JP6893328B2 - センサおよび位置推定方法 - Google Patents

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Description

本開示は、センサおよび位置推定方法に関し、特に、無線信号を利用して生体の位置推定を行うセンサおよび位置推定方法に関する。
無線で送信される信号を利用して検出対象を検出する技術が開発されている(例えば特許文献1および非特許文献1参照)。
特許文献1には、フーリエ変換を用いてドップラーシフトを含む成分を解析することで検出対象となる人物の位置や状態を知ることができることが開示されている。また、非特許文献1には、伝搬チャネル情報から抽出した変動成分と、MUSIC(MUltiple Signal Classification)法によって、検出対象の位置を推定する技術が開示されている。
特開2015−117972号公報 特開2010−249712号公報 特開2007−155490号公報 特開2010−32442号公報 特表2007−518968号公報 特表2012−524898号公報
T.MIWA, S.OGIWARA,and Y.YAMAKOSHI, "Localization of Living−bodies using single−frequency multistatic Doppler radar system," IEICE Transactions on Communications, Vol.E92−B, No.7, pp.20468−2476, July 2009.
しかしながら、特許文献1および非特許文献1に開示される技術では、検出対象である生体が、静止している場合などでは、生体を検出できる範囲すなわち検出範囲が狭くなってしまうという問題がある。
本開示は、上述の事情を鑑みてなされたもので、無線信号を利用してより広範囲でかつ高精度に生体が存在する位置を推定できるセンサおよび位置推定方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本開示の一形態に係るセンサ等は、それぞれ送信アンテナを有する1以上の送信局と、それぞれ受信アレーアンテナを有する複数の受信局と、前記複数の受信局それぞれの前記受信アレーアンテナで観測された信号から、前記送信アンテナから送信され、かつ、1以上の生体によって反射された信号成分である生体成分を抽出する第1回路と、前記第1回路で抽出された生体成分それぞれから、前記複数の受信局それぞれからみた前記1以上の生体の位置に対する評価関数である位置スペクトル関数を算出する第2回路と、前記第2回路で算出された複数の前記位置スペクトル関数を1つの関数に統合し、統合した前記位置スペクトル関数の1以上の極大値を算出することにより前記1以上の生体の位置を推定する第3回路とを備える。
本開示のセンサ等によれば、無線信号を利用してより広範囲でかつ高精度に生体が存在する位置を推定できる。
実施の形態1におけるセンサの構成を示すブロック図である。 実施の形態1における送信局と受信局との配置の一例を示す図である。 実施の形態1におけるセンサの位置推定処理を示すフローチャートである。 図3に示す位置推定処理の詳細を示すフローチャートである。 比較例における生体位置の推定可能範囲を示す図である。 実施の形態1における生体位置の推定可能範囲を示す図である。 実施の形態1の変形例におけるセンサの構成を示すブロック図である。 実施の形態2におけるセンサの構成を示すブロック図である。 実施の形態2における送信局と受信局との配置の一例を示す図である。 実施の形態2におけるセンサの位置推定処理の詳細を示すフローチャートである。 実施の形態2の実施例における実験を行った環境を示す図である。 実施の形態2の実施例における受信局数を変えた場合の推定位置誤差の累積確率分布を示す図である。
(本開示の基礎となった知見)
無線で送信される信号を利用して検出対象を検出する技術が開発されている(例えば特許文献1〜6および非特許文献1参照)。
例えば特許文献2〜3には、UWB(Ultra Wide Band)の無線信号を利用して物体の有無および移動方向を算出する技術が開示されている。より具体的には、所定の領域にUWB(Ultra Wide Band)の無線信号を送信し、検出対象の対象物で反射した無線信号をアレーアンテナで受信する。そして、ドップラー効果を利用して動く対象物からの信号のみを分離し、分離した信号に対から移動物体の有無や移動方向を算出する。
また、例えば特許文献4〜5には、送信機から送信したUWB信号をアンテナが受信する受信タイミングの差に対して、アレーアンテナ信号処理技術の一つである到来方向推定処理を施すことによって、送信機の方向や位置を算出する技術が開示されている。
また、例えば特許文献6には、MUSIC法などの方向推定アルゴリズムを利用して対象物の位置を推定する技術が開示されている。具体的には、送信局が発した信号を受信した複数の受信局それぞれにおいてMUSIC法などの方向推定アルゴリズムを適用し、その結果を乗算または加算によって統合する。これにより精度の高い方向推定が可能である。
しかしながら、発明者らは詳細な検討を行った結果、特許文献2〜6に開示される技術では、生体の位置推定を行うことができないことがわかった。すなわち、特許文献2〜3の方法では、人物の在、不在は検知可能だが、人物の存在する方向や位置は推定することができないことがわかった。また、特許文献4〜6に開示される技術は、電波を発する送信機の位置推定技術であり、生体に対して位置推定が行うことができないことがわかった。
