとき、枠側アンド回路AN1には「H」レベルと「L」レベルの制御信号が入力されるため、枠側インバータ素子INV1に「L」レベルの制御信号が出力される。そして、その制御信号は枠側インバータ素子INV1によって、「H」レベルの制御信号に変換される。よって、枠側フォトモスリレーPM1の2番端子には、「H」レベルの電圧が作用することになる。同様に、盤側アンド回路AN2には「H」レベルと「L」レベルの制御信号が入力されるため、盤側インバータ素子INV2に「L」レベルの制御信号が出力される。そして、その制御信号は盤側インバータ素子INV2によって、「H」レベルの制御信号に変換される。よって、盤側フォトモスリレーPM2の2番端子には、「H」レベルの電圧が作用することになる。
こうして上記した場合には、枠側フォトモスリレーPM1及び盤側フォトモスリレーPM2の1番端子(アノード端子)から2番端子(カソード端子)へ電流が流れない。これにより、各フォトモスリレーPM1,PM2の入力側のLEDが発光しないため、出力側のMOSFETゲートが充電されない。その結果、MOSFETが非導通状態になる。即ち、各フォトモスリレーPM1,PM2の4番端子(ドレイン端子)と6番端子(ドレイン端子)との間が非導通状態になる。これにより、枠電源基板150は、枠側電力供給ラインL1を介して枠電源を供給することができず、盤電源ユニット160も、盤側電力供給ラインL2を介して盤電源を供給することができない。つまり、枠電源基板150及び盤電源ユニット160の両方とも、電力を供給しないように連動させることが可能である。
続いて、盤電源ユニット160が正常に盤電源を供給可能であるものの、枠電源用プラグ155が接続されていなかったり、枠電源基板150の不具合によって、枠電源基板150が正常に枠電源を供給不能な場合について説明する。この場合、盤電源監視回路164が監視している電圧が例えば8.0Vよりも大きいため、制御ラインB1,B2には、「H」レベルの枠用電源断信号が出力されている。一方、枠電源監視回路154が監視している電圧が所定の電圧値(例えば28.4V)以下であるため、制御ラインW1,W2には、「L」レベルの枠用電源断信号が出力されている。
このとき、枠側アンド回路AN1には「H」レベルと「L」レベルの制御信号が入力されるため、枠側インバータ素子INV1に「L」レベルの制御信号が出力される。また、盤側アンド回路AN2にも「H」レベルと「L」レベルの制御信号が入力されるため、盤側インバータ素子INV2に「L」レベルの制御信号が出力される。よってこの場合(盤電源ユニット160が正常に盤電源を供給可能であるものの、枠電源基板150が正常に枠電源を供給不能な場合)には、上記した場合(枠電源基板150が正常に枠電源を供給可能であるものの、盤電源ユニット160が正常に盤電源を供給不能な場合)と同じになる。従って、各フォトモスリレーPM1,PM2が非導通状態になり、枠電源基板150及び盤電源ユニット160の両方とも、電力を供給しないように連動させることが可能である。
最後に、枠電源基板150が正常に枠電源を供給不能であり、盤電源ユニット160も正常に盤電源を供給不能な場合について説明する。この場合、枠電源監視回路154が監視している電圧が所定の電圧値(例えば28.4V)以下であるため、制御ラインW1,W2には、「L」レベルの枠用電源断信号が出力されている。また、盤電源監視回路164が監視している電圧が例えば8.0V以下であるため、制御ラインB1,B2には、「L」レベルの盤用電源断信号が出力されている。
このとき、枠側アンド回路AN1には「L」レベルと「L」レベルの制御信号が入力されるため、枠側インバータ素子INV1に「L」レベルの制御信号が出力される。また、盤側アンド回路AN2にも「L」レベルと「L」レベルの制御信号が入力されるため、盤側インバータ素子INV2に「L」レベルの制御信号が出力される。よってこの場合(枠電源基板150が正常に枠電源を供給不能であり、盤電源ユニット160も正常に盤電源を供給不能な場合)には、上記した場合(枠電源基板150及び盤電源ユニット160の何れか一方が電力を供給不能な場合)と同じになる。従って、各フォトモスリレーPM1,PM2が非導通状態になり、枠電源基板150及び盤電源ユニット160の両方とも、電力を供給しないように連動させることが可能である。
以上要するに、枠電源基板150及び盤電源ユニット160は、それぞれ正常に電力を供給可能な場合にのみ枠電源と盤電源とをそれぞれ供給し、何れか一方でも正常に電力を供給不能な場合には枠電源及び盤電源の両方を供給しない。つまり、枠電源監視回路154と盤電源監視回路164と出力連動回路170(監視手段)によって、枠電源基板150による枠電源の供給と、盤電源ユニット160による盤電源の供給とを完全に連動させることが可能である。従って、盤電源ユニット160から盤電源が供給されずに、枠電源基板150だけから枠電源が供給されることにより、画像表示装置6,7が暗くて演出画像が何も表示されないまま、遊技の進行に係る制御及び演出が実行される事態を防ぐことが可能である。また、枠電源基板150から枠電源が供給されずに、盤電源ユニット160だけから盤電源が供給されることにより、画像表示装置6,7だけが明るくて演出画像が表示され、遊技の進行に係る制御及び演出が何ら実行されない事態を防ぐことが可能である。
4.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図20に示す通りである。図20に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。この14R及び16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14R及び16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図6(B)参照)から第1状態(図6(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図20に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図21(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図21(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
5.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図22(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図23参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図22(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図22(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図24参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図24参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特定遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
6.遊技制御用マイコンの動作
[主制御メイン処理]次に図25〜図28に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、RAM84に設けられている。カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源が投入されると、ROM83から図25に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず後述する電源投入時処理(S001)を行う。
そして、電源投入時処理(S001)に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、図21に示した種々の乱数カウンタ値を1加算して更新する。各乱数カウンタ値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期でCPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、例えば4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときにCPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[電源投入時処理]図26に示すように、電源投入時処理(S001)では、まずRAM84へのアクセスの許可設定を行う(S011)。これにより、RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが可能になる。続いて、遊技制御用マイコン81は、RAMクリアスイッチ89が操作されたか否か(ONか否か)を判定する(S012)。RAMクリアスイッチ89がONであれば(S012でYES)、ステップS018に進む。これに対して、ONでなければ(S012でNO)、続いて電源断フラグがONであるか否かを判定する(S013)。電源断フラグは、電断の発生を示すフラグであり、後述する電源断監視処理(図28参照)でONにされるフラグである。
電源断フラグがONでなければ(S013でNO)、正常に電源が遮断されていない可能性があるため、ステップS018に進む。一方、電源断フラグがONであれば(S013でYES)、チェックサムを算出して(S014)、これを電断時に算出しておいたチェックサム(図28のステップS202参照)と比較する(S015)。チェックサムは、RAM84に記憶されている遊技情報を数値とみなしてその合計が算出されたものである。チェックサムの値が一致しなければ(S015でNO)、RAM84の記憶内容が正常でないため、ステップS018に進む。これに対して、チェックサムの値が一致すれば(S015でYES)、RAM84の記憶内容が正常であると判断し、ステップS016に進む。
ステップS016では、復電時におけるRAM84の作業領域の設定管理を行う。この設定処理では、ROM83から復電時情報を読み出し、この復電時情報をRAM84の作業領域にセットする。その後、遊技制御用マイコン81は、電源断フラグをOFFして(S017)、ステップS021に進む。
一方、ステップS018では、RAM84に記憶されている全ての遊技情報をクリアする(S018)。その後、遊技制御用マイコン81は、RAM84の作業領域の初期設定を行う(S019)。この初期設定の処理では、ROM83から読み出された初期設定情報がRAM84の作業領域にセットされる。続いて遊技制御用マイコン81は、RAMクリアを行ったことを通知するためのRAMクリア通知コマンドをサブ制御基板90に対して出力して(S020)、ステップS021に進む。
ステップS021では、遊技制御用マイコン81は、電源投入コマンド設定処理を行う。電源投入コマンド設定処理(S021)では、所定時間(本形態では3秒)経過後にサブ制御基板90に電源投入コマンドを出力するための設定処理を行う。電源投入コマンド設定処理(S021)の後、ステップS022ではその他の初期設定として、例えばCPU82の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)の設定等を行ったり、後述する遊技制御停止フラグがONである場合に遊技制御停止フラグをOFFにする。なお遊技制御停止フラグは、遊技の進行に係る制御を停止していることを示すものである。その後、本処理を終える。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図27に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理を実行する(S101)。メイン側タイマ割り込み処理(S005)で実行する普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S005)は、図25の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。
次に、セキュリティー制御処理を実行する(S102)。セキュリティー制御処理(S102)は、本パチンコ遊技機1に対して不正が行われたか否かを判断する処理である。具体的には、普通電役不正入賞処理、第2大入賞口不正入賞処理、第1大入賞口不正入賞処理、特定領域不正通過処理、第1大入賞口排出確認処理、扉開放処理、不正電波検出処理、衝撃検出処理、磁気検出処理等を実行する。ここで不正の中でも磁気に基づく不正は、遊技利益に関わり易く、不正の重大度が高い。よって本形態では、磁気検出処理により磁気が検出された場合には、遊技の進行に係る制御を停止すべく、遊技制御停止フラグをONにする。
セキュリティー制御処理(S103)の後、遊技制御停止フラグがONであるか否かを判定する。OFFであれば(S103でNO)、後述するステップS104〜S108の処理を実行する。一方、ONであれば(S103でYES)、ステップS104〜S108の処理をパスする。こうして、遊技制御停止フラグがONされている場合には、遊技の進行に係る制御が停止されることになる。
ステップS104では、遊技制御用マイコン81は、入力処理を実行する。具体的には、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図14参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S105)、特別動作処理(S106)、および普通動作処理(S107)を実行する。始動口センサ検出処理(S105)では、第1始動口センサ20aがONであれば、第1特図保留の記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(図21(A)参照))を取得する。また第2始動口センサ21aがONであれば、第2特図保留の記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の各種乱数を取得する。また、ゲートセンサ28aがONであれば、普図保留の記憶が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図21(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S106)では、始動口センサ検出処理(S105)にて取得した大当たり乱数等の乱数を判定し、その判定結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の開始時に変動パターンの情報を含む変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットし、特別図柄の停止表示の開始時に変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。なお変動パターンは、大当たり乱数等の各種乱数の判定に基づき、図23に示す変動パターン判定テーブルを用いて決定される。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、所定の開放パターン(開放時間や開放回数)に従って第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。ここで図23に示すように、変動パターンが決まれば、特別図柄の変動表示が実行される変動時間も決まる。図23の備考欄に示すSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。SPリーチの方がノーマルリーチよりも、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)が高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
