JP6890241B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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本発明は、加熱調理器に関し、特に、湯切りを必要とする調理に使用される加熱調理器に関する。
一般的に、食材を調理する調理工程の一種である湯切りは、パスタやうどんなどの麺やホウレンソウなどの野菜などの食材を茹でた後に行われる。また、食材の種類によって、食材を茹で始めてから湯切りを行うまでの時間は異なってくる。
例えば、ほうれん草などの葉菜類の野菜や麺類など、比較的火が通りやすい食材を茹でる場合、水が入った鍋を加熱して水を沸騰させてから食材を沸騰した水の中に投入し、その後、食材に火が通るまで所定時間加熱した後、湯切りを行う。一方、人参などの根菜類やじゃがいもなどのイモ類など、比較的火が通りにくい食材を茹でる場合、水が沸騰する前に、水が入った鍋に食材を投入して、水と食材を一緒に加熱し、その後、食材に火が通るまで所定時間加熱した後、湯切りを行う。このように、食材を茹で、その後、湯切りを行う調理においては、食材の種類によって、食材を鍋に投入するタイミングや食材を茹で始めてから湯切りを行うまでに要する時間(以下、「茹で時間」という。)が異なってくる。
そのため、従来、食材を茹で、その後、湯切りを行う調理に使用される調理器具としては、食材ごとに異なる茹で時間に応じて、任意のタイミングで簡単に湯切りが行える構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図14は、特許文献1に記載された従来の加熱調理器を示すものである。図14に示すように、従来の加熱調理器100は、開口を有する鍋101と、食材を収納し鍋101内に配置される湯切り容器102と、鍋101に配置され湯切り容器102を鍋101に対して昇降可能な昇降手段103と、鍋101を収納する本体(図示せず)を備えている。湯切り容器102の側面には孔102Aが複数個設けられている。昇降手段103は、一端が湯切り容器102の側面に配置されると共に、他端が鍋101の側面に配置され湯切り容器102を支持する容器支持部104と、容器支持部104を昇降させる昇降部105を備えている。
従来の加熱調理器100を使用者が使用する場合、使用者は、鍋101の内部に水を入れ鍋101を図示しない本体に設置する。その後、湯切り容器102を容器支持部104に取り付けて鍋101の上方に配置する。湯切り容器102の内部には、予め、食材を入れておく。食材の種類に応じて、調理時間をタイマーで設定してスイッチを入れる。スイッチが入ると、鍋101内の水が加熱されて沸騰する。鍋101の温度を温度センサが検知し沸騰温度になると、昇降部105によって容器支持部104を下降させ、湯切り容器102が鍋101内に下降する。予めタイマーで設定した調理時間が経過すると、昇降部105によって容器支持部104が上昇し、湯切り容器102が鍋101に対して上昇する。湯切り容器102が鍋101に対して上昇することにより、湯切り容器102内の水が孔102Aから鍋101内に移動する。これにより、予め設定した調理時間だけ食材を調理した後、湯切り容器102内の食材の湯切りを自動で行うことができる。
上述のように、食材を茹で、その後、湯切りを行うことで調理される食材としては、麺や野菜などの食材が一般的であるが、日本以外の地域においては、米を調理する際に、米を茹で、その後、湯切りを行うことで、米を調理する食文化を有する地域もある。
主に、米を調理する炊飯方法としては、米と米の量に応じた所定の量の水とを鍋内に投入し、その後、米が鍋内に投入された水を吸収し、鍋内の水が無くなるまで炊きあげる炊き干し法と、米と多量の水を鍋に入れ、その後、鍋内の水を所定時間沸騰させ、鍋内の米を調理した後、鍋内の余分な水とご飯とを分離するために湯切りを行う湯取り法の2種類が存在する。
炊き干し法及び湯取り法の何れの炊飯方法においても、炊飯時に、米に含まれるデンプンなどの粘り成分が水の中に溶けだすことになる。炊き干し法においては、鍋内の米が鍋内の水を吸収し、鍋内の水が無くなるまで炊き上げるため、水の中に溶けだしたデンプンなどの粘り成分が炊飯中に米の表面に付着し、粘りのあるご飯が炊きあがる。一方、湯取り法においては、鍋内の水を所定時間沸騰させ、鍋内の米を加熱した後、鍋内の水とご飯とを分離するため、水の中に溶けだした米に含まれるデンプンなどの粘り成分が米の表面に付着しにくくなり、ご飯粒同士が離れた粘りの少ないご飯が炊きあがる。
上述のように、炊き干し法と湯取り法とでは、炊きあがったご飯の粘り気が異なるため、地域ごとの食文化やご飯の嗜好に応じて、炊き干し法と湯取り法とが使い分けられている。
例えば、日本や中国などの東アジア地域のように、ご飯とおかずとを分けて食べる食文化を有する地域においては、ご飯自体の味やおいしさが大切にされ、粘りのあるご飯が好まれている。一方、インドやスリランカなどの南アジア地域や中東地域のように、カレーやソースなどのおかずをご飯に混ぜ、ご飯とおかずとを一緒に食べる食文化を有する地域においては、おかずと混ぜたときのおいしさや食感が大切にされ、ご飯の粒同士が離れ、ご飯一粒ひとつぶがおかずと混ざりやすい粘りの少ないご飯が好まれている。また、日本や中国などの東アジア地域においては、箸を使って食事をする地域が多いため、箸でつかみやすく食べやすい粘りのあるご飯が好まれている。一方、インドやスリランカなどの南アジア地域や中東地域においては、手が最も清潔なものとされており、手で食事をする地域が多いため、手につきにくい粘りの少ないご飯が好まれている。
上述のように、湯取り法による炊飯に使用される加熱調理器においては、炊き干し法による炊飯に使用される加熱調理器とは異なり、炊飯時に湯切りを行う必要がある。特許文献1に記載された従来の加熱調理器においては、米については述べられていないが、炊飯が完了した際に、鍋に内装された湯切り容器を引き上げることで、米に含まれるデンプンなどの粘り成分を含む高温の水と、ご飯とを分離することができる。
米国特許第7484455号明細書
しかしながら、前記従来の湯切りを必要とする調理に使用される加熱調理器においては、湯切りの安全性および湯切り後の使い勝手という観点からは未だ改善の余地があった。