特許文献1には、フーリエ変換を用いてドップラーシフトを含む成分を解析することで検出対象となる人物の位置および状態を知ることができる技術が開示されている。また、非特許文献1には、伝搬チャネル情報から抽出した変動成分と、MUSIC法によって、検出対象の位置を推定する技術が開示されている。
より具体的には、特許文献1および非特許文献1に開示されている技術では、送受信アンテナ間の伝搬チャネルを観測し、その時系列変化を記録する。その後、時系列に観測された伝搬チャネルに対してフーリエ変換処理を行い、時間応答を周波数応答に変換する。ここで、送受信アンテナは両者とも複数であるため、周波数応答は要素が複素数の行列となる。この周波数応答行列に対してMUSIC法等の方向または位置推定アルゴリズムを適用することによって、対象の方向や位置を特定することができる。さらに特許文献1でば、対象が複数であっても同時に検出が可能であることが示されている。
しかしながら、特許文献1および非特許文献1に開示されている技術では、検出対象である生体が静止している場合などドップラー効果が非常に弱い状況では、検出可能な距離が短くなるので、生体を検出できる検出範囲が狭くなってしまうという問題がある。なぜなら、ドップラー効果が非常に弱い状況では、受信機が持つ内部雑音、検出対象以外から飛来する干渉波、および、検出対象以外にドップラーシフトを発生させる物体が存在するなどの影響を受け、ドップラーシフトをしている微弱な信号を検出することが難しくなるからである。なお、対象となる生体に送信機等の特別な機器を所持させると、静止している生体でも検出できる。
そこで、発明者らは、これらのことを鑑み、対象となる生体に送信機等の特別な機器を所持させずに、無線信号を利用して生体が存在する位置をより広い範囲かつ高精度に推定できるセンサ等を想到した。
すなわち、本開示の一態様に係るセンサは、それぞれ送信アンテナを有する1以上の送信局と、それぞれ受信アレーアンテナを有する複数の受信局と、前記複数の受信局それぞれの前記受信アレーアンテナで観測された信号から、前記送信アンテナから送信され、かつ、1以上の生体によって反射された信号成分である生体成分を抽出する第1回路と、前記第1回路で抽出された生体成分それぞれから、前記複数の受信局それぞれからみた前記1以上の生体の位置に対する評価関数である位置スペクトル関数を算出する第2回路と、前記第2回路で算出された複数の前記位置スペクトル関数を1つの関数に統合し、統合した前記位置スペクトル関数の1以上の極大値を算出することにより前記1以上の生体の位置を推定する第3回路とを備える。
この構成により、複数の受信局で求めた複素伝達関数から得られる位置スペクトル関数を統合して推定を行うので、無線信号を利用して生体が存在する位置をより広い範囲かつ高精度に推定できる。たとえば、対象となる生体からの信号が弱くて複数の受信局のうちのいくつかの受信局が生体からの反射波を観測できない場合でも、当該生体からの反射波を観測できた受信局における複素伝達関数から得られる位置スペクトル関数を用いて、生体位置の推定をすることができる。
また、例えば、前記1以上の送信局は、2以上の送信局であり、前記2以上の送信局はそれぞれ、2素子以上の前記送信アンテナからなる送信アレーアンテナを有するとしてもよい。
ここで、例えば、さらに、前記2以上の送信局のいずれもが、前記送信アレーアンテナからの送信を同時に行わないように送信タイミングを制御する第4回路を備える。
また、例えば、前記1以上の生体の位置を推定する回路は、算出された複数の位置スペクトル関数を互いに乗算または加算することによって1つの関数に統合するとしてもよい。
また、例えば、前記位置スペクトル関数を算出する回路は、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)アルゴリズムに基づき、前記位置スペクトル関数を算出するとしてもよい。
また、本開示の一態様に係る位置推定方法は、それぞれ受信アレーアンテナを有する複数の受信局それぞれの前記受信アレーアンテナで観測された信号から、1以上の送信局が有する送信アンテナ素子から送信され、かつ、1以上の生体によって反射された信号成分である生体成分を抽出するステップと、前記抽出するステップで抽出された生体成分それぞれから、前記複数の受信局それぞれからみた前記1以上の生体の位置に対する評価関数である位置スペクトル関数を算出するステップと、前記算出するステップで算出された複数の前記位置スペクトル関数を1つの関数に統合し、統合した前記位置スペクトル関数の1以上の極大値を算出することにより前記1以上の生体の位置を推定するステップとを含む。
なお、本開示は、装置として実現するだけでなく、このような装置が備える処理手段を備える集積回路として実現したり、その装置を構成する処理手段をステップとする方法として実現したり、それらステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現したり、そのプログラムを示す情報、データまたは信号として実現したりすることもできる。そして、それらプログラム、情報、データおよび信号は、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の通信媒体を介して配信してもよい。
以下、本開示の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本開示の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本開示の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。また、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(実施の形態1)