普通動作処理(S107)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を判定し、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通図柄当たりに当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図24参照)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90等に出力する出力処理を行う(S108)。その後、後述する電源断監視処理(S109)を実行して、本処理を終える。
[電源断監視処理]電源断監視処理(S109)では、図28に示すように、遊技制御用マイコン81はまず、枠用電源断信号が「H」レベルであるか否かを判定し(S201)、「H」レベルでなければ(S201でNO)、本処理を終える。一方、「H」レベルであれば(S201でYES)、チェックサムを算出してRAM84の所定の記憶領域に格納するとともに(S202)、電源断フラグをONする(S203)。そして、RAM84へのアクセスの禁止設定を行う(S204)。これにより、RAM84に対する情報の書き込みや読み出しが不可能になる。その後はメイン側タイマ割り込み処理(図27参照)に戻ることなくループ処理を行う。
7.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態(第1形態)のパチンコ遊技機1によれば、遊技機枠50に枠電源基板150が設けられているだけでなく、遊技盤2に盤電源ユニット160が設けられている。従って、図18に示すように、枠電源基板150による電力以外で、画像表示装置6,7を駆動させることが可能であり、電力不足を回避することが可能である。更に、既存の枠電源基板150をそのまま活かしつつ、遊技盤2に盤電源ユニット160を設ける構成であるため、遊技機枠50を変更せずに実施することが可能である。
また第1形態のパチンコ遊技機1によれば、枠電源基板150は、スピーカ67、演出LED5a,66a,401、及び演出モータ15a,223,311に枠電源を供給可能である。一方、盤電源ユニット160は、画像表示装置6,7に盤電源を供給可能である。こうして、複数の演出手段をそれぞれ駆動させるのに必要な電力を、枠電源基板150と盤電源ユニット160とによって分けて対応する。従って近年のパチンコ遊技機のように、枠顔可動体400や枠剣可動体221のような新たな演出手段が次々に追加されても、盤電源ユニット160によって電力不足に対応し易くすることが可能である。
また第1形態のパチンコ遊技機1によれば、新たに設けた盤電源ユニット160は、枠電源基板150が枠電源を供給可能な場合に盤電源を供給可能である一方、枠電源基板150が枠電源を供給不能な場合に盤電源を供給しない。つまり、盤電源ユニット160による盤電源の供給が、枠電源基板150による枠電源の供給に連動している。よって、枠電源基板150が枠電源を供給してないにも拘わらず、盤電源ユニット160が盤電源を供給する事態を回避することが可能である。
特に第1形態のパチンコ遊技機1によれば、枠電源監視回路154と盤電源監視回路164と出力連動回路170とによって、枠電源基板150による枠電源の供給と盤電源ユニット160による盤電源の供給とを完全に連動させることが可能である。従って、上述したように、枠電源基板150が枠電源を供給不能にも拘わらず、盤電源ユニット160が盤電源を供給する事態を回避することが可能であり、更に盤電源ユニット160が盤電源を供給不能にも拘わらず、枠電源基板150が枠電源を供給する事態も回避することが可能である。
ところで従来のパチンコ遊技機のように、外部から電力を入力可能な電源プラグが1つだけ設けられている場合には、電源プラグの定格電流が所定値(15A)に規定されているため、外部から入力する電力を増加させ難い。そこで本形態のパチンコ遊技機1によれば、枠電源用プラグ155だけでなく、盤電源用プラグ165も設けられている。従って、枠電源用プラグ155をトランスTR1に接続するだけでなく、盤電源用プラグ165をトランスTR2に接続することで、パチンコ遊技機1全体として入力する電力を容易に増加させることが可能である。その結果、盤電源ユニット160が供給する盤電源を確保し易くすることが可能である。
8.変形例
以下、変形例について説明する。なお、変形例の説明において、上記第1形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変形例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記第1形態および下記変形例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
<第2形態>
上記第1形態では、図18に示すように、枠電源基板150及び盤電源ユニット160が、パチンコ遊技機1の外部(トランスTR1,TR2)からそれぞれAC24Vの電力を入力していた。これに対して第2形態では、図29に示すように、盤電源ユニット160A(第2電力供給手段)が、パチンコ遊技機1の外部からAC100Vの電力(電源)を入力するように構成されている。以下、第1形態と異なる構成を中心に説明する。
第2形態の盤電源ユニット160Aでは、図29に示すように、盤電源用プラグ165をAC100Vの交流電源を供給する外部電源(コンセント等)に直接接続する。これにより、盤電源ユニット160AがAC100Vの電力を入力するようになっている。そして盤電源ユニット160Aは、トランスTR3(電圧変換手段)を備えている。つまり第2形態では、トランスTR3がパチンコ遊技機1の外部に設けられているわけでなく、盤電源ユニット160Aに設けられている点に特徴がある。トランスTR3は、盤電源ユニット160Aが入力したAC100Vの電力を、AC24Vの電力に変換するものである。
また盤電源ユニット160Aは、コンセント166を備えている。コンセント166は、枠電源基板150Aから延びる枠電源用プラグ155を接続可能なものである。コンセント166には電力供給ラインB3が接続されている。電力供給ラインB3は、トランスTR3と整流回路161との間の電力供給ラインB4から分岐したラインになっている。こうして、トランスTR3によって変換されたAC24Vの電力を、電力供給ラインB4を通って整流回路161に供給可能であると共に、電力供給ラインB3を通ってコンセント166に供給可能である。その結果、枠電源用プラグ155が盤電源ユニット160Aのコンセント166に接続されているときには、盤電源ユニット160Aから枠電源基板150AにAC24Vの電流を供給することが可能である。
ここで盤電源ユニット160Aは、電力供給ラインB3に遮断回路167を備えている。遮断回路167は、盤電源監視回路164から入力する盤用電源断信号に基づいて、電力供給ラインB3を導通状態又は非導通状態に切替えるものである。具体的には、遮断回路167は、「H」レベルの盤用電源断信号を入力しているときには、電力供給ラインB3を導通状態にしている。一方、遮断回路167は、「L」レベルの盤用電源断信号を入力しているときには、電力供給ラインB3を非導通状態にしている。遮断回路167は、例えばフォトモスリレー(図19参照)等のリレー回路で構成することが可能である。
枠電源基板150A(第1電力供給手段)は、盤電源ユニット160Aから供給されたAC24Vの電力に基づいて、整流回路151と平滑回路152とDC・DCコンバータ153を用いて、各種の枠電源を生成する。なお第2形態においても、上述した第1形態と同様、盤電源ユニット160Aは、枠電源基板150Aに設けられている電源スイッチ156のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられるように構成されている。即ち、電源スイッチ156がON操作されていれば、盤電源ユニット160AがAC100Vの電源を取込むようになっている。なお変形例として、盤電源ユニット160Aに電源スイッチを設けて、その電源スイッチのON/OFF操作により、AC100Vの電源の投入/遮断を切替えるように構成しても良い。
次に、盤電源ユニット160Aが盤電源を正常に供給可能な場合について説明する。この場合には、盤電源監視回路164が監視している電圧が例えば8.0Vよりも高いため、遮断回路167に「H」レベルの盤用電源断信号が出力されている。そのため、電力供給ラインB3が導通状態になっていて、盤電源ユニット160Aからコンセント166を介して枠電源基板150AにAC24Vの電力(電源)を供給可能である。その結果、枠電源基板150Aが、供給されたAC24Vの電力に基づいて枠電源を供給可能である。
続いて、盤電源用プラグ165が接続されていなかったり、盤電源ユニット160Aの不具合によって、盤電源ユニット160Aが正常に盤電源を供給不能な場合について説明する。この場合には、盤電源監視回路164が監視している電圧が例えば8.0V以下であるため、遮断回路167に「L」レベルの盤用電源断信号が出力されている。そのため、電力供給ラインB3が非導通状態になっていて、盤電源ユニット160Aから枠電源基板150AにAC24Vの電力(電源)を供給することができない。
こうして、盤電源ユニット160Aが盤電源を正常に供給可能な場合にのみ、枠電源基板150Aは枠電源を供給可能である。従って、盤電源ユニット160Aから盤電源が供給されずに、枠電源基板150Aから枠電源が供給されてしまい、画像表示装置6,7が暗いまま演出画像が表示されず、遊技の進行に係る制御及び演出が実行される事態を防ぐことが可能である。
そして仮に、枠電源用プラグ155が盤電源ユニット160Aのコンセント166に接続されていない場合には、電源スイッチ156によるON操作がなされることがない。そのためこの場合には、上述したように盤電源ユニット160AがAC100Vの電源を取込むことができない。その結果、盤電源ユニット160Aが盤電源を供給できず、且つ枠電源基板150Aも枠電源を供給できないようになっている。
以上により第2形態でも、第1形態と同様、枠電源基板150Aによる枠電源の供給と、盤電源ユニット160Aによる盤電源の供給とを連動させることが可能である。そして第2形態では、第1形態と異なり、盤電源ユニット160Aと枠電源基板150Aとを直列的に接続させている。そのため、第1形態のような出力連動回路170(図19参照)を用いずに、より簡易な構成で盤電源と枠電源の供給を連動させることが可能である。従って、枠電源基板150Aに出力連動回路170の構成を設けなくて済むため、既存の枠電源基板をほぼそのまま用いることが可能である。よって、遊技機枠50側の構成変更をほとんど行わずに、主に遊技盤2側の構成変更だけで実施することが可能である。
以上、第2形態のパチンコ遊技機1によれば、図29に示すように、枠電源基板150Aは、AC24Vの電力を入力することに基づいて枠電源を供給可能なものである。一方、盤電源ユニット160Aは、AC100Vの電力を入力することに基づいて盤電源を供給可能なものである。従って、枠電源基板150Aと盤電源ユニット160AとがそれぞれAC24Vの電力だけを入力する場合に比べて、供給可能な電力を大きくすることが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機1によれば、盤電源ユニット160AのトランスTR3がAC100Vの電力をAC24Vの電力に変換することで、盤電源ユニット160Aから枠電源基板150AにAC24Vの電力を供給することができる。これにより、枠電源基板150Aは、AC24Vの電力を入力することに基づいて、枠電源を供給することが可能である。こうして、盤電源ユニット160Aが盤電源を供給可能な場合に限って、枠電源基板150Aも枠電源を供給することが可能であり、盤電源ユニット160Aが盤電源を供給不能な場合には、枠電源基板150Aも枠電源を供給不能になる。従って、枠電源基板150Aによる電力の供給を、盤電源ユニット160Aによる電力の供給に連動させることが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機1によれば、枠電源基板150Aから延びている既存の枠電源用プラグ155を盤電源ユニット160Aのコンセント166に接続する。これにより、盤電源ユニット160Aから枠電源基板150AへAC24Vの電力を供給することが可能である。こうして、既存の構成を活かしつつ、盤電源ユニット160Aが盤電源を供給可能な場合に限って、枠電源基板150Aも枠電源を供給するという構成を実現することが可能である。
また第2形態のパチンコ遊技機1によれば、遊技機枠50に設けられている既存の枠電源基板150Aが、AC24Vの電力の入力に基づいて枠電源を供給する。一方、新たに設けた盤電源ユニット160Aが、24Vよりも高い電圧である100Vの交流電力を入力することに基づいて、盤電源を供給する。従って、盤電源ユニット160Aが外部から入力する電力を非常に大きくすることが可能であり、盤電源ユニット160Aが供給するための盤電源を確保し易くすることが可能である。そして、盤電源ユニット160Aに直列的に接続されている枠電源基板150Aが供給するための枠電源も確保し易くすることが可能である。また枠電源基板150Aから見れば、従来と同じAC24Vを入力しているだけであるため、既存の枠電源基板からの変更を伴わずに実施することが可能である。
ここで第2形態と第1形態とを比較すると、第2形態では、枠電源基板150Aに第1形態の出力連動回路170を設ける必要がないため、既存の枠電源基板をそのまま用いることが可能である。つまり、第1形態と比べて、遊技機枠50側の構成に変更がないという点で有利である。しかしながら、第2形態では、盤電源ユニット160AがAC100Vの電力を取込むため、盤電源ユニット160AにトランスTR3を設ける必要がある。つまり、パチンコ遊技機1自体にトランスTR3を搭載しなければならず、第1形態と比べて、トランスTR3の配置スペースを確保し難いという点で不利である。
<第3形態>
上記第1形態では、図18に示すように、盤電源ユニット160による盤電源の供給を、枠電源監視回路154と盤電源監視回路164と出力連動回路170の監視に基づいて、行った。これに対して第3形態では、図30に示すように、盤電源ユニット160Bによる盤電源の供給を、サブ制御基板90が枠電源を監視することに基づいて、行っている。以下、第1形態と異なる点を中心に説明する。
