JP6893093B2 - 液封システム及び保存ケース - Google Patents

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Description

本発明は、液封システム及び保存ケースに関する。
従来、文化財等の保存対象物の保存は、脱酸素剤と保存物を酸素バリアー袋に入れたり、窒素ガス発生装置により発生した窒素ガスを、対象物を収容したケースに注入したりすることにより行われていた。
例えば、特許文献1には、窒素ガス発生装置により発生させられた窒素ガスを密閉容器内に封入する文化財保護防虫用密閉室内の雰囲気制御装置が提案されている。このような装置によれば、文化財が不適切な湿気や害虫等によって損なわれるのを防止できる。
特開2005−249357号公報
しかしながら、酸素バリアー袋での保存は小さなピンホール等などの問題や、大きな物の保存は困難という問題があり、窒素ガス発生装置は電源が必要であり停電時の対応が困難である。また、高圧のガスボンベを用いるのは、大勢の人が集まる場所では危険である。
また、現在、窒素ガス発生装置を用いた保存ケースの多くは、保存ケース内外の気圧差が考慮されていないエアータイト方式である。このため、空気交換率が10−30%前後であり、保存ケース内外の気圧差により、汚染された外気が常に保存ケース内に流入しているのが現状である。
このようなエアータイト方式の保存ケースに、窒素ガス発生装置やガスボンベで、窒素ガス等の不活性ガスを、常に保存ケース内に送り込み正圧状態に保ち酸素の流入を防いでいるのが現状である。
更に、電源が必要な窒素ガス発生装置は、災害等により長期に停電になった場合に、保存ケース内の酸素濃度の維持が困難である。また、ガスボンベは、定期的にボンベを交換する必要がある。
本発明は、ケース内外の気圧や温度差による差圧で、ケース内に封じ込めたガスを循環させることで、差圧により、ケース内に大気が流入したり、ケース内のガスが流出したりすることを防止可能な液封システムを提供することを目的とする。
(1) 内部に気密空間が形成されたケースと、
前記ケースの内部に気体を給気する側に設けられた給気側液封部と、
前記ケースの内部の気体を排気する側に設けられた排気側液封部と、を備え、
前記給気側液封部は、液体が貯留され、給気側液体部分と給気側気体部分とが形成された給気側第1タンクと、液体が貯留されていない空タンクであり、前記給気側第1タンクの前記給気側気体部分に、給気側連通菅により連通されている給気側第2タンクと、を有し、
前記給気側液封部は、
前記給気側第1タンクの、一端から外気が流入する外気菅の他端が、前記給気側液体部分内に配置され、
前記給気側連通菅の一端が、前記給気側第1タンクの前記給気側気体部分内に配置され、前記給気側連通菅の他端が、前記給気側第2タンク内に配置され、
前記ケースの内部側へ向かう気体が挿通する給気側挿通菅の一端が、前記給気側第2タンク内に配置され、
前記排気側液封部は、液体が貯留され、排気側液体部分と排気側気体部分とが形成された排気側第1タンクと、液体が貯留されていない空タンクであり、前記排気側第1タンクの前記排気側気体部分に、排気側連通菅により連通されている排気側第2タンクと、を有し、
前記排気側液封部は、
前記排気側第1タンクの、前記ケースの内部側から排気された気体が一端から流入する排気菅の他端が、前記排気側液体部分内に配置され、
前記排気側連通菅の一端が、前記排気側第1タンクの前記排気側気体部分内に配置され、前記排気側連通菅の他端が、前記排気側第2タンク内に配置され、
外部に向かう気体が挿通する排気側挿通菅の一端が、前記排気側第2タンク内に配置されている液封システム。
(1)の発明によれば、液封システムは、ケースと、給気側液封部と、排気側液封部と、を備える。
ケースは、内部に気密空間が形成されている。
給気側液封部は、ケースの内部に気体を給気する側に設けられている。
排気側液封部は、ケースの内部の気体を排気する側に設けられている。
給気側液封部は、液体が貯留され、給気側液体部分と給気側気体部分とが形成された給気側タンクを有する。
そして、給気側タンクは、一端から外気が流入する外気菅の他端が、給気側液体部分内に配置され、ケースの内部側へ向かう気体が挿通する給気側挿通菅の一端が、給気側気体部分内に配置されている。
また、排気側液封部は、液体が貯留され、排気側液体部分と排気側気体部分とが形成された排気側タンクを有する。