以下では、図面を参照しながら、実施の形態1におけるセンサ1の位置推定方法等の説明を行う。
[センサ1の構成]
図1は、実施の形態1におけるセンサ1の構成を示すブロック図である。図2は、実施の形態1における送信局と受信局との配置の一例を示す図である。
図1に示すセンサ1は、送信局10と、N個の受信局20−1〜20−Nと、位置推定部30とを備える。なお、図2には、N個が4つの場合における送信局10および受信局20−1〜受信局20−4の配置と、信号が伝達される様子とが概念的に示されている。
[送信局10]
送信局10は、送信アンテナを有する。具体的には、送信局10は、図1に示すように送信機11と送信アンテナ12とで構成される。
送信アンテナ12は、1素子の送信アンテナすなわち1個の送信アンテナ素子で構成されている。
送信機11は、生体40の方向を推定するために用いる高周波の信号を生成する。例えば、送信機11は、図2に示すように、生成した信号を送信波として、送信アンテナ12から送信する。
[受信局20−1〜20−N]
受信局20−1〜20−Nはそれぞれ、受信アレーアンテナを有する。ここで、Nは2以上の整数である。N個の受信局のうち代表としてi番目(iは1以上N以下の整数)の受信局20−iを例に挙げて説明する。なお、すべての受信局20−1〜20−Nは同様の構成を持ち、同様の処理を行う。
受信局20−iは、受信アンテナ21−iと、受信機22−iと、複素伝達関数算出部23−iと、生体成分抽出部24−iと、位置スペクトル関数計算部25−iとを備える。
<受信アンテナ21−i>
受信アンテナ21−iは、M素子の受信アンテナすなわちM個の受信アンテナ素子で構成された受信アレーアンテナである。受信アンテナ21−iは、受信アレーアンテナで高周波の信号を受信する。本実施の形態では、受信アンテナ21−iは、例えば図2に示すように、その配置により、受信する高周波の信号に、送信アンテナ12から送信された送信波の一部が生体40によって反射された信号である反射波を含む場合がある。
<受信機22−i>
受信機22−iは、受信アンテナ21−iで受信された高周波の信号を、信号処理が可能な低周波の信号に変換する。受信機22−iは、変換した低周波の信号を、複素伝達関数算出部23−iに伝達する。
<複素伝達関数算出部23−i>
複素伝達関数算出部23−iは、受信局22−iの受信アレーアンテナで観測された信号から、当該受信アレーアンテナと送信局10の送信アンテナ12との間の伝搬特性を表す複素伝達関数を算出する。より具体的には、複素伝達関数算出部23−iは、受信機22−iにより伝達された低周波の信号から、送信アンテナ12の1個の送信アンテナ素子と受信アレーアンテナのM個の受信アンテナ素子との間の伝搬特性を表す複素伝達関数を算出する。なお、複素伝達関数算出部23−iが算出した複素伝達関数には、送信アンテナ12からの直接波および固定物由来の反射波など、生体40を経由しない反射波が含まれている。また、複素伝達関数算出部23−iが算出した複素伝達関数には、送信アンテナ12から送信された送信波の一部が生体40によって反射された信号である反射波を含む場合がある。生体40によって反射された反射波すなわち生体40経由の反射波の振幅および位相は、生体40の呼吸および心拍等の生体活動によって常に変動する。
以下、複素伝達関数算出部23−iが算出した複素伝達関数に生体40によって反射された信号である反射波を含むとして説明する。
<生体成分抽出部24−i>
生体成分抽出部24−iは、受信局22−iの受信アレーアンテナで観測された信号から、送信アンテナ12から送信され、かつ、1以上の生体40によって反射された信号成分である生体成分を抽出する。より具体的には、生体成分抽出部24−iは、複素伝達関数算出部23−iで算出された複素伝達関数を、信号が観測された順である時系列で記録する。そして、生体成分抽出部24−iは、時系列で記録した複素伝達関数の変化のうち、生体40の影響による変動成分を生体成分として抽出する。ここで、生体の影響による変動成分を抽出する方法としては、フーリエ変換などによる周波数領域への変換後、生体の振動に対応する成分のみを抽出する方法、または、2つの異なる時間の複素伝達関数の差分を計算することで抽出する方法がある。これらの方法により、直接波および固定物を経由する反射波の複素伝達関数は除去され、生体40を経由する反射波の複素伝達関数成分のみが残ることになる。
なお、本実施の形態では、受信アレーアンテナを構成する受信アンテナ素子はM個すなわち複数あるため、受信アレーアンテナに対応する複素伝達関数の生体40経由の変動成分の数すなわち生体成分も複数となる。以下、これらをまとめて、生体成分チャネルベクトルと称する。
<位置スペクトル関数計算部25−i>
位置スペクトル関数計算部25−iは、生体成分抽出部24−iで抽出された生体成分から、受信局20−iからみた1以上の生体40の位置に対する評価関数である位置スペクトル関数を算出する。ここで、例えば、位置スペクトル関数計算部25−iは、MUSICアルゴリズムに基づき、位置スペクトル関数を算出してもよい。
本実施の形態では、位置スペクトル関数計算部25−iは、生体成分抽出部24−iで抽出された生体成分チャネルベクトルの相関行列Rを計算し、得られた相関行列Rを用いて、所定の到来方向推定手法で、受信局20−iから見た生体40の方向となす角θに対する位置スペクトル関数P(θ)を計算する。
位置スペクトル関数計算部25−iは、計算した位置スペクトル関数P(θ)を、位置推定部30に伝達する。
以下、位置スペクトル関数計算部25−iがMUSIC法を用いて位置スペクトル関数P(θ)を計算するまでの手順を数式を用いて説明する。なお、生体成分は、フーリエ変換を用いて抽出されたとする。