すなわち、前記特許文献1に記載の加熱調理器100においては、湯切り容器102を容器支持部104にて片持ちで支持する構成のため、食材が多い場合においては容器支持部104に過度な荷重がかかり、安定した湯切り動作が得られないという課題があった。特に、湯切りした状態においては、湯切り容器102が片持ちで支持されている箇所以外は自由に動けるため、調理物を取り出す際に湯切り容器102が安定せず安全でないとい
う課題もあった。また、湯切り容器102を全周箇所で支持する構成が考えられるが、湯切り容器102を取り外した後に鍋101を本体から取り出そうとすると、全周箇所で支持する構成が邪魔になり、鍋101を取り外すことが容易でないという課題があった。
本発明は、前記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、湯切り容器の容器上部を可動部が複数個所で支持することができるので、安定した湯切り動作が得られるとともに、可動部が開口部を有しているので、湯切り容器を可動部から取り外した後、鍋を容易に取り外すことができる加熱調理器を提供することを目的とする。
上記従来技術の有する課題を解決するために、本発明は、
加熱調理器本体と、
前記加熱調理器本体内に配置され鍋開口部を有する鍋と、
前記加熱調理器本体内に配置され前記鍋を加熱する加熱部と、
前記鍋内に配置可能であるとともに、側面及び底面にそれぞれ複数の孔を有する湯切り容器と、
前記加熱調理器本体に配置され前記湯切り容器の容器上部と当接して前記湯切り容器を前記鍋に対して昇降可能な可動部と、を備え、
前記可動部は、前記可動部が上昇した位置で前記鍋の前記鍋開口部における円周方向に、少なくとも対向する位置に配されるとともに、前記鍋を把持可能な開口部を有している加熱調理器としたものである。
これにより、湯切り容器を鍋に対して上昇させる際に、湯切り容器の容器上部を可動部が複数箇所で支持することができるので、安定した湯切り動作が得られるとともに、可動部が開口部を有しているので、湯切り容器を可動部から取り外した後、鍋を容易に取り外すことができる。
本発明の加熱調理器によれば、安定した湯切り動作が得られるとともに、鍋を取り出すことが容易で使い勝手がよい加熱調理器を提供することができる。
本発明の実施の形態1における加熱調理器の調理時の状態を示す全体断面図 (a)本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り時の状態を示す全体断面図(b)本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り時の状態を示す斜視図 (a)本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋を示す斜視図(b)本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋を示す断面図 本発明の実施の形態1における加熱調理器を示す分解斜視図 (a)本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器を示す斜視図(b)本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器を示す側面図(c)本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器を示す上面図 本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋及び湯切り容器の位置関係を示す断面図 (a)本発明の実施の形態1における加熱調理器の蓋体を示す斜視図(b)本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器及び蓋体の位置関係を示す断面図 本発明の実施の形態1における加熱調理器の一部切り欠き斜視図 本発明の実施の形態1における加熱調理器の加熱調理器本体の一部切り欠き斜視図 本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り時の状態を示す要部断面模式図 (a)本発明の実施の形態1における加熱調理器から湯切り容器を取除いた状態を示す斜視図(b)本発明の実施の形態1における加熱調理器から湯切り容器を取除いた状態を示す上面図 (a)本発明の実施の形態1における加熱調理器から湯切り容器と鍋を取除いた状態を示す斜視図(b)本発明の実施の形態1における加熱調理器から湯切り容器と鍋を取除いた状態を示す上面図 本発明の実施の形態1における加熱調理器の動作を説明するためのブロック図 従来の加熱調理器を示す模式図
第1の発明は、
加熱調理器本体と、
前記加熱調理器本体内に配置され鍋開口部を有する鍋と、
前記加熱調理器本体内に配置され前記鍋を加熱する加熱部と、
前記鍋内に配置可能であるとともに、側面及び底面にそれぞれ複数の孔を有する湯切り容器と、
前記加熱調理器本体に配置され前記湯切り容器の容器上部と当接して前記湯切り容器を前記鍋に対して昇降可能な可動部と、を備え、
前記可動部は、前記可動部が上昇した位置で前記鍋の前記鍋開口部における円周方向に、少なくとも対向する位置に配されるとともに、前記鍋を把持可能な開口部を有している、加熱調理器としたものである。
これにより、可動部が鍋の鍋開口部における円周方向の少なくとも対向する位置に配されているため、可動部の安定した動作が得られるとともに、開口部を有することにより、開口部から鍋を把持することができるため、鍋を取り外すことが容易である。
第2の発明は、特に、第1の発明において、湯切り容器は、容器上部に鍋の径方向外側に突出した容器拡大部を有し、可動部は、湯切り容器の容器拡大部と当接して湯切り容器を鍋に対して昇降可能としたものである。
これにより、湯切り容器と可動部にそれぞれ外部部材を設けることなく、可動部が容器拡大部を支持しながら湯切り容器を鍋に対して容易に昇降可能とすることができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、可動部は、可動部が上昇した位置で鍋の鍋開口部における円周方向に、少なくとも対向する位置を含む円弧状に配されるとともに、鍋を把持可能な開口部を有しているものである。
これにより、湯切り容器と可動部とが当接する面積を増やすことができるので、湯切り容器にかかる荷重を分散して可動部で支持できるため、より安定した可動部の動作が得られる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明において、可動部は、可動部が上昇した位置で鍋の鍋開口部における円周方向に半円周以上の円弧状に配されるとともに、湯切り容器の側面の径よりも小さな開口部間隔を有しているものである。
