JP6890223B2 - 帯電繊維及び帯電繊維の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、空気清浄機などに組み込まれるエアフィルタ用ろ材を構成する繊維及び繊維の製造方法に関する。
従来から帯電処理を施した繊維から構成されるエレクトレットフィルタが空気清浄機などの集塵フィルタとして利用されている。エレクトレットフィルタは、繊維を陽極または陰極に帯電させることで、対極に帯電された粉塵を静電気力によって引き寄せ、集塵するものであり、フィルタの通気抵抗を下げることができる。しかし、エレクトレット化された繊維は、空気中に含まれる水分や油分、様々な粒子状物質を捕集することで経時的に帯電を失い、捕集力が低下する。この課題を解決するために、繊維の帯電力を強めたり、帯電の消失を抑制する提案が為されている。(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−218211号公報
上記従来例においては、高分子または無機物からなる不織布の表面に、シリコーン系またはフッ素系樹脂からなる樹脂層を浸漬または噴霧化によってコーティングし、更にこれにコロナ放電によって帯電させることにより寿命を向上させたものである。
しかし、上記従来例は、コーティングと帯電を別途実施する必要があり、工程が多くなるために製造コストが高くなってしまう。また、コーティング層が外気に対して露出しているため、外気中の水分や汚れによって帯電が失われ易く、汚染度の高い環境においては長期間連続で使用ができないという課題があった。
本発明は、上記課題を解決するものであり、汚染度の高い環境中においても帯電性を維持できるエレクトレットフィルタを低い製造コストで実現することを目的とするものである。
そしてこの目的を達成するために本発明は、繊維径100〜2000nmの極細繊維から成る芯部と、部の全体を覆うように被覆された鞘部によって構成された芯鞘構造を有する帯電繊維であって、部は、体積抵抗率が1016〜1017Ωcmの範囲で、且つ、誘電正接が0.001以下の無極性ポリマーから成り、鞘部は、比誘電率が3以上である有極性ポリマーから成ることを特徴とするものである。そして、帯電繊維の製造方法は、芯鞘構造を形成するための二重ノズルを備えた静電紡糸装置で静電紡糸することによっ
て極細繊維を形成するものであり、無極性ポリマーと極性ポリマーは溶媒に溶かした溶液を電解紡糸することを特徴とするもので、これにより目的を達成するものである。
以上のように本発明は、静電紡糸時に印加された高電圧と、溶媒が気化するときに与えられる電荷によって、芯部の無極性ポリマーに電荷が注入され、永久双極子が形成されることで無極性ポリマーは永久帯電する。同時に、二重ノズルの外周部から紡糸された極性ポリマーが、芯部の無極性ポリマーを被覆するように鞘部として形成される。この時、芯部の無極性ポリマーの永久双極子によって生じる静電によって、鞘部の極性ポリマーが分極することで、鞘部の表面は見かけ上帯電し、捕集性能を発揮することができる。また、帯電した芯部の繊維径が100〜2000nmの極細繊維であるため、繊維間距離が狭まることで粒子への静電気力が高まり、捕集性能を高めることができる。
た、帯電している芯部が鞘部によって被覆されているので、汚れや水分によって芯部の帯電が消失することがなく、劣悪な環境においても長期に亘り性能を維持することができる。また、紡糸と同時に帯電が完了するために別途帯電工程を設ける必要がなく、製造コストを低減できる。
なわち、本発明によると、繊維を紡糸する過程において繊維を帯電させ、尚且つその帯電を長期に亘り保持することができるため、別途帯電処理を施す必要なく、捕集性能の高いエアフィルタを得ることができる。
実施の形態1における帯電繊維を用いたろ材の概略断面図 実施の形態1における芯鞘構造を持つ帯電繊維の概略図 同帯電繊維の帯電状態を表した概略断面図 同帯電繊維の製造方法を示す概略図
本発明に係る帯電繊維は、繊維径100〜2000nmの極細繊維から成る芯部と、部の全体を覆うように被覆された鞘部によって構成された芯鞘構造を有する帯電繊維であって、部は、体積抵抗率が1016〜1017Ωcmの範囲で、且つ、誘電正接が0.001以下の無極性ポリマーから成り、鞘部は、比誘電率が3以上である有極性ポリマーから成ることを特徴とする。これにより帯電した芯部の永久双極子によって、鞘部の極性ポリマーが分極するので、芯部の帯電が繊維表層に伝わり易くなり、帯電捕集性能を発揮することができる。また、芯部の無極性ポリマーは鞘部に被覆されているので、汚れや水分によって帯電が消失することがなく、劣悪な環境においても長期に亘り性能を維持することができる。