生体成分チャネルベクトルの相関行列Rを固有値分解すると、以下の(式1)〜(式3)のように書ける。
Figure 0006893328
Figure 0006893328
Figure 0006893328
ここで、Mは受信局20−iのアンテナ数、
Figure 0006893328
は要素数がMである固有ベクトル、
Figure 0006893328
は固有ベクトルに対応する固有値であり、
Figure 0006893328
の順であるものとする。Lは到来波の数つまり検出対象の生体数である。
受信アレーアンテナのステアリングベクトルすなわち方向ベクトルは、(式4)で定義することができる。
Figure 0006893328
ここで、kは波数である。MUSIC法では、このステアリングベクトルを用いて(式5)に示すように位置スペクトル関数P(θ)を計算する。
Figure 0006893328
位置スペクトル関数P(θ)はi番目の受信局20−iから見て生体が存在する角度にて分母が最小となり極大値を取る。
なお、位置スペクトル関数の算出には、MUSIC法ではなく、ビームフォーマー法を用いてもよいし、Capon法を用いてもよい。
[位置推定部30]
位置推定部30には、N個の位置スペクトル関数計算部25−1〜25−Nそれぞれで計算された位置スペクトル関数が伝達される。位置推定部30は、位置スペクトル関数計算部25−1〜25−Nそれぞれで算出された複数の位置スペクトル関数を1つの関数に統合し、統合した位置スペクトル関数の1以上の極大値を算出することにより1以上の生体40の位置を推定する。ここで、位置推定部30は、算出された複数の位置スペクトル関数を互いに乗算または加算することによって1つの関数に統合する。
本実施の形態では、位置推定部30は、N個の位置スペクトル関数P(θ)の統合を行い、統合された位置スペクトル関数を基に生体40の位置推定を行う。より具体的には、位置推定部30はN個の受信局20−1〜20−Nから、例えば(式5)を用いて計算されたそれぞれの位置スペクトル関数P(θ)を取得する。そして、位置推定部30は、(式6)および(式7)を用いて、取得したN個の位置スペクトル関数P(θ)を統合した位置スペクトル関数Pall(Θ)を計算する。
Figure 0006893328
Figure 0006893328
ここでΠは総乗演算を表す。
なお、それぞれの位置スペクトル関数P(θ)は対応する受信局20−iから見て生体40が存在する角度で極大値を取るが、測定範囲外の方向を含むそれ以外の角度でもその値は0にはならない。そのため、N個の位置スペクトル関数を乗算することによりN個の受信局すべての結果を反映した評価関数すなわち統合した位置スペクトル関数を得ることができる。そして、統合した位置スペクトル関数Pall(Θ)の極大値を探索することで到来波の方向である生体40の位置を推定することができる。
[センサ1の動作]
以上のように構成されるセンサ1が生体の位置を推定する処理について説明する。
図3は、実施の形態1におけるセンサ1の位置推定処理を示すフローチャートである。図4は、図3に示す位置推定処理の詳細を示すフローチャートである。
まず、センサ1は、図3に示すように、複数の受信局20−1〜20−Nそれぞれの受信アレーアンテナで観測された信号から、送信局10の送信アンテナ素子から送信され、かつ、1以上の生体によって反射された信号成分である生体成分を抽出する(S1)。より具体的には、図4に示すように、まず、センサ1は、N個の受信局において所定の期間、受信信号を観測する(S11)。次いで、センサ1は、N個の受信局の受信アレーアンテナで観測した受信信号それぞれから、複素伝達関数を算出する(S12)。そして、センサ1は、算出した複素伝達関数それぞれを時系列に記録し、記録したそれぞれの時系列の複素伝達関数から、生体成分を抽出する(S13)。
次に、センサ1は、図3に示すように、S1で抽出した生体成分それぞれから、複数の受信局20−1〜20−Nそれぞれからみた1以上の生体40の位置に対する評価関数である位置スペクトル関数を算出する(S2)。より具体的には、図4に示すように、まず、センサ1は、S13で抽出した生体成分それぞれの相関行列を算出する(S21)。次いで、センサ1は、S21で算出した相関行列を用いて、N個の受信局それぞれからみた生体40の位置スペクトル関数を算出する(S22)。
次に、センサ1は、図3に示すように、S2で算出した複数の位置スペクトル関数を1つの関数に統合し、統合した位置スペクトル関数の1以上の極大値を算出することにより、1以上の生体の位置を推定する(S3)。より具体的には、図4に示すように、まず、センサ1は、S22で算出したN個の位置スペクトル関数を乗算または加算することにより統合する(S31)。そして、センサ1は、S31で統合した位置スペクトルの1以上の極大値を算出することにより、1以上の生体40の位置を推定する(S32)。
[効果等]
本実施の形態のセンサ1および位置推定方法によれば、無線信号を利用して生体が存在する位置をより広い範囲かつ高精度に推定できる。また、本実施の形態のセンサ1および位置推定方法によれば、複数の受信局を備えることで、生体を検出できる検出範囲を広くできる。より具体的には、本実施の形態のセンサ1および位置推定方法によれば、複数の受信局で求めた複素伝達関数の情報から生体成分を抽出し、抽出した生体成分から計算して得られる位置スペクトル関数を統合し、生体の位置を推定する。これにより、生体が存在する位置の推定を、障害物の影響を受けずに、より広範囲で行うことができる。たとえば、対象となる生体からの信号が弱くて複数の受信局のうちのいくつかの受信局が生体からの反射波を観測できない場合でも、当該生体からの反射波を観測できた受信局における複素伝達関数から得られる位置スペクトル関数を用いて、生体位置の推定をすることができる。
