JP6895152B2 - 風力発電設備 - Google Patents
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Description
このため、特に電力需要の多いビルなどの建築物では、ビルの共有部分の照明等の付帯設備への電力供給や、停電などの際の補完的電力供給設備として、風力発電装置をビルなどの建築物の周囲や屋上などに設置し、活用することが期待されている。
建物の屋上を流れる風を有効に利用して風力発電装置の効率的な稼働を図るための集風装置の一例として特許文献1に記載のものが知られている。
下側集風構造体は、建築物の屋上部分を、中央部に平坦で水平な面を有する凸部を上方に向けた穏やかな円弧面状に被装し、上側集風構造体は、下側集風構造体の上方に配設され、当該下側集風構造体とは上下に略対称の形状をしている。
そして、下側集風構造体と上側集風構造体との当該平坦な面で囲まれた空間内に、垂直軸型風力発電装置が配設されるようになっている。
したがって、前記従来の集風装置は、例えばある地域全体の電力を賄えるような比較的大型の風力発電装置用としては適当でない。つまり、当該集風装置は小型であるため、大型の風力発電装置用として適当でない。
一方、集風装置を大型化すると、風を集風するための集風部を構成する部材も大きくなって、その重量が嵩むため、容易に大型化することができない。また、大型化すると、集風部を構成する部材がその重量のため下方に撓み易くなって、効率的に風を集風し難いという問題もある。さらに、大型化した場合に、前面側で受けた風を排出口に効率的に集風して排出する必要もある。
前記排出口は前記集風部の前面の上端より下方に設けられ、
前記集風部は前記前面側から前記後面側に向かうほど流路断面積が小さくなっており、
前記集風部は、空気が充填される空洞部を有しており、
前記集風部の上端部に大気中で浮力を有するバルーンが接続され、前記集風部の下端部に錘が接続されていることを特徴とする。
また、集風部は、空気が充填される空洞部を有しているため、集風部の軽量化を図ることができるとともに、集風部の上端部に大気中で浮力を有するバルーンが接続されているので、集風部がその重量のため下方に撓み難くなって、効率的に風を集風できる。
さらに、集風部の下端部に錘が接続されているので、バルーンによって集風部を大きく開かせることができるので、大型化も容易となる。
一対の前記側壁部は前記前面側から前記後面側に向うほど接近するように配置され、
前記上壁部は、前記前面側から前記後面側に向けて下方に傾斜するように配置されていてもよい。
前記集風ユニットは、枠状部材と、この枠状部材に取り付けられたエアーマットとを備え、
前記集風ユニットどうしは、それらの枠状部材どうしを連結することによって、連結されていてもよい。
前記羽根車は、前記軸部が挿通されることで、当該軸部に支持される筒状の支持部材と、この支持部材に軸受を介して軸回りに回転可能に設けられた回転体と、この回転体の外周部に設けられた複数の羽根とを備え、
前記支持部材と回転体とのうちの、いずれか一方に永久磁石が設けられ、他方にコイルが前記永久磁石と所定の隙間をもって設けられていてもよい。
また、羽根車は筒状体の内部に設けられているので、羽根車に当たる風(空気)が外方に逃げて風圧が下がることがなく、全ての羽根車に風が効率的に当たるので、効率的に発電できる。
また、羽根車は軸部に支持される支持部材と、この支持部材に軸受を介して回転可能に設けられかつ外周部に羽根が設けられた回転体とを備えているので、軸部に設けられる羽根車の数を容易に増減できる。したがって、風力や風量に応じて風力発電装置の能力を容易に調整できる。
また、本発明の風力発電設備によれば、集風装置と、この集風装置の排出口に接続された風力発電装置とを備えているので、風力発電装置によって効率的に発電できる。
図1は、本発明に係る集風装置1を示すもので、正面側から見た斜視図、図2は背面側から見た斜視図、図3は平面図である。
図1〜図3に示すように、集風装置1は集風部2を備えている。この集風部2は、左右一対の側壁部3,3と、これら一対の側壁部3,3間に架設された上壁部4とを有している。