また、本発明に係る帯電繊維は、極性ポリマーの少なくとも一部がポリスチレンから成ることを特徴とするものである。これにより帯電したポリスチレンの永久双極子によって、鞘部の極性ポリマーが分極するので、ポリスチレンの帯電が繊維表層に伝わり易くなり、帯電捕集性能を発揮することができる。また、ポリスチレンは鞘部に被覆されているので、汚れや水分によって帯電が消失することがなく、劣悪な環境においても長期に亘り性能を維持することができる。
また、本発明に係る帯電繊維の製造方法は、芯鞘構造を形成するための二重ノズルを備えた静電紡糸装置で静電紡糸することによって極細繊維を形成するものであり、無極性ポリマーと有極性ポリマーは溶媒に溶かした溶液状態で電解紡糸することを特徴とするものである。これにより、紡糸と同時に帯電が完了するために別途帯電工程を設ける必要がなく、製造コストを低減できる。また、芯部の無極性ポリマーは鞘部に被覆されているので、汚れや水分によって帯電が消失することがなく、劣悪な環境においても長期に亘り性能を維持することができる。
また、本発明に係る帯電繊維の製造方法は、極性ポリマーを溶解する溶媒が非プロトン性の極性溶媒であることを特徴とするものである。これにより紡糸時に極性溶媒が乾燥する際に繊維に電荷を与え、永久帯電しやすくなる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。実施の形態として本発明の帯電繊維を用いたろ材及びその製造方法を例として示すが、なんら本例に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1に示すように、ろ材1は、基材2と帯電繊維3が積層された集塵層4と、カバー材5とを有する。
材2は、集塵層4を支持する支持体となる部材である。基材2は、スパンボンド法、乾式または湿式法、メルトブローン法、スパンボンド法、エアレイド法などにより製造されたパルプ繊維、樹脂繊維、炭素繊維および無機繊維、またはそれらの少なくとも1つを含んでいる不織布や、樹脂フィルムを割繊・延伸し、積層した不織布、あるいはそれらを貼り合わせて複合化したものから構成される。
基材2の材質、形状、長さについては特に限定されないが、ろ材1の剛性が低すぎるとプリーツ加工が困難になり、生産性が低下するので、プリーツ加工に耐えられる程度の剛性があれば良く、例えばガラス繊維やセルロース繊維、PET繊維などが好ましい。
カバー材5は、帯電繊維3を含んだ集塵層4が、生産時やフィルタ加工時に帯電による毛羽立ちや破損を防ぐことを目的に用いており、基材2と同様に不織布状のものを選べば良いが、カバー材はあくまで集塵層を保護するためのものであるため、剛性は不問であり、必要に応じて材質や厚みを選んで用いればよい。
次に集塵層4を形成する帯電繊維3について図2及び図3を用いて説明する。帯電繊維3は芯部6を形成する繊維の周囲全体が鞘部7で覆われている芯鞘構造をとっており、繊維自体が後述する紡糸工程を経ることによって芯部6は帯電している。
帯電繊維3の平均繊維径は100〜2000nmであり、ナノオーダーに限りなく近く、一般的なろ材を構成する繊維よりも細いことが特徴である。繊維径が100nmより細いと、芯鞘構造を形成することが困難となる。また、自己支持性が弱く、破損しやすいので好ましくない。一方、繊維径が2000nmより太いと、繊維自体の空気抵抗による圧力損失が大きくなる。また、繊維間で形成される細孔が大きくなり、細孔の静電気力が弱くなるので好ましくない。より好ましくは300〜1500nmである。
これにより、繊維間で形成される細孔を小さくできるので、さえぎりや拡散などの機械的捕集による捕集効率を向上することができる。さらに、帯電繊維3の繊維間距離が小さくなることで、静電強度が強くなり、静電気力による捕集効率を向上することができる。結果として、より捕集効率を向上することができる。また、繊維径を細くすることで、帯電繊維3近傍における空気流れの変化を小さくできるので、乱流を抑制でき、圧力損失を低減することができる。
また、繊維径を細くすることで、曲率が大きくなり、帯電繊維3表面の電荷密度が増加し、静電気力が強くなるので、帯電繊維3近傍の粉塵粒子を吸引しやすくなる。結果、捕集効率を向上することができる。
ここでの繊維径は、ほぼ正規分布となり、繊維径の数値は、中心径の数値で標準偏差のばらつきを含んだ数値である。
本実施の形態の最大の特徴は、帯電繊維3を形成する芯部6と鞘部7はそれぞれの繊維の材質が異なっており、芯部6は、体積抵抗率が1016〜1017Ωcmの範囲で、且つ、誘電正接が0.001以下の無極性ポリマーであり、鞘部7は比誘電率が3以上である極性ポリマーにしたことである。繊維の体積抵抗率はASTM D257(米国試験材料協会策定の規格)に、誘電正接及び比誘電率はASTM D150(米国試験材料協会
策定の規格)に準じて測定することで求められる。