ここで、図5Aと図5Bを用いて、本実施の形態のセンサ1が生体の位置推定を広範囲で行えることについて説明する。
図5Aは、比較例における生体位置の推定可能範囲を示す図である。図5Bは、本実施の形態における生体位置の推定可能範囲を示す図である。図5Aに示す比較例では、1つの送信局10と1つの受信局20−1とを用いた例えばMIMO(Multiple Input Multiple Output)レーダにより生体位置を推定できる検出範囲60が示されている。なお、検出範囲60は、1つの送信局10が出力するビームと1つの受信局20−1が出力するビームとが重なる領域に対応する。一方、図5Bに示す本実施の形態では、1つの送信局10と4つの受信局20−1〜20−4とを用いたセンサ1により生体位置を推定できる検出範囲70が示されている。検出範囲70は、比較例の検出範囲60と比べて、広くなっているのがわかる。本実施の形態のセンサ1は、複数の受信局それぞれで受信した信号に基づき算出した位置スペクトル関数を1つに統合して、生体位置を推定できることから、複数の受信局を連携させることができる。これにより、生体によるドップラーシフト成分が受信可能となる検出範囲を広げることができる。また、複数の受信局を連携させることで、複数の受信局のうちのいくつかの受信局で生体成分が抽出できれば生体位置を推定できるので、推定精度も向上できる。
(変形例)
図6は、実施の形態1の変形例におけるセンサ1aの構成を示すブロック図である。図1と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図1に示すセンサ1では、複数の受信局20−1〜20−Nそれぞれに、複素伝達関数算出部23−i、生体成分抽出部24−iおよび位置スペクトル関数計算部25−iが構成されているとしたが、これに限らない。図6に示すセンサ1aのように、複数の受信局20−1〜20−Nそれぞれには、複素伝達関数算出部23−i、生体成分抽出部24−iおよび位置スペクトル関数計算部25−iが構成されないとしてもよい。この場合、センサ1aは、複素伝達関数算出部23−i、生体成分抽出部24−iおよび位置スペクトル関数計算部25−iに代えて第1回路24aおよび第2回路25aを備えればよい。また、センサ1aは、位置推定部30の機能を実現する第3回路30aを、備えている。その他の構成は、図1に示すセンサ1と同様のため説明を省略する。
第1回路24aは、N個の複素伝達関数算出部および、N個の生体成分抽出部の機能を実現する回路である。より具体的には、第1回路24aは、複数の受信局20−1〜20−Nそれぞれの受信アレーアンテナで観測された信号から、送信局10の送信アンテナ素子から送信され、かつ、1以上の生体によって反射された信号成分である生体成分を抽出する。
第2回路25aは、N個の位置スペクトル関数計算部の機能を実現する回路である。より具体的には、第2回路25aは、第1回路24aで抽出された生体成分それぞれから、複数の受信局20−1〜20−Nそれぞれからみた1以上の生体40の位置に対する評価関数である位置スペクトル関数を算出する。
第3回路30aは、位置推定部30の機能を実現する回路であり、第2回路25aで算出された複数の位置スペクトル関数を1つの関数に統合し、統合した位置スペクトル関数の1以上の極大値を算出することにより1以上の生体40の位置を推定する。
(実施の形態2)
実施の形態1では、センサ1が1つの送信局を備える場合について説明したが、これに限らない。実施の形態2では、2以上の送信局または2以上の送信アンテナ素子を備えるセンサ1Aの位置推定方法等について説明する。
[センサ1Aの構成]
図7は、実施の形態2におけるセンサ1Aの構成を示すブロック図である。図8は、実施の形態2における送信局と受信局との配置の一例を示す図である。図1および図2と同様の要素には同一の符号を付しており、詳細な説明は省略する。
図7に示すセンサ1Aは、N個の送信局10−1〜10−Nと、N個の受信局20−1〜20−Nと、位置推定部30Aと、送信タイミング制御部50とを備える。なお、図8には、N個が2つでN個が4つの場合における送信局10−1〜10−2および受信局20−1〜受信局20−4の配置と、信号が伝達される様子とが概念的に示されている。
[送信局10−1〜10−N
送信局10−1〜10−Nはそれぞれ、2素子以上の送信アンテナからなる送信アレーアンテナを有する。ここで、Nは2以上の整数である。以降、N個の送信局のうち代表としてj番目(jは1以上N以下の整数)の送信局20−jを例に挙げて説明する。なお、すべての送信局はそれぞれ同様の構成を持ち、同様の処理を行う。なお、送信局10−1〜10−Nの配置は、一の送信局と他の送信局とのなす角が180度または90度とならないのが望ましい。
送信局10−jは、送信アンテナ12−jと送信機11−jとを備える。
<送信アンテナ12−j>
送信アンテナ12−jは、M素子の送信アンテナを備えた送信アレーアンテナである。送信アンテナ12−jは、送信アレーアンテナで高周波の信号を送信する。本実施の形態では、送信アンテナ12−jは、例えば図8に示すように、高周波の信号である送信波を、生体40を含む領域に送信する。
<送信機11−j>
送信機11−jは、生体40の位置を推定するために用いる高周波の信号を生成する。送信機11−jは、生成した高周波の信号を送信波として送信アンテナ12−jに送信させる。ここで、送信機11−jは、送信タイミング制御部50により、他の送信局と同時に送信波を送信しないように制御される。
[送信タイミング制御部50]