そして、排気側タンクは、ケースの内部側から排気された気体が一端から流入する排気菅の他端が、排気側液体部分内に配置され、外部に向かう気体が挿通する排気側挿通菅の一端が、排気側気体部分内に配置されている。
これにより、ケースの内圧が外圧より低くなった場合、外気は、外気菅に流入し、給気側タンクの液体部分の液体を通って、ケースの内部側へ向かう気体が挿通する給気側挿通菅に流入する。このとき、ケース内部の気体は、給気側タンクの液体部分に遮られるので、外部に漏れることがない。
また、ケースの内圧が外圧より高くなった場合、ケース内部の気体は、排気菅に流入し、排気側タンクの液体部分の液体を通って、外部に向かう気体が挿通する排気側挿通菅に流入する。このとき、外気は、排気側タンクの液体部分に遮られるので、ケース内部に流入することがない。
したがって、ケース内外の気圧や温度差による差圧で、ケース内に封じ込めたガスを循環させることで、差圧により、ケース内に大気が流入したり、ケース内のガスが流出したりすることを防止可能な液封システムを提供できる。
このように、本発明の液封システムによれば、電源により駆動する動力や、高圧ボンベを用いることなく、ケース内外の気圧や温度差による差圧で、ケース内に封じ込めたガスを循環させることが可能となる。
(2) (1)に記載の液封システムを備え、前記ケースの内部に配置された保存対象物を保存するための保存ケースであって、
酸素吸着剤が収容されたバッファタンクを備え、
前記バッファタンクは、前記給気側挿通菅の他端が接続され、外気に含まれる酸素を酸素吸着剤により吸着した気体を一時的に貯留する保存ケース。
(2)の発明によれば、ケースの内部に配置された保存対象物を保存するための保存ケースは、液封システムと、酸素吸着剤が収容されたバッファタンクと、を備える。
バッファタンクは、給気側挿通菅の他端と、他端がケースの内部に接続され給気菅の一端と、が接続されている。
これにより、給気側挿通菅からバッファタンクに流入した外気は、酸素吸着剤に酸素が吸着され、窒素ガス雰囲気状態となり、給気菅からケースの内部に流入する。
したがって、ケース内外の気圧や温度差による差圧で、ケース内に封じ込めたガスを循環させることで、差圧により、ケース内に大気が流入したり、ケース内のガスが流出したりすることを防止し、窒素ガス雰囲気状態の気体をケースの内部に充填することで、密閉式で外気の汚染物質、粉塵、浮遊菌、害虫等による劣化から貴重な保存対象物を、長期にわたり保存可能な保存ケースを提供できる。
本発明によれば、ケース内外の気圧や温度差による差圧で、ケース内に封じ込めたガスを循環させることで、差圧により、ケース内に大気が流入したり、ケース内のガスが流出したりすることを防止可能な液封システム及び保存ケースを提供できる。
本発明の実施形態に係る保存ケース1の概要を説明する図である。 前記実施形態に係るケース台3に収容された構成を模式的に示す図である。 前記実施形態に係る給気側液封部11を説明する図である。 前記実施形態に係る排気側液封部12を説明する図である。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。また、以下の実施形態の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
まず、前記実施形態に係る保存ケース1の構成について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る保存ケース1の概要を説明する図である。図1は、保存ケース1の前面図である。
本実施形態に係る保存ケース1は、文化財等の保存対象物を展示品に悪影響を与えることなく展示品に殺虫・防虫処理を施すことができ、展示品の酸化や湿度による劣化も防止しつつ保存する。
保存ケース1は、ケース2と、ケース2が載置されたケース台3と、を備える。
ケース2は、透明のガラスやアクリル板が中空の箱形状に形成され、ケース台3に載置されることで、内部に気密空間が形成される。この気密空間に保存対象物が収容される。
このようにケース2を透明のガラスやアクリル板で形成することで、保存ケース1を、例えば、博物館等に設置される展示ケースとすることができる。しかしながら、保存ケース1は、展示ケースに限らず、酸化や湿度による劣化を防止するための任意の保存ケースに適用することが可能である。
図2は、前記実施形態に係るケース台3に収容された構成を模式的に示す図である。
ケース台3の内部には、給気側液封部11、排気側液封部12、バッファタンク13、吸着槽14、測定機器20及びその他の保存ケース1の可動に必要なものが収容されている。