芯部6の体積抵抗率が1016Ωcmより低いと、繊維の帯電が不十分で捕集効率が低くなる。また、誘電正接が0.001より大きいと、電荷の安定性が悪くなり、捕集効率が低下しやすくなる。これにより、繊維に多くの電荷を保持できるので、高い静電強度を有することにより、捕集効率を向上することができる。さらに、電荷を安定に保持できるので帯電を長期間に渡って維持できるという効果を奏する。
芯部6を形成する無極性ポリマーの材質として例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニルエーテル(PPE)、ポリフェニレンオキシド(PPO)、ポリフェニルスルホン(PPSU)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)、エチレン−テトラフルオロエチレンコポリマー(ETFE)、パーフルオロエチレン−ポロペンコポリマー(FEP)、エチレン−クロロトリフルオロエチレンコポリマー(ECTFE)などやそれらの混合物を用いることができる。
鞘部7を形成する極性ポリマーの比誘電率が3より小さいと、外部電界(本実施例では芯部の帯電によって発生する電界を指す)による誘電分極が起こりにくくなり、繊維の帯電による捕集効率が低くなる。極性ポリマーの比誘電率を3以上にすることで、芯部6の帯電が鞘部7の繊維表層に伝わり易くなり、帯電捕集性能を発揮することができる。加えて、芯部6の無極性ポリマーは全体的に鞘部7に被覆されているので、汚れや水分によって芯部6の帯電が消失することがなく、劣悪な環境においても長期に亘り性能を維持することができる。
鞘部7を形成する極性ポリマーの材質としては、ナイロン、ポリアセタール、ポリフッ化ビニリデン、フェノール樹脂、アクリルニトリル樹脂、ポリウレタン、尿素樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、フェノール樹脂、ポリメチルアクリレートなどや、それらの混合物を用いることができる。
尚、本発明において、芯部6の材質としてはポリスチレンが最も好ましい。その理由を以下記載する帯電繊維の製造方法から明らかにする。
一般的にエレクトレットフィルタには体積抵抗率の高いPPなどのポリオレフィン系樹脂やPTFEなどのフッ素系樹脂が用いられる。これらの樹脂は溶剤にほとんど溶けないため、メルトブローと呼ばれる熱で溶かした樹脂を紡糸ノズルから噴射して繊維を形成する溶融紡糸によって不織布を成形する。そして、メルトブローで作られた不織布をエレクトレット化するには、紡糸した後工程で帯電処理を施す必要がある。
すなわち、芯鞘構造の繊維をエレクトレット化するには、帯電処理前に芯鞘構造の繊維を準備しておく必要がある。なぜなら、芯部を帯電処理した後にコーティングなどによって鞘部で被覆することは、被覆時に帯電が落ちてしまう可能性が高く現実的には困難である。
つまり、芯鞘構造の芯部を帯電させるには、芯鞘構造が形成される前に芯部を帯電しておくことが必要だということがわかる。それを実現するために、本発明においては静電紡糸法で芯鞘構造の繊維を形成し、紡糸と同時に芯部を帯電させることとした。
以下、図4を用いて静電紡糸法による帯電繊維の製造方法について説明する。本実施の形態における帯電繊維製造方法は、芯用ノズル8と鞘用ノズル9が同心円状に配置された二重ノズル14と、紡糸された帯電繊維3を受け止めるコレクタ13と、高電圧電源11とを備えた静電紡糸装置10によって芯鞘構造を持つ帯電繊維3を製造するものである。
静電紡糸法は、二重ノズル14と樹脂材料を溶媒に溶解させて得られる樹脂溶液15との間に高電圧電源11による高電圧を印加することで、二重ノズル14の先端付近の液滴12が帯電し、同極性の電荷による静電反発力が液滴の表面張力を上回ると、樹脂溶液15がアース処理を施されたコレクタ13に向かって噴出され細繊維を形成する方法である。
この方法によって、紡糸時に高電界による電荷注入が促進し、細繊維集合体に多くの電荷を付与することができる。樹脂溶液15の原料は、芯用ノズル8に導入されるものには無極性ポリマーを溶媒に溶かしたもの、鞘用ノズル9に導入されるものには無極性ポリマーを溶媒に溶かしたものが用いられる。更に、本実施の形態では、無極性ポリマーを溶解する溶媒に非プロトン性の極性溶媒を用いていることが特徴である。静電紡糸によって樹脂溶液15の溶媒が急速に気化することで繊維化されるが、このとき、溶媒の極性によって、溶媒が持つ電荷が樹脂繊維側に移動する現象が起こることで、より繊維を帯電することが可能となる。
非プロトン性の極性溶媒としては、高分子ポリマーと相溶性があり、溶解させることが出来れば特に限定されない。