第3形態では、図30に示すように、盤電源ユニット160Bは、DC・DCコンバータ163から盤電源を供給する電力供給ラインB5に、電流遮断回路168(電力監視手段)を備えている。電流遮断回路168は、後述する枠電源異常判断回路95から入力する枠電源異常判断信号に基づいて、電力供給ラインB5を導通状態又は非導通状態に切替えるものである。なお電流遮断回路168は、フォトモスリレー(図19参照)等のリレー回路で構成されている。
また第3形態では、サブ制御基板90に、上述した枠電源異常判断回路95が設けられている。この枠電源異常判断回路95は、枠電源基板150Bからサブ制御基板90に供給される枠電源(例えばDC5Vの電力)を監視していて、枠電源が正常に供給されているかを判断するものである。そして、この枠電源異常判断回路95は、コンパレータで構成されていて、監視している枠電源の電圧が所定の電圧値(例えば3.3V)よりも高くなると、枠電源異常判断信号の出力レベルを「L」レベルから「H」レベルに切替える。これにより、「H」レベルの枠電源異常判断信号を入力する電流遮断回路168は、電力供給ラインB5を導通状態に切替えるようになっている。その結果、枠電源が正常に供給されている場合に、盤電源も電力供給ラインB5を介して供給可能になる。
一方、枠電源異常判断回路95は、監視している枠電源の電圧が所定の電圧値(例えば3.3V)以下になると、枠電源異常判断信号の出力レベルを「H」レベルから「L」レベルに切替える。これにより、「L」レベルの枠電源異常判断信号を入力する電流遮断回路168は、電力供給ラインB5を非導通状態に切替えるようになっている。その結果、枠電源が正常に供給されていない場合に、盤電源が電力供給ラインB5から供給不能になる。こうして第3形態では、サブ制御基板90による枠電源の監視により、盤電源の供給をコントロールするようになっている。
盤電源ユニット160Bは、サブ制御基板90を介して画像表示装置6,7に盤電源(DC12Vの電力)を供給するようになっている。そして、サブ制御基板90には、盤電源異常判断回路96が設けられている。盤電源異常判断回路96は、演出制御用マイコン91に電気的に接続されている。
盤電源異常判断回路96は、盤電源ユニット160Bからサブ制御基板90に供給される盤電源(DC12Vの電力)を監視していて、盤電源が正常に供給されているかを判断するものである。そして、この盤電源異常判断回路96は、コンパレータで構成されていて、監視している盤電源の電圧が所定の電圧値(例えば8.0V)よりも高くなると、盤電源異常判断信号の出力レベルを「L」レベルから「H」レベルに切替える。これにより、「H」レベルの盤電源異常判断信号は、演出制御用マイコン91に入力されるようになっている。一方、盤電源異常判断回路96は、監視している盤電源の電圧が所定の電圧値(例えば8.0V)以下になると、盤電源異常判断信号の出力レベルを「H」レベルから「L」レベルに切替える。これにより、「L」レベルの盤電源異常判断信号は、演出制御用マイコン91に入力されるようになっている。
この第3形態では、枠電源基板150Bが正常に枠電源を供給可能であるものの、盤電源ユニット160Bが正常に盤電源を供給不能な場合に、盤電源(特定の電力)が供給不能であることを示す異常報知(示唆演出)を実行可能になっている。具体的には、演出制御用マイコン91が、盤電源異常判断回路96から「L」レベルの盤電源異常判断信号を入力した場合に、盤電源が供給不能であることを示す異常報知を実行する。異常報知としては、スピーカ67(特定の演出手段)から特別な音声(例えば「盤電源が供給されていません」)が出力される。更に、枠ランプ66(枠用LED66a、特定の演出手段)が特別な発光態様(例えば全て赤色)で発光する。なおスピーカ67及び枠ランプ66が駆動できるのは、枠電源基板150Bから枠電源が供給されているからである。こうして、異常報知が実行されることで、遊技場(ホール)の従業員等は、盤電源ユニット160Bの盤電源用プラグ165が接続されていなかったり、盤電源ユニット160Bの不具合を即座に把握することが可能である。
次に、図30に基づいて、第3形態において枠電源及び盤電源が供給される流れについて説明する。先ず、枠電源用プラグ155をトランスTR1に接続すると共に、盤電源用プラグ165をトランスTR2に接続する。そして、電源スイッチ156に対してON操作を行う。これにより、枠電源基板150Bから主制御基板80とサブ制御基板90と払出制御基板110に枠電源が供給されると共に、サブ制御基板90を介してスピーカ67と演出LED5a,66a,401と演出モータ15a,223,311に枠電源が供給される。このとき、サブ制御基板90の枠電源異常判断回路95は、監視している枠電源の電圧が所定の電圧値(例えば3.3V)よりも大きくなるため、盤電源ユニット160Bの電流遮断回路168に「H」レベルの枠電源異常判断信号を出力する。これにより、電流遮断回路168は、電力供給ラインB5を導通状態にする。
その結果、盤電源ユニット160Bは、サブ制御基板90を介して画像表示装置6,7に盤電源を供給することが可能である。但し、盤電源ユニット160Bの盤電源用プラグ165が接続されていなかったり、盤電源ユニット160Bの不具合が生じている場合には、上述したように、盤電源異常判断回路96は、「L」レベルの盤電源異常判断信号を演出制御用マイコン91に出力する。これにより、演出制御用マイコン91は、盤電源が供給不能であることを示す異常報知を実行することが可能である。
[サブ側1msタイマ割り込み処理]次に図31〜図35に基づいて、第3形態における演出制御用マイコン91の動作について説明する。演出制御用マイコン91は、図31に示すサブ側1msタイマ割り込み処理を1msecといった短時間毎に繰り返す。なお演出制御用マイコン91は、サブ側1msタイマ割り込み処理を実行すると共に、後述するようにサブ側10msタイマ割り込み処理(図33参照)を実行するようになっている。図31に示すように、サブ側1msタイマ割り込み処理ではまず、入力処理を行う(S301)。入力処理(S301)では、演出ボタン検出スイッチ63aやセレクトボタン検出スイッチ68a(図15参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、後述するランプデータ出力処理を行う(S302)。ランプデータ出力処理(S302)では、演出に合うタイミングで盤用LED5a、枠用LED66a、顔用LED401を発光させるべく、後述のサブ側10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S505)で作成したランプデータをサブ駆動基板107に出力する。つまり、ランプデータに従って盤ランプ5、枠ランプ66、枠顔可動体400を所定の発光態様で発光させる。
次いで、駆動制御処理を行う(S303)。駆動制御処理(S303)では、演出に合うタイミングで、枠顔可動体400、枠剣可動体221、盤可動体15を駆動させるべく、駆動データを作成したり、出力したりする。つまり、駆動データに従って、枠顔可動体400、枠剣可動体221、盤可動体15を所定の動作態様で駆動させる。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S304)を行って、本処理を終える。
[ランプデータ出力処理]図32に示すように、ランプデータ出力処理(S302)ではまず、盤電源異常判断回路96から「L」レベルの盤電源異常判断信号を入力したか否かを判定する(S401)。「L」レベルの盤電源異常判断信号を入力していなければ(S401でNO)、ステップS403に進む。一方、「L」レベルの盤電源異常判断信号を入力していれば(S401でYES)、ROM93に記憶されている盤電源異常ランプデータをサブ駆動基板107に出力する処理を行って(S402)、ステップS403に進む。こうして、盤電源異常ランプデータがサブ駆動基板107に出力されると、サブ駆動基板107は、枠ランプ66を特別な発光態様(例えば全て赤色)で発光させる。その結果、盤電源ユニット160Bによる盤電源が正常に供給されていないことを示唆することが可能である。なお本形態では、盤電源異常ランプデータに基づく枠ランプ66の発光態様は、その他の状況では生じない専用の発光態様であるが、不正報知等の場合と同じ兼用の発光態様であっても良く、適宜変更可能である。
ステップS403では、その他のランプデータをサブ駆動基板107に出力する処理を行って、本処理を終える。なおその他のランプデータは、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S505)で作成したランプデータであり、演出に合うタイミングで枠ランプ66、盤ランプ5、枠顔可動体400を発光させるためのデータである。サブ駆動基板107は、ランプデータに従って、盤用LED5a、枠用LED66a、顔用LED401を所定の発光態様で発光させる。
[サブ側10msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン91は、図33に示すサブ側10msタイマ割り込み処理を10msecといった短時間毎に繰り返す。図33に示すように、サブ側10msタイマ割り込み処理ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S501)。次いで、サブ側1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S502)。続いて、スイッチ状態取得処理(S502)にて格納したスイッチデータに基づいて第1画像表示装置6の表示画面6a及び第2画像表示装置7の表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S503)。
続いて、演出制御用マイコン91は、後述する音声制御処理を行う(S504)。その後、ランプデータ(枠ランプ66、盤ランプ5、顔用LED401の発光を制御するデータ)を作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S505)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図34に示すように、受信コマンド解析処理(S501)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S601)、受信していれば変動演出開始処理を行う(S602)。変動演出開始処理(S602)では、変動開始コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を開始させるための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S603)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S604)。変動演出終了処理(S604)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たり遊技のオープニングの実行開始を示すオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S605)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S606)。オープニング演出選択処理(S606)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たり遊技のラウンド遊技の実行開始を示すラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S607)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S608)。ラウンド演出選択処理(S608)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たり遊技のエンディングの実行開始を示すエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S609)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S610)。エンディング演出選択処理(S610)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS611では、その他の処理として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、特定領域39への通過を示すV通過コマンドに基づいて第1画像表示装置6にてV通過報知を行う処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理(S401)を終える。
[音声制御処理]図35に示すように、音声制御処理(S504)ではまず、盤電源異常判断回路96から「L」レベルの盤電源異常判断信号を入力したか否かを判定する(S701)。「L」レベルの盤電源異常判断信号を入力していなければ(S701でNO)、ステップS703に進む。一方、「L」レベルの盤電源異常判断信号を入力していれば(S701でYES)、ROM93に記憶されている盤電源異常音声データを音声制御基板106に出力する処理を行って(S702)、ステップS703に進む。こうして、盤電源異常音声データが音声制御基板106に出力されると、音声制御基板106は、スピーカ67から特別な音声(例えば「盤電源が供給されていません」)を出力させる。その結果、盤電源ユニット160Bによる盤電源が正常に供給されていないことを示唆することが可能である。なお本形態では、盤電源異常音声データに基づくスピーカ67からの音声は、その他の状況では生じない専用の音声であるが、不正報知等の場合と同じ兼用の音声(例えばブザー音)であっても良く、適宜変更可能である。
ステップS703では、その他の音声制御処理を行って、本処理を終える。その他の音声制御処理(S703)では、音声データの作成、音声制御基板106への音声データの出力、及び音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。
以上、第3形態のパチンコ遊技機1によれば、図30に示すように、サブ制御基板90に、枠電源基板150Bが枠電源を正常に供給可能であるかを監視する枠電源異常判断回路95が設けられている。そのため、サブ制御基板90に供給される枠電源の電圧が所定の電圧値(例えば3.3V)よりも高いことに基づいて、盤電源ユニット160Bに盤電源を供給させることが可能である。言い換えれば、サブ制御基板90に供給される枠電源の電圧が所定の電圧値(例えば3.3V)以下である場合には、盤電源ユニット160Bに盤電源を供給させないことが可能である。その結果、枠電源基板150Bが枠電源を供給していないにも拘わらず、盤電源ユニット160Bが盤電源を供給する事態を回避することが可能である。即ち、画像表示装置6,7だけが明るくて演出画像が表示され、遊技の進行に係る制御及び演出が何ら実行されない事態を防ぐことが可能である。