これにより、可動部が上昇した状態で湯切り容器に対して径方向に力がかかる場合でも、湯切り容器が可動部から外れるのを防止することができる。
以下、図面を参照しながら本発明の加熱調理器の好適な実施形態について詳細に説明す
る。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
本発明の加熱調理器の実施の形態1について、以下、図1〜図13を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の調理時の状態を示す全体断面図である。また、図2(a)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り時の状態を示す全体断面図であり、図2(b)は、同加熱調理器の湯切り時の状態を示す斜視図である。さらに、図3(a)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋を示す斜視図であり、図3(b)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋を示す断面図である。また、図4は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の分解斜視図である。また、図5(a)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器を示す斜視図であり、図5(b)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器を示す側面図であり、図5(c)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器を示す上面図である。また、図6は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の鍋及び湯切り容器の位置関係を示す断面図である。さらに、図7(a)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の蓋体を示す斜視図であり、図7(b)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り容器及び蓋体の位置関係を示す断面図である。また、図8は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の部分断面図である。さらに、図9は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の加熱調理器本体の一部切り欠き斜視図である。また、図10は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の湯切り時の状態を示す要部断面模式図である。図11(a)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器から湯切り容器を取除いた状態を示す斜視図であり、図11(b)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器から湯切り容器を取除いた状態を示す上面図である。図12(a)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器から湯切り容器と鍋を取除いた状態を示す斜視図であり、図12(b)は、本発明の実施の形態1における加熱調理器から湯切り容器と鍋を取除いた状態を示す上面図である。図13は、本発明の実施の形態1における加熱調理器の動作を説明するためのブロック図である。
図1と図4に示すように、本実施の形態における加熱調理器100は、外郭を形成する有底箱状の加熱調理器本体1と、加熱調理器本体1内に配置される鍋2と、鍋2内に配置される湯切り容器3と、湯切り容器3の容器開口部の上方を閉塞する蓋体4と、湯切り容器3の容器上部と当接する可動部5と、を有している。
図1と図2に示すように、加熱調理器本体1の内部には、鍋2が収容される鍋収納部1aが形成されている。ここで、鍋2は、加熱調理器本体1の鍋収納部1aに着脱自在に配置されている。
また、加熱調理器本体1の内部には、鍋2を加熱する加熱部6と、加熱部6の中央部に配置されており鍋2の温度を検知する温度検知部7と、が配置されている。ここで、加熱部6は、加熱調理器本体1の鍋収納部1aに配置された鍋2を加熱するように構成されていればよく、例えば、鍋2に接触し鍋2を直接加熱する電気抵抗式のヒータで構成されていてもよく、または、鍋2を誘導加熱する加熱コイルで構成されていてもよい。また、温度検知部7は、加熱調理器本体1の鍋収納部1aに配置された鍋2の温度を検知するよう構成されていればよく、例えば、サーミスタなど、鍋2に接触して鍋2の温度を測定する接触式の温度センサで構成されていてもよく、または、赤外線センサなど、鍋2に接触せずに鍋2の温度を測定する非接触式の温度センサで構成されていてもよい。なお、本実施の形態においては、加熱部6が電気抵抗式のヒータで構成されており、かつ、温度検知部7が接触式の温度センサで構成されている構成について説明する。
さらに、加熱調理器本体1の内部には、加熱調理器本体1に形成された鍋収納部1aの底面部を形成する保持部材8が配置されている。加熱部6及び温度検知部7は、加熱調理器本体1の内部に配置された保持部材8の上面に配置されており、保持部材8によって加熱調理器本体1の内部に保持されている。また、加熱部6及び温度検知部7は、加熱調理器本体1の鍋収納部1aに鍋2が配置された状態において、鍋2の底面に接触するように構成されている。すなわち、加熱部6の上面、及び、温度検知部7の上面は、鍋2の底面部の形状に沿うように形成されている。
図1〜図3に示すように、鍋2は、上方に鍋開口部9aを有する有底筒状の鍋本体9と、鍋本体9の上端部に形成されたフランジ部10と、で構成されている。フランジ部10は、鍋本体9の上端部から鍋本体9の外周に向かって延びる第1の延出部10aと、第1の延出部10aの外周端部から鍋2の上方に向かって延びる第2の延出部10bと、を有している。第2の延出部10bは、鍋本体9の上端部から鍋2の上方に向かうにつれてフランジ部10の径が徐々に拡大するように、傾斜して形成されている。