給気側液封部11は、ケース2の内部に気体を給気する側に設けられている。
詳細には、給気側液封部11は、バッファタンク13の吸気側に設けられた第1給気側液封部11Aと、バッファタンク13の排気側に設けられた第2給気側液封部11Bと、を備える。
図3は、前記実施形態に係る給気側液封部11を説明する図である。
給気側液封部11(図2に示す第1給気側液封部11A及び第2給気側液封部11B)は、給気側第1タンク111と、給気側第1タンク111と連通菅113により連通する給気側第2タンク112と、を備える。
給気側第1タンク111及び給気側第2タンク112は、内部に気密空間を有する中空の容器形状に形成されている。
給気側第1タンク111は、液体が所定量(例えば、給気側第1タンク111の内部空間の容積の略半分)貯留され、給気側液体部分111aと給気側気体部分111bとが形成されている。
給気側第1タンク111に収容される液体は、保存対象物に悪影響を与えない任意の液体でよいが、流動点が低く、温度による粘度変化が小さく、比較的臭いがないシリコーンオイル(例えば、ジメチルポリシロキサン等)が好ましい。
また、給気側第1タンク111は、一端から外気側からの気体が流入する外気菅114の他端が、給気側液体部分111a内に配置され、連通菅113の一端が、給気側気体部分111b内に配置されている。
図2に示すように、第1給気側液封部11Aの外気菅114の一端からは外気が流入する。
第2給気側液封部11Bの外気菅114の一端は、バッファタンク13の上部に連通している。
図3に戻って、外気菅114には、外気に浮遊するカビ、バクテリア等の汚染微粒子を捕捉するナノフィルター114aが設けられている。これにより、外気とともに汚染微粒子が、保存ケース1内に流入するのを防止できる。
また、バッファタンク13を挟んで、第1給気側液封部11A(図2参照)及び第2給気側液封部11B(図2参照)を設け、これらの外気菅114にそれぞれナノフィルター114aを設けることで、2段階で汚染微粒子を除去できるので、ケース2の内部に汚染微粒子が流入することをより確実に防止できる。
連通菅113の一端は、連通菅113内への液体の吸い込みを防止するため、液体の液面からできるだけ離れた位置(例えば、給気側第1タンク111の内部の天井面近傍)に配置するのが望ましい。
給気側第2タンク112は、液体が貯留されていない空タンクであり、給気側気体部分112bのみで形成されている。給気側第2タンク112の給気側気体部分112bは、給気側第1タンク111の給気側気体部分111bと、連通菅113により連通している。
また、給気側第2タンク112には、ケース2(図2参照)の内部側へ向かう気体が挿通する給気側挿通菅115の一端が、給気側気体部分112b内に配置されている。この給気側挿通菅115の一端は、給気側第2タンク112内の比較的高い位置(少なくとも、内部空間の中央より高い位置)に配置されている。
図2に示すように、第1給気側液封部11Aの給気側挿通菅115の他端は、バッファタンク13の下部に連通している。
第2給気側液封部11Bの給気側挿通菅115の他端は、吸着槽14の下部に連通している。
また、給気側挿通菅115には、逆止弁115aが設けられている。これにより、仮に、ケース2(図2参照)の内圧が外圧より高くなっても、給気側挿通菅115側から、給気側液封部11内に気体が流入するのを防止できる。
また、給気側第2タンク112を設けることで、仮に、給気側第1タンク111の液体が、連通菅113内に流入しても、液体は給気側第2タンク112に貯留され、気体のみが給気側挿通菅115に流入し、ケース2の内部側に液体が流入するのを防止できる。
図2に戻って、排気側液封部12は、ケース2の内部の気体を排気する側に設けられている。
図4は、前記実施形態に係る排気側液封部12を説明する図である。
排気側液封部12は、排気側第1タンク121と、排気側第1タンク121と連通菅123により連通する排気側第2タンク122と、を備える。
排気側第1タンク121及び排気側第2タンク122は、内部に気密空間を有する中空の容器形状に形成されている。
排気側第1タンク121は、液体が所定量(例えば、排気側第1タンク121の内部空間の容積の略半分)貯留され、排気側液体部分121aと排気側気体部分121bとが形成されている。
排気側第1タンク121に収容される液体は、給気側第1タンク111に収容される液体と同様である。