また第3形態のパチンコ遊技機1によれば、サブ制御基板90に、盤電源ユニット160Bが盤電源を正常に供給可能であるかを監視する盤電源異常判断回路96が設けられている。そのため、サブ制御基板90に供給される盤電源の電圧が所定の電圧値(例えば8.0V)以下である場合には、演出制御用マイコン91に「L」レベルの盤電源異常判断信号を出力することが可能である。これにより、演出制御用マイコン91は、盤電源ユニット160Bによる盤電源が正常に供給されていない事態を把握することが可能であり、枠ランプ66を特別な発光態様(例えば全て赤色)で発光させたり、スピーカ67から特別な音声(例えば「盤電源が供給されていません」)を出力させることが可能である。よって、盤電源用プラグ165が接続されていなかったり、盤電源ユニット160Bに不具合が生じている場合等に、盤電源ユニット160Bが機能していないことを把握し易くすることが可能である。
<第4形態>
上記第3形態では、図30に示すように、盤電源ユニット160Bによる盤電源を、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)が監視(把握)した。これに対して第4形態では、図36に示すように、盤電源ユニット160Cによる盤電源の供給を、主制御基板80C(遊技制御用マイコン81)が監視(把握)するように構成されている。以下、第3形態と異なる点を中心に説明する。
枠電源基板150Cに設けられている枠電源監視回路154(電力監視手段)は、従来と同様、DC・DCコンバータ153から出力される所定の電力(例えばDC37Vの電力)の電圧を監視している。そして、監視している電圧が所定の電圧値(例えば28.4V)よりも高くなると、主制御基板80Cに「H」レベルの枠用電源断信号を出力し、所定の電圧値以下であると、主制御基板80Cに「L」レベルの枠用電源断信号を出力する。ここで第4形態では、主制御基板80Cは、枠電源監視回路154から入力した枠用電源断信号を、遊技制御用マイコン81に出力するだけでなく、盤電源ユニット160Cの電流遮断回路168にも出力するようになっている。なお、枠電源監視回路154から出力される枠用電源断信号は、主制御基板80Cを介さずに、盤電源ユニット160Cの電流遮断回路168に直接入力されるようにしても良い。
第4形態の電流遮断回路168は、第3形態で説明した電流遮断回路168(図30参照)と同様、DC・DCコンバータ163から盤電源を供給する電力供給ラインB5に設けられている。そして電流遮断回路168は、「H」レベルの枠用電源断信号を入力している場合には、電流供給ラインB5を導通状態にしている。そのためこの場合には、盤電源ユニット160Cから画像表示装置6,7へ盤電源を供給可能である。一方、電流遮断回路168は、「L」レベルの枠用電源断信号を入力する場合には、電流供給ラインB5を非導通状態に切替えるようになっている。そのためこの場合には、盤電源ユニット160Cから画像表示装置6,7へ盤電源を供給不能になる。
ここで第4形態では、主制御基板80Cに盤電源異常判断回路180が設けられている。そして、盤電源ユニット160Cから出力される盤電源(DC12Vの電力)は、画像表示装置6,7に供給されるだけでなく、主制御基板80Cにも供給されるようになっている。盤電源異常判断回路180は、盤電源ユニット160Cから主制御基板80Cに供給される盤電源(DC12Vの電力)を監視していて、盤電源が正常に供給されているかを判断するものである。
盤電源異常判断回路180は、コンパレータで構成されていて、監視している盤電源の電圧が所定の電圧値(例えば8.0V)よりも高い場合には、遊技制御用マイコン81に「H」レベルの盤電源異常判断信号を出力するようになっている。これにより、「H」レベルの盤電源異常判断信号を入力する遊技制御用マイコン81は、盤電源が正常に供給されているのを把握することが可能である。
一方、盤電源異常判断回路180は、監視している盤電源の電圧が所定の電圧値(例えば8.0V)以下である場合には、遊技制御用マイコン81に「L」レベルの盤電源異常判断信号を出力するようになっている。これにより、「L」レベルの盤電源異常判断信号を入力する遊技制御用マイコン81は、盤電源が正常に供給されていないのを把握することが可能である。
そして第4形態では、遊技制御用マイコン81が「L」レベルの盤電源異常判断信号を入力することに基づいて、遊技の進行に係る制御を停止するようになっている。つまり、盤電源用プラグ165が接続されていなかったり、盤電源ユニット160Cに不具合が生じていて、盤電源が正常に供給されていない場合には、遊技制御用マイコン81により、遊技の進行に係る制御が停止される。その結果、盤電源ユニット160Cから盤電源が供給されずに、画像表示装置6,7が暗くて演出画像が何も表示されないまま、遊技の進行に係る制御が実行される事態を防ぐことが可能である。
[メイン側タイマ割り込み処理]次に図37及び図38に基づいて、第4形態における遊技制御用マイコン81の動作について説明する。なお第1形態における遊技制御用マイコン81の動作との違いを中心に説明する。第4形態では、図37に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)において、盤電源監視処理(S110)が設けられている。従って遊技制御用マイコン81は、乱数更新処理(S101)、セキュリティー制御処理(S102)の後に、盤電源監視処理(S110)を実行する。
[盤電源監視処理]図38に示すように、盤電源監視処理(S110)では、盤電源異常判断回路180から「L」レベルの盤電源異常判断信号を入力したか否かを判定する(S801)。「L」レベルの盤電源異常判断信号を入力していなければ(S801でNO)、本処理を終える。一方、「L」レベルの盤電源異常判断信号を入力していれば(S801でYES)、遊技制御停止フラグをONにして(S802)、本処理を終える。
このように遊技制御停止フラグがONにされれば、図37に示すメイン側タイマ割り込み処理(S005)のステップS103にてYESと判定されるため、ステップS104〜S107の処理が実行されなくなる。つまり、主制御基板80に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a等)が全て無効になり、主制御基板80に取り付けられている各種ソレノイド(第1大入賞口ソレノイド33等)が全て動作しなくなり、表示器類40での点灯が実行されなくなる(特別図柄及び普通図柄が変動表示しなくなる)。このようにして、盤電源が正常に供給されていない場合には、遊技の進行に係る制御を停止することが可能である。
なお遊技制御用マイコン81は、ステップS801において、「L」レベルの盤電源異常判断信号を例えば数秒間検出している場合に限りYESと判定して、遊技制御停止フラグをONにすると良い。又は、遊技制御用マイコン81は、電源投入時から所定時間が経過した後から、盤電源異常判断信号を入力するにしても良い。電源投入時に、盤電源(DC12Vの電力)が立ち上がる前に、遊技制御用マイコン81が瞬間的に「L」レベルの盤電源異常判断信号を入力してしまい、遊技の進行に係る制御を停止するのを防ぐためである。
以上、第4形態のパチンコ遊技機1によれば、図36に示すように、第1形態と同様、枠電源を供給可能な枠電源基板150Cだけでなく、画像表示装置6,7に盤電源を供給可能な盤電源ユニット160Cが設けられている。従って、枠電源基板150Cにおける電力不足を回避することが可能である。更に、盤電源ユニット160Cは、枠電源監視回路154の監視に基づいて、盤電源を供給可能又は供給不能にすることが可能である。よって、枠電源基板150Cが枠電源を供給していないにも拘わらず、盤電源ユニット160Cが盤電源を供給する事態を回避することが可能である。
また第4形態のパチンコ遊技機1によれば、盤電源ユニット160Cが盤電源を供給不能な場合に、遊技制御用マイコン81が遊技の進行に係る制御を停止する。これにより、画像表示装置6,7が暗くて演出画像が何も表示されないまま、遊技制御用マイコン81が遊技の進行を制御している状況が生じるのを回避することが可能である。
また第4形態のパチンコ遊技機1によれば、画像表示装置6,7は、盤電源ユニット160Cから盤電源が供給されていない場合に、盤電源が供給されていないことがすぐに把握可能なものである。即ち、画像表示装置6,7に盤電源が供給されないと、バックライトが消灯したままになる。そのため、仮に盤電源をスピーカ67、枠顔可動体400、盤可動体15等に供給する場合と異なり、盤電源が供給されていないことを視覚的に判断することができる。よって電源投入直後に、遊技場の従業員は、画像表示装置6,7をチェックすることで、盤電源が供給されていない場合の不足の事態を即座に把握することが可能である。
<第5形態>
上記第4形態では、図36に示すように、主制御基板80Cに盤電源異常判断回路180が設けられていた。これに対して第5形態では、図39に示すように、主制御基板80Dに盤電源異常判断回路180とリセット生成回路190が設けられている。以下、第5形態と異なる点を中心に説明する。
第5形態の盤電源異常判断回路180は、第4形態で説明したように、盤電源ユニット160Dから主制御基板80Dに供給される盤電源(DC12Vの電力)を監視している。そして、監視している盤電源の電圧が所定の電圧値(例えば8.0V)よりも高い場合には、「H」レベルの盤電源異常判断信号を出力する一方、所定の電圧値以下である場合には、「L」レベルの盤電源異常判断信号を出力するようになっている。盤電源異常判断回路180から出力される盤電源異常判断信号は、リセット生成回路190に入力されるようになっていて、以下では適宜「BA信号」と呼ぶことにする。
第5形態において、枠電源基板150Dに設けられているリセット信号出力回路158は、第1形態で説明したように、DC・DCコンバータ153から出力される所定の電力(例えば5Vの電力)の電圧を監視している。そして、監視している電圧が所定の電圧値(例えば3.3V)よりも高い場合には、「H」レベルのリセット信号を出力する一方、所定の電圧値以下である場合には、「L」レベルのリセット信号を出力するようになっている。リセット信号出力回路158から出力されるリセット信号は、主制御基板80Dのリセット生成回路190に入力されるようになっていて、以下では適宜「RS信号」と呼ぶことにする。
次に、図40に基づいて、リセット生成回路190について説明する。リセット生成回路190(特定信号出力手段)は、図40に示すように、第1アンド回路191と第2アンド回路192とを備えている。第1アンド回路191の一方の端子には、5Vの電圧(Vcc)が作用している。また第1アンド回路191の他方の端子には、BA信号(盤電源異常判断回路180から出力される盤電源異常判断信号)が入力されるようになっている。これにより、第1アンド回路191において、「H」レベルのBA信号を入力する場合には、第2アンド回路192に「H」レベルの制御信号を出力する。一方、「L」レベルのBA信号を入力する場合には、「L」レベルの制御信号を出力するようになっている。以下では、第1アンド回路191から出力される制御信号を「BV信号」と呼ぶことにする。
第2アンド回路192の一方の端子には、上述した第1アンド回路191から出力されるBV信号が入力される。また第2アンド回路192の他方の端子には、RS信号(リセット信号出力回路158から出力されるリセット信号)が入力されるようになっている。これにより、第2アンド回路192において、「H」レベルのBV信号を入力し、且つ「H」レベルのRS信号を入力する場合にのみ、「H」レベルの制御信号を出力するようになっている。つまり、BV信号又はRS信号の少なくとも一方が「L」レベルであれば、「L」レベルの制御信号を出力するようになっている。以下では、第2アンド回路192から出力される制御信号を「RST信号」と呼ぶことにする。
RST信号は、図40に示すように、遊技制御用マイコン81のRST端子に入力されるようになっている。なお従来では、遊技制御用マイコン81のRST端子は、枠電源基板のリセット信号出力回路158から出力されるリセット信号が直接入力される端子である。遊技制御用マイコン81は、第2アンド回路192(リセット生成回路190)から「H」レベルのRST信号を入力していれば、制御処理の動作を行う。一方、遊技制御用マイコン81が、第2アンド回路192(リセット生成回路190)から「L」レベルのRST信号(特定信号)を入力していれば、制御処理の動作を停止するようになっている。
次に、遊技制御用マイコン81が動作する場合と動作しない場合について説明する。先ず、枠電源基板150Dが正常に枠電源を供給可能であり、且つ盤電源ユニット160Dが正常に盤電源を供給可能な場合には、リセット信号出力回路158から「H」レベルのRS信号が出力されると共に、盤電源異常判断回路180から「H」レベルのBA信号が出力される。この場合、図40に示すように、第1アンド回路191から「H」レベルのBV信号が出力され、第2アンド回路192から「H」レベルのRST信号が出力される。従って、遊技制御用マイコン81は正常に動作することが可能である。
次に、枠電源基板150Dが正常に枠電源を供給できない場合には、盤電源ユニット160Dの電流遮断回路168によって、盤電源の供給が遮断される。そのため、リセット信号出力回路158から「L」レベルのRS信号が出力されると共に、盤電源異常判断回路180から「L」レベルのBA信号が出力される。この場合、図40に示すように、第1アンド回路191から「L」レベルのBV信号が出力され、第2アンド回路192から「L」レベルのRST信号が出力される。従って、遊技制御用マイコン81は動作することができない。
続いて、枠電源基板150Dが正常に枠電源を供給可能であるものの、盤電源ユニット160Dが正常に盤電源を供給できない場合には、リセット信号出力回路158から「H」レベルのRS信号が出力される一方、盤電源異常判断回路180から「L」レベルのBA信号が出力される。この場合、図40に示すように、第1アンド回路191から「L」レベルのBV信号が出力される。そのため、第2アンド回路192が「H」レベルのRS信号を入力しても、「L」レベルのRST信号を出力する。従って、遊技制御用マイコン81は動作することができない。
こうして第5形態では、枠電源と盤電源のうち何れも正常に供給できる場合には、遊技制御用マイコン81を動作させることが可能である。これに対して、枠電源と盤電源のうち何れか一方でも正常に供給できない場合には、遊技制御用マイコン81を動作させないことが可能である。よって、画像表示装置6,7が暗くて演出画像が何も表示されないまま、遊技制御用マイコン81が動作している状況が生じるのを防ぐことが可能である。その反対に、画像表示装置6,7が明るくて演出画像が表示されているにも拘わらず、遊技制御用マイコン81が動作しない状況が生じるのを防ぐことが可能である。
以上、第5形態のパチンコ遊技機1によれば、図39に示すように、第1形態と同様、枠電源を供給可能な枠電源基板150Dだけでなく、画像表示装置6,7に盤電源を供給可能な盤電源ユニット160Dが設けられている。従って、枠電源基板150Dにおける電力不足を回避することが可能である。更に、盤電源ユニット160Dは、枠電源監視回路154の監視に基づいて、盤電源を供給可能又は供給不能にすることが可能である。よって、枠電源基板150Dが枠電源を供給していないにも拘わらず、盤電源ユニット160Dが盤電源を供給する事態を回避することが可能である。
