JP6891800B2 - 電力ケーブルの端末構造 - Google Patents

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本発明は、電力ケーブルの端末構造に関する。
特許文献1は、電力ケーブルの端部において、露出された導体の先端部に取り付けられた端子と、この端子の挿入穴が設けられた埋込金具(電極)を備えるエポキシ樹脂製のブッシングとを備える電力ケーブルの終端接続部を開示する。上記端子は、代表的には上記導体に圧着されることで取り付けられる(類似の技術として、特許文献2の雄端子参照)。
特開2003−189453号公報 特開平10−270101号公報
電力ケーブルの端末において、ケーブル導体をより強固に保持できることが望まれる。特に、電力ケーブルが引っ張られるなどした場合に、上述の端子からケーブル導体が引き抜かれたりせず、上述のブッシングに備える電極との電気的接続状態をより確実に維持できることが望まれる。特許文献1,2は、ケーブル導体をより強固に保持する構成について言及していない。更に、ケーブル導体を強固に保持できながら、その保持構造を構築し易いことも望まれる。
そこで、ケーブル導体を強固に保持できる電力ケーブルの端末構造を提供することを目的の一つとする。
本開示の電力ケーブルの端末構造は、
ケーブル導体を備える電力ケーブルと、
前記ケーブル導体の端部が挿入される挿入穴が設けられ、前記ケーブル導体と電気的に接続される電極を備えるブッシングと、
前記ケーブル導体の端部と前記挿入穴の内周面との間に介在される端末導電部とを備え、
前記端末導電部は、
前記ケーブル導体の端部を把持し、前記電力ケーブルの根元側に向かって縮径する根元側外周面を有する楔金具と、
前記電力ケーブルの根元側に配置され、前記楔金具を収納する根元側内周面と、前記ケーブル導体の先端側に配置され、ねじ加工が施された結合内周面と、前記挿入穴の内周面に接触して電気的に接続される導通部とを有する筒状の楔受け金具と、
前記結合内周面に螺合する結合外周面と、前記楔金具を押圧する押圧面とを有し、前記楔受け金具にねじ込まれることで、前記押圧面によって前記楔金具を前記楔受け金具に押し込む押込金具とを備える。
上記の電力ケーブルの端末構造は、ケーブル導体を強固に保持できる。
実施形態1の電力ケーブルの端末構造の概略構成を示す部分縦断面図である。 実施形態1の電力ケーブルの端末構造に備える端末導電部を分解して示す縦断面図である。 実施形態1の電力ケーブルの端末構造の構築手順を説明する工程説明図であり、端末導電部をケーブル導体の先端部に配置する状態を示す。 実施形態1の電力ケーブルの端末構造の構築手順を説明する工程説明図であり、押込金具によって楔金具を押圧する状態を示す。
[本発明の実施形態の説明]
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
(1)本発明の一態様に係る電力ケーブルの端末構造は、
ケーブル導体を備える電力ケーブルと、
前記ケーブル導体の端部が挿入される挿入穴が設けられ、前記ケーブル導体と電気的に接続される電極を備えるブッシングと、
前記ケーブル導体の端部と前記挿入穴の内周面との間に介在される端末導電部とを備え、
前記端末導電部は、
前記ケーブル導体の端部を把持し、前記電力ケーブルの根元側に向かって縮径する根元側外周面を有する楔金具と、
前記電力ケーブルの根元側に配置され、前記楔金具を収納する根元側内周面と、前記ケーブル導体の先端側に配置され、ねじ加工が施された結合内周面と、前記挿入穴の内周面に接触して電気的に接続される導通部とを有する筒状の楔受け金具と、
前記結合内周面に螺合する結合外周面と、前記楔金具を押圧する押圧面とを有し、前記楔受け金具にねじ込まれることで、前記押圧面によって前記楔金具を前記楔受け金具に押し込む押込金具とを備える。
