JP6895912B2 - 保険設計支援システム及び保険設計支援方法 - Google Patents

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Description

本発明は、保険商品開発における保険料率設定及び商品設計に関する。
従来、医療保険は、生命表等の公的統計データと保有契約における疾病の発生状況とをもとに設計されてきた。しかしながら公的統計データは保険設計を目的として収集されたものではなく、従って保険設計に最適化された内容となっていない。また過去の保有契約のデータは、過去に発売した商品の事例に限られるため、未経験の新しい支払条件を有する保険商品開発の際に将来リスクを正しく算定することが困難である。
保険商品の設計に利用できる情報を提供する技術として、例えば、国際公開第2017/013712号(特許文献1)がある。特許文献1は、健康状態に応じて予め定めた保険料を割り当てる方法を開示しているが、保険料設計については触れていない。
国際公開第2017/013712号
上記特許文献1に記載されている方法のように、将来の期待医療費を用いた分析では、実際の医療費と保険商品の支払い対象となって支払われる保険金額とが異なる為、正確な保険設計を行うことが困難である。レセプトなどの医療受診情報をもとに保険金額推定を行うことで、将来の支出額を算出し、さらに健康状態に基づく将来の支払い発生リスクを算出することで、保険加入の基準を様々に設定した推計分析ができ、収益健全性を評価することが可能になる。そこで本発明は、レセプトに代表される過去の医療受診情報から将来の支出額を推定し、健康診断に代表される健康状態の情報から最適な加入の基準を設定し、最適な医療保険設計を支援するシステムの提供を目的とする。
上記の課題の少なくとも一つを解決するための本発明の代表的な一例を挙げれば次の通りである。すなわち、プロセッサを有する保険設計支援システムであって、前記プロセッサは、複数の人物に関する実際の医療報酬の情報を含むレセプト情報と、前記複数の人物が受けた健康診断の結果を含む健診情報と、保険金の支払い条件と、を取得し、健康状態を示す情報を入力とし、保険金の支払いの対象となる事象である保険事故のリスクの高さを示すリスク値を出力するリスクモデルを用いて、前記健診情報及び前記レセプト情報から抽出された健康状態を示す情報に基づいて、前記複数の人物の各々について、前記リスク値を計算し、前記レセプト情報及び前記保険金の支払い条件に基づいて、前記複数の人物の各々に支払われる保険金額を計算し、前記リスク値及び前記保険金額に基づいて、保険に加入する人物に設定される保険料が所定の条件を満たすように、前記保険の引受基準としてのリスク値の範囲を計算することを特徴とする。
本発明の一形態によれば、保険の設計において最適な保険料率の設定と正確なリスク評価に基づく加入の基準設定を自動的に実行し、業務を精緻化及び効率化できる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施例の説明によって明らかにされる。
本発明の実施例1の保険設計支援システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例1のレセプト情報管理部が管理するレセプト基本情報の一例を示す説明図である。 本発明の実施例1のレセプト情報管理部が管理する傷病名情報の一例を示す説明図である。 本発明の実施例1のレセプト情報管理部が管理する診療行為情報の一例を示す説明図である。 本発明の実施例1の健診情報管理部が管理する健診情報の一例を示す説明図である。 本発明の実施例1の健保加入者情報管理部が管理する健保加入者情報の一例を示す説明図である。 本発明の実施例1の支払条件管理部が管理する入院給付条件情報の一例を示す説明図である。 本発明の実施例1の支払条件管理部が管理する手術給付条件情報の一例を示す説明図である。 本発明の実施例1の査定基準管理部が管理する査定基準情報の一例を示す説明図である。 本発明の実施例1のリスク査定モデル管理部が管理するリスク査定モデル情報の一例を示す説明図である。 本発明の実施例1の保険設計支援システムが保険料最適化を実行する手順を示すフロー図である。 本発明の実施例1の保険設計支援システムが実行する保険料最適化処理におけるリスク値のウインドウ幅の設定例を示す説明図である。 本発明の実施例1の保険設計支援システムが基礎保険料及び特別保険料を算出する手順を示すフロー図である。 本発明の実施例1の保険設計支援システムが、特別保険料と閾値とを求める処理を示した説明図である。 本発明の実施例1の保険設計支援システムが出力する、ウインドウ幅設定によって保険体と非保険体を分類した結果を示す画面例の説明図である。 本発明の実施例1の保険設計支援システムが出力する、保険体を無条件体と条件体に分類する閾値の算出と、特別保険料の算出結果とを示す画面例の説明図である。 本発明の実施例2の保険設計支援システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例2の保険収支評価結果管理部が管理する保険収支評価結果情報の一例を示す説明図である。 本発明の実施例2の保険設計支援システムが保険収支評価を実行する手順を示すフロー図である。 本発明の実施例2の保険設計支援システムが出力する、保険収支評価と評価結果を示す画面例の説明図である。 本発明の実施例2の保険設計支援システムが出力する、リスクポートフォリオ評価を行う画面例の説明図である。 本発明の実施例3の保険設計支援システムの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施例3の保険設計支援システムが、新規データによるデータ更新を行って、保険料算出処理を行う処理を示すフロー図である。 本発明の実施例3の保険設計支援システムが出力する、データ更新処理を行う画面の例を示す説明図である。
以下に本発明の実施例1として、レセプト(診療報酬明細書)を用いて保険金額の推計から保険料設計を行う方法を、図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の実施例1の保険設計支援システム101の構成の一例を示すブロック図である。