送信タイミング制御部50は、第4回路の一例である。送信タイミング制御部50は、2以上の送信局10-1〜10−Nのいずれもが、送信アレーアンテナからの送信を同時に行わないように送信タイミングを制御する。
[受信局20−1〜20−N
受信局20−1〜20−Nはそれぞれ、受信アレーアンテナを有する。ここで、Nは2以上の整数である。以降、N個の受信局のうち代表としてi番目(iは1以上N以下の整数)の受信局20−iを例に挙げて説明する。なお、すべての受信局はそれぞれ同様の構成を持ち、同様の処理を行う。
受信局20−iは、受信アンテナ21−iと、受信機22−iと、複素伝達関数算出部23−iと、生体成分抽出部24−iと、位置スペクトル関数計算部25−iとを備える。
<受信アンテナ21−i>
受信アンテナ21−iは、M素子の受信アンテナすなわちM個の受信アンテナ素子で構成された受信アレーアンテナである。受信アンテナ21−iは、受信アレーアンテナで高周波の信号を受信する。本実施の形態では、受信アンテナ21−iは、例えば図8に示すように、その配置により、受信する高周波の信号に、送信アンテナ12-1〜12−Nのいずれかから送信された送信波の一部が生体40によって反射された信号である反射波を含む場合がある。
<受信機22−i>
受信機22−iは、受信アンテナ21−iで受信された高周波の信号を、信号処理が可能な低周波の信号に変換する。受信機22−iは、変換した低周波の信号を、複素伝達関数算出部23−iに伝達する。
<複素伝達関数算出部23−i>
複素伝達関数算出部23−iは、受信局22−iの受信アレーアンテナで観測された信号から、当該受信アレーアンテナと送信局10-1〜10−Nの送信アンテナ12−1〜12−Nのいずれかとの間の伝搬特性を表す複素伝達関数を算出する。
本実施の形態では、複数の送信局10-1〜10−Nが存在しているが、送信タイミング制御部50により、特定の時刻では高々1個の送信局からの信号のみを受信する。そのため、複素伝達関数算出部23−iは、時刻を区切ることにより特定の送信局に関する複素伝達関数を算出することができる。
なお、以降、複素伝達関数算出部23−iが算出した複素伝達関数に生体40によって反射された信号である反射波を含むとして説明する。
<生体成分抽出部24−i>
生体成分抽出部24−iは、受信局22−iの受信アレーアンテナで観測された信号から、送信アンテナ12−1〜12−Nのいずれかから送信され、かつ、1以上の生体40によって反射された信号成分である生体成分を抽出する。より具体的には、生体成分抽出部24−iは、複素伝達関数算出部23−iで算出された複素伝達関数を、信号が観測された順である時系列で記録する。そして、生体成分抽出部24−iは、時系列で記録した複素伝達関数の変化のうち、生体40の影響による変動成分を生体成分として抽出する。
なお、本実施の形態では、送信アレーアンテナを構成する送信アンテナ素子と受信アレーアンテナを構成する受信アンテナ素子とは複数あるため、受信アレーアンテナに対応する複素伝達関数の生体40経由の変動成分の数すなわち生体成分も複数となる。これらはまとめて、生体成分チャネルベクトルと称する。
<位置スペクトル関数計算部25−i>
位置スペクトル関数計算部25−iは、生体成分抽出部24−iで抽出された生体成分から、受信局20−iからみた1以上の生体40の位置に対する評価関数である位置スペクトル関数を算出する。ここで、例えば、位置スペクトル関数計算部25−iは、MUSICアルゴリズムに基づき、位置スペクトル関数を算出してもよい。
本実施の形態では、位置スペクトル関数計算部25−iは、生体成分抽出部24−iで抽出された生体成分チャネルベクトルの相関行列Ri,jを計算し、得られた相関行列を用いて、所定の到来方向推定手法で、受信局20−iから見た生体40の方向となす角θと、送信局10−jから見た生体40の方向となす角θとに対する位置スペクトル関数Pi,j(θ,θ)を計算する。位置スペクトル関数計算部25−iは、計算した位置スペクトル関数Pi,j(θ,θ)を、位置推定部30Aに伝達する。
以下、位置スペクトル関数計算部25−iがMUSIC法を用いて位置スペクトル関数Pi,j(θ,θ)を計算するまでの手順を数式を用いて説明する。なお、生体成分は、フーリエ変換を用いて抽出されたとする。
生体成分チャネルベクトルの相関行列を固有値分解すると、以下の(式8)〜(式10)のように書ける。
Figure 0006893328
Figure 0006893328
Figure 0006893328
ここで、Mは受信局20−iのアンテナ数、Mは送信局10−jのアンテナ数、
Figure 0006893328
は要素数がMである固有ベクトル、
Figure 0006893328
は固有ベクトルに対応する固有値であり、
Figure 0006893328
の順であるものとする。Lは到来波の数つまり検出対象の生体数である。
受信アレーアンテナのステアリングベクトルすなわち方向ベクトルは、(式11)で定義することができる。
Figure 0006893328
送信アレーアンテナのステアリングベクトルも同様に、(式12)で定義することができる。
Figure 0006893328
ここで、kは波数である。さらに、送受信のステアリングベクトルを乗算し、(式13)に示すように、送受信双方の角度情報を考慮したステアリングベクトルを定義する。
Figure 0006893328
そして、(式13)で定義したステアリングベクトルにMUSIC法を適用すると、(式14)に示すように、このステアリングベクトルを用いて位置スペクトル関数Pi,j(θ,θ)を計算することができる。
Figure 0006893328
位置スペクトル関数Pi,j(θ,θ)は、θが受信局20−iから見て生体40の存在する角度であり、かつ、θが送信局10−jから見て生体40が存在する角度である場合、分母が最小となり極大値を取る。