上記の電力ケーブルの端末構造では、ケーブル導体を楔金具及び楔受け金具によって保持すると共に、楔金具の小径側を電力ケーブルの根元側に配置する。このような上記の電力ケーブルの端末構造によれば、電力ケーブルが引っ張られると、楔金具は楔受け金具により強い圧接状態に拘束されてケーブル導体を引き留められるため、ケーブル導体を強固に保持できる。
また、上記の電力ケーブルの端末構造は、その構築過程で、押込金具を楔受け金具にねじ込むという単純な作業によって、楔金具を楔受け金具に押し込める。そのため、上記の電力ケーブルの端末構造は、押込金具によって楔金具と楔受け金具との圧接状態を維持し易いことからもケーブル導体を強固に保持できる上に、構築し易い。
(2)上記の電力ケーブルの端末構造の一例として、
前記楔金具は、前記ケーブル導体の先端側に配置される端面から前記電力ケーブルの根元側に向かって拡径する受圧外周面を有し、
前記押込金具は、筒状であり、前記押圧面は、前記押込金具の内周面の一部をなし、前記受圧外周面に当接する傾斜面を含む形態が挙げられる。
上記形態では、楔受け金具の内周面の一部と押込金具の外周面の一部とが重複して配置される。従って、上記形態は、電力ケーブルの軸方向に沿った長さを短くでき、この点で小型である。
(3)上記の電力ケーブルの端末構造の一例として、
前記端末導電部は、前記ケーブル導体の端面、前記楔受け金具及び前記押込金具における前記ケーブル導体の先端側に配置される領域を覆うキャップを備える形態が挙げられる。
上記形態は、筒状の楔受け金具や押込金具からケーブル導体の先端部が露出されていても、キャップによって、ケーブル導体の先端部を保護できる。また、上記形態は、楔受け金具や押込金具におけるケーブル導体の先端側の領域がキャップに覆われるため、その構築過程で、端末導電部が装着されたケーブル導体の端部の外周にブッシングの電極の挿入穴を嵌め込む際に楔受け金具や押込金具が上記挿入穴の内周面に接触して、上記挿入穴の内周面を損傷することも防止できる。
(4)キャップを有する上記の電力ケーブルの端末構造の一例として、
前記キャップは、前記押込金具の外周面の一部に螺合するねじ部を備える形態が挙げられる。
上記形態は、その構築過程で、キャップを押込金具にねじ込むという単純な作業によって、キャップを押込金具に強固に固定でき、作業性に優れる。
(5)上記の電力ケーブルの端末構造の一例として、
前記導通部は、前記挿入穴の内周面に接触する多点接触部材と、前記楔受け金具の外周に設けられ、前記多点接触部材が嵌め込まれる溝部とを備える形態が挙げられる。
上記形態は、多点接触部材によって楔受け金具と電極とを良好に導通でき、大電流用途であっても、低抵抗な接続構造を構築できる。また、上記形態は、多点接触部材が溝部に嵌め込まれて位置ずれしたり外れたりし難く、長期に亘り、良好な導通状態を確保できる。
(6)上記の電力ケーブルの端末構造の一例として、
前記楔受け金具の外周面は、前記電力ケーブルの根元側に回転防止部を含む形態が挙げられる。
上記形態における回転防止部は、例えば、構築過程で押込金具を楔受け金具にねじ込む際に、楔受け金具を固定する把持箇所として利用すれば、押込金具と楔受け金具との供回りを防止できる。従って、上記形態は、押込金具を効率よくねじ込めて、作業性に優れる。
[本発明の実施形態の詳細]
以下、適宜、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳細に説明する。図中、同一符号は同一名称物を示す。
[実施形態1]
図1〜図4を参照して、実施形態の電力ケーブルの端末構造1を説明する。
図1は、電力ケーブルの端末構造1について、電力ケーブル2を除く部分の縦断面図である。ここでの縦断面図とは、電力ケーブル2の軸方向に平行な平面で切断した断面図である。
