JP6892508B2 - 走行制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、複数の観測主体による観測情報を統合する観測情報統合装置、および統合した観測情報を用いて安価に自動走行を実現する走行制御装置を含む走行制御システムに関する。
従来、路上に設置された装置から通信等を用いて自車位置補正のための情報を受信し、車両に搭載されたセンサや地図情報を用いて安全かつ実用的な速度で車両の走行制御を行う技術が知られている。例えば、特許文献1には、路側装置(道路に設置されたカメラ等)から得られた自車位置の信用度に基づき、自車両の位置を補正する技術が開示されている。また、特許文献2には、車両に搭載されたカメラ等による前方認識の精度によって、前方認識結果を用いて走行制御するか、地図を用いるか、地図を用いる場合には地図の信頼度に応じて速度を決定し、安全性を高めつつ走行制御を継続させる技術が開示されている。
特開2008−249666号公報 特開2016−162299号公報
特許文献1、特許文献2に所載の従来技術は、二つの技術の組み合わせによって、自車両における前方認識の精度や検出範囲が小さい場合にも、路側装置から走行制御のための観測情報を補間することで、安全性は確保しつつ実用的な速度で走行可能である。しかしながら、路側装置から得られる情報の精度は路側装置の種類等によってばらつきがあり、必ずしも信頼度の値が得られるとは限らない。路側装置の信頼度を判定せずに観測情報を用いて速度を決定した場合、観測情報の誤差によって物体を回避するための急ブレーキや急ハンドルにつながる可能性がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、路側装置から取得した自車位置や物体位置の誤差を適切に判定する観測情報統合装置と、誤差に応じて安全かつ実用的な速度で走行する走行制御装置を含む走行制御システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る走行制御システムは、観測情報統合装置と走行制御装置とを含み、観測情報統合装置は、自車両、他車両、路上の観測装置の少なくとも1つの観測主体から外界における観測情報を収集及び統合する情報統合手段と、前記観測情報の信頼度を算出する信頼度算出手段と、前記観測情報および前記信頼度を通信により前記走行制御装置に送信する観測情報送信手段と、を備えることを特徴としており、走行制御装置は、操作者の操作を取得する操作取得手段と、前記自車両周辺の外界情報を取得する外界情報取得手段と、前記自車両の走行状態である車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記観測情報統合装置から前記信頼度を含む前記観測情報を通信により取得し、前記外界情報を前記観測情報統合装置に通信により送信する通信手段と、前記操作、前記外界情報、前記車両情報、前記観測情報の少なくとも一つに基づき前記自車両の走行可能範囲を管理する走行範囲管理手段と、前記操作、前記走行可能範囲、前記外界情報、前記車両情報、前記観測情報及び前記走行範囲に基づき前記自車両の走行を制御する走行制御手段と、を備えることを特徴としている。
本発明によれば、自車両の前方認識情報と観測情報を統合して認識領域を広げることで、安全性を確保しつつ、自車両搭載センサのみを用いた場合に比べて速度上昇により実用的な速度での走行が可能となる。また、前方認識情報と観測情報の偏差に基づき適切に速度を決定するため、急ブレーキや急ハンドルのリスクを低減することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置の実施例1を搭載した車両の全体構成を示した説明図である。 本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置の実施例1の全体構成を示した説明図である。 自車両21における外界情報検出範囲62の定義を示した説明図である。 本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置の実施例1の構成を示したブロック図である。 本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置における情報統合手段52の実施例1の挙動を示した説明図である。 本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置における情報統合手段52の実施例1の挙動を示した説明図である。 信頼度算出手段53の挙動の一例を示した説明図である。 本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置における走行制御手段7の実施例1の挙動を示した説明図である。 本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置における走行制御手段7の実施例1の挙動を示した説明図である。 本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置における走行制御手段7の実施例1の挙動を示した説明図である。 本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置における走行制御手段7の実施例1の挙動を示した説明図である。 本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置における走行制御手段7の実施例1の挙動を示した説明図である。 本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置における走行制御手段7の実施例1の挙動を示した説明図である。 本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置における走行制御手段7の実施例1の挙動を示した説明図である。 本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置における走行制御手段7の実施例1の挙動を示した説明図である。 本発明に係る走行制御装置の実施例2の構成を示したブロック図である。 本発明に係る走行制御装置の実施例3の構成を示したブロック図である。 本発明に係る走行制御装置の実施例3の挙動を示した説明図である。 本発明に係る走行制御装置の実施例3の挙動を示した説明図である。 本発明に係る走行制御装置の実施例3の挙動を示した説明図である。 本発明に係る走行制御装置の実施例3の別形態の構成を示した説明図である。 本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置の別案の実施例を示した説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施例1)
まず初めに、本発明の観測情報統合装置及び走行制御装置の一例である実施例1について図1乃至図15を用いて説明する。
図1は、本発明に係る走行制御装置の実施例1を搭載した制御対象としての車両(自車両と言うことがある)21の全体構成を示した説明図である。FL輪は左前輪、FR輪は右前輪、RL輪は左後輪、RR輪は右後輪をそれぞれ意味する。
車両21は、外界を認識するセンサ22、23、24、25の情報に基づき、車両21の進行方向を制御するためのステアリング制御機構30、ブレーキ制御機構33、スロットル制御機構40への指令値を演算する車両走行制御装置21を備える。また、当該車両21は、走行制御装置1からの指令値に基づき上記ステアリング制御機構30を制御する操舵制御装置28と、当該指令値に基づき上記ブレーキ制御機構33を制御し、各輪のブレーキ力配分を調整する制動制御装置35と、当該指令値に基づきスロットル制御機構40を制御し、エンジンのトルク出力を調整する加速制御装置39と、自車両21の走行計画等を表示する表示装置44と、を備える。