上壁部4は、台形状に形成されており、互いに対向する上辺部4aと下辺部4bとは平行となっており、上辺部4aより下辺部4bが短くなっている。また、左右辺部4c,4cは水平に対して同角度で傾斜している。この左右辺部4c,4cの傾斜角度は、側壁部3の上辺部3cの傾斜角度と等しくなっている。
また、側壁部3の上辺部3c,3cと上壁部4の左右辺部4c,4cとは連結されており、側壁部3の縦辺部3b,3bと、上壁部4の下辺部4bと、地面とによって囲まれた部分が風の排出口5となっている。
この排出口5は集風部2の前面の上端、つまり上壁部4の上辺部4aより下方に設けられている。
また、上述したように一対の側壁部3,3および上壁部4を配置することによって、集風部2はその前面側から後面側に向かうほど流路断面積が小さくなっている。
集風ユニット10は、長方形状のものと直角三角形状のものの2種類あるが、まず長方形状の集風ユニット10について説明する。
この集風ユニット10は、図4および図5に示すように、枠状部材11とこの枠状部材11に取り付けられたエアーマット12とから構成されている。
枠状部材11は、2つの長辺部13と2つの短辺部14とを長方形枠状に組み立てることによって、長方形枠状に形成されている。長辺部13は、図6に示すように、2つの長辺部材13a,13aによって構成されており、当該長辺部材13a,13はエアーマット12側より外側の方が開いている。短辺部14は、2つの短辺部材14a,14aによって構成されており、当該短辺部材14a,14aは所定の隙間をもって平行に配置されている。
また、図5に示すように、長辺部13には、貫通孔13bが長辺部13の長手方向に所定間隔で形成されており、短辺部14には、貫通孔14bが短辺部14の長手方向に所定間隔で形成されている。なお、貫通孔13bは2つの長辺部材13a,13aに同軸に形成され、貫通孔14bは2つの短辺部材14a,14aに同軸に形成されている。
なお、エアーマット12は、複数の円筒状部材12aを連結して形成するのではなく、内部が空洞の板状部材によって形成してもよい。
このようなエアーマット12は、各円筒状部材12aの両端部がそれぞれ枠状部材11の短辺部14,14に固定され、両側に位置する円筒状部材12a,12aがそれぞれ枠状部材11の長辺部13,13に固定され、これによって長方形状の集風ユニット10が構成されている。
エアーマット12Aは、複数の円筒状部材12aを連結することによって構成されているが、これら円筒状部材12aはその長さを少しずつ長くしつつ連結することで、略直角三角形状に形成されている。
このようなエアーマット12Aは、各円筒状部材12aの両端部がそれぞれ枠状部材11Aの斜辺部17と長辺部15とに固定され、短辺側に位置する円筒状部材12aが短辺部16に固定され、これによって直角三角形状の集風ユニット10Aが構成されている。
集風ユニット10,10どうしを連結する場合、図示しない長尺な連結部材を集風ユニット10,10間に配置して長辺部材13a,13a間に挿入し、貫通孔13bと連結部材に形成された貫通孔とにボルトを挿通し、このボルトにナットを螺合して締め付けるとともに、連結部材を短辺部材14a,14a間に挿入し、貫通孔14bと連結部材に形成された貫通孔とにボルトを挿通し、このボルトにナットを螺合して締め付けることによって行われている。
また、集風ユニット10と集風ユニット10Aを連結する場合も同様にして行われている。
バルーン50は、図8に示すように、バルーン本体50aと、このバルーン本体50aの下方に接続された有底円筒状の連結部50bとから構成されており、この連結部50bが紐状の連結材51によって上辺部4aに接続されている。上辺部4aを構成する集風ユニット10の短辺部14と集風ユニット10Aの短辺部14には、連結部材52が設けられており、この連結部材52の端部に設けられた孔に前記連結材51の端部が取り付けられている。
また、集風部2の前方側の地面には、8個の錘55が所定間隔で固定されている。これら錘55は、図3に示すように平面視において、各バルーン50の前方において、左右方向に一定間隔で一直線上に並設されている。そして、各錘55と、当該錘55の前方(図3において上方)に対向して配置されているバルーン50とが紐状の連結材56によって連結されている。