図2は、電力ケーブルの端末構造1に備える端末導電部3の縦断面図であり、各要素を分解して示す。
以下の説明では、電力ケーブルの端末構造1の各要素において、電力ケーブル2の先端部、ここでは段剥ぎされて露出されたケーブル導体20の先端部に近い側を先端側、その反対側を根元側と呼ぶことがある。図1〜図4では、紙面上側が先端側、紙面下側が根元側である。
(概要)
実施形態1の電力ケーブルの端末構造1は、代表的には、電力ケーブル2と外部の接続対象(例、GIS(ガスインシュレーテッドスイッチギア)など。図示せず)とを接続する箇所に設けられる。詳しくは、実施形態1の電力ケーブルの端末構造1は、ケーブル導体20を備える電力ケーブル2と、ケーブル導体20と電気的に接続される電極50を備えるブッシング5と、端末導電部3とを備える。電極50には、ケーブル導体20の端部が挿入される挿入穴50hが設けられている。端末導電部3は、ケーブル導体20の端部と電極50の挿入穴50hの内周面との間に介在される部材であり、ケーブル導体20の端部を把持する楔金具30と、筒状の楔受け金具32と、楔金具30を楔受け金具32に押し込む押込金具34とを備える。特に、実施形態1の電力ケーブルの端末構造1では、楔受け金具32と押込金具34とが互いにねじ結合し、押込金具34を楔受け金具32にねじ込むことで、押込金具34は楔金具30を押圧して楔受け金具32に押し込める。また、実施形態1の電力ケーブルの端末構造1では、楔金具30の小径側(図1では紙面下側)が電力ケーブル2の根元側に配置される。そのため、電力ケーブル2が図1の下側に向かって引っ張られると、楔金具30は楔受け金具32により強い圧接状態に拘束されて、ケーブル導体20を引き留められる。以下、各要素を詳細に説明する。
(電力ケーブル)
電力ケーブル2は、ケーブル導体20と、ケーブル導体20の外周に形成されたケーブル絶縁体22とを備える。電力ケーブル2は、代表的には、半導電層、遮蔽層、シース(いずれも図示せず)などを備える。具体的な電力ケーブル2として、CVケーブル(架橋ポリエチレン絶縁シースケーブル)などが挙げられる。この例の電力ケーブル2は、送電電圧が66kVから500kVといった高圧用途のCVケーブルである。電力ケーブル2の端部は、段剥ぎされて、ケーブル導体20などが露出される。
(ブッシング)
ブッシング5は、ケーブル導体20と外部の接続対象の導体との間を電気的に接続する電極50と、電極50の外周に設けられるブッシング本体52とを備える。
電極50は、棒状の導電性部材であり、一端部(図示せず、図1では紙面上側に位置する)を外部の接続対象との接続箇所とし、他端側領域をケーブル導体20との接続箇所とする。この例では、電極50の他端側に、端末導電部3が装着されたケーブル導体20の端部を収納する挿入穴50hが設けられており、電極50の他端側は有底円筒状である。
ブッシング本体52は、電力ケーブル2の先端部を収納する挿入穴52hが設けられた絶縁部材であり、エポキシ樹脂などの絶縁材料からなる。図1では、ブッシング本体52の外形が凹凸のない平滑な形状である場合(例えば、ガス中終端接続部を構築する場合など)を例示するが、ブッシング本体52の外周に複数の襞が形成された外被(図示せず)を備えることができる。
(端末導電部)
端末導電部3は、図2を主に参照して説明する。
端末導電部3は、楔金具30と、楔受け金具32と、押込金具34とを含む組物である。これらの金具30,32,34は、ケーブル導体20とブッシング5の電極50との間を電気的に接続する導電性部材である。この例の端末導電部3は、更に、ケーブル導体20の先端側領域を覆うキャップ36を備える。
〈楔金具〉
楔金具30は、ケーブル導体20の端部を直接把持する筒状の部材であり、ケーブル導体20の先端部が挿通される貫通孔30hを備える。