また第5形態のパチンコ遊技機1によれば、盤電源ユニット160Dが盤電源(DC12Vの電力)を供給不能な場合には、遊技制御用マイコン81に「L」レベルのRST信号が出力される。これにより、遊技制御用マイコン81が「L」レベルのRST信号を入力することに基づいて動作を停止する。よって、盤電源用プラグ165が接続されていなかったり、盤電源ユニット160Dの不具合が生じている場合に、画像表示装置6,7が暗くて演出画像が何も表示されないまま、遊技制御用マイコン81が動作している状況が生じるのを回避することが可能である。
ここで第5形態と第4形態とを比較すると、第5形態では、盤電源が供給されない場合、第4形態のように遊技の進行に係る制御(ステップS104〜S108の処理)が停止するだけでなく、遊技制御用マイコン81の動作自体が完全に停止することになる。従って、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)(S101)等も実行されない。しかしながら、第4形態では、ソフト的に遊技の進行に係る制御を停止させるだけであるため、第5形態のリセット生成回路190(ハード回路)を設けなくて済む。従って、第5形態よりも第4形態の方が、既存の構成からの変更の負担が小さくて、実施し易い。
<第6形態>
上記第5形態では、図39に示すように、主制御基板80Dにリセット生成回路190が設けられていた。これに対して第6形態では、図41に示すように、主制御基板80Eに電源遮断回路195が設けられている。以下、第5形態と異なる点を中心に説明する。主制御基板80E(主制御部)には、第1形態で説明したように、センサ類(第1始動口センサ20a等)、ソレノイド類(第1大入賞口ソレノイド33等)、表示器類40(主電力駆動手段)が接続されている(図14参照)。そして、主制御基板80Eは、枠電源基板150Eから供給される枠電源(DC5Vの電力、DC12Vの電力、DC37Vの電力)を、センサ類、ソレノイド類、表示器類40に供給することで、これらセンサ類、ソレノイド類、表示器類を駆動可能にしている。
第6形態の主制御基板80Eには、センサ類、ソレノイド類、表示器類40に枠電源を供給する電力供給ラインに、電源遮断回路195(電力遮断手段)が設けられている。なおセンサ類、ソレノイド類、表示器類40に枠電源を供給する電力供給ラインとは、具体的にDC5Vの電力を供給するライン、DC12Vの電力を供給するライン、DC37の電力を供給するラインである。電源遮断回路195は、盤電源異常判断回路180からBA信号(盤電源異常判断信号)を入力するようになっている。そして電源遮断回路195は、入力するBA信号に基づいて、センサ類、ソレノイド類、表示器類40に枠電源を供給する電力供給ラインを、導通状態又は非導通状態に切替えることが可能である。
従って、盤電源ユニット160Eから主制御基板80Eに盤電源が正常に供給されている場合には、盤電源異常判断回路180が電源遮断回路195に「H」レベルのBA信号を出力している。この場合、電源遮断回路195は、「H」レベルのBA信号の入力に基づいて、センサ類、ソレノイド類、表示器類40に枠電源を供給する電力供給ラインを導通状態にしている。従って、センサ類、ソレノイド類、表示器類40は、主制御基板80Eから供給される枠電源に基づいて駆動することが可能である。つまり、パチンコ遊技機1として、遊技を進行することが可能になっている。
一方、盤電源ユニット160Eから主制御基板80Eに盤電源が正常に供給されていない場合には、盤電源異常判断回路180が電源遮断回路195に「L」レベルのBA信号を出力している。この場合、電源遮断回路195は、「L」レベルのBA信号の入力に基づいて、センサ類、ソレノイド類、表示器類40に枠電源を供給する電力供給ラインを非導通状態にしている。従って、センサ類、ソレノイド類、表示器類40は、主制御基板80Eから枠電源が供給されないため、駆動することができない。つまり、パチンコ遊技機1として、遊技を進行することが不能になっている。
以上、第6形態のパチンコ遊技機1によれば、図41に示すように、第1形態と同様、センサ類、ソレノイド類、表示器類40に枠電源を供給可能な枠電源基板150Eだけでなく、画像表示装置6,7に盤電源を供給可能な盤電源ユニット160Eが設けられている。従って、枠電源基板150Eにおける電力不足を回避することが可能である。更に、盤電源ユニット160Eは、枠電源監視回路154の監視に基づいて、盤電源を供給可能又は供給不能にすることが可能である。よって、枠電源基板150Eが枠電源を供給していないにも拘わらず、盤電源ユニット160Eが盤電源を供給する事態を回避することが可能である。
また第6形態のパチンコ遊技機1によれば、盤電源ユニット160Eが盤電源を供給不能な場合には、主制御基板80Eに電気的に接続されているセンサ類、ソレノイド類、表示器類40に枠電源を供給しないようにすることが可能である。これにより、画像表示装置6,7が暗くて演出画像が何も表示されないまま、センサ類、ソレノイド類、表示器類40が駆動してしまって、遊技が進行するのを回避することが可能である。
<第7形態>
上記第6形態では、図41に示すように、主制御基板80Eに盤電源異常判断回路180と電源遮断回路195が設けられていた。これに対して第7形態では、図42に示すように、枠電源基板150Fと主制御基板80との間に配されている中継基板97に、盤電源異常判断回路180と電源遮断回路195が設けられている。以下、第6形態と異なる点を中心に説明する。
パチンコ遊技機1において、主制御基板80は技術的制約が大きいものであり、各メーカーではその技術的制約の中で最大限の性能を発揮できるように主制御基板80を設計している。そのため主制御基板80には、新たな電子部品を配置するためのスペースの余裕があまり無い。そこで既存の主制御基板80よりも大きな主制御基板を用いることが考えられるが、主制御基板の大きさ等による設計変更は、その他の制御基板の設計にも影響を与えてしまい、莫大な費用がかかってしまう。よって、主制御基板80には、新たな電子部品をできるだけ設けないことが好ましい。そこで第7形態では、第6形態と異なり、主制御基板80に盤電源異常判断回路180と電源遮断回路195を設けずに、既存の主制御基板をそのまま利用できるようにしている。
第7形態では、枠電源基板150Fと中継基板97とが、枠電源(DC5Vの電力、DC12Vの電力、DC37Vの電力)を供給可能なハーネスで接続されている。そして、中継基板97と主制御基板80とが、枠電源を供給可能なハーネスで接続されている。よって、枠電源基板150Fから主制御基板80に枠電源を供給する場合、先ず枠電源基板150Fから中継基板97に枠電源が供給される。その後、中継基板97から主制御基板80に枠電源が供給されるようになっている。
また第7形態では、第6形態と異なり、盤電源ユニット160Fから供給される盤電源が主制御基板80に供給されず、中継基板97に供給されるようになっている。中継基板97には、主制御基板80へ枠電源(DC5Vの電力、DC12Vの電力、DC37Vの電力)を供給するための電力供給ラインに、電源遮断回路195が設けられている。なお中継基板97に設けられている電源遮断回路195は、第6形態で説明した主制御基板80Eに設けられている電源遮断回路195と同じ構成である。そして、中継基板97に設けられている盤電源異常判断回路180は、第6形態で説明した主制御基板80Eに設けられている盤電源異常判断回路180と同じ構成である。
従って、盤電源ユニット160Fから中継基板97に盤電源が正常に供給されている場合には、盤電源異常判断回路180が電源遮断回路195に「H」レベルのBA信号を出力している。この場合、電源遮断回路195は、「H」レベルのBA信号の入力に基づいて、枠電源を供給する電力供給ラインを、導通状態にしている。従って、中継基板97から主制御基板80に枠電源を供給することが可能であると共に、主制御基板80を介してセンサ類、ソレノイド類、表示器類40に枠電源を供給することが可能である。よって、センサ類、ソレノイド類、表示器類40は駆動することが可能である。
一方、盤電源ユニット160Fから中継基板97に盤電源が正常に供給されていない場合には、盤電源異常判断回路180が電源遮断回路195に「L」レベルのBA信号を出力している。この場合、電源遮断回路195は、「L」レベルのBA信号の入力に基づいて、枠電源を供給する電力供給ラインを、非導通状態にしている。従って、中継基板97から主制御基板80に枠電源を供給することができず、センサ類、ソレノイド類、表示器類40にも枠電源を供給することができない。よって、センサ類、ソレノイド類、表示器類40は駆動することが不能である。
以上、第7形態のパチンコ遊技機1によれば、盤電源ユニット160Fが盤電源を供給不能な場合には、枠電源基板150Fから主制御基板80に枠電源を供給しないようにすることが可能である。従って、主制御基板80の遊技制御用マイコン81が動作しないだけでなく、主制御基板80に電気的に接続されているセンサ類、ソレノイド類、表示器類40が駆動しなくなる。よって、画像表示装置6,7が暗くて演出画像が何も表示されないまま、遊技が進行するのを回避することが可能である。
特に第7形態のパチンコ遊技機1では、第6形態と異なり、主制御基板80に盤電源異常判断回路180と電源遮断回路195が設けられていない。そのため、既存の主制御基板80をそのまま利用しつつ実施することが可能であり、第6形態よりも簡易に実施することが可能である。
<その他の変形例>
上記各形態では、枠電源基板150,150A,150B,150C,150D,150E,150F(以下適宜「枠電源基板150」と呼ぶ)が遊技機枠50に設けられていて、盤電源ユニット160,160A,160B,160C,160D,160E,160F(以下適宜「盤電源ユニット160」と呼ぶ)が遊技盤2に設けられていた。しかしながら、電力を供給可能な2つの電力供給手段を、それぞれ遊技機枠50に設けても良い。或いは、電力を供給可能な2つの電力供給手段をそれぞれ、遊技盤2に設けても良い。なお電力を供給可能な電力供給手段は2つに限られるものではなく、3つ以上であっても良い。
また上記各形態では、盤電源ユニット160(盤側電力供給手段、第2電力供給手段)が画像表示装置6,7(表示手段)に盤電源(DC12Vの電力)を供給した。しかしながら、盤電源ユニット160が盤電源を供給する電力駆動手段は、画像表示装置6,7に限られるものではなく、スピーカ67(音発生手段)、枠ランプ66や盤ランプ5(発光手段)、枠顔可動体400や盤可動体15(可動部材(各種モータ))等のその他の演出手段であっても良い。更に、盤電源ユニット160による盤電源を、演出手段ではなく、各種制御基板(サブ駆動基板107、画像制御基板100、音声制御基板106、払出制御基板110等)や、主制御基板80に接続されているセンサ類、ソレノイド類、表示器類40に供給するようにしても良い。こうして、盤電源が供給される電力駆動手段は適宜変更可能であるため、盤電源ユニット160が供給する盤電源は、DC12Vの電力に限られず、DC5Vの電力や、DC12Vの電力、DC18Vの電力、DC24Vの電力、DC37Vの電力等であっても良い。
また上記各形態では、枠電源基板150(枠側電力供給手段、第1電力供給手段)が主制御基板80、サブ制御基板90、払出制御基板110、スピーカ67(音発生手段)、枠ランプ66や盤ランプ5(発光手段)、枠顔可動体400や盤可動体15(可動部材(各種モータ))等に枠電源(DC5Vの電力、DC12Vの電力、DC18Vの電力、DC24Vの電力、DC37Vの電力)を供給した。しかしながら、枠電源基板150が枠電源を供給する電力駆動手段は、適宜変更可能であり、画像表示装置6,7(表示手段)であっても良い。また枠電源基板150が供給する枠電源は、DC5Vの電力、DC12Vの電力、DC18V、DC24Vの電力、DC37Vの電力に限られず、適宜変更可能である。
また上記各形態では、盤電源ユニット160は、枠電源基板150が枠電源を正常に供給可能な場合に限り、盤電源を供給できるように構成した。しかしながら、枠電源基板150による枠電源の供給と、盤電源ユニット160による盤電源の供給とを完全に独立させて、枠電源と盤電源とを供給できるように構成しても良い。この場合には、盤電源ユニット160に、盤電源の供給と遮断とを切替可能な電源スイッチ(切替手段)を設けると良い。なお上記第3〜第7形態において、枠電源基板は、盤電源ユニットが盤電源を正常に供給可能な場合に限り、枠電源を供給できるように構成しても良い。
また上記第1形態では、図19に示すように、出力連動回路170が枠側フォトモスリレーPM1と盤側フォトモスリレーPM2と枠側アンド回路AN1と盤側アンド回路AN2と枠側インバータ素子INV1と盤側インバータ素子INV2とを備えるように構成した。しかしながら、枠電源基板150による枠電源の供給と、盤電源ユニット160による盤電源の供給とを連動させることが可能であれば、出力連動回路等の構成は適宜変更可能である。従って、枠電源の供給と盤電源の供給とを連動させる回路を、フォトモスリレー以外のリレー(メカニカルリレー、フォトカプラ、電磁リレー等)で構成しても良く、或いは物理的なアナログスイッチ等で構成しても良い。
また上記第1形態及び第2形態では、図18及び図29に示すように、枠電源基板150,150Aによる枠電源の供給と、盤電源ユニット160、160Aによる盤電源の供給とを完全に連動させるようにした。つまり、枠電源基板150,150Aによる枠電源と、盤電源ユニット160、160Aによる盤電源のうち何れか一方でも正常に供給できない場合には、枠電源及び盤電源の何れも供給しないようにした。しかしながら、上記第3〜第7形態においても、出力連動回路170(図19参照)や、枠電源基板と盤電源ユニットとを直列的に接続することで、枠電源の供給と盤電源の供給とを完全に連動させても良い。
また上記第2形態では、図29に示すように、盤電源ユニット160Aが、パチンコ遊技機1の外部からAC100V(第2電圧)の電力を入力した。しかしながら、盤電源ユニット160Aが入力する電力の電圧は、100Vに限られるものではなく、50Vや200Vであっても良く、適宜変更可能である。但し、盤電源用プラグ165の定格電流が15Aと規定されているため、盤電源ユニット160Aが入力する電力の電圧が大きい程、パチンコ遊技機1として取り込む電力を大きくすることが可能である。その結果、電力供給手段に供給可能な電力に余裕を持たせることが可能である。
また上記第2形態では、図29に示すように、枠電源基板150Aは、盤電源ユニット160AのトランスTR3が変換したAC24V(第1電圧)の電力を入力した。しかしながら、枠電源基板150Aが入力する電圧は、24Vに限られるものではなく、100V、50V、10V等であっても良く、適宜変更可能である。更に、枠電源基板150Aは、盤電源ユニット160Aから交流電力ではなく、直流電力を入力するようにしても良い。
また上記第2形態では、図29に示すように、枠電源基板150Aは、盤電源ユニット160Aから電力(AC24Vの電力)を入力することに基づいて、電力(枠電源)を供給するようにした。しかしながら、盤電源ユニットが、枠電源基板から電力を入力することに基づいて、電力(盤電源)を供給するようにしても良い。そして、この場合には、盤電源ユニットから延びる盤電源用プラグを枠電源基板の方に設けられている被接続部に接続するようにしても良い。