保険設計支援システム101は、コンピュータシステムであり、例えばキーボード及びマウスなどの入力部102、ディスプレイ(表示装置)などの出力部103、CPU(Central Processing Unit)104、メモリ105、及び記憶媒体106を備えている。保険設計支援システム101は、さらに、ネットワーク(図示省略)に接続され、ネットワークを介して他のシステム(図示省略)と通信する通信部108を備えてもよい。
保険設計支援システム101は、対象者選定部111、告知情報生成部112、査定実行部113、保険金額推計部114、及び査定基準最適化部115を有している。対象者選定部111〜査定基準最適化部115の各部は、CPU104が記憶媒体106に格納されたプログラムを実行することによって実現される。これらのプログラムがCPU104によって実行されるときに、それらの少なくとも一部が必要に応じてメモリ105にコピーされてもよい。以下の説明において上記の各部が実行する処理は、実際には、CPU104が上記のプログラムに記述された命令に従って実行する。
保険設計支援システム101にはデータベース107が接続される。データベース107は、レセプト情報管理部120、健診情報管理部121、健保加入者情報管理部122、査定基準管理部123、支払条件管理部124、及びリスク査定モデル管理部125を有する。但し、データベース107は、例えば記憶媒体106に保持されることによって保険設計支援システム101に統合されていてもよいし、ネットワークを介して保険設計支援システム101に接続された別のシステムに保持されていてもよい。
後者の場合、データベース107内のデータの少なくとも一部が必要に応じて通信部108を介して取得され、記憶媒体106又はメモリ105にコピーされてもよい。この場合、データベース107の全部が別のシステムに保持されてもよいし、一部は予め記憶媒体106内に保持され、残りが別のシステムに保持されてもよい。あるいは、データベース107の内容が複数の別のシステムに分散して保持されてもよい。また、入力部102、出力部103、CPU104、メモリ105及び記憶媒体106を有する計算機と、データベース107とを含むシステム全体を保険設計支援システムと呼んでもよい。
図2は、本発明の実施例1のレセプト情報管理部120が管理するレセプト基本情報200の一例を示す説明図である。
レセプト基本情報200は、それぞれのレセプトに関する基本的な情報であり、健康保険(健保)の加入者を特定する健保加入者ID201、レセプトを特定するための検索番号202、レセプトの発行された月を示す診療年月203、レセプトに記載されている医療費の情報を示す合計点数204、レセプトが入院であるか外来であるかなどの情報を示すレセプト種別205、及び、診療に要した日数を示す診療日数206を含む。この情報によって、レセプト毎に集計、分析を行うことができるという効果がある。
図3は、本発明の実施例1のレセプト情報管理部120が管理する傷病名情報300の一例を示す説明図である。
傷病名情報300は、それぞれのレセプトから抽出された傷病に関する情報であり、健保の加入者を特定する健保加入者ID201、レセプトを特定するための検索番号202、治療対象となった傷病を示す傷病名302、傷病名に対応する傷病名コード303、及び、複数の疾病の中で最も医療資源を投入した疾病に付与される主傷病フラグ304を含む。例えば一人の患者が1カ月間に複数の病気のために診療を受けた場合、傷病名302、傷病名コード303及び主傷病フラグ304の複数の組が同じ検索番号202に対応付けられる。この情報によって、傷病別に分析することが可能になるという効果がある。
図4は、本発明の実施例1のレセプト情報管理部120が管理する診療行為情報400の一例を示す説明図である。
診療行為情報400は、それぞれのレセプトから抽出された、それぞれのレセプトに対応する月に患者に対して施された診療行為に関する情報であり、レセプトを特定するための検索番号202、患者に対して施された診療行為を示す診療行為名称402、診療行為に対応する診療行為コード403、診療行為ごとに定められた診療行為点数404、診療行為が行われた日を示す1日の情報405から31日の情報408を含む。診療行為が行われた日を示す1日の情報405から31日の情報408は、その月の1日から31日までの各日に、診療行為名称402が示す診療行為が行われたか否かを示す情報である。図4には例として1日の情報405、2日の情報406、3日の情報407及び31日の情報408を示すが、実際には4日から30日の情報も含まれる。この情報によって、診療行為別に分析することが可能になるという効果がある。
なお、レセプト情報管理部120は、図2〜図4に示したレセプト基本情報200、傷病名情報300及び診療行為情報400を、レセプト情報としてまとめて管理してもよい。
図5は、本発明の実施例1の健診情報管理部121が管理する健診情報500の一例を示す説明図である。
健診情報500は、健保加入者が受信した健康診断(健診)の結果に関する情報であり、健保加入者ID201、健診を受診した年度を示す健診受診年度502、BMI(Body Mass Index)503、収縮期血圧504、中性脂肪505、空腹時血糖506、及び問診結果507などを含む。問診結果507は、例えば、飲酒の習慣の有無、運動の習慣の有無等を示す情報等を含んでもよい。この情報によって、健康状態に応じたシミュレーション対象集団の選定が可能になるという効果がある。
図6は、本発明の実施例1の健保加入者情報管理部122が管理する健保加入者情報600の一例を示す説明図である。
健保加入者情報600は、各健保加入者の属性に関する情報であり、健保加入者ID201、各健保加入者が被保険者本人か扶養者か及び扶養者の場合は被保険者との関係を示す続柄区分602、性別603、生年月日604、勤務先の業種を示す業種区分605、職種606、健保への加入日の情報を示す加入年月日607、及び、健保からの脱退日の情報を示す脱退年月日608を含む。この情報によって、続柄、年齢、性別、業種及び追跡可能年数等に応じた分析が可能になるという効果がある。
図7は、本発明の実施例1の支払条件管理部124が管理する入院給付条件情報700の一例を示す説明図である。
入院給付条件情報700は、入院給付(すなわち入院に対する保険金の支払い)の対象条件を特定する入院給付対象条件ID701、支払対象の傷病を示す支払対象傷病702、評価の対象の保険会社を特定する保険会社ID703、及び、評価の対象の保険商品を特定する保険商品ID704を含む。この情報によって、保険会社毎にそれぞれの保険商品で対象とする疾病を設定する事が可能になるという効果がある。