なお、位置スペクトル関数の算出には、MUSIC法ではなく、ビームフォーマー法を用いてもよいし、Capon法を用いてもよい。
また、本実施の形態では、複数の受信局それぞれに複素伝達関数算出部と、生体成分抽出部と、位置スペクトル関数計算部とを備えるとして説明したが、これに限らない。実施の形態1の変形例と同様に、センサ1Aは、M個の複素伝達関数算出部および生体成分抽出部の機能を実現する第1回路と、M個の位置スペクトル関数計算部の機能を実現する第2回路とを備えるとしてもよい。
[位置推定部30A]
位置推定部30Aには、位置スペクトル関数計算部25−1〜25−Nで計算されたN×Nの位置スペクトル関数が伝達される。位置推定部30Aは、第3回路の一例である。位置推定部30Aは、位置スペクトル関数計算部25−1〜25−Nそれぞれで算出された複数の位置スペクトル関数を1つの関数に統合し、統合した位置スペクトル関数の1以上の極大値を算出することにより1以上の生体40の位置を推定する。ここで、位置推定部30は、算出された複数の位置スペクトル関数を互いに乗算または加算することによって1つの関数に統合する。
本実施の形態では、位置推定部30Aは、N個の受信局20−1〜25−Nがそれぞれ、例えば(式14)を用いて計算した位置スペクトル関数Pi,j(θ,θ)を取得する。そして、位置推定部30Aは、(式15)〜(式17)を用いて、N×N個を統合した位置スペクトル関数Pall(Θ,Θ)を計算する。
Figure 0006893328
Figure 0006893328
Figure 0006893328
ここで、Πは総乗演算を表す。
なお、それぞれの位置スペクトル関数Pi,j(θ,θ)は対応する受信局20−iから見て生体40が存在する角度で極大値を取るが、測定範囲外の方向を含むそれ以外の角度でもその値は0にはならない。そのため、N×N個の位置スペクトル関数を乗算することによりN×N局の受信局すべての結果を反映した位置スペクトル関数を得ることができる。そして、統合した位置スペクトル関数Pall(Θ,Θ)の極大値を探索することで到来波の方向である生体40の位置を推定することができる。
[センサ1Aの動作]
以上のように構成されるセンサ1Aが生体の位置を推定する処理について説明する。
図9は、実施の形態2におけるセンサ1Aの位置推定処理の詳細を示すフローチャートである。図9は、図3に示す位置推定処理の本実施の形態における詳細に該当する。
まず、S1において、センサ1Aは、N個の受信局において所定の期間、受信信号を観測させる(S11A)。次いで、センサ1Aは、N個の受信局の受信アレーアンテナで観測した受信信号それぞれから、送信アンテナ素子と受信アンテナ素子との間の伝搬特性を表す複素伝達関数を算出する(S12A)。そして、センサ1Aは、算出した複素伝達関数それぞれを時系列に記録し、記録したそれぞれの時系列の複素伝達関数から、生体の影響による変動成分である生体成分を抽出する(S13A)。
次に、S2において、センサ1Aは、S13Aで抽出した生体成分それぞれの相関行列を算出する(S21A)。次いで、センサ1は、S21Aで算出した相関行列を用いて、N個の受信局それぞれからみた生体40の方向と、N個の送信局それぞれからみた生体40方向とに対するN×Nの位置スペクトル関数を算出する(S22A)。
次に、S3において、センサ1Aは、S22Aで算出したN×N個の位置スペクトル関数を乗算または加算することにより統合する(S31A)。そして、センサ1Aは、S31Aで統合した位置スペクトルの1以上の極大値を算出することにより、1以上の生体40の位置を推定する(S32A)。
[効果等]
本実施の形態のセンサ1Aおよび位置推定方法によれば、無線信号を利用して生体が存在する位置をより広い範囲かつ高精度に推定できる。
また、本実施の形態のセンサ1および位置推定方法によれば、送信局の数と受信局の数とを増やすことにより、生体によるドップラーシフト成分が受信可能な領域が広がる。これにより、検出対象の生体が複数存在する場合でも精度が低下することなく位置推定が可能になるという効果を奏する。
(実施例)
ここで、実施の形態2に係る効果を確かめるために実験による評価を行ったので、以下実施例として説明する。
図10は、本実施例における実験を行った環境を示す図である。
本実験は、横9m×縦6mの木造家屋で行った。本実験では、図中Txと示す送信局を構成する送信アンテナに8素子円形スリーブアンテナ、図中Rx1〜Rx4と示す受信局を構成する受信アンテナに4素子リニアアレーアンテナを用いた。送信局Txは、座標(6,3)に配置し、受信局Rx1〜Rx4はそれぞれ測定範囲の四隅すなわち座標(1,5.5)、(8,5)、(8.5,1)、(0.5,0.5)に配置した。また、送受信アレー素子の間隔すなわち8素子円形スリーブアンテナの素子間隔を0.5波長、使用周波数2.47125GHz,アンテナ高を115cm、サンプリング周波数100Hz、抽出する生体活動の周波数範囲0.3〜3.3Hz、測定時間を20秒とした。また、本実験では、測定対象は1人とし、測定対象を木造家屋内すなわち実験環境内の23地点にそれぞれ配置して、チャネルを測定した。
図11は、本実施例における受信局数を変えた場合の推定位置誤差の累積確率分布(CDF:Cumulative Distribution Function)を示す図である。縦軸は、累積確率分布(CDF)を示し、横軸は推定位置誤差を示す。1Rxは、4つの受信局Rx1〜Rx4のうちの一つである1局で推定位置誤差の累積確率分布を測定した結果を示す。同様に、2Rx、3Rxまたは4Rxは、4つの受信局Rx1〜Rx4のうちの2局、3局または4局で推定位置誤差の累積確率分布を測定した結果を示す。