ここで、鍋2は、アルミニウムの板材を絞り加工して形成されており、鍋2の表面にアルマイト処理が施されていることが好ましい。この構成により、加熱部6から鍋2の表面に伝達された熱を鍋2自体の熱伝導によって鍋2の側面に伝えやすくすることができる。また、アルマイト処理を施すことで、鍋2が錆びることを十分に抑制することができる。
図1、図2、図4、及び図5に示すように、湯切り容器3は、上方に容器開口部11aを有する有底筒状の湯切り容器本体11と、湯切り容器本体11の上端部に形成された容器拡大部12と、で構成されている。
湯切り容器3の上部に位置する容器拡大部12には、使用者が湯切り容器3を持ち運ぶ際に保持する一対の容器把持部3aが配置されている。容器把持部3aは、フェノール樹脂などの熱伝導性の低い樹脂により形成されている。また、容器把持部3aは、容器把持部3aが湯切り容器3の容器拡大部12に取りつけられた状態において、容器把持部3aと容器拡大部12との間に空隙が形成されるよう、リベットなどによって容器拡大部12に固定された固定金具に取りつけられている。この構成により、容器拡大部12と容器把持部3aとが当接する面積を小さくすることができ、容器拡大部12から容器把持部3aへ熱が伝わるのを十分に抑制し、容器把持部3aの温度が上昇することを十分に抑制することができる。
また、湯切り容器3の底面には、湯切り容器3の底面から湯切り容器3の下方に向かって延びる複数の容器脚部3bが形成されている。使用者が湯切り容器3を流し台などの載置面に載置した際に、湯切り容器3の底面に形成された複数の容器脚部3bが載置面に当接することで、湯切り容器3が載置面上に保持される。
ここで、湯切り容器3は、食材を加熱調理する際に食材を保持するのに十分な強度を有し、使用者が持ち運び可能な重さであるように形成されていればよく、例えば、アルミニウムの板材を絞り加工してアルマイト処理を施して形成してもよく、または、予め複数の孔を開けたステンレスの板材を絞り加工して形成してもよい。なお、本実施の形態では、湯切り容器3は、アルミニウムの板材を絞り加工して形成されており、湯切り容器3の表面にアルマイト処理が施された場合について説明する。この構成により、湯切り容器3の重さを軽くすることができ、使用者が加熱調理器本体1から湯切り容器3を取り出す場合にも作業がしやすい。また、湯切り容器3の表面にアルマイト処理を施すことで、湯切り容器3が錆びるのを十分に抑制することができる。
図1、図2、図5等に示すように、湯切り容器本体11の側面及び底面には、複数の孔
13が形成されている。湯切り容器本体11の側面に形成された複数の孔13は、湯切り容器本体11の円周方向において、隣り合う孔13の間隔が所定の間隔となるとともに、湯切り容器本体11の高さ方向において、隣り合う孔13の間隔が所定の間隔となるように、規則的に形成されている。また、湯切り容器本体11の底面に形成された複数の孔13は、隣り合う孔13の間隔が所定の間隔となるように、規則的に形成されている。
また、湯切り容器本体11の底面に形成された複数の孔13は、米などの大きさが小さな調理物や麺などの細い調理物が湯切り容器3内に投入された際に、調理物が複数の孔13から湯切り容器3の外部に落ちることを十分に防止できる大きさで形成されていればよく、例えば、複数の孔13は、その孔径が1mm〜5mmの範囲内となるように設定されていることが好ましい。また、湯切り容器本体11の側面に形成された複数の孔13については、調理物が加熱されて吸水する過程で膨らんでいくため、湯切り容器本体11の底面に形成された複数の孔13よりは大きく設定することが可能であり、調理中に、調理物が湯切り容器本体11の側面に形成された複数の孔13から湯切り容器本体11の外部に落ちることがなければよい。
さらに、湯切り容器本体11の側面及び底面に形成された複数の孔13は、鍋2内に配置された湯切り容器3内に、調理物と、鍋2及び湯切り容器3内に収容できる最大量の水とが投入され、調理物の調理が行われた場合に、湯切り容器3内の調理物の湯切りが10秒〜60秒程度で完了できるように、複数の孔13の開口面積が設定されていることが好ましく、複数の孔13の孔径及び複数の孔13の開口面積に応じて、複数の孔13の数が設定されていることが好ましい。
また、湯切り容器本体11の側面に形成された複数の孔13は、孔13の孔径及び複数の孔13の開口面積に応じて、隣り合う孔13の間隔が設定されていることが好ましく、例えば、湯切り容器本体11の円周方向において、湯切り容器本体11の中心軸と湯切り容器本体11の円周方向に隣り合う2つの孔13とをそれぞれ直線で結んだ場合に、湯切り容器本体11の中心軸と湯切り容器本体11の円周方向に隣り合う2つの孔13とをそれぞれ結んだ2つの直線のなす角度が5°〜45°の範囲となるように設定されていることが好ましく、湯切り容器本体11の高さ方向において、隣り合う孔13の間隔が5mm〜50mmの範囲となるように設定されていることが好ましい。
なお、本実施の形態においては、湯切り容器本体11の円周方向において、湯切り容器本体11の中心軸と隣り合う2つの孔とをそれぞれ直線で結んで際に2つの直線がなす角度が10°となるとともに、湯切り容器本体11の高さ方向において、隣り合う孔13の間隔が10mmとなるように、湯切り容器本体11の全周に亘って規則的に複数の孔13が形成された構成について説明する。
また、本実施の形態においては、湯切り容器本体11の底面に形成された複数の孔13が千鳥配置となるように、湯切り容器本体11の底面の全体に亘って形成された構成について説明する。ここで、千鳥配置とは、孔間ピッチの半分の位置に交互に孔を並べた配置で、各孔間ピッチが同じになるようにした配置である。
図1、図2、図4、及び図5に示すように、湯切り容器3の上部には、容器拡大部12が形成されている。容器拡大部12は、湯切り容器本体11の上端部から湯切り容器本体11の外周方向に向かって延びる第3の延出部12aと、第3の延出部12aの外周端部から湯切り容器3の上方に向かって垂直に延びる第4の延出部12bと、を有している。第4の延出部12bの外周側には、一対の容器把持部3aが取り付けられている。
図3、図5、及び図6に示すように、湯切り容器本体11は、湯切り容器本体11の上
端部から底面までの径D3(以下、容器側面径と称す)が略同一の径を有するように構成されており、湯切り容器本体11は、容器側面径D3が鍋2の鍋開口部9aの径D1よりも小さくなるように構成されている。また、容器拡大部12は、容器拡大部12の第4の延出部12bの径D5が容器側面径D3よりも大きくなるように構成されている。