図8は、本発明の実施例1の支払条件管理部124が管理する手術給付条件情報800の一例を示す説明図である。
手術給付条件情報800は、手術給付(すなわち手術に対する保険金の支払い)の対象条件を特定する手術給付対象条件ID801、支払対象の手術処置を示す支払対象診療行為802、評価の対象の保険会社を特定する保険会社ID703、評価の対象の保険商品を特定する保険商品ID704、及び、対象処置に対する給付の倍率を示す給付倍率設定803を含む。この情報によって、保険会社毎にそれぞれの保険商品で対象とする手術給付条件を設定する事が可能になるという効果がある。
図9は、本発明の実施例1の査定基準管理部123が管理する査定基準情報900の一例を示す説明図である。
査定基準情報900は、査定の対象である保険商品を特定する保険商品ID704、保険商品の名前を特定する保険商品名称901、リスク値算出に用いる査定モデルを示す査定モデルID902、リスク分類に用いる閾値条件903、算出した基礎保険料904及び特別保険料905を含む。この情報によって、保険商品ごとにそれぞれ適切なリスクモデルを用いた査定を行うことが可能になるという効果がある。
なお、本実施例においてリスクとは、保険事故(すなわち保険金の支払いの対象となる事象)が発生するリスクを意味する。後述するリスク値とは、リスクの大きさを示す指標である。
図10は、本発明の実施例1のリスク査定モデル管理部125が管理するリスク査定モデル情報1000の一例を示す説明図である。
リスク査定モデル情報1000は、リスク査定モデルを特定するリスク査定モデルID1001、モデルの種類を示すモデル種類1002、及び、モデルの構造とパラメータを示すモデルパラメータ1003を含む。この情報によって、複数のモデルを用いて査定を試行し最適なモデルを選択可能になるという効果がある。
次に、保険収支評価に基づき保険料を算出する手順を、図を用いて説明する。
図11は、本発明の実施例1の保険設計支援システム101が保険料最適化を実行する手順を示すフロー図である。
ここでは、レセプト及び健診データに基づいて、所定の期間における保険金額の推計、つまり支出と、健康状態に応じて設定した保険料、つまり収入とをもとに保険収支評価を行い、最適なリスク分類と保険料設定を行う。ここでリスク分類とは、保険契約の対象である保険体の集団と、契約の非対象である非保険体の集団との分類、及び、保険体の集団の中で保険料割増などの特別な条件がなく加入ができる無条件体の集団と、条件が付加される条件体の集団との分類を行うことを指す。
開始ステップ1101にて保険料最適化処理が開始されると、まず、健診データ読込ステップ1102にて、対象者選定部111が、データベース107から必要な健診データの読込を行う。これによって、例えば、健診情報管理部121が管理する健診情報500が取得される。
例えば、健診情報500が記憶媒体106に予め格納されている場合、対象者選定部111は健診情報500を記憶媒体106から取得し、健診情報500が保険設計支援システム101の外部のシステムに格納されている場合、対象者選定部111は、通信部108を介して当該外部のシステムから健診情報500を取得する。健診情報500の一部が記憶媒体106に格納され、別の一部が外部のシステムに格納されている場合、対象者選定部111は、記憶媒体106から取得した健診情報500と外部のシステムから取得した健診情報500とを合成してもよい。また、健診情報500が複数の外部のシステムに分散して格納されている場合、対象者選定部111は、それぞれのシステムから健診情報500を取得して合成してもよい。このように外部の情報も利用可能とすることよって、より多くの情報を利用して適切な保険の設計を行うことが可能になる。
次に、レセプトデータ読込ステップ1103にて、対象者選定部111は、レセプトデータの読込を行う。これによって、例えば、レセプト情報管理部120が管理するレセプト基本情報200、傷病名情報300及び診療行為情報400が取得される。これらの情報の取得は、上記の健診情報500の取得と同様の方法で行うことができる。
対象群抽出ステップ1104では、対象者選定部111が、読み込んだ健診データ及びレセプトデータの中から、保険商品の募集対象となる群の抽出を行う。抽出の方法として、例えば、一定の年齢範囲のみを対象とした商品の場合、年齢を条件とした絞込みを行い、女性など性別を限定した商品の場合、性別を条件とした絞込みを行う、などがある。このようにして抽出された個人からなる群を、以下の説明において対象群と記載する。
次に、リスクモデル読込ステップ1105にて、査定実行部113が、リスクモデルの読込を行う。これによって、例えば、リスク査定モデル管理部125が管理するリスク査定モデル情報1000が取得される。
次に、リスク値算出ステップ1106にて、査定実行部113が、対象群の健診データなどの健康状態を示す情報をリスクモデルの入力とし、モデルの出力としてリスク値を得る。このとき、査定実行部113は、レセプトデータから抽出された健康状態を示す情報をリスクモデルの入力に含めてもよい。リスクモデルは、例えば、通常の加入審査に用いるモデルを適用しても良いし、疾病の発症を予測するモデル、又は、健康状態そのものをスコアリングするようなものであっても良い。
次に、保険支払条件読込ステップ1107にて、保険金額推計部114が、保険金支払いの対象となる条件の読込を行う。これによって、例えば、支払条件管理部124が管理する入院給付条件情報700及び手術給付条件情報800が取得される。これらの情報も、レセプトデータ及び健診データ等と同様に、記憶媒体106から取得されてもよいし、外部のシステムから取得されてもよい。
次に、保険金推計値算出ステップ1108にて、保険金額推計部114は、保険金額の推計を行う。保険金額の推計は、レセプトデータを参照して、保険支払条件読込ステップ1107にて読込んだ支払条件に該当する事象の有無を精査し、支払われる保険金額を推計することによって行われる。例えば、がんの入院と手術が支払条件になっている商品であれば、レセプト基本情報200及び傷病名情報300から、対象とする疾病に関する入院レセプトを取り出し、入院の日数を抽出することで入院給付額を算定することができる。