貫通孔30hをなす内周面は、ねじ加工が施された凹凸面である。凹凸面であることで、ケーブル導体20を噛み込み易く強固に把持できる上に、ケーブル導体20との接触面積を増大できて、ケーブル導体20と楔金具30との間の接続抵抗を低減し易い。
この例の楔金具30は、その外周面の一部を、楔受け金具32に収納されて拘束される収納部分とし、別の一部を押込金具34に押圧される受圧部分とする。電力ケーブルの端末構造1を構築した際に、収納部分は電力ケーブル2の根元側に配置され、受圧部分は電力ケーブル2の先端側に配置される。詳しくは、楔金具30は、その軸方向(図2では上下方向)の途中位置から電力ケーブル2の根元側に向かって縮径する根元側外周面302と、ケーブル導体20の先端側に配置される先端側端面(図2では上面)から電力ケーブルの根元側に向かって拡径する受圧外周面304とを有する。根元側外周面302を収納部分とし、受圧外周面304を受圧部分とする。外周面302,304の大きさ(楔金具30の軸方向に沿った長さ、この軸に対する傾斜角度など)は、ケーブル導体20を拘束可能な範囲、押圧可能な範囲で適宜調整することができる。
その他、この例の楔金具30は、その軸方向に延びると共に、その周方向に分断する一つ以上のスリット305を備える。この例では、楔金具30の根元側端面(図2では下面)に開口し、先端側端面に向かって延びるスリットと、先端側端面に開口し、根元側端面に向かって延びるスリットとが楔金具30の周方向に交互に、かつ等間隔に並び、合計8本のスリット305を備える。スリット305を備えることで楔金具30は縮径可能となり、ケーブル導体20を強固に把持できる上に、縮径前の楔金具30をケーブル導体20に挿通配置し易い。スリット305の個数、長さや幅、形成位置などは適宜選択でき、本例は例示である。
楔金具30、後述する楔受け金具32及び押込金具34、上述の電極50の構成材料は、銅や銅合金、アルミニウムやアルミニウム合金などの導電性に優れる金属が挙げられる。上述の金具30,32,34が銅などの導電性に優れる金属からなることで、端末導電部3は、所定の導体断面積を確保でき、ケーブル導体20と外部の接続対象とを良好に導通でき、低抵抗な接続構造を構築できる。
〈楔受け金具〉
楔受け金具32は、ケーブル導体20を把持する楔金具30を拘束する筒状の部材であり、ケーブル導体20の先端部が挿通されると共に、楔金具30が嵌め込まれる貫通孔32hを備える。この例の楔受け金具32は、後述する溝部327の形成位置、回転防止部325の形成位置などを除いて、一様な外径R32を有する円筒状である。
この例の楔受け金具32は、その内周面の一部を、楔金具30を拘束する拘束部分とし、別の一部を、押込金具34を収納してねじ結合する結合部分とする。電力ケーブルの端末構造1を構築した際に、拘束部分は電力ケーブル2の根元側に配置され、結合部分は電力ケーブル2の先端側に配置される。詳しくは、楔受け金具32は、電力ケーブル2の根元側に配置され、楔金具30を収納する根元側内周面320と、ケーブル導体20の先端側に配置され、ねじ加工が施された結合内周面324とを有し、根元側内周面320を拘束部分とし、結合内周面324を結合部分とする。
根元側内周面320は、楔金具30の根元側外周面302の形状(ここでは円錘台状)に対応して、楔受け金具32の軸方向の途中位置から電力ケーブル2の根元側に向かって縮径する円錐台状である。ケーブル導体20を把持する楔金具30が楔受け金具32の根元側内周面320に収納された状態で電力ケーブル2が引っ張られると、楔金具30は、ケーブル導体20が引っ張られることに伴って、楔受け金具32の根元側に引き込まれて、スリット305がつくる隙間を無くすように縮径する。その結果、楔金具30は、ケーブル導体20をより強固に拘束できると共に、楔受け金具32に強固に引き留められて、楔受け金具32との機械的接続強度を高められる。