外界を認識するセンサ22、23、24、25として、例えば180゜視野角を持った魚眼カメラを22〜25それぞれに設置することで、自車両21の周囲に存在する車両、自転車、歩行者、障害物等の物体と相対距離及び相対速度を検出することができる。また、当該車両21は、路車間または車車間の通信を行う通信装置43を備える。尚、本実施例1では、センサ構成の一例として上記センサの組み合わせを示しているが、それに限定するものではなく、超音波センサ、ステレオカメラ、赤外線カメラなどとの組み合わせでもよく、車両21の天井に周囲360゜をセンシング可能なレーザレーダを搭載しても良い。上記センサ信号(上記センサから出力される信号)が、走行制御装置1に入力される。
走行制御装置1は、図1に詳細に示していないが、例えば、CPU、ROM、RAM、及び入出力装置を有する。上記ROMには、図2を用いて説明する車両走行制御のフローが記憶されている。詳細は後述するが、走行制御装置1は、生成した走行計画に従って車両走行を制御するための各アクチュエータ(ステアリング制御機構30、ブレーキ制御機構33、スロットル制御機構40)の指令値を演算する。各アクチュエータ30、33、40の制御装置(操舵制御装置28、制動制御装置35、加速制御装置39)は、走行制御装置1の指令値を通信により受信し、当該指令値に基づき各アクチュエータ30、33、40を制御する。
次に、車両21のブレーキの動作について説明する。ドライバが車両21を運転している状態では、ドライバがブレーキペダル32を踏む踏力を、ブレーキブースタ(不図示)で倍力し、マスタシリンダ(不図示)によって、その力に応じた油圧を発生させる。発生した油圧は、ブレーキ制御機構33を介して、各輪に設けられたホイルシリンダ36FL、36FR、36RL、36RRに供給される。ホイルシリンダ36FL〜36RRは、不図示のシリンダ、ピストン、パッド、ディスクロータ等から構成されており、マスタシリンダから供給された作動液によってピストンが推進され、ピストンに連結されたパッドがディスクロータに押圧される。尚、ディスクロータは、車輪とともに回転している。そのため、ディスクロータに作用したブレーキトルクは、車輪と路面との間に作用するブレーキ力となる。以上により、ドライバのブレーキペダル操作に応じて、各輪に制動力が発生させることができる。なお、本発明を搭載した車両において、ブレーキブースタやマスタシリンダを搭載する必要は必ずしもなく、ブレーキペダル32とブレーキ制御機構33
を直結させ、ドライバがブレーキペダル32を踏めば直接ブレーキ制御機構33が動作する機構であっても良い。
制動制御装置35は、図1に詳細に示していないが、走行制御装置1と同様に、例えばCPU、ROM、RAM、及び入出力装置を有する。制動制御装置35には、前後加速度、横加速度、ヨーレートを検出可能なコンバインセンサ34と、各輪に設置された車輪速センサ31FL、31FR、31RL、31RRと、後述する操舵制御装置28を介したハンドル角検出装置41からのセンサ信号、上述の走行制御装置1からのブレーキ力指令値などが入力されている。また、制動制御装置35の出力は、ポンプ(不図示)、制御バルブを有するブレーキ制御機構33に接続されており、ドライバのブレーキペダル操作とは独立に、各輪に任意の制動力を発生させることができる。走行制御装置1が、制動制御装置35にブレーキ指令(値)を通信することで、車両21に任意のブレーキ力を発生させることができ、ドライバの操作が生じない自動運転においては自動的に制動を行う役割を担っている。但し、本実施例は、上記制動制御装置に限定されるものではなく、ブレーキバイワイヤ等のほかのアクチュエータを用いてもよい。
次に、車両21のステアリングの動作について説明する。ドライバが車両21を運転している状態では、ドライバがハンドル26を介して入力した操舵トルクとハンドル角をそれぞれ操舵トルク検出装置27とハンドル角検出装置41で検出し、それらの情報に基づいて、操舵制御装置28は、モータ29を制御してアシストトルクを発生させる。尚、操舵制御装置28も、図1に詳細に示していないが、走行制御装置1と同様に、例えばCPU、ROM、RAM、及び入出力装置を有する。上記ドライバの操舵トルクとモータ29によるアシストトルクの合力により、ステアリング制御機構30が可動し、前輪(FL輪、FR輪)が切られる。一方で、前輪の切れ角に応じて、路面からの反力がステアリング制御機構30に伝わり、路面反力としてドライバに伝わる構成となっている。なお、本発明を搭載した車両において、操舵トルク検出装置27を搭載する必要は必ずしもなく、ドライバがハンドル26を操作する際には操舵制御装置28が動作せず、アシストトルクが発生しない(いわゆるオモステの)機構であっても良い。
操舵制御装置28は、ドライバのステアリング操作とは独立に、モータ29によりトルクを発生させ、ステアリング制御機構30を制御することができる。従って、走行制御装置1は、操舵制御装置28に操舵力指令(値)を通信することで、前輪を任意の切れ角に制御することができ、ドライバの操作が生じない自動運転においては自動的に操舵を行う役割を担っている。但し、本実施例は、上記操舵制御装置に限定されるものではなく、ステアバイワイヤ等のほかのアクチュエータを用いてもよい。
次に、車両21のアクセルの動作について説明する。ドライバのアクセルペダル37の踏み込み量はストロークセンサ38で検出され、加速制御装置39に入力される。尚、加速制御装置39も、図1に詳細に示していないが、走行制御装置1と同様に、例えばCPU、ROM、RAM、及び入出力装置を有する。加速制御装置39は、上記アクセルペダル37の踏み込み量に応じてスロットル開度を調節し、エンジンを制御する。以上により、ドライバのアクセルペダル操作に応じて車両21を加速させることができる。また、加速制御装置39は、ドライバのアクセル操作とは独立にスロットル開度を制御することができる。従って、車両走行制御装置21は、加速制御装置39に加速指令(値)を通信することで、車両21に任意の加速度を発生させることができ、ドライバの操作が生じない自動運転においては自動的に加速を行う役割を担っている。なお、本発明を搭載した車両はエンジン車である必要は必ずしもなく、主要駆動装置が電気モータであっても良い。この場合、加速制御装置39は、上記アクセルペダル37の踏み込み量に応じてモータトルク指令値を算出し、インバータ装置(不図示)が前記モータトルク指令値を実現するように電流制御を行う。
なお、以上の説明では、車両にハンドル26、アクセルペダル37、ブレーキペダル32を搭載した車両を述べたが、これら入力装置が設置されていない車両であっても良い。この場合、本車両はドライバの操作が生じない完全自動運転車、遠隔で走行指令を受けて走行する遠隔運転車などとなる。
図2は本発明に係る観測情報統合装置51及び自車両21の実施例1の設置イメージを示した説明図である。観測情報統合装置51は、例えば自車両21の外部(ここでは『路側』と定義する)に設置されたクラウドコンピュータであり、任意の建物内や、道路の側面に設置されたボックス内などに設置される。自車両21、観測情報統合装置51はそれぞれ通信装置43、通信手段54を備えている。詳細は後述するが、自車両21からは少なくとも、自車両21の自車位置情報等である車両情報11、及び自車両21に搭載されたセンサ22〜25が検出した物体等の情報である外界情報12が通信を介して観測情報統合装置51に送信される。
図2に示す通り、観測情報統合装置51は自車両だけでなく、交差点や建物の入り口等に設置された定点観測カメラ61等からの観測情報、通信装置43を有する他車両71の位置や外界検出情報等、収集可能な情報を収集する。検出した情報は観測情報14として自車両21や他車両71等に送信する。観測情報14としては、例えば道路上に存在する歩行者や自転車等の移動体72、73(自車両が検出した移動体を72、定点観測カメラや他車両等が検出した移動体を73と定義する)及び路面ペイント74(白線等)などがある。