また、排気側第1タンク121は、ケース2(図2参照)の内部側から排気された気体が、ケース2に接続された一端から流入する排気菅124の他端が、排気側液体部分121a内に配置され、連通菅123の一端が、排気側気体部分121b内に配置されている。
また、排気菅124には、逆止弁124aが設けられている。これにより、仮に、ケース2(図2参照)の内圧が外圧より低くなっても、排気側液封部12側から、ケース2(図2参照)内に気体が流入するのを防止できる。
また、連通菅123の一端は、連通菅123内への液体の吸い込みを防止するため、液体の液面からできるだけ離れた位置(例えば、排気側第1タンク121の内部の天井面近傍)に配置するのが望まし。
排気側第2タンク122は、液体が貯留されていない空タンクであり、排気側気体部分122bのみで形成されている。排気側第2タンク122の排気側気体部分122bは、排気側第1タンク121の排気側気体部分121bと、連通菅123により連通している。
また、排気側第2タンク122には、外部に向かう気体が挿通する排気側挿通菅125の一端が、排気側気体部分122b内に配置されている。この排気側挿通菅125の一端は、排気側第2タンク122内の比較的高い位置(少なくとも、内部空間の中央より高い位置)に配置されている。
また、排気側挿通菅125には、外気に浮遊するカビ、バクテリア等の汚染微粒子を補足するナノフィルター125aが設けられている。これにより、外気とともに汚染微粒子が、保存ケース1内に流入するのを防止できる。
このような排気側第2タンク122を設けることで、仮に、排気側第1タンク121の液体が、連通菅123内に流入しても、液体は排気側第2タンク122に貯留され、気体のみが排気側挿通菅125に流入し、排気側液封部12外に液体が飛散するのを防止できる。
なお、排気側第2タンク122と同様の空タンクを、ケース2の内部側に設け、排気菅124の他端を、この空タンクに接続し、この空タンクと排気側第1タンク121とを連通菅で連通し、一端が空タンクに接続された連通菅の他端を、排気側液体部分121a内に配置してもよい。
これにより、仮に、排気側第1タンク121の液体が、排気菅124内に流入しても、液体は空タンクに貯留され、ケース2の内部側に液体が流入するのを防止できる。
図2に戻って、バッファタンク13は、内部に気密空間を有する中空の容器形状に形成され、酸素吸着剤及び調湿剤が収容されている。
詳細には、バッファタンク13の内部には、内部空間を上下方向に仕切る網体13aが設けられている。
網体13aの上部空間には、酸素吸着剤及び調湿剤が収容され、最上部近傍に、第2給気側液封部11Bの外気菅114の一端が連通している。
網体13aの下部空間には、第1給気側液封部11Aの給気側挿通菅115の他端が連通している。
バッファタンク13は、外気に含まれる酸素を酸素吸着剤により吸着し、窒素ガス雰囲気状態の気体を一時的に貯留する。また、バッファタンク13には、酸素吸着剤の他に、アンモニア、酢酸、硫化水素、ホルムアルデヒド、二酸化窒素、二酸化硫黄等の有害物質を吸着する吸着剤料が収容されているのが望ましい。
バッファタンク13は、ケース2の大きさや形状等に応じて、任意の大きさや形状とすることができる。バッファタンク13は、設置条件に合せわ、円筒形、正方形又は長方形の容器をアクリル又はアルミなど金属製の容器で製作することができる。
ここで、酸素吸着剤を化学反応により酸素を吸着するものを使用した場合、酸素吸着剤に酸素が吸着されるときに熱を発生する。このため、例えば、バッファタンク13を、平面視でケース2の略中央に配置することで、ケース2内の中心において、上昇気流を発生させ、この上昇気流がケース2の天井に遮られ、側壁に向かって移動し、側壁に沿って降下し、床に沿って中心に戻る対流を発生させることが可能となり、保存対象物の害虫駆除やカビ等の発生防止効果が向上する。
吸着槽14は、上方がケース2内に開放されており、バッファタンク13と同様の酸素吸着剤、調湿剤及びその他の吸着剤(以下、酸素吸着剤等とも言う。)が配置され、ケース2内の気体に含まれる酸素や湿気やその他の有害物質を、酸素吸着剤等により吸着する。
また、吸着槽14の下部には、第2給気側液封部11Bの給気側挿通菅115の他端が連通し、第2給気側液封部11Bの給気側挿通菅115から流入する外気からの気体に含まれる酸素や湿気やその他の有害物質を、酸素吸着剤等により吸着する。
このような本実施形態におけるケース2、給気側液封部11及び排気側液封部12は、液封システム10として機能する。