その他、手術給付額の場合、診療行為情報400も加えて取得し、実施された診療行為を抽出することで、支払い対象の手術が行われたかどうかの情報を得て、保険金額を推計することができる。これらの保険金の推計方法としては、公知の方法を含めた、任意の方法を適用することができる。本ステップにおいて、個人ごとに所定の期間中における保険金額の推計値を得ることができる。
次に、リスク値順列処理ステップ1109にて、保険金額推計部114は、リスク値算出ステップ1106で算出された個人ごとのリスク値を基に、対象群に含まれる個人をソートする処理を行う。例えば、リスク値が0から1の範囲を有し、数値の大きいほうが相対的に高リスクである場合、保険金額推計部114は、個人を昇順に並べ替える処理を行う。リスク値が離散値であっても同様の処理を行う。
次に、ウインドウ幅初期設定ステップ1110にて、保険金額推計部114は、リスク分類を行うための閾値設定を行う。保険の加入の審査において、対象群は、健康状態に応じて、保険の加入が可能な保険体の群と、持病があったり以後の疾病リスクが高いなどの理由で加入が認められない非保険体の群と、の2つに分類される。ここでは、上記の保険体と非保険体を分類する目的で、算出したリスク値を利用し、低リスクから所定のリスク値までのウインドウ幅を設定し、ウインドウ内に含まれる者を保険体とする。すなわち、ウインドウ幅とは、保険の引受基準としてのリスク値の範囲であり、このウインドウ内のリスク値に該当する人物が保険に加入することができる。
図12は、本発明の実施例1の保険設計支援システム101が実行する保険料最適化処理におけるリスク値のウインドウ幅の設定例を示す説明図である。
図12の横軸はリスク値を、縦軸は保険金推計値をそれぞれ示しており、各個人のリスク値とそれに基づいて計算された保険金推計値とをプロットすることによって得られた曲線が表示されている。図12の例ではリスク値の閾値Th以上が非保険体となることを示している。すなわち、この例においてリスク値0からThまでがウインドウ幅に相当する。
次に、保険料算出ステップ1111にて、査定基準最適化部115が、保険体に該当する個人の群(該当者数N人)について、保険料の計算を行う。ここでは、査定基準最適化部115は、保険金推計値算出ステップ1108にて算出された保険金推計値と、保険料設定の上限下限などの設定範囲情報等とを用いて、基礎保険料及び特別保険料の算出を行う。この処理の詳細は、図13を参照して説明する。保険金推計値算出ステップ1108が終了すると、図11の保険料算出処理が終了する(ステップ1114)。
図13は、本発明の実施例1の保険設計支援システム101が基礎保険料及び特別保険料を算出する手順を示すフロー図である。
開始ステップ1301にて基礎保険料及び特別保険料の算出が開始されると、まず、保険料設定範囲読込ステップ1302にて、査定基準最適化部115は、最適値探索の範囲として、予め設定した基礎保険料の上限及び下限、特別保険料の上限及び下限の設定範囲の読込を行う。
次に、各保険料算出ステップ1303にて、査定基準最適化部115は、基礎保険料の算出を行う。ここでは、ウインドウ幅に含まれる対象者群の総保険金額を基に、保険の原則である収支相当の原則によって、保険金の支出額が純保険料と等しくなるように設計する。具体的には、収支相当の原則に従い、期待支出額を対象者群の人数で除算することによって一人当たりの保険料を算出することができる。
例えば、全ての保険体に対して一律の保険料を設定する場合、一人当たりの保険料Pは式1によって算出される。ここでSiは各人の保険金推計値である。
Figure 0006895912
営業費用など、保険運営に必要な事業コストを考慮する場合、それを支出額として式1の右辺に追加すればよい。
式1で算出された純保険料Pは、対象とする全保険体に対するものであり、実際には保険体の群の中には、健康状態が良く、加入にあたり支障の無い無条件体の群と、疾病のリスクが相対的に高い条件体の群とが存在する。相対的に高リスクである(すなわちリスク値が所定の条件を満たす保険体である)条件体に対しては、一般的に基礎保険料(すなわち全ての保険体に設定される保険料)に加えて、特別保険料として割増額が設定される。すなわち、保険料は、無条件体に対する基礎保険料からなる保険料と、条件体に対する特別保険料を加えた保険料と、によって構成される。
次に、各保険料算出ステップ1303にて、査定基準最適化部115は、基礎保険料の最適値探索の初期値設定を行う。最適値探索の初期値として、例えば基礎保険料の下限値を設定する。この場合、査定基準最適化部115は、下限値から開始し、徐々に上限に近づいていく方向に探索を行う。但し当然、初期値として上限値を設定し、下限値方向に探索してゆく方法を採用してもよい。
また、上記の例では基礎保険料と特別保険料の額そのものの範囲(上限値及び下限値)を設定しているが、必ずしも保険料そのものではなく、例えば保険料率などの割合を用いて範囲を設定してもよい。例えば、基礎保険料及び特別保険料の保険料率の範囲を設定してもよいし、基礎保険料についてはその額の上限値及び下限値を設定し、特別保険料については、基礎保険料の額に対する割合(例えば20%以内など)によって上限値等を設定してもよい。これによって、保険設計支援の利便性が向上する。
次に、各保険料算出ステップ1303にて、査定基準最適化部115は、特別保険料の算出を行う。ここでは、査定基準最適化部115は、リスク値に基づいて、無条件体と条件体とを分類する。
図14は、本発明の実施例1の保険設計支援システム101が、特別保険料と閾値とを求める処理を示した説明図である。
図14(a)は、リスク値と保険料との関係を示す保険料モデルの説明図である。この図において、横軸はリスク値であり、縦軸は、それぞれのリスク値に該当する保険体に適用される保険料である。図14(a)に示すように、基礎保険料は、リスク値の大きさにかかわらず、全ての保険体(すなわち無条件体及び条件体の両方)に一律に適用される。一方、特別保険料は、リスク値が所定の閾値Thを超える保険体(すなわち条件体)のみに、基礎保険料に上乗せする形で適用される。
無条件体と条件体を分類するリスク値の閾値として、比較的低いリスク値(Th1)を設定した場合、条件体となる群の該当者が多くなる。その結果、収支相等の原則に従って基礎保険料及び特別保険料を算出すると、条件体における一人当たりの特別保険料は相対的に少なくなる。一方で、閾値として比較的高いリスク値(Th2)を設定した場合、条件体の該当者が少なくなり、その結果、条件体における一人当たりの保険料は相対的に高くなる。実際、各リスク値に該当する人数は必ずしも等しくなく、一般的には高リスク値になるほどそれに該当する人数が減少する。