また上記第2形態では、図29に示すように、枠電源基板150Aの枠電源用プラグ155を盤電源ユニット160Aに接続して、盤電源ユニット160Aが外部からAC100Vの電力を入力するのに対して、枠電源基板150Aが盤電源ユニット160AからAC24Vの電力を入力するようにした。しかしながら、盤電源ユニット160Aの盤電源用プラグ165を枠電源基板150Aに接続して、枠電源基板150Aが外部からAC100Vの電力を入力するのに対して、盤電源ユニット160Aが枠電源基板150AからAC24Vの電力を入力するようにしても良い。要するに、上記第2形態における枠電源基板150Aと盤電源ユニット160Aとの関係を逆にしても良い。この場合には、枠電源基板150Aの方にトランスTR3を設ければ良い。
また上記第2形態では、図29に示すように、枠電源基板150Aの枠電源用プラグ155を、盤電源ユニット160Aに接続したが、盤電源ユニット160Aに接続しないようにしても良い。つまり、枠電源基板150Aと盤電源ユニット160がそれぞれ独立して外部から電力を入力し、それぞれ外部から入力する電圧を異ならせても良い。この場合において例えば、盤電源ユニット160Aがパチンコ遊技機1の外部からAC100V(第2電圧)の電力を入力するのに対して、枠電源基板150Aがパチンコ遊技機1の外部からAC24V(第1電圧)の電力を入力するようにしても良い。その反対に、枠電源基板150Aがパチンコ遊技機1の外部からAC100V(第1電圧)の電力を入力するのに対して、盤電源ユニット160Aがパチンコ遊技機1の外部からAC24V(第2電圧)の電力を入力するようにしても良い。なお外部から入力する電圧は、100V又は24Vに限られず、200Vや10V等であっても良く、適宜変更可能である。
また上記第2形態では、図29に示すように、枠電源基板150AがAC24Vの電力を入力し、盤電源ユニット160Aが外部からAC100Vの電力を入力するように構成した。しかしながら、枠電源基板150Aを設けずに、盤電源ユニット160AだけがAC100Vの電力を入力するように構成しても良い。なおこの場合に、盤電源ユニット160Aが外部から入力する電力の電圧は、24V以外であれば、適宜変更可能である。但し、パチンコ遊技機1が外部から入力する電力を大きくするという観点では、24V以上であることが好ましい。又は、盤電源ユニット160Aを設けずに、枠電源基板150AにトランスTR3を設けて、枠電源基板150AだけがAC100Vの電力を入力するように構成しても良い。なおこの場合に、枠電源基板150Aが外部から入力する電力の電圧は、24V以外であれば、適宜変更可能である。但し、パチンコ遊技機1が外部から入力する電力を大きくするという観点では、24V以上であることが好ましい。
また上記第3形態では、図30に示すように、盤電源ユニット160Bによる盤電源を、サブ制御基板90を介して、画像表示装置6,7(第2演出手段)に供給した。しかしながら、盤電源ユニット160Bによる盤電源を、サブ制御基板90以外の基板(例えば中継基板や画像制御基板100)を介して、供給するようにしても良い。この場合、盤電源が供給される基板に枠電源も供給されるようにして、第3形態のように、枠電源異常判断回路95及び盤電源異常判断回路96を設けるようにすれば良い。そして、その基板から、枠電源異常判断信号を盤電源ユニット160Bの電流遮断回路168に出力すると共に、盤電源異常判断信号を演出制御用マイコン91に出力するように構成すれば良い。
また上記第3形態では、盤電源を正常に供給不能な場合に、異常報知(示唆演出)として、スピーカ67から特別な音声(例えば「盤電源が供給されていません」)を出力したり、枠ランプ66(枠用LED66a)を特別な発光態様(例えば全て赤色)で発光させた。しかしながら、その他の演出手段を用いて、その他の演出態様で盤電源が供給不能であることを示唆しても良い。例えば、画像表示装置6,7で特別な画像(「盤電源が供給されていません」を示す文字画像や特別なエフェクト画像)を表示したり、可動部材が特別な態様で動作するように(例えば演出ボタン63が振動する等)しても良い。また盤電源が正常に供給されていないことを示唆する専用のランプ(発光手段)等を設けて、そのランプが点灯するようにしても良い。なおこれらの場合には、盤電源が供給不能であることを示唆する演出手段に、枠電源が供給されることになる。
また上記第4形態では、盤電源を正常に供給不能な場合に、図27に示すステップS104〜S108の処理を実行しないようにした。これにより、主制御基板80に取り付けられているセンサ類(第1始動口センサ20a等)が全て無効になり、ソレノイド類(第1大入賞口センサ30a等)が全て動作しなくなり、表示器類40での点灯が実行されなくなった(特別図柄及び普通図柄が変動表示しなくなった)。しかしながら、盤電源を正常に供給不能な場合に、上記した一部の処理を実行しないようにしても良い。或いは、上記した処理に加えて、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)(S101)も実行しないようにしても良い。
また上記第5形態では、図40に示すリセット生成回路190(特定信号出力手段)が、枠電源又は盤電源の何れか一方でも供給不能な場合に、遊技制御用マイコン81のRST端子に「L」レベルのRST信号を出力して、遊技制御用マイコン81の動作を停止させた。しかしながら、リセット生成回路の構成は、図40に示すものに限られず、適宜変更可能である。例えばリセット生成回路は、枠電源の供給状態に拘わらず、盤電源が供給不能な場合に、遊技制御用マイコン81のRST端子に「L」レベルのRST信号を出力して、遊技制御用マイコン81の動作を停止するようにしても良い。また盤電源異常判断回路180とリセット生成回路190を、主制御基板80Dに設けたが、主制御基板80Dを除いて、盤電源が供給される基板に設けるようにしても良い。
また上記第6形態及び第7形態では、図41及び図42に示すように、主制御基板80E,80にセンサ類(第1始動口センサ20a等)、ソレノイド類(第1大入賞口ソレノイド33等)、表示器類40(主電力駆動手段)が接続されていた。しかしながら、主制御基板80E,80にモータ類が接続されていても良い。この場合には、盤電源が正常に供給されていない場合には、枠電源基板150E,150Fからモータ類への電力の供給も遮断するようにすれば良い。
また上記第3〜第7形態では、盤電源が正常に供給されていない場合に、画像表示装置6,7(演出手段)のバックライトが消えたままになることによって、盤電源が供給されていないことが把握可能であった。しかしながら、盤電源が供給されていないことが把握可能となる演出手段は、画像表示装置6,7に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、電源投入時から枠ランプ66や盤ランプ5に盤電源を供給して、発光させるようにする。ここで、盤電源が正常に供給されていない場合には、電源投入時から発光するはずの枠ランプ66や盤ランプ5が発光しないことによって、盤電源が供給されていないことを把握しても良い。
また上記第4〜第7形態では、図36,図39,図41,図42に示すように、枠電源を正常に供給可能であるかを監視する枠電源監視回路154(電力監視手段)が、枠電源基板150C,150D,150E,150Fに設けられていた。しかしながら、枠電源が供給される基板(例えば払出制御基板等)に枠電源監視回路を設けても良い。この場合、その枠電源監視回路から、盤電源ユニット160C,160D,160E,160Fの電流遮断回路168に枠用電源断信号を出力するようにすれば良い。又は、枠電源監視回路を盤電源ユニット160C,160D,160E,160Fに設けて、その枠電源監視回路から電流遮断回路168に枠用電源断信号を出力するようにしても良い。
また上記第3〜第7形態では、枠電源異常判断回路95又は枠電源監視回路154の監視に基づいて、枠電源基板150B,150C,150D,150E,150Fが枠電源を供給可能な場合には、盤電源ユニット160B,160C,160D,160Eが盤電源を供給可能になり、枠電源基板150B,150C,150D,150E,150Fが枠電源を供給不能な場合には、盤電源ユニット160B,160C,160D,160Eも盤電源を供給不能になった。しかしながら、上記構成に換えて、枠電源基板150B,150C,150D,150E,150Fが枠電源を供給可能な場合には、バックアップ電源回路157からバックアップ電源を供給不能になり、枠電源基板150B,150C,150D,150E,150Fが枠電源を供給不能な場合には(枠電源監視回路154により所定の電力が供給されていないと判断された場合には)、バックアップ電源回路157からバックアップ電源を供給可能にしても良い。
また上記第3〜第7形態では、電流遮断回路168、遮断回路167、電源遮断回路195をフォトモスリレー(図19参照)で構成した。しかしながら、フォトモスリレー以外のリレー(メカニカルリレー、フォトカプラ、電磁リレー等)で構成しても良く、或いは物理的なアナログスイッチ等で構成しても良い。
なお上記各形態において、枠電源監視回路154が監視する電力(DC37Vの電力)、リセット信号出力回路が監視する電力(DC5Vの電力)、盤電源監視回路164が監視する電力(DC12Vの電力)、枠電源異常判断回路95が監視する電力(DC5Vの電力)、盤電源異常判断回路96が監視する電力(DC12Vの電力)は、あくまで一例として示したものであって、その他の電圧の電力を監視するようにしても良い。そして上記した各回路において、出力信号の「H」レベルと「L」レベルとを切替える基準電圧値は、適宜変更可能である。更に、上記各形態で説明した「H」レベルと「L」レベルの関係が逆になるように各回路を構成して、実施しても良い。
また上記各形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記各形態では、いわゆるV確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記形態では、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定用情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また上記各形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
本明細書における「所定の制御条件の成立」とは、上記各形態では、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選において大当たりに当選し、その当選を示す大当たり図柄が停止表示されることである。
9.上記した各実施の形態に示されている発明
上記した各形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した各形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
枠状の基枠部(外枠51)と前記基枠部に対して開閉可能な開閉枠部(内枠52及び前枠53)とを含む遊技機枠(50)と、
前記遊技機枠の内部に配されている遊技盤(2)と、
供給される電力に基づいて駆動可能な複数の電力駆動手段(主制御基板80,サブ制御基板90,払出制御基板110,画像表示装置6,7,スピーカ67等)と、
前記複数の電力駆動手段のうち何れか(主制御基板80,サブ制御基板90,払出制御基板110,スピーカ67等)に電力(枠電源)を供給可能であって前記遊技機枠に設けられている枠側電力供給手段(枠電源基板150)と、
前記複数の電力駆動手段のうち何れか(画像表示装置6,7)に電力(盤電源)を供給可能であって前記遊技盤に設けられている盤側電力供給手段(盤電源ユニット160)と、を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠に枠側電力供給手段が設けられているだけでなく、遊技盤に盤側電力供給手段が設けられている。従って、枠側電力供給手段による電力以外で、電力駆動手段を駆動させることが可能であり、電力不足を回避することが可能である。更に、既存の枠側電力供給手段をそのまま活かしつつ、遊技盤に盤側電力供給手段を設ける構成であるため、遊技機枠を変更せずに実施することが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
前記複数の電力駆動手段には、所定の第1演出手段(スピーカ67)と、前記第1演出手段と異なる第2演出手段(画像表示装置6,7)と、が含まれていて、
前記枠側電力供給手段は、前記第1演出手段に電力を供給可能なものであり(図18参照)、
前記盤側電力供給手段は、前記第2演出手段に電力を供給可能なものである(図18参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1演出手段の駆動に必要な電力と第2演出手段の駆動に必要な電力とを、枠側電力供給手段と盤側電力供給手段とによって分けて対応する。従って近年の遊技機のように、新たな演出手段が次々に追加されても、盤側電力供給手段によって電力不足に対応し易くすることが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記遊技盤には、所定の盤側演出手段(画像表示装置6,7)と、前記盤側演出手段を制御可能な盤側制御手段(画像制御基板100)とが設けられていて、
前記第2演出手段は、前記盤側演出手段であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、盤側電力供給手段を新たに設けた場合に、盤側演出手段と盤側制御手段とを併せて変更すれば良く、遊技盤側の構成の変更だけで済ますことが可能である。つまり、遊技機枠側の電力駆動手段や制御手段に影響することがない。従って、設計開発を行い易くすることが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A1乃至手段A3の何れかに記載の遊技機において、
前記盤側電力供給手段は、前記枠側電力供給手段が所定の電力(枠電源、特にDC37Vの電力)を供給可能な場合に電力(盤電源、即ちDC12Vの電力)を供給可能である一方、前記枠側電力供給手段が前記所定の電力を供給不能な場合に電力を供給しないものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、盤側電力供給手段による電力の供給を、枠側電力供給手段による電力の供給に連動させることが可能である。つまり、枠側電力供給手段が電力を供給不能にも拘わらず、盤側電力供給手段が電力を供給する事態を回避することが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A1乃至手段A4の何れかに記載の遊技機において、
遊技の進行に係る演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)を備え、
前記演出制御手段は、前記盤側電力供給手段が特定の電力(盤電源、即ちDC12Vの電力)を供給不能な場合に、特定の演出手段(スピーカ67、枠ランプ66)を用いて前記盤側電力供給手段が前記特定の電力を供給不能であることを示唆する示唆演出(スピーカ67から特別な音声(例えば「盤電源が供給されていません」)が出力される演出、枠ランプ66が特別な発光態様(例えば全て赤色)で発光する演出)を実行可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、盤側電力供給手段が特定の電力を供給不能な場合には、特定の演出手段にて、盤側電力供給手段が特定の電力を供給不能であることを示唆する示唆演出が実行される。そのため、盤側電力供給手段が機能していないことを把握し易くすることが可能である。