液封システム10によれば、ケース2の内圧が外圧より低くなった場合、図3に示すように、外気は、外気菅114に流入し、給気側液封部11の給気側第1タンク111の給気側液体部分111aの液体を通って、ケース2の内部側へ向かう気体が挿通する給気側挿通菅115に流入する。このとき、ケース2内部の気体は、給気側第1タンク111の給気側液体部分111aに遮られるので、外部に漏れることがない。
また、ケース2の内圧が外圧より高くなった場合、図4に示すように、ケース2内部の気体は、排気菅124に流入し、排気側液封部12の排気側第1タンク121の排気側液体部分121aの液体を通って、外部に向かう気体が挿通する排気側挿通菅125に流入する。このとき、外気は、排気側第1タンク121の排気側液体部分121aに遮られるので、ケース内部に流入することがない。
図2に戻って、測定機器20は、例えば、ケース2内の酸素濃度や湿度等を測定する機器である。
本実施形態の保存ケース1は、大気の差圧により大気の汚染ガスがケース2内に流入し、保存対象物である保存展示品の劣化を最小限防ぐための保存展示ケースとして利用することができる。
また、保存ケース1は、密閉のために起こる大気とケース2内の差圧を無くす為に、高性能微調圧バルブ、液封システム及び必要に応じ電磁バルブも設置してもよく、且つ無電源でも使用出来、調圧及び調湿と低酸素を維持し安全面に配慮できる。
また、従来の展示ケース及び保存庫など下部及び外部に設置された窒素ガス発生機による保存で、大量の大気を圧縮する為高温と、経年による振動による電子機器類に破損が生じることが多かったのに対し、保存ケース1によれば、出来るだけエコと自然環境と安全性を考慮し外気を遮断可能となる。
また、現在、高圧ガスの窒素ガスボンベを展示ケースに設置して保存展示している所も有るが、多くの観客の集まる室内では安全面から見ても好ましくないのに対し、保存ケース1によれば、ボンベや電気を使わず、窒素ガス雰囲気状態の気体をケース2内部に供給できる。
また、保存ケース1は、小型の保存展示ケースから大型保存展示ケースまで、そのケースの容積に応じて製作が可能であり、必要に応じケース2内は窒素ガス及びアルゴンガス、炭酸ガス雰囲気にすることや、現代の大気の汚染物質である硫黄酸化物、窒素酸化物などを取り除く為のシートや、カートリッジ等で構成されたナノフィルターで取り除き、汚染物質の無い大気に近い状態で、保存対象物を保存することが可能となる。
また、今までのケース容積150L程では人の力で開閉が可能であるが、これ以上ケース容積が増えると人の力での開閉は難しくなる。この場合、保存ケース1のケース2の開閉はアーム式や、場合により手動又は油圧により、透明なアクリル板及びガラスケース部分を乗降させ、電源対応と電源なしの両方でも対応可能な保存展示ケースとすることができる。
また、保存対象物の劣化に大きく関わる酸素を無くするために、底辺部に脱酸素剤、調湿剤を収納した空間を要し、汚染物質と酸素を取り除き、窒素ガス雰囲気状態にして置く空間を要し、ケース2の中央及び左右にガス循環口を設けることにより、温度差によりガスが自然対流し、ケース2内を必要に応じ調湿剤等で調湿しながら低酸素状態にして保存することも可能であり、湿度の少ない鉄器類の保存には、乾燥剤を入れる事も可能であり、保存対象物の性質に応じた保存が可能である。
また、保存ケース1は、発明者が発明した特許公開2009−274762の調湿及び酸素吸着槽を備えた、小型のガス循環システムと窒素ガス発生機、調湿機を設置することにより、任意の調湿も可能となり、バクテリア・カビの胞子・金属類を変色及び腐食させるガスなどを、除去する為のフイルターを必要に応じ設置してもよい。
また、保存ケース1は、特に窒素ガスを放出しながらミイラなど有機物質など保存展示するときは、保存物から出る環境に悪影響を与えかねない物質等を考慮し、細菌・バクテリア・カビの胞子等を吸着除去するナノフィルター等を付け、人及び環境に配慮することもできる。
また、保存ケース1は、薄く製作することで、絵画、掛け軸などの保存や昆虫標本・衣類等の保存に適した形状にすることもできる。
バッファタンク13には、圧内を調整する為の微調圧バルブを付け安全面にも配慮し、窒素ガス発生機を設置してもよい。
また、保存ケース1には、バッファタンク13からケース2内ヘガスを送るために、蓄電池により駆動するポンプや、太陽、照明等の光発電で駆動する小型ファンを設け、ガスを循環させてもよい。
また、保存ケース1によれば、従来型のように動力と窒素ボンベを必要としないので、流量調整及び不具合によるメンテナンスが大幅に減る。