結合内周面324は、楔受け金具32の先端側端面(図2では上面)から、楔受け金具32の軸方向の途中位置に至り、一様な内径を有する円筒状である。但し、結合内周面324は、ねじ加工(雌ねじ)が施されている。結合内周面324の内径(ねじ山と谷との平均内径)は、根元側内周面320の最大内径(上記途中位置における内径)よりも大きく、楔金具30を楔受け金具32の先端側端面から根元側内周面320に向かって容易に挿入できる。
根元側内周面320の大きさ(楔受け金具32の軸方向に沿った長さ、この軸に対する傾斜角度など)は、楔金具30を拘束可能な範囲で適宜調整することができる。結合内周面324の大きさ(上記軸方向に沿った長さ、内径など)は、押込金具34をねじ結合できると共に、押込金具34が楔受け金具32に収納された楔金具30を押圧可能な範囲で適宜調整することができる。
楔受け金具32は、ブッシング5の電極50に設けられた挿入穴50hの内周面に接触して電気的に接続される導通部を有する。この例の導電部は、電極50の挿入穴50hの内周面に接触する多点接触部材32aと、楔受け金具32の外周に設けられ、多点接触部材32aが嵌め込まれる溝部327とを備える。
多点接触部材32aは、例えば、複数のばね状接触子が並列された帯材が環状に形成された多点接触式のコンタクト部材などが挙げられる。多点接触部材32aは、通電性に優れ、大電流であっても低抵抗な接続構造を構築できる。
この例では、楔受け金具32の外周面の先端側に、楔受け金具32の軸方向に離間して二つの溝部327,327を備える。各溝部327,327は、多点接触部材32a,32aを嵌め込み可能な環状の溝である。電力ケーブルの端末構造1の構築前では、図2に示すように多点接触部材32aの一部(ばね状接触子の一部)が溝部327の開口部から突出する。電力ケーブルの端末構造1を構築した際には、挿入穴50hの内周面は上述の突出部分を押し潰すようにして接触する。この押し潰しによって、楔受け金具32と電極50とが導通できる。溝部327の個数、形成位置などは、楔受け金具32と電極50とが所定の導通状態を確保できる範囲で適宜変更することができる。
更に、この例の楔受け金具32は、その外周面における電力ケーブル2の根元側に回転防止部325を含む。ここで、楔受け金具32の外周面の全体を、上述の導通部をなす溝部327,327の形成箇所などを除いて、一様な外径R32を有する円筒面とすることができる。しかし、この場合、電力ケーブルの端末構造1の構築過程で、押込金具34を楔受け金具32にねじ込む際に、楔受け金具32が供回りし易く、押込金具34をねじ込み難い。本例の楔受け金具32は、その外周面のうち、根元側領域をなす円筒面の対向位置に、平面状に切り欠かれてなる平面領域を有する。これら平坦な平面領域をそれぞれ回転防止部325,325とする。上述のねじ込む際に、回転治具(図示せず)の把持爪を二つの回転防止部325,325に嵌め込むことで楔受け金具32を固定すれば、上記供回りを防止できる上に、楔受け金具32を把持し易い。回転防止部325の大きさ、形成位置などは、固定治具が楔受け金具32を把持可能な範囲で適宜調整することができる。なお、楔受け金具32の供回りなどを防止できれば、回転防止部325を省略してもよい。
〈押込金具〉
押込金具34は、ケーブル導体20を把持する楔金具30を楔受け金具32に押し込む筒状の部材であり、ケーブル導体20の先端部が挿通される貫通孔34hを備える。特に、押込金具34は、楔受け金具32の結合内周面324に螺合する結合外周面342と、楔金具30を押圧する押圧面340とを有する。押込金具34は、楔受け金具32の結合内周面324にねじ込まれることで、押圧面340によって楔金具30を楔受け金具32に押し込む(図4も参照)。