自車両21、他車両71及び定点観測カメラ61などの観測主体はそれぞれ観測情報検出範囲もっており、図2においてそれぞれ、自車両21の外界情報検出範囲62、定点観測カメラ61の画角63、他車両71の外界情報検出範囲64として図示している。この範囲の外に存在する移動体75や路面ペイント76等は観測情報統合装置51に取得されない。図2から、自車両21の外界情報検出範囲62に比べ、観測情報統合装置51が収集可能な外界情報検出範囲62、64及び観測情報検出範囲63を合わせた領域が広く、自車両21はより遠方の物体位置を取得可能である。具体的には、自車両の外界情報検出範囲62では移動体72しか検出できないが、観測情報統合装置51によって移動体72及び移動体73が検出可能となっている。
図3は、自車両21の外界情報検出範囲62の定義を示した図である。ここではセンサ22乃至25がいずれも180゜検知可能な魚眼カメラである場合のイメージ図を示す。それぞれのカメラの検出範囲65を半円形の領域で示す。一部他のカメラと重なっている部分もあるが、全体として自車両の周囲360゜の領域をほぼカバーしている。少なくとも一つのカメラの画角内であるような領域を図2において楕円形の破線で示しており、この領域を外界情報検出範囲62として定義する。
図4は、本発明に係る観測情報統合装置及び走行制御装置の実施例1の構成の一部を示すブロック図である。図4に示される実施例1では、走行制御装置1は、少なくとも、操作取得手段2、外界情報取得手段3、車両情報取得手段4、通信手段5、走行範囲管理手段6、走行制御手段7から構成されている。
操作取得手段2は、ドライバの操作11を取得し、走行制御装置内の記憶装置(ROM、RAM等:不図示)に記憶する。操作11の具体例としては、ドライバがハンドル26を介して入力した操舵トルクとハンドル角、ドライバのアクセルペダル37の踏み込み量、ドライバのブレーキペダル32を踏む踏力等がある。また、ドライバの意志や選択内容の入力、もしくはドライバに対する情報呈示のためのデバイスとして、タッチパネル式ディスプレイ、ボタン、スイッチ等を備えても良い。
外界情報取得手段3は、センサ22乃至25の少なくとも1つによって外界情報12を取得する。そして、取得した外界情報12から、自車両21周辺の物体(障害物等)の位置情報、大きさ、前記障害物が移動体である場合にはその移動体の位置、速度情報等を求める。また、道路標識、路面ペイント、信号機などを検出した場合、その位置や種別を求める。カメラ22の画像データを用いる場合には、複数の物体に対して、同時にその種類を識別して、情報を取得することが可能である。特に、2つのカメラを用いたステレオカメラでは、移動体や障害物の相対距離、相対速度を検出することもできるため、優位である。得られた外界情報12を、前記記憶装置に記憶する。
車両情報取得手段4は、自車両21の現在位置特定および動作状態量取得を行い、前記記憶装置に記憶する。現在位置特定の処理(自車両21の位置及び進行角を特定する処理)は、例えばGPS(不図示)による現在位置取得を行う。進行角は、移動中であれば、位置情報の時間経過により取得可能であり、またGPSを前後に2つ取り付けることで、停止中であっても車両の進行角を取得可能である。一方、動作状態量取得処理において取得する動作状態量の具体例としては、コンバインセンサ34から取得した速度、前後加速度、横方向加速度、ヨーレート、ヨー角等がある。
通信手段5は、通信装置43を介して観測情報統合装置51から観測情報14及び各観測情報の信頼度55を取得し、記憶装置に記憶する。同時に、前記記憶装置に記憶された外界情報12及び車両情報13を、観測情報統合装置51に向けて送信する。外界情報12及び観測情報14として、少なくとも自車両周辺に検出された移動体72、73、路面ペイント74、標識情報(不図示)等を送受信する。また、車両情報13として、少なくとも自車両21の現在位置および進行角を送信する。通信の方法としては、路車間通信専用の通信方式(電波ビーコン、光ビーコン等)、セルラ回線(4G回線)等を用いる。
走行範囲管理手段6は、操作11、外界情報12、車両情報13及び通信手段5を介して取得した観測情報14及び信頼度55に基づき、自車両21の走行可能範囲10(不図示)を生成し、前記記憶装置に記憶する。走行可能範囲10として、例えば地図情報を用いる。地図情報は、自車両21が走行する予定の道路形状、交通法規、ランドマーク等に関する情報であり、自車両21の走行計画を生成し、前記走行計画に従って自車両21の走行を制御する際に利用するものである。例えば、自車両21がある交差点で右左折動作を行う場合、自車両21が右左折する交差点に関する情報を取得する。交差点・道路情報としては、例えば、交差点の道路の車線数、道路幅、道路の交差角、車線幅、中央分離帯幅、横断歩道幅、横断歩道の交差点からのセットバック量、信号の有無などが挙げられる。あるいは、外界情報12が自車両21周辺の物体の位置を点群として得られるならば、その点群を統合した情報を走行可能範囲10として定義してもよい。
走行範囲管理手段6の内部に、走行範囲拡張手段を構成しても良い。詳細は実施例4で後述するが、外界情報12、車両情報13及び通信手段5を介して取得した観測情報14及び信頼度55に基づき、走行可能範囲10を生成する。自車両21が初めて走行する場合は、車両情報13を用いて自車両21の現在位置および進行角を取得し、外界情報12と観測情報14の少なくとも1つから取得した自車両21近傍の障害物、ランドマーク、路面の白線等の位置を、地上を基準とする絶対座標に変換する。座標変換したこれら情報を自車両21の走行可能範囲10として統合する。2回目以降に走行する場合は、前回走行までに生成した走行可能範囲10に基づき、自車両21の現在位置および進行角を推定または修正してから、外界情報12及び観測情報14を絶対座標に変換する。
走行制御手段7は、操作11、外界情報12、車両情報13、観測情報14、信頼度55、走行可能範囲10の少なくとも1つを用いて走行計画を演算し、前記走行計画に基づき、車両21の動作を決定する。そして、前記動作を実現するように、車両21に搭載された各アクチュエータの制御指令値を算出する。この走行制御装置21がアクチュエータを直接制御する構成である場合は、各アクチュエータを動作させるための物理量を算出する。例えば自動車間距離制御システムの場合、先行車との車間距離の設定、最高速度の設定などに従って、車両の加速度指令値を算出し、当該加速度指令値を実現するように、エンジンスロットルやブレーキ圧を制御する。自動運転システムに実施例1を適用する場合、前記走行計画は、自車両21が走行予定の軌道および速度であり、前記走行計画を満たすための操舵角指令値、車両の加速度指令値を演算する。
走行制御手段7は、さらに第一速度算出部8及び第二速度算出部9を備える。詳細は後述するが、観測情報14が得られない条件では操作11、外界情報12、車両情報13および走行範囲10を用いて第一速度を算出し、自車両21の目標速度に設定する。一方、観測情報14が得られている領域では、操作11、外界情報12、車両情報13、走行範囲10に加えて観測情報14を用いて第二速度を算出し、自車両21の目標速度に設定する。
観測情報統合装置51は、少なくとも、情報統合手段52、信頼度算出手段53、通信手段54から構成されている。
情報統合手段52は、後述する通信手段54により取得した自車両21の外界情報12及び車両情報13、1つ又は複数の観測主体から取得した検知情報15を観測情報統合装置内部の記憶装置(ROM、RAM等:不図示)に記憶する。そして、記憶した外界情報12、車両情報13及び検知情報15から移動体72、73、路面ペイント74、標識(不図示)等の物体の位置、向きを同一の座標系に変換する。複数の観測主体から取得した同一の物体に関する検知情報を統合して観測情報14を生成する。検知情報15は、定点観測カメラ61や他車両71などの観測主体から通信で取得しても良いし、観測情報統合装置51にカメラ等のセンシング装置を直接接続して検知情報を取得する構成であっても良い。
図5及び図6を用いて、情報統合手段52の動作の一例を説明する。ここでは、自車両21からの外界情報12、自車両21の位置に近接する場所に設置された定点観測カメラ61からの検知情報15を取得したと想定する。この時、情報統合手段には、図5に示すように、自車両21及び定点観測カメラ61からの情報が別々に受信される。