ところで、特開2008−272111号公報に記載の遊技機では、電源基板によって供給される電力に基づいて駆動可能な様々な電力駆動手段を備えている。ところで近年の遊技機では、非常に多くの電力駆動手段が搭載されるため、各電力駆動手段に供給する電力の合計が大きくなっている。従って、遊技機枠に設けられている電源基板(枠側電力供給手段)だけでは、電力駆動手段に供給する電力が不足するおそれがあった。つまり、既存の電源基板における負担が大きくなっていて、電力不足による不具合が生じる可能性があった。そこで上記した手段A1〜手段A5に係る発明は、特開2008−272111号公報に記載の遊技機に対して、複数の電力駆動手段のうち何れかに電力を供給可能であって遊技盤に設けられている盤側電力供給手段を備えている点で相違している。これにより、電力不足を回避することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
供給される電力に基づいて駆動可能な複数の電力駆動手段(主制御基板80,サブ制御基板90,払出制御基板110,画像表示装置6,7,スピーカ67等)と、
前記複数の電力駆動手段のうち何れか(主制御基板80,サブ制御基板90,払出制御基板110,スピーカ67等)に電力(枠電源)を供給可能な第1電力供給手段(枠電源基板150)と、
前記複数の電力駆動手段のうち何れか(画像表示装置6,7)に電力(盤電源)を供給可能な第2電力供給手段(盤電源ユニット160)と、を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1電力供給手段が設けられているだけでなく、第2電力供給手段が設けられている。従って、第1電力供給手段による電力以外で、電力駆動手段を駆動させることが可能であり、電力駆動手段が多く設けられていても、電力不足を回避することが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記第2電力供給手段は、前記第1電力供給手段が所定の電力(枠電源、特にDC37Vの電力)を供給可能な場合に電力(盤電源、即ちDC12Vの電力)を供給可能である一方、前記第1電力供給手段が前記所定の電力を供給不能な場合に電力を供給しないものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2電力供給手段による電力の供給を、第1電力供給手段による電力の供給に連動させることが可能である。つまり、第1電力供給手段が電力を供給不能にも拘わらず、第2電力供給手段が電力を供給する事態を回避することが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記第1電力供給手段が前記所定の電力を供給可能であるかを監視すると共に、前記第2電力供給手段が特定の電力(盤電源、即ちDC12Vの電力)を供給可能であるかを監視する監視手段(枠電源監視回路154,盤電源監視回路164,出力連動回路170)を備え、
前記第1電力供給手段及び前記第2電力供給手段は、
前記監視手段により前記第1電力供給手段による前記所定の電力の供給及び前記第2電力供給手段による前記特定の電力の供給の両方が可能であると判断された場合に、それぞれ電力を供給可能である一方、
前記監視手段により前記第1電力供給手段による前記所定の電力の供給及び前記第2電力供給手段による前記特定の電力の供給の何れか一方でも不能と判断された場合に、それぞれ電力を供給しないものである(図19参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、監視手段によって、第1電力供給手段による電力の供給と、第2電力供給手段による電力の供給とを完全に連動させることが可能である。つまり、第1電力供給手段が電力を供給不能にも拘わらず、第2電力供給手段が電力を供給する事態を回避することが可能であり、その反対に第2電力供給手段が電力を供給不能にも拘わらず、第1電力供給手段が電力を供給する事態を回避することが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B1乃至手段B3の何れかに記載の遊技機において、
当該遊技機の外部に接続することで電力を入力可能な第1接続部(枠電源用プラグ155)と、
当該遊技機の外部に接続することで電力を入力可能な第2接続部(盤電源用プラグ165)と、を備え、
前記第1電力供給手段は、前記第1接続部により入力された電力(AC24Vの電力)に基づいて電力を供給可能なものであり、
前記第2電力供給手段は、前記第2接続部により入力された電力(AC24Vの電力)に基づいて電力を供給可能なものであることを特徴とする遊技機である。
従来のように第1接続部を当該遊技機の外部に接続するだけでは、第1接続部(電源プラグ)の定格電流が所定値(15A)に規定されているため、外部から入力する電力を増加させ難い。そこでこの構成の遊技機によれば、第1接続部だけでなく、第2接続部を当該遊技機の外部に接続させることで、入力する電力を容易に増加させることが可能である。その結果、第2電力供給手段が供給するための電力を確保し易くすることが可能である。
ところで、特開2008−272111号公報に記載の遊技機では、電源基板によって供給される電力に基づいて駆動可能な様々な電力駆動手段を備えている。ところで近年の遊技機では、非常に多くの電力駆動手段が搭載されるため、各電力駆動手段に供給する電力の合計が大きくなっている。従って、遊技機枠に設けられている電源基板(第1電力供給手段)だけでは、電力駆動手段に供給する電力が不足するおそれがあった。つまり、既存の電源基板における負担が大きくなっていて、電力不足による不具合が生じる可能性があった。そこで上記した手段B1〜手段B4に係る発明は、特開2008−272111号公報に記載の遊技機に対して、複数の電力駆動手段のうち何れかに電力を供給可能な第2電力供給手段を備えている点で相違している。これにより、電力不足を回避することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
供給される電力に基づいて駆動可能な複数の電力駆動手段(主制御基板80,サブ制御基板90,払出制御基板110,画像表示装置6,7,スピーカ67等)と、
前記複数の電力駆動手段のうち何れか(主制御基板80,サブ制御基板90,払出制御基板110,スピーカ67等)に電力(枠電源)を供給可能な第1電力供給手段(枠電源基板150)と、
前記複数の電力駆動手段のうち何れか(画像表示装置6,7)に電力(盤電源)を供給可能な第2電力供給手段(盤電源ユニット160)と、を備え、
前記第1電力供給手段は、所定の第1電圧の電力(AC24Vの電力)を入力することに基づいて、電力を供給可能なものであり、
前記第2電力供給手段は、前記第1電圧と異なる第2電圧の電力(AC100Vの電力)を入力することに基づいて、電力を供給可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1電圧の電力の入力に基づいて、電力を供給可能な第1電力供給手段と、第2電圧の電力の入力に基づいて、電力を供給可能な第2電力供給手段とが設けられている。従って、第1電圧の電力だけを入力する場合に比べて、供給可能な電力を大きくすることが可能である。その結果、電力駆動手段が多く設けられていても、電力不足を回避することが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記第2電力供給手段は、前記第2電圧の電力を前記第1電圧の電力に変換可能な電圧変換手段(トランスTR3)を備え、
前記第1電力供給手段は、前記電圧変換手段により変換された前記第1電圧の電力を前記第2電力供給手段から入力することに基づいて、電力を供給可能なものである(図30参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2電力供給手段の電圧変換手段が第2電圧の電力を第1電圧の電力に変換することで、第2電力供給手段から第1電力供給手段に第1電圧の電力を供給できる。これにより第1電力供給手段は、第1電圧の電力を入力することに基づいて、電力を供給することが可能である。こうして、第2電力供給手段が電力を供給可能な場合に限って、第1電力供給手段も電力を供給することが可能であり、第2電力供給手段が電力な供給不能な場合には、第1電力供給手段も電力を供給不能になる。従って、第1電力供給手段による電力の供給を、第2電力供給手段による電力の供給に連動させることが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機において、
前記第1電力供給手段から延びていて前記第2電力供給手段に接続可能な接続部(枠電源用プラグ155)を備え、
前記第2電力供給手段は、前記接続部が接続されているときに、前記電圧変換手段により変換された前記第1電圧の電力を前記第1電力供給手段に供給可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1電力供給手段から延びている既存の接続部を第2電力供給手段に接続する。これにより、第2電力供給手段から第1電力供給手段へ第1電圧の電力を供給することが可能である。こうして、既存の構成を活かしつつ、第2電力供給手段が電力を供給可能な場合に限って、第1電力供給手段も電力を供給するという構成を実現することが可能である。
手段C4に係る発明は、
手段C1乃至手段C3の何れかに記載の遊技機において、
枠状の基枠部(外枠51)と前記基枠部に対して開閉可能な開閉枠部(内枠52及び前枠53)とを含む遊技機枠(50)を備え、
前記第1電力供給手段は、前記遊技機枠に設けられていて、
前記第2電圧は、前記第1電圧よりも高い電圧(100V)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠に設けられている既存の第1電力供給手段が、第1電圧(例えばAC24V)の電力の入力に基づいて電力を供給する。一方、新たに設けた第2電力供給手段が、第1電圧よりも高い第2電圧(例えばAC100V)の入力に基づいて電力を供給する。従って、第2電力供給手段が外部から入力する電力を非常に大きくすることが可能であり、第2電力供給手段が供給するための電力を確保し易くすることが可能である。
ところで、特開2008−272111号公報に記載の遊技機では、電源基板によって供給される電力に基づいて駆動可能な様々な電力駆動手段を備えている。ところで近年の遊技機では、非常に多くの電力駆動手段が搭載されるため、各電力駆動手段に供給する電力の合計が大きくなっている。従って、電源基板(第1電力供給手段)だけでは、電力駆動手段に供給する電力が不足するおそれがあった。つまり、既存の電源基板における負担が大きくなっていて、電力不足による不具合が生じる可能性があった。そこで上記した手段C1〜手段C4に係る発明は、特開2008−272111号公報に記載の遊技機に対して、複数の電力駆動手段のうち何れかに電力を供給可能な第2電力供給手段を備え、第1電力供給手段は、所定の第1電圧の電力を入力することに基づいて、電力を供給可能なものであり、第2電力供給手段は、第1電圧と異なる第2電圧の電力を入力することに基づいて、電力を供給可能なものであるという点で相違している。これにより、電力不足を回避することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段D>
手段D1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
供給される電力に基づいて駆動可能な複数の電力駆動手段(主制御基板80,サブ制御基板90,払出制御基板110,画像表示装置6,7,スピーカ67等)と、
前記複数の電力駆動手段のうち何れか(主制御基板80,サブ制御基板90,払出制御基板110,スピーカ67等)に電力(枠電源)を供給可能な第1電力供給手段(枠電源基板150C)と、
前記複数の電力駆動手段のうち何れか(画像表示装置6,7)に電力(盤電源)を供給可能な第2電力供給手段(盤電源ユニット160C)と、
前記第1電力供給手段が所定の電力(枠電源、特にDC37Vの電力)を供給可能であるかを監視する電力監視手段(枠電源監視回路154)と、を備え、
前記第2電力供給手段は、前記電力監視手段による監視に基づいて、電力を供給可能又は供給不能にするものである(図36参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1電力供給手段が設けられているだけでなく、第2電力供給手段が設けられている。従って、第1電力供給手段による電力以外で、電力駆動手段を駆動させることが可能であり、電力不足を回避することが可能である。更に、電力監視手段を設けているため、第1電力供給手段が所定の電力を供給しているかに基づいて、第2電力供給手段が電力を供給可能又は供給不能にすることが可能である。よって、第1電力供給手段が電力を供給していないにも拘わらず、第2電力供給手段が電力を供給する事態を回避することが可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
遊技の進行を制御可能な主制御手段(遊技制御用マイコン81)を備え、
前記主制御手段は、前記第2電力供給手段が特定の電力(盤電源、即ちDC12Vの電力)を供給不能な場合に、遊技の進行に係る制御を停止可能なものである(図37に示すステップS104〜S107の処理を実行しない)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2電力供給手段が特定の電力を供給不能な場合に、主制御手段が遊技の進行に係る制御を停止する。これにより、或る電力駆動手段が駆動しないにも拘わらず、主制御手段が遊技の進行を制御している状況が生じるのを回避することが可能である。
手段D3に係る発明は、
手段D1又は手段D2に記載の遊技機において、
前記第2電力供給手段から供給される電力に基づいて所定の演出(演出画像を表示する演出)を実行可能な演出手段(画像表示装置6,7)を備え、
前記演出手段は、前記第2電力供給手段から電力が供給されていない場合に、電力が供給されていないことを把握可能なものである(バックライトが消灯したままになって盤電源が供給されていないことを視覚的に判断できる)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出手段を見れば、第2電力供給手段から電力が供給されているか否かを判断することが可能である。従って、第2電力供給手段が電力を供給していない場合の不足の事態を即座に把握することが可能である。