そこで、閾値Thの最適な値を求める為に、図14(b)に示すリスク値と特別保険料の関係を用いる。図14(b)の横軸はリスク値、縦軸は特別保険料であり、横軸のリスク値が閾値Thとして設定された場合に条件体に適用される保険料がプロットされている。各リスク値に対して、該当者数は同数ではない為、例えば図14(b)に示すように、あるThまでは一人当たりの特別保険料は大きく上昇しないが、ある値を境に大きく上昇する点が存在する。例えば、特別保険料が大きく上昇する前の点を、閾値Thとして設定することで、可能な限り多数でリスクをシェアする保険の設計が可能となる。
その際に、査定基準最適化部115は、図14(b)に示すリスク値と特別保険料との関係において、リスク値の閾値の変化に対する特別保険料の変化の大きさが所定の基準より小さい範囲内のリスク値を閾値Thとして設定してもよい。具体的には、査定基準最適化部115は、例えば、図14(b)に示すリスク値と特別保険料との関係において、閾値Th近傍の所定の人数分のリスク値を抽出し、それぞれのリスク値に対応する特別保険料の最大値と最小値との間の増減が所定の割合以下となるように、閾値Thを探索し、設定してもよい。これによって、頑健な閾値を設定できるという効果がある。
また、基礎保険料の上限から下限までの範囲と、特別保険料の上限から下限までの範囲とを予め定義し、基礎保険料及び特別保険料がそれぞれ定義した範囲内になる閾値Thを探索し、設定することで、事業運営上望ましい範囲内で、最適な閾値を決定することが可能になる。
次に、条件判定ステップ1304にて、査定基準最適化部115は、保険料を算出した結果が所望の条件を満たしているか判定する。例えば、収束条件として、全体の募集人数、基礎保険料及び特別保険料が設定範囲を満たすかどうかを判定してもよい。収束条件を満たす場合は、処理を終了する。
一方、収束条件を満たさない場合は、査定基準最適化部115は、次の基礎保険料修正ステップ1305にて、基礎保険料の設定値を更新し、再度各保険料算出の処理(ステップ1303)を実行する。ステップ1305において、査定基準最適化部115は、基礎保険料の設定値を更新する代わりに(又はそれに加えて)、閾値Thを更新してもよい。収束条件を満たすまで、上記の処理が繰り返される。収束条件が満たされると、図13の保険料算出処理が終了する(ステップ1306)。これによって、保険料が所望の条件(設定範囲)を満たすように、保険への加入が認められる人物のリスク値の範囲が決定される。
図15は、本発明の実施例1の保険設計支援システム101が出力する、ウインドウ幅設定によって保険体と非保険体を分類した結果を示す画面例の説明図である。
図15に示す保険体分類画面1501は、出力部103(例えばディスプレイ装置)によって出力される。図15は、健診などの健康状態の入力に基づいてリスク値を算出し、レセプト等の医療受診記録を用いて推計した保険金額推計値をもとに閾値が設定される例を示す。
保険体数範囲設定1502には、入力部102を介して、保険募集したい人数の下限と上限を入力することができる。設定した範囲の条件は、最適化の収束条件判定にて考慮される。人数の範囲(上限及び下限)のかわりに、募集対象の人の年齢の範囲又は性別等を入力してもよい。
閾値設定入力1503には、算出された閾値が表示されている。ただし、閾値設定入力1503に所望の値が設定された場合、保険設計支援システム101はその閾値を用いて保険体分類処理を実行し、基礎保険料及び特別保険料を算出してもよい。分類結果表示1504には、分類された保険体と非保険体の数が表示されている。
保険金推計値表示1505には、保険金推計値と、リスクモデルによって算出されたリスク値を基にしたグラフがあり、設定された閾値と、その閾値による保険体と非保険体との分類の状況とが表示されている。本画面によって、募集する保険体の規模に応じて、最適な保険加入条件の設定を簡便に行うことができるという効果がある。
図16は、本発明の実施例1の保険設計支援システム101が出力する、保険体を無条件体と条件体に分類する閾値の算出と、特別保険料の算出結果とを示す画面例の説明図である。
図16に示す特別保険料算出画面1601は、出力部103によって出力される。特別保険料算出画面1601の基礎保険料設定1602には、例えば本システムのユーザ(例えば保険の設計をしようとする者)等によって、入力部102を介して、基礎保険料の探索範囲が設定される。特別保険料設定1603には特別保険料の探索範囲が設定される。ここで設定された値が、図13のステップ1302において読み込まれる。図16の例では保険料の額の範囲が設定されているが、既に説明したように、保険料率等が設定されてもよい。実行ボタン1604が操作されると、設定された保険料範囲の中で、データをもとに最適な閾値の算出と、特別保険料の算出が実行される。
実行の結果、算出された閾値が閾値算出結果表示1605に表示される。算出された一人当たり基礎保険料は基礎保険料表示1606に、特別保険料は特別保険料表示1607にそれぞれ表示される。保険料収入合計表示1608には、保険料の総額が表示され、保険金支出合計額表示1609には保険金総支出額の推計値が表示される。
分類結果表示1610には、無条件体と条件体の分類結果が図示される。これによって、基礎保険料と特別保険料との相対的な比を確認することができる。頑健性評価表示1611には、例えば、閾値をリスクの高い方へ変化させるにしたがって一人当たりの特別保険料が増加する様子と、現在設定されている条件に基づく計算で得られた閾値とが表示される。また、特別保険料の探索範囲上限と下限が併せて図示されている。
さらに、算出した閾値における頑健性指標値も表示されている。ここで、頑健性指標とは、特別保険料が適用される条件(すなわちリスク値の閾値)の変化に対する、特別保険料の頑健性(すなわち安定性)を示す指標である。頑健性指標としては、例えば、特別保険料が適用されるリスク値の閾値を所定の範囲内で変化させた場合の、特別保険料の変化の大きさを使用してもよい。この場合、特別保険料の変化が小さいほど、頑健性が高いと言える。特別保険料の変化が所定の値より小さい場合に、その時に変化させたリスク値の閾値の範囲に含まれるいずれかの値を特別保険料が適用される条件として採用してもよい。