自車両21からの外界情報12は、外界情報検出範囲62内に存在する移動体72や路面ペイント74などの情報を含んでいる。また、定点観測カメラ61からの検知情報15には、が書く63の範囲内に存在する移動体73や路面ペイント74などの情報を含んでいる。これら情報は、図6(A)に示すように、それぞれ観測主体を基準とする相対座標系で取得されている。例えば自車両21からの外界情報12は、自車両21の重心点や後輪車軸中心などを基準とする直交座標81、82を用いた座標系で表現されており、定点観測カメラ61からの検知情報15は、カメラの焦点位置などを基準とする直交座標系83、84を用いた座標系で表されている。
観測主体によって異なる座標系の情報を同じ座標系に統合するため、図6(B)に示すように、自車両21の位置91、92及び進行角93、定点観測カメラ61の位置94、95及び向き96をそれぞれ地表の所定の地点を原点とする絶対座標系85、86を取得する。自車両21の位置及び進行角については車両情報13より取得する。また、定点観測カメラ61の位置および向きの情報は、設計値を取得する、カメラ本体にGPSを搭載するなどの方法により取得する。自車両21の外界情報12、定点観測カメラ61の検知情報15をそれぞれ絶対座標系85、86に変換することで、図6(C)に示すような観測情報14が得られる。
信頼度算出手段53は、情報統合手段52により統合された観測情報14において、複数の観測主体により検出した同一物体の位置の偏差に基づき、信頼度55を算出する。
図7を用いて、信頼度算出の一例を説明する。本図では、自車両21の外界情報検出範囲62と、定点観測カメラ61の画角65に重なる領域があり、それぞれ移動体72、73が検出されている場面を想定する。移動体72、73が画像マッチング等を用いて同一移動体であることが判明した場合、移動体72と73の間に位置偏差77が生じる可能性がある。これは例えば自車両21に搭載されたカメラ22のキャリブレーションエラー、定点観測カメラ61の検出誤差等、様々な要因がありうる。
信頼度算出手段53は、この位置偏差77に基づき信頼度55を算出する。信頼度55の数値の算出法は複数の手法が適用可能である。例えば、信頼度55を0〜1に正規化した連続数とし、位置偏差77が0のときには信頼度1、位置偏差77が所定値以上であれば信頼度0とし、0〜1の間は位置偏差に関して線形関数で補間することも可能である。また、移動体72、73の位置の時系列を等時間サンプルごとに記憶し、所定時間内における位置偏差77の標準偏差を求め、前記標準偏差が小さいほど信頼度55の値を大きく設定することも可能である。さらに、それぞれの観測主体の検知情報15の信頼度を検知位置に関連づけて記憶したルックアップテーブルを用いて信頼度を算出しても良い。この場合、例えば定点観測カメラ61は遠方ほど位置誤差が大きくなる特性の場合に、遠方の位置ほど信頼度が小さくなるルックアップテーブルを予め設定しておくことが一例である。
通信手段54は、通信を介して、観測情報14及び信頼度55を自車両21に送信するとともに、自車両21から外界情報12及び車両情報13を取得し、情報統合手段52に渡す。通信手法は先述した通り、電波ビーコン、光ビーコン、セルラ回線等さまざまな手法が適用可能である。
図8乃至図16を用いて、本発明の観測情報統合装置及び走行制御装置の実施例1の動作の一例を説明する。なお、図示の都合から、ここではカメラ22のみを外界情報検出範囲62として描画している。また、本説明において、観測情報統合装置51が取得する検知情報15は定点観測カメラ61を想定するが、本実施例においては定点観測カメラ61に限らず、他車両71含め、路側に存在するあらゆるセンシング装置が適用可能である。
図8は、自車両21が道路上を走行する際の、自車両21の速度変化の一例を示した説明図である。ここでは自車両の左側に実線の路面ペイント81、右側に破線の路面ペイント82がある。走行可能範囲10は、自車両21の目標走行軌道として、路面ペイント81、82の中央に一点鎖線の通り設定されている。ここでは自車両21の前方に取り付けられたカメラ21の画角が外界情報検出範囲62として図示されている。また、路側には定点観測カメラ61が一台設置されており、その画角63も図示されている。
図8下部のグラフは、走行制御手段7内部で算出されている第一速度101、第二速度102、最終的な自車両21の速度103の進行方向位置ごとの変化を示す。自車両21の位置ごとに速度変化を説明する。
まず、自車両21が位置100(a)にいる場合、外界情報検出範囲62が定点観測カメラの画角63と重なっていない。自車両21の周辺に特に障害物が存在しない場合、外界情報12の検知範囲の広さに基づき、第一速度101と等しい速度103で走行する。また、外界情報検出範囲62内に障害物が検出されている場合は、障害物位置に基づき速度を低下する。
次に、自車両21が位置100(b)にいる場合、外界情報検出範囲62と定点観測カメラの画角63が重なる領域が生じる。この時、自車両21が検知可能な範囲は外界情報検出範囲62と画角63の和集合として定義される観測情報14であり、検知可能な範囲の面積、特に自車両21の前方の領域の長さが拡大している。検知可能な範囲が広がったことで、自車両21は安全性を損なうことなく、第一速度101より高い第二速度102で走行可能となる。ただし、急激な速度変化は乗り心地悪化等を招くことから、位置100(b)に達した後、自車両21の速度103は図示の通りなめらかに上昇し、所定時間をかけて第二速度102に達する。
位置100(b)から位置100(c)にかけては、自車両21が進行するごとに外界情報検出範囲62と定点観測カメラの画角63との重なり領域が大きくなり、観測情報14の範囲は相対的に減少する。したがって、第二速度102は徐々に低下し、それに伴って最終的な速度103も減少する。そして、観測情報14の前方の領域の長さが外界情報検出範囲62と等しくなると、速度103は再び第一速度101と等しくなる。このように、観測情報14の領域の大きさ、特に自車両21前方方向の長さが大きいほど、自車両の速度103を上昇させることが可能となる。
ここで、「自車両21前方方向の長さ」の定義を、図9を用いて説明する。図9は自車両21の外界情報検出範囲62が定点観測カメラ61の画角63と重なる位置関係にある場合を示す。この時、自車両21の外界情報検出範囲62のみの場合、第一速度101は、自車両の前面から、進行方向に沿って、最初に外界情報検出範囲62が途切れる場所までの距離111に基づき算出する。一方、第二速度102は、外界情報検出範囲62と画角63の和集合である観測情報14に対し、同様に進行方向距離112に基づき算出する。これら距離111、112が大きいほど速度を上昇させる。従って、この場合は第一速度より第二速度が大きくなる。
図10は、外界情報12と、定点観測カメラ61による検知情報15に偏差が生じている、すなわち信頼度55が低い場合の走行制御手段7の挙動を示す説明図である。自車両21と定点観測カメラ61の位置関係は図9と同様である。この時、自車両21の外界情報12に存在する移動体72と、定点観測カメラ61の検知情報15に存在する移動体73は同一物体でありながら、情報統合手段52による座標変換の結果、図10に示す通り位置に偏差77が生じている。この場合、信頼度算出手段53は先述の通り、偏差77が大きいほど信頼度55を低く算出する。
ここでは一例として、偏差が0の時に信頼度1、偏差が所定値(例えば3m)を超えると信頼度0となり、間は線形補間、すなわち偏差が1.5、であれば信頼度0.5というように算出する。この際の、自車両21の速度103の変化を図10の下部のグラフに示す。信頼度が1、すなわち偏差が0の時、自車両21の速度は103(a)のように、観測情報14の検知範囲の広さに基づき、第一速度101に比べて速度上昇する。一方、信頼度が0.5、すなわち偏差が所定値の半分ほど生じている場合、自車両21の速度は103(b)のように、第一速度101に比べて尚上昇するものの、上昇幅は小さい。そして、信頼度が0、すなわち偏差が所定値以上の時、自車両21の速度は103(c)のように第一速度101と一致する。このように、走行制御手段7は観測情報14の検知範囲の広さだけでなく、観測情報の信頼度も用いて速度を変更する。