ところで、特開2008−272111号公報に記載の遊技機では、電源基板によって供給される電力に基づいて駆動可能な様々な電力駆動手段を備えている。ところで近年の遊技機では、非常に多くの電力駆動手段が搭載されるため、各電力駆動手段に供給する電力の合計が大きくなっている。従って、電源基板(第1電力供給手段)だけでは、電力駆動手段に供給する電力が不足するおそれがあった。つまり、既存の電源基板における負担が大きくなっていて、電力不足による不具合が生じる可能性があった。そこで上記した手段D1〜手段D3に係る発明は、特開2008−272111号公報に記載の遊技機に対して、複数の電力駆動手段のうち何れかに電力を供給可能な第2電力供給手段と、第1電力供給手段が所定の電力を供給可能であるかを監視する電力監視手段とを備え、第2電力供給手段は、電力監視手段による監視に基づいて、電力を供給可能又は供給不能にするものであるという点で相違している。これにより、電力不足を回避することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段E>
手段E1に係る発明は、
枠状の基枠部(外枠51)と前記基枠部に対して開閉可能な開閉枠部(内枠52及び前枠53)とを含む遊技機枠(50)と、
供給される電力に基づいて駆動可能な複数の電力駆動手段(主制御基板80,サブ制御基板90,払出制御基板110,画像表示装置6,7,スピーカ67等)と、を備え、
前記複数の電力駆動手段には、所定の演出(演出画像を表示する演出)を実行可能な演出手段(画像表示装置6,7)が含まれていて、
前記複数の電力駆動手段のうち何れか(主制御基板80,サブ制御基板90,払出制御基板110,スピーカ67等)に電力(枠電源)を供給可能であって前記遊技機枠に設けられている第1電力供給手段(枠電源基板150D)と、
少なくとも前記演出手段に電力(盤電源、即ちDC12Vの電力)を供給可能な第2電力供給手段(盤電源ユニット160D)と、
前記第1電力供給手段が所定の電力(枠電源、特にDC37Vの電力)を供給可能であるかを監視する電力監視手段(枠電源監視回路154)と、を備え、
前記第2電力供給手段は、前記電力監視手段による監視に基づいて、電力を供給可能又は供給不能にするものである(図39参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠に設けられている既存の第1電力供給手段だけでなく、第2電力供給手段が設けられている。従って、第1電力供給手段による電力以外で、演出手段を駆動させることが可能であり、電力不足を回避することが可能である。更に、電力監視手段が設けられているため、第1電力供給手段が所定の電力を供給しているかに基づいて、第2電力供給手段が電力を供給可能又は供給不能にすることが可能である。よって、第1電力供給手段が電力を供給していないにも拘わらず、第2電力供給手段が電力を供給する事態を回避することが可能である。
手段E2に係る発明は、
手段E1に記載の遊技機において、
遊技の進行を制御可能な主制御手段(遊技制御用マイコン81)と、
前記第2電力供給手段が特定の電力(DC12Vの電力)を供給不能な場合に前記主制御手段に特定信号(「L」レベルのRST信号)を出力可能な特定信号出力手段(リセット生成回路190)と、を備え、
前記主制御手段は、前記特定信号出力手段から前記特定信号を入力することに基づいて、動作を停止可能なものである(図40参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2電力供給手段が特定の電力を供給不能な場合には、主制御手段に特定信号が出力される。これにより、主制御手段が特定信号を入力することに基づいて動作を停止する。その結果、演出手段が駆動しないにも拘わらず、主制御手段が動作している状況が生じるのを回避することが可能である。
手段E3に係る発明は、
手段E1又は手段E2に記載の遊技機において、
前記演出手段は、前記第2電力供給手段から電力が供給されていない場合に、電力が供給されていないことを把握可能なものである(バックライトが消灯したままになって盤電源が供給されていないことを視覚的に判断できる)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出手段を見れば、第2電力供給手段から電力が供給されているか否かを判断することが可能である。従って、第2電力供給手段が電力を供給していない場合の不足の事態を即座に把握することが可能である。
ところで、特開2008−272111号公報に記載の遊技機では、電源基板によって供給される電力に基づいて駆動可能な様々な電力駆動手段を備えている。ところで近年の遊技機では、非常に多くの電力駆動手段が搭載されるため、各電力駆動手段に供給する電力の合計が大きくなっている。従って、遊技機枠に設けられている電源基板(第1電力供給手段)だけでは、電力駆動手段に供給する電力が不足するおそれがあった。つまり、既存の電源基板における負担が大きくなっていて、電力不足による不具合が生じる可能性があった。そこで上記した手段E1〜手段E3に係る発明は、特開2008−272111号公報に記載の遊技機に対して、演出手段に電力を供給可能な第2電力供給手段と、第1電力供給手段が所定の電力を供給可能であるかを監視する電力監視手段とを備え、第2電力供給手段は、電力監視手段による監視に基づいて、電力を供給可能又は供給不能にするものであるという点で相違している。これにより、電力不足を回避することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段F>
手段F1に係る発明は、
遊技の進行を制御可能な主制御部(主制御基板80,80E)と、
前記主制御部に電気的に接続されていて駆動可能な主電力駆動手段(センサ類(第1始動口センサ20a等)、ソレノイド類(第1大入賞口ソレノイド33等)、表示器類40)と、
所定の演出(演出画像を表示する演出)を実行可能な演出手段(画像表示装置6,7)と、
少なくとも前記主電力駆動手段に電力(DC5Vの電力,DC12Vの電力,DC37Vの電力)を供給可能な第1電力供給手段(枠電源基板150E,150F)と、
少なくとも前記演出手段に電力(盤電源、即ちDC12Vの電力)を供給可能な第2電力供給手段(盤電源ユニット160E,160F)と、
前記第1電力供給手段が所定の電力(枠電源、特にDC37Vの電力)を供給可能であるかを監視する電力監視手段(枠電源監視回路154)と、を備え、
前記第2電力供給手段は、前記電力監視手段による監視に基づいて、電力を供給可能又は供給不能にするものである(図41,図42参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、主電力駆動手段に電力を供給可能な第1電力供給手段だけでなく、演出手段に電力を供給可能な第2電力供給手段が設けられている。従って、第1電力供給手段による電力以外で、演出手段を駆動させることが可能であり、電力不足を回避することが可能である。更に、電力監視手段が設けられているため、第1電力供給手段が所定の電力を供給しているかに基づいて、第2電力供給手段が電力を供給可能又は供給不能にすることが可能である。よって、第1電力供給手段が電力を供給していないにも拘わらず、第2電力供給手段が電力を供給する事態を回避することが可能である。
手段F2に係る発明は、
手段F1に記載の遊技機において、
前記第2電力供給手段が特定の電力(DC12Vの電力)を供給不能な場合に、前記第1電力供給手段から前記主電力駆動手段への電力の供給を遮断可能な電力遮断手段(電源遮断回路195)を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第2電力供給手段が特定の電力を供給不能な場合に、第1電力供給手段から主電力駆動手段への電力の供給が遮断される。これにより、演出手段が駆動しないにも拘わらず、主電力駆動手段が駆動している状況が生じるのを回避することが可能である。
手段F3に係る発明は、
手段F1又は手段F2に記載の遊技機において、
前記主制御部と前記第1電力供給手段との間に中継基板(97)が配されていて、
前記中継基板に、前記電力遮断手段が設けられている(図42参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、中継基板に電力遮断手段が設けられていて、主制御部に電力遮断手段が設けられていない。こうして、主制御部に新たな回路(ハード構成)を設ける必要がないため、主制御部における配置スペースの悪化を防ぎつつ実施することが可能である。
手段F4に係る発明は、
手段F1乃至手段F3の何れかに記載の遊技機において、
前記演出手段は、前記第2電力供給手段から電力が供給されていない場合に、電力が供給されていないことを把握可能なものである(バックライトが消灯したままになって盤電源が供給されていないことを視覚的に判断できる)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出手段を見れば、第2電力供給手段から電力が供給されているか否かを判断することが可能である。従って、第2電力供給手段が電力を供給していない場合の不足の事態を即座に把握することが可能である。
ところで、特開2008−272111号公報に記載の遊技機では、電源基板によって供給される電力に基づいて駆動可能な様々な電力駆動手段を備えている。ところで近年の遊技機では、演出手段を次々に追加するため、非常に多くの電力駆動手段が搭載されている。そのため、電源基板(第1電力供給手段)は、主制御基板(主制御部)に電気的に接続されているセンサ類、ソレノイド類、表示器類(主電力駆動手段)も含めて、様々な電力駆動手段に電力を供給しなければならない。しかしながら、電源基板(第1電力供給手段)だけでは、電力駆動手段に供給する電力が不足するおそれがあった。つまり、既存の電源基板における負担が大きくなっていて、電力不足による不具合が生じる可能性があった。そこで上記した手段F1〜手段F4に係る発明は、特開2008−272111号公報に記載の遊技機に対して、演出手段に電力を供給可能な第2電力供給手段と、第1電力供給手段が所定の電力を供給可能であるかを監視する電力監視手段とを備え、第2電力供給手段は、前記電力監視手段による監視に基づいて、電力を供給可能又は供給不能にするものであるという点で相違している。これにより、電力不足を回避することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段G>
手段G1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
供給される電力に基づいて駆動可能な電力駆動手段(画像表示装置6,7)と、
前記電力駆動手段に電力を供給可能な電力供給手段(盤電源ユニット160A)と、を備え、
前記電力供給手段は、
外部から24Vよりも大きい高電圧の電力(AC100Vの電力)を入力することに基づいて前記電力駆動手段に電力を供給可能なものであり、
前記高電圧の電力を24Vの電力に変換可能な電圧変換手段(トランスTR3)を備えている(図29参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電力供給手段が外部から24Vよりも大きい高電圧の電力を入力することに基づいて電力駆動手段に電力を供給可能である。従って、外部から24Vの電力を入力する場合に比べて、供給可能な電力を大きくすることが可能である。その結果、電力駆動手段が多く設けられていても、電力不足を回避することが可能である。更に、電力供給手段が高電圧の電力を24Vの電力に変換可能な電圧変換手段を備えている。そのため、外部から24Vの電力を入力することに基づいて電力駆動手段を駆動させていた従来の設計を活かしつつ、実施することが可能である。即ち、既存の構成からの変更を少なくしつつ、実施することが可能である。
ところで、特開2008−272111号公報に記載の遊技機では、電源基板によって供給される電力に基づいて駆動可能な様々な電力駆動手段を備えている。ところで近年の遊技機では、非常に多くの電力駆動手段が搭載されるため、各電力駆動手段に供給する電力の合計が大きくなっている。ここで従来通り、電源基板(電力供給手段)が、外部から24Vの電力を入力するだけでは、電力駆動手段に供給する電力が不足するおそれがあった。つまり、既存の電源基板における負担が大きくなっていて、電力不足による不具合が生じる可能性があった。その一方で、仮に外部から入力する電力(電圧)を大きくしても、既存の構成では外部から24Vの電力を入力することに基づいて設計がなされているため、変更が大きくなってしまう。そこで上記した手段G1に係る発明は、特開2008−272111号公報に記載の遊技機に対して、電力供給手段は、外部から24Vよりも大きい高電圧の電力を入力することに基づいて電力駆動手段に電力を供給可能なものであり、高電圧の電力を24Vの電力に変換可能な電圧変換手段を備えている点で相違している。これにより、既存の構成からの変更を少なくしつつ、電力不足を回避することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段H>
手段H1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態(大当たり遊技状態)に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
供給される電力に基づいて駆動可能な複数の電力駆動手段(主制御基板80,サブ制御基板90,払出制御基板110,画像表示装置6,7,スピーカ67等)と、
前記複数の電力駆動手段のうち何れか(主制御基板80,サブ制御基板90,払出制御基板110,スピーカ67等)に電力(枠電源)を供給可能な第1電力供給手段(枠電源基板150)と、
前記複数の電力駆動手段のうち何れか(画像表示装置6,7)に電力(盤電源)を供給可能な第2電力供給手段(盤電源ユニット160)と、を備え、
前記第1電力供給手段は、前記第2電力供給手段から電力(AC24Vの電力)を入力することに基づいて、電力を供給可能なものである(図30参照)ことを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、電力を供給可能な第1電力供給手段及び第2電力供給手段が設けられているため、供給可能な電力を大きくすることが可能である。その結果、電力駆動手段が多く設けられていても、電力不足を回避することが可能である。更に、第1電力供給手段が、第2電力供給手段から電力を入力することに基づいて電力を供給可能なものであるため、第2電力供給手段が電力を供給可能な場合に限って、第1電力供給手段も電力を供給することが可能である。つまり、第2電力供給手段が電力な供給不能な場合には、第1電力供給手段も電力を供給不能になる。従って、第2電力供給手段が電力を供給していないにも拘わらず、第1電力供給手段だけが電力を供給する事態を回避することが可能である。要するに、第1電力供給手段による電力の供給を、第2電力供給手段による電力の供給に連動させることが可能である。
手段H2に係る発明は、
手段H1に記載の遊技機において、
前記第1電力供給手段から延びていて前記第2電力供給手段に接続可能な接続部(枠電源用プラグ155)を備え、
前記第2電力供給手段は、前記接続部が接続されているときに、前記第1電力供給手段に電力を供給可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1電力供給手段から延びている既存の接続部を第2電力供給手段に接続する。これにより、第2電力供給手段から第1電力供給手段へ電力を供給することが可能である。こうして、既存の構成を活かしつつ、第2電力供給手段が電力を供給可能な場合に限って、第1電力供給手段も電力を供給するという構成を実現することが可能である。