また、保存ケース1は、気圧の変化や温度による差圧によるガスのボリュームを、液封システムやベローズで柔軟に調整することもできるが、内圧が一定設定圧力に達したら、排気と吸入を微調圧バルブによりバランスを保つようにしてもよい。
また、バッファタンク13は、外部から大気が吸入されると同時に、酸素吸着剤により酸素だけを吸着するので、バッファタンク13内は自然に窒素ガス雰囲気状態になり、例えば、差圧によりケース2内が負圧になった場合や、設定した減圧状態になった場合、不活性ガスがケース2内に送られ、ケース2内は常に大気に近い状態に保ち、ケース2内が一定の正圧になった場合には、排気できるので安全である。
また、バッファタンク13は、電磁式調圧バルブを使えない場所では電源を必要としない高性能調圧バルブ又は液封システムで対応可能である。
多種類の酸素吸着剤の中には、酸素と反応時に発熱する吸着剤もあるため、また、保存ケース1には、その発熱を除去する為に小型のフアンによりケース内に送り循環させる事により発熱の問題も解決してもよい。
また、バッファタンク13を、ケース2の底辺部(ケース台3)に設置するのでケース2を開けなくても簡単に酸素吸着剤等の交換が可能である。
また、保存ケース1には、手動、電動、油圧式の昇降システムも組み込んでもよい。
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。例えば、従来の窒素ガス循環式の保存ケースで、ベローズの代わりに液封システム10を用いてもよいし、液封システム10を、エアータイト式と組み合わせてもよい。
1 保存ケース
2 ケース
3 ケース台
10 液封システム
11 給気側液封部
11A 第1給気側液封部
11B 第2給気側液封部
12 排気側液封部
13 バッファタンク
20 測定機器
111 給気側第1タンク
111a 給気側液体部分
111b 給気側気体部分
112 給気側第2タンク
112b 給気側気体部分
113 連通菅
114 外気菅
114a ナノフィルター
115 給気側挿通菅
115a 逆止弁
121 排気側第1タンク
121a 排気側液体部分
121b 排気側気体部分
122 排気側第2タンク
122b 排気側気体部分
123 連通菅
124 排気菅
124a 逆止弁
125 排気側挿通菅
125a ナノフィルター
131 給気菅
131a バルブ

Claims (2)

  1. 内部に気密空間が形成されたケースと、
    前記ケースの内部に気体を給気する側に設けられた給気側液封部と、
    前記ケースの内部の気体を排気する側に設けられた排気側液封部と、を備え、
    前記給気側液封部は、液体が貯留され、給気側液体部分と給気側気体部分とが形成された給気側第1タンクと、液体が貯留されていない空タンクであり、前記給気側第1タンクの前記給気側気体部分に、給気側連通菅により連通されている給気側第2タンクと、を有し、
    前記給気側液封部は、
    前記給気側第1タンクの、一端から外気が流入する外気菅の他端が、前記給気側液体部分内に配置され、
    前記給気側連通菅の一端が、前記給気側第1タンクの前記給気側気体部分内に配置され、前記給気側連通菅の他端が、前記給気側第2タンク内に配置され、
    前記ケースの内部側へ向かう気体が挿通する給気側挿通菅の一端が、前記給気側第2タンク内に配置され、
    前記排気側液封部は、液体が貯留され、排気側液体部分と排気側気体部分とが形成された排気側第1タンクと、液体が貯留されていない空タンクであり、前記排気側第1タンクの前記排気側気体部分に、排気側連通菅により連通されている排気側第2タンクと、を有し、
    前記排気側液封部は、
    前記排気側第1タンクの、前記ケースの内部側から排気された気体が一端から流入する排気菅の他端が、前記排気側液体部分内に配置され、
    前記排気側連通菅の一端が、前記排気側第1タンクの前記排気側気体部分内に配置され、前記排気側連通菅の他端が、前記排気側第2タンク内に配置され、
    外部に向かう気体が挿通する排気側挿通菅の一端が、前記排気側第2タンク内に配置されている液封システム。
  2. 請求項1に記載の液封システムを備え、前記ケースの内部に配置された保存対象物を保存するための保存ケースであって、
    酸素吸着剤が収容されたバッファタンクを備え、
    前記バッファタンクは、前記給気側挿通菅の他端が接続され、外気に含まれる酸素を酸素吸着剤により吸着した気体を一時的に貯留する保存ケース。
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