図11は、自車両21の前方に存在する物体121の位置による速度の違いを示した説明図である。自車両21と定点観測カメラ61の位置関係は図9と同様である。移動体121の位置がそれぞれ、自車両21から近い順に121(a)、121(b)、121(c)である場合の自車両21の速度を、図11下部の棒グラフに示す。
まず、移動体が121(a)に居る場合、移動体が外界情報検出範囲62内に存在するため、第一速度101と第二速度102は等しく、結果として車体速度103は第一速度101に等しい。次に、移動体が121(b)に居る場合、121(a)に比べて自車両21から移動体までの距離が離れるため、第一速度101は上昇する。但し、なお移動体が外界情報検出範囲62内(ほぼ境界領域)に存在するため、第一速度101と第二速度102は等しく、結果として車体速度103は第一速度101に等しい。さらに移動体が121(c)に居る場合、移動体は外界情報検出範囲62の外に存在する。この時、走行制御手段7は、外界情報検出範囲62の境界領域に見えない移動体が存在する可能性を考慮するため、第一速度101は121(b)の場合とほぼ同じとなる。一方、定点観測カメラ61の画角63には移動体が存在し、外界情報検出範囲62よりも遠方に存在するため、第二速度102は第一速度101より高い値が算出され、結果として車体速度103は第一速度101より大きく第二速度102に等しくなる。このように、走行制御手段7は自車両前方に存在する物体の位置に応じて速度を変更する。
ここまでの説明では、走行可能範囲10が直線である場合について述べたが、走行可能範囲10は必ずしも直線であるとは限らない。この場合、走行制御手段7は、走行可能範囲10に沿った領域上に存在する物体に対して速度を算出する。
図12を用いて、走行可能範囲10が曲線の場合の挙動について説明する。ここでは説明の都合上、観測情報14としてカメラ22による外界情報12のみを図示しているが、路側の検知情報が統合された場合も同様である。また、自車両の前方領域を直線状に囲った領域を破線122で表している。移動体121の位置がそれぞれ121(a)、121(b)である場合の自車両21の速度を、図12下部の棒グラフに示す。
まず、前方の移動体が121(a)に存在する場合、当該移動体は自車両の前方領域122内であるが、走行可能範囲10に沿った領域、すなわち路面ペイント81、82に挟まれた領域からは外れている。この場合、自車両21は走行可能範囲10に沿った領域に移動体が存在しないと判定し、走行可能範囲10に沿って外界情報検出範囲62の境界領域までの距離に基づき、速度101を決定する。一方、前方の移動体が121(b)に存在する場合、当該移動体は自車両の前方領域122の外であるが、走行可能範囲10に沿った領域、すなわち路面ペイント81、82に挟まれた領域内に存在する。この場合、自車両21は走行可能範囲10に沿って移動体までの距離を算出し、速度101を決定する。したがって、移動体が位置121(a)の場合に比べて、位置121(b)に居る時の方が速度103は小さくなる。
以上までの説明では、第一速度101に比べて第二速度102が等しいか大きい場合について述べたが、第二速度102の方が第一速度101より小さくなる場合もありうる。このことを、図13を用いて説明する。
図13は、自車両21の前方に他車両71が存在する場合の、自車両21の速度の比較を示した説明図である。自車両21と定点観測カメラ61の位置関係は図9と同様であるが、説明の都合上、カメラ22の外界情報検出範囲62を小さく描画している。他車両71の位置として、自車両21から近い順に71(a)、71(b)、71(c)の3通りを図示している。
まず、他車両が71(a)の位置にいる場合、他車両は外界情報検出範囲62の内部にいるため、第一速度101と第二速度102は等しく、したがって、速度103も第一速度101と等しくなる。次に、外界情報検出範囲62の境界領域(一点鎖線131)より遠方、かつ所定距離先(一点鎖線132)より手前にいる場合、外界情報検出範囲62の範囲外であるため、第一速度101は外界情報検出範囲62の大きさに基づく速度で走行する。一方、定点観測カメラ61は他車両71(b)の姿をとらえており、観測情報14として他車両71(b)の位置は得られる。この場合、他車両71(b)の走行方法次第では、図13下部に示す棒グラフのように、第一速度101より第二速度102が小さくなり、結果として速度103が第一速度101より下がる。
上記の事象が発生する状況の一例として、他車両71(b)が赤信号で止まっており、自車両21も他車両71(b)の後ろに停車することが明白な状況の場合が挙げられる。この場合、乗員にとっての乗り心地を考慮して、十分手前から軽いブレーキで減速するために速度103が第一速度101より下がる可能性がある。
さらに、他車両が所定距離先(一点鎖線132)より奥の71(c)の位置にいる場合、他車両は十分遠方に存在するため、観測情報14の検知範囲の広さが外界情報検出範囲62を上回るため、第一速度101に比べて第二速度102は上昇し、結果として速度103も第一速度101より高くなる。このように、原則として自車両前方の障害物までの距離が遠いほど速度は上昇するが、前方の障害物が境界領域(一点鎖線131)より遠方、かつ所定距離先(一点鎖線132)より手前にいる場合には関係が逆転することもある。
これまでの説明では、路側の観測主体が定点観測カメラ61一台のみの場合について説明してきたが、路側の観測主体が複数、すなわち観測情報14において同一物体に関する位置情報が3つ以上存在することがありうる。この場合、3つの位置情報の偏差がそれぞれ異なるため、どの観測情報を用いて走行制御を行うか、適切に選択する必要がある。以下、図14及び15を用いて情報選択の方法を説明する。
図14は、自車両21の前方に1つの移動体が存在し、カメラ22、2台の定点観測カメラ61(a)、61(b)の計3つの観測主体によってその位置が検出されている場面を示す。この場面で、3つの観測主体による移動体の位置がほぼ一致する場合、観測情報14の範囲は自車両21、定点観測カメラ61(a)、定点観測カメラ61(b)の領域の和集合となり、移動体近傍通過後の速度は一点鎖線102(a)のように速度上昇する。しかし、図14に示すように、自車両21のカメラ22が検出した移動体72と、定点観測カメラ61(a)が検出した移動体73(a)がほぼ同じ場所に検出されているが、定点観測カメラ61(b)が検出した移動体73(b)は他の2つの観測主体の検出結果との偏差が生じている。この場合、移動体73(b)の位置情報は不正確とみなせるため、定点観測カメラ61(b)の検知情報を用いず、移動体72及び73(a)の位置に基づき自車両21の速度103を決定する。その結果、図14下部に示す速度変化のグラフの通り、移動体72の近傍を通過する際に第一速度と第二速度はほぼ一致して減速しており、しかも定点観測カメラ61(b)の検知情報を使用しないことから観測情報の領域が縮小され、移動体近傍通過後も第一速度と第二速度は一致し続ける。
図15は、図14同様の場面で、3つの観測主体により検出した移動体72、73(a)、73(b)がいずれも異なる位置に検出されている場合を示す。この場合、どの2つの観測情報をとっても偏差が生じているため、走行制御手段7は第二速度をほぼ第一速度と等しい速度に設定することになる。この時、さらに安全性と乗員にとっての安心感を確保するため、自車両21に最も近い場所に検出されている移動体(この場合は73(a))を回避対象の移動体としてもよい。図15においては、移動体73(a)が自車両21から最も近い移動体であり、それは外界情報12が検出した移動体72より近い位置に存在する。この場合、図15の下部の速度グラフに示すように、移動体72を対象とする第一速度101に比べ、移動体73(a)を対象とする代に速度102のほうが低くなり、結果として自車両21はより速度を落とすことになる。
このように、本実施例1の観測情報統合装置51及び走行制御装置1によれば、自車両含む複数の観測主体からの検知情報を統合することで、自車両の外界情報検出範囲62を超える領域の物体を検出可能となる。その結果、外界情報のみを用いた場合に比べて、安全性を確保しつつ、速度を上昇して自動運転の実用性を高めることが可能である。また、外界情報12と観測情報14との偏差に基づき信頼度55を算出し、信頼度55に基づき速度上昇量を適切に決定することで、路側の観測主体の検出精度が低い場合にも安全性と実用性を両立する適切な速度制御を実現する走行制御装置を提供することが可能となる。