具体的には、例えば、閾値をX%(Xは所定の値)の範囲内で変化させたときの特別保険料の最大値と最小値の差分値、又は、閾値近傍のリスク値に該当するN人の保険体における特別保険料の最大値と最小値の差分値などを頑健性指標として用いてもよい。閾値から一定の近傍における特別保険料の差分値が大きい場合、当該設定値は不安定であり、差分値が小さい方が比較的安定しているといえる。このような頑健性指標を用いることで、安定的な閾値を設定することが可能になる。
図15、図16のような表示を参照することによって、保険の設計の妥当性等の判断が容易になる。
上記の実施例1によれば、レセプトなどの医療受診情報をもとに保険金額の推計を行うことで、公的統計データや過去の保有契約データにない疾病に関する情報を得ることができる。さらに、健康診断などの健康状態に関する情報も同時に用いることで、所定の基準を満たす保険加入可能な集団を抽出し、保険金推計値を基に、保険料率を設定することで、エビデンスに基づく安全な保険料設計やリスクポートフォリオの構築が可能になり契約者にとって利用価値の高い保険商品を設計することが可能になる。これによって、医療保険の設計において最適な保険料率の設定と正確なリスク評価に基づく加入の基準設定を自動的に実行し、業務を精緻化及び効率化できる。
次に、本発明の実施例2として、保険金推計値と設定した保険料の情報を基に保険収支評価を実行する方法を、図面を参照しつつ説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例2のシステムの各部は、図1〜図16に示された実施例1の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
図17は、本発明の実施例2の保険設計支援システム101の構成の一例を示すブロック図である。
実施例2における保険設計支援システム101は、記憶媒体106内に新たに保険収支評価部116を有し、データベース107内に新たに保険収支評価結果管理部126を有している点を除いて、実施例1の保険設計支援システム101(図1)と同じである。
図18は、本発明の実施例2の保険収支評価結果管理部126が管理する保険収支評価結果情報1800の一例を示す説明図である。
保険収支評価結果情報1800は、保険収支1801をさらに含む点を除いて、実施例1の査定基準情報900(図9)と同じである。保険収支1801は、各査定条件における(すなわち、リスク値の計算方法であるリスクモデル、及び、無条件体と条件体と非保険体とを分けるリスク値の閾値の少なくともいずれかを変更して計算された)支出と収入の評価結果であり、正の値が収支過多、負の値が支出過多の状態を示している。この情報によって、複数の査定基準に対して収支の評価を行うことができるようになるという効果がある。
次に、各査定基準に対して保険収支評価を行う手順を、図を用いて説明する。
図19は、本発明の実施例2の保険設計支援システム101が保険収支評価を実行する手順を示すフロー図である。
開始ステップ1901にて保険収支評価処理が開始されると、まず、評価対象データ読み込みステップ1902にて、保険収支評価部116が、評価対象群のデータの読み込みを行う。次に、査定条件読み込みステップ1903にて、保険収支評価部116は、査定モデル及び閾値情報等の査定条件情報の読み込みを行う。
次に、保険収支算出ステップ1904にて、保険収支評価部116は、保険収支の算出を行う。保険収支の算出は、次の手順で行われる。まず、保険収支評価部116は、評価対象群に対して、リスクモデルを適用し、無条件体と条件体の分類を行って基礎保険料及び特別保険料を算出する。次に、保険収支評価部116は、求めた各評価対象者の基礎保険料と特別保険料とを合計し、評価対象群における総保険収入を算出する。次に、保険収支評価部116は、各評価対象者の保険金推計値を算出し、合計することで、総保険金支出を算出する。そして、保険収支評価部116は、算出した総保険収入及び総保険金支出から保険収支を算出して収支評価結果情報1800に格納する。
次に、査定条件別収支評価ステップ1905にて、保険収支評価部116は、各査定条件において算出した収支結果情報を基に、収支の良い査定条件を採用する。安全な保険事業運営のためには、収支が負となる条件は採用することはできないうえ、収支相等の原則に従い、例えば収支が負とならず、かつ、収支が0に最も近い査定条件を選択してもよい。
さらに、上記のような収支評価手法によって、収支に与える影響度の高い項目(例えばBMI又は血糖値など)を特定することも可能になる。例えば、リスク値を算出するためのリスクモデルを構成する変数の寄与度を基に、影響度の高い項目を特定することができる。または、着目した項目を加えたり、除外したりした際の収支の変化を見るなどの方法を適用してもよい。保険収支評価部116は、このようにして特定した影響度に関する情報を、出力部103を介して出力してもよい。これによって、リスクモデルに必要な項目の選定を行うことができ、項目を削減するなどして保険リスク評価や加入時の審査が簡便になるほか、加入者の申告負担が軽減されるなどの効果がある。
以上で、図19の保険収支評価処理が終了する(ステップ1906)。
図20は、本発明の実施例2の保険設計支援システム101が出力する、保険収支評価と評価結果を示す画面例の説明図である。
図20に示す保険収支評価画面2001の評価対象データ表示2002に、評価の対象とするデータセットが選択されている。評価対象商品表示2003に、評価対象とする保険商品が選択された結果が表示されている。評価対象査定条件表示2004に、比較対象とする査定条件が選択された結果が表示されている。比較対象の査定条件は、複数選択されてもよい。
評価実行ボタン2005が押下されると保険収支評価(図19)が実行され、保険収支表示2006に、各査定条件に対する保険収支の結果がグラフ形式で表示される。さらに、最適査定条件評価結果表示2007には、例えば、保険収支が非負であり、かつ0に最も近い査定条件が表示されている。保険収支表示2006は、説明のためにグラフが例示されているが、保険収支がわかるものであれば表形式又はその他の形式など、何であっても構わない。
図21は、本発明の実施例2の保険設計支援システム101が出力する、リスクポートフォリオ評価を行う画面例の説明図である。