また、湯切り容器3は、加熱調理器本体1に鍋2と湯切り容器3が配置された状態において、湯切り容器本体11の底面と鍋2の底面との間に隙間C2が形成されるように、湯切り容器本体11の容器拡大部12の底面から湯切り容器本体11の底面までの高さ(以下、容器側面高さと称す)H1が設定されている。すなわち、湯切り容器3は、加熱調理器本体1に鍋2と湯切り容器3が配置された状態において、湯切り容器3の底面と鍋2の底面とが離間され、湯切り容器3の底面と鍋2の底面とが接触しないように、容器側面高さH1が鍋2の高さよりも小さくなるように形成されている。
なお、湯切り容器本体11の底面に容器脚部3bが形成されている場合には、容器脚部3bが鍋2に接触しないように湯切り容器3の容器側面高さH1及び容器脚部3bの高さが設定されていればよい。すなわち、容器脚部3bと鍋2の底面との間に隙間C2が形成されていればよい。この構成により、加熱部6によって鍋2が加熱された場合であっても、加熱部6の熱が鍋2を介して湯切り容器3の底面に伝わることを十分に防止することができる。
図1、図2、図8、図9、図10及び図13に示すように、加熱調理器本体1の内部には、湯切り容器3の容器拡大部12と当接して湯切り容器3を鍋2に対して昇降させる可動部5と、可動部5の可動指示を与える制御手段14とが設けられている。
また、図2、図10、図11及び図12に示すように、可動部5は、鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向に半円周以上の長さを持つ円弧状に形成された円弧部5bを有しており、加熱調理器本体1の前方に開口部5aを有している。可動部5の円弧部5bは、鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向の少なくとも対向する位置に配されていれば良く、図面に示すように、鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向に連続するように形成されても良いし、鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向に非連続に断続的に形成されていても良い。開口部5aは、鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向に半円周未満の長さを有するものである。
ここで、可動部5の円弧部5bの内径D7は、鍋2の最大外径D2よりも大きく、かつ湯切り容器3の容器拡大部12の径D5よりも小さくなるように構成されている。この構成により、使用者は、可動部5の上方または前方斜め上方から湯切り容器3を加熱調理器本体1に配置された鍋2内に配置することができる。このとき、可動部5の円弧部5bの上面に湯切り容器3の容器拡大部12を載置している。
図1、図2、図8、及び図9に示すように、加熱調理器本体1の底部の隅の離間した2箇所にシャフト15を有している。シャフト15は可動部5に挿入され、可動部5が、加熱調理器本体1の上下方向であるシャフト15の軸方向に直動可能に軸受部で軸示されている。
また、可動部5の内部の2箇所には円筒状のばねガイド5dを有しており、それぞれのばねガイド5dに支持ばね16の上部が内装され、ばねガイド5dと支持ばね16の上部とは固定され、支持ばね16によって可動部5を下方から支持している。また、支持ばね16の下部は、加熱調理器本体1の底部に設けられたばねリブ1bに挿入されており、支持ばね16の内外をばねリブ1bとばねガイド5dとで規制している。ここで、支持ばね16は、自然長(全く荷重が支持ばね16にかかっていない時の支持ばね16の長さ)か
ら、荷重をかけて支持ばね16を圧縮すると、圧縮した長さに応じて支持ばね16を戻そうとするばねの反発力(以下、ばね力と称す)が発生する圧縮コイルばねで形成されている。また、支持ばね16は、可動部5が上昇した位置で、可動部5と、湯切り容器3と、湯切り容器3に収納された調理物と、蓋体4のそれぞれの荷重を加えた全荷重以上のばね力が発生するように支持ばね16の圧縮量を調整している。この構成により、可動部5は、支持ばね16のばね力を利用して鍋2に対して湯切り容器3を上昇させることができる。
なお、本実施の形態において、可動部5を上下方向に直動可能とする構成は、加熱調理器本体1内に上下方向に固定された一対のシャフト15に、シャフト15の軸方向に直動可能なリニアブッシュを嵌合固定した可動部5を挿入することで、可動部5を加熱調理器の上下方向に可動する構成でもよい。また、加熱調理器本体1と可動部5とを直動可能なレールで連結することで、可動部5の可動できる方向を加熱調理器本体1の上下方向に規制することで、可動部5を加熱調理器本体1の上下方向に可動する構成にすることもできる。
さらに、可動部5は、加熱調理器本体1の内部において、加熱調理器本体1の底部に固定されたダンパー17に連結されている。ここで、ダンパー17は、伸縮式のオイルダンパーで形成されており、可動部5が下降した位置においてダンパー17は縮んだ状態であり、可動部5が上昇してダンパー17が伸長する際に油の粘性によって減衰力が発生するように構成されている。この構成により、可動部5が支持ばね16のばね力で上昇する際に、可動部5が急速に上昇することで湯切り容器3や蓋体4が上方へ飛び出すのを防止することができる。
また、可動部5は、可動部5の下部に段差部5f有しており、可動部5が下降した位置で、加熱調理器本体1の内部に設けられたフック部18が段差部5fに係合する構成を有している。ここで、フック部18は、フック本体18aと、フック本体18aに挿入されフック本体18aの回動支点となるフックピン18bと、で構成され、フックピン18bは加熱調理器本体1に固定されており、フック本体18aはフックピン18bを軸にして回転可能となっている。