なお、上記説明では、観測情報統合装置51が路側に存在する場合について述べたが、観測情報統合装置51が自車両21内部に搭載され、通信装置43を介して、定点観測カメラ61や他車両71からの観測情報を受信する構成であっても良い。この場合、観測情報統合装置51は走行制御装置1同様に、例えば、CPU、ROM、RAM、及び入出力装置を有する。上記ROMには、上述した観測情報統合アルゴリズムが記憶されており、本アルゴリズムはCPUやRAMを用いて演算され、演算結果は車両内の通信ネットワークを介して走行制御装置1に伝送される。
(実施例2)
次に、本発明の一例である実施例2について、図16を用いて説明する。なお、実施例1と同様の部分は説明を省略する。
実施例1では、観測情報統合装置51と走行制御装置1を別々の装置として構成する内容を説明したが、実際には路側において必ずしも観測情報統合装置51を設置できるとは限らない。そこで、走行制御装置1が直接、路側の観測主体から検知情報を取得し、走行制御手段7が実施例1における観測情報統合装置51と同様の機能を実現する構成であっても良い。
図16は、本発明に係る走行制御装置の実施例2の構成の一部を示すブロック図である。図16に示される実施例2では、走行制御装置1は、少なくとも、操作取得手段2、外界情報取得手段3、車両情報取得手段4、通信手段5、走行範囲管理手段6、走行制御手段7から構成される。操作取得手段2、外界情報取得手段3、車両情報取得手段4、走行範囲管理手段6の構成および動作は、実施例1と同様であるため説明を省略する。
通信手段5は、通信装置43を介して、定点観測カメラ61や他車両71などの路側の観測主体から観測情報14を取得し、走行制御装置内の記憶装置に記憶する。図には明記していないが、ここでは検知情報15同様、複数の観測主体からの観測情報を取得しても良い。外界情報12及び観測情報14として、少なくとも自車両周辺に検出された移動体72、73、路面ペイント74、標識情報(不図示)等を送受信する。通信の方法としては、路車間通信専用の通信方式(電波ビーコン、光ビーコン等)、セルラ回線(4G回線)等を用いる。
走行制御手段7は、操作11、外界情報12、車両情報13、観測情報14、走行可能範囲10の少なくとも1つを用いて走行計画を演算し、前記走行計画に基づき、車両21の動作を決定する。そして、前記動作を実現するように、車両21に搭載された各アクチュエータの制御指令値を算出する。走行制御手段7は、さらに第一速度算出部8及び第二速度算出部9を備える。これらの機能は実施例1と同様である。
実施例1における観測情報統合装置51の機能は走行制御手段7が担う。すなわち、通信手段5により取得した1つ又は複数の観測主体からの観測情報14を走行制御装置内の記憶装置(ROM、RAM等:不図示)に記憶する。そして、記憶した外界情報12、車両情報13及び観測情報14から移動体、路面ペイント、標識等の物体の位置、向きを同一の座標系に変換する。複数の観測主体から取得した同一の物体に関する観測情報を統合する。これらの具体的な挙動は、実施例1において図5及び図6を用いて説明した内容と同様であるため説明を省略する。
実施例1と実施例2は装置の構成が異なるが、実施例2の発明を搭載した車両の具体的な挙動は、実施例1において図7乃至図15を用いて説明した挙動と同様であるため説明を省略する。
このように、本実施例2の走行制御装置1によれば、観測情報統合装置51を設置していない場所において、走行制御装置1が路側に存在する一つまたは複数の観測主体からの観測情報を収集し、走行制御装置1内部で統合することで、実施例1同様に自車両の外界情報検出範囲62を超える領域の物体を検出可能となる。その結果、実施例1同様の効果を実現する走行制御装置を提供することが可能となる。
(実施例3)
次に、本発明の一例である実施例3について、図17乃至図20を用いて説明する。なお、実施例1あるいは実施例2と同様の部分は説明を省略する。
実施例1及び実施例2では、外界情報12と観測情報14の間に偏差が生じた際に、第二速度の上昇を抑圧する構成となっている。これは、観測情報14が必ずしも正確とは限らないことから、観測情報14に誤差が生じていることを判定するための手段である。しかしながら、走行制御装置としての実用性を鑑みれば、観測情報14を最大限活用してより多くの場所で第二速度を第一速度より上昇させることが望ましい。そこで、外界情報12と観測情報14の間に生じた偏差を場所に関連付けて記憶し、その偏差の表れ方が一定である場合、観測情報14の情報を補正することで偏差を低減し、第二速度の上昇を実現する構成であってもよい。
図17は、本発明に係る走行制御装置の実施例3の構成の一部を示すブロック図である。図17に示される実施例3では、実施例2同様に、実施例1における観測情報統合装置51の機能を走行制御手段7が担う構成となっている。走行制御装置1は、少なくとも、操作取得手段2、外界情報取得手段3、車両情報取得手段4、通信手段5、走行範囲管理手段6、走行制御手段7、偏差記憶手段201から構成される。また、詳細は後述するが、補正情報送信手段202を備えても良い。操作取得手段2、外界情報取得手段3、車両情報取得手段4、通信手段5、走行範囲管理手段6の構成および動作は、実施例2と同様であるため説明を省略する。
偏差記憶手段201は、外界情報12と観測情報14の偏差を位置に関連付けて記憶する。図18及び図19を用いて、偏差記憶手段201の挙動の一例を説明する。
図18(A)は、自車両21のカメラ22および定点観測カメラ61の検知領域が重なっている場所で、それぞれ同一の物体72、73を検知している場合を示す説明図である。ここでは過去2回、この場所で物体が検出されており、1回目はそれぞれ72(a)、73(a)の場所(自車両21から見て左側路側)に物体を検知し、2回目はそれぞれ72(b)、73(b)の場所(自車両21から見て右側路側)に物体を検知した。それぞれの場所において、外界情報12と観測情報14に偏差が生じており、自車両21から見て左側路側では、カメラ22が検知した移動体72(a)に対して、定点観測カメラ61が検知した移動体73(a)は自車両から見て手前側に偏差が生じている。一方、自車両21から見て左側路側では、移動体73(b)は逆に奥側に偏差が生じている。
図18(B)は、図18(A)のような状況において、偏差記憶手段201に記憶する補正情報203を示す。本図は定点観測カメラの検知範囲上に、場所ごとに偏差方向と偏差量を表す矢印によって補正情報を模式的に表示している。すなわち、定点観測カメラ61から見て、手前部分に検知された物体は、検知された位置をカメラから見て左方向に補正する。一方、左奥の場所では右方向に補正する。このような補正情報を走行制御装置内の記憶装置に記憶する。なお、実際に走行制御装置内の記憶装置に保存される情報は、場所、偏差方向、偏差量のデータセットである。
図19は、記憶された補正情報203に基づき、次に当該場所を走行した際に定点観測カメラ61の観測情報を補正する様子を示した説明図である。走行制御装置1内の記憶装置には、図18(B)で説明した補正情報が記憶されている。いま、補正情報が関連付けられた場所に到達し、カメラ22および定点観測カメラ61がそれぞれ移動体72、73を検知している。この時、定点観測カメラ61からの観測情報は、走行制御手段7内の補正部211において補正される。具体的には、移動体73は定点観測カメラ61の画角3内における左奥に検知されており、補正部221は補正情報203に基づき、この場所における移動体73の場所を定点観測カメラ61から見て右側に、すなわち自車両21から見て奥側に補正する。その結果、この場合は移動体73がカメラ22による検知位置72とほぼ位置した。