図21に示すリスクポートフォリオ評価画面2101の評価対象データ表示2102に、評価対象者のIDが表示されている。期待収支表示2103には、保険料収入と、保険金支出等のコストとが比較できる形式で表示されている。さらに、当該対象者を再保険に出再(再保険を利用することをいう)した場合の期待収入とコストの情報も表示される。
例えば、高リスクな対象者の場合、保険料収入に比べて保険金支出の期待値が大きく上回るケースが発生する。この場合、一定の責任準備金を確保する必要があり、財務負担が大きくなる。再保険を活用することで、リスクを分散し責任準備金負担を軽減することができる。しかしながら、再保険にも、一定のコストがかかるため、リスク分析に基づき出再は必要十分な数に留める必要が生じる。そこで、期待収支表示2103において、再保険利用時の期待収入と、再保険料を含めたコストとが同時に表示されることで、正確な出再判定を行うことができるという効果がある。
自社引受ボタン2104が押下されると、自社引受と判定され、再保険利用ボタン2105が押下されると、再保険を利用すると判定される。リスクポートフォリオ表示2106には、現状の判定結果が反映された自社引受と再保険の人数配分が表示される。リスクポートフォリオ表示2106において、該当数の情報を例に説明したが、実際には各種財務情報等、必要な情報を表示しても構わない。また、当該処理は、所定の判定条件(例えば、コストの上限設定値以上を出再とする等)を基に自動判定することも可能となる。
次に、本発明の実施例3として、新しいデータを取得して更新し再度処理を行う方法を、図面を参照しつつ説明する。以下に説明する相違点を除き、実施例3のシステムの各部は、図1〜図21に示された実施例1〜実施例2の同一の符号を付された各部と同一の機能を有するため、それらの説明は省略する。
図22は、本発明の実施例3の保険設計支援システム101の構成の一例を示すブロック図である。
実施例3における保険設計支援システム101は、記憶媒体106内に新たにデータ更新部117を有している点を除いて、実施例2の保険設計支援システム101(図17)と同じである。
図23は、本発明の実施例3の保険設計支援システム101が、新規データによるデータ更新を行って、保険料再算出処理を行う処理を示すフロー図である。
保険設計支援システム101が新たなデータ(例えば、レセプトデータ及び健診データの少なくとも一方)を取得し、開始ステップ2301にて保険料再算出処理が開始されると、まず、過去データ読込ステップ2302にて、データ更新部117が、過去に蓄積したデータ(例えばレセプトデータ及び健診データ)の読み込みを行う。次に、新規データ統合ステップ2303にて、データ更新部117は、新たに取得したデータと、先に取得された過去データとの統合を行う(データ更新)。
次に、保険料再算出有無判定ステップ2304にて、データ更新部117は、保険料の再算出有無の判定を行う。保険料再算出の指定がない場合は、処理を終了する(ステップ2309)。一方、保険料再算出の指定がある場合は、次に、保険料の再算出が行われる。
すなわち、保険金推計値算出ステップ2305にて、データ更新部117は、更新されたデータを基に保険金推計値の算出を行う。次に、引受基準値再算出ステップ2306にて、データ更新部117は、引受基準値の再算出を行う。次に、加入対象者抽出ステップ2307にて、データ更新部117は、算出した引受の基準値を基に、対象者の抽出を行う。次に、保険料再算出ステップ2308にて、データ更新部117は、抽出した対象者に関して、保険料の再算出を実行する。
以上で図23の保険料再算出処理が終了する(ステップ2309)。
図24は、本発明の実施例3の保険設計支援システム101が出力する、データ更新処理を行う画面の例を示す説明図である。
図24に示すデータ更新画面2401の基礎データ表示2402には、更新の対象であるデータセットが指定されている。追加データ表示2403には、新しく追加されるデータセットが指定されている。更新後データ名称表示2404には、更新後に作成されるデータセットの名称が指定されている。
保険料再算出表示2405には、更新したデータセットを用いて、保険料の再算出を実行するかどうかが指定されている。保険料再算出表示2405において、保険料再算出を「実行しない」が指定された場合は(ステップ2304:無)、データの更新のみが実行される。
保険料算出画面呼出ボタン2406が押下されると、保険料最適設計画面及び特別保険料算出画面1601(図16)を呼出し、所望の条件を再設定することができる。データ更新実行ボタン2407が押下されると、設定した条件に従ってデータの更新処理(図23)が実行される。
上記のように新たに取得したデータを統合することによって、データ蓄積に伴いリスクポートフォリオの精緻化が可能になる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によってハードウェアで実現してもよい。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによってソフトウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
また、制御線及び情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線及び情報線を示しているとは限らない。実際にはほとんど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
101 保険設計支援システム
102 入力部
103 出力部
104 CPU
105 メモリ
106 記憶媒体
107 データベース
108 通信部
111 対象者選定部
112 告知情報生成部
113 査定実行部
114 保険金額推計部
115 査定基準最適化部
116 保険収支評価部
117 データ更新部
120 レセプト情報管理部
121 健診情報管理部
122 健保加入者情報管理部
123 査定基準管理部
124 支払条件管理部
125 リスク査定モデル管理部
126 保険収支評価結果管理部

Claims (13)

  1. プロセッサを有する保険設計支援システムであって、
    前記プロセッサは、
    複数の人物に関する実際の医療報酬の情報を含むレセプト情報と、前記複数の人物が受けた健康診断の結果を含む健診情報と、保険金の支払い条件と、を取得し、