また、図13に示すように、制御手段14は、フック本体18aの下部に当接してフック本体18aの下部を加熱調理器本体1の後方に押すことができるフック解除部19と、フック解除部19に固定されたワイヤーロープ20と、ワイヤーロープ20を所定のタイミングで巻き取るモータ21と、加熱調理器本体1内に収納されモータ21を駆動する制御部と、加熱調理器本体1の外面に配置されたタイマー22と、で構成されている。制御部は、タイマー22の時間設定に応じて、加熱部6への通電のオン及びオフが自動的に切り替えるようになっており、使用者がタイマー22で調理物に応じて所定時間を設定すると、自動的に加熱部6への通電がオン状態に切り替わり、加熱部6による鍋2の加熱を開始する。その後、タイマー22で設定された時間が経過すると、自動的に加熱部6への通電がオフ状態に切り替わり、モータ21が駆動される。モータ21は、予め制御部にプログラムされている時間だけ駆動してワイヤーロープ20を巻き取り、その後、同時間だけ先ほどと逆方向にモータ21が回転し、巻き取られたワイヤーロープ20が元の状態に戻る。なお、モータ21はワイヤーロープ20を巻き取ってフック解除するのに必要なトルクよりも大きなトルクで駆動できるように構成されており、本実施の形態においては、モータ21の回転軸にギヤを接続することにより、高トルクで駆動できるギヤードモータで構成されている。また、ワイヤーロープ20を巻き取る時間は、ワイヤーロープ20の張力により加熱調理器本体1の後方へ引っ張られるフック解除部19がフック解除部19と当接するフック本体18aの下部を押すことでフック本体18aが可動部5の下部に設けられた段差部5fから確実に外れるのに必要な時間に設定されている。
以上のように構成された加熱調理器100について、以下その動作、作用を説明する。使用者が加熱調理器100を用いて調理物の調理を行う場合、すなわち、加熱調理器100を用いて調理物を茹で、その後、調理物の湯切りを行う場合、まず使用者は、加熱調理器100の鍋収納部1aに鍋2を配置し、可動部5を可動部5が上昇した位置から下降した位置まで下げる。可動部5を下げるには、使用者は可動部5の上部に手を当てて、加熱調理器本体1の下方向へ可動部5を押して下げる。
このとき、可動部5の円弧部5bの内径D7は、鍋2の最大外径D2よりも大きくなっているので、可動部5と鍋2とが干渉すること、また、可動部5が上昇する際に鍋2を持ち上げてしまうこともない。また、可動部5は、加熱調理器本体1の前方に鍋2を把持可能な開口部5aを有しているので、使用者は開口部5aに対応する鍋2の部分を把持して、可動部5の位置に関係なく鍋2を容易に鍋収納部1aに配置すること、また、鍋2を鍋収納部1aから取り出すことができる。
加熱調理器本体1に鍋2を配置して可動部5を下降した位置まで下げたあと、使用者は、鍋2の鍋開口部9aに湯切り容器3を挿入し、湯切り容器3の容器拡大部12を可動部5の上面に当接させ、湯切り容器3を加熱調理器本体1に配置する。
このとき、本実施の形態において、湯切り容器3は、湯切り容器本体11の容器側面径D3が鍋2の鍋開口部9aの径D1よりも小さくなるように構成されているため、使用者は、湯切り容器本体11を鍋2の鍋開口部9a内に容易に挿入することができる。
また、本実施の形態において、湯切り容器3は、容器拡大部12の径D5が可動部5の円弧部5bの内径D7よりも大きくなるように構成されているため、使用者は、湯切り容器本体11を鍋2の鍋開口部9aに挿入し、容器拡大部12を可動部5の上面に当接させるだけで、湯切り容器本体11が鍋2内に位置した状態で、湯切り容器3を可動部5の上面に確実に保持させることができる。
加熱調理器本体1に、鍋2及び湯切り容器3が配置された状態で、使用者は、湯切り容器3の容器開口部11aから調理物及び調理物を調理するために必要な水を湯切り容器3内に投入する。
このとき、本実施の形態においては、湯切り容器本体11の側面に形成された複数の孔13のうちの少なくとも1つの孔13が湯切り容器3内に投入される調理物の種類や量に応じて、調理物を調理するために予め設定されている水の量に対応する位置に形成されているため、使用者は、複数の孔13のうち、調理物を調理するために予め設定されている水の量に対応する位置に形成されている孔13の位置に合わせて湯切り容器3内に水を投入するだけで、調理物の調理に必要な水の量を湯切り容器3内に投入することができる。そのため、加熱調理器の使い勝手を向上させることができる。
使用者により、湯切り容器3内に調理物及び水が投入されると、湯切り容器3内に投入された調理物及び水のうち、水のみが湯切り容器本体11の側面及び底面に形成された複数の孔13から鍋2へと流出するとともに、調理物は湯切り容器3内に投入された水に浸かった状態で湯切り容器3内に保持されることになる。すなわち、湯切り容器本体11の側面と鍋2の側面との間に形成された隙間C1及び、湯切り容器本体11の底面と鍋2の底面との間に形成された隙間C2には、湯切り容器3の容器開口部11aから投入された水が存在することになる。
加熱調理器本体1に、鍋2及び湯切り容器3を配置し、湯切り容器3内に調理物及び水
を投入したあと、使用者は、湯切り容器3の上部を蓋体4により閉塞する。
このとき、本実施の形態において、蓋体4は、図7に示すように、蓋体4本体の外周端部の径D6が湯切り容器3の容器側面径D3よりも大きく、かつ容器拡大部12の径D4よりも小さくなるように構成されている。この構成により、使用者は、湯切り容器3の容器拡大部12の内部に蓋体4を配置するだけで、湯切り容器3の上部の容器開口部11aを蓋体4により容易に閉塞することができるとともに、蓋体4を湯切り容器3の容器拡大部12に確実に保持させることができる。
加熱調理器本体1に、鍋2及び湯切り容器3を配置し、湯切り容器3内に調理物及び水を投入し、湯切り容器3の上部に蓋体4を配置したあと、使用者は、湯切り容器3内に投入した調理物を調理するために必要な加熱時間を、調理物の種類や量に応じて、加熱調理器本体1に配置されたタイマー22を操作して必要な時間に設定し、調理を開始する。使用者によりタイマー22で時間が設定されると、加熱部6への通電が開始され、加熱部6によって鍋2が加熱される。加熱部6によって鍋2の加熱が開始されると、鍋2内の水の温度が徐々に上昇する。そして、加熱部6によって鍋2の加熱が開始されたあと所定時間が経過すると、鍋2内の水が沸騰状態に至る。鍋2内の水が沸騰することによって発生した気泡と鍋2近傍の高温状態にある沸騰水が湯切り容器3内に流入することによって、湯切り容器3内の水の対流が促進されることになる。
このとき、本実施の形態においては、加熱調理器本体1に鍋2及び湯切り容器3が配置された状態において、湯切り容器本体11の側面と鍋2の側面との間に第一の間隔である隙間C1が形成されているとともに、湯切り容器本体11の底面と鍋2の底面との間に隙間C2が形成されているため、鍋2内において、加熱部6によって加熱される鍋2と調理物を収容される湯切り容器本体11とが接触することを防止することができ、加熱部6の熱が鍋2を介して直接湯切り容器3へと伝わり、湯切り容器3が局所的に加熱されることを十分に防止することができる。よって、湯切り容器3内の調理物を均一に加熱することができ、湯切り容器3内の調理物に調理の斑が生じることを十分に防止することができる。