上記の状況で、自車両の速度は図19下部に示す速度グラフを参照すると、補正前の状態であれば、速度は103(b)のように第一速度101とほぼ一致する。これは、外界情報12と観測情報14に偏差が生じているため、上昇量が抑えられることが理由である。一方、補正後においては速度は103(a)のように速度上昇する。これは、自車両から検知範囲限界までの距離が外界情報検出範囲221に比べて観測情報検知範囲222のほうが長いうえ、補正をしたことで外界情報12と観測情報14に偏差が小さくなり、第二速度が第一速度に比べて上昇したためである。
以上までの説明では、路側の観測主体からの観測情報が毎回同じような偏差を持つことを前提として補正情報203を生成したが、路側の観測情報が常に同じような誤差を持つとは限らず、時間によって、あるいは物体の種類によって誤差の生じ方が変化する可能性がある。従って、走行制御手段7は、過去の観測情報の補正情報203のばらつきを算出し、ばらつきが小さい観測情報のみを用いて速度を算出する構成であっても良い。
図20を用いて、ばらつきが小さい観測情報の選択の一例を説明する。図20(A)は、ある場所において2台の定点観測カメラ61(a)、61(b)が設置されており、自車両21が当該箇所を走行する場面を示す。この時、自車両21の外界情報検知範囲62と、それぞれの定点観測カメラの画角63(a)、63(b)は重なり領域があり、和集合をとると、自車両21の予定走行領域122内では3つの検知範囲が統合されて遠方まで見えるようになっている。ここでは、この場所は過去に3回通過したことがあり、今回が4回目の通過であるとする。
それぞれの定点観測カメラについて、過去3回の補正情報203の一例を図20(B)に示す。本図の見方は、203(a1)〜203(a3)が、定点観測カメラ61(a)の過去3回の補正情報を、203(b1)〜203(b3)が、定点観測カメラ61(b)の過去3回の補正情報を表す。補正情報203内の矢印は、自車両21の予定走行領域122と重なる部分で、観測情報をどちらの方向に補正するかを表している。矢印の方向に着目すると、定点観測カメラ61(a)は過去3回いずれもカメラから見て左方向に同程度に補正が行われていることがわかる。一方、定点観測カメラ61(b)は過去3回それぞれで補正の方向および補正量がばらついている。
上記の状況において、走行制御手段7が算出する速度の推移を図20(C)のグラフに示す。自車両から外界情報検出範囲の限界までの距離221に比べ、観測情報を統合した検出範囲までの距離222(b)が長くなっている。したがって、外界情報と観測情報に偏差がなければ、第一速度101に比べて第二速度102は上昇し、結果、速度も103(b)のように上昇するという場面である。この時、定点観測カメラ61(a)の偏差は一定しているため、補正情報203(a1)〜203(a3)を用いて観測情報14を補正する。この時、過去数回の補正情報の平均に基づき補正しても良いし、最新の補正情報203(a3)に基づき補正しても良い。一方、定点観測カメラ61(b)の偏差はばらついているため、速度制御手段7はこの情報を使わずに第二速度を算出する。すなわち、観測情報を統合した検出範囲までの距離は222(a)と短くなり、結果として速度103(a)のように、第一速度101からの上昇量は減少する。
補正情報送信手段202は、偏差記憶手段201に記憶された補正情報203を、当該観測主体や管理者等に向けて送信する。これにより、路側の観測主体のキャリブレーションのずれや故障などを、当該観測主体の管理者等が把握することが可能となる。また、観測情報を用いる他車両と補正情報203を共有することも可能である。
以上までの説明では、過去に検知した外界情報12と観測情報14の偏差を記憶し、偏差に基づき補正情報を生成していたが、路側の観測主体から補正情報が直接取得できれば、この補正情報を直接利用して走行制御手段7の補正部211が補正を行うことが可能であり、補正情報203を通信等を用いて直接取得する構成であってもよい。この場合、走行制御装置1の構成は図21に示すようなブロック図となる。
図21において、補正情報取得手段204は、観測主体の補正情報203を通信等により取得する。本役割は、観測主体から観測情報14と補正情報203が同時に得られる構成であれば、通信手段5が兼ねても良い。あるいは、本発明の走行制御装置を搭載した他車両との車車間通信により、他車両が所持している補正情報203を受信してもよい。さらには、別の管理主体から補正情報203を取得しても良い。例えば道路管理者から光ビーコン等の路車間通信を用いて、路側に設置された各観測主体の補正情報を一括して取得する形であっても良い。
なお、この補正情報は、実施例1において観測情報統合装置内で算出する信頼度55のような情報であっても良い。例えば、路側の観測主体が定点観測カメラの場合、昼と夜、順光と逆光など、条件によってカメラの検知能力が異なる。この場合、定点観測カメラから現在の環境認識の信頼度を所定の値として受信し、走行制御手段7は、前記信頼度の値が高い観測情報のみを選択して速度を算出することも可能である。
このように、本実施例3の走行制御装置1によれば、路側に存在する観測主体からの観測情報14と、自車両21に搭載されたセンサ22乃至25が検知した外界情報12の間に偏差が生じるとき、過去の偏差情報を記憶して補正情報を作成可能である。その結果、次回同じ場所を走行した際には路側の観測情報を利用できるようになり、安全性を確保しつつ速度向上可能な領域を広げる走行制御装置を提供することが可能となる。
以上、説明した実施例1乃至3において、偏差は物体72、73の位置偏差に基づき算出していたが、路側の観測主体が自車両21自体の位置を検出できる場合、自車両21が当該観測主体の検知領域を通過した際の自車両21の車両情報13にける自車位置と、観測情報14における自車両21の位置を比較し、この位置偏差に基づき速度を決定しても良い。例えば、図22に示すように、定点観測カメラ61の画角63内に自車両21が存在するような位置関係を想定する。この時、自車両の車両情報13に基づき算出した自車位置21(a)と、定点観測カメラ61が検知した自車両の位置21(b)に偏差231が生じている場合、図22下部の棒グラフのように、自車位置の偏差231が大きいほど速度103を落とすという挙動を行うことが可能である。
また、以上説明した実施例1乃至3において、走行制御として自動車の自動運転を例にとって説明したが、走行制御は自動運転に限定されるものではない。自動車間距離制御(アクティブクルーズコントロール)、レーンキープ、自動運転レベル2、自動運転レベル3、無人自動運転など、さまざまな形態の走行制御に適用可能である。
以上の実施例1乃至実施例3では、自動車を例にとって説明したが、本発明は、自律移動するあらゆる装置に適用可能である。例えば、自律移動を行う建設機械(鉱山ダンプなど)、自律移動モビリティ(無人自動運転バス、一人乗り小型自動車、ゴルフカート、バイク、倒立振子型モビリティなど)、自律移動ロボットなどへも適用可能である。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 走行制御装置
2 操作取得手段
3 外界情報取得手段
4 車両情報取得手段
6 走行範囲管理手段
7 走行制御手段
8 第一速度算出部
9 第二速度算出部
10 走行可能範囲
11 操作
12 外界情報
13 車両情報
14 観測情報(自車両外から取得)
15 検知情報(観測情報統合装置が取得した情報)
21 制御対象(自車両)
22〜25 センサ
26 ハンドル
28 操舵制御装置
32 ブレーキペダル
35 制動制御装置
37 アクセルペダル
39 加速制御装置
43 通信装置
44 表示装置
51 観測情報統合装置
52 情報統合手段
53 信頼度算出手段
54 通信手段
55 信頼度
201偏差記憶手段
202補正情報送信手段
203補正情報
204補正情報取得手段
211補正部

Claims (16)

  1. 観測情報統合装置と走行制御装置とを含む走行制御システムであって、
    前記観測情報統合装置は、
    自車両、他車両、路上の観測装置の少なくとも1つの観測主体から外界における観測情報を収集及び統合する情報統合手段と、
    前記観測情報の信頼度を算出する信頼度算出手段と、
    前記観測情報および前記信頼度を通信により前記走行制御装置に送信する観測情報送信手段と、
    を備え、