また、集風部2は、空気が充填される空洞部(エアーマット12,12Aの空洞部)を有しているため、集風部2の軽量化を図ることができるとともに、集風部2の上端部に大気中で浮力を有するバルーン50が接続されているので、集風部2がその重量のため下方に撓み難くなって、効率的に風を集風できる。
さらに、集風部2の下端部に錘55が接続されているので、バルーン50によって集風部2を大きく開かせることができるので、大型化も容易となる。
加えて、上壁部4に接続されている側壁部3,3の下端部に錘55が直接接続(固定)され、上壁部4の上端部に連結材56を介して錘55が接続されているので、これら錘555がバルーン50の浮力に抗してバランスするので、集風部2を大きく開かせるとともに排出口5を確実に開かせることができる。このため、集風した風を排出口5から排出させて、この風の風力を有効に利用できる。
風力発電ユニット集合体60は、図10に示すように、縦横にマトリックス状に配置された複数の風力発電ユニット61によって構成されている。
収納ユニット20は、4本の棒状の構造材21aと、8本の棒状の構造材21bとを構造材用継手22によって接続することによって組み立てられた直方体枠状の枠体23と、この枠体23の内側に構造材21aに対して傾斜して配置された補強用の複数の構造材21cとによって構成されている。
構造材用継手22は、棒状の構造材21a,21bを接続するためのもので、当該構造材21a,21bの端部を挿入固定可能な3本の継手部材22aを備えている。各継手部材22aは正四角筒状に形成されており、それらの基端部は例えば溶接や接着等によって互いに結合されている。また、3本の継手部材22aは互いに直角に配置されており、これら継手部材22aどうしが補強部材22bによって連結されている。
また、4本の構造材21aを構造材用継手22によって正方形枠が構成され、この正方形枠が枠体23の端面を構成している。図11において、右側の正方形枠が枠体23の先端面を構成し、左側の正方形枠が枠体23の後端面を構成している。
羽根車32は、図13および図14に示すように、軸部25が挿通されることで、当該軸部25に支持される円筒状の支持部材33と、この支持部材33に軸受34を介して軸回りに回転可能に設けられた円筒状の回転体35と、この回転体35の外周部に設けられた複数の羽根36とを備えている。
回転体35の両端部の内周面には、それぞれ軸受34の外輪が嵌め込まれ、内輪は支持部材33の外周面に嵌め込まれている。したがって、回転体35は軸受34,34に支持されて軸回りに回転可能となっている。
羽根36は、回転体35の軸に対して傾斜し、かつ周方向に等間隔で配置されており、回転体35の先端側から風を受けることによって、回転体35とともに回転するようになっている。
そして、風によって羽根車32とともに回転体35が回転することで、永久磁石37が回転し、この永久磁石37とコイル38との協働によって発電するようになっている。
なお、発電された電気はコイル38から取り出されてバッテリーに蓄電されたり、直接使用されるようになっている。また、軸部25には複数の羽根車32が設けられるので、各羽根車32の永久磁石37とコイル38との協働によって発電し、この電気がバッテリーに蓄電されたり、直接使用されるようになっている。
また、図11および図12に示すように、収納ユニット20の内部に収納された風力発電装置30は、その先頭の羽根車32が収納ユニット20の先端面側(図11および図12において右端面側)に位置し、末尾の羽根車32が収納ユニット20の後端面側(図11および図12において左端面側)に位置している。つまり、収納ユニット20の内部にはその長手方向(軸方向)に沿って可能な限りの数の羽根車32が同軸に収納されている。
風力発電ユニット集合体60は集風装置1の背面側でかつ下側に設けられているので、集風装置1によって集風された風は集風部2で流速を上げられたうえで、集風装置1の排出口5から排出される。そして、この排出された風は各風力発電ユニット61の先端面から入り込んで、羽根車32を回すので、永久磁石37とコイル38との協働によって発電する。
また、集風装置1の排出口5にエアーコンプレッサを設置し、排出口5から排出される空気によってエアーコンプレッサを回して(作動させて)、高圧タンクに貯留して、酸素をつくることができる。