また、本実施の形態においては、湯切り容器本体11の側面及び底面にそれぞれ複数の孔13が形成されているとともに、湯切り容器3内に調理物及び調理物を調理するために必要な量の水が投入された状態において、湯切り容器本体11の側面と鍋2の側面との間に形成された第一の間隔である隙間C1、及び、湯切り容器本体11の底面と鍋2の底面との間に形成された隙間C2には、湯切り容器3の容器開口部11aから投入された水が存在しているため、加熱部6によって鍋2が加熱され、鍋2内の水が沸騰することによって発生した気泡及び沸騰水を湯切り容器3の側面及び底面に形成された複数の孔13から湯切り容器3内へと流入させることができるとともに、湯切り容器3の側面及び底面に形成された複数の孔13から湯切り容器3内に流入した気泡と鍋2近傍の高温状態にある沸騰水の流れによって、湯切り容器3内の水を十分に対流させることができる。よって、湯切り容器3内の全周に亘って、湯切り容器3内の水に湯切り容器3内の調理物を加熱するための対流を均一に生じさせることができ、湯切り容器3内の調理物を均一に加熱することができるため、湯切り容器3内の調理物に調理の斑が生じることを十分に防止することができる。
湯切り容器3内に投入された調理物の調理が完了した場合、すなわち、湯切り容器3内に投入された調理物が茹でられ、使用者が予め加熱調理器本体1に配置されたタイマー22で設定した調理物を調理するのに必要な時間が経過したあと、加熱調理器本体1内に収納された制御部が加熱部6への通電を切断して加熱部6がオフ状態になり、加熱部6による鍋2の加熱が終了する。加熱部6がオフ状態になると、加熱調理器本体1内に配置され
たモータ21が駆動してワイヤーロープ20の巻き取りを開始する。ワイヤーロープ20が巻き取られると、ワイヤーロープ20に連結されたフック解除部19が加熱調理器本体1の後方に引っ張られるようになり、フック解除部19と当接するフック本体18aの下部を加熱調理器本体1の後方へ押す動作を行う。
このとき、本実施の形態において、フック本体18aはフックピン18bを軸として回転動作できるように構成されているので、フック本体18aの下部が加熱調理器本体1の後方へ動くと、フックピン18bを軸にしてフック本体18aが回転し、すなわちフック本体18aの上部はフック本体18aの下部と逆に加熱調理器本体1の前方へ動くことになる。この構成により、可動部5の下部に設けられた段差部5fからフック本体18aの係合が外れ、可動部5を加熱調理器本体1の下方から支持する支持ばね16のばね力によって可動部5は可動部5が下降した図1の位置から可動部5が上昇した図2の位置まで上昇する。可動部5の段差部5fからフック本体18aの係合が外れて可動部5が上昇する際において、可動部5は、調理物を収納した湯切り容器3と、湯切り容器3の容器開口部11aを閉塞する蓋体4と、を可動部5の上部で支持し鍋2に対して湯切り容器3と蓋体4を上昇させる。
湯切り容器3内に投入された調理物の調理が完了し加熱部6がオフ状態になったあと、モータ21が駆動してワイヤーロープ20を巻き取り可動部5からフック本体18aの係合が外れ、可動部5が湯切り容器3と蓋体4を鍋2に対して上昇すると、湯切り容器3の側面及び底面に形成された複数の孔13から湯切り容器3内の水、すなわち、茹で汁が湯切り容器3の外部へと排出される。湯切り容器本体11の側面及び底面に形成された複数の孔13から湯切り容器3の外部へと排出された水は、湯切り容器3の下方に配置された鍋2内へと流出し、湯切り容器3内には、調理が完了した調理物のみが残る。これにより、調理物の調理を完了する。
そのあと、使用者は、可動部5が上昇した位置にある状態において、湯切り容器3の容器開口部11aを閉塞している蓋体4を取り外し、湯切り容器3内の調理物を取り出すことが可能である。また、使用者は、湯切り容器3の上部に配置されている一対の容器把持部3aを保持し、湯切り容器3を可動部5の上部から別の場所(例えば、食卓など)へ持ち運んだあと、蓋体4を湯切り容器3から取り外して湯切り容器3内の調理物を取り出すことも可能である。
以上のように、本実施の形態の加熱調理器100は、加熱調理器本体1と、加熱調理器本体1内に配置され鍋開口部9aを有する鍋2と、加熱調理器本体1内に配置され鍋2を加熱する加熱部6と、鍋2内に配置可能であるとともに、側面及び底面にそれぞれ複数の孔13を有する湯切り容器3と、加熱調理器本体1に配置され湯切り容器3の容器上部の容器拡大部12と当接して湯切り容器3を鍋2に対して昇降可能な可動部5と、を備え、可動部5は、可動部5が上昇した位置で鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向の少なくとも対向する位置に配されるとともに、鍋2を把持可能な開口部5aを有している。
これにより、可動部5が鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向の少なくとも対向する位置に配されているため、可動部5の安定した動作が得られるとともに、開口部5aを有することにより、開口部5aから鍋2を把持することができるため、鍋2を取り外すことが容易である。
また、加熱調理器本体1に鍋2及び湯切り容器3が配置された状態において、可動部5の上部と湯切り容器3の容器拡大部12の下面が当接している。すなわち、湯切り容器3は可動部5の上部に保持されている。そのため、湯切り容器3と、湯切り容器3に収容される調理物と、蓋体4との、全ての荷重が可動部5の上部に均一にかかるようになり、可
動部5が湯切り容器3を確実に保持できるため、安定した湯切り動作を得ることができる。
また、本実施の形態の加熱調理器100の湯切り容器3は、容器上部に鍋2の径方向外側に突出した容器拡大部12を有し、可動部5は、湯切り容器3の容器拡大部12と当接して湯切り容器3を鍋2に対して昇降可能としたものである。
これにより、湯切り容器3と可動部5にそれぞれ外部部材を設けることなく、可動部5が容器拡大部12を支持しながら湯切り容器3を鍋2に対して容易に昇降可能とすることができる。
また、本実施の形態の加熱調理器100の可動部5は、可動部5が上昇した位置で鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向の少なくとも対向する位置を含む円弧状の円弧部5bに配されるとともに、鍋2を把持可能な開口部5aを有している。
これにより、湯切り容器3と可動部5とが当接する面積を増やすことができるので、湯切り容器3にかかる荷重を分散して可動部5で支持できるため、より安定した可動部5の動作が得られる。