これらの溶媒としては、アセトン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジクロロメタン(DCM)、四塩化炭素、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、塩化メチレン、フェノール、ピリジン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、1−メチル−2−ピロリドン(NMP)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP)、トリフルオロ酢酸(TFA)、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、アセトニトリル、γ−ブチロラクトン、ジエチルカーボネート、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、1,3−ジオキソラン、エチルメチルカーボネート、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホランなどそれらの混合物を用いることができるが、生産時の安全性や生産性を考えれば、常温でポリマーを溶解できるものが良く、また、蒸気圧が低く、沸点が高いものであればなお良い。具体的にはDMF、DMSO、DMAc、アセトニトリルなどが挙げられる。これらの溶媒に溶解できて、尚且つ、体積抵抗率が1016〜1017Ωcmの範囲で、且つ、誘電正接が0.001以下の無極性ポリマーとしてポリスチレンが該当する。
すなわち、ポリスチレンを溶媒に溶解した樹脂溶液15を芯用ノズル8に導入し、静電紡糸装置10で紡糸することによって、ポリスチレン繊維に多くの電荷を保持できるので、高い静電強度を有することにより、捕集効率を向上することができる。さらに、電荷を安定に保持できるので帯電を長期間に渡って維持できるという効果を奏する。また、紡糸時の帯電が消失しにくく、鞘部の被覆膜の厚みを薄くできるので、芯部の帯電効果を弱めることがない。また、静電紡糸によって樹脂溶液の溶媒が急速に気化することで繊維化されるが、このとき、溶媒の極性によって、溶媒が持つ電荷が樹脂繊維側に移動する現象が起こることで、より繊維を帯電することが可能となる。また、静電紡糸法によって形成されるポリスチレン繊維は、平均繊維径が100〜2000nmであり、繊維径を細くすることで繊維近傍における空気流れの変化を小さくできるので、乱流を抑制でき、圧力損失を低減することができる。また、芯部6であるポリスチレン繊維の紡糸と同時に、二重ノズル14の外周部にある鞘用ノズル9から紡糸される極性ポリマーが、ポリスチレン繊維を被覆するように鞘部7として形成される。この時、芯部6のポリスチレンの永久双極子によって生じる電界によって、鞘部7の極性ポリマーが分極することで、鞘部7の表面は見かけ上帯電し、捕集性能を発揮することができる。
以上のように本発明は、静電紡糸法によって形成された芯鞘構造を持つ繊維の芯部が、紡糸過程で強く帯電し、その帯電により生じる電界によって鞘部が分極することで、別途帯電処理工程を経ることなく、集塵効率の高いろ材を得ることができ、この結果として、フィルタの集塵効果を高めることができる。
従って、家庭用や事務所用などの、エアフィルタ、およびこのエアフィルタの製造方法、およびこのエアフィルタを備えた空気清浄装置として活用が期待されるものである。
1 ろ材
2 基材
3 帯電繊維
4 集塵層
5 カバー材
6 芯部
7 鞘部
8 芯用ノズル
9 鞘用ノズル
10 静電紡糸装置
11 高電圧電源
12 液滴
13 コレクタ
14 二重ノズル
15 樹脂溶液

Claims (4)

  1. 維径100〜2000nmの極細繊維から成る芯部と、前記芯部の全体を覆うように被覆された鞘部によって構成された芯鞘構造を有する帯電繊維であって、
    記芯部は、体積抵抗率が1016〜1017Ωcmの範囲で、且つ、誘電正接が0.001以下の無極性ポリマーから成り、
    前記鞘部は、比誘電率が3以上である有極性ポリマーから成ることを特徴とする帯電繊維。
  2. 記無極性ポリマーの少なくとも一部がポリスチレンから成ることを特徴とする請求項1記載の帯電繊維。
  3. 求項1または2記載の帯電繊維の製造方法であって、
    前記芯鞘構造を形成するための二重ノズルを備えた静電紡糸装置で静電紡糸することによって前記極細繊維を形成するものであり、前記無極性ポリマーと前記有極性ポリマーは溶媒に溶かした溶液状態で電解紡糸することを特徴とする帯電繊維製造方法。
  4. 記無極性ポリマーを溶解する溶媒が非プロトン性の極性溶媒であることを特徴とする請求項3記載の帯電繊維の製造方法。
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