    健康状態を示す情報を入力とし、保険金の支払いの対象となる事象である保険事故のリスクの高さを示すリスク値を出力するリスクモデルを用いて、前記健診情報及び前記レセプト情報から抽出された健康状態を示す情報に基づいて、前記複数の人物の各々について、前記リスク値を計算し、
    前記レセプト情報及び前記保険金の支払い条件に基づいて、前記複数の人物の各々に支払われる保険金額を計算し、
    前記リスク値及び前記保険金額に基づいて、保険に加入する人物に設定される保険料が所定の条件を満たすように、前記保険の引受基準としてのリスク値の範囲を計算することを特徴とする保険設計支援システム。
  2. 請求項1に記載の保険設計支援システムであって、
    前記プロセッサに接続される入力部をさらに有し、
    前記保険料の所定の条件は、前記入力部を介して入力された保険料の額の範囲又は保険料率の範囲であることを特徴とする保険設計支援システム。
  3. 請求項2に記載の保険設計支援システムであって、
    前記保険料は、前記保険に加入する人物全員に設定される基礎保険料と、前記リスク値が所定の条件を満たす人物のみに設定される特別保険料と、を含み、
    前記プロセッサは、前記特別保険料が設定される前記リスク値の条件に対する前記特別保険料の頑健性を示す頑健性指標に基づいて、前記特別保険料が設定される前記リスク値の条件、及び、前記特別保険料を計算することを特徴とする保険設計支援システム。
  4. 請求項3に記載の保険設計支援システムであって、
    前記保険料の所定の条件は、前記入力部を介して入力された前記基礎保険料及び前記特別保険料の額の範囲、前記基礎保険料及び前記特別保険料の保険料率の範囲、又は、前記基礎保険料の額及び前記保険料の額に対する前記特別保険料の額の割合の範囲であることを特徴とする保険設計支援システム。
  5. 請求項3に記載の保険設計支援システムであって、
    前記プロセッサは、
    収支相等の原則に基づいて、前記保険に加入する人物の前記基礎保険料及び前記特別保険料を計算し、
    前記特別保険料が設定される前記リスク値の条件を所定の範囲内で変更した場合の前記特別保険料の変化の大きさを、前記頑健性指標として計算し、
    前記特別保険料の変化の大きさが所定の値より小さい場合に、前記所定の範囲に含まれるいずれかの条件を、前記特別保険料が設定される前記リスク値の条件として決定することを特徴とする保険設計支援システム。
  6. 請求項3に記載の保険設計支援システムであって、
    前記プロセッサに接続される表示部をさらに有し、
    前記プロセッサは、計算された前記特別保険料が、前記入力部を介して入力された特別保険料の範囲内の値となるように、前記特別保険料が設定される前記リスク値の条件を決定し、
    前記表示部は、前記基礎保険料、前記特別保険料、前記保険の引受基準としてのリスク値の範囲、及び、前記特別保険料が設定される前記リスク値の条件を示す情報を表示することを特徴とする保険設計支援システム。
  7. 請求項1に記載の保険設計支援システムであって、
    前記プロセッサに接続される通信部をさらに有し、
    前記プロセッサは、前記レセプト情報、前記健診情報及び前記保険金の支払い条件の少なくとも一部を、前記通信部を介して取得することを特徴とする保険設計支援システム。
  8. 請求項1に記載の保険設計支援システムであって、
    前記プロセッサに接続される記憶部をさらに有し、
    前記プロセッサは、前記レセプト情報、前記健診情報及び前記保険金の支払い条件の少なくとも一部を、前記記憶部から取得することを特徴とする保険設計支援システム。
  9. 請求項1に記載の保険設計支援システムであって、
    前記プロセッサは、前記保険の引受基準としてのリスク値の範囲、及び、前記リスク値の計算方法の少なくとも一方を変更した場合の前記保険金額及び前記保険料に基づく保険収支を計算し、計算した前記保険収支を出力することを特徴とする保険設計支援システム。
  10. 請求項9に記載の保険設計支援システムであって、
    前記プロセッサは、前記保険の引受基準としてのリスク値の範囲、及び、前記リスク値の計算方法の少なくとも一方を変更した場合の前記保険収支に基づいて、前記リスク値の計算に用いる変数ごとに、前記保険収支に与える影響の大きさを計算し、計算した影響の大きさを示す情報を出力することを特徴とする保険設計支援システム。
  11. 請求項10に記載の保険設計支援システムであって、
    前記プロセッサは、再保険を利用した場合に期待される保険収支を計算し、計算した保険収支を出力することを特徴とする保険設計支援システム。
  12. 請求項1に記載の保険設計支援システムであって、
    前記プロセッサは、新たな前記レセプト情報及び新たな前記健診情報の少なくとも一方を取得した場合、先に取得した前記レセプト情報及び前記健診情報に前記新たに取得した情報を追加して、前記新たに取得した情報が追加された前記レセプト情報及び前記健診情報に基づいて前記リスク値及び前記保険金額を計算し、計算された前記リスク値及び前記保険金額に基づいて、前記保険の引受基準としてのリスク値の範囲を再度計算することを特徴とする保険設計支援システム。
  13. プロセッサと、前記プロセッサに接続される記憶部と、を有する計算機システムが実行する保険設計支援方法であって、
    前記保険設計支援方法は、
    前記プロセッサが、複数の人物に関する実際の医療報酬の情報を含むレセプト情報と、前記複数の人物が受けた健康診断の結果を含む健診情報と、保険金の支払い条件と、を取得する手順と、
    前記プロセッサが、健康状態を示す情報を入力とし、保険金の支払いの対象となる事象である保険事故のリスクの高さを示すリスク値を出力するリスクモデルを用いて、前記健診情報及び前記レセプト情報から抽出された健康状態を示す情報に基づいて、前記複数の人物の各々について、前記リスク値を計算する手順と、
    前記プロセッサが、前記レセプト情報及び前記保険金の支払い条件に基づいて、前記複数の人物の各々に支払われる保険金額を計算する手順と、
    前記プロセッサが、前記リスク値及び前記保険金額に基づいて、保険に加入する人物に設定される保険料が所定の条件を満たすように、前記保険の引受基準としてのリスク値の範囲を計算する手順と、を含むことを特徴とする保険設計支援方法。
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