加えて、羽根車32は軸部25に支持される支持部材33と、この支持部材33に軸受34を介して回転可能に設けられかつ外周部に羽根36が設けられた回転体35とを備えているので、軸部25に設けられる羽根車32の数を容易に増減できる。したがって、風力や風量に応じて風力発電装置30の能力を容易に調整できる。
また、風力発電装置30の先頭の羽根車32が収納ユニット20の先端面側に位置しているため、この先端面から風を受け入れて筒状体31の内部に容易に流入させて、羽根車32を回転させることができる。
さらに、収納ユニット20を積み重ねたり、横方向に連結することによって、風力発電ユニット61の設置数や設置位置を容易に調整できる。
また、羽根車32の回転によって、エアーコンプレッサを回して、圧縮空気を高圧タンクに貯留して、圧縮空気車に使用でき、また、酸素圧縮機を回して、酸素タンクに貯留できる。
さらに、排出口5にフィルターを設けることによって、集風部2で取り込んだ風(空気)中に含まれるゴミや埃等の異物を除去することができるので、発電とともに空気の浄化も行える。
また、集風装置1を風力発電ユニット集合体60と切り離して使用することもできる。この場合、集風装置1の集風部2の排出口5にエアーフィルターを設けて、湿気を集めることで、雨水が少ない島等において飲料水を製造することもできる。さらに、風の水分を取ることによって、台風の勢力を弱めることもできる。
2 集風部
3 側壁部
4 上壁部
5 排出口
10,10A 集風ユニット
11,11A 枠状部材
12,12A エアーマット
25 軸部
30 風力発電装置
31 筒状体
32 羽根車
33 支持部材
34 軸受
35 回転体
36 羽根
37 永久磁石
38 コイル
50 バルーン
55 錘
60 風力発電ユニット集合体
61 風力発電ユニット
Claims (3)
- 前面側から取り込んだ風を後面側に設けられた排出口に集風する集風部を備えた集風装置と、この集風装置の前記排出口に接続された風力発電ユニット集合体とを備え、
前記排出口は前記集風部の前面の上端より下方に設けられ、
前記集風部は前記前面側から前記後面側に向かうほど流路断面積が小さくなっており、
前記集風部は、空気が充填される空洞部を有しており、
前記集風部の上端部に大気中で浮力を有するバルーンが接続され、前記集風部の下端部に錘が接続されており、
前記風力発電ユニット集合体は、縦横にマトリックス状に配置された複数の風力発電ユニットによって構成され、
前記風力発電ユニットは、収納ユニットとこの収納ユニット内に収納された風力発電装置とを備え、
前記風力発電装置は、筒状体と、この筒状体の内部に当該筒状体の軸方向に沿って設けられた軸部と、前記筒状体の内部において、前記軸部に同軸かつ前記軸部の軸方向に複数設けられた羽根車とを備え、
前記羽根車は、前記軸部が挿通されることで、当該軸部に支持される筒状の支持部材と、この支持部材に軸受を介して軸回りに回転可能に設けられた回転体と、この回転体の外周部に設けられた複数の羽根とを備え、
前記筒状の支持部材は、前記回転体より軸方向の長さが長くなっており、前記支持部材の一端は前記回転体の一端より突出しており、前記支持部材の他端は前記回転体の他端とほぼ面一となっており、
前記支持部材と回転体とのうちの、いずれか一方に永久磁石が設けられ、他方にコイルが前記永久磁石と所定の隙間をもって設けられている、
ことを特徴とする風力発電設備。 - 前記集風部は、左右一対の側壁部と、これら一対の側壁部間に架設された上壁部とを有し、
一対の前記側壁部は前記前面側から前記後面側に向うほど接近するように配置され、
前記上壁部は、前記前面側から前記後面側に向けて下方に傾斜するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載の風力発電設備。 - 前記側壁部および前記上壁部は、それぞれ複数の集風ユニットを連結することによって構成され、
前記集風ユニットは、枠状部材と、この枠状部材に取り付けられたエアーマットとを備え、
前記集風ユニットどうしは、それらの枠状部材どうしを連結することによって、連結されていることを特徴とする請求項2に記載の風力発電設備。
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