また、本実施の形態の加熱調理器100の可動部5は、可動部5が上昇した位置で鍋2の鍋開口部9aにおける円周方向に半円周以上の円弧状の円弧部5bに配されるとともに、湯切り容器3の容器側面径D3よりも小さな開口部5a間隔を有しているものである。
これにより、可動部5が上昇した状態で湯切り容器3に対して径方向に力がかかる場合でも、湯切り容器3が可動部5から外れるのを防止することができる。より具体的には、可動部5が昇降する場合において、湯切り容器3が傾いて開口部5aから加熱調理器本体1の外部へ落下することを防止することができる。
なお、本実施の形態においては、可動部5は、可動部5が下降した位置で湯切り容器3と当接する構成で説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、可動部5が下降した位置において、湯切り容器3の容器拡大部12の下面が鍋2の上面に当接する構成にしてもよい。すなわち、可動部5が下降した位置において、湯切り容器3を保持するのは可動部5でも鍋2でもよく、調理物の調理が完了したあと、可動部5が鍋2に対して上昇する際に、可動部5が保持できるように構成されていればよい。
また、本実施の形態において、湯切り容器3の容器把持部3aは熱伝導性の低い樹脂で形成されているため、湯切り容器3から容器把持部3aへの熱伝導を抑制することができ、容器把持部3aが熱くなることを十分に防止することができる。そのため、調理物の調理が完了し、調理物を加熱調理器本体1から移動させるために、使用者が容器把持部3aを保持した場合であっても、使用者が火傷してしまうことを十分に防止することができ、湯切りした後も安全に取り扱える加熱調理器100を提供することができる。
さらに、本実施の形態においては、湯切り容器本体11の側面及び底面に形成された複数の孔13から湯切り容器3の外部へと排出された水は、湯切り容器3の下方に配置された鍋2内へと流出し、鍋2内に貯められるように構成されているため、例えば、パスタの茹で汁を使用してパスタソースを作るなど、調理物を茹でたあと、調理物の茹で汁を別の調理に使用する場合であっても、湯切り容器3の容器把持部3aを保持して湯切り容器3を加熱調理器から取り外して別の場所へと持ち運び、鍋2内に貯められた調理物の茹で汁を別の調理に使用することができ、加熱調理器100の使い勝手を向上することができる。
また、上述した実施の形態1においては、湯切り容器本体11の底面に複数の孔13を千鳥配置した構成について説明したが、湯切り容器本体11の底面に形成された複数の孔13は、所定の開口面積が確保されていればよく、例えば、湯切り容器本体11の底面にm列及びn行を有するよう並列に配置されていてもよく、湯切り容器本体11の底面に万遍なく均一に配置されていてもよい。
また、上述した実施の形態1においては、可動部5は加熱調理器本体1の下方から可動部5を支持する支持ばね16と、加熱調理器本体1内に上下方向に配設された一対のシャフト15とで加熱調理器本体1の上下方向に直動できる構成について説明したが、可動部5は加熱調理器本体1に対して上下方向に安定して直動できるようになっていればよく、例えば、加熱調理器本体1内に配置されたモータ21に連結し、ねじ状の溝が形成され加熱調理器本体1の上下方向に配設されたねじシャフト15に、可動部5が軸受を介して挿入され、モータ21がねじシャフト15を回転することによって可動部5を加熱調理器本体1の上下方向に直動する構成でもよい。すなわち、可動部5は加熱調理器本体1の上下方向に安定して直動できるように構成されていればよく、可動部5を上昇させる力は、可動部5と、湯切り容器3と、湯切り容器3に収容される調理物と、湯切り容器3の容器開口部を閉塞する蓋体4と、湯切り容器3内の水が湯切り容器3の外部へと流出する際の抵抗力と、を足し合わせた全荷重よりも大きく設定されていればよい。
本発明の加熱調理器によれば、安定した湯切り動作が得られるとともに、鍋を取り出すことが容易で使い勝手がよい加熱調理器を提供することが可能となるので、家庭用及び業務用の加熱調理器の分野・用途に好適に適用することができる。
1 加熱調理器本体
1a 鍋収納部
1b ばねリブ
2 鍋
3 湯切り容器
3a 容器把持部
3b 容器脚部
4 蓋体
5 可動部
5a 開口部
5b 円弧部
5d ばねガイド
5f 段差部
6 加熱部
7 温度検知部
8 保持部材
9 鍋本体
9a 鍋開口部
10 フランジ部
10a 第1の延出部
10b 第2の延出部
11 湯切り容器本体
11a 容器開口部
12 容器拡大部
12a 第3の延出部
12b 第4の延出部
13 複数の孔
14 制御手段
15 シャフト
16 支持ばね
17 ダンパー
18 フック部
18a フック本体
18b フックピン
19 フック解除部
20 ワイヤーロープ
21 モータ
22 タイマー
100 加熱調理器

Claims (4)

  1. 加熱調理器本体と、
    前記加熱調理器本体内に配置され鍋開口部を有する鍋と、
    前記加熱調理器本体内に配置され前記鍋を加熱する加熱部と、
    前記鍋内に配置可能であるとともに、側面及び底面にそれぞれ複数の孔を有する湯切り容器と、
    前記加熱調理器本体に配置され前記湯切り容器の容器上部と当接して前記湯切り容器を前記鍋に対して昇降可能な可動部と、を備え、
    前記可動部は、前記可動部が上昇した位置で前記鍋の前記鍋開口部における円周方向に、少なくとも対向する位置に配されるとともに、前記鍋を把持可能な開口部を有している、加熱調理器。
  2. 前記湯切り容器は、容器上部に前記鍋の径方向外側に突出した容器拡大部を有し、
    前記可動部は、前記湯切り容器の前記容器拡大部と当接して前記湯切り容器を前記鍋に対して昇降可能とする請求項1に記載の加熱調理器。
  3. 前記可動部は、前記可動部が上昇した位置で前記鍋の前記鍋開口部における円周方向に、少なくとも対向する位置を含む円弧状に配されるとともに、前記鍋を把持可能な開口部を有している請求項1または2に記載の加熱調理器。
  4. 前記可動部は、前記可動部が上昇した位置で前記鍋の前記鍋開口部における円周方向に半円周以上の円弧状に配されるとともに、前記湯切り容器の側面の径よりも小さな開口部間隔を有している請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
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