    前記走行制御装置は、
    操作者の操作を取得する操作取得手段と、
    前記自車両周辺の外界情報を取得する外界情報取得手段と、
    前記自車両の走行状態である車両情報を取得する車両情報取得手段と、
    前記観測情報統合装置から前記信頼度を含む前記観測情報を通信により取得し、前記外界情報を前記観測情報統合装置に通信により送信する通信手段と、
    前記操作、前記外界情報、前記車両情報、前記観測情報の少なくとも一つに基づき前記自車両の走行可能範囲を管理する走行範囲管理手段と、
    前記操作、前記走行可能範囲、前記外界情報、前記車両情報および前記観測情報基づき前記自車両の走行を制御する走行制御手段と、
    を備え、
    前記走行制御手段は、
    前記観測情報が存在しない領域では、前記観測情報を除いて算出する第一速度に基づき前記自車両の速度を決定し、前記観測情報が存在する領域では、前記外界情報および前記観測情報を統合した統合観測情報を用いて算出する第二速度に基づき前記自車両の速度を決定し、
    前記統合観測情報の観測可能範囲が広いほど、前記第一速度に比べて前記第二速度を上昇し、
    前記信頼度が小さいほど、または、前記観測情報における複数の前記観測主体から取得した同一物体の位置情報の偏差が大きいほど前記第二速度の上昇を抑圧する
    ことを特徴とする走行制御システム。
  2. 操作者の操作を取得する操作取得手段と、
    自車両周辺の外界情報を取得する外界情報取得手段と、
    前記自車両の走行状態である車両情報を取得する車両情報取得手段と、
    他車両、路上の観測装置の少なくとも1つの観測主体から外界における観測情報を通信により取得する通信手段と、
    前記自車両の走行可能範囲を管理する走行範囲管理手段と、
    前記操作、前記走行可能範囲、前記外界情報、前記観測情報および前記車両情報に基づき前記自車両の走行を制御する走行制御手段と、
    を備える走行制御装置であって、
    前記走行制御手段は、
    前記観測情報が存在しない領域では、前記観測情報を除いて算出する第一速度に基づき前記自車両の速度を決定し、前記観測情報が存在する領域では、前記外界情報および前記観測情報を統合した統合観測情報を用いて算出する第二速度に基づき前記自車両の速度を決定し、
    前記統合観測情報の観測可能範囲が広いほど、前記第一速度に比べて前記第二速度を上昇し、前記外界情報と前記観測情報に同一物体が存在する場合に、前記外界情報と前記観測情報の偏差が大きい領域では前記第二速度の上昇を抑圧する
    ことを特徴とする走行制御装置。
  3. 操作者の操作を取得する操作取得手段と、
    自車両周辺の外界情報を取得する外界情報取得手段と、
    前記自車両の走行状態である車両情報を取得する車両情報取得手段と、
    他車両、路上の観測装置の少なくとも1つの観測主体から外界における観測情報を通信により取得する通信手段と、
    前記自車両の走行可能範囲を管理する走行範囲管理手段と、
    前記操作、前記走行可能範囲、前記外界情報、前記観測情報および前記車両情報に基づき前記自車両の走行を制御する走行制御手段と、
    を備える走行制御装置であって、
    前記走行制御手段は、
    前記観測情報が存在しない領域では、前記観測情報を除いて算出する第一速度に基づき前記自車両の速度を決定し、前記観測情報が存在する領域では、前記外界情報および前記観測情報を統合した統合観測情報を用いて算出する第二速度に基づき前記自車両の速度を決定し、
    前記統合観測情報の観測可能範囲において、前記自車両前方に検出した物体と前記自車両との距離が、前記外界情報の観測可能範囲の限界である第一距離未満の場合は第二速度を第一速度と等しい値に設定し、前記距離が、前記第一距離以上かつ前記第一距離より所定距離だけ長い第二距離未満の場合は第二速度を第一速度以下に設定し、前記距離が、前記第二距離以上の場合は第二速度を第一速度以上に設定する
    ことを特徴とする走行制御装置。
  4. 前記走行制御手段は、
    前記統合観測情報の観測可能範囲において、前記自車両前方に検出した物体と前記自車両との距離が広いほど、前記第二速度を上昇する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の走行制御装置。
  5. 前記走行制御手段は、
    前記統合観測情報の観測可能範囲において、前記走行範囲管理手段に基づき算出した前記自車両の目標走行軌道に沿った領域上に検出した物体と前記自車両との距離がいほど、前記第二速度を上昇する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の走行制御装置。
  6. 前記走行制御手段は、
    前記統合観測情報において同一物体が3つ以上存在する場合、前記外界情報との偏差の小さい前記観測情報に基づき第二速度を決定する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の走行制御装置。
  7. 前記走行制御手段は、
    前記統合観測情報において同一物体が複数存在する場合、前記自車両に最も近い位置に検出した物体の位置情報に基づき第二速度を決定する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の走行制御装置。
  8. 前記走行制御装置は、
    前記偏差を前記自車両の位置に関連づけて記憶する偏差記憶手段をさらに備え、記憶された前記偏差である補正情報に基づき前記観測情報を修正し、修正後の前記偏差に基づき速度を決定する
    ことを特徴とする請求項に記載の走行制御システム
  9. 前記走行制御装置は、
    前記補正情報を過去複数分記憶し、前記補正情報のばらつきが所定値以上である位置における観測情報を除いて前記第二速度を決定する
    ことを特徴とする請求項に記載の走行制御システム
  10. 前記走行制御装置は、
    前記偏差記憶手段に記憶された前記補正情報を通信により送信する補正情報送信手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項に記載の走行制御システム
  11. 前記走行制御装置は、
    前記観測情報の観測位置に関連づけて設定された観測誤差に関する情報を通信により取得する補正情報取得手段をさらに備え、前記観測誤差に基づき前記観測情報を修正し、修正後の前記偏差に基づき速度を決定する
    ことを特徴とする請求項に記載の走行制御システム
  12. 前記走行制御装置は、
    前記偏差を前記自車両の位置に関連づけて記憶する偏差記憶手段をさらに備え、記憶された前記偏差である補正情報に基づき前記観測情報を修正し、修正後の前記偏差に基づき速度を決定する
    ことを特徴とする請求項に記載の走行制御装置。
  13. 前記走行制御装置は、
    前記補正情報を過去複数分記憶し、前記補正情報のばらつきが所定値以上である位置における観測情報を除いて前記第二速度を決定する
    ことを特徴とする請求項12に記載の走行制御装置。
  14. 前記走行制御装置は、
    前記偏差記憶手段に記憶された前記補正情報を通信により送信する補正情報送信手段をさらに備える
    ことを特徴とする請求項12に記載の走行制御装置。
  15. 前記走行制御装置は、
    前記観測情報の観測位置に関連づけて設定された観測誤差に関する情報を通信により取得する補正情報取得手段をさらに備え、前記観測誤差に基づき前記観測情報を修正し、修正後の前記偏差に基づき速度を決定する
    ことを特徴とする請求項に記載の走行制御装置。
  16. 前記走行制御装置は、
    前記車両情報から算出した前記自車両の位置と、前記観測情報における前記自車両の位置の偏差を算出し、前記偏差が大きいほど前記第二速度の上昇を抑圧する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の走行制御装置。
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