この例の押圧面340は、押込金具34の貫通孔34hを形成する内周面の一部をなし、楔金具30の受圧外周面304に当接する傾斜面を含む。この傾斜面は、押込金具34の根元側端面から押込金具34の軸方向の途中位置に至って設けられており、根元側端面から上記途中位置に向かって縮径する円錐台状の面である。また、この傾斜面は、受圧外周面304をなす傾斜面に対応した傾斜角度を有する面である。押圧面340をなす傾斜面の大きさ(押込金具34の軸方向に沿った長さ、この軸に対する傾斜角度など)は、受圧外周面304に当接可能な範囲で適宜調整することができる。この例では、押圧面340をなす傾斜面は、その傾斜方向に沿った長さが受圧外周面304における傾斜方向に沿った長さよりも十分に長く、受圧外周面304を確実に押圧できる。
この例の押込金具34では、その外周面の実質的に全面にねじ加工(雄ねじ)が施されており、根元側の領域を、楔受け金具32に収納される(図1)と共にねじ結合する結合外周面342とし、先端側の領域を、後述するようにキャップ36にねじ結合するキャップ結合面346とする。押込金具34によって楔金具30を押し込み、ケーブル導体20を引き留めた状態において(図1)、押込金具34が楔受け金具32の先端側端面から突出してキャップ結合面346がキャップ36とねじ結合できるように、押込金具34の大きさを調整している。
その他、この例の押込金具34は、押込金具34を楔受け金具32にねじ込む工具を取付ける取付治具9(図4)を固定する固定部を備える。ここでの固定部は、押込金具34の先端側端面に開口する複数の止まり穴(工具穴345)を含む。各工具穴345には、取付治具9の爪部(図4では二点鎖線で仮想的に示す)が挿入される。固定部の構成は上記の工具に応じて適宜変更することができる。
〈キャップ〉
キャップ36は、電力ケーブルの端末構造1の構築過程で、ケーブル導体20の端面を含む先端部を保護する。この例では、上述の金具30,32,34はいずれも筒状であり、ケーブル導体20の先端部が貫通孔32h,34hなどから露出されるものの、キャップ36によって保護される。かつ、キャップ36は、ブッシング5の電極50の挿入穴50hをなす内周面を保護する。キャップ36が無い場合、端末導電部3を装着した電力ケーブル2の端部の外周に挿入穴50hを嵌め込む際に端末導電部3、特に先端側の角部などが挿入穴50hの内周面に接触して、挿入穴50hの内周面を損傷する可能性がある。キャップ36を備えることで、挿入穴50hの内周面の損傷をより確実に防止できる。
キャップ36は、ケーブル導体20の端面、楔受け金具32及び押込金具34におけるケーブル導体20の先端側に配置される領域を覆うように形成されている。詳しくは、キャップ36は、円板からなる天面部365と、天面部365から立設される側壁部366とを備える有天筒状である。天面部365は、ケーブル導体20の端面、楔金具30及び楔受け金具32の先端側端面に対向配置される(図1)。側壁部366は、その根元側端面が楔受け金具32の先端側端面に対向配置され、その外周面は楔受け金具32の外周面(外径R32を有する部分)に実質的に面一である(図1,図2)。
更に、この例のキャップ36は、押込金具34の外周面の一部に螺合するねじ部364を備える。この例では、側壁部366の内周面にねじ加工(雌ねじ)が施されており、この内周面をねじ部364とする。このようなキャップ36は、押込金具34にねじ込むという単純な作業によって押込金具34に強固に固定でき、別途、接着剤などを用いる必要がない。キャップ36は、押込金具34を介して、楔受け金具32に固定される。
キャップ36の構成材料は、樹脂などの比較的柔らかい材料が挙げられる。樹脂製のキャップ36とすれば、挿入穴50hの内周面に接触しても挿入穴50hの内周面を損傷し難い。
(その他の部材)
その他、電力ケーブルの端末構造1は、図1に示すようにプレモールド絶縁体6、プレモールド絶縁体6を所定の位置に押し込む圧縮装置(図示せず)などを備える。その他の部材は、公知の構成を参照できる(例えば、特許文献2など)。
プレモールド絶縁体6は、電力ケーブル2のケーブル絶縁体22の外周に配置され、ストレスコーンを形成する。プレモールド絶縁体6は、代表的には、エポキシ樹脂などからなり、根元側に半導電部(図示せず)を備える。
(電力ケーブルの端末構造の製造方法)
実施形態の電力ケーブルの端末構造1は、例えば、以下のようにして構築することが挙げられる。
(a)電力ケーブル2の端部を段剥ぎして、ケーブル導体20の端部などを露出する。
(b)ケーブル導体20の端部に、図3に示すように、楔受け金具32、楔金具30の順に挿通配置する。
(c)押込金具34を楔受け金具32にねじ込み、押圧面340によって楔金具30を楔受け金具32に押し込む。
ここでは、図4に示すように押込金具34を楔受け金具32にある程度ねじ込んで、押込金具34を楔受け金具32に支持させておき、取付治具9を押込金具34に取り付ける。そして、所定の締付力が得られるまで、トルクレンチなどのねじ込み工具を用いて、押込金具34をねじ込む。ねじ込む際には、楔受け金具32の回転防止部325を適宜な固定治具で把持して、楔受け金具32の回転を防止する。ねじ込み終了後、取付治具9を取り外す。
(d)ケーブル導体20の端面、楔受け金具32及び押込金具34における先端側領域を覆うようにキャップ36を取り付ける。
ここでは、キャップ36を押込金具34にねじ込むことで固定する。
以上の工程により、ケーブル導体20の端部に、キャップ36を含む端末導電部3を装着することができる。
(e)楔受け金具32の溝部327に、多点接触部材32aを嵌め込んだ後、この電力ケーブル2の端部にブッシング5を嵌め込む。
(効果)
実施形態1の電力ケーブルの端末構造1は、ケーブル導体20を楔金具30及び楔受け金具32によって保持し、この楔金具30の小径側を電力ケーブル2の根元側に配置する。この構成により、実施形態1の電力ケーブルの端末構造1は、電力ケーブル2が引っ張られた際に、楔金具30によってケーブル導体20を引き留められて、強固に保持できる。楔受け金具32と押込金具34とがねじ結合されて、楔金具30と楔受け金具32との圧接状態が維持され易いことからも、ケーブル導体20を強固に保持できる。かつ、実施形態1の電力ケーブルの端末構造1は、上述のようにケーブル導体20の先端部に楔受け金具32、楔金具30、押込金具34を挿通配置した後、押込金具34を楔受け金具32にねじ込むことで、楔金具30を楔受け金具32に押し込められ、構築し易い。
この例の電力ケーブルの端末構造1は、更に以下の効果を奏する。
(A)楔金具30の受圧部分(ここでは受圧外周面304)と、押込金具34の押圧面340とが電力ケーブル2の軸方向にみて重複して配置されるため、電力ケーブルの端末構造1における上記軸方向に沿った長さを短くでき、この点で小型である。
(B)キャップ36を備えるため、ケーブル導体20の先端部を保護できる上に、電極50の挿入穴50hの内周面が押込金具34などによって損傷することを防止できる。
(C)キャップ36と押込金具34とをねじ結合するため、キャップ36を押込金具34に強固に、かつ簡単に固定できる。また、接着剤で固定する場合に比較して、固定時間を短縮でき、作業性に優れる。
(D)楔受け金具32と電極50とを、多点接触部材32aを介して電気的に接続するため、導通性に優れ、低抵抗な接続構造を構築できる。
(E)楔受け金具32が外周面に回転防止部325を含むため、押込金具34を楔受け金具32にねじ込む際に回転防止部325を把持して楔受け金具32の回転を防止でき、ねじ込み作業を行い易い。
本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、以下の少なくとも一つの変更が可能である。
(変形例a)楔金具30の外周面の一部を受圧部分とし、押込金具34の内周面の一部を押圧部分とすることに代えて、楔金具30の先端側端面を受圧部分とし、押込金具34の根元側端面を押圧面340とする。
(変形例b)キャップ36を押込金具34にねじ結合させず、接着剤で固定する。この場合、押込金具34を楔受け金具32から実質的に突出しない大きさとし、キャップ36を平板材などとしてもよい。
1 電力ケーブルの端末構造
2 電力ケーブル
20 ケーブル導体
22 ケーブル絶縁体
3 端末導電部
30 楔金具
30h 貫通孔
302 根元側外周面
304 受圧外周面
305 スリット
32 楔受け金具
32h 貫通孔
320 根元側内周面
324 結合内周面
325 回転防止部
327 溝部
32a 多点接触部材
34 押込金具
34h 貫通孔
340 押圧面(傾斜面)
342 結合外周面
346 キャップ結合面
345 工具穴
36 キャップ
364 ねじ部
365 天面部
366 側壁部
5 ブッシング
50 電極
50h,52h 挿入穴
52 ブッシング本体
6 プレモールド絶縁体
9 取付治具

Claims (6)

  1. ケーブル導体を備える電力ケーブルと、
    前記ケーブル導体の端部が挿入される挿入穴が設けられ、前記ケーブル導体と電気的に接続される電極を備えるブッシングと、
    前記ケーブル導体の端部と前記挿入穴の内周面との間に介在される端末導電部とを備え、
    前記端末導電部は、
    前記ケーブル導体の端部を把持し、前記電力ケーブルの根元側に向かって縮径する根元側外周面を有する楔金具と、
    前記電力ケーブルの根元側に配置され、前記楔金具を収納する根元側内周面と、前記ケーブル導体の先端側に配置され、ねじ加工が施された結合内周面と、前記挿入穴の内周面に接触して電気的に接続される導通部とを有する筒状の楔受け金具と、
    前記結合内周面に螺合する結合外周面と、前記楔金具を押圧する押圧面とを有し、前記楔受け金具にねじ込まれることで、前記押圧面によって前記楔金具を前記楔受け金具に押し込む押込金具とを備える電力ケーブルの端末構造。
  2. 前記楔金具は、前記ケーブル導体の先端側に配置される端面から前記電力ケーブルの根元側に向かって拡径する受圧外周面を有し、
    前記押込金具は、筒状であり、前記押圧面は、前記押込金具の内周面の一部をなし、前記受圧外周面に当接する傾斜面を含む請求項1に記載の電力ケーブルの端末構造。
  3. 前記端末導電部は、前記ケーブル導体の端面、前記楔受け金具及び前記押込金具における前記ケーブル導体の先端側に配置される領域を覆うキャップを備える請求項1又は請求項2に記載の電力ケーブルの端末構造。
  4. 前記キャップは、前記押込金具の外周面の一部に螺合するねじ部を備える請求項3に記載の電力ケーブルの端末構造。
  5. 前記導通部は、前記挿入穴の内周面に接触する多点接触部材と、前記楔受け金具の外周に設けられ、前記多点接触部材が嵌め込まれる溝部とを備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力ケーブルの端末構造。
  6. 前記楔受け金具の外周面は、前記電力ケーブルの根元側に回転防止部を含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の電力ケーブルの端末構造。
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