図8に示される結果より、推定した位置の誤差が1m以内で位置推定をできる確率は、1局よりも2局、2局よりも3局、3局よりも4局の方が高い確率であることがわかる。
以上の結果より、受信局数を増やすことで位置推定精度が向上することがわかる。
以上のように、本開示によれば、複数の受信局で求めた複素伝達関数の情報から生体成分を抽出し、抽出した生体成分から計算して得られる位置スペクトル関数を統合し、生体の位置を推定する。これにより、無線信号を利用した生体が存在する位置の推定を、障害物の影響を受けずに、より広範囲に行うことができる。たとえば、対象となる生体からの信号が弱くて複数の受信局のうちのいくつかの受信局が生体からの反射波を観測できない場合でも、当該生体からの反射波を観測できた受信局における複素伝達関数から得られる位置スペクトル関数を用いて、生体位置の推定をすることができる。
以上、本開示の一態様に係るセンサおよび位置推定方法について、実施の形態に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態に限定されるものではない。本開示の趣旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したもの、あるいは異なる実施の形態における構成要素を組み合わせて構築される形態も、本開示の範囲内に含まれる。
また、本開示は、このような特徴的な構成要素を備えるセンサとして実現することができるだけでなく、センサに含まれる特徴的な構成要素をステップとする位置推定方法などとして実現することもできる。また、そのような方法に含まれる特徴的な各ステップをコンピュータに実行させるコンピュータプログラムとして実現することもできる。そして、そのようなコンピュータプログラムを、CD−ROM等のコンピュータで読取可能な非一時的な記録媒体あるいはインターネット等の通信ネットワークを介して流通させることができるのは、言うまでもない。
本開示は、無線信号を利用して生体の位置を推定するセンサおよび位置推定方法に利用でき、特に、生体の方向または位置を測定する測定器、生体の方向または位置に応じた制御を行う家電機器、生体の侵入を検知する監視装置などに搭載されるセンサおよび位置推定方法に利用できる。
1、1a、1A センサ
10、10−1、10−2、10−N 送信局
11、11−1、11−N 送信機
12−1、12−N 送信アンテナ
20−1、20−2、20−3、20−4、20−N、20−N 受信局
21−1、21−N、21−N 受信アンテナ
22−1、22−N、22−N 受信機
23−1、23−N、23−N 複素伝達関数算出部
24a 第1回路
24−1、24−N、24−N 生体成分抽出部
25a 第2回路
25−1、25−N、25−N 位置スペクトル関数計算部
30、30A 位置推定部
30a 第3回路
40 生体
50 送信タイミング制御部
60、70 検出範囲

Claims (6)

  1. それぞれ送信アンテナを有する1以上の送信局と、
    それぞれ受信アレーアンテナを有する複数の受信局と、
    前記複数の受信局それぞれの前記受信アレーアンテナで観測された信号から、前記送信アンテナから送信され、かつ、1以上の生体によって反射された信号成分である生体成分を抽出する第1回路と、
    前記第1回路で抽出された生体成分それぞれから、前記複数の受信局それぞれからみた前記1以上の生体の位置に対する評価関数である位置スペクトル関数を算出する第2回路と、
    前記第2回路で算出された複数の前記位置スペクトル関数を1つの関数に統合し、統合した前記位置スペクトル関数の1以上の極大値を算出することにより前記1以上の生体の位置を推定する第3回路とを備える、
    センサ。
  2. 前記1以上の送信局は、2以上の送信局であり、
    前記2以上の送信局はそれぞれ、2素子以上の前記送信アンテナからなる送信アレーアンテナを有する、
    請求項1に記載のセンサ。
  3. さらに、前記2以上の送信局のいずれもが、前記送信アレーアンテナからの送信を同時に行わないように送信タイミングを制御する第4回路を備える、
    請求項2に記載のセンサ。
  4. 前記1以上の生体の位置を推定する回路は、算出された複数の位置スペクトル関数を互いに乗算または加算することによって1つの関数に統合する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のセンサ。
  5. 前記位置スペクトル関数を算出する回路は、MUSIC(MUltiple SIgnal Classification)アルゴリズムに基づき、前記位置スペクトル関数を算出する、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のセンサ。
  6. それぞれ受信アレーアンテナを有する複数の受信局それぞれの前記受信アレーアンテナで観測された信号から、1以上の送信局が有する送信アンテナ素子から送信され、かつ、1以上の生体によって反射された信号成分である生体成分を抽出するステップと、
    前記抽出するステップで抽出された生体成分それぞれから、前記複数の受信局それぞれからみた前記1以上の生体の位置に対する評価関数である位置スペクトル関数を算出するステップと、
    前記算出するステップで算出された複数の前記位置スペクトル関数を1つの関数に統合し、統合した前記位置スペクトル関数の1以上の極大値を算出することにより前記1以上の生体の位置を推定するステップとを含む、
    位